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▶ オルカ バイオシステムズ インコーポレイテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-22
(54)【発明の名称】同種造血幹細胞移植のための方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 35/15 20150101AFI20231115BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20231115BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20231115BHJP
   A61K 35/28 20150101ALI20231115BHJP
   A61K 35/17 20150101ALI20231115BHJP
   A61K 31/706 20060101ALI20231115BHJP
   A61K 31/675 20060101ALI20231115BHJP
   A61K 31/255 20060101ALI20231115BHJP
   A61K 31/7076 20060101ALI20231115BHJP
   A61K 39/02 20060101ALI20231115BHJP
   C07H 15/04 20060101ALN20231115BHJP
【FI】
A61K35/15
A61P35/02
A61K9/08
A61K35/28
A61K35/17
A61K31/706
A61K31/675
A61K31/255
A61K31/7076
A61K39/02
C07H15/04 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526960
(86)(22)【出願日】2021-11-04
(85)【翻訳文提出日】2023-06-30
(86)【国際出願番号】 US2021058141
(87)【国際公開番号】W WO2022098926
(87)【国際公開日】2022-05-12
(31)【優先権主張番号】63/109,811
(32)【優先日】2020-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/121,453
(32)【優先日】2020-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/121,742
(32)【優先日】2020-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/121,534
(32)【優先日】2020-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519169339
【氏名又は名称】オルカ バイオシステムズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー, エバレット ハーテュー
(72)【発明者】
【氏名】ネグリン, ロバート エス.
(72)【発明者】
【氏名】ファーンホフ, ナサニエル
(72)【発明者】
【氏名】マクレラン, スコット
(72)【発明者】
【氏名】キリアン, スコット
【テーマコード(参考)】
4C057
4C076
4C085
4C086
4C087
4C206
【Fターム(参考)】
4C057BB02
4C057DD02
4C057JJ03
4C076AA11
4C076BB01
4C076BB13
4C076CC27
4C076FF11
4C076FF68
4C085AA05
4C085BA42
4C085EE03
4C085GG01
4C085GG02
4C085GG08
4C086AA01
4C086AA02
4C086DA38
4C086EA04
4C086EA18
4C086MA03
4C086MA04
4C086MA07
4C086MA16
4C086MA17
4C086MA52
4C086MA66
4C086NA05
4C086ZB27
4C086ZC75
4C087AA01
4C087AA02
4C087BB34
4C087BB37
4C087BB44
4C087BB63
4C087MA02
4C087MA16
4C087MA17
4C087MA52
4C087MA66
4C087NA05
4C087ZB27
4C087ZC75
4C206AA01
4C206AA02
4C206JA06
4C206MA03
4C206MA04
4C206MA11
4C206MA28
4C206MA36
4C206MA37
4C206MA72
4C206MA86
4C206NA05
4C206ZB27
4C206ZC75
(57)【要約】
本発明の様々な実施形態は、移植片対腫瘍の免疫応答等の効果的な免疫応答を維持しながら移植片対宿主病からの保護を増強するための方法を含む、造血幹細胞移植の改善のための治療用組成物および関連する方法を提供する。本発明の実施形態は、血液がん(例えば、白血病、リンパ腫、GVHDおよび他の疾患)の処置に特に有用である。第1の態様では、本発明の実施形態は、それを必要とするヒト対象に投与される多成分医薬処置を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それを必要とするヒト対象に投与される多成分医薬処置であって、
(a)造血幹前駆細胞(HSPC)および顆粒細胞を含むCD45+細胞の第1の集団を含む溶液剤であって、CD45+細胞の前記第1の集団の最大約10%が顆粒細胞を含む、溶液剤;
(b)調節性T細胞(Treg)について濃縮された細胞の集団を含む溶液剤;
(c)CD45+細胞の第2の集団を含む溶液剤であって、CD45+細胞の前記第2の集団が、少なくとも約20%のCD3+通常型T細胞(Tcon)、少なくとも約10%の単球、および少なくとも約10%の顆粒細胞を含む、溶液剤;ならびに
(d)1回または複数回用量の移植片対宿主病(GVHD)予防剤を含む溶液剤
を含む、多成分医薬処置。
【請求項2】
前記GVHD予防剤が、タクロリムスである、請求項1に記載の多成分医薬処置。
【請求項3】
前記タクロリムスが、経口投与用または静脈内投与用に製剤化されている、請求項1または請求項2に記載の多成分医薬処置。
【請求項4】
前記タクロリムスが、CD45+細胞の前記第2の集団の投与後少なくとも約20日間、少なくとも約3ng/mlの標的血中レベルを維持するための量で投与される、請求項2に記載の多成分医薬処置。
【請求項5】
前記タクロリムスが、CD45+細胞の前記第2の集団の投与後少なくとも約40日間、約4ng/mlまたはそれより多い標的血中レベルを維持するための量で投与される、請求項2から4のいずれか一項に記載の多成分医薬処置。
【請求項6】
前記タクロリムスが、CD45+細胞の前記第2の集団の投与後少なくとも約40日間、約4ng/mlまたはそれより多い標的血中レベルを維持する量で投与される、請求項2から5のいずれか一項に記載の多成分医薬処置。
【請求項7】
前記タクロリムスが、CD45+細胞の前記第2の集団の投与後少なくとも30日間、最大約10ng/mlの標的血中レベルを維持する量で投与される、請求項2から6のいずれか一項に記載の多成分医薬処置。
【請求項8】
前記タクロリムスが、CD45+細胞の前記第2の集団の投与後少なくとも約60日間投与される、請求項2から7のいずれか一項に記載の多成分医薬処置。
【請求項9】
前記タクロリムスが、CD45+細胞の前記第2の集団の投与後少なくとも約90日間投与される、請求項2から8のいずれか一項に記載の多成分医薬処置。
【請求項10】
前記タクロリムスが、CD45+細胞の前記第2の集団の投与後最大約150日間投与される、請求項2から9のいずれか一項に記載の多成分医薬処置。
【請求項11】
前記タクロリムスが、CD45+細胞の前記第2の集団の投与後最大約120日間投与される、請求項2から9のいずれか一項に記載の多成分医薬処置。
【請求項12】
前記タクロリムスが、経口または静脈内送達用に製剤化されている、請求項2から9のいずれか一項に記載の多成分医薬処置。
【請求項13】
CD45+細胞の前記第1の集団が、少なくとも約0.5%の顆粒細胞を含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の多成分医薬処置。
【請求項14】
CD45+細胞の前記第1の集団が、少なくとも約1%の顆粒細胞を含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の多成分医薬処置。
【請求項15】
CD45+細胞の前記第1の集団が、最大約5%の顆粒細胞を含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の多成分医薬処置。
【請求項16】
CD45+細胞の前記第1の集団が、最大約3%の顆粒細胞を含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の多成分医薬処置。
【請求項17】
CD45+細胞の前記第1の集団が、最大約3%の単球を含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の多成分医薬処置。
【請求項18】
CD45+細胞の前記第1の集団が、最大約2%の単球を含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の多成分医薬処置。
【請求項19】
CD45+細胞の前記第1の集団が、最大約0.5%のリンパ球を含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の多成分医薬処置。
【請求項20】
CD45+細胞の前記第1の集団が、最大約2%のリンパ球を含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の多成分医薬処置。
【請求項21】
CD45+細胞の前記第2の集団が、少なくとも約15%の顆粒細胞を含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の多成分医薬処置。
【請求項22】
CD45+細胞の前記第2の集団が、少なくとも約20%の顆粒細胞を含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の多成分医薬処置。
【請求項23】
CD45+細胞の前記第2の集団が、最大約35%の顆粒細胞を含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の多成分医薬処置。
【請求項24】
CD45+細胞の前記第2の集団が、最大約30%の顆粒細胞を含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の多成分医薬処置。
【請求項25】
CD45+細胞の前記第2の集団が、最大約25%の顆粒細胞を含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の多成分医薬処置。
【請求項26】
CD45+細胞の前記第2の集団が、少なくとも約15%の単球を含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の多成分医薬処置。
【請求項27】
CD45+細胞の前記第2の集団が、少なくとも約20%の単球を含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の多成分医薬処置。
【請求項28】
CD45+細胞の前記第2の集団が、最大約35%の単球を含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の多成分医薬処置。
【請求項29】
CD45+細胞の前記第2の集団が、最大約30%の単球を含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の多成分医薬処置。
【請求項30】
CD45+細胞の前記第2の集団が、最大約25%の単球を含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の多成分医薬処置。
【請求項31】
CD45+細胞の前記第2の集団が、少なくとも約0.5%のNK細胞を含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の多成分医薬処置。
【請求項32】
CD45+細胞の前記第2の集団が、少なくとも約2%のNK細胞を含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の多成分医薬処置。
【請求項33】
CD45+細胞の前記第2の集団が、少なくとも約0.1%のCD34+細胞または約0.2%~約20%のCD34+細胞を含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の多成分医薬処置。
【請求項34】
CD45+細胞の前記第2の集団が、少なくとも約0.1%のTregを含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の多成分医薬処置。
【請求項35】
コンディショニングレジメンをさらに含み、前記コンディショニングレジメンが、(a)~(d)のいずれかの前に投与される、先行する請求項のいずれか一項に記載の多成分医薬処置。
【請求項36】
前記コンディショニングレジメンが、(a)~(d)のいずれかの約2日前~約10日前に投与される、先行する請求項のいずれか一項に記載の多成分医薬処置。
【請求項37】
前記コンディショニングレジメンが、骨髄破壊的コンディショニングレジメンである、請求項35に記載の多成分医薬処置。
【請求項38】
前記コンディショニングレジメンが少なくとも3つのコンディショニング試薬を含み、少なくとも1つのコンディショニング試薬がチオテパを含む、請求項35から36のいずれか一項に記載の多成分医薬処置。
【請求項39】
骨髄破壊的コンディショニングレジメンが、少なくとも1回用量のチオテパを含む、請求項36のいずれか一項に記載の多成分医薬処置。
【請求項40】
前記少なくとも1回用量のチオテパが、前記ヒト対象の実際の体重または理想体重1キログラム当たり少なくとも約5ミリグラムのチオテパを含む、請求項39に記載の多成分医薬処置。
【請求項41】
前記少なくとも1回用量のチオテパが、前記ヒト対象の実際の体重または理想体重1キログラム当たり少なくとも約10ミリグラムのチオテパを含む、請求項40に記載の多成分医薬処置。
【請求項42】
前記コンディショニングレジメンが、1回または複数回用量のブスルファン、フルダラビンおよびチオテパを含む、請求項35から41のいずれか一項に記載の多成分医薬処置。
【請求項43】
前記1回または複数回用量のブスルファン、フルダラビンおよびチオテパは、それぞれ、ヒト対象の実際の体重または理想体重1kg当たり約5~約12mgのチオテパ、ヒト対象の実際の体重または理想体重1kg当たり約7~約11mgのブスルファン、および体表面積1平方メートル当たり約100~約200mgのフルダラビンを含む、請求項42に記載の多成分医薬処置。
【請求項44】
CD45+細胞の前記第1の集団が、前記溶液剤1ml当たり約5EU未満のエンドトキシンを含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の多成分医薬処置。
【請求項45】
CD45+細胞の前記第1の集団が、前記溶液剤1ml当たり約1EU未満のエンドトキシンを含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の多成分医薬処置。
【請求項46】
CD45+細胞の前記第1の集団が、前記溶液剤1ml当たり約0.5EU未満のエンドトキシンを含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の多成分医薬処置。
【請求項47】
Tregについて濃縮された細胞の前記集団が、前記溶液剤1ml当たり約5EU未満のエンドトキシンを含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の多成分医薬処置。
【請求項48】
Tregについて濃縮された細胞の前記集団が、前記溶液剤1ml当たり約1EU未満のエンドトキシンを含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の多成分医薬処置。
【請求項49】
Tregについて濃縮された細胞の前記集団が、前記溶液剤1ml当たり約0.5EU未満のエンドトキシンを含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の多成分医薬処置。
【請求項50】
CD45+細胞の前記第2の集団が、前記溶液剤1ml当たり約5EU未満のエンドトキシンを含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の多成分医薬処置。
【請求項51】
CD45+細胞の前記第2の集団が、前記溶液剤1ml当たり約1EU未満のエンドトキシンを含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の多成分医薬処置。
【請求項52】
CD45+細胞の前記第2の集団が、前記溶液剤1ml当たり約0.5EU未満のエンドトキシンを含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の多成分医薬処置。
【請求項53】
前記HSPCがCD34+である、先行する請求項のいずれか一項に記載の多成分医薬処置。
【請求項54】
前記TregがCD4+ CD25+ CD127dimである、先行する請求項のいずれか一項に記載の多成分医薬処置。
【請求項55】
Tregについて濃縮された細胞の前記集団がCD45+細胞を含み、前記CD45+細胞の約90%より多くがTregである、先行する請求項のいずれか一項に記載の多成分医薬処置。
【請求項56】
前記Tregが、CD4+ CD25+ CD127dimまたはCD4+ FOXP3+である、先行する請求項のいずれか一項に記載の多成分医薬処置。
【請求項57】
HSPCを含むCD45+細胞の前記第1の集団が、前記ヒト対象の理想的身体1キログラム当たり約5×10~約2×10個のHSPCを含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の多成分医薬処置。
【請求項58】
Tregについて濃縮された細胞の前記集団が、前記ヒト対象の実際の体重または理想体重1キログラム当たり約1×10~約1×10個のTregを含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の多成分医薬処置。
【請求項59】
Tregについて濃縮された細胞の前記集団が、前記ヒト対象の実際の体重または理想体重1キログラム当たり約5×10~約4×10個のTregを含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の多成分医薬処置。
【請求項60】
CD45+細胞の前記第2の集団が、前記ヒト対象の実際の体重または理想体重1キログラム当たり約1×10~約1×10個のTconを含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の多成分医薬処置。
【請求項61】
CD45+細胞の前記第2の集団が、前記ヒト対象の実際の体重または理想体重1キログラム当たり約5×10~約5×10個のTconを含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の多成分医薬処置。
【請求項62】
CD45+細胞の前記第1の集団およびTregについて濃縮された細胞の前記集団が、CD45+細胞の前記第2の集団の前に投与される、先行する請求項のいずれか一項に記載の多成分医薬処置。
【請求項63】
前記1回または複数回用量の前記GVHD予防剤の第1の用量が、CD45+細胞の前記第2の集団の投与後に投与される、先行する請求項のいずれか一項に記載の多成分医薬処置。
【請求項64】
血液悪性腫瘍を有すると診断されたヒト対象を処置する方法であって、
前記ヒト対象に、CD45+細胞の前記第1の集団を含む溶液剤、調節性T細胞(Treg)について濃縮された細胞の前記集団を含む溶液剤、CD45+細胞の前記第2の集団を含む溶液剤、および1回または複数回用量の前記GVHD予防剤を含む溶液剤を投与するステップを含み;
CD45+細胞の前記第1の集団を含む前記溶液剤、調節性Tregについて濃縮された細胞の前記集団を含む前記溶液剤、CD45+細胞の前記第2の集団を含む前記溶液剤、および1回または複数回用量の前記GVHD予防剤を含む前記溶液剤が、請求項1から63のいずれか一項に規定された通りである、方法。
【請求項65】
前記血液悪性腫瘍が、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、リンパ腫、ホジキンリンパ腫、および非ホジキンリンパ腫からなる群から選択される、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記投与するステップが、CD45+細胞の前記第1の集団、Tregについて濃縮された細胞の前記集団、およびCD45+細胞の前記第2の集団を前記ヒト対象に注入するステップを含む、請求項64から65のいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
CD45+細胞の前記第2の集団が、CD45+細胞の前記第1の集団の少なくとも約12時間後に投与される、請求項64から66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項68】
CD45+細胞の前記第2の集団が、CD45+細胞の前記第1の集団の約24~約96時間後に投与される、請求項64から67のいずれか一項に記載の方法。
【請求項69】
CD45+細胞の前記第2の集団が、CD45+細胞の前記第1の集団の約36~約60時間後に投与される、請求項64から68のいずれか一項に記載の方法。
【請求項70】
CD45+細胞の前記第2の集団が、Tregについて濃縮された細胞の前記集団の少なくとも約12時間後に投与される、請求項64から66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項71】
CD45+細胞の前記第2の集団が、Tregについて濃縮された細胞の前記集団の約24~約96時間後に投与される、請求項64から66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項72】
CD45+細胞の前記第2の集団が、Tregについて濃縮された細胞の前記集団の約36~約60時間後に投与される、請求項64から66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項73】
前記ヒト対象が、CD45+細胞の前記第2の集団を投与する前記ステップの約100日以内に、ステージ2より高いGVHDを発症しない、請求項64から72のいずれか一項に記載の方法。
【請求項74】
前記ヒト対象が、CD45+細胞の前記第2の集団を投与する前記ステップの約180日以内または約200日以内に、ステージ2より高いGVHDを発症しない、請求項64から73のいずれか一項に記載の方法。
【請求項75】
前記ヒト対象が、CD45+細胞の前記第2の集団を投与する前記ステップの約1年以内に、ステージ2より高いGVHDを発症しない、請求項64から74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項76】
前記ヒト対象が、前記血液悪性腫瘍について以前に処置されたことがあるかまたは同時に処置されている、請求項64から75のいずれか一項に記載の方法。
【請求項77】
前記GVHD予防剤がタクロリムスであり、前記ヒト対象に、1日にヒト対象の実際の体重または理想体重1kg当たり約0.03mgで最初に投与される、請求項64から76のいずれか一項に記載の方法。
【請求項78】
前記タクロリムスが、CD45+細胞の前記第2の集団を投与する前記ステップの約12時間~約24時間後に最初に投与される、請求項64から76のいずれか一項に記載の方法。
【請求項79】
前記タクロリムスの用量が、前記第1の用量が前記ヒト対象に投与されてから約90日後から開始して漸減される、請求項77に記載の方法。
【請求項80】
前記タクロリムスの用量が、前記第1の用量が前記ヒト対象に投与されてから約45日後から開始して漸減される、請求項77に記載の方法。
【請求項81】
CD45+細胞の前記第1の集団、Tregについて濃縮された細胞の前記集団、およびCD45+細胞の前記第2の集団が、単一のドナーから得られる、請求項64から80のいずれか一項に記載の方法。
【請求項82】
少なくとも1つの動員された末梢血提供を前記ドナーから収集するステップをさらに含む、請求項81に記載の方法。
【請求項83】
最大2つの動員された末梢血提供を前記ドナーから収集するステップをさらに含む、請求項81から82のいずれか一項に記載の方法。
【請求項84】
前記動員された末梢血提供の少なくとも1つが、CD34+細胞およびTregを濃縮するために処理および選別される、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
前記動員された末梢血提供のうちの1つまたは複数の前記処理および選別の時間が、約35時間未満である、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
前記動員された末梢血提供の1つまたは複数の前記処理および選別の時間が、約30時間未満である、請求項84に記載の方法。
【請求項87】
前記動員された末梢血提供の1つまたは複数の前記処理および選別の時間が、約25時間未満である、請求項84に記載の方法。
【請求項88】
前記動員された末梢血提供のうちの1つまたは複数の前記処理および選別の時間が、最大約35時間である、請求項84に記載の方法。
【請求項89】
前記動員された末梢血提供の1つまたは複数の前記処理および選別の時間が、最大約25時間である、請求項84に記載の方法。
【請求項90】
前記動員された末梢血提供のうちの1つまたは複数が、1つまたは複数の免疫分離粒子(ISP)を使用して処理および選別される、請求項84から89のいずれか一項に記載の方法。
【請求項91】
前記1つまたは複数のISPが親和性試薬を含む、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
前記親和性試薬が、免疫磁性分離粒子である、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
前記免疫磁性分離粒子が、鉄含有粒子にそれぞれコンジュゲートした抗体である、請求項92に記載の方法。
【請求項94】
前記親和性試薬が、HSPCの1つまたは複数のCD34受容体に結合する複数のCD34試薬を含む、請求項91から93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項95】
前記CD34試薬が、抗CD34抗体を含む、請求項94に記載の方法。
【請求項96】
HSPC細胞集団におけるHSPC当たりのISPの平均数が約20,000未満である、請求項94に記載の方法。
【請求項97】
HSPC細胞集団におけるHSPC当たりのISPの平均数が約20,000に等しいかまたはそれ未満である、請求項96に記載の方法。
【請求項98】
HSPC細胞集団におけるHSPC当たりのISPの平均数が約1000~約20,000である、請求項97に記載の方法。
【請求項99】
前記親和性試薬がTregの1つまたは複数のCD25受容体に結合する複数のCD25試薬を含み、必要に応じて、前記CD25試薬が抗CD25抗体を含む、請求項91に記載の方法。
【請求項100】
Treg集団におけるT-reg細胞当たりのISPの平均数が約4000に等しいかまたはそれ未満である、請求項99に記載の方法。
【請求項101】
Treg集団におけるT-reg細胞当たりのISPの平均数が約1500~約2500である、請求項100に記載の方法。
【請求項102】
前記動員された末梢血提供のうちの細胞が、CD45+細胞の前記第1の集団が最大約10%の顆粒細胞を含むように選別される、請求項84から101のいずれか一項に記載の方法。
【請求項103】
前記動員された末梢血提供のうちの細胞が、CD45+細胞の前記第1の集団が最大約7%の顆粒細胞を含むように選別される、請求項102に記載の方法。
【請求項104】
動員されたドナー末梢血提供のうちの細胞が、CD45+細胞の前記第1の集団が最大約4%の単球を含むように選別される、請求項84から103のいずれか一項に記載の方法。
【請求項105】
前記動員されたドナー末梢血提供のうちの細胞が、CD45+細胞の前記第1の集団が少なくとも約0.1%の単球を含むように選別される、請求項104に記載の方法。
【請求項106】
前記動員されたドナー末梢血提供のうちの細胞が、Tregについて濃縮された前記集団が最大約10%のCD25細胞を含むように選別される、請求項84から105のいずれか一項に記載の方法。
【請求項107】
CD45+細胞の前記第1の集団、Tregについて濃縮された細胞の前記集団、および/またはCD45+細胞の前記第2の集団が、前記ヒト対象に対して同種である、請求項64から106のいずれか一項に記載の方法。
【請求項108】
CD45+細胞の前記第1の集団、Tregについて濃縮された細胞の前記集団、および/またはCD45+細胞の前記第2の集団が、前記ヒト対象に対してHLA適合であるドナーから得られる、請求項64から106のいずれか一項に記載の方法。
【請求項109】
CD45+細胞の前記第1の集団、Tregについて濃縮された細胞の前記集団、および/またはCD45+細胞の前記第2の集団が、前記ヒト対象に対してHLA不適合であるドナーから得られる、請求項64から106のいずれか一項に記載の方法。
【請求項110】
CD45+細胞の前記第1の集団、Tregについて濃縮された細胞の前記集団、および/またはCD45+細胞の前記第2の集団が、前記ヒト対象に対してハプロタイプが一致するドナーから得られる、請求項64から106のいずれか一項に記載の方法。
【請求項111】
CD45+細胞の前記第2の集団が、インバリアントナチュラルキラーT細胞(iNKT)の集団を含む、請求項64から110のいずれか一項に記載の方法。
【請求項112】
前記iNKTがCD3+ Vα24Jα18+である、請求項111に記載の方法。
【請求項113】
iNKTの前記集団が、前記ヒト対象の理想的身体の実際の体重または理想体重1キログラム当たり約5×10個を超えるiNKTを含む、請求項111から112のいずれか一項に記載の方法。
【請求項114】
iNKTの前記集団が、前記ヒト対象の理想的身体の実際の体重または理想体重1キログラム当たり約5×10~約1×10個のiNKTを含む、請求項111から113のいずれか一項に記載の方法。
【請求項115】
CD45+細胞の前記第2の集団が、メモリーT細胞(Tmem)の集団を含む、請求項64から114のいずれか一項に記載の方法。
【請求項116】
前記TmemがCD3+ CD45RA- CD45RO+である、請求項115に記載の方法。
【請求項117】
Tmemの前記集団が、前記ヒト対象の理想的身体の実際の体重または理想体重1キログラム当たり約3×10個を超えるTmemを含む、請求項115から116のいずれか一項に記載の方法。
【請求項118】
Tmemの前記集団が、前記ヒト対象の理想的身体の実際の体重または理想体重1キログラム当たり約3×10~約1×10個のTmemを含む、請求項115から117のいずれか一項に記載の方法。
【請求項119】
前記多成分医薬処置または前記方法に関連する有害事象のリスクおよび/または重症度が、ヒト対象がTconを受けるがTregを受けない類似の医薬処置または方法と比較して低減される、請求項1から63のいずれか一項に記載の多成分医薬処置または請求項64から118のいずれか一項に記載の方法。
【請求項120】
前記有害事象が急性GVHD(aGVHD)である、請求項119に記載の多成分医薬処置または方法。
【請求項121】
前記有害事象がステージ2またはそれを超えるaGVHDである、請求項120に記載の多成分医薬処置または方法。
【請求項122】
前記有害事象が慢性GVHD(cGVHD)である、請求項119に記載の多成分医薬処置または方法。
【請求項123】
前記ヒト対象が、前記細胞集団を投与された約1年後にcGVHDを有さない、請求項122に記載の多成分医薬処置または方法。
【請求項124】
前記有害事象が、中程度から重度のcGVHDである、請求項122に記載の多成分医薬処置または方法。
【請求項125】
前記有害事象が、前記ヒト対象の悪性腫瘍の再発である、請求項119に記載の多成分医薬処置または方法。
【請求項126】
前記ヒト対象が、医薬投与レジメンを投与された約1年後に悪性腫瘍の再発を有さない、請求項125に記載の多成分医薬処置または方法。
【請求項127】
前記ヒト対象が、いずれかの細胞集団の投与前に骨髄破壊的コンディショニングレジメンを受けており、前記有害事象が前記骨髄破壊的コンディショニングに関連する、請求項119に記載の多成分医薬処置または方法。
【請求項128】
前記方法が、取扱説明書(IFU)を提供するステップをさらに含み、前記IFUが前記細胞集団を患者に投与するための使用説明書を含む、請求項64から127のいずれか一項に記載の多成分医薬処置または方法。
【請求項129】
前記IFUが、1つまたは複数の医薬品または組成物を前記患者に投与するための使用説明書も含む、請求項128に記載の多成分医薬処置または方法。
【請求項130】
血液悪性腫瘍に対する処置レジメンの一部として通常型T細胞(Tcon)集団を移植する方法であって、前記処置レジメンに関連する有害事象のリスクおよび/または重症度を低減し、
患者に、調節性T細胞(Treg)および前記Tregを懸濁している液体を含むTregの集団を投与するステップと、
前記患者に、リンパ球、顆粒細胞、単球および前記細胞を懸濁している液体を含む異種細胞集団を投与するステップであって、前記リンパ球の少なくとも約30%がTconを含む、ステップと
を含み、
前記細胞集団の投与後に、前記患者が、Tconを受けたがTregを受けなかった血液悪性腫瘍患者と比較して、低減された前記有害事象のリスクおよび/または重症度を有する、方法。
【請求項131】
血液悪性腫瘍に対する処置レジメンの一部として細胞集団をヒト患者に移植する方法であって、前記処置レジメンに関連する有害事象のリスクおよび/または重症度を低減し、
前記患者に投与される造血幹前駆細胞(HSPC)の集団を提供するステップであって、HSPCの前記集団がHSPCおよび前記HSPCを懸濁している液体を含む、ステップと、
前記患者に投与される調節性T細胞(Treg)の集団を提供するステップであって、Tregの前記集団がTregおよび前記Tregを懸濁している液体を含む、ステップと、
前記患者に投与される異種細胞集団を提供するステップであって、前記異種細胞集団が、リンパ球、顆粒細胞、単球および前記細胞を懸濁している液体を含み、前記リンパ球の少なくとも約30%が通常型T細胞(Tcon)を含む、ステップと
を含み、
前記細胞集団の投与後に、前記患者が、Tcon細胞集団を受けたがT-reg細胞集団を受けなかった血液悪性腫瘍患者と比較して、低減された前記有害事象のリスクおよび/または重症度を有する、方法。
【請求項132】
前記細胞集団が、静脈内注入によって前記患者に投与される、請求項130から131のいずれかに記載の方法。
【請求項133】
各細胞集団が、別々の細胞集団として提供され、単一のヒト血液ドナーに由来する、請求項130から132のいずれかに記載の方法。
【請求項134】
前記有害事象が、急性移植片対宿主病(aGVHD)である、請求項130から133のいずれかに記載の方法。
【請求項135】
前記有害事象が、ステージ2またはそれを超えるaGVHDである、請求項134に記載の方法。
【請求項136】
前記患者が、前記細胞集団を投与された約180日後に、ステージ2またはそれより高いaGVHDも有さない、請求項135に記載の方法。
【請求項137】
前記有害事象が、慢性移植片対宿主病(cGVHD)である、請求項130から136のいずれかに記載の方法。
【請求項138】
前記患者が、前記細胞集団を投与された約1年後に、cGVHDを有さない、請求項137に記載の方法。
【請求項139】
前記有害事象が、中程度から重度のcGVHDである、請求項137に記載の方法。
【請求項140】
前記患者が、前記細胞集団を投与された約1年後に中程度から重度のcGVHDを有さない、請求項139に記載の方法。
【請求項141】
前記有害事象が、前記患者の悪性腫瘍の再発である、請求項130から140のいずれかに記載の方法。
【請求項142】
前記患者が、前記細胞集団を投与された約1年後に、悪性腫瘍の再発を有さない、請求項141に記載の方法。
【請求項143】
前記有害事象が、移植片対宿主病(GVHD)および前記患者の悪性腫瘍の再発を含む、請求項130から142のいずれかに記載の方法。
【請求項144】
前記患者が、前記細胞集団を投与された1年後に、GHVDも悪性腫瘍の再発も有さない、請求項143に記載の方法。
【請求項145】
前記細胞集団の少なくとも1つが、各懸濁液1ml当たり約5EU未満のエンドトキシンを含む、請求項130から144のいずれかに記載の方法。
【請求項146】
前記患者が前記細胞集団の投与前に骨髄破壊的コンディショニングレジメンを受けており、前記有害事象が前記骨髄破壊的コンディショニングに関連する、請求項130から145のいずれかに記載の方法。
【請求項147】
前記有害事象が、前記患者の悪性腫瘍または感染症の再発を含む、請求項146に記載の方法。
【請求項148】
前記異種細胞集団が、約0.2~約2.0パーセントの造血幹前駆細胞を含む、請求項130から147のいずれかに記載の方法。
【請求項149】
前記血液悪性腫瘍が、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、リンパ腫、ホジキンリンパ腫および非ホジキンリンパ腫である、請求項130から148のいずれかに記載の方法。
【請求項150】
T-reg細胞の遺伝子発現レベルが、前記患者への投与前約60時間以内にドナーから回収された細胞に相関する、請求項130から149のいずれかに記載の方法。
【請求項151】
T-reg集団におけるT-reg細胞の数が、前記異種細胞集団におけるT-con細胞の数にほぼ等しい、請求項130から150のいずれかに記載の方法。
【請求項152】
前記T-reg集団における前記T-reg細胞が、前記患者の健康な組織によって、最大約20パーセントの量、前記異種細胞集団における通常型T細胞の活性化を阻害する、請求項151に記載の方法。
【請求項153】
前記患者の末梢血が、前記細胞集団を投与されなかった健康なヒト対象と比較して、前記細胞集団の投与の最大約100日後まで、CD4+ T細胞に対するTregの比の上昇を呈する、請求項130から152のいずれかに記載の方法。
【請求項154】
HSPCの細胞集団における前記細胞の少なくとも約50%がコロニー形成単位である、請求項130から153のいずれかに記載の方法。
【請求項155】
前記細胞集団の少なくとも1つが、動員されていない血液と比較して、上昇した量の顆粒細胞コロニー刺激因子を有する、請求項130から154のいずれかに記載の方法。
【請求項156】
前記少なくとも1つの細胞集団が前記異種細胞集団である、請求項155に記載の方法。
【請求項157】
前記細胞集団の少なくとも1つが、前記細胞集団の前記細胞の受容体に結合した複数の免疫分離粒子(ISP)を有する、請求項130から156のいずれかに記載の方法。
【請求項158】
前記複数のISPが免疫磁性分離粒子である、請求項157に記載の方法。
【請求項159】
前記複数のISPが、鉄含有粒子にコンジュゲートした抗体を含む、請求項158に記載の方法。
【請求項160】
前記複数のISPの少なくとも一部が、HSPC細胞集団の前記HSPCのCD34+受容体に結合している、請求項157に記載の方法。
【請求項161】
HSPC細胞集団におけるHSPC当たりのISPの平均数が約20,000未満である、請求項160に記載の方法。
【請求項162】
HSPC細胞集団におけるHSPC当たりのISPの平均数が約10,000に等しいかまたはそれ未満である、請求項161に記載の方法。
【請求項163】
HSPC細胞集団におけるHSPC当たりのISPの平均数が約1500~約20,000である、請求項162に記載の方法。
【請求項164】
前記複数のISPの少なくとも一部が、前記Treg細胞集団の前記細胞のCD25+受容体に結合している、請求項157に記載の方法。
【請求項165】
Treg集団におけるT-reg細胞当たりのISPの平均数が約4000に等しいかまたはそれ未満である、請求項164に記載の方法。
【請求項166】
Treg集団におけるT-reg細胞当たりのISPの平均数が約1500~約2500である、請求項165に記載の方法。
【請求項167】
前記複数のISPの少なくとも一部が、前記異種細胞集団の前記細胞のCD3+受容体に結合している、請求項157に記載の方法。
【請求項168】
T異種の集団における細胞当たりのISPの平均数が約1,000未満である、請求項167に記載の方法。
【請求項169】
Tconの前記集団が、HSPCの前記集団の少なくとも約12時間後に投与される、請求項130から168のいずれかに記載の方法。
【請求項170】
Tconの前記集団が、HSPCの前記集団の約24~約96時間後に投与される、請求項169に記載の方法。
【請求項171】
Tconの前記集団が、HSPCの前記集団の約36~約60時間後に投与される、請求項170に記載の方法。
【請求項172】
Tconの前記集団が、Tregを含む細胞の前記集団の少なくとも約12時間後に投与される、請求項130から171のいずれかに記載の方法。
【請求項173】
Tconの前記集団が、Tregを含む細胞の前記集団の約24~約96時間後に投与される、請求項172に記載の方法。
【請求項174】
Tconの前記集団が、Tregを含む細胞の前記集団の約36~約60時間後に投与される、請求項173に記載の方法。
【請求項175】
前記患者に、最大約180日間の期間にわたり、タクロリムスを含む単一の移植片対宿主病(GVHD)予防剤(GVHDPA)(タクロリムスGHVDPA)を投与するステップをさらに含み、前記タクロリムスGHVDPAが、前記期間中、閾値レベルを超える前記患者の血中タクロリムス濃度を維持するために投与され、
GHVDのリスクおよび/または重症度が有意に低減される、請求項130から174のいずれかに記載の方法。
【請求項176】
前記閾値レベルが、患者の血液1ml当たり約4ngを超えるタクロリムスである、請求項175に記載の方法。
【請求項177】
前記閾値レベルが、患者の血液1ml当たり約5ngを超えるタクロリムスである、請求項176に記載の方法。
【請求項178】
前記タクロリムスGHVDPAが、前記期間中、前記患者の血中のタクロリムス濃度を上限閾値レベル未満に維持するために投与される、請求項175に記載の方法。
【請求項179】
前記上限閾値レベルが、患者の血液1ml当たり約10ng未満のタクロリムスである、請求項178に記載の方法。
【請求項180】
前記患者が、悪性腫瘍の再発、感染症または腎不全の少なくとも1つのリスクの低減を有する、請求項178に記載の方法。
【請求項181】
前記患者が、前記Tconの投与の約30日以内にGVHDを発症しない、請求項175に記載の方法。
【請求項182】
前記患者が、前記Tconの投与の約100日以内にGVHDを発症しない、請求項175に記載の方法。
【請求項183】
前記患者が、前記Tconの投与の約180日以内にGVHDを発症しない、請求項175に記載の方法。
【請求項184】
前記患者が、前記Tconの投与の約1年以内にGVHDを発症しない、請求項175に記載の方法。
【請求項185】
前記タクロリムスGHVDPAが静脈内投与される、請求項175に記載の方法。
【請求項186】
前記タクロリムスGHVDPAが経口投与される、請求項175に記載の方法。
【請求項187】
前記タクロリムスGHVDPAの投与が、前記T-conの投与の約12~約24時間後に開始される、請求項175に記載の方法。
【請求項188】
前記タクロリムスGHVDPAが、最大約90日の期間投与される、請求項175に記載の方法。
【請求項189】
前記タクロリムスGHVDPAが、最大約60日の期間投与される、請求項175に記載の方法。
【請求項190】
前記タクロリムスGHVDPAが、前記患者に、1日に患者の実際の体重または理想体重1kg当たり約0.03mgで最初に投与される、請求項175に記載の方法。
【請求項191】
前記患者に投与される前記タクロリムスGVHDPAの用量が、第1の用量が前記患者に投与されてから約90日後から開始して漸減される、請求項175に記載の方法。
【請求項192】
前記患者に投与される前記タクロリムスGVHDPAの用量が、第1の用量が前記患者に投与されてから約45日後から開始して漸減される、請求項175に記載の方法。
【請求項193】
いずれかの細胞集団の投与前に、骨髄破壊的コンディショニングレジメンを前記患者に投与するステップをさらに含み、前記コンディショニングレジメンが、少なくとも1つのコンディショニング剤を前記患者に投与することを含む、請求項130から190のいずれかに記載の方法。
【請求項194】
前記患者が、前記骨髄破壊的コンディショニングレジメンの一部としていずれの放射線治療も受けない、請求項193に記載の方法。
【請求項195】
前記少なくとも1つのコンディショニング剤が、前記細胞集団のいずれかの前記投与の約2~約10日前に投与される、請求項193に記載の方法。
【請求項196】
前記少なくとも1つのコンディショニング剤が、前記細胞集団のいずれかの前記投与の約5日前に投与される、請求項194に記載の方法。
【請求項197】
前記少なくとも1つのコンディショニング剤がチオテパを含む、請求項193に記載の方法。
【請求項198】
前記患者に投与されるチオテパの用量が、実際の体重または理想体重1キログラム当たり約5~約10mgの範囲内である、請求項197に記載の方法。
【請求項199】
前記少なくとも1つのコンディショニング剤が、ブスルファンおよびフルダラビンを含む、請求項197に記載の方法。
【請求項200】
前記患者に投与されるチオテパ、ブスルファン、およびフルダラビンの用量が、それぞれ、前記患者の実際の体重または理想体重1キログラム当たり約10mg、前記患者の実際の体重または理想体重1キログラム当たり約9.6mg、および体表面積1平方メートル当たり約150mgを含む、請求項199に記載の方法。
【請求項201】
取扱説明書(IFU)を提供するステップをさらに含み、前記IFUが、前記細胞集団を前記患者に投与するための使用説明書を含む、請求項130から200のいずれかに記載の方法。
【請求項202】
前記IFUが、1つまたは複数の医薬品または組成物を前記患者に投与するための使用説明書も含む、請求項201に記載の方法。
【請求項203】
血液悪性腫瘍に対する処置レジメンの一部として、細胞集団をヒト患者に移植する方法であって、
前記患者に造血幹前駆細胞(HSPC)の集団を投与するステップであって、HSPCの前記集団がHSPCおよび前記HSPCを懸濁している液体を含む、ステップと、
前記患者に、前記患者に投与される調節性T細胞(Treg)の集団を投与するステップであって、Tregの前記集団がTregおよび前記Tregを懸濁している液体を含む、ステップと、
前記患者に、前記患者に投与される異種細胞集団を投与するステップであって、前記異種細胞集団が、リンパ球、顆粒細胞、単球および前記細胞を懸濁している液体を含み、前記リンパ球の少なくとも約30%が通常型T細胞(Tcon)を含む、ステップと、
前記患者に、最大約180日間の期間にわたり、タクロリムスを含む単一の移植片対宿主病(GVHD)予防剤(GVHDPA)(タクロリムスGHVDPA)を投与するステップであって、前記タクロリムスGHVDPAが、前記期間中、閾値レベルを超える前記患者の血中タクロリムス濃度を維持するために投与される、ステップと
を含み、
前記血液悪性腫瘍に対する前記処置レジメンに関連するGHVDのリスクおよび/または重症度が有意に低減される、方法。
【請求項204】
溶液剤を含むキットであって、
CD45+細胞の第1の集団を含む第1の容器、
CD45+細胞の第2の集団を含む溶液剤を含む第2の容器、および
調節性T細胞(Treg)について濃縮された細胞の集団を含む溶液剤を含む第3の容器を含み、
CD45+細胞の前記第1の集団を含む前記溶液剤、CD45+細胞の前記第2の集団を含む前記溶液剤、およびTregについて濃縮された細胞の前記集団を含む前記溶液剤が、請求項1から63のいずれか一項において規定された通りである、キット。
【請求項205】
前記GVHD予防剤を含む第4の容器をさらに含む、請求項119に記載のキット。
【請求項206】
請求項64から118のいずれか一項に記載の方法を実施するための使用説明書をさらに含む、請求項119から205に記載のキット。
【請求項207】
a)動員された末梢血組成物からCD34+細胞を選別するための1つまたは複数の試薬、
b)前記動員された末梢血組成物から調節性T細胞(Treg)を選別するための1つまたは複数の試薬、
c)前記動員された末梢血におけるCD3+通常型T細胞の数を検出するための1つまたは複数の試薬、および
d)1回または複数回用量の移植片対宿主病(GVHD)予防剤を含む溶液剤
を含む、キット。
【請求項208】
請求項64から118のいずれか一項に記載の方法を実施するための使用説明書をさらに含む、請求項207に記載のキット。
【請求項209】
移植の最大約100日後までステージ2またはそれより高い移植片対宿主病(GVHD)応答を誘発することなく通常型T細胞(Tcon)集団をヒト対象に移植する方法であって、
i.リンパ球、顆粒細胞および単球を含む異種細胞集団を投与するステップであって、前記リンパ球の少なくとも約30%が通常型T細胞(Tcon)を含む、ステップと、
ii.調節性T細胞(Treg)の集団を投与するステップと
を含み、
異種細胞成分および/またはTregの前記集団が、約5EU/ml未満のエンドトキシンを含む、方法。
【請求項210】
ヒト対象を処置する方法であって、
b)複数の細胞集団を投与するステップであって、前記複数の細胞集団が、
i.造血幹前駆細胞(HSPC)の集団、
ii.調節性T細胞(Treg)を含む細胞の集団、および
iii.通常型T細胞(Tcon)の集団
を含む、ステップと、
c)1つだけの移植片対宿主病(GVHD)予防剤を約120日未満の間投与するステップと
を含み、
HSPCの前記集団が、約2%未満のCD3+細胞を含む、方法。
【請求項211】
それを必要とするヒト対象を処置する方法であって、前記ヒト対象に、少なくとも2つの医薬組成物を投与するステップを含み、前記医薬組成物が、
a)造血幹前駆細胞(HSPC)の集団を含む医薬組成物、
b)調節性T細胞(Treg)の集団を含む医薬組成物、および
c)通常型T細胞(Tcon)の集団を含む医薬組成物
から選択され、
医薬組成物a)、b)およびc)がそれぞれ約5EU/ml未満のエンドトキシンを含み、
2つまたはそれより多い医薬組成物を投与された100名のヒト対象の群の15名未満のヒト対象が、Tconの前記集団を含む前記医薬組成物を投与された後約30日以内に、ステージ2またはそれより高い移植片対宿主病(GVHD)応答を生じる、方法。
【請求項212】
移植の最大約100日後までステージ2またはそれより高い移植片対宿主病(GVHD)応答を誘発することなく通常型T細胞(Tcon)集団をヒト対象に移植する方法であって、
i.通常型T細胞(Tcon)の集団を含む溶液剤を投与するステップと、
ii.調節性T細胞(Treg)の集団を含む溶液剤を投与するステップと
を含み、
Tconの前記集団が、少なくとも約4時間凍結保存され、
Tconの前記集団を含む前記溶液剤およびTregの前記集団を含む前記溶液剤が、前記溶液剤1ml当たり約5EU未満のエンドトキシンを含む、方法。
【請求項213】
それを必要とするヒト対象における血液悪性腫瘍を処置する方法であって、前記ヒト対象に、
a)造血幹前駆細胞(HSPC)の集団、
b)調節性T細胞(Treg)の集団、および
c)通常型T細胞(Tcon)の集団
を投与するステップを含み、
HSPCの前記集団およびTregの前記集団が、Tconの前記集団の前に投与され、
前記ヒト対象の末梢血が、3つの細胞集団を投与されなかった健康なヒト対象と比較して、前記3つの細胞集団を投与した約100日後までに、Treg数の上昇を呈する、方法。
【請求項214】
移植の最大約100日後までステージ2またはそれより高い移植片対宿主病(GVHD)応答を誘発することなく通常型T細胞(Tcon)集団をヒト対象に移植する方法であって、
i.通常型T細胞(Tcon)の集団を投与するステップと、
ii.調節性T細胞(Treg)の集団を投与するステップと
を含み、
Tconの前記集団が、Tregの前記集団が投与された少なくとも約12時間後に投与され、
Tconの前記集団およびTregの前記集団が、約5EU/ml未満のエンドトキシンを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
連邦政府助成研究に関する記載
本発明は、国立衛生研究所(National Institutes of Health)から授与されたHL114591の政府支援を受けて行われた。政府は本発明において一定の権利を有する。
【0002】
相互参照
本出願は、2020年11月4日に出願された米国仮出願第63/109,811号ならびに2020年12月4日に出願された米国仮出願第63/121,453号、同第63/121,742号、および同第63/121,534号の優先権の利益を主張し、これらのすべては参照によりその全体がすべての目的で本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
背景
初回寛解を過ぎたかまたは難治性再発を有する白血病およびリンパ腫等の血液悪性腫瘍を有する患者は、標準的化学療法により治癒することはほとんどない。骨髄破壊的同種造血細胞移植(alloHCT)はこれらの患者における生存期間の改善に関連するが、移植片対宿主病(GVHD)に関連する罹患および死亡はalloHCTの成功を制限する主要因子である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
概要
第1の態様では、本発明の実施形態は、それを必要とするヒト対象に投与される多成分医薬処置を提供する。一実施形態によれば、多成分処置は、(a)造血幹前駆細胞(HSPC)および顆粒細胞を含むCD45+細胞の第1の集団を含む溶液剤であって、CD45+細胞の第1の集団の最大約10%が顆粒細胞を含む、溶液剤;(b)調節性T細胞(Treg)について濃縮された細胞の集団を含む溶液剤;(c)CD45+細胞の第2の集団を含む溶液剤であって、CD45+細胞の第2の集団が、少なくとも約20%のCD3+通常型T細胞(conventional T cell)(Tcon)、少なくとも約10%の単球、および少なくとも約10%の顆粒細胞を含む、溶液剤;ならびに(d)1回または複数回用量の移植片対宿主病(GVHD)予防剤を含む溶液剤を含む。
【0005】
多くの実施形態では、GVHD予防剤は、様々な実施形態に従って、ヒト対象への経口投与もしくは静脈内投与または例えば、筋肉内、経皮、経鼻、頬側および膣内投与を含む製薬技術において公知の他の投与方法もしくは送達方法用に製剤化され得るタクロリムスならびに/またはそのアナログおよび誘導体を含む。
【0006】
様々な実施形態では、タクロリムスは、CD45+細胞の第2の集団の投与後少なくとも約20日間、ヒト対象において、血液1ml当たり少なくとも約3ngの標的血中レベルを維持するための量、CD45+細胞の第2の集団の投与後少なくとも約40日間、約4ng/mlもしくはそれより多い標的血中レベルを維持するための量、ならびに/またはCD45+細胞の第2の集団の投与後少なくとも約40日間、約4ng/mlもしくはそれより多い標的血中レベルを維持する量で投与され得る。一部の事例では、タクロリムスは、CD45+細胞の第2の集団の投与後少なくとも30日間、最大約10ng/mlの標的血中レベルを維持する量で投与される。
【0007】
一部の実施形態では、タクロリムスは、CD45+細胞の第2の集団の投与後少なくとも約60日間、CD45+細胞の第2の集団の投与後少なくとも約90日間、CD45+細胞の第2の集団の投与後最大約150日間、CD45+細胞の第2の集団の投与後最大約120日間投与される。
【0008】
一部の実施形態では、CD45+細胞の第1の集団は、少なくとも約0.5%の顆粒細胞、少なくとも約1%の顆粒細胞、最大約5%の顆粒細胞、最大約3%の顆粒細胞、最大約3%の単球、最大約2%の単球、最大約0.5%のリンパ球、最大約2%のリンパ球、少なくとも約15%の顆粒細胞、少なくとも約20%の顆粒細胞、最大約35%の顆粒細胞、最大約30%の顆粒細胞、最大約25%の顆粒細胞、少なくとも約15%の単球、少なくとも約20%の単球、最大約35%の単球、最大約30%の単球、最大約25%の単球、少なくとも約0.5%のNK細胞、およびまたは少なくとも約2%のNK細胞を含む。
【0009】
一部の実施形態では、CD45+細胞の第2の集団は、少なくとも約0.1%のCD34+細胞もしくは約0.2%~約20%のCD34+細胞および/または少なくとも約0.1%のTregを含む。
【0010】
様々な実施形態では、多成分医薬処置は、コンディショニングレジメンをさらに含み、コンディショニングレジメンは、上で列挙した成分(a)~(d)のいずれかの前に投与され、例えば、コンディショニングレジメンは、(a)~(d)のいずれかの約2日~約10日前に投与される。一部の実施形態では、コンディショニングレジメンは、骨髄破壊的コンディショニングレジメンである。一部の事例では、コンディショニングレジメンは、少なくとも3つのコンディショニング試薬を含み、少なくとも1つのコンディショニング試薬はチオテパである。実施形態では、骨髄破壊的コンディショニングレジメンは、少なくとも1回用量のチオテパ、例えば、ヒト対象の実際の体重もしくは理想体重1キログラム当たり少なくとも約5ミリグラムのチオテパまたはヒト対象の実際の体重もしくは理想体重1キログラム当たり少なくとも約10ミリグラムのチオテパを含む。様々な実施形態では、コンディショニングレジメンは、1回または複数回用量のブスルファン、フルダラビンおよびチオテパを含む。一部の実施形態では、1回または複数回用量は、それぞれ、ヒト対象の実際の体重または理想体重1kg当たり約5~約12mgのチオテパ、ヒト対象の実際の体重または理想体重1kg当たり約7~約11mgのブスルファン、および体表面積1平方メートル当たり約100~約200mgのフルダラビンを含む。
【0011】
一部の実施形態では、CD45+細胞の第1の集団は、溶液剤1ml当たり約5EU未満のエンドトキシン、溶液剤1ml当たり約1EU未満のエンドトキシン、および/または溶液剤1ml当たり約0.5EU未満のエンドトキシンを含む。一部の事例では、Tregについて濃縮された細胞の集団は、溶液剤1ml当たり約5EU未満のエンドトキシン、溶液剤1ml当たり約1EU未満のエンドトキシン、および/または溶液剤1ml当たり約0.5EU未満のエンドトキシンを含む。様々な実施形態では、CD45+細胞の第2の集団は、溶液剤1ml当たり約5EU未満のエンドトキシン、溶液剤1ml当たり約1EU未満のエンドトキシン、および/または溶液剤1ml当たり約0.5EU未満のエンドトキシンを含む。
【0012】
一部の実施形態では、HSPCはCD34+である。
【0013】
一部の実施形態では、Tregは、CD4+ CD25+ CD127dimまたはCD4+ FOXP3+である。一部の事例では、Tregについて濃縮された細胞の集団は、CD45+細胞を含み、例えば、CD45+細胞の約90%超がTregである。様々な実施形態では、Tregについて濃縮された細胞の集団は、前記ヒト対象の実際の体重もしくは理想体重1キログラム当たり約1×10~約1×10個のTregまたは前記ヒト対象の実際の体重もしくは理想体重1キログラム当たり約5×10~約4×10個のTregを含む。
【0014】
一部の実施形態では、HSPCを含むCD45+細胞の第1の集団は、前記ヒト対象の理想的身体1キログラム当たり約5×10~約2×10個のHSPCを含む。一部の事例では、CD45+細胞の第2の集団は、前記ヒト対象の実際の体重もしくは理想体重1キログラム当たり約1×10~約1×10個のTconまたは前記ヒト対象の実際の体重もしくは理想体重1キログラム当たり約5×10~約5×10個のTconを含む。
【0015】
一部の実施形態では、CD45+細胞の第1の集団およびTregについて濃縮された細胞の集団は、CD45+細胞の第2の集団の前に投与される。
【0016】
様々な実施形態では、1回または複数回用量のGVHD予防剤の第1の用量は、CD45+細胞の第2の集団の投与後に投与される。
【0017】
別の態様は、血液悪性腫瘍を有すると診断されたヒト対象を処置する方法を提供する。一実施形態によれば、方法は、ヒト対象に、CD45+細胞の第1の集団を含む溶液剤、調節性Tregについて濃縮された細胞の集団を含む溶液剤、CD45+細胞の第2の集団を含む溶液剤、および1回または複数回用量のGVHD予防剤を含む溶液剤を投与するステップを含む。この態様では、CD45+細胞の第1の集団を含む溶液剤、調節性Tregについて濃縮された細胞の集団を含む溶液剤、CD45+細胞の第2の集団を含む溶液剤、および1回または複数回用量のGVHD予防剤を含む溶液剤は、本明細書に開示されたいずれかの多成分医薬処置に従って規定された通りである。
【0018】
血液悪性腫瘍は、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、リンパ腫、ホジキンリンパ腫、および非ホジキンリンパ腫のうちの1つまたは複数に相当してもよい。
【0019】
一部の実施形態では、投与するステップは、CD45+細胞の前記第1の集団、Tregについて濃縮された細胞の前記集団、およびCD45+細胞の前記第2の集団をヒト対象に注入するステップを含む。
【0020】
一部の実施形態では、CD45+細胞の前記第2の集団は、CD45+細胞の前記第1の集団の少なくとも約12時間後に投与されてもよく、CD45+細胞の前記第2の集団は、CD45+細胞の前記第1の集団の約24~約96時間後に投与される、CD45+細胞の前記第2の集団は、CD45+細胞の前記第1の集団の約36~約60時間後に投与される、CD45+細胞の前記第2の集団は、Tregについて濃縮された細胞の前記集団の少なくとも約12時間後に投与される、CD45+細胞の前記第2の集団は、Tregについて濃縮された細胞の前記集団の約24~約96時間後に投与される、および/またはCD45+細胞の前記第2の集団は、Tregについて濃縮された細胞の前記集団の約36~約60時間後に投与される。
【0021】
様々な実施形態では、ヒト対象は、CD45+細胞の前記第2の集団の前記投与の約100日以内にステージ2より高いGVHDを発症せず、前記ヒト対象は、CD45+細胞の前記第2の集団の前記投与の約180日以内または約200日以内にステージ2より高いGVHDを発症せず、前記ヒト対象は、CD45+細胞の前記第2の集団の前記投与の約1年以内にステージ2より高いGVHDを発症しない。
【0022】
一部の実施形態では、前記ヒト対象は、血液悪性腫瘍について以前に処置されたことがあるかまたは同時に処置されている。
【0023】
一部の実施形態では、GVHD予防剤は、タクロリムス(ならびに/またはそのアナログおよび誘導体)であり、ヒト対象に、1日にヒト対象の実際の体重もしくは理想体重1kg当たり約0.03mgで最初に投与されるか、またはタクロリムスは、CD45+細胞の前記第2の集団の前記投与の約12時間~約24時間後に最初に投与される。
【0024】
様々な実施形態では、タクロリムスの用量は、第1の用量がヒト対象に投与されてから約90日後から開始して漸減されてもよく、またはタクロリムスの用量は、第1の用量がヒト対象に投与されてから約45日後から開始して漸減される。
【0025】
一部の実施形態では、CD45+細胞の第1の集団、Tregについて濃縮された細胞の集団、およびCD45+細胞の第2の集団は、単一のドナーから、1日でまたは複数日にわたって得られる。
【0026】
一部の実施形態では、少なくとも1つの動員された末梢血提供がドナーから収集されるか、または最大2つの動員された末梢血提供がドナーから収集される。
【0027】
様々な実施形態では、動員された末梢血提供の少なくとも1つが、CD34+細胞およびTregを濃縮するために処理および選別される。一部の実施形態では、動員された末梢血提供の1つもしくは複数の処理および選別時間は約35時間未満である、動員された末梢血提供の1つもしくは複数の処理および選別時間は約30時間未満である、動員された末梢血提供の1つもしくは複数の処理および選別時間は約25時間未満である、動員された末梢血提供の1つもしくは複数の処理および選別時間は最大約35時間である、ならびに/または動員された末梢血提供の1つもしくは複数の処理および選別時間は最大約25時間である。
【0028】
様々な実施形態では、動員された末梢血提供のうちの1つまたは複数は、1つまたは複数の免疫分離粒子(ISP)を使用して処理および選別され、例えば、ISPは、鉄含有粒子にそれぞれコンジュゲートした抗体であり得る免疫磁性分離粒子等の親和性試薬を含む。一部の実施形態では、親和性試薬は、HSPCの1つまたは複数のCD34受容体に結合する複数のCD34試薬(例えば、抗CD34抗体)を含む。一部の事例では、HSPC細胞集団におけるHSPC当たりのISPの平均数は、約20,000未満であり、HSPC細胞集団におけるHSPC当たりのISPの平均数は、約10,000に等しいかもしくはそれ未満である、および/またはHSPC細胞集団におけるHSPC当たりのISPの平均数は、約1500~約20,000である。実施形態では、親和性試薬は、Tregの1つまたは複数のCD25受容体に結合する複数のCD25試薬(例えば、抗CD25抗体)を含む。一部の事例では、Treg集団におけるT-reg細胞当たりのISPの平均数は、約4000に等しいかもしくはそれ未満であるかまたはTreg集団におけるT-reg細胞当たりのISPの平均数は、約1500~約2500である。
【0029】
様々な実施形態では、動員された末梢血提供のうちの細胞は、CD45+細胞の第1の集団が最大約10%の顆粒細胞を含むように選別される。一部の事例では、動員された末梢血提供のうちの細胞は、CD45+細胞の第1の集団が最大約7%の顆粒細胞を含むように選別される。
【0030】
一部の実施形態では、動員されたドナー末梢血提供のうちの細胞は、CD45+細胞の第1の集団が最大約4%の単球を含むように選別される。一部の事例では、動員されたドナー末梢血提供のうちの細胞は、CD45+細胞の第1の集団が少なくとも約0.1%の単球を含むように選別される。
【0031】
実施形態では、動員されたドナー末梢血提供のうちの細胞は、Tregについて濃縮された集団が最大約10%のCD25細胞を含むように選別される。
【0032】
様々な実施形態では、CD45+細胞の第1の集団、Tregについて濃縮された細胞の前記集団、および/またはCD45+細胞の前記第2の集団は、前記ヒト対象に対して同種である。
【0033】
一部の実施形態では、CD45+細胞の第1の集団、Tregについて濃縮された細胞の前記集団、および/またはCD45+細胞の前記第2の集団は、前記ヒト対象に対してHLA適合であるドナーから得られる。
【0034】
実施形態では、CD45+細胞の第1の集団、Tregについて濃縮された細胞の前記集団、および/またはCD45+細胞の前記第2の集団は、前記ヒト対象に対してHLA不適合であるドナーから得られる。
【0035】
様々な実施形態では、CD45+細胞の第1の集団、Tregについて濃縮された細胞の前記集団、および/またはCD45+細胞の前記第2の集団は、前記ヒト対象に対してハプロタイプが一致するドナーから得られる。
【0036】
一部の実施形態では、CD45+細胞の第2の集団は、インバリアントナチュラルキラーT細胞(iNKT)、例えば、CD3+ Vα24Jα18+であるiNKTの集団を含む。
【0037】
実施形態では、iNKTの集団は、前記ヒト対象の理想的身体の実際の体重または理想体重1キログラム当たり約5×10個を超えるiNKTを含む。
【0038】
様々な実施形態では、iNKTの集団は、前記ヒト対象の理想的身体の実際の体重または理想体重1キログラム当たり約5×10~約1×10個のiNKTを含む。
【0039】
一部の実施形態では、CD45+細胞の第2の集団は、メモリーT細胞(Tmem)、例えば、CD3+ CD45RA- CD45RO+であるTmemの集団を含む。
【0040】
実施形態では、Tmemの集団は、前記ヒト対象の理想的身体の実際の体重または理想体重1キログラム当たり約3×10個を超えるTmemを含む。
【0041】
様々な実施形態では、Tmemの集団は、前記ヒト対象の理想的身体の実際の体重または理想体重1キログラム当たり約3×10~約1×10個のTmemを含む。
【0042】
さらに別の態様は、多成分医薬処置に関連する有害事象のリスクおよび/もしくは重症度が、ヒト対象がTconを受けるがTregを受けない類似の医薬処置と比較して低減される多成分医薬処置を提供するか、またはいずれかの本明細書に開示された方法に関連する有害事象のリスクおよび/もしくは重症度が、ヒト対象がTconを受けるがTregを受けない類似の方法と比較して低減される方法である。
【0043】
一部の実施形態では、有害事象は、急性GVHD(aGVHD)であり、これは、ステージ2またはそれを超えるaGVHDを含む可能性がある。
【0044】
様々な実施形態では、有害事象は、慢性GVHD(cGVHD)であり、これは、中程度から重度のcGVHDである可能性がある。
【0045】
一部の実施形態では、ヒト対象は、細胞集団を投与された約1年後にcGVHDを有さない。
【0046】
様々な実施形態では、有害事象は、ヒト対象の悪性腫瘍の再発である。
【0047】
一部の実施形態では、ヒト対象は、医薬投与レジメンを投与された約1年後に、それらの悪性腫瘍の再発を有さない。
【0048】
実施形態では、ヒト対象は、いずれかの細胞集団の投与前に骨髄破壊的コンディショニングレジメンを受けており、有害事象は骨髄破壊的コンディショニングに関連する。
【0049】
様々な実施形態では、方法は、取扱説明書(IFU)を提供するステップをさらに含み、IFUは細胞集団を患者に投与するための使用説明書を含む。一部の事例では、IFUは、1つまたは複数の医薬品または組成物を患者に投与するための使用説明書も含む。
【0050】
さらなる態様は、血液悪性腫瘍に対する処置レジメンの一部として通常型T細胞(Tcon)集団を移植する方法であって、処置レジメンに関連する有害事象のリスクおよび/または重症度を低減する、方法を提供する。方法は、患者に、調節性T細胞(Treg)およびTregを懸濁している液体を含むTregの集団を投与するステップと;患者に、リンパ球、顆粒細胞、単球および前記細胞を懸濁している液体を含む異種細胞集団を投与するステップとを含む。この態様では、前記リンパ球の少なくとも約30%はTconを含み、細胞集団の投与後に、患者は、Tconを受けたがTregを受けなかった血液悪性腫瘍患者と比較して、低減された有害事象のリスクおよび/または重症度を有する。
【0051】
さらにさらなる態様は、血液悪性腫瘍に対する処置レジメンの一部として細胞集団をヒト患者に移植する方法であって、処置レジメンに関連する有害事象のリスクおよび/または重症度を低減する、方法を提供する。方法は、患者に投与される造血幹前駆細胞(HSPC)の集団を提供するステップであって、HSPCの集団がHSPCおよびHSPCを懸濁している液体を含む、ステップと;患者に投与される調節性T細胞(Treg)の集団を提供するステップであって、Tregの集団がTregおよびTregを懸濁している液体を含む、ステップと;患者に投与される異種細胞集団を提供するステップであって、異種細胞集団がリンパ球、顆粒細胞、単球および前記細胞を懸濁している液体を含む、ステップとを含む。この態様では、前記リンパ球の少なくとも約30%は通常型T細胞(Tcon)を含み、細胞集団の投与後に、患者は、Tcon細胞集団を受けたがT-reg細胞集団を受けなかった血液悪性腫瘍患者と比較して、低減された有害事象のリスクおよび/または重症度を有する。
【0052】
一部の実施形態では、細胞集団は、静脈内注入によって患者に投与される。
【0053】
実施形態では、各細胞集団は別々の細胞集団として提供され、単一のヒト血液ドナーに由来する。
【0054】
様々な実施形態では、有害事象は、急性移植片対宿主病(aGVHD)、例えば、ステージ2またはそれを超えるaGVHDである。一部の事例では、患者は、細胞集団を投与された約180日後に、ステージ2またはそれより高いaGVHDも有さない。
【0055】
一部の実施形態では、有害事象は、慢性移植片対宿主病(cGVHD)である。一部の事例では、患者は、細胞集団を投与された約1年後にcGVHDを有さない。
【0056】
実施形態では、有害事象は、中程度から重度のcGVHDである。一部の事例では、患者は、細胞集団を投与された約1年後に中程度から重度のcGVHDを有さない。
【0057】
様々な実施形態では、有害事象は、患者の悪性腫瘍の再発である。一部の事例では、患者は、細胞集団を投与された約1年後に悪性腫瘍の再発を有さない。
【0058】
一部の実施形態では、有害事象は、移植片対宿主病(GVHD)および患者の悪性腫瘍の再発を含む。一部の事例では、患者は、細胞集団を投与された1年後にGHVDも悪性腫瘍の再発も有さない。
