(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-22
(54)【発明の名称】光ファイバの再接続方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
G02B 6/26 20060101AFI20231115BHJP
G02B 6/02 20060101ALI20231115BHJP
【FI】
G02B6/26
G02B6/02 461
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023524998
(86)(22)【出願日】2021-10-27
(85)【翻訳文提出日】2023-04-25
(86)【国際出願番号】 EP2021079862
(87)【国際公開番号】W WO2022096345
(87)【国際公開日】2022-05-12
(32)【優先日】2020-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(74)【代理人】
【識別番号】100145654
【氏名又は名称】矢ヶ部 喜行
(72)【発明者】
【氏名】ファン プッテン エイバート ヘルヤン
(72)【発明者】
【氏名】マンク アドリアヌス ヨハネス ヘラルドゥス
【テーマコード(参考)】
2H137
2H250
【Fターム(参考)】
2H137AA08
2H137AA14
2H137AB01
2H137BA18
2H137CB06
2H137CB34
2H137CB35
2H250AC34
2H250AC64
2H250AC83
2H250AC93
2H250AC96
2H250AH38
(57)【要約】
本発明の第1及び第2の光ファイバを再接続する方法は、第1のファイバの第1の端部セクション及び第2のファイバの第2の端部セクションを近接して配置するステップであって、長手方向軸の周りの第1及び第2の端部セクション間の現在の相対回転角度が、以前の接続中に座標系に関して決定された位置合わせされた接続向きにおける第1及び第2の端部セクション間の相対回転角度に関して既知ではない、ステップと、外部コアからの光信号を受信するために現在の接続位置を通って第1及び第2のファイバの外部コアに光学的にインタロゲートするステップと、長手方向軸の周りの第1及び第2の端部セクション間の現在の相対回転角度を含む現在の接続向きにおける第1及び第2のファイバが座標系に対して正確に位置合わせされるように外部コアの光学的インタロゲーションから、位置合わせされた接続向きを修正するステップとを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の光ファイバを第2の光ファイバと再接続する方法において、前記第1のファイバ及び前記第2のファイバは、それぞれ複数の外側コアを有し、前記方法は、
(a)現在の接続向きを含む現在の接続位置において前記第1及び第2の端部セクションの長手方向軸に沿って互いにアラインされるように、前記第1のファイバの第1の端部セクション及び前記第2のファイバの第2の端部セクションを近接して配置するステップであって、前記長手方向軸の周りの前記第1及び第2の端部セクション間の現在の相対回転角度が、前記第1のファイバ及び前記第2のファイバの以前の接続中に座標系に関して決定された位置合わせされた接続向きにおける前記第1及び第2の端部セクション間の相対回転角度に関して既知ではない、ステップと、
(b)前記外部コアからの光信号を受信するために、前記現在の接続位置を通って前記第1及び第2のファイバの前記外部コアに光学的にインタロゲートするステップと、
(c)前記長手方向軸の周りの前記第1及び第2の端部セクション間の前記現在の相対回転角度を含む前記現在の接続向きにおける前記第1及び第2のファイバが前記座標系に対して正確に位置合わせされるように、前記外部コアの前記光学的インタロゲーションから、前記位置合わせされた接続向きを修正するステップと、
を有する、方法。
【請求項2】
前記受信された信号の強度を最適に増加させるために、前記第1の端部セクション及び前記第2の端部セクションが前記長手方向軸の周りで互いに対して回転されるべき方向をユーザに示すステップを更に有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ステップ(c)は、前記外側コアの前記光学的インタロゲーションから、前記第1の端部セクションと前記第2の端部セクションとの間の前記現在の相対回転角度を決定するステップと、前記決定された現在の相対回転角度で前記位置合わせされた接続向きを補正するステップとを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ステップ(b)は、前記光信号から、前記外側コアの各々の前記現在の接続位置において、挿入損失、伝送、反射からなるグループから選択される光学的量を導出するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
各コアについての前記光学的量から、再接続されるべき前記2つのファイバに固有の記憶された特性に基づいて、前記第1の端部セクションと前記第2の端部セクションとの間の前記現在の相対回転角度を決定するステップを更に有する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記記憶された特性は、前記第2のファイバの前記外側コアの角度位置に対する前記第1のファイバの前記外側コアの角度位置の偏差を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記記憶された特性は、前記以前の接続中に光通信していた前記第1のファイバの前記外側コアと前記第2のファイバの前記外側コアとの組み合わせについての、前記第1のファイバの前記外側コアの前記角度位置と前記第2のファイバの前記外側コアの前記角度位置との間の偏差を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記記憶された特性は、前記第1のファイバの前記外側コアと前記第2のファイバの前記外側コアとの全ての可能な組み合わせについての、前記第1のファイバの前記外側コアの前記角度位置と前記第2のファイバの前記外側コアの前記角度位置との間の偏差を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記記憶された特性は、前記第1のファイバと前記第2のファイバとの最初の又は以前の接続中の前記第1の端部セクションと前記第2の端部セクションとの間の複数の相対回転角度についての前記光学的量の光学的測定値から決定される、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のファイバの前記外側コアと前記第2のファイバの前記外側コアとの前記現在の組み合わせを識別するステップを更に有する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第1及び第2のファイバの同じコアが前記第1のファイバと前記第2のファイバとの前記以前の接続と同様に互いに光学的に接続されるまで、前記第1及び第2のファイバの前記端部セクションを前記長手方向軸の周りで互いに対して回転させるようにユーザに指示するステップを更に有する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記位置合わせされた向きを含む前記位置合わせされた位置は、発射位置に対して位置合わせされ、前記第2のファイバは、直接的に前記発射位置において、又は前記発射位置から遠位方向に距離をおいて、前記第1のファイバに接続されている、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記第1及び第2のファイバのうちの1つが、装置に組み込まれ、前記方法が、前記第1及び第2のファイバの再接続時に修正された前記位置合わせされた位置を使用して、前記装置の形状を再構成するステップを更に有する、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
第1の光ファイバ及び第2の光ファイバであって、前記第1のファイバ及び前記第2のファイバは、それぞれ複数の外側コアを有し、前記第1のファイバの第1の端部セクション及び前記第2のファイバの第2の端部セクションは、前記第1のファイバの第1の端部セクション及び前記第2のファイバの第2の端部セクションが現在の接続向きを含む現在の接続位置において前記第1及び第2の端部セクションの長手方向軸に沿って互いにアラインされた状態で配置され、前記長手方向軸の周りの前記第1及び第2の端部セクション間の現在の相対回転角度が、前記第1のファイバ及び前記第2のファイバの以前の接続中に座標系に関して決定された位置合わせされた接続向きにおいて前記第1及び第2の端部セクション間の相対回転角度に対して既知ではない、前記第1の光ファイバ及び前記第2の光ファイバと、
