(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-27
(54)【発明の名称】ケーブル取り付けクランプ
(51)【国際特許分類】
G02B 6/46 20060101AFI20231117BHJP
F16B 2/10 20060101ALI20231117BHJP
F16B 2/08 20060101ALI20231117BHJP
【FI】
G02B6/46
F16B2/10 E
F16B2/08 S
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023524312
(86)(22)【出願日】2021-10-22
(85)【翻訳文提出日】2023-06-13
(86)【国際出願番号】 US2021056204
(87)【国際公開番号】W WO2022087377
(87)【国際公開日】2022-04-28
(32)【優先日】2020-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513259104
【氏名又は名称】エーエフエル・テレコミュニケーションズ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100070024
【氏名又は名称】松永 宣行
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】マルチェク、 カイル
(72)【発明者】
【氏名】クールチェイン、 ウィルフレッド
(72)【発明者】
【氏名】ヴォーゲル、 マーク
(72)【発明者】
【氏名】ボール、 シャーリー
【テーマコード(参考)】
2H038
3J022
【Fターム(参考)】
2H038CA35
2H038CA38
3J022DA12
3J022EA42
3J022EB14
3J022EC14
3J022EC22
3J022ED30
3J022GB56
(57)【要約】
ケーブルアセンブリが、ケーブル及びケーブル取り付けクランプを含む。ケーブル取り付けクランプは、表面に取り外し可能に接続可能なベースを含む。ベースは、内部チャネルを画定する外部本体と、当該内部チャネルの中に配置される支持傾斜台とを含み、内部チャネルは長手軸に沿って延びる。ケーブル取り付けクランプはさらに、内部チャネルの中に配置されて支持傾斜台に可動に取り付けられるローラーチューブを含み、このローラーチューブは支持傾斜台に対して長手軸に沿って並進可能である。ケーブルは、ローラーチューブを通して挿入され、内部チャネルを通るように延びる。その結果、ケーブルが長手軸に沿ってローラーチューブとともに並進可能となる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブルを表面に取り付けるためのケーブル取り付けクランプであって、
前記表面に取り外し可能に接続可能なベースであって、長手軸に沿って延びる内部チャネルを画定する外部本体と、前記内部チャネルの中に設けられる支持傾斜台とを含むベースと、
前記内部チャネルの中に設けられて前記支持傾斜台に可動に取り付けられるローラーチューブと
を含み、
前記ローラーチューブは前記支持傾斜台に対して前記長手軸に沿って並進可能である、ケーブル取り付けクランプ。
【請求項2】
前記ローラーチューブはさらに前記長手軸まわりに回転可能である、請求項1のケーブル取り付けクランプ。
【請求項3】
前記ローラーチューブは一つの外側フランジを含み、
前記支持傾斜台は第1レール及び第2レールを含み、
前記ローラーチューブは、前記一つの外側フランジが前記第1レール又は前記第2レールの一方に選択的に接触できるように並進可能である、請求項1のケーブル取り付けクランプ。
【請求項4】
前記ベースに接続可能なキャップをさらに含み、
前記ベースと前記キャップとの間に前記内部チャネルがさらに画定される、請求項1のケーブル取り付けクランプ。
【請求項5】
前記キャップの内面に複数の溝が画定され、
前記ローラーチューブは複数の外側フランジを含み、
前記ローラーチューブは、前記複数の溝のそれぞれが前記複数の外側フランジのうちの一つの外側フランジを選択的に収容できるように並進可能である、請求項4のケーブル取り付けクランプ。