【0059】
実施形態では、細胞集団の少なくとも1つは、各懸濁液1ml当たり約5EU未満のエンドトキシンを含む。
【0060】
様々な実施形態では、患者は、細胞集団の投与前に骨髄破壊的コンディショニングレジメンを受けており、有害事象は骨髄破壊的コンディショニングに関連する。一部の事例では、有害事象は、患者の悪性腫瘍または感染症の再発を含む。
【0061】
一部の実施形態では、異種細胞集団は、約0.2~約2.0パーセントの造血幹前駆細胞を含む。
【0062】
実施形態では、血液悪性腫瘍は、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、リンパ腫、ホジキンリンパ腫および非ホジキンリンパ腫である。
【0063】
様々な実施形態では、T-reg細胞の遺伝子発現レベルは、患者への投与前約60時間以内にドナーから回収された細胞に相関する。
【0064】
一部の実施形態では、T-reg集団におけるT-reg細胞の数は、異種細胞集団におけるT-con細胞の数にほぼ等しい。一部の事例では、T-reg集団におけるT-reg細胞は、患者の健康な組織によって、最大約20パーセントの量、異種細胞集団における通常型T細胞の活性化を阻害する。
【0065】
実施形態では、患者の末梢血は、細胞集団を投与されなかった健康なヒト対象と比較して、細胞集団の投与の最大約100日後まで、CD4+ T細胞に対するTregの比の上昇を呈する。
【0066】
様々な実施形態では、HSPC細胞集団における細胞の少なくとも約50%はコロニー形成単位である。
【0067】
一部の実施形態では、細胞集団の少なくとも1つは、動員されていない血液と比較して、上昇した量の顆粒細胞コロニー刺激因子を有する。一部の事例では、少なくとも1つの細胞集団は異種細胞集団である。
【0068】
実施形態では、細胞集団の少なくとも1つは、細胞集団の細胞の受容体に結合した複数の免疫分離粒子(ISP)を有する。一部の事例では、複数のISPは免疫磁性分離粒子である。様々な実施形態では、複数のISPは、鉄含有粒子にコンジュゲートした抗体を含む。
【0069】
一部の実施形態では、Tconの集団は、HSPCの集団の少なくとも約12時間後に投与され、例えば、Tconの前記集団は、HSPCの集団の約24~約96時間後に投与されるかまたはTconの前記集団は、HSPCの集団の約36~約60時間後に投与される。
【0070】
一部の実施形態では、Tconの集団は、Tregを含む細胞の前記集団の少なくとも約12時間後に投与され、例えば、Tconの前記集団は、Tregを含む細胞の集団の約24~約96時間後に投与されるかまたはTconの前記集団は、Tregを含む細胞の集団の約36~約60時間後に投与される。
【0071】
様々な実施形態では、本明細書に開示された方法は、患者に、最大約180日間の期間にわたり、タクロリムスを含む単一の移植片対宿主病(GVHD)予防剤(GVHDPA)(タクロリムスGHVDPA)を投与するステップをさらに含み、タクロリムスGHVDPAは、期間中、閾値レベルを超える患者の血中タクロリムス濃度を維持するために投与され;GHVDのリスクおよび/または重症度は有意に低減される。
【0072】
一部の実施形態では、閾値レベルは、患者の血液1ml当たり約4ngを超えるタクロリムスであるかまたは閾値レベルは、患者の血液1ml当たり約5ngを超えるタクロリムスである。
【0073】
実施形態では、タクロリムスGHVDPAは、期間中、患者の血中のタクロリムス濃度を上限閾値レベル未満に維持するために投与される。一部の事例では、上限閾値レベルは、患者の血液1ml当たり約10ng未満のタクロリムスである。
【0074】
様々な実施形態では、患者は、悪性腫瘍の再発、感染症または腎不全の少なくとも1つのリスクの低減を有する。
【0075】
一部の実施形態では、患者は、Tconの投与の約30日以内にGVHDを発症しない、Tconの投与の約100日以内にGVHDを発症しない、Tconの投与の約180日以内にGVHDを発症しない、および/またはTconの投与の約1年以内にGVHDを発症しない。
【0076】
様々な実施形態では、タクロリムス移植片対宿主病(GVHD)予防剤(GVHDPA)は、患者に静脈内投与されても経口投与されてもよい。様々な実施形態では、タクロリムス移植片対宿主病(GVHD)予防剤(GVHDPA)の投与は、T-conの投与の約12~約24時間後に開始される。一部の事例では、タクロリムスGHVDPAは、最大約90日間の期間投与され、最大約60日間の期間投与される。一部の実施形態では、タクロリムスGHVDPAは、患者に、1日に患者の実際の体重または理想体重1kg当たり約0.03mgで最初に投与される。一部の事例では、患者に投与されるタクロリムスGVHDPAの用量は、第1の用量が患者に投与されてから約90日後から開始して漸減されるか、または第1の用量が患者に投与されてから約45日後から開始して漸減される。
【0077】
一部の実施形態では、方法は、いずれかの細胞集団の投与前に、骨髄破壊的コンディショニングレジメンを患者に投与するステップをさらに含み、コンディショニングレジメンは、少なくとも1つのコンディショニング剤を患者に投与することを含む。
【0078】
実施形態では、患者は、骨髄破壊的コンディショニングレジメンの一部としていずれの放射線治療も受けない。
【0079】
様々な実施形態では、少なくとも1つのコンディショニング剤は、細胞集団のいずれかの投与の約2~約10日前に投与される。一部の事例では、少なくとも1つのコンディショニング剤は、細胞集団のいずれかの投与の約5日前に投与される。
【0080】
一部の実施形態では、少なくとも1つのコンディショニング剤はチオテパを含む。一部の事例では、患者に投与されるチオテパの用量は、実際の体重または理想体重1キログラム当たり約5~約10mgの範囲内である。
【0081】
実施形態では、少なくとも1つのコンディショニング剤は、ブスルファンおよびフルダラビンを含む。一部の事例では、患者に投与されるチオテパ、ブスルファン、およびフルダラビンの用量は、それぞれ、患者の実際の体重または理想体重1キログラム当たり約10mg、患者の実際の体重または理想体重1キログラム当たり約9.6mg、および体表面積1平方メートル当たり約150mgを含む。
【0082】
様々な実施形態では、方法は、取扱説明書(IFU)を提供するステップをさらに含み、IFUは細胞集団を患者に投与するための使用説明書を含む。一部の事例では、IFUは、1つまたは複数の医薬品または組成物を患者に投与するための使用説明書も含む。
【0083】
さらに別の態様は、血液悪性腫瘍に対する処置レジメンの一部として、細胞集団をヒト患者に移植する方法を提供する。方法は、患者に、造血幹前駆細胞(HSPC)の集団、HSPCおよびHSPCを懸濁している液体を含むHSPCの集団を投与するステップと;患者に、患者に投与される調節性T細胞(Treg)の集団、TregおよびTregを懸濁している液体を含むTregの集団を投与するステップと;患者に、患者に投与される異種細胞集団、リンパ球、顆粒細胞、単球および前記細胞を懸濁している液体を含む異種細胞集団を投与するステップであって、前記リンパ球の少なくとも約30%が通常型T細胞(Tcon)を含む、ステップと;患者に、最大約180日の期間にわたり、タクロリムスを含む単一の移植片対宿主病(GVHD)予防剤(GVHDPA)(タクロリムスGHVDPA)を投与するステップであって、タクロリムスGHVDPAが、期間中、閾値レベルを超える患者の血中タクロリムス濃度を維持するために投与される、ステップとを含み、血液悪性腫瘍に対する処置レジメンに関連するGHVDのリスクおよび/または重症度が有意に低減される。
【0084】
別の態様は、
【0085】
CD45+細胞の第1の集団を含む第1の容器と、CD45+細胞の第2の集団を含む溶液剤を含む第2の容器と、調節性T細胞(Treg)について濃縮された細胞の集団を含む溶液剤を含む第3の容器とを含む溶液剤を含むキットを提供する。この態様では、CD45+細胞の第1の集団を含む溶液剤、CD45+細胞の第2の集団を含む溶液剤、およびTregについて濃縮された細胞の集団を含む溶液剤は、いずれかの本明細書に開示された多成分医薬処置または方法に従って規定された通りである。一部の実施形態では、キットは、GVHD予防剤を含む第4の容器をさらに含む。一部の事例では、キットは、いずれかの本明細書に開示された方法を実施するための使用説明書をさらに含む。
【0086】
別の態様は、(a)動員された末梢血組成物からCD34+細胞を選別するための1つまたは複数の試薬と、(b)動員された末梢血組成物から調節性T細胞(Treg)を選別するための1つまたは複数の試薬と、(c)動員された末梢血におけるCD3+通常型T細胞の数を検出するための1つまたは複数の試薬と、(d)1回または複数回用量の移植片対宿主病(GVHD)予防剤を含む溶液剤とを含むキットを提供する。実施形態では、キットは、いずれかの本明細書に開示された方法を実施するための使用説明書をさらに含む。
【0087】
態様は、移植の最大約100日後までステージ2またはそれより高い移植片対宿主病(GVHD)応答を誘発することなく通常型T細胞(Tcon)集団をヒト対象に移植する方法を提供する。方法は、(i)リンパ球、顆粒細胞および単球を含む異種細胞集団を投与するステップであって、前記リンパ球の少なくとも約30%が通常型T細胞(Tcon)を含む、ステップと;(ii)調節性T細胞(Treg)の集団を投与するステップとを含む。この方法では、異種細胞成分および/またはTregの集団は、約5EU/ml未満のエンドトキシンを含む。
【0088】
別の態様は、ヒト対象を処置する方法であって、複数の細胞集団を投与するステップ(a)であって、複数の細胞集団が:(i)造血幹前駆細胞(HSPC)の集団;(ii)調節性T細胞(Treg)を含む細胞の集団;および(iii)通常型T細胞(Tcon)の集団を含む、ステップと;1つだけの移植片対宿主病(GVHD)予防剤を約120日未満の間投与するステップ(b)とを含む、方法を提供する。この方法では、HSPCの集団は、約2%未満のCD3+細胞を含む。
【0089】
さらなる態様は、それを必要とするヒト対象を処置する方法であって、ヒト対象に、少なくとも2つの医薬組成物を投与するステップであって、医薬組成物が、(a)造血幹前駆細胞(HSPC)の集団を含む医薬組成物;(b)調節性T細胞(Treg)の集団を含む医薬組成物;および(c)通常型T細胞(Tcon)の集団を含む医薬組成物から選択される、ステップを含む、方法を提供する。この方法では、医薬組成物(a)、(b)および(c)は、それぞれ約5EU/ml未満のエンドトキシンを含み;2つまたはそれより多い医薬組成物を投与された100名のヒト対象の群の15名未満のヒト対象は、Tconの集団を含む医薬組成物を投与された後約30日以内に、ステージ2またはそれより高い移植片対宿主病(GVHD)応答を生じる。
【0090】
追加の態様は、移植の最大約100日後までステージ2またはそれより高い移植片対宿主病(GVHD)応答を誘発することなく通常型T細胞(Tcon)集団をヒト対象に移植する方法を提供する。方法は:(i)通常型T細胞(Tcon)の集団を含む溶液剤を投与するステップと;(ii)調節性T細胞(Treg)の集団を含む溶液剤を投与するステップとを含む。この方法では、Tconの集団は、少なくとも約4時間凍結保存されており、Tconの集団を含む溶液剤およびTregの集団を含む溶液剤は、溶液剤1ml当たり約5EU未満のエンドトキシンを含む。
【0091】
態様は、それを必要とするヒト対象における血液悪性腫瘍を処置する方法であって、ヒト対象に:(a)造血幹前駆細胞(HSPC)の集団;(b)調節性T細胞(Treg)の集団;および(c)通常型T細胞(Tcon)の集団を投与するステップを含む、方法を提供する。方法では、HSPCの集団およびTregの集団は、Tconの集団の前に投与され;ヒト対象の末梢血は、3つの細胞集団を投与されなかった健康なヒト対象と比較して、3つの細胞集団を投与した約100日後までに、Treg数の上昇を呈する。
【0092】
さらなる態様は、移植の最大約100日後までステージ2またはそれより高い移植片対宿主病(GVHD)応答を誘発することなく通常型T細胞(Tcon)集団をヒト対象に移植する方法を提供する。方法は、(i)通常型T細胞(Tcon)の集団を投与するステップと;(ii)調節性T細胞(Treg)の集団を投与するステップとを含む。この方法では、Tconの集団は、Tregの集団が投与された少なくとも約12時間後に投与され;Tconの集団およびTregの集団は、約5EU/ml未満のエンドトキシンを含む。
【0093】
本発明の様々な態様および/または実施形態は、個々に、集合的に、またはそれぞれと組み合わせて認識され得ることが理解されよう。本明細書において、特定の組成物、多成分医薬処置、細胞集団、溶液剤、製剤、キット、および/または方法に関する任意の説明は、他のいずれかの特定の組成物、多成分医薬処置、細胞集団、溶液剤、製剤、キット、および/または方法に適用され、かつそれに使用されてもよい。言い換えれば、本明細書に記載の任意の態様または実施形態は、本明細書に開示されている他のいずれかの態様または実施形態と組み合わされてもよい。
参照による組込み
【0094】
本明細書において言及されるすべての刊行物、特許、および特許出願は、それぞれ個々の刊行物、特許、または特許出願が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示された場合と同じ程度に参照により本明細書に組み込まれる。
【0095】
本発明の新規特徴は、添付の特許請求の範囲において詳細に示される。本発明の特徴および利点のより深い理解は、本発明の原理が利用されている説明的な実施形態を示す次の詳細な説明、および次に示す添付の図面を参照することにより得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0096】
図1A-B】図1A~Bは、本明細書に記載されている方法(高精度Orca-TまたはOrcaTとして同定)に従った移植の概略図、および標準治療(SOC)コホート(従来の移植またはSOCとして同定)と比較した差を説明する。
【0097】
図1C図1Cは、移植片産生および投与の概略図を説明する。
【0098】
図2A図2Aは、実施例に開示されている試験に登録された患者の体重を説明する。
【0099】
図2B-C】図2B~Cは、実施例に開示されている試験に登録された患者に投与されたHSPCおよびTreg細胞用量を説明する。
【0100】
図2D図2Dは、実施例に開示されている試験に登録された患者に投与されたTreg細胞の純度を説明する。
【0101】
図3A図3Aは、試験群(Orca-Tとして同定)および標準治療(SOC)コホートにおける血小板生着までの時間を示す。
【0102】
図3B-C】図3B~3Lは、実施例に開示されている試験群の患者における様々な細胞集団の生着を説明する。これらの図は、試料収集前のドナーにおける各細胞型のレベルも説明する。次のものが示されている箱ひげ図:箱は、75、50および25パーセンタイルを示す;ひげは、90および10パーセンタイルを示す。X軸の命名法:先頭の数(例えば、01、02、025、…)は、順序付けのために言及されている;下線に続いて、Dscrn=G-CSF動員前の健康なドナー、Rscrn=コンディショニング前の1カ月以内のレシピエント、apher=アフェレーシス時に採取された健康なドナー血液、d028=レシピエント移植後28日目、d056-d365=レシピエントの移植後日数。示されているNは、時点毎の標本サイズを指し示す。記号は、個々の測定の値を指し示す。血液1uL当たり細胞数×10-3は、血液1uL当たり×1000細胞に等しい。
図3D-E】図3B~3Lは、実施例に開示されている試験群の患者における様々な細胞集団の生着を説明する。これらの図は、試料収集前のドナーにおける各細胞型のレベルも説明する。次のものが示されている箱ひげ図:箱は、75、50および25パーセンタイルを示す;ひげは、90および10パーセンタイルを示す。X軸の命名法:先頭の数(例えば、01、02、025、…)は、順序付けのために言及されている;下線に続いて、Dscrn=G-CSF動員前の健康なドナー、Rscrn=コンディショニング前の1カ月以内のレシピエント、apher=アフェレーシス時に採取された健康なドナー血液、d028=レシピエント移植後28日目、d056-d365=レシピエントの移植後日数。示されているNは、時点毎の標本サイズを指し示す。記号は、個々の測定の値を指し示す。血液1uL当たり細胞数×10-3は、血液1uL当たり×1000細胞に等しい。
図3F-G】図3B~3Lは、実施例に開示されている試験群の患者における様々な細胞集団の生着を説明する。これらの図は、試料収集前のドナーにおける各細胞型のレベルも説明する。次のものが示されている箱ひげ図:箱は、75、50および25パーセンタイルを示す;ひげは、90および10パーセンタイルを示す。X軸の命名法:先頭の数(例えば、01、02、025、…)は、順序付けのために言及されている;下線に続いて、Dscrn=G-CSF動員前の健康なドナー、Rscrn=コンディショニング前の1カ月以内のレシピエント、apher=アフェレーシス時に採取された健康なドナー血液、d028=レシピエント移植後28日目、d056-d365=レシピエントの移植後日数。示されているNは、時点毎の標本サイズを指し示す。記号は、個々の測定の値を指し示す。血液1uL当たり細胞数×10-3は、血液1uL当たり×1000細胞に等しい。
図3H-I】図3B~3Lは、実施例に開示されている試験群の患者における様々な細胞集団の生着を説明する。これらの図は、試料収集前のドナーにおける各細胞型のレベルも説明する。次のものが示されている箱ひげ図:箱は、75、50および25パーセンタイルを示す;ひげは、90および10パーセンタイルを示す。X軸の命名法:先頭の数(例えば、01、02、025、…)は、順序付けのために言及されている;下線に続いて、Dscrn=G-CSF動員前の健康なドナー、Rscrn=コンディショニング前の1カ月以内のレシピエント、apher=アフェレーシス時に採取された健康なドナー血液、d028=レシピエント移植後28日目、d056-d365=レシピエントの移植後日数。示されているNは、時点毎の標本サイズを指し示す。記号は、個々の測定の値を指し示す。血液1uL当たり細胞数×10-3は、血液1uL当たり×1000細胞に等しい。
図3J-K】図3B~3Lは、実施例に開示されている試験群の患者における様々な細胞集団の生着を説明する。これらの図は、試料収集前のドナーにおける各細胞型のレベルも説明する。次のものが示されている箱ひげ図:箱は、75、50および25パーセンタイルを示す;ひげは、90および10パーセンタイルを示す。X軸の命名法:先頭の数(例えば、01、02、025、…)は、順序付けのために言及されている;下線に続いて、Dscrn=G-CSF動員前の健康なドナー、Rscrn=コンディショニング前の1カ月以内のレシピエント、apher=アフェレーシス時に採取された健康なドナー血液、d028=レシピエント移植後28日目、d056-d365=レシピエントの移植後日数。示されているNは、時点毎の標本サイズを指し示す。記号は、個々の測定の値を指し示す。血液1uL当たり細胞数×10-3は、血液1uL当たり×1000細胞に等しい。
図3L図3B~3Lは、実施例に開示されている試験群の患者における様々な細胞集団の生着を説明する。これらの図は、試料収集前のドナーにおける各細胞型のレベルも説明する。次のものが示されている箱ひげ図:箱は、75、50および25パーセンタイルを示す;ひげは、90および10パーセンタイルを示す。X軸の命名法:先頭の数(例えば、01、02、025、…)は、順序付けのために言及されている;下線に続いて、Dscrn=G-CSF動員前の健康なドナー、Rscrn=コンディショニング前の1カ月以内のレシピエント、apher=アフェレーシス時に採取された健康なドナー血液、d028=レシピエント移植後28日目、d056-d365=レシピエントの移植後日数。示されているNは、時点毎の標本サイズを指し示す。記号は、個々の測定の値を指し示す。血液1uL当たり細胞数×10-3は、血液1uL当たり×1000細胞に等しい。
【0103】
図3M-N】図3M~Nは、試験群(Orca-T)および標準治療コホートのサブセットにおけるリンパ球および単球生着のタイムラインを示す。
【0104】
図3O図3Oは、健康対照と比較した、2名の対象におけるTregであったCD3+CD4+T細胞の頻度に関する代表的フローサイトメトリーデータを示す。健康対照において、循環CD3+CD4+T細胞の3.72%が、Treg(CD25+CD127dim)であった。2名の移植片レシピエントにおいて、移植後+28日目にCD3+CD4+T細胞の28.1%および23.7%が、+56日目に32.3%および17.8%が、+100日目に19.2%および20.7%が、Tregであった。
【0105】
図3P-1】図3Pは、健康対照と比較した、本開示の組成物のレシピエント由来の試料からのB細胞マーカーに関するフローサイトメトリーデータを示す。すべての事例において、Y軸は、CD19+染色に関する。左パネルは、B細胞(CD19+)およびT細胞(CD3+)を同定するための、リンパ球のゲーティングを示す。健康対照における9.84%と比較して、移植片レシピエントにおけるリンパ球の13.4%がB細胞であった。左から2番目のパネルは、CD19+としてゲーティングする細胞の98.3~100%が、CD20+でもあったことを示す。右から2番目のパネルは、成熟B細胞の同定に使用することができる、IgD+であるB細胞の画分を示す。移植片レシピエントにおけるB細胞の92.1%がIgD+であり、これは、健康対照において89.5%であった。最も右のパネルは、例えば、メモリーB細胞、後期形質芽細胞および形質細胞の同定に使用することができる、CD27の染色を示す。移植片レシピエントにおけるB細胞の43.6%がCD27+であり、これは、健康対照において67.1%であった。
図3P-2】図3Pは、健康対照と比較した、本開示の組成物のレシピエント由来の試料からのB細胞マーカーに関するフローサイトメトリーデータを示す。すべての事例において、Y軸は、CD19+染色に関する。左パネルは、B細胞(CD19+)およびT細胞(CD3+)を同定するための、リンパ球のゲーティングを示す。健康対照における9.84%と比較して、移植片レシピエントにおけるリンパ球の13.4%がB細胞であった。左から2番目のパネルは、CD19+としてゲーティングする細胞の98.3~100%が、CD20+でもあったことを示す。右から2番目のパネルは、成熟B細胞の同定に使用することができる、IgD+であるB細胞の画分を示す。移植片レシピエントにおけるB細胞の92.1%がIgD+であり、これは、健康対照において89.5%であった。最も右のパネルは、例えば、メモリーB細胞、後期形質芽細胞および形質細胞の同定に使用することができる、CD27の染色を示す。移植片レシピエントにおけるB細胞の43.6%がCD27+であり、これは、健康対照において67.1%であった。
【0106】
図4A図4Aは、移植後+120日目までの、試験群(Orca-T)および標準治療コホートにおけるグレード≧2 aGVHDの開始を示す。ほぼすべての時点で、Orca-Tデータは、標準治療データを下回る。
【0107】
図4B図4Bは、移植後+120日目までの、試験群(Orca T)および標準治療コホートにおけるグレード≧3 aGVHDの開始を示す。ほぼすべての時点で、Orca-Tデータは、標準治療データを下回る。
【0108】
図4C図4Cは、移植後+365日目までの、試験群(Orca-T)および標準治療(SOC)コホートにおける中等度~重度cGVHDの開始を示す。ほぼすべての時点で、Orca-Tデータは、標準治療データを下回る。
【0109】
図4D図4Dは、移植後+365日目までの、試験群(Orca-T)および標準治療(SOC)コホートにおける非再発関連死亡率を示す。ほぼすべての時点で、Orca-Tデータは、標準治療データを下回る。
【0110】
図4E図4Eは、移植後+365日目までの、試験群(Orca-T)および標準治療コホートにおける再発率を示す。最終時点で、Orca-T再発率は、16%であり、標準治療再発率は、19%である。
【0111】
図4F図4Fは、移植後+365日目までの、試験群(Orca-T)および標準治療コホートにおける無GVHDおよび無再発生存率を示す。ほぼすべての時点で、Orca-Tデータは、標準治療データを上回る。
【0112】
図4G図4Gは、移植後+365日目までの、試験群および標準治療コホートにおける無cGVHD生存率を示す。ほぼすべての時点で、Orca-Tデータは、標準治療データを上回る。
【0113】
図4H図4Hは、移植後+365日目までの、試験群および標準治療コホートにおける全生存率を示す。最終時点で、Orca-T全生存率は、90%であり、標準治療全生存率は、78%である。
図4I図4Iは、移植後+365日目までの、試験群および標準治療(SOC)コホートのサブセットにおける入院日数を示す。
【0114】
図5図5は、移植前ならびに移植後+90、+180および+356日目における、試験群における対象の小サブセットの疾患状況を要約する。CRは、完全寛解を表示し、MRDは、微小残存病変を表示する。
【0115】
図6A-D】図6A~Fは、異なるコンディショニングレジメンを受けた試験群における患者のサブセットにおけるaGVHD、cGVHD、再発、無再発生存期間、無GVHDおよび無再発生存期間(GRFS)および全生存率を比較する。
図6E-F】図6A~Fは、異なるコンディショニングレジメンを受けた試験群における患者のサブセットにおけるaGVHD、cGVHD、再発、無再発生存期間、無GVHDおよび無再発生存期間(GRFS)および全生存率を比較する。
【0116】
図7A-B】図7A~Hは、異なるGVHD予防剤を受けた試験群における患者のサブセットにおけるaGVHD、cGVHD、非再発関連死亡率、再発、無再発生存期間、無GVHDおよび無再発生存期間(GRFS)および全生存率を比較する。
図7C-F】図7A~Hは、異なるGVHD予防剤を受けた試験群における患者のサブセットにおけるaGVHD、cGVHD、非再発関連死亡率、再発、無再発生存期間、無GVHDおよび無再発生存期間(GRFS)および全生存率を比較する。
図7G-H】図7A~Hは、異なるGVHD予防剤を受けた試験群における患者のサブセットにおけるaGVHD、cGVHD、非再発関連死亡率、再発、無再発生存期間、無GVHDおよび無再発生存期間(GRFS)および全生存率を比較する。
【0117】
図8A図8A~Cは、異なる血清タクロリムストラフレベルを有する患者におけるaGVHDおよびcGVHD率を説明する。
図8B-C】図8A~Cは、異なる血清タクロリムストラフレベルを有する患者におけるaGVHDおよびcGVHD率を説明する。
【0118】
図9A-B】図9A~Bは、異なる血清タクロリムスレベルを有した患者におけるaGVHDおよびcGVHDレベルを比較する。
【0119】
図9C-D】図9C~Dは、異なる血清タクロリムスレベルを有したが、ブスルファンおよびシクロホスファミド(Bu/Cy)の同じコンディショニングレジメンを与えた患者におけるaGVHDおよびcGVHDレベルを比較する。
【0120】
図9E-F】図9E~Gは、異なる血清タクロリムスレベルを有したが、全身照射(TBI)/ブスルファン、フルダラビン、チオテパ(TBI/BFT)の同じコンディショニングレジメンを与えた患者におけるaGVHDおよびcGVHDレベルを比較する。
図9G図9E~Gは、異なる血清タクロリムスレベルを有したが、全身照射(TBI)/ブスルファン、フルダラビン、チオテパ(TBI/BFT)の同じコンディショニングレジメンを与えた患者におけるaGVHDおよびcGVHDレベルを比較する。
【0121】
図9H図9Hは、+30日目(キメラ現象データが、「D90」によって指し示される90日目に由来することを除いて)におけるドナー起源のCD3+細胞の割合に対してプロットされた、移植後+30日目までの平均トラフタクロリムスレベルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0122】
詳細な説明
導入
本発明の様々な実施形態は、同種造血幹細胞移植(alloHCT)の改善に関する組成物、多成分医薬処置、細胞集団、溶液剤、製剤、キット、おび/または方法を提供する。
【0123】
alloHCTは、通常、ドナーの骨髄、末梢血、または臍帯血に由来する多能性造血幹前駆細胞(HSPC)の、レシピエントへの移植である。レシピエントは、腫瘍細胞および宿主免疫細胞を含む造血細胞を死滅させる骨髄破壊的コンディショニングに供されてもよい。次いで、レシピエントに移植されたHSPCは、造血コンパートメントを再構成する。HCTは、移植片対腫瘍反応(GVT)と称される、抗腫瘍効果を発揮するドナーT細胞の能力に起因して、がんに対する処置として有用であり得る。化学療法に対して難治性である血液悪性腫瘍を有する患者では、HCTは生存期間の改善に関連する。
【0124】
驚くべきことに、タクロリムスからなる単剤の移植片対宿主病(GVHD)予防薬を受けたalloHCTレシピエントは、既存のalloHCTレジメンおよび標準治療よりも有意に良好な臨床結果を有した。これらのレシピエントは、例えば、全生存期間の増加、無再発生存期間の増加、無GVHDおよび無再発生存期間(GRFS)の増加、様々な造血成分(例えば、好中球、血小板、T細胞、B細胞)のより迅速および/または完全な生着、ドナーキメラ化(例えば、T細胞キメラ化)の改善、再発の減少、一次移植不全の減少、二次移植不全の減少、処置関連死亡率の低下、急性および/または慢性GVHDの低下、ならびにタクロリムスからなる単剤のGVHD予防薬の後に退院する時間の短縮を含む臨床結果の改善を経験する。
【0125】
alloHCTは、化学療法に対して難治性である血液悪性腫瘍を有する患者の生存期間の改善に関連するが、既存のalloHCTレジメンで処置した一部の対象は、がんの再発を呈し、いくつかの合併症がalloHCTの有効性を制限する場合がある。alloHCTの効力は、例えば、一次移植不全、二次移植不全、様々な造血成分(例えば、好中球、血小板、T細胞、またはB細胞)の生着の制限または遅延、およびドナーキメラ化(例えば、T細胞キメラ化)の制限によって制限される場合がある。さらに、alloHCTは、例えば、処置に関連する倫理観または毒性をもたらし得る。しかしながら、ドナーT細胞は、非腫瘍宿主細胞も攻撃し、移植片対宿主病(GVHD)をもたらす場合がある。GVHDは、HCT後の合併症の主要な原因であり、致命的である場合がある。GVHDの管理には、免疫抑制治療または細胞傷害性の媒介が必要とされる場合があり、これらは、毒性、感染への感受性の増加、および/または抗腫瘍免疫の鈍化の原因となる可能性がある。急性移植片対宿主病(aGVHD;移植の最初の100日後以内に生じる)に関連する早期の罹患および死亡は、慢性GVHD(cGVHD)に関連する長期間の罹患と同様に、HCTの成功を限定する主要な要因である。GVHDは、HLA適合とHLA不適合の両方の移植に対するリスクである。GVHDは、ドナーおよびレシピエントがHLA適合であっても生じる場合があり、これは、免疫系が、ドナー組織間の他の差異を依然として認識し得るためである。
【0126】
GVTとGVHDはいずれも、通常型T細胞(Tcon)によって大いに媒介され、T細胞受容体による同種抗原の認識の際に免疫応答を開始する。造血幹細胞移植(HCT)の移植片からT細胞を枯渇させることにより、GVHDが低減され得るが、GVTの低減およびがん再発の可能性の増加ももたらされ得る。Tconの他に、Tregは、炎症を負に調節し、免疫寛容を促進するT細胞のさらなるサブセットである。Tregは、例えば、ドナーTconがレシピエント抗原を認識する場合にこれらによって誘発される炎症を含む、炎症の負の調節によってGVHDを防止または低減することができる。
【0127】
alloHCTの改善のための方法であって、対象に、少なくともHSPCを含むCD45+細胞の第1の集団、少なくともTregについて濃縮された細胞の集団、および少なくともTconを含むCD45+細胞の第2の集団を含む細胞の集団を含む、ある特定の細胞集団を投与するステップを含む方法が本明細書において提供される。理論に拘束されることは望まないが、Tregについて濃縮された細胞の集団を投与することにより、GVHDの発生率および/または重症度が低下するが、Tconを含むCD45+細胞の第2の集団を投与することは、GVTを増強する。本発明の実施形態は、GVHDを最小限にしながらGVTを増強するために、少なくともT細胞の両集団を投与するための組成物、多成分医薬処置、細胞集団、溶液剤、製剤、キット、および/または方法を提供する。したがって、本明細書に開示された組成物、多成分医薬処置、細胞集団、溶液剤、製剤、キット、および/または方法は、がん(例えば、血液がん)を有する対象に投与されるalloHCTの移植片対腫瘍反応(GVT)効果を保持するが、一方で、対象における移植片対宿主病(GVHD)を防止または低減することができる。一部の実施形態では、2つまたはそれより多い細胞集団は異なる時点で投与され、例えば、少なくともHSPCを含むCD45+細胞の第1の集団およびTregについて濃縮された細胞集団は、少なくともTconを含むCD45+細胞の第2の集団の前に投与され得る。
I.細胞集団
【0128】
本発明の実施形態は、それを必要とするヒト対象に投与される多成分医薬処置を提供する。多成分処置は、(a)造血幹前駆細胞(HSPC)および顆粒細胞を含むCD45+細胞の第1の集団を含む溶液剤であって、CD45+細胞の第1の集団の最大約10%が顆粒細胞を含む、溶液剤;(b)調節性T細胞(Treg)について濃縮された細胞の集団を含む溶液剤;(c)CD45+細胞の第2の集団を含む溶液剤であって、CD45+細胞の第2の集団が、少なくとも約20%のCD3+通常型T細胞(Tcon)、少なくとも約10%の単球、および少なくとも約10%の顆粒細胞を含む、溶液剤;ならびに(d)1回または複数回用量の移植片対宿主病(GVHD)予防剤、例えばタクロリムスを含む溶液剤を含む。様々な実施形態では、HSPCはCD34+である。
【0129】
一部の実施形態では、HSPCを含むCD45+細胞の第1の集団は、前記ヒト対象の理想的身体1キログラム当たり約5×10~約2×10のHSPCを含む。実施形態では、CD45+細胞の第1の集団は、少なくとも約0.5%の顆粒細胞、少なくとも約1%の顆粒細胞、最大約5%の顆粒細胞、最大約3%の顆粒細胞、最大約3%の単球、最大約2%の単球、最大約0.5%のリンパ球、最大約2%のリンパ球、少なくとも約15%の顆粒細胞、少なくとも約20%の顆粒細胞、最大約35%の顆粒細胞、最大約30%の顆粒細胞、最大約25%の顆粒細胞、少なくとも約15%の単球、少なくとも約20%の単球、最大約35%の単球、最大約30%の単球、最大約25%の単球、少なくとも約0.5%のNK細胞、およびまたは少なくとも約2%のNK細胞を含む。様々な実施形態では、CD45+細胞の第1の集団、Tregについて濃縮された細胞の集団、およびCD45+細胞の第2の集団は、単一のドナーから得られる。一部の実施形態では、CD45+細胞の第1の集団、Tregについて濃縮された細胞の前記集団、および/またはCD45+細胞の前記第2の集団は、前記ヒト対象に対して同種である。実施形態では、CD45+細胞の第1の集団、Tregについて濃縮された細胞の前記集団、および/またはCD45+細胞の前記第2の集団は、前記ヒト対象に対してHLA適合であるドナーから得られる。様々な実施形態では、CD45+細胞の第1の集団、Tregについて濃縮された細胞の前記集団、および/またはCD45+細胞の前記第2の集団は、前記ヒト対象に対してHLA不適合であるドナーから得られる。一部の実施形態では、CD45+細胞の第1の集団、Tregについて濃縮された細胞の前記集団、および/またはCD45+細胞の前記第2の集団は、前記ヒト対象に対してハプロタイプが一致するドナーから得られる。
【0130】
実施形態では、Tregは、CD4+ CD25+ CD127dimまたはCD4+ FOXP3+である。一部の事例では、Tregについて濃縮された細胞の集団は、CD45+細胞を含み、例えば、前記CD45+細胞の約90%より多くがTregである。様々な実施形態では、Tregについて濃縮された細胞の集団は、前記ヒト対象の実際の体重もしくは理想体重1キログラム当たり約1×10~約1×10個のTregまたは前記ヒト対象の実際の体重もしくは理想体重1キログラム当たり約5×10~約4×10個のTregを含む。
【0131】
一部の実施形態では、CD45+細胞の第2の集団は、前記ヒト対象の実際の体重もしくは理想体重1キログラム当たり約1×10~約1×10個のTconまたは前記ヒト対象の実際の体重もしくは理想体重1キログラム当たり約5×10~約5×10個のTconを含む。実施形態では、CD45+細胞の第2の集団は、少なくとも約0.1%のCD34+細胞または約0.2%~約20%のCD34+細胞および/または少なくとも約0.1%のTregを含む。様々な実施形態では、CD45+細胞の第2の集団は、メモリーT細胞(Tmem)、例えば、CD3+ CD45RA- CD45RO+であるTmemの集団を含む。一部の実施形態では、Tmemの集団は、前記ヒト対象の理想的身体の実際の体重または理想体重1キログラム当たり約3×10個を超えるTmemを含む。実施形態では、Tmemの集団は、前記ヒト対象の理想的身体の実際の体重または理想体重1キログラム当たり約3×10~約1×10個のTmemを含む。様々な実施形態では、CD45+細胞の第2の集団は、インバリアントナチュラルキラーT細胞(iNKT)、例えば、CD3+ Vα24Jα18+であるiNKTの集団を含む。一部の実施形態では、iNKTの集団は、前記ヒト対象の理想的身体の実際の体重または理想体重1キログラム当たり約5×10個を超えるiNKTを含む。実施形態では、iNKTの集団は、前記ヒト対象の理想的身体の実際の体重または理想体重1キログラム当たり約5×10~約1×10個のiNKTを含む。
【0132】
造血幹細胞移植(HCT)、例えば、同種造血幹細胞移植(alloHCT)の改善のための組成物、多成分医薬処置、細胞集団、溶液剤、製剤、キット、および/または方法が本明細書において提供される。本明細書に開示された組成物、多成分医薬処置、細胞集団、溶液剤、製剤、キット、および/または方法は、ポジティブな臨床結果を達成するためにGVHD予防剤と組み合わせて投与することができる1つまたは複数の細胞集団を含み得る。細胞集団は、1つまたは複数の細胞型、例えば、造血幹前駆細胞(HSPC)、通常型T細胞(Tcon)、調節性T細胞(Treg)、インバリアントナチュラルキラーT細胞(iNKT)、メモリーT細胞(Tmem)、およびこれらの組合せを含み得る。
【0133】
本開示は、細胞集団に対するパラメーターおよび細胞集団を投与する方法を提供し、HCTレシピエント対象における臨床結果の成功に寄与し得る。理論に拘束されることを望まないが、HCTレシピエント対象における臨床結果の成功に寄与し得るパラメーターには、例えば、本明細書に記載されているGVHD予防剤(例えば、タクロリムス)の同時投与、投与される集団、異なる集団の投与に関する順序およびタイミング、集団の純度標準、集団を得るための方法、集団の取扱いまたは選別の方法、投与される集団の投薬量、集団を得るための方法、およびこれらの組合せが含まれる。
【0134】
様々な実施形態では、投与するステップは、CD45+細胞の前記第1の集団、Tregについて濃縮された細胞の前記集団、およびCD45+細胞の前記第2の集団を前記ヒト対象に注入するステップを含む。
【0135】
一部の実施形態では、CD45+細胞の前記第2の集団(本明細書に開示されている)は、CD45+細胞の前記第1の集団(本明細書に開示されている)の少なくとも約12時間後に投与される、CD45+細胞の前記第2の集団は、CD45+細胞の前記第1の集団の約24~約96時間後に投与される、CD45+細胞の前記第2の集団は、CD45+細胞の前記第1の集団の約36~約60時間後に投与される、CD45+細胞の前記第2の集団は、Tregについて濃縮された細胞の前記集団(本明細書に開示されている)の少なくとも約12時間後に投与される、CD45+細胞の前記第2の集団は、Tregについて濃縮された細胞の前記集団の約24~約96時間後に投与される、および/またはCD45+細胞の前記第2の集団は、Tregについて濃縮された細胞の前記集団の約36~約60時間後に投与される。
【0136】
HSPCは、広範囲に及ぶ自己再生能力、および特殊な細胞型に分化する能力、例えば、すべての造血細胞系統を再構成する能力を有し得る。HSPCは非同期複製を受けることができ、異なる表現型を有する2つの娘細胞が生成される。HSPC細胞は、有糸分裂の静止形態で存在し得る。HSPCは、骨髄、末梢血、および/または臍帯血に由来し得る。
【0137】
通常型T細胞(Tcon)、調節性T細胞(Treg)、インバリアントナチュラルキラーT細胞(iNKT)、およびメモリーT細胞(Tmem)等の免疫細胞のサブセットは、HCT後のGVHDの態様の原因である場合があり、例えば、GVT免疫応答、免疫再構成、感染への感受性、および患者の生存期間の原因である場合もある。
【0138】
GVHDは、主にドナーT細胞によって媒介され得、ドナーT細胞はレシピエント抗原を認識すると炎症応答を誘発し得る。対象に移植するための細胞集団のT細胞枯渇(TCD)は、急性および/または慢性GVHDの可能性を低下させ得る。T細胞は、レクチン等のタンパク質リガンドへのT細胞の物理吸着、T細胞特異的抗体による免疫枯渇、および免疫親和性技法(例えば、免疫吸着カラムにおけるT細胞もしくはリンパ球特異的抗体の使用、磁気活性化細胞選別(MACS)、または蛍光活性化細胞選別(FACS))を含むがこれらに限定されない方法を使用して枯渇され得る。ドナー移植片へのTCD技法の適用は、例えば、T細胞の10分の1~10分の1への枯渇、およびGVHDの発生率の低下をもたらし得る。しかし、TCDは、T細胞の欠如によって移植片対腫瘍反応(GVT)の免疫応答が低下する可能性があるため、がん再発率の増加ももたらす場合がある。さらに、TCDは、免疫回復の障害、および感染症への感受性の増加をもたらし得る。
【0139】
GVTとGVHDはいずれも、通常型T細胞(Tcon)によって大いに媒介され、T細胞受容体による同種抗原(GVTに関しては腫瘍抗原、GVHDに関しては非腫瘍レシピエント抗原)の認識の際に免疫応答を開始する場合がある。Tconは、例えば、GVT、GVHD、またはこれらの組合せの原因となる可能性がある。一部の実施形態では、Treg投与後のTconの投与は、GVT免疫を増強する可能性がある、および/または感染症への感受性を低下させる可能性がある。
【0140】
Tconは、広義には、すべてのCD3+ T細胞、CD3およびCD4を発現する細胞、またはCD3およびCD8を発現する細胞、中レベルから高レベルのCD127を発現する細胞、CD3および中程度から高レベルのCD127を発現する細胞、CD3を発現する細胞、中程度から高レベルのCD127を発現する細胞、ならびにCD4またはCD8を発現する細胞を指し得る。一部の実施形態では、Tconは、Vα24Jα18 TCRを発現しない。Tconおよび調節性T細胞(「Treg」)は、相互に排他的ではない細胞集団である可能性がある。一部の実施形態では、TconおよびTregは、相互に排他的な細胞集団である。
【0141】
調節性T細胞(「Treg」)は、免疫系の活性化を負に調節し(例えば、抑制し)、それによって免疫寛容を促進するT細胞の特殊な下位集団である。理論に拘束されることを望まないが、Tregについて濃縮された本開示の細胞集団は、例えば、移植レシピエント対象におけるGVHDの発生率および/もしくは重症度を低下させる、ならびに/または移植レシピエントにおける免疫再構成を改善することによってポジティブな臨床結果に寄与する。Tregについて濃縮された細胞集団を、少なくともHSPCを含むCD45+細胞の集団と共に投与することによって、例えば、移植片対腫瘍反応(GVT)の保持ならびにGVHDの発生率および/または重症度の低下が促進され得る。理論に拘束されることを望まないが、例えば、代替の造血幹細胞移植(HCT)方法、すなわち、本明細書で開示および/または特許請求された組成物、多成分医薬処置、細胞集団、溶液剤、製剤、キット、および/または方法とは別個の方法に比べて、Tregについて濃縮された細胞の集団を投与することによりGVHDを防止することができ、少なくともTconを含むCD45+細胞の第2の集団を投与することによりGVT効果を促進することができる。一部の実施形態では、代替のHCT方法、すなわち、本明細書で開示および/または特許請求された組成物、多成分医薬処置、細胞集団、溶液剤、製剤、キット、および/または方法とは別個の方法に比べて、Tregについて濃縮された細胞の集団を投与することによりGVHDを発症するリスクを低下させ、少なくともTconを含むCD45+細胞の第2の集団を投与することによりGVT効果を促進する。
【0142】
本明細書で使用される場合、代替の組成物は、本明細書で開示されているおよび/または特許請求の範囲に記載されている1つまたは複数の細胞集団および/または予防剤を欠く。例として、代替の組成物は、HSPCを含む細胞集団、Tregを含む細胞集団、Tconを含む細胞集団、および予防剤のうちの1つまたは複数を欠く。一部の実施形態では、代替の組成物または処置レジメンは、本開示の組成物または処置レジメンと比較して、追加の細胞集団または薬剤、例えば、追加のまたは異なるGVHD予防剤を含む。
【0143】
いくつかのTregのサブセット、例えば、TCRαβ+ CD4+調節性T細胞が存在し、これは、天然の調節性T細胞(nTreg)および誘導型調節性T細胞(iTreg)を含む。nTregは、胸腺で生成され、自己抗原特異的リンパ球の長寿命系統として末梢に送達されるT細胞である可能性がある。iTregは、循環リンパ球から動員され、末梢での特定条件の刺激下で調節性を獲得することができる。nTregおよびiTregはCD4+CD25+であり、いずれも、用量依存的にCD4+CD25- T細胞の増殖を阻害し得る。一部の実施形態では、Tregは、アネルギー性であり、TCR刺激を受けても増殖しない。CD4およびCD25に対して正であることに加え、Tregは、転写因子FOXP3という細胞内マーカーに対して正である可能性がある。Tregは、様々なマーカー発現プロファイルに基づいて同定または選択され得る。Tregを選択するために使用され得るマーカー発現プロファイルの非限定的な例には、(1)CD4+CD25+CD127dim、(2)CD4+FOXP3+、(3)CD3+CD4+CD25+、(5)CD3+ CD4+ CD25+ CD127dim、(6)CD3+ CD4+ CD25+ CD127dim FOXP3+、(7)CD3+FOXP3+、(8)CD3+CD4+FOXP3+、(9)CD3+ CD4+CD25+FOXP3+、(10)CD3+CD25+FOXP3+、(11)CD3+CD25+CD127dim、(12)CD4+CD25+、(13)CD4+CD25+CD127dimFOXP3+、(14)FOXP3+、CD4+FOXP3+、(15)CD4+CD25+FOXP3+、(16)CD25+FOXP3+、および(17)CD25+ CD127dimが含まれる。
【0144】
ある特定の発現プロファイルに基づく選択、例えば、CD4+CD25+CD127dimに基づく選択は、細胞外マーカーに基づき、細胞透過を必要とせず実現され得る。
【0145】
Tregを含む細胞集団は、例えば、移植拒絶の発生率を低下させるか、GVHDの発生率および/もしくは重症度を低下させるか、造血再構成を促進するか、免疫再構成を促進するか、混合キメラ化を促進するか、またはこれらの組合せを実現できる。
【0146】
本開示の細胞集団は、インバリアントナチュラルキラーT細胞(iNKT)を含み得る。iNKTは、ヒトにおいてVα24Jα18 TCRα鎖のものを含む高度に保存されたαβ-T細胞受容体を発現するCD1d限定ナチュラルキラーT(NKT)細胞のサブクラスである(本明細書において「Vα24Jα18+」と称される)。iNKT細胞は、α-ガラクトシルセラミド(GalCer)、PBS-57、PBS-44または他の天然もしくは合成の糖脂質を負荷したようなCD1d多量体と結合することによって同定され得る。別の同定方法は、Vα24Jα18領域を特異的に認識する抗体または抗体の組合せである。例としては、Vα24Jα18 TCRの固有の領域に特異的に結合するVα24抗体、Jα18抗体、またはモノクローナル抗体クローン6B11が挙げられ、iNKT細胞を同定するために使用することができる。iNKTは、CD3+Vα24Jα18+であってもよい。
【0147】
一部の実施形態では、iNKTは、生着を促進する、GVTを促進する、GVHDの発生率および/もしくは重症度を低下させる、がん再発への感受性を低下させる、感染症への感受性を低下させる、またはこれらの組合せを実現することができる。一部の実施形態では、iNKTは、Tregの活性を促進する。一部の実施形態では、iNKTは、HSPCの活性を促進する。
【0148】
本開示の細胞集団は、メモリーT細胞(Tmem)を含み得る。Tmemは、例えば、表現型マーカーCD45RO、TCRα、TCRβ、CD3、CD4、CD95、およびIL-2Rβ、または表現型マーカーCD45RO、TCRα、TCRβ、CD3、CD8、CD95、およびIL-2Rβを発現する抗原経験T細胞を指し得る。Tmemは免疫を付与し、不活性状態で長期間存続することが可能である。Tmemは、抗原が再負荷されたら、迅速にエフェクター機能を獲得することができる。Tmemの集団は、サブクラスであるセントラルメモリーT細胞とエフェクターメモリーT細胞の任意の組合せを含み得る。一部の実施形態では、Tmemは、CD3+CD45RA-CD45RO+である。様々な方法では、HCTを受ける対象に投与されたTmemは、例えば、GVTを促進する、GVHDを低減する、がん再発への感受性を低下させる、感染症への感受性を低下させる、またはこれらの組合せを実現することができる。
A.細胞の獲得および処理
【0149】
一部の実施形態では、少なくとも1つの動員された末梢血提供がドナーから収集されるか、または最大2つの動員された末梢血提供がドナーから収集される。
【0150】
実施形態では、動員された末梢血提供の少なくとも1つが、CD34+細胞およびTregを濃縮するために処理および選別される。一部の実施形態では、動員された末梢血提供の1つもしくは複数の処理および選別時間は約35時間未満である、動員された末梢血提供の1つもしくは複数の処理および選別時間は約30時間未満である、動員された末梢血提供の1つもしくは複数の処理および選別時間は約25時間未満である、動員された末梢血提供の1つもしくは複数の処理および選別時間は最大約35時間である、ならびに/または動員された末梢血提供の1つもしくは複数の処理および選別時間は最大約25時間である。
【0151】
様々な実施形態では、動員された末梢血提供のうちの1つまたは複数は、1つまたは複数の免疫分離粒子(ISP)を使用して処理および選別され、例えば、ISPは、鉄含有粒子にそれぞれコンジュゲートした抗体であり得る免疫磁性分離粒子等の親和性試薬を含む。一部の実施形態では、親和性試薬は、HSPCの1つまたは複数のCD34受容体に結合する複数のCD34試薬(例えば、抗CD34抗体)を含む。
【0152】
一部の事例では、複数のISPの少なくとも一部をHSPC細胞集団のHSPCのCD34+受容体に結合させる;必要に応じて、HSPC細胞集団におけるHSPC当たりのISPの平均数は、約20,000未満であり、HSPC細胞集団におけるHSPC当たりのISPの平均数は、約10,000に等しいかもしくはそれ未満である、および/またはHSPC細胞集団におけるHSPC当たりのISPの平均数は、約1000~約20,000である。
【0153】
一部の実施形態では、HSPC細胞集団におけるHSPC当たりのISPの平均数は、約1,500~約20,000であってもよい。一部の実施形態では、HSPC細胞集団におけるHSPC当たりのISPの平均数は、少なくとも約1,500であってもよい。一部の実施形態では、HSPC細胞集団におけるHSPC当たりのISPの平均数は、最大約20,000であってもよい。一部の実施形態では、HSPC細胞集団におけるHSPC当たりのISPの平均数は、約1,500~約2,000、約1,500~約5,000、約1,500~約6,000、約1,500~約10,000、約1,500~約12,000、約1,500~約15,000、約1,500~約20,000、約2,000~約5,000、約2,000~約6,000、約2,000~約10,000、約2,000~約12,000、約2,000~約15,000、約2,000~約20,000、約5,000~約6,000、約5,000~約10,000、約5,000~約12,000、約5,000~約15,000、約5,000~約20,000、約6,000~約10,000、約6,000~約12,000、約6,000~約15,000、約6,000~約20,000、約10,000~約12,000、約10,000~約15,000、約10,000~約20,000、約12,000~約15,000、約12,000~約20,000、または約15,000~約20,000であってもよい。一部の実施形態では、HSPC細胞集団におけるHSPC当たりのISPの平均数は、約1,500、約2,000、約5,000、約6,000、約10,000、約12,000、約15,000、または約20,000であってもよい。一部の実施形態では、HSPC細胞集団におけるHSPC当たりのISPの平均数は、少なくとも1,500、2,000、5,000、6,000、10,000、12,000、15,000、または20,000であってもよい。一部の実施形態では、HSPC細胞集団におけるHSPC当たりのISPの平均数は、最大1,500、2,000、5,000、6,000、10,000、12,000、15,000、または20,000であってもよい。
【0154】
一部の事例では、複数のISPの少なくとも一部をTreg細胞集団の細胞のCD25+受容体に結合させる;必要に応じて、Treg集団におけるT-reg細胞当たりのISPの平均数は、約4000に等しいかもしくはそれ未満であり、またはTreg集団におけるT-reg細胞当たりのISPの平均数は、約1500~約2500である。一部の事例では、複数のISPの少なくとも一部を異種細胞集団の細胞のCD3+受容体に結合させる;必要に応じて、Tと異種の集団における細胞当たりのISPの平均数は、約4,000未満である。
【0155】
一部の実施形態では、Treg細胞集団におけるTreg細胞当たりのISPの平均数は、約500~約4,000であってもよい。一部の実施形態では、Treg細胞集団におけるTreg細胞当たりのISPの平均数は、少なくとも約500であってもよい。一部の実施形態では、Treg細胞集団におけるTreg細胞当たりのISPの平均数は、最大約4,000であってもよい。一部の実施形態では、Treg細胞集団におけるTreg細胞当たりのISPの平均数は、約500~約1,000、約500~約1,500、約500~約2,000、約500~約2,500、約500~約3,000、約500~約4,000、約1,000~約1,500、約1,000~約2,000、約1,000~約2,500、約1,000~約3,000、約1,000~約4,000、約1,500~約2,000、約1,500~約2,500、約1,500~約3,000、約1,500~約4,000、約2,000~約2,500、約2,000~約3,000、約2,000~約4,000、約2,500~約3,000、約2,500~約4,000、または約3,000~約4,000であってもよい。一部の実施形態では、Treg細胞集団におけるTreg細胞当たりのISPの平均数は、約500、約1,000、約1,500、約2,000、約2,500、約3,000、または約4,000であってもよい。一部の実施形態では、Treg細胞集団におけるTreg細胞当たりのISPの平均数は、少なくとも500、1,000、1,500、2,000、2,500、3,000、または4,000であってもよい。一部の実施形態では、Treg細胞集団におけるTreg細胞当たりのISPの平均数は、最大500、1,000、1,500、2,000、2,500、3,000、または4,000であってもよい。
【0156】
一部の実施形態では、Tcon細胞集団におけるTcon細胞当たりのISPの平均数は、約100~約1,000であってもよい。一部の実施形態では、Tcon細胞集団におけるTcon細胞当たりのISPの平均数は、少なくとも約100であってもよい。一部の実施形態では、Tcon細胞集団におけるTcon細胞当たりのISPの平均数は、最大約1,000であってもよい。一部の実施形態では、Tcon細胞集団におけるTcon細胞当たりのISPの平均数は、約100~約200、約100~約500、約100~約1,000、約200~約500、約200~約1,000、または約500~約1,000であってもよい。一部の実施形態では、Tcon細胞集団におけるTcon細胞当たりのISPの平均数は、約100、約200、約500、または約1,000であってもよい。一部の実施形態では、Tcon細胞集団におけるTcon細胞当たりのISPの平均数は、少なくとも100、200、500、または1,000であってもよい。一部の実施形態では、Tcon細胞集団におけるTcon細胞当たりのISPの平均数は、最大100、200、500、または1,000であってもよい。
【0157】
様々な実施形態では、動員された末梢血提供のうちの細胞は、CD45+細胞の第1の集団が最大約10%の顆粒細胞を含むように選別される。一部の事例では、動員された末梢血提供のうちの細胞は、CD45+細胞の第1の集団が最大約7%の顆粒細胞を含むように選別される。
【0158】
一部の実施形態では、動員されたドナー末梢血提供のうちの細胞は、CD45+細胞の第1の集団が最大約4%の単球を含むように選別される。一部の事例では、動員されたドナー末梢血提供のうちの細胞は、CD45+細胞の第1の集団が少なくとも約0.1%の単球を含むように選別される。
【0159】
実施形態では、動員されたドナー末梢血提供のうちの細胞は、Tregについて濃縮された集団が最大約10%のCD25細胞を含むように選別される。
【0160】
一部の実施形態では、本開示の細胞集団は、全血から得られる。本開示の細胞集団は、末梢血アフェレーシス産物、例えば、GCSF、GM-CSF、モゾビル、およびこれらの組合せのドナーへの投与によって動員された、動員された末梢血アフェレーシス産物等から得ることができる。本開示の細胞集団は、少なくとも1つのアフェレーシス産物、2つのアフェレーシス産物、3つのアフェレーシス産物、4つのアフェレーシス産物、5つのアフェレーシス産物、6つのアフェレーシス産物、またはそれより多くのアフェレーシス産物から得ることができる。一部の実施形態では、本開示の細胞集団は、1つのアフェレーシス産物から得られる。一部の実施形態では、本開示の細胞集団は、2つのアフェレーシス産物から得られる。一部の実施形態では、本開示の細胞集団は、1名のドナーからのアフェレーシス産物および少なくとも第2のドナーからのアフェレーシス産物から得られる。
【0161】
一部の実施形態では、本開示の細胞集団は、骨髄から得られる。
【0162】
一部の実施形態では、本開示の細胞集団は、臍帯血から得られる。
【0163】
本開示の細胞集団は、細胞の集団、例えば、末梢血または末梢血アフェレーシス産物からの選択によって純化することができる。細胞集団の選択方法は、目的の細胞集団の正または負の選択に関与する方法を含み得る。細胞集団の選択方法は、抗体、全長抗体、抗体の断片、天然に存在する抗体、合成抗体、遺伝子操作された抗体、完全長アフィボディ、アフィボディの断片、完全長アフィリン、アフィリンの断片、完全長アンチカリン、アンチカリンの断片、完全長アビマー、アビマーの断片、完全長DARPin、DARPinの断片、完全長フィノマー、フィノマーの断片、完全長kunitzドメインペプチド、kunitzドメインペプチドの断片、完全長モノボディ、モノボディの断片、ペプチド、またはポリアミノ酸を含むがこれらに限定されない親和性試薬を含み得る。一部の実施形態では、親和性試薬は、検出試薬および/または精製試薬に直接コンジュゲートされている。一部の事例では、検出試薬と精製試薬は同じである。一部の事例では、検出試薬と精製試薬は異なっている。例えば、検出試薬および/または精製試薬は、蛍光、磁性等である。一部の事例では、検出試薬および/または精製試薬は、カラム精製のための磁気粒子である。例えば、磁気カラム精製は、Miltenyiシステム(CliniMAC)のカラム、抗体、緩衝剤、調製材料および試薬を使用して実施することができる。
【0164】
様々な実施形態では、細胞集団の少なくとも1つは、細胞集団の細胞の受容体に結合した複数の免疫分離粒子(ISP)を有する。一部の事例では、複数のISPは免疫磁性分離粒子である。一部の実施形態では、複数のISPは、鉄含有粒子にコンジュゲートした抗体を含む。一部の事例では、複数のISPの少なくとも一部をHSPC細胞集団のHSPCのCD34+受容体に結合させる;必要に応じて、HSPC細胞集団におけるHSPC当たりのISPの平均数は、約6,000未満であり、HSPC細胞集団におけるHSPC当たりのISPの平均数は、約3,000に等しいかもしくはそれ未満である、および/またはHSPC細胞集団におけるHSPC当たりのISPの平均数は、約1700~約3,000である。一部の事例では、複数のISPの少なくとも一部をTreg細胞集団の細胞のCD25+受容体に結合させる;必要に応じて、Treg集団におけるT-reg細胞当たりのISPの平均数は、約1700に等しいかもしくはそれ未満であり、またはTreg集団におけるT-reg細胞当たりのISPの平均数は、約1400~約1700である。一部の事例では、複数のISPの少なくとも一部を異種細胞集団の細胞のCD3+受容体に結合させる;必要に応じて、Tと異種の集団における細胞当たりのISPの平均数は、約1,000未満である。
【0165】
親和性試薬は、抗体またはその断片もしくは誘導体の結合特異性を利用する免疫親和性試薬を含み、目的の細胞集団を正または負に選択することができる。特異的抗体およびマイクロビーズを含む磁気活性化細胞選別(MACS)等の細胞集団に対する選択方法は、親和性剤およびカラムを含み得る。細胞集団に対する選択方法は、蛍光活性化細胞選別(FACS)を含んでもよく、細胞集団は、1つまたは複数の蛍光コンジュゲート抗体による染色プロファイルに基づいて選別される。細胞集団に対する選択方法は、物理的吸着、例えば、T細胞のレクチン等のタンパク質リガンドへの物理的吸着を含み得る。
【0166】
HSPCは、骨髄または末梢血から回収することによって得ることができる。骨髄は、ドナーが局所または全身麻酔下にある間に、後腸骨稜または前腸骨稜から吸引することができる。HSPCは、末梢血から回収することによって、例えば、末梢血アフェレーシスによって得ることができる。回収された幹細胞数は、動員剤、すなわち、骨髄から末梢血に幹細胞を動員する薬剤を用いてドナーを処置することによって増加され得る。動員剤の非限定的な例としては、顆粒細胞コロニー刺激因子(G-CSF)、顆粒細胞マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、モゾビル、およびこれらの組合せが挙げられる。幹細胞を末梢血中に動員するための技法は、ドナーに、例えば、10~40μ/kg/日の動員剤を投与することを含み得る。動員剤は、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10回用量でドナーに投与され得る。アフェレーシス産物は、例えば、動員剤投与の約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、26、28、または30時間後にドナーから単離され得る。
【0167】
本開示のCD45+細胞の集団は、HSPCを含み得る。HSPCは、CD34の発現に基づいて選択することができる。例えば、本開示のHSPCは、磁気活性化細胞選別(MACS)または蛍光活性化細胞選別(FACS)システムの一部として、抗CD34抗体を使用して選択することができる。
【0168】
CD45+細胞の集団におけるHSPCの数は、例えば、フローサイトメトリーによってCD34+細胞を定量化することによって決定することができる。一部の実施形態では、用量計算は、細胞生存率の測定値、例えば、ヨウ化プロピジウムもしくは7-AADを用いるフローサイトメトリーによって、またはトリパンブルー排除によって決定される生存率という尺度に基づいて調整される。
【0169】
本開示の細胞集団は、Tregについて濃縮することができる。Tregは、CD3、CD4、CD25、CD127、FOXP3、およびこれらの組合せを含むマーカーの発現に基づいて選択することができる。
【0170】
Tregは、磁気活性化細胞選別(MACS)を使用して選択することができる。Tregは、蛍光活性化細胞選別(FACS)を使用して選択することができる。Tregは、複数の手順、例えば、複数のMACS選択、複数のFACS選択、またはMACS選択とFACS選択の組合せを使用して選択することができる。例えば、第1の選択はCD25の発現について実施され、例えば、MACSにより造血細胞試料からCD25+細胞を単離してもよい。第2の選択は、CD25+細胞を、CD4およびCD127に特異的な抗体と接触させることによって実施されてもよく、ここで、FACSを使用して、CD4+CD127dimである細胞を単離する。
【0171】
Tregは、全血から単離され得る。Tregは、末梢血アフェレーシス産物から単離され得る。Tregは、1つまたは複数の他の細胞型から前もって濃縮されたおよび/または枯渇させた細胞集団から単離され得、例えば、CD34+細胞を枯渇させた細胞集団から単離され得る。一部の実施形態では、Tregは、CD34+MACS選択のフロースルー画分から単離される。
【0172】
細胞集団におけるTregの数は、例えば、フローサイトメトリーによって決定することができ、ここで、Tregは、例えば、CD4+CD25+CD127dimまたはCD4+FOXP3+として同定することができる。用量計算は、細胞生存率の測定値、例えば、ヨウ化プロピジウムもしくは7-AADを用いるフローサイトメトリーによって、またはトリパンブルー排除によって決定される生存率という尺度に基づいて調整することができる。
【0173】
CD45+細胞の第2の集団は、Tconの集団を含んでもよい。少なくともTconを含むCD45+細胞の第2の集団は、末梢血を起源とし得る。CD45+細胞の第2の集団は、末梢血アフェレーシス産物を供給源とし得る。
【0174】
一部の実施形態では、選択ステップは実行されず、少なくともTconを含むCD45+細胞の第2の集団は、末梢血またはアフェレーシス産物のアリコートを直接供給源とする。一部の実施形態では、細胞の集団は、例えば、MACS、FACS、またはこれらの組合せを使用し、様々なマーカーの発現に基づいて選別することによって、Tconについて濃縮することができる。CD45+細胞の第2の集団は、CD3+細胞について選別することによって濃縮することができる。CD45+細胞の第2の集団は、CD4+細胞およびCD8+細胞について選別することによって濃縮することができる。CD45+細胞の第2の集団は、負の選択によって濃縮することができ、ここで、非Tcon細胞は、例えば、CD34、CD19、CD25、またはこれらの組合せを発現する細胞をMACSによって枯渇させることによって除去される。
【0175】
CD45+細胞の第2の集団に存在するTconの数は、例えば、フローサイトメトリーによってCD3+細胞を定量化することによって定量化することができる。アリコートにおけるCD3+細胞の数を決定し、適切な用量のCD3細胞を含む体積をレシピエントに投与することができる。用量計算は、細胞生存率、例えば、ヨウ化プロピジウムもしくは7-AADを用いるフローサイトメトリーによって、またはトリパンブルー排除によって決定される生存率という尺度に基づいて調整することができる。
【0176】
本開示のアフェレーシス産物は、2つの部分、すなわち、少なくともTconを含むCD45+細胞の第2の集団をもたらすために使用される一方の部分ならびに少なくともHSPCを含むCD45+細胞の集団およびTregについて濃縮された細胞集団を単離および精製するための他方の部分に分割することができる。代替の実施形態では、CD34+細胞はアフェレーシス産物から単離および精製され、CD34陰性細胞画分を作成し、そこから、次いで、Treg細胞が単離され、Tregについて濃縮された細胞集団をもたらすのを補助する。
【0177】
本開示の細胞集団は、iNKTの集団を含み得る。iNKTの集団は、末梢血を供給源とし得る。iNKTの集団は、末梢血アフェレーシス産物を供給源とし得る。
【0178】
細胞の集団は、例えば、MACS、FACS、またはこれらの組合せを使用し、様々なマーカーの発現に基づいて選別することによって、iNKTについて濃縮することができる。iNKTの集団は、例えば、CD3+Vα24Jα18+細胞について選別することによって濃縮することができる。
【0179】
集団に存在するiNKTの数は、例えば、フローサイトメトリーによってCD3+Vα24Jα18+細胞を定量化することによって定量化することができる。アリコートにおけるCD3+Vα24Jα18+細胞の数を決定し、適切な用量のiNKTを含む体積をレシピエントに投与することができる。一部の実施形態では、用量計算は、細胞生存率の測定値、例えば、ヨウ化プロピジウムもしくは7-AADを用いるフローサイトメトリー、またはトリパンブルー排除によって決定される生存率という尺度に基づいて調整される。
【0180】
本開示の細胞集団は、Tmemの集団を含み得る。Tmemの集団は、末梢血を供給源とし得る。Tmemの集団は、末梢血アフェレーシス産物を供給源とし得る。
【0181】
細胞の集団は、例えば、MACS、FACS、またはこれらの組合せを使用し、様々なマーカーの発現に基づいて選別することによって、Tmemについて濃縮することができる。Tmemの集団は、例えば、CD3+CD45RA-CD45RO+細胞について選別することによって濃縮することができる。
【0182】
集団に存在するTmemの数は、例えば、フローサイトメトリーによってCD3+CD45RA-CD45RO+細胞を定量化することによって定量化することができる。アリコートにおけるCD3+CD45RA-CD45RO+細胞の数を決定し、適切な用量のTmemを含む体積をレシピエントに投与することができる。用量計算は、細胞生存率の測定値、例えば、ヨウ化プロピジウムもしくは7-AADを用いるフローサイトメトリー、またはトリパンブルー排除によって決定される生存率という尺度に基づいて調整することができる。
【0183】
本開示の細胞集団または本開示の細胞集団は、単離後、または凍結保存およびその後の解凍後に、新たに投与され得る。
【0184】
ドナーから新たに単離された細胞(「新鮮細胞」)は、レシピエント対象に投与することができる。新鮮細胞は、緩衝剤、例えば、0.5%のヒト血清アルブミンを含むCliniMACS PBS-EDTA緩衝剤、または2%のヒト血清アルブミンを補充したpH7.4のPlasma-Lyte-A中で保存され得る。新鮮細胞は、低温(例えば、2~8℃)で、凍結保存/凍結されることなく保存され得る。
【0185】
細胞の新鮮集団をドナーから獲得した後に、新鮮細胞は、対象への投与前に、少なくとも約1時間、少なくとも約2時間、少なくとも約3時間、少なくとも約4時間、少なくとも約5時間、少なくとも約6時間、少なくとも約7時間、少なくとも約8時間、少なくとも約9時間、少なくとも約10時間、少なくとも約11時間、少なくとも約12時間、少なくとも約13時間、少なくとも約14時間、少なくとも約15時間、少なくとも約16時間、少なくとも約17時間、少なくとも約18時間、少なくとも約19時間、少なくとも約20時間、少なくとも約21時間、少なくとも約22時間、少なくとも約23時間、少なくとも約24時間、少なくとも約25時間、少なくとも約26時間、少なくとも約27時間、少なくとも約28時間、少なくとも約29時間、少なくとも約30時間、少なくとも約31時間、少なくとも約32時間、少なくとも約33時間、少なくとも約34時間、少なくとも約35時間、少なくとも約36時間、少なくとも約37時間、少なくとも約38時間、少なくとも約39時間、少なくとも約40時間、少なくとも約44時間、少なくとも約48時間、少なくとも約50時間、少なくとも約55時間、少なくとも約60時間、少なくとも約61時間、少なくとも約62時間、少なくとも約65時間、少なくとも約70時間、少なくとも約72時間、少なくとも約80時間、少なくとも約90時間、少なくとも約96時間、少なくとも約120時間、少なくとも約150時間、少なくとも約200時間、少なくとも約300時間、またはそれより長い時間保存され得る。
【0186】
細胞の新鮮集団をドナーから獲得した後に、新鮮細胞は、対象への投与前に、最大約1時間、最大約2時間、最大約3時間、最大約4時間、最大約5時間、最大約6時間、最大約7時間、最大約8時間、最大約9時間、最大約10時間、最大約12時間、最大約14時間、最大約16時間、最大約18時間、最大約20、最大22時間、最大約24時間、最大約30時間、最大約36時間、最大約40時間、最大約48時間、最大約60時間、最大約70時間、最大約72時間、最大約80時間、最大約90時間、最大約96時間、最大約120時間、最大約150時間、最大約200時間、または最大約300時間保存され得る。
【0187】
本開示の細胞は凍結保存され得る。一部の実施形態では、凍結保存は、本明細書に開示された方法にとって有益である可能性がある。例えば、その後の解凍および対象への投与の前に、少なくともTconを含むCD45+細胞の第2の集団を凍結保存することによって、GVHDが低減され得る。
【0188】
