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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-22
(54)【発明の名称】二次電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/342 20210101AFI20231115BHJP
   H01M 50/178 20210101ALI20231115BHJP
   H01M 50/184 20210101ALI20231115BHJP
   H01M 50/531 20210101ALI20231115BHJP
   H01M 50/117 20210101ALI20231115BHJP
   H01M 50/121 20210101ALI20231115BHJP
   H01M 50/122 20210101ALI20231115BHJP
   H01M 50/105 20210101ALI20231115BHJP
   H01M 50/129 20210101ALI20231115BHJP
【FI】
H01M50/342 101
H01M50/178
H01M50/184 C
H01M50/531
H01M50/117
H01M50/121
H01M50/122
H01M50/105
H01M50/129
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023528187
(86)(22)【出願日】2022-04-15
(85)【翻訳文提出日】2023-05-10
(86)【国際出願番号】 KR2022005503
(87)【国際公開番号】W WO2022220656
(87)【国際公開日】2022-10-20
(31)【優先権主張番号】10-2021-0049399
(32)【優先日】2021-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】フン-ヒ・イム
(72)【発明者】
【氏名】サン-フン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ミン-ヒョン・カン
(72)【発明者】
【氏名】デ-ウォン・ソン
(72)【発明者】
【氏名】ヒュン-キュン・ユ
(72)【発明者】
【氏名】ス-ジ・ファン
【テーマコード(参考)】
5H011
5H012
5H043
【Fターム(参考)】
5H011AA13
5H011CC02
5H011CC05
5H011CC10
5H011FF02
5H011HH02
5H011HH08
5H011KK00
5H011KK02
5H011KK04
5H011KK05
5H012BB04
5H043AA04
5H043CA08
5H043KA11
5H043KA22
5H043LA00
5H043LA14
5H043LA33
5H043LA41
(57)【要約】
本発明は、ベント部材を有する二次電池を開示する。本発明の一実施様態による二次電池は、電極リードが取り付けられた電極組立体と、前記電極組立体を収納するケースと、前記電極リードの外面の一部を囲み、前記電極リードと前記ケースとの間に介在されたリードフィルムと、ベント部材と、を含み、前記ケースが、外層、金属バリアー層及びシーラント層を含み、前記シーラント層内に熱伝導層を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極組立体と、
前記電極組立体に取り付けられた電極リードと、
内部に前記電極組立体を収納するケースと、
前記電極リードの外面の一部を囲むように形成され、前記電極リードと前記ケースとの間に介在されるリードフィルムと、
ベント部材と、を含み、
前記ケースがシーラント層を含み、前記シーラント層内に熱伝導層を含むことを特徴とする、二次電池。
【請求項2】
前記熱伝導層がシーラント層のコアに位置していることを特徴とする、請求項1に記載の二次電池。
【請求項3】
前記熱伝導層が熱伝導性粒子を含むことを特徴とする、請求項1に記載の二次電池。
【請求項4】
前記熱伝導性粒子が、窒化ホウ素、窒化アルミニウムまたはこれらの混合物を含むことを特徴とする、請求項3に記載の二次電池。
【請求項5】
前記熱伝導層が、フィルム形態であることを特徴とする、請求項1に記載の二次電池。
【請求項6】
前記熱伝導層が、熱伝導性粒子とバインダーを含むフィルム形態であることを特徴とする、請求項5に記載の二次電池。
【請求項7】
前記ケースは、電極組立体を密封するために形成されたシーリング部を備え、
前記ベント部材が前記シーリング部に位置していることを特徴とする、請求項1に記載の二次電池。
【請求項8】
前記ベント部材は、前記電極リードが外部に露出する側のコーナー側のシーリング部に位置していることを特徴とする、請求項7に記載の二次電池。
【請求項9】
前記シーリング部は、シーラント樹脂を含み、
前記ベント部材が前記シーラント樹脂よりも融点が低いことを特徴とする、請求項7に記載の二次電池。
【請求項10】
前記ベント部材が、100℃~120℃でベントされることを特徴とする、請求項1に記載の二次電池。
【請求項11】
前記ベント部材が、1.5atm以上の圧力でベントされることを特徴とする、請求項10に記載の二次電池。
【請求項12】
前記ベント部材の100℃以上における最大シーリング強度が、6kgf/15mm未満であることを特徴とする、請求項1に記載の二次電池。
