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特表2023-549304材料片を機械ツールの機械加工ゾーンに給送する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-24
(54)【発明の名称】材料片を機械ツールの機械加工ゾーンに給送する方法
(51)【国際特許分類】
   B65H 23/04 20060101AFI20231116BHJP
   B21D 43/00 20060101ALI20231116BHJP
   B21D 43/09 20060101ALI20231116BHJP
   B21D 45/08 20060101ALI20231116BHJP
   B65H 20/04 20060101ALI20231116BHJP
【FI】
B65H23/04
B21D43/00 F
B21D43/00 H
B21D43/09 D
B21D43/09 E
B21D43/09 C
B21D45/08 B
B21D43/00 E
B65H20/04
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023518947
(86)(22)【出願日】2020-09-25
(85)【翻訳文提出日】2023-05-23
(86)【国際出願番号】 EP2020076989
(87)【国際公開番号】W WO2021058792
(87)【国際公開日】2021-04-01
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591119554
【氏名又は名称】ブルーデラー アーゲー
【氏名又は名称原語表記】BRUDERER AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】100108143
【弁理士】
【氏名又は名称】嶋崎 英一郎
(72)【発明者】
【氏名】ビューラー,マニュエル
(72)【発明者】
【氏名】デ サンティス,ウゴ
【テーマコード(参考)】
3F103
3F104
【Fターム(参考)】
3F103BA04
3F103BA21
3F103BA25
3F104CA00
3F104FA16
3F104KA11
(57)【要約】
本発明は、材料片をパンチングプレスの加工ゾーンに給送する方法であって、前記材料片は、一対の給送ローラ間にクランプされ、断続的に前記給送ローラを回転させることによって断続的に給送され、前記材料片の各給送後、かつ前記材料片の次の給送前に、給送が中断して、前記材料片が静止し、前記給送ローラ間にクランプされた状態で、以下の工程:a)特定の保持トルクを有する前記給送ローラを固定することによって前記材料片を保持する工程、b)前記給送ロールの前記保持トルクを一時的に低下又はキャンセルする工程、c)1つ又は複数のパイロットピンを前記材料片の関連するパイロット開口部内に挿入することによって、前記給送ローラの前記保持トルクが低下した又は取り除かれた状態で前記材料片を位置決めする工程であって、前記材料片は、前記パイロットピン(単数又は複数)によって変位され、前記給送ローラは、任意で前記低下した保持トルクに打ち克つことによって、その間にクランプした前記材料片によって、該材料片が変位されるにつれて回転される、位置決めする工程、及びd)前記材料片の前記パイロット開口部から前記パイロットピン(複数可)を再び突き出す工程が行われる方法。本発明方法は、複雑な中間リフト機構なしで、材料片の高精度の給送を可能にする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料片を、機械ツール、特に自動パンチング機械の機械加工ゾーンに給送する方法であって、
前記材料片は、少なくとも一対の給送ローラ間にクランプされ、断続的に前記給送ローラを回転させることによって断続的に前進され、前記材料片の各前進後、かつ前記材料片の次の前進前に、前進が中断して、前記材料片が静止し、前記給送ローラ間にクランプされた状態で、以下の工程:
a)特定の保持トルクを有する前記給送ローラを固定することによって前記材料片を保持する工程、
b)前記給送ローラの前記保持トルクを一時的に低下又はキャンセルする工程、
c)1つ又は複数のパイロットピンを前記材料片の関連するパイロット開口部内に挿入することによって、前記給送ローラの前記保持トルクが低下した又は取り除かれた状態で前記材料片を位置決めする工程であって、前記材料片は、前記パイロットピン(単数又は複数)によって変位され、前記給送ローラは、該当する場合は前記低下した保持トルクに打ち克つことによって、その間にクランプした前記材料片によって、該材料片が変位されるにつれて回転される、位置決めする工程、及び
d)前記材料片の前記パイロット開口部から前記パイロットピン(複数可)を後退させる工程、
が行われる、方法。
【請求項2】
前記パイロットピン(複数可)の、前記材料片の前記パイロット開口部からの後退は、前記給送ローラの前記保持トルクが一時的に低下又はキャンセルされている間に生じる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
