(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-22
(54)【発明の名称】複素環式スピロ化合物及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
C07D 487/10 20060101AFI20231115BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20231115BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20231115BHJP
A61P 1/00 20060101ALI20231115BHJP
A61P 1/18 20060101ALI20231115BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20231115BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20231115BHJP
A61K 31/517 20060101ALI20231115BHJP
A61K 31/519 20060101ALI20231115BHJP
C07D 519/00 20060101ALI20231115BHJP
A61K 31/52 20060101ALI20231115BHJP
【FI】
C07D487/10 CSP
A61P35/00
A61P11/00
A61P1/00
A61P1/18
A61P43/00 121
A61P43/00 111
A61K45/00
A61K31/517
A61K31/519
C07D519/00 301
C07D519/00 311
A61K31/52
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023524901
(86)(22)【出願日】2021-10-26
(85)【翻訳文提出日】2023-06-20
(86)【国際出願番号】 US2021056702
(87)【国際公開番号】W WO2022093856
(87)【国際公開日】2022-05-05
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2020/123913
(32)【優先日】2020-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】500049716
【氏名又は名称】アムジエン・インコーポレーテツド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ランマン,ブライアン・アラン
(72)【発明者】
【氏名】バナジー,アビシェク
(72)【発明者】
【氏名】チュウ-モイアー,マーガレット
(72)【発明者】
【氏名】ダイ,ドンチュン
(72)【発明者】
【氏名】カラー,マシュー・アール
(72)【発明者】
【氏名】ロペス,パトリシア
(72)【発明者】
【氏名】マー,ブー・バン
(72)【発明者】
【氏名】マノーニ,フランチェスコ
(72)【発明者】
【氏名】メディナ,ホセ・エム
(72)【発明者】
【氏名】ピックレル,アレクサンダー・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】タマヨ,ヌリア・エイ
(72)【発明者】
【氏名】ジュウ,カイ
【テーマコード(参考)】
4C050
4C072
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C050AA04
4C050BB02
4C050CC04
4C050EE02
4C050FF01
4C050GG01
4C050HH04
4C072MM01
4C072MM08
4C072MM10
4C072UU01
4C084AA19
4C084MA02
4C084NA05
4C084ZA591
4C084ZA592
4C084ZA661
4C084ZA662
4C084ZB261
4C084ZB262
4C084ZC412
4C084ZC75
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086CB02
4C086CB05
4C086CB07
4C086CB09
4C086CB22
4C086CB26
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA59
4C086ZA66
4C086ZB26
4C086ZC75
(57)【要約】
本開示は、G12C変異KRASタンパク質の阻害剤としての活性を有する式Iの化合物を提供する。
本開示は、この化合物を含む医薬組成物、使用、並びに肺癌、膵臓癌、及び結腸直腸癌を含むがこれらに限定されない癌などの特定の障害を治療する方法も提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物
【化1】
又はその薬学的に許容される塩であって、式中、
R
1は、出現ごとに独立して、H、C
1~4アルコキシ、-(CH
2)-C
1~4ジアルキルアミノ、アジリジン-1-イル-メチル、アゼチジン-1-イル-メチル、ピロリジン-1-イル-メチル、ピペリジン-1-イル-メチル、又はモルホリン-1-イル-メチルであり、
R
2は、H、ハロゲン、-CN、C
1~4アルキル、C
1~4ハロアルキル、-CH
2CN、-CH
2OH、C
1-4アルコキシ、又はC
1~4ハロアルコキシであり、
任意選択的に、1つのR
1及びR
2は、これらが結合する炭素原子と共に、
【化2】
基を形成し、
R
3は、出現ごとに独立して、H、ハロゲン、CN、OH、-CH
2OH、C
1~4アルキル、C
1~4ハロアルキル、-CH
2CN、又はC
1~4アルコキシであり、前記同じ炭素原子に結合した2つの置換基R
3は、任意選択的に、前記炭素原子と共にC
3~6シクロアルキル又はカルボニル基を形成し、
Aは、出現ごとに独立して、CR
3R
3又は不在であり、
R
4は、Z
1-CH(Z
2-R
5)-CH
2-R
6であり、
Z
1は、O、NH、N(C
1~4アルキル)、又はCH
2であり、
Z
2は、不在又はCH
2であり、
R
5は、C
1~4アルキル、C
1~4ハロアルキル、C
3~6シクロアルキル、C
3~6ヘテロシクロアルキル、フェニル、又は5~6員ヘテロアリールであり、
前記フェニルは、任意選択的に、ハロゲン、-CN、C
1~3アルキル、C
1~3ハロアルキル、C
1~3アルコキシ、及びC
1~3ハロアルコキシから選択される1~3個の置換基で置換され、
前記ヘテロアリールは、任意選択的に、-CN、C
1~4アルキル、C
1~4ハロアルキル、C
1~4アルコキシ、及びC
1~4ハロアルコキシから選択される1~3個の置換基で置換され、
R
6は、-CO(NR
7R
7)、フェニル、5,5-ジメチル-3,5-ジヒドロ-4H-イミダゾール-4-オン-2-イル、又は5~6員ヘテロアリールであり、前記ヘテロアリールは、任意選択的に、-CN、C
1~4アルキル、C
1~4ハロアルキル、C
1~4アルコキシ、及びC
1~4ハロアルコキシから選択される1~3個の置換基で置換され、
R
7は、出現ごとに独立して、H、又はC
1~4アルキルであり、
X
1は、CR
8又はNであり、
X
2は、CH又はNであり、
X
3は、C又はNであり、
X
4は、C又はNであり、
R
8は、H、ハロゲン、CN、C
1~4アルキル、C
1~4ハロアルキル、C
1~4アルコキシ、C
1~4ハロアルコキシ、C
3~5シクロアルキル、又はC
3~5シクロハロアルキルであり、
Bは、それが結合した原子と共に、4~7員の完全飽和、完全不飽和、又は部分的不飽和の炭素環又は複素環系を形成し、
前記複素環系は、N、O、及びSから選択される1~5個のヘテロ原子を含み、
前記環系は、任意選択的に1~5個の置換基R
9で置換され、
R
9は、出現ごとに独立して、ハロゲン、OH、-CN、-NH
2、C(=O)C
1~6アルキル、C
1~6アルキル、C
1~6ハロアルキル、C
1~4アルコキシ、C
1~4ハロアルコキシ、C
3~5シクロアルキル、C
3~5シクロハロアルキル、フェニル、又は5~6員ヘテロアリールであり、
前記C
1~6アルキルは、任意選択的に、-CO(C
1~4アルキルアミノ)又は-CO(C
1~4ジアルキルアミノ)で置換され、
前記フェニルは、任意選択的に、1~3個の独立して選択されるハロゲンで置換され、
前記ヘテロアリールは、任意選択的に、ハロゲン、C
1~4アルキル、及びC
1~4ハロアルキルから選択される1~3個の置換基で置換され、
2つの置換基R
9は共に、任意選択的に-(CH
2)
n-基を形成して、前記2つの置換基R
9が結合した環原子又は複数の環原子と共に環を形成し、前記-(CH
2)
n-基は、任意選択的に、N、O、及びSから選択される1個のヘテロ原子で置換された1つの-CH
2-基を有し、
nは、1、2、3、又は4である、式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
R
3は-CNではないか、或いは、
Z
2は不在であり、R
5は2-シアノフェニルであるか、或いは、
R
5はピラゾール-3-イル、2-メチルではないか、或いは、
Bは、
【化3】
ではない、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
前記化合物は、
(3R)-3-(3-シアノフェニル)-N-メチル-3-((2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-4-キナゾリニル)アミノ)プロパンアミド;
(3S)-3-((2-((7S)-7-(ヒドロキシメチル)-2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-4-キナゾリニル)アミノ)-N,5-ジメチルヘキサンアミド;
1-(6-(4-(((2S)-4-メチル-1-(1H-ピラゾール-3-イル)-2-ペンタニル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-キナゾリニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-2-プロペン-1-オン;
(3S)-3-((2-(8-シアノ-2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-4-キナゾリニル)アミノ)-N,5-ジメチルヘキサンアミド;
(3S)-3-(2-シアノフェニル)-N-メチル-3-((2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-4-キナゾリニル)アミノ)プロパンアミド;
(3R)-3-(2-シアノフェニル)-N-メチル-3-((2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-4-キナゾリニル)アミノ)プロパンアミド;
(3S)-N,5-ジメチル-3-((8-メチル-2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-7,8-ジヒドロ-6H-ピリミド[5,4-b][1,4]オキサジン-4-イル)アミノ)ヘキサンアミド;
(3S)-N,5-ジメチル-3-((7-(2-プロパニル)-2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)ヘキサンアミド;又は
(3S)-N,5-ジメチル-3-((7-メチル-2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-7H-プリン-6-イル)アミノ)ヘキサンアミドではない、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
前記化合物は、2h結合交換アッセイ又は20h結合交換アッセイにおいて10μM未満のIC50を有する、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
各R
1はHである、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
1つのR
1及びR
2は、これらが結合する炭素原子と共に、
【化4】
基を形成する、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
R
2は、H、又はC
1~4ハロアルキルである、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
R
2は、H、又はCF
3である、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
R
2はHである、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
R
3は、H、又はハロゲンである、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
R
3は、H、又はFである、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項12】
R
3はHである、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項13】
一方のAは不在であり、もう一方のAはCR
3R
3である、請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項14】
両方のAが不在である、請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項15】
【化5】
は、
【化6】
である、請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項16】
【化7】
は、
【化8】
である、請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項17】
【化9】
は、
【化10】
である、請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項18】
Z
1はNHである、請求項1~17のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項19】
Z
2はCH
2である、請求項1~18のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項20】
Z
2は不在である、請求項1~18のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項21】
R
5は、C
1~4アルキル又はフェニルであり、前記フェニルは、任意選択的に-CNで置換される、請求項1~20のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項22】
R
5は、-CH(CH
3)
2、フェニル、又は3-シアノフェニルである、請求項1~20のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項23】
R
5は-CH(CH
3)
2である、請求項1~20のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項24】
R
6は、-CO(NR
7R
7)、5,5-ジメチル-3,5-ジヒドロ-4H-イミダゾール-4-オン-2-イル、又は5員ヘテロアリールであり、前記ヘテロアリールは、任意選択的に、1~3個のC
1~4アルキル置換基で置換され、
R
7は、出現ごとに独立して、H、又はC
1~4アルキルである、請求項1~23のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項25】
R
6は、-CO(NHR
7)、又は5員ヘテロアリールであり、前記ヘテロアリールは、任意選択的に、1個のC
1~4アルキル置換基で置換され、
R
7は、C
1~4アルキルである、請求項1~23のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項26】
R
6は、-CO(NHCH
3)、5,5-ジメチル-3,5-ジヒドロ-4H-イミダゾール-4-オン-2-イル、又は5員ヘテロアリールであり、前記ヘテロアリールは、ピラゾール、イミダゾール、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、1,2-オキサゾール、1,3-オキサゾール、1,3,4-オキサジアゾール、1,2,4-オキサジアゾール、1,3-チアゾール、又は1,3,4-チアジアゾールであり、前記ヘテロアリールは、任意選択的に、1個のC
1~4アルキル置換基で置換される、請求項1~23のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項27】
R
6は、-CO(NHCH
3)、又は5員ヘテロアリールであり、前記ヘテロアリールは、イミダゾール、1,2-オキサゾール、1,3,4-オキサジアゾール、1,3,4-チアジアゾール、又は1,2,3-トリアゾールであり、前記ヘテロアリールは、任意選択的に1個のメチル基で置換される、請求項1~23のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項28】
R
4は、
【化11】
である、請求項1~17のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項29】
R
4は、
【化12】
である、請求項1~17のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項30】
X
1は、CR
8である、請求項1~29のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項31】
X
1は、Nである、請求項1~29のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項32】
X
2は、CHである、請求項1~31のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項33】
X
2は、Nである、請求項1~31のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項34】
X
3は、Cである、請求項1~33のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項35】
X
3は、Nである、請求項1~33のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項36】
X
4は、Cである、請求項1~35のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項37】
X
4は、Nである、請求項1~35のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項38】
X
1はNであり、X
2はNであり、X
3はCであり、X
4はCであるか、或いは
X
1はNであり、X
2はCHであり、X
3はCであり、X
4はCであるか、或いは
X
1はNであり、X
2はNであり、X
3はNであり、X
4はCであるか、或いは
X
1はNであり、X
2はCHであり、X
3はCであり、X
4はNである、請求項1~29のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項39】
X
1はNであり、X
2はNであり、X
3はCであり、X
4はCであるか、或いは
X
1はNであり、X
2はCHであり、X
3はCであり、X
4はCである、請求項1~29のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項40】
X
1はNであり、X
2はNであり、X
3はCであり、X
4はCである、請求項1~29のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項41】
Bは、それが結合した原子と共に、
【化13】
から選択される環系を形成し、
前記環系は、任意選択的に1~5個の置換基R
9で置換される、請求項1~34、36、及び38~40のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項42】
Bは、それが結合した原子と共に、
【化14】
から選択される環系を形成し、
前記環系は、任意選択的に1~5個の置換基R
9で置換される、請求項1~34、36、及び38~40のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項43】
Bは、それが結合した原子と共に、
【化15】
から選択される環系を形成する、請求項1~34、36、及び38~40のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項44】
前記環系は、任意選択的に1~2個の置換基R
9で置換され、
R
9は、出現ごとに独立して、ハロゲン、-CN、C(=O)C
1~6アルキル、C
1~6アルキル、C
1~6ハロアルキル、C
1~4アルコキシ、C
3~5シクロアルキル、又は5~6員ヘテロアリールである、請求項1~42のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項45】
前記環系は、任意選択的に1~2個の置換基R
9で置換され、
R
9は、出現ごとに独立して、C
1~6アルキル、C
1~6ハロアルキル、C
1~4アルコキシ、C
3~5シクロアルキル、又は5員ヘテロアリールである、請求項1~42のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項46】
前記環系は、任意選択的に1~2個の置換基R
9で置換され、
R
9は、出現ごとに独立して、Cl、-CN、アセチル、メチル、イソプロピル、トリフルオロメチル、メトキシ、シクロプロピル、又は1,3-チアゾリルである、請求項1~42のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項47】
前記環系は、任意選択的に1~2個の置換基R
9で置換され、
R
9は、出現ごとに独立して、メチル、イソプロピル、トリフルオロメチル、メトキシ、シクロプロピル、又は1,3-チアゾリルである、請求項1~42のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項48】
前記化合物は、
(S)-3-((2-(2-アクリロイル-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-4-イル)アミノ)-N,5-ジメチルヘキサンアミド;
(3S)-3-((2-(8,8-ジフルオロ-2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-7-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロ-4-キナゾリニル)アミノ)-N,5-ジメチルヘキサンアミド;
(3S)-N,5-ジメチル-3-((7-メチル-2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-4-キナゾリニル)アミノ)ヘキサンアミド;
(3S)-N,5-ジメチル-3-((2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[d]ピリミジン-4-イル)アミノ)ヘキサンアミド;
(3S)-N,5-ジメチル-3-((2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-4-キナゾリニル)アミノ)ヘキサンアミド;
(3S)-N,5-ジメチル-3-((3-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1-イソキノリニル)アミノ)ヘキサンアミド;
(3S)-N,5-ジメチル-3-((2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)フロ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)ヘキサンアミド;
(3S)-N,5-ジメチル-3-(((8R)-8-メチル-2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-4-キナゾリニル)アミノ)ヘキサンアミド;
(3S)-3-((6-アセチル-2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)-N,5-ジメチルヘキサンアミド;
(3S)-N,5-ジメチル-3-((2-メチル-5-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-2H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-イル)アミノ)ヘキサンアミド;
(3S)-N,5-ジメチル-3-((5-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)[1,3]チアゾロ[5,4-d]ピリミジン-7-イル)アミノ)ヘキサンアミド;
5,5-ジメチル-2-((2S)-4-メチル-2-((2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-4-キナゾリニル)アミノ)ペンチル)-3,5-ジヒドロ-4H-イミダゾール-4-オン;
(3S)-N,5-ジメチル-3-((2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-5,7-ジヒドロフロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)ヘキサンアミド;
(3S)-N,5-ジメチル-3-(((8S)-8-メチル-2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-4-キナゾリニル)アミノ)ヘキサンアミド;
(3S)-N,5-ジメチル-3-((7-メチル-2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)ヘキサンアミド;
(3S)-N,5-ジメチル-3-((9-メチル-2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-9H-プリン-6-イル)アミノ)ヘキサンアミド;
(3S)-3-((2-(8,8-ジフルオロ-2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-4-キナゾリニル)アミノ)-N,5-ジメチルヘキサンアミド;
1-(6-(4-(((2S)-4-メチル-1-(4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-2-ペンタニル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-キナゾリニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-2-プロペン-1-オン;
(3S)-N,5-ジメチル-3-((7-(2-プロパニル)-2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-4-キナゾリニル)アミノ)ヘキサンアミド;
(3S)-3-(3-シアノフェニル)-N-メチル-3-((2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-4-キナゾリニル)アミノ)プロパンアミド;
1-(6-(4-(((2S)-4-メチル-1-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-ペンタニル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-キナゾリニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-2-プロペン-1-オン;
1-(6-(4-(((2S)-1-(1H-イミダゾール-2-イル)-4-メチル-2-ペンタニル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-キナゾリニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-2-プロペン-1-オン;
(3S)-3-((2-((7R)-7-(ヒドロキシメチル)-2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-4-キナゾリニル)アミノ)-N,5-ジメチルヘキサンアミド;
(3S)-N,5-ジメチル-3-((7-メチル-2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-4-キナゾリニル)アミノ)ヘキサンアミド;
(3S)-3-((7-シアノ-2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-4-キナゾリニル)アミノ)-N,5-ジメチルヘキサンアミド;
(3S)-3-((2-(8-フルオロ-2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-4-キナゾリニル)アミノ)-N,5-ジメチルヘキサンアミド;
(3S)-3-((2-(8-フルオロ-2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-7-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロ-4-キナゾリニル)アミノ)-N,5-ジメチルヘキサンアミド;
(3S)-3-((7,7-ジメチル-2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-4-キナゾリニル)アミノ)-N,5-ジメチルヘキサンアミド;
(3S)-3-((7-クロロ-2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-4-キナゾリニル)アミノ)-N,5-ジメチルヘキサンアミド;
(3S)-N,5-ジメチル-3-((2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-7,8-ジヒドロ-6H-ピラノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)ヘキサンアミド;
(3S)-N,5-ジメチル-3-((2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-7-(トリフルオロメチル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-4-キナゾリニル)アミノ)ヘキサンアミド;
(3S)-N,5-ジメチル-3-((6-メチル-2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-4-キナゾリニル)アミノ)ヘキサンアミド;
(3S)-N,5-ジメチル-3-((7-メチル-2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)ヘキサンアミド;
(3S)-N,5-ジメチル-3-((2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-7-(トリフルオロメチル)-4-キナゾリニル)アミノ)ヘキサンアミド;
(3S)-N,5-ジメチル-3-((2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-7-(1,3-チアゾール-2-イル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)ヘキサンアミド;
(3S)-N,5-ジメチル-3-((2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)ヘキサンアミド;
(3S)-3-((7-シクロプロピル-2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)-N,5-ジメチルヘキサンアミド;
1-(6-(7,7-ジメチル-4-(((2S)-4-メチル-1-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-2-ペンタニル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-キナゾリニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-2-プロペン-1-オン;
(3S)-3-((7-シクロプロピル-2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-4-キナゾリニル)アミノ)-N,5-ジメチルヘキサンアミド;
(3S)-N,5-ジメチル-3-((6-メチル-2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-4-キナゾリニル)アミノ)ヘキサンアミド;
(3S)-3-((7-メトキシ-2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)-N,5-ジメチルヘキサンアミド;
1-(6-(7,7-ジメチル-4-(((2S)-4-メチル-1-(1,3-チアゾール-2-イル)-2-ペンタニル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-キナゾリニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-2-プロペン-1-オン;
1-(6-(7,7-ジメチル-4-(((2S)-4-メチル-1-(5-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2-ペンタニル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-キナゾリニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-2-プロペン-1-オン;
1-(6-(7,7-ジメチル-4-(((2S)-4-メチル-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-2-ペンタニル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-キナゾリニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-2-プロペン-1-オン;
1-(6-(7,7-ジメチル-4-(((2S)-4-メチル-1-(1H-ピラゾール-1-イル)-2-ペンタニル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-キナゾリニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-2-プロペン-1-オン;
1-(6-(7,7-ジメチル-4-(((2S)-4-メチル-1-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2-ペンタニル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-キナゾリニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-2-プロペン-1-オン;
1-(6-(7,7-ジメチル-4-(((2S)-4-メチル-1-(1,2-オキサゾール-3-イル)-2-ペンタニル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-キナゾリニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-2-プロペン-1-オン;
1-(6-(7,7-ジメチル-4-(((2S)-4-メチル-1-(3-メチル-1,2-オキサゾール-5-イル)-2-ペンタニル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-キナゾリニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-2-プロペン-1-オン;
(3S)-3-((7,7-ジメチル-2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-4-キナゾリニル)アミノ)-N-メチル-4-フェニルブタンアミド;
1-(6-(7,7-ジメチル-4-(((2S)-4-メチル-1-(5-メチル-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-2-ペンタニル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-キナゾリニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-2-プロペン-1-オン;
1-(6-(7,7-ジメチル-4-(((2S)-4-メチル-1-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-ペンタニル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-キナゾリニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-2-プロペン-1-オン;
1-(6-(7,7-ジメチル-4-(((2S)-4-メチル-1-(5-メチル-1,2-オキサゾール-3-イル)-2-ペンタニル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-キナゾリニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-2-プロペン-1-オン;
1-(6-(4-(((2S)-1-(1H-イミダゾール-2-イル)-4-メチル-2-ペンタニル)アミノ)-7,7-ジメチル-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-キナゾリニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-2-プロペン-1-オン;
1-(6-(7,7-ジメチル-4-(((2S)-4-メチル-1-(1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-2-ペンタニル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-キナゾリニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-2-プロペン-1-オン;
(3S)-N,5-ジメチル-3-((2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)ヘキサンアミド;
1-(6-(4-(((2S)-4-メチル-1-(1,3-オキサゾール-2-イル)-2-ペンタニル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-キナゾリニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-2-プロペン-1-オン;
(3S)-N,5-ジメチル-3-((7-メチル-2-(2-(2-(トリフルオロメチル)-2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-4-キナゾリニル)アミノ)ヘキサンアミド;
(3S)-N,5-ジメチル-3-((2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-7-(1,3-チアゾール-2-イル)-4-キナゾリニル)アミノ)ヘキサンアミド;又は
(S)-2-((2-(2-アクリロイル-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-4-イル)アミノ)-N,4-ジメチルペンタンアミドである、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項49】
前記化合物は、
(3S)-3-((2-(8,8-ジフルオロ-2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-7-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロ-4-キナゾリニル)アミノ)-N,5-ジメチルヘキサンアミド;
