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特表2023-549204高周波電子デバイスを試験するためのプローブヘッド用に改良されたコンタクト要素および関連するプローブヘッド
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  • 特表-高周波電子デバイスを試験するためのプローブヘッド用に改良されたコンタクト要素および関連するプローブヘッド 図1
  • 特表-高周波電子デバイスを試験するためのプローブヘッド用に改良されたコンタクト要素および関連するプローブヘッド 図2
  • 特表-高周波電子デバイスを試験するためのプローブヘッド用に改良されたコンタクト要素および関連するプローブヘッド 図3
  • 特表-高周波電子デバイスを試験するためのプローブヘッド用に改良されたコンタクト要素および関連するプローブヘッド 図4
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  • 特表-高周波電子デバイスを試験するためのプローブヘッド用に改良されたコンタクト要素および関連するプローブヘッド 図7
  • 特表-高周波電子デバイスを試験するためのプローブヘッド用に改良されたコンタクト要素および関連するプローブヘッド 図8
  • 特表-高周波電子デバイスを試験するためのプローブヘッド用に改良されたコンタクト要素および関連するプローブヘッド 図9
  • 特表-高周波電子デバイスを試験するためのプローブヘッド用に改良されたコンタクト要素および関連するプローブヘッド 図10
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-22
(54)【発明の名称】高周波電子デバイスを試験するためのプローブヘッド用に改良されたコンタクト要素および関連するプローブヘッド
(51)【国際特許分類】
   G01R 1/06 20060101AFI20231115BHJP
   G01R 1/073 20060101ALI20231115BHJP
   G01R 1/067 20060101ALI20231115BHJP
   G01R 31/26 20200101ALI20231115BHJP
【FI】
G01R1/06 D
G01R1/073 D
G01R1/067 G
G01R31/26 J
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023528337
(86)(22)【出願日】2021-11-10
(85)【翻訳文提出日】2023-07-10
(86)【国際出願番号】 EP2021081283
(87)【国際公開番号】W WO2022101288
(87)【国際公開日】2022-05-19
(31)【優先権主張番号】102020000027182
(32)【優先日】2020-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519046085
【氏名又は名称】テクノプローベ ソシエタ ペル アチオニ
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クリッパ、ロベルト
【テーマコード(参考)】
2G003
2G011
【Fターム(参考)】
2G003AA10
2G003AE03
2G003AG03
2G003AG04
2G003AH09
2G011AA16
2G011AB01
2G011AB04
2G011AB06
2G011AB07
2G011AB08
2G011AB09
2G011AC02
2G011AC32
2G011AC33
2G011AE03
2G011AF07
(57)【要約】
本明細書には、電子デバイスの試験装置のためのプローブヘッド用のコンタクト要素(10)が開示され、コンタクト要素(10)は、被試験デバイスのパッド(11)に接触するように構成されている第1のコンタクト端部(10a)と対向する第2のコンタクト端部(10b)との間で長手方向軸(H-H)に沿って延在する本体(10’、10pp)を備え、上記本体(10’、10pp)は、第1のコンタクト端部(10a)から始まり第2のコンタクト端部(10b)に向かって長手方向軸(H-H)に沿って延在する、および導電性材料で作られている、第1のセクション(S1)であって、1000μm未満の距離にわたって延在している、第1のセクション(S1)と、第2のコンタクト端部(10b)から始まり第1のコンタクト端部(10a)に向かって長手方向軸H-Hに沿って延在する、および導電性材料で作られている、第2のセクション(S2)と、第1のセクション(S1)と第2のセクション(S2)との間に挿入されている、および電気絶縁材料で作られている、第3のセクション(S3)と、を備える。第1のコンタクト端部(10a)が第1のセクション(S1)のみに含まれ、第2のコンタクト端部(10b)が第2のセクション(S2)のみに含まれるように、上記セクション(S1、S2、S3)は、長手方向軸(H-H)に沿って互いに続き、第3のセクション(S3)は、第1のセクション(S1)を第2のセクション(S2)から電気的に絶縁するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子デバイスの試験装置のためのプローブヘッド用のコンタクト要素(10)であって、前記コンタクト要素(10)が、被試験デバイスのパッド(11)に接触するように構成されている第1のコンタクト端部(10a)と対向する第2のコンタクト端部(10b)との間で長手方向軸(H-H)に沿って延在する本体(10’、10pp)を備え、前記本体(10’、10pp)が、
前記第1のコンタクト端部(10a)から始まり前記第2のコンタクト端部(10b)に向かって前記長手方向軸(H-H)に沿って延在する、および導電性材料で作られている、第1のセクション(S1)であって、1000μm未満の距離にわたって延在している、第1のセクション(S1)と、
前記第2のコンタクト端部(10b)から始まり前記第1のコンタクト端部(10a)に向かって前記長手方向軸H-Hに沿って延在する、および導電性材料で作られている、第2のセクション(S2)と、
前記第1のセクション(S1)と前記第2のセクション(S2)との間に挿入されている、および電気絶縁材料で作られている、第3のセクション(S3)と、を備え、
前記第1のコンタクト端部(10a)が前記第1のセクション(S1)のみに含まれ、前記第2のコンタクト端部(10b)が前記第2のセクション(S2)のみに含まれるように、前記セクション(S1、S2,S3)が、長手方向軸(H-H)に沿って互いに続き、前記第3のセクション(S3)が、前記第1のセクション(S1)を前記第2のセクション(S2)から電気的に絶縁するように構成されている、コンタクト要素(10)。
【請求項2】
前記第2のセクション(S2)が0.5mmから8mmの範囲の長さを有し、前記第3のセクション(S3)が1μmから2mmの範囲の長さを有する、請求項1記載のコンタクト要素(10)。
【請求項3】
前記第3のセクション(S3)の前記電気絶縁材料が、Al23、パリレン、シリコンから選択される、請求項1または2に記載のコンタクト要素(10)。
【請求項4】
前記第1のセクション(S1)が、プローブヘッドのガイドの導電性要素に接触するように構成されている、請求項1~3のいずれか1項に記載のコンタクト要素(10)。
【請求項5】
前記コンタクト要素(10)が、前記第1のセクション(S1)で前記プローブヘッドの前記ガイドのガイドホールの対応する金属化壁に接触するように構成された少なくとも1つの壁(W)を備え、前記第1のセクション(S1)が、前記被試験デバイスから前記ガイドホールの前記金属化壁に信号を伝送するように構成され、前記第2のセクション(S2)が、機械的支持のみを提供するように構成されている、請求項4記載のコンタクト要素(10)。
【請求項6】
前記第1のセクション(S1)が、前記本体(10’)から突出する突出要素(15)を備え、前記突出要素(15)が導電性当接面(CS)を画定している、請求項1~5のいずれか1項に記載のコンタクト要素(10)。
【請求項7】
前記コンタクト要素(10)が、バックリングビーム型の垂直コンタクトプローブの形態である、請求項1~6のいずれか1項に記載のコンタクト要素(10)。
【請求項8】
前記コンタクト要素(10)がポゴピンの形態であり、前記第2のセクション(S2)が試験中に圧縮されるように構成された弾性要素(34)を備え、前記第3のセクション(S3)が前記弾性要素(34)と前記第1のセクション(S1)との間に配されている、請求項1~5のいずれか1項に記載のコンタクト要素(10)。
【請求項9】
電子デバイスの試験装置用のプローブヘッド(20)であって、前記プローブヘッド(20)が、それぞれ複数のコンタクト要素(10)を収容する複数のガイドホール(22)が設けられた少なくとも1つのガイド(21)を備え、前記プローブヘッドが、前記コンタクト要素(10)が請求項1~8のいずれか1項に従って作られていることを特徴とし、前記少なくとも1つのガイド(21)が、前記コンタクト要素(10)の第1のセクション(S1)によって電気的に接触させられるように構成されている導電性要素を備える、プローブヘッド(20)。
【請求項10】
