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特表2023-549100二次電池、及びこれを含む電池パック及び自動車
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-22
(54)【発明の名称】二次電池、及びこれを含む電池パック及び自動車
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/533 20210101AFI20231115BHJP
   H01M 50/536 20210101ALI20231115BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20231115BHJP
   H01M 50/213 20210101ALI20231115BHJP
【FI】
H01M50/533
H01M50/536
H01M50/249
H01M50/213
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526481
(86)(22)【出願日】2022-02-18
(85)【翻訳文提出日】2023-05-10
(86)【国際出願番号】 KR2022002443
(87)【国際公開番号】W WO2022177360
(87)【国際公開日】2022-08-25
(31)【優先権主張番号】10-2021-0022865
(32)【優先日】2021-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】チョイ、スジ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ド ギュン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジェ ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ホワン ボ、クワン ス
(72)【発明者】
【氏名】ミン、ゲオン ウー
(72)【発明者】
【氏名】ジョ、ミンキ
【テーマコード(参考)】
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H040AA03
5H040AS05
5H040AS07
5H040AT01
5H040AY04
5H040AY08
5H040DD03
5H043AA19
5H043BA15
5H043BA16
5H043BA19
5H043BA20
5H043CA03
5H043CA12
5H043EA02
5H043EA16
5H043EA18
5H043EA19
5H043EA22
5H043EA35
5H043EA36
5H043FA04
5H043HA17E
5H043JA02E
5H043JA03E
5H043KA06E
5H043KA07E
5H043KA09E
(57)【要約】
本明細書は、第1の電極及び第2の電極とこれらの間に備えられたセパレータが巻取された電極組立体であって、上記第1の電極及び第2の電極はそれぞれ長辺端部に活物質がコーティングされておらず上記セパレータの外部に露出した第1の電極の無地部を含む電極組立体;及び、上記第1の電極の無地部が露出した上記電極組立体の一端部に備えられた集電板であって、上記電極組立体の巻芯に対応する中心部;及び、前記中心部の周りに備えられ上記電極組立体の一端部と接する周囲部を含み、上記周囲部は、上記第1の電極の無地部の少なくとも一部が貫通するように備えられた1以上の第1の貫通孔を含むものである、二次電池、及びこれを含む電池パック及び自動車を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電極及び第2の電極とこれらの間に備えられたセパレータが巻取された電極組立体であって、前記第1の電極及び第2の電極はそれぞれ長辺端部に活物質がコーティングされておらず前記セパレータの外部に露出した 無地部を含む電極組立体;及び
前記第1の電極の無地部が露出した前記電極組立体の一端部に備えられた集電板であって、前記電極組立体の巻芯に対応する中心部、及び前記中心部の周りに備えられ前記電極組立体の一端部と接する周囲部を含む集電板を含み、
前記周囲部は、前記第1の電極の無地部の少なくとも一部が貫通するように備えられた1以上の第1の貫通孔を含むものである、二次電池。
【請求項2】
前記集電板の中心部は、前記電極組立体の巻芯に対応する部分に備えられた中心孔をさらに含むものである、請求項1に記載の二次電池。
【請求項3】
前記集電板の第1の貫通孔を通じて外部に露出した第1の電極の無地部は、前記電極組立体の巻芯方向に1回以上折り曲げられたものである、請求項1または2に記載の二次電池。
【請求項4】
前記集電板の周囲部は、前記電極組立体の巻取方向に離隔した2つ以上の第1の貫通孔を含むものである、請求項1から3のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項5】
前記集電板の周囲部は、前記中心部からいずれか一つの外郭方向に離隔した2つ以上の第1の貫通孔を含む第1の貫通孔群を1つ以上含むものである、請求項1から4のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項6】
前記第1の貫通孔群は、前記中心部からいずれか一つの外郭方向に離隔した2つから6つの第1の貫通孔を含むものである、請求項5に記載の二次電池。
【請求項7】
前記集電板の周囲部は、2つから6つの前記第1の貫通孔群を含み、それぞれの前記第1の貫通孔群は、前記電極組立体の巻取方向に互いに離隔して配置されたものである、請求項5に記載の二次電池。
【請求項8】
前記集電板の周囲部は、2つの前記第1の貫通孔群を含み、前記2つの第1の貫通孔群は、前記中心部を挟んで互いに対向するように備えられたものである、請求項5に記載の二次電池。
【請求項9】
前記集電板の周囲部は、3つから6つの前記第1の貫通孔群を含み、それぞれの前記第1の貫通孔群は、前記電極組立体の巻取方向に互いに離隔して配置されたものである、請求項5に記載の二次電池。
【請求項10】
前記第1の貫通孔のうちの少なくとも一つは、前記集電板の縁と接して備えられたものである、請求項1から9のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項11】
前記第1の貫通孔は、スリット状又はドット状である、請求項1から10のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項12】
前記集電板の周囲部は、1つ以上の第2の貫通孔をさらに含むものである、請求項1から11のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項13】
前記集電板の周囲部は、2つ以上の第1の貫通孔群を含み、
前記集電板の周囲部は、1つ以上の第2の貫通孔をさらに含み、
前記第2の貫通孔は、隣接した2つの前記第1の貫通孔群の間に備えられたものである、請求項5に記載の二次電池。
【請求項14】
前記集電板は、電極タブをさらに含むものである、請求項1から13のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか1項に記載の二次電池を複数個含む、電池パック。
【請求項16】
請求項15に記載の電池パックを少なくとも一つ含む、自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、2021年2月19日付で韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10-2021-0022865号の出願日の利益を主張し、その内容の全ては、本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、二次電池、及びこれを含む電池パック及び自動車に関する。
【背景技術】
【0003】
製品群に応じた適用容易性が高く、高いエネルギー密度などの電気的特性を有する二次電池は、携帯機器のみならず、電気的駆動源によって駆動する電気自動車(EV, Electric Vehicle)、ハイブリッド自動車(HEV, Hybrid Electric Vehicle)などに普遍的に応用されている。
【0004】
かかる二次電池は、化石燃料の使用を画期的に減少させることができるという一次的な長所だけでなく、エネルギーの使用による副産物が全然発生しないという長所も有するため、環境にやさしい、またエネルギー効率性向上のための新しいエネルギー源として注目されている。
【0005】