【請求項13】
前記ベント部材の100℃以上における平均シーリング強度が、4.5kgf/15mm未満であることを特徴とする、請求項1に記載の二次電池。
【請求項14】
前記ベント部材の常温~60℃における最大シーリング強度が、6kgf/15mm以上であることを特徴とする、請求項1に記載の二次電池。
【請求項15】
前記ベント部材の常温~60℃における平均シーリング強度が、4.5kgf/15mm以上であることを特徴とする、請求項1に記載の二次電池。
【請求項16】
前記ベント部材が、炭素数6以上のコモノマーを有する線状低密度ポリエチレンを含むことを特徴とする、請求項1から15のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項17】
前記炭素数6以上のコモノマーを有する線状低密度ポリエチレンが、メタロセン触媒の存在下で重合されたことを特徴とする、請求項16二次電池。
【請求項18】
前記炭素数6以上のコモノマーを有する線状低密度ポリエチレンにおいて、前記炭素数6以上のコモノマーの含量が、前記炭素数6以上のコモノマーを有する線状低密度ポリエチレン100重量%に対して15重量%以下であることを特徴とする、請求項16に記載の二次電池。
【請求項19】
前記炭素数6以上のコモノマーを有する線状低密度ポリエチレンの多分散指数が4以下であることを特徴とする、請求項16に記載の二次電池。
【請求項20】
前記ケースは、電極組立体を密封するために形成されたシーリング部を備え、
前記シーリング部は、シーラント樹脂を含み、
前記シーラント樹脂の結晶化温度と前記炭素数6以上のコモノマーを有する線状低密度ポリエチレンの結晶化温度との差が、10℃以下であることを特徴とする、請求項16に記載の二次電池。
【請求項21】
前記炭素数6以上のコモノマーを有する線状低密度ポリエチレンの結晶化温度が90℃~115℃であることを特徴とする、請求項20に記載の二次電池。
【請求項22】
前記ベント部材が、100℃~130℃の融点を有することを特徴とする、請求項1に記載の二次電池。
【請求項23】
前記炭素数6以上のコモノマーを有する線状低密度ポリエチレンの重量平均分子量が、10万g/mol~40万g/molであることを特徴とする、請求項16に記載の二次電池。
【請求項24】
前記二次電池は、パウチ型二次電池であることを特徴とする、請求項1に記載の二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池に関し、より詳しくは、ベント部材を備える二次電池に関する。
【0002】
本出願は、2021年4月15日出願の韓国特許出願第10-2021-0049399号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
二次電池は、多様な製品への適用が可能であり、高いエネルギー密度などの電気的特性が優秀である。二次電池は、携帯用器機のみならず、電力によって駆動される電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)にも使用される。二次電池は、化石燃料の使用を大幅減らすことができ、エネルギー消費過程で副産物が発生しないという点で環境に優しく、エネルギー効率の向上のための新しいエネルギー源として注目されている。
【0004】
現在、広く使用される二次電池としては、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、ニッカド電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池などがある。
【0005】
二次電池は、通常、正極/分離膜/負極の構造を有する少なくとも一つの単位セルを含む電極組立体が、外層、金属バリアー層、シーラント層が順次に積層されたラミネートシートのケースに収納され、前記シーラント層のシーラント樹脂を溶着して電極組立体が密封された構造を有する。
【0006】
従来の二次電池においては、二次電池の内部短絡、過充電または過放電、温度調節などの多様な原因によって電池が発火し得る。この際、二次電池の内部温度が急上昇すると共に隣接するセルヘ熱が伝達される熱暴走現象(Thermal Propagation)が発生して炎がさらに大きくなり得る。
【0007】
熱暴走現象の発生時、即ち、二次電池の内部温度が上昇すると、ガスによる電極の損傷を最小化するために、ガスを一方向へ排出するディレクショナルベンティング(Directional Venting)特性が求められる。しかし、従来の二次電池は、特定の方向へのガス排出を誘導しにくいという問題点がある。
【0008】
そこで、本発明は、特定の方向へガス排出を誘導することで安全性が向上した二次電池を提供することを目的とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、特定の方向へガスの排出を誘導することで安全性が向上した二次電池を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明の一面によれば、下記の具現例の二次電池が提供される。
【0011】
第1具現例は、
電極組立体と、
前記電極組立体に取り付けられた電極リードと、
内部に前記電極組立体を収納するケースと、
前記電極リードの外面の一部を囲むように形成され、前記電極リードと前記ケースとの間に介在されるリードフィルムと、
ベント部材と、を含み、
