IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ネオイミューンテック, インコーポレイテッドの特許一覧 ▶ ワシントン・ユニバーシティの特許一覧

特表2023-549112IL-7タンパク質とヌクレオチドワクチンの組み合わせで腫瘍を治療する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-22
(54)【発明の名称】IL-7タンパク質とヌクレオチドワクチンの組み合わせで腫瘍を治療する方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 38/20 20060101AFI20231115BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20231115BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20231115BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20231115BHJP
   A61K 39/00 20060101ALI20231115BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20231115BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20231115BHJP
   A61K 31/7088 20060101ALI20231115BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20231115BHJP
   C12N 15/12 20060101ALI20231115BHJP
   C07K 14/54 20060101ALI20231115BHJP
   C12N 15/24 20060101ALI20231115BHJP
   C12N 15/62 20060101ALI20231115BHJP
   C07K 19/00 20060101ALI20231115BHJP
   C07K 16/00 20060101ALI20231115BHJP
   C12N 15/13 20060101ALI20231115BHJP
   C07K 7/06 20060101ALI20231115BHJP
   C07K 5/103 20060101ALI20231115BHJP
   C07K 5/062 20060101ALI20231115BHJP
   C07K 5/083 20060101ALI20231115BHJP
【FI】
A61K38/20
A61P35/00
A61P43/00 121
A61P37/04
A61K39/00 H
A61K45/00
A61P35/02
A61K31/7088
A61K48/00
C12N15/12 ZNA
C07K14/54
C12N15/24
C12N15/62 Z
C07K19/00
C07K16/00
C12N15/13
C07K7/06
C07K5/103
C07K5/062
C07K5/083
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526958
(86)(22)【出願日】2021-11-05
(85)【翻訳文提出日】2023-05-15
(86)【国際出願番号】 US2021058273
(87)【国際公開番号】W WO2022099022
(87)【国際公開日】2022-05-12
(31)【優先権主張番号】63/110,142
(32)【優先日】2020-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521208309
【氏名又は名称】ネオイミューンテック, インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】597025806
【氏名又は名称】ワシントン・ユニバーシティ
【氏名又は名称原語表記】Washington University
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】リ, ビョン ハ
(72)【発明者】
【氏名】チェ, ドンフン
(72)【発明者】
【氏名】ギランダース, ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】チェン, イナ
(72)【発明者】
【氏名】フーデヘブーレ, シモン ぺーター
(72)【発明者】
【氏名】リー, リージン
【テーマコード(参考)】
4C084
4C085
4C086
4H045
【Fターム(参考)】
4C084AA02
4C084AA03
4C084AA13
4C084AA22
4C084BA44
4C084DA12
4C084MA02
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZB261
4C084ZB262
4C084ZB271
4C084ZB272
4C084ZC751
4C085AA03
4C085EE03
4C085GG01
4C086AA01
4C086AA02
4C086EA16
4C086MA02
4C086MA03
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZB26
4C086ZB27
4C086ZC75
4H045AA10
4H045AA11
4H045AA30
4H045BA10
4H045BA11
4H045BA12
4H045BA13
4H045BA41
4H045CA40
4H045DA02
4H045DA75
4H045DA86
4H045EA20
4H045EA31
4H045FA74
(57)【要約】
本開示は、IL-7と組み合わせたヌクレオチドワクチン(例えば、腫瘍抗原をコードするDNAワクチン)で腫瘍を治療する方法に関する。いくつかの態様において、IL-7は、ヌクレオチドワクチンの投与後(例えば、腫瘍特異的T細胞免疫応答のピーク増殖期の後)またはヌクレオチドワクチンと同時に投与される。本明細書では、腫瘍の治療を、それを必要とする対象において行う方法であって、腫瘍抗原をコードするヌクレオチドワクチンをインターロイキン-7(IL-7)と組み合わせて対象に投与することを含み、ヌクレオチドワクチンの投与が、腫瘍特異的T細胞免疫応答を誘導し、IL-7が、腫瘍特異的T細胞免疫応答のピーク増殖期の後に対象に投与される方法が開示される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
腫瘍の治療を、それを必要とする対象において行う方法であって、腫瘍抗原をコードするヌクレオチドワクチンをインターロイキン-7(IL-7)と組み合わせて前記対象に投与することを含み、前記ヌクレオチドワクチンの前記投与が、腫瘍特異的T細胞免疫応答を誘導し、前記IL-7が、前記ヌクレオチドワクチン投与の約14日以内、約13日以内、約12日以内、約11日以内、約10日以内、約9日以内、約8日以内、約7日以内、約6日以内、約5日以内、約4日以内、約3日以内、約2日以内、または約1日以内に前記対象に投与される、前記方法。
【請求項2】
前記IL-7が、前記ヌクレオチドワクチン投与の約7日以内に投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記IL-7及び前記ヌクレオチドワクチンが前記対象に同時に投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
腫瘍の治療を、それを必要とする対象において行う方法であって、腫瘍抗原をコードするヌクレオチドワクチンをインターロイキン-7(IL-7)と組み合わせて前記対象に投与することを含み、前記ヌクレオチドワクチンの前記投与が、腫瘍特異的T細胞免疫応答を誘導し、前記IL-7が、前記腫瘍特異的T細胞免疫応答のピーク増殖期の後に前記対象に投与される、前記方法。
【請求項5】
前記対象における腫瘍体積が、前記投与後に、参照(例えば、IL-7単独またはヌクレオチドワクチン単独のいずれかを受けた対象における対応する値)と比較して低減する、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記腫瘍体積が、前記投与後に、前記参照と比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または約100%低減する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
腫瘍の発生の防止または低減を、それを必要とする対象において行う方法であって、腫瘍抗原をコードするヌクレオチドワクチンをインターロイキン-7(IL-7)と組み合わせて前記対象に投与することを含み、前記ヌクレオチドワクチンの前記投与が、腫瘍特異的T細胞免疫応答を誘導し、前記ヌクレオチドワクチン、前記IL-7、または前記ヌクレオチドワクチンと前記IL-7との両方が、前記腫瘍の発生前の前記対象に投与される、前記方法。
【請求項8】
前記IL-7が、前記ヌクレオチドワクチン投与の約14日以内、約13日以内、約12日以内、約11日以内、約10日以内、約9日以内、約8日以内、約7日以内、約6日以内、約5日以内、約4日以内、約3日以内、約2日以内、または約1日以内に前記対象に投与される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記IL-7が、前記ヌクレオチドワクチン投与の約7日以内に前記対象に投与される、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
前記IL-7及び前記ヌクレオチドワクチンが前記対象に同時に投与される、請求項7または8に記載の方法。
【請求項11】
腫瘍特異的T細胞免疫応答の延長を、それを必要とする対象において行う方法であって、腫瘍抗原をコードするヌクレオチドワクチンをインターロイキン-7(IL-7)と組み合わせて前記対象に投与することを含み、前記ヌクレオチドワクチンの前記投与が、腫瘍特異的T細胞免疫応答を誘導し、前記IL-7が、前記腫瘍特異的T細胞免疫応答のピーク増殖期の後に前記対象に投与される、前記方法。
【請求項12】
腫瘍特異的T細胞免疫応答の延長を、それを必要とする対象において行う方法であって、腫瘍抗原をコードするヌクレオチドワクチンをインターロイキン-7(IL-7)と組み合わせて前記対象に投与することを含み、前記ヌクレオチドワクチンの前記投与が、腫瘍特異的T細胞免疫応答を誘導し、前記IL-7が、前記ヌクレオチドワクチン投与の約14日以内、約13日以内、約12日以内、約11日以内、約10日以内、約9日以内、約8日以内、約7日以内、約6日以内、約5日以内、約4日以内、約3日以内、約2日以内、または約1日以内に前記対象に投与される、前記方法。
【請求項13】
前記IL-7が、前記ヌクレオチドワクチン投与の約7日以内に投与される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記IL-7及び前記ヌクレオチドワクチンが前記対象に同時に投与される、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
IL-7の前記投与が、参照(例えば、IL-7単独またはヌクレオチドワクチン単独のいずれかを受けた対象における対応する値)と比較して、前記腫瘍特異的T細胞免疫応答の収縮期中の腫瘍特異的T細胞の生存期間を増大させる、請求項1~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記収縮期中の腫瘍特異的T細胞の前記生存期間が、前記参照と比較して、少なくとも約1倍、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約25倍、少なくとも約30倍、少なくとも約35倍、少なくとも約40倍、少なくとも約45倍、または少なくとも約50倍、またはそれ以上増大する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
IL-7の前記投与が、参照(例えば、IL-7単独またはヌクレオチドワクチン単独のいずれかを受けた対象における対応する値)と比較して、前記腫瘍特異的T細胞免疫応答の収縮期中の腫瘍特異的T細胞の数を増大させる、請求項1~16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記腫瘍特異的T細胞免疫応答の前記収縮期中の腫瘍特異的T細胞の前記数が、前記参照と比較して、少なくとも約1倍、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約25倍、少なくとも約30倍、少なくとも約35倍、少なくとも約40倍、少なくとも約45倍、または少なくとも約50倍、またはそれ以上増大する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
腫瘍特異的T細胞免疫応答のT細胞受容体(TCR)レパートリーの拡大を、それを必要とする対象において行う方法であって、腫瘍抗原をコードするヌクレオチドワクチンをインターロイキン-7(IL-7)と組み合わせて前記対象に投与することを含み、前記ヌクレオチドワクチンの前記投与が、前記腫瘍抗原の1以上のエピトープに対する腫瘍特異的T細胞免疫応答を誘導し、前記IL-7が、前記腫瘍特異的T細胞免疫応答のピーク増殖期の後に前記対象に投与される、前記方法。
【請求項20】
腫瘍特異的T細胞免疫応答のT細胞受容体(TCR)レパートリーの拡大を、それを必要とする対象において行う方法であって、腫瘍抗原をコードするヌクレオチドワクチンをインターロイキン-7(IL-7)と組み合わせて前記対象に投与することを含み、前記ヌクレオチドワクチンの前記投与が、前記腫瘍抗原の1以上のエピトープに対する腫瘍特異的T細胞免疫応答を誘導し、前記IL-7が、前記ヌクレオチドワクチン投与の約14日以内、約13日以内、約12日以内、約11日以内、約10日以内、約9日以内、約8日以内、約7日以内、約6日以内、約5日以内、約4日以内、約3日以内、約2日以内、または約1日以内に前記対象に投与される、前記方法。
【請求項21】
前記IL-7が、前記ヌクレオチドワクチン投与の約7日以内に投与される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記IL-7及び前記ヌクレオチドワクチンが前記対象に同時に投与される、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記投与が、参照(例えば、IL-7単独またはヌクレオチドワクチン単独のいずれかを受けた対象における対応する値)と比較して、前記腫瘍特異的T細胞免疫応答が誘導されるエピトープの数を増大させる、請求項19~22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記腫瘍特異的T細胞免疫応答が誘導されるエピトープの前記数が、前記参照と比較して、少なくとも約1倍、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約25倍、少なくとも約30倍、少なくとも約35倍、少なくとも約40倍、少なくとも約45倍、または少なくとも約50倍、またはそれ以上増大する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記腫瘍抗原が乳癌に由来し、前記エピトープが、Lrrc27、Plekho1、Pttg1、Xpo4、Exoc4、Pank3、Tmem101、Map3k6、Met、BC057079、Hist1h3e、Prkag1、Neil3、またはそれらの組み合わせから選択される、請求項19~24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記投与が、前記腫瘍抗原上の少なくとも約3個、少なくとも約4個、少なくとも約5個、少なくとも約6個、少なくとも約7個、少なくとも約8個、少なくとも約9個、少なくとも約10個、少なくとも約11個、少なくとも約12個、または少なくとも約13個、またはそれ以上のエピトープに対する腫瘍特異的T細胞免疫応答を誘導する、請求項19~24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
腫瘍抗原の亜優性エピトープに対するT細胞免疫応答の増大を、それを必要とする対象において行う方法であって、前記亜優性エピトープを含む腫瘍抗原をコードするヌクレオチドワクチンをインターロイキン-7(IL-7)と組み合わせて前記対象に投与することを含み、前記IL-7が、腫瘍特異的T細胞免疫応答のピーク増殖期の後に前記対象に投与される、前記方法。
【請求項28】
腫瘍抗原の亜優性エピトープに対するT細胞免疫応答の増大を、それを必要とする対象において行う方法であって、前記亜優性エピトープを含む腫瘍抗原をコードするヌクレオチドワクチンをインターロイキン-7(IL-7)と組み合わせて前記対象に投与することを含み、前記IL-7が、前記ヌクレオチドワクチン投与の約14日以内、約13日以内、約12日以内、約11日以内、約10日以内、約9日以内、約8日以内、約7日以内、約6日以内、約5日以内、約4日以内、約3日以内、約2日以内、または約1日以内に前記対象に投与される、前記方法。
【請求項29】
前記IL-7が、前記ヌクレオチドワクチン投与の約7日以内に投与される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記IL-7及び前記ヌクレオチドワクチンが前記対象に同時に投与される、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
腫瘍抗原の亜優性エピトープに対するT細胞免疫応答が、参照(例えば、IL-7単独またはヌクレオチドワクチン単独を受けた対象における対応する値)と比較して、少なくとも約1倍、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約25倍、少なくとも約30倍、少なくとも約35倍、少なくとも約40倍、少なくとも約45倍、または少なくとも約50倍、またはそれ以上増大する、請求項27~30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
前記腫瘍特異的T細胞免疫応答の前記ピーク増殖期が、前記ヌクレオチドワクチンの初回投与から約7日後、約8日後、約9日後、約10日後、約11日後、約12日後、約13日後、約14日後、または約15日後に起こる、請求項4~6、11、15~19、21~27、及び31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
前記腫瘍特異的T細胞免疫応答の前記ピーク増殖期が、前記ヌクレオチドワクチンの初回投与から約11日後に起こる、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記IL-7が、前記腫瘍特異的T細胞免疫応答の前記ピーク増殖期から少なくとも約1日後、約2日後、約3日後、約4日後、約5日後、約6日後、約7日後、約8日後、約9日後、約10日後、約11日後、約12日後、約13日後、約14日後、約15日後、約16日後、約17日後、約18日後、約19日後、約20日後、約21日後、約22日後、約23日後、約24日後、約25日後、約26日後、約27日後、約28日後、約29日後、または約30日後、またはそれ以上後に投与される、請求項32または33に記載の方法。
【請求項35】
前記IL-7が、前記腫瘍特異的T細胞免疫応答の前記ピーク増殖期から約2日後に投与される、請求項24に記載の方法。
【請求項36】
前記IL-7が、約5mg/kg~約15mg/kgの用量で投与される、請求項1~35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
前記IL-7が、約5mg/kg、約10mg/kg、または約15mg/kgの用量で投与される、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記IL-7が、約20μg/kg~約600μg/kgの用量で投与される、請求項1~35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項39】
前記IL-7タンパク質が、約20μg/kg、約60μg/kg、約120μg/kg、約240μg/kg、約480μg/kg、または約600μg/kgの用量で投与される、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記IL-7タンパク質が、約600μg/kg超、約700μg/kg超、約800μg/kg超、約900μg/kg超、約1,000μg/kg超、約1,100μg/kg超、約1,200μg/kg超、約1,300μg/kg超、約1,400μg/kg超、約1,500μg/kg超、約1,600μg/kg超、約1,700μg/kg超、約1,800μg/kg超、約1,900μg/kg超、または約2,000μg/kg超の用量で投与される、請求項1~35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項41】
前記IL-7タンパク質が、約610μg/kg~約1,200μg/kg、約650μg/kg~約1,200μg/kg、約700μg/kg~約1,200μg/kg、約750μg/kg~約1,200μg/kg、約800μg/kg~約1,200μg/kg、約850μg/kg~約1,200μg/kg、約900μg/kg~約1,200μg/kg、約950μg/kg~約1,200μg/kg、約1,000μg/kg~約1,200μg/kg、約1,050μg/kg~約1,200μg/kg、約1,100μg/kg~約1,200μg/kg、約1,200μg/kg~約2,000μg/kg、約1,300μg/kg~約2,000μg/kg、約1,500μg/kg~約2,000μg/kg、約1,700μg/kg~約2,000μg/kg、約610μg/kg~約1,000μg/kg、約650μg/kg~約1,000μg/kg、約700μg/kg~約1,000μg/kg、約750μg/kg~約1,000μg/kg、約800μg/kg~約1,000μg/kg、約850μg/kg~約1,000μg/kg、約900μg/kg~約1,000μg/kg、または約950μg/kg~約1,000μg/kgの用量で投与される、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記IL-7タンパク質が、約700μg/kg~約900μg/kg、約750μg/kg~約950μg/kg、約700μg/kg~約850μg/kg、約750μg/kg~約850μg/kg、約700μg/kg~約800μg/kg、約800μg/kg~約900μg/kg、約750μg/kg~約850μg/kg、または約850μg/kg~約950μg/kgの用量で投与される、請求項40または41に記載の方法。
【請求項43】
前記IL-7タンパク質が、約650μg/kg、約680μg/kg、約700μg/kg、約720μg/kg、約740μg/kg、約750μg/kg、約760μg/kg、約780μg/kg、約800μg/kg、約820μg/kg、約840μg/kg、約850μg/kg、約860μg/kg、約880μg/kg、約900μg/kg、約920μg/kg、約940μg/kg、約950μg/kg、約960μg/kg、約980μg/kg、約1,000μg/kg、約1,100μg/kg、約1200μg/kg、約1,300μg/kg、約1,400μg/kg、約1,440μg/kg、約1,500μg/kg、約1,600μg/kg、約1,700μg/kg、約1,800μg/kg、約1,900μg/kg、または約2,000μg/kgの用量で投与される、請求項40~42のいずれか1項に記載の方法。
【請求項44】
前記IL-7が、約1週間に1回、約2週間に1回、約3週間に1回、約4週間に1回、約5週間に1回、約6週間に1回、約7週間に1回、約8週間に1回、約9週間に1回、約10週間に1回、約11週間に1回、または約12週間に1回の投薬頻度で投与される、請求項1~43のいずれか1項に記載の方法。
【請求項45】
前記ヌクレオチドワクチンが、DNAワクチン、mRNAワクチン、またはその両方を含む、請求項1~44のいずれか1項に記載の方法。
【請求項46】
前記ヌクレオチドワクチンがDNAワクチンである、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記IL-7が、タンパク質(IL-7タンパク質)、前記IL-7タンパク質をコードする核酸、またはその両方として投与される、請求項1~46のいずれか1項に記載の方法。
【請求項48】
前記対象がヒトである、請求項1~47のいずれか1項に記載の方法。
【請求項49】
前記IL-7タンパク質が、野生型IL-7ではない、請求項47または48に記載の方法。
【請求項50】
前記IL-7タンパク質が、融合タンパク質である、請求項47~49のいずれか1項に記載の方法。
【請求項51】
前記IL-7タンパク質は、1~10個のアミノ酸残基からなるオリゴペプチドを含む、請求項47~50のいずれか1項に記載の方法。
【請求項52】
前記オリゴペプチドが、メチオニン(M)、グリシン(G)、メチオニン-メチオニン(MM)、グリシン-グリシン(GG)、メチオニン-グリシン(MG)、グリシン-メチオニン(GM)、メチオニン-メチオニン-メチオニン(MMM)、メチオニン-メチオニン-グリシン(MMG)、メチオニン-グリシン-メチオニン(MGM)、グリシン-メチオニン-メチオニン(GMM)、メチオニン-グリシン-グリシン(MGG)、グリシン-メチオニン-グリシン(GMG)、グリシン-グリシン-メチオニン(GGM)、グリシン-グリシン-グリシン(GGG)、メチオニン-グリシン-グリシン-メチオニン(MGGM)(配列番号41)、メチオニン-メチオニン-グリシン-グリシン(MMGG)(配列番号42)、グリシン-グリシン-メチオニン-メチオニン(GGMM)(配列番号43)、メチオニン-グリシン-メチオニン-グリシン(MGMG)(配列番号44)、グリシン-メチオニン-メチオニン-グリシン(GMMG)(配列番号45)、グリシン-グリシン-グリシン-メチオニン(GGGM)(配列番号46)、メチオニン-グリシン-グリシン-グリシン(MGGG)(配列番号47)、グリシン-メチオニン-グリシン-グリシン(GMGG)(配列番号48)、グリシン-グリシン-メチオニン-グリシン(GGMG)(配列番号49)、グリシン-グリシン-メチオニン-メチオニン-メチオニン(GGMMM)(配列番号50)、グリシン-グリシン-グリシン-メチオニン-メチオニン(GGGMM)(配列番号51)、グリシン-グリシン-グリシン-グリシン-メチオニン(GGGGM)(配列番号52)、メチオニン-グリシン-メチオニン-メチオニン-メチオニン(MGMMM)(配列番号53)、メチオニン-グリシン-グリシン-メチオニン-メチオニン(MGGMM)(配列番号54)、メチオニン-グリシン-グリシン-グリシン-メチオニン(MGGGM)(配列番号55)、メチオニン-メチオニン-グリシン-メチオニン-メチオニン(MMGMM)(配列番号56)、メチオニン-メチオニン-グリシン-グリシン-メチオニン(MMGGM)(配列番号57)、メチオニン-メチオニン-グリシン-グリシン-グリシン(MMGGG)(配列番号58)、メチオニン-メチオニン-メチオニン-グリシン-メチオニン(MMMGM)(配列番号59)、メチオニン-グリシン-メチオニン-グリシン-メチオニン(MGMGM)(配列番号60)、グリシン-メチオニン-グリシン-メチオニン-グリシン(GMGMG)(配列番号61)、グリシン-メチオニン-メチオニン-メチオニン-グリシン(GMMMG)(配列番号62)、グリシン-グリシン-メチオニン-グリシン-メチオニン(GGMGM)(配列番号63)、グリシン-グリシン-メチオニン-メチオニン-グリシン(GGMMG)(配列番号64)、グリシン-メチオニン-メチオニン-グリシン-メチオニン(GMMGM)(配列番号65)、メチオニン-グリシン-メチオニン-メチオニン-グリシン(MGMMG)(配列番号66)、グリシン-メチオニン-グリシン-グリシン-メチオニン(GMGGM)(配列番号67)、メチオニン-メチオニン-グリシン-メチオニン-グリシン(MMGMG)(配列番号68)、グリシン-メチオニン-メチオニン-グリシン-グリシン(GMMGG)(配列番号69)、グリシン-メチオニン-グリシン-グリシン-グリシン(GMGGG)(配列番号70)、グリシン-グリシン-メチオニン-グリシン-グリシン(GGMGG)(配列番号71)、グリシン-グリシン-グリシン-グリシン-グリシン(GGGGG)(配列番号72)、またはそれらの組み合わせを含む、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記オリゴペプチドが、メチオニン-グリシン-メチオニン(MGM)である、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記IL-7タンパク質が、半減期延長部分を含む、請求項47~53のいずれか1項に記載の方法。
【請求項55】
前記半減期延長部分が、Fc、アルブミン、アルブミン結合性ポリペプチド、Pro/Ala/Ser(PAS)、ヒト絨毛性ゴナドトロピンのβサブユニットのC末端ペプチド(CTP)、ポリエチレングリコール(PEG)、長い構造不定の親水性アミノ酸配列(XTEN)、ヒドロキシエチルデンプン(HES)、アルブミン結合性小分子、またはそれらの組み合わせを含む、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記半減期延長部分がFcである、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記Fcが、ヒンジ領域、CH2ドメイン、及びCH3ドメインを含むハイブリッドFcであり、
前記ヒンジ領域が、ヒトIgDヒンジ領域を含み、
前記CH2ドメインが、ヒトIgD CH2ドメインの一部及びヒトIgG4 CH2ドメインの一部を含み、
前記CH3ドメインが、ヒトIgG4 CH3ドメインの一部を含む、
請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記IL-7タンパク質が、配列番号1~6及び15~25と少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または約100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項47~57のいずれか1項に記載の方法。
【請求項59】
前記IL-7が、前記対象に、補足的投与、筋肉内投与、皮下投与、点眼、静脈内投与、腹腔内投与、皮内投与、眼窩内投与、脳内投与、頭蓋内投与、脊髄内投与、心室内投与、髄腔内投与、大槽内投与、嚢内投与、腫瘍内投与、またはそれらの任意の組み合わせで投与される、請求項1~58のいずれか1項に記載の方法。
【請求項60】
前記ヌクレオチドワクチンが、前記対象に、補足的投与、筋肉内投与、皮膚投与、皮下投与、点眼、静脈内投与、腹腔内投与、皮内投与、眼窩内投与、脳内投与、頭蓋内投与、脊髄内投与、心室内投与、髄腔内投与、大槽内投与、嚢内投与、腫瘍内投与、またはそれらの任意の組み合わせで投与される、請求項1~59のいずれか1項に記載の方法。
【請求項61】
少なくとも1つの追加の治療剤を前記対象に投与することをさらに含む、請求項1~60のいずれか1項に記載の方法。
【請求項62】
前記腫瘍抗原が、グアニル酸シクラーゼC(GC-C)、上皮増殖因子受容体(EGFRまたはerbB-1)、ヒト上皮増殖因子受容体2(HER2またはerbB2)、erbB-3、erbB-4、MUC-1、黒色腫関連コンドロイチン硫酸プロテオグリカン(MCSP)、メソテリン(MSLN)、葉酸受容体1(FOLR1)、CD4、CD19、CD20、CD22、CD30、CD33、CD38、CD44、CD44v6、CD44v7/8、CD70、CD123、CD138、CD171、CEA、CSPG4、CXCR5、c-Met、HERV-エンベロープタンパク質、エリオスチン、Bigh3、SPARC、BCR、CD79、CD37、EGFRvIII、EGP2、EGP40、IGFr、L1CAM、AXL、組織因子(TF)、CD74、EpCAM、EphA2、MRP3カドヘリン19(CDH19)、上皮増殖因子2(HER2)、5T4、8H9、αβインテグリン、BCMA、B7-H3、B7-H6、CAIX、CA9、FAP、FBP、胎児AchR、FRcc、GD2、GD3、グリピカン-1(GPC1)、グリピカン-2(GPC2)、グリピカン-3(GPC3)、HLA-A1+MAGE1、HLA-A1+NY-ESO-1、IL-13Rcc2、Lewis-Y、KDR、MCSP、メソテリン、Muc1、Muc16、NCAM、NKG2Dリガンド、NY-ESO-1、PRAME、PSC1、PSCA、PSMA、ROR1、ROR2、SP17、サバイビング、TAG72、TEM、癌胎児抗原、HMW-MAA、VEGF、CLDN18.2、ネオ抗原、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1~61のいずれか1項に記載の方法。
【請求項63】
前記腫瘍抗原が、乳癌、頭頸部癌、子宮癌、脳癌、皮膚癌、腎癌、肺癌、大腸癌、前立腺癌、肝臓癌、膀胱癌、腎臓癌、膵臓癌、甲状腺癌、食道癌、眼癌、胃の癌(胃癌)、胃腸癌、卵巣癌、癌腫、肉腫、白血病、リンパ腫、骨髄腫、またはそれらの組み合わせを含むがんに由来する、請求項1~62のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本PCT出願は、2020年11月5日に出願された米国特許仮出願第63/110,142号に基づく優先権の利益を主張し、同仮出願の全体を参照により本明細書に組み込むものである。
【0002】
EFS-WEBを介して電子提出された配列表への言及
本出願と共に提出された、ASCIIテキストファイルで電子提出された配列表(名称:4241_017PC01_SeqListing_ST25.txt、サイズ:83,472バイト、及び作成日:2021年11月5日)の内容は、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
がんは、依然として現代世界における主な死因の1つである。手術、放射線、化学療法、及び免疫療法を含め、現在臨床で行われている標準的な治療は、限られた成功しか示していない。これらの療法は通常、初期段階の限局性腫瘍に対してのみ有効であり、後期段階の転移性悪性疾患に対して有効であることは稀であり、頻繁な再発または療法に対する最終的な抵抗性につながる。Sharma,P.,et al.,Cell 168(4):707-723(2017)。さらに、放射線及び化学療法で使用されている様々な薬剤は、正常な組織に損傷を与え、望ましくない副作用を引き起こす可能性がある。したがって、がん患者において、許容できる安全性プロファイル及び高い効力を有する新たな治療選択肢が依然として必要とされている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Sharma,P.,et al.,Cell 168(4):707-723(2017)
【発明の概要】
【0005】
本明細書では、腫瘍の治療を、それを必要とする対象において行う方法であって、腫瘍抗原をコードするヌクレオチドワクチンをインターロイキン-7(IL-7)と組み合わせて対象に投与することを含み、ヌクレオチドワクチンの投与が、腫瘍特異的T細胞免疫応答を誘導し、IL-7が、ヌクレオチドワクチン投与の約14日以内、約13日以内、約12日以内、約11日以内、約10日以内、約9日以内、約8日以内、約7日以内、約6日以内、約5日以内、約4日以内、約3日以内、約2日以内、または約1日以内に対象に投与される方法が開示される。いくつかの態様において、IL-7は、ヌクレオチドワクチン投与の約7日以内に投与される。いくつかの態様において、IL-7及びヌクレオチドワクチンは対象に同時に投与される。
本明細書では、腫瘍の治療を、それを必要とする対象において行う方法であって、腫瘍抗原をコードするヌクレオチドワクチンをインターロイキン-7(IL-7)と組み合わせて対象に投与することを含み、ヌクレオチドワクチンの投与が、腫瘍特異的T細胞免疫応答を誘導し、IL-7が、腫瘍特異的T細胞免疫応答のピーク増殖期の後に対象に投与される方法が開示される。
【0006】
いくつかの態様において、対象における腫瘍体積が、投与後に、参照(例えば、IL-7単独またはヌクレオチドワクチン単独のいずれかを受けた対象における対応する値)と比較して低減する。ある特定の態様において、腫瘍体積は、投与後に、参照と比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または約100%低減する。
【0007】
本明細書では、腫瘍の発生の防止または低減を、それを必要とする対象において行う方法であって、腫瘍抗原をコードするヌクレオチドワクチンをインターロイキン-7(IL-7)と組み合わせて対象に投与することを含み、ヌクレオチドワクチンの投与が、腫瘍特異的T細胞免疫応答を誘導し、ヌクレオチドワクチン、IL-7、またはヌクレオチドワクチンとIL-7との両方が、腫瘍の発生前の対象に投与される方法が提供される。
【0008】
いくつかの態様において、IL-7は、ヌクレオチドワクチン投与の約14日以内、約13日以内、約12日以内、約11日以内、約10日以内、約9日以内、約8日以内、約7日以内、約6日以内、約5日以内、約4日以内、約3日以内、約2日以内、または約1日以内に対象に投与される。いくつかの態様において、IL-7は、ヌクレオチドワクチン投与の約7日以内に対象に投与される。いくつかの態様において、IL-7及びヌクレオチドワクチンは対象に同時に投与される。
【0009】
本明細書では、腫瘍特異的T細胞免疫応答の延長を、それを必要とする対象において行う方法であって、腫瘍抗原をコードするヌクレオチドワクチンをインターロイキン-7(IL-7)と組み合わせて対象に投与することを含み、ヌクレオチドワクチンの投与が、腫瘍特異的T細胞免疫応答を誘導し、IL-7が、腫瘍特異的T細胞免疫応答のピーク増殖期の後に対象に投与される方法も提供される。
