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特表2023-549216電源の定電圧出力調節装置、方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-22
(54)【発明の名称】電源の定電圧出力調節装置、方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/00 20060101AFI20231115BHJP
【FI】
H02M3/00 H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023528415
(86)(22)【出願日】2021-07-08
(85)【翻訳文提出日】2023-05-12
(86)【国際出願番号】 CN2021105194
(87)【国際公開番号】W WO2022105254
(87)【国際公開日】2022-05-27
(31)【優先権主張番号】202011286849.1
(32)【優先日】2020-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522388383
【氏名又は名称】長春捷翼汽車科技股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Changchun JETTY Automotive Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】No. 957, Shunda Road, High-tech Development Zone, Chaoyang District Changchun City, Jilin Province, 130000, China
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】王 超
【テーマコード(参考)】
5H730
【Fターム(参考)】
5H730AS01
5H730EE59
5H730FD01
5H730FF09
5H730FG07
5H730FG12
(57)【要約】
本発明は、電源(10)の定電圧出力調節装置、方法及びシステムを提供し、電源(10)は、給電電流に基づいて出力電圧を形成し、定電圧出力調節装置は、サンプリングモジュール(11)と、PID調節モジュール(12)と、制御モジュール(13)とを含み、サンプリングモジュール(11)は、電源(10)の出力電圧をサンプリングして、サンプリング電圧を取得し(S100)、PID調節モジュール(12)は、サンプリング電圧及び予め設定された制御パラメータに基づいて、電圧ループ制御調節及び電圧差変化率のループ制御調節を含むPID制御調節により、スイッチング周波数信号を取得し(S200)、制御モジュール(13)は、スイッチング周波数信号に基づいて給電電流を形成し(S300)、電源(10)の定電圧出力を実現することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源の定電圧出力調節装置であって、
前記電源は、給電電流に基づいて出力電圧を形成し、前記定電圧出力調節装置は、サンプリングモジュールと、PID調節モジュールと、制御モジュールとを含み、
前記サンプリングモジュールは、電源の出力電圧をサンプリングして、サンプリング電圧を取得し、
前記PID調節モジュールは、前記サンプリング電圧及び予め設定された制御パラメータに基づいて、電圧ループ制御調節及び電圧差変化率のループ制御調節を含むPID制御調節により、スイッチング周波数信号を取得し、
前記制御モジュールは、前記スイッチング周波数信号に基づいて給電電流を形成することを特徴とする電源の定電圧出力調節装置。
【請求項2】
前記サンプリングモジュールは、電源の出力電圧を採集して、サンプリング電圧を取得することを特徴とする請求項1に記載の電源の定電圧出力調節装置。
【請求項3】
前記採集の方式は、分圧による採集、ホール効果による採集及び分圧チップによる採集のうちの少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項2に記載の電源の定電圧出力調節装置。
【請求項4】
前記サンプリングモジュールは、第1抵抗器群と、第2抵抗器群と、コンデンサと、アナログデジタル変換器とを含み、前記第1抵抗器群及び第2抵抗器群は、少なくとも一つの抵抗器を含み、前記抵抗器が複数である場合、少なくとも二つの抵抗器は順に直列接続されるか、又は少なくとも二つの抵抗器は並列接続されて他の抵抗器に直列接続され、
前記第1抵抗器群は、第1端が電源における前記出力電圧を出力する信号出力端に接続され、第2端が前記第2抵抗器群の第1端、前記コンデンサの第1端及び前記アナログデジタル変換器にそれぞれ接続され、
前記アナログデジタル変換器は、サンプリング電圧を出力し、
前記第2抵抗器群の第2端及び前記コンデンサの第2端は、それぞれ接地されることを特徴とする請求項2に記載の電源の定電圧出力調節装置。
【請求項5】
前記予め設定された制御パラメータは、目標電圧を含み、前記PID調節モジュールは、電圧ループ制御調節のための電圧ループコントローラと、電圧差変化率ループ制御調節のための電圧差変化率ループコントローラとを含み、
前記電圧ループコントローラは、前記目標電圧及びサンプリング電圧に基づいて実電圧差を取得し、かつ前記実電圧差に基づいて電圧変化率の制御幅を取得し、
前記電圧差変化率ループコントローラは、電圧変化率の制御幅に基づいて目標電圧変化率を取得し、実電圧差に基づいて実電圧変化率を取得し、かつ前記目標電圧変化率及び実電圧変化率に基づいてスイッチング周波数信号を取得することを特徴とする請求項1に記載の電源の定電圧出力調節装置。
