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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-22
(54)【発明の名称】薬剤流出防止具
(51)【国際特許分類】
   A61M 31/00 20060101AFI20231115BHJP
【FI】
A61M31/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021565045
(86)(22)【出願日】2021-10-18
(85)【翻訳文提出日】2021-11-01
(86)【国際出願番号】 KR2021014512
(87)【国際公開番号】W WO2023058805
(87)【国際公開日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】10-2021-0133145
(32)【優先日】2021-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521478463
【氏名又は名称】ウロオール
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【弁理士】
【氏名又は名称】立花 顕治
(74)【代理人】
【識別番号】100176337
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 弘樹
(72)【発明者】
【氏名】パク ミュンチャン
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA03
(57)【要約】
薬剤流出防止具が提供される。本発明の一実施例に係る薬剤流出防止具は、患者の陰茎が挿入される薬剤流出防止具であって、前記薬剤流出防止具は、前記患者の亀頭が位置する部分から延長されて形成される開口部を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の陰茎が挿入される薬剤流出防止具であって、
前記薬剤流出防止具は、
前記患者の亀頭が位置する部分から延長されて形成される開口部を含む、薬剤流出防止具。
【請求項2】
前記開口部は、
前記患者の亀頭が位置する部分から延長される一端の内径が他端の内径よりも小さく形成される、請求項1に記載の薬剤流出防止具。
【請求項3】
前記開口部は、
内部の中空に突出する突起を備える、請求項1に記載の薬剤流出防止具。
【請求項4】
前記突起は、
前記患者の亀頭が位置する部分により近接して形成される、請求項3に記載の薬剤流出防止具。
【請求項5】
前記突起は、
前記患者の尿道側に傾いて形成される、請求項3に記載の薬剤流出防止具。
【請求項6】
前記薬剤流出防止具は、
前記患者の亀頭が位置する部分及び前記開口部にゲル(gel)成分が塗布される、請求項1に記載の薬剤流出防止具。
【請求項7】
さらに、ゲル(gel)成分で形成されるゲルフォームを含み、
前記ゲルフォームは、前記患者の尿道に挿入される医療機器が貫通する貫通孔を備える、請求項1に記載の薬剤流出防止具。
【請求項8】
前記薬剤流出防止具は、
前記患者の亀頭が位置する部分及び開口部の反対側の末端の厚さが、より厚く形成される、請求項1に記載の薬剤流出防止具。
【請求項9】
前記薬剤流出防止具は、
前記開口部の厚さが、前記患者の陰茎が挿入される部分の厚さよりも3倍以上厚く形成される、請求項1に記載の薬剤流出防止具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬剤流出防止具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
尿道狭窄症は、炎症や負傷などによって尿道の粘膜に生じた傷が回復する過程において瘢痕などが残り、尿道が狭くなって不便さを感じる症状である。患者の陰茎の尿道内部に狭窄が起こり、尿道内部が狭くなる。尿道狭窄の患者の場合、主に内視鏡で、狭窄している尿道を広げる手術が施行されている。
【0003】
一方、尿道狭窄症の治療の最大の問題点は、手術後の線維化反応による再発率が、50~70%に至ることである。よって、手術後の再狭窄の発生を抑制するために、さまざまな高価な狭窄予防のための薬剤が用いられている。
【0004】
ところが、狭窄の再発を防ぐための薬剤の投与方法は、カテーテルや導尿管の横から薬剤を投与し、ガーゼを導尿管などに縛って体外への流出を防ぐという原始的な方法が用いられている。
【0005】