前記少なくとも1つのガイド(21)が、前記コンタクト要素(10)の前記第1のセクション(S1)において配された下部ガイドである、請求項9記載のプローブヘッド(20)。
【請求項11】
前記ガイド(21)の導電性要素が、前記ガイドホール(22)から延在する導電性トラック(23)を備え、前記導電性トラック(23)が、前記ガイド(21)の面(Fa、Fb)上に形成され、および/または前記ガイド(21)に埋め込まれている、請求項9または10に記載のプローブヘッド(20)。
【請求項12】
前記ガイド(21)の導電性要素が、前記ガイドホール(22)の少なくとも1つのグループ(22’)を含む少なくとも1つの導電部分(24)を備え、前記第1のセクション(S1)において、ホールの前記グループ(22’)に収容され決められたタイプの信号を伝送するように構成されているコンタクト要素の対応するグループに接触して短絡するように構成されている、請求項9~11のいずれか1項に記載のプローブヘッド(20)。
【請求項13】
前記導電部分(24)が、前記ガイド(21)の面(Fa、Fb)上に形成されるか、または前記ガイド(21)に埋め込まれる、請求項12記載のプローブヘッド(20)。
【請求項14】
前記導電部分(24)が複数の導電層(24a~24n)の形態であり、前記導電層(24a~24n)の各々が、前記ガイドホール(22)のそれぞれのグループ(22a~22n)のホールを含んで互いに電気的に接続し、前記コンタクト要素(10)の対応するグループの前記第1のセクション(S1)に接触するように構成されており、各々のグループのコンタクト要素それぞれが、同じタイプの信号を伝送するように構成されている、請求項12記載のプローブヘッド(20)。
【請求項15】
前記ガイドホール(22)の内面の少なくとも1つの部分が、前記ガイド(21)の導電性要素と接続された導電部分(22w)でコーティングされ、前記コンタクト要素(10)の前記第1のセクション(S1)が、前記ガイドホール(22)の前記導電部分(22w)に電気的に接触するように構成されている、請求項9~14のいずれか1項に記載のプローブヘッド(20)。
【請求項16】
前記プローブヘッド(20)が、完全に導電性であり、信号を被試験デバイスから直接前記プローブヘッド(20)に関連付けられた支持プレート(13)に伝送するように構成されている、さらなるコンタクト要素(10bis)を備え、前記さらなるコンタクト要素(10bis)が、前記被試験デバイスと前記支持プレート(13)との間で電力信号および/または接地信号および/または低周波信号を伝送するように構成されている、請求項9~15のいずれか1項に記載のプローブヘッド(20)。
【請求項17】
前記コンタクト要素(10)が、前記第1のセクション(S1)において、本体(10’)から突き出る突出要素(15)を備え、前記突出要素(15)が、前記ガイド(21)の導電性要素に当接するように構成された導電性当接面(CS)を画定している、請求項9~16のいずれか1項に記載のプローブヘッド(20)。
【請求項18】
前記プローブヘッド(20)が、前記ガイド(21)の表面上に配され、前記ガイド(21)の導電性要素である可撓性膜(26)をさらに備え、前記可撓性膜(26)が、その一部が前記第1のセクション(S1)の前記導電性当接面(CS)の1つまたは複数の上に配され、前記被試験デバイスとの接触中に持ち上げられるように構成されるように成形されており、前記可撓性膜(26)が、前記第1のセクション(S1)によって伝送された信号をルーティングするために延在する導電性トラックを備えている、請求項17記載のプローブヘッド(20)。
【請求項19】
前記導電性要素(10)が、バックリングビーム型の垂直コンタクトプローブの形態であり、前記プローブヘッド(20)が下部ガイドおよび上部ガイドを備え、それらのガイドホールが互いにシフトされる、請求項9~18のいずれか1項に記載のプローブヘッド(20)。
【請求項20】
前記導電性要素(10)がポゴピンの形態であり、第2のセクション(S2)が試験中に圧縮されるように構成された弾性要素(34)を備え、第3のセクション(S3)が前記弾性要素(34)と前記第1のセクション(S1)との間に配されている、請求項9~16のいずれか1項に記載のプローブヘッド(20)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウェーハ上に集積された電子デバイス、たとえば高周波デバイスの試験装置のためのプローブヘッド用のコンタクト要素に関し、以下の記載は、その説明を単純化するという唯一の目的で、この応用分野を参照してなされている。
【背景技術】
【0002】
周知のように、プローブヘッドは、本質的に、微細構造、特に半導体ウェーハ上に集積された電子デバイスの複数のコンタクトパッドを、その機能性試験を実行するプローブ機械の対応するチャネルと電気的に接続するように構成されたデバイスである。
【0003】
集積されたデバイスに対して実行される試験は、既に製造されている中で欠陥のあるデバイスを検出して隔離するのに有用である。通常、プローブヘッドは、ウェーハ上に集積されたデバイスを切断してチップ収納パッケージ内に取り付ける前に、デバイスの電気的試験に使用される。
【0004】
プローブヘッドは、通常、多数のコンタクト要素、たとえばコンタクトプローブを備え、これらは、良好な電気的および機械的特性を有する特殊な合金で作られ、その各々には被試験デバイスの対応する複数のコンタクトパッド用の少なくとも1つのコンタクト部分が設けられている。
【0005】
垂直プローブヘッドは、本質的に、実質的にプレート形状で互いに平行である少なくとも一対のプレートまたはガイドによって保持された複数のコンタクトプローブを備える。上記ガイドは、適切なガイドホールを備え、コンタクトプローブの移動および可能な変形のための自由域または間隙を残すために、互いに一定の距離を置いて配置される。一対のガイドは、上部ガイドおよび下部ガイドを含み、その両方にそれぞれのガイドホールが設けられ、その中でコンタクトプローブが軸方向にスライドする。
【0006】
コンタクトプローブと被試験デバイスのコンタクトパッドとの間の良好な接続は、デバイスに対するプローブヘッドの圧力によって保証され、ここで、上部ガイドおよび下部ガイドに作られたガイドホール内で移動可能であるコンタクトプローブは、上記圧接中に、ガイド間の間隙内で曲がり、上記ガイドホール内で摺動する。
【0007】
さらに、間隙内でのコンタクトプローブの曲がりは、図1に概略的に例示されるように、コンタクト要素自体またはそのガイドの適切な構成によって支援することができ、ここで、例示を簡略化するために、通常はプローブヘッドに含まれている複数のコンタクトプローブのうちの1つのコンタクトプローブのみが表されており、例示されたプローブヘッドはいわゆるシフトされたプレートのタイプ(shifted-plate type)のものである。
【0008】
特に、図1には、それぞれ上部ガイドホール2aおよび下部ガイドホール3aを有する、少なくとも1つの上部プレートまたはガイド2と下部プレートまたはガイド3とを備えるプローブヘッド1が概略的に例示され、これらのガイドホール内でコンタクトプローブ4が摺動する。
【0009】
コンタクトプローブ4は少なくとも1つの端部またはコンタクトチップ4aを有し、ここで、用語「端部」または「チップ」は、必ずしも尖っていたり鋭角ではない端部部分を示す。特に、コンタクトチップ4aは、被試験デバイス5のコンタクトパッド5aに当接し、上記デバイスと試験装置(図示せず)との間の機械的および電気的な接触を実行する。
【0010】
場合によっては、コンタクトプローブは、上部ガイドでプローブヘッドにしっかりと固定され、この場合、プローブヘッドは、ブロックされたプローブ(blocked probes)を備えたプローブヘッドと呼ばれる。代替的に、しっかりと固定されていないがマイクロコンタクタによって基板にインターフェース接続されたままであるプローブを有するプローブヘッドもあり、この場合、プローブヘッドはブロックされていないプローブを備えたプローブヘッドと呼ばれる。マイクロコンタクタは通常、「スペーストランスフォーマ」と呼ばれるが、これは、プローブとの接触に加えて、特に同じ複数のパッドの中心(ピッチ)間の距離の制約を緩めて、被試験デバイス上のコンタクトパッドに対して、その上に作られたコンタクトパッドを空間的にルーティングすることも可能にする。
【0011】
この場合、図1に例示されるように、コンタクトプローブ4は、スペーストランスフォーマ6の複数のコンタクトパッド6aに向かう、コンタクトヘッドとして示される、さらなるコンタクトチップ4bを有する。プローブとスペーストランスフォーマとの間の良好な電気的接触は、スペーストランスフォーマ6のコンタクトパッド6aに対するコンタクトプローブ4のコンタクトヘッド4bの圧力によって(被試験デバイスとの接触にと同様に)保証される。
【0012】
上部ガイド2および下部ガイド3は、空隙7によって適切に離間されており、これにより、コンタクトプローブ4の変形を保証し、コンタクトプローブ4のコンタクトチップおよびヘッドと、それぞれ、被試験デバイス5およびスペーストランスフォーマ6のコンタクトパッドとの接触が可能になる。
【0013】