【請求項6】
前記制御モジュールは、スイッチング素子を含み、
前記制御モジュールは、前記スイッチング周波数信号に基づいて、電源端と給電電流出力端との間の通路をオン・オフするように前記スイッチング素子を制御して、給電電流を形成することを特徴とする請求項1に記載の電源の定電圧出力調節装置。
【請求項7】
前記制御モジュールは、第3抵抗器と、第4抵抗器と、スイッチング素子とを含み、
前記第3抵抗器は、第1端が前記スイッチング周波数信号を受信し、第2端が前記スイッチング素子の制御端に接続され、
前記スイッチング素子は、第1端が電源端に接続され、第2端が前記第4抵抗器の第1端及び前記給電電流出力端にそれぞれ接続され、
前記第4抵抗器の第2端は接地されることを特徴とする請求項6に記載の電源の定電圧出力調節装置。
【請求項8】
前記制御モジュールは、さらに、第5抵抗器を含み、
前記第5抵抗器の第1端は、前記第3抵抗器の第2端及び前記スイッチング素子の制御端にそれぞれ接続され、前記第5抵抗器の第2端は接地されることを特徴とする請求項7に記載の電源の定電圧出力調節装置。
【請求項9】
電源の定電圧出力調節システムであって、
電源と、請求項1~8のいずれか一項に記載の電源の定電圧出力調節装置とを含むことを特徴とする電源の定電圧出力調節システム。
【請求項10】
電源の定電圧出力調節方法であって、
電源の出力電圧をサンプリングして、サンプリング電圧を取得することと、
前記サンプリング電圧及び予め設定された制御パラメータに基づいて、電圧ループ制御調節及び電圧差変化率のループ制御調節を含むPID制御調節により、スイッチング周波数信号を取得することと、
前記スイッチング周波数信号に基づいて給電電流を形成することと、
を含むことを特徴とする電源の定電圧出力調節方法。
【請求項11】
電源の出力電圧をサンプリングして、サンプリング電圧を取得することは、
電源の出力電圧を採集して、サンプリング電圧を取得することを含むことを特徴とする請求項10に記載の電源の定電圧出力調節方法。
【請求項12】
前記採集の方式は、分圧による採集、ホール効果による採集及び分圧チップによる採集のうちの少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項11に記載の電源の定電圧出力調節方法。
【請求項13】
前記予め設定された制御パラメータは、目標電圧を含み、
前記サンプリング電圧及び予め設定された制御パラメータに基づいて、電圧ループ制御調節及び電圧差変化率ループ制御調節を含むPID制御調節により、スイッチング周波数信号を取得することは、
前記目標電圧及びサンプリング電圧に基づいて実電圧差を取得し、かつ前記実電圧差に基づいて電圧変化率の制御幅を取得することと、
電圧変化率の制御幅に基づいて目標電圧変化率を取得し、実電圧差に基づいて実電圧変化率を取得し、かつ前記目標電圧変化率及び実電圧変化率に基づいてスイッチング周波数信号を取得することと、
を含むことを特徴とする請求項10に記載の電源の定電圧出力調節方法。
【請求項14】
前記スイッチング周波数信号に基づいて給電電流を形成することは、
前記スイッチング周波数信号に基づいて、電源端と給電電流出力端との間の通路をオン・オフするように前記スイッチング素子を制御して、給電電流を形成することを含むことを特徴とする請求項10に記載の電源の定電圧出力調節方法。
【請求項15】
メモリと、プロセッサと、メモリに記憶されかつプロセッサで実行可能なコンピュータプログラムとを含む充電制御システムであって、
前記プログラムが前記プロセッサによって実行される時に、請求項10~14のいずれか一項に記載の方法が実現されることを特徴とする充電制御システム。
【請求項16】
メモリと、プロセッサと、メモリに記憶されかつプロセッサで実行可能なコンピュータプログラムとを含むコンピュータ機器であって、
前記プログラムが前記プロセッサによって実行される時に、請求項10~14のいずれか一項に記載の方法が実現されることを特徴とするコンピュータ機器。
【請求項17】
コンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ読取可能な媒体であって、
当該プログラムがプロセッサによって実行される時に、請求項10~14のいずれか一項に記載の方法が実現されることを特徴とするコンピュータ読取可能な媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年11月17日に提出され、出願番号が202011286849.1であり、発明の名称が「電源の定電圧出力調節装置、方法及びシステム」である中国特許出願の優先権を主張し、当該特許出願の全ての内容は全てここに組み込まれる。
【0002】
本発明は、電力電子機器の技術分野に関し、特に、電源の定電圧出力調節装置、方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
電力及び電子機器において、電源は、エネルギー供給装置として、使用安全性及び信頼性が特に重要である。電源の電気的な安全を確保するために、安定した電源供給が必要とされ、電源の安定した出力が実現される。電源の出力が不安定であると、短絡等の状況を引き起こしやすく、安全上の問題を生じ、その結果、電源等の機器の損傷を招き、巨大な経済的損失及び人命被害を引き起こす可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
本発明の一つの目的は、電源の定電圧出力が可能である電源の定電圧出力調節装置を提供することにある。本発明の別の目的は、電源の定電圧出力調節システムを提供することにある。本発明のさらに別の目的は、電源の定電圧出力調節方法を提供することにある。本発明のまたさらに別の目的は、コンピュータ機器を提供することにある。本発明のまたさらに別の目的は、読取可能な媒体を提供することにある。