前記ケースがシーラント層を含み、前記シーラント層内に熱伝導層を含むことを特徴とする二次電池に関する。
【0012】
第2具現例は、第1具現例において、
前記熱伝導層がシーラント層のコアに位置し得る。
【0013】
第3具現例は、第1具現例または第2具現例において、
前記熱伝導層が熱伝導性粒子を含み得る。
【0014】
第4具現例は、第3具現例において、
前記熱伝導性粒子が、窒化ホウ素、窒化アルミニウムまたはこれらの混合物を含み得る。
【0015】
第5具現例は、第1具現例から第4具現例のいずれか一具現例において、
前記熱伝導層がフィルム形態であり得る。
【0016】
第6具現例は、第5具現例において、
前記熱伝導層が、熱伝導性粒子とバインダーを含むフィルム形態であり得る。
【0017】
第7具現例は、第1具現例から第6具現例のいずれか一具現例において、
前記ケースは、電極組立体を密封するために形成されたシーリング部を備え、前記ベント部材が前記シーリング部に位置し得る。
【0018】
第8具現例は、第7具現例において、
前記ベント部材は、前記電極リードが外部に露出する側のコーナー側のシーリング部に位置し得る。
【0019】
第9具現例は、第7具現例または第8具現例において、
前記シーリング部は、シーラント樹脂を含み、前記ベント部材は前記シーラント樹脂よりも融点が低くてもよい。
【0020】
第10具現例は、第1具現例から第9具現例のいずれか一具現例において、
前記ベント部材が100℃~120℃でベントされ得る。
【0021】
第11具現例は、第10具現例において、
前記ベント部材が1.5atm以上の圧力でベントされ得る。
【0022】
第12具現例は、第1具現例から第11具現例のいずれか一具現例において、
前記ベント部材の100℃以上における最大シーリング強度が6kgf/15mm未満であり得る。
【0023】
第13具現例は、第1具現例から第12具現例のいずれか一具現例において、
前記ベント部材の100℃以上における平均シーリング強度が4.5kgf/15mm未満であり得る。
【0024】
第14具現例は、第1具現例から第13具現例のいずれか一具現例において、
前記ベント部材の常温~60℃における最大シーリング強度が6kgf/15mm以上であり得る。
【0025】
第15具現例は、第1具現例から第14具現例のいずれか一具現例において、
前記ベント部材の常温~60℃における平均シーリング強度が4.5kgf/15mm以上であり得る。
【0026】
第16具現例は、第1具現例から第15具現例のいずれか一具現例において、
前記ベント部材が、炭素数6以上のコモノマー(comonomer)を有する線状低密度ポリエチレンを含み得る。
【0027】
第17具現例は、第16具現例において、
前記炭素数6以上のコモノマーを有する線状低密度ポリエチレンが、メタロセン触媒の存在下で重合されたものであり得る。
【0028】
第18具現例は、第16具現例または第17具現例において、
前記炭素数6以上のコモノマーを有する線状低密度ポリエチレンにおいて、前記炭素数6以上のコモノマーの含量が、前記炭素数6以上のコモノマーを有する線状低密度ポリエチレン100重量%に対して15重量%以下であり得る。
【0029】
第19具現例は、第16具現例から第18具現例のいずれか一具現例において、
前記炭素数6以上のコモノマーを有する線状低密度ポリエチレンの多分散指数(Poly Dispersity Index;PDI)が4以下であり得る。
【0030】
第20具現例は、第16具現例から第19具現例のいずれか一具現例において、
前記ケースは、電極組立体を密封するために形成されたシーリング部を備え、前記シーリング部は、シーラント樹脂を含み、前記シーラント樹脂の結晶化温度と前記炭素数6以上のコモノマーを有する線状低密度ポリエチレンの結晶化温度との差が、10℃以下であり得る。
【0031】
第21具現例は、第20具現例において、
前記炭素数6以上のコモノマーを有する線状低密度ポリエチレンの結晶化温度が90℃~115℃であり得る。
【0032】
第22具現例は、第1具現例から第21具現例のいずれか一具現例において、
前記ベント部材が100℃~130℃の融点を有し得る。
【0033】
第23具現例は、第16具現例から第22具現例のいずれか一具現例において、
前記炭素数6以上のコモノマーを有する線状低密度ポリエチレンの重量平均分子量が、10万g/mol~40万g/molであり得る。
【0034】
第24具現例は、第1具現例から第23具現例のいずれか一具現例において、
前記二次電池はパウチ型二次電池であり得る。
【発明の効果】
【0035】
本発明の一実施形態による二次電池は、ケースのシーラント層内に熱伝導層を含むことでベント部材が位置する方向へガス排出を誘導しやすくなる。これによって、電池の安全性が向上できる。
【0036】
本明細書に添付された次の図面は、本発明の望ましい実施例を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割を果たすものであり、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本発明の一実施様態による二次電池の平面図である。
図2図1のA-A’による断面図である。
図3図1のB-B’による断面図であり、本発明の一実施様態による二次電池においてベントが起こる様子を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲において使われた用語や単語は通常的または辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応じた意味及び概念で解釈されねばならない。
