(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-22
(54)【発明の名称】薬物送達デバイスアセンブリ及び薬物送達デバイス用アクセサリ
(51)【国際特許分類】
A61M 5/20 20060101AFI20231115BHJP
【FI】
A61M5/20 510
A61M5/20 572
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526265
(86)(22)【出願日】2021-11-01
(85)【翻訳文提出日】2023-05-18
(86)【国際出願番号】 US2021057515
(87)【国際公開番号】W WO2022098594
(87)【国際公開日】2022-05-12
(32)【優先日】2020-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500049716
【氏名又は名称】アムジエン・インコーポレーテツド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベック,カーステン
(72)【発明者】
【氏名】ペダーセン,ジェイコブ・ハルケア
(72)【発明者】
【氏名】ダッドマン,ジョシュア・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】フェルシュレン,アドリアヌス・ヘーラルドゥス
(72)【発明者】
【氏名】ダン,チウシュン
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA09
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD13
4C066EE06
4C066EE14
4C066HH02
4C066HH12
4C066QQ78
(57)【要約】
インジェクタハウジング、針アセンブリ、駆動アセンブリ、及び用量フィードバックアクセサリ、を含む薬物送達デバイスアセンブリが提供される。インジェクタハウジングは、近位端と、遠位端と、近位端と遠位端との間に延びる長手方向軸線軸と、少なくとも1つのウィンドウと、を有する本体を含み得る。針アセンブリは、少なくとも部分的に本体内に配置されており、薬剤を収容するシリンジバレル、シリンジバレル内に配置されたプランジャストッパ、及び針又はカニューレを含み得る。駆動アセンブリは、少なくとも部分的に本体内に配置され、針アセンブリに動作可能に連結されて、注入シーケンス中に薬剤を付勢して針又はカニューレに通す。用量フィードバックアクセサリは、インジェクタハウジングに選択的に連結されるように構成されたアクセサリ本体と、注入状況イベントに関する情報をユーザに伝達するように構成されたフィードバックインジケータとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位端と、遠位端と、前記近位端と前記遠位端との間に延びる長手方向軸線と、少なくとも1つのウィンドウと、を有する本体を有するインジェクタハウジングと、
少なくとも部分的に前記本体内に配置された針アセンブリであって、前記針アセンブリは、薬剤を収容するシリンジバレル、前記シリンジバレル内に配置されたプランジャストッパ、及び針又はカニューレを備える、針アセンブリと、
前記本体内に少なくとも部分的に配置され、注入シーケンス中に前記針又はカニューレを通して前記薬剤を付勢するために前記針アセンブリに動作可能に連結された駆動アセンブリと、
用量フィードバックアクセサリであって、
前記インジェクタハウジングに選択的に連結されるように構成されたアクセサリ本体、及び、
注入状況イベントに関する情報をユーザに伝達するように構成されたフィードバックインジケータを含む、用量フィードバックアクセサリと、
を備える、薬物送達デバイスアセンブリ。
【請求項2】
前記用量フィードバックアクセサリは、前記注入状況イベントを検出するように構成されたセンサを更に含む、請求項1に記載の薬物送達デバイスアセンブリ。
【請求項3】
前記アクセサリ本体は、前記インジェクタハウジングにスナップ式に嵌まるように構成されている、請求項1又は2に記載の薬物送達デバイスアセンブリ。
【請求項4】
前記アクセサリ本体は、前記インジェクタハウジングからスナップ式に外れるように構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の薬物送達デバイスアセンブリ。
【請求項5】
前記アクセサリ本体は、前記インジェクタハウジングにスナップ式に嵌まるように構成された一対のアームを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の薬物送達デバイスアセンブリ。
【請求項6】
前記アクセサリ本体は、摺動して前記インジェクタハウジング上に載るように構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の薬物送達デバイスアセンブリ。
【請求項7】
前記アクセサリ本体は、摺動して前記インジェクタハウジングから外れるように構成されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の薬物送達デバイスアセンブリ。
【請求項8】
前記アクセサリ本体は、前記インジェクタハウジングの少なくとも一部分を収容して前記インジェクタハウジングの少なくとも一部分に選択的に連結するように構成された開口部を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の薬物送達デバイスアセンブリ。
【請求項9】
前記センサは、前記プランジャストッパの移動又は位置を検出するように構成されている、請求項2~8のいずれか一項に記載の薬物送達デバイスアセンブリ。
【請求項10】
前記駆動アセンブリに動作可能に連結されたアクチュエータを更に備え、前記センサは前記アクチュエータの移動又は位置を検出するように構成されている、請求項2~9のいずれか一項に記載の薬物送達デバイスアセンブリ。
【請求項11】
前記フィードバックインジケータは、前記プランジャストッパの移動又は位置を示す少なくとも1つの光源を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の薬物送達デバイスアセンブリ。
【請求項12】
前記フィードバックインジケータは複数の光源を含み、前記複数の光源の各々が前記プランジャストッパの移動又は位置を示す、請求項1~11のいずれか一項に記載の薬物送達デバイスアセンブリ。
【請求項13】
前記複数の光源は、前記ウィンドウに概ね整列されている、請求項12に記載の薬物送達デバイスアセンブリ。
【請求項14】
前記複数の光源は、注入完了カウントダウンを提供する、請求項12又は13に記載の薬物送達デバイスアセンブリ。
【請求項15】
前記フィードバックインジケータは、可聴信号を生成するためのスピーカを含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の薬物送達デバイスアセンブリ。
【請求項16】
前記可聴信号は、注入完了カウントダウンを含む、請求項15に記載の薬物送達デバイスアセンブリ。
【請求項17】
前記可聴信号は操作指示を含む、請求項15又は16に記載の薬物送達デバイスアセンブリ。
【請求項18】
薬物送達デバイス用のアクセサリであって、前記アクセサリは、
インジェクタに選択的に連結されるように構成されたアクセサリ本体と、
注入状況イベントに関する情報をユーザに伝達するように構成されたフィードバックインジケータと、を備える、アクセサリ。
【請求項19】
前記フィードバックインジケータは、前記薬物送達デバイスの注入状況イベントを検出するように構成されたセンサを備える、請求項18に記載のアクセサリ。
【請求項20】
前記アクセサリ本体は、前記薬物送達デバイスにスナップ式に嵌まるように構成されている、請求項18又は19に記載のアクセサリ。
【請求項21】
前記アクセサリ本体は、前記薬物送達デバイスからスナップ式に外れるように構成されている、請求項18~20のいずれか一項に記載のアクセサリ。
【請求項22】
前記アクセサリ本体は、前記薬物送達デバイスにスナップ式に嵌まるように構成された一対のアームを含む、請求項18~21のいずれか一項に記載のアクセサリ。
【請求項23】
前記アクセサリ本体は、摺動して前記薬物送達デバイス上に載るように構成されている、請求項18~22のいずれか一項に記載のアクセサリ。
【請求項24】
前記アクセサリ本体は、摺動して前記薬物送達デバイスから外れるように構成されている、請求項18~23のいずれか一項に記載のアクセサリ。
【請求項25】
前記アクセサリ本体は、前記薬物送達デバイスの少なくとも一部分を収容して前記薬物送達デバイスの少なくとも一部分に選択的に連結するように構成された開口部を含む、請求項18~24のいずれか一項に記載のアクセサリ。
【請求項26】
前記センサは、プランジャストッパの移動又は位置を検出するように構成されている、請求項19~25のいずれか一項に記載のアクセサリ。
【請求項27】
駆動アセンブリに動作可能に連結されたアクチュエータを更に備え、前記センサは前記アクチュエータの移動又は位置を検出するように構成されている、請求項19~26のいずれか一項に記載のアクセサリ。
【請求項28】
前記フィードバックインジケータは、前記薬物送達デバイスのプランジャストッパの移動又は位置を示す少なくとも1つの光源を含む、請求項18~27のいずれか一項に記載のアクセサリ。