(3S)-N,5-ジメチル-3-((7-(2-プロパニル)-2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-4-キナゾリニル)アミノ)ヘキサンアミド;
(3S)-3-((7,7-ジメチル-2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-4-キナゾリニル)アミノ)-N,5-ジメチルヘキサンアミド;
(3S)-N,5-ジメチル-3-((2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-7-(トリフルオロメチル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-4-キナゾリニル)アミノ)ヘキサンアミド;
(3S)-N,5-ジメチル-3-((2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-7-(1,3-チアゾール-2-イル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)ヘキサンアミド;
(3S)-3-((7-シクロプロピル-2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)-N,5-ジメチルヘキサンアミド;
(3S)-3-((7-シクロプロピル-2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-4-キナゾリニル)アミノ)-N,5-ジメチルヘキサンアミド;
(3S)-3-((7-メトキシ-2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)-N,5-ジメチルヘキサンアミド;
1-(6-(7,7-ジメチル-4-(((2S)-4-メチル-1-(1,2-オキサゾール-3-イル)-2-ペンタニル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-キナゾリニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-2-プロペン-1-オン;
1-(6-(7,7-ジメチル-4-(((2S)-4-メチル-1-(3-メチル-1,2-オキサゾール-5-イル)-2-ペンタニル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-キナゾリニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-2-プロペン-1-オン;
1-(6-(7,7-ジメチル-4-(((2S)-4-メチル-1-(5-メチル-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-2-ペンタニル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-キナゾリニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-2-プロペン-1-オン;
1-(6-(7,7-ジメチル-4-(((2S)-4-メチル-1-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-ペンタニル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-キナゾリニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-2-プロペン-1-オン;
1-(6-(7,7-ジメチル-4-(((2S)-4-メチル-1-(5-メチル-1,2-オキサゾール-3-イル)-2-ペンタニル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-キナゾリニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-2-プロペン-1-オン;
1-(6-(4-(((2S)-1-(1H-イミダゾール-2-イル)-4-メチル-2-ペンタニル)アミノ)-7,7-ジメチル-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-キナゾリニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-2-プロペン-1-オン;
1-(6-(7,7-ジメチル-4-(((2S)-4-メチル-1-(1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-2-ペンタニル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-キナゾリニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-2-プロペン-1-オン;又は
(3S)-N,5-ジメチル-3-((2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-7-(1,3-チアゾール-2-イル)-4-キナゾリニル)アミノ)ヘキサンアミドである、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項50】
請求項1~49のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項51】
薬剤として使用するための、請求項1~49のいずれか一項に記載の化合物、若しくはその薬学的に許容される塩、又は請求項50に記載の医薬組成物。
【請求項52】
癌の治療に使用するための、請求項1~49のいずれか一項に記載の化合物、若しくはその薬学的に許容される塩、又は請求項50に記載の医薬組成物。
【請求項53】
1つ以上の細胞が、KRAS G12C変異タンパク質を発現する、癌の治療に使用するための、請求項1~49のいずれか一項に記載の化合物、若しくはその薬学的に許容される塩、又は請求項50に記載の医薬組成物。
【請求項54】
前記癌が、非小細胞肺癌、小腸癌、虫垂癌、結腸直腸癌、原発不明癌、子宮内膜癌、原発不明混合性型癌、膵臓癌、肝胆道癌、小細胞肺癌、子宮頸癌、胚細胞癌、卵巣癌、消化管神経内分泌癌、膀胱癌、骨髄異形成/骨髄増殖性新生物、頭頸部癌、食道胃癌、軟部組織肉腫、中皮腫、甲状腺癌、白血病、又は黒色腫である、請求項52又は53に記載の使用のための、化合物又は医薬組成物。
【請求項55】
癌を治療するための薬剤の調製における、請求項1~49のいずれか一項に記載の化合物、若しくはその薬学的に許容される塩、又は請求項50に記載の医薬組成物の使用。
【請求項56】
癌を治療するための薬剤の調製における、請求項1~49のいずれか一項に記載の化合物、若しくはその薬学的に許容される塩、又は請求項50に記載の医薬組成物の使用であって、1つ以上の細胞が、KRAS G12C変異タンパク質を発現する、使用。
【請求項57】
前記癌が、非小細胞肺癌、小腸癌、虫垂癌、結腸直腸癌、原発不明癌、子宮内膜癌、原発不明混合性型癌、膵臓癌、肝胆道癌、小細胞肺癌、子宮頸癌、胚細胞癌、卵巣癌、消化管神経内分泌癌、膀胱癌、骨髄異形成/骨髄増殖性新生物、頭頸部癌、食道胃癌、軟部組織肉腫、中皮腫、甲状腺癌、白血病、又は黒色腫である、請求項55又は56に記載の使用。
【請求項58】
癌の治療を必要とする対象において癌を治療する方法であって、前記対象に、治療有効量の請求項1~49のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法。
【請求項59】
癌の治療を必要とする対象において癌を治療する方法であって、前記対象に、治療有効量の請求項1~49のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩を投与することを含み、1つ以上の細胞が、KRAS G12C変異タンパク質を発現する、方法。
【請求項60】
前記癌が、非小細胞肺癌、小腸癌、虫垂癌、結腸直腸癌、原発不明癌、子宮内膜癌、原発不明混合性型癌、膵臓癌、肝胆道癌、小細胞肺癌、子宮頸癌、胚細胞癌、卵巣癌、消化管神経内分泌癌、膀胱癌、骨髄異形成/骨髄増殖性新生物、頭頸部癌、食道胃癌、軟部組織肉腫、中皮腫、甲状腺癌、白血病、又は黒色腫である、請求項58又は59に記載の方法。
【請求項61】
前記癌が、非小細胞肺癌、結腸直腸癌、膵臓癌、虫垂癌、子宮内膜癌、食道癌、原発不明癌、膨大部癌、胃癌、小腸癌、副鼻腔癌、胆管癌、又は黒色腫である、請求項58又は59に記載の方法。
【請求項62】
前記癌は非小細胞肺癌である、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記癌は結腸直腸癌である、請求項61に記載の方法。
【請求項64】
前記癌は膵臓癌である、請求項61に記載の方法。
【請求項65】
前記対象は、前記化合物又はその薬学的に許容される塩を投与される前に前記KRAS G12C変異タンパク質を発現する1つ以上の細胞を有すると判定された癌を有している、請求項58~64のいずれか一項に記載の方法。
【請求項66】
有効量の第2の化合物の同時、個別、又は逐次投与を更に含み、前記第2の化合物は、オーロラキナーゼA阻害剤、AKT阻害剤、アルギナーゼ阻害剤、CDK4/6阻害剤、ErbBファミリー阻害剤、ERK阻害剤、FAK阻害剤、FGFR阻害剤、グルタミナーゼ阻害剤、IGF-1R阻害剤、KIF18A阻害剤、MCL-1阻害剤、MEK阻害剤、mTOR阻害剤、PD-1阻害剤、PD-L1阻害剤、PI3K阻害剤、Rafキナーゼ阻害剤、SHP2阻害剤、SOS1阻害剤、Srcキナーゼ阻害剤、又は1つ以上の化学療法剤である、請求項58~65のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年10月27日出願の国際特許出願PCT/CN2020/123913号明細書の利益を主張するものであり、この出願は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、G12C変異KRASタンパク質の阻害剤としての活性を有する化合物を提供する。本開示は、この化合物を含む医薬組成物、使用、並びに肺癌、膵臓癌、及び結腸直腸癌を含むがこれらに限定されない癌などの特定の障害を治療する方法も提供する。
【背景技術】
【0003】
1982年に最初のヒト癌遺伝子のうちの1つとして同定されて以来(Der et al.,1982)、KRAS(カーステンラット肉腫ウイルス癌遺伝子ホモログ)は、MAPKシグナル伝達経路における重要なノードとして、並行するエフェクター経路(例えばPI3K/AKT)のネットワークにおける形質転換因子として(Vojtek et al.,1998)、及び抗癌剤の潜在的標的として(Malumbres et al.,2003)、広範な学術的及び産業的研究の対象となってきた。MAPK経路(例えばEGFR(Sridhar et al.,2003)、BRAF(Holderfield et al.,2014)、及びMEK(Caunt et al.,2015)における上流及び下流ノードの阻害剤の開発における進歩があるにもかかわらず、KRASタンパク質は、歴史的に証明された直接的阻害への耐性を有する。
【0004】
KRASは、細胞外の分裂促進シグナル伝達を細胞内の増殖促進応答と連結させるGタンパク質である。KRASは、細胞内の「オン/オフ」スイッチとしての役割を果たす。分裂促進因子の刺激によりGTPとKRASとの結合が誘導されて立体構造変化が生じ、これによりKRASと下流エフェクタータンパク質との相互作用が可能となり、細胞増殖をもたらす。通常、増殖促進シグナル伝達は、GTPアーゼ活性化タンパク質(GAP)の作用によって調節され、これは、KRASをそのGDP結合型の非増殖性状態に引き戻す。KRASの変異は、これらのGDP型状態とGDP結合型状態との間のKRASの調節されたサイクリングを損ない、GDP結合型の活性状態の蓄積及び細胞増殖の失調をもたらす(Simanshu et al.,2017)。
【0005】
変異KRASタンパク質の阻害剤を開発する試みは、タンパク質表面に新薬の開発につながるポケット(druggable pocket)が存在しないために歴史的に妨げられてきた(Cox et al.,2014)。2013年に、Shokat及び共同研究者は、GDP-KRASG12C上のこれまで認識されてこなかったアロステリックポケットに結合し、その後続の活性化を妨げた、KRASの一般的(O’Bryan,2019)発癌性変異体であるKRASG12の共有結合阻害剤を同定した(Ostrem et al.,2013)。この発見は、KRAS阻害剤の研究における重要な新しい成果をもたらし、最近になり、KRAS阻害剤がヒト臨床試験に参入するに至った。例えば、https://clinicaltrials.gov/:例えば、NCT03600883&NCT04185883(AMG510)及びNCT03785249(MRTX849)(最終アクセス日:2020年8月29日)を参照されたい。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Der et al.,1982
【非特許文献2】Vojtek et al.,1998
【非特許文献3】Malumbres et al.,2003
【非特許文献4】Sridhar et al.,2003
【非特許文献5】Holderfield et al.,2014
【非特許文献6】Caunt et al.,2015
【非特許文献7】Simanshu et al.,2017
【非特許文献8】Cox et al.,2014
【非特許文献9】O’Bryan,2019
【非特許文献10】Ostrem et al.,2013
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
いくらかの進歩がもたらされたものの、癌などの障害を治療するための更なるKRASG12C阻害剤に対する必要性は依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1に、本明細書では、式Iの化合物
【化1】
又はその薬学的に許容される塩が提供され、式中、
R
1は、出現ごとに独立して、H、C
1~4アルコキシ、-(CH
2)-C
1~4ジアルキルアミノ、アジリジン-1-イル-メチル、アゼチジン-1-イル-メチル、ピロリジン-1-イル-メチル、ピペリジン-1-イル-メチル、又はモルホリン-1-イル-メチルであり、
R
2は、H、ハロゲン、-CN、C
1~4アルキル、C
1~4ハロアルキル、-CH
2CN、-CH
2OH、C
1-4アルコキシ、又はC
1~4ハロアルコキシであり、
任意選択的に、1つのR
1及びR
2は、これらが結合する炭素原子と共に、
【化2】
基を形成し、
R
3は、出現ごとに独立して、H、ハロゲンCN、OH、-CH
2OH、C
1~4アルキル、C
1~4ハロアルキル、-CH
2CN、又はC
1~4アルコキシであり、同じ炭素原子に結合した2つの置換基R
3は、任意選択的に、上記の炭素原子と共にC
3~6シクロアルキル又はカルボニル基を形成し、
Aは、出現ごとに独立して、CR
3R
3又は不在であり、
R
4は、Z
1-CH(Z
2-R
5)-CH
2-R
6であり、
Z
1は、O、NH、N(C
1~4アルキル)、又はCH
2であり、
Z
2は、不在又はCH
2であり、
R
5は、C
1~4アルキル、C
1~4ハロアルキル、C
3~6シクロアルキル、C
3~6ヘテロシクロアルキル、フェニル、又は5~6員ヘテロアリールであり、
フェニルは、任意選択的に、ハロゲン、-CN、C
1~3アルキル、C
1~3ハロアルキル、C
1~3アルコキシ、及びC
1~3ハロアルコキシから選択される1~3個の置換基で置換され、
ヘテロアリールは、任意選択的に、-CN、C
1~4アルキル、C
1~4ハロアルキル、C
1~4アルコキシ、及びC
1~4ハロアルコキシから選択される1~3個の置換基で置換され、
R
6は、-CO(NR
7R
7)、フェニル、5,5-ジメチル-3,5-ジヒドロ-4H-イミダゾール-4-オン-2-イル、又は5~6員ヘテロアリールであり、ヘテロアリールは、任意選択的に、-CN、C
1~4アルキル、C
1~4ハロアルキル、C
1~4アルコキシ、及びC
1~4ハロアルコキシから選択される1~3個の置換基で置換され、
R
7は、出現ごとに独立して、H、又はC
1~4アルキルであり、
X
1は、CR
8又はNであり、
X
2は、CH又はNであり、
X
3は、C又はNであり、
X
4は、C又はNであり、
R
8は、H、ハロゲン、CN、C
1~4アルキル、C
1~4ハロアルキル、C
1~4アルコキシ、C
1~4ハロアルコキシ、C
3~5シクロアルキル、又はC
3~5シクロハロアルキルであり、
Bは、それが結合した原子と共に、4~7員の完全飽和、完全不飽和、又は部分的不飽和の炭素環又は複素環系を形成し、
複素環系は、N、O、及びSから選択される1~5個のヘテロ原子を含み、
環系は、任意選択的に1~5個の置換基R
9で置換され、
R
9は、出現ごとに独立して、ハロゲン、OH、-CN、-NH
2、C(=O)C
1~6アルキル、C
1~6アルキル、C
1~6ハロアルキル、C
1~4アルコキシ、C
1~4ハロアルコキシ、C
3~5シクロアルキル、C
3~5シクロハロアルキル、フェニル、又は5~6員ヘテロアリールであり、
C
1~6アルキルは、任意選択的に、-CO(C
1~4アルキルアミノ)又は-CO(C
1~4ジアルキルアミノ)で置換され、
フェニルは、任意選択的に、1~3個の独立して選択されるハロゲンで置換され、
ヘテロアリールは、任意選択的に、ハロゲン、C
1~4アルキル、及びC
1~4ハロアルキルから選択される1~3個の置換基で置換され、
2つの置換基R
9は共に、任意選択的に-(CH
2)
n-基を形成して、2つの置換基R
9が結合した環原子又は複数の環原子と共に環を形成し、-(CH
2)
n-基は、任意選択的に、N、O、及びSから選択される1個のヘテロ原子で置換された1つの-CH
2-基を有し、
nは、1、2、3、又は4である。
【0009】
第2に、本明細書では、式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩及び薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物が提供される。
【0010】
第3に、本明細書では、癌の治療に使用するための、本明細書で上述した式Iの化合物、若しくはその薬学的に許容される塩、又は医薬組成物が提供される。
【0011】
ここで、本開示の実施形態を詳細に参照する。本開示の特定の実施形態が記載されるが、本開示の実施形態がこれらの記載された実施形態に限定されることを意図されないことは理解されるであろう。反対に、本開示の実施形態に対する参照は、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の実施形態の趣旨及び範囲に包含され得る代替的形態、修正形態、及び均等物を包含することが意図される。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施形態1として、本明細書では、式Iの化合物
【化3】
又はその薬学的に許容される塩が提供され、式中、
R
1は、出現ごとに独立して、H、C
1~4アルコキシ、-(CH
2)-C
1~4ジアルキルアミノ、アジリジン-1-イル-メチル、アゼチジン-1-イル-メチル、ピロリジン-1-イル-メチル、ピペリジン-1-イル-メチル、又はモルホリン-1-イル-メチルであり、
R
2は、H、ハロゲン、-CN、C
1~4アルキル、C
1~4ハロアルキル、-CH
2CN、-CH
2OH、C
1-4アルコキシ、又はC
1~4ハロアルコキシであり、
任意選択的に、1つのR
1及びR
2は、これらが結合する炭素原子と共に、
【化4】
基を形成し、
R
3は、出現ごとに独立して、H、ハロゲンCN、OH、-CH
2OH、C
1~4アルキル、C
1~4ハロアルキル、-CH
2CN、又はC
1~4アルコキシであり、同じ炭素原子に結合した2つの置換基R
3は、任意選択的に、上記の炭素原子と共にC
3~6シクロアルキル又はカルボニル基を形成し、
Aは、出現ごとに独立して、CR
3R
3又は不在であり、
R
4は、Z
1-CH(Z
2-R
5)-CH
2-R
6であり、
Z
1は、O、NH、N(C
1~4アルキル)、又はCH
2であり、
Z
2は、不在又はCH
2であり、
R
5は、C
1~4アルキル、C
1~4ハロアルキル、C
3~6シクロアルキル、C
3~6ヘテロシクロアルキル、フェニル、又は5~6員ヘテロアリールであり、
フェニルは、任意選択的に、ハロゲン、-CN、C
1~3アルキル、C
1~3ハロアルキル、C
1~3アルコキシ、及びC
1~3ハロアルコキシから選択される1~3個の置換基で置換され、
ヘテロアリールは、任意選択的に、-CN、C
1~4アルキル、C
1~4ハロアルキル、C
1~4アルコキシ、及びC
1~4ハロアルコキシから選択される1~3個の置換基で置換され、
R
6は、-CO(NR
7R
7)、フェニル、5,5-ジメチル-3,5-ジヒドロ-4H-イミダゾール-4-オン-2-イル、又は5~6員ヘテロアリールであり、ヘテロアリールは、任意選択的に、-CN、C
1~4アルキル、C
1~4ハロアルキル、C
1~4アルコキシ、及びC
1~4ハロアルコキシから選択される1~3個の置換基で置換され、
R
7は、出現ごとに独立して、H、又はC
1~4アルキルであり、
X
1は、CR
8又はNであり、
X
2は、CH又はNであり、
X
3は、C又はNであり、
X
4は、C又はNであり、
R
8は、H、ハロゲン、CN、C
1~4アルキル、C
1~4ハロアルキル、C
1~4アルコキシ、C
1~4ハロアルコキシ、C
3~5シクロアルキル、又はC
3~5シクロハロアルキルであり、
Bは、それが結合した原子と共に、4~7員の完全飽和、完全不飽和、又は部分的不飽和の炭素環又は複素環系を形成し、
複素環系は、N、O、及びSから選択される1~5個のヘテロ原子を含み、
環系は、任意選択的に1~5個の置換基R
9で置換され、
R
9は、出現ごとに独立して、ハロゲン、OH、-CN、-NH
2、C(=O)C
1~6アルキル、C
1~6アルキル、C
1~6ハロアルキル、C
1~4アルコキシ、C
1~4ハロアルコキシ、C
3~5シクロアルキル、C
3~5シクロハロアルキル、フェニル、又は5~6員ヘテロアリールであり、
C
1~6アルキルは、任意選択的に、-CO(C
1~4アルキルアミノ)又は-CO(C
1~4ジアルキルアミノ)で置換され、
フェニルは、任意選択的に、1~3個の独立して選択されるハロゲンで置換され、
ヘテロアリールは、任意選択的に、ハロゲン、C
1~4アルキル、及びC
1~4ハロアルキルから選択される1~3個の置換基で置換され、
2つの置換基R
9は共に、任意選択的に-(CH
2)
n-基を形成して、2つの置換基R
9が結合した環原子又は複数の環原子と共に環を形成し、-(CH
2)
n-基は、任意選択的に、N、O、及びSから選択される1個のヘテロ原子で置換された1つの-CH
2-基を有し、
nは、1、2、3、又は4である。
【0013】
実施形態2として、本明細書では、実施形態1の化合物、又はその薬学的に許容される塩が提供され、ここで、
R
3は-CNではないか、或いは、
Z
2は不在であり、R
5は2-シアノフェニルであるか、或いは、
R
5はピラゾール-3-イル、2-メチルではないか、或いは、
Bは、
【化5】
ではない。
【0014】
実施形態3として、本明細書では、実施形態1の化合物、又はその薬学的に許容される塩が提供され、ここで、この化合物は、
(3R)-3-(3-シアノフェニル)-N-メチル-3-((2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-4-キナゾリニル)アミノ)プロパンアミド;
(3S)-3-((2-((7S)-7-(ヒドロキシメチル)-2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-4-キナゾリニル)アミノ)-N,5-ジメチルヘキサンアミド;
1-(6-(4-(((2S)-4-メチル-1-(1H-ピラゾール-3-イル)-2-ペンタニル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-キナゾリニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-2-プロペン-1-オン;
(3S)-3-((2-(8-シアノ-2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-4-キナゾリニル)アミノ)-N,5-ジメチルヘキサンアミド;
(3S)-3-(2-シアノフェニル)-N-メチル-3-((2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-4-キナゾリニル)アミノ)プロパンアミド;
(3R)-3-(2-シアノフェニル)-N-メチル-3-((2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-4-キナゾリニル)アミノ)プロパンアミド;
(3S)-N,5-ジメチル-3-((8-メチル-2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-7,8-ジヒドロ-6H-ピリミド[5,4-b][1,4]オキサジン-4-イル)アミノ)ヘキサンアミド;
(3S)-N,5-ジメチル-3-((7-(2-プロパニル)-2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)ヘキサンアミド;又は
(3S)-N,5-ジメチル-3-((7-メチル-2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-7H-プリン-6-イル)アミノ)ヘキサンアミドではない。
【0015】
実施形態4として、本明細書では、実施形態1の化合物、又はその薬学的に許容される塩が提供され、ここで化合物は、2h結合交換アッセイ又は20h結合交換アッセイにおいて10μM未満のIC50を有する。
【0016】
実施形態5として、本明細書では、実施形態1~4のいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩が提供され、ここで
各R1はHである。
【0017】
実施形態6として、本明細書では、実施形態1~4のいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩が提供され、ここで
1つのR
1及びR
2は、これらが結合する炭素原子と共に、
【化6】
基を形成する。
【0018】
実施形態7として、本明細書では、実施形態1~5のいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩が提供され、ここで
R2は、H、又はC1~4ハロアルキルである。
【0019】
実施形態8として、本明細書では、実施形態1~5のいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩が提供され、ここで
R2は、H、又はCF3である。
【0020】
実施形態9として、本明細書では、実施形態1~5のいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩が提供され、ここで
R2はHである。
【0021】
実施形態10として、本明細書では、実施形態1~9のいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩が提供され、ここで
R3は、H、又はハロゲンである。
【0022】
実施形態11として、本明細書では、実施形態1~9のいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩が提供され、ここで
R3は、H、又はFである。
【0023】
実施形態12として、本明細書では、実施形態1~9のいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩が提供され、ここで
R3はHである。
【0024】
実施形態13として、本明細書では、実施形態1~12のいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩が提供され、ここで
一方のAは不在であり、もう一方のAはCR3R3である。
【0025】
実施形態14として、本明細書では、実施形態1~12のいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩が提供され、ここで
両方のAが不在である。
【0026】
実施形態15として、本明細書では、実施形態1~12のいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩が提供され、ここで
【化7】
は、
【化8】
である。
【0027】
実施形態16として、本明細書では、実施形態1~12のいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩が提供され、ここで
【化9】
は、
【化10】
である。
【0028】
実施形態17として、本明細書では、実施形態1~12のいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩が提供され、ここで
【化11】
は、
【化12】
である。
【0029】
実施形態18として、本明細書では、実施形態1~17のいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩が提供され、ここで
Z1はNHである。
【0030】
実施形態19として、本明細書では、実施形態1~18のいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩が提供され、ここで
Z2はCH2である。
【0031】
実施形態20として、本明細書では、実施形態1~18のいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩が提供され、ここで
Z2は不在である。
【0032】
実施形態21として、本明細書では、実施形態1~20のいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩が提供され、ここで
R5は、C1~4アルキル又はフェニルであり、フェニルは、任意選択的に-CNで置換される。
【0033】
実施形態22として、本明細書では、実施形態1~20のいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩が提供され、ここで
R5は、-CH(CH3)2、フェニル、又は3-シアノフェニルである。
【0034】
実施形態23として、本明細書では、実施形態1~20のいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩が提供され、ここで
R5は-CH(CH3)2である。
【0035】
実施形態24として、本明細書では、実施形態1~23のいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩が提供され、ここで
R6は、-CO(NR7R7)、5,5-ジメチル-3,5-ジヒドロ-4H-イミダゾール-4-オン-2-イル、又は5員ヘテロアリールであり、ヘテロアリールは、任意選択的に、1~3個のC1~4アルキル置換基で置換され、
R7は、出現ごとに独立して、H、又はC1~4アルキルである。
【0036】
実施形態25として、本明細書では、実施形態1~23のいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩が提供され、ここで
R6は、-CO(NHR7)、又は5員ヘテロアリールであり、ヘテロアリールは、任意選択的に、1個のC1~4アルキル置換基で置換され、
R7は、C1~4アルキルである。
【0037】
実施形態26として、本明細書では、実施形態1~23のいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩が提供され、ここで
R6は、-CO(NHCH3)、5,5-ジメチル-3,5-ジヒドロ-4H-イミダゾール-4-オン-2-イル、又は5員ヘテロアリールであり、ヘテロアリールは、ピラゾール、イミダゾール、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、1,2-オキサゾール、1,3-オキサゾール、1,3,4-オキサジアゾール、1,2,4-オキサジアゾール、1,3-チアゾール、又は1,3,4-チアジアゾールであり、ヘテロアリールは、任意選択的に、1個のC1~4アルキル置換基で置換される。
【0038】
実施形態27として、本明細書では、実施形態1~23のいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩が提供され、ここで
R6は、-CO(NHCH3)、又は5員ヘテロアリールであり、ヘテロアリールは、イミダゾール、1,2-オキサゾール、1,3,4-オキサジアゾール、1,3,4-チアジアゾール、又は1,2,3-トリアゾールであり、ヘテロアリールは、任意選択的に1個のメチル基で置換される。
【0039】
実施形態28として、本明細書では、実施形態1~17のいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩が提供され、ここで
R
4は、
【化13】
である。
【0040】
実施形態29として、本明細書では、実施形態1~17のいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩が提供され、ここで
R
4は、
【化14】
である。
【0041】
実施形態30として、本明細書では、実施形態1~29のいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩が提供され、ここで
X1は、CR8である。
【0042】
実施形態31として、本明細書では、実施形態1~29のいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩が提供され、ここで
X1は、Nである。
【0043】
実施形態32として、本明細書では、実施形態1~31のいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩が提供され、ここで
X2は、CHである。
【0044】
実施形態33として、本明細書では、実施形態1~31のいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩が提供され、ここで
X2は、Nである。
【0045】
実施形態34として、本明細書では、実施形態1~33のいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩が提供され、ここで
X3は、Cである。
【0046】
実施形態35として、本明細書では、実施形態1~33のいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩が提供され、ここで
X3は、Nである。
【0047】
実施形態36として、本明細書では、実施形態1~35のいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩が提供され、ここで
X4は、Cである。
【0048】
実施形態37として、本明細書では、実施形態1~35のいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩が提供され、ここで
X4は、Nである。
【0049】
実施形態38として、本明細書では、実施形態1~29のいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩が提供され、ここで
X1はNであり、X2はNであり、X3はCであり、X4はCであるか、或いは
X1はNであり、X2はCHであり、X3はCであり、X4はCであるか、或いは
X1はNであり、X2はNであり、X3はNであり、X4はCであるか、或いは
X1はNであり、X2はCHであり、X3はCであり、X4はNである。
【0050】
実施形態39として、本明細書では、実施形態1~29のいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩が提供され、ここで
X1はNであり、X2はNであり、X3はCであり、X4はCであるか、或いは
X1はNであり、X2はCHであり、X3はCであり、X4はCである。
【0051】
実施形態40として、本明細書では、実施形態1~29のいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩が提供され、ここで
X1はNであり、X2はNであり、X3はCであり、X4はCである。
【0052】
実施形態41として、本明細書では、実施形態1~34、36、及び38~40のいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩が提供され、ここで
Bは、それが結合した原子と共に、
【化15】
から選択される環系を形成し、
環系は、任意選択的に1~5個の置換基R
9で置換される。
【0053】
実施形態42として、本明細書では、実施形態1~34、36、及び38~40のいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩が提供され、ここで
Bは、それが結合した原子と共に、
【化16】
から選択される環系を形成し、
環系は、任意選択的に1~5個の置換基R
9で置換される。
【0054】
実施形態43として、本明細書では、実施形態1~34、36、及び38~40のいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩が提供され、ここで
Bは、それが結合した原子と共に、
【化17】
から選択される環系を形成する。
【0055】
実施形態44として、本明細書では、実施形態1~42のいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩が提供され、
環系は、任意選択的に1~2個の置換基R9で置換され、
R9は、出現ごとに独立して、ハロゲン、-CN、C(=O)C1~6アルキル、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~4アルコキシ、C3~5シクロアルキル、又は5~6員ヘテロアリールである。
【0056】
実施形態45として、本明細書では、実施形態1~42のいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩が提供され、
環系は、任意選択的に1~2個の置換基R9で置換され、
R9は、出現ごとに独立して、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~4アルコキシ、C3~5シクロアルキル、又は5員ヘテロアリールである。
【0057】
実施形態46として、本明細書では、実施形態1~42のいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩が提供され、
環系は、任意選択的に1~2個の置換基R9で置換され、
R9は、出現ごとに独立して、Cl、-CN、アセチル、メチル、イソプロピル、トリフルオロメチル、メトキシ、シクロプロピル、又は1,3-チアゾリルである。
【0058】
実施形態47として、本明細書では、実施形態1~42のいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩が提供され、ここで
環系は、任意選択的に1~2個の置換基R9で置換され、
R9は、出現ごとに独立して、メチル、イソプロピル、トリフルオロメチル、メトキシ、シクロプロピル、又は1,3-チアゾリルである。
【0059】
実施形態48として、本明細書では、実施形態1の化合物、又はその薬学的に許容される塩が提供され、ここで、この化合物は、
(S)-3-((2-(2-アクリロイル-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-4-イル)アミノ)-N,5-ジメチルヘキサンアミド;
(3S)-3-((2-(8,8-ジフルオロ-2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-7-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロ-4-キナゾリニル)アミノ)-N,5-ジメチルヘキサンアミド;
(3S)-N,5-ジメチル-3-((7-メチル-2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-4-キナゾリニル)アミノ)ヘキサンアミド;
