IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 学校法人沖縄科学技術大学院大学学園の特許一覧

特表2023-549028アルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-22
(54)【発明の名称】アルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/68 20060101AFI20231115BHJP
【FI】
G01N33/68
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023519986
(86)(22)【出願日】2021-10-06
(85)【翻訳文提出日】2023-05-30
(86)【国際出願番号】 JP2021036950
(87)【国際公開番号】W WO2022075354
(87)【国際公開日】2022-04-14
(31)【優先権主張番号】P 2020168919
(32)【優先日】2020-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512155478
【氏名又は名称】学校法人沖縄科学技術大学院大学学園
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】柳田 充弘
(72)【発明者】
【氏名】照屋 貴之
【テーマコード(参考)】
2G045
【Fターム(参考)】
2G045AA25
2G045CA25
2G045CA26
2G045DA35
2G045DA77
2G045FA33
(57)【要約】
本発明の対象は、アルツハイマー病(AD)の診断のための指標を単純且つ正確に得ることができる新規の方法を提供することである。本発明は、特定の血中代謝物を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法に関する。本発明は、特定の血中代謝物を測定することによってADの診断を補助するための方法にも関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トリメチルトリプトファン、S-メチルエルゴチオネイン、ベタイン、インドキシル硫酸、パントテン酸、トリメチルヒスチジン、ジメチルキサンチン、ATP、メチオニン、キヌレニン、トリメチルチロシン、トリメチルフェニルアラニン、NADP、2-ヒドロキシ酪酸、ケト(イソ)ロイシン、グリセロホスホコリン、グルコン酸、プソイドウリジン、N6-アセチルリシン、及びジメチルグアノシンからなる群から選択される少なくとも1種の血中代謝物を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法。
【請求項2】
前記血中代謝物がトリメチルトリプトファンである、請求項1に記載のアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法。
【請求項3】
前記血中代謝物が、トリメチルトリプトファンと、エルゴチオネイン、グルタチオンジスルフィド、ベタイン、ATP、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルヒスチジン、インドキシル硫酸、トリメチルフェニルアラニン、グリセロホスホコリン、ドデカノイルカルニチン、トリメチルチロシン、カフェイン、ジメチルキサンチン、ウリジン、S-アデノシルメチオニン、NADP、パントテン酸、ケト(イソ)ロイシン、2-ヒドロキシ酪酸、グルコン酸、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、メチオニン、トリプトファン、キヌレニン、キノリン酸、N6-アセチルリシン、プソイドウリジン、アデノシン、及びジメチルグアノシンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とである、請求項1に記載のアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法。
【請求項4】
前記血中代謝物が、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルヒスチジン、トリメチルトリプトファン、トリメチルフェニルアラニン、及びトリメチルチロシンからなる、トリメチルアンモニウムを有する抗酸化芳香族化合物の群から選択される、請求項1に記載のアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法。
【請求項5】
前記血中代謝物が、インドキシル硫酸、キヌレニン、及びN6-アセチルリシンからなる神経毒性化合物の群から選択される、請求項1に記載のアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法。
【請求項6】
前記血中代謝物が、ATP、NADP、パントテン酸、及びグルコン酸からなる赤血球に豊富な化合物の群から選択される、請求項1に記載のアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法。
【請求項7】
少なくとも1種の血中代謝物を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、前記血中代謝物が、トリメチルトリプトファン、S-メチルエルゴチオネイン、ベタイン、インドキシル硫酸、パントテン酸、トリメチルヒスチジン、ジメチルキサンチン、ATP、メチオニン、キヌレニン、トリメチルチロシン、トリメチルフェニルアラニン、NADP、2-ヒドロキシ酪酸、ケト(イソ)ロイシン、グリセロホスホコリン、グルコン酸、プソイドウリジン、N6-アセチルリシン、及びジメチルグアノシンからなる群から選択される、上記方法。
【請求項8】
前記血中代謝物がトリメチルトリプトファンである、請求項7に記載の被験者におけるADの診断を補助するための方法。
【請求項9】
前記血中代謝物が、トリメチルトリプトファンと、エルゴチオネイン、グルタチオンジスルフィド、ベタイン、ATP、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルヒスチジン、インドキシル硫酸、トリメチルフェニルアラニン、グリセロホスホコリン、ドデカノイルカルニチン、トリメチルチロシン、カフェイン、ジメチルキサンチン、ウリジン、S-アデノシルメチオニン、NADP、パントテン酸、ケト(イソ)ロイシン、2-ヒドロキシ酪酸、グルコン酸、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、メチオニン、トリプトファン、キヌレニン、キノリン酸、N6-アセチルリシン、プソイドウリジン、アデノシン、及びジメチルグアノシンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とである、請求項7に記載の被験者におけるADの診断を補助するための方法。
【請求項10】
前記血中代謝物が、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルヒスチジン、トリメチルトリプトファン、トリメチルフェニルアラニン、及びトリメチルチロシンからなる、トリメチルアンモニウムを有する抗酸化芳香族化合物の群から選択される、請求項7に記載の被験者におけるADの診断を補助するための方法。
【請求項11】
前記血中代謝物が、インドキシル硫酸、キヌレニン、及びN6-アセチルリシンからなる神経毒性化合物の群から選択される、請求項7に記載の被験者におけるADの診断を補助するための方法。
【請求項12】
前記血中代謝物が、ATP、NADP、パントテン酸、及びグルコン酸からなる赤血球に豊富な化合物の群から選択される、請求項7に記載の被験者におけるADの診断を補助するための方法。
【請求項13】
アルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための装置であって、アルツハイマー病(AD)の診断のための指標が、請求項1から6までのいずれか一項に記載の方法によって得られる、上記装置。
【請求項14】
アルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るためのシステムであって、ADが、請求項1から6までのいずれか一項に記載の方法又は請求項13に記載の装置によって評価される、上記システム。
【請求項15】
被験者におけるADの診断を補助するための装置であって、ADの診断が、請求項7から12までのいずれか一項に記載の方法によって補助される、上記装置。
【請求項16】
被験者におけるADの診断を補助するためのシステムであって、ADの診断が、7から12までのいずれか一項に記載の方法又は請求項15に記載の装置によって補助される、上記システム。
【請求項17】
アルツハイマー病(AD)を改善する物質を評価する方法であって、ADマーカーとしての、トリメチルトリプトファン、S-メチルエルゴチオネイン、ベタイン、インドキシル硫酸、パントテン酸、トリメチルヒスチジン、ジメチルキサンチン、ATP、メチオニン、キヌレニン、トリメチルチロシン、トリメチルフェニルアラニン、NADP、2-ヒドロキシ酪酸、ケト(イソ)ロイシン、グリセロホスホコリン、グルコン酸、プソイドウリジン、N6-アセチルリシン、又はジメチルグアノシンなどの血中代謝物を測定する工程を含む、上記方法。
【請求項18】
アルツハイマー病(AD)を評価するためのキットであって、ADが、請求項1から12までのいずれか一項に記載の方法によって評価され、前記キットが、採血管と、検出標準としての血中代謝物化合物とを含む、上記キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法、ADの診断のための指標を得るための装置、ADの診断のための指標を得るためのシステム、ADの診断のための指標を得るためのキット、及びADを改善するのに効果的な物質を評価する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒトの血中代謝物は、それらの存在量及び生物学的意義を決定するために、また診断マーカーとしてのそれらの潜在的な使用のために十分に調査されている。医療診断では、血漿又は血清からの非細胞代謝物が、これらを収集及び検査する際の容易さから、ほとんどの場合で一般に用いられている。成熟したヒト赤血球(RBC)には核及び細胞小器官がないが(非特許文献1)、RBCは、ATP生成のために解糖系を利用し、レドックスホメオスタシスを維持し、浸透圧調節する(非特許文献2)。それらの活発な代謝は、細胞のホメオスタシスを支持し、約4ヶ月の寿命を確実にする(非特許文献3)。それらの代謝物は、血漿の代謝物とは異なる形で健康状態又は環境ストレスを反映し得る。RBCは、総血液量(約5L)の約半分を占めているため、ほとんど調査されていないそれらの代謝物プロファイルは、調査する価値があるように思われた。
【0003】
メタボロミクスとは、液体クロマトグラフィー(LC)質量分析(MS)などの技術を使用して細胞及び生物の代謝物をプロファイリングする化学生物学の一分野である。これは、通常、1.5kDa未満の分子を扱い、プロテオミクス及びトランスクリプトミクスなどの他の包括的分析と組み合わせて代謝調節を研究するための重要なツールである。最近では、本発明者等は、ヒトの血液中で同定された133種の化合物のうち、101種が分裂酵母シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)にも見られることを報告しており(非特許文献4)、これは、多くの代謝物が進化的に保存され得ることを示唆している。個体間の一連の化合物の定量的測定は、健康又は病気の状態、並びに栄養、薬物及びストレスの効果に関する深い洞察を呈する。さらに、代謝物における個体差に関する包括的な情報は、医療科学の未来に影響を与える可能性がある(非特許文献5-11)。
【0004】
アルツハイマー病(AD)は、ゆっくりと進行する神経変性疾患であり、重度の物忘れを特徴とする認知症の主な原因である(非特許文献12~13)。アルツハイマー病の原因はあまり解明されていない(非特許文献14~15)。精神的及び身体的な運動及び肥満の回避が、ADのリスクを低下させる可能性がある(非特許文献16)。リスクを減少させると明確に示されている薬又はサプリメントはない(非特許文献17~18)。これは、多くの場合、65歳超の人に発症し、高齢者の約6%がこれを罹患している。2015年には、ADを有する人が世界中で約2,980万人おり、ADは、先進国で最も費用のかかる疾患のうちの1つとなっている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Rapoport SM, Schewe T, & Thiele B-J (1990) Maturational breakdown of mitochondria and other organelles in reticulocytes, in Erythroid Cells, ed Harris JR(Springer US), pp 151~194
【非特許文献2】van Wijk R & van Solinge WW(2005) The energy-less red blood cell is lost: erythrocyte enzyme abnormalities of glycolysis, Blood 106(13):4034~4042
【非特許文献3】Bax BE, Bain MD, Talbot PJ, Parker-Williams EJ, & Chalmers RA(1999) Survival of human carrier erythrocytes in vivo. Clin Sci (Lond) 96(2):171~178
【非特許文献4】Chaleckis R, et al.(2014) Unexpected similarities between the Schizosac-charomyces and human blood metabolomes, and novel human metabolites, Molecular BioSystems 10(10):2538
【非特許文献5】Fernie AR, Trethewey RN, Krotzky AJ, & Willmitzer L(2004) Metabolite profiling: from diagnostics to systems biology. Nat Rev Mol Cell Biol 5(9):763~769
【非特許文献6】Goodacre R, Vaidyanathan S, Dunn WB, Harrigan GG, & Kell DB(2004) Metabolomics by numbers: acquiring and understanding global metabolite data. Trends Biotechnol 22(5):245~252
【非特許文献7】Hirai MY, et al.(2004) Integration of transcriptomics and metabolomics for understanding of global responses to nutritional stresses in Arabidopsis thaliana. Proc Natl Acad Sci U S A 101(27):10205~10210
【非特許文献8】Kell DB(2004) Metabolomics and systems biology: making sense of the soup. Curr Opin Microbiol 7(3):296~307
【非特許文献9】Nicholson JK & Lindon JC(2008) Systems biology: Metabonomics. Nature 455(7216):1054~1056
【非特許文献10】Patti GJ, Yanes O, & Siuzdak G(2012) Innovation: Metabolomics: the apogee of the omics trilogy. Nat Rev Mol Cell Biol 13(4):263~269
【非特許文献11】Ramautar R, Berger R, van der Greef J, & Hankemeier T(2013) Human metabolomics: strategies to understand biology, Curr Opin Chem Biol 17(5):841~846
【非特許文献12】Crews, L., and Masliah, E.(2010) Molecular mechanisms of neurodegeneration in Alzheimer’s disease. Hum Mol Genet 19, R12~20
【非特許文献13】Lane, C. A., Hardy, J., and Schott, J.M. (2018), Alzheimer’s disease. Eur J Neurol 25, 59~70
【非特許文献14】Ballard, C., Gauthier, S., Corbett, A., Brayne, C., Aarsland, D., and Jones, E.(2011). Alzheimer’s disease. The Lancet 377, 1019~1031
【非特許文献15】Burns, A. and Iliffe, S.(2009).Alzheimer’s disease,BMJ 338, b158
【非特許文献16】Pope, S. K.,Shue, V. M., and Beck, C.(2003). Will a healthy lifestyle help prevent Alzheimer’s disease? Annu Rev Public Health 24, 111~132
【非特許文献17】Cummings, J., Aisen, P. S., DuBois, B., Frolich, L., Jack, C. R., Jr., Jones,R. W., Morris, J. C., Raskin, J., Dowsett, S.A., and Scheltens, P.(2016). Drug development in Alzheimer’s disease: the path to 2025. Alzheimers Res Ther 8, 39
【非特許文献18】Hsu, D., and Marshall, G. A.(2017). Primary and Secondary Prevention Trials in Alzheimer Disease: Looking Back, Moving Forward, Curr Alzheimer Res 14, 426~440
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の対象は、アルツハイマー病(AD)の診断のための指標を単純且つ正確に得ることができる新規の方法を提供することである。さらに、ADの診断において単純且つ正確に補助することができる新規の方法を提供することも本発明の対象である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ヒトの血液中に存在する代謝物は、遺伝的、エピジェネティックな、及びライフスタイル的な要因の影響を受ける個々の生理学的状態を記録するものである。この研究では、本発明者等は、ADにおける血中代謝物の非標的包括的分析を実行した。十分なメタボロミクスによって、各被験者の代謝物存在量に関する完全な情報を提供することができる。標的分析では、分析すべき代謝物が事前に決定されているが、非標的(予期されない)代謝物の存在量の変化は見落とされる。非標的分析ははるかにより手間がかかるが、この「仮定なし」アプローチで費やされる労力は、多くの場合、標的分析では見落とされる重要な化合物の同定によって報われる。代謝物情報が豊富であると、ADで生じる詳細な代謝変化を理解するための手がかりが提供され得る。
【0008】
液体クロマトグラフィー-質量分析(LC-MS)を使用して、本発明者等は、特に血球中のADに関連する新たな代謝化合物を同定する試みで、AD患者の全血を使用してアルツハイマー病(AD)のメタボロミクス分析を実行した。ほとんどの血液メタボロミクスでは、血漿が用いられた。血球のメタボロミクスは、赤血球(RBC)がすべての血中代謝物の約40%を占めるという事実にもかかわらず、特に疾患に関連してほとんど調査されてこなかった(Chaleckis等2016;Kameda等2020;Teruya等2019)。本研究では、本発明者等は、AD関連マーカーを同定し、同定された33種の代謝物の定量的情報を使用して、主成分分析(PCA)、相関及びヒートマップ分析を実施した。本発明者等は、明確なAD症状を診断すると思われるAD関連代謝物の5種の群を示している。
【0009】
本研究では、本発明者等は、アルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための新たな方法を提示する。本発明者等は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することを含む、被験者におけるADの診断を補助するための新規の方法も提示する。
【0010】
本発明は、以下の通りである。
[1]トリメチルトリプトファン、S-メチルエルゴチオネイン、ベタイン、インドキシル硫酸、パントテン酸、トリメチルヒスチジン、ジメチルキサンチン、ATP、メチオニン、キヌレニン、トリメチルチロシン、トリメチルフェニルアラニン、NADP、2-ヒドロキシ酪酸、ケト(イソ)ロイシン、グリセロホスホコリン、グルコン酸、プソイドウリジン、N6-アセチルリシン、及びジメチルグアノシンからなる群から選択される少なくとも1種の血中代謝物を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法。
[2]血中代謝物がトリメチルトリプトファンである、[1]に記載のアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法。
[3]血中代謝物が、トリメチルトリプトファンと、エルゴチオネイン、グルタチオンジスルフィド、ベタイン、ATP、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルヒスチジン、インドキシル硫酸、トリメチルフェニルアラニン、グリセロホスホコリン、ドデカノイルカルニチン、トリメチルチロシン、カフェイン、ジメチルキサンチン、ウリジン、S-アデノシルメチオニン、NADP、パントテン酸、ケト(イソ)ロイシン、2-ヒドロキ酪酸、グルコン酸、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、メチオニン、トリプトファン、キヌレニン、キノリン酸、N6-アセチルリシン、プソイドウリジン、アデノシン、及びジメチルグアノシンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とである、[1]に記載のアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法。
[4]血中代謝物が、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルヒスチジン、トリメチルトリプトファン、トリメチルフェニルアラニン、及びトリメチルチロシンからなる、トリメチルアンモニウムを有する抗酸化芳香族化合物の群から選択される、[1]に記載のアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法。
[5]血中代謝物が、インドキシル硫酸、キヌレニン、及びN6-アセチルリシンからなる神経毒性化合物の群から選択される、[1]に記載のアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法。
[6]血中代謝物が、ATP、NADP、パントテン酸、及びグルコン酸からなる赤血球に豊富な化合物の群から選択される、[1]に記載のアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法。
[7]少なくとも1種の血中代謝物を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、前記血中代謝物が、トリメチルトリプトファン、S-メチルエルゴチオネイン、ベタイン、インドキシル硫酸、パントテン酸、トリメチルヒスチジン、ジメチルキサンチン、ATP、メチオニン、キヌレニン、トリメチルチロシン、トリメチルフェニルアラニン、NADP、2-ヒドロキシ酪酸、ケト(イソ)ロイシン、グリセロホスホコリン、グルコン酸、プソイドウリジン、N6-アセチルリシン、及びジメチルグアノシンからなる群から選択される、方法。
[8]血中代謝物がトリメチルトリプトファンである、[7]に記載の被験者におけるADの診断を補助するための方法。