追加の態様は、移植の最大約100日後までステージ2またはそれより高い移植片対宿主病(GVHD)応答を誘発することなく通常型T細胞(Tcon)集団をヒト対象に移植する方法を提供する。方法は:(i)通常型T細胞(Tcon)の集団を含む溶液剤を投与するステップと;(ii)調節性T細胞(Treg)の集団を含む溶液剤を投与するステップとを含む。この方法では、Tconの集団は、少なくとも約4時間凍結保存されており、Tconの集団を含む溶液剤およびTregの集団を含む溶液剤は、溶液剤1ml当たり約5EU未満のエンドトキシンを含む。
【0189】
凍結保存は、保存剤(例えば、DMSO)を添加し、コントロールレートフリーザー内で細胞を徐々に冷却して、氷晶形成により得られる浸透圧による細胞傷害を防ぐことを含み得る。凍結保存は、市販の凍結保存試薬および材料、例えば、CryobagsおよびCryoStor(登録商標)CS10を含み得る。
【0190】
凍結保存細胞は、低温で数時間~数年の範囲の期間保存することができる。凍結保存細胞は、超低温、例えば、-50℃、-60℃、-70℃、-80℃、-90℃、-100℃、-110℃、-120℃、-130℃、-140℃、-150℃、-160℃、-170℃、-180℃、-190℃、-196℃、またはそれより低い温度で保存することができる。凍結保存細胞は、液体窒素を含む保存デバイス内で保存することができる。
【0191】
細胞は、本開示の方法におけるある特定のステップの前後、例えば、選別ステップの前後、特定の細胞型の細胞生存率または濃度を決定する等の特徴付けステップの前後に凍結保存され得る。
【0192】
一部の実施形態では、全血は凍結保存され得る。全血は、選別または特徴付けなしに凍結保存され得る。全血は、選別後であるが特徴付けなしに凍結保存され得る。全血は、特徴付け後であるが選別なしに凍結保存され得る。全血は、特徴付けおよび選別後に凍結保存され得る。全血は、本開示の細胞型を定量化した後に凍結保存され得る。全血は、通常型T細胞(Tcon、例えば、CD3+細胞)を定量化した後に凍結保存され得る。全血は、本開示の全細胞または細胞集団(例えば、通常型T細胞)の生存率を定量化した後に凍結保存され得る。
【0193】
本開示の末梢血アフェレーシス産物は凍結保存され得る。末梢血アフェレーシス産物は、選別または特徴付けなしに凍結保存され得る。末梢血アフェレーシス産物は、選別後であるが特徴付けなしに凍結保存され得る。末梢血アフェレーシス産物は、特徴付け後であるが選別なしに凍結保存され得る。末梢血アフェレーシス産物は、特徴付けおよび選別後に凍結保存され得る。末梢血アフェレーシス産物は、本開示の細胞型を定量化した後に凍結保存され得る。末梢血アフェレーシス産物は、通常型T細胞(Tcon、例えば、CD3+細胞)を定量化した後に凍結保存され得る。末梢血アフェレーシス産物は、本開示の全細胞または細胞集団(例えば、通常型T細胞)の生存率を定量化した後に凍結保存され得る。
【0194】
別の細胞集団から選別または選択された細胞集団は、凍結保存されてもよく、例えば、CD45+細胞、HSPC、Treg、Tcon、iNKT、またはTmemの集団は凍結保存され得る。
【0195】
本開示の細胞集団は、任意の時間凍結保存され得る。本開示の細胞は、解凍および対象への投与前に、少なくとも約1時間、少なくとも約2時間、少なくとも約3時間、少なくとも約4時間、少なくとも約5時間、少なくとも約6時間、少なくとも約7時間、少なくとも約8時間、少なくとも約9時間、少なくとも約10時間、少なくとも約11時間、少なくとも約12時間、少なくとも約14時間、少なくとも約16時間、少なくとも約18時間、少なくとも約20時間、少なくとも約22時間、少なくとも約24時間、少なくとも約30時間、少なくとも約36時間、少なくとも約48時間、少なくとも約50時間、少なくとも約55時間、少なくとも約60時間、少なくとも約61時間、少なくとも約62時間、少なくとも約65時間、少なくとも約70時間、少なくとも約72時間、少なくとも約80時間、少なくとも約90時間、少なくとも約96時間、少なくとも約120時間、少なくとも約150時間、少なくとも約200時間、少なくとも約300時間、またはそれより長い時間凍結保存されてもよい。
【0196】
一部の実施形態では、本開示の細胞集団は、解凍および対象への投与前に、最大約1時間、最大約2時間、最大約3時間、最大約4時間、最大約5時間、最大約6時間、最大約7時間、最大約8時間、最大約9時間、最大約10時間、最大約11時間、最大約12時間、最大約14時間、最大約16時間、最大約18時間、最大約20時間、最大約22時間、最大約24時間、最大約30時間、最大約36時間、最大約48時間、最大約50時間、最大約55時間、最大約60時間、最大約61時間、最大約62時間、最大約65時間、最大約70時間、最大約72時間、最大約80時間、最大約90時間、最大約96時間、最大約120時間、最大約150時間、最大約200時間、または最大約300時間凍結保存される。
【0197】
一部の実施形態では、本開示の細胞集団は、解凍および対象への投与前に、少なくとも約1日、少なくとも約2日、少なくとも約3日、少なくとも約4日、少なくとも約5日、少なくとも約6日、少なくとも約7日、少なくとも約10日、少なくとも約14日、少なくとも約21日、少なくとも約28日、少なくとも約50日、少なくとも約60日、または少なくとも約96日、またはそれより多い日数の間凍結保存される。
【0198】
一部の実施形態では、本開示の細胞集団は、解凍および対象への投与前に、最大約1日、最大約2日、最大約3日、最大約4日、最大約5日、最大約6日、最大約7日、最大約10日、最大約14日、最大約21日、最大約28日、最大約50日、最大約60日、または最大約96日の間凍結保存される。
B.ドナー
【0199】
実施形態では、各細胞集団は別々の細胞集団として提供され、単一のヒト血液ドナーに由来する。
【0200】
細胞集団は、例えば、細胞集団を受けることになる対象とのHLA適合の度合いを決定するために、それぞれHLA型で分けられた1名または複数名のドナーに由来する細胞を含み得る。
【0201】
ヒト白血球抗原(HLA)は、広義には主要組織適合複合体(MHC)抗原とも称され、その細胞に抗原特異性を付与することができる細胞表面で発現されるタンパク質分子である可能性がある。HLA/MHC抗原は、免疫エフェクター細胞として造血幹細胞と同じ供給源に由来するものとして(「自己」)、または造血細胞とは別の供給源に由来するものとして(「非自己」)、T細胞およびナチュラルキラー(NK)細胞によって認識され得る標的分子である。HLAクラスI抗原(ヒトではA、B、およびC)は、大多数の細胞によって発現され得るが、HLAクラスII抗原(ヒトではDR、DP、およびDQ)は、主に、プロフェッショナル抗原提示細胞で発現され得る。両方のHLAクラスは、GVHDに関与する可能性がある。
【0202】
HLA抗原は、高度に多型な遺伝子によってコードされており、各HLAクラスIおよびII遺伝子には一定範囲の対立遺伝子が存在する。対立遺伝子の産物は、αおよび/またはβドメインの1つまたは複数のアミノ酸が異なる場合がある。特定の抗体または核酸試薬のパネルを使用して、例えば、クラスIおよびクラスII分子を発現する白血球を使用して、個体のHLAハプロタイプを決定することができる。HLA対立遺伝子は、様々なレベルで詳細に記述することができる。ほとんどの表記は、HLA-および遺伝子座名で始まり、その後に、*およびいくつかの(偶数の)数字が対立遺伝子を特定する。最初の2つの数字は、対立遺伝子の群を特定する場合がある。3つ目から4つ目の数字は、存在する場合、同義対立遺伝子を特定する場合がある。5つ目から6つ目の数字は、存在する場合、遺伝子のコードフレーム内の任意の同義変異を示す場合がある。7つ目および8つ目の数字は、存在する場合、コード領域外の変異を区別する場合がある。L、N、Q、またはS等の文字は、対立遺伝子の表記の後に続き、それについて知られている発現レベルまたは他の非ゲノムデータを特定してもよい。よって、完全に記載された対立遺伝子は、HLA-の接頭辞および遺伝子座の表記を除いて、最大9個の数字であってもよい。
【0203】
一方の親から受け継いだHLA対立遺伝子のセットはハプロタイプを形成する。HLAハプロタイプの一致とは、一方の染色体が、ドナーとレシピエントの間のHLA-A、HLA-B、およびHLA-DRで少なくとも適合しているドナー-レシピエント対を指し得る。ハプロタイプが一致する対は、他の対立遺伝子、例えば、他方の染色体上の他のHLA遺伝子、またはいずれかの染色体上のさらなる組織適合性遺伝子座では適合していても適合していなくてもよい。このようなドナーは、高頻度でファミリー内に存在する可能性があり、例えば、親は子とハプロタイプが一致する場合があり、兄弟のハプロタイプが一致する場合もある。
【0204】
細胞集団は、任意の数のHLA対立遺伝子においてHLA型で分けられたドナーに由来し得る。ドナーおよび対象は、HLA適合であってもよく、例えば、型別のHLA対立遺伝子のすべてで適合していてもよい。ドナーおよび対象は、HLA不適合であってもよく、例えば、少なくとも1つのHLA抗原は、ドナーとレシピエントの間で不適合であってもよい。
【0205】
一部の実施形態では、ドナーおよび対象は、HLA-A、HLA-B、およびHLA-DR対立遺伝子からなる6つの対立遺伝子においてHLA型で分けられ得る。ドナーおよび対象は、例えば、対立遺伝子の3/6、4/6、5/6、または6/6において適合していてもよい。一部の実施形態では、ドナーおよび対象は、少なくとも5/6の対立遺伝子において適合している。一部の実施形態では、ドナーおよび対象は、6/6の対立遺伝子において適合している。
【0206】
一部の実施形態では、ドナーおよび対象は、HLA-A、HLA-B、HLA-C、およびHLA-DR対立遺伝子(例えば、HLA-DRB1対立遺伝子)からなる8つの対立遺伝子においてHLA型で分けられ得る。ドナーおよび対象は、例えば、対立遺伝子の4/8、5/8、6/8、7/8、または8/8において適合していてもよい。一部の実施形態では、ドナーおよび対象は、少なくとも6/8の対立遺伝子において適合している。一部の実施形態では、ドナーおよび対象は、少なくとも7/8の対立遺伝子において適合している。一部の実施形態では、ドナーおよび対象は、8/8の対立遺伝子において適合している。
【0207】
一部の実施形態では、ドナーおよび対象は、HLA-A、HLA-B、HLA-C、およびHLA-DR対立遺伝子(例えば、HLA-DRB1対立遺伝子)からなる10個の対立遺伝子においてHLA型で分けられ得る。ドナーおよび対象は、例えば、対立遺伝子の5/10、6/10、7/10、8/10、9/10、または10/10において適合していてもよい。一部の実施形態では、ドナーおよび対象は、少なくとも7/10の対立遺伝子において適合している。一部の実施形態では、ドナーおよび対象は、少なくとも8/10の対立遺伝子において適合している。一部の実施形態では、ドナーおよび対象は、少なくとも9/10の対立遺伝子において適合している。一部の実施形態では、ドナーおよび対象は、10/10の対立遺伝子において適合している。
【0208】
細胞集団は、HLA-A、-B、-C、および-DRB1、すなわち、DNAに基づく高解像度法を使用して型分けされたすべてに対して8/8適合である適合兄弟ドナーから生成することができる。細胞集団は、HLA-A、-B、-C、および-DRB1、すなわち、DNAに基づく高解像度法を使用して型分けされたすべてに対して7/8適合である適合兄弟ドナーから生成することができる。細胞集団は、HLA-A、-B、-C、および-DRB1、すなわち、DNAに基づく高解像度法を使用して型分けされたすべてに対して6/8適合である適合兄弟ドナーから生成することができる。細胞集団は、HLA-A、-B、-C、-DQB1および-DRB1、すなわち、DNAに基づく高解像度法を使用して型分けされたすべてに対して10/10適合である適合兄弟ドナーから生成することができる。細胞集団は、HLA-A、-B、-C、-DQB1および-DRB1、すなわち、DNAに基づく高解像度法を使用して型分けされたすべてに対して9/10適合である適合兄弟ドナーから生成することができる。細胞集団は、HLA-A、-B、-C、-DQB1および-DRB1、すなわち、DNAに基づく高解像度法を使用して型分けされたすべてに対して8/10適合である適合兄弟ドナーから生成することができる。細胞集団は、HLA-A、-B、-C、-DQB1および-DRB1、すなわち、DNAに基づく高解像度法を使用して型分けされたすべてに対して7/10適合である適合兄弟ドナーから生成することができる。
【0209】
細胞集団は、HLA-A、-B、-C、および-DRB1、すなわち、DNAに基づく高解像度法を使用して型分けされたすべてに対して8/8適合である適合非血縁ドナーから生成することができる。細胞集団は、HLA-A、-B、-C、および-DRB1、すなわち、DNAに基づく高解像度法を使用して型分けされたすべてに対して7/8適合である適合非血縁ドナーから生成することができる。細胞集団は、HLA-A、-B、-C、および-DRB1、すなわち、DNAに基づく高解像度法を使用して型分けされたすべてに対して6/8適合である適合非血縁ドナーから生成することができる。細胞集団は、HLA-A、-B、-C、-DQB1および-DRB1、すなわち、DNAに基づく高解像度法を使用して型分けされたすべてに対して10/10適合である適合非血縁ドナーから生成することができる。細胞集団は、HLA-A、-B、-C、-DQB1および-DRB1、すなわち、DNAに基づく高解像度法を使用して型分けされたすべてに対して9/10適合である適合非血縁ドナーから生成することができる。細胞集団は、HLA-A、-B、-C、-DQB1および-DRB1、すなわち、DNAに基づく高解像度法を使用して型分けされたすべてに対して8/10適合である適合非血縁ドナーから生成することができる
【0210】
様々な実施形態では、CD45+細胞の第1の集団、Tregについて濃縮された細胞の前記集団、および/またはCD45+細胞の前記第2の集団は、前記ヒト対象に対して同種である。
【0211】
一部の実施形態では、CD45+細胞の第1の集団、Tregについて濃縮された細胞の前記集団、および/またはCD45+細胞の前記第2の集団は、前記ヒト対象に対してHLA適合であるドナーから得られる。
【0212】
実施形態では、CD45+細胞の第1の集団、Tregについて濃縮された細胞の前記集団、および/またはCD45+細胞の前記第2の集団は、前記ヒト対象に対してHLA不適合であるドナーから得られる。
【0213】
様々な実施形態では、CD45+細胞の第1の集団、Tregについて濃縮された細胞の前記集団、および/またはCD45+細胞の前記第2の集団は、前記ヒト対象に対してハプロタイプが一致するドナーから得られる。
【0214】
細胞集団は、同種異系ドナーに由来し得る。細胞集団は、対象の第一度近親者であるドナーから生成することができる。細胞集団は、対象の第二度近親者であるドナーから生成することができる。細胞集団は、対象に対して非血縁であるドナーから生成することができる。細胞集団は、レシピエント対象に対してHLA適合であるドナーから生成することができる。細胞集団は、レシピエント対象に対してHLA不適合であるドナーから生成することができる。細胞集団は、レシピエント対象に対してハプロタイプが一致するドナーから生成することができる。細胞集団は、レシピエント対象に対して血縁であるドナー、例えば、親、子、兄弟、祖父母、孫、叔母、叔父、または従妹から生成することができる。細胞集団は、少なくとも16歳であるドナーから生成することができる。細胞集団は、少なくとも18歳であるドナーから生成することができる。
【0215】
細胞集団は、21 CFR §1271 2018および関連するFDA Guidance for Industryで定義されている、生存可能な白血球に富む細胞または組織のドナーのための適格性判断基準を満たすドナーから生成することができる。例えば、細胞集団は、以下のうちのいずれか1つまたは複数において概略された適格性判断基準を満たすドナーから生成することができる:Eligibility Determination for Donors of Human Cells, Tissues, and Cellular and Tissue-Based Products, 2007;Use of Donor Screening Tests to Test Donors of Human Cells, Tissues and Cellular and Tissue-Based Products for Infection with Treponema pallidum (Syphilis), 2015;Use of Nucleic Acid Tests to Reduce the Risk of Transmission of Hepatitis B Virus from Donors of Human Cells, Tissues, and Cellular and Tissue-Based Products, 2016;Use of Nucleic Acid Tests to Reduce the Risk of Transmission of West Nile Virus from Living Donors of Human Cells, Tissues, and Cellular and Tissue-Based Products (HCT/Ps), 2016;およびDonor Screening Recommendations to Reduce the Risk of Transmission of Zika Virus by Human Cells, Tissues, and Cellular and Tissue-Based Products, 2018)。細胞集団は、標準的なNMDPガイドライン(NMDPドナー)によって特定されているように、提供に関する任意の判断基準を満たすドナーから生成することができる。
【0216】
細胞集団は、活動性感染の証拠を示さないドナーから生成することができる。細胞集団は、HIV-1または-2、HTLV-1または2に対して血清陽性ではないドナーから生成することができる。細胞集団は、抗C型肝炎(HCV)抗体またはHCV NATに対して陽性ではないドナーから生成することができる。細胞集団は、慢性HBV感染症に対する検査結果が陰性であるドナーから生成することができる。細胞集団は、以下のうちのいずれかとして規定されるジカウイルス感染症の可能性が高くないドナーから生成することができる:(i)過去6カ月のジカウイルス感染症の医学診断;(ii)過去6カ月以内のジカウイルス伝染が活発な地域での居住、またはそこへの旅行;(iii)過去6カ月以内の、リスク因子(i)または(ii)のいずれかを有することが知られているヒトとの無防備性交。細胞集団は、活動性ジカウイルス感染症と一致する兆候または症状を有さないドナーから生成することができる。
【0217】
本開示の1つまたは複数の細胞集団は、単一のドナーから得ることができ、例えば、単一のドナーの動員された末梢血アフェレーシスから得ることができる。HSPC、Treg、Tcon、iNKT、Tmem、またはこれらの任意の組合せは、単一のドナーから得ることができる。
【0218】
本開示の1つまたは複数の細胞集団は、1名のドナーから得ることができ、本開示の1つまたは複数のさらなる細胞集団は、第2のドナーから得ることができる。本開示の1つの細胞集団は、単一のドナーから得ることができ、本開示の第2の細胞集団は、複数のドナーから得ることができる。本開示の集団は、複数のドナーから得ることができ、例えば、複数のドナーの動員された末梢血アフェレーシスから得ることができる。HSPCは、複数のドナーから得ることができる。Tregは、複数のドナーから得ることができる。Tconは、複数のドナーから得ることができる。iNKTは複数のドナーから得ることができる。Tmemは、複数のドナーから得ることができる。
C.細胞集団の用量
【0219】
対象に投与される細胞集団の用量は、対象の体重に基づく場合がある。一部の事例では、対象の体重を使用して、対象に投与される1つまたは複数の細胞集団の用量を決定してもよい。一部の事例では、細胞用量は、対象の実際の重量、例えば、実際の体重の代わりに対象の理想体重に基づいてもよい。理想体重は、過剰な体脂肪および/または筋肉質量に起因する誤った細胞用量を回避するために、好ましい用量計算方法である場合がある。対象の理想体重は、対象の身長および性別を使用して計算することができる。対象の理想体重を計算する他の方法が使用されてもよい。例えば、対象の体脂肪パーセンテージを決定する他の方法。細胞集団の用量は、対象の実際の体重がその理想体重(IBW)の120%を超える場合には、対象の調整体重(ABW)に基づいてもよい。
HSPC
【0220】
少なくともHSPCを含むCD45+細胞の第1の集団は、レシピエント対象の実際の体重または理想体重1kg当たりのCD45+細胞の第1の集団および/またはHSPC(例えば、CD34+細胞)について、少なくとも約1×10、少なくとも約1×10、少なくとも約5×10、少なくとも約6×10、少なくとも約7×10、少なくとも約8×10、少なくとも約9×10、少なくとも約1×10、少なくとも約1.1×10、少なくとも約1.2×10、少なくとも約1.3×10、少なくとも約1.4×10、少なくとも約1.5×10、少なくとも約1.6×10、少なくとも約1.7×10、少なくとも約1.8×10、少なくとも約1.9×10、少なくとも約2×10、少なくとも約2.1×10、少なくとも約2.2×10、少なくとも約2.3×10、少なくとも約2.4×10、少なくとも約2.5×10、少なくとも約2.6×10、少なくとも約2.7×10、少なくとも約2.8×10、少なくとも約2.9×10、少なくとも約3×10、少なくとも約3.1×10、少なくとも約3.2×10、少なくとも約3.3×10、少なくとも約3.4×10、少なくとも約3.5×10、少なくとも約3.6×10、少なくとも約3.7×10、少なくとも約3.8×10、少なくとも約3.9×10、少なくとも約4×10、少なくとも約4.1×10、少なくとも約4.2×10、少なくとも約4.3×10、少なくとも約4.4×10、少なくとも約4.5×10、少なくとも約4.6×10、少なくとも約4.7×10、少なくとも約4.8×10、少なくとも約4.9×10、少なくとも約5×10、少なくとも約5.1×10、少なくとも約5.2×10、少なくとも約5.3×10、少なくとも約5.4×10、少なくとも約5.5×10、少なくとも約5.6×10、少なくとも約5.7×10、少なくとも約5.8×10、少なくとも約5.9×10、少なくとも約6×10、少なくとも約6.5×10、少なくとも約7×10、少なくとも約7.5×10、少なくとも約8×10、少なくとも約8.5×10、少なくとも約9×10、少なくとも約9.5×10、少なくとも約1×10、少なくとも約1.5×10、少なくとも約2×10、少なくとも約2.5×10、少なくとも約3×10、少なくとも約3.5×10、少なくとも約4×10、少なくとも約4.5×10、少なくとも約5×10、少なくとも約5.5×10、少なくとも約6×10、少なくとも約6.5×10、少なくとも約7×10、少なくとも約7.5×10、少なくとも約8×10、少なくとも約8.5×10、少なくとも約9×10、少なくとも約9.5×10、少なくとも約1×10、少なくとも約1×10、少なくとも約1.5×10、少なくとも約2×10、少なくとも約2.5×10、少なくとも約3×10、少なくとも約3.5×10、少なくとも約4×10、少なくとも約4.5×10、少なくとも約5×10、少なくとも約5.5×10、少なくとも約6×10、少なくとも約6.5×10、少なくとも約7×10、少なくとも約7.5×10、少なくとも約8×10、少なくとも約8.5×10、少なくとも約9×10、少なくとも約9.5×10、少なくとも約1×10個、またはそれより多い細胞を含み得る。
【0221】
CD45+細胞の第1の集団は、レシピエント対象の実際の体重または理想体重1kg当たりのCD45+細胞の第1の集団および/またはHSPC(例えば、CD34+細胞)について、最大約1×10、最大約1×10、最大約5×10、最大約6×10、最大約7×10、最大約8×10、最大約9×10、最大約1×10、最大約1.1×10、最大約1.2×10、最大約1.3×10、最大約1.4×10、最大約1.5×10、最大約1.6×10、最大約1.7×10、最大約1.8×10、最大約1.9×10、最大約2×10、最大約2.1×10、最大約2.2×10、最大約2.3×10、最大約2.4×10、最大約2.5×10、最大約2.6×10、最大約2.7×10、最大約2.8×10、最大約2.9×10、最大約3×10、最大約3.1×10、最大約3.2×10、最大約3.3×10、最大約3.4×10、最大約3.5×10、最大約3.6×10、最大約3.7×10、最大約3.8×10、最大約3.9×10、最大約4×10、最大約4.1×10、最大約4.2×10、最大約4.3×10、最大約4.4×10、最大約4.5×10、最大約4.6×10、最大約4.7×10、最大約4.8×10、最大約4.9×10、最大約5×10、最大約5.1×10、最大約5.2×10、最大約5.3×10、最大約5.4×10、最大約5.5×10、最大約5.6×10、最大約5.7×10、最大約5.8×10、最大約5.9×10、最大約6×10、最大約6.5×10、最大約7×10、最大約7.5×10、最大約8×10、最大約8.5×10、最大約9×10、最大約9.5×10、最大約1×10、最大約1.5×10、最大約2×10、最大約2.5×10、最大約3×10、最大約3.5×10、最大約4×10、最大約4.5×10、最大約5×10、最大約5.5×10、最大約6×10、最大約6.5×10、最大約7×10、最大約7.5×10、最大約8×10、最大約8.5×10、最大約9×10、最大約9.5×10、最大約1×10、最大約1×10、最大約1.5×10、最大約2×10、最大約2.5×10、最大約3×10、最大約3.5×10、最大約4×10、最大約4.5×10、最大約5×10、最大約5.5×10、最大約6×10、最大約6.5×10、最大約7×10、最大約7.5×10、最大約8×10、最大約8.5×10、最大約9×10、最大約9.5×10、または最大約1×10個の細胞を含み得る。
【0222】
例えば、CD45+細胞の第1の集団は、レシピエント対象の実際の体重または理想体重1kg当たりのCD45+細胞の第1の集団および/またはHSPC(例えば、CD34+細胞)について、1×10~1×10、1×10~1×10、1×10~2×10、5×10~2×10、5×10~1.5×10、5×10~1×10、5×10~9×10、5×10~8×10、5×10~7×10、5×10~6×10、5×10~5×10、5×10~4×10、5×10~3×10、5×10~2×10、5×10~1×10、1×10~1.5×10、1×10~1×10、1×10~9×10、1×10~8×10、1×10~7×10、1×10~6×10、1×10~5×10、1×10~4×10、1×10~3×10、1×10~2×10、1.5×10~1.5×10、1.5×10~1×10、1.5×10~9×10、1.5×10~8×10、1.5×10~7×10、1.5×10~6×10、1.5×10~5×10、1.5×10~4×10、1.5×10~3×10、1.5×10~2×10、2×10~1.5×10、2×10~1×10、2×10~9×10、2×10~8×10、2×10~7×10、2×10~6×10、2×10~5×10、2×10~4×10、2×10~3×10、2.5×10~1.5×10、2.5×10~1×10、2.5×10~9×10、2.5×10~8×10、2.5×10~7×10、2.5×10~6×10、2.5×10~5×10、2.5×106~4×10、または2.5×10~3×10個の細胞を含み得る。
【0223】
CD45+細胞の第1の集団は、CD34+細胞について規定レベルの純度を有し得る。例えば、CD45+細胞の第1の集団は、全細胞のパーセンテージとして、有核細胞のパーセンテージとして、またはCD45+細胞のパーセンテージとして、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約51%、少なくとも約52%、少なくとも約53%、少なくとも約54%、少なくとも約55%、少なくとも約56%、少なくとも約57%、少なくとも約58%、少なくとも約59%、少なくとも約60%、少なくとも約61%、少なくとも約62%、少なくとも約63%、少なくとも約64%、少なくとも約65%、少なくとも約66%、少なくとも約67%、少なくとも約68%、少なくとも約69%、少なくとも約70%、少なくとも約71%、少なくとも約72%、少なくとも約73%、少なくとも約74%、少なくとも約75%、少なくとも約76%、少なくとも約77%、少なくとも約78%、少なくとも約79%、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、またはそれより高いパーセンテージのCD34+細胞を含み得る。
【0224】
CD45+細胞の第1の集団は、規定レベルの夾雑CD3+細胞を有し得る。一部の実施形態では、レシピエント対象の体重または理想体重1kg当たり最大約1×10、最大約2×10、最大約3×10、最大約4×10、最大約5×10、最大約6×10、最大約7×10、最大約8×10、最大約9×10、最大約1×10、最大約2×10、最大約3×10、最大約4×10、最大約5×10、最大約6×10、最大約7×10、最大約8×10、最大約9×10、最大約1×10、最大約2×10、最大約3×10、最大約4×10、最大約5×10、最大約6×10、最大約7×10、最大約8×10、最大約9×10、または最大約1×10個のCD3+細胞が、CD45+細胞の第1の集団中に存在する。
【0225】
一部の実施形態では、CD45+細胞の第1の集団は、全細胞のパーセンテージとして、有核細胞のパーセンテージとして、またはCD45+細胞のパーセンテージとして、最大約0.001%、最大約0.002%、最大約0.003%、最大約0.004%、最大約0.005%、最大約0.006%、最大約0.007%、最大約0.008%、0.009%、最大約0.01%、最大約0.02%、最大約0.03%、最大約0.04%、最大約0.05%、最大約0.06%、最大約0.07%、最大約0.08%、最大約0.09%、最大約0.1%、最大約0.2%、最大約0.3%、最大約0.4%、最大約0.5%、最大約0.6%、最大約0.7%、最大約0.8%、最大約0.9%、最大約1%、最大約1.1%、最大約1.2%、最大約1.3%、最大約1.4%、最大約1.5%、最大約1.6%、最大約1.7%、最大約1.8%、最大約1.9%、最大約2%、最大約2.1%、最大約2.2%、最大約2.3%、最大約2.4%、最大約2.5%、最大約2.6%、最大約2.7%、最大約2.8%、最大約2.9%、最大約3%、最大約3.1%、最大約3.2%、最大約3.3%、最大約3.4%、最大約3.5%、最大約3.6%、最大約3.7%、最大約3.8%、最大約3.9%、最大約4%、最大約5%、最大約6%、最大約7%、最大約8%、最大約9%、または最大約10%のCD3+細胞を含む。
【0226】
一部の実施形態では、CD45+細胞の第1の集団は、溶液剤1ml当たり約5EU未満のエンドトキシン、溶液剤1ml当たり約1EU未満のエンドトキシン、および/または溶液剤1ml当たり約0.5EU未満のエンドトキシンを含む。
【0227】
実施形態では、細胞集団の少なくとも1つは、各懸濁液1ml当たり約5EU未満のエンドトキシンを含む。
【0228】
CD45+細胞の第1の集団は、0.5EU/mlのエンドトキシン~10EU/mlのエンドトキシンを含み得る。CD45+細胞の第1の集団は、少なくとも0.5EU/mlのエンドトキシンを含み得る。CD45+細胞の第1の集団は、最大10EU/mlのエンドトキシンを含み得る。CD45+細胞の第1の集団は、10EU/mlのエンドトキシン~8EU/mlのエンドトキシン、10EU/mlのエンドトキシン~6EU/mlのエンドトキシン、10EU/mlのエンドトキシン~5EU/mlのエンドトキシン、10EU/mlのエンドトキシン~4EU/mlのエンドトキシン、10EU/mlのエンドトキシン~2EU/mlのエンドトキシン、10EU/mlのエンドトキシン~1EU/mlのエンドトキシン、10EU/mlのエンドトキシン~0.5EU/mlのエンドトキシン、8EU/mlのエンドトキシン~6EU/mlのエンドトキシン、8EU/mlのエンドトキシン~5EU/mlのエンドトキシン、8EU/mlのエンドトキシン~4EU/mlのエンドトキシン、8EU/mlのエンドトキシン~2EU/mlのエンドトキシン、8EU/mlのエンドトキシン~1EU/mlのエンドトキシン、8EU/mlのエンドトキシン~0.5EU/mlのエンドトキシン、6EU/mlのエンドトキシン~5EU/mlのエンドトキシン、6EU/mlのエンドトキシン~4EU/mlのエンドトキシン、6EU/mlのエンドトキシン~2EU/mlのエンドトキシン、6EU/mlのエンドトキシン~1EU/mlのエンドトキシン、6EU/mlのエンドトキシン~0.5EU/mlのエンドトキシン、5EU/mlのエンドトキシン~4EU/mlのエンドトキシン、5EU/mlのエンドトキシン~2EU/mlのエンドトキシン、5EU/mlのエンドトキシン~1EU/mlのエンドトキシン、5EU/mlのエンドトキシン~0.5EU/mlのエンドトキシン、4EU/mlのエンドトキシン~2EU/mlのエンドトキシン、4EU/mlのエンドトキシン~1EU/mlのエンドトキシン、4EU/mlのエンドトキシン~0.5EU/mlのエンドトキシン、2EU/mlのエンドトキシン~1EU/mlのエンドトキシン、2EU/mlのエンドトキシン~0.5EU/mlのエンドトキシン、または1EU/mlのエンドトキシン~0.5EU/mlのエンドトキシンを含み得る。CD45+細胞の第1の集団は、10EU/mlのエンドトキシン、8EU/mlのエンドトキシン、6EU/mlのエンドトキシン、5EU/mlのエンドトキシン、4EU/mlのエンドトキシン、2EU/mlのエンドトキシン、1EU/mlのエンドトキシン、または0.5EU/mlのエンドトキシンを含み得る。CD45+細胞の第1の集団は、少なくとも8EU/mlのエンドトキシン、6EU/mlのエンドトキシン、5EU/mlのエンドトキシン、4EU/mlのエンドトキシン、2EU/mlのエンドトキシン、1EU/mlのエンドトキシン、または0.5EU/mlのエンドトキシンを含み得る。CD45+細胞の第1の集団は、最大10EU/mlのエンドトキシン、8EU/mlのエンドトキシン、6EU/mlのエンドトキシン、5EU/mlのエンドトキシン、4EU/mlのエンドトキシン、2EU/mlのエンドトキシンまたは1EU/mlのエンドトキシンを含み得る。
【0229】
CD45+細胞の第1の集団は、0.5%w/w~10%w/wの非結合試薬を含み得る。これらの非結合試薬は、HSPCの選別に使用される任意の親和性試薬、例えば、抗体、または精製粒子または磁気粒子を含み得る。CD45+細胞の第1の集団は、少なくとも0.5%w/wの非結合試薬を含み得る。CD45+細胞の第1の集団は、最大10%w/wの非結合試薬を含み得る。CD45+細胞の第1の集団は、10%w/w~8%w/w、10%w/w~6%w/w、10%w/w~5%w/w、10%w/w~4%w/w、10%w/w~2%w/w、10%w/w~1%w/w、10%w/w~0.5%w/w、8%w/w~6%w/w、8%w/w~5%w/w、8%w/w~4%w/w、8%w/w~2%w/w、8%w/w~1%w/w、8%w/w~0.5%w/w、6%w/w~5%w/w、6%w/w~4%w/w、6%w/w~2%w/w、6%w/w~1%w/w、6%w/w~0.5%w/w、5%w/w~4%w/w、5%w/w~2%w/w、5%w/w~1%w/w、5%w/w~0.5%w/w、4%w/w~2%w/w、4%w/w~1%w/w、4%w/w~0.5%w/w、2%w/w~1%w/w、2%w/w~0.5%w/w、または1%w/w~0.5%w/wの非結合試薬を含み得る。CD45+細胞の第1の集団は、10%w/w、8%w/w、6%w/w、5%w/w、4%w/w、2%w/w、1%w/w、または0.5%w/wの非結合試薬を含み得る。CD45+細胞の第1の集団は、少なくとも8%w/w、6%w/w、5%w/w、4%w/w、2%w/w、1%w/w、または0.5%w/wの非結合試薬を含み得る。CD45+細胞の第1の集団は、最大10%w/w、8%w/w、6%w/w、5%w/w、4%w/w、2%w/wまたは1%w/wの非結合試薬を含み得る。
【0230】
CD45+細胞の第1の集団は、細胞当たり5×10~90×10個のマイクロビーズを含み得る。これらのマイクロビーズは、HSPC集団を精製するために使用されるマイクロビーズ、例えば、HSPC集団を選別するために使用されるマイクロビーズを含む抗CD34抗体を含み得る。CD45+細胞の第1の集団は、細胞当たり少なくとも5×10個のマイクロビーズを含み得る。CD45+細胞の第1の集団は、細胞当たり最大90×10個のマイクロビーズを含み得る。CD45+細胞の第1の集団は、細胞当たり90×10~70×10、90×10~50×10、90×10~40×10、90×10~30×10、90×10~20×10、90×10~10×10、90×10~5×10、70×10~50×10、70×10~40×10、70×10~30×10、70×10~20×10、70×10~10×10、70×10~5×10、50×10~40×10、50×10~30×10、50×10~20×10、50×10~10×10、50×10~5×10、40×10~30×10、40×10~20×10、40×10~10×10、40×10~5×10、30×10~20×10、30×10~10×10、30×10~5×10、20×10~10×10、20×10~5×10、または10×10~5×10個のマイクロビーズを含み得る。CD45+細胞の第1の集団は、細胞当たり90×10、70×10、50×10、40×10、30×10、20×10、10×10、または5×10個のマイクロビーズを含み得る。CD45+細胞の第1の集団は、細胞当たり少なくとも70×10、50×10、40×10、30×10、20×10、10×10、または5×10個のマイクロビーズを含み得る。CD45+細胞の第1の集団は、細胞当たり最大90×10、70×10、50×10、40×10、30×10、20×10、または10×10個のマイクロビーズを含み得る。
Treg
【0231】
Tregについて濃縮された細胞の集団は、レシピエント対象の実際の体重または理想体重1kg当たりTregについて濃縮された細胞集団および/またはTregについて(例えば、ここで、Tregは、CD4+CD25+CD127dim、CD3+CD4+CD25+、CD3+ CD4+ CD25+ CD127dim、CD3+ CD4+ CD25+ CD127dim FOXP3+、CD3+FOXP3+、CD3+CD4+FOXP3+、CD3+ CD4+CD25+FOXP3+、CD3+CD25+FOXP3+、CD3+CD25+CD127dim、CD4+CD25+、CD4+CD25+CD127dimFOXP3+、FOXP3+、CD4+FOXP3+、CD4+CD25+FOXP3+、CD25+FOXP3+、またはCD25+ CD127dimである)、少なくとも約1×10、少なくとも約1×10、少なくとも約5×10、少なくとも約6×10、少なくとも約7×10、少なくとも約8×10、少なくとも約9×10、少なくとも約1×10、少なくとも約1.1×10、少なくとも約1.2×10、少なくとも約1.3×10、少なくとも約1.4×10、少なくとも約1.5×10、少なくとも約1.6×10、少なくとも約1.7×10、少なくとも約1.8×10、少なくとも約1.9×10、少なくとも約2×10、少なくとも約2.1×10、少なくとも約2.2×10、少なくとも約2.3×10、少なくとも約2.4×10、少なくとも約2.5×10、少なくとも約2.6×10、少なくとも約2.7×10、少なくとも約2.8×10、少なくとも約2.9×10、少なくとも約3×10、少なくとも約3.1×10、少なくとも約3.2×10、少なくとも約3.3×10、少なくとも約3.4×10、少なくとも約3.5×10、少なくとも約3.6×10、少なくとも約3.7×10、少なくとも約3.8×10、少なくとも約3.9×10、少なくとも約4×10、少なくとも約4.1×10、少なくとも約4.2×10、少なくとも約4.3×10、少なくとも約4.4×10、少なくとも約4.5×10、少なくとも約4.6×10、少なくとも約4.7×10、少なくとも約4.8×10、少なくとも約4.9×10、少なくとも約5×10、少なくとも約5.1×10、少なくとも約5.2×10、少なくとも約5.3×10、少なくとも約5.4×10、少なくとも約5.5×10、少なくとも約5.6×10、少なくとも約5.7×10、少なくとも約5.8×10、少なくとも約5.9×10、少なくとも約6×10、少なくとも約6.5×10、少なくとも約7×10、少なくとも約7.5×10、少なくとも約8×10、少なくとも約8.5×10、少なくとも約9×10、少なくとも約9.5×10、少なくとも約1×10、少なくとも約1.5×10、少なくとも約2×10、少なくとも約2.5×10、少なくとも約3×10、少なくとも約3.5×10、少なくとも約4×10、少なくとも約4.5×10、少なくとも約5×10、少なくとも約5.5×10、少なくとも約6×10、少なくとも約6.5×10、少なくとも約7×10、少なくとも約7.5×10、少なくとも約8×10、少なくとも約8.5×10、少なくとも約9×10、少なくとも約9.5×10、少なくとも約1×10、少なくとも約1×10、少なくとも約1.5×10、少なくとも約2×10、少なくとも約2.5×10、少なくとも約3×10、少なくとも約3.5×10、少なくとも約4×10、少なくとも約4.5×10、少なくとも約5×10、少なくとも約5.5×10、少なくとも約6×10、少なくとも約6.5×10、少なくとも約7×10、少なくとも約7.5×10、少なくとも約8×10、少なくとも約8.5×10、少なくとも約9×10、少なくとも約9.5×10、少なくとも約1×10個、またはそれより多い細胞を含み得る。
【0232】
Tregについて濃縮された細胞の集団は、レシピエント対象の実際の体重または理想体重1kg当たりTregについて濃縮された細胞集団および/またはTregについて(例えば、ここで、Tregは、CD4+CD25+CD127dim、CD3+CD4+CD25+、CD3+ CD4+ CD25+ CD127dim、CD3+ CD4+ CD25+ CD127dim FOXP3+、CD3+FOXP3+、CD3+CD4+FOXP3+、CD3+ CD4+CD25+FOXP3+、CD3+CD25+FOXP3+、CD3+CD25+CD127dim、CD4+CD25+、CD4+CD25+CD127dimFOXP3+、FOXP3+、CD4+FOXP3+、CD4+CD25+FOXP3+、CD25+FOXP3+、またはCD25+ CD127dimである)、最大約1×10、最大約1×10、最大約5×10、最大約6×10、最大約7×10、最大約8×10、最大約9×10、最大約1×10、最大約1.1×10、最大約1.2×10、最大約1.3×10、最大約1.4×10、最大約1.5×10、最大約1.6×10、最大約1.7×10、最大約1.8×10、最大約1.9×10、最大約2×10、最大約2.1×10、最大約2.2×10、最大約2.3×10、最大約2.4×10、最大約2.5×10、最大約2.6×10、最大約2.7×10、最大約2.8×10、最大約2.9×10、最大約3×10、最大約3.1×10、最大約3.2×10、最大約3.3×10、最大約3.4×10、最大約3.5×10、最大約3.6×10、最大約3.7×10、最大約3.8×10、最大約3.9×10、最大約4×10、最大約4.1×10、最大約4.2×10、最大約4.3×10、最大約4.4×10、最大約4.5×10、最大約4.6×10、最大約4.7×10、最大約4.8×10、最大約4.9×10、最大約5×10、最大約5.1×10、最大約5.2×10、最大約5.3×10、最大約5.4×10、最大約5.5×10、最大約5.6×10、最大約5.7×10、最大約5.8×10、最大約5.9×10、最大約6×10、最大約6.5×10、最大約7×10、最大約7.5×10、最大約8×10、最大約8.5×10、最大約9×10、最大約9.5×10、最大約1×10、最大約1.5×10、最大約2×10、最大約2.5×10、最大約3×10、最大約3.5×10、最大約4×10、最大約4.5×10、最大約5×10、最大約5.5×10、最大約6×10、最大約6.5×10、最大約7×10、最大約7.5×10、最大約8×10、最大約8.5×10、最大約9×10、最大約9.5×10、最大約1×10、最大約1×10、最大約1.5×10、最大約2×10、最大約2.5×10、最大約3×10、最大約3.5×10、最大約4×10、最大約4.5×10、最大約5×10、最大約5.5×10、最大約6×10、最大約6.5×10、最大約7×10、最大約7.5×10、最大約8×10、最大約8.5×10、最大約9×10、最大約9.5×10個、または最大約1×10個の細胞を含み得る。
【0233】
例えば、Tregについて濃縮された細胞の集団は、レシピエント対象の実際の体重または理想体重1kg当たりTregについて濃縮された細胞集団および/またはTregについて(例えば、ここで、Tregは、CD4+CD25+CD127dim、CD3+CD4+CD25+、CD3+ CD4+ CD25+ CD127dim、CD3+ CD4+ CD25+ CD127dim FOXP3+、CD3+FOXP3+、CD3+CD4+FOXP3+、CD3+ CD4+CD25+FOXP3+、CD3+CD25+FOXP3+、CD3+CD25+CD127dim、CD4+CD25+、CD4+CD25+CD127dimFOXP3+、FOXP3+、CD4+FOXP3+、CD4+CD25+FOXP3+、CD25+FOXP3+、またはCD25+ CD127dimである)、1×10~1×10、1×10~1×10、1×10~2×10、5×10~2×10、5×10~1.5×10、5×10~1×10、5×10~9×10、5×10~8×10、5×10~7×10、5×10~6×10、5×10~5×10、5×10~4×10、5×10~3×10、5×10~2×10、5×10~1×10、1×10~1.5×10、1×10~1×10、1×10~9×10、1×10~8×10、1×10~7×10、1×10~6×10、1×10~5×10、1×10~4×10、1×10~3×10、1×10~2×10、1.5×10~1.5×10、1.5×10~1×10、1.5×10~9×10、1.5×10~8×10、1.5×10~7×10、1.5×10~6×10、1.5×10~5×10、1.5×10~4×10、1.5×10~3×10、1.5×10~2×10、2×10~1.5×10、2×10~1×10、2×10~9×10、2×10~8×10、2×10~7×10、2×10~6×10、2×10~5×10、2×10~4×10、2×10~3×10、2.5×10~1.5×10、2.5×10~1×10、2.5×10~9×10、2.5×10~8×10、2.5×10~7×10、2.5×10~6×10、2.5×10~5×10、2.5×10~4×10、または2.5×10~3×10個の細胞を含み得る。
【0234】
Tregについて濃縮された細胞の集団は、Treg細胞について規定レベルの純度を有し得る。例えば、本開示のTregについて濃縮された細胞の集団は、全細胞のパーセンテージとして、有核細胞のパーセンテージとして、またはCD45+細胞のパーセンテージとして(例えば、ここで、Tregは、CD4+CD25+CD127dim、CD3+CD4+CD25+、CD3+ CD4+ CD25+ CD127dim、CD3+ CD4+ CD25+ CD127dim FOXP3+、CD3+FOXP3+、CD3+CD4+FOXP3+、CD3+ CD4+CD25+FOXP3+、CD3+CD25+FOXP3+、CD3+CD25+CD127dim、CD4+CD25+、CD4+CD25+CD127dimFOXP3+、FOXP3+、CD4+FOXP3+、CD4+CD25+FOXP3+、CD25+FOXP3+、またはCD25+ CD127dimである)、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約51%、少なくとも約52%、少なくとも約53%、少なくとも約54%、少なくとも約55%、少なくとも約56%、少なくとも約57%、少なくとも約58%、少なくとも約59%、少なくとも約60%、少なくとも約61%、少なくとも約62%、少なくとも約63%、少なくとも約64%、少なくとも約65%、少なくとも約66%、少なくとも約67%、少なくとも約68%、少なくとも約69%、少なくとも約70%、少なくとも約71%、少なくとも約72%、少なくとも約73%、少なくとも約74%、少なくとも約75%、少なくとも約76%、少なくとも約77%、少なくとも約78%、少なくとも約79%、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、またはそれより多いパーセンテージのTreg細胞を含み得る。
【0235】
本開示のTregについて濃縮された細胞の集団は、全細胞、有核細胞、またはCD45+細胞のパーセンテージとして(例えば、ここで、Tregは、CD4+CD25+CD127dim、CD3+CD4+CD25+、CD3+ CD4+ CD25+ CD127dim、CD3+ CD4+ CD25+ CD127dim FOXP3+、CD3+FOXP3+、CD3+CD4+FOXP3+、CD3+ CD4+CD25+FOXP3+、CD3+CD25+FOXP3+、CD3+CD25+CD127dim、CD4+CD25+、CD4+CD25+CD127dimFOXP3+、FOXP3+、CD4+FOXP3+、CD4+CD25+FOXP3+、CD25+FOXP3+、またはCD25+ CD127dimである)、50%~100%、60%~100%、70%~100%、75%~100%、80%~100%、81%~100%、82%~100%、83%~100%、84%~100%、84%~100%、86%~100%、87%~100%、88%~100%、89%~100%、90%~91%、92%~100%、93%~100%、94%~100%、95%~100%、96%~100%、97%~100%、98%~100%、99%~100%、99.5%~100%、50%~99%、60%~99%、70%~99%、80%~99%、81%~99%、82%~99%、83%~99%、84%~99%、85%~99%、86%~99%、87%~99%、88%~99%、89%~99%、90%~99%、91%~99%、92%~99%、94%~99%、95%~99%、96%~97%、98%~99%、50%~98%、60%~98%、70%~98%、80%~98%、81%~98%、82%~98%、83%~98%、84%~98%、85%~98%、86%~98%、87%~98%、88%~98%、89%~98%、90%~98%、91%~98%、92%~98%、94%~98%、95%~98%、96%~97%、98%~98%、50%~97%、60%~97%、70%~97%、80%~97%、81%~97%、82%~97%、83%~97%、84%~97%、85%~97%、86%~97%、87%~97%、88%~97%、89%~97%、90%~97%、91%~97%、92%~97%、94%~97%、95%~97%、96%~97%、50%~96%、60%~96%、70%~96%、80%~96%、81%~96%、82%~96%、83%~96%、84%~96%、85%~96%、86%~96%、87%~96%、88%~96%、89%~96%、90%~96%、91%~96%、92%~96%、94%~96%、95%~96%、50%~95%、60%~95%、70%~95%、80%~95%、81%~95%、82%~95%、83%~95%、84%~95%、85%~95%、86%~95%、87%~95%、88%~95%、89%~95%、90%~95%、91%~95%、92%~95%、または94%から95%のTregを含み得る。
【0236】
本開示のTregについて濃縮された細胞の集団は、規定レベルの夾雑非Treg細胞を有し得る。一部の実施形態では、体重または理想体重1kg当たり最大約1×10、最大約2×10、最大約3×10、最大約4×10、最大約5×10、最大約6×10、最大約7×10、最大約8×10、最大約9×10、最大約1×10、最大約2×10、最大約3×10、最大約4×10、最大約5×10、最大約6×10、最大約7×10、最大約8×10、最大約9×10、最大約1×10、最大約2×10、最大約3×10、最大約4×10、最大約5×10、最大約6×10、最大約7×10、最大約8×10、最大約9×10、または最大約1×10個の非Treg細胞は、本開示のTregについて濃縮された細胞の集団中に存在し、ここで、非Treg細胞は、明るさについてFOXP3-またはCD127+である。
【0237】
一部の実施形態では、本開示のTregについて濃縮された細胞の集団は、最大約0.001%、最大約0.002%、最大約0.003%、最大約0.004%、最大約0.005%、最大約0.006%、最大約0.007%、最大約0.008%、0.009%、最大約0.01%、最大約0.02%、最大約0.03%、最大約0.04%、最大約0.05%、最大約0.06%、最大約0.07%、最大約0.08%、最大約0.09%、最大約0.1%、最大約0.2%、最大約0.3%、最大約0.4%、最大約0.5%、最大約0.6%、最大約0.7%、最大約0.8%、最大約0.9%、最大約1%、最大約1.1%、最大約1.2%、最大約1.3%、最大約1.4%、最大約1.5%、最大約1.6%、最大約1.7%、最大約1.8%、最大約1.9%、最大約2%、最大約2.1%、最大約2.2%、最大約2.3%、最大約2.4%、最大約2.5%、最大約2.6%、最大約2.7%、最大約2.8%、最大約2.9%、最大約3%、最大約3.1%、最大約3.2%、最大約3.3%、最大約3.4%、最大約3.5%、最大約3.6%、最大約3.7%、最大約3.8%、最大約3.9%、最大約4%、最大約5%、最大約6%、最大約7%、最大約8%、最大約9%、または最大約10%の非Treg細胞を含み、非Treg細胞は、明るさについてFOXP3-またはCD127+である。
【0238】
様々な実施形態では、Tregについて濃縮された細胞の集団は、溶液剤1ml当たり約5EU未満のエンドトキシン、溶液剤1ml当たり約1EU未満のエンドトキシン、および/または溶液剤1ml当たり約0.5EU未満のエンドトキシンを含む。
【0239】
一部の実施形態では、細胞集団の少なくとも1つは、各懸濁液1ml当たり約5EU未満のエンドトキシンを含む。
【0240】
Tregについて濃縮された細胞の集団は、0.5EU/mlのエンドトキシン~10EU/mlのエンドトキシンを含み得る。Tregについて濃縮された細胞の集団は、少なくとも0.5EU/mlのエンドトキシンを含み得る。Tregについて濃縮された細胞の集団は、最大10EU/mlのエンドトキシンを含み得る。Tregについて濃縮された細胞の集団は、10EU/mlのエンドトキシン~8EU/mlのエンドトキシン、10EU/mlのエンドトキシン~6EU/mlのエンドトキシン、10EU/mlのエンドトキシン~5EU/mlのエンドトキシン、10EU/mlのエンドトキシン~4EU/mlのエンドトキシン、10EU/mlのエンドトキシン~2EU/mlのエンドトキシン、10EU/mlのエンドトキシン~1EU/mlのエンドトキシン、10EU/mlのエンドトキシン~0.5EU/mlのエンドトキシン、8EU/mlのエンドトキシン~6EU/mlのエンドトキシン、8EU/mlのエンドトキシン~5EU/mlのエンドトキシン、8EU/mlのエンドトキシン~4EU/mlのエンドトキシン、8EU/mlのエンドトキシン~2EU/mlのエンドトキシン、8EU/mlのエンドトキシン~1EU/mlのエンドトキシン、8EU/mlのエンドトキシン~0.5EU/mlのエンドトキシン、6EU/mlのエンドトキシン~5EU/mlのエンドトキシン、6EU/mlのエンドトキシン~4EU/mlのエンドトキシン、6EU/mlのエンドトキシン~2EU/mlのエンドトキシン、6EU/mlのエンドトキシン~1EU/mlのエンドトキシン、6EU/mlのエンドトキシン~0.5EU/mlのエンドトキシン、5EU/mlのエンドトキシン~4EU/mlのエンドトキシン、5EU/mlのエンドトキシン~2EU/mlのエンドトキシン、5EU/mlのエンドトキシン~1EU/mlのエンドトキシン、5EU/mlのエンドトキシン~0.5EU/mlのエンドトキシン、4EU/mlのエンドトキシン~2EU/mlのエンドトキシン、4EU/mlのエンドトキシン~1EU/mlのエンドトキシン、4EU/mlのエンドトキシン~0.5EU/mlのエンドトキシン、2EU/mlのエンドトキシン~1EU/mlのエンドトキシン、2EU/mlのエンドトキシン~0.5EU/mlのエンドトキシン、または1EU/mlのエンドトキシン~0.5EU/mlのエンドトキシンを含み得る。Tregについて濃縮された細胞の集団は、10EU/mlのエンドトキシン、8EU/mlのエンドトキシン、6EU/mlのエンドトキシン、5EU/mlのエンドトキシン、4EU/mlのエンドトキシン、2EU/mlのエンドトキシン、1EU/mlのエンドトキシン、または0.5EU/mlのエンドトキシンを含み得る。Tregについて濃縮された細胞の集団は、少なくとも8EU/mlのエンドトキシン、6EU/mlのエンドトキシン、5EU/mlのエンドトキシン、4EU/mlのエンドトキシン、2EU/mlのエンドトキシン、1EU/mlのエンドトキシン、または0.5EU/mlのエンドトキシンを含み得る。Tregについて濃縮された細胞の集団は、最大10EU/mlのエンドトキシン、8EU/mlのエンドトキシン、6EU/mlのエンドトキシン、5EU/mlのエンドトキシン、4EU/mlのエンドトキシン、2EU/mlのエンドトキシンまたは1EU/mlのエンドトキシンを含み得る。
【0241】
Tregについて濃縮された細胞の集団は、0.5%w/w~10%w/wの非結合試薬を含み得る。これらの非結合試薬は、Tregの選別に使用される任意の親和性試薬、例えば、抗体、または精製粒子または磁気粒子を含んでもよい。Tregについて濃縮された細胞の集団は、少なくとも0.5%w/wの非結合試薬を含み得る。Tregについて濃縮された細胞の集団は、最大10%w/wの非結合試薬を含み得る。Tregについて濃縮された細胞の集団は、10%w/w~8%w/w、10%w/w~6%w/w、10%w/w~5%w/w、10%w/w~4%w/w、10%w/w~2%w/w、10%w/w~1%w/w、10%w/w~0.5%w/w、8%w/w~6%w/w、8%w/w~5%w/w、8%w/w~4%w/w、8%w/w~2%w/w、8%w/w~1%w/w、8%w/w~0.5%w/w、6%w/w~5%w/w、6%w/w~4%w/w、6%w/w~2%w/w、6%w/w~1%w/w、6%w/w~0.5%w/w、5%w/w~4%w/w、5%w/w~2%w/w、5%w/w~1%w/w、5%w/w~0.5%w/w、4%w/w~2%w/w、4%w/w~1%w/w、4%w/w~0.5%w/w、2%w/w~1%w/w、2%w/w~0.5%w/w、または1%w/w~0.5%w/wの非結合試薬を含み得る。Tregについて濃縮された細胞の集団は、10%w/w、8%w/w、6%w/w、5%w/w、4%w/w、2%w/w、1%w/w、または0.5%w/wの非結合試薬を含み得る。Tregについて濃縮された細胞の集団は、少なくとも8%w/w、6%w/w、5%w/w、4%w/w、2%w/w、1%w/w、または0.5%w/wの非結合試薬を含み得る。Tregについて濃縮された細胞の集団は、最大10%w/w、8%w/w、6%w/w、5%w/w、4%w/w、2%w/wまたは1%w/wの非結合試薬を含み得る。
【0242】
Tregについて濃縮された細胞の集団は、細胞当たり1×10~50×10個のマイクロビーズを含み得る。これらのマイクロビーズは、Treg集団を精製するために使用されるマイクロビーズ、例えば、Treg集団を選別するために使用されるマイクロビーズを含む抗CD25抗体、またはTreg集団を選別するために使用されるマイクロビーズを含む抗CD4抗体、および/またはTreg集団を選別するために使用されるマイクロビーズを含む抗CD127抗体を含んでもよい。Tregについて濃縮された細胞の集団は、細胞当たり少なくとも1×10個のマイクロビーズを含み得る。Tregについて濃縮された細胞の集団は、細胞当たり最大50×10個のマイクロビーズを含み得る。Tregについて濃縮された細胞の集団は、細胞当たり50×10~40×10、50×10~30×10、50×10~20×10、50×10~10×10、50×10~5×10、50×10~4×10、50×10~2×10、50×10~1×10、40×10~30×10、40×10~20×10、40×10~10×10、40×10~5×10、40×10~4×10、40×10~2×10、40×10~1×10、30×10~20×10、30×10~10×10、30×10~5×10、30×10~4×10、30×10~2×10、30×10~1×10、20×10~10×10、20×10~5×10、20×10~4×10、20×10~2×10、20×10~1×10、10×10~5×10、10×10~4×10、10×10~2×10、10×10~1×10、5×10~4×10、5×10~2×10、5×10~1×10、4×10~2×10、4×10~1×10、または2×10~1×10個のマイクロビーズを含み得る。Tregについて濃縮された細胞の集団は、細胞当たり50×10、40×10、30×10、20×10、10×10、5×10、4×10、2×10、または1×10個のマイクロビーズを含み得る。
Tcon
【0243】
少なくともTconを含むCD45+細胞の第2の集団は、レシピエント対象の実際の体重または理想体重1kg当たりのCD45+細胞の第2の集団および/またはTcon(例えば、ここで、Tconは、明るさについてCD3+またはCD3+ CD127+である)について、少なくとも約1×10、少なくとも約1×10、少なくとも約5×10、少なくとも約6×10、少なくとも約7×10、少なくとも約8×10、少なくとも約9×10、少なくとも約1×10、少なくとも約1.1×10、少なくとも約1.2×10、少なくとも約1.3×10、少なくとも約1.4×10、少なくとも約1.5×10、少なくとも約1.6×10、少なくとも約1.7×10、少なくとも約1.8×10、少なくとも約1.9×10、少なくとも約2×10、少なくとも約2.1×10、少なくとも約2.2×10、少なくとも約2.3×10、少なくとも約2.4×10、少なくとも約2.5×10、少なくとも約2.6×10、少なくとも約2.7×10、少なくとも約2.8×10、少なくとも約2.9×10、少なくとも約3×10、少なくとも約3.1×10、少なくとも約3.2×10、少なくとも約3.3×10、少なくとも約3.4×10、少なくとも約3.5×10、少なくとも約3.6×10、少なくとも約3.7×10、少なくとも約3.8×10、少なくとも約3.9×10、少なくとも約4×10、少なくとも約4.1×10、少なくとも約4.2×10、少なくとも約4.3×10、少なくとも約4.4×10、少なくとも約4.5×10、少なくとも約4.6×10、少なくとも約4.7×10、少なくとも約4.8×10、少なくとも約4.9×10、少なくとも約5×10、少なくとも約5.1×10、少なくとも約5.2×10、少なくとも約5.3×10、少なくとも約5.4×10、少なくとも約5.5×10、少なくとも約5.6×10、少なくとも約5.7×10、少なくとも約5.8×10、少なくとも約5.9×10、少なくとも約6×10、少なくとも約6.5×10、少なくとも約7×10、少なくとも約7.5×10、少なくとも約8×10、少なくとも約8.5×10、少なくとも約9×10、少なくとも約9.5×10、少なくとも約1×10、少なくとも約1.5×10、少なくとも約2×10、少なくとも約2.5×10、少なくとも約3×10、少なくとも約3.5×10、少なくとも約4×10、少なくとも約4.5×10、少なくとも約5×10、少なくとも約5.5×10、少なくとも約6×10、少なくとも約6.5×10、少なくとも約7×10、少なくとも約7.5×10、少なくとも約8×10、少なくとも約8.5×10、少なくとも約9×10、少なくとも約9.5×10、少なくとも約1×10、少なくとも約1×10、少なくとも約1.5×10、少なくとも約2×10、少なくとも約2.5×10、少なくとも約3×10、少なくとも約3.5×10、少なくとも約4×10、少なくとも約4.5×10、少なくとも約5×10、少なくとも約5.5×10、少なくとも約6×10、少なくとも約6.5×10、少なくとも約7×10、少なくとも約7.5×10、少なくとも約8×10、少なくとも約8.5×10、少なくとも約9×10、少なくとも約9.5×10、少なくとも約1×10個、またはそれより多い細胞を含み得る。
【0244】
少なくともTconを含むCD45+細胞の第2の集団は、レシピエント対象の実際の体重または理想体重1kg当たりのCD45+細胞の第2の集団および/またはTcon(例えば、ここで、Tconは、明るさについてCD3+またはCD3+ CD127+である)について、最大約1×10、最大約1×10、最大約5×10、最大約6×10、最大約7×10、最大約8×10、最大約9×10、最大約1×10、最大約1.1×10、最大約1.2×10、最大約1.3×10、最大約1.4×10、最大約1.5×10、最大約1.6×10、最大約1.7×10、最大約1.8×10、最大約1.9×10、最大約2×10、最大約2.1×10、最大約2.2×10、最大約2.3×10、最大約2.4×10、最大約2.5×10、最大約2.6×10、最大約2.7×10、最大約2.8×10、最大約2.9×10、最大約3×10、最大約3.1×10、最大約3.2×10、最大約3.3×10、最大約3.4×10、最大約3.5×10、最大約3.6×10、最大約3.7×10、最大約3.8×10、最大約3.9×10、最大約4×10、最大約4.1×10、最大約4.2×10、最大約4.3×10、最大約4.4×10、最大約4.5×10、最大約4.6×10、最大約4.7×10、最大約4.8×10、最大約4.9×10、最大約5×10、最大約5.1×10、最大約5.2×10、最大約5.3×10、最大約5.4×10、最大約5.5×10、最大約5.6×10、最大約5.7×10、最大約5.8×10、最大約5.9×10、最大約6×10、最大約6.5×10、最大約7×10、最大約7.5×10、最大約8×10、最大約8.5×10、最大約9×10、最大約9.5×10、最大約1×10、最大約1.5×10、最大約2×10、最大約2.5×10、最大約3×10、最大約3.5×10、最大約4×10、最大約4.5×10、最大約5×10、最大約5.5×10、最大約6×10、最大約6.5×10、最大約7×10、最大約7.5×10、最大約8×10、最大約8.5×10、最大約9×10、最大約9.5×10、最大約1×10、最大約1×10、最大約1.5×10、最大約2×10、最大約2.5×10、最大約3×10、最大約3.5×10、最大約4×10、最大約4.5×10、最大約5×10、最大約5.5×10、最大約6×10、最大約6.5×10、最大約7×10、最大約7.5×10、最大約8×10、最大約8.5×10、最大約9×10、最大約9.5×10個、または最大約1×10個の細胞を含み得る。
【0245】
例えば、少なくともTconを含むCD45+細胞の第2の集団は、レシピエント対象の実際の体重または理想体重1kg当たりのCD45+細胞の第2の集団および/またはTcon(例えば、ここで、Tconは、明るさについてCD3+またはCD3+CD127+である)について、1×10~1×10、1×10~1×10、1×10~2×10、5×10~2×10、5×10~1.5×10、5×10~1×10、5×10~9×10、5×10~8×10、5×10~7×10、5×10~6×10、5×10~5×10、5×10~4×10、5×10~3×10、5×10~2×10、5×10~1×10、1×10~1.5×10、1×10~1×10、1×10~9×10、1×10~8×10、1×10~7×10、1×10~6×10、1×10~5×10、1×10~4×10、1×10~3×10、1×10~2×10、1.5×10~1.5×10、1.5×10~1×10、1.5×10~9×10、1.5×10~8×10、1.5×10~7×10、1.5×10~6×10、1.5×10~5×10、1.5×10~4×10、1.5×10~3×10、1.5×10~2×10、2×10~1.5×10、2×10~1×10、2×10~9×10、2×10~8×10、2×10~7×10、2×10~6×10、2×10~5×10、2×10~4×10、2×10~3×10、2.5×10~1.5×10、2.5×10~1×10、2.5×10~9×10、2.5×10~8×10、2.5×10~7×10、2.5×10~6×10、2.5×10~5×10、2.5×10~4×10、または2.5×10~3×10個の細胞を含み得る。
【0246】
本開示のCD45+細胞の第2の集団は、Tcon細胞について規定レベルの純度を有し得る。例えば、本開示のCD45+細胞の第2の集団は、全細胞のパーセンテージとして、有核細胞のパーセンテージとして、またはCD45+細胞のパーセンテージとして(例えば、ここで、Tconは、明るさについてCD3+またはCD3+CD127+である)、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約51%、少なくとも約52%、少なくとも約53%、少なくとも約54%、少なくとも約55%、少なくとも約56%、少なくとも約57%、少なくとも約58%、少なくとも約59%、少なくとも約60%、少なくとも約61%、少なくとも約62%、少なくとも約63%、少なくとも約64%、少なくとも約65%、少なくとも約66%、少なくとも約67%、少なくとも約68%、少なくとも約69%、少なくとも約70%、少なくとも約71%、少なくとも約72%、少なくとも約73%、少なくとも約74%、少なくとも約75%、少なくとも約76%、少なくとも約77%、少なくとも約78%、少なくとも約79%、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、またはそれより高いパーセンテージのTcon細胞を含み得る。
【0247】
本開示のCD45+細胞の第2の集団は、全細胞、有核細胞、またはCD45+細胞のパーセンテージとして(例えば、ここで、Tconは、明るさについてCD3+またはCD3+CD127+である)、50%~100%、60%~100%、70%~100%、75%~100%、80%~100%、81%~100%、82%~100%、83%~100%、84%~100%、84%~100%、86%~100%、87%~100%、88%~100%、89%~100%、90%~91%、92%~100%、93%~100%、94%~100%、95%~100%、96%~100%、97%~100%、98%~100%、99%~100%、99.5%~100%、50%~99%、60%~99%、70%~99%、80%~99%、81%~99%、82%~99%、83%~99%、84%~99%、85%~99%、86%~99%、87%~99%、88%~99%、89%~99%、90%~99%、91%~99%、92%~99%、94%~99%、95%~99%、96%~97%、98%~99%、50%~98%、60%~98%、70%~98%、80%~98%、81%~98%、82%~98%、83%~98%、84%~98%、85%~98%、86%~98%、87%~98%、88%~98%、89%~98%、90%~98%、91%~98%、92%~98%、94%~98%、95%~98%、96%~97%、98%~98%、50%~97%、60%~97%、70%~97%、80%~97%、81%~97%、82%~97%、83%~97%、84%~97%、85%~97%、86%~97%、87%~97%、88%~97%、89%~97%、90%~97%、91%~97%、92%~97%、94%~97%、95%~97%、96%~97%、50%~96%、60%~96%、70%~96%、80%~96%、81%~96%、82%~96%、83%~96%、84%~96%、85%~96%、86%~96%、87%~96%、88%~96%、89%~96%、90%~96%、91%~96%、92%~96%、94%~96%、95%~96%、50%~95%、60%~95%、70%~95%、80%~95%、81%~95%、82%~95%、83%~95%、84%~95%、85%~95%、86%~95%、87%~95%、88%~95%、89%~95%、90%~95%、91%~95%、92%~95%、または94%から95%のTconを含み得る。
【0248】
本開示のCD45+細胞の第2の集団は、規定レベルの夾雑非Tcon細胞を有し得る。一部の実施形態では、レシピエント対象の実際の体重または理想体重1kg当たり最大約1×10、最大約2×10、最大約3×10、最大約4×10、最大約5×10、最大約6×10、最大約7×10、最大約8×10、最大約9×10、最大約1×10、最大約2×10、最大約3×10、最大約4×10、最大約5×10、最大約6×10、最大約7×10、最大約8×10、最大約9×10、最大約1×10、最大約2×10、最大約3×10、最大約4×10、最大約5×10、最大約6×10、最大約7×10、最大約8×10、最大約9×10、または最大約1×10個の非Tcon細胞は、本開示のCD45+細胞の第2の集団中に存在する(例えば、ここで、非Tcon細胞は、CD3-またはCD3+CD127dimである)。
【0249】
