(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-24
(54)【発明の名称】車両座席管理システム
(51)【国際特許分類】
B60N 2/90 20180101AFI20231116BHJP
B60N 2/22 20060101ALI20231116BHJP
B60N 2/10 20060101ALI20231116BHJP
【FI】
B60N2/90
B60N2/22
B60N2/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023527424
(86)(22)【出願日】2021-11-03
(85)【翻訳文提出日】2023-06-28
(86)【国際出願番号】 US2021057812
(87)【国際公開番号】W WO2022098691
(87)【国際公開日】2022-05-12
(32)【優先日】2020-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508097489
【氏名又は名称】イノベイティブ・バイオメカニカル・ソリューションズ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100162846
【氏名又は名称】大牧 綾子
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー,ダニエル・クリストファー
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087AA02
3B087BA12
3B087BD03
3B087DE10
(57)【要約】
乗員データおよびまたは車両データに基づいて1つまたは複数の座席を調整するように構成された車両座席管理システム。1つの態様において、乗員データおよび/または車両データは、座席調整アルゴリズムの計算のために遠隔デバイスに送信され得る。別の態様において、座席調整アルゴリズムは、ワイヤレス伝送を介して送信され得る。1つの例において、ワイヤレス伝送は5Gであり得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの疲労を軽減するための車両着座システムであって、
背もたれおよび座席底部を有する座席と、
少なくとも第1の背もたれ位置と第2の背もたれ位置との間で前記背もたれをゆっくりと移動して、ゆっくりと前方およびゆっくりと後方に傾斜させる第1の電動座席調整アクチュエータであって、前記ゆっくりとした移動は、車両が動いている間に起こり、電気モータを含んでいる、第1の電動座席調整アクチュエータと、
前記車両が動いている間に、前記第1の電動座席調整アクチュエータの移動を自動的に制御するためのコントローラであって、1つまたは複数の座席調整入力に基づいて、前記背もたれの前記移動を調整する、コントローラとを備え、
前記1つまたは複数の座席調整入力は、車両データおよび乗員データの組合せを含んでおり、
前記車両データおよび乗員データは、前記1つまたは複数の座席調整入力を作成するために遠隔デバイスにワイヤレスで転送され、
前記1つまたは複数の座席調整入力は、前記1つまたは複数の座席調整入力の作成後に、前記遠隔デバイスから前記コントローラにワイヤレスで返送される、車両着座システム。
【請求項2】
前記車両データは、車両の運転状態を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記車両の運転状態は、車両の速度、運転のタイプ、運転時間、および/または道路状況を含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記調整は、動的調整である、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記道路状況は、降水量を含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記車両データは、車両の特性を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記車両の特性は、座席底部から路面までの距離、サスペンション乗りのタイプ、および/または車両タイプを含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記乗員データは、乗員生体情報を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記乗員生体情報は、体重、年齢、病歴、身長、および/または疲労レベルを含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記乗員データは、乗員位置情報を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記乗員位置情報は、バックミラー位置、サイドミラー位置、ブレーキペダル位置、アクセルペダル位置、クラッチペダル位置、ステアリングホイール位置、座席調整アクチュエータ位置、乗員座席場所および/または座席重量配分を含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記乗員データは、乗員フィードバック情報を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記乗員フィードバック情報は、直接的なフィードバックおよび/または手動調整を含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
直接的なフィードバックは、座席位置に応じて、車両インフォテインメントシステム上でユーザがサムアップまたはサムダウンを選択することを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記1つまたは複数の座席調整入力は、作動周波数、作動の大きさ、作動移動、および/または作動方向を修正する、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記座席は、座席加熱および冷却システムを含んでおり、前記座席加熱および冷却システムは、前記1つまたは複数の座席調整入力によって制御される、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記車両は、5G接続を介してインターネットに接続されており、前記1つまたは複数の座席調整入力は、前記5G接続によって更新される、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記車両は、ユーザが定義した場所で、インターネットに接続されており、前記1つまたは複数の座席調整入力は、前記ユーザが定義した場所にあるときに更新される、請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
前記ユーザが定義した場所は、ユーザの自宅である、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記ユーザが定義した場所は、ユーザの職場である、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記乗員は、ローカルデータベースから、事前設定された座席調整入力を選択する、請求項1に記載のシステム。
【請求項22】
前記乗員は、前記座席を手動で調整することによって、前記1つまたは複数の座席調整入力を無効にする、請求項1に記載のシステム。
【請求項23】
前記1つまたは複数の座席調整入力の無効は、ユーザの座席調整の好みとして前記遠隔デバイスに保存される、請求項17に記載のシステム。
【請求項24】
前記ユーザの座席調整の好みは、車両から車両へと転送可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項25】
ユーザの疲労を軽減するための車両着座システムであって、
背もたれおよび座席底部を有する座席と、
少なくとも第1の座席底部位置と第2の座席底部位置との間で前記座席底部をゆっくりと移動して、ゆっくりと上方およびゆっくりと下方に傾ける第1の電動座席調整アクチュエータであって、前記ゆっくりとした移動は、前記車両が動いている間に起こり、電気モータを含んでいる、第1の電動座席調整アクチュエータと、