それ故、尿道狭窄症の治療のためには、高価な薬剤を数回繰り返し投与しなければならない。それにより、高価な薬剤の無駄が生じることがある。また、尿道内の薬剤が体外に流出しないように導尿管を腹部に固定して、患者が一日中動いてはならない問題があり、ガーゼを導尿管に縛るという原始的な方法によって、患者に不便が生じている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記問題点を解決するためのものであって、亀頭尿道部位を効果的に密閉して、薬剤の流出を防止することができる、薬剤流出防止具を提供する。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及されていない別の課題は、以下の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を達成するための本発明の一実施例に係る薬剤流出防止具は、患者の陰茎が挿入される薬剤流出防止具であって、前記薬剤流出防止具は、前記患者の亀頭が位置する部分から延長されて形成される開口部を含む。
【0009】
また、前記開口部は、前記患者の亀頭が位置する部分から延長される一端の内径が、他端の内径よりも小さく形成されることができる。
【0010】
また、前記開口部は、内部の中空に突出する突起を備えることができる。
【0011】
また、前記突起は、前記患者の亀頭が位置する部分により近接して形成されることができる。
【0012】
また、前記突起は、前記患者の尿道側に傾いて形成されることができる。
【0013】
また、前記薬剤流出防止具は、前記患者の亀頭が位置する部分及び前記開口部にゲル(gel)成分が塗布されることができる。
【0014】
また、ゲル(gel)成分によって形成されるゲルフォームを含み、前記ゲルフォームは、前記患者の尿道に挿入される医療機器が貫通する貫通孔を備えることができる。
【0015】
また、前記薬剤流出防止具は、前記患者の亀頭が位置する部分及び前記開口部の反対側の末端の厚さが、より厚く形成されることができる。
【0016】
そして、前記薬剤流出防止具は、前記開口部の厚さが、前記患者の陰茎が挿入される部分の厚さよりも3倍以上厚く形成されることができる。
【0017】
本発明のその他の具体的な事項は、詳細な説明及び図面に含まれている。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、カテーテル、導尿管などが挿入された患者の尿道部位の周囲に、薬剤が漏れ出ない、高い密閉力を維持することができる。
【0019】
また、薬剤流出防止具を適用した際の不便さを緩和しつつ、外性器への固定が上手くなされるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1は、本発明の第1実施例に係る薬剤流出防止具の断面図である。
【0021】
図2は、本発明の第1実施例に係る薬剤流出防止具の斜視図である。
【0022】
図3は、本発明の第2実施例に係る薬剤流出防止具の断面図である。
【0023】
図4は、本発明の第3実施例に係る薬剤流出防止具の断面図である。
【0024】
図5は、薬剤流出防止具の開口部の突起を示す図面である。
【0025】
図6は、亀頭面が位置する領域にゲル成分が塗布された薬剤流出防止具の断面図である。
【0026】
図7は、亀頭面が位置する領域及び開口部にゲル成分が塗布された薬剤流出防止具の断面図である。
【0027】
図8は、カテーテルが挿入されているゲルフォームの斜視図である。
【0028】
図9は、貫通孔を備えるゲルフォームの断面図である。
【0029】
図10は、本発明の第4実施例に係る薬剤流出防止具の断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明の薬剤流出防止具は、患者の陰茎が挿入される薬剤流出防止具であって、前記薬剤流出防止具は、上記患者の亀頭が位置する部分から延長されて形成される開口部を含む。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付された図面を参照して、本発明の好適な実施例について詳細に説明する。本発明の利点及び特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付の図面とともに詳細に後述されている実施例を参照すれば明確になるであろう。しかし、本発明は、以下に開示さる実施例に限定されるものではなく、相異なる多様な形態で具現されるものであり、本実施例は、本発明の開示を完全なものとし、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、請求項の範疇によって定義されるべきである。明細書の全体にわたって、同一の参照符号は、同一の構成要素を指称する。
【0032】
第1、第2などが、さまざまな素子、構成要素及び/またはセクションを叙述するために使用されるが、これらの素子、構成要素、及び/またはセクションは、これらの用語によって制限されないのはもちろんである。これらの用語は、単に、一つの素子、構成要素またはセクションを、別の素子、構成要素またはセクションと区別するために使用されるものである。したがって、以下で言及される第1素子、第1構成要素または第1セクションは、本発明の技術的思想内で、第2素子、第2構成要素または第2セクションであることもあるのはもちろんである。
【0033】