【0010】
本開示はさらに、腫瘍特異的T細胞免疫応答の延長を、それを必要とする対象において行う方法であって、腫瘍抗原をコードするヌクレオチドワクチンをインターロイキン-7(IL-7)と組み合わせて対象に投与することを含み、ヌクレオチドワクチンの投与が、腫瘍特異的T細胞免疫応答を誘導し、IL-7が、ヌクレオチドワクチン投与の約14日以内、約13日以内、約12日以内、約11日以内、約10日以内、約9日以内、約8日以内、約7日以内、約6日以内、約5日以内、約4日以内、約3日以内、約2日以内、または約1日以内に対象に投与される方法を提供する。いくつかの態様において、IL-7は、ヌクレオチドワクチン投与の約7日以内に投与される。いくつかの態様において、IL-7及びヌクレオチドワクチンは対象に同時に投与される。
【0011】
いくつかの態様において、IL-7の投与は、参照(例えば、IL-7単独またはヌクレオチドワクチン単独のいずれかを受けた対象における対応する値)と比較して、腫瘍特異的T細胞免疫応答の収縮期中の腫瘍特異的T細胞の生存期間を増大させる。ある特定の態様において、収縮期中の腫瘍特異的T細胞の生存期間は、参照と比較して、少なくとも約1倍、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約25倍、少なくとも約30倍、少なくとも約35倍、少なくとも約40倍、少なくとも約45倍、または少なくとも約50倍、またはそれ以上増大する。
【0012】
いくつかの態様において、IL-7の投与は、参照(例えば、IL-7単独またはヌクレオチドワクチン単独のいずれかを受けた対象における対応する値)と比較して、腫瘍特異的T細胞免疫応答の収縮期中の腫瘍特異的T細胞の数を増大させる。ある特定の態様において、腫瘍特異的T細胞免疫応答の収縮期中の腫瘍特異的T細胞の数は、参照と比較して、少なくとも約1倍、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約25倍、少なくとも約30倍、少なくとも約35倍、少なくとも約40倍、少なくとも約45倍、または少なくとも約50倍、またはそれ以上増大する。
【0013】
本明細書では、腫瘍特異的T細胞免疫応答のT細胞受容体(TCR)レパートリーの拡大を、それを必要とする対象において行う方法であって、腫瘍抗原をコードするヌクレオチドワクチンをインターロイキン-7(IL-7)と組み合わせて対象に投与することを含み、ヌクレオチドワクチンの投与が、腫瘍抗原の1以上のエピトープに対する腫瘍特異的T細胞免疫応答を誘導し、IL-7が、腫瘍特異的T細胞免疫応答のピーク増殖期の後に対象に投与される方法が提供される。
【0014】
本明細書では、腫瘍特異的T細胞免疫応答のT細胞受容体(TCR)レパートリーの拡大を、それを必要とする対象において行う方法であって、腫瘍抗原をコードするヌクレオチドワクチンをインターロイキン-7(IL-7)と組み合わせて対象に投与することを含み、ヌクレオチドワクチンの投与が、腫瘍抗原の1以上のエピトープに対する腫瘍特異的T細胞免疫応答を誘導し、IL-7が、ヌクレオチドワクチン投与の約14日以内、約13日以内、約12日以内、約11日以内、約10日以内、約9日以内、約8日以内、約7日以内、約6日以内、約5日以内、約4日以内、約3日以内、約2日以内、または約1日以内に対象に投与される方法も提供される。いくつかの態様において、IL-7は、ヌクレオチドワクチン投与の約7日以内に投与される。いくつかの態様において、IL-7及びヌクレオチドワクチンは対象に同時に投与される。
【0015】
いくつかの態様において、投与は、参照(例えば、IL-7単独またはヌクレオチドワクチン単独のいずれかを受けた対象における対応する値)と比較して、腫瘍特異的T細胞免疫応答が誘導されるエピトープの数を増大させる。ある特定の態様において、腫瘍特異的T細胞免疫応答が誘導されるエピトープの数は、参照と比較して、少なくとも約1倍、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約25倍、少なくとも約30倍、少なくとも約35倍、少なくとも約40倍、少なくとも約45倍、または少なくとも約50倍、またはそれ以上増大する。
【0016】
いくつかの態様において、腫瘍抗原は乳癌に由来し、エピトープは、Lrrc27、Plekho1、Pttg1、Xpo4、Exoc4、Pank3、Tmem101、Map3k6、Met、BC057079、Hist1h3e、Prkag1、Neil3、またはそれらの組み合わせから選択される。
【0017】
いくつかの態様において、投与は、腫瘍抗原上の少なくとも約3個、少なくとも約4個、少なくとも約5個、少なくとも約6個、少なくとも約7個、少なくとも約8個、少なくとも約9個、少なくとも約10個、少なくとも約11個、少なくとも約12個、または少なくとも約13個、またはそれ以上のエピトープに対する腫瘍特異的T細胞免疫応答を誘導する。
【0018】
本開示はさらに、腫瘍抗原の亜優性エピトープに対するT細胞免疫応答の増大を、それを必要とする対象において行う方法であって、亜優性エピトープを含む腫瘍抗原をコードするヌクレオチドワクチンをインターロイキン-7(IL-7)と組み合わせて対象に投与することを含み、IL-7が、腫瘍特異的T細胞免疫応答のピーク増殖期の後に対象に投与される方法を提供する。
【0019】
本明細書では、腫瘍抗原の亜優性エピトープに対するT細胞免疫応答の増大を、それを必要とする対象において行う方法であって、亜優性エピトープを含む腫瘍抗原をコードするヌクレオチドワクチンをインターロイキン-7(IL-7)と組み合わせて対象に投与することを含み、IL-7が、ヌクレオチドワクチン投与の約14日以内、約13日以内、約12日以内、約11日以内、約10日以内、約9日以内、約8日以内、約7日以内、約6日以内、約5日以内、約4日以内、約3日以内、約2日以内、または約1日以内に対象に投与される方法も提供される。いくつかの態様において、IL-7は、ヌクレオチドワクチン投与の約7日以内に投与される。いくつかの態様において、IL-7及びヌクレオチドワクチンは対象に同時に投与される。
【0020】
いくつかの態様において、腫瘍抗原の亜優性エピトープに対するT細胞免疫応答は、参照(例えば、IL-7単独またはヌクレオチドワクチン単独を受けた対象における対応する値)と比較して、少なくとも約1倍、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約25倍、少なくとも約30倍、少なくとも約35倍、少なくとも約40倍、少なくとも約45倍、または少なくとも約50倍、またはそれ以上増大する。
【0021】
上記の方法のいずれかにおいて、いくつかの態様では、腫瘍特異的T細胞免疫応答のピーク増殖期は、ヌクレオチドワクチンの初回投与から約7日後、約8日後、約9日後、約10日後、約11日後、約12日後、約13日後、約14日後、または約15日後に起こる。いくつかの態様において、腫瘍特異的T細胞免疫応答のピーク増殖期は、ヌクレオチドワクチンの初回投与から約11日後に起こる。
【0022】
本明細書で開示される方法において、いくつかの態様では、IL-7は、腫瘍特異的T細胞免疫応答のピーク増殖期から少なくとも約1日後、約2日後、約3日後、約4日後、約5日後、約6日後、約7日後、約8日後、約9日後、約10日後、約11日後、約12日後、約13日後、約14日後、約15日後、約16日後、約17日後、約18日後、約19日後、約20日後、約21日後、約22日後、約23日後、約24日後、約25日後、約26日後、約27日後、約28日後、約29日後、または約30日後、またはそれ以上後に投与される。ある特定の態様において、IL-7は、腫瘍特異的T細胞免疫応答のピーク増殖期から約2日後に投与される。
【0023】
いくつかの態様において、IL-7は、約5mg/kg~約15mg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7は、約5mg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7は、約20μg/kg~約600μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、約20μg/kg、約60μg/kg、約120μg/kg、約240μg/kg、約480μg/kg、または約600μg/kgの用量で投与される。
【0024】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約600μg/kg超、約700μg/kg超、約800μg/kg超、約900μg/kg超、約1,000μg/kg超、約1,100μg/kg超、約1,200μg/kg超、約1,300μg/kg超、約1,400μg/kg超、約1,500μg/kg超、約1,600μg/kg超、約1,700μg/kg超、約1,800μg/kg超、約1,900μg/kg超、または約2,000μg/kg超の用量で投与される。
【0025】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約610μg/kg~約1,200μg/kg、約650μg/kg~約1,200μg/kg、約700μg/kg~約1,200μg/kg、約750μg/kg~約1,200μg/kg、約800μg/kg~約1,200μg/kg、約850μg/kg~約1,200μg/kg、約900μg/kg~約1,200μg/kg、約950μg/kg~約1,200μg/kg、約1,000μg/kg~約1,200μg/kg、約1,050μg/kg~約1,200μg/kg、約1,100μg/kg~約1,200μg/kg、約1,200μg/kg~約2,000μg/kg、約1,300μg/kg~約2,000μg/kg、約1,500μg/kg~約2,000μg/kg、約1,700μg/kg~約2,000μg/kg、約610μg/kg~約1,000μg/kg、約650μg/kg~約1,000μg/kg、約700μg/kg~約1,000μg/kg、約750μg/kg~約1,000μg/kg、約800μg/kg~約1,000μg/kg、約850μg/kg~約1,000μg/kg、約900μg/kg~約1,000μg/kg、または約950μg/kg~約1,000μg/kgの用量で投与される。
【0026】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約700μg/kg~約900μg/kg、約750μg/kg~約950μg/kg、約700μg/kg~約850μg/kg、約750μg/kg~約850μg/kg、約700μg/kg~約800μg/kg、約800μg/kg~約900μg/kg、約750μg/kg~約850μg/kg、または約850μg/kg~約950μg/kgの用量で投与される。
【0027】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約650μg/kg、約680μg/kg、約700μg/kg、約720μg/kg、約740μg/kg、約750μg/kg、約760μg/kg、約780μg/kg、約800μg/kg、約820μg/kg、約840μg/kg、約850μg/kg、約860μg/kg、約880μg/kg、約900μg/kg、約920μg/kg、約940μg/kg、約950μg/kg、約960μg/kg、約980μg/kg、約1,000μg/kg、約1,100μg/kg、約1200μg/kg、約1,300μg/kg、約1,400μg/kg、約1,440μg/kg、約1,500μg/kg、約1,600μg/kg、約1,700μg/kg、約1,800μg/kg、約1,900μg/kg、または約2,000μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7は、約1週間に1回、約2週間に1回、約3週間に1回、約4週間に1回、約5週間に1回、約6週間に1回、約7週間に1回、約8週間に1回、約9週間に1回、約10週間に1回、約11週間に1回、または約12週間に1回の投薬頻度で投与される。
【0028】
本明細書で開示される方法のいずれかにおいて、いくつかの態様では、ヌクレオチドワクチンは、DNAワクチン、mRNAワクチン、またはその両方を含む。ある特定の態様において、ヌクレオチドワクチンはDNAワクチンである。いくつかの態様において、IL-7は、タンパク質(IL-7タンパク質)、IL-7タンパク質をコードする核酸、またはその両方として投与される。
【0029】
いくつかの態様において、対象はヒトである。
【0030】
いくつかの態様において、本明細書で開示される方法のIL-7タンパク質は、野生型IL-7ではない。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、融合タンパク質である。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、1~10個のアミノ酸残基からなるオリゴペプチドを含む。いくつかの態様において、オリゴペプチドは、メチオニン(M)、グリシン(G)、メチオニン-メチオニン(MM)、グリシン-グリシン(GG)、メチオニン-グリシン(MG)、グリシン-メチオニン(GM)、メチオニン-メチオニン-メチオニン(MMM)、メチオニン-メチオニン-グリシン(MMG)、メチオニン-グリシン-メチオニン(MGM)、グリシン-メチオニン-メチオニン(GMM)、メチオニン-グリシン-グリシン(MGG)、グリシン-メチオニン-グリシン(GMG)、グリシン-グリシン-メチオニン(GGM)、グリシン-グリシン-グリシン(GGG)、メチオニン-グリシン-グリシン-メチオニン(MGGM)(配列番号41)、メチオニン-メチオニン-グリシン-グリシン(MMGG)(配列番号42)、グリシン-グリシン-メチオニン-メチオニン(GGMM)(配列番号43)、メチオニン-グリシン-メチオニン-グリシン(MGMG)(配列番号44)、グリシン-メチオニン-メチオニン-グリシン(GMMG)(配列番号45)、グリシン-グリシン-グリシン-メチオニン(GGGM)(配列番号46)、メチオニン-グリシン-グリシン-グリシン(MGGG)(配列番号47)、グリシン-メチオニン-グリシン-グリシン(GMGG)(配列番号48)、グリシン-グリシン-メチオニン-グリシン(GGMG)(配列番号49)、グリシン-グリシン-メチオニン-メチオニン-メチオニン(GGMMM)(配列番号50)、グリシン-グリシン-グリシン-メチオニン-メチオニン(GGGMM)(配列番号51)、グリシン-グリシン-グリシン-グリシン-メチオニン(GGGGM)(配列番号52)、メチオニン-グリシン-メチオニン-メチオニン-メチオニン(MGMMM)(配列番号53)、メチオニン-グリシン-グリシン-メチオニン-メチオニン(MGGMM)(配列番号54)、メチオニン-グリシン-グリシン-グリシン-メチオニン(MGGGM)(配列番号55)、メチオニン-メチオニン-グリシン-メチオニン-メチオニン(MMGMM)(配列番号56)、メチオニン-メチオニン-グリシン-グリシン-メチオニン(MMGGM)(配列番号57)、メチオニン-メチオニン-グリシン-グリシン-グリシン(MMGGG)(配列番号58)、メチオニン-メチオニン-メチオニン-グリシン-メチオニン(MMMGM)(配列番号59)、メチオニン-グリシン-メチオニン-グリシン-メチオニン(MGMGM)(配列番号60)、グリシン-メチオニン-グリシン-メチオニン-グリシン(GMGMG)(配列番号61)、グリシン-メチオニン-メチオニン-メチオニン-グリシン(GMMMG)(配列番号62)、グリシン-グリシン-メチオニン-グリシン-メチオニン(GGMGM)(配列番号63)、グリシン-グリシン-メチオニン-メチオニン-グリシン(GGMMG)(配列番号64)、グリシン-メチオニン-メチオニン-グリシン-メチオニン(GMMGM)(配列番号65)、メチオニン-グリシン-メチオニン-メチオニン-グリシン(MGMMG)(配列番号66)、グリシン-メチオニン-グリシン-グリシン-メチオニン(GMGGM)(配列番号67)、メチオニン-メチオニン-グリシン-メチオニン-グリシン(MMGMG)(配列番号68)、グリシン-メチオニン-メチオニン-グリシン-グリシン(GMMGG)(配列番号69)、グリシン-メチオニン-グリシン-グリシン-グリシン(GMGGG)(配列番号70)、グリシン-グリシン-メチオニン-グリシン-グリシン(GGMGG)(配列番号71)、グリシン-グリシン-グリシン-グリシン-グリシン(GGGGG)(配列番号72)、またはそれらの組み合わせを含む。ある特定の態様において、オリゴペプチドは、メチオニン-グリシン-メチオニン(MGM)である。
【0031】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、半減期延長部分を含む。ある特定の態様において、半減期延長部分は、Fc、アルブミン、アルブミン結合性ポリペプチド、Pro/Ala/Ser(PAS)、ヒト絨毛性ゴナドトロピンのβサブユニットのC末端ペプチド(CTP)、ポリエチレングリコール(PEG)、長い構造不定の親水性アミノ酸配列(XTEN)、ヒドロキシエチルデンプン(HES)、アルブミン結合性小分子、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの態様において、半減期延長部分はFcである。いくつかの態様において、Fcは、ヒンジ領域、CH2ドメイン、及びCH3ドメインを含むハイブリッドFcであり、ヒンジ領域は、ヒトIgDヒンジ領域を含み、CH2ドメインは、ヒトIgD CH2ドメインの一部及びヒトIgG4 CH2ドメインの一部を含み、CH3ドメインは、ヒトIgG4 CH3ドメインの一部を含む。
【0032】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、配列番号1~6及び15~25と少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または約100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0033】
いくつかの態様において、IL-7は、対象に、補足的投与、筋肉内投与、皮下投与、点眼、静脈内投与、腹腔内投与、皮内投与、眼窩内投与、脳内投与、頭蓋内投与、脊髄内投与、心室内投与、髄腔内投与、大槽内投与、嚢内投与、腫瘍内投与、またはそれらの任意の組み合わせで投与される。いくつかの態様において、ヌクレオチドワクチンは、対象に、補足的投与、筋肉内投与、皮膚投与、皮下投与、点眼、静脈内投与、腹腔内投与、皮内投与、眼窩内投与、脳内投与、頭蓋内投与、脊髄内投与、心室内投与、髄腔内投与、大槽内投与、嚢内投与、腫瘍内投与、またはそれらの任意の組み合わせで投与される。
【0034】
いくつかの態様において、本明細書で提供される方法は、少なくとも1つの追加の治療剤を対象に投与することをさらに含む。
【0035】
本明細書で提供される方法のいずれかにおいて、いくつかの態様では、腫瘍抗原は、グアニル酸シクラーゼC(GC-C)、上皮増殖因子受容体(EGFRまたはerbB-1)、ヒト上皮増殖因子受容体2(HER2またはerbB2)、erbB-3、erbB-4、MUC-1、黒色腫関連コンドロイチン硫酸プロテオグリカン(MCSP)、メソテリン(MSLN)、葉酸受容体1(FOLR1)、CD4、CD19、CD20、CD22、CD30、CD33、CD38、CD44、CD44v6、CD44v7/8、CD70、CD123、CD138、CD171、CEA、CSPG4、CXCR5、c-Met、HERV-エンベロープタンパク質、エリオスチン、Bigh3、SPARC、BCR、CD79、CD37、EGFRvIII、EGP2、EGP40、IGFr、L1CAM、AXL、組織因子(TF)、CD74、EpCAM、EphA2、MRP3カドヘリン19(CDH19)、上皮増殖因子2(HER2)、5T4、8H9、αβインテグリン、BCMA、B7-H3、B7-H6、CAIX、CA9、FAP、FBP、胎児AchR、FRcc、GD2、GD3、グリピカン-1(GPC1)、グリピカン-2(GPC2)、グリピカン-3(GPC3)、HLA-A1+MAGE1、HLA-A1+NY-ESO-1、IL-13Rcc2、Lewis-Y、KDR、MCSP、メソテリン、Muc1、Muc16、NCAM、NKG2Dリガンド、NY-ESO-1、PRAME、PSC1、PSCA、PSMA、ROR1、ROR2、SP17、サバイビング、TAG72、TEM、癌胎児抗原、HMW-MAA、VEGF、CLDN18.2、ネオ抗原、またはそれらの組み合わせを含む。ある特定の態様において、腫瘍抗原は、乳癌、頭頸部癌、子宮癌、脳癌、皮膚癌、腎癌、肺癌、大腸癌、前立腺癌、肝臓癌、膀胱癌、腎臓癌、膵臓癌、甲状腺癌、食道癌、眼癌、胃の癌(胃癌)、胃腸癌、卵巣癌、癌腫、肉腫、白血病、リンパ腫、骨髄腫、またはそれらの組み合わせを含むがんに由来する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1A】DNAワクチン投与後の異なる時点でのIL-7投与の効果を示す。実験計画の概略図を提示する。示されているとおり、動物に3日に1回の投薬頻度でDNAワクチンによる3回の免疫を行った。初回DNAワクチン投与後4日目または13日目のいずれかに、IL-7を動物に投与した。ピーク腫瘍特異的T細胞免疫応答は、初回DNAワクチン投与後11日目に観察された。
図1B】DNAワクチン投与後の異なる時点でのIL-7投与の効果を示す。(i)対照ベクターもしくはDNAワクチン単独(左の写真)または(ii)DNAワクチン+初回DNA投与後4日目にIL-7(右の写真)を与えた動物における11日目の脾臓サイズを比較する画像を提示する。
図1C】DNAワクチン投与後の異なる時点でのIL-7投与の効果を示す。異なる処置群からの初回DNAワクチン投与後11日目における脾臓当たりの腫瘍特異的T細胞(すなわち、次のエピトープ:Lrrc27、Plekho1、またはPttg1のうちの1つに特異的)の頻度(IFN-γ産生T細胞数/10総脾細胞)及び総数の比較を提示する。各ペプチド刺激(x軸)について、示されている群は次のとおりである(左から右へ)(i)対照ベクター単独(G1)、(ii)DNAワクチン単独(G2)、及び(iii)DNAワクチン+初回DNA投与後4日目にIL-7(G3)。
図1D】DNAワクチン投与後の異なる時点でのIL-7投与の効果を示す。異なる処置群からの初回DNAワクチン投与後11日目における脾臓当たりの腫瘍特異的T細胞(すなわち、次のエピトープ:Lrrc27、Plekho1、またはPttg1のうちの1つに特異的)の頻度(IFN-γ産生T細胞数/10総脾細胞)及び総数の比較を提示する。各ペプチド刺激(x軸)について、示されている群は次のとおりである(左から右へ)(i)対照ベクター単独(G1)、(ii)DNAワクチン単独(G2)、及び(iii)DNAワクチン+初回DNA投与後4日目にIL-7(G3)。
図1E】DNAワクチン投与後の異なる時点でのIL-7投与の効果を示す。次の処置群:(i)対照ベクター単独(G1)、(ii)DNAワクチン単独(G2)、(iii)DNAワクチン+初回DNA投与後4日目にIL-7(G3)、及び(iv)DNAワクチン+初回DNA投与後13日目にIL-7(G4)からの初回DNAワクチン投与後20日目における腫瘍特異的T細胞(すなわち、次のエピトープ:Lrrc27、Plekho1、またはPttg1のうちの1つに特異的)の頻度(IFN-γ産生T細胞数/10総脾細胞)及び総数の比較を提示する。各ペプチド刺激(x軸)について、示されている群は次のとおりである(左から右へ)(i)対照ベクター単独(G1)、(ii)DNAワクチン単独(G2)、(iii)DNAワクチン+初回DNA投与後4日目にIL-7(G3)、及び(iv)DNAワクチン+初回DNA投与後13日目にIL-7(G4)。
図1F】DNAワクチン投与後の異なる時点でのIL-7投与の効果を示す。次の処置群:(i)対照ベクター単独(G1)、(ii)DNAワクチン単独(G2)、(iii)DNAワクチン+初回DNA投与後4日目にIL-7(G3)、及び(iv)DNAワクチン+初回DNA投与後13日目にIL-7(G4)からの初回DNAワクチン投与後20日目における腫瘍特異的T細胞(すなわち、次のエピトープ:Lrrc27、Plekho1、またはPttg1のうちの1つに特異的)の頻度(IFN-γ産生T細胞数/10総脾細胞)及び総数の比較を提示する。各ペプチド刺激(x軸)について、示されている群は次のとおりである(左から右へ)(i)対照ベクター単独(G1)、(ii)DNAワクチン単独(G2)、(iii)DNAワクチン+初回DNA投与後4日目にIL-7(G3)、及び(iv)DNAワクチン+初回DNA投与後13日目にIL-7(G4)。
【0037】
図2A】DNAワクチン投与後の腫瘍特異的T細胞免疫応答に対するIL-7投与量の効果を示す。実験計画の概略図を提示する。示されているとおり、動物に3日に1回の投薬頻度でDNAワクチンによる3回の免疫を行った。初回DNAワクチン投与後13日目に、IL-7を次の用量:5、10、または15mg/kgのうちの1つで動物に投与した。
図2B】DNAワクチン投与後の腫瘍特異的T細胞免疫応答に対するIL-7投与量の効果を示す。初回DNA投与後20日目の脾臓における腫瘍特異的T細胞(すなわち、次のエピトープ:Lrrc27、Plekho1、またはPttg1のうちの1つに特異的)の頻度(IFN-γ産生T細胞数/10総脾細胞)の比較を提示する。各ペプチド刺激(x軸)について、示されている群は次のとおりである(左から右へ)(i)対照ベクター単独(G1)、(ii)DNAワクチン単独(G2)、(iii)DNAワクチン+5mg/kgのIL-7(G3)、(iv)DNAワクチン+10mg/kgのIL-7(G4)、及び(v)DNAワクチン+15mg/kgのIL-7(G5)。
図2C】DNAワクチン投与後の腫瘍特異的T細胞免疫応答に対するIL-7投与量の効果を示す。初回DNA投与後20日目のリンパ節における腫瘍特異的T細胞(すなわち、次のエピトープ:Lrrc27、Plekho1、またはPttg1のうちの1つに特異的)の頻度(IFN-γ産生T細胞数/10総脾細胞)の比較を提示する。各ペプチド刺激(x軸)について、示されている群は次のとおりである(左から右へ)(i)対照ベクター単独(G1)、(ii)DNAワクチン単独(G2)、(iii)DNAワクチン+5mg/kgのIL-7(G3)、(iv)DNAワクチン+10mg/kgのIL-7(G4)、及び(v)DNAワクチン+15mg/kgのIL-7(G5)。
【0038】
図3A】本明細書で開示されるヌクレオチドワクチン及びIL-7の併用療法の抗腫瘍効果を示す。実験計画の概略図を提示する。示されているとおり、動物に3日に1回の投薬頻度でDNAワクチンによる3回の免疫を行った。初回DNA免疫後8日目に、動物の皮下にE0771腫瘍細胞(5×10細胞/マウス)を移植した。ピーク腫瘍特異的T細胞免疫応答は、初回DNA免疫後約10日目に観察された。初回DNAワクチン投与後13日目に、IL-7を動物に投与した。
図3B】本明細書で開示されるヌクレオチドワクチン及びIL-7の併用療法の抗腫瘍効果を示す。初回DNAワクチン投与後の様々な時点での異なる処置群からの動物における腫瘍体積の比較を提示する。示されている群には、(i)対照ベクターのみ(円)、(ii)DNAワクチンのみ(四角)、及び(iii)DNAワクチン+IL-7(三角)が含まれる。
【0039】
図4A】in vivo CTLアッセイを使用して測定された、T細胞媒介性細胞傷害に対する、本明細書に記載されるヌクレオチドワクチン及びIL-7の併用療法の効果を示す。実験計画の概略図を提示する。
図4B】in vivo CTLアッセイを使用して測定された、T細胞媒介性細胞傷害に対する、本明細書に記載されるヌクレオチドワクチン及びIL-7の併用療法の効果を示す。初回免疫後22日目、34日目、41日目、及び51日目の異なる処置群からの動物における、ネオ抗原をパルスした脾細胞の殺滅率の比較を提示する。実施例5に記載するように、異なる処置群には、(i)対照ベクターのみ(「ベクター」)、(ii)DNAワクチンのみ(「nAg」)、(iii)IL-7タンパク質単独(「IL-7」)、及び(iv)DNAワクチン+IL-7タンパク質(「nAg+IL-7」)が含まれた。パルスした脾細胞の殺滅率は、パルスしなかった脾細胞対照に対して正規化したものを示している。
【0040】
図5】腫瘍の発生後に投与した場合のヌクレオチドワクチン及びIL-7の併用療法の抗腫瘍効果を示す。Aは、実験計画の概略図を提示する。Bは、動物ランダム化後20日目における、腫瘍特異的T細胞(すなわち、示されている各処置群において左から右へ、Lrrc27、Plekho1、Pttg1、ペプチドなし(「培地」)のうちの1つに特異的)の頻度(IFN-γ産生T細胞数/10総脾細胞)の比較を提示する。異なる処置群はx軸に沿って示されており、実施例6でさらに説明される。
【0041】
図6】予防ワクチンとしてのヌクレオチドワクチン及びIL-7の併用療法の抗腫瘍効果を示す。Aは、実験計画の概略図を提示する。Bは、腫瘍接種後の様々な時点での異なる処置群からの動物における腫瘍体積の比較を提示する。
【発明を実施するための形態】
【0042】
I.定義
本開示をより容易に理解することができるように、ある特定の用語をまず定義する。本出願で使用するとき、本明細書に別段に明記されない限り、次の用語の各々は、下記に示す意味を有するものとする。さらなる定義は本明細書の随所に示される。
【0043】
本開示の随所において、実体に付く「a」または「an」という用語は、1以上のその実体を意味する。例えば、「抗体(an antibody)」は、1以上の抗体を表すものと理解される。したがって、「a」(または「an」)、「1以上」、及び「少なくとも1つ」という用語は、本明細書では同義に使用され得る。
【0044】
さらに、「及び/または」は、本明細書で使用する場合、2つの特定の特徴または構成要素の各々の具体的な開示として解釈され、他方の有無を問わないものとする。したがって、本明細書で「A及び/またはB」などの語句で使用される「及び/または」という用語は、「A及びB」、「AまたはB」、「A」(単独)、及び「B」(単独)を含むことが意図される。同様に、「A、B、及び/またはC」などの語句で使用される「及び/または」という用語は、次の態様:A、B、及びC;A、B、またはC;AまたはC;AまたはB;BまたはC;A及びC;A及びB;B及びC;A(単独);B(単独);ならびにC(単独)の各々を包含することが意図される。
【0045】
本明細書において「含む(comprising)」という言葉で態様が説明されている場合は常に、「からなる(consisting of)」及び/または「から本質的になる(consisting essentially of)」という用語で説明されている他の類似の態様も提供されることを理解されたい。
【0046】
別段に定義しない限り、本明細書において使用する全ての技術用語及び科学用語は、本開示が関連する技術分野における当業者により一般に理解されるものと同一の意味を有する。例えば、Concise Dictionary of Biomedicine and Molecular Biology,Juo,Pei-Show,2nd ed.,2002,CRC Press;The Dictionary of Cell and Molecular Biology,3rd ed.,1999,Academic Press;及びOxford Dictionary Of Biochemistry And Molecular Biology,Revised,2000,Oxford University Pressが、本開示において使用される用語の多くの一般的な辞書を当業者に提供している。
【0047】
単位、接頭辞、及び記号は、それらの国際単位系(SI)で承認された形式で示される。数値範囲は、その範囲を定義する数を含む。特記なき限り、アミノ酸配列はアミノからカルボキシの方向で左から右に書かれている。本明細書において提供する見出しは、本明細書全体を参照することにより得ることができる本開示の様々な態様を限定するものではない。したがって、直下で定義する用語は、本明細書全体を参照することによって、より十分に定義される。
【0048】
「約」という用語は、本明細書では、およそ、大体、おおよそ、またはその範囲内の意味で使用される。「約」という用語が数値範囲と共に使用されるとき、それは、示された数値の上下に境界を広げることによってその範囲を修飾する。一般に、「約」という用語は、ある数値を、例えば10パーセント上または下の(より高いかまたはより低い)差異で、記載された値を上回るかまたは下回るように修飾することができる。
【0049】
本明細書で使用する場合、「投与すること」とは、当業者に知られている様々な方法及び送達系のいずれかを使用して、治療剤または治療剤を含む組成物を対象に物理的に導入することを意味する。本明細書に記載される治療剤の様々な投与経路には、例えば注射または注入による、静脈内投与経路、腹腔内投与経路、筋肉内投与経路、皮膚投与経路、皮下投与経路、脊髄投与経路、腫瘍内投与経路、または他の非経口投与経路が含まれる。「非経口投与」という語句は、本明細書で使用する場合、経腸投与及び局部投与以外の、通常は注射による投与様式を意味し、限定するものではないが、静脈内、腹腔内、筋肉内、動脈内、髄腔内、リンパ内、病巣内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、経気管、気管内、肺内、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、心室内、硝子体内、硬膜外、及び胸骨内の注射及び注入、ならびにin vivoエレクトロポレーションを含む。あるいは、本明細書に記載される治療剤は、局部投与経路、表皮投与経路、または粘膜投与経路などの非経口的でない経路によって、例えば、鼻腔内投与、経口投与、膣内投与、直腸投与、舌下投与、または局部投与することができる。また、投与は、例えば1回、複数回、及び/または1以上の長い期間にわたって行うことができる。
【0050】
本明細書で使用する場合、「抗原」という用語は、タンパク質、ペプチド、またはハプテンなどの任意の天然または合成の免疫原性物質を意味する。ある特定の態様において、抗原は、腫瘍抗原を含む。「腫瘍抗原」という用語は、通常の健康な細胞と比較して腫瘍細胞において固有にまたは異なって発現する抗原を意味する。
【0051】
本明細書で使用する場合、「エピトープ」という用語は、特定の免疫グロブリンによる認識に関与するアミノ酸残基のセット、あるいはT細胞の文脈では、T細胞受容体タンパク質及び/または主要組織適合性複合体(MHC)受容体による認識に必要な残基(例えば、腫瘍特異的T細胞が認識し、標的とすることができる腫瘍抗原上の部位)を指す。in vitroまたはin vivoの免疫系環境において、エピトープは、免疫グロブリン、T細胞受容体、またはHLA分子によって認識される部位を共に形成する、一次、二次、及び三次のペプチド構造、ならびに電荷などの分子の集合的特徴である。エピトープは、連続アミノ酸(線状エピトープ)、またはタンパク質の三次折り畳みによって並んだ非連続アミノ酸(立体構造エピトープ)の両方から形成され得る。連続アミノ酸から形成されたエピトープは、通常、変性溶媒への曝露時に保持されるが、三次折り畳みによって形成されたエピトープは、通常、変性溶媒での処理時に失われる。エピトープは、通常、少なくとも3個、より通常は少なくとも5個、または8~10個のアミノ酸を固有の空間構造に含む。エピトープの空間的立体構造を決定する方法には、例えば、X線結晶学及び2次元核磁気共鳴が含まれる。例えば、全体として参照により本明細書に組み込まれるEpitope Mapping Protocols in Methods in Molecular Biology,Vol.66,Glenn E.Morris,Ed(1996)を参照されたい。
【0052】
本明細書に記載されるように、エピトープという用語は、優性エピトープと亜優性エピトープとの両方を含み得る。本明細書で使用する場合、「優性エピトープ」という用語は、強い免疫応答を誘起するエピトープ(例えば、腫瘍抗原のエピトープ)を指す。本明細書で使用する場合、「亜優性エピトープ」という用語は、弱い免疫応答を誘起するかまたは免疫応答を誘起しないエピトープ(例えば、腫瘍抗原のエピトープ)を指す。
【0053】
本明細書で使用する場合、「ワクチン」という用語は、投与されると対象の免疫を誘導することができる薬剤を指す。いくつかの態様において、ワクチンは、本明細書で開示される疾患または障害(例えば、がん)に罹患していない対象に投与される「防止」ワクチンである。そのようなワクチンは、本明細書では「予防」ワクチンとも呼ばれる。いくつかの態様において、ワクチンは治療ワクチンである。本明細書で使用する場合、「治療」ワクチンという用語は、疾患または障害を治療する(例えば、疾患または障害に関連する1以上の症状を防止するまたは低減させる)ために対象に投与されるワクチンを指す。
【0054】
本明細書で使用する場合、「ヌクレオチドワクチン」、「核酸ワクチン」、「核酸ベースのワクチン」、及び「遺伝子ワクチン」という用語は、同義に使用することができ、抗原性成分が核酸を含むワクチンを指す。そのようなワクチンは、目的の抗原(例えば、腫瘍抗原)をコードする遺伝物質を宿主細胞内に送達することができ、その後に宿主細胞が抗原を産生することにより、抗原の由来となった疾患または障害から宿主を保護することができる免疫応答を開始する。いくつかの態様において、ヌクレオチドワクチンは、DNAワクチン及びRNA(例えば、mRNA)ワクチンの両方を含む。ある特定の態様において、ヌクレオチドワクチンはDNAワクチンである(すなわち、抗原性成分はDNA配列である)。ある特定の態様において、ヌクレオチドワクチンはRNA(mRNA)ワクチンである(すなわち、抗原性成分はRNA配列である)。
【0055】
本明細書で使用する「天然に存在する」という用語は、ある対象に適用される場合、対象を天然に見出すことができるという事実を指す。例えば、天然源から単離され得、かつ研究室において人間によって意図的に改変されていない生物(ウイルスを含む)に存在するポリペプチドまたはポリヌクレオチド配列は、天然に存在する。
【0056】
「ポリペプチド」は、少なくとも2つの連続的に連結したアミノ酸残基を含む鎖を意味し、鎖の長さに上限はない。タンパク質中の1以上のアミノ酸残基は、限定するものではないが、グリコシル化、リン酸化、またはジスルフィド結合形成などの改変を含み得る。「タンパク質」は、1以上のポリペプチドを含み得る。特記なき限り、「タンパク質」及び「ポリペプチド」という用語は同義に使用され得る。
