(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-22
(54)【発明の名称】基本ブロックを層状化することによる3Dオブジェクトの付加形成の方法
(51)【国際特許分類】
B29C 64/141 20170101AFI20231115BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20231115BHJP
B29C 64/165 20170101ALI20231115BHJP
B33Y 70/10 20200101ALI20231115BHJP
【FI】
B29C64/141
B33Y10/00
B29C64/165
B33Y70/10
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023527705
(86)(22)【出願日】2020-11-09
(85)【翻訳文提出日】2023-05-01
(86)【国際出願番号】 SK2020050019
(87)【国際公開番号】W WO2022098315
(87)【国際公開日】2022-05-12
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523163842
【氏名又は名称】ヤンコセク,ミハル
【氏名又は名称原語表記】JANCOSEK,Michal
【住所又は居所原語表記】pestovatel’ska 328/16 900 44 tomasov (SK)
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤンコセク,ミハル
【テーマコード(参考)】
4F213
【Fターム(参考)】
4F213AD15
4F213AG03
4F213WA15
4F213WA25
4F213WA38
4F213WA83
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL62
(57)【要約】
固体ベースブロック(3)を層状化することによる3Dオブジェクトの付加形成の方法は、a.3Dオブジェクトの形成方向に配向された少なくとも1つの誘導要素(2)を配置するステップと、b.少なくとも1つの固体ベースブロック(3)を含む第1の層を第1の層の水平線に堆積させるステップと、c.3Dオブジェクトを形成する方向において、第1の層の水平線から空間的に離隔した水平線に、少なくとも1つの固体ベースブロック(3)を含む少なくとも1つの更なる層を堆積させるステップと、を含み、少なくとも1つの層の少なくとも1つのベースブロック(3)は、少なくとも1つの誘導要素(2)の領域内に配置され、かつ当該少なくとも1つの誘導要素(2)と協働する、少なくとも1つの協働手段(4)を用いて配置されている。3Dオブジェクトはまた、様々な固体ベースブロック(3)を包含することができる。第1の層がベースプレート(1)上に配置されている場合、有利である。少なくとも1つのベースブロック(3)が、締結手段(5)、例えば、接着剤を用いて配置されている場合、有利である。ステップc)の後に、ベースプレート(1)及び/又は少なくとも1つの誘導要素(2)が、除去される場合、有利である。3Dオブジェクトは、熱プロセスによって強化することができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体ベースブロック(3)を層状化することによる3Dオブジェクトの付加形成の方法であって、
a.前記3Dオブジェクトの形成方向に配向された少なくとも1つの誘導要素(2)を配置するステップと、
b.少なくとも1つの固体ベースブロック(3)を含む第1の層を前記第1の層の水平線に堆積させるステップと、
c.前記3Dオブジェクトを形成する方向において、前記第1の層の前記水平線から空間的に離隔した水平線に、少なくとも1つの固体ベースブロック(3)を含む少なくとも1つの更なる層を堆積させるステップであって、
前記少なくとも1つの層の少なくとも1つのベースブロック(3)が、前記少なくとも1つの誘導要素(2)の領域内に配置され、かつ前記少なくとも1つの誘導要素(2)と協働する、少なくとも1つの協働手段(4)を用いて配置され、かつ前記少なくとも1つのベースブロック(3)が、締結手段(5)を用いて配置される、堆積させるステップと、
