(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-22
(54)【発明の名称】バイオベースのエポキシ化合物を含むエポキシ組成物
(51)【国際特許分類】
C08G 59/36 20060101AFI20231115BHJP
C08G 59/40 20060101ALI20231115BHJP
C08K 3/013 20180101ALI20231115BHJP
C08L 101/00 20060101ALI20231115BHJP
C08L 63/00 20060101ALI20231115BHJP
C09D 5/00 20060101ALI20231115BHJP
C09D 163/00 20060101ALI20231115BHJP
C09J 163/00 20060101ALI20231115BHJP
【FI】
C08G59/36
C08G59/40
C08K3/013
C08L101/00
C08L63/00 C
C08L63/00 A
C09D5/00 D
C09D163/00
C09J163/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023528664
(86)(22)【出願日】2021-10-04
(85)【翻訳文提出日】2023-05-15
(86)【国際出願番号】 EP2021077212
(87)【国際公開番号】W WO2022100926
(87)【国際公開日】2022-05-19
(32)【優先日】2020-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391008825
【氏名又は名称】ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D-40589 Duesseldorf,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100104592
【氏名又は名称】森住 憲一
(72)【発明者】
【氏名】ブラント,アドリアン
(72)【発明者】
【氏名】ベスラー,アリサ
(72)【発明者】
【氏名】ベック,ホルスト
(72)【発明者】
【氏名】ペラー,ザーシャ
(72)【発明者】
【氏名】デ フリース,ヨハネス ヘラルドゥス
(72)【発明者】
【氏名】キルヒヘッカー,ザラー
(72)【発明者】
【氏名】シュタットラー,ベルンハルト エム
(72)【発明者】
【氏名】ティン,セルゲイ
【テーマコード(参考)】
4J002
4J036
4J038
4J040
【Fターム(参考)】
4J002BC05X
4J002BL02X
4J002BN00X
4J002BP00X
4J002CD02W
4J002CD03W
4J002CD05W
4J002CD06W
4J002CF00X
4J002CH00X
4J002CK02X
4J002DA038
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4J002DJ038
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4J040MA02
4J040MB05
4J040NA15
4J040NA19
(57)【要約】
本発明は、a)エポキシ樹脂;b)硬化剤;およびc)構造I:
を有するバイオベースのエポキシ化合物を含むエポキシ組成物に関する。本発明による組成物は、構造用接着剤、コーティングおよびプライマーとして使用できる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)エポキシ樹脂;
b)硬化剤;および
c)構造I:
【化1】
を有するバイオベースのエポキシ化合物
を含むエポキシ組成物。
【請求項2】
前記構造Iを有するバイオベースのエポキシ化合物はβ異性体である、請求項1に記載のエポキシ組成物。
【請求項3】
前記構造Iを有するバイオベースのエポキシ化合物は、ASTM D6866による100%のバイオベースの炭素原子からなる、請求項1または2に記載のエポキシ組成物。
【請求項4】
構造Iを有する前記バイオベースのエポキシ化合物は、組成物の総重量に基づいて、0.1~30重量%、好ましくは1~25重量%、より好ましくは1.5~20重量%、さらにより好ましくは1.75~15重量%の量で存在する、請求項1~3のいずれかに記載のエポキシ組成物。
【請求項5】
前記エポキシ樹脂は、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂、ビフェニルエポキシ樹脂、ナフタレンエポキシ樹脂、ジフェニルエーテルエポキシ樹脂、ジフェニルチオエーテルエポキシ樹脂、ヒドロキノンエポキシ樹脂、ビフェニルノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラックエポキシ樹脂、トリスフェノールエポキシ樹脂、テトラフェニロールエタンエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、カシューナッツ殻液油由来エポキシ樹脂(epoxy resins derived from cashew nut shell liquid oil)、大豆油由来エポキシ樹脂、亜麻仁由来エポキシ樹脂、菜種由来エポキシ樹脂およびヒマワリ由来エポキシ樹脂、酸化リモネン、二酸化リモネン、カシューナッツ殻液由来エポキシ樹脂、ソルビトール系ポリエポキシ樹脂、グリセリン系ポリエポキシ樹脂、エチルグリコールジエポキシ樹脂およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~4のいずれかに記載のエポキシ組成物。
【請求項6】
前記エポキシ樹脂は、組成物の総重量に基づいて、1~75重量%、好ましくは1~60重量%、より好ましくは1.5~50重量%、さらに好ましくは1.75~40重量%の量で存在する、請求項1~5のいずれかに記載のエポキシ組成物。
【請求項7】
前記硬化剤は、潜在性硬化剤、アミン、チオール、無水物、マンニッヒ塩基、フェノール求核試薬およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~6のいずれかに記載のエポキシ組成物。
【請求項8】
前記硬化剤は潜在性硬化剤であり、前記エポキシ組成物は一成分(1k)組成物である、請求項7に記載のエポキシ組成物。
【請求項9】
前記硬化剤は、アミン、チオール、マンニッヒ塩基、およびそれらの混合物からなる群から選択され、前記エポキシ組成物は、第1成分および第2成分を含む2成分(2k)組成物であり、前記硬化剤は、前記エポキシ樹脂および構造Iを有する前記エポキシ化合物とは異なる成分中に存在する、請求項7に記載のエポキシ組成物。
【請求項10】
前記硬化剤は、組成物の総重量に基づいて、20~60重量%、好ましくは25~55重量%、より好ましくは30~55重量%、さらに好ましくは35~50重量%の量で存在する、請求項1~9のいずれかに記載のエポキシ組成物。
【請求項11】
前記組成物は強化剤をさらに含む、請求項1~10のいずれかに記載のエポキシ組成物。
【請求項12】