(3S)-N,5-ジメチル-3-((2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[d]ピリミジン-4-イル)アミノ)ヘキサンアミド;
(3S)-N,5-ジメチル-3-((2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-4-キナゾリニル)アミノ)ヘキサンアミド;
(3S)-N,5-ジメチル-3-((3-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1-イソキノリニル)アミノ)ヘキサンアミド;
(3S)-N,5-ジメチル-3-((2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)フロ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)ヘキサンアミド;
(3S)-N,5-ジメチル-3-(((8R)-8-メチル-2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-4-キナゾリニル)アミノ)ヘキサンアミド;
(3S)-3-((6-アセチル-2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)-N,5-ジメチルヘキサンアミド;
(3S)-N,5-ジメチル-3-((2-メチル-5-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-2H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-イル)アミノ)ヘキサンアミド;
(3S)-N,5-ジメチル-3-((5-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)[1,3]チアゾロ[5,4-d]ピリミジン-7-イル)アミノ)ヘキサンアミド;
5,5-ジメチル-2-((2S)-4-メチル-2-((2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-4-キナゾリニル)アミノ)ペンチル)-3,5-ジヒドロ-4H-イミダゾール-4-オン;
(3S)-N,5-ジメチル-3-((2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-5,7-ジヒドロフロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)ヘキサンアミド;
(3S)-N,5-ジメチル-3-(((8S)-8-メチル-2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-4-キナゾリニル)アミノ)ヘキサンアミド;
(3S)-N,5-ジメチル-3-((7-メチル-2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)ヘキサンアミド;
(3S)-N,5-ジメチル-3-((9-メチル-2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-9H-プリン-6-イル)アミノ)ヘキサンアミド;
(3S)-3-((2-(8,8-ジフルオロ-2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-4-キナゾリニル)アミノ)-N,5-ジメチルヘキサンアミド;
1-(6-(4-(((2S)-4-メチル-1-(4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-2-ペンタニル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-キナゾリニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-2-プロペン-1-オン;
(3S)-N,5-ジメチル-3-((7-(2-プロパニル)-2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-4-キナゾリニル)アミノ)ヘキサンアミド;
(3S)-3-(3-シアノフェニル)-N-メチル-3-((2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-4-キナゾリニル)アミノ)プロパンアミド;
1-(6-(4-(((2S)-4-メチル-1-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-ペンタニル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-キナゾリニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-2-プロペン-1-オン;
1-(6-(4-(((2S)-1-(1H-イミダゾール-2-イル)-4-メチル-2-ペンタニル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-キナゾリニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-2-プロペン-1-オン;
(3S)-3-((2-((7R)-7-(ヒドロキシメチル)-2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-4-キナゾリニル)アミノ)-N,5-ジメチルヘキサンアミド;
(3S)-N,5-ジメチル-3-((7-メチル-2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-4-キナゾリニル)アミノ)ヘキサンアミド;
(3S)-3-((7-シアノ-2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-4-キナゾリニル)アミノ)-N,5-ジメチルヘキサンアミド;
(3S)-3-((2-(8-フルオロ-2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-4-キナゾリニル)アミノ)-N,5-ジメチルヘキサンアミド;
(3S)-3-((2-(8-フルオロ-2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-7-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロ-4-キナゾリニル)アミノ)-N,5-ジメチルヘキサンアミド;
(3S)-3-((7,7-ジメチル-2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-4-キナゾリニル)アミノ)-N,5-ジメチルヘキサンアミド;
(3S)-3-((7-クロロ-2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-4-キナゾリニル)アミノ)-N,5-ジメチルヘキサンアミド;
(3S)-N,5-ジメチル-3-((2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-7,8-ジヒドロ-6H-ピラノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)ヘキサンアミド;
(3S)-N,5-ジメチル-3-((2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-7-(トリフルオロメチル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-4-キナゾリニル)アミノ)ヘキサンアミド;
(3S)-N,5-ジメチル-3-((6-メチル-2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-4-キナゾリニル)アミノ)ヘキサンアミド;
(3S)-N,5-ジメチル-3-((7-メチル-2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)ヘキサンアミド;
(3S)-N,5-ジメチル-3-((2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-7-(トリフルオロメチル)-4-キナゾリニル)アミノ)ヘキサンアミド;
(3S)-N,5-ジメチル-3-((2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-7-(1,3-チアゾール-2-イル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)ヘキサンアミド;
(3S)-N,5-ジメチル-3-((2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)ヘキサンアミド;
(3S)-3-((7-シクロプロピル-2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)-N,5-ジメチルヘキサンアミド;
1-(6-(7,7-ジメチル-4-(((2S)-4-メチル-1-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-2-ペンタニル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-キナゾリニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-2-プロペン-1-オン;
(3S)-3-((7-シクロプロピル-2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-4-キナゾリニル)アミノ)-N,5-ジメチルヘキサンアミド;
(3S)-N,5-ジメチル-3-((6-メチル-2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-4-キナゾリニル)アミノ)ヘキサンアミド;
(3S)-3-((7-メトキシ-2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)-N,5-ジメチルヘキサンアミド;
1-(6-(7,7-ジメチル-4-(((2S)-4-メチル-1-(1,3-チアゾール-2-イル)-2-ペンタニル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-キナゾリニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-2-プロペン-1-オン;
1-(6-(7,7-ジメチル-4-(((2S)-4-メチル-1-(5-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2-ペンタニル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-キナゾリニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-2-プロペン-1-オン;
1-(6-(7,7-ジメチル-4-(((2S)-4-メチル-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-2-ペンタニル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-キナゾリニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-2-プロペン-1-オン;
1-(6-(7,7-ジメチル-4-(((2S)-4-メチル-1-(1H-ピラゾール-1-イル)-2-ペンタニル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-キナゾリニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-2-プロペン-1-オン;
1-(6-(7,7-ジメチル-4-(((2S)-4-メチル-1-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2-ペンタニル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-キナゾリニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-2-プロペン-1-オン;
1-(6-(7,7-ジメチル-4-(((2S)-4-メチル-1-(1,2-オキサゾール-3-イル)-2-ペンタニル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-キナゾリニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-2-プロペン-1-オン;
1-(6-(7,7-ジメチル-4-(((2S)-4-メチル-1-(3-メチル-1,2-オキサゾール-5-イル)-2-ペンタニル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-キナゾリニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-2-プロペン-1-オン;
(3S)-3-((7,7-ジメチル-2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-4-キナゾリニル)アミノ)-N-メチル-4-フェニルブタンアミド;
1-(6-(7,7-ジメチル-4-(((2S)-4-メチル-1-(5-メチル-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-2-ペンタニル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-キナゾリニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-2-プロペン-1-オン;
1-(6-(7,7-ジメチル-4-(((2S)-4-メチル-1-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-ペンタニル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-キナゾリニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-2-プロペン-1-オン;
1-(6-(7,7-ジメチル-4-(((2S)-4-メチル-1-(5-メチル-1,2-オキサゾール-3-イル)-2-ペンタニル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-キナゾリニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-2-プロペン-1-オン;
1-(6-(4-(((2S)-1-(1H-イミダゾール-2-イル)-4-メチル-2-ペンタニル)アミノ)-7,7-ジメチル-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-キナゾリニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-2-プロペン-1-オン;
1-(6-(7,7-ジメチル-4-(((2S)-4-メチル-1-(1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-2-ペンタニル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-キナゾリニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-2-プロペン-1-オン;
(3S)-N,5-ジメチル-3-((2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)ヘキサンアミド;
1-(6-(4-(((2S)-4-メチル-1-(1,3-オキサゾール-2-イル)-2-ペンタニル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-キナゾリニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-2-プロペン-1-オン;
(3S)-N,5-ジメチル-3-((7-メチル-2-(2-(2-(トリフルオロメチル)-2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-4-キナゾリニル)アミノ)ヘキサンアミド;
(3S)-N,5-ジメチル-3-((2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-7-(1,3-チアゾール-2-イル)-4-キナゾリニル)アミノ)ヘキサンアミド;又は
(S)-2-((2-(2-アクリロイル-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-4-イル)アミノ)-N,4-ジメチルペンタンアミドである。
【0060】
実施形態49として、本明細書では、実施形態1の化合物、又はその薬学的に許容される塩が提供され、ここで、この化合物は、
(3S)-3-((2-(8,8-ジフルオロ-2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-7-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロ-4-キナゾリニル)アミノ)-N,5-ジメチルヘキサンアミド;
(3S)-N,5-ジメチル-3-((7-(2-プロパニル)-2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-4-キナゾリニル)アミノ)ヘキサンアミド;
(3S)-3-((7,7-ジメチル-2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-4-キナゾリニル)アミノ)-N,5-ジメチルヘキサンアミド;
(3S)-N,5-ジメチル-3-((2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-7-(トリフルオロメチル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-4-キナゾリニル)アミノ)ヘキサンアミド;
(3S)-N,5-ジメチル-3-((2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-7-(1,3-チアゾール-2-イル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)ヘキサンアミド;
(3S)-3-((7-シクロプロピル-2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)-N,5-ジメチルヘキサンアミド;
(3S)-3-((7-シクロプロピル-2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-4-キナゾリニル)アミノ)-N,5-ジメチルヘキサンアミド;
(3S)-3-((7-メトキシ-2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)-N,5-ジメチルヘキサンアミド;
1-(6-(7,7-ジメチル-4-(((2S)-4-メチル-1-(1,2-オキサゾール-3-イル)-2-ペンタニル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-キナゾリニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-2-プロペン-1-オン;
1-(6-(7,7-ジメチル-4-(((2S)-4-メチル-1-(3-メチル-1,2-オキサゾール-5-イル)-2-ペンタニル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-キナゾリニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-2-プロペン-1-オン;
1-(6-(7,7-ジメチル-4-(((2S)-4-メチル-1-(5-メチル-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-2-ペンタニル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-キナゾリニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-2-プロペン-1-オン;
1-(6-(7,7-ジメチル-4-(((2S)-4-メチル-1-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-ペンタニル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-キナゾリニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-2-プロペン-1-オン;
1-(6-(7,7-ジメチル-4-(((2S)-4-メチル-1-(5-メチル-1,2-オキサゾール-3-イル)-2-ペンタニル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-キナゾリニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-2-プロペン-1-オン;
1-(6-(4-(((2S)-1-(1H-イミダゾール-2-イル)-4-メチル-2-ペンタニル)アミノ)-7,7-ジメチル-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-キナゾリニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-2-プロペン-1-オン;
1-(6-(7,7-ジメチル-4-(((2S)-4-メチル-1-(1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-2-ペンタニル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-キナゾリニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-2-プロペン-1-オン;又は
(3S)-N,5-ジメチル-3-((2-(2-(2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-7-(1,3-チアゾール-2-イル)-4-キナゾリニル)アミノ)ヘキサンアミドである。
【0061】
前述の記載は単に本開示のある特定の態様をまとめたものであり、決して本開示を制限することを意図するものではなく、またそのように解釈されるべきではない。
【0062】
配合物及び投与経路
開示される使用において、本明細書で開示される化合物を単独で投与することも可能であり得るが、投与される化合物は通常、医薬組成物中の活性成分として存在することになる。したがって、一実施形態では、本明細書では、本明細書で開示される化合物を1つ以上の薬学的に許容される賦形剤、及び必要に応じて他の活性成分と併せて含む医薬組成物が提供される。例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,Volume I and Volume II,twenty-second edition,edited by Loyd V.Allen Jr.,Philadelphia,PA,Pharmaceutical Press,2012;Pharmaceutical Dosage Forms(Vol.1-3),Liberman et al.,Eds.,Marcel Dekker,New York,NY,1992;Handbook of Pharmaceutical Excipients(3rd Ed.),edited by Arthur H.Kibbe,American Pharmaceutical Association,Washington,2000;Pharmaceutical Formulation:The Science and Technology of Dosage Forms(Drug Discovery),first edition,edited by GD Tovey,Royal Society of Chemistry,2018を参照されたい。一実施形態では、医薬組成物は、治療有効量の本明細書で開示される化合物を含む。
【0063】
本明細書で開示される化合物は、任意の好適な投与経路によって、そのような経路に適合した医薬組成物の形態及び目的の治療に有効な用量で投与され得る。本明細書で提供される化合物及び組成物は、例えば、経口、粘膜、局所、経皮、直腸、肺、非経口、鼻腔内、血管内、静脈内、動脈内、腹腔内、髄腔内、皮下、舌下、筋肉内、胸骨内、膣内に、又は注入技法によって、従来の薬学的に許容される賦形剤を含有する投薬単位配合物中で投与され得る。
【0064】
医薬組成物は、例えば、錠剤、咀しゃく錠剤、ミニ錠剤、カプレット、丸薬、ビーズ、硬カプセル、軟カプセル、ゼラチンカプセル、顆粒、粉剤、舐剤、貼付剤、クリーム、ジェル、サッシェ、マイクロニードルアレイ、シロップ、風味付きシロップ、ジュース、ドロップ、注射液、エマルション、マイクロエマルション、軟膏、エアロゾル、水性懸濁液、又は油性懸濁液の形態であり得る。医薬組成物は、通常、特定量の活性成分を含有する投薬単位の形態で作製される。
【0065】
実施形態50として、本明細書では、実施形態1~49のいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物が提供される。
【0066】
実施形態51として、本明細書では、薬剤として使用するための、実施形態1~49のいずれか1つの化合物、若しくはその薬学的に許容される塩、又は実施形態50の医薬組成物が提供される。
【0067】
使用方法
本明細書に記載されるように(「定義」と題する節を参照されたい)、本明細書で説明される化合物は、全ての立体異性体、互変異性体、又は上記のいずれかの薬学的に許容される塩を含むものと理解される。したがって、本開示において提供される方法及び使用の範囲は、全てのこのような形態を用いる方法及び使用も包含するものと理解されるべきである。
【0068】
ヒトの治療に有用である他に、本明細書で提供される化合物は、哺乳類、齧歯類などを含むコンパニオンアニマル、エキゾチックアニマル及び家畜の獣医学的治療に有用であり得る。例えば、ウマ、イヌ及びネコを含む動物を本明細書で提供される化合物で治療し得る。
【0069】
単剤療法
一実施形態では、本開示は、KRAS G12Cの変異に関連するとされる状態(例えば、癌)を含むがこれに限定されない疾患状態を治療するために本開示の化合物又は医薬組成物を使用する方法を提供する。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、2019年12月31日発行の米国特許第10,519,146B2号明細書の、具体的には198段目の1行目から201段目の36行目までの節を参照されたい。
【0070】
いかなる特定の理論にも束縛されるものではないが、以下を注意されたい:AMG510は、本明細書に開示される化合物と同様に、KRASG12Cを特異的且つ不可逆的に阻害する小分子である(Hong et al.,2020の1208)。Hong et alは、「臨床前研究は、[AMG510]が、KRASの重要な下流エフェクターである細胞外シグナル制御キナーゼ(ERK)の検出可能なリン酸化をほぼ全て阻害し、KRAS p.G12C腫瘍を有するマウスにおける持続的な完全腫瘍退縮をもたらしたことを示した」と報告している。(同書、下記の「生物学的評価」と題する節、Canon et al.,2019及びLanman et al.,2020も参照されたい)。
【0071】
AMG510を、非小細胞肺癌を有する59人の対象、結腸直腸癌を有する42人の対象、及びその他の腫瘍タイプを有する28人の対象を含む腫瘍組織に対する局所分子検査によって同定された、組織学的に確認されたKRAS G12C変異を含む局所進行性又は転移性の癌を有する129人の対象による第1相用量増加及び拡大試験で評価した(Hong et al.,2020、1208~1209ページ)。Hong et alは、非小細胞肺癌で88.1%、結腸直腸癌で73.8%、及びその他の腫瘍タイプで75.0%の疾病管理率(95%CI)を報告している(Hong et al.,2020、1213ページ、表3)。結論として、Hong et alによって報告される安定疾患(SD)又は部分的縮小(PR)のいずれかを示す癌のタイプは、非小細胞肺癌、結腸直腸癌、膵臓癌、虫垂癌、子宮内膜癌、食道癌、原発不明癌、膨大部癌、胃癌、小腸癌、副鼻腔癌、胆管癌、又は黒色腫であった(Hong et al.,2020、1212ページ(
図A)、及び付録(59ページ(
図S5)及び63ページ(
図S6))。
【0072】
KRAS G12C変異は、下記の表に示す変化周期で発生する(Cerami et al.,2012;Gao et al.,2013)。例えば、表は、非小細胞肺癌を有する対象の11.6%が、1つ以上の細胞がKRAS G12C変異タンパク質を発現する癌を有することを示す。したがって、KRASG12Cに特異的且つ不可逆的に結合する、本明細書で提供される化合物(下記の「生物学的評価」と題する節を参照されたい)は、下記の表に列挙される癌を含むがこれらに限定されない癌を有する対象の治療に有用である。
【0073】
【0074】
実施形態52として、本明細書では、癌の治療に使用するための、実施形態1~49のいずれか1つの化合物、若しくはその薬学的に許容される塩、又は実施形態50の医薬組成物が提供される。
【0075】
実施形態53として、本明細書では、1つ以上の細胞が、KRAS G12C変異タンパク質を発現する、癌の治療に使用するための、実施形態1~49のいずれか1つの化合物、若しくはその薬学的に許容される塩、又は実施形態50の医薬組成物が提供される。
【0076】
実施形態54として、本明細書では、癌が、非小細胞肺癌、小腸癌、虫垂癌、結腸直腸癌、原発不明癌、子宮内膜癌、原発不明混合性型癌、膵臓癌、肝胆道癌、小細胞肺癌、子宮頸癌、胚細胞癌、卵巣癌、消化管神経内分泌癌、膀胱癌、骨髄異形成/骨髄増殖性新生物、頭頸部癌、食道胃癌、軟部組織肉腫、中皮腫、甲状腺癌、白血病、又は黒色腫である、実施形態52又は53の使用のための化合物又は医薬組成物が提供される。
【0077】
実施形態55として、本明細書では、癌を治療するための薬剤の調製における、実施形態1~49のいずれか1つの化合物、若しくはその薬学的に許容される塩、又は実施形態50の医薬組成物の使用が提供される。
【0078】
実施形態56として、本明細書では、1つ以上の細胞が、KRAS G12C変異タンパク質を発現する、癌を治療するための薬剤の調製における、実施形態1~49のいずれか1つの化合物、若しくはその薬学的に許容される塩、又は実施形態50の医薬組成物の使用が提供される。
【0079】
実施形態57として、本明細書では、癌が、非小細胞肺癌、小腸癌、虫垂癌、結腸直腸癌、原発不明癌、子宮内膜癌、原発不明混合性型癌、膵臓癌、肝胆道癌、小細胞肺癌、子宮頸癌、胚細胞癌、卵巣癌、消化管神経内分泌癌、膀胱癌、骨髄異形成/骨髄増殖性新生物、頭頸部癌、食道胃癌、軟部組織肉腫、中皮腫、甲状腺癌、白血病、又は黒色腫である、実施形態55又は56の使用が提供される。
【0080】
実施形態58として、本明細書では、癌の治療を必要とする対象において癌を治療する方法であって、対象に、治療有効量の実施形態1~49のいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法が提供される。
【0081】
実施形態59として、本明細書では、1つ以上の細胞が、KRAS G12C変異タンパク質を発現する、癌の治療を必要とする対象において癌を治療する方法であって、対象に、治療有効量の実施形態1~49のいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法が提供される。
【0082】
実施形態60として、本明細書では、癌が、非小細胞肺癌、小腸癌、虫垂癌、結腸直腸癌、原発不明癌、子宮内膜癌、原発不明混合性型癌、膵臓癌、肝胆道癌、小細胞肺癌、子宮頸癌、胚細胞癌、卵巣癌、消化管神経内分泌癌、膀胱癌、骨髄異形成/骨髄増殖性新生物、頭頸部癌、食道胃癌、軟部組織肉腫、中皮腫、甲状腺癌、白血病、又は黒色腫である、実施形態58又は59の方法が提供される。
【0083】
実施形態61として、本明細書では、癌が、非小細胞肺癌、結腸直腸癌、膵臓癌、虫垂癌、子宮内膜癌、食道癌、原発不明癌、膨大部癌、胃癌、小腸癌、副鼻腔癌、胆管癌、又は黒色腫である、実施形態58又は59の方法が提供される。
【0084】
実施形態62として、本明細書では、肺癌が非小細胞肺癌である、実施形態61の方法が提供される。
【0085】
実施形態63として、本明細書では、肺癌が結腸直腸癌である、実施形態61の方法が提供される。
【0086】
実施形態64として、本明細書では、肺癌が膵臓癌である、実施形態61の方法が提供される。
【0087】
実施形態65として、本明細書では、対象が、化合物又はその薬学的に許容される塩を投与される前にKRAS G12C変異タンパク質を発現する1つ以上の細胞を有すると判定された癌を有している、実施形態58~64のいずれか1つの方法が提供される。
【0088】
併用療法
本発明の開示は更に、他の経路、若しくは同じ経路の他の成分を調節することが知られている薬剤、又は更には標的酵素の重複するセットが、本開示の化合物、又はその薬学的に許容される塩と組み合わせて使用される、併用治療の方法も提供する。一態様において、そのような治療には、相乗的又は相加的な治療効果をもたらすための、本開示の1つ又は複数の化合物と、化学療法剤、治療抗体及び放射線治療との併用が含まれるが、これらに限定されない。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、2019年12月31日発行の米国特許第10,519,146B2号明細書の、具体的には201段目(37行目)から212段目(46行目)まで、及び219段目(64行目)から220段目(39行目)までの節を参照されたい。
【0089】
実施形態66として、本明細書では、有効量の第2の化合物の同時、個別、又は逐次投与を更に含み、第2の化合物は、オーロラキナーゼA阻害剤、AKT阻害剤、アルギナーゼ阻害剤、CDK4/6阻害剤、ErbBファミリー阻害剤、ERK阻害剤、FAK阻害剤、FGFR阻害剤、グルタミナーゼ阻害剤、IGF-1R阻害剤、KIF18A阻害剤、MCL-1阻害剤、MEK阻害剤、mTOR阻害剤、PD-1阻害剤、PD-L1阻害剤、PI3K阻害剤、Rafキナーゼ阻害剤、SHP2阻害剤、SOS1阻害剤、Srcキナーゼ阻害剤、又は1つ以上の化学療法剤である、実施形態58~65のいずれか1つの方法が提供される。
【0090】
一実施形態では、第2の化合物は、薬学的に許容される塩として投与される。別の実施形態では、第2の化合物は、第2の化合物又はその薬学的に許容される塩及び薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物として投与される。
【0091】
オーロラキナーゼA阻害剤
本明細書では、有効量の第2の化合物の同時、個別、又は逐次投与を更に含み、第2の化合物がオーロラキナーゼA阻害剤である、実施形態54~61のいずれか1つの方法が提供される。
【0092】
本明細書で提供される方法で使用するための例示的なオーロラキナーゼA阻害剤としては、アリセルチブ(alisertib)、セニセルチブ(cenisertib)、ダヌセルチブ(danusertib)、トザセルチブ(tozasertib)、LY3295668(2R,4R)-1-[(3-クロロ-2-フルオロフェニル)メチル]-4-[[3-フルオロ-6-[(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ]ピリジン-2-イル]メチル]-2-メチルピペリジン-4-カルボン酸)、ENMD-2076(6-(4-メチルピペラジン-1-イル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)-2-[(E)-2-フェニルエテニル]ピリミジン-4-アミン)、TAK-901(5-(3-エチルスルホニルフェニル)-3,8-ジメチル-N-(1-メチルピペリジン-4-イル)-9H-ピリド[2,3-b]インドール-7-カルボキサミド)、TT-00420(4-[9-(2-クロロフェニル)-6-メチル-2,4,5,8,12-ペンタザトリシクロ[8.4.0.03,7]テトラデカ-1(14),3,6,8,10,12-ヘキサエン-13-イル]モルホリン)、AMG900(N-[4-[3-(2-アミノピリミジン-4-イル)ピリジン-2-イル]オキシフェニル]-4-(4-メチルチオフェン-2-イル)フタラジン-1-アミン)、MLN8054(4-[[9-クロロ-7-(2,6-ジフルオロフェニル)-5H-ピリミド[5,4-d][2]ベンザゼピン-2-イル]アミノ]安息香酸)、PF-03814735(N-[2-[(1R,8S)-4-[[4-(シクロブチルアミノ)-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル]アミノ]-11-アザトリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ-2(7),3,5-トリエン-11-イル]-2-オキソエチル]アセトアミド)、SNS-314(1-(3-クロロフェニル)-3-[5-[2-(チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)エチル]-1,3-チアゾール-2-イル]ウレア)、CYC116(4-メチル-5-[2-(4-モルホリン-4-イルアニリノ)ピリミジン-4-イル]-1,3-チアゾール-2-アミン)、TAS-119、BI 811283、及びTTP607が挙げられるが、これらに限定されない。
【0093】
AKT阻害剤
本明細書では、有効量の第2の化合物の同時、個別、又は逐次投与を更に含み、第2の化合物がAKT阻害剤である、実施形態54~61のいずれか1つの方法が提供される。
【0094】
本明細書で提供される方法で使用するための例示的なAKT阻害剤としては、アフレセルチブ(afuresertib)、カピバセルチブ(capivasertib)、イパタセルチブ(ipatasertib)、ウプロセルチブ(uprosertib)、BAY1125976(2-[4-(1-アミノシクロブチル)フェニル]-3-フェニルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-カルボキサミド)、ARQ092(3-[3-[4-(1-アミノシクロブチル)フェニル]-5-フェニルイミダゾ[4,5-b]ピリジン-2-イル]ピリジン-2-アミン)、MK2206(8-[4-(1-アミノシクロブチル)フェニル]-9-フェニル-2H-[1,2,4]トリアゾロ[3,4-f][1,6]ナフチリジン-3-オン)、SR13668(インドロ[2,3-b]カルバゾール-2,10-ジカルボン酸、5,7-ジヒドロ-6-メトキシ-、2,10-ジエチルエステル)、ONC201(11-ベンジル-7-[(2-メチルフェニル)メチル]-2,5,7,11-テトラザトリシクロ[7.4.0.02,6]トリデカ-1(9),5-ジエン-8-オン)、ARQ751(N-(3-アミノプロピル)-N-[(1R)-1-(3-アニリノ-7-クロロ-4-オキソキナゾリン-2-イル)ブチ-3-ニル]-3-クロロ-2-フルオロベンズアミド)、RX-0201、及びLY2780301が挙げられるが、これらに限定されない。
【0095】
アルギナーゼ阻害剤
本明細書では、有効量の第2の化合物の同時、個別、又は逐次投与を更に含み、第2の化合物がアルギナーゼ阻害剤である、実施形態54~61のいずれか1つの方法が提供される。
【0096】
本明細書で提供される方法で使用するための例示的なアルギナーゼ阻害剤としては、ヌミダルジスタット(numidargistat)及びCB280が挙げられるが、これらに限定されない。
【0097】
CDK4/6阻害剤
本明細書では、有効量の第2の化合物の同時、個別、又は逐次投与を更に含み、第2の化合物がCDK4/6阻害剤である、実施形態54~61のいずれか1つの方法が提供される。
【0098】
本明細書で使用するとき、用語「CDK4/6」は、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)4及び6を指し、これらは哺乳動物のセリン/スレオニンタンパク質キナーゼのメンバーである。
【0099】