前記車両が動いている間に、前記第1の電動座席調整アクチュエータの移動を自動的に制御するためのコントローラであって、1つまたは複数の座席調整入力に基づいて、前記座席底部の前記移動を動的に調整する、コントローラとを備え、
前記1つまたは複数の座席調整入力は、車両データおよび乗員データの組合せを含んでおり、
前記車両データおよび乗員データは、前記1つまたは複数の座席調整入力を作成するために遠隔デバイスにワイヤレスで転送され、
前記1つまたは複数の座席調整入力は、前記1つまたは複数の座席調整入力の作成後に、前記遠隔デバイスから前記コントローラにワイヤレスで返送される、車両着座システム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
車両の乗客や運転者は、車での旅(road trip)に、疲れて不快を感じることがよくある。これは、勤務時間の大部分を車両の座席に座って過ごす人、および/または車で長旅に出かける人に特に当てはまる。当然のことながら、運転者の疲労は、運転能力の低下(impairment)や、車両衝突の可能性の増加をもたらす可能性のある状況である。同様に、乗客も運転者も同様に、長時間不快な着座位置に座っている結果、長期的な健康状況に陥る危険にさらされている。
【0002】
現在、車両の抗疲労(anti-fatigue)着座システムは、一般に、工場で事前に設定されている。場合によっては、これら工場出荷時に事前設定された移動アルゴリズム(movement algorithm)では、様々な用途ですべてのユーザに、快適さおよび抗疲労特性を提供できないことがある。たとえば、同じ座席移動アルゴリズムは、大柄な大人にとっては、小さな十代の若者にとってほど効果的ではない可能性がある。同様に、場所、道路状況、および/または速度などの車両データが考慮されない場合がある。多くの用途において、様々な乗客データおよび/または車両データに基づいて、個人化および計算された座席調整アルゴリズムを有していると有利である。
【0003】
したがって、この分野では、改善の必要性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
乗客に抗疲労機能を提供する車両座席管理システムが開示される。1つの態様において、車両座席管理システムは、1つまたは複数の座席調整入力を含んでいる。1つの例において、1つまたは複数の座席調整入力は、座席調整アルゴリズムであり得る。別の態様において、1つまたは複数の座席調整入力は、乗客データおよび/または車両データの組合せから作成される。さらに別の態様において、1つまたは複数の座席調整入力が、遠隔デバイスに格納され、ワイヤレス伝送を介してコントローラに転送される。1つの例において、コントローラは、車両の座席電子制御ユニット(ECU)であり得る。
【0005】
本開示のさらなる形態、目的、特徴、態様、利益、長所、および実施形態は、本明細書に提供される詳細な説明および図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】車両座席と、車両座席に着座した乗客の側面図である。
【
図3】アルゴリズム調整プロセスのフロー図である。
【
図4】ワイヤレスアルゴリズム選択プロセスのフロー図である。
【
図5】プリロードされたアルゴリズム選択プロセスのフロー図である。
【
図6】ハイブリッドアルゴリズム選択プロセスのフロー図である。
【
図7】ハイブリッドアルゴリズム調整プロセスのフロー図である。
【
図8】アルゴリズム学習プロセスのフロー図である。
【
図9】ワイヤレスアルゴリズム調整プロセスのフロー図である。
【
図10】ユーザが選択した座席調整アルゴリズムのフロー図である。
【
図11】座席調整アルゴリズムのサブスクリプション(subscription)モデルのフロー図である。
【
図12】滑らかな移動速度の予測(smooth movement speed projection)および一連の速度パラメータの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本開示の原理の理解を促進する目的で、図面に示された実施形態を参照し、これを説明するために特定の語法が使用される。しかしながら、それによって本開示の範囲を限定するものではないことが理解されるであろう。説明された実施形態における任意の変更およびさらなる修正、および本明細書で説明された本開示の原理のさらなる応用は、本開示が関連する当業者が通常想起すると考えられる。本開示の1つの実施形態が非常に詳細に示されているが、本開示に無関係ないくつかの特徴は、明確化のために、示されていない可能性があることが当業者には明らかであろう。
【0008】
車両着座システムは、長距離移動によるユーザの疲労や他の望ましくない影響を軽減するために使用され得る。そのようなシステムは、車両に搭載可能な典型的な車両座席、少なくとも2つの電動座席調整アクチュエータ、および電気コントローラを含む。システムの様々な実施形態は、例として、自動車、電車、および/または飛行機内で使用することができる。アクチュエータは、座席によって形成される着座位置を変更するために移動可能であり、ユーザの位置的な疲労を軽減する。アクチュエータは、通常、平均して毎秒約10センチメートル未満のゆっくりとした移動で、座席を、異なる着座位置に再配置(reposition)することが好ましい。電気コントローラは、一般に少なくとも1つの移動期間を含み、特定の実施形態では少なくとも1つの静止期間を含む制御期間を有する。典型的な実施形態において、電気コントローラは、車両の電源が入ったときに開始する第1の期間の後に制御期間を開始する。その後、制御期間は、長距離移動の疲労を軽減するために、アクチュエータが着座位置を自動的に循環させてユーザを再配置する少なくとも1つの移動期間を含むことが好ましい。
【0009】
図1は、車両の座席105に座っている乗客100を示している。典型的な車両座席は、ヘッドレスト110、背もたれ(seat back)115、および座席底部(seat bottom)120を含む。
図1に示すように、乗客は、典型的なステアリングホイールおよびペダルシステムを使用して自動車を操作している。
【0010】
図2は、乗客の位置的な疲労を軽減するように設計された車両着座システム200の構成要素を示す。このシステムは、あらゆるタイプの車両座席に関連付けることができることを理解されたい。システム200は、背もたれ115および座席底部120を様々な方式で移動させ、それによって座席によって形成される着座位置を変更するように構成された様々な電動座席調整アクチュエータを含む。特定の典型的な実施形態は、背もたれと座席底部との両方を高さ軸Hに沿ってほぼ垂直方向に移動させる第1のアクチュエータA1と、背もたれと座席底部との両方を、距離軸Dに沿ってほぼ水平方向に移動させる第2のアクチュエータA2など、5つのアクチュエータを含む。距離軸Dに沿った移動により、運転席のステアリングホイールおよびペダルシステムに対して座席が位置している距離が変化する。第3のアクチュエータA3は、腰部軸Lに沿って、背もたれの腰部領域(lumbar region)を移動させるように構成されている。第4のアクチュエータA4および第5のアクチュエータA5はそれぞれ、背もたれをI軸に沿って、座席底部をT軸に沿って傾斜させる、すなわち傾けるように動作する。アクチュエータの動力は、モータ、サーボモータ、ステッピングモータ、空気圧、油圧、および/または他によるものであり得る。
【0011】
好ましい実施形態において、アクチュエータの移動は、平均して毎秒約10センチメートル未満のゆっくりとした移動を含む。特定の実施形態において、各アクチュエータは第1の位置から第2の位置に移動し、アクチュエータの循環は、第1の位置から第2の位置への移動と、第1の位置への戻りとを含む。特定の実施形態において、各アクチュエータの第1の位置は、基本位置であり、各アクチュエータの第2の位置は、それぞれの軸に沿った各アクチュエータの反対側の、完全に伸びた位置である。しかしながら、特定の他の実施形態において、各アクチュエータの第1の位置は、システムまたはシステムのユーザによって事前に決定された所望の位置である。
【0012】