パイロットピン(単数又は複数)の、前記材料ベルトの前記パイロット開口部からの後退前に、前記給送ローラの前記保持トルクの前記一時的な低下又はキャンセルが再び解除される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記材料片は、前記パイロットピン(単数又は複数)を用いた位置決め中に、前記給送方向に変位される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記給送ローラは、サーボモータによって駆動される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記サーボモータ又は前記給送ローラは、給送間隔毎に、所定の目標移動及び停止プロファイルに従って制御システムを用いて制御される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記サーボモータ又は前記給送ローラの実際の移動及び停止プロファイルが監視され、後続の給送間隔、特に次の給送間隔、の前記目標移動及び停止プロファイルはシフトされるが、このシフトされる目標移動及び停止プロファイルの開始時の前記サーボモータ又は前記給送ローラの目標位置が、前記パイロットピン(単数又は複数)を用いた前記材料片の位置決め後の前記サーボモータ又は前記給送ローラの実際の位置に対応するようにシフトされる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記機械ツールはパンチプレスであり、前記サーボモータ又は前記給送ローラの前記目標運動及び停止プロファイルは、前記パンチプレスのプレスラムの運動プロファイルと同期される、請求項6又は7に記載の方法方法。
【請求項9】
前記同期は、相対同期として行われ、それによって、前記サーボモータ又は前記給送ローラの前記目標移動及び停止プロファイルにおいて、それぞれ、所望に応じて開始及び停止させることが可能である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記パイロットピン(単数又は複数)が前記材料片の前記パイロット開口部から後退された後、かつ、前記給送ロールの前記保持トルクの低下が解除されている間に、前記給送ロールは、任意の回転移動について監視され、ある一定の最大許容ねじれ角を超える場合、前記プレスは、特に、前記プレス制御システムを介して前記検出されたねじれ角の指示を伴って、自動的に停止される、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記監視は、次の給送間隔のシフトの開始とともに開始し、前記保持トルクの低下又はキャンセルの終了時に終了する、請求項7又は10に記載の方法。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の前記方法を行うための給送装置であって、
少なくとも一対の給送ローラを備え、前記少なくとも一対の給送ローラ間に前記材料片をクランプすることができ、前記少なくとも一対の給送ローラによって、前記材料片は、断続的に前記給送ローラを回転させることによって断続的に給送されることができ、ある一定の保持トルクを有する前記給送ローラを固定することによって前記材料片は静止し、前記給送ローラ間にクランプされた状態で、給送の中断において保持されることができ、
前記給送装置は、前記給送の中断において、前記材料片が静止しており前記給送ローラ間にクランプされているときに、前記給送ローラの前記保持トルクが一時的に低下又はキャンセルされることができるように設計されており、それによって、前記材料片は、該材料片に作用する力によって変位されることができ、前記材料片をクランプしている前記給送ローラは、その間にクランプした前記材料片によって回転されることを特徴とする、給送装置。
【請求項13】
前記給送装置は、前記保持トルクを、ゼロよりも大きい特定の値に一時的に低下させることができるように構成されている、請求項12に記載の給送装置。
【請求項14】
前記給送装置は、前記保持トルクを一時的に解除することができるように構成されている、請求項12又は13に記載の給送装置。
【請求項15】
前記給送装置は、前記給送ローラを駆動するサーボモータを備える、請求項12~14のいずれか一項に記載の給送装置。
【請求項16】
前記サーボモータ又は前記給送ローラは、所定の目標移動及び停止プロファイルに従って、制御システムを用いて給送間隔毎に制御することができる、請求項15に記載の給送装置。
【請求項17】
請求項1~10のいずれか一項に記載の前記方法を特に行うための、請求項12~16のいずれか一項に記載の給送装置を備える機械ツールであって、前記サーボモータ又は前記給送ローラを、所定の目標移動及び停止プロファイルに従って、給送間隔毎に制御することができる制御部を備える機械ツール。
【請求項18】
一時的に低下又はキャンセルされた保持トルクにおいて前記材料片を位置決めするために、前記材料片の割り当てられたパイロット開口部内に挿入する1つ又は複数のパイロットピンを有し、