【0039】
したがって、本明細書に記載された実施例及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0040】
本発明の一面による二次電池は、電極リードが取り付けられた電極組立体と、内部に前記電極組立体を収納するケースと、前記電極リードの外面の一部を囲むように形成され、前記電極リードと前記ケースとの間に介在されたリードフィルムと、ベント部材と、を含み、前記ケースがシーラント層を含み、前記シーラント層内に熱伝導層を含む。
【0041】
図1は、本発明の一実施様態による二次電池を示した図である。
【0042】
図1を参照すると、二次電池10は、電極リード11が取り付けられた電極組立体12と、ケース13と、を備える。
【0043】
前記電極組立体12は、正極板、負極板及び分離膜を含む。電極組立体12は、分離膜を挟んで正極板と負極板が順次に積層され得る。
【0044】
正極板は、導電性に優れた金属薄板、例えば、アルミニウム(Al)ホイルからなる正極集電体と、その少なくとも一面にコーティングされた正極活物質層と、を含み得る。また、前記正極板は、一側端部に金属材質、例えば、アルミニウム材質からなる正極タブを含み得る。前記正極タブは、正極板の一側端部から突出し得る。前記正極タブは、正極板の一側端部に溶接されるか、または導電性接着剤を用いて接合され得る。
【0045】
負極板は、導電性金属薄板、例えば、銅(Cu)ホイルからなる負極集電体と、その少なくとも一面にコーティングされた負極活物質層と、を含み得る。また、前記負極板は、一側端部に、金属材質、例えば、ニッケル(Ni)材質から形成された負極タブを含み得る。前記負極タブは、負極板の一側端部から突出し得る。前記負極タブは、負極板の一側端部に溶接されるか、または導電性接着剤を用いて接合され得る。
【0046】
分離膜は、正極板と負極板との間に位置し、正極板と負極板を互いに電気的に絶縁する。前記分離膜は、正極板と負極板との間でリチウムイオンが互いに通過可能な多孔性膜であり得る。前記分離膜は、例えば、ポリエチレン(PE)、またはポリプロピレン(PP)、またはこれらの複合フィルムを使用した多孔性膜を含み得る。
【0047】
分離膜の表面には、無機物コーティング層が備えられ得る。無機物コーティング層は、無機物粒子がバインダーによって互いに結合して粒子の間に気孔構造(interstitial volume;インタースティシャルボリューム)を形成した構造を有し得る。
【0048】
電極組立体12は、長いシート状の正極と負極を分離膜が介在された状態で巻き取った構造のゼリーロール型(巻取型)電極組立体、所定の大きさの単位で切り取った複数の正極と負極を、分離膜を介在した状態で順次に積層したスタック型(積層型)電極組立体、所定の単位の正極と負極を、分離膜を介在した状態で積層したバイセル(Bi-cell)またはフルセル(Full cell)を巻き取った構造のスタック/フォールディング型電極組立体などであり得る。
【0049】
前記ケース13は、電極組立体12を収納する役割を果たす。
【0050】
図2は、図1のA-A’による断面図である。
【0051】
図2を参照すると、前記ケース13は、シーラント層を含み、前記シーラント層内に熱伝導成層を含む。例えば、前記ケース13は、外部衝撃からの保護のための外層131、水分を遮断する金属バリアー層132、ケースをシーリングするシーラント層133、熱伝導層134及びシーラント層133の多層構造で備えられ得る。
【0052】
前記外層131は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、共重合ポリエステル、ポリカーボネート、ナイロンなど、その他のポリエステル系フィルムを含むことができ、単層または多層から構成され得る。
【0053】
前記金属バリアー層132は、アルミニウム、銅などを含み得る。
【0054】
前記シーラント層133は、シーラント樹脂を含み、多層から構成され得る。前記シーラント層133が多層である場合、前記熱伝導層134が複数のシーラント層133の間に位置し得る。例えば、前記熱伝導層134がシーラント層133のコア部分に位置し得る。
【0055】
前記シーラント樹脂は、ポリプロピレン(PP)、酸変性ポリプロピレン(Acid modified polypropylene;PPa)、ランダムポリプロピレン(random polypropylene)、エチレンプロピレン共重合体、またはこれらの二種以上を含み得る。前記エチレンプロピレン共重合体は、エチレンプロピレンゴム(ethylene-propylene rubber)、エチレンプロピレンブロック共重合体などを含み得るが、これらに限定されない。
【0056】
前記熱伝導層134は、電池の異常反応による局所的な熱発生をケース全体に分散してケースの局所的な熱損傷を効果的に防止できる。また、前記熱伝導層134は、局所的な熱発生をベント部材側へ伝達でき、ベント部材からのガス排出がより容易になり得る。
【0057】
電池の異常作動によって二次電池の内部の温度が急上昇する場合、ベント部材でベンティングが起こる前に、ケースが損傷することがある。本発明の一実施様態による二次電池のように熱伝導層134を備える場合、ケース13、例えば、ケース13の金属バリアー層132へ熱が伝達されることを防止できるので、ベンティングが起こる前にケース13が損傷する問題を防止することができる。