【請求項29】
前記フィードバックインジケータは、複数の光源を含み、前記複数の光源の各々が前記薬物送達デバイスのプランジャストッパの移動又は位置を示す、請求項18~28のいずれか一項に記載のアクセサリ。
【請求項30】
前記複数の光源は、ウィンドウに概ね整列されている、請求項29に記載のアクセサリ。
【請求項31】
前記複数の光源は、注入完了カウントダウンを提供する、請求項29又は30に記載のアクセサリ。
【請求項32】
前記フィードバックインジケータは、可聴信号を生成するためのスピーカを含む、請求項18~31のいずれか一項に記載のアクセサリ。
【請求項33】
前記可聴信号は、注入完了カウントダウンを含む、請求項32に記載のアクセサリ。
【請求項34】
前記可聴信号は操作指示を含む、請求項31又は32に記載のアクセサリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
2020年11月4日に出願された米国仮特許出願第63/109,607号に対する優先権が主張され、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、全般的には、薬物送達デバイスアセンブリ、及び薬物送達デバイス用のアクセサリに関する。より具体的には、本開示は全般的に、アセンブリに、及び/又はインジェクタハウジングに選択的に連結されるように構成されたアクセサリ本体と、注入状況イベントに関する情報をユーザに伝達するように構成されたフィードバックインジケータとを含むアクセサリに関する。
【背景技術】
【0003】
薬物は、様々な状態及び疾患を治療するために投与される。オートインジェクタ(例えば、ペン型オートインジェクタ)及びオンボディ型インジェクタは、薬物などの薬剤及び/又は治療の送達においていくつかの利点を提供する。利益の1つとしては、例えば、従来のシリンジを使用する従前の送達方法と比較したときの使用の簡単さを挙げることができる。オートインジェクタは、様々な粘度及び/又は所望の量を有する多くの異なる薬剤を送達するために使用することができる。
【0004】
オートインジェクタのユーザが、使用前及び/又は使用中に、オートインジェクタの特定の特性を検査及び/又は観察することが望ましい場合がある。オートインジェクタの使用上の注意(「IFU」)は、そのような点検動作を指示、奨励、又は推奨することができる。例えば、ユーザは、オートインジェクタを使用する前に、微粒子、変色、又は汚染物質をチェックするなどのために、オートインジェクタ観察ウィンドウを介して薬剤を検査するように指示されることを望む場合がある。ユーザは、注入工程中に又は少なくとも患者の皮膚との接触からオートインジェクタを取り外す前に、観察ウィンドウを観察するように指示されることを望む場合がある。より具体的には、注入シーケンス中に、ユーザは、薬剤の体積が減少していること及びプランジャストッパが薬物送達デバイスから薬剤を付勢していることを観察して、注入がいつ完了したかを決定することができる。これらのステップは、送達部位からデバイスを尚早に取り外すことにより皮膚表面に薬物が吹き付けられることに起因して、不十分な投与量が送達される可能性を減らす場合がある。
【0005】
オートインジェクタのユーザにとって、注入中に特定の力の程度及び/又は方向を維持することが望ましい場合がある。オートインジェクタのIFUが、このような動作を指示、奨励、又は推奨することができる。例えば、ユーザが、注入シーケンス中に、一定の又はベースラインの力を維持すること、及び/又は注入部位に対して垂直な方向にオートインジェクタを維持することを望む又は維持するように指示される場合がある。これらのステップは、完全な且つ良好な注入の可能性を増加させること及び/又は痛み若しくは不快感を減らすことができる。
【0006】
しかしながら、一部のオートインジェクタユーザは、所望の力を所望の方向に印加しながら、更に観察ウィンドウを観察することが、面倒、不快、又は不便であると感じる場合がある。例えば、一部のユーザは、オートインジェクタの長手方向軸線に略平行な方向に及び/又は長手方向軸線に沿った方向に視線を向けることを好む場合がある。そのような方向により、オートインジェクタが注入部位に対して垂直なままであることを、ユーザが概ね確信することが可能になる。しかしながら、そのような方向は、典型的にはオートインジェクタ側面にある観察ウィンドウを観察することに貢献しない場合がある。
【0007】
以下に更に詳述するように、本開示は、既存のシステム及び方法に対する有利な代替案を具現化した、薬物送達デバイスアセンブリと、オートインジェクタのような、薬物送達デバイス用のアクセサリとについて説明するものであり、本明細書で述べる課題又はニーズのうちの1つ以上に対処するとともに他の利益及び利点も提供することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
インジェクタハウジング、針アセンブリ、駆動アセンブリ、及び用量フィードバックアクセサリ、を含む薬物送達デバイスアセンブリが提供される。インジェクタハウジングは、近位端と、遠位端と、近位端と遠位端との間に延びる長手方向軸線軸と、少なくとも1つのウィンドウと、を有する本体を含み得る。針アセンブリは、少なくとも部分的に本体内に配置されており、薬剤を収容するシリンジバレル、シリンジバレル内に配置されたプランジャストッパ、及び針又はカニューレを含み得る。駆動アセンブリは、少なくとも部分的に本体内に配置され、針アセンブリに動作可能に連結されて、注入シーケンス中に薬剤を付勢して針又はカニューレに通す。用量フィードバックアクセサリは、インジェクタハウジングに選択的に連結されるように構成されたアクセサリ本体と、注入状況イベントに関する情報をユーザに伝達するように構成されたフィードバックインジケータとを含む。
【0009】
アクセサリ本体は、インジェクタハウジングにスナップ式に嵌まる及び/又はインジェクタハウジングからスナップ式に外れるように構成され得る。アクセサリ本体は、インジェクタハウジングにスナップ式に嵌まるように構成された一対のアームを含み得る。
【0010】
アクセサリ本体は、摺動してインジェクタハウジング上に載る及び/又は摺動してインジェクタハウジングから外れるように構成され得る。アクセサリ本体は、インジェクタハウジングの少なくとも一部分を収容し、それに選択的に連結するように構成された開口部を含み得る。
【0011】
用量フィードバックアクセサリは、注入状況イベントを検出するように構成されたセンサを更に含み得、センサは、プランジャストッパの移動又は位置を検出するように構成され得る。
【0012】
アセンブリは、駆動アセンブリに動作可能に連結されたアクチュエータを含み得、センサは、アクチュエータの移動又は位置を検出するように構成され得る。
【0013】
フィードバックインジケータは、プランジャストッパの移動又は位置を示す少なくとも1つの光源を含み得る。フィードバックインジケータは、各々がプランジャストッパの移動又は位置を示す複数の光源を含み得る。複数の光源は、ウィンドウに概ね整列し得る。複数の光源は、注入完了カウントダウンを提供し得る。
【0014】
フィードバックインジケータは、可聴信号を生成するためのスピーカを含み得る。可聴信号は、注入完了カウントダウンを含み得る。可聴信号は、操作指示を含み得る。
【0015】
薬物送達デバイス用のアクセサリも提供され、アクセサリは、インジェクタに選択的に連結されるように構成されたアクセサリ本体と、注入状況イベントに関する情報をユーザに伝達するように構成されたフィードバックインジケータとを含む。
【0016】
本開示は、以下の説明を添付図面と併せて解釈することで、より完全に理解されると考えられる。図面のいくつかは、他の要素をより明確に示すために、選択した要素を省略することにより簡略化されている場合がある。いくつかの図面における要素のこのような省略は、対応する記述で明示的に表現されている場合を除き、例示的な実施形態のいずれにおいても特定の要素の存在又は不在を必ずしも示すものではない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本開示の態様とともに利用され得る例示的な薬物送達デバイスの正面図である。
【
図2A】本開示の態様による、ウィンドウを有するインジェクタと注入状況に関する情報をユーザに伝達するフィードバックインジケータを有するアクセサリとを含む、例示的な薬物送達デバイスアセンブリの正面図である。
【
図2B】インジェクタが準備完了状態にあることをフィードバックインジケータが示す、
図2Aに示すアセンブリの斜視図である。
【
図2C】インジェクタがアクティブ注入状態にあることをフィードバックインジケータが示す、
図2Aに示すアセンブリの斜視図である。
【
図3A】本開示の態様による、ウィンドウを有するインジェクタと注入状況に関する情報をユーザに伝達するフィードバックインジケータを有するアクセサリとを含む、別の例示的な薬物送達デバイスアセンブリの正面図である。
【
図3B】インジェクタがアクティブ注入状態にあることをフィードバックインジケータが示す、
図3Aに示すアセンブリの斜視図である。
【
図3C】インジェクタが注入完了状態にあることをフィードバックインジケータが示す、
図2Aに示すアセンブリの斜視図である。
【
図4A】本開示の態様による、ウィンドウを有するインジェクタと注入状況に関する情報をユーザに伝達するフィードバックインジケータを有するアクセサリとを含む、別の例示的な薬物送達デバイスアセンブリの側面図である。