プローブヘッドの正しい動作が、基本的に、コンタクトプローブの垂直変位、すなわちオーバートラベルと、上記プローブのコンタクトチップの水平変位、すなわちスクラブという2つのパラメータにリンクされていることが知られている。これらの特性は、プローブヘッドの作成中に評価および較正されるべきであり、プローブと被試験デバイスとの間の良好な電気的接続が常に保証されるべきである。
【0014】
被試験デバイスのコンタクトパッドに対するプローブのコンタクトチップの圧接が、プローブまたはパッド自体の破損を引き起こすほど高くないことを保証することも等しく重要である。
【0015】
これは、いわゆるショートプローブ、すなわち長さが制限された、特に寸法が5000μm未満である本体を備えたプローブの場合に特に重要である。これらのプローブは、たとえば高周波用途に使用され、プローブの長さが短縮されることで自己インダクタンス現象が制限される。特に、用語「高周波用途のためのプローブ」は、1GHzを超える周波数の信号を伝送することができるプローブを示している。
【0016】
実際、無線周波数に至るまで、ますます高い周波数の信号を伝送することができるプローブヘッドを作る必要があり、その結果、コンタクトプローブの長さが短縮されて、たとえば前述の自己インダクタンス現象により、ノイズを追加することなく上記信号を伝送することが可能になる。
【0017】
しかし、このような場合、プローブの本体の長さが短縮されるため、プローブの剛性が大幅に増加し、それによって、それぞれのコンタクトチップによって被試験デバイスのコンタクトパッドに対して加えられた力が増大して、避けられるべき被試験デバイスの修復不可能な損傷を伴った上記パッドの破損につながりかねない。さらに危険なことに、本体自体の長さの短縮によるコンタクトプローブの剛性の増加によって、プローブ自体の破損の危険性も増加する。
【0018】
ポゴピンの形態のコンタクト要素も当該分野で知られており、これらのポゴピンは本質的に、2つの端部部分に接続された弾性体を備え、上記弾性体は、端部部分が被試験デバイスおよびスペーストランスフォーマのコンタクトパッドに接触すると圧縮する。上述の課題はこの場合にも見ることができ、そのため、高周波数での改善された試験を可能にする一般的な解決策を考案することが望ましい。
【0019】
本発明の技術的課題は、機能的および構造的特徴を有するプローブヘッド用のコンタクト要素を考案し、その高周波用途での使用を可能にすると同時に、信号にノイズを加えることなく、上記コンタクト要素および上記コンタクト要素が接触している被試験デバイスのコンタクトパッドの破損の危険性を低下させ、したがって、既知の解決策に依然として影響を及ぼしている制限および欠点を簡単な方法で克服することである。
【発明の概要】
【0020】
本発明の根底にある解決策は、コンタクト要素であって、被試験デバイスに接触するためのコンタクトチップを備えるそのセクションが、導電性であり、1000μm未満、好ましくは500μm未満の長さを有する、コンタクト要素を提供することである。この導電セクションは、コンタクト要素が収容されているプローブヘッドのガイドの導電性トラックまたは部分に接触するように構成されており、この導電セクションは、中間絶縁セクションによって導電体の残りの部分から分離されており、導電体の残りの部分は、減衰機能を有し、そのコンタクトヘッドによって、プローブヘッドに関連付けられた支持プレートに当接するように構成されている。コンタクト要素は、利点として、ポゴピン(上部がバネのおかげで減衰効果を確保している)と垂直コンタクトプローブ(この解決策によって十分な弾性を維持することが可能になる)の両方であり得る。
【0021】
このような解決策に基づいて、上述の技術的課題は、電子デバイスの試験装置のためのプローブヘッド用のコンタクト要素によって解決され、上記コンタクト要素は、被試験デバイスのパッドに接触するように構成されている第1のコンタクト端部と、対向する第2のコンタクト端部との間で長手方向軸に沿って延在した本体を備え、上記本体は、第1のコンタクト端部から始まり第2のコンタクト端部に向かって長手方向軸に沿って延在する、および導電性材料で作られている、第1のセクションであって、1000μm未満の距離にわたって延在している、第1のセクションと、第2のコンタクト端部から始まり第1のコンタクト端部に向かって長手方向軸に沿って延在する、および導電性材料で作られている、第2のセクションと、第1のセクションと第2のセクションとの間に挿入されている、および導電性材料で作られている、第3のセクションと、を備え、これらのセクションは、第1のコンタクト端部が第1のセクションのみに含まれ、第2のコンタクト端部が第2のセクションのみに含まれるように、長手方向軸に沿って互いに続き、第3のセクションは、第1のセクションを第2のセクションから電気的に絶縁するように構成されている。
【0022】
より具体的には、本発明は、単独で、または必要に応じて組み合わせて採用される、以下の追加および随意の特徴を含む。
【0023】
本発明の一態様によれば、第2のセクションは0.5mmから8mmの範囲の長さを有することができ、第3のセクションは1μmから2mmの範囲の長さを有することができる。
【0024】
本発明の一態様によれば、第3のセクションの電気絶縁材料は、Al23、パリレン、またはシリコンのうちの1つであり得る。
【0025】
本発明の一態様によれば、第1のセクションは、プローブヘッドのガイドの導電性要素に接触するように構成することができる。
【0026】
本発明の一態様によれば、コンタクト要素は、第1のセクションでプローブヘッドのガイドのガイドホールの対応する金属化壁に接触するように構成された少なくとも1つの壁を備えることができ、上記第1のセクションは、信号を被試験デバイスからガイドホールの金属化壁に伝送するように構成されている。一実施形態では、第2のセクションは機械的支持のみを提供するように構成されている。
【0027】
本発明の一態様によれば、第1のセクションは、本体から突き出る突出要素を備えることができ、上記突出要素は導電性当接面を画定する。
【0028】
本発明の一態様によれば、コンタクト要素は、バックリングビーム型の垂直コンタクトプローブの形態とすることができる。
【0029】
代替的に、コンタクト要素はポゴピンの形態とすることができ、第2のセクションは試験中に圧縮されるように構成された弾性要素を備え、第3のセクションは上記弾性要素と第1のセクションとの間に配されている。
【0030】
本発明はまた、電子デバイスの試験装置用のプローブヘッドに関し、当該プローブヘッドは、それぞれ複数のコンタクト要素を収容する複数のガイドホールが設けられた少なくとも1つのガイドを備え、上記プローブヘッドは、コンタクト要素が上記で開示されたように作られていることを特徴とし、上記少なくとも1つのガイドは、上記コンタクト要素の第1のセクションによって電気的に接触させられるように構成されている導電性要素を備える。
【0031】
本発明の一態様によれば、少なくとも1つのガイドは、コンタクト要素の第1のセクションにおいて配された下部ガイドとすることができる。
【0032】
本発明の一態様によれば、ガイドの導電性要素は、ガイドホールから延在する導電性トラックを備えることができ、上記導電性トラックは、ガイドの面上に形成され、および/または上記ガイドに埋め込まれている。
【0033】
本発明の一態様によれば、ガイドの導電性要素は、ガイドホールの少なくとも1つのグループを含む少なくとも1つの導電部分を備えることができ、第1のセクションにおいて、上記のガイドホールのグループに収容され、決められたタイプの信号を伝送するように構成されているコンタクト要素の対応するグループに接触して短絡するように構成されている。
【0034】
本発明の一態様によれば、導電部分は、ガイドの面上に形成することもできるし、上記ガイドに埋め込むこともできる。
【0035】
本発明の一態様によれば、導電部分は複数の導電層の形態とすることができ、上記導電層の各々は、ガイドホールのそれぞれのグループのホールを含んで互いに電気的に接続し、コンタクト要素の対応するグループの第1のセクションに接触するように構成されており、各々のグループのコンタクト要素それぞれは、同じタイプの信号を伝送するように構成されている。
【0036】
本発明の一態様によれば、ガイドホールの内面の少なくとも1つの部分、好ましくは壁全体は、ガイドの導電性要素と接続された導電部分によって覆うことができ、コンタクト要素の第1のセクションは、ガイドホールの導電部分と電気的に接触するように構成されている。
【0037】
本発明の一態様によれば、プローブヘッドは、完全に導電性であり、信号を被試験デバイスから直接プローブヘッドに関連付けられた支持プレートに伝送するように構成されている、さらなるコンタクト要素を備えることができ、上記さらなるコンタクト要素は、被試験デバイスと支持プレートとの間で電力信号および/または接地信号および/または低周波信号を伝送するように構成されている。
【0038】
本発明の一態様によれば、コンタクト要素は、第1のセクションに、本体から突き出る突出要素を備えることができ、上記突出要素は、たとえば、ガイドの導電部分または導電性トラックなどの、ガイドの導電性要素、または、たとえば可撓性膜などの、他の導電性要素に当接するように構成された導電性当接面を画定している。
【0039】