前記強化剤は、コアシェルゴム粒子、2つ以上のエポキシ反応性基を有する液状ゴム、OH末端ポリエーテルポリオール、OH末端熱可塑性ポリウレタン、OH末端ポリエーテル、ポリエーテルウレタン、ポリエーテルゴム変性エポキシ樹脂、脂肪酸変性エポキシ樹脂、ポリエーテルアミンエポキシ樹脂、ゴム粒子、スチレン-ブタジエン-イソプレン系ブロック共重合体、ポリテトラヒドロフラン系強化剤、カードライト強化剤(cardolite toughener)、ポリファルネセンポリオール、キャップされたエラストマーウレタン(capped elastomeric urethanes)、ブロック共重合体ゴム、エポキシキャップされた弾性ポリエーテル(epoxy-capped elastomeric polyethers)、エポキシキャップされた弾性ポリエステル、無機充填剤、補強剤およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項11に記載のエポキシ組成物。
【請求項13】
前記強化剤は、組成物の総重量に基づいて、0.1~50重量%、好ましくは5~45重量%、より好ましくは10~40重量%、さらに好ましくは20~40重量%の量で存在する、請求項10または11に記載のエポキシ組成物。
【請求項14】
請求項1~12のいずれかに記載のエポキシ組成物の硬化物。
【請求項15】
請求項1~13のいずれかに記載のエポキシ組成物の構造用接着剤、コーティングまたはプライマーとしての使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、a)エポキシ樹脂;b)硬化剤;およびc)構造I:
【化1】
を有するバイオベースのエポキシ化合物を含むエポキシ組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
接着剤結合およびポリマーコーティングは、工業製品の組み立ておよび仕上げに一般的に使用されている。これらは、ネジ、ボルト、リベットなどの機械的締結具の代わりに使用され、機械コストを削減し、製造プロセスでの適応性を高めた結合を提供する。接着剤結合は応力を均等に分散し、疲労の可能性を減らし、接合部を腐食性種からシールする。
【0003】
エポキシ接着剤は、主にエポキシモノマーとオリゴマー、およびエポキシ系反応性希釈剤からなる。新しい技術的特性を備えた新しい化学物質が常に必要とされている。例えば、生産ラインとエンドユーザーの健康と安全を改善するための低臭気と低蒸気圧のモノマーである。
【0004】
これらのエポキシモノマーとオリゴマー、およびエポキシ系反応性希釈剤は、従来、石油系の原材料を使用して製造されている。持続可能性を高めるために、エポキシ接着剤のエンドユーザーは現在、性能を損なうことなくバイオベースの含有量を高めた製品を求めている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、所望の物理的特性および性能を失うことなく、バイオベースの原材料を増量して得られる新規な化学物質を含むエポキシ接着剤が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の概要
本発明は、a)エポキシ樹脂;b)硬化剤;およびc)構造I:
【化2】
を有するバイオベースのエポキシ化合物を含むエポキシ組成物に関する。
【0007】
本発明は、本発明によるエポキシ組成物の硬化物を包含する。
【0008】
本発明は、本発明によるエポキシ組成物の構造用接着剤、コーティング、またはプライマーとしての使用に関する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
発明の詳細な説明
以下の文章において、本発明はより詳細に説明される。そのように説明された各態様は、反対のことが明確に示されない限り、任意の他の態様または複数の態様と組み合わせてよい。特に、好ましいまたは有利であると示された任意の特徴は、好ましいまたは有利であると示された任意の他の特徴または複数の特徴と組み合わせてよい。
【0010】
本発明の文脈において、使用される用語は、文脈でそうでないことを指示されない限り、以下の定義に従って解釈されるものとする。
【0011】
本明細書で使用されるとき、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈で明確に異なることが指示されていない限り、単数形および複数形の両方を含む。
【0012】
本明細書で使用される「含む(comprising、comprises)」および「含まれる(comprised of)」という用語は、「含む(including、includesまたはcontaining、contains)」と同義であり、包括的またはオープンエンドであり、追加の、引用されていない部材、要素、または方法工程を排除しない。
【0013】
本明細書で使用される場合、「からなる(consisting of)」という用語は、特定されていない要素、成分、部材、または方法工程を除外する。
【0014】
数値の終点の記載には、記載された終点だけでなく、それぞれの範囲内に含まれるすべての数値および分数が含まれる。
【0015】
本明細書で言及されるすべてのパーセンテージ、部、割合などは、特に明記しない限り、重量に基づく。
【0016】
量、濃度、その他の値またはパラメータが、範囲、好ましい範囲、または好ましい上限値および好ましい下限値の形式で表現されている場合、得られた範囲が文脈上明確に言及されているかどうかを考慮することなく、任意の上限または好ましい値と任意の下限または好ましい値とを組み合わせて得られる範囲が、具体的に開示されていると理解されるべきである。
【0017】
本明細書で引用されるすべての参考文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0018】
別段の定義がない限り、技術用語および科学用語を含む、本発明の開示に使用されるすべての用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解される意味を有する。さらなる手引きとして、本発明の教示をよりよく理解するために用語の定義が含まれる。
【0019】
本発明は、a)エポキシ樹脂;b)硬化剤;およびc)構造I:
【化3】
を有するバイオベースのエポキシ化合物を含むエポキシ組成物に関する。
【0020】
前記バイオベースのエポキシ化合物Iは、β異性体であることが好ましい。
【0021】
構造Iを有するエポキシ化合物は、以下のスキーム1~3に示されるように、レブリン酸(LA)から合成される。以下のスキーム1は、反応蒸留(reactive distillation)によるレブリン酸(LA)からのα-アンゲリカラクトン(α-AL)の合成を示す。
【化4】
【0022】
α-ALからβ-アンゲリカラクトン(β-AL)を得る経路を下記スキーム2に示す。トリエチルアミンを触媒として使用し、100℃、無溶媒でα-ALをβ-ALに異性化する。1時間後にβ-AL:α-AL 80:20の混合物に到達する。ラクトンの二量体化は競合する副反応であるため、反応時間を長くしてもβ-AL収量が多くならないことが見出された。β-ALは、最大37%の収率で得ることができる。
【化5】
【0023】
以下のスキーム3は、ピリジン中のNaOClまたはTHF中のH
2O
2を使用し、塩基および相間移動剤としてトリトンBと共にβ-ALを酸化することによって、構造Iを有するエポキシ化合物を合成する方法を示す。
【化6】
【0024】
構造Iを有するバイオベースのエポキシ化合物は、ASTM D6866による100%のバイオベースの炭素原子からなることが好ましい。
【0025】
構造Iを有するバイオベースのエポキシ化合物は、本発明による組成物中に、組成物の総重量に基づいて、0.1~30重量%、好ましくは1~25重量%、より好ましくは1.5~20重量%、さらに好ましくは1.75~15重量%の量で存在し得る。