【0058】
本発明の一実施様態において、前記熱伝導層134が後述するベント部材15と直接的に接触しないようにし得る。前記熱伝導層134がベント部材15と直接的に接触しなくても前記熱伝導層134が局所的な熱発生をベント部材側へ伝達可能であるため、ベント部材におけるガスの排出がより容易になり得る。
【0059】
本発明の一実施様態において、前記熱伝導層134は、押し出し積層(Extrusion lamination)方式によってシーラント層133内に挿入され得る。
【0060】
本発明の一実施様態において、前記熱伝導層134は熱伝導性粒子を含み得る。前記熱伝導性粒子は、例えば、窒化ホウ素、窒化アルミニウムまたはこれらの混合物を含み得る。
【0061】
本発明の一実施様態において、前記熱伝導層134はフィルム形態であり得る。例えば、前記熱伝導層134は前記熱伝導性粒子とバインダーを含むフィルム形態であり得る。前記バインダーは、非伝導性素材であり得る。例えば、前記バインダーは、ポリプロピレンなどを含み得る。
【0062】
前記熱伝導層134が前記熱伝導性粒子とバインダーを含む場合、前記熱伝導性粒子の含量は、前記熱伝導層134の100重量%を基準にして10~80重量%であり得る。前記熱伝導性粒子の含量が前述した範囲を満たす場合、ケースの局所的な熱損傷を効果的に防止することがより容易になり得る。
【0063】
前記熱伝導層134がフィルム形態である場合、前記熱伝導性粒子とバインダーの混合物を押し出し(extrusion)してフィルム形態に形成し得る。
【0064】
前記熱伝導層134がフィルム形態である場合、前記熱伝導層134の厚さは、20~40μmであり得る。
【0065】
本発明の一実施様態において、前記ケース13は、電極組立体12を収納する収納部13aと、電極組立体12を密封するために形成されたシーリング部13bと、を備え得る。
【0066】
前記シーリング部13bは、前記収納部13aの外周面に沿って溶着して電極組立体12を密封し得る。前記ケース13のシーラント層が溶着して前記シーリング部13bを形成し得る。前記シーリング部13bの溶着は、熱溶着、超音波による溶着であり得るが、シーリング部13bを溶着可能であれば、特に制限されない。
【0067】
本発明の一実施様態において、前記ケース13は、パウチ形態であり得る。
【0068】
パウチ形態の電池ケース13は、上部パウチ及び下部パウチを含み得る。ケース13が上部パウチ及び下部パウチを含む場合、シーラント樹脂が互いに対向するように上部パウチと下部パウチを配置した後、対向するシーラント樹脂が熱と圧力によって相互に溶着することで電池を密封する構造を有し得る。
【0069】
シーリング部13bは、一部の実施様態でケース13の周縁部において四面シーリングまたは三面シーリングされ得る。三面シーリング構造において、上部パウチ及び下部パウチは一つのパウチシートに形成された後、上部パウチと下部パウチとの境界面を折り曲げて上部パウチ及び下部パウチに形成された収納部13aが重ねられるようにした状態で折曲部を除いた残りの三面の周縁がシーリングされる。
【0070】
前記電極リード11は、図1に示したように、電極リード11の一部が前記ケース13の外部に露出するようにケース13に収納され得る。
【0071】
図1を参照すると、本発明の一実施様態による二次電池10は、リードフィルム14を備える。
【0072】
前記リードフィルム14は、前記電極リード11の外面の一部を囲み、電極リード11とケース13との間に介在される。例えば、リードフィルム14が、電極リード11と、電極リード11がケース13から突出または延びる部分のケース13のシーリング部13bとの間に介在されることで、電極リード11と前記ケース13との結着を助け得る。
【0073】
図1を参照すると、本発明の一実施様態による二次電池10は、ベント部材15を含む。熱暴走現象の発生時、前記ベント部材15は、特定の方向へガスの排出を誘導して電池の安全性を向上させることができる。
【0074】
図3は、図1のB-B’による断面図であり、本発明の一実施様態による二次電池でベントが発生する様子を示した図である。具体的には、図3は、本発明の一実施様態による二次電池におけるベント部材を示した断面図である。
【0075】
図3を参照すると、電池が正常に作動する温度で、ベント部材はケースを外部から密封する役割を果たす。電池の異常作動によって電池の温度が過度に上昇すると、ベント部材が溶融しながらベント部材が挿入された部分のシーリング強度が低下する。これによって、その部分でガスが排出され得る。例えば、電池内部ガスの圧力がベント部材とケースとの界面に加えられることによってベント部材とケースとの間に隙間が形成され、そこからガスが排出され得る。
【0076】
図3を参照すると、前記ベント部材15は、ケース上部のシーラント層133とケース下部のシーラント層133との間に位置し得る。前記ベント部材15は、溶着されることによってケース上部のシーラント層133とケース下部のシーラント層133との間に位置し得る。
【0077】
前記ベント部材15とケース13は、熱溶着によって重ねられ得る。他の例で、前記ベント部材15とケース13は、グルーなどの接着剤によって重ねられ得る。さらに他の例で、前記ベント部材15とケース13は、クリップなどによって物理的に相互に結合し得る。さらに他の例で、ケース13を構成するフィルム、例えば、シーラント樹脂内にベント部材15の少なくとも一部が埋め込まれ得る(embedding)。