一部の実施形態では、本開示のCD45+細胞の第2の集団は、最大約0.001%、最大約0.002%、最大約0.003%、最大約0.004%、最大約0.005%、最大約0.006%、最大約0.007%、最大約0.008%、0.009%、最大約0.01%、最大約0.02%、最大約0.03%、最大約0.04%、最大約0.05%、最大約0.06%、最大約0.07%、最大約0.08%、最大約0.09%、最大約0.1%、最大約0.2%、最大約0.3%、最大約0.4%、最大約0.5%、最大約0.6%、最大約0.7%、最大約0.8%、最大約0.9%、最大約1%、最大約1.1%、最大約1.2%、最大約1.3%、最大約1.4%、最大約1.5%、最大約1.6%、最大約1.7%、最大約1.8%、最大約1.9%、最大約2%、最大約2.1%、最大約2.2%、最大約2.3%、最大約2.4%、最大約2.5%、最大約2.6%、最大約2.7%、最大約2.8%、最大約2.9%、最大約3%、最大約3.1%、最大約3.2%、最大約3.3%、最大約3.4%、最大約3.5%、最大約3.6%、最大約3.7%、最大約3.8%、最大約3.9%、最大約4%、最大約5%、最大約6%、最大約7%、最大約8%、最大約9%、または最大約10%の非Tcon細胞を含む(例えば、ここで、非Tcon細胞は、CD3-またはCD3+CD127dimである)。
【0250】
一部の事例では、Tregについて濃縮された細胞の集団は、溶液剤1ml当たり約5EU未満のエンドトキシン、溶液剤1ml当たり約1EU未満のエンドトキシン、および/または溶液剤1ml当たり約0.5EU未満のエンドトキシンを含む。
【0251】
実施形態では、細胞集団の少なくとも1つは、各懸濁液1ml当たり約5EU未満のエンドトキシンを含む。
【0252】
少なくともTconを含むCD45+細胞の第2の集団は、0.5EU/mlのエンドトキシン~10EU/mlのエンドトキシンを含み得る。CD45+細胞の第2の集団は、少なくとも0.5EU/mlのエンドトキシンを含み得る。CD45+細胞の第2の集団は、最大10EU/mlのエンドトキシンを含み得る。CD45+細胞の第2の集団は、10EU/mlのエンドトキシン~8EU/mlのエンドトキシン、10EU/mlのエンドトキシン~6EU/mlのエンドトキシン、10EU/mlのエンドトキシン~5EU/mlのエンドトキシン、10EU/mlのエンドトキシン~4EU/mlのエンドトキシン、10EU/mlのエンドトキシン~2EU/mlのエンドトキシン、10EU/mlのエンドトキシン~1EU/mlのエンドトキシン、10EU/mlのエンドトキシン~0.5EU/mlのエンドトキシン、8EU/mlのエンドトキシン~6EU/mlのエンドトキシン、8EU/mlのエンドトキシン~5EU/mlのエンドトキシン、8EU/mlのエンドトキシン~4EU/mlのエンドトキシン、8EU/mlのエンドトキシン~2EU/mlのエンドトキシン、8EU/mlのエンドトキシン~1EU/mlのエンドトキシン、8EU/mlのエンドトキシン~0.5EU/mlのエンドトキシン、6EU/mlのエンドトキシン~5EU/mlのエンドトキシン、6EU/mlのエンドトキシン~4EU/mlのエンドトキシン、6EU/mlのエンドトキシン~2EU/mlのエンドトキシン、6EU/mlのエンドトキシン~1EU/mlのエンドトキシン、6EU/mlのエンドトキシン~0.5EU/mlのエンドトキシン、5EU/mlのエンドトキシン~4EU/mlのエンドトキシン、5EU/mlのエンドトキシン~2EU/mlのエンドトキシン、5EU/mlのエンドトキシン~1EU/mlのエンドトキシン、5EU/mlのエンドトキシン~0.5EU/mlのエンドトキシン、4EU/mlのエンドトキシン~2EU/mlのエンドトキシン、4EU/mlのエンドトキシン~1EU/mlのエンドトキシン、4EU/mlのエンドトキシン~0.5EU/mlのエンドトキシン、2EU/mlのエンドトキシン~1EU/mlのエンドトキシン、2EU/mlのエンドトキシン~0.5EU/mlのエンドトキシン、または1EU/mlのエンドトキシン~0.5EU/mlのエンドトキシンを含み得る。CD45+細胞の第2の集団は、約10EU/mlのエンドトキシン、8EU/mlのエンドトキシン、6EU/mlのエンドトキシン、5EU/mlのエンドトキシン、4EU/mlのエンドトキシン、2EU/mlのエンドトキシン、1EU/mlのエンドトキシン、または0.5EU/mlのエンドトキシンを含み得る。CD45+細胞の第2の集団は、少なくとも8EU/mlのエンドトキシン、6EU/mlのエンドトキシン、5EU/mlのエンドトキシン、4EU/mlのエンドトキシン、2EU/mlのエンドトキシン、1EU/mlのエンドトキシン、または0.5EU/mlのエンドトキシンを含み得る。CD45+細胞の第2の集団は、最大10EU/mlのエンドトキシン、8EU/mlのエンドトキシン、6EU/mlのエンドトキシン、5EU/mlのエンドトキシン、4EU/mlのエンドトキシン、2EU/mlのエンドトキシンまたは1EU/mlのエンドトキシンを含み得る。
【0253】
CD45+細胞の第2の集団は、0.1%w/w未満~3%w/wの非結合試薬を含み得る。これらの非結合試薬は、Tconまたは他の細胞集団の選別に使用される任意の親和性試薬、例えば、抗体、または精製粒子または磁気粒子を含んでもよい。CD45+細胞の第2の集団は、約0.1%w/w未満の非結合試薬を含み得る。CD45+細胞の第2の集団は、3%w/w未満~2%w/w、3%w/w~1%w/w、3%w/w~0.5%w/w、3%w/w~0.25%w/w、3%w/w~0.1%w/w、2%w/w~1%w/w、2%w/w~0.5%w/w、2%w/w~0.25%w/w、2%w/w~0.1%w/w、1%w/w~0.5%w/w、1%w/w~0.25%w/w、1%w/w~0.1%w/w、0.5%w/w~0.25%w/w、0.5%w/w~0.1%w/w、または0.25%w/w~0.1%w/wの非結合試薬を含み得る。CD45+細胞の第2の集団は、約3%w/w未満、2%w/w、1%w/w、0.5%w/w、0.25%w/w、または0.1%w/wの非結合試薬を含み得る。
【0254】
CD45+細胞の第2の集団は、細胞当たり50未満~2,000個のマイクロビーズを含み得る。これらのマイクロビーズは、Tcon集団または他の細胞集団を精製するために使用されるマイクロビーズ、例えば、細胞集団を選別するために使用されるCD25マイクロビーズ、またはCD4マイクロビーズ、またはCD127マイクロビーズ、またはCD34マイクロビーズを含んでもよい。CD45+細胞の第2の集団は、細胞当たり2,000個未満のマイクロビーズを含み得る。CD45+細胞の第2の集団は、細胞当たり2,000未満~1,000、2,000~700、2,000~500、2,000~300、2,000~100、2,000~50、1,000~700、1,000~500、1,000~300、1,000~100、1,000~50、700~500、700~300、700~100、700~50、500~300、500~100、500~50、300~100、300~50、または100~50個のマイクロビーズを含み得る。CD45+細胞の第2の集団は、細胞当たり約2,000、1,000、700、500、300、100、または50個のマイクロビーズを含み得る。CD45+細胞の第2の集団は、細胞当たり0個のマイクロビーズを含み得る。
【0255】
CD45+細胞の第2の集団では、対象に投与されるTcon:Tregの比は、例えば、約1:100、1:50、1:25、1:20、1:15、1:10、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3、1:2.5、1:2、1.5:2、1:1.5、1:1、1.5:1、2:1、2:1.5、2.5:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、15:1、20:1、25:1、50:1、または100:1であり得る。
【0256】
少なくともTconを含むCD45+細胞の第2の集団の細胞は、任意の時間凍結保存され得る。CD45+細胞の第2の集団の細胞は、解凍および対象への投与前に、少なくとも約1時間、少なくとも約2時間、少なくとも約3時間、少なくとも約4時間、少なくとも約5時間、少なくとも約6時間、少なくとも約7時間、少なくとも約8時間、少なくとも約9時間、少なくとも約10時間、少なくとも約11時間、少なくとも約12時間、少なくとも約14時間、少なくとも約16時間、少なくとも約18時間、少なくとも約20時間、少なくとも約22時間、少なくとも約24時間、少なくとも約30時間、少なくとも約36時間、少なくとも約48時間、少なくとも約50時間、少なくとも約55時間、少なくとも約60時間、少なくとも約61時間、少なくとも約62時間、少なくとも約65時間、少なくとも約70時間、少なくとも約72時間、少なくとも約80時間、少なくとも約90時間、少なくとも約96時間、少なくとも約120時間、少なくとも約150時間、少なくとも約200時間、少なくとも約300時間、またはそれより長い時間凍結保存されてもよい。
【0257】
一部の実施形態では、少なくともTconを含むCD45+細胞の第2の集団の細胞は、解凍および対象への投与前に、最大約1時間、最大約2時間、最大約3時間、最大約4時間、最大約5時間、最大約6時間、最大約7時間、最大約8時間、最大約9時間、最大約10時間、最大約11時間、最大約12時間、最大約14時間、最大約16時間、最大約18時間、最大約20時間、最大約22時間、最大約24時間、最大約30時間、最大約36時間、最大約48時間、最大約50時間、最大約55時間、最大約60時間、最大約61時間、最大約62時間、最大約65時間、最大約70時間、最大約72時間、最大約80時間、最大約90時間、最大約96時間、最大約120時間、最大約150時間、最大約200時間、または最大約300時間凍結保存される。
【0258】
一部の実施形態では、CD45+細胞の第2の集団の細胞は、解凍および対象への投与前に、少なくとも約1日、少なくとも約2日、少なくとも約3日、少なくとも約4日、少なくとも約5日、少なくとも約6日、少なくとも約7日、少なくとも約10日、少なくとも約14日、少なくとも約21日、少なくとも約28日、少なくとも約50日、少なくとも約60日、または少なくとも約96日、またはそれより多い日数の間凍結保存される。
【0259】
一部の実施形態では、CD45+細胞の第2の集団の細胞は、解凍および対象への投与前に、最大約1日、最大約2日、最大約3日、最大約4日、最大約5日、最大約6日、最大約7日、最大約10日、最大約14日、最大約21日、最大約28日、最大約50日、最大約60日、または最大約96日の間凍結保存される。
iNKT
【0260】
iNKTの集団を含む細胞集団は、レシピエント対象の実際の体重または理想体重1kg当たり(例えば、ここで、iNKTは、CD3+Vα24Jα18+である)、少なくとも約1×10、少なくとも約1×10、少なくとも約5×10、少なくとも約6×10、少なくとも約7×10、少なくとも約8×10、少なくとも約9×10、少なくとも約1×10、少なくとも約1.1×10、少なくとも約1.2×10、少なくとも約1.3×10、少なくとも約1.4×10、少なくとも約1.5×10、少なくとも約1.6×10、少なくとも約1.7×10、少なくとも約1.8×10、少なくとも約1.9×10、少なくとも約2×10、少なくとも約2.1×10、少なくとも約2.2×10、少なくとも約2.3×10、少なくとも約2.4×10、少なくとも約2.5×10、少なくとも約2.6×10、少なくとも約2.7×10、少なくとも約2.8×10、少なくとも約2.9×10、少なくとも約3×10、少なくとも約3.1×10、少なくとも約3.2×10、少なくとも約3.3×10、少なくとも約3.4×10、少なくとも約3.5×10、少なくとも約3.6×10、少なくとも約3.7×10、少なくとも約3.8×10、少なくとも約3.9×10、少なくとも約4×10、少なくとも約4.1×10、少なくとも約4.2×10、少なくとも約4.3×10、少なくとも約4.4×10、少なくとも約4.5×10、少なくとも約4.6×10、少なくとも約4.7×10、少なくとも約4.8×10、少なくとも約4.9×10、少なくとも約5×10、少なくとも約5.1×10、少なくとも約5.2×10、少なくとも約5.3×10、少なくとも約5.4×10、少なくとも約5.5×10、少なくとも約5.6×10、少なくとも約5.7×10、少なくとも約5.8×10、少なくとも約5.9×10、少なくとも約6×10、少なくとも約6.5×10、少なくとも約7×10、少なくとも約7.5×10、少なくとも約8×10、少なくとも約8.5×10、少なくとも約9×10、少なくとも約9.5×10、少なくとも約1×10、少なくとも約1.5×10、少なくとも約2×10、少なくとも約2.5×10、少なくとも約3×10、少なくとも約3.5×10、少なくとも約4×10、少なくとも約4.5×10、少なくとも約5×10、少なくとも約5.5×10、少なくとも約6×10、少なくとも約6.5×10、少なくとも約7×10、少なくとも約7.5×10、少なくとも約8×10、少なくとも約8.5×10、少なくとも約9×10、少なくとも約9.5×10、少なくとも約1×10、少なくとも約1×10、少なくとも約1.5×10、少なくとも約2×10、少なくとも約2.5×10、少なくとも約3×10、少なくとも約3.5×10、少なくとも約4×10、少なくとも約4.5×10、少なくとも約5×10、少なくとも約5.5×10、少なくとも約6×10、少なくとも約6.5×10、少なくとも約7×10、少なくとも約7.5×10、少なくとも約8×10、少なくとも約8.5×10、少なくとも約9×10、少なくとも約9.5×10、少なくとも約1×10個、またはそれより多いiNKTを含み得る。
【0261】
iNKTの集団を含む細胞集団は、レシピエント対象の実際の体重または理想体重1kg当たり(例えば、ここで、iNKTは、CD3+Vα24Jα18+である)、最大約1×10、最大約1×10、最大約5×10、最大約6×10、最大約7×10、最大約8×10、最大約9×10、最大約1×10、最大約1.1×10、最大約1.2×10、最大約1.3×10、最大約1.4×10、最大約1.5×10、最大約1.6×10、最大約1.7×10、最大約1.8×10、最大約1.9×10、最大約2×10、最大約2.1×10、最大約2.2×10、最大約2.3×10、最大約2.4×10、最大約2.5×10、最大約2.6×10、最大約2.7×10、最大約2.8×10、最大約2.9×10、最大約3×10、最大約3.1×10、最大約3.2×10、最大約3.3×10、最大約3.4×10、最大約3.5×10、最大約3.6×10、最大約3.7×10、最大約3.8×10、最大約3.9×10、最大約4×10、最大約4.1×10、最大約4.2×10、最大約4.3×10、最大約4.4×10、最大約4.5×10、最大約4.6×10、最大約4.7×10、最大約4.8×10、最大約4.9×10、最大約5×10、最大約5.1×10、最大約5.2×10、最大約5.3×10、最大約5.4×10、最大約5.5×10、最大約5.6×10、最大約5.7×10、最大約5.8×10、最大約5.9×10、最大約6×10、最大約6.5×10、最大約7×10、最大約7.5×10、最大約8×10、最大約8.5×10、最大約9×10、最大約9.5×10、最大約1×10、最大約1.5×10、最大約2×10、最大約2.5×10、最大約3×10、最大約3.5×10、最大約4×10、最大約4.5×10、最大約5×10、最大約5.5×10、最大約6×10、最大約6.5×10、最大約7×10、最大約7.5×10、最大約8×10、最大約8.5×10、最大約9×10、最大約9.5×10、最大約1×10、最大約1×10、最大約1.5×10、最大約2×10、最大約2.5×10、最大約3×10、最大約3.5×10、最大約4×10、最大約4.5×10、最大約5×10、最大約5.5×10、最大約6×10、最大約6.5×10、最大約7×10、最大約7.5×10、最大約8×10、最大約8.5×10、最大約9×10、最大約9.5×10個、または最大約1×10個のiNKTを含み得る。
【0262】
例えば、iNKTの集団を含む細胞集団は、レシピエント対象の実際の体重または理想体重1kg当たり(例えば、ここで、iNKTは、CD3+Vα24Jα18+である)、1×10~1×10、1×10~1×10、1×10~2×10、5×10~2×10、5×10~1.5×10、5×10~1×10、5×10~9×10、5×10~8×10、5×10~7×10、5×10~6×10、5×10~5×10、5×10~4×10、5×10~3×10、5×10~2×10、5×10~1×10、1×10~1.5×10、1×10~1×10、1×10~9×10、1×10~8×10、1×10~7×10、1×10~6×10、1×10~5×10、1×10~4×10、1×10~3×10、1×10~2×10、1.5×10~1.5×10、1.5×10~1×10、1.5×10~9×10、1.5×10~8×10、1.5×10~7×10、1.5×10~6×10、1.5×10~5×10、1.5×10~4×10、1.5×10~3×10、1.5×10~2×10、2×10~1.5×10、2×10~1×10、2×10~9×10、2×10~8×10、2×10~7×10、2×10~6×10、2×10~5×10、2×10~4×10、2×10~3×10、2.5×10~1.5×10、2.5×10~1×10、2.5×10~9×10、2.5×10~8×10、2.5×10~7×10、2.5×10~6×10、2.5×10~5×10、2.5×10~4×10、または2.5×10~3×10個のiNKTを含み得る。
【0263】
本開示のiNKTの集団は、iNKT細胞について規定レベルの純度を有し得る。例えば、本開示のiNKTの集団は、全細胞のパーセンテージとして、有核細胞のパーセンテージとして、またはCD45+細胞のパーセンテージとして(例えば、ここで、iNKTは、CD3+Vα24Jα18+である)、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約51%、少なくとも約52%、少なくとも約53%、少なくとも約54%、少なくとも約55%、少なくとも約56%、少なくとも約57%、少なくとも約58%、少なくとも約59%、少なくとも約60%、少なくとも約61%、少なくとも約62%、少なくとも約63%、少なくとも約64%、少なくとも約65%、少なくとも約66%、少なくとも約67%、少なくとも約68%、少なくとも約69%、少なくとも約70%、少なくとも約71%、少なくとも約72%、少なくとも約73%、少なくとも約74%、少なくとも約75%、少なくとも約76%、少なくとも約77%、少なくとも約78%、少なくとも約79%、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、またはそれより高いパーセンテージのiNKT細胞を含み得る。
【0264】
本開示のiNKTの集団は、全細胞、有核細胞、またはCD45+細胞のパーセンテージとして(例えば、ここで、iNKTは、CD3+Vα24Jα18+である)、50%~100%、60%~100%、70%~100%、75%~100%、80%~100%、81%~100%、82%~100%、83%~100%、84%~100%、84%~100%、86%~100%、87%~100%、88%~100%、89%~100%、90%~91%、92%~100%、93%~100%、94%~100%、95%~100%、96%~100%、97%~100%、98%~100%、99%~100%、99.5%~100%、50%~99%、60%~99%、70%~99%、80%~99%、81%~99%、82%~99%、83%~99%、84%~99%、85%~99%、86%~99%、87%~99%、88%~99%、89%~99%、90%~99%、91%~99%、92%~99%、94%~99%、95%~99%、96%~97%、98%~99%、50%~98%、60%~98%、70%~98%、80%~98%、81%~98%、82%~98%、83%~98%、84%~98%、85%~98%、86%~98%、87%~98%、88%~98%、89%~98%、90%~98%、91%~98%、92%~98%、94%~98%、95%~98%、96%~97%、98%~98%、50%~97%、60%~97%、70%~97%、80%~97%、81%~97%、82%~97%、83%~97%、84%~97%、85%~97%、86%~97%、87%~97%、88%~97%、89%~97%、90%~97%、91%~97%、92%~97%、94%~97%、95%~97%、96%~97%、50%~96%、60%~96%、70%~96%、80%~96%、81%~96%、82%~96%、83%~96%、84%~96%、85%~96%、86%~96%、87%~96%、88%~96%、89%~96%、90%~96%、91%~96%、92%~96%、94%~96%、95%~96%、50%~95%、60%~95%、70%~95%、80%~95%、81%~95%、82%~95%、83%~95%、84%~95%、85%~95%、86%~95%、87%~95%、88%~95%、89%~95%、90%~95%、91%~95%、92%~95%、または94%~95%のiNKTを含み得る。
【0265】
本開示のiNKTの集団は、規定レベルの夾雑非iNKT細胞を有し得る。一部の実施形態では、レシピエント対象の実際の体重または理想体重1kg当たり最大約1×10、最大約2×10、最大約3×10、最大約4×10、最大約5×10、最大約6×10、最大約7×10、最大約8×10、最大約9×10、最大約1×10、最大約2×10、最大約3×10、最大約4×10、最大約5×10、最大約6×10、最大約7×10、最大約8×10、最大約9×10、最大約1×10、最大約2×10、最大約3×10、最大約4×10、最大約5×10、最大約6×10、最大約7×10、最大約8×10、最大約9×10、または最大約1×10個の非iNKT細胞は、本開示のiNKTの集団中に存在する(例えば、ここで、非iNKT細胞は、Vα24Jα18-である)。
【0266】
一部の実施形態では、本開示のiNKTの集団は、最大約0.001%、最大約0.002%、最大約0.003%、最大約0.004%、最大約0.005%、最大約0.006%、最大約0.007%、最大約0.008%、0.009%、最大約0.01%、最大約0.02%、最大約0.03%、最大約0.04%、最大約0.05%、最大約0.06%、最大約0.07%、最大約0.08%、最大約0.09%、最大約0.1%、最大約0.2%、最大約0.3%、最大約0.4%、最大約0.5%、最大約0.6%、最大約0.7%、最大約0.8%、最大約0.9%、最大約1%、最大約1.1%、最大約1.2%、最大約1.3%、最大約1.4%、最大約1.5%、最大約1.6%、最大約1.7%、最大約1.8%、最大約1.9%、最大約2%、最大約2.1%、最大約2.2%、最大約2.3%、最大約2.4%、最大約2.5%、最大約2.6%、最大約2.7%、最大約2.8%、最大約2.9%、最大約3%、最大約3.1%、最大約3.2%、最大約3.3%、最大約3.4%、最大約3.5%、最大約3.6%、最大約3.7%、最大約3.8%、最大約3.9%、最大約4%、最大約5%、最大約6%、最大約7%、最大約8%、最大約9%、または最大約10%の非iNKT細胞を含む(例えば、ここで、非iNKT細胞は、Vα24Jα18-である)。
Tmem
【0267】
Tmemの集団を含む細胞集団は、レシピエント対象の実際の体重または理想体重1kg当たり(例えば、ここで、Tmemは、CD3+CD45RA-CD45RO+である)、少なくとも約1×10、少なくとも約1×10、少なくとも約5×10、少なくとも約6×10、少なくとも約7×10、少なくとも約8×10、少なくとも約9×10、少なくとも約1×10、少なくとも約1.1×10、少なくとも約1.2×10、少なくとも約1.3×10、少なくとも約1.4×10、少なくとも約1.5×10、少なくとも約1.6×10、少なくとも約1.7×10、少なくとも約1.8×10、少なくとも約1.9×10、少なくとも約2×10、少なくとも約2.1×10、少なくとも約2.2×10、少なくとも約2.3×10、少なくとも約2.4×10、少なくとも約2.5×10、少なくとも約2.6×10、少なくとも約2.7×10、少なくとも約2.8×10、少なくとも約2.9×10、少なくとも約3×10、少なくとも約3.1×10、少なくとも約3.2×10、少なくとも約3.3×10、少なくとも約3.4×10、少なくとも約3.5×10、少なくとも約3.6×10、少なくとも約3.7×10、少なくとも約3.8×10、少なくとも約3.9×10、少なくとも約4×10、少なくとも約4.1×10、少なくとも約4.2×10、少なくとも約4.3×10、少なくとも約4.4×10、少なくとも約4.5×10、少なくとも約4.6×10、少なくとも約4.7×10、少なくとも約4.8×10、少なくとも約4.9×10、少なくとも約5×10、少なくとも約5.1×10、少なくとも約5.2×10、少なくとも約5.3×10、少なくとも約5.4×10、少なくとも約5.5×10、少なくとも約5.6×10、少なくとも約5.7×10、少なくとも約5.8×10、少なくとも約5.9×10、少なくとも約6×10、少なくとも約6.5×10、少なくとも約7×10、少なくとも約7.5×10、少なくとも約8×10、少なくとも約8.5×10、少なくとも約9×10、少なくとも約9.5×10、少なくとも約1×10、少なくとも約1.5×10、少なくとも約2×10、少なくとも約2.5×10、少なくとも約3×10、少なくとも約3.5×10、少なくとも約4×10、少なくとも約4.5×10、少なくとも約5×10、少なくとも約5.5×10、少なくとも約6×10、少なくとも約6.5×10、少なくとも約7×10、少なくとも約7.5×10、少なくとも約8×10、少なくとも約8.5×10、少なくとも約9×10、少なくとも約9.5×10、少なくとも約1×10、少なくとも約1×10、少なくとも約1.5×10、少なくとも約2×10、少なくとも約2.5×10、少なくとも約3×10、少なくとも約3.5×10、少なくとも約4×10、少なくとも約4.5×10、少なくとも約5×10、少なくとも約5.5×10、少なくとも約6×10、少なくとも約6.5×10、少なくとも約7×10、少なくとも約7.5×10、少なくとも約8×10、少なくとも約8.5×10、少なくとも約9×10、少なくとも約9.5×10、少なくとも約1×10個、またはそれより多いTmemを含み得る。
【0268】
Tmemの集団を含む細胞集団は、レシピエント対象の実際の体重または理想体重1kg当たり(例えば、ここで、Tmemは、CD3+CD45RA-CD45RO+である)、最大約1×10、最大約1×10、最大約5×10、最大約6×10、最大約7×10、最大約8×10、最大約9×10、最大約1×10、最大約1.1×10、最大約1.2×10、最大約1.3×10、最大約1.4×10、最大約1.5×10、最大約1.6×10、最大約1.7×10、最大約1.8×10、最大約1.9×10、最大約2×10、最大約2.1×10、最大約2.2×10、最大約2.3×10、最大約2.4×10、最大約2.5×10、最大約2.6×10、最大約2.7×10、最大約2.8×10、最大約2.9×10、最大約3×10、最大約3.1×10、最大約3.2×10、最大約3.3×10、最大約3.4×10、最大約3.5×10、最大約3.6×10、最大約3.7×10、最大約3.8×10、最大約3.9×10、最大約4×10、最大約4.1×10、最大約4.2×10、最大約4.3×10、最大約4.4×10、最大約4.5×10、最大約4.6×10、最大約4.7×10、最大約4.8×10、最大約4.9×10、最大約5×10、最大約5.1×10、最大約5.2×10、最大約5.3×10、最大約5.4×10、最大約5.5×10、最大約5.6×10、最大約5.7×10、最大約5.8×10、最大約5.9×10、最大約6×10、最大約6.5×10、最大約7×10、最大約7.5×10、最大約8×10、最大約8.5×10、最大約9×10、最大約9.5×10、最大約1×10、最大約1.5×10、最大約2×10、最大約2.5×10、最大約3×10、最大約3.5×10、最大約4×10、最大約4.5×10、最大約5×10、最大約5.5×10、最大約6×10、最大約6.5×10、最大約7×10、最大約7.5×10、最大約8×10、最大約8.5×10、最大約9×10、最大約9.5×10、最大約1×10、最大約1×10、最大約1.5×10、最大約2×10、最大約2.5×10、最大約3×10、最大約3.5×10、最大約4×10、最大約4.5×10、最大約5×10、最大約5.5×10、最大約6×10、最大約6.5×10、最大約7×10、最大約7.5×10、最大約8×10、最大約8.5×10、最大約9×10、最大約9.5×10個、または最大約1×10個のTmemを含み得る。
【0269】
例えば、Tmemの集団を含む細胞集団は、レシピエント対象の実際の体重または理想体重1kg当たり(例えば、ここで、Tmemは、CD3+CD45RA-CD45RO+である)、1×10~1×10、1×10~1×10、1×10~2×10、5×10~2×10、5×10~1.5×10、5×10~1×10、5×10~9×10、5×10~8×10、5×10~7×10、5×10~6×10、5×10~5×10、5×10~4×10、5×10~3×10、5×10~2×10、5×10~1×10、1×10~1.5×10、1×10~1×10、1×10~9×10、1×10~8×10、1×10~7×10、1×10~6×10、1×10~5×10、1×10~4×10、1×10~3×10、1×10~2×10、1.5×10~1.5×10、1.5×10~1×10、1.5×10~9×10、1.5×10~8×10、1.5×10~7×10、1.5×10~6×10、1.5×10~5×10、1.5×10~4×10、1.5×10~3×10、1.5×10~2×10、2×10~1.5×10、2×10~1×10、2×10~9×10、2×10~8×10、2×10~7×10、2×10~6×10、2×10~5×10、2×10~4×10、2×10~3×10、2.5×10~1.5×10、2.5×10~1×10、2.5×10~9×10、2.5×10~8×10、2.5×10~7×10、2.5×10~6×10、2.5×10~5×10、2.5×10~4×10、または2.5×10~3×10個のTmemを含み得る。
【0270】
本開示のTmemの集団は、Tmem細胞について規定レベルの純度を有し得る。例えば、本開示のTmemの集団は、全細胞のパーセンテージとして、有核細胞のパーセンテージとして、またはCD45+細胞のパーセンテージとして(例えば、ここで、Tmemは、CD3+CD45RA-CD45RO+である)、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約51%、少なくとも約52%、少なくとも約53%、少なくとも約54%、少なくとも約55%、少なくとも約56%、少なくとも約57%、少なくとも約58%、少なくとも約59%、少なくとも約60%、少なくとも約61%、少なくとも約62%、少なくとも約63%、少なくとも約64%、少なくとも約65%、少なくとも約66%、少なくとも約67%、少なくとも約68%、少なくとも約69%、少なくとも約70%、少なくとも約71%、少なくとも約72%、少なくとも約73%、少なくとも約74%、少なくとも約75%、少なくとも約76%、少なくとも約77%、少なくとも約78%、少なくとも約79%、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、またはそれより高いパーセンテージのTmem細胞を含み得る。
【0271】
本開示のTmemの集団は、全細胞、有核細胞、またはCD45+細胞のパーセンテージとして(例えば、ここで、Tmemは、CD3+CD45RA-CD45RO+である)、50%~100%、60%~100%、70%~100%、75%~100%、80%~100%、81%~100%、82%~100%、83%~100%、84%~100%、84%~100%、86%~100%、87%~100%、88%~100%、89%~100%、90%~91%、92%~100%、93%~100%、94%~100%、95%~100%、96%~100%、97%~100%、98%~100%、99%~100%、99.5%~100%、50%~99%、60%~99%、70%~99%、80%~99%、81%~99%、82%~99%、83%~99%、84%~99%、85%~99%、86%~99%、87%~99%、88%~99%、89%~99%、90%~99%、91%~99%、92%~99%、94%~99%、95%~99%、96%~97%、98%~99%、50%~98%、60%~98%、70%~98%、80%~98%、81%~98%、82%~98%、83%~98%、84%~98%、85%~98%、86%~98%、87%~98%、88%~98%、89%~98%、90%~98%、91%~98%、92%~98%、94%~98%、95%~98%、96%~97%、98%~98%、50%~97%、60%~97%、70%~97%、80%~97%、81%~97%、82%~97%、83%~97%、84%~97%、85%~97%、86%~97%、87%~97%、88%~97%、89%~97%、90%~97%、91%~97%、92%~97%、94%~97%、95%~97%、96%~97%、50%~96%、60%~96%、70%~96%、80%~96%、81%~96%、82%~96%、83%~96%、84%~96%、85%~96%、86%~96%、87%~96%、88%~96%、89%~96%、90%~96%、91%~96%、92%~96%、94%~96%、95%~96%、50%~95%、60%~95%、70%~95%、80%~95%、81%~95%、82%~95%、83%~95%、84%~95%、85%~95%、86%~95%、87%~95%、88%~95%、89%~95%、90%~95%、91%~95%、92%~95%、または94%~95%のTmemを含み得る。
【0272】
本開示のTmemの集団は、規定レベルの夾雑非Tmem細胞を有し得る。一部の実施形態では、レシピエント対象の実際の体重または理想体重1kg当たり最大約1×10、最大約2×10、最大約3×10、最大約4×10、最大約5×10、最大約6×10、最大約7×10、最大約8×10、最大約9×10、最大約1×10、最大約2×10、最大約3×10、最大約4×10、最大約5×10、最大約6×10、最大約7×10、最大約8×10、最大約9×10、最大約1×10、最大約2×10、最大約3×10、最大約4×10、最大約5×10、最大約6×10、最大約7×10、最大約8×10、最大約9×10、または最大約1×10個の非Tmem細胞は、本開示のTmemの集団中に存在する(例えば、ここで、非Tmem細胞は、CD45RO-である)。
【0273】
一部の実施形態では、本開示のTmemの集団は、最大約0.001%、最大約0.002%、最大約0.003%、最大約0.004%、最大約0.005%、最大約0.006%、最大約0.007%、最大約0.008%、0.009%、最大約0.01%、最大約0.02%、最大約0.03%、最大約0.04%、最大約0.05%、最大約0.06%、最大約0.07%、最大約0.08%、最大約0.09%、最大約0.1%、最大約0.2%、最大約0.3%、最大約0.4%、最大約0.5%、最大約0.6%、最大約0.7%、最大約0.8%、最大約0.9%、最大約1%、最大約1.1%、最大約1.2%、最大約1.3%、最大約1.4%、最大約1.5%、最大約1.6%、最大約1.7%、最大約1.8%、最大約1.9%、最大約2%、最大約2.1%、最大約2.2%、最大約2.3%、最大約2.4%、最大約2.5%、最大約2.6%、最大約2.7%、最大約2.8%、最大約2.9%、最大約3%、最大約3.1%、最大約3.2%、最大約3.3%、最大約3.4%、最大約3.5%、最大約3.6%、最大約3.7%、最大約3.8%、最大約3.9%、最大約4%、最大約5%、最大約6%、最大約7%、最大約8%、最大約9%、または最大約10%の非Tmem細胞を含む(例えば、ここで、非Tmem細胞は、CD45RO-である)。
D.細胞集団の投与の順序およびタイミング
【0274】
態様は、それを必要とするヒト対象に投与される多成分医薬処置を提供する。多成分処置は、(a)造血幹前駆細胞(HSPC)および顆粒細胞を含むCD45+細胞の第1の集団を含む溶液剤であって、CD45+細胞の第1の集団の最大約10%が顆粒細胞を含む、溶液剤;(b)調節性T細胞(Treg)について濃縮された細胞の集団を含む溶液剤;(c)CD45+細胞の第2の集団を含む溶液剤であって、CD45+細胞の第2の集団が、少なくとも約20%のCD3+通常型T細胞(Tcon)、少なくとも約10%の単球、および少なくとも約10%の顆粒細胞を含む、溶液剤;ならびに(d)1回または複数回用量の移植片対宿主病(GVHD)予防剤を含む溶液剤を含む。
【0275】
別の態様は、血液悪性腫瘍を有すると診断されたヒト対象を処置する方法を提供する。方法は、ヒト対象に、CD45+細胞の第1の集団を含む溶液剤、調節性T細胞(Treg)について濃縮された細胞の集団を含む溶液剤、CD45+細胞の第2の集団を含む溶液剤、および1回または複数回用量のGVHD予防剤を含む溶液剤を投与するステップを含む。この態様では、CD45+細胞の第1の集団を含む溶液剤、調節性Tregについて濃縮された細胞の集団を含む溶液剤、CD45+細胞の第2の集団を含む溶液剤、および1回または複数回用量のGVHD予防剤を含む溶液剤は、本明細書に開示されたいずれかの多成分医薬処置に従って規定された通りである。
【0276】
同種造血幹細胞移植の強化のための方法であって、対象に、細胞の集団を含む溶液剤を投与するステップを含む、方法が本明細書に開示されている。
【0277】
一部の実施形態では、少なくともHSPCを含むCD45+細胞の第1の集団、調節性T細胞(Treg)について濃縮された細胞の集団、および少なくともTconを含むCD45+細胞の第2の集団を含む細胞集団が対象に投与される。
【0278】
CD45+細胞の第1の集団およびTregについて濃縮された細胞の集団は、同時もしくは同様の時間、または異なる時間に投与することができる。一部の実施形態では、CD45+細胞の第1の集団およびTregについて濃縮された細胞の集団は、同じ日に投与される。
【0279】
様々な実施形態では、CD45+細胞の第1の集団およびTregについて濃縮された細胞の集団は、CD45+細胞の第2の集団の前に投与される。
【0280】
CD45+細胞の第1の集団およびTregについて濃縮された細胞の集団は、最大約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、または48時間空けて投与することができる。
【0281】
CD45+細胞の第2の集団は、CD45+細胞の第1の集団の後に対象に投与することができる。
【0282】
CD45+細胞の第2の集団は、CD45+細胞の第1の集団の少なくとも約6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、または96時間後に対象に投与することができる。
【0283】
一部の実施形態では、CD45+細胞の第2の集団は、CD45+細胞の第1の集団の最大約6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、または120時間後に対象に投与される。
【0284】
CD45+細胞の第2の集団は、例えば、CD45+細胞の第1の集団の約6~96、12~84、12~72、12~66、12~60、12~54、12~48、12~42、12~36、12~30、12~24、12~18、18~72、18~66、18~60、18~54、18~48、18~42、18~36、18~30、18~24、24~72、24~66、24~60、24~54、24~48、24~42、24~36、24~30、30~72、30~66、30~60、30~54、30~48、30~42、30~36、36~72、36~66、36~60、36~54、36~48、36~42、42~72、42~66、42~60、42~54、42~48、48~72、48~66、48~60、48~54、54~72、54~66、54~60、60~72、60~66、または66~72時間後に対象に投与することができる。
【0285】
CD45+細胞の第2の集団は、Tregについて濃縮された細胞の集団の後に対象に投与することができる。
【0286】
Tconの集団は、Tregについて濃縮された細胞の集団の少なくとも約6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、または96時間より長く経過した後に対象に投与することができる。
【0287】
一部の実施形態では、CD45+細胞の第2の集団は、Tregについて濃縮された細胞の集団の最大約6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、または96時間後に対象に投与される。
【0288】
CD45+細胞の第2の集団は、例えば、Tregについて濃縮された細胞の集団の約6~96、12~84、12~72、12~66、12~60、12~54、12~48、12~42、12~36、12~30、12~24、12~18、18~72、18~66、18~60、18~54、18~48、18~42、18~36、18~30、18~24、24~72、24~66、24~60、24~54、24~48、24~42、24~36、24~30、30~72、30~66、30~60、30~54、30~48、30~42、30~36、36~72、36~66、36~60、36~54、36~48、36~42、42~72、42~66、42~60、42~54、42~48、48~72、48~66、48~60、48~54、54~72、54~66、54~60、60~72、60~66、または66~72時間後に対象に投与することができる。
【0289】
CD45+細胞の第2の集団は、CD45+細胞の第1の集団およびTregについて濃縮された細胞の集団の後に対象に投与することができる。
【0290】
CD45+細胞の第2の集団は、例えば、CD45+細胞の第1の集団およびTregについて濃縮された細胞の集団の少なくとも約6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、または96時間より長く経過した後に対象に投与することができる。
【0291】
一部の実施形態では、CD45+細胞の第2の集団は、CD45+細胞の第1の集団およびTregについて濃縮された細胞の集団の最大約6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、または96時間後に対象に投与される。
【0292】
CD45+細胞の第2の集団は、例えば、CD45+細胞の第1の集団およびTregについて濃縮された細胞の集団の約6~96、12~84、12~72、12~66、12~60、12~54、12~48、12~42、12~36、12~30、12~24、12~18、18~72、18~66、18~60、18~54、18~48、18~42、18~36、18~30、18~24、24~72、24~66、24~60、24~54、24~48、24~42、24~36、24~30、30~72、30~66、30~60、30~54、30~48、30~42、30~36、36~72、36~66、36~60、36~54、36~48、36~42、42~72、42~66、42~60、42~54、42~48、48~72、48~66、48~60、48~54、54~72、54~66、54~60、60~72、60~66、または66~72時間後に対象に投与することができる。
【0293】
一部の実施形態では、造血幹前駆細胞(HSPC)の集団、調節性T細胞(Treg)について濃縮された細胞の集団、通常型T細胞(Tcon)の集団、およびインバリアントナチュラルキラーT細胞(iNKT)の集団が対象に投与される。
【0294】
iNKTの集団は、CD45+細胞の第1の集団と同時にまたは同様の時間に対象に投与することができる。一部の実施形態では、iNKTの集団は、CD45+細胞の第1の集団の後に対象に投与される。
【0295】
iNKTの集団は、CD45+細胞の第1の集団の少なくとも約6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、または96時間より長い時間経過した後に対象に投与することができる。
【0296】
一部の実施形態では、iNKTの集団は、CD45+細胞の第1の集団の最大約6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、または96時間後に対象に投与される。
【0297】
iNKTの集団は、例えば、CD45+細胞の第1の集団の約6~96、12~84、12~72、12~66、12~60、12~54、12~48、12~42、12~36、12~30、12~24、12~18、18~72、18~66、18~60、18~54、18~48、18~42、18~36、18~30、18~24、24~72、24~66、24~60、24~54、24~48、24~42、24~36、24~30、30~72、30~66、30~60、30~54、30~48、30~42、30~36、36~72、36~66、36~60、36~54、36~48、36~42、42~72、42~66、42~60、42~54、42~48、48~72、48~66、48~60、48~54、54~72、54~66、54~60、60~72、60~66、または66~72時間後に対象に投与することができる。
【0298】
iNKTの集団は、Tregについて濃縮された細胞の集団と同時にまたは同様の時間に対象に投与することができる。一部の実施形態では、iNKTの集団は、Tregについて濃縮された細胞の集団の後に対象に投与される。
【0299】
iNKTの集団は、Tregについて濃縮された細胞の集団の少なくとも約6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、または96時間より長く経過した後に対象に投与することができる。
【0300】
一部の実施形態では、iNKTの集団は、Tregについて濃縮された細胞の集団の最大約6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、または96時間後に対象に投与される。
【0301】
iNKTの集団は、例えば、Tregについて濃縮された細胞の集団の約6~96、12~84、12~72、12~66、12~60、12~54、12~48、12~42、12~36、12~30、12~24、12~18、18~72、18~66、18~60、18~54、18~48、18~42、18~36、18~30、18~24、24~72、24~66、24~60、24~54、24~48、24~42、24~36、24~30、30~72、30~66、30~60、30~54、30~48、30~42、30~36、36~72、36~66、36~60、36~54、36~48、36~42、42~72、42~66、42~60、42~54、42~48、48~72、48~66、48~60、48~54、54~72、54~66、54~60、60~72、60~66、または66~72時間後に対象に投与することができる。
【0302】
一部の実施形態では、造血幹前駆細胞(HSPC)の集団、調節性T細胞(Treg)について濃縮された細胞の集団、通常型T細胞(Tcon)の集団、およびメモリーT細胞(Tmem)の集団が対象に投与される。
【0303】
Tmemの集団は、CD45+細胞の第1の集団と同時にまたは同様の時間に対象に投与することができる。一部の実施形態では、Tmemの集団は、CD45+細胞の第1の集団の後に対象に投与される。
【0304】
Tmemの集団は、CD45+細胞の第1の集団の少なくとも約6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、または96時間より長い時間経過した後に対象に投与することができる。
【0305】
一部の実施形態では、Tmemの集団は、CD45+細胞の第1の集団の最大約6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、または96時間後に対象に投与される。
【0306】
Tmemの集団は、例えば、CD45+細胞の第1の集団の約6~96、12~84、12~72、12~66、12~60、12~54、12~48、12~42、12~36、12~30、12~24、12~18、18~72、18~66、18~60、18~54、18~48、18~42、18~36、18~30、18~24、24~72、24~66、24~60、24~54、24~48、24~42、24~36、24~30、30~72、30~66、30~60、30~54、30~48、30~42、30~36、36~72、36~66、36~60、36~54、36~48、36~42、42~72、42~66、42~60、42~54、42~48、48~72、48~66、48~60、48~54、54~72、54~66、54~60、60~72、60~66、または66~72時間後に対象に投与することができる。
【0307】
Tmemの集団は、Tregについて濃縮された細胞の集団と同時にまたは同様の時間に対象に投与することができる。一部の実施形態では、Tmemの集団は、Tregについて濃縮された細胞の集団の後に対象に投与される。
【0308】
Tmemの集団は、Tregについて濃縮された細胞の集団の少なくとも約6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、または96時間より長く経過した後に対象に投与することができる。
【0309】
一部の実施形態では、Tmemの集団は、Tregについて濃縮された細胞の集団の最大約6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、または96時間後に対象に投与される。
【0310】
Tmemの集団は、例えば、Tregについて濃縮された細胞の集団の約6~96、12~84、12~72、12~66、12~60、12~54、12~48、12~42、12~36、12~30、12~24、12~18、18~72、18~66、18~60、18~54、18~48、18~42、18~36、18~30、18~24、24~72、24~66、24~60、24~54、24~48、24~42、24~36、24~30、30~72、30~66、30~60、30~54、30~48、30~42、30~36、36~72、36~66、36~60、36~54、36~48、36~42、42~72、42~66、42~60、42~54、42~48、48~72、48~66、48~60、48~54、54~72、54~66、54~60、60~72、60~66、または66~72時間後に対象に投与することができる。
【0311】
一部の実施形態では、Tconの集団は、HSPCの集団の少なくとも約12時間後に投与され、例えば、Tconの前記集団は、HSPCの集団の約24~約96時間後に投与されるかまたはTconの前記集団は、HSPCの集団の約36~約60時間後に投与される。
【0312】
実施形態では、Tconの集団は、Tregを含む細胞の前記集団の少なくとも約12時間後に投与され、例えば、Tconの集団は、Tregを含む細胞の集団の約24~約96時間後に投与されるかまたはTconの前記集団は、Tregを含む細胞の集団の約36~約60時間後に投与される。
異種細胞集団
【0313】
さらなる態様は、血液悪性腫瘍に対する処置レジメンの一部として通常型T細胞(Tcon)集団を移植する方法であって、処置レジメンに関連する有害事象のリスクおよび/または重症度を低減する、方法を提供する。方法は、患者に、調節性T細胞(Treg)およびTregを懸濁している液体を含むTregの集団を投与するステップと;患者に、リンパ球、顆粒細胞、単球および前記細胞を懸濁している液体を含む異種細胞集団を投与するステップとを含む。この態様では、前記リンパ球の少なくとも約30%はTconを含み、細胞集団の投与後に、患者は、Tconを受けたがTregを受けなかった血液悪性腫瘍患者と比較して、低減された有害事象のリスクおよび/または重症度を有する。
【0314】
さらにさらなる態様は、血液悪性腫瘍に対する処置レジメンの一部として細胞集団をヒト患者に移植する方法であって、処置レジメンに関連する有害事象のリスクおよび/または重症度を低減する、方法を提供する。方法は、患者に投与される造血幹前駆細胞(HSPC)の集団を提供するステップであって、HSPCの集団がHSPCおよびHSPCを懸濁している液体を含む、ステップと;患者に投与される調節性T細胞(Treg)の集団を提供するステップであって、Tregの集団がTregおよびTregを懸濁している液体を含む、ステップと;患者に投与される異種細胞集団を提供するステップであって、異種細胞集団がリンパ球、顆粒細胞、単球および前記細胞を懸濁している液体を含む、ステップとを含む。この態様では、前記リンパ球の少なくとも約30%は通常型T細胞(Tcon)を含み、細胞集団の投与後に、患者は、Tcon細胞集団を受けたがT-reg細胞集団を受けなかった血液悪性腫瘍患者と比較して、低減された有害事象のリスクおよび/または重症度を有する。
【0315】
様々な実施形態では、異種細胞集団は、約0.2~約2.0パーセントの造血幹前駆細胞を含む。
【0316】
一部の実施形態では、血液悪性腫瘍は、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、リンパ腫、ホジキンリンパ腫および非ホジキンリンパ腫である。
【0317】
実施形態では、T-reg細胞の遺伝子発現レベルは、患者への投与前約60時間以内にドナーから回収された細胞に相関する。
【0318】
様々な実施形態では、T-reg集団におけるT-reg細胞の数は、異種細胞集団におけるT-con細胞の数にほぼ等しい。一部の事例では、T-reg集団におけるT-reg細胞は、患者の健康な組織によって、最大約20パーセントの量、異種細胞集団における通常型T細胞の活性化を阻害する。
【0319】
一部の実施形態では、患者の末梢血は、細胞集団を投与されなかった健康なヒト対象と比較して、細胞集団の投与の最大約100日後まで、CD4+T細胞に対するTregの比の上昇を呈する。
【0320】
実施形態では、HSPC細胞集団における細胞の少なくとも約50%はコロニー形成単位である。
【0321】
様々な実施形態では、細胞集団の少なくとも1つは、動員されていない血液と比較して、上昇した量の顆粒細胞コロニー刺激因子を有する。一部の事例では、少なくとも1つの細胞集団は異種細胞集団である。
【0322】
態様は、血液悪性腫瘍に対する処置レジメンの一部として、細胞集団をヒト患者に移植する方法を提供する。方法は、患者に、造血幹前駆細胞(HSPC)の集団、HSPCおよびHSPCを懸濁している液体を含むHSPCの集団を投与するステップと;患者に、患者に投与される調節性T細胞(Treg)の集団、TregおよびTregを懸濁している液体を含むTregの集団を投与するステップと;患者に、患者に投与される異種細胞集団、リンパ球、顆粒細胞、単球および前記細胞を懸濁している液体を含む異種細胞集団を投与するステップであって、前記リンパ球の少なくとも約30%が通常型T細胞(Tcon)を含む、ステップと;患者に、最大約180日の期間にわたり、タクロリムスを含む単一の移植片対宿主病(GVHD)予防剤(GVHDPA)(タクロリムスGHVDPA)を投与するステップであって、タクロリムスGHVDPAが、期間中、閾値レベルを超える患者の血中タクロリムス濃度を維持するために投与される、ステップとを含み、血液悪性腫瘍に対する処置レジメンに関連するGHVDのリスクおよび/または重症度が有意に低減される。
【0323】
一部の実施形態では、異種細胞集団は、対象に投与されてもよい。異種細胞集団は、ヒトドナーの末梢血に見られる多くの異なる細胞型を含んでもよい。異種細胞集団は、顆粒細胞、単球およびリンパ球を含んでもよい。異種細胞集団は、T細胞(例えば、Tcon、Treg、Tmem、ナイーブT細胞、CD4+T細胞、NK-T細胞)、B細胞、NK細胞、HSPC、樹状細胞(例えば、形質細胞様樹状細胞および骨髄樹状細胞)および末梢血に見られる他の細胞集団を含んでもよい。異種細胞集団は、本明細書に記載の他の集団に加えて対象に投与されてもよい。例えば、異種細胞集団は、本明細書に記載されているHSPCと共に投与されてもよい。一部の事例では、異種細胞集団は、本明細書に記載されているHSPCおよびTregと共に投与されてもよい。一部の事例では、異種細胞集団は、本明細書に記載されているTregと共に投与されてもよい。一部の事例では、異種細胞集団は、本明細書に記載されているTconと共に投与されてもよい。一部の事例では、異種細胞集団は、本明細書に記載されているTcon集団の代わりに投与されてもよい。
【0324】
一部の実施形態では、対象に投与される異種細胞集団は、顆粒細胞と単球の組合せを含んでもよい。顆粒細胞と単球の組合せは、異種細胞集団の30%~80%を占めてもよい。異種細胞集団の少なくとも30%は、顆粒細胞と単球の組合せを含んでもよい。異種細胞集団の最大80%は、顆粒細胞と単球の組合せを含んでもよい。一部の事例では、異種細胞集団の30%~40%、30%~50%、30%~60%、30%~70%、30%~80%、40%~50%、40%~60%、40%~70%、40%~80%、50%~60%、50%~70%、50%~80%、60%~70%、60%~80%、または70%~80%は、顆粒細胞と単球の組合せを含んでもよい。一部の事例では、異種細胞集団の30%、40%、50%、60%、70%、または80%は、顆粒細胞と単球の組合せを含んでもよい。一部の事例では、異種細胞集団の少なくとも30%、40%、50%、60%または70%は、顆粒細胞と単球の組合せを含んでもよい。一部の事例では、異種細胞集団の最大40%、50%、60%、70%、または80%は、顆粒細胞と単球の組合せを含んでもよい。
【0325】
一部の実施形態では、対象に投与される異種細胞集団は、リンパ球を含んでもよい。リンパ球は、CD45+細胞を含む。リンパ球は、異種細胞集団の8%~50%を占める場合がある。一部の事例では、異種細胞集団の少なくとも8%は、リンパ球を含んでもよい。一部の事例では、異種細胞集団の最大50%は、リンパ球を含んでもよい。一部の事例では、異種細胞集団の8%~10%、8%~20%、8%~25%、8%~30%、8%~40%、8%~45%、8%~50%、10%~20%、10%~25%、10%~30%、10%~40%、10%~45%、10%~50%、20%~25%、20%~30%、20%~40%、20%~45%、20%~50%、25%~30%、25%~40%、25%~45%、25%~50%、30%~40%、30%~45%、30%~50%、40%~45%、40%~50%、または45%~50%は、リンパ球を含んでもよい。一部の事例では、異種細胞集団の8%、10%、20%、25%、30%、40%、45%、または50%は、リンパ球を含んでもよい。一部の事例では、異種細胞集団の少なくとも8%、10%、20%、25%、30%、40%または45%は、リンパ球を含んでもよい。一部の事例では、異種細胞集団の最大10%、20%、25%、30%、40%、45%、または50%は、リンパ球を含んでもよい。
【0326】
一部の実施形態では、異種細胞集団におけるリンパ球は、Tconを含んでもよい。Tconは、異種細胞集団のリンパ球サブセットの40%~85%を占めてもよい。一部の事例では、リンパ球サブセットの少なくとも40%は、Tconを含んでもよい。一部の事例では、リンパ球サブセットの最大85%は、Tconを含んでもよい。一部の事例では、リンパ球サブセットの40%~50%、40%~60%、40%~65%、40%~70%、40%~75%、40%~80%、40%~85%、50%~60%、50%~65%、50%~70%、50%~75%、50%~80%、50%~85%、60%~65%、60%~70%、60%~75%、60%~80%、60%~85%、65%~70%、65%~75%、65%~80%、65%~85%、70%~75%、70%~80%、70%~85%、75%~80%、75%~85%、または80%~85%は、Tconを含んでもよい。一部の事例では、リンパ球サブセットの40%、50%、60%、65%、70%、75%、80%、または85%は、Tconを含んでもよい。一部の事例では、リンパ球サブセットの少なくとも40%、50%、60%、65%、70%、75%または80%は、Tconを含んでもよい。一部の事例では、リンパ球サブセットの最大50%、60%、65%、70%、75%、80%、または85%は、Tconを含んでもよい。
【0327】
一部の実施形態では、異種細胞集団におけるCD3+リンパ球は、CD4+T細胞を含んでもよい。一部の事例では、CD3+リンパ球サブセットの30%~70%は、CD4+T細胞を含んでもよい。一部の事例では、CD3+リンパ球サブセットの少なくとも30%は、CD4+T細胞を含んでもよい。一部の事例では、CD3+リンパ球サブセットの最大70%は、CD4+T細胞を含んでもよい。一部の事例では、CD3+リンパ球サブセットの30%~40%、30%~50%、30%~60%、30%~70%、40%~50%、40%~60%、40%~70%、50%~60%、50%~70%、または60%~70%は、CD4+T細胞を含んでもよい。一部の事例では、CD3+リンパ球サブセットの30%、40%、50%、60%、または70%は、CD4+T細胞を含んでもよい。一部の事例では、CD3+リンパ球サブセットの少なくとも30%、40%、50%または60%は、CD4+T細胞を含んでもよい。一部の事例では、CD3+リンパ球サブセットの最大40%、50%、60%、または70%は、CD4+T細胞を含んでもよい。
【0328】
一部の実施形態では、異種細胞集団におけるCD3+リンパ球は、CD8+T細胞を含んでもよい。一部の事例では、CD3+リンパ球サブセットの20%~65%は、CD8+T細胞を含んでもよい。一部の事例では、CD3+リンパ球サブセットの少なくとも20%は、CD8+T細胞を含んでもよい。一部の事例では、CD3+リンパ球サブセットの最大65%は、CD8+T細胞を含んでもよい。一部の事例では、CD3+リンパ球サブセットの20%~30%、20%~40%、20%~50%、20%~60%、20%~65%、30%~40%、30%~50%、30%~60%、30%~65%、40%~50%、40%~60%、40%~65%、50%~60%、50%~65%、または60%~65%は、CD8+T細胞を含んでもよい。一部の事例では、CD3+リンパ球サブセットの20%、30%、40%、50%、60%、または65%は、CD8+T細胞を含んでもよい。一部の事例では、CD3+リンパ球サブセットの少なくとも20%、30%、40%、50%または60%は、CD8+T細胞を含んでもよい。一部の事例では、CD3+リンパ球サブセットの最大30%、40%、50%、60%、または65%は、CD8+T細胞を含んでもよい。
【0329】
一部の実施形態では、異種細胞集団におけるリンパ球は、B細胞を含んでもよい。一部の事例では、リンパ球サブセットの4%~35%は、B細胞を含んでもよい。一部の事例では、リンパ球サブセットの少なくとも4%は、B細胞を含んでもよい。一部の事例では、リンパ球サブセットの最大35%は、B細胞を含んでもよい。一部の事例では、リンパ球サブセットの4%~5%、4%~10%、4%~20%、4%~30%、4%~35%、5%~10%、5%~20%、5%~30%、5%~35%、10%~20%、10%~30%、10%~35%、20%~30%、20%~35%、または30%~35%は、B細胞を含んでもよい。一部の事例では、リンパ球サブセットの4%、5%、10%、20%、30%、または35%は、B細胞を含んでもよい。一部の事例では、リンパ球サブセットの少なくとも4%、5%、10%、20%または30%は、B細胞を含んでもよい。一部の事例では、リンパ球サブセットの最大5%、10%、20%、30%、または35%は、B細胞を含んでもよい。B細胞は、CD45+ CD19+またはCD45+CD19+CD3-細胞であってもよい。
【0330】
一部の実施形態では、異種細胞集団におけるリンパ球は、NK細胞を含んでもよい。一部の事例では、リンパ球サブセットの4%~35%は、NK細胞を含んでもよい。一部の事例では、リンパ球サブセットの少なくとも4%は、NK細胞を含んでもよい。一部の事例では、リンパ球サブセットの最大35%は、NK細胞を含んでもよい。一部の事例では、リンパ球サブセットの4%~5%、4%~10%、4%~20%、4%~30%、4%~35%、5%~10%、5%~20%、5%~30%、5%~35%、10%~20%、10%~30%、10%~35%、20%~30%、20%~35%、または30%~35%は、NK細胞を含んでもよい。一部の事例では、リンパ球サブセットの4%、5%、10%、20%、30%、または35%は、NK細胞を含んでもよい。一部の事例では、リンパ球サブセットの少なくとも4%、5%、10%、20%または30%は、NK細胞を含んでもよい。一部の事例では、リンパ球サブセットの最大5%、10%、20%、30%、または35%は、NK細胞を含んでもよい。NK細胞は、CD45+ CD56+またはCD45+CD56+CD3-細胞であってもよい。
【0331】
一部の実施形態では、異種細胞集団におけるCD3+リンパ球は、NK-T細胞を含んでもよい。一部の事例では、CD3+リンパ球サブセットの3%~30%は、NK-T細胞を含んでもよい。一部の事例では、CD3+リンパ球サブセットの少なくとも4%は、NK-T細胞を含んでもよい。一部の事例では、CD3+リンパ球サブセットの最大35%は、NK-T細胞を含んでもよい。一部の事例では、CD3+リンパ球サブセットの3%~5%、3%~10%、3%~20%、3%~30%、5%~10%、5%~20%、5%~30%、10%~20%、10%~30%、20%~30%は、NK-T細胞を含んでもよい。一部の事例では、CD3+リンパ球サブセットの3%、5%、10%、20%または30%は、NK-T細胞を含んでもよい。一部の事例では、CD3+リンパ球サブセットの少なくとも3%、5%、10%または20%は、NK-T細胞を含んでもよい。一部の事例では、CD3+リンパ球サブセットの最大10%、20%または30%は、NK-T細胞を含んでもよい。NK-T細胞は、CD45+ CD56+またはCD45+CD56+CD3+細胞であってもよい。
【0332】
一部の実施形態では、異種細胞集団におけるリンパ球は、CD34+細胞を含んでもよい。一部の事例では、リンパ球サブセットの0.1%~2%は、CD34+細胞を含んでもよい。一部の事例では、リンパ球サブセットの少なくとも0.1%は、CD34+細胞を含んでもよい。一部の事例では、リンパ球サブセットの最大2%は、CD34+細胞を含んでもよい。一部の事例では、リンパ球サブセットの0.1%~0.5%、0.1%~1%、0.1%~1.5%、0.1%~2%、0.5%~1%、0.5%~1.5%、0.5%~2%、1%~1.5%、1%~2%、または1.5%~2%は、CD34+細胞を含んでもよい。一部の事例では、リンパ球サブセットの0.1%、0.5%、1%、1.5%、または2%は、CD34+細胞を含んでもよい。一部の事例では、リンパ球サブセットの少なくとも0.1%、0.5%、1%または1.5%は、CD34+細胞を含んでもよい。一部の事例では、リンパ球サブセットの最大0.5%、1%、1.5%、または2%は、CD34+細胞を含んでもよい。
II.GVHD予防剤
【0333】
本開示の組成物(例えば、本明細書に記載の細胞集団を含む細胞成分)およびGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象は、グレード1以上のaGVHDの低発生率、例えば、代替組成物を投与された対象よりも低いグレード1以上のaGVHDの発生率を呈する。単一のGVHD予防剤は、タクロリムス等のカルシニューリン阻害剤またはタクロリムスと同じ標的に作用するかもしくはタクロリムスの活性断片を含む別の薬剤である可能性がある。一部の実施形態では、低用量のGVHD予防剤は、約5ng/mL~約10ng/mLの標的トラフレベルを有するタクロリムスである。一部の実施形態では、低用量のGVHD予防剤は、約4ng/mL~約6ng/mLの標的トラフレベルを有するタクロリムスである。
【0334】
単一のGVHD予防剤は、シロリムスであり得る。一部の実施形態では、低用量のGVHD予防剤は、約3ng/mL~約8ng/mLの標的トラフレベルを有するシロリムスである。一部の実施形態では、低用量のGVHD予防剤は、約4ng/mL~約8ng/mLの標的トラフレベルを有するシロリムスである。
【0335】
本開示のalloHCTに関する方法は、タクロリムスを利用する。タクロリムスを本明細書に開示されているalloHCTレジメンの1つまたは複数の細胞集団と組み合わせることにより、臨床結果において驚くべき改善がもたらされることが示されている。
【0336】
態様は、それを必要とするヒト対象に投与される多成分医薬処置を提供する。多成分処置は、(a)造血幹前駆細胞(HSPC)および顆粒細胞を含むCD45+細胞の第1の集団を含む溶液剤であって、CD45+細胞の第1の集団の最大約10%が顆粒細胞を含む、溶液剤;(b)調節性T細胞(Treg)について濃縮された細胞の集団を含む溶液剤;(c)CD45+細胞の第2の集団を含む溶液剤であって、CD45+細胞の第2の集団が、少なくとも約20%のCD3+通常型T細胞(Tcon)、少なくとも約10%の単球、および少なくとも約10%の顆粒細胞を含む、溶液剤;ならびに(d)1回または複数回用量の移植片対宿主病(GVHD)予防剤を含む溶液剤であって、GVHD予防剤がタクロリムスである、溶液剤を含む。
【0337】
様々な実施形態では、タクロリムスは、CD45+細胞の第2の集団の投与後少なくとも約20日間、少なくとも約3ng/mlの標的血中レベルを維持するための量で、CD45+細胞の第2の集団の投与後少なくとも約40日間、約4ng/mlもしくはそれより高い標的血中レベルを維持するための量で、および/またはCD45+細胞の第2の集団の投与後少なくとも約40日間、約4ng/mlもしくはそれより高い標的血中レベルを維持する量で投与される。一部の事例では、タクロリムスは、CD45+細胞の第2の集団の投与後少なくとも30日間、最大約10ng/mlの標的血中レベルを維持する量で投与される。
【0338】
一部の実施形態では、タクロリムスは、CD45+細胞の第2の集団の投与後少なくとも約60日間、CD45+細胞の第2の集団の投与後少なくとも約90日間、CD45+細胞の第2の集団の投与後最大約150日間、CD45+細胞の第2の集団の投与後最大約120日間投与される。
【0339】
一部の実施形態では、タクロリムスは、経口投与用または静脈内投与用に製剤化される。
【0340】
実施形態では、本明細書に開示された方法は、患者に、最大約180日間の期間にわたり、タクロリムスを含む単一の移植片対宿主病(GVHD)予防剤(GVHDPA)(タクロリムスGHVDPA)を投与するステップをさらに含み、タクロリムスGHVDPAは、期間中、閾値レベルを超える患者の血中タクロリムス濃度を維持するために投与され;GHVDのリスクおよび/または重症度は有意に低減される。様々な実施形態では、閾値レベルは、患者の血液1ml当たり約4ngを超えるタクロリムスであるかまたは閾値レベルは、患者の血液1ml当たり約5ngを超えるタクロリムスである。一部の実施形態では、タクロリムスGHVDPAは、期間中、患者の血中のタクロリムス濃度を上限閾値レベル未満に維持するために投与される。一部の事例では、上限閾値レベルは、患者の血液1ml当たり約10ng未満のタクロリムスである。
【0341】
実施形態では、タクロリムス移植片対宿主病(GVHD)予防剤(GVHDPA)は、静脈内投与されるかまたは経口投与される。様々な実施形態では、タクロリムス移植片対宿主病(GVHD)予防剤(GVHDPA)の投与は、Tconの投与の約12~約24時間後に開始される。一部の事例では、タクロリムスGHVDPAは、最大約90日間の期間投与され、最大約60日間の期間投与される。一部の実施形態では、タクロリムスGHVDPAは、患者に、1日に患者の実際の体重または理想体重1kg当たり約0.03mgで最初に投与される。一部の事例では、患者に投与されるタクロリムスGVHDPAの用量は、第1の用量が患者に投与されてから約90日後から開始して漸減されるか、または第1の用量が患者に投与されてから約45日後から開始して漸減される。
【0342】
タクロリムスは、in vivoで免疫抑制活性を呈し得るマクロライドであり、抗原またはマイトジェン刺激に応答してT-リンパ球の活性化を防止するかまたは低下させることができる。したがって、タクロリムスは、alloHCTレシピエント対象におけるGVHDのリスクを低下させるために使用することができる。しかしながら、単剤予防薬としてタクロリムスを利用する本明細書に開示された方法は、タクロリムスGVHD予防薬を利用する他のalloHCT方法において観察されるものよりも優れた臨床結果を実現する。例えば、一部の実施形態では、タクロリムスを利用する本開示のalloHCT方法は、メトトレキサートとタクロリムスによるより強力なGVHD予防薬を含む治療レジメンの基準と比較して、さらには類似の標的と作用機序を有する薬物(シロリムス)を利用するalloHCT方法と比較して、優れた無再発生存期間を実現する。よって、タクロリムスは、本明細書においてGVHD予防薬として言及され得るが、GVHD予防薬以外のまたはGVHD予防薬に直接関連しないさらなる治療効果にも寄与し得る。したがって、本明細書で使用される場合、「単剤GVHD予防薬としてのタクロリムス」という用語は、「さらなる治療効果に関する単剤予防薬としてのタクロリムス」も含む。言い換えれば、「単剤予防薬としてのタクロリムス」および「単剤GVHD予防薬としてのタクロリムス」という用語は同義である。
【0343】
