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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-22
(54)【発明の名称】男性用避妊装置
(51)【国際特許分類】
   A61F 6/22 20060101AFI20231115BHJP
   A61F 6/02 20060101ALI20231115BHJP
【FI】
A61F6/22
A61F6/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023527360
(86)(22)【出願日】2021-09-16
(85)【翻訳文提出日】2023-07-07
(86)【国際出願番号】 KR2021012658
(87)【国際公開番号】W WO2022097908
(87)【国際公開日】2022-05-12
(31)【優先権主張番号】10-2020-0145944
(32)【優先日】2020-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507107394
【氏名又は名称】アイユーシーエフ-エイチワイユー(インダストリー-ユニバーシティー コーオペレイション ファウンデーション ハンヤン ユニバーシティー)
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ジョ,ジョン キ
(72)【発明者】
【氏名】ソ,ホンユン
【テーマコード(参考)】
4C098
【Fターム(参考)】
4C098AA06
4C098EE10
(57)【要約】
本発明は、男性用避妊装置に関し、本発明の一実施例に係る男性用避妊装置は、内部に両端が開放された中空を有し、精管内に挿入されるチューブと、前記チューブの中空内に位置する少なくとも1つのフィルターとを含み、前記フィルターは、前記フィルターを貫通する複数のマイクロチャネルと、前記フィルターの一面に形成された複数のナノスパイクとを含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に両端が開放された中空を有し、精管内に挿入されるチューブと、
前記チューブの中空内に位置する少なくとも1つのフィルターとを含み、
前記フィルターは、
前記フィルターを貫通する複数のマイクロチャネルと、
前記フィルターの一面に形成された複数のナノスパイクとを含む、男性用避妊装置。
【請求項2】
前記チューブの外側面上に位置し、互いに離隔して配置される複数の密着部材を含む、請求項1に記載の男性用避妊装置。
【請求項3】
前記チューブは、前記中空と接する内側面及び前記外側面を貫通する複数の貫通孔をさらに含み、
前記密着部材のそれぞれは、
内部に収容空間を有する密着部と、
前記密着部と前記チューブを連結し、前記貫通孔のいずれか1つと前記収容空間を連結する連結孔を有する連結部とを含む、請求項2に記載の男性用避妊装置。
【請求項4】
前記チューブは、
前記中空内に位置して前記中空を内側空間と外側空間とに区画する区画壁と、
前記外側空間と接する内側面及び前記外側面を貫通する複数の貫通孔とをさらに含み、
前記外側空間は、前記内側空間の外側に位置して前記内側空間を取り囲む、請求項2に記載の男性用避妊装置。
【請求項5】
前記密着部材のそれぞれは、
内部に収容空間を有する密着部と、
前記密着部と前記チューブを連結し、前記貫通孔のいずれか1つと前記収容空間を連結する連結孔を有する連結部とを含む、請求項4に記載の男性用避妊装置。
【請求項6】
前記密着部材は、前記チューブの周りに沿って一定の間隔で配列される、請求項2に記載の男性用避妊装置。
【請求項7】
前記チューブの一側に位置し、前記チューブを取り囲む移動防止部材をさらに含み、
前記移動防止部材は、予め設定された温度で膨張する材質からなる、請求項1に記載の男性用避妊装置。
【請求項8】
前記チューブは伸縮性材質からなる、請求項1に記載の男性用避妊装置。
【請求項9】
前記フィルターは複数個提供され、
前記複数のフィルターは、前記チューブの長手方向に沿って配列される、請求項1に記載の男性用避妊装置。
【請求項10】
前記チューブは、内側面から突出して前記フィルターの他面を支持するフランジ部材をさらに含む、請求項1に記載の男性用避妊装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、男性用避妊装置に関し、より詳細には、精管内への挿入及び除去が容易であり、半永久的に使用することができる可逆的男性用避妊装置に関する。
【背景技術】
【0002】
男性用避妊器具としては、使い捨てのコンドームが一般に使用されている。コンドームは、性交渉に先立ち、男性の性器の外部に被せられた状態で使用され、使用が完了すると廃棄される。コンドームは、性交渉を行う度にその使用が求められ、不便が伴う。