【0057】
「核酸分子」という用語は、本明細書で使用する場合、DNA分子及びRNA分子を含むことが意図される。核酸分子は、一本鎖であっても二本鎖であってもよく、cDNAであってもよい。
【0058】
核酸は、全細胞に、細胞溶解物に、または部分的に精製された形態もしくは実質的に純粋な形態で存在し得る。核酸は、他の細胞成分または他の夾雑物、例えば、他の細胞核酸(例えば、染色体の他の部分)またはタンパク質から、アルカリ/SDS処理、CsClバンディング、カラムクロマトグラフィー、アガロースゲル電気泳動、及び当該技術分野で周知の他の技術を含む標準的技術によって精製されている場合、「単離されている」または「実質的に純粋になっている」。F.Ausubel,et al.,ed.Current Protocols in Molecular Biology,Greene Publishing and Wiley Interscience,New York(1987)を参照されたい。
【0059】
核酸、例えばcDNAを、標準的技術に従って変異させて、遺伝子配列をもたらすことができる。コード配列の場合、これらの変異は、所望のようにアミノ酸配列に影響を与えることができる。特に、天然のV、D、J、定常配列、スイッチ、及び本明細書に記載される他のかかる配列と実質的に相同であるか、またはそれらに由来するDNA配列が想定される(ここで、「由来」は、配列が別の配列と同一であるか、またはそれから改変されていることを示す)。
【0060】
「保存的アミノ酸置換」とは、アミノ酸残基が、同様の側鎖を有するアミノ酸残基で置換されることを意味する。同様の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当該技術分野において定義されている。これらのファミリーには、塩基性側鎖を有するアミノ酸(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン、トリプトファン)、非極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン)、ベータ分岐側鎖を有するアミノ酸(例えば、トレオニン、バリン、イソロイシン)、及び芳香族側鎖を有するアミノ酸(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)が含まれる。ある特定の態様において、抗体中の予測される非必須アミノ酸残基は、同じ側鎖ファミリーからの別のアミノ酸残基で置き換えられる。抗原結合性を消失させないヌクレオチド及びアミノ酸の保存的置換を同定する方法は、当該技術分野で周知である(例えば、Brummell et al.,Biochem.32:1180-1187(1993)、Kobayashi et al.Protein Eng.12(10):879-884(1999)、及びBurks et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 94:412-417(1997)を参照されたい)。
【0061】
核酸の場合、「実質的な相同性」という用語は、2つの核酸、またはそれらの指定された配列が、最適にアラインされ比較された場合、適切なヌクレオチドの挿入または欠失を伴って、ヌクレオチドの少なくとも約80%、少なくとも約90%~95%、またはヌクレオチドの少なくとも約98%~99.5%で同一であることを示す。あるいは、セグメントが選択的ハイブリダイゼーション条件下で鎖の相補体にハイブリダイズする場合に、実質的な相同性が存在する。
【0062】
ポリペプチドの場合、「実質的な相同性」という用語は、2つのポリペプチド、またはそれらの指定された配列が、最適にアラインされ比較された場合、適切なアミノ酸の挿入または欠失を伴って、アミノ酸の少なくとも約80%、少なくとも約90%~95%、またはアミノ酸の少なくとも約98%~99.5%で同一であることを示す。
【0063】
2つの配列間の同一性パーセントは、2つの配列の最適なアラインメントのために導入する必要のあるギャップの数及び各ギャップの長さを考慮した、配列に共通する同一の位置の数の関数(すなわち、相同性%=同一の位置の数/位置の総数×100)である。2つの配列間の配列の比較及び同一性パーセントの決定は、例えば以下の非限定的な例に記載されるような数学的アルゴリズムを使用して達成することができる。
【0064】
2つのヌクレオチド配列間の同一性パーセントは、GCGソフトウェアパッケージ(worldwideweb.gcg.comで入手可能)のGAPプログラムを使用し、NWSgapdna.CMPマトリックスと40、50、60、70、または80のギャップ加重及び1、2、3、4、5、または6の長さ加重を使用して決定することができる。2つのヌクレオチドまたはアミノ酸配列間の同一性パーセントは、ALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み込まれているE.Meyers and W.Miller(CABIOS,4:11-17(1989))のアルゴリズムを使用して、PAM120加重残基表、ギャップ長ペナルティ12及びギャップペナルティ4を使用して決定することもできる。加えて、2つのアミノ酸配列間の同一性パーセントは、GCGソフトウェアパッケージ(worldwideweb.gcg.comで入手可能)のGAPプログラムに組み込まれているNeedleman and Wunsch(J.Mol.Biol.(48):444-453(1970))アルゴリズムを使用して、Blossum 62マトリックスまたはPAM250マトリックスのいずれかと、16、14、12、10、8、6、または4のギャップ加重及び1、2、3、4、5、または6の長さ加重を使用して決定することができる。
【0065】
本明細書に記載の核酸及びタンパク質配列をさらに、例えば、関連する配列を同定するために公共データベースに対して検索を行うための「クエリ配列」として使用することができる。このような検索は、Altschul,et al.(1990)J.Mol.Biol.215:403-10のNBLAST及びXBLASTプログラム(バージョン2.0)を使用して実行することができる。BLASTヌクレオチド検索は、本明細書に記載の核酸分子に相同なヌクレオチド配列を得るために、NBLASTプログラム、スコア=100、ワード長=12で実行することができる。BLASTタンパク質検索は、本明細書に記載のタンパク質分子に相同なアミノ酸配列を得るために、XBLASTプログラム、スコア=50、ワード長=3で実行することができる。比較目的でギャップ付きのアラインメントを得るために、Altschul et al.,(1997)Nucleic Acids Res.25(17):3389-3402に記載されている通りに、Gapped BLASTを利用することができる。BLAST及びGapped BLASTプログラムを利用する場合、それぞれのプログラム(例えば、XBLAST及びNBLAST)のデフォルトのパラメータを使用することができる。worldwideweb.ncbi.nlm.nih.govを参照されたい。
【0066】
本明細書で使用する場合、「エフェクター機能」という用語は、分化した免疫細胞の特化された機能を意味する。例えば、T細胞のエフェクター機能は、細胞溶解活性またはサイトカインの分泌を含むヘルパー活性であり得る。ナイーブT細胞、メモリーT細胞、またはメモリー型T細胞のエフェクター機能は、抗原依存性増殖を含むこともある。
【0067】
本明細書で使用する「免疫細胞」という用語は、免疫応答に関与する細胞を意味する。したがって、いくつかの態様において、本開示で有用な免疫細胞は、固形腫瘍の治療及び/または根絶に関与し得る(例えば、抗腫瘍活性を有する)細胞である。いくつかの態様において、免疫細胞は、リンパ球、好中球、単球、マクロファージ、樹状細胞、またはそれらの任意の組み合わせを含む。ある特定の態様において、リンパ球は、T細胞、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)、リンホカイン活性化キラー細胞、ナチュラルキラーT(NKT)細胞、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの態様において、リンパ球はT細胞である。いくつかの態様において、リンパ球はNKT細胞(例えば、インバリアントNKT細胞)である。
【0068】
本明細書で使用する「ベクター」という用語は、連結している別の核酸を輸送することが可能な核酸分子を意味することが意図される。ベクターの一種には「プラスミド」があり、これは、追加のDNAセグメントがライゲートされ得る環状二本鎖DNAループを意味する。別の種類のベクターはウイルスベクターであり、ウイルスベクターの場合、追加のDNAセグメントがウイルスゲノムにライゲートされ得る。ある特定のベクターは、導入された宿主細胞において自律複製を行うことができる(例えば、細菌の複製起点を有する細菌ベクター及びエピソーム哺乳動物ベクター)。他のベクター(例えば、非エピソーム哺乳動物ベクター)は、宿主細胞に導入されると宿主細胞のゲノムに組み込まれることができ、それによって宿主ゲノムと共に複製される。さらに、ある特定のベクターは、動作可能に連結した遺伝子の発現を指示することができる。かかるベクターは、本明細書では「組換え発現ベクター」(または単に「発現ベクター」)と称される。一般に、組換えDNA技術において有用な発現ベクターは、多くの場合、プラスミドの形態である。プラスミドは最も一般的に使用される形態のベクターであるため、本明細書において「プラスミド」及び「ベクター」は同義に使用され得る。しかしながら、均等な機能を果たすウイルスベクター(例えば、複製欠損レトロウイルス、アデノウイルス、及びアデノ随伴ウイルス)のような他の形態の発現ベクターも含まれる。
【0069】
本明細書で使用する「組換え宿主細胞」(または単に「宿主細胞」)という用語は、細胞に天然に存在しない核酸を含む細胞を意味するよう意図され、組換え発現ベクターが導入されている細胞であってもよい。かかる用語は、特定の対象細胞だけでなく、かかる細胞の子孫も意味するよう意図されることを理解されたい。変異または環境的影響のいずれかに起因して、後続世代においてある特定の改変が生じ得るため、かかる子孫は、実際には、親細胞と同一でない場合があるが、本明細書で使用する「宿主細胞」という用語の範囲に依然として含まれる。
【0070】
「がん」とは、体内の異常細胞(または腫瘍)の成長がコントロールされないことを特徴とする様々な疾患の広範な群を意味する。細胞の分裂及び成長が制御されないことによって悪性腫瘍が形成され、隣接組織に浸潤し、リンパ系または血流を通って身体の遠位部に転移する場合もある。本開示で治療され得るがんには、固形腫瘍に関連するものが含まれる。特記なき限り、「がん」及び「腫瘍」という用語は同義に使用され得る。
【0071】
「融合タンパク質」という用語は、元々別々のタンパク質をコードしていた2つ以上の遺伝子の結合によって作出されるタンパク質を意味する。この融合遺伝子の翻訳により、元のタンパク質の各々に由来する機能的特性を備えた単一のポリペプチドまたは複数のポリペプチドがもたらされる。いくつかの態様において、2つ以上の遺伝子は、そのヌクレオチド配列に置換、欠失、及び/または付加を含み得る。
【0072】
「Fc受容体」または「FcR」は、免疫グロブリンのFc領域に結合する受容体である。IgG抗体に結合するFcRは、これらの受容体の対立遺伝子バリアント及び選択的スプライシング型を含め、FcγRファミリーの受容体を含む。FcγRファミリーは、3つの活性化受容体(マウスではFcγRI、FcγRIII、及びFcγRIV;ヒトではFcγRIA、FcγRIIA、及びFcγRIIIA)及び1つの阻害性受容体(FcγRIIB)からなる。ヒトFcγRの様々な特性が当該技術分野で知られている。先天性エフェクター細胞型の大部分は1以上の活性化FcγR及び阻害性FcγRIIBを共発現するのに対し、ナチュラルキラー(NK)細胞は、1つの活性化Fc受容体(マウスではFcγRIII、ヒトではFcγRIIIA)を選択的に発現するが、マウス及びヒトの阻害性FcγRIIBを選択的に発現しない。ヒトIgG1は、ほとんどのヒトFc受容体に結合し、結合する活性化Fc受容体のタイプに関してマウスIgG2aと均等であると考えられている。
【0073】
「Fc領域」(断片結晶化可能領域)または「Fcドメイン」または「Fc」は、免疫系の様々な細胞(例えば、エフェクター細胞)上に位置するFc受容体または古典的補体系の第1成分(C1q)への結合を含め、宿主組織または因子への免疫グロブリンの結合を媒介する、抗体の重鎖のC末端領域を意味する。したがって、Fc領域は、第1の定常領域免疫グロブリンドメイン(例えば、CH1またはCL)を除く抗体の定常領域を含む。IgG、IgA及びIgDの抗体アイソタイプでは、Fc領域は、抗体の2つの重鎖の第2(CH2)及び第3(CH3)の定常ドメインに由来する2つの同一のタンパク質断片を含み、IgM及びIgEのFc領域は、3つの重鎖定常ドメイン(CHドメイン2~4)を各ポリペプチド鎖に含む。IgGの場合、Fc領域は、免疫グロブリンドメインのCH2及びCH3、ならびにCH1ドメインとCH2ドメインとの間のヒンジを含む。免疫グロブリン重鎖のFc領域の境界の定義は、本明細書で定義するように様々であり得るが、ヒトIgG重鎖Fc領域は、IgG1ではアミノ酸残基D221、IgG2ではV222、IgG3ではL221、そしてIgG4ではP224から、重鎖のカルボキシ末端まで広がると定義され、ここで付番は、Kabatと同様にEUインデックスに従う。ヒトIgG Fc領域のCH2ドメインは、アミノ酸237からアミノ酸340まで延び、CH3ドメインは、Fc領域内のCH2ドメインのC末端側に位置している。すなわち、IgGのアミノ酸341からアミノ酸447もしくは446(C末端リジン残基が存在しない場合)または445(C末端グリシン及びリジン残基が存在しない場合)まで延びる。本明細書で使用する場合、Fc領域は、あらゆるアロタイプバリアントを含む天然配列Fcであっても、バリアントFc(例えば、天然に存在しないFc)であってもよい。Fcは、この領域を、単独で、または「Fc融合タンパク質」(例えば、抗体またはイムノアドヘシン)とも称される「Fc領域を含む結合性タンパク質」といった、Fcを含むタンパク質ポリペプチドとの関連で意味する場合もある。
【0074】
「天然配列Fc領域」または「天然配列Fc」は、天然に見出されるFc領域のアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を含む。天然配列ヒトFc領域には、天然配列ヒトIgG1 Fc領域、天然配列ヒトIgG2 Fc領域、天然配列ヒトIgG3 Fc領域、及び天然配列ヒトIgG4 Fc領域、ならびにそれらの天然に存在するバリアントが含まれる。天然配列Fcには、Fcの様々なアロタイプが含まれる(例えば、Jefferis et al.(2009)mAbs 1:1を参照されたい)。
【0075】
さらに、本開示のFc(天然またはバリアント)は、天然形態と比較して、天然の糖鎖、増大した糖鎖、もしくは減少した糖鎖を有する形態であってもよく、または脱グリコシル化形態であってもよい。免疫グロブリンのFc糖鎖は、化学的方法、酵素的方法、及び微生物を使用する遺伝子操作方法などの従来の方法によって改変することができる。Fc断片から糖鎖を除去すると、補体第1成分C1のC1q部分への結合親和性が大幅に減少し、ADCCまたはCDCが減少または喪失するため、in vivoで不要な免疫応答が誘導されることはない。これに関して、脱グリコシル化または非グリコシル化形態の免疫グロブリンFc領域は、薬物担体としての本開示の目的により好適であり得る。本明細書で使用する場合、「脱グリコシル化」という用語は、糖がFc断片から酵素的に除去されているFc領域を意味する。さらに、「非グリコシル化」という用語は、Fc断片が、原核生物により、好ましくはE.coliにおいて、グリコシル化されていない形態で産生されることを意味する。
【0076】
本明細書で使用する場合、「免疫応答」という用語は、外来作用物質に対する脊椎動物における生物学的応答であり、これらの作用物質及びそれらに起因する疾患から生物を保護する応答を意味する。免疫応答は、免疫系細胞(例えば、Tリンパ球、Bリンパ球、ナチュラルキラー(NK)細胞、マクロファージ、好酸球、マスト細胞、樹状細胞または好中球)、及びこれらの細胞のいずれかまたは肝臓で産生される可溶性高分子(抗体、サイトカイン、及び補体を含む)の作用によって媒介され、脊椎動物の身体において、侵入病原体、病原体に感染した細胞もしくは組織、がん細胞もしくは他の異常細胞、または、自己免疫もしくは病的炎症の場合は、正常なヒトの細胞もしくは組織の選択的標的化、結合、損傷、破壊、及び/または排除をもたらすものである。免疫反応には、例えば、T細胞、例えば、CD4もしくはCD8T細胞などのエフェクターT細胞もしくはTh細胞の活性化もしくは阻害、またはTreg細胞の阻害が含まれる。
【0077】
本明細書に記載されるように、いくつかの態様において、免疫応答(例えば、本明細書で開示されるヌクレオチドワクチンによって誘導されるものなど)は、T細胞免疫応答を含む。本明細書で使用する場合、「T細胞免疫応答」という用語は、T細胞(例えば、エフェクターCD4及び/またはCD8T細胞)によって媒介される免疫応答を指す。T細胞免疫応答は、一般に、(i)増殖、(ii)収縮、及び(iii)維持の3つの段階に分けることができる。Kumar et al.,Immunity 48(2):202-213(Feb.2018)、及びBlair et al.,J Immunol 187:2310-2321(2011)。増殖期では、同族抗原を認識するナイーブT細胞が活性化され、クローン増殖及びエフェクター機能の獲得(例えば、炎症性サイトカインの産生ならびにグランザイム及びパーフォリンなどのエフェクター分子の発現)が起こる。増殖期の後、応答のピークにある活性化T細胞のおよそ90~95%がアポトーシスを起こす(すなわち、収縮期)。活性化T細胞のうち生き残った集団は、最終的に、宿主に長期保護をもたらすメモリーT細胞に分化する(すなわち、維持期)。
【0078】
「免疫療法」という用語は、免疫応答を誘導する、向上させる、抑制する、または別様に改変することを含む方法による、疾患に罹患しているか、または疾患の罹患リスクもしくは再発リスクがある対象の治療を意味する。対象の「治療」または「療法」とは、症状、合併症もしくは病態、または疾患に関連する生化学的兆候の発生、進行、発達、重篤度もしくは再発を逆転、軽減、回復、阻害、緩徐化、または防止する目的で、対象に対して行われる任意のタイプの介入もしくはプロセス、または対象に対する活性剤の投与を意味する。
【0079】
本明細書で使用する場合、「腫瘍浸潤リンパ球」または「TIL」という用語は、末梢から(例えば、血液から)腫瘍中に遊走したリンパ球(例えば、エフェクターT細胞)を意味する。いくつかの態様において、腫瘍浸潤リンパ球はCD4+TILである。いくつかの態様において、腫瘍浸潤リンパ球はCD8+TILである。
【0080】
免疫応答または免疫系を刺激する能力の増大は、T細胞共刺激受容体のアゴニスト活性の向上及び/または抑制性受容体のアンタゴニスト活性の向上に起因し得る。免疫応答または免疫系を刺激する能力の増大は、免疫応答を測定するアッセイ、例えば、サイトカインまたはケモカインの放出、細胞溶解活性(標的細胞で直接的に、またはCD107aもしくはグランザイムを検出することによって間接的に決定される)、及び増殖の変化を測定するアッセイにおける、EC50または最大活性レベルの増大倍率に反映され得る。免疫応答または免疫系の活性を刺激する能力は、少なくとも10%、30%、50%、75%、2倍、3倍、5倍、またはそれ以上向上し得る。
【0081】
本明細書で使用する場合、「インターロイキン-7」または「IL-7」という用語は、IL-7ポリペプチド、ならびに、例えば、IL-7受容体結合親和性の標準的なバイオアッセイまたはアッセイにおいて、野生型成体哺乳動物IL-7タンパク質と実質的なアミノ酸配列同一性を有し、かつ実質的に均等な生物学的活性を有する、その誘導体及び類似体を意味する。本開示で使用することのできるIL-7タンパク質に関するさらなる開示は、本明細書の他の箇所で提供する。
【0082】
IL-7タンパク質の「バリアント」は、1以上のアミノ酸によって変化しているアミノ酸配列と定義される。バリアントは、置換されたアミノ酸が同様の構造特性または化学特性を有する、例えば、ロイシンのイソロイシンでの置き換えのような、「保存的」変化を有し得る。さほど一般的ではないが、バリアントは、「非保存的」変化、例えば、グリシンのトリプトファンでの置き換えを有してもよい。同様のマイナーな変化には、アミノ酸の欠失もしくは挿入、またはその両方も含まれ得る。生物学的活性を損なうことなく置換、挿入、または欠失できるアミノ酸残基の種類及び数を決定する際の指針は、当該技術分野で周知のコンピュータプログラム、例えば分子モデリングまたはアラインメント生成のためのソフトウェアを使用して見出すことができる。本開示に含まれるバリアントIL-7タンパク質は、IL-7活性を保持するIL-7タンパク質を含む。タンパク質が実質的に均等な生物学的IL-7活性を保持する限り、付加、置換、または欠失も含むIL-7ポリペプチドも本開示に含まれる。例えば、完全長型のIL-7タンパク質と同等の生物学的活性を保持するIL-7のトランケーションが本開示に含まれる。いくつかの態様において、バリアントIL-7タンパク質はまた、野生型IL-7と少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約93%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、またはそれ以上の配列同一性を有するポリペプチドを含む。
【0083】
本明細書で使用する場合、「シグナル配列」または同等に「シグナルペプチド」という用語は、生物活性分子薬及び融合タンパク質の分泌を指示する断片を指し、宿主細胞で翻訳された後に切断される。本明細書で使用するシグナル配列は、小胞体(ER)膜を貫通するタンパク質の移動を開始させるアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドである。有用なシグナル配列には、抗体軽鎖シグナル配列、例えば、抗体14.18(Gillies et al..,J.Immunol.Meth 1989.125:191-202)、抗体重鎖シグナル配列、例えば、MOPC141抗体重鎖シグナル配列(Sakano et al.,Nature,1980.286:676-683)、及び当該技術分野で知られている他のシグナル配列(例えば、Watson et al.,Nucleic Acid Research,1984.12:5145-5164を参照されたい)が含まれる。シグナルペプチドの特徴は当該技術分野で周知であり、シグナルペプチドは従来16~30個のアミノ酸を有するが、より多いまたはより少ない数のアミノ酸残基を含んでもよい。従来のシグナルペプチドは、塩基性のN末端領域、中央の疎水性領域、及びより極性のC末端領域の3領域からなる。
【0084】
「対象」には、あらゆるヒトまたは非ヒト動物が含まれる。「非ヒト動物」という用語は、非ヒト霊長動物、ヒツジ、イヌ、ならびにマウス、ラット、及びモルモットなどの齧歯動物といった脊椎動物を含むが、これらに限定されない。いくつかの態様において、対象はヒトである。「対象」及び「患者」という用語は、本明細書では同義に使用される。
【0085】
「治療有効量」または「治療上有効な投与量」という用語は、所望の生物学的結果、治療結果、及び/または予防結果をもたらす薬剤の量を意味する。その結果は、疾患の徴候、症状、もしくは原因のうちの1以上の低減、回復、緩和、減弱、遅延、及び/または軽減、または生物学的システムの任意の他の所望の変化であり得る。固形腫瘍に関して、有効量は、腫瘍を縮小させる及び/または腫瘍の成長速度を減少させる(例えば、腫瘍成長を抑制する)、または他の望ましくない細胞増殖を防止もしくは遅延させるのに十分な量を含む。いくつかの態様において、有効量は、腫瘍の発達を遅延させるのに十分な量である。いくつかの態様において、有効量は、腫瘍の再発を防止または遅延させるのに十分な量である。有効量は、1回以上の投与で投与することができる。有効量の薬物または組成物は、(i)がん細胞の数を低減させ、(ii)腫瘍サイズを縮小し、(iii)末梢器官へのがん細胞の浸潤を阻害し、遅らせ、ある程度緩徐化し、停止する場合もあり、(iv)腫瘍転移を阻害し(すなわち、ある程度緩徐化し、停止する場合もあり、(v)腫瘍成長を阻害し、(vi)腫瘍の発生及び/または再発を防止もしくは遅延させ、及び/または(vii)がんに関連する症状のうちの1以上をある程度軽減することができる。いくつかの態様において、「治療有効量」は、進行固形腫瘍などのがんの著しい減少またはがんの進行の緩徐化(退行)に影響することが臨床的に証明されている、ヌクレオチドワクチン及び/またはIL-7タンパク質の量である。疾患退行を促進する治療剤の能力は、熟練した医師に知られている種々の方法を使用して、例えば、臨床試験中のヒト対象で、ヒトにおける効力を予測する動物モデル系で、またはin vitroアッセイで薬剤の活性をアッセイすることで評価することができる。
【0086】
「投薬頻度」、「投薬スケジュール」、及び「投薬間隔」という用語は同義に使用され、治療剤(例えば、ヌクレオチドワクチン及び/またはIL-7)が特定期間内で対象に投与される回数を指す。投薬頻度は、例えば、1日1回、1週間に1回、または2週間に1回など、所与の時間当たりの投薬回数として示すことができる。本明細書で使用する場合、「投薬頻度」は、対象が治療剤の複数(または反復)投与を受ける場合に適用可能である。
【0087】
本明細書に記載される治療剤(例えば、ヌクレオチドワクチン及び/またはIL-7)の投与を説明するために使用されるときの「内(within)」という用語は、付随する期間中またはその前に治療剤が投与されることを意味する。例えば、IL-7タンパク質がヌクレオチドワクチンの投与後「7日以内」に投与される場合、これは次のいずれかを意味し得る:IL-7タンパク質がヌクレオチドワクチン投与の7日後に投与される、IL-7タンパク質がヌクレオチドワクチン投与の6日後に投与される、IL-7タンパク質がヌクレオチドワクチン投与の5日後に投与される、IL-7タンパク質がヌクレオチドワクチン投与の4日後に投与される、IL-7タンパク質がヌクレオチドワクチン投与の3日後に投与される、IL-7タンパク質がヌクレオチドワクチン投与の2日後に投与される、IL-7タンパク質がヌクレオチドワクチン投与の1日後に投与される、IL-7タンパク質がヌクレオチドワクチン投与と同時に投与される、及びその中の任意の期間。
【0088】
本明細書で使用する場合、「標準治療」という用語は、ある特定の種類の疾患に適切な治療として医療専門家に認められており、医療従事者によって広く使用されている治療を意味する。この用語は、次の用語:「ベストプラクティス」、「標準的医療」、及び「標準療法」のいずれとも同義に使用され得る。
【0089】
例として、「抗がん剤」は、対象のがんの退行を促進するか、またはさらなる腫瘍成長を防止する。ある特定の態様において、治療有効量の薬物は、がんを消失させるまでに、がんの退行を促進する。「がんの退行を促進する」とは、有効量の薬物を単独で、または抗新生物剤と組み合わせて投与することにより、腫瘍の成長またはサイズの低減、腫瘍の壊死、少なくとも1つの疾患症状の重症度の低下、疾患の無症状期間の頻度増大及び期間延長、または疾患の罹患による機能障害もしくは能力障害の防止をもたらすことを意味する。さらに、治療に関する「有効」及び「有効性」という用語は、薬理学的有効性と生理学的安全性の両方を含む。薬理学的有効性とは、患者のがんの退行を促進する薬物の能力を意味する。生理学的安全性とは、薬物の投与に起因する、細胞、器官、及び/または生物のレベルでの毒性または他の有害な生理学的効果(有害作用)のレベルを意味する。
【0090】
例として、腫瘍の治療において、治療有効量の抗がん剤は、未治療の対象と比して、またはある特定の態様では、標準治療療法で治療された患者と比して、細胞成長または腫瘍成長を少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約40%、少なくとも約60%、または少なくとも約80%阻害することができる。いくつかの態様において、少なくとも約20日、少なくとも約40日、または少なくとも約60日の期間にわたり、腫瘍の退行が観察され、継続し得る。治療有効性のこれらの最終的な測定値にかかわらず、免疫療法薬の評価は、「免疫関連」応答パターンも考慮に入れなければならない。
【0091】
本明細書で使用する場合、「免疫チェックポイント阻害剤」という用語は、1以上の免疫チェックポイントタンパク質を完全または部分的に低減させる、阻害する、妨げる、または調節する分子を意味する。免疫チェックポイントタンパク質は、T細胞の活性化または機能を制御する。CTLA-4ならびにそのリガンドのCD80及びCD86、ならびにPD-1とそのリガンドのPD-L1及びPD-L2など、多数のチェックポイントタンパク質が公知である。Pardoll,D.M.,Nat Rev Cancer 12(4):252-64(2012)。これらのタンパク質は、T細胞応答の共刺激性相互作用または阻害性相互作用の原因である。免疫チェックポイントタンパク質は、自己寛容性、ならびに生理学的免疫応答の期間及び程度を制御し、維持する。免疫チェックポイント阻害剤は、抗体を含むか、または抗体に由来する。
【0092】
本明細書で使用する場合、「ug」及び「uM」という用語は、それぞれ、「μg」及び「μΜ」と同義に使用される。
【0093】
本明細書に記載される様々な態様を、下記のサブセクションでさらに詳細に説明する。
【0094】
II.本開示の方法
本明細書では、腫瘍(または腫瘍に関連するがん)の治療を、それを必要とする対象において行う方法であって、ヌクレオチドワクチンをインターロイキン-7(IL-7)タンパク質と組み合わせて対象に投与することを含む方法が開示される。いくつかの態様において、ヌクレオチドワクチンは、ヌクレオチドワクチンの投与が対象において腫瘍特異的T細胞免疫応答を誘導することができるように、腫瘍抗原をコードする。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、ヌクレオチドワクチンによって誘導された腫瘍特異的T細胞免疫応答のピーク増殖期の後に対象に投与される。本明細書で使用する場合、「ピーク増殖期」という用語は、例えばヌクレオチドワクチンによって誘導された、腫瘍特異的T細胞の数が最大である時点を指す。いくつかの態様において、ピーク増殖期は、T細胞免疫応答の収縮期の始まりを示す。本開示から明らかであるように、ヌクレオチドワクチンが誘導する腫瘍特異的T細胞免疫応答のピーク増殖期は、ヌクレオチドワクチンが治療的に(すなわち、腫瘍の発生後に)投与されるか予防的に(すなわち、腫瘍の発生前に)投与されるかに応じて異なり得る。T細胞免疫応答のピーク増殖期は、当技術分野で公知の任意の好適な方法(例えば、ELISPOT及びフローサイトメトリー)を使用して決定することができる。
【0095】
例えば、ヌクレオチドワクチンが予防的に投与される場合、いくつかの態様において、ヌクレオチドワクチンが誘導する腫瘍特異的T細胞免疫応答のピーク増殖は、抗原特異的T細胞の初回活性化(すなわち、抗原遭遇)後(例えば、腫瘍抗原をコードするヌクレオチドワクチンの対象への初回投与後)、約7日目、約8日目、約9日目、約10日目、約11日目、約12日目、約13日目、約14日目、または約15日目に起こる。ある特定の態様において、腫瘍特異的T細胞免疫応答のピーク増殖は、抗原特異的T細胞の初回活性化後(例えば、腫瘍抗原をコードするヌクレオチドワクチンの対象への初回投与後)、約11日目に起こる。いくつかの態様において、ヌクレオチドワクチンが治療的に投与される場合、ピーク増殖はより早く起こり得る。例えば、いずれか1つの理論に拘束されるものではないが、治療環境において、腫瘍特異的T細胞は、既存の腫瘍と以前に遭遇したことから対象に既に存在している可能性がある。したがって、当業者には明らかとなるように、本明細書に記載されるヌクレオチドワクチンがそのような対象に投与されると、既存の腫瘍特異的T細胞(例えば、メモリーT細胞)が(抗原に初めて遭遇しているT細胞と比較して)より迅速に応答し、より速いT細胞動態(すなわち、より早いピーク増殖)をもたらし得る。
【0096】
本開示に関連して、出願人は、ピーク増殖期後のIL-7タンパク質の投与により、腫瘍特異的T細胞免疫応答(例えば、本明細書で開示されるヌクレオチドワクチンによって誘導されるもの)が、参照において観察される対応する値(すなわち、腫瘍特異的T細胞免疫応答)と比較して改善し得ることを発見した。本明細書で使用する場合、「参照」という用語は、(i)ヌクレオチドワクチン単独のみを受けた、(ii)IL-7タンパク質単独のみを受けた、(iii)ヌクレオチドワクチン及びIL-7タンパク質の両方を受けたが、IL-7タンパク質がピーク増殖期の前に投与された、(iv)ヌクレオチドワクチンもIL-7タンパク質も受けなかった、または(iv)それらの組み合わせである、対応する個体を指し得る。
【0097】
したがって、本明細書で示されるように、本明細書に記載されるIL-7タンパク質は、概して、ヌクレオチドワクチンの投与後に対象に投与される。しかしながら、同じく本明細書で示されるように、出願人はさらに、例えばヌクレオチドワクチンが治療ワクチンとして投与される場合は特に、ヌクレオチドワクチン投与後の他の時点(例えば、腫瘍特異的T細胞免疫応答のピーク増殖期後以外)でIL-7タンパク質を投与することにも治療効果があり得ることを特定した。例えば、いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、ヌクレオチドワクチン投与の投与後の約6時間以内、約12時間以内、約1日以内、約2日以内、約3日以内、約4日以内、約5日以内、約6日以内、約1週間以内、約2週間以内、約3週間以内、または約4週間以内に対象に投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、ヌクレオチドワクチン投与後の約1週間以内に投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、ヌクレオチドワクチン投与後の約5日以内に投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、ヌクレオチドワクチン投与後の約4日以内に投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、ヌクレオチドワクチン投与後の約3日以内に投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、ヌクレオチドワクチン投与後の約2日以内に投与される。いくつかの態様において、IL-タンパク質は、ヌクレオチドワクチン投与後の約1日以内に投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、ヌクレオチドワクチン投与と同時に投与される。
【0098】
いくつかの態様において、腫瘍特異的T細胞免疫応答の改善は、対象における腫瘍成長の低減をもたらし得る。したがって、いくつかの態様において、ヌクレオチドワクチンをIL-7タンパク質と組み合わせて投与すること(ここで、IL-7タンパク質は、腫瘍特異的T細胞免疫応答のピーク増殖期の後に投与される)は、対象における腫瘍成長(例えば、腫瘍体積または重量)を参照と比較して阻害する及び/または低減させることができる。ある特定の態様において、腫瘍成長は、投与後に、参照における対応する値(すなわち、腫瘍成長)と比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または約100%低減する。同様に、いくつかの態様において、IL-7タンパク質を(i)ヌクレオチドワクチンの投与後または(ii)ヌクレオチドワクチンの投与と同時に投与することは、対象における腫瘍成長(例えば、腫瘍体積または重量)を参照と比較して阻害する及び/または低減させることができる。ある特定の態様において、腫瘍成長は、投与後に、参照における対応する値(すなわち、腫瘍成長)と比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または約100%低減する。
【0099】
いくつかの態様において、腫瘍特異的T細胞免疫応答の改善は、対象における腫瘍特異的T細胞免疫応答のさらなる延長をもたらし得る。いずれか1つの理論に拘束されるものではないが、ある特定の態様において、腫瘍特異的T細胞免疫応答の延長は、腫瘍特異的T細胞の(例えば、収縮期中の)生存期間の増大によるものである。したがって、いくつかの態様において、ヌクレオチドワクチンをIL-7タンパク質と組み合わせて投与すること(ここで、IL-7タンパク質は、腫瘍特異的T細胞免疫応答のピーク増殖期の後に投与される)は、対象における腫瘍特異的T細胞の(例えば、収縮期中の)生存期間を、参照における対応する値と比較して増大させることができる。ある特定の態様において、腫瘍特異的T細胞の(例えば、収縮期中の)生存期間は、参照における対応する値と比較して、少なくとも約1倍、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約25倍、少なくとも約30倍、少なくとも約35倍、少なくとも約40倍、少なくとも約45倍、または少なくとも約50倍、またはそれ以上増大する。同様に、いくつかの態様において、IL-7タンパク質を(i)ヌクレオチドワクチンの投与後または(ii)ヌクレオチドワクチンの投与と同時に投与することは、対象における腫瘍特異的T細胞免疫応答を参照と比較して延長することができる。ある特定の態様において、腫瘍特異的T細胞免疫応答は、参照における対応する値と比較して、少なくとも約1倍、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約25倍、少なくとも約30倍、少なくとも約35倍、少なくとも約40倍、少なくとも約45倍、または少なくとも約50倍、またはそれ以上延長される。
【0100】