【請求項6】
前記支持傾斜台は、中央傾斜台部分と、前記中央傾斜台部分からそれぞれが反対側に延びるカンチレバー状ウイングとを含む、請求項1のケーブル取り付けクランプ。
【請求項7】
前記支持傾斜台はさらに、前記カンチレバー状ウイングのカンチレバー状端部に設けられるクリップを含む、請求項6のケーブル取り付けクランプ。
【請求項8】
前記カンチレバー状ウイングは、前記ローラーチューブを前記支持傾斜台の中に選択的に固定するように弾性的に付勢される、請求項6のケーブル取り付けクランプ。
【請求項9】
前記ローラーチューブは、中央部分、第1端部分及び第2端部分を含み、
前記第1端部分及び前記第2端部分はそれぞれが一以上の外側リブを含む、請求項1のケーブル取り付けクランプ。
【請求項10】
前記ローラーチューブに接続されるヒートシンクチューブをさらに含む、請求項1のケーブル取り付けクランプ。
【請求項11】
前記ベースは、前記表面に画定されるアパチャの中に取り外し可能に挿入可能なタブと、前記表面に解放可能に接続可能なロックとを含む、請求項1のケーブル取り付けクランプ。
【請求項12】
前記タブは複数のタブである、請求項1のケーブル取り付けクランプ。
【請求項13】
前記ロックはレバーを含み、
前記レバーは、ハンドルと、枢動点と、前記枢動点に関して前記ハンドルとは反対側の接触面とを含む、請求項1のケーブル取り付けクランプ。
【請求項14】
表面に取り付け可能なケーブルアセンブリであって、
ケーブルと、
ケーブル取り付けクランプと
を含み、
前記ケーブル取り付けクランプは、
前記表面に取り外し可能に接続可能なベースであって、長手軸に沿って延びる内部チャネルを画定する外部本体と、前記内部チャネルの中に設けられる支持傾斜台とを含むベースと、
前記内部チャネルの中に設けられて前記支持傾斜台に可動に取り付けられるローラーチューブと
を含み、
前記ローラーチューブは前記支持傾斜台に対して前記長手軸に沿って並進可能であり、
前記ケーブルは、前記ローラーチューブを通して挿入され、前記内部チャネルを通るように延び、前記ケーブルが前記長手軸に沿って前記ローラーチューブとともに並進可能となる、ケーブルアセンブリ。
【請求項15】
前記ローラーチューブは一つの外側フランジを含み、
前記支持傾斜台は第1レール及び第2レールを含み、
前記ローラーチューブは、前記一つの外側フランジが前記第1レール又は前記第2レールの一方に選択的に接触できるように並進可能である、請求項14のケーブルアセンブリ。
【請求項16】
前記ベースに接続可能なキャップをさらに含み、
前記ベースと前記キャップとの間に前記内部チャネルがさらに画定される、請求項14のケーブルアセンブリ。
【請求項17】
前記キャップの内面に複数の溝が画定され、
前記ローラーチューブは複数の外側フランジを含み、
前記ローラーチューブは、前記複数の溝のそれぞれが前記複数の外側フランジのうちの一つの外側フランジを選択的に収容できるように並進可能である、請求項16のケーブルアセンブリ。
【請求項18】
前記支持傾斜台は、中央傾斜台部分と、前記中央傾斜台部分からそれぞれが反対側に延びるカンチレバー状ウイングとを含む、請求項14のケーブルアセンブリ。
【請求項19】
前記支持傾斜台はさらに、前記カンチレバー状ウイングのカンチレバー状端部に設けられるクリップを含む、請求項18のケーブルアセンブリ。
【請求項20】
前記カンチレバー状ウイングは、前記ローラーチューブを前記支持傾斜台の中に選択的に固定するように弾性的に付勢される、請求項18のケーブルアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に、例えばケーブルをエンクロージャに取り付けるためのケーブル取り付けクランプに関する。
【背景技術】
【0002】
ケーブル設置中にケーブルを安全に取り付けることが、様々な環境において必須である。一つのこのような環境は、光ファイバーにあり、詳しくは、オフィス内光ファイバー環境にある。かかる環境において、光ファイバー分配を管理するべく光ファイバー分配エンクロージャが利用される。エンクロージャは典型的に、一以上のファイバートレイを収容する。各ファイバートレイは、一以上のカセットを含む。カセットの中で引き込み光ファイバーが接合、分割等され、引き出し光ファイバーは、オフィス内環境の中で光ファイバー接続を与えるべくカセット及び引き込み光ファイバーに接続され得る。引き込み光ファイバーを含む引き込みケーブルは、安全なかつ高信頼性の接続を容易にするべくエンクロージャに固定される必要がある。
