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特表2023-549102製品を製造するための制御されたシステム
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  • 特表-製品を製造するための制御されたシステム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-22
(54)【発明の名称】製品を製造するための制御されたシステム
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/042 20060101AFI20231115BHJP
   G05B 19/418 20060101ALI20231115BHJP
   B29C 49/78 20060101ALI20231115BHJP
【FI】
G05B19/042
G05B19/418 Z
B29C49/78
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526536
(86)(22)【出願日】2021-10-29
(85)【翻訳文提出日】2023-06-26
(86)【国際出願番号】 EP2021080174
(87)【国際公開番号】W WO2022090493
(87)【国際公開日】2022-05-05
(31)【優先権主張番号】2011191
(32)【優先日】2020-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
(71)【出願人】
【識別番号】504102770
【氏名又は名称】シデル パルティシパション
【氏名又は名称原語表記】SIDEL PARTICIPATIONS
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドゥリアン,ミカエル
(72)【発明者】
【氏名】ピエール,イバン
【テーマコード(参考)】
3C100
4F208
5H220
【Fターム(参考)】
3C100AA22
3C100BB13
3C100CC02
3C100DD07
3C100DD14
3C100DD22
3C100DD32
3C100EE12
4F208AG07
4F208AH55
4F208AM19
4F208AM23
4F208AP00
4F208AQ00
4F208AR00
4F208LA07
4F208LB01
4F208LD16
5H220AA05
5H220CC05
5H220HH04
5H220JJ12
5H220JJ26
(57)【要約】
本発明は、少なくとも1つの製造機械(2)を含むシステム(1)に関し、少なくとも1つの製造機械(2)は:- 少なくとも1つのアクチュエータモジュール(3);- コンピュータ(4);- 第1の通信手段(5)を含み、システムはまた:- 情報記憶手段(8);通信チャネルによって第1の通信手段(5)に接続された第2の通信手段(9)を含むリモートサーバ(7)も含み、システム(1)が、製造される各製品(P)に対して、少なくとも1つの識別子を含むこと、および、システム(1)が、コンピュータ(4)に結合された識別子を読み取るための手段(6)も含むこと、および、コンピュータ(4)が、読み取り手段(6)によって実行される識別子の読み取りに基づいて、アクチュエータモジュール(3)を制御するように構成されることを、特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの製造機械(2)を含むシステム(1)であって、少なくとも1つの製造機械(2)は、
- 少なくとも1つのアクチュエータモジュール(3)、
- コンピュータ(4)、
- 第1の通信手段(5)
を含み、
システムはまた、
- 製造機械(2)によって実施される製造方法に関する情報、または製造機械(2)によって製造される製品(P)に関する情報を記憶するための手段(8)、
- 通信チャネルによって第1の通信手段(5)にリンクされた第2の通信手段(9)
を含むリモートサーバ(7)も含み、
システム(1)が、製造される各製品(P)に対して、少なくとも1つの識別子を含むこと、および、
記憶手段(8)が、前記識別子を前記製品(P)の情報とマッピングするデータベースを組み込むこと、および、
システム(1)がまた、コンピュータ(4)に結合された、前記識別子を読み取るための読み取り手段(6)も含むこと、および
コンピュータ(4)が、前記通信チャネルを介して、読み取り手段(6)によって行われる識別子の読み取りに基づいて、識別子に対応する情報を取り出し、前記取り出した情報に基づいて1つのアクチュエータモジュールまたは複数のアクチュエータモジュール(3)を制御するために、および/または、製造される前記製品(P)および/または製造機械(2)にリンクされた情報を参考にするために、パラメタライズされること
を特徴とする、システム(1)。
【請求項2】
システム(1)がまた、リモートサーバ(7)に結合された計算ユニット(13)も含み、前記記憶手段(8)に記憶された、または記憶されるべき情報をリモートサーバ(7)に送信および/または更新することを特徴とする、請求項1に記載のシステム(1)。