システム200は一般に、位置的な疲労を軽減する方式で様々なアクチュエータを自動的に起動し、操作し、循環させるための電気コントローラCを含む。電気コントローラは、マイクロプロセッサおよび/またはコンピュータチップ技術と連携して動作し、システムを操作する。電気コントローラは、制御期間を含むことが好ましい。特定の好ましい実施形態において、電気コントローラは、車両の電源が入ると制御期間を開始する。制御期間は、移動の開始前の第1の静止期間を含むことができる。特定の他の好ましい実施形態において、電気コントローラは、車両の電源が入ると開始する第1の静止期間の経過後に制御期間を開始する。特定の好ましい実施形態において、第1の静止期間は約20分である。他の好ましい実施形態において、第1の静止期間は約30分である。しかしながら、制御期間は、当業者が一般に想起するであろう他の適切な時点で開始することができることを理解されたい。
【0013】
特定の実施形態において、制御期間は、少なくとも10分間の少なくとも1つの疲労期間を含む。好ましい実施形態において、疲労期間は、少なくとも1つのアクチュエータが動いて車両座席を再配置する少なくとも1つの時間のセグメントを含む。制御期間は、少なくとも1つの移動期間を含むことが好ましく、この移動期間は、少なくとも1つのアクチュエータの移動を含む。特定の好ましい実施形態において、制御期間は、少なくとも1つの移動期間と、アクチュエータが動かない少なくとも1つの静止期間とを含む。特定の実施形態において、静止期間は、少なくとも5分間続く。特定の実施形態において、制御期間は、車両の電源が切られたときに終了する。
【0014】
特定の好ましい実施形態において、電気コントローラは、車両の電源が入ると自動的に起動される。それに加えて、電気コントローラは、システムのユーザによって手動で起動および停止できることが好ましい。そのような実施形態において、システムのユーザは、必要に応じて電気コントローラを手動で、オンおよびオフを切り替えることができる。それに加えて、特定の実施形態において、車両の電源が切られると、電気コントローラは停止される。
【0015】
図3は、座席調整プロセス300のフロー図を示す。座席調整プロセス300は段階305で開始する。段階305において、車両状態データが収集され得る。同時に、段階310において、座席乗員データ(occupant data)が収集され得る。1つの実施形態において、車両状態データおよび座席乗員データは、車両内および車両の周囲に配置された様々なセンサによって収集され得る。別の実施形態において、車両状態データおよび座席乗員データが、車両インフォテインメントシステム(infotainment system)に手動で入力され得る。さらに別の実施形態において、ユーザ入力データとセンサデータとの組合せを使用して、車両状態データおよび座席乗員データが取得される。
【0016】
段階315は、車両状態データのいくつかの例を示す。たとえば、車両状態データは、車両の場所、車両の速度、車両の地勢(いくつか例を挙げると、砂、雪、岩、泥、および/または高速道路)、車両の運転時間、乗車目標(いくつか例を挙げると、快適さ、疲労の軽減、リラクゼーション、および/または、スポーツ)、道路状況(いくつか例を挙げると、氷、濡れ、乾燥、荒れ、および/または、滑らかさ)、サスペンションの高さ、サスペンションの柔らかさ、および/または車両のタイプである。
【0017】
段階320は、座席乗員データのいくつかの例を示す。たとえば、座席乗員データは、乗員の体重、乗員の身長、乗員の年齢、乗員の病歴、乗員の疲労レベル、乗員の座席の場所、乗員の位置、乗員の体重分布、および/または、乗員のフィードバックを含み得る。段階325において、車両状態データおよび座席乗員データが、コントローラへ転送され得る。1つの例において、コントローラは、座席電子制御ユニット(ECU)であり得る。コントローラは、コントロールエリアネットワーク(CAN)を介して、および/または、直接的なハードワイヤ接続を介して、車両状態データおよび座席乗員データをワイヤレスで受信するように構成され得る。
【0018】
段階330において、コンパイルされた車両状態データおよび座席乗員データが、座席ECUから車両テレマティクス(vehicle telematics)ECUに転送される。車両テレマティクスECUは、段階335において、車両状態データおよび座席乗員データを受信する。以前に説明したのと同様に、座席ECUから車両テレマティクスECUへのデータ転送は、ワイヤレスで、CANを介して、および/または直接的なハードワイヤ接続を介して行われ得る。
【0019】
段階340において、車両状態データおよび座席乗員データが、車両テレマティクスECUから遠隔デバイスへ転送される。例示的な実施形態において、転送は、ワイヤレスであってもよい。別の実施形態において、ワイヤレス転送は、5Gであってもよい。さらに別の実施形態において、ワイヤレス転送は、Bluetoothであってもよい。さらなる実施形態において、ワイヤレス転送は、WiFiであってもよい。遠隔デバイスは、遠隔コンピュータ、遠隔サーバ、および/または遠隔データベースであってもよい。一般に、遠隔デバイスは、1つまたは複数の座席調整入力を作成する。1つの例において、座席調整入力は、座席調整アルゴリズムであってもよい。別の例において、座席調整入力は、アルゴリズム選択キーであってもよい。さらなる例において、遠隔デバイスは、マスタ座席調整アルゴリズムを保持する。段階345において、受信された車両状態データおよび座席乗員データに基づいて、マスタ座席調整アルゴリズムが調整され得る。このようにして、座席調整アルゴリズムは、個人化され、そして、入力された情報に基づいて、各ユーザを、最適な位置に配置するように構成され得る。それに加えて、座席調整アルゴリズムによって実行されるアクチュエータの移動は、受信した情報に基づいて調整され、優れた抗疲労特性を提供するように構成される。
【0020】
段階350において、段階345で計算された、個人化された座席調整アルゴリズムは、一例では5G伝送において、以前に説明されたものと同じ方式で車両テレマティクスECUに返送され得る。段階355に示されるように、個人化された座席調整アルゴリズムは、以前に論じられたものと同じ方式で、車両テレマティクスECUから座席ECUにさらに転送され得る。
【0021】
段階360において、座席ECUは、
図2で論じられたように、個人化された座席調整アルゴリズムを、1つまたは複数の座席アクチュエータに出力する。一般に、個人化された座席調整アルゴリズムは、作動周波数、作動の大きさ、作動タイプ、作動パターン、および/またはそれらの任意の組合せ、のうちの1つまたは複数を調整するように構成されている。作動タイプは、座席の動き、座席の加熱/冷却、および/または、たとえば照明、ミラーの位置、および/または周囲温度などの車両環境の変化を判定するためにさらに制御され得る。
【0022】
座席アクチュエータを制御する他の方法は、以下に説明される選択実施形態によって構想される。1つの実施形態において、車両状態データおよび座席乗員データは、アルゴリズム選択キーの作成のために遠隔デバイスに送信され得る。アルゴリズム選択キーは、座席ECU上にローカルに格納された特定の座席調整アルゴリズムに対応する番号であってもよい。たとえば、遠隔デバイスは、座席乗員および車両状態の情報の入力を受信し、アルゴリズム選択キーを計算し、座席ECUに転送される。次に座席ECUは、アルゴリズム選択キーに対応する、座席乗員や車両状態に最適な座席調整アルゴリズムを選択する。
【0023】
別の例において、座席ECUは、基本座席調整アルゴリズムを含む。基本座席調整アルゴリズムは、個人化されておらず、車両状態データと座席乗員データとを組み合わせて遠隔デバイスに送信される。遠隔デバイスは、座席乗員データ、車両状態データ、および基本座席調整アルゴリズムを組み合わせて、新たな個人化された座席調整アルゴリズムを作成する。次に個人化された座席調整アルゴリズムは、起動のために座席ECUに返送される。
【0024】
図4には、ワイヤレスアルゴリズム選択プロセス400の例を示すフロー図が示される。段階405において、車両は、ワイヤレス通信システムとの接続を確実にチェックする。本例において、ワイヤレス通信システムは、5Gである。別の例において、ワイヤレス通信システムは、Bluetoothであってもよい。通常、車両は、始動時にワイヤレス通信システムとの接続をチェックする。いくつかの例において、ワイヤレス接続が見つからない場合、車両のダッシュボードにエラーメッセージが表示され得る。場合によっては、特に地方のエリアでは、車両のインターネット接続が定期的に切れ、再接続をすることがある。
