(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-22
(54)【発明の名称】室内栽培用途向けの灯具のためのヒートシンク
(51)【国際特許分類】
F21V 29/76 20150101AFI20231115BHJP
F21V 29/503 20150101ALI20231115BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20231115BHJP
【FI】
F21V29/76
F21V29/503
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021570973
(86)(22)【出願日】2021-05-13
(85)【翻訳文提出日】2021-11-29
(86)【国際出願番号】 US2021032161
(87)【国際公開番号】W WO2022103432
(87)【国際公開日】2022-05-19
(32)【優先日】2020-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521254270
【氏名又は名称】エイチジーシーアイ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】デンケ・カイ
(57)【要約】
室内栽培施設用の灯具が提供される。この灯具は、ハウジング、照明モジュール、およびヒートシンクを備える。ハウジングは、第1の部分および第2の部分を画定する。照明モジュールは、第2の部分内に少なくとも部分的に設置される。ヒートシンクは、照明モジュールに重なり、照明モジュールから離れて熱を放散するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内栽培施設用の灯具であって、
第1の部分および第2の部分を画定するハウジングであって、前記第2の部分は、照明受け、および前記照明受けの下方に設置された窓を画定する、ハウジングと、
前記窓の上方の前記照明受け内に少なくとも部分的に設置され、前記窓を通して光を投影するように構成された複数の発光ダイオードを備える照明モジュールと、
前記照明受け内に少なくとも部分的に設置され、前記照明モジュールに重なるヒートシンクであって、前記ヒートシンクは、前記照明モジュールから熱を放散するように構成され、
前記ハウジングの前記第2の部分は、前記ヒートシンクの周縁部を囲み、
前記ヒートシンクは、少なくとも約98%の純アルミニウムを含む第1の金属から形成され、
前記ハウジングは、主に純アルミニウムであるが前記第1の金属よりも少ない純アルミニウムを含む第2の金属から形成される、ヒートシンクと
を備える、灯具。
【請求項2】
前記第1の金属は、少なくとも約99%の純アルミニウムを含む、請求項1に記載の灯具。
【請求項3】
前記第2の金属は、約50%の純アルミニウム~約95%の純アルミニウムの間を含む、請求項1に記載の灯具。
【請求項4】
前記ヒートシンクは、冷間鍛造プロセスにより形成され、
前記ハウジングは、ダイカストプロセスにより形成される、請求項1に記載の灯具。
【請求項5】
前記第1の部分内に少なくとも部分的に設置されたコントローラをさらに備える、請求項1に記載の灯具。
【請求項6】
前記ハウジングは、主フレームと、前記主フレームに重なり前記主フレームと共に結合されるカバー部材とを備える、請求項5に記載の灯具。
【請求項7】
前記主フレームは、コントローラ受けを画定し、
前記カバー部材は、前記コントローラ受けに重なり覆う蓋部分を備え、
前記コントローラは、前記蓋部分が前記コントローラに重なるように、前記コントローラ受け内に設置される、請求項6に記載の灯具。
【請求項8】
前記蓋部分は、前記コントローラからの熱の放散を容易にするように構成された複数のヒートシンクフィンを備える、請求項7に記載の灯具。
【請求項9】
室内栽培施設用の灯具であって、
第1の部分および第2の部分を画定するハウジングであって、前記第2の部分は、照明受け、および前記照明受けの下方に設置された窓を画定する、ハウジングと、
前記窓の上方の前記照明受け内に少なくとも部分的に設置され、前記窓を通して光を投影するように構成された複数の発光ダイオードを備える照明モジュールと、
前記照明受け内に少なくとも部分的に設置され、前記照明モジュールに重なるヒートシンクであって、前記ヒートシンクは、前記照明モジュールから熱を放散するように構成され、