本発明の一態様によれば、プローブヘッドは、ガイドの表面上に配され、上記ガイドの導電性要素である可撓性膜をさらに備えることができ、すなわち、それはガイドの導電性要素として作用し、上記可撓性膜は、その一部が第1のセクションの導電性当接面の1つまたは複数の上に配され、被試験デバイスとの接触中に持ち上げられるように構成されるように成形されており、上記可撓性膜は、第1のセクションによって伝送された信号をルーティングするために延在する導電性トラックを備えている。
【0040】
本発明の一態様によれば、導電性要素は、バックリングビーム型の垂直コンタクトプローブの形態とすることができ、プローブヘッドは下部ガイドおよび上部ガイドを備え、それらのガイドホールは互いにシフトされ、上記コンタクトプローブの本体を変形させる。
【0041】
代替的に、導電性要素はポゴピンの形態とすることができ、第2のセクションは試験中に圧縮されるように構成された弾性要素を備え、第3のセクションは上記弾性要素と第1のセクションとの間に配されている。
【0042】
本発明によるコンタクト要素およびプローブヘッドの特徴および利点は、添付の図面を参照して、例示的かつ非限定的な例として与えられる、その実施形態の以下でなされる説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】先行技術によるコンタクト要素を概略的に示す。
図2】本発明によるコンタクト要素を概略的に示す。
図3】本発明の一実施形態によるコンタクト要素を概略的に示す。
図4】本発明によるコンタクト要素を備えるプローブヘッドを概略的に示す。
図5】本発明によるプローブヘッドの断面斜視図を概略的に示し、そのガイドは表面導電性トラックおよび埋め込み導電性トラックを備える。
図6】本発明の実施形態によるプローブヘッドを概略的に示し、そのガイドはコンタクト要素を短絡する導電部分を備える。
図7】本発明の実施形態によるプローブヘッドを概略的に示し、そのガイドはコンタクト要素を短絡する導電部分を備える。
図8】本発明の一実施形態によるプローブヘッドを概略的に示す。
図9】本発明の別の実施形態によるプローブヘッドの一部を概略的に示す。
図10】本発明の一実施形態によるプローブヘッドを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0044】
これらの図面を参照すると、半導体ウェーハ上に集積された電子デバイスの試験装置のためのプローブヘッド用のコンタクト要素が全体的かつ概略的に10で示されている。
【0045】
図面が、概略図を表し、一定の縮尺で描かれていないが、代わりに、本発明の重要な特徴を強調するために描かれていることは留意するに値する。また、図面では、異なる要素が概略的に示されており、それらの形状は所望の用途に応じて変化し得る。図面では、同じ参照番号が、形状または機能で同一である要素を指すことにも留意される。最後に、図面に例示される実施形態に関連して説明される特定の特徴は、他の図面に例示される他の実施形態にも適用可能である。
【0046】
以下により詳細に例示されるように、コンタクト要素10は、高周波電子デバイスを試験するためのプローブヘッド内に収容されるように構成されている。
【0047】
コンタクト要素10は、第1のコンタクト端部またはコンタクトチップ10aと第2のコンタクト端部またはコンタクトヘッド10bとの間で長手方向軸H-Hに沿って延在する本体を備え、ここで、用語「コンタクトチップ」および「コンタクトヘッド」は、本明細書では、必ずしも尖っていたり鋭角ではなく、任意の適切な形態または形状を有し得る、コンタクト部分を示している。第1のコンタクト端部10aが、被試験デバイスのパッドに接触するように構成されている一方で、第2のコンタクト端部10bは、支持プレートに、または概してプローブヘッドまたはプローブ基板の要素に当接するように構成されている。
【0048】
利点として、本発明によれば、コンタクト要素10は、長手方向軸H-Hに沿って互いに続く3つのセクションに分割され、上記セクションは、導電性に関して異なる特性を有している。
【0049】
特に、本発明の一実施形態では、コンタクト要素10は、第1のコンタクト端部10aから始まり第2のコンタクト端部10bに向かって長手方向軸H-Hに沿って延在する、および導電性材料で作られている、第1のセクションS1と、第2のコンタクト端部10bから始まり第1のコンタクト端部10aに向かって上記長手方向軸H-Hに沿って延在する第2のセクションS2であって、導電性材料でも作られている、第2のセクションS2と、を備える。図面に例示されるように、第1のセクションS1は第2のコンタクト端部10bに到達せず、第2のセクションS2も第1のコンタクト端部10aに到達しないが、これは、以下で詳しく説明するように、それらの間に(絶縁材料で作られている)第3のセクションS3が挿入されているためである。
【0050】
換言すれば、コンタクト要素10の第1のコンタクト端部10aが、第2のコンタクト端部10bを含まない第1のセクションS1にのみ含まれる一方で、上記第2のコンタクト端部10bは、第1のコンタクト端部10aを含まない第2のセクションS2にのみ含まれる。
【0051】
両方とも導電性であるセクションS1およびS2は、それぞれ異なる材料を使用することができることが明らかであっても、好ましくは、同じ導電性材料で作られ、所望の減衰効果を保証するために、各々の適切な導電性材料を使用することができる。
【0052】
本発明は、たとえ本開示のすべての教示が、たとえばポゴピンなどの他のコンタクト要素にも適用されるとしても、先ず、コンタクト要素が被試験デバイスとの接触中に曲げを受ける本体が設けられた垂直コンタクトプローブである、非限定的な例に従って以下で例示される。この目的のために、コンタクト要素がポゴピンである実施形態も説明され、以下の観察はすべて、本実施形態にも当てはまる。
【0053】
コンタクトプローブ10は、3mmから10mmの間に含まれる、本明細書では長手方向軸H-Hに沿って測定した寸法と呼ばれる、全長を有する。
【0054】
適切には、第1のセクションS1は、特に高周波デバイスの試験に適した、コンタクトプローブ10およびそれを収容するプローブヘッドを作るように、第1のコンタクト端部10aから始まり1000μm未満、好ましくは500μm未満の距離にわたって延在する。実際、コンタクトプローブ10の第1のコンタクト端部10aが、被試験デバイスのコンタクトパッドとの電気的および機械的接触を実行する一方で、第2のコンタクト端部10bは、支持プレートとの機械的接触のみを実行するように構成されており、第2のセクションS2は減衰機能を有している。このようにして、被試験デバイスから入ってくる信号は、1000μm未満の長さを有し、したがってコンタクトプローブ10の全長よりもはるかに短い、第1のセクションS1によってのみ伝送される。このようにして、コンタクトプローブ10は、ショートプローブと同様に、高周波信号を伝送するように構成される。特に、以下で詳述するように、第1のセクションS1は、プローブヘッドのガイドの、たとえば導電性トラックまたはプレートなどの、導電性要素に接触するように構成されている。
【0055】
本発明の一実施形態では、第2のセクションS2は、上述の減衰効果を保証するのに十分である、実質的に0.5mmから8mmの範囲の長さを有する。
【0056】
上述したように、プローブ本体10’は、第1のセクションS1と第2のセクションS2との間に挿入された第3のセクションS3をさらに備え、上記第3のセクションS3は、第1のセクションS1を第2のセクションS2から絶縁するように電気絶縁材料で適切に作られている。上記第3のセクションS3は、第1のコンタクト端部10aおよび第2のコンタクト端部10bを含んでいない。
【0057】
一例として、中間絶縁の第3のセクションS3は、Al23、パリレン、または絶縁シリコンのうちの1つで作られる。明らかなことに、本発明は特定の絶縁材料によって限定されず、任意の適切な絶縁材料や、半導体も使用することができる。
【0058】
さらに、本発明の一実施形態では、第3のセクションS3は、実質的に1μmから2mmの範囲の長さを有する。
【0059】
このようにして、セクションS1、S2、およびS3は、第1のコンタクト端部10aが第1のセクションS1にのみ含まれ、第2のコンタクト端部10bが第2のセクションS2にのみ含まれるように、コンタクトプローブの長手方向軸H-Hに沿って互いに続く。適切には、本実施形態では、第3のセクションS3は、第1のセクションS1を第2のセクションS2から電気的に絶縁するように構成されている。この構成に基づいて、信号は、短い第1のセクションS1においてのみ伝送され、一方で、第3のセクションS3によって第1のセクションS1から絶縁されている第2のセクションS2は、機械的接触のみを実施し、より具体的には、上記第2のセクションS2は、試験中にコンタクトプローブの所望の曲がり(または屈曲)を保証するような長さを有し、材料で作られて、破損の危険性を防止し、すなわち従来のプローブと同じ減衰効果を保証することができる。このように、コンタクトプローブ10は、全体として、従来のコンタクトプローブよりもはるかに高い電気的性能を有すると同時に、劣らない機械的性能を有する。
【0060】
換言すれば、第1のセクションS1の長さよりもはるかに長い第2のセクションS2は、被試験デバイスのコンタクトパッドとのその接触中のコンタクトプローブ10の良好な曲げ能力を保証し、その破損および/またはデバイスのコンタクトパッドの破損を回避する。適切には、被試験デバイスとの接触中にそのような減衰効果を最大化するように構成された材料が第2のセクションS2に使用される。
