(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-24
(54)【発明の名称】プレターゲットイメージングおよび治療用PNAプローブ
(51)【国際特許分類】
A61K 47/68 20170101AFI20231116BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20231116BHJP
A61P 31/00 20060101ALI20231116BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20231116BHJP
A61P 37/02 20060101ALI20231116BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20231116BHJP
A61K 31/7088 20060101ALI20231116BHJP
C07K 16/28 20060101ALI20231116BHJP
C12N 15/11 20060101ALI20231116BHJP
C12N 15/13 20060101ALI20231116BHJP
G01N 33/53 20060101ALI20231116BHJP
G01T 1/161 20060101ALN20231116BHJP
【FI】
A61K47/68 ZNA
A61P35/00
A61P31/00
A61P29/00
A61P37/02
A61P35/02
A61K31/7088
C07K16/28
C12N15/11 Z
C12N15/13
G01N33/53 M
G01T1/161 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547921
(86)(22)【出願日】2021-10-18
(85)【翻訳文提出日】2023-06-13
(86)【国際出願番号】 EP2021078854
(87)【国際公開番号】W WO2022079321
(87)【国際公開日】2022-04-21
(32)【優先日】2020-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523140072
【氏名又は名称】ザイトックス セラピューティクス アクチボラゲット
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エリクソン カールストーム、アメリ
(72)【発明者】
【氏名】ウェスターランド、クリスティーナ
(72)【発明者】
【氏名】タノ、ハンナ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
4C188
4H045
【Fターム(参考)】
4C076AA95
4C076CC04
4C076CC07
4C076CC27
4C076CC41
4C076EE41
4C076EE59
4C086AA01
4C086AA02
4C086EA16
4C086MA02
4C086MA05
4C086NA13
4C086ZB07
4C086ZB11
4C086ZB26
4C086ZB27
4C086ZB31
4C188EE02
4C188FF04
4C188FF07
4H045AA11
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA10
4H045BA54
4H045CA40
4H045DA76
4H045EA20
4H045FA74
(57)【要約】
本発明は、(a)(i)標的部位に選択的に結合することができる標的化部分;および(ii)PNAオリゴマーを含む第1のハイブリダイゼーションプローブ部分を含む第1のコンジュゲート;ならびに(b)(i)相補的PNAオリゴマーを含む第2のハイブリダイゼーションプローブ部分;および(ii)診断剤または治療剤部分を含む第2のコンジュゲートを含み;第2のハイブリダイゼーションプローブ部分の相補的PNAオリゴマーの長さは14塩基以下である、診断剤または治療剤を標的部位に標的化するためのキットに関する。本発明はさらに、診断剤または治療剤を、哺乳動物の標的部位に送達する方法、ならびに哺乳動物における例えばがんなどの病状を診断または処置する方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
診断剤または治療剤を標的部位に標的化するためのキットであって、
(a)
(i)前記標的部位に選択的に結合することができる標的化部分;および
(ii)第1のPNAオリゴマーを含む第1のハイブリダイゼーションプローブ部分
を含む第1のコンジュゲートと;
(b)
(i)前記第1のPNAオリゴマーに相補的な第2のPNAオリゴマーを含む第2のハイブリダイゼーションプローブ部分;および
(ii)診断剤または治療剤部分
を含む第2のコンジュゲートと
を含み、
前記第2のハイブリダイゼーションプローブ部分の前記第2のPNAオリゴマーの長さが5~12塩基である、キット。
【請求項2】
前記標的部位が、細胞、好ましくは腫瘍細胞の表面上に発現される、ヒトを含む哺乳動物タンパク質に存在する、請求項1に記載のキット。
【請求項3】
前記標的部位が、上皮増殖因子受容体(EGFR)、ヒト上皮増殖因子受容体2(HER2)、ヒト上皮増殖因子受容体3(HER3)、インスリン様増殖因子1受容体(IGF1R)、炭酸脱水酵素IX(CAIX)、血小板由来増殖因子受容体β(PDGFR-β)、ネクチン-4、分化抗原群38(CD38)、分化抗原群33(CD33)、分化抗原群30(CD30)、分化抗原群22(CD22)、および分化抗原群79b(CD79b)からなる群から選択されるヒトを含む哺乳動物タンパク質に存在する、請求項2に記載のキット。
【請求項4】
前記標的部位が、ヒト上皮増殖因子受容体2(HER2)に存在する、請求項3に記載のキット。
【請求項5】
前記標的化部分が、
・抗体;
・抗体フラグメント、例えば単一ドメイン抗体(sdAb;ナノボディ)、単鎖可変フラグメント(scFv)、抗原結合性フラグメント(Fab)、ダイアボディ、またはミニボディ;
・工学的足場タンパク質、例えばアフィボディ(登録商標)分子;および
・ペプチド
からなる群から選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載のキット。
【請求項6】
前記標的化部分が、アフィボディ(登録商標)分子である、請求項5に記載のキット。
【請求項7】
前記ハイブリダイゼーションプローブの一方または両方が、可溶化部分、好ましくは
(a)PEGベースのリンカー、例えば2-[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]酢酸(AEEA)を含むリンカー;または
(b)荷電もしくは極性アミノ酸を含むペプチドベースのリンカー
を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のキット。
【請求項8】
前記第1のハイブリダイゼーションプローブ部分の前記第1のPNAオリゴマーの長さが、少なくとも前記第2のハイブリダイゼーションプローブ部分の前記第2のPNAオリゴマーの長さであり、15塩基以下である、請求項1から7のいずれか一項に記載のキット。
【請求項9】
前記第1のハイブリダイゼーションプローブ部分の前記PNAオリゴマーの長さが15塩基である、請求項8に記載のキット。
【請求項10】
前記第2のハイブリダイゼーションプローブ部分の前記相補的PNAオリゴマーの長さが9~12塩基である、請求項1から9のいずれか一項に記載のキット。
【請求項11】
前記相補的PNAオリゴマーの長さが9塩基である、請求項10に記載のキット。
【請求項12】
前記相補的PNAオリゴマーの長さが12塩基である、請求項10に記載のキット。
【請求項13】
前記治療剤が、放射性核種、カリケアマイシン、モノメチルアウリスタチンE/F(MMAE/F)などのアウリスタチン、およびメイタンシン誘導体DM0~DM4などのメイタンシノイドからなる群から選択される、請求項1から12のいずれか一項に記載のキット。
【請求項14】
前記治療剤が、ルテチウム-177(
177Lu)、イットリウム-90(
90Y)、ビスマス-212(
212Bi)、ビスマス-213(
213Bi)、アスタチン-211(
211At)、アクチニウム-255(
255Ac)、銅-67(
67Cu)、ガリウム-67(
67Ga)、およびレニウム-186(
186Re)からなる群から選択される放射性核種である、請求項13に記載のキット。
【請求項15】
前記診断剤が、磁気共鳴画像法(MRI)、陽電子放射断層撮影法(PET)、単一光子放射型コンピュータ断層撮影法(SPECT)、コンピュータ断層撮影法(CT)、X線イメージング、超音波、および光学的画像法からなる群から選択される方法によって検出可能なシグナルを生成する、請求項1から14のいずれか一項に記載のキット。
【請求項16】
前記診断剤が放射性核種である、請求項15に記載のキット。
【請求項17】
前記診断剤または治療剤が放射性核種であり、少なくとも前記第2のハイブリダイゼーションプローブ部分がキレート剤、好ましくは1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-四酢酸(DOTA)を含む、請求項13または16に記載のキット。
【請求項18】
診断剤または治療剤を、ヒトを含む哺乳動物の標的部位に送達する方法であって、前記方法が、
(a)(i)前記標的部位に選択的に結合する標的化部分;および
(ii)第1のPNAオリゴマーを含む第1のハイブリダイゼーションプローブ部分
を含む第1のコンジュゲートを前記哺乳動物に投与すること;ならびに
(b)必要に応じて、前記哺乳動物にクリア剤を投与し、前記クリア剤が非局在化した第1のコンジュゲートを血液循環からクリアすることを可能にすること;ならびに
(c)(i)前記第1のPNAオリゴマーに相補的な第2のPNAオリゴマーを含む第2のハイブリダイゼーションプローブ部分;および
(ii)診断剤または治療剤部分
を含む第2のコンジュゲートを前記哺乳動物に投与すること
を含み、
前記第2のハイブリダイゼーションプローブ部分の前記第2のPNAオリゴマーの長さが5~12塩基であり、前記第2のPNAオリゴマーが前記第1のコンジュゲートの前記第1のPNAオリゴマーに結合し、それによって前記診断剤または治療剤部分を前記標的部位に標的化する、方法。
【請求項19】
請求項1から17のいずれか一項に記載のキットの第1および第2のコンジュゲートを含む医薬組成物。
【請求項20】
がん、感染性疾患、炎症性疾患、および自己免疫疾患からなる群から選択され;好ましくは、がんの病状の診断または処置に使用するための、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項21】
診断剤または治療剤を、ヒトを含む哺乳動物の標的部位に送達する方法における使用のための診断または治療用コンジュゲートであって、前記方法が、
(a)
(i)前記標的部位に選択的に結合する標的化部分;および
(ii)第1のPNAオリゴマーを含む第1のハイブリダイゼーションプローブ部分
を含む標的化コンジュゲートを前記哺乳動物に投与し;
(b)必要に応じて、前記哺乳動物にクリア剤を投与して、前記クリア剤が非局在化した標的化コンジュゲートを血液循環からクリアすることを可能とし;
(c)前記診断または治療用コンジュゲートを前記哺乳動物に投与すること
を含み、
前記診断または治療用コンジュゲートが、
(i)前記第1のPNAオリゴマーに相補的な第2のPNAオリゴマーを含む第2のハイブリダイゼーションプローブ部分;および
(ii)診断剤または治療剤部分
を含み、
前記第2のハイブリダイゼーションプローブ部分の前記第2のPNAオリゴマーの長さが5~12塩基であり、前記第2のPNAオリゴマーが前記第1のコンジュゲートの前記第1のPNAオリゴマーに結合し、それによって前記診断剤または治療剤部分を前記標的部位に標的化する、診断または治療用コンジュゲート。
【請求項22】
前記方法が、ヒトを含む哺乳動物における病状の診断、予後診断または処置のための方法である、請求項21に記載の使用のための診断または治療用コンジュゲート。
【請求項23】
