(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-24
(54)【発明の名称】複数の半導体レーザーを製造する方法および半導体レーザー
(51)【国際特許分類】
H01S 5/10 20210101AFI20231116BHJP
H01S 5/323 20060101ALI20231116BHJP
【FI】
H01S5/10
H01S5/323 610
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023528407
(86)(22)【出願日】2021-10-14
(85)【翻訳文提出日】2023-06-05
(86)【国際出願番号】 EP2021078395
(87)【国際公開番号】W WO2022100951
(87)【国際公開日】2022-05-19
(31)【優先権主張番号】102020130017.4
(32)【優先日】2020-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】599133716
【氏名又は名称】エイエムエス-オスラム インターナショナル ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】ams-OSRAM International GmbH
【住所又は居所原語表記】Leibnizstrasse 4, D-93055 Regensburg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】スヴェン ゲアハート
【テーマコード(参考)】
5F173
【Fターム(参考)】
5F173AB62
5F173AH22
5F173AP32
5F173AP33
5F173AP38
5F173AP45
5F173AP87
5F173AP91
(57)【要約】
本発明は、複数の半導体レーザー(1)を製造する方法であって、a)半導体積層体(2)と複数のモジュール領域(10)とを有する基板(25)を用意するステップであって、各モジュール領域が、少なくとも1つの共振器領域(29)を有し、共振器領域に対する垂直方向では横方向の個別化線(91)によって、かつ共振器領域に対する平行方向では長手方向の個別化線(92)によって画定されている、ステップと、b)ドライケミカルエッチングプロセスにより、横方向の個別化線に重なる凹部(3)を形成するステップと、c)共振器面(30)を形成するために凹部の側面(31)をウェットケミカルエッチングするステップと、d)基板(25)を、横方向の個別化線および長手方向の個別化線に沿って個別化するステップとを含む、方法に関する。さらに、半導体レーザー(1)を提示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の半導体レーザー(1)を製造する方法であって、
a)半導体積層体(2)と複数のモジュール領域(10)とを有する基板(25)を用意するステップであって、各モジュール領域が、少なくとも1つの共振器領域(29)を有し、前記共振器領域に対する垂直方向では横方向の個別化線(91)によって、かつ前記共振器領域(29)に対する平行方向では長手方向の個別化線(92)によって画定されている、ステップと、
b)ドライケミカルエッチングプロセスにより、前記横方向の個別化線に重なる凹部(3)を形成するステップと、
c)共振器面(30)を形成するために前記凹部の側面(31)をウェットケミカルエッチングするステップと、
d)前記基板(25)を、前記横方向の個別化線および前記長手方向の個別化線に沿って個別化するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
ステップc)において、少なくとも前記共振器領域(29)の領域において、前記共振器領域(29)に対して垂直に延在する結晶面が露出される、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記半導体積層体(2)は窒化物半導体材料をベースとしており、
ステップc)において、前記半導体積層体(2)の(1-100)面が露出される、
請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
ステップb)において、前記凹部(3)が、前記長手方向の個別化線(92)から離間されるように形成される、
請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記凹部(3)が多角形の基本形状を有する、
請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記多角形の基本形状の少なくとも2つの側面(31)が、100°以上140°以下の角度を成している、
請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記凹部(3)は少なくとも部分的に湾曲した基本形状を有しており、
前記共振器領域(29)の領域における前記凹部の曲率半径は、前記共振器領域(29)の幅の10倍以上500倍以下である、
請求項4から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
横方向で隣り合う各凹部(3)が、チャネル(4)によって相互に接続されている、