前記外側コアから光信号を受信するための前記現在の接続位置を介して前記第1及び第2のファイバの前記外側コアをインタロゲートする光学的インタロゲータと、
前記第1及び第2のファイバが、前記長手方向軸の周りの前記第1及び第2の端部セクション間の前記現在の相対回転角度を含む前記現在の接続向きにおいて前記座標系に対して正確に位置合わせされるように、前記外部コアの前記光学的インタロゲーションから、前記位置合わせされた接続向きを修正するように構成された回路と、
を有するシステム。
【請求項15】
請求項14に記載のシステムに、請求項1に記載の方法のステップを実行させるためのプログラムコード手段を有するコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、FORS(Fiber Optic Real Shape)とも称される、光ファイバセンサを使用する光学形状感知(OSS)の分野に関する。特に、本発明は、光ファイバを互いに再接続する方法に関する。FORSが使用されるプロシージャでは、光ファイバを再接続することが必要な場合がある。本発明は、更に、ファイバセンサの形状を再構成するために使用されるシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書は、医学又は手術分野におけるFORSの使用に言及するが、本発明は、これらに限定されないことを理解されたい。
【0003】
医療分野では、従来の外科的処置を低侵襲的介入に置き換える明確で継続的な傾向がある。これらの介入では、例えばガイドワイヤ、カテーテル、内視鏡、及び針などの医療装置が、小さな切開部を通して体内に挿入され、それによって瘢痕を最小化し、患者の合併症及び副作用を低減する。医師は、いくつかの視覚化技術を使用して、体内でこれらの医療装置をナビゲートすることができる。
【0004】
多くの処置において、X線撮像は、現在、装置のリアルタイムモニタリングを提供するゴールデンスタンダードである。しかしながら、この撮像技術は、患者及び医療チームを有害な電離放射線に曝露する。更に、それは、単なる2次元投影を提供する。この投影は、患者の解剖学的構造に対するその方向及び配向などの医療器具の3次元形状に関する重要な情報を欠いている。装置の形状に関する追加情報は、医師が身体を通してナビゲートする際に非常に役立ち、処置時間を短縮することができる。
【0005】
装置の位置及び向きを決定することができるいくつかの非撮像追跡技術がある。そのような追跡システムは、電磁、音響、インピーダンス、及び光学技術を用いた感知に基づくことができ、信号強度(及び減衰)、信号位相/周波数シフト、及び/又は飛行時間などの原理を使用して、3次元空間内のセンサを三角測量し得る。
【0006】
FORS(Fiber Optic Real Shape)は、これらの追跡技術の1つである。FORSでは、装置の幾何学的変化が、装置に組み込まれた特殊なタイプの光ファイバを通って伝搬する光場に符号化される。このファイバの光インタロゲーションは、原理的には、光ファイバ全体の3次元形状(したがって装置のもの)をリアルタイムで再構成するために必要とされる情報を与える。適切な基準系(座標系)が与えられると、完全な医療機器の正確な向き及び位置をリアルタイムで知る。
【0007】
装置(FORSセンサ)の形状を決定するために使用される光ファイバは、典型的には、複数の光学的コア、例えば、中央コアと、光ファイバの長さに沿って中央コアの周りでらせんを描いてもよい複数の外側コアとを有する。例えば、光ファイバは、4つのコア、すなわち、1つの中心コアと、中心コアから固定された距離で互いから公称120°に配置され得る3つの外側コアとを有し得る。本発明では、外側コアの数は、2以上であるべきである。
【0008】
第1の光ファイバ、例えば、医療装置に組み込まれた光ファイバと、第2の光ファイバ、例えば、光インタロゲータに接続されたパッチコードに組み込まれた光ファイバとの間の機能的接続を行うために、両方のファイバの外側コアをアライン(align)することが重要である。そのようなアライメントを達成するための一般的な方法は、両方のファイバをファイバコネクタに組み立て、それらを嵌合スリーブに嵌合させることである。セラミックフェルールなどのコネクタ内の低公差要素は、嵌合スリーブ内の2つのファイバのセンタリングを保証する。コネクタキーは、2つの光ファイバ間の角度アライメントを規定する。
【0009】
医療装置、例えばガイドワイヤ、特に、外径が典型的にはミリメートルの数分の1よりも大きくないバックロード可能なガイドワイヤの特定の設計では、ロバストコネクタキーは、製造することが困難である。その場合、代替のアライメント方法が、2つの光ファイバの外側コア間の適切にアラインされた接続を保証するために必要とされる。
【0010】
FORSでは、ファイバセンサ(したがって、ファイバセンサが組み込まれる医療装置)の再構成された形状は、典型的には、FORSが使用される手術室にマッチするもののような、関連する座標系、例えば、固定手術台、又はX線システムにリンクされる座標系で表示される。この目的のために、FORSセンサは、典型的には、例えば1つ以上のX線画像を使用して、セットアップ中に関連する座標系に位置合わせされる。この位置合わせは、時間のかかる面倒なプロセスであることができる。したがって、この位置合わせが外科的処置全体の間に1回行われるように維持することが望ましい。しかしながら、医療処置中に、FORSガイドワイヤは、数回、光インタロゲータから切断され、再接続される必要がある場合がある。これは、特に、医療装置の外径に厳しい制限があるために、ローンチ位置(形状再構成が開始するファイバセンサの位置)を固定する従来の方法が使用されることができないバックロード可能なFORSガイドワイヤに当てはまる。このような装置、例えばガイドワイヤが、ガイドワイヤの近位端上で治療装置をスライドさせるために切断されるとき、ファイバセンサを、インタロゲータに接続された光パッチコードに再接続した後、再位置合わせを必要とすることは、これが処置において遅延を引き起こすので、望ましくない。
【0011】
2つの光ファイバ、例えば、装置に組み込まれた光ファイバ及びパッチコードに組み込まれた光ファイバを再接続する際に、2つの光ファイバのコアは、高精度でアラインされる必要がある。米国特許出願公開第2019/0391341号明細書に記載されているように、このような良好なアライメントを保証するために反射率を測定することが知られている。また、国際公開第2017/182535 A1号に開示されるように、それぞれのインタロゲートされたファイバコアの測定された光応答とパッチコードのそれぞれのファイバコアの較正データセットとの比較を含む、良好な再接続を保証するために、各外側コアのための再較正可能/再割り当て可能な較正データセットを使用することも知られている。
【0012】
それにもかかわらず、ユーザが2つの光ファイバを再接続するのを支援し、必要な位置合わせステップの量を最小化し、例えば手術室におけるワークフローを改善する方法が依然として必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、第1の光ファイバを第2の光ファイバと再接続する改善された方法を提供することである。
【0014】
本発明の更なる目的は、関連する座標系におけるファイバの再位置合わせを必要としない、光ファイバを互いに再接続する方法を提供することである。
【0015】
本発明の更なる目的は、一体化された光ファイバを有するバックロード可能なガイドワイヤに非常に適した光ファイバを再接続する方法を提供することである。
【0016】
本発明の更なる目的は、本発明による方法を利用し得るシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の第1の態様によれば、第1の光ファイバを第2の光ファイバと再接続する方法が、提供され、第1のファイバ及び第2のファイバはそれぞれ複数の外側コアを有し、方法は、
(a)第1のファイバの第1の端部セクションと第2のファイバの第2の端部セクションとの間の現在の相対回転角度が、第1のファイバと第2のファイバとの以前の接続中に座標系に関して決定された位置合わせされた接続向きにおいて第1の端部セクションと第2の端部セクションとの間の現在の相対回転角度に関して知られていない、現在の接続向きを含む、現在の接続位置において第1の端部セクション及び第2の端部セクションの長手方向軸に沿って互いにアラインされるように、第1の端部セクション及び第2の端部セクションを近くに配置するステップと、