[9]血中代謝物が、トリメチルトリプトファンと、エルゴチオネイン、グルタチオンジスルフィド、ベタイン、ATP、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルヒスチジン、インドキシル硫酸、トリメチルフェニルアラニン、グリセロホスホコリン、ドデカノイルカルニチン、トリメチルチロシン、カフェイン、ジメチルキサンチン、ウリジン、S-アデノシルメチオニン、NADP、パントテン酸、ケト(イソ)ロイシン、2-ヒドロキシ酪酸、グルコン酸、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、メチオニン、トリプトファン、キヌレニン、キノリン酸、N6-アセチルリシン、プソイドウリジン、アデノシン、及びジメチルグアノシンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とである、[7]に記載の被験者におけるADの診断を補助するための方法。
[10]血中代謝物が、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルヒスチジン、トリメチルトリプトファン、トリメチルフェニルアラニン、及びトリメチルチロシンからなる、トリメチルアンモニウムを有する抗酸化芳香族化合物の群から選択される、[7]に記載の被験者におけるADの診断を補助するための方法。
[11]血中代謝物が、インドキシル硫酸、キヌレニン、及びN6-アセチルリシンからなる神経毒性化合物の群から選択される、[7]に記載の被験者におけるADの診断を補助するための方法。
[12]血中代謝物が、ATP、NADP、パントテン酸、及びグルコン酸からなる赤血球に豊富な化合物の群から選択される、[7]に記載の被験者におけるADの診断を補助するための方法。
[13]アルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための装置であって、アルツハイマー病(AD)の診断のための指標が、[1]から[6]までのいずれか一項に記載の方法によって得られる、上記装置。
[14]アルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るためのシステムであって、ADが、[1]から[6]までのいずれか一項に記載の方法又は請求項[13]に記載の装置によって評価される、システム。
[15]被験者におけるADの診断を補助するための装置であって、ADの診断が、請求項[7]から[12]までのいずれか一項に記載の方法によって補助される、装置。
[16]被験者におけるADの診断を補助するためのシステムであって、ADの診断が、[1]から[6]までのいずれか一項に記載の方法又は[15]に記載の装置によって補助される、システム。
[17]アルツハイマー病(AD)を改善する物質を評価する方法であって、ADマーカーとしての、トリメチルトリプトファン、S-メチルエルゴチオネイン、ベタイン、インドキシル硫酸、パントテン酸、トリメチルヒスチジン、ジメチルキサンチン、ATP、メチオニン、キヌレニン、トリメチルチロシン、トリメチルフェニルアラニン、NADP、2-ヒドロキシ酪酸、ケト(イソ)ロイシン、グリセロホスホコリン、グルコン酸、プソイドウリジン、N6-アセチルリシン、又はジメチルグアノシンなどの血中代謝物を測定する工程を含む、上記方法。
[18]アルツハイマー病(AD)を評価するためのキットであって、ADが、請求項[1]から[12]までのいずれか一項に記載の方法によって評価され、前記キットが、採血管と検出標準としての血中代謝物化合物とを含む、キット。
【発明の効果】
【0011】
包括的なメタボロミクスを使用して、本発明者等は、5種の群の代謝物(A~E)を同定し、そのうちの20種が新規であり、アルツハイマー病(AD)などの形態の認知症の診断及び治療に有用であり得る。群Aの7種の化合物は神経毒として作用し得、その一方で、群B~Eの化合物は、酸化ストレスからCNS(中枢神経系)を保護し、エネルギー貯蔵を維持し、栄養素及び神経保護因子を供給し得る。アルツハイマー病メタボロミクスマーカーの介入は、患者において、群Aの化合物を阻害するか、又は群B~Eの化合物を補足することによって達成され得る。
【0012】
これらの発見に基づく本発明は、アルツハイマー病(AD)を単純且つ正確に診断することができる新規の方法を提供する。本発明は、アルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための新規の方法も提供する。本発明は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することを含む、被験者におけるADの診断を補助するための新規の方法も提供する。本発明者等が発見した33種の血中代謝物は、アルツハイマー病(AD)を有する患者において特異的に増加又は減少している。したがって、これらの血中代謝物をインジケータとして使用して、アルツハイマー病とフレイルとを区別することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】アルツハイマー病(AD)、健康な高齢者(HE)、及び健康な若者(HY)のボランティアの被験者;BMI:ボディマス指数。AD被験者(75~88歳)の血液サンプルは国立琉球病院で採取した。沖縄県恩納村の恩納クリニックでボランティアから健康な被験者(HE67~80歳及びHY28~34歳)のサンプルを収集した。
図2】33種のAD関連代謝物のドットプロットプロファイル;(図2-1~2-13)26種の化合物がAD全血において減少した。24人の被験者AD、HE、及びHYにおいて、エルゴチオネイン、グルタチオンジスルフィド、ベタイン、ATP、グルタミン、フェニルアラニン、トリメチルトリプトファン、トリプトファン、グリセロホスホコリン、ジメチルキサンチン、チロシン、カフェイン、メチオニン、ヒスチジン、グルコン酸、トリメチルフェニルアラニン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルチロシン、ケト(イソ)ロイシン、パントテン酸、2-ヒドロキシ酪酸、ドデカノイルカルニチン、トリメチルヒスチジン、NADP、ウリジン、及びS-アデノシルメチオニンについてのドットプロットプロファイルが示されている。(図2-14~2-17)7種の化合物がADにおいて増加した。HEと比較してAD患者において増加した7種の化合物(4種のヌクレオシド及び3種のアミノ酸誘導体)についてのドットプロットプロファイルが示されている。ピーク面積は、インドキシル硫酸で最大であり、キノリン酸で最小であった。
図3】AD患者では、様々なトリメチル化化合物の存在量が血液において減少した;3種のトリメチル化化合物(ベタイン、グリセロホスホコリン、ドデカノイルカルニチン)は人体において合成されるが、6種の他の化合物(エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルヒスチジン、トリメチルフェニルアラニン、トリメチルトリプトファン、トリメチルチロシン)は食事代謝物に由来していた。これらの9種の化合物は、AD患者の全血において減少した。
図4】AD、HE、及びHY被験者の血液化合物のPCA(主成分分析);33種のAD又は6種の選択されたAD化合物のPCAは、ADとHEとの間に有意差を示した。AD、HE、及びHY被験者の血中化合物のPCA(主成分分析)を行った。(図4-1)33種(7種増加及び26種減少)のAD関連化合物の存在量を使用したPCAプロット。AD被験者及びHE、HY被験者を2つの領域に分けた(本文を参照)。黒色の三角形AD;白色の三角形HE。(図4-2)選択された6種のADマーカー(ジメチルグアノシン、プソイドウリジン、S-メチルエルゴチオネイン、エルゴチオネイン、トリメチルヒスチジン、及びNADP)を使用してPCA分析を実施した。
図5図5は、4つの部分に分かれている(図5-1~5-4)。33種のADマーカーの相関分析;+0.5超の相関値r(濃い灰色)は化合物間の相関が高いことを示し、-0.5未満のr(薄い灰色)は化合物間の相関が低いことを示す。AD患者における増加又は減少した化合物を矢印で示した。
図6図6は、2つの部分に分かれている(図6-1及び6-2)。各被験者についての33種の化合物の存在量データを使用したヒートマップの構築;標準化されたスコア(Tスコア)を色で表す。平均値は白色;平均超の値は「X」なしの薄い灰色から濃い灰色;平均未満の値は「X」ありの薄い灰色から濃い灰色。ADにおいて増加した7種の化合物(被験者#1~8)は、ADでは、「X」なしで薄い灰色から濃い灰色になる傾向にあり、その一方で、HEでは、「X」ありで薄い灰色から濃い灰色になる傾向にあった(#9~18)。ADにおいて減少した残りの26種の化合物については、結果は、AD及びHEで反対であった。
図7】抗AD活性を支え得る5種のサブクラスの化合物。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明を詳細に説明する前に、本発明は、説明されている特定の方法論、装置、及びシステムに限定されることはなく、したがって、方法論、装置、及びシステムは、当然のことながら、変更可能であり得ると理解されたい。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することだけを目的としており、本発明の範囲を限定することを意図してはいないことも理解されたい。
【0015】
特に定義されていない限り、又は文脈から明確に指示されない限り、本明細書で使用されるすべての科学技術用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書で説明されているものと同様又は等価のあらゆる方法及び材料を発明の実践又は試験に使用することができるが、これより、好ましい方法及び材料を説明する。
【0016】
本明細書で言及されているすべての刊行物が、参照が引用されている特定の材料及び方法論を開示及び説明する目的で、参照により本明細書に組み込まれる。本明細書で考察される刊行物は、本出願の出願日前のそれらの開示のためだけに提供されている。本明細書のいかなるものも、本発明が先行発明によってそのような開示に対して前の日付になる権利を有すると認めるものとして解釈されるべきではない。
【0017】
定義
本明細書において、「血中代謝物」という用語は、血液成分に含有される生体代謝活性に関与する低分子化合物を指す。
【0018】
本明細書に説明されている本発明の態様及び実施形態は、態様及び実施形態「からなる」及び/又はこれらから「本質的になる」を含むと理解される。
【0019】
本発明の他の対象、利点、及び特徴は、添付の図面と併せて解釈される以下の明細書から明らかになるであろう。
【0020】
アルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法
本発明は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法である。本発明によると、特定の血中代謝物の量を測定することによって、被験者がADを有するか又はADのリスクがあるかの診断が可能であるか、又はその診断の補助が可能である。
【0021】
ここで、被験者における特定の血中代謝物の量を測定するために使用されるサンプルは、全血、赤血球、及び血漿からなる群から選択される少なくとも1種であり得る。全血又は赤血球のいずれかを使用することが好ましい。全血、赤血球、及び血漿のうちのいずれか2つを使用することがより好ましい。全血、赤血球、及び血漿のうちのすべてをサンプルとして使用することが最も好ましい。
【0022】
本発明における血中代謝物としては、化合物が、AD患者群(AD)と健康な高齢者(HE)の被験者との間に血中内容物の大きな差を有することが好ましい。本発明者等は、AD患者の血液中に、濃度が有意に変化した33種の血中代謝物を見出した。これらの33種の血中代謝物は、ADのインジケータ又はバイオマーカーとして使用することができる。
【0023】
以下の26種の代謝物は、HEと比較して、AD患者では有意に低下している。エルゴチオネイン、グルタチオンジスルフィド、ベタイン、及びATPは、ADにおいて減少した最も存在量の多い代謝物であることが見出された。エルゴチオネインに関連するがそれほど存在量の多くない他の2種の化合物S-メチルエルゴチオネイン及びトリメチルヒスチジン(ヘルシニン)も、ADにおいて低下した。そのどれもがトリメチルアンモニウムイオンを含有する、トリメチルトリプトファン(ハイパフォリン)、トリメチルフェニルアラニン、グリセロホスホコリン、ドデカノイルカルニチン、及びトリメチルチロシンも低下した。カフェイン及びその誘導体、ジメチルキサンチン、ウリジン(ピリミジンヌクレオシド)、S-アデノシルメチオニン(メチルドナー)、NADP(酸化還元補酵素)、パントテン酸(ビタミンB5)、ケト(イソ)ロイシン(ケト酸)、2-ヒドロキシ酪酸(脂質分解生成物)及びグルコン酸、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、メチオニン、並びにトリプトファンが、AD被験者において低減した。それらのなかでも、ADにおけるカフェイン及びジメチルキサンチンの縮小の程度がかなり有意であった(比率0.04~0.09)。トリメチルトリプトファン(0.10)及びトリメチルチロシン(0.08)も著しく低下した。したがって、被験者の血液サンプル中のこれらの化合物の含有量が標準よりも低い場合、被験者は、ADを有すると診断されるか、又はADのリスクが高いと診断される。
【0024】
3種のヌクレオシド及び4種のアミノ酸誘導体を含む以下の7種の代謝物が、HEと比較して、AD患者では増加した。これらは、インドキシル硫酸、キヌレニン、キノリン酸、N6-アセチルリシン、プソイドウリジン、アデノシン、及びジメチルグアノシンである。したがって、被験者の血液サンプル中のこれらの化合物の含有量が標準よりも高い場合、被験者は、ADを有すると診断されるか、又はADのリスクが高いと診断される。
【0025】
本発明において、血中代謝物は、エルゴチオネイン、グルタチオンジスルフィド、ベタイン、ATP、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルヒスチジン、トリメチルトリプトファン、トリメチルフェニルアラニン、グリセロホスホコリン、ドデカノイルカルニチン、トリメチルチロシン、カフェイン、ジメチルキサンチン、ウリジン、S-アデノシルメチオニン、NADP、パントテン酸、ケト(イソ)ロイシン、2-ヒドロキシ酪酸、グルコン酸、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、メチオニン、トリプトファン、インドキシル硫酸、キヌレニン、キノリン酸、N6-アセチルリシン、プソイドウリジン、アデノシン、及びジメチルグアノシンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物を含む。
【0026】
好ましくは、血中代謝物は、トリメチルトリプトファン、S-メチルエルゴチオネイン、ベタイン、インドキシル硫酸、パントテン酸、トリメチルヒスチジン、ジメチルキサンチン、ATP、メチオニン、キヌレニン、トリメチルチロシン、トリメチルフェニルアラニン、NADP、2-ヒドロキシ酪酸、ケト(イソ)ロイシン、グリセロホスホコリン、グルコン酸、プソイドウリジン、N6-アセチルリシン、ジメチルグアノシンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物を含む。
【0027】
より好ましくは、血中代謝物は、トリメチルトリプトファン、S-メチルエルゴチオネイン、ベタイン、インドキシル硫酸、パントテン酸、トリメチルヒスチジン、ジメチルキサンチン、ATP、メチオニン、キヌレニンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物を含む。
【0028】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、エルゴチオネイン、グルタチオンジスルフィド、ベタイン、ATP、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルヒスチジン、トリメチルトリプトファン、トリメチルフェニルアラニン、グリセロホスホコリン、ドデカノイルカルニチン、トリメチルチロシン、カフェイン、ジメチルキサンチン、ウリジン、S-アデノシルメチオニン、NADP、パントテン酸、ケト(イソ)ロイシン、2-ヒドロキシ酪酸、グルコン酸、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、メチオニン、トリプトファン、インドキシル硫酸、キヌレニン、キノリン酸、N6-アセチルリシン、プソイドウリジン、アデノシン、及びジメチルグアノシンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物を含む、方法である。
【0029】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルヒスチジン、トリメチルトリプトファン、トリメチルフェニルアラニン、及びトリメチルチロシンからなる、トリメチルアンモニウムを有する抗酸化芳香族化合物の群から選択される少なくとも1種の代謝物を含む、方法である。
【0030】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルヒスチジン、トリメチルトリプトファン、トリメチルフェニルアラニン、及びトリメチルチロシンからなる、トリメチルアンモニウムを有する抗酸化芳香族化合物の群から選択される少なくとも1種の代謝物を含む、方法である。
【0031】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、インドキシル硫酸、キノリン酸、キヌレニン、N6-アセチルリシン、ジメチルグアノシン、及びアデノシンからなる神経毒性化合物の群から選択される少なくとも1種の代謝物を含む、方法である。
【0032】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、インドキシル硫酸、キヌレニン、及びN6-アセチルリシンからなる神経毒性化合物の群から選択される少なくとも1種の代謝物を含む、方法である。
【0033】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、ATP、S-アデノシルメチオニン、NADP、グルタチオンジスルフィド、パントテン酸、及びグルコン酸からなる赤血球に豊富な化合物の群から選択される少なくとも1種の代謝物を含む、方法である。
【0034】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、ATP、NADP、パントテン酸、及びグルコン酸からなる赤血球に豊富な化合物の群から選択される少なくとも1種の代謝物を含む、方法である。
【0035】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物がトリメチルトリプトファンである、方法である。
【0036】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、トリメチルトリプトファンと、エルゴチオネイン、グルタチオンジスルフィド、ベタイン、ATP、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルヒスチジン、インドキシル硫酸、トリメチルフェニルアラニン、グリセロホスホコリン、ドデカノイルカルニチン、トリメチルチロシン、カフェイン、ジメチルキサンチン、ウリジン、S-アデノシルメチオニン、NADP、パントテン酸、ケト(イソ)ロイシン、2-ヒドロキシ酪酸、グルコン酸、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、メチオニン、トリプトファン、キヌレニン、キノリン酸、N6-アセチルリシン、プソイドウリジン、アデノシン、及びジメチルグアノシンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0037】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、トリメチルトリプトファンと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、パントテン酸、ベタイン、ジメチルキサンチン、キノリン酸、アデノシン、トリメチルヒスチジン、トリメチルチロシン、トリメチルフェニルアラニン、S-アデノシルメチオニン、グルタチオンジスルフィド、ケト(イソ)ロイシン、及びカフェインからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0038】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、トリメチルトリプトファンと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、パントテン酸、ベタイン、及びジメチルキサンチンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0039】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物がS-メチルエルゴチオネインである、方法である。
【0040】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、S-メチルエルゴチオネインと、エルゴチオネイン、グルタチオンジスルフィド、ベタイン、ATP、トリメチルヒスチジン、トリメチルトリプトファン、トリメチルフェニルアラニン、グリセロホスホコリン、ドデカノイルカルニチン、トリメチルチロシン、カフェイン、ジメチルキサンチン、ウリジン、S-アデノシルメチオニン、NADP、パントテン酸、ケト(イソ)ロイシン、2-ヒドロキシ酪酸、グルコン酸、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、メチオニン、トリプトファン、インドキシル硫酸、キヌレニン、キノリン酸、N6-アセチルリシン、プソイドウリジン、アデノシン、及びジメチルグアノシンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0041】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、S-メチルエルゴチオネインと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、ジメチルキサンチン、キノリン酸、アデノシン、トリメチルヒスチジン、トリメチルチロシン、トリメチルフェニルアラニン、S-アデノシルメチオニン、グルタチオンジスルフィド、ケト(イソ)ロイシン、及びカフェインからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0042】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、S-メチルエルゴチオネインと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、及びジメチルキサンチンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0043】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物がベタインである、方法である。
【0044】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、ベタインと、エルゴチオネイン、グルタチオンジスルフィド、ATP、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルヒスチジン、トリメチルトリプトファン、トリメチルフェニルアラニン、グリセロホスホコリン、ドデカノイルカルニチン、トリメチルチロシン、カフェイン、ジメチルキサンチン、ウリジン、S-アデノシルメチオニン、NADP、パントテン酸、ケト(イソ)ロイシン、2-ヒドロキシ酪酸、グルコン酸、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、メチオニン、トリプトファン、インドキシル硫酸、キヌレニン、キノリン酸、N6-アセチルリシン、プソイドウリジン、アデノシン、及びジメチルグアノシンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0045】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、ベタインと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ジメチルキサンチン、キノリン酸、アデノシン、トリメチルヒスチジン、トリメチルチロシン、トリメチルフェニルアラニン、S-アデノシルメチオニン、グルタチオンジスルフィド、ケト(イソ)ロイシン、及びカフェインからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0046】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、ベタインと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、及びジメチルキサンチンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0047】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物がインドキシル硫酸である、方法である。