前記病状が、がん、感染性疾患、炎症性疾患、および自己免疫疾患からなる群から選択され;好ましくは、がんである、請求項22に記載の使用のための診断または治療用コンジュゲート。
【請求項24】
前記病状が、固形腫瘍を形成することができるがんであり、前記がんが、乳がん、前立腺がん、肺がん、頭頸部がん、胃がん、および結腸がんからなる群から選択される、請求項23に記載の使用のための診断または治療用コンジュゲート。
【請求項25】
前記標的部位が、上皮増殖因子受容体(EGFR)、ヒト上皮増殖因子受容体2(HER2)、ヒト上皮増殖因子受容体3(HER3)、インスリン様増殖因子1受容体(IGF1R)、炭酸脱水酵素IX(CAIX)、血小板由来増殖因子受容体β(PDGFR-β)、およびネクチン-4からなる群から選択されるヒトタンパク質に存在する、請求項24に記載の使用のための診断または治療用コンジュゲート。
【請求項26】
前記病状が、黒色腫、白血病、および骨髄腫からなる群から選択される血液がんである、請求項23に記載の使用のための診断または治療用コンジュゲート。
【請求項27】
前記標的部位が、分化抗原群38(CD38)、分化抗原群33(CD33)、分化抗原群30(CD30)、分化抗原群22(CD22)、および分化抗原群79b(CD79b)からなる群から選択されるヒトタンパク質に存在する、請求項26に記載の使用のための診断または治療用コンジュゲート。
【請求項28】
前記第2のハイブリダイゼーションプローブ部分の前記第2のPNAオリゴマーの長さが9~12塩基である、請求項21から27のいずれか一項に記載の使用のための診断または治療用コンジュゲート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(a)(i)標的部位に選択的に結合することができる標的化部分;および(ii)PNAオリゴマーを含む第1のハイブリダイゼーションプローブ部分を含む第1のコンジュゲート;ならびに(b)(i)相補的PNAオリゴマーを含む第2のハイブリダイゼーションプローブ部分;および(ii)診断剤または治療剤部分を含む第2のコンジュゲートを含む、診断剤または治療剤を標的部位に標的化するためのキットに関する。本発明はさらに、診断剤または治療剤を、哺乳動物の標的部位に送達する方法、ならびに哺乳動物における例えばがんなどの病状を診断または処置する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アフィボディ(Affibody)(登録商標)分子は、小さい(分子量7kDa)の工学的足場タンパク質であり、広範囲の生体分子に高い親和性で結合するように選択され得(Stahl 2017)、がんの診断および治療に対して可能性のある工学的足場タンパク質のクラスに属する(Weidle 2013)。アフィボディ(登録商標)分子は、サイズが小さく、がん関連標的に対して親和性および選択性が高いため、放射性核種イメージングプローブとしてとても適している(Stahl 2017)。アフィボディ(登録商標)分子は、原核生物において高収率で容易に組換え産生することができる。上皮増殖因子受容体(EGFRまたはHER1)、ヒト上皮増殖因子受容体2型(HER2)、ヒト上皮増殖因子受容体3型(HER3)、血小板由来増殖因子受容体β(PDGFRβ)、インスリン様増殖因子1受容体(IGF-1R)、血管内皮増殖因子受容体2(VEGFR2)およびプログラム死リガンド1(PD-L1)のためのアフィボディに基づくイメージングプローブは、前臨床実験において非常に有望な特徴を実証した(Tolmachev 2020)。さらに、HER2の優れたイメージングが診療所で実証されている(Sorensen 2014;Sorensen 2016)。
【0003】
モノクローナル抗体および抗体-薬物コンジュゲートを使用したHER2の標的化は、乳がんおよび胃食道がん患者の生存を延ばすが、HER2発現が保持されているにもかかわらず、このような治療に対する耐性の出現は避けられない(Kreutzfeldt 2020;Garcia-Alonso 2020)。この場合、HER2標的化放射性核種療法が解決策となる場合がある。しかしながら、放射性標識されたモノクローナル抗体の使用である標的化放射性核種療法に対する主なアプローチは、血液循環での長い滞留が骨髄への過剰照射を引き起こすため、固形腫瘍では非効率的である(Larson 2015)。放射性核種療法のためのアフィボディ(登録商標)分子の直接適用は、放射性金属標識の場合の高い腎臓再吸収および活性の長期間保持のために難しい(Fortin 2008)。放射性標識されたタンパク質およびペプチドの腎臓取込みの低減のために適用される一般的な方法は、アフィボディ(登録商標)分子に対して非効率的であることが判明した(Altai,2013;Garousi 2020)。
【0004】
放射性標識されたアフィボディ(登録商標)分子の高い腎臓再吸収の問題に対する解決策は、プレターゲティング、がん関連異常の分子認識および放射性核種送達の作用を分離する方法論を適用することである(Frampas 2013、Altai 2017 JNM)。プレターゲティングでは、認識タグにカップリングした標的特異的一次薬剤を注射して腫瘍に局在させる。一次薬剤を血液からクリアランスした後、認識タグに対して高い親和性を有する放射性標識された二次プローブを注射する。腎臓における二次プローブの低い取込みは、アフィボディに基づくプレターゲット療法の成功にとって重要である。アフィボディ(登録商標)分子は、血液から迅速にクリアされ、がん細胞によってゆっくりと内在化されるため、一次プローブの魅力的な候補である(Wallberg 2008)。
【0005】
異なるアプローチの評価(Altai 2016;Honarvar 2016)後、相補的ペプチド核酸(PNA)プローブのハイブリダイゼーションは、それが腫瘍において活性の最良な保持を提供したので、アフィボディに基づくプレターゲティングのために選択された。PNAは、ワトソン・クリック塩基対合が可能な合成DNAアナログのクラスである(Egholm 1993;Nielsen1994)。PNA骨格は、アミド結合によって連結されたN-(2-アミノエチル)-グリシン繰返し単位で構築され、プリンおよびピリミジン核酸塩基は、カルボキシメチルリンカーを介してこの足場に連結される。PNAは、ヌクレアーゼおよびプロテアーゼによる分解に対して耐性であり、ヒト血清において優れた安定性を示した(Demidov 1994)。これらは非免疫原性であり、低い一般毒性を有する。第一世代の一次薬剤ZHER2:342-SR-HP1および二次プローブHP2の分子設計は、PNAハイブリダイゼーションの高い親和性および特異性、腫瘍における一次プローブの特異的蓄積、ならびに放射性金属の効率的な特異的送達を提供したので成功であった(Westerlund 2015、Honarvar 2016)。177Lu(Altai 2017 NMB、Westerlund 2018)、111In(Westerlund 2015、Honarvar 2016)および68Ga(Vorobyeva 2018)を用いたHP2の標識化は、腎臓よりも腫瘍においてかなり高い取込みをもたらしたが、腎臓取込みは正常組織の中で最も高かった。
【0006】
ZHER2:342-SR-HP1/[177Lu]Lu-HP2プレターゲティング系を使用した実験的治療は、HER2を発現する異種移植片を有するマウスの生存期間中央値を有意に増加させ([177Lu]Lu-HP2のみの場合の32日間と比較して、処置群では66日間)、観察可能な骨髄および腎臓毒性はなかった(Westerlund 2018)。しかしながら、正常組織、何よりもまず腎臓への線量と比較して、腫瘍に対する吸収線量の比をさらに増加させることが、このような処置での治癒効果を得るためには必要である。
【0007】
可能な最適化パラメータは、二次プローブの長さである。長さの減少は、プローブの流体力学的半径を減少させ得、腫瘍間質におけるその溢出および拡散の両方を促進し、腫瘍における局在化および腫瘍内部の分布の均一性の両方を改善し得る。しかしながら、二次プローブサイズの縮小に関連する明らかなリスクがある。第1に、核酸塩基の数の減少は、一次プローブとのハイブリダイゼーションの強度を低下させる可能性がある。第2に、塩基組成物の改変は、オフターゲット相互作用に影響を及ぼし、正常組織における取込みの増加をもたらし得る。例えば、177Luを111Inまたは68Gaで置換することに関連する小さな構造変化は、腎臓取込み(Vorobyeva 2018)、または血液、肝臓および骨の取込み(Altai 2017 NMB)に有意差をもたらした。生体内分布はさらに、核酸塩基の数および性質だけでなく、PNA配列におけるそれらの順序にも依存する。MYCタンパク質をコードするmRNAに結合する99mTc標識されたアンチセンスPNAの核酸塩基のスクランブリングは、正常組織における取込みの2分の1を超える減少をもたらした(Rao 2003、Mather 2004)。したがって、第二世代の二次プローブがより良好な生体内分布および線量測定プロファイルをもたらすかどうかを評価するために、実験的インビボ研究が必要である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】固定化されたZ
HER2:342-SR-HP15に結合するHP16、HP17、HP18およびHP19の単回サイクル速度論的滴定のSPRセンサーグラム。各PNAプローブを22.6、45.3、90.6、181.25および362.5nMの濃度で注入した。
【
図2a】3つのPNAハイブリダイゼーション複合体HP15:HP16;HP15:HP17;およびHP15:HP18について示された正規化した融解温度曲線。
【
図2b】HP15:HP19 PNAハイブリダイゼーション複合体についての正規化した融解温度曲線。
【
図3A】SKOV3およびBT474に対する一次薬剤(A)[
177Lu]Lu-Z
HER2:342-SR-HP15のインビトロでの結合特異性。データは、3つの試料からの平均値±SDとして示す。
【
図3B】SKOV3およびBT474に対する一次薬剤(B)[
177Lu]Lu-HP16のインビトロでの結合特異性。データは、3つの試料からの平均値±SDとして示す。
【
図3C】SKOV3およびBT474に対する一次薬剤(C)[
177Lu]Lu-HP17のインビトロでの結合特異性。データは、3つの試料からの平均値±SDとして示す。
【
図3D】SKOV3およびBT474に対する一次薬剤(D)[
177Lu]Lu-HP18のインビトロでの結合特異性。データは、3つの試料からの平均値±SDとして示す。
【
図4A】Z
HER2:342-SR-HP15の事前注射ありおよびなしでの、SKOV3異種移植片を有する雌性Balb/c nu/nuマウスにおける注射4時間後の(A)[
177Lu]Lu-HP16の生体内分布。取込みを%ID/gとして表し、平均±SDとして表した(n=5)。
【
図4B】Z
HER2:342-SR-HP15の事前注射ありおよびなしでの、SKOV3異種移植片を有する雌性Balb/c nu/nuマウスにおける注射4時間後の(B)[
177Lu]Lu-HP17の生体内分布。取込みを%ID/gとして表し、平均±SDとして表した(n=5)。
【
図4C】Z
HER2:342-SR-HP15の事前注射ありおよびなしでの、SKOV3異種移植片を有する雌性Balb/c nu/nuマウスにおける注射4時間後の(C)[
177Lu]Lu-HP18の生体内分布。取込みを%ID/gとして表し、平均±SDとして表した(n=5)。
【
図5A】プレターゲティングのために(A)[
177Lu]Lu-HP16を使用したHER2を発現するSKOV3異種移植片の、注射4時間後のSPECT/CT画像。
【
図5B】プレターゲティングのために(B)[
177Lu]Lu-HP17を使用したHER2を発現するSKOV3異種移植片の、注射4時間後のSPECT/CT画像。
【
図5C】プレターゲティングのために(C)[
177Lu]Lu-HP18を使用したHER2を発現するSKOV3異種移植片の、注射4時間後のSPECT/CT画像。
【
図5D】プレターゲティングのために(D)[
177Lu]Lu-HP2を使用したHER2を発現するSKOV3異種移植片の、注射4時間後のSPECT/CT画像。
【
図6A】(A)[
177Lu]Lu-HP16の時間-活性プロット。腎臓および腫瘍の両方については、非崩壊補正データを使用した。