前記制御部は、前記サーボモータ又は前記給送ローラの実際の移動及び停止プロファイルを監視することができるように設計されており、後続の給送間隔、特に次の給送間隔、の前記目標移動及び停止プロファイルをシフトさせることができるが、このシフトされる目標移動及び停止プロファイルの開始時の前記サーボモータ又は前記給送ローラの目標位置が、前記パイロットローラ(単数又は複数)を用いた前記材料片の位置決め後の前記サーボモータ又は前記給送ローラの実際の位置に相当するようにシフトさせることができる、請求項17に記載の機械ツール。
【請求項19】
前記機械ツールはパンチプレスであり、前記サーボモータ又は前記給送ローラの前記目標移動及び停止プロファイルは、前記パンチプレスのプレスラムの移動プロファイルと同期されることができる、請求項17又は18に記載の機械ツール。
【請求項20】
前記同期は、相対同期として行われ、それによって、前記サーボモータ又は前記給送ローラの前記目標移動及び停止プロファイルにおいて、所望に応じて開始及び停止させることが可能である、請求項19に記載の機械ツール。
【請求項21】
前記機械ツールは、前記パイロットピン(単数又は複数)が前記材料片の前記パイロット開口部から出た後、かつ、前記給送ロールの前記保持トルクの低下が解除されている間に、前記給送ロールを、任意の回転移動について監視することができ、ある一定の最大許容回転角度を超える場合、前記プレスを、特に、前記プレス制御部を介して前記検出された回転角度の可視化を伴って、自動的に停止させることができるように装備されている、請求項17~20のいずれか一項に記載の機械ツール。
【請求項22】
前記機械ツールは、前記監視が、次の給送間隔の変位の開始とともに開始し、前記保持トルクの低下又はキャンセルが終了すると終了するように構成されている、請求項18又は21に記載の機械ツール。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立特許請求項のプリアンブルに記載の、材料片を機械ツールの機械加工ゾーン(machining zone)に給送する方法、該方法を行うときに使用するための給送装置、及び、該給送装置を備える機械ツールに関する。
【背景技術】
【0002】
材料片(material strip)が幾つかの工程で機械加工される機械ツールの場合、特定の給送速度を正確に維持することが多くの場合に必要である。特に、製品が後続の切断プロセスにおいて材料片から打ち抜かれる自動パンチング機械の場合、極めて小さい許容差が必要であり、これはもはや、使用される給送装置の給送ローラの制御を介して確実にすることができない。
【0003】
ここで必要な許容差を維持することを可能とするために、給送ロール間の材料片のクランプが一時的に解放されることで、材料片が一時的に自由に移動する。このプロセスは、「中間リフト」(intermediate lifting)としても既知である。この自由に移動する状態において、次に、パイロットピンが、材料片の割り当てられたパイロット開口部内に挿入され、このことが材料片を正確に位置決めする。パイロットピンがパイロット開口部から出る前に、材料片は、給送ロール間に再びクランプされることで、正確に位置合わせされた状態で固定される。
【0004】
この既知のプロセスは、給送寸法に関して高精度の片処理を可能にするが、この目的で必要な給送装置は、機械的に非常に複雑であり、相応して高価であり、維持に手がかかるという不都合点を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本明細書における課題は、上述した従来技術の不都合点を有しないか、又は少なくとも部分的に回避する、技術的解決策を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、独立特許請求項の対象によって解決される。
【0007】
それによると、本発明の第1の態様は、材料片を、機械ツールの機械加工ゾーン、好ましくは自動パンチング機械の機械加工ゾーンに給送する方法に関する。
【0008】
材料片は、少なくとも一対の給送ローラ間に恒久的にクランプされ、断続的に給送ローラを回転させることによって前進される。したがって、給送ロールの中間リフトがない。材料片の各前進後に、材料片の次の前進まで、給送の中断において以下の工程が行われる:
a)ある一定の保持トルクを有する給送ローラを固定することによって材料片を保持する工程。
b)給送ローラの保持トルクを一時的に低下又は除去する工程。
c)1つ又は複数のパイロットピンを材料片の割り当てられたパイロット開口部内に挿入することによって、給送ローラの保持トルクが低下又はキャンセルされた状態で材料片を位置決めする工程。材料片が公称位置から逸脱するか、又はパイロットピン及びパイロット開口部が一致しない場合、材料片は、パイロットピン(複数可)によって変位され、給送ロールは、必要であれば、低下した保持トルクを無効化することで、該給送ロール間にクランプした材料片によって、該材料片が変位されるにつれて回転される。
d)材料ベルトのパイロット孔からパイロットピン(複数可)を再び突き出す工程。
【0009】
本発明による方法は、複雑な中間リフト機構を用いることさえなく、かなり正確な片の給送を達成することを可能にする。
【0010】
保持トルクがプロセスの工程b)において、ゼロよりも大きい、ある一定の値まで一時的に低下される場合、材料片は、低下した保持トルクに打ち克つことによってのみ移動することができる。保持トルクが一時的に取り除かれる場合、材料ベルトは、給送方向に、及び給送方向とは反対に、自由に移動する。