【0025】
段階410において、座席の乗員(ユーザ)は、座席調整アルゴリズムを起動する。1つの実施形態において、座席調整アルゴリズムは、車両のインフォテインメントシステム上のアイコンを通じて起動される。別の実施形態において、座席調整アルゴリズムは、車両の計器クラスタ上の手動ボタンによって起動される。さらに別の実施形態において、座席調整アルゴリズムは、車両に関連付けられたスマートフォンアプリを通じて起動される。さらなる実施形態において、座席調整アルゴリズムは、車両の始動時に自動的に起動される。
【0026】
段階415において、車両状態データおよび座席乗員データが収集され、ワイヤレスで遠隔デバイスに転送され得る。以前に論じられたように、車両状態データおよび座席乗員データは手動で収集され、車両インフォテインメントシステムに入力され得る。任意選択的に、車両状態データおよび座席乗員データが、1つまたは複数のセンサによって収集され、遠隔デバイスに自動的に転送され得る。別の実施形態において、車両状態データおよび座席乗員データは、手動で収集され得、車両に関連付けられたスマートフォンアプリに入力され得る。
【0027】
段階420において、遠隔デバイスは、車両状態データおよび座席乗員データを受信し、受信したデータに従って座席移動アルゴリズムを調整する。この後、段階425において、最適化された座席移動アルゴリズムが車両に返送され得、座席ECUによって受信され得る。段階430において、最適化された座席移動アルゴリズムは、アルゴリズムへのさらなる変更が必要になるまで、座席アクチュエータの制御を開始する。たとえば、道路状況が、凍結となった場合、アルゴリズムは、運転者が必要とする、より高い集中力を考慮するように適合し得る。
【0028】
図5は、プリロードされたアルゴリズム選択プロセス500の概要を示すフロー図を示す。プリロードされたアルゴリズム選択プロセス500は、セルラー接続またはインターネット接続が貧弱または「不安定」なエリアで利用され得る。あるいは、インターネット接続が一定の場合でも、ユーザはこの方法を好む場合がある。段階505で開始し、車両はインターネットへの接続を試みる。接続に成功した場合、段階510に示されるように、個人化されたアルゴリズムが、遠隔デバイスから座席ECUにダウンロードされる。1つの例において、各車両乗員は、自分の生体情報および座席移動の好みに対応するユーザプロファイルを有している。ユーザプロファイルは、座席ECUに送信する適切な座席調整アルゴリズムを遠隔デバイスに示す。別の実施形態において、遠隔デバイスが参照するために作成されたユーザプロファイルは存在しない。この場合、遠隔デバイスは、ユーザが選択できるように、最も一般的に使用される座席調整アルゴリズムのリストを送信する。
【0029】
前述したように、段階515において、座席調整アルゴリズムが座席ECUに送信され、ユーザによって起動されるまで格納される。座席移動アルゴリズムは、ローカルに格納されるため、個人化された座席移動アルゴリズムにアクセスするために、インターネット接続は必要とされない。段階520において、ユーザは、座席調整アルゴリズムを起動する。一般に、ユーザは、
図4で説明された方法で、一般的な座席調整アルゴリズムを起動する。別の実施形態において、座席調整アルゴリズムは、座席ECUによって自動的に選択され、車両の始動時にユーザ入力なしで開始される。段階525において、座席ECUは、以前に論じられた決定されたユーザプロファイルに基づいて、実行する最適な座席調整アルゴリズムを選択する。たとえば、座席ECUは、運転者がユーザAであると判定するので、座席ECUは、ユーザAのユーザプロファイルに保存されているユーザAの座席調整アルゴリズムのうちの1つを適用することができる。別の実施形態において、ユーザは、関連する座席調整アルゴリズムを備えたユーザプロファイルを有していない。この場合、座席ECUは、現在のユーザに最も類似したユーザプロファイルを選択し得る。1つの例において、類似性は、ユーザの生体情報に基づき得る。
【0030】
図6において、ハイブリッドアルゴリズム選択プロセス600のフロー図の一例が示される。ハイブリッドアルゴリズム選択プロセス600は、自分の車両をいつもインターネットに接続したい訳ではないユーザに適している可能性がある。それに加えて、この方法は、古くて、5Gなどを介してインターネットに常時接続できない車両にも機能し得る。段階605において開始して、車両は、知られている、または「安全な」ネットワークの範囲内で始動される。知られているネットワークは、家庭用WiFiネットワーク、職場用WiFiネットワーク、ホテル用WiFiネットワーク、および/またはユーザによって「安全」とみなされる他の任意のネットワークであり得る。知られているネットワークの範囲内で車両が始動されると、インターネット接続が自動的に行われ得る。それに加えて、将来における接続を容易にするために、知られているネットワークが、車両インフォテインメントセンタに保存またはプログラムされ得る。
【0031】
段階610において、座席ECUは、知られているユーザプロファイルに対応する座席調整アルゴリズムを、遠隔デバイスから受信する。このステップは、
図5で説明されたステップと類似している。段階615は、ユーザによる参照のために、座席調整アルゴリズムを座席ECUに格納する。この段階も同様に、
図5で説明された段階と類似している。
【0032】
段階620において、車両は、知られているネットワークの接続領域を離れるが、この時点で、車両は、インターネットアクセスの任意のソースから切断される可能性がある。このシナリオにおいて、車両は、能力低下モードに入る。しかしながら、以前にダウンロードされたユーザプロファイルにより、座席調整アルゴリズムは、ユーザによるアクセスおよび使用が可能である。
【0033】
段階625において、ユーザは、以前に論じられた方式で、座席調整アルゴリズムを起動する。すでに論じられたように、座席調整アルゴリズムは、座席ECUによって自動的に起動される場合がある。段階630に示されるように、座席調整アルゴリズムが起動されると、座席ECUは、以前にダウンロードされた選択に基づいて、ユーザにとって最適なアルゴリズムを選択する。
図5で説明されたものと同様に、座席ECUは、ユーザの生体情報に基づいて調整アルゴリズムを選択し得る。任意選択的に、座席ECUは、時刻または車両の運転時間に基づいて調整アルゴリズムを選択し得る。
【0034】
図7に移って示すように、ハイブリッドアルゴリズム調整プロセス700のフロー図が示される。ハイブリッドアルゴリズム調整プロセス700により、インターネット接続がなく、遠隔デバイスが車両ECUに接続されていない場合でも、座席調整アルゴリズムに変更を加えることができる。これにより、ユーザは、座席調整アルゴリズムを、その場で(on-the-fly)さらに個人化できるようになる。それに加えて、これは、座席調整アルゴリズムによって、ユーザが、望ましくない、または不快な位置に強制されることを阻止する。
【0035】
段階705において、車両は、インターネット接続のない領域に入る。この間、段階710に示されるように、座席調整アルゴリズムが起動される。座席調整アルゴリズムによって設定された位置が不快であるとユーザが感じた場合、ユーザは、段階715に示されるように、座席をより快適な位置に手動で調整し得る。別の実施形態において、ユーザは、車両インフォテインメントシステム上でサムアップ/ダウンを選択して、その位置が不快であり得ることを示し得る。さらに別の実施形態において、ユーザは、車両に関連付けられたスマートフォンアプリ上でサムアップ/ダウンを選択し得る。
【0036】
段階720に示されるように、座席ECUは、座席位置に関する手動変更またはユーザ入力を記録し、望ましくない位置を回避するために座席アルゴリズムをローカルに調整する。段階725に示されるように、座席調整アルゴリズムは引き続き実行されるが、座席ECUは、座席調整アルゴリズムが、ユーザを、望ましくない位置に動かさないように阻止する。段階730において、車両は、インターネット接続が再確立され、遠隔デバイスへの接続が再接続されるエリアに入る。
【0037】
段階735において、座席ECUは遠隔デバイスに再接続し、ユーザ入力/ローカルに更新されたアルゴリズムを、遠隔デバイスに転送する。次に、遠隔デバイスは、ユーザの変更を反映するために座席調整アルゴリズムを更新し、段階740において、サーバは、ユーザが望ましくない場所に位置することを避けるために、調整された座席アルゴリズムを以前のバージョンに保存する。