【
図6B】(B)[
177Lu]Lu-HP17の時間-活性プロット。腎臓および腫瘍の両方については、非崩壊補正データを使用した。
【
図6C】(C)[
177Lu]Lu-HP18の時間-活性プロット。腎臓および腫瘍の両方については、非崩壊補正データを使用した。
【
図6D】(D)[
177Lu]Lu-HP2の時間-活性プロット。腎臓および腫瘍の両方については、非崩壊補正データを使用した。
【発明の概要】
【0009】
本発明の開示
第二世代ハイブリダイゼーションプローブ、一次HP15および一組の二次プローブ:HP16(9量体PNA)、HP17(12量体PNA)、HP18(15量体PNA)およびHP19(6量体PNA)が本明細書に開示されている(表1)。例に示すように、DOTAキレート剤を担持するプローブを設計し、合成し、インビトロで特性評価し、177Luで標識した。インビトロでのプレターゲティングを、HER2を発現するSKOV3およびBT474細胞株において研究した。これらの新規プローブの生体内分布プロファイルを、SKOV3異種移植片を有するBALB/C nu/nuマウスにおいて評価し、以前に研究された[177Lu]Lu-HP2と比較した。
【0010】
SPRおよびUV分光法による特性評価により、HP15と二次プローブHP16、HP17、HP18、およびHP19との間に高い親和性のデュプレックスの形成が確認され、親和性は相補的PNA配列の長さと相関した。3つの試験した(HP16、HP17、HP18)PNAベースのプローブは、インビトロにおいて高い親和性(11~12pM)でHER2を発現する細胞に特異的に結合した。インビボでの研究は、HER2を発現する異種移植片において、すべての[177Lu]Lu標識プローブのHER2特異的取込みを実証した。腎臓中の放射能に対する腫瘍中の累積放射能の比は、二次プローブのサイズに依存し、核酸塩基の数の増加と共に減少した。インビボで試験した最短のPNAプローブである[177Lu]Lu-HP16は、最も高い腫瘍対腎臓比を示し、アフィボディ媒介性腫瘍プレターゲティングに対して最も有望な二次プローブである。
【0011】
第1の態様では、本発明は、(a)(i)標的部位に選択的に結合することができる標的化部分;および(ii)第1のPNAオリゴマーを含む第1のハイブリダイゼーションプローブ部分を含む第1のコンジュゲート;ならびに(b)(i)第1のPNAオリゴマーに相補的な第2のPNAオリゴマーを含む第2のハイブリダイゼーションプローブ部分;および(ii)診断剤または治療剤部分を含む第2のコンジュゲートを含む、診断剤または治療剤を標的部位に標的化するためのキットを提供し、第2のハイブリダイゼーションプローブ部分の第2のPNAオリゴマーの長さは14塩基以下である。
【0012】
本文脈では、「キット」という用語は、医薬組成物などの化学的および/または生物学的化合物の組成物を意味または含むと理解されるべきである。
【0013】
本発明によれば、14塩基以下の長さを有する第2のPNAオリゴマーの使用は、第1および第2のコンジュゲートが腫瘍を有する哺乳動物にプレターゲティングプロトコルによって投与される場合、診断剤または治療剤がプレターゲティングプロトコルなしで、すなわち、標的化部分が同じ実体中の治療/診断部分にカップリングされて投与されるという別の同等な状況と比較して、診断剤または治療剤についての改善された(増加した)腫瘍対非腫瘍組織の比をもたらすであろう。
【0014】
関連する非腫瘍組織は、具体的な用途領域に応じて変動し得る。例えば、治療用途では、一般に、許容できない副作用なく患者に投与することができる線量に治療剤が生じる毒性を制限する非腫瘍組織(線量制限組織と呼ばれる)が存在する。本発明は、他の点では同等な状況であるが、プレターゲティングプロトコルを用いない場合、すなわち、標的化部分が同じ実体中の治療/診断部分にカップリングされている場合と比較して、少なくとも2倍(好ましくは少なくとも2.5倍、より好ましくは少なくとも3倍、最も好ましくは少なくとも3.5倍)の腫瘍対線量制限組織の比をもたらし得る。また、具体的な線量を制限する非腫瘍組織は、標的化部分および治療剤部分の性質などの要因に依存し得る。非腫瘍組織は、例えば、腎臓、骨、肝臓または胃、好ましくは腎臓であり得る。診断用途では、調査される腫瘍、特に血液の周囲の組織からの、診断マーカーに対する干渉バックグラウンドシグナルを最小限に抑えることが望ましい。したがって、非腫瘍組織は血液であってもよい。
【0015】
本文脈では、「プレターゲティングプロトコル」という用語は、第1および第2のコンジュゲートの間の会合がインビボで起こるように、第1のコンジュゲートが第2のコンジュゲートの投与前に哺乳動物に投与されることを意味する。
【0016】
第1および第2のPNAオリゴマーに関して、「相補的」PNAオリゴマーという用語は、塩基対を一致させることによって二本鎖構造を形成することができるPNAオリゴマーを指す。好ましくは、2つのPNA鎖間に完全な相補性が存在、すなわち、各塩基はその反対物に向かい合う。しかしながら、2つのプローブがハイブリダイズして構造化デュプレックスを形成することができるならば、相補性の程度は完全(100%)未満であり得る。
【0017】
2つの核酸鎖間の相補性の程度は、完全な相補性(各ヌクレオチドがその反対物に向かい合う)から相補性なし(各ヌクレオチドがその反対物に向かい合わない)まで変動し得る。
【0018】
好ましくは、前記標的部位は、腫瘍細胞の表面上に発現されるヒトを含む哺乳動物タンパク質に存在する。好ましくは、標的タンパク質は、正常な健常組織では発現せず、またはほとんど発現せずに、腫瘍細胞表面上で過剰発現する。例えば、タンパク質は、上皮増殖因子受容体(EGFR)、ヒト上皮増殖因子受容体2(HER2)、ヒト上皮増殖因子受容体3(HER3)、インスリン様増殖因子1受容体(IGF1R)、炭酸脱水酵素IX(CAIX)、血小板由来増殖因子受容体β(PDGFR-β)、ネクチン-4、分化抗原群38(CD38)、分化抗原群33(CD33)、分化抗原群30(CD30)、分化抗原群22(CD22)、および分化抗原群79b(CD79b)からなる群から選択され得る(表7を参照)。好ましくは、標的タンパク質はヒトタンパク質である。好ましくは、前記標的部位はヒト上皮増殖因子受容体2(HER2)に存在する。
【0019】
前記標的化部分は、好ましくは、
・抗体、例えばモノクローナル抗体;
・抗体フラグメント、例えば単一ドメイン抗体(sdAb;ナノボディ)、単鎖可変フラグメント(scFv)、抗原結合性フラグメント(Fab)、ダイアボディ(Holligerら、1993を参照)、またはミニボディ(Huら、1996を参照);
・工学的足場タンパク質、例えばアフィボディ(登録商標)分子;および
・ペプチド、例えば、コンビナトリアルライブラリ(Liuら、2017を参照)から選択される腫瘍標的化ペプチド、またはGタンパク質共役受容体(GPCR)に結合する内因性ペプチドに基づくペプチドアナログ(Hauser,2017;およびMoody,2018を参照)
からなる群から選択される。
【0020】
本発明の好ましい態様では、前記標的化部分は、アフィボディ(登録商標)分子、例えばHER2を標的化するアフィボディ(登録商標)分子、例えばZHER2:342と呼ばれる分子、またはOrlovaら、2006およびWO2005/003156に開示されている他の同様な分子である。
【0021】
「アフィボディ(登録商標)分子」という用語は、広範囲の生体分子に高い親和性で結合するように選択され得る、小さな工学的足場タンパク質を指す。アフィボディ分子は、ブドウ球菌(staphylococcal)プロテインAのIgG結合ドメイン(Zドメイン)のうちの1つに由来する小さい(58アミノ酸残基)タンパク質ドメインである。アフィボディ分子は、コンビナトリアルライブラリを構築するための足場として使用され得る3ヘリックスバンドル構造を有し、コンビナトリアルライブラリから所望の分子を標的化するアフィボディ分子バリアントを選択することができる。総説については、例えば、Tolmachev 2020を参照されたい。
【0022】
好ましくは、第1のハイブリダイゼーションプローブ部分は、標的化部分に共有結合している。好ましくは、第1のハイブリダイゼーションプローブ部分は、例えばWesterlund,2015に記載されているように、ソルターゼA媒介ライゲーションにより標的化部分にコンジュゲートされる。スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)のソルターゼAは、細胞壁に表面タンパク質を付着させるトランスペプチダーゼである;LPXTGモチーフのGlyおよびThrの間を切断し、トレオニンのカルボキシル基および細胞壁ペプチドグリカンのアミノ基の間のアミド結合の形成を触媒する。認識モチーフ(LPXTG)が、目的のタンパク質のC末端に付加される一方、遊離N末端を有する単一のグリシンまたはオリゴグリシンペプチドが、ライゲーションされる第2の分子に付加される。分子にソルターゼを添加すると、2つの分子は天然型のペプチド結合を介して共有結合する。
【0023】
必要に応じて、ハイブリダイゼーションプローブ部分の一方または両方は、溶解度を改善する部分を含む。前記部分は、可溶化部分、例えば、(PEG)2、(PEG)4、(PEG)6などを含むPEGベースのリンカーであり得る。好ましくは、PEGベースのリンカーは、2-[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]酢酸(AEEA)を含むリンカーである。あるいは、またはさらに、リンカーは、Glu、Asp、Ser、Thr、LysまたはArgなどの荷電または極性アミノ酸を含む。好ましくは、可溶化部分はAEEAを含む。
【0024】
本発明によれば、第1のハイブリダイゼーションプローブ部分の第1のPNAオリゴマーの長さは、好ましくは、少なくとも第2のハイブリダイゼーションプローブ部分の第2のPNAオリゴマーの長さであり、15塩基以下である。より好ましくは、第1のハイブリダイゼーションプローブ部分の前記PNAオリゴマーの長さは15塩基である。好ましい15塩基の配列は、配列c-c-t-g-g-t-g-t-t-g-a-t-g-a-t(配列番号3)である。本発明の好ましい態様では、前記第1のハイブリダイゼーションプローブ部分は、構造
G-S-S-c-c-t-g-g-t-g-t-t-g-a-t-g-a-t-E-K-[リンカー]-E-NH2
または
G-S-S-c-c-t-g-g-t-g-t-t-g-a-t-g-a-t-E-K([キレート剤])-[リンカー]-E-NH2
を有する
(式中、G、S、EおよびKは、それぞれアミノ酸Gly、Ser、GluおよびLysを表す)。一態様では、第1のハイブリダイゼーションプローブ部分は、構造
G-S-S-c-c-t-g-g-t-g-t-t-g-a-t-g-a-t-E-K(DOTA)-AEEA-E-NH2
を有する
(式中、DOTAはキレート剤、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-四酢酸であり、AEEAは2-[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]酢酸である)。
【0025】
本発明によれば、第2のハイブリダイゼーションプローブ部分の第2のPNAオリゴマーの長さは、5~14塩基、例えば好ましくは8~14もしくは9~14塩基、またはより好ましくは9~12塩基である(端点を含む)。第2のPNAオリゴマーは、第1のハイブリダイゼーションプローブ部分の第1のPNAオリゴマーの配列に相補的であり、したがってハイブリダイズする配列を有する。
【0026】
好ましい一態様では、第2のPNAオリゴマーの長さは9塩基である。好ましい9塩基の配列は、配列a-a-c-a-c-c-a-g-g(配列番号4)である。好ましい一態様では、第2のハイブリダイゼーションプローブ部分は、構造
[キレート剤]-[リンカー]-S-S-a-a-c-a-c-c-a-g-g-E-E-Y-NH2
有する
(式中、S、EおよびYは、それぞれアミノ酸Ser、GluおよびTyrを表す)。一態様では、第2のハイブリダイゼーションプローブ部分は、構造
DOTA-AEEA-S-S-a-a-c-a-c-c-a-g-g-E-E-Y-NH2
を有する