【0048】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、インドキシル硫酸と、エルゴチオネイン、グルタチオンジスルフィド、ベタイン、ATP、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルヒスチジン、トリメチルトリプトファン、トリメチルフェニルアラニン、グリセロホスホコリン、ドデカノイルカルニチン、トリメチルチロシン、カフェイン、ジメチルキサンチン、ウリジン、S-アデノシルメチオニン、NADP、パントテン酸、ケト(イソ)ロイシン、2-ヒドロキシ酪酸、グルコン酸、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、メチオニン、トリプトファン、キヌレニン、キノリン酸、N6-アセチルリシン、プソイドウリジン、アデノシン、及びジメチルグアノシンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0049】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、インドキシル硫酸と、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、ジメチルキサンチン、キノリン酸、アデノシン、トリメチルヒスチジン、トリメチルチロシン、トリメチルフェニルアラニン、S-アデノシルメチオニン、グルタチオンジスルフィド、ケト(イソ)ロイシン、及びカフェインからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0050】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、インドキシル硫酸と、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、及びジメチルキサンチンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0051】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物がパントテン酸である、方法である。
【0052】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、パントテン酸と、エルゴチオネイン、グルタチオンジスルフィド、ベタイン、ATP、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルヒスチジン、トリメチルトリプトファン、トリメチルフェニルアラニン、グリセロホスホコリン、ドデカノイルカルニチン、トリメチルチロシン、カフェイン、ジメチルキサンチン、ウリジン、S-アデノシルメチオニン、NADP、ケト(イソ)ロイシン、2-ヒドロキシ酪酸、グルコン酸、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、メチオニン、トリプトファン、インドキシル硫酸、キヌレニン、キノリン酸、N6-アセチルリシン、プソイドウリジン、アデノシン、及びジメチルグアノシンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0053】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、パントテン酸と、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、ベタイン、ジメチルキサンチン、キノリン酸、アデノシン、トリメチルヒスチジン、トリメチルチロシン、トリメチルフェニルアラニン、S-アデノシルメチオニン、グルタチオンジスルフィド、ケト(イソ)ロイシン、及びカフェインからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0054】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、パントテン酸と、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、ベタイン、及びジメチルキサンチンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0055】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物がトリメチルヒスチジンである、方法である。
【0056】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、トリメチルヒスチジンと、エルゴチオネイン、グルタチオンジスルフィド、ベタイン、ATP、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、トリメチルフェニルアラニン、グリセロホスホコリン、ドデカノイルカルニチン、トリメチルチロシン、カフェイン、ジメチルキサンチン、ウリジン、S-アデノシルメチオニン、NADP、パントテン酸、ケト(イソ)ロイシン、2-ヒドロキシ酪酸、グルコン酸、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、メチオニン、トリプトファン、インドキシル硫酸、キヌレニン、キノリン酸、N6-アセチルリシン、プソイドウリジン、アデノシン、及びジメチルグアノシンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0057】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、トリメチルヒスチジンと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、ジメチルキサンチン、キノリン酸、アデノシン、トリメチルチロシン、トリメチルフェニルアラニン、S-アデノシルメチオニン、グルタチオンジスルフィド、ケト(イソ)ロイシン、及びカフェインからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0058】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、トリメチルヒスチジンと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、及びジメチルキサンチンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0059】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物がジメチルキサンチンである、方法である。
【0060】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、ジメチルキサンチンと、エルゴチオネイン、グルタチオンジスルフィド、ベタイン、ATP、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルヒスチジン、トリメチルトリプトファン、トリメチルフェニルアラニン、グリセロホスホコリン、ドデカノイルカルニチン、トリメチルチロシン、カフェイン、ウリジン、S-アデノシルメチオニン、NADP、パントテン酸、ケト(イソ)ロイシン、2-ヒドロキシ酪酸、グルコン酸、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、メチオニン、トリプトファン、インドキシル硫酸、キヌレニン、キノリン酸、N6-アセチルリシン、プソイドウリジン、アデノシン、及びジメチルグアノシンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0061】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、ジメチルキサンチンと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、キノリン酸、アデノシン、トリメチルヒスチジン、トリメチルチロシン、トリメチルフェニルアラニン、S-アデノシルメチオニン、グルタチオンジスルフィド、ケト(イソ)ロイシン、及びカフェインからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0062】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、ジメチルキサンチンと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、及びベタインからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0063】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物がATPである、方法である。
【0064】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、ATPと、エルゴチオネイン、グルタチオンジスルフィド、ベタイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルヒスチジン、トリメチルトリプトファン、トリメチルフェニルアラニン、グリセロホスホコリン、ドデカノイルカルニチン、トリメチルチロシン、カフェイン、ジメチルキサンチン、ウリジン、S-アデノシルメチオニン、NADP、パントテン酸、ケト(イソ)ロイシン、2-ヒドロキシ酪酸、グルコン酸、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、メチオニン、トリプトファン、インドキシル硫酸、キヌレニン、キノリン酸、N6-アセチルリシン、プソイドウリジン、アデノシン、及びジメチルグアノシンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0065】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、ATPと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、ジメチルキサンチン、キノリン酸、アデノシン、トリメチルヒスチジン、トリメチルチロシン、トリメチルフェニルアラニン、S-アデノシルメチオニン、グルタチオンジスルフィド、ケト(イソ)ロイシン、及びカフェインからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0066】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、ATPと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、及びジメチルキサンチンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0067】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物がメチオニンである、方法である。
【0068】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、メチオニンと、エルゴチオネイン、グルタチオンジスルフィド、ベタイン、ATP、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルヒスチジン、トリメチルトリプトファン、トリメチルフェニルアラニン、グリセロホスホコリン、ドデカノイルカルニチン、トリメチルチロシン、カフェイン、ジメチルキサンチン、ウリジン、S-アデノシルメチオニン、NADP、パントテン酸、ケト(イソ)ロイシン、2-ヒドロキシ酪酸、グルコン酸、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、トリプトファン、インドキシル硫酸、キヌレニン、キノリン酸、N6-アセチルリシン、プソイドウリジン、アデノシン、及びジメチルグアノシンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0069】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、メチオニンと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、ジメチルキサンチン、キノリン酸、アデノシン、トリメチルヒスチジン、トリメチルチロシン、トリメチルフェニルアラニン、S-アデノシルメチオニン、グルタチオンジスルフィド、ケト(イソ)ロイシン、及びカフェインからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0070】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、メチオニンと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、及びジメチルキサンチンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0071】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物がキヌレニンである、方法である。
【0072】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、キヌレニンと、エルゴチオネイン、グルタチオンジスルフィド、ベタイン、ATP、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルヒスチジン、トリメチルトリプトファン、トリメチルフェニルアラニン、グリセロホスホコリン、ドデカノイルカルニチン、トリメチルチロシン、カフェイン、ジメチルキサンチン、ウリジン、S-アデノシルメチオニン、NADP、パントテン酸、ケト(イソ)ロイシン、2-ヒドロキシ酪酸、グルコン酸、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、メチオニン、トリプトファン、インドキシル硫酸、キノリン酸、N6-アセチルリシン、プソイドウリジン、アデノシン、及びジメチルグアノシンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0073】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、キヌレニンと、インドキシル硫酸、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、ジメチルキサンチン、キノリン酸、アデノシン、トリメチルヒスチジン、トリメチルチロシン、トリメチルフェニルアラニン、S-アデノシルメチオニン、グルタチオンジスルフィド、ケト(イソ)ロイシン、及びカフェインからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0074】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、キヌレニンと、インドキシル硫酸、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、及びジメチルキサンチンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0075】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物がトリメチルチロシンである、方法である。
【0076】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、トリメチルチロシンと、エルゴチオネイン、グルタチオンジスルフィド、ベタイン、ATP、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルヒスチジン、トリメチルトリプトファン、トリメチルフェニルアラニン、グリセロホスホコリン、ドデカノイルカルニチン、カフェイン、ジメチルキサンチン、ウリジン、S-アデノシルメチオニン、NADP、パントテン酸、ケト(イソ)ロイシン、2-ヒドロキシ酪酸、グルコン酸、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、メチオニン、トリプトファン、インドキシル硫酸、キヌレニン、キノリン酸、N6-アセチルリシン、プソイドウリジン、アデノシン、及びジメチルグアノシンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0077】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、トリメチルチロシンと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、ジメチルキサンチン、キノリン酸、アデノシン、トリメチルヒスチジン、トリメチルフェニルアラニン、S-アデノシルメチオニン、グルタチオンジスルフィド、ケト(イソ)ロイシン、及びカフェインからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0078】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、トリメチルチロシンと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、及びジメチルキサンチンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0079】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物がトリメチルフェニルアラニンである、方法である。
【0080】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、トリメチルフェニルアラニンと、エルゴチオネイン、グルタチオンジスルフィド、ベタイン、ATP、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルヒスチジン、トリメチルトリプトファン、グリセロホスホコリン、ドデカノイルカルニチン、トリメチルチロシン、カフェイン、ジメチルキサンチン、ウリジン、S-アデノシルメチオニン、NADP、パントテン酸、ケト(イソ)ロイシン、2-ヒドロキシ酪酸、グルコン酸、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、メチオニン、トリプトファン、インドキシル硫酸、キヌレニン、キノリン酸、N6-アセチルリシン、プソイドウリジン、アデノシン、及びジメチルグアノシンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0081】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、トリメチルフェニルアラニンと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、ジメチルキサンチン、キノリン酸、アデノシン、トリメチルヒスチジン、トリメチルチロシン、S-アデノシルメチオニン、グルタチオンジスルフィド、ケト(イソ)ロイシン、及びカフェインからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0082】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、トリメチルフェニルアラニンと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、及びジメチルキサンチンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0083】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物がNADPである、方法である。
【0084】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、NADPと、エルゴチオネイン、グルタチオンジスルフィド、ベタイン、ATP、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルヒスチジン、トリメチルトリプトファン、トリメチルフェニルアラニン、グリセロホスホコリン、ドデカノイルカルニチン、トリメチルチロシン、カフェイン、ジメチルキサンチン、ウリジン、S-アデノシルメチオニン、パントテン酸、ケト(イソ)ロイシン、2-ヒドロキシ酪酸、グルコン酸、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、メチオニン、トリプトファン、インドキシル硫酸、キヌレニン、キノリン酸、N6-アセチルリシン、プソイドウリジン、アデノシン、及びジメチルグアノシンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0085】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、NADPと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、ジメチルキサンチン、キノリン酸、アデノシン、トリメチルヒスチジン、トリメチルチロシン、トリメチルフェニルアラニン、S-アデノシルメチオニン、グルタチオンジスルフィド、ケト(イソ)ロイシン、及びカフェインからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0086】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、NADPと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、及びジメチルキサンチンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0087】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が2-ヒドロキシ酪酸である、方法である。
【0088】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、2-ヒドロキシ酪酸と、エルゴチオネイン、グルタチオンジスルフィド、ベタイン、ATP、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルヒスチジン、トリメチルトリプトファン、トリメチルフェニルアラニン、グリセロホスホコリン、ドデカノイルカルニチン、トリメチルチロシン、カフェイン、ジメチルキサンチン、ウリジン、S-アデノシルメチオニン、NADP、パントテン酸、ケト(イソ)ロイシン、グルコン酸、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、メチオニン、トリプトファン、インドキシル硫酸、キヌレニン、キノリン酸、N6-アセチルリシン、プソイドウリジン、アデノシン、及びジメチルグアノシンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0089】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、2-ヒドロキシ酪酸と、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、ジメチルキサンチン、キノリン酸、アデノシン、トリメチルヒスチジン、トリメチルチロシン、トリメチルフェニルアラニン、S-アデノシルメチオニン、グルタチオンジスルフィド、ケト(イソ)ロイシン、及びカフェインからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0090】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、2-ヒドロキシ酪酸と、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、及びジメチルキサンチンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0091】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物がケト(イソ)ロイシンである、方法である。