【
図5A】本開示の態様による、アクチュエータボタンを有するインジェクタと注入状況に関する情報をユーザに伝達するフィードバックインジケータを有するアクセサリとを含む、別の例示的な薬物送達デバイスアセンブリの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
一般的に言えば、これらの様々な実施形態に従って、薬物送達デバイス(例えば、オートインジェクタ又は他のインジェクタ)が、アクセサリに連結して又はアクセサリとともに使用されてユーザフィードバックが提供される。例えば、アクセサリはインジェクタに連結されて、注入状況イベントを検出し、注入状況イベントに関連する情報をユーザに伝達するように構成され得る。
【0019】
本明細書で使用する場合、用語「約」は、最小有効数字の±10%を意味する。用語「患者の皮膚」は、ユーザの覆われていない皮膚、むき出しの皮膚、又は素肌、及び/又は衣類、包帯若しくは他の被覆物によって覆われたユーザの皮膚を指すことができる。
【0020】
図1に示すように、例示的なインジェクタ10は、概して、遠位端14と、近位端16と、遠位端14と近位端16との間に延びる長手方向軸線Lと、を含むハウジング12を画定するインジェクタハウジング11を含む。インジェクタ10の遠位端14は、インジェクタ10の作動を支援する略円筒形の針シールド18と、インジェクタの使用前に針シールド18を覆う針キャップ19とを含む。針アセンブリ20が、遠位端14にて又はその近傍にてハウジング12内に少なくとも部分的に配置され、薬剤24を収容するシリンジバレル22と、シリンジバレル22内に配置されたプランジャストッパ21と、薬剤24を患者に注入するために使用される針又はカニューレ26とを含む。例示的実施例では、針又はカニューレ26は、起動前に最初にハウジング12内に位置決めされ、薬物送達中に遠位端14にある開口部を通って突出し得る。
【0021】
駆動アセンブリ30もまた、ハウジング12内に少なくとも部分的に配置されており、針アセンブリ20に動作可能に連結されている。駆動アセンブリ30は、駆動アセンブリ30の作動を開始する、ハウジング12の近位端16に又はその近傍に位置決めされたアクチュエータボタン32を含み得る。操作時、ユーザは、針キャップ19を取り外し、針シールド18を注入場所(例えば、患者の脚又は患者の腹)に接して配置し、アクチュエータボタン32を作動させる。この作動によって、駆動アセンブリ30の(ばね、モータ、油圧又は加圧機構などの形態の)駆動機構が、プランジャストッパ21などの針アセンブリ20の一部分に駆動力を及ぼし、この駆動力によって、針又はカニューレ26がハウジング12の開口部を通して患者に挿入される、及び/又は、更に薬剤24がシリンジバレル22から付勢されて針又はカニューレ26を出て患者に入る。いくつかの変形例では、患者は針又はカニューレ26を手動で挿入することができ、駆動機構30の作動は、プランジャストッパ21を遠位方向に付勢することだけを含み、それにより、薬剤24がシリンジバレル22から付勢されて針又はカニューレ26を出て患者に入る。インジェクタ10は、アクチュエータボタンを含まないこともでき、アクチュエータボタンに針シールドの移動を加えるのではなく、代わりに針シールド18単独の移動により起動され得る。
【0022】
インジェクタ10は、デバイスの機能を支援及び/又は強化できる、いかなる数の追加の特徴部及び構成要素も含むことができる。例示的実施例では、ハウジング12の外面35から1つ以上のノブ34がアンチロール特徴部として突出している。1つ以上のノブ34は、インジェクタ10のハウジング12に一体形成され得、又は溶接、接着剤により、若しくは他の接着方法により、外面35に連結され得る。加えて、シリンジバレル22に又はその近傍に位置決めされた観察ウィンドウ36が、投与中に薬物の残量の視覚的指標を提供する。針キャップ19は、針26を保護し、インジェクタ10の意図しない起動、及び針又はカニューレ26の展開を防止する。針シールド18は、針シールド18が患者の皮膚に対して押圧されたときに、注入を係止解除するように又は開始するように機能する。駆動アセンブリ30の起動は、インジェクタ10の針シールド18に特定の力が印加されることを必要とし、その力はユーザの皮膚に伝達される。他の実施例では、インジェクタ10は加えて、ハウジング12、針アセンブリ20、駆動アセンブリ30、及び/又はインジェクタ10の任意の他の構成要素、に連結される1つ以上の電子モジュールを含み得る。更に、インジェクタ10はまた、引き込み機構、減衰機構などの任意の数の安全機構を含み得る。
【0023】
薬物送達デバイス10の本実施例は、オートインジェクタ又はペン型インジェクタの形態をとり、したがって、薬物送達の期間にわたってユーザの手に保持され得る。薬物送達デバイス10は、患者による自己投与のために、又は介護者若しくは正式に訓練された医療提供者(例えば、医師又は看護師)による投与のために好適であり得る。薬物送達デバイス10の様々な実現形態及び構成が可能である。他の実施例では、薬物送達デバイス10は、複数回使用の再利用可能なインジェクタとして構成され得る。
【0024】
図2Aは、本開示の態様による、インジェクタ110及びアクセサリ50を含む、薬物送達デバイスアセンブリ100を示す。アクセサリ50は、インジェクタハウジング112に選択的に連結されるように構成されたアクセサリ本体60と、注入状況イベントに関する情報をユーザに伝達するように構成されたフィードバックインジケータ70とを含む。注入状況イベントという用語は、インジェクタの注入準備ができていることの指標、インジェクタが注入の過程にあることの指標、又は注入が完了していることの指標、を含むが、これらに限定されない、状況、イベント、状態、ステージのうちの1つ以上を指す場合がある。
【0025】
アクセサリ本体60は、インジェクタハウジング112を収容するように構成された略円形の開口部64を有する略円筒形のスリーブ62であり得る。より具体的な実施例として、開口部64は、インジェクタハウジング112の収容部分と類似の又は同じ形状(例えば、円形)を有してもよく、インジェクタハウジング112の収容部分よりも直径が僅かに大きいか又は等しくてもよく、それにより、本体60が摺動してインジェクタ110上に載る及び摺動してインジェクタ110から外れることが可能である。本体60及び/又はインジェクタ110はまた、アクセサリ本体60及びインジェクタ110を、一緒に係止、連結、又は保持する連結部分を含み得る。例えば、連結部分は、インジェクタ110を押し付けて摩擦嵌め係合を形成する、本体60上の可撓性アームであり得る。別の実施例として、連結部分は、インジェクタ110内に形成されたスロット内に収容されて摩擦嵌め係合を形成する、本体60上の可撓性アームであり得る。更に別の実施例として、連結部分は、インジェクタ110の表面から延び、本体60を押し付けて摩擦嵌め係合を形成する、丸みを帯びた突起などの突出部であり得る。別の例として、連結部分は、本体60の内面上に形成されたスロット内に収容されることにより摩擦嵌め係合を形成する、インジェクタ110の表面上の突出部であり得る。本体60は、追加のステップを介して、例えば、本体60及びインジェクタ110を互いに対して回転させる又は可動係止アームを係合させることにより、インジェクタ110に係止され得る。
【0026】
本体60は、センサが
図1に示すウィンドウ36などの薬物観察ウィンドウに整列するような位置及び方向にてインジェクタ110に連結され得る。より具体的な実施例として、本体60は、光源66(
図2B)を含み、その光源66は、2つの薬物観察ウィンドウのうちの第1の薬物観察ウィンドウ36a(
図1)に整列するように構成されており、その結果、光が第1の薬物ウィンドウ36aを通り、シリンジ内の薬剤24を通り、第2の薬物観察ウィンドウ36bを通り、次いでフィードバックインジケータ70上を照らす。より具体的な実施例として、光源66は、発光ダイオード(LED)ライト、有機発光ダイオード(OLED)ライト、白熱ライト、ネオンライト、又は任意の他の好適なライトであり得る。光源66は、第1のウィンドウ36aの大部分又は全てに沿って延びることができ、1つ又は複数のライトであり得、任意の好適な形状及びサイズを有し得る。
図2Bに示す光源66は、第2の光ウィンドウ36bの長さに沿って光を均一に照らすように成形されサイズ設定されている。図に示すフィードバックインジケータ70は、フィードバックインジケータ70が、第2のウィンドウ36bを通って照らす光の全てを受け取ることが可能であって、その光をユーザに表示するように、整列されている。換言すれば、フィードバックインジケータは、注入状況イベントに関する情報をユーザに伝達するための光を表示する。
【0027】
「注入状況イベント」という用語は、インジェクタの注入準備ができていることの指標、インジェクタが注入の過程にあることの指標、注入が完了していることの指標、又はインジェクタの構成要素の位置又は移動、を含むが、これらに限定されない、状況、イベント、状態、ステージのうちの1つ以上を指す場合がある。例えば、注入状況は、シリンジバレル22内の薬剤24の体積に関連し得る。別の例として、注入状況は、プランジャストッパ21の位置、例えば、
図1に示すような、ウィンドウ36の上部の近傍にあるその位置(すなわち、近位部分)、又はシリンジバレル22内の任意の他の位置、であり得る。加えて又は代わりに、注入状況は、注入工程中のプランジャストッパ21の移動、例えば遠位方向への移動であり得る。加えて又は代わりに、注入状況は、注入工程が始まったか、進行中であるか、及び/又は完了したか、であり得る。