【0038】
図8において、アルゴリズム学習プロセス800のフロー図が示される。アルゴリズム学習プロセス800は、最適な座席移動アルゴリズムを作成するためにユーザによって利用され得る。段階805において、ユーザは、座席調整アルゴリズムを起動する。以前に論じられたように、座席移動アルゴリズムは、ダッシュボード上の手動ボタン、スマートフォンアプリ、車両インフォテインメントシステムの設定によって、および/または座席ECUによって、自動的に起動され得る。
【0039】
段階810において、車両状態データおよび座席乗員データが遠隔デバイスに送信され、初期状態が作成される。初期状態は、段階815に示すように、初期座席調整アルゴリズムを計算するために遠隔デバイスによって使用されるデータのセットであり得る。段階820において、計算された座席調整アルゴリズムが座席ECUに返送される。段階825において、座席調整アルゴリズムが、座席アクチュエータの移動の調整を開始する。段階830に示すように、座席調整アルゴリズムによって、ユーザが、望ましくない、または不快な場所に位置する場合、ユーザは、段階835に示されるように、座席を調整し得る。以前に論じられたように、ユーザは、様々な手法で座席を調整し得る。1つの例において、ユーザは、手動で座席を調整して、より快適な位置に移動し得る。別の例において、ユーザは、スマートフォンアプリまたは車両インフォテインメントシステム上のサムアップ/ダウンボタンを介して、フィードバックを提供し得る。
【0040】
段階840において、座席調整アルゴリズムがユーザ入力を記録し、問題となる(offending)移動位置を回避するように適応する。段階845において、座席調整アルゴリズムは、問題となる座席移動を回避しながら、段階850に示すように座席アクチュエータの移動を制御し続ける。段階855において、調整された座席移動アルゴリズムが、座席ECUから遠隔デバイスに返送され得る。段階860において、遠隔デバイスは、調整された座席移動アルゴリズムを受信し、そのアルゴリズムを以前のバージョンに保存する。この方法により、座席調整アルゴリズムを、特定のユーザの好みに合わせて最新の状態に保ち、将来において問題となる移動を回避することができる。
【0041】
図9において、ワイヤレスアルゴリズム調整プロセス900のフロー図が示される。
図8で説明されたものと同様に、ワイヤレスアルゴリズム調整プロセス900により、ユーザは、不快な位置または望ましくない場所に位置する場合に、座席調整アルゴリズムを即座に修正することができる。段階905において、車両は、段階910に示すように座席調整アルゴリズムが動作しているときにインターネット接続が利用可能となるエリアに存在し得る。段階915において、ユーザは、座席調整アルゴリズムによって生成された不快な位置を避けるために座席を調整する。以前に論じられたように、ユーザは、様々な手法で座席を調整し得る。1つの例において、ユーザは、手動で座席を調整して、より快適な位置に移動し得る。別の例において、ユーザは、スマートフォンアプリまたは車両インフォテインメントシステム上のサムアップ/ダウンボタンを介して、フィードバックを提供し得る。
【0042】
段階920において、座席ECUは、座席調整アルゴリズムに対してなされた変更を記録し、アルゴリズムをローカルに調整する。ローカルアルゴリズムの変更は、座席調整アルゴリズムの更新/調整済みバージョンとして座席ECUに保存される。段階925において、ローカルアルゴリズム調整が、遠隔デバイスにアップロードされる。段階930において、座席ECUは、新しく更新された座席調整アルゴリズムを使用して、座席アクチュエータを制御する。段階935において、遠隔デバイスは、格納された座席調整アルゴリズムを、新しいユーザ調整アルゴリズムで更新する。この新しく更新されたアルゴリズムは、その特定のユーザの新しい座席調整アルゴリズムとして保存され得る。
【0043】
図10は、ユーザ選択座席調整アルゴリズムプロセス1000のフロー図を示す。ユーザ選択座席調整アルゴリズムプロセス1000により、ユーザは、利益に基づいて、特定の座席調整アルゴリズムを選択することができる。このようにして、ユーザは、座席調整アルゴリズムによって行われる移動のタイプを予測できる。たとえば、抗疲労アルゴリズムを選択したユーザは、スポーツアルゴリズムを選択したユーザよりも少ない移動を期待し得る。段階1005において、座席ECUは、利用可能な座席調整アルゴリズムのすべてを座席ECUに送信するように遠隔デバイスに要求する。段階1010において、遠隔デバイスは、運転者のプロファイルに基づいて、座席調整アルゴリズムを送信する。たとえば、座席ECUは、遠隔デバイスに座席乗員データを送信し得る。遠隔デバイスは、座席乗員データを使用して、送信する適切な座席調整アルゴリズムを選択する。段階1015において、座席調整アルゴリズムが、選択のためにユーザに表示される。1つの例において、座席調整アルゴリズムは、車両インフォテインメントシステム上でユーザに表示される。別の例において、座席調整アルゴリズムが、スマートフォンアプリケーション上で、ユーザに表示される。さらに別の例において、座席調整アルゴリズムが、車両サウンドシステムを通じてユーザに音声で伝えられる。
【0044】
段階1020において、ユーザは、知覚された利益に基づいて、座席調整アルゴリズムを選択する。たとえば、ユーザは、抗疲労特性を提供するように設計された座席調整アルゴリズムを選択し得る。別の例において、ユーザは、最大の快適性を提供するように設計された座席調整アルゴリズムを選択し得る。さらに別の例において、ユーザは、道路の視認性を最大化するように設計された座席調整アルゴリズムを選択し得る。段階1025において、ユーザは、ダッシュボード上の手動ボタン、スマートフォンアプリケーション、および/または車両インフォテインメントシステムを介して、選択されたアルゴリズムを起動する。任意選択的に、アルゴリズムは、ユーザによって選択されると、座席ECUによって自動的に起動される。段階1030において、遠隔デバイスから座席ECUに送信された座席調整アルゴリズムは、将来の参照のために座席ECUに格納される。たとえば、ユーザが、座席調整アルゴリズムを、抗疲労モードからスポーツモードに変更する必要があると判定した場合、ユーザは、新しい座席調整アルゴリズムを選択する。以前と同様に、座席調整は、様々な手法で選択され得る。1つの例において、座席調整アルゴリズムは、車両インフォテインメントシステム上でユーザに表示される。別の例において、座席調整アルゴリズムが、スマートフォンアプリケーション上でユーザに表示される。さらに別の例において、車両サウンドシステムを通じて、座席調整アルゴリズムが、ユーザに音声で伝えられる。
【0045】
図11は、座席調整アルゴリズムサブスクリプションモデル1100のフロー図を示す。座席アルゴリズムサブスクリプションモデル1100は、購入された期間に基づいて、限られた時間内で個人化された座席調整アルゴリズムへのアクセスをユーザに提供する。たとえば、ユーザは、個人化された座席調整アルゴリズムへのアクセスを、1日、1週間、1カ月、3カ月、6カ月、1年、5年間、および/またはそれらの任意の組合せで購入し得る。別の例において、個人化された座席調整アルゴリズムへのサブスクリプションが期限切れになった後も、ユーザは、座席ECUに保存された基本座席調整アルゴリズムへのアクセスを維持する。しかしながら、ユーザが、遠隔デバイスを介して、個人化された座席調整アルゴリズムにアクセスし続けるために、サブスクリプションが必要とされ得る。
【0046】
段階1105において、座席ECUは、利用可能なすべての座席調整アルゴリズムを送信するように遠隔デバイスに要求する。遠隔デバイスは、段階1110において、車両に関連付けられたユーザプロファイルを参照し、任意選択の座席調整アルゴリズムのリストを提供する。ユーザが、利用可能な座席調整アルゴリズムのリストを閲覧すると、段階1115におけるように、サブスクリプションの有効期限が示され得る。たとえば、ユーザが2020年11月17日に2年間のサブスクリプションを支払い、個人化された抗疲労座席調整アルゴリズムを選択した場合、アルゴリズムは、2022年11月17日との有効期限を示す。別の例において、ユーザが、基本快適座席調整アルゴリズムを選択した場合、この基本アルゴリズムは、サブスクリプションモデルのアクセスに関連付けられていない可能性があるため、このアルゴリズムは、有効期限を示さない。別の例において、各タイプの座席調整アルゴリズム(個人化/基本)が、サブスクリプションに関連付けられる場合があり、サブスクリプションの有効期限が切れると利用できなくなる。
