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特表2023-549230エネルギー回収方法、装置、電気自動車及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-22
(54)【発明の名称】エネルギー回収方法、装置、電気自動車及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   B60L 7/12 20060101AFI20231115BHJP
   B60T 8/17 20060101ALI20231115BHJP
【FI】
B60L7/12 Q
B60T8/17 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023528456
(86)(22)【出願日】2021-11-03
(85)【翻訳文提出日】2023-06-12
(86)【国際出願番号】 CN2021128513
(87)【国際公開番号】W WO2022100500
(87)【国際公開日】2022-05-19
(31)【優先権主張番号】202011272026.3
(32)【優先日】2020-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】朱福堂
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼▲業▼威
(72)【発明者】
【氏名】王春生
【テーマコード(参考)】
3D246
5H125
【Fターム(参考)】
3D246BA01
3D246BA08
3D246DA01
3D246EA05
3D246GA19
3D246GB39
3D246HA86A
3D246HB08A
3D246HB12A
3D246HB15A
3D246HC01
3D246HC11
3D246JA12
3D246JB11
3D246JB43
3D246LA15Z
5H125AA01
5H125BA00
5H125BC05
5H125CA01
5H125CB02
5H125EE09
5H125EE21
5H125EE52
5H125EE61
(57)【要約】
エネルギー回収方法、装置、電気自動車及び記憶媒体である。方法は、車両走行情報を取得するステップと、道路状況情報及び走行状態情報に基づいて、車両制動要求を取得するステップと、車両制動要求に基づいて、第1モータ制動回生を予測するステップと、第1モータ制動回生に基づいて、エネルギー回収を行うステップと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路状況情報及び走行状態情報を含む車両走行情報を取得するステップと、
前記道路状況情報及び走行状態情報に基づいて、車両制動要求を取得するステップと、
前記車両制動要求に基づいて、第1モータ制動回生を予測するステップと、
前記第1モータ制動回生に基づいて、エネルギー回収を行うステップと、を含む、ことを特徴とするエネルギー回収方法。
【請求項2】
前記道路状況情報及び走行状態情報に基づいて、車両制動要求を取得するステップは、
車両の道路状況情報及び走行状態情報に基づいて、車両制動距離を取得するステップと、
車両制動距離に基づいて、車両制動の減速度及び前記減速度に対応する時間を計算するステップと、
車両制動の減速度及び前記減速度に対応する時間に基づいて、車両制動要求を計算するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記車両制動要求に基づいて、第1モータ制動回生を予測するステップは、
前記車両制動要求に基づいて、車両制動の車輪回生トルクを計算するステップと、
車両制動の車輪回生トルクに基づいて、第1モータ制動回生の第1モータ回生トルクを取得するステップと、
第1モータ回生トルクに基づいて、第1モータ制動回生の第1モータ回生時間を取得するステップと、を含み、前記第1モータ回生時間は、第1モータ回生トルクにより、電池パルス充電特性に基づいて決定される、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記車両制動要求に基づいて、第1モータ制動回生を予測するステップは、
電池パルス充電特性及び前記第1モータ制動回生に基づいて、最適なパルス充電電力を取得するステップと、
前記最適なパルス充電電力、車両制動要求、及びモータに受けられるトルク限界値に基づいて、第2モータ制動回生を取得するステップと、をさらに含む、ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
電池パルス充電特性及び前記第1モータ制動回生に基づいて、最適なパルス充電電力を取得するステップは、
第1モータ制動回生の第1モータ回生時間及び第1モータ回生トルクを取得するステップと、
第1モータ回生時間及び第1モータ回生トルクに基づいて、最大電池パルス充電電力を取得するステップと、
前記最大電池パルス充電電力に対応する電池パルス充電特性に基づいて、最大電池パルス充電電力の充電持続時間を取得するステップと、
前記最大電池パルス充電電力の充電持続時間、電池パルス充電特性及び第1モータ回生時間に基づいて、最適なパルス充電電力を決定するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記最適なパルス充電電力、車両制動要求、及びモータに受けられるトルク限界値に基づいて、第2モータ制動回生を取得するステップは、