【0028】
上述したように、フィードバックインジケータ70は、注入状況イベントに関する情報をユーザに伝達するように構成されている。フィードバックインジケータ70は、視覚インジケータ、聴覚インジケータ、触覚インジケータ、これらタイプのインジケータの組合せ、又は別のタイプの好適なインジケータであり得る。より具体的な実施例として、
図2Aに示すフィードバックインジケータ70は、複数の視覚インジケータ、すなわち光拡散器、を含む。更により具体的な実施例として、
図2Aのフィードバックインジケータ70は、概ね線形に配置され、ウィンドウ36に概ね整列された、一連の光拡散器70a、70b、70c、70d、70e、70f、70g及び70hを含む。光拡散器70a~70hは、プランジャストッパ21の移動又は位置を示すために使用できる。例えば、最も近位の光拡散器70aは、ウィンドウ36の上部(すなわち、近位部分)に整列され得、最も遠位の光拡散器70hは、ウィンドウ36の底部に整列され得、光拡散器70a~70hの各々は、プランジャストッパ21が光拡散器の各々に隣接して位置決めされるのにつれて、オン又はオフになり得る。
図2A~
図2Cに示すアクセサリ50は、インジェクタ10の遠位端から十分な間隔を空けて配置されており、その結果、アクセサリが針シールド18(
図2B)を覆い隠すことがなく、ユーザの注入スポット90(
図2C)に当接すること又は干渉することがない。
【0029】
図2B~
図2Cは、使用中のアクセサリを、光拡散器70が最も目立つように示す。光拡散器は、光ファイバ又は任意の他の透明若しくは半透明の材料から構成され得る。
図2Cに示す光拡散器70a~70hは、その光拡散特性を増加させるために摩滅させた光ファイバで作製されている。別の実施例として、フィードバックインジケータ70の材料が完全に透明である、及び/又は光をリダイレクト若しくは拡散させない場合、ユーザがフィードバックインジケータを様々な角度から見ることが困難な場合がある。光拡散器70a~70hは、注入の開始時に及び/又は注入が始まる前に、
図2Bにおけるように、全てがオン(例えば、発光)であり得る。プランジャストッパ及び/又はプランジャロッドが光拡散器70a~70hの各々を通過し、その結果、遠位に移動しているプランジャストッパ及び/又はプランジャロッドにより光拡散器70a~70cが遮断されるにつれて、光拡散器は「オフ」(例えば、非発光)になり得る。換言すれば、注入工程の間、光拡散器70a~70hは、注入シーケンスが進行するにつれて、光がオフにされている外観を与えることになる。例えば、
図2Cでは、注入は部分的に終わっている。
【0030】
図3A~
図3Cは、6つの光拡散器170a、170b、170c、170d、170e、170fを有するフィードバックインジケータ170を含むアクセサリ150の別の実施形態を示す。光拡散器170a~170fは、注入の開始時に及び/又は注入が始まる前に、
図3Aにおけるように、全てがオン(例えば、発光)であり得る。プランジャストッパが光拡散器170a~170fの各々を通過するにつれて光はオフになり得、その結果、注入工程が、
図3Bのように半分終わった場合、光拡散器170a~170cが遮断(すなわち、「オフ」)され、注入工程が、
図3Cのように完了した場合、光拡散器170a~170fの全てがオフになる。代替的な構造が利用され得る。
【0031】
図2A~
図2Cのアクセサリが8つの光拡散器70a~70hを含み、
図3A~
図3Cのアクセサリ150が6つの光拡散器170a~170fを含むが、任意の好適な数の光拡散器が利用され得る。例えば、アクセサリは、インジェクタのウィンドウの長さ及び/又はシリンジバレルの長さに対応する数の及び個別に寸法設定された光拡散器を含み得る。別の実施例として、アクセサリは、第2のウィンドウ36bの長さに沿って延びる単一の光拡散器を含み得る。更に別の実施例として、アクセサリは、任意の好適な数の光拡散器、例えば、1個の光拡散器、2個の光拡散器、4個の光拡散器、6個の光拡散器、8個の光拡散器、10個の光拡散器、又は別の数の光拡散器を含み得る。加えて、上述した態様は単一の光源を含むが、他の変形例は、複数の光源を含んで、類似した結果を達成し得る。
【0032】
ユーザに伝達される情報は、以下の少なくとも1つ以上であり得る:アクセサリがインジェクタに良好に連結されている、アクセサリがオンである、インジェクタの注入工程の準備ができている、注入工程が開始された、注入工程が進行中である、注入工程が継続中である、注入工程が停止した、注入工程が完了した。インジェクタは、この情報を、どの光拡散器が発光しているか、光拡散器が発光から非発光に変化したか、又は他の特性を介して、合図し得る。
【0033】
図4Aは、本開示の態様による、インジェクタ210及びアクセサリ250を含む、薬物送達デバイスアセンブリ200を示す。アクセサリ250は、インジェクタハウジング212に選択的に連結されるように構成されたアクセサリ本体260と、注入状況イベントを検出するように構成されたセンサ280と、注入状況イベントに関する情報をユーザに伝達するように構成されたフィードバックインジケータ270とを含む。
【0034】
アクセサリ本体260は、細長い部分264と、インジェクタハウジング212にスナップ式に嵌まるように構成された少なくとも一対のアーム262とを含み得る。しかしながら、いくつかの変形例では、アーム262の幾何学的形状に起因して、同じアクセサリ本体260はまた、所望に応じて、摺動してインジェクタハウジング212上に載る及び摺動してインジェクタハウジング212から外れるように構成され得る。より具体的な実施例として、
図4Aに示すアクセサリ250は、二対のアーム262、すなわち近位対及び遠位対、を含む。アーム262は、アクセサリ250がインジェクタ210に連結されている間に互いに屈曲して離れるが、それでも、アクセサリ250とインジェクタ210との間に比較的ぴったり合う接続を形成するような、可撓性を有し得る。細長い部分264は、2つの薬物ウィンドウ236のうちの1つに整列され、それに沿って延び得る。より具体的な実施例として、センサ280が第1の薬物ウィンドウ236aに整列されるように、細長い部分264がインジェクタ200の第1の薬物ウィンドウ236a(
図4D)に対して位置決めされ得る。第2の薬物ウィンドウ236bはインジェクタ210の反対側から見えるので、光が薬物ウィンドウ236bを通ってアクセサリ250を照らすことが可能である。より具体的には、アーム262の2つの対応する対は互いに長手方向に間隔を空けており、その結果、(
図4Cに示す)アームの近位対262aが薬物ウィンドウ236の近位端のちょうど近位に位置決めされ、(
図4Cに示す)遠位アーム262bが薬物ウィンドウ236の遠位端のちょうど遠位に位置決めされて、薬物ウィンドウ236を遮ることがない。アクセサリ250は、任意の好適な数の、例えば2個、4個、6個又は任意の他の好適な数の、アーム対を含み得る。アクセサリ250はまた、ウィンドウ236aの一部分に当接する隆起246(
図4D)を含んで、アクセサリ250とインジェクタ200との整列を手助けし得る。
【0035】
本体260及び/又はインジェクタ210はまた、アーム262の対に加えて、アクセサリ本体260及びインジェクタ210を一緒に係止、連結、又は保持する追加の連結部分を含み得る。例えば、連結部分は、本体260の内面上に形成されたスロット内に収容されることにより摩擦嵌め係合を形成する、インジェクタ210の表面上の突出部であり得る。本体260は、追加のステップを介して、例えば、本体260及びインジェクタ210を回転させることにより、インジェクタ210に係止され得る。
【0036】
本体260はまた、インジェクタ210のハウジング212に選択的に当接するように構成された接触スイッチ266を含み得る。より具体的な実施例として、アクセサリ250がハウジング212に適切に連結されているときに接触スイッチ266が押下されるように、アクセサリ250が構成され得る。アクセサリ250がハウジング212に適切に連結されていることを示す情報を、フィードバックインジケータ270がユーザに提供することが可能なように、接触スイッチ266がフィードバックインジケータ270に動作可能に連結され得る。
【0037】
図4Dに示すように、センサ280は、光を測定し、光を検出し、及び/又は光に敏感であるように構成された光センサであり得る。センサ280は、光チャネル282により第1のウィンドウ236aに接続され得、その結果、第2の光ウィンドウ236bに入った光が、シリンジバレルを通り、第1のウィンドウ236aを通り、光チャネル282内に入って照らし、光センサ280によって検出されることが可能である。更なる実施例として、注入工程中にプランジャストッパが遠位方向に移動した場合、プランジャストッパは最終的に光チャネル282に整列され、それにより光が光チャネル280に入ることが遮断される場合がある。その結果、プランジャストッパが所定の位置、例えばシリンジの遠位端に到達すると、ユーザはフィードバックインジケータ270を介して、注入イベントの終わりに関する情報を受け取ることが可能である。アクセサリ250の電気構成要素は、電池240によって給電され得る。
【0038】