【0011】
前記プロセスの好ましい変形形態では、パイロットピン(複数可)は、給送ローラの保持モーメントが一時的に低下又はキャンセルされている間に、材料片のパイロット開口部から再び移動して出る。これは、保持モーメントが再び低下又はキャンセルされるときに、給送ローラが回転する場合、パイロットピンが動かなくなることを防止する。さらに、機械が停止しているときに元の保持トルクに事前に戻す必要なく、給送ローラを、材料片を給送するための特定の駆動トルクで駆動することによって、保持トルクの低下又はキャンセルを解除することも可能である。
【0012】
前記プロセスの好ましい変形形態では、給送ローラの保持トルクの一時的な低下又はキャンセルは、パイロットピン(単数又は複数)が材料片のパイロット開口部から再び出る前に、好ましくは元の保持トルクに戻すことによって、再び解除される。ここでは、保持トルクの低下又はキャンセルが再開されるときに、給送ロールが移動することを防止することができる。
【0013】
前記プロセスの更に好ましい実施形態では、材料片は、パイロットピン(単数又は複数)を用いた位置決め中に、給送方向に変位される。このことは、非常に薄い材料片が処理され、低下した保持トルクが使用される場合に特に有利である。この理由は、このようにして、材料片のバックリング(buckling)を回避することができるためである。
【0014】
給送ロールは好ましくは、1つ又は複数のサーボモータによって駆動される。サーボモータは、その回転位置だけでなく、その駆動及び保持トルクに関して正確に制御することができるため、この目的に特に適している。
【0015】
サーボモータ(複数可)、及びこのようにしてサーボモータによって駆動される給送ローラが、予め規定された目標運動及び停止プロファイルに従って、各給送間隔について制御システムによって制御されることが好ましい。
【0016】
サーボモータ(複数可)又は給送ローラの実際の移動及び停止プロファイルが監視され、後続の給送間隔、特に次の給送間隔の目標移動及び停止プロファイルがシフトされるが、このシフトされる目標移動及び停止プロファイルの開始時のサーボモータ(複数可)又は給送ローラの目標位置が、パイロットピン(複数可)を用いた材料片の位置決め後のサーボモータ(複数可)又は給送ローラの実際の位置に対応するようにシフトされることが特に有利である。このように、次いで、各給送間隔後に設定点追跡(setpoint tracking)が実施され、これは、幾つかの給送間隔にわたって設定点の逸脱が蓄積することを防止する。
【0017】
有利には、機械ツールはパンチプレスであり、それによって、サーボモータ(複数可)又は給送ローラの公称運動及び停止プロファイルは、プレスラムの運動プロファイルと同期される。
【0018】
前記同期は、いわゆる相対同期として行われることが好ましく、この場合、サーボモータ(複数可)の目標運動及び停止プロファイルの実行される部分が、相対的に見て、プレスラムの運動プロファイルの実行される部分と常に一致する。プレスが給送工程にあり、給送がこのように同期される場合、サーボモータ(単数又は複数)は、公称移動及び停止プロファイルの正しい位置において継続し、すなわち、「残りの長さ」だけ前進される。「残りの長さ」は、プレスラムの移動プロファイルと同期して移動される。したがって、サーボモータ又は給送ローラは、公称運動及び停止プロファイルにおいて必要に応じて開始及び停止されることができる。
【0019】
前記方法のまた別の好ましい実施形態では、パイロットピン(単数又は複数)が材料ベルトのパイロット開口部から出た後、かつ、給送ロールの保持トルクの低下がキャンセルされている間に、給送ロールは、任意の回転移動について監視される。上述のように設定点追跡が行われる場合は、ここで、次の給送間隔の設定点移動及び停止プロファイルがシフトされるが、このシフトされる設定点移動及び停止プロファイルの開始時のサーボモータ(複数可)又は給送ローラの設定点位置が、パイロットピン(複数可)を用いた材料片の位置決め後のサーボモータ(複数可)又は給送ローラの実際の位置に対応するようにシフトされる場合、監視が設定点追跡の開始とともに始まり、保持トルクの低下又はキャンセルの完了後、すなわち通常の保持トルクに戻った後に終了することが好ましい。ある一定の最大許容ねじれ角の超過が検出される場合、プレスは自動的に停止され、有利には、プレスの停止につながった検出されたねじれ角は、プレス制御システムを介してプレスの操作者に通信され、それによって、操作者は、特定の故障解析を行うことができる。
【0020】
本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様による方法を行うときに使用するための給送装置に関する。前記給送装置は、少なくとも一対の給送ローラを備え、少なくとも一対の給送ローラ間に材料片をクランプすることができ、少なくとも一対の給送ローラによって、材料片は断続的に給送ローラを回転させることで断続的に給送されることができ、ある一定の保持トルクを有する給送ローラを固定することによって、材料片は静止かつ給送ローラ間にクランプされた状態で、給送の中断において保持されることができる。給送装置は、給送の中断において、材料片が静止しており、給送ローラ間にクランプされているときに、給送ローラの保持トルクが、材料片を保持しているときに一時的に低下又はキャンセルされることができるように設計されており、それによって、材料片は、材料片に作用する力によって変位されることができ、材料片をクランプしている給送ローラは、それらの間にクランプした材料片によって回転される。