前記最適なパルス充電電力に基づいて、最適なパルス充電電力の条件で許容される、車両の車輪からモータに回生されるトルクであるモータ許容車輪回生トルクを決定するステップと、
前記車両制動要求に基づいて、車両制動時に制動完了に必要な車輪トルクである車両制動の車輪要求トルクを決定するステップと、
モータに受けられるトルク限界値に基づいて、モータに受けられる最大車輪回生トルクを決定するステップであって、前記モータに受けられる最大車輪回生トルクが、モータが受けることができる、車輪からモータに回生される最大トルクである、ステップと、
前記モータ許容車輪回生トルク、車両制動の車輪要求トルク、及びモータが受けることができる最大車輪回生トルクのうちの、絶対値が最小のものを第2モータ回生トルクとして選択するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記車両制動要求に基づいて、制動コントローラに制動トルクパラメータを提供することにより、前記第2モータ回生トルクを制御して車両制動を行うステップと、
前記第2モータ回生トルクの制動トルクパラメータが車両制動要求を満たさないと、機械的制動を開始するステップと、をさらに含む、ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
車両走行時の道路状況情報及び走行状態情報を含む車両走行情報を取得する走行情報取得モジュールと、
取得された車両走行時の道路状況情報及び走行状態情報に基づいて、車両制動要求を取得し、第1モータ制動回生を予測する制動回生モジュールと、
予測された第1モータ制動回生に基づいて、エネルギー回収を行うエネルギー回収モジュールと、を含む、ことを特徴とするエネルギー回収装置。
【請求項9】
請求項8に記載のエネルギー回収装置を含む、ことを特徴とする電気自動車。
【請求項10】
コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読記憶媒体であって、該コンピュータプログラムが実行されると、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法を実現する、ことを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2020年11月13日に出願された中国特許出願第202011272026.3号の『エネルギー回収方法、装置、電気自動車及び記憶媒体』に基づき、かつその優先権を主張するものであり、その全ての内容は、参照により本願に組み込まれるものとする。
【0002】
本開示は、一般に自動車の技術分野に関し、具体的には、電気自動車のエネルギー回収の分野に関し、特に、エネルギー回収方法、装置、電気自動車及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
エネルギー回収は、電気自動車のエネルギー消費削減の重要な手段であり、現在のエネルギー回収の実現形態は、主に2種があり、1種は、運転手がブレーキペダルを踏んだときのモータの制動過程を指す制動回生であり、もう1種は、運転手がアクセルをオフにした状態で、惰性走行する場合、所定の回生強度によりモータの定減速制動を行うことを指すアクセルオフ回生であり、モータ回生トルクは、制動回生トルクとアクセルオフ回生トルクとの和であり、モータ回生トルクが大きいほど、エネルギー回収が多い。
【0004】
実際の適用において、最適なモータ回生トルクを正確に決定することができないため、エネルギー回収効果に影響を与える。
【0005】
したがって、エネルギー回収効果を向上させるエネルギー回収方法が望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術における上記欠陥又は不足に鑑みて、電気自動車の制動時のエネルギー回収効果を向上させるエネルギー回収方法、装置、電気自動車及び記憶媒体を提供することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施例の一態様において、本願の実施例に係るエネルギー回収方法は、
道路状況情報及び走行状態情報を含む車両走行情報を取得するステップと、
前記道路状況情報及び走行状態情報に基づいて、車両制動要求を取得するステップと、
前記車両制動要求に基づいて、第1モータ制動回生を予測するステップと、
前記第1モータ制動回生に基づいて、エネルギー回収を行うステップと、を含む。
【0008】
一実施例では、前記道路状況情報及び走行状態情報に基づいて、車両制動要求を取得するステップは、
車両の道路状況情報及び走行状態情報に基づいて、車両制動距離を取得するステップと、
車両制動距離に基づいて、車両制動の減速度及び前記減速度に対応する時間を計算するステップと、
車両制動の減速度及び前記減速度に対応する時間に基づいて、車両制動要求を計算するステップと、を含む。
【0009】
一実施例では、前記車両制動要求に基づいて、第1モータ制動回生を予測するステップは、
前記車両制動要求に基づいて、車両制動の車輪回生トルクを計算するステップと、
車両制動の車輪回生トルクに基づいて、第1モータ制動回生の第1モータ回生トルクを取得するステップと、
第1モータ回生トルクに基づいて、第1モータ制動回生の第1モータ回生時間を取得するステップと、を含み、前記第1モータ回生時間は、第1モータ回生トルクにより、電池パルス充電特性に基づいて決定される。
【0010】
一実施例では、前記車両制動要求に基づいて、第1モータ制動回生を予測するステップは、