【0078】
本発明の一実施様態において、前記ベント部材15の融点は前記シーラント樹脂の融点よりも低くてもよい。前記ベント部材15が前記シーラント樹脂よりも融点が低い場合、高温で前記ベント部材15が前記シーラント樹脂よりも速く溶融され得る。ベント部材15が挿入された部分のシーリング強度が、シーラント樹脂を含む他のケース部分のシーリング強度よりも低下することで、より容易にベント特性が具現され得る。
【0079】
本発明の一実施様態において、前記ベント部材15が100℃~130℃、または105℃~125℃、または110℃~120℃の融点を有するものであり得る。前記ベント部材15が前述した範囲を満たす場合、高温、例えば100℃以上でベント部材15が挿入されたケース13部分のシーリング強度が低下して、より容易にベント特性が具現され得る。
【0080】
前記ベント部材15の融点は、示差走査熱量計(Differential scanning calorimeter;DSC)を用いて測定し得る。例えば、試料の温度を30℃から10℃/分で280℃まで増加させた後、280℃で10分間維持し、10℃/分で30℃まで冷却した後、30℃で10分間維持し得る。その後、試料の温度を30℃から10℃/分で280℃まで増加させた後、温度を280℃で10分間維持して融点を測定し得る。
【0081】
図1及び図3を参照すると、前記ベント部材15は、シーリング部13bに位置し得る。
【0082】
図1を参照すると、ベント部材15は、ケースのコーナー側のシーリング部に位置し得る。例えば、ベント部材15は、電極リード11が外部に露出するシーリング部のコーナー側に位置し得る。具体的には、ベント部材15は、電極リード11同士の間の領域を除いて、電極リード11に隣接するシーリング部に位置し得る。ベント部材15が、電極リード11が外部に露出するシーリング部のコーナー側に位置する場合、電極リード11に向かって排出されるガスの量を最小化でき、電池の安全性をさらに向上させることができる。
【0083】
本発明の一実施様態において、シーリング部13bが三面で密封される場合、ケースの折り曲げられた側面とベント部材15の一端が密接し得る。
【0084】
本発明のさらに他の実施様態において、ベント部材15は、電極リード11が外部に露出されるシーリング部を除いたシーリング部に位置し得る。
【0085】
本発明の他の実施様態において、ベント部材15は、電極リード11が外部に露出されるシーリング部に位置し得る。例えば、ベント部材15は、電極リード11と電極リード11との間のシーリング部に位置し得る。
【0086】
本発明の一実施様態において、ベント部材15は、より円滑な配置のために接着層をさらに含み得る。
【0087】
本発明の一実施様態において、前記ベント部材15は、100℃~120℃でベントされることで、収納部から電池の外部へガスを排出または排気し得る。特に、前記ベント部材15は、100℃~120℃の温度、1.5atm以上の圧力でベントされ得る。前記ベント部材15が前述した温度範囲及び/または前述した圧力条件でベントされることによって、電池が正常に作動するときには電池の密封が可能でありながら、電池の異常作動時のみにガス排出を誘導できる。
【0088】
本発明の一実施様態において、前記ベント部材15は、100℃以上における最大シーリング強度が6kgf/15mm未満、または5kgf/15mm未満、または4.5kgf/15mm未満であり得る。本発明の一実施様態において、前記ベント部材15は、100℃~120℃における最大シーリング強度が6kgf/15mm未満、または5kgf/15mm未満、または4.5kgf/15mm未満であり得る。本発明の一実施様態において、前記ベント部材15は、120℃以上における最大シーリング強度が3kgf/15mm未満、または2kgf/15mm未満、または1kgf/15mm未満、または0.5kgf/15mm未満あり得る。前記ベント部材15が前述した温度範囲で前述したシーリング強度を満たす場合、高温、例えば100℃以上でベント部材15が挿入されたケース13の部分のシーリング強度が低下し、より容易にベント特性が具現可能である。
【0089】
また、本発明の一実施様態において、前記ベント部材15は、常温~60℃における最大シーリング強度が6kgf/15mm以上、または8kgf/15mm以上、または10kgf/15mm以上であり得る。前記ベント部材15が前述した温度範囲で前述したシーリング強度を満たす場合、ベント部材15が挿入されているとしても、電池の正常作動時にベント部材15が挿入されたケース13の部分が優秀なシーリング強度を有するようになり、より容易に電池の密封性が確保可能である。
【0090】
本発明の一実施様態において、前記ベント部材15は、100℃以上における最大シーリング強度が6kgf/15mm未満であり、前記ベント部材15は、常温~60℃における最大シーリング強度が6kgf/15mm以上であり得る。前記ベント部材15が前述したシーリング強度を満たす場合、高温、例えば100℃以上でベント部材15が挿入されたケース13の部分のシーリング強度が低下して容易にベント特性が具現可能である。また、電池の正常作動時には、ケース13が優秀なシーリング強度を有するようになり、より容易に電池の密封性を確保することができる。
【0091】