d.前記少なくとも1つの誘導要素(2)を除去するステップと、を含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
各層の少なくとも1つのベースブロック(3)が、前記少なくとも1つの誘導要素(2)の前記領域内に配置され、かつ前記少なくとも1つの誘導要素(2)と協働する、少なくとも1つの協働手段(4)を用いて配置されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの層の前記少なくとも1つの固体ベースブロック(3)が、前記少なくとも2つの誘導要素(2)の前記領域内に配置され、かつ少なくとも2つの協働手段(4)を用いて配置され、その各々がこれらの誘導要素(2)のうちの少なくとも1つと協働することを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの層の前記少なくとも1つの固体ベースブロック(3)が、前記少なくとも2つの誘導要素(2)の前記領域内に配置され、かつこれらの少なくとも2つの誘導要素(2)と協働する少なくとも1つの協働手段(4)を用いて配置されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも2つの固体ベースブロック(3)が異なることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の層が、少なくとも1つのベースプレート(1)上に配置されることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの更なる層の前記水平線が、前記第1の層の前記水平線に平行であることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの誘導要素(2)が、前記第1の層の前記水平線に垂直な方向に配向されていることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの誘導要素(2)が、前記第1の層の前記水平線に垂直ではない方向に配向されていることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
全ての固体ベースブロック(3)が、締結手段(5)を用いて配置されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記締結手段(5)が、接着剤であることを特徴とする、請求項1又は10に記載の方法。
【請求項12】
ステップc)の後に、前記ベースプレート(1)が、除去されることを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記3Dオブジェクトが、熱プロセスによって補強されることを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つの協働手段(4)を有する前記ベースブロック(3)が、前記少なくとも1つの位置合わせ手段(6)によって前記少なくとも1つの誘導要素(2)の前記領域内に配置されることを特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
ステップ(c)の後であるが、ステップ(d)の前に、締結手段(5)を用いて配置された前記少なくとも1つのベースブロック(3)が、少なくとも1つの他のベースブロック(3)と一緒に、少なくとも1つの誘導要素(2)によって押されることを特徴とする、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記3Dオブジェクトの前記付加形成が完了した後に、少なくとも1つのベースブロックが除去されることを特徴とする、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基本ブロックを層状化することによる3Dオブジェクトの付加形成の方法に関する。本発明は、3Dオブジェクトの付加製造の分野に属する。
【背景技術】
【0002】