電池パルス充電特性及び前記第1モータ制動回生に基づいて、最適なパルス充電電力を取得するステップと、
前記最適なパルス充電電力、車両制動要求、及びモータに受けられるトルク限界値に基づいて、第2モータ制動回生を取得するステップと、をさらに含む。
【0011】
一実施例では、電池パルス充電特性及び前記第1モータ制動回生に基づいて、最適なパルス充電電力を取得するステップは、
第1モータ制動回生の第1モータ回生時間及び第1モータ回生トルクを取得するステップと、
第1モータ回生時間及び第1モータ回生トルクに基づいて、最大電池パルス充電電力を取得するステップと、
前記最大電池パルス充電電力に対応する電池パルス充電特性に基づいて、最大電池パルス充電電力の充電持続時間を取得するステップと、
前記最大電池パルス充電電力の充電持続時間、電池パルス充電特性及び第1モータ回生時間に基づいて、最適なパルス充電電力を決定するステップと、を含む。
【0012】
一実施例では、前記最適なパルス充電電力、車両制動要求、及びモータが受けることができるトルク限界値に基づいて、第2モータ制動回生を取得するステップは、
前記最適なパルス充電電力に基づいて、最適なパルス充電電力条件で許容される、車両の車輪からモータに回生されるトルクであるモータ許容車輪回生トルクを決定するステップと、
前記車両制動要求に基づいて、車両制動時に制動完了に必要な車輪トルクである車両制動の車輪要求トルクを決定するステップと、
モータが受けることができるトルク限界値に基づいて、モータに受けられる最大車輪回生トルクを決定するステップであって、前記モータに受けられる最大車輪回生トルクが、モータが受けることができる、車輪からモータに回生される最大トルクである、ステップと、
前記モータ許容車輪回生トルク、車両制動の車輪要求トルク、及びモータが受けることができる最大車輪回生トルクのうちの、絶対値が最小のものを第2モータ回生トルクとして選択するステップと、を含む。
【0013】
一実施例では、前記方法は、
前記車両制動要求に基づいて、制動コントローラに制動トルクパラメータを提供することにより、前記第2モータ回生トルクを制御して車両制動を行うステップと、
前記第2モータ回生トルクの制動トルクパラメータが車両制動要求を満たさないと、機械的制動を開始するステップと、をさらに含む。
【0014】
本願は、エネルギー回収装置をさらに開示し、前記制御装置は、
車両走行時の道路状況情報及び走行状態情報を含む車両走行情報を取得する走行情報取得モジュールと、
取得された車両走行時の道路状況情報及び走行状態情報に基づいて、車両制動要求を取得し、第1モータ制動回生を予測する制動回生モジュールと、
予測された第1モータ制動回生に基づいて、エネルギー回収を行うエネルギー回収モジュールと、を含む。
【0015】
本願は、電気自動車をさらに開示し、前記電気自動車は、本発明の各実施例に係るエネルギー回収装置を含む。
【0016】
本願は、コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読記憶媒体をさらに開示し、該コンピュータプログラムが実行されると、本発明の各実施例に係るエネルギー回収方法を実現する。
【発明の効果】
【0017】
本願の実施例では、車両走行情報に基づいて、モータ制動回生を予測し、モータ制動回生に基づいてエネルギー回収を行う。本発明は、エネルギー回収を行う場合、車両走行情報に基づいて予測し、最適な電池充電電力及び各電力段階の持続時間を予め計画し、エネルギー回収の最大化を実現し、エネルギー回収予測運転支援により、運転手がブレーキを深く踏む確率を低下させ、機械的制動によるエネルギー損失を低減し、エネルギー回収利用率を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
以下の図面を参照して行われた非限定的な実施例に対する詳細な説明を読むことにより、本願の他の特徴、目的及び利点は、より明らかになる。
【0019】
図1】本願の一実施例のエネルギー回収方法の例示的なフローチャートである。
図2】本願の別の実施例のエネルギー回収方法の別の例示的なフローチャートである。
図3】本願の一実施例に係るエネルギー回収装置の概略構成図である。
図4】本願の一実施例の電池パルス充電特性の概略図である。
図5】本願の一実施例の電気自動車の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面及び実施例を参照しながら、本願をさらに詳細に説明する。ここで説明された具体的な実施例は、関連する発明を説明するためのものに過ぎず、該発明を限定するものではないことを理解されたい。なお、説明の便宜上、図面は、発明に関連する部分のみを示す。
【0021】
なお、本願における実施例及び実施例における特徴は、矛盾しない限り、互いに組み合わせることができる。以下、図面を参照しながら実施例を挙げて本願を詳細に説明する。
【0022】
図1を参照すると、本願の実施例のエネルギー回収方法を適用する場合の例示的なフローを示す。
【0023】
図1に示すように、ステップ110では、道路状況情報及び走行状態情報を含む車両走行情報を取得する。
【0024】