【0021】
本発明による給送装置の場合、複雑な中間リフト機構を用いることさえなく、高精度の片給送を達成することが可能である。
【0022】
好ましい実施形態では、給送装置は、保持トルクを、ゼロよりも大きい、ある一定の値に一時的に低下させることができるように設計されている。このことは、材料片は、低下した保持トルクに打ち克つことによってのみ移動させることができることを意味する。
【0023】
代替的な好ましい実施形態では、給送装置は、保持トルクを一時的にキャンセルすることができるように設計されている。
【0024】
機械加工プロセス及び動作状況に応じて、1つ又は他の代替形態がより好ましい場合がある。
【0025】
給送装置の給送ローラは有利には、1つ又は複数のサーボモータによって駆動される。サーボモータはこの目的に特に適しており、この理由は、サーボモータが、それらの回転位置だけでなく、それらの駆動及び保持トルクに関して正確に制御することができるためである。
【0026】
サーボモータ(複数可)、及びサーボモータによって駆動される給送ローラは、予め規定された目標運動及び停止プロファイルに従って、制御システムを介して給送間隔毎に制御することができることが好ましい。
【0027】
本発明の第3の態様は、本発明の第2の態様による給送装置を備える、好ましくは本発明の第1の態様による方法を行うための機械ツールに関する。機械ツールは制御部を備え、該制御部を用いて、所定の所望の運動及び停止プロファイルに従って、サーボモータ(単数若しくは複数)又は給送ローラを給送間隔毎に制御することができる。
【0028】
好ましくは、機械ツール又はこの機械に関連するツールは、保持トルクが一時的に低下するか又は取り除かれるときに、材料片を位置決めするために、材料片の関連するパイロット開口部内に挿入するための1つ又は複数のパイロットピンを有する。
【0029】
前記制御は、給送装置のサーボモータ又は給送ローラの実際の移動及び停止プロファイルを監視することができるように設計されており、給送装置のその後の給送間隔、好ましくは次の給送間隔、の目標移動及び停止プロファイルをシフトさせることができるが、このシフトされる目標移動及び停止プロファイルの開始時のサーボモータ又は給送ローラの目標位置が、パイロットピン(単数又は複数)を用いた材料片の位置決め後の、サーボモータ又は給送ローラの実際の位置に対応するようにシフトさせることができる。
【0030】
このように、各給送間隔後に設定点追跡を実施することができ、これは、幾つかの給送間隔にわたって設定点の逸脱が蓄積することを防止する。
【0031】
特に好ましい実施形態では、機械ツールはパンチプレスであり、それによって、サーボモータ又は給送ローラの目標運動及び停止プロファイルは、そのプレスラムの運動プロファイルと同期されることができる。
【0032】
前記同期は、いわゆる相対同期として実行されることが好ましく、この場合、サーボモータ(複数可)の目標運動及び停止プロファイルの実行される部分は、プレススライドの運動プロファイルの実行される部分と、互いに比較して見て常に一致する。プレスが給送工程にあり、給送がこのように同期される場合、サーボモータ(複数可)の公称移動及び停止プロファイルの正しい地点において継続され、すなわち、「残りの長さ」だけ前進される。「残りの長さ」は、プレスラムの移動プロファイルと同期して移動される。したがって、サーボモータ又は給送ローラは、目標運動及び停止プロファイルにおいて必要に応じて開始及び停止されることができる。
【0033】
また別の好ましい実施形態では、機械ツールは、パイロットピン(単数又は複数)が材料片のパイロット開口部から出た後、かつ給送装置の給送ローラの保持トルクの低下の解除中に、給送ローラは任意の回転移動について監視することができ、またそれによって、ある一定の最大許容回転角度を超えると判断される場合に、プレスが自動的に停止されることができ、有利には、プレスの停止につながったと判断された回転角度が、プレス制御システムを介してプレスの操作者に通信されることができ、それによって操作者が特定の故障解析を行うことができるように設計されている。
【0034】
上述のように設定点追跡が行われる場合、ここで、次の給送間隔の設定点運動及び停止プロファイルがシフトされるが、このシフトされる設定点運動及び停止プロファイルの開始時のサーボモータ(複数可)又は給送ローラの設定点位置が、パイロットピン(複数可)を用いた材料片の位置決め後の、サーボモータ(複数可)又は給送ローラの実際の位置に対応するようにシフトされる場合、監視が、設定点追跡の開始とともに開始し、保持トルクの低下又はキャンセルの後、すなわち通常の保持トルクに戻った後に終了することが好ましい。
【0035】
本発明の更に好ましい実施形態が、従属項、及び、図面に基づく以下の説明に示されている。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1図1A)~G)は、材料片をパンチングプレスの処理ゾーンに給送するための本発明による種々の方法の適用中の、プレスのクランク角度にわたるクランク駆動部及びパイロットピンを有するパンチングプレスの種々の動作パラメータの曲線を示す図である。