【0026】
30%を超える量は、ポットライフを短くし得る高い発熱反応を引き起こし得ることから、出願人はこれらの量が好ましいことを発見した。さらに、量が多いと、無機フィラー(強化剤として使用される)が沈降し得る。0.1%未満の量では、望ましい技術的効果が得られない場合がある。
【0027】
出願人は、構造Iを有するバイオベースのエポキシ化合物をエポキシ系接着剤に添加すると、湿潤に理想的な低粘度が得られ、分注(dispensing)およびポンピングにより容易に適用できることを発見した。さらに、低粘度は、フィラーおよび高粘度樹脂などの成分を使用する可能性という形で、調製物の適応性を高める。実施例のセクションの技術データは、構造Iを有するバイオベースのエポキシ化合物を使用すると、動的機械分析でTgを維持しながら柔軟性(引張試験)が向上していることを示し、これは耐衝撃性に優れている。さらに、構造Iを有するバイオベースのエポキシ化合物は、迅速な硬化を可能にし、洗浄抵抗を改善する。
【0028】
本発明によるエポキシ組成物は、エポキシ樹脂を含む。
【0029】
本明細書で使用されるエポキシ樹脂には、単官能性エポキシ樹脂、多官能性(multi-functional)または多官能性(poly-functional)エポキシ樹脂、およびそれらの組み合わせが含まれてよい。エポキシ樹脂は、純粋な化合物であってよいが、同様に、分子当たり異なる数のエポキシ基を有する化合物の混合物を含む、混合エポキシ官能性化合物であってよい。エポキシ樹脂は、飽和または不飽和、脂肪族、脂環式、芳香族または複素環式であってよく、置換されていてよい。さらに、エポキシ樹脂は単量体または重合体であってもよい。
【0030】
本発明を限定する意図はないが、例示的なモノエポキシド化合物には以下が含まれる:アルキレンオキシド;エポキシ置換脂環式炭化水素、例えばシクロヘキセンオキシド、ビニルシクロヘキセンモノキシド、(+)-cis-リモネンオキシド、(+)-cis,trans-リモネンオキシド、(-)-cis,trans-リモネンオキシド、シクロオクテンオキシド、シクロドデセンオキシドおよびα-ピネンオキシド;エポキシ置換芳香族炭化水素;一価アルコールまたはフェノールのモノエポキシ置換アルキルエーテル、例えば脂肪族、脂環式および芳香族アルコールのグリシジルエーテル;モノカルボン酸のモノエポキシ置換アルキルエステル、例えば脂肪族、脂環式および芳香族モノカルボン酸のグリシジルエステル;ポリカルボン酸のモノエポキシ置換アルキルエステルであって、他のカルボキシ基がアルカノールでエステル化されているもの;エポキシ置換モノカルボン酸のアルキルおよびアルケニルエステル;多価アルコールのエポキシアルキルエーテルであって、他のOH基がカルボン酸またはアルコールでエステル化またはエーテル化されているもの;および多価アルコールとエポキシモノカルボン酸とのモノエステルであって、他のOH基がカルボン酸またはアルコールでエステル化またはエーテル化されているもの。
【0031】
例として、以下のグリシジルエーテルは、本明細書で使用するのに特に適したモノエポキシド化合物として挙げられ得る:メチルグリシジルエーテル;エチルグリシジルエーテル;プロピルグリシジルエーテル;ブチルグリシジルエーテル;ペンチルグリシジルエーテル;ヘキシルグリシジルエーテル;シクロヘキシルグリシジルエーテル;オクチルグリシジルエーテル;2-エチルヘキシルグリシジルエーテル;アリルグリシジルエーテル;ベンジルグリシジルエーテル;フェニルグリシジルエーテル;4-tert-ブチルフェニルグリシジルエーテル;1-ナフチルグリシジルエーテル;2-ナフチルグリシジルエーテル;2-クロロフェニルグリシジルエーテル;4-クロロフェニルグリシジルエーテル;4-ブロモフェニルグリシジルエーテル;2,4,6-トリクロロフェニルグリシジルエーテル;2,4,6-トリブロモフェニルグリシジルエーテル;ペンタフルオロフェニルグリシジルエーテル;o-クレシルグリシジルエーテル;m-クレシルグリシジルエーテル;およびp-クレシルグリシジルエーテル。
【0032】
一実施形態において、モノエポキシド化合物は、以下の式(I):
【化7】
[式中、R
w、R
x、R
yおよびR
zは、同一または異なっていてもよく、水素、ハロゲン原子、C
1-C
8アルキル基、C
3-C
10シクロアルキル基、C
2-C
12アルケニル、C
6-C
18アリール基、またはC
7-C
18アラルキル基から独立して選択される(ただし、R
yおよびR
zの少なくとも1つは水素ではない)]
に一致する。
【0033】
Rw、RxおよびRyは水素であり、Rzはフェニル基またはC1-C8アルキル基、より好ましくはC1-C4アルキル基のいずれかであることが好ましい。
【0034】
この実施形態に関して、例示的なモノエポキシドには以下が含まれる:エチレンオキシド;1,2-プロピレンオキシド(プロピレンオキシド);1,2-ブチレンオキシド;cis-2,3-エポキシブタン;trans-2,3-エポキシブタン;1,2-エポキシペンタン;1,2-エポキシヘキサン;1,2-ヘプチレンオキシド;デセンオキシド;ブタジエンオキシド;イソプレンオキシド;およびスチレンオキシド。
【0035】
再度、本発明を限定する意図はないが、適切なポリエポキシド化合物は、液体、固体、または溶媒中の溶液であってよい。さらに、そのようなポリエポキシド化合物は、100~700g/eq、例えば120~320g/eqのエポキシ当量を有するべきである。一般に、500g/eq未満、または400g/eq未満のエポキシド当量を有するジエポキシド化合物が好ましい:これは主にコストの観点からであり、その製造において、低分子量のエポキシ樹脂は精製においてより限定された処理を必要とするためである。
【0036】
本発明において重合され得るポリエポキシド化合物の種類または群の例として、以下のものが挙げられ得る:多価アルコールおよび多価フェノールのグリシジルエーテル;ポリカルボン酸のグリシジルエステル;およびエポキシ化ポリエチレン性不飽和炭化水素、エステル、エーテルおよびアミド。
【0037】
適切なジグリシジルエーテル化合物は、本質的に芳香族、脂肪族または脂環式であってよく、したがって、二価フェノールおよび二価アルコールから誘導可能であり得る。このようなジグリシジルエーテルの有用なクラスは以下である:脂肪族および脂環式ジオールのジグリシジルエーテル、例えば1,2-エタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,12-ドデカンジオール、シクロペンタンジオールおよびシクロヘキサンジオール;ビスフェノールA系ジグリシジルエーテル;ビスフェノールFジグリシジルエーテル;ジグリシジルo-フタレート、ジグリシジルイソフタレートおよびジグリシジルテレフタレート;ポリアルキレングリコール系ジグリシジルエーテル、特にポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル;および、ポリカーボネートジオール系グリシジルエーテル。挙げられ得る他の適切なジエポキシドには以下が含まれる:二重不飽和脂肪酸C1-C18アルキルエステルのジエポキシド;ブタジエンジエポキシド;ポリブタジエンジグリシジルエーテル;ビニルシクロヘキセンジエポキシド;およびリモネンジエポキシド。
【0038】