【0061】
本発明の代替的でそれほど好ましくない実施形態では、第2のセクションS2は、第3のセクションS3の絶縁材料とは異なる絶縁材料で作ることもでき、上記第2のセクションS2は、いずれの場合でも減衰機能を有している。この場合、第3のセクションS3は、実質的に、第3のセクションS3によって分離されている2つのセクションS1およびS2間の物理的接続であり、すなわち、それは上記セクション間のインターフェース要素である。この実施形態では、コンタクトプローブは3つの異なるセクションに分割され、そのうちの第1のセクションのみが導電性である。
【0062】
図3に例示される本発明の一実施形態では、第1のセクションS1は、プローブ本体10’から突き出る突出要素15を備え、上記突出要素15は導電性当接面CSを画定している。より具体的には、突出要素15は、反対方向に、好ましくは長手方向軸H-Hに対して直交する方向に従ってプローブ本体10’から突き出る(または突出する)。各突出要素15は、突出軸に対して互いに反対の面を備え、上記面は上述の導電性当接面CSを画定している。特定の実施形態では、突出要素15は、第1のセクションS1が略T字形となるように作られ、上記突出要素15はT字形のクロスバーを画定する。
【0063】
本発明の一実施形態によれば、第1のセクションS1および第2のセクションS2は、たとえば接着剤、接着層、もしくは局所的に溶接(たとえばレーザ溶接によって溶接)することができる金属層を介して、または任意の他の適切な方法で、第3の非導電セクションS3に接続される。
【0064】
前述したように、上述のタイプの複数のコンタクトプローブ10は、半導体ウェーハ上に集積された電子デバイスを試験するためのプローブヘッドに収容されており、上記プローブヘッドは、図4に概略的に例示されるように、本明細書では参照番号20で示されている。
【0065】
簡略化のため、プローブヘッド20は、たとえ必要性および/または状況に応じて任意数のコンタクトプローブを備えることができるとしても、限られた数のコンタクトプローブ10を備えるように図面で表されており、図面は、本発明の例示的かつ非限定的な例としてのみ提供されている。また、前述したように、プローブヘッド20は、たとえ、同じ観察が適用される、たとえばポゴピンなどの、さまざまなタイプの導電性要素を備えることができるとしても、先ずは複数の垂直コンタクトプローブを備えるものとして例示されている。
【0066】
各コンタクトプローブ10の第1のコンタクト端部10aが、半導体ウェーハ12上に集積された被試験デバイスのコンタクトパッド11に当接するように構成されている一方で、第2のコンタクト端部10bは、プローブヘッド20に関連付けられた支持プレート13に当接するように構成されており、支持プレートは、たとえば、プリント回路基板(PCB)、または任意の他の適切な支持体とすることができる。
【0067】
プローブヘッド20は、対応する複数のコンタクトプローブ10を収容するように構成された複数のガイドホール22が設けられた少なくとも1つのガイド21を備える。
【0068】
利点として、本発明によれば、ガイド21は、各コンタクトプローブ10の第1の導電セクションS1に配された下部ガイドであり、それにより、上記ガイド21のガイドホール22の内壁は、特にガイド21に含まれる電気接続手段または導電性要素を介して、上記第1の導電セクションS1に接触することができる。明らかなことに、プローブヘッドには上部ガイドを含めることができ、上記上部ガイドのガイドホールは、対応する下部ガイドホールに対してシフトすることができ、一対の下部ガイドおよび/または一対の上部ガイドも設けることができる。
【0069】
さらに図4を参照すると、ガイド21の導電性要素は、ガイドホール22から延在する適切な導電性トラック23を備え、コンタクトプローブ10によって、特に第1のセクションS1によって伝送された信号を抽出して伝送するように構成されており、上記導電性トラック23は、上記第1のセクションS1によって電気的に接触させられる(直接的または間接的に接触させられる)ように構成されている。
【0070】
したがって、ガイド21は、その中に延在する導電性トラック23によって信号を(たとえば、プローブヘッド20に関連付けられたPCBに向けて)ルーティングするように構成されており、したがって、上記ガイド21は、概して既知のプローブヘッドに関連付けられたスペーストランスフォーマによって実施される機能も実施する。
【0071】
図4の実施形態では、コンタクトプローブ10の第1のセクションS1と導電性トラック23との間の接触は、摺動接触であり、上記摺動接触は、以下に詳細に説明するように、導電性トラック23自体の厚さによって、または好ましくは、ガイドホールの金属化壁によって保証することができる。
【0072】
図4に例示されるように、導電性トラック23は、ガイド21の面(図面の例では面Fa)上に形成されている表面導電性トラックであり、上記導電性トラック23は、ガイドホール22に(または上記ガイドホールのメタライゼーションに)現れる。
【0073】
たとえ図4がガイド21の面Fa上(すなわち、図面のローカル基準系に従ってその上面上)に作られた表面導電性トラック23を示しているとしても、上記導電性トラック23は、ガイド21の面Faに反対の面Fb上(図面のローカル基準系に従ってその下面上)の他に、その任意の他の面上にも形成することができる。
【0074】
図面に例示されていない実施形態では、導電性トラック23は、ガイド21に埋め込むこともでき、ガイドホール22に出現することもできる。
【0075】
上述のように、図5により詳細に例示される本発明の好ましい実施形態によれば、ガイドホール22の内面の少なくとも1つの部分は、導電部分22wによって覆われる。さらに好ましくは、ガイドホール22の内面は導電部分22wによって完全に覆われる。このようにして、第1の導電セクションS1は、摺動接触を介してガイドホール22の導電部分22wに接触することができ、それにより、コンタクトプローブ10によって、特に上記第1のセクションS1によって伝送された信号は、導電部分22w、すなわちホールの金属化壁に接続されている導電性トラック23によってガイドホール22で抽出することができ、特に、それらのセクションはそれらの接触から始まり延在する。
【0076】
換言すれば、コンタクトプローブ10は、第1のセクションS1においてガイド21のガイドホール22の対応する金属化壁22wに接触するように構成された(特に第1のセクションS1での)少なくとも1つの壁Wを備え、上記第1のセクションS1は、信号を被試験デバイスからガイドホールの金属化壁に伝送し、その後、導電性トラック23および/またはガイド21の他の導電性要素に伝送するように構成されており、他方で、第2のセクションS2は、機械的支持のみを提供するように構成されている。
【0077】
さらに、ガイド21は、図5に概略的に例示されるように、表面導電性トラックとその中に埋め込まれた導電性トラックの両方を備えることができる。
【0078】
概して、いくつかの導電性トラック23がガイド21の面Faおよび/またはFb上とその内部の両方に延在する場合、上記導電性トラック23は、ガイド21の表面から始まり異なるレベルで形成することができる。導電性トラック23が作られるガイド21のレベルの数は、必要性および/または状況に応じて、特に、伝送される信号の数に応じて、したがって上記ガイド21に作られるルーティングパターンの複雑さに応じて変更することができる。たとえば、一実施形態では、第1のレベルは、第1のタイプの信号を伝送するように構成された導電性トラックを含み、第2のレベルは、第2のタイプの信号を伝送するように構成された導電性トラックを含み得る。
【0079】
前述したように、コンタクトプローブ10、特にその第1のセクションS1と、好ましくは導電部分22wが設けられた(すなわち、好ましくは金属化された、さらにより好ましくは完全に金属化された)ガイドホール22の壁との間の接触は、上記第1のセクションS1と上記導電部分22wとの間の(または場合によっては導電性トラック23との直接の)電気的接続を保証する摺動接触である。
【0080】
適切には、依然として図5を参照すると、一実施形態では、導電性トラック23(特にガイドホール22の端部の反対側のその端部)は、ガイド21の面(図5の例では面Fa)に作られている、それぞれのコンタクトパッド25に接続される。このようにして、プローブヘッド20からそれぞれの信号を抽出し、それをたとえば(たとえば特別に指定されたワイヤまたはプローブによって)上記プローブヘッド20に接続されたPCBに伝送することが可能である。
【0081】
さらに、導電性トラック23がガイド21に埋め込まれている場合、上記導電性トラック23のコンタクト端部はその面上に現れ得、上記導電性トラック23とそれぞれのコンタクトパッド25との間の電気的接続を可能にする。
【0082】
ここで図6を参照すると、本発明の一実施形態によれば、プローブヘッド20は、ガイドホール22のグループ22’のホールを含み、互いに電気的に接続する導電性要素として作用する導電部分24を備え、上記グループ22’は、コンタクトプローブ10の対応するグループを収容しており、ここで、上記導電部分24は、導電性トラック23に加えて、またはそれの代わりに使用することができる。