請求項4から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
隣り合う各モジュール領域(10)間の各凹部(3)が、前記長手方向の個別化線(92)の全体にわたって延在している、
請求項4から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
前記共振器領域(29)はブリッジ型導波体であり、
前記ブリッジ型導波体は、前記横方向の個別化線(91)に沿って拡幅領域(27)を有しており、前記凹部が前記拡幅領域内に形成される、
請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
半導体積層体(2)および共振器領域(29)を有する半導体レーザー(1)であって、
・半導体レーザー(1)は、前記共振器領域に沿って、2つの横方向に延在する側面(11)間に延在しており、
・前記半導体レーザー(1)は、前記横方向に延在する側面(11)にそれぞれ1つの共振器面(30)を有しており、前記共振器面(30)は、前記半導体レーザー(1)の前記横方向に延在する側面(11)に対してオフセットされて配置されている、
半導体レーザー(1)。
【請求項12】
前記半導体レーザー(1)は、前記横方向に延在する側面(11)に沿ってそれぞれ1つの凹部(3)を有しており、
前記凹部は、前記半導体レーザーを上から見たとき、前記共振器領域(29)の側方に、湾曲してまたは屈曲して延在している、
請求項11記載の半導体レーザー。
【請求項13】
前記凹部(3)は、前記半導体レーザー(1)の、前記半導体積層体(2)が配置された基板(25)内へ延在している、
請求項11または12記載の半導体レーザー。
【請求項14】
前記共振器領域(29)は、横方向での拡幅領域(27)を有するブリッジ型導波体である、
請求項11から13までのいずれか1項記載の半導体レーザー。
【請求項15】
請求項1から10までのいずれか1項記載の方法によって製造された、請求項11から14までのいずれか1項記載の半導体レーザー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、半導体レーザーを製造する方法および半導体レーザーに関する。
【0002】
エッジエミッション型半導体レーザー、例えば青色スペクトル領域または紫外スペクトル領域で発光する半導体レーザーを製造する際には、半導体レーザーの共振器面を成すファセットが典型的にはスクライビングおよび破断によって製造される。しかし、こうしたプロセスでは変動が生じやすく、またコストがかかる。
【0003】
課題は、高品質の共振器面を確実かつ低コストに取得することである。
【0004】
この課題は、とりわけ、各独立請求項に記載の方法および半導体レーザーによって解決される。別の構成および有利な態様は各従属請求項の対象となっている。
【0005】
本発明は、複数の半導体レーザーを製造する方法に関する。
【0006】
方法の少なくとも1つの実施形態によれば、方法は、半導体積層体と複数のモジュール領域とを有する基板を用意するステップを含む。ここで、モジュール領域とは、例えば、半導体積層体を有する基板のうち、製造時に半導体レーザーを生じさせる領域に対応する。
【0007】
半導体積層体は、例えば放射を形成するために設けられた活性領域を有しており、この活性領域は、第1の伝導型の第1の半導体層と、第1の伝導型とは異なる第2の伝導型の第2の半導体層との間に設けられている。例えば、活性領域は、紫外スペクトル領域、可視スペクトル領域または赤外スペクトル領域における放射を形成するために設けられている。
【0008】
基板は、例えば半導体積層体のための成長基板である。ただし、基板は、半導体レーザーへの個別化の前にすなわちまだウェハ複合体にあるときに半導体積層体に被着される、成長基板とは異なる支持体であってもよい。
【0009】
方法の少なくとも1つの実施形態によれば、各モジュール領域は少なくとも1つの共振器領域を有する。例えば、各モジュール領域は、正確に1つの共振器領域または少なくとも2つの共振器領域を有する。共振器領域の幅、すなわち共振器軸線に対して垂直な横方向における共振器領域の広がりは、例えば1μm以上60μm以下である。
【0010】
共振器領域とは、特に、共振器内で共振器面間を伝搬する放射の横方向の導波が行われる領域であると理解される。ここでの放射は、例えば屈折率導波されるかまたは増幅度導波(利得導波とも称される)される。
【0011】
例えば、共振器領域はブリッジ型導波体である。代替的に、共振器領域は、例えば、例えば横方向において制限された通電によって放射が共振器内部で利得導波されて伝搬する、半導体レーザーの領域である。凸部を形成するための半導体積層体の横方向の構造化は、このケースでは不要である。
【0012】
例えば、各モジュール領域は、それぞれ横方向の個別化線および長手方向の個別化線によって画定されている。各個別化線は、特に方法の完了時に複数の半導体レーザーへの個別化が行われる箇所に対応する。
【0013】
この場合、共振器領域の主延在方向(または共振器軸線)に対して平行に延在する方向が、長手方向と見なされる。完成した半導体レーザーにおいて、活性領域で形成された放射は、共振器領域における共振器軸線に沿って振動する。ここでの横方向は、長手方向に対して垂直に延在している。
【0014】