さらに例示的なポリエポキシド化合物には以下が含まれるが、これらに限定されない:グリセロールポリグリシジルエーテル;トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル;ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル;ジグリセロールポリグリシジルエーテル;ポリグリセロールポリグリシジルエーテル;およびソルビトールポリグリシジルエーテル。
【0039】
上記は別として、前記組成物は、特定の実施形態において、式:
【化8】
[式中、各Rはメチルまたはエチルから独立して選択され、
nは1~10である]
を有するグリシドキシアルキルアルコキシシランを含む。
【0040】
シランの例には以下が含まれるが、これらに限定されない:γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシエチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシメチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシメチルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシエチルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン;および8-グリシドオキシオクチルトリメトキシシラン。存在する場合、エポキシド官能性シランは、エポキシド化合物の総重量に基づいて、20重量%未満、好ましくは10重量%未満または5重量%未満を構成すべきである。
【0041】
本発明は、硬化性組成物が、オキセタン;環状カーボネート;環状無水物;およびラクトンからなる群から選択される1つまたは複数の環状モノマーをさらに含むことも排除しない。
【0042】
バイオベースのエポキシ樹脂が好ましい。例えば、カシューナッツ殻液油由来のエポキシ樹脂、大豆油由来のエポキシ樹脂、アマニ由来のエポキシ樹脂、ナタネ由来のエポキシ樹脂およびヒマワリ由来のエポキシ樹脂、リモネンオキシド、リモネンジオキシド、カシューナッツ殻液由来のエポキシ樹脂、ソルビトール系ポリエポキシ樹脂、グリセロール系ポリエポキシ樹脂、エチルグリコールジエポキシ樹脂は、本発明での使用に適したバイオベースのエポキシ樹脂である。
【0043】
非限定的な市販の例は、Kolon industries製のKET-L3000がグリセロールベースのポリエポキシであり、100%バイオベースであり得、あるいはKolon industries製のKET-L6000がソルビトールベースのポリエポキシであり、100%バイオベースであり得る。
【0044】
好ましくは、前記エポキシ樹脂は、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂、ビフェニルエポキシ樹脂、ナフタレンエポキシ樹脂、ジフェニルエーテルエポキシ樹脂、ジフェニルチオエーテルエポキシ樹脂、ヒドロキノンエポキシ樹脂、ビフェニルノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラックエポキシ樹脂、トリスフェノールエポキシ樹脂、テトラフェニロールエタンエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、カシューナッツ殻液油由来のエポキシ樹脂、大豆油由来のエポキシ樹脂、アマニ由来のエポキシ樹脂、ナタネ由来のエポキシ樹脂およびヒマワリ由来のエポキシ樹脂、リモネンオキシド、リモネンジオキシド、カシューナッツ殻液由来のエポキシ樹脂、ソルビトール系ポリエポキシ樹脂、グリセロール系ポリエポキシ樹脂、エチルグリコールジエポキシ樹脂およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0045】
バイオベースのエポキシ樹脂は、組成物中のバイオベースの化学物質の量を増加させるために特に好ましい。しかし、物性を損なわずに増量する。
【0046】
本発明で使用するための少なくとも1つのビニル基を含む適切な市販のエポキシ樹脂には、以下が含まれるがこれらに限定されない:ビスフェノールAエポキシ樹脂、例えば、DER(商標)331、DER(商標)330、DER(商標)337およびDER(商標)383;ビスフェノールFエポキシ樹脂、例えばDER(商標)354;ビスフェノールA/Fエポキシ樹脂ブレンド、例えばDER(商標)353;脂肪族グリシジルエーテル、例えばDER(商標)736;ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、例えばDER(商標)732;固体ビスフェノールAエポキシ樹脂、例えばDER(商標)661およびDER(商標)664 UE;ビスフェノールA固体エポキシ樹脂の溶液、例えばDER(商標)671-X75;エポキシノボラック樹脂、例えばDEN(商標)438;臭素化エポキシ樹脂、例えばDER(商標)542;ヒマシ油トリグリシジルエーテル、例えばERISYS(商標)GE-35H;ポリグリセロール-3-ポリグリシジルエーテル、例えばERISYS(商標)GE-38;ソルビトールグリシジルエーテル、例えばERISYS(商標)GE-60。
【0047】
エポキシ樹脂は、本発明によるエポキシ組成物中に、組成物の総重量に基づいて、1~75重量%、好ましくは1~60重量%、より好ましくは1.5~50重量%、さらに好ましくは1.75~40重量%の量で存在し得る。
【0048】
本発明による組成物は硬化剤を含み、ここで、前記硬化剤は、潜在性硬化剤、アミン、チオール、マンニッヒ塩基、フェノール求核剤およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0049】
本発明による一実施形態では、エポキシ組成物は1k組成物である。1k組成物に使用される適切な硬化剤は潜在性硬化剤である。
【0050】
本明細書で使用される「潜在性」という用語は、合成シーケンスの適切な時点で反応性官能基に選択的に変換できる不活性官能基を指すことを意味する:この変換の引き金となる事象(the triggering event)は、とりわけ湿気、熱、または照射である。
【0051】
潜在性硬化剤としては、紫外線硬化型または熱硬化型接着剤の技術分野で一般的に使用されているものを使用することができる。潜在性硬化剤としては、アミン、ポリアミン、イミダゾール等が挙げられる。当技術分野で使用される任意の一般的な潜在性エポキシ硬化剤を、特別な制限なしに本発明で使用することができる。例えば、本明細書で使用される適切な潜在性エポキシ硬化剤は、米国特許第4,546,155号、米国特許第7,226,976号、米国特許第4,833,226号、特開2008-214567号、英国特許出願公開第1,121,196号および米国特許第5,077,376号に記載されている。
【0052】
市販の潜在性エポキシ硬化剤の例として、Ajinomoto Co., Inc.製のAmicure PN-23、PN-40、PN-H、MY-24、PN-50;Asahi Denka Co. Ltd.製のEH-4337S、EH-3293S、EH-4357S;Asahi Kasei Kogyo. K.K.製のNovacure HX-3722、HXA-3921HP;Air Products and Chemicals, Inc.製のSunmide LH-210、Ancamin 2014AS/FG、Ancamin 2337Sが挙げられる。
【0053】