【0083】
このようにして、少なくとも2つのコンタクトプローブ10はガイド21の導電部分24によって電気的に接続することができ、上記導電部分24は、短絡する必要があるコンタクトプローブを収容するガイドホールのグループ22’を含むガイド21の領域を覆っている。
【0084】
換言すれば、導電部分24は、プローブの対応するグループを収容する(好ましくは金属化された)ホールのグループを囲み、それにより、上記プローブは、共通の導電面を形成する上記導電部分24によって短絡されている。
【0085】
2つのコンタクトプローブ10のみを短絡する必要がある場合には、それらの間の電気接続手段として導電性トラック23を使用することが好ましいが、複数のコンタクトプローブ10を短絡する必要がある場合には、それらの間の電気接続手段として導電部分24を使用することが好ましく、上記導電部分24は上記コンタクトプローブ10のための共通の導電(接地または電力)面を形成する。共通の導電面の存在は、たとえば、いくつかのコンタクト要素の存在によって引き起こされるインピーダンスの難しい制御が原因であるプローブヘッドにおけるノイズを低減するのに有用であり、上記共通の導電面はいくつかのコンタクト要素を短絡させる。このようにして、導電部分24が複数の信号プローブまたは接地プローブを電気的に接続するために使用される場合、プローブヘッド20の周波数性能が改善され、伝送された信号におけるノイズも低減される。
【0086】
(導電性トラック23によって、または導電部分24によっても)異なる信号コンタクトプローブを電気的に接続する可能性、特に、異なる信号コンタクトプローブの第1のセクションS1を電気的に接続する可能性は、被試験デバイスの2つまたはそれ以上のコンタクトパッドを短絡する必要がある場合に特に利点があるが、これは、ループバック構成を作成することが可能であるからであり、このようにして、試験装置との間での、すべてのコンタクトプローブを通過するわけではないが、導電性トラックまたは共通の導電面で止まる、信号の経路が大幅に短縮され、結果として、プローブヘッド20全体の周波数性能に関して利点がもたらされる。
【0087】
さらに図6を参照すると、導電部分24は、ガイド21の表面部分、特にその面Fa上に配される(たとえそれがその反対の面Fb上に配され得る場合でも)か、または例示されていない実施形態では、それは、たとえば、プローブの異なるグループの短絡が所望される場合(接地および電力領域、または異なる接地および電力領域)、両方の面FaおよびFb上に配することができる。本発明の非限定的な例として、図6は、ホールのグループ22’に収容された2つの接触プローブを互いに短絡する表面導電部分24を備えるプローブヘッド20を示す。
【0088】
代替的に、例示されていない実施形態によれば、導電部分24はガイド21に埋め込むことができ、上記ガイド21の内側に導電面が形成される。
【0089】
明らかなことに、本発明は、メタライゼーションの特定の構成に限定されず、必要性および/または状況に応じて変更することができる。
【0090】
さらに、図7に例示される実施形態によれば、導電部分24は複数の重なり合う導電層24a~24nの形態であり、それら各々は、ガイドホール22のそれぞれのグループ22a~22nのホールを含み、互いに電気的に接続する。このようにして、各導電層24a~24nは、本発明によるコンタクトプローブ10の対応するグループ、特にその第1のセクションS1に接触するように構成されており、各それぞれのグループのコンタクトプローブは同じタイプの信号を伝送するように構成されている。
【0091】
この場合、ガイド21は、複数の非導電層を含む多層、好ましくは、セラミック多層であり、導電層24a~24nは上記非導電層上に配されており、これにより、導電層を続く導電層から電気的に絶縁する。
【0092】
特に、導電層24a~24nの各々は、ガイド21のそれぞれの非導電層の面上に配され、上記面の領域よりも小さい領域を有する。
【0093】
代替的に、導電層24a~24nの各々は、短絡されないコンタクトプローブを収容するガイドホールが形成されている領域を除いて、それぞれの非導電層の面を覆う。
【0094】
導電層24a~24nはまた、ガイド21の露出面FaおよびFbの少なくとも一方に作られた表面層を含むことができるか、または図7に例示されるように、上記ガイド21に埋め込まれ得るだけである。
【0095】
短絡されるコンタクトプローブが、短絡されないコンタクトプローブに近い(たとえば交互にされる)場合、導電部分24(または代替的に各導電層24a~24n)は、異なる信号を伝送するように構成されたコンタクトプローブに電気的に接続しないように非導電領域によって局所的に遮断される。したがって、非導電領域は、異なる信号を伝送するように構成された隣接するコンタクトプローブ間の電気的接続を局所的に防止する。
【0096】
たとえば、複数の導電層24a~24nの場合、特定の導電層の非導電領域は、上記特定の導電層によって短絡されないコンタクト要素を収容するガイドホールに作られるが、上記特定の導電層は、それによって短絡されるコンタクト要素を収容するガイドホールの壁を少なくとも部分的に覆う。
【0097】
さらに、図面に例示されていない実施形態によれば、コンタクトプローブ10の第1のセクションS1に接触する2つのガイドホール、または2つの導電部分24のメタライゼーションは、ループバック技術を最適化するように、たとえばフィルタリングコンデンサなどの、回路部品を介して互いに電気的に接続することができるが、これは、上記フィルタリングコンデンサがプローブのコンタクト先端に可能な限り近く配置されるからである。
【0098】
明らかなことに、回路部品は、たとえば、インダクタ、抵抗器、またはリレーなどの、特定のニーズに適合された任意の他の回路部品とすることもできる。
【0099】
前述したように、プローブヘッド20はまた、当該分野で既知の解決策に従って、下部ガイド21に加えて1つを超えるガイド、たとえば中間ガイドおよび/または上部ガイド(図面に例示されず)を備えることができる。
【0100】
プローブヘッド20は、本発明によるコンタクトプローブ10に加えて、先行技術に従って作られた(すなわち、全体的に同じ導電性材料で作られた)コンタクトプローブ10bisを備えることもでき、上記コンタクトプローブ10bisは、図8に例示されるように、それぞれのガイドホール22bisに収容されている。したがって、本実施形態では、プローブヘッド20は、概して、本発明によるコンタクトプローブ10の第1のグループおよび先行技術によるコンタクトプローブ10bisの第2のグループを備える。
【0101】
コンタクトプローブ10は、好ましくは、その第1の導電セクションS1の長さが短くなっていることにより高周波信号を伝送するように構成され、一方で、コンタクトプローブ10bisは、概して、接地信号あるいは電力信号、または低周波入力/出力信号、すなわち、自己インダクタンスの問題を引き起こすことなく既知のタイプのプローブによって伝送することができる信号を伝送するように構成されているが、いずれの場合でも、ガイド21における信号のルーティングが簡素化される。
【0102】
この場合、コンタクトプローブ10bisは、被試験デバイスからの信号を直接支持プレート13に伝送するように構成されており、支持プレート13は、上記プローブ10bisのコンタクトヘッドが当接するように構成されている適切な導電性パッド14を備える。
【0103】
いくつかの実施形態では、既知のタイプのコンタクトプローブ10bisを短絡する導電部分を設けることも可能である。
【0104】
前述したように、本発明の一実施形態では、コンタクトプローブ10は、第1のセクションS1において、プローブの導電性当接面CSとのより良好な接触を保証するために、場合によってはガイドホールで、導電性パッドに接続される導電性トラックなどの、ガイドの導電性要素に、および/または導電部分に当接するように構成された導電性当接面CSを画定する、本体10’から突き出る突出要素15を備える。
【0105】
図9に例示される本発明の一実施形態によれば、プローブヘッド20は、第1の面F1および第1の面F1の反対側の第2の面F2を有する可撓性膜26をさらに備え、上記第2の面F2は、図9のローカル基準系によると下面、すなわち、被試験デバイスに面する面であり、上記第1の面F1は上面である。
【0106】
可撓性膜26は、ガイド21の表面、特にその面Fa上に配されており、上記可撓性膜26は、コンタクト要素10の通過および接続のための複数の通路(切り込み)を備えるように成形されており、上記可撓性膜26は、たとえば突出要素15においてコンタクト要素10に接続されている。可撓膜26における通路は、少なくともガイド21のホールにおいて形成されている。可撓性膜26は、コンタクトプローブの第1のセクションS1によって伝送された信号を方向付け(ルーティング)するために、通路から、すなわちコンタクトプローブに接触する点から延在する導電性トラック(図面に例示されず)を備える。導電性トラックは、可撓性膜の面上に作ることができ、および/または可撓性膜に埋め込むことができる。
【0107】