前記ヒートシンクは、第1の熱伝導率を有する第1の金属から形成され、
前記ハウジングは、第2の熱伝導率を有する第2の金属から形成される、ヒートシンクと
を備える、灯具。
【請求項10】
前記第1の金属は、少なくとも約98%の純アルミニウムを含み、
前記第2の金属は、主に純アルミニウムであるが、前記第1の金属よりも少ない純アルミニウムを含む、請求項9に記載の灯具。
【請求項11】
前記第1の金属は、少なくとも約99%の純アルミニウムを含む、請求項10に記載の灯具。
【請求項12】
前記第2の金属は、約50%の純アルミニウム~約95%の純アルミニウムの間を含む、請求項11に記載の灯具。
【請求項13】
前記ヒートシンクは、冷間鍛造プロセスにより形成され、
前記ハウジングは、ダイカストプロセスにより形成される、請求項9に記載の灯具。
【請求項14】
前記第1の部分内に少なくとも部分的に設置されたコントローラをさらに備える、請求項9に記載の灯具。
【請求項15】
前記ハウジングは、主フレームと、前記主フレームに重なり前記主フレームと共に結合されるカバー部材とを備える、請求項14に記載の灯具。
【請求項16】
前記主フレームは、コントローラ受けを画定し、
前記カバー部材は、前記コントローラ受けに重なり覆う蓋部分を備え、
前記コントローラは、前記蓋部分が前記コントローラに重なるように、前記コントローラ受け内に設置される、請求項15に記載の灯具。
【請求項17】
前記蓋部分は、前記コントローラからの熱の放散を容易にするように構成された複数のヒートシンクフィンを備える、請求項16に記載の灯具。
【請求項18】
室内栽培施設用の灯具を製造するための方法であって、
第1の金属からハウジングをダイカストするステップであって、前記ハウジングは、第1の部分および第2の部分を備え、前記第2の部分は、照明受け、および前記照明受けの下方に設置された窓を画定する、ステップと、
前記窓の上方の前記照明受け内に少なくとも部分的に照明モジュールを据え付けるステップであって、前記照明モジュールは、前記窓を通して光を投影するように構成された複数の発光ダイオードを備える、ステップと、
第2の金属からヒートシンクを冷間鍛造するステップと、
前記ヒートシンクが前記照明モジュールと熱結合されて前記照明モジュールからの熱の放散を容易にするように、前記照明モジュールを覆って前記ヒートシンクを据え付けるステップと
を含む、方法。
【請求項19】
前記照明モジュールと前記ヒートシンクとの間に熱ペーストを据え付けるステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の部分内に少なくとも部分的にコントローラを据え付けるステップであって、前記ハウジングの蓋部分が、前記コントローラに重なり、前記コントローラからの熱の放散を容易にするように構成された複数のヒートシンクフィンを含むように、前記コントローラを据え付けるステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照
本願は、2020年11月13日に出願された「Heat Sink and Lens Cover for Light Fixture for Indoor Grow Application」と題する米国特許出願第17/098,321号の継続出願であり、2020年11月30日に出願された「Heat Sink for Light Fixture for Indoor Grow Application」と題する米国仮特許出願第63/118,982号に基づく優先権を主張する。ここにおいて、本願は、参照によりこれらの米国特許出願および米国仮特許出願をその全体において本明細書に組み込む。
【0002】
下記の装置は、概して室内栽培施設を照らすための光源の配列を含む灯具に関する。ヒートシンクが光源を覆って設けられることにより、光源からの熱分配を容易にする。
【背景技術】
【0003】
温室などの室内栽培施設は、成長を促すために植物に人工照明を与える灯具を含む。これらの灯具の各々は、典型的に植物のための人工光を発生する複数のLEDを含む。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
以下の説明、添付の特許請求の範囲および添付の図面に関連して様々な実施形態がより良く理解されるようになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】一実施形態に従う、灯具を描く上方等角図である。