具体的には、車両の実際の走行過程において、車両の走行状況をリアルタイムに把握し、車両の走行状況に基づいて車両制動を必要とするか否かを判断する必要があり、車両走行情報を取得する手段は、車両のメーターであってもよく、いくつかの外部の機器であってもよく、例えば、測位システムにより車両の位置情報を取得し、高解像度地図により現在又は次の段階の道路状況情報、例えば、上り坂、下り坂、幅員減少、幅員増加、急カーブなどを取得し、カメラにより前方の車両情報及び渋滞情報を取得し、歩行者、交通信号などの有無を判断し、レーダーにより車両速度、車間距離、車両相対速度などを取得し、多種のセンサにより車両の対応する走行情報を取得し、取得された車両走行時の道路状況情報及び車両走行状態情報により、車両制動を行うか否かに決定根拠を提供する。
【0025】
ステップ120では、上記道路状況情報及び走行状態情報に基づいて、車両制動要求を取得する。
【0026】
具体的には、上記車両制動要求は、車両制動速度及び車両制動時間を含み、車両制動速度は、設定された安全距離内に制動を完了することに必要な走行速度であり、車両制動時間は、車両制動速度に基づいて、安全距離内に制動を完了することに必要な走行時間であり、車両走行情報を取得した後、リアルタイムな車両走行状況に基づいて、車両制動を行う必要があるか否かを判断し、具体的に実行する時に、一定の車両制動開始の閾値を設定することができ、例えば、カメラにより前方設定距離内に歩行者がいることを発見する場合、メッセージを送信して運転手に車両制動を行うことを提示し、このような提示メッセージの方式は、音声であってもよく、画像であってもよく、例えば、文字により運転手にアクセルをオフにすることを提示することであってもよい。また例えば、高解像度地図により前方の道路に突然に急カーブがあると検出される場合、運転手に車両制動を行うことを提示する必要があり、取得された車両走行情報により、車両制動を予め予測し、エネルギー回収を最適に行うことができる。
【0027】
車両制動時に、車両走行速度、制動距離などの情報に基づいて、普通の物理的定理に基づいて、車両制動の減速度及び減速時間を算出することができる。
【0028】
具体的には、上記道路状況情報及び走行状態情報に基づいて、車両制動要求を取得するステップは、以下のステップを含む。
【0029】
車両の道路状況情報及び走行状態情報に基づいて、車両制動距離を取得する。具体的には、車両制動距離は、レーダー、赤外線、レーザー、音響学などの距離測定用計器又は機器により前方の障害物との距離を測定して取得されてもよく、高解像度地図により測位システムと組み合わせて測量し計算されてもよく、ここでの測位システムは、「北斗」測位システム、「GPS」測位システム、「ガリレオ」測位システム、及び「グロナス」測位システムを含む。
【0030】
車両制動距離に基づいて、車両制動の減速度及び上記減速度に対応する時間を計算する。具体的には、制動距離が既知であり、車両の走行速度が既知であるため、普通の物理的定理に基づいて、制動完了に必要な減速度及び減速時間を算出することができる。
【0031】
車両制動の減速度及び上記減速度に対応する時間に基づいて、車両制動要求を計算する。具体的には、車両制動要求は、制動タスクを完了するときに、車両の車輪に必要なトルクであり、車輪トルクは、車両制動時に、車両の車輪にかかる電力であり、車両制動の減速度は、車両の車輪の電力により決定されるからである。
【0032】
ステップ130では、上記車両制動要求に基づいて、第1モータ制動回生を予測する。
【0033】
上記第1モータ制動回生は、現在の状況で、如何なる外部要因を考慮せず、車両が制動を完了する場合、モータに受けられた、車両の車輪からモータに回生されるトルクであり、なお、第1モータ制動回生により決定された第1モータ回生時間及び第1モータ回生トルクは、モータが車両制動時に回生されたトルクに耐えるか否かを考慮せず、制動時に、モータに受けられた、車両の車輪により回生されたトルク、及び回生持続時間のみを示す。
【0034】
車両制動の減速度及び減速に対応する時間により、電気自動車の制動時の第1モータ回生時間及び第1モータ回生トルクを計算する。第1モータ回生トルクは、車両制動時に車輪からモータに回生されたトルクであり、一般に、車輪回生トルクのパーセントであり、例えば、車両制動時に、40%のエネルギーは、車両制動による熱量を制御し、60%のエネルギーは、回収可能であり、この60%のエネルギーにおいて、トルクを回生するときに10%のエネルギーが消費され、残りの50%のエネルギーは、モータに受けられた第1モータ回生トルクであり、第1モータ回生トルクを取得した後、電池パルス充電特性に基づいて、第1モータ回生時間、つまり、モータに受けられた第1モータ回生トルクの持続可能な時間を決定することができる。
【0035】
電池パルス充電特性を図3に示し、図面における横座標SOC(%)は、電池残留電荷状態、つまり、電池にどのぐらい電荷を充電できるかを表し、残留電荷が0であれば、電池の電荷が0であることを表し、残留電荷が100であれば、満充電を表し、縦座標P(KW)は、電池パルス充電電力を表し、電池パルス充電電力は、持続時間の増加に伴って低下し、電池残留電荷の増加に伴って低下する。
【0036】
具体的には、図2に示すように、上記車両制動要求に基づいて、第1モータ制動回生を予測するステップは、以下のステップ210~230を含む。
【0037】
ステップ210では、上記車両制動要求に基づいて、車両制動の車輪回生トルクを計算する。
【0038】
具体的には、車両制動要求が車両制動速度及び車両制動時間を含むため、車両制動速度及び車両制動時間により、車両制動を完了するときに車両の車輪に必要なトルク、つまり、車両制動の車輪回生トルクを取得することができ、なお、ここでの車両制動の車輪回生トルクは、モータ又はエンジンにより出力されたトルクにより制御されず、車両の車輪の制動による電力により制御されるものであり、この出力電力は、制動システムが車輪に作用して発生したものであり、車輪トルクに係数を乗算したものを、モータにフィードバックして、モータのエネルギー回収に用い、モータに受けられるものは、第1モータ回生トルクであり、なお、車輪トルクに乗算された係数の具体的な値は、車両自体の性能に関連し、異なる車両は、異なる係数を有する。
