(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-21
(54)【発明の名称】T細胞抗原カプラを含む細胞及びその使用
(51)【国際特許分類】
A61K 35/17 20150101AFI20231114BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20231114BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20231114BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20231114BHJP
A61K 31/675 20060101ALI20231114BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20231114BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20231114BHJP
A61P 15/00 20060101ALI20231114BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20231114BHJP
A61P 1/04 20060101ALI20231114BHJP
A61P 13/02 20060101ALI20231114BHJP
C07K 19/00 20060101ALN20231114BHJP
C07K 16/28 20060101ALN20231114BHJP
C07K 14/47 20060101ALN20231114BHJP
C07K 14/725 20060101ALN20231114BHJP
C12N 15/13 20060101ALN20231114BHJP
C12N 15/12 20060101ALN20231114BHJP
C12N 15/62 20060101ALN20231114BHJP
【FI】
A61K35/17
C12N5/10
A61P35/00
A61P43/00 105
A61K31/675
A61P35/02
A61P11/00
A61P15/00
A61P25/00
A61P1/04
A61P13/02
A61P43/00 121
C07K19/00 ZNA
C07K16/28
C07K14/47
C07K14/725
C12N15/13
C12N15/12
C12N15/62 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023552150
(86)(22)【出願日】2021-11-05
(85)【翻訳文提出日】2023-07-04
(86)【国際出願番号】 US2021058339
(87)【国際公開番号】W WO2022099076
(87)【国際公開日】2022-05-12
(32)【優先日】2020-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523179131
【氏名又は名称】マックマスター ユニバーシティー
(71)【出願人】
【識別番号】520502329
【氏名又は名称】トリウムビラ イミュノロジクス ユーエスエー,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブラムソン,ジョナサン ローン
(72)【発明者】
【氏名】ユ,スンミ
(72)【発明者】
【氏名】アズベリー,サラ
(72)【発明者】
【氏名】ムーア,アリソン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,リン
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ,ブライアン
【テーマコード(参考)】
4B065
4C086
4C087
4H045
【Fターム(参考)】
4B065AA93X
4B065AA93Y
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4H045AA10
4H045AA11
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4H045CA40
4H045DA50
4H045DA76
4H045EA20
4H045FA74
(57)【要約】
(i)標的特異的抗原結合ドメイン、(ii)TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメイン、及び(iii)T細胞受容体シグナル伝達ドメインポリペプチドを含む分子を含むγδT細胞が提供される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
癌の処置を必要とする個体において癌を処置する方法であって、前記個体に、治療有効量の、
(i)
(a)CD19抗原、HER2抗原、又はBCMA抗原に結合する抗原結合ドメインと、
(b)TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインと、
(c)TCR共受容体サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインと、を含むT細胞抗原カプラ(TAC)ポリペプチドであって、(a)、(b)及び(c)が、互いに直接融合されているか、又は少なくとも1つのリンカーによって連結されている、T細胞抗原カプラ(TAC)ポリペプチドを含む、γδT細胞、及び
(ii)ゾレドロネート、
を投与することを含む、方法。
【請求項2】
前記ゾレドロネートが、前記γδT細胞の前、後、又は同時に投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
CD19抗原、HER2抗原、又はBCMA抗原に結合する前記抗原結合ドメインが、設計されたアンキリンリピート(DARPin)ポリペプチド又は一本鎖可変断片(scFv)である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記TCR複合体に関連する前記タンパク質がCD3タンパク質である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記CD3タンパク質が、前記γδT細胞上のTCR複合体のものである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記CD3タンパク質の結合が前記γδT細胞の活性化を誘導する、請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
前記TCR複合体に関連する前記タンパク質に結合する前記抗原結合ドメインが、UCHT1、OKT3、F6A、L2K、又はそれらの任意のバリアントから選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記TCR複合体に関連する前記タンパク質に結合する前記抗原結合ドメインがUCHT1抗原結合ドメインである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記UCHT1抗原結合ドメインが一本鎖抗体である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記UCHT1抗原結合ドメインが、配列番号14のアミノ酸182に対応する位置にYからTへの突然変異(Y182T)を含む、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
前記UCHT1抗原結合ドメインが、UCHT1のヒト化バリアント(huUCHT1)である、請求項8~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記UCHT1抗原結合ドメインが、配列番号44のアミノ酸177に対応する位置にYからTへの突然変異を含むUCHT1のヒト化バリアント(huUCHT1(Y177T))である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記UCHT1抗原結合ドメインが、配列番号14(UCHT1)、配列番号72(UCHT1(Y182T))、配列番号44(huUCHT1)、又は配列番号46(huUCHT1(Y177T))と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項8~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記TCR複合体に関連する前記タンパク質に結合する前記抗原結合ドメインがOKT3である、請求項7に記載の方法。
【請求項15】
前記TCR複合体に関連するタンパク質に結合する前記抗原結合ドメインが、配列番号22と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記TCR複合体に関連する前記タンパク質に結合する前記抗原結合ドメインがF6Aである、請求項7に記載の方法。
【請求項17】
前記TCR複合体に関連する前記タンパク質に結合する前記抗原結合ドメインが、配列番号24と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記TCR複合体に関連する前記タンパク質に結合する前記抗原結合ドメインがL2Kである、請求項7に記載の方法。
【請求項19】
前記TCR複合体に関連する前記タンパク質に結合する前記抗原結合ドメインが、配列番号26と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記サイトゾルドメインがCD4サイトゾルドメインであり、及び前記膜貫通ドメインがCD4膜貫通ドメインである、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記TCR共受容体サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインが、配列番号18と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記サイトゾルドメインがCD8サイトゾルドメインであり、及び前記膜貫通ドメインがCD8膜貫通ドメインである、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
(a)及び(c)が(b)に融合されている、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
(b)及び(c)が(a)に融合されている、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
少なくとも1つのリンカーが(a)を(b)に連結する、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記少なくとも1つのリンカーが、G
4Sフレキシブルリンカー、大きなタンパク質ドメイン、長いヘリックス構造、又は短いヘリックス構造である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記少なくとも1つのリンカーが、配列番号12((G4S)4系リンカー)、配列番号16(G4S系リンカー)、配列番号20(CD4系リンカー)、配列番号28(短いヘリックスコネクタ)、配列番号30(長いヘリックスコネクタ)、配列番号32(大きなドメインコネクタ)、配列番号69(フレキシブルコネクタ)、配列番号73(G4Sフレキシブルリンカー)又は配列番号74(G4S3フレキシブルリンカー)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記TACポリペプチドが共刺激ドメインを含まない、請求項1~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記TACポリペプチドが活性化ドメインを含まない、請求項1~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記TACポリペプチドがリーダー配列をさらに含む、請求項1~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記リーダー配列が、配列番号6(muIgGリーダー)、配列番号48(huIgGリーダー)又は配列番号50(huCD8aリーダー)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記TACポリペプチドが、CD19抗原に結合する抗原結合ドメインを含む、請求項1~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
CD19抗原に結合する前記抗原結合ドメインが、配列番号36(CD19 scFv)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記TACポリペプチドが、配列番号64(CD19 TAC)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項32又は33に記載の方法。
【請求項35】
前記TACポリペプチドが、配列番号63(CD19 TAC)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む核酸によってコードされる、請求項32~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記TACポリペプチドが、HER2抗原に結合する抗原結合ドメインを含む、請求項1~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
HER2抗原に結合する前記抗原結合ドメインが、トラスツズマブ、ペルツズマブ、ラパチニブ、ネラチニブ、Ado-トラスツズマブエムタンシン、ガンコタマブ、マルゲツキシマブ、ティミグツズマブ及びエルツマキソマブから選択される抗体の抗原結合ドメインを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
HER2抗原に結合する前記抗原結合ドメインが、配列番号8(HER2 DARPin)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項36又は37に記載の方法。
【請求項39】
前記TACポリペプチドが、配列番号66(HER2 TAC:huIgGリーダー配列;huUCHT1 CD3結合ドメイン)、配列番号68(HER2 TAC:CD8aリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)、又は配列番号76(HER2 TAC:muIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項36~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記TACポリペプチドが、配列番号65(HER2 TAC:huIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)、配列番号67(HER2 TAC:CD8aリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)、又は配列番号75(HER2 TAC:muIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む核酸によってコードされる、請求項36~39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記TACポリペプチドが、BCMA抗原に結合する抗原結合ドメインを含む、請求項1~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
BCMA抗原に結合する前記抗原結合ドメインが、ベランタマブマホドチンの抗原結合ドメインを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
BCMA抗原に結合する前記抗原結合ドメインが、配列番号34(BCMA scFv)、配列番号52(3625 BCMA scFv、Vh-Vl)、又は配列番号54(3625 BCMA scFv、Vl-Vh)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項41又は42に記載の方法。
【請求項44】
前記TACポリペプチドが、配列番号56(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)、配列番号58(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)、配列番号60(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)、又は配列番号62(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項41~43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記TACポリペプチドが、配列番号55(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)、配列番号57(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)、配列番号59(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)、又は配列番号61(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む核酸によってコードされる、請求項41~44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
TACポリペプチドを含むγδT細胞を作製する方法であって、
(a)個体から単離されたγδT細胞をゾレドロネート及びIL-2と接触させること;、
(b)前記γδT細胞を、前記TACポリペプチドをコードする核酸を含む発現ベクターと接触させること、
(c)前記細胞を培養すること、及び
(d)前記培養物からαβT細胞を除去すること、
を含む、方法。
【請求項47】
請求項46に記載の方法によって作製されたγδT細胞。
【請求項48】
請求項47に記載のγδT細胞を含む医薬組成物。
【請求項49】
癌の処置を必要とする個体において癌を処置する方法であって、前記個体に治療有効量の請求項48に記載の医薬組成物を投与することを含む方法。
【請求項50】
前記個体にゾレドロネートを投与することをさらに含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記ゾレドロネートが、前記γδT細胞の前、後、又は同時に投与される、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
(a)CD19抗原、HER2抗原、又はBCMA抗原に結合する抗原結合ドメインと、
(b)TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインと、
(c)TCR共受容体サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインと、
を含むT細胞抗原カプラ(TAC)ポリペプチドを含むγδT細胞であって、
(a)、(b)及び(c)が、互いに直接融合されているか、又は少なくとも1つのリンカーによって連結されている、γδT細胞。
【請求項53】
CD19抗原、HER2抗原又はBCMA抗原に結合する前記抗原結合ドメインが、設計されたアンキリンリピート(DARPin)ポリペプチド又は一本鎖可変断片(scFv)である、請求項52に記載のγδT細胞。
【請求項54】
前記TCR複合体に関連する前記タンパク質がCD3タンパク質である、請求項52又は53に記載のγδT細胞。
【請求項55】
前記CD3タンパク質が、前記γδT細胞上のTCR複合体のものである、請求項54に記載のγδT細胞。
【請求項56】
前記CD3タンパク質の結合が前記γδT細胞の活性化を誘導する、請求項54又は55に記載のγδT細胞。
【請求項57】
前記TCR複合体に関連する前記タンパク質に結合する前記抗原結合ドメインが、UCHT1、OKT3、F6A、L2K、又はそれらの任意のバリアントから選択される、請求項52~56のいずれか一項に記載のγδT細胞。
【請求項58】
前記TCR複合体に関連する前記タンパク質に結合する前記抗原結合ドメインがUCHT1抗原結合ドメインである、請求項57に記載のγδT細胞。
【請求項59】
前記UCHT1抗原結合ドメインが一本鎖抗体である、請求項58に記載のγδT細胞。
【請求項60】
前記UCHT1抗原結合ドメインが、配列番号14のアミノ酸182に対応する位置にYからTへの突然変異(Y182T)を含む、請求項58又は59に記載のγδT細胞。
【請求項61】
前記UCHT1抗原結合ドメインが、UCHT1のヒト化バリアント(huUCHT1)である、請求項58~60のいずれか一項に記載のγδT細胞。
【請求項62】
前記UCHT1抗原結合ドメインが、配列番号44のアミノ酸177に対応する位置にYからTへの突然変異を含むUCHT1のヒト化バリアント(huUCHT1(Y177T))である、請求項61に記載のγδT細胞。
【請求項63】
前記UCHT1抗原結合ドメインが、配列番号14(UCHT1)、配列番号72(UCHT1(Y182T))、配列番号44(huUCHT1)、又は配列番号46(huUCHT1(Y177T))と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項58~62のいずれか一項に記載のγδT細胞。
【請求項64】
前記TCR複合体に関連する前記タンパク質に結合する前記抗原結合ドメインがOKT3である、請求項57に記載のγδT細胞。
【請求項65】
前記TCR複合体に関連するタンパク質に結合する前記抗原結合ドメインが、配列番号22と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項64に記載のγδT細胞。
【請求項66】
前記TCR複合体に関連する前記タンパク質に結合する前記抗原結合ドメインがF6Aである、請求項57に記載のγδT細胞。
【請求項67】
前記TCR複合体に関連する前記タンパク質に結合する前記抗原結合ドメインが、配列番号24と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項66に記載のγδT細胞。
【請求項68】
前記TCR複合体に関連する前記タンパク質に結合する前記抗原結合ドメインがL2Kである、請求項57に記載のγδT細胞。
【請求項69】
前記TCR複合体に関連する前記タンパク質に結合する前記抗原結合ドメインが、配列番号26と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項68に記載のγδT細胞。
【請求項70】
前記サイトゾルドメインがCD4サイトゾルドメインであり、及び前記膜貫通ドメインがCD4膜貫通ドメインである、請求項52~69のいずれか一項に記載のγδT細胞。
【請求項71】
前記TCR共受容体サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインが、配列番号18と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項70に記載のγδT細胞。
【請求項72】
前記サイトゾルドメインがCD8サイトゾルドメインであり、及び前記膜貫通ドメインがCD8膜貫通ドメインである、請求項52~69のいずれか一項に記載のγδT細胞。
【請求項73】
(a)及び(c)が(b)に融合されている、請求項52~72のいずれか一項に記載のγδT細胞。
【請求項74】
(b)及び(c)が(a)に融合されている、請求項52~72のいずれか一項に記載のγδT細胞。
【請求項75】
少なくとも1つのリンカーが(a)を(b)に連結する、請求項52~74のいずれか一項に記載のγδT細胞。
【請求項76】
前記少なくとも1つのリンカーが、G
4Sフレキシブルリンカー、大きなタンパク質ドメイン、長いヘリックス構造、又は短いヘリックス構造である、請求項75に記載のγδT細胞。
【請求項77】
前記少なくとも1つのリンカーが、配列番号12((G4S)4系リンカー)、配列番号16(G4S系リンカー)、配列番号20(CD4系リンカー)、配列番号28(短いヘリックスコネクタ)、配列番号30(長いヘリックスコネクタ)、配列番号32(大きなドメインコネクタ)、配列番号69(フレキシブルコネクタ)、配列番号73(G4Sフレキシブルリンカー)又は配列番号74(G4S3フレキシブルリンカー)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項76に記載のγδT細胞。
【請求項78】
前記TACポリペプチドが共刺激ドメインを含まない、請求項52~77のいずれか一項に記載のγδT細胞。
【請求項79】
前記TACポリペプチドが活性化ドメインを含まない、請求項52~78のいずれか一項に記載のγδT細胞。
【請求項80】
前記TACポリペプチドがリーダー配列をさらに含む、請求項52~79のいずれか一項に記載のγδT細胞。
【請求項81】
前記リーダー配列が、配列番号6(muIgGリーダー)、配列番号48(huIgGリーダー)又は配列番号50(huCD8aリーダー)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項80に記載のγδT細胞。
【請求項82】
前記TACポリペプチドが、CD19抗原に結合する抗原結合ドメインを含む、請求項52~81のいずれか一項に記載のγδT細胞。
【請求項83】
CD19抗原に結合する前記抗原結合ドメインが、配列番号36(CD19 scFv)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項82に記載のγδT細胞。
【請求項84】
前記TACポリペプチドが、配列番号64(CD19 TAC)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項82又は83に記載のγδT細胞。
【請求項85】
前記TACポリペプチドが、配列番号63(CD19 TAC)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む核酸によってコードされる、請求項82~84のいずれか一項に記載のγδT細胞。
【請求項86】
前記TACポリペプチドが、HER2抗原に結合する抗原結合ドメインを含む、請求項52~81のいずれか一項に記載のγδT細胞。
【請求項87】
HER2抗原に結合する前記抗原結合ドメインが、トラスツズマブ、ペルツズマブ、ラパチニブ、ネラチニブ、Ado-トラスツズマブエムタンシン、ガンコタマブ、マルゲツキシマブ、ティミグツズマブ及びエルツマキソマブから選択される抗体の抗原結合ドメインを含む、請求項86に記載のγδT細胞。
【請求項88】
HER2抗原に結合する前記抗原結合ドメインが、配列番号8(HER2 DARPin)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項86又は87に記載のγδT細胞。
【請求項89】
前記TACポリペプチドが、配列番号66(HER2 TAC:huIgGリーダー配列;huUCHT1 CD3結合ドメイン)、配列番号68(HER2 TAC:CD8aリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)、又は配列番号76(HER2 TAC:muIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項86~88のいずれか一項に記載のγδT細胞。
【請求項90】
前記TACポリペプチドが、配列番号65(HER2 TAC:huIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)、配列番号67(HER2 TAC:CD8aリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)、又は配列番号75(HER2 TAC:muIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む核酸によってコードされる、請求項86~89のいずれか一項に記載のγδT細胞。
【請求項91】
前記TACポリペプチドが、BCMA抗原に結合する抗原結合ドメインを含む、請求項52~81のいずれか一項に記載のγδT細胞。
【請求項92】
BCMA抗原に結合する前記抗原結合ドメインが、ベランタマブマホドチンの抗原結合ドメインを含む、請求項91に記載のγδT細胞。
【請求項93】
BCMA抗原に結合する前記抗原結合ドメインが、配列番号34(BCMA scFv)、配列番号52(3625 BCMA scFv、Vh-Vl)、又は配列番号54(3625 BCMA scFv、Vl-Vh)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項91又は92に記載のγδT細胞。
【請求項94】
前記TACポリペプチドが、配列番号56(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)、配列番号58(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)、配列番号60(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)、又は配列番号62(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項91~93のいずれか一項に記載のγδT細胞。
【請求項95】
前記TACポリペプチドが、配列番号55(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)、配列番号57(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)、配列番号59(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)、又は配列番号61(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む核酸によってコードされる、請求項91~94のいずれか一項に記載のγδT細胞。
【請求項96】
T細胞抗原カプラ(TAC)ポリペプチドをコードする核酸を含むγδT細胞であって、前記核酸が、
(a)CD19抗原、HER2抗原、又はBCMA抗原に結合する抗原結合ドメインをコードする第1のポリヌクレオチドと、
(b)TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードする第2のポリヌクレオチドと、
(c)TCR共受容体サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインをコードする第3のポリヌクレオチドと、を含み、
(a)によってコードされる成分、(b)によってコードされる成分、及び(c)によってコードされる成分が、互いに直接融合されているか、又は少なくとも1つのリンカーによって連結されている、γδT細胞。
【請求項97】
T細胞抗原カプラ(TAC)ポリペプチドをコードする核酸を含む発現ベクターを含むγδT細胞であって、前記核酸が、
(a)CD19抗原、HER2抗原、又はBCMA抗原に結合する抗原結合ドメインをコードする第1のポリヌクレオチドと、
(b)TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードする第2のポリヌクレオチドと、
(c)TCR共受容体サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインをコードする第3のポリヌクレオチドと、を含み、
(a)によってコードされる成分、(b)によってコードされる成分、及び(c)によってコードされる成分が、互いに直接融合されているか、又は少なくとも1つのリンカーによって連結されている、γδT細胞。
【請求項98】
前記発現ベクターがレンチウイルスベクターである、請求項97に記載のγδT細胞。
【請求項99】
レンチウイルスベクターがVSV-Gシュードタイプ化レンチウイルスである、請求項98に記載のγδT細胞。
【請求項100】
前記発現ベクターがγレトロウイルスベクターである、請求項97に記載のγδT細胞。
【請求項101】
前記γレトロウイルスベクターがGALVシュードタイプ化γ-レトロウイルスである、請求項100に記載のγδT細胞。
【請求項102】
前記γδT細胞がδ2T細胞である、請求項52~101のいずれか一項に記載のγδT細胞。
【請求項103】
前記γδT細胞がγ9δ2 T細胞である、請求項52~102のいずれか一項に記載のγδT細胞。
【請求項104】
請求項52~103のいずれか一項に記載のγδT細胞と、薬学的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物。
【請求項105】
請求項82~85のいずれか一項に記載のγδT細胞と、薬学的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物。
【請求項106】
請求項86~90のいずれか一項に記載のγδT細胞と、薬学的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物。
【請求項107】
請求項91~95のいずれか一項に記載のγδT細胞と、薬学的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物。
【請求項108】
癌の処置を必要とする個体において癌を処置する方法であって、前記個体に治療有効量の請求項104に記載の医薬組成物を投与することを含む方法。
【請求項109】
前記個体が哺乳動物である、請求項108に記載の方法。
【請求項110】
前記癌が固形癌又は液体癌である、請求項108又は109記載の方法。
【請求項111】
前記癌が、肺癌、乳癌、多発性骨髄腫、神経膠芽腫、胃部の癌、卵巣癌、胃癌、結腸直腸癌、尿路上皮癌、子宮内膜癌、又は結腸癌である、請求項108~110のいずれか一項に記載の方法。
【請求項112】
CD19発現癌細胞を含む癌を、その処置を必要とする個体において処置する方法であって、前記個体に治療有効量の請求項105に記載の医薬組成物を投与することを含む方法。
【請求項113】
前記癌がB細胞悪性腫瘍である、請求項112に記載の方法。
【請求項114】
前記癌が、B細胞リンパ腫、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、又は非ホジキンリンパ腫である、請求項112又は113に記載の方法。
【請求項115】
HER2発現癌細胞を含む癌を、その処置を必要とする個体において処置する方法であって、前記個体に治療有効量の請求項106に記載の医薬組成物を投与することを含む方法。
【請求項116】
前記癌が、乳癌、膀胱癌、膵臓癌、卵巣癌、又は胃癌である、請求項115に記載の方法。
【請求項117】
BCMA発現癌細胞を含む癌を、その処置を必要とする個体において処置する方法であって、前記個体に治療有効量の請求項107に記載の医薬組成物を投与することを含む方法。
【請求項118】
前記癌が白血病、リンパ腫又は多発性骨髄腫である、請求項117に記載の方法。
【請求項119】
前記医薬組成物がゾレドロネートと組み合わせて投与される、請求項108~118のいずれか一項に記載の方法。
【請求項120】
前記医薬組成物がIL-2と組み合わせて投与される、請求項108~119のいずれか一項に記載の方法。
【請求項121】
前記医薬組成物がCD16アゴニストと組み合わせて投与される、請求項108~120のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年11月6日に出願された米国仮特許出願第63/110,902号の利益及び優先権を主張し、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
配列表
【0002】
本出願は、ASCII形式で電子的に提出された配列表を含み、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。2021年11月3日に作成された前記ASCIIコピーの名称はTMV-005WO_SL.txtであり、サイズは130,056バイトである。
【発明の概要】
【0003】
特定の実施形態では、癌の処置を必要とする個体において癌を処置する方法が本明細書中に開示される。いくつかの実施形態では、本方法は、個体に、治療有効量の(i)T細胞抗原カプラ(TAC)ポリペプチドを含むγδT細胞;及び(ii)ゾレドロネートを投与することを含む。いくつかの実施形態では、ゾレドロネートは、γδT細胞の前、後、又は同時に投与される。いくつかの実施形態では、TACポリペプチドは、(a)標的特異的抗原結合ドメインと、(b)TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインと、(c)TCR共受容体サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインとを含む。いくつかの実施形態では、TACポリペプチドは、順に(例えば、N末端からC末端に)、(a)標的特異的抗原結合ドメインと、(b)TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインと、(c)TCR共受容体サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインとを含む。いくつかの実施形態では、TACポリペプチドは、順に(例えば、5’から3’に)、(a)標的特異的抗原結合ドメインをコードする第1のポリヌクレオチドと、(b)TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードする第2のポリヌクレオチドと、(c)TCR共受容体サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインをコードする第3のポリヌクレオチドとを含む核酸によってコードされる。いくつかの実施形態では、標的特異的抗原結合ドメインは、CD19抗原、HER2抗原又はBCMA抗原に結合する(例えば、選択的に結合する)抗原結合ドメインである。いくつかの実施形態では、標的特異的抗原結合ドメインは、設計されたアンキリンリピート(DARPin)ポリペプチド、一本鎖可変断片(scFv)、単一ドメイン抗体、ダイアボディ、アフィボディ、アドネクチン、アフィリン、フィロマー、フィノマー、アフィマー、ペプチドアプタマー、ノクチン、センチリン、アンチカリン、又はナノボディである。いくつかの実施形態では、標的特異的抗原結合ドメインは、設計されたアンキリンリピート(DARPin)ポリペプチド又は一本鎖可変断片(scFv)である。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質は、CD3タンパク質、例えばγδT細胞上のTCR複合体のCD3タンパク質である。いくつかの実施形態では、CD3タンパク質は、CD3γタンパク質、CD3δタンパク質及び/又はCD3εタンパク質である。いくつかの実施形態では、CD3タンパク質はCD3εタンパク質である。いくつかの実施形態では、CD3タンパク質の結合は、γδT細胞の活性化を誘導する。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、UCHT1、OKT3、F6A、及びL2Kから選択される抗体に由来する。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、UCHT1抗原結合ドメイン、例えばUCHT1由来のscFvである。いくつかの実施形態では、UCHT1抗原結合ドメインは、配列番号14のアミノ酸182に対応する位置にYからTへの突然変異(Y182T)を含む。いくつかの実施形態では、UCHT1抗原結合ドメインは、UCHT1のヒト化バリアント(huUCHT1)、例えば、配列番号44のアミノ酸177に対応する位置にYからTへの突然変異を含むUCHT1のヒト化バリアント(huUCHT1(Y177T))である。いくつかの実施形態では、UCHT1抗原結合ドメインは、配列番号14(UCHT1)、配列番号72(UCHT1(Y182T))、配列番号44(huUCHT1)、又は配列番号46(huUCHT1(Y177T))と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインはOKT3であり、例えば、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号22(OKT3)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインはF6Aであり、例えば、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号24(F6A)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインはL2Kであり、例えば、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号26(L2K)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメインはCD4サイトゾルドメインであり膜貫通ドメインはCD4膜貫通ドメインであるか、又は、サイトゾルドメインはCD8サイトゾルドメインであり膜貫通ドメインはCD8膜貫通ドメインである。いくつかの実施形態では、TCR共受容体サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインは、配列番号18(CD4膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメイン)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、成分(a)、(b)及び/又は(c)は、任意の適切な様式で、例えば、任意の適切な順序で連結され、及び/又は任意の適切なリンカーを含む。いくつかの実施形態では、(a)、(b)及び(c)は、互いに直接融合されているか、又は少なくとも1つのリンカーによって連結される。いくつかの実施形態では、(a)及び(c)は、(b)に融合されている。いくつかの実施形態では、(b)及び(c)は、(a)に融合されている。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのリンカーは、(a)を(b)に連結する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのリンカーは、G4Sフレキシブルリンカー、大きなタンパク質ドメイン、長いヘリックス構造又は短いヘリックス構造である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのリンカーは、配列番号12((G4S)4系リンカー)、配列番号16(G4S系リンカー)、配列番号20(CD4系リンカー)、配列番号28(短いヘリックスコネクタ)、配列番号30(長いヘリックスコネクタ)、配列番号32(大きなドメインコネクタ)、配列番号69(フレキシブルコネクタ)、配列番号73(G4Sフレキシブルリンカー)又は配列番号74(G4S3フレキシブルリンカー)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TACポリペプチドは、共刺激ドメイン及び/又は活性化ドメインを含まない。いくつかの実施形態では、TACポリペプチドは、リーダー配列、例えば、配列番号6(muIgGリーダー)、配列番号48(huIgGリーダー)又は配列番号50(huCD8aリーダー)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むリーダー配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、TACポリペプチドは、CD19抗原に結合する(例えば、選択的に結合する)抗原結合ドメイン、例えば、配列番号36(CD19 scFv)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む抗原結合ドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACポリペプチドは、配列番号64(CD19 TAC)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TACポリペプチドは、配列番号63(CD19 TAC)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む核酸によってコードされる。いくつかの実施形態では、TACポリペプチドは、HER2抗原に結合する(例えば、選択的に結合する)抗原結合ドメインを含む。いくつかの実施形態では、HER2抗原に結合する抗原結合ドメインは、トラスツズマブ、ペルツズマブ、ラパチニブ、ネラチニブ、Ado-トラスツズマブエムタンシン、ガンコタマブ、マルゲツキシマブ、ティミグツズマブ及びエルツマキソマブから選択される抗体の抗原結合ドメインを含む。いくつかの実施形態では、HER2抗原に結合する抗原結合ドメインは、配列番号8(HER2 DARPin)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TACポリペプチドは、配列番号66(HER2 TAC:huIgGリーダー配列;huUCHT1 CD3結合ドメイン)、配列番号68(HER2 TAC:CD8aリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)、又は配列番号76(HER2 TAC:muIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TACポリペプチドは、配列番号65(HER2 TAC:huIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)、配列番号67(HER2 TAC:CD8aリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)、又は配列番号75(HER2 TAC:muIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む核酸によってコードされる。いくつかの実施形態では、TACポリペプチドは、BCMA抗原に結合する(例えば、選択的に結合する)抗原結合ドメインを含む。いくつかの実施形態では、BCMA抗原に結合する抗原結合ドメインは、ベランタマブマホドチン及びGSK2857916から選択される抗体の抗原結合ドメインを含む。いくつかの実施形態では、BCMA抗原に結合する抗原結合ドメインは、配列番号34(BCMA scFv)、配列番号52(3625 BCMA scFv、Vh-Vl)、又は配列番号54(3625 BCMA scFv、Vl-Vh)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TACポリペプチドは、配
列番号56(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)、配列番号58(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)、配列番号60(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)、又は配列番号62(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TACポリペプチドは、配列番号55(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)、配列番号57(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)、配列番号59(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)、又は配列番号61(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む核酸によってコードされる。
【0004】