方法の少なくとも1つの実施形態によれば、方法は、横方向の個別化線に重なる凹部を形成するステップを含む。凹部は、特に、共振器領域の共振器軸線が横方向の個別化線に交わる箇所にも設けられる。
【0015】
凹部は、例えばドライケミカルエッチングプロセス、例えばプラズマエッチングプロセスによって形成される。半導体積層体の当該構造化にはリソグラフィプロセスを適用することができ、これは例えばフォトレジストマスクまたはハードマスクを使用して行われる。凹部は、例えば部分的に半導体積層体を貫通して延在するように構成される。例えば、凹部は、基板内へも延在する。
【0016】
例えば、凹部は、垂直方向で、すなわち半導体積層体の主延在面に対して垂直に、2μm以上25μm以下の深さを有する。
【0017】
方法の少なくとも1つの実施形態によれば、方法は、共振器面を形成するために凹部の側面をウェットケミカルエッチングするステップを含む。ウェットケミカルエッチングを用いることにより、垂直方向だけでなく横方向においても材料を除去することができる。予めドライケミカルエッチングにより凹部の形態で行われる構造化から出発して、ウェットケミカルエッチングを用いることにより、長手方向に対して垂直に延在する結晶面を露出させることができる。ウェットケミカルエッチングの間、ドライケミカルエッチングプロセスに使用されるマスクは、既に除去されていても、または半導体積層体にまだ存在していてもよい。
【0018】
方法の少なくとも1つの実施形態によれば、方法は、基板を横方向の個別化線および長手方向の個別化線に沿って個別化するステップを含む。基板の個別化は、特に、ドライケミカルエッチングプロセスおよびウェットケミカルエッチングの後に行われる。つまり、半導体レーザーの共振器面は、基板の個別化の際に生じるのではなく、むしろ先行のステップにおいて形成される。個別化のために、例えば、ウェットケミカルエッチングまたはドライケミカルエッチング、例えばプラズマエッチングなどの化学的プロセス、鋸断または破断などの機械的方法、および/またはレーザーアブレーションもしくはステルスダイシングなどのレーザービームを使用するプロセスが適している。
【0019】
複数の半導体レーザーを製造する方法の少なくとも1つの実施形態では、半導体積層体と複数のモジュール領域とを有する基板が用意され、ここで、各モジュール領域は、少なくとも1つの共振器領域を有し、共振器領域に対する垂直方向では横方向の個別化線によって、かつ共振器領域に対する平行方向では長手方向の個別化線によって画定されている。横方向の個別化線に重なる凹部が、特にドライケミカルエッチングプロセスにより形成される。凹部の側面は、共振器面を形成するためにウェットケミカルエッチングされる。基板は、横方向の個別化線および長手方向の個別化線に沿って個別化される。
【0020】
記載の方法によれば、2段階のエッチングプロセスによって共振器面を形成することができ、この場合、基板の個別化は、共振器面が形成された後にはじめて行われる。したがって、個別化自体は、共振器面の品質にもはや直接的な影響を及ぼさない。特に、高い効率を有する高品質の共振器面を、スクライビングおよび破断による製造に比べて低コストに、より低いばらつきで製造することができる。
【0021】
方法の少なくとも1つの実施形態によれば、少なくとも共振器領域の領域において、ウェットケミカルエッチングの際に共振器領域に対して垂直に延在する結晶面が露出される。これは、例えば、結晶方向に関する高い選択性を特徴とするウェットケミカルエッチングプロセスによって達成することができる。
【0022】
方法の少なくとも1つの実施形態によれば、半導体積層体は、窒化物半導体材料をベースとしたものである。
【0023】
例えば、ウェットケミカルエッチングでは、半導体積層体の(1-100)面が露出される。(1-100)面は、m面またはmプレーンとも称される。
【0024】
窒化物半導体材料には、例えば、OH-イオンを発生させる塩基性溶液が適している。例えば、KOH、TMAH、またはNH3を適用することができる。
【0025】
「窒化物半導体材料ベース」とは、本発明の関連においては、半導体積層体またはその少なくとも一部、特に好ましくは少なくとも活性領域および/または成長基板が、窒化物半導体材料、好適にはAlxInyGa1-x-yN[0≦x≦1、0≦y≦1かつx+y≦1]を有するかまたはこれから成ることを意味する。この場合、当該材料は、必ずしも数学的に厳密に上掲式に従った組成を有していなくてよい。むしろ、例えば1つもしくは複数のドープ物質および付加的な成分を含むことができる。ただし、簡明性のために、上掲式には、部分的に少量の別の物質によって置換可能かつ/または補完可能であったとしても、結晶格子の主成分(Al,Ga,In,N)しか含めていない。
【0026】
窒化物半導体材料をベースとした活性領域により、紫外スペクトル領域、青色スペクトル領域または緑色スペクトル領域における放射を高い効率で形成することができる。
【0027】
ただし、記載の方法は、他の半導体材料、特に別のIII-V族化合物半導体材料、例えば、特に黄色から赤色の放射のためのAlxInyGa1-x-yP、または特に赤色および赤外の放射のためのAlxInyGa1-x-yAsにも適している。この場合、それぞれ0≦x≦1、0≦y≦1かつx+y≦1、特にx≠1、y≠1、x≠0および/またはy≠0が当てはまる。
【0028】