【請求項3】
システム(1)がまた、機械のコンピュータ(4)に結合され、リモートサーバ(7)の記憶手段(8)に記憶された情報の少なくとも一部を受信することを意図する、計算デバイス(14)も含むことを特徴とする、請求項1または2に記載のシステム(1)。
【請求項4】
識別子が、QRコードまたはバーコードタイプであることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
識別子が、NFCまたはRFIDタイプであることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
各容器のための、記憶手段(8)に含まれる情報が、以下のタイプ、
- 製造される製品(P)のデジタル図面、
- 製造機械(2)の設定パラメータ、
- 製造機械(2)のアクチュエータモジュール(3)を制御するプログラム、
- 製品の連続生産に関する情報
のうちの少なくとも1つであることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム(1)。
【請求項7】
製造される製品(P)が、ブローモールディング法またはストレッチブローモールディング法によって得られるプラスチック材料で作られる容器のタイプであることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のシステム(1)。
【請求項8】
識別子が、製造される製品(P)の定義を表すハードコピータイプの図面(12)によって担持されることを特徴とする、請求項1に記載のシステム(P)。
【請求項9】
識別子が、シンボル(10)および/または電子チップ(11)であることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載のシステム(1)。
【請求項10】
方法が、
- 読み取り手段(6)によって識別子を読み取るステップ、
- コンピュータ(4)によって、通信チャネルを介して、識別子に対応する情報を取り出すステップ、
- コンピュータ(4)によって取り出された情報に基づいて、製造機械(2)のアクチュエータモジュール(3)を制御するステップ
を少なくとも含む、請求項1から9のいずれか一項に記載のシステム(1)を用いて製品を製造するための方法。
【請求項11】
方法がまた、少なくとも1つの計算ユニット(13)によって、リモートサーバ(7)の記憶手段(8)に含まれる情報を更新するステップも含むことを特徴とする、請求項10に記載の製品を製造するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、容器の設計と製造の分野である。
【背景技術】
【0002】
より具体的には、本発明は、ブローモールディングまたはストレッチブローモールディングによって容器を製造するための制御されたシステムに関する。
【0003】
容器は、プラスチック材料で作られ、一般にブローモールディングまたはストレッチブローモールディングによって得られる。
【0004】
そのために、プラスチック材料で作られたプリフォームは、それらの構成材料が変形を可能にするのに十分に軟化するガラス転移温度を超えて加熱され、所望の形態を有する容器を得ることができる。
【0005】
様々な産業分野と同様に、得られる各製品に専用の製造パラメータが適用されることが知られている。
【0006】
これらのパラメータは、理論的で自動的に定義することができ、または例えば1人以上のエンジニアまたは技術者によって具体的に定義することができる。
【0007】
エンジニアまたは技術者が前記パラメータを定義しなければならないとき、彼らは、例えば、図面、デジタルモデル、観察すべき生産率、または例えば原材料の供給者からの推奨など、得られる製品にリンクされた情報を使用する。
【0008】
次いでこれらの情報はすべて、その後製造パラメータの定義に使用するために、エンジニアまたは技術者によって収集されなければならない。
【0009】
しかし、このようなパラメータの収集と、それのその後の処理には、技術者またはエンジニアの作業時間が要求される。
【0010】
プラスチック材料で作られるプリフォームから容器を得るというコンテキストでは、異なる形態の容器を得るために、特定のパラメータが異なる。
【0011】
例えば、そのことは、プリフォームのプラスチック材料(供給者の推奨)、得られる容器の形態(デジタルモデルおよび/または図面)、あるいは最終顧客の要求(遵守すべき生産速度)にさえ基づいて特に定義される、プリフォームの加熱パラメータにあてはまる。
【0012】
実際、回転円筒形の容器を得るためには、プリフォームの加熱は、その全周にわたって同一となる。
【0013】
一方、レリーフまたは局所的なパターンを示す容器を得るためには、プリフォームの周辺部の選択的な加熱が行われ、いわゆるホットゾーンといわゆるコールドゾーンを交互に、つまり異なる温度のゾーンを形成する。
【0014】
このタイプの加熱は、特に優先的加熱として知られている。