(b)外側コアから光信号を受信するように現在の接続位置を通して第1及び第2のファイバの外側コアを光学的にインタロゲートするステップと、
(c)長手方向軸の周りの第1及び第2の端部セクションの間の現在の相対回転角度を含む現在の接続向きにおける第1及び第2のファイバが座標系に対して正確に位置合わせされるように、外側コアの光学的インタロゲーションから、位置合わせされた接続向きを修正するステップと、
を有する。
【0018】
本発明による方法は、2つの光ファイバの再接続を容易にする。特に、本発明による方法は、関連する座標系に対するファイバの再位置合わせの必要性を排除する。第1のファイバを第2のファイバと再接続するとき、第1及び第2のファイバの相互の端部セクションは、互いに近接して配置される。長手方向軸に沿った、及び長手方向軸に垂直な2つの方向におけるファイバの位置、及び長手方向軸に垂直な2つの軸の周りの配向は、高い精度で機械的に規定され得るが、残りの自由度、すなわち、長手方向軸の周りの第1及び第2の端部セクション間の現在の相対回転角度は、少なくとも必要な精度では、知られていない。本発明による方法は、外部コアから光信号を受信するために、現在の接続位置を通して第1及び第2のファイバの外部コアに光学的にインタロゲートすることによって、現在の接続向きにおける第1及び第2の端部セクション間の相対回転角度を決定することを可能にする。したがって、本発明による方法は、現在の接続位置を通る2つのファイバの光学的測定を利用する。次に、この測定値の結果は、例えばシステムのセットアップ中に、ファイバの以前の接続時の座標系に対して、以前に決定された位置合わせされた接続向きを修正するのに使用され、その結果、長手方向軸の周りの第1の端部セクションと第2の端部セクションとの間の現在の相対回転角度を含む、現在の接続向きにおける第1のファイバ及び第2のファイバが、この座標系に対して正確に位置合わせされる。第1及び第2のファイバの外側コアの光インタロゲーションの間、2つのファイバは、外側コアから受信された光信号が最適になるまで、(例えば、近位ファイバに対して遠位ファイバを回転させることによって)互いに対して回転され得る。しかしながら、そのような回転は、典型的には、ファイバ端部セクション間の相対回転角度が、位置合わせの基礎であった以前の接続におけるものと同じになるほど正確ではない。2つのファイバの外側コアを光学的にインタロゲートすることによって光学的測定を実行することは、2つのファイバの端部セクション間の相対回転角度が導出され得る、はるかに正確な結果を得ることを可能にする。これらの測定結果は、関連する座標系との以前の接続及び位置合わせから得られた、長手方向軸の周りの2つのファイバの位置合わせされた接続向きを修正するために使用されることができる。後続の形状再構成プロセスでは、以前の、例えば最初の位置合わせが、更に使用されることができるが、この位置合わせは、ここで、光学インタロゲーションから得られる現在の実際の相対回転角度で補正される。これは、関連する座標系におけるファイバの再位置合わせの必要性を排除する。
【0019】
本発明による方法の実施のために、コネクタキーを有するコネクタを使用して、長手方向軸の周りの2つのファイバの回転アライメントを規定する必要はない。したがって、本発明による方法は、一体化された光ファイバを有するバックロード可能なガイドワイヤに非常に適している。
【0020】
本発明の好ましい実施形態は、従属請求項に規定され、本開示に記載されている。
【0021】
一実施形態では、本方法は、第1及び第2の端部セクションが、受信された信号の強度を最適に増加させるために長手方向軸の周りで互いに対して回転される方向をユーザに示すことを更に含んでもよい。
【0022】
ユーザが、より良い信号を得るために長手方向軸の周りの2つのファイバの相対的な回転位置を改良しようとするとき、ユーザは、現在のアライメントが最適なもののどちら側にあるかを知らない。第1及び第2のセクションが長手方向軸の周りで互いに対して回転される方向をユーザに示すことによって、単純に向きの関数として信号の強度を見る場合と比較して、再接続中に外側コアをアラインするためのより直観的で、したがってより速いフィードバックを可能にする。したがって、介入の持続時間及び複雑な処置に必要とされる装置交換の数の観点から有利である、より速いアライメントが、達成され得る。
【0023】
指標は、ディスプレイ又はグラフィカルユーザインタフェース上の視覚的指標としてユーザに提供され得る。指標は、また、音響指標、例えば、ファイバが互いに対して回転される方向を示す、変化する音の大きさ又は変化する周波数を有する音として提供されてもよい。
【0024】
第1及び第2の端部セクションの互いに対する回転は、第1の端部セクションのみを回転させることと、第2の端部セクションのみを回転させることと、第1及び第2の端部セクションの両方を回転させることとを含むと理解されたい。
【0025】
一実施形態では、ステップ(c)は、外側コアの光学インタロゲーションから、第1の端部セクションと第2の端部セクションとの間の現在の相対回転角度を決定するステップと、決定された現在の相対回転角度で位置合わせされた接続向きを補正するステップとを有してもよい。
【0026】
2つのファイバの外側コアの光インタロゲーションから得られる光測定結果を用いて、ファイバの端部セクション間の現在の相対回転角度が、非常に正確に決定されることができる。現在の相対回転角度を知ることは、位置合わせされた接続向きの修正を単純化する。修正は、現在の回転角度と以前の接続における回転角度との差を使用することによって実行され得る。
【0027】
一実施形態では、ステップ(b)は、光信号から、外側コアの各々の現在の接続位置において、挿入損失、伝送、反射からなるグループから選択される光学的量を導出することを含み得る。
【0028】
上記の光学的量は、ファイバの外側コアの光学的インタロゲーションから、非常に高い精度で測定されることができる。挿入損失は、接続位置における光信号パワーの損失の尺度であり、dB(デシベル)で表されてもよい。挿入損失は、長手方向軸を中心とする第1の端部セクションと第2の端部セクションとの間の相対回転角度に関連する。現在の接続位置での挿入損失を測定することから、相対回転角度は、本明細書でより詳細に説明するように、単純な方法で決定されることができる。
【0029】
前の実施形態に関連して、方法は、各コアについての光学的量から、再接続される2つのファイバに特有の記憶された特性に基づいて、第1の端部セクションと第2の端部セクションとの間の現在の相対回転角度を決定するステップを更に有してもよい。
【0030】
好ましくは、記憶された特性が、第1のファイバと第2のファイバとの以前の接続中に、第1の端部セクションと第2の端部セクションとの間の複数の相対回転角度についての光学的量の光学的測定値から取得され得る。
【0031】
最初の(又は以前の)接続中(かつ位置合わせ前)に、2つのファイバは、互いに対して回転されてもよく、外側コア内の光学的量、例えば挿入損失が、連続的に決定される。これらのデータ点を使用して、第2のファイバの外側コアの角度位置に対する第1のファイバの外側コアの角度位置が、推定されてもよく、これらの相対角度位置は、記憶された特性として使用されることができる。ファイバが十分にアラインされると、ファイバは、その向きに残されることができ、次いで、位置合わせステップが、実行されてもよい。再接続フェーズの間、以前に記憶された特性が、使用されてもよく、光学的量(例えば、挿入損失)が、相対的向き(相対回転角度)を決定するように再接続の間に測定される。再接続フェーズ中に2つのファイバを互いに対して再び回転させ、それから再び外側コアの相対角度位置を決定するか、又はこれらの測定値を初期接続中の測定値と組み合わせて、相対角度位置を精緻化することができる。
【0032】
代わりに、記憶された特性は、ファイバ、例えば、パッチコード及びファイバを備えたセンサの製造工程としてあらかじめ測定から得られてもよい。
【0033】
関連する座標系におけるファイバ接続の以前の、例えば初期の位置合わせを使用できるようにするためには、位置合わせに対して使用された以前の接続位置に対する現在の接続位置における現在の相対回転角度を知ることが重要である。したがって、現在の相対回転角度の決定、例えば計算を、ファイバの以前の接続中に(同じ)光学的量の測定値から得られた記憶された特性に基づかせることは、(初期)位置合わせが基づいたファイバのアライメントに完全に合わせられる。
【0034】
更に、2つの特定のファイバの実際の組み合わせに特有である記憶された特性を使用することは、2つのファイバの再接続中にこの特性を新たに決定することと比較して、現在の相対回転角度を決定する際の計算時間及び費用を低減する。また、現在のアライメントと以前のアライメントとの差分を決定する精度も、高められる。