図2図2A)~G)は、材料片をパンチングプレスの処理ゾーンに給送するための本発明による種々の方法の適用中の、プレスのクランク角度にわたるクランク駆動部及びパイロットピンを有するパンチングプレスの種々の動作パラメータの曲線を示す図である。
図3図3A)~F)は、材料片をパンチングプレスの処理ゾーンに給送するための本発明による種々の方法の適用中の、プレスのクランク角度にわたるクランク駆動部及びパイロットピンを有するパンチングプレスの種々の動作パラメータの曲線を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
A)~G)を付された部分的な図は、クランク角度にわたる各場合の、以下の動作パラメータの曲線を示す。
A)プレス行程
B)給送ロールの実際の運動及び停止プロファイル
C)給送ロールの目標運動及び停止プロファイル
D)位置パイロットピン
E)給送ロールの保持又は駆動トルク
F)設定点追跡
G)プロセス監視
【0038】
図1A)~G)は、材料片を、2回のクランク軸回転、すなわち720℃のクランク角度Xにわたって、パンチプレスの処理ゾーンに材料片を給送するための本発明による第1の方法の適用における、プレスのクランク角度にわたるパンチプレスの種々の動作パラメータの曲線を示す。
【0039】
クランク角度Xにわたる上死点OT及び下死点UT間のプレス行程又はラム位置を示す図1A)から分かるように、プレスラムは、180°及び540°において下死点UTを通り、360°及び720°において上死点OTを通る。
【0040】
給送ロールの周方向回転(ミリメートル)、及びしたがって材料バンドの給送移動(ミリメートル)における、給送ロールの実際の運動及び停止プロファイル(図1B))、並びに、給送ロールの目標運動及び停止プロファイル(図1C))を示す、図1B)及び図1C)から分かるように、
図1B)において示されるような給送ロールの回転による前記材料バンドの実際の変位は、図1C)における特定の目標移動及び停止プロファイルに従って、上死点OTからOT後のおよそ90°までの通過中に生じる。OT後のおよそ90°から、給送の中断が開始し、これは、OT後のおよそ270°又はUT後の90°まで続く。
【0041】
完全に後退した位置0と、パイロット開口部内に完全に挿入された位置1との間の、材料ベルトのパイロット開口部内に挿入されるところであるパイロットピンの位置(図1D))を示し、給送ローラの保持又は駆動トルク(Nm)の経過(図1E))を示す、図1D)及び図1E)から分かるように、パイロット開口部内へのパイロットピンの移動は、給送の中断中に、OT後の135°の直前、又はUT前の45°の直前に開始する。パイロットピンが挿入される間、定数1Nmに予め設定された給送ロールの保持又は駆動トルクは、0.1Nmの低下した保持トルクまで低下される。双方のプロセス、すなわち、材料バンドのパイロット開口部内へのパイロットピンの挿入、及び、保持トルクの低下は、OT後の135°で完了する。
【0042】
より分かりやすくするために拡大して示されている、図1B)においてYを付された経過オフセットから分かるように、パイロットピンが材料片のパイロット開口部内に入るとき、この間、材料片はその最終処理位置に運ばれるが、材料片は、給送方向に対して押し戻され、給送ローラはそれに従って逆回転し、一方で、給送ローラの目標移動及び停止プロファイルは、図1C)において示されるように、変わらないままである。
【0043】
材料片は次いで、パイロットピンが材料片のパイロット孔に完全に挿入され、給送ロールの保持トルクが低下した状態で、下死点UT付近で穴あけされる。
【0044】
「オフ」0と「オン」1との間のプレス制御の設定点追跡の状態を示す図1F)から分かるように、設定点追跡は、OT後のおよそ200°又はUT後のおよそ20°で作動され、これはOT後のおよそ215°又はUT後の35°で終了し、次いで、再び作動停止される。
【0045】
より良い認識のために拡大して示されている、図1C)においてZを付された経過オフセットから分かるように、設定点追跡が作動されると、直後に続く給送間隔の目標移動及び停止プロファイルはシフトされるが、このシフトされる目標移動及び停止プロファイルの開始時の給送ローラの目標位置が、パイロットピンを用いて材料片を位置決めした後の給送ローラの実際の位置に対応するように、シフトされる。パイロットピンは、材料片のパイロット開口部内に完全に挿入され、給送ロールは、保持トルクが低下した状態で保持されている。
【0046】
図1D)及び図1E)から分かるように、パイロットピンは、OT後のおよそ220°又はUT後の40°における設定点補正後に後退され、パイロットピンの後退中に、給送ロールの保持トルクは、1Nmの元の値まで再び増大する。双方のプロセス、すなわち、材料ベルトのパイロット開口部からのパイロットピンの後退、及び、保持トルクの再印加は、OT後の225°又はUT後の45°において完了する。
【0047】