【0092】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、ケト(イソ)ロイシンと、エルゴチオネイン、グルタチオンジスルフィド、ベタイン、ATP、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルヒスチジン、トリメチルトリプトファン、トリメチルフェニルアラニン、グリセロホスホコリン、ドデカノイルカルニチン、トリメチルチロシン、カフェイン、ジメチルキサンチン、ウリジン、S-アデノシルメチオニン、NADP、パントテン酸、2-ヒドロキシ酪酸、グルコン酸、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、メチオニン、トリプトファン、インドキシル硫酸、キヌレニン、キノリン酸、N6-アセチルリシン、プソイドウリジン、アデノシン、及びジメチルグアノシンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0093】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、ケト(イソ)ロイシンと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、ジメチルキサンチン、キノリン酸、アデノシン、トリメチルヒスチジン、トリメチルチロシン、トリメチルフェニルアラニン、S-アデノシルメチオニン、グルタチオンジスルフィド、及びカフェインからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0094】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、ケト(イソ)ロイシンと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、及びジメチルキサンチンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0095】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物がグリセロホスホコリンである、方法である。
【0096】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、グリセロホスホコリンと、エルゴチオネイン、グルタチオンジスルフィド、ベタイン、ATP、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルヒスチジン、トリメチルトリプトファン、トリメチルフェニルアラニン、ドデカノイルカルニチン、トリメチルチロシン、カフェイン、ジメチルキサンチン、ウリジン、S-アデノシルメチオニン、NADP、パントテン酸、ケト(イソ)ロイシン、2-ヒドロキシ酪酸、グルコン酸、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、メチオニン、トリプトファン、インドキシル硫酸、キヌレニン、キノリン酸、N6-アセチルリシン、プソイドウリジン、アデノシン、及びジメチルグアノシンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0097】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、グリセロホスホコリンと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、ジメチルキサンチン、キノリン酸、アデノシン、トリメチルヒスチジン、トリメチルチロシン、トリメチルフェニルアラニン、S-アデノシルメチオニン、グルタチオンジスルフィド、ケト(イソ)ロイシン、及びカフェインからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0098】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、グリセロホスホコリンと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、及びジメチルキサンチンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0099】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物がグルコン酸である、方法である。
【0100】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、グルコン酸と、エルゴチオネイン、グルタチオンジスルフィド、ベタイン、ATP、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルヒスチジン、トリメチルトリプトファン、トリメチルフェニルアラニン、グリセロホスホコリン、ドデカノイルカルニチン、トリメチルチロシン、カフェイン、ジメチルキサンチン、ウリジン、S-アデノシルメチオニン、NADP、パントテン酸、ケト(イソ)ロイシン、2-ヒドロキシ酪酸、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、メチオニン、トリプトファン、インドキシル硫酸、キヌレニン、キノリン酸、N6-アセチルリシン、プソイドウリジン、アデノシン、及びジメチルグアノシンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0101】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、グルコン酸と、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、ジメチルキサンチン、キノリン酸、アデノシン、トリメチルヒスチジン、トリメチルチロシン、トリメチルフェニルアラニン、S-アデノシルメチオニン、グルタチオンジスルフィド、ケト(イソ)ロイシン、及びカフェインからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0102】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、グルコン酸と、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、及びジメチルキサンチンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0103】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物がプソイドウリジンである、方法である。
【0104】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、プソイドウリジンと、エルゴチオネイン、グルタチオンジスルフィド、ベタイン、ATP、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルヒスチジン、トリメチルトリプトファン、トリメチルフェニルアラニン、グリセロホスホコリン、ドデカノイルカルニチン、トリメチルチロシン、カフェイン、ジメチルキサンチン、ウリジン、S-アデノシルメチオニン、NADP、パントテン酸、ケト(イソ)ロイシン、2-ヒドロキシ酪酸、グルコン酸、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、メチオニン、トリプトファン、インドキシル硫酸、キヌレニン、キノリン酸、N6-アセチルリシン、アデノシン、及びジメチルグアノシンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0105】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、プソイドウリジンと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、ジメチルキサンチン、キノリン酸、アデノシン、トリメチルヒスチジン、トリメチルチロシン、トリメチルフェニルアラニン、S-アデノシルメチオニン、グルタチオンジスルフィド、ケト(イソ)ロイシン、及びカフェインからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0106】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、プソイドウリジンと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、及びジメチルキサンチンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0107】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物がN6-アセチルリシンである、方法である。
【0108】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、N6-アセチルリシンと、エルゴチオネイン、グルタチオンジスルフィド、ベタイン、ATP、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルヒスチジン、トリメチルトリプトファン、トリメチルフェニルアラニン、グリセロホスホコリン、ドデカノイルカルニチン、トリメチルチロシン、カフェイン、ジメチルキサンチン、ウリジン、S-アデノシルメチオニン、NADP、パントテン酸、ケト(イソ)ロイシン、2-ヒドロキシ酪酸、グルコン酸、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、メチオニン、トリプトファン、インドキシル硫酸、キヌレニン、キノリン酸、プソイドウリジン、アデノシン、及びジメチルグアノシンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0109】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、N6-アセチルリシンと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、ジメチルキサンチン、キノリン酸、アデノシン、トリメチルヒスチジン、トリメチルチロシン、トリメチルフェニルアラニン、S-アデノシルメチオニン、グルタチオンジスルフィド、ケト(イソ)ロイシン、及びカフェインからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0110】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、N6-アセチルリシンと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、及びジメチルキサンチンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0111】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物がジメチルグアノシンである、方法である。
【0112】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、ジメチルグアノシンと、エルゴチオネイン、グルタチオンジスルフィド、ベタイン、ATP、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルヒスチジン、トリメチルトリプトファン、トリメチルフェニルアラニン、グリセロホスホコリン、ドデカノイルカルニチン、トリメチルチロシン、カフェイン、ジメチルキサンチン、ウリジン、S-アデノシルメチオニン、NADP、パントテン酸、ケト(イソ)ロイシン、2-ヒドロキシ酪酸、グルコン酸、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、メチオニン、トリプトファン、インドキシル硫酸、キヌレニン、キノリン酸、N6-アセチルリシン、プソイドウリジン、及びアデノシンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0113】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、ジメチルグアノシンと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、ジメチルキサンチン、キノリン酸、アデノシン、トリメチルヒスチジン、トリメチルチロシン、トリメチルフェニルアラニン、S-アデノシルメチオニン、グルタチオンジスルフィド、ケト(イソ)ロイシン、及びカフェインからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0114】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法であって、特定の血中代謝物が、ジメチルグアノシンと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、及びジメチルキサンチンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0115】
本発明のアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法は、(i)メタボロミクスサンプルを調製する工程、(ii)サンプル中の特定の血中代謝物の含有量を測定する工程、及び(iii)被験者におけるADの診断を補助する工程を含む。
【0116】
(i)サンプルを調製する工程
メタボロミクスサンプルは、これまでに報告されているように調製することができる(非特許文献4)。すべての血液サンプルを病院の実験室で採取して、迅速なサンプル調製を確実に行う」。簡単に言うと、メタボロミクス分析のための静脈血液サンプルを5mLのヘパリン化チューブ(Terumo)に取る。直ちに、0.1~1.0mLの血液(4~60×10RBC)を、-20℃~-80℃(好ましくは-40℃~-50℃)で、血液の5~10倍の体積の30~70%メタノール(好ましくは50~60%)中においてクエンチした。血液サンプリング直後のこの迅速なクエンチング工程によって、多くの不安定な代謝物の正確な測定が確実になった。全血サンプルを使用することによって、長い細胞分離手順によって他の形で影響を受けた可能性のある細胞代謝物レベルを観察することも可能になった。フィコール分離の最中又は濾過による白血球除去の最中に、血球は、長期間にわたって非生理学的条件に曝される(非特許文献4)。
【0117】
各ドナーからの残りの血液サンプルを室温において120gで15分間遠心分離して、血漿及びRBCを分離する。遠心分離後に、0.1~1.0mLの分離された血漿及びRBC(7~100×10RBC)をそれぞれ、-20℃~-80℃(好ましくは-40℃~-50℃)で、サンプルの5~10倍の体積の30~70%メタノール(好ましくは50~60%)中においてクエンチする。2つの内部標準(10nmolのHEPES及びPIPES)を各サンプルに添加する。簡単なボルテックス処理の後に、サンプルをAmicon Ultra 10kDaカットオフフィルタ(Millipore、マサチューセッツ州ビレリカ、米国)に移して、タンパク質及び細胞片を除去する。したがって、各血液サンプルから、3種の異なるサブサンプルである全血、RBC、及び血漿を調製する。白血球含有量(WBC)は、本発明者等の調製物において細胞体積の1%未満である(非特許文献4)。フィコール勾配を使用したWBCの完全なメタボロミクス分析によって、WBCがRBCに関する本発明者等の本メタボロミクス結果に影響を与えるべきでないことが確認された。真空蒸発によるサンプルの濃縮後に、各サンプルを40μLの50%アセトニトリルに再懸濁し、LC-MSシステムへの注入のたびに1μLを使用する。
【0118】
(ii)測定工程
被験者のサンプル中の血中代謝物の含有量をこの工程で測定する。LC-MSデータは、好ましくは、前述のように(Pluskal T、Nakamura T、Villar-Briones A&Yanagida M(2010)分裂酵母S.ポンベの代謝プロファイリング:異なる温度下での化合物の定量化と遺伝的摂動(Metabolic profiling of the fission yeast S. pombe: quantification of compounds under differenttemperatures and genetic perturbation)、Mol Biosyst 6(1):182~198)、LTQ Orbitrap質量分析計(Thermo Fisher Scientific、マサチューセッツ州ウォルサム、米国)に結合されたParadigm MS4 HPLCシステム(Michrom Bioresources、カリフォルニア州オーバーン、米国)を使用して得るべきである。簡単に言うと、LC分離をZIC-pHILICカラム(Merck SeQuant、ウメオ、スウェーデン、150mm×2.1mm、粒径5μm)で実施する。HILICカラムは、これまで他の手法ではアッセイできなかった多くの親水性血中代謝物を分離するのに非常に有用である(非特許文献4:Chalekis R等(2014))。アセトニトリル(A)及び10mMの炭酸アンモニウム緩衝液pH9.3(B)を移動相として使用し、勾配溶出は、100μLmL-1の流速にて、30分でA80~20%である。着目される代謝物のピーク面積は、MZmine 2ソフトウェア(Pluskal T、Castillo S、Villar-Briones A&Oresic M(2010)MZmine 2:質量分析ベースの分子プロファイルデータを処理、視覚化、及び分析するためのモジュラーフレームワーク(modular framework for processing, visualizing, and analyzing mass spectrometry-based molecular profile data)、BMC Bioinformatics 11:395)を使用して測定する。詳細なデータ分析手順及びパラメータは、これまでに説明されている(Pluskal T、Nakamura T、Villar-Briones A&Yanagida M(2010)分裂酵母S.ポンベの代謝プロファイリング:異なる温度下での化合物の定量化と遺伝的摂動(Metabolic profiling of the fission yeast S. pombe: quantification of compounds under differenttemperatures and genetic perturbation)、Mol Biosyst 6(1):182~198)。メタボロミクスデータセットは、MetaboLightsデータベースに保管されている(データの入手可能性を参照)。
【0119】
(iii)被験者におけるADの診断を補助する工程
この工程(ii)で測定された被験者のサンプル中の血中代謝物の含有量を、健康な人、健康な高齢者(HE)、又は健康な若者(HY)における血中代謝物についてのデータの平均である標準データと比較する。被験者のサンプル中の血中代謝物の含有量が標準から離れている場合、被験者は、ADであるか、又はADのリスクが高いと判断され得る。血中代謝物が、インドキシル硫酸、キヌレニン、キノリン酸、N6-アセチルリシン、プソイドウリジン、アデノシン、又はジメチルグアノシンである場合、及び被験者の血液サンプル中の化合物のうちの1種の含有量が標準よりも高い場合、被験者は、ADを有するか、又はADのリスクが高いと診断され得る。血中代謝物が、エルゴチオネイン、グルタチオンジスルフィド、ベタイン、ATP、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルヒスチジン、トリメチルトリプトファン、トリメチルフェニルアラニン、グリセロホスホコリン、ドデカノイルカルニチン、トリメチルチロシン、カフェイン、ジメチルキサンチン、ウリジン、S-アデノシルメチオニン、NADP、パントテン酸、ケト(イソ)ロイシン、2-ヒドロキシ酪酸、グルコン酸、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、メチオニン、又はトリプトファンである場合、及び被験者の血液サンプル中の化合物のうちの1種の含有量が標準よりも低い場合、被験者は、ADを有するか、又はADのリスクが高いと診断され得る。しかしながら、最終的な診断は医師によって行われるべきである。
【0120】
アルツハイマー病(AD)の診断を補助するための方法
本発明は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるアルツハイマー病(AD)の診断を補助するための方法である。本発明によると、特定の血中代謝物の量を測定することによって、被験者がADを有するか又はADのリスクがあるかの診断が可能であるか、又はその診断の補助が可能である。ADの診断を補助するための方法の発明の詳細については、必要に応じて、「アルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法」の項を参照することができる。
【0121】
ここで、被験者における特定の血中代謝物の量を測定するために使用されるサンプルは、全血、赤血球、及び血漿からなる群から選択される少なくとも1種であり得る。全血又は赤血球のいずれかを使用することが好ましい。全血、赤血球、及び血漿のうちのいずれか2つを使用することがより好ましい。全血、赤血球、及び血漿のうちのすべてをサンプルとして使用することが最も好ましい。
【0122】
本発明における血中代謝物としては、化合物が、AD患者群(AD)と健康な高齢者(HE)の被験者との間に血中内容物の大きな差を有することが好ましい。本発明者等は、AD患者の血液中に、濃度が有意に変化した33種の血中代謝物を見出した。これらの33種の血中代謝物は、ADのインジケータ又はバイオマーカーとして使用することができる。
【0123】
以下の26種の代謝物は、HEと比較して、AD患者では有意に低下している。エルゴチオネイン、グルタチオンジスルフィド、ベタイン、及びATPは、ADにおいて減少した最も存在量の多い代謝物であることが見出された。エルゴチオネインに関連するがそれほど存在量の多くない他の2種の化合物S-メチルエルゴチオネイン及びトリメチルヒスチジン(ヘルシニン)も、ADにおいて低下した。そのどれもがトリメチルアンモニウムイオンを含有する、トリメチルトリプトファン(ハイパフォリン)、トリメチルフェニルアラニン、グリセロホスホコリン、ドデカノイルカルニチン、及びトリメチルチロシンも低下した。カフェイン及びその誘導体、ジメチルキサンチン、ウリジン(ピリミジンヌクレオシド)、S-アデノシルメチオニン(メチルドナー)、NADP(酸化還元補酵素)、パントテン酸(ビタミンB5)、ケト(イソ)ロイシン(ケト酸)、2-ヒドロキシ酪酸(脂質分解生成物)及びグルコン酸、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、メチオニン、並びにトリプトファンが、AD被験者において低減した。それらのなかでも、ADにおけるカフェイン及びジメチルキサンチンの縮小の程度がかなり有意であった(比率0.04~0.09)。トリメチルトリプトファン(0.10)及びトリメチルチロシン(0.08)も著しく低下した。したがって、被験者の血液サンプル中のこれらの化合物の含有量が標準よりも低い場合、被験者は、ADを有すると診断されるか、又はADのリスクが高いと診断される。
【0124】
3種のヌクレオシド及び4種のアミノ酸誘導体を含む以下の7種の代謝物が、HEと比較して、AD患者では増加した。これらは、インドキシル硫酸、キヌレニン、キノリン酸、N6-アセチルリシン、プソイドウリジン、アデノシン、及びジメチルグアノシンである。したがって、被験者の血液サンプル中のこれらの化合物の含有量が標準よりも高い場合、被験者は、ADを有すると診断されるか、又はADのリスクが高いと診断される。
【0125】