いくつかの態様において、腫瘍特異的T細胞免疫応答の延長は、アポトーシスに対する(例えば、免疫応答の収縮期中の)腫瘍特異的T細胞の抵抗性の増大によるものである。ある特定の態様において、アポトーシスに対する(例えば、収縮期中の)腫瘍特異的T細胞の抵抗性は、参照における対応する値と比較して、少なくとも約1倍、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約25倍、少なくとも約30倍、少なくとも約35倍、少なくとも約40倍、少なくとも約45倍、または少なくとも約50倍、またはそれ以上増大する。
【0101】
いくつかの態様において、腫瘍特異的T細胞の初期増殖を増大させることも、腫瘍特異的T細胞免疫応答を延長させることに(例えば、腫瘍特異的T細胞の全体数を増大させることによって)役立ち得る。したがって、いくつかの態様において、IL-7タンパク質を(i)ヌクレオチドワクチンの投与後または(ii)ヌクレオチドワクチンの投与と同時に投与することは、ヌクレオチドワクチンが誘導する腫瘍特異的T細胞の初期増殖を、参照における対応する値と比較して少なくとも約1倍、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約25倍、少なくとも約30倍、少なくとも約35倍、少なくとも約40倍、少なくとも約45倍、または少なくとも約50倍、またはそれ以上増大させることができる。
【0102】
いくつかの態様において、生存期間の増大及び/またはアポトーシスに対する抵抗性の増大は、対象における腫瘍特異的T細胞の数を参照における対応する値と比較して増大させることができる。ある特定の態様において、対象における腫瘍特異的T細胞の数は、参照における対応する値と比較して、少なくとも約1倍、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約25倍、少なくとも約30倍、少なくとも約35倍、少なくとも約40倍、少なくとも約45倍、または少なくとも約50倍、またはそれ以上増大する。
【0103】
いくつかの態様において、腫瘍特異的T細胞免疫応答の改善は、腫瘍特異的T細胞の細胞傷害活性の増大を含む。例えば、いくつかの態様において、ヌクレオチドワクチンをIL-7タンパク質と組み合わせて投与することは、腫瘍抗原を発現する細胞(例えば、腫瘍細胞)を殺滅する腫瘍特異的T細胞の能力を増大させる。いくつかの態様において、腫瘍特異的T細胞の細胞傷害活性は、参照(例えば、併用治療を受けなかった対応する対象)における対応する値と比較して、少なくとも約1倍、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約25倍、少なくとも約30倍、少なくとも約35倍、少なくとも約40倍、少なくとも約45倍、または少なくとも約50倍、またはそれ以上増大する。
【0104】
本明細書に記載されるように、T細胞免疫応答の増殖期には一般に収縮期が続き、収縮期の間、活性化されたエフェクターT細胞の大部分(例えば、90~95%)がアポトーシスを起こし、生き残ったエフェクターT細胞は長命のメモリーT細胞に分化する。したがって、いくつかの態様において、生存期間及び/またはアポトーシスに対する腫瘍特異的T細胞の(例えば、収縮期中の)抵抗性の増大は、対象における腫瘍特異的メモリーT細胞の数の増加をもたらし得る。同様に、いくつかの態様において、腫瘍特異的T細胞の初期増殖を増大させることは、対象における腫瘍特異的メモリーT細胞の数を増加させるのにも役立ち得る。いくつかの態様において、対象における腫瘍特異的メモリーT細胞の数は、参照における対応する値と比較して、少なくとも約1倍、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約25倍、少なくとも約30倍、少なくとも約35倍、少なくとも約40倍、少なくとも約45倍、または少なくとも約50倍、またはそれ以上増大する。
【0105】
いくつかの態様において、腫瘍特異的T細胞免疫応答の改善は、腫瘍特異的T細胞免疫応答のT細胞受容体レパートリーの拡大を含む。例えば、ある特定の態様において、本開示の方法(例えば、ヌクレオチドワクチンをIL-7と組み合わせて投与すること、ここで、IL-7は、腫瘍特異的T細胞免疫応答のピーク増殖期の後に対象に投与される)は、腫瘍特異的T細胞免疫応答が誘導されるエピトープの数を、参照における対応する値と比較して増大させることができる。同様に、いくつかの態様において、IL-7タンパク質を(i)ヌクレオチドワクチンの投与後または(ii)ヌクレオチドワクチンの投与と同時に投与することは、腫瘍特異的T細胞免疫応答が誘導されるエピトープの数を、参照における対応する値と比較して増大させることができる。
【0106】
いくつかの態様において、腫瘍特異的T細胞免疫応答が誘導されるエピトープの数は、参照と比較して、少なくとも約1倍、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約25倍、少なくとも約30倍、少なくとも約35倍、少なくとも約40倍、少なくとも約45倍、または少なくとも約50倍、またはそれ以上増大する。
【0107】
いくつかの態様において、本明細書で開示される腫瘍特異的T細胞(すなわち、腫瘍抗原をコードするヌクレオチドワクチンをIL-7と組み合わせて投与した後に誘導されるもの、ここで、IL-7は、腫瘍特異的T細胞免疫応答のピーク増殖期の後に投与される)は、Lrrc27、Plekho1、Pttg1、Xpo4、Exoc4、Pank3、Tmem101、Map3k6、Met、BC057079、Hist1h3e、Prkag1、Neil3、またはそれらの組み合わせを含む腫瘍抗原の1以上のエピトープを標的とすることが可能である。同様に、いくつかの態様において、IL-7タンパク質を(i)ヌクレオチドワクチンの投与後または(ii)ヌクレオチドワクチンの投与と同時に投与した後に産生された腫瘍特異的T細胞は、Lrrc27、Plekho1、Pttg1、Xpo4、Exoc4、Pank3、Tmem101、Map3k6、Met、BC057079、Hist1h3e、Prkag1、Neil3、またはそれらの組み合わせを含む腫瘍抗原の1以上のエピトープを標的とすることができる。本明細書で開示される方法を使用して標的とすることができる腫瘍抗原に関する追加の開示は、本開示の他の箇所で提供する。ある特定の態様において、本明細書に記載される腫瘍特異的T細胞は、上述の腫瘍エピトープのうちの1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、またはすべてを標的とすることができる。いくつかの態様において、本開示の腫瘍特異的T細胞は、次のエピトープ:Lrrc27、Plekho1、及びPttg1を標的とすることが可能である。
【0108】
したがって、いくつかの態様において、本開示は、腫瘍抗原の亜優性エピトープに対するT細胞免疫応答の増大を、それを必要とする対象において行う方法であって、亜優性エピトープを含む腫瘍抗原をコードするヌクレオチドワクチンをIL-7と組み合わせて対象に投与することを含み、IL-7が、腫瘍特異的T細胞免疫応答のピーク増殖期の後に対象に投与される方法を対象とする。いくつかの態様において、腫瘍抗原の亜優性エピトープに対するT細胞免疫応答の増大を、それを必要とする対象において行う方法は、亜優性エピトープを含む腫瘍抗原をコードするヌクレオチドワクチンをIL-7と組み合わせて対象に投与することを含み、IL-7タンパク質は、(i)ヌクレオチドワクチンの投与後または(ii)ヌクレオチドワクチンの投与と同時に投与される。ある特定の態様において、腫瘍抗原の亜優性エピトープに対するT細胞免疫応答は、参照における対応する値と比較して、少なくとも約1倍、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約25倍、少なくとも約30倍、少なくとも約35倍、少なくとも約40倍、少なくとも約45倍、または少なくとも約50倍、またはそれ以上増大する。
【0109】
本明細書に記載されるように、いくつかの態様において、本開示の方法は、腫瘍抗原をコードするヌクレオチドワクチンをIL-7と組み合わせて投与することを含み、IL-7は、腫瘍特異的T細胞免疫応答のピーク増殖期の後に投与される。いくつかの態様において、IL-7は、対象(例えば、腫瘍を患っているもの)に、腫瘍特異的T細胞免疫応答のピーク増殖期から少なくとも約1日後、約2日後、約3日後、約4日後、約5日後、約6日後、約7日後、約8日後、約9日後、約10日後、約11日後、約12日後、約13日後、約14日後、約15日後、約16日後、約17日後、約18日後、約19日後、約20日後、約21日後、約22日後、約23日後、約24日後、約25日後、約26日後、約27日後、約28日後、約29日後、または約30日後、またはそれ以上後に投与される。ある特定の態様において、IL-7は、腫瘍特異的T細胞免疫応答のピーク増殖期から約2日後に投与される。
【0110】
本明細書で開示される方法によって治療することのできるがん(または腫瘍)の非限定的な例としては、扁平上皮癌、小細胞肺癌(SCLC)、非小細胞肺癌、扁平上皮非小細胞肺癌(NSCLC)、非扁平上皮NSCLC、胃腸癌、腎癌(例えば、明細胞癌)、卵巣癌、肝臓癌(例えば、肝細胞癌)、大腸癌、子宮内膜癌、腎臓癌(例えば、腎細胞癌(RCC))、前立腺癌(例えば、ホルモン不応性前立腺癌)、甲状腺癌、膵臓癌、子宮頸癌、胃の癌、膀胱癌、肝細胞腫、乳癌、結腸癌、及び頭頸部癌(または癌腫)、胃癌、生殖細胞腫瘍、小児肉腫、副鼻腔ナチュラルキラー、黒色腫(例えば、転移性悪性黒色腫、例えば皮膚または眼球内の悪性黒色腫)、骨癌、皮膚癌、子宮癌、肛門領域のがん、精巣癌、卵管癌、子宮内膜癌腫、子宮頸部癌、膣癌、外陰部癌、食道癌(例えば、食道胃接合部癌)、小腸癌、内分泌系癌、副甲状腺癌、副腎癌、軟部組織肉腫、尿道癌、陰茎癌、小児期の固形腫瘍、尿管癌、腎盂癌、腫瘍血管新生、下垂体腺腫、カポジ肉腫、類表皮癌、扁平上皮癌、T細胞リンパ腫、アスベストにより誘導されるものを含む環境誘発癌、ウイルス関連癌またはウイルス起源の癌(例えば、ヒトパピローマウイルス(HPVに関連または由来する腫瘍))、及び2つの主な血液細胞系、すなわち、骨髄細胞系(顆粒球、赤血球、血小板、マクロファージ、及びマスト細胞を産生)またはリンパ球細胞系(B細胞、T細胞、NK細胞、及び形質細胞を産生)のいずれかに由来する血液悪性疾患、例えば、あらゆる種類の白血病、リンパ腫、及び骨髄腫、例えば、急性、慢性、リンパ球性及び/または骨髄性の白血病、例えば、急性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、及び慢性骨髄性白血病(CML)、未分化AML(MO)、骨髄芽球性白血病(Ml)、骨髄芽球性白血病(M2;細胞成熟を伴う)、前骨髄球性白血病(M3またはM3バリアント[M3V])、骨髄単球性白血病(M4または好酸球増加を伴うM4バリアント[M4E])、単球性白血病(M5)、赤白血病(M6)、巨核芽球性白血病(M7)、孤立性顆粒球肉腫、及び緑色腫;リンパ腫、例えば、ホジキンリンパ腫(HL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、B細胞血液悪性疾患、例えば、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫、単球様B細胞リンパ腫、粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫、未分化(例えば、Ki1)大細胞リンパ腫、成人T細胞リンパ腫/白血病、マントル細胞リンパ腫、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、血管中心性リンパ腫、腸管T細胞リンパ腫、縦隔原発B細胞リンパ腫、前駆Tリンパ芽球性リンパ腫、Tリンパ芽球性;ならびにリンパ腫/白血病(T-Lbly/T-ALL)、末梢T細胞リンパ腫、リンパ芽球性リンパ腫、移植後リンパ増殖性障害、真性組織球性リンパ腫、原発性体液性リンパ腫、B細胞リンパ腫、リンパ芽球性リンパ腫(LBL)、リンパ系の造血性腫瘍、急性リンパ芽球性白血病、びまん性大B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、濾胞性リンパ腫、びまん性組織球性リンパ腫(DHL)、免疫芽球性大細胞リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫(CTLC)(菌状息肉症またはセザリー症候群とも呼ばれる)、及びワルデンシュトレームマクログロブリン血症を伴うリンパ形質細胞性リンパ腫(LPL);骨髄腫、例えば、IgG骨髄腫、軽鎖骨髄腫、非分泌性骨髄腫、くすぶり型骨髄腫(無症候性骨髄腫とも呼ばれる)、孤立性形質細胞腫、及び多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病(CLL)、ヘアリーセルリンパ腫;骨髄系の造血性腫瘍、線維肉腫及び横紋筋肉腫を含む間葉由来の腫瘍;精上皮腫、奇形腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、及び骨肉腫を含む間葉由来の腫瘍;ならびに他の腫瘍、例えば、黒色腫、色素性乾皮症、角化棘細胞腫、精上皮腫、濾胞性甲状腺癌及び奇形腫、リンパ系の造血性腫瘍、例えばT細胞腫瘍及びB細胞腫瘍、例えば、限定するものではないが、小細胞型及び大脳様細胞型を含めたT前リンパ球性白血病(T-PLL)などのT細胞障害;T細胞型の大顆粒リンパ球白血病(LGL);a/d T-NHL肝脾リンパ腫;末梢/胸腺後T細胞リンパ腫(多形性及び免疫芽球性のサブタイプ);血管中心性(鼻)T細胞リンパ腫;頭頸部癌、腎癌、直腸癌、甲状腺癌;急性骨髄性リンパ腫、ならびにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0111】
いくつかの態様において、治療することのできるがん(または腫瘍)は、乳癌、頭頸部癌、子宮癌、脳癌、皮膚癌、腎癌、肺癌、大腸癌、前立腺癌、肝臓癌、膀胱癌、腎臓癌、膵臓癌、甲状腺癌、食道癌、眼癌、胃の癌(胃癌)、胃腸癌、癌腫、肉腫、白血病、リンパ腫、骨髄腫、またはそれらの組み合わせを含む。ある特定の態様において、本願の方法で治療することのできるがん(または腫瘍)は、乳癌である。いくつかの態様において、乳癌は、トリプルネガティブ乳癌(TNBC)である。いくつかの態様において、治療することのできるがん(または腫瘍)は、脳癌である。ある特定の態様において、脳癌は、グリア芽細胞腫である。いくつかの態様において、本願の方法で治療することのできるがん(または腫瘍)は、皮膚癌である。いくつかの態様において、皮膚癌は、基底細胞癌(BCC)、皮膚扁平上皮癌(cSCC)、黒色腫、メルケル細胞癌(MCC)、またはそれらの組み合わせである。ある特定の態様において、頭頸部癌は、頭頸部扁平上皮癌である。さらなる態様では、肺癌は、小細胞肺癌(SCLC)である。いくつかの態様において、食道癌は、食道胃接合部癌である。ある特定の態様において、腎臓癌は、腎細胞癌である。いくつかの態様において、肝臓癌は、肝細胞癌である。
【0112】
いくつかの態様において、本明細書に記載される方法(例えば、腫瘍抗原をコードするヌクレオチドワクチンをIL-7と組み合わせて投与すること、ここで、IL-7は、腫瘍特異的T細胞免疫応答のピーク増殖期の後に投与されるか、またはIL-7は、(i)ヌクレオチドワクチンの投与後もしくは(ii)ヌクレオチドワクチンの投与と同時に投与される)は、転移癌、切除不能の難治性癌(例えば、以前のがん療法、例えば抗PD-1遮断抗体を用いる免疫療法などに対して、難治性のがん)、及び/または再発癌を治療するために使用することもできる。ある特定の態様において、以前のがん療法は、化学療法を含む。いくつかの態様において、化学療法は、白金ベースの療法を含む。いくつかの態様において、白金ベースの療法は、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、ネダプラチン、四硝酸トリプラチン、フェナントリプラチン、ピコプラチン、サトラプラチン、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される白金ベースの抗新生物薬を含む。ある特定の態様において、白金ベースの療法はシスプラチンを含む。さらなる態様では、白金ベースの療法はカルボプラチンを含む。
【0113】
いくつかの態様において、本明細書で開示される方法(例えば、腫瘍抗原をコードするヌクレオチドワクチンをIL-7と組み合わせて投与すること、ここで、IL-7は、腫瘍特異的T細胞免疫応答のピーク増殖期の後に投与されるか、またはIL-7は、(i)ヌクレオチドワクチンの投与後もしくは(ii)ヌクレオチドワクチンの投与と同時に投与される)は、生存期間の増大を必要とする(例えば、腫瘍に罹患している)対象の生存期間を効果的に増大させる。例えば、いくつかの態様において、対象の生存期間は、参照個体(例えば、IL-7タンパク質単独または二重特異性抗体単独で治療された対応する対象)と比較して、少なくとも約1ヶ月、少なくとも約2ヶ月、少なくとも約3ヶ月、少なくとも約4ヶ月、少なくとも約5ヶ月、少なくとも約6ヶ月、少なくとも約7ヶ月、少なくとも約8ヶ月、少なくとも約9ヶ月、少なくとも約10ヶ月、少なくとも約11ヶ月、または少なくとも約1年、またはそれ以上増大する。他の態様において、本明細書で開示される方法は、対象の生存期間を、参照対象の生存期間よりも高い(約1ヶ月高い、約2ヶ月高い、約3ヶ月高い、約4ヶ月高い、約5ヶ月高い、約6ヶ月高い、約7ヶ月高い、約8ヶ月高い、約9ヶ月高い、約10ヶ月高い、約11ヶ月高い、または約1年高い)レベルで増大させる。
【0114】
いくつかの態様において、本開示の方法(例えば、腫瘍抗原をコードするヌクレオチドワクチンをIL-7と組み合わせて投与すること、ここで、IL-7は、腫瘍特異的T細胞免疫応答のピーク増殖期の後に投与されるか、またはIL-7は、(i)ヌクレオチドワクチンの投与後もしくは(ii)ヌクレオチドワクチンの投与と同時に投与される)は、対象(例えば、がん患者)の無増悪生存期間を効果的に増大させる。例えば、対象の無増悪生存期間は、参照対象と比較して、少なくとも約1ヶ月、少なくとも約2ヶ月、少なくとも約3ヶ月、少なくとも約4ヶ月、少なくとも約5ヶ月、少なくとも約6ヶ月、少なくとも約7ヶ月、少なくとも約8ヶ月、少なくとも約9ヶ月、少なくとも約10ヶ月、少なくとも約11ヶ月、または少なくとも約1年増大する。
【0115】
いくつかの態様において、本明細書で開示される方法(例えば、腫瘍抗原をコードするヌクレオチドワクチンをIL-7と組み合わせて投与すること、ここで、IL-7は、腫瘍特異的T細胞免疫応答のピーク増殖期の後に投与されるか、またはIL-7は、(i)ヌクレオチドワクチンの投与後もしくは(ii)ヌクレオチドワクチンの投与と同時に投与される)は、対象群における奏効率を効果的に増大させる。例えば、対象群における奏効率は、参照対象と比較して、少なくとも約2%、少なくとも約3%、少なくとも約4%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、または少なくとも約100%増大する。
【0116】
本明細書で示されるように、いくつかの態様において、本明細書に記載される併用療法(例えば、ヌクレオチドワクチン及びIL-7タンパク質の組み合わせ)を、本明細書に記載される疾患または障害(例えば、がん)に対する予防処置として使用することもできる。したがって、いくつかの態様において、本明細書で提供されるのは、腫瘍の発生の防止または低減を、それを必要とする対象において行う方法であって、腫瘍抗原をコードするヌクレオチドワクチンをIL-7タンパク質と組み合わせて対象に投与することを含み、ヌクレオチドワクチンの投与が、腫瘍特異的T細胞免疫応答を誘導し、ヌクレオチドワクチン、IL-7タンパク質、またはヌクレオチドワクチンとIL-7タンパク質との両方が、腫瘍の発生前の対象に投与される方法である。
【0117】
いくつかの態様において、ヌクレオチドワクチン、IL-7タンパク質、またはヌクレオチドワクチンとIL-7タンパク質との両方は、腫瘍発生の少なくとも約1日前、少なくとも約2日前、少なくとも約3日前、少なくとも約4日前、少なくとも約5日前、少なくとも約6日前、少なくとも約7日前、少なくとも約2週間前、少なくとも約3週間前、少なくとも約4週間前、少なくとも約2ヶ月前、少なくとも約3ヶ月前、少なくとも約4ヶ月前、少なくとも約5ヶ月前、少なくとも約6ヶ月前、少なくとも約7ヶ月前、少なくとも約8ヶ月前、少なくとも約9ヶ月前、少なくとも約10ヶ月前、少なくとも11ヶ月前、または少なくとも約1年前に対象に投与される。
【0118】
いくつかの態様において、上述のヌクレオチドワクチン、IL-7タンパク質、またはヌクレオチドワクチンとIL-7タンパク質との両方を投与することは、参照(例えば、上述の併用治療を受けなかった対応する対象)と比較して、腫瘍の発生を少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%少なくとも約80%、少なくとも約90%、または少なくとも約100%低減させるのに役立ち得る。
【0119】
いくつかの態様において、本開示の方法で治療される対象は、ラットまたはマウスなどの非ヒト動物である。いくつかの態様において、治療される対象はヒトである。
【0120】
いくつかの態様において、IL-7(例えば、本明細書で開示されるものなど)は、体重ベースの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7は、約5mg/kg~約15mg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7は、約5mg/kgの用量で投与される。
【0121】
いくつかの態様において、本明細書に記載されるヌクレオチドワクチン(例えば、腫瘍抗原及び/またはIL-7をコードするもの)は、約0.1μg~約200mgの範囲の投与量で投与され得る。ある特定の態様において、投与量は、約0.6mg~約100mgの範囲である。さらなる態様では、投与量は、約1.2mg~約50mgの範囲である。ある特定の態様において、腫瘍抗原をコードするヌクレオチドワクチンの各用量は、約4μgである。いくつかの態様において、本明細書で開示される方法は、単回用量のヌクレオチドワクチンを対象(例えば、腫瘍を患っているもの)に投与することを含む。いくつかの態様において、複数用量のヌクレオチドワクチンが対象に投与される。これらの態様のいくつかにおいて、ヌクレオチドワクチンは、約1日に1回、約2日に1回、約3日に1回、約4日に1回、約5日に1回、約6日に1回、または約7日に1回の投薬頻度で対象に投与される。いくつかの態様において、ヌクレオチドワクチンは、約7日に1回(すなわち、1週間に1回)投与される。いくつかの態様において、ヌクレオチドワクチンは、約1ヶ月に1回投与される。ある特定の態様において、ヌクレオチドワクチンは、約3日に1回、合計3用量投与される。
【0122】
いくつかの態様において、本明細書で開示される方法(例えば、腫瘍抗原をコードするヌクレオチドワクチンをIL-7と組み合わせて投与すること、ここで、IL-7は、腫瘍特異的免疫応答のピーク増殖期の後に投与される)は、単回用量のIL-7を対象(例えば、腫瘍を患っているもの)に投与することを含む。いくつかの態様において、対象は、複数用量のIL-7(すなわち、反復投与)を受ける。そのような態様において、IL-7は、1週間に1回、2週間に1回、3週間に1回、4週間に1回、5週間に1回、6週間に1回、7週間に1回、8週間に1回、9週間に1回、10週間に1回、11週間に1回、または12週間に1回の投薬頻度で投与され得る。
【0123】
いくつかの態様において、本明細書で開示される方法は、(i)3日に1回の投薬頻度で3用量のヌクレオチドワクチン(例えば、腫瘍抗原をコードするもの)、及び(ii)腫瘍特異的T細胞免疫応答のピーク増殖期の後に単回用量のIL-7を対象に投与することを含む。ある特定の態様において、単回用量のIL-7は、ヌクレオチドワクチンの初回投与後13日目に投与される。
【0124】
いくつかの態様において、本明細書で提供される方法は、複数用量のヌクレオチドワクチン(例えば、腫瘍抗原をコードするもの)をIL-7タンパク質と組み合わせて投与することを含み、IL-7タンパク質は、ヌクレオチドワクチンの複数用量のうちの少なくとも1回の後に投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、ヌクレオチドワクチンの複数用量のうちの少なくとも1回の後、約4週間以内に投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、ヌクレオチドワクチンの複数用量のうちの少なくとも1回の後、約3週間以内に投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、ヌクレオチドワクチンの複数用量のうちの少なくとも1回の後、約2週間以内に投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、ヌクレオチドワクチンの複数用量のうちの少なくとも1回の後、約13日以内に投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、ヌクレオチドワクチンの複数用量のうちの少なくとも1回の後、約12日以内に投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、ヌクレオチドワクチンの複数用量のうちの少なくとも1回の後、約11日以内に投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、ヌクレオチドワクチンの複数用量のうちの少なくとも1回の後、約10日以内に投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、ヌクレオチドワクチンの複数用量のうちの少なくとも1回の後、約9日以内に投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、ヌクレオチドワクチンの複数用量のうちの少なくとも1回の後、約8日以内に投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、ヌクレオチドワクチンの複数用量のうちの少なくとも1回の後、約1週間以内に投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、ヌクレオチドワクチンの複数用量のうちの少なくとも1回の後、約6日以内に投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、ヌクレオチドワクチンの複数用量のうちの少なくとも1回の後、約5日以内に投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、ヌクレオチドワクチンの複数用量のうちの少なくとも1回の後、約4日以内に投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、ヌクレオチドワクチンの複数用量のうちの少なくとも1回の後、約3日以内に投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、ヌクレオチドワクチンの複数用量のうちの少なくとも1回の後、約2日以内に投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、ヌクレオチドワクチンの複数用量のうちの少なくとも1回の後、約1日以内に投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、ヌクレオチドワクチンの複数用量のうちの少なくとも1回と同時に対象に投与される。
【0125】
いくつかの態様において、本明細書で提供される方法は、(i)3日に1回の投薬頻度で3用量のヌクレオチドワクチン(例えば、腫瘍抗原をコードするもの)、及び(ii)IL-7タンパク質を対象に投与することを含み、IL-7タンパク質は、ヌクレオチドワクチンの用量のうちの少なくとも1回の投与後、約2日以内に投与される。いくつかの態様において、本明細書で提供される方法は、(i)3~5日に1回の投薬頻度で3用量のヌクレオチドワクチン(例えば、腫瘍抗原をコードするもの)、及び(ii)IL-7タンパク質を対象に投与することを含み、IL-7タンパク質は、ヌクレオチドワクチンの用量のうちの少なくとも1回の投与後、約1日以内に投与される。いくつかの態様において、本明細書で提供される方法は、(i)3日に1回の投薬頻度で3用量のヌクレオチドワクチン(例えば、腫瘍抗原をコードするもの)、及び(ii)IL-7タンパク質を対象に投与することを含み、IL-7タンパク質は、ヌクレオチドワクチンの用量のうちの少なくとも1回と同時に投与される。
【0126】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、ヌクレオチドワクチンの複数用量のすべてを投与した後に対象に投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、ヌクレオチドワクチンの複数用量のすべてを投与した後、約4週間以内に投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、ヌクレオチドワクチンの複数用量のすべてを投与した後、約3週間以内に投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、ヌクレオチドワクチンの複数用量のすべてを投与した後、約2週間以内に投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、ヌクレオチドワクチンの複数用量のすべてを投与した後、約13日以内に投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、ヌクレオチドワクチンの複数用量のすべてを投与した後、約12日以内に投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、ヌクレオチドワクチンの複数用量のすべてを投与した後、約11日以内に投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、ヌクレオチドワクチンの複数用量のすべてを投与した後、約10日以内に投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、ヌクレオチドワクチンの複数用量のすべてを投与した後、約9日以内に投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、ヌクレオチドワクチンの複数用量のすべてを投与した後、約8日以内に投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、ヌクレオチドワクチンの複数用量のすべてを投与した後、約1週間以内に投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、ヌクレオチドワクチンの複数用量のすべてを投与した後、約6日以内に投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、ヌクレオチドワクチンの複数用量のすべてを投与した後、約5日以内に投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、ヌクレオチドワクチンの複数用量のすべてを投与した後、約4日以内に投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、ヌクレオチドワクチンの複数用量のすべてを投与した後、約3日以内に投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、ヌクレオチドワクチンの複数用量のすべてを投与した後、約2日以内に投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、ヌクレオチドワクチンの複数用量のすべてを投与した後、約1日以内に投与される。
【0127】
いくつかの態様において、本明細書で開示されるIL-7タンパク質は、体重ベースの用量で対象に投与され得る。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、約20μg/kg~約600μg/kgの体重ベースの用量で投与され得る。ある特定の態様において、本開示のIL-7タンパク質は、約20μg/kg、約60μg/kg、約120μg/kg、約240μg/kg、約360μg/kg、約480μg/kg、または約600μg/kgの体重ベースの用量で投与され得る。
【0128】
いくつかの態様において、本明細書で開示されるIL-7タンパク質は、約600μg/kg超の用量で対象に投与され得る。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、約600μg/kg超、約700μg/kg超、約800μg/kg超、約900μg/kg超、約1,000μg/kg超、約1,100μg/kg超、約1,200μg/kg超、約1,300μg/kg超、約1,400μg/kg超、約1,500μg/kg超、約1,600μg/kg超、約1,700μg/kg超、約1,800μg/kg超、約1,900μg/kg超、または約2,000μg/kg超の用量で対象に投与される。
【0129】
いくつかの態様において、本開示のIL-7タンパク質は、610μg/kg~約1,200μg/kg、650μg/kg~約1,200μg/kg、約700μg/kg~約1,200μg/kg、約750μg/kg~約1,200μg/kg、約800μg/kg~約1,200μg/kg、約850μg/kg~約1,200μg/kg、約900μg/kg~約1,200μg/kg、約950μg/kg~約1,200μg/kg、約1,000μg/kg~約1,200μg/kg、約1,050μg/kg~約1,200μg/kg、約1,100μg/kg~約1,200μg/kg、約1,200μg/kg~約2,000μg/kg、約1,300μg/kg~約2,000μg/kg、約1,500μg/kg~約2,000μg/kg、約1,700μg/kg~約2,000μg/kg、約610μg/kg~約1,000μg/kg、約650μg/kg~約1,000μg/kg、約700μg/kg~約1,000μg/kg、約750μg/kg~約1,000μg/kg、約800μg/kg~約1,000μg/kg、約850μg/kg~約1,000μg/kg、約900μg/kg~約1,000μg/kg、または約950μg/kg~約1,000μg/kgの用量で投与される。
【0130】
いくつかの態様において、本開示のIL-7タンパク質は、610μg/kg~約1,200μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、650μg/kg~約1,200μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約700μg/kg~約1,200μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、約750μg/kg~約1,200μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、約800μg/kg~約1,200μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約850μg/kg~約1,200μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約900μg/kg~約1,200μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、約950μg/kg~約1,200μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、本明細書で開示されるIL-7タンパク質は、約1,000μg/kg~約1,200μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約1,050μg/kg~約1,200μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約1,100μg/kg~約1,200μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約1,200μg/kg~約2,000μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、約1,300μg/kg~約2,000μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約1,500μg/kg~約2,000μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約1,700μg/kg~約2,000μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、約610μg/kg~約1,000μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約650μg/kg~約1,000μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、約700μg/kg~約1,000μg/kgの用量で投与される。なおもさらなる態様では、IL-7タンパク質は、約750μg/kg~約1,000μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、約800μg/kg~約1,000μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約850μg/kg~約1,000μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、本開示のIL-7タンパク質は、約900μg/kg~約1,000μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約950μg/kg~約1,000μg/kgの用量で投与される。