【0015】
さらに、得られる容器のサイズが変更されたとき、製造機械のいくつかのパラメータを更新する必要がある。
【0016】
従来、これらのパラメータは、製造機械の設定に専用のオペレータによって更新されていた。
【0017】
しかし、専用のオペレータが必要であることは、欠点がないわけではない。
【0018】
実際、機械のパラメタライジングは、オペレータにとって長くて退屈なものとなり得る。
【0019】
さらに、パラメータが更新されたときに、オペレータが新しいパラメータを入力する際にエラーを起こすリスクもある。
【0020】
そのため、第2のオペレータによるチェックが設けられ得る。しかし、このようなチェックには大きなコストがかかり、別のタスクに割り当てることができる第2のリソースを動員することになる。
【0021】
最後に、1つの同じ製品の製造のためにいくつかの製造機械を更新するとき、製造パラメータを更新する時間は、製造システムのすべて、すなわちすべての製造機械にとって長くなると判明し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明の目的は、特に、先行技術の上記欠点を緩和することである。
【0023】
より具体的には、本発明の目的は、機械の設定段階をより信頼性が高く、より速くすることを可能にする解決策を提案することである。
【0024】
また、本発明の目的は、実施が簡単で、オペレータ、技術者またはエンジニアが機械または製造方法に関する情報を迅速で安全に得ることができる解決策を提供することである。
【0025】
本発明のさらなる目的は、内部データベースを確実に更新することが可能な解決策を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0026】
これらの目的、および本明細書で明らかになる他の目的は、本発明の効果によって達成され、その主題は、少なくとも1つの製造機械を含むシステムであり、少なくとも1つの製造機械は:
- 少なくとも1つのアクチュエータモジュール;
- コンピュータ;
- 第1の通信手段
を含み、
システムはまた、
- 製造機械によって実施される製造方法に関する情報、または製造機械によって製造される製品に関する情報を記憶するための手段、
- 通信チャネルによって第1の通信手段にリンクされた第2の通信手段
を含むリモートサーバも含み、
システムが、製造される各製品に対して、少なくとも1つの識別子を含むこと、および、
記憶手段が、前記識別子を前記製品の情報とマッピングするデータベースを組み込むこと、および、
システムがまた、コンピュータに結合された、前記識別子を読み取るための読み取り手段も含むこと、および、
コンピュータが、前記通信チャネルを介して、読み取り手段によって行われる識別子の読み取りに基づいて、識別子に対応する情報を取り出し、前記取り出した情報に基づいて1つのアクチュエータモジュールまたは複数のアクチュエータモジュール(3)を制御するために、および/または、製造される前記製品および/または製造機械にリンクされた情報を参考にするために、パラメタライズされること
を特徴とする。
【0027】
このようなシステムにより、製造オペレータが製造する製品に関する識別パラメータを手動で入力する必要がないため、製造機械を介した製品の製造を容易にすることができる。したがって、これは、製造プロセスをより信頼性の高いものにし、また、製品の製造パラメータを定義するための補助をより信頼性の高いものにし、容易にすることを可能にする。
【0028】
実際、識別子の簡単な読み取りによって、製造、または製造される製品にリンクされた情報を、リモートサーバから製造機械に瞬時にダウンロードすることが可能である。
【0029】
さらに、1つの同じ製品をいくつかの異なる機械で製造する場合、各機械が正しい製造情報を含んでいることを確認することが可能であり、何故なら、識別子の読み取りによって機械にこの情報が自動的に挿入されるからである。
【0030】
したがって、手動で入れられる際に、例えば、オペレータ側の読み取り誤りまたはキーボードのタイピングエラーによってエラーを被り得る、製造情報の手動での入力にリンクされたヒューマンエラーを回避することができる。
【0031】
最後に、製造情報のコンサルティングは、リモートサーバへの簡単な接続によっていつでも行うことができ、これにより、機械の設定が正しいかどうかをチェックしたり、製造される製品に関する追加情報を得ることさえできる。
【0032】
言い換えれば、識別子は、例えば、ハードコピー図面のような媒体によって表示可能とされることができない、製造される製品のデジタルモジュールなど、識別子の媒体に含まれない情報へのアクセスを可能にすることができる。
【0033】
有利には、システムは、リモートサーバに結合された計算ユニットも含み、記憶手段に記憶された、または記憶されるべき情報をリモートサーバに送信および/または更新する。
【0034】