本発明において、血中代謝物は、エルゴチオネイン、グルタチオンジスルフィド、ベタイン、ATP、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルヒスチジン、トリメチルトリプトファン、トリメチルフェニルアラニン、グリセロホスホコリン、ドデカノイルカルニチン、トリメチルチロシン、カフェイン、ジメチルキサンチン、ウリジン、S-アデノシルメチオニン、NADP、パントテン酸、ケト(イソ)ロイシン、2-ヒドロキシ酪酸、グルコン酸、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、メチオニン、トリプトファン、インドキシル硫酸、キヌレニン、キノリン酸、N6-アセチルリシン、プソイドウリジン、アデノシン、及びジメチルグアノシンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物を含む。
【0126】
好ましくは、血中代謝物は、トリメチルトリプトファン、S-メチルエルゴチオネイン、ベタイン、インドキシル硫酸、パントテン酸、トリメチルヒスチジン、ジメチルキサンチン、ATP、メチオニン、キヌレニン、トリメチルチロシン、トリメチルフェニルアラニン、NADP、2-ヒドロキシ酪酸、ケト(イソ)ロイシン、グリセロホスホコリン、グルコン酸、プソイドウリジン、N6-アセチルリシン、及びジメチルグアノシンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物を含む。
【0127】
より好ましくは、血中代謝物は、トリメチルトリプトファン、S-メチルエルゴチオネイン、ベタイン、インドキシル硫酸、パントテン酸、トリメチルヒスチジン、ジメチルキサンチン、ATP、メチオニン、及びキヌレニンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物を含む。
【0128】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、エルゴチオネイン、グルタチオンジスルフィド、ベタイン、ATP、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルヒスチジン、トリメチルトリプトファン、トリメチルフェニルアラニン、グリセロホスホコリン、ドデカノイルカルニチン、トリメチルチロシン、カフェイン、ジメチルキサンチン、ウリジン、S-アデノシルメチオニン、NADP、パントテン酸、ケト(イソ)ロイシン、2-ヒドロキシ酪酸、グルコン酸、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、メチオニン、トリプトファン、インドキシル硫酸、キヌレニン、キノリン酸、N6-アセチルリシン、プソイドウリジン、アデノシン、及びジメチルグアノシンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物を含む、方法である。
【0129】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルヒスチジン、トリメチルトリプトファン、トリメチルフェニルアラニン、及びトリメチルチロシンからなる、トリメチルアンモニウムを有する抗酸化芳香族化合物の群から選択される少なくとも1種の代謝物を含む、方法である。
【0130】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルヒスチジン、トリメチルトリプトファン、トリメチルフェニルアラニン、及びトリメチルチロシンからなる、トリメチルアンモニウムを有する抗酸化芳香族化合物の群から選択される少なくとも1種の代謝物を含む、方法である。
【0131】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、インドキシル硫酸、キノリン酸、キヌレニン、N6-アセチルリシン、ジメチルグアノシン、及びアデノシンからなる神経毒性化合物の群から選択される少なくとも1種の代謝物を含む、方法である。
【0132】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、インドキシル硫酸、キヌレニン、及びN6-アセチルリシンからなる神経毒性化合物の群から選択される少なくとも1種の代謝物を含む、方法である。
【0133】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、ATP、S-アデノシルメチオニン、NADP、グルタチオンジスルフィド、パントテン酸、及びグルコン酸からなる赤血球に豊富な化合物の群から選択される少なくとも1種の代謝物を含む、方法である。
【0134】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、ATP、NADP、パントテン酸、及びグルコン酸からなる赤血球に豊富な化合物の群から選択される少なくとも1種の代謝物を含む、方法である。
【0135】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物がトリメチルトリプトファンである、方法である。
【0136】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、トリメチルトリプトファンと、エルゴチオネイン、グルタチオンジスルフィド、ベタイン、ATP、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルヒスチジン、インドキシル硫酸、トリメチルフェニルアラニン、グリセロホスホコリン、ドデカノイルカルニチン、トリメチルチロシン、カフェイン、ジメチルキサンチン、ウリジン、S-アデノシルメチオニン、NADP、パントテン酸、ケト(イソ)ロイシン、2-ヒドロキシ酪酸、グルコン酸、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、メチオニン、トリプトファン、キヌレニン、キノリン酸、N6-アセチルリシン、プソイドウリジン、アデノシン、及びジメチルグアノシンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0137】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、トリメチルトリプトファンと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、パントテン酸、ベタイン、ジメチルキサンチン、キノリン酸、アデノシン、トリメチルヒスチジン、トリメチルチロシン、トリメチルフェニルアラニン、S-アデノシルメチオニン、グルタチオンジスルフィド、ケト(イソ)ロイシン、カフェインからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0138】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、トリメチルトリプトファンと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、パントテン酸、ベタイン、ジメチルキサンチンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0139】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物がS-メチルエルゴチオネインである、方法である。
【0140】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、S-メチルエルゴチオネインと、エルゴチオネイン、グルタチオンジスルフィド、ベタイン、ATP、トリメチルヒスチジン、トリメチルトリプトファン、トリメチルフェニルアラニン、グリセロホスホコリン、ドデカノイルカルニチン、トリメチルチロシン、カフェイン、ジメチルキサンチン、ウリジン、S-アデノシルメチオニン、NADP、パントテン酸、ケト(イソ)ロイシン、2-ヒドロキシ酪酸、グルコン酸、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、メチオニン、トリプトファン、インドキシル硫酸、キヌレニン、キノリン酸、N6-アセチルリシン、プソイドウリジン、アデノシン、及びジメチルグアノシンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0141】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、S-メチルエルゴチオネインと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、ジメチルキサンチン、キノリン酸、アデノシン、トリメチルヒスチジン、トリメチルチロシン、トリメチルフェニルアラニン、S-アデノシルメチオニン、グルタチオンジスルフィド、ケト(イソ)ロイシン、及びカフェインからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0142】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、S-メチルエルゴチオネインと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、及びジメチルキサンチンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0143】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物がベタインである、方法である。
【0144】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、ベタインと、エルゴチオネイン、グルタチオンジスルフィド、ATP、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルヒスチジン、トリメチルトリプトファン、トリメチルフェニルアラニン、グリセロホスホコリン、ドデカノイルカルニチン、トリメチルチロシン、カフェイン、ジメチルキサンチン、ウリジン、S-アデノシルメチオニン、NADP、パントテン酸、ケト(イソ)ロイシン、2-ヒドロキシ酪酸、グルコン酸、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、メチオニン、トリプトファン、インドキシル硫酸、キヌレニン、キノリン酸、N6-アセチルリシン、プソイドウリジン、アデノシン、及びジメチルグアノシンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0145】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、ベタインと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ジメチルキサンチン、キノリン酸、アデノシン、トリメチルヒスチジン、トリメチルチロシン、トリメチルフェニルアラニン、S-アデノシルメチオニン、グルタチオンジスルフィド、ケト(イソ)ロイシン、及びカフェインからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0146】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、ベタインと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、及びジメチルキサンチンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0147】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物がインドキシル硫酸である、方法である。
【0148】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、インドキシル硫酸と、エルゴチオネイン、グルタチオンジスルフィド、ベタイン、ATP、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルヒスチジン、トリメチルトリプトファン、トリメチルフェニルアラニン、グリセロホスホコリン、ドデカノイルカルニチン、トリメチルチロシン、カフェイン、ジメチルキサンチン、ウリジン、S-アデノシルメチオニン、NADP、パントテン酸、ケト(イソ)ロイシン、2-ヒドロキシ酪酸、グルコン酸、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、メチオニン、トリプトファン、キヌレニン、キノリン酸、N6-アセチルリシン、プソイドウリジン、アデノシン、及びジメチルグアノシンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0149】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、インドキシル硫酸と、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、ジメチルキサンチン、キノリン酸、アデノシン、トリメチルヒスチジン、トリメチルチロシン、トリメチルフェニルアラニン、S-アデノシルメチオニン、グルタチオンジスルフィド、ケト(イソ)ロイシン、及びカフェインからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0150】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、インドキシル硫酸と、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、及びジメチルキサンチンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0151】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物がパントテン酸である、方法である。
【0152】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、パントテン酸と、エルゴチオネイン、グルタチオンジスルフィド、ベタイン、ATP、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルヒスチジン、トリメチルトリプトファン、トリメチルフェニルアラニン、グリセロホスホコリン、ドデカノイルカルニチン、トリメチルチロシン、カフェイン、ジメチルキサンチン、ウリジン、S-アデノシルメチオニン、NADP、ケト(イソ)ロイシン、2-ヒドロキシ酪酸、グルコン酸、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、メチオニン、トリプトファン、インドキシル硫酸、キヌレニン、キノリン酸、N6-アセチルリシン、プソイドウリジン、アデノシン、及びジメチルグアノシンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0153】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、パントテン酸と、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、ベタイン、ジメチルキサンチン、キノリン酸、アデノシン、トリメチルヒスチジン、トリメチルチロシン、トリメチルフェニルアラニン、S-アデノシルメチオニン、グルタチオンジスルフィド、ケト(イソ)ロイシン、及びカフェインからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0154】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、パントテン酸と、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、ベタイン、及びジメチルキサンチンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0155】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物がトリメチルヒスチジンである、方法である。
【0156】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、トリメチルヒスチジンと、エルゴチオネイン、グルタチオンジスルフィド、ベタイン、ATP、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、トリメチルフェニルアラニン、グリセロホスホコリン、ドデカノイルカルニチン、トリメチルチロシン、カフェイン、ジメチルキサンチン、ウリジン、S-アデノシルメチオニン、NADP、パントテン酸、ケト(イソ)ロイシン、2-ヒドロキシ酪酸、グルコン酸、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、メチオニン、トリプトファン、インドキシル硫酸、キヌレニン、キノリン酸、N6-アセチルリシン、プソイドウリジン、アデノシン、及びジメチルグアノシンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0157】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、トリメチルヒスチジンと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、ジメチルキサンチン、キノリン酸、アデノシン、トリメチルチロシン、トリメチルフェニルアラニン、S-アデノシルメチオニン、グルタチオンジスルフィド、ケト(イソ)ロイシン、及びカフェインからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0158】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、トリメチルヒスチジンと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、及びジメチルキサンチンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0159】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物がジメチルキサンチンである、方法である。
【0160】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、ジメチルキサンチンと、エルゴチオネイン、グルタチオンジスルフィド、ベタイン、ATP、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルヒスチジン、トリメチルトリプトファン、トリメチルフェニルアラニン、グリセロホスホコリン、ドデカノイルカルニチン、トリメチルチロシン、カフェイン、ウリジン、S-アデノシルメチオニン、NADP、パントテン酸、ケト(イソ)ロイシン、2-ヒドロキシ酪酸、グルコン酸、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、メチオニン、トリプトファン、インドキシル硫酸、キヌレニン、キノリン酸、N6-アセチルリシン、プソイドウリジン、アデノシン、及びジメチルグアノシンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0161】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、ジメチルキサンチンと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、キノリン酸、アデノシン、トリメチルヒスチジン、トリメチルチロシン、トリメチルフェニルアラニン、S-アデノシルメチオニン、グルタチオンジスルフィド、ケト(イソ)ロイシン、及びカフェインからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0162】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、ジメチルキサンチンと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、及びベタインからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0163】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物がATPである、方法である。
【0164】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、ATPと、エルゴチオネイン、グルタチオンジスルフィド、ベタイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルヒスチジン、トリメチルトリプトファン、トリメチルフェニルアラニン、グリセロホスホコリン、ドデカノイルカルニチン、トリメチルチロシン、カフェイン、ジメチルキサンチン、ウリジン、S-アデノシルメチオニン、NADP、パントテン酸、ケト(イソ)ロイシン、2-ヒドロキシ酪酸、グルコン酸、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、メチオニン、トリプトファン、インドキシル硫酸、キヌレニン、キノリン酸、N6-アセチルリシン、プソイドウリジン、アデノシン、及びジメチルグアノシンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0165】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、ATPと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、ジメチルキサンチン、キノリン酸、アデノシン、トリメチルヒスチジン、トリメチルチロシン、トリメチルフェニルアラニン、S-アデノシルメチオニン、グルタチオンジスルフィド、ケト(イソ)ロイシン、及びカフェインからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0166】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、ATPと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、及びジメチルキサンチンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0167】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物がメチオニンである、方法である。
【0168】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、メチオニンと、エルゴチオネイン、グルタチオンジスルフィド、ベタイン、ATP、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルヒスチジン、トリメチルトリプトファン、トリメチルフェニルアラニン、グリセロホスホコリン、ドデカノイルカルニチン、トリメチルチロシン、カフェイン、ジメチルキサンチン、ウリジン、S-アデノシルメチオニン、NADP、パントテン酸、ケト(イソ)ロイシン、2-ヒドロキシ酪酸、グルコン酸、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、トリプトファン、インドキシル硫酸、キヌレニン、キノリン酸、N6-アセチルリシン、プソイドウリジン、アデノシン、及びジメチルグアノシンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0169】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、メチオニンと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、ジメチルキサンチン、キノリン酸、アデノシン、トリメチルヒスチジン、トリメチルチロシン、トリメチルフェニルアラニン、S-アデノシルメチオニン、グルタチオンジスルフィド、ケト(イソ)ロイシン、及びカフェインからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0170】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、メチオニンと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、及びジメチルキサンチンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0171】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物がキヌレニンである、方法である。