【0039】
ステップ220では、車両制動の車輪回生トルクに基づいて、第1モータ制動回生の第1モータ回生トルクを取得する。
【0040】
ステップ230では、第1モータ回生トルクに基づいて、第1モータ制動回生の第1モータ回生時間を取得し、上記第1モータ回生時間は、第1モータ回生トルクにより、電池パルス充電特性に基づいて決定される。
【0041】
モータが電池に対してパルス充電を行う場合、モータの出力電力及び持続時間による影響を受けるため、モータ回生トルクを取得すれば、モータは電池を充電することができ、このように、電池パルス充電特性に基づいて、現在の電池パルス充電電力を取得することができ、電池残留電荷状況に基づいて、モータによる電池への充電の時間、すなわち、第1モータ回生時間を取得する。
【0042】
上記車両制動要求に基づいて、第1モータ制動回生を予測するステップは、以下のステップ240~250をさらに含む。
【0043】
ステップ240では、電池パルス充電特性及び上記第1モータ制動回生に基づいて、最適なパルス充電電力を取得する。
【0044】
なお、具体的な実行において、モータ性能、車両制動時に車輪が実際にフィードバックしたトルク状況、電池の残留電荷などの状況による影響を受けるため、第1車両制動回生は、モータにより受けることができず、電力量回収の最大の効率を達成するように、第1車両制動回生の基礎で、モータの受けに適し、電池充電の電池パルス充電特性に適合する正確な車両制動回生を取得する必要があり、パルス充電を用いることは、定電流充電を用いることに比べて、効率がより明らかであるため、現在、自動車の電池充電は、一般にパルス充電を用い、電池のパルス充電が電池パルス充電特性による影響を受けるため、電池の充電パルス電力を合理的に選択する必要があり、つまり、最適なパルス充電電力を選択し、これに応じて、最適な車両制動回生を決定する。
【0045】
具体的には、最適な充電パルス電力は、車両制動回生に関連し、電池パルス充電特性にも関連し、本願の目的は、車両制動時にエネルギー回収の最大化を実現することであるため、電池ができるだけ早く定電流充電になることを回避する必要があり、できるだけ電池がずっとパルス充電状態にあることを確保した方がよく、電池パルス充電特性により、異なる段階で、異なるパルス電力を用いる。
【0046】
ステップ250では、上記最適なパルス充電電力、車両制動要求、及びモータに受けられるトルク限界値に基づいて、第2モータ制動回生を取得する。
【0047】
具体的には、最適なパルス充電電力を取得しても、車両制動時の車輪トルクが必ずしもこの最適なパルス充電電力を満たすことができることを意味するわけではなく、車両制動時に車輪が伝達できるトルクを判断及び決定する必要があり、この実際に伝達できるトルクは、第2モータ回生トルクであり、実際に車輪からモータに出力され、かつモータがエネルギー回収を行って電池を充電する回生トルクであり、第2モータ回生トルクは、最適なパルス充電電力、車両制動要求、及びモータに受けられるトルク限界値による影響を受ける。最適なパルス充電電力は、モータに受けられたパルス電力が最適であるか否か、モータ充電効率が最も高いか否かを決め、車両制動要求は、車両が要求に応じて制動を完了できるか否かを決め、モータに受けられるトルク限界値は、モータに受けられる最大回生トルクであり、このトルク限界値を超えると、モータを損傷する。したがって、この3つの要因に基づいてこそ最適なモータ制動回生、即ち、第2モータ制動回生を取得することができる。
【0048】
具体的には、電池パルス充電特性及び上記第1モータ制動回生に基づいて、最適なパルス充電電力を取得するステップは、以下のステップを含む。
【0049】
第1モータ制動回生の第1モータ回生時間及び第1モータ回生トルクを取得する。
【0050】
第1モータ回生時間及び第1モータ回生トルクに基づいて、最大電池パルス充電電力を取得し、具体的には、ここでの最大電池パルス充電電力は、車両制動時に、モータにフィードバックされた最大電池パルス充電電力である。
【0051】
上記最大電池パルス充電電力に対応する電池パルス充電特性に基づいて、最大電池パルス充電電力の充電持続時間を取得し、具体的には、最大電池パルス充電電力の充電持続時間は、上記電池パルス充電特性によりルックアップすることができる。
【0052】
上記最大電池パルス充電電力の充電持続時間、電池パルス充電特性及び第1モータ回生時間に基づいて、最適なパルス充電電力を決定する。電池パルス充電特性を図3に示し、決定される最適なパルス充電電力は、最大電池パルス充電電力の充電持続時間、電池パルス充電特性及び第1モータ回生時間の三者の影響を受ける。この3つの要因により、最適なパルス充電電力を取得することができる。
【0053】
1つの具体的な実施例では、上記最適なパルス充電電力、車両制動要求、及びモータに受けられるトルク限界値に基づいて、第2モータ制動回生を取得するステップは、
上記最適なパルス充電電力に基づいて、最適なパルス充電電力条件で許容される、車両の車輪からモータに回生されるトルクであるモータ許容車輪回生トルクを決定するステップと、
上記車両制動要求に基づいて、車両制動時に制動完了に必要な車輪トルクである車両制動の車輪要求トルクを決定するステップと、