本明細書で使用するとき、用語「CDK4/6阻害剤」は、CDK4及び/又は6の酵素活性の全部又は一部を負に調節又は阻害することが可能な化合物を指す。
【0100】
本明細書で提供される方法で使用するための例示的なCDK4/6阻害剤としては、アベマシクリブ、パルボシクリブ、リボシクリブ、トリラシクリブ、及びPF-06873600((ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン、6-(ジフルオロメチル)-8-[(1R,2R)-2-ヒドロキシ-2-メチルシクロペンチル]-2-[[1-(メチルスルホニル1)-4-ピペリジニル]アミノ])が挙げられるが、これらに限定されない。
【0101】
一実施形態では、CDK4/6阻害剤は、パルボシクリブである。
【0102】
ErbBファミリー阻害剤
本明細書では、有効量の第2の化合物の同時、個別、又は逐次投与を更に含み、第2の化合物がErbBファミリー阻害剤である、実施形態54~61のいずれか1つの方法が提供される。
【0103】
本明細書で使用するとき、用語「ErbBファミリー」とは、以下を含む哺乳動物膜貫通型タンパク質チロシンキナーゼファミリーのメンバーを指す:ErbB1(EGFR HER1)、ErbB2(HER2)、ErbB3(HER3)、及びErbB4(HER4)。
【0104】
本明細書で使用するとき、用語「ErbBファミリー阻害剤」とは、ErbBファミリーの少なくとも1つのメンバーの活性の全部又は一部を負に調節又は阻害することが可能な薬剤、例えば化合物又は抗体を指す。1つ以上のErbBチロシンキナーゼの調節又は阻害は、1つ以上のErbBファミリーメンバーのキナーゼ酵素活性の調節若しくは阻害を介して、又はErbBファミリーメンバーのホモ二量体化若しくはヘテロ二量体化を遮断することによって生じ得る。
【0105】
一実施形態では、ErbBファミリー阻害剤は、EGFR阻害剤、例えば抗EGFR抗体である。本明細書で提供される方法で使用するための例示的な抗EGFR抗体としては、ザルツムマブ、ニモツズマブ、マツズマブ、ネシツムマブ、パニツムマブ、及びセツキシマブが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、抗EGFR抗体はセツキシマブである。一実施形態では、抗EGFR抗体はパニツムマブである。
【0106】
別の実施形態では、ErbBファミリー阻害剤は、HER2阻害剤、例えば抗HER2抗体である。本明細書で提供される方法で使用するための例示的な抗HER2抗体としては、ペルツズマブ、トラスツズマブ、及びトラスツズマブエムタンシンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0107】
更に別の実施形態では、ErbBファミリー阻害剤はHER3阻害剤、例えばHMBD-001(Hummingbird Bioscience)などの抗HER3抗体である。
【0108】
一実施形態では、ErbBファミリー阻害剤は、抗EGFR抗体と抗HER2抗体との組み合わせである。
【0109】
一実施形態では、ErbBファミリー阻害剤は不可逆的阻害剤である。本明細書で提供される方法で使用するための例示的な不可逆的ErbBファミリー阻害剤としては、アファチニブ、ダコミチニブ、カネルチニブ、ポジオチニブ、AV412((N-[4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-7-[3-メチル-3-(4-メチル-1-ピペラジニル)-1-ブチン-1-イル]-6-キナゾリニル]-2-プロペンアミド))、PF6274484((N-[4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-7-メトキシ-6-キナゾリニル]-2-プロペンアミド)、及びHKI357((E)-N-[4-[3-クロロ-4-[(3-フルオロフェニル)メトキシ]アニリノ]-3-シアノ-7-エトキシキノリン-6-イル]-4-(ジメチルアミノ)ブト-2-エナミド)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0110】
一実施形態では、不可逆的ErbBファミリー阻害剤はアファチニブである。一実施形態では、不可逆的ErbBファミリー阻害剤はダコミチニブである。
【0111】
一実施形態では、ErbBファミリー阻害剤は可逆的阻害剤である。本明細書で提供される方法で使用するための例示的な可逆的ErbBファミリー阻害剤としては、エルロチニブ、ゲフィチニブ、サピチニブ(sapitinib)、バルリチニブ、タルロキソチニブ(tarloxotinib)、TAK-285(N-(2-(4-((3-クロロ-4-(3-(トリフルオロメチル)フェノキシ)フェニル)アミノ)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-5-イル)エチル)-3-ヒドロキシ-3-メチルブタンアミド)、AEE788((S)-6-(4-((4-エチルピペラジン-1-イル)メチル)フェニル)-N-(1-フェニルエチル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン)、BMS599626((3S)-3-モルホリニルメチル-[4-[[1-[(3-フルオロフェニル)メチル]-1H-インダゾール-5-イル]アミノ]-5-メチルピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6-イル]-カルバメート)、及びGW583340(N-[3-クロロ-4-[(3-フルオロフェニル)メトキシ]フェニル]-6-[2-[(2-メチルスルホニルエチルアミノ)メチル]-1,3-チアゾール-4-イル]キナゾリン-4-アミン)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0112】
一実施形態では、可逆的ErbBファミリー阻害剤はサピチニブである。一実施形態では、可逆的ErbBファミリー阻害剤はタルロキソチニブである。
【0113】
ERK阻害剤
本明細書では、有効量の第2の化合物の同時、個別、又は逐次投与を更に含み、第2の化合物がERK阻害剤である、実施形態54~61のいずれか1つの方法が提供される。
【0114】
本明細書で提供される方法で使用するための例示的なERK阻害剤としては、ウリキセルチニブ、ラボキセルチニブ(ravoxertinib)、CC-90003(N-[2-[[2-[(2-メトキシ-5-メチルピリジン-4-イル)アミノ]-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-4-イル]アミノ]-5-メチルフェニル]プロパ-2-エンアミド)、LY3214996(6,6-ジメチル-2-[2-[(2-メチルピラゾール-3-イル)アミノ]ピリミジン-4-イル]-5-(2-モルホリン-4-イルエチル)チエノ[2,3-c]ピロール-4-オン)、KO-947(1,5,6,8-テトラヒドロ-6-(フェニルメチル)-3-(4-ピリジニル)-7H-ピラゾロ[4,3-g]キナゾリン-7-オン)、ASTX029、LTT462、及びJSI-1187が挙げられるが、これらに限定されない。
【0115】
FAK阻害剤
本明細書では、有効量の第2の化合物の同時、個別、又は逐次投与を更に含み、第2の化合物がFAK阻害剤である、実施形態54~61のいずれか1つの方法が提供される。
【0116】
本明細書で提供される方法で使用するための例示的なFAK阻害剤としては、GSK2256098(2-[[5-クロロ-2-[(5-メチル-2-プロパン-2-イルピラゾール-3-イル)アミノ]ピリジン-4-イル]アミノ]-N-メトキシベンズアミド)、PF-00562271(N-メチル-N-[3-[[[2-[(2-オキソ-1,3-ジヒドロインドール-5-イル)アミノ]-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-4-イル]アミノ]メチル]ピリジン-2-イル]メタンスルホンアミド)、VS-4718(2-[[2-(2-メトキシ-4-モルホリン-4-イルアニリノ)-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル]アミノ]-N-メチルベンズアミド)、及びAPG-2449が挙げられるが、これらに限定されない。
【0117】
FGFR阻害剤
本明細書では、有効量の第2の化合物の同時、個別、又は逐次投与を更に含み、第2の化合物がFGFR阻害剤である、実施形態54~61のいずれか1つの方法が提供される。
【0118】
本明細書で提供される方法で使用するための例示的なFGFR阻害剤としては、フチバチニブ、ペミガチニブ、ASP5878(2-[4-[[5-[(2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシフェニル)メトキシ]ピリミジン-2-イル]アミノ]ピラゾール-1-イル]エタノール)、AZD4547(N-[5-[2-(3,5-ジメトキシフェニル)エチル]-1H-ピラゾール-3-イル]-4-[(3S,5R)-3,5-ジメチルピペラジン-1-イル]ベンズアミド)、Debio1347([5-アミノ-1-(2-メチル-3H-ベンズイミダゾール-5-イル)ピラゾール-4-イル]-(1H-インドール-2-イル)メタノン)、INCB062079、H3B-6527(N-[2-[[6-[(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)カルバモイル-メチルアミノ]ピリミジン-4-イル]アミノ]-5-(4-エチルピペラジン-1-イル)フェニル]プロパ-2-エンアミド)、ICP-105、CPL304110、HMPL-453、及びHGS1036が挙げられるが、これらに限定されない。
【0119】
グルタミナーゼ阻害剤
本明細書では、有効量の第2の化合物の同時、個別、又は逐次投与を更に含み、第2の化合物がグルタミナーゼ阻害剤である、実施形態54~61のいずれか1つの方法が提供される。
【0120】
本明細書で提供される方法で使用するための例示的なグルタミナーゼ阻害剤としては、テラグレナスタット、IPN60090、及びOP330が挙げられるが、これらに限定されない。
【0121】
IGF-1R阻害剤
本明細書では、有効量の第2の化合物の同時、個別、又は逐次投与を更に含み、第2の化合物がIGF-1R阻害剤である、実施形態54~61のいずれか1つの方法が提供される。
【0122】
本明細書で提供される方法で使用するための例示的なIGF-1R阻害剤としては、シクツムマブ、ダロツズマブ、リンシチニブ、ガニツマブ、ロバツムマブ、BMS-754807((2S)-1-[4-[(5-シクロプロピル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ]ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-2-イル]-N-(6-フルオロピリジン-3-イル)-2-メチルピロリジン-2-カルボキサミド)、KW-2450(N-[5-[[4-(2-ヒドロキシアセチル)ピペラジン-1-イル]メチル]-2-[(E)-2-(1H-インダゾール-3-イル)エテニル]フェニル]-3-メチルチオフェン-2-カルボキサミド)、PL225B、AVE1642、及びBIIB022が挙げられるが、これらに限定されない。
【0123】
KIF18A阻害剤
本明細書では、有効量の第2の化合物の同時、個別、又は逐次投与を更に含み、第2の化合物がKIF18A阻害剤である、実施形態54~61のいずれか1つの方法が提供される。
【0124】
本明細書で提供される方法で使用するための例示的なKIF18A阻害剤としては、それぞれの全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2020/0239441号明細書、国際公開第2020/132649号パンフレット、同第2020/132651号パンフレット、及び同第2020/132653号パンフレットに開示される阻害剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0125】
MCL-1阻害剤
本明細書では、有効量の第2の化合物の同時、個別、又は逐次投与を更に含み、第2の化合物がMCL-1阻害剤である、実施形態54~61のいずれか1つの方法が提供される。
【0126】
本明細書で提供される方法で使用するための例示的なMEK阻害剤としては、ムリザトクラクス(murizatoclax)、タポトクラクス(tapotoclax)、AZD5991((3aR)-5-クロロ-2,11,12,24,27,29-ヘキサヒドロ-2,3,24,33-テトラメチル-22H-9,4,8-(メタンイミノメチノ(metheniminomethyno))-14,20:26,23-ジメテノ-10H,20H-ピラゾロ[4,3-1][2,15,22,18,19]ベンゾオキサジチアジアザシクロヘキサコシン-32-カルボン酸)、MIK665((αR)-α-[[(5S)-5-[3-クロロ-2-メチル-4-[2-(4-メチル-1-ピペラジニル)エトキシ]フェニル]-6-(4-フルオロフェニル)チエノ[2,3-d]ピリミジン-4-イル]オキシ]-2-[[2-(2-メトキシフェニル)-4-ピリミジニル]メトキシ]ベンゼンプロパン酸)、及びABBV-467が挙げられるが、これらに限定されない。
【0127】
一実施形態では、MCL-1阻害剤はムリザトクラクスである。別の実施形態では、MCL-1阻害剤はタポトクラクスである。
【0128】
MEK阻害剤
本明細書では、有効量の第2の化合物の同時、個別、又は逐次投与を更に含み、第2の化合物がMEK阻害剤である、実施形態54~61のいずれか1つの方法が提供される。
【0129】
本明細書で提供される方法で使用するための例示的なMEK阻害剤としては、トラメチニブ、コビメチニブ、セルメチニブ、ピマセルチブ、レファメチニブ、PD-325901(N-[(2R)-2,3-ジヒドロキシプロポキシ]-3,4-ジフルオロ-2-(2-フルオロ-4-ヨードアニリノ)ベンズアミド)、AZD8330(2-(2-フルオロ-4-ヨードアニリノ)-N-(2-ヒドロキシエトキシ)-1,5-ジメチル-6-オキソピリジン-3-カルボキサミド)、GDC-0623(5-(2-フルオロ-4-ヨードアニリノ)-N-(2-ヒドロキシエトキシ)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-6-カルボキサミド)、RO4987655(3,4-ジフルオロ-2-(2-フルオロ-4-ヨードアニリノ)-N-(2-ヒドロキシエトキシ)-5-[(3-オキソオキサジナン-2-イル)メチル]ベンズアミド)、TAK-733(3-[(2R)-2,3-ジヒドロキシプロピル]-6-フルオロ-5-(2-フルオロ-4-ヨードアニリノ)-8-メチルピリド[2,3-d]ピリミジン-4,7-ジオン)、PD0325901(N-[(2R)-2,3-ジヒドロキシプロポキシ]-3,4-ジフルオロ-2-(2-フルオロ-4-ヨードアニリノ)ベンズアミド)、CI-1040(2-(2-クロロ-4-ヨードフェニルアミノ)-N-(シクロプロピルメトキシ)-3,4-ジフルオロベンズアミド)、PD318088(5-ブロモ-N-(2,3-ジヒドロキシプロポキシ)-3,4-ジフルオロ-2-(2-フルオロ-4-ヨードフェニルアミノ)ベンズアミド)、PD98059(2-(2-アミノ-3-メトキシフェニル)-4H-クロメン-4-オン)、PD334581(N-[5-[3,4-ジフルオロ-2-[(2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ]フェニル]-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル]-4-モルホリンエタンアミン)、FCN-159、CS3006、HL-085、SHR 7390、及びWX-554が挙げられるが、これらに限定されない。
【0130】
一実施形態では、MEK阻害剤はトラメチニブである。
【0131】
mTOR阻害剤
本明細書では、有効量の第2の化合物の同時、個別、又は逐次投与を更に含み、第2の化合物がmTOR阻害剤である、実施形態54~61のいずれか1つの方法が提供される。
【0132】
本明細書で提供される方法で使用するための例示的なmTOR阻害剤としては、エベロリムス、ラパマイシン、ゾタロリムス(ABT-578)、リダフォロリムス(デフォロリムス、MK-8669)、サパニセルチブ、ブパルリシブ、ピクチリシブ、ビスツセルチブ、ダクトリシブ、Torin-1(1-(4-(4-プロピオニルピペラジン-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)シクロヘキシル)-9-(キノリン-3-イル)ベンゾ[h][1,6]ナフチリジン-2(1H)-オン)、GDC-0349((S)-1-エチル-3-(4-(4-(3-メチルモルホリノ)-7-(オキセタン-3-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)ウレア)、及びVS-5584(SB2343,(5-(8-メチル-2-モルホリン-4-イル-9-プロパン-2-イルプリン-6-イル)ピリミジン-2-アミン)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0133】
一実施形態では、mTOR阻害剤はエベロリムスである。
【0134】
PD-1阻害剤
本明細書では、有効量の第2の化合物の同時、個別、又は逐次投与を更に含み、第2の化合物がPD-1阻害剤である、実施形態54~61のいずれか1つの方法が提供される。
【0135】
本明細書で提供される方法で使用するための例示的なPD-1阻害剤としては、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、セミプリマブ、スパルタリズマブ(PDR001)、カムレリズマブ(SHR1210)、シンチリマブ(IBI308)、チスレリズマブ(BGB-A317)、トリパリマブ(toripalimab)(JS001)、ドスタルリマブ(TSR-042、WBP-285)、INCMGA00012(MGA012)、AMP-224、AMP-514、及び参照により本明細書に組み込まれる米国特許第10,640,504B2号明細書(「Anti-PD-1 Antibody A」66段目の56行目から67段目の24行目、及び67段目の54~57行目)に記載される抗PD-1抗体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0136】
一実施形態では、PD-1阻害剤はペムブロリズマブである。別の実施形態では、PD-1阻害剤は抗PD-1抗体Aである。
【0137】
PD-L1阻害剤
本明細書では、有効量の第2の化合物の同時、個別、又は逐次投与を更に含み、第2の化合物がPD-L1阻害剤である、実施形態54~61のいずれか1つの方法が提供される。
【0138】
本明細書で提供される方法で使用するための例示的なPD-L1阻害剤としては、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、ZKAB001、TG-1501、SHR-1316、MSB2311、MDX-1105、KN035、IMC-001、HLX20、FAZ053、CS1001、CK-301、CBT-502、BGB-A333、BCD-135、及びA167が挙げられるが、これらに限定されない。
【0139】
一実施形態では、PD-L1阻害剤はアテゾリズマブである。
【0140】
PI3K阻害剤
本明細書では、有効量の第2の化合物の同時、個別、又は逐次投与を更に含み、第2の化合物がPI3K阻害剤である、実施形態54~61のいずれか1つの方法が提供される。
【0141】
本明細書で提供される方法で使用するための例示的なPI3K阻害剤としては、イデラリシブ、コパンリシブ、デュベリシブ、アルペリシブ、タセリシブ、ペリフォシン、ブパルリシブ、ウムブラリシブ、ピクチリシブ、ダクトリシブ、ボクスタリシブ、ソノリシブ(sonolisib)、テナリシブ、セラベリシブ(serabelisib)、アカリシブ(acalisib)、CUDC-907(N-ヒドロキシ-2-[[2-(6-メトキシピリジン-3-イル)-4-モルホリン-4-イルチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル]メチル-メチルアミノ]ピリミジン-5-カルボキサミド)、ME-401(N-[2-メチル-1-[2-(1-メチルピペリジン-4-イル)フェニル]プロパン-2-イル]-4-(2-メチルスルホニルベンズイミダゾール-1-イル)-6-モルホリン-4-イル-1,3,5-トリアジン-2-アミン)、IPI-549(2-アミノ-N-[(1S)-1-[8-[2-(1-メチルピラゾール-4-イル)エチニル]-1-オキソ-2-フェニルイソキノリン-3-イル]エチル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド)、SF1126((2S)-2-[[(2S)-3-カルボキシ-2-[[2-[[(2S)-5-(ジアミノメチリデンアミノ)-2-[[4-オキソ-4-[[4-(4-オキソ-8-フェニルクロメン-2-イル)モルホリン-4-イウム-4-イル]メトキシ]ブタノイル]アミノ]ペンタノイル]アミノ]アセチル]アミノ]プロパノイル]アミノ]-3-ヒドロキシプロパノエート)、XL147(N-[3-(2,1,3-ベンゾチアジアゾール-5-イルアミノ)キノキサリン-2-イル]-4-メチルベンゼンスルホンアミド)、GSK1059615((5Z)-5-[(4-ピリジン-4-イルキノリン-6-イル)メチリデン]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオン)、及びAMG319(N-[(1S)-1-(7-フルオロ-2-ピリジン-2-イルキノリン-3-イル)エチル]-7H-プリン-6-アミン)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0142】
Rafキナーゼ阻害剤
本明細書では、有効量の第2の化合物の同時、個別、又は逐次投与を更に含み、第2の化合物がRafキナーゼ阻害剤である、実施形態54~61のいずれか1つの方法が提供される。
【0143】
本明細書で使用するとき、用語「RAFキナーゼ」は、3つのイソ型(C-Raf、B-Raf、及びA-Raf)からなる哺乳動物セリン/スレオニンキナーゼのメンバーを指し、各イソ型のホモ二量体、及びイソ型間のヘテロ二量体、例えばC-Raf/B-Rafヘテロ二量体を含む。
【0144】
本明細書で使用するとき、用語「Rafキナーゼ阻害剤」は、Rafファミリーキナーゼの1つ以上のメンバーの酵素活性の全部又は一部を負に調節又は阻害することが可能な、或いはRafホモ二量体又はヘテロ二量体形成を破壊して活性を阻害することが可能な化合物を指す。
【0145】
一実施形態では、Rafキナーゼ阻害剤としては、エンコラフェニブ、ソラフェニブ、リフィラフェニブ(lifirafenib)、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、PLX-8394(N-(3-(5-(2-シクロプロピルピリミジン-5-イル)-3a,7a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボニル)-2,4-ジフルオロフェニル)-3-フルオロピロリジン-1-スルホンアミド)、Raf-709(N-(2-メチル-5,-モルホリノ-6’-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)オキシ)-[3,3’-ビピリジン]-5-イル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)、LXH254(N-(3-(2-(2-ヒドロキシエトキシ)-6-モルホリノピリジン-4-イル)-4-メチルフェニル)-2-(トリフルオロメチル)イソニコチンアミド)、LY3009120(1-(3,3-ジメチルブチル)-3-(2-フルオロ-4-メチル-5-(7-メチル-2-(メチルアミノ)ピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)ウレア)、Tak-632(N-(7-シアノ-6-(4-フルオロ-3-(2-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)アセトアミド)フェノキシ)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)シクロプロパンカルボキサミド)、CEP-32496(1-(3-((6,7-ジメトキシキナゾリン-4-イル)オキシ)フェニル)-3-(5-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)イソオキサゾール-3-イル)ウレア)、CCT196969(1-(3-(tert-ブチル)-1-フェニル-1H-ピラゾール-5-イル)-3-(2-フルオロ-4-((3-オキソ-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-8-イル)オキシ)フェニル)ウレア)、及びRO5126766(N-[3-フルオロ-4-[[4-メチル-2-オキソ-7-(2-ピリミジニルオキシ)-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]メチル]-2-ピリジニル]-N’-メチル-スルファミド)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0146】
一実施形態では、Rafキナーゼ阻害剤はエンコラフェニブである。一実施形態では、Rafキナーゼ阻害剤はソラフェニブである。一実施形態では、Rafキナーゼ阻害剤はリフィラフェニブである。
【0147】
SHP2阻害剤
本明細書では、有効量の第2の化合物の同時、個別、又は逐次投与を更に含み、第2の化合物がSHP2阻害剤である、実施形態54~61のいずれか1つの方法が提供される。
【0148】
本明細書で提供される方法で使用するための例示的なSHP2阻害剤としては、SHP-099(6-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)ピラジン-2-アミンジヒドロクロリド)、RMC-4550([3-[(3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]-6-(2,3-ジクロロフェニル)-5-メチルピラジン-2-イル]メタノール)、TNO155、(3S,4S)-8-[6-アミノ-5-(2-アミノ-3-クロロピリジン-4-イル)スルファニルピラジン-2-イル]-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-アミン)、及びRMC-4630(Revolution Medicine)が挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、本明細書で提供される方法で使用するためのSHP阻害剤は、RMC-4630(Revolution Medicine)である。
【0149】
別の実施形態では、本明細書で提供される方法で使用するための例示的なSHP2阻害剤としては、3-[(1R,3R)-1-アミノ-3-メトキシ-8-アザスピロ[4.5]デカ-8-イル]-6-(2,3-ジクロロフェニル)-5-メチル-2-ピラジンメタノール(CAS 2172651-08-8)、3-[(3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカ-8-イル]-6-[(2,3-ジクロロフェニル)チオ]-5-メチル-2-ピラジンメタノール(CAS2172652-13-8)、3-[(3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカ-8-イル]-6-[[3-クロロ-2-(3-ヒドロキシ-1-アゼチジニル)-4-ピリジニル]チオ]-5-メチル-2-ピラジンメタノール(CAS2172652-38-7)、及び6-[(2-アミノ-3-クロロ-4-ピリジニル)チオ]-3-[(3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカ-8-イル]-5-メチル-2-ピラジンメタノール(CAS2172652-48-9)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0150】
別の実施形態では、本明細書で提供される方法で使用するための例示的なSHP2阻害剤としては、1-[5-(2,3-ジクロロフェニル)-6-メチルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-8-イル]-4-メチル-4-ピペリジンアミン(CAS2240981-75-1)、(1R)-8-[5-(2,3-ジクロロフェニル)-6-メチルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-8-イル]-8-アザスピロ[4.5]デカン-1-アミン(CAS2240981-78-4)、(3S,4S)-8-[7-(2,3-ジクロロフェニル)-6-メチルピラゾロ[1,5-a]ピラジン-4-イル]-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-アミン(CAS2240982-45-8)、(3S,4S)-8-[7-[(2-アミノ-3-クロロ-4-ピリジニル)チオ]ピラゾロ[1,5-a]ピラジン-4-イル]-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-アミン(CAS2240982-57-2)、4-[(3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカ-8-イル]-7-(2,3-ジクロロフェニル)-6-メチル-ピラゾロ[1,5-a]ピラジン-2-メタノール(CAS2240982-69-6)、7-[(2-アミノ-3-クロロ-4-ピリジニル)チオ]-4-[(3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカ-8-イル]-6-メチル-ピラゾロ[1,5-a]ピラジン-2-メタノール(CAS2240982-73-2)、及び(3S,4S)-8-[7-[(2-アミノ-3-クロロ-4-ピリジニル)チオ]-6-メチルピラゾロ[1,5-a]ピラジン-4-イル]-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-アミン(CAS2240982-77-6)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0151】
一実施形態では、本明細書で提供される方法で使用するためのSHP阻害剤は、(1R)-8-[5-(2,3-ジクロロフェニル)-6-メチルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-8-イル]-8-アザスピロ[4.5]デカン-1-アミン(CAS2240981-78-4)である。
【0152】
別の実施形態では、本明細書で提供される方法で使用するための例示的なSHP2阻害剤としては、3-[(1R)-1-アミノ-8-アザスピロ[4.5]デカ-8-イル]-6-(2,3-ジクロロフェニル)-5-ヒドロキシ-2-ピリジンメタノール(CAS2238840-54-3)、3-[(1R)-1-アミノ-8-アザスピロ[4.5]デカ-8-イル]-6-[(2,3-ジクロロフェニル)チオ]-5-ヒドロキシ-2-ピリジンメタノール(CAS2238840-56-5)、5-[(1R)-1-アミノ-8-アザスピロ[4.5]デカ-8-イル]-2-(2,3-ジクロロフェニル)-3-ピリジノール(CAS2238840-58-7)、3-[(1R)-1-アミノ-8-アザスピロ[4.5]デカ-8-イル]-6-(2,3-ジクロロフェニル)-5-メチル-2-ピリジンメタノール(CAS2238840-60-1)、(1R)-8-[6-(2,3-ジクロロフェニル)-5-メチル-3-ピリジニル]-8-アザスピロ[4.5]デカン-1-アミン(CAS2238840-62-3)、3-[(1R)-1-アミノ-8-アザスピロ[4.5]デカ-8-イル]-6-[(2,3-ジクロロフェニル)チオ]-5-メチル-2-ピリジンメタノール(CAS2238840-63-4)、(1R)-8-[6-[(2,3-ジクロロフェニル)チオ]-5-メチル-3-ピリジニル]-8-アザスピロ[4.5]デカン-1-アミン(CAS2238840-64-5)、5-(4-アミノ-4-メチル-1-ピペリジニル)-2-[(2,3-ジクロロフェニル)チオ]-3-ピリジノール(CAS2238840-65-6)、5-[(1R)-1-アミノ-8-アザスピロ[4.5]デカ-8-イル]-2-[(2,3-ジクロロフェニル)チオ]-3-ピリジノール(CAS2238840-66-7)、6-[(2-アミノ-3-クロロ-4-ピリジニル)チオ]-3-[(3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカ-8-イル]-5-ヒドロキシ-2-ピリジンメタノール(CAS2238840-67-8)、3-(4-アミノ-4-メチル-1-ピペリジニル)-6-(2,3-ジクロロフェニル)-5-ヒドロキシ-2-ピリジンメタノール(CAS2238840-68-9)、3-[(3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカ-8-イル]-6-(2,3-ジクロロフェニル)-5-メチル-2-ピリジンメタノール(CAS2238840-69-0)、6-[(2-アミノ-3-クロロ-4-ピリジニル)チオ]-3-[(3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカ-8-イル]-5-メチル-2-ピリジンメタノール(CAS2238840-70-3)、3-(4-アミノ-4-メチル-1-ピペリジニル)-6-(2,3-ジクロロフェニル)-5-メチル-2-ピリジンメタノール(CAS2238840-71-4)、6-[(2-アミノ-3-クロロ-4-ピリジニル)チオ]-3-(4-アミノ-4-メチル-1-ピペリジニル)-2-ピリジンメタノール(CAS2238840-72-5)、5-[(2-アミノ-3-クロロ-4-ピリジニル)チオ]-2-[(3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカ-8-イル]-6-メチル-3-ピリジンメタノール(CAS2238840-73-6)、2-[(3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカ-8-イル]-5-(2,3-ジクロロフェニル)-6-メチル-3-ピリジンメタノール(CAS2238840-74-7)、3-[(3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカ-8-イル]-6-(2,3-ジクロロフェニル)-5-ヒドロキシ-2-ピリジンメタノール(CAS2238840-75-8)、及び2-[(2-アミノ-3-クロロ-4-ピリジル)スルファニル]-5-[(3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]-6-(ヒドロキシメチル)ピリジン-3-オールが挙げられるが、これらに限定されない。
【0153】
一実施形態では、本明細書で提供される方法で使用するためのSHP阻害剤は、3-[(1R)-1-アミノ-8-アザスピロ[4.5]デカ-8-イル]-6-[(2,3-ジクロロフェニル)チオ]-5-ヒドロキシ-2-ピリジンメタノール(CAS2238840-56-5)である。
【0154】
一実施形態では、本明細書で提供される方法で使用するためのSHP2阻害剤は、それぞれ全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第10,590,090B2号明細書、米国特許出願公開第2020/017517A1号明細書、同第2020/017511A1号明細書、又は国際公開第2019/075265A1号パンフレットに開示される阻害剤である。
【0155】
SOS1阻害剤
本明細書では、有効量の第2の化合物の同時、個別、又は逐次投与を更に含み、第2の化合物がSOS1阻害剤である、実施形態54~61のいずれか1つの方法が提供される。
【0156】
本明細書で提供される方法で使用するための例示的なSOS1阻害剤としては、BI3406(N-[(1R)-1-[3-アミノ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]-7-メトキシ-2-メチル-6-[(3S)-オキソラン-3-イル]オキシキナゾリン-4-アミン)、及びBI1701963が挙げられるが、これらに限定されない。
【0157】
Srcキナーゼ阻害剤
本明細書では、有効量の第2の化合物の同時、個別、又は逐次投与を更に含み、第2の化合物がSrcキナーゼ阻害剤である、実施形態54~61のいずれか1つの方法が提供される。
【0158】
本明細書で使用するとき、用語「Srcキナーゼ」とは、以下を含む哺乳動物非受容体型チロシンキナーゼファミリーのメンバーを指す:Src、Yes、Fyn、及びFgr(SrcAサブファミリー);Lck、Hck、Blk、及びLyn(SrcBサブファミリー)、並びにFrkサブファミリー。
【0159】
本明細書で使用するとき、用語「Srcキナーゼ阻害剤」は、Srcキナーゼの1つ以上のメンバーの酵素活性の全部又は一部を負に調節又は阻害することが可能な化合物を指す。
【0160】
本明細書で提供される方法で使用するための例示的なSrcキナーゼ阻害剤としては、ダサチニブ、ポナチニブ、バンデタニブ、ボスチニブ、サラカチニブ、KX2-391(N-ベンジル-2-(5-(4-(2-モルホリノエトキシ)フェニル)ピリジン-2-イル)アセトアミド)、SU6656((Z)-N,N-ジメチル-2-オキソ-3-((4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インドール-2-イル)メチレン)インドリン-5-スルホンアミド)、PP1(1-(tert-ブチル)-3-(p-トリル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-アミン)、WH-4-023(2,6-ジメチルフェニル(2,4-ジメトキシフェニル)(2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)カルバメート)、及びKX-01(N-ベンジル-2-(5-(4-(2-モルホリノエトキシ)フェニル)ピリジン-2-イル)アセトアミド)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0161】
一実施形態では、Srcキナーゼ阻害剤はダサチニブである。一実施形態では、Srcキナーゼ阻害剤はサラカチニブである。一実施形態では、Srcキナーゼ阻害剤はポナチニブである。一実施形態では、Srcキナーゼ阻害剤はバンデタニブである。一実施形態では、Srcキナーゼ阻害剤はKX-01である。
【0162】
化学療法剤
本明細書では、有効量の第2の化合物の同時、個別、又は逐次投与を更に含み、第2の化合物が1つ以上の化学療法剤である、実施形態54~61のいずれか1つの方法が提供される。
【0163】
本明細書で提供される方法で使用するための例示的な化学療法剤としては、ロイコボリンカルシウム(フォリン酸カルシウム)、5-フルオロウラシル、イリノテカン、オキサリプラチン、シスプラチン、カルボプラチン、ペメトレキセド、ドセタキセル、パクリタキセル、ゲムシタビン、ビノレルビン、クロラムブシル、シクロホスファミド、及びメトトレキサートが挙げられるが、これらに限定されない。
【0164】
定義
以下の定義は、本開示の範囲の理解を促進するために提供される。
【0165】
別段の指示がない限り、本明細書又は特許請求の範囲に使用される成分の量、反応条件などを表す全ての数字は、全ての場合において用語「約」によって修飾されるものとして理解すべきである。したがって、そうでない旨の指示がない限り、以下の明細書及び添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、それらの各試験測定値において判明する標準偏差に応じて変動し得る近似値である。
【0166】
本明細書で使用するとき、任意の可変要素が化学式に2個以上存在する場合、各存在におけるその定義は、他の全ての存在におけるその定義と無関係である。化学構造及び化学名が相反する場合、化学構造によって化合物の同一性を決定する。
【0167】
立体異性体