【0005】
以上の目的を達成するために、本発明の一態様は、電源の定電圧出力調節装置であって、
前記電源は、給電電流に基づいて出力電圧を形成し、前記定電圧出力調節装置は、サンプリングモジュールと、PID調節モジュールと、制御モジュールとを含み、
前記サンプリングモジュールは、電源の出力電圧をサンプリングして、サンプリング電圧を取得し、
前記PID調節モジュールは、前記サンプリング電圧及び予め設定された制御パラメータに基づいて、電圧ループ制御調節及び電圧差変化率ループ制御調節を含むPID制御調節により、スイッチング周波数信号を取得し、
前記制御モジュールは、前記スイッチング周波数信号に基づいて給電電流を形成する、電源の定電圧出力調節装置を開示する。
【0006】
本発明は、電源の定電圧出力調節システムであって、電源と、上記のような電源の定電圧出力調節装置とを含む、電源の定電圧出力調節システムをさらに開示する。
【0007】
本発明は、電源の定電圧出力調節方法であって、
電源の出力電圧をサンプリングして、サンプリング電圧を取得することと、
前記サンプリング電圧及び予め設定された制御パラメータに基づいて、電圧ループ制御調節及び電圧差変化率ループ制御調節を含むPID制御調節により、スイッチング周波数信号を取得することと、
前記スイッチング周波数信号に基づいて給電電流を形成することと、
を含む、電源の定電圧出力調節方法をさらに開示する。
【0008】
本発明は、メモリと、プロセッサと、メモリに記憶されかつプロセッサで実行可能なコンピュータプログラムとを含む充電制御システムであって、
前記プログラムが前記プロセッサによって実行される時に、上記のような方法が実現される、充電制御システムをさらに開示する。
【0009】
本発明は、メモリと、プロセッサと、メモリに記憶されかつプロセッサで実行可能なコンピュータプログラムとを含むコンピュータ機器であって、
前記プログラムが前記プロセッサによって実行される時に、上記のような方法が実現される、コンピュータ機器をさらに開示する。
【0010】
本発明は、コンピュータプログラムが記憶されるコンピュータ読取可能な媒体であって、
当該プログラムがプロセッサによって実行される時に、上記のような方法が実現される、コンピュータ読取可能な媒体をさらに開示する。
【0011】
本発明は、サンプリングモジュールによって、電源の出力電圧をサンプリングして、サンプリング電圧を取得し、PID調節モジュールによって、予め設定された制御パラメータに基づいて、サンプリング電圧に対してPID制御調節を行って、スイッチング周波数信号を取得する。したがって、PID制御調節後に新たに生成されたスイッチング周波数信号に基づいて、給電電流を形成し、さらに電源が当該給電電流に基づいて出力電圧を形成するようにすることができる。本発明は、電源の出力電圧をサンプリングし、かつ電圧ループ制御調節及び電圧差変化率ループ制御調節を含むPID制御調節により、電源の出力電圧の給電電流を調節することによって、電源のリアルタイムな出力電圧に対して採集及び調節制御を行うことで電源の定電圧出力を確保する目的が実現される。以上により、本発明は、閉ループPID制御調節により電源の給電電流の大きさを高精度で制御し、電源の出力電圧の高精度な制御が実現され、電源の給電の安定性を向上させる。
【0012】
以下では、本発明の実施例又は従来の技術における技術案をより明確に説明するために、実施例又は従来の技術の記述に必要な図面を簡単に紹介し、明らかなように、以下の記述における図面は、本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとっては、創造的な労力を払うことなく、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の電源の定電圧出力調節装置の一つの具体的な実施例の構造図を示す。
図2図2は、本発明の電源の定電圧出力調節装置の一つの具体的な実施例のサンプリングモジュールの構造図を示す。
図3図3は、本発明の電源の定電圧出力調節装置の一つの具体的な実施例の制御モジュールの構造図を示す。
図4図4は、本発明の電源の定電圧出力調節方法の一つの具体的な実施例のフローチャートを示す。
図5図5は、本発明の電源の定電圧出力調節方法の一つの具体的な実施例のS100のフローチャートを示す。
図6図6は、本発明の電源の定電圧出力調節方法の一つの具体的な実施例のS200のフローチャートを示す。
図7図7は、本発明の電源の定電圧出力調節方法の一つの具体的な実施例のS300のフローチャートを示す。
図8図8は、本発明の実施例を実現するために適するコンピュータ機器の構造概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下は、本発明の実施例における図面を参照しながら、本発明の実施例における技術案を明確かつ完全に記述し、記述される実施例は、本発明の一部の実施例に過ぎず、全部の実施例ではないことが明らかである。本発明における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を払うことなく得られた他の全ての実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0015】