「オフ」0と「オン」1との間の給送ロールの意図しない回転に関してプロセス監視の状態を示す図1G)から分かるように、このプロセス監視は、設定点追跡が作動されるとき、すなわちOT後のおよそ200°又はUT後の20°において作動され、パイロットピンが材料片のパイロット開口部から完全に出て、保持トルクが1Nmに戻った後、すなわちOT後の225°又はUT後の45°において作動停止される。
【0048】
ある一定の最大許容回転角度を超える給送ロールの回転が検出される場合、プレスは、自動的に停止され、操作者には、プレス制御部を介して、検出された回転の角度が通知される。
【0049】
OT後のおよそ270°又はUT後の90°において、給送の中断が終了し、材料片は給送ロールの回転によって前進され、一方で、プレスラムは上死点OTに向かって上方に移動し、これはOT後の360°又はUT後の180°において到達される。その後、上述したプロセスが最初から再び開始する。
【0050】
図2A)~G)は、材料片をパンチプレスの処理ゾーンに、2回のクランク軸回転、すなわち720°のクランク角度Xにわたって給送するための、本発明による第2の方法を使用する場合の、プレスのクランク角度にわたるパンチプレスの種々の動作パラメータの曲線を示す。
【0051】
図2A)~G)による方法は、パイロットピンが材料片のパイロット開口部内に移動するとき、この間に材料片がその最終処理位置に運ばれるが、材料ベルトが給送方向に前方に引っ張られるか又は押され、給送ローラが対応して前方に回転されるという点のみが、図1A)~G)による方法とは異なる。
【0052】
図3A)~F)は、材料片をスタンピングプレスの処理ゾーンに、2回のクランク軸回転、すなわち720°のクランク角度Xにわたって給送するための、本発明による第3の方法を使用する場合の、プレスのクランク角度にわたるスタンピングプレスの種々の動作パラメータの曲線を示す。
【0053】
図3A)~F)によるプロセスは、パイロットピンが完全に後退し、給送ロールの保持トルクが1Nmの元の値に再び増大された後に設定点追跡が作動されるという点で、図1A)~G)によるプロセスとは異なる。このプロセスにおいて、それは、OT後のおよそ225°又はUT後の45°においてである。この実施形態では、図1G)によるプロセス監視も省略される。
【0054】
本発明の好ましい実施形態を本出願において記載したが、本発明はこれらに限定されず、以下の特許請求の範囲の範囲内で、他の方法で行うことができることに明確に留意されたい。

図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2022-07-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料片を、機械ツール、特に自動パンチング機械の機械加工ゾーンに給送する方法であって、
前記材料片は、少なくとも一対の給送ローラ間にクランプされ、断続的に前記給送ローラを回転させることによって断続的に前進され、
前記材料片の各前進後、かつ前記材料片の次の前進前に、前進が中断して、前記材料片が静止し、前記給送ローラ間にクランプされた状態で、以下の工程:
a)ある一定の保持トルクを有する前記給送ローラを固定することによって前記材料片を保持する工程、
b) 前記給送ローラの前記保持トルクを一時的に低下又はキャンセルする工程、
c)1つ又は複数のパイロットピンを前記材料片の関連するパイロット開口部内に挿入することによって、前記給送ローラの前記保持トルクが低下した又は取り除かれた状態で、前記材料片を位置決めする工程であって、前記材料片は、前記パイロットピン(単数又は複数)によって変位され、前記給送ローラは、該当する場合は前記低下した保持トルクに打ち克つことによって、その間にクランプした前記材料片によって、該材料片が変位されるにつれて回転される、位置決めする工程、及び
d)前記材料片の前記パイロット開口部から前記パイロットピン(複数可)を後退させる工程、
が行われ、
前記給送ローラは、サーボモータによって駆動され、
前記サーボモータ又は前記給送ローラは、給送間隔毎に、所定の目標移動及び停止プロファイルに従って制御システムを用いて制御され、
前記サーボモータ又は前記給送ローラの実際の移動及び停止プロファイルが監視され、後続の給送間隔、特に次の給送間隔、の前記目標移動及び停止プロファイルはシフトされるが、このシフトされる目標移動及び停止プロファイルの開始時の前記サーボモータ又は前記給送ローラの目標位置が、前記パイロットピン(単数又は複数)を用いた前記材料片の位置決め後の前記サーボモータ又は前記給送ローラの実際の位置に対応するようにシフトされ、
前記機械ツールはパンチプレスであり、
前記サーボモータ又は前記給送ローラの前記目標運動及び停止プロファイルは、前記パンチプレスのプレスラムの運動プロファイルと同期される、方法。
【請求項2】
前記パイロットピン(複数可)の、前記材料片の前記パイロット開口部からの後退は、前記給送ローラの前記保持トルクが一時的に低下又はキャンセルされている間に生じる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