方法の少なくとも1つの実施形態によれば、凹部は、ドライケミカルエッチングプロセスにより、長手方向の個別化線から例えば少なくとも1μm離間されるように形成される。よって、このケースでは、凹部は、隣り合うモジュール領域の全体にわたって延在することはない。
【0029】
方法の少なくとも1つの実施形態によれば、凹部が多角形の基本形状を有している。例えば、4つ以上の角部を有する基本形状、例えば5つの角部、6つの角部または8つの角部を有する基本形状を使用することができる。
【0030】
特に、凹部を、半導体レーザーを上から見て各角部がそれぞれの共振器領域の側方で、共振器領域に対して相対的に位置するように配置することができる。
【0031】
方法の少なくとも1つの実施形態によれば、多角形の基本形状の少なくとも2つの側面は、100°以上140°以下の角度、特に110°以上130°以下の角度、例えば120°を成している。
【0032】
つまり、ウェットケミカルエッチングのために、相互に90°よりも大きな角度で位置する側面が提供される。例えば、窒化物半導体材料をベースとした半導体につき、こうした各角部の近傍、例えば隣り合う側面間に120°の角度を有する各角部の近傍において、共振器面として利用可能な特に平滑な面を形成できることが判明している。すなわち、凹部に特別な形状を付与することにより、製造すべき結晶面の品質に有利な影響を及ぼすことができる。
【0033】
方法の少なくとも1つの実施形態によれば、凹部は、少なくとも部分的に湾曲した基本形状を有している。例えば、凹部の縁の少なくとも1つの部分領域は、円形または楕円形の基本形状を有している。例えば、共振器領域の領域における凹部の曲率半径は、共振器領域の幅の10倍以上500倍以下である。この場合、共振器領域の幅とは、横方向における共振器領域の広がりをいう。凹部の湾曲した基本形状によって、ウェットケミカルエッチングプロセスのための結晶面に対して相対的なそれぞれ異なる角度が提供される。さらに、提示している、共振器領域の幅に対して相対的な曲率半径の比率によって、ウェットケミカルエッチングプロセスにより共振器領域の領域に平坦な共振器面が形成されることが保証可能となる。ウェットケミカルエッチングプロセスにより、凹部の側面は、光学的に有効な領域すなわち共振器領域の領域において平坦となる。
【0034】
凹部は、半導体レーザーを上から見たとき、部分的に湾曲しかつ部分的に直線状に延在するものであってよい。例えば、多角形の基本形状は、1つもしくは複数の丸み付けられた角部を有していてよい。
【0035】
方法の少なくとも1つの実施形態によれば、横方向で隣り合う凹部がチャネルによって相互に接続されている。凹部とは異なり、チャネルは特に共振器領域の領域外に配置されている。このようなチャネルを介して、ウェットケミカルエッチングの間、個々の凹部間の媒体交換が達成可能となる。さらに、半導体材料とエッチング溶液との濡れ性を改善することもできる。チャネルの深さは、凹部の深さに対応していてもよいし、または凹部と異なっていてもよい。例えば、チャネルの深さは凹部の深さより小さくても十分でありうる。
【0036】
方法の少なくとも1つの実施形態によれば、隣り合うモジュール領域間の各凹部が、長手方向の個別化線の全体にわたって延在している。換言すれば、凹部は、横方向の個別化線に沿って複数のモジュール領域の全体にわたって延在しているか、または当該方向に沿って基板の全モジュール領域の全体にわたって延在している。例えば、凹部はトレンチ状であり、この場合、トレンチの主延在方向は横方向の個別化線に沿って延在している。
【0037】
方法の少なくとも1つの実施形態によれば、共振器領域はブリッジ型導波体である。半導体積層体は、特に、当該ブリッジ型導波体が発振器内を伝搬する放射の屈折率導波が可能となる凸部を形成するように、横方向で構造化されている。
【0038】
方法の少なくとも1つの実施形態によれば、ブリッジ型導波体は、横方向の個別化線に沿って拡幅領域を有する。当該拡幅領域では、ブリッジ型導波体の横方向での寸法が横方向での残りの領域における寸法よりも大きい。拡幅領域は、長手方向の個別化線にいたるまで横方向に延在しているか、または個別化線から離間されていてよい。長手方向に沿った拡幅領域の広がりは、好適には、当該方向に沿った半導体レーザーの広がりと比較して小さい。例えば、モジュール領域内部での長手方向における拡幅領域の広がりは、当該方向におけるモジュール領域の広がりまたは製造すべき半導体レーザーの広がりの最大20%、または最大10%、または最大2%である。
【0039】
特に、凹部は、拡幅領域内に形成可能である。例えば、凹部を横方向に沿って見て同じ高さにある半導体材料から出発して形成することができる。これにより、ブリッジ型導波体のエッジにおける高さの変化によって製造すべき共振器面の品質が損なわれるおそれが低減される。
【0040】
方法の少なくとも1つの実施形態によれば、凹部は、完全に拡幅領域の内部に形成される。よって、凹部は、形成された直後に、その全周に沿って、同じ高さにある半導体材料によって取り囲まれている。
【0041】
横方向の個別化線に沿った半導体レーザーでの個別化の後、凹部は、個別化の際に形成された横方向に延在する側面まで延在することができる。凹部は、上から見たとき横方向に延在する側面から離間している全ての箇所で、同じ高さにある半導体材料に接していてよい。
【0042】
代替的に、凹部は、横方向の個別化線に沿って、複数のもしくは全てのモジュール領域の全体にわたって、例えばトレンチ状に延在していてもよい。すなわち、一貫した凹部が複数の拡幅領域に接していてよい。