現在、3Dプリンタを使用した空間オブジェクトの製造のための付加技術が知られており、これは同じ基本原理に基づいており、すなわち、可融性材料を1層ずつ徐々に硬化させることによって、デジタル設計データを使用してオブジェクトを創出する。3Dプリンタで空間オブジェクトを製造するための付加技術は、様々なサイズ、形状、及び構造のオブジェクトを生成する。3Dプリントにはいくつかの方法がある。方法の各々は、価格、速度、精度、及び使用される材料が異なり、長所と短所がある。溶融堆積モデリング技術では、プラスチック繊維がプリンタに供給され、そこで溶融され、そして徐々に固化する層状に適用される。この技術を説明する特徴的な文書として、国際公開第2018/223043A1号があり、そこでは加えて支持ビームも使用される。選択的レーザ焼結技術では、微粉末(金属又はプラスチック)を適用し、その上をレーザが移動することで選択的に焼成し、下層内に焼き付ける。これにより、多種多様な材料を使用することが可能になる。この技術を説明する特徴的な文書としてはまた、日本国特許公開第2019/147343A号があり、そこでは、加えて、支持オブジェクトも使用される。ステレオリソグラフィ技術では、感光性液体樹脂が、それを硬化させるレーザ又はUV光によって照射される。このプロセスは高速で、非常に高い解像度で形状を創出することができる。しかしながら、結果は材料強度が限られたオブジェクトである。
【0003】
固体ブロックを堆積させることによる3Dオブジェクトの付加形成のための方法は、中国特許第109049687A号に記載されるように、先行技術においても知られており、ここで、様々な形状の固体ベースブロックは、まず、繊維で補強された熱可塑性樹脂材料から形成され、次いで、これらのブロックは、層内に堆積され、ブロックの表面は、接着剤でコーティングされる。同じ層内のブロックは、異なる高さを有することができる。文書欧州特許第3427869A1号も知られており、ここで、プレハブブロックを層へと接合することに基づいて、3Dオブジェクトを製造する方法が説明される。ブロックが調製される固体材料は、金属材料、ポリマー材料、複合材料、及びこれらの組み合わせの群から選択される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した技術、特に層状にブロックを敷設する技術のいずれも、ブロックの敷設の精度、接合されたブロックの強度、及び様々なオーバーハング及び開口部の容易な創出の可能性を保証する追加の構造を包含していない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
先行技術の上記欠点は、本発明による基本ブロックを層状化することによる3Dオブジェクトの付加形成の方法によって削除される。この解決策は、任意の形状のブロックを、好ましくはロッド又は細いケーブルで実現される誘導要素上に置くことに基づいており、一方で好ましくは、それらは互いの上に置かれる。誘導要素は、好ましくは、互いに平行なベースプレート上に、例えば、格子状に埋め込まれるか、又は固定され、したがって作業空間が満たされる。使用される誘導要素の数及び配置は、好ましくは、使用される材料を考慮して、形成されるオブジェクトの所望の特性に従って決定される。
【0006】
固体ベースブロックを層状化することによる3Dオブジェクトの付加形成の方法の基礎は、以下のステップにある。最初に、3Dオブジェクトの形成方向に配向された少なくとも1つの誘導要素の配置が形成される。これに続いて、少なくとも1つの固体ベースブロックを含む第1の層を第1の層の水平線に堆積させ、少なくとも1つの固体ベースブロックを含む少なくとも1つの更なる層を第1の層の水平線から3Dオブジェクトの形成方向へ空間的に離れた水平線に堆積させる。本発明の目的については、「水平線」という用語は、所与の層の各ベースブロックの幾何学的中心を通過する空間内の仮想的な二次元幾何学的形状を意味することを意図する。
【0007】
この場合、少なくとも1つの層の少なくとも1つのベースブロックは、少なくとも1つの誘導要素の領域内に配置され、また前述の少なくとも1つの誘導要素と協働する、少なくとも1つの協働手段を用いて配置される。好ましくは、各層内に少なくとも1つのそのようなベースブロックが配置され、この場合、最終的に形成されたオブジェクトの全体的な強度並びに寸法精度が増加する。有利なことに、例えば、ベースブロックの体積の穴又は当業者に既知の機械的手段を協働手段として使用することが可能である。各層の少なくとも1つの固体ベースブロックを、少なくとも2つの誘導要素の領域に配置させ、少なくとも2つの協働手段を用いて配置させることも可能であり、各々がこれらの誘導要素のうちの少なくとも1つと協働する。各層の少なくとも1つの固体ベースブロックを、少なくとも2つの誘導要素の領域に配置させ、これら少なくとも2つの誘導要素と協働する少なくとも1つの協働手段を用いて配置させることも可能である。
