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特表2023-549466雑草の生長を制御するための方法ならびに除草活性化合物およびチオシアナート化合物を含む組成物
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  • 特表-雑草の生長を制御するための方法ならびに除草活性化合物およびチオシアナート化合物を含む組成物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-27
(54)【発明の名称】雑草の生長を制御するための方法ならびに除草活性化合物およびチオシアナート化合物を含む組成物
(51)【国際特許分類】
   A01N 47/48 20060101AFI20231117BHJP
   A01P 13/00 20060101ALI20231117BHJP
   A01N 57/20 20060101ALI20231117BHJP
【FI】
A01N47/48
A01P13/00
A01N57/20 G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023524392
(86)(22)【出願日】2021-10-21
(85)【翻訳文提出日】2023-05-31
(86)【国際出願番号】 CA2021051483
(87)【国際公開番号】W WO2022082311
(87)【国際公開日】2022-04-28
(31)【優先権主張番号】63/094,517
(32)【優先日】2020-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/094,540
(32)【優先日】2020-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522159646
【氏名又は名称】マストグロウ バイオロジクス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100188433
【弁理士】
【氏名又は名称】梅村 幸輔
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100214396
【弁理士】
【氏名又は名称】塩田 真紀
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(74)【代理人】
【識別番号】100221741
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 直子
(74)【代理人】
【識別番号】100114926
【弁理士】
【氏名又は名称】枝松 義恵
(72)【発明者】
【氏名】ブレツキー コリン
(72)【発明者】
【氏名】ラハティ トッド
(72)【発明者】
【氏名】ジャッソン コーリー
(72)【発明者】
【氏名】マエンツ デイビッド
【テーマコード(参考)】
4H011
【Fターム(参考)】
4H011AB01
4H011BA06
4H011BB11
4H011BB17
4H011DF04
(57)【要約】
雑草植物の生長を制御するための方法および組成物が提供される。組成物は、除草剤的に許容される希釈剤、担体、または賦形剤とともに、除草有効量の除草活性化合物およびチオシアナートを含む。チオシアナート調製物は、シロガラシ(Sinapis alba)植物材料から得られたグルコシノラート加水分解物の形態で提供され得る。製剤を作製および使用する方法も提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
除草有効量の除草活性化合物および除草有効量のチオシアナートを雑草植物に対し共適用し、それによって雑草植物の生長を制御する、該共適用する段階
を含む、雑草植物の生長を制御するための方法。
【請求項2】
前記除草活性化合物を含む第1の製剤と、前記チオシアナートを含む第2の製剤とが、前記雑草植物に対し、連続的に共適用される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記除草活性化合物を含む第1の製剤と、前記チオシアナートを含む第2の製剤とが、前記雑草植物に対し、同時に共適用される、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記除草活性化合物と前記チオシアナートとが、共製剤化された除草製剤を形成するように共製剤化されており、かつ該共製剤化された除草製剤が、前記雑草植物に対し適用される、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記除草活性化合物が、オルガノカルボキシ(organocarboxy)化合物である、請求項1~4のいずれか一項記載の方法。
【請求項6】
前記オルガノカルボキシ化合物が、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4D)、3,6-ジクロロ-2-メトキシ安息香酸(ジカンバ)、(R,S)-2-アミノ-4-(ヒドロキシメチル)ホスホノイル)ブタン酸(グルホシナート;ホスフィノトリシン)、およびN-(ホスホメチル)グリシン(グリホサート)、またはそれらの除草剤的に許容される塩からなる群より選択される、請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記除草活性化合物が、met2-{[4-メトキシ-6-メチル-1,3,5-トリアジン-2-イル)アミノ]-オキソメチル]スルファモイル}安息香酸メチルエステル(メトスルフロンメチル)、またはその除草剤的に許容される塩である、請求項4記載の方法。