【0043】
さらに、半導体レーザーが提示される。上述した方法は、例えば、当該半導体レーザーの製造に適している。したがって、方法に関連して説明した特徴は、半導体レーザーにも使用可能であり、またその逆も当てはまる。
【0044】
少なくとも1つの実施形態によれば、半導体レーザーは半導体積層体および共振器領域を有し、ここで、半導体レーザーは、共振器領域に沿って、2つの横方向に延在する側面間に延在しており、かつ横方向に延在する側面において、これらの側面に対してオフセットされて配置されたそれぞれの共振器面を有する。
【0045】
よって、半導体レーザーを上から見たとき、共振器面は、横方向に延在する側面には存在していない。この場合、向かい合う共振器面間の間隔は、長手方向に沿った半導体チップの長さよりも短い。
【0046】
半導体レーザーの少なくとも1つの実施形態によれば、半導体レーザーは、横方向に延在する側面に沿ってそれぞれ1つの凹部を有し、この凹部は、半導体レーザーを上から見たとき、共振器領域の側方に、湾曲してまたは屈曲して延在している。この場合、凹部の側面の部分領域が共振器面を形成する。凹部の側面の湾曲したもしくは屈曲した領域は、共振器面の側方に配置されている。垂直方向では、凹部は、例えば半導体レーザーの半導体積層体が配置された、例えば堆積された、半導体レーザーの基板内へ延在している。
【0047】
半導体レーザーの少なくとも1つの実施形態によれば、共振器領域は、ブリッジ型導波体として形成されている。
【0048】
半導体レーザーの少なくとも1つの実施形態によれば、ブリッジ型導波体は、横方向に拡幅領域を有する。すなわち、共振器領域は、こうした拡幅領域を有するブリッジ型導波体によって形成されている。拡幅領域は、例えば少なくとも部分的に、横方向で最も近い側面まで延在している。代替的に、拡幅領域は、全ての箇所で、横方向の側面から離間していてもよい。
【0049】
半導体レーザーの少なくとも1つの実施形態によれば、拡幅領域は、長手方向で最も近い側面まで延在しており、特に向かい合った2つの側面に延在している。代替的に、拡幅領域は、全ての箇所で、長手方向の側面から離間していてもよい。
【0050】
例えば、凹部は拡幅領域内に配置されており、ここで、凹部は、半導体レーザーを上から見たとき、横方向に延在する側面まで延在している。凹部は、上から見たとき当該横方向に延在する側面から離間している全ての箇所で、拡幅領域に接していてよい。つまり、接している半導体材料は、これらの箇所で同じ高さを有する。
【0051】
別の構成および有利な実施形態は、図に関連した各実施例の以下の説明から得られる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【
図1A】平面図で概略的に示された中間ステップに基づき、半導体レーザーを製造する方法の一実施例を示す図である。
【
図1B】平面図で概略的に示された中間ステップに基づき、半導体レーザーを製造する方法の一実施例を示す図である。
【
図1C】平面図で概略的に示された中間ステップに基づき、半導体レーザーを製造する方法の一実施例を示す図である。
【
図1D】平面図で概略的に示された中間ステップに基づき、半導体レーザーを製造する方法の一実施例を示す図である。
【
図1E】平面図で概略的に示された中間ステップに基づき、半導体レーザーを製造する方法の一実施例を示す図である。
【
図2A】中間ステップの概略図に基づき、方法の一実施例を示す平面図である。
【
図2B】中間ステップの概略図に基づき、方法の一実施例を示す平面図である。
【
図2C】中間ステップの概略図に基づき、方法の一実施例を示す平面図である。
【
図3A】中間ステップの概略図に基づき、方法の一実施例を示す平面図である。
【
図3B】中間ステップの概略図に基づき、方法の一実施例を示す平面図である。
【
図3C】中間ステップの概略図に基づき、方法の一実施例を示す平面図である。
【
図4A】概略的に示された中間ステップに基づく方法の一実施例を示す平面図である。
【
図4B】概略的に示された中間ステップに基づく方法の一実施例を示す平面図である。
【
図5】概略的に示された中間ステップに基づく方法の一実施例を示す平面図である。
【
図6A】概略的に示された中間ステップに基づく方法の一実施例示す平面図である。
【
図6B】概略的に示された中間ステップに基づく方法の一実施例示す平面図である。
【
図7】概略的に示された中間ステップに基づく方法の一実施例を示す平面図である。
【
図8】概略的に示された中間ステップに基づく方法の一実施例を示す平面図である。
【
図9A】半導体レーザーの一実施例を示す概略的な平面図である。
【
図9B】半導体レーザーの一実施例を示す、対応する側面図である。
【0053】
同一の要素、同種の要素または同様の機能を有する要素には、それぞれ同じ参照符号を付してある。
【0054】
図はそれぞれ概略図であり、ゆえに、必ずしも厳密に縮尺通りには描かれていない。むしろ、個々の構成要素、特に層厚さは、より良好な理解のためかつ/またはより良好な表示のために誇張して示したところがある。
【0055】
図1A~
図1Dによれば、複数の半導体レーザーを製造する方法の実施例がそれぞれ概略図に則して平面図で示されている。ここでは、10個のモジュール領域10を有する基板25の一部が示されている。モジュール領域は、それぞれ2つの、横方向の個別化線91とこれに対して垂直に延在する長手方向の個別化線92とによって画定されている。