【0003】
このような不便さにより、手術的方法として、精管手術が利用され得る。精管手術は、精管を切断し、切断された精管の両端を縫合して精子の移動を遮断する手術である。他の避妊法よりも効果が確実であると言え、永久的に持続される利点がある。しかし、必要によって避妊効果を除去しようとするとき、精管を再び連結する精管復元術を施行するようになるが、精管復元術は失敗する確率がある。
【0004】
そのため、最近は、避妊効果を維持すると共に、人体への挿入及び除去が容易な男性用避妊装置に関する研究が進められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためのもので、精管内への挿入及び除去が容易であり、副作用と後遺症を最小化するための男性用避妊装置を提供しようとする。
【0006】
また、本発明は、避妊性能に優れると共に、半永久的に使用できる可逆的男性用避妊装置を提供しようとする。
【0007】
本発明の課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及していない他の課題は、以下の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施例に係る男性用避妊装置は、内部に両端が開放された中空を有し、精管内に挿入されるチューブと、前記チューブの中空内に位置する少なくとも1つのフィルターとを含み、前記フィルターは、前記フィルターを貫通する複数のマイクロチャネルと、前記フィルターの一面に形成された複数のナノスパイクとを含むことができる。
【0009】
一実施例において、前記チューブの外側面上に位置し、互いに離隔して配置される複数の密着部材を含むことができる。
【0010】
一実施例において、前記チューブは、前記中空と接する内側面及び前記外側面を貫通する複数の貫通孔をさらに含み、前記密着部材のそれぞれは、内部に収容空間を有する密着部と、前記密着部と前記チューブを連結し、前記貫通孔のいずれか1つと前記収容空間を連結する連結孔を有する連結部とを含むことができる。
【0011】
一実施例において、前記チューブは、前記中空内に位置して前記中空を内側空間と外側空間とに区画する区画壁と、前記外側空間と接する内側面及び前記外側面を貫通する複数の貫通孔とをさらに含み、前記外側空間は、前記内側空間の外側に位置して前記内側空間を取り囲むことができる。
【0012】
一実施例において、前記密着部材のそれぞれは、内部に収容空間を有する密着部と、前記密着部と前記チューブを連結し、前記貫通孔のいずれか1つと前記収容空間を連結する連結孔を有する連結部とを含むことができる。
【0013】
一実施例において、前記密着部材は、前記チューブの周りに沿って一定の間隔で配列され得る。
【0014】
一実施例において、前記チューブの一側に位置し、前記チューブを取り囲む移動防止部材をさらに含み、前記移動防止部材は、予め設定された温度で膨張する材質からなることができる。
【0015】
一実施例において、前記チューブは伸縮性材質からなることができる。
【0016】
一実施例において、前記フィルターは複数個提供され、前記複数のフィルターは、前記チューブの長手方向に沿って配列され得る。
【0017】
一実施例において、前記チューブは、内側面から突出して前記フィルターの他面を支持するフランジ部材をさらに含むことができる。
【0018】
先ず、本明細書及び特許請求の範囲に使用された用語や単語は、通常の又は辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者が自分の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適宜定義できるという原則に基づき、本発明の技術的思想に符合する意味及び概念として解釈されなければならない。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、男性用避妊装置は、精管内への挿入及び除去が容易であるので、副作用と後遺症を最小化することができる。男性用避妊装置は、精子を物理的に破壊して避妊性能を向上させることができる。また、男性用避妊装置は半永久的に使用することができる。
【0020】
本発明の効果は、以上で言及した効果に制限されず、言及していない他の効果は、特許請求の範囲の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施例に係る男性用避妊装置が精管に挿入された状態を示した概略図である。
図2図1の男性用避妊装置を示した概略図である。
図3図2の男性用避妊装置を示した平面図である。
図4図2の男性用避妊装置を示した断面図である。
図5図4のA部分を示した拡大図である。
図6図4のB部分を示した拡大図である。
図7】本発明の他の実施例に係る男性用避妊装置を示した概略図である。