モータが受けることができるトルク限界値に基づいて、モータに受られる最大車輪回生トルクを決定するステップであって、上記モータに受けることができるられる最大車輪回生トルクが、モータに受け可能な、車輪からモータに回生される最大トルクである、ステップと、
上記モータ許容車輪回生トルク、車両制動の車輪要求トルク、及びモータが受けることができる最大車輪回生トルクのうちの、絶対値が最小のものを第2モータ回生トルクとして選択するステップと、を含む。
【0054】
具体的には、第2モータ回生トルクが実際にモータによる電池への充電に用いられるトルクであるため、この場合に、モータの安全性を確保するために、また、電池充電効率が最も高いことを確保するとともに、車両制動時の車輪が実際にフィードバックできるトルク状況を満たすために、三者のうちの最小のものを選択する必要がある。ここでは、取得された第2モータ回生トルクは、モータが実際に受けた、車両制動時の車両の車輪がモータに出力できる回生トルクであり、つまり、モータは、この程度のエネルギーのみを受け、余ったエネルギーを損失しなければならず、モータは、電池パルス充電特性に基づいて、第2モータ回生トルクのエネルギーをパルス電流に変換して電池を充電する。
【0055】
ステップ140では、上記第1モータ制動回生に基づいて、エネルギー回収を行う。
【0056】
具体的には、第2車両制動回生は、第1車両制動回生により、対応する演算と組み合わせて取得されたものであり、ここでの第1車両制動回生は、第2車両制動回生を含むため、第1車両制動回生によりエネルギー回収を行う。
【0057】
一実施例では、上記エネルギー回収方法は、
上記車両制動要求に基づいて、制動コントローラに制動トルクパラメータを提供することにより、上記第2モータ回生トルクを制御して車両制動を行うステップと、
上記第2モータ回生トルクの制動トルクパラメータが車両制動要求を満たさないと、機械的制動を開始するステップと、をさらに含む。
【0058】
具体的には、本願の実施例では、モータ制動を優先的に使用し、車両の車輪トルクがモータ回生により完全に受けられると、モータ制動を実現し、完全に受けられないと、機械的制動方式で、余った車両車輪回生を受けることを補助する必要がある。
【0059】
本願の実施例では、車両走行情報に基づいて、モータ制動回生を予測し、モータ制動回生に基づいてエネルギー回収を行う。本発明は、エネルギー回収を行う場合、車両走行情報に基づいて予測し、最適な電池充電電力及び各電力段階の持続時間を予め計画し、エネルギー回収の最大化を実現し、エネルギー回収予測運転支援により、運転手がブレーキを深く踏む確率を低下させ、機械的制動によるエネルギー損失を低減し、エネルギー回収利用率を向上させる。
【0060】
図4は、本願の一実施例に係るエネルギー回収装置の概略構成図であり、図4に示すように、本実施例に係るエネルギー回収装置は、以下のモジュールを含む。
【0061】
走行情報取得モジュールは、車両走行時の道路状況情報及び走行状態情報を含む車両走行情報を取得する。
【0062】
具体的には、車両が走行過程において、道路状況、交通状況、渋滞状況、車両走行速度、車間距離などの状況による影響を受け、車両をリアルタイムに制動する必要があり、例えば、車両が走行しているとき、前方に下り坂があり、赤信号を見つけ、歩行者に遭い、車間距離が短すぎ、車両速度が速すぎる場合、いずれも車両を制動する必要があり、車両走行情報を、車載測位システム、例えば、「北斗」システム、「GPS」システム(Global Positioning System、全地球測位システム、GPSシステムと略称)、「グロナス」システム、及び「ガリレオ」システムなどにより取得してもよく、カメラ、レーザー、レーダー、赤外線及び距離センサ、速度センサなどにより取得してもよく、これらの機器により車両の位置情報、車両と前方の障害物との距離情報、車両の速度情報、車間距離及び相対速度情報、車両渋滞状況、道路坂道情報、道路交通信号情報などを取得する。
【0063】
制動回生モジュールは、取得された車両走行時の道路状況情報及び走行状態情報に基づいて、車両制動要求を取得し、第1モータ制動回生を予測する。
【0064】
具体的には、車両走行情報に基づいて、車両を制動する必要があるか否かを判断し、制動する必要があれば、現在の車両速度条件で、障害物との距離、車両制動の安全性の確保に必要な車両の減速度及び減速の時間などを計算し、車両の減速度を計算することにより、モータ回生トルク及びモータ回生時間を取得することができ、モータ回生トルクは、車両制動時に、モータにより受け取られる電力であり、モータ回生時間は、モータが車両制動により回生された電力を受ける時間である。
【0065】
エネルギー回収モジュールは、予測された第1モータ制動回生に基づいて、エネルギー回収を行う。
【0066】
車両の減速又は制動時に、駆動輪に接続されたエネルギー回収装置により、車両の一部の運動エネルギーは、他の形態のエネルギーに変換されて蓄積され、減速又は制動を実現するとともに制動エネルギーを回収するという目的を達成し、次に、自動車が発進又は加速するときに、蓄積されたエネルギーを放出して、駆動輪上の駆動力又は電気自動車の航続距離を増加させる。
【0067】