他の適切な潜在性エポキシ硬化剤には、ジシアンジアミドおよびその誘導体、イミダゾール、例えば2-ヘプタデオイルイミダゾール(2-heptadeoylimidazole)、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-ベンジル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール、2,4-ジアミノ-8-2-メチルイミダゾリル-(1)-エチル-5-トリアジン、トリアジンとイソシアヌル酸の付加生成物、スクシノヒドラジド、アジポヒドラジド、イソフソロヒドラジド(isophtholohydrazide)、o-オキシベンゾヒドラジド、サリチロヒドラジド(salicylohydrazide)、4,4’-ジアミノジフェニルスルホンおよび3,3’-ジアミノジフェニルスルホンが含まれる。
【0054】
もちろん、異なる潜在性硬化剤の組み合わせも、本明細書での使用に望ましい。
【0055】
本発明による別の実施形態では、エポキシ組成物は2k組成物である。この実施形態では、2kエポキシ組成物は、第1の成分および第2の成分を含み、ここで、前記硬化剤は、前記エポキシ樹脂および前記構造Iを有するエポキシ化合物とは異なる成分中にある。
【0056】
2k組成物に使用される適切な硬化剤は、アミン、チオール、無水物、マンニッヒ塩基およびそれらの混合物からなる群から選択される硬化剤である。硬化剤は、分子当たり少なくとも2つのエポキシド反応性基を有する少なくとも1つの化合物からなってよい。したがって、硬化剤は、特に、以下の1つ以上を含み得る:i)エポキシ基に対して反応性の少なくとも2つのアミン水素を有する少なくとも1つのポリアミン;ii)エポキシド基に対して反応性の少なくとも2つのメルカプト基を有する少なくとも1つのメルカプト化合物;およびiii)少なくとも1つのマンニッヒ塩基。
【0057】
エポキシド基に対して反応性の少なくとも2つのアミン水素を有する少なくとも1つのポリアミンは、特に、第一級および/または第二級アミン基を含み、第一級または第二級アミン基あたり150g/eq以下、より好ましくは125g/eq以下の当量を有する。
【0058】
単独でまたは組み合わせて使用され得る適切なポリアミンには、以下が含まれるが、これらに限定されない:
i)脂肪族、脂環式またはアリール脂肪族の第一級ジアミンであり、以下の例を挙げることができる:2,2-ジメチル-1,3-プロパンジアミン;1,3-ペンタンジアミン(DAMP);1,5-ペンタンジアミン;1,5-ジアミノ-2-メチルペンタン(MPMD);2-ブチル-2-エチル-1,5-ペンタンジアミン(C11-ネオジアミン);1,6-ヘキサンジアミン(ヘキサメチレンジアミン、HMDA);2,5-ジメチル-1,6-ヘキサンジアミン;2,2,4-および/または2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン;1,7-ヘプタンジアミン;1,8-オクタンジアミン;1,9-ノナンジアミン;1,10-デカンジアミン;1,11-ウンデカンジアミン;1,12-ドデカンジアミン;1,2-、1,3-および1,4-ジアミノシクロヘキサン;ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン;ビス(4-アミノ-3-メチルシクロヘキシル)メタン;ビス(4-アミノ-3-エチルシクロヘキシル)メタン;ビス(4-アミノ-3,5-ジメチルシクロヘキシル)メタン;ビス(4-アミノ-3-エチル-5-メチルシクロヘキシル)メタン;1-アミノ-3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン(イソホロンジアミン、IPDA);2-および/または4-メチル-1,3-ジアミノシクロヘキサン;1,3-ビス(アミノメチル)-シクロヘキサン;1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン;2,5(2,6)-ビス(アミノメチル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(ノルボランジアミン、NBDA);3(4),8(9)-ビス(アミノメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]-デカン(TCD-ジアミン);1,4-ジアミノ-2,2,6-トリメチルシクロヘキサン(TMCDA);1,8-メンタンジアミン;3,9-ビス(3-アミノプロピル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン;および1,3-ビス(アミノメチル)ベンゼン(MXDA)。
【0059】
ii)2つまたは3つの第一級脂肪族アミン基を有する第三級アミン基含有ポリアミンであり、以下の具体例を挙げることができる:N,N’-ビス(アミノプロピル)-ピペラジン;N,N-ビス(3-アミノプロピル)メチルアミン;N,N-ビス(3-アミノプロピル)エチルアミン;N,N-ビス(3-アミノプロピル)プロピルアミン;N,N-ビス(3-アミノプロピル)シクロヘキシルアミン;N,N-ビス(3-アミノプロピル)-2-エチル-ヘキシルアミン;トリス(2-アミノエチル)アミン;トリス(2-アミノプロピル)アミン;トリス(3-アミノプロピル)アミン;および天然脂肪酸由来の脂肪族アミンの二重シアノエチル化およびその後の還元からの生成物、例えばTriameen(登録商標)Y12DおよびTriameen(登録商標)YT(Akzo Nobel製)として市販されているN,N-ビス(3-アミノプロピル)ドデシルアミンおよびN,N-ビス(3-アミノプロピル)牛脂アルキルアミン。
【0060】
iii)エーテル基含有脂肪族第一級ポリアミンであり、以下の具体例を挙げることができる:ビス(2-アミノエチル)エーテル;3,6-ジオキサオクタン-1,8-ジアミン;4,7-ジオキサデカン-1,10-ジアミン;4,7-ジオキサデカン-2,9-ジアミン;4,9-ジオキサドデカン-1,12-ジアミン;5,8-ジオキサドデカン-3,10-ジアミン;4,7,10-トリオキサトリデカン-1,13-ジアミンおよびこれらのジアミンの高級オリゴマー;ビス(3-アミノプロピル)ポリテトラヒドロフランおよび他のポリテトラヒドロフランジアミン;1,4-ジメチロールシクロヘキサンのプロポキシル化およびその後のアミノ化から得られる脂環式エーテル基含有ジアミン、例えばJeffamine(登録商標)RFD-270(Huntsman製)として市販されている材料;ポリオキシアルキレンジ-および-トリオールのアミノ化から生成物として得られ、Jeffamine(登録商標)(Huntsman製)、ポリエーテルアミン(BASF製)またはPC Amines(登録商標)(Nitroil製)の名前で市販されている、ポリオキシアルキレンジ-または-トリアミン。Jeffamine(登録商標)D-230、Jeffamine(登録商標)D-400、Jeffamine(登録商標)D-600、Jeffamine(登録商標)D-2000、Jeffamine(登録商標)D-4000、Jeffamine(登録商標)T-403、Jeffamine(登録商標)T-3000、Jeffamine(登録商標)T-5000、Jeffamine(登録商標)EDR-104、Jeffamine(登録商標)EDR-148およびJeffamine(登録商標)EDR-176ならびにBASFまたはNitroil製の対応するアミンの使用が特に好ましい。
【0061】