(式中、DOTAはキレート剤、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-四酢酸であり、AEEAは2-[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]酢酸である)。
【0027】
別の好ましい態様では、第2のPNAオリゴマーの長さは12塩基である。好ましい12塩基の配列は、配列a-t-c-a-a-c-a-c-c-a-g-g(配列番号5)である。好ましい一態様では、第2のハイブリダイゼーションプローブ部分は、構造
[キレート剤]-[リンカー]-S-S-a-t-c-a-a-c-a-c-c-a-g-g-E-E-Y-NH2
を有する
(式中、S、EおよびYは、それぞれアミノ酸Ser、GluおよびTyrを表す)。一態様では、第2のハイブリダイゼーションプローブ部分は、構造
DOTA-AEEA-S-S-a-t-c-a-a-c-a-c-c-a-g-g-E-E-Y-NH2
を有する
(式中、DOTAはキレート剤、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-四酢酸であり、AEEAは2-[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]酢酸である)。
【0028】
本発明によれば、第1および第2のハイブリダイゼーションプローブ部分は、置換、小さな欠失、挿入または逆位などの改変を有し、配列番号1~3として示されるPNA配列の生物活性を依然として維持するPNA配列を含み得る。好ましくは、そのような改変は、配列番号1~3のいずれか1つにおいて1、2または3個を超える塩基に関係しない。
【0029】
例えば、配列番号4として示される9塩基の配列は、1つまたは2つの置換または欠失で改変され得、その結果、配列番号4と少なくとも75%または少なくとも85%の同一性を有する配列をもたらす。
【0030】
さらに、配列番号5として示される12塩基の配列は、1、2または3つの置換または欠失で改変され得、配列番号5と少なくとも75%、少なくとも83%、または少なくとも91%の同一性を有する配列をもたらす。
【0031】
配列番号3として示される15塩基の配列は、1、2または3つの置換または欠失で改変され得、配列番号3と少なくとも80%、少なくとも86%、または少なくとも93%の同一性を有する配列をもたらす。
【0032】
改変されたPNAオリゴマーは、他のハイブリダイゼーションプローブ部分のPNAオリゴマーの配列に相補的であり、したがってハイブリダイズする配列を有することが理解されよう。上述のように、相補性の程度は完全(100%)未満であり得る。その結果、そのようなデュプレックスに1つまたは2つのミスマッチは存在し得るが、ハイブリダイズしたコンジュゲートは、本発明によれば依然として有用であろう。
【0033】
第2のコンジュゲートが治療剤部分を含む場合、治療剤は、放射性核種、または抗体-薬物コンジュゲート(ADC)もしくは他の薬物含有コンジュゲートでの使用に適した細胞毒性薬物であり得る。(総説については、例えば、Shim,2020を参照されたい)。例えば、前記細胞毒性薬物は、カリケアマイシン、モノメチルアウリスタチンE/F(MMAE/F)などのアウリスタチン、およびメイタンシン誘導体DM0~DM4などのメイタンシノイドから選択され得る。好ましくは、治療剤は放射性核種である。
【0034】
治療剤が放射性核種である場合、放射性核種は、好ましくは、ルテチウム-177(177Lu)、イットリウム-90(90Y)、ビスマス-212(212Bi)、ビスマス-213(213Bi)、アスタチン-211(211At)、アクチニウム-255(255Ac)、銅-67(67Cu)、ガリウム-67(67Ga)、およびレニウム-186(186Re)からなる群から選択され得る。より好ましくは、放射性核種はルテチウム-177(177Lu)である。
【0035】
第2のコンジュゲートが診断剤部分を含む場合、前記診断剤は、好ましくは、陽電子放射断層撮影法(PET)、単一光子放射型コンピュータ断層撮影法(SPECT)、および光学的画像法からなる群から選択される方法によって検出可能なシグナルを生成する。
【0036】
好ましい一態様では、前記診断剤は放射性核種である。シグナル検出の方法がSPECTである場合、放射性核種は、好ましくは、テクネチウム-99m(99mTc)、インジウム-111(111In)、ルテチウム-177(177Lu)、ヨウ素-123(123I)、ヨウ素-125(125I)、ガリウム-67(67Ga)、および銅-67(67Cu)からなる群から選択される。より好ましくは、放射性核種はインジウム-111(111In)である。
【0037】
方法がPETである場合、放射性核種は、好ましくは、ガリウム-68(68Ga)、フッ素-18(18F)、ヨウ素-122(122I)、ヨウ素-124(124I)、および銅-64(64Cu)からなる群から選択される。より好ましくは、放射性核種はガリウム-68(68Ga)である。
【0038】
シグナル検出の方法が光学的画像法である場合、前記診断剤は、好ましくは、シアニン色素、ポルフィリン誘導体、フタロシアニン、スクアライン誘導体、キサンテン、Alexaアナログ、およびBODIPYアナログからなる群から選択される蛍光色素である。
【0039】
診断剤または治療剤が放射性核種である場合、第2のハイブリダイゼーションプローブ部分は、好ましくは放射性金属錯化のためのキレート剤を含む。前記キレート剤は、
1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-四酢酸(DOTA)、
1,4,7-トリアザシクロノナン-1,4,7-三酢酸(NOTA)、
1,4,8,11-テトラアザシクロドデカン-1,4,8,11-四酢酸(TETA)、
1,4,7-トリアザシクロノナン,1-グルタル酸-4,7-酢酸(NODAGA)、および
ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)
からなる群から選択され得る。本発明の好ましい一態様では、キレート剤はDOTAである。
【0040】
しかしながら、フッ素-18(18F)、ヨウ素-122(122I)、ヨウ素-123(123I)、ヨウ素-124(124I)、およびヨウ素-125(125I)などのいくつかの放射性核種は、キレート剤の助けを借りずに、例えばフッ素化またはヨウ素化によって、ハイブリダイゼーションプローブにコンジュゲートされ得ることが理解されよう。
【0041】
診断剤または治療剤が細胞毒性薬物などの放射性核種以外である場合、診断剤または治療剤は、好ましくは、第2のハイブリダイゼーションプローブ部分に共有結合している。例えば、第2のハイブリダイゼーションプローブ部分は、例えばWesterlund,2015に記載されているように、ソルターゼA媒介ライゲーションにより診断剤または治療剤部分にコンジュゲートされ得る。
【0042】
必要に応じて、本発明によるキットは、標的部位に結合していない循環する一次コンジュゲートを除去することができるクリア剤を含む。例えば、国際公開WO96/40245に開示されているように、クリア剤は、抗イディオタイプ抗体または抗原結合抗体フラグメントであり得る。
【0043】
さらなる態様では、本発明は、上で定義されるキットを含む医薬組成物を提供する。本発明はさらに、(a)診断剤または治療剤を標的部位に標的化するため、および/または(b)ヒトを含む哺乳動物における病状の診断、予後診断または処置するための、上で定義されるキットまたは医薬組成物の使用を提供する。
【0044】
さらに別の態様では、本発明は、診断剤または治療剤を、ヒトを含む哺乳動物の標的部位に送達する方法を提供し、前記方法は、
(a)(i)標的部位に選択的に結合する標的化部分;および
(ii)第1のPNAオリゴマーを含む第1のハイブリダイゼーションプローブ部分
を含む第1のコンジュゲートを前記哺乳動物に投与すること;ならびに
(b)必要に応じて、前記哺乳動物にクリア剤を投与し、前記クリア剤が非局在化した第1のコンジュゲートを血液循環からクリアすることを可能にすること;ならびに
(c)(i)第1のPNAオリゴマーに相補的な第2のPNAオリゴマーを含む第2のハイブリダイゼーションプローブ部分;および
(ii)診断剤または治療剤部分
を含む第2のコンジュゲートを前記哺乳動物に投与すること
を含み、
第2のハイブリダイゼーションプローブ部分の第2のPNAオリゴマーの長さは14塩基以下であり、前記第2のPNAオリゴマーは第1のコンジュゲートの第1のPNAオリゴマーに結合し、それによって診断剤または治療剤部分を標的部位に標的化する。
【0045】
好ましい態様では、上で定義される方法は、ヒトを含む哺乳動物における病状の診断、予後診断または処置のための方法を意味する。
【0046】
上記の方法によれば、前記第1および第2のコンジュゲートならびに任意のクリア剤は、好ましくは、本発明により開示されるキットの文脈において上で定義される通りである。
【0047】
さらに別の態様では、本発明は、診断剤または治療剤を、ヒトを含む哺乳動物の標的部位に送達する方法における使用のための診断または治療用コンジュゲートを提供し、前記方法は、
(a)(i)標的部位に選択的に結合する標的化部分;および
(ii)第1のPNAオリゴマーを含む第1のハイブリダイゼーションプローブ部分
を含む標的化コンジュゲートを前記哺乳動物に投与すること;ならびに
(b)必要に応じて、前記哺乳動物にクリア剤を投与し、前記クリア剤が非局在化した標的化コンジュゲートを血液循環からクリアすることを可能にすること;ならびに
(c)前記診断または治療用コンジュゲートを前記哺乳動物に投与すること
を含み、
前記診断または治療用コンジュゲートは、
(i)第1のPNAオリゴマーに相補的な第2のPNAオリゴマーを含む第2のハイブリダイゼーションプローブ部分;および
(ii)診断剤または治療剤部分
を含み、
第2のハイブリダイゼーションプローブ部分の第2のPNAオリゴマーの長さは14塩基以下であり、前記第2のPNAオリゴマーは第1のコンジュゲートの第1のPNAオリゴマーに結合し、それによって診断剤または治療剤部分を標的部位に標的化する。
【0048】
好ましい態様では、上で定義される方法は、ヒトを含む哺乳動物における病状の診断、予後診断または処置のための方法を意味する。
【0049】
上記の方法によれば、前記標的化コンジュゲートは、好ましくは、本発明により開示されるキットの文脈において上で定義される第1のコンジュゲートとしてであり、前記診断または治療用コンジュゲートは、好ましくは、本発明により開示されるキットの文脈において上で定義される第2のコンジュゲートとしてである。
【0050】
上記の方法によれば、任意のクリア剤は、好ましくは、本発明により開示されるキットの文脈において上で定義される通りである。
【0051】
本発明による方法および使用では、第1および第2のコンジュゲートは、静脈内、動脈内、胸膜内、腹腔内、髄腔内、皮下または灌流によって投与され得る。
【0052】
本発明による方法および使用では、前記病状は、がん、感染性疾患、炎症性疾患、および自己免疫疾患からなる群から選択され得る。好ましくは、病状はがんである。
【0053】
好ましい一態様では、前記病状は、固形腫瘍を形成することができるがんであり、前記がんは、乳がん、前立腺がん、肺がん、頭頸部がん、胃がん、および結腸がんからなる群から選択される。そのような場合、前記標的部位は、上皮増殖因子受容体(EGFR)、ヒト上皮増殖因子受容体2(HER2)、ヒト上皮増殖因子受容体3(HER3)、インスリン様増殖因子1受容体(IGF1R)、炭酸脱水酵素IX(CAIX)、血小板由来増殖因子受容体β(PDGFR-β)、およびネクチン-4からなる群から選択される、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトタンパク質に存在する(表7を参照)。好ましい一態様では、本発明の方法は、HER2を発現する癌、特に乳がんまたは胃食道がんに関連する癌の体内検出または処置のための方法である。
【0054】
本発明の別の好ましい態様では、病状は、黒色腫、白血病、および骨髄腫からなる群から選択される血液がんである。そのような場合、前記標的部位は、分化抗原群38(CD38)、分化抗原群33(CD33)、分化抗原群30(CD30)、分化抗原群22(CD22)、および分化抗原群79b(CD79b)からなる群から選択される、哺乳動物、より好ましくはヒトタンパク質に存在する(表7を参照)。