図8】本発明の他の実施例に係る男性用避妊装置を示した概略図である。
図9図2の男性用避妊装置が精管の内壁に密着する過程を示した概略図である。
図10図7の男性用避妊装置が精管の内壁に密着する過程を示した概略図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の目的、特定の利点及び新規な特徴は、添付の図面と関連する以下の詳細な説明及び好ましい実施例からさらに明らかになるだろう。本明細書において各図面の構成要素に参照番号を付加するにおいて、同一の構成要素に限っては、たとえ他の図面上に表示されても、可能な限り同一の番号を有するようにしていることに留意しなければならない。また、「第1」、「第2」などの用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別するために使用されるもので、構成要素が前記用語によって制限されるものではない。以下、本発明を説明するにおいて、本発明の要旨を不要に曖昧にする可能性がある係る公知技術についての詳細な説明は省略する。
【0023】
以下、添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
【0024】
図1は、本発明の一実施例に係る男性用避妊装置が精管に挿入された状態を示した概略図である。
【0025】
図1を参照すると、本発明の一実施例に係る男性用避妊装置10は精管ED内に挿入され得る。男性用避妊装置10は、膀胱鏡を用いて、泌尿器科的施術を通じて精管ED内に挿入及び除去され得る。男性用避妊装置10が精管ED内に挿入される形態で施術されるところ、日常生活で不便が発生しないと共に、効果的に半永久的な避妊がなされる。
【0026】
また、使用者は、所望の時期に男性用避妊装置10を精管ED内から除去することができ、人体を損傷することなく男性用避妊装置10を除去できるところ、可逆的に男性用避妊装置10が除去され得、除去による副作用及び後遺症が最小化され得る。男性用避妊装置10についての詳細な事項は後述する。
【0027】
図2は、図1の男性用避妊装置を示した概略図である。図3は、図2の男性用避妊装置を示した平面図である。図4は、図2の男性用避妊装置を示した断面図である。図5は、図4のA部分を示した拡大図である。図6は、図4のB部分を示した拡大図である。
【0028】
図2乃至図6を参照すると、本発明の一実施例に係る男性用避妊装置10は、チューブ100、フィルター200、及び密着部材300を含むことができる。また、男性用避妊装置10は、移動防止部材500をさらに含むことができる。
【0029】
チューブ100は筒形状に提供され得る。実施例において、チューブ100は円筒形状に提供されてもよいが、他の実施例において、四角筒形状、六角筒形状などに提供されてもよい。筒形状のチューブ100は、内部に、両端が開放された中空110を有することができる。実施例において、中空110は、一端に、精液が流入する流入口が形成され、他端に、精液が排出される排出口が形成され得る。実施例において、チューブ100の長さは約0.5cm~3cmであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0030】
チューブ100は精管ED内に挿入され得る。これによって、チューブ100の幅は、精管EDの幅よりも小さくすることができる。チューブ100は伸縮性材質からなることができる。これによって、精管EDに挿入されたチューブ100は、精管ED内で流動する精液の流圧によって膨張することができる。実施例において、チューブ100は、人体に無害なポリマー材質(例えば、シリコンなど)からなってもよいが、これに限定されるものではない。
【0031】
チューブ100は、外側面101及び内側面103を含むことができる。内側面103は、チューブ100の中空110と接しながら取り囲む面であり得る。チューブ100は、外側面101及び内側面103を貫通する複数の貫通孔120を含むことができる。
【0032】
貫通孔120のそれぞれは中空110と連結され得る。貫通孔120のそれぞれは互いに離隔することができる。貫通孔120は、チューブ100の周りに沿って配列され得る。実施例において、貫通孔120は、チューブ100の周りに沿って一定の間隔で配列され得る。また、貫通孔120は、チューブ100の長手方向に沿って配列され得る。
【0033】
男性用避妊装置10は、少なくとも1つのフィルター200を含むことができる。実施例において、男性用避妊装置10は複数のフィルター200を含むことができる。フィルター200のそれぞれは、チューブ100の中空110内に位置することができる。フィルター200のそれぞれは互いに離隔することができる。また、フィルター200は、チューブ100の長手方向に沿って配列され得る。
【0034】