【0003】
現行のケーブル取り付け技術は、結束バンド、面ファスナ、ホースクランプ、ブラケットクランプ等の使用を必要とする。多くの場合、かかる装置を使用して取り付けを行うことは望ましいとまでいえず、及び/又は、関連付けられたケーブルを再配置又は調整するべくかかる装置を取り外して再取り付けする能力が限られている。加えて、いくつかの「クイックリリース」タイプの解決策が利用可能であるが、これらの解決策によれば、付加的な取り付けプレートをエンクロージャに固定する必要がある。さらに、現在知られている取り付け解決策は、関連付けられるケーブルのねじり応力又は曲げ応力を軽減しない。これは、多数の取り付け箇所が必要とされる場合に特に懸念される。例えば、いくつかの場合において、大きなケーブルを分割して小さな分岐サブアセンブリにする必要があり得る。大きなケーブル及びサブアセンブリはすべてが取り付けられかつ固定される必要があるので、多数の箇所に多数の取り付けアセンブリが必要となり得る。したがって、ねじり応力又は曲げ応力の問題を生じさせることなく、必要なすべての箇所への取り付けを確実に与えることは困難となり得る。
【0004】
それゆえ、改善されたケーブル取り付けクランプが望まれている。例えば、関連付けられた環境において、例えば関連付けられたエンクロージャへの、容易かつ効率的に取り外し可能及び再取り付け可能なケーブル取り付けクランプが有利となる。さらに、関連付けられたケーブルにおけるねじり応力又は曲げ応力を軽減する特徴部を含むケーブル取り付けクランプも有利となる。
【発明の概要】
【0005】
本発明の側面及び利点が、以下の説明において部分的に記載され、又は当該説明から自明となり得るか、若しくは本発明の実施を通じて知ることができる。
【0006】
一実施形態によれば、ケーブル取り付けクランプが与えられる。ケーブル取り付けクランプは、ケーブルを一表面に取り付けるために与えられてよい。ケーブル取り付けクランプは、当該表面に取り外し可能に接続可能なベースを含む。ベースは、内部チャネルを画定する外部本体と、当該内部チャネルの中に配置される支持傾斜台とを含み、内部チャネルは長手軸に沿って延びる。ケーブル取り付けクランプはさらに、内部チャネルの中に配置されて支持傾斜台に可動に取り付けられるローラーチューブを含み、このローラーチューブは支持傾斜台に対して長手軸に沿って並進可能である。
【0007】
他実施形態によれば、ケーブルアセンブリが与えられる。ケーブルアセンブリは一表面に取り付け可能としてよい。ケーブルアセンブリは、ケーブル及びケーブル取り付けクランプを含む。ケーブル取り付けクランプは、当該表面に取り外し可能に接続可能なベースを含む。ベースは、内部チャネルを画定する外部本体と、当該内部チャネルの中に配置される支持傾斜台とを含み、内部チャネルは長手軸に沿って延びる。ケーブル取り付けクランプはさらに、内部チャネルの中に配置されて支持傾斜台に可動に取り付けられるローラーチューブを含み、このローラーチューブは支持傾斜台に対して長手軸に沿って並進可能である。ケーブルは、ローラーチューブを通して挿入され、内部チャネルを通るように延びる。その結果、ケーブルが長手軸に沿ってローラーチューブとともに並進可能となる。
【0008】
本発明のこれら及び他の特徴、側面、並びに利点が、以下の説明及び添付の特許請求の範囲を参照して良好に理解される。添付の図面は、この明細書の一部に組み込まれ、これを構成しており、種々の例示の実施形態を図示しており、この説明と併せて開示される本発明の原理を説明する役目を果たしている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明のベストモードを含む当業者に向けられた本主題の完全かつ有効な開示が、添付図面を参照する本明細書に記載される。
【0010】
【
図1】
図1は、本開示の複数の実施形態に係る光ファイバー分配エンクロージャの後面斜視図である。
【
図2】