【0008】
少なくとも2つの異なるベースブロックを、有利なことに、本発明による方法において使用することができる。この場合、最終オブジェクトは、有利なことに、異なる材料で構成されてもよい。このおかげで、個々の部品の異なる定性的及び美的特性を有する事前に設計されたオブジェクトを創出することが可能である。
【0009】
方法から、第1の層は、好ましくは、少なくとも1つのベースプレート上に配置され、少なくとも1つの更なる層の水平線は、好ましくは、第1の層の水平線に平行である。少なくとも1つの層、及び好ましくは全ての後続層の水平線が第1の層の水平線に平行である場合、ベースプレートの可能性がある使用とは無関係に、全体の形成方法はかなり単純化され、加速される。この方法の特徴は、少なくとも1つの誘導要素が、第1の層の水平線に垂直な方向に配向されていること、又は少なくとも1つの誘導要素が、第1の層の水平線に垂直ではない方向、例えば、平行又は斜めに配向されていることも可能であることである。第1の層の水平線に垂直に配向された誘導要素を使用することにより、形成プロセスが大幅に簡素化され、加速される。誘導要素の配向の垂直方向とは、誘導要素の長手方向軸と、それらの交点における所与の層の水平線との間の角度が垂直であることを意味する。所与の層の水平線に関連する誘導要素の配置に関連して与えられる他の角度は、同様に理解されなければならない。少なくとも1つのベースブロックが、締結手段を用いて配置されるか、又は全ての固体ベースブロックが、締結手段を用いて配置されることが好ましい。好ましくは、締結手段は、接着剤又は他の好適な締結材料である。ねじ及びナットなどの機械的固定手段を使用することも可能である。締結手段は、ベースブロックが作られている、又はベースブロックが少なくとも部分的にコーティングされている熱可塑性材料からの接触面であることが可能である。強化は熱プロセスの後で発生する。3Dオブジェクトのいくつかの使用については、ステップc)の後、使用される場合、ベースプレートが取り外される、及び/又は少なくとも1つの誘導要素が取り外されることが有利である。3Dオブジェクトを強化するために、3Dオブジェクトは、好ましくは、熱プロセスによって補強される。この場合、少なくとも1つのベースブロックが熱可塑性材料で作られる場合、有利である。
【0010】
基本ブロックを層状化することによる3Dオブジェクトの付加形成の方法の利点は、例えば、少なくとも1つのベースブロックが少なくとも2つの誘導要素の領域内に配置され、少なくとも2つの誘導要素と協働する少なくとも1つの位置合わせ手段を用いて配置される場合、提案された解決策が、好ましくは締結手段の使用を必要とせずに、ジグザグブロックを有利なことに格納することができる点にある。誘導手段はまた、個々の基本ブロックのより正確な設置を可能にし、したがって形成された3Dオブジェクトのより高い形状精度を可能にする。
【0011】
締結手段が使用される場合、良好な接続を達成するために、締結手段を用いて配置されたベースブロックは、有利なことに、誘導要素によって異なるレベルでより長い時間一緒に押圧することができる。この場合、少なくとも1つのベースプレートが使用される場合に有利である。誘導要素及びベースプレートは、主に生産の精度を保証する構造としての役目を果たし、また、締結手段の使用のための圧力を創出するための支持構造としての役目も果たす。ブロックを堆積して硬化させる反復プロセスが完了すると、有利なことに、少なくとも1つの誘導要素及び/又は少なくとも1つのベースプレートを除去することができ、結果として得られるオブジェクトは固体であり、任意の空間形状を有することができる。
【0012】
締結手段、誘導手段、及び好ましくはベースプレート又はプレートの使用の好適な組み合わせによって、他の支持構造なしに非常に柔軟な方法でオブジェクトの自己支持構造を創出することが可能である。
【0013】