特定の実施形態では、γδT細胞、例えばTACポリペプチドを含む又は発現するγδT細胞を作製する方法が本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、本方法は、(a)個体から単離されたγδT細胞をゾレドロネート、サイトカイン(例えば、IL-2及び/又はIL-15)、及び/又はCD16アゴニストと接触させる工程、(b)γδT細胞を、TACポリペプチドをコードする核酸を含む発現ベクターと接触させる工程、(c)細胞を培養及び/又は増殖させる工程(例えば、10~14日間)、及び(d)培養物からαβT細胞を除去する工程のうちの1つ又は複数を含む。いくつかの実施形態では、γδT細胞は、10、11、12、13、若しくは14日間、又は少なくとも10、11、12、13、若しくは14日間培養及び/又は増殖される。いくつかの実施形態では、αβT細胞は、CD4及び/又はCD8を含む細胞のネガティブ選択によって除去される。いくつかの実施形態では、本方法は、αβT細胞を実質的に含まない(例えば、得られた培養物又は組成物中に存在するT細胞の少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、又は99%、又は100%がγδT細胞である)培養物又は組成物をもたらす。いくつかの実施形態では、本方法は、γδT細胞以外の細胞を実質的に含まない(例えば、得られた培養物又は組成物中に存在する細胞の少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、又は99%、又は100%がγδT細胞である)培養物又は組成物をもたらす。いくつかの実施形態では、発現ベクターはレンチウイルスベクター、例えばVSV-Gシュードタイプ化レンチウイルスベクターである。いくつかの実施形態では、発現ベクターはγレトロウイルスベクター、例えばGALVシュードタイプ化γ-レトロウイルスベクターである。いくつかの実施形態では、TACポリペプチドは、(a)標的特異的抗原結合ドメインと、(b)TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインと、(c)TCR共受容体サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインとを含む。いくつかの実施形態では、TACポリペプチドは、順に(例えば、N末端からC末端に)、(a)標的特異的抗原結合ドメインと、(b)TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインと、(c)TCR共受容体サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインとを含む。いくつかの実施形態では、TACポリペプチドは、順に(例えば、5’から3’に)、(a)標的特異的抗原結合ドメインをコードする第1のポリヌクレオチドと、(b)TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードする第2のポリヌクレオチドと、(c)TCR共受容体サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインをコードする第3のポリヌクレオチドとを含む核酸によってコードされる。いくつかの実施形態では、標的特異的抗原結合ドメインは、CD19抗原、HER2抗原又はBCMA抗原に結合する(例えば、選択的に結合する)抗原結合ドメインである。いくつかの実施形態では、標的特異的抗原結合ドメインは、設計されたアンキリンリピート(DARPin)ポリペプチド、一本鎖可変断片(scFv)、単一ドメイン抗体、ダイアボディ、アフィボディ、アドネクチン、アフィリン、フィロマー、フィノマー、アフィマー、ペプチドアプタマー、ノクチン、センチリン、アンチカリン、又はナノボディである。いくつかの実施形態では、標的特異的抗原結合ドメインは、設計されたアンキリンリピート(DARPin)ポリペプチド又は一本鎖可変断片(scFv)である。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質は、CD3タンパク質、例えばγδT細胞上のTCR複合体のCD3タンパク質である。いくつかの実施形態では、CD3タンパク質は、CD3γタンパク質、CD3δタンパク質及び/又はCD3εタンパク質である。いくつかの実施形態では、CD3タンパク質はCD3εタンパク質である。いくつかの実施形態では、CD3タンパク質の結合は、γδT細胞の活性化を誘導する。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、UCHT1、OKT3、F6A、及びL2Kから選択される抗体に由来する。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、UCHT1抗原結合ドメイン、例えばUCHT1由来のscFvである。いくつかの実施形態では、UCHT1抗原結合ドメインは、配列番号14のアミノ酸182に対応する位置にYからTへの突然変異(Y182T)を含む。いくつかの実施形態では、UCHT1抗原結合ドメインは、UCHT1のヒト化バリアント(huUCHT1)、例えば、配列番号44のアミノ酸177に対応する位置にYからTへの突然変異を含むUCHT1のヒト化バリアント(huUCHT1(Y177T))である。いくつかの実施形態では、UCHT1抗原結合ドメインは、配列番号14(UCHT1)、配列番号72(UCHT1(Y182T))、配列番号44(huUCHT1)、又は配列番号46(huUCHT1(Y177T))と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインはOKT3であり、例えば、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号22(OKT3)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインはF6Aであり、例えば、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号24(F6A)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインはL2Kであり、例えば、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号26(L2K)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメインはCD4サイトゾルドメインであり膜貫通ドメインはCD4膜貫通ドメインであるか、又は、サイトゾルドメインはCD8サイトゾルドメインであり膜貫通ドメインはCD8膜貫通ドメインである。いくつかの実施形態では、TCR共受容体サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインは、配列番号18(CD4膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメイン)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、成分(a)、(b)及び/又は(c)は、任意の適切な様式で、例えば、任意の適切な順序で連結され、及び/又は任意の適切なリンカーを含む。いくつかの実施形態では、(a)、(b)及び(c)は、互いに直接融合されているか、又は少なくとも1つのリンカーによって連結される。いくつかの実施形態では、(a)及び(c)は、(b)に融合されている。いくつかの実施形態では、(b)及び(c)は、(a)に融合されている。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのリンカーは、(a)を(b)に連結する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのリンカーは、G4Sフレキシブルリンカー、大きなタンパク質ドメイン、長いヘリックス構造又は短いヘリックス構造である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのリンカーは、配列番号12((G4S)4系リンカー)、配列番号16(G4S系リンカー)、配列番号20(CD4系リンカー)、配列番号28(短いヘリックスコネクタ)、配列番号30(長いヘリックスコネクタ)、配列番号32(大きなドメインコネクタ)、配列番号69(フレキシブルコネクタ)、配列番号73(G4Sフレキシブルリンカー)又は配列番号74(G4S3フレキシブルリンカー)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TACポリペプチドは、共刺激ドメイン及び/又は活性化ドメインを含まない。いくつかの実施形態では、TACポリペプチドは、リーダー配列、例えば、配列番号6(muIgGリーダー)、配列番号48(huIgGリーダー)又は配列番号50(huCD8aリーダー)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むリーダー配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、TACポリペプチドは、CD19抗原に結合する(例えば、選択的に結合する)抗原結合ドメイン、例えば、配列番号36(CD19 scFv)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む抗原結合ドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACポリペプチドは、配列番号64(CD19 TAC)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TACポリペプチドは、配列番号63(CD19 TAC)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む核酸によってコードされる。いくつかの実施形態では、TACポリペプチドは、HER2抗原に結合する(例えば、選択的に結合する)抗原結合ドメインを含む。いくつかの実施形態では、HER2抗原に結合する抗原結合ドメインは、トラスツズマブ、ペルツズマブ、ラパチニブ、ネラチニブ、Ado-トラスツズマブエムタンシン、ガンコタマブ、マルゲツキシマブ、ティミグツズマブ及びエルツマキソマブから選択される抗体の抗原結合ドメインを含む。いくつかの実施形態では、HER2抗原に結合する抗原結合ドメインは、配列番号8(HER2 DARPin)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TACポリペプチドは、配列番号66(HER2 TAC:huIgGリーダー配列;huUCHT1 CD3結合ドメイン)、配列番号68(HER2 TAC:CD8aリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)、又は配列番号76(HER2 TAC:muIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TACポリペプチドは、配列番号65(HER2 TAC:huI
gGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)、配列番号67(HER2 TAC:CD8aリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)、又は配列番号75(HER2 TAC:muIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む核酸によってコードされる。いくつかの実施形態では、TACポリペプチドは、BCMA抗原に結合する(例えば、選択的に結合する)抗原結合ドメインを含む。いくつかの実施形態では、BCMA抗原に結合する抗原結合ドメインは、ベランタマブマホドチン及びGSK2857916から選択される抗体の抗原結合ドメインを含む。いくつかの実施形態では、BCMA抗原に結合する抗原結合ドメインは、配列番号34(BCMA scFv)、配列番号52(3625 BCMA scFv、Vh-Vl)、又は配列番号54(3625 BCMA scFv、Vl-Vh)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TACポリペプチドは、配列番号56(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)、配列番号58(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)、配列番号60(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)、又は配列番号62(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TACポリペプチドは、配列番号55(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)、配列番号57(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)、配列番号59(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)、又は配列番号61(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む核酸によってコードされる。
【0005】
特定の実施形態では、前述の方法のいずれかによって作製されたγδT細胞が本明細書に開示される。
【0006】
特定の実施形態では、T細胞抗原カプラ(TAC)ポリペプチドを含むγδT細胞が本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、TACポリペプチドは、(a)標的特異的抗原結合ドメインと、(b)TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインと、(c)TCR共受容体サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインとを含む。いくつかの実施形態では、TACポリペプチドは、順に(例えば、N末端からC末端に)、(a)標的特異的抗原結合ドメインと、(b)TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインと、(c)TCR共受容体サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインとを含む。いくつかの実施形態では、TACポリペプチドは、順に(例えば、5’から3’に)、(a)標的特異的抗原結合ドメインをコードする第1のポリヌクレオチドと、(b)TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードする第2のポリヌクレオチドと、(c)TCR共受容体サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインをコードする第3のポリヌクレオチドとを含む核酸によってコードされる。いくつかの実施形態では、標的特異的抗原結合ドメインは、CD19抗原、HER2抗原又はBCMA抗原に結合する(例えば、選択的に結合する)抗原結合ドメインである。いくつかの実施形態では、標的特異的抗原結合ドメインは、設計されたアンキリンリピート(DARPin)ポリペプチド、一本鎖可変断片(scFv)、単一ドメイン抗体、ダイアボディ、アフィボディ、アドネクチン、アフィリン、フィロマー、フィノマー、アフィマー、ペプチドアプタマー、ノクチン、センチリン、アンチカリン、又はナノボディである。いくつかの実施形態では、標的特異的抗原結合ドメインは、設計されたアンキリンリピート(DARPin)ポリペプチド又は一本鎖可変断片(scFv)である。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質は、CD3タンパク質、例えばγδT細胞上のTCR複合体のCD3タンパク質である。いくつかの実施形態では、CD3タンパク質は、CD3γタンパク質、CD3δタンパク質及び/又はCD3εタンパク質である。いくつかの実施形態では、CD3タンパク質はCD3εタンパク質である。いくつかの実施形態では、CD3タンパク質の結合は、γδT細胞の活性化を誘導する。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、UCHT1、OKT3、F6A、及びL2Kから選択される抗体に由来する。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、UCHT1抗原結合ドメイン、例えばUCHT1由来のscFvである。いくつかの実施形態では、UCHT1抗原結合ドメインは、配列番号14のアミノ酸182に対応する位置にYからTへの突然変異(Y182T)を含む。いくつかの実施形態では、UCHT1抗原結合ドメインは、UCHT1のヒト化バリアント(huUCHT1)、例えば、配列番号44のアミノ酸177に対応する位置にYからTへの突然変異を含むUCHT1のヒト化バリアント(huUCHT1(Y177T))である。いくつかの実施形態では、UCHT1抗原結合ドメインは、配列番号14(UCHT1)、配列番号72(UCHT1(Y182T))、配列番号44(huUCHT1)、又は配列番号46(huUCHT1(Y177T))と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインはOKT3であり、例えば、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号22(OKT3)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインはF6Aであり、例えば、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号24(F6A)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインはL2Kであり、例えば、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号26(L2K)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメインはCD4サイトゾルドメインであり膜貫通ドメインはCD4膜貫通ドメインであるか、又は、サイトゾルドメインはCD8サイトゾルドメインであり膜貫通ドメインはCD8膜貫通ドメインである。いくつかの実施形態では、TCR共受容体サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインは、配列番号18(CD4膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメイン)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、成分(a)、(b)及び/又は(c)は、任意の適切な様式で、例えば、任意の適切な順序で連結され、及び/又は任意の適切なリンカーを含む。いくつかの実施形態では、(a)、(b)及び(c)は、互いに直接融合されているか、又は少なくとも1つのリンカーによって連結される。いくつかの実施形態では、(a)及び(c)は、(b)に融合されている。いくつかの実施形態では、(b)及び(c)は、(a)に融合されている。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのリンカーは、(a)を(b)に連結する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのリンカーは、G4Sフレキシブルリンカー、大きなタンパク質ドメイン、長いヘリックス構造又は短いヘリックス構造である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのリンカーは、配列番号12((G4S)4系リンカー)、配列番号16(G4S系リンカー)、配列番号20(CD4系リンカー)、配列番号28(短いヘリックスコネクタ)、配列番号30(長いヘリックスコネクタ)、配列番号32(大きなドメインコネクタ)、配列番号69(フレキシブルコネクタ)、配列番号73(G4Sフレキシブルリンカー)又は配列番号74(G4S3フレキシブルリンカー)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TACポリペプチドは、共刺激ドメイン及び/又は活性化ドメインを含まない。いくつかの実施形態では、TACポリペプチドは、リーダー配列、例えば、配列番号6(muIgGリーダー)、配列番号48(huIgGリーダー)又は配列番号50(huCD8aリーダー)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むリーダー配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、TACポリペプチドは、CD19抗原に結合する(例えば、選択的に結合する)抗原結合ドメイン、例えば、配列番号36(CD19 scFv)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む抗原結合ドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACポリペプチドは、配列番号64(CD19 TAC)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TACポリペプチドは、配列番号63(CD19 TAC)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む核酸によってコードされる。いくつかの実施形態では、TACポリペプチドは、HER2抗原に結合する(例えば、選択的に結合する)抗原結合ドメインを含む。いくつかの実施形態では、HER2抗原に結合する抗原結合ドメインは、トラスツズマブ、ペルツズマブ、ラパチニブ、ネラチニブ、Ado-トラスツズマブエムタンシン、ガンコタマブ、マルゲツキシマブ、ティミグツズマブ及びエルツマキソマブから選択される抗体の抗原結合ドメインを含む。いくつかの実施形態では、HER2抗原に結合する抗原結合ドメインは、配列番号8(HER2 DARPin)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TACポリペプチドは、配列番号66(HER2 TAC:huIgGリーダー配列;huUCHT1 CD3結合ドメイン)、配列番号68(HER2 TAC:CD8aリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)、又は配列番号76(HER2 TAC:muIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TACポリペプチドは、配列番号65(HER2 TAC:huIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)、配列番号67(HER2 TAC:CD8aリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)、又は配列番号75(HER2 TAC:muIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む核酸によってコードされる。いくつかの実施形態では、TACポリペプチドは、BCMA抗原に結合する(例えば、選択的に結合する)抗原結合ドメインを含む。いくつかの実施形態では、BCMA抗原に結合する抗原結合ドメインは、ベランタマブマホドチン及びGSK2857916から選択される抗体の抗原結合ドメインを含む。いくつかの実施形態では、BCMA抗原に結合する抗原結合ドメインは、配列番号34(BCMA scFv)、配列番号52(3625 BCMA scFv、Vh-Vl)、又は配列番号54(3625 BCMA scFv、Vl-Vh)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TACポリペプチドは、配列番号56(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)、配列番号58(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD
3結合ドメイン)、配列番号60(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)、又は配列番号62(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TACポリペプチドは、配列番号55(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)、配列番号57(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)、配列番号59(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)、又は配列番号61(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む核酸によってコードされる。
【0007】
特定の実施形態では、T細胞抗原カプラ(TAC)ポリペプチドをコードする核酸配列を含むγδT細胞、又はT細胞抗原カプラ(TAC)ポリペプチドをコードする核酸配列を含む発現ベクターが本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、発現ベクターはレンチウイルスベクター、例えばVSV-Gシュードタイプ化レンチウイルスベクターである。いくつかの実施形態では、発現ベクターはγレトロウイルスベクター、例えばGALVシュードタイプ化γ-レトロウイルスベクターである。いくつかの実施形態では、TACをコードする核酸配列は、(a)標的特異的抗原結合ドメインをコードする第1のポリヌクレオチドと、(b)TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードする第2のポリヌクレオチドと、(c)TCR共受容体サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインをコードする第3のポリヌクレオチドとを含む。いくつかの実施形態では、TACをコードする核酸配列は、順に(例えば、5’から3’に)、(a)標的特異的抗原結合ドメインをコードする第1のポリヌクレオチドと、(b)TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードする第2のポリヌクレオチドと、(c)TCR共受容体サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインをコードする第3のポリヌクレオチドとを含む。いくつかの実施形態では、標的特異的抗原結合ドメインは、CD19抗原、HER2抗原又はBCMA抗原に結合する(例えば、選択的に結合する)抗原結合ドメインである。いくつかの実施形態では、標的特異的抗原結合ドメインは、設計されたアンキリンリピート(DARPin)ポリペプチド、一本鎖可変断片(scFv)、単一ドメイン抗体、ダイアボディ、アフィボディ、アドネクチン、アフィリン、フィロマー、フィノマー、アフィマー、ペプチドアプタマー、ノクチン、センチリン、アンチカリン、又はナノボディである。いくつかの実施形態では、標的特異的抗原結合ドメインは、設計されたアンキリンリピート(DARPin)ポリペプチド又は一本鎖可変断片(scFv)である。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質は、CD3タンパク質、例えばγδT細胞上のTCR複合体のCD3タンパク質である。いくつかの実施形態では、CD3タンパク質は、CD3γタンパク質、CD3δタンパク質及び/又はCD3εタンパク質である。いくつかの実施形態では、CD3タンパク質はCD3εタンパク質である。いくつかの実施形態では、CD3タンパク質の結合は、γδT細胞の活性化を誘導する。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、UCHT1、OKT3、F6A、及びL2Kから選択される抗体に由来する。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、UCHT1抗原結合ドメイン、例えばUCHT1由来のscFvである。いくつかの実施形態では、UCHT1抗原結合ドメインは、配列番号14のアミノ酸182に対応する位置にYからTへの突然変異(Y182T)を含む。いくつかの実施形態では、UCHT1抗原結合ドメインは、UCHT1のヒト化バリアント(huUCHT1)、例えば、配列番号44のアミノ酸177に対応する位置にYからTへの突然変異を含むUCHT1のヒト化バリアント(huUCHT1(Y177T))である。いくつかの実施形態では、UCHT1抗原結合ドメインは、配列番号14(UCHT1)、配列番号72(UCHT1(Y182T))、配列番号44(huUCHT1)、又は配列番号46(huUCHT1(Y177T))と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインはOKT3であり、例えば、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号22(OKT3)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインはF6Aであり、例えば、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号24(F6A)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインはL2Kであり、例えば、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号26(L2K)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメインはCD4サイトゾルドメインであり膜貫通ドメインはCD4膜貫通ドメインであるか、又は、サイトゾルドメインはCD8サイトゾルドメインであり膜貫通ドメインはCD8膜貫通ドメインである。いくつかの実施形態では、第3のポリヌクレオチドは、配列番号18(CD4膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメイン)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、第1、第2及び/又は第3のポリヌクレオチドによってコードされる成分は、任意の適切な様式で、例えば、任意の適切な順序で連結され、及び/又は任意の適切なリンカーを含む。いくつかの実施形態では、(a)によってコードされる成分、(b)によってコードされる成分及び(c)によってコードされる成分は、互いに直接融合されるか、又は少なくとも1つのリンカーによって連結される。いくつかの実施形態では、(a)によってコードされる成分及び(c)によってコードされる成分は、(b)によってコードされる成分に融合される。いくつかの実施形態では、(b)によってコードされる成分及び(c)によってコードされる成分は、(a)によってコードされる成分に融合される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのリンカーは、(a)によってコードされる成分を(b)によってコードされる成分に結合する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのリンカーは、G4Sフレキシブルリンカー、大きなタンパク質ドメイン、長いヘリックス構造又は短いヘリックス構造である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのリンカーは、配列番号12((G4S)4系リンカー)、配列番号16(G4S系リンカー)、配列番号20(CD4系リンカー)、配列番号28(短いヘリックスコネクタ)、配列番号30(長いヘリックスコネクタ)、配列番号32(大きなドメインコネクタ)、配列番号69(フレキシブルコネクタ)、配列番号73(G4Sフレキシブルリンカー)又は配列番号74(G4S3フレキシブルリンカー)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、核酸配列は、共刺激ドメイン及び/又は活性化ドメインをコードしない。いくつかの実施形態では、核酸配列は、リーダー配列、例えば、配列番号6(muIgGリーダー)、配列番号48(huIgGリーダー)又は配列番号50(huCD8aリーダー)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むリーダー配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、CD19抗原に結合する(例えば、選択的に結合する)抗原結合ドメイン、例えば、配列番号36(CD19 scFv)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む抗原結合ドメインをコードする。いくつかの実施形態では、核酸は、配列番号63(CD19 TAC)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、核酸は、配列番号64(CD19 TAC)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列をコードする。いくつかの実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、HER2抗原に結合する(例えば、選択的に結合する)抗原結合ドメインをコードする。いくつかの実施形態では、HER2抗原に結合する抗原結合ドメインは、トラスツズマブ、ペルツズマブ、ラパチニブ、ネラチニブ、Ado-トラスツズマブエムタンシン、ガンコタマブ、マルゲツキシマブ、ティミグツズマブ及びエルツマキソマブから選択される抗体の抗原結合ドメインを含む。いくつかの実施形態では、HER2抗原に結合する抗原結合ドメインは、配列番号8(HER2 DARPin)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、核酸は、配列番号65(HER2 TAC:huIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)、配列番号67(HER2 TAC:CD8aリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)、又は配列番号75(HER2 TAC:muIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、核酸は、配列番号66(HER2 TAC:huIgGリーダー配列;huUCHT1 CD3結合ドメイン)、配列番号68(HER2 TAC:CD8aリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)、又は配列番号76(HER2 TAC:muIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列をコードする。いくつかの実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、BCMA抗原に結合する(例えば、選択的に結合する)抗原結合ドメインをコードする。いくつかの実施形態では、BCMA抗原に結合する抗原結合ドメインは、ベランタマブマホドチン及びGSK2857916から選択される抗体の抗原結合ドメインを含む。いくつかの実施形態では、BCMA抗原に結合する抗原結合ドメインは、配列番号34(BCMA scFv)、配列番号52(3625 BCMA scFv、Vh-Vl)、又は配列番号54(3625 BCMA scFv、Vl-Vh)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%
、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、核酸は、配列番号55(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)、配列番号57(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)、配列番号59(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)、又は配列番号61(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、核酸は、配列番号56(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)、配列番号58(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)、配列番号60(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)、又は配列番号62(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列をコードする。
【0008】
特定の実施形態では、本明細書に開示されるγδT細胞と、薬学的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物が本明細書に開示される。
【0009】
特定の実施形態において、癌の処置を必要とする個体において癌を処置する方法であって、本明細書に開示するγδT細胞又は医薬組成物を個体に投与することを含む方法が本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、癌は、固体癌又は液体癌である。いくつかの実施形態では、癌は、肺癌、乳癌、多発性骨髄腫、神経膠芽腫、胃部の癌、卵巣癌、胃癌、結腸直腸癌、尿路上皮癌、子宮内膜癌、又は結腸癌である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、ゾレドロネート、IL-2及び/又はCD16アゴニスト(例えば、抗CD16抗体)と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、ゾレドロネート、IL-2及び/又はCD16アゴニストは、γδT細胞の前、後、又は同時に投与される。
【0010】
特定の実施形態では、CD19発現癌細胞を含む癌を、それを必要とする個体において処置する方法であって、本明細書に開示されるγδT細胞又は医薬組成物(例えば、CD19-TAC又はCD19-TACをコードする核酸を含むγδT細胞を含む医薬組成物)を個体に投与することを含む方法が本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、癌はB細胞悪性腫瘍である。いくつかの実施形態では、癌は、B細胞リンパ腫、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、又は非ホジキンリンパ腫である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、ゾレドロネート、IL-2及び/又はCD16アゴニスト(例えば、抗CD16抗体)と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、ゾレドロネート、IL-2及び/又はCD16アゴニストは、γδT細胞の前、後、又は同時に投与される。
【0011】
特定の実施形態では、HER2発現癌細胞を含む癌を、それを必要とする個体において処置する方法であって、本明細書に開示されるγδT細胞又は医薬組成物(例えば、HER2-TAC又はHER2-TACをコードする核酸を含むγδT細胞を含む医薬組成物)を個体に投与することを含む方法が本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、癌は、乳癌、膀胱癌、膵臓癌、卵巣癌、又は胃癌である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、ゾレドロネート、IL-2及び/又はCD16アゴニスト(例えば、抗CD16抗体)と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、ゾレドロネート、IL-2及び/又はCD16アゴニストは、γδT細胞の前、後、又は同時に投与される。
【0012】
特定の実施形態では、BCMA発現癌細胞を含む癌を、それを必要とする個体において処置する方法であって、本明細書に開示されるγδT細胞又は医薬組成物(例えば、BCMA-TAC又はBCMA-TACをコードする核酸を含むγδT細胞を含む医薬組成物)を個体に投与することを含む方法が本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、癌は、白血病、リンパ腫、又は多発性骨髄腫である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、ゾレドロネート、IL-2及び/又はCD16アゴニスト(例えば、抗CD16抗体)と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、ゾレドロネート、IL-2及び/又はCD16アゴニストは、γδT細胞の前、後、又は同時に投与される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明の新規な特徴は、添付の特許請求の範囲に詳細に記載されている。本発明の特徴及び利点のより良い理解は、本発明の原理が利用される例示的な実施形態を説明する以下の詳細な説明、及び添付の図面を参照することによって得られるであろう。
【0014】
【0015】
【
図1B】CARに基づくT細胞活性化の概略図である。
【0016】
【
図1C】T細胞抗原カプラ(TAC)に基づくT細胞活性化の概略図である。
【0017】
【0018】
【
図1E】CARに基づくT細胞活性化の概略図である。
【0019】
【
図1F】TACに基づくT細胞活性化の概略図である。
【0020】
【
図2A】UCHT1ドメインが膜貫通ドメイン(TM)と抗原結合ドメインとの間の中心にあるTAC構成の概略図である。
【0021】
【
図2B】UCHT1ドメインがN末端にあり、抗原結合ドメイン及び膜貫通ドメインが続くTAC構成の概略図である。
【0022】
【
図2C】一般的な抗原結合ドメイン及びUCHT1ドメインを有するTAC分子の概略図である。
【0023】
【
図3A】一般的な抗原結合ドメインを有するTAC分子の概略図である。
【0024】
【
図3B】抗HER2 DARPin抗原結合ドメインを有するTACの概略図である。
【0025】
【
図3C】抗CD19 scFv抗原結合ドメインを有するTACの概略図である。
【0026】
【
図3D】抗BCMA scFv抗原結合ドメインを有するTACの概略図である。
【0027】
【
図3E】抗HER2 DARPin抗原結合ドメインを有するTAC分子の概略図である。
【0028】
【
図3F】抗BCMA scFv抗原結合ドメインを有するTAC分子の概略図である。
【0029】
【
図4】標的細胞と相互作用するγ9δ2 TCRの概略図である。γ9δ2 TCRのリガンドはBTN3A1であり、これは配座変化を受ける。γ9δ2 T細胞による死滅に感受性の細胞は、γ9δ2 TCRに結合することができるBTN3A1の活性形態を示す(右側の画像)。γ9δ2 T細胞に非感受性の細胞は、γ9δ2 TCRに結合できない不活性形態のBTN3A1を示す(左側の画像)。
【0030】
【
図5】標的細胞と相互作用するTAC発現γ9δ2 T細胞の概略図である。γ9δ2 T細胞による死滅に感受性の細胞は、γ9δ2 TCRに結合することができるBTN3A1の活性形態を示す(右側の画像)。γ9δ2 T細胞に非感受性の細胞は、γ9δ2 TCRに結合できない不活性形態のBTN3A1を示す(左側の画像)。TAC受容体は、従来のαβTCRと同様にγ9δ2 TCRを共用し、そうでなければ非感受性の標的を攻撃するようにγ9δ2 T細胞に指示することができる(左側の画像)。
【0031】
【
図6】TAC発現γδT細胞を生成する方法の概略図である。
【0032】
【
図7】TAC受容体を発現するようにγ9δ2 T細胞を操作するプロセスの結果を示す。0日目は、出発物中のγδT細胞の頻度を示す。γ9δ2 T細胞をゾレドロネートで活性化し、IL-2の存在下で培養した。活性化後、TAC受容体をコードするレンチウイルスをγ9δ2 T細胞に感染させ、10~-14日間増殖させ、その時点で培養物中の優勢な集団になった。汚染しているαβT細胞を、CD4及びCD8受容体のネガティブ選択によって細胞産物から除去し、98%を超えるγ9δ2 T細胞である最終産物を得た。
【0033】
【
図8】TACを発現しないγ9δ2 T細胞によるインビトロ殺傷に対するCD19+細胞(Raji、JeKo-1及びNALM-6細胞)の感受性を示す。
【0034】
【
図9】(i)CD19-TAC発現γ9δ2 T細胞、(ii)HER 2-TAC発現γ9δ2 T細胞、又は(iii)TACを発現しないγ9δ2 T細胞によるインビトロ殺傷に対するCD19+細胞(Raji、JeKo-1及びNALM-6細胞)の感受性を示す。
【0035】
【
図10】(i)CD19-TAC発現γ9δ2 T細胞、(ii)HER 2-TAC発現γ9δ2 T細胞、又は(iii)TACを発現しないγ9δ2 T細胞によるインビトロ殺傷に対するHER2+細胞(A549及びOVCAR-3細胞)の感受性を示す。
【0036】
【
図11】(i)BCMA-TAC発現γ9δ2 T細胞、又は(ii)TACを発現しないγ9δ2 T細胞によるインビトロ殺傷に対するBCMA+細胞(KMS-11及びMM.1S細胞)又はBCMA-細胞(K562細胞)の感受性を示す。
【0037】
【
図12】CD19陽性/HER2陰性JeKo-1異種移植片を有するマウスにおけるTAC発現γ9δ2 T細胞の治療活性を示す。マウスを、(i)CD19に特異的なTACで操作したγ9δ2 T細胞(CD19-TACγδT細胞;白丸、実線)、(ii)HER2に特異的なTACで操作したγ9δ2 T細胞(HER2-TACγδT細胞;黒丸、実線)、又は(iii)担体培地(Cryostor10(商標))単独(黒丸、破線)で処置した。
【0038】
【
図13】示されたエフェクター対標的(E:T)比でのHT1080細胞又はNCI-N87細胞に対するHER2-TACγδT細胞(黒丸)又は非操作(NTD)γδT細胞(白丸)のインビトロ細胞傷害性を示す。
【0039】
【
図14】示されたエフェクター対標的(E:T)比でのHT1080細胞又はNCI-N87細胞に対するHER2-TACγδT細胞(黒三角)又は非操作(NTD)γδT細胞(白三角)のインビトロ細胞傷害性を示す。標的細胞を、共培養の前にゾレドロネートで前処理した。
【0040】
【
図15】NCI-N87細胞との共培養後のHER2-TAC又は非操作(NTD)γδT細胞のサイトカイン産生を示す。
【0041】
【
図16】NCI-N87細胞との共培養後のHER2-TAC又は非操作(NTD)γδT細胞のサイトカイン産生を示す。標的細胞を、共培養の前にゾレドロネートで前処理した。
【0042】
【
図17】示されたエフェクター対標的(E:T)比でのNCI-N87細胞に対するHER2-TACγδT細胞、非操作(NTD)γδT細胞、HER2-TACαβT細胞、及び非操作(NTD)αβT細胞のインビトロ細胞傷害性を示す。
【0043】
【
図18】示されたエフェクター対標的(E:T)比でのNCI-N87細胞に対するHER2-TACγδT細胞、非操作(NTD)γδT細胞、HER2-TACαβT細胞、及び非操作(NTD)αβT細胞のインビトロ細胞傷害性を示す。標的細胞を、共培養の前にゾレドロネートで前処理した。
【0044】
【
図19】γδ及びαβT細胞におけるCD16の発現を示す。
【0045】
【
図20A】10、25、50又は100ng/μLの濃度で結合したプレート結合アゴニストCD16 mAbによるCD16刺激に応答したγδT細胞CD107a又はTNFα発現を示す。
【
図20B】刺激されていない、形質導入されていないγδT細胞培養物におけるCD16発現を示す。
【0046】
【
図21】示された濃度のBCMA-Fc及び/又はCD16で刺激した後のBCMA-TACγδT細胞培養物におけるCD107a及びTNFα発現(MFI)を示す。6人のドナーに由来するBCMA-TACγδT細胞を用いて行った実験から、平均CD107a及びTNFα発現を計算した。
【発明を実施するための形態】
【0047】
癌は大きな健康課題であり、150,000を超える癌の症例がカナダだけで診断されると予想されている。初期疾患を有する患者は従来の治療法(手術、放射線、化学療法)によって有効に処置されることがあるが、進行した疾患を有する患者に利用可能な選択肢はほとんどなく、それらの選択肢は通常、本質的に緩和的である。
【0048】
能動免疫療法は、患者の免疫系を使用して腫瘍を除去しようとし、従来の療法に失敗した患者に選択肢を提供する。一般に、この処置は、多数の腫瘍特異的T細胞を患者に注入することを含む。このアプローチは、メラノーマ、骨髄腫、白血病、リンパ腫及び滑膜肉腫を含むいくつかの疾患の初期臨床試験で成功することが証明されている。具体例として、いくつかの臨床研究は、T細胞による免疫療法が進行したメラノーマの患者において治癒的であることを実証しており、このアプローチの有用性が確認されている。さらに、慢性リンパ性白血病(CLL)及び急性リンパ芽球性白血病(ALL)に罹患している患者も、T細胞免疫療法で効果的に処置及び治癒されている。
【0049】
養子T細胞療法の臨床適用に直面する重要な課題は、T細胞の供給源である。典型的には、担癌患者から単離されたT細胞をエクスビボで多数まで増殖させ、患者に戻して投与して、強固な抗腫瘍免疫応答を誘導する。腫瘍特異性は、(i)天然に存在する腫瘍特異的T細胞を患者から単離すること;又は(ii)末梢血由来のバルクT細胞を操作して腫瘍特異的受容体を発現させることのいずれかによって達成される。天然に存在する腫瘍特異的T細胞は稀であり、そのような細胞を治療量で癌患者から単離することは、面倒で費用のかかる手順である。対照的に、容易に入手可能な末梢T細胞を遺伝子操作によって腫瘍特異的受容体で操作することがより効率的になりつつある。臨床的に実行可能なこの操作プロセスのための技術が開発されており、いくつかの臨床試験は、癌の処置のための遺伝子操作されたT細胞の実現可能性及び有効性を実証した。
【0050】
この点に関して、T細胞の遺伝子改変を含むほとんどの操作されたT細胞療法は、(i)T細胞受容体(TCR)の強制発現;又は(ii)腫瘍上の抗原標的に特異的なキメラ抗原受容体(CAR)をもたらす。今日まで、T細胞を操作するために使用されるキメラ抗原受容体は、(i)標的化ドメイン、通常は一本鎖断片可変(scFv);(ii)膜貫通ドメイン;及び(iii)T細胞受容体及び関連タンパク質由来のシグナル伝達エレメントを含有するサイトゾルドメインからなる。そのようなキメラ抗原受容体は、「Tボディ」又は「キメラ免疫受容体」(CIR)とも呼ばれているが、現在、ほとんどの研究者は「CAR」という用語を使用している。CARアプローチの1つの利点は、任意の患者の免疫細胞を主要組織適合遺伝子複合体(MHC)非依存的に任意の望ましい標的に対して標的化できることである。MHC提示は腫瘍細胞において欠損していることが多いので、これは魅力的である。
【0051】
CARはモジュール用語で考えられており、科学者らは、CAR機能に対する異なる細胞質シグナル伝達ドメインの影響を調べることに相当な時間を費やしている。従来のCARは一般に2つの主要成分を共有する:(i)T細胞活性化に重要な免疫チロシン活性化モチーフ(ITAM)を含有するCD3ゼータ細胞質ドメイン;及び(ii)Akt経路などの重要な生存経路を引き起こす共刺激受容体の成分。