単剤予防薬としてのタクロリムスによる処置により、例えば、サイトカイン産生の減少およびT細胞シグナル伝達の低下がもたらされ得る。タクロリムスは、FKBP-12タンパク質に結合し、カルシウム依存性タンパク質との複合体を形成し、それによって、カルシニューリンホスファターゼ活性を阻害することができる。これは、活性化T細胞の核因子(NFAT)、すなわち、リンホカインの発現に関する遺伝子転写を開始すると考えられる核成分の脱リン酸化および転位を防止または低減する。タクロリムスは、IL-3、IL-4、IL-5、GM-CSF、およびTNF(これらのすべては、T細胞活性化の初期段階に関与する)をコードする遺伝子の転写も阻害する。
【0344】
一部の実施形態では、単剤予防薬としてのタクロリムスは、対象に経口的に投与される。経口投与後のタクロリムスの消化管からの吸収は、不完全かつ可変的である可能性がある。経口投与後の健康な対象におけるタクロリムスの絶対的バイオアベイラビリティは、18±5%であり得る。吸収の速度および程度は、タクロリムスが食事と共に与えられるか否かに基づいて変わり得る。一部の実施形態では、タクロリムスは、非経口的、例えば、静脈内または皮下に投与される。一部の実施形態では、タクロリムスは、局所、筋肉内、皮内、腹腔内、髄腔内、または硬膜外経路で投与される。タクロリムスは、拡大放出製剤として投与することができる。一部の実施形態では、タクロリムスは、遊離塩基として使用される。一部の実施形態では、タクロリムスは、薬学的に許容される塩として使用される。
【0345】
一部の実施形態では、本開示の方法は、低用量のタクロリムスの使用を可能にし得る。一部の実施形態では、低用量のタクロリムスは、対象におけるドナーT細胞キメラ化を改善し得る。一部の実施形態では、低用量のタクロリムスは、本明細書に開示されているalloHCTの生着を改善し得る。一部の実施形態では、低用量のタクロリムスは、高用量のタクロリムスに関連し得る有害効果、例えば、かすみ目、肝臓および腎臓毒性、発作、振戦、高血圧、低マグネシウム血症、真性糖尿病、高カリウム血症、掻痒、不眠症、および錯乱状態の発生率または相対的リスクを低減することができる。
【0346】
一部の実施形態では、本明細書に開示されているように、タクロリムスは、ヒト対象に、1日にヒト対象の実際の体重もしくは理想体重1kg当たり約0.03mgで最初に投与されるか、またはタクロリムスは、CD45+細胞の前記第2の集団の前記投与の約12時間~約24時間後に最初に投与される。
【0347】
タクロリムスの循環レベルをモニターし、それに従って、標的濃度を実現するために用量を調整することができる。例えば、タクロリムスの全血中濃度をモニターし、標的トラフレベルを実現するために用量を調整および投与することができる。タクロリムスの標的トラフレベルは、例えば、約25ng/mL未満、約20ng/mL未満、約15ng/mL未満、約14ng/mL未満、約13ng/mL未満、約12ng/mL未満、約11ng/mL未満、約10ng/mL未満、約9ng/mL未満、約8ng/mL未満、約7ng/mL未満、約6ng/mL未満、約5ng/mL未満、約4ng/mL未満、約3ng/mL未満、約2ng/mL未満、または約1ng/mL未満であり得る。
【0348】
一部の実施形態では、タクロリムスの標的トラフレベルは、約1~25ng/mL、約1~20ng/mL、約1~15ng/mL、約1~12ng/mL、約1~11ng/mL、約1~10ng/mL、約1~9ng/mL、約1~8ng/mL、約1~7ng/mL、約1~6ng/mL、約1~5ng/mL、約1~4ng/mL、約1~3ng/mL、約1~2ng/mL、約2~25ng/mL、約2~20ng/mL、約2~15ng/mL、約2~12ng/mL、約2~11ng/mL、約2~10ng/mL、約2~9ng/mL、約2~8ng/mL、約2~7ng/mL、約2~6ng/mL、約2~5ng/mL、約2~4ng/mL、約2~3ng/mL、約3~25ng/mL、約3~20ng/mL、約3~15ng/mL、約3~12ng/mL、約3~11ng/mL、約3~10ng/mL、約3~9ng/mL、約3~8ng/mL、約3~7ng/mL、約3~6ng/mL、約3~5ng/mL、約3~4ng/mL、約4~25ng/mL、約4~20ng/mL、約4~15ng/mL、約4~12ng/mL、約4~11ng/mL、約4~10ng/mL、約4~9ng/mL、約4~8ng/mL、約4~7ng/mL、約4~6ng/mL、約4~5ng/mL、約5~25ng/mL、約5~20ng/mL、約5~15ng/mL、約5~12ng/mL、約5~11ng/mL、約5~10ng/mL、約5~9ng/mL、約5~8ng/mL、約5~7ng/mL、約5~6ng/mL、約6~25g/mL、約6~20ng/mL、約6~15ng/mL、約6~12ng/mL、約6~11ng/mL、約6~10ng/mL、約6~9ng/mL、約6~8ng/mL、約6~7ng/mL、約8~25ng/mL、約8~20ng/mL、約8~15ng/mL、約8~12ng/mL、約8~11ng/mL、約8~10ng/mL、約8~9ng/mL、約10~25ng/mL、約10~20ng/mL、約10~15ng/mL、約10~12ng/mL、または約10~11ng/mLである。
【0349】
一部の実施形態では、タクロリムスの標的トラフレベルは、約6ng/mL~約10ng/mLである。一部の実施形態では、タクロリムスの標的トラフレベルは、約6ng/mL~約9ng/mLである。一部の実施形態では、タクロリムスの標的トラフレベルは、約6ng/mL~約8ng/mLである。一部の実施形態では、タクロリムスの標的トラフレベルは、約5ng/mL~約10ng/mLである。一部の実施形態では、タクロリムスの標的トラフレベルは、約5ng/mL~約9ng/mLである。一部の実施形態では、タクロリムスの標的トラフレベルは、約5ng/mL~約8ng/mLである。一部の実施形態では、タクロリムスの標的トラフレベルは、約4ng/mL~約10ng/mLである。一部の実施形態では、タクロリムスの標的トラフレベルは、約4ng/mL~約9ng/mLである。一部の実施形態では、タクロリムスの標的トラフレベルは、約4ng/mL~約8ng/mLである。
【0350】
一部の実施形態では、単剤予防薬としてのタクロリムスの用量またはタクロリムスの標的トラフレベルは、本明細書に開示された臨床パラメーターに基づいて調整することができる。例えば、一部の事例では、対象が、望まれるよりも低いドナーT細胞のキメラ化、例えば、本開示の細胞集団の投与後の好適な時間が経過した後、例えば、本開示の細胞集団(例えば、CD45+細胞の第1の集団)の投与の約14日後、15日後、20日後、21日後、25日後、28日後、30日後、35日後、40日後、42日後、45日後、49日後、50日後、55日後、56日後、60日後、63日後、65日後、70日後、75日後、77日後、80日後、84日後、85日後、90日後、91日後、95日後、98日後、100日後、110日後、120日後、130日後、140日後、150日後、160日後、170日後、180日後、または1年後に評価された場合に、95%未満、90%未満、85%未満、80%未満、75%未満、70%未満、65%未満、60%未満、55%未満、50%未満、または45%未満である末梢血ドナー由来のCD3+細胞のパーセントを呈する場合に、タクロリムスの用量または標的トラフレベルは低減され得る。一部の実施形態では、タクロリムスの標的トラフレベルは、対象が、本明細書に開示されているGVHDの兆候を呈する場合に、増加され得る。
【0351】
一部の実施形態では、対象は、約30日目に少なくとも約80%のキメラ化を実現する。一部の実施形態では、対象は、約30日目に少なくとも約80%のキメラ化を実現し、約6.5ng/mL~約9ng/mLの間のタクロリムスの標的トラフレベルを有する。
【0352】
タクロリムスの対象への投与は、本明細書に開示された細胞集団(例えば、CD45+細胞の第1の集団)の投与前後に開始することができる。一部の実施形態では、タクロリムスの対象への投与は、本明細書に開示された細胞集団(例えば、CD45+細胞の第1の集団)の投与前に開始する。一部の実施形態では、タクロリムスの対象への投与は、本明細書に開示された細胞集団(例えば、CD45+細胞の第1の集団)の投与後に開始する。一部の実施形態では、タクロリムスの対象への投与は、本明細書に開示された細胞集団(例えば、CD45+細胞の第1の集団)の投与とほぼ同時に開始する。
【0353】
一部の実施形態では、タクロリムスの対象への投与は、本明細書に開示された細胞集団(例えば、CD45+細胞の集団)の投与の少なくとも1日、少なくとも2日、少なくとも3日、少なくとも4日、少なくとも5日、少なくとも6日、少なくとも7日、少なくとも10日、少なくとも14日、または少なくとも20日前に開始する。一部の実施形態では、タクロリムスの対象への投与は、本明細書に開示された細胞集団(例えば、CD45+細胞の集団)の投与の最大1日、最大2日、最大3日、最大4日、最大5日、最大6日、最大7日、最大10日、最大14日、または最大20日前に開始する。一部の実施形態では、タクロリムスの対象への投与は、本明細書に開示された細胞集団(例えば、CD45+細胞の集団)の投与の1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、10日、14日、または20日前に開始する。一部の実施形態では、タクロリムスの対象への投与は、CD45+細胞の第1の集団の投与の1日前に開始する。一部の実施形態では、タクロリムスの対象への投与は、CD45+細胞の第2の集団の投与の1日前に開始する。
【0354】
実施形態では、本明細書に開示されているように、タクロリムスは、ヒト対象に、1日にヒト対象の実際の体重もしくは理想体重1kg当たり約0.03mgで最初に投与されるか、またはタクロリムスは、CD45+細胞の前記第2の集団の前記投与の約12時間~約24時間後に最初に投与される。
【0355】
一部の実施形態では、タクロリムスの対象への投与は、本明細書に開示された細胞集団(例えば、CD45+細胞の集団)の投与の少なくとも1日、少なくとも2日、少なくとも3日、少なくとも4日、少なくとも5日、少なくとも6日、少なくとも7日、少なくとも10日、少なくとも14日、または少なくとも20日後に開始する。一部の実施形態では、タクロリムスの対象への投与は、本明細書に開示された細胞集団(例えば、CD45+細胞の集団)の投与の最大1日、最大2日、最大3日、最大4日、最大5日、最大6日、最大7日、最大10日、最大14日、または最大20日後に開始する。一部の実施形態では、タクロリムスの対象への投与は、本明細書に開示された細胞集団(例えば、CD45+細胞の集団)の投与の1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、10日、14日、または20日後に開始する。一部の実施形態では、タクロリムスの対象への投与は、CD45+細胞の集団の投与の1日後に開始する。一部の実施形態では、タクロリムスの対象への投与は、CD45+細胞の第2の集団の投与の1日後に開始する。一部の実施形態では、タクロリムスの対象への投与は、本開示の細胞集団が投与されるのと同じ日に開始する。
【0356】
タクロリムスは、本開示の細胞集団(例えば、CD45+細胞の集団)の投与後の任意の時間、対象に投与され得る。一部の実施形態では、タクロリムスは、本開示の細胞集団(例えば、CD45+細胞の集団)の投与後、最初の7日間、14日間、最初の20日間、30日間、40日間、50日間、60日間、70日間、80日間、90日間、100日間、110日間、120日間、150日間、200日間、365日間、13カ月間、14カ月間、15カ月間、16カ月間、17カ月間、18カ月間、19カ月間、20カ月間、21カ月間、22カ月間、23カ月間、2年間、2.5年間、3年間、3.5年間、4年間、4.5年間、または5年間、対象に投与される。
【0357】
一部の実施形態では、タクロリムスは、本開示の細胞集団(例えば、CD45+細胞の集団)の投与後、約20日未満、約30日未満、約40日未満、約50日未満、約60日未満、約70日未満、約80日未満、約90日未満、約100日未満、約110日未満、約120日未満、約150日未満、約200日未満、約365日未満、約13カ月未満、約14カ月未満、約15カ月未満、約16カ月未満、約17カ月未満、約18カ月未満、約19カ月未満、約20カ月未満、約21カ月未満、約22カ月未満、約23カ月未満、約2年未満、約2.5年未満、約3年未満、約3.5年未満、約4年未満、約4.5年未満、または約5年未満の間、対象に投与される。
【0358】
様々な実施形態では、タクロリムスの用量は、第1の用量がヒト対象に投与されてから約90日後から開始して漸減されるか、またはタクロリムスの用量は、第1の用量がヒト対象に投与されてから約45日後から開始して漸減される。
【0359】
一部の実施形態では、対象は、約30日目に少なくとも約80%のキメラ化を実現する。一部の実施形態では、対象は、約30日目に少なくとも約80%のキメラ化を実現し、約6.5ng/mLおよび約9ng/mLの標的トラフレベルを有する。
III.対象
【0360】
がんを有するレシピエント対象に投与するための組成物、およびこれを投与する方法が本明細書において提供される。組成物および方法は、対象におけるがんを処置または低減するのに有用であり得る。一部の実施形態では、少なくともTconを含むCD45+細胞の第2の集団は、移植片対腫瘍反応(GVT)の免疫応答を誘発するために対象に投与され、移植片対宿主病(GVHD)の低減を伴う。
【0361】
一部の実施形態では、対象は、少なくとも13歳、少なくとも14歳、少なくとも15歳、少なくとも16歳、少なくとも17歳、少なくとも18歳、少なくとも19歳、少なくとも20歳、少なくとも21歳、少なくとも22歳、少なくとも23歳、少なくとも24歳、または少なくとも25歳である。一部の実施形態では、対象は、少なくとも18歳である。一部の実施形態では、対象は、少なくとも16歳である。一部の実施形態では、対象は、少なくとも13歳である。
【0362】
一部の実施形態では、対象は、最大50歳、最大55歳、最大60歳、最大65歳、最大70歳、最大75歳、または最大80歳である。一部の実施形態では、対象は、最大65歳である。一部の実施形態では、対象は、最大70歳である。
A.条件
【0363】
別の態様は、血液悪性腫瘍を有すると診断されたヒト対象を処置する方法を提供する。方法は、ヒト対象に、CD45+細胞の第1の集団を含む溶液剤、調節性T細胞(Treg)について濃縮された細胞の集団を含む溶液剤、CD45+細胞の第2の集団を含む溶液剤、および1回または複数回用量のGVHD予防剤(例えば、タクロリムス)を含む溶液剤を投与するステップを含む。この態様では、CD45+細胞の第1の集団を含む溶液剤、調節性Tregについて濃縮された細胞の集団を含む溶液剤、CD45+細胞の第2の集団を含む溶液剤、および1回または複数回用量のGVHD予防剤を含む溶液剤は、本明細書に開示されたいずれかの多成分医薬処置に従って規定された通りである。
【0364】
さらなる態様は、血液悪性腫瘍に対する処置レジメンの一部として通常型T細胞(Tcon)集団を移植する方法であって、処置レジメンに関連する有害事象のリスクおよび/または重症度を低減する、方法を提供する。方法は、患者に、調節性T細胞(Treg)およびTregを懸濁している液体を含むTregの集団を投与するステップと;患者に、リンパ球、顆粒細胞、単球および前記細胞を懸濁している液体を含む異種細胞集団を投与するステップとを含む。この態様では、前記リンパ球の少なくとも約30%はTconを含み、細胞集団の投与後に、患者は、Tconを受けたがTregを受けなかった血液悪性腫瘍患者と比較して、低減された有害事象のリスクおよび/または重症度を有する。
【0365】
さらにさらなる態様は、血液悪性腫瘍に対する処置レジメンの一部として細胞集団をヒト患者に移植する方法であって、処置レジメンに関連する有害事象のリスクおよび/または重症度を低減する、方法を提供する。方法は、患者に投与される造血幹前駆細胞(HSPC)の集団を提供するステップであって、HSPCの集団がHSPCおよびHSPCを懸濁している液体を含む、ステップと;患者に投与される調節性T細胞(Treg)の集団を提供するステップであって、Tregの集団がTregおよびTregを懸濁している液体を含む、ステップと;患者に投与される異種細胞集団を提供するステップであって、異種細胞集団がリンパ球、顆粒細胞、単球および前記細胞を懸濁している液体を含む、ステップとを含む。この態様では、前記リンパ球の少なくとも約30%は通常型T細胞(Tcon)を含み、細胞集団の投与後に、患者は、Tcon細胞集団を受けたがT-reg細胞集団を受けなかった血液悪性腫瘍患者と比較して、低減された有害事象のリスクおよび/または重症度を有する。
【0366】
別の態様は、血液悪性腫瘍に対する処置レジメンの一部として、細胞集団をヒト患者に移植する方法を提供する。方法は、患者に、造血幹前駆細胞(HSPC)の集団、HSPCおよびHSPCを懸濁している液体を含むHSPCの集団を投与するステップと;患者に、患者に投与される調節性T細胞(Treg)の集団、TregおよびTregを懸濁している液体を含むTregの集団を投与するステップと;患者に、患者に投与される異種細胞集団、リンパ球、顆粒細胞、単球および前記細胞を懸濁している液体を含む異種細胞集団を投与するステップであって、前記リンパ球の少なくとも約30%が通常型T細胞(Tcon)を含む、ステップと;患者に、最大約180日の期間にわたり、タクロリムスを含む単一の移植片対宿主病(GVHD)予防剤(GVHDPA)(タクロリムスGHVDPA)を投与するステップであって、タクロリムスGHVDPAが、期間中、閾値レベルを超える患者の血中タクロリムス濃度を維持するために投与される、ステップとを含み、血液悪性腫瘍に対する処置レジメンに関連するGHVDのリスクおよび/または重症度が有意に低減される。
【0367】
本開示の方法は、がんを有する対象(例えば、ヒト対象)を処置するために使用することができる。一部の実施形態では、対象は、例えば、化学療法薬または放射線による処置によって、がんに対する処置を受けたことがある。本開示の方法は、血液悪性腫瘍、例えば、白血病またはリンパ腫を処置するのに有用であり得る。本開示の方法によって処置することができる血液悪性腫瘍の例としては、以下に限定されないが、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、多発性骨髄腫、ならびにホジキンおよび非ホジキンリンパ腫等のリンパ腫が挙げられる。がんは、固形腫瘍である可能性がある。一部の実施形態では、がんは、原発性または転移性の腫瘍である。
【0368】
本発明の方法を使用して処置することができるがんの種類としては、以下に限定されないが、白血病、リンパ腫、副腎皮質がん、肛門がん、再生不良性貧血、胆管がん、膀胱がん、骨がん、骨転移、脳がん、中枢神経系(CNS)がん、末梢神経系(PNS)がん、乳がん、子宮頸がん、小児非ホジキンリンパ腫、結腸直腸がん、子宮内膜がん、食道がん、ユーイング肉腫ファミリー腫瘍(Ewing’s family of tumors)(例えば、ユーイング肉腫)、眼がん、胆嚢がん、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍、妊娠性絨毛疾患、ヘアリー細胞白血病、ホジキンリンパ腫、カポジ肉腫、腎臓がん、喉頭および咽頭がん、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、小児白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、肝臓がん、肺がん、肺カルチノイド腫瘍、男性乳がん、悪性中皮腫、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性障害、鼻腔および副鼻腔がん、上咽頭がん、神経芽腫、口腔および咽頭がん、骨肉腫、卵巣がん、膵臓がん、陰茎がん、下垂体腫瘍、前立腺がん、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺がん、肉腫、黒色腫皮膚がん、非黒色腫皮膚がん、胃がん、精巣がん、胸腺がん、甲状腺がん、子宮がん(例えば、子宮肉腫)、移行細胞癌、膣がん、外陰がん、中皮腫、扁平細胞または類表皮癌、気管支腺腫、絨毛癌、頭頸部がん、奇形癌腫、ならびにワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症が挙げられる。
【0369】
高リスク血液悪性腫瘍を有する患者は、標準的な化学療法ではほとんど治癒しない。高リスク悪性腫瘍としては、例えば、初回寛解以降に進行した白血病もしくはリンパ腫、または難治性の再発をした白血病もしくはリンパ腫が挙げられる。
【0370】
一部の実施形態では、ヒト対象または患者は、血液悪性腫瘍について以前に処置されたことがあるかまたは同時に処置されている。
【0371】
本開示の組成物を受ける対象は、例えば、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、混合表現型白血病、骨髄線維症、高リスク骨髄異形成症候群、超高リスク骨髄異形成症候群、National Comprehensive Cancer Network Guidelinesによると移植に適格な骨髄線維症(MF)、IPSS、DIPSSまたはDIPSS-plusスコアリングシステムによる中等度-2または高リスクMF、高い症状負荷、低い血小板数、または複雑な細胞遺伝学等の高リスク特徴を伴う中等度-1リスクMF、原発性骨髄線維症、別の骨髄増殖性新生物から進展した骨髄線維症、骨髄異形成症候群、非ホジキンリンパ腫、同種造血幹細胞移植(alloHCT)に関する非悪性適応症を有し得る。
【0372】
一部の実施形態では、対象は、急性骨髄性白血病を有する。一部の実施形態では、対象は、急性リンパ性白血病を有する。一部の実施形態では、対象は、混合表現型白血病を有する。一部の実施形態では、対象は、高リスク骨髄異形成症候群を有する。一部の実施形態では、対象は、超高リスク骨髄異形成症候群を有する。一部の実施形態では、対象は、National Comprehensive Cancer Network Guidelinesによると移植に適格な骨髄線維症(MF)を有する。一部の実施形態では、対象は、IPSS、DIPSSまたはDIPSS-plusスコアリングシステムによる中等度-2または高リスク骨髄繊維症を有する。一部の実施形態では、対象は、高い症状負荷、低い血小板数、または複雑な細胞遺伝学等の高リスク特徴を伴う中等度-1リスク骨髄繊維症を有する。一部の実施形態では、対象は、原発性骨髄線維症を有する。一部の実施形態では、対象は、骨髄線維症を有する。一部の実施形態では、対象は、別の骨髄増殖性新生物から進展した骨髄線維症を有する。一部の実施形態では、対象は、骨髄異形成症候群を有する。一部の実施形態では、対象は、非ホジキンリンパ腫を有する。一部の実施形態では、対象は、alloHCTに関する非悪性適応症を有する。
【0373】
対象は、完全寛解(CR)にあり得る。対象は、例えば、公知の微小残存病変の存在しない、不完全な血液学的回復(CRi)を伴う完全寛解にあり得る。対象は、微小残存病変を有し得る。対象は、微小残存病変の証拠を有し得ない。対象は、活性疾患を有し得る。対象は、白血病芽球による骨髄浸潤が10%以下の形態的CRではない白血病(例えば、急性骨髄性、急性リンパ性、または混合表現型)を有し得る。対象は、マルチパラメーターフローサイトメトリー解析または核酸に基づく技法のいずれかによる微小残存陽性の証拠を伴う形態的CRである白血病(例えば、急性骨髄性、急性リンパ性、または混合表現型)を有し得る。
【0374】
急性骨髄性、リンパ性または混合表現型白血病に対する完全寛解(CR)は、以下の判断基準のすべてを満たすことによって示され得る:(i)骨髄芽球<5%;(ii)循環芽球およびアウエル小体を有する芽球の非存在;(ii)髄外疾患4の非存在。ANC≧1.0×10/L(1,000/μL);(iii)血小板数≧100×10/L(100,000/μL);ならびに(iv)赤血球輸血の非依存性。不完全な血液学的回復(CRi)を伴う完全奏功は、好中球減少症(<1.0×10/L)または血小板減少症(<100×10/L)の残存を除くすべてのCR判断基準を満たすことによって示され得る。
B.感受性
【0375】
一部の実施形態では、対象は、タクロリムスに対する公知のアレルギーもしくは高感受性、またはタクロリムスへの不耐用を有さない。一部の実施形態では、対象は、シロリムスに対する公知のアレルギーもしくは高感受性、またはシロリムスへの不耐用を有さない。
【0376】
一部の実施形態では、対象は、鉄デキストランに感受性ではない(例えば、鉄デキストランに対する感受性を有する対象は、本開示の組成物を受けるのに適格ではない。一部の事例では、これは、細胞型を単離する、枯渇させる、および/または精製するために一部の実施形態において使用される磁気ビーズに起因し得る)。
【0377】
一部の実施形態では、対象は、シアニン色素に由来する生成物に感受性ではない(例えば、シアニン色素に由来する生成物に対する感受性を有する対象は、本開示の組成物を受けるのに適格ではない)。
【0378】
一部の実施形態では、対象は、マウス供給源に由来するタンパク質産物に感受性ではない(例えば、マウス供給源に由来するタンパク質産物に対する感受性を有する対象は、本開示の組成物を受けるのに適格ではない)。
【0379】
一部の実施形態では、対象は、ウシ供給源に由来するタンパク質産物に感受性ではない(例えば、ウシ供給源に由来するタンパク質産物に対する感受性を有する対象は、本開示の組成物を受けるのに適格ではない)。
【0380】
一部の実施形態では、対象は、藻類供給源に由来するタンパク質産物に感受性ではない(例えば、藻類供給源に由来するタンパク質産物に対する感受性を有する対象は、本開示の組成物を受けるのに適格ではない)。
【0381】
一部の実施形態では、対象は、Streptomyces avidiniiに由来するタンパク質産物に感受性ではない(例えば、Streptomyces avidiniiに由来するタンパク質産物に対する感受性を有する対象は、本開示の組成物を受けるのに適格ではない)。
C.臓器の機能およびバイオマーカー
【0382】
対象は、推定糸球体濾過率(eGFR)>30mL/分を有し得る。対象は、推定糸球体濾過率(eGFR)>40mL/分を有し得る。対象は50mL/分を超えるeGCFを有し得る。対象は、推定糸球体濾過率(eGFR)>60mL/分を有し得る。
【0383】
対象は、心エコー図または放射性核種スキャン(MUGA)による45%以上の安静時心駆出率、または27%以上の短縮率を有し得る。
【0384】
対象は、50%以上の一酸化炭素に関する肺の拡散能(DLCO)(ヘモグロビンに関して調整)を有し得る。
【0385】
対象は、例えば、妊娠可能な女性において、登録後3週間以内に血清または尿中のベータ-HCG検査で陰性を有し得る。
【0386】
対象は、正常値上限(ULN)の2倍未満の総ビリルビンを有し得る。
【0387】
対象は、溶血が除外されたジルベール症候群を有し得る。
【0388】
対象は、正常値上限(ULN)の3倍以内のALT読取り値を有し得る。対象は、正常値上限(ULN)の3倍以内のAST読取り値を有し得る。
D.追加の治療および他の対象特徴
【0389】
一部の実施形態では、対象は、事前のアロHCTを受けたことがない。一部の実施形態では、対象は、自家移植の候補ではない。一部の実施形態では、対象は、コルチコステロイドも他の免疫抑制療法も受けていない。一部の実施形態では、対象は、10mg/日未満のまたはこれに等しい外用コルチコステロイドまたは経口全身性コルチコステロイド用量を受けている。一部の実施形態では、対象は、ドナーリンパ球注入(DLI)を受けない。一部の実施形態では、対象は、T細胞枯渇医薬品、例えば、移植後シクロホスファミド(Cy)も移植周辺(peri-transplant)抗胸腺細胞グロブリン(ATG)もアレムツズマブも受けない。一部の実施形態では、T細胞枯渇剤に以前に曝露された対象は、計画された移植の0日目(移植片のTregおよびHSPC成分の注入日)に先立ち、薬剤の5半減期ウオッシュアウトを有する。一部の実施形態では、対象は、(a)いずれかの力価の陽性交差適合検査;または(b)いずれかのHLA遺伝子座に対する抗ドナーHLA抗体の存在のいずれかによって決定される場合に、選択されたドナーにおけるミスマッチの対立遺伝子に対する抗ドナーHLA抗体が陽性ではない。一部の実施形態では、対象は、カルノフスキーパフォーマンススコア≧70%を有する。一部の実施形態では、対象は、>4の造血細胞移植特異的併存症指数(HCT-CI)を有しない。一部の実施形態では、対象は、制御されない細菌、ウイルスまたは真菌感染症を有しない。一部の実施形態では、対象は、抗菌療法を服用しておらず、感染症において進行を伴うまたは臨床改善なしである。一部の実施形態では、対象は、HIV-1もしくは-2、HTLV-1もしくは-2、B型肝炎sAg、またはC型肝炎抗体が血清陽性ではない。一部の実施形態では、対象は、能動的免疫抑制処置を要求する制御されない自己免疫性疾患を有しない。一部の実施形態では、対象は、例えば、治癒的に切除された非黒色腫皮膚がんを除外して、1年以内に同時発生的悪性病変も活動性疾患も有したことがない。一部の実施形態では、対象は、患者が、移植まで進むまたはフォローアップケアに責任を持って参加することができるようになることを妨げる心理社会的環境を示さない。一部の実施形態では、対象は、妊娠中でも母乳育児中でもない。一部の実施形態では、対象は、医療従事者の判断において、本開示の組成物の受け取り後に対象の安全性を妨げる、臨床実験室検査における重篤な医学的状態または異常性を有しない。一部の実施形態では、対象は、骨髄破壊性アロHCTに適格である。
【0390】
一部の実施形態では、対象は、例えば、移植周辺期間中に、細菌、真菌および/またはウイルス感染症のリスクを低減させるための予防剤を受ける。
【0391】
一部の実施形態では、対象は、HCT関連毒性のための支持療法を受ける。一部の実施形態では、対象は、HCT関連毒性のための支持療法を受けない。一部の実施形態では、対象は、増殖因子を受ける。一部の実施形態では、対象は、増殖因子を受けない。一部の実施形態では、対象は、静脈内免疫グロブリンを受ける。一部の実施形態では、対象は、静脈内免疫グロブリンを受けない。一部の実施形態では、対象は、鎮痛薬を受ける。一部の実施形態では、対象は、鎮痛薬を受けない。一部の実施形態では、対象は、制吐薬を受ける。一部の実施形態では、対象は、制吐薬を受けない。一部の実施形態では、対象は、電解質補充を受ける。一部の実施形態では、対象は、電解質補充を受けない。一部の実施形態では、対象は、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、FLT3阻害剤)を受ける。一部の実施形態では、対象は、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、FLT3阻害剤)を受けない。一部の実施形態では、対象は、例えば、≦10mg/日の用量で、プレドニゾンまたはその等価物を受ける。一部の実施形態では、対象は、プレドニゾンまたはその等価物を受けない。一部の実施形態では、対象は、GVHDを管理するためのコルチコステロイド処置を受ける。一部の実施形態では、対象は、GVHDを管理するためのコルチコステロイド処置を受けない。一部の実施形態では、対象は、GVHDを管理するための高用量コルチコステロイド処置を受ける。一部の実施形態では、対象は、GVHDを管理するための高用量コルチコステロイド処置を受けない。一部の実施形態では、対象は、スキャンでの対比のための既知の過敏症反応のための前投薬を含む、例えば、副腎機能不全、過敏症反応または他の非がん関連症状を管理するためのコルチコステロイド処置を受ける。一部の実施形態では、対象は、コルチコステロイド処置を受けない。一部の実施形態では、対象は、免疫抑制薬物療法を受ける。一部の実施形態では、対象は、免疫抑制薬物療法を受けない。一部の実施形態では、対象は、ドナーリンパ球注入を受ける。一部の実施形態では、対象は、ドナーリンパ球注入を受けない。
E.コンディショニングレジメン
【0392】
コンディショニングレジメンは、本開示のアロHCTレジメンの一部として使用することができる。移植の直前に与えた化学療法および/または照射は、コンディショニングレジメンと呼ばれる。コンディショニングレジメンは、HSPCの注入前に患者の疾患の根絶を助け、免疫反応を抑制し、ドナーHSPCが、コンディショニングレジメンに起因する空の造血区画を再構成することを可能にすることができる。本開示の方法の一部の実施形態では、対象は、本明細書に記載されている細胞集団の注入前に、骨髄破壊性コンディショニングで処置することができる。本開示の方法の一部の実施形態では、対象は、本明細書に記載されている細胞集団の注入前に、骨髄低減性(myeloreductive)コンディショニングで処置することができる。本開示の方法の一部の実施形態では、対象は、本明細書に記載されている細胞集団の注入前に、強度低減骨髄破壊性コンディショニングで処置することができる。本開示の方法の一部の実施形態では、対象は、本明細書に記載されている細胞集団(単数または複数)の投与前に、非骨髄破壊性コンディショニングで処置することができる。
【0393】
本明細書で使用される場合、コンディショニングレジメンという用語および同様の語は、骨髄破壊性コンディショニング、骨髄低減性コンディショニング、強度低減骨髄破壊性治療/コンディショニング、および/または非骨髄破壊性コンディショニングに適用される。本明細書で使用される場合、骨髄破壊性治療/コンディショニングという用語もまた、骨髄低減性コンディショニングおよび強度低減骨髄破壊性コンディショニングを含む。
【0394】
態様および実施形態では、処置および/または方法は、コンディショニングレジメンをさらに含み、コンディショニングレジメンは、(a)造血幹前駆細胞(HSPC)ならびに顆粒細胞を含むCD45+細胞の第1の集団を含む溶液剤であって、CD45+細胞の第1の集団の最大約10%が、顆粒細胞を含む、溶液剤;(b)調節性T細胞(Treg)について濃縮された細胞の集団を含む溶液剤;ならびに(c)CD45+細胞の第2の集団を含む溶液剤であって、CD45+細胞の第2の集団が、少なくとも約20%のCD3+通常型T細胞(Tcon)、少なくとも約10%の単球および少なくとも約10%の顆粒細胞を含む、溶液剤;ならびに(d)1回または複数回用量の移植片対宿主病(GVHD)予防剤を含む溶液剤のうち1つの投与前に投与される。実施形態では、コンディショニングレジメンは、骨髄破壊性コンディショニングレジメンである。一部の事例では、コンディショニングレジメンは、少なくとも3つのコンディショニング試薬を含み、そのうち、少なくとも1つのコンディショニング試薬は、チオテパである。様々な実施形態では、骨髄破壊性コンディショニングレジメンは、少なくとも1用量のチオテパ、例えば、ヒト対象の実際もしくは理想体重1キログラム当たり少なくとも約5ミリグラムのチオテパ、またはヒト対象の実際もしくは理想体重1キログラム当たり少なくとも約10ミリグラムのチオテパを含む。一部の実施形態では、コンディショニングレジメンは、1回または複数回用量のブスルファン、フルダラビンおよびチオテパを含む。実施形態では、1回または複数回用量は、それぞれヒト対象の実際または理想体重1kg当たり約5~約12mgのチオテパ、ヒト対象の実際または理想体重1kg当たり約7~約11mgのブスルファン、および体表面積1メートル当たり約100~約200mgのフルダラビンを含む。
【0395】
様々な実施形態では、方法は、いずれかの細胞集団の投与前に骨髄破壊性コンディショニングレジメンを患者に投与するステップをさらに含み、コンディショニングレジメンは、患者への少なくとも1つのコンディショニング剤の投与を含む。
【0396】
一部の実施形態では、患者は、骨髄破壊性コンディショニングレジメンの一部としていかなる照射も受けない。
【0397】
実施形態では、少なくとも1つのコンディショニング剤は、細胞集団のいずれかの投与の約2~約10日前に投与される。一部の事例では、少なくとも1つのコンディショニング剤は、細胞集団のいずれかの投与の約5日前に投与される。
【0398】
様々な実施形態では、ヒト対象は、いずれかの細胞集団の投与の前に骨髄破壊性コンディショニングレジメンを受け、有害事象は、骨髄破壊性コンディショニングに関連する。
【0399】
一部の実施形態では、少なくとも1つのコンディショニング剤は、チオテパを含む。一部の事例では、患者に投与されるチオテパの用量は、実際または理想体重1キログラム当たり約5~約10mgの範囲内である。
【0400】
実施形態では、少なくとも1つのコンディショニング剤は、ブスルファンおよびフルダラビンを含む。一部の事例では、患者に投与されるチオテパ、ブスルファンおよびフルダラビンの用量は、それぞれ患者の実際または理想体重1キログラム当たり約10mg、患者の実際または理想体重1キログラム当たり約9.6mg、および体表面積1メートル当たり約150mgを含む。
【0401】
一部の実施形態では、対象は、本明細書に記載されている細胞集団(単数または複数)の投与前に、放射線照射、化学療法、組換えタンパク質、抗体もしくは毒素コンジュゲート抗体、またはこれらのいずれかの組合せでコンディショニングされている。一部の実施形態では、対象は、先ず骨髄破壊性治療で対象を処置することにより、細胞移植療法のためにコンディショニングされる。例示的な骨髄破壊性治療は、化学療法または放射線療法を含む。骨髄破壊性(Myleoablative)治療は、腫瘍をデバルキングすることおよび/またはがん細胞の数を低減させることにより、治療利益を提供すると考えられる。骨髄破壊性レジメンは、十分な数のHSCを根絶し、患者は、それを行わなければ、患者がGVHDを発症する機会が増加するであろう。HSPCがその後、骨髄破壊された対象に投与されると、ドナー細胞は、がんをさらに攻撃すること、ならびに/または対象の血液および免疫系を再構成することができる。
【0402】
一部の実施形態では、骨髄破壊性治療は、チオテパ(TTP)、ブスルファン、シクロホスファミド、全身照射(TBI)、フルダラビン、エトポシドまたはこれらのいずれかの組合せの投与を含む。一部の実施形態では、骨髄破壊性治療は、抗cKIT抗体の投与を含む。一部の実施形態では、骨髄破壊性治療は、抗体薬物コンジュゲートの投与を含む。抗体薬物コンジュゲートは、例えば、抗CD45-サポリンまたは抗cKit-サポリン治療抗体であり得る。一部の実施形態では、骨髄破壊性治療は、強度低減コンディショニング療法である。例示的なコンディショニングレジメンは、表15に記載されている。
【0403】
本開示のコンディショニングレジメンは、1回または複数回用量のブスルファンを含むことができる。本開示のコンディショニングレジメンは、フルダラビンを含むことができる。本開示のコンディショニングレジメンは、1回または複数回用量のシクロホスファミドを含むことができる。本開示のコンディショニングレジメンは、1回または複数回用量のメルファランを含むことができる。本開示のコンディショニングレジメンは、1回または複数回用量のエトポシドを含むことができる。
【0404】
本開示の方法は、細胞の投与前のコンディショニング試薬の組合せの投与を含むことができる。本明細書に記載されているコンディショニングレジメンは、1、2、3または4つの異なるコンディショニング試薬を投与するステップを含むことができる。本明細書で使用されているコンディショニング試薬は、アルキル化剤であり得る。本明細書で使用されているコンディショニング試薬は、骨髄破壊性であり得る。本明細書で使用されているコンディショニング試薬は、非骨髄破壊性であり得る。本明細書で使用されているコンディショニング試薬は、骨髄低減性であり得る。本明細書で使用されているコンディショニング試薬は、化学療法の形態であり得る。
【0405】
本明細書に記載されているコンディショニングレジメンは、チオテパ(TTP)等のアルキル化剤の投与を含むことができる。TTPを含む本開示のコンディショニングレジメンは、少なくともさらにもう1つのコンディショニング試薬を含むことができる。TTPに加えて対象に投与されるコンディショニング試薬は、ブスルファン、ジメチルミレラン、プレドニゾン、メチルプレドニゾロン、アザチオプリン、シクロホスファミド、シクロスポリン(cyclosparine)、T細胞に対するモノクローナル抗体、抗リンパ球グロブリンおよび抗胸腺細胞グロブリン、フルダラビン、エトポシド、放射線照射、全身照射(TBI)から選択される1つまたは複数の試薬を含むことができる。態様および実施形態は、1つまたは複数のコンディショニング試薬とTTPのいずれかの組合せを含む。一部の実施形態では、対象は、チオテパ、ブスルファンおよびフルダラビンを含むコンディショニングレジメンを投与される。一部の実施形態では、対象は、チオテパ、フルダラビンおよびTBI(例えば、HFTBI)を含むコンディショニングレジメンを投与される。
【0406】
本明細書に記載されているコンディショニングレジメンは、TTP等のアルキル化剤の投与を含むことができる。一部の事例では、本開示のコンディショニングレジメンは、1日を超えるTTP投与を含むことができる。本開示のコンディショニングレジメンは、2mg/kg~14mg/kgのTTPを対象に投与するステップを含むことができる。本開示のコンディショニングレジメンは、少なくとも3mg/kgのTTPを対象に投与するステップを含むことができる。本開示のコンディショニングレジメンは、最大14mg/kgのTTPを対象に投与するステップを含むことができる。本開示のコンディショニングレジメンは、2mg/kg~5mg/kg、2mg/kg~6mg/kg、2mg/kg~8mg/kg、2mg/kg~10mg/kg、2mg/kg~12mg/kg、2mg/kg~14mg/kg、5mg/kg~6mg/kg、5mg/kg~8mg/kg、5mg/kg~10mg/kg、5mg/kg~12mg/kg、5mg/kg~14mg/kg、6mg/kg~8mg/kg、6mg/kg~10mg/kg、6mg/kg~12mg/kg、6mg/kg~14mg/kg、8mg/kg~10mg/kg、8mg/kg~12mg/kg、8mg/kg~14mg/kg、10mg/kg~12mg/kg、10mg/kg~14mg/kgまたは12mg/kg~14mg/kgのTTPを対象に投与するステップを含むことができる。本開示のコンディショニングレジメンは、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、8mg/kg、10mg/kg、12mg/kgまたは14mg/kgのTTPを対象に投与するステップを含むことができる。本開示のコンディショニングレジメンは、最大2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、8mg/kg、10mg/kgまたは12mg/kgのTTPを対象に投与するステップを含むことができる。本開示のコンディショニングレジメンは、少なくとも2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、8mg/kg、10mg/kg、12mg/kgまたは14mg/kgのTTPを対象に投与するステップを含むことができる。
【0407】
本明細書で使用される場合、列挙されている用量、例えば、#mg/kgは、対象の実際の体重(kg単位)と比べたもの、または対象の理想体重(kg単位)と比べたものであり得る。あるいは、対象の実際の体重が、理想体重(IBW)の120%を超える場合、列挙されている用量は、対象の調整された体重(ABW)と比べたものであり得る。
【0408】
本明細書に記載されている1つまたは複数の細胞集団を投与された対象は、細胞移植前に、1回または複数回用量のTTPを投与され得る。本明細書に記載されている1つまたは複数の細胞集団を受けている対象は、細胞移植前に、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10用量のTTPを投与され得る。一部の事例では、各用量のTTPは、同じ濃度を有する。一部の事例では、1回または複数回用量のTTPは、異なる濃度を有する。対象は、単一用量において1mg/kg~10mg/kgのTTPを投与され得る。対象は、単一用量において少なくとも1mg/kgのTTPを投与され得る。対象は、単一用量において最大10mg/kgのTTPを投与され得る。対象は、単一用量において1mg/kg~2mg/kg、1mg/kg~3mg/kg、1mg/kg~4mg/kg、1mg/kg~5mg/kg、1mg/kg~6mg/kg、1mg/kg~7mg/kg、1mg/kg~8mg/kg、1mg/kg~9mg/kg、1mg/kg~10mg/kg、2mg/kg~3mg/kg、2mg/kg~4mg/kg、2mg/kg~5mg/kg、2mg/kg~6mg/kg、2mg/kg~7mg/kg、2mg/kg~8mg/kg、2mg/kg~9mg/kg、2mg/kg~10mg/kg、3mg/kg~4mg/kg、3mg/kg~5mg/kg、3mg/kg~6mg/kg、3mg/kg~7mg/kg、3mg/kg~8mg/kg、3mg/kg~9mg/kg、3mg/kg~10mg/kg、4mg/kg~5mg/kg、4mg/kg~6mg/kg、4mg/kg~7mg/kg、4mg/kg~8mg/kg、4mg/kg~9mg/kg、4mg/kg~10mg/kg、5mg/kg~6mg/kg、5mg/kg~7mg/kg、5mg/kg~8mg/kg、5mg/kg~9mg/kg、5mg/kg~10mg/kg、6mg/kg~7mg/kg、6mg/kg~8mg/kg、6mg/kg~9mg/kg、6mg/kg~10mg/kg、7mg/kg~8mg/kg、7mg/kg~9mg/kg、7mg/kg~10mg/kg、8mg/kg~9mg/kg、8mg/kg~10mg/kgまたは9mg/kg~10mg/kgのTTPを投与され得る。対象は、単一用量において1mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8mg/kg、9mg/kgまたは10mg/kgのTTPを投与され得る。対象は、単一用量において最大1mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8mg/kg、9mg/kgまたは10mg/kgのTTPを投与され得る。対象は、単一用量において少なくとも1mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8mg/kg、9mg/kgまたは10mg/kgのTTPを投与され得る。
【0409】
本開示の方法は、細胞の投与前のコンディショニング試薬の組合せの投与を含むことができる。本明細書に記載されているコンディショニングレジメンは、1、2、3または4つの異なるコンディショニング試薬を投与するステップを含むことができる。本明細書で使用されているコンディショニング試薬は、アルキル化剤であり得る。本明細書で使用されているコンディショニング試薬は、骨髄破壊性であり得る。本明細書で使用されているコンディショニング試薬は、非骨髄破壊性であり得る。本明細書で使用されているコンディショニング試薬は、骨髄低減性であり得る。本明細書で使用されているコンディショニング試薬は、化学療法の形態であり得る。
【0410】
本開示のコンディショニングレジメンは、1回または複数回用量のブスルファンを含むことができる。1回または複数回用量のブスルファンは、1回または複数回用量のTTP等の別のコンディショニング試薬の投与の前に対象に投与することができる。1回または複数回用量のブスルファンは、1回または複数回用量のTTP等の別のコンディショニング試薬の投与の後に対象に投与することができる。1回または複数回用量のブスルファンは、1回または複数回用量のTTP等の別のコンディショニング試薬の投与と共に対象に投与することができる。
【0411】
本開示のコンディショニングレジメンは、約6mg/kg~約12mg/kgのブスルファンを対象に投与するステップを含むことができる。本開示のコンディショニングレジメンは、少なくとも約6mg/kgのブスルファンを対象に投与するステップを含むことができる。本開示のコンディショニングレジメンは、最大約12mg/kgのブスルファンを対象に投与するステップを含むことができる。本開示のコンディショニングレジメンは、約6mg/kg~約7mg/kg、約6mg/kg~約8mg/kg、約6mg/kg~約9mg/kg、約6mg/kg~約10mg/kg、約6mg/kg~約11mg/kg、約6mg/kg~約12mg/kg、約7mg/kg~約8mg/kg、約7mg/kg~約9mg/kg、約7mg/kg~約10mg/kg、約7mg/kg~約11mg/kg、約7mg/kg~約12mg/kg、約8mg/kg~約9mg/kg、約8mg/kg~約10mg/kg、約8mg/kg~約11mg/kg、約8mg/kg~約12mg/kg、約9mg/kg~約10mg/kg、約9mg/kg~約11mg/kg、約9mg/kg~約12mg/kg、約10mg/kg~約11mg/kg、約10mg/kg~約12mg/kgまたは約11mg/kg~約12mg/kgのブスルファンを対象に投与するステップを含むことができる。本開示のコンディショニングレジメンは、6mg/kg、7mg/kg、8mg/kg、9mg/kg、10mg/kg、11mg/kgまたは12mg/kgのブスルファンを対象に投与するステップを含むことができる。本開示のコンディショニングレジメンは、少なくとも6mg/kg、7mg/kg、8mg/kg、9mg/kg、10mg/kgまたは11mg/kgのブスルファンを対象に投与するステップを含むことができる。本開示のコンディショニングレジメンは、最大7mg/kg、8mg/kg、9mg/kg、10mg/kg、11mg/kgまたは12mg/kgのブスルファンを対象に投与するステップを含むことができる。
【0412】
本明細書に記載されている1つまたは複数の細胞集団を受けている対象は、細胞移植に先立ち、1回または複数回用量のブスルファンを投与され得る。本明細書に記載されている1種または複数の細胞成分を受けている対象は、細胞移植前に、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10用量のブスルファンを投与され得る。一部の事例では、各用量のブスルファンは、同じ濃度を有する。一部の事例では、1回または複数回用量のブスルファンは、異なる濃度を有する。対象は、単一用量において1mg/kg~10mg/kgのブスルファンを投与され得る。対象は、単一用量において少なくとも1mg/kgのブスルファンを投与され得る。対象は、単一用量において少なくとも2mg/kgのブスルファンを投与され得る。対象は、単一用量において少なくとも3mg/kgのブスルファンを投与され得る。
【0413】
本開示のコンディショニングレジメンは、1回または複数回用量のフルダラビンを含むことができる。1回または複数回用量のフルダラビンは、1回または複数回用量のTTP等の別のコンディショニング試薬の投与の前に対象に投与することができる。1回または複数回用量のフルダラビンは、1回または複数回用量のTTP等の別のコンディショニング試薬の投与の後に対象に投与することができる。1回または複数回用量のフルダラビンは、1回または複数回用量のTTP等の別のコンディショニング試薬の投与と共に対象に投与することができる。
【0414】
本開示のコンディショニングレジメンは、対象の表面積に基づき、20mg/m~180mg/mのフルダラビンを対象に投与するステップを含むことができる。本開示のコンディショニングレジメンは、少なくとも20mg/mのフルダラビンを対象に投与するステップを含むことができる。本開示のコンディショニングレジメンは、最大180mg/mのフルダラビンを対象に投与するステップを含むことができる。本開示のコンディショニングレジメンは、20mg/m~30mg/m、20mg/m~40mg/m、20mg/m~50mg/m、20mg/m~60mg/m、20mg/m~80mg/m、20mg/m~100mg/m、20mg/m~120mg/m、20mg/m~150mg/m、20mg/m~180mg/m、30mg/m~40mg/m、30mg/m~50mg/m、30mg/m~60mg/m、30mg/m~80mg/m、30mg/m~100mg/m、30mg/m~120mg/m、30mg/m~150mg/m、30mg/m~180mg/m、40mg/m~50mg/m、40mg/m~60mg/m、40mg/m~80mg/m、40mg/m~100mg/m、40mg/m~120mg/m、40mg/m~150mg/m、40mg/m~180mg/m、50mg/m~60mg/m、50mg/m~80mg/m、50mg/m~100mg/m、50mg/m~120mg/m、50mg/m~150mg/m、50mg/m~180mg/m、60mg/m~80mg/m、60mg/m~100mg/m、60mg/m~120mg/m、60mg/m~150mg/m、60mg/m~180mg/m、80mg/m~100mg/m、80mg/m~120mg/m、80mg/m~150mg/m、80mg/m~180mg/m、100mg/m~120mg/m、100mg/m~150mg/m、100mg/m~180mg/m、120mg/m~150mg/m、120mg/m~180mg/mまたは150mg/m~180mg/mのフルダラビンを対象に投与するステップを含むことができる。本開示のコンディショニングレジメンは、20mg/m、30mg/m、40mg/m、50mg/m、60mg/m、80mg/m、100mg/m、120mg/m、150mg/mまたは180mg/mのフルダラビンを対象に投与するステップを含むことができる。本開示のコンディショニングレジメンは、少なくとも20mg/m、30mg/m、40mg/m、50mg/m、60mg/m、80mg/m、100mg/m、120mg/mまたは150mg/mのフルダラビンを対象に投与するステップを含むことができる。本開示のコンディショニングレジメンは、最大30mg/m、40mg/m、50mg/m、60mg/m、80mg/m、100mg/m、120mg/m、150mg/mまたは180mg/mのフルダラビンを対象に投与するステップを含むことができる。
【0415】
本明細書に記載されている1種または複数の細胞成分を受けている対象は、細胞移植に先立ち、1回または複数回用量のフルダラビンを投与され得る。本明細書に記載されている1種または複数の細胞成分を受けている対象は、細胞移植に先立ち、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10用量のフルダラビンを投与され得る。一部の事例では、各用量のフルダラビンは、同じ濃度を有する。一部の事例では、1回または複数回用量のフルダラビンは、異なる濃度を有する。対象は、単一用量において20~60mg/m用量のフルダラビンを投与され得る。対象は、単一用量において少なくとも30mg/mのフルダラビンを投与され得る。対象は、単一用量において少なくとも40mg/mのフルダラビンを投与され得る。対象は、単一用量において少なくとも50mg/mのフルダラビンを投与され得る。
【0416】
本開示のコンディショニングレジメンは、対象の表面積に基づき、20mg/m~180mg/mのメルファランを対象に投与するステップを含むことができる。本開示のコンディショニングレジメンは、少なくとも20mg/mのメルファランを対象に投与するステップを含むことができる。本開示のコンディショニングレジメンは、最大180mg/mのメルファランを対象に投与するステップを含むことができる。本開示のコンディショニングレジメンは、20mg/m~30mg/m、20mg/m~40mg/m、20mg/m~50mg/m、20mg/m~60mg/m、20mg/m~80mg/m、20mg/m~100mg/m、20mg/m~120mg/m、20mg/m~150mg/m、20mg/m~180mg/m、30mg/m~40mg/m、30mg/m~50mg/m、30mg/m~60mg/m、30mg/m~80mg/m、30mg/m~100mg/m、30mg/m~120mg/m、30mg/m~150mg/m、30mg/m~180mg/m、40mg/m~50mg/m、40mg/m~60mg/m、40mg/m~80mg/m、40mg/m~100mg/m、40mg/m~120mg/m、40mg/m~150mg/m、40mg/m~180mg/m、50mg/m~60mg/m、50mg/m~80mg/m、50mg/m~100mg/m、50mg/m~120mg/m、50mg/m~150mg/m、50mg/m~180mg/m、60mg/m~80mg/m、60mg/m~100mg/m、60mg/m~120mg/m、60mg/m~150mg/m、60mg/m~180mg/m、80mg/m~100mg/m、80mg/m~120mg/m、80mg/m~150mg/m、80mg/m~180mg/m、100mg/m~120mg/m、100mg/m~150mg/m、100mg/m~180mg/m、120mg/m~150mg/m、120mg/m~180mg/mまたは150mg/m~180mg/mのメルファランを対象に投与するステップを含むことができる。本開示のコンディショニングレジメンは、20mg/m、30mg/m、40mg/m、50mg/m、60mg/m、80mg/m、100mg/m、120mg/m、150mg/mまたは180mg/mのメルファランを対象に投与するステップを含むことができる。本開示のコンディショニングレジメンは、少なくとも20mg/m、30mg/m、40mg/m、50mg/m、60mg/m、80mg/m、100mg/m、120mg/mまたは150mg/mのメルファランを対象に投与するステップを含むことができる。本開示のコンディショニングレジメンは、最大30mg/m、40mg/m、50mg/m、60mg/m、80mg/m、100mg/m、120mg/m、150mg/mまたは180mg/mのメルファランを対象に投与するステップを含むことができる。
【0417】
本明細書に記載されている1種または複数の細胞成分を受けている対象は、細胞移植前に、1回または複数回用量のメルファランを投与され得る。本明細書に記載されている1種または複数の細胞成分を受けている対象は、細胞移植前に、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10用量のメルファランを投与され得る。一部の事例では、各用量のメルファランは、同じ濃度を有する。一部の事例では、1回または複数回用量のメルファランは、異なる濃度を有する。
【0418】
本開示のコンディショニングレジメンは、100mg/kg~140mg/kgのシクロホスファミドを投与するステップを含むことができる。本開示のコンディショニングレジメンは、少なくとも100mg/kgのシクロホスファミドを投与するステップを含むことができる。本開示のコンディショニングレジメンは、最大140mg/kgのシクロホスファミドを投与するステップを含むことができる。本開示のコンディショニングレジメンは、100mg/kg~110mg/kg、100mg/kg~120mg/kg、100mg/kg~130mg/kg、100mg/kg~140mg/kg、110mg/kg~120mg/kg、110mg/kg~130mg/kg、110mg/kg~140mg/kg、120mg/kg~130mg/kg、120mg/kg~140mg/kgまたは130mg/kg~140mg/kgのシクロホスファミドを投与するステップを含むことができる。本開示のコンディショニングレジメンは、約100mg/kg、110mg/kg、120mg/kg、130mg/kgまたは140mg/kgのシクロホスファミドを投与するステップを含むことができる。本開示のコンディショニングレジメンは、少なくとも100mg/kg、110mg/kg、120mg/kgまたは130mg/kgのシクロホスファミドを投与するステップを含むことができる。本開示のコンディショニングレジメンは、最大110mg/kg、120mg/kg、130mg/kgまたは140mg/kgのシクロホスファミドを投与するステップを含むことができる。
【0419】
本明細書に記載されている1種または複数の細胞成分を受けている対象は、細胞移植に先立ち、1回または複数回用量のシクロホスファミドを投与され得る。本明細書に記載されている1種または複数の細胞成分を受けている対象は、細胞移植に先立ち、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10用量のシクロホスファミドを投与され得る。一部の事例では、各用量のシクロホスファミドは、同じ濃度を有する。一部の事例では、1回または複数回用量のシクロホスファミドは、異なる濃度を有する。
【0420】
本開示のコンディショニングレジメンは、40mg/kg~80mg/kgのエトポシドを投与するステップを含むことができる。本開示のコンディショニングレジメンは、少なくとも40mg/kgのエトポシドを投与するステップを含むことができる。本開示のコンディショニングレジメンは、最大80mg/kgのエトポシドを投与するステップを含むことができる。本開示のコンディショニングレジメンは、40mg/kg~50mg/kg、40mg/kg~60mg/kg、40mg/kg~70mg/kg、40mg/kg~80mg/kg、50mg/kg~60mg/kg、50mg/kg~70mg/kg、50mg/kg~80mg/kg、60mg/kg~70mg/kg、60mg/kg~80mg/kgまたは70mg/kg~80mg/kgのエトポシドを投与するステップを含むことができる。本開示のコンディショニングレジメンは、約40mg/kg、50mg/kg、60mg/kg、70mg/kgまたは80mg/kgのエトポシドを投与するステップを含むことができる。本開示のコンディショニングレジメンは、少なくとも40mg/kg、50mg/kg、60mg/kgまたは70mg/kgのエトポシドを投与するステップを含むことができる。本開示のコンディショニングレジメンは、最大50mg/kg、60mg/kg、70mg/kgまたは80mg/kgのエトポシドを投与するステップを含むことができる。
【0421】
本明細書に記載されている1種または複数の細胞成分を受けている対象は、細胞移植前に、1回または複数回用量のエトポシドを投与され得る。本明細書に記載されている1種または複数の細胞成分を受けている対象は、細胞移植前に、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10用量のエトポシドを投与され得る。一部の事例では、各用量のエトポシドは、同じ濃度を有する。一部の事例では、1回または複数回用量のエトポシドは、異なる濃度を有する。
【0422】
TTPを含む本開示のコンディショニングレジメンは、1回または複数回用量の過分割TBI(HFTBI)等の全身照射(TBI)を含むことができる。1回または複数回用量のHFTBIは、1回または複数回用量のTTP等の別のコンディショニング試薬の投与の前に対象に投与することができる。1回または複数回用量のHFTBIは、1回または複数回用量のTTP等の別のコンディショニング試薬の投与の後に対象に投与することができる。1回または複数回用量のHFTBIは、1回または複数回用量のTTP等の別のコンディショニング試薬の投与と共に対象に投与することができる。
【0423】
本開示のコンディショニングレジメンは、800cGy~1,500cGyのHFTBIを対象に投与するステップを含むことができる。本開示のコンディショニングレジメンは、少なくとも800cGyのHFTBIを対象に投与するステップを含むことができる。本開示のコンディショニングレジメンは、最大1,500cGyのHFTBIを対象に投与するステップを含むことができる。本開示のコンディショニングレジメンは、800cGy~900cGy、800cGy~1,000cGy、800cGy~1,100cGy、800cGy~1,200cGy、800cGy~1,300cGy、800cGy~1,375cGy、800cGy~1,400cGy、800cGy~1,500cGy、900cGy~1,000cGy、900cGy~1,100cGy、900cGy~1,200cGy、900cGy~1,300cGy、900cGy~1,375cGy、900cGy~1,400cGy、900cGy~1,500cGy、1,000cGy~1,100cGy、1,000cGy~1,200cGy、1,000cGy~1,300cGy、1,000cGy~1,375cGy、1,000cGy~1,400cGy、1,000cGy~1,500cGy、1,100cGy~1,200cGy、1,100cGy~1,300cGy、1,100cGy~1,375cGy、1,100cGy~1,400cGy、1,100cGy~1,500cGy、1,200cGy~1,300cGy、1,200cGy~1,375cGy、1,200cGy~1,400cGy、1,200cGy~1,500cGy、1,300cGy~1,375cGy、1,300cGy~1,400cGy、1,300cGy~1,500cGy、1,375cGy~1,400cGy、1,375cGy~1,500cGyまたは1,400cGy~1,500cGyのHFTBIを対象に投与するステップを含むことができる。本開示のコンディショニングレジメンは、約800cGy、900cGy、1,000cGy、1,100cGy、1,200cGy、1,300cGy、1,375cGy、1,400cGyまたは1,500cGyのHFTBIを対象に投与するステップを含むことができる。本開示のコンディショニングレジメンは、少なくとも800cGy、900cGy、1,000cGy、1,100cGy、1,200cGy、1,300cGy、1,375cGyまたは1,400cGyのHFTBIを対象に投与するステップを含むことができる。本開示のコンディショニングレジメンは、最大900cGy、1,000cGy、1,100cGy、1,200cGy、1,300cGy、1,375cGy、1,400cGyまたは1,500cGyのHFTBIを対象に投与するステップを含むことができる。
【0424】
本明細書に記載されている1種または複数の細胞成分を受けている対象は、細胞移植前に、1回または複数回用量のHFTBIを投与され得る。本明細書に記載されている1種または複数の細胞成分を受けている対象は、細胞移植前に、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10用量のHFTBIを投与され得る。一部の事例では、各用量のHFTBIは、同じ濃度を有する。一部の事例では、1回または複数回用量のHFTBIは、異なる濃度を有する。対象は、単一用量において75~150cGyのHFTBIを投与され得る。対象は、単一用量において少なくとも75cGyのHFTBIを投与され得る。対象は、単一用量において少なくとも100cGyのHFTBIを投与され得る。対象は、単一用量において少なくとも125cGyのHFTBIを投与され得る。
【0425】
例示的なコンディショニングレジメン1:一部の実施形態では、対象は、チオテパ、ブスルファンおよびフルダラビンを含むコンディショニングレジメンを投与される。一部の実施形態では、対象は、5mg/kg(実際の体重または理想体重)のチオテパを投与される。一部の実施形態では、対象は、2日間(例えば、2日連続)にわたり約5mg/kgのチオテパを投与される。一部の実施形態では、対象は、約3.2mg/kg(実際の体重または理想体重)のブスルファンを投与される。一部の実施形態では、対象は、3日間(例えば、3日連続)にわたり毎日、約3.2mg/kgのブスルファンを投与される。一部の実施形態では、対象は、約50mg/m(平方メートル - 体表面積)のフルダラビンを投与される。一部の実施形態では、対象は、3日間(例えば、3日連続)にわたり約50mg/mのフルダラビンを投与される。一部の実施形態では、対象は、5mg/kg(実際の体重または理想体重)のチオテパを投与され、約3.2mg/kg(実際の体重または理想体重)のブスルファンを投与され、約50mg/m2(平方メートル - 体表面積)のフルダラビンを投与される。一部の実施形態では、対象は、2日間(例えば、2日連続)にわたり約5mg/kgのチオテパを投与され、3日間(例えば、3日連続)にわたり毎日、約3.2mg/kgのブスルファンを投与され、3日間(例えば、3日連続)にわたり約50mg/mのフルダラビンを投与される。一部の実施形態では、対象は、-7および-6日目に約5mg/kgのチオテパを投与され、-5から-3日目に毎日、約3.2mg/kgのブスルファンを投与され、-5から-3日目に約50mg/mのフルダラビンを投与される。
【0426】
例示的なコンディショニングレジメン2:一部の実施形態では、対象は、チオテパ、フルダラビンおよびTBI(例えば、HFTBI)を含むコンディショニングレジメンを投与される。一部の実施形態では、対象は、5mg/kg(実際の体重または理想体重)のチオテパを投与される。一部の実施形態では、対象は、2日間(例えば、2日連続)にわたり約5mg/kgのチオテパを投与される。一部の実施形態では、対象は、約25mg/m(平方メートル - 体表面積)のフルダラビンを投与される。一部の実施形態では、対象は、3日間(例えば、3日連続)にわたり約25mg/mのフルダラビンを投与される。一部の実施形態では、対象は、125cGy(センチグレイ)のHFTBIを投与される。一部の実施形態では、対象は、125cGyの11分割(fraction)においてHFTBIを投与される。一部の実施形態では、対象は、4日間かけて125cGyの11分割(fraction)においてHFTBIを投与される。一部の実施形態では、対象は、5mg/kg(実際の体重または理想体重)のチオテパを投与され、約25mg/m(平方メートル - 体表面積)のフルダラビンを投与され、125cGyのHFTBIを投与される。一部の実施形態では、対象は、2日間(例えば、2日連続)にわたり約5mg/kgのチオテパを投与され、3日間(例えば、3日連続)にわたり約50mg/mのフルダラビンを投与され、125cGyの11分割(fraction)においてHFTBIを投与される。一部の実施形態では、対象は、-7および-6日目に約5mg/kgのチオテパを投与され、-5から-3日目に約50mg/mのフルダラビンを投与され、4日間かけて125cGyの11分割(fraction)においてHFTBIを投与される。
【0427】
対象は、コンディショニングレジメンを完了してから1日後に、本明細書に記載されている1つまたは複数の細胞集団を受けることができる。対象は、コンディショニングレジメンを完了してから2、3、4、5、6、7、8、9、10日後に、本明細書に記載されている1種または複数の細胞成分を受けることができる。対象は、TTP等のコンディショニング試薬の最終用量を受けてから1日後に、本明細書に記載されている1種または複数の細胞成分を受けることができる。対象は、TTP等のコンディショニング試薬の最終用量を受けてから2、3、4、5、6、7、8、9または10日後に、本明細書に記載されている1種または複数の細胞成分を受けることができる。対象は、TTP等のコンディショニング試薬の第1の用量を受けてから1日後に、本明細書に記載されている1種または複数の細胞成分を受けることができる。対象は、TTP等のコンディショニング試薬の第1の用量を受けてから2、3、4、5、6、7、8、9または10日後に、本明細書に記載されている1種または複数の細胞成分を受けることができる。
IV.移植片対宿主病(GVHD)
【0428】
移植片対宿主病(GVHD)は、造血幹細胞移植(HCT)レシピエントにおける罹患率および死亡率の重大な原因である。本明細書における態様および実施形態は、HCTレシピエントにおけるGVHDの発生率を低減させる、GVHDの重症度を低減させる、GVHDの相対的リスクを低減させる、GVHDを予防する、またはこれらの組合せである、組成物および方法を提供する。
【0429】
移植片対宿主病(GVHD)は、同種異系間移植設定において生じ得る炎症性疾患である。GVHDは、レシピエント細胞(宿主)を攻撃するドナー細胞(移植片)が関与する。GVHDは、生命を脅かす場合があり、例えば、皮膚、腸管および/または肝臓が関与し得る。罹患率および死亡率を伴うGVHDは、HCTの成功を制限する主要な因子となり得る。HLA適合した兄弟姉妹ドナーの使用、および様々なGVHD予防/免疫抑制剤の使用、例えば、タクロリムス、シロリムス、シクロスポリン、メトトレキセート、ミコフェノール酸塩、抗胸腺細胞グロブリンおよびコルチコステロイドのうち2種またはそれよりも多くの使用にもかかわらず、GVHDは生じ得る。
A.GVHD分類およびグレード分け
【0430】
GVHDは、急性GVHD(aGVHD)および慢性GVHD(cGVHD)へと分類することができる。一部の実施形態では、移植後の最初の100日以内に生じるGVHDは、aGVHDと称することができ、最初の100日間より後のGVHDは、慢性GVHD(cGVHD)と称することができる。cGVHDは、後期処置関連合併症の主要供給源であり、生命を脅かし得る。炎症に加えて、cGVHDは、機能性能力障害をもたらし得る線維症の発症を導き得る。
【0431】
さらに別の態様は、多成分医薬処置に関連する有害事象のリスクおよび/または重症度が、ヒト対象がTconを受けるがTregを受けない同様の医薬処置と比較して低減される、いずれかの本明細書に開示されている多成分医薬処置を提供する、または方法に関連する有害事象のリスクおよび/または重症度が、ヒト対象がTconを受けるがTregを受けない同様の方法と比較して低減される、いずれかの本明細書に開示されている方法を提供する。
【0432】
様々な実施形態では、有害事象は、急性GVHD(aGVHD)である。
【0433】
一部の実施形態では、有害事象は、ステージ2またはそれを超えるaGVHDである。
【0434】
実施形態では、有害事象は、慢性GVHD(cGVHD)である。
【0435】
様々な実施形態では、ヒト対象は、細胞集団を投与されてから約1年後に、cGVHDを有しない。
【0436】
一部の実施形態では、有害事象は、中等度~重度cGVHDである。
【0437】