【発明を実施するための形態】
【0055】
本発明の番号付けされた項目
本発明の実施形態には、以下の非排他的なリストに要約された項目が含まれる:
【0056】
1.診断剤または治療剤を標的部位に標的化するためのキットであって、
(a)(i)標的部位に選択的に結合することができる標的化部分;および
(ii)第1のPNAオリゴマーを含む第1のハイブリダイゼーションプローブ部分
を含む第1のコンジュゲート;ならびに
(b)(i)第1のPNAオリゴマーに相補的な第2のPNAオリゴマーを含む第2のハイブリダイゼーションプローブ部分;および
(ii)診断剤または治療剤部分
を含む第2のコンジュゲート
を含み、
第2のハイブリダイゼーションプローブ部分の第2のPNAオリゴマーの長さが14塩基以下である、キット。
【0057】
2.前記標的部位が、細胞、好ましくは腫瘍細胞の表面上に発現されるヒトを含む哺乳動物タンパク質に存在する、項目1に記載のキット。
【0058】
3.前記標的部位が、上皮増殖因子受容体(EGFR)、ヒト上皮増殖因子受容体2(HER2)、ヒト上皮増殖因子受容体3(HER3)、インスリン様増殖因子1受容体(IGF1R)、炭酸脱水酵素IX(CAIX)、血小板由来増殖因子受容体β(PDGFR-β)、ネクチン-4、分化抗原群38(CD38)、分化抗原群33(CD33)、分化抗原群30(CD30)、分化抗原群22(CD22)、および分化抗原群79b(CD79b)からなる群から選択されるヒトを含む哺乳動物タンパク質に存在する、項目2に記載のキット。
【0059】
4.前記標的部位がヒト上皮増殖因子受容体2(HER2)に存在する、項目3に記載のキット。
【0060】
5.前記標的化部分が、
・抗体;
・抗体フラグメント、例えば単一ドメイン抗体(sdAb;ナノボディ)、単鎖可変フラグメント(scFv)、抗原結合性フラグメント(Fab)、ダイアボディ、またはミニボディ;
・工学的足場タンパク質、例えばアフィボディ(登録商標)分子;および
・ペプチド
からなる群から選択される、項目1から4のいずれか1つに記載のキット。
【0061】
6.前記標的化部分がアフィボディ(登録商標)分子である、項目5に記載のキット。
【0062】
7.ハイブリダイゼーションプローブの一方または両方がリンカーを含む、項目1から6のいずれか1つに記載のキット。
【0063】
8.前記リンカーが可溶化部分、好ましくは(a)PEGベースのリンカー、例えば2-[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]酢酸(AEEA)を含むリンカー;または(b)荷電もしくは極性アミノ酸を含むペプチドベースのリンカーである、項目7に記載のキット。
【0064】
9.第1のハイブリダイゼーションプローブ部分の第1のPNAオリゴマーの長さが、少なくとも第2のハイブリダイゼーションプローブ部分の第2のPNAオリゴマーの長さであり、15塩基以下である、項目1から8のいずれか1つに記載のキット。
【0065】
10.第1のハイブリダイゼーションプローブ部分の前記PNAオリゴマーの長さが15塩基である、項目9に記載のキット。
【0066】
11.前記15塩基が、配列c-c-t-g-g-t-g-t-t-g-a-t-g-a-t(配列番号3)を有する、項目10に記載のキット。
【0067】
12.前記第1のハイブリダイゼーションプローブ部分が以下の構造を有する、項目11に記載のキット:
G-S-S-c-c-t-g-g-t-g-t-t-g-a-t-g-a-t-E-K(DOTA)-AEEA-E-NH2。
【0068】
13.第2のハイブリダイゼーションプローブ部分の前記相補的PNAオリゴマーの長さが5~14塩基である、項目1から12のいずれか1つに記載のキット。
【0069】
14.前記相補的PNAオリゴマーの長さが9~12塩基である、項目13に記載のキット。
【0070】
15.前記相補的PNAオリゴマーの長さが9塩基である、項目14に記載のキット。
【0071】
16.前記9塩基が、配列a-a-c-a-c-c-a-g-g(配列番号4)を有する、項目15に記載のキット。
【0072】
17.前記第2のハイブリダイゼーションプローブ部分が以下の構造を有する、項目16に記載のキット:
DOTA-AEEA-S-S-a-a-c-a-c-c-a-g-g-E-E-Y-NH2。
【0073】
18.前記相補的PNAオリゴマーの長さが12塩基である、項目14に記載のキット。
【0074】
19.前記12塩基が、配列a-t-c-a-a-c-a-c-c-a-g-g(配列番号5)を有する、項目18に記載のキット。
【0075】
20.前記第2のハイブリダイゼーションプローブ部分が以下の構造を有する、項目19に記載のキット:
DOTA-AEEA-S-S-a-t-c-a-a-c-a-c-c-a-g-g-E-E-Y-NH2。
【0076】
21.前記治療剤が、放射性核種、カリケアマイシン、モノメチルアウリスタチンE/F(MMAE/F)などのアウリスタチン、およびメイタンシン誘導体DM0~DM4などのメイタンシノイドからなる群から選択される、項目1から20のいずれか1つに記載のキット。
【0077】
22.前記治療剤が、ルテチウム-177(177Lu)、イットリウム-90(90Y)、ビスマス-212(212Bi)、ビスマス-213(213Bi)、アスタチン-211(211At)、アクチニウム-255(255Ac)、銅-67(67Cu)、ガリウム-67(67Ga)、およびレニウム-186(186Re)からなる群から選択される放射性核種である、項目21に記載のキット。
【0078】
23.前記診断剤が、陽電子放射断層撮影法(PET)、単一光子放射型コンピュータ断層撮影法(SPECT)、および光学的画像法からなる群から選択される方法によって検出可能なシグナルを生成する、項目1から22のいずれか1つに記載のキット。
【0079】
24.前記診断剤が放射性核種である、項目23に記載のキット。
【0080】
25.方法がSPECTであり、放射性核種が、テクネチウム-99m(99mTc)、インジウム-111(111In)、ルテチウム-177(177Lu)、ヨウ素-123(123I)、ヨウ素-125(125I)、ガリウム-67(67Ga)、および銅-67(67Cu)からなる群から選択される、項目24に記載のキット。
【0081】
26.方法がPETであり、放射性核種が、ガリウム-68(68Ga)、フッ素-18(18F)、ヨウ素-122(122I)、ヨウ素-124(124I)、および銅-64(64Cu)からなる群から選択される、項目24に記載のキット。
【0082】
27.診断剤または治療剤が放射性核種であり、少なくとも第2のハイブリダイゼーションプローブ部分がキレート剤を含む、項目21または24に記載のキット。
【0083】
28.前記キレート剤が、以下からなる群から選択される、項目27に記載のキット:
1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-四酢酸(DOTA)、
1,4,7-トリアザシクロノナン-1,4,7-三酢酸(NOTA)、
1,4,8,11-テトラアザシクロドデカン-1,4,8,11-四酢酸(TETA)、
1,4,7-トリアザシクロノナン,1-グルタル酸-4,7-酢酸(NODAGA)、および
ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)。
【0084】
29.前記キレート剤が、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-四酢酸(DOTA)である、項目28に記載のキット。
【0085】
30.診断剤または治療剤を、ヒトを含む哺乳動物の標的部位に送達する方法であって、前記方法が、
(a)(i)標的部位に選択的に結合する標的化部分;および
(ii)第1のPNAオリゴマーを含む第1のハイブリダイゼーションプローブ部分
を含む第1のコンジュゲートを前記哺乳動物に投与すること;ならびに
(b)必要に応じて、前記哺乳動物にクリア剤を投与し、前記クリア剤が非局在化した第1のコンジュゲートを血液循環からクリアすることを可能にすること;ならびに
(c)(i)第1のPNAオリゴマーに相補的な第2のPNAオリゴマーを含む第2のハイブリダイゼーションプローブ部分;および
(ii)診断剤または治療剤部分
を含む第2のコンジュゲートを前記哺乳動物に投与すること
を含み、
第2のハイブリダイゼーションプローブ部分の第2のPNAオリゴマーの長さが14塩基以下であり、前記第2のPNAオリゴマーが第1のコンジュゲートの第1のPNAオリゴマーに結合し、それによって診断剤または治療剤部分を標的部位に標的化する、方法。
【0086】
31.ヒトを含む哺乳動物における病状の診断、予後診断または処置のための方法であって、前記方法が、診断剤または治療剤部分を哺乳動物の標的部位に送達するための項目30に記載の方法を含む、方法。
【0087】
32.項目1から29のいずれか1つに記載のキットの第1および第2のコンジュゲートを、ヒトを含む哺乳動物に投与することを含む、病状を診断するための方法。
【0088】
33.項目1から29のいずれか1つに記載のキットの第1および第2のコンジュゲートを、その処置を必要とする、ヒトを含む哺乳動物に投与することを含む、病状を処置するための方法。
【0089】
34.前記病状が、がん、感染性疾患、炎症性疾患、および自己免疫疾患からなる群から選択され;好ましくは、がんである、項目31から33のいずれか1つに記載の方法。
【0090】
35.前記病状が、固形腫瘍を形成することができるがんであり、前記がんが、乳がん、前立腺がん、肺がん、頭頸部がん、胃がん、および結腸がんからなる群から選択される、項目34に記載の方法。
【0091】
36.前記標的部位が、上皮増殖因子受容体(EGFR)、ヒト上皮増殖因子受容体2(HER2)、ヒト上皮増殖因子受容体3(HER3)、インスリン様増殖因子1受容体(IGF1R)、炭酸脱水酵素IX(CAIX)、血小板由来増殖因子受容体β(PDGFR-β)、およびネクチン-4からなる群から選択されるヒトタンパク質に存在する、項目35に記載の方法。
【0092】
37.前記病状が、黒色腫、白血病、および骨髄腫からなる群から選択される血液がんである、項目34に記載の方法。
【0093】
38.前記標的部位が、分化抗原群38(CD38)、分化抗原群33(CD33)、分化抗原群30(CD30)、分化抗原群22(CD22)、および分化抗原群79b(CD79b)からなる群から選択されるヒトタンパク質に存在する、項目37に記載の方法。
【0094】
39.項目1から29のいずれか1つに記載のキットの第1および第2のコンジュゲートを含む医薬組成物。
【0095】
40.がん、感染性疾患、炎症性疾患、および自己免疫疾患からなる群から選択される病状の診断または処置に使用するための、項目39に記載の医薬組成物。
【0096】
実験方法
高品質のMilli-Q(登録商標)水を使用してすべての緩衝液を調製し、Chelex(登録商標)100樹脂(Bio-Rad Laboratories、USA)を使用して金属夾雑物から精製した。キャリアフリーの177LuCl3は、PerkinElmer(Waltham、MA、U.S.A.)から購入した。NaI(TI)検出器(1480 Wizard、Wallac、Finland)を備えた自動ガンマ線分光計を使用して、放射能を測定した。
【0097】
HER2を発現する卵巣がんSKOV3および乳がんBT474細胞(両方ともAmerican Type Culture Collection(ATCC)から入手した)を使用して、インビトロ細胞研究を実施した。細胞を、10%ウシ胎児血清、2mMのL-グルタミン、ならびに100IU/mLのペニシリンおよび100mg/mLのストレプトマイシンで構成されるPESTを補充したRPMI培地(Flow Irvine、UK)で培養した。
【0098】
インビトロ研究および生体内分布に関するデータを、GraphPad Prism(Windows用バージョン4.00;GraphPadソフトウェア)を使用して、対応のない両側t検定(2セットのデータの比較のため)およびANOVA(いくつかのセットのデータの比較のため)によって分析して、有意差を判定した。