【0052】
第1世代CARは、CD3ζ又はFcεRIγのいずれか由来の単一シグナル伝達ドメインを使用した。第2世代CARは、CD3ζのシグナル伝達ドメインを、受容体のCD28又はTNFRファミリーのいずれか由来の共刺激受容体の細胞質ドメインと組み合わせた。現在臨床において試験されているほとんどのCAR操作T細胞は、CD3ζがCD28又はCD137のいずれかの細胞質ドメインにカップリングされている第2世代CARを使用する。これらの第2世代CARは、CD19陽性腫瘍において抗腫瘍活性を示した。第3世代CARは複数の共刺激ドメインを組み合わせたが、第3世代CARは抗原特異性を失うことが懸念される。
【0053】
CAR操作T細胞は臨床応用においてかなりの有望性を示しているが、T細胞受容体(TCR)によって提供される天然の活性化シグナルを置き換えるための合成方法に依存している。この合成受容体はTCRに関連するすべてのシグナル伝達成分を送達するわけではないので(例えば、CD3γ、CD3δ、CD3ε上のITAM)、T細胞がCARによって最適に活性化されるかどうか、又はCAR活性化がT細胞分化にどのように影響するか(例えば、メモリへの進行)は不明なままである。さらに、CARシグナル伝達ドメインは、CAR構造のまさにその性質によってそれらの天然の調節パートナーから切り離されているので、CARが低レベルの構成的活性化をもたらし得、オフターゲット毒性をもたらし得るという固有のリスクがある。したがって、原型的CARの合成的性質は、TCR活性化を制限する標準的な機構を破壊し得、従来のCAR T細胞の治療用量に関連することの多い重篤な毒性を裏付け得る。
【0054】
これらの制限を考慮すると、天然のTCRを介して腫瘍を攻撃するようにT細胞に再指示することが好ましい。T細胞抗原カプラ(TAC又はTAC)受容体と呼ばれる代替のキメラ受容体が開発されており、これは、腫瘍を攻撃するようにT細胞に指示するために異なる生物学を使用する。CARはT細胞受容体(TCR)シグナル伝達複合体の成分を縫い合わせる完全合成受容体であるが、TAC受容体はTCRを腫瘍標的に向け直し、天然のTCRシグナル伝達構造を再現する。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるTACは、MHC非制限標的化を維持しながら、T細胞受容体(TCR)を介した天然の主要組織適合遺伝子複合体(MHC)シグナル伝達を活性化する。さらに、本明細書に開示されるTACは、共受容体刺激と組み合わせてT細胞受容体(TCR)を動員する。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるTACは、増強された活性及び安全性を示す。
【0055】
現在、操作されたT細胞は、高度に訓練された技術スタッフ、高価で洗練されたインフラストラクチャを必要とする半自動化されたワークフローを使用して製造され、1回の治療コースの価格は35万米ドル程度である。これらの治療を広く利用可能にするためには、細胞産物のコストを低減する必要がある。さらに、操作されたT細胞の現在の世代は自己由来であり、これは、各産物が個別化され、処置される患者が治療用量を生成するのに十分な品質及び十分な数のT細胞を有しなければならないことを意味し、これは保証することができない。さらに、患者の疾患は、製造期間の完了を可能にするのに十分安定していなければならず、これには典型的には2~3週間を要し、プロセスを繰り返すことを必要とする製造上の失敗が存在する場合、さらに長い時間。最後に、物流上の課題は、患者が処置される三次治療センターへの/からの患者材料の適切な送達を確実にするために地域の製造センターを必要とする。
【0056】
健常ドナーからのT細胞の集中的な収集及び操作は、大規模に製造することができ、要求に応じてアクセスすることができる既製の製品を提供することによって、これらの課題を克服することができる。そのような戦略を実施することによる主な課題は、移植片対宿主病(GVHD)である。T細胞受容体(TCR)は、宿主MHCに対して高度に選択される。T細胞が外来宿主に移入されると、TCRは外来MHCに反応し、GVHDに至る強い反応を引き起こす。γδT細胞として知られる非標準的なT細胞集団は、先天性抗腫瘍活性を示し、GVHDを引き起こすことなく非MHC一致ドナーにおいて使用することができる。しかしながら、γδT細胞処置は臨床現場では許容されてきたが、治療活性は控えめであった。
特定の用語
【0057】
本明細書で使用される「T細胞」という用語は、細胞性免疫において中心的な役割を果たすリンパ球のタイプを指す。Tリンパ球とも呼ばれるT細胞は、細胞表面上のT細胞受容体(TCR)の存在によって、B細胞及びナチュラルキラー細胞などの他のリンパ球と区別される。Tヘルパー細胞、細胞傷害性T細胞、メモリーT細胞、制御性T細胞、ナチュラルキラーT細胞、及びγδT細胞を含むがこれらに限定されない、異なる機能を有するT細胞のいくつかのサブセットが存在する。
【0058】
本明細書で使用される「γδT細胞」又は「ガンマデルタT細胞」又は「gd T細胞」という用語は、1つのγ鎖及び1つのδ鎖を含む、その表面にγδT細胞受容体(TCR)を有する任意のリンパ球を指す。ほとんどのT細胞は、α(アルファ)及びβ(ベータ)と呼ばれる糖タンパク質鎖を含むTCRを表面に有するαβ(アルファベータ)T細胞である。対照的に、ガンマデルタ(γδ)T細胞は、1つのγ(ガンマ)鎖及び1つのδ(デルタ)鎖で構成されるTCRを有する。従来のαβTCR発現細胞とは異なり、γδTCR発現細胞は、古典的なMHC I及びIIとは無関係にそれらの標的を認識する。γδT細胞はまた、典型的には、IFN-γなどの豊富な炎症促進性サイトカインの産生を特徴とする。γδT細胞マーカーの特徴としては、典型的には、例えば、CD3、CD4、CD8、CD69、CD56、CD27 CD45RA、CD45、TCR-Vγ9、TCR-Vδ2、TCR-Vδ1、TCR-Vδ3、NKG2D、CCR5、CCR7、CXCR3、及びCXCR5、又はそれらの組み合わせが挙げられる。γδT細胞という用語は、例えばVδ1、Vδ2、及びVδ3γδT細胞、並びにナイーブ、エフェクターメモリー、セントラルメモリー、及び最終分化γδT細胞を含む、γδT細胞のすべてのサブセットを含む。さらなる例として、γδT細胞という用語は、Vδ4、Vδ5、Vδ7、及びVδ8 γδ T細胞、並びにVγ2、Vγ3、Vγ5、Vγ8、Vγ9、Vγ10、及びVγ11 γδ T細胞を含む。本出願はさらに、機能的TCRを形成するために、任意に第2のポリペプチドと組み合わせて、1つのγ鎖又は1つのδ鎖を発現するT細胞を企図する。
【0059】
用語「抗原結合ドメイン」は、標的(例えば、BCMA、HER2、又はCD19)に直接的又は間接的に結合する任意の物質又は分子を指す。抗原結合ドメインには、標的に結合する抗体又はその断片、ペプチド、ペプチド模倣物、タンパク質、糖タンパク質、プロテオグリカン、炭水化物、脂質、核酸、又は小分子が含まれる。
【0060】
本明細書で使用される場合、特に明記しない限り、「抗体」という用語は、インタクトな抗体(例えば、インタクトなモノクローナル抗体)、又はその断片、例えば抗体のFc断片(例えば、モノクローナル抗体のFc断片)、又は改変、操作、若しくは化学的にコンジュゲートされたインタクトな抗体、抗原結合断片、若しくはFc断片を含む抗体の抗原結合断片(例えば、モノクローナル抗体の抗原結合断片)を意味すると理解される。いくつかの実施形態では、抗体は、4つのポリペプチド鎖を含有する多量体タンパク質である。2本のポリペプチド鎖は免疫グロブリン重鎖(H鎖)と呼ばれ、2本のポリペプチド鎖は免疫グロブリン軽鎖(L鎖)と呼ばれる。免疫グロブリンの重鎖と軽鎖は、鎖間ジスルフィド結合によって連結されている。免疫グロブリン重鎖は、鎖間ジスルフィド結合によって連結されている。軽鎖は、1つの可変領域(VL)と1つの定常領域(CL)とからなる。重鎖は、1つの可変領域(VH)及び少なくとも3つの定常領域(CH1、CH2及びCH3)からなる。他の実施形態、例えば、ラクダ由来抗体又はナノボディでは、抗体は、1つの重鎖及び2つの定常領域(CH2及びCH3)を含む。可変領域は、抗体の結合特異性を決定する。各可変領域は、フレームワーク領域(FR)として知られる4つの比較的保存された領域に隣接する相補性決定領域(CDR)として知られる3つの超可変領域を含む。FR及びCDRの程度は定義されている(Kabat,E.A.,et al.(1991)Sequences of Proteins of Immunological Interest,Fifth Edition,U.S.Department of Health and Human Services,NIH Publication No.91-3242;及びChothia,C.et al.(1987)J.Mol.Biol.196:901-917)。CDR1、CDR2、及びCDR3と呼ばれる3つのCDRは、抗体結合特異性に寄与する。天然に存在する抗体が、操作された抗体(例えば、キメラ抗体及びヒト化抗体など)のための出発物質として使用されている。抗体に基づく抗原結合断片の例としては、Fab、Fab’、(Fab’)2、Fv、一本鎖抗体(例えば、scFv)、単一ドメイン抗体(例えば、ナノボディ)、ミニボディ及びダイアボディが挙げられる。改変又は操作された抗体の例としては、キメラ抗体、ヒト化抗体、及び多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)が挙げられる。化学的にコンジュゲートされた抗体の例は、毒素部分にコンジュゲートされた抗体である。
【0061】
「T細胞抗原カプラ」又はTACという用語は、「三機能性T細胞抗原カプラ」又はTri-TACと互換的に使用され、(a)標的特異的リガンド又は抗原結合ドメイン、(b)T細胞受容体(TCR)複合体に関連するタンパク質に結合するリガンド又は抗原結合ドメイン、及び(c)T細胞受容体シグナル伝達ドメインを含む操作された核酸構築物又はポリペプチドを指す。
【0062】
本明細書で使用される「ポリヌクレオチド」及び/又は「核酸配列」及び/又は「核酸」という用語は、塩基、糖及び糖間(骨格)結合からなるヌクレオシド又はヌクレオチドモノマーの配列を指す。この用語はまた、天然に存在しないモノマー又はその一部を含む改変又は置換配列を含む。本出願の核酸配列は、デオキシリボ核酸配列(DNA)又はリボ核酸配列(RNA)であり得、アデニン、グアニン、シトシン、チミジン及びウラシルを含む天然に存在する塩基を含み得る。配列はまた、修飾塩基を含有し得る。そのような修飾塩基の例としては、アザ及びデアザのアデニン、グアニン、シトシン、チミジン及びウラシル;並びにキサンチン及びヒポキサンチンが挙げられる。本開示の核酸は、生物学的生物から単離されてもよく、遺伝子組換えの実験方法によって形成されてもよく、又は化学合成若しくは核酸を作製するための他の公知のプロトコルによって得られてもよい。
【0063】
本明細書で使用される「単離されたポリヌクレオチド」又は「単離された核酸配列」という用語は、組換えDNA技術によって生成される場合、細胞材料又は培養培地を実質的に含まない核酸、又は化学合成される場合、化学前駆体又は他の化学物質を実質的に含まない核酸を指す。単離された核酸はまた、核酸が由来する核酸に天然に隣接する配列(すなわち、核酸の5’末端及び3’末端に位置する配列)を実質的に含まない。「核酸」という用語は、DNA及びRNAを含むことを意図しており、二本鎖又は一本鎖のいずれかであり、センス鎖又はアンチセンス鎖を表す。さらに、「核酸」という用語は、相補的核酸配列を含む。
【0064】
本明細書で使用される「組換え核酸」又は「操作された核酸」という用語は、生物学的生物には見られない核酸又はポリヌクレオチドを指す。例えば、組換え核酸は、遺伝子組換えの実験室的方法(分子クローニングなど)によって形成され、そうでなければ自然界では見出されない配列が作製され得る。組換え核酸はまた、化学合成又は核酸を作製するための他の公知のプロトコルによって作製され得る。
【0065】
本明細書で使用される「ポリペプチド」又は「タンパク質」という用語は、アミノ酸の鎖を表す。本開示のポリペプチド又はタンパク質はペプチドであり、これは通常、アミノ酸鎖を表す。本明細書で使用されるタンパク質という用語はまた、アミノ酸の1つ又は複数の鎖を含む大きな分子を表し、いくつかの実施形態では、タンパク質の断片若しくはドメイン又は全長タンパク質である。さらに、本明細書で使用される場合、タンパク質という用語は、アミノ酸の直鎖、又はプロセシングされて機能性タンパク質に折り畳まれたアミノ酸の鎖のいずれかを指す。タンパク質構造は、以下の4つの異なるレベルに分けられる:(1)一次構造-ポリペプチド鎖中のアミノ酸の配列を指す、(2)二次構造-αヘリックス及びβシートなどのポリペプチド主鎖上の規則的な局所的な部分構造を指す、(3)三次構造-単量体及び多量体タンパク質分子の場合の三次元構造を指す、及び(4)四次構造-単一の機能単位として機能する2つ以上の個々のポリペプチド鎖の凝集を含む三次元構造を指す。本開示のタンパク質は、いくつかの実施形態では、天然に産生される細胞からのタンパク質の単離及び精製、酵素的(例えば、タンパク質分解性)切断、及び/又は本開示のタンパク質若しくは断片をコードする核酸の発現による組換えによって得られる。本開示のタンパク質及び/又は断片は、いくつかの実施形態では、タンパク質及び断片を製造するための化学合成又は他の公知のプロトコルによって得られる。
【0066】
「単離されたポリペプチド」という用語は、組換えDNA技術によって生成される場合、細胞材料又は培養培地を実質的に含まない核酸、又は化学合成される場合、化学前駆体又は他の化学物質を実質的に含まないポリペプチドを指す。
【0067】
本明細書で使用される「ベクター」という用語は、細胞の内部に核酸を送達するために使用されるポリヌクレオチドを指す。いくつかの実施形態では、ベクターは、細胞内で発現される核酸に作動可能に連結された発現制御配列(例えば、プロモーター)を含む発現ベクターである。当技術分野で公知のベクターには、プラスミド、ファージ、コスミド及びウイルスが含まれるが、これらに限定されない。
【0068】
本明細書で使用される「腫瘍抗原」又は「腫瘍関連抗原」という用語は、宿主において免疫応答を誘因する腫瘍細胞で産生される抗原性物質を指す(例えば、MHC複合体によって提示される)。いくつかの実施形態では、腫瘍抗原は腫瘍細胞の表面上にある。
【0069】
本明細書で使用される場合、「膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメイン」という用語は、T細胞受容体(TCR)複合体に関連するタンパク質の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含むポリペプチドを指す。いくつかの実施形態では、そのような膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインとしては、(a)脂質ラフトと関連し、かつ/又は(b)Lckと結合するタンパク質ドメインが挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0070】
本明細書で使用される「TCR共受容体」は、T細胞受容体(TCR)が抗原提示細胞とコミュニケーションするのを助ける分子を指し、TCRの活性化をもたらす第1のシグナルの一部と見なされ得る。TCR共受容体の例としては、CD4、LAG3及びCD8が挙げられるが、これらに限定されない。
【0071】
本明細書で使用される「TCR共刺激因子」又は「共刺激ドメイン」は、抗原に対するT細胞の応答を増強する分子を指し、TCRの活性化をもたらす第2のシグナルと見なされ得る。TCR共刺激因子の例としては、ICOS、CD27、CD28、4-1BB(CD137)、OX40(CD134)、CD30、CD40、リンパ球仮想関連抗原(lymphocyte fiction-associated antigen)1(LFA-1)、CD2、CD7、LIGHT、NKG2C、B7-H3、及びCD83に特異的に結合するリガンドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0072】
「レシピエント」、「個体」、「対象」、「宿主」、及び「患者」という用語は、本明細書では互換的に使用され、いくつかの実施形態では、診断、処置、又は治療が望まれる任意の哺乳動物対象、特にヒトを指す。処置の目的のための「哺乳動物」は、ヒト、飼育動物及び家畜、並びにイヌ、ウマ、ネコ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、サルなどの実験、動物園、スポーツ又はペット動物を含む、哺乳動物として分類される任意の動物を指す。いくつかの実施形態では、哺乳動物はヒトである。これらの用語のいずれも医療従事者の監督を必要としない。
【0073】
本明細書で使用される場合、「処置」、「処置すること」などの用語は、いくつかの実施形態では、効果を得る目的で、薬剤を投与すること、又は手順を行うことを指す。効果は、疾患若しくはその症候を完全若しくは部分的に予防するという点で予防的であり得、並びに/又は、疾患及び/若しくは疾患の症候の部分的若しくは完全な治癒に影響を及ぼすという点で治療的であり得る。本明細書で使用される場合、「処置」は、哺乳動物、特にヒトにおける疾患又は障害(例えば、癌)の処置を含むことができ、(a)疾患の素因を有する可能性があるが、まだ疾患を有すると診断されていない対象において、疾患又は疾患の症候が発生するのを防止すること(例えば、原発性疾患に関連するか、又は原発性疾患によって引き起こされる可能性がある疾患を含む);(b)疾患を阻害すること、すなわちその発症を停止すること;及び(c)疾患を緩和することすなわち疾患の退縮を引き起こすこと、を含む。処置することは、癌の処置又は改善又は予防における成功の任意の徴候を示すことができ、例えば、軽減;寛解;症候を減少させること;又は疾患状態を患者にとってより忍容性のあるものにすること;変性又は低下の速度を減速させること;又は、変性の最終点を衰弱しにくくすることなどの、任意の客観的又は主観的パラメータを含む。症候の処置又は改善は、1つ又は複数の客観的又は主観的パラメータに基づき、医師による検査の結果を含む。したがって、「処理」という用語は、疾患(例えば、癌)に関連する症候又は症状の発症を予防、遅延、緩和、停止又は阻害するための本発明の化合物又は薬剤の投与を含む。「治療効果」という用語は、対象における疾患、疾患の症候又は疾患の副作用の軽減、排除又は予防を指す。
【0074】
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「and」、及び「the」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「抗体(an antibody)」への言及は複数の抗体(a plurality of antibodies)を含み、いくつかの実施形態における「抗体(an antibody)」への言及は複数の抗体(multiple antibodies)を含むなどである。
【0075】
本明細書で使用される場合、すべての数値又は数値範囲は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、そのような範囲内又はそれを包含する整数全体、及びそのような範囲内又はそれを包含する範囲内の値又は整数の一部を含む。したがって、例えば、90~100%の範囲への言及は、91%、92%、93%、94%、95%、95%、96%、97%など、並びに91.1%、91.2%、91.3%、91.4%、91.5%など、92.1%、92.2%、92.3%、92.4%、92.5%などを含む。別の例では、1~5,000倍の範囲への言及は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20倍など、並びに1.1、1.2、1.3、1.4、1.5倍など、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5倍などを含む。
【0076】
本明細書で使用される場合、「約」数字は、その数字を含み、その数字より10%低い値から10%高い値までの範囲を指す。「約」範囲は、その範囲の下限を下回る10%を指し、その範囲の上限を上回る10%に及ぶ。
【0077】
「同一性パーセント(%)」は、2つの配列(ヌクレオチド又はアミノ酸)がアラインメントの同じ位置に同じ残基を有する程度を指す。例えば、「アミノ酸配列は、配列番号YとX%同一である」は、配列番号Yに対するアミノ酸配列の同一性%を指し、アミノ酸配列中の残基のX%が配列番号Yに開示されている配列の残基と同一であると述べられていることとなる。一般に、このような計算にはコンピュータプログラムが用いられる。配列の対を比較及びアラインメントする例示的なプログラムには、ALIGN(Myers and Miller,1988)、FASTA(Pearson and Lipman,1988;Pearson,1990)及びギャップ付きBLAST(Altschul et al.,1997)、BLASTP、BLASTN、又はGCG(Devereux et al.,1984)が含まれる。
【0078】
本明細書で使用される場合、「選択的結合」という用語は、分子(例えば、TACの標的結合リガンド又は抗原結合ドメインなどのタンパク質)が他の分子よりもその標的分子(例えば、HER2、BCMA又はCD19などの標的抗原)に結合する高い親和性を指す。別段の指示がない限り、「選択的結合」及び「特異的結合」という用語は、本明細書では互換的に使用される。
T細胞抗原カプラ(TAC)を発現するガンマデルタ細胞
【0079】
特定の実施形態では、T細胞抗原カプラ(TAC)ポリペプチドを含むか、又は発現する、ガンマデルタT細胞が本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、TACポリペプチドは、(a)標的特異的リガンド又は抗原結合ドメイン;(b)TCR複合体に結合するリガンド又は抗原結合ドメイン;(c)膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACポリペプチドは、共刺激ドメインを含まない。いくつかの実施形態では、TACポリペプチドは、共活性化ドメインを含まない。
【0080】
特定の実施形態では、T細胞抗原カプラ(TAC)ポリペプチドをコードする核酸を含むガンマデルタT細胞が本明細書にさらに開示される。いくつかの実施形態では、TACポリペプチドをコードする核酸は、(a)標的特異的リガンド又は抗原結合ドメインをコードする第1のポリヌクレオチド;(b)TCR複合体に結合するリガンド又は抗原結合ドメインをコードする第2のポリヌクレオチド;(c)膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインをコードする第3のポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、TACポリペプチドをコードする核酸は共刺激ドメインをコードしない。いくつかの実施形態では、TACポリペプチドをコードする核酸は共活性化ドメインをコードしない。
【0081】
特定の実施形態では、癌の処置を必要とする個体において癌を処置する方法であって、T細胞抗原カプラ(TAC)ポリペプチドを含むか又は発現するガンマデルタT細胞を個体に投与することを含む方法を、本明細書にさらに開示する。いくつかの実施形態では、TACポリペプチドは、(a)標的特異的リガンド又は抗原結合ドメイン;(b)TCR複合体に結合するリガンド又は抗原結合ドメイン;(c)膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACポリペプチドは、共刺激ドメインを含まない。いくつかの実施形態では、TACポリペプチドは、共活性化ドメインを含まない。
【0082】
特定の実施形態では、癌の処置を必要とする個体において癌を処置する方法であって、T細胞抗原カプラ(TAC)ポリペプチドをコードする核酸を含むガンマデルタT細胞を個体に投与することを含む方法を、本明細書にさらに開示する。いくつかの実施形態では、TACポリペプチドをコードする核酸は、(a)標的特異的リガンド又は抗原結合ドメインをコードする第1のポリヌクレオチド;(b)TCR複合体に結合するリガンド又は抗原結合ドメインをコードする第2のポリヌクレオチド;(c)膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインをコードする第3のポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、TACポリペプチドをコードする核酸は共刺激ドメインをコードしない。いくつかの実施形態では、TACポリペプチドをコードする核酸は共活性化ドメインをコードしない。
【0083】
TAC受容体によるT細胞活性化の描写を
図1A~
図1Fに提供する。
【0084】
図1Aは、異なる受容体及びそれらの関連するタンパク質パートナーの共集合に基づくCD8 T細胞活性化の一例を示す。最初に、主要組織適合遺伝子複合体Iは抗原(ヘリックス)を提示している。これは、抗原に結合することができるT細胞受容体(TCR)複合体によって認識される。TCR複合体は、いくつかの個々のサブユニットを含む。α/βドメインは、MHC-I上に提示された抗原と直接相互作用することができる。次いで、α/βドメインは、いくつかの他のドメイン(ε、γ、δ、ζ)と相互作用し、それらはすべて、様々な細胞内活性化ドメインを介してT細胞活性化に関与する。TCR複合体は、CD8共受容体と同時にMHC-Iと相互作用する。CD8共受容体は、抗原非依存的な様式でMHC-Iに結合する。CD8は、TCR受容体複合体を活性化するために重要なプロテインキナーゼであるLckと直接相互作用する。CD8及びLck相互作用はまた、他の関連するシグナル伝達部分(暗色の球)を組織化及びカプセル化すると仮定される脂質ラフト(膜部分)マイクロドメインとのそれらの会合を確実にする。その後、活性化の後期段階はCD28動員をもたらす。この相互作用カスケードが並行して数回起こると、T細胞は活性化され、それらの細胞傷害効果を発揮することができる。
【0085】
図1Bは、キメラ抗原受容体(CAR)の概要を提供する。CARは、単一の合成的に操作された分子においてCD3ζ及びCD28などのいくつかの重要な活性化ドメインを組み合わせることによって、T細胞活性化の複雑な機構を再現しようとする。次いで、CARは、特異的結合ドメインを使用して選択された抗原と直接相互作用する。アンキリンリピートタンパク質(DARPin)がここに示される。並行して起こるいくつかのそのような相互作用がT細胞活性化をもたらすと考えられている。
【0086】
図1Cは、天然の活性化プロセスを模倣したTAC技術の概要である。T細胞活性化は、MHC分子内の保存された領域に同時に結合するTCR及びT細胞共受容体(CD4又はCD8のいずれか)によるMHCのライゲーション後に起こる。これらの共受容体はまた、T細胞活性化に重要なプロテインキナーゼであるLckに直接結合する。従来のキメラ受容体又は二機能性タンパク質のいずれも、共受容体分子又はLckと係合しない。例示的なTACには、CD3に結合する一本鎖抗体(UCHT1;配列番号13、14及びそのホモログ)に融合した脂質ラフトに局在し、Lckにそれぞれ結合する、CD4共受容体の膜貫通領域及び細胞内領域が含まれる。この構築物は、天然のMHC結合と同様に、CD3分子及びTCRを脂質ラフトの領域に引き込み、LckをTCRに近接させるように設計されている。この受容体を標的とするために、TACは、例えば、CD4-UCHT1キメラに連結された設計されたアンキリンリピート(DARPin)を含み得る。
【0087】
複数のTAC構成が可能である(例えば、
図2A及び
図2B)。例示的な構成、構成1(
図2A)では、抗原結合ドメインは受容体のN末端に位置し、CD3リガンド結合ドメインに連結され、次いで共受容体ドメインに連結される。別の例示的な構成、構成2(
図2B)では、CD3リガンド結合ドメインは、受容体のN末端に位置し、抗原結合ドメインに連結され、次いで抗原結合ドメインが共受容体ドメインに連結される。
【0088】
複数のクラスのリガンド結合ドメインをTAC分子に組み込むことができる。
図3A~
図3Dは、構成1 TAC(
図3A)、HER2特異的DARPinを担持するTAC(
図3B)、CD19特異的scFvを担持するTAC(
図3C)、及びBCMA特異的scFvを担持するTAC(
図3D)の概略図を示す。
標的特異的抗原結合ドメイン
【0089】
リガンドとも呼ばれる標的特異的抗原結合ドメインは、標的細胞上の抗原に結合する。いくつかの実施形態では、標的細胞は、癌、血液悪性腫瘍、大細胞型B細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、原発性縦隔型B細胞リンパ腫、高悪性度B細胞リンパ腫、又は濾胞性リンパ腫から生じる大細胞型B細胞リンパ腫を含むがこれらに限定されない、疾患状態に関連する細胞である。いくつかの実施形態では、標的細胞は腫瘍細胞である。いくつかの実施形態では、標的特異的抗原結合ドメインは腫瘍細胞上の腫瘍抗原又は腫瘍関連抗原に結合する。いくつかの実施形態では、標的抗原は腫瘍抗原である。いくつかの実施形態では、タンパク質性の場合の腫瘍抗原は、タンパク質全体までの8個以上のアミノ酸の配列である。いくつかの実施形態では、腫瘍抗原は、8と全長タンパク質との間の任意の数のアミノ酸であり、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)中に提示される全長タンパク質の少なくとも1つの抗原性断片を含む。腫瘍抗原の例としては、CD19、HER2(erbB-2)、B細胞成熟抗原(BCMA)、アルファフェトプロテイン(AFP)、癌胎児性抗原(CEA)、CA-125、MUC-1、上皮腫瘍抗原(ETA)、チロシナーゼ、メラノーマ関連抗原(MAGE)、前立腺特異的抗原(PSA)、神経膠腫関連抗原、β-ヒト絨毛性ゴナドトロピン、サイログロブリン、RAGE-1、MN-CA IX、ヒトテロメラーゼ逆転写酵素、RU1、RU2(AS)、腸カルボキシルエステラーゼ、mut hsp70-2、M-CSF、プロスターゼ、PAP、NY-ESO-1、LAGE-1a、p53、プロステイン、PSMA、サバイビン及びテロメラーゼ、前立腺癌腫腫瘍抗原-1(PCTA-1)、ELF2M、好中球、CD22、インスリン成長因子(IGF)-I、IGF-II、IGF-I受容体及びメソテリンが挙げられるが、コレラに限定されない。
【0090】
いくつかの実施形態では、標的特異的抗原結合ドメインは抗体又はその断片である。いくつかの実施形態では、標的特異的抗原結合ドメインは、一本鎖抗体(例えば、一本鎖断片可変抗体(scFv))、単一ドメイン抗体(例えば、重鎖のみの抗体(VHH)、サメ重鎖のみの抗体(VNAR))、ナノボディ、ダイアボディ、ミニボディ、Fab断片、Fab’断片、F(ab’)2断片又はFv断片から選択される。
【0091】
いくつかの実施形態では、標的特異的抗原結合ドメインは、標的に結合する、アンキリンリピートタンパク質(DARPins)、アフィボディ、アドネクチン、アフィリン、フィロマー、フィノマー、アフィマー、ペプチドアプタマー、レクチン、ノクチン、センチリン、アンチカリン、ペプチド、ペプチド模倣物、タンパク質、糖タンパク質、若しくはプロテオグリカン、又は標的に対する天然に存在するリガンドから選択される。いくつかの実施形態では、標的特異的抗原結合ドメインは、炭水化物、脂質、核酸、又は小分子を含むがこれらに限定されない、標的に結合する非タンパク質化合物である。
【0092】
いくつかの実施形態では、標的特異的抗原結合ドメインは、設計されたアンキリンリピート(DARPin)である。いくつかの実施形態では、標的特異的抗原結合ドメインは、一本鎖可変断片(ScFv)である。いくつかの実施形態では、標的特異的抗原結合ドメインは、ナノボディである。
【0093】
いくつかの実施形態では、腫瘍抗原はHER2抗原である。いくつかの実施形態では、HER2特異的抗原結合ドメインは、トラスツズマブ、ペルツズマブ、ラパチニブ、ネラチニブ、Ado-トラスツズマブエムタンシン、ガンコタマブ、マルゲツキシマブ、ティミグツズマブ及びエルツマキソマブから選択される抗体の抗原結合ドメインを含む。いくつかの実施形態では、標的特異的抗原結合ドメインはHER2(erbB-2)抗原に結合するDARPinである。いくつかの実施形態では、標的特異的抗原結合ドメインはHER2(erbB-2)抗原に特異的に結合するDARPinである。いくつかの実施形態では、HER2(erb-2)を標的とするDARPinは、配列番号7のヌクレオチド配列によってコードされるか、又は配列番号8(HER2 DARPin)のアミノ酸配列を含む。
【0094】
いくつかの実施形態では、HER2結合ドメインは、配列番号8(HER2 DARPin)のアミノ酸配列と少なくとも70%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HER2結合ドメインは、配列番号8(HER2 DARPin)のアミノ酸配列と少なくとも75%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HER2結合ドメインは、配列番号8(HER2 DARPin)のアミノ酸配列と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HER2結合ドメインは、配列番号8(HER2 DARPin)のアミノ酸配列と少なくとも85%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HER2結合ドメインは、配列番号8(HER2 DARPin)のアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HER2結合ドメインは、配列番号8(HER2 DARPin)のアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HER2結合ドメインは、配列番号8(HER2 DARPin)のアミノ酸配列と少なくとも96%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HER2結合ドメインは、配列番号8(HER2 DARPin)のアミノ酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HER2結合ドメインは、配列番号8(HER2 DARPin)のアミノ酸配列と少なくとも98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HER2結合ドメインは、配列番号8(HER2 DARPin)のアミノ酸配列と少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HER2結合ドメインは、配列番号8(HER2 DARPin)のアミノ酸配列を含む。
【0095】
いくつかの実施形態では、腫瘍抗原はBCMA抗原である。いくつかの実施形態では、BCMA特異的抗原結合ドメインは、ベランタマブマホドチン及びGSK2857916から選択される抗体の抗原結合ドメインを含む。いくつかの実施形態では、標的特異的抗原結合ドメインは、BCMAに結合するscFvである。いくつかの実施形態では、標的特異的抗原結合ドメインは、BCMAに特異的に結合するscFvである。いくつかの実施形態では、BCMAに結合するscFvは、配列番号33のヌクレオチド配列によってコードされるか、又は配列番号34のアミノ酸配列を含む。
【0096】
いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号33(BCMA scFv)のヌクレオチド配列と少なくとも70%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号33(BCMA scFv)のヌクレオチド配列と少なくとも75%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号33(BCMA scFv)のヌクレオチド配列と少なくとも80%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号33(BCMA scFv)のヌクレオチド配列と少なくとも85%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号33(BCMA scFv)のヌクレオチド配列と少なくとも90%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号33(BCMA scFv)のヌクレオチド配列と少なくとも95%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号33(BCMA scFv)のヌクレオチド配列と少なくとも96%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号33(BCMA scFv)のヌクレオチド配列と少なくとも97%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号33(BCMA scFv)のヌクレオチド配列と少なくとも98%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号33(BCMA scFv)のヌクレオチド配列と少なくとも99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号33(BCMA scFv)のヌクレオチド配列を含む。
【0097】
いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインは、配列番号34(BCMA scFv)のアミノ酸配列と少なくとも70%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインは、配列番号34(BCMA scFv)のアミノ酸配列と少なくとも75%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインは、配列番号34(BCMA scFv)のアミノ酸配列と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインは、配列番号34(BCMA scFv)のアミノ酸配列と少なくとも85%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインは、配列番号34(BCMA scFv)のアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインは、配列番号34(BCMA scFv)のアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインは、配列番号34(BCMA scFv)のアミノ酸配列と少なくとも96%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインは、配列番号34(BCMA scFv)のアミノ酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインは、配列番号34(BCMA scFv)のアミノ酸配列と少なくとも98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインは、配列番号34(BCMA scFv)のアミノ酸配列と少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインは、配列番号34(BCMA scFv)のアミノ酸配列を含む。
【0098】
いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインのCDR配列は、配列番号34(BCMA scFv)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有する(すなわち、BCMA結合ドメインは、配列番号34(BCMA scFv)のアミノ酸配列における対応するCDRに対してそれぞれ100%の同一性を有する、CDRH1、CDRH2、CDRH3、CDRL1、CDRL2及びCDRL3を含むアミノ酸配列を含む)。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインのCDR配列は、配列番号34(BCMA scFv)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、BCMA結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号34(BCMA scFv)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも80%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインのCDR配列は、配列番号34(BCMA scFv)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、BCMA結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号34(BCMA scFv)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも85%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインのCDR配列は、配列番号34(BCMA scFv)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、BCMA結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号34(BCMA scFv)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも90%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインのCDR配列は、配列番号34(BCMA scFv)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、BCMA結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号34(BCMA scFv)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも95%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインのCDR配列は、配列番号34(BCMA scFv)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、BCMA結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号34(BCMA scFv)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも96%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインのCDR配列は、配列番号34(BCMA scFv)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、BCMA結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号34(BCMA scFv)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも97%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインのCDR配列は、配列番号34(BCMA scFv)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、BCMA結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号34(BCMA scFv)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも98%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインのCDR配列は、配列番号34(BCMA scFv)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、BCMA結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号34(BCMA scFv)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも99%の配列同一性を有する。
【0099】
いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号51(3625 BCMA scFv、Vh-Vl)のヌクレオチド配列と少なくとも70%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号51(3625 BCMA scFv、Vh-Vl)のヌクレオチド配列と少なくとも75%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号51(3625 BCMA scFv、Vh-Vl)のヌクレオチド配列と少なくとも80%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号51(3625 BCMA scFv、Vh-Vl)のヌクレオチド配列と少なくとも85%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号51(3625 BCMA scFv、Vh-Vl)のヌクレオチド配列と少なくとも90%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号51(3625 BCMA scFv、Vh-Vl)のヌクレオチド配列と少なくとも95%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号51(3625 BCMA scFv、Vh-Vl)のヌクレオチド配列と少なくとも96%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号51(3625 BCMA scFv、Vh-Vl)のヌクレオチド配列と少なくとも97%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号51(3625 BCMA scFv、Vh-Vl)のヌクレオチド配列と少なくとも98%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号51(3625 BCMA scFv、Vh-Vl)のヌクレオチド配列と少なくとも99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号51(3625 BCMA scFv、Vh-Vl)のヌクレオチド配列を含む。
【0100】
いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインは、配列番号52(3625 BCMA scFv、Vh-Vl)のアミノ酸配列と少なくとも70%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインは、配列番号52(3625 BCMA scFv、Vh-Vl)のアミノ酸配列と少なくとも75%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインは、配列番号52(3625 BCMA scFv、Vh-Vl)のアミノ酸配列と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインは、配列番号52(3625 BCMA scFv、Vh-Vl)のアミノ酸配列と少なくとも85%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインは、配列番号52(3625 BCMA scFv、Vh-Vl)のアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインは、配列番号52(3625 BCMA scFv、Vh-Vl)のアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインは、配列番号52(3625 BCMA scFv、Vh-Vl)のアミノ酸配列と少なくとも96%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインは、配列番号52(3625 BCMA scFv、Vh-Vl)のアミノ酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインは、配列番号52(3625 BCMA scFv、Vh-Vl)のアミノ酸配列と少なくとも98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインは、配列番号52(3625 BCMA scFv、Vh-Vl)のアミノ酸配列と少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインは、配列番号52(3625 BCMA scFv、Vh-Vl)のアミノ酸配列を含む。
【0101】
いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインのCDR配列は、配列番号52(3625 BCMA scFv、Vh-Vl)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有する(すなわち、BCMA結合ドメインは、配列番号52(3625 BCMA scFv、Vh-Vl)のアミノ酸配列における対応するCDRに対してそれぞれ100%の同一性を有する、CDRH1、CDRH2、CDRH3、CDRL1、CDRL2及びCDRL3を含むアミノ酸配列を含む)。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインのCDR配列は、配列番号52(3625 BCMA scFv、Vh-Vl)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、BCMA結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号52(3625 BCMA scFv、Vh-Vl)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも80%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインのCDR配列は、配列番号52(3625 BCMA scFv、Vh-Vl)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、BCMA結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号52(3625 BCMA scFv、Vh-Vl)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも85%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインのCDR配列は、配列番号52(3625 BCMA scFv、Vh-Vl)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、BCMA結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号52(3625 BCMA scFv、Vh-Vl)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも90%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインのCDR配列は、配列番号52(3625 BCMA scFv、Vh-Vl)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、BCMA結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号52(3625 BCMA scFv、Vh-Vl)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも95%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインのCDR配列は、配列番号52(3625 BCMA scFv、Vh-Vl)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、BCMA結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号52(3625 BCMA scFv、Vh-Vl)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも96%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインのCDR配列は、配列番号52(3625 BCMA scFv、Vh-Vl)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、BCMA結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号52(3625 BCMA scFv、Vh-Vl)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも97%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインのCDR配列は、配列番号52(3625 BCMA scFv、Vh-Vl)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、BCMA結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号52(3625 BCMA scFv、Vh-Vl)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも98%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインのCDR配列は、配列番号52(3625 BCMA scFv、Vh-Vl)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、BCMA結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号52(3625 BCMA scFv、Vh-Vl)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも99%の配列同一性を有する。
【0102】
いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号53(3625 BCMA scFv、Vl-Vh)のヌクレオチド配列と少なくとも70%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号53(3625 BCMA scFv、Vl-Vh)のヌクレオチド配列と少なくとも75%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号53(3625 BCMA scFv、Vl-Vh)のヌクレオチド配列と少なくとも80%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号53(3625 BCMA scFv、Vl-Vh)のヌクレオチド配列と少なくとも85%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号53(3625 BCMA scFv、Vl-Vh)のヌクレオチド配列と少なくとも90%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号53(3625 BCMA scFv、Vl-Vh)のヌクレオチド配列と少なくとも95%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号53(3625 BCMA scFv、Vl-Vh)のヌクレオチド配列と少なくとも96%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号53(3625 BCMA scFv、Vl-Vh)のヌクレオチド配列と少なくとも97%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号53(3625 BCMA scFv、Vl-Vh)のヌクレオチド配列と少なくとも98%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号53(3625 BCMA scFv、Vl-Vh)のヌクレオチド配列と少なくとも99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号53(3625 BCMA scFv、Vl-Vh)のヌクレオチド配列を含む。
【0103】
いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインは、配列番号54(3625 BCMA scFv、Vl-Vh)のアミノ酸配列と少なくとも70%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインは、配列番号54(3625 BCMA scFv、Vl-Vh)のアミノ酸配列と少なくとも75%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインは、配列番号54(3625 BCMA scFv、Vl-Vh)のアミノ酸配列と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインは、配列番号54(3625 BCMA scFv、Vl-Vh)のアミノ酸配列と少なくとも85%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインは、配列番号54(3625 BCMA scFv、Vl-Vh)のアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインは、配列番号54(3625 BCMA scFv、Vl-Vh)のアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインは、配列番号54(3625 BCMA scFv、Vl-Vh)のアミノ酸配列と少なくとも96%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインは、配列番号54(3625 BCMA scFv、Vl-Vh)のアミノ酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインは、配列番号54(3625 BCMA scFv、Vl-Vh)のアミノ酸配列と少なくとも98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインは、配列番号54(3625 BCMA scFv、Vl-Vh)のアミノ酸配列と少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインは、配列番号54(3625 BCMA scFv、Vl-Vh)のアミノ酸配列を含む。
【0104】
いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインのCDR配列は、配列番号54(3625 BCMA scFv、Vl-Vh)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有する(すなわち、BCMA結合ドメインは、配列番号54(3625 BCMA scFv、Vl-Vh)のアミノ酸配列における対応するCDRに対してそれぞれ100%の同一性を有する、CDRH1、CDRH2、CDRH3、CDRL1、CDRL2及びCDRL3を含むアミノ酸配列を含む)。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインのCDR配列は、配列番号54(3625 BCMA scFv、Vl-Vh)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、BCMA結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号54(3625 BCMA scFv、Vl-Vh)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも80%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインのCDR配列は、配列番号54(3625 BCMA scFv、Vl-Vh)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、BCMA結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号54(3625 BCMA scFv、Vl-Vh)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも85%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインのCDR配列は、配列番号54(3625 BCMA scFv、Vl-Vh)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、BCMA結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号54(3625 BCMA scFv、Vl-Vh)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも90%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインのCDR配列は、配列番号54(3625 BCMA scFv、Vl-Vh)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、BCMA結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号54(3625 BCMA scFv、Vl-Vh)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも95%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインのCDR配列は、配列番号54(3625 BCMA scFv、Vl-Vh)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、BCMA結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号54(3625 BCMA scFv、Vl-Vh)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも96%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインのCDR配列は、配列番号54(3625 BCMA scFv、Vl-Vh)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、BCMA結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号54(3625 BCMA scFv、Vl-Vh)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも97%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインのCDR配列は、配列番号54(3625 BCMA scFv、Vl-Vh)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、BCMA結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号54(3625 BCMA scFv、Vl-Vh)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも98%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、BCMA結合ドメインのCDR配列は、配列番号54(3625 BCMA scFv、Vl-Vh)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、BCMA結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号54(3625 BCMA scFv、Vl-Vh)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも99%の配列同一性を有する。
【0105】
いくつかの実施形態では、腫瘍抗原はCD19抗原である。いくつかの実施形態では、標的特異的抗原結合ドメインは、CD19に結合するscFvである。いくつかの実施形態では、標的特異的抗原結合ドメインは、CD19に特異的に結合するscFvである。いくつかの実施形態では、CD19に結合するscFvは、配列番号35のヌクレオチド配列によってコードされるか、又は配列番号36のアミノ酸配列を含む。
【0106】
いくつかの実施形態では、CD19結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号35(CD19 scFv)のヌクレオチド配列と少なくとも70%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、CD19結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号35(CD19 scFv)のヌクレオチド配列と少なくとも75%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、CD19結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号35(CD19 scFv)のヌクレオチド配列と少なくとも80%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、CD19結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号35(CD19 scFv)のヌクレオチド配列と少なくとも85%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、CD19結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号35(CD19 scFv)のヌクレオチド配列と少なくとも90%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、CD19結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号35(CD19 scFv)のヌクレオチド配列と少なくとも95%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、CD19結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号35(CD19 scFv)のヌクレオチド配列と少なくとも96%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、CD19結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号35(CD19 scFv)のヌクレオチド配列と少なくとも97%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、CD19結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号35(CD19 scFv)のヌクレオチド配列と少なくとも98%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、CD19結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号35(CD19 scFv)のヌクレオチド配列と少なくとも99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、CD19結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号35(CD19 scFv)のヌクレオチド配列を含む。
【0107】
いくつかの実施形態では、CD19結合ドメインは、配列番号36(CD19 scFv)のアミノ酸配列と少なくとも70%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、CD19結合ドメインは、配列番号36(CD19 scFv)のアミノ酸配列と少なくとも75%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、CD19結合ドメインは、配列番号36(CD19 scFv)のアミノ酸配列と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、CD19結合ドメインは、配列番号36(CD19 scFv)のアミノ酸配列と少なくとも85%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、CD19結合ドメインは、配列番号36(CD19 scFv)のアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、CD19結合ドメインは、配列番号36(CD19 scFv)のアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、CD19結合ドメインは、配列番号36(CD19 scFv)のアミノ酸配列と少なくとも96%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、CD19結合ドメインは、配列番号36(CD19 scFv)のアミノ酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、CD19結合ドメインは、配列番号36(CD19 scFv)のアミノ酸配列と少なくとも98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、CD19結合ドメインは、配列番号36(CD19 scFv)のアミノ酸配列と少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、CD19結合ドメインは、配列番号36(CD19 scFv)のアミノ酸配列を含む。
【0108】
いくつかの実施形態では、CD19結合ドメインのCDR配列は、配列番号36(CD19 scFv)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有する(すなわち、CD19結合ドメインは、配列番号36(CD19 scFv)のアミノ酸配列における対応するCDRに対してそれぞれ100%の同一性を有する、CDRH1、CDRH2、CDRH3、CDRL1、CDRL2及びCDRL3を含むアミノ酸配列を含む)。いくつかの実施形態では、CD19結合ドメインのCDR配列は、配列番号36(CD19 scFv)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、CD19結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号36(CD19 scFv)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも80%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、CD19結合ドメインのCDR配列は、配列番号36(CD19 scFv)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、CD19結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号36(CD19 scFv)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも85%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、CD19結合ドメインのCDR配列は、配列番号36(CD19 scFv)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、CD19結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号36(CD19 scFv)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも90%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、CD19結合ドメインのCDR配列は、配列番号36(CD19 scFv)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、CD19結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号36(CD19 scFv)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも95%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、CD19結合ドメインのCDR配列は、配列番号36(CD19 scFv)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、CD19結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号36(CD19 scFv)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも96%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、CD19結合ドメインのCDR配列は、配列番号36(CD19 scFv)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、CD19結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号36(CD19 scFv)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも97%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、CD19結合ドメインのCDR配列は、配列番号36(CD19 scFv)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、CD19結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号36(CD19 scFv)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも98%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、CD19結合ドメインのCDR配列は、配列番号36(CD19 scFv)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、CD19結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号36(CD19 scFv)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも99%の配列同一性を有する。
【0109】
標的に結合する例示的な抗原結合ドメインのアミノ酸及びヌクレオチド配列を表1に提供する。
【0110】
【0111】
特定の実施形態では、TACは、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインを含む。「TCR複合体抗原結合ドメイン」、「TCR複合体に結合する抗原結合ドメイン」又は「TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメイン」とも呼ばれる「TCR複合体タンパク質抗原結合ドメイン」は、TCR複合体に関連するタンパク質に直接的又は間接的に結合する任意の物質又は分子を指す。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、TCRのタンパク質に結合する。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、TCRのタンパク質に特異的に結合する物質を含む。
【0112】
いくつかの実施形態では、TCR複合体タンパク質抗原結合ドメインは、TCRのタンパク質に結合する、抗体又はその断片、例えば一本鎖抗体(例えば、一本鎖断片可変抗体(scFv))、単一ドメイン抗体(例えば、重鎖のみの抗体(VHH)、サメ重鎖のみの抗体(VNAR))、ナノボディ、ダイアボディ、ミニボディ、Fab断片、Fab’断片、F(ab’)2断片又はFv断片から選択される。いくつかの実施形態では、TCR複合体タンパク質抗原結合ドメインは、TCRのタンパク質に結合する、アンキリンリピートタンパク質(DARPins)、アフィボディ、アドネクチン、アフィリン、フィロマー、フィノマー、アフィマー、ペプチドアプタマー、レクチン、ノクチン、センチリン、アンチカリン、ペプチド、ペプチド模倣物、タンパク質、糖タンパク質、若しくはプロテオグリカン、又はTCRのタンパク質に対する天然に存在するリガンドから選択される。いくつかの実施形態では、TCR複合体タンパク質抗原結合ドメインは、炭水化物、脂質、核酸、又は小分子を含むがこれらに限定されない、TCRのタンパク質に結合する非タンパク質化合物である。いくつかの実施形態では、TCR複合体タンパク質抗原結合ドメインは、TCRのタンパク質を標的とする設計されたアンキリンリピート(DARPin)である。いくつかの実施形態では、TCR複合体タンパク質抗原結合ドメインは、TCRのタンパク質を標的とする一本鎖可変断片(ScFv)である。いくつかの実施形態では、TCR複合体タンパク質抗原結合ドメインは、TCRのタンパク質を標的とするナノボディである。
【0113】
TCRに関連するタンパク質には、TCRアルファ(α)鎖、TCRベータ(β)鎖、TCRガンマ(γ)鎖、TCRデルタ(δ)鎖、CD3γ鎖、CD3δ鎖及びCD3ε鎖が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、TCRアルファ(α)鎖、TCRベータ(β)鎖、TCRガンマ(γ)鎖、TCRデルタ(δ)鎖、CD3γ鎖、CD3δ鎖及び/又はCD3ε鎖に対する抗体である。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質はCD3である。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質はCD3εである。いくつかの実施形態では、CD3に結合する抗原結合ドメインは、抗体、例えば一本鎖抗体、例えば一本鎖可変断片(scFv)である。CD3抗体の例としては、UCHT1、OKT3、F6A、L2K、ムロモナブ、オテリキシズマブ、テプリズマブ、ビシリズマブ、CD3-12、MEM-57、4D10A6、CD3D、又はTR66が挙げられるが、これらに限定されない。
【0114】
いくつかの実施形態では、TCR複合体に結合する抗原結合ドメインは、UCHT1又はそのバリアントである。いくつかの実施形態では、UCHT1抗原結合ドメインは、配列番号13によってコードされる。いくつかの実施形態では、UCHT1抗原結合ドメインは、配列番号14を含む。いくつかの実施形態では、UCHT1抗原結合ドメインは突然変異している。いくつかの実施形態では、UCHT1抗原結合ドメインは、配列番号14のアミノ酸182に対応する位置にYからTへの突然変異(Y182T)を含む。いくつかの実施形態では、UCHT1(Y182T)抗原結合ドメインは、配列番号71によってコードされる。いくつかの実施形態では、UCHT1(Y182T)抗原結合ドメインは、配列番号72を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に結合する抗原結合ドメインは、ヒト化UCHT1(huUCHT1)である。いくつかの実施形態では、huUCHT1抗原結合ドメインは、配列番号43によってコードされる。いくつかの実施形態では、huUCHT1抗原結合ドメインは、配列番号44を含む。いくつかの実施形態では、huUCHT1は、配列番号44のアミノ酸177に対応する位置にYからTへの突然変異(Y177T)を有する。いくつかの実施形態では、huUCHT1(Y177T)抗原結合ドメインは、配列番号45によってコードされる。いくつかの実施形態では、huUCHT1抗原結合ドメインは、配列番号46を含む。
【0115】
いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号13(UCHT1)のヌクレオチド配列と少なくとも70%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号13(UCHT1)のヌクレオチド配列と少なくとも75%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号13(UCHT1)のヌクレオチド配列と少なくとも80%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号13(UCHT1)のヌクレオチド配列と少なくとも85%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号13(UCHT1)のヌクレオチド配列と少なくとも90%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号13(UCHT1)のヌクレオチド配列と少なくとも95%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号13(UCHT1)のヌクレオチド配列と少なくとも96%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号13(UCHT1)のヌクレオチド配列と少なくとも97%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号13(UCHT1)のヌクレオチド配列と少なくとも98%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号13(UCHT1)のヌクレオチド配列と少なくとも99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号13(UCHT1)のヌクレオチド配列を含む。
【0116】
いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号14(UCHT1)のアミノ酸配列と少なくとも70%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号14(UCHT1)のアミノ酸配列と少なくとも75%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号14(UCHT1)のアミノ酸配列と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号14(UCHT1)のアミノ酸配列と少なくとも85%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号14(UCHT1)のアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号14(UCHT1)のアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号14(UCHT1)のアミノ酸配列と少なくとも96%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号14(UCHT1)のアミノ酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号14(UCHT1)のアミノ酸配列と少なくとも98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号14(UCHT1)のアミノ酸配列と少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号14(UCHT1)のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号14(UCHT1)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有する(すなわち、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号14(UCHT1)のアミノ酸配列の対応するCDRとそれぞれ100%の同一性を有する、CDRH1、CDRH2、CDRH3、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3を含むアミノ酸配列を含む)。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号14(UCHT1)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号14(UCHT1)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも80%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号14(UCHT1)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号14(UCHT1)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも85%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号14(UCHT1)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号14(UCHT1)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも90%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号14(UCHT1)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号14(UCHT1)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも95%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号14(UCHT1)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号14(UCHT1)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも96%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号14(UCHT1)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号14(UCHT1)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも97%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号14(UCHT1)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号14(UCHT1)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも98%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号14(UCHT1)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号14(UCHT1)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも99%の配列同一性を有する。
【0117】
いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号71(UCHT1(Y182T))のヌクレオチド配列と少なくとも70%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号71(UCHT1(Y182T))のヌクレオチド配列と少なくとも75%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号71(UCHT1(Y182T))のヌクレオチド配列と少なくとも80%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号71(UCHT1(Y182T))のヌクレオチド配列と少なくとも85%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号71(UCHT1(Y182T))のヌクレオチド配列と少なくとも90%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号71(UCHT1(Y182T))のヌクレオチド配列と少なくとも95%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号71(UCHT1(Y182T))のヌクレオチド配列と少なくとも96%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号71(UCHT1(Y182T))のヌクレオチド配列と少なくとも97%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号71(UCHT1(Y182T))のヌクレオチド配列と少なくとも98%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号71(UCHT1(Y182T))のヌクレオチド配列と少なくとも99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号71(UCHT1(Y182T))のヌクレオチド配列を含む。
【0118】
いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号72(UCHT1(Y182T))のアミノ酸配列と少なくとも70%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号72(UCHT1(Y182T))のアミノ酸配列と少なくとも75%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号72(UCHT1(Y182T))のアミノ酸配列と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号72(UCHT1(Y182T))のアミノ酸配列と少なくとも85%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号72(UCHT1(Y182T))のアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号72(UCHT1(Y182T))のアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号72(UCHT1(Y182T))のアミノ酸配列と少なくとも96%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号72(UCHT1(Y182T))のアミノ酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号72(UCHT1(Y182T))のアミノ酸配列と少なくとも98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号72(UCHT1(Y182T))のアミノ酸配列と少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号72(UCHT1(Y182T))のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号72(UCHT1(Y182T))のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有する(すなわち、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号72(UCHT1(Y182T))のアミノ酸配列の対応するCDRとそれぞれ100%の同一性を有する、CDRH1、CDRH2、CDRH3、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3を含むアミノ酸配列を含む)。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号72(UCHT1(Y182T))のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号72(UCHT1(Y182T))のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも80%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号72(UCHT1(Y182T))のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号72(UCHT1(Y182T))のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも85%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号72(UCHT1(Y182T))のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号72(UCHT1(Y182T))のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも90%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号72(UCHT1(Y182T))のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号72(UCHT1(Y182T))のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも95%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号72(UCHT1(Y182T))のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号72(UCHT1(Y182T))のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも96%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号72(UCHT1(Y182T))のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号72(UCHT1(Y182T))のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも97%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号72(UCHT1(Y182T))のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号72(UCHT1(Y182T))のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも98%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号72(UCHT1(Y182T))のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号72(UCHT1(Y182T))のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも99%の配列同一性を有する。
【0119】
いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号43(huUCHT1)のヌクレオチド配列と少なくとも70%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号43(huUCHT1)のヌクレオチド配列と少なくとも75%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号43(huUCHT1)のヌクレオチド配列と少なくとも80%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号43(huUCHT1)のヌクレオチド配列と少なくとも85%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号43(huUCHT1)のヌクレオチド配列と少なくとも90%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号43(huUCHT1)のヌクレオチド配列と少なくとも95%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号43(huUCHT1)のヌクレオチド配列と少なくとも96%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号43(huUCHT1)のヌクレオチド配列と少なくとも97%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号43(huUCHT1)のヌクレオチド配列と少なくとも98%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号43(huUCHT1)のヌクレオチド配列と少なくとも99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号43(huUCHT1)のヌクレオチド配列を含む。
【0120】
いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号44(huUCHT1)のアミノ酸配列と少なくとも70%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号44(huUCHT1)のアミノ酸配列と少なくとも75%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号44(huUCHT1)のアミノ酸配列と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号44(huUCHT1)のアミノ酸配列と少なくとも85%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号44(huUCHT1)のアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号44(huUCHT1)のアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号44(huUCHT1)のアミノ酸配列と少なくとも96%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号44(huUCHT1)のアミノ酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号44(huUCHT1)のアミノ酸配列と少なくとも98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号44(huUCHT1)のアミノ酸配列と少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号44(huUCHT1)のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号44(huUCHT1)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有する(すなわち、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号44(huUCHT1)のアミノ酸配列の対応するCDRとそれぞれ100%の同一性を有する、CDRH1、CDRH2、CDRH3、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3を含むアミノ酸配列を含む)。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号44(huUCHT1)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号44(huUCHT1)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも80%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号44(huUCHT1)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号44(huUCHT1)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも85%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号44(huUCHT1)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号44(huUCHT1)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも90%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号44(huUCHT1)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号44(huUCHT1)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも95%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号44(huUCHT1)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号44(huUCHT1)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも96%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号44(huUCHT1)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号44(huUCHT1)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも97%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号44(huUCHT1)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号44(huUCHT1)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも98%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号44(huUCHT1)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号44(huUCHT1)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも99%の配列同一性を有する。
【0121】
いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号45(huUCHT1(Y177T))のヌクレオチド配列と少なくとも70%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号45(huUCHT1(Y177T))のヌクレオチド配列と少なくとも75%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号45(huUCHT1(Y177T))のヌクレオチド配列と少なくとも80%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号45(huUCHT1(Y177T))のヌクレオチド配列と少なくとも85%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号45(huUCHT1(Y177T))のヌクレオチド配列と少なくとも90%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号45(huUCHT1(Y177T))のヌクレオチド配列と少なくとも95%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号45(huUCHT1(Y177T))のヌクレオチド配列と少なくとも96%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号45(huUCHT1(Y177T))のヌクレオチド配列と少なくとも97%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号45(huUCHT1(Y177T))のヌクレオチド配列と少なくとも98%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号45(huUCHT1(Y177T))のヌクレオチド配列と少なくとも99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号45(huUCHT1(Y177T))のヌクレオチド配列を含む。
【0122】
いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号46(huUCHT1(Y177T))のアミノ酸配列と少なくとも70%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号46(huUCHT1(Y177T))のアミノ酸配列と少なくとも75%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号46(huUCHT1(Y177T))のアミノ酸配列と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号46(huUCHT1(Y177T))のアミノ酸配列と少なくとも85%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号46(huUCHT1(Y177T))のアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号46(huUCHT1(Y177T))のアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号46(huUCHT1(Y177T))のアミノ酸配列と少なくとも96%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号46(huUCHT1(Y177T))のアミノ酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号46(huUCHT1(Y177T))のアミノ酸配列と少なくとも98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号46(huUCHT1(Y177T))のアミノ酸配列と少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号46(huUCHT1(Y177T))のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号46(huUCHT1(Y177T))のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有する(すなわち、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号46(huUCHT1(Y177T))のアミノ酸配列の対応するCDRとそれぞれ100%の同一性を有する、CDRH1、CDRH2、CDRH3、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3を含むアミノ酸配列を含む)。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号46(huUCHT1(Y177T))のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号46(huUCHT1(Y177T))のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも80%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号46(huUCHT1(Y177T))のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号46(huUCHT1(Y177T))のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも85%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号46(huUCHT1(Y177T))のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号46(huUCHT1(Y177T))のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも90%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号46(huUCHT1(Y177T))のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号46(huUCHT1(Y177T))のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも95%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号46(huUCHT1(Y177T))のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号46(huUCHT1(Y177T))のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも96%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号46(huUCHT1(Y177T))のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号46(huUCHT1(Y177T))のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも97%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号46(huUCHT1(Y177T))のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号46(huUCHT1(Y177T))のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも98%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号46(huUCHT1(Y177T))のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号46(huUCHT1(Y177T))のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも99%の配列同一性を有する。
【0123】
いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインはOKT3である。いくつかの実施形態では、マウスOKT3抗原結合ドメインは、配列番号21によってコードされる。いくつかの実施形態では、OKT3抗原結合ドメインは、配列番号22を含む。
【0124】
いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号21(OKT3)のヌクレオチド配列と少なくとも70%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号21(OKT3)のヌクレオチド配列と少なくとも75%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号21(OKT3)のヌクレオチド配列と少なくとも80%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号21(OKT3)のヌクレオチド配列と少なくとも85%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号21(OKT3)のヌクレオチド配列と少なくとも90%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号21(OKT3)のヌクレオチド配列と少なくとも95%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号21(OKT3)のヌクレオチド配列と少なくとも96%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号21(OKT3)のヌクレオチド配列と少なくとも97%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号21(OKT3)のヌクレオチド配列と少なくとも98%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号21(OKT3)のヌクレオチド配列と少なくとも99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号21(OKT3)のヌクレオチド配列を含む。
【0125】
いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号22(OKT3)のアミノ酸配列と少なくとも70%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号22(OKT3)のアミノ酸配列と少なくとも75%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号22(OKT3)のアミノ酸配列と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号22(OKT3)のアミノ酸配列と少なくとも85%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号22(OKT3)のアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号22(OKT3)のアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号22(OKT3)のアミノ酸配列と少なくとも96%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号22(OKT3)のアミノ酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号22(OKT3)のアミノ酸配列と少なくとも98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号22(OKT3)のアミノ酸配列と少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号22(OKT3)のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号22(OKT3)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有する(すなわち、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号22(OKT3)のアミノ酸配列の対応するCDRとそれぞれ100%の同一性を有する、CDRH1、CDRH2、CDRH3、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3を含むアミノ酸配列を含む)。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号22(OKT3)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号22(OKT3)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも80%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号22(OKT3)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号22(OKT3)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも85%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号22(OKT3)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号22(OKT3)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも90%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号22(OKT3)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号22(OKT3)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも95%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号22(OKT3)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号22(OKT3)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも96%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号22(OKT3)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号22(OKT3)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも97%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号22(OKT3)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号22(OKT3)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも98%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号22(OKT3)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号22(OKT3)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも99%の配列同一性を有する。
【0126】
いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインはF6Aである。いくつかの実施形態では、マウスF6A抗原結合ドメインは、配列番号23によってコードされる。いくつかの実施形態では、F6A抗原結合ドメインは、配列番号24を含む。
【0127】
いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号23(F6A)のヌクレオチド配列と少なくとも70%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号23(F6A)のヌクレオチド配列と少なくとも75%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号23(F6A)のヌクレオチド配列と少なくとも80%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号23(F6A)のヌクレオチド配列と少なくとも85%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号23(F6A)のヌクレオチド配列と少なくとも90%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号23(F6A)のヌクレオチド配列と少なくとも95%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号23(F6A)のヌクレオチド配列と少なくとも96%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号23(F6A)のヌクレオチド配列と少なくとも97%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号23(F6A)のヌクレオチド配列と少なくとも98%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号23(F6A)のヌクレオチド配列と少なくとも99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号23(F6A)のヌクレオチド配列を含む。
【0128】
いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号24(F6A)のアミノ酸配列と少なくとも70%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号24(F6A)のアミノ酸配列と少なくとも75%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号24(F6A)のアミノ酸配列と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号24(F6A)のアミノ酸配列と少なくとも85%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号24(F6A)のアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号24(F6A)のアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号24(F6A)のアミノ酸配列と少なくとも96%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号24(F6A)のアミノ酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号24(F6A)のアミノ酸配列と少なくとも98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号24(F6A)のアミノ酸配列と少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号24(F6A)のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号24(F6A)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有する(すなわち、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号24(F6A)のアミノ酸配列の対応するCDRとそれぞれ100%の同一性を有する、CDRH1、CDRH2、CDRH3、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3を含むアミノ酸配列を含む)。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号24(F6A)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号24(F6A)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも80%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号24(F6A)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号24(F6A)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも85%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号24(F6A)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号24(F6A)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも90%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号24(F6A)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号24(F6A)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも95%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号24(F6A)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号24(F6A)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも96%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号24(F6A)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号24(F6A)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも97%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号24(F6A)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号24(F6A)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも98%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号24(F6A)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号24(F6A)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも99%の配列同一性を有する。
【0129】
いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインはL2Kである。いくつかの実施形態では、マウスL2K抗原結合ドメインは、配列番号25によってコードされる。いくつかの実施形態では、L2K抗原結合ドメインは、配列番号26を含む。
【0130】
いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号25(L2K)のヌクレオチド配列と少なくとも70%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号25(L2K)のヌクレオチド配列と少なくとも75%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号25(L2K)のヌクレオチド配列と少なくとも80%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号25(L2K)のヌクレオチド配列と少なくとも85%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号25(L2K)のヌクレオチド配列と少なくとも90%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号25(L2K)のヌクレオチド配列と少なくとも95%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号25(L2K)のヌクレオチド配列と少なくとも96%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号25(L2K)のヌクレオチド配列と少なくとも97%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号25(L2K)のヌクレオチド配列と少なくとも98%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号25(L2K)のヌクレオチド配列と少なくとも99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号25(L2K)のヌクレオチド配列を含む。
【0131】
いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号26(L2K)のアミノ酸配列と少なくとも70%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号26(L2K)のアミノ酸配列と少なくとも75%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号26(L2K)のアミノ酸配列と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号26(L2K)のアミノ酸配列と少なくとも85%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号26(L2K)のアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号26(L2K)のアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号26(L2K)のアミノ酸配列と少なくとも96%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号26(L2K)のアミノ酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号26(L2K)のアミノ酸配列と少なくとも98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号26(L2K)のアミノ酸配列と少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号26(L2K)のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号26(L2K)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有する(すなわち、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインは、配列番号26(L2K)のアミノ酸配列の対応するCDRとそれぞれ100%の同一性を有する、CDRH1、CDRH2、CDRH3、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3を含むアミノ酸配列を含む)。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号26(L2K)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号26(L2K)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも80%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号26(L2K)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号26(L2K)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも85%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号26(L2K)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号26(L2K)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも90%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号26(L2K)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号26(L2K)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも95%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号26(L2K)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号26(L2K)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも96%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号26(L2K)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号26(L2K)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも97%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号26(L2K)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号26(L2K)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも98%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインのCDR配列は、配列番号26(L2K)のアミノ酸配列のCDR配列と100%の同一性を有し、TCR複合体に関連するタンパク質に結合する抗原結合ドメインの非CDR(例えば、フレームワーク)配列は、配列番号26(L2K)のアミノ酸配列の非CDR(例えば、フレームワーク)配列と少なくとも99%の配列同一性を有する。
【0132】
TCR複合体に関連するタンパク質に結合する例示的な抗原結合ドメインのアミノ酸及びヌクレオチド配列を表2に提供する。
【0133】
【0134】
いくつかの実施形態では、T細胞抗原カプラ(TAC)は、T細胞受容体(TCR)シグナル伝達ドメインポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、TACは、TCRシグナル伝達ドメインポリペプチドの膜貫通ドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、TCRシグナル伝達ドメインポリペプチドのサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、TCRシグナル伝達ドメインポリペプチドの膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。
【0135】
いくつかの実施形態では、T細胞受容体(TCR)シグナル伝達ドメインポリペプチドは、TCR共受容体ポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、TCRシグナル伝達ドメインポリペプチドは、TCR共受容体ポリペプチドの膜貫通ドメイン及び/又はサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TCR共受容体は、CD4、CD8、LAG3、又はそれらのキメラ変異体である。
【0136】
いくつかの実施形態では、TCR共受容体はCD4である。いくつかの実施形態では、TACは、CD4共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号17(CD4膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメイン)のヌクレオチド配列と少なくとも70%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号17(CD4膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメイン)のヌクレオチド配列と少なくとも75%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号17(CD4膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメイン)のヌクレオチド配列と少なくとも80%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号17(CD4膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメイン)のヌクレオチド配列と少なくとも85%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号17(CD4膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメイン)のヌクレオチド配列と少なくとも90%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号17(CD4膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメイン)のヌクレオチド配列と少なくとも95%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号17(CD4膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメイン)のヌクレオチド配列と少なくとも96%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号17(CD4膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメイン)のヌクレオチド配列と少なくとも97%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号17(CD4膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメイン)のヌクレオチド配列と少なくとも98%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号17(CD4膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメイン)のヌクレオチド配列と少なくとも99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号17(CD4膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメイン)のヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインは、配列番号18(CD4膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメイン)のアミノ酸配列と少なくとも70%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインは、配列番号18(CD4膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメイン)のアミノ酸配列と少なくとも75%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインは、配列番号18(CD4膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメイン)のアミノ酸配列と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインは、配列番号18(CD4膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメイン)のアミノ酸配列と少なくとも85%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインは、配列番号18(CD4膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメイン)のアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインは、配列番号18(CD4膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメイン)のアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインは、配列番号18(CD4膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメイン)のアミノ酸配列と少なくとも96%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインは、配列番号18(CD4膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメイン)のアミノ酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインは、配列番号18(CD4膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメイン)のアミノ酸配列と少なくとも98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインは、配列番号18(CD4膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメイン)のアミノ酸配列と少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインは、配列番号18(CD4膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメイン)のアミノ酸配列を含む。
【0137】
いくつかの実施形態では、TCR共受容体はCD8である。いくつかの実施形態では、TCR共受容体はCD8αである。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号37(CD8膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメイン)のヌクレオチド配列と少なくとも70%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号37(CD8膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメイン)のヌクレオチド配列と少なくとも75%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号37(CD8膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメイン)のヌクレオチド配列と少なくとも80%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号37(CD8膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメイン)のヌクレオチド配列と少なくとも85%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号37(CD8膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメイン)のヌクレオチド配列と少なくとも90%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号37(CD8膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメイン)のヌクレオチド配列と少なくとも95%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号37(CD8膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメイン)のヌクレオチド配列と少なくとも96%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号37(CD8膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメイン)のヌクレオチド配列と少なくとも97%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号37(CD8膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメイン)のヌクレオチド配列と少なくとも98%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号37(CD8膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメイン)のヌクレオチド配列と少なくとも99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号37(CD8膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメイン)のヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインは、配列番号38(CD8膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメイン)のアミノ酸配列と少なくとも70%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインは、配列番号38(CD8膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメイン)のアミノ酸配列と少なくとも75%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインは、配列番号38(CD8膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメイン)のアミノ酸配列と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインは、配列番号38(CD8膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメイン)のアミノ酸配列と少なくとも85%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインは、配列番号38(CD8膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメイン)のアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインは、配列番号38(CD8膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメイン)のアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインは、配列番号38(CD8膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメイン)のアミノ酸配列と少なくとも96%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインは、配列番号38(CD8膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメイン)のアミノ酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインは、配列番号38(CD8膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメイン)のアミノ酸配列と少なくとも98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインは、配列番号38(CD8膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメイン)のアミノ酸配列と少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインは、配列番号38(CD8膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメイン)のアミノ酸配列を含む。