【0131】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約700μg/kg~約900μg/kg、約750μg/kg~約950μg/kg、約700μg/kg~約850μg/kg、約750μg/kg~約850μg/kg、約700μg/kg~約800μg/kg、約800μg/kg~約900μg/kg、約750μg/kg~約850μg/kg、または約850μg/kg~約950μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約700μg/kg~約900μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、約750μg/kg~約950μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、約700μg/kg~約850μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約750μg/kg~約850μg/kgの用量で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、約700μg/kg~約800μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約800μg/kg~約900μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約750μg/kg~約850μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、約850μg/kg~約950μg/kgの用量で投与される。
【0132】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約650μg/kg、約680μg/kg、約700μg/kg、約720μg/kg、約740μg/kg、約750μg/kg、約760μg/kg、約780μg/kg、約800μg/kg、約820μg/kg、約840μg/kg、約850μg/kg、約860μg/kg、約880μg/kg、約900μg/kg、約920μg/kg、約940μg/kg、約950μg/kg、約960μg/kg、約980μg/kg、約1,000μg/kg、約1,020μg/kg、約1,020μg/kg、約1,040μg/kg、約1,060μg/kg、約1,080μg/kg、約1,100μg/kg、約1,120μg/kg、約1,140μg/kg、約1,160μg/kg、約1,180μg/kg、約1200μg/kg、約1,220μg/kg、約1,240μg/kg、約1,260μg/kg、約1,280μg/kg、約1,300μg/kg、約1,320μg/kg、約1,340μg/kg、約1,360μg/kg、約1,380μg/kg、約1,400μg/kg、約1,420μg/kg、約1,440μg/kg、約1,460μg/kg、約1,480μg/kg、約1,500μg/kg、約1,520μg/kg、約1,540μg/kg、約1,560μg/kg、約1,580μg/kg、約1,600μg/kg、約1,620μg/kg、約1,640μg/kg、約1,660μg/kg、約1,680μg/kg、約1,700μg/kg、約1,720μg/kg、約1,740μg/kg、約1,760μg/kg、約1,780μg/kg、約1,800μg/kg、約1,820μg/kg、約1,840μg/kg、約1,860μg/kg、約1,880μg/kg、約1,900μg/kg、約1,920μg/kg、約1,940μg/kg、約1,960μg/kg、約1,980μg/kg、または約2,000μg/kgの用量で投与される。
【0133】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約650μg/kgの用量で投与される。他の態様において、本明細書で開示されるIL-7タンパク質は、約680μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約700μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約720μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、約740μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約750μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約760μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、約780μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約800μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、約820μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、約840μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約850μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、約860μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約880μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約900μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、約920μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約940μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、約950μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約960μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、約980μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約1,000μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、約1,020μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、約1,040μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約1,060μg/kgの用量で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、約1,080μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約1,100μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、約1,120μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、約1,140μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約1,160μg/kgの用量で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、約1,180μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、約1,200μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、約1,220μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、約1,240μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約1,260μg/kgの用量で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、約1,280μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約1,300μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、約1,320μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、約1,340μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約1,360μg/kgの用量で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、約1,380μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、約1,400μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、約1,420μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約1,440μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約1,460μg/kgの用量で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、約1,480μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、約1,500μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、約1,520μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、約1,540μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約1,560μg/kgの用量で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、約1,580μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約1,600μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、約1,620μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、約1,640μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約1,660μg/kgの用量で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、約1,680μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、約1,700μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、約1,720μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、約1,740μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約1,760μg/kgの用量で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、約1,780μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約1,800μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、約1,820μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、約1,840μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約1,860μg/kgの用量で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、約1,880μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約1,900μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、約1,920μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、約1,940μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約1,960μg/kgの用量で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、約1,980μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、約2,000μg/kgの用量で投与される。
【0134】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約1週間に1回、約2週間に1回、約3週間に1回、約4週間に1回、約5週間に1回、約6週間に1回、約7週間に1回、約8週間に1回、約9週間に1回、約10週間に1回、約11週間に1回、または約12週間に1回の投薬頻度で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、約10日に1回、約20日に1回、約30日に1回、約40日に1回、約50日に1回、約60日に1回、約70日に1回、約80日に1回、約90日に1回、または約100日に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、3週間に1回投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1週間に1回投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、2週間に1回投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、3週間に1回投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、4週間に1回投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、6週間に1回投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、8週間に1回投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、9週間に1回投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、12週間に1回投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、10日に1回投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、20日に1回投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、30日に1回投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、40日に1回投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、50日に1回投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、60日に1回投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、70日に1回投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、80日に1回投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、90日に1回投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、100日に1回投与される。
【0135】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約1週間、約2週間、約3週間、または約4週間の間隔で、約720μg/kgの量で2回以上投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約2週間、約3週間、約4週間、または約5週間の間隔で、約840μg/kgの量で2回以上投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、または約6週間の間隔で、約960μg/kgの量で2回以上投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、または約8週間の間隔で、約1200μg/kgの量で2回以上投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約2ヶ月、約8週間、約10週間、約12週間、または約3ヶ月の間隔で、約1440μg/kgの量で2回以上投与される。
【0136】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1週間に1回の投薬頻度で、60μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1週間に1回の投薬頻度で、120μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1週間に1回の投薬頻度で、240μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1週間に1回の投薬頻度で、480μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1週間に1回の投薬頻度で、720μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1週間に1回の投薬頻度で、960μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1週間に1回の投薬頻度で、1,200μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1週間に1回の投薬頻度で、1,300μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1週間に1回の投薬頻度で、1,400μg/kgの用量で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、1週間に1回の投薬頻度で、1,420μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、1週間に1回の投薬頻度で、1,440μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、1週間に1回の投薬頻度で、1,460μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、1週間に1回の投薬頻度で、1,480μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1週間に1回の投薬頻度で、1,500μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、1週間に1回の投薬頻度で、1,600μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1週間に1回の投薬頻度で、1,700μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1週間に1回の投薬頻度で、2,000μg/kgの用量で投与される。
【0137】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、2週間に1回の投薬頻度で、60μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、2週間に1回の投薬頻度で、120μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、2週間に1回の投薬頻度で、240μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、2週間に1回の投薬頻度で、480μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、2週間に1回の投薬頻度で、720μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、2週間に1回の投薬頻度で、960μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、2週間に1回の投薬頻度で、1,200μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、2週間に1回の投薬頻度で、1,300μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、2週間に1回の投薬頻度で、1,400μg/kgの用量で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、2週間に1回の投薬頻度で、1,420μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、2週間に1回の投薬頻度で、1,440μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、2週間に1回の投薬頻度で、1,460μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、2週間に1回の投薬頻度で、1,480μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、2週間に1回の投薬頻度で、1,500μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、2週間に1回の投薬頻度で、1,600μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、2週間に1回の投薬頻度で、1,700μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、2週間に1回の投薬頻度で、2,000μg/kgの用量で投与される。
【0138】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、3週間に1回の投薬頻度で、60μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、3週間に1回の投薬頻度で、120μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、3週間に1回の投薬頻度で、240μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、3週間に1回の投薬頻度で、480μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、3週間に1回の投薬頻度で、720μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、3週間に1回の投薬頻度で、960μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、3週間に1回の投薬頻度で、1,200μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、3週間に1回の投薬頻度で、1,300μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、3週間に1回の投薬頻度で、1,400μg/kgの用量で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、3週間に1回の投薬頻度で、1,420μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、3週間に1回の投薬頻度で、1,440μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、3週間に1回の投薬頻度で、1,460μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、3週間に1回の投薬頻度で、1,480μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、3週間に1回の投薬頻度で、1,500μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、3週間に1回の投薬頻度で、1,600μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、3週間に1回の投薬頻度で、1,700μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、3週間に1回の投薬頻度で、2,000μg/kgの用量で投与される。
【0139】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、4週間に1回の投薬頻度で、60μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、4週間に1回の投薬頻度で、120μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、4週間に1回の投薬頻度で、240μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、4週間に1回の投薬頻度で、480μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、4週間に1回の投薬頻度で、720μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、4週間に1回の投薬頻度で、960μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、4週間に1回の投薬頻度で、1,200μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、4週間に1回の投薬頻度で、1,300μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、4週間に1回の投薬頻度で、1,400μg/kgの用量で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、4週間に1回の投薬頻度で、1,420μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、4週間に1回の投薬頻度で、1,440μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、4週間に1回の投薬頻度で、1,460μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、4週間に1回の投薬頻度で、1,480μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、4週間に1回の投薬頻度で、1,500μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、4週間に1回の投薬頻度で、1,600μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、4週間に1回の投薬頻度で、1,700μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、4週間に1回の投薬頻度で、2,000μg/kgの用量で投与される。
【0140】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、5週間に1回の投薬頻度で、60μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、5週間に1回の投薬頻度で、120μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、5週間に1回の投薬頻度で、240μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、5週間に1回の投薬頻度で、480μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、5週間に1回の投薬頻度で、720μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、5週間に1回の投薬頻度で、960μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、5週間に1回の投薬頻度で、1,200μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、5週間に1回の投薬頻度で、1,300μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、5週間に1回の投薬頻度で、1,400μg/kgの用量で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、5週間に1回の投薬頻度で、1,420μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、5週間に1回の投薬頻度で、1,440μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、5週間に1回の投薬頻度で、1,460μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、5週間に1回の投薬頻度で、1,480μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、5週間に1回の投薬頻度で、1,500μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、5週間に1回の投薬頻度で、1,600μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、5週間に1回の投薬頻度で、1,700μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、5週間に1回の投薬頻度で、2,000μg/kgの用量で投与される。
【0141】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、6週間に1回の投薬頻度で、60μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、6週間に1回の投薬頻度で、120μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、6週間に1回の投薬頻度で、240μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、6週間に1回の投薬頻度で、480μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、6週間に1回の投薬頻度で、720μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、6週間に1回の投薬頻度で、960μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、6週間に1回の投薬頻度で、1,200μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、6週間に1回の投薬頻度で、1,300μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、6週間に1回の投薬頻度で、1,400μg/kgの用量で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、6週間に1回の投薬頻度で、1,420μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、6週間に1回の投薬頻度で、1,440μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、6週間に1回の投薬頻度で、1,460μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、6週間に1回の投薬頻度で、1,480μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、6週間に1回の投薬頻度で、1,500μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、6週間に1回の投薬頻度で、1,600μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、6週間に1回の投薬頻度で、1,700μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、6週間に1回の投薬頻度で、2,000μg/kgの用量で投与される。
【0142】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、7週間に1回の投薬頻度で、60μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、7週間に1回の投薬頻度で、120μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、7週間に1回の投薬頻度で、240μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、7週間に1回の投薬頻度で、480μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、7週間に1回の投薬頻度で、720μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、7週間に1回の投薬頻度で、960μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、7週間に1回の投薬頻度で、1,200μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、7週間に1回の投薬頻度で、1,300μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、7週間に1回の投薬頻度で、1,400μg/kgの用量で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、7週間に1回の投薬頻度で、1,420μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、7週間に1回の投薬頻度で、1,440μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、7週間に1回の投薬頻度で、1,460μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、7週間に1回の投薬頻度で、1,480μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、7週間に1回の投薬頻度で、1,500μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、7週間に1回の投薬頻度で、1,600μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、7週間に1回の投薬頻度で、1,700μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、7週間に1回の投薬頻度で、2,000μg/kgの用量で投与される。