【0172】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、キヌレニンと、エルゴチオネイン、グルタチオンジスルフィド、ベタイン、ATP、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルヒスチジン、トリメチルトリプトファン、トリメチルフェニルアラニン、グリセロホスホコリン、ドデカノイルカルニチン、トリメチルチロシン、カフェイン、ジメチルキサンチン、ウリジン、S-アデノシルメチオニン、NADP、パントテン酸、ケト(イソ)ロイシン、2-ヒドロキシ酪酸、グルコン酸、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、メチオニン、トリプトファン、インドキシル硫酸、キノリン酸、N6-アセチルリシン、プソイドウリジン、アデノシン、及びジメチルグアノシンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0173】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、キヌレニンと、インドキシル硫酸、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、ジメチルキサンチン、キノリン酸、アデノシン、トリメチルヒスチジン、トリメチルチロシン、トリメチルフェニルアラニン、S-アデノシルメチオニン、グルタチオンジスルフィド、ケト(イソ)ロイシン、及びカフェインからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0174】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、キヌレニンと、インドキシル硫酸、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、及びジメチルキサンチンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0175】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物がトリメチルチロシンである、方法である。
【0176】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、トリメチルチロシンと、エルゴチオネイン、グルタチオンジスルフィド、ベタイン、ATP、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルヒスチジン、トリメチルトリプトファン、トリメチルフェニルアラニン、グリセロホスホコリン、ドデカノイルカルニチン、カフェイン、ジメチルキサンチン、ウリジン、S-アデノシルメチオニン、NADP、パントテン酸、ケト(イソ)ロイシン、2-ヒドロキシ酪酸、グルコン酸、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、メチオニン、トリプトファン、インドキシル硫酸、キヌレニン、キノリン酸、N6-アセチルリシン、プソイドウリジン、アデノシン、及びジメチルグアノシンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0177】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、トリメチルチロシンと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、ジメチルキサンチン、キノリン酸、アデノシン、トリメチルヒスチジン、トリメチルフェニルアラニン、S-アデノシルメチオニン、グルタチオンジスルフィド、ケト(イソ)ロイシン、及びカフェインからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0178】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、トリメチルチロシンと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、及びジメチルキサンチンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0179】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物がトリメチルフェニルアラニンである、方法である。
【0180】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、トリメチルフェニルアラニンと、エルゴチオネイン、グルタチオンジスルフィド、ベタイン、ATP、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルヒスチジン、トリメチルトリプトファン、グリセロホスホコリン、ドデカノイルカルニチン、トリメチルチロシン、カフェイン、ジメチルキサンチン、ウリジン、S-アデノシルメチオニン、NADP、パントテン酸、ケト(イソ)ロイシン、2-ヒドロキシ酪酸、グルコン酸、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、メチオニン、トリプトファン、インドキシル硫酸、キヌレニン、キノリン酸、N6-アセチルリシン、プソイドウリジン、アデノシン、及びジメチルグアノシンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0181】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、トリメチルフェニルアラニンと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、ジメチルキサンチン、キノリン酸、アデノシン、トリメチルヒスチジン、トリメチルチロシン、S-アデノシルメチオニン、グルタチオンジスルフィド、ケト(イソ)ロイシン、及びカフェインからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0182】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、トリメチルフェニルアラニンと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、及びジメチルキサンチンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0183】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物がNADPである、方法である。
【0184】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、NADPと、エルゴチオネイン、グルタチオンジスルフィド、ベタイン、ATP、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルヒスチジン、トリメチルトリプトファン、トリメチルフェニルアラニン、グリセロホスホコリン、ドデカノイルカルニチン、トリメチルチロシン、カフェイン、ジメチルキサンチン、ウリジン、S-アデノシルメチオニン、パントテン酸、ケト(イソ)ロイシン、2-ヒドロキシ酪酸、グルコン酸、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、メチオニン、トリプトファン、インドキシル硫酸、キヌレニン、キノリン酸、N6-アセチルリシン、プソイドウリジン、アデノシン、及びジメチルグアノシンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0185】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、NADPと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、ジメチルキサンチン、キノリン酸、アデノシン、トリメチルヒスチジン、トリメチルチロシン、トリメチルフェニルアラニン、S-アデノシルメチオニン、グルタチオンジスルフィド、ケト(イソ)ロイシン、及びカフェインからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0186】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、NADPと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、及びジメチルキサンチンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0187】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が2-ヒドロキシ酪酸である、方法である。
【0188】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、2-ヒドロキシ酪酸と、エルゴチオネイン、グルタチオンジスルフィド、ベタイン、ATP、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルヒスチジン、トリメチルトリプトファン、トリメチルフェニルアラニン、グリセロホスホコリン、ドデカノイルカルニチン、トリメチルチロシン、カフェイン、ジメチルキサンチン、ウリジン、S-アデノシルメチオニン、NADP、パントテン酸、ケト(イソ)ロイシン、グルコン酸、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、メチオニン、トリプトファン、インドキシル硫酸、キヌレニン、キノリン酸、N6-アセチルリシン、プソイドウリジン、アデノシン、及びジメチルグアノシンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0189】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、2-ヒドロキシ酪酸と、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、ジメチルキサンチン、キノリン酸、アデノシン、トリメチルヒスチジン、トリメチルチロシン、トリメチルフェニルアラニン、S-アデノシルメチオニン、グルタチオンジスルフィド、ケト(イソ)ロイシン、及びカフェインからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0190】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、2-ヒドロキシ酪酸と、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、及びジメチルキサンチンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0191】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物がケト(イソ)ロイシンである、方法である。
【0192】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、ケト(イソ)ロイシンと、エルゴチオネイン、グルタチオンジスルフィド、ベタイン、ATP、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルヒスチジン、トリメチルトリプトファン、トリメチルフェニルアラニン、グリセロホスホコリン、ドデカノイルカルニチン、トリメチルチロシン、カフェイン、ジメチルキサンチン、ウリジン、S-アデノシルメチオニン、NADP、パントテン酸、2-ヒドロキシ酪酸、グルコン酸、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、メチオニン、トリプトファン、インドキシル硫酸、キヌレニン、キノリン酸、N6-アセチルリシン、プソイドウリジン、アデノシン、及びジメチルグアノシンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0193】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、ケト(イソ)ロイシンと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、ジメチルキサンチン、キノリン酸、アデノシン、トリメチルヒスチジン、トリメチルチロシン、トリメチルフェニルアラニン、S-アデノシルメチオニン、グルタチオンジスルフィド、及びカフェインからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0194】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、ケト(イソ)ロイシンと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、及びジメチルキサンチンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0195】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物がグリセロホスホコリンである、方法である。
【0196】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、グリセロホスホコリンと、エルゴチオネイン、グルタチオンジスルフィド、ベタイン、ATP、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルヒスチジン、トリメチルトリプトファン、トリメチルフェニルアラニン、ドデカノイルカルニチン、トリメチルチロシン、カフェイン、ジメチルキサンチン、ウリジン、S-アデノシルメチオニン、NADP、パントテン酸、ケト(イソ)ロイシン、2-ヒドロキシ酪酸、グルコン酸、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、メチオニン、トリプトファン、インドキシル硫酸、キヌレニン、キノリン酸、N6-アセチルリシン、プソイドウリジン、アデノシン、及びジメチルグアノシンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0197】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、グリセロホスホコリンと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、ジメチルキサンチン、キノリン酸、アデノシン、トリメチルヒスチジン、トリメチルチロシン、トリメチルフェニルアラニン、S-アデノシルメチオニン、グルタチオンジスルフィド、ケト(イソ)ロイシン、及びカフェインからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0198】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、グリセロホスホコリンと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、及びジメチルキサンチンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0199】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物がグルコン酸である、方法である。
【0200】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、グルコン酸と、エルゴチオネイン、グルタチオンジスルフィド、ベタイン、ATP、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルヒスチジン、トリメチルトリプトファン、トリメチルフェニルアラニン、グリセロホスホコリン、ドデカノイルカルニチン、トリメチルチロシン、カフェイン、ジメチルキサンチン、ウリジン、S-アデノシルメチオニン、NADP、パントテン酸、ケト(イソ)ロイシン、2-ヒドロキシ酪酸、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、メチオニン、トリプトファン、インドキシル硫酸、キヌレニン、キノリン酸、N6-アセチルリシン、プソイドウリジン、アデノシン、及びジメチルグアノシンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0201】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、グルコン酸と、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、ジメチルキサンチン、キノリン酸、アデノシン、トリメチルヒスチジン、トリメチルチロシン、トリメチルフェニルアラニン、S-アデノシルメチオニン、グルタチオンジスルフィド、ケト(イソ)ロイシン、及びカフェインからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0202】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、グルコン酸と、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、及びジメチルキサンチンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0203】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物がプソイドウリジンである、方法である。
【0204】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、プソイドウリジンと、エルゴチオネイン、グルタチオンジスルフィド、ベタイン、ATP、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルヒスチジン、トリメチルトリプトファン、トリメチルフェニルアラニン、グリセロホスホコリン、ドデカノイルカルニチン、トリメチルチロシン、カフェイン、ジメチルキサンチン、ウリジン、S-アデノシルメチオニン、NADP、パントテン酸、ケト(イソ)ロイシン、2-ヒドロキシ酪酸、グルコン酸、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、メチオニン、トリプトファン、インドキシル硫酸、キヌレニン、キノリン酸、N6-アセチルリシン、アデノシン、及びジメチルグアノシンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0205】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、プソイドウリジンと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、ジメチルキサンチン、キノリン酸、アデノシン、トリメチルヒスチジン、トリメチルチロシン、トリメチルフェニルアラニン、S-アデノシルメチオニン、グルタチオンジスルフィド、ケト(イソ)ロイシン、及びカフェインからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0206】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、プソイドウリジンと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、及びジメチルキサンチンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0207】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物がN6-アセチルリシンである、方法である。
【0208】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、N6-アセチルリシンと、エルゴチオネイン、グルタチオンジスルフィド、ベタイン、ATP、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルヒスチジン、トリメチルトリプトファン、トリメチルフェニルアラニン、グリセロホスホコリン、ドデカノイルカルニチン、トリメチルチロシン、カフェイン、ジメチルキサンチン、ウリジン、S-アデノシルメチオニン、NADP、パントテン酸、ケト(イソ)ロイシン、2-ヒドロキシ酪酸、グルコン酸、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、メチオニン、トリプトファン、インドキシル硫酸、キヌレニン、キノリン酸、プソイドウリジン、アデノシン、及びジメチルグアノシンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0209】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、N6-アセチルリシンと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、ジメチルキサンチン、キノリン酸、アデノシン、トリメチルヒスチジン、トリメチルチロシン、トリメチルフェニルアラニン、S-アデノシルメチオニン、グルタチオンジスルフィド、ケト(イソ)ロイシン、及びカフェインからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0210】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、N6-アセチルリシンと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、及びジメチルキサンチンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0211】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物がジメチルグアノシンである、方法である。
【0212】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、ジメチルグアノシンと、エルゴチオネイン、グルタチオンジスルフィド、ベタイン、ATP、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルヒスチジン、トリメチルトリプトファン、トリメチルフェニルアラニン、グリセロホスホコリン、ドデカノイルカルニチン、トリメチルチロシン、カフェイン、ジメチルキサンチン、ウリジン、S-アデノシルメチオニン、NADP、パントテン酸、ケト(イソ)ロイシン、2-ヒドロキシ酪酸、グルコン酸、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、メチオニン、トリプトファン、インドキシル硫酸、キヌレニン、キノリン酸、N6-アセチルリシン、プソイドウリジン、及びアデノシンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0213】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、ジメチルグアノシンと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、ジメチルキサンチン、キノリン酸、アデノシン、トリメチルヒスチジン、トリメチルチロシン、トリメチルフェニルアラニン、S-アデノシルメチオニン、グルタチオンジスルフィド、ケト(イソ)ロイシン、及びカフェインからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0214】
本発明の一実施形態は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法であって、特定の血中代謝物が、ジメチルグアノシンと、インドキシル硫酸、キヌレニン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルトリプトファン、パントテン酸、ベタイン、及びジメチルキサンチンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物とを含む、方法である。
【0215】