【0138】
いくつかの実施形態では、TCRシグナル伝達ドメインポリペプチドは、共受容体由来の配列又はドメインのキメラを含む。いくつかの実施形態では、TCRシグナル伝達ドメインポリペプチドは、CD8α及びCD8βのキメラを含み、CD8αアルギニンリッチ領域は、CD8βアルギニンリッチ領域で置き換えられている(CD8α+R(β)キメラ)。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号39(CD8α+R(β)キメラ)のヌクレオチド配列と少なくとも70%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号39(CD8α+R(β)キメラ)のヌクレオチド配列と少なくとも75%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号39(CD8α+R(β)キメラ)のヌクレオチド配列と少なくとも80%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号39(CD8α+R(β)キメラ)のヌクレオチド配列と少なくとも85%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号39(CD8α+R(β)キメラ)のヌクレオチド配列と少なくとも90%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号39(CD8α+R(β)キメラ)のヌクレオチド配列と少なくとも95%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号39(CD8α+R(β)キメラ)のヌクレオチド配列と少なくとも96%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号39(CD8α+R(β)キメラ)のヌクレオチド配列と少なくとも97%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号39(CD8α+R(β)キメラ)のヌクレオチド配列と少なくとも98%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号39(CD8α+R(β)キメラ)のヌクレオチド配列と少なくとも99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号39(CD8α+R(β)キメラ)のヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインは、配列番号40(CD8α+R(β)キメラ)のアミノ酸配列と少なくとも70%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインは、配列番号40(CD8α+R(β)キメラ)のアミノ酸配列と少なくとも75%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインは、配列番号40(CD8α+R(β)キメラ)のアミノ酸配列と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインは、配列番号40(CD8α+R(β)キメラ)のアミノ酸配列と少なくとも85%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインは、配列番号40(CD8α+R(β)キメラ)のアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインは、配列番号40(CD8α+R(β)キメラ)のアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインは、配列番号40(CD8α+R(β)キメラ)のアミノ酸配列と少なくとも96%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインは、配列番号40(CD8α+R(β)キメラ)のアミノ酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインは、配列番号40(CD8α+R(β)キメラ)のアミノ酸配列と少なくとも98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインは、配列番号40(CD8α+R(β)キメラ)のアミノ酸配列と少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインは、配列番号40(CD8α+R(β)キメラ)のアミノ酸配列を含む。
【0139】
いくつかの実施形態では、TCRシグナル伝達ドメインポリペプチドは、CD8α及びCD8βのキメラを含み、Lck結合モチーフを含むCD8α CXCPドメインは、CD8βサイトゾルドメインのC末端に付加される(CD8β+Lckキメラ)。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号41(CD8β+Lckキメラ)のヌクレオチド配列と少なくとも70%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号41(CD8β+Lckキメラ)のヌクレオチド配列と少なくとも75%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号41(CD8β+Lckキメラ)のヌクレオチド配列と少なくとも80%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号41(CD8β+Lckキメラ)のヌクレオチド配列と少なくとも85%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号41(CD8β+Lckキメラ)のヌクレオチド配列と少なくとも90%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号41(CD8β+Lckキメラ)のヌクレオチド配列と少なくとも95%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号41(CD8β+Lckキメラ)のヌクレオチド配列と少なくとも96%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号41(CD8β+Lckキメラ)のヌクレオチド配列と少なくとも97%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号41(CD8β+Lckキメラ)のヌクレオチド配列と少なくとも98%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号41(CD8β+Lckキメラ)のヌクレオチド配列と少なくとも99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチドは、配列番号41(CD8β+Lckキメラ)のヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインは、配列番号42(CD8β+Lckキメラ)のアミノ酸配列と少なくとも70%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインは、配列番号42(CD8β+Lckキメラ)のアミノ酸配列と少なくとも75%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインは、配列番号42(CD8β+Lckキメラ)のアミノ酸配列と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインは、配列番号42(CD8β+Lckキメラ)のアミノ酸配列と少なくとも85%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインは、配列番号42(CD8β+Lckキメラ)のアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインは、配列番号42(CD8β+Lckキメラ)のアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインは、配列番号42(CD8β+Lckキメラ)のアミノ酸配列と少なくとも96%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインは、配列番号42(CD8β+Lckキメラ)のアミノ酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインは、配列番号42(CD8β+Lckキメラ)のアミノ酸配列と少なくとも98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインは、配列番号42(CD8β+Lckキメラ)のアミノ酸配列と少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインは、配列番号42(CD8β+Lckキメラ)のアミノ酸配列を含む。
【0140】
いくつかの実施形態では、TCRシグナル伝達ドメインポリペプチドは、TCR共受容体タンパク質のサイトゾルドメインと膜貫通ドメインの両方を含む。いくつかの実施形態では、サイトゾルドメイン及び膜貫通ドメインは、同じ共受容体に由来するか、又は異なる共受容体に由来する。
【0141】
例示的な膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインのアミノ酸配列及びヌクレオチド配列を表3に提供する。
【0142】
【0143】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される核酸は、(1)標的(例えば、CD19抗原、HER2抗原、又はBCMA抗原)に結合する抗原結合ドメインをコードする第1のポリヌクレオチド;(2)TCR複合体に結合する抗原結合ドメインをコードする第2ポリヌクレオチド;(3)膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインをコードする第3のポリヌクレオチドの順序である。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される核酸は、(1)標的(例えば、CD19抗原、HER2抗原、又はBCMA抗原)に結合する抗原結合ドメインをコードする第1のポリヌクレオチド;(2)TCR複合体に結合する抗原結合ドメインをコードする第2ポリヌクレオチド;(3)膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインをコードする第3のポリヌクレオチドの順序であり、その順序は、5’末端から3’末端である。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される核酸は、(1)標的(例えば、CD19抗原、HER2抗原、又はBCMA抗原)に結合する抗原結合ドメインをコードする第1のポリヌクレオチド;(2)TCR複合体に結合する抗原結合ドメインをコードする第2ポリヌクレオチド;(3)膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインをコードする第3のポリヌクレオチドの順序であり、その順序は、3’末端から5’末端である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される核酸は、(1)TCR複合体に結合する抗原結合ドメインをコードする第1のポリヌクレオチド;(2)標的(例えば、CD19抗原、HER2抗原、又はBCMA抗原)に結合する抗原結合ドメインをコードする第2ポリヌクレオチド;(3)膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインをコードする第3のポリヌクレオチドの順序である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される核酸は、(1)TCR複合体に結合する抗原結合ドメインをコードする第1のポリヌクレオチド;(2)標的(例えば、CD19抗原、HER2抗原、又はBCMA抗原)に結合する抗原結合ドメインをコードする第2ポリヌクレオチド;(3)膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインをコードする第3のポリヌクレオチドの順序であり、その順序は、5’末端から3’末端である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される核酸は、(1)TCR複合体に結合する抗原結合ドメインをコードする第1のポリヌクレオチド;(2)標的(例えば、CD19抗原、HER2抗原、又はBCMA抗原)に結合する抗原結合ドメインをコードする第2ポリヌクレオチド;(3)膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインをコードする第3のポリヌクレオチドの順序であり、その順序は、3’末端から5’末端である。
【0144】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される標的(例えば、CD19抗原、HER2抗原、又はBCMA抗原)TACポリペプチドは、(1)標的(例えば、CD19抗原、HER2抗原、又はBCMA抗原)に結合する抗原結合ドメイン;(2)TCR複合体に結合する抗原結合ドメイン;(3)膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインの順序であり、その順序は、N末端からC末端の順序である、いくつかの実施形態では、本明細書に開示される標的(例えば、CD19抗原、HER2抗原、又はBCMA抗原)TACポリペプチドは、(1)標的(例えば、CD19抗原、HER2抗原、又はBCMA抗原)に結合する抗原結合ドメイン;(2)TCR複合体に結合する抗原結合ドメイン;(3)膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインの順序であり、その順序は、C末端からN末端の順序である、いくつかの実施形態では、本明細書に記載の標的(例えば、CD19抗原、HER2抗原、又はBCMA抗原)TACポリペプチドは、(1)TCR複合体に結合する抗原結合ドメイン;(2)標的(例えば、CD19抗原、HER2抗原、又はBCMA抗原)に結合する抗原結合ドメイン;(3)膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインの順序であり、その順序は、N末端からC末端の順序である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の標的(例えば、CD19抗原、HER2抗原、又はBCMA抗原)TACポリペプチドは、(1)TCR複合体に結合する抗原結合ドメイン;(2)標的(例えば、CD19抗原、HER2抗原、又はBCMA抗原)に結合する抗原結合ドメイン;(3)膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインの順序であり、その順序は、C末端からN末端の順序である。
【0145】
いくつかの実施形態では、標的(例えば、CD19抗原、HER2抗原、又はBCMA抗原)に結合する抗原結合ドメイン、TCR複合体に結合する抗原結合ドメイン、並びに/又は膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインは、直接融合される。例えば、標的(例えば、CD19抗原、HER2抗原、又はBCMA抗原)に結合する抗原結合ドメイン並びに膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインは両方とも、TCR複合体に結合する抗原結合ドメインに融合される。いくつかの実施形態では、標的(例えば、CD19抗原、HER2抗原、又はBCMA抗原)に結合する抗原結合ドメイン、TCR複合体に結合する抗原結合ドメイン、並びに/又は膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインは、少なくとも1つのリンカーによって連結される。いくつかの実施形態では、標的(例えば、CD19抗原、HER2抗原、又はBCMA抗原)に結合する抗原結合ドメイン及びTCR複合体に結合する抗原結合ドメインは直接融合され、リンカーによって膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインに連結される。いくつかの実施形態では、TCR複合体に結合する抗原結合ドメイン並びに膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインは、直接融合され、リンカーによって標的(例えば、CD19抗原、HER2抗原、又はBCMA抗原)に結合する抗原結合ドメインに連結される。
【0146】
いくつかの実施形態では、リンカーは、ペプチドリンカーである。いくつかの実施形態では、ペプチドリンカーは、1~40個のアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、ペプチドリンカーは、1~30個のアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、ペプチドリンカーは、1~15個のアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、ペプチドリンカーは、1~10個のアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、ペプチドリンカーは、1~6個のアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、ペプチドリンカーは、30~40個のアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、ペプチドリンカーは、32~36個のアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、ペプチドリンカーは、5~30個のアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、ペプチドリンカーは、5個のアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、ペプチドリンカーは、10個のアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、ペプチドリンカーは、15個のアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、ペプチドリンカーは、20個のアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、ペプチドリンカーは、25個のアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、ペプチドリンカーは、30個のアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、ペプチドリンカーは。グリシン及び/又はセリンに富むリンカーを含む。
【0147】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのリンカーは、配列番号12((G4S)4系リンカー)、配列番号16(G4S系リンカー)、配列番号20(CD4系リンカー)、配列番号28(短いヘリックスコネクタ)、配列番号30(長いヘリックスコネクタ)、配列番号32(大きなドメインコネクタ)、配列番号69(フレキシブルコネクタ)、配列番号73(G4Sフレキシブルリンカー)又は配列番号74(G4S3フレキシブルリンカー)のアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのリンカーは、配列番号12((G4S)4系リンカー)、配列番号16(G4S系リンカー)、配列番号20(CD4系リンカー)、配列番号28(短いヘリックスコネクタ)、配列番号30(長いヘリックスコネクタ)、配列番号32(大きなドメインコネクタ)、配列番号69(フレキシブルコネクタ)、配列番号73(G4Sフレキシブルリンカー)又は配列番号74(G4S3フレキシブルリンカー)のアミノ酸配列と少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのリンカーは、配列番号12((G4S)4系リンカー)、配列番号16(G4S系リンカー)、配列番号20(CD4系リンカー)、配列番号28(短いヘリックスコネクタ)、配列番号30(長いヘリックスコネクタ)、配列番号32(大きなドメインコネクタ)、配列番号69(フレキシブルコネクタ)、配列番号73(G4Sフレキシブルリンカー)又は配列番号74(G4S3フレキシブルリンカー)のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのリンカーは、配列番号12((G4S)4系リンカー)、配列番号16(G4S系リンカー)、配列番号20(CD4系リンカー)、配列番号28(短いヘリックスコネクタ)、配列番号30(長いヘリックスコネクタ)、配列番号32(大きなドメインコネクタ)、配列番号69(フレキシブルコネクタ)、配列番号73(G4Sフレキシブルリンカー)又は配列番号74(G4S3フレキシブルリンカー)のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのリンカーは、配列番号12((G4S)4系リンカー)、配列番号16(G4S系リンカー)、配列番号20(CD4系リンカー)、配列番号28(短いヘリックスコネクタ)、配列番号30(長いヘリックスコネクタ)、配列番号32(大きなドメインコネクタ)、配列番号69(フレキシブルコネクタ)、配列番号73(G4Sフレキシブルリンカー)又は配列番号74(G4S3フレキシブルリンカー)のアミノ酸配列と少なくとも96%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのリンカーは、配列番号12((G4S)4系リンカー)、配列番号16(G4S系リンカー)、配列番号20(CD4系リンカー)、配列番号28(短いヘリックスコネクタ)、配列番号30(長いヘリックスコネクタ)、配列番号32(大きなドメインコネクタ)、配列番号69(フレキシブルコネクタ)、配列番号73(G4Sフレキシブルリンカー)又は配列番号74(G4S3フレキシブルリンカー)のアミノ酸配列と少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのリンカーは、配列番号12((G4S)4系リンカー)、配列番号16(G4S系リンカー)、配列番号20(CD4系リンカー)、配列番号28(短いヘリックスコネクタ)、配列番号30(長いヘリックスコネクタ)、配列番号32(大きなドメインコネクタ)、配列番号69(フレキシブルコネクタ)、配列番号73(G4Sフレキシブルリンカー)又は配列番号74(G4S3フレキシブルリンカー)のアミノ酸配列と少なくとも98%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのリンカーは、配列番号12((G4S)4系リンカー)、配列番号16(G4S系リンカー)、配列番号20(CD4系リンカー)、配列番号28(短いヘリックスコネクタ)、配列番号30(長いヘリックスコネクタ)、配列番号32(大きなドメインコネクタ)、配列番号69(フレキシブルコネクタ)、配列番号73(G4Sフレキシブルリンカー)又は配列番号74(G4S3フレキシブルリンカー)のアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのリンカーは、配列番号12((G4S)4系リンカー)、配列番号16(G4S系リンカー)、配列番号20(CD4系リンカー)、配列番号28(短いヘリックスコネクタ)、配列番号30(長いヘリックスコネクタ)、配列番号32(大きなドメインコネクタ)、配列番号69(フレキシブルコネクタ)、配列番号73(G4Sフレキシブルリンカー)又は配列番号74(G4S3フレキシブルリンカー)のアミノ酸配列を含む。
【0148】
いくつかの実施形態では、標的(例えば、CD19抗原、HER2抗原、又はBCMA抗原)に結合する抗原結合ドメインを、TCR複合体に結合する抗原結合ドメインに連結するペプチドリンカー(例えば、UCHT1)は、このタンパク質ドメインをTAC内の他のリンカーと区別するためのコネクタとして知られている。コネクタは、任意のサイズであってもよい。いくつかの実施形態では、TCR複合体に結合する抗原結合ドメインと標的(例えば、CD19抗原、HER2抗原、又はBCMA抗原)に結合する抗原結合ドメインとの間のコネクタは、配列番号28を含む短いヘリックスである。いくつかの実施形態では、TCR複合体に結合する抗原結合ドメインと標的(例えば、CD19抗原、HER2抗原、又はBCMA抗原)に結合する抗原結合ドメインとの間のコネクタは、配列番号27によってコードされる短いヘリックスである。いくつかの実施形態では、TCR複合体に結合する抗原結合ドメインと標的(例えば、CD19抗原、HER2抗原、又はBCMA抗原)に結合する抗原結合ドメインとの間のコネクタは、配列番号30を含む長いヘリックスである。いくつかの実施形態では、TCR複合体に結合する抗原結合ドメインと標的(例えば、CD19抗原、HER2抗原、又はBCMA抗原)に結合する抗原結合ドメインとの間のコネクタは、配列番号29によってコードされる長いヘリックスである。いくつかの実施形態では、TCR複合体に結合する抗原結合ドメインと標的(例えば、CD19抗原、HER2抗原、又はBCMA抗原)に結合する抗原結合ドメインとの間のコネクタは、配列番号32を含む大きなドメインである。いくつかの実施形態では、TCR複合体に結合する抗原結合ドメインと標的(例えば、CD19抗原、HER2抗原、又はBCMA抗原)に結合する抗原結合ドメインとの間のコネクタは、配列番号31によってコードされる大きなドメインである。
【0149】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される核酸又はTACは、リーダー配列を含む。いくつかの実施形態では、リーダー配列は、配列番号5(muIgGリーダー)、配列番号47(huIgGリーダー)又は配列番号49(huCD8aリーダー)のヌクレオチド配列と少なくとも80%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、リーダー配列は、配列番号5(muIgGリーダー)、配列番号47(huIgGリーダー)又は配列番号49(huCD8aリーダー)のヌクレオチド配列と少なくとも85%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、リーダー配列は、配列番号5(muIgGリーダー)、配列番号47(huIgGリーダー)又は配列番号49(huCD8aリーダー)のヌクレオチド配列と少なくとも90%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、リーダー配列は、配列番号5(muIgGリーダー)、配列番号47(huIgGリーダー)又は配列番号49(huCD8aリーダー)のヌクレオチド配列と少なくとも95%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、リーダー配列は、配列番号5(muIgGリーダー)、配列番号47(huIgGリーダー)又は配列番号49(huCD8aリーダー)のヌクレオチド配列と少なくとも96%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、リーダー配列は、配列番号5(muIgGリーダー)、配列番号47(huIgGリーダー)又は配列番号49(huCD8aリーダー)のヌクレオチド配列と少なくとも97%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、リーダー配列は、配列番号5(muIgGリーダー)、配列番号47(huIgGリーダー)又は配列番号49(huCD8aリーダー)のヌクレオチド配列と少なくとも98%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、リーダー配列は、配列番号5(muIgGリーダー)、配列番号47(huIgGリーダー)又は配列番号49(huCD8aリーダー)のヌクレオチド配列と少なくとも99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、リーダー配列は、配列番号5(muIgGリーダー)、配列番号47(huIgGリーダー)又は配列番号49(huCD8aリーダー)のヌクレオチド配列を含む。
【0150】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される核酸又はTACは、リーダー配列を含む。いくつかの実施形態では、リーダー配列は、配列番号6(muIgGリーダー)、配列番号48(huIgGリーダー)又は配列番号50(huCD8aリーダー)のアミノ酸配列と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、リーダー配列は、配列番号6(muIgGリーダー)、配列番号48(huIgGリーダー)又は配列番号50(huCD8aリーダー)のアミノ酸配列と少なくとも85%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、リーダー配列は、配列番号6(muIgGリーダー)、配列番号48(huIgGリーダー)又は配列番号50(huCD8aリーダー)のアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、リーダー配列は、配列番号6(muIgGリーダー)、配列番号48(huIgGリーダー)又は配列番号50(huCD8aリーダー)のアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、リーダー配列は、配列番号6(muIgGリーダー)、配列番号48(huIgGリーダー)又は配列番号50(huCD8aリーダー)のアミノ酸配列と少なくとも96%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、リーダー配列は、配列番号6(muIgGリーダー)、配列番号48(huIgGリーダー)又は配列番号50(huCD8aリーダー)のアミノ酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、リーダー配列は、配列番号6(muIgGリーダー)、配列番号48(huIgGリーダー)又は配列番号50(huCD8aリーダー)のアミノ酸配列と少なくとも98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、リーダー配列は、配列番号6(muIgGリーダー)、配列番号48(huIgGリーダー)又は配列番号50(huCD8aリーダー)のアミノ酸配列と少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、リーダー配列は、配列番号6(muIgGリーダー)、配列番号48(huIgGリーダー)又は配列番号50(huCD8aリーダー)のアミノ酸配列を含む。
【0151】
例示的なリンカー、コネクタ及びリーダー配列のアミノ酸及びヌクレオチド配列を表4に提供する。
【0152】
【0153】
特定の実施形態では、(a)標的特異的抗原結合ドメイン、(b)CD3εに結合する一本鎖抗体(scFv)、及び(c)CD4共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含むTACを含むガンマデルタT細胞が本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、TACは、(a)標的特異的抗原結合ドメイン、(b)UCHT1、及び(c)CD4共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)標的特異的抗原結合ドメイン、(b)UCHT1(Y182T)、及び(c)CD4共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)標的特異的抗原結合ドメイン、(b)huUCHT1、及び(c)CD4共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)標的特異的抗原結合ドメイン、(b)huUCHT1(Y177T)、及び(c)CD4共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)標的特異的抗原結合ドメイン、(b)OKT3、及び(c)CD4共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)標的特異的抗原結合ドメイン、(b)F6A、及び(c)CD4共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)標的特異的抗原結合ドメイン、(b)L2K、及び(c)CD4共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。
【0154】
特定の実施形態では、(a)DARPin、(b)UCHT1、及び(c)CD4共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含むTACを含むガンマデルタT細胞が本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、TACは、(a)DARPin、(b)UCHT1(Y182T)、及び(c)CD4共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)DARPin、(b)huUCHT1、及び(c)CD4共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)DARPin、(b)huUCHT1(Y177T)、及び(c)CD4共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)DARPin、(b)OKT3、及び(c)CD4共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)DARPin、(b)F6A、及び(c)CD4共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)DARPin、(b)L2K、及び(c)CD4共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。
【0155】
特定の実施形態では、(a)scFv、(b)UCHT1、及び(c)CD4共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含むTACを含むガンマデルタT細胞が本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、TACは、(a)scFv、(b)UCHT1(Y182T)、及び(c)CD4共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)scFv、(b)huUCHT1、及び(c)CD4共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)scFv、(b)huUCHT1(Y177T)、及び(c)CD4共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)scFv、(b)OKT3、及び(c)CD4共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)scFv、(b)F6A、及び(c)CD4共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)scFv、(b)L2K、及び(c)CD4共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。
【0156】
特定の実施形態では、(a)HER2特異的DARPin、(b)UCHT1、及び(c)CD4共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含むTACを含むガンマデルタT細胞が本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、TACは、(a)HER2特異的DARPin、(b)UCHT1(Y182T)、及び(c)CD4共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)HER2特異的DARPin、(b)huUCHT1、及び(c)CD4共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)標的特異的抗原結合ドメイン、(b)huUCHT1(Y177T)、及び(c)CD4共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)HER2特異的DARPin、(b)OKT3、及び(c)CD4共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)HER2特異的DARPin、(b)F6A、及び(c)CD4共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)HER2特異的DARPin、(b)L2K、及び(c)CD4共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。
【0157】
特定の実施形態では、(a)BCMA特異的ScFv、(b)UCHT1、及び(c)CD4共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含むTACを含むガンマデルタT細胞が本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、TACは、(a)BCMA特異的ScFv、(b)UCHT1(Y182T)、及び(c)CD4共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)BCMA特異的ScFv、(b)huUCHT1、及び(c)CD4共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)BCMA特異的ScFv、(b)huUCHT1(Y177T)、及び(c)CD4共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)BCMA特異的ScFv、(b)OKT3、及び(c)CD4共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)BCMA特異的ScFv、(b)F6A、及び(c)CD4共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)BCMA特異的ScFv、(b)L2K、及び(c)CD4共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。
【0158】
特定の実施形態では、(a)CD19特異的ScFv、(b)UCHT1、及び(c)CD4共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含むTACを含むガンマデルタT細胞が本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、TACは、(a)CD19特異的ScFv、(b)UCHT1(Y182T)、及び(c)CD4共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)CD19特異的ScFv、(b)huUCHT1、及び(c)CD4共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)CD19特異的ScFv、(b)huUCHT1(Y177T)、及び(c)CD4共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)CD19特異的ScFv、(b)OKT3、及び(c)CD4共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)CD19特異的ScFv、(b)F6A、及び(c)CD4共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)CD19特異的ScFv、(b)L2K、及び(c)CD4共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。
【0159】
特定の実施形態では、(a)標的特異的抗原結合ドメイン、(b)CD3εに結合する一本鎖抗体(scFv)、及び(c)CD8共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含むTACを含むガンマデルタT細胞が本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、TACは、(a)標的特異的抗原結合ドメイン、(b)UCHT1、及び(c)CD8共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)標的特異的抗原結合ドメイン、(b)UCHT1(Y182T)、及び(c)CD8共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)標的特異的抗原結合ドメイン、(b)huUCHT1、及び(c)CD8共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)標的特異的抗原結合ドメイン、(b)huUCHT1(Y177T)、及び(c)CD8共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)標的特異的抗原結合ドメイン、(b)OKT3、及び(c)CD8共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)標的特異的抗原結合ドメイン、(b)F6A、及び(c)CD8共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)標的特異的抗原結合ドメイン、(b)L2K、及び(c)CD8共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。
【0160】
特定の実施形態では、(a)DARPin、(b)UCHT1、及び(c)CD4共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含むTACを含むガンマデルタT細胞が本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、TACは、(a)DARPin、(b)UCHT1(Y182T)、及び(c)CD8共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)DARPin、(b)huUCHT1、及び(c)CD8共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)DARPin、(b)huUCHT1(Y177T)、及び(c)CD8共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)DARPin、(b)OKT3、及び(c)CD8共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)DARPin、(b)F6A、及び(c)CD8共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)DARPin、(b)L2K、及び(c)CD8共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。
【0161】
特定の実施形態では、(a)scFv、(b)UCHT1、及び(c)CD8共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含むTACを含むガンマデルタT細胞が本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、TACは、(a)scFv、(b)UCHT1(Y182T)、及び(c)CD8共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)scFv、(b)huUCHT1、及び(c)CD8共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)scFv、(b)huUCHT1(Y177T)、及び(c)CD8共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)scFv、(b)OKT3、及び(c)CD8共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)scFv、(b)F6A、及び(c)CD8共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)scFv、(b)L2K、及び(c)CD8共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。
【0162】
特定の実施形態では、(a)HER2特異的DARPin、(b)UCHT1、及び(c)CD8共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含むTACを含むガンマデルタT細胞が本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、TACは、(a)HER2特異的DARPin、(b)UCHT1(Y182T)、及び(c)CD8共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)HER2特異的DARPin、(b)huUCHT1、及び(c)CD8共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)標的特異的抗原結合ドメイン、(b)huUCHT1(Y177T)、及び(c)CD8共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)HER2特異的DARPin、(b)OKT3、及び(c)CD8共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)HER2特異的DARPin、(b)F6A、及び(c)CD8共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)HER2特異的DARPin、(b)L2K、及び(c)CD8共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。
【0163】