【0143】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、8週間に1回の投薬頻度で、60μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、8週間に1回の投薬頻度で、120μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、8週間に1回の投薬頻度で、240μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、8週間に1回の投薬頻度で、480μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、8週間に1回の投薬頻度で、720μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、8週間に1回の投薬頻度で、960μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、8週間に1回の投薬頻度で、1,200μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、8週間に1回の投薬頻度で、1,300μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、8週間に1回の投薬頻度で、1,400μg/kgの用量で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、8週間に1回の投薬頻度で、1,420μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、8週間に1回の投薬頻度で、1,440μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、8週間に1回の投薬頻度で、1,460μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、8週間に1回の投薬頻度で、1,480μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、8週間に1回の投薬頻度で、1,500μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、8週間に1回の投薬頻度で、1,600μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、8週間に1回の投薬頻度で、1,700μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、8週間に1回の投薬頻度で、2,000μg/kgの用量で投与される。
【0144】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、9週間に1回の投薬頻度で、60μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、9週間に1回の投薬頻度で、120μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、9週間に1回の投薬頻度で、240μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、9週間に1回の投薬頻度で、480μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、9週間に1回の投薬頻度で、720μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、9週間に1回の投薬頻度で、960μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、9週間に1回の投薬頻度で、1,200μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、3週間に1回の投薬頻度で、1,300μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、3週間に1回の投薬頻度で、1,400μg/kgの用量で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、3週間に1回の投薬頻度で、1,420μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、9週間に1回の投薬頻度で、1,440μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、3週間に1回の投薬頻度で、1,460μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、3週間に1回の投薬頻度で、1,480μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、3週間に1回の投薬頻度で、1,500μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、3週間に1回の投薬頻度で、1,600μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、9週間に1回の投薬頻度で、1,700μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、9週間に1回の投薬頻度で、2,000μg/kgの用量で投与される。
【0145】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、10週間に1回の投薬頻度で、60μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、10週間に1回の投薬頻度で、120μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、10週間に1回の投薬頻度で、240μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、10週間に1回の投薬頻度で、480μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、10週間に1回の投薬頻度で、720μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、10週間に1回の投薬頻度で、960μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、10週間に1回の投薬頻度で、1,200μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、10週間に1回の投薬頻度で、1,300μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、10週間に1回の投薬頻度で、1,400μg/kgの用量で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、10週間に1回の投薬頻度で、1,420μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、10週間に1回の投薬頻度で、1,440μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、10週間に1回の投薬頻度で、1,460μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、10週間に1回の投薬頻度で、1,480μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、10週間に1回の投薬頻度で、1,500μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、10週間に1回の投薬頻度で、1,600μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、10週間に1回の投薬頻度で、1,700μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、10週間に1回の投薬頻度で、2,000μg/kgの用量で投与される。
【0146】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、11週間に1回の投薬頻度で、60μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、11週間に1回の投薬頻度で、120μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、11週間に1回の投薬頻度で、240μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、11週間に1回の投薬頻度で、480μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、11週間に1回の投薬頻度で、720μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、11週間に1回の投薬頻度で、960μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、11週間に1回の投薬頻度で、1,200μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、11週間に1回の投薬頻度で、1,300μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、11週間に1回の投薬頻度で、1,400μg/kgの用量で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、11週間に1回の投薬頻度で、1,420μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、11週間に1回の投薬頻度で、1,440μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、11週間に1回の投薬頻度で、1,460μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、11週間に1回の投薬頻度で、1,480μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、11週間に1回の投薬頻度で、1,500μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、11週間に1回の投薬頻度で、1,600μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、11週間に1回の投薬頻度で、1,700μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、11週間に1回の投薬頻度で、2,000μg/kgの用量で投与される。
【0147】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、12週間に1回の投薬頻度で、60μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、12週間に1回の投薬頻度で、120μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、12週間に1回の投薬頻度で、240μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、12週間に1回の投薬頻度で、480μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、12週間に1回の投薬頻度で、720μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、12週間に1回の投薬頻度で、960μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、12週間に1回の投薬頻度で、1,200μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、12週間に1回の投薬頻度で、1,300μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、12週間に1回の投薬頻度で、1,400μg/kgの用量で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、12週間に1回の投薬頻度で、1,420μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、12週間に1回の投薬頻度で、1,440μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、12週間に1回の投薬頻度で、1,460μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、12週間に1回の投薬頻度で、1,480μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、12週間に1回の投薬頻度で、1,500μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、12週間に1回の投薬頻度で、1,600μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、12週間に1回の投薬頻度で、1,700μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、12週間に1回の投薬頻度で、2,000μg/kgの用量で投与される。
【0148】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、10日に1回の投薬頻度で、60μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、10日に1回の投薬頻度で、120μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、10日に1回の投薬頻度で、240μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、10日に1回の投薬頻度で、480μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、10日に1回の投薬頻度で、720μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、10日に1回の投薬頻度で、960μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、10日に1回の投薬頻度で、1,200μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、10日に1回の投薬頻度で、1,300μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、10日に1回の投薬頻度で、1,400μg/kgの用量で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、10日に1回の投薬頻度で、1,420μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、10日に1回の投薬頻度で、1,440μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、10日に1回の投薬頻度で、1,460μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、10日に1回の投薬頻度で、1,480μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、10日に1回の投薬頻度で、1,500μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、10日に1回の投薬頻度で、1,600μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、10日に1回の投薬頻度で、1,700μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、10日に1回の投薬頻度で、2,000μg/kgの用量で投与される。
【0149】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、20日に1回の投薬頻度で、60μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、20日に1回の投薬頻度で、120μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、20日に1回の投薬頻度で、240μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、20日に1回の投薬頻度で、480μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、20日に1回の投薬頻度で、720μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、20日に1回の投薬頻度で、960μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、20日に1回の投薬頻度で、1,200μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、20日に1回の投薬頻度で、1,300μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、20日に1回の投薬頻度で、1,400μg/kgの用量で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、20日に1回の投薬頻度で、1,420μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、20日に1回の投薬頻度で、1,440μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、20日に1回の投薬頻度で、1,460μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、20日に1回の投薬頻度で、1,480μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、20日に1回の投薬頻度で、1,500μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、20日に1回の投薬頻度で、1,600μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、20日に1回の投薬頻度で、1,700μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、20日に1回の投薬頻度で、2,000μg/kgの用量で投与される。
【0150】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、30日に1回の投薬頻度で、60μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、30日に1回の投薬頻度で、120μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、30日に1回の投薬頻度で、240μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、30日に1回の投薬頻度で、480μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、30日に1回の投薬頻度で、720μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、30日に1回の投薬頻度で、960μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、30日に1回の投薬頻度で、1,200μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、30日に1回の投薬頻度で、1,300μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、30日に1回の投薬頻度で、1,400μg/kgの用量で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、30日に1回の投薬頻度で、1,420μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、30日に1回の投薬頻度で、1,440μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、30日に1回の投薬頻度で、1,460μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、30日に1回の投薬頻度で、1,480μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、30日に1回の投薬頻度で、1,500μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、30日に1回の投薬頻度で、1,600μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、30日に1回の投薬頻度で、1,700μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、30日に1回の投薬頻度で、2,000μg/kgの用量で投与される。
【0151】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、40日に1回の投薬頻度で、60μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、40日に1回の投薬頻度で、120μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、40日に1回の投薬頻度で、240μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、40日に1回の投薬頻度で、480μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、40日に1回の投薬頻度で、720μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、40日に1回の投薬頻度で、960μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、40日に1回の投薬頻度で、1,200μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、40日に1回の投薬頻度で、1,300μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、40日に1回の投薬頻度で、1,400μg/kgの用量で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、40日に1回の投薬頻度で、1,420μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、40日に1回の投薬頻度で、1,440μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、40日に1回の投薬頻度で、1,460μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、40日に1回の投薬頻度で、1,480μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、40日に1回の投薬頻度で、1,500μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、40日に1回の投薬頻度で、1,600μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、40日に1回の投薬頻度で、1,700μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、40日に1回の投薬頻度で、2,000μg/kgの用量で投与される。
【0152】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、50日に1回の投薬頻度で、60μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、50日に1回の投薬頻度で、120μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、50日に1回の投薬頻度で、240μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、50日に1回の投薬頻度で、480μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、50日に1回の投薬頻度で、720μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、50日に1回の投薬頻度で、960μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、50日に1回の投薬頻度で、1,200μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、50日に1回の投薬頻度で、1,300μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、50日に1回の投薬頻度で、1,400μg/kgの用量で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、50日に1回の投薬頻度で、1,420μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、50日に1回の投薬頻度で、1,440μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、50日に1回の投薬頻度で、1,460μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、50日に1回の投薬頻度で、1,480μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、50日に1回の投薬頻度で、1,500μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、50日に1回の投薬頻度で、1,600μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、50日に1回の投薬頻度で、1,700μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、50日に1回の投薬頻度で、2,000μg/kgの用量で投与される。
【0153】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、60日に1回の投薬頻度で、60μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、60日に1回の投薬頻度で、120μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、60日に1回の投薬頻度で、240μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、60日に1回の投薬頻度で、480μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、60日に1回の投薬頻度で、720μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、60日に1回の投薬頻度で、960μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、60日に1回の投薬頻度で、1,200μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、60日に1回の投薬頻度で、1,300μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、60日に1回の投薬頻度で、1,400μg/kgの用量で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、60日に1回の投薬頻度で、1,420μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、60日に1回の投薬頻度で、1,440μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、60日に1回の投薬頻度で、1,460μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、60日に1回の投薬頻度で、1,480μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、60日に1回の投薬頻度で、1,500μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、60日に1回の投薬頻度で、1,600μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、60日に1回の投薬頻度で、1,700μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、60日に1回の投薬頻度で、2,000μg/kgの用量で投与される。
【0154】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、70日に1回の投薬頻度で、60μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、70日に1回の投薬頻度で、120μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、70日に1回の投薬頻度で、240μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、70日に1回の投薬頻度で、480μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、70日に1回の投薬頻度で、720μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、70日に1回の投薬頻度で、960μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、70日に1回の投薬頻度で、1,200μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、70日に1回の投薬頻度で、1,300μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、70日に1回の投薬頻度で、1,400μg/kgの用量で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、70日に1回の投薬頻度で、1,420μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、70日に1回の投薬頻度で、1,440μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、70日に1回の投薬頻度で、1,460μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、70日に1回の投薬頻度で、1,480μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、70日に1回の投薬頻度で、1,500μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、70日に1回の投薬頻度で、1,600μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、70日に1回の投薬頻度で、1,700μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、70日に1回の投薬頻度で、2,000μg/kgの用量で投与される。
【0155】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、80日に1回の投薬頻度で、60μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、80日に1回の投薬頻度で、120μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、80日に1回の投薬頻度で、240μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、80日に1回の投薬頻度で、480μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、80日に1回の投薬頻度で、720μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、80日に1回の投薬頻度で、960μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、80日に1回の投薬頻度で、1,200μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、80日に1回の投薬頻度で、1,300μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、80日に1回の投薬頻度で、1,400μg/kgの用量で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、80日に1回の投薬頻度で、1,420μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、80日に1回の投薬頻度で、1,440μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、80日に1回の投薬頻度で、1,460μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、80日に1回の投薬頻度で、1,480μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、80日に1回の投薬頻度で、1,500μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、80日に1回の投薬頻度で、1,600μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、80日に1回の投薬頻度で、1,700μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、80日に1回の投薬頻度で、2,000μg/kgの用量で投与される。
【0156】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、90日に1回の投薬頻度で、60μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、90日に1回の投薬頻度で、120μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、90日に1回の投薬頻度で、240μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、90日に1回の投薬頻度で、480μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、90日に1回の投薬頻度で、720μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、90日に1回の投薬頻度で、960μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、90日に1回の投薬頻度で、1,200μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、90日に1回の投薬頻度で、1,300μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、90日に1回の投薬頻度で、1,400μg/kgの用量で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、90日に1回の投薬頻度で、1,420μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、90日に1回の投薬頻度で、1,440μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、90日に1回の投薬頻度で、1,460μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、90日に1回の投薬頻度で、1,480μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、90日に1回の投薬頻度で、1,500μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、90日に1回の投薬頻度で、1,600μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、90日に1回の投薬頻度で、1,700μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、90日に1回の投薬頻度で、2,000μg/kgの用量で投与される。