使用中、ユーザは、接触センサ266及びフィードバックインジケータ270を介して、アクセサリ250とインジェクタ210との間の適切な整列及び連結について通知され得る。例えば、フィードバックインジケータ270の光272が、例えば赤い色合いである場合に。いったん注入が開始され、プランジャストッパがウィンドウ236aの近位部分の近傍のスポットを通過すると、光チャネル282の上部がプランジャによって一時的に遮られ、それによりフィードバックインジケータ270はライトを緑色で点滅させ得る。いったん注入が完了し、プランジャがウィンドウ236aの遠位部分の近傍のスポットを通過し、プランジャストッパが遠位の光チャネル282を遮ると、ライトは常時点灯の緑色に変化し得る。この実施例では、ユーザは、3つの状態の全て(注入の準備ができている、注入の開始、及び注入の終了)について通知される。他の代替的な構造として、この光は、異なる色彩設計、点滅状態、又は他の特徴を有し得る。
【0039】
図5Aは、本開示の態様による、インジェクタ310及びアクセサリ350を含む、薬物送達デバイスアセンブリ300を示す。アクセサリ350は、インジェクタハウジング312に選択的に連結されるように構成されたアクセサリ本体360と、注入状況イベントを検出するように構成されたセンサ380(
図5C)と、注入状況イベントに関する情報をユーザに伝達するように構成されたフィードバックインジケータ370とを含む。
【0040】
アクセサリ本体360は、細長い部分と、インジェクタハウジング312にスナップ式に嵌まるように構成された少なくとも一対のアーム362とを含み得る。より具体的な実施例として、
図5Aに示すアクセサリ350は、二対のアーム362、すなわち近位対及び遠位対、を含む。アーム362は、アクセサリ350がインジェクタ310に連結されている間に互いに屈曲して離れるが、それでも、アクセサリ350とインジェクタ310との間に比較的ぴったり合う接続を形成するような、可撓性を有し得る。アクセサリ本体360の近位部分がアクチュエータボタン332に隣接して位置決めされるように、及び/又はアクセサリ本体360の遠位部分が薬物ウィンドウ336に隣接して位置決めされるように、アクセサリ350が位置決めされ得る。より具体的な実施例として、アクセサリ350は、アクチュエータボタン332(
図5D)により生成される可聴ノイズを検出するように構成されたアクチュエータセンサ385を含み得る。例えば、アクチュエータセンサ385は、アクチュエータボタン332が押下されたときに生成されるクリックノイズを検出するように構成されたマイクロホンであり得る。加えて、いくつかのオートインジェクタは、注入中に生成される用量終了クリック及び/又は連続若しくは反復クリックを生成する構成要素を含み、このクリックもアクチュエータセンサ385により検出できる。別の実施例として、アクセサリは、インジェクタ300のプランジャストッパの移動を検出するように構成された光センサ390を含み得る。
【0041】
本体360はまた、インジェクタ310のハウジング312に選択的に当接するように構成された接触センサ380を含み得る。より具体的な実施例として、アクセサリ350がハウジング312に適切に連結されているときに接触スイッチ380が押下されるように、アクセサリ350が構成され得る。アクセサリ350がハウジング312に適切に連結されていることを示す情報を、フィードバックインジケータ370がユーザに提供することが可能なように、接触スイッチ380がフィードバックインジケータ370に動作可能に連結され得る。加えて又は代わりに、フィードバックインジケータ370は、アクチュエータセンサ385及び/又は光センサ390に動作可能に連結され得る。
【0042】
フィードバックインジケータ370は、可聴信号を生成するように構成され得る。例えば、フィードバックインジケータは、可聴信号を生成するためのスピーカであり得る。いくつかの変形例では、フィードバックインジケータ370は、スピーカ、更には、前述した実施形態にて説明したような1つ以上の光源を含んで、複数の形式のフィードバックをユーザに提供し得る。可聴信号は、「エンドキャップを取り外してインジェクタをインジェクタ領域に押し込んで下さい」のような操作指示を含み得る。可聴信号は、更に又は代わりに、10秒間継続すると予想される注入に対する10から1への可聴カウントダウンのような、注入カウントダウンを含み得る。
【0043】
操作中、ユーザがアクセサリ350をインジェクタ310に適切に連結させると、接触スイッチ380が押下されることになり、フィードバックインジケータ370は、アクセサリ350及びインジェクタ310が連結されたことをユーザに知らせることになる。例えば、フィードバックインジケータ370は、ユーザに、所定の可聴音又は信号を発生させ得る。可聴音又は信号は、アクチュエータボタン332の押下により発生するクリックより大きくて、クリックを聴くことが困難なユーザを支援し得る。次いで、フィードバックインジケータ370は、ユーザに、インジェクタを注入領域に適用する及び/又はアクチュエータボタン332を押下するなどのステップをとるように指示し得る。最後に、フィードバックインジケータ370は、アクチュエータセンサ385及び/又は光センサ390を利用して、注入工程のステージを決定し、それに関するフィードバックをユーザに提供し得る。
【0044】
本明細書に記載されているアクセサリは、他のタイプのフィードバック、例えば振動又は他の触覚フィードバックを含む触知フィードバックを提供し得る。
【0045】
シリンジバレルは、45~85mm、60~65mmの長さ、又は別の好適な長さを有し得る。シリンジバレルの長さは、後端と針が取り付けられる出口との間の長さである(しかし、針が存在する場合、針は含まない)。
【0046】
シリンジバレルは、4~6.5mmの内径を有し得る。シリンジが1mLの名目最大充填容積を有する場合、シリンジバレルの内径は5.5~6.5mmであり得る。シリンジが0.5mLの名目最大充填容積を有する場合、シリンジバレルの内径は4~5mmであり得る。
【0047】
シリンジバレルの壁は、少なくとも1mm、約1~3mm、約1.5~3mm、又は約2.4~2.8mmの厚さを有し得る。壁の厚さに起因して、滅菌ガスがシリンジの内部に入ることが制限又は阻止され、それにより、プレフィルドシリンジ内に収容された液体製剤との接触が最小限に抑えられる又は阻止される。
【0048】
上述の記載では、薬物送達デバイスに関連する様々なデバイス、アセンブリ、構成要素、サブシステム、及び使用方法について説明している。デバイス、アセンブリ、構成要素、サブシステム、方法、又は薬物送達デバイスは、以下に特定される薬物、並びにそれらのジェネリック及びバイオシミラー同等品を含むがそれらに限定されない薬物を更に含み得る又はこれらとともに使用され得る。本明細書で使用する場合、薬物という用語は、他の類似の用語と交換可能に使用することができ、伝統的及び非伝統的な薬剤、栄養補助食品、サプリメント、生物学的製剤、生物学的活性剤及び組成物、大分子、バイオシミラー、生物学的同等物、治療用抗体、ポリペプチド、タンパク質、小分子、及びジェネリック薬剤を含む、任意の種類の薬剤又は治療用材料を指すために使用され得る。非治療的な注入可能材料もまた包含される。薬物は、液体形態、凍結乾燥形態、又は凍結乾燥形態から再構成されたものであり得る。以下の例示的な薬物のリストは、網羅的又は限定的であると考えるべきではない。
【0049】
薬物はリザーバ内に収容されることになる。いくつかの場合では、リザーバは、治療のために薬物が充填されるか又は事前充填されるかのいずれかである一次容器である。一次容器は、バイアル、カートリッジ、又は事前充填されたシリンジであり得る。
【0050】
いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスのリザーバには、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)などのコロニー刺激因子が充填され得るか、又はそれらとともにデバイスを使用することができる。このようなG-CSF製剤には、Neulasta(登録商標)(ペグフィルグラスチム、ペグフィルグラスチム、PEG化G-CSF、PEG化hu-Met-G-CSF)及びNeupogen(登録商標)(フィルグラスチム、G-CSF、hu-MetG-CSF)、UDENYCA(登録商標)(ペグフィルグラスチム-cbqv)、Ziextenzo(登録商標)(LA-EP2006;ペグフィルグラスチム-bmez)、又はFULPHILA(ペグフィルグラスチム-bmez)が含まれるが、それらに限定されない。
【0051】