図示していないが、実施例において、チューブ100は、内側面103から外側面101に向かって凹んだ複数の挿入溝(図示せず)を含むことができる。フィルター200のそれぞれは、挿入溝のそれぞれに挿入されてチューブ100内に固定され得る。
【0035】
フィルター200は、チューブ100内に流入した精液中の精子を濾過しながら精子を破壊することができる。また、フィルター200は、精液中の一定サイズ以下の物質(例えば、精子よりも小さなサイズの物質)を通過させることができる。実施例において、フィルター200はシリコン材質であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0036】
フィルター200は、互いに対向する一面210及び他面220を含むことができる。実施例において、フィルター200の一面210は、中空110の流入口方向の面であり得る。フィルター200の他面220は、一面210の反対側の面であり得る。すなわち、フィルター200の他面220は、中空110の排出口方向の面であり得る。フィルター200は、フィルター200を貫通する複数のマイクロチャネル250及び複数のナノスパイク230を含むことができる。
【0037】
マイクロチャネル250は、フィルター200の一面210と他面220を連結することができる。マイクロチャネル250は互いに離隔することができる。実施例において、マイクロチャネル250は、平面的観点で不規則的に配列され得る。これとは異なり、他の実施例において、マイクロチャネル250は、平面的観点で規則的に配列され得る。マイクロチャネル250の幅Dは、精子の幅よりも小さくすることができる。これによって、精子は、マイクロチャネル250を通ってフィルター200を通過することができない。実施例において、マイクロチャネル250の幅Dは約3μm~5μmであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0038】
ナノスパイク230は、フィルター200の一面210に形成され得る。実施例において、ナノスパイク230は、平面的観点で不規則に配列されてもよいが、これに限定されるものではない。実施例において、ナノスパイク230のそれぞれは、先端が尖って形成され得る。これによって、ナノスパイク230は精子を破壊することができる。ナノスパイク230が精子を物理的に破壊することによって、避妊性能が向上することができる。
【0039】
密着部材300は、チューブ100の外側面101上に位置することができる。密着部材300のそれぞれは、互いに離隔することができる。密着部材300は、チューブ100の周りに沿って一定の間隔で配列され得る。
【0040】
密着部材300は、精管EDの内壁ED1に密着することができる。これによって、密着部材300は、チューブ100が精液の流入圧力によって移動することを防止することができる。密着部材300は伸縮性材質からなることができる。例えば、密着部材300はシリコン材質からなってもよい。密着部材300のそれぞれは、密着部310及び連結部320を含むことができる。
【0041】
実施例において、密着部310は、内部に収容空間311を含むことができる。連結部320は、密着部310とチューブ100を連結することができる。連結部320は、それを貫通する連結孔321を含むことができる。連結孔321は、貫通孔120のいずれか1つと連結され得る。これによって、連結孔321は、貫通孔120のいずれか1つと収容空間311を連結することができる。
【0042】
移動防止部材500は、チューブ100の一側に位置することができる。実施例において、移動防止部材500は、中空110の排出口と隣接して位置してもよいが、これに限定されるものではない。移動防止部材500はチューブ100を取り囲むことができる。移動防止部材500は、チューブ100の幅よりも大きい幅を有することができる。実施例において、移動防止部材500はリング形状に提供され得る。
【0043】
移動防止部材500は、精管EDの内壁ED1と接することができる。これによって、移動防止部材500は、精管ED内に挿入されたチューブ100の移動を制限することができる。
【0044】
移動防止部材500は、予め設定された温度で膨張する材質からなることができる。例えば、移動防止部材500は形状記憶合金材質からなってもよい。これによって、移動防止部材500は、体温(約36.5℃)で膨張して精管EDの内壁ED1に接することができる。
【0045】
図7は、本発明の他の実施例に係る男性用避妊装置10を示した概略図である。説明の便宜のため、図1乃至図6で説明した構成と同じ構成についての説明は省略するか、または簡略に説明する。
【0046】
図7を参照すると、本発明の一実施例に係る男性用避妊装置10は、チューブ100、フィルター200、密着部材300及び移動防止部材500を含むことができる。
【0047】