【0035】
記憶された特性は、第2のファイバの外側コアの角度位置に対する第1のファイバの外側コアの角度位置の偏差を含んでもよい。
【0036】
2つのファイバ間の外側コアの角度位置のそのような偏差は、光ファイバを製造するプロセスにおける公差によって引き起こされ得る。これらの偏差は、処置において接続され、再接続されるべき実際の2つのファイバに特有のものである。ファイバ間の相対回転角度を決定する際にこれらの偏差を考慮することは、相対回転角度が決定される光学的量の測定の精度を高める。
【0037】
各々がN個の外側コアを有する2つの光ファイバを考慮すると、2つのファイバを再接続する際に、コア-コア構成のN個の可能な組み合わせが存在する。例えば、2つのファイバがそれぞれ3つの外側コアを有する場合、第1のファイバの外側コアと第2のファイバの外側コアとの3つの可能な組み合わせが存在する。以前の接続では、ファイバは、1つのコア-コア構成で接続されていた。このコア-コア構成が、2つのファイバの再接続にも使用される場合、この特定のコア-コア構成のために、第1のファイバの外側コアの角度位置と第2のファイバの外側コアの角度位置との間の偏差を知ることで十分である。したがって、この実施形態では、計算費用及び計算時間が、低減され得る。
【0038】
しかしながら、記憶された特性は、第1のファイバの外側コアと第2のファイバの外側コアとのすべての可能な組み合わせについて、第1のファイバの外側コアの角度位置と第2のファイバの外側コアの角度位置との間の偏差を含むことも可能である。
【0039】
この場合、記憶される特性は、N個のパラメータを含む。この実施形態の利点は、2つのファイバを再接続する際に、再接続のコア-コア構成が、以前の接続と同じであることが必須ではないことである。ユーザは、第1のファイバの同じコアが以前の接続と同じコアとアラインされることに注意する必要がないので、2つのファイバの再接続及びアライメントは、更に単純化される。
【0040】
前述の2つの実施形態のいずれにおいても、方法が、第1のファイバの外側コアと第2のファイバの外側コアとの現在の組み合わせを識別するステップを更に含む場合に有利である。
【0041】
2つのファイバの外側コアの現在の組み合わせの識別は、インタロゲートされたファイバコアの測定された光学的応答と、他のファイバのそれぞれのコアの較正データセットとの比較によって、コア-コア構成を識別することを開示する国際公開第2017/182535A1号に記載されているように実行されうる。
【0042】
一実施形態では、本方法は、第1及び第2のファイバの同じコアが第1のファイバと第2のファイバとの以前の接続と同様に互いに光学的に接続されるまで、第1及び第2のファイバを長手方向軸の周りで互いに対して回転させるようにユーザに指示するステップを更に有しうる。
【0043】
この実施形態は、特に、記憶された特性が、以前の接続の間に光通信していた外側コアのその組み合わせに対する2つのファイバの外側コアの角度位置間の偏差のみを含む、上記の実施形態との関連で、有利である。以前の接続のコア-コア構成に達するために、長手方向軸の周りで第1及び第2のファイバを互いにどのくらい回転させるかをユーザに標示することは、可能な限り迅速に「正しい」(以前の)コア-コア構成を見つけるのにユーザを更に支援する。
【0044】
再び、標示は、ディスプレイ又はグラフィカルユーザインタフェース上の視覚的標示として提供され得る。標示は、また、音響標示、例えば、ファイバが互いに対して回転される方向を示す、変化する音の大きさ又は変化する周波数を有する音として提供されてもよい。
【0045】
上述のように、記憶された特性が、すべての可能な組み合わせ又はコア-コア構成に対する2つのファイバの外側コアの角度位置間の偏差を含む場合、ユーザは、以前の接続のコア-コア構成に到達することに注意する必要がなく、これは、また、アライメント手順を高速化し、更に、2つのファイバの一方又は両方の大きな回転運動を回避し、したがって、2つのファイバを接続するために使用されるコネクタを摩耗させるリスクを低減する。
【0046】
一実施形態では、位置合わせされた接続位置は、発射位置に対して位置合わせされてもよく、第2のファイバは、発射位置において直接的に、又は発射位置から遠位方向に距離をおいて第1のファイバと接続されている。
【0047】
FORSシステムの発射位置は、FORSシステムの形状再構成が開始する位置である。従来、発射位置は、任意の光接続から遠位に機械的に固定される。このような構成では、ファイバは、発射位置が機械的に安定した発射装置(launch fixture)に留まる間に、接続及び切断されることができる。しかしながら、このような構成は、ファイバと一体化されたバックロード可能なガイドワイヤが使用される場合には不可能である。2つのファイバ間の接続が、直接的に発射位置の遠位側にある又は発射位置から遠位に距離をおいている、本実施形態は、代わりに、バックロード可能なガイドワイヤの使用を可能にする。この実施形態の更なる利点は、2つのファイバを接続、切断、再接続する手順が、患者のより近くで実行され得ることであり、これは、外科的処置、特に、接続、切断及び再接続が繰り返し実行されなければならない複雑な外科的処置の改善である。
【0048】
一実施形態では、第1及び第2のファイバのうちの1つは、装置内に組み込まれ、本方法は、第1及び第2のファイバの再接続時に修正された位置合わせ位置を使用して、装置の形状を再構成することを更に含み得る。
【0049】
装置の再位置合わせは、2つのファイバの以前の接続で実行された位置合わせが、ファイバの再接続後に更に使用されることができ、一方、位置合わせが、2つのファイバ間の現在の相対回転角度によって修正されるので、必要とされない。装置に組み込まれるのは、ファイバが装置の内部を通って延在する場合と、ファイバが装置の外側に沿って延在する場合とを含む。
【0050】
本発明の第2の態様によれば、システムが提供され、システムは、
第1の光ファイバ及び第2の光ファイバであって、第1の光ファイバ及び第2の光ファイバは、それぞれ複数の外側コアを有し、第1のファイバの第1の端部セクション及び第2のファイバの第2の端部セクションは、第1のファイバの第1の端部セクション及び第2のファイバの第2の端部セクションが、現在の接続向きを含む現在の接続位置において、第1及び第2の端部セクションの長手方向軸に沿って互いにアラインされる状態で配置され、長手方向軸の周りの第1及び第2の端部セクションの間の現在の相対回転角度は、第2のファイバに対する第1のファイバの以前の接続中の座標系に対して決定された位置合わせされた接続向きにおける第1及び第2の端部セクションの間の相対回転角度に対して既知ではない、第1の光ファイバ及び第2の光ファイバと、
外側コアから光学的信号を受信するように現在の接続位置を通る第1及び第2のファイバの外側コアをインタロゲートするように構成される光学的インタロゲータと、
外側コアの光学的インタロゲーションから、長手方向軸の周りの第1及び第2の端部セクションの間の現在の相対回転角度を含む現在の接続向きにおける第1のファイバ及び第2のファイバが、座標系に対して正確に位置合わせされるように、位置合わせされた接続向きを修正するように構成される回路と、
を有する。
【0051】
本発明の更なる態様では、第2の態様のシステムに、第1の態様による方法のステップを実行させるためのプログラムコード手段を有するコンピュータプログラムが提供される。
【0052】
特許請求されるシステム及びコンピュータプログラムは、特に従属請求項に規定され、本明細書に開示されるように、特許請求される方法と類似の及び/又は同一の好ましい実施形態を有することを理解されたい。
【0053】
本発明のこれら及び他の態様は、以下に記載される実施形態から明らかになり、それらを参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【
図1】FORSに適したシステムの一実施形態を示す。
【
図3】典型的なFORSセンサのマルチコア光ファイバのコア形状を、ファイバの機械的中心に配置された原点を有する座標系で示す。
【
図4】
図1のシステムの簡略化された略図を、その詳細を拡大して示す。
【
図5】接続位置における第1のファイバと第2のファイバとの間の相対回転角度の関数として、ファイバの各コアについての第1のファイバから第2のファイバへの光伝送の挿入損失曲線を示す。
【
図6】ベクトルに組み合わされ、3Dプロットでプロットされた、
図5の挿入-損失曲線を示す。
【
図7】第1の実施形態による、2つのファイバを別のファイバと再接続する方法の実施形態のフローチャートを示す。
【