従来の技術において、電力及び電子機器における様々な電源は、その給電能力の安全性及び性能の信頼性を確保する必要があり、例えば、新エネルギー自動車の普及に伴い、新エネルギー自動車の充電時の電気的な安全は、ますます注目される問題となる。自動車充電装置は、一つの安定した電源10供給を必要とする。電源10が不安定であると、特に、電源10に短絡等の状況が発生する場合、充電時に自動車の重要な部材を焼損する可能性があり、巨大な経済的損失を引き起こし、深刻な場合に人命被害を引き起こす可能性もあるため、電源10の電圧の定電圧制御は解决に迫った問題である。よって、本発明は、閉ループPID(比例、積分及び微分)制御調節により電源10の給電電流の大きさを高精度で制御する電源の定電圧出力調節方式を提供することによって、電源10の出力電圧の高精度な制御が実現され、電源10の出力電圧の安定性を向上させることができ、充電装置等の給電機器の安全性及び信頼性が確保される。
【0016】
本発明の一態様によれば、本実施例は、電源の定電圧出力調節装置を開示する。図1に示すように、本実施例において、前記電源10は、給電電流に基づいて出力電圧を形成する。前記定電圧出力調節装置は、サンプリングモジュール11と、PID調節モジュール12と、制御モジュール13とを含む。
【0017】
ここで、前記サンプリングモジュール11は、電源10の出力電圧をサンプリングして、サンプリング電圧を取得するために用いられる。前記PID調節モジュール12は、前記サンプリング電圧及び予め設定された制御パラメータに基づいて、電圧ループ制御調節及び電圧差変化率ループ制御調節を含むPID制御調節により、スイッチング周波数信号を取得するために用いられる。前記制御モジュール13は、前記スイッチング周波数信号に基づいて給電電流を形成するために用いられる。
【0018】
本発明は、サンプリングモジュール11によって、電源10の出力電圧をサンプリングして、サンプリング電圧を取得し、PID調節モジュール12によって、予め設定された制御パラメータに基づいて、サンプリング電圧に対してPID制御調節を行って、スイッチング周波数信号を取得する。したがって、PID制御調節後に新たに生成されたスイッチング周波数信号に基づいて、給電電流を形成させ、さらに電源10が当該給電電流に基づいて出力電圧を形成するようにすることができる。本発明は、電源10の出力電圧をサンプリングし、かつ電圧ループ制御調節及び電圧差変化率ループ制御調節を含むPID制御調節により、電源10の出力電圧の給電電流を調節することによって、電源10のリアルタイムな出力電圧に対して採集及び調節制御を行うことで電源10の定電圧出力を確保する目的が実現される。以上より、本発明は、閉ループPID制御調節により電源10の給電電流の大きさを高精度で制御し、電源10の出力電圧の高精度な制御が実現され、電源の給電の安定性を向上させる。
【0019】
好ましい実施形態において、前記サンプリングモジュールは、電源の出力電圧を採集して、サンプリング電圧を取得するために用いられる。ここで、採集の方式は、分圧による採集、ホール効果による採集及び分圧チップによる採集のうちの少なくとも一種を含む。実際の応用において、他の方式で出力電圧を採集してサンプリング電圧が取得されてもよく、本発明はこれを限定しない。電源10の出力電圧をリアルタイムで採集しかつ信号処理の複雑度を低下させるために、一つの好ましい実施形態において、前記サンプリングモジュール11は、電源10の出力電圧を分圧してサンプリング電圧を取得するために用いられる。具体的には、分圧方式により、電源10の出力電圧を比例に従って採集することによって、採集されたサンプリング電圧は、電源10の出力電圧の大きさを表すことができるし、後の電圧又は電流信号の処理プロセスにおいて、サンプリング電圧が一定の比例に従って採集された出力電圧の一部であるため、出力電圧の大電圧を小電圧に変換することによって、後処理の信号量が小さく、簡単な回路により電源10の出力電圧の定電圧調節が実現可能であり、回路デバイスに対する要求も高くない。
【0020】
好ましい実施形態として、前記サンプリングモジュール11は、第1抵抗器群と、第2抵抗器群と、コンデンサC1と、アナログデジタル変換器ADCとを含み、前記第1抵抗器群及び第2抵抗器群は、少なくとも一つの抵抗器を含み、前記抵抗器が複数である場合、少なくとも二つの抵抗器は順に直列接続されるか、又は少なくとも二つの抵抗器は並列接続されて他の抵抗器に直列接続される。
【0021】
ここで、前記第1抵抗器群は、第1端が、電源10における前記出力電圧を出力する信号出力端OUT1に接続され、第2端が、前記第2抵抗器群の第1端、前記コンデンサC1の第1端及び前記アナログデジタル変換器ADCにそれぞれ接続される。前記アナログデジタル変換器ADCは、サンプリング電圧を出力するために用いられる。第2抵抗器群の第2端及びコンデンサC1の第2端は、それぞれ接地(GND)される。
【0022】
理解できるように、第1抵抗器群及び第2抵抗器群は、電源10の出力電圧を分圧し、第1抵抗器群の電圧降下を経た後に、アナログ量のサンプリング電圧を取得し、アナログデジタル変換器ADCに伝送する。アナログデジタル変換器ADCは、アナログ量のサンプリング電圧をデジタル量のサンプリング電圧に変換した後に、PID調節モジュール12に伝送して、PID制御調節を行う。ここで、分圧して得られたサンプリング電圧の電圧値は、第1抵抗器群、第2抵抗器群の抵抗器値及び出力電圧から取得されることができ、かつ第1抵抗器群及び第2抵抗器群の抵抗器値について、当業者によって実際の需要に応じて柔軟に設定することで、サンプリング電圧を調節する目的を実現することができ、本発明はこれを限定しない。
【0023】