本開示の化合物は、例えば、二重結合、1つ以上の不斉炭素原子、及び回転障害を有する結合を含有する場合があり、したがって二重結合異性体(すなわち幾何異性体(E/Z))、エナンチオマー、ジアステレオマー、及びアトロプ異性体などの立体異性体として存在し得る。したがって、本開示の範囲は、立体化学が具体的に特定されていない限り、立体異性体的に純粋な形態(例えば、幾何的に純粋な、鏡像異性的に純粋な、ジアステレオ異性的に純粋な、及びアトロプ異性的に純粋な)、並びに本明細書で開示される任意の化学構造(全て又は一部)の立体異性体の混合物(例えば、幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、及びアトロプ異性体の混合物、又は前述のいずれかの混合物)を含む、例示される化合物の可能な全ての立体異性体を包含することを理解すべきである。
【0168】
構造の立体化学又は構造の一部が、例えば太線又は破線で示されていない場合、この構造又は構造の一部は、その全ての立体異性体を包含するものとして解釈されるべきである。構造又は構造の一部の立体化学が、例えば太線又は破線で示されていない場合は、特に断りのない限り、この構造又は構造の一部は指定される立体異性体のみを包含するものとして解釈されるべきである。
【0169】
例えば、
【化18】
は、
【化19】
を表す。同様に、例えば、化学名(4R)-4-メトキシ-5-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-イソインドールは、(4R,5R)-4-メトキシ-5-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-イソインドール及び(4R,5S)-4-メトキシ-5-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-イソインドールを表す。
【0170】
更なる例として、
【化20】
は、
【化21】
を表す。同様に、例えば、化学名7-クロロ-6-フルオロ-1-(2-イソプロピル-4-メチルピリジン-3-イル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンは、(M)-7-クロロ-6-フルオロ-1-(2-イソプロピル-4-メチルピリジン-3-イル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン及び(P)-7-クロロ-6-フルオロ-1-(2-イソプロピル-4-メチルピリジン-3-イル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンを表す。
【0171】
特定の場合で、破線で記された結合は、両方の立体異性体が包含されることを示すために用いられる場合がある。この波線は、結合に対して垂直に描かれる波線(基が分子の残部に連結される点を示している)と混同すべきではない。
【0172】
本明細書で使用するとき、用語「立体異性体」又は「立体異性体的に純粋な」化合物は、当該化合物の他の立体異性体を実質的に含まない、化合物の1種の立体異性体(例えば、幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、及びアトロプ異性体)を指す。例えば、1つのキラル中心を有する立体異性体的に純粋な化合物は、その化合物の鏡像エナンチオマーを実質的に含まないことになり、2つのキラル中心を有する立体異性体的に純粋な化合物は、その化合物の他のエナンチオマー及びジアステレオマーを実質的に含まないことになる。典型的な立体異性体的に純粋な化合物は、約80重量%を超えるその化合物の1種の立体異性体及び約20重量%以下のその化合物の他の立体異性体、約90重量%を超えるその化合物の1種の立体異性体及び約10重量%以下のその化合物の他の立体異性体、約95重量%を超えるその化合物の1種の立体異性体及び約5重量%以下のその化合物の他の立体異性体、又は約97重量%を超えるその化合物の1種の立体異性体及び約3重量%以下のその化合物の他の立体異性体を含む。
【0173】
本開示は、立体異性体的に純粋な形態を含む医薬組成物及び本明細書で開示される任意の化合物の立体異性体的に純粋な形態の使用も包含する。更に、本開示は、本明細書で開示される任意の化合物の立体異性体の混合物を含む医薬組成物、及び上記の医薬組成物又は立体異性体の混合物の使用も包含する。これらの立体異性体又はその混合物は、当技術分野でよく知られる方法及び本明細書で開示される方法に従って合成され得る。立体異性体の混合物は、キラルカラム又はキラル分割剤などの標準的な手法を用いて分割され得る。例えば、Jacques et al.,Enantiomers,Racemates and Resolutions(Wiley-Interscience,New York,1981);Wilen et al.,Tetrahedron 33:2725;Eliel,Stereochemistry of Carbon Compounds(McGraw-Hill,NY,1962);及びWilen,Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions,page 268(Eliel,Ed.,Univ.of Notre Dame Press,Notre Dame,IN,1972)を参照されたい。
【0174】
互変異性体
当業者に知られるとおり、本明細書で開示されるある種の化合物は、1種以上の互変異性形態で存在し得る。1つの化学構造は、1つの互変異性形態を表すためにのみ使用され得るため、便宜上、所与の構造式の化合物に対する参照は、前記構造式の他の互変異性体を含むと理解されるはずである。例えば、
【化22】
は、
【化23】
を表す。同様に、例えば、化学名(4R,5R)-4-メトキシ-5-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾールは、(4R,5R)-4-メトキシ-5-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール及び(4R,5R)-4-メトキシ-5-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-インダゾールを表す。
【0175】
したがって、本開示の範囲は、本明細書で開示される化合物の全ての互変異性形態を包含するものと理解されるべきである。
【0176】
同位体標識化合物
更に、本開示の範囲は、式Iの化合物などの本明細書で開示される化合物の全ての薬学的に許容される同位体標識化合物を含み、ここで、1つ以上の原子は、同じ原子番号を有するが自然界で通常見出される原子質量又は質量数と異なる原子質量又は質量数を有する原子によって置換される。本明細書で開示される化合物への含有に好適な同位体の例としては、2H及び3Hなどの水素、11C、13C及び14Cなどの炭素、36Clなどの塩素、18Fなどのフッ素、123I及び125Iなどのヨウ素、13N及び15Nなどの窒素、15O、17O及び18Oなどの酸素、32Pなどのリン、並びに35Sなどの硫黄の同位体が挙げられる。式Iのある種の同位体標識化合物、例えば放射性同位体を組み込んだものは、薬物及び/又は基質の組織分布の研究に有用である。放射性同位体のトリチウム(3H)及び炭素-14(14C)は、組み込みが簡単であり、容易な検出手段であることを考慮すると、この目的のために特に有用である。重水素(2H又はD)などの同位体による置換は、より大きい代謝安定性の結果としてもたらされる特定の治療上の利点、例えばインビボ半減期の増大又は投薬必要量の減少をもたらし得、したがって、場合によっては有利であり得る。11C、18F、15O及び13Nなどのポジトロン放出同位体による置換は、例えば、標的占有率を調べるためのポジトロン放出断層撮影(PET)試験において有用であり得る。本明細書で開示される化合物の同位体標識化合物は、通常、当業者に知られる従来の手法により、又は従来用いられる非標識試薬の代わりに適切な同位体標識試薬を用いる添付の一般的合成手順及び実施例において記載されるものと類似のプロセスにより調製することができる。
【0177】
種々の定義
本節では、本明細書で開示される化合物、組成物、及び使用の範囲を説明するために使用される追加の用語を定義する。
【0178】
用語「2h結合交換アッセイ」又は「20h結合交換アッセイ」は、本明細書で使用するとき、「生物学的評価」と題した節で説明されるアッセイを指す。
【0179】
本明細書で使用するとき、用語「C1~3アルキル」、「C1~4アルキル」、及び「C1~6アルキル」は、それぞれ1~3個、1~4個、及び1~6個の炭素原子を含有する直鎖又は分岐鎖の炭化水素を指す。C1~3アルキル、C1~4アルキル、又はC1~6アルキルの代表的な例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル、及びヘキシルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0180】
本明細書で使用するとき、用語「C1~3アルコキシ」及び「C1~4アルコキシ」は-OR#を指し、本明細書で定義されるように、R#は、それぞれC1~4アルキル及びC1~4アルキル基を表す。C1~3アルコキシ又はC1~4アルコキシの代表的な例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、及びブトキシが挙げられるが、これらに限定されない。
【0181】
本明細書で使用するとき、用語「C3~5シクロアルキル」及び「C3~6シクロアルキル」は、それぞれ環状骨格が3~5個及び3~6個の炭素原子を有する飽和炭素環分子を指す。C3~5シクロアルキル又はC3~6シクロアルキルの代表的な例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0182】
本明細書で使用するとき、用語「C1~4ジアルキルアミノ」は-NR*R**を指し、式中R*及びR**は、独立して、本明細書で定義されるようにC1~4アルキルを表す。C1~4ジアルキルアミノの代表的な例としては、-N(CH3)2、-N(CH2CH3)2、-N(CH3)(CH2CH3)、-N(CH2CH2CH3)2、及び-N(CH(CH3)2)2が挙げられるが、これらに限定されない。
【0183】
本明細書で使用するとき、用語「C1~4アルキルアミノ」は-NHR*を指し、式中R*は、本明細書で定義されるようにC1~4アルキルを表す。C1~4アルキルアミノの代表的な例としては、-NH(CH3)、-NH(CH2CH3)、-NH(CH2CH2CH3)、及び-NH(CH(CH3)2)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0184】
本明細書で使用するとき、用語「ハロゲン」は、-F、-CI、-Br、又は-Iを指す。
【0185】
化学基に関する別の用語に対する接頭語として本明細書で使用するとき、用語「ハロ」は、1つ以上の水素原子が本明細書で定義される1つ以上のハロゲン原子で置換されている化学基の修飾を指す。ハロゲンは、出現ごとに独立して選択される。例えば、用語「C1~4ハロアルキル」は、1つ以上の水素原子がハロゲンで置換されている、本明細書で定義されるC1~4アルキルを指す。C1~4ハロアルキルの代表的な例としては、-CH2F、-CHF2、-CF3、-CHFCl、-CH2CF3、-CFHCF3、-CF2CF3、-CH(CF3)2、-CF(CHF2)2、及び-CH(CH2F)(CF3)が挙げられるが、これらに限定されない。更に、例えば、用語「C1~4ハロアルコキシ」は、例えば、1つ以上の水素原子がハロゲンで置換されている、本明細書で定義されるC1~4アルコキシを指す。C1~4ハロアルコキシの代表的な例としては、-OCH2F、-OCHF2、-OCF3、-OCHFCl、-OCH2CF3、-OCFHCF3、-OCF2CF3、-OCH(CF3)2、-OCF(CHF2)2、及び-OCH(CH2F)(CF3)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0186】
本明細書で使用するとき、用語「5~6員ヘテロアリール」及び「5~10員ヘテロアリール」は、出現ごとに独立してN、O、及びSから選択されるそれぞれ1~5及び1~10個のヘテロ原子を含有し、残りの環原子が炭素である、単環式又は二環式の芳香族環系を指す。5~6又は5~10員ヘテロアリールの代表的な例としては、フラニル、イミダゾリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、ピロリル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、テトラゾリル、トリアジニル、トリアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ベンゾフラニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾイソキサゾリル、ベンゾピラニル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾトリアゾリル、ベンズオキサゾリル、フロピリジル、イミダゾピリジニル、イミダゾチアゾリル、インドリジニル、インドリル、インダゾリル、イソベンゾフラニル、イソベンゾチエニル、イソインドリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、ナフチリジニル、オキサゾロピリジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピリドピリジル、ピロロピリジル、キノリニル、キノキサリニル、キアゾリニル、チアジアゾロピリミジル、及びチエノピリジルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0187】
本明細書で使用するとき、用語「C3~5ヘテロシクロアルキル」及び「C3~6ヘテロシクロアルキル」は、環状骨格がそれぞれ3~5個及び3~6個の炭素原子を有し、1つ又は2つの炭素原子が、独立してN、O、及びSから選択される1つ又は2つのヘテロ原子で置換される、飽和炭素環分子を指す。C3~5ヘテロシクロアルキル又はC3~6ヘテロシクロアルキルの代表的な例としては、アジリジニル、アゼチジニル、オキセタニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、又はモルホリニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0188】
本明細書で使用するとき、用語「薬学的に許容される」は通常、対象、特にヒトにおける使用について認識されているものを指す。
【0189】
本明細書で使用するとき、用語「薬学的に許容される塩」は、薬学的に許容され、且つ親化合物の所望の薬理活性を有する化合物の塩を指す。このような塩としては、(1)塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸と形成される酸付加塩;若しくは酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸などの有機酸と形成される酸付加塩;又は(2)親化合物に存在する酸性プロトンが金属イオン、例えばアルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン若しくはアルミニウムイオンにより置き換えられる場合;又はエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-メチルグルカミン、ジシクロヘキシルアミンなどの有機塩基と配位させる場合に形成される塩が挙げられる。このような塩の更なる例は、Berge et al.,J.Pharm.Sci.66(1):1-19(1977)において見出すことができる。また、Stahl et al.,Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use,2nd Revised Edition(2011)も参照されたい。
【0190】
本明細書で使用するとき、用語「薬学的に許容される賦形剤」は、医薬組成物又は製剤を調製するために本明細書で開示される化合物又は塩と組み合わされ得る広範囲の成分を指す。典型的に、賦形剤としては、希釈剤、着色剤、ビヒクル、抗粘着剤、流動促進剤、崩壊剤、香味剤、コーティング剤、結合剤、甘味料、潤滑剤、吸着剤、保存剤などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0191】
本明細書で使用するとき、用語「対象」は、ヒト及び哺乳動物を指し、これとしては、霊長動物、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、及びマウスが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態において、対象は、ヒトである。
【0192】
本明細書で使用するとき、用語「治療有効量」は、研究者、獣医、医学博士若しくは他の臨床医によって求められる組織、系、又は対象の生物学的又は医学的応答を誘発する、本明細書で開示される化合物の量を指す。
【0193】
一般的合成手順
本明細書で提供される化合物は、本節及び以下の節において記載される手順に従って合成することができる。本明細書で記載される合成方法は、単に例示的なものであり、本明細書で開示される化合物は、当業者によって理解されるとおりの代替の合成戦略を使用する代替経路によっても合成され得る。一般的合成手順及び本明細書で提供される具体例は、例示に過ぎず、決して本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではないことが理解されるはずである。
【0194】
一般に、式Iの化合物を、以下のスキームに従って合成することができる。以下のスキームで使用される任意の可変要素は、別途注記のない限り、式Iについて定義されるとおりの可変要素である。全ての出発物質は、例えば、Sigma-Aldrich,Inc.から市販されているか、又は当技術分野で既知であるか、或いは通例の技術を用いる既知の手順を使用することによって合成され得る。出発物質は、本明細書で開示される手順を介しても合成され得る。本節で述べられるスキームに関する溶媒、反応温度、及び試薬などの好適な反応条件は、本明細書に提供される実施例に見出され得る。
【化24】
【0195】
当業者によって理解されるように、上述の合成スキーム及び代表的な例は、本出願において記載及び特許請求される化合物を合成し得るあらゆる手段の包括的な一覧を含むことを意図するものではない。更なる方法が当業者に明らかとなろう。加えて、上述の様々な合成工程を代替の順番又は順序で実施して所望の化合物を得ることができる。
【0196】
本明細書に記載される化合物の精製方法は当該技術分野で既知であり、例えば、結晶化、クロマトグラフィー(例えば、液相及び気相)、抽出、蒸留、トリチュレーション、及び逆相HPLCを含む。
【0197】
本開示は更に、単離されているか、その場で生成され単離はされていないかに関係なく、最終的な所望の化合物を得る前に、記載される合成手順により生成される構造を含む、「中間体」化合物を包含する。これらの中間体は、本開示の範囲に含まれる。こうした中間体化合物の例示的な実施形態を下記の実施例に示す。
【実施例】
【0198】
本節では、式Iの化合物及びその作製方法の具体例を提供する。
【0199】
略称の一覧表
【0200】
【0201】
【0202】
一般的な分析及び精製方法
本節では、本明細書で提供される特定の実施例を調製するために使用される一般的な分析及び精製方法の説明が提供される。
【0203】
クロマトグラフィー:
別途指示しない限り、粗生成物を含有する残渣は、粗製物質又は濃縮物をフラッシュシリカ(SiO2)又は逆相フラッシュシリカ(C18)のいずれかを予め充填したBiotage又はISCOブランドのいずれかのシリカゲルカラムに通し、指定された溶媒勾配を用いてそのカラムから生成物を溶出することによって精製した。例えば、(330gのSiO2、0~40%EtOAc/ヘキサン)という説明は、生成物が、ヘキサン中0%~40%EtOAcの溶媒勾配で、330グラムのシリカを充填したカラムから溶出することによって得られたことを意味する。
【0204】
分取HPLC法:
そのように指示される場合、本明細書に記載される化合物は、以下の2つのHPLCカラムのうちの一方を使用した、Waters FractionLynxセミ分取HPLC-MSシステムを用いる逆相HPLCによって精製した:(a)Phenomenex Geminiカラム(5ミクロン、C18、150×30mm)又は(b)Waters X-select CSHカラム(5ミクロン、C18、100×30mm)。
【0205】
機器を介した典型的な実験は、水(0.1%ギ酸)中10%(v/v)~100%のMeCN(0.1%v/vギ酸)の直線勾配で、10分かけて45mL/分で溶出することを含み、条件は、最適な分離を達成するために変動させてもよい。
【0206】
分取SFC法:
そのように指示される場合、本明細書に記載される化合物は、AD(20×250mm、10μm)(Daicel)カラム中のChiral SFC-80(Thar,Waters)を用いたSFCを介して精製した。
【0207】
プロトンNMRスペクトル:
別段の指示がない限り、全ての1H NMRスペクトルは、Bruker NMR機器において300、400又は500Mhzで収集した。そのように特性決定される場合、全ての観察されるプロトンは、内部溶媒ピークを参照として使用したテトラメチルシラン(TMS)からの百万分率(ppm)の低磁場として報告される。
【0208】
質量スペクトル(MS)
別段の指示がない限り、出発物質、中間体及び/又は例示的化合物の全ての質量スペクトルデータは、[M+H]+分子イオンを有する質量/電荷(m/z)として報告される。報告される分子イオンは、Waters Acquity UPLC/MSシステムを使用したエレクトロスプレー検出法(一般にESI MSと称される)によって得た。当業者により理解されるように、臭素等などの同位体原子を有する化合物は、通常、検出された同位体パターンに従って報告される。
【0209】
化合物の名称
本明細書に開示され、記載される化合物は、ChemAxon LtdのJChem for Excel 18.22.1.7によって提供されるIUPAC命名機能を使用して命名されている。
【0210】
具体的実施例
本節では、本明細書で提供される化合物の具体例を合成するための手順が提供される。全ての出発物質は、別途注記のない限り、Merck Sigma-Aldrich Incから市販されているものであるか、又は当該技術分野において公知のものであり、通常の技術を用いる公知の手順を使用して合成され得る。
【0211】
実施例の合成
方法1
実施例1-1:(S)-3-((2-(2-アクリロイル-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-4-イル)アミノ)-N,5-ジメチルヘキサンアミド
【化25】
工程1:(S)-3-((2-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-4-イル)アミノ)-N,5-ジメチルヘキサンアミド(A-1)
2,4-ジクロロ-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン(0.21g、1.01mmol、Combi-Blocks)、(S)-3-アミノ-N,5-ジメチルヘキサンアミドジヒドロクロリド(0.31g、1.31mmol、Angel Pharmatech)、DIPEA(1.06mL、6.06mmol、Aldrich)、及びDMA(4mL)の混合物を100℃で17時間加熱した。完了したら、反応物を飽和NH
4Cl、水で洗浄し、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、(S)-3-((2-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-4-イル)アミノ)-N,5-ジメチルヘキサンアミドA-1(2工程をかけて得られた収量)を淡黄色油として得、次の工程でそのまま用いた。m/z(ESI):325.2(M+H)
+。
【0212】
工程2:tert-ブチル(S)-6-(4-((5-メチル-1-(メチルアミノ)-1-オキソヘキサン-3-イル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(B-1)
(S)-3-((2-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-4-イル)アミノ)-N,5-ジメチルヘキサンアミドA-1(0.20g、0.62mmol)、tert-ブチル2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(0.26g、1.23mmol、Combi-Blocks)、DIPEA(0.32mL、1.85mmol、Aldrich)、及びDMA(4mL)の混合物を130℃で7時間加熱した。完了したら、反応物を飽和NH4Cl、水で洗浄し、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を、ヘプタン中0~40%(3:1EtOAc/EtOH)を用いたシリカゲルクロマトグラフィーによって濃縮及び精製し、tert-ブチル(S)-6-(4-((5-メチル-1-(メチルアミノ)-1-オキソヘキサン-3-イル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレートB-1(0.25g、0.62mmol、収率100%)を黄色油として得た。m/z(ESI):501.2(M+H)+。
【0213】
工程3:(S)-3-((2-(2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-4-イル)アミノ)-N,5-ジメチルヘキサンアミド(C-1)
DCM(2mL)中のtert-ブチル(S)-6-(4-((5-メチル-1-(メチルアミノ)-1-オキソヘキサン-3-イル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレートB-1(0.25g、0.62mmol)の溶液に、TFA(4.0mL、51.9mmol、Aldrich)を添加した。得られた混合物をrtで30分間攪拌した。完了したら、反応物を濃縮し、10%のNa2CO3で洗浄し、DCM及び3:1(EtOAc/EtOH)で抽出した。合わせた有機抽出物を、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、(S)-3-((2-(2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-4-イル)アミノ)-N,5-ジメチルヘキサンアミドC-1(2工程をかけて得られた収量)を白色固体として得、次の工程でそのまま用いた。m/z(ESI):401.2(M+H)+。
【0214】
工程4:(S)-3-((2-(2-アクリロイル-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-4-イル)アミノ)-N,5-ジメチルヘキサンアミド(実施例1-1)
DCM(10mL)中の(S)-3-((2-(2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-4-イル)アミノ)-N,5-ジメチルヘキサンアミドC-1(0.20g、0.50mmol)の溶液に、塩化アクリロイル(2.50mL、0.50mmol、Aldrich)を添加した。溶液をrtで30分間攪拌した。反応物を飽和NaHCO3で洗浄し、DCM及び3:1(EtOAc/EtOH)で抽出した。合わせた有機抽出物をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、DCM中0~10%MeOHを用いてシリカゲルでクロマトグラフし、(S)-3-((2-(2-アクリロイル-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-4-イル)アミノ)-N,5-ジメチルヘキサンアミド実施例1-1(0.116g、0.255mmol、収率51%)を白色固体として得た。m/z(ESI):455.2(M+H)+。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm 7.79(br d,J=4.0Hz,1H),6.26-6.36(m,1H),6.11(dd,J=16.9,2.3Hz,1H),5.67(dd,J=10.2,2.3Hz,1H),4.52-4.64(m,1H),4.11-4.21(m,2H),3.87(s,2H),3.40-3.70(m,4H),2.55(d,J=4.6Hz,3H),2.40-2.46(m,3H),2.22-2.39(m,3H),2.08-2.22(m,4H),1.69(br d,J=5.6Hz,4H),1.51-1.64(m,2H),0.87(dd,J=6.3,3.6Hz,6H).
【0215】
【0216】
【0217】
【0218】
【0219】
【0220】
【0221】
【0222】
【0223】
【0224】
【0225】
【0226】
【0227】
【0228】
【0229】
【0230】
【0231】
【0232】
【0233】
実施例1-12の追加工程3a及び3b。
【化26】
工程3a:tert-ブチル(S)-6-(4-((1-((1-アミノ-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-5-メチル-1-オキソヘキサン-3-イル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート
DMF(10mL)中の(R)-3-((2-(2-(tert-ブトキシカルボニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-4-イル)アミノ)-5-メチルヘキサン酸(0.40g、0.82mmol、実施例1~22の工程3)、2-アミノ-2-メチルプロパンアミドヒドロクロリド(0.114g、0.82mmol、国際公開第2008017691号パンフレットに記載の手順に従い合成)、HATU(0.624g、1.64mmol、Spectrochem)、及びDIPEA(0.43mL、2.46mmol)の混合物を、16時間攪拌した。続いて反応混合物を氷冷水で希釈し、沈殿した固体を濾過して乾燥させ、tert-ブチル(S)-6-(4-((1-((1-アミノ-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-5-メチル-1-オキソヘキサン-3-イル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(0.40g、0.70mmol、収率85%)を灰白色固体として得、これを精製することなく次の工程で使用した。m/z(ESI):571.8(M+H)
+。
【0234】
工程3b:tert-ブチル(S)-6-(4-((1-(4,4-ジメチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-2-イル)-4-メチルペンタン-2-イル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート
MeOH(5mL)及び水(5mL)中のtert-ブチル(S)-6-(4-((1-((1-アミノ-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-5-メチル-1-オキソヘキサン-3-イル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(0.35g、0.61mmol)の溶液に、NaOH(0.61mL、1M)を添加し、得られた混合物を100℃で16時間攪拌した。続いて、反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣を水で希釈し、DCMで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、tert-ブチル(S)-6-(4-((1-(4,4-ジメチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-2-イル)-4-メチルペンタン-2-イル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(0.30g、0.54mmol、収率89%)を灰白色固体として得、これを精製することなく次の工程で使用した。m/z(ESI):554.0(M+H)+。
【0235】
実施例1-20の追加工程3a及び3b。
【化27】
工程3a:tert-ブチル(S)-6-(4-((5-メチル-1-(メチルアミノ)-1-オキソヘキサン-3-イル)アミノ)-7-(プロパ-1-エン-2-イル)キナゾリン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート
1,4-ジオキサン(2.4mL)及び水(0.12mL)中のtert-ブチル(S)-6-(7-ブロモ-4-((5-メチル-1-(メチルアミノ)-1-オキソヘキサン-3-イル)アミノ)キナゾリン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(0.30g、0.52mmol)、4,4,5,5-テトラメチル-2-(プロパ-1-エン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(0.175g、1.04mmol、Chempure)、及びNa
2CO
3(0.166g、1.56mmol)の脱気溶液に、PdCl
2(dppf)-DCM付加物(0.043g、0.052mmol、Chempure)を添加し、得られた混合物を90℃で16時間加熱した。次に、反応混合物を水で希釈し、DCMで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、DCM中5~10%MeOHの勾配で溶出するRedi-Sep予備充填シリカゲルカラム(12g)で精製し、tert-ブチル(S)-6-(4-((5-メチル-1-(メチルアミノ)-1-オキソヘキサン-3-イル)アミノ)-7-(プロパ-1-エン-2-イル)キナゾリン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(0.20g、0.37mmol、収率72%))を褐色固体として得た。m/z(ESI):536.8(M+H)
+。
【0236】
工程3b:tert-ブチル(S)-6-(7-イソプロピル-4-((5-メチル-1-(メチルアミノ)-1-オキソヘキサン-3-イル)アミノ)キナゾリン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート
MeOH(2mL)中のtert-ブチル(S)-6-(4-((5-メチル-1-(メチルアミノ)-1-オキソヘキサン-3-イル)アミノ)-7-(プロパ-1-エン-2-イル)キナゾリン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(0.20g、0.373mmol)の溶液に、Pd/C(10%)(0.040g、0.037mmol、Chempure)を添加し、得られた混合物をH2雰囲気下で16時間攪拌した。続いて、反応混合物をセライトのパッドを通して濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、tert-ブチル(S)-6-(7-イソプロピル-4-((5-メチル-1-(メチルアミノ)-1-オキソヘキサン-3-イル)アミノ)キナゾリン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(0.16g、0.297mmol、収率80%)を褐色固体として得、これを精製することなしに次の工程に移した。m/z(ESI):539.0(M+H)+。
【0237】
実施例1-21-1及び1-21-2の追加工程5。
【化28】
工程5:tert-ブチル6-(4-((1-(3-シアノフェニル)-3-(メチルアミノ)-3-オキソプロピル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート
tert-ブチル6-(4-((1-(3-シアノフェニル)-3-メトキシ-3-オキソプロピル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(480mg、0.878mmol)及びメタンアミン(EtOH中33%)(10mL、0.878mmol、Spectrochem)の混合物を、rtの封管中で16時間攪拌した。続いて反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣を、DCM中5~15%MeOHで溶出するRedi-Sep予備充填シリカゲルカラム(12g)で精製し、tert-ブチル6-(4-((1-(3-シアノフェニル)-3-(メチルアミノ)-3-オキソプロピル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(400mg、0.733mmol、収率83%)をゴム質の固体として得た。m/z(ESI):545.8(M+H)
+。ラセミ混合物を、液体CO
2:MeOH中0.5%ジエチルアミン(1:1)を用いた(S,S)Whelk-01(250×50mm、5μ)カラム中のキラルSFCによって分離し、ピーク1としてtert-ブチル(R)-6-(4-((1-(3-シアノフェニル)-3-(メチルアミノ)-3-オキソプロピル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(125mg、0.23mmol、収率31%)、及びピーク2としてtert-ブチル(S)-6-(4-((1-(3-シアノフェニル)-3-(メチルアミノ)-3-オキソプロピル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(110mg、0.20mmol、収率27%)を得た。構造の立体化学は任意に割り当てており、確定していない。ピーク1:
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6):δ ppm 7.80-7.86(m,2H),7.58-7.70(m,2H),7.48-7.52(m,1H),6.84-6.90(m,1H),5.41(m,1H),3.65-3.82(m,2H),3.49-3.53(m,2H),3.14-3.30(m,4H),2.59-2.74(m,4H),2.28-2.45(m,4H),2.10-2.28(m,2H),2.00(t,J=6.8Hz,2H),1.63-1.74(m,2H),1.37(m,9H).m/z(ESI):545.8(M+H)
+.ピーク2:
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6):δ ppm 7.83(m,2H),7.61-7.71(m,2H),7.48(m,1H),6.87(m,1H),5.36-5.49(m,1H),3.71(s,4H),3.53-3.55(m,2H),3.13-3.27(m,2H),2.59-2.79(m,4H),2.37(s,4H),2.12-2.32(m,2H),2.00(t,J=6.8Hz,2H),1.64-1.78(m,2H),1.37(m,9H).m/z(ESI):545.8(M+H)
+.
【0238】
実施例1-22の追加工程5~7。
【化29】
工程5:(S)-3-((2-(2-(tert-ブトキシカルボニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-4-イル)アミノ)-5-メチルヘキサン酸
THF(20mL)、MeOH(10mL)、及び水(5mL)中のtert-ブチル(S)-6-(4-((1-メトキシ-5-メチル-1-オキソヘキサン-3-イル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(6.7g、13.4mmol)の溶液に、LiOH(1.6g、66.8mmol)を添加し、混合物をrtで12時間攪拌した。続いて反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた固体を水に溶解させ、1N HClで酸性化させ、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、(S)-3-((2-(2-(tert-ブトキシカルボニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-4-イル)アミノ)-5-メチルヘキサン酸(5.2g、10.7mmol、収率80%)を灰白色固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6):δ ppm 4.66(s,1H),3.68-3.86(m,5H),3.54-3.64(m,2H),3.45(d,J=10.8Hz,2H),2.33-2.46(m,3H),2.17-2.26(m,2H),2.02-2.14(m,2H),1.49-1.78(m,7H),1.39(d,J=1.6Hz,10H),1.26(m,1H),0.88(d,J=6.2Hz,6H).