パイロットピン(単数又は複数)の、前記材料片の前記パイロット開口部からの後退前に、前記給送ローラの前記保持トルクの前記一時的な低下又はキャンセルが再び解除される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記材料片は、前記パイロットピン(単数又は複数)を用いた位置決め中に、前記給送方向に変位される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記同期は、相対同期として行われ、それによって、前記サーボモータ又は前記給送ローラの前記目標移動及び停止プロファイルにおいて、それぞれ、所望に応じて開始及び停止させることが可能である、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記パイロットピン(単数又は複数)が前記材料片の前記パイロット開口部から出た後、かつ、前記給送ロールの前記保持トルクの低下が解除されている間に、前記給送ロールは、任意の回転移動について監視され、ある一定の最大許容ねじれ角を超える場合、前記プレスは、特に、前記プレス制御システムを介して前記検出されたねじれ角の指示を伴って、自動的に停止される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記監視は、次の給送間隔のシフトの開始とともに開始し、前記保持トルクの低下又はキャンセルの終了時に終了する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の前記方法を特に行うための機械ツールであって、
少なくとも一対の給送ローラを備える給送装置であって、前記少なくとも一対の給送ローラ間に前記材料片をクランプすることができ、前記少なくとも一対の給送ローラによって、前記材料片は、特にサーボモータによって駆動される、前記給送ローラを断続的に回転させることによって断続的に給送されることができ、特定の保持トルクを有する前記給送ローラを固定することによって前記材料片は静止し、前記給送ローラ間にクランプされた状態で、給送の中断において保持されることができ、
前記給送装置は、前記給送の中断において、前記材料片が静止しており前記給送ローラ間にクランプされているときに、前記給送ローラの前記保持トルクが一時的に低下又はキャンセルされることができるように設計されており、それによって、前記材料片は、該材料片に作用する力によって変位されることができ、前記材料片をクランプしている前記給送ローラは、その間にクランプした前記材料片によって回転される、給送装置と、
一時的に低下又はキャンセルされた保持トルクにおいて前記材料片を位置決めするために、前記材料片の関連するパイロット開口部内に入る1つ又は複数のパイロットピンと、
を有し、
前記機械ツールは、前記サーボモータ又は前記給送ローラを、所定の目標移動及び停止プロファイルに従って、給送間隔毎に制御することができる制御システムを備え、
前記制御システムは、前記サーボモータ又は前記給送ローラの実際の移動及び停止プロファイルを監視することができるように設計されており、後続の給送間隔、特に次の給送間隔、の前記目標移動及び停止プロファイルをシフトさせることができるが、このシフトされる目標移動及び停止プロファイルの開始時の前記サーボモータ又は前記給送ローラの目標位置が、前記パイロットピン(単数又は複数)を用いた前記材料片の位置決め後の前記サーボモータ又は前記給送ローラの実際の位置であるようにシフトさせることができる、機械ツール。
【請求項9】
前記給送装置は、前記保持トルクを、ゼロよりも大きい、ある一定の値に一時的に低下させることができるように設計されている、請求項8に記載の機械ツール。
【請求項10】
前記給送装置は、前記保持トルクを一時的にキャンセルすることができるように構成されている、請求項8又は9に記載の機械ツール。
【請求項11】
前記給送装置は、前記給送ローラを駆動するサーボモータを備える、請求項9又は10に記載の機械ツール。
【請求項12】
前記サーボモータ又は前記給送ローラは、所定の目標移動及び停止プロファイルに従って、制御システムを用いて給送間隔毎に制御することができる、請求項11に記載の機械ツール。
【請求項13】
前記機械ツールはパンチプレスであり、前記サーボモータ又は前記給送ローラの前記目標移動及び停止プロファイルは、前記パンチプレスのプレスラムの移動プロファイルと同期されることができる、請求項8~12のいずれか一項に記載の機械ツール。
【請求項14】
前記同期は、相対同期として行うことができ、それによって、前記サーボモータ又は前記給送ローラの前記目標移動及び停止プロファイルにおいて、所望に応じて開始及び停止させることが可能である、請求項13に記載の機械ツール。
【請求項15】
前記機械ツールは、前記パイロットピン(単数又は複数)が前記材料片の前記パイロット開口部から出た後、かつ、前記給送ローラの前記保持トルクの低下が解除されている間に、前記給送ローラを、任意の回転移動について監視することができ、ある一定の最大許容回転角度を超える場合、前記プレスを、特に、前記プレス制御システムを介して前記検出された回転角度の可視化を伴って、自動的に停止させることができるように装備されている、請求項8~14のいずれか一項に記載の機械ツール。
【請求項16】
前記機械ツールは、前記監視が、次の給送間隔の変位の開始とともに開始し、前記保持トルクの低下又はキャンセルが解除されると終了するように設計されている、請求項15に記載の機械ツール。
【国際調査報告】