一つの具体的な例において、図2に示すように、前記サンプリングモジュール11は、第1抵抗器群と、第2抵抗器群と、コンデンサC1と、アナログデジタル変換器ADCとを含む。ここで、第1抵抗器群は、第6抵抗器R6と、第7抵抗器R7と、第8抵抗器R8とを含む。第2抵抗器群は、第9抵抗器R9を含む。ここで、第6抵抗器R6、第7抵抗器R7及び第8抵抗器R8は、順に直列接続されてサンプリングモジュール11に挿入される。すなわち、第6抵抗器R6は、第1端が、電源10の信号出力端OUT1に接続され、第2端が、前記第7抵抗器R7の第1端に接続される。第7抵抗器R7の第2端は、前記第8抵抗器R8の第1端に接続され、前記第8抵抗器R8の第2端は、前記第9抵抗器R9の第1端、コンデンサC1の第1端及び前記アナログデジタル変換器ADCにそれぞれ接続される。前記第9抵抗器R9の第2端は、接地(GND)される。ここで、第1抵抗器群は、複数の抵抗器が直列接続される形態を採用して、第1抵抗器群の抵抗器値を増大させ、サンプリング電圧の大きさを低下させて処理しやすくなるようにすることができる一方、複数の抵抗器が直列接続される方式を採用して、一つの大きな抵抗器を採用することにより体積が大きくなってしまうという問題も回避させる。
【0024】
好ましい実施形態において、高精度なPID制御調節を実現するために、前記予め設定された制御パラメータは、目標電圧を含み、前記PID調節モジュール12は、電圧ループ制御調節のための電圧ループコントローラと、電圧差変化率ループ制御調節のための電圧差変化率ループコントローラとを含む。好ましくは、PID調節モジュール12は、マイクロコントローラ(MCU)によって実現される。
【0025】
ここで、前記電圧ループコントローラは、前記目標電圧及びサンプリング電圧に基づいて実電圧差を取得し、かつ前記実電圧差に基づいて電圧変化率の制御幅を取得するために用いられる。
【0026】
前記電圧差変化率ループコントローラは、電圧変化率の制御幅に基づいて目標電圧変化率を取得し、実電圧差に基づいて実電圧変化率を取得し、かつ前記目標電圧変化率及び実電圧変化率に基づいてスイッチング周波数信号を取得するために用いられる。
【0027】
一つの選択的な実施形態において、サンプリング電圧に対して、対応する目標電圧を設定してもよく、実電圧差は、目標電圧とリアルタイムで採集されたサンプリング電圧との差である。他の実施形態において、サンプリング電圧に対応する電源10の出力電圧に対して、対応する目標電圧を設定してもよく、実電圧差は、目標電圧とサンプリング電圧を換算して得られた出力電圧との差である。ここで、サンプリング回路におけるサンプリング電圧と第1抵抗器群及び第2抵抗器群の抵抗器値及び出力電圧との間の関係に基づいて、サンプリング電圧を換算することができる。また、以上の二つの方式で得られた電圧差は、対応するPID調節モジュール12のPID制御調節アルゴリズムを設定し、入力された電圧差を調節してスイッチング周波数信号が取得される必要があり、当業者は、実際の需要に応じて関連する設定を行うことができ、本発明はここで説明を省略する。
【0028】
PID制御調節の精度を向上させるために、本実施例において、アナログデジタル変換器ADCが出力したデジタル量のサンプリング電圧に対して、さらに電圧変換を行って、実際の出力電圧が取得される。PID調節モジュール12は、さらに、取得された出力電圧及び予め設定された制御パラメータに基づいて、PID制御調節により、スイッチング周波数信号が取得される。
【0029】
前記電圧ループコントローラは、前記目標電圧及びサンプリング電圧に基づいて実電圧差を取得し、かつ前記実電圧差に基づいて電圧変化率の制御幅を取得するために用いられ、すなわち、電圧ループコントローラは、電圧ループ制御調節を実現することができる。一つの具体的な例において、電圧ループコントローラは、以下のPID制御調節アルゴリズムにより、電圧変化率の制御幅を算出し取得してもよい。
【0030】
【数1】
【0031】
ここで、Q(t)は、t時点の電圧変化率の制御幅であり、kは、電圧ループコントローラの比例項補正係数であり、kは、電圧ループコントローラの積分項補正係数であり、kは、電圧ループコントローラの微分項補正係数であり、e(t)は、所定の目標電圧Vdtと実際に検出された出力電圧Vtとの差であり、すなわち、e(t)は(Vt-Vdt)である。
【0032】
【数2】
【0033】
ここで、Pd(t)は、t時点の目標電圧変化率であり、Q(t)は、t時点の電圧変化率の制御幅であり、Q(t-1)は、t-1時点の電圧変化率の制御幅であり、dtは、PID調節周期である。
【0034】
前記電圧差変化率ループコントローラは、電圧変化率の制御幅に基づいて目標電圧変化率を取得し、実電圧差に基づいて実電圧変化率を取得し、かつ前記目標電圧変化率及び実電圧変化率に基づいてスイッチング周波数信号を取得し、すなわち、電圧差変化率ループコントローラは、電圧差変化率ループ制御調節を実現することができる。一つの具体的な例において、前記目標電圧変化率と前記実電圧変化率との差を電圧差変化率ループコントローラに入力し、電圧差変化率ループコントローラは、以下のPID制御調節アルゴリズムにより、スイッチング周波数信号を算出し取得してもよい。
【0035】
【数3】
【0036】
ここで、P(t)は、スイッチング周波数信号であり、ki-pは、電圧差変化率ループコントローラの比例項補正係数であり、ki-iは、電圧差変化率ループコントローラの積分項補正係数であり、ki-dは、電圧差変化率ループコントローラの微分項補正係数であり、e(t)は、所定の目標電圧変化率と前記実電圧変化率との差である。実電圧変化率はe(t)/dtである。なお、本実施例における各係数について、当業者は経験に基づいて選択することができ、本発明はこれを限定しない。
【0037】
好ましい実施形態において、前記制御モジュール13は、スイッチング素子Qを含む。前記制御モジュール13は、前記スイッチング周波数信号に基づいて、電源端VDDと給電電流出力端OUT2との間の通路をオン・オフするように前記スイッチング素子Qを制御して、給電電流を形成する。理解できるように、スイッチング周波数信号に基づいて、スイッチング素子Qのオン・オフを制御し、電源端VDDの電流が出力されるか否かを制御することで、給電電流を形成させ、電源10の出力電圧を調節することができる。