図8】第1のファイバから第1のファイバに接続された第2のファイバへの光伝送の挿入損失曲線のシミュレーションを、2つのファイバ間の相対回転角度の関数として示し、ここで、2つのファイバのコアのすべての可能なコア-コア構成が考慮される。
【
図9】第2の実施形態による、2つの光ファイバを互いに再接続する方法のフローチャートを示す。
【
図10】本発明の実装の有り無し両方で、互いに対する2つの光ファイバのアライメントの異なる段階における、ユーザへの可能なフィードバックの例の略図を示す。
【
図11】インタロゲータ、マルチコア光ファイバを備えたパッチコード、マルチコアファイバを備えたセンサ、及び発射領域を含むFORSセットアップの3つの可能な構成の略図を示し、
図11a)は、従来のセットアップを示し、
図11b)及び
図11c)は、本発明を使用するセットアップの実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0055】
本発明を詳細に説明する前に、本発明の理解を容易にするFORSのいくつかの導入説明が、与えられる。
【0056】
図1は、光ファイバセンサ12の形状を感知し、再構成するように構成されたシステム10の部分を概略的に示す。システム10は、FORSシステム10と称されることもある。
【0057】
システム10は、ファイバセンサ12をインタロゲートし、光ファイバ12の形状を再構成するための、マルチチャネル光周波数領域反射率測定(OFDR)に基づく分散歪感知システムとして構成され得る。光ファイバ12は、複数のファイバコア14、16、18、20、本例では1つの中心コア16及び3つの外側コア14、18、20を有する4つのコアをその中に埋め込まれてもよい。本発明は、4コア光ファイバの使用に限定されるものではなく、4コアよりも少ない又は多いコアを有する光ファイバにも使用されることができることを理解されたい。
【0058】
図2は、中心コアの周りに螺旋状に巻かれた外側コア14、18、20を有するファイバコア14、16、18、20の一部の長さを示す。外側コアは、光ファイバ12の長手方向中心軸の周りで互いに対して角度的に離間される。中心コア16は、ファイバ製造プロセスに起因するいくつかの公差を伴って、長手方向中心軸上に配置されてもよい。本例における3つの外側コアを有する4つのコアの数によれば、隣接するコア間の角度間隔は、典型的には120°である。
【0059】
再び
図1を参照すると、FORSシステム10は、光学形状感知コンソール21を有してもよい。光学形状感知コンソール21は、本明細書では、光ファイバ12に光学的にインタロゲートするためのインタロゲータとも称される。システム10は、以下に説明される本開示の原理による方法を実行するように構成され得る。
【0060】
形状感知コンソール21は、ある範囲の光周波数にわたって掃引されることができるチューナブル光源22を有してもよい。光源22によって放出された光は、光チャネル24a、24b、24c、24dを有する光干渉ネットワーク24に結合される。光学形状感知システム10の使用において、単一ファイバコア14、16、18、20の各々は、光チャネル24a、24b、24c、24dのうちの1つと接続される。
【0061】
チューナブル光源22がある範囲の光周波数(又は波長)にわたって掃引されると、各チャネル24a、24b、24c、24d、したがって、光ファイバ12の各ファイバコア14、16、18、20は、同時に、しかしながら独立して、光学的にインタロゲートされ、ファイバコア24、26、28、20の各々からの反射光及び参照光からの結果として生じる干渉パターンは、それぞれの光検出器25を介して処理ユニット26にルーティングされる。各チャネル24a、24b、24c、24dは、他のチャネルとは独立して処理され得る。コア14、16、18、20からの複数チャネルOFDRシステムを使用して記録された分布歪み測定値は、その後、更なる処理のために、特にファイバセンサ12の3次元形状再構成のために、及び再構成された3次元センサファイバ形状の視覚的表示のためにエクスポートされ得、これらの処理は、プロセッサ又は回路27によって実行され得る。
【0062】
光ファイバ12は、装置(図示せず)に組み込まれてもよい。このような装置は、例えば、ガイドワイヤ、カテーテル、内視鏡などであってもよい。
【0063】
OSSでは、光ファイバ12の幾何学的変化が、ファイバ12を通って伝搬する光フィールドに符号化される。光ファイバ12の光学的インタロゲーションは、原則として、ファイバ12全体の、したがってファイバ12を有する装置の3次元形状をリアルタイムで再構成するために必要とされる情報を与える。適切な座標系又は基準フレームが与えられると、完全なファイバ12の正確な向き及び位置をリアルタイムで知ることが可能である。
【0064】
光学的形状感知の原理についてのより詳細な概要は、US2012/0069347A1及びUS 8,773,650B2から得られることができる。
【0065】
図3は、FORSセンサとして又はFORSセンサ内で、ファイバの幾何学的中心上に配置された原点を持つ座標系で、使用され得る4コア光ファイバのコア幾何学形状を示す。
図5において、数字0は、中心コアを例示的に示し、数字1、2、3は、外側コアを例示的に示す。コアは、選択された座標系の原点に対して、角φ
i及び距離a
i(i = 0、1、2、3)にある。コア1に対する相対角度c
i(concen)及び相対距離r
i(ラジアル、図示せず)が、
図5において定義されている。したがって、より一般的には、c
i=φ
i-φ
1及びr
i=a
i/a
1であり、i=1,2,...,Nであり、Nは、ファイバの外側コアの個数である。この定義において、c
iは、基準コア、ここではコア1の角度位置に対する相対角である。同様に、r
iは、ファイバの中心からのコア1の半径方向の距離について正規化される。
【0066】
外側コアのciの公称値は、すべての外側コアがコア1と同じファイバ中心からの半径方向の距離を有する場合に、ci=(i-1)360/N,i=1,2,...,N、及びri=1である。実際には、製造公差は、ci及びriのこれらの公称値の小さな変動をもたらす。
【0067】
図4は、従来のFORSセットアップを示し、
図1の要素に対応する要素が、
図1と同じ参照番号を付されている。したがって、
図4は、形状感知コンソール又はインタロゲータ21と、形状感知コンソール21に接続された光ファイバ12とを簡略化された形で示す。光ファイバ12は、光ファイバ12と同じ数のファイバコアを有する光ファイバ34も備えたパッチコードを介して形状感知コンソール21に接続されてもよい。パッチコードは、必ずしも存在する必要はないが、光ファイバ12は、形状感知コンソール21に直接的に接続されることができる。
図4において、光ファイバ12のファイバコアは、A1、A2、A3、A4で示され、パッチコードの光ファイバ34のファイバコアは、B1、B2、B3、B4で示される。C1、C2、C3、C4は、インタロゲータ(形状感知コンソール21)から出てくる光ファイバのコアを示す。
【0068】
システム10の使用において、コネクタ30を備えた光ファイバ12の端部セクションは、コネクタ32を備えたパッチコードの光ファイバ34の端部セクションに接続される。同様に、コネクタ36を備えたパッチコードのファイバ34の近位端部セクションは、光チャネル24a、24b、24c、24dを組み込まれたコアとして有するファイバの端部セクションに接続されてもよい。パッチコードが使用されない場合、光ファイバ12を有するコネクタ30は、インタロゲータ又は形状感知コンソール21のファイバに直接的に接続される。
【0069】
光ファイバ12と光学的インタロゲータ21との間の機能的な光接続を行うために(オプションとして光パッチコード34を介して)、光ファイバ12の外側コア及び中心コアを、接続位置においてパッチコード又はインタロゲーションコンソール21のファイバ34の外側コア及び中心コアとアラインすることが重要である。そのようなアライメントを達成するための一般的な方法は、両方の光ファイバをキットファイバコネクタ30、32(又は36、及び38)に組み立てることであり、キットファイバコネクタは、回転的に固定された標準的な向きで光ファイバ間の接続をロックするために嵌合するように構成される、キー48、50、又は44、46を各々有する。セラミックフェルールのような、コネクタ30、32(又は36、38)内の低公差要素(図示せず)は、嵌合スリーブ内の2つのファイバのセンタリングを保証する。コネクタキー48、50(又は44、46)は、角度アライメントを規定する。
【0070】