図2は、本開示の複数の実施形態に係る光ファイバー分配エンクロージャの壁に取り付けられたケーブルアセンブリ及びケーブル取り付けクランプマウントの上面斜視図である。
【
図3】
図2は、本開示の複数の実施形態に係る光ファイバー分配エンクロージャの壁に取り付けられたケーブルアセンブリ及びケーブル取り付けクランプマウントの、キャップが分解されている上面斜視図である。
【
図4】
図4は、本開示の複数の実施形態に係るケーブルアセンブリの下面斜視図である。
【
図5】
図5は、本開示の複数の実施形態に係るケーブル取り付けクランプのコンポーネントの分解斜視図である。
【
図6】
図6は、本開示の複数の実施形態に係るケーブルアセンブリのコンポーネントの分解斜視図である。
【
図7】
図7は、
図6のコンポーネントが組み立てられたものの断面図である。
【
図8】
図8は、本開示の複数の実施形態に係るケーブルアセンブリの断面図であり、そのケーブル取り付けクランプがロック位置にある。
【
図9】
図8は、本開示の複数の実施形態に係るケーブルアセンブリの断面図であり、そのケーブル取り付けクランプがロック解除位置にある。
【
図10】
図10は、本開示の他の複数の実施形態に係るケーブルアセンブリのコンポーネントが組み立てられたものの断面図である。
【
図11】
図11は、本開示の他の複数の実施形態に係るケーブルアセンブリの断面図であり、そのケーブル取り付けクランプがロック位置にある。
【
図12】
図12は、本開示のさらに他の複数の実施形態に係るケーブル取り付けクランプのコンポーネントの分解斜視図である。
【
図13】
図13は、本開示のさらに他の複数の実施形態に係るケーブル取り付けクランプが組み立てられたものの斜視図である。
【
図14】
図14は、本開示のさらなる複数の実施形態に係るケーブル取り付けクランプのコンポーネントの分解斜視図である。
【
図15】
図15は、本開示のさらなる複数の実施形態に係るケーブル取り付けクランプが組み立てられたものの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ここで、一以上の例が図面に示される本発明の複数の実施形態を詳細に参照する。さらに、各例は、本発明の制限ではなく本発明の説明の態様として与えられる。本発明の範囲又は要旨から逸脱することなく本発明において様々な修正及び変形がなされ得ることは当業者にとって明らかである。例えば、一実施形態の一部として図示又は記載される特徴は、他実施形態とともに使用されて、なおもさらなる実施形態を得ることができる。すなわち、本発明は、添付の特許請求の範囲、及びその等価物の範囲内となるような修正例及び変形例をもカバーすることが意図される。
【0012】
ここで
図1を参照すると、光ファイバー分配エンクロージャ10の一実施形態が与えられる。光ファイバー分配エンクロージャ10は一般に、典型的にはオフィス環境において、光ファイバーの分配を管理するべく利用される。エンクロージャ10は、図示のように一以上の壁12を含み、これによってエンクロージャの内部14が画定される。エンクロージャの中には一以上のトレイ16が収容できる。各トレイ16が一以上のカセット18を含んでよい。
【0013】
一般に、複数の光ファイバーを含む引き込み光ファイバーケーブルは、壁12によって画定される後開口20を介してエンクロージャ10の内部14に入る。引き込み光ファイバーケーブルの光ファイバーは、内部14の中で当該ケーブルから延びる。これらの光ファイバーは、複数のカセット18のうち一以上の中へと引き回され、当該カセット18の中で接合、分割等される。引き出し光ファイバーもまたカセット18へと引き回され、接合、分割等を介して引き込み光ファイバーに接続される。これらの引き出し光ファイバーは、カセット18から引き回されてもよく、エンクロージャ10の前開口22を介してエンクロージャ10の内部14から出てもよい。
【0014】
引き込み光ファイバーケーブルは、引き込み光ファイバーの安全なかつ高信頼性の接続を容易にするべく、及びかかる引き込み光ファイバーの破損又は損傷のリスクを回避するべく、エンクロージャ10に固定される必要がある。したがって、本開示は、表面に、例えばここに説明されるエンクロージャ10の壁12に、取り付け可能なケーブルアセンブリ50に関する。