本発明の一実施様態において、前記ベント部材15は、100℃以上における平均シーリング強度が4.5kgf/15mm未満、または3kgf/15mm未満であり得る。本発明の一実施様態において、前記ベント部材15は、100℃~120℃における平均シーリング強度が4.5kgf/15mm未満、または3kgf/15mm未満であり得る。本発明の一実施様態において、前記ベント部材15は、120℃以上における平均シーリング強度が2kgf/15mm未満、または1kgf/15mm未満、または0.5kgf/15mm未満であり得る。前記ベント部材15が前述した温度範囲で前述したシーリング強度を満たす場合、高温、例えば100℃以上でベント部材15が挿入されたケース13の部分のシーリング強度が低下するようになり、より容易にベント特性が具現可能である。
【0092】
本発明の一実施様態において、前記ベント部材15は、常温~60℃における平均シーリング強度が4.5kgf/15mm以上、または5kgf/15mm以上、または6kgf/15mm以上、または7kgf/15mm以上であり得る。前記ベント部材15が前述した温度範囲で前述したシーリング強度を満たす場合、ベント部材15が挿入されているとしても、電池の正常作動時にベント部材15が挿入されたケース13の部分が優秀なシーリング強度を有するようになり、より容易に電池の密封性が確保可能になり得る。
【0093】
本発明の一実施様態において、前記ベント部材15は、100℃以上における平均シーリング強度が4.5kgf/15mm未満であり、常温~60℃における平均シーリング強度が4.5kgf/15mm以上であり得る。前記ベント部材15が前述した温度範囲で前述したシーリング強度を有する場合、高温、例えば100℃以上でベント部材15が挿入されたケース13の部分のシーリング強度が低下するようになり、より容易にベント特性が具現できる。また、ケース13が電池の正常作動時に優秀なシーリング強度を有するようになり、電池の密封性をより容易に確保できる。
【0094】
温度によるベント部材15のシーリング強度は、ベント部材15が挿入された部分のケース13を幅15mm、長さ5cmに裁断した後、両端を180゜に開けてUTMジグに介在した後、5mm/分の速度で引張テストを行って測定し得る。
【0095】
この際、最大シーリング強度は、ケース13が破断するときの最大値を意味し、平均シーリング強度は、最大シーリング強度が4.5kgf/15mm以上である場合には4.5kgf/15mmでケース13が8mm延伸したときの平均値を意味し、最大シーリング強度が4.5kgf/15mm未満である場合には、最大シーリング強度でケース13が8mm延伸したときの平均値を意味する。
【0096】
本発明の一実施様態において、前記ベント部材15は、炭素数6以上のコモノマーを有する線状低密度ポリエチレンを含み得る。前記ベント部材15が炭素数6以上のコモノマーを有する線状低密度ポリエチレンを含むことによって、正常温度範囲、例えば、常温~60℃ではケース13の密封性が優秀であり、高温、例えば100℃以上では、ベント部材15が挿入されたケースのシーリング強度が低下してベンティングを実現または誘発することが可能である。
【0097】
本発明の一実施様態において、前記ベント部材15が炭素数6~8のコモノマーを有する線状低密度ポリエチレンを含み得る。
【0098】
本発明の一実施様態において、前記炭素数6以上のコモノマーを有する線状低密度ポリエチレンは、メタロセン触媒の存在下で重合されたものであり得る。前記炭素数6以上のコモノマーを有する線状低密度ポリエチレンが、メタロセン触媒の存在下で重合されたものである場合、チーグラー・ナッタ触媒の存在下で重合された場合よりもシーリング強度及び物性の面でさらに有利であり得る。
【0099】
本発明の一実施様態において、前記炭素数6以上のコモノマーを有する線状低密度ポリエチレンにおける前記炭素数6以上のコモノマーの含量は、前記炭素数6以上のコモノマーを有する線状低密度ポリエチレン100重量%に対して15重量%以下、または12重量%以下、または11.8重量%以下、または10重量%以下、または9重量%以下、または8重量%以下、または7.6重量%以下であり得る。また、前記炭素数6以上のコモノマーの含量が、前記炭素数6以上のコモノマーを有する線状低密度ポリエチレン100重量%に対して5重量%以上、または7.6重量%以上、または8重量%以上、または9.0重量%以上、または10重量%以上、または11.8重量%以上、または12重量%以上であり得る。炭素数6以上のコモノマーの含量が前述した範囲を満たす場合、分子間のパッキング密度が減少することにより、電池の正常作動時にシーリング強度が低下する問題を容易に防止できる。
【0100】
前記炭素数6以上のコモノマーの含量は、H-NMRで測定可能である。例えば、約10mgの試料を約0.6mLのトリクロロエチレン溶媒にヒートガン(heat gun)を使用して完全に溶かした後、NMRチューブにサンプリングし、H-NMRを用いて測定し得る。
【0101】
本発明の一実施様態において、前記炭素数6以上のコモノマーを有する線状低密度ポリエチレンの重量平均分子量は10万g/mol~40万g/mol、または20万g/mol~35万g/mol、または23万g/mol~30万g/molであり得る。前記炭素数6以上のコモノマーを有する線状低密度ポリエチレンの重量平均分子量が前述した範囲を満たす場合、電池の正常作動時にシーリング強度がさらに優秀になり得る。
【0102】