現在広く使用される二次電池の種類には、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池などがある。このような単位二次電池セルの作動電圧は、約2.5V~4.5Vである。よって、これよりさらに高い出力電圧が要求される場合、複数個の電池を直列に接続して電池パックを構成する。また、電池パックに要求される充放電容量に応じて多数の電池を並列接続して電池パックを構成することもある。したがって、電池パックに含まれる電池の個数及び電気的接続形態は、要求される出力電圧及び/又は充放電容量によって多様に設定されることができる。
【0006】
一方、二次電池セルの種類として、円筒形、角形及びパウチ型電池が知られている。 円筒形電池の場合、正極と負極との間に絶縁体であるセパレータを介在し、これを巻取してジェリーロール型の電極組立体を形成し、これを電解質とともに電池缶の内部に挿入して電池を構成する。参考までに、正極電極端子は電池缶の開口を密封する封口体のキャップであり、負極電極端子は電池缶である。
【0007】
図8のように、電極組立体と集電板との電気的接続のために溶接するとき、無地部の高さのばらつきによって、無地部が集電板と当接した領域は入熱量が高くて、集電板が溶けて溶接スパッタが発生する問題がある。溶接スパッタは、二次電池の内部に金属異物として残存して、微小ショートによる低電圧不良を発生させる原因となり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、溶接スパッタの減少のために、溶接領域での均一な接触面積を確保できる構造を有する二次電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本明細書は、第1の電極及び第2の電極とこれらの間に備えられたセパレータが巻取された電極組立体であって、上記第1の電極及び第2の電極はそれぞれ長辺端部に活物質がコーティングされておらず上記セパレータの外部に露出した第1の電極の無地部を含む電極組立体;及び、上記第1の電極の無地部が露出した上記電極組立体の一端部に備えられた集電板であって、上記電極組立体の巻芯に対応する中心部、及び上記中心部の周りに備えられ上記電極組立体の一端部と接する周囲部を含む集電板を含み、上記周囲部は、上記第1の電極の無地部の少なくとも一部が貫通するように備えられた1以上の第1の貫通孔を含むものである、二次電池を提供する。
【0010】
本明細書の一実施態様において、上記集電板の中心部は、上記電極組立体の巻芯に対応する部分に備えられた中心孔をさらに含むものであってよい。
【0011】
本明細書の一実施態様において、上記集電板の第1の貫通孔を通じて外部に露出した第1の電極の無地部は、上記電極組立体の巻芯方向に1回以上折り曲げられたものであってよい。
【0012】
本明細書の一実施態様において、上記集電板の周囲部は、上記電極組立体の巻取方向に離隔した2つ以上の第1の貫通孔を含むものであってよい。
【0013】
本明細書の一実施態様において、上記集電板の周囲部は、上記中心部からいずれか一つの外郭方向に離隔した2つ以上の第1の貫通孔を含む第1の貫通孔群を1つ以上含むものであってよい。
【0014】
本明細書の一実施態様において、上記第1の貫通孔群は、上記中心部からいずれか一つの外郭方向に離隔した2つから6つの第1の貫通孔を含むものであってよい。
【0015】
本明細書の一実施態様において、上記集電板の周囲部は、2つから6つの上記第1の貫通孔群を含み、それぞれの上記第1の貫通孔群は、上記電極組立体の巻取方向に互いに離隔して配置されたものであってよい。
【0016】
本明細書の一実施態様において、上記集電板の周囲部は、2つの上記第1の貫通孔群を含み、上記2つの第1の貫通孔群は、上記中心部を挟んで互いに対向するように備えられたものであってよい。
【0017】
本明細書の一実施態様において、上記集電板の周囲部は、3つから6つの上記第1の貫通孔群を含み、それぞれの上記第1の貫通孔群は、上記電極組立体の巻取方向に互いに離隔して配置されたものであってよい。
【0018】
本明細書の一実施態様において、上記第1の貫通孔のうちの少なくとも一つは、上記集電板の縁と接して備えられたものであってよい。
【0019】
本明細書の一実施態様において、上記第1の貫通孔は、スリット状又はドット状のものであってよい。
【0020】
本明細書の一実施態様において、上記集電板の周囲部は、1つ以上の第2の貫通孔をさらに含むものであってよい。
【0021】
本明細書の一実施態様において、上記集電板の周囲部は、2つ以上の第1の貫通孔群を含み、上記集電板の周囲部は、1つ以上の第2の貫通孔をさらに含み、上記第2の貫通孔は、隣接した2つの上記第1の貫通孔群の間に備えられたものであってよい。
【0022】
本明細書の一実施態様において、上記集電板は、電極タブをさらに含むものであってよい。
【0023】
本明細書は、上述した二次電池を複数個含む電池パックを提供する。
【0024】
本明細書は、上述した電池パックを少なくとも一つ含む自動車を提供する。
【発明の効果】
【0025】
本明細書の一実施態様に係る二次電池は、電極組立体の電極無地部の少なくとも一部が集電板を貫通して外部に露出した電極無地部が折り曲げられる構造を有することで、集電板と電極組立体との溶接工程のとき、均一な溶接面積を確保することができる。
【0026】
また、溶接工程時に相対的に薄い厚さを有する折り曲げられた電極無地部に向けてレーザを照射することで、レーザの照射エネルギーを下げることができるというさらなる利点を有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本明細書の一実施態様に係る巻取前の板状の電極の構造を示す平面図である。
図2】本明細書の一実施態様に係る電極組立体の巻取工程を示す図である。
図3図2の電極組立体が巻取後、無地部の両端部に集電板が備えられる工程を示す組立図である。
図4】本明細書の一実施態様に係る二次電池を長手方向(Y)に切断した断面図である。
図5】本明細書のまた別の実施態様に係る電極端子のリベッティング構造を示す断面図である。
図6図5の点線円(B)で表示された部分の断面図である。
図7】本明細書のまた別の実施態様に係る二次電池を長手方向(Y)に沿って切断した断面図である。
図8】無地部の高さのばらつきによって、無地部が集電板と当接しない領域を示す図である。
図9】本明細書の一実施態様に係る集電板において、中心孔、第1の貫通孔、第2の貫通孔及び第1の貫通孔を通過して露出した第1の電極無地部を例示した図である。
図10】本明細書の一実施態様に係る第1の電極無地部が集電板の外部に露出した後に折り曲げられたことを示す図である。
図11】本明細書の別の実施態様に係る巻取前の板状の電極構造を例示的に示す平面図である。
図12】本明細書の別の実施態様に係る電極の無地部の分節構造を第1の電極及び第2の電極に適用した電極組立体を長手方向(Y)に沿って切断した断面図である。
図13】本明細書の別の実施態様に係る無地部が折り曲げられた電極組立体を長手方向(Y)に沿って切断した断面図である。
図14】本明細書の一実施態様に係る円筒形電池セルを含む電池パックの概略的構成を示す図である。
図15】本明細書の一実施態様に係る電池パックを含む自動車の概略的な構成を示す図である。
図16】本明細書の一実施態様に係る集電板の多様な形態を例示した図である。
図17】本明細書の一実施態様に係る集電板の多様な形態を例示した図である。
図18】本明細書の一実施態様に係る集電板の多様な形態を例示した図である。
図19】本明細書の一実施態様に係る集電板の多様な形態を例示した図である。
図20】本明細書の一実施態様に係る集電板の多様な形態を例示した図である。
図21】本明細書の一実施態様に係る集電板の多様な形態を例示した図である。
図22】本明細書の一実施態様に係る集電板の多様な形態を例示した図である。
図23】本明細書の一実施態様に係る集電板の多様な形態を例示した図である。
図24】本明細書の一実施態様に係る集電板の多様な形態を例示した図である。
【符号の説明】
【0028】
10:第1の電極 10a:第1の電極の無地部
11:第2の電極 11a:第2の電極の無地部
12:セパレータ
30、31:集電板
71、A、100:電極組立体
Y:長手方向
X:巻取方向
Z:外郭方向
40、70:二次電池
41、51:電池缶
42、74:封口体
42a、74a:キャッププレート
42b、74b:封口ガスケット
42c:接続プレート
43、75:クリンピング部
44、76:ビーディング部
45:リード
46:インシュレータ
50:電極端子 50a:胴部
50b:外部フランジ部 50c:内部フランジ部
50d:平坦部
52:電池缶の底
52a:電池缶の底の外部面
52b:電池缶の底の内部面
53:貫通孔
54:リベットガスケット
54a:外部ガスケット 54b:内部ガスケット
55:リセス部
55a:平坦部の側壁
55b:内部フランジ部の傾斜面
56:貫通孔の内側エッジ
57:内部フランジ部と向かい合う対向面
H1:平坦部の高さ
H2:内部ガスケットの端部高さ
H3:内部フランジ部の端部高さ
R1:胴部の中心から外部フランジ部の縁までの半径