一実施形態では、可撓性膜26における切り込みは、可撓性膜26が、コンタクト要素10に、特にその第1の導電セクションS1に接続された、複数のストリップを備えるようになっている。ストリップは、可撓性膜26に接続された第1の端部または近位端と、突出しており可撓性膜26のどの部分にも接続されておらずプローブに接続されている第2の端部または遠位端との間で、突き出て延在することができる。換言すれば、可撓性膜26は、好ましくはその中央部分に作られた、少なくとも1つの開口部を備えることができ、その中で、ストリップは延在し、上記ストリップの遠位端は遊離しており、隣接するストリップ間に適切な空きスペースが画定され、当該スペースは隣接するストリップを分離する。
【0108】
図9の実施形態では、可撓性膜26の一部、たとえばそのストリップの端部が、第1のセクションS1の導電性当接面CSに当接して配置され、上記可撓性膜26は、上記の当接点から延在して、上記第1のセクションS1において伝送される信号をルーティングする適切な導電性トラックを備え、上記可撓性膜は、被試験デバイスとの接触中に隆起する(持ち上げられる)。可撓性膜26の隆起(持ち上げ)を容易にするために、予め隆起された部分を設けることができ、膜が受ける応力を軽減する。ストリップが存在する場合、応力を軽減するために予め隆起された部分を備えることができる、上記ストリップの端部は、コンタクトプローブが被試験デバイスに接触している間に移動する。
【0109】
本実施形態ではまた、第3のセクションS3によって第1のセクションS1から分離されている第2のセクションS2は、プローブヘッド20の減衰支持要素としてのみ作用する。
【0110】
前に観察されたように、図1~9において、コンタクト要素10は、「バックリングビーム(buckling beam)」型のコンタクトプローブの形態である。図10に示される本発明のさらなる代替の利点のある実施形態では、プローブヘッド20のコンタクト要素はポゴピンの形態であり、常に参照符号10で表されている。上述したように、コンタクトプローブに関して論じられたすべての利点のある技術的特性は、明白な方法でポゴピンにも繰り入れられ、ポゴピンは3つのセクションにも分割されており、ここで、第1のセクションS1は短く(1000μm未満)導電性であり、プローブヘッドのガイドの導電性要素(導電部分)に接触するように構成されている。同様に、プローブヘッド20に関して説明されたすべての特徴は、当業者に周知の適切な技術的手段を伴って、本実施形態にも適用される。
【0111】
本実施形態では、プローブヘッド20は、下部ガイド40および概して空隙によって分離された上部ガイド50も備える。いずれの場合も、本発明はガイドの数によって限定されない。
【0112】
適切には、本実施形態では、第2のセクションS2は、試験中に圧縮されるように構成された弾性要素34(これは、絶縁材料も含む他の材料も提供されることができる場合であっても導電性であることが好ましい)を備え、絶縁性の第3のセクションS3は、上記弾性要素34と第1のセクションS1との間に配されている。材料は上で規定されたものと同じであり得る。上で見られるように他の材料を使用することができるとしても、弾性要素には導電性材料が好ましく、ここで重要なことは、所望の減衰効果を保証することである。
【0113】
換言すれば、ポゴピン10の本体10ppは、第3の絶縁セクションS3によって第1のセクションS1から電気的に絶縁されている、第2の部分S2の少なくとも一部を形成する弾性要素34(たとえばバネ)を備える。一実施形態では、第3のセクションS3は、弾性要素34の端部、特に第1のセクションS1により近い弾性要素34の端部に接続される。
【0114】
特に、弾性要素34の第1の下端は、図2~9を参照して例示される第3のセクションS3に類似し得る第3のセクションS3に接続され、上記第3のセクションS3は、被試験デバイスおよびガイドの導電性要素と接触する、第1のセクションS1の上端に接続される。換言すれば、第1のセクションS1は、ポゴピンのチップ要素であり、任意の適切な形状を有することができる。弾性要素34の第2の端部は上部支持体に直接接続することができ、ここで、本発明は特定の構成によって限定されない。第1のセクションS1は、下部ガイドのガイドホールに挿入され、コンタクトチップ10aによって被試験デバイスのパッド11に当接するように構成され、一方で、第2のセクションS2は、弾性要素34によって所望の減衰効果を保証し、信号を伝送しない。
【0115】
本発明の非限定的な実施形態では、ポゴピン10の本体10ppは、弾性要素34の少なくとも1つの部分を取り囲むケーシング33を含む。各ポゴピンのケーシング33は、好ましくは円筒形であるが、他の形状も明らかに可能であり、いくつかの実施形態では、上記ケーシングは存在せず、弾性要素34のみが存在する。
【0116】
適切には、下部ガイドおよび/または上部ガイドは、上で見られるように、第1のセクションによって伝送された信号を抽出するための導電性要素を備える。換言すれば、垂直プローブに関して上で見られるのとまったく同じように、被試験デバイスとの接触は第1のセクションS1によって実行され、ガイドの導電性要素は信号を抽出する。その後、減衰効果は、上で見られるものと同様に第3のセクションS3によって第1のセクションS1から分離されている第2のセクションS2(または上記第2のセクションの少なくとも一部)に相当する弾性要素34によって保証される。
【0117】
本実施形態による結果として、インターフェースS3/S2およびS3/S1間の機械的応力が低減され、したがってこれは利点である。
【0118】
結論として、本発明は、コンタクト要素であって、被試験デバイスに接触するためのコンタクトチップを備えるそのセクションが、導電性であり、1000μm未満、好ましくは500μm未満の長さを有する、コンタクト要素を提供する。この導電セクションは、コンタクト要素が収容されているプローブヘッドのガイドの導電性トラックまたは部分に接触するように構成されており、この導電セクションは、中間絶縁セクションによって導電体の残りの部分から分離されており、導電体の残りの部分は減衰機能を有し、そのコンタクトヘッドによって、プローブヘッドに関連付けられた支持プレートに、または概して他の適切な支持体に当接するように構成されている。コンタクト要素は、利点として、ポゴピン(上部がバネの存在により減衰効果を確保している)と垂直コンタクトプローブ(この解決策によって十分な弾性を維持することが可能になる)の両方であり得る。
【0119】
利点として、本発明のコンタクト要素により、プローブヘッドは、コンタクト要素の導電セクションの縮小された寸法のために、特に高周波用途で性能を発揮し、上記導電セクションは、動作信号を伝送するように構成されており、1000μm未満の長さを有し、したがって先行技術のコンタクト要素の導電セクションよりもはるかに短い。
【0120】
したがって、信号は、プローブヘッドの下部ガイドに作られた、または上記ガイドに配された膜上に作られた導電性トラック(または導電部分)に向かって上記短い導電セクションによってのみ伝送され、コンタクト要素の導電体の残りの部分は、中間の非導電セクションによって分離されており、機械的支持としてのみ作用する。したがって、導電体の残りの部分は、(PCBまたは任意の他の支持体であり得る)支持プレートとの最適な接触および所望の曲げ(垂直プローブの場合)または概して接触の所望の減衰効果を保証し、同時に、信号がその中で伝送されないため、導電体の残りの部分がアンテナまたはスタブとして作用することが回避される。
【0121】
換言すれば、本開示に従って信号を伝送するように構成された導電セクションは、非常に短いプローブとして作用し、したがって、既知の解決策に存在する不利な自己インダクタンスの問題が排除される。同時に、本開示のコンタクト要素は、第1の導電セクションから電気的に絶縁され、信号を伝送しない、残りの第2の上部セクションの存在により、機械的な観点から完全に機能し、上記の残りのセクションは、所望の減衰効果(たとえば、従来の長いプローブで生じる減衰効果、および同時に第1のセクションでのみ伝送された信号のノイズを低減すること)を保証するのに適した材料、たとえば、好ましくは適切な導電性材料で作られており、したがって本発明の技術的課題が解決される。第2のセクションに導電性材料を使用することで、最適な減衰効果が保証される。
【0122】
したがって、提案された解決策によって、短いプローブの剛性の問題なしで高周波デバイスの試験を効率的に実行することが可能になり、コンタクト要素の破損の可能性が大幅に減少し、同時に上記接触要素によって加えられた圧力の適切な低減が保証され、上記コンタクト要素が当接する被試験デバイスのコンタクトパッドの破損の可能性も防止される。上述したように、これらはすべて、(信号を伝送することを意図されていない)第2のセクションが、最適な減衰効果(たとえば、垂直プローブの場合の最適な曲げ)を保証する導電性材料で作られているという事実によって容易にされる。
【0123】
さらなるコンタクト要素が特定の信号を伝送するように構成されているハイブリッド構成を採用する可能性によって、本発明の実施形態に従ってスペーストランスフォーマとして作用するガイドによる信号のルーティングが大幅に簡素化される。これは、プローブヘッドを介していくつかの信号が伝送される場合に特に有用である。たとえば、上記さらなるコンタクト要素によって、電力信号および/または接地信号、すなわち、特に短いコンタクト要素を必要としない信号を伝送することが可能である一方で、自己インダクタンスの問題を回避するために短いプローブを必要とする高周波信号は、本発明に従ってコンタクト要素の短い第1の導電セクションにおいて伝送される。