チューブ100は、中空110、貫通孔120、区画壁130及び支持部150を含むことができる。区画壁130は中空110内に位置することができる。区画壁130は、中空110を内側空間113と外側空間115とに区画することができる。これによって、内側空間113と外側空間115は連結されなくなり得る。
【0048】
内側空間113は、区画壁130の内側に位置することができる。内側空間113は、中空110の内側に位置した一部分であるので、両端が開放された中空110の形態であり得る。
【0049】
外側空間115は、区画壁130の外側に位置することができる。すなわち、外側空間115は、区画壁130とチューブ100の内側面103との間に位置することができる。外側空間115は内側空間113を取り囲むことができる。
【0050】
支持部150は、区画壁130とチューブ100の内側面103との間に位置することができる。支持部150は、区画壁130とチューブ100の内側面103を連結することができる。支持部150は、伸縮性のある材質からなることができる。支持部150は、チューブ100が膨張するとき、チューブ100の内側面103と区画壁130との間の距離が増加しても、区画壁130と内側面103を連結することができる。
【0051】
フィルター200は複数個提供され得る。フィルター200は中空110内に位置することができる。実施例において、フィルター200は内側空間113内に位置することができる。フィルター200の境界は区画壁130と接することができる。フィルター200は、複数のマイクロチャネル250及び複数のナノスパイク230を含むことができる。
【0052】
密着部材300のそれぞれは、連結部320及び密着部310を含むことができる。密着部310は収容空間311を含むことができる。連結部320は連結孔321を含むことができる。
【0053】
図8は、本発明の他の実施例に係る男性用避妊装置を示した概略図である。説明の便宜のため、図1乃至図6で説明した構成と同じ構成についての説明は省略するか、または簡略に説明する。
【0054】
図8を参照すると、本発明の一実施例に係る男性用避妊装置10は、チューブ100、フィルター200、密着部材300及び移動防止部材500を含むことができる。
【0055】
チューブ100は、外側面101、内側面103、中空110及びフランジ部材400を含むことができる。フランジ部材400は、チューブ100の内側面103から突出することができる。実施例において、フランジ部材400は、チューブ100の内周に沿って形成され得る。フランジ部材400は、中空110内に位置したフィルター200の他面220を支持することができる。これによって、フランジ部材400は、フィルター200が精液の流入を通じた圧力などによって移動することを防止することができる。
【0056】
密着部材300のそれぞれは、連結部320及び密着部310を含むことができる。実施例において、チューブ100は、図4の貫通孔120が省略され得る。また、密着部310と連結部320は、図4の収容空間311と連結孔321が省略され得る。
【発明を実施するための形態】
【0057】
以下では、本発明の実施例に係る男性用避妊装置10の駆動過程について説明する。
【0058】
図9は、図2の男性用避妊装置が精管の内壁に密着する過程を示した概略図である。図9の(a)部分は、男性用避妊装置が精管内に挿入された様子を示した図である。図9の(b)部分は、男性の射精時に男性用避妊装置の密着部材が精管の内壁に密着する様子を示した図である。図9の(c)部分は、男性の射精時に精液中の精子が男性用避妊装置によって破壊される様子を示した図である。説明の簡略化のため、図1乃至図6で説明した構成と同じ構成についての説明は簡略に説明するか、または省略する。
【0059】
図9の(a)部分を参照すると、本発明の一実施例に係る男性用避妊装置10は、膀胱鏡を用いて、泌尿器科的施術を通じて精管ED内に挿入され得る。実施例において、男性用避妊装置10のチューブ100の幅Lは、精管EDの幅よりも小さくすることができる。これによって、男性用避妊装置10は、容易に精管ED内に挿入され得る。
【0060】
男性用避妊装置10が精管ED内に挿入されるとき、男性用避妊装置10の移動防止部材500が精管EDの内壁ED1と接することができる。
【0061】
移動防止部材500は、予め設定された温度で膨張する材質からなることができる。移動防止部材500が膨張することによって、移動防止部材500は、精管ED内の温度で膨張して、精管EDの内壁ED1に密着することができる。これによって、男性用避妊装置10の精管ED内での移動が非常に制限され得る。
【0062】
図9の(b)部分を参照すると、男性が射精すると、精液は、精管EDを通って尿道に流入した後、尿道を流動して人体の外に排出される。男性の射精時に、精管ED内の圧力Pが増加することができる。精管ED内の圧力の増加により、チューブ100の中空110内の圧力Pも増加することができる。これによって、チューブ100が膨張してチューブ100の幅L1が増加することができる。