実施形態では、有害事象は、急性移植片対宿主病(aGVHD)、例えば、ステージ2またはそれを超えるaGVHDである。一部の事例では、患者は、細胞集団を投与されてから約180日後に、ステージ2またはそれよりも高いaGVHDを有しない。
【0438】
様々な実施形態では、有害事象は、慢性移植片対宿主病(cGVHD)である。一部の事例では、患者は、細胞集団を投与されてから約1年後に、cGVHDを有しない。
【0439】
一部の実施形態では、有害事象は、中等度~重度cGVHDである。一部の事例では、患者は、細胞集団を投与されてから約1年後に、中等度~重度cGVHDを有しない。
【0440】
実施形態では、患者は、Tconの投与の約30日以内にGVHDを発症しない、Tconの投与の約100日以内にGVHDを発症しない、Tconの投与の約180日以内にGVHDを発症しない、および/またはTconの投与の約1年以内にGVHDを発症しない。
【0441】
様々な実施形態では、ヒト対象は、CD45+細胞の前記第2の集団の前記投与の約100日以内にステージ2より高いGVHDを発症せず、前記ヒト対象は、CD45+細胞の前記第2の集団の前記投与の約180日以内または約200日以内にステージ2より高いGVHDを発症せず、前記ヒト対象は、CD45+細胞の前記第2の集団の前記投与の約1年以内にステージ2より高いGVHDを発症しない。
【0442】
aGVHDおよびcGVHDは、先ず、皮膚、肝臓および腸についてGVHDステージを評価し、次いで、臓器ステージ分け由来のスコアリングを組み合わせて、全体的なGVHDグレードを決定するシステムを使用してグレード分けすることができる。個々の臓器のために使用することができるGVHDステージ分け判断基準の例を表1に提供する:
【表1】
【0443】
表2は、全体的なGVHDグレードを査定するための1セットの判断基準を提供する。
【表2】
【0444】
aGVHDグレードは、Harris et al., "International, multicenter standardization of acute graft-versus-host disease clinical data collection: a report from the Mount Sinai Acute GVHD International Consortium." Biology of Blood and Marrow Transplantation 22.1 (2016): 4-10によって記載されるMAGIC標準化判断基準において定義される通り、最も重度の標的臓器病的変化に基づき決定することもできる。例えば、aGVHD臓器ステージ分けは、表3に従って評価することができ、全体的なaGVHDグレードは、次の通りに査定することができる:
【0445】
グレード0:いずれの臓器もステージ1~4なし。
【0446】
グレードI:肝臓、上部GIまたは下部GI病的変化を伴わない、ステージ1~2皮膚。
【0447】
グレードII:ステージ3皮疹および/またはステージ1肝臓および/またはステージ1上部GIおよび/またはステージ1下部GI。
【0448】
グレードIII:ステージ0~3皮膚および/またはステージ0~1上部GIを伴う、ステージ2~3肝臓および/またはステージ2~3下部GI。グレードIV:ステージ0~1上部GIを伴う、ステージ4皮膚、肝臓または下部GI病的変化。
【表3】
【0449】
一部の実施形態では、GVHDステージおよびGVHDグレードは、同義語である。
【0450】
cGVHDは、Jagasia et al., "National Institutes of Health consensus development project on criteria for clinical trials in chronic graft-versus-host disease: I. The 2014 diagnosis and staging working group report." Biology of Blood and Marrow Transplantation 21.3 (2015): 389-401によって記載される方法によって査定することもできる。cGVHDの診断を確立するために、これらの判断基準は、例えば、同じまたは別の臓器における慢性GVHDを示す、慢性GVHDの少なくとも1種の診断的顕在化または少なくとも1種の弁別的顕在化、プラス関連する生検、実験室または他の検査(例えば、PFT、シルマー検査)、専門家(眼科医、婦人科医)による評価、またはX線検査イメージングを要求する場合がある。
【0451】
臓器系は、Jagasia et al.に記載されている通りにスコアリングすることができ、1種または2種の臓器がスコア1以下で関与し、それにプラスして、肺スコアがゼロである場合、軽度cGVHDが存在し得;3種もしくはそれよりも多い臓器がスコア1以下で関与する場合、または少なくとも1種の非肺臓器が2のスコアを有する場合、または肺が1のスコアを有する場合、中等度cGVHDが存在し得;少なくとも1種の臓器が4のスコアを有する場合、または肺が2もしくは3のスコアを有する場合、重度cGVHDが存在し得る。
【0452】
表4は、cGVHDの診断的および弁別的顕在化を提供する。感染症、薬物効果、悪性病変または他の原因は、弁別的顕在化のために除外される。別の臓器において弁別的兆候または症状が存在する場合に限り、閉塞性細気管支炎症候群は、肺慢性GVHDのために診断的であり得る。筋炎または多発性筋炎に基づく慢性GVHDの診断は、生検を要求する場合がある。
【表4】
【0453】
一部の実施形態では、GVHD重症度は、グラックスバーグ(Glucksberg)グレード(I~IV)または国際骨髄移植レジストリー(International Bone Marrow Transplant Registry)(IBMTR)グレード分けシステム(A~D)を使用してグレード分けすることができる。急性GVHDの重症度は、皮膚、肝臓および胃腸管の病的変化の程度の査定によって決定することができる。個々の臓器病的変化のステージを、患者のパフォーマンス状況あり(グラックスバーグ)またはなし(IBMTR)で組み合わせて、全体的なグレードを得る。
B.GVHD予防法および処置
【0454】
免疫抑制剤を使用して、GVHDの見込みを低減させることができる(GVHD予防剤)、またはひとたび生じた後にGVHDを処置することができる(GVHD治療剤)。しかし、一部の事例では、GVHD予防剤、GVHD治療剤、またはその両方の使用は、GVHDを効果的に予防または処置するには不十分となる場合がある。例えば、タクロリムス、シロリムス、シクロスポリン、メトトレキセート、ミコフェノール酸塩、抗胸腺細胞グロブリン、コルチコステロイドまたはこれらの組合せ(例えば、薬剤のうち2つまたはそれよりも多く)の使用にもかかわらず、移植片レシピエントにおけるGVHDの発生率は高くなる場合がある。
【0455】
複数のGVHD予防および/もしくは治療剤、高用量のGVHD予防および/もしくは治療剤、またはその両方を投与するステップは、多くのアロHCT設定においてGVHDを効果的に処置することができない場合がある、または感染症に対する易罹患性増加および移植片対腫瘍治療効果減少をもたらす場合がある。
【0456】
使用することができるGVHD予防および/またはGVHD治療剤の非限定的な例は、カルシニューリン阻害剤(例えば、タクロリムス、シクロスポリンA)、シロリムス、モノクローナル抗体、メトトレキセート、ミコフェノール酸塩、抗胸腺細胞グロブリン、コルチコステロイド、アザチオプリンおよびミコフェノール酸モフェチルを含む。免疫抑制剤として有用なモノクローナル抗体は、例えば、アンタゴニスト抗体(例えば、バシリキシマブおよびダクリズマブ等のIL-2Rをアンタゴナイズする抗体)、および抗体依存性細胞性細胞傷害によって免疫細胞集団を枯渇させる抗体(例えば、ムロモナブ-CD3等のT細胞枯渇のための抗CD3抗体)を含む。
【0457】
本明細書に記載されている組成物および方法は、1つまたは複数のGVHD予防剤をHCTレシピエントに投与するステップを含むことができる。GVHDの発生率が査定される前にGVHD予防剤がHCTレシピエントに投与されるように、そのような事例におけるGVHD予防法は、GVHD処置とは異なると考慮されるべきである。一部の事例では、HCTレシピエントは、GVHD治療剤ではなく、1つまたは複数のGVHD予防剤を投与することができる。一部の事例では、HCTレシピエントは、GVHDのための処置を要求しない、および/またはGVHDのための処置を受けない。
【0458】
本明細書に開示されている組成物および方法は、HCTレシピエントにおいてGVHDの発生率を低減させること、GVHDの重症度を低減させること、GVHDの相対的リスクを低減させること、GVHDを予防すること、またはこれらの組合せを行うことができる。一部の実施形態では、そのような利益は、本明細書に開示されているGVHD予防剤を投与しない場合であっても達成される。一部の実施形態では、そのような利益は、本明細書に開示されている通り、低減した数のGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)、低用量のGVHD予防剤(複数可)またはこれらの組合せを投与した場合であっても達成される。一部の実施形態では、1つのGVHD予防剤が、対象に投与される。一部の実施形態では、1つ以下のGVHD予防剤が、対象に投与される。一部の実施形態では、2つのGVHD予防剤が、対象に投与される。一部の実施形態では、2つ以下のGVHD予防剤が、対象に投与される。
【0459】
一部の実施形態では、1つまたは複数のGVHD予防剤は、1つまたは複数の細胞集団の移植後に、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、2週間、3週間、4週間、2カ月間、3カ月間、4カ月間、5カ月間、6カ月間、7カ月間、8カ月間、9カ月間、10カ月間、11カ月間、12カ月間、18カ月間、24カ月間、36カ月間の持続時間にわたり、HCTレシピエントに投与することができる。1つまたは複数のGVHD予防剤は、1つまたは複数の細胞集団の移植日から開始して、HCTレシピエントに投与することができる。例えば、GVHD予防レジメンは、HSPC細胞集団および/またはTreg細胞集団がレシピエントに投与される日に始めることができる。あるいは、GVHD予防レジメンは、Tcon細胞集団が患者に投与される日に始めることができる。
【0460】
一部の実施形態では、タクロリムスは、対象に投与されない。一部の実施形態では、シロリムスは、対象に投与されない。一部の実施形態では、シクロスポリンは、対象に投与されない。一部の実施形態では、メトトレキセートは、対象に投与されない。一部の実施形態では、ミコフェノール酸塩は、対象に投与されない。一部の実施形態では、抗胸腺細胞グロブリンは、対象に投与されない。一部の実施形態では、コルチコステロイドは、対象に投与されない。
【0461】
一部の実施形態では、GVHD予防剤は、タクロリムスである。
【0462】
実施形態では、タクロリムス移植片対宿主病(GVHD)予防剤(GVHDPA)は、静脈内投与または経口投与される。様々な実施形態では、タクロリムス移植片対宿主病(GVHD)予防剤(GVHDPA)の投与は、T-conの投与の約12~約24時間後に開始される。一部の事例では、タクロリムスGHVDPAは、最大で約90日間の期間にわたり投与され、最大で約60日間の期間にわたり投与される。一部の実施形態では、タクロリムスGHVDPAは初期に、約0.03mg/kg(患者の実際または理想体重)/日で患者に投与される。一部の事例では、患者に投与されるタクロリムスGVHDPAの用量は、第1の用量が患者に投与されてから約90日後から開始して漸減される、または第1の用量が患者に投与されてから約45日後から開始して漸減される。
【0463】
本明細書における態様および実施形態は、血液学的悪性病変のための処置レジメンの一部としてヒト患者に細胞集団を移植する方法を提供する。方法は、患者に、造血幹前駆細胞(HSPC)の集団、HSPCおよびHSPCを懸濁している液体を含むHSPCの集団を投与するステップと;患者に、患者に投与される調節性T細胞(Treg)の集団、TregおよびTregを懸濁している液体を含むTregの集団を投与するステップと;患者に、患者に投与される異種細胞集団、リンパ球、顆粒細胞、単球および前記細胞を懸濁している液体を含む異種細胞集団を投与するステップであって、前記リンパ球の少なくとも約30%が通常型T細胞(Tcon)を含む、ステップと;患者に、最大約180日の期間にわたり、タクロリムスを含む単一の移植片対宿主病(GVHD)予防剤(GVHDPA)(タクロリムスGHVDPA)を投与するステップであって、タクロリムスGHVDPAが、期間中、閾値レベルを超える患者の血中タクロリムス濃度を維持するために投与される、ステップとを含み、血液悪性腫瘍に対する処置レジメンに関連するGHVDのリスクおよび/または重症度が有意に低減される。
【0464】
aGVHDが生じる事例において、GVHD治療剤(例えば、コルチコステロイド)に対するaGVHDの応答性は、表5の判断基準によって査定することができる。
【表5】
【0465】
一部の実施形態では、本開示の組成物(複数可)を受ける対象においてaGVHDが生じる事例において、事例の少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%または少なくとも約95%が、GVHD治療剤に対する完全奏功を示す。
【0466】
一部の実施形態では、本開示の組成物(複数可)を受ける対象においてaGVHDが生じる事例において、事例の少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%または少なくとも約95%が、GVHD治療剤に対する部分奏功を示す。
【0467】
一部の実施形態では、本開示の組成物(複数可)を受ける対象においてaGVHDが生じる事例において、事例の少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%または少なくとも約95%が、GVHD治療剤に対する最良部分奏功を示す。
【0468】
cGVHDが生じる事例において、GVHD治療剤(例えば、コルチコステロイド)に対するcGVHDの応答性は、表6の判断基準によって査定することができる。使用されている略語:ALT、アラニントランスアミナーゼ;FEV1、一秒量;OMRS、口腔粘膜評定尺度(Oral Mucosa Rating Scale);PFT、肺機能検査;P-ROM、写真可動域(photographic range of motion);ULN、正常上限。
【表6】
【0469】
一部の実施形態では、本開示の組成物を受ける対象においてcGVHDが生じる事例において、事例の少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%または少なくとも約95%が、GVHD治療剤に対する完全奏功を示す。
【0470】
一部の実施形態では、本開示の組成物を受ける対象においてcGVHDが生じる事例において、事例の少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%または少なくとも約95%が、GVHD治療剤に対する部分奏功を示す。
C.急性GVHD発生率
【0471】
本開示の組成物(例えば、本明細書に記載されている細胞集団)を投与された対象は、≧グレード1 aGVHDの低い発生率、例えば、代替組成物を投与された対象よりも低い、≧グレード1 aGVHDの発生率を示す。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約10%未満、約15%未満、約20%未満、約25%未満、約30%未満、約35%未満、約40%未満、約50%未満、約55%未満、約60%未満、約65%未満、約70%未満、約75%未満、約80%未満または約85%未満が、例えば、移植30日後、移植100日後、または本明細書に開示されている別の適した移植後時間量以内に、≧グレード1 aGVHDを発症する。
【0472】
本明細書で使用される場合、代替組成物は、本明細書に開示されているおよび/または特許請求の範囲に列挙されている、1つまたは複数の細胞集団および/または予防剤を欠如する。例として、代替組成物は、少なくともHSPCを含むCD45+細胞の第1の集団、Tregについて濃縮された細胞集団、少なくともTconを含むCD45+細胞の第2の集団、および予防剤のうち1つまたは複数を欠如する。
【0473】
本開示の組成物(例えば、本明細書に記載されている細胞集団)を投与された対象は、グレード2以上のaGVHDの低発生率、例えば、代替組成物を投与された対象よりも低いグレード2以上のaGVHDの発生率を呈する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約1%未満、約2%未満、約3%未満、約4%未満、約5%未満、約6%未満、約7%未満、約8%未満、約9%未満、約10%未満、約11%未満、約12%未満、約13%未満、約14%未満、約15%未満、約16%未満、約17%未満、約18%未満、約19%未満、約20%未満、約21%未満、約22%未満、約23%未満、約24%未満、約25%未満、約26%未満、約27%未満、約28%未満、約29%未満、約30%未満、約31%未満、約32%未満、約33%未満、約34%未満、約35%未満、約36%未満、約37%未満、約38%未満、約39%未満、約40%未満、約41%未満、約42%未満、約43%未満、約44%未満、約45%未満、約46%未満、約47%未満、約48%未満、約49%未満、または約50%未満は、例えば、移植後30日以内、移植後100日以内、または本明細書に開示されている移植後の別の好適な時間内に、グレード2以上のaGVHDを発症する。
【0474】
一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約20%未満は、グレード2以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約15%未満は、グレード2以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約10%未満は、グレード2以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約8%未満は、グレード2以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約7%未満は、グレード2以上のaGVHDを発症する。
【0475】
本開示の組成物(例えば、本明細書に記載されている細胞集団)を投与された対象は、グレード3以上のaGVHDの低発生率、例えば、代替組成物を投与された対象よりも低いグレード3以上のaGVHDの発生率を呈する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約1%未満、約2%未満、約3%未満、約4%未満、約5%未満、約6%未満、約7%未満、約8%未満、約9%未満、約10%未満、約11%未満、約12%未満、約13%未満、約14%未満、約15%未満、約16%未満、約17%未満、約18%未満、約19%未満、約20%未満、約21%未満、約22%未満、約23%未満、約24%未満、約25%未満、約26%未満、約27%未満、約28%未満、約29%未満、約30%未満、約31%未満、約32%未満、約33%未満、約34%未満、約35%未満、約36%未満、約37%未満、約38%未満、約39%未満、約40%未満、約41%未満、約42%未満、約43%未満、約44%未満、約45%未満、約46%未満、約47%未満、約48%未満、約49%未満、または約50%未満は、例えば、移植後30日以内、移植後100日以内、または本明細書に開示されている移植後の別の好適な時間内に、グレード3以上のaGVHDを発症する。
【0476】
一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約20%未満は、グレード3以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約15%未満は、グレード3以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約10%未満は、グレード3以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約5%未満は、グレード3以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約3%未満は、グレード3以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約2%未満は、グレード3以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約1%未満は、グレード3以上のaGVHDを発症する。
【0477】
本開示の組成物(例えば、本明細書に記載されている細胞集団)を投与された対象は、グレード4以上のaGVHDの低発生率、例えば、代替組成物を投与された対象よりも低いグレード4以上のaGVHDの発生率を呈する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約1%未満、約2%未満、約3%未満、約4%未満、約5%未満、約6%未満、約7%未満、約8%未満、約9%未満、約10%未満、約11%未満、約12%未満、約13%未満、約14%未満、約15%未満、約16%未満、約17%未満、約18%未満、約19%未満、約20%未満、約21%未満、約22%未満、約23%未満、約24%未満、約25%未満、約26%未満、約27%未満、約28%未満、約29%未満、または約30%未満は、例えば、移植後30日以内、移植後100日以内、または本明細書に開示されている移植後の別の好適な時間内に、グレード4以上のaGVHDを発症する。
【0478】
一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約10%未満は、グレード4以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約5%未満は、グレード4以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約3%未満は、グレード4以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約2%未満は、グレード4以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約1%未満は、グレード4以上のaGVHDを発症する。
【0479】
aGVHDの発生率は、移植後の好適な時間の経過後、例えば、移植の約20日後、約21日後、約25日後、約28日後、約30日後、約35日後、約40日後、約42日後、約45日後、約49日後、約50日後、約55日後、約56日後、約60日後、約63日後、約65日後、約70日後、約75日後、約77日後、約80日後、約84日後、約85日後、約90日後、約91日後、約95日後、約98日後、約100日後、約105日後、約110日後、約112日後、約115日後、約119日後、約120日後に評価することができる。
【0480】
aGVHDの発生率は、少なくとも10名、少なくとも11名、少なくとも12名、少なくとも13名、少なくとも14名、少なくとも15名、少なくとも16名、少なくとも17名、少なくとも18名、少なくとも19名、少なくとも20名、少なくとも21名、少なくとも22名、少なくとも23名、少なくとも24名、少なくとも25名、少なくとも25名、少なくとも30名、少なくとも35名、少なくとも40名、少なくとも45名、少なくとも50名、少なくとも60名、少なくとも70名、少なくとも80名、少なくとも90名、少なくとも100名、少なくとも120名、少なくとも140名、少なくとも160名、少なくとも180名、少なくとも200名、少なくとも250名、少なくとも300名、少なくとも350名、少なくとも400名、少なくとも450名、または少なくとも500名の対象の集団に基づいて計算することができる。
1.GVHD予防なし
【0481】
GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物(例えば、本明細書に記載されている細胞集団)を投与された対象は、グレード1以上のaGVHDの低発生率、例えば、代替組成物を投与された対象よりも低いグレード1以上のaGVHDの発生率を呈する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約10%未満、約15%未満、約20%未満、約25%未満、約30%未満、約35%未満、約40%未満、約50%未満、約55%未満、約60%未満、約65%未満、約70%未満、約75%未満、約80%未満、または約85%未満は、例えば、移植後30日以内、移植後100日以内、または本明細書に開示されている移植後の別の好適な時間内に、グレード1以上のaGVHDを発症する。
【0482】
GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物(例えば、本明細書に記載されている細胞集団)を投与された対象は、グレード2以上のaGVHDの低発生率、例えば、代替組成物を投与された対象よりも低いグレード2以上のaGVHDの発生率を呈する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約1%未満、約2%未満、約3%未満、約4%未満、約5%未満、約6%未満、約7%未満、約8%未満、約9%未満、約10%未満、約11%未満、約12%未満、約13%未満、約14%未満、約15%未満、約16%未満、約17%未満、約18%未満、約19%未満、約20%未満、約21%未満、約22%未満、約23%未満、約24%未満、約25%未満、約26%未満、約27%未満、約28%未満、約29%未満、約30%未満、約31%未満、約32%未満、約33%未満、約34%未満、約35%未満、約36%未満、約37%未満、約38%未満、約39%未満、約40%未満、約41%未満、約42%未満、約43%未満、約44%未満、約45%未満、約46%未満、約47%未満、約48%未満、約49%未満、または約50%未満は、例えば、移植後30日以内、移植後100日以内、または本明細書に開示されている移植後の別の好適な時間内に、グレード2以上のaGVHDを発症する。
【0483】
一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約50%未満は、グレード2以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約40%未満は、グレード2以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約30%未満は、グレード2以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約25%未満は、グレード2以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約20%未満は、グレード2以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約10%未満は、グレード2以上のaGVHDを発症する。
【0484】
GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物(例えば、本明細書に記載されている細胞集団)を投与された対象は、グレード3以上のaGVHDの低発生率、例えば、代替組成物を投与された対象よりも低いグレード3以上のaGVHDの発生率を呈する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約1%未満、約2%未満、約3%未満、約4%未満、約5%未満、約6%未満、約7%未満、約8%未満、約9%未満、約10%未満、約11%未満、約12%未満、約13%未満、約14%未満、約15%未満、約16%未満、約17%未満、約18%未満、約19%未満、約20%未満、約21%未満、約22%未満、約23%未満、約24%未満、約25%未満、約26%未満、約27%未満、約28%未満、約29%未満、約30%未満、約31%未満、約32%未満、約33%未満、約34%未満、約35%未満、約36%未満、約37%未満、約38%未満、約39%未満、約40%未満、約41%未満、約42%未満、約43%未満、約44%未満、約45%未満、約46%未満、約47%未満、約48%未満、約49%未満、または約50%未満は、例えば、移植後30日以内、移植後100日以内、または本明細書に開示されている移植後の別の好適な時間内に、グレード3以上のaGVHDを発症する。
【0485】
一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約40%未満は、グレード3以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約30%未満は、グレード3以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約20%未満は、グレード3以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約10%未満は、グレード3以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約5%未満は、グレード3以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約3%未満は、グレード3以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約2%未満は、グレード3以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約1%未満は、グレード3以上のaGVHDを発症する。
【0486】
GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物(例えば、本明細書に記載されている細胞集団)を投与された対象は、グレード4以上のaGVHDの低発生率、例えば、代替組成物を投与された対象よりも低いグレード4以上のaGVHDの発生率を呈する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約1%未満、約2%未満、約3%未満、約4%未満、約5%未満、約6%未満、約7%未満、約8%未満、約9%未満、約10%未満、約11%未満、約12%未満、約13%未満、約14%未満、約15%未満、約16%未満、約17%未満、約18%未満、約19%未満、約20%未満、約21%未満、約22%未満、約23%未満、約24%未満、約25%未満、約26%未満、約27%未満、約28%未満、約29%未満または約30%未満は、例えば、移植後30日以内、移植後100日以内、または本明細書に開示されている移植後の別の好適な時間内に、グレード4以上のaGVHDを発症する。
【0487】
一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約20%未満は、グレード4以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約15%未満は、グレード4以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約10%未満は、グレード4以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約5%未満は、グレード4以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約3%未満は、グレード4以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約2%未満は、グレード4以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約1%未満は、グレード4以上のaGVHDを発症する。
【0488】
GVHD予防剤の非存在とは、GVHD予防剤が移植後の最初の20日間、21日間、25日間、28日間、30日間、35日間、40日間、42日間、45日間、49日間、50日間、55日間、56日間、60日間、63日間、65日間、70日間、75日間、77日間、80日間、84日間、85日間、90日間、91日間、95日間、98日間、100日間、105日間、110日間、112日間、115日間、119日間、または120日間に対象に投与されていない事例を指し得る。
2.単剤のGVHD予防
【0489】
本開示の組成物(例えば、本明細書に記載されている細胞集団)および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象は、グレード1以上のaGVHDの低発生率、例えば、代替組成物を投与された対象よりも低いグレード1以上のaGVHDの発生率を呈する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約10%未満、約15%未満、約20%未満、約25%未満、約30%未満、約35%未満、約40%未満、約50%未満、約55%未満、約60%未満、約65%未満、約70%未満、約75%未満、約80%未満、または約85%未満は、例えば、移植後30日以内、移植後100日以内、または本明細書に開示されている移植後の別の好適な時間内に、グレード1以上のaGVHDを発症する。
【0490】
本開示の組成物(例えば、本明細書に記載されている細胞集団)および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象は、グレード2以上のaGVHDの低発生率、例えば、代替組成物を投与された対象よりも低いグレード2以上のaGVHDの発生率を呈する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約1%未満、約2%未満、約3%未満、約4%未満、約5%未満、約6%未満、約7%未満、約8%未満、約9%未満、約10%未満、約11%未満、約12%未満、約13%未満、約14%未満、約15%未満、約16%未満、約17%未満、約18%未満、約19%未満、約20%未満、約21%未満、約22%未満、約23%未満、約24%未満、約25%未満、約26%未満、約27%未満、約28%未満、約29%未満、約30%未満、約31%未満、約32%未満、約33%未満、約34%未満、約35%未満、約36%未満、約37%未満、約38%未満、約39%未満、約40%未満、約41%未満、約42%未満、約43%未満、約44%未満、約45%未満、約46%未満、約47%未満、約48%未満、約49%未満、または約50%未満は、例えば、移植後30日以内、移植後100日以内、または本明細書に開示されている移植後の別の好適な時間内に、グレード2以上のaGVHDを発症する。
【0491】
一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約20%未満は、グレード2以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約15%未満は、グレード2以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約10%未満は、グレード2以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約8%未満は、グレード2以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約7%未満は、グレード2以上のaGVHDを発症する。
【0492】
本開示の組成物(例えば、本明細書に記載されている細胞集団)および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象は、グレード3以上のaGVHDの低発生率、例えば、代替組成物を投与された対象よりも低いグレード3以上のaGVHDの発生率を呈する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約1%未満、約2%未満、約3%未満、約4%未満、約5%未満、約6%未満、約7%未満、約8%未満、約9%未満、約10%未満、約11%未満、約12%未満、約13%未満、約14%未満、約15%未満、約16%未満、約17%未満、約18%未満、約19%未満、約20%未満、約21%未満、約22%未満、約23%未満、約24%未満、約25%未満、約26%未満、約27%未満、約28%未満、約29%未満、約30%未満、約31%未満、約32%未満、約33%未満、約34%未満、約35%未満、約36%未満、約37%未満、約38%未満、約39%未満、約40%未満、約41%未満、約42%未満、約43%未満、約44%未満、約45%未満、約46%未満、約47%未満、約48%未満、約49%未満、または約50%未満は、例えば、移植後30日以内、移植後100日以内、または本明細書に開示されている移植後の別の好適な時間内に、グレード3以上のaGVHDを発症する。
【0493】
一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約20%未満は、グレード3以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約15%未満は、グレード3以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約10%未満は、グレード3以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約5%未満は、グレード3以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約3%未満は、グレード3以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約2%未満は、グレード3以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約1%未満は、グレード3以上のaGVHDを発症する。
【0494】
本開示の組成物(例えば、本明細書に記載されている細胞集団)および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象は、グレード4以上のaGVHDの低発生率、例えば、代替組成物を投与された対象よりも低いグレード4以上のaGVHDの発生率を呈する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約1%未満、約2%未満、約3%未満、約4%未満、約5%未満、約6%未満、約7%未満、約8%未満、約9%未満、約10%未満、約11%未満、約12%未満、約13%未満、約14%未満、約15%未満、約16%未満、約17%未満、約18%未満、約19%未満、約20%未満、約21%未満、約22%未満、約23%未満、約24%未満、約25%未満、約26%未満、約27%未満、約28%未満、約29%未満、または約30%未満は、例えば、移植後30日以内、移植後100日以内、または本明細書に開示されている移植後の別の好適な時間内に、グレード4以上のaGVHDを発症する。
【0495】
一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約10%未満は、グレード4以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約5%未満は、グレード4以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約3%未満は、グレード4以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約2%未満は、グレード4以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約1%未満は、グレード4以上のaGVHDを発症する。
【0496】
単一のGVHD予防剤は、タクロリムスであってもよい。
【0497】
単一のGVHD予防剤は、シロリムスであってもよい。
【0498】
1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)は、移植後の最初の20日間、30日間、40日間、50日間、60日間、70日間、80日間、90日間、100日間、110日間、120日間、150日間、200日間、365日間、13カ月間、14カ月間、15カ月間、16カ月間、17カ月間、18カ月間、19カ月間、20カ月間、21カ月間、22カ月間、23カ月間、2年間、2.5年間、3年間、3.5年間、4年間、4.5年間、または5年間に対象に投与することができる。一部の実施形態では、1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)は、移植後約20日未満、約30日未満、約40日未満、約50日未満、約60日未満、約70日未満、約80日未満、約90日未満、約100日未満、約110日未満、約120日未満、約150日未満、約200日未満、約365日未満、約13カ月未満、約14カ月未満、約15カ月未満、約16カ月未満、約17カ月未満、約18カ月未満、約19カ月未満、約20カ月未満、約21カ月未満、約22カ月未満、約23カ月未満、約2年未満、約2.5年未満、約3年未満、約3.5年未満、約4年未満、約4.5年未満、または約5年未満の間対象に投与される。
3.低用量のGVHD予防
【0499】
本開示の組成物(例えば、本明細書に記載されている細胞集団)および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象は、グレード1以上のaGVHDの低発生率、例えば、代替組成物を投与された対象よりも低いグレード1以上のaGVHDの発生率を呈する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約10%未満、約15%未満、約20%未満、約25%未満、約30%未満、約35%未満、約40%未満、約50%未満、約55%未満、約60%未満、約65%未満、約70%未満、約75%未満、約80%未満、または約85%未満は、例えば、移植後30日以内、移植後100日以内、または本明細書に開示されている移植後の別の好適な時間内に、グレード1以上のaGVHDを発症する。
【0500】
本開示の組成物(例えば、本明細書に記載されている細胞集団)および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象は、グレード2以上のaGVHDの低発生率、例えば、代替組成物を投与された対象よりも低いグレード2以上のaGVHDの発生率を呈する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約1%未満、約2%未満、約3%未満、約4%未満、約5%未満、約6%未満、約7%未満、約8%未満、約9%未満、約10%未満、約11%未満、約12%未満、約13%未満、約14%未満、約15%未満、約16%未満、約17%未満、約18%未満、約19%未満、約20%未満、約21%未満、約22%未満、約23%未満、約24%未満、約25%未満、約26%未満、約27%未満、約28%未満、約29%未満、約30%未満、約31%未満、約32%未満、約33%未満、約34%未満、約35%未満、約36%未満、約37%未満、約38%未満、約39%未満、約40%未満、約41%未満、約42%未満、約43%未満、約44%未満、約45%未満、約46%未満、約47%未満、約48%未満、約49%未満、または約50%未満は、例えば、移植後30日以内、移植後100日以内、または本明細書に開示されている移植後の別の好適な時間内に、グレード2以上のaGVHDを発症する。
【0501】
一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約20%未満は、グレード2以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約15%未満は、グレード2以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約10%未満は、グレード2以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約8%未満は、グレード2以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約7%未満は、グレード2以上のaGVHDを発症する。
【0502】
本開示の組成物(例えば、本明細書に記載されている細胞集団)および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象は、グレード3以上のaGVHDの低発生率、例えば、代替組成物を投与された対象よりも低いグレード3以上のaGVHDの発生率を呈する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約1%未満、約2%未満、約3%未満、約4%未満、約5%未満、約6%未満、約7%未満、約8%未満、約9%未満、約10%未満、約11%未満、約12%未満、約13%未満、約14%未満、約15%未満、約16%未満、約17%未満、約18%未満、約19%未満、約20%未満、約21%未満、約22%未満、約23%未満、約24%未満、約25%未満、約26%未満、約27%未満、約28%未満、約29%未満、約30%未満、約31%未満、約32%未満、約33%未満、約34%未満、約35%未満、約36%未満、約37%未満、約38%未満、約39%未満、約40%未満、約41%未満、約42%未満、約43%未満、約44%未満、約45%未満、約46%未満、約47%未満、約48%未満、約49%未満、または約50%未満は、例えば、移植後30日以内、移植後100日以内、または本明細書に開示されている移植後の別の好適な時間内に、グレード3以上のaGVHDを発症する。
【0503】
一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約20%未満は、グレード3以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約15%未満は、グレード3以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約10%未満は、グレード3以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約5%未満は、グレード3以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約3%未満は、グレード3以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約2%未満は、グレード3以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約1%未満は、グレード3以上のaGVHDを発症する。
【0504】
本開示の組成物(例えば、本明細書に記載されている細胞集団)および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象は、グレード4以上のaGVHDの低発生率、例えば、代替組成物を投与された対象よりも低いグレード4以上のaGVHDの発生率を呈する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約1%未満、約2%未満、約3%未満、約4%未満、約5%未満、約6%未満、約7%未満、約8%未満、約9%未満、約10%未満、約11%未満、約12%未満、約13%未満、約14%未満、約15%未満、約16%未満、約17%未満、約18%未満、約19%未満、約20%未満、約21%未満、約22%未満、約23%未満、約24%未満、約25%未満、約26%未満、約27%未満、約28%未満、約29%未満、または約30%未満は、例えば、移植後30日以内、移植後100日以内、または本明細書に開示されている移植後の別の好適な時間内に、グレード4以上のaGVHDを発症する。
【0505】
一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約10%未満は、グレード4以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約5%未満は、グレード4以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約3%未満は、グレード4以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約2%未満は、グレード4以上のaGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約1%未満は、グレード4以上のaGVHDを発症する。
【0506】
低用量のGVHD予防剤は、例えば、約25ng/mL未満、約20ng/mL未満、約15ng/mL未満、約12ng/mL未満、約11ng/mL未満、約10ng/mL未満、約9ng/mL未満、約8ng/mL未満、約7ng/mL未満、約6ng/mL未満、約5ng/mL未満、約4ng/mL未満、約3ng/mL未満、約2ng/mL未満、または約1ng/mL未満の標的トラフレベルであってもよい。
【0507】
一部の実施形態では、低用量のGVHD予防薬は、約1~25ng/mL、約1~20ng/mL、約1~15ng/mL、約1~12ng/mL、約1~11ng/mL、約1~10ng/mL、約1~9ng/mL、約1~8ng/mL、約1~7ng/mL、約1~6ng/mL、約1~5ng/mL、約1~4ng/mL、約1~3ng/mL、約1~2ng/mL、約2~25ng/mL、約2~20ng/mL、約2~15ng/mL、約2~12ng/mL、約2~11ng/mL、約2~10ng/mL、約2~9ng/mL、約2~8ng/mL、約2~7ng/mL、約2~6ng/mL、約2~5ng/mL、約2~4ng/mL、約2~3ng/mL、約3~25ng/mL、約3~20ng/mL、約3~15ng/mL、約3~12ng/mL、約3~11ng/mL、約3~10ng/mL、約3~9ng/mL、約3~8ng/mL、約3~7ng/mL、約3~6ng/mL、約3~5ng/mL、約3~4ng/mL、約4~25ng/mL、約4~20ng/mL、約4~15ng/mL、約4~12ng/mL、約4~11ng/mL、約4~10ng/mL、約4~9ng/mL、約4~8ng/mL、約4~7ng/mL、約4~6ng/mL、約4~5ng/mL、約5~25ng/mL、約5~20ng/mL、約5~15ng/mL、約5~12ng/mL、約5~11ng/mL、約5~10ng/mL、約5~9ng/mL、約5~8ng/mL、約5~7ng/mL、約5~6ng/mL、約6~25g/mL、約6~20ng/mL、約6~15ng/mL、約6~12ng/mL、約6~11ng/mL、約6~10ng/mL、約6~9ng/mL、約6~8ng/mL、約6~7ng/mL、約8~25ng/mL、約8~20ng/mL、約8~15ng/mL、約8~12ng/mL、約8~11ng/mL、約8~10ng/mL、約8~9ng/mL、約10~25ng/mL、約10~20ng/mL、約10~15ng/mL、約10~12ng/mL、または約10~11ng/mLの標的トラフレベルである。
【0508】
一部の実施形態では、低用量のGVHD予防剤は、約5ng/mL~約10ng/mLの標的トラフレベルを有するタクロリムスである。一部の実施形態では、低用量のGVHD予防剤は、約4ng/mL~約6ng/mLの標的トラフレベルを有するタクロリムスである。
【0509】
一部の実施形態では、低用量のGVHD予防剤は、約3ng/mL~約8ng/mLの標的トラフレベルを有するシロリムスである。一部の実施形態では、低用量のGVHD予防剤は、約4ng/mL~約8ng/mLの標的トラフレベルを有するシロリムスである。
【0510】
低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)は、移植後の最初の20日間、30日間、40日間、50日間、60日間、70日間、80日間、90日間、100日間、110日間、120日間、150日間、200日間、365日間、13カ月間、14カ月間、15カ月間、16カ月間、17カ月間、18カ月間、19カ月間、20カ月間、21カ月間、22カ月間、23カ月間、2年間、2.5年間、3年間、3.5年間、4年間、4.5年間、または5年間に対象に投与することができる。一部の実施形態では、低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)は、移植後約20日未満、約30日未満、約40日未満、約50日未満、約60日未満、約70日未満、約80日未満、約90日未満、約100日未満、約110日未満、約120日未満、約150日未満、約200日未満、約365日未満、約13カ月未満、約14カ月未満、約15カ月未満、約16カ月未満、約17カ月未満、約18カ月未満、約19カ月未満、約20カ月未満、約21カ月未満、約22カ月未満、約23カ月未満、約2年未満、約2.5年未満、約3年未満、約3.5年未満、約4年未満、約4.5年未満、または約5年未満の間対象に投与される。
D.慢性的GVHDの発生率
【0511】
本開示の組成物(例えば、本明細書に記載されている細胞集団)を投与された対象は、グレード1以上のcGVHDの低発生率、例えば、代替組成物を投与された対象よりも低いグレード1以上のcGVHDの発生率を呈する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約5%未満、約10%未満、約15%未満、約20%未満、約25%未満、約30%未満、約35%未満、約40%未満、約50%未満、約55%未満、約60%未満、約65%未満、約70%未満、約75%未満、約80%未満、または約85%未満は、例えば、移植後365日以内、移植後2年以内、または本明細書に開示されている移植後の別の好適な時間内に、グレード1以上のcGVHDを発症する。
【0512】
本開示の組成物(例えば、本明細書に記載されている細胞集団)を投与された対象は、グレード2以上のcGVHDの低発生率、例えば、代替組成物を投与された対象よりも低いグレード2以上のcGVHDの発生率を呈する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約1%未満、約2%未満、約3%未満、約4%未満、約5%未満、約6%未満、約7%未満、約8%未満、約9%未満、約10%未満、約11%未満、約12%未満、約13%未満、約14%未満、約15%未満、約16%未満、約17%未満、約18%未満、約19%未満、約20%未満、約21%未満、約22%未満、約23%未満、約24%未満、約25%未満、約26%未満、約27%未満、約28%未満、約29%未満、約30%未満、約31%未満、約32%未満、約33%未満、約34%未満、約35%未満、約36%未満、約37%未満、約38%未満、約39%未満、約40%未満、約41%未満、約42%未満、約43%未満、約44%未満、約45%未満、約46%未満、約47%未満、約48%未満、約49%未満、または約50%未満は、例えば、移植後365日以内、移植後2年以内、または本明細書に開示されている移植後の別の好適な時間内に、グレード2以上のcGVHDを発症する。
【0513】
一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約50%未満は、グレード2以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約40%未満は、グレード2以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約30%未満は、グレード2以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約20%未満は、グレード2以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約10%未満は、グレード2以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約5%未満は、グレード2以上のcGVHDを発症する。
【0514】
本開示の組成物(例えば、本明細書に記載されている細胞集団)を投与された対象は、グレード3以上のcGVHDの低発生率、例えば、代替組成物を投与された対象よりも低いグレード3以上のcGVHDの発生率を呈する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約1%未満、約2%未満、約3%未満、約4%未満、約5%未満、約6%未満、約7%未満、約8%未満、約9%未満、約10%未満、約11%未満、約12%未満、約13%未満、約14%未満、約15%未満、約16%未満、約17%未満、約18%未満、約19%未満、約20%未満、約21%未満、約22%未満、約23%未満、約24%未満、約25%未満、約26%未満、約27%未満、約28%未満、約29%未満、約30%未満、約31%未満、約32%未満、約33%未満、約34%未満、約35%未満、約36%未満、約37%未満、約38%未満、約39%未満、約40%未満、約41%未満、約42%未満、約43%未満、約44%未満、約45%未満、約46%未満、約47%未満、約48%未満、約49%未満、または約50%未満は、例えば、移植後365日以内、移植後2年以内、または本明細書に開示されている移植後の別の好適な時間内に、グレード3以上のcGVHDを発症する。
【0515】
一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約50%未満は、グレード3以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約40%未満は、グレード3以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約30%未満は、グレード3以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約20%未満は、グレード3以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約15%未満は、グレード3以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約10%未満は、グレード3以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約5%未満は、グレード3以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約3%未満は、グレード3以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約2%未満は、グレード3以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約1%未満は、グレード3以上のcGVHDを発症する。
【0516】
本開示の組成物(例えば、本明細書に記載されている細胞集団)を投与された対象は、グレード4以上のcGVHDの低発生率、例えば、代替組成物を投与された対象よりも低いグレード4以上のcGVHDの発生率を呈する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約1%未満、約2%未満、約3%未満、約4%未満、約5%未満、約6%未満、約7%未満、約8%未満、約9%未満、約10%未満、約11%未満、約12%未満、約13%未満、約14%未満、約15%未満、約16%未満、約17%未満、約18%未満、約19%未満、約20%未満、約21%未満、約22%未満、約23%未満、約24%未満、約25%未満、約26%未満、約27%未満、約28%未満、約29%未満、または約30%未満は、例えば、移植後365日以内、移植後2年以内、または本明細書に開示されている移植後の別の好適な時間内に、グレード4以上のcGVHDを発症する。
【0517】
一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約40%未満は、グレード4以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約30%未満は、グレード4以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約20%未満は、グレード4以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約10%未満は、グレード4以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約5%未満は、グレード4以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約3%未満は、グレード4以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約2%未満は、グレード4以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約1%未満は、グレード4以上のcGVHDを発症する。
【0518】
本開示の組成物(例えば、本明細書に記載されている細胞集団)を投与された対象は、軽度から重度のcGVHDの低発生率、例えば、代替組成物を投与された対象よりも低い軽度から重度のcGVHDの発生率を呈する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約5%未満、約10%未満、約15%未満、約20%未満、約25%未満、約30%未満、約35%未満、約40%未満、約50%未満、約55%未満、約60%未満、約65%未満、約70%未満、約75%未満、約80%未満、または約85%未満は、例えば、移植後365日以内、移植後2年以内、または本明細書に開示されている移植後の別の好適な時間内に、軽度から重度のcGVHDを発症する。
【0519】
本開示の組成物(例えば、本明細書に記載されている細胞集団)を投与された対象は、中程度から重度のcGVHDの低発生率、例えば、代替組成物を投与された対象よりも低い中程度から重度のcGVHDの発生率を呈する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約1%未満、約2%未満、約3%未満、約4%未満、約5%未満、約6%未満、約7%未満、約8%未満、約9%未満、約10%未満、約11%未満、約12%未満、約13%未満、約14%未満、約15%未満、約16%未満、約17%未満、約18%未満、約19%未満、約20%未満、約21%未満、約22%未満、約23%未満、約24%未満、約25%未満、約26%未満、約27%未満、約28%未満、約29%未満、約30%未満、約31%未満、約32%未満、約33%未満、約34%未満、約35%未満、約36%未満、約37%未満、約38%未満、約39%未満、約40%未満、約41%未満、約42%未満、約43%未満、約44%未満、約45%未満、約46%未満、約47%未満、約48%未満、約49%未満、または約50%未満は、例えば、移植後365日以内、移植後2年以内、または本明細書に開示されている移植後の別の好適な時間内に、中程度から重度のcGVHDを発症する。
【0520】
一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約50%未満は、中程度から重度のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約40%未満は、中程度から重度のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約30%未満は、中程度から重度のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約20%未満は、中程度から重度のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約10%未満は、中程度から重度のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約5%未満は、中程度から重度のcGVHDを発症する。
【0521】
本開示の組成物(例えば、本明細書に記載されている細胞集団)を投与された対象は、重度のcGVHDの低発生率、例えば、代替組成物を投与された対象よりも低い重度のcGVHDの発生率を呈する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約1%未満、約2%未満、約3%未満、約4%未満、約5%未満、約6%未満、約7%未満、約8%未満、約9%未満、約10%未満、約11%未満、約12%未満、約13%未満、約14%未満、約15%未満、約16%未満、約17%未満、約18%未満、約19%未満、約20%未満、約21%未満、約22%未満、約23%未満、約24%未満、約25%未満、約26%未満、約27%未満、約28%未満、約29%未満、約30%未満、約31%未満、約32%未満、約33%未満、約34%未満、約35%未満、約36%未満、約37%未満、約38%未満、約39%未満、約40%未満、約41%未満、約42%未満、約43%未満、約44%未満、約45%未満、約46%未満、約47%未満、約48%未満、約49%未満、または約50%未満は、例えば、移植後365日以内、移植後2年以内、または本明細書に開示されている移植後の別の好適な時間内に、重度のcGVHDを発症する。
【0522】
一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約50%未満は、重度のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約40%未満は、重度のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約30%未満は、重度のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約20%未満は、重度のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約15%未満は、重度のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約10%未満は、重度のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約5%未満は、重度のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約3%未満は、重度のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約2%未満は、重度のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約1%未満は、重度のcGVHDを発症する。
【0523】
移植後の好適な時間経過後に、例えば、移植の約150日後、約200日後、約365日後、約1.5年後、約2年後、約2.5年後、約3年後、約3.5年後、約4年後、約4.5年後、または約5年後に、cGVHDの発生率を評価することができる。
【0524】
cGVHDの発生率は、少なくとも10名、少なくとも11名、少なくとも12名、少なくとも13名、少なくとも14名、少なくとも15名、少なくとも16名、少なくとも17名、少なくとも18名、少なくとも19名、少なくとも20名、少なくとも21名、少なくとも22名、少なくとも23名、少なくとも24名、少なくとも25名、少なくとも25名、少なくとも30名、少なくとも35名、少なくとも40名、少なくとも45名、少なくとも50名、少なくとも60名、少なくとも70名、少なくとも80名、少なくとも90名、少なくとも100名、少なくとも120名、少なくとも140名、少なくとも160名、少なくとも180名、少なくとも200名、少なくとも250名、少なくとも300名、少なくとも350名、少なくとも400名、少なくとも450名、または少なくとも500名の対象の集団に基づいて計算することができる。
4.GVHD予防なし
【0525】
GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物(例えば、本明細書に記載されている細胞集団)を投与された対象は、グレード1以上のcGVHDの低発生率、例えば、代替組成物を投与された対象よりも低いグレード1以上のcGVHDの発生率を呈する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約5%未満、約10%未満、約15%未満、約20%未満、約25%未満、約30%未満、約35%未満、約40%未満、約50%未満、約55%未満、約60%未満、約65%未満、約70%未満、約75%未満、約80%未満、または約85%未満は、例えば、移植後365日以内、移植後2年以内、または本明細書に開示されている移植後の別の好適な時間内に、グレード1以上のcGVHDを発症する。
【0526】
GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物(例えば、本明細書に記載されている細胞集団)を投与された対象は、グレード2以上のcGVHDの低発生率、例えば、代替組成物を投与された対象よりも低いグレード2以上のcGVHDの発生率を呈する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約1%未満、約2%未満、約3%未満、約4%未満、約5%未満、約6%未満、約7%未満、約8%未満、約9%未満、約10%未満、約11%未満、約12%未満、約13%未満、約14%未満、約15%未満、約16%未満、約17%未満、約18%未満、約19%未満、約20%未満、約21%未満、約22%未満、約23%未満、約24%未満、約25%未満、約26%未満、約27%未満、約28%未満、約29%未満、約30%未満、約31%未満、約32%未満、約33%未満、約34%未満、約35%未満、約36%未満、約37%未満、約38%未満、約39%未満、約40%未満、約41%未満、約42%未満、約43%未満、約44%未満、約45%未満、約46%未満、約47%未満、約48%未満、約49%未満、または約50%未満は、例えば、移植後365日以内、移植後2年以内、または本明細書に開示されている移植後の別の好適な時間内に、グレード2以上のcGVHDを発症する。
【0527】
一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約50%未満は、グレード2以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約40%未満は、グレード2以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約30%未満は、グレード2以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約25%未満は、グレード2以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約20%未満は、グレード2以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約10%未満は、グレード2以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約5%未満は、グレード2以上のcGVHDを発症する。
【0528】
GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物(例えば、本明細書に記載されている細胞集団)を投与された対象は、グレード3以上のcGVHDの低発生率、例えば、代替組成物を投与された対象よりも低いグレード3以上のcGVHDの発生率を呈する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約1%未満、約2%未満、約3%未満、約4%未満、約5%未満、約6%未満、約7%未満、約8%未満、約9%未満、約10%未満、約11%未満、約12%未満、約13%未満、約14%未満、約15%未満、約16%未満、約17%未満、約18%未満、約19%未満、約20%未満、約21%未満、約22%未満、約23%未満、約24%未満、約25%未満、約26%未満、約27%未満、約28%未満、約29%未満、約30%未満、約31%未満、約32%未満、約33%未満、約34%未満、約35%未満、約36%未満、約37%未満、約38%未満、約39%未満、約40%未満、約41%未満、約42%未満、約43%未満、約44%未満、約45%未満、約46%未満、約47%未満、約48%未満、約49%未満、または約50%未満は、例えば、移植後365日以内、移植後2年以内、または本明細書に開示されている移植後の別の好適な時間内に、グレード3以上のcGVHDを発症する。
【0529】