外径が典型的には1mmの一部分よりも大きくできない、バックロード可能なガイドワイヤなどのガイドワイヤの特定の設計では、キー50のようなロバストなコネクタは、製造するのが非常に困難である。この場合、接続された2つの光ファイバの外側コア間の適切な光接続を保証するために、アクティブアライメント方法が、必要とされ得る。そのようなアライメント方法の実施形態が、本明細書で説明される。
【0071】
FORSでは、再構成アルゴリズムは、FORSセンサファイバ上の特定の位置において開始する形状を作成し、その位置(開始位置)は、再構成された形状の発射(又は単に発射)と称される。センサの開始位置が、位置(x、y、及びz)又は方向(Rx、Ry、及びRz)のいずれかに移動する場合、再構成された形状全体が、それと共に並進又は回転する。再構成された形状が安定した形で表示されることを保証するために、関連する座標系に対するこの開始点の位置及び方向を常に知ることが重要である。これは、センサのこの部分が、機械的な発射装置を使用して座標系に対して移動することができないこと(回転なし、並進なし)を保証することによって、又は開始点の回転及び並進を絶えず測定し、任意の移動について形状を補正することによって、行われることができる。
【0072】
次いで、再構成された形状は、例えば手術台に連結された、FORSが使用される手術室とマッチするもののような関連する座標系において表示されることができる。追加の位置合わせステップが形状を所望の位置及び向きに正確に並進及び回転させるために必要とされることが可能である。そのような位置合わせステップは、形状を、例えばX線画像のグランドトゥルースと比較することによって行われることができる。一度この位置合わせが行われ、発射位置及び向きが安定している(又は任意の移動を補正することができるように連続的に既知である)限り、光ファイバの再構成された形状は、それがマッチされた所望の座標系において正確に示される。
【0073】
医療処置中、FORSガイドワイヤは、数回、接続され、切断され、再接続される必要があり得る。これは、装置の外径に厳しい制限があるので、発射領域を固定する従来の方法が使用されることができないバックロード可能なFORSガイドワイヤに特に当てはまる。そのようなガイドワイヤが治療装置をガイドワイヤの近位端の上にスライドさせるために切断されるとき、これは処置において遅延を生じないので、FORSガイドワイヤの光ファイバをパッチコード(又はインタロゲータと直接)に再接続する間、再位置合わせを必要としない。
【0074】
再位置合わせの必要性を回避するために、光ファイバがパッチコード又はインタロゲータの光ファイバに接続される接続位置におけるFORSセンサの光ファイバの向き及び位置は、各再接続後に高精度で知られる必要がある。自由度(x、y、z、Rx、Ry)のほとんどに対して、機械的解決策は、ガイドワイヤが再現可能な方法で再接続されることを保証することができるが、(相対ロールとも称される)長手方向軸の周りの接続位置で接続された2つのファイバ端部セクション間の相対回転角度、すなわち、Rz, は、機械的解決策が必要な精度を提供することができない困難な問題である。例えば、35ミクロンの外側コアを有する2つのマルチコアFORSファイバ間の良好な光接続のためには、2つのファイバの対応する外側コアが1ミクロンの一部内で重なるように、2つのファイバ間の相対ロールを1度(17.5 mrad)以内にアラインさせることで十分である。この精度の量は、また、嵌合スリーブなどの従来の嵌合方法が提供することができる量である。しかしながら、組み込まれたファイバを有する装置の形状を関連する座標系に正確にマッピングするために、相対ロールは、少なくとも1桁高い精度で知られていなければならない。1 mradの誤差は、装置の再構成された形状の1mにわたる1mmの誤差を既に与えることができる。したがって、一旦、2つのファイバを再接続する際に良好な光接続が行われると、相対ロールも、位置合わせが基づいていた以前の接続中の値と十分に等しいという事実に依拠することは、不可能である。
【0075】
本開示の原理によれば、(
図4の光ファイバ12のような)第1の光ファイバを(
図4のパッチコード34の光ファイバのような)第2の光ファイバと再接続する方法は、2つのファイバの以前の接続中に関連する座標系に関して決定された位置合わせされた接続位置が2つのファイバ間の以前の又は最初の接続に関して現在の相対ロールによって修正され得るという点で、2つのファイバの現在の接続位置の再位置合わせを回避する。本方法は、ファイバが再接続される現在の接続位置における光学的量の光学的測定を利用してもよい。
【0076】
1つのファイバから別のファイバへの光の結合は、通常、2つのファイバ内のファイバコアのモードがどの程度重なり合うかに応じて、いくらかの損失をもたらす。挿入損失と称されるこの損失は、送信電力Tの観点から表されることができる。2つの公称的に等価なコア間の空間モード重複が、それらの相対的アライメントによって決定される。光ファイバが、それらの間にギャップがないように直接的に結合され、角度不整合が小さく、両ファイバが自由空間波長において同じモードフィールド半径ω0(強度が1/e2に低下する半径)を有すると仮定すると、デシベルで、第1のファイバにおけるコアiと第2のファイバにおけるコアjとの間の動力伝達Tijは、以下のように表されることができる。
Tij
dB=10・log10(Tij)=-(10dij
2)/(ω0
2ln(10))=-((20a2)/(ω0
2ln(10)))(1-cos(δij-θ)) (1)
【0077】
式(1)において、ω0は、モードフィールド半径であり、aは、ファイバ中心からのコア距離であり、これはここでは計算を簡略化するために、すべての外側コアについて同じであると考えられ、δij=ci
1-cj
2は、第1のファイバにおけるコアiのConcenと第2のファイバにおけるコアjのConcenとの間の差であり、θは、ファイバを再接続する際の第1のファイバと第2のファイバとの間の長手方向軸の周りの(未知の)相対回転角度(ロール)である。
【0078】
差δijは、第2のファイバの外側コアの角度位置に対する第1のファイバの外側コアの角度位置のずれの尺度である特定の特性であり、このずれは、2つの光ファイバの製造工程における公差によって引き起こされ得る。δijは、例えば、以下に説明されるような測定値によって決定されることができる。
【0079】
式(1)は、δij-θ=0付近のテイラー展開によって更に簡略化されることができるが、それは、これが、2つのファイバを再接続する際に光インタロゲーションから受信される光信号が使用されるであろう関連する範囲であるからである。
Tij
dB≒-((20a2)/(ω0
2ln(10)))(δij-θ)2 (2)
【0080】
第1のファイバのコアiと第2のファイバのコアjとの間の挿入損失T
ij
dBは、2つのファイバを光学的にインタロゲートすることによって、相対回転角度θに応じて測定されることができる。挿入損失を測定するために異なる光学技術が、使用されることができるが、OFDRのような技術を使用することが最も容易であり得る。
図1のシステム10のようなOFDRシステムは、高い空間分解能で位置の関数としてファイバ内の反射を測定することを可能にする。FORSは、光ファイバの各コアにおける反射パターンを別々にインタロゲートするためにOFDRに依存しており、したがって、2つの光ファイバ間の光接続にわたる挿入損失を測定することも可能である。
【0081】
図5は、N = 3の外側コアを有するマルチコアファイバの相対回転角度θの関数として、接続位置を通る2つの光ファイバ間の挿入損失の曲線を示す。
図5の曲線は、シミュレーションから得られた。外側コアの数が、本発明が適用可能であるために2以上である必要があることが、再び言及される。本シミュレーションでは、ファイバ中心からのファイバコアの半径方向距離が、35μmと仮定され、外側コアは、コア1に対して-120°及び+120°の公称方位角で配置されると仮定される。更に、製造公差をシミュレートするために、第1のファイバのコアと第2のファイバのコアとの間のコア角度偏差が、考慮されている。δ
11=0、δ
22=0.014、δ
33=0.016radであると仮定された。フィールドモード半径ω
0は、2.8μmに設定される。
全ての外側コアの挿入損失は、
図6に示されるように、ベクトルに結合され得る。このベクトルは、相対回転角度θの関数として3次元空間内の曲線をトレースする。第1のファイバと第2のファイバの幾何学的形状の違いは、外側コアの挿入損失の間に明確な関係を与える。3つの外側コアの例では、ベクトルは3次元である。解析的には、ベクトルは、次のように記述されてもよい。
【0082】
所与のファイバ設計について、ω
0及びaが既知であると仮定することが可能である。唯一の未知のパラメータは、第2の光ファイバと比較して第1の光ファイバの正確な幾何学的形状に依存するδ
11、δ
22、及びδ