【0015】
詳しくは、本開示に係るケーブルアセンブリ50は、ケーブル52、及び一以上のケーブル取り付けクランプ54を含む。ケーブル取り付けクランプ54は、ケーブル52、及び関連付けられる表面に、例えば典型的な実施形態においてエンクロージャ10の壁12に、安全かつ取り外し可能に取り付けられる。かかる安全かつ取り外し可能な取り付けは、クランプ54と表面(例えば壁12)との直接接触を伴う直接取り付けであり、それゆえ、付加的な取り付けプレート等を(例えばエンクロージャ10の中に)設置する必要性が排除される。本開示に係るケーブル取り付けクランプ54により、有利なことに、ケーブル52の効率的な取り付け及び取り外しが容易となり、さらに有利なことに、ケーブル52におけるねじれ応力及び曲げ応力の軽減も容易となる。本開示に係るケーブル取り付けクランプ54は、ケーブル52(及び/又はその小さな分岐サブアセンブリ)に対して多数の取り付け箇所が必要となる場合に特に有利となる。かかるケーブル取り付けクランプ54の使用により、ケーブルのねじれ又は曲げ応力の問題が有意に低減され、有利なことに、ケーブル取り付けクランプ54の箇所の互いに対する公差を増加させることによって組み立ての容易性を改善することもできる。
【0016】
ここで
図2から
図15を参照すると、本開示に係るケーブルアセンブリ50及びケーブル取り付けクランプ54の様々な実施形態が与えられる。一般に、本開示に係るケーブル取り付けクランプ54は、ベース100及びローラーチューブ104を含み得る。いくつかの実施形態において、
図1~
図5、
図8~
図9及び
図11に示されるように、ケーブル取り付けクランプ54はさらにキャップ102を含んでよい。他実施形態において、
図12~
図15に示されるようにキャップは不要である。ベース100は一般に、表面(例えば壁12)に取り外し可能に接続可能としてよい。これにより、クランプ54は当該表面に安全にかつ取り外し可能に取り付けられる。ローラーチューブ104は一般に、ベース100に取り付けられ、例えばベース100とキャップ102との間に配置され、及び/又は取り外し可能にベース100に固定される。ローラーチューブ104は、有利なことに、クランプ54に沿ってベース100に対して並進可能となり、ローラーチューブ104の中に配置されるケーブル52の並進が容易になり得る。さらに、いくつかの実施形態において、ローラーチューブ104は、クランプ54の軸まわりに回転可能としてよく、ローラーチューブ104の中に配置されるケーブル52の回転が容易となり得る。ケーブル52は、ローラーチューブ104を貫通してベース100とキャップ102との間に延び、有利なことに、ベース100に対してローラーチューブ104とともに並進可能(及び随意的に回転可能)である。
【0017】
ベース100は一般に、内部チャネル112を画定する外部本体110を含む。内部チャネル112は、クランプ54の軸56に沿って延びる。典型的な実施形態において、軸56は、クランプ54の長手軸56である。ベース110の内面であり又は当該内面を含み得る支持傾斜台114が、内部チャネル112の中に配置され又は内部チャネル112を部分的に画定してよい。支持傾斜台114は、軸56まわりに円弧形状を有することにより図示のような円弧面とされてよい。
【0018】
支持傾斜台114は、いくつかの実施形態において、
図5、
図12及び
図13に示されるような中央内面115を含み得る。さらに、典型的な実施形態において、支持傾斜台114は、第1レール116及び第2レール118それぞれを含んでよい。レール116、118は、傾斜台114から内部チャネル112の中へ延び、軸56沿いに互いから離間して支持傾斜台114の境界として機能してよい。例えば、
図5、
図12及び
図13に示されるいくつかの実施形態において、レール116、118は、中央内面115から延びてそれぞれが、中央内面115と交わるところで段差を形成する。代替的に、
図14及び
図15に示されるいくつかの実施形態において、中央内面115を設ける必要がなく、その代わりにギャップ119がレール116とレール118との間に画定されてよい。
【0019】