本明細書で使用される用語は、実施例を説明するためのものであり、本発明を制限するものではない。本明細書において、単数形は、言句で特に言及しない限り、複数形も含む。明細書で使用される「含む(comprises)」及び/または「~からなる(made of)」は、言及された構成要素、段階、動作及び/または素子が、一つ以上の別の構成要素、段階、動作及び/または素子の存在または追加を排除するものではない。
【0034】
他の定義がなければ、本明細書で使用されるすべての用語(技術及び科学的な用語を含む)は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に共通して理解され得る意味で使用されることができる。また、一般的に使用される事典に定義されている用語は、特に明白に定義されていない限り、理想的または過度に解釈されない。
【0035】
以下、本発明について、添付の図面に基づいてより詳細に説明する。
【0036】
図1は、本発明の第1実施例に係る薬剤流出防止具の断面図である。また、図2は、本発明の第1実施例に係る薬剤流出防止具の斜視図である。
【0037】
図1及び図2を参照すると、本発明の第1実施例に係る薬剤流出防止具(10)は、一側が開放されて患者の陰茎が挿入される。そして、開放された一側の反対側である患者の亀頭が位置する部分から延長されて形成される開口部(13)を含む。
【0038】
具体的には、薬剤流出防止具(10)は、3つの部分に区分されることができる。患者の陰茎が挿入される本体部(11)、前記本体部(11)と開口部(13)との間を連結する連結部(12)、前記連結部(12)から延長形成される開口部(13)である。患者の外性器部分は、本体部(11)と連結部(12)に位置するようになる。
【0039】
本体部(11)は、患者の外性器の大部分が位置するところであって、一側が開放され、円筒形状を有することができる。本体部(11)は、開口部(13)に比べて、長さは長く、内部の断面直径が大きい。
【0040】
連結部(12)は、亀頭を包み込む部分であって、本体部(11)と開口部(13)との間を連結するように凸形状やボウル形状などを有することができる。好ましくは、連結部(12)は、亀頭の形状に合わせて適切に形成されることができる。そうすることによって、亀頭に着用する際に、着用が容易でありながら、亀頭への密着が上手くなされることができる。そして、連結部(12)の厚さは、本体部(11)と同一に形成されることができる。
【0041】
開口部(13)は、連結部(12)から延長されて形成され、カテーテルや導尿管などを挿入して案内する、ガイド孔の役割を果たしている。つまり、開口部(13)は、患者の亀頭が位置する部分から延長されて形成される。
【0042】
このような開口部(13)にカテーテルや導尿管などを挿入すると、開口部(13)の弾力性によって、カテーテルや導尿管に密着して固定される。
【0043】
このとき、カテーテルなどの医療機器の挿入は可能でありながら密着して固定される効果を極大化するために、開口部(13)は、尿道側の内径が末端部分の内径よりも小さく形成されることができ、開口部(13)の厚さが本体部(11)の厚さよりも厚く形成されることができる。
【0044】
再度、図1及び図2を参照すると、開口部(13)の厚さが、本体部(11)の厚さよりも3倍厚く形成されたことが図示されており、好ましくは、3倍以上厚く形成されることができる。よって、カテーテルなど患者の尿道に挿入される医療機器の挿入を容易にし、患者の尿道に挿入される医療機器の密着特性を向上させながら支持する役割を果たしている。
【0045】
薬剤流出防止具(10)は、シリコン、ゴム、ラテックスまたはウレタンのうち少なくとも一つからなることができ、弾力性と耐久性に優れ、装着及び使用上の利便性を高めることができる。つまり、シリコン、ゴム、ラテックス、ウレタンなどの弾性材料によって薬剤流出防止具(10)が形成され、ソフトな感触と陰茎の膨張及び収縮時に余裕を持たせることができる。
【0046】
このような薬剤流出防止具(10)は、使用前に巻かれていることができ、これは、使用前の薬剤流出防止具(10)の損傷や毀損を防止し、薬剤流出防止具(10)のサイズを縮小するためである。
【0047】
図3は、本発明の第2実施例に係る薬剤流出防止具の断面図である。
【0048】
図3を参照すると、第2実施例に係る薬剤流出防止具(20)は、第1実施例に係る薬剤流出防止具(10)とは開口部(23)の形状が変更されており、他の構造は同一であるので、これに対する詳細な説明は省略することとする。
【0049】
図3において、開口部(23)は、尿道側に行くほどその内部空間の断面の直径が小さくなっている。具体的には、開口部(23)が傾斜して形成されることができる。カテーテルを尿道側に挿入する場合、開口部(23)の内部空間の直径がだんだん小さくなってカテーテルの挿入が容易であり、開口部(23)と連結部(22)が接して生じる孔が狭くなってカテーテルの外周面に沿って薬剤が外部に流出することを減らすことができる。
【0050】