計算ユニットの使用により、遠隔地の人々、特に原材料の供給者または開発エンジニアが、製造者によって動作されている機械に修正を加えることができるようになる。実際、ブローモールディングまたはストレッチブローモールディングによるプラスチック材料で作られる容器の製造のコンテキストでは、製造機械は、開発され、次いで例えば液体製品の製造業者である産業施設に設置され、それ自体がその容器を製造して、それがまた製造した製品で直ちにそれを充填する。
【0035】
したがって、これらの製造される容器に修正が必要な場合、機械の開発者は、必要に応じて、製造を進めるために組み込むべき情報を遠隔で修正することができ、そのため、製造者がその容器を製造したいときには、専門技術者が製造現場を訪れなければならないといった事前介入なしに、すでに更新が行われている。
【0036】
好ましくは、システムは、機械のコンピュータに結合され、リモートサーバの記憶手段に記憶された情報の少なくとも一部を受信することを意図する、計算デバイスも含む。
【0037】
計算デバイスは、リモートサーバに含まれる情報の知識を得て、例えばタッチタイプのスクリーンであるときには機械上で直接、または例えばスマートフォンまたはデジタルタブレットである場合にはローミング方法で、妥当な場合には情報の知識を使用したり単に参考にしたりすることを可能にする。
【0038】
有利な実施形態によれば、識別子は、QRコードまたはバーコードタイプである。
【0039】
このような識別子は、比較的コンパクトであり、それぞれが単一の製造製品に関連付けられながら、複数の情報を返すことが可能である。
【0040】
別の有利な実施形態によれば、識別子は、NFCまたはRFIDタイプである。
【0041】
このような電子チップは、パッシブであり、通信および情報の交換を単に可能にする一方、特定の情報を記憶することが可能なメモリを提供する。
【0042】
優先的には、各容器のための、記憶手段に記憶される情報は、以下のタイプ:
- 製造される製品のデジタル図面;
- 製造機械の設定パラメータ;
- 製造機械のアクチュエータモジュールを制御するプログラム;
- 製品の連続生産に関する情報
のうちの少なくとも1つである。
【0043】
このようなタイプの情報により、製造される製品の寸法特性を知ることができ、さらには、人間の介入なしに自動的に、またはオペレータにより手動で入れられた情報のチェックによって、機械を設定することができるようになる。
【0044】
好ましい態様によれば、製造される製品は、ブローモールディング法またはストレッチブローモールディング法によって得られるプラスチック材料で作られる容器のタイプである。
【0045】
ブローモールディングまたはストレッチブローモールディングによるプラスチック材料の容器の製造は、非常に正確な製造パラメータを要求し、これらは、エラーの場合、容器の正しい製造に有害であるか、欠陥を示す容器の製造を誘発し得る。
【0046】
したがって、1つの同じ製品、すなわち1つの同じ容器がいくつかの異なる製造機械で製造されるとき、各機械での容器の均一な製造を保証するために、各機械が同じ設定、または実質的に同じ設定を有することが必要である。
【0047】
このことは、同一の製品を製造することを意図した2つの機械の間では、ヒューマンエラーが制限され、さらには排除されるので、本発明によるシステムによって可能である。
【0048】
このように、情報になされる修正は、すべての製造機械で観察されたエラーを同時に修正し、訂正することを可能にする。
【0049】
有利には、識別子は、製造される製品の定義を表すハードコピータイプの図面によって担持される。
【0050】
識別子を担持するためにハードコピータイプの図面を使用することにより、ユーザまたは製造オペレータは、単に図面を見ることにより、製造される製品が実際に期待にしたがっていることを識別することができる。実際、製造オペレータは、単に識別子を機械の読み取り手段に提示することにより、いくつかの異なる製品の中から、彼または彼女が製造すべき製品を識別し、正しい製造に必要なパラメータと情報を製造機械にロードすることができる。
【0051】
好ましくは、識別子は、シンボルおよび/または電子チップである。
【0052】
本発明はまた、先に説明したようなシステムによって製品を製造するための方法に関し、この方法は、主に:
- 読み取り手段によって識別子を読み取るステップ;
- コンピュータによって、通信チャネルを介して、識別子に対応する情報を取り出すステップ;
- コンピュータによって取り出された情報に基づいて、製造機械のアクチュエータモジュールを制御するステップ
を含む。
【0053】
このような方法によれば、設定または設定チェッキングステップ、あるいは製造される製品に関する情報を参考にするステップさえも、人間の介入を必要とせずに、必要に応じて自動的で迅速に、遠隔で行うことができるので、製品の製造を容易にすることが可能となる。
【0054】
好ましくは、本方法は、少なくとも1つの計算ユニットによって、リモートサーバの記憶手段に含まれる情報を更新することにあるステップも含む。
【0055】
それで、得られる製品の品質を改善することができるが、何故なら、製造される製品にリンクされた情報を遠隔で更新し、次いで必要な時に製造機械にロードすることができ、これは、識別子を読み取ることによりデータのローディングを開始させることは別として、自動的に、妥当な場合は人間の介入なしに行われるからである。