【0239】
工程6:tert-ブチル(S)-6-(4-((1-(2-アセチルヒドラジンイル)-5-メチル-1-オキソヘキサン-3-イル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート
DMF(4mL)中の(S)-3-((2-(2-(tert-ブトキシカルボニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-4-イル)アミノ)-5-メチルヘキサン酸(0.40g、0.82mmol)、EDC(0.19g、0.98mmol)、HOBt(0.15g、0.98mmol)、DIPEA(0.29mL、1.64mmol)、及びアセトヒドラジド(0.073g、0.98mmol)の混合物を、rtで16時間攪拌した。反応混合物を氷冷水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、分離させ、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、tert-ブチル(S)-6-(4-((1-(2-アセチルヒドラジンイル)-5-メチル-1-オキソヘキサン-3-イル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(0.35g)を灰白色固体として得、これを精製することなく次の工程に移した。m/z(ESI):543.9(M+H)+。
【0240】
工程7:1-(6-(4-(((2S)-4-メチル-1-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-ペンタニル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-キナゾリニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-2-プロペン-1-オン
POCl3(0.60mL、6.4mmol)中tert-ブチル(S)-6-(4-((1-(2-アセチルヒドラジンイル)-5-メチル-1-オキソヘキサン-3-イル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(0.35g、0.64mmol)の溶液を、100℃で4時間加熱した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣を1N NaOH溶液で希釈し、DCM中10%MeOHで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、分離させ、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、(S)-N-(4-メチル-1-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ペンタン-2-イル)-2-(2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-4-アミンを得、これを精製することなく次の工程に移した。m/z(ESI):426.0(M+H)+。
【0241】
DCM(2mL)中の(S)-N-(4-メチル-1-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ペンタン-2-イル)-2-(2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-4-アミン(50mg、0.068mmol)の溶液に、Et3N(28.5μL、0.204mmol)及び塩化アクリロイル(5.5μL、0.068mmol)を-30℃で添加した。反応混合物を同じ温度で30分間攪拌した後に、これを水で希釈し、DCMで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を逆相HPLC(Phenomenex Gemini C18カラム、150×30mm、10~100%のMeCN/H2O中0.1%TFA)により精製して、(S)-1-(6-(4-((4-メチル-1-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ペンタン-2-イル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)プロパ-2-エン-1-オン(25mg、0.052mmol、収率76%)を白色固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ ppm 6.32(dd,J=17.0,10.3Hz,1H),6.11(dd,J=17.0,2.3Hz,1H),5.98(d,J=8.8Hz,1H),5.67(dd,J=10.2,2.3Hz,1H),4.64-4.67(m,1H),4.12-4.18(m,2H),3.86(d,J=3.9Hz,2H),3.52-3.57(m,2H),3.40-3.44(m,2H),2.96-3.02(m,2H),2.32-2.41(m,5H),2.19(d,J=6.9Hz,2H),2.01-2.13(m,2H),1.62-1.67(m,6H),1.25-1.29(m,1H),0.86(dd,J=15.6,6.4Hz,6H).m/z(ESI):480.2(M+H)+.
【0242】
実施例1-23のN-脱保護/アシル化の前の追加の工程3~6。
【化30】
工程3:(S)-3-((2-(2-(tert-ブトキシカルボニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-4-イル)アミノ)-5-メチルヘキサン酸
THF(20mL)、MeOH(10mL)、及び水(5mL)中のtert-ブチル(S)-6-(4-((1-メトキシ-5-メチル-1-オキソヘキサン-3-イル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(6.7g、13.4mmol)の溶液に、LiOH(1.6g、66.8mmol)を添加し、混合物をrtで12時間攪拌した。続いて反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた固体を水に溶解させ、1N HClで酸性化させ、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、(S)-3-((2-(2-(tert-ブトキシカルボニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-4-イル)アミノ)-5-メチルヘキサン酸(5.2g、10.7mmol、収率80%)を灰白色固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6):δ ppm 4.66(s,1H),3.68-3.86(m,5H),3.54-3.64(m,2H),3.45(d,J=10.8Hz,2H),2.33-2.46(m,3H),2.17-2.26(m,2H),2.02-2.14(m,2H),1.49-1.78(m,7H),1.39(d,J=1.6Hz,10H),1.26(m,1H),0.88(d,J=6.2Hz,6H).
【0243】
工程4:tert-ブチル(S)-6-(4-((1-ヒドロキシ-5-メチルヘキサン-3-イル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート
THF(20mL)中の(S)-3-((2-(2-(tert-ブトキシカルボニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-4-イル)アミノ)-5-メチルヘキサン酸(2.0g、4.1mmol)の溶液に、0℃でボラン-THF錯体(12.3mL、12.3mmol、THF中1M、Sainor)を滴下し、30分間攪拌した。反応混合物をゆっくりとrtまで昇温させ、16時間攪拌した。続いて、0℃で反応混合物を1N HClでクエンチし、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、分離させ、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、DCM中0~10%のMeOHで溶出するRedi-Sep予備充填シリカゲルカラム(40g)で精製し、tert-ブチル(S)-6-(4-((1-ヒドロキシ-5-メチルヘキサン-3-イル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(1.4g、2.96mmol、収率72%)を白色固体として得た。m/z(ESI):473.9(M+H)+。
【0244】
工程5:tert-ブチル(S)-6-(4-((5-メチル-1-オキソヘキサン-3-イル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート
DMSO(9mL)中tert-ブチル(S)-6-(4-((1-ヒドロキシ-5-メチルヘキサン-3-イル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(0.90g、1.9mmol)の溶液に、TEA(2.65mL、19.0mmol)及び三酸化硫黄ピリジン(0.91g、5.7mmol、Chempure)を添加した。反応混合物をrtで1時間攪拌した後、氷冷水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、分離させ、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、tert-ブチル(S)-6-(4-((5-メチル-1-オキソヘキサン-3-イル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレートを無色の液体として得、これを精製することなしに次の工程に移した。m/z(ESI):471.9(M+H)+。
【0245】
工程6:tert-ブチル(S)-6-(4-((1-(1H-イミダゾール-2-イル)-4-メチルペンタン-2-イル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート
MeOH(3mL)中のtert-ブチル(S)-6-(4-((5-メチル-1-オキソヘキサン-3-イル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(0.30g、0.64mmol)、MeOH中7Mアンモニア(0.24mL、1.65mmol)、及びオキサルアルデヒド(0.12g、0.83mmol)の溶液を、rtの封管中で16時間攪拌した。続いて反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣を水に溶解し、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、分離させ、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、水中0~100%MeCNを用いた逆相カラムクロマトグラフィーによって精製し、tert-ブチル(S)-6-(4-((1-(1H-イミダゾール-2-イル)-4-メチルペンタン-2-イル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(0.07g、0.137mmol、収率22%)を灰白色固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ ppm 11.78(s,1H),6.90(s,2H),6.32(s,1H),4.59(s,1H),3.77(s,4H),3.50-3.61(m,2H),3.3(m,2H),2.76-2.91(m,2H),2.39(t,J=5.9Hz,2H),2.21(s,2H),2.06(t,J=6.9Hz,2H),1.68(s,4H),1.59(q,J=6.6Hz,1H),1.49(dt,J=14.1,7.3Hz,1H),1.39(s,9H),1.13(dt,J=13.5,7.1Hz,1H),0.85(dd,J=13.3,6.5Hz,6H).m/z(ESI):510.9(M+H)+.
【0246】
実施例1-24の追加工程3a。
【化31】
工程3a:tert-ブチル7-(ヒドロキシメチル)-6-(4-(((S)-5-メチル-1-(メチルアミノ)-1-オキソヘキサン-3-イル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート
THF(20mL)及びMeOH(1mL)中の2-(tert-ブチル)7-エチル6-(4-(((S)-5-メチル-1-(メチルアミノ)-1-オキソヘキサン-3-イル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2,7-ジカルボキシレート(1.9g、3.32mmol)の溶液に、-5℃でLiBH4(4.2mL、8.3mmol、Symax)を添加した。続いて、反応混合物をゆっくりとrtまで昇温させ、3時間攪拌してから、これを-78℃でNH4Clの飽和水溶液で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、DCM中10~20%MeOHの勾配で溶出するRedi-Sep予備充填シリカゲルカラム(40g)で精製し、tert-ブチル7-(ヒドロキシメチル)-6-(4-(((S)-5-メチル-1-(メチルアミノ)-1-オキソヘキサン-3-イル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(1.3g、2.45mmol、収率74%)を灰白色固体として得た。m/z(ESI):530.8(M+H)
+。ジアステレオマー混合物(0.7g)を、液体CO
2:イソプロピルアルコール中0.5%ジエチルアミン(1:1)を用いるChiralPak ICカラムによって分離し、ピーク1としてtert-ブチル(S)-7-(ヒドロキシメチル)-6-(4-(((S)-5-メチル-1-(メチルアミノ)-1-オキソヘキサン-3-イル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(0.28g、0.53mmol、収率40%)、及びピーク2としてtert-ブチル(R)-7-(ヒドロキシメチル)-6-(4-(((S)-5-メチル-1-(メチルアミノ)-1-オキソヘキサン-3-イル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(0.26g、0.49mmol、収率37%)を得た。構造の立体化学は任意に割り当てており、確定していない。ピーク1:
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6):δ ppm 7.80(br s,1H),7.14-7.31(m,2H),6.19(br s,1H),4.53(m,1H),4.01(m,1H),3.80(m,5H),3.56(d,J=11.4Hz,2H),2.33(m,4H),2.06-2.29(m,4H),1.64(m,6H),1.38(s,9H),1.22(m,1H),0.73-0.96(m,6H).m/z(ESI):530.8(M+H)
+.ピーク2:
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6):δ ppm 7.83(br s,1H),7.14-7.29(m,2H),6.20(br s,1H),4.53(m,1H),3.48-3.90(m,7H),2.56(m,2H),2.27-2.45(m,4H),2.17(m,3H),1.61(m,6H),1.38(s,9H),1.17-1.29(m,1H),0.87(m,6H).m/z(ESI):530.8(M+H)
+.
【0247】
実施例1-26の追加工程3a。
【化32】
工程3a:tert-ブチル(S)-6-(7-シアノ-4-((5-メチル-1-(メチルアミノ)-1-オキソヘキサン-3-イル)アミノ)キナゾリン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート
DMF(8mL)中のtert-ブチル(S)-6-(7-ブロモ-4-((5-メチル-1-(メチルアミノ)-1-オキソヘキサン-3-イル)アミノ)キナゾリン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(0.40g、0.70mmol)、Zn(CN)
2(0.16g、1.39mmol、Chempure)、及びNa
2CO
3(0.22g、2.09mmol)の溶液に、CuI(0.013g、0.07mmol)及びPd(PPh
3)
4(0.080g、0.07mmol、Chempure)を添加し、反応混合物を100℃で24時間加熱した。反応混合物を水で希釈してから濾過した。濾液をEtOAcで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、DCM中5~10%MeOHの勾配で溶出するRedi-Sep予備充填シリカゲルカラム(12g)で精製し、tert-ブチル(S)-6-(7-シアノ-4-((5-メチル-1-(メチルアミノ)-1-オキソヘキサン-3-イル)アミノ)キナゾリン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(0.35g、0.671mmol、収率97%)を黄色固体として得た。m/z(ESI):521.8(M+H)
+。
【0248】
実施例1-59及び1-36の追加工程3a及び3b。
【化33】
工程3a:(S)-(2-(2-(tert-ブトキシカルボニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-4-((5-メチル-1-(メチルアミノ)-1-オキソヘキサン-3-イル)アミノ)キナゾリン-7-イル)ボロン酸
1,4-ジオキサン(5mL)中のtert-ブチル(S)-6-(7-ブロモ-4-((5-メチル-1-(メチルアミノ)-1-オキソヘキサン-3-イル)アミノ)キナゾリン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(0.50g、0.87mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(0.33g、1.30mmol、Chempure)、及びKOAc(0.256g、2.61mmol)の脱気溶液に、PdCl
2(dppf)-DCM付加物(0.071g、0.087mmol)を添加し、反応混合物を100℃で16時間攪拌した。反応混合物を水で希釈し、セライトのパッドを通して濾過した。濾液をEtOAcで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、(S)-(2-(2-(tert-ブトキシカルボニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-4-((5-メチル-1-(メチルアミノ)-1-オキソヘキサン-3-イル)アミノ)キナゾリン-7-イル)ボロン酸を得、これを精製することなく次の工程で使用した。m/z(ESI):540.8(M+H)
+。
【0249】
工程3b:tert-ブチル(S)-6-(4-((5-メチル-1-(メチルアミノ)-1-オキソヘキサン-3-イル)アミノ)-7-(チアゾール-2-イル)キナゾリン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート
1,4-ジオキサン(1.5mL)及び水(0.6mL)中の(S)-(2-(2-(tert-ブトキシカルボニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-4-((5-メチル-1-(メチルアミノ)-1-オキソヘキサン-3-イル)アミノ)キナゾリン-7-イル)ボロン酸(0.30g、0.56mmol)、2-ブロモチアゾール(0.11g、0.67mmol、Combi-Blocks)、及びK2CO3(0.31g、2.22mmol)の脱気溶液に、PdCl2(dppf)-DCM付加物(0.091g、0.11mmol)を添加し、反応混合物を100℃で16時間加熱した。反応混合物を水で希釈し、セライトのパッドを通して濾過した。濾液をEtOAcで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を逆相カラムクロマトグラフィーによって精製して、tert-ブチル(S)-6-(4-((5-メチル-1-(メチルアミノ)-1-オキソヘキサン-3-イル)アミノ)-7-(チアゾール-2-イル)キナゾリン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレートを黄色固体として得た。m/z(ESI):579.8(M+H)+。
【0250】
実施例1-38の追加工程3a。
【化34】
工程3a:tert-ブチル(S)-6-(7-シクロプロピル-4-((5-メチル-1-(メチルアミノ)-1-オキソヘキサン-3-イル)アミノ)ピリド[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート
1,4-ジオキサン(1.6mL)及び水(0.08mL)中のtert-ブチル(S)-6-(7-ブロモ-4-((5-メチル-1-(メチルアミノ)-1-オキソヘキサン-3-イル)アミノ)ピリド[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(0.20g、0.35mmol)、シクロプロピルトリフルオロ-λ
4-ボラン、カリウム塩(0.103g、0.695mmol、Combi-Blocks)、Na
2CO
3(0.11g、1.04mmol)の脱気溶液に、PdCl
2(dppf)-DCM付加物(0.028g、0.035mmol、Chempure)を添加した。反応混合物を16時間かけて90℃に加熱した後で、これを水で希釈し、DCMで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、DCM中5~10%MeOHの勾配で溶出するRedi-Sep予備充填シリカゲルカラム(10g)で精製し、tert-ブチル(S)-6-(7-シクロプロピル-4-((5-メチル-1-(メチルアミノ)-1-オキソヘキサン-3-イル)アミノ)ピリド[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(0.105g、0.195mmol、収率56%)を褐色固体として得た。m/z(ESI):537.9(M+H)
+。
【0251】
実施例1-40の追加工程3a。
【化35】
工程3a:tert-ブチル(S)-6-(7-シクロプロピル-4-((5-メチル-1-(メチルアミノ)-1-オキソヘキサン-3-イル)アミノ)キナゾリン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート
1,4-ジオキサン(1.6mL)及び水(0.08mL)中のtert-ブチル(S)-6-(7-ブロモ-4-((5-メチル-1-(メチルアミノ)-1-オキソヘキサン-3-イル)アミノ)キナゾリン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(0.20g、0.35mmol)、シクロプロピルトリフルオロ-λ
4-ボラン、カリウム塩(0.103g、0.695mmol、Combi-Blocks)、Na
2CO
3(0.11g、1.02mmol)の脱気溶液に、PdCl
2(dppf)-DCM付加物(0.028g、0.035mmol、Chempure)を添加した。反応混合物を90℃で16時間加熱した後で、これを水で希釈し、DCMで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、DCM中5~10%MeOHの勾配で溶出するRedi-Sep予備充填シリカゲルカラム(4g)で精製し、tert-ブチル(S)-6-(7-シクロプロピル-4-((5-メチル-1-(メチルアミノ)-1-オキソヘキサン-3-イル)アミノ)キナゾリン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(0.11g、0.205mmol、収率59%)を褐色固体として得た。m/z(ESI):536.8(M+H)
+。
【0252】
実施例1-42の追加工程3a~3c。
【化36】
工程3a:(S)-(2-(2-(tert-ブトキシカルボニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-4-((5-メチル-1-(メチルアミノ)-1-オキソヘキサン-3-イル)アミノ)ピリド[3,2-d]ピリミジン-7-イル)ボロン酸
1,2-ジメトキシエタン(5mL)中のtert-ブチル(S)-6-(7-ブロモ-4-((5-メチル-1-(メチルアミノ)-1-オキソヘキサン-3-イル)アミノ)ピリド[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(250mg、0.434mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(165mg、0.650mmol、Chempure)、KOAc(128mg、1.30mmol)の脱気溶液に、PdCl
2(dppf)-DCM付加物(26.5mg、0.033mmol)を添加し、反応混合物を80℃で6時間攪拌した。反応混合物を水で希釈し、セライトのパッドを通して濾過した。濾液をEtOAcで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、(S)-(2-(2-(tert-ブトキシカルボニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-4-((5-メチル-1-(メチルアミノ)-1-オキソヘキサン-3-イル)アミノ)ピリド[3,2-d]ピリミジン-7-イル)ボロン酸(230mg、0.43mmol、収率98%)を得、これを精製することなしに次の工程に移した。m/z(ESI):541.8(M+H)
+。
【0253】
工程3b:tert-ブチル(S)-6-(7-ヒドロキシ-4-((5-メチル-1-(メチルアミノ)-1-オキソヘキサン-3-イル)アミノ)ピリド[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート
THF(5mL)中の(S)-(2-(2-(tert-ブトキシカルボニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-4-((5-メチル-1-(メチルアミノ)-1-オキソヘキサン-3-イル)アミノ)ピリド[3,2-d]ピリミジン-7-イル)ボロン酸(130mg、0.24mmol)及び水酸化ナトリウム(1.5mL、3.00mmol)の懸濁液に、0℃で過酸化水素(0.8mL、7.8mmol)を添加し、得られた混合物をrtで2時間攪拌した。次に、反応混合物を水で希釈し、DCM中5%MeOHで抽出した。組み合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、0~10%MeOH及びDCMの勾配で溶出するRedi-Sep予備充填シリカゲルカラム(4g)で精製し、tert-ブチル(S)-6-(7-ヒドロキシ-4-((5-メチル-1-(メチルアミノ)-1-オキソヘキサン-3-イル)アミノ)ピリド[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(0.12g、0.22mmol)を得た。m/z(ESI):513.9(M+H)+。
【0254】
工程3c:tert-ブチル(S)-6-(7-メトキシ-4-((5-メチル-1-(メチルアミノ)-1-オキソヘキサン-3-イル)アミノ)ピリド[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート
DMF(3mL)中のtert-ブチル(S)-6-(7-ヒドロキシ-4-((5-メチル-1-(メチルアミノ)-1-オキソヘキサン-3-イル)アミノ)ピリド[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(0.12g、0.22mmol)及びNa2CO3(0.12g、1.12mmol)の懸濁液に、ヨードメタン(0.07mL、1.12mmol)を添加し、得られた混合物をrtで16時間攪拌した。続いて反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、0~10%MeOH及びDCMの勾配で溶出するRedi-Sep予備充填シリカゲルカラム(4g)で精製し、tert-ブチル(S)-6-(7-メトキシ-4-((5-メチル-1-(メチルアミノ)-1-オキソヘキサン-3-イル)アミノ)ピリド[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(0.080g、0.152mmol)を得た。m/z(ESI):527.8(M+H)+。
【0255】
実施例1-57の追加工程3a及び3b。
【化37】
工程3a:tert-ブチル(S)-6-(4-((1-((2,2-ジメトキシエチル)アミノ)-5-メチル-1-オキソヘキサン-3-イル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート
DMF(5mL)中の(S)-3-((2-(2-(tert-ブトキシカルボニル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-4-イル)アミノ)-5-メチルヘキサン酸(0.50g、1.03mmol、実施例1~22の工程3)、EDCI(0.24g、1.23mmol、Chempure)、及びHOBt(0.19g、1.23mmol、Chempure)の溶液に、2,2-ジメトキシエタン-1-アミン(0.16g、1.54mmol、Avra)を添加し、得られた混合物を60℃で16時間加熱した。反応混合物を氷冷水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、分離させ、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、tert-ブチル(S)-6-(4-((1-((2,2-ジメトキシエチル)アミノ)-5-メチル-1-オキソヘキサン-3-イル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(0.40g)を得、これを精製することなく次の工程で使用した。m/z(ESI):575.0(M+H)
+。
【0256】
工程3b:(S)-N-(4-メチル-1-(オキサゾール-2-イル)ペンタン-2-イル)-2-(2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-4-アミン
メタンスルホン酸中五酸化リン(イートン試薬)(4.0mL、0.696mmol、Alfa-Aesar)中のtert-ブチル(S)-6-(4-((1-((2,2-ジメトキシエチル)アミノ)-5-メチル-1-オキソヘキサン-3-イル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(0.40g、0.70mmol)の溶液を、100℃で16時間加熱した。反応混合物を氷冷水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、分離させ、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、H2O中0~15%MeCNの勾配で溶出するC18カラムを使用した逆相カラムクロマトグラフィーによって精製して、(S)-N-(4-メチル-1-(オキサゾール-2-イル)ペンタン-2-イル)-2-(2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-4-アミン(0.12g、0.292mmol、収率42%)を褐色固体として得た。m/z(ESI):411.0(M+H)+。
【0257】
実施例1-58の代替的工程4。
【化38】
工程4:(3S)-N,5-ジメチル-3-((7-メチル-2-(2-(2-(トリフルオロメチル)-2-プロペノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-4-キナゾリニル)アミノ)ヘキサンアミド
DCM中の(S)-N,5-ジメチル-3-((7-メチル-2-(2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)キナゾリン-4-イル)アミノ)ヘキサンアミドヒドロクロリド(0.15g、0.34mmol)、TEA(0.37mL、2.68mmol)、及び2-(トリフルオロメチル)アクリル酸(0.094g、0.671mmol、Combi-Blocks)の溶液に、0℃でT3P(0.641g、1.01mmol、EtOAc中50%溶液、Spectrochem)を添加した。得られた反応混合物をrtで3時間攪拌した後、氷冷水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、XBridge Prep C18 5μm OBDカラム(150×30mm、MeCN/H
2O中0.1%NH
4HCO
3、15分間にわたる勾配35%~80%、流量=30mL/分)を用いた分取HPLCにより精製し、(S)-N,5-ジメチル-3-((7-メチル-2-(2-(2-(トリフルオロメチル)アクリロイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)キナゾリン-4-イル)アミノ)ヘキサンアミド(0.008g、0.015mmol、収率4.5%)を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6):δ ppm 7.89(s,1H),7.79(s,1H),7.12(s,1H),6.92(s,1H),6.34-6.47(m,1H),6.26(s,1H),4.77(br s,1H),4.16-4.31(m,2H),3.98(brs,2H),3.49-3.86(m,4H),2.54(s,3H),2.40-2.49(m,1H),2.28-2.39(m,4H),2.18(br s,2H),1.54-1.72(m,2H),1.26-1.38(m,1H),0.82-0.97(m,6H).
19F NMR(376MHz,DMSO- d
6)δ ppm -63.79,-73.41.m/z(ESI):533.2(M+H)
+.
【0258】
実施例1-60の追加工程3a。
【化39】
工程3a:tert-ブチル(S)-6-(4-((4-メチル-1-(メチルアミノ)-1-オキソペンタン-2-イル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート
tert-ブチル(S)-6-(4-((1-メトキシ-4-メチル-1-オキソペンタン-2-イル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(0.30g、0.62mmol)と、MeOH中1Nメタンアミンの溶液(3.0mL、6.15mmol、Spectrochem)との混合物を、rtの封管中で16時間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣を、ヘキサン中30~50%EtOAcで溶出するRedi-Sep予備充填シリカゲルカラム(12g)で精製して、tert-ブチル(S)-6-(4-((4-メチル-1-(メチルアミノ)-1-オキソペンタン-2-イル)アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-2-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(0.25g、0.514mmol、収率84%)を灰白色固体として得た。m/z(ESI):486.9(M+H)
+。
【0259】
中間体の合成
中間体1:2,4-ジクロロ-8-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン
【化40】
工程1:エチル3-メチル-2-オキソシクロヘキサン-1-カルボキシレート
THF(300mL)中のエチル2-オキソシクロヘキサン-1-カルボキシレート(20.0g、117.6mmol、ADAMAS)の混合物を、0℃で攪拌し、THF中LDA(117.6mL、2.0M)の溶液を滴下した。混合物を0.5時間攪拌した。ヨウ化メチル(16.7g、117.6mmol)を添加し、得られた混合物を1時間攪拌した。NH
4Clの飽和溶液を添加し、混合物をEtOAcで抽出し(200mL×3)、合わせた有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、粗製エチル3-メチル-2-オキソシクロヘキサン-1-カルボキシレート(21.0g、114mmol、収率97%))を黄色油として得、これを更に精製することなく次の工程に使用した。
【0260】
工程2:8-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオン
250mLの丸底フラスコに、エチル3-メチル-2-オキソシクロヘキサン-1-カルボキシレート(21.0g、114mmol)、並びにウレア(10.3g、171mmol)、ナトリウムメトキシド(6.3g、171mmol)、及びEtOH(150mL)を添加した。反応混合物を80℃で16時間攪拌した。溶液を真空中で濃縮して粗生成物を得た。DCM(100mL)を添加し、混合物を濾過し、固体をDCMで洗浄し(50mL×3)、乾燥させて、8-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオン(10.0g、55.5mmol、収率48%)を褐色固体として得た。m/z(ESI,+veイオン):181.0(M+H)+。
【0261】
工程3:2,4-ジクロロ-8-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン
8-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオン(7.8g、43.3mmol)とPOCl3(80mL)との混合物を100℃に加熱し、16時間攪拌した。混合物を室温に冷却し、残渣を、0℃にてNaHCO3の飽和溶液でpH=8~9に調節した。混合物をDCM(100mL×3)で抽出し、合わせた有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させて濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(PE:EtOAc=20:1)によって精製して、2,4-ジクロロ-8-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリン(3.0g、13.8mmol、収率32%)を黄色固体として得た。m/z(ESI,+veイオン):217.1(M+H)+。1H NMR:(400Hz,CDCl3):δ ppm,2.98-2.93(m,1H),2.73(t,J=6.0Hz,2H),2.03-1.91(m,2H),1.82-1.77(m,1H),1.66-1.59(m,1H),1.37(d,J=7.2Hz,3H).
【0262】
【0263】
代替的工程1(中間体2~5のための):メチル4,4-ジメチル-2-オキソシクロヘキサン-1-カルボキシレート
【化41】
工程1:メチル4,4-ジメチル-2-オキソシクロヘキサン-1-カルボキシレート
0℃のTHF(250mL)中3,3-ジメチルシクロヘキサン-1-オン(25.0g、198mmol、Combi-Blocks)及び炭酸ジメチル(44.6g、495mmol)の溶液に、NaH(19.8g、495mmol)を少量ずつ添加し、rtまで昇温させ、更に16時間加熱還流した。反応塊(reaction mass)を、氷冷飽和NH
4Cl溶液に注ぎ、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、分離させ、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、メチル-4,4-ジメチル-2-オキソシクロヘキサン-1-カルボキシレート(36.5g、198mmol、収率100%)を淡黄色液体として得た。m/z(ESI):185.1(M+H)
+。
【0264】
中間体6:2,4-ジクロロ-7,8-ジヒドロ-6H-ピラノ[3,2-d]ピリミジン
【化42】
工程1:エチル2-ジアゾ-6-ヒドロキシ-3-オキソヘキサノエート
-78℃のTHF(75mL)中2-ジアゾ酢酸エチル(6.75mL、63.9mmol、TCI)及びジヒドロフラン-2(3H)-オン(4.42mL、58.1mmol、Chempure)の溶液に、新たに調製したTHF中LDAの溶液(65.8mL、99mmol、THF中1.5M)を滴下した。溶液を-78℃で30分間攪拌してから、-78℃で酢酸(21.9mL、383mmol)を反応混合物に滴下した。反応混合物を氷冷水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、PE中20~30%EtOAcの勾配で溶出するRedi-Sep予備充填シリカゲルカラム(40g)で精製し、エチル2-ジアゾ-6-ヒドロキシ-3-オキソヘキサノエート(2.0g、9.99mmol、収率17%)を褐色液体として得た。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d):δ ppm 4.14-4.53(m,2H),3.70(t,J=6.1Hz,2H),3.00(t,J=7.0Hz,2H),1.94(m,2H),1.27-1.45(m,3H).