特定の実施形態では、(a)BCMA特異的ScFv、(b)UCHT1、及び(c)CD8共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含むTACを含むガンマデルタT細胞が本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、TACは、(a)BCMA特異的ScFv、(b)UCHT1(Y182T)、及び(c)CD8共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)BCMA特異的ScFv、(b)huUCHT1、及び(c)CD8共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)BCMA特異的ScFv、(b)huUCHT1(Y177T)、及び(c)CD8共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)BCMA特異的ScFv、(b)OKT3、及び(c)CD8共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)BCMA特異的ScFv、(b)F6A、及び(c)CD8共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)BCMA特異的ScFv、(b)L2K、及び(c)CD8共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。
【0164】
特定の実施形態では、(a)CD19特異的ScFv、(b)UCHT1、及び(c)CD8共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含むTACを含むガンマデルタT細胞が本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、TACは、(a)CD19特異的ScFv、(b)UCHT1(Y182T)、及び(c)CD8共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)CD19特異的ScFv、(b)huUCHT1、及び(c)CD8共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)CD19特異的ScFv、(b)huUCHT1(Y177T)、及び(c)CD8共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)CD19特異的ScFv、(b)OKT3、及び(c)CD8共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)CD19特異的ScFv、(b)F6A、及び(c)CD8共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。いくつかの実施形態では、TACは、(a)CD19特異的ScFv、(b)L2K、及び(c)CD8共受容体の膜貫通ドメイン及びサイトゾルドメインを含む。
【0165】
特定の例では、TACは、天然のMHC結合と同様に、CD3及びTCRを膜の脂質ラフト領域に引き込み、LckをTCRに近接させる。
【0166】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるTACは、抗HER2 DARPin TAC(構成1とも呼ばれる;配列番号1及び2)であり、以下を順に含む。
i)抗HER2 TACリーダー配列(分泌シグナル)(配列番号5及び6)
ii)HER2抗原に特異的なDARPin(配列番号7及び8)
iii)Mycタグ(配列番号9及び10)
iv)コネクタ(配列番号11及び12)
v)UCHT1(配列番号13及び14)
vi)リンカー(配列番号15及び16)
vii)CD4(配列番号17及び18)。
【0167】
特定の実施形態では、配列番号65(HER2 TAC:huIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも70%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされるHER2-TACを含むガンマデルタT細胞が本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号65(HER2 TAC:huIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも75%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号65(HER2 TAC:huIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも80%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号65(HER2 TAC:huIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも85%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号65(HER2 TAC:huIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも90%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号65(HER2 TAC:huIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも95%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号65(HER2 TAC:huIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも96%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号65(HER2 TAC:huIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも97%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号65(HER2 TAC:huIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも98%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号65(HER2 TAC:huIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号65(HER2 TAC:huIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)のヌクレオチド配列によってコードされる。
【0168】
特定の実施形態では、配列番号66(HER2 TAC:huIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも70%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHER2-TACを含むガンマデルタT細胞が本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号66(HER2 TAC:huIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも75%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号66(HER2 TAC:huIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号66(HER2 TAC:huIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも85%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号66(HER2 TAC:huIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号66(HER2 TAC:huIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号66(HER2 TAC:huIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも96%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号66(HER2 TAC:huIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも97%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号66(HER2 TAC:huIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号66(HER2 TAC:huIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号66(HER2 TAC:huIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)のアミノ酸配列を含む。
【0169】
特定の実施形態では、配列番号67(HER2 TAC:CD8aリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも70%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされるHER2-TACを含むガンマデルタT細胞が本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号67(HER2 TAC:CD8aリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも75%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号67(HER2 TAC:CD8aリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも80%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号67(HER2 TAC:CD8aリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも85%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号67(HER2 TAC:CD8aリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも90%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号67(HER2 TAC:CD8aリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも95%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号67(HER2 TAC:CD8aリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも96%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号67(HER2 TAC:CD8aリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも97%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号67(HER2 TAC:CD8aリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも98%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号67(HER2 TAC:CD8aリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号67(HER2 TAC:CD8aリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)のヌクレオチド配列によってコードされる。
【0170】
特定の実施形態では、配列番号68(HER2 TAC:CD8aリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも70%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHER2-TACを含むガンマデルタT細胞が本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号68(HER2 TAC:CD8aリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも75%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号68(HER2 TAC:CD8aリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号68(HER2 TAC:CD8aリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも85%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号68(HER2 TAC:CD8aリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号68(HER2 TAC:CD8aリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号68(HER2 TAC:CD8aリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも96%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号68(HER2 TAC:CD8aリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも97%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号68(HER2 TAC:CD8aリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号68(HER2 TAC:CD8aリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号68(HER2 TAC:CD8aリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)のアミノ酸配列を含む。
【0171】
特定の実施形態では、配列番号75(HER2 TAC:muIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも70%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされるHER2-TACを含むガンマデルタT細胞が本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号75(HER2 TAC:muIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも75%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号75(HER2 TAC:muIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも80%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号75(HER2 TAC:muIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも85%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号75(HER2 TAC:muIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも90%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号75(HER2 TAC:muIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも95%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号75(HER2 TAC:muIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも96%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号75(HER2 TAC:muIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも97%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号75(HER2 TAC:muIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも98%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号75(HER2 TAC:muIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号75(HER2 TAC:muIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)のヌクレオチド配列によってコードされる。
【0172】
特定の実施形態では、配列番号76(HER2 TAC:muIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも70%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHER2-TACを含むガンマデルタT細胞が本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号76(HER2 TAC:muIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも75%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号76(HER2 TAC:muIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号76(HER2 TAC:muIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも85%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号76(HER2 TAC:muIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号76(HER2 TAC:muIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号76(HER2 TAC:muIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも96%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号76(HER2 TAC:muIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも97%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号76(HER2 TAC:muIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号76(HER2 TAC:muIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HER2-TACは、配列番号76(HER2 TAC:muIgGリーダー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)のアミノ酸配列を含む。
【0173】
特定の実施形態では、配列番号55(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも70%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされるBCMA-TACを含むガンマデルタT細胞が本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号55(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも75%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号55(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも80%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号55(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも85%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号55(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも90%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号55(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも95%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号55(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも96%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号55(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも97%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号55(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも98%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号55(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号55(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)のヌクレオチド配列によってコードされる。
【0174】
特定の実施形態では、配列番号56(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも70%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むBCMA-TACを含むガンマデルタT細胞が本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号56(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも75%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号56(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号56(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも85%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号56(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号56(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号56(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも96%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号56(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも97%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号56(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号56(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号56(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)のアミノ酸配列を含む。
【0175】
特定の実施形態では、配列番号57(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも70%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされるBCMA-TACを含むガンマデルタT細胞が本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号57(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも75%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号57(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも80%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号57(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも85%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号57(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも90%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号57(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも95%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号57(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも96%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号57(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも97%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号57(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも98%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号57(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号57(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)のヌクレオチド配列によってコードされる。
【0176】
特定の実施形態では、配列番号58(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも70%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むBCMA-TACを含むガンマデルタT細胞が本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号58(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも75%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号58(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号58(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも85%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号58(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号58(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号58(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも96%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号58(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも97%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号58(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号58(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号58(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、ヘリックスリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)のアミノ酸配列を含む。
【0177】
特定の実施形態では、配列番号59(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも70%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされるBCMA-TACを含むガンマデルタT細胞が本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号59(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも75%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号59(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも80%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号59(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも85%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号59(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも90%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号59(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも95%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号59(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも96%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号59(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも97%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号59(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも98%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号59(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号59(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)のヌクレオチド配列によってコードされる。
【0178】
特定の実施形態では、配列番号60(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも70%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むBCMA-TACを含むガンマデルタT細胞が本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号60(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも75%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号60(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号60(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも85%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号60(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号60(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号60(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも96%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号60(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも97%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号60(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号60(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号60(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vh-Vl、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)のアミノ酸配列を含む。
【0179】
特定の実施形態では、配列番号61(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも70%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされるBCMA-TACを含むガンマデルタT細胞が本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号61(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも75%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号61(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも80%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号61(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも85%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号61(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも90%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号61(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも95%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号61(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも96%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号61(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも97%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号61(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも98%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号61(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号61(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)のヌクレオチド配列によってコードされる。
【0180】
特定の実施形態では、配列番号62(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも70%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むBCMA-TACを含むガンマデルタT細胞が本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号62(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも75%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号62(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号62(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも85%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号62(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号62(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号62(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも96%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号62(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも97%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号62(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号62(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)と少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA-TACは、配列番号62(BCMA TAC:3625 BCMA scFv、Vl-Vh、G4Sリンカー;huUCHT1 CD3結合ドメイン)のアミノ酸配列を含む。
【0181】
一定の実施形態では、配列番号63(CD19-TAC)と少なくとも70%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされるCD19-TACを含むガンマデルタT細胞が本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、CD19-TACは、配列番号63(CD19-TAC)と少なくとも75%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、CD19-TACは、配列番号63(CD19-TAC)と少なくとも80%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、CD19-TACは、配列番号63(CD19-TAC)と少なくとも85%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、CD19-TACは、配列番号63(CD19-TAC)と少なくとも90%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、CD19-TACは、配列番号63(CD19-TAC)と少なくとも95%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、CD19-TACは、配列番号63(CD19-TAC)と少なくとも96%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、CD19-TACは、配列番号63(CD19-TAC)と少なくとも97%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、CD19-TACは、配列番号63(CD19-TAC)と少なくとも98%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、CD19-TACは、配列番号63(CD19-TAC)と少なくとも99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、CD19-TACは、配列番号63(CD19-TAC)のヌクレオチド配列によってコードされる。
【0182】
特定の実施形態では、配列番号64(CD19-TAC)と少なくとも70%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むCD19-TACを含むガンマデルタT細胞が本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、CD19-TACは、配列番号64(CD19-TAC)と少なくとも75%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、CD19-TACは、配列番号64(CD19-TAC)と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、CD19-TACは、配列番号64(CD19-TAC)と少なくとも85%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、CD19-TACは、配列番号64(CD19-TAC)と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、CD19-TACは、配列番号64(CD19-TAC)と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、CD19-TACは、配列番号64(CD19-TAC)と少なくとも96%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、CD19-TACは、配列番号64(CD19-TAC)と少なくとも97%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、CD19-TACは、配列番号64(CD19-TAC)と少なくとも98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、CD19-TACは、配列番号64(CD19-TAC)と少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、CD19-TACは、配列番号64(CD19-TAC)のアミノ酸配列を含む。
【0183】
本明細書に開示されるTAC又はTACの断片に対応するアミノ酸及びヌクレオチド配列を表5に特定する。
【0184】
【0185】
特定の実施形態では、本明細書に開示されるTAC核酸配列を含むベクターを含むガンマデルタT細胞が本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、ベクターはプロモーターをさらに含む。いくつかの実施形態では、プロモーターは哺乳動物細胞において機能的である。特定の核酸配列の転写を開始するDNAの領域であるプロモーターは、当技術分野で周知である。「哺乳動物細胞において機能的なプロモーター」は、哺乳動物細胞において関連する核酸配列の発現を駆動するプロモーターを指す。核酸配列の発現を駆動するプロモーターは、核酸配列に「作動可能に接続されている」と呼ばれる。
【0186】
本明細書に記載の核酸を細胞に導入するために、様々な送達ベクター及び発現ビヒクルが使用される。
【0187】
一定の実施形態では、
a.標的特異的抗原結合ドメインをコードする第1のポリヌクレオチド;
b.TCR複合体に関連するタンパク質に結合するリガンドをコードする第2のポリヌクレオチド;
c.T細胞受容体シグナル伝達ドメインポリペプチドをコードする第3のポリヌクレオチド;及び
d.哺乳動物細胞において機能的であるプロモーター、を含むベクターを含むガンマデルタT細胞が本明細書に開示される。
【0188】
いくつかの実施形態では、第1のポリヌクレオチド及び第3のポリヌクレオチドは第2のポリヌクレオチドに融合され、コード配列はプロモーターに作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、第2のポリヌクレオチド及び第3のポリヌクレオチドは第1のポリヌクレオチドに融合され、コード配列はプロモーターに作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、ベクターは、γδT細胞などの哺乳動物細胞での発現のために設計される。いくつかの実施形態では、ベクターはウイルスベクターである。いくつかの実施形態では、ウイルスベクターはレトロウイルスベクターである。
【0189】
いくつかの実施形態では、有用なベクターは、レトロウイルス、レンチウイルス、マウス幹細胞ウイルス(MSCV)、ポックスウイルス、アデノウイルス、及びアデノ随伴ウイルスに由来するベクターを含む。有用な他の送達ベクターは、単純ヘルペスウイルス、トランスポゾン、ワクシニアウイルス、ヒトパピローマウイルス、サル免疫不全ウイルス、HTLV、ヒト泡沫状ウイルス及びそれらのバリアントに由来するベクターを含む。有用なさらなるベクターは、スプーマウイルス、哺乳動物B型レトロウイルス、哺乳動物C型レトロウイルス、トリC型レトロウイルス、哺乳動物D型レトロウイルス及びHTLV/BLV型レトロウイルスに由来するベクターを含む。開示される組成物及び方法において有用なレンチウイルスベクターの一例は、pCCL4ベクターである。
ガンマデルタT細胞の製造方法
【0190】
特定の実施形態では、γδT細胞、例えばTACポリペプチドを含む又は発現するγδT細胞を作製する方法が本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、本方法は、(a)個体から単離されたγδT細胞をゾレドロネート、サイトカイン(例えば、IL-2及び/又はIL-15)、及び/又はCD16アゴニストと接触させる工程、(b)γδT細胞を、TACポリペプチドをコードする核酸を含む発現ベクターと接触させる工程、(c)細胞を培養及び/又は増殖させる工程(例えば、10~14日間)、及び(d)培養物からαβT細胞を除去する工程のうちの1つ又は複数を含む。
【0191】
いくつかの実施形態では、本方法は、γδT細胞をゾレドロネートと接触させることを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、γδT細胞をIL-2と接触させることを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、γδT細胞をゾレドロネート及びIL-2と接触させることを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、γδT細胞をCD16アゴニストと接触させることを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、γδT細胞をゾレドロネート、IL-2及びCD16アゴニストと接触させることを含む。