【0056】
本発明の他の特徴および利点は、例示的で非限定的な例として与えられた本発明の優先的な実施形態の以下の説明および添付の図面を読むことにより、より明確に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0057】
図1図1は、本発明によるシステムの模式図である。
図2図2は、図1のシステムの手段によって製造される製品の図面の概略図であり、この図面は、前記製品が製造されることを可能にする識別子を含む。
図3図3は、図1によるシステムの手段によって製品を生産または製造するための方法のフローダイアグラムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
図1は、本発明による、製品Pを製造するためのシステム1を示している。
【0059】
このシステム1は:
- 少なくとも1つのアクチュエータモジュール3;
- コンピュータ4;
- 第1の通信手段5
を含む少なくとも1つの製造機械2を含む。
【0060】
このシステム1はまた、読み取り手段6も含む。
【0061】
これらの読み取り手段6は、優先的に製造機械2に組み込まれる。
【0062】
変形例では、読み取り手段6はローミングであり、例えば、スマートフォンまたはデジタルタブレットタイプのモバイル電子デバイスに組み込まれた光学センサの形態をとる。
【0063】
読み取り手段6は、有利には、アナログタイプである。
【0064】
システム1は、また:
- 情報記憶手段8;
- 第2の通信手段9;
を含むリモートサーバ7も含む。
【0065】
好ましくは、記憶手段8に記憶された情報は、製造機械2によって実施される製造方法に関するか、または製造機械2によって製造される製品Pに関する情報である。
【0066】
第2の通信手段9は、本明細書で以下に説明するように、製造機械2の第1の通信手段5と協働することを意図している。
【0067】
本発明によるシステム1は、製造される各製品Pについて、製造される前記製品Pに関連するシンボル10および/または電子チップ11の形態をとる識別子を含む。
【0068】
より詳細には、このシンボル10および/または電子チップ11は、製品Pの定義を示すハードコピータイプの図面12によって担持される。
【0069】
このような製造される製品Pは、例えば、ブローモールディング法またはストレッチブローモールディング法によって得られたプラスチック材料で作れられた容器である。
【0070】
図面12、例えばA4またはA3フォーマットの特にシートは、図2に示されているように、一隅に、例えばQRコードまたはバーコードタイプのシンボル10、またはNFC(近距離無線通信の頭文字)またはRFID(無線周波数識別の頭文字)タイプの電子チップ11のいずれかを担持することができる。
【0071】
図示されていない別の実施形態によれば、識別子の支持体は、製造される製品の複製品である。
【0072】
識別子、すなわちシンボル10または電子チップ11は、製造機械2の読み取り手段6によって読み取られることを意図している。
【0073】
そのために、記憶手段8は、シンボル10および/または電子チップ11を前記製品Pの情報とマッピングするデータベースを組み込んでいる。
【0074】
実際、以下に説明するように、前記製品Pの製造をセットアップすることができるように、または、オペレータ、技術者若しくはエンジニアが製品Pにリンクされた情報を使用または参考にすることができるように、シンボル10または電子チップ11の読み取りによって、製造情報または製造される製品Pに関する情報が記憶手段8のデータベースから取り出される。
【0075】
この情報は、例示的で非限定的な例として、製造される製品Pのデジタル図面、製造機械2の設定パラメータ、または製品Pの連続生産に関する情報でさえある。
【0076】
他のタイプの情報も、シンボル10または電子チップ11の読み取りによって得ることができる。
【0077】
そのために、製造機械2の読み取り手段6は、コンピュータ4に結合されている。
【0078】
そして、コンピュータ4は、シンボル10および/または電子チップ11の読み取りに基づいて、製造機械2の第1の通信手段5とリモートサーバ7の第2の通信手段9との間のオープン通信チャネルを識別し、前記オープン通信チャネルを介して、シンボル10および/または電子チップ11に対応する情報を取り出すようにパラメタライズされる。
【0079】
取り出された情報は、例えば、製造機械2の1つのアクチュエータモジュールまたは複数のアクチュエータモジュール3を設定することを可能にすることができる。
【0080】
実際、取り出された情報は、特に、製造機械2のアクチュエータモジュール3を制御するプログラムを含むことができる。
【0081】
その結果、オペレータは、シンボル10または電子チップ11の簡単な読み取りにより、製造サイクルを開始することができ、次いで製造機械2は、コンピュータ4によって、より詳細にはコンピュータ4によって取り出されたプログラムに従って制御される。