この解決策の別の著しい利点は、格納された支持ブロックが、例えば、締結手段なしに配置されることがないように、様々なオーバーハング及び開口部を創出することであり、層状化による3Dオブジェクトの付加形成の完了後、それらが除去され、任意選択的に3Dオブジェクトの更なる形成中に再利用することができる。より高い3Dオブジェクトを形成する場合、構築されたより高い層上のオーバーハング及び傾斜面は、第1の層の水平線に垂直な方向以外の方向に配向された誘導要素を使用して作製することができ、したがって、構築中に支持要素としてのみの役目を果たし、最後には除去されることになる、いくつかの基本ブロックを節約することができる。層状化による3Dオブジェクトの付加形成のこの方法により、異なる材料、例えば、熱可塑性材料、色、及び寸法のブロックを使用することが可能になり、したがって、広範な用途を有する。また、ブロック及び格子のサイズによって、花瓶、カップ、植木鉢などの小さな3Dオブジェクト、又はキャビネット、椅子、及び家具全般などの中型のオブジェクトの製造に関わらず、様々なサイズの3Dオブジェクトを付加形成するためのデバイスを生成することが可能になる。人間及び動物のフィギュアを実際のサイズで製造することも可能である。最終的には、家全体を製造することが可能である。
【0014】
本発明による基本ブロックを層状化することによる3Dオブジェクトの付加形成の方法は、添付の図面に図示されている。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】層状3Dオブジェクト自体の要素のタイプを示し、付加形成方法を実施するために必要なデバイスの誘導要素及びベースプレート、並びにデバイスの位置合わせ手段も示す。
【
図2】埋め込まれた誘導要素も用いて、ベースプレート上の3Dオブジェクトの第1の層のブロックの設置を示す。
【
図3】配置の精度を達成するための、3Dオブジェクトの格納されたブロックの第1の層への圧力の印加を示す。
【
図4】配置の精度を達成するために、かつ同時に締結手段を全面的に適用し、ブロックを締結するために、3Dオブジェクトの格納されたブロックの最後の層に圧力を十分な時間の間印加することを示す。
【
図5】いくつかの緩いブロック及び誘導構造の除去を示す。
【
図6】ベースプレート、誘導要素、及び残りの取り付けられていないブロックを除去した後の最終的な形成された3Dオブジェクトを示す。
【
図7】位置合わせ手段及びいくつかの取り付けられていないブロックの除去後の配置された誘導要素及びベースプレートを有する最終的なテラス3Dオブジェクトを示す。
【
図8】位置合わせ手段、誘導要素及びベースプレート、並びに全ての取り付けられていないブロックの除去後に創出された最終的なテラス3Dオブジェクトを示す。
【
図9】埋め込まれた誘導要素上の3Dオブジェクトの最後の層のブロックの設置を示す。
【
図10】水平に配向されたニッチを有する3Dオブジェクトのブロックの設置を示す。
【
図11】傾斜した屋根を有する3Dオブジェクトのブロックの設置を示す。
【
図12】底面、側面、及び上面図において、拡張三面体の形状の3Dオブジェクトの配置を示す。
【
図13】底面、側面、及び上面図において、拡張三面体の形状の3Dオブジェクトの配置を示す。
【
図14】底面、側面、及び上面図において、拡張三面体の形状の3Dオブジェクトの配置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
全ての図は、二重輪郭線によって示される、ベースブロック上で使用される締結手段を有する好ましい実施形態を示す。
【0017】
本発明の個々の実施形態が、限定の手段としてではなく、例示の手段として提示されることを理解されたい。当業者であれば、特定の実施形態に対する多くの等価物を、日常的な実験以上を使用せずに見つけるか、確認することができるであろう。そのような等価物も、特許請求の範囲に該当することになる。最適な方法設計は、当業者にとっての課題ではないため、これらの特徴は詳細に説明されていない。
【0018】
図1は、ベースブロックを層状化することによって3Dオブジェクトの付加形成に必要な要素の範囲を示す。したがって、要素の範囲は、ベースプレート1、誘導要素2、すなわち、ロッド、スティック又はケーブル、ワイヤ、様々なロッドプロファイル及び同様のものからなる。更に、それらは、1つの協働手段4、すなわち、誘導要素2のための穴、開口部を有するブロック及び立方体の形状の基本ブロック3である。それらはまた、2つの協働手段4、すなわち、誘導要素2のための穴、開口部を有するブロック及び立方体の形状の基本ブロック3である。それらはまた、1つの協働手段4、すなわち、誘導要素2のための穴、開口部を有する、例えば、糊などの締結手段5が適用されたベースブロック3自体である。