【0192】
いくつかの実施形態では、γδT細胞は、10、11、12、13、若しくは14日間、又は少なくとも10、11、12、13、若しくは14日間培養及び/又は増殖される。
【0193】
いくつかの実施形態では、αβT細胞は、CD4及び/又はCD8を含む細胞のネガティブ選択によって除去される。いくつかの実施形態では、本方法は、αβT細胞を実質的に含まない(例えば、得られた培養物又は組成物中に存在するT細胞の少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、又は99%、又は100%がγδT細胞である)培養物又は組成物をもたらす。いくつかの実施形態では、本方法は、γδT細胞以外の細胞を実質的に含まない(例えば、得られた培養物又は組成物中に存在する細胞の少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、又は99%、又は100%がγδT細胞である)培養物又は組成物をもたらす。
【0194】
いくつかの実施形態では、得られた時点でγδT細胞はインビトロで任意に濃縮される。いくつかの実施形態では、細胞の集団は、ポジティブ又はネガティブ選択によって濃縮される。さらに、γδT細胞を任意に凍結又は凍結保存し、そして、後日解凍する。
【0195】
いくつかの実施形態では、γδT細胞は、TACをγδT細胞に導入する前又は後に活性化及び/又は増殖される。いくつかの実施形態では、γδT細胞は、CD3/TCR複合体関連シグナルを刺激する薬剤及びγδT細胞の表面の共刺激分子を刺激する抗原結合ドメインが付着した表面との接触によって増殖される。いくつかの実施形態では、γδT細胞は、CD3/TCR複合体シグナル伝達及び共刺激分子シグナル伝達を刺激する1つ又は複数の可溶性剤との接触によって増殖される。
【0196】
いくつかの実施形態では、γδT細胞に核酸配列を形質導入又はトランスフェクトする。形質導入又はトランスフェクトされたγδT細胞は、トランスフェクト又は形質導入された核酸配列によってコードされるタンパク質を発現する。核酸は、物理的、化学的又は生物学的手段によって細胞に導入され得る。物理的手段には、マイクロインジェクション、エレクトロポレーション、粒子衝撃、リポフェクション及びリン酸カルシウム沈殿が含まれるが、これらに限定されない。生物学的手段には、DNA及びRNAベクターの使用が含まれる。
【0197】
例えばレトロウイルスベクターを含むウイルスベクターは、γδT細胞に核酸を導入及び発現するために使用される。ウイルスベクターとしては、レンチウイルス、レトロウイルス、マウス幹細胞ウイルス(MSCV)、ポックスウイルス、単純ヘルペスウイルスI、アデノウイルス及びアデノ随伴ウイルスに由来するベクターが挙げられる。ベクターは、任意に、γδT細胞において形質導入された核酸分子の発現を駆動するプロモーターを含む(例えば、CMVプロモーター、eF1aプロモーター、又はMSCVプロモーター)。いくつかの実施形態では、発現ベクターはレンチウイルスベクター、例えばVSV-Gシュードタイプ化レンチウイルスベクターである。いくつかの実施形態では、発現ベクターはγレトロウイルスベクター、例えばGALVシュードタイプ化γ-レトロウイルスベクターである。
【0198】
任意の適切なアッセイを使用して、γδT細胞における形質導入された核酸配列及び/又は核酸によってコードされるポリペプチドの存在及び/又は発現を確認する。アッセイには、サザンブロッティング及びノーザンブロッティング、RT-PCR及びPCR、ELISA、ウェスタンブロッティング及びフローサイトメトリーが含まれるが、これらに限定されない。
【0199】
いくつかの実施形態では、TACを発現するγδT細胞は、TACを発現しないT細胞と比較して、及び/又は従来のCARを発現するγδT細胞と比較して、抗原の存在下でT細胞活性化が増加している。γδT細胞活性化の増加は、腫瘍細胞株死滅の増加、サイトカイン産生の増加、細胞溶解の増加、脱顆粒の増加、及び/又はCD107α、IFNγ、IL2若しくはTNFαなどの活性化マーカーの発現の増加を含むがこれらに限定されない多数の方法によって確認することができる。いくつかの実施形態では、増加は、個々の細胞又は細胞集団で測定される。
【0200】
本明細書で使用される「増加した」又は「増加する」という用語は、TACを発現しないγδT細胞又はγδT細胞の集団と比較して、及び/又は従来のCARを発現するγδT細胞又はγδT細胞の集団と比較して、TACを発現するγδT細胞又はγδT細胞の集団の少なくとも1%、2%、5%、10%、25%、50%、100%又は200%の増加を指す。
医薬組成物
【0201】
特定の実施形態では、本明細書に開示される操作された(TACで形質導入された、及び/又はTACを発現する)ガンマデルタT細胞及び薬学的に許容可能な担体を含む医薬組成物が本明細書に開示される。薬学的に許容可能な担体としては、例えば、中性緩衝食塩水、リン酸緩衝食塩水などの緩衝液;グルコース、マンノース、スクロース又はデキストラン、マンニトールなどの炭水化物;タンパク質;グリシンなどのポリペプチド又はアミノ酸;酸化防止剤;EDTA又はグルタチオンなどのキレート剤;アジュバント(例えば、水酸化アルミニウム);防腐剤(例えば、凍結保存剤);又はDMSOが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、操作されたγδT細胞は静脈内投与用に製剤化される。
【0202】
医薬組成物は、処置(又は予防)される疾患に適切な方法で投与される。投与の量及び頻度は、患者の症状、並びに患者の疾患の種類及び重症度などの要因によって決定されるが、適切な投与量は臨床試験によって決定される。「免疫学的有効量」、「抗腫瘍有効量」、「腫瘍阻害有効量」又は「治療量」が示される場合、投与される本発明の組成物の正確な量は、年齢、体重、腫瘍サイズ、感染又は転移の程度、及び患者(対象)の症状の個人差を考慮して医師によって決定される。
【0203】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の操作されたガンマデルタT細胞及び/又は医薬組成物は、101~1015細胞/体重(kg)、104~109細胞/体重(kg)、任意に、105~108細胞/体重(kg)、106~107細胞/体重(kg)又は105~106細胞/体重(kg)(これらの範囲内のすべての整数値を含む)の投与量で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の改変γδT細胞及び/又は医薬組成物は、体重(kg)当たり101細胞を超える投与量で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の改変γδT細胞及び/又は医薬組成物は、体重(kg)当たり1015細胞未満の投与量で投与される。
【0204】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の操作されたガンマデルタ及び/又は医薬組成物は、0.5×106細胞、2×106細胞、4×106細胞、5×106細胞、1.2×107細胞、2×107細胞、5×107細胞、2×108細胞、5×108細胞、2×109細胞、0.5-2000×106細胞、0.5-2×106細胞、0.5-2×107細胞、0.5-2×108細胞、又は0.5-2×109細胞の投与量(それらの範囲内のすべての整数値を含む)で投与される。
【0205】
いくつかの実施形態では、γδT細胞組成物は、これらの投与量で複数回投与される。いくつかの実施形態では、投与量は、単回若しくは複数回、例えば毎日、毎週、隔週、若しくは毎月、毎時間投与されるか、又は処置されている癌の再発、ぶり返し、若しくは進行時に投与される。いくつかの実施形態において、細胞は、免疫療法において一般に知られている注入技術(例えば、Rosenberg et al.,New Eng.J.of Med.319:1676,1988を参照)を使用することによって投与される。
【0206】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、例えば、エンドトキシン、マイコプラズマ、複製能を有するレンチウイルス(RCL)、p24、VSV-G核酸、HIV gag、残留抗CD3/抗CD28被覆ビーズ、マウス抗体、プールされたヒト血清、ウシ血清アルブミン、ウシ血清、培養培地成分、ベクターパッケージング細胞又はプラスミド成分、細菌、真菌、マイコプラズマ、IL-2及びIL-7からなる群から選択される汚染物質を実質的に含まない、例えば検出可能なレベルで含まない。いくつかの実施形態では、治療上許容され得るレベルの汚染物質、例えば前述の汚染物質の1つが存在し得る。
【0207】
改変/操作されたγδT細胞及び/又は医薬組成物は、エアロゾル吸入、注射、注入、摂取、輸血、埋込又は移植を含むがこれらに限定されない方法によって投与される。改変γδT細胞及び/又は医薬組成物は、対象に、経動脈、皮下、皮内、腫瘍内、結節内、髄内、筋肉内、静脈内(i.v.)注射、静脈内(i.v.)注入、又は腹腔内投与される。改変/操作されたγδT細胞及び/又はその医薬組成物は、皮内又は皮下注射によって患者に投与される。改変/操作されたγδT細胞及び/又はその医薬組成物は、i.v.注射によって投与される。改変/操作されたγδT細胞及び/又はその医薬組成物は、腫瘍、リンパ節又は感染部位に直接注射される。
【0208】
医薬組成物は、有効量のγδT細胞が薬学的に許容可能な担体と混合されるように、対象に投与される薬学的に許容可能な組成物を調製するための公知の方法によって調製される。適切な担体は、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences(Remington’s Pharmaceutical Sciences,20th ed.,Mack Publishing Company,Easton,Pa.,USA,2000)に記載されている。これに基づいて、組成物は、排他的ではないが、1つ又は複数の薬学的に許容可能な担体又は希釈剤と組み合わせた物質の溶液を含み、適切なpH及び生理学的流体と等浸透圧の緩衝溶液に含まれる。
【0209】
適切な薬学的に許容可能な担体には、医薬組成物の生物学的活性の有効性を妨げない本質的に化学的に不活性で非毒性の組成物が含まれる。適切な医薬用担体の例としては、限定されないが、水、生理食塩水、グリセロール溶液、N-(1(2,3-ジオレイルオキシ)プロピル)N,N,N-トリメチルアンモニウムクロリド(DOTMA)、ジオレシルホスホチジル-エタノールアミン(DOPE)、及びリポソームが挙げられる。いくつかの実施形態では、そのような組成物は、患者に直接投与するための形態を提供するために、治療有効量の化合物を適切な量の担体と共に含有する。
【0210】
医薬組成物には、限定されないが、凍結乾燥粉末又は水性若しくは非水性の滅菌注射用溶液若しくは懸濁液が含まれ、これは、組成物を意図するレシピエントの組織又は血液と実質的に適合性にする抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤及び溶質をさらに含有し得る。そのような組成物中に存在し得る他の成分としては、例えば、水、界面活性剤(Tweenなど)、アルコール、ポリオール、グリセリン及び植物油が挙げられる。即時注射溶液及び懸濁液は、滅菌粉末、顆粒、錠剤、又は濃縮溶液若しくは懸濁液から調製され得る。
【0211】
本明細書に開示される医薬組成物は、様々な形態に製剤化され、いくつかの異なる手段によって投与される。医薬製剤は、所望に応じて、従来から許容され得る担体、アジュバント、及びビヒクルを含有する製剤で、経口、直腸、又は非経口投与される。本明細書で使用される「非経口」という用語は、皮下、静脈内、筋肉内、又は胸骨内の注射及び注入技術を含む。投与には、動脈内、心臓内、脳室内、皮内、十二指腸内、髄内、筋肉内、骨内、腹腔内、髄腔内、血管内、静脈内、硝子体内、硬膜外及び皮下)、吸入、経皮、経粘膜、舌下、頬側及び局所(皮膚上、皮膚、浣腸、点眼剤、点耳剤、鼻腔内、膣を含む)投与を含む注射又は注入が含まれる。いくつかの例示的な実施形態では、投与経路は、筋肉内、静脈内、皮下又は腹腔内注射などの注射によるものである。
【0212】
液体製剤には、経口製剤、静脈内製剤、鼻腔内製剤、眼製剤、耳製剤、エアロゾルなどが含まれる。特定の実施形態では、様々な製剤の組み合わせが投与される。特定の実施形態では、組成物は、持続放出プロファイルのために製剤化される。
処置方法及び使用方法
【0213】
特定の実施形態では、癌の処置を必要とする個体における癌の処置において本明細書に開示される操作されたガンマデルタT細胞を使用する方法が本明細書に開示される。
【0214】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるTACの標的特異的抗原結合ドメインは腫瘍細胞上の腫瘍抗原又は腫瘍関連抗原に結合する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるTACの標的特異的抗原結合ドメインは腫瘍細胞上の腫瘍抗原又は腫瘍関連抗原に選択的に結合する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるTACの標的特異的抗原結合ドメインは腫瘍細胞上の腫瘍抗原又は腫瘍関連抗原に特異的に結合する。いくつかの実施形態では、標的抗原は腫瘍抗原である。腫瘍抗原の例としては、CD19、HER2(erbB-2)、B細胞成熟抗原(BCMA)、アルファフェトプロテイン(AFP)、癌胎児性抗原(CEA)、CA-125、MUC-1、上皮腫瘍抗原(ETA)、チロシナーゼ、メラノーマ関連抗原(MAGE)、前立腺特異的抗原(PSA)、神経膠腫関連抗原、β-ヒト絨毛性ゴナドトロピン、サイログロブリン、RAGE-1、MN-CA IX、ヒトテロメラーゼ逆転写酵素、RU1、RU2(AS)、腸カルボキシルエステラーゼ、mut hsp70-2、M-CSF、プロスターゼ、PAP、NY-ESO-1、LAGE-1a、p53、プロステイン、PSMA、サバイビン及びテロメラーゼ、前立腺癌腫腫瘍抗原-1(PCTA-1)、ELF2M、好中球、CD22、インスリン成長因子(IGF)-I、IGF-II、IGF-I受容体及びメソテリンが挙げられるが、コレラに限定されない。
【0215】
特定の実施形態において、標的抗原を発現する癌の処置を必要とする個体において標的抗原を発現する癌を処置する方法であって、本明細書に開示する操作されたガンマデルタT細胞を個体に投与することを含む方法が本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、標的抗原はCD19である。いくつかの実施形態では、CD19を発現する癌の処置を必要とする個体においてCD19を発現する癌を処置する方法は、CD19標的化抗原結合ドメインを含むTACを含む操作されたガンマデルタT細胞を個体に投与することを含む。いくつかの実施形態では、CD19標的化TACを含むガンマデルタT細胞によって処置される癌の例には、B細胞悪性腫瘍が含まれるが、これに限定されない。いくつかの実施形態では、CD19標的化TACを含むガンマデルタT細胞によって処置される癌の例には、B細胞リンパ腫、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、及び慢性リンパ性白血病(CLL)が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、CD19標的化TACを含むガンマデルタT細胞によって処置される癌の例には、非ホジキンリンパ腫(NHL)が含まれるが、これに限定されない。
【0216】
いくつかの実施形態では、標的抗原はHER2である。いくつかの実施形態では、癌細胞がHER2を発現する癌を、それを必要とする個体において処置する方法は、HER2標的化抗原結合ドメインを含むTACを含む操作されたガンマデルタT細胞を個体に投与することを含む。いくつかの実施形態では、HER2標的化TACを含むガンマデルタT細胞によって処置される癌の例には、乳癌、膀胱癌、膵臓癌、卵巣癌、及び胃癌が含まれるが、これらに限定されない。
【0217】
いくつかの実施形態では、標的抗原はBCMAである。いくつかの実施形態では、癌細胞がBCMAを発現する癌を、それを必要とする個体において処置する方法は、BCMA標的化抗原結合ドメインを含むTACを含む操作されたガンマデルタT細胞を個体に投与することを含む。いくつかの実施形態では、BCMA標的化TACを含むガンマデルタT細胞によって処置される癌の例には、白血病、リンパ腫、及び多発性骨髄腫が含まれるが、これらに限定されない。
【0218】
癌の処置を必要とする個体において癌を処置するための医薬の調製における、本明細書中に開示される操作されたガンマデルタT細胞の使用が、本明細書中にさらに開示される。操作された/改変されたガンマデルタT細胞及び改変されていないガンマデルタT細胞を含む、又は改変されていないガンマデルタT細胞を含む若しくは含まない操作された/改変されたガンマデルタT細胞の異なる集団を含むガンマデルタT細胞の混合物の使用も本明細書に開示される。当業者は、治療量の操作された/改変されたガンマデルタT細胞が本質的に均一である必要はないことを理解するであろう。
【0219】
本明細書に記載の操作されたガンマデルタT細胞は、単独で、又は他の治療剤及び/又はモダリティと組み合わせて使用することができる。本明細書で使用される、「組み合わせて」投与されるという用語は、患者に対する処置の効果がある時点で重複するように、障害による対象の苦痛の経過中に2つ(又はそれよりも多く)の異なる処置が対象に送達されることを意味すると理解される。特定の実施形態では、第2の処置の送達が始まるときに1つの処置の送達が依然として行われているので、投与に関して重複がある。これは、本明細書では「同時」又は「同時送達」と呼ばれることがある。他の実施形態では、一方の処置の送達は、他方の処置の送達が始まる前に終了する。いずれの場合の特定の実施形態でも、併用投与のおかげで処置はより効果的である。例えば、第2の処置がより効果的である、例えば、より少ない第2の処置で同等の効果が見られる、又は第2の処置が、第1の処置がない場合に第2の処置が投与された場合に見られるであろうよりも大きく症候を軽減する、又は第1の処置で類推される状況が見られる。特定の実施形態では、送達は、症候又は障害に関連する他のパラメータの減少が、一方の処置を他方の非存在下で送達した場合に観察されるものよりも大きくなるようなものである。2つの処置の効果は、部分的に相加的であってもよく、完全に相加的であってもよく、又は相加的よりも大きいものであってもよい。送達は、送達される第1の処置の効果が、第2の処置が送達されるときに依然として検出可能であるようなものであり得る。
【0220】
いくつかの実施形態では、ガンマデルタT細胞又は医薬組成物は、ゾレドロネートと組み合わせて投与される。
【0221】
いくつかの実施形態では、ガンマデルタT細胞又は医薬組成物は、サイトカイン、例えばIL-2、IL-15、及び/又はIL-15 IL-15 Rα融合タンパク質と組み合わせて投与される。ペプチド、ポリペプチド又はタンパク質(例えば、IL-2、IL-15及び/又はIL-15 IL-15 Rα融合タンパク質)との併用療法に関して、本明細書に記載のガンマデルタT細胞又は医薬組成物は、(i)ペプチド、ポリペプチド又はタンパク質自体、又は(ii)ペプチド、ポリペプチド又はタンパク質をコードする核酸又は発現ベクターと組み合わせて投与され得ることが理解される。あるいは、ガンマデルタT細胞は、ペプチド、ポリペプチド又はタンパク質を発現するように操作され得る。ガンマデルタT細胞がペプチド、ポリペプチド又はタンパク質を発現するように操作される場合、ペプチド、ポリペプチド又はタンパク質は、細胞内、分泌又は膜結合形態で発現され得る。例えば、IL-15は、膜結合IL-15及びIL-15 Rα融合タンパク質として発現され得る。
【0222】
いくつかの実施形態では、ガンマデルタT細胞又は医薬組成物は、CD16アゴニスト(例えば、抗CD16抗体)と組み合わせて投与される。
【0223】
いくつかの実施形態では、本明細書の治療開示の有効性は、複数回評価される。いくつかの実施形態では、患者は、本明細書中に開示される処置に対する応答に基づいて層別化される。いくつかの実施形態では、処置の有効性が治験への参加を決定する。
【0224】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるTACのいずれか1つを含むガンマデルタT細胞を操作して処置される癌は、任意の形態の新生物疾患を含む。いくつかの実施形態では、処置される癌の例としては、乳癌、肺癌及び白血病、例えば混合型白血病(MLL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、処置される癌の例としては、大細胞型B細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、原発性縦隔型B細胞リンパ腫、高悪性度B細胞リンパ腫、又は濾胞性リンパ腫から生じる大細胞型B細胞リンパ腫が挙げられるが、これらに限定されない。他の癌には、癌腫、芽細胞腫、メラノーマ、肉腫、血液癌、リンパ性悪性腫瘍、良性及び悪性の腫瘍、並びに悪性腫瘍が含まれる。いくつかの実施形態では、癌は、非固形腫瘍又は固形腫瘍を含む。いくつかの実施形態では、処置される癌は、血管新生していない腫瘍、又はまだ実質的に血管新生していない腫瘍、並びに血管新生した腫瘍を含む。いくつかの実施形態では、癌は固形癌であるか、又は固形腫瘍を含む。いくつかの実施形態では、癌は液体癌であるか、又は液体腫瘍を含む。いくつかの実施形態では、癌は、肺癌、乳癌、結腸癌、多発性骨髄腫、神経膠芽腫、胃部の癌、卵巣癌、胃癌、結腸直腸癌、尿路上皮癌、子宮内膜癌、又はメラノーマである。いくつかの実施形態では、癌は肺癌である。いくつかの実施形態では、癌は乳癌である。いくつかの実施形態では、癌は結腸癌である。いくつかの実施形態では、癌は多発性骨髄腫である。いくつかの実施形態では、癌は神経膠芽腫である。いくつかの実施形態では、癌は胃部の癌である。いくつかの実施形態では、癌は卵巣癌である。いくつかの実施形態では、癌は胃癌である。いくつかの実施形態では、癌は結腸直腸癌である。いくつかの実施形態では、癌は尿路上皮癌である。いくつかの実施形態では、癌は子宮内膜癌である。いくつかの実施形態では、癌は、メラノーマである。
【実施例】
【0225】
以下の実施例は、本発明の様々な実施形態を例示する目的で与えられており、決して本発明を限定することを意味するものではない。本実施例は、本明細書に記載の方法と共に、好ましい実施形態を現在のところ代表するものであり、例示的なものであり、本発明の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲によって定義される本発明の精神の範囲内に包含されるその中の変更及び他の使用は、当業者には想起されるであろう。
実施例1材料及び方法
PBMCの単離
【0226】
ヒト末梢血単核細胞(PBMC)を、McMaster Immunology Research Centreにおいてボランティア健常ドナーから得た。場合によっては、HemaCare Corporation(Van Nuys,CA)から購入した白血球アフェレーシス製品からPBMCを単離した。Ficoll-Paque(登録商標)Plus(Biosciences,Piscataway,NJ)での密度勾配遠心分離によって、ヘパリン処理した全血からPBMCを単離した。精製プロセス後、PBMCを90%ヒトAB血清/10% DMSO中で凍結した。
【0227】
この研究は、カナダ、ハミルトンのマクマスター大学の研究倫理委員会によって承認された。末梢血試料を提供した全ての健常ドナーから書面によるインフォームドコンセントを得た。
ウイルス及びキメラ受容体。
【0228】
全てのレンチウイルスはLentigenで製造された。CD19-TACウイルスは、CD8aリーダー配列、CD19を認識するFMC63一本鎖抗体、Y177T突然変異を有するヒト化UCHT1一本鎖抗体、及びCD4膜貫通/細胞質ドメインを含む配列番号64のアミノ酸配列を有するTAC受容体をコードする配列番号63のヌクレオチド配列を含んでいた。HER2-TACウイルスは、IgGκリーダー、HER2を認識するH10-2-G3 DARPin、ヒト化UCHT1一本鎖抗体、及びCD4膜貫通/細胞質ドメインを含む配列番号65のアミノ酸配列を有するTAC受容体をコードする配列番号66のヌクレオチド配列を含んでいた。
【0229】
GALVシュードタイプ化γ-レトロウイルスをマクマスター大学で製造した。BCMA-TACウイルスは、BCMAを認識する一本鎖抗体を含むTAC受容体をコードするγ-レトロウイルスである。
γδT細胞の製造
【0230】
健常ドナーからのPBMCを、Hemacare and Stem Cell Technologiesから購入した白血球アフェレーシス産物から単離した。PBMCを、以下を含有するRPMI 1640中、2×105細胞/ウェルの密度で96ウェル丸底プレートに播種した:10%熱不活性化ウシ胎児血清10mM HEPES、2mM L-グルタミン、1000U/mlペニシリン及びストレプトマイシン、55uM 2-メルカプトエタノール。1mMピルビン酸ナトリウム及び非必須アミノ酸(以下、cRPMIと呼ぶ)。IL-2及びゾレドロネートを、それぞれ10ng/ml及び1ug/mlの濃度で出発培養物に含めた。培養開始から約18~24時間後、100ulの培養培地を各ウェルから除去し、レンチウイルスを10~50ulの容量で添加した。レンチウイルスの体積は、30%~40%のγδT細胞の形質導入を達成するために個々のウイルス及びドナーごとに決定される感染多重度(MOI)に依存する。あるいは、活性化の72時間後に細胞にγ-レトロウイルスを形質導入する。さらに16~24時間培養した後、各ウェルに、10ng/ml IL-2を補充した100ulのcRPMIを投与した。培養物を定期的に監視し、細胞密度を約1×106細胞/mlに保つために必要に応じてスケーリングした。培養物を、10ng/mlのIL-2を補充した新鮮なcRPMIの添加によってスケーリングし、必要に応じてより大きな培養容器に移した。14日間の培養後、CD4陽性T細胞及びCD8陽性T細胞を除去することによってγδT細胞を濃縮し、98%を超える純粋なγδT細胞の培養物を得た。濃縮工程後、γδT細胞をCryoStor10(商標)に再懸濁し、液体窒素中で凍結保存した。
フローサイトメトリーによる細胞表面マーカーの表現型分析
【0231】
CAR及び形質導入マーカーtNGFR発現を、免疫染色及びフローサイトメトリーによる分析によって評価した。HER2-CARの表面発現を測定するために、T細胞を組換えHER2-Fcキメラタンパク質(R&D Systems)とインキュベートし、続いてフィコエリトリン-コンジュゲート抗ヒトIgG Fc二次コンジュゲート抗体(Jackson ImmunoResearch)とインキュベートした。BCMA-CARの表面発現を測定するために、T細胞を組換えBCMA-Fcキメラタンパク質(R&D Systems)とインキュベートし、続いてフィコエリトリン-コンジュゲート抗ヒトIgG Fc二次コンジュゲート抗体(Jackson ImmunoResearch)とインキュベートした。CD19-TAC発現を測定するために、T細胞をビオチン化プロテインL(Thermo Fisher Scientific)とインキュベートし、引き続いてフィコエリトリン-コンジュゲートストレプトアビジン(BD Pharmingen)とインキュベートした。T細胞表現型マーカー(CD4、CD8及びtNGFR)の発現を、コンジュゲート抗体(BD Biosciences)による直接染色によって検出した。フローサイトメトリーをBD LSRII又はBD LSRFortessa(商標)サイトメーター(BD Bioscience)で行い、FlowJo vXソフトウェアを使用して分析した。
腫瘍細胞株
【0232】
全ての腫瘍株を、10%熱不活性化FBS、2mM L-グルタミン、10mM HEPES、100U/mLペニシリン、100μg/mLストレプトマイシン及び55nMβ-メルカプトエタノールを補充したRPMI 1640中で培養した(細胞培養培地及び添加剤はThermo Fisher Scientificから購入した)。InvivoGenの市販のキットを使用して、マイコプラズマの存在について細胞株を日常的に試験した。ルシフェラーゼに基づく細胞傷害性アッセイにおける使用を可能にし、インビボでのモニタリングを可能にするために、増強されたホタルルシフェラーゼ(Rabinovich et al.(2008)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 105:14342-6に記載)をコードするレンチウイルスを用いて細胞株を操作した。
インビトロ細胞傷害性ルミネセンスアッセイ
【0233】
細胞傷害性を評価するために、5×104個のルシフェラーゼで操作された腫瘍細胞を、示されたエフェクター:標的で、白色の平底96ウェルプレート(Corning)中、37°Cで18時間、T細胞と共培養した。A549及びOVCAR-3をHER2-CAR T細胞の標的として使用した。JeKo-1、Raji及びNALM-6をCD19-TAC T細胞の標的として使用した。共培養後、ウェルあたり0.15mg/mLのD-ルシフェリン(Perkin Elmer,Waltham,MA)を添加し、SpectraMax(登録商標)i3(Molecular Devices,Sunnyvale,CA)を使用してすべての波長にわたって発光を測定した。標的殺傷%は、1-[((試験ウェルの発光-バックグラウンド)/(腫瘍細胞単独でのウェルの発光-バックグラウンド)]×100%として決定された。各条件を三連で試験した。
養子移入及びインビボモニタリング
【0234】
5週齢のメスのNOD.Cg-Rag1tm1MomIl2rgtm1Wjl/SzJ(NRG)マウスを、The Jackson Laboratory(Bar Harbor,ME)から購入するか、又は自家繁殖させた。7~11週齢の雄NRGマウスに5×105個のJeKo-1-effLuc細胞を静脈内注射した。操作されたT細胞の単回用量を、腫瘍成長の7日後に投与した。腫瘍量を、以前に記載されたように(Helsen et al.(2018)Nat.Commun.9:3049,Hammill et al.(2020)Mol.Ther Oncolytics.17:278-292)生物発光イメージングによってモニターした。マウスに、D-ルシフェリン溶液(15mg/ml;Perkin Elmer;Waltham,MA)を、10uLのD-ルシフェリン溶液/体重(グラム)の用量で、IVIS Spectrum(Caliper Life Sciences;Waltham,MA)を用いた背側及び腹側イメージングの14分前に腹腔内注射した。画像を、Living Image Software v4.2 for MacOSX(Perkin Elmer)を使用して分析し、背側及び腹側の放射輝度を合計した。終了基準には、瀕死又は後肢麻痺が含まれた。McMaster Animal Research Ethics Boardは、すべてのマウス実験を承認し、すべての場合において、動物の処置は、McMaster Animal Research Ethics Boardの指示及びガイドラインを厳守した。
実施例2TAC発現γδT細胞の操作
【0235】
この実施例は、TAC受容体を用いてγδT細胞を操作するためのプロセスを記載する。
【0236】
図4に示すように、リガンドBTN3A1の不活性形態を示す細胞は、γ9δ2 TCRに結合することができず、したがってγ9δ2 T細胞に対して非感受性である。しかしながら、
図5に示すように、TAC受容体は、従来のαβTCRと同様にγ9δ2 TCRを共用し、そうでなければ非感受性の標的を攻撃するようにγ9δ2 T細胞に指示することができる。
【0237】
そのようなTAC発現γ9δ2 T細胞を生成する方法の概略図を
図6に示す。γ9δ2 T細胞をゾレドロネートで活性化し、IL-2の存在下で培養した。活性化後、TAC受容体をコードするレンチウイルス又はγレトロウイルスをγ9δ2 T細胞に感染させ、10~-14日間増殖させ、その時点で培養物中の優勢な集団になった。次いで、汚染しているαβT細胞を、CD4及びCD8受容体のネガティブ選択によって細胞産物から除去し、98%を超えるγ9δ2 T細胞である最終産物を得た。このプロセスは、40%~50%の形質導入効率を日常的にもたらし、これは、従来のαβT細胞における形質導入効率に匹敵する。この過程の様々な時点におけるγδT細胞の頻度を
図7に示す。
実施例3TAC発現γδT細胞のインビトロ細胞傷害性
【0238】
この実施例は、TAC受容体がインビトロで別個の標的にγδT細胞を首尾よく誘導し、そうでなければγδT細胞に耐性である腫瘍細胞の強力な死滅を可能にすることを示す前臨床データを記載する。
【0239】
T細胞をTAC受容体を発現するように操作しなかったことを除いて、実施例2に記載のゾレドロネートに基づく製造プロセスを使用してγ9δ2 T細胞の培養物を生成した。操作されていないγ9δ2 T細胞を、様々なエフェクター:標的比でCD19陽性標的(Raji、JeKo-1及びNALM-6)と共培養し、細胞を、実施例1で上記した発光に基づくアッセイを使用してインビトロ細胞傷害性について試験した。結果を
図8に示す。標的の死滅を6時間後(同日)又は18時間後(一晩)に確認した。NALM-6細胞は、操作されていないγ9δ2 T細胞による死滅に対して最も感受性であることが分かった。JeKo-1細胞は、γ9δ2 T細胞に対して中程度の感受性を示すことが分かった。Raji細胞は、操作されていないγ9δ2 T細胞による殺傷に耐性であることが分かった。
【0240】
(i)CD19に特異的なTACで操作された培養物(CD19-TACγδT細胞)、(ii)HER2に特異的なTACで操作された培養物(HER 2-TACγδT細胞)、及び(iii)操作されていないγδT細胞の培養物の、3つのγ9δ2 T細胞の培養物を、実施例2に記載のゾレドロネートに基づく製造プロセスを使用して生産した。3つのγ9δ2 T細胞産物を、様々なエフェクター:標的比でCD19陽性/HER2陰性標的(Raji、JeKo-1及びNALM-6)と共培養し、細胞を、実施例1で上記した発光に基づくアッセイを使用してインビトロ細胞傷害性について試験した。結果を
図9に示す。CD19-TACγδT細胞は、そうでなければ操作されていないγδT細胞に対して非感受性であったRaji標的を含むすべての標的に対して溶解活性を示した。対照的に、HER2-TACγδT細胞は、操作されていないγδT細胞と比較して溶解活性の増加を示さず、CD19-TACでγδT細胞を操作することによる殺滅の増強が抗原特異的標的化によるものであることが確認された。抗原特異的TAC操作の利点は、非操作γδT細胞に対する固有の感受性にかかわらず、すべての腫瘍で見られた。
【0241】
(i)CD19に特異的なTACで操作された培養物(CD19-TACγδT細胞)、(ii)HER2に特異的なTACで操作された培養物(HER 2-TACγδT細胞)、及び(iii)操作されていないγδT細胞の培養物の、3つのγ9δ2 T細胞の培養物を、実施例2に記載のゾレドロネートに基づく製造プロセスを使用して生産した。3つのγ9δ2 T細胞産物を、様々なエフェクター:標的比でHER2陽性/CD19陰性標的(A549及びOVCAR-3)と共培養し、細胞を、実施例1で上記した発光に基づくアッセイを使用してインビトロ細胞傷害性について試験した。結果を
図10に示す。両方の腫瘍株は、操作されていないγδT細胞による溶解に対していくらかの感受性を示したが、HER2-TACによる操作は、両方の標的を溶解するγδT細胞の能力を増強した。対照的に、CD19-TACγδT細胞は、操作されていないγδT細胞と比較して溶解活性の増加を示さず、HER2-TACでγδT細胞を操作することによる殺滅の増強が抗原特異的標的化によるものであることが確認された。ここでも、抗原特異的TAC操作の利点は、非操作γδT細胞に対する固有の感受性にかかわらず、すべての腫瘍で見られた。
【0242】
γ9δ2 T細胞の以下の培養物を生産した:(i)BCMAに特異的なTACをコードするGALVシュードタイプ化γレトロウイルスで操作された培養物(BCMA-TACγδT細胞)、及び(ii)操作されていないγδT細胞の培養物。γ9δ2 T細胞産物を、様々なエフェクター:標的比でBCMA+(KMS-11及びMM.1S)又はBCMA-(K562)細胞と共培養し、細胞を、ルミネセンスに基づくアッセイを使用してインビトロ細胞傷害性について試験した。結果を
図11に示し、BCMA-TACを用いた操作が、BCMA+標的を溶解するγδT細胞の能力を劇的に高めたことを実証する。
実施例4TAC発現γδT細胞のインビボ細胞傷害性
【0243】
この実施例は、TAC受容体がインビボでγ9δ2 T細胞の治療活性を増強することを示す前臨床データを記載しており、そうでなければγ9δ2 T細胞に対して非感受性である腫瘍に対するものを含む。
【0244】
CD19陽性/HER2陰性JeKo-1異種移植片を有するマウスを、(i)CD19に特異的なTACで操作したγ9δ2 T細胞(CD19-TACγδT細胞、(ii)HER2に特異的なTACで操作したγ9δ2 T細胞(HER2-TACγδT細胞、又は(iii)担体培地(Cryostor10(商標))単独(黒丸、破線)で処置した。腫瘍成長を生物発光イメージングによって毎週モニターした。結果を
図12に示す。HER2-TACγδT細胞で処置したマウスの腫瘍は、キャリア単独で処置した腫瘍と同じペースで増殖し、この腫瘍はγδT細胞に非感受性であり、TAC受容体を用いた操作は非抗原特異的抗腫瘍活性をもたらさないことを実証した。対照的に、CD19-TACγδT細胞による処置は、すべての腫瘍の退縮を引き起こし、TAC受容体によって媒介される明確な抗原特異的抗腫瘍活性を実証した。
実施例5TAC発現γδT細胞の細胞傷害性
【0245】
一般に実施例2に記載のゾレドロネートに基づく製造プロセスを使用して、HER2に特異的なTACを発現するようにγδT細胞を操作した(HER2-TACγδT細胞)。操作されていないγδT細胞(NTDγδT細胞)も実験に使用した。HT1080細胞(天然HER2陽性)を、ルシフェラーゼに基づく細胞傷害性アッセイにおける使用を可能にするために、増強されたルシフェラーゼ(eLuc)を発現するように操作した(HT1080eLuc細胞)。NCI-N87(天然HER2陽性)細胞も、eLucを発現するように操作した(NCI-N87eLuc細胞)。
【0246】
HER2-TAC又はNTDγδT細胞を、様々なエフェクター対標的(E:T)比でHT1080
eLuc又はNCI-N87
eLuc細胞と14時間共培養した。共培養の終了時に、未処理対照と比較して発光を測定することによって腫瘍細胞の生存率を評価した。結果を
図13に示す。HER2-TACγδT細胞は、NTDγδT細胞と比較してより強力な細胞傷害性応答を誘導した。NTDγδT細胞は、潜在的には腫瘍細胞によって発現される特定のストレスリガンドを認識するそれらの生来の能力のために、依然としていくらかの細胞傷害性を示した。
【0247】
さらなる実験では、共培養の前に、標的細胞を5μMゾレドロネートで一晩前処理した。前処理の後、HER2-TAC又はNTDγδT細胞を、様々なエフェクター対標的(E:T)比でHT1080
eLuc又はNCI-N87
eLuc細胞と14時間共培養した。共培養の終了時に、未処理対照と比較して発光を測定することによって腫瘍細胞の生存率を評価した。結果を
図14に示す。ゾレドロネート処理は、NTDγδT細胞によって誘導される細胞傷害性を増強した。しかしながら、HER2-TACγδT細胞は、試験した全ての条件でNTDγδT細胞と比較して依然として優れた細胞傷害性を示した。
【0248】
活性化HER2-TACγδT細胞はHT1080
eLuc細胞に対して細胞傷害性を示したが(
図13)、ゾレドロネート前処理は、活性化HER2-TACγδT細胞によって誘導される細胞傷害性をさらに増強した(
図14)。ゾレドロネート及びTACはTCR依存性機構を介してγδT細胞を活性化すると予想されるので、この増強された細胞傷害性は予想外であった。ゾレドロネート媒介活性化は、腫瘍細胞上のホスホ抗原の利用可能性に応じて異なり得るが、HER2抗原単独では、HER2-TACγδT細胞の完全活性化に十分であると予想された。さらに、ゾレドロネートは、HER2-TACγδT細胞の製造中に既に使用されていた。したがって、HER2発現腫瘍細胞において、ゾレドロネートの添加がHER2-TACγδT細胞の活性をさらに増強することは予想外であった。
実施例6TAC発現γδT細胞によるサイトカイン産生
【0249】
一般に実施例2に記載のゾレドロネートに基づく製造プロセスを使用して、HER2に特異的なTACを発現するようにγδT細胞を操作した(HER2-TACγδT細胞)。操作されていないγδT細胞(NTDγδT細胞)及びNCI-N87細胞も実験に使用した。
【0250】
HER2-TAC又はNTDγδT細胞をNCI-N87細胞と1:1のエフェクター対標的(E:T)比で共培養した。細胞を4時間共培養し、TNFα、IFNγ又はIL2のいずれかで染色した。示されているサイトカインについて陽性である細胞のパーセンテージが
図15に示されている。図示のように、HER2陽性標的細胞と共培養した場合、HER2-TACのみがサイトカイン産生を示し、NTDγδT細胞はサイトカイン産生を示さなかった。
【0251】
さらなる実験では、共培養の前に、標的細胞を5μMゾレドロネートで一晩前処理した。前処理の後、HER2-TAC又はNTDγδT細胞をNCI-N87細胞と1:1のエフェクター対標的(E:T)比で4時間共培養し、上記のようにTNFα、IFNγ又はIL2のいずれかで染色した。示されているサイトカインについて陽性である細胞のパーセンテージが
図16に示されている。HER2-TAC及びNTDγδT細胞は両方とも、HER2陽性標的細胞と共培養した場合にサイトカイン産生を示したが、サイトカイン産生はHER2-TAC操作細胞の方が大きかった。
【0252】
活性化HER2-TACγδT細胞は、標的細胞と共培養した場合にサイトカイン産生を示したが(
図15)、ゾレドロネート前処理は、活性化HER2-TACγδT細胞におけるサイトカイン産生をさらに増強した(
図16)。ゾレドロネート及びTACはTCR依存性機構を介してγδT細胞を活性化すると予想されるので、この増強されたサイトカイン産生は予想外であった。ゾレドロネート媒介活性化は、腫瘍細胞上のホスホ抗原の利用可能性に応じて異なり得るが、HER2抗原単独では、HER2-TACγδT細胞の完全活性化に十分であると予想された。さらに、ゾレドロネートは、HER2-TACγδT細胞の製造中に既に使用されていた。したがって、HER2発現腫瘍細胞において、ゾレドロネートの添加がHER2-TACγδT細胞の活性をさらに増強することは予想外であった。
実施例7TAC発現γδ及びαβT細胞の細胞傷害性
【0253】
γδ及びαβT細胞を、HER2に特異的なTACを発現するように操作した(それぞれHER2-TACγδT細胞及びHER2-TACαβT細胞)。γδT細胞は、一般に、実施例2に記載のゾレドロネートに基づく製造プロセスを用いて製造した。操作されていないγδ及びαβT細胞(それぞれNTDγδT細胞及びNTDαβT細胞)並びにNCI-N87細胞も実験に使用した。
【0254】
HER2-TACγδ、NTDγδ、HER2-TACαβ又はNTDαβT細胞を、50 IU/ml IL2の存在下で様々なエフェクター対標的(E:T)比でNCI-N87細胞と共培養した。細胞を5日間共培養し、蛍光顕微鏡によってリアルタイムでモニターした(Cytation 5)。T細胞をVybrant(登録商標)DiD細胞標識溶液(DiD)で染色した。DNA結合死色素(Cell Tox Green)を含めた。細胞死を、細胞死色素の面積(死色素について陽性に染色されたT細胞の面積)の増加として測定した。
【0255】
結果を
図17に示す。HER2-TACαβT細胞は、HER2-TACγδT細胞と比較してより低いレベルの細胞傷害性を示し、HER2-TACγδT細胞が対応するHER2-TACαβT細胞よりも強力であることを示唆した。NTDαβT細胞は、有意な細胞傷害性を示さなかったが、γδNTD細胞では、いくらかの低レベルの非特異的細胞傷害性が観察された。細胞傷害性はすべての場合において用量依存的であり、1:50のE:T比でほとんどの有効性が観察され、1:200のE:T比で最小の有効性が観察された。
【0256】
さらなる実験では、共培養の前に、標的細胞をゾレドロネートで一晩前処理した。前処理の後、HER2-TACγδ、NTDγδ、HER2-TACαβ又はNTDαβT細胞を、50 IU/ml IL2の存在下で様々なエフェクター対標的(E:T)比でNCI-N87細胞と共培養し、細胞傷害性を上記のようにアッセイした。
【0257】
結果を
図18に示す。活性化HER2-TACαβT細胞は低レベルの細胞傷害性を示し、これはゾレドロネートの添加によってさらに増強されなかった。対照的に、活性化HER2-TACγδT細胞は、標的細胞をゾレドロネートで前処理した後、増強されたレベルの細胞傷害性を示した。HER2-TACγδT誘導性の細胞傷害性は、NTDγδT細胞誘導性の細胞傷害性よりも大きかった。NTDαβT細胞は、有意な細胞傷害性を示さなかった。細胞傷害性はすべての場合において用量依存的であり、1:50のE:T比でほとんどの有効性が観察され、1:200のE:T比で最小の有効性が観察された。
【0258】
活性化HER2-TACγδT細胞は細胞傷害性を示したが(
図17)、ゾレドロネート前処理は、活性化HER2-TACγδT細胞によって誘導される細胞傷害性をさらに増強した(
図18)。ゾレドロネート及びTACはTCR依存性機構を介してγδT細胞を活性化すると予想されるので、この増強された細胞傷害性は予想外であった。ゾレドロネート媒介活性化は、腫瘍細胞上のホスホ抗原の利用可能性に応じて異なり得るが、HER2抗原単独では、HER2-TACγδT細胞の完全活性化に十分であると予想された。さらに、ゾレドロネートは、HER2-TACγδT細胞の製造中に既に使用されていた。したがって、HER2発現腫瘍細胞において、ゾレドロネートの添加がHER2-TACγδT細胞の活性をさらに増強することは予想外であった。
実施例8TAC発現γδT細胞のCD16刺激
【0259】
本発明者らは、γδT細胞上のCD16(FcγRIII)発現を評価した。γδT細胞は、一般に、実施例2に記載のゾレドロネートに基づく製造プロセスを用いて製造した。製造されたγδT細胞培養物は、形質導入されていない場合(データは示さず)及びBCMA-TACを発現する場合の両方でCD16の発現を示した(
図19)。CD16発現は、αβT細胞よりもγδT細胞において高かった。
【0260】
製造されたγδT細胞上に発現したCD16が機能的であるかどうかを決定するために、本発明者らは、アゴニストCD16モノクローナル抗体(10、25、50又は100ng/μL濃度で結合)で4時間プレート結合刺激を行い、CD107a動員及びTNFα発現を評価した。
【0261】
結果を
図20A及び
図20Bに示す。CD16刺激に対する用量依存的応答が、CD107a動員及びTNFα発現の両方について観察された(
図20A)。最高CD16濃度(100ng/μL)での刺激は、非刺激培養物中のCD16+γδT細胞の割合と同様のCD107a+及びTNFα+γδT細胞の割合をもたらし(
図20B)、このCD16濃度が培養物中のすべてのCD16+γδT細胞を刺激したことを示唆した。
【0262】
次に、TAC刺激からのエフェクター機能がCD16刺激によって増強され得るかどうかを試験した。ドナーのばらつきの影響を最小限に抑えるために、本発明者らは、CD16+γδT細胞集団について10名のドナーをスクリーニングし、大規模γδT細胞製造のために7名のCD16+ドナーを選択した。本発明者らは、最初に、6人のドナーにわたって繰り返されるプレート結合アッセイにおいて、アゴニストCD16 mAbを使用したCD16の直接刺激によって、BCMA抗原によるBCMA-TAC刺激(Vδ2+NGFR+細胞におけるCD107a及びTNFα発現によって測定される)が増強され得るかどうかを評価した。細胞を、0又は2ng/μL濃度で結合したプレート結合BCMA-Fc、及び/又は0、5、25、若しくは100ng/μL濃度で結合したCD16で4時間刺激した。
【0263】
結果を
図21に示す。一般に、細胞をBCMA及びCD16で二重刺激したか、又はCD16単独で刺激したかにかかわらず、BCMA-TACγδT細胞においてCD16に対する用量依存的応答があると思われた。
【0264】
すべてのCD16のみの刺激条件間の有意差によって実証されるように、γδT細胞の脱顆粒に対するCD16の効果(CD107a発現によって測定)は、CD16のみで刺激したBCMA-TACγδT細胞においてより顕著であった。BCMA及びCD16で刺激したBCMA-TACγδT細胞は同様の傾向を示したが、BCMA単独で刺激したBCMA-TACγδT細胞と最高CD16濃度(100ng/μL)で二重刺激したBCMA-TACγδT細胞との間で脱顆粒に有意差のみ存在した。まとめると、これらの結果は、CD16がBCMA-TACγδT細胞脱顆粒を増強することができることを示している。
【0265】
同様に、BCMA-TACγδT細胞のCD16刺激(単独)は、TNFα発現について用量依存的応答をもたらした。BCMA及びCD16によるBCMA-TACγδT細胞の二重刺激は、同様の傾向に従ったが、応答のばらつきはより大きかった。さらに、TNFα発現のCD16ブーストは、二重刺激細胞において25ng/μL~100ng/μLでプラトーに達するようであった。全体として、これらの結果は、BCMA-TACγδT細胞が、CD16及び/又はTAC受容体を介して刺激された場合にTNFα発現を増加させることができることを実証している。
【0266】
本発明の好ましい実施形態を本明細書に示し説明してきたが、そのような実施形態が例としてのみ提供されることは当業者には明らかであろう。本発明から逸脱することなく、当業者には多数の変形、変更、及び置換が思い浮かぶであろう。本明細書に記載の本発明の実施形態に対する様々な代替形態が、本発明を実施する際に使用され得ることを理解されたい。以下の特許請求の範囲が本発明の範囲を定義し、これらの特許請求の範囲内の方法及び構造並びにそれらの均等物がそれによって包含されることが意図される。
【配列表】
【国際調査報告】