【0047】
段階1120に示すように、ユーザは、有効期限に達するまで、任意の座席調整アルゴリズムを起動し得る。しかしながら、段階1125に示す有効期限が過ぎると、別のサブスクリプションが購入/延長されていない場合、個人化された座席調整アルゴリズムが利用できなくなる可能性がある。たとえば、段階1130において、座席ECUは、有効期限が経過した後に遠隔デバイスに要求を送信し、段階1135において、遠隔デバイスが、エラー信号を返す。エラー信号は、車両インフォテインメントシステム、車両に関連付けられたスマートフォンアプリケーション、および/または車両のダッシュボードに表示され得る。段階1140に示すように、ユーザは、サブスクリプションなしで、座席ECUに保存された基本座席調整アルゴリズムのうちの1つを起動することもできる。
【0048】
単一の車両に対して機能するサブスクリプションモデルに加えて、複数の車両に対して強化されたサブスクリプションが購入され得る。たとえば、ユーザが無制限の車両のサブスクリプションを購入した場合、個人化された座席調整アルゴリズムは、ユーザが乗車するどの車両でも利用可能であり得る。しかしながら、車両は、インターネット接続と、座席調整アルゴリズムとの互換性を有する座席アクチュエータとを必要とし得る。これは、相乗り用途において特に有利であり得る。別の例において、座席調整アルゴリズムは、飛行機、電車、バス、自動車、ボート、および/またはそれらの任意の組合せを含むが、これらに限定されない、様々な車両タイプにわたって適用可能である。この方法により、ユーザは、長時間のフライトや電車に乗っているときに、個人化された座席調整アルゴリズムを実行できるようになる。しかしながら、車両は、インターネット接続と、座席調整アルゴリズムとの互換性を有する座席アクチュエータとを必要とし得る。
【0049】
一連の速度パラメータを重ね合わされた速度予測プロファイルの例が
図12に示される。
図12は、3つの時間セグメントA、BおよびCを示しており、それぞれ非アクティブ、アクティブ、および非アクティブである座席調整アクチュエータに対応する。この図の例では、X軸は時間に対応し、Y軸は速度に対応する。理想的な滑らかな移動速度の予測の例が、
図12に示される。例示的な、理想的な滑らかな移動速度予測は、静止状態から目標速度まで徐々に移動し、アクチュエータがアクティブに命令されているセグメント全体にわたって、速度は目標速度で一定であり、速度は徐々に静止状態に戻る。
図12はまた、任意選択の滑らかな速度予測に対応する最小値および最大値によって設定される例示的なエンベロープを示す。
図12は、この態様を使用する場合に、この任意選択のエンベロープ内を辿る例示的な一連の速度パラメータを示している。米国特許第7,422,285号および米国特許第9,187,020が、参照により組み込まれている。着座システムが使用されていない場合、別の一連の速度パラメータが、エンベロープの外側にあることが示されている。要素1205は、着座システムが使用されていない場合に、エンベロープの外側にある例示的な速度パラメータを具体的に示している。
【0050】
用語解説および別の表現
本開示は、図面および前述の説明において詳細に図示および説明されたが、これは例示的なものであり、その特性を限定するものではないと考えられるべきである。好ましい実施形態のみが図示および説明されており、添付の特許請求の範囲によって定義される開示の精神の範囲内にあるすべての変更、均等物、および修正が、保護されることが望ましいと理解される。本明細書で引用されるすべての刊行物、特許、および特許出願は、あたかも個々の刊行物、特許、または特許出願が、参照により組み込まれ、その全体が本明細書内で記載されているように、具体的かつ個別に示されているかのように、参照により本明細書に組み込まれる。
【0051】
単数形「a」、「an」、「the」などは、特に明確にそうではないと論じられていない限り、複数の指示対象を含んでいる。例として、「デバイス」または「このデバイス」への言及は、1つまたは複数のそのようなデバイスおよびその均等物を含んでいる。
【0052】
「上」、「下」、「先端」、「底」、「前」、「後」、「横」、「長手方向」、「半径方向」、「円周方向」などの方向に関する用語は、図示された例の読者の理解を助けるために、読者の便宜のみを目的として、本明細書で使用されている。これらの方向に関する用語の使用は、いかなる方式でも、説明、図示、および/または特許請求された特徴を、特定の方向および/または方位に限定しない。
【0053】
同じ部品番号で図面に示され、別の個別の例に対して文字によって区別される複数の関連品目は、一般に、フルネームの区別可能な部分、および/または番号のみによって称される場合がある。たとえば、複数の「横方向に延在する要素」90A、90B、90Cおよび90Dが図面に示されている場合、本開示では、これらを「横方向に延在する要素90Aから90D」または「横方向に延在する要素90」、または「要素90」などのフルネームの区別可能な部分を称する場合がある。
【0054】
本開示で使用される語法は、以下に明示的に定義される場合を除き、単純かつ通常の意味のみを有するものと推定される。本明細書に含まれる定義で使用される単語は、単純かつ通常の意味のみを有するとされている。そのような単純かつ通常の意味は、最も直近に出版されたウェブスター辞書やランダムハウス辞書からの、すべての一貫した辞書的な定義を含んでいる。本明細書で使用される場合、以下の定義は、以下の用語またはその一般的な変形(たとえば、単数形/複数形、過去形/現在形など)に適合する。
【0055】
数値に関する「約」は、一般に、記載された値のプラスまたはマイナス10%を称する。たとえば、記載された値が4.375である場合、「約4.375」という用語の使用は、一般に、3.9375から4.8125の範囲を意味する。
【0056】
本明細書における「および/または」は包括的であり、「または」のみならず「および」も意味する。たとえば、「Pおよび/またはQ」は、P、Q、および、PとQとを含み、そして、そのような「Pおよび/またはQ」は、他の要素も同様に含む場合がある。
【0057】
「アンテナまたはアンテナシステム」とは、一般に、電力を電磁放射に変換する、任意の適切な構成の電気的デバイスまたは一連のデバイスを称する。そのような放射は、電磁スペクトルに沿った任意の周波数において垂直偏光、水平偏光、または円偏光のいずれかになり得る。円偏波で送信するアンテナは、右旋偏波または左旋偏波(right-handed or left-handed polarization)のいずれかを有し得る。電波の場合、アンテナは、超低周波(ELF)から超高周波(EHF)まで、電磁スペクトルに沿った範囲の周波数で送信できる。電波を送信するように設計されたアンテナまたはアンテナシステムは、受信機または送信機に電気的に(多くの場合、伝送線を介して)接続された金属導体(素子)の構成を備え得る。送信機によってアンテナを介して強制される電子の振動電流は、アンテナ素子の周囲に振動磁場を生成することができるが、電子の電荷も、素子に沿って振動電場を生成する。これら時間とともに変化する場は、動きのある横断電磁場波として、アンテナから空間に放射される。逆に、受信中は、到来する電磁波の振動する電場および磁場が、アンテナ素子内の電子に力を及ぼし、電子を前後に移動させ、アンテナ内に振動電流を生成する。次に、これら電流は受信機によって検出され、処理されて、デジタルまたはアナログの信号またはデータを取得することができる。アンテナは、すべての水平方向(全方向性アンテナ)に実質的に等しく、または特定の方向(指向性アンテナまたは高利得アンテナ)に優先的に、電波を送信および受信するように設計することができる。後者の場合、アンテナは、送信機または受信機への任意の物理的な電気的接続を有する場合も有さない場合もある追加の素子または面を含む場合もある。たとえば、寄生素子(parasitic element)、放物状反射器(parabolic reflector)またはホーン、および他のそのような非通電素子は、電波をビームまたは他の所望の放射パターンに向けるのに役立つ。したがって、アンテナは、これらの様々な面または素子の配置によって、増加または減少した指向性または「利得」を示すように構成され得る。高利得アンテナは、放射された電磁エネルギーの実質的に大部分を、垂直、水平、またはそれらの任意の組合せであり得る所与の方向に向けるように構成することができる。アンテナはまた、電磁エネルギーを、電離層(ionosphere)などの大気の上層に向けて集中させるために、地球に対して特定の範囲の垂直角(すなわち「離陸角」)内で電磁エネルギーを放射するように構成され得る。電磁エネルギーを特定の角度で高層大気へ向けることにより、特定の周波数で電磁エネルギーを送信することにより、1日の特定の時間帯に特定のスキップ距離を達成することができる。アンテナの他の例は、電気エネルギーを、電磁スペクトルの可視光または非可視光部分の電磁エネルギーのパルスに変換するエミッタおよびセンサを含む。例は、遠赤外線から極紫外線までの電磁スペクトルに沿った範囲の周波数で電磁エネルギーを生成するように構成された発光ダイオード、レーザなどを含む。