エネルギー回収を行う場合、車両は、制動を開始するときに、そのパルス電流が最大であるため、その回収可能な電力が最大であり、車両がほぼ停止する場合、エネルギー回収がゼロであり、エネルギー回収の効率は、電池パルス充電電力に密接に関連し、電池パルス充電電力が高いほど、そのパルス充電持続時間が短いが、その電池への充電の効率が高く、また、電池パルス充電電力が低いほど、その持続充電時間が長く、定電流充電に近似し、車両制動時間が限られるため、同じ時間長において、その電池パルス充電電力が高いほど、電池への充電の効率が高いが、電池パルス充電電力が高すぎ、電池電荷状態が迅速に一定のパーセントになり、後期に車両制動速度がある程度に低下すると、電池を充電することができなくなるため、総合的に考慮して電池パルス充電電力を選択する必要がある。
【0068】
本願の実施例では、走行情報取得モジュールにより車両走行情報を取得し、制動回生モジュールによりモータ制動回生を予測し、エネルギー回収モジュールによりモータ制動回生に基づいてエネルギー回収を行う。本発明は、エネルギー回収を行う場合、車両走行情報に基づいて予測し、最適な電池充電電力及び各電力段階の持続時間を予め計画し、エネルギー回収の最大化を実現し、エネルギー回収予測運転支援により、運転手がブレーキを深く踏む確率を低下させ、機械的制動によるエネルギー損失を低減し、エネルギー回収利用率を向上させる。
【0069】
図5に示すように、本願は、電気自動車をさらに開示し、上記電気自動車は、本願の実施例のエネルギー回収装置を含む。
【0070】
特に、本開示の実施例において、上記いずれかの実施例に記載のエネルギー回収方法は、コンピュータソフトウェアプログラムとして実現されてもよい。例えば、本開示の実施例は、機械可読媒体に有形的に含まれるコンピュータプログラムを含むコンピュータプログラム製品を含み、上記コンピュータプログラムは、エネルギー回収方法を実行するプログラムコードを含む。このような実施例では、該コンピュータプログラムは、通信部によりネットワークからダウンロードされてインストールされ、及び/又はリムーバブル媒体からインストールされてもよい。
【0071】
上記1つ以上のプログラムは、読み出し専用メモリROMに記憶されたプログラム又はランダムアクセスメモリRAMに記憶されたプログラムであり、様々な適切な動作及び処理を実行する。ランダムアクセスメモリRAMには、サーバが対応するサービスを完了するソフトウェアプログラムが含まれ、車両の運転操作に必要な様々なプログラム及びデータがさらに含まれる。サーバは、バスを介して、その制御されたハードウェア機器、読み出し専用メモリROM、ランダムアクセスメモリRAMに互いに接続され、様々な入力/出力インタフェースもバスに接続される。
【0072】
キーボード、マウスなどの入力部と、ブラウン管CRT、液晶表示装置LCDなど及びスピーカなどを含む出力部と、LANカード、変調復調器などのネットワークインタフェースカードを含む通信部とは、入力/出力インタフェースに接続される。通信部は、インターネットなどのネットワークを介して通信処理を実行する。ドライバも必要に応じて入力/出力インタフェースに接続される。磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル媒体は、必要に応じてドライバにインストールされることにより、ドライバから読み出されたコンピュータプログラムが必要に応じてメモリにインストールされる。
【0073】
特に、本開示の実施例において、上記いずれかの実施例に記載のエネルギー回収方法は、コンピュータソフトウェアプログラムとして実現されてもよい。例えば、本開示の実施例は、機械可読媒体に有形的に含まれるコンピュータプログラムを含むコンピュータプログラム製品を含み、上記コンピュータプログラムは、エネルギー回収方法を実行するプログラムコードを含む。このような実施例では、該コンピュータプログラムは、通信部によりネットワークからダウンロードされてインストールされ、及び/又はリムーバブル媒体からインストールされてもよい。
【0074】
本願の実施例に記載されたユニット又はモジュールは、ソフトウェアの形態で実現されてもよく、ハードウェアの形態で実現されてもよい。記載されたユニット又はモジュールは、プロセッサに設定されてもよい。これらのユニット又はモジュールの名称は、ある場合に、該ユニット又はモジュール自体を限定するものではない。
【0075】
以上の記載は、本願の好ましい実施例、及び使用された技術的原理を説明するものに過ぎない。当業者であれば、本願に係る発明の範囲は、上記技術的特徴の特定の組み合わせからなる技術手段に限定されるものではなく、上記発明の主旨から逸脱しない範囲で、上記技術的特徴又はその等価な特徴の任意の組み合わせからなる他の技術手段を含むべきであることを理解すべきである。例えば、上記特徴と、本願において開示されている類似の機能を有する技術的特徴(これらに限定されない)とを互いに置換してなる技術手段が挙げられる。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2023-06-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路状況情報及び走行状態情報を含む車両走行情報を取得するステップと、
前記道路状況情報及び走行状態情報に基づいて、車両制動要求を取得するステップと、
前記車両制動要求に基づいて、第1モータ制動回生を予測するステップと、
前記第1モータ制動回生に基づいて、エネルギー回収を行うステップと、を含む、ことを特徴とするエネルギー回収方法。
【請求項2】
前記道路状況情報及び走行状態情報に基づいて、車両制動要求を取得するステップは、
道路状況情報及び走行状態情報に基づいて、車両制動距離を取得するステップと、
車両制動距離に基づいて、車両制動の減速度及び前記減速度に対応する時間を計算するステップと、