【0099】
PNAプレターゲティングプローブの合成および精製
ペプチド核酸モノマー;Fmoc-PNA-A(Bhoc)-OH、Fmoc-PNA-G(Bhoc)-OH、Fmoc-PNA-C(Bhoc)-OHおよびFmoc-PNA-T-OHは、PolyOrg,Inc.Leominster、USAまたはPNA Bio,Inc.Thousand Oaks、USAから購入した。Rink Amide樹脂(ChemMatrix、0.50mmol/g)は、Biotage(Uppsala、Sweden)から購入した。1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-四酢酸(DOTA)は、CheMatech、Dijon、Franceから購入した。Fmoc-NH-(PEG)2-CH2COOH(AEEA)は、Merck KGaA、Darmstadt、Germanyから購入した。固相合成のための溶媒および試薬は商業的供給業者から入手し、さらなる精製を行わずに使用した。
【0100】
HP15は、Rink Amide樹脂(ChemMatrix、0.50mmol/g)を使用して、Biotage(登録商標)Initiator+Alstraマイクロ波ペプチド合成装置にて、10ml反応器バイアル内で50μmolスケールで合成した。Fmoc脱保護は、樹脂をピペリジン-DMF(1:4)で3分間、続いてピペリジン-DMF(1:4)で10分間処理する2段階にて、室温で行った。カップリングは、DMF中5当量のPNAまたはアミノ酸モノマー、5当量のOxymaおよび5当量のDICを使用して行った。75℃で10分のカップリング時間を配列全体にわたって使用し、続いてNMP-ルチジン-酢酸無水物(89:6:5)を使用して2分間のキャッピング工程を行った。
【0101】
DOTAの部位特異的導入の可能性のために、直交的に保護されたLys(Mtt)を導入した。5~10回の新鮮なTFA:TIS:DCM(1:2:97)の添加、続いて1分間のボルテックスによるLys(Mtt)の選択的な側鎖脱保護のために、4つのカップリング工程(Fmoc-E-K(Mtt)-[AEEA]-E-樹脂)の後、自動合成を中断した。DOTAのカップリングは、DMF中5当量のDOTA、5当量のOxymaおよび5当量のDICを使用して、室温で1時間行った。自動合成を再開し、すべてのサイクルを完了した後、樹脂をDMF、DCM、最後にMeOHで洗浄し、次いで一晩乾燥させた。PNA-ペプチドハイブリッドを、TFA:H2O:TIS(95:2.5:2.5)の混合物を使用して、室温で4時間固体支持体から切断した。最後に、PNA生成物をジエチルエーテルおよび水の間で抽出し、水相から凍結乾燥した。
【0102】
最短の相補的PNAプローブであるHP19を、HP15と同じマイクロ波ペプチド合成装置で合成した。Fmoc脱保護、カップリングおよびキャッピングは、HP15の合成と同様に行った。DOTAキレート剤を、HP15にカップリングされたDOTAと同じプロトコルを使用して、合成の最後にPNAプローブに手動でカップリングさせた。最終生成物を樹脂から切断し、HP15と同様に抽出した。合成をカイザーテスト(Kaiser test)によって連続的にモニターした。HP19の最終生成物の分子量を、MALDI-TOF分析を使用して検証した。
【0103】
他の相補的PNAプローブ(HP16、HP17、HP18)は、HP15の合成に使用したのと同じモノマー、樹脂および溶媒を使用して手動で合成した。各カップリングは、5当量のPNAモノマーを使用して行った。樹脂に添加する前に、PNAモノマーを、NMPおよびDMF中10当量のDIEAの存在下で、5当量のベンゾトリアゾール-1-イル-オキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスファート(PyBOP;Sigma Aldrich)により1分間予備活性化した。各カップリングは、穏やかに振盪しながら室温で30分間~1時間行った。未反応PNAのキャッピングは、HP15と同様に行った。Fmoc脱保護は、NMP中20%ピペリジンを使用して、穏やかに振盪しながら室温で20分間行った。合成をカイザーテストによってモニターし、数ビーズの樹脂の微小切断に続いてMALDI-TOF分析を行った。合成完了後、樹脂をNMP、続いてDCMで十分に洗浄し、一晩乾燥させた。その後の相補的PNAプローブの切断およびエーテル抽出はHP15と同様に行った。
【0104】
RP-HPLC精製は、5~50%Bの直線勾配(ここで、A=0.1%TFA-H2OおよびB=0.1%TFA-CH3CN)を用いた半分取Zorbax 300 SB-C18カラム(9.4×250mm、粒径5μm;Agilent、Santa Clara、USA)を使用して、25分間にわたり、3ml/分の流量、70℃のカラム温度ならびに220および260nmでのUV検出を使用して行った。回収した画分を、α-シアノ-4-ヒドロキシ桂皮酸マトリックスを使用してMALDI-TOF(4800 MALDI-TOF/TOF、ABSCIEX)によって分析した。正しい生成物を含有すると判定された画分をプールし、凍結乾燥した。
【0105】
HP16、HP17およびHP18の純度を、Zorbax 300SB-C18カラム(4.6×150mm、粒径3.5μm;Agilent)での分析RP-HPLC、続いてMALDI-TOF分析を用いて確認した。HP19のアイデンティティおよび純度を、MALDI-TOF分析を用いて確認した。各PNAプローブの260nmでの吸光係数(ε260)は、PNA組成および各PNAモノマーの吸光係数(A:13700M-1cm-1、C:6600M-1cm-1、G:11700M-1cm-1、およびT:8600M-1cm-1)に基づいて推定した。すべての実験を通して、各プローブに対して使用した吸光係数は以下の通りである:HP16:98000M-1cm-1、HP17:126900M-1cm-1、HP18:155800M-1cm-1、HP19:64000M-1cm-1およびHP15:150700M-1cm-1。
【0106】
アフィボディ-PNAコンジュゲートの作成
pAY430-ZHER2:342-SR-H6プラスミド(Westerlund 2015)を、BL21(DE3)化学的コンピテント大腸菌(E.coli)細胞(Life Technologies)に形質転換し、細胞をカナマイシンを補充した複合培地(酵母抽出物を含むトリプチックソイブロス)中で培養した。タンパク質の発現を1mMのIPTG(最終濃度)の添加によって誘導し、培養物を室温、150rpmで一晩維持した。細胞を遠心分離(4000rcf、10分、4℃)によって収集し、IMAC結合緩衝液(20mM Tris-HCl、300mM NaCl、10mMイミダゾール、pH7.5)に再懸濁し、その後超音波処理によって溶解した。遠心分離後、清澄化した上清を、ZHER2:342-SR-H6を捕捉するIMACマトリックス(HisPur(商標)コバルト樹脂、Thermo Scientific)に通した。樹脂を洗浄緩衝液(20mM Tris-HCl、300mM NaCl、30mMイミダゾール、pH7.5)で洗浄し、タンパク質を溶出緩衝液(20mM Tris-HCl、300mM NaCl、300mMイミダゾール、pH7.5)を使用して溶出した。溶出したZHER2:342-H6を、PD-10脱塩カラム(GE Healthcare)でソルターゼAコンジュゲーション緩衝液(50mM Tris-HCl、150mM NaCl、10mM CaCl2 pH7.5)に緩衝液交換した。ZHER2:342-SR-H6の純度および分子量をSDS-PAGEおよびMALDI-TOFを用いて確認した。
【0107】
ZHER2:342-SR-H6を、ソルターゼA媒介ライゲーション(SML)を用いてHP15に部位特異的にコンジュゲートした。以下に記載されるSML方法は、以前に公開されたアフィボディ-PNAコンジュゲーション用のプロトコルに基づく(Altai 2017)。Srt A3*と示される、P94S/D160N/K196T(Chenら、2011)変異を有するソルターゼAのバリアントをコンジュゲーションに利用した。グリシン改変したHP15プローブを10%DMSOに溶解し、80℃で5分間加熱した後、濃度を260nmでの吸光度に基づいて推定した。500nmolのHP15、1.25μmolのZHER2:342-SR-H6および1.25μmolのNiCl2を、5mlの最終体積のソルターゼAコンジュゲーション緩衝液中で混合した。Srt A3*を最終濃度5μMまで反応物に添加し、反応を30分間進行させ、その後、予備平衡化したIMACマトリックスを使用した逆IMAC工程に供した。コンジュゲーション生成物、加水分解されたタンパク質副生成物および非コンジュゲートHP15は、所与のマトリックスとの30分間のインキュベーション工程後にフロースルーで回収することができた。次いで、回収したフロースルーをPD-10カラムで10mM NaOAc pH3.6に緩衝液交換し、その後凍結乾燥した。ZHER2:342-SR-HP15コンジュゲートを、PNAプローブの精製と同じカラムおよび溶媒を使用するRP-HPLCで精製したが、勾配は25分で5%~50%Bとし、吸光度を220、260および280nmでモニターした。非コンジュゲートHP15およびZHER2:342-SR-HP15コンジュゲート画分を回収し、凍結乾燥し、MALDI-TOFによって分析した。精製したコンジュゲートの純度を確認するために、分析HPLC(Zorbax 300SB-C18、粒径3.5μm、4.6×150mm、Agilent)およびエレクトロスプレーイオン化質量分析(ESI-MS、Impact II、Bruker)によって分析した。非コンジュゲートHP15は、ZHER2:342-SR-H6の新しいバッチと一緒に新しいコンジュゲーション反応に使用することができた。
【0108】
PNAプローブおよびZHER2:342-SR-HP15の最終濃度を、260nmでの吸光度を測定することによって決定した。260nmでの総吸光度に対するタンパク質部分からの寄与は無視でき得るので、同じ吸光係数をHP15およびZHER2:342-SR-HP15の両方に使用した。
【0109】
HER2受容体へのZHER2:342-SR-HP15の結合を表面プラズモン共鳴(SPR)によって確認した。
【0110】
PNAプレターゲティングプローブの特性評価
PNAプローブのハイブリダイゼーションの速度論的パラメータを、Biacore(商標)8K装置(GE Healthcare)にて表面プラズモン共鳴(SPR)を用いて分析した。デキストランチップシリーズS センサーCM5(GE Healthcare)を、標準的なアミンカップリング手順を使用して、385、194、185および353のレゾナンスユニット(RU)まで、4つの表面をZHER2:342-SR-HP15で官能化した。各チップのリファレンス表面を活性化に供し、続いて非活性化した。相補的PNAプローブHP16、HP17、HP18およびHP19を5つの濃度:22.6、45.3、90.6、181.25および362.5nMで単回サイクル注入を用いて注入した。各濃度に対して300秒間会合させ、続いて次の注入および会合段階を行った。最終濃度の注入後、解離を10000秒間(2時間47分)行った後、10mMのHClで30秒間、続いて15mMのNaOHで30秒間再生した。すべてのランは、PBST(0.05%Tween-20)pH7.4で、50μl/分の流速を用いて25℃で行った。Biacore Insight Evaluationソフトウェアの1:1結合モデルを使用して速度論的パラメータを計算した。
【0111】
HP15:HP16、HP15:HP17およびHP15:HP18の融解温度は、1℃/分の温度変化を使用して、20~95℃の温度範囲で260nmのUV吸光度をモニター(Chirascan(商標)、Applied Photophysics)することによって決定した。PNA複合体を80℃まで5分間加熱し、次いで室温で5分間ハイブリダイズさせた後、室温で5分間UVモニターした。熱変性の判定前後にCDスペクトルを収集した。
HP15:HP19複合体の融解温度は、シングルセルPeltierサーモスタット制御キュベットホルダーを備えたVarian Cary 50 Bio UV-可視(visual)分光光度計を用いて決定した。セル内の温度を0.5℃/分の速度で20から80℃の間で調整し、各温度点で60秒の平衡化後、260nmで測定を行った。