【
図3】
図1のLED灯具の部分分解上方等角図である。
【
図4】
図1のLED灯具の部分分解下方等角図である。
【
図5】
図4における線5-5に沿って取られた横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1~
図6の図および例と関連して以下に実施形態を詳細に記載するが、図を通して同様の番号が同じまたは対応する要素を示す。室内栽培施設(例えば、温室)のための灯具20が
図1および
図2に全体的に描かれており、ハウジング22、第1および第2の照明モジュール24、26(
図2)ならびにハンガアセンブリ28を含むことができる。ハウジング22は、灯支持部分30および灯支持部分30に隣接するコントローラ支持部分32を含むことができる。灯支持部分30は、照明受け34(
図1)および照明受け34下方に設置される窓36(
図2)を画定できる。第1および第2の照明モジュール24、26(
図2)は、窓36上方で照明受け34内に設置でき、かつ以下にさらに詳細に記載することになるように、窓36を通して光を発するように構成できる。
【0007】
ハンガアセンブリ28は、第1および第2の照明モジュール24、26から窓36を通して発される光が下方となる植物に送られて成長を刺激できるように、1つまたは複数の植物(図示せず)上方での灯具20の懸吊を容易にすることができる。ハンガアセンブリ28は一対のハンガ支持体38およびハンガブラケット40を含むことができる。ハンガ支持体38は灯具20の対向側においてハウジング22に結合できる。ハンガブラケット40は、ハンガ支持体38と結合でき、かつハンガ支持体38間に延びて室内栽培施設の天井からの灯具20の懸吊を容易にすることができる。一実施形態において、
図1および
図2に例示されるように、ハンガブラケット40は、実質的にJ字形状である横断面形状を有して、室内栽培施設の天井に沿って設けられる梁または他の細長い支持部材からの灯具20の選択的な吊下げを容易にすることができる。
【0008】
ここで
図3および
図4を参照すると、ハウジング22は、主フレーム42、および主フレーム42に重なり、かつ溶接、接着剤、解放可能なタブ(図示せず)、締結具(図示せず)、または各種の適切な代替の永久もしくは解放可能な締結方式のいずれかを介して主フレーム42と共に結合されるカバー部材44を含むことができる。主フレーム42は、窓36を画定する底部照明壁46を含むことができる。
図3に例示されるように、主フレーム42は、協働してコントローラ受け52を画定する底部コントローラ壁48および複数の側壁50を含むことができる。カバー部材44は、
図1に例示されるように、コントローラ受け52に重なって覆う蓋部分54を含むことができる。底部コントローラ壁48、側壁50および蓋部分54は、ハウジング22のコントローラ支持部分32の少なくとも一部を形成できる。
【0009】
図4に例示されるように、第1および第2の照明モジュール24、26は各々、サブマウント56、58、複数の発光ダイオード(LED)(例えば、
図5における60)およびレンズカバー64、66を含むことができる。LED(例えば60)は、窓36を通して光を発するように構成できる。
図5を参照すると、ここで第1の照明モジュール24について述べることになるが、第2の照明モジュール26も表すと理解できる。LED60は、当該技術分野において一般に知られている各種の方法または技術のいずれかを介してサブマウント56に実装される表面実装LEDから成ることができる。LED60は、サブマウント56に直接的または間接的に実装される各種の適切な構成のいずれかであることができる。LED60は、単色LED(例えば、白、赤もしくは青などの1色の光だけを発することが可能)、多色LED(例えば、白、赤および青などの多様な色を発することが可能)、または両方の組合せから成ることができる。サブマウント56は、LED60を物理的および熱的に支持するために適切である各種の熱伝導性材料のいずれかから形成できる。
【0010】
レンズカバー64は、サブマウント56およびLED60に重なることができ、かつ締結具67または各種の適切な代替の結合方式のいずれかでサブマウント56と結合できる。レンズカバー64は、実質的に平面であるベース基板68、およびベース基板68から突出する複数の光学レンズ素子70を含むことができる。光学レンズ素子70の各々は、LED60のそれぞれの1つと実質的に調心でき、かつ灯具20下方の範囲に向けて(例えば、1つまたは複数の植物に向けて)LED60から発される光を再配分する(例えば、集中または分散させる)ように構成できる。一実施形態において、