車両制動の減速度及び前記減速度に対応する時間に基づいて、車両制動要求を計算するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記車両制動要求に基づいて、第1モータ制動回生を予測するステップは、
前記車両制動要求に基づいて、車両制動の車輪回生トルクを計算するステップと、
車両制動の車輪回生トルクに基づいて、第1モータ制動回生の第1モータ回生トルクを取得するステップと、
第1モータ回生トルクに基づいて、第1モータ制動回生の第1モータ回生時間を取得するステップと、を含み、前記第1モータ回生時間は、第1モータ回生トルクにより、電池パルス充電特性に基づいて決定される、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記車両制動要求に基づいて、第1モータ制動回生を予測するステップは、
電池パルス充電特性及び前記第1モータ制動回生に基づいて、最適なパルス充電電力を取得するステップと、
前記最適なパルス充電電力、車両制動要求、及びモータに受けられるトルク限界値に基づいて、第2モータ制動回生を取得するステップと、をさらに含む、ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
電池パルス充電特性及び前記第1モータ制動回生に基づいて、最適なパルス充電電力を取得するステップは、
第1モータ制動回生の第1モータ回生時間及び第1モータ回生トルクを取得するステップと、
第1モータ回生時間及び第1モータ回生トルクに基づいて、最大電池パルス充電電力を取得するステップと、
前記最大電池パルス充電電力に対応する電池パルス充電特性に基づいて、最大電池パルス充電電力の充電持続時間を取得するステップと、
前記最大電池パルス充電電力の充電持続時間、電池パルス充電特性及び第1モータ回生時間に基づいて、最適なパルス充電電力を決定するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記最適なパルス充電電力、車両制動要求、及びモータに受けられるトルク限界値に基づいて、第2モータ制動回生を取得するステップは、
前記最適なパルス充電電力に基づいて、最適なパルス充電電力の条件で許容される、車両の車輪からモータに回生されるトルクであるモータ許容車輪回生トルクを決定するステップと、
前記車両制動要求に基づいて、車両制動時に制動完了に必要な車輪トルクである車両制動の車輪要求トルクを決定するステップと、
モータに受けられるトルク限界値に基づいて、モータに受けられる最大車輪回生トルクを決定するステップであって、前記モータに受けられる最大車輪回生トルクが、モータが受けることができる、車輪からモータに回生される最大トルクである、ステップと、
前記モータ許容車輪回生トルク、車両制動の車輪要求トルク、及びモータが受けることができる最大車輪回生トルクのうちの、絶対値が最小のものを第2モータ回生トルクとして選択するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記車両制動要求に基づいて、制動コントローラに制動トルクパラメータを提供することにより、前記第2モータ回生トルクを制御して車両制動を行うステップと、
前記第2モータ回生トルクの制動トルクパラメータが車両制動要求を満たさないと、機械的制動を開始するステップと、をさらに含む、ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
車両走行時の道路状況情報及び走行状態情報を含む車両走行情報を取得する走行情報取得モジュールと、
取得された車両走行時の道路状況情報及び走行状態情報に基づいて、車両制動要求を取得し、第1モータ制動回生を予測する制動回生モジュールと、
予測された第1モータ制動回生に基づいて、エネルギー回収を行うエネルギー回収モジュールと、を含む、ことを特徴とするエネルギー回収装置。
【請求項9】
請求項8に記載のエネルギー回収装置を含む、ことを特徴とする電気自動車。
【請求項10】
コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読記憶媒体であって、該コンピュータプログラムが実行されると、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法を実現する、ことを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
一実施例では、前記道路状況情報及び走行状態情報に基づいて、車両制動要求を取得するステップは、
道路状況情報及び走行状態情報に基づいて、車両制動距離を取得するステップと、
車両制動距離に基づいて、車両制動の減速度及び前記減速度に対応する時間を計算するステップと、
車両制動の減速度及び前記減速度に対応する時間に基づいて、車両制動要求を計算するステップと、を含む。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
本願は、エネルギー回収装置をさらに開示し、前記エネルギー回収装置は、
車両走行時の道路状況情報及び走行状態情報を含む車両走行情報を取得する走行情報取得モジュールと、
取得された車両走行時の道路状況情報及び走行状態情報に基づいて、車両制動要求を取得し、第1モータ制動回生を予測する制動回生モジュールと、
予測された第1モータ制動回生に基づいて、エネルギー回収を行うエネルギー回収モジュールと、を含む。
【国際調査報告】