R2:電池缶の底の半径
R3:胴部の中心から平坦部の縁までの半径
72:第2の電極の無地部
73:第1の電極の無地部
76a:ビーディング部の内周面
77:ベントノッチ
78:第2の集電板
78a:第2の電極の無地部と接触しない縁の少なくとも一部
79:第1の集電板
80:空洞
90:電極
91:集電体
92:活物質層
93:無地部 93':コア側無地部
93a:分節片 h:分節片の高さ
r:コア側無地部によって形成された巻取領域の半径方向長さ
94:絶縁コーティング層
101:折り曲げられる部分
102:折曲面
200:電池パック
201:円筒形電池セル
202:パックハウジング
V:自動車
300:電極組立体
311:第1の電極の無地部
320:凹部
330:突出部
340:巻芯
400:集電板
410:中心部 411:中心孔
420:周囲部
430、431-1、431-2、431-3、432-1、432-2、432-3、433-1、433-2、433-3、434-1、434-2、434-3:第1の貫通孔
431、432、433、434:第1の貫通孔群
440:第2の貫通孔
450:電極タブ
a:巻芯方向
b:外郭方向
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本明細書についてより詳細に説明する。
【0030】
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳しく説明する。これに先立って、本明細書及び特許請求の範囲に使用された用語や単語は、通常であるか辞書的な意味に限定して解釈されてはいけず、発明者は自分の発明を最善の方法で説明するために、用語の概念を適切に定義することができるという原則に基づき、本発明の技術的思想に合致する意味と概念で解釈されなければならない。よって、本明細書に記載された実施例と図面に示された構成は、本発明の最も好ましい一部の実施例に過ぎず、本発明の技術的思想を全て代弁するものではないので、本出願の時点においてこれらを代替できる様々な均等物と変形例があり得ることを理解されたい。
【0031】
また、発明の理解を助けるために、添付の図面は、実際の縮尺どおりに示されたものではなく、一部の構成要素の寸法が誇張して示されることができる。また、互いに異なる実施例において同一の構成要素に対しては、同一の参照番号が付与されることができる。
【0032】
2つの比較対象が同一であるという言及は、「実質的に同一」であることを意味する。したがって、実質的同一は、当業界で低い水準と見なされる差異、例えば5%以内の差異を有する場合を含むことができる。また、所定の領域においてあるパラメータが均一であるということは、平均的な観点から均一であることを意味することができる。
【0033】
本明細書において、「上」は、一つの層の上に物理的に接して位置することのみを意味するのではなく、位置上、上に位置することを意味する。すなわち、いずれか一つの層上に位置する層は、その間に他の層があってもよい。
【0034】
本明細書において、ある部分がある構成要素を「含む」というとき、これは特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くということではなく、他の構成要素をさらに含むことができるということを意味する。
【0035】
本明細書の一実施態様に係る二次電池40、70は、電極組立体300及び集電板400を含む。
【0036】
本明細書の一実施態様は、第1の電極10及び第2の電極11とこれらの間に備えられたセパレータ12が巻取された電極組立体71、A、100であって、上記第1の電極10及び第2の電極11はそれぞれ長辺端部に活物質がコーティングされておらず上記セパレータ12の外部に露出した無地部311を含む電極組立体71、A、100;及び、上記第1の電極10の無地部311が露出した上記電極組立体71、A、100の一端部に備えられた集電板400であって、上記電極組立体71、A、100の巻芯340に対応する中心部410、及び上記中心部410の周りに備えられ上記電極組立体71、A、100の一端部と接する周囲部420を含む集電板400を含み、上記周囲部420は、上記第1の電極10の無地部311の少なくとも一部が貫通するように備えられた1以上の第1の貫通孔430を含むものである、二次電池40、70を提供する。
【0037】
本明細書の一実施態様において、上記集電板400は、上記第1の電極10の無地部311が露出した上記電極組立体71、A、100の一端部に備えられ、上記電極組立体71、A、100の巻芯340に対応する中心部410;及び、上記中心部410の周りに備えられ上記電極組立体71、A、100の一端部と接する周囲部420を含み、上記周囲部420は、上記第1の電極10の無地部311の少なくとも一部が貫通するように備えられた1以上の第1の貫通孔430を含む。
【0038】
上記第1の貫通孔430は、上記電極組立体71、A、100と上記集電板400とが結合するとき、上記第1の電極10の無地部311が集電板400を貫通する通路の役割をする。図9において、上記第1の貫通孔430を通じて第1の電極10の無地部311が集電板400を貫通したことを例示した。
【0039】
上記電極組立体71、A、100の第1の電極の無地部311は、上記集電板400の第1の貫通孔430の形態に合わせて少なくとも一部が切断されたものであってよい。
【0040】
本明細書の一実施態様において、上記集電板400の中心部410は、上記電極組立体71、A、100の巻芯340に対応する部分に備えられた中心孔411をさらに含むものであってよい。図9及び図16図19において、中心孔411が備えられる多様な実施態様を例示した。
【0041】
上記中心孔411の形態は、円形又は直線と曲線とが繋がった形態を有することができる。
【0042】
本明細書の一実施態様において、上記集電板400の第1の貫通孔430を通じて外部に露出した第1の電極10の無地部311は、上記電極組立体71、A、100の巻芯方向(a)に1回以上折り曲げられたものであってよい。
【0043】
本明細書の一実施態様において、上記集電板400の第1の貫通孔430を通じて外部に露出した第1の電極10の無地部311は、上記電極組立体71、A、100の巻芯方向(a)に2回以上折り曲げられたものであってよい。
【0044】
本明細書の一実施態様において、上記第1の貫通孔430を通じて外部に露出して 1回以上折り曲げられた第1の電極の無地部の少なくとも一つの面は、上記集電板400の上部と接するものであってよい。このとき、切断によって、上記第1の電極10の無地部311は、上記第1の貫通孔430に対応する突出部330、及び上記突出部330を突出させるために凹状に切断された凹部320を含む。上記突出部330は、第1の貫通孔430に貫通され、貫通後に上記電極組立体71、A、100の巻芯方向(a)に折り曲げられて締結される。このように締結された突出部330は、レーザによって溶接して固定される。図10に上記1回以上折り曲げられた第1の電極10の無地部311を示す。
【0045】
これに対し、上記凹部320は、第1の及び第2の貫通孔430、440が形成されていない集電板400の下部と接するようになり、切断によって第1の電極10の無地部311の端部が均一になって、上記凹部320と集電板400の下部とが高さのばらつきなしに均一に接することができる。
【0046】
上記電極組立体71、A、100と集電板400との溶接工程は、上記第1の貫通孔430を通じて外部に露出して折り曲げられた第1の電極10の無地部311に向けてレーザを照射することで行われる。
【0047】
このとき、レーザが照射される第1の電極10の無地部311は、上記集電板400の厚さより相対的に薄いので、レーザ照射のエネルギーを下げることができるという利点を有する。
【0048】
本明細書の一実施態様において、上記集電板400の周囲部420は、上記電極組立体71、A、100の巻取方向(X)に離隔した2つ以上の第1の貫通孔431-1、431-2、431-3、432-1、432-2、432-3、433-1、433-2、433-3、434-1、434-2、434-3を含むものであってよい。上記電極組立体の巻取方向(X)とは、電極組立体の巻取軸を基準に巻取される方向を意味する。図16~24に上記第1の貫通孔430が上記周囲部420に配置される位置を例示した。
【0049】
上記集電板400の周囲部420は、上記電極組立体71、A、100の巻取方向(X)に離隔した3つ以上の第1の貫通孔430を含むものであってよい。
【0050】
上記集電板400の周囲部420は、上記電極組立体71、A、100の巻取方向(X)に離隔した4つ以上の第1の貫通孔430を含むものであってよい。
【0051】
上記集電板400の周囲部420は、上記電極組立体71、A、100の巻取方向(X)に離隔した9つ以上の第1の貫通孔430を含むものであってよい。
【0052】