図4および
図5に例示されるように、光学レンズ素子70の各々は凹面楕円形状を有することができる。しかしながら、光学レンズ素子70は、LED60から発される光の所望の再配分を達成するための各種の適切な代替形状またはその組合せのいずれかであることができる。
【0011】
図5に例示されるように、LED60は各々、物理的中心Pおよび焦中心Fが同軸であるように光学レンズ素子70のそれぞれの1つと調心できる。別の実施形態において、LED60は各々、物理的中心Pおよび焦中心Fが非同軸であるように光学レンズ素子70のそれぞれの1つとは僅かに偏位できる。一実施形態において、レンズカバー64は、ポリカーボネート材料および/またはポリメタクリル酸メチル(PMMA)から形成される単体一体構造を有することができる。しかしながら、レンズカバー64が内方のLEDを環境条件から保護できる各種の適切な代替の半透明または透明材料のいずれかから形成でき、かつ内方のLEDから伝達される光を再配分するための複数の光学レンズ素子70を収容することもできることが認識されるはずである。
【0012】
レンズカバー64は、レンズカバー64およびサブマウント56が協働してその間に内部72を画定するようにサブマウント56から離間できる。封止材料74が内部72を実質的に満たして、その中にLED60を封止するように、内部72内に封止材料74を設けることができる。封止材料74は、さもなければ封止材料74がなく(例えば、内部72に空気があれば)発生し得る内部72における光損失を低減させる光学的中性(または強化)材料から形成できる。一実施形態において、内部72は、LED60とレンズカバー64との間の光学的一体性に悪影響を及ぼし得る気泡または他の媒体を内部72から実質的になくさせるのに十分な量の封止材料74で満たす(例えば、完全に満たす)ことができる。封止材料74は、気体状流体(例えば、温室効果ガス)など、レンズカバー64を回避することができ得る環境条件からLED60を保護することもできる。一実施形態において、封止材料74は、例えば約1.35と1.6との間の屈折率を有する、メチル型シリコーン(例えば、ポリジメチルシロキサン)またはフェニル型シリコーンなどのシリコーンゲルであることができる。封止材料74のために各種の適切な代替材料のいずれかが企図されることが認識されるはずである。
【0013】
封止材料74はレンズカバー64より実質的に柔らかくなることができる(例えば、封止材料74はレンズカバー64の硬度より小さな硬度を有することができる)。一実施形態において、封止材料74は、レンズカバー64がサブマウント56に組み立てられた後に内部72へ注入またはその他分注できる流体またはゲルなど、流動性材料であることができる。別の実施形態において、封止材料74は、サブマウント56にレンズカバー64を組み立てる前にレンズカバー64上へかつ/またはサブマウント56およびLED60にわたって塗布できる。
【0014】
さらに
図5を参照すると、レンズカバー64の外面77にわたって保護コーティング76を設けることができる。保護コーティング76は、さもなければ光学レンズ素子70の光学性能に悪影響を及ぼし得る有害な環境条件からレンズカバー64の外面が保護されるように疎水性、疎油性かつ/または耐薬品性であることができる。保護コーティング76は、追加的または代替的に光学レンズ素子70の伝達品質を光学的に強化できる。一実施形態において、保護コーティング76は、環境条件(例えば、化学エッチング)に対して保護し、また光学レンズ素子70の全体の伝達品質を改善する薄膜無機材料であることができる。薄膜無機材料は、厚さ約10nmと約200nmとの間であることができ、かつ約1.49を超える屈折率を有することができる。適切な薄膜無機材料の一部の例にはMgF2、CaF2、SiO2、Al2O3および/またはTiO2を含む。保護コーティング76が単層配置であるのが図示されるが、保護コーティング76が代替的に同質(同じ材料の多層)であるか異質(多様な材料の多層)である多層配置であることができることが認識されるはずである。
【0015】