【0157】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、100日に1回の投薬頻度で、60μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、100日に1回の投薬頻度で、120μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、100日に1回の投薬頻度で、240μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、100日に1回の投薬頻度で、480μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、100日に1回の投薬頻度で、720μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、100日に1回の投薬頻度で、960μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、100日に1回の投薬頻度で、1,200μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、100日に1回の投薬頻度で、1,300μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、100日に1回の投薬頻度で、1,400μg/kgの用量で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、100日に1回の投薬頻度で、1,420μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、100日に1回の投薬頻度で、1,440μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、100日に1回の投薬頻度で、1,460μg/kgの用量で投与される。ある特定の態様において、IL-7タンパク質は、100日に1回の投薬頻度で、1,480μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、100日に1回の投薬頻度で、1,500μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、100日に1回の投薬頻度で、1,600μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、100日に1回の投薬頻度で、1,700μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、100日に1回の投薬頻度で、2,000μg/kgの用量で投与される。
【0158】
いくつかの態様において、本開示で有用なヌクレオチドワクチンは、DNAワクチン、mRNAワクチン、またはその両方を含む。ある特定の態様において、ヌクレオチドワクチンはDNAワクチンである。ある特定の態様において、ヌクレオチドワクチンはmRNAワクチンである。
【0159】
いくつかの態様において、IL-7は、対象(例えば、腫瘍を患っているもの)に、タンパク質(IL-7タンパク質)、IL-7タンパク質をコードする核酸、またはその両方として投与される。
【0160】
本明細書に記載されるヌクレオチドワクチン(例えば、腫瘍抗原をコードするもの)及びIL-7は、任意の適切な投与経路によって固形腫瘍を有する対象に投与され得る。いくつかの態様において、ヌクレオチドワクチン及び/またはIL-7は、対象に、補足的投与、筋肉内投与、皮膚投与、皮下投与、点眼、静脈内投与、腹腔内投与、皮内投与、眼窩内投与、脳内投与、頭蓋内投与、脊髄内投与、心室内投与、髄腔内投与、大槽内投与、嚢内投与、または腫瘍内投与される。
【0161】
いくつかの態様において、本明細書で開示される方法(例えば、腫瘍抗原をコードするヌクレオチドワクチンをIL-7と組み合わせて投与すること、ここで、IL-7は、腫瘍特異的T細胞免疫応答のピーク増殖期の後に投与される)は、1以上の追加の治療剤(例えば、抗がん剤及び/または免疫調節剤)と組み合わせて使用され得る。そのような薬剤には、例えば、化学療法薬、小分子薬、または所与のがんに対する免疫応答を刺激する抗体が含まれ得る。いくつかの態様において、本明細書に記載される方法は、標準治療の処置(例えば、手術、放射線、及び化学療法)と組み合わせて使用される。本明細書に記載される方法は、維持療法、例えば、腫瘍の発生または再発を防止することを目的とした療法として使用することもできる。
【0162】
いくつかの態様において、1以上の追加の治療剤は、免疫経路の複数の要素が標的となり得るように、免疫腫瘍学的薬剤を含む。そのような組み合わせの非限定的なものとしては、腫瘍抗原提示を向上させる療法(例えば、樹状細胞ワクチン、GM-CSF分泌細胞ワクチン、CpGオリゴヌクレオチド、イミキモド);例えば、CTLA-4及び/またはPD-1/PD-L1/PD-L2経路の阻害、及び/またはTregもしくは他の免疫抑制細胞(例えば、骨髄系由来サプレッサー細胞)の枯渇もしくは遮断によって、負の免疫制御を阻害する療法;例えば、CD-137、OX-40、及び/またはCD40もしくはGITR経路を刺激する及び/またはT細胞エフェクター機能を刺激するアゴニストにより、正の免疫制御を刺激する療法;抗腫瘍T細胞の発生頻度を全身的に増大させる療法;例えば、CD25のアンタゴニスト(例えば、ダクリズマブ)を使用して、もしくはex vivoの抗CD25ビーズによる枯渇により、腫瘍中のTregなどのTregを枯渇させるもしくは阻害する療法;腫瘍中のサプレッサー骨髄細胞の機能に影響を及ぼす療法;腫瘍細胞の免疫原性を向上させる療法(例えば、アントラサイクリン);遺伝子改変細胞、例えば、キメラ抗原受容体によって改変された細胞(CAR-T療法)を含む、T細胞もしくはNK細胞の養子移入;インドールアミンジオキシゲナーゼ(IDO)、ジオキシゲナーゼ、アルギナーゼ、もしくは一酸化窒素合成酵素などの代謝酵素を阻害する療法;T細胞のアネルギーもしくは消耗を逆転させる/防止する療法;自然免疫活性化及び/または腫瘍部位の炎症を誘発する療法;免疫刺激サイトカインの投与;または免疫抑制サイトカインの遮断が挙げられる。
【0163】
いくつかの態様において、本開示で使用することのできる免疫腫瘍学的薬剤は、免疫チェックポイント阻害剤を含む(すなわち、特定の免疫チェックポイント経路によるシグナル伝達を遮断する)。本願の方法で使用することのできる免疫チェックポイント阻害剤の非限定的な例は、CTLA-4アンタゴニスト(例えば、抗CTLA-4抗体)、PD-1アンタゴニスト(例えば、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体)、TIM-3アンタゴニスト(例えば、抗TIM-3抗体)、またはそれらの組み合わせを含む。
【0164】
いくつかの態様において、免疫腫瘍学的薬剤は、免疫チェックポイント活性化因子を含む(すなわち、特定の免疫チェックポイント経路によるシグナル伝達を促進する)。ある特定の態様において、免疫チェックポイント活性化因子は、OX40アゴニスト(例えば、抗OX40抗体)、LAG-3アゴニスト(例えば抗LAG-3抗体)、4-1BB(CD137)アゴニスト(例えば、抗CD137抗体)、GITRアゴニスト(例えば、抗GITR抗体)、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0165】
III.本開示で有用なIL-7タンパク質
本明細書では、例えば腫瘍(またはがん)を治療するために、ヌクレオチドワクチン(例えば、腫瘍抗原をコードするもの)と組み合わせて使用され得るIL-7タンパク質が開示される。いくつかの態様において、本願の使用に有用なIL-7タンパク質は、IL-7タンパク質が、例えば、IL-7Rに結合することができ、例えば、初期のT細胞の発達を誘導し、T細胞の恒常性を促進するなど、IL-7の1以上の生物学的活性を含む限り、野生型IL-7であっても改変IL-7(すなわち、野生型IL-7タンパク質ではない)(例えば、IL-7バリアント、IL-7機能性断片、IL-7誘導体、またはそれらの任意の組み合わせ、例えば、融合タンパク質、キメラタンパク質など)であってもよい。ElKassar and Gress.J Immunotoxicol.2010 Mar;7(1):1-7を参照されたい。いくつかの態様において、本開示のIL-7タンパク質は、野生型IL-7タンパク質ではない(すなわち、1以上の改変を含む)。そのような改変の非限定的な例は、オリゴペプチド及び/または半減期延長部分を含み得る。全体として参照により本明細書に組み込まれるWO2016/200219を参照されたい。
【0166】
IL-7は、胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)と共通するIL-7Rα(CD127)(Ziegler and Liu,2006)と、IL-2、IL-15、IL-9及びIL-21と共通のγ鎖(CD132)との2つの鎖で構成される、その受容体に結合する。γcがほとんどの造血細胞で発現するのに対し、IL-7Rαはほぼリンパ球細胞だけで発現する。IL-7は、その受容体に結合した後、分化及び生存をそれぞれ担う2つの異なる経路:Jak-Stat(ヤヌスキナーゼ-シグナル伝達性転写因子)及びPI3K/Aktを介してシグナルを伝達する。IL-7シグナル伝達の非存在は、抗IL-7中和モノクローナル抗体(MAb)を投与したマウス;Grabstein et al.,1993)、IL-7-/-マウス(von Freeden-Jeffry et al.,1995)、IL-7Rα-/-マウス(Peschon et al.,1994;Maki et al.,1996)、γc-/-マウス(Malissen et al.,1997)、及びJak3-/-マウス(Park et al.,1995)において観察される胸腺細胞充実性の低減の原因である。IL-7シグナル伝達の非存在下では、マウスにはT細胞、B細胞、及びNK-T細胞がない。IL-7α-/-マウス(Peschon et al.,1994)は、IL-7-/-マウス(von Freeden-Jeffry et al.,1995)と同様だがより重度の表現型を有し、これはIL-7α-/-マウスではTSLPシグナル伝達も抑止されているためと思われる。IL-7は、γδ細胞(Maki et al.,1996)及びNK-T細胞(Boesteanu et al.,1997)の発生に必要である。
【0167】
いくつかの態様において、本開示で有用なIL-7タンパク質は、配列番号1~6のいずれか1つに示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、配列番号1~6の配列に対して約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、または約99%、またはそれ以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0168】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、改変IL-7またはその断片を含み、改変IL-7または断片は、野生型IL-7の1以上の生物学的活性を保持する。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、ヒト、ラット、マウス、サル、ウシ、またはヒツジに由来し得る。
【0169】
いくつかの態様において、ヒトIL-7は、配列番号1によって表されるアミノ酸配列(Genbankアクセッション番号P13232)を有し得、ラットIL-7は、配列番号2によって表されるアミノ酸配列(Genbankアクセッション番号P56478)を有し得、マウスIL-7は、配列番号3によって表されるアミノ酸配列(Genbankアクセッション番号P10168)を有し得、サルIL-7は、配列番号4によって表されるアミノ酸配列(Genbankアクセッション番号NP001279008)を有し得、ウシIL-7は、配列番号5によって表されるアミノ酸配列(Genbankアクセッション番号P26895)を有し得、ヒツジIL-7は、配列番号6によって表されるアミノ酸配列(Genbankアクセッション番号Q28540)を有し得る。
【0170】
いくつかの態様において、本開示で有用なIL-7タンパク質は、IL-7融合タンパク質を含む。ある特定の態様において、IL-7融合タンパク質は、(i)オリゴペプチド及び(i)IL-7またはそのバリアントを含む。いくつかの態様において、オリゴペプチドは、IL-7またはそのバリアントのN末端領域に連結している。
【0171】
いくつかの態様において、本明細書で開示されるオリゴペプチドは、1~10個のアミノ酸からなる。ある特定の態様において、オリゴペプチドは、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、または10個のアミノ酸からなる。いくつかの態様において、オリゴペプチドの1以上のアミノ酸は、メチオニン、グリシン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。ある特定の態様において、オリゴペプチドは、メチオニン(M)、グリシン(G)、メチオニン-メチオニン(MM)、グリシン-グリシン(GG)、メチオニン-グリシン(MG)、グリシン-メチオニン(GM)、メチオニン-メチオニン-メチオニン(MMM)、メチオニン-メチオニン-グリシン(MMG)、メチオニン-グリシン-メチオニン(MGM)、グリシン-メチオニン-メチオニン(GMM)、メチオニン-グリシン-グリシン(MGG)、グリシン-メチオニン-グリシン(GMG)、グリシン-グリシン-メチオニン(GGM)、グリシン-グリシン-グリシン(GGG)、メチオニン-グリシン-グリシン-メチオニン(MGGM)(配列番号41)、メチオニン-メチオニン-グリシン-グリシン(MMGG)(配列番号42)、グリシン-グリシン-メチオニン-メチオニン(GGMM)(配列番号43)、メチオニン-グリシン-メチオニン-グリシン(MGMG)(配列番号44)、グリシン-メチオニン-メチオニン-グリシン(GMMG)(配列番号45)、グリシン-グリシン-グリシン-メチオニン(GGGM)(配列番号46)、メチオニン-グリシン-グリシン-グリシン(MGGG)(配列番号47)、グリシン-メチオニン-グリシン-グリシン(GMGG)(配列番号48)、グリシン-グリシン-メチオニン-グリシン(GGMG)(配列番号49)、グリシン-グリシン-メチオニン-メチオニン-メチオニン(GGMMM)(配列番号50)、グリシン-グリシン-グリシン-メチオニン-メチオニン(GGGMM)(配列番号51)、グリシン-グリシン-グリシン-グリシン-メチオニン(GGGGM)(配列番号52)、メチオニン-グリシン-メチオニン-メチオニン-メチオニン(MGMMM)(配列番号53)、メチオニン-グリシン-グリシン-メチオニン-メチオニン(MGGMM)(配列番号54)、メチオニン-グリシン-グリシン-グリシン-メチオニン(MGGGM)(配列番号55)、メチオニン-メチオニン-グリシン-メチオニン-メチオニン(MMGMM)(配列番号56)、メチオニン-メチオニン-グリシン-グリシン-メチオニン(MMGGM)(配列番号57)、メチオニン-メチオニン-グリシン-グリシン-グリシン(MMGGG)(配列番号58)、メチオニン-メチオニン-メチオニン-グリシン-メチオニン(MMMGM)(配列番号59)、メチオニン-グリシン-メチオニン-グリシン-メチオニン(MGMGM)(配列番号60)、グリシン-メチオニン-グリシン-メチオニン-グリシン(GMGMG)(配列番号61)、グリシン-メチオニン-メチオニン-メチオニン-グリシン(GMMMG)(配列番号62)、グリシン-グリシン-メチオニン-グリシン-メチオニン(GGMGM)(配列番号63)、グリシン-グリシン-メチオニン-メチオニン-グリシン(GGMMG)(配列番号64)、グリシン-メチオニン-メチオニン-グリシン-メチオニン(GMMGM)(配列番号65)、メチオニン-グリシン-メチオニン-メチオニン-グリシン(MGMMG)(配列番号66)、グリシン-メチオニン-グリシン-グリシン-メチオニン(GMGGM)(配列番号67)、メチオニン-メチオニン-グリシン-メチオニン-グリシン(MMGMG)(配列番号68)、グリシン-メチオニン-メチオニン-グリシン-グリシン(GMMGG)(配列番号69)、グリシン-メチオニン-グリシン-グリシン-グリシン(GMGGG)(配列番号70)、グリシン-グリシン-メチオニン-グリシン-グリシン(GGMGG)(配列番号71)、グリシン-グリシン-グリシン-グリシン-グリシン(GGGGG)(配列番号72)、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの態様において、オリゴペプチドは、メチオニン-グリシン-メチオニン(MGM)である。
【0172】
いくつかの態様において、IL-7融合タンパク質は、(i)IL-7またはそのバリアント、及び(ii)半減期延長部分を含む。いくつかの態様において、半減期延長部分は、IL-7またはそのバリアントの半減期を延長する。いくつかの態様において、半減期延長部分は、IL-7またはそのバリアントのC末端領域に連結している。
【0173】
いくつかの態様において、IL-7融合タンパク質は、(i)IL-7(第1のドメイン)、(ii)メチオニン、グリシン、またはそれらの組み合わせからなる1~10個のアミノ酸残基を有するアミノ酸配列、例えば、MGMを含む、第2のドメイン、及び(iii)半減期延長部分を含む第3のドメインを含む。いくつかの態様において、半減期延長部分は、第1のドメインまたは第2のドメインのN末端またはC末端に連結していてもよい。さらに、第1のドメイン及び第2のドメインを含むIL-7は、第3のドメインの両末端に連結していてもよい。
【0174】
半減期延長部分の非限定的な例は、Fc、アルブミン、アルブミン結合性ポリペプチド、Pro/Ala/Ser(PAS)、ヒト絨毛性ゴナドトロピンのβサブユニットのC末端ペプチド(CTP)、ポリエチレングリコール(PEG)、長い構造不定の親水性アミノ酸配列(XTEN)、ヒドロキシエチルデンプン(HES)、アルブミン結合性小分子、及びそれらの組み合わせを含む。
【0175】
いくつかの態様において、半減期延長部分はFcである。ある特定の態様において、Fcは、Fc受容体及び/または補体との結合親和性の改変のために抗体依存性細胞傷害(ADCC)または補体依存性細胞傷害(CDC)が弱まった改変免疫グロブリンに由来する。いくつかの態様において、改変免疫グロブリンは、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、IgA2、IgD、IgE、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。いくつかの態様において、Fcは、ヒンジ領域、CH2ドメイン、及びCH3ドメインを含むハイブリッドFc(「hFc」または「hyFc」)である。ある特定の態様において、本明細書で開示されるハイブリッドFcのヒンジ領域は、ヒトIgDヒンジ領域を含む。ある特定の態様において、ハイブリッドFcのCH2ドメインは、ヒトIgD CH2ドメインの一部及びヒトIgG4 CH2ドメインの一部を含む。ある特定の態様において、ハイブリッドFcのCH3ドメインは、ヒトIgG4 CH3ドメインの一部を含む。したがって、いくつかの態様において、本明細書で開示されるハイブリッドFcは、ヒンジ領域、CH2ドメイン、及びCH3ドメインを含み、ヒンジ領域は、ヒトIgDヒンジ領域を含み、CH2ドメインは、ヒトIgD CH2ドメインの一部及びヒトIgG4 CH2ドメインの一部を含み、CH3ドメインは、ヒトIgG4 CH3ドメインの一部を含む。
【0176】
いくつかの態様において、本明細書で開示されるFcは、Fcバリアントであり得る。本明細書で使用する場合、「Fcバリアント」という用語は、Fc領域の中でアミノ酸の一部を置換することによって、または異なる種類のFc領域を組み合わせることによって調製されたFcを意味する。Fc領域バリアントは、ヒンジ領域で切断されることを防止することができる。具体的には、いくつかの態様では、Fcバリアントは、配列番号9の144番目のアミノ酸及び/または145番目のアミノ酸の改変を含む。ある特定の態様において、144番目のアミノ酸(K)及び/または145番目のアミノ酸(K)は、GまたはSで置換される。
【0177】
いくつかの態様において、本明細書で開示されるFcまたはFcバリアントは、次式:N’-(Z1)p-Y-Z2-Z3-Z4-Cによって表すことができ、式中、
N’は、N末端を含み、
Z1は、配列番号7の90~98位のアミノ酸残基のうち、98位のアミノ酸残基からN末端に向かって5~9個の連続したアミノ酸残基を有するアミノ酸配列を含み、
Yは、配列番号7の99~162位のアミノ酸残基のうち、162位のアミノ酸残基からN末端に向かって5~64個の連続したアミノ酸残基を有するアミノ酸配列を含み、
Z2は、配列番号7の163~199位のアミノ酸残基のうち、163位のアミノ酸残基からC末端に向かって4~37個の連続したアミノ酸残基を有するアミノ酸配列を含み、
Z3は、配列番号8の115~220位のアミノ酸残基のうち、220位のアミノ酸残基からN末端に向かって71~106個の連続したアミノ酸残基を有するアミノ酸配列を含み、
Z4は、配列番号8の221~327位のアミノ酸残基のうち、221位のアミノ酸残基からC末端に向かって80~107個の連続したアミノ酸残基を有するアミノ酸配列を含む。
【0178】
いくつかの態様において、本明細書で開示されるFc領域は、配列番号9(hyFc)、配列番号10(hyFcM1)、配列番号11(hyFcM2)、配列番号12(hyFcM3)、または配列番号13(hyFcM4)のアミノ酸配列を含み得る。いくつかの態様において、Fc領域は、配列番号14(非溶解性マウスFc)のアミノ酸配列を含み得る。
【0179】
本開示で使用することのできるFc領域の他の非限定的な例は、全体として参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,867,491号に記載されている。
【0180】
いくつかの態様において、本明細書で開示されるIL-7融合タンパク質は、オリゴペプチドと半減期延長部分の両方を含む。
【0181】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、アルブミン、そのバリアント、または断片に融合していてもよい。IL-7-アルブミン融合タンパク質の例は、国際出願公開第WO2011/124718号A1で確認することができる。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、場合により可動性リンカーによって、プレプロB細胞増殖刺激因子(PPBSF)に融合している。US2002/0058791A1を参照されたい。いくつかの態様において、本開示で有用なIL-7タンパク質は、特定の三次元構造を有するIL-7コンフォマーである。US2005/0249701 A1を参照されたい。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、Ig鎖に融合していてもよく、ここで、IL-7タンパク質のアミノ酸残基70及び91は、グリコシル化されており、IL-7タンパク質のアミノ酸残基116は、グリコシル化されていない。US7,323,549 B2を参照されたい。いくつかの態様において、潜在的なT細胞エピトープを含まない(したがって抗IL-7 T細胞応答を低減させる)IL-7タンパク質を本開示で使用することもできる。US2006/0141581 A1を参照されたい。いくつかの態様において、カルボキシ末端ヘリックスD領域に1以上のアミノ酸残基変異を有するIL-7タンパク質を本開示で使用することができる。IL-7変異体は、受容体に対する結合親和性が低いにもかかわらず、IL-7R部分アゴニストとして作用し得る。US2005/0054054A1を参照されたい。上記の特許または刊行物に記載されているあらゆるIL-7タンパク質が、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【0182】
加えて、本開示で有用な追加のIL-7タンパク質の非限定的な例は、US7708985、US8034327、US8153114、US7589179、US7323549、US7960514、US8338575、US7118754、US7488482、US7670607、US6730512、WO0017362、GB2434578A、WO2010/020766 A2、WO91/01143、Beq et al.,Blood,vol.114(4),816,23 July 2009、Kang et al.,J.Virol.Doi:10.1128/JVI.02768-15、Martin et al.,Blood,vol.121(22),4484,May 30,2013、McBride et al.,Acta Oncologica,34:3,447-451,July 8,2009、及びXu et al.,Cancer Science,109:279-288,2018に記載されており、これらは全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【0183】
いくつかの態様において、本明細書で開示されるオリゴペプチドは、IL-7またはそのバリアントのN末端領域に直接連結している。いくつかの態様において、オリゴペプチドは、リンカーを介してN末端領域に連結している。いくつかの態様において、本明細書で開示される半減期延長部分は、IL-7またはそのバリアントのC末端領域に直接連結している。ある特定の態様において、半減期延長部分は、リンカーを介してC末端領域に連結している。いくつかの態様において、リンカーはペプチドリンカーである。ある特定の態様において、ペプチドリンカーは、Gly及びSer残基からなる10~20アミノ酸残基のペプチドを含む。いくつかの態様において、リンカーはアルブミンリンカーである。いくつかの態様において、リンカーは化学結合である。ある特定の態様において、化学結合は、ジスルフィド結合、ジアミン結合、スルフィド-アミン結合、カルボキシ-アミン結合、エステル結合、共有結合、またはそれらの組み合わせを含む。リンカーがペプチドリンカーである場合、いくつかの態様では、任意の連結領域で接続が起こり得る。これらは、当該技術分野で知られている架橋剤を使用してカップリングされ得る。いくつかの態様において、架橋剤の例は、1,1-ビス(ジアゾアセチル)-2-フェニルエタン、グルタルアルデヒド、及び4-アジドサリチル酸などのN-ヒドロキシスクシンイミドエステル;3,3’-ジチオビス(スクシンイミジルプロピオン酸)などのジスクシンイミジルエステルを含むイミドエステル、ならびにビス-Nマレイミド-1,8-オクタンなどの二官能性マレイミドを含み得るが、これらに限定されない。
【0184】
いくつかの態様において、本明細書で開示されるIL-7融合タンパク質のIL-7(またはそのバリアント)部分は、配列番号15~20に示されるアミノ酸配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一のアミノ配列を含む。ある特定の態様において、本明細書で開示されるIL-7融合タンパク質のIL-7(またはそのバリアント)部分は、配列番号15~20に示されるアミノ酸配列を含む。
【0185】
いくつかの態様において、IL-7融合タンパク質は、IL-7の活性またはそれと同様の活性を有するポリペプチドを含む第1のドメインと、メチオニン、グリシン、またはそれらの組み合わせからなる1~10個のアミノ酸残基を有するアミノ酸配列を含む第2のドメインと、第1のドメインのC末端にカップリングされた、改変免疫グロブリンのFc領域である第3のドメインとを含む。
【0186】
いくつかの態様において、本願の方法で使用することのできるIL-7融合タンパク質は、配列番号21~25に示されるアミノ酸配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一のアミノ配列を含む。ある特定の態様において、本開示のIL-7融合タンパク質は、配列番号21~25に示されるアミノ酸配列を含む。ある特定の態様において、本明細書で開示されるIL-7融合タンパク質は、配列番号26及び27に示されるアミノ酸配列を含む。
【0187】
いくつかの態様において、本開示で有用なIL-7タンパク質は、対象に投与された場合、対象における絶対リンパ球数を増大させることができる。ある特定の態様において、対象は、本明細書に記載される疾患または障害(例えば、がん)を患っている。いくつかの態様において、対象は、健康な個体である(例えば、本明細書に記載される疾患または障害、例えば、がんを患っていない)。ある特定の態様において、絶対リンパ球数は、参照(例えば、IL-7タンパク質を受けなかった対象における対応するレベル)と比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または約100%、またはそれ以上増大する。
【0188】
IV.ヌクレオチドワクチン、ベクター、宿主細胞
本明細書に記載されるように、いくつかの態様において、本明細書で開示される方法は、ヌクレオチドワクチンをIL-7と組み合わせて対象(例えば、腫瘍を患っているもの)に投与することを含む。いくつかの態様において、ヌクレオチドワクチンは、腫瘍抗原をコードする1以上の異種核酸を含む1以上のベクターを含み得る。いくつかの態様において、ヌクレオチドワクチンは、追加の薬剤、例えば、本明細書で開示されるIL-7タンパク質をコードする1以上の異種核酸を含む1以上のベクターをさらに含み得る。ある特定の態様において、腫瘍抗原及びIL-7タンパク質は、単一のベクターにコードされ得る。いくつかの態様において、腫瘍抗原及びIL-7タンパク質は、別個のベクターにコードされる。
【0189】
当業者には明らかとなるように、本明細書で開示されるヌクレオチドワクチンは、腫瘍(またはがん)の治療において有用であり得る、当技術分野で公知の任意の抗原またはタンパク質をコードし得る。本明細書に記載されるように、いくつかの態様において、ヌクレオチドワクチンは、腫瘍抗原をコードする。腫瘍抗原の非限定的な例は、Lrrc27、Plekho1、Pttg1、Xpo4、Exoc4、Pank3、Tmem101、Map3k6、Met、BC057079、Hist1h3e、Prkag1、Neil3、グアニル酸シクラーゼC(GC-C)、上皮増殖因子受容体(EGFRまたはerbB-1)、ヒト上皮増殖因子受容体2(HER2またはerbB2)、erbB-3、erbB-4、MUC-1、黒色腫関連コンドロイチン硫酸プロテオグリカン(MCSP)、メソテリン(MSLN)、葉酸受容体1(FOLR1)、CD4、CD19、CD20、CD22、CD30、CD33、CD38、CD44、CD44v6、CD44v7/8、CD70、CD123、CD138、CD171、CEA、CSPG4、CXCR5、c-Met、HERV-エンベロープタンパク質、エリオスチン、Bigh3、SPARC、BCR、CD79、CD37、EGFRvIII、EGP2、EGP40、IGFr、L1CAM、AXL、組織因子(TF)、CD74、EpCAM、EphA2、MRP3カドヘリン19(CDH19)、上皮増殖因子2(HER2)、5T4、8H9、αβインテグリン、BCMA、B7-H3、B7-H6、CAIX、CA9、FAP、FBP、胎児AchR、FRcc、GD2、GD3、グリピカン-1(GPC1)、グリピカン-2(GPC2)、グリピカン-3(GPC3)、HLA-A1+MAGE1、HLA-A1+NY-ESO-1、IL-13Rcc2、Lewis-Y、KDR、MCSP、メソテリン、Muc1、Muc16、NCAM、NKG2Dリガンド、NY-ESO-1、PRAME、PSC1、PSCA、PSMA、ROR1、ROR2、SP17、サバイビング、TAG72、TEM、癌胎児抗原、HMW-MAA、VEGF、CLDN18.2、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの態様において、腫瘍抗原は、がんネオ抗原(すなわち、腫瘍組織によって特異的に発現され、正常細胞の表面では発現されない変異型抗原)を含む。そのような抗原の例は、同定方法を含め、当技術分野で公知である。例えば、全体として参照により本明細書に組み込まれるHutchison et al.,Mamm Genome 29(11):714-730(Aug.2018)を参照されたい。
【0190】
いくつかの態様において、本開示のヌクレオチドワクチンは、少なくとも約1、少なくとも約2、少なくとも約3、少なくとも約4、少なくとも約5、少なくとも約6、少なくとも約7、少なくとも約8、少なくとも約9、少なくとも約10、少なくとも約11、少なくとも約12、少なくとも約13、少なくとも約14、少なくとも約15、少なくとも約16、少なくとも約17、少なくとも約18、少なくとも約19、少なくとも約20、少なくとも約21、少なくとも約22、少なくとも約23、少なくとも約24、少なくとも約25、少なくとも約26、少なくとも約27、少なくとも約28、少なくとも約29、少なくとも約30、少なくとも約35、少なくとも約40、少なくとも約45、または少なくとも約50、またはそれ以上の異なる腫瘍抗原をコードする。
【0191】
本明細書に記載されるように、本開示のヌクレオチドワクチンは、DNAワクチン及びmRNAワクチンの両方を含む。DNAワクチンについては、作製方法を含め、例えば、米国特許第7,795,017号B2及び同第5,643,578号Aに記載されており、これらの各々は、全体として参照により本明細書に組み込まれる。mRNAワクチンについては、作製方法を含め、例えば、米国公開第2018/0311336号A1及び同第2020/0085852号A1に記載されており、これらの各々は、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【0192】
当技術分野で公知であるように、多数の要因が抗原遺伝子の発現効率及び/またはヌクレオチドワクチンの免疫原性に影響を与え得る。そのような要因の非限定的な例は、接種の再現性、プラスミドベクターの構築、抗原遺伝子発現を駆動するために使用されるプロモーターの選択、及びプラスミド中の挿入遺伝子の安定性を含む。プロモーターは、それらの起源に応じて、mRNA合成を開始する際の組織特異性及び効率が異なる(Xiang et al.,Virology,209:564-579(1994)、Chapman et al.,Nucle. Acids. Res.,19:3979-3986(1991)、これらは全体として参照により本明細書に組み込まれる)。これまで、哺乳動物系におけるほとんどのDNAワクチンは、サイトメガロウイルス(CMV)に由来するウイルスプロモーターに依存してきた。これらは、いくつかの哺乳動物種における筋肉接種及び皮膚接種の両方において良好な効率を有している。ヌクレオチドワクチンでの免疫によって誘起される免疫応答に影響することが知られている別の要因は、送達方法である。例えば、非経口経路は、遺伝子導入率が低く、遺伝子発現の著しい変動性をもたらす可能性がある(Montgomery et al.,DNA Cell Bio.,12:777-783(1993))。遺伝子銃を使用したプラスミド(例えば、DNAプラスミド)の高速接種は、マウスにおける免疫応答を向上させることが示されており(Fynan et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.,90:11478-11482(1993)、Eisenbraun et al.,DNA Cell Biol.,12:791-797(1993)、これらは全体として参照により本明細書に組み込まれる)、これはおそらく、DNAトランスフェクションのより高い効率及び樹状細胞によるより効果的な抗原提示によるものである。本開示のヌクレオチドワクチンを含むベクターは、当技術分野で公知の他の方法、例えば、トランスフェクション、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、形質導入、細胞融合、DEAEデキストラン、リン酸カルシウム沈殿、リポフェクション(リソソーム融合)、またはDNAベクタートランスポーター(例えば、各々が全体として参照により本明細書に組み込まれる、Wu et al.,J.Biol.Chem.267:963-967(1992)、Wu and Wu,J.Biol.Chem.263:14621-14624(1988)、Hartmut et al.,米国特許第5,792,645号Aを参照されたい)によって、所望の宿主に導入することもできる。
【0193】
いくつかの態様において、本開示のヌクレオチドワクチンを構築するのに使用される1以上のベクターは、発現ベクター、ウイルスベクター、プラスミドベクター、またはそれらの組み合わせを含む。
【0194】
いくつかの態様において、ベクターは、発現ベクターである。本明細書で使用する場合、「発現ベクター」とは、適切な宿主細胞に導入したときに、挿入されるコード配列の転写及び翻訳のために必要な要素、またはRNAウイルスベクターの場合には、複製及び翻訳に必要な要素を含む、任意の核酸構築物を意味する。発現ベクターは、プラスミド、ファージミド、ウイルス、及びそれらの誘導体を含み得る。発現ベクターが細胞内に入ると、遺伝子によってコードされるタンパク質が、細胞の転写及び翻訳機構であるリボソーム複合体によって産生され得る。いくつかの態様において、プラスミドを、エンハンサー及びプロモーター領域として作用する制御性配列を含むように操作し、発現ベクターに搭載された遺伝子の効率的な転写をもたらすことができる。
【0195】