ベース100はさらに、一以上のタブ120及び一以上のロック122を含む。タブ120は一般に、確実な接続を目的としてベース100を表面(例えば壁12)上の位置に配置し、ロック122は、ベース100(ひいてはクランプ54)を表面(例えば壁12)に解放可能に接続する。例えば、各タブ120を、ここで説明される表面のランス又はキャッチに画定されるアパチャ60の中に取り外し可能に挿入可能としてよい。各ロック122は、当該表面(例えば壁12)に解放可能に接続可能としてよい。
【0020】
例えば
図4、
図5、
図8、
図9及び
図11を参照すると、いくつかの実施形態において、ベース100は、複数の(例えば図示のように2つの)タブ120、及びタブ120とは別個のロック122を含む。これらの実施形態において、タブ120は、ベース100の内部に位置決めされて軸56沿いに整列される。ロック122は、ハンドル130、枢動点132及び接触面134を含むレバーである。枢動点132は、接触面134が枢動点132に関してハンドル130の反対側となるように、ハンドル130と接触面134との間に設けられる。
【0021】
ベース100(ひいてはクランプ54)を表面(例えば壁12)に取り付けるべく、タブ120が、アパチャ60を通るように挿入される。アパチャ60は、図示のように、当該表面から形成されるランス62において画定され得る。接触面134は、ランス62のうちの一つに接触することにより、表面に取り付けられるベース100(ひいてはクランプ54)を所定位置に取り外し可能にロックする。かかるロック位置が、例えば
図8及び
図11に示される。ベース100を取り外すには、ハンドル130をユーザが押せばよい。この力が、枢動点132まわりの接触面134の回転を引き起こし、接触面134がもはやランス62に接触することがなくなる。かかるロック解除は、例えば
図9に示される。この接触欠如によりその後、ユーザは、タブ120をアパチャ60の中から摺動させることにより、ベース100を取り外して当該表面への取り付けを解除することができる。
【0022】
理解すべきことだが、本開示は、ベース100(ひいてはクランプ54)を表面(例えば壁12)に取り外し可能に接続するための上述されたベース100のコンポーネントに限られない。むしろ、かかる取り外し可能な接続を与えることができる任意の適切なコンポーネントが本開示の範囲内及び要旨内に存在する。付加的な典型的な実施形態が、例えば米国特許出願第15/862,225号に与えられており、その開示は全体が参照によりここに組み入れられる。
【0023】
ここで
図2から
図15を参照すると、上述のように、クランプ54はさらに、ローラーチューブ104、及びいくつかの実施形態においてはキャップ102を含む。
図1~
図5、
図8~
図9、及び
図11に示されるように、キャップ102は一般に、ベース100に対して接続可能であり(組み立てられた場合には接続され)、さらに、キャップ102とベース100との間に内部チャネル112を画定する。典型的な実施形態において、キャップ102は、軸56まわりに円弧形状を有する内面を有してよく、ひいては、例えば図示のように円弧形状のキャップ102となり得る。
【0024】
他実施形態において、
図12から
図15に示されるように、キャップを利用しなくてもよい。例えば、支持傾斜台114は中央傾斜台部分220を含み、中央傾斜台部分220は、図示のように、中央内面115又はギャップ119及び/若しくはレール116、118の複数部分を含んでよい。中央傾斜台部分220は、キャップ102が利用されても利用されなくても複数の実施形態に含まれてよい。しかしながら、キャップが利用されない実施形態において、支持傾斜台114はさらに、中央傾斜台部分220からそれぞれが反対側に延びるカンチレバー状ウイング222を含んでよい。各ウイング222は、図示のように、中央内面115のカンチレバー部分、又はギャップ119及び/若しくはレール116、118を含んでよい。双方のウイング222は、一般に中央傾斜台部分220の上方へ延びてよく、支持傾斜台114の円弧形状を継続してよく、さらに内部チャネル112を画定してよい。
【0025】