【0112】
放射性標識およびインビトロ安定性
177Luを用いた一次および二次PNAプローブの放射性標識化を、以前に記載された方法(Westerlund 2018)を使用して行った。簡潔には、30μgのペプチドを100μLのアスコルビン酸(1M、pH5.5)に95℃で10分間加熱することによって溶解し、続いて5分間超音波処理して確実に完全に溶解させた。3μL(60~120MBq)の177LuCl3を添加し、続いてボルテックスした。混合物を95℃で60分間インキュベートした。反応混合物を、0.2Mクエン酸、pH2.0で溶出する放射性-ITLCによって分析した。
【0113】
緩く結合した177Luを除去するために、過剰のエチレンジアミン四酢酸四ナトリウム塩(EDTA.Na4)による処理を行った。EDTA.Na4の新たに調製した溶液(Milli-Q水中10mg/mL)を1000倍のモル過剰で反応混合物に添加し、95℃で10分間インキュベートした。放射化学収率および純度が高いため、新しい二次プローブに対してさらなる精製は必要なかった。[177Lu]Lu-HP2および[177Lu]Lu-ZHER2:342-SR-HP15については、EDTA処理後に、使い捨てNAP-5カラムを使用し、予備平衡化し、1%BSA/PBSで溶出するサイズ排除クロマトグラフィーによって精製を行った。
【0114】
安定性を評価するために、新たに放射性標識されたコンジュゲートの画分(0.4μg)を、500倍のモル過剰のEDTAと共に37℃で60分間インキュベートした。また、対照としてPBS中でもインキュベーションを行った。試験は3連で行った。
【0115】
放射性-ITLCの結果を検証するために、逆相HPLCを、直列に連結されたL-2130ポンプ、UV検出器(L-2400)、および放射線フロー検出器(Bioscan、Washington、DC、USA)からなるLaChrom Elite(登録商標)システム(Hitachi、VWR、Darmstadt、Germany)を使用して行った。分析カラム(Phenemenex、Aschaffenburg、Germany;Luna(登録商標)5μm C18、100Å;150×4.6mmカラム)を使用して、[177Lu]Lu標識された化合物の純度分析を行った。HPLC条件は以下の通りであった:A=10mM TFA/H2O;B=10mM TFA/アセトニトリル;220nmでのUV検出;溶出勾配:5~70%Bで0~15分、70~95%Bで15~18分、5%Bで19~20分;流量は1.0mL/分であった。
【0116】
インビトロ研究
細胞を、106細胞/ディッシュの密度で細胞培養ディッシュに播種した。3つのディッシュのセットを各データポイントに使用した。
【0117】
HER2を発現する細胞への[177Lu]Lu-ZHER2:342-SR-HP15の結合の特異性を、細胞を1nMの標識コンジュゲートと37℃で1時間インキュベーションすることによって試験した。受容体を飽和させるために、放射性標識されたプローブを添加する5分前に、非標識ZHER2:342(1000nM)を対照セットに添加した。
【0118】
新規の[177Lu]Lu-HP16、[177Lu]Lu-HP17および[177Lu]Lu-HP18に対するプレターゲティング特異性アッセイを、先に記載されるように4セットの細胞ディッシュを使用して行った(Honarvar 2016)。プレターゲティングを実証するために、1セットのディッシュをZHER2:342-SR-HP15(1nM)と共に37℃で1時間インキュベートし、洗浄した。177Lu標識された二次プローブ(10nM)を添加し、細胞を37℃で1時間インキュベートした。プレターゲティングがHER2媒介性であったことを示すために、ディッシュの第2のセットを過剰のアフィボディ分子ZHER2:342(1000nM)と共に5分間インキュベートした後、ZHER2:342-SR-HP15を添加した。177Lu標識された二次プローブ(10nM)を添加し、細胞を37℃で1時間インキュベートした。プレターゲティングがPNA媒介性であったことを実証するために、ディッシュの第3のセットをZHER2:342-SR-HP15と共にインキュベートし、続いて過剰の非標識二次プローブ(300nM)と共に30分間インキュベーションし、次いで、177Lu標識された二次プローブを添加し、続いて1時間インキュベーションした。第4のセットでは、細胞を、177Lu標識された二次プローブのみと共にインキュベートして非特異的結合を評価した。インキュベーション終了時に、細胞を洗浄し、トリプシンによって剥離し、細胞中の放射能を測定して、細胞に結合した放射能のパーセントを計算した。
【0119】
HER2受容体に対する放射性標識されたコンジュゲートの結合親和性を評価するために、LigandTracer(登録商標)黄色装置(Ridgeview Instruments AB、Vange,Sweden)を使用して、SKOV3細胞への[177Lu]Lu標識されたプローブの結合およびSKOV3細胞からのそれらの解離のキネティクスを測定した。SKOV3細胞を細胞培養ディッシュ(Nunclon(商標)、サイズ100620、NUNC A/S、Roskilde、Denmark)のローカルエリアに播種した。SKOV3細胞を2セットのディッシュで2時間ZHER2:342-SR-HP15(1nM)で予備飽和し、その後3回洗浄して未結合の一次薬剤を除去した。漸増濃度の2つの放射性標識された分子([177Lu]Lu-ZHER2:342-SR-HP:15については180および540pM、[177Lu]Lu標識された二次プローブについては、1および5nM)を添加した。データを、Interaction Map(商標)ソフトウェア(Ridgeview Diagnostics AB、Uppsala、Sweden)を使用して分析して、会合速度定数(ka)、解離速度定数(kd)および平衡解離定数(KD)を計算した。分析は2連で行った。
【0120】
SKOV3およびBT474細胞での細胞プロセシングおよび保持を、酸洗浄法による中断されたインキュベーション中に研究した(Wallberg 2008)。
【0121】
インビボ研究
動物実験は、実験動物での作業に関する国の法律に従って行った。承認は、ウプサラ(Uppsala)の動物研究倫理委員会によって付与された。腫瘍移植のために、107個のSKOV3細胞を雌性BALB/c nu/nuマウスの右後肢に皮下注射した。生体内分布の実験は、細胞移植の2週間後に行った。平均動物体重は18±1gであった。平均腫瘍重量は0.23±0.11gであった。生体内分布の測定のために、麻酔(Rompun(登録商標)/Ketalar(登録商標))の過剰投与とそれに続く心臓穿刺によって、マウスを所定の時点で安楽死させた。関心の器官および腫瘍を採取し、秤量し、それらの放射能を測定した。試料1グラムあたりの総注射線量のパーセンテージ(%ID/g)を計算した。
【0122】
この研究で使用されたプレターゲティングプロトコルは、Westerlundら(Westerlund 2018)によって[177Lu]Lu-HP2を使用したアフィボディに基づくPNA媒介療法のために以前に最適化されている。一次および[177Lu]Lu-HP2の両方の注射質量を2倍にした場合、アップスケーリング実験は、[177Lu]Lu-HP2の生体内分布に有意な変化を示さなかった。この研究に基づいて、マウスあたり50μgの一次薬剤および等モル量の二次薬剤(HP16、HP17、HP18およびHP2についてそれぞれ0.69、0.89、1および1μg)を注射した。
【0123】
生体内分布の研究のために、マウスを5つの群に無作為化した。30匹のマウスに、ZHER2:342-SR-HP15(マウスあたり100μLのPBS中4nmol)を静脈内注射した。16時間後、すべてのマウスに[177Lu]-HP16、[177Lu]-HP17または[177Lu]-HP18(100μLのPBS中2%BSAに194pmol、120kBq)を注射した。二次プローブの注射4時間および144時間後に生体内分布を測定した。比較のために、第一世代[177Lu]Lu-HP2の生体内分布を、ZHER2:342-SR-HP:1を一次薬剤として使用したのと同じ方法で測定した。
【0124】
インビボ特異性を評価するために、[177Lu]Lu-二次プローブの生体内分布を、一次薬剤の事前注射なしで注射4時間後に測定した。
【0125】
ガンマカウンター測定が完了した後、腫瘍をクライオメジウム(Neg-50(商標)、Thermo Scientific、USA)に包埋し、-80℃で凍結した。凍結腫瘍をクライオミクロトーム(CryoStar(商標)NX70、Thermo Scientific、USA)を使用して連続切片(厚さ30μm)に切断し、スライドガラス上に解凍マウントした。デジタルオートラジオグラフィーのために、切片を含むスライドをカセットに入れ、蛍光体スクリーンに一晩曝露した。蛍光体スクリーンを、Cyclone(登録商標)ストレージ蛍光体システム、600dpiの解像度でスキャンし、OptiQuantソフトウェア(PerkinElmer、USA)を使用して分析した。
【0126】
腫瘍および腎臓における吸収線量の比を推定するために、腎臓および腫瘍における累積活性を評価した。推定は、臨床的に検証された二時点アプローチに基づいた(Freedman 2020)。生体内分布データを非崩壊補正し、GraphPad Prismソフトウェアを使用して時間-活性プロット下の面積を計算した。交差線量は無視でき、吸収率は1に等しいであろうため、主な吸収線量はベータ粒子に起因すると仮定した。
【0127】
SPECT/CTイメージング
SKOV3異種移植片を有するマウスに、二次177Lu標識されたプローブ(680pmol、9~13MBq)の注射の16時間前に、7nmolの一次薬剤を静脈内注射した。イメージング(注射4時間後)の直前に、動物をCO2窒息によって屠殺した。SPECTイメージングを、nanoScan SC(Mediso Medical Imaging Systems、Hungary)を用いて行った。CTの取得は、50keVのX線エネルギーを用いて行った。20分間のSPECTヘリカルスキャンを、エネルギーウインドウ50~62、103~124、および188~230keVを使用して取得した。データを、Tera-Tomo(商標)3D SPECTソフトウェアを使用して再構成した。
【0128】
発明の例
例1:アフィボディ-PNAコンジュゲートおよび相補的PNAプローブの作成および特性評価
PNAプレターゲティングプローブHP15、HP16、HP17、HP18およびHP19(表1)を上記の実験方法のように調製した。プローブを、自己相補的な配列ならびにプリン(AおよびG)の伸長したストレッチ(これらは凝集を促進することが公知であり、したがってPNAベースのプローブを合成および精製することを困難にし得る)を回避するように設計した(Zhao 2020)。
【0129】
アフィボディ(登録商標)分子ZHER2:342-SR-H6およびHP15を、Srt A3*を使用してコンジュゲートした(実験方法を参照)。反応のライゲーション効率は、RP-HPLCにおける260nmでのピーク下の積分面積に基づいて40%と推定された。40%のライゲーション効率は、HP1のZHER2:342-SR-H6へのコンジュゲーションに関して以前に報告された70%のライゲーション効率(Altai 2017)よりも低い。しかしながら、HP15は、HP1のN末端の3つのグリシン残基に対して、N末端に1つのグリシン残基を有し、これはライゲーション効率に影響を及ぼす可能性がある。40%のライゲーション効率は、45%と報告された野生型ソルターゼAを使用したHP1のコンジュゲーションと同じ範囲内にある(Westerlund、2015)。
【0130】
固定化されたZ
HER2:342-SR-HP15への4つの相補的PNAプローブのハイブリダイゼーションをSPRによって分析した。単回サイクル注入を用いて分析した相互作用の代表的なセンサーグラムを
図1に示す。会合速度定数k
aは、HP16、HP17およびHP18について、それぞれ4.6×10
4、4.3×10
4および5.7×10
4M
-1s
-1と推定された。したがって、HP15と相互作用するこれら3つのPNAプローブすべてのオン速度は同じ範囲内にある。k