第1の照明モジュール24によって発される光が、第1の照明モジュール24の物理的構成(例えば、活用されるLED60の種類(例えば、単色または多色)、LED60の物理的レイアウト、レンズ素子(例えば、70)によって提供される光学部品、封止材料(例えば、74)、保護コーティング(例えば、76)および全体の電力消費)によって定められる照明プロファイル(例えば、色の範囲、全体の配光、熱プロファイル)に準拠できることが認識されるはずである。第1の照明モジュールの物理的構成の様々な例が上記されかつ図に図示されるが、所望の照明プロファイルを達成するために第1の照明モジュール24の各種の適切な代替の物理的構成のいずれかが企図されることが認識されるはずである。
【0016】
ここで
図1および
図3を参照すると、ヒートシンク78が、第1の照明モジュール24および第2の照明モジュール26に重なることができ、第1の照明モジュール24および第2の照明モジュール26から離れて熱を放散するように構成できる。ヒートシンク78は、カバー部材44がヒートシンク78の周縁部を囲むように、照明受け34内に少なくとも部分的に設置できる。ヒートシンク78は、サブマウント56、58にLED(例えば60)の対向側において熱結合できる。LED(例えば、60)によって発生される熱はサブマウント56、58からヒートシンク78に伝えられ、そして複数のフィン80によって周辺環境に放散できる。一実施形態において、サブマウント56、58とヒートシンク78との間に、例えば熱ペーストなどのヒートシンク化合物(図示せず)が設けられて、その間の熱伝導率を強化できる。
【0017】
ヒートシンク78は、少なくとも約98%の純アルミニウム(例えば高純度アルミニウム)を含む金属を含む(例えばこの金属から形成されるまたはこの金属からなる)ことができ、および一例では少なくとも約99%の純アルミニウム(例えばalum 110)を含む金属を含む(例えばこの金属から形成されるまたはこの金属からなる)ことができ、冷間鍛造プロセスにより形成することができる。この高純度アルミニウムは、高い熱伝導率(例えば約180W/mK~約270W/mKの間の)を有することができ、これは第1の照明モジュール24および第2の照明モジュール26により発生される熱のかなりの量を放散でき、ヒートシンク78が冷間鍛造され得るのに十分な軟性を有することができる。この冷間鍛造プロセスは、無駄が少なく、エネルギー効率がより高く、熱間鍛造および/または鋳造などの従来の製造プロセスよりも仕上げ作業をあまり必要としない最終製品をもたらすことができる。ヒートシンク78が第1および第2の照明モジュール24、26にわたって設けられる単体部品であるのが図示されるが、第1および第2の照明モジュール24、26の各々のために代替的に専用ヒートシンクを設けることができることが認識されるはずである。また、ヒートシンク78は、例えば銅などの冷間鍛造することができる様々な適切な代替材料の中の任意のものから形成することができることが認識されるはずである。
【0018】
ここで
図3を参照すると、コントローラ82をコントローラ受け52に設置でき、かつ第1および第2の照明モジュール24、26に給電しかつそれらを制御するように構成できる。
図1に例示されるように、カバー部材44の蓋部分54はコントローラ受け52およびコントローラ82に重なることができる。蓋部分54は、コントローラ82に対してヒートシンクとして機能でき、かつ複数のフィン84を含んで、コントローラ82からの熱の放散を促進できる。蓋部分54とコントローラ82との間に、例えば熱ペーストなどのヒートシンク化合物(図示せず)が設けられて、その間の熱伝導率を強化できる。
【0019】
主フレーム42およびカバー部材44(例えばハウジング22)は各々、主にアルミニウムである(例えば50%超の純アルミニウムを含む)が、ヒートシンク78よりも少ない純アルミニウムを含む(例えばより純度の低いアルミニウムを有する)金属を含む(例えばこの金属から形成されるまたはこの金属からなる)ことができる。一実施形態において、主フレーム42およびカバー部材44は各々、50%超の純アルミニウムかつ約95%未満の純アルミニウムを含むことができ、一例では約85%~約95%の純アルミニウムを含むことができる。したがって、主フレーム42およびカバー部材44は、ヒートシンク78よりも高い剛性を有することができる。主フレーム42およびカバー部材44は、主フレーム42およびカバー部材44を、第1の照明モジュール24および第2の照明モジュール26、コントローラ82、ならびに任意の他のハードウェア(例えばドライバ回路および配線(図示せず))を物理的に支持するのに十分に強いものにすることができる一方で、さらに主フレーム42およびカバー部材44が外観的に好ましい形状および輪郭を有することのできる、ダイカストプロセスにより形成することができる。主フレーム42およびカバー部材44は、ヒートシンク78がハウジング22との不慮の接触により損傷を被ることを効果的に防ぐために、ヒートシンク78を周方向に囲むことができる。