他の実施形態では、薬物送達デバイスは、液体又は凍結乾燥形態であり得る赤血球造血刺激因子製剤(ESA)を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。ESAは、赤血球造血を刺激する任意の分子である。いくつかの実施形態では、ESAは、赤血球造血刺激タンパク質である。本明細書で使用する場合、「赤血球造血刺激タンパク質」とは、例えば、受容体に結合し、受容体の二量化を引き起こすことによってエリスロポエチン受容体の活性化を直接的又は間接的に引き起こす任意のタンパク質を意味する。赤血球造血刺激タンパク質としては、エリスロポエチン受容体に結合し、これを活性化させるエリスロポエチン及びその変異体、類似体、若しくは誘導体;エリスロポエチン受容体に結合し、この受容体を活性化させる抗体;又はエリスロポエチン受容体に結合し、活性化させるペプチドが挙げられる。赤血球造血刺激タンパク質としては、Epogen(登録商標)(エポエチンアルファ)、Aranesp(登録商標)(ダルベポエチンアルファ)、Dynepo(登録商標)(エポエチンデルタ)、Mircera(登録商標)(メトキシポリエチレングリコール-エポエチンベータ)、Hematide(登録商標)、MRK-2578、INS-22、Retacrit(登録商標)(エポエチンゼータ)、Neorecormon(登録商標)(エポエチンベータ)、Silapo(登録商標)(エポエチンゼータ)、Binocrit(登録商標)(エポエチンアルファ)、エポエチンアルファHexal、Abseamed(登録商標)(エポエチンアルファ)、Ratioepo(登録商標)(エポエチンシータ)、Eporatio(登録商標)(エポエチンシータ)、Biopoin(登録商標)(エポエチンシータ)、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、エポエチンイオタ、エポエチンオメガ、エポエチンデルタ、エポエチンゼータ、エポエチンシータ、及びエポエチンデルタ、PEG化エリスロポエチン、カルバミル化エリスロポエチン、並びにそれらの分子又は変異体又は類似体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0052】
特定の例示的なタンパク質の中には、その融合物、断片、類似体、変異体、又は誘導体を含む、以下で説明する特定のタンパク質がある:完全ヒト化及びヒトOPGL特異抗体、特に、完全ヒト化モノクローナル抗体を含む、(RANKL特異抗体、ペプチボディなどとも称される)OPGL特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;ミオスタチン特異的ペプチボディを含む、ミオスタチン結合タンパク質、ペプチボディ、関連タンパク質など;特に、IL-4及び/又はIL-13の受容体への結合によって媒介される活動を抑制する、IL-4受容体特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;インターロイキン1-受容体1(「IL1-R1」)特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;Ang2特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;NGF特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;CD22特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など、特に、ヒト-マウスモノクローナルhLL2κ鎖に結合したヒト-マウスモノクローナルhLL2γ鎖二硫化物の二量体、例えば、エプラツズマブ(CAS登録番号501423-23-0)のヒトCD22特異完全ヒト化抗体などの、ヒトCD22特異IgG抗体を特に含むがそれに限定されない、ヒト化及び完全ヒトモノクローナル抗体を含むがそれに限定されない、ヒト化及び完全ヒト抗体などであるがそれに限定されない、ヒトCD22特異抗体;抗IGF-1R抗体を含むがそれに限定されない、IGF-1受容体特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質など;B7RP特異完全ヒトモノクローナルIgG2抗体を含むがそれに限定されない、B7RP-1の最初の免疫グロブリン様ドメインのエピトープと結合する完全ヒトIgG2モノクローナル抗体を含むがそれに限定されない、B7RP-1と活性化T細胞上のB7RP-1の自然受容体であるICOSとの相互作用を抑制するものを含むがそれに限定されない、B-7関連タンパク質1特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など(「B7RP-1」、B7H2、ICOSL、B7h、及びCD275とも称される);例えば145c7などの、HuMax IL-15抗体及び関連タンパク質を含むがそれらに限定されない、特にヒト化モノクローナル抗体などの、IL-15特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;ヒトIFN γ特異抗体を含むがそれに限定されない、及び完全ヒト抗IFN γ抗体を含むがそれに限定されない、IFN γ特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;TALL-1特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など、並びに他のTALL特異結合タンパク質;副甲状腺ホルモン(「PTH」)特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;トロンボポチエン受容体(「TPO-R」)特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;肝細胞増殖因子/分散因子(HGF/SF)を中和する完全ヒトモノクローナル抗体などのHGF/SF:cMet軸(HGF/SF:c-Met)を標的とするものを含む、肝細胞増殖因子(「HGF」)特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;TRAIL-R2特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;アクチビンA特異抗体、ペプチボディ、タンパク質など;TGF-β特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;アミロイドβタンパク質特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;c-Kit及び/又は他の幹細胞因子受容体と結合するタンパク質を含むがそれらに限定されない、c-Kit特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;OX40L及び/又はOX40受容体の他のリガンドと結合するタンパク質を含むがそれに限定されない、OX40L特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;Activase(登録商標)(アルテプラーゼ、tPA);Aranesp(登録商標)(ダルベポエチンアルファ)エリスロポエチン[30-アスパラギン、32-トレオニン、87-バリン、88-アスパラギン、90-トレオニン]、ダルベポエチンアルファ、新規な赤血球造血刺激タンパク質(NESP);Epogen(登録商標)(エポエチンアルファ、又はエリスロポエチン);GLP-1、Avonex(登録商標)(インターフェロンβ-1a);Bexxar(登録商標)(トシツモマブ、抗CD22モノクローナル抗体);Betaseron(登録商標)(インターフェロン-β);Campath(登録商標)(アレムツズマブ、抗CD52モノクローナル抗体);Dynepo(登録商標)(エポエチンデルタ);Velcade(登録商標)(ボルテゾミブ);MLN0002(抗α4β7 mAb);MLN1202(抗CCR2ケモカイン受容体mAb);Enbrel(登録商標)(エタネルセプト、TNF受容体/Fc融合タンパク質、TNF遮断薬);Eprex(登録商標)(エポエチンアルファ);Erbitux(登録商標)(セツキシマブ、抗EGFR/HER1/c-ErbB-1);Genotropin(登録商標)(ソマトロピン、ヒト成長ホルモン);Herceptin(登録商標)(トラスツズマブ、抗HER2/neu(erbB2)受容体mAb);Kanjinti(商標)(trastuzumab-anns)抗HER2ヒト化モノクローナル抗体、Herceptin(登録商標)のバイオシミラー、又は乳癌若しくは胃癌治療用のトラスツズマブを含有する別の製品;Humatrope(登録商標)(ソマトロピン、ヒト成長ホルモン);Humira(登録商標)(アダリムマブ);Vectibix(登録商標)(パニツムマブ)、Xgeva(登録商標)(デノスマブ)、Prolia(登録商標)(デノスマブ)、RANKリガンドに対する免疫グロブリンG2ヒトモノクローナル抗体、Enbrel(登録商標)(エタネルセプト、TNF-受容体/Fc融合タンパク質、TNF遮断薬)、Nplate(登録商標)(ロミプロスチム)、リロツムマブ、ガニツマブ、コナツムマブ、ブロダルマブ、溶液中のインスリン;Infergen(登録商標)(インターフェロンalfacon-1);Natrecor(登録商標)(ネシリチド、遺伝子組換え型ヒトB型ナトリウム利尿ペプチド(hBNP);Kineret(登録商標)(アナキンラ);Leukine(登録商標)(サルガモスチム、rhuGM-CSF);LymphoCide(登録商標)(エプラツズマブ、抗CD22 mAb);Benlysta(商標)(リンフォスタットB、ベリムマブ、抗BlyS mAb);Metalyse(登録商標)(テネクテプラーゼ、t-PA類似体);Mircera(登録商標)(メトキシポリエチレングリコール-エポエチンベータ);Mylotarg(登録商標)(ゲムツズマブオゾガマイシン);Raptiva(登録商標)(エファリズマブ);Cimzia(登録商標)(セルトリズマブペゴル、CDP 870);Soliris(商標)(エクリズマブ);ペキセリズマブ(抗補体C5);Numax(登録商標)(MEDI-524);Lucentis(登録商標)(ラニビズマブ);Panorex(登録商標)(17-1A、エドレコロマブ);Trabio(登録商標)(レルデリムマブ);TheraCim