iv)第二級アミン基を有する第一級ジアミンであり、以下の例を挙げることができる:3-(2-アミノエチル)アミノプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン(BHMT);ジエチレントリアミン(DETA);トリエチレンテトラミン(TETA);テトラエチレンペンタミン(TEPA);ペンタエチレンヘキサミン(PEHA);直鎖ポリエチレンアミンの高級同族体、例えば5~7個のエチレンアミン単位を有するポリエチレンポリアミン(いわゆる「高級エチレンポリアミン」、HEPA);少なくとも2つの第一級アミン基を有する第一級ジアミンおよびポリアミンの、複数のシアノエチル化またはシアノブチル化、およびそれに続く水素化からの生成物、例えばジプロピレントリアミン(DPTA)、N-(2-アミノエチル)-1,3-プロパンジアミン(N3-アミン)、N,N’-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン(N4-アミン)、N,N’-ビス(3-アミノプロピル)-1,4-ジアミノブタン、N5-(3-アミノプロピル)-2-メチル-1,5-ペンタンジアミン、N3-(3-アミノペンチル)-1,3-ペンタンジアミン、N5-(3-アミノ-1-エチルプロピル)-2-メチル-1,5-ペンタンジアミンまたはN,N’-ビス(3-アミノ-1-エチルプロピル)-2-メチル-1,5-ペンタンジアミン。
【0062】
v)1個の第一級アミノ基および少なくとも1個の第二級アミノ基を有するポリアミンであり、以下の例を挙げることができる:N-ブチル-1,2-エタンジアミン;N-ヘキシル-1,2-エタンジアミン;N-(2-エチルヘキシル)-1,2-エタンジアミン;N-シクロヘキシル-1,2-エタンジアミン;4-アミノメチル-ピペリジン;N-(2-アミノエチル)ピペラジン;N-メチル-1,3-プロパンジアミン;N-ブチル-1,3-プロパンジアミン;N-(2-エチルヘキシル)-1,3-プロパンジアミン;N-シクロヘキシル-1,3-プロパンジアミン;3-メチルアミノ-1-ペンチルアミン;3-エチルアミノ-1-ペンチルアミン;3-シクロヘキシルアミノ-1-ペンチルアミン;脂肪族ジアミン、例えばN-ココアルキル-1,3-プロパンジアミン;第一級脂肪族ジアミンとアクリロニトリル、マレイン酸またはフマル酸ジエステル、シトラコン酸ジエステル、アクリル酸およびメタクリル酸エステル、アクリル酸およびメタクリル酸アミド、およびイタコン酸ジエステルとのマイケル型付加反応による生成物であって、1:1のモル比で反応したもの;第一級ポリアミンのアルデヒドまたはケトンによる部分的還元的アルキル化からの生成物、特に2つの第一級アミン基を有する前述のポリアミン、特に1,6-ヘキサンジアミン、1,5-ジアミノ-2-メチルペンタン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3-ビス(アミノメチル)ベンゼン、BHMT、DETA、TETA、TEPA、DPTA、N3-アミンおよびN4-アミンのN-モノアルキル化生成物(好ましいアルキル基は、ベンジル、イソブチル、ヘキシルおよび2-エチルヘキシルである);ならびに部分スチレン化ポリアミン、例えばGaskamine(登録商標)240(Mitsubishi Gas Chemical製)として市販されているもの。
【0063】
vi)第二級ジアミン、特に、2つの第一級アミン基を有する前述のポリアミンのN,N’-ジアルキル化生成物、特に1,6-ヘキサンジアミン、1,5-ジアミノ-2-メチルペンタン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(アミノメチル)-シクロヘキサン、1,3-ビス(アミノメチル)ベンゼン、BHMT、DETA、TETA、TEPA、DPTA、N3-アミンまたはN4-アミンのN,N’-ジアルキル化生成物(好ましいアルキル基は、2-フェニルエチル、ベンジル、イソブチル、ヘキシルおよび2-エチルヘキシルである)。
【0064】
vii)芳香族ポリアミンであり、以下を挙げることができる:m-およびp-フェニレンジアミン;4,4’-、2,4’および2,2’-ジアミノジフェニルメタン;3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノジフェニルメタン(MOCA);2,4-および2,6-トリレンジアミン;3,5-ジメチルチオ-2,4-および-2,6-トリレンジアミンの混合物(AlbermarleからEthacure(登録商標)300として入手可能);3,5-ジエチル-2,4-および-2,6-トリレンジアミン(DETDA)の混合物;3,3’,5,5’-テトラエチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン(M-DEA);3,3’,5,5’-テトラエチル-2,2’-ジクロロ-4,4’-ジアミノジフェニルメタン(M-CDEA);3,3’-ジイソプロピル-5,5’-ジメチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン(M-MIPA);3,3’,5,5’-テトライソプロピル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン(M-DIPA);4,4’-ジアミノジフェニルスルホン(DDS);4-アミノ-N-(4-アミノフェニル)ベンゼンスルホンアミド;5,5’-メチレンジアントラニル酸;ジメチル-(5,5’-メチレンジアントラニレート);1,3-プロピレン-ビス(4-アミノベンゾエート);1,4-ブチレン-ビス(4-アミノベンゾエート);ポリテトラメチレンオキシド-ビス(4-アミノベンゾエート)(Air ProductsからVersalink(登録商標)として入手可能);1,2-ビス(2-アミノフェニルチオ)エタン、2-メチルプロピル-(4-クロロ-3,5-ジアミノベンゾエート);およびtert.ブチル-(4-クロロ-3,5-ジアミノベンゾエート)。
【0065】
viii)ポリアミドアミンであって、その例示的なものには、一価もしくは多価カルボン酸またはそのエステルもしくは無水物、特に二量体脂肪酸と、脂肪族、脂環式または芳香族ポリアミン、例えばDETAまたはTETAなどのポリアルキレンアミンとの反応生成物が含まれる。市販のポリアミドアミンには、Versamid(登録商標)100、125、140および150(Cognis製);Aradur(登録商標)223、250および848(Huntsman製);Euretek(登録商標)3607および530(Huntsman製);およびBeckopox(登録商標)EH 651、EH 654、EH 655、EH 661およびEH 663(Cytec製)が含まれる。
【0066】
少なくとも2つの第一級脂肪族アミン基を有する前述のポリアミンの中で好ましいものは、イソホロンジアミン(IPDA);ヘキサメチレンジアミン(HMDA);1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン;1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン;ビス(4-アミノ-シクロヘキシル)メタン;ビス(4-アミノ-3-メチルシクロヘキシル)メタン;NBDA;および、500g/モルまでの数平均分子量(Mn)を有するエーテル基含有ポリアミンである。前記エーテル基含有ポリアミンの中で特に好ましいものは、Jeffamine(登録商標)D-230およびD-600(Huntsmanから入手可能)である。
【0067】