【0038】
一つの具体的な例において、制御モジュール13は、具体的な回路構造によって実現される。具体的には、図3に示すように、前記制御モジュール13は、第3抵抗器R3と、第4抵抗器R4と、スイッチング素子Qとを含み、当該第3抵抗器R3及び第4抵抗器R4は、限流機能を実現することができる。
【0039】
ここで、前記第3抵抗器R3の第1端は、前記スイッチング周波数信号を受信し、第2端は、前記スイッチング素子Qの制御端Gに接続される。前記スイッチング素子Qは、第1端Dが、電源端VDDに接続され、第2端Sが、前記第4抵抗器R4の第1端及び前記給電電流出力端OUT2にそれぞれ接続される。前記第4抵抗器R4の第2端は、接地(GND)される。
【0040】
理解できるように、第1レベルをハイレベルとし、第2レベルをローレベルとし、スイッチング素子QをNMOSとすることを例に挙げて、当該具体的な例の動作原理を説明する。なお、ここで、本実施例において、第1レベルをハイレベルとし、第2レベルをローレベルとし、スイッチング素子QをNMOSとする例を挙げて説明する。実際の応用において、各モジュールに対して回路構造の柔軟な設定を行うことによって、第1レベルは、ローレベルであってもよく、それにより、第2レベルは、ハイレベルとなり、スイッチング素子Qは、PMOS又は他の同じ機能を実現できるスイッチング素子Qを選択してもよく、本発明はこれを限定しない。これにより、本発明と同じ構想を有する他の技術案も本発明の保護範囲にあるべきである。
【0041】
スイッチング周波数信号がハイレベルである場合、スイッチング素子Qは、ハイレベルに応答してオンになり、電源端VDDと給電電流出力端OUT2とはオンになり、電源端VDDの作用で、給電電流出力端OUT2は、電源10が対応する出力電圧を出力するように、給電電流を電源10に出力する。スイッチング周波数信号がローレベルである場合、スイッチング素子Qは、ローレベルに応答してオフ状態になり、電源端VDDと給電電流出力端OUT2とはオフになり、給電電流出力端OUT2は出力がない。したがって、本発明は、PID制御調節により、電源10の出力電圧に基づいて、スイッチング周波数信号が取得され、スイッチング周波数信号により給電電流の入力を制御することで、電源10の出力電圧を調節する目的が実現され、電源の定電圧出力が確保される。
【0042】
好ましい実施形態において、前記制御モジュール13は、第5抵抗器R5をさらに含む。ここで、前記第5抵抗器R5の第1端は、前記第3抵抗器R3の第2端及び前記スイッチング素子Qの制御端にそれぞれ接続され、前記第5抵抗器R5の第2端は、接地(GND)される。
【0043】
理解できるように、制御モジュール13は、干渉に耐えるプルダウン抵抗である第5抵抗器R5をさらに含む。すなわち、スイッチング周波数信号に干渉が存在して電圧のフローティングが発生した時に、第5抵抗器R5は、一定の手順で、干渉が存在するスイッチング周波数信号の電圧値を低下させ、スイッチング周波数信号の電圧値をできるだけスイッチング素子Qの閾値電圧以下に下げ、スイッチング素子Qの誤オンを防止し、制御モジュール13の耐干渉強度を強化させることができる。
【0044】
なお、本実施例におけるスイッチング素子Qは、N型トランジスタ及びP型トランジスタを含むトランジスタを採用することができ、様々な信号のハイレベル及びローレベルは、トランジスタの型番に合わせた場合にのみ対応する機能が実現されることは、当業者であれば明瞭である。P型トランジスタをオンにするためには、ローレベル信号に合わせる必要があり、N型トランジスタをオンにするためには、ハイレベル信号に合わせる必要があることによって、N型トランジスタ又はP型トランジスタを採用し、かつトランジスタゲート(制御端)のレベルを設定することで、対応するオン・オフ機能が実現され、本発明のデータ読み取り目的が実現されることは、当業者であれば理解することができる。本発明の実施例によるトランジスタの第1端は、ソースであってもよく、第2端は、ドレインであり、又はその逆も同様であり、本発明はこれを限定せず、トランジスタのタイプに応じて合理的に選択すればよい。
【0045】
なお、本発明の実施例によるトランジスタは、電界効果トランジスタであってもよく、ここで、エンハンスメントタイプ電界効果トランジスタであってもよく、ディプレッションタイプ電界効果トランジスタであってもよく、本発明はこれを限定しない。
【0046】
同様な原理に基づき、本実施例は、電源の定電圧出力調節システムをさらに開示する。本実施例において、前記システムは、前記電源10と、本実施例に記載のような電源10の定電圧出力調節装置とを含む。
【0047】
当該システムが問題を解決する原理は、以上の装置と類似するため、本システムの実施は装置の実施を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0048】
同様な原理に基づき、本実施例は、電源の定電圧出力調節方法をさらに開示する。図4に示すように、本実施例において、前記方法は、以下のことを含む。
【0049】
S100:電源10の出力電圧をサンプリングして、サンプリング電圧を取得する。
【0050】
S200:前記サンプリング電圧及び予め設定された制御パラメータに基づいて、電圧ループ制御調節及び電圧差変化率ループ制御調節を含むPID制御調節により、スイッチング周波数信号を取得する。
【0051】
S300:前記スイッチング周波数信号に基づいて、給電電流を形成する。
【0052】