【0056】
基板25には半導体積層体2が形成されており、モジュール領域10はそれぞれ1つの共振器領域29を有する。基板は、例えば半導体積層体をエピタキシャル堆積させるための成長基板であり、例えば窒化物半導体材料をベースとした半導体積層体をエピタキシャル堆積させるためのGaNである。説明している実施例とは異なり、製造すべき半導体レーザー1が2つ以上の共振器領域29を有してもよい。製造すべき半導体レーザーは、例えば屈折率導波型であってもまたは利得導波型であってもよい。
【0057】
図1Bに示されているように、基板25上には、
図1Bではハッチングで示されている複数の開口部60を有するマスク6が形成される。マスクは、フォトレジストマスクまたはハードマスク、例えばSiNマスクまたはSiO
2マスクであってよい。
【0058】
開口部60の領域では、半導体積層体を備えた基板がドライケミカルエッチングプロセス、例えばプラズマエッチングプロセスにかけられ、これにより、開口部60の領域に凹部3が生じる。各凹部は、横方向の個別化線91と重なっている。各凹部3は、例えば、半導体積層体2を貫通して基板25内へ延在している(
図1C)。
【0059】
後続のステップでは、
図1Dに概略的に凹部3に対する矢印7によって示されているように、凹部3の側面31がウェットケミカルエッチングされ、これにより、共振器領域29の領域内に共振器面30が形成される。ウェットケミカルエッチングは半導体材料の結晶方向に関して高い選択性を有するように行われ、これにより、製造すべき半導体レーザーの長手方向に対して垂直に延在する結晶面が露出される。例えば、窒化物半導体材料をベースとした半導体積層体を備えた半導体レーザーは、(1-100)結晶面であってよい。
【0060】
ウェットケミカルエッチングの時点で、マスク6は、
図1Dに示されているように既に除去されていてよい。しかし、これとは異なり、マスクをウェットケミカルエッチング後にはじめて除去するほうが好ましいこともある。
【0061】
続いて、横方向の個別化線91と長手方向の個別化線92とに沿って、当該基板の個別化が行われる(
図1E)。これにより、1つのモジュール領域10からそれぞれ1つの半導体レーザー1が生じる。横方向の個別化線91に沿って各半導体レーザーの横方向に延在する側面11が生じ、長手方向の個別化線92に沿って各半導体レーザーの長手方向に延在する側面12が生じる(
図9Aを参照)。個別化の時点で共振器面30が既に形成されているので、個別化プロセス自体はもはや共振器面の品質に直接的な影響を及ぼさない。これにより、個別化プロセスに関する高いフレキシビリティが生じる。例えば、ここでの個別化は、機械的に、または化学的に、またはレーザー放射を用いて行うことができる。
【0062】
図示の実施例では、凹部3は、基板25を上から見たとき、多角形の基本形状、特に六角形の基本形状を有している。凹部3の2つの側面31間の角度は、例えば100°以上140°以下、約120°を有している。窒化物半導体材料については、露出させるべき結晶面に対して平行にもしくは垂直に延在する側面以外の側面も提供される場合、ウェットケミカルエッチングプロセスのために共振器面30を特に高い品質で製造できることが判明している。特に、窒化物半導体材料に対して120°または少なくとも近似に120°の角度で、共振器面30に関する特に高い品質を達成することができる。
【0063】
ただし、基本的には、凹部3につき様々な形状を使用することができる。このことは
図2A~
図2Cに示されている。多角形の基本形状、特に六角形の基本形状(
図2A)に代えて、
図2Bには、四角形の基本形状、例えば長方形の基本形状が示されている。
【0064】
図2Cの実施例では、凹部3が、部分的に湾曲した基本形状、例えば楕円形の基本形状を有している。湾曲した基本形状の場合、共振器領域29の領域における凹部3の曲率半径は、共振器領域29の幅の10倍以上500倍以下である。したがって、ウェットケミカルエッチングプロセスでは、平坦な共振器面30が生じるよう、共振器領域29の領域の半導体材料を除去することができる。
【0065】
部分的に湾曲した基本形状と多角形の基本形状とを、例えば丸み付けされた角部を有する多角形の形状として、相互に組み合わせることもできる。
【0066】
多角形の凹部3は、好適には、多角形の基本形状の角部が横方向で見て共振器領域29から離間されるように、共振器領域29に対して相対的に形成および配置されている。つまり、各共振器領域29は、凹部の一方の側面にしか接しない。
【0067】
【0068】
図2A~
図2Cとの相違点は、凹部3が横方向でチャネル4によって相互に接続されていることである。チャネル4は、それぞれ横方向に沿って、2つ以上のモジュール領域10を越えて、特に全てのモジュール領域10を越えて延在することができる。チャネル4の深さは凹部3の深さに対応していてもよいし、またはこれより小さくても大きくてもよい。チャネル4を介して、ウェットケミカルエッチングプロセスの間に媒体交換を行うことができる。これにより、横方向で基板を越えて、製造すべき半導体レーザー1のための個々の共振器面30の均一な形成が簡単化される。
【0069】
図4Aおよび