【0020】
主フレーム42およびカバー部材44(例えばハウジング22)のために使用される金属は、ヒートシンク78のために使用される金属よりも低い熱伝導率を有することができる(アルミニウム含有量がより低いことに起因)が、コントローラ82(および主フレーム42とカバー部材44との間に設置された任意の他の構成要素)から熱を効果的に放散するのに十分な伝導率を依然として有することができる。ハウジング22およびヒートシンク78のために使用される異なるタイプのアルミニウムの熱伝導率の違いにより、第1の照明モジュール24および第2の照明モジュール26からの熱がハウジング22内に設置された構成要素(例えばコントローラ82、ドライバ回路、および配線)の性能に対して悪影響を及ぼさないように、ヒートシンク78を介して第1の照明モジュール24および第2の照明モジュール26からの熱を実質的に完全におよびいくつかの例では完全に放散させる絶縁効果(例えば熱バリア)をもたらすことができる。
【0021】
ここで
図1および
図2を参照すると、ハウジング22は、第1および第2の照明モジュール24、26ならびにコントローラ82が互いから物理的に離間されるように、灯支持部分30とコントローラ支持部分32との間に延びる通路85を画定できる。通路85は、灯支持部分30とコントローラ支持部分32との間を空気が流れるのを可能にして、動作中の第1および第2の照明モジュール24、26ならびにコントローラ82の冷却を強化するように構成できる。一実施形態において、
図3に例示されるように、ハウジング22は、灯支持部分30とコントローラ支持部分32との間に延びる複数のリブ部材86を備えて、その間の構造的剛性を与えることができる。
【0022】
ここで
図6を参照すると、コントローラ82は、電源モジュール88およびLEDドライバモジュール90を含むことができる。電源モジュール88はLEDドライバモジュール90と結合でき、そしてLEDドライバモジュール90は第1および第2の照明モジュール24、26の各々と(例えば、並列に)結合できる。電源モジュール88は、第1および第2の照明モジュール24、26に給電するための電源モジュール88に外部電力を送るための、A/C電力源などの電力源(図示せず)と結合される電力入力92を含むことができる。電源モジュール88は、電力源からの外部電力を調整(例えば、AC電力をDC電力に変換)してLED(例えば、60)の給電を容易にするように構成できる。一実施形態において、灯具20は、約85VACと約347VACとの間の入力電力(例えば、750ワット負荷容量)で動作するように構成できる。
【0023】
LEDドライバモジュール90は、以下にさらに詳細に記載することになるように、第1および第2の照明モジュール24、26を制御するためのLEDドライバモジュール90に制御信号を送る、例えば温室コントローラなどの制御源(図示せず)と結合される制御入力94を含むことができる。LEDドライバモジュール90は、例えばBACnet、ModBusまたはRS485などの、各種の適切な信号プロトコルのいずれかに従って通信するように構成できる。
【0024】
電力入力92および制御入力94は、電源モジュール88およびLEDドライバモジュール90にそれぞれ外部電力および制御信号を送ることができるプラグ(図示せず)とインタフェースするように構成されるソケット96(
図2および
図6)に配線できる。一実施形態において、ソケット96はヴィーラント型コネクタであることができるが、他のコネクタ型も企図される。電力および制御信号がソケット96を通して(例えば、同じケーブルを介して)送られるのが図示されるが、電力および制御信号が異なるケーブルに沿って電源モジュール88およびLEDドライバモジュール90に伝送されるように、灯具20が代替的に電力および制御信号のための別々のポートを含むことができることが認識されるはずである。
【0025】