33である。これらの値は、平面に対する法線ベクトルが次式に比例するため、例えば、平面を点にフィッティングすることによって測定から求められることができる。
【0083】
本実施形態では、2つのファイバを再接続する際の現在の接続位置において、2つの光ファイバ間の角度回転角θが未知であると仮定される。更に、本実施形態では、2つのファイバの再接続後、同じコアが、以前の接続と同様に互いに接続される、すなわち、第1のファイバのコア1が、第2のファイバのコア1に接続され、第1のファイバのコア2が、第2のファイバのコア2に接続され、第1のファイバのコア3が、第2のファイバのコア3に接続されると仮定される。ファイバの同じコアが再接続の前と同様に再接続の後に互いに接続されるこの特定のコア-コア構成は、いくつかの方法で達成されることができる。例えば、このアライメントは、N個の外側コアに対して360/N度以内のアライメントを保証するのに十分に良好である粗いキーイング機構によって達成されることができる。このアライメントを達成する別の方法は、例えば国際公開第2017/182535号パンフレットに記載されているように、アライメント中に、光フィンガープリントを使用して、第1のファイバのどのコアが第2のファイバのどのコアに接続されているかを識別し、間違ったコアが接続されているときに回転し続けるためのフィードバック信号を提供することである。これは、2つのファイバが互いに対して完全に360°回転されることができることを必要とする。
【0084】
2つのファイバ端面が互いに近接しているとき、中心コアの光信号を常に測定することが期待されるが、原理的には、2つのファイバ間の相対的な角度向きに依存しないので、外側コア上では、2つのファイバ間の第1の接触における光信号がいかなる追加のアクティブ回転アライメントもなしには得られない大きな機会がある。
【0085】
現在の相対回転角度が未知である現在の接続向きを含む現在の接続位置において、端部セクションの長手方向軸に沿って互いにアラインされるように、2つのファイバの端部セクションを近接して配置した後、2つのファイバ(すなわち、2つのファイバの一方又は両方のファイバ)が、互いに対して回転される。回転中、外側コアにおける挿入損失は、変化する。式(2)から、デシベルでの挿入損失は、嵌合されるコアの対の間の角度不整合δ
ij-θにほぼ二次的に依存することが分かる。
図5の曲線の幅、すなわち、特定の回転に伴って伝送がどれだけ速く低下するかは、中心からの公称コア距離、a、及びモードフィールド半径ω
0によってのみ与えられる。互いに対する
図6の曲線の相対的な位置は、δ
ijに依存する。
【0086】
図7は、本実施形態による方法の可能な実施を説明するフローチャートを示す。
図8の左側では、フローチャートが、2つのファイバの初期又は以前の接続におけるステップを説明し、右側は、切断後の2つのファイバの再接続のステップを説明する。
【0087】
ステップ60では、2つのファイバの端部セクションが、ファイバの長手方向にアラインされるように、最初に接続位置に近接して(例えば、
図4のコネクタ30及び32を介して、しかし少なくともコネクタ30上にコネクタキーなしで)配置される。ステップ62において、端部セクションは、互いに対して回転される。例えば、FORSセンサに含まれる光ファイバの端部のみが、例えばパッチコードの、他の光ファイバの固定された端部セクションに対して回転される。回転中、挿入損失は、すべての外側コア上で絶えず測定される。ステップ64において、外側コアの挿入損失が最小ではないと決定された場合、回転が、継続される。ステップ64において、挿入損失が最小に到達する場合、方法は、ステップ66に進み、第1のファイバのどのコアが第2のファイバのどのコアに接続されているかが、検出される。ステップ64における挿入損失の測定値中に、δ
11、δ
22、及びδ
33を特定のコア-コア構成のためのデータから導出するのに十分な測定値点が、得られる。δ
11、δ
22、及びδ
33は、システム10のようなシステムのメモリに記憶される。メモリは、システム10の回路27によって含まれることができる。また、アライメントが停止する曲線(
図6)上の点が、記憶される。
【0088】
図6は、θ = -2.0、及び2°に対応して示される曲線上の例示的な点を示す。
【0089】
この方法は、関連する座標系、例えば医療用途における手術台において、接続位置を含む第1及び第2のファイバをマッチさせるための位置合わせステップであるステップ68に進む。そのような位置合わせステップは、X線撮像を使用することによって行われることができるが、他の撮像モダリティによっても行われることができる。位置合わせステップから、回転行列が、当技術分野で知られているように得られ、次いで、メモリに記憶される。このように、接続向きを含む位置合わせされた接続位置は、初期又は以前の接続時に関連する座標系に対して位置合わせされる接続向きを含む接続位置である。
【0090】
形状感知は、ここで、ステップ70において、ファイバが位置合わせされる関連する座標系にマッピングされて実行されることができる。
【0091】
手順の特定の時点で、FORSセンサ、例えばガイドワイヤは、ステップ72に示されるように、例えば装置交換が必要とされるときに、パッチコード又はインタロゲータから切断され、再接続されなければならない。
【0092】
装置交換後、2つの光ファイバが、再接続されなければならない。2つのファイバの端部セクションは、現在の接続向きを含む現在の接続位置において、長手方向において互いに対してアラインされるように、再び近接して配置される。現在の接続向きでは、光ファイバの第1及び第2の端部セクションの間の相対的な回転角度が、未知であるか、又はよくても不十分な精度で知られている。ステップ82では、ステップ84に示すように、外側コアの挿入損失まで、外側コアの光学的インタロゲーション中に外側コアから受信される光信号を最適化するために長手方向軸の周りで互いに対して回転されたファイバの端部セクションは、十分に低い。ステップ86では、第1及び第2のファイバの同じコアが以前の接続位置と同様に接続されているかどうかが、検出される。そうではない場合、システム10は、ステップ66で検出されるように、第1のファイバの同じコアが第2のファイバの同じコアに接続されるまで、第1の光ファイバの端部セクションを第2の光ファイバの端部セクションに対して更に回転させるようにユーザに指示してもよい。次いで、外側コア上の挿入損失が、再び決定される。ステップ88において
図6の曲線のような曲線を作成するのに十分な点が収集された場合、ステップ90において、
図6の曲線のような多次元伝送曲線が、データから作成され得る。パラメータδ
11、δ
22、及びδ
33の形式の記憶された特性を、コア距離a及びモードフィールド半径ω
0の既知の値と共に使用して、2つのファイバの最初の又は以前の接続によって得られた位置合わせされたアライメントに対して現在のアライメントにおける長手方向軸の周りの第1及び第2のファイバ間の相対回転角度を決定するのに(フィッティング又は関数を反転させることのいずれかによって)式(2)を利用することができる。したがって、相対ロールの差は、ステップ92で計算されることができる。外側コアの各々の挿入損失が十分な精度で測定されることができる場合、1 mradの精度でロール差を見つけることが可能である。センサの光ファイバの再構成された形状は、以前に決定された回転行列(ステップ68)を使用して再び回転されるが、その上に、2つの光ファイバ間の計算された相対回転角度に基づく角度補正が、最初の接続と再接続との間のロール差を補正するように回転行列に含まれる。
【0093】
以前の実施形態では、2つのファイバを再接続することは、2つのファイバを再接続した後のコア-コア構成が以前の又は最初の接続におけるコア-コア構成と同じであることを含む。この場合では、この単一のコア-コア構成(例えば、1-1、2-2、3-3)についてのみパラメータδ
ijを記憶すれば十分である。しかしながら、例えば、アライメントに必要とされる時間を最小化する又は第1のファイバ又は第2のファイバの端部セクションに配置されたファイバコネクタに損傷を与えるリスクを低減するために、2つのファイバの互いに対する回転を制限することが望ましい場合がある。したがって、現在の接続位置における端部セクションを近接して配置すると、2つのファイバの他のコアが以前の接続よりも嵌合されることが、起こり得る。例えば、再接続時に、第1のファイバのコア1は、第2のファイバのコア2に接続されることができる。外側コア上の測定された挿入損失によって生成されるデータ点は、ここで、切断前の状況と比較して異なる曲線上にあり、相対回転角度を見つけるための直接的な比較を不可能にするか又は少なくとも困難にする。異なるコア-コア構成に属する異なる伝送曲線をリンクするために、より多数の挿入損失曲線が、考慮されるべきである。N=3の外側コアを各々有する2つの光ファイバに対して、外側コアの3つの可能なコア-コア構成が存在する。