hR3(ニモツズマブ);Omnitarg(ペルツズマブ、2C4);Osidem(登録商標)(IDM-1);OvaRex(登録商標)(B43.13);Nuvion(登録商標)(ビジリズマブ);カンツズマブメルタンシン(huC242-DM1);NeoRecormon(登録商標)(エポエチンベータ);Neumega(登録商標)(オプレルベキン、ヒトインターロイキン-11);Orthoclone OKT3(登録商標)(ムロモナブ-CD3、抗CD3モノクローナル抗体);Procrit(登録商標)(エポエチンアルファ);Remicade(登録商標)(インフリキシマブ、抗TNFαモノクローナル抗体);Reopro(登録商標)(アブシキシマブ、抗GP lIb/Ilia受容体モノクローナル抗体);Actemra(登録商標)(抗IL6受容体mAb);Avastin(登録商標)(ベバシズマブ)、HuMax-CD4(ザノリムマブ);MvasiTM(ベバシズマブ-awwb);Rituxan(登録商標)(リツキシマブ、抗CD20 mAb);Tarceva(登録商標)(エルロチニブ);Roferon-A(登録商標)(インターフェロンα-2a);Simulect(登録商標)(バシリキシマブ);Prexige(登録商標)(ルミラコキシブ);Synagis(登録商標)(パリビズマブ);145c7-CHO(抗IL15抗体、米国特許第7,153,507号明細書を参照);Tysabri(登録商標)(ナタリズマブ、抗α4インテグリンmAb);Valortim(登録商標)(MDX-1303、抗炭疽菌防御抗原mAb);ABthrax(商標);Xolair(登録商標)(オマリズマブ);ETI211(抗MRSA mAb);IL-1 trap(ヒトIgG1のFc部分及び両IL-1受容体成分(I型受容体及び受容体補助タンパク質)の細胞外ドメイン);VEGF trap(IgG1 Fcと融合したVEGFR1のIgドメイン);Zenapax(登録商標)(ダクリズマブ);Zenapax(登録商標)(ダクリズマブ、抗IL-2Rα mAb);Zevalin(登録商標)(イブリツモマブチウキセタン);Zetia(登録商標)(エゼチマイブ);Orencia(登録商標)(アタシセプト、TACI-Ig);抗CD80モノクローナル抗体(ガリキシマブ);抗CD23 mAb(ルミリキシマブ);BR2-Fc(huBR3/huFc融合タンパク質、可溶性BAFF拮抗薬);CNTO 148(ゴリムマブ、抗TNFα mAb);HGS-ETR1(マパツムマブ;ヒト抗TRAIL受容体-1 mAb);HuMax-CD20(オクレリズマブ、抗CD20ヒトmAb);HuMax-EGFR(ザルツムマブ);M200(ボロシキシマブ、抗α5β1インテグリンmAb);MDX-010(イピリムマブ、抗CTLA-4 mAb、及びVEGFR-1(IMC-18F1);抗BR3 mAb;抗C.ディフィシル毒素A並びに毒素B C mAb MDX-066(CDA-1)及びMDX-1388);抗CD22 dsFv-PE38抱合体(CAT-3888及びCAT-8015);抗CD25 mAb(HuMax-TAC);抗CD3 mAb(NI-0401);アデカツムマブ;抗CD30 mAb(MDX-060);MDX-1333(抗IFNAR);抗CD38 mAb(HuMax CD38);抗CD40L mAb;抗Cripto mAb;抗CTGF特発性肺線維症第1期フィブロゲン(FG-3019);抗CTLA4 mAb;抗エオタキシン1 mAb(CAT-213);抗FGF8 mAb;抗ガングリオシドGD2 mAb;抗ガングリオシドGM2 mAb;抗GDF-8ヒトmAb(MYO-029);抗GM-CSF受容体mAb(CAM-3001);抗HepC mAb(HuMax HepC);抗IFNα mAb(MEDI-545、MDX-198);抗IGF1R mAb;抗IGF-1R mAb(HuMax-Inflam);抗IL12 mAb(ABT-874);抗IL12/IL23 mAb(CNTO 1275);抗IL13 mAb(CAT-354);抗IL2Ra mAb(HuMax-TAC);抗IL5受容体mAb;抗インテグリン受容体mAb(MDX-018、CNTO 95);抗IP10潰瘍性大腸炎mAb(MDX-1100);BMS-66513;抗マンノース受容体/hCGβ mAb(MDX-1307);抗メソテリンdsFv-PE38抱合体(CAT-5001);抗PD1mAb(MDX-1106(ONO-4538));抗PDGFRα抗体(IMC-3G3);抗TGFβ mAb(GC-1008);抗TRAIL受容体-2ヒトmAb(HGS-ETR2);抗TWEAK mAb;抗VEGFR/Flt-1 mAb;及び、抗ZP3 mAb(HuMax-ZP3)。
【0053】
いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ロモソズマブ、ブロソズマブ、BPS 804(Novartis)、Evenity(商標)(ロモソズマブ-aqqg)、閉経後の骨粗鬆症及び/又は骨折治癒の治療のためのロモソズマブを含有する別の製品などであるがそれらに限定されないスクレロスチン抗体、並びに他の実施形態では、ヒトプロタンパク転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)に結合するモノクローナル抗体(IgG)、を収容し得る、又はこれらとともに使用され得る。このようなPCSK9特異抗体としては、Repatha(登録商標)(エボロクマブ)及びPraluent(登録商標)(アリロクマブ)が挙げられるが、それらに限定されない。他の実施形態では、薬物送達デバイスは、リロツムマブ、ビキサロマー、トレバナニブ、ガニツマブ、コナツムマブ、モテサニブニリン酸塩、ブロダルマブ、ヴィデュピプラント、又はパニツムマブを収容し得る、又はこれらとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスのリザーバには、OncoVEXGALV/CD;OrienX010;G207、1716;NV1020;NV12023;NV1034;及びNV1042を含むがそれらに限定されない、黒色腫又は他の癌の治療用のIMLYGIC(登録商標)(タリモジーンラハーパレプベック)又は別の腫瘍溶解性HSVが充填され得、又はデバイスは、これらとともに使用することができる。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、TIMP-3などであるがそれらに限定されないメタロプロテイナーゼの内在性組織阻害剤(TIMP)を収容し得、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Aimovig(登録商標)(エレヌマブ-aooe)、抗ヒトCGRP-R(カルシトニン遺伝子関連ペプチド1型受容体)又は片頭痛の治療のためのエレヌマブを含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。エレヌマブ、並びにCGRP受容体及び他の頭痛標的を標的とする二重特異性抗体分子などであるがそれらに限定されないヒトカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体の拮抗的抗体もまた、本開示の薬物送達デバイスを用いて送達され得る。加えて、BLINCYTO(登録商標)(ブリナツモマブ)などであるがそれらに限定されない二重特異性T細胞誘導(BiTE(登録商標))分子を、本開示の薬物送達デバイスにおいて又はこれとともに使用することができる。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、アペリン又はその類似体などであるがそれらに限定されないAPJ大分子アゴニストを収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、治療的有効量の抗胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)又はTSLP受容体抗体が本開示の薬物送達デバイスにおいて又はこれとともに使用される。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Avsola(商標)(インフリキシマブ-axxq)、抗TNF αモノクローナル抗体、Remicade(登録商標)(インフリキシマブ)のバイオシミラー(Janssen Biotech,Inc.)