いくつかの態様において、本明細書に記載されるヌクレオチドワクチンは、環状プラスミドまたは線状核酸を含み得る。いくつかの態様において、環状プラスミド及び線状核酸は、適切な対象細胞における特定の異種ヌクレオチド配列(例えば、本明細書に記載される腫瘍抗原及び/またはIL-7タンパク質をコードするもの)の発現を指示することが可能である。いくつかの態様において、ベクターは、終結シグナルに作動可能に連結していてもよい、ヌクレオチド配列(例えば、本明細書に記載される腫瘍抗原及び/またはIL-7タンパク質をコードするもの)に作動可能に連結したプロモーターを有し得る。ある特定の態様において、ベクターは、ヌクレオチド配列(例えば、本明細書に記載される腫瘍抗原及び/またはIL-7タンパク質をコードするもの)の適切な翻訳に必要な配列を含んでいてもよい。いくつかの態様において、目的のヌクレオチド配列(例えば、本明細書に記載される腫瘍抗原及び/またはIL-7タンパク質をコードするもの)を含むベクターは、キメラであってもよく、これはすなわち、その成分のうちの少なくとも1つが、その他の成分のうちの少なくとも1つに対して異種であることを意味する。いくつかの態様において、発現カセットにおけるヌクレオチド配列(例えば、本明細書に記載される腫瘍抗原及び/またはIL-7タンパク質をコードするもの)の発現は、構成的プロモーター、または宿主細胞が何らかの特定の外的刺激に曝露されたときにのみ転写を開始する誘導性プロモーターの制御下にあってもよい。多細胞生物の場合、プロモーターは、特定の組織もしくは器官または発達段階に特異的であってもよい。
【0196】
いくつかの態様において、ヌクレオチドワクチンは環状プラスミドを含み、環状プラスミドは、細胞ゲノムへの取り込みによって標的細胞を形質転換することができるか、または染色体外に存在し得る(例えば、複製起点を有する自己複製プラスミド)。そのような態様では、ベクターは、pVAX、pcDNA3.0、provax、または異種核酸(例えば、本明細書に記載される腫瘍抗原及び/またはIL-7タンパク質をコードするもの)を発現すること、及び細胞が配列を翻訳して免疫系によって認識されるようにすることが可能な任意の他の発現ベクターであり得る。
【0197】
いくつかの態様において、ヌクレオチドワクチンには、対象に効率的に送達され、1以上の所望のタンパク質(例えば、本明細書で開示される腫瘍抗原及び/またはIL-7タンパク質)を発現することが可能である、線状核酸(例えば、本明細書に記載される腫瘍抗原及び/またはIL-7タンパク質をコードするもの)が含まれる。ある特定の態様において、線状核酸は、プロモーター、イントロン、終止コドン、及び/またはポリアデニル化シグナルを含み得、これらは、所望のタンパク質(例えば、本明細書で開示される腫瘍抗原及び/またはIL-7タンパク質)の発現を制御するのに役立つ。ある特定の態様において、線状核酸は、いずれの抗生物質耐性遺伝子及び/またはリン酸骨格も含まない。いくつかの態様において、線状核酸は、所望のタンパク質(例えば、本明細書で開示される腫瘍抗原及び/またはIL-7タンパク質)の発現に関係のない他の核酸配列を含まない。
【0198】
いくつかの態様において、線状核酸(例えば、本明細書で開示される腫瘍抗原及び/またはIL-7タンパク質)は、線状化が可能な任意のプラスミドに由来し得る。使用できるプラスミドの非限定的な例は、pNP(Puerto Rico/34)、pM2(New Caledonia/99)、WLV009、pVAX、pcDNA3.0、provax、またはそれらの組み合わせを含む。
【0199】
本明細書に記載されるように、いくつかの態様において、本開示のヌクレオチドワクチンを構築するために有用なベクターは、プロモーターを含み得る。いくつかの態様において、プロモーターは、遺伝子発現を駆動すること、及び核酸(例えば、本明細書で開示される腫瘍抗原及び/またはIL-7タンパク質をコードするもの)の発現を制御することが可能である、任意のプロモーターであり得る。ある特定の態様において、プロモーターは、DNA依存性RNAポリメラーゼによる転写に必要なシス作用性配列エレメントである。異種核酸(例えば、本明細書で開示される腫瘍抗原及び/またはIL-7タンパク質をコードするもの)の発現を指示するために使用されるプロモーターの選択は、特定の用途に依存し得る。いくつかの態様において、プロモーターは、CMVプロモーター、SV40初期プロモーター、SV40後期プロモーター、メタロチオネインプロモーター、マウス乳房腫瘍ウイルスプロモーター、ラウス肉腫ウイルスプロモーター、ポリヘドリンプロモーター、または真核細胞における発現に効果的であることが示されている別のプロモーターでもよい。本開示で有用なプロモーターの非限定的な例は、全体として参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,557,200号B2に記載されている。
【0200】
いくつかの態様において、本開示で使用することができるベクターは、エンハンサーと、機能的なスプライスドナー及びアクセプター部位を含むイントロンとを含む。ある特定の態様において、ベクターは、効率的な終結を行うために、構造遺伝子の下流に転写終結領域を含んでもよい。終結領域は、プロモーター配列と同じ遺伝子から得られてもよく、または異なる遺伝子から得られてもよい。
【0201】
いくつかの態様において、ベクターは、ウイルスベクターである。本明細書で使用する場合、ウイルスベクターは、限定するものではないが、次のウイルス:モロニーマウス白血病ウイルス、ハーベイマウス肉腫ウイルス、マウス乳房腫瘍ウイルス、及びラウス肉腫ウイルスなどのレトロウイルス;レンチウイルス;アデノウイルス;アデノ随伴ウイルス;SV40型ウイルス;ポリオーマウイルス;エプスタイン・バーウイルス;パピローマウイルス;ヘルペスウイルス;ワクシニアウイルス;ポリオウイルス;ならびにレトロウイルスなどのRNAウイルスに由来する核酸配列を含む。当該技術分野で周知の他のベクターも容易に用いることができる。ある特定のウイルスベクターは、非必須遺伝子が目的の遺伝子に置き換えられている非細胞変性真核生物ウイルスに基づく。非細胞変性ウイルスにはレトロウイルスが含まれ、レトロウイルスのライフサイクルは、ゲノムウイルスRNAのDNAへの逆転写を含み、その後、宿主細胞DNAにプロウイルスが組込まれる。
【0202】
いくつかの態様において、ベクターはアデノ随伴ウイルスに由来する。いくつかの態様において、ベクターはレンチウイルスに由来する。レンチウイルスベクターの例は、WO9931251、WO9712622、WO9817815、WO9817816、及びWO9818934に開示されており、これらは各々、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【0203】
本開示には、本明細書で開示される治療剤(例えば、IL-7タンパク質)を作製する方法も包含される。いくつかの態様において、そのような方法は、治療剤をコードする核酸分子、例えば、配列番号29~39を含む細胞において、治療剤(例えば、IL-7タンパク質)を発現させることを含み得る。本明細書で開示されるIL-7タンパク質を作製する方法に関する追加の詳細は、例えば、全体として参照により本明細書に組み込まれる米国公開第2018/0273596号A1に提供されている。これらのヌクレオチド配列を含む宿主細胞は本明細書に包含されている。使用することのできる宿主細胞の非限定的な例には、不死ハイブリドーマ細胞、NS/0骨髄腫細胞、293細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、HeLa細胞、ヒト羊水由来細胞(CapT細胞)、COS細胞、またはそれらの組み合わせが含まれる。
【0204】
V.医薬組成物
本明細書では、生理学的に許容できる担体、賦形剤、または安定剤(Remington’s Pharmaceutical Sciences(1990)Mack Publishing Co.,Easton,PA)において所望の純度を有する1以上の治療剤(例えば、ヌクレオチドワクチン及び/またはIL-7)を含む組成物がさらに提供される。いくつかの態様において、本明細書で開示される組成物は、腫瘍抗原をコードする1以上のヌクレオチドワクチンを含む。いくつかの態様において、本明細書で開示される組成物は、IL-7(例えば、本明細書で開示されるもの)を含む。本明細書で開示されるように、そのような組成物は、組み合わせ(例えば、ヌクレオチドワクチンを含む第1の組成物及びIL-7を含む第2の組成物)で使用することができる。これらの態様のいくつかにおいて、IL-7を含む組成物は、ヌクレオチドワクチンを含む組成物を投与した後(例えば、腫瘍特異的T細胞免疫応答のピーク増殖期の後)に投与される。ある特定の態様において、組成物は、(i)腫瘍抗原をコードするヌクレオチドワクチンと、(ii)IL-7との両方を含む。
【0205】
許容できる担体、賦形剤、または安定剤は、用いられる投与量及び濃度でレシピエントに対して無毒であり、リン酸、クエン酸、及び他の有機酸などのバッファー;アスコルビン酸及びメチオニンを含む抗酸化剤;防腐剤(オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド;ヘキサメトニウムクロリド;ベンザルコニウムクロリド、ベンゼトニウムクロリド;フェノールアルコール、ブチルアルコール、もしくはベンジルアルコール;メチルパラベンもしくはプロピルパラベンなどのアルキルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3-ペンタノール;及びm-クレゾールなど);低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン、もしくは免疫グロブリンなどのタンパク質;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、もしくはリジンなどのアミノ酸;単糖、二糖、及び他の炭水化物、例えばグルコース、マンノース、もしくはデキストリン;EDTAなどのキレート剤;スクロース、マンニトール、トレハロースもしくはソルビトールなどの糖;ナトリウムなどの塩形成対イオン;金属錯体(例えば、Zn-タンパク質錯体);及び/または非イオン性界面活性剤、例えばTWEEN(登録商標)、PLURONICS(登録商標)もしくはポリエチレングリコール(PEG)を含む。
【0206】
いくつかの態様において、本明細書で開示される組成物は、増量剤、安定化剤、界面活性剤、緩衝剤、またはそれらの組み合わせから選択される1以上の追加の成分を含む。
【0207】
本開示で有用な緩衝剤は、別の酸または塩基の添加後に溶液の酸性(pH)を選択した値付近に維持するために使用される、弱酸または弱塩基であり得る。好適な緩衝剤は、組成物のpHコントロールを維持することにより、医薬組成物の安定性を最大化することができる。好適な緩衝剤はまた、生理学的適合性を確実にするか、または溶解度を最適化することができる。レオロジー、粘性、及び他の特性も、組成物のpHに依存し得る。一般的な緩衝剤は、Trisバッファー、Tris-Clバッファー、ヒスチジンバッファー、TAEバッファー、HEPESバッファー、TBEバッファー、リン酸ナトリウムバッファー、MESバッファー、硫酸アンモニウムバッファー、リン酸カリウムバッファー、チオシアン酸カリウムバッファー、コハク酸バッファー、酒石酸バッファー、DIPSOバッファー、HEPPSOバッファー、POPSOバッファー、PIPESバッファー、PBSバッファー、MOPSバッファー、酢酸バッファー、リン酸バッファー、カコジル酸バッファー、グリシンバッファー、硫酸バッファー、イミダゾールバッファー、塩酸グアニジンバッファー、リン酸-クエン酸バッファー、ホウ酸バッファー、マロン酸バッファー、3-ピコリンバッファー、2-ピコリンバッファー、4-ピコリンバッファー、3,5-ルチジンバッファー、3,4-ルチジンバッファー、2,4-ルチジンバッファー、Aces、マロン酸ジエチルバッファー、N-メチルイミダゾールバッファー、1,2-ジメチルイミダゾールバッファー、TAPSバッファー、bis-Trisバッファー、L-アルギニンバッファー、乳酸バッファー、グリコール酸バッファー、またはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0208】
いくつかの態様において、本明細書で開示される組成物は、増量剤をさらに含む。増量剤は、生成物に体積及び質量を加えることで、その正確な計量及び取り扱いを容易にするために、医薬品に添加され得る。本開示で使用することのできる増量剤は、塩化ナトリウム(NaCl)、マンニトール、グリシン、アラニン、またはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0209】
いくつかの態様において、本明細書で開示される組成物は、安定化剤を含んでもよい。本開示で使用することのできる安定化剤の非限定的な例には、スクロース、トレハロース、ラフィノース、アルギニン、またはそれらの組み合わせが含まれる。
【0210】
いくつかの態様において、本明細書で開示される組成物は、界面活性剤を含む。ある特定の態様において、界面活性剤は、アルキルエトキシレート、ノニルフェノールエトキシレート、アミンエトキシレート、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、セチルアルコールもしくはオレイルアルコールなどの脂肪アルコール、コカミドMEA、コカミドDEA、ポリソルベート、ドデシルジメチルアミンオキシド、またはそれらの組み合わせから選択され得る。いくつかの態様において、界面活性剤は、ポリソルベート20またはポリソルベート80である。
【0211】
いくつかの態様において、ヌクレオチドワクチンを含む組成物は、IL-7を含む組成物を配合するために使用されるものと同じ配合を使用して配合され得る。いくつかの態様において、ヌクレオチドワクチン及びIL-7は、異なる配合を使用して配合される。
【0212】
いくつかの態様において、本明細書で開示されるIL-7は、(a)基礎バッファー、(b)糖、及び(c)界面活性剤を含む組成物に配合される。ある特定の態様において、基礎バッファーは、ヒスチジン-酢酸またはクエン酸ナトリウムを含む。いくつかの態様において、基礎バッファーは、約10~約50nMの濃度である。いくつかの態様において、糖は、スクロース、トレハロース、デキストロース、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの態様において、糖は、約2.5~約5.0w/v%の濃度で存在する。ある特定の態様において、界面活性剤は、ポリソルベート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ステアリン酸ポリオキシエチレン、アルキル硫酸塩、ポリビニルピロリドン、ポロクサマー、またはそれらの組み合わせから選択される。いくつかの態様において、界面活性剤は、約0.05%~約6.0w/v%の濃度である。
【0213】
いくつかの態様において、本明細書で開示される組成物(例えば、ヌクレオチドワクチン及び/またはIL-7を含むもの)は、アミノ酸をさらに含む。ある特定の態様において、アミノ酸は、アルギニン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、またはそれらの組み合わせから選択される。ある特定の態様において、組成物は、糖アルコールをさらに含む。糖アルコールの非限定的な例としては、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、マンニトール、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0214】
いくつかの態様において、本明細書で開示されるIL-7は、(a)クエン酸ナトリウム(例えば、約20mM)、(b)スクロース(例えば、約5%)、(c)ソルビトール(例えば、約1.5%)、及び(d)Tween(登録商標)80(例えば、約0.05%)を含む組成物に配合される。
【0215】
いくつかの態様において、IL-7は、全体として本明細書に組み込まれる米国公開第2018/0327472号A1に記載されているように配合される。
【0216】
本明細書で開示される医薬組成物は、対象に対するあらゆる投与経路用に配合され得る。投与経路の特定例としては、筋肉内、皮膚、皮下、点眼、静脈内、腹腔内、皮内、眼窩内、脳内、頭蓋内、脊髄内、心室内、髄腔内、大槽内、嚢内、または腫瘍内が挙げられる。例えば皮膚、皮下、筋肉内、または静脈内の注射を特徴とする非経口投与も、本明細書では想定される。いくつかの態様において、ヌクレオチドワクチン及びIL-7は、同じ投与経路を使用して投与される。いくつかの態様において、ヌクレオチドワクチン及びIL-7は、異なる投与経路を使用して投与される。
【0217】
注射物は、液体の溶液もしくは懸濁液、注射前に液体中の溶液もしくは懸濁液に好適な固体形態、またはエマルジョンのいずれかとして、従来の形態で調製され得る。注射物、溶液、及びエマルジョンはまた、1以上の賦形剤を含む。好適な賦形剤は、例えば、水、食塩水、デキストロース、グリセロール、またはエタノールである。さらに、所望の場合、投与される医薬組成物は、微量の非毒性補助物質、例えば、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤、安定剤、溶解度向上剤、及び他のかかる薬剤、例えば、酢酸ナトリウム、モノラウリン酸ソルビタン、オレイン酸トリエタノールアミン、及びシクロデキストリンなどを含んでもよい。
【0218】
非経口調製物で使用される薬学的に許容できる担体には、水性ビヒクル、非水性ビヒクル、抗微生物剤、等張剤、バッファー、抗酸化剤、局所麻酔剤、懸濁剤及び分散剤、乳化剤、封鎖剤またはキレート剤、ならびに他の薬学的に許容できる物質が含まれる。水性ビヒクルの例には、塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、等張デキストロース注射液、滅菌水注射液、デキストロース、及び乳酸加リンゲル注射液が含まれる。非水性非経口ビヒクルとしては、植物由来の不揮発性油、綿実油、トウモロコシ油、ゴマ油、及びピーナッツ油が挙げられる。フェノールまたはクレゾール、水銀剤、ベンジルアルコール、クロロブタノール、メチル及びプロピルp-ヒドロキシ安息香酸エステル、チメロサール、ベンザルコニウムクロリド、及びベンゼトニウムクロリドを含む複数用量容器に包装される非経口調製物に、静菌性または静真菌性の濃度の抗微生物剤を加えてもよい。等張剤は、塩化ナトリウム及びデキストロースを含む。バッファーは、リン酸塩及びクエン酸塩を含む。抗酸化剤は、重硫酸ナトリウムを含む。局所麻酔剤は、塩酸プロカインを含む。懸濁剤及び分散剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びポリビニルピロリドンを含む。乳化剤は、ポリソルベート80(TWEEN(登録商標)80)を含む。金属イオンの封鎖剤またはキレート剤は、EDTAを含む。薬学的担体は、水混和性ビヒクル用のエチルアルコール、ポリエチレングリコール、及びプロピレングリコール、ならびにpH調整用の水酸化ナトリウム、塩酸、クエン酸、または乳酸も含む。
【0219】
非経口投与用の調製物は、そのまま注射できる無菌溶液、使用直前に溶媒と組み合わされる無菌の乾燥した可溶性製品、例えば凍結乾燥粉末を含み、皮下錠剤、そのまま注射できる無菌懸濁液、使用直前にビヒクルと組み合わされる無菌の乾燥した不溶性製品、及び無菌エマルジョンを含む。溶液は、水性または非水性のいずれであってもよい。
【0220】
静脈内投与される場合、好適な担体には、生理食塩水またはリン酸緩衝食塩水(PBS)、ならびに増粘剤及び可溶化剤(グルコース、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコール、ならびにこれらの混合物など)を含む溶液が含まれる。
【0221】
抗体を含む局部混合物は、局所及び全身投与について記載されるように調製される。結果として得られる混合物は、溶液、懸濁液、エマルジョンなどであり得、クリーム、ゲル、軟膏、エマルジョン、溶液、エリキシル剤、ローション、懸濁液、チンキ剤、ペースト、発泡剤、エアロゾル、灌注剤、スプレー、坐薬、包帯、皮膚パッチ、または局部投与に好適な任意の他の配合物として配合され得る。
【0222】
本明細書に記載される治療剤は、吸入などによる局部適用のためのエアロゾルとして配合され得る(例えば、炎症性疾患、特に喘息の治療に有用なステロイドの送達のためのエアロゾルについて説明する、米国特許第4,044,126号、同第4,414,209号、及び同第4,364,923号を参照されたい)。気道に投与するためのこれらの配合物は、単独で、またはラクトースなどの不活性担体と組み合わせて、ネブライザー用のエアロゾルまたは溶液の形態であってもよく、吹送用の超微粒粉末であってもよい。そのような場合、配合物の粒子は、約50ミクロン未満、例えば約10ミクロン未満の直径を有し得る。
【0223】
本明細書で開示される治療剤は、局所または局部適用、例えば、皮膚及び粘膜、例えば、眼への局部適用のために、ゲル、クリーム、及びローションの形態で、かつ眼への適用、または嚢内もしくは髄腔内適用のために配合され得る。局部投与は、経皮送達のため、また、眼もしくは粘膜への投与、または吸入療法のために想定される。抗体単独の、または他の薬学的に許容できる賦形剤と組み合わせた点鼻液を投与することもできる。
【0224】
イオン泳動デバイス及び電気泳動デバイスを含む経皮パッチは、当業者に周知であり、治療剤(例えば、本明細書で開示されるもの)を投与するために使用することができる。例えば、そのようなパッチは、米国特許第6,267,983号、同第6,261,595号、同第6,256,533号、同第6,167,301号、同第6,024,975号、同第6,010715号、同第5,985,317号、同第5,983,134号、同第5,948,433号、及び同第5,860,957号で開示されており、これらの各々は、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【0225】
ある特定の態様において、本明細書に記載される治療剤を含む医薬組成物は、凍結乾燥粉末であり、溶液、エマルジョン、及び他の混合物として投与するために再構成することができる。固体またはゲルとして再構成及び配合することもできる。凍結乾燥粉末は、本明細書に記載される抗体またはその抗原結合性部分、またはその薬学的に許容できる誘導体を、好適な溶媒に溶解することによって調製される。いくつかの態様において、凍結乾燥粉末は無菌である。溶媒は、粉末または粉末から調製される再構成溶液の安定性または他の薬理学的成分を改善する賦形剤を含み得る。使用することのできる賦形剤は、デキストロース、ソルビトール、フルクトース、コーンシロップ、キシリトール、グリセリン、グルコース、スクロース、または他の好適な薬剤を含むが、これらに限定されない。溶媒は、バッファー、例えば、クエン酸、リン酸ナトリウムもしくはリン酸カリウム、または当業者に知られている他のかかるバッファーを、いくつかの実施形態では、ほぼ中性のpHで含んでもよい。その後、当業者に知られている標準的な条件下で溶液を滅菌濾過し、続いて凍結乾燥することにより、所望の配合物がもたらされる。いくつかの態様において、結果として得られる溶液は、凍結乾燥用のバイアルに分配され得る。各バイアルは、単一投与量または複数投与量の化合物を含み得る。凍結乾燥粉末は、約4℃~室温などの適切な条件下で保管され得る。
【0226】
この凍結乾燥粉末を注射用水で再構成すると、非経口投与に使用するための配合物がもたらされる。再構成のためには、凍結乾燥粉末を滅菌水または他の好適な担体に加える。正確な量は、選択される化合物によって異なる。かかる量は経験的に決定され得る。
【0227】
本明細書で提供される組成物は、特定の組織、受容体、または治療される対象の身体の他の領域を標的化するように配合することもできる。そのような標的化方法の多くが当業者に周知である。本明細書では、そのような標的化方法のすべてが本発明の組成物で使用されることが想定される。標的化方法の非限定的な例については、例えば、各々が全体として参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,316,652号、同第6,274,552号、同第6,271,359号、同第6,253,872号、同第6,139,865号、同第6,131,570号、同第6,120,751号、同第6,071,495号、同第6,060,082号、同第6,048,736号、同第6,039,975号、同第6,004,534号、同第5,985,307号、同第5,972,366号、同第5,900,252号、同第5,840,674号、同第5,759,542号、及び同第5,709,874号を参照されたい。
【0228】
in vivo投与に使用される組成物は、滅菌されていてもよい。これは、例えば、滅菌濾過膜による濾過によって容易に行われる。
【0229】
以下の実施例は単なる例示であり、本開示を読めば当業者には多くの変形及び均等物が明らかになるので、断じて本開示の範囲を限定するものと解釈されてはならない。
【実施例
【0230】
実施例1:IL-7及びヌクレオチドワクチンの併用療法の投与スケジュールの分析
腫瘍(またはがん)の治療におけるヌクレオチドワクチンの効力に対するIL-7投与の効果の評価を開始するために、エストロゲン受容体陽性マウス乳癌からの1以上のネオ抗原エピトープをコードするDNAワクチンを構築した。簡潔に述べると、次のエピトープ:Lrrc27、Plekho1、Pttg1、Xpo4、Exoc4、Pank3、Tmem101、Map3k6、Met、BC057079、Hist1h3e、Prkag1、及びNeil3のうちの1以上をコードする核酸を、単一のpcDNA3.1(+)骨格に挿入した。全体として参照により本明細書に組み込まれるHundal et al.,Genome Med 8(1):11(Jan.2016)を参照されたい。
【0231】
次いで、ナイーブC57BL6マウスを、3日に1回の投薬頻度で合計3用量(4μg/用量)のDNAワクチン構築物で免疫した。図1Aを参照されたい。遺伝子銃を使用して、DNAワクチンをマウスの皮膚に投与した。一部の動物には、初回DNAワクチン投与後4日目または13日目のいずれかで単回用量のIL-7(10mg/kg)を与えた。異なる処置群は次のとおりであった:(i)対照ベクターのみ(G1)、(ii)DNAワクチンのみ(G2)、(iii)DNAワクチン+初回DNAワクチン投与後4日目にIL-7投与(G3)、及び(iv)DNAワクチン+初回DNAワクチン投与後13日目にIL-7投与(G4)。初回DNAワクチン投与後11日目、20日目、及び29日目に各処置群の動物の一部を屠殺し、IFN-γ ELISPOTアッセイを使用して脾臓における腫瘍特異的T細胞免疫応答を評価した。
【0232】
図1Cに示すように、DNAワクチン単独で処置した動物(G2)と比較して、初回DNAワクチン投与後4日目のIL-7の投与(G3)(すなわち、腫瘍特異的T細胞免疫応答の増殖期)は、脾臓内の腫瘍特異的T細胞(すなわち、Lrrc27、Plekho1、またはPttg1エピトープに特異的)の頻度における顕著な増大をもたらさなかった。しかしながら、図1Bに示すように、DNAワクチンと組み合わせたIL-7で処置した動物は脾腫を呈し、脾細胞の総数が増加した。したがって、増殖期中にIL-7で処置した動物の脾臓における腫瘍特異的T細胞の総数は、DNAワクチン単独を与えた動物と比較して高かった(図1D参照)。しかしながら、初回DNAワクチン投与後20日目には、DNAワクチン単独で処置した動物と比較して、腫瘍特異的T細胞免疫応答に(頻度及び総数の両方において)有意差はなかった(図1E及び1FのG2及びG3を比較されたい)。
【0233】
腫瘍特異的T細胞免疫応答の収縮期中(すなわち、初回DNAワクチン投与後13日目)にIL-7で処置した動物では、脾臓内の腫瘍特異的T細胞の頻度と総数との両方が、他の処置群と比較して著しく増大した(それぞれ、図1E及び1Fを参照されたい)。
【0234】
上記の結果は、T細胞収縮中のIL-7の投与が腫瘍特異的T細胞免疫応答を延長できることを示しており、これは腫瘍(またはがん)の治療において有用であり得る。
【0235】
実施例2:IL-7及びヌクレオチドワクチンの併用療法の効力に対するIL-7の投与量の効果の分析
本明細書で開示されるヌクレオチドワクチンと組み合わせて投与する場合のIL-7の最適投与量を特定するために、実施例1に記載したようにDNAワクチン構築物でナイーブC57BL6マウスを免疫した(図2A参照)。次いで、初回DNAワクチン投与後13日目(すなわち、収縮期中)に、単回用量のIL-7を次の用量:5、10、または15mg/kgのうちの1つで動物に投与した。異なる処置群は次のとおりであった:(i)対照ベクターのみ(G1)、(ii)DNAワクチンのみ(G2)、(iii)DNAワクチン+5mg/kgのIL-7(G3)、(iv)DNAワクチン+10mg/kgのIL-7(G4)、及び(v)DNAワクチン+15mg/kgのIL-7(G5)。初回DNAワクチン投与後20日目に動物を屠殺し、IFN-γ ELISPOTアッセイを使用して脾臓及びリンパ節における腫瘍特異的T細胞免疫応答を評価した。
【0236】
図2Bに示すように、先のデータ(実施例1参照)と一致して、収縮期中に10mg/kgのIL-7で処置した動物では、脾臓内の腫瘍特異的T細胞(すなわち、Lrrc27、Plekho1、またはPttg1エピトープに特異的)の頻度が、DNAワクチン単独で処置した動物と比較して高かった。収縮期中に他の投与量のIL-7(すなわち、5mg/kgまたは15mg/kg)で処置した動物でも、DNAワクチン単独群と比較して腫瘍特異的T細胞の頻度が高かった。この差は統計的に有意であるようには思われなかったが、脾臓内の腫瘍特異的T細胞の頻度は、5mg/kgのIL-7で処置した動物においてわずかに高いように思われた。同様の結果がリンパ節で観察された(図2C参照)。
【0237】
上記のデータは、DNAワクチン投与後のT細胞免疫応答の収縮期におけるIL-7投与の治療効果をさらに示している。これらの結果は、IL-7を約5mg/kg~約15mg/kgの用量で投与できることをさらに提示している。
【0238】
実施例3:ヌクレオチドワクチン及びIL-7の併用療法の抗腫瘍効果の分析
本明細書で開示されるDNAワクチン及びIL-7の併用療法の能力を評価するために、同系の乳癌動物モデル(E0771)を使用した。簡潔に述べると、実施例1及び2に記載したようにDNAワクチン構築物で動物を免疫した(図3A参照)。初回DNAワクチン投与後8日目に、動物の皮下にE0771腫瘍細胞(5×10細胞/マウス)を移植した。次いで、初回DNAワクチン投与後13日目に、一部の動物にIL-7(5mg/kg)の単回投与を行った。処置群は次のとおりであった:(i)対照ベクター単独(G1)、(ii)DNAワクチン単独(G2)、及び(iii)DNAワクチン+初回DNAワクチン投与後13日目にIL-7(5mg/kg)。次いで、動物の腫瘍体積を定期的に測定した。
【0239】
図3Bに示すように、対照動物(すなわち、G1)と比較すると、DNAワクチン単独を与えた動物は、実験終了時(すなわち、初回DNAワクチン投与後28日目)までにわずかに低下した腫瘍体積を有していた。収縮期中にIL-7をさらに与えた動物では、腫瘍体積がさらにいっそう低減した。
【0240】
これらの結果は、本明細書で開示される併用療法(すなわち、ヌクレオチドワクチンをIL-7と組み合わせて投与すること、ここで、IL-7は、腫瘍特異的T細胞免疫応答のピーク増殖期の後に投与される)が、腫瘍(またはがん)の治療において有用であり得ることを示している。
【0241】
実施例4:ヌクレオチドワクチン投与後に誘導されるメモリーT細胞に対するIL-7投与の効果の分析
ネオ抗原特異的メモリーT細胞応答に対する、本明細書で開示されるDNAワクチン及びIL-7の併用療法の効果を評価するために、オボアルブミン(OVA)動物モデルを使用する。オボアルブミンはモデル抗原であり、DNAベースのOVAワクチンによるワクチン接種が検出可能なメモリー応答を誘導することが十分に実証されている。動物には、次の処置のうちの1つを与える:(i)無処置、(ii)DNAベースのOVAワクチン単独、(iii)腫瘍抗原をコードするDNAワクチン(例えば、実施例1に記載したものなど)単独、(iv)腫瘍抗原をコードするDNAワクチン+IL-7。いくつかの態様において、腫瘍特異的T細胞免疫応答の収縮期中(例えば、初回DNAワクチン投与後13日目)に、IL-7を5mg/kgの単回用量で動物に投与する。
【0242】
初回DNAワクチン投与後約60日目にマウスを屠殺し、免疫モニタリングのために末梢(脾臓、血液)及び骨髄から単核細胞を収集する。脾臓及び血液から単離されたPBMCを、48時間のex vivo抗原負荷後、次のT細胞集団(CD3):細胞傷害性T細胞(CD8、CD11a/b、IFNγ)、TH1細胞(CD4、CD69、IFNγ)、メモリーT細胞(CD44、CD62L)、及び制御性T細胞(CD4、CD25)を識別する抗体パネルを使用したフローサイトメトリーでプロファイリングする。さらに、CFSE増殖アッセイにより、ネオ抗原特異的T細胞の増殖も評価する。
【0243】
実施例5:ヌクレオチドワクチン投与後のT細胞媒介性細胞傷害に対するIL-7投与の効果の分析
本明細書に記載されるDNAワクチン及びIL-7の併用療法の治療効果をさらに評価するために、実施例1及び2に記載したようにDNAワクチン構築物でナイーブマウスを免疫した(図4A参照)。初回免疫後13日目(すなわち、収縮期中)に、一部の動物にIL-7タンパク質(5mg/kg)の単回投与を行った。異なる処置群は次のとおりであった:(i)対照ベクターのみ(G1)、(ii)DNAワクチンのみ(G2)、(iii)IL-7タンパク質単独(G3)、及び(iv)DNAワクチン+IL-7タンパク質(G4)。初回免疫後22日目、34日目、45日目、または51日目に、CFSE標識ナイーブ脾細胞にネオ抗原をパルスしていないもの、またはパルスしたものを、動物の静脈内に注射した。次いで、24時間後、異なる処置群からの動物を屠殺し、フローサイトメトリーを介してCFSE発現を測定することにより、パルスされた脾細胞の殺滅率を評価した。
【0244】
図4Bに示すように、対照ベクター(G1)及びIL-7タンパク質単独(G3)で処置した動物と比較すると、DNAワクチン構築物(実施例1に記載)単独(G2)で免疫した動物は、T細胞媒介性殺滅の増大を呈した。しかしながら、ネオ抗原をパルスした脾細胞の最大の殺滅は、DNAワクチン及びIL-7タンパク質の併用療法で処置した動物(G4)において観察された。これは、分析した4つの時点すべてに概ね当てはまった。
【0245】
上記の結果は、本明細書に記載されるDNAワクチン及びIL-7の併用治療レジメンが、様々ながんの治療において有用であり得る強力な細胞傷害性T細胞を誘導できることを裏付けている。
【0246】
実施例6:ヌクレオチドワクチン及びIL-7の併用療法の抗腫瘍効果のさらなる分析
実施例3で提供した抗腫瘍データに加えて、本明細書に記載されるDNAワクチン及びIL-7の併用療法が、腫瘍誘導後に投与された場合にも治療効果を有し得るかどうかを次に評価した。簡潔に述べると、図5Aに示すように、マウスの各側腹部の皮下にE0771腫瘍細胞を移植した(例えば、実施例3を参照されたい)。触知可能な腫瘍サイズに達したら(約25~100mm;腫瘍移植のおよそ3~6日後)、動物をランダム化した(すなわち、0日目)。次いで、ランダム化後1日目、4日目、及び9日目に、実施例1及び2に記載した対照ベクターまたはDNAワクチン構築物で一部の動物を免疫した。ランダム化後2日目または14日目に、一部の動物をIL-7タンパク質(5mg/kg)の静脈内投与で処置した。処置群は次のとおりであった:(i)対照ベクター単独(「ベクター」)、(ii)IL-7タンパク質単独(「IL-7」)、(iii)DNAワクチン単独(「nAg」)、(iv)DNAワクチン+IL-7(ここで、IL-7タンパク質はランダム化後2日目に投与した)(「nAg+IL-7 D2」)、及び(v)DNAワクチン+IL-7(ここで、IL-7タンパク質はランダム化後14日目に投与した)(「nAg+IL-7 D14」)。ランダム化後20日目及び30日目に、各処置群の動物の一部を屠殺し、IFN-γ ELISPOTアッセイを使用して脾臓における腫瘍特異的T細胞免疫応答を評価した。
【0247】
図5Bに示すように、ランダム化後20日目に、併用療法(DNAワクチン+IL-7)で処置した腫瘍動物は、概して、異なる処置群からの動物と比較してより大きな腫瘍特異的T細胞免疫応答を有していた。T細胞免疫応答の増大は、評価した3つすべてのエピトープ:Lrrc27、Plekho1、及びPttg1で観察された。
【0248】
上記の結果は、本明細書に記載されるDNAワクチン+IL-7併用療法の抗腫瘍効果をさらに示しており、そのような療法を腫瘍発生後に投与した場合にも治療効果があり得ることを示唆している。
【0249】
実施例7:予防的がんワクチンとしてのヌクレオチドワクチン及びIL-7の併用療法の分析
本明細書に記載されるDNAワクチン及びIL-7の併用療法が予防的に使用され得るかどうかを評価するために、実施例1及び2に記載したように対照ベクターまたはDNAワクチン構築物でナイーブマウスを免疫した。具体的には、3日に1回(すなわち、0日目、3日目、及び6日目)の投薬頻度で合計3用量(4μg/用量)のDNAワクチンをマウスに与えた。図6Aを参照されたい。初回DNAワクチン投与後13日目に、一部の動物にIL-7タンパク質(5mg/kg)の単回静脈内投与を行った。処置群は次のとおりであった:(i)対照ベクター単独(「ベクター」)、(ii)DNAワクチン単独(「nAg」)、(iii)IL-7タンパク質単独(「IL-7のみ」)、及び(iv)DNAワクチン及びIL-7(「nAg+IL-7」)。初回DNAワクチン投与後27日目に、異なる処置群からの動物の各側腹部の皮下にE0771腫瘍細胞を移植した(例えば、実施例3を参照されたい)。腫瘍移植後の様々な時点で、動物の腫瘍体積を評価した。
【0250】
図6Bに示すように、対照ベクター単独またはDNAワクチン単独のいずれかで処置した動物は、腫瘍の成長をコントロールできなかった。しかしながら、DNAワクチン及びIL-7の組み合わせで処置した動物では、腫瘍成長はほとんど観察されなかった。また、IL-7タンパク質で処置した動物では、少なくとも対照ベクターまたはDNAワクチンのみで処置した動物と比較すると、腫瘍成長が低減した。
【0251】
上記の結果は、本明細書に記載される併用療法が、腫瘍成長の防止及び/または最小化における予防ワクチンとしても使用され得ることを示している。このデータはさらに、IL-7タンパク質単独でも、ある特定のシナリオでは腫瘍成長の防止及び/または最小化に役立ち得ることを示している。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
【配列表】
2023549112000001.app
【国際調査報告】