【0124】
最後に、コンタクト要素がポゴピンである実施形態は、コンタクト要素のさまざまな部分間の機械的応力が低減されるので利点がある。実際、ポゴピンはガイドの間でシフトすることなく垂直方向に働き、その結果、絶縁インターフェースS3とセクションS1およびS2との間の応力が低減される。実際、垂直コンタクトプローブを備えたプローブヘッドの場合に、特にオーバートラベル中にガイド間のオフセットによるせん断応力を受ける上記異なるインターフェース間の良好な接着を確保することが重要である。このような問題は、セクションS2が垂直方向に働く弾性要素(たとえばバネ)を備えるポゴピンによって解決される。
【0125】
明らかなことに、当業者は、不定および特定の要件を満たすために、上記のコンタクト要素およびプローブヘッドに対して多数の修正および変更を行い得、これらはすべて、以下の請求項によって定義されるように本発明の保護範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2023-07-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子デバイスの試験装置のためのプローブヘッド用のコンタクト要素(10)であって、前記コンタクト要素(10)が、被試験デバイスのパッド(11)に接触するように構成されている第1のコンタクト端部(10a)と対向する第2のコンタクト端部(10b)との間で長手方向軸(H-H)に沿って延在する本体を備え、前記本体が
前記第1のコンタクト端部(10a)から始まり前記第2のコンタクト端部(10b)に向かって前記長手方向軸(H-H)に沿って延在する、および導電性材料で作られている、第1のセクション(S1)であって、1000μm未満の距離にわたって延在している、第1のセクション(S1)と、
前記第2のコンタクト端部(10b)から始まり前記第1のコンタクト端部(10a)に向かって前記長手方向軸H-Hに沿って延在する、および導電性材料で作られている、第2のセクション(S2)と、
前記第1のセクション(S1)と前記第2のセクション(S2)との間に挿入されている、および電気絶縁材料で作られている、第3のセクション(S3)と、を備え、
前記第1のコンタクト端部(10a)が前記第1のセクション(S1)のみに含まれ、前記第2のコンタクト端部(10b)が前記第2のセクション(S2)のみに含まれるように、前記第1のセクション(S1)、前記第2のセクション(S2)、および前記第3のセクション(S3)が、長手方向軸(H-H)に沿って互いに続き、前記第3のセクション(S3)が、前記第1のセクション(S1)を前記第2のセクション(S2)から電気的に絶縁するように構成されている、コンタクト要素(10)。
【請求項2】
前記第2のセクション(S2)が0.5mmから8mmの範囲の長さを有し、前記第3のセクション(S3)が1μmから2mmの範囲の長さを有する、請求項1記載のコンタクト要素(10)。
【請求項3】
前記第3のセクション(S3)の前記電気絶縁材料が、Al23、パリレン、シリコンから選択される、請求項1記載のコンタクト要素(10)。
【請求項4】
前記第1のセクション(S1)が、プローブヘッドのガイドの導電性要素に接触するように構成されている、請求項1記載のコンタクト要素(10)。
【請求項5】
前記コンタクト要素(10)が、前記第1のセクション(S1)で前記プローブヘッドの前記ガイドのガイドホールの対応する金属化壁に接触するように構成された少なくとも1つの壁(W)を備え、前記第1のセクション(S1)が、前記被試験デバイスから前記ガイドホールの前記金属化壁に信号を伝送するように構成され、前記第2のセクション(S2)が、機械的支持のみを提供するように構成されている、請求項4記載のコンタクト要素(10)。
【請求項6】
前記第1のセクション(S1)が、前記本体から突出する突出要素(15)を備え、前記突出要素(15)が導電性当接面(CS)を画定している、請求項1記載のコンタクト要素(10)。
【請求項7】
前記コンタクト要素(10)が、バックリングビーム型の垂直コンタクトプローブの形態である、請求項1記載のコンタクト要素(10)。
【請求項8】
前記コンタクト要素(10)がポゴピンの形態であり、前記第2のセクション(S2)が試験中に圧縮されるように構成された弾性要素(34)を備え、前記第3のセクション(S3)が前記弾性要素(34)と前記第1のセクション(S1)との間に配されている、請求項1記載のコンタクト要素(10)。
【請求項9】
電子デバイスの試験装置用のプローブヘッド(20)であって、前記プローブヘッド(20)が、それぞれ複数のコンタクト要素(10)を収容する複数のガイドホール(22)が設けられた少なくとも1つのガイド(21)を備え、前記プローブヘッドが、前記コンタクト要素(10)が請求項1に従って作られていることを特徴とし、前記少なくとも1つのガイド(21)が、前記コンタクト要素(10)の第1のセクション(S1)によって電気的に接触させられるように構成されている導電性要素を備える、プローブヘッド(20)。
【請求項10】
前記少なくとも1つのガイド(21)が、前記コンタクト要素(10)の前記第1のセクション(S1)において配された下部ガイドである、請求項9記載のプローブヘッド(20)。
【請求項11】
前記ガイド(21)の導電性要素が、前記ガイドホール(22)から延在する導電性トラック(23)を備え、前記導電性トラック(23)が、前記ガイド(21)の面(Fa、Fb)上に形成され、および/または前記ガイド(21)に埋め込まれている、請求項9記載のプローブヘッド(20)。
【請求項12】
前記ガイド(21)の導電性要素が、前記ガイドホール(22)の少なくとも1つのグループ(22’)を含む少なくとも1つの導電部分(24)を備え、前記第1のセクション(S1)において、ホールの前記グループ(22’)に収容され決められたタイプの信号を伝送するように構成されているコンタクト要素の対応するグループに接触して短絡するように構成されている、請求項9記載のプローブヘッド(20)。
【請求項13】
前記導電部分(24)が、前記ガイド(21)の面(Fa、Fb)上に形成されるか、または前記ガイド(21)に埋め込まれる、請求項12記載のプローブヘッド(20)。
【請求項14】
前記導電部分(24)が複数の導電層(24a~24n)の形態であり、前記導電層(24a~24n)の各々が、前記ガイドホール(22)のそれぞれのグループ(22a~22n)のホールを含んで互いに電気的に接続し、前記コンタクト要素(10)の対応するグループの前記第1のセクション(S1)に接触するように構成されており、各々のグループのコンタクト要素それぞれが、同じタイプの信号を伝送するように構成されている、請求項12記載のプローブヘッド(20)。
【請求項15】
前記ガイドホール(22)の内面の少なくとも1つの部分が、前記ガイド(21)の導電性要素と接続された導電部分(22w)でコーティングされ、前記コンタクト要素(10)の前記第1のセクション(S1)が、前記ガイドホール(22)の前記導電部分(22w)に電気的に接触するように構成されている、請求項9記載のプローブヘッド(20)。
【請求項16】
前記プローブヘッド(20)が、完全に導電性であり、信号を被試験デバイスから直接前記プローブヘッド(20)に関連付けられた支持プレート(13)に伝送するように構成されている、さらなるコンタクト要素(10bis)を備え、前記さらなるコンタクト要素(10bis)が、前記被試験デバイスと前記支持プレート(13)との間で電力信号および/または接地信号および/または低周波信号を伝送するように構成されている、請求項9記載のプローブヘッド(20)。
【請求項17】
前記コンタクト要素(10)が、前記第1のセクション(S1)において、本体から突き出る突出要素(15)を備え、前記突出要素(15)が、前記ガイド(21)の導電性要素に当接するように構成された導電性当接面(CS)を画定している、請求項9記載のプローブヘッド(20)。
【請求項18】
前記プローブヘッド(20)が、前記ガイド(21)の表面上に配され、前記ガイド(21)の導電性要素である可撓性膜(26)をさらに備え、前記可撓性膜(26)が、その一部が前記第1のセクション(S1)の前記導電性当接面(CS)の1つまたは複数の上に配され、前記被試験デバイスとの接触中に持ち上げられるように構成されるように成形されており、前記可撓性膜(26)が、前記第1のセクション(S1)によって伝送された信号をルーティングするために延在する導電性トラックを備えている、請求項17記載のプローブヘッド(20)。
【請求項19】
前記導電性要素(10)が、バックリングビーム型の垂直コンタクトプローブの形態であり、前記プローブヘッド(20)が下部ガイドおよび上部ガイドを備え、それらのガイドホールが互いにシフトされる、請求項9記載のプローブヘッド(20)。
【請求項20】
前記導電性要素(10)がポゴピンの形態であり、第2のセクション(S2)が試験中に圧縮されるように構成された弾性要素(34)を備え、第3のセクション(S3)が前記弾性要素(34)と前記第1のセクション(S1)との間に配されている、請求項9記載のプローブヘッド(20)。
【国際調査報告】