【0063】
また、チューブ100の中空110内の圧力Pは、貫通孔120を介して密着部材300に伝達され得る。これによって、収容空間311内の圧力も増加して、密着部材300も膨張することができる。チューブ100及び密着部材300が膨張することによって、密着部材300は精管EDの内壁ED1と密着することができる。
【0064】
密着部材が精管EDの内壁ED1に密着することによって、精管ED内の圧力が増加しても、男性避妊器具が精管ED内で動くことを防止することができる。
【0065】
図9の(c)部分を参照すると、精管ED内で精液が流動することができる。精液は、チューブ100の中空110内に流入することができる。流入した精液中の精子Sは、フィルター200のマイクロチャネル250の幅Dよりも大きいので、マイクロチャネル250を通過することができない。但し、精液中の他の微細物質はマイクロチャネル250を通過することができる。
【0066】
チューブ100の中空110内に流入した精子Sは、フィルター200のナノスパイク230と衝突することができる。ナノスパイク230は、先端が尖って形成されているところ、ナノスパイク230と衝突した精子S1は破壊され得る。
【0067】
破壊された精子S1は、小さなサイズに分解されるところ、マイクロチャネル250を通過することができる。すなわち、破壊された精子S1は、精液と共に男性用避妊装置10を通過して外部に排出され得る。これによって、男性用避妊装置10は、精液に含まれた精子を破壊するので避妊効果を有することができる。
【0068】
図10は、図7の男性用避妊装置が精管の内壁に密着する過程を示した概略図である。図10の(a)部分は、男性用避妊装置が精管内に挿入された様子を示した図である。図10の(b)部分は、男性の射精時に男性用避妊装置の密着部材が精管の内壁に密着する様子を示した図である。説明の簡略化のため、図1乃至図6で説明した構成と同じ構成についての説明は簡略に説明するか、または省略する。
【0069】
図10の(a)部分を参照すると、本発明の一実施例に係る男性用避妊装置10は、膀胱鏡を用いて、泌尿器科的施術を通じて精管ED内に挿入され得る。男性用避妊装置10が精管ED内に挿入されるとき、男性用避妊装置10の移動防止部材500が精管EDの内壁ED1と接することができる。
【0070】
図10の(b)部分を参照すると、男性が射精すると、精液は、精管EDを通って尿道に流入した後、尿道を流動して人体の外に排出される。男性の射精時に、精管ED内の圧力が増加することができる。精管ED内の圧力の増加により、チューブ100の中空110内の圧力Pも増加することができる。
【0071】
中空110内の圧力が増加すると、区画壁130によって区画された中空110の内側空間113及び外側空間115の圧力Pが増加することができる。実施例において、中空110内の圧力が増加しても、区画壁130の幅は一定であり得る。これによって、内側空間113内に位置したフィルター200が中空110の圧力の変化によって区画壁130から離脱することを防止することができる。
【0072】
中空110内の圧力Pが増加するとき、チューブ100が膨張することができる。これによって、チューブ100の幅は増加することができる。また、チューブ100の外側空間115内の圧力は、貫通孔120を介して密着部材300に伝達され得る。これによって、収容空間311内の圧力も増加して、密着部材300も膨張することができる。チューブ100及び密着部材300が膨張することによって、密着部材300は精管EDの内壁ED1と密着することができる。
【0073】
密着部材300が精管EDの内壁ED1に密着することによって、精管ED内の圧力が増加しても、男性避妊器具が精管ED内で動くことを防止することができる。
【0074】
以上、本発明を具体的な実施例を通じて詳細に説明したが、これは、本発明を具体的に説明するためのもので、本発明はこれに限定されず、本発明の技術的思想内で当分野の通常の知識を有する者によってその変形や改良が可能であることが明らかである。
【0075】
本発明の単純な変形及び変更は、いずれも本発明の領域に属するものであって、本発明の具体的な保護範囲は、添付の特許請求の範囲によって明確になるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、男性用避妊装置に関し、精管内への挿入及び除去が容易であり、副作用と後遺症を最小化することができ、避妊性能に優れると共に、半永久的に使用できるところ、産業上の利用可能性が認められる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9(a)】
図9(b)】
図9(c)】
図10(a)】
図10(b)】
【国際調査報告】