【0082】
システム1は、リモートサーバ7に結合されて、記憶手段8に記憶されたまたは記憶されるべき情報をリモートサーバ7に送信し、および/または更新する計算ユニット13も含む。
【0083】
したがって、原材料の製造者または設計者さえも、リモートサーバ7に情報を送信することができ、この情報は、製造される製品の特性または製造機械2の設定情報であり得る。
【0084】
一例として、記憶手段8の内容の更新は、例えば、製造方法をより効率的にするための製造方法の修正、または製造機械2の製造パラメータをおそらくは変更する可能性がある製造される製品Pの形態の修正に関し得る。
【0085】
また、システム1は、製造機械2のコンピュータ4に結合され、リモートサーバ7の記憶手段8に記憶された情報の少なくとも一部を受信することを意図した計算デバイス14も含む。
【0086】
一例として、これらの計算デバイス14は、製造機械2に恒久的に取り付けられたタッチ式などのスクリーン141、あるいはスマートフォンまたはデジタルタブレット142の形態さえとることができ、製品Pの製造サイクルに関与するオペレータが所有するローミングオブジェクトを形成することができる。
【0087】
そのことは、特に、製造エンジニアにとって、製造パラメータの知識を得て、例えば、製造機械2のパラメータをチェックすることを可能にする。
【0088】
先に説明したシステム1による製品Pの製造は、以下に説明するステップを含む方法に従って行われる。
【0089】
図3を参照すると、この方法は、製造機械2の読み取り手段6を介してシンボル10および/または電子チップ11を読み取ることにある第1のステップ100を含む。
【0090】
第2のステップ200は、コンピュータ4によって、第1の通信手段5と第2の通信手段9との間の通信チャネルを識別することにある。
【0091】
この方法は、製造機械2のコンピュータ4によって、製造機械2上で、前記オープン通信チャネルを介して、識別子に対応する情報を取り出すことにある第3のステップ300を含む。
【0092】
記憶手段8のデータベースは、各図面12に担持される前記識別子を、記憶手段8に含まれる製品Pに関する情報とマッピングする。
【0093】
本方法は、コンピュータ4によって取り出された情報に基づいて製造機械2のアクチュエータモジュール3を制御することにある第4のステップ400を含む。
【0094】
さらに、製造方法は、少なくとも1つの計算ユニット13によって、リモートサーバ7の記憶手段8に含まれる情報を更新することにある第5のステップ500も含む。
【0095】
この第5のステップは任意選択であり、妥当な場合は、リモートサーバ7に含まれる情報を修正すること、特にそれを更新することまたはそれに新しい情報を追加することを可能にする。
【0096】
特に、製品Pがもはや製造されていないときに、情報を削除することも可能である。
【0097】
上述の製品Pのための製造システム1および方法は、製品Pを容易に製造することを可能にし、特に、製造オペレータまたはエンジニアが、読み取り手段6によってシンボル10または電子チップ11を単に読む必要があるだけで、自動的に、製造プログラム、製造データ、または製品の特性さえロードし、これにより、製品Pの製造を完全に安全に行うことが可能になるという事実によって、製品Pを容易に製造することを可能にする。
【0098】
また、計算ユニット13を介した更新により、製品を製造するための方法の更新または任意の製品Pに関する情報を得ることが、簡単で迅速に可能となる。
【0099】
しかも、そのことにより、サーバに情報が入力されると、それがチェックされ、正しいものであると、この情報を呼び出すすべての製造機械2が製品Pを適切に製造することができるようになるので、エラーのリスクを防止しながら、製造方法および様々な関係者、特に製造者と原材料の供給者との間のやりとりを円滑にすることができる。
【0100】
したがって、製造機械2のうちの1つの製造エージェントによって意図的にパラメータの変更が行われない限り、すべての製造機械2は、同一の製造パラメータと設定値に従っての製品Pを製造することになる。
【0101】
さらに、そのことは、各製造機械が同一の製造情報を呼び出し、後者がオペレータによって手動で入れられないので、異なる製造機械2で同一の製品Pの製造を保証することを可能にし、これにより、ヒューマンエラーのリスクを制限し、予め確立された基準に従って製品Pの製造を保証している。
【0102】
シンボル10または電子チップ11は、例えば、製造する製品に対応するモデルの3Dプリンティングを可能にする計算ファイルへのサーバを介したアクセスなど、簡単な2D媒体では含めることができない情報へのアクセスを可能にすることも留意されたい。
【0103】
また、シンボル10または電子チップ11は暗号化され、認められた識別子およびパスワードを有するユーザに対してのみ、サーバに含まれる上記情報へのアクセスを可能にすることができる。そのため、簡単な2D図面では提供できないサービスを提供することができ、専用ネットワークを介していくつかの機械の接続も可能にし得る。
図1
図2
図3
【国際調査報告】