【0058】
「通信リンク」は、一般に、2つ以上の通信エンティティ間の接続を称し、通信エンティティ間の通信チャネルを含むことも含まないこともある。通信エンティティ間の通信は、任意の適切な手段によって行うことができる。たとえば、接続は、実際の物理的リンク、電気的リンク、電磁的リンク、論理的リンク、または通信を容易にする他の任意の適切なリンクとして実施され得る。実際の物理的リンクの場合、通信は、ある素子の、別の素子に対する物理的な移動によって互いに応答するように構成された通信リンク内の複数の構成要素によって行うことができる。電気的リンクの場合、通信リンクは、通信リンクを形成するために電気的に接続された複数の導電体から構成され得る。電磁的リンクの場合、接続の素子は、任意の適切な周波数で電磁エネルギーを送信または受信することによって実現され、これによって、通信が電磁波として通過できるようになる。これらの電磁波は、光ファイバなどの物理的媒体、または自由空間、またはそれらの組合せを通過する場合もあれば、通過しない場合もある。電磁波は、電磁スペクトル内の任意の周波数を含む任意の適切な周波数で通過され得る。論理的リンクの場合、通信リンクは、受信局内の伝送局など、送信者と受信者との間の概念的なリンクであり得る。論理的リンクは、物理的リンク、電気的リンク、電磁的リンク、または他のタイプの通信リンクの任意の組合せを含み得る。
【0059】
「コンピュータ」は、一般に、任意の数の入力値または変数から結果を計算するように構成された任意のコンピューティングデバイスを称する。コンピュータは、入力または出力を処理するための計算を実行するためのプロセッサを含み得る。コンピュータは、プロセッサによって処理される値を格納するための、または以前の処理の結果を格納するためのメモリを含み得る。また、コンピュータは、値を送受信するための入力デバイスおよび出力デバイスからなる広範なアレイから、入出力を受け取るように構成され得る。そのようなデバイスは、他のコンピュータ、キーボード、マウス、ビジュアルディスプレイ、プリンタ、産業用機器、および、あらゆるタイプやサイズのシステムまたは機械類を含む。たとえば、コンピュータは、ネットワークまたはネットワークインターフェースを制御して、要求に応じて様々なネットワーク通信を実行できる。ネットワークインターフェースは、コンピュータの一部である場合もあれば、コンピュータとは別個に離れているとして特徴付けられる場合もある。コンピュータは、デスクトップコンピュータやラップトップコンピュータなどの単一の物理的なコンピューティングデバイスである場合もあれば、ネットワーク化されたクラスタ内の1つのデバイスとして動作するサーバのグループなど、同じタイプの複数のデバイスで構成される場合や、1つのコンピュータとして動作し、通信ネットワークによってともにリンクされた、異なるコンピューティングデバイスからなる異種混合の組合せで構成される場合もある。コンピュータに接続されている通信ネットワークは、インターネットなどの、より広範なネットワークに接続され得る。したがって、コンピュータは、1つまたは複数の物理的プロセッサまたは他のコンピューティングデバイスまたは回路構成を含むことができ、任意の適切なタイプのメモリも含むことができる。コンピュータは、未知または変動する数の物理的プロセッサと、メモリまたはメモリデバイスとを有する仮想的なコンピューティングプラットフォームであり得る。したがって、コンピュータは、1つの地理的な場所に物理的に配置されることも、通信ネットワークによってともにリンクされた複数のプロセッサを備えたいくつかの広く分散した場所に物理的に分散して、単一のコンピュータとして動作することもできる。コンピュータまたはコンピューティングデバイス内の「コンピュータ」および「プロセッサ」の概念は、開示されたシステムの一部として計算または比較を行うのに役立つ任意のそのようなプロセッサまたはコンピューティングデバイスも包含する。コンピュータ内で発生し得るしきい値の比較、ルールの比較、計算などに関連する処理動作は、たとえば、上記で説明されたように、別個のサーバ、別個のプロセッサを備えた同じサーバ、または未知数の物理的プロセッサを有する仮想的なコンピューティング環境で発生する場合がある。コンピュータは、任意選択的に、1つまたは複数の視覚ディスプレイに接続することができ、および/または、統合された視覚ディスプレイを含むことができる。同様に、ディスプレイは、同じタイプであっても、異なる視覚デバイスからなる異種混合の組合せであってもよい。コンピュータは、代表的な例をほんのいくつか挙げると、キーボード、マウス、タッチスクリーン、レーザまたは赤外線ポインティングデバイス、またはジャイロスコープポインティングデバイスなどの1つまたは複数のオペレータ入力デバイスを含む場合もある。また、ディスプレイに加えて、プリンタ、プロッタ、工業用製造機械、3Dプリンタなどの1つまたは複数の他の出力デバイスが含まれていてもよい。したがって、様々なディスプレイ、入出力デバイスの構成が可能である。複数のコンピュータまたはコンピューティングデバイスは、有線またはワイヤレスの通信リンクを介して互いに通信するか、または他のデバイスと通信して、ネットワークを形成するように構成され得る。ネットワーク通信は、インターネットなどの他の大規模なコンピュータネットワークを通過する前に、スイッチ、ルータ、ファイアウォールまたは他のネットワークデバイス、またはインターフェースなどのネットワーク機器として動作する様々なコンピュータを通過する場合がある。通信は、伝送回線または自由空間を介して電磁波で伝送されるワイヤレスデータ伝送として、ネットワークを介して受け渡すこともできる。そのような通信は、Wi-Fi、または他のワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)、またはセルラー送受信機を使用して、データを転送することを含む。
【0060】
本明細書で使用される「一定速度セグメント」は、一定に保たれる、つまり速度値が変化しない、滑らかな移動速度予測の一部を意味する。図面では、グラフのY軸が速度を表し、X軸が時間または変位を表す場合、これは水平線で表される。
【0061】
本明細書で、「制御信号」とは、コントローラから制御対象に与えられる信号を意味する。信号は、有線であってもなくてもよい。信号は、電気的、電子的、光学的、RFまたはその他であり得る。制御信号の例は、パルス幅変調、周波数変調、振幅変調された電気信号または光信号を含む。制御信号は、任意選択的に、対象に供給される電力も含む場合がある。
【0062】
本明細書で使用される「動的に調整する」とは、何かが動いているかまたは変化しているとき、またはその直前に何かを調整することを意味する。
本明細書で使用される「電気モータ」は、電気エネルギーを、回転する機械的なエネルギーに変換する電気機械を意味する。電気モータの例は、ブラシ付きDCモータ、ブラシレスDCモータ、無整流DCモータ、永久磁石DCモータ、同期ACモータ、誘導ACモータ、およびステッピングモータを含む。
【0063】
本明細書で使用される「エンベロープ」は、グラフ上の2つの曲線の間のエリアの表現を意味する。前記曲線の一方は最小値を表し、他方は最大値を表す。エンベロープは、対象の滑らかな移動速度の予測を定義するために使用される場合、対象の速度の一連の目標値を表すエリアを定義する。
【0064】