【0265】
工程2:エチル-3-オキソテトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボキシレート
トルエン(30mL)中酢酸ロジウム(II)二量体(0.088g、0.20mmol)の懸濁液に、トルエン(30mL)中エチル2-ジアゾ-6-ヒドロキシ-3-オキソヘキサノエート(2.0g、9.99mmol)の溶液を、90℃で90分間かけて添加した。続いて、混合物を90℃で30分間攪拌してから、減圧下で濃縮し、残渣を、PE中10%EtOAcの勾配で溶出するRedi-Sep予備充填シリカゲルカラム(40g)で精製し、エチル-3-オキソテトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボキシレート(700mg、4.1mmol、収率40%)を淡黄色液体として得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム-d):δ ppm 4.18-4.48(m,2H),3.78-4.04(m,2H),2.40(t,J=6.7Hz,2H),1.87-2.01(m,2H),1.13-1.51(m,3H).
【0266】
工程3:7,8-ジヒドロ-6H-ピラノ[3,2-d]ピリミジン-2,4-ジオール
EtOH(50mL)中エチル3-オキソテトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボキシレート(5.0g、29.0mmol)の溶液に、ウレア(1.74g、29.0mmol、Avra)及びナトリウムエトキシド(14.5mL、43.6mmol、EtOH中21%溶液、Symax)を添加し、反応混合物を80℃で16時間加熱した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣を、H2O中0~10%MeCNの勾配で溶出するC18カラムを使用する逆相カラムクロマトグラフィーによって精製して、7,8-ジヒドロ-1H-ピラノ[3,2-d]ピリミジン-2,4(3H,6H)-ジオン(4.7g、28.0mmol、収率96%)を淡褐色固体として得た。1H NMR(400MHz,D2O):δ ppm 3.81-3.50(m,2H),2.20-2.24(m,2H),1.65-1.71(m,2H).m/z(ESI):169.1(M+H)+.
【0267】
工程4:2,4-ジクロロ-7,8-ジヒドロ-6H-ピラノ[3,2-d]ピリミジン
POCl3(10mL、107mmol)中7,8-ジヒドロ-1H-ピラノ[3,2-d]ピリミジン-2,4(3H,6H)-ジオン(500mg、2.97mmol)及びN,N-ジメチルアニリン(360mg、2.97mmol)の溶液を、80℃で16時間加熱した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣を、PE中25~30%EtOAcの勾配で溶出するRedi-Sep予備充填シリカゲルカラム(12g)で精製し、2,4-ジクロロ-7,8-ジヒドロ-6H-ピラノ[3,2-d]ピリミジン(150mg、0.73mmol、収率24%)を淡黄色液体として得た。m/z(ESI):206.9(M+H)+。
【0268】
中間体7:2,4-ジクロロ-7-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン
【化43】
工程1:7-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-2,4-ジオール
DMF(100mL)中3-アミノ-5-メチルピコリノニトリル(10.0g、75.0mmol、Arbor)の脱気溶液に、rtでDBU(11.3mL、75mmol、Spectrochem)を添加し、反応混合物を、CO
2雰囲気下、105℃で5時間、及びrtで12時間攪拌した。続いて、反応混合物は0℃に冷却され、1.5N HClで酸性化する。沈殿した固体を濾過し、EtOAcで洗浄し、減圧下で乾燥させて、7-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-2,4-ジオール(7.6g、42.9mmol、収率57%)を灰白色固体として得、これを精製せずにそのまま次の工程に移した。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6):δ ppm 11.40(s,1H),11.17(s,1H),8.30(s,1H),7.33(s,1H),2.37(s,3H).m/z(ESI):178.0(M+H)
+.
【0269】
工程2:2,4-ジクロロ-7-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン
POCl3(40mL、429mmol)中7-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-2,4-ジオール(4.0g、22.6mmol)の溶液に、PCl5(18.8g、90.0mmol)を添加し、反応混合物を135℃で15時間攪拌した。反応混合物を真空濃縮し、残渣をDCMで希釈した。続いて、得られた溶液に氷冷水を添加し、DCMで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を、ヘキサン中30~50%EtOAcの勾配で溶出するRedi-Sep予備充填シリカゲルカラム(120g)で精製し、2,4-ジクロロ-7-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン(1.7g、7.94mmol、収率35%)を灰白色固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ ppm 9.07(d,J=1.6Hz,1H),8.27(d,J=1.6Hz,1H),2.61(s,3H).m/z(ESI):215.9(M+H)+.
【0270】
アミンの合成:
アミン1:(S)-4-メチル-1-(4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ペンタン-2-アミンヒドロクロリド
【化44】
工程1:tert-ブチル(S)-(1-アミノ-5-メチル-1-オキソヘキサン-3-イル)カルバメート
1,4-ジオキサン(40mL)中(S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-5-メチルヘキサン酸(5.0g、20.4mmol、Angene)の溶液に、(Boc)
2O(6.15mL、26.5mmol、Spectrochem)、ピリジン(0.99mL、12.2mmol)、及び重炭酸アンモニウム(1.93g、24.5mmol、Chempure)を添加した。反応混合物をrtで16時間攪拌してから、これを水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、分離し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、tert-ブチル(S)-(1-アミノ-5-メチル-1-オキソヘキサン-3-イル)カルバメート(4.8g、19.7mmol、収率96%)を得、これを精製することなく次の工程で使用した。m/z(ESI):145.2(M+H-Boc)
+。
【0271】
工程2:tert-ブチル(S)-(4-メチル-1-(4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ペンタン-2-イル)カルバメート
1,1-ジメトキシ-N,N-ジメチルメタンアミン(10mL、8.19mmol、Spectrochem)中tert-ブチル(S)-(1-アミノ-5-メチル-1-オキソヘキサン-3-イル)カルバメート(2.0g、8.2mmol)の溶液を、100℃で1時間加熱した。続いて、反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣をAcOH(20mL)に再溶解し、ヒドラジン水和物(1.0mL、31.9mmol、Spectrochem)を添加した)。反応混合物を、100℃で1時間加熱した。続いて、反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣を水で希釈し、DCMで抽出した。有機抽出物を飽和NaHCO3及びブラインで洗浄し、分離し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、tert-ブチル(S)-(4-メチル-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)ペンタン-2-イル)カルバメート(1.8g、6.71mmol、収率82%)を得、これを精製することなしに次の工程に移した。m/z(ESI):269.1(M+H)+。
【0272】
工程3:(S)-4-メチル-1-(4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ペンタン-2-アミンヒドロクロリド
1,4-ジオキサン(10mL)中tert-ブチル(S)-(4-メチル-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)ペンタン-2-イル)カルバメート(2.3g、8.6mmol)の溶液を、ジオキサン中4M HCl(21.4mL、86.0mmol、Symax)で処理し、得られた溶液をrtで16時間攪拌した後に減圧下で濃縮し、Et2Oでトリチュレートして、(S)-4-メチル-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)ペンタン-2-アミンヒドロクロリドを得、これを更に精製することなく使用した。m/z(ESI):169.2(M+H)+。
【0273】
アミン2:メチル3-アミノ-3-(3-シアノフェニル)プロパノエート
【化45】
工程1:3-アミノ-3-(3-シアノフェニル)プロパン酸
EtOH(100mL)中3-ホルミルベンゾニトリル(8.0g、61.0mmol、Combi-Blocks)の溶液に、マロン酸(6.35g、61.0mmol)及び酢酸アンモニウム(9.41g、122mmol)を添加した。得られた混合物を90℃で16時間攪拌した後に、これを濾過し、乾燥させて、3-アミノ-3-(3-シアノフェニル)プロパン酸(7.1g、37.3mmol、収率61%)を白色固体として得た。m/z(ESI):191.1(M+H)
+。
【0274】
工程2:メチル3-アミノ-3-(3-シアノフェニル)プロパノエート
MeOH(100mL)中3-アミノ-3-(3-シアノフェニル)プロパン酸(7.1g、37.3mmol)の溶液に、SOCl2(5.45mL、74.7mmol)を添加し、反応混合物を60℃で16時間攪拌した。続いて、反応混合物を濃縮し、トルエンと共蒸留して、メチル3-アミノ-3-(3-シアノフェニル)プロパノエート(7.6g、37.2mmol、収率100%)を淡黄色固体として得た。m/z(ESI):205.2(M+H)+。
【0275】
アミン3:メチル(S)-3-アミノ-5-メチルヘキサノエートヒドロクロリド
【化46】
工程1:メチル(S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-5-メチルヘキサノエート
DMF(100mL)中(S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-5-メチルヘキサン酸(20.0g、82.0mmol、Enamine)の溶液に、炭酸セシウム(34.5g、106mmol)及びヨウ化メチル(7.65mL、122mmol、Spectrochem)を添加した。反応混合物を50℃で16時間攪拌した後、氷冷水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、分離し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を、ヘキサン中40~45%EtOAcの勾配で溶出するRedi-Sep予備充填シリカゲルカラム(40g)で精製し、メチル(S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-5-メチルヘキサノエート(21.0g、81.0mmol、収率99%)を淡黄色油として得た。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d):δ ppm 4.88(d,J=9.4Hz,1H),4.01(s,1H),3.70(s,3H),2.53(m,2H),1.63-1.72(m,1H),1.45(s,9H),1.29(m,2H),0.94(dd,J=6.6,4.3Hz,6H).m/z(ESI):160.2(M+H-Boc)
+.
【0276】
工程2:メチル(S)-3-アミノ-5-メチルヘキサノエートヒドロクロリド
1,4-ジオキサン(100mL)中メチル(S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-5-メチルヘキサノエート(21.0g、81.0mmol)の溶液に、ジオキサン中4 M HCl(22.3mL、89.0mmol、Spectrochem)を添加し、rtで30分間攪拌した。続いて、反応混合物を真空中で濃縮して、メチル(S)-3-アミノ-5-メチルヘキサノエートヒドロクロリド(15.5g、79mmol、収率98%)を粘稠液体として得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム-d):δ ppm 4.88(d,J=9.4Hz,1H),4.01(s,1H),3.70(s,3H),2.53(m,2H),1.63-1.72(m,1H),1.45(s,9H),1.29(m,2H),0.94(dd,J=6.6,4.3Hz,6H).m/z(ESI):160.2(M+H)+.
【0277】
アミン4:(S)-4-メチル-1-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ペンタン-2-アミンヒドロクロリド
【化47】
工程1:tert-ブチル(S)-(1-(アセトイミドアミドオキシ)-5-メチル-1-オキソヘキサン-3-イル)カルバメート
DCM(20mL)中(S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-5-メチルヘキサン酸(2.0g、8.15mmol)、N-ヒドロキシアセトイミドアミド(0.66g、8.97mmol、TCI)、EDC-HCl(1.88g、9.78mmol、Chempure)、及びHOBt(1.37g、8.97mmol、Avra)の溶液を、rtで16時間攪拌した。次に、反応混合物を水で希釈し、DCMで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、tert-ブチル(S)-(1-(アセトイミドアミドオキシ)-5-メチル-1-オキソヘキサン-3-イル)カルバメートを得た。m/z(ESI):302.1(M+H)
+。
【0278】
DMF(20mL)中のtert-ブチル(S)-(1-(アセトイミドアミドオキシ)-5-メチル-1-オキソヘキサン-3-イル)カルバメート(2.0g、6.64mmol)及びKOAc(0.716g、7.30mmol)の溶液を、120℃のマイクロ波反応器(Personal Chemistry,Biotage AB,Inc.,Upsala,Sweden)中で120分間加熱した。続いて反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、PE中0~15%EtOAcの勾配で溶出するRedi-Sep予備充填シリカゲルカラム(40g)で精製し、tert-ブチル(S)-(4-メチル-1-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ペンタン-2-イル)カルバメート(1.1g、3.88mmol、収率58%)を得た。m/z(ESI):284.1(M+H)+。
【0279】
工程2:(S)-4-メチル-1-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ペンタン-2-アミンヒドロクロリド
1,4-ジオキサン(10mL)中tert-ブチル(S)-(4-メチル-1-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ペンタン-2-イル)カルバメート(0.6g、2.12mmol)の溶液を、ジオキサン中4M HCl(6.0mL、2.12mmol、Symax)で処理し、得られた溶液をrtで16時間攪拌した後に、減圧下で濃縮し、Et2Oでトリチュレートして、(S)-4-メチル-1-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ペンタン-2-アミンヒドロクロリドを得、これを更に精製することなく使用した。m/z(ESI):184.1(M+H)+。
【0280】
アミン5:tert-ブチル8-フルオロ-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート
【化48】
工程1:tert-ブチル6-ベンジル-7-オキソ-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート
0℃のTHF(10mL)中tert-ブチル7-オキソ-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(500mg、2.21mmol)及び臭化ベンジル(397mg、2.32mmol)の溶液に、NaH(60%分散液、97mg、2.43mmol)を添加した。反応混合物を60℃で18時間攪拌した。完了後、反応物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、Et
2O(15mL)中で攪拌し、濾過して、tert-ブチル6-ベンジル-7-オキソ-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(500mg、1.58mmol、収率72%)を白色固体として得た。m/z(ESI):317.0(M+H)
+。
【0281】
工程2:tert-ブチル6-ベンジル-8-フルオロ-7-オキソ-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート
THF(15mL)中tert-ブチル6-ベンジル-7-オキソ-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(500mg、1.58mmol)の攪拌溶液を-15℃に冷却し、LHMDS(THF中1M)(2.05mL、2.05mmol)を滴下した。反応物を-15℃で45分間攪拌した。その後、THF(5mL)中NFSI(997mg、3.16mmol)の溶液を滴下し、混合物を同じ温度で45分間攪拌した。反応物を飽和塩化アンモニウム溶液でクエンチし、EtOAc(2×50mL)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗残渣を、PE中40%のEtOAcを用いることによる230~400メッシュのシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによって精製し、tert-ブチル6-ベンジル-8-フルオロ-7-オキソ-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(330mg、0.987mmol、収率62%)を無色固体として得た。m/z(ESI):235.1(M-Boc+H)+。
【0282】
工程3:tert-ブチル6-ベンジル-8-フルオロ-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート
THF(6mL)中tert-ブチル6-ベンジル-8-フルオロ-7-オキソ-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(100mg、0.30mmol)の攪拌溶液に、0℃のN2雰囲気下でボラン-THF錯体(1M、1.2mL、1.20mmol)を滴下した。その後、反応混合物を65℃で4時間加熱した。反応物を飽和塩化アンモニウム溶液でクエンチし、EtOAc(2×20mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗残渣を、PE中28%のEtOAcを用いることによる230~400メッシュのシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによって精製し、tert-ブチル6-ベンジル-8-フルオロ-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(25mg、0.078mmol、収率26%)を無色固体として得た。m/z(ESI):321.3(M+H)+。
【0283】
工程4:tert-ブチル8-フルオロ-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート
MeOH(10mL)中tert-ブチル6-ベンジル-8-フルオロ-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(400mg、1.25mmol)の溶液に、Pd-C(133mg、1.25mmol)を添加した。系を排気し、H2を再充填した。反応物をrtで2時間攪拌した。反応混合物を濾過し、真空中で濃縮して、tert-ブチル8-フルオロ-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(270mg、1.17mmol、収率94%)を灰白色固体として得た。m/z(ESI):231.0(M+H)+。
【0284】
アミン6:(S)-4-メチル-1-(チアゾール-2-イル)ペンタン-2-アミン
【化49】
工程1:tert-ブチル(S)-(1-アミノ-5-メチル-1-チオキソヘキサン-3-イル)カルバメート
1,4-ジオキサン(50mL)中tert-ブチル(S)-(1-アミノ-5-メチル-1-オキソヘキサン-3-イル)カルバメート(4.0g、16.4mmol)の溶液に、ローソン試薬(3.64g、9.0mmol、Spectrochem)を添加し、反応混合物を、60℃で2時間、続いてrtで16時間攪拌した。次に、反応混合物を水で希釈し、DCMで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、tert-ブチル(S)-(1-アミノ-5-メチル-1-オキソヘキサン-3-イル)カルバメート(3.8g、15.6mmol、収率95%)を灰白色固体として得た。m/z(ESI):261.0(M+H)
+。
【0285】
工程2:ベンジル(S)-(1-アミノ-5-メチル-1-チオキソヘキサン-3-イル)カルバメート
1,4-ジオキサン(10mL)中tert-ブチル(S)-(1-アミノ-5-メチル-1-チオキソヘキサン-3-イル)カルバメート(4.0g、15.36mmol)の溶液に、ジオキサン中HCl(38.4mL、154mmol、4M溶液、Symax)を添加し、反応混合物をrtで16時間攪拌した。続いて、反応混合物を減圧下で濃縮して、(S)-3-アミノ-5-メチルヘキサンチオアミドヒドロクロリド(3.0g、15.3mmol、収率99%)を得た。m/z(ESI):161.1(M+H)+。
【0286】
1,4-ジオキサン(21mL)及び水(45mL)中の(S)-3-アミノ-5-メチルヘキサンチオアミドヒドロクロリド(3.0g、15.3mmol)及びNaHCO3(2.82g、33.5mmol)の溶液に、0℃でトルエン中クロロギ酸ベンジル(5.22mL、18.30mmol、Chempure)を添加し、得られた混合物をrtで16時間攪拌した。次に、反応混合物を水で希釈し、DCMで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、ヘキサン中70~80%EtOAcの勾配で溶出するRedi-Sep予備充填シリカゲルカラム(40g)で精製し、ベンジル(S)-(1-アミノ-5-メチル-1-チオキソヘキサン-3-イル)カルバメート(3.0g、10.2mmol、収率67%)を淡黄色油として得た。m/z(ESI):295.0(M+H)+。
【0287】
工程3:ベンジル(S)-(4-メチル-1-(チアゾール-2-イル)ペンタン-2-イル)カルバメート
ブロモアセトアルデヒドジエチルアセタール(3.85mL、25.4mmol、Chempure)を濃HCl(5mL、165mmol)に添加し、60℃で30分間加熱した。この混合物を、続いて10℃に冷却した。DMF(10mL)、続いて粉末状モレキュラーシーブ(1スパチュラ)を添加した。溶液をデカントしてからすぐに下記のとおりに用いた。上記のとおり調製したDMF中ブロモアセトアルデヒドの溶液を、ベンジル(S)-(1-アミノ-5-メチル-1-チオキソヘキサン-3-イル)カルバメート(3.0g、10.2mmol)に添加し、60℃で5時間加熱した。続いて、反応混合物をrtに冷却し、EtOAcで希釈し、重炭酸ナトリウムの飽和水溶液で洗浄した。組み合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、ヘキサン中30~40%EtOAcの勾配で溶出するRedi-Sep予備充填シリカゲルカラム(40g)で精製し、ベンジル(S)-(4-メチル-1-(チアゾール-2-イル)ペンタン-2-イル)カルバメート(1.5g、4.71mmol、収率46%)を淡黄色油として得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm 7.70(d,J=3.6Hz,1H),7.57(d,J=3.6Hz,1H),7.23-7.39(m,6H),4.95-5.05(m,2H),3.87(br s,1H),3.01-3.11(m,2H),1.55-1.65(m,1H),1.35-1.45(m,1H),1.15-1.25(m,1H),0.79-0.87(m,6H).m/z(ESI):319.0(M+H)+.
【0288】
工程4:(S)-4-メチル-1-(チアゾール-2-イル)ペンタン-2-アミン
ベンジル(S)-(4-メチル-1-(チアゾール-2-イル)ペンタン-2-イル)カルバメート(1.8g、5.65mmol)とAcOH中臭化水素酸(15mL、91mmol)との混合物を、rtで1時間攪拌した。続いて、反応混合物をNaHCO3の飽和水溶液でクエンチし、DCM中15%MeOHで抽出した。(3×100mL)。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、(S)-4-メチル-1-(チアゾール-2-イル)ペンタン-2-アミン(1.0g、3.91mmol、収率69%)を淡黄色油として得た。m/z(ESI):185.1(M+H)+。
【0289】
アミン7:(S)-4-メチル-1-(5-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ペンタン-2-アミンヒドロクロリド
【化50】
工程1:tert-ブチル(S)-(1-シアノ-4-メチルペンタン-2-イル)カルバメート
DCM(100mL)中tert-ブチル(S)-(1-アミノ-5-メチル-1-オキソヘキサン-3-イル)カルバメート(3.0g、12.3mmol)及びピリジン(2.0mL、24.6mmol)の懸濁液に、TFAA(3.47mL、24.6mmol)を添加し、反応混合物をrtで2時間攪拌した。次に、反応混合物を水で希釈し、DCMで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、ヘキサン中0~15%EtOAcの勾配で溶出するRedi-Sep予備充填シリカゲルカラム(40g)で精製し、tert-ブチル(S)-(1-シアノ-4-メチルペンタン-2-イル)カルバメート(2.4g、10.6mmol、収率86%)を得た。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d):δ ppm 4.63(br s,1H),3.91(m,1H),2.79(m,1H),2.49(m,1H),1.63-1.76(m,1H),1.58(m,1H),1.46(s,9H),1.40(m,1H),0.96(m,6H).m/z(ESI):127.2(M-Boc+H)
+.
【0290】
工程2:tert-ブチル(S)-(4-メチル-1-(5-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ペンタン-2-イル)カルバメート
EtOH(50mL)中tert-ブチル(S)-(1-シアノ-4-メチルペンタン-2-イル)カルバメート(2.4g、10.6mmol)及びヒドロキシルアミン(5mL、水中50%)の溶液を、60℃で16時間加熱した。続いて、反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、tert-ブチル(S)-(1-(ヒドロキシアミノ)-1-イミノ-5-メチルヘキサン-3-イル)カルバメートを得、これを精製することなく次の工程に移した。m/z(ESI):260.1(M+H)+。
【0291】
1,4-ジオキサン(3mL)中(S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-5-メチルヘキサンイミドペルオキソ酸(methylhexanimidoperoxoic acid)(1.5g、5.76mmol)及びAc2O(0.60mL、6.34mmol)の溶液を、150℃のマイクロ波反応器(Personal Chemistry,Biotage AB,Inc.,Upsala,Sweden)中で60分間加熱した。続いて、反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣を、PE中0~15%EtOAcの勾配で溶出するRedi-Sep予備充填シリカゲルカラム(40g)で精製し、tert-ブチル(S)-(4-メチル-1-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ペンタン-2-イル)カルバメート(1.0g、3.53mmol、収率61%)を得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム-d):δ ppm 4.85(m,1H),4.04-4.17(m,1H),2.89(m,2H),2.59(s,3H),1.71(m,1H),1.44(s,9H),1.33-1.40(m,1H),1.27(m,1H),0.93(m,6H).m/z(ESI):184.1(M-Boc+H)+.
【0292】
工程3:(S)-4-メチル-1-(5-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ペンタン-2-アミンヒドロクロリド
1,4-ジオキサン(5mL)中tert-ブチル(S)-(4-メチル-1-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ペンタン-2-イル)カルバメート(0.50g、1.76mmol)の溶液に、ジオキサン中4.0M HCl(5mL)を添加し、反応混合物をrtで16時間攪拌した。続いて、反応混合物を減圧下で濃縮し、Et2Oでトリチュレートして、(S)-4-メチル-1-(5-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ペンタン-2-アミンヒドロクロリドを得、これをそのまま次の工程で使用した。m/z(ESI):184.1(M+H)+。
【0293】
アミン8:(S)-4-メチル-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)ペンタン-2-アミンヒドロクロリド
【化51】
工程1:(S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-メチルペンチルメタンスルホネート
DCM(75mL)中tert-ブチル(S)-(1-ヒドロキシ-4-メチルペンタン-2-イル)カルバメート(7.5g、34.5mmol、Combi-Blocks)及びTEA(14.4mL、104mmol)の溶液に、0℃でMsCl(5.93g、51.8mmol、Chempure)を添加した。得られた混合物をrtで1時間攪拌した後、氷冷水で希釈し、DCMで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、(S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-メチルペンチルメタンスルホネート(10.5g)を灰白色固体として得、これをそのまま次の工程で使用した。m/z(ESI):196.1(M-Boc+H)
+。
【0294】
工程2:tert-ブチル(S)-(4-メチル-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)ペンタン-2-イル)カルバメート
DMF(10mL)中(S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-メチルペンチルメタンスルホネート(1.3g、4.40mmol)の溶液に、Cs2CO3(2.15g、6.60mmol)及び1H-1,2,4-トリアゾール(0.35g、5.07mmol、Combi-Blocks)を添加し、得られた混合物を80℃で6時間攪拌した。続いて反応混合物を氷冷水で希釈し、沈殿した固体を濾過して乾燥させ、tert-ブチル(S)-(4-メチル-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)ペンタン-2-イル)カルバメート(1.1g、4.10mmol、収率93%)を白色固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ ppm 8.36(s,1H),7.95(d,J=10.8Hz,1H),6.78(d,J=9.0Hz,1H),3.98-4.22(m,2H),3.72-3.92(m,1H),1.54-1.70(m,1H),1.36(s,9H),1.08(m,1H),0.78-0.94(m,6H).m/z(ESI):269.1(M+H)+.
【0295】
工程3:(S)-4-メチル-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)ペンタン-2-アミンヒドロクロリド
DCM(5mL)中tert-ブチル(S)-(4-メチル-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)ペンタン-2-イル)カルバメート(1.1g、4.10mmol)の溶液に、ジオキサン中4.0M HCl(5.1mL、20.4mmol)を添加し、反応混合物をrtで2時間攪拌した。続いて、反応混合物を減圧下で濃縮し、Et2Oでトリチュレートして、(S)-4-メチル-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)ペンタン-2-アミンヒドロクロリド(0.5g、2.44mmol、収率59%)を白色固体として得、これを更に精製することなく次の工程に移した。m/z(ESI):169.2(M+H)+。
【0296】
【0297】
アミン11:(S)-1-(イソオキサゾール-3-イル)-4-メチルペンタン-2-アミンヒドロクロリド
【化52】
工程1:tert-ブチル(S)-(1-ヒドロキシ-5-メチルヘキサン-3-イル)カルバメート
THF(90mL)中(S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-5-メチルヘキサン酸(6.0g、24.5mmol)の溶液に、0℃でボラン-THF錯体(THF中1M)(73.4mL、73.4mmol、Symax)を滴下し、反応混合物をrtで16時間攪拌した。続いて、0℃で反応混合物を1N HClでクエンチし、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、分離させ、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、tert-ブチル(S)-(1-ヒドロキシ-5-メチルヘキサン-3-イル)カルバメート(4.0g、17.3mmol、収率71%)を得、これを精製することなく次の工程に移した。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6):δ ppm 6.52(s,2H),4.30(m,1H),3.38(m,4H),1.35-1.53(m,9H),1.25-1.35(m,2H),1.11(m,1H),0.72-0.96(m,6H).m/z(ESI):132.3(M-Boc+H)
+.
【0298】
工程2:tert-ブチル(S)-(5-メチル-1-オキソヘキサン-3-イル)カルバメート
DCM(20mL)中tert-ブチル(S)-(1-ヒドロキシ-5-メチルヘキサン-3-イル)カルバメート(2.0g、8.65mmol)の溶液に、DMP(5.50g、12.97mmol、Spectrochem)を添加し、得られた溶液をrtで1時間攪拌した。続いて、反応混合物を炭酸ナトリウムの飽和水溶液でクエンチし、DCMで抽出した。組み合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、ヘキサン中0~10%EtOAcの勾配で溶出するRedi-Sep予備充填シリカゲルカラム(40g)で精製し、tert-ブチル(S)-(5-メチル-1-オキソヘキサン-3-イル)カルバメート(0.55g、2.40mmol、収率28%)を白色固体として得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム-d):δ ppm 9.78(s,1H),4.58-4.64(m,1H),4.12(m,1H),2.51-2.69(m,2H),1.46(m,2H),1.44(s,9H),1.25-1.36(m,1H),0.95(m,6H).m/z(ESI):129.0(M-Boc+H)+.
【0299】
工程3:tert-ブチル(S,E)-(1-(ヒドロキシイミノ)-5-メチルヘキサン-3-イル)カルバメート
DCM(11mL)中tert-ブチル(S)-(5-メチル-1-オキソヘキサン-3-イル)カルバメート(0.55g、2.40mmol)の溶液に、0℃でTEA(0.33mL、2.40mmol)及びヒドロキシルアミンヒドロクロリド(0.20g、2.88mmol)を少量ずつ添加した。反応混合物をrtで1時間攪拌した後に、これを減圧下で濃縮して、tert-ブチル(S,E)-(1-(ヒドロキシイミノ)-5-メチルヘキサン-3-イル)カルバメート(0.80g)を白色固体として得、これを精製することなしに次の工程に移した。1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ ppm 10.42(s,1H),7.23(t,J=6.2Hz,1H),6.73(m,1H),3.61(m,1H),2.07-2.25(m,2H),1.51-1.62(m,2H),1.38(s,9H),1.13(m,1H),0.85(m,6H).m/z(ESI):145.2(M-Boc+H)+.