上記集電板400の周囲部420は、上記電極組立体71、A、100の巻取方向(X)に離隔した12個以上の第1の貫通孔430を含むものであってよい。
【0053】
本明細書の一実施態様において、上記集電板400の周囲部420は、上記中心部410からいずれか一つの外郭方向(b)に離隔した2つ以上の第1の貫通孔430を含む第1の貫通孔群431を1つ以上含むものであってよい。すなわち、上記第1の貫通孔群431に属する2つ以上の第1の貫通孔430は、中心部からの最短距離が互いに異なるものであってよい。図16~24に上記第1の貫通孔群431が多様な構造で周囲部420に配置されることを例示した。
【0054】
本明細書の一実施態様において、上記第1の貫通孔群431は、2つから6つの第1の貫通孔430を含むものであってよい。すなわち、本明細書において、一つの第1の貫通孔群431は、2つから6つの第1の貫通孔430を含むものであってよく、上記第1の貫通孔群431に属する2つから6つの第1の貫通孔430は、中心部410からの最短距離が互いに異なるものであってよい。
【0055】
本明細書の一実施態様において、上記第1の貫通孔群431は、2つから5つの第1の貫通孔430を含むものであってよい。
【0056】
本明細書の一実施態様において、上記第1の貫通孔群431は、2つから4つの第1の貫通孔430を含むものであってよい。
【0057】
本明細書の一実施態様において、上記第1の貫通孔群431は、2つまたは3つの第1の貫通孔430を含むものであってよい。
【0058】
本明細書の一実施態様において、図16、17、20(a)、20(b)、21(a)及び21(b)のように、上記第1の貫通孔群431、432は、2つの第1の貫通孔431-1、431-2、432-1、432-2を含むことができる。
【0059】
本明細書の一実施態様において、図18及び図19のように、上記第1の貫通孔群431、432、433は、3つの第1の貫通孔431-1、431-2、431-3、432-1、432-2、432-3、433-1、433-2、433-3を含むものであってよい。
【0060】
本明細書の一実施態様において、図22図24のように、上記第1の貫通孔群431、432、433、434は、4つの第1の貫通孔431-1、431-2、431-3、432-1、432-2、432-3、433-1、433-2、433-3、434-1、434-2、434-3を含むものであってよい。
【0061】
本明細書の一実施態様において、上記集電板400の周囲部420は、2つから6つの上記第1の貫通孔群431を含み、それぞれの上記第1の貫通孔群431は、上記電極組立体71、A、100の巻取方向(X)に離隔して配置されたものであってよい。
【0062】
本明細書の一実施態様において、上記集電板400の周囲部420は、2つの上記第1の貫通孔群431を含み、図16、17、20(a)、20(b)、21(a)及び21(b)のように、上記2つの第1の貫通孔群431、432は、上記中心部410を挟んで互いに対向するように備えられたものであってよい。
【0063】
本明細書の一実施態様において、上記集電板400の周囲部420は、3つから6つの上記第1の貫通孔群431を含み、それぞれの上記第1の貫通孔群431は、上記電極組立体71、A、100の巻取方向(X)に互いに離隔して配置されたものであってよい。
【0064】
本明細書の一実施態様において、上記第1の貫通孔430のうちの少なくとも一つは、上記集電板400の縁と接して備えられたものであってよい。
【0065】
本明細書の一実施態様において、上記第1の貫通孔430は、スリット状又はドット状のものであってよい。上記スリット状は、互いに異なる曲率半径を有する曲線を少なくとも2つ含む形態であってよい。上記ドット状は、直四角形、台形などの形態を有することができるが、これに制限されない。
【0066】
本明細書の一実施態様において、上記集電板400の周囲部420は、1つ以上の第2の貫通孔440をさらに含むものであってよい。上記第2の貫通孔440は、電解液注入の用途で使用される。
【0067】
本明細書の一実施態様において、上記集電板400の周囲部420は、1つ以上の第2の貫通孔440をさらに含み、上記第2の貫通孔440は、隣接した2つの上記第1の貫通孔群431の間に備えられるものであってよい。
【0068】
すなわち、上記第2の貫通孔440は、上記中心孔411とも離隔して備えられ、 上記第1の貫通孔430とも離隔して備えられるものであってよい。
【0069】
本明細書の一実施態様において、上記集電板400は、電極タブ450をさらに含むものであってよい。上記電極タブ450が備えられる場合、電池セルの組立時に電池セルの構造に合わせて電極タブ450を折り曲げて接続する。
【0070】
本明細書の一実施態様に係る二次電池40、70は、第1の電極10、セパレータ12及び第2の電極11が積層され巻取されて構成された電極組立体71、A、100であって、上記第1の電極10は、第1の電極集電体(図示せず)及び上記第1の電極集電体(図示せず)上に備えられた電極活物質層(図示せず)を含み、上記第1の電極集電体(図示せず)の巻取方向(X)に沿う長辺端部は上記電極活物質層が備えられていない第1の電極10の無地部10aを含む電極組立体71、A、100;及び、上記第1の電極10の無地部10aが露出した上記電極組立体71、A、100の一端部に備えられた集電板400であって、上記電極組立体71、A、100の巻芯340と対応する中心部410を含む集電板400を含み、上記中心部410は、上記集電板400の残りの厚さよりも薄い第1の溶接部を含む。
【0071】
本明細書の一実施態様において、上記第1の溶接部の平均厚さと上記第1の溶接部を除く集電板の厚さの比は、0.4:1から0.9:1であってよい。上記第1の溶接部の平均厚さと上記第1の溶接部を除く集電板400の厚さの比は、0.4:1、0.5:1、0.6:1、0.7:1、0.8:1又は0.9:1であってよい。
【0072】
本明細書の一実施態様において、上記集電板400は、第1の溶接部(図示せず)を含む中心部410と区分された周囲部420を含むことができ、上記周囲部420は、中心部410の縁全体が上記電極組立体300の外郭方向(Z)に延びることができる。このような形態の集電板400は、円板形又は楕円形などの形態を有することができる。上記周囲部420は、上記第1の溶接部を除く残りの厚さよりも薄い第2の溶接部を含むことができる。
【0073】
本明細書のまた別の実施態様において、中心部410の縁の一部が上記電極組立体300の外郭方向(Z)に延びる1以上の脚を含むことができる。すなわち、周囲部420に上記第1の溶接部を除く残りの厚さよりも薄い第2の溶接部を含むことができる。
【0074】
本明細書の一実施態様において、上記第2の溶接部の平均厚さと上記第1の溶接部及び第2の溶接部を除く集電板の厚さの比は、0.4:1から0.9:1であってよい。上記第2の溶接部の平均厚さと上記第1の溶接部及び第2の溶接部を除く集電板の厚さの比は、0.4:1、0.5:1、0.6:1、0.7:1、0.8:1又は0.9:1であってよい。
【0075】
図1は、本明細書の一実施態様に係る集電体の構造を示し、図2は、本明細書の一実施態様に係る電極10、11とセパレータ12とが備えられた電極組立体71、A、100の巻取工程を示し、図3は、本明細書の一実施態様に係る無地部10aの折曲面に集電板が溶接される工程を示す。
【0076】
図4は、二次電池において、集電板400と電極端子50とが接続されるときに ストリップ状のリード45が使用される構造を示すものである。
【0077】
図1から図4を参照すれば、第1の電極10と第2の電極11とはシート状の集電体91に活物質がコーティングされて活物質層92が備えられた構造を有し、巻取方向に沿って一方の長辺側に無地部93を含む。
【0078】
電極組立体は、第1の電極10と第2の電極11とを、図2に示すように2枚のセパレータ12と共に順次積層させた後、一方向(X)に巻取させて作製する。このとき、第1の電極10と第2の電極11との無地部は、互いに反対方向に配置される。 巻取工程後、第1の電極10の無地部10aと第2の電極11の無地部11aとは、コア側に折り曲げられる。その後は、図3のように、無地部10a、11aに集電板30、31をそれぞれ溶接させて結合させる。
【0079】
第1の電極の無地部10aと第2の電極の無地部11aには、別途の電極タブが結合されておらず、集電板30、31が外部の電極端子と繋がり、電流パスが電極組立体Aの巻取軸方向(矢印参照)に沿って大きな断面積で形成されるので、電池セルの抵抗を下げることができるという長所がある。抵抗は、電流が流れる通路の断面積に反比例するからである。
【0080】
本明細書の一実施態様に係る二次電池40は、図4に示すように、電池缶41と封口体42とを含む。封口体42は、キャッププレート42a、封口ガスケット42b 及び接続プレート42cを含む。封口ガスケット42bは、キャッププレート42aの縁を包みながらクリンピング部43によって固定される。また、電極組立体Aは、上下遊動を防止するために、ビーディング部44によって電池缶41内に固定される。