上記のように、本発明の組成物は、分子当たり少なくとも2つの反応性メルカプト基を有する少なくとも1つの化合物を任意に含んでよい。単独でまたは組み合わせて使用してよい適切なメルカプト基含有化合物には以下が含まれるが、これらに限定されない。
・液体メルカプタン末端ポリスルフィドポリマーであり、その市販例には以下が含まれる:Thiokol(登録商標)ポリマー(Morton Thiokolから入手可能)、特にそのタイプLP-3、LP-33、LP-980、LP-23、LP-55、LP-56、LP-12、LP-31、LP-32およびLP-2;およびThioplast(登録商標)ポリマー(Akzo Nobel製)、特にタイプG10、G112、G131、G1、G12、G21、G22、G44およびG4。
・ポリオキシアルキレンジオールおよびポリオキシアルキレントリオールをエピクロロヒドリンまたはアルキレンオキシドと反応させ、続いて硫化水素ナトリウムと反応させることによって得られる、メルカプタン末端ポリオキシアルキレンエーテル。
・Capcure(登録商標)(Cognis製)の商品名、特にそのタイプWR-8、LOFおよび3-800で知られる、ポリオキシアルキレン誘導体の形態のメルカプタン末端化合物。
・チオカルボン酸のポリエステルであって、その具体的には以下が含まれる:ペンタエリスリトールテトラメルカプトアセテート(PETMP);トリメチロールプロパントリメルカプトアセテート(TMPMP)(Bruno Bockから市販されている-Thiocureシリーズ);グリコールジメルカプトアセテート;ならびにポリオキシアルキレンジオールおよびトリオール、エトキシル化トリメチロールプロパンおよびポリエステルジオールと、チオカルボン酸、例えばチオグリコール酸および2-または3-メルカプトプロピオン酸などとのエステル化生成物。
・2,4,6-トリメルカプト-1,3,5-トリアジン、2,2’-(エチレンジオキシ)-ジエタンチオール(トリエチレングリコールジメルカプタン)および/またはエタンジチオール。
【0068】
チオカルボン酸のポリエステルの使用、特にペンタエリスリトールテトラメルカプトアセテート(PETMP)、トリメチロールプロパントリメルカプトアセテート(TMPMP)およびグリコールジメルカプトアセテートの少なくとも1つの使用が好ましいことが認められる。
【0069】
上記のように、硬化剤は、少なくとも1つのマンニッヒ塩基を含んでよい。このような化合物は、少なくとも1つのフェナルカミン、特に、カルダノール(CAS番号:37330-39-5)、アルデヒドおよびアミンの縮合から得られるフェナルカミンを含有することを特徴とし得る。縮合反応における反応アミンは、望ましくはエチレンジアミンまたはジエチルトリアミンである。
【0070】
マンニッヒ塩基およびフェナルカミンは当技術分野で知られており、適切な例としては、市販のフェナルカミンであるCardolite(登録商標)NC-541、NC-557、NC-558、NC-566、Lite 2001およびLite 2002(Cardoliteから入手可能)、Aradur(登録商標)3440、3441、3442および3460(Huntsmanから入手可能)およびBeckopox(登録商標)EH 614、EH 621、EH 624、EH 628およびEH 629(Cytecから入手可能)が挙げられる。
【0071】
硬化剤は、本発明によるエポキシ組成物中に、組成物の総重量に基づいて、20~60重量%、好ましくは25~55重量%、より好ましくは30~55重量%、さらに好ましくは35~50重量%の量で存在し得る。
【0072】
出願人は、このようなレベルが理想的な硬化をもたらすことを見出し、硬化剤の量が多すぎると、未硬化で柔らかいネットワークと時にアミンの漏出(occational amine leakage)(有毒で悪臭)が発生し、量が少なすぎると同様の結果であるが未反応のエポキシ基が存在することを見出した。
【0073】
本発明によるエポキシ組成物は、強化剤をさらに含んでよい。一般に、任意の強化剤を本発明による組成物に使用することができる。
【0074】
本発明で使用される適切な強化剤は、例えば(非限定的な例):
・OHまたは酸末端ポリオール、例えばポリエーテル(PEG、PPG、PTHFおよびVelvetol)およびポリエステル(ポリエステルポリオール、ポリエステルジオール、脂肪酸変性ビスフェノールAジグリシジルエーテル);
・コアシェル粒子、例えばPMMAシェルおよびスチレン-ポリブタジエンコアまたはポリブタジエンコアまたはポリシロキサンコア;
・非反応性強化剤ゴム材料およびフィラー、例えばキャップされたエラストマーウレタン、ブロック共重合体ゴム、例えばスチレン-ブタジエン-イソプレン系ブロック共重合体、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体および他のゴム状ブロック共重合体;
・反応性強化剤ゴム状材料、例えば2つ以上のエポキシ反応性基(例えばアミン末端、OH末端、酸末端など)を有する液体ゴム、例えばブタジエン-アクリロニトリル系ゴム、アクリロニトリル(AN)含有量の異なるカルボキシル末端ブタジエン-アクリロニトリル(CTBN)、アミノ末端ブタジエン-アクリロニトリル(ATBN)、エポキシ末端ブタジエン-アクリロニトリル(ETBN)、およびビニル末端ブタジエン-アクリロニトリル(VTBN);OH末端ポリエーテルポリオール(PEG、PPG、PTHFタイプ、1.3-プロパンジオール系)、カシューナッツ殻液に基づくOH末端ポリエーテル、OHまたは酸末端ポリエステル、OH末端熱可塑性ポリウレタン、HTPB(ヒドロキシル末端ポリブタジエン)、エポキシ化HTPB、ポリファルネセン系ポリオール、アミン末端ポリエーテル(Jeff amines)、エポキシキャップされたエラストマーポリエーテルまたはポリエステル(例えば、二量化脂肪酸に基づくもの);
・強化剤としても機能することができる無機フィラーおよび補強剤、例えば炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化カルシウム、タルク、カーボンブラック、織物繊維、ガラス粒子またはガラス繊維、アラミドパルプ、ホウ素繊維、炭素繊維、ケイ酸塩鉱物、マイカ、粉末石英、水和酸化アルミニウム、ベントナイト、ウォラストナイトおよびカオリンなどのクレイを含む様々なアルミナケイ酸塩、ヒュームドシリカ、シリカエアロゲル、ポリウレア化合物、ポリアミド化合物、および金属粉末、例えばアルミニウム粉末または鉄粉末;
・Tgを下げて柔軟性を高めるバイオベースの強化剤、例えばカードライト系強化剤(OH末端およびエポキシ末端)、バイオベースのポリエーテルポリオール、ポリファルネセンポリオール、バイオベースのポリオールから作られたTPU、croda-B強化剤(エポキシ末端を含むポリエステル)
である。
【0075】
好ましくは、前記強化剤は、コアシェルゴム粒子、2つ以上のエポキシ反応性基を有する液状ゴム、OH末端ポリエーテルポリオール、OH末端熱可塑性ポリウレタン、OH末端ポリエーテル、ポリエーテルウレタン、ポリエーテルゴム変性エポキシ樹脂、脂肪酸変性エポキシ樹脂、ポリエーテルアミンエポキシ樹脂、ゴム粒子、スチレン-ブタジエン-イソプレン系ブロック共重合体、ポリテトラヒドロフラン系強化剤、カードライト強化剤(PEGまたはEO変性カルダノールまたはグリシジル変性カルダノール二量体(2つのエポキシ))、ポリファルネセンポリオール、キャップされたエラストマーウレタン、ブロック共重合体ゴム、エポキシキャップされたエラストマーポリエーテル、エポキシキャップされたエラストマーポリエステル、無機充填剤、補強剤およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0076】