一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約50%未満は、グレード3以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約40%未満は、グレード3以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約30%未満は、グレード3以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約20%未満は、グレード3以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約10%未満は、グレード3以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約5%未満は、グレード3以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約3%未満は、グレード3以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約2%未満は、グレード3以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約1%未満は、グレード3以上のcGVHDを発症する。
【0530】
GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物(例えば、本明細書に記載されている細胞集団)を投与された対象は、グレード4以上のcGVHDの低発生率、例えば、代替組成物を投与された対象よりも低いグレード4以上のcGVHDの発生率を呈する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約1%未満、約2%未満、約3%未満、約4%未満、約5%未満、約6%未満、約7%未満、約8%未満、約9%未満、約10%未満、約15%未満、約20%未満、約25%未満、約30%未満、約40%未満、または約50%未満は、例えば、移植後365日以内、移植後2年以内、または本明細書に開示されている移植後の別の好適な時間内に、グレード4以上のcGVHDを発症する。
【0531】
一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約30%未満は、グレード4以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約20%未満は、グレード4以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約15%未満は、グレード4以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約10%未満は、グレード4以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約5%未満は、グレード4以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約3%未満は、グレード4以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約2%未満は、グレード4以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約1%未満は、グレード4以上のcGVHDを発症する。
【0532】
GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物(例えば、本明細書に記載されている細胞集団)を投与された対象は、軽度から重度のcGVHDの低発生率、例えば、代替組成物を投与された対象よりも低い軽度から重度のcGVHDの発生率を呈する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約5%未満、約10%未満、約15%未満、約20%未満、約25%未満、約30%未満、約35%未満、約40%未満、約50%未満、約55%未満、約60%未満、約65%未満、約70%未満、約75%未満、約80%未満、または約85%未満は、例えば、移植後365日以内、移植後2年以内、または本明細書に開示されている移植後の別の好適な時間内に、軽度から重度のcGVHDを発症する。
【0533】
GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物(例えば、本明細書に記載されている細胞集団)を投与された対象は、中程度から重度のcGVHDの低発生率、例えば、代替組成物を投与された対象よりも低い中程度から重度のcGVHDの発生率を呈する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約1%未満、約2%未満、約3%未満、約4%未満、約5%未満、約6%未満、約7%未満、約8%未満、約9%未満、約10%未満、約11%未満、約12%未満、約13%未満、約14%未満、約15%未満、約16%未満、約17%未満、約18%未満、約19%未満、約20%未満、約21%未満、約22%未満、約23%未満、約24%未満、約25%未満、約26%未満、約27%未満、約28%未満、約29%未満、約30%未満、約31%未満、約32%未満、約33%未満、約34%未満、約35%未満、約36%未満、約37%未満、約38%未満、約39%未満、約40%未満、約41%未満、約42%未満、約43%未満、約44%未満、約45%未満、約46%未満、約47%未満、約48%未満、約49%未満、または約50%未満は、例えば、移植後365日以内、移植後2年以内、または本明細書に開示されている移植後の別の好適な時間内に、中程度から重度のcGVHDを発症する。
【0534】
一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約50%未満は、中程度から重度のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約40%未満は、中程度から重度のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約30%未満は、中程度から重度のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約25%未満は、中程度から重度のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約20%未満は、中程度から重度のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約10%未満は、中程度から重度のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約5%未満は、中程度から重度のcGVHDを発症する。
【0535】
GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物(例えば、本明細書に記載されている細胞集団)を投与された対象は、重度のcGVHDの低発生率、例えば、代替組成物を投与された対象よりも低い重度のcGVHDの発生率を呈する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約1%未満、約2%未満、約3%未満、約4%未満、約5%未満、約6%未満、約7%未満、約8%未満、約9%未満、約10%未満、約11%未満、約12%未満、約13%未満、約14%未満、約15%未満、約16%未満、約17%未満、約18%未満、約19%未満、約20%未満、約21%未満、約22%未満、約23%未満、約24%未満、約25%未満、約26%未満、約27%未満、約28%未満、約29%未満、約30%未満、約31%未満、約32%未満、約33%未満、約34%未満、約35%未満、約36%未満、約37%未満、約38%未満、約39%未満、約40%未満、約41%未満、約42%未満、約43%未満、約44%未満、約45%未満、約46%未満、約47%未満、約48%未満、約49%未満、または約50%未満は、例えば、移植後365日以内、移植後2年以内、または本明細書に開示されている移植後の別の好適な時間内に、重度のcGVHDを発症する。
【0536】
一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約50%未満は、重度のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約40%未満は、重度のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約30%未満は、重度のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約20%未満は、重度のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約10%未満は、重度のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約5%未満は、重度のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約3%未満は、重度のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約2%未満は、重度のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、GVHD予防剤の非存在下で本開示の組成物を投与された対象の約1%未満は、重度のcGVHDを発症する。
【0537】
GVHD予防剤の非存在とは、GVHD予防剤が移植後の最初の20日間、30日間、40日間、50日間、60日間、70日間、80日間、90日間、100日間、110日間、120日間、150日間、200日間、365日間、13カ月間、14カ月間、15カ月間、16カ月間、17カ月間、18カ月間、19カ月間、20カ月間、21カ月間、22カ月間、23カ月間、2年間、2.5年間、3年間、3.5年間、4年間、4.5年間、または5年間に対象に投与されていない事例を指し得る。
5.単剤のGVHD予防
【0538】
本開示の組成物(例えば、本明細書に記載されている細胞集団)および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象は、グレード1以上のcGVHDの低発生率、例えば、代替組成物を投与された対象よりも低いグレード1以上のcGVHDの発生率を呈する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約10%未満、約15%未満、約20%未満、約25%未満、約30%未満、約35%未満、約40%未満、約50%未満、約55%未満、約60%未満、約65%未満、約70%未満、約75%未満、約80%未満、または約85%未満は、例えば、移植後365日以内、移植後2年以内、または本明細書に開示されている移植後の別の好適な時間内に、グレード1以上のcGVHDを発症する。
【0539】
本開示の組成物(例えば、本明細書に記載されている細胞集団)および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象は、グレード2以上のcGVHDの低発生率、例えば、代替組成物を投与された対象よりも低いグレード2以上のcGVHDの発生率を呈する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約1%未満、約2%未満、約3%未満、約4%未満、約5%未満、約6%未満、約7%未満、約8%未満、約9%未満、約10%未満、約11%未満、約12%未満、約13%未満、約14%未満、約15%未満、約16%未満、約17%未満、約18%未満、約19%未満、約20%未満、約21%未満、約22%未満、約23%未満、約24%未満、約25%未満、約26%未満、約27%未満、約28%未満、約29%未満、約30%未満、約31%未満、約32%未満、約33%未満、約34%未満、約35%未満、約36%未満、約37%未満、約38%未満、約39%未満、約40%未満、約41%未満、約42%未満、約43%未満、約44%未満、約45%未満、約46%未満、約47%未満、約48%未満、約49%未満、または約50%未満は、例えば、移植後365日以内、移植後2年以内、または本明細書に開示されている移植後の別の好適な時間内に、グレード2以上のcGVHDを発症する。
【0540】
一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約50%未満は、グレード2以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約40%未満は、グレード2以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約30%未満は、グレード2以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約20%未満は、グレード2以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約10%未満は、グレード2以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約5%未満は、グレード2以上のcGVHDを発症する。
【0541】
本開示の組成物(例えば、本明細書に記載されている細胞集団)および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象は、グレード3以上のcGVHDの低発生率、例えば、代替組成物を投与された対象よりも低いグレード3以上のcGVHDの発生率を呈する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約1%未満、約2%未満、約3%未満、約4%未満、約5%未満、約6%未満、約7%未満、約8%未満、約9%未満、約10%未満、約11%未満、約12%未満、約13%未満、約14%未満、約15%未満、約16%未満、約17%未満、約18%未満、約19%未満、約20%未満、約21%未満、約22%未満、約23%未満、約24%未満、約25%未満、約26%未満、約27%未満、約28%未満、約29%未満、約30%未満、約31%未満、約32%未満、約33%未満、約34%未満、約35%未満、約36%未満、約37%未満、約38%未満、約39%未満、約40%未満、約41%未満、約42%未満、約43%未満、約44%未満、約45%未満、約46%未満、約47%未満、約48%未満、約49%未満、または約50%未満は、例えば、移植後365日以内、移植後2年以内、または本明細書に開示されている移植後の別の好適な時間内に、グレード3以上のcGVHDを発症する。
【0542】
一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約50%未満は、グレード3以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約40%未満は、グレード3以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約30%未満は、グレード3以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約20%未満は、グレード3以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約15%未満は、グレード3以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約10%未満は、グレード3以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約5%未満は、グレード3以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約3%未満は、グレード3以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約2%未満は、グレード3以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約1%未満は、グレード3以上のcGVHDを発症する。
【0543】
本開示の組成物(例えば、本明細書に記載されている細胞集団)および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象は、グレード4以上のcGVHDの低発生率、例えば、代替組成物を投与された対象よりも低いグレード4以上のcGVHDの発生率を呈する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約1%未満、約2%未満、約3%未満、約4%未満、約5%未満、約6%未満、約7%未満、約8%未満、約9%未満、約10%未満、約11%未満、約12%未満、約13%未満、約14%未満、約15%未満、約16%未満、約17%未満、約18%未満、約19%未満、約20%未満、約21%未満、約22%未満、約23%未満、約24%未満、約25%未満、約26%未満、約27%未満、約28%未満、約29%未満、または約30%未満は、例えば、移植後365日以内、移植後2年以内、または本明細書に開示されている移植後の別の好適な時間内に、グレード4以上のcGVHDを発症する。
【0544】
一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約40%未満は、グレード4以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約30%未満は、グレード4以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約20%未満は、グレード4以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約10%未満は、グレード4以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約5%未満は、グレード4以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約3%未満は、グレード4以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約2%未満は、グレード4以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約1%未満は、グレード4以上のcGVHDを発症する。
【0545】
本開示の組成物(例えば、本明細書に記載されている細胞集団)および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象は、軽度から重度のcGVHDの低発生率、例えば、代替組成物を投与された対象よりも低い軽度から重度のcGVHDの発生率を呈する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約10%未満、約15%未満、約20%未満、約25%未満、約30%未満、約35%未満、約40%未満、約50%未満、約55%未満、約60%未満、約65%未満、約70%未満、約75%未満、約80%未満、または約85%未満は、例えば、移植後365日以内、移植後2年以内、または本明細書に開示されている移植後の別の好適な時間内に、軽度から重度のcGVHDを発症する。
【0546】
本開示の組成物(例えば、本明細書に記載されている細胞集団)および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象は、中程度から重度のcGVHDの低発生率、例えば、代替組成物を投与された対象よりも低い中程度から重度のcGVHDの発生率を呈する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約1%未満、約2%未満、約3%未満、約4%未満、約5%未満、約6%未満、約7%未満、約8%未満、約9%未満、約10%未満、約11%未満、約12%未満、約13%未満、約14%未満、約15%未満、約16%未満、約17%未満、約18%未満、約19%未満、約20%未満、約21%未満、約22%未満、約23%未満、約24%未満、約25%未満、約26%未満、約27%未満、約28%未満、約29%未満、約30%未満、約31%未満、約32%未満、約33%未満、約34%未満、約35%未満、約36%未満、約37%未満、約38%未満、約39%未満、約40%未満、約41%未満、約42%未満、約43%未満、約44%未満、約45%未満、約46%未満、約47%未満、約48%未満、約49%未満、または約50%未満は、例えば、移植後365日以内、移植後2年以内、または本明細書に開示されている移植後の別の好適な時間内に、中程度から重度のcGVHDを発症する。
【0547】
一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約50%未満は、中程度から重度のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約40%未満は、中程度から重度のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約30%未満は、中程度から重度のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約20%未満は、中程度から重度のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約10%未満は、中程度から重度のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約5%未満は、中程度から重度のcGVHDを発症する。
【0548】
本開示の組成物(例えば、本明細書に記載されている細胞集団)および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象は、重度のcGVHDの低発生率、例えば、代替組成物を投与された対象よりも低い重度のcGVHDの発生率を呈する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約1%未満、約2%未満、約3%未満、約4%未満、約5%未満、約6%未満、約7%未満、約8%未満、約9%未満、約10%未満、約11%未満、約12%未満、約13%未満、約14%未満、約15%未満、約16%未満、約17%未満、約18%未満、約19%未満、約20%未満、約21%未満、約22%未満、約23%未満、約24%未満、約25%未満、約26%未満、約27%未満、約28%未満、約29%未満、約30%未満、約31%未満、約32%未満、約33%未満、約34%未満、約35%未満、約36%未満、約37%未満、約38%未満、約39%未満、約40%未満、約41%未満、約42%未満、約43%未満、約44%未満、約45%未満、約46%未満、約47%未満、約48%未満、約49%未満、または約50%未満は、例えば、移植後365日以内、移植後2年以内、または本明細書に開示されている移植後の別の好適な時間内に、重度のcGVHDを発症する。
【0549】
一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約50%未満は、重度のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約40%未満は、重度のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約30%未満は、重度のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約20%未満は、重度のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約15%未満は、重度のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約10%未満は、重度のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約5%未満は、重度のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約3%未満は、重度のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約2%未満は、重度のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約1%未満は、重度のcGVHDを発症する。
【0550】
単一のGVHD予防剤は、タクロリムスであってもよい。
【0551】
単一のGVHD予防剤は、シロリムスであってもよい。
【0552】
1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)は、移植後の最初の20日間、30日間、40日間、50日間、60日間、70日間、80日間、90日間、100日間、110日間、120日間、150日間、200日間、365日間、13カ月間、14カ月間、15カ月間、16カ月間、17カ月間、18カ月間、19カ月間、20カ月間、21カ月間、22カ月間、23カ月間、2年間、2.5年間、3年間、3.5年間、4年間、4.5年間、または5年間に対象に投与することができる。一部の実施形態では、1つだけのGVHD予防剤(例えば、単一のGVHD予防剤)は、移植後約20日未満、約30日未満、約40日未満、約50日未満、約60日未満、約70日未満、約80日未満、約90日未満、約100日未満、約110日未満、約120日未満、約150日未満、約200日未満、約365日未満、約13カ月未満、約14カ月未満、約15カ月未満、約16カ月未満、約17カ月未満、約18カ月未満、約19カ月未満、約20カ月未満、約21カ月未満、約22カ月未満、約23カ月未満、約2年未満、約2.5年未満、約3年未満、約3.5年未満、約4年未満、約4.5年未満、または約5年未満の間対象に投与される。
6.低用量のGVHD予防
【0553】
本開示の組成物(例えば、本明細書に記載されている細胞集団)および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象は、グレード1以上のcGVHDの低発生率、例えば、代替組成物を投与された対象よりも低いグレード1以上のcGVHDの発生率を呈する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約5%未満、約10%未満、約15%未満、約20%未満、約25%未満、約30%未満、約35%未満、約40%未満、約50%未満、約55%未満、約60%未満、約65%未満、約70%未満、約75%未満、約80%未満、または約85%未満は、例えば、移植後365日以内、移植後2年以内、または本明細書に開示されている移植後の別の好適な時間内に、グレード1以上のcGVHDを発症する。
【0554】
本開示の組成物(例えば、本明細書に記載されている細胞集団)および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象は、グレード2以上のcGVHDの低発生率、例えば、代替組成物を投与された対象よりも低いグレード2以上のcGVHDの発生率を呈する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約1%未満、約2%未満、約3%未満、約4%未満、約5%未満、約6%未満、約7%未満、約8%未満、約9%未満、約10%未満、約11%未満、約12%未満、約13%未満、約14%未満、約15%未満、約16%未満、約17%未満、約18%未満、約19%未満、約20%未満、約21%未満、約22%未満、約23%未満、約24%未満、約25%未満、約26%未満、約27%未満、約28%未満、約29%未満、約30%未満、約31%未満、約32%未満、約33%未満、約34%未満、約35%未満、約36%未満、約37%未満、約38%未満、約39%未満、約40%未満、約41%未満、約42%未満、約43%未満、約44%未満、約45%未満、約46%未満、約47%未満、約48%未満、約49%未満、または約50%未満は、例えば、移植後365日以内、移植後2年以内、または本明細書に開示されている移植後の別の好適な時間内に、グレード2以上のcGVHDを発症する。
【0555】
一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約50%未満は、グレード2以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約40%未満は、グレード2以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約30%未満は、グレード2以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約20%未満は、グレード2以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約15%未満は、グレード2以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約10%未満は、グレード2以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約5%未満は、グレード2以上のcGVHDを発症する。
【0556】
本開示の組成物(例えば、本明細書に記載されている細胞集団)および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象は、グレード3以上のcGVHDの低発生率、例えば、代替組成物を投与された対象よりも低いグレード3以上のcGVHDの発生率を呈する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約1%未満、約2%未満、約3%未満、約4%未満、約5%未満、約6%未満、約7%未満、約8%未満、約9%未満、約10%未満、約11%未満、約12%未満、約13%未満、約14%未満、約15%未満、約16%未満、約17%未満、約18%未満、約19%未満、約20%未満、約21%未満、約22%未満、約23%未満、約24%未満、約25%未満、約26%未満、約27%未満、約28%未満、約29%未満、約30%未満、約31%未満、約32%未満、約33%未満、約34%未満、約35%未満、約36%未満、約37%未満、約38%未満、約39%未満、約40%未満、約41%未満、約42%未満、約43%未満、約44%未満、約45%未満、約46%未満、約47%未満、約48%未満、約49%未満、または約50%未満は、例えば、移植後365日以内、移植後2年以内、または本明細書に開示されている移植後の別の好適な時間内に、グレード3以上のcGVHDを発症する。
【0557】
一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約50%未満は、グレード3以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約40%未満は、グレード3以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約30%未満は、グレード3以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約20%未満は、グレード3以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約15%未満は、グレード3以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約10%未満は、グレード3以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約5%未満は、グレード3以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約3%未満は、グレード3以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約2%未満は、グレード3以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約1%未満は、グレード3以上のcGVHDを発症する。
【0558】
本開示の組成物(例えば、本明細書に記載されている細胞集団)および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象は、グレード4以上のcGVHDの低発生率、例えば、代替組成物を投与された対象よりも低いグレード4以上のcGVHDの発生率を呈する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約1%未満、約2%未満、約3%未満、約4%未満、約5%未満、約6%未満、約7%未満、約8%未満、約9%未満、約10%未満、約11%未満、約12%未満、約13%未満、約14%未満、約15%未満、約16%未満、約17%未満、約18%未満、約19%未満、約20%未満、約21%未満、約22%未満、約23%未満、約24%未満、約25%未満、約26%未満、約27%未満、約28%未満、約29%未満、または約30%未満は、例えば、移植後365日以内、移植後2年以内、または本明細書に開示されている移植後の別の好適な時間内に、グレード4以上のcGVHDを発症する。
【0559】
一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約40%未満は、グレード4以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約30%未満は、グレード4以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約20%未満は、グレード4以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約10%未満は、グレード4以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約5%未満は、グレード4以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約3%未満は、グレード4以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約2%未満は、グレード4以上のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約1%未満は、グレード4以上のcGVHDを発症する。
【0560】
本開示の組成物(例えば、本明細書に記載されている細胞集団)および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象は、軽度から重度のcGVHDの低発生率、例えば、代替組成物を投与された対象よりも低い軽度から重度のcGVHDの発生率を呈する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約5%未満、約10%未満、約15%未満、約20%未満、約25%未満、約30%未満、約35%未満、約40%未満、約50%未満、約55%未満、約60%未満、約65%未満、約70%未満、約75%未満、約80%未満、または約85%未満は、例えば、移植後365日以内、移植後2年以内、または本明細書に開示されている移植後の別の好適な時間内に、軽度から重度のcGVHDを発症する。
【0561】
本開示の組成物(例えば、本明細書に記載されている細胞集団)および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象は、中程度から重度のcGVHDの低発生率、例えば、代替組成物を投与された対象よりも低い中程度から重度のcGVHDの発生率を呈する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約1%未満、約2%未満、約3%未満、約4%未満、約5%未満、約6%未満、約7%未満、約8%未満、約9%未満、約10%未満、約11%未満、約12%未満、約13%未満、約14%未満、約15%未満、約16%未満、約17%未満、約18%未満、約19%未満、約20%未満、約21%未満、約22%未満、約23%未満、約24%未満、約25%未満、約26%未満、約27%未満、約28%未満、約29%未満、約30%未満、約31%未満、約32%未満、約33%未満、約34%未満、約35%未満、約36%未満、約37%未満、約38%未満、約39%未満、約40%未満、約41%未満、約42%未満、約43%未満、約44%未満、約45%未満、約46%未満、約47%未満、約48%未満、約49%未満、または約50%未満は、例えば、移植後365日以内、移植後2年以内、または本明細書に開示されている移植後の別の好適な時間内に、中程度から重度のcGVHDを発症する。
【0562】
一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約50%未満は、中程度から重度のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約40%未満は、中程度から重度のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約30%未満は、中程度から重度のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約20%未満は、中程度から重度のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約15%未満は、中程度から重度のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約10%未満は、中程度から重度のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約5%未満は、中程度から重度のcGVHDを発症する。
【0563】
本開示の組成物(例えば、本明細書に記載されている細胞集団)および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象は、重度のcGVHDの低発生率、例えば、代替組成物を投与された対象よりも低い重度のcGVHDの発生率を呈する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約1%未満、約2%未満、約3%未満、約4%未満、約5%未満、約6%未満、約7%未満、約8%未満、約9%未満、約10%未満、約11%未満、約12%未満、約13%未満、約14%未満、約15%未満、約16%未満、約17%未満、約18%未満、約19%未満、約20%未満、約21%未満、約22%未満、約23%未満、約24%未満、約25%未満、約26%未満、約27%未満、約28%未満、約29%未満、約30%未満、約31%未満、約32%未満、約33%未満、約34%未満、約35%未満、約36%未満、約37%未満、約38%未満、約39%未満、約40%未満、約41%未満、約42%未満、約43%未満、約44%未満、約45%未満、約46%未満、約47%未満、約48%未満、約49%未満、または約50%未満は、例えば、移植後365日以内、移植後2年以内、または本明細書に開示されている移植後の別の好適な時間内に、重度のcGVHDを発症する。
【0564】
一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約50%未満は、重度のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約40%未満は、重度のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約30%未満は、重度のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約20%未満は、重度のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約15%未満は、重度のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約10%未満は、重度のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約5%未満は、重度のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約3%未満は、重度のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約2%未満は、重度のcGVHDを発症する。一部の実施形態では、本開示の組成物および低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)を投与された対象の約1%未満は、重度のcGVHDを発症する。
【0565】
低用量のGVHD予防剤は、例えば、約25ng/mL未満、約20ng/mL未満、約15ng/mL未満、約12ng/mL未満、約11ng/mL未満、約10ng/mL未満、約9ng/mL未満、約8ng/mL未満、約7ng/mL未満、約6ng/mL未満、約5ng/mL未満、約4ng/mL未満、約3ng/mL未満、約2ng/mL未満、または約1ng/mL未満の標的トラフレベルであってもよい。
【0566】
一部の実施形態では、低用量のGVHD予防薬は、約1~25ng/mL、約1~20ng/mL、約1~15ng/mL、約1~12ng/mL、約1~11ng/mL、約1~10ng/mL、約1~9ng/mL、約1~8ng/mL、約1~7ng/mL、約1~6ng/mL、約1~5ng/mL、約1~4ng/mL、約1~3ng/mL、約1~2ng/mL、約2~25ng/mL、約2~20ng/mL、約2~15ng/mL、約2~12ng/mL、約2~11ng/mL、約2~10ng/mL、約2~9ng/mL、約2~8ng/mL、約2~7ng/mL、約2~6ng/mL、約2~5ng/mL、約2~4ng/mL、約2~3ng/mL、約3~25ng/mL、約3~20ng/mL、約3~15ng/mL、約3~12ng/mL、約3~11ng/mL、約3~10ng/mL、約3~9ng/mL、約3~8ng/mL、約3~7ng/mL、約3~6ng/mL、約3~5ng/mL、約3~4ng/mL、約4~25ng/mL、約4~20ng/mL、約4~15ng/mL、約4~12ng/mL、約4~11ng/mL、約4~10ng/mL、約4~9ng/mL、約4~8ng/mL、約4~7ng/mL、約4~6ng/mL、約4~5ng/mL、約5~25ng/mL、約5~20ng/mL、約5~15ng/mL、約5~12ng/mL、約5~11ng/mL、約5~10ng/mL、約5~9ng/mL、約5~8ng/mL、約5~7ng/mL、約5~6ng/mL、約6~25g/mL、約6~20ng/mL、約6~15ng/mL、約6~12ng/mL、約6~11ng/mL、約6~10ng/mL、約6~9ng/mL、約6~8ng/mL、約6~7ng/mL、約8~25ng/mL、約8~20ng/mL、約8~15ng/mL、約8~12ng/mL、約8~11ng/mL、約8~10ng/mL、約8~9ng/mL、約10~25ng/mL、約10~20ng/mL、約10~15ng/mL、約10~12ng/mL、または約10~11ng/mLの標的トラフレベルである。
【0567】
一部の実施形態では、低用量のGVHD予防剤は、約5ng/mL~約10ng/mLの標的トラフレベルを有するタクロリムスである。一部の実施形態では、低用量のGVHD予防剤は、約4ng/mL~約6ng/mLの標的トラフレベルを有するタクロリムスである。
【0568】
一部の実施形態では、低用量のGVHD予防剤は、約3ng/mL~約8ng/mLの標的トラフレベルを有するシロリムスである。一部の実施形態では、低用量のGVHD予防剤は、約4ng/mL~約8ng/mLの標的トラフレベルを有するシロリムスである。
【0569】
低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)は、移植後の最初の20日間、30日間、40日間、50日間、60日間、70日間、80日間、90日間、100日間、110日間、120日間、150日間、200日間、365日間、13カ月間、14カ月間、15カ月間、16カ月間、17カ月間、18カ月間、19カ月間、20カ月間、21カ月間、22カ月間、23カ月間、2年間、2.5年間、3年間、3.5年間、4年間、4.5年間、または5年間に対象に投与することができる。一部の実施形態では、低用量のGVHD予防剤(例えば、低用量の単一のGVHD予防剤)は、移植後約20日未満、約30日未満、約40日未満、約50日未満、約60日未満、約70日未満、約80日未満、約90日未満、約100日未満、約110日未満、約120日未満、約150日未満、約200日未満、約365日未満、約13カ月未満、約14カ月未満、約15カ月未満、約16カ月未満、約17カ月未満、約18カ月未満、約19カ月未満、約20カ月未満、約21カ月未満、約22カ月未満、約23カ月未満、約2年未満、約2.5年未満、約3年未満、約3.5年未満、約4年未満、約4.5年未満、または約5年未満の間対象に投与される。
E.臓器特異的GVHDステージの発生率
【0570】
本開示の組成物(例えば、本明細書に記載されている細胞集団)を投与された対象は、皮膚、肝臓、腸、またはこれらの組合せに、ステージ1以上のGVHD兆候の低発生率、例えば、代替組成物を投与された対象よりも低い発生率を呈する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約5%未満、約10%未満、約15%未満、約20%未満、約25%未満、約30%未満、約35%未満、約40%未満、約50%未満、約55%未満、約60%未満、約65%未満、約70%未満、約75%未満、約80%未満、または約85%未満は、皮膚、肝臓、腸、またはこれらの組合せに、ステージ1以上のGVHD兆候を呈する。
【0571】
本開示の組成物(例えば、本明細書に記載されている細胞集団)を投与された対象は、皮膚、肝臓、腸、またはこれらの組合せに、ステージ2以上のGVHD兆候の低発生率、例えば、代替組成物を投与された対象よりも低い発生率を呈する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約1%未満、約2%未満、約3%未満、約4%未満、約5%未満、約6%未満、約7%未満、約8%未満、約9%未満、約10%未満、約11%未満、約12%未満、約13%未満、約14%未満、約15%未満、約16%未満、約17%未満、約18%未満、約19%未満、約20%未満、約21%未満、約22%未満、約23%未満、約24%未満、約25%未満、約26%未満、約27%未満、約28%未満、約29%未満、約30%未満、約31%未満、約32%未満、約33%未満、約34%未満、約35%未満、約36%未満、約37%未満、約38%未満、約39%未満、約40%未満、約41%未満、約42%未満、約43%未満、約44%未満、約45%未満、約46%未満、約47%未満、約48%未満、約49%未満、または約50%未満は、皮膚、肝臓、腸、またはこれらの組合せに、ステージ1以上のGVHD兆候を呈する。
【0572】
本開示の組成物(例えば、本明細書に記載されている細胞集団)を投与された対象は、皮膚、肝臓、腸、またはこれらの組合せに、ステージ3以上のGVHD兆候の低発生率、例えば、代替組成物を投与された対象よりも低い発生率を呈する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約1%未満、約2%未満、約3%未満、約4%未満、約5%未満、約6%未満、約7%未満、約8%未満、約9%未満、約10%未満、約11%未満、約12%未満、約13%未満、約14%未満、約15%未満、約16%未満、約17%未満、約18%未満、約19%未満、約20%未満、約21%未満、約22%未満、約23%未満、約24%未満、約25%未満、約26%未満、約27%未満、約28%未満、約29%未満、約30%未満、約31%未満、約32%未満、約33%未満、約34%未満、約35%未満、約36%未満、約37%未満、約38%未満、約39%未満、約40%未満、約41%未満、約42%未満、約43%未満、約44%未満、約45%未満、約46%未満、約47%未満、約48%未満、約49%未満、または約50%未満は、皮膚、肝臓、腸、またはこれらの組合せに、ステージ3以上のGVHD兆候を呈する。
【0573】
本開示の組成物(例えば、本明細書に記載されている細胞集団)を投与された対象は、皮膚、肝臓、腸、またはこれらの組合せに、ステージ4以上のGVHD兆候の低発生率、例えば、代替組成物を投与された対象よりも低い発生率を呈する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約1%未満、約2%未満、約3%未満、約4%未満、約5%未満、約6%未満、約7%未満、約8%未満、約9%未満、約10%未満、約11%未満、約12%未満、約13%未満、約14%未満、約15%未満、約16%未満、約17%未満、約18%未満、約19%未満、約20%未満、約21%未満、約22%未満、約23%未満、約24%未満、約25%未満、約26%未満、約27%未満、約28%未満、約29%未満、約30%未満、約31%未満、約32%未満、約33%未満、約34%未満、約35%未満、約36%未満、約37%未満、約38%未満、約39%未満、約40%未満、約41%未満、約42%未満、約43%未満、約44%未満、約45%未満、約46%未満、約47%未満、約48%未満、約49%未満、または約50%未満は、皮膚、肝臓、腸、またはこれらの組合せに、ステージ4以上のGVHD兆候を呈する。
【0574】
臓器特異的GVHD兆候の発生率は、適した時間量が移植後に経過した後に、例えば、移植の約20日、約21日、約25日、約28日、約30日、約35日、約40日、約42日、約45日、約49日、約50日、約55日、約56日、約60日、約63日、約65日、約70日、約75日、約77日、約80日、約84日、約85日、約90日、約91日、約95日、約98日、約100日、約105日、約110日、約112日、約115日、約119日、約120日、約150日、約200日、約365日、約1.5年、約2年、約2.5年、約3年、約3.5年、約4年、約4.5年または約5年後に査定することができる。
【0575】
臓器特異的GVHD兆候の発生率は、例えば、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも120、少なくとも140、少なくとも160、少なくとも180、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも300、少なくとも350、少なくとも400、少なくとも450または少なくとも500名の対象の集団に基づき計算することができる。
【0576】
一部の実施形態では、適した移植後時間量の後に、例えば、移植後約14日、15日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、29日、30日、31日、32日、35日、40日、42日、45日、49日、50日、55日、56日、60日、63日、65日、70日、75日、77日、80日、84日、85日、90日、91日、95日、98日または100日目に評価された場合、対象の少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%または少なくとも約95%が、≧1.5のCD4:CD8 T細胞比を有する。
V.他の臨床アウトカム
A.生存期間、入院および再発
【0577】
一部の実施形態では、組成物、多成分医薬処置、細胞集団、溶液剤、製剤、キットおよび/または方法で処置されたまたはこれを与えられた患者は、悪性病変再発、感染症または腎不全のうち少なくとも1種の低減したリスクを有する。
【0578】
本開示の組成物、多成分医薬処置、細胞集団、溶液剤、製剤、キットおよび/または方法(例えば、本明細書に記載されている細胞の集団を含む細胞集団)で処置されたまたはこれを与えられた対象の集団は、高い全生存率、例えば、代替組成物を投与された対象と比較して、より高い全生存率を示す。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%または少なくとも約95%は、移植後約1年、約1.5年、約2年、約2.5年、約3年、約3.5年、約4年、約4.5年、約5年、約7年、約10年、約15年、約20年、約30年目に生きている。
【0579】
本開示の組成物、多成分医薬処置、細胞集団、溶液剤、製剤、キットおよび/または方法(例えば、本明細書に記載されている細胞の集団を含む細胞集団)で処置されたまたはこれを与えられた対象の集団は、低い処置関連の死亡率、例えば、代替組成物を投与された対象と比較して、より低い処置関連の死亡率を示す。一部の実施形態では、適した移植後時間量の後に、例えば、移植後約6カ月、約1年、約1.5年、約2年、約2.5年、約3年、約3.5年、約4年、約4.5年または約5年目に評価された場合、本開示の組成物を投与された対象の集団の処置関連の死亡率は、約1%未満、約2%未満、約3%未満、約4%未満、約5%未満、約6%未満、約7%未満、約8%未満、約9%未満、約10%未満、約11%未満、約12%未満、約13%未満、約14%未満、約15%未満、約16%未満、約17%未満、約18%未満、約19%未満、約20%未満、約25%未満、約30%未満、約35%未満、約40%未満または約50%未満である。一部の実施形態では、移植後1年目に評価された場合、本開示の組成物を投与された対象の集団の処置関連の死亡率は、約5%未満である。一部の実施形態では、移植後1年目に評価された場合、本開示の組成物を投与された対象の集団の処置関連の死亡率は、約1%未満である。
【0580】
本開示の組成物、多成分医薬処置、細胞集団、溶液剤、製剤、キットおよび/または方法(例えば、本明細書に記載されている細胞の集団を含む細胞集団)で処置されたまたはこれを与えられた対象の集団は、無GVHDおよび無再発生存(GRFS)率、例えば、代替組成物を投与された対象と比較して、より高いGRFS率を示す。一部の実施形態では、GRFSは、再発もグレード≧3 aGVHDも大規模(例えば、重度)cGVHDも伴わない生存期間を指すことができる。一部の実施形態では、GRFSは、再発もグレード≧2 aGVHDも大規模(例えば、中等度~重度)cGVHDも伴わない生存期間を指すことができる。一部の実施形態では、GRFSは、GVHD症状がない生存期間を指すことができる。一部の実施形態では、適した移植後時間量の後に、例えば、移植後約6カ月、約1年、約1.5年、約2年、約2.5年、約3年、約3.5年、約4年、約4.5年または約5年目に評価された場合、本開示の組成物を投与された対象の集団のGRFS率は、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%または少なくとも約95%である。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の集団のGRFS率は、移植後1年目に評価された場合、少なくとも約60%である。一部の実施形態では、移植後1年目に評価された場合、本開示の組成物を投与された対象の集団のGRFS率は、少なくとも約75%である。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の集団のGRFS率は、移植後3年目に評価された場合、75%超である。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の集団のGRFS率は、移植後5年目に評価された場合、75%超である。一部の実施形態では、移植後7年目に評価された場合、本開示の組成物を投与された対象の集団のGRFS率は、75%超である。一部の実施形態では、移植後10年目に評価された場合、本開示の組成物を投与された対象の集団のGRFS率は、75%超である。
【0581】
本開示の組成物、多成分医薬処置、細胞集団、溶液剤、製剤、キットおよび/または方法(例えば、本明細書に記載されている細胞の集団を含む細胞集団)で処置されたまたはこれを与えられた対象の集団は、短い、病院から退院するまでの時間、例えば、代替組成物を投与された対象と比較して、より短い、病院から退院するまでの時間を示す。一部の実施形態では、移植レジメン0日目から退院するまでの平均時間は、約20日間未満、約19日間未満、約18日間未満、約17日間未満、約16日間未満、約15日間未満、約14日間未満、約13日間未満、約12日間未満、約11日間未満、約10日間未満、約9日間未満または約8日間未満である。一部の実施形態では、移植レジメン0日目から退院するまでの平均時間は、約17日間未満である。一部の実施形態では、移植レジメン0日目から退院するまでの平均時間は、約18日間未満である。実施形態では、本明細書に開示されている組成物、多成分医薬処置、細胞集団、溶液剤、製剤、キットおよび/または方法で処置されたまたはこれを与えられたヒト対象は、医薬品投薬レジメンを投与されてから約1年後に、自身の悪性病変の再発がない。
【0582】
本開示の組成物、多成分医薬処置、細胞集団、溶液剤、製剤、キットおよび/または方法(例えば、本明細書に記載されている細胞の集団を含む細胞集団)で処置されたまたはこれを与えられた対象の集団は、低い再発率、例えば、代替組成物を投与された対象と比較して、より低い再発率を示す。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約3%未満、約4%未満、約5%未満、約6%未満、約7%未満、約8%未満、約9%未満、約10%未満、約11%未満、約12%未満、約13%未満、約14%未満、約15%未満、約20%未満、約25%未満、約30%未満、約35%未満、約40%未満、約45%未満、約50%未満、約55%未満または約60%未満が、適した移植後時間量以内に、例えば、移植後約90日、約100日、約120日、約6カ月、約1年、約1.5年、約2年、約2.5年、約3年、約3.5年、約4年、約4.5年または約5年目に再発する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約35%未満が、移植後1年以内に再発する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約25%未満が、移植後1年以内に再発する。
【0583】
本開示の組成物、多成分医薬処置、細胞集団、溶液剤、製剤、キットおよび/または方法(例えば、本明細書に記載されている細胞集団)で処置されたまたはこれを与えられた場合に活動性疾患がない対象の集団は、低い再発率、例えば、代替組成物を投与された対象と比較して、より低い再発率を示す。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された場合に活動性疾患がない対象の約1%未満、約2%未満、約3%未満、約4%未満、約5%未満、約6%未満、約7%未満、約8%未満、約9%未満、約10%未満、約11%未満、約12%未満、約13%未満、約14%未満、約15%未満、約20%未満、約25%未満、約30%未満、約35%未満、約40%未満、約45%未満、約50%未満、約55%未満または約60%未満が、適した移植後時間量以内に、例えば、移植後約90日、約100日、約120日、約6カ月、約1年、約1.5年、約2年、約2.5年、約3年、約3.5年、約4年、約4.5年または約5年目に再発する。
【0584】
一部の事例では、組成物、多成分医薬処置、細胞集団、溶液剤、製剤、キットおよび/または方法で処置されたまたはこれを与えられた患者は、細胞集団を投与されてから約1年後に、自身の悪性病変の再発がない。
【0585】
本開示の組成物(例えば、本明細書に記載されている細胞集団)を投与された場合に完全寛解した対象の集団は、低い再発率、例えば、代替組成物を投与された対象と比較して、より低い再発率を示す。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された場合に完全寛解した対象の約1%未満、約2%未満、約3%未満、約4%未満、約5%未満、約6%未満、約7%未満、約8%未満、約9%未満、約10%未満、約11%未満、約12%未満、約13%未満、約14%未満、約15%未満、約20%未満、約25%未満、約30%未満、約35%未満または約40%未満は、適した移植後時間量以内に、例えば、移植後約90日、約100日、約120日、約6カ月、約1年、約1.5年、約2年、約2.5年、約3年、約3.5年、約4年、約4.5年または約5年目に再発する。
【0586】
一部の事例では、患者は、細胞集団を投与されてから1年後に、GHVDも自身の悪性病変の再発も有しない。
B.生着および免疫再構成
7.移植不全
【0587】
本開示の組成物(例えば、本明細書に記載されている細胞集団)を投与された対象の集団は、低い一次性移植不全率、例えば、代替組成物を投与された対象と比較して、より低い一次性移植不全率を示す。一次性移植不全は、移植後30日目の後に、>500細胞/μLの絶対好中球数を達成することの失敗であり得る。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約1%未満、約2%未満、約3%未満、約4%未満、約5%未満、約6%未満、約7%未満、約8%未満、約9%未満、約10%未満、約11%未満、約12%未満、約13%未満、約14%未満、約15%未満、約20%未満、約30%未満または約40%未満が、一次性移植不全を示す。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約1%未満が、一次性移植不全を示す。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約3%未満が、一次性移植不全を示す。
【0588】
本開示の組成物(例えば、本明細書に記載されている細胞集団)を投与された対象の集団は、低い二次性移植不全率、例えば、代替組成物を投与された対象と比較して、より低い二次性移植不全率を示す。二次性移植不全は、生着後の持続した造血発生喪失であり得る。一部の実施形態では、適した移植後時間量の後に、例えば、移植後約90日、約100日、約120日、約6カ月、約1年、約1.5年、約2年、約2.5年、約3年、約3.5年、約4年、約4.5年または約5年目に評価された場合、本開示の組成物を投与された対象の約1%未満、約2%未満、約3%未満、約4%未満、約5%未満、約6%未満、約7%未満、約8%未満、約9%未満、約10%未満、約11%未満、約12%未満、約13%未満、約14%未満、約15%未満、約20%未満、約30%未満または約40%未満が、二次性移植不全を示す。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約1%未満が、移植後1年以内に二次性移植不全を示す。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の約5%未満が、移植後1年以内に二次性移植不全を示す。
8.好中球生着
【0589】
本開示の組成物(例えば、本明細書に記載されている細胞集団)を投与された対象の集団は、迅速な好中球生着、例えば、代替組成物を投与された対象と比較して、より迅速な好中球生着を示す。好中球生着は、レシピエントの末梢血における>500細胞/μLの持続した好中球数によって指し示され得る。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の集団は、移植後約7日、約8日、約9日、約10日、約11日、約12日、約12日、約14日または約15日目の中央値までに、好中球生着を達成する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の集団は、移植後13日目の中央値までに、好中球生着を達成する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の集団は、移植後12日目の中央値までに、好中球生着を達成する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の集団は、移植後11日目の中央値までに、好中球生着を達成する。
9.血小板生着
【0590】
本開示の組成物(例えば、本明細書に記載されている細胞の集団を含む細胞集団)を投与された対象の集団は、迅速な血小板生着、例えば、代替組成物を投与された対象と比較して、より迅速な血小板生着を示す。血小板生着は、レシピエントの末梢血における、血小板輸注なしでの連続3日間の血小板数>20,000/mmによって指し示され得る。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の集団は、移植後約7日、約8日、約9日、約10日、約11日、約12日、約12日、約14日または約15日目の中央値までに、血小板生着を達成する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の集団は、移植13日後の中央値までに、血小板生着を達成する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の集団は、移植12日後の中央値までに、血小板生着を達成する。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与された対象の集団は、移植11日後の中央値までに、血小板生着を達成する。
10.T細胞生着
【0591】
本開示の組成物(例えば、本明細書に記載されている細胞集団)を投与された対象の集団は、高い割合の循環Treg、例えば、代替組成物を投与された対象と比較して、より高い割合の循環Tregを示す。一部の実施形態では、対象が、適した移植後時間量の後に、例えば、移植後約14日、15日、20日、21日、25日、28日、30日、35日、40日、42日、45日、49日、50日、55日、56日、60日、63日、65日、70日、75日、77日、80日、84日、85日、90日、91日、95日、98日、100日、110日、120日、130日、140日、150日、160日、170日または180日目に評価される場合、循環CD4+T細胞の平均して少なくとも約5%、少なくとも約7.5%、少なくとも約10%、少なくとも約12.5%、少なくとも約15%、少なくとも約16%、少なくとも約17%、少なくとも約18%、少なくとも約19%、少なくとも約20%、少なくとも約21%、少なくとも約22%、少なくとも約23%、少なくとも約24%または少なくとも約25%がTregである。一部の実施形態では、対象が移植28日後に評価される場合、循環CD4+T細胞の平均して少なくとも約15%がTregである。
【0592】
本開示の組成物(例えば、本明細書に記載されている細胞集団)を投与された対象の集団は、正常CD4:CD8 T細胞比、例えば、代替組成物を投与された対象または正常な健康対照対象と比較して、より高いCD4:CD8 T細胞比を示す。
【0593】
一部の実施形態では、適した移植後時間量の後に、例えば、移植後約14日、15日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、29日、30日、31日、32日、35日、40日、42日、45日、49日、50日、55日、56日、60日、63日、65日、70日、75日、77日、80日、84日、85日、90日、91日、95日、98日または100日目に評価された場合、対象の少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%または少なくとも約95%が、≧0.8のCD4:CD8 T細胞比を有する。
【0594】
一部の実施形態では、適した移植後時間量の後に、例えば、移植後約14日、15日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、29日、30日、31日、32日、35日、40日、42日、45日、49日、50日、55日、56日、60日、63日、65日、70日、75日、77日、80日、84日、85日、90日、91日、95日、98日または100日目に評価された場合、対象の少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%または少なくとも約95%が、≧1のCD4:CD8 T細胞比を有する。一部の実施形態では、移植28日後に評価された場合、対象の少なくとも50%が、≧1のCD4:CD8 T細胞比を有する。
【0595】
一部の実施形態では、適した移植後時間量の後に、例えば、移植後約14日、15日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、29日、30日、31日、32日、35日、40日、42日、45日、49日、50日、55日、56日、60日、63日、65日、70日、75日、77日、80日、84日、85日、90日、91日、95日、98日または100日目に評価される場合、対象の少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%または少なくとも約95%が、≧1.2のCD4:CD8 T細胞比を有する。
【0596】
一部の実施形態では、適した移植後時間量の後に、例えば、移植後約14日、15日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、29日、30日、31日、32日、35日、40日、42日、45日、49日、50日、55日、56日、60日、63日、65日、70日、75日、77日、80日、84日、85日、90日、91日、95日、98日または100日目に評価される場合、対象の少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%または少なくとも約95%が、≧1.5のCD4:CD8 T細胞比を有する。
【0597】
本開示の組成物(例えば、本明細書に記載されている細胞集団)を投与された対象の集団は、移植後の初期時点で、高い割合のドナー由来の循環T細胞、例えば、代替組成物を投与された対象と比較して、より高い割合のドナー由来の循環T細胞を示す。
【0598】
一部の実施形態では、適した移植後時間量の後に、例えば、移植後約14日、15日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、29日、30日、31日、32日、35日、40日、42日、45日、49日、50日、55日、56日、60日、63日、65日、70日、75日、77日、80日、84日、85日、90日、91日、95日、98日または100日目に評価される対象の少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%または少なくとも約95%において、循環T細胞の50%超がドナー由来である。
【0599】
一部の実施形態では、適した移植後時間量の後に、例えば、移植後約14日、15日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、29日、30日、31日、32日、35日、40日、42日、45日、49日、50日、55日、56日、60日、63日、65日、70日、75日、77日、80日、84日、85日、90日、91日、95日、98日または100日目に評価される対象の少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%または少なくとも約95%において、循環T細胞の60%超がドナー由来である。
【0600】
一部の実施形態では、適した移植後時間量の後に、例えば、移植後約14日、15日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、29日、30日、31日、32日、35日、40日、42日、45日、49日、50日、55日、56日、60日、63日、65日、70日、75日、77日、80日、84日、85日、90日、91日、95日、98日または100日目に評価される対象の少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%または少なくとも約95%において、循環T細胞の70%超がドナー由来である。
【0601】
一部の実施形態では、適した移植後時間量の後に、例えば、移植後約14日、15日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、29日、30日、31日、32日、35日、40日、42日、45日、49日、50日、55日、56日、60日、63日、65日、70日、75日、77日、80日、84日、85日、90日、91日、95日、98日または100日目に評価される対象の少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%または少なくとも約95%において、循環T細胞の80%超がドナー由来である。
【0602】
一部の実施形態では、適した移植後時間量の後に、例えば、移植後約14日、15日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、29日、30日、31日、32日、35日、40日、42日、45日、49日、50日、55日、56日、60日、63日、65日、70日、75日、77日、80日、84日、85日、90日、91日、95日、98日または100日目に評価される対象の少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%または少なくとも約95%において、循環T細胞の90%超がドナー由来である。
【0603】
一部の実施形態では、移植30日後に評価される対象の少なくとも約少なくとも約70%において、循環T細胞の50%超がドナー由来である。一部の実施形態では、移植30日後に評価される対象の少なくとも約少なくとも約60%において、循環T細胞の70%超がドナー由来である。
11.B細胞生着
【0604】
本開示の組成物(例えば、本明細書に記載されている細胞集団)を投与された対象の集団は、移植後の初期時点において、高濃度の循環B細胞、例えば、代替組成物を投与された対象と比較して、より高濃度の循環B細胞を示す。移植後の初期時点において高濃度の循環B細胞を達成することは、免疫能にとって重要であり得、ワクチンが、より初期の移植後時点で防御免疫応答を誘発することを可能にすることができる。