それらはまた、2つの協働手段4、すなわち、誘導要素2のための穴、開口部を有する、例えば、糊などの締結手段5が適用されたベースブロック3自体である。基本ブロックは、概して、任意の形状及び材料のブロックとすることができる。基本ブロックを層状化することによって3Dオブジェクトの付加形成を行うデバイスは、保護の対象でもなく、いかなる画像にも示されない。このデバイスの1つの部材、すなわち、誘導要素2である技術の1つの補助要素と協働する位置合わせ手段6のみを参照する。位置合わせ手段6は、例えば、ロボットアーム又はスライドキャット(sliding cat)、又は特殊バーである。
【実施例】
【0019】
実施例1
特定の実施形態のこの実施例では、本発明によるベースブロックを層状化することによる3Dオブジェクトの付加形成方法の実施が説明され、これは、創出された3Dオブジェクト上で、すなわち、
図1~6に示されるベース及び中央部分内に開口部を有する階段で図示される。固体ベースブロック3を層状化することによる3Dオブジェクトの付加形成の方法は、以下のステップからなる。最初に、必要な数の誘導要素2が準備され、かつ分配される。誘導要素の数は、使用される材料を考慮して、形成されるオブジェクトの必要な特性に従って決定される。これにより、第1の層の水平線に垂直な方向で軸方向に配向された平行な誘導要素2を用いて直線的な作業格子が創出され、誘導要素は、3Dオブジェクトを形成する方向に配向されている。この動作は、好ましくは、3Dオブジェクトの付加形成の空間の外で行われる補助動作に先行し、これは、位置合わせ手段6上へのベースブロック3の第1の層の堆積である。好ましくは、補助動作が続き、それは、第1の層の水平線における1列に配置された誘導要素2のちょうど上にある位置合わせ手段6上の第1の層のベースブロック3の移動であり、ベースブロック3上の協働手段4は誘導要素2の上方にある。次のステップは、協働手段4によって第1の層の水平線に個体ベースブロック3の第1の層を堆積させ、それを通して処理デバイスの位置合わせ手段6によって誘導要素2上に螺合する。あるいは、2つ以上の非図示の位置合わせ手段6を使用してもよい。後続の全ての層の水平線は、第1の層の水平線に平行である。誘導要素2上の第1の層のベースブロック3の設置は、
図2に示す、位置合わせ手段6上に置かれた第1の層のベースブロック3の垂直変位によって行われる。別の有利な補助的作用は、
図3に示すように、位置合わせ手段6を第1の層の下方から3Dオブジェクトの付加形成空間外に延長させ、既に格納されているベースブロック3の第1の層の上にスライドさせることであり、位置合わせ手段6はベースブロック3の第1の層上に圧力を印加して、配置精度を達成する。次の層の水平線は、固体ベースブロック3の高さだけ3Dオブジェクトを形成する方向に、前の層の水平線から空間的に離れている。この後、ベースブロック3の第2の層を、3Dオブジェクトを形成する方向において第1の層の水平線から空間的に離隔した水平線に堆積させるステップが続き、この層及び後続の層は、好ましくは、例えば、糊などの締結手段5が提供されたそれぞれのベースブロック3を既に包含している。これは、ベースブロック3の最後の層が堆積するまで行われ、
図4に示すように、配置の精度を達成すると同時に、接着剤を固化させてベースブロック3をくっつけるために十分な時間の間、圧力が印加される。次のステップでは、
図5に示すように、全ての誘導要素2及びいくつかの非接着のベースブロック3の除去が行われる。
【0020】
好ましい代替案では、ベースプレート1の準備及びレイアウトが最初に配置され、各ベース層の幾何学的中心を通過する空間内の仮想的な二次元幾何学的形状が、原則として第1の層の水平線と平行になるように配置される一方、各ベースプレート1の中心には、
図1に示すように1つの誘導要素2が配置される。ベースプレート1の数は、使用される材料を考慮して、形成された物体の必要な特性に従って決定される。次いで、ベースブロックの第1の層は、上述されるように堆積される。
【0021】
最後に、残りの補強されていない非接着のベースブロック3及び全てのベースプレート1が除去され、したがって、
図6に示されるように、3Dオブジェクトのベース及び中央部分に開口部を創出する。
【0022】