本発明の被験者における特定の血中代謝物の量を測定することによって被験者におけるADの診断を補助するための方法は、(i)メタボロミクスサンプルを調製する工程、(ii)サンプル中の特定の血中代謝物の含有量を測定する工程、及び(iii)被験者におけるADの診断を補助する工程を含む。ADの診断を補助するための方法の発明の各工程の詳細については、「アルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法」の項を参照することができる。
【0216】
装置
本発明は、アルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための装置を提供する。本発明は、被験者におけるADの診断を補助するための装置も提供する。この装置は、先の本発明の方法を使用する。
【0217】
本発明のアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための装置は、入力のための手段と、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することを含む、被験者におけるADの診断を補助するための手段とを含み、被験者の血中代謝物のデータは、入力のための手段に入力され、ADの診断は、標準を比較することによって実施される。装置によって使用される本発明の方法の詳細については、該方法項を参照することができる。
【0218】
システム
本発明は、アルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るためのシステムを提供する。本発明は、被験者におけるADの診断を補助するためのシステムも提供する。このシステムは、先の本発明の方法及び/又は本発明の装置を使用する。本発明のシステムの詳細については、該方法項及び装置項を参照することができる。
【0219】
方法
本発明は、血中代謝物を測定する工程を含む、ADの治療に使用することができる物質を評価する方法であって、血中代謝物が、エルゴチオネイン、グルタチオンジスルフィド、ベタイン、ATP、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルヒスチジン、トリメチルトリプトファン、トリメチルフェニルアラニン、グリセロホスホコリン、ドデカノイルカルニチン、トリメチルチロシン、カフェイン、ジメチルキサンチン、ウリジン、S-アデノシルメチオニン、NADP、パントテン酸、ケト(イソ)ロイシン、2-ヒドロキシ酪酸、グルコン酸、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、メチオニン、トリプトファン、インドキシル硫酸、キヌレニン、キノリン酸、N6-アセチルリシン、プソイドウリジン、アデノシン、及びジメチルグアノシンからなる群から選択される少なくとも1種の代謝物を含む、方法を提供する。この評価方法によって見出される物質は、ADの状態を改善するための、食品、飲料、サプリメント、医薬品として広く使用することができる。血中代謝物を測定する工程の詳細については、「アルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための方法」の項を参照することができる。
【0220】
キット
本発明は、本発明の方法を使用することによってアルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための又はADの診断を補助するためのキットであって、採血管と検出標準としての血中代謝物化合物とを含む、キットを提供する。本発明のキットは、採血管などのみならず、任意の構成要素を含み得る。検出標準としての血中代謝物化合物は、エルゴチオネイン、グルタチオンジスルフィド、ベタイン、ATP、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルヒスチジン、トリメチルトリプトファン、トリメチルフェニルアラニン、グリセロホスホコリン、ドデカノイルカルニチン、トリメチルチロシン、カフェイン、ジメチルキサンチン、ウリジン、S-アデノシルメチオニン、NADP、パントテン酸、ケト(イソ)ロイシン、2-ヒドロキシ酪酸、グルコン酸、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、メチオニン、トリプトファン、インドキシル硫酸、キヌレニン、キノリン酸、N6-アセチルリシン、プソイドウリジン、アデノシン、及びジメチルグアノシンからなる群から選択され得る。
【実施例
【0221】
1.アルツハイマー病(AD)の被験者からの血液サンプルの収集
AD関連血中代謝物を同定するために、AD患者、健康な高齢者(HE)、及び健康な若者(HY)の被験者のサンプルについて定量的な比較を実行した。ADと診断されて沖縄県金武町の国立病院機構琉球病院に入院しているAD患者(年齢75~88歳)の血液サンプルを、インフォームドコンセントを得た後に各患者について得た。同数のHE(67~80歳)及びHY(28~34歳)のボランティアを沖縄県の恩納村の恩納クリニックから募集した(表1)。
【0222】
【表1】
【0223】
8人のAD患者、8人の健康な高齢者(HE)、及び8人の健康な若者(HY)の合計24人の被験者が本研究に参加した。表1は、彼らの年齢、性別、BMI、及び2つのタイプの認知症試験データを示す。AD被験者の認知能力を評価するために、ミニメンタルヘルス検査(MMSE)及び長谷川認知症スケール改訂版(HDS-R)を採用した。図1には、年齢及びBMIが図式で示されている。AD被験者の年齢は75~88歳であり、彼らのBMIは14.8~24.5で様々であった。8人のHE被験者の年齢範囲は67~80であり、BMI範囲は17~25であった。8人のHY被験者は28~34歳であり、BMIは21~24であった。
【0224】
2.ADとHEとの間で顕著に異なっていた33種の代謝物
収集されたすべての全血サンプルにおいて、124種の代謝物を非標的包括的LC-MS法によって同定及び定量化することができた(表2-1~2-3)。
【0225】
【表2-1】
【0226】
【表2-2】
【0227】
【表2-3】
【0228】
【表2-4】
【0229】
【表2-5】
【0230】
これらは、14種のサブ群からなっていた;1.9種のヌクレオチド、2.12種のヌクレオシド、ヌクレオ塩基、及び誘導体、3.5種のビタミン及び補酵素、4.4種のヌクレオチド糖誘導体、5.11種の糖リン酸、6.4種の糖誘導体、7.7種のコリン及びエタノールアミン誘導体、8.10種の有機酸、9.2種の抗酸化物質、10.17種の標準アミノ酸、11.14種のメチル化アミノ酸、12.4種のアセチル化アミノ酸、13.16種の他のアミノ酸、14.9種のカルニチン。表では、赤血球中に豊富な51種の化合物に下線が引かれている。5種のサブ群(ヌクレオチド、ビタミン及び補酵素、ヌクレオチド-糖誘導体、糖リン酸、及び抗酸化物質)の大部分は、赤血球に豊富に存在している(Chaleckis等2016)。代謝物の量は、各化合物についてのピーク面積を測定することによって得た(イオン数;高レベル(10)、中レベル(10)、及び低レベル(10)についてそれぞれH、M、及びLで示す)。ADとHEとの間で統計的に有意に異なっていた合計33種の代謝物(アスタリスクで示す)は、p値(0.00016<p<0.05)と一緒に一覧にされており、表3でADマーカーとして示されている。誤検出率を見積もるために、q値を計算した。Q値は、大部分において33種の代謝物のp値と一致していた。ATP、グルタチオンジスルフィド、グルタミン、フェニルアラニン、及びベタインの5種の化合物が、非常に存在量が多い(ランクH)。続いて、グリセロホスホコリン、エルゴチオネイン、メチオニン、トリプトファン、及びチロシンの5種の化合物が、存在量が多い(H-M)。以下の3種の化合物の存在量は、幅広く分布している(H-L);カフェイン、ジメチルキサンチン、及びトリメチルトリプトファン。残りの20種の化合物は、中程度から低い存在量(M-L、M、L)である。下線を引いた12種の化合物は、赤血球に豊富に存在している。丸の付いた9種の特徴的なAD化合物はトリメチル化アンモニウムを含有していた;そのうちの6種がメチル化アミノ酸である。丸の付いた他のものは、抗酸化物質(エルゴチオネイン)、コリン(グリセロホスホコリン)、及びカルニチン(ドデカノイルカルニチン)である(表3)。
【0231】
【表3-1】
【0232】
【表3-2】
【0233】
p値を得るために、マンホイットニーU検定を実施した。したがって、33種のADマーカーすべてが0.05未満のp値を示した。AD及びHEにおけるピーク存在量の中央値を使用して計算された結果のピーク比率は、表3の4番目の列(比率)に示されている。ADにおいて増加した7種の化合物は、1.0超の値を示した。それ以外の場合、比率は1.0未満である。大幅に低下した4種の化合物は、ジメチルキサンチン(0.04)、トリメチルチロシン(0.08)、カフェイン(0.09)、トリメチルトリプトファン(0.10)である。これらの少なくなった代表的な化合物は芳香族化合物である。それらの分布は、健康な被験者ではH~Lで幅広い。
【0234】
表3に示されているように、7種の化合物がADにおいて増加した(AD/HE比率>1.0)。例は、インドキシル硫酸(1.93)、キノリン酸(1.79)、ジメチルグアノシン(1.45)、プソイドウリジン(1.19)、及びキヌレニン(1.12)である。これらの代謝物は、有毒であると報告された(Vanholder等2003)(以下を参照)。
【0235】
3.AD被験者において減少した26種の血液化合物のドットプロットプロファイル
図2-1~2-13は、AD、HE、及びHYにおける26種の化合物の存在量のドットプロットプロファイルを示す。これらはすべて、HEと比較して、AD患者では低下した(p<0.05)。エルゴチオネイン(抗酸化物質、トリメチルヒスチジンのチオ尿素誘導体)、グルタチオンジスルフィド(レドックス化合物)(Martinez de Toda等2019)、ベタイン(トリメチルグリシンを含有する両性イオン)、及びATP(エネルギー担体)が、ADにおいて減少した最も存在量の多い代謝物であると見出された。エルゴチオネインに関連するがそれほど存在量の多くない他の2種の化合物S-メチルエルゴチオネイン及びトリメチルヒスチジン(ヘルシニン)も、ADにおいて低下した。
【0236】
そのどれもがトリメチルアンモニウムイオンを含有する、トリメチルトリプトファン(ハイパフォリン)、トリメチルフェニルアラニン、グリセロホスホコリン、ドデカノイルカルニチン(Cristofano等2016)、及びトリメチルチロシンも低下しており、このことは、これらのトリメチルアンモニウム化合物が、AD患者の人体において、おそらくはそれらが不安定であること又は合成が低下したこと又は取り込みが低下したことを理由に特徴的に低下したことを強く提示していた。カフェイン及びその誘導体、ジメチルキサンチン、ウリジン(ピリミジンヌクレオシド)(Olde Rikkert等2014)、S-アデノシルメチオニン(メチルドナー)(Guiraud等2017)、NADP(酸化還元補酵素)、パントテン酸(ビタミンB5)、ケト(イソ)ロイシン(ケト酸)、2-ヒドロキシ酪酸(脂質分解生成物)及びグルコン酸(Znに結合した有機酸)、グルタミン(Gonzalez-Dominguez等2014、2015)、フェニルアラニン(Gonzalez-Dominguez等2015;Mapstone等2014)、チロシン(Gonzalez-Dominguez等2015)、ヒスチジン(Gonzalez-Dominguez等2014、2015)、メチオニン、トリプトファン(通常アミノ酸)(Gonzalez-Dominguez等2015;Gulaj等2010)すべてが、AD被験者において低減した。それらのなかでも、ADにおけるカフェイン及びジメチルキサンチンの縮小の程度がかなり有意であった(比率0.04~0.09)。トリメチルトリプトファン(0.10)及びトリメチルチロシン(0.08)も著しく低下した。
【0237】
4.AD患者では、9種のトリメチル化アンモニウム化合物が低下した
図3には、ADにおいて減少した9種のトリメチル化化合物が図式で示されている。トリメチル化アンモニウムイオン部分は、橙色でマークされている。これらのうちの3種(ベタイン、グリセロホスホコリン、及びドデカノイルカルニチン)は人体で合成され、その一方で、芳香族部分を含有する他の6種のトリメチル化化合物は食事由来の化合物である。最も顕著なのは、これらの9種の化合物のうちの6種は、血漿及びRBC中に豊富に存在することである(H、H-M、又はH-L)。したがって、AD脳におけるこれらの両親媒性化合物(親水性及び親油性の特性の両方を有し、脂質多型のベースを形成する)の急激な低下は、AD患者における神経系の物理化学的特性にかなりの影響を与え得る。
【0238】
5.ADにおいて増加した7種の代謝物
興味深いことに、3種のヌクレオシド及び4種のアミノ酸誘導体を含む7種の代謝物が、ADにおいて増加した(図2-14~2-17)。RBC中で、どれも存在量がそれほど多くなく、どれも豊富に存在していなかったため、ADにおけるそれらの増加は血漿中で生じた。インドキシル硫酸、キヌレニン、及びキノリン酸(Gulaj等2010)は、トリプトファン代謝に関与しており、脳内で興奮性毒素として作用する可能性があり(Adesso等2017;Stone等2003)、その一方で、N6-アセチルリシンは、ヒストン及び非ヒストンタンパク質修飾に関与している(Iwabata等2005)。プソイドウリジン、アデノシン(Gonzalez-Dominguez等2015)、及びジメチルグアノシンは、尿中に存在するRNAの分解産物であり、酸化されていると考えられる(Lee等2007;Sander等1986)。ADにおけるこれらの代謝物の増加は、一部が中枢神経系(CNS)において毒性があり、脳の障害につながり得ると報告されていることから、興味深いものである(Moroni1999;Rahman2009;Ruddick等2006)。脳におけるそれらの増加は、不利及び有害であり得る。
【0239】
6.PCAは、AD患者を健康な高齢者(HE)から分ける
AD被験者とHE被験者とを区別するために、本発明者等は、主成分分析(PCA)を適用した。本発明者等は、16人の被験者における33種のAD関連代謝物の存在量データを使用して、主成分(PC1、PC2)の値を計算した。図4-1は、被験者AD(赤色の三角形)及び非AD(HE、緑色の三角形)の2つのクラスが、AD被験者及び非AD被験者の群の間で明確に分かれたことを示す。したがって、33種のAD化合物を計算に使用した場合、PCAは、ADを非ADから分けることができた。次いで、本発明者等は、検査する化合物の数を縮小させ、6種の代謝物(ジメチルグアノシン、プソイドウリジン、NADP、トリメチルヒスチジン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン)のみのレベルでAD被験者を非AD被験者からほぼ完全に分けることができることを見出した(図4-2)。したがって、PCA法は、少数のAD成分の使用でも、AD患者を非AD被験者から分けるのに有用であった。
【0240】
7.相関分析によって5種の代謝物群が明らかになった
これらの33種のAD代謝物が互いにどのように関連しているかについての洞察を得るために、本発明者等は、ピアソンの相関関数rを使用してAD代謝物の間の関係を調べた。有意な正及び負の相関(0.89>r>0.50又は-0.68<r<-0.50)が33種の代謝物の間に存在することが見出された。これらは、図5で強調表示されている(正;「X」なしの灰色、負;「X」ありの灰色)。7種の増加したADマーカーのうちの5種が、キノリン酸、ジメチルグアノシン、プソイドウリジン、インドキシル硫酸、及びキヌレニン間で相関していた(0.89~0.57)ことが分かった。高い相関のこの目覚ましい発見によって、サブ群Aの分類が少なくとも部分的に有効となった。さらに、これらの化合物は、他の多くの下位サブ群B、C、及びD化合物と負の相関(-0.66~-0.50)にあり、群Aに対するこれらの化合物の推定される反対の傾向と一致している。
【0241】
興味深いことに、トリメチル化アンモニウム代謝物を含有していた群Aの化合物と群Bの化合物との間に、且つ酸化還元物質(NADP、グルタチオンジスルフィド)、メチルドナー(S-アデノシルメチオニン)、鉄及び亜鉛への結合(パントテン酸、グルコン酸)、及びエネルギー担体(ATP)を含有する赤血球に豊富な代謝物を含む群Aの化合物と群Cの化合物との間に、負の相関が存在する。群B及びCの代謝物は群において相関しており、この場合も、B及びCの分類が有効となる。群Bの代謝物は、これらが一般にトリメチル化アンモニウム基を含有することから、構造的に関連しており、このことは、これらが抗酸化性であることを示す。群Cは構造的に関連していないが、レドックス及びエネルギー代謝に関与するそのうちの3種(NADP、グルタチオンジスルフィド、及びATP)は、高度に相関しており、赤血球中に豊富に存在している。同様に赤血球に豊富なグルコン酸は、亜鉛に結合することが知られており、亜鉛に結合することが知られているヒスチジンと相関している(0.56)。群Dの14種の代謝物が血漿中に豊富に存在しており、表3に示されているように、通常アミノ酸、ベタイン、ヌクレオシド、ケト(イソ)ロイシンの間などで内部相関している。例えば、トリプトファンとチロシンとの間の相関は0.72である。残りの化合物(2-ヒドロキシ酪酸、ドデカノイルカルニチン)は、ほとんど相関していない。最後に、2種の高度に関連した代謝物の群E(カフェイン、ジメチルキサンチン;r、0.76)が公表された。カフェインがADの軽減に有益であることを示す報告がある(考察を参照)。したがって、33種のAD代謝物を5種のA~Eサブ群にグループ化した。これらは、大部分において正の内部相関があるが、群Aは、異なる程度でB~Eと負に相互作用する。
【0242】
8.HEと比較したAD被験者のヒートマップ表示
8人のAD患者及び8人のHE被験者における33種のAD化合物の存在量データを使用して、ヒートマップを構築した(図6)。AD患者(#1~8)において、7種の化合物(キノリン酸からアデノシンまで)が増加し、その一方で、残りの26種の化合物が減少した(図の説明文を参照)。実際に、AD被験者の大部分は、7種の増加した化合物について平均超のマップユニット(>50)を見せたが、HE被験者では、増加した7種の化合物についてのマップユニットの大部分が平均未満のレベル(<50)を示し、これによって、これらの化合物の減少の証明がもたらされた。被験者#6(AD患者)の場合、N6-アセチルリシンの存在量は、平均(47.9)に近かった。それ以外について、他の6種の代謝物は、平均を上回り(>50、52~80)、「X」セルなしの灰色を示す。顕著なのは、AD患者では7種の化合物がほぼ均一に増加し、その一方で、HE被験者ではレベルが大部分において50未満であり、平均からの低下である「X」ありの灰色を表すことである。したがって、これらの7種のマーカーは、実際にAD患者では増加したが、健康な被験者では減少した。これらの7種の化合物は、ADの増加マーカーの適切な候補である。
【0243】
他方で、上部のS-メチルエルゴチオネインから下部のジメチルキサンチンまでの26種の代謝物の存在量は、AD患者の平均を大幅に下回った(<50、「X」セルありの灰色を示す)。それとは全く対照的に、HE被験者の大多数は、平均を上回るそれらのレベルを示した(>50、「X」なしの灰色)。グルタチオンジスルフィド、NADP、及びエルゴチオネインは、ADとHEとの間で最も際立った乖離を示し、酸化還元及び抗酸化化合物の低下が、26種のAD血液化合物のなかでもAD被験者における主要な低下であり得ることを提示している。
【0244】
(材料、方法、及び手順)
参加者
健康な8人の若者及び8人の高齢者のボランティア、並びに国立病院機構琉球病院に入院している8人のAD患者がこの研究に被験者として参加した(情報は表1に要約されている)。
【0245】
倫理声明
Witten、インフォームドコンセントは、ヘルシンキ宣言に従ってすべての参加者から得た。すべての実験を、関連する日本の法律及び機関のガイドラインに準拠して実施した。すべてのプロトコルが、琉球病院のヒト研究倫理委員会及び沖縄科学技術大学院大学(OIST)のヒト対象研究審査委員会によって承認された。
【0246】
化学薬品及び試薬
代謝物同定のための標準は、前もって説明したように商業的な供給元から購入した(Chaleckis等2014;Chaleckis等2016;Teruya等2019)。LC-MSグレードのアセトニトリル、メタノール、及び超純水は、富士フイルム和光純薬株式会社(大阪、日本)から得た。
【0247】
血液サンプルの調製
メタボロミクスサンプルは、前もって説明したように調製した。簡単に言うと、静脈血液サンプルを朝に朝食前にヘパリン化チューブに取った。サンプリング前に少なくとも8時間絶食するように被験者に指示した。絶食中、被験者は自由に水を摂取した。直ちに、0.2mLの血液を1.8mLの55%メタノール中において-40℃でクエンチした。それぞれ10nmolのHEPES及びPIPESを各サンプルに添加して、標準として用いた。簡単なボルテックス処理の後に、サンプルをAmicon Ultra 10kDaカットオフフィルタ(Millipore、マサチューセッツ州ビレリカ、米国)に移して、タンパク質及び細胞片を除去した。真空蒸発によるサンプルの濃縮後に、各サンプルを40μLの50%アセトニトリルに再懸濁し、説明したように、LC-MSシステムへの注入のたびに1μLを使用した。
【0248】
LC-MS分析
非標的LC-MS条件は、前述の通りであった。簡単に言うと、LC-MSデータは、LTQ Orbitrap質量分析計(Thermo Fisher Scientific、マサチューセッツ州ウォルサム、米国)に結合されたUltimate 3000 DGP-3600RS HPLCシステム(Thermo Fisher Scientific、マサチューセッツ州ウォルサム、米国)を使用して得た。LC分離をZIC-pHILICカラム(Merck SeQuant、ウメオ、スウェーデン、150mm×2.1mm、粒径5μm)で実施した。アセトニトリル(A)及び10mMの炭酸アンモニウム緩衝液pH9.3(B)を移動相として使用し、線形勾配溶出は、100μL/mLの流速にて、30分にわたってA80~20%であった。質量分析計は、100~1000m/zのスキャン速度及び自動データ依存型MS/MSフラグメンテーションスキャンでのフルスキャンモードで操作した。
【0249】
LC-MSデータ処理及びピーク特性
着目される代謝物のピーク面積は、MZmine 2ソフトウェアを使用して測定した(Pluskal等2010)。データ分析手順及びパラメータは、前もって説明した通りである。本発明者等は、標準又はMS/MS分析を使用して確認された124種の血中代謝物を分析した。それらのピーク面積に応じて、代謝物存在量を3種の群(H、M、及びL)に分類した。Hは高いピーク面積を有する化合物(>10AU)、Mは中程度のピーク面積を有する化合物(10~10AU)、Lは低いピーク面積を有する化合物(<10AU)を示す(表2-1~2-5)。
【0250】
統計分析
MZmine 2によって処理されたピークデータを、スプレッドシート形式にエクスポートし、R統計ソフトウェア(http://www.r-project.org)で分析した。統計分析は、マンホイットニーU検定を使用して実施した。統計的有意性は、p<0.05で確立された。Q値は、ベンジャミーニ・ホッホベルク法を使用して計算した。主成分(PC)のスコアプロットは、SIMCA-P+ソフトウェア(Umetrics Inc.、ウメア、スウェーデン)によって生成した。ヒートマップは、各代謝物の標準化された存在量データを表す。Tスコアは、以下の式から計算した:Tスコア=[(サンプルピーク面積-母集団ピーク面積の平均)×10/母集団ピーク面積の標準偏差]+50。したがって、平均及び標準偏差は、それぞれ50及び10である。
【0251】
データ及び資料の入手可能性
mzML形式の生のLC-MSデータは、MetaboLightsリポジトリ(http://www.ebi.ac.uk/metabolights)からアクセス可能である。24人の被験者のデータは、アクセッション番号MTBLS2109で入手可能である。
【0252】
(考察)
この研究において、本発明者等は、AD血液において減少した26種の代謝物が、酸化還元化合物、抗酸化化合物、エネルギー供給化合物、及びトリメチルアンモニウム化合物を含有していることを示した。具体的には、グルタチオンジスルフィド、NADP、ATP、トリメチルトリプトファン、トリメチルチロシン、トリメチルフェニルアラニン、エルゴチオネイン、及びS-メチルエルゴチオネインが、それらの存在量において、AD被験者とHE被験者との間の最も際立った区別をもたらした。対照的に、本発明者等は、脳機能に対して阻害剤又は毒物として作用する可能性が高い7種のADマーカー(キノリン酸、キヌレニン、アデノシン、ジメチルグアノシン、インドキシル硫酸、及びプソイドウリジン、及びN6-アセチルリシン)の増加を見出した。したがって、包括的なメタボロミクス及びピアソン相関分析によって、存在量において反対の挙動を示した2つのタイプの代謝物(サブ群A及びB~E)が明らかになった。