【0081】
通常、正極端子は、封口体42のキャッププレート42aであり、負極端子は、電池缶41である。よって、第1の電極10の無地部10aに結合された集電板30は、ストリップ状のリード45を通じてキャッププレート42aに取り付けられた接続プレート42cに電気的に接続される。また、第2の電極11の無地部11aに結合された集電板31は、電池缶41の底に電気的に接続される。インシュレータ46は、集電板30をカバーして、極性の異なる電池缶41と第1の電極10の無地部10aとが互いに接触して短絡を起こすことを防止する。
【0082】
図4を参照すれば、集電板30が接続プレート42cに接続されるときは、ストリップ状のリード45が使用される。リード45は、集電板30に別途取り付けられるか、集電板30と一体に作製される。ところで、リード45は、厚さの薄いストリップ状であるので、断面積が小さくて、急速充電電流が流れる場合、熱がたくさん発生する。また、リード45で発生した過度な熱は、電極組立体A側に伝達されて、セパレータ12を収縮させることで熱暴走の主な原因である内部短絡を起こすおそれがある。リード45はまた、電池缶41内で相当な設置空間を占める。よって、リード45が含まれた二次電池40は、空間効率性が低くて、エネルギー密度を増加させるのに限界がある。
【0083】
本明細書の一実施態様において、上記第1の電極は、集電体及び上記集電体の一面又は両面上に備えられた電極活物質層を含む。電極組立体の巻取軸の一端部に備えられた上記集電体の巻取方向に沿う長辺端部は、電極活物質層が備えられていない第1の電極の無地部(以下、第1の無地部)が存在する。上記第1の無地部は、電池缶内に収容された電極組立体の高さ方向(Z軸に平行な方向)の上部に備えられる。すなわち、上記集電体は、長辺端部に電極活物質がコーティングされておらずセパレータの外部に露出した第1の電極の無地部を含む。
【0084】
本明細書の一実施態様において、上記第2の電極は、第2の電極集電体及び上記第2の電極集電体の一面又は両面上に備えられた第2の電極活物質層を含む。上記第2の電極集電体の幅方向(Z軸に平行な方向)の他側の端部には第2の電極活物質層が含まれていない第2の電極の無地部(以下、第2の無地部)が存在する。
【0085】
上記第2の電極の無地部は、電池缶内に収容された電極組立体の高さ方向(Z軸に平行な方向)の下部に備えられる。すなわち、上記第2の電極集電体は、長辺端部に電極活物質層がコーティングされておらずセパレータの外部に露出した第2の無地部を含み、第2の無地部の少なくとも一部は、それ自体で電極タブとして使用されることができる。上記第2の無地部は、例えば負極タブであってよい。
【0086】
本明細書の一実施態様において、上記電極組立体は、第2の電極の無地部の分節片の重畳レイヤー数が電極組立体の半径方向に沿って一定に維持される領域である溶接ターゲット領域を備えることができる。
【0087】
この領域では、重畳レイヤー数が最大に維持されるので、後述する第2の集電板と第2の電極の無地部との溶接がこの領域内でなされるのが有利である。レーザ溶接を適用する場合において、溶接品質の向上のためにレーザの出力を高める場合、レーザビームが第2の電極の無地部を貫通して電極組立体を損傷させることを防止することができる。また、溶接スパッタなどの異物が電極組立体の内部に流入することを効果的に防止することができる。
【0088】
本明細書の一実施態様において、上記第1の無地部及び第2の無地部は、二次電池の高さ方向(Z軸に平行な方向)に沿って互いに反対方向に延びる。上記第1の無地部は、電池缶の閉鎖部に向けて延び、第2の無地部は電池缶の開放部に向けて延びる。
【0089】
本明細書の一実施態様において、上記第1の電極は負極であり、第2の電極は正極であってよい。
【0090】
本明細書の一実施態様において、上記第1の電極は正極であり、第2の電極は負極であってよい。
【0091】
本明細書の一実施態様において、正極にコーティングされる正極活物質と負極にコーティングされる負極活物質は、当業界に公知となっている活物質であれば、制限なく使用されることができる。
【0092】
一例において、正極活物質は、一般化学式 A[A]O2+z(Aは、Li、Na及びKのうちの少なくとも一つ以上の元素を含む;Mは、Ni、Co、Mn、Ca、Mg、Al、Ti、Si、Fe、Mo、V、Zr、Zn、Cu、Al、Mo、Sc、Zr、Ru及びCrから選択された少なくとも一つ以上の元素を含む;x≧0、1≦x+y≦2、-0.1≦z≦2;化学量論係数x、y及びzは、化合物が電気的中性を維持するように選択される)で表されるアルカリ金属化合物を含むことができる。
【0093】
別の例において、正極活物質は、US6,677,082、US6,680,143などに開示されたアルカリ金属化合物xLiM-(1-x)Li(Mは、平均酸化状態3を有する少なくとも一つ以上の元素を含む;Mは、平均酸化状態4を有する少なくとも一つ以上の元素を含む;0≦x≦1)であってよい。
【0094】
また別の例において、正極活物質は、一般化学式Li Fe1-x 1-y 4-z(Mは、Ti、Si、Mn、Co、Fe、V、Cr、Mo、Ni、Nd、Al、Mg及び Alから選択された少なくとも一つ以上の元素を含む;Mは、Ti、Si、Mn、Co、Fe、V、Cr、Mo、Ni、Nd、Al、Mg、Al、As、Sb、Si、Ge、V及びSから選択された少なくとも一つ以上の元素を含む;Mは、Fを選択的に含むハロゲン族元素を含む;0<a≦2、0≦x≦1、0≦y<1、0≦z<1;化学量論係数a、x、y及びzは、化合物が電気的中性を維持するように選択される)、又はLi(PO[Mは、Ti、Si、Mn、Fe、Co、V、Cr、Mo、Ni、Al、Mg及びAlから選択された少なくとも一つの元素を含む]で表されるリチウム金属リン酸塩であってよい。
【0095】
好ましくは、正極活物質は、1次粒子及び/又は1次粒子が凝集した2次粒子を含むことができる。
【0096】
一例において、負極活物質は、炭素材、リチウム金属又はリチウム金属化合物、ケイ素又はケイ素化合物、スズ又はスズ化合物などを使用することができる。電位が2V未満のTiO、SnOのような金属酸化物も負極活物質として使用可能である。炭素材としては、低結晶性炭素及び/又は高結晶性炭素がいずれも使用されることができる。
【0097】
本明細書の一実施態様において、上記セパレータは、多孔性高分子フィルム、例えばエチレン単独重合体、プロピレン単独重合体、エチレン/ブテン共重合体、エチレン/ヘキセン共重合体、エチレン/メタクリレート共重合体などのようなポリオレフィン系高分子で製造した多孔性高分子フィルムを単独で又はこれらを積層して使用することができる。他の例示として、セパレータは、通常、多孔性不織布、例えば高融点のガラス繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維などからなる不織布を使用することができる。
【0098】
セパレータの少なくとも一方の表面には、無機物粒子のコーティング層を含むことができる。また、セパレータ自体が無機物粒子のコーティング層からなることも可能である。コーティング層を構成する粒子は、隣接する粒子の間に間隙容量(interstitial volume)が存在するようにバインダーと結合された構造を有することができる。
【0099】
無機物粒子は、誘電率が5以上の無機物からなることができる。非制限的な例示として、上記無機物粒子は、Pb(Zr,Ti)O(PZT)、Pb1-xLaZR1-yTi(PLZT)、PB(MgNb2/3)O-PbTiO(PMN-PT)、BaTiO、 hafnia(HfO)、SrTiO、TiO、Al、ZrO、SnO、CeO、MgO、CaO、ZnO及びYからなる群より選択された少なくとも一つ以上の物質を含むことができる。
【0100】
電解質は、Aのような構造を有する塩であってよい。ここで、Aは、Li、Na、Kのようなアルカリ金属陽イオンやこれらの組み合わせからなるイオンを含む。そして、Bは、F、Cl、BR、I、NO 、N(CN) 、BF 、ClO 、AlO 、AlCl 、PF 、SbF 、AsF 、BF 、BC 、(CFPF 、(CFPF 、(CFPF 、(CFPF、(CF、CFSO 、CSO 、CFCFSO 、(CFSO、(FSO、CFCF(CFCO、(CFSOCH、(SF、(CFSO、CF(CFSO 、CFCO 、CHCO 、SCN及び(CFCFSOからなる群より選択されたいずれか一つ以上の陰イオンを含む。
【0101】