【0605】
一部の実施形態では、1μL当たり約50個を超えるB細胞が、適した移植後時間量の後に、例えば、移植後約28日、30日、35日、40日、42日、45日、49日、50日、55日、56日、60日、63日、65日、70日、75日、77日、80日、84日、85日、90日、91日、95日、98日、100、105、110、112、115、119、120、125、126、130、133または140日目に評価される対象の少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%または少なくとも約95%の血液中に存在する。一部の実施形態では、1μL当たり50個を超えるB細胞が、移植約60日後に評価される対象の少なくとも75%の血液中に存在する。
【0606】
一部の実施形態では、1μL当たり約60個を超えるB細胞が、適した移植後時間量の後に、例えば、移植後約28日、30日、35日、40日、42日、45日、49日、50日、55日、56日、60日、63日、65日、70日、75日、77日、80日、84日、85日、90日、91日、95日、98日、100、105、110、112、115、119、120、125、126、130、133または140日目に評価される対象の少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%または少なくとも約95%の血液中に存在する。一部の実施形態では、1μL当たり60個を超えるB細胞が、移植約60日後に評価される対象の少なくとも75%の血液中に存在する。
【0607】
一部の実施形態では、1μL当たり約70個を超えるB細胞が、適した移植後時間量の後に、例えば、移植後約28日、30日、35日、40日、42日、45日、49日、50日、55日、56日、60日、63日、65日、70日、75日、77日、80日、84日、85日、90日、91日、95日、98日、100、105、110、112、115、119、120、125、126、130、133または140日目に評価される対象の少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%または少なくとも約95%の血液中に存在する。一部の実施形態では、1μL当たり70個を超えるB細胞が、移植約60日後に評価される対象の少なくとも75%の血液中に存在する。
【0608】
一部の実施形態では、1μL当たり約80個を超えるB細胞が、適した移植後時間量の後に、例えば、移植後約28日、30日、35日、40日、42日、45日、49日、50日、55日、56日、60日、63日、65日、70日、75日、77日、80日、84日、85日、90日、91日、95日、98日、100、105、110、112、115、119、120、125、126、130、133または140日目に評価される対象の少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%または少なくとも約95%の血液中に存在する。
【0609】
一部の実施形態では、1μL当たり約90個を超えるB細胞が、適した移植後時間量の後に、例えば、移植後約28日、30日、35日、40日、42日、45日、49日、50日、55日、56日、60日、63日、65日、70日、75日、77日、80日、84日、85日、90日、91日、95日、98日、100、105、110、112、115、119、120、125、126、130、133または140日目に評価される対象の少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%または少なくとも約95%の血液中に存在する。一部の実施形態では、1μL当たり90個を超えるB細胞が、移植約180日後に評価される対象の少なくとも75%の血液中に存在する。
【0610】
一部の実施形態では、1μL当たり約100個を超えるB細胞が、適した移植後時間量の後に、例えば、移植後約28日、30日、35日、40日、42日、45日、49日、50日、55日、56日、60日、63日、65日、70日、75日、77日、80日、84日、85日、90日、91日、95日、98日、100、105、110、112、115、119、120、125、126、130、133または140日目に評価される対象の少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%または少なくとも約95%の血液中に存在する。一部の実施形態では、1μL当たり100個を超えるB細胞が、移植約180日後に評価される対象の少なくとも75%の血液中に存在する。
【0611】
一部の実施形態では、1μL当たり約110個を超えるB細胞が、適した移植後時間量の後に、例えば、移植後約28日、30日、35日、40日、42日、45日、49日、50日、55日、56日、60日、63日、65日、70日、75日、77日、80日、84日、85日、90日、91日、95日、98日、100、105、110、112、115、119、120、125、126、130、133または140日目に評価される対象の少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%または少なくとも約95%の血液中に存在する。一部の実施形態では、1μL当たり110個を超えるB細胞が、移植約180日後に評価される対象の少なくとも75%の血液中に存在する。
【0612】
本開示の組成物(例えば、本明細書に記載されている細胞集団)を投与された対象の集団は、移植後の初期時点において、高い割合の成熟B細胞、例えば、代替組成物を投与された対象と比較して、より高い割合の、成熟B細胞(例えば、IgD+および/またはCD27+)である循環B細胞を示す。移植後の初期時点において高い割合の成熟B細胞を達成することは、免疫能にとって重要であり得、ワクチンが、より初期の移植後時点で防御免疫応答を誘発することを可能にすることができる。
【0613】
一部の実施形態では、適した移植後時間量の後に、例えば、移植後約28日、30日、35日、40日、42日、45日、49日、50日、55日、56日、60日、63日、65日、70日、75日、77日、80日、84日、85日、90日、91日、95日、98日、100、105、110、112、115、119、120、125、126、130、133または140日目に評価される対象の少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%または少なくとも約95%において、循環CD19+B細胞の少なくとも約50%がIgD+である。
【0614】
一部の実施形態では、適した移植後時間量の後に、例えば、移植後約28日、30日、35日、40日、42日、45日、49日、50日、55日、56日、60日、63日、65日、70日、75日、77日、80日、84日、85日、90日、91日、95日、98日、100、105、110、112、115、119、120、125、126、130、133または140日目に評価される対象の少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%または少なくとも約95%において、循環CD19+B細胞の少なくとも約60%がIgD+である。
【0615】
一部の実施形態では、適した移植後時間量の後に、例えば、移植後約28日、30日、35日、40日、42日、45日、49日、50日、55日、56日、60日、63日、65日、70日、75日、77日、80日、84日、85日、90日、91日、95日、98日、100、105、110、112、115、119、120、125、126、130、133または140日目に評価される対象の少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%または少なくとも約95%において、循環CD19+B細胞の少なくとも約70%がIgD+である。
【0616】
一部の実施形態では、適した移植後時間量の後に、例えば、移植後約28日、30日、35日、40日、42日、45日、49日、50日、55日、56日、60日、63日、65日、70日、75日、77日、80日、84日、85日、90日、91日、95日、98日、100、105、110、112、115、119、120、125、126、130、133または140日目に評価される対象の少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%または少なくとも約95%において、循環CD19+B細胞の少なくとも約80%がIgD+である。一部の実施形態では、移植約100日後に評価される対象の少なくとも約75%において、循環CD19+B細胞の少なくとも約80%がIgD+である。
【0617】
一部の実施形態では、適した移植後時間量の後に、例えば、移植後約28日、30日、35日、40日、42日、45日、49日、50日、55日、56日、60日、63日、65日、70日、75日、77日、80日、84日、85日、90日、91日、95日、98日、100、105、110、112、115、119、120、125、126、130、133または140日目に評価される対象の少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%または少なくとも約95%において、循環CD19+B細胞の少なくとも約90%がIgD+である。一部の実施形態では、移植約100日後に評価される対象の少なくとも約75%において、循環CD19+B細胞の少なくとも約90%がIgD+である。
【0618】
一部の実施形態では、適した移植後時間量の後に、例えば、移植後約28日、30日、35日、40日、42日、45日、49日、50日、55日、56日、60日、63日、65日、70日、75日、77日、80日、84日、85日、90日、91日、95日、98日、100、105、110、112、115、119、120、125、126、130、133または140日目に評価される対象の少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%または少なくとも約95%において、循環CD19+B細胞の少なくとも約25%がCD27+である。
【0619】
一部の実施形態では、適した移植後時間量の後に、例えば、移植後約28日、30日、35日、40日、42日、45日、49日、50日、55日、56日、60日、63日、65日、70日、75日、77日、80日、84日、85日、90日、91日、95日、98日、100、105、110、112、115、119、120、125、126、130、133または140日目に評価される対象の少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%または少なくとも約95%において、循環CD19+B細胞の少なくとも約30%がCD27+である。一部の実施形態では、移植100日後に評価される対象の少なくとも約75%において、循環CD19+B細胞の少なくとも約30%がCD27+である。
【0620】
一部の実施形態では、適した移植後時間量の後に、例えば、移植後約28日、30日、35日、40日、42日、45日、49日、50日、55日、56日、60日、63日、65日、70日、75日、77日、80日、84日、85日、90日、91日、95日、98日、100、105、110、112、115、119、120、125、126、130、133または140日目に評価される対象の少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%または少なくとも約95%において、循環CD19+B細胞の少なくとも約35%がCD27+である。一部の実施形態では、移植100日後に評価される対象の少なくとも約75%において、循環CD19+B細胞の少なくとも約35%がCD27+である。
【0621】
一部の実施形態では、適した移植後時間量の後に、例えば、移植後約28日、30日、35日、40日、42日、45日、49日、50日、55日、56日、60日、63日、65日、70日、75日、77日、80日、84日、85日、90日、91日、95日、98日、100、105、110、112、115、119、120、125、126、130、133または140日目に評価される対象の少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%または少なくとも約95%において、循環CD19+B細胞の少なくとも約40%がCD27+である。一部の実施形態では、移植100日後に評価される対象の少なくとも約75%において、循環CD19+B細胞の少なくとも約40%がCD27+である。
【0622】
本明細書に開示されている臨床アウトカムは、例えば、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも120、少なくとも140、少なくとも160、少なくとも180、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも300、少なくとも350、少なくとも400、少なくとも450または少なくとも500名の対象の集団に基づき計算することができる。
VI.キット
【0623】
別の態様は、CD45+細胞の第1の集団を含む第1の容器と、CD45+細胞の第2の集団を含む溶液剤を含む第2の容器と、調節性T細胞(Treg)について濃縮された細胞の集団を含む溶液剤を含む第3の容器とを含む溶液剤を含むキットを提供する。この態様では、CD45+細胞の第1の集団を含む溶液剤、CD45+細胞の第2の集団を含む溶液剤、およびTregについて濃縮された細胞の集団を含む溶液剤は、いずれかの本明細書に開示されている多成分医薬処置または方法に従って規定されている通りである。様々な実施形態では、キットは、GVHD予防剤を含む第4の容器をさらに含む。一部の事例では、キットは、いずれかの本明細書に開示されている方法を実施するための使用説明書をさらに含む。
【0624】
さらなる態様は、(a)動員された末梢血組成物からCD34+細胞を選別するための1つまたは複数の試薬と、(b)動員された末梢血組成物から調節性T細胞(Treg)を選別するための1つまたは複数の試薬と、(c)動員された末梢血におけるCD3+通常型T細胞の数を検出するための1つまたは複数の試薬と、(d)1回または複数回用量の移植片対宿主病(GVHD)予防剤を含む溶液剤とを含むキットを提供する。一部の実施形態では、キットは、いずれかの本明細書に開示されている方法を実施するための使用説明書をさらに含む。
【0625】
様々な実施形態は、HSPCを選別するための1つまたは複数の試薬を含むキットを提供し、例えば、キットは、動員された末梢血提供からCD34+細胞集団を濃縮するための試薬を含むことができる。
【0626】
一部の実施形態は、Tregを選別するための1つまたは複数の試薬を含むキットを提供し、例えば、キットは、動員された末梢血提供からTreg細胞集団を濃縮するための試薬(本明細書の他の箇所に記載されているマーカーを使用)を含むことができる。
【0627】
実施形態は、コンディショニングレジメンのための1つまたは複数のコンディショニング試薬を含むキットを提供し、例えば、キットは、レシピエントの骨髄破壊または骨髄低減のための試薬を含むことができる。
【0628】
一部の実施形態は、1つまたは複数のGVHD予防剤を含むキットを提供する。
【0629】
いずれかの本明細書に開示されている方法において、方法は、使用のための説明書(IFU)を提供するステップをさらに含み、IFUは、細胞集団を患者に投与するための使用説明書を含む。一部の事例では、IFUは、1つまたは複数の医薬剤または組成物を患者に投与するための使用説明書も含む。
定義
【0630】
本明細書で使用されている用語法は、単に特定の事例を表すことを目的としており、限定を意図するものではない。
【0631】
本明細書で使用される場合、他に指示がない限り、用語「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、文脈がそれ以外のことを明らかに指示しない限り、単一形態だけではなく、複数形態も含むことを意図する。
【0632】
用語「を含む(comprise)」、「を含むこと(comprising)」、「を含有する」、「を含有すること」、「を含むこと(including)」、「を含む(includes)」、「を有すること」、「を有する」、「を備える」またはこれらの異表記は、本明細書および/または特許請求の範囲のいずれかにおいて使用される場合、用語「を含むこと(comprising)」と同様の様式で包括的であることを意図する。
【0633】
用語「約」または「およそ」は、当業者によって決定される特定の値に許容される誤差範囲内を意味し、この範囲は、一部には、値が測定または決定される仕方、例えば、測定システムの限界に依存するであろう。例えば、「約」は、記述される値よりも10%大きいまたは小さいことを意味することができる。別の例では、「約」は、所与の値における慣例による、1または1超の標準偏差以内を意味することができる。本出願および特許請求の範囲において特定の値について記載されている場合、そうでないと記述されない限り、用語「約」は、特定の値に許容される誤差範囲を意味すると仮定されるべきである。
【0634】
用語「実質的に」とは、大部分について、著しい程度;または本質的であることを意味する。換言すると、実質的にという用語は、所望の特質に対してほぼ正確であること、または正確な特質と僅かに異なることを意味することができる。実質的には、所望の特質から識別不能であり得る。実質的には、所望の特質から識別可能であり得るが、その差は、重要でないかまたは無視できる。
【0635】
「1個または複数の」または「少なくとも1個の」とは、少なくとも1個の、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個またはそれよりも多いことを意味する。
【0636】
用語「同様の」は、同一であることに至るまでかつ同一であることを含め、似ていることと理解される。したがって、2個の(またはそれよりも多い)物品は、同一であり得る、実質的に同一であり得る、等価の成分を含むことができる、代用可能な成分を含むことができる、類似した成分を含むことができる、匹敵する成分を含むことができる、補完的な成分を含むことができる、関連する成分を含むことができる、同種の成分を含むことができる、ならびに/または2個(またはそれよりも多い物品)の間の差は、貧弱であるおよび/もしくは等価の特性、同一の特性、実質的に同一の特性を有する組成物をもたらす、等である。
【0637】
用語「患者」および「対象」は、同義語である。
【0638】
本明細書に記載されているいずれかの態様または実施形態は、本明細書に開示されているいずれかの他の態様または実施形態と組み合わせることができる。
VII.追加の態様
【0639】
態様は、移植の最大約100日後までステージ2またはそれより高い移植片対宿主病(GVHD)応答を誘発することなく通常型T細胞(Tcon)集団をヒト対象に移植する方法を提供する。方法は、(i)リンパ球、顆粒細胞および単球を含む異種細胞集団を投与するステップであって、前記リンパ球の少なくとも約30%が通常型T細胞(Tcon)を含む、ステップと;(ii)調節性T細胞(Treg)の集団を投与するステップとを含む。この方法では、異種細胞成分および/またはTregの集団は、約5EU/ml未満のエンドトキシンを含む。
【0640】
さらなる態様は、ヒト対象を処置する方法であって、複数の細胞集団を投与するステップ(a)であって、複数の細胞集団が:(i)造血幹前駆細胞(HSPC)の集団;(ii)調節性T細胞(Treg)を含む細胞の集団;および(iii)通常型T細胞(Tcon)の集団を含む、ステップと;1つだけの移植片対宿主病(GVHD)予防剤を約120日未満の間投与するステップ(b)とを含む、方法を提供する。この方法では、HSPCの集団は、約2%未満のCD3+細胞を含む。
【0641】
態様は、それを必要とするヒト対象を処置する方法であって、ヒト対象に、少なくとも2つの医薬組成物を投与するステップであって、医薬組成物が、(a)造血幹前駆細胞(HSPC)の集団を含む医薬組成物;(b)調節性T細胞(Treg)の集団を含む医薬組成物;および(c)通常型T細胞(Tcon)の集団を含む医薬組成物から選択される、ステップを含む、方法である。この方法では、医薬組成物(a)、(b)および(c)は、それぞれ約5EU/ml未満のエンドトキシンを含み;2つまたはそれより多い医薬組成物を投与された100名のヒト対象の群の15名未満のヒト対象は、Tconの集団を含む医薬組成物を投与された後約30日以内に、ステージ2またはそれより高い移植片対宿主病(GVHD)応答を生じる。
【0642】
追加の態様は、移植の最大約100日後までステージ2またはそれより高い移植片対宿主病(GVHD)応答を誘発することなく通常型T細胞(Tcon)集団をヒト対象に移植する方法である。方法は:(i)通常型T細胞(Tcon)の集団を含む溶液剤を投与するステップと;(ii)調節性T細胞(Treg)の集団を含む溶液剤を投与するステップとを含む。この方法では、Tconの集団は、少なくとも約4時間凍結保存されており、Tconの集団を含む溶液剤およびTregの集団を含む溶液剤は、溶液剤1ml当たり約5EU未満のエンドトキシンを含む。
【0643】
さらに別の態様は、それを必要とするヒト対象における血液悪性腫瘍を処置する方法であって、ヒト対象に:(a)造血幹前駆細胞(HSPC)の集団;(b)調節性T細胞(Treg)の集団;および(c)通常型T細胞(Tcon)の集団を投与するステップを含む、方法を提供する。方法では、HSPCの集団およびTregの集団は、Tconの集団の前に投与され;ヒト対象の末梢血は、3つの細胞集団を投与されなかった健康なヒト対象と比較して、3つの細胞集団を投与した約100日後までに、Treg数の上昇を呈する。
【0644】
さらなる態様は、移植の最大約100日後までステージ2またはそれより高い移植片対宿主病(GVHD)応答を誘発することなく通常型T細胞(Tcon)集団をヒト対象に移植する方法を提供する。方法は、(i)通常型T細胞(Tcon)の集団を投与するステップと;(ii)調節性T細胞(Treg)の集団を投与するステップとを含む。この方法では、Tconの集団は、Tregの集団が投与された少なくとも約12時間後に投与され;Tconの集団およびTregの集団は、約5EU/ml未満のエンドトキシンを含む。
【実施例
【0645】
VIII.実施例
次の実施例は、単なる説明目的で含まれており、本開示の範囲の限定を意図するものではない。
(実施例1)
臨床試験
C.試験設計
【0646】
骨髄破壊性同種異系間造血細胞移植(アロHCT)を受けている、進行型血液学的悪性病変を有する対象において臨床試験を行った。
【0647】
移植片組成物および製造プロセスについて、下で詳述する。
【0648】
試験の一次エンドポイントは、一次性移植不全の発生率;ならびにグレードIII~V急性GVHDの発生率、重症度およびタイミングを含む。
【0649】
全群の二次エンドポイントは、好中球生着、血小板生着、二次性移植不全の発生率、処置下で発現した有害事象(TEAE)の発生率および重症度、ステロイド不応性急性GVHD、例えば、グレード3~4ステロイド不応性急性GVHDの発生率および重症度、慢性GVHDの発生率および重症度、移植後リンパ増殖性障害(PTLD)の発生率、非再発死亡率(NRM)、疾患再発(治療群I&III)、無再発生存期間、無GVHDおよび無再発生存期間(GRFS)、全生存期間、重篤感染症の発生率、ならびにT細胞免疫再構成パラメーターを含む。
D.試験集団
【0650】
対象は、次の判断基準のすべてを満たした場合、本開示の組成物を受けるのに適格であった:
【0651】
(1)登録時に年齢が≧18歳かつ≦65歳。
【0652】
(2)次の病理組織学的に確認された疾患のいずれかと診断される:(a)完全寛解(CR)、または不完全血液学的回復を伴うCR(CRi)である、既知の微小残存病変の存在を伴わない、急性骨髄性、リンパ性もしくは混合型表現型の白血病;または(b)(i)≦10%の白血病性芽細胞による骨髄浸潤を伴う形態的CRでない、もしくは(ii)マルチパラメーターフローサイトメトリー解析もしくは核酸に基づく技法のいずれかによる微小残存陽性の証拠を伴う形態的CRである、のいずれかである、急性骨髄性、リンパ性もしくは混合型表現型の白血病;(c)高または超高リスク骨髄異形成症候群;(d)National Comprehensive Cancer Network Guidelineによると移植に適格な骨髄線維症(MF)。具体的には、患者は、NCCNガイドラインおよび治験責任医師の判断により、(i)IPSS、DIPSSもしくはDIPSSプラススコアリングシステムに従った中等度-2もしくは高リスク;または(ii)高い症状負荷、低い血小板数もしくは複雑な細胞遺伝学等の高リスク特徴を伴う中等度-1リスク疾患のいずれかであるMFと診断されるべきである。(e)骨髄増殖症候群;(f)自家HCTに適さないリスク特徴が不十分な非ホジキンリンパ腫。
【0653】
(3)適した骨髄破壊性コンディショニングレジメンを含む骨髄破壊性同種異系間造血細胞移植(MA-アロHCT)を受けることを計画している。
【0654】
(4)(a)すべてDNAに基づく高分解能の方法を使用して型分類された、HLA-A、-B、-Cおよび-DRB1について8/8適合である適合した兄弟姉妹ドナー;または(b)すべてDNAに基づく高分解能の方法を使用して型分類された、HLA-A、-B、-Cおよび-DRB1において8/8適合である適合した非血縁者ドナーであるドナーに適合する。
【0655】
(5)推定糸球体濾過率(eGFR)>30mL/分;またはタクロリムスを用いたGVHD予防法が計画されている患者については>50mL/分。
【0656】
(6)心エコー図または放射性核種スキャン(MUGA)による、安静時の心臓駆出率≧45%または短縮率(shortening fraction)≧27%。
【0657】
(7)一酸化炭素に関する肺の拡散能(DLCO)(ヘモグロビンに対して調整)≧50%。
【0658】
(8)登録後3週間以内の、妊娠可能な女性における陰性の血清または尿ベータ-HCG検査。
【0659】
(9)総ビリルビンが正常上限(ULN)の<2倍(溶血が除外されており、かつ医学的モニターの承認がある場合、ジルベール症候群の患者が含まれてよい)。
【0660】
(10)ALT/ASTが正常上限(ULN)の<3倍。
【0661】
対象は、次の除外判断基準のいずれかを満たした場合、本開示の組成物を受けることについて不適格であった:
【0662】
(1)事前の同種異系間HCTを受けた。
【0663】
(2)自家移植の候補である。
【0664】
(3)コルチコステロイドまたは他の免疫抑制療法を現在受けている。10mg/日未満のまたはこれに等しい外用コルチコステロイドまたは経口全身性コルチコステロイド用量は許容される。
【0665】
(4)計画されたドナーリンパ球注入(DLI)レシピエント。
【0666】
(5)医薬in vivoまたはex vivo T細胞枯渇、例えば、移植後シクロホスファミド(Cy)、移植周辺抗胸腺細胞グロブリン(ATG)またはアレムツズマブの計画されたレシピエント。T細胞枯渇剤に以前に曝露された患者のため、計画された0日目(移植片のTregおよびHSPC成分の注入日)の前に、薬剤の5半減期ウオッシュアウトが生じる必要がある。
【0667】
(6)(a)いずれかの力価の陽性交差適合検査;または(b)いずれかのHLA遺伝子座に対する抗ドナーHLA抗体の存在のいずれかによって決定される、選択されたドナーにおけるミスマッチの対立遺伝子に対する抗ドナーHLA抗体が陽性である。
【0668】
(7)カルノフスキーパフォーマンススコア<70%。
【0669】
(8)造血細胞移植特異的併存症指数(HCT-CI)>4。
【0670】
(9)登録時における制御されない細菌、ウイルスまたは真菌感染症(現在、抗菌療法を服用中であり、進行を伴うまたは臨床改善なしである)。
【0671】
(10)HIV-1もしくは-2、HTLV-1もしくは-2、B型肝炎sAgまたはC型肝炎抗体が血清陽性である。
【0672】
(11)タクロリムス(またはどちらかによる単剤予防法に適格である場合は、タクロリムスおよびシロリムス)に対する既知のアレルギーまたは過敏症または不耐性。
【0673】
(12)鉄デキストランまたはウシ、マウス、藻類もしくはStreptomyces avidiniiタンパク質に対する報告されたアレルギーまたは過敏症。
【0674】
(13)能動的免疫抑制処置を要求する、いずれかの制御されない自己免疫性疾患。
【0675】
(14)治癒的に切除された非黒色腫皮膚がんを除いた、1年以内の同時発生的な悪性病変または活動性疾患。
【0676】
(15)患者が、移植まで進むまたはフォローアップケアに責任を持って参加することができるようになることを妨げる心理社会的環境。
【0677】
(16)妊娠中または母乳育児中の女性。
【0678】
(17)移植後1年間にわたり効果的な形態のバースコントロールを使用することまたは禁欲することに気が進まない、妊娠可能な女性(WOCBP)またはWOCBPと性的接触がある男性。
【0679】
(18)治験責任医師のまたは医学的モニターの判断において、レシピエントの安全な試験参加および完了を妨げる、またはプロトコールの遵守もしくは結果の解釈に影響を与え得る、臨床実験室検査におけるいずれかの重篤な医学的状態または異常性。
【0680】
対象は、次の群の一部であった:
【0681】
治療群1:完全寛解(CR)、または不完全血液学的回復を伴うCR(CRi)であり、既知の微小残存病変陽性がなく、骨髄破壊性同種異系間造血細胞移植(MA-アロHCT)を計画しており、急性骨髄性、リンパ性または混合型表現型の白血病のいずれかの処置のために、骨髄破壊性同種異系間造血細胞移植(MA-アロHCT)を受けることを計画している対象。
【0682】
治療群2:(i)≦10%の白血病性芽細胞による骨髄浸潤を伴う形態的CRではない、または(ii)マルチパラメーターフローサイトメトリー解析もしくは核酸に基づく技法のいずれかによる微小残存陽性の証拠を伴う形態的CRであるのいずれかである、急性骨髄性、リンパ性または混合型表現型の白血病のためにMA-アロHCTを受けることを計画している対象。
【0683】
治療群3:高または超高リスク骨髄異形成(myelodysplasic)症候群(MDS)骨髄異形成症候群または骨髄線維症(原発性骨髄線維症、または他の骨髄増殖性新生物から発展した骨髄線維症)のためにMA-アロHCTを受けることを計画している対象。
【0684】
鉄デキストラン、シアニン色素に由来する化学製品、ならびにマウス、ウシ、藻類およびStreptomyces avidinii源に由来するタンパク質製品に対して感受性を有する対象は除外される。
【0685】
図1A~Bは、本試験(高精度Orca-TまたはOrcaTとして同定)に従った移植の概略図、および標準治療(SOC)コホート(従来の移植またはSOCとして同定)と比較した差を説明する。図1Cは、移植片産生および投与の概略図を説明する。
【0686】
図2Aは、試験に登録された患者の体重を説明する。表7は、人口動態、原発性疾患、疾患リスク状況を決定する特徴、移植時の疾患状況、および対象の代表的なサブセットについての移植の詳細を示す。略語:DLBCL、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫;AML、急性骨髄性白血病;ALL、急性リンパ球性白血病;MDS、骨髄異形成症候群;MF、骨髄線維症;MPAL、混合型表現型急性白血病;CML、慢性骨髄性白血病;CR1、第1の完全寛解;CR2、第2の完全寛解;活動性、活動性疾患(疾患実体について定義されるCRではない);MRD+、微小残存病変陽性;MRD、適合した血縁ドナー;URD、非血縁者ドナー;MF、骨髄線維症、FTBI、分割全身照射;Cy、シクロホスファミド;VP-16、エトポシド;Bu、ブスルファン;FLT3+、FMS様チロシンキナーゼ3;c-kit、ASXL1、追加の性コーム様(additional sex combs like)1。フォローアップ日は、報告時における患者毎の移植0日目からの日数を表示する。
【表7】
標準治療対照コホート
【0687】
臨床アウトカムの比較のため、標準治療(SOC)コンパレーターコホートを、同じ臨床現場の1つにおいて、同じ期間中に、SOC骨髄破壊性アロHCTを受けた対象から遡及的に同定した;SOC患者について追跡したプロトコールの概略図も、図1A~Bに示されている。SOCコホートに含まれるには、対象は、次の判断基準のすべてを満たす必要があった:(a)対象は、アロHCTによる処置に適格な血液学的悪性病変と診断された;(b)対象は、動員された末梢血の同種異系移植(すなわち、骨髄由来移植片ではない)を受けた;(c)対象のドナーは、完全にHLA適合した血縁ドナーであった(現在までの処置コホートにおける限られた数のため、非血縁者ドナーは含まれなかった);(d)対象は、骨髄破壊性コンディショニングレジメンを受けた;および(e)対象は、研究プロトコールに登録されなかった。SOCコホートのために対象を同定した人員は、対象の臨床アウトカムに関して盲検処理された。
【0688】
SOCコホートにおける全患者が、骨髄破壊性コンディショニングレジメンならびにタクロリムスおよびメトトレキセートによる二重薬剤GVHD予防法を受けた。
【0689】
SOCコホートにおける対象の臨床特徴は、表8に提供される。
【0690】
表8:標準治療(SOC)コホートにおける対象の代表的なサブセットの特徴。使用されている略語:DLBCL、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫;AML、急性骨髄性白血病;ALL、急性骨髄性白血病;MDS、骨髄異形成症候群;MF、骨髄線維症;MPAL、混合型表現型急性白血病;CML、慢性骨髄性白血病;CR1、第1の完全寛解;CR2、第2の完全寛解;「活動性」、活動性疾患(疾患実体毎に定義されるCRではない);MRD、微小残存病変;MRD、適合した血縁ドナー;MF、骨髄線維症、FTBI、分割全身照射;Cy、シクロホスファミド;VP-16、エトポシド;Bu、ブスルファン;FLT3+、FMS様チロシンキナーゼ3;Tac、タクロリムス;MTX、メトトレキセート。
【表8-1】
【表8-2】
【表8-3】
E.ドナー
【0691】
HLAが同一の血縁または非血縁者ドナーを使用した。
【0692】
次の組入判断基準のすべてを満たしたドナーを使用した:
【0693】
(1)登録時に年齢が≧16歳かつ≦75歳。
【0694】
(2)次の通りに患者に適合した:(i)すべてDNAに基づく高分解能の方法を使用して型分類された、HLA-A、-B、-Cおよび-DRB1について8/8適合である適合した血縁ドナー;(ii)すべてDNAに基づく高分解能の方法を使用して型分類された、HLA-A、-B、-Cおよび-DRB1において8/8適合である適合した非血縁者ドナーのうちいずれか一方。
【0695】
(3)動員後アフェレーシスのためにSpectra Optiaアフェレーシスシステムを用いることになる場所で供与することができる;
【0696】
(4)21 CFR § 1271 2018およびあらゆる関連性のあるFDA Guidance for Industry(Eligibility Determination for Donors of Human Cells, Tissues, and Cellular and Tissue-Based Products, 2007;Use of Donor Screening Tests to Test Donors of Human Cells, Tissues and Cellular and Tissue-Based Products for Infection with Treponema pallidum (Syphilis), 2015;Use of Nucleic Acid Tests to Reduce the Risk of Transmission of Hepatitis B Virus from Donors of Human Cells, Tissues, and Cellular and Tissue-Based Products, 2016;Use of Nucleic Acid Tests to Reduce the Risk of Transmission of West Nile Virus from Living Donors of Human Cells, Tissues, and Cellular and Tissue-Based Products (HCT/Ps), 2016;Donor Screening Recommendations to Reduce the Risk of Transmission of Zika Virus by Human Cells, Tissues, and Cellular and Tissue-Based Products, 2018)によって定義される、生存可能な白血球に富む細胞または組織のドナーのための連邦の適格性判断基準を満たす。
【0697】
(5)標準NMDPガイドライン(NMDPドナー)または施設内標準(非NMDPドナー)によって指定される、供与のための他のいずれかの判断基準を満たす。
【0698】
(6)妊娠可能な女性ドナーは、動員の3週間以内に陰性血清または尿ベータHCG検査結果を得なければならない。
【0699】
(7)白血球アフェレーシスを受けることができ、適切な静脈アクセスを有し、末梢静脈経由の白血球アフェレーシスが不適切である場合は、中心静脈カテーテルの挿入を受ける意思がある。
【0700】
要求される検査および/またはスクリーニングの結果に基づき不適格であると決定されたドナーは、そうであるにもかかわらず、21 CFR § 1271.65 2018の通り、次のいずれかが適用される場合、含まれる:(a)ドナーが、レシピエントの第一度もしくは第二度血縁者である;または(b)治験責任医師によって証言される通り、匹敵するヒト細胞製品を利用できず、ヒト細胞製品がないことで、レシピエントが死亡または重篤な罹患率を患う可能性があることを意味する、緊急の医学的必要。
【0701】
次の除外判断基準のいずれかを満たすドナーは、適格ではなかった:
【0702】
(1)活動性感染症の証拠。
【0703】
(2)HIV-1または-2、HTLV-1または-2が血清陽性。
【0704】
(3)抗C型肝炎(HCV)抗体またはHCV NATが陽性。
【0705】
(4)急性または慢性HBV感染症を指し示す陽性血清学的またはPCR検査結果。そのHBV感染症状況を血清学的検査結果によって確証的に決定することができないドナーは、試験参加に適格となるには、PCRによってHBVについて陰性にならなければならない。
【0706】
(5)次のいずれかとして定義される、ジカウイルス感染症の可能性:(i)過去6カ月間におけるジカウイルス感染症の医学的診断;(ii)過去6カ月以内の、活動性ジカウイルス伝播がある区域で居住またはそこに旅行;(iii)リスク因子(i)または(ii)のいずれかを有することが分かっている人物との過去6カ月以内の無防備性交。ジカウイルススクリーニングの結果に基づき不適格であることが決定されたドナーは、(a)ドナーが、活動性ジカウイルス感染症と一致した兆候も症状もなく;かつ(b)ドナーが、レシピエントの第一度または第二度血縁者である場合、またはii)治験責任医師によって証言される通り、匹敵するヒト細胞製品を利用できず、ヒト細胞製品がないことで、レシピエントが死亡または重篤な罹患率を患う可能性があることを意味する緊急の医学的必要の場合、適格であると決定される場合がある。
【0707】
(6)妊娠中または母乳育児中の女性。
F.細胞成分の生成
【0708】
ドナーは、毎日のG-CSFによる動員療法を受けた。推奨される用量は、10μg/kg/日SQ(300または480μgのいずれかの最も近いバイアルサイズまで四捨五入した)であった。動員期をG-CSFの投与初日に開始し、白血球アフェレーシスの最終日まで続けた。プロトコールのための移植片産生および投与の概略図は、図1Cに提供される。
【0709】
一般に、対象へのCD34濃縮(HSPC)およびTreg製品注入(0日目として定義)と比べて-3日目である、G-CSF投与の4日目に、大容量アフェレーシスを開始した。選択後に≧3×10個のCD34+細胞/kg(レシピエント体重)の標的でアフェレーシスを開始した。CD34濃縮およびTreg選別手順に利用できる十分な細胞を得るために、ドナーは、2日連続で(例えば、-3および-2日目に)アフェレーシス収集を受けた。可能な程度まで、1日目のアフェレーシス(-3日目)収集は午後の時間に予定し、2日目(-2日目)は早朝に予定し、これにより、最初の収集の終わりから細胞製品の注入までの時間を72時間未満に限定した。HSPC用量標的を達成するために治験責任医師および/または担当医によって推奨される場合、2回目のアフェレーシスの前にレリキサホル(例えば、0.24mg/kg SC、1回)を利用できた。
【0710】
CD34低減(フロースルー)画分を保持し、ドナーTregの単離に使用した。細胞選択のため、BMT細胞療法施設内にて優良医薬品製造基準(Good Manufacturing Practice)(GMP)条件下で臨床グレード試薬を使用した。
【0711】
次に、ビーズ精製(Miltenyi)を使用して、CD34枯渇画分からCD25+細胞を選択した。陰性画分からTconを得、陽性画分をTreg精製に使用した。CD4+CD25+CD127dim細胞は、BD Influx細胞選別機(BD Biosciences、San Jose CA)を使用したFACSによりさらなる選択を受けた。Tregの濃縮は、免疫磁気選択によるCD34+細胞の枯渇、免疫磁気選択によるCD25+の選択およびCD4+CD127lowCD25+細胞のFACS選別による精製に従った。高純度のTregを得た。これらの細胞は、混合リンパ球反応(MLR)において高度に抑制的であった。
【0712】
意図されるよりも低いTreg用量レベルが達成された場合、例えば、<2×10/kg(レシピエントの体重)の最終Treg収量が達成された場合、レシピエントは、1~2×10Treg/kgの用量を(当該用量を達成することができるのであれば)受け、投与されるTregのTconに対する比が1:1となるように、低減されたTcon用量を受けた。
G.処置
【0713】
対象は、表9に指し示される細胞成分を受けた。
【表9】
【0714】
本実施例において、移植物、移植片、細胞用量、製品、薬品、成分または移植片成分としての用語「HSPC」、および同様のものは、特許請求の範囲を含む本出願の他の箇所に開示されている「CD45+細胞の第1の組成物」および同様のものに対応し;移植物、移植片、細胞用量、製品、薬品、成分または移植片成分としての用語「Treg」、および同様のものは、特許請求の範囲を含む本出願の他の箇所に開示されている「Tregについて濃縮された細胞組成物」および同様のものに対応し;移植物、移植片、細胞用量、製品、薬品、成分または移植片成分としての用語「Tcon」、および同様のものは、特許請求の範囲を含む本出願の他の箇所に開示されている「CD45+細胞の第2の組成物」および同様のものに対応する。
【0715】
患者は、中央値Treg純度93.8%+/-3.1%で90%よりも高い純度を有するTreg細胞を受けた。図2B~Dは、患者に投与されるHSPCおよびTreg細胞の細胞用量を説明する。下の表10は、本試験に登録された20名の対象の代表的なサブセット由来のHSPC薬品(例えば、CD45+細胞の第1の集団)の解析を説明する。下の表11は、本試験に登録された20名の対象の代表的なサブセット由来のTreg薬品(例えば、Tregについて濃縮された細胞の集団)の解析を説明する。細胞成分は、それぞれがTregおよびHSPC成分の両方のための、100mLの概算の充填体積を有する単一用量移入バッグとして提供した。表10~11のそれぞれ一方について、多施設臨床試験由来の20名の対象由来の試料を解析した。各表に平均および標準偏差(SD)を示す。平均(SD)患者体重は、71.8kg(11.2kg)であった。不純物細胞用量は、患者毎に%不純物に報告された細胞用量を掛けることにより計算した。
【0716】
Tcon成分(例えば、CD45+細胞の第2の集団)は、概算の体積15mLで、気相液体窒素タンクにおける貯蔵後に、凍結状態で提供された。プールされたアフェレーシス製品をCD3+Tcon細胞について査定し、3.0E+06個のTconを含むアフェレーシス凍結製品の体積を計算し、対象に投与した。下の表12は、本試験に登録された20名の対象の代表的なサブセット由来のTcon薬品の解析を説明する。多施設臨床試験における20個の移植片由来のTcon薬品の解析(N=20)。平均および標準偏差(SD)が示されている。3M/kgの標的とされるCD3+T細胞用量に基づき細胞集団について細胞用量を計算した。バイオマーカーデータ(BM)、製造データ(mfg);平均(SD)患者体重は71.8kg(11.2kg)であった。
【0717】
各細胞療法製品は、およそ7.4のpHで、細胞、Plasma-Lyte Aおよびヒト血清アルブミンを含む。バッグおよび/または一次バッグ容器は、所管の規制機関によって要求される適切な標識テキストの入った標識を有した。
【0718】
ドナーから細胞製品を受け取ったときからそれをレシピエントに投与したときまでの時間量は、表13における患者のサブセットについて示される通り、60時間を下回った。
【0719】
投薬は、スクリーニングの際に査定される通り、キログラム数を小数第2位で四捨五入された対象の実際の体重に基づいた、または対象の実際の体重が、理想体重(IBW)の120%を超える場合は、ABW[kg単位]=[(実際の体重-IBW)×0.40]+IBWとして計算される、調整された体重(ABW)に基づいた。
【0720】
表14は、患者のサブセットの各細胞集団におけるエンドトキシンレベルを説明する。
【表10】
【表11】
【表12-1】
【表12-2】
【表13】
【表14-1】
【表14-2】
【表14-3】
【0721】
レシピエントは、コンディショニングレジメンの開始に先立ち配置された適切な長期中心静脈アクセスを有した。禁忌でない限りにおいて、対象に、各細胞成分の投与に先立ちアセトアミノフェンまたはパラセタモール(例えば、500~1000mg)およびジフェンヒドラミン(例えば、25~50mg)を投与した。
【0722】
CD34+HSPC細胞成分(例えば、CD45+細胞の第1の集団)、次いで、Treg細胞成分(例えば、Tregについて濃縮された細胞の集団)を、試験0日目に中心静脈カテーテルを介して静脈内(IV)投与した。
【0723】
対象は、細胞成分の投与に先立ち骨髄破壊性コンディショニング(MA)レジメンを受けた。MAレジメンの例は、表15に提供される。4,800~6,000μM-minの平均毎日AUCを維持するために、ブスルファンを投薬することもできる。
【表15】
【0724】
対象は、例えば、CD45+細胞の第2の集団の、Tcon注入(典型的には、+3日目)の翌日に始める単剤GVHD予防法としてタクロリムスまたはシロリムスのいずれかを受けた。
【0725】
5~10ng/mLの標的トラフ血液レベルにより、0.03mg/kg/日IVのタクロリムスを開始した。患者が食物摂取に耐えることができた場合、経口的(Per os)(PO)投与を容認できた。
【0726】
TBI/Cy/チオテパ、Cy/TBI、TBI/エトポシド、TBI/エトポシド/Cy(すなわち、ブスルファンを含まないレジメン)によるMAを受けた対象で、3~8ng/mLの標的血液レベルのために6mg POの単一のローディング用量と、それに続く2mg毎日としてシロリムスを開始した。
【0727】
+60日目に先立ち≧グレード2急性GVHDの兆候を示さなかった対象では、GVHD予防法を、例えば、1カ月当たりの用量のおよそ20%低減させることができる。≧グレード2急性GVHDの兆候を示した対象では、適した期間(例えば、いずれのGVHD治療剤の投与も止め、≧グレード2 GVHDが観察されなくなった後の適した期間)にわたりGVHDの兆候が観察されなくなった後に、GVHD予防法を漸減させることができる。
H.臨床アウトカム
【0728】
次の段落は、本明細書に記載されている臨床試験の臨床アウトカムに関するデータおよび説明を提供する。データの説明における前置きとして、移植不全は、HCTの合併症であり得、有意な死亡率に関連し得ることを認識されたい。
【0729】
+28日目までの好中球生着:好中球生着は、+28日目までの連続3日間の絶対好中球数(ANC)≧500/mmの達成として定義された。この3日間の最初を生着日と命名した。ANCが、500/mm未満に下落しなかった場合、+1日目を生着日として割り当てた。試験群患者は、より初期の好中球生着を示した(中央値11日間対14日間、マン・ホイットニーのUによるp<0.0001)。
【0730】
+50日目までの血小板生着:血小板生着は、+50日目までの先行する7日間における血小板輸注なしで連続3日間の血小板数>20,000/mmの達成として定義された。この3日間の初日を生着日と命名した。血小板数が、20,000/mm未満に下落しなかった場合、+1日目を生着日として割り当てた。試験群患者は、より初期の血小板生着を示した(11対17日間、p<0.0001)。
【0731】
+100日目までの二次性移植不全:二次性移植不全は、+100日目までの、好中球生着とそれに続く絶対好中球数<500個の細胞/μLのその後の減退、増殖因子療法に対する無応答性として定義された。
【0732】
+30日目より後の>500個の細胞/μLの絶対好中球数を達成することの失敗は、一次性移植不全を指し示すことができる。試験群における対象のいずれも、一次性移植不全を経験しなかった。
【0733】
生着後の持続した造血発生喪失は、二次性移植不全を指し示すことができる。試験群における対象のいずれも、二次性移植不全を経験しなかった。
【0734】
対象由来の末梢血試料も、フォローアップ手順の一部としてキメラ現象について解析した。細胞集団毎に標準マーカーを使用して、血液試料を処理して、様々な細胞集団を選択した。移植後+28日目、+56日目、+100日目、+180日目および+365日目に、本開示の組成物を受けた対象から血液を採取し、フローサイトメトリー(解析に使用されたマーカーは、表16に記載されている)によって末梢血細胞の頻度を定量化した。
【0735】
血小板輸注なしで連続3日間の血小板数>20,000/mmの達成は、血小板生着を指し示すことができる。図3Aに示す通り、試験群における対象は、SOCコホートにおける対象よりも急速な血小板生着を示し、SOCコホートの17日後と比較して、中央値で11日後に血小板生着を達成した(p<0.0001)。図3Bは、動員の前および後のドナーならびに移植前および移植後の受け取る患者における血小板数を説明する。次のものが示されている箱ひげ図:箱は、75、50および25パーセンタイルを示す;ひげは、90および10パーセンタイルを示す。X軸の命名法:先頭の数(例えば、01、02、025、…)は、順序付けのために言及されている;下線に続いて、Dscrn=G-CSF動員前の健康なドナー、Rscrn=コンディショニング前の1カ月以内のレシピエント、apher=アフェレーシス時に採取された健康なドナー血液、d028=レシピエント移植28日後、d056-d365=レシピエントの移植後日数。示されているNは、時点毎の標本サイズを指し示す。記号は、個々の測定の値を指し示す。
【0736】
>500個の細胞/μLの持続した好中球数の達成は、好中球生着を指し示すことができる。図3Cは、動員の前および後のドナーならびに移植前および移植後の受け取る患者における血小板数を説明する。図の説明文は、図3Bに記載されている説明文と同様である。
【0737】
図3D~Eは、患者における単球およびリンパ球生着を説明する。図3Mおよび図3Nは、代表的SOCコホートと比較した、代表的患者におけるリンパ球および単球数の比較を説明する。
【0738】
図3Fは、B細胞が、本開示の組成物のレシピエントにおいて生着すること、および成熟B細胞が、移植後+100日目までに存在することを説明する。生着されたB細胞のより優れた生着および/またはより初期の機能性は、標準治療移植片を上回る有意な利点、例えば、移植後に免疫を増強し、ワクチン接種を可能にすることを表すことができる。
【0739】
図3Gは、本開示の組成物のレシピエントにおける、CD3+T細胞生着を説明し;図3Hは、NK細胞生着を実証し、図3Iは、CD4+T細胞生着を説明し、図3Jは、CD8+T細胞生着を説明する。図3Kは、レシピエントにおけるCD4:CD8 T細胞の比を説明する。
【0740】
図3Lは、移植数日後における移植片レシピエントと比較した、健康なドナーにおけるTregであるCD3+CD4+T細胞の割合の比較を提供する。これらのデータは、本開示の組成物のレシピエントが、高頻度の循環CD4+Tregを示すことを示す。理論に制約されることを望むものではないが、より低いTreg頻度は、GVHDの予防、GVHD発症のリスク低減、GVHDの発生率低減、GVHDの重症度低減、またはこれらの組合せに寄与し得る。
【0741】
図3Oは、健康対照と比較した、2名の対象由来の代表的データを示す。健康対照において、循環CD3+CD4+T細胞の3.72%が、Treg(CD25+CD127dim)であった。2名の移植片レシピエントにおいて、+28日目にCD3+CD4+T細胞の28.1%および23.7%がTregであり、+56日目に32.3%および17.8%が、+100日目に19.2%および20.7%がTregであった。
【0742】
移植後+100日目に移植片レシピエントから採取された血液試料を、CD19、CD20、IgDおよびCD27を含む様々なB細胞マーカーのフローサイトメトリー評価のために処理した。図3Pは、健康対照と移植片レシピエント由来の散布図を比較する。すべての事例において、Y軸は、CD19+染色に関する。左パネルは、B細胞(CD19+)およびT細胞(CD3+)を同定するためのリンパ球のゲーティングを示す。健康対照における9.84%と比較して、移植片レシピエントにおけるリンパ球の13.4%がB細胞であった。次のパネルは、CD19+としてゲーティングする細胞の98.3~100%が、CD20+でもあったことを示す。右から2番目のパネルは、成熟B細胞の同定に使用することができる、IgD+であるB細胞の画分を示す。移植片レシピエントにおけるB細胞の92.1%がIgD+であり、健康対照における89.5%がIgD+であった。最も右のパネルは、例えば、メモリーB細胞、後期形質芽細胞および形質細胞の同定に使用することができる、CD27の染色を示す。移植片レシピエントにおけるB細胞の43.6%がCD27+であり、健康対照における67.1%がCD27+であった。
【0743】
これらの結果は、B細胞が、本開示の組成物のレシピエントにおいて生着すること、および成熟B細胞が、移植後+100日目までに存在することを実証する。生着されたB細胞のより優れた生着および/またはより初期の機能性は、標準治療移植片を上回る有意な利点、例えば、移植後に免疫を増強し、ワクチン接種を可能にすることを表すことができる。
I.GVHD評価
【0744】
急性GVHDは、MAGIC標準化判断基準によりステージ分けおよびグレード分けした。
【0745】
慢性GVHDは、International NIH Chronic GVHD Diagnosis and Staging Consensus Working Group判断基準により診断、ステージ分けおよびグレード分けした。
【0746】
急性および慢性GVHDの両方の臨床的に有意な顕在化は、先ず、局所的、外用および/または全身性コルチコステロイド(例えば、プレドニゾン)によって処置した。BMT-NIH-CIBMTR Task Force定義による、コルチコステロイドに対して不応性もしくは抵抗性である、これに依存性である、またはこれに不耐性であるいずれかの患者は、第二選択療法のために考慮されることになった。
【0747】
処置下で発現した有害事象(TEAE):TEAEは、System Organ ClassおよびMedDRAバージョン21.0を使用した基本語によってカテゴリー化し、CTCAEバージョン5.0に従ってグレード分けした。
【0748】
急性GVHD:急性GVHD(aGVHD)は、アロHCTに関連する罹患率および死亡率の有意なドライバーであり、aGVHDの重症度および発生率の低減は、移植片レシピエントに大いに利益を与える可能性がある。急性GVHDは、Mount Sinai Acute GVHD International Consortium (MAGIC)標準化判断基準によりステージ分けおよびグレード分けした。
【0749】
対象は、+100日目(移植100日後)の前にaGVHD症状を発症した場合、またはaGVHD症状を示すことなく+100日目を越えた場合、aGVHDについて評価可能と考慮された。このような判断基準を使用して、17名の患者が、報告時にaGVHDについて評価可能である。
【0750】
観察されたグレード≧2 aGVHD率は、報告時に16%であった。これは、同様の集団における発表された率と都合良く比較され、SOCコホートにおける患者よりも低かった。SOCコホートと比較されたグレード≧2 aGVHDの開始を図4Aに示す。1名の対象が、上部胃腸(GI)管のaGVHDを発症し、悪心およびカヘキシーとして顕在化した。この対象の症状は、コルチコステロイドの短い経過により消散し、これはその後に弱まった。
【0751】
重度(グレード3~4)aGVHDは、アロHCT後の非再発死亡率の主要な寄与因子であり、HLA適合した血縁ドナー移植後に患者の10~20%において観察することができる。患者の5%が、試験群においてグレード3~4 aGVHDを発症し、一方、SOCコホートにおける患者の20%が、グレード3~4 aGVHDを発症した。SOCコホートと比較した、+120日目までのグレード≧3 aGVHDの開始を図4Bに示す。
【0752】
表7に記す通り、試験群における4名の患者は、いかなるGVHD予防法も受けなかった。これらの患者のうち、1名のみが、aGVHD症状を発症した(上に記す上部GI管aGVHDの症例)。報告時までの結果は、GVHD予防法を用いずにまたは最小の予防法を用いて、本開示の組成物を患者に安全に投与することができることを示唆する。これらの戦略は、例えば、移植片対腫瘍(GVT)増加、移植片対感染症(GVI)増加、および免疫抑制剤に関連し得る有害効果(例えば、腎毒性および肝毒性)低減により、患者に有意に利益を与えることができる。
【0753】
これらの結果は、本開示の組成物が、例えば、GVHD予防薬の非存在下であっても、または低減したGVHD予防法を用いたとしても、標準治療と比較して、レシピエントにおけるaGVHDの発生率および重症度を低減させることができることを示唆する。
【0754】
ステロイド不応性急性GVHD:ステロイド不応性急性GVHDは、EBMT-NIH-CIBMTR Task Force意見書(position statement)の通りに定義された。
【0755】
慢性GVHD:慢性GVHD(cGVHD)は、有意な罹患率および減少した生存期間に関連するため、cGVHDの重症度または発生率の低減は、移植片レシピエントに大いに利益を与える可能性がある。慢性GVHDは、2014 International NIH Chronic GVHD Diagnosis and Staging Consensus Working Group判断基準により診断された。
【0756】
報告時に、試験群における対象は、中等度または重度cGVHDを発症しなかった。試験群における1名の対象が、皮膚の一過性ステロイド応答性軽度cGVHDを発症した。
【0757】
365日間のカットオフを使用して、解析を行った(すなわち、+365日目より後に生じるcGVHD事象は、含まれなかった)。図4Cに示す通り、試験群における対象は、SOCコホートにおける患者よりも有意に少ない中等度または重度cGVHD事象を経験した(それぞれ5%対43%;p<0.0001)。より少ないGVHD予防法を受けているまたはGVHD予防法を全く受けていないにもかかわらず、データは、本開示の組成物が、SOCコホートにおける対象と比較して、cGVHDの発生率を有意に低減させることができることを示した。その上、試験群における数名の対象は、2.5年間を超えるフォローアップを受けており、cGVHD症状は報告されていない。
【0758】
cGVHDは、減少した全生存期間および有意な長期罹患率に関連するため、これらの結果は、本開示の組成物が、標準治療と比較して、レシピエント対象における長期生存期間およびクオリティ・オブ・ライフを改善することができることを示唆する。
【0759】
移植後リンパ増殖性障害(PTLD):PTLDは、18F-フルオロデオキシグルコースポジトロン放出断層撮影(FDG-PET)ありまたはなしのコンピュータ断層撮影(CT)等のリンパ腫型に適切なステージ分け手順と共に、PTLD(非破壊的[形質細胞性過形成、感染性単核球症様および鮮紅色(florid)濾胞性過形成]、多形性、単形性またはホジキンリンパ腫様)の2017 World Health Organization(WHO)分類と一致した生検として定義された。
【0760】
非再発死亡率(NRM)の発生率。NRMは、疾患再燃の証拠がない死亡として定義された。疾患再発/進行は、競合する事象と考慮された。
【0761】
疾患再発の発生率:急性白血病について、再発は、次のいずれかとして定義された(MRD+単独は不十分であった):(i)骨髄もしくは末梢血における≧5%芽細胞;または(ii)移植前細胞遺伝学異常性の再出現;または(iii)髄外疾患の新たな証拠もしくは再発症。MDSについて、再発は、次のいずれかとして定義された:(i)急性白血病への発展の判断基準を満足させる;(ii)骨髄検体において検出される移植前形態的異常性の再出現;または(iii)解析された中期の数に関係なく、少なくとも1カ月間置いた2回の別々の連続した試験のそれぞれにおける、少なくとも1個の中期における移植前細胞遺伝学異常性の再出現。
【0762】
処置関連死亡率は、感染症、GVHDまたは臓器不全等、治療に関連する合併症または毒性による死亡を含む。報告時に、図4Dに示す通り、試験群における処置関連死亡率は、SOCコホートの13%と比較して、移植後1年間にわたり5%であった。試験群における対象は、疾患再発以外の合併症により死亡しなかった。
【0763】
生存期間および再発について対象をモニターした。臨床アウトカムの比較のため、標準治療(SOC)コンパレーターコホートを、同じ臨床現場の1つにおいて、同じ期間中に、完全にHLA適合したドナー由来の動員された末梢血のSOC骨髄破壊性アロHCTを受けた対象から遡及的に同定した。SOCコホートにおける全対象が、骨髄破壊性コンディショニングレジメンならびにタクロリムスおよびメトトレキセートによる二重薬剤GVHD予防法を受けた。
【0764】
図4E~Hは、本実施例に記載されている移植片を受けた対象と比較した、標準治療移植片のレシピエントであった対象の再発、無GVHDおよび無再発生存率、無慢性GVHD生存率および全生存率を説明する。これらのデータは、本明細書に記載されている組成物が、骨髄破壊性アロHCTを受けている対象における無再発生存期間を改善することを示唆する。
【0765】
無GVHDおよび無再発生存期間は、再発もグレード≧3急性または大規模慢性GVHDもない生存期間を指すことができる複合読み出し情報である。報告時に、図4Fに示す通り、移植1年後までの無GVHDおよび無再発生存期間のパーセントは、SOCコホートの34%と比較して、試験群で74%であった。差は、統計的に有意であった(ログランク検定によるp=0.0001)。
【0766】
全生存期間:OSは、移植の日付から、いずれかの原因による死亡の日付までの、または生存している患者については、最後のフォローアップの日付までの時間として定義された。報告時に、図4Hに示す通り、移植1年後までの全生存期間のパーセントは、SOCコホートの78%と比較して、試験群で90%であった。差は、統計的に有意であった(ログランク検定によるp=0.0242)。
H.入院時間
【0767】
標準治療HCTは、長い入院患者滞在を要求する場合がある。SOCコホートにおける患者と比較して、試験群における患者の移植(0日目)から病院の退院までの時間の中央値は、2.5日短かった(18.5から16日間、マン・ホイットニーのU検定によるp<0.01)。図4Iは、患者の代表的なサブセットの入院時間を説明する。
I.治療の後の疾患状況
【0768】
試験における対象は、先ず、移植後+90日目に再発について評価した。報告時に、SOCコホートにおける19%患者と比較して、16%のみの患者が再発した。
【0769】
表16:+90日目以降の対象の代表的なサブセットの対象の状況。使用されている略語:DLBCL、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫;AML、急性骨髄性白血病;ALL、急性骨髄性白血病;MDS、骨髄異形成症候群;MF、骨髄線維症;MPAL、混合型表現型急性白血病;CML、慢性骨髄性白血病;CR:完全寛解;CR1、第1の完全寛解;CR2、第2の完全寛解;活動性、活動性疾患(所与の疾患実体について定義されるCRではない)。
【表16】
【0770】
再発のリスクは、移植時の疾患状況に関連し得る。例えば、対象が、移植時に完全寛解していない場合、AMLまたはALL対象の予後は、有意により悪くなり得る(すなわち、対象が、移植時に活動性白血病または検出可能な微小残存病変を有する場合、予後はより悪い)。別の例では、検出可能な微小残存病変を有しない患者に対して、検出可能な微小残存病変を有する対象において予後はより悪い。活動性疾患または微小残存病変を有する対象は、重大な意味を持つ未だ満たされていない医学的必要を表すことができる。
【0771】
図5は、移植前のならびに移植後+90、+180および+356日目の、試験群における対象のサブセットの疾患状況を要約する。本開示の組成物を受けた10名の対象のうち、7名が、耐久性のある寛解を達成し、移植片対腫瘍効果を実証した。再発した対象のうち2名が、移植時に活動性疾患を有し、1名が、移植時に検出可能な微小残存病変(MRD)を有した。
J.移植された細胞の特徴
【0772】
選別プロトコールのための移植片産生および投与の概略図が、図1Aに提供される。アフェレーシス収集2日目由来の細胞製品を査定に供し、3×10個のTcon細胞からなる不均一細胞成分(例えば、CD45+細胞の第2の集団)を含むアフェレーシス製品の部分を対象に投与した。表17に記載されている通り、様々な細胞集団の染色後に、不均一細胞成分の部分を異なる細胞成分について解析した。
【表17】
【0773】
下の表18は、試験由来の数名の患者から収集されたデータを説明し、3×10個のTcon細胞を含む不均一細胞成分の一部として対象に移植される様々な細胞集団を同定する。
【表18】
(実施例2)
異なるコンディショニングレジメンを受けている患者の解析
【0774】
異なるコンディショニングレジメンを受けた対象における臨床アウトカムに対してデータをさらに定量化した。図6Aは、チオテパを含むコンディショニングレジメン(BFT - ブスルファン、フルダラビンおよびチオテパ;表14に記載されているレジメン)に対する、Bu/Cyコンディショニング(表14を参照)を受けた患者における急性GVHDを比較する。急性GVHD率は、2種のレジメンで同様であったが、チオテパを受けた患者においてより低かった。慢性GVHDにおいて、チオテパを受けた患者においてより高い差が見られた(図6B)。驚くべきことに、患者における再発率は、BFTレジメンによる患者において有意に下落し(p<0.03)、この場合、BFTレジメンを受けた患者は再発しなかった(図6Cおよび図6Dを参照)。無GVHDおよび無再発生存率(GRFS)も、BFTレジメン患者において有意により低かった(図6Eを参照)。全生存期間も、BFTを受けている患者において改善された(図6Fを参照)。これらのデータは、チオテパを含むコンディショニングレジメンが、明らかなかつ驚くべき利点を提供することを実証する。
(実施例3)
異なるGVHD予防剤レジメンを受けている患者の解析
【0775】
異なるGVHD予防剤 - シロリムスまたはタクロリムスを受けた対象における臨床アウトカムに対して臨床試験のデータをさらに定量化した。図7Aは、メトトレキセートおよびタクロリムスの組合せを受けた標準治療(SOC)患者(SOCレジメンについては図1Bを参照)に対して、シロリムスのみまたはタクロリムスのみを受けた患者における急性GVHDを比較する。タクロリムスのみを受けた患者は、シロリムスを受けた患者よりも高いGVHD率(図7A~C)を示した。しかし、生存期間(図7E)、再発率(図7F)、GRFS率(図7G)および全生存率(図7H)は、シロリムスのみ患者と比べてタクロリムスのみ患者において改善された。図7Aが示す通り、GHVD予防法として複数の薬物を使用することができ、標準治療に対して有意により低い率の急性GVHDを伴う。
【0776】
さらなる解析において、患者が、異なる血清トラフレベルを有することが観察された。血清タクロリムスレベルは、図8A~9Gに示される通り、患者集団において臨床アウトカムに直接的な効果を有した。図8Aに説明される通り、移植後の最初の30日間にわたり4ng/mlよりも高い平均血清タクロリムストラフレベルを維持した患者は、より低いGVHD率を有した。図8B~Cは、図8Aにおけるデータに由来し、急性GVHDおよび慢性GVHD率のデータをさらに提示する。これらは、タクロリムスレベルが閾値を下回る場合の(x軸)、GVHDを発症する確率(y軸)の計算を説明する。
【0777】
図9A~9Gは、4ng/mlよりも高いまたは低い血清タクロリムストラフレベルを有する患者における臨床アウトカムの直接的な比較を説明する。それぞれの図の説明文は、その血清タクロリムストラフレベルが4ng/mlよりも高いまたは低い、患者数および期間について記載する。急性GVHD率は、より高いタクロリムスレベルによる有意な改善を示し(図9A)、慢性GVHD率も、改善を示した(図9B)。
【0778】
同じコンディショニングレジメン(Bu/Cyは図9C~D;TBI/BFTは図9E~G)を受けたが、異なる血清タクロリムストラフレベル(4ng/mlよりも高いまたは低い)を有した患者はまた、GVHD率について解析し、結果を図9C~Gに説明する。すべての例において、より高いタクロリムストラフレベルは、GVHD率における改善を示した。
【0779】
T細胞キメラ現象を、移植+30日後までの平均トラフタクロリムスレベルと比較すると、有意な相関が見出された;より低いトラフタクロリムスレベルは、ドナーT細胞の増加した生着と関連した(p=0.0011)。図9Hは、+30日目におけるドナー起源のCD3+細胞の割合に対してプロットされた、患者の小サブセットの移植+30日後までの平均トラフタクロリムスレベルを示す(キメラ現象データが、「D90」によって指し示される90日目に由来することを除いて)。これらのデータは、タクロリムスのより低い循環レベルの維持が、ドナーT細胞の改善された生着および改善されたドナーT細胞キメラ現象に寄与することができ、このことが、同種異系間造血幹細胞移植レシピエントにおける改善された無再発生存期間に寄与することができることを示唆する。理論に制約されることを望むものではないが、より高いタクロリムスレベルによる改善されたキメラ現象が、患者における改善されたGVHDおよび生存期間アウトカムをもたらした可能性があると仮定することができる。
結論
【0780】
本発明の様々な実施形態が、本明細書に示され記載されてきたが、当業者には、そのような実施形態が、単なる一例として提供されていることが明らかであろう。本開示から逸脱することのない、多数の変動、変化および置換が、当業者に明らかとなるであろう。例えば、治療組成物、方法の様々な実施形態を、様々な小児、老齢期および獣医学適用に適応させることができ、後者は、ネコ、イヌおよびウマのうち1種または複数を含む。そのようなものに対する具体的な適応は、患者に投与される治療組成物における細胞型および治療組成物における細胞の用量のうち1種または複数を含むことができる。これらは、白血病、リンパ腫、骨髄腫を含むいずれかの数の血液学的および/または幹細胞に基づくがん、ならびに多発性硬化症、IBD、セリアック病、クローン病、潰瘍性大腸炎、強直性脊椎炎(ankylosing spondylosis)、重症筋無力症および糖尿病のうち1種または複数を含む多数のt細胞媒介性および他の自己免疫性疾患の処置に適応させることもできる。本発明の実施において、本明細書に記載されている本発明の実施形態の様々な代替を用いることができることを理解されたい。
【0781】
一実施形態由来のエレメント、特徴または行為は、他の実施形態由来の1種または複数のエレメント、特徴または行為と容易に組み換えてまたは置き換えて、本発明の範囲内で多数の追加の実施形態を形成することができる。さらに、他のエレメント、特徴、ステップまたは行為と組み合わされるものとして示されるまたは記載されるエレメントは、様々な実施形態では、スタンドアローンなエレメント、特徴、ステップまたは行為として存在することができる。さらに、様々な実施形態は、1つまたは複数の実施形態において示されるまたは記載される、いずれかのエレメント、特徴、ステップまたは行為等の否定による列挙(negative recitation)を明確に企図する。したがって、本発明の範囲は、記載されている実施形態の詳細に限定されないが、その代わりに、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
図1A-B】
図1C
図2A
図2B-C】
図2D
図3A
図3B-C】
図3D-E】
図3F-G】
図3H-I】
図3J-K】
図3L
図3M-N】
図3O
図3P-1】
図3P-2】
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図4H
図4I
図5
図6A-D】
図6E-F】
図7A-B】
図7C-F】
図7G-H】
図8A
図8B-C】
図9A-B】
図9C-D】
図9E-F】
図9G
図9H
【国際調査報告】