aは、HP19について2.1×10
7M
-1s
-1と推定された。解離速度定数k
dは、HP16については1.2×10
-5s
-1、HP19については7.2×10
-2s
-1と推定されたが、他の2つの相補的PNAプローブ(HP17およびHP18)については、k
dをBiacoreを使用して決定するには遅すぎた。HP16の平衡解離定数は約280pMであると計算されたが(表2)、Z
HER2:342-SR-HP15に対するHP17およびHP18の親和性はより高いと推定された。
【0131】
HP15とHP16(9量体)との間の相互作用に対して決定されたKD(280pM)は、意図されたプレターゲティング用途に対して十分に高い親和性を示すようである。HP15とHP19(6量体)との間の相互作用に対して決定されたKD(3.4nM)はより高いが、このより低い親和性も用途に対して十分であると予想される。腫瘍関連抗原および放射性標識されたハプテンの両方に結合する二重特異性抗体構築物を使用したプレターゲティングの成功が以前に実証されており、二機能性抗体と111In標識されたベンジルEDTA誘導体との間の相互作用はわずか10-9~10-10Mの推定KDであった(Stickney 1991)。
【0132】
HP15と二次プローブH16、HP17またはHP18との間のハイブリダイゼーションは、約215nmおよび260nmに最小値を有するCDスペクトルを生じた。誘導されたシグナルは、C末端Lアミノ酸を有する相補的PNAプローブ間のハイブリダイゼーション時のPNA:PNA二重らせん形成の結果である(Corradini 2012)。HP15とのデュプレックス形成後の各ハイブリダイゼーションプローブの融解温度を260nmでモニターし、HP16、HP17およびHP18についてはそれぞれ73℃、75℃および87℃(
図2a)、HP19については55℃(
図2b)と推定された。分光学的特性は、HP16、HP17およびHP18がすべて、一次PNAプローブHP15と高い熱安定性のデュプレックスを形成することを示している。HP16、HP17およびHP19の融解温度は、HP18と比較してオリゴマー長が短いため、より低いと予想される。HP16、HP17およびHP18の融解温度よりも有意に低いが、HP19の融解温度は依然としてヒトの体温をはるかに上回っている。
【0133】
例2:放射性標識化およびインビトロ安定性
表3は、177Luを用いたすべてのプローブの放射性標識の結果を示す。EDTA処理後、新しい二次薬剤の放射化学収率は98%を超えた。したがって、NAP-5を使用するさらなる精製は、インビトロおよびインビボ研究のためには行わなかった。NAP-5カラムを使用した[177Lu]Lu-ZHER2:342-SR-HP15および[177Lu]Lu-HP2の精製により、両方の標識について100±0%の放射化学純度が得られた。177Luで標識されたすべてのプローブは、PBS中およびEDTAの存在下で最大1時間のインキュベーションの間安定であった。
【0134】
放射性ITLCの結果を検証するために、放射性HPLCのアイデンティティを行い、標識化および精製後に断片化が起こらなかったことを実証した。すべてのプローブの放射性HPLC保持時間は約5.8分であった。非標識プローブの保持時間は標識プローブと同じであった。
【0135】
例3:インビトロ研究
一次薬剤[
177Lu]Lu-Z
HER2:342-SR-HP15のHER2結合特異性を飽和実験を用いて試験した。細胞を抗HER2アフィボディ分子で事前飽和させた場合、結合は有意に(p<0.0005)減少し(
図3A)、結合がHER2媒介性であることを実証した。[
177Lu]Lu-Z
HER2:342-SR-HP15の遅い内在化は、これが標的細胞の表面上の一次ハイブリダイゼーションプローブの長い持続を可能にするので、プレターゲティング用途に有利である。
【0136】
Z
HER2:342-SR-HP15で前処理したHER2を発現する細胞への[
177Lu]Lu-HP16、[
177Lu]Lu-HP17および[
177Lu]Lu-HP18のインビトロでの結合の特異性を評価した(
図3B、
図3C、
図3D)。HER2受容体を抗HER2アフィボディ分子で飽和させた場合、またはZ
HER2:342-SR-HP15処理した細胞を大過剰の非標識二次薬剤と共にプレインキュベートした場合、すべての二次薬剤の結合が有意に(p<0.0005)減少した。一次薬剤とのプレインキュベーションなしの細胞へのすべての二次薬剤の結合は、プレターゲティングと比較して有意に(p<0.0005)低かった。[
177Lu]Lu-HP2の特異性は以前に実証されている(Altai 2017 NMB)。
【0137】
ZHER2:342-SR-HP15で事前処理した生SKOV3細胞への結合のキネティクスのLigandTracer(登録商標)測定は、すべての二次プローブの結合が極めて強いことを実証した。Interaction Map(商標)の計算は、[177Lu]Lu-ZHER2:342-SR-HP15およびプレターゲットした[177Lu]Lu-二次プローブについて迅速な会合とそれに続く非常に遅い解離を示し、平衡時のピコモル解離定数(KD)をもたらした。KD値は11~12pMであった。二次プローブ間で見かけの解離定数に差はなかった。したがって、15から9個の窒素塩基へのPNAの長さの減少は、細胞アッセイにおける一次プローブへのそれらの結合の観察可能な低下と関連しなかった。
【0138】
中断されたインキュベーション後、SKOV3およびBT474細胞によるすべての放射性標識の細胞プロセシングおよび保持を求めた。[177Lu]Lu-ZHER2:342-SR-HP15の場合、内在化は遅く、これはHER2結合アフィボディ分子およびその誘導体に典型的である。[177Lu]Lu-ZHER2:342-SR-HP15の内在化割合は、SKOV3細胞においてBT474細胞よりもわずかに高かった(24時間の時点で、SKOV3については18±2%対BT474については12±2%)。標識された二次プローブの内在化のパターンは、[177Lu]Lu-ZHER2:342-SR-HP15のパターンと類似していた。経時的な放射能の保持は、[177Lu]Lu-ZHER2:342-SR-HP15についてが最も高かったが、[177Lu]Lu-二次プローブは、結合した放射能のより速い放出を経時的に示した。
【0139】
例4:インビボ研究
一次プローブの事前注射なしでの[177Lu]Lu標識された二次プローブの生体内分布に関するデータを表4に提供する。[177Lu]-HP16および[177Lu]-HP17の生体内分布は、骨取込みにおけるわずかだが有意な差を除いて、非常に類似していた。[177Lu]-HP18と比較して、より短いバリアントは、血液、肝臓および腎臓で有意に低い取込みであった。[177Lu]-HP17はまた、肺および骨における取込みが有意に低い。
【0140】
Z
HER2:342-SR-HP15(4nmol)の事前注射の有無による[
177Lu]Lu-二次プローブのインビボ特異性の結果(注射4時間後)を
図4に示す。マウスにZ
HER2:342-SR-HP15を事前注射した場合、すべての[
177Lu]Lu-二次プローブの腫瘍取込みは、事前注射なしよりも有意に(p<0.00005)高かった。興味深いことに、正常組織における取込みもまた、一次プローブの事前注射の場合に有意により高かった。
【0141】
一次薬剤の事前注射後の腫瘍における二次プローブの取込みの劇的な増加は、プレターゲティングの特異性を説得力をもって証明している。興味深いことに、ZHER2:342-SR-HP15の注射後の二次プローブの取込みの増加も、血液、腎臓、脾臓、および筋肉で観察された。これは、二次プローブと、血液循環から完全にはクリアされなかったか、または腫瘍内の受容体から解離した後に血流に再進入した一次薬剤との会合によって説明され得る。この効果は、[177Lu]-HP16については、あまり顕著ではなかった。
【0142】
SKOV3を有するマウスにおける一次プローブの注射後の[177Lu]Lu-HP16、[177Lu]Lu-HP17、[177Lu]Lu-HP18と[177Lu]Lu-HP2との比較生体内分布の結果を表5に示す。
【0143】
生体内分布の測定は、すべての研究したPNAベースのプローブに対して、血液および正常器官および組織からの迅速なクリアランスを示している。コンジュゲート間で生体内分布のいくらかの違いが観察された。血中濃度は、注射4時間後に他の二次プローブよりも[177Lu]Lu-HP18の方が有意に(p<0.0001)高かった。この時点で、[177Lu]Lu-HP16、[177Lu]Lu-HP17および[177Lu]Lu-HP2(0.1±0.0%ID/g)についての肝臓取込みは同等であったが、[177Lu]Lu-HP18(0.2±0.1%ID/g)よりも有意に(p<0.05)低かった。顕著な取込みのある組織は腎臓および腫瘍のみであった。[177Lu]Lu-HP16の腎臓での取込み(6±1%ID/g)は、[177Lu]Lu-HP18(12±2%ID/g)および[177Lu]Lu-HP2(10±2%ID/g)に対してよりも有意に(p<0.05)低かった。[177Lu]Lu-HP16は、最も高い平均腫瘍取込み(24±6%ID/g)を示したが、他のプローブの取込みに対する差は有意ではなかった。より低い腎臓取込みと腫瘍における高い取込みの組み合わせは、注射4時間後に[177Lu]Lu-HP16のより高い腫瘍対腎臓比(腎臓取込みより4倍高い)をもたらした。[177Lu]Lu-HP16および[177Lu]Lu-HP17の腎臓取込みは、[177Lu]Lu-HP18よりも有意に(p<0.005)低かった。腫瘍取込みの順序は、注射144時間後、[177Lu]Lu-HP17および[177Lu]Lu-HP18(両方とも5±1%ID/g)>[177Lu]Lu-HP2(4±1%ID/g)>[177Lu]Lu-HP16(3±1%ID/g)であった。[177Lu]Lu-HP17は、腫瘍における放射能のより良好な保持および腎臓におけるより速いクリアランスを示し(腫瘍取込みは腎臓取込みよりも7倍高かった)、注射144時間後でより高い腫瘍対腎臓比をもたらした。
【0144】
例5:SPECT/CTイメージング
SPECT/CTイメージングの結果(
図5)により、すべてのバリアントに対する効率的なアフィボディ分子ベースのPNA媒介性プレターゲティングを確認した。腫瘍は、最も高い取込みのある部位であった。顕著な取込みがある組織は腎臓および腫瘍のみであった。腫瘍における放射能取込みは、各動物において腎臓よりもかなり高かった。
【0145】
腫瘍における放射能の分布を、オートラジオグラフィーを使用して評価した。注射4時間後の活性の分布は非常に均一であり、異種移植片のクラスター特性を反映していた。その後の時点で、腫瘍コアからリムへの放射能濃度の勾配がより顕著であった。
【0146】
腎臓および腫瘍に対する推定線量測定の結果を表6および
図6に示す。腫瘍および腎臓についての時間-活性プロット下の面積の比は、HP16、HP17、HP18およびHP2についてそれぞれ3.8、2.8、2.0および2.0であった。これは、[
177Lu]Lu-HP16が治療用途に最も好ましい線量測定を提供し得ることを示している。
【0147】
【0148】
【0149】
【0150】
【0151】
【表4】
a[
177Lu]-HP16および[
177Lu]-HP17の間の有意差
b[
177Lu]-HP16および[
177Lu]-HP18の間の有意差
c[
177Lu]-HP17および[
177Lu]-HP18の間の有意差
*内容物を含むGI管およびカーカスのデータは、全試料あたりの注射量の%として示されている。
【0152】
【表5】
a[
177Lu]Lu-HP16および[
177Lu]Lu-HP18の間の有意差(p<0.05)
b[
177Lu]Lu-HP17および[
177Lu]Lu-HP18の間の有意差(p<0.05)
C[
177Lu]Lu-HP18および[
177Lu]Lu-HP2の間の有意差(p<0.05)
d[
177Lu]Lu-HP16および[
177Lu]Lu-HP2の間の有意差(p<0.05)
【0153】
【0154】
【配列表フリーテキスト】
【0155】
配列表1~7 <223>合成PNA配列
【0156】
【配列表】
【国際調査報告】