LEDドライバモジュール90は、LED(例えば、60)によって発生される光の強度、色およびスペクトルの1つまたは複数を時間の関数(例えば、光処方)として制御するように構成できる。LEDドライバモジュール90は、第1および第2の照明モジュール24、26が照明環境内で独立して制御可能であるそれぞれの第1および第2の照明域を定めるように、第1および第2の照明モジュール24、26の光処方を独立して制御できる。第1および第2の照明域の光処方は、したがって照明環境内に設けられる植物の照明要件に適合するように調節できる。例えば、第1および第2の照明域の各々に設けられる植物が同じである(または類似した照明要件を有する)とき、第1および第2の照明モジュール24、26のためのそれぞれの光処方は同じであり、第1および第2の照明域間で実質的に一様な照明環境を与えることができる。第1の照明域に設けられる一群の植物が第2の照明域に設けられる一群の植物と異なる照明要件を有するとき、第1および第2の照明モジュール24、26のためのそれぞれの光処方は、各群の植物間の異なる照明要件に適合するように調節できる。一実施形態において、第1および第2の照明モジュール24、26は、制御信号がそれらの一意のアドレスに基づいて第1および第2の照明モジュール24、26の各々に(LEDドライバモジュール90を介して)別々の照明処方を割り当てることができるように、一意のアドレスを有することができる。LEDドライバモジュール90が第1および第2の照明モジュール24、26の各々の光処方を制御するように構成されるとして記載されるが、LEDドライバモジュール90が追加的または代替的に第1および第2の照明モジュール24、26の各種の適切な代替の可変照明特徴のいずれか(例えば、制御信号でリアルタイムに制御できる任意の照明特徴)を制御するように構成できることが認識されるはずである。
【0026】
第1および第2の照明モジュール24、26は、互いから物理的に別々である自立型独立ユニットであることができる。そのため、第1および第2の照明モジュール24、26の各々の物理的構成および可変照明特徴は、第1および第2の照明域が所望の照明環境を達成するようにカスタマイズされるのを可能にするように、個々に選択できる。一実施形態において、第1および第2の照明モジュール24、26は植物のライフサイクルの間に異なる照明モジュールと交換されて、そのライフサイクルの全体を通じて植物のための照明環境を最適化できる。
【0027】
以上の実施形態および例の記載は例示および説明の目的で提示されている。それは、記載した形態に網羅的であるとも限定的であるとも意図されない。以上の教示を考慮して多数の変更が可能である。それらの変更の一部が述べられており、他は当業者によって理解されるであろう。実施形態は、様々な実施形態の例示のために選ばれて記載された。範囲は、もちろん本明細書に記載される例または実施形態に限定されるのではなく、当業者によって任意の数の応用および同等の装置に利用できる。むしろ、本明細書に添付される特許請求の範囲によって範囲が定められることがここに意図される。また、特許請求および/または記載されたいかなる方法に対しても、方法がフロー図と併せて記載されているかどうかにかかわらず、文脈によって別途特記または必要とされない限り、方法の実行において行われるステップのいかなる明示的または黙示的な順序も、それらのステップが提示された順に行われなければならないこと、および異なる順にまたは並列に行われ得ることを意味するものではないことが理解されるべきである。
【符号の説明】
【0028】
20 灯具
22 ハウジング
24 第1の照明モジュール
26 第2の照明モジュール
28 ハンガアセンブリ
30 灯支持部分
32 コントローラ支持部分
34 照明受け
36 窓
38 ハンガ支持体
40 ハンガブラケット
42 主フレーム
44 カバー部材
46 底部照明壁
48 底部コントローラ壁
50 側壁
52 コントローラ受け
54 蓋部分
56、58 サブマウント
60 発光ダイオード(LED)
64、66 レンズカバー
67 締結具
68 ベース基板
70 光学レンズ素子
72 内部
74 封止材料
76 保護コーティング
77 外面
78 ヒートシンク
80、84 フィン
82 コントローラ
85 通路
86 リブ部材
88 電源モジュール
90 LEDドライバモジュール
92 電力入力
94 制御入力
96 ソケット
F 焦中心
P 物理的中心
【国際調査報告】