【0253】
これらの合計33種のADマーカー代謝物を、HEとの比較でAD患者の全血において同定した。本発明者等は統計分析(p値及びq値)を採用し、そのどちらによっても統計的結果が確認された。相関分析によって、本発明者等は、これらを5種(A~E)のサブ群に分類することができた(図5)。AD患者では、群Aの7種の化合物が増加し、その一方で、26種の化合物(B~Eのサブ群)は減少した。文献では、これらのうちの11種はADに関与していることがすでに報告されているため、22種は新規である(表3に示されている)。Aの7種の化合物は、トリプトファン分解及びヌクレオシド代謝に関連する酸化化合物を含有していた。そのうちの5種は、高度に相関している。文献から判断すると、これらは、阻害剤及び/又は毒物若しくは廃棄物として作用し得る(Mutsaers等2013;Vanholder等2003)。キヌレニン、キノリン酸(Guillemin及びBrew2002)、並びにインドキシル硫酸は、脳を標的とし、ADを悪化させ得る(Adesso等2017)。N6-アセチルリシンは、AD脳におけるアセチル化タウ及びα-チューブリンの蓄積に関連し得る(Cohen等2013;Zhang等2015)。
【0254】
群Bの6種の化合物は、おそらく抗酸化物質として作用するエルゴチオネインを含むトリメチルアンモニウム部分を含有していたため、群Bは、ADに対して付随的に、群Aに逆らって作用し得る。したがって、群Bの化合物の減少もADの進行を引き起こし得る(図7)。同様の結果が、軽度認知障害を有するフレイル患者について得られた(Kameda等2020)。エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、トリメチルヒスチジン、トリプトファン、及びメチオニンの減少は、認知能力が低下したフレイルにおいて観察された。グルタチオン、NADP、パントテン酸、S-アデノシルメチオニン、エネルギー担体、及び金属(亜鉛)担体からなる6種の群Cは、赤血球中に豊富に存在している。それらの作用は、ADに対して直接的又は間接的に抵抗し得る。アミノ酸、ヌクレオシド、コリン、及びカルニチンを含有する群Dの12種の化合物は、血漿に豊富な化合物であり、供給及び分解のための他の代謝物の作用を支え得る。最後のEの2種の化合物は、カフェイン及びジメチルキサンチンである(以下を参照)。したがって、本発明者等は、これらのB~E代謝物が、すべてではないにしろ、AD発症の抑制に関与していると考えている(図7)。
【0255】
AD患者では、カフェイン、抗酸化プリン、及びその誘導体であるジメチルキサンチン(高度に0.76相関)が縮小している。カフェインは、その抗酸化プリン活性を理由に、認知力低下に対する可能な保護剤であり得るため、ADに対するそれらの関係が調査されている(Kolahdouzan及びHamadeh2017;Sc及びMuralidhara2016)。ここで、本発明者等は、アデノシンが群Aに属し、ADにおいてそのレベルを1.5倍増加させたことを示した。カフェインは、アデノシンのアンタゴニストであることが知られている(Ribeiro及びSebastiao2010)。したがって、カフェインがアデノシンに対抗することから、なぜカフェインがAD患者にとって有益であったのかを説明することができる(Flaten等2014;Rahman2009)。
【0256】
AD患者では、ミトコンドリア機能不全が報告されているため、ATPレベルが低減し得る(Butterfield及びHalliwell2019;Cadonic等2016)。実際に、この研究におけるATPのレベルは、AD被験者では縮小し(0.83)、特にヒートマップの結果において明らかであった(図6)。ATPは、ADでは明らかに低減し、その一方で、このレベルは、HE被験者では平均近くであるか、又はこれを上回っていた(図6)。相関分析では、ATP濃度は、サブ群B、C、及びDの10種の化合物と正の相関(r>0.50)にあった(図5)ため、ATPのレベルは、酸化還元化合物、グルタチオン、ベタイン、エルゴチオネイン、S-メチルエルゴチオネイン、及びアミノ酸、例えば、グルタミン、トリプトファンを含む多くの代謝物の濃度に影響を与え得るか、又はこれによって影響を受け得る。したがって、ATPが多くの代謝物を介して脳内の抗酸化を補助する可能性は十分にあり得る。NADP及びグルタチオンジスルフィドは、ATP及びエルゴチオネインのレベルを維持するのに相乗的であり得る。したがって、酸化還元NADP、抗酸化グルタチオン、及びおそらく神経保護的なトリメチル化アンモニウム化合物は、ADに対する脳のミトコンドリアATP産生レベルを維持するために、すべて一緒になって重複して機能し得る。群Dに属するグリセロホスホコリン及びドデカノイルカルニチンもミトコンドリア機能に有利な影響を与え得ることに留意されたい。
【0257】
トリメチル化アンモニウムイオンを有する合計9種の化合物(図3に図示されている)は、両親媒性化合物(親水性及び親油性の特性の両方を有する)であり、脂質多型のベースを形成し、それらすべてが、AD被験者におけるそれらの存在量の急激な低下を示した。低下の原因は、AD患者の脳におけるROS(活性酸素種)の効果によるものであり得る。高度に秩序化された集合構造を形成する両親媒性化合物などのこれらの化合物は、いくつかの同様の役割を有し得る。さらに、これらの化合物は存在量が多い(レベルH、H-M、及びH-L)。これらは、脳内で主要な神経保護剤又は抗酸化物質として作用し得、それらのレベルは、抗酸化物質及びROSの両方に敏感である。さらに、AD患者の脳では、グリセロホスホコリンを分解する膜欠損が観察されている(Nitsch等1992)。
【0258】
プロテオミクス及びゲノム研究に対するメタボロミクス分析の利点は、検索薬(search drugs)に対する関係にある。代謝物は人体に存在するため、これらは、薬物療法の研究に用いられ得る。現在の研究では、33種の代謝物が将来の研究の明らかな標的である。それらの大部分は、ADの臨床目的についてのそれらの可能性について全く研究していない。
【0259】
(参考文献)
Adesso, S., Magnus, T., Cuzzocrea, S., Campolo, M., Rissiek, B., Paciello, O., Autore, G., Pinto, A., and Marzocco, S. (2017). Indoxyl Sulfate Affects Glial Function Increasing Oxidative Stress and Neuroinflammation in Chronic Kidney Disease: Interaction between Astrocytes and Microglia. Front Pharmacol 8, 370.
Ballard, C., Gauthier, S., Corbett, A., Brayne, C., Aarsland, D., and Jones, E. (2011). Alzheimer's disease. The Lancet 377, 1019-1031.
Burns, A., and Iliffe, S. (2009). Alzheimer's disease. BMJ 338, b158.
Butterfield, D.A., and Halliwell, B. (2019). Oxidative stress, dysfunctional glucose metabolism and Alzheimer disease. Nat Rev Neurosci 20, 148-160.
Cadonic, C., Sabbir, M.G., and Albensi, B.C. (2016). Mechanisms of Mitochondrial Dysfunction in Alzheimer's Disease. Mol Neurobiol 53, 6078-6090.
Chaleckis, R., Ebe, M., Pluskal, T., Murakami, I., Kondoh, H., and Yanagida, M. (2014). Unexpected similarities between theSchizosaccharomycesand human blood metabolomes, and novel human metabolites. Mol. BioSyst. 10, 2538-2551.
Chaleckis, R., Murakami, I., Takada, J., Kondoh, H., and Yanagida, M. (2016). Individual variability in human blood metabolites identifies age-related differences. Proc Natl Acad Sci U S A 113, 4252-4259.
Cohen, T.J., Friedmann, D., Hwang, A.W., Marmorstein, R., and Lee, V.M. (2013). The microtubule-associated tau protein has intrinsic acetyltransferase activity. Nat Struct Mol Biol 20, 756-762.
Crews, L., and Masliah, E. (2010). Molecular mechanisms of neurodegeneration in Alzheimer's disease. Hum Mol Genet 19, R12-20.
Cristofano, A., Sapere, N., La Marca, G., Angiolillo, A., Vitale, M., Corbi, G., Scapagnini, G., Intrieri, M., Russo, C., Corso, G., et al. (2016). Serum Levels of Acyl-Carnitines along the Continuum from Normal to Alzheimer's Dementia. PLoS One 11, e0155694.
Cummings, J., Aisen, P.S., DuBois, B., Frolich, L., Jack, C.R., Jr., Jones, R.W., Morris, J.C., Raskin, J., Dowsett, S.A., and Scheltens, P. (2016). Drug development in Alzheimer's disease: the path to 2025. Alzheimers Res Ther 8, 39.
Flaten, V., Laurent, C., Coelho, J.E., Sandau, U., Batalha, V.L., Burnouf, S., Hamdane, M., Humez, S., Boison, D., Lopes, L.V., et al. (2014). From epidemiology to pathophysiology: what about caffeine in Alzheimer's disease? Biochem Soc Trans 42, 587-592.
Gonzalez-Dominguez, R., Garcia-Barrera, T., and Gomez-Ariza, J.L. (2014). Using direct infusion mass spectrometry for serum metabolomics in Alzheimer's disease. Anal Bioanal Chem 406, 7137-7148.
Gonzalez-Dominguez, R., Garcia-Barrera, T., and Gomez-Ariza, J.L. (2015). Metabolite profiling for the identification of altered metabolic pathways in Alzheimer's disease. J Pharm Biomed Anal 107, 75-81.
Guillemin, G.J., and Brew, B.J. (2002). Implications of the kynurenine pathway and quinolinic acid in Alzheimer's disease. Redox Rep 7, 199-206.
Guiraud, S.P., Montoliu, I., Da Silva, L., Dayon, L., Galindo, A.N., Corthesy, J., Kussmann, M., and Martin, F.P. (2017). High-throughput and simultaneous quantitative analysis of homocysteine-methionine cycle metabolites and co-factors in blood plasma and cerebrospinal fluid by isotope dilution LC-MS/MS. Anal Bioanal Chem 409, 295-305.
Gulaj, E., Pawlak, K., Bien, B., and Pawlak, D. (2010). Kynurenine and its metabolites in Alzheimer's disease patients. Adv Med Sci 55, 204-211.
Hsu, D., and Marshall, G.A. (2017). Primary and Secondary Prevention Trials in Alzheimer Disease: Looking Back, Moving Forward. Curr Alzheimer Res 14, 426-440.
Iwabata, H., Yoshida, M., and Komatsu, Y. (2005). Proteomic analysis of organ-specific post-translational lysine-acetylation and -methylation in mice by use of anti-acetyllysine and -methyllysine mouse monoclonal antibodies. Proteomics 5, 4653-4664.
Kameda, M., Teruya, T., Yanagida, M., and Kondoh, H. (2020). Frailty markers comprise blood metabolites involved in antioxidation, cognition, and mobility. Proc Natl Acad Sci U S A 117, 9483-9489.
Kolahdouzan, M., and Hamadeh, M.J. (2017). The neuroprotective effects of caffeine in neurodegenerative diseases. CNS Neurosci Ther 23, 272-290.
Lane, C.A., Hardy, J., and Schott, J.M. (2018). Alzheimer's disease. Eur J Neurol 25, 59-70.
Lee, S.H., Kim, I., and Chung, B.C. (2007). Increased urinary level of oxidized nucleosides in patients with mild-to-moderate Alzheimer's disease. Clin Biochem 40, 936-938.
Mapstone, M., Cheema, A.K., Fiandaca, M.S., Zhong, X., Mhyre, T.R., MacArthur, L.H., Hall, W.J., Fisher, S.G., Peterson, D.R., Haley, J.M., et al. (2014). Plasma phospholipids identify antecedent memory impairment in older adults. Nat Med 20, 415-418.
Martinez de Toda, I., Miguelez, L., Vida, C., Carro, E., and De la Fuente, M. (2019). Altered Redox State in Whole Blood Cells from Patients with Mild Cognitive Impairment and Alzheimer's Disease. J Alzheimers Dis 71, 153-163.
Moroni, F. (1999). Tryptophan metabolism and brain function: focus on kynurenine and other indole metabolites. European Journal of Pharmacology 375, 87-100.
Mutsaers, H.A., Wilmer, M.J., Reijnders, D., Jansen, J., van den Broek, P.H., Forkink, M., Schepers, E., Glorieux, G., Vanholder, R., van den Heuvel, L.P., et al. (2013). Uremic toxins inhibit renal metabolic capacity through interference with glucuronidation and mitochondrial respiration. Biochim Biophys Acta 1832, 142-150.
Nitsch, R.M., Blusztajn, J.K., Pittas, A.G., Slack, B.E., Growdon, J.H., and Wurtman, R.J. (1992). Evidence for a membrane defect in Alzheimer disease brain. Proc Natl Acad Sci U S A 89, 1671-1675.
Olde Rikkert, M.G.M., Verhey, F.R., Sijben, J.W.C., Bouwman, F.H., Dautzenberg, P.L.J., Lansink, M., Sipers, W.M.W., van Asselt, D.Z.B., van Hees, A.M.J., Stevens, M., et al. (2014). Differences in Nutritional Status Between Very Mild Alzheimer's Disease Patients and Healthy Controls. Journal of Alzheimer's Disease 41, 261-271.
Pluskal, T., Castillo, S., Villar-Briones, A., and Oresic, M. (2010). MZmine 2: modular framework for processing, visualizing, and analyzing mass spectrometry-based molecular profile data. BMC Bioinformatics 11, 395.
Pope, S.K., Shue, V.M., and Beck, C. (2003). Will a healthy lifestyle help prevent Alzheimer's disease? Annu Rev Public Health 24, 111-132.
Rahman, A. (2009). The role of adenosine in Alzheimer's disease. Curr Neuropharmacol 7, 207-216.
Ribeiro, J.A., and Sebastiao, A.M. (2010). Caffeine and adenosine. J Alzheimers Dis 20 Suppl 1, S3-15.
Ruddick, J.P., Evans, A.K., Nutt, D.J., Lightman, S.L., Rook, G.A., and Lowry, C.A. (2006). Tryptophan metabolism in the central nervous system: medical implications. Expert Rev Mol Med 8, 1-27.
Sander, G., Topp, H., Heller-Schoch, G., Wieland, J., and Schoch, G. (1986). Ribonucleic acid turnover in man:RNA catabolites in urine as measure for the metabolism of each of the three major species of RNA. Clin Sci (Lond) 71, 367-374.
Sc, Y., and Muralidhara (2016). Beneficial Role of Coffee and Caffeine in Neurodegenerative Diseases: A Minireview. AIMS Public Health 3, 407-422.
Stone, T.W., Mackay, G.M., Forrest, C.M., Clark, C.J., and Darlington, L.G. (2003). Tryptophan metabolites and brain disorders. Clin Chem Lab Med 41, 852-859.
Teruya, T., Chaleckis, R., Takada, J., Yanagida, M., and Kondoh, H. (2019). Diverse metabolic reactions activated during 58-hr fasting are revealed by non-targeted metabolomic analysis of human blood. Sci Rep 9, 854.
Vanholder, R., De Smet, R., Glorieux, G., Argiles, A., Baurmeister, U., Brunet, P., Clark, W., Cohen, G., De Deyn, P.P., Deppisch, R., et al. (2003). Review on uremic toxins: classification, concentration, and interindividual variability. Kidney Int 63, 1934-1943.
Zhang, F., Su, B., Wang, C., Siedlak, S.L., Mondragon-Rodriguez, S., Lee, H.G., Wang, X., Perry, G., and Zhu, X. (2015). Posttranslational modifications of alpha-tubulin in alzheimer disease. Transl Neurodegener 4, 9.
【0260】
包括的なメタボロミクスを使用して、本発明者等は、5種の群の代謝物(A~E)を同定し、そのうちの20種が新規であり、アルツハイマー病(AD)などの形態の認知症の診断及び治療に有用であり得る。群Aの7種の化合物は神経毒として作用し得、その一方で、群B~Eの化合物は、酸化ストレスからCNS(中枢神経系)を保護し、エネルギー貯蔵を維持し、栄養素及び神経保護因子を供給し得る。アルツハイマー病メタボロミクスマーカーの介入は、患者において、群Aの化合物を阻害するか、又は群B~Eの化合物を補足することによって達成され得る。
【0261】
これらの発見に基づく本発明は、アルツハイマー病(AD)を単純且つ正確に診断することができる新規の方法を提供する。本発明は、アルツハイマー病(AD)の診断のための指標を得るための新規の方法も提供する。本発明は、被験者における特定の血中代謝物の量を測定することを含む、被験者におけるADの診断を補助するための新規の方法も提供する。
図1
図2-1】
図2-2】
図2-3】
図2-4】
図2-5】
図2-6】
図2-7】
図2-8】
図2-9】
図2-10】
図2-11】
図2-12】
図2-13】
図2-14】
図2-15】
図2-16】
図2-17】
図3
図4-1】
図4-2】
図5-1】
図5-2】
図5-3】
図5-4】
図6-1】
図6-2】
図7
【国際調査報告】