また、図面には図示されていないが、開口部(23)の内部が、段差構造を有する3層、4層などの階段式(stepped)で形成されることができる。つまり、開口部(23)の入口から連結部(22)側に行くほどその内径が小さくなる部分が、少なくとも1つ以上形成されることができる。
【0051】
これにより、患者の亀頭が位置する部分から延長される一端の内径が他端の内径よりも小さく形成され、カテーテルなど患者の尿道に挿入される医療機器の密着特性を向上させながら、尿道に挿入された薬剤が流出することを防止することができる。
【0052】
図4は、本発明の第3実施例に係る薬剤流出防止具の断面図である。
【0053】
図4を参照すると、本発明の第3実施例に係る薬剤流出防止具(30)は、患者の亀頭が位置する部分から延長されて形成される開口部(33)を含み、前記開口部(33)が、内部の中空に突出した部分を有することができる。
【0054】
具体的には、連結部(32)から続く開口部(33)に入口突出部(33a)が形成されることができ、前記入口突出部(33a)によって、亀頭と接する最も内側の内径を小さくして、カテーテルなどの医療機器の挿入が可能でありながら、挿入されたカテーテルなどの医療機器と密着して固定することができる。
【0055】
また、開口部(33)の内部中空に少なくとも一つ以上の突起(33b)を形成することができ、前記突起(33b)によって、薬剤が外に流出することを最大限抑制することができる。図4において、横方向に切った断面を基準に、1つの突起(33b)が内部中空の一部の領域のみに形成されることもでき、全体の領域に形成されてリング形状のようになることもできる。リング形状のように突起(33b)が形成された場合、薬剤流出防止効果が一層高まり、カテーテルなどの、挿入された医療機器の滑りを防止することのできる内部リングのような役割を担うことができる。
【0056】
このとき、突起(33b)は、患者の亀頭が位置する部分により近接して形成されることができる。開口部(33)は、カテーテルなどの医療機器の尿道への挿入をガイドするので、医療機器の先端が開口部(33)に容易に挿入されることのできる空間を提供することができる。
【0057】
また、図4において、薬剤流出防止具(30)は、患者の亀頭が位置する部分及び開口部の反対側の末端の厚さがより厚く形成されることができる。つまり、本体部(31)の末端部分(31a)が、本体部(31)の他の部分よりも厚く形成されることができる。
【0058】
本体部(31)の末端部分が本体部(31)の他の部分よりも厚く形成されることにより、薬剤流出防止具(30)を容易に巻いたり広げたりすることができる。つまり、本体部(31)を効果的に巻いたり広げたりできるようになる。
【0059】
図5は、薬剤流出防止具の開口部の突起を示す図面である。
【0060】
図5を参照すると、開口部の中央に位置する突起(33b)は、上述して説明したリング形状のようになり、上に位置する突起及び下に位置する突起は、リング形状の一部が裂かれた形状のようになることができる。
【0061】
具体的には、薬剤流出防止及び滑り止めのために、リング形状の突起(33b)を形成し、カテーテルを挿入したり抜去したりすることを容易にするために、裂かれたリング形状の突起を形成することができる。
【0062】
好ましくは、突起(33b)を少なくとも3つ配置し、中央に位置する突起(33b)はリング形状、上及び下に位置する突起は裂かれたリング形状であることができる。中でも、上及び下に位置する突起は、半分に裂かれたリング形状であり、互いに対称的に形成されて、上及び下に位置する突起を合わせると、リング形状になることができる。
【0063】
また、突起(33b)は、患者の尿道側に傾いて形成されることができる。これによって、医療機器を尿道に挿入することが容易であり、挿入された医療機器が尿道の外側に動くことを基本的に防止することができる。
【0064】
図6は、亀頭面が位置する領域にゲル成分が塗布された薬剤流出防止具の断面図である。
【0065】
図6を参照すると、第3実施例に係る薬剤流出防止具(30)は、連結部(32)の一部の領域にゲル成分が塗布されることができる。つまり、薬剤流出防止具(30)は、患者の亀頭が位置する部分にゲル(gel)成分を塗布することができる。もちろん、上述して説明した、第1及び第2薬剤流出防止具(10、20)と、本発明から容易に変更可能な別の形態の薬剤流出防止具にも、患者の亀頭が位置する部分にゲル(gel)成分を塗布することができるのは、当然であるといえる。
【0066】
ゲル成分で形態をなすことができ、これをゲルフォームとする。つまり、ゲルフォーム(100)は、ゲルからなる構成であり、柔らかいシリコンゲルやハイドロゲルの形態からなり、薬剤流出防止具を着用した際の不便さを緩和しながら、亀頭面への固定が上手くなされるようにする。また、ゲルの特性から、カテーテルや導尿管が挿入された尿道の周囲に薬剤が漏れ出ないように、高い密閉力を維持することができる。
【0067】