若しくは自己免疫疾患の治療のためのインフリキシマブを含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Kyprolis(登録商標)(カルフィルゾミブ)、(2S)-N-((S)-1-((S)-4-メチル-1-((R)-2-メチルオキシラン-2-イル)-1-オキソペンタン-2-イルカルバモイル)-2-フェニルエチル)-2-((S)-2-(2-モルホリノアセトアミド)-4-フェニルブタンアミド)-4-メチルペンタンアミド、若しくは多発性骨髄腫の治療のためのカルフィルゾミブを含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Otezla(登録商標)(アプレミラスト)、N-[2-[(1S)-1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-2,3-ジヒドロ-1,3-ジオキソ-1H-イソインドール-4-イル]アセトアミド、若しくは様々な炎症性疾患の治療のためのアプレミラストを含有する別の製品を含有し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Parsabiv(商標)(エテルカルセチドHCl、KAI-4169)若しくは血液透析中の慢性腎疾患(KD)を有する患者などにおける二次性副甲状腺機能亢進症(sHPT)の治療のためのエテルカルセチドHClを含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ABP 798(リツキシマブ)、Rituxan(登録商標)/MabThera(商標)のバイオシミラー候補、若しくは抗CD20モノクローナル抗体を含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、非抗体VEGF拮抗薬などのVEGF拮抗薬、及び/又はアフリベルセプトなどのVEGFトラップ(IgG1のFcドメインに縮合した、VEGFR1からのIgドメイン2及びVEGFR2からのIgドメイン3)を収容し得る、又はこれともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ABP 959(エクリズマブ)、Soliris(登録商標)のバイオシミラー候補、若しくは補体タンパク質C5に特異的に結合するモノクローナル抗体を含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ICOSL及びBAFF活性を同時に遮断する新規の二重特異性抗体-ペプチドコンジュゲートであるロジバフスプアルファ(以前はAMG 570)を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、心臓の収縮機構を直接的に標的化するオメカムチブメカルビル、小分子選択的心筋ミオシン活性化因子、若しくはミオトロープ、又は小分子選択的心筋ミオシン活性化因子を含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ソトラシブ(以前はAMG 510として知られる)、KRASG12C小分子阻害剤、又はKRASG12C小分子阻害剤を含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)の作用を阻害するテゼペルマブ、ヒトモノクローナル抗体、又はTSLPの作用を阻害するヒトモノクローナル抗体を含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、インターロイキン-15(IL-15)に結合するAMG 714、ヒトモノクローナル抗体又はインターロイキン-15(IL-15)に結合するヒトモノクローナル抗体を含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Lp(a)としても知られるリポタンパク質(a)を減らすAMG 890、低分子干渉RNA(siRNA)、又はリポタンパク質(a)を減らす低分子干渉RNA(siRNA)を含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ABP 654(ヒトIgG1カッパ抗体)、Stelara(登録商標)のバイオシミラー候補、又はヒトIgG1カッパ抗体を含有し及び/又はヒトサイトカインインターロイキン(IL)-12及びIL-23のp40サブユニットに結合する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Amjevita(商標)若しくはAmgevita(商標)(以前はABP 501)(mab抗TNFヒトIgG1)、Humira(登録商標)のバイオシミラー候補、又はヒトmab抗TNFヒトIgG1を含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 160、又は半減期延長(HLE)抗前立腺特異的膜抗原(PSMA)×抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 119、又はデルタ様リガンド3(DLL3)CAR T(キメラ抗原受容体T細胞)細胞療法を含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 119、又はデルタ様リガンド3(DLL3)CAR T(キメラ抗原受容体T細胞)細胞療法を含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 133、又は胃抑制ポリペプチド受容体(GIPR)アンタゴニスト及びGLP-1Rアゴニストを含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 171、又は増殖分化因子15(GDF15)類似体を含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 176、又は骨髄細胞白血病1(MCL-1)の小分子阻害剤を含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 199、又は半減期延長(HLE)二重特異性T細胞エンゲージャーコンストラクト(BiTE(登録商標))を含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 256、又はプログラム細胞死-1(PD-1)陽性細胞においてインターロイキン21(IL-21)経路を選択的に活性化するように設計された抗PD-1×IL21ムテイン及び/若しくはIL-21受容体アゴニストを含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 330、又は抗CD33×抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 404、又は固形腫瘍を有する患者のための治療として調査されているヒト抗プログラム細胞死-1(PD-1)モノクローナル抗体を含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 427、又は半減期延長(HLE)抗fms様チロシンキナーゼ3(FLT3)×抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 430又は抗Jagged-1モノクローナル抗体を含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 506、又は固形腫瘍のための治療として研究されている多重特異性FAP×4-1BB標的化DARPin(登録商標)生物製剤を含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 509、又は二価T細胞エンゲージャーを含有し及びXmAb(登録商標)2+1技術を使用して設計される別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 562、又は半減期延長(HLE)CD19×CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、エファバリューキンアルファ(以前はAMG 592)又はIL-2ムテインFc融合
タンパク質を含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 596、又はCD3×上皮増殖因子受容体vIII(EGFRvIII)BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)分子を含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 673、又は半減期延長(HLE)抗CD33×抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 701、又は半減期延長(HLE)抗B細胞成熟抗原(BCMA)×抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 757、又は半減期延長(HLE)抗デルタ様リガンド3(DLL3)×抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 910、又は半減期延長(HLE)上皮細胞タイトジャンクション構成タンパク質クローディン18.2×CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。
【0054】
薬物送達デバイス、アセンブリ、構成要素、サブシステム、及び方法を、例示的な実施形態の観点から説明してきたが、これらに限定されるものではない。発明を実施するための形態は、単に例として解釈されるべきであり、本開示の考え得る全ての実施形態を説明しているわけではない。現在の技術又は本特許の申請日以降に開発された技術のいずれかを使用して、多くの代替的な実施形態を実施することができるが、このような実施形態はなお、本明細書に開示される本発明を定義する請求項の範囲内に含まれる。
【0055】
当業者であれば、本明細書に開示される発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく上記の実施形態に対して多種多様な修正、変更、及び組み合わせを施すことができ、そうした修正、変更、及び組み合わせは本発明の概念の範囲内にあると解釈されることを理解するであろう。
【国際調査報告】