本発明の一実施様態において、前記炭素数6以上のコモノマーを有する線状低密度ポリエチレンの多分散指数(Poly Dispersity Index;PDI)は4以下、または3.8以下、または3.796以下、または3.5以下、または3.023以下、または3以下、または2.7以下、または2.674以下であり得る。また、多分散指数 (PDI)は1.0以上であり得る。前記炭素数6以上のコモノマーを有する線状低密度ポリエチレンの多分散指数が前述した範囲を満たす場合、分子量分布が狭くなり、電池の正常作動時にシーリング強度及び物性がさらに優秀になり得る。
【0103】
炭素数6以上のコモノマーを有する線状低密度ポリエチレンの重量平均分子量及び多分散指数は、ゲル透過クロマトグラフィー(gel permeation chromatography;GPC)によって下記の条件で測定したものであり得る。
【0104】
-カラム:Tosoh社 HLC-8321 GPC/HT
-溶媒:トリクロロベンゼン(trichlorobenzene;TCB)+0.04%BHT(after drying with 0.1% CaCl
-流速:1.0ml/分
-試料濃度:1.5mg/ml
-注入量:300μl
-カラム温度:160℃
-Detector:RI detector
-Standard:ポリスチレン(三次関数で補正)
【0105】
本発明の一実施様態において、前記シーラント樹脂の結晶化温度と前記炭素数6以上のコモノマーを有する線状低密度ポリエチレンの結晶化温度は類似し得る。例えば、前記シーラント樹脂の結晶化温度と前記炭素数6以上のコモノマーを有する線状低密度ポリエチレンの結晶化温度との差は、10℃以下、または5℃以下あり得る。また、前記シーラント樹脂の結晶化温度と前記炭素数6以上のコモノマーを有する線状低密度ポリエチレンの結晶化温度との差は、0.1℃以上であり得る。前記シーラント樹脂の結晶化温度と前記炭素数6以上のコモノマーを有する線状低密度ポリエチレンの結晶化温度との差が前述した範囲を満たす場合、前記シーラント樹脂と炭素数6以上のコモノマーを有する線状低密度ポリエチレンの電池の正常作動時における溶着特性がより優秀になり得る。
【0106】
本発明の一実施様態において、前記炭素数6以上のコモノマーを有する線状低密度ポリエチレンの結晶化温度は、90℃~115℃、または95℃~110℃、または100℃~110℃、または105℃~110℃であり得る。前記炭素数6以上のコモノマーを有する線状低密度ポリエチレンの結晶化温度が前述した範囲を満たす場合、前記シーラント樹脂と前記炭素数6以上のコモノマーを有する線状低密度ポリエチレンの溶着特性がより優秀になり得る。
【0107】
本発明の一実施様態において、前記シーラント樹脂の結晶化温度と前記炭素数6以上のコモノマーを有する線状低密度ポリエチレンの結晶化温度との差が10℃以下であり、前記炭素数6以上のコモノマーを有する線状低密度ポリエチレンの結晶化温度が90℃~115℃であり得る。
【0108】
前記結晶化温度は、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定可能である。例えば、試料の温度を30℃から10℃/分で280℃まで増加させた後、280℃で10分間維持し、10℃/分で30℃まで冷却した後、30℃で10分間維持し得る。その後、試料の温度を30℃から10℃/分で280℃まで増加させた後、温度を280℃で10分間維持することで、結晶化温度を測定し得る。
【0109】
本発明の一実施様態において、前記ベント部材15は、ガスがベント領域に向かうように多様な形状を有し得る。例えば、ベント部材15はフィルム形状を有し得る。
【0110】
前記ベント部材15は、予め設定された大きさの所定の厚さを有するように形成され得る。また、ベント部材15は、設計によって、挿入長を相違にするか、またはベンティング圧力及び位置制御可能にケース13に挿入され得る。ここで、ベント部材の挿入長とは、電極リードの突出方向を基準にしてベント部材の一端と他端との距離の最大値を意味する。
【0111】
本発明の一実施様態において、ベント部材15の挿入長は、シーリング部13bの幅よりも小さくてもよい。例えば、ベント部材15の挿入長は、シーリング部13bの幅の約50%未満であり得る。ここで、シーリング部13bの幅とは、電極リード11の突出方向を基準にしてシーリング部13bの一端と他端との距離の最大値を意味する。
【0112】
本発明の他の実施様態において、ベント部材15の挿入長は、シーリング部13bの幅よりも大きくてもよい。例えば、ベント部材15は、収納部13aを経てケース13の外部に露出されるように挿入され得る。
【0113】
本発明の一実施様態において、前記ベント部材15は、より円滑な取付のために接着層をさらに含み得る。
【0114】
本発明の一実施様態において、前記二次電池は、円筒型、角形またはパウチ型二次電池であり得る。その中でも、前記二次電池はパウチ型二次電池であり得る。
【0115】
以上、本発明を具体的な実施例を挙げて説明したが、本発明による実施例は多様な他の形態に変形可能であり、本発明の範囲が下記の実施例に限定されると解釈されてはならない。本発明の実施例は当業界で平均的な知識を持つ者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。
【符号の説明】
【0116】
10 二次電池
11 電極リード
12 電極組立体
13 ケース
13a 収納部
13b シーリング部
14 リードフィルム
15 ベント部材
131 外層
132 金属バリアー層
133 シーラント層
134 熱伝導層
図1
図2
図3
【国際調査報告】