典型的な実施形態において、ウイング222は、ローラーチューブ104を支持傾斜台114の中に選択的に固定するべく弾性的に付勢されてよい。例えば、ローラーチューブ104を支持傾斜台114に取り付けるべく、ローラーチューブ104は、短手方向に動かされ、ウイング222のカンチレバー端224を通って内部チャネル112の中に入る。ローラーチューブ104がかかる方向に動かされると、ウイング222(例えばその端224)に接触し、ウイング222への外側への付勢が引き起こされ、ローラーチューブ104の通過が許容される。弾性付勢可能とすることにより、ウイング222は、ローラーチューブ104が通過した後、跳ね返って一般的な当初位置に戻る。これにより、ローラーチューブ104はその中に固定される。ローラーチューブ104はさらに、同様の態様で取り外すことができる。
【0026】
いくつかの実施形態において、クリップ226が、例えばレール116、118の端のような、ウイング222の端224に与えられる。クリップ226はさらに、支持傾斜台114の中に配置されたときのローラーチューブ104のためのさらなる固定も与え得る。
【0027】
図2~
図5、
図8~
図9、及び
図11~
図15に示されるように、ローラーチューブ104は、内部チャネル112の中に位置決め可能である(そして組み立てられるとその中に設けられる)。さらに、ローラーチューブ104は、例えば、典型的な実施形態において、軸56沿いに支持傾斜台114に対して並進可能となるように、支持傾斜台114に可動に取り付けられてよい。例えば、ローラーチューブ104は、ローラーチューブ104が軸56沿いに延びるように内部チャネル112の中に位置決めされてよい。さらに、ローラーチューブ104は、支持傾斜台114と接触してよい。軸56沿いの並進は、ベース100及び(利用される場合)キャップ102双方に対する並進である。
【0028】
例えば、説明されるように、支持傾斜台114は、第1レール116及び第2レール118それぞれを含み得る。いくつかの実施形態において、
図3、
図5~
図9、及び
図12~
図15に示されるように、ローラーチューブ104は、図示のように環状フランジとしてよい一つの外側フランジ180を含み得る。一つの外側フランジ180は、例えば、一般に(例えば軸56沿いの)長手方向中心点に位置決めされてよい。一つの外側フランジ180のみが利用されるとき、ローラーチューブ104は、当該一つの外側フランジ180が第1レール116と第2レール118との間で浮いて、第1レール116と第2レール118との一方と選択的に接触し得る。例えば、ローラーチューブ104は、フランジ180が第1レール116に接触するまで軸56に沿って一方向に摺動し、フランジ180が第2レール118に接触するまで軸56に沿って反対方向に摺動し得る。また、外側フランジ180がレール116、118間で浮くこのような配列によれば、有利なことに、ローラーチューブ104がベース100から固定されなくなるリスクが低減又は防止される。
【0029】
他実施形態において、
図10及び
図11に示されるように、ローラーチューブ104は、複数の外側フランジ180を含んでよい。各外側フランジ180を図示のように環状フランジにしてよい。これらの外側フランジ180は、例えば、軸56に沿って互いから離間される。さらに、図示のいくつかの実施形態において、キャップ102が利用され、キャップ102の内面に一以上の溝182(それぞれが環状溝であってよい)が画定される。ローラーチューブ104を並進可能として、異なる外側フランジ180が軸56沿いの様々な位置において第1レール116及び第2レール118のそれぞれに選択的に接触するようにしてよい。さらに、典型的な実施形態において、キャップ102が利用される場合、ローラーチューブ104を並進可能として、複数の溝182のそれぞれが複数の外側フランジ180の一以上を選択的に収容するようにしてよい。したがって、軸56に沿ったローラーチューブ104の様々な異なる位置において、異なる外側フランジ180が第1レール116及び第2レール118のそれぞれに接触し、キャップ102が利用される場合は、異なる外側フランジ180が各溝182に収容され、又は軸56に沿ったローラーチューブ104の位置に応じて溝182が空となり得る。
【0030】