図4Bに示されている実施例では、共振器領域29はブリッジ型導波体である。ブリッジ型導波体は拡幅領域27を有する。拡幅領域27では、ブリッジ型導波体は、残りの領域よりも大きな幅を有する。拡幅領域27は横方向に延在しており、図示の実施例では、隣り合う共振器領域29の全体にわたって延在している。拡幅領域27は、基板を上から見たとき、横方向の個別化線91と重なっている。拡幅領域27は、垂直方向において、ブリッジ型導波体として構成された共振器領域29と同じ厚さを有する。
【0070】
図4Bに示されているように、凹部3は、それぞれ完全に拡幅領域27の内部に形成されるように構成可能である。つまり、凹部3は、その全周に沿って、ドライケミカルエッチングプロセスの前に同一の高さにある半導体材料によって取り囲まれている。このため、ブリッジ型導波体として構成された共振器領域29によって形成された凸部により、形成すべき共振器面30に障害が発生するおそれを低減することができる。
【0071】
図4Bに示されている実施例では、凹部3は、多角形状、特に六角形状である。しかし、これとは異なり、凹部3のための別の基本形状を使用することもでき、例えば
図2A~
図2Cに関連して説明した構成を使用することもできる。
【0072】
図5に示されている実施例は、
図4Aおよび
図4Bに関連して説明した実施例にほぼ対応する。
図4Aおよび
図4Bとの相違点は、凹部3がトレンチ状に複数のモジュール領域10の全体にわたって延在していることである。すなわち、凹部3には、それぞれ異なるモジュール領域10の複数の共振器領域29が対応付けられている。
【0073】
図6Aおよび
図6Bに示されている実施例は、
図4Aおよび
図4Bに関連して説明した実施例にほぼ対応する。
図4Aおよび
図4Bとの相違点は、拡幅領域27が隣り合うモジュール領域10の全体にわたって延在しないことである。各モジュール領域10には、対応する長手方向の個別化線92から離間された拡幅領域27が対応付けられている。この実施例の場合にも、六角形の基本形状のほか、凹部3の上述した別の基本形状を使用することができる。
【0074】
例えば、
図7に示されているように、凹部3のために長方形状の基本形状を使用することができる。
【0075】
図8に示されている実施例は、
図6Aおよび
図6Bに関連して説明した実施例にほぼ対応する。
【0076】
図6Aおよび
図6Bとの相違点は、
図5に関連して説明したように、凹部3が横方向で隣り合うモジュール領域10の全体にわたって延在していることである。
【0077】
図9Aおよび
図9Bには、半導体レーザーの実施例が概略的な平面図および対応する側面図で示されている。例示的に、
図6Bに関連して説明した方式で製造可能な半導体レーザーが示されている。ただし、方法の種々の実施例に関連して説明した構成、特に拡幅領域27の構成および/または凹部3の構成は、半導体レーザー1にも同様に適用可能である。
【0078】
半導体レーザー1は、基板25と、この基板25上に配置された半導体積層体2とを有する。半導体積層体は活性領域20を有しており、この活性領域20は、第1の伝導型の第1の半導体層21と第2の伝導型の第2の半導体層と22の間に配置されており、これにより、活性領域はpn接合領域として存在する。例えば、第1の半導体層はn型導電性であり、第2の半導体層22はp型導電性である。第1の半導体層21および第2の半導体層22の外部電気コンタクトのためのコンタクト面は、
図9Bでは簡明性のために明示していない。
【0079】
半導体レーザー1は共振器領域29を有し、ここで、半導体レーザー1は、長手方向で、すなわち共振器軸線5に沿って、2つの横方向に延在する側面11間に延在する。これに対して垂直に、半導体レーザー1は、長手方向に延在する側面12を有する。図示の実施例では、共振器領域29はブリッジ型導波体として形成されている。ただし、これとは異なり、共振器領域29は、共振器内で放射が利得導波されて振動する、半導体レーザー1の領域であってもよい。
【0080】
半導体レーザーは、横方向に延在する側面11にそれぞれ1つの共振器面30を有し、この共振器面30は、半導体レーザー1の横方向に延在する側面11に対してオフセットされて配置されている。共振器面30は、共振器軸線5に沿って見たとき、向かい合って位置する2つの側において共振器領域29を画定している。
【0081】
さらに、半導体レーザー1は凹部3を有し、この場合、凹部の側面31が共振器面30を形成する。凹部3は、垂直方向に、すなわち半導体積層体2の主延在面に対して垂直に、基板25内へ延在している。図示の実施例では、凹部3は、ブリッジ型導波体として構成された共振器領域29の拡幅領域27の領域に形成されている。凹部は、半導体レーザーの平面図において、当該横方向に延在する側面11まで延在する。半導体レーザーを上から見たとき横方向に延在する側面11から離間している全ての箇所で、凹部3は、拡幅領域27に接しうる。すなわち、凹部3に接する半導体材料は、これらの箇所で同じ高さを有する。
【0082】
しかし、このような拡幅領域27は、方法に関連して記載したように必ずしも要求されるものではない。また、拡幅領域27が長手方向の側面12まで延在することで、横方向で半導体レーザー1と同じ寸法を有していてもよい。同様に、凹部3が、長手方向に延在する側面12まで延在してもよい。
【0083】
本特許出願は、独国特許出願第102020130017.4号明細書の優先権を主張し、その開示内容は参照により本明細書に含まれるものとする。
【0084】