電解質はまた、有機溶媒に溶解させて使用することができる。有機溶媒としては、プロピレンカーボネート(propylene carbonate, PC)、エチレンカーボネート(ethylene carbonate, EC)、ジエチルカーボネート(diethyl carbonate, DEC)、ジメチルカーボネート(dimethyl carbonate , DMC)、ジプロピルカーボネート(dipropyl carbonate, DPC)、ジメチルスルホキシド(dimethyl sulfoxide)、アセトニトリル(acetonitrile)、ジメトキシエタン(dimethoxy ethane)、ジエトキシエタン(diethoxy ethane)、テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran)、N-メチル-2-ピロリドン(N-methyl-2-pyrrolidone, NMP)、エチルメチルカーボネート(ethyl methyl carbonate, EMC)、γ-ブチロラクトン(γ-butyrolactone)又はこれらの混合物が使用されることができる。
【0102】
本明細書の上記二次電池は、上記電極組立体を収容し開口部を含む電池缶;上記電池缶の開口部を密閉するように構成されるキャッププレート;及び、上記集電板の第1の溶接部と溶接されて結合し上記電池缶とリベッティングされる電極端子をさらに含むものであってよい。
【0103】
本明細書の一実施態様に係る二次電池において、電極組立体71を収納し、第2の電極の無地部72と電気的に接続された円筒状の電池缶51を含む。好ましくは、電池缶51の一側(下部)は開放されている。また、電池缶51の底52は、電極端子50がカシメ工程を通じて貫通孔53にリベッティングされた構造を有する。
【0104】
本明細書の一実施態様において、上記二次電池は、上記電極端子と上記貫通孔との間に介在されたガスケットを含むことができる。
【0105】
本明細書の一実施態様において、二次電池70はまた、電池缶51から絶縁可能に電池缶51の開放端部を密封する封口体74を含むことができる。好ましくは、封口体74は、極性のないキャッププレート74a及びキャッププレート74aの縁と電池缶51の開放端部との間に介在された封口ガスケット74bを含むことができる。
【0106】
本明細書において、上記キャッププレート74aは、アルミニウム、鋼、ニッケルなどの導電性金属材質からなることができる。また、封口ガスケット74bは、絶縁性及び弾性のあるポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリフッ化エチレンなどからなることができる。ところが、本発明がキャッププレート74aと封口ガスケット74bの素材によって限定されるものではない。
【0107】
本明細書の一実施態様において、上記キャッププレート74aは、電池缶51の内部の圧力が閾値を超過した時に破裂するベントノッチ77を含むことができる。ベントノッチ77は、キャッププレート74aの両面に形成されることができる。ベントノッチ77は、キャッププレート74aの表面で連続的又は不連続的な円形パターン、直線パターン又はそれ以外の他のパターンを形成することができる。
【0108】
本明細書の一実施態様において、上記電池缶51は、封口体74を固定するために、 電池缶51の内側に延長及び折り曲げられて封口ガスケット74bと共にキャッププレート74aの縁を包んで固定するクリンピング部75を含むことができる。
【0109】
本明細書の一実施態様において、上記電池缶51はまた、開放端部に隣接した領域に電池缶51の内側に圧入されたビーディング部76を含むことができる。ビーディング部76は、封口体74がクリンピング部75によって固定されるとき、封口体74の縁、特に封口ガスケット74bの外周表面を支持する。
【0110】
本明細書の一実施態様において、上記電極端子は、伝導性を有する金属材質からなり、アルミニウム(Al)が用いられることができる。
【0111】
本明細書の一実施態様において、上記二次電池は、第2の電極の無地部72と溶接される第2の集電板78をさらに含むことができる。第2の集電板78は、アルミニウム、鋼、ニッケルなどの導電性金属材質からなる。
【0112】
本明細書の一実施態様において、上記第2の集電板78は、第2の電極の無地部72と接触しない縁の少なくとも一部78aがビーディング部76と封口ガスケット74bとの間に介在されてクリンピング部75によって固定されることができる。
【0113】
選択的に、第2の集電板78の縁の少なくとも一部78aは、クリンピング部75と隣接したビーディング部76の内周面76aに溶接を通じて固定されることができる。
【0114】
本明細書の一実施態様において、インシュレータは、上記集電板と上記電池缶の内側面との間に備えられることができる。上記インシュレータは、上記集電板と電池缶との間の接触を防止する。上記インシュレータは、電極組立体の外周面の上端と電池缶の内側面との間にも介在されることができる。すなわち、上記インシュレータは、第1電極の無地部と電池缶の側壁部の内側面との間にも介在されることができる。これは、上記電池缶の閉鎖部に向けて延びる第1の電極の無地部と電池缶の内周面との間の接触を防止するためである。
【0115】
本明細書の一実施態様において、上記第1の電極及び/又は第2の電極の無地部72、73は、電極組立体71の外周側からコア側に折り曲げられることで電極組立体71の上部及び下部に折曲面を形成することができる。また、第2の集電板78は、第2の電極の無地部72が折り曲げられて形成された折曲面に溶接され、第1の集電板79は、第1の電極の無地部73が折り曲げられて形成された折曲面に溶接されることができる。
【0116】
上記無地部72、73が折り曲げられるときに生じる応力を緩和するために、第1の電極及び/又は第2の電極は、図1に係る電極と異なる改善した構造を有することができる。図11は、本発明の好ましい実施例に係る電極90の構造を例示的に示す平面図である。
【0117】
図11を参照すれば、電極90は、導電性材質の箔からなるシート状の集電体91と、集電体91の少なくとも一面に形成された活物質層92と、集電体91の長辺端部に活物質がコーティングされていない無地部93とを含む。
【0118】
好ましくは、上記無地部93は、切り欠き加工された複数の分節片93aを含むことができる。複数の分節片93aは、複数のグループをなし、各グループに属する分節片93aは、高さ(Y方向長さ)及び/又は幅(Z方向長さ)及び/又は離隔ピッチが同一であってよい。各グループに属する分節片93aの数は、図示するより増加又は減少されることができる。分節片93aは、台形状であってよいが、四角形、平行四辺形、半円形又は半楕円形に変形されることができる。好ましくは、分節片93aの高さは、コア側から外周側にいくにつれて段階的に増加することができる。また、コア側と隣接したコア側無地部93'は、分節片93aを含まなくてもよく、コア側無地部93'の高さは、他の無地部領域より小さくてもよい。
【0119】
本明細書の一実施態様において、上記電極90は、活物質層92と無地部93との間の境界を覆う絶縁コーティング層94を含むことができる。絶縁コーティング層94は、絶縁性のある高分子樹脂を含み、無機物フィラーを選択的にさらに含むことができる。絶縁コーティング層94は、活物質層92の端部がセパレータを介して対向している反対極性の活物質層と接触することを防止し、分節片93aの折り曲げを構造的に支持する役割を果たす。このために、電極90が電極組立体として巻取されたとき、絶縁コーティング層94は少なくとも一部がセパレータから外部に露出することが好ましい。
【0120】
図12は、本発明の実施例に係る電極90の無地部の分節構造を第1の電極及び第2の電極に適用した電極組立体100を長手方向(Y)に沿って切断した断面図である。
【0121】
図12を参照すれば、電極組立体100は、図2を通じて説明した巻取工法で製造することができる。説明の便宜のために、セパレータの外に延びる無地部72、73の突出構造を詳細に示し、第1の電極、第2の電極及びセパレータの巻取構造に対する図示は省略した。下部に突出した無地部72は、第1の電極から延びるものであり、上部に突出した無地部73は、第2の電極から延びるものである。上記無地部72、73の高さが変化するパターンは、概略的に示した。
【0122】
すなわち、断面が切断される位置によって、無地部72、73の高さは不規則に変化し得る。一例として、台形分節片93aのサイド部分が切断されると、断面での無地部の高さは分節片93aの高さより低くなる。よって、電極組立体100の断面を示す図面に示された無地部72、73の高さは、各巻取ターンに含まれた無地部の高さの平均に対応すると理解されたい。
【0123】