好ましい実施形態において、図5に示すように、前記S100において電源10の出力電圧をサンプリングして、サンプリング電圧を取得することは、以下のことを含む。
【0053】
S110:電源10の出力電圧を採集して、サンプリング電圧を取得する。ここで、採集の方式は、分圧による採集、ホール効果による採集及び分圧チップによる採集のうちの少なくとも一種を含む。
【0054】
好ましい実施形態において、図6に示すように、前記予め設定された制御パラメータは、目標電圧を含み、前記S200において前記サンプリング電圧及び予め設定された制御パラメータに基づいて、電圧ループ制御調節及び電圧差変化率ループ制御調節を含むPID制御調節により、スイッチング周波数信号を取得することは、具体的には、以下のことを含む。
【0055】
S210:前記目標電圧及びサンプリング電圧に基づいて実電圧差を取得し、かつ前記実電圧差に基づいて電圧変化率の制御幅を取得する。
【0056】
S220:電圧変化率の制御幅に基づいて目標電圧変化率を取得し、実電圧差に基づいて実電圧変化率を取得し、前記目標電圧変化率及び実電圧変化率に基づいてスイッチング周波数信号を取得する。
【0057】
好ましい実施形態において、図7に示すように、前記S300において前記スイッチング周波数信号に基づいて給電電流を形成することは、以下のことを含む。
【0058】
S310:前記スイッチング周波数信号に基づいて、電源端VDDと給電電流出力端OUT2との間の通路をオン・オフするように前記スイッチング素子Qを制御して、給電電流を形成する。
【0059】
当該方法が問題を解決する原理は、以上の装置と類似するため、本方法の実施は装置の実施を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0060】
上記実施例において説明したシステム、装置、モジュール又はユニットは、具体的には、コンピュータチップ又はエンティティによって実現されてもよく、又はある機能を有する製品によって実現されてもよい。本発明は、メモリと、プロセッサと、メモリに記憶されかつプロセッサで実行可能なコンピュータプログラムとを含む充電制御システムをさらに開示し、前記プログラムが前記プロセッサによって実行される時に、本実施例に記載のような方法が実現される。典型的な実現機器は、コンピュータ機器であり、具体的に、コンピュータ機器は、例えばパーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、セルラ電話、カメラ電話、スマートフォン、個人用デジタル補助装置、メディアプレーヤ、ナビゲーション機器、電子メール機器、ゲームコンソール、タブレットコンピュータ、ウェアラブル機器又はこれらの機器のうちの任意の機器の組み合わせであってもよい。
【0061】
一つの典型的な実施例において、コンピュータ機器は、具体的に、メモリと、プロセッサと、メモリに記憶されかつプロセッサで実行可能なコンピュータプログラムとを含み、前記プログラムが前記プロセッサによって実行される時に、上記のような方法が実現される。
【0062】
以下では、本出願の実施例を実現することに適するコンピュータ機器600の構造概略図を示す図8を参照する。
【0063】
図8に示すように、コンピュータ機器600は、中央処理ユニット(CPU)601を含み、読み出し専用メモリ(ROM)602に記憶されたプログラム又は記憶部608からランダムアクセスメモリ(RAM))603にローディングされたプログラムに基づいて、様々な適切な動作及び処理を実行することができる。RAM603には、システム600の動作に必要な様々なプログラム及びデータがさらに記憶される。CPU601、ROM602及びRAM603は、バス604を介して相互に接続されている。入出力(I/O)インタフェース605も、バス604に接続されている。
【0064】
I/Oインタフェース605には、キーボード、マウスなどを含む入力部606と、例えば陰極線管(CRT)、液晶フィードバック(LCD)など及びスピーカなどを含む出力部607と、ハードディスクなどを含む記憶部608と、例えばLANカード、モデムなどのネットワークインタフェースカードを含む通信部609とが接続される。通信部609は、インターネットのようなネットワークを介して通信処理を実行する。ドライブ610も、必要に応じてI/Oインタフェース605に接続される。例えば磁気ディスク、光学ディスク、磁気光学ディスク、半導体メモリ等のような着脱可能な媒体611は、読み出されたコンピュータプログラムが必要に応じて例えば記憶部608にインストールされるように、必要に応じてドライブ610に装着される。
【0065】
特に、本発明の実施例によれば、前述したフローチャートを参照して記述されたプロセスは、コンピュータソフトウェアプログラムとして実現される。例えば、本発明の実施例は、機器が読取可能な媒体に有形に格納されるコンピュータプログラムを含むコンピュータプログラム製品を含み、前記コンピュータプログラムは、フローチャートに示す方法を実行するためのプログラムコードを含む。このような実施例において、当該コンピュータプログラムは、通信部609によりネットワークからダウンロード及びインストールされてもよく、及び/又は着脱可能な媒体611からインストールされてもよい。
【0066】