本発明は、実施例に即した説明に限定されない。むしろ、本発明は、新規な特徴の全て、および特に特許請求の範囲の特徴の組み合わせの全てを含む特徴の組み合わせの全てがこれら自体では特許請求の範囲または実施例に明示されていなくとも、これらの新規な特徴およびその組み合わせの全てを含む。
【符号の説明】
【0085】
1 半導体レーザー
10 モジュール領域
11 横方向の側面
12 長手方向の側面
2 半導体積層体
20 活性領域
21 第1の半導体層
22 第2の半導体層
25 基板
27 拡幅領域
29 共振器領域
3 凹部
30 共振器面
31 凹部の側面
4 チャネル
5 共振器軸線
6 マスク
60 開口部
7 矢印
91 横方向の個別化線
92 長手方向の個別化線
【手続補正書】
【提出日】2023-06-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の半導体レーザー(1)を製造する方法であって、
a)半導体積層体(2)と複数のモジュール領域(10)とを有する基板(25)を用意するステップであって、各モジュール領域が、少なくとも1つの共振器領域(29)を有し、前記共振器領域に対する垂直方向では横方向の個別化線(91)によって、かつ前記共振器領域(29)に対する平行方向では長手方向の個別化線(92)によって画定されている、ステップと、
b)ドライケミカルエッチングプロセスにより、前記横方向の個別化線に重なる凹部(3)を形成するステップ
であって、前記凹部(3)は少なくとも部分的に湾曲した基本形状を有しており、前記共振器領域(29)の領域における前記凹部の曲率半径は、前記共振器領域(29)の幅の10倍以上500倍以下である、ステップと、
c)共振器面(30)を形成するために前記凹部の側面(31)をウェットケミカルエッチングするステップと、
d)前記基板(25)を、前記横方向の個別化線および前記長手方向の個別化線に沿って個別化するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
ステップc)において、少なくとも前記共振器領域(29)の領域において、前記共振器領域(29)に対して垂直に延在する結晶面が露出される、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記半導体積層体(2)は窒化物半導体材料をベースとしており、
ステップc)において、前記半導体積層体(2)の(1-100)面が露出される、
請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
ステップb)において、前記凹部(3)が、前記長手方向の個別化線(92)から離間されるように形成される、
請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記凹部(3)が多角形の基本形状を有する、
請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記多角形の基本形状の少なくとも2つの側面(31)が、100°以上140°以下の角度を成している、
請求項5記載の方法。
【請求項7】
横方向で隣り合う各凹部(3)が、チャネル(4)によって相互に接続されている、
請求項4から
6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
隣り合う各モジュール領域(10)間の各凹部(3)が、前記長手方向の個別化線(92)の全体にわたって延在している、
請求項4から
7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
前記共振器領域(29)はブリッジ型導波体であり、
前記ブリッジ型導波体は、前記横方向の個別化線(91)に沿って拡幅領域(27)を有しており、前記凹部が前記拡幅領域内に形成される、
請求項1から
8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
半導体積層体(2)および共振器領域(29)を有する半導体レーザー(1)であって、
・半導体レーザー(1)は、前記共振器領域に沿って、2つの横方向に延在する側面(11)間に延在しており、
・前記半導体レーザー(1)は、前記横方向に延在する側面(11)にそれぞれ1つの共振器面(30)を有しており、前記共振器面(30)は、前記半導体レーザー(1)の前記横方向に延在する側面(11)に対してオフセットされて配置されて
おり、
・前記半導体レーザー(1)は、前記横方向に延在する側面(11)に沿ってそれぞれ1つの凹部(3)を有しており、前記凹部(3)は、前記半導体レーザー(1)を上から見たとき、前記共振器領域(29)の側方に、湾曲して延在している、
半導体レーザー(1)。
【請求項11】
前記凹部(3)の側面(11)は、前記共振器領域(29)の領域において平坦である、
請求項10記載の半導体レーザー。
【請求項12】
前記凹部(3)は、前記半導体レーザー(1)の、前記半導体積層体(2)が配置された基板(25)内へ延在している、
請求項
10または
11記載の半導体レーザー。
【請求項13】
前記共振器領域(29)は、横方向での拡幅領域(27)を有するブリッジ型導波体である、
請求項
10から
12までのいずれか1項記載の半導体レーザー。
【請求項14】
請求項1から
9までのいずれか1項記載の方法によって製造された、請求項
10から
13までのいずれか1項記載の半導体レーザー。
【国際調査報告】