つまり、ゲルフォーム(100)が、感覚及び痛みに敏感な亀頭部位に適用されることにより、尿道の入口の周囲に、ゲルフォーム(100)の特性による密閉力を維持し、薬剤が尿道から外部に流出するのを効果的に防止する。特に、若干の粘性のあるゲルフォーム(100)を亀頭面に適用することで、痛み及び不便さを減らし、外性器に対する優れた固定力を与えることができる。
【0068】
図7は、亀頭面が位置する領域及び開口部にゲル成分が塗布された、薬剤流出防止具の断面図である。図7を参照すると、第3実施例に係る薬剤流出防止具(30)は、連結部(32)の一部の領域及び開口部(33)にゲル成分が塗布されることができる。つまり、患者の亀頭が位置する部分以外に、開口部(33)までゲル成分を塗布することができる。もちろん、上述して説明した、第1及び第2薬剤流出防止具(10、20)と、本発明から容易に変更可能な別の形態の薬剤流出防止具にも、患者の亀頭が位置する部分及び開口部にゲル(gel)成分を塗布できるのは、当然であるといえる。
【0069】
開口部(33)に満たされたゲル成分からなるゲルフォーム(100)によって、完全な密閉状態が維持されて、薬剤が流出することを基本的に遮断する。
【0070】
そして、開口部(33)に位置するゲルフォーム(100)は、カテーテルや導尿管が挿入されることができ、通過したカテーテルや導尿管は、ゲル成分の特性により、完全な密閉性を維持することができる。
【0071】
このとき、開口部(33)が常に開放されている状態ではなく、カテーテルなどの医療機器を挿入する力によってカテーテルが挿入されて貫通孔が形成され、医療機器が除去されると、ゲルの粘性によって開口部(33)の空いた空間がゲルで満たされることができる。
【0072】
図8は、カテーテルが挿入されているゲルフォームの斜視図である。
【0073】
図8を参照すると、ゲルフォーム(100)は、棒形状が連結された、ボウル(bowl)形状であることができる。
【0074】
棒形状の中央にカテーテル(200)を挿入しても、粘性のあるゲル成分によって、空いた空間がなく、完全な密閉性が維持されるようになる。薬剤流出防止具の連結部に位置するゲルフォーム(100)によって、亀頭に加わる触感を患者がなめらかに感じるようになり、薬剤流出防止具の着用性が向上する。
【0075】
図9は、貫通孔を備えるゲルフォームの断面図である。
【0076】
図9を参照すると、ゲルフォームは、患者の尿道に挿入される医療機器が貫通する貫通孔を備えることができる。ゲル成分の特性によって、貫通孔が、カテーテルなどの医療機器が挿入された場合にのみ生成されることもできるが、常に貫通孔が維持されることもできる。
【0077】
図9に示すように、ゲルフォームが常に貫通孔を備える場合、薬剤流出防止具の亀頭面が位置するボウル(bowl)形状部分のゲルフォーム(102)と、患者の亀頭が位置する部分から延長されて形成される開口部に位置するゲルフォーム(101)のゲル成分とが異なることができる。このような場合、開口部に位置するゲルフォーム(101)のゲル成分のほうが粘度が高くなることができる。
【0078】
図10は、本発明の第4実施例に係る薬剤流出防止具の断面図である。
【0079】
図10を参照すると、本発明の第4実施例に係る薬剤流出防止具(40)は、亀頭を包み込む連結部(42)について、開口部(43)から本体部(41)まで連結する角度を、図4に示した薬剤流出防止具(30)よりも広く形成することにより、亀頭に着用する際に着用が容易で、密着がよりよくなされる。
【0080】
一方、図面には図示していないが、上述して説明した薬剤流出防止具(10、20、30、40)と、本発明の薬剤流出防止具(10、20、30、40)から容易に変更可能な別の形態の薬剤流出防止具は、さらに、内部に位置する創傷被覆物質(図示せず)を含むことができる。
【0081】
男性の陰茎の手術後、陰茎の特徴的な形態によって、陰茎の形態に合わせて被覆材を裁断して使用しなければならないという不便がある。このような不便さを改善するために、薬剤流出防止具(10、20、30、40)の内部にあらかじめ創傷被覆材を適用して使用することが好ましい。とりわけ、創傷被覆材は、亀頭面に合う部分と亀頭面の下の陰茎部に合う部分からなり、薬剤流出防止具(10、20、30、40)の内部に装着されることができる。
【0082】
本発明の薬剤流出防止具によって、効果的に薬剤の流出を防止することができ、カテーテルなどの医療機器の挿入が容易でありながら、挿入されたカテーテルの優れた固定効果を得ることができる。
【0083】
以上、添付された図面を参照して本発明の実施例を説明したが、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明が、その技術的思想や必須の特徴を変更せず、別の具体的な形態で実施されることができるということを理解できるはずである。したがって、以上で記述した実施例は、すべての面において例示的なものであり、限定的ではないと理解すべきである。
【産業上の利用可能性】
【0084】
泌尿器の疾患を治療する分野で利用することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】