図6のような1つの挿入損失曲線の代わりに、3つの異なる曲線が存在する。
【0094】
この原理は、任意の数の外側コア≧2に一般化されることができることに再度留意されたい。
【0095】
上で示された3つのベクトルは、全て、2つの接続された光ファイバ間の幾何学的差異に依存する。これは、δ
ijが、i及びjの任意の組み合わせについて既知であるべきであることを意味する。δ
ijが公称外側コア距離a及びモードフィールド半径ω
0と同様に、すべての可能な組み合わせについて既知である場合、すべての可能なコア-コア構成に対する曲線が、予測されることができる。これらの曲線は、
図8に示される。
【0096】
すべてのコア-コア構成についてのδijの測定は、製造工程として前もって行われることができ、例えば、パッチコード及びセンサは、各々特定のファイバを有する。
【0097】
図9は、本実施形態の可能な実施を説明するフローチャートである。ステップ60乃至66は、
図7のフローチャートと同じであってもよい。ステップ94に示されるように、2つの光ファイバのコネクタにおける幾何学的情報δ
ijを用いて、伝送曲線が、ステップ96においてコア-コアアライメントの全ての順列について計算されることができる。確立された伝送曲線は、2つのファイバの再接続に使用される。
【0098】
ステップ98では、2つのファイバの最初の接続時又は第1の接続時のコア-コア構成が、決定される。
【0099】
ステップ68及び72は、
図7のフローチャートと同じである。
【0100】
再接続中、ステップ80、82、84が実行された後、ステップ100によって示されるように、第1のファイバのどのコアが現在の接続位置において第2のファイバのどのコアに接続されているかが、検出される。ここで、ステップ96で得られた伝送曲線を使用して、これらの曲線をすべて知ることは、再接続の前後でこれらの曲線上の位置を決定することを可能にする。その知識を用いて、
図8に示されるように、相対回転角度θは、0°と360°との間のθの値ごとに見つけられることができる。新しいコア-コア構成は、ステップ102において決定されることができる。
【0101】
それから、かつ
図8の曲線のような伝送曲線を使用して、θの値が、見つけられることができ、次いで、θのこの値は、位置合わせステップ68で得られた回転行列を補正するのにステップ104において使用されることができる。
【0102】
上記の実施形態に関して説明されたように、FORSセンサの光ファイバ内の外側コアの挿入損失は、例えば
図6及び
図8に示されるように、N次元空間内の曲線をトレースするベクトルに結合されることができ、ここでNは外側コアの数である。ここで、2つのファイバを再接続する際のフィードバック信号として、曲線上の実際の位置又は現在の位置をとることが可能であり、この信号は、現在のアライメントが最適(例えば、最大伝送)のどちら側であるかに関する情報を有する。したがって、アライメント中にユーザに方向情報を与えることが可能になる。
【0103】
これが、
図10に示される。
図10は、FORSセンサの光ファイバのアライメント中のいくつかのステップ(a)乃至(e)を示す。各ステップ(a)乃至(e)について、従来のフィードバック信号がどのように見えるか、及び本開示の原理を使用してどのように見えるかが、
図11に示される。センサの光ファイバの中心コアを検査することによって、システムは、センサが接続されているかどうか(のみ)を決定することができる(ステップ(a)及び(b))。次いで、回転アライメントが、外側コアをアラインさせるために行われる(ステップ(c)、(d)、(e))。本開示の原理なしでは、長手方向軸の周りの回転アライメントが最適の前か後かを見ることが可能ではなく、一方、本発明では、インジケータ108によって示されるように、これらのアライメントを区別することが可能である。インジケータ108は、システムによって、例えばグラフィカルユーザインタフェース上に視覚的に表示され得る。視覚的インジケータの代わりに、オーディオ信号がインジケータとして出力されることも実現可能であり、方向が、特定の周波数及び/又は音の大きさによって示されてもよい。
【0104】
図11を参照して、システム10のようなFORSシステムにおける本開示の原理の実施が、更に説明される。
【0105】
図11a)は、従来のセットアップを示す。従来のセットアップでは、機械的発射装置120と、センサ124の光ファイバの光接続122からパッチコード126の光ファイバまで(又は直接的にインタロゲータ21まで)遠位の形状再構成の開始とが、
図11a)に示されるように、光接続122から遠位に規定される。したがって、センサ124の完全に再構成された形状にわたって、ねじれは、連続的である。このような構成では、センサ124を接続及び切断することが可能であり、一方、発射装置120は、機械的に安定した発射装置に留まることができる。
【0106】
センサ124としてバックロード可能なガイドワイヤを使用する場合、
図11a)のセットアップは、実行不可能である。これは、ガイドワイヤの外径に対する厳密な寸法要件が、パッチコード126の光ファイバの端部セクションに対するセンサ124の光ファイバの端部セクション間の相対回転角度を正確に再現することができるロバストな機械的発射装置を妨げるからである。x、y、及びz位置、ならびにx及びy軸に関するコネクタの向きは、依然として機械的に規定されることができる。
【0107】
図11b)及びc)において、可能なセットアップの2つの実施形態は、本開示の原理を実施するとき、センサ124としてバックロード可能なFORSガイドワイヤと共に使用するために示されている。
図11b)及びc)において、位置合わせに対するロール(長手方向軸の周りの回転角度)は、光接続122から近位に固定され、これは、組み込まれた光ファイバを有するバックロード可能なFORSガイドワイヤをシステムの残りの部分から自由に切断することを可能にする。ここで、発射装置120が、センサ124とパッチコード126との間の光接続122から近位に配置されるので、(発射装置120を介した)初期位置合わせに対するセンサ124の回転向き(ロール)は、センサ124の再接続後に先験的に未知である。この時点で、本明細書に記載される本開示の原理は、長手方向軸の周りのセンサ124とパッチコード126との間の相対回転角度(R
z)を見つけることを可能にする。この相対回転角度が既知である場合、形状は、センサの2つのファイバとパッチコードとの再接続の前に行われた元の位置合わせに対して再構成されることができる。
【0108】
図11b)及びc)のセットアップの違いは、
図11b)では、光接続122が、直接的に、ロールが固定される点(機械的発射)にあることである。
図11c)では、光接続122が、固定部120から遠位にある距離に配置される。後者のセットアップは、発射部120から光接続122に至るパッチコード126の一部の形状も、接続点122におけるパッチコード126の向きを知るために再構成されることを必要とする。
【0109】
本発明は、図面及び前述の説明において詳細に図示及び説明されてきたが、そのような図示及び説明は、説明的又は例示的であり、限定的ではないと見なされるべきである。本発明は、開示された実施形態に限定されるものではない。開示された実施形態に対する他の変形は、図面、開示、及び添付の請求項の検討から、請求項に記載された発明を実施する際に当業者によって理解され、及び実施されることができる。
【0110】
請求項において、単語「有する」は、他の要素又はステップを排除するものではなく、不定冠詞「a」又は「an」は、複数性を排除するものではない。単一の要素又は他のユニットが、請求項に列挙されるいくつかの項目の機能を満たしてもよい。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用されることができないことを示すものではない。
【0111】
コンピュータプログラムは、他のハードウェアと一緒に又はその一部として供給される光記憶媒体又はソリッドステート媒体などの適切な非一時的媒体上に記憶/配布されてもよいが、インターネット又は他の有線もしくは無線通信システムなどを介してのような、他の形態で配布されてもよい。
【0112】
全ての位置合わせデータ、初期データもしくは修正データ、又は任意の他の光学ベースの、幾何学的データもしくは位置決めデータは、例えばメモリ又は別の記憶媒体に記憶されることができる。
【0113】
請求項におけるいかなる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【国際調査報告】