上記無地部72、73は、図12に示すように電極組立体100の外周側からコア側に折り曲げられることができる。図12において、折り曲げられる部分101は点線ボックスで表示した。無地部72、73が折り曲げられるとき、半径方向に隣接している分節片が幾重にも互いに重畳されながら電極組立体100の上部と下部に折曲面102が形成される。このとき、コア側無地部(図11の93')は高さが低くて折り曲げられず、最も内側で折り曲げられる分節片の高さ(h)は、分節片構造のないコア側無地部93'によって形成された巻取領域の半径方向長さ(r)より同じであるか小さい。よって、電極組立体100のコアにある空洞80が折り曲げられた分節片によって閉鎖されない。空洞80が閉鎖されなければ、電解質の注液工程に困難がなく、電解液の注液効率が向上する。
【0124】
本発明の実施例に係る二次電池70は、封口体74のキャッププレート74aが極性を持たない。その代わり、第2の集電板78が電池缶51の側壁に繋がっていて、電池缶51の底52の外部面52aが電極端子50とは反対の極性を有する。よって、複数のセルを直列及び/又は並列接続しようとするとき、電池缶51の底52の外部面52aと電極端子50を用いて、二次電池70の上部でバスバー接続などの配線を行うことができる。これを通じて、同一空間に搭載できるセルの数を増加させて、エネルギー密度を向上することができる。
【0125】
本明細書の一実施態様において、上記二次電池は、電池缶の底にリベッティングされた電極端子を含むことができる。
【0126】
図5は、本発明の実施例に係る電極端子50のリベッティング構造を示す断面図であり、図6は、点線円で表示された部分の拡大断面図である。
【0127】
図5及び図6を参照すれば、実施例に係る電極端子50のリベッティング構造は、一側が開放された円筒状の電池缶51と、電池缶51の底52に形成された貫通孔53を通じてリベッティングされた電極端子50と、電極端子50と貫通孔53との間に介在されたリベットガスケット54とを含むことができる。
【0128】
電池缶51は、導電性金属材質からなる。一例において、電池缶51は鋼材からなることができるが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0129】
電極端子50は、導電性金属材質からなる。一例において、電極端子50は、アルミニウムからなることができるが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0130】
本明細書の一実施態様において、上記リベットガスケット54は、絶縁性及び弾性のある高分子樹脂からなることができる。一例において、リベットガスケット54は、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリフッ化エチレンなどからなることができるが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0131】
本明細書の一実施態様において、上記電極端子50は、貫通孔53に挿入された胴部50a、電池缶51の底52の外部面52aを通じて露出した胴部50aの一側周りから外部面52aに沿って延びる外部フランジ部50b、電池缶51の底52の内部面52bを通じて露出した胴部50aの他側周りから内部面52bに向けて延びる内部フランジ部50c、及び内部フランジ部50cの内側に備えられた平坦部50dを含むことができる。
【0132】
好ましくは、平坦部50dと電池缶51の底52の内部面52bとは互いに平行であってよい。ここで、「平行」とは、目視で観察したときに実質的に平行であることを意味する。
【0133】
一側面によれば、内部フランジ部50cと電池缶51の底52の内部面52bとの 間の角度(θ)は、0度から60度であってよい。角度の大きさは、カシメ工法で電極端子50が電池缶51の貫通孔53に設けられるとき、カシメ強度によって決定される。一例において、カシメ強度が増加するほど角度(θ)は0度まで減少することができる。角度が60度を超過すると、リベットガスケット54のシーリング効果が低下するおそれがある。
【0134】
本明細書の一実施態様において、上記内部フランジ部50cと平坦部50dとの間にリセス部55が備えられることができる。リセス部55は、非対称溝の断面構造を有することができる。一例において、非対称溝は略V字状であってよい。非対称溝は、平坦部50dの側壁55aと上記側壁55aの端部と繋がる内部フランジ部50cの傾斜面55bを含むことができる。上記側壁55aは、電池缶51の底52の内部面52bと実質的に垂直であってよい。「垂直」とは、目視で観察したとき、実質的に垂直である場合を意味する。リセス部55は、カシメ工法で電極端子50が電池缶51の貫通孔53に設けられるとき、カシメ治具の形状によって作られたものである。好ましくは、内部フランジ部50cの厚さは、電極端子50の胴部50aから遠くなるほど減少することができる。
【0135】
本明細書の一実施態様において、リベットガスケット54は、外部フランジ部50bと電池缶51の底52の外部面52aとの間に介在された外部ガスケット54aと、内部フランジ部50cと電池缶51の底52の内部面52bとの間に介在された内部ガスケット54bとを含むことができる。
【0136】
上記外部ガスケット54aと内部ガスケット54bとは、厚さが位置によって異なってもよい。好ましくは、内部ガスケット54bの領域のうち電池缶51の底52の内部面52bと繋がる貫通孔53の内側エッジ56と内部フランジ部50cとの間に介在された領域の厚さが相対的に小さくてよい。好ましくは、貫通孔53の内側エッジ56と内部フランジ部50cとの間に介在されたガスケット領域で最小厚さ地点が存在することができる。また、貫通孔53の内側エッジ56は、内部フランジ部50cと向かい合う対向面57を含むことができる。
【0137】
一方、電池缶51の底52と垂直をなす貫通孔53の内壁の上端と下端は、電極端子50に向けてテーパーの付いた表面を形成するように面取り(corner cutting)されている。ところが、貫通孔53の内壁の上端及び/又は下端は、曲率を有する滑らかな曲面に変形されることができる。この場合、貫通孔53の内壁の上端及び/又は下端の付近でガスケット54に加えられるストレスをより緩和することができる。
【0138】
好ましくは、内部ガスケット54bは、電池缶51の底52の内部面52bと0度から60度の角度をなしながら内部フランジ部50cよりも長く延びることができる。
【0139】
また別の側面において、電池缶51の底52の内部面52bを基準に、平坦部50dの高さ(H1)が、内部ガスケット54bの端部の高さ(H2)より同じであるか大きくてよい。
【0140】
また、電池缶51の底52の内部面52bを基準に、平坦部50dの高さ(H1)が、内部フランジ部50cの端部の高さ(H3)よりも同じであるか大きくてよい。高さパラメータであるH1、H2及びH3が上記条件を満たせば、内部フランジ部50cと内部ガスケット54bが他の部品と干渉を起こすことを防止することができる。
【0141】
本明細書の一実施態様において、上記電極端子50の胴部50aの中心から外部フランジ部50bの縁までの半径(R1)は、電池缶51の底52の半径(R2)を基準に10から60%であってよい。
【0142】
R1が小さくなれば、電極端子50に電気配線部品(バスバー)を溶接する際に溶接空間が不足になる。また、R1が大きくなれば、電極端子50を除く電池缶51 の底52の外部面52aに電気配線部品(バスバー)を溶接する際に溶接空間が減少する。比率R1/R2を10から60%の間で調節すれば、電極端子50及び電池缶51の底52の外部面に対する溶接空間を適切に確保することができる。
【0143】
本明細書の一実施態様において、上記電極端子50の胴部50aの中心から平坦部50dの縁までの半径(R3)は、電池缶51の底52の半径(R2)を基準に、4から30%であってよい。R3が小さくなれば、電極端子50の平坦部50dに集電板(図7の79を参照)を溶接する際に溶接空間が不足になり、電極端子50の溶接面積が減少してコンタクト抵抗が増加するおそれがある。また、R3はR1よりは小さくなければならず、R3が大きくなれば、内部フランジ部50cの厚さが薄くなり、内部フランジ部50cがリベットガスケット54を圧着する力が弱くなって、リベットガスケット54のシーリング能力が低下するおそれがある。
【0144】
R3/R2を4から30%の間で調節すれば、電極端子50の平坦部50dと集電板(図7の79)との溶接面積を十分確保することで、溶接工程を容易に進行できるだけでなく、溶接領域のコンタクト抵抗を減少させることができ、リベットガスケット54のシーリング能力の低下を防止することができる。
【0145】
本明細書の一実施態様によれば、上記電極端子の平坦部と上記集電板とは、電気的に接続されることができる。具体的に、上記集電板と上記平坦部とは、溶接工程を通じて直接接続されるか、電極タブ、リードなどを用いて電気的に接続されることができる。このとき、溶接工程は、当業界で通常行う方法であれば、制限しない。
【0146】
本発明の実施例によれば、電極端子50のリベッティング構造は、上下運動をするカシメ治具を用いて形成することができる。まず、電池缶51の底52に形成された貫通孔53にリベットガスケット54を介在させて電極端子50のプリフォーム(図示せず)を挿入する。プリフォームは、リベッティングされる前の電極端子を指す。