本明細書で使用される「複数(multiple)」は、「複数(plurality)」という用語と同義であり、1つよりも多い、または、さらには2つ以上を称する。
「ネットワーク」または「コンピュータネットワーク」とは、一般に、コンピュータがデータを交換できる電気通信ネットワークを称する。コンピュータは、データをデータグラムまたはパケットの集合に変換することによって、データ接続を通じて互いにデータを渡すことができる。コンピュータとネットワークとの間の接続は、ケーブル、光ファイバを使用して、またはワイヤレスネットワークデバイスなどの電磁伝送を介して確立され得る。ネットワークに結合されたコンピュータは、「ノード」または「ホスト」と称される場合があり、ネットワークからデータを発信、ブロードキャスト、ルーティング、または受け取ることができる。ノードは、パーソナルコンピュータ、電話、サーバなどの任意のコンピューティングデバイスだけでなく、ネットワーク全体のデータのフローを維持するために動作する「ネットワークデバイス」と称される特殊なコンピュータも含むことができる。2つのノードが互いに直接接続されているかどうかに関係なく、1つのデバイスが別のデバイスと情報を交換できる場合、2つのノードは「ネットワーク化されている」とみなすことができる。有線ネットワーク接続の例は、デジタル加入者回線(DSL)、同軸ケーブル回線、または光ファイバ回線を含み得る。ワイヤレス接続は、BLUETOOTH(登録商標)、世界規模相互運用マイクロ波アクセス(WiMAX)、赤外線チャネルまたは衛星帯域、または、たとえば電気電子学会(IEEE)802.11規格(たとえば、いくつか例を挙げると、802.11(a)、802.11(b)、802.11(g)または802.11(n))を使用して実施されるような任意のワイヤレスローカルエリアネットワーク(Wi-Fi)を含み得る。ワイヤレスリンクは、1G、2G、3G、4Gまたは5Gを含むモバイルデバイス間の通信に使用される任意のセルラーネットワーク規格を含み得るか、使用し得る。ネットワーク規格は、国際電気通信連合(ITU)によって維持される仕様などの、仕様または規格を満たすことによって、1G、2Gなどとして認定する場合がある。たとえば、ネットワークが、国際電気通信連合2000(IMT-2000)仕様の基準を満たしている場合、それ以外の呼び方に関係なく、ネットワークは「3Gネットワーク」と称され得る。国際移動体通信高度化(IMTアドバンスト)仕様の要件を満たしているネットワークは、「4Gネットワーク」と称され得る。セルラーネットワークまたは他のワイヤレス規格の例は、AMPS、GSM、GPRS、UMTS、LTE、LTE Advanced、Mobile WiMAXおよびWiMAX-Advancedを含む。セルラーネットワーク規格は、FDMA、TDMA、CDMAまたはSDMAなどの様々なチャネルアクセス方法を使用し得る。異なるタイプのデータが、異なるリンクおよび規格を介して送信されることも、同じタイプのデータが、異なるリンクおよび規格を介して送信されることもある。ネットワークの地理的範囲は大きく異なる場合がある。例は、ボディエリアネットワーク(BAN)、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、またはインターネットを含む。ネットワークは、ネットワーク接続の数および使用法を定義する任意の適切なネットワークトポロジを有し得る。ネットワークトポロジは、任意の適切な形態からなり得、ポイントツーポイント、バス、スター、リング、メッシュ、またはツリーを含み得る。ネットワークは、仮想的なオーバレイネットワークであってもよく、他のネットワークを使用する、または他のネットワークの「上に位置する」1つまたは複数の層として構成される。ネットワークは、プロトコルの層やスタックを含む、異なる通信プロトコルやメッセージング技法を利用する場合がある。例は、イーサネットプロトコル、インターネットプロトコルスイート(TCP/IP)、ATM(非同期転送モード)技法、SONET(同期光ネットワーキング)プロトコル、またはSDE1(同期デジタルエリアキー)プロトコルを含む。TCP/IPインターネットプロトコルスイートは、アプリケーション層、トランスポート層、インターネット層(たとえば、IPv6を含む)、またはリンク層を含む場合がある。
【0065】
本明細書で使用される「非線形速度」とは、変化する速度を意味する。
本明細書で使用される「任意選択的に」とは、自由裁量、必須ではない、可能であるが強制でない、個人の選択に任されていることを意味する。
【0066】
本明細書で使用される「事前定義された」とは、事前に確立されたことを意味する。これは、事前にプログラムされること、および/またはROM、PROMまたは他のコンピュータメモリに格納されることを含む。これは、分圧器、抵抗器、または他のディスクリート構成要素など、値を格納するために利用される構成要素も含む。
【0067】
本明細書で使用される「比例積分微分制御機能」は、測定されたプロセス変数(背もたれの速度など)と、所望の設定値(滑らかな動きの速度プロファイルなど)との差として「誤差」値を計算する制御ループのフィードバックメカニズムを意味する。この機能は、プロセス制御出力(アクチュエータへの制御信号など)を調整することによって誤差を最小限に抑えようとする。
【0068】
本明細書で使用される「主に」は、50%を超えることと同義である。
「遠隔」とは一般に、2つのものの間の物理的、論理的、または他の隔離を称する。この隔離は、数千マイルまたは数百万マイルまたはキロメートルのように比較的大きい場合もあれば、ナノメートル分の1インチまたは百万分の1インチのように小さい場合もある。互いに「遠隔(の)」2つのものは、論理的または物理的にともに結合または接続されることもある。
【0069】
「座席」とは、一般に、人間および/または他の動物が座ることを可能にする目的で構成された支持構造のタイプまたは場所を称する。座席の例は、ほんのいくつか例を挙げると、椅子、スツール、ベンチ、サドル、ソファなどを含む。常にではないが、通常、座席は、背もたれ、肘掛け、ヘッドレスト、および他の機能をさらに含むことができる。
【0070】
本明細書で使用される「センサ」とは、速度パラメータを感知または測定し、それを記録、表示、またはさもなければ応答するデバイスを意味する。センサの例は、ホール効果センサ、ポテンショメータ、エンコーダ(線形、回転、および/または光学)、加速度計、傾斜センサ、距離計、傾斜計、フォトダイオード、動き検出器、または前述のいずれかの組合せを含むが、これらに限定されない。
【0071】
本明細書で使用される「単一セットの目標値」とは、エンベロープアプローチとは異なり、滑らかな移動速度の予測が、グラフ化されたときに1つの曲線、線、またはプロットによって表されることを意味する。これは、滑らかな移動速度の予測が関係する、対象の速度のすべての目標値を含む。
【0072】
本明細書で使用される「速度パラメータ」は、対象の速度(直線、曲線、または回転)を導出するために測定できる物理的属性を意味する。速度パラメータの例は、速度、速さ、加速度、変位および/または位置を含む。
【0073】
「車両」は一般に、人および/または荷物を輸送する機械を称する。一般的な車両タイプは、陸上車両、水陸両用車両、船舶、航空機、および宇宙船を含むことができる。非限定的な例として、陸上車両は、ワゴン、カート、スクータ、自転車、オートバイ、自動車、バス、トラック、セミトレーラ、電車、トロリ、および路面電車を含むことができる。ほんのいくつか例を挙げると、水陸両用車両は、たとえば、ホバークラフトやアヒルボートを含むことができ、船舶は、船、ボート、および潜水艦を含むことができる。航空機の一般的な形態は、飛行機、ヘリコプタ、オートジャイロ、および気球を含み、宇宙船は、たとえば、ロケットやロケット推進航空機を含むことができる。車両は、多くのタイプの電源を有することができる。たとえば、車両は、人間の推進力や電気によって、化学燃焼、原子力、および/または太陽光によって、動力を供給することができる。車両の方向、速度、および操作は、人間によって制御されることも、自律的に制御されることも、および/または半自律的に制御されることも可能である。自律的または半自律的に制御される車両の例は、無人搬送車(AGV)やドローンを含む。
【0074】
「車両のブレーキ」は、車両のフットブレーキを直接的または間接的に適用することに応じて、車両を減速または停止することを意味する。
【国際調査報告】