コンピュータ読取可能な媒体は、不揮発性及び揮発性、可搬性及び非可搬性媒体を含み、任意の方法又は技術によって情報記憶が実現されてもよい。情報は、コンピュータ読取可能な指令、データ構造、プログラムモジュール又は他のデータであってもよい。コンピュータの記憶媒体の例は、相変化型メモリ(PRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、他のタイプのランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ又は他のメモリ技術、コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)、デジタルバーサタイルディスク(DVD)又は他の光学ストレージ、カートリッジ型磁気テープ、磁気テープ磁気ディスクストレージ又は他の磁気ストレージ又は任意の他の非伝送媒体を含むが、それらに限定されず、コンピューティング機器によってアクセス可能な情報を記憶するために用いることができる。本明細書の定義によれば、コンピュータ読取可能な媒体は、例えば変調されたデータ信号及びキャリアのような一時的コンピュータ読取可能な媒体(transitory media)を含まない。
【0067】
記述の便宜のために、以上の装置を記述する時に、機能に従って様々なユニットに分けてそれぞれ記述する。当然のことながら、本出願を実施する時に、同一又は複数のソフトウェア及び/又はハードウェアで各ユニットの機能を実現することができる。
【0068】
本発明の実施例による方法、機器(システム)及びコンピュータプログラム製品のフローチャート及び/又はブロック図を参照して、本発明を記述した。フローチャート及び/又はブロック図における各フロー及び/又は各ブロック、及びフローチャート及び/又はブロック図におけるフロー及び/又はブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム指令によって実現されることを理解すべきである。これらのコンピュータプログラム指令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、エンベデッドプロセッサ又は他のプログラマブルデータプロセッシング機器のプロセッサに提供されて一つのマシンを創出することで、コンピュータ又は他のプログラマブルデータプロセッシング機器のプロセッサが実行する指令により、フローチャートの一つ又は複数のフロー及び/又はブロック図の一つ又は複数のブロックで指定された機能を実現するための装置を創出してもよい。
【0069】
これらのコンピュータプログラム指令は、コンピュータ又は他のプログラマブルデータプロセッシング機器に特定の方式で動作するように指示することができるコンピュータ読取可能なメモリに記憶されることで、当該コンピュータ読取可能なメモリに記憶された指令により、フローチャートの一つ又は複数のフロー及び/又はブロック図の一つ又は複数のブロックで指定された機能を実現する指令装置を含む製造品を創出してもよい。
【0070】
これらのコンピュータプログラム指令は、コンピュータ又は他のプログラマブルデータプロセッシング機器にローディングされ、コンピュータ又は他のプログラマブル機器で一連の動作及びステップが実行されて、コンピュータによって実現される処理が生成されることで、コンピュータ又は他のプログラマブル機器で実行される指令により、フローチャートの一つ又は複数のフロー及び/又はブロック図の一つ又は複数のブロックで指定された機能を実現するためのステップを提供してもよい。
【0071】
また、「含む」、「備える」という用語又はその他の任意の変形は、非排他的な「備える」をカバーすることを意図し、それにより、一連の要素を含むプロセス、方法、物品又は機器は、それらの要素だけではなく、明確に列挙されていない他の要素、又はこのようなプロセス、方法、物品又は機器に固有の要素も含むようになる。それ以上の制限がない場合に、「一つの…を含む」という文句で限定された要素は、前記要素を含むプロセス、方法、物品又は機器には別の同じ要素も存在することが除外されるものではない。
【0072】
本出願の実施例は、方法、システム又はコンピュータプログラム製品として提供されることは、当業者であれば自明である。そのため、本出願は、完全なハードウェアの実施例、完全なソフトウェアの実施例又はソフトウェアとハードウェアを組み合わせた実施例の形態を採用してもよい。また、本出願は、コンピュータ利用可能なプログラムコードを備える一つ又は複数のコンピュータ利用可能な記憶媒体(磁気ディスクメモリ、CD-ROM、光学メモリ等を含むが、これらに限定されない)で実施されるコンピュータプログラム製品の形態を採用してもよい。
【0073】
本出願は、コンピュータによって実行されるコンピュータ実行可能な指令の一般的なコンテキスト、例えばプログラムモジュールに記述されてもよい。通常、プログラムモジュールには、特定のタスクを実行したり、特定の抽象データタイプを実装したりするルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などが含まれる。本出願は、通信ネットワークを介して接続されたリモート処理機器によって、タスクが実行される分散コンピューティング環境で実施されてもよい。分散コンピューティング環境では、プログラムモジュールは、ストレージを含むローカル及びリモートコンピュータ記憶媒体に配置されてもよい。
【0074】
本明細書における各実施例は、いずれも漸進の方式で記述され、各実施例間の同じ又は類似した部分は、互いに参照すればよく、各実施例は、いずれも他の実施例との相違点を重点として説明した。特に、システムの実施例に対して、方法の実施例と基本的に類似するため、簡単に記述し、関連する部分は、方法の実施例の一部の説明を参照すればよい。
【0075】
以上は、本出願の実施例に過ぎず、本出願を限定するためのものではない。当業者にとって、本出願は、様々な修正及び変更を行うことができる。本出願の技術思想及び原理内で行われたいかなる修正、同等置換、改善等は、いずれも本出願の特許請求の範囲内に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】