本発明による基本ブロックを層状化することによる3Dオブジェクの付加形成のこの方法は、任意選択的に、形成された3Dオブジェクトを強化するための強化熱プロセスによって補完される。そのような場合、使用されるベースブロックの少なくとも一部が、熱可塑性材料を含むことが好ましい。
【0023】
実施例2
特定の実施形態のこの実施例では、本発明によるベースブロックを層状化することによる3Dオブジェクトの付加形成方法の実施が説明され、これは、3Dオブジェクト上で、すなわち、
図7及び8に示されるベース及び中央部分内に開口部を有するテラス構造物で図示されている。固体ベースブロック3を層状化することによる3Dオブジェクトの付加形成の方法は、以下のステップからなる。最初に、この場合のベースプレート1の準備及びレイアウトは、各ベース層の幾何学的中心を通過する空間内の仮想的な2次元幾何学的形状が、原則として第1の層の水平線に平行であるように配置されるように行われることが好ましい。1つの誘導要素2が、各格子の中心、すなわち、ベースプレート1内に、第1の層の水平線に垂直な方向に配向され、したがって、3Dオブジェクトを形成する方向に配向された状態で配置されたときに、平面的な作業格子が形成される。同様に、例えば、実施例1に記載されているように、ベースプレート1を分解することなく、この平面的な作業格子を創出することが可能である。次のステップは、協働手段4によってベースプレート1上に固体ベースブロック3の第1の層を堆積させ、それを通して生成デバイスの位置合わせ手段6によって誘導要素2に螺合される。次いで、実施例1で既に説明した更なるステップに続く。
【0024】
実施例3
特定の実施形態のこの実施例では、本発明によるベースブロックを層状化することによる3Dオブジェクトの付加形成方法の実施が説明され、これは、創出された3Dオブジェクト上で、すなわち、柱で図示され、
図9に示されている。固体ベースブロック3を層状化することによる3Dオブジェクトの付加形成の方法は、以下のステップからなる。最初に、1つのベースプレート1の準備及び分解が行われることが好ましく、ここで、3Dオブジェクトを形成する方向に配向された1つの誘導要素2がその中心に配置される。あるいは、実施例1に記載されているものと同様に、ベースプレート1を分解することなく進むことが可能である。次のステップは、協働手段4によってベースプレート1上に1つの固体ベースブロック3の第1の層を堆積させ、それを通して生成デバイスの位置合わせ手段6によって誘導要素2上に螺合される。次いで、実施例1で既に説明した更なるステップに続く。
【0025】
実施例4
特定の実施形態のこの実施例では、本発明によるベースブロックを層状化することによる3Dオブジェクトの付加形成方法の実施が説明され、これは、創出された3Dオブジェクト上で、すなわち、
図10に示すニッチ(niche)を有する高い壁で図示され、基本的に実施例1に説明されている。加えて、壁の最後の層上で、ニッチを構築するための誘導要素2が、構築された壁の第1の層の水平線に対して垂直以外の方向に配向されるように、水平ニッチが形成される。
【0026】
実施例5
特定の実施形態のこの実施例では、本発明によるベースブロックを層状化することによる3Dオブジェクトの付加形成方法の実施が説明され、これは、創出された3Dオブジェクト上で、すなわち、
図11に示される傾斜屋根を有する農舎で図示され、基本的に実施例1に説明されている。加えて、壁の最後の層上で、屋根を構築するための誘導要素2が、構築された壁の第1の層の水平線に対して垂直以外の方向に配向されるような方法で、傾斜屋根が形成される。
【0027】
実施例6
特定の実施形態のこの実施例では、本発明によるベースブロックを層状化することによる3Dオブジェクトの付加形成方法の実施形態が説明され、これは、創出された3Dオブジェクト上で、すなわち、
図12、13及び14に示す底面図、側面図及び上面図で分岐三面体の形状で図示したものである。最初に、3つのベースプレート1を準備し、
図12に示されるような三角形構成へと分散する。誘導要素2は、
図13に示すように、平行に配置されるのではなく、その頂点がオブジェクトから外向きに向かうような方法で、各ベースプレートに適合される。
図14には、モノリシックベースブロック3で構築された3Dオブジェクトが示されている。
【0028】
産業上の有用性
本発明による、固体ベースブロックを層状化することによる、3Dオブジェクトの付加形成方法は、建設業界、家具業界、玩具及び小型実用品の製造において使用可能である。
【国際調査報告】