市販の強化剤の例には、Kaneka製のKane Ace MX153が含まれるが、これに限定されない。
【0077】
強化剤は、本発明によるエポキシ組成物中に、組成物の総重量に基づいて、0.1~50重量%、好ましくは5~45重量%、より好ましくは10~40重量%、さらには好ましくは20~40重量%の量で存在し得る。
【0078】
出願人は、本発明による組成物に適した上記の範囲を見出した。強化剤の量が多すぎると、接着特性が低下し、Tg値が低下し、望ましくない粘度になり得る。一方、量が少なすぎると、系が脆くなり、もはや適用できなくなり得る。
【0079】
本発明によるエポキシ組成物は、反応性希釈剤をさらに含んでよい。本発明での使用に適した希釈剤は、例えば、メチルエチルケトン(MEK)、ジメチルホルムアミド(DMF)、エチルアルコール、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、スチレン、低分子量ポリスチレン、スチレンオキシド、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、ビニルシクロヘキセンオキシド、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリ(プロピレングリコール)ジグリシジルエーテル、チオジグリコールジグリシジルエーテル、イプシロンカプロラクタム、ブチロラクトン、アクリロニトリルおよびそれらの混合物である。
【0080】
市販の反応性希釈剤の例には、Palmer Holland製のDER 732、DER 736、Exion製のCardura E10P、およびBASF製のEfka 5381が含まれるが、これらに限定されない。
【0081】
反応性希釈剤は、本発明によるエポキシ組成物中に、組成物の総重量に基づいて0.2~15重量%、好ましくは0.1~7.5重量%の量で存在し得る。
【0082】
基材へのエポキシ樹脂の接着を改善するために、本発明によるエポキシ組成物に接着促進剤を添加してよい。接着促進剤は、基材とコーティングの両方に強く結合する新しい層を界面に形成することによって機能し得る。結果として得られる界面領域は、環境からの化学的攻撃に対してより高い耐性もあり得る。
【0083】
接着促進剤の選択は、組成物が適用される表面のタイプによって決定してよい。とは言うものの、最も一般的な市販の接着促進剤はオルガノシランであり、そのうちの特定のエポキシ官能性オルガノシランのタイプが前述されている。本明細書で有用性を見出し得る接着促進剤のさらなるタイプには、以下が含まれる:有機金属化合物、例えばチタネートおよびジルコネートであり、その具体例にはイソプロピルトリ(N-エチルアミノエチルアミノ)チタネート、テトライソプロピルジ(ジオクチルホスフィト)チタネート、ネオアルコキシトリスネオデカノイルジルコネートおよびジルコニウムプロピオネート;二価フェノール化合物、例えばカテコールおよびチオジフェノール;ヒドロキシルアミン、例えばトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン;多価フェノール、例えばピロガロール、没食子酸、またはタンニン酸;リン酸エステル、例えばトリクレシルホスフェート、および可塑剤中のポリ塩化ビニル粒子の懸濁液であるプラスチゾル。
【0084】
市販の接着促進剤の例には、Evonik製のGlymoおよびMomentive製のSilquestが含まれるが、これらに限定されない。
【0085】
接着促進剤は、本発明によるエポキシ組成物中に、組成物の総重量に基づいて、0.01~5重量%、好ましくは0.1~2.5重量%の量で存在し得る。
【0086】
本発明によるエポキシ組成物は、導電性フィラーをさらに含んでよい。好ましくは、導電性フィラーは、銀、ニッケル、炭素、カーボンブラック、グラファイト、グラフェン、銅、金、白金、アルミニウム、鉄、亜鉛、コバルト、鉛、スズ合金、銀被覆銅、銀被覆グラファイト、銀被覆ポリマー、銀被覆アルミニウム、銀被覆ガラス、銀被覆炭素、銀被覆窒化ホウ素、銀被覆酸化アルミニウム、銀被覆水酸化アルミニウムおよびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0087】
導電性フィラーは、本発明によるエポキシ組成物中に、組成物の総重量に基づいて、20~90重量%、好ましくは30~70重量%、より好ましくは40~60重量%の量で存在し得る。
【0088】
一実施形態では、本発明によるエポキシ組成物は、a)エポキシ樹脂;b)硬化剤;およびc)構造I:
【化9】
を有するバイオベースのエポキシ化合物を含む、一成分(1k)組成物である。
【0089】
この実施形態による1k組成物は、上記の任意成分のいずれかまたはすべてをさらに含んでよい。
【0090】
一実施形態では、本発明によるエポキシ組成物は、第1の成分と第2の成分とを含む2成分(2k)組成物であり、ここで前記第1の成分はa)エポキシ樹脂;およびc)構造I:
【化10】
を有するバイオベースのエポキシ化合物を含み、前記第2の成分はb)硬化剤を含む。
【0091】
この実施形態による2k組成物は、上記の任意成分のいずれかまたはすべてをさらに含んでもよく、それらは第1成分または第2成分のいずれかにあってよい。第1の成分と第2の成分との比率は、1:1または2:1または4:1または10:1、さらには100:1または200:1または200:122または200:142であり得る。
【0092】
本発明は、本発明のエポキシ組成物の硬化物に関する。本発明のエポキシ組成物は、23℃、50%rhで2日間、または80℃で30分間の条件で硬化することが好ましい。
【0093】
本発明は、本発明によるエポキシ組成物の構造用接着剤としての使用を包含する。本発明によるエポキシ組成物は、容易な分注および湿潤のために低粘度が必要とされる用途に特に有用である。特に、電子デバイスの組み立て、自動車の組み立て、自動車の修理、航空宇宙、鉄道および防衛における構造用接着剤として。
【実施例】
【0094】
【0095】
【0096】
第1成分と第2成分とを200:122の比率で混合する。
【0097】
【0098】
【0099】
第1成分と第2成分とを200:142の比率で混合する。
【0100】
【0101】
【0102】
第1成分と第2成分を200:100の比率で混合する。
【0103】
引張強度、動的機械分析(DMA)および鋼に対するラップせん断接着力(Lab shear adhesion)は、以下の仕様に従って測定された。結果を以下の表に例示する。
【0104】
引張強度:
引張強度は、DIN EN 1465に従って測定される。
試験片:タイプ 5A
引張成形品の前処理:80℃で30分乾燥
硬化:80℃で30分(オーブン中、2枚の鉄板の間)
【0105】
【0106】
DMAは硬化フィルムから測定した:
試験片:35×10×3mm
前処理形態:80℃で30分乾燥
硬化:80℃で30分(オーブン中、2枚の鉄板の間)
【0107】
【0108】
鋼に対するラップせん断接着力:
鋼に対するラップせん断接着力は、DIN EN ISO 527-1/-2に従って測定する。
試験片:鋼/鋼(ステンレス、14401、1.5mm)
前処理試験片:酢酸エチル洗浄
ラップせん断接着サンプル:200μmのガラスビーズを使用 オーバーラップ:10×25mm
硬化:80℃で30分(オーブン中、2枚の鉄板の間)
【0109】
【国際調査報告】