【0300】
工程4:tert-ブチル(S,Z)-(1-クロロ-1-(ヒドロキシイミノ)-5-メチルヘキサン-3-イル)カルバメート
DMF(5mL)中tert-ブチル(S,E)-(1-(ヒドロキシイミノ)-5-メチルヘキサン-3-イル)カルバメート(0.80g、3.27mmol)の溶液に、NCS(0.53g、3.93mmol、Avra)を添加し、反応混合物を50℃で2時間加熱した。続いて、反応混合物をrtまで冷却し、氷冷水でクエンチし、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、分離させ、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、tert-ブチル(S,Z)-(1-クロロ-1-(ヒドロキシイミノ)-5-メチルヘキサン-3-イル)カルバメート(0.85g)を得、これをそのまま次の工程に移した。m/z(ESI):179.1(M-Boc+H)+。
【0301】
工程5:tert-ブチル(S)-(4-メチル-1-(5-(トリメチルシリル)イソオキサゾール-3-イル)ペンタン-2-イル)カルバメート
DCM(4mL)中tert-ブチル(S,Z)-(1-クロロ-1-(ヒドロキシイミノ)-5-メチルヘキサン-3-イル)カルバメート(0.85g、3.05mmol)、トリメチルシリルアセチレン(0.428mL、3.05mmol)、及びTEA(0.29mL、3.05mmol)の溶液を、rtで16時間攪拌した。次に、反応混合物を水で希釈し、DCMで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、分離させ、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、ヘキサン中0~5%EtOAcで溶出するRedi-Sep予備充填シリカゲルカラム(12g)で精製し、tert-ブチル(S)-(4-メチル-1-(5-(トリメチルシリル)イソオキサゾール-3-イル)ペンタン-2-イル)カルバメート(0.50g、1.47mmol、収率48%)を無色の液体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ ppm 6.73(d,J=9.3Hz,1H),6.55(d,J=1.9Hz,1H),3.78(m,1H),2.61-2.78(m,2H),1.60(m,1H),1.32(m,10H),1.19(m,1H),0.85(m,6H),0.28(s,9H).m/z(ESI):341.0(M+H)+.
【0302】
工程6:tert-ブチル(S)-(1-(イソオキサゾール-3-イル)-4-メチルペンタン-2-イル)カルバメート
MeOH(10mL)中tert-ブチル(S)-(4-メチル-1-(5-(トリメチルシリル)イソオキサゾール-3-イル)ペンタン-2-イル)カルバメート(0.50g、1.47mmol)及び炭酸カリウム(0.41g、2.94mmol)の溶液を、rtで1時間攪拌した。次に、反応混合物を水で希釈し、DCMで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、分離させ、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、ヘキサン中0~15%EtOAcで溶出するRedi-Sep予備充填シリカゲルカラム(12g)で精製し、tert-ブチル(S)-(1-(イソオキサゾール-3-イル)-4-メチルペンタン-2-イル)カルバメート(0.32g、1.19mmol、収率81%)を白色固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ ppm 8.77(s,1H),6.74(d,J=8.4Hz,1H),3.75(m,1H),2.67-2.74(m,2H),1.58-1.61(m,1H),1.34(m,10H),1.12-1.18(m,1H),0.83-0.86(m,6H).m/z(ESI):169.1(M-Boc+H)+.
【0303】
工程7:(S)-1-(イソオキサゾール-3-イル)-4-メチルペンタン-2-アミンヒドロクロリド
1,4-ジオキサン(3.2mL)中tert-ブチル(S)-(1-(イソオキサゾール-3-イル)-4-メチルペンタン-2-イル)カルバメート(0.32g、1.19mmol)の溶液に、HCl(ジオキサン中4M)(1.5mL、6.0mmol)を添加し、反応混合物をrtで1時間攪拌した。続いて、反応混合物を減圧下で濃縮し、Et2Oでトリチュレートして、(S)-1-(イソオキサゾール-3-イル)-4-メチルペンタン-2-アミンヒドロクロリド(0.35g)を白色固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ ppm 8.91(s,1H),8.22(br s,3H),6.64(s,1H),3.46-3.54(m,1H),3.07(dd,J=14.9,5.5Hz,1H),2.97(dd,J=14.9,7.6Hz,1H),1.74(m,1H),1.50(m,1H),1.28(m,1H),0.84(m,6H).m/z(ESI):169.2(M+H)+.
【0304】
アミン12:(S)-4-メチル-1-(3-メチルイソオキサゾール-5-イル)ペンタン-2-アミンヒドロクロリド
【化53】
工程1:tert-ブチル(S)-(6-メチルヘプト-1-イン-4-イル)カルバメート
MeOH(20mL)中tert-ブチル(S)-(5-メチル-1-オキソヘキサン-3-イル)カルバメート(1.9g、8.29mmol)及び炭酸カリウム(2.29g、16.6mmol)の溶液に、0℃でジメチル(1-ジアゾ-2-オキソプロピル)ホスホネート(1.91g、9.94mmol、Chemimpex)を滴下し、反応混合物をゆっくりとrtまで昇温させ、16時間攪拌した。続いて、反応混合物を氷冷水でクエンチし、Et
2Oで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、ヘキサン中8~10%EtOAcの勾配で溶出するRedi-Sep予備充填シリカゲルカラム(40g)で精製し、tert-ブチル(S)-(6-メチルヘプト-1-イン-4-イル)カルバメート(0.70g、3.11mmol、収率37%)を無色の液体として得た。m/z(ESI):126.2(M-Boc+H)
+。
【0305】
工程2:tert-ブチル(S)-(4-メチル-1-(3-メチルイソオキサゾール-5-イル)ペンタン-2-イル)カルバメート
tert-ブタノール(15mL)及び水(15mL)中のアセトアルデヒド(1.37g、31.1mmol)の溶液に、ヒドロキシルアミンヒドロクロリド(2.16g、31.1mmol)及びNaOH(1.24g、31.1mmol)を添加した。上記の溶液を30分間攪拌してから、クロラミン-T三水和物(8.75g、31.1mmol)、硫酸銅(II)五水和物(0.39g、1.55mmol)、銅(0.04g、0.621mmol)、及びtert-ブチル(S)-(6-メチルヘプト-1-イン-4-イル)カルバメート(0.70g、3.11mmol)を、反応混合物に添加した。得られた混合物をrtで20時間攪拌してから、これを飽和NH4Clで希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、ヘキサン中20~30%EtOAcの勾配で溶出するRedi-Sep予備充填シリカゲルカラム(40g)で精製し、tert-ブチル(S)-(4-メチル-1-(3-メチルイソオキサゾール-5-イル)ペンタン-2-イル)カルバメート(0.32g、1.13mmol、収率36%)を淡黄色油として得た。m/z(ESI):283.0(M+H)+。
【0306】
工程3:(S)-4-メチル-1-(3-メチルイソオキサゾール-5-イル)ペンタン-2-アミンヒドロクロリド
DCM(1mL)中tert-ブチル(S)-(4-メチル-1-(3-メチルイソオキサゾール-5-イル)ペンタン-2-イル)カルバメート(0.32g、1.13mmol)の溶液に、HCl(ジオキサン中4M)(0.85mL、3.40mmol)を添加し、反応混合物をrtで3時間攪拌した。続いて、反応混合物を減圧下で濃縮し、Et2Oでトリチュレートして、(S)-4-メチル-1-(3-メチルイソオキサゾール-5-イル)ペンタン-2-アミンヒドロクロリド(0.20g、0.91mmol、収率81%)を白色固体として得た。m/z(ESI):183.1(M+H)+。
【0307】
アミン13:(S)-3-アミノ-N-メチル-4-フェニルブタンアミドヒドロクロリド
【化54】
工程1:tert-ブチル(S)-(4-(メチルアミノ)-4-オキソ-1-フェニルブタン-2-イル)カルバメート
DMF(7.5mL)中の(S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-フェニルブタン酸(1.5g、5.37mmol、Combi-Blocks)、メタンアミンヒドロクロリド(0.471g、6.98mmol)、DIPEA(2.81mL、16.1mmol)、EDC-HCl(1.24g、6.44mmol)、及びHOBt(0.82g、5.37mmol)の溶液を、rtで16時間攪拌した。続いて、反応混合物を氷冷水で処理し、沈殿した固体を濾過して乾燥させ、tert-ブチル(S)-(4-(メチルアミノ)-4-オキソ-1-フェニルブタン-2-イル)カルバメート(0.70g、2.39mmol、収率45%)を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6):δ ppm 7.71(d,J=4.0Hz,1H),7.26(m,2H),7.17(m,3H),6.68(d,J=8.4Hz 1H),3.93(m,1H),2.67(m,2H),2.54(s,3H),2.20(m,2H),1.30(s,9H).m/z(ESI)m/z:293.0(M+H)
+.
【0308】
工程2:(S)-3-アミノ-N-メチル-4-フェニルブタンアミドヒドロクロリド
DCM(5mL)中tert-ブチル(S)-(4-(メチルアミノ)-4-オキソ-1-フェニルブタン-2-イル)カルバメート(0.70g、2.39mmol)の溶液に、0℃でHCl(ジオキサン中4M)(1.0mL、4.0mmol)を滴下した。得られた反応塊をrtで6時間攪拌してから、これを減圧下で濃縮し、Et2Oでトリチュレートして、(S)-3-アミノ-N-メチル-4-フェニルブタンアミドヒドロクロリド(0.50g、2.19mmol、収率91%)を灰白色固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm 8.07-8.13(m,3H),7.31-7.40(m,2H),7.20-7.31(m,3H),3.65(m,1H),3.17(s,1H),2.77(m,1H),2.56(s,3H),2.37(m,2H).m/z(ESI):193.1(M+H)+.
【0309】
アミン14:(S)-4-メチル-1-(5-メチル-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)ペンタン-2-アミンヒドロクロリド
【化55】
工程1:tert-ブチル(S)-(1-(2-アセチルヒドラジンイル)-5-メチル-1-オキソヘキサン-3-イル)カルバメート
DMF(50mL)中の(S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-5-メチルヘキサン酸(5.0g、20.4mmol)、並びにEDC.HCl(4.69g、24.5mmol、Chempure)、HOBt(3.75g、24.5mmol、Chempure)、アセトヒドラジド(1.81g、24.5mmol、Combi-Blocks)、及びDIPEA(7.1mL、40.8mmol)の溶液を、rtで16時間攪拌した。続いて反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。残渣をPE中20%EtOAcでトリチュレートして、tert-ブチル(S)-(1-(2-アセチルヒドラジンイル)-5-メチル-1-オキソヘキサン-3-イル)カルバメート(4.5g、14.9mmol、収率73%)を白色固体として得た。m/z(ESI):202.1(M-Boc+H)
+。
【0310】
工程2:tert-ブチル(S)-(4-メチル-1-(5-メチル-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)ペンタン-2-イル)カルバメート
1,4-ジオキサン(10mL)中のtert-ブチル(S)-(4-メチル-1-(5-メチル-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)ペンタン-2-イル)カルバメート(0.80g、2.67mmol)及びローソン試薬(0.74g、1.83mmol)の溶液を、100℃で2時間加熱した。続いて、反応混合物をrtで16時間攪拌してから、これを水で希釈し、DCMで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、tert-ブチル(S)-(4-メチル-1-(5-メチル-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)ペンタン-2-イル)カルバメート(0.80g、2.67mmol、収率81%)を灰白色固体として得た。m/z(ESI):300.2(M+H)+。
【0311】
工程3:(S)-4-メチル-1-(5-メチル-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)ペンタン-2-アミンヒドロクロリド
1,4-ジオキサン(2mL)中tert-ブチル(S)-(4-メチル-1-(5-メチル-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)ペンタン-2-イル)カルバメート(0.80g、2.67mmol))の溶液に、0℃でHCl(ジオキサン中4.0M溶液)(4mL、16.0mmol)を滴下し、反応混合物をrtで2時間攪拌した。続いて、反応混合物を減圧下で濃縮し、Et2Oでトリチュレートして、(S)-4-メチル-1-(5-メチル-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)ペンタン-2-アミンヒドロクロリド(0.65g)を得、これを精製することなしに次の工程に移した。1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ ppm 8.31-8.35(br s,3H),6.68(br s,3H),3.58(m,1H),3.34-3.49(m,2H),2.71(s,3H),1.76(m,1H),1.56(m,1H),1.36(m,1H),0.85(m,6H).m/z(ESI):200.1(M+H)+.
【0312】
アミン15:(S)-4-メチル-1-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ペンタン-2-アミンヒドロクロリド
【化56】
工程1:tert-ブチル(S)-(4-メチル-1-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ペンタン-2-イル)カルバメート
オルト酢酸トリエチル(10mL、54.2mmol、Avra)中tert-ブチル(S)-(1-ヒドラジンイル-5-メチル-1-オキソヘキサン-3-イル)カルバメート(0.5g、1.93mmol)の溶液を、130℃で16時間加熱した。続いて、反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣をK
2CO
3の水溶液で処理し、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、tert-ブチル(S)-(4-メチル-1-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ペンタン-2-イル)カルバメート(0.80g)を得、これを精製することなしに次の工程に移した。m/z(ESI):284.0(M+H)
+。
【0313】
工程2:(S)-4-メチル-1-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ペンタン-2-アミンヒドロクロリド
1,4-ジオキサン(2mL)中tert-ブチル(S)-(4-メチル-1-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ペンタン-2-イル)カルバメート(0.80g、2.82mmol))の溶液に、ジオキサン中HCl(ジオキサン中4.0M溶液)(2mL、8.0mmol)を滴下し、反応混合物をrtで2時間攪拌した。続いて、反応混合物を減圧下で濃縮し、Et2Oでトリチュレートして、(S)-4-メチル-1-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ペンタン-2-アミンヒドロクロリドを得た。m/z(ESI):184.1(M+H)+。
【0314】
アミン16:(S)-4-メチル-1-(5-メチルイソオキサゾール-3-イル)ペンタン-2-アミンヒドロクロリド
【化57】
工程1:tert-ブチル(S)-(4-メチル-1-(5-メチルイソオキサゾール-3-イル)ペンタン-2-イル)カルバメート
DCM(20mL)中tert-ブチル(S)-(5-メチル-1-オキソヘキサン-3-イル)カルバメート(1.1g、4.80mmol)及びTEA(1.34mL、9.59mmol)の溶液に、ヒドロキシルアミンヒドロクロリド(0.67g、9.59mmol)を0℃で少量ずつ添加した。反応混合物をrtで1時間攪拌した後に、これを減圧下で濃縮して、tert-ブチル(S,E)-(1-(ヒドロキシイミノ)-5-メチルヘキサン-3-イル)カルバメート(1.3g)を白色固体として得、これを精製することなしに次の工程に移した。m/z(ESI):145.2(M-Boc+H)
+。
【0315】
tert-ブタノール(10mL)及び水(10mL)中のtert-ブチル(S,E)-(1-(ヒドロキシイミノ)-5-メチルヘキサン-3-イル)カルバメート(1.3g)の溶液に、クロラミン-T三水和物(2.70g、9.59mmol)、銅(0.03g、0.48mmol)、硫酸銅(II)五水和物(0.12g、0.48mmol)、及びプロパ-1-イン(THF中5%)(19.2g、24.0mmol)を添加し、得られた混合物をrtで16時間攪拌した。続いて反応混合物を飽和NH4Cl水溶液で希釈し、Et2Oで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、ヘキサン中15~20%EtOAcの勾配で溶出するRedi-Sep予備充填シリカゲルカラム(12g)で精製し、tert-ブチル(S)-(4-メチル-1-(5-メチルイソオキサゾール-3-イル)ペンタン-2-イル)カルバメート(0.50g、1.77mmol、収率37%)を淡黄色油として得た。m/z(ESI):283.0(M+H)+。
【0316】
工程2:(S)-4-メチル-1-(5-メチルイソオキサゾール-3-イル)ペンタン-2-アミンヒドロクロリド
DCM(1mL)中tert-ブチル(S)-(4-メチル-1-(5-メチルイソオキサゾール-3-イル)ペンタン-2-イル)カルバメート(0.50g、1.77mmol)の溶液に、HCl(ジオキサン中4M)(1.33mL、5.3mmol)を添加し、反応混合物をrtで3時間攪拌した。続いて、反応混合物を減圧下で濃縮し、Et2Oでトリチュレートして、(S)-4-メチル-1-(5-メチルイソオキサゾール-3-イル)ペンタン-2-アミンヒドロクロリド(0.35g、1.60mmol、収率90%)を白色固体として得た。m/z(ESI):183.1(M+H)+。
【0317】
アミン17:(S)-1-(1H-イミダゾール-2-イル)-4-メチルペンタン-2-アミンヒドロクロリド
【化58】
工程1:tert-ブチル(S)-(1-(1H-イミダゾール-2-イル)-4-メチルペンタン-2-イル)カルバメート
MeOH(0.8mL)中のtert-ブチル(S)-(5-メチル-1-オキソヘキサン-3-イル)カルバメート(0.80g、3.49mmol)、オキサルアルデヒド(0.66g、4.54mmol)、及びMeOH中7Mアンモニア(1.30mL、9.07mmol)の溶液を、rtの封管中で16時間攪拌した。続いて反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣を水に溶解し、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、分離させ、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をEt
2Oでトリチュレートして、tert-ブチル(S)-(1-(1H-イミダゾール-2-イル)-4-メチルペンタン-2-イル)カルバメート(0.30g、1.12mmol、収率32%)を灰白色固体として得た。
1H NMR(300MHz,DMSO-d
6):δ ppm 11.69(s,1H),6.85(s,2H),6.69(d,J=9.0Hz,1H),3.83(m,1H),2.65(m,2H),1.55(m,1H),1.20-1.46(m,10H),1.04(m,1H),0.80(m,6H).m/z(ESI):268.0(M+H)
+.
【0318】
工程2:(S)-1-(1H-イミダゾール-2-イル)-4-メチルペンタン-2-アミンヒドロクロリド
1,4-ジオキサン(3mL)中tert-ブチル(S)-(1-(1H-イミダゾール-2-イル)-4-メチルペンタン-2-イル)カルバメート(0.30g、1.12mmol)の溶液に、HCl(ジオキサン中4M)(1.40mL、5.61mmol)を添加し、反応混合物をrtで4時間攪拌した。続いて、反応混合物を減圧下で濃縮し、Et2Oでトリチュレートして、(S)-1-(1H-イミダゾール-2-イル)-4-メチルペンタン-2-アミンヒドロクロリド(0.50g)を得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ ppm 8.49(s,3H),7.63(s,2H),3.85(m,1H),3.27-3.44(m,2H),1.59(m,1H),1.51-1.68(m,1H),1.17-1.27(m,1H),0.85(m,6H).m/z(ESI):168.1(M+H)+.
【0319】
アミン18:(S)-4-メチル-1-(1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ペンタン-2-アミンヒドロクロリド
【化59】
工程1:tert-ブチル(S)-(4-メチル-1-(1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ペンタン-2-イル)カルバメート
THF(7.5mL)及び水(2.5mL)中のtert-ブチル(S)-(6-メチルヘプト-1-イン-4-イル)カルバメート(0.50g、2.22mmol)、アジ化ナトリウム(0.144g、2.22mmol)、TBTA(0.12g、0.22mmol、Combi-Blocks)、L(+)-アスコルビン酸ナトリウム(0.088g、0.44mmol)、及び硫酸銅(II)(0.071g、0.44mmol)の溶液を、rtで16時間、続いて50℃で2時間攪拌した。続いて反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、ヘキサン中0~50%EtOAcの勾配で溶出するRedi-Sep予備充填シリカゲルカラム(12g)で精製し、tert-ブチル(S)-(4-メチル-1-(1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ペンタン-2-イル)カルバメート(0.10g、0.37mmol、収率17%)を灰白色固体として得た。m/z(ESI):269.1(M+H)
+。
【0320】
工程2:(S)-4-メチル-1-(1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ペンタン-2-アミンヒドロクロリド
1,4-ジオキサン(1mL)中tert-ブチル(S)-(4-メチル-1-(1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ペンタン-2-イル)カルバメート(0.10g、0.37mmol)の溶液に、HCl(ジオキサン中4M)(0.47mL、1.86mmol)を添加し、反応混合物をrtで3時間攪拌した。続いて、反応混合物を減圧下で濃縮し、Et2Oでトリチュレートして、(S)-4-メチル-1-(1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ペンタン-2-アミンヒドロクロリド(0.15g)を得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ ppm 7.94(br s,3H),7.78(s,1H),3.42(m,1H),2.96(d,J=6.3Hz,2H),1.73(m,1H),1.42(m,1H),1.29(m,1H),0.84(m,6H).m/z(ESI):169.2(M+H)+.
【0321】
分析データ
【0322】
【0323】
【0324】
【0325】
【0326】
【0327】
【0328】
【0329】
【0330】
【0331】
【0332】
生物学的評価
本節では、本明細書で提供される具体例の生物学的評価が提供される。表6を参照されたい。
【0333】
結合ヌクレオチド交換アッセイ:
G12C及びC118Aのアミノ酸置換並びにN-末端His-tagの両方を含有する精製GDP結合型KRASタンパク質(aa 1~169)を、アッセイ緩衝液(25mMのHEPES pH7.4、10mM MgCl2、及び0.01%Triton X-100)中で、連続希釈された化合物と共に2時間又は20時間のいずれかでプレインキュベートした。全ての後続の工程で、DTTを1mMの最終濃度で反応緩衝液に添加した。化合物のプレインキュベーションに続いて、精製SOSタンパク質(aa564~1049)及びGTP(Roche 10106399001)をアッセイのウェルに添加し、更に30分間インキュベートした。SOS媒介ヌクレオチド交換の阻害の程度を決定するために、精製GSTタグ付きcRAF(aa1~149)、ニッケルキレートAlphaLISAアクセプタービーズ(PerkinElmer AL108R)、及びAlphaScreenグルタチオンドナービーズ(PerkinElmer 6765302)をアッセイウェルに加え、5分間インキュベートした。続いて、発光シグナルを測定するプレートリーダーでアッセイプレートを読み取った。化合物を含有するウェルのシグナル強度をDMSO対照に対して正規化し、4パラメータロジスティックモデルを用いてデータを解析して、IC50値を算出した。
【0334】
細胞生存率アッセイ:
MIA PaCa-2(ヒト膵臓癌;ATCC CRL-1420)又はA549(ヒト肺癌;ATCC CCL-185)細胞を、10%のウシ胎児血清及び1×ペニシリン/ストレプトマイシン/L-グルタミンを含有するRPMI1640培地で培養した。細胞を、1.67E+04細胞/mLの密度で384ウェルプレートに播種し、37℃、5%CO2で終夜インキュベートした。連続希釈した化合物又はDMSOを細胞に添加し、プレートを37℃、5%CO2で72時間インキュベートした。細胞生存率を、CellTiter-Glo(登録商標)Luminescent Cell Viability Assay kit(Promega)を用いて、製造者のプロトコルに従い測定した。処理された試料の発光シグナルをDMSO対照に対して正規化し、4パラメータロジスティックモデルを用いてデータを解析して、IC50値を算出した。
【0335】
【0336】
【0337】
【0338】
表6に示される結果は、上記のインビトロアッセイで生成された。これらのアッセイを使用して、本明細書に記載される化合物のいずれかを試験し、化合物の生物活性を評価及び特性決定することができる。
【0339】
結合交換アッセイで活性を示した化合物は、本明細書で提供される方法で有用である(「使用方法」の節を参照されたい)。例えば、Lanman et al.,2020;Hong et al.,2020を参照されたい。腫瘍成長に対する本明細書で提供される化合物の阻害効果は、例えば、以下の動物モデルを使用して示すことができる。
【0340】
腫瘍細胞を培養し、採取し、雌の無胸腺ヌードマウスの右脇腹に皮下移植する。腫瘍が約200mm3に達したら、マウスを処置群(n=10/群)に無作為化し、処置を開始する(グラフに示す日に)。腫瘍の大きさ及び体重を、週に2~3回測定する。腫瘍体積は、デジタルキャリパーによって測定し、L×W×Hとして計算し、mm3の単位で表す。成長曲線間で観察される差異の統計的有意性は、対数変換された腫瘍体積データの反復測定共分散分析(RMANOVA)によって評価し、ダネット調整多重比較を使用して、対照群を処置群と比較することができる。併用試験のために、RMANOVAを、各単剤処置群と1対1で比較した併用群で実施することができる。
【0341】
参考文献
Caunt,C.J.;Sale,M.J.;Smith,P.D.;Cook,S.J.Nat.Rev.Cancer 2015,15,577.
Cerami,E.;Gao,J.;Dogrusoz,U.;Gross,B.E.;Sumer,S.O.;Aksoy,B.A.;Jacobsen,A.;Byrne,C.J.;Heuer,M.L.;Larsson,E.;Antipin,Y.;Reva,B.;Goldberg,A.P.;Sander,C.;Schultz N.Cancer Discov.2012,2(5),401.
Canon,J.;Rex,K.;Saiki,A.Y.;Mohr,C.;Cooke,K;Bagal,D.;Gaida,K.;Holt,T.;Knutson,C.G.;Koppada,N.;Lanman,B.A.;Werner,J.;Rapaport,A.S.;San Miguel,T.;Ortiz,R.;Osgood,T.;Sun,J.R.;Zhu,X.;McCarter,J.D.;Volak,L.P.;Houk,B.E.;Fakih,M.G.;O’Neil,B.H.;Price,T.J.;Falchook,G.S.;Desai,J.;Kuo,J.;Govindan,R.;Hong,D.S.;Ouyang,W.;Henary,H.;Arvedson,T.;Cee,V.J.;Lipford,J.R.Nature 2019,575(7781),217.
Cox,A.D.;Fesik,S.W.;Kimmelman,A.C.;Luo,J.;Der,C.J.Nat.Rev.Drug Discov.2014,13,828.
Der,C.J.;Krontiris,T.G.;Cooper,G.M.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 1982,79,3637.
Gao,J.;Aksoy,B.A.;Dogrusoz,U.;Dresdner,G.;Gross,B.;Sumer,S.O.;Sun,Y.;Jacobsen,A.;Sinha,R.;Larsson,E.;Cerami,E.;Sander,C.;Schultz,N.Science Signaling 2013,6(269),pl1.
Holderfield,M.;Deuker,M.M.;McCormick,F.;McMahon,M.Nat.Rev.Cancer 2014,14,455.
Hong,D.S.;Fakih,M.G.;Strickler,J.H.;Desai,J.;Durm,G.A.;Shapiro,G.I.;Falchook,G.S.;Price,T.J.;Sacher,A.;Denlinger,C.S.;Bang,Y.-J.;Dy,G.K.;Krauss,J.C.;Kuboki,Y.;Kuo,J.C.;Coveler,A.L.;Park,K.;Kim,T.W.;Barlesi,F.;Munster,P.N.;Ramalingam,S.S.;Burns,T.F.,Meric-Bernstam,F.;Henary,H.;Ngang,J.;Ngarmchamnanrith,G.;Kim,J.;Houk,B.;Canon,J.;Lipford,J.R.;Friberg,G.;Lito,P.;Govindan,R.;Bob T.Li,B.T.N.Engl.J.Med.2020,383,1207.
Lanman,B.A.;Allen,J.R.;Allen,J.G.;Amegadzie,A.K.;Ashton,K.S.;Booker,S.K.;Chen,J.J.;Chen,N.;Frohn,M.;Goodman,G.;Kopecky,D.J.;Liu,L.;Lopez,P.;Low,J.D.;Ma,V.;Minatti,E.;Nguyen,T.T.;Nishimura,N.;Pickrell,A.J.;Reed,A.B.;Shin,Y.;Siegmund,A.C.;Tamayo,N.A.;Tegley,C.M.;Walton,M.C.;Wang,H.-L.;Wurz,R.P.;Xue,M.;Yang,K.C.;Achanta,P.;Bartberger,M.D.;Canon,J.;Hollis,L.S.;McCarter;J.D.;Mohr,C.;Rex,K.;Saiki A.Y.;San Miguel,T.;Volak,L.P.;Wang,K.H.;Whittington,D.A.;Zech,S.G.;Lipford,J.R.;Cee,V.J.J.Med.Chem.2020,63,52.
Malumbres,M.;Barbacid,M.Nat.Rev.Cancer 2003,3,459.
O’Bryan,J.P.Pharmacol.Res.2019,139,503.
Ostrem,J.M.;Peters,U.;Sos,M.L.;Wells,J.A.;Shokat,K.M.Nature 2013,503,548.
Simanshu,D.K.;Nissley,D.V.;McCormick,F.Cell 2017,170,17.
Sridhar,S.S.;Seymour,L.;Shepherd,F.A.Lancet Oncol.2003,4,397.
Vojtek,A.B.;Der,C.J.J.Biol.Chem.1998,273,19925.
【0342】
本明細書で引用された全ての参考文献、例えば、科学論文又は特許出願公報は、各参考文献があらゆる目的のためにその全体が参照により組み込まれると具体的且つ個別に示されるのと同程度に、あらゆる目的のために、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【国際調査報告】