【0147】
次に、カシメ治具を電池缶51の内側空間に挿入する。カシメ治具は、プリフォームをリベッティングして電極端子50を形成するために、プリフォームと対向する面に電極端子50の最終形状に対応する溝と突起を有する。
【0148】
次に、カシメ治具を下部に移動させてプリフォームの上部を加圧フォーミングして、プリフォームをリベッティングされた電極端子50に変形させる。
【0149】
カシメ治具によってプリフォームが加圧される間、外部フランジ部50bと電池缶51の底52の外部面52aとの間に介在された外部ガスケット54aが弾性的に圧縮されながらその厚さが減少する。また、貫通孔53の内側エッジ56とプリフォームとの間に介在された内部ガスケット54b部位が内部フランジ部50cによって弾性的に圧縮されながら他の領域より厚さがさらに減少する。特に、内部ガスケット54bの厚さが集中的に減少する領域は、図6の点線円で表示された部分である。これによって、リベッティングされた電極端子50と電池缶51との間のシーリング性及び密閉性が著しく向上する。
【0150】
好ましくは、リベットガスケット54は、プリフォームがリベッティングされる過程で物理的に損傷することなく所望のシーリング強度を確保できるように充分に圧縮されることが好ましい。
【0151】
一例において、リベットガスケット54がポリブチレンテレフタレートからなる場合、リベットガスケット54はそれが最小厚さに圧縮される地点で圧縮率が50% 以上であることが好ましい。圧縮率は、圧縮前の厚さに対する圧縮前後の厚さ変化の割合である。別の例において、リベットガスケット54がポリフルオロエチレンからなる場合、リベットガスケット54は、それが最小厚さに圧縮される地点で圧縮率が60%以上であることが好ましい。
【0152】
また別の例において、リベットガスケット54がポリプロピレンからなる場合、リベットガスケット54は、それが最小厚さに圧縮される地点で圧縮率が60%以上であることが好ましい。
【0153】
好ましくは、カシメ治具の上下移動を少なくとも2回以上実施して、プリフォーム上部の加圧フォーミングを段階的に進行することができる。すなわち、プリフォームを段階的に加圧フォーミングして数回にわたって変形させることができる。このとき、カシメ治具に加えられる圧力を段階的に増加させることができる。このようにすれば、プリフォームに加えられる応力を数回に分散させることで、カシメ工程が進行される間、リベットガスケット54が損傷することを防止することができる。 特に、貫通孔53の内側エッジ56とプリフォームとの間に介在された内部ガスケット54b 部位が、内部フランジ部50cによって集中的に圧縮される際に、ガスケットの損傷が最小限に抑えられる。
【0154】
カシメ治具を用いたプリフォームの加圧フォーミングが完了した後、カシメ治具を電池缶51から分離させれば、図6に示すように本発明の実施例に係る電極端子50のリベッティング構造を得ることができる。
【0155】
上述した実施例によれば、カシメ治具は、電池缶51の内部で上下運動を通じてプリフォームの上部を加圧フォーミングする。場合によって、プリフォームの加圧フォーミングのために、従来技術で使用されるロータリー(rotary)回転治具が使用されることができる。
【0156】
但し、ロータリー回転治具は、電池缶51の中心軸を基準に所定角度で傾いた状態で回転運動をする。よって、回転半径が大きいロータリー回転治具は、電池缶51の内壁と干渉を起こし得る。また、電池缶51の深さが大きい場合、ロータリー回転治具の長さもその分長くなる。この場合、ロータリー回転治具の端部の回転半径が大きくなり、プリフォームの加圧フォーミングがまともに行われないこともある。
【0157】
したがって、カシメ治具を用いた加圧フォーミングが、ロータリー回転治具を用いた方式よりもより効果的である。
【0158】
上述した本発明の実施例に係る電極端子50のリベッティング構造は、円筒形二次電池に適用可能である。
【0159】
本明細書の一実施態様において、二次電池は、フォームファクタの比(円筒形電池の直径を高さで割った値、すなわち高さ(H)に対する直径(Φ)の比と定義される)が0.4より大きい円筒形二次電池であってよい。ここで、フォームファクタとは、円筒形二次電池の直径及び高さを示す値を意味する。
【0160】
従来は、フォームファクタの比が約0.4以下の電池が用いられた。すなわち、従来は、例えば18650セル、21700セルなどが用いられた。18650セルの場合、その直径が約18mmで、その高さは約65mmで、フォームファクタの比は約0.277である。21700セルの場合、その直径が約21mmで、その高さは約70mmで、フォームファクタの比は約0.300である。
【0161】
本明細書の一実施態様に係る円筒形二次電池は、46110セル、48750セル、48110セル、48800セル、46800セルであってよい。フォームファクタを示す数値において、前の数字2つはセルの直径を示し、その次の数字2つはセルの高さを示し、最後の数字0はセルの断面が円形であることを示す。
【0162】
本明細書の一実施態様に係る二次電池は、円柱状のセルであって、その直径が46mmで、その高さは110mmで、フォームファクタの比は0.418である円筒形二次電池であってよい。
【0163】
本明細書の一実施態様に係る二次電池は、円柱状のセルであって、その直径が48mmで、その高さは75mmで、フォームファクタの比は0.640である円筒形二次電池であってよい。
【0164】
本明細書の一実施態様に係る二次電池は、円柱状のセルであって、その直径が48mmで、その高さは110mmで、フォームファクタの比は0.436である円筒形二次電池であってよい。
【0165】
本明細書の一実施態様に係る二次電池は、円柱状のセルであって、その直径が48mmで、その高さは80mmで、フォームファクタの比は0.600である円筒形二次電池であってよい。
【0166】
本明細書の一実施態様に係る二次電池は、円柱状のセルであって、その直径が46mmで、その高さは80mmで、フォームファクタの比は0.575である円筒形二次電池であってよい。
【0167】
本明細書は、第1の電極、セパレータ及び第2の電極が積層され巻取されて構成された電極組立体であって、上記第1の電極は、第1の電極集電体及び上記第1の電極集電体上に備えられた電極活物質層を含み、上記第1の電極集電体の巻取方向に沿う長辺端部は上記電極活物質層が備えられていない第1の電極の無地部を含む電極組立体;上記電極組立体を収容し開口部を含む電池缶;上記電池缶の開口部を密閉するように構成されるキャッププレート;及び、上記電池缶とリベッティングされる電極端子を含む二次電池に適用される集電板であって、上記第1の電極の無地部が露出した上記電極組立体の一端部に備えられ、上記電極組立体の巻芯と対応する中心部を含み、上記中心部は、上記集電板の残りの厚さよりも薄い第1の溶接部を含む、集電板を提供する。上記集電板において、各構成要素に関する説明は、上述した通りである。
【0168】
本明細書の一実施態様に係る二次電池は、電池パックを製造することに使用されることができる。図14は、本発明の実施例に係る電池パックの構成を概略的に示す図である。
【0169】
図14を参照すれば、本発明の実施例に係る電池パック200は、二次電池セル201が電気的に接続された集合体及びこれを収容するパックハウジング202を含む。円筒形二次電池セル201は、上述した実施例に係る電池セルである。図面においては、図示の便宜上、円筒形二次電池セル201の電気的接続のためのバスバー、冷却ユニット、外部端子などの部品の図示は省略した。
【0170】
上記電池パック200は、自動車に搭載されることができる。自動車は、一例として、電気自動車、ハイブリッド自動車又はプラグインハイブリッド自動車であってよい。自動車は、四輪自動車又は二輪自動車を含む。図15は、図14の電池パック200を含む自動車を説明するための図である。
【0171】
図15を参照すれば、本明細書の一実施態様に係る自動車Vは、本明細書の一実施態様に係る電池パック200を含む。自動車Vは、本発明の一実施例に係る電池パック200から電力を供給されて動作する。
【0172】
以上、本発明は、限定された実施例と図面によって説明されたが、本発明はこれによって限定されず、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって、本発明の技術思想と下記の特許請求の範囲の均等範囲内で種々の修正及び変形が可能であるのは勿論である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16(a)】
図16(b)】
図17(a)】
図17(b)】
図18
図19
図20(a)】
図20(b)】
図21(a)】
図21(b)】
図22
図23
図24
【国際調査報告】