さらなる典型的な実施形態において、ローラーチューブ104は、支持傾斜台114に回転可能に取り付けられ、軸56まわりに(例えば支持傾斜台114に対して)回転可能となる。例えば、ローラーチューブ104は、ローラーチューブ104が軸56沿いに延びるように内部チャネル112の中に位置決めされてよい。さらに、ローラーチューブ104は、支持傾斜台114と接触してよい。軸56まわりの回転は、ベース100及び(利用される場合)キャップ102双方に対する回転である。
【0031】
一般に
図1~
図15を参照すると、いくつかの実施形態において、ローラーチューブ104は、中央部分190、第1端部分192及び第2端部分194を含み得る。第1端部分192及び第2端部分194が、中央部分190から反対方向に、例えば軸56沿いの反対方向に、延びる。いくつかの実施形態において、外側フランジ180は中央部分190に設けられる。いくつかの実施形態において、第1端部分192及び第2端部分194はそれぞれが、図示のように環状リブとなり得る一以上のリブ196を含む。
【0032】
さらに、いくつかの実施形態において、クランプ54は、一以上のヒートシンクチューブ200を含んでよい。ヒートシンクチューブ200はそれぞれがローラーチューブ104に接続されてよい。例えば、図示のいくつかの実施形態において、ヒートシンクチューブ200が、第1端部分192に接続されて第1端部分192から延びてよく、ヒートシンクチューブ200が、第2端部分194に接続されて第2端部分194から延びてよい。いくつかの実施形態において、リブ196はヒートシンクチューブ200に接触する。リブ196は、ヒートシンクチューブ200がローラーチューブ104(例えばその端部分192、194)からスリップするのを防止することによってヒートシンクチューブ200の当該ロケーションを維持することを補助する。
【0033】
説明されるように、本開示に係るケーブルアセンブリ50は、ケーブル52、及び一以上のケーブル取り付けクランプ54を含む。クランプ54は、ユーザによってケーブル52に設置可能とされ、又はケーブル52に工場出荷時に予め設置されてもよい。図示の典型的な実施形態において、ケーブル52は、最も外側の外部ジャケット72の中に設けられた複数の光ファイバー70を含む光ファイバーケーブル52である。クランプ54の表面への取り付けにより、典型的な実施形態において、関連付けられるケーブルアセンブリ50及びそのケーブル52もさらに取り付けられるので、ケーブル52を効率的に、しっかりと、かつ、取り外し可能に表面に位置決めすることができる。
【0034】
ケーブル52は、設置されると、ローラーチューブ104を通して挿入され得る。加えて、図示のいくつかの実施形態において、ケーブル52は、ローラーチューブ104に接続されるヒートシンクチューブ200を通して挿入されてもよい。これにより、ヒートシンクチューブ200もまた、ケーブル52に接続され得る。これらの実施形態において、ヒートシンクチューブ200は、ケーブル52及びローラーチューブ104上に収縮されてよい。ローラーチューブ104が内部チャネル112に設けられるので、ケーブル52は、さらに内部チャネル112を、例えば軸56沿いに貫通することができる。ケーブル52は一般に、ローラーチューブ104に対して、例えばいくつかの実施形態において、ヒートシンクチューブ200による接触ゆえに、及び/又はケーブル52とローラーチューブ104との間に設けられたエポキシ若しくは他の適切な接合材ゆえに、固定されてよく、これにより一般に、ローラーチューブ104に対して可動となることがなくなる。しかしながら、有利なことに、ケーブル52は、ローラーチューブ104とともに長手軸56沿いに並進可能であり、いくつかの実施形態において、ローラーチューブ104とともに長手軸56沿いに回転可能である。
【0035】
この書面による説明は、ベストモードを含む複数の例を使用して、本発明を開示するとともに、当業者が本発明を、任意の装置又はシステムを作成及び使用して任意の組み込まれた方法を行うことを含めて実施することを可能にする。発明の特許可能な範囲が、請求項によって画定され、当業者に想起される他例も含み得る。かかる他例は、請求項の文言どおりの言葉と異なることのない構造要素を含む場合、又は請求項の文言どおりの言葉と実質的な違いのない同等の構造要素を含む場合、特許請求の範囲内にあることを意図している。
【国際調査報告】