【請求項8】
前記雑草植物を制御するために前記除草活性化合物が単独で適用される場合に適用される量よりも、少なくとも約33%(w/w)少ない量で、前記除草活性化合物が適用される、請求項1~7のいずれか一項記載の方法。
【請求項9】
前記雑草植物を制御するために前記除草活性化合物が単独で適用される場合に適用される量よりも、最大約90%(w/w)少ない量で、前記除草活性化合物が適用される、請求項1~7のいずれか一項記載の方法。
【請求項10】
前記除草活性化合物が、1エーカー当たり約5グラム~約550グラムの除草活性化合物の割合で適用されるN-(ホスホメチル)グリシン(グリホサート)である、請求項6記載の方法。
【請求項11】
前記除草活性化合物が、1エーカー当たり約500グラム~約950グラムの除草活性化合物の割合で適用される3,6-ジクロロ-2-メトキシ安息香酸(ジカンバ)である、請求項6記載の方法。
【請求項12】
前記除草活性化合物が、1エーカー当たり約100グラム~約250グラムの除草活性化合物の割合で適用される2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D)である、請求項6記載の方法。
【請求項13】
前記除草活性化合物が、1ヘクタール当たり約450グラム~約890グラムの除草活性化合物の割合で適用される(R,S)-2-アミノ-4-(ヒドロキシメチル)ホスホノイル)ブタン酸(グルホシナート;ホスフィノトリシン)である、請求項6記載の方法。
【請求項14】
前記除草活性化合物が、1エーカー当たり約9グラム~約30グラムの除草活性化合物の割合で適用されるmet2-{[4-メトキシ-6-メチル-1,3,5-トリアジン-2-イル)アミノ]-オキソメチル]スルファモイル}安息香酸メチルエステル(メトスルフロンメチル)である、請求項7記載の方法。
【請求項15】
前記チオシアナートが、1エーカー当たり約25グラム~約25キログラムのチオシアナートの割合で適用される、請求項1~14のいずれか一項記載の方法。
【請求項16】
前記チオシアナートを含有する前記第2の製剤が、1エーカー当たり25グラム~25 kgの乾燥重量活性物質の割合で適用されるように製剤化されており、かつ、前記除草活性化合物を含有する、共適用のための前記第1の製剤が、1エーカー当たり1:0.05~1:5,000の乾燥重量活性物質の比率で適用されるように製剤化されている、請求項1~14のいずれか一項記載の方法。
【請求項17】
前記チオシアナートを含有する前記第2の製剤が、1エーカー当たり25グラム~25 kgの乾燥重量活性物質の割合で適用されるように製剤化されており、かつ、前記除草活性化合物を含有する、共適用のための前記第1の製剤が、1エーカー当たり1:0.5~1:5,000の乾燥重量活性物質の比率で適用されるように製剤化されている、請求項1~14のいずれか一項記載の方法。
【請求項18】
前記チオシアナートを含有する前記第2の製剤が、1エーカー当たり25グラム~25 kgの乾燥重量活性物質の割合で適用されるように製剤化されており、かつ、前記除草活性化合物を含有する、共適用のための前記第1の製剤が、1エーカー当たり1:5~1:5,000の乾燥重量活性物質の比率で適用されるように製剤化されている、請求項1~14のいずれか一項記載の方法。
【請求項19】
前記チオシアナートが、アリルチオシアナート(ATC)またはチオシアナートイオン(SCN)である、請求項1~18のいずれか一項記載の方法。
【請求項20】
前記チオシアナートが、加水分解されたグルコシノラート調製物に含まれる、請求項1~19のいずれか一項記載の方法。
【請求項21】
前記加水分解されたグルコシノラート調製物が、植物種子抽出物である、請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記加水分解されたグルコシノラート調製物が、植物種子ミール抽出物である、請求項20記載の方法。
【請求項23】
前記除草活性化合物および前記チオシアナートが、栽培植物の出芽前に前記雑草植物に対し適用される、請求項1~22のいずれか一項記載の方法。
【請求項24】
前記除草活性化合物および前記チオシアナートが、栽培植物の出芽後に前記雑草植物に対し適用される、請求項1~22のいずれか一項記載の方法。
【請求項25】
前記化合物および前記チオシアナートが、雑草植物の茎葉(foliage)に対し適用される、請求項1~24のいずれか一項記載の方法。
【請求項26】
前記栽培植物が、農業植物または園芸植物である、請求項1~25のいずれか一項記載の方法。
【請求項27】
前記農業植物が、コムギ(トリチカム・アエスティブム(Triticum aestivum))、トウモロコシ(ゼア・マイス(Zea mays))、イネ(オリザ・サティバ(Oryza sativa))、ダイズ(グリシン・マックス(Glycine max))、アブラナ(ブラッシカ・ナプス(Brassica napus))、ヒマワリ(ヘリアンサス・アヌウス(Helianthus annuus))、ワタ(ゴシピウム・ヒルスツム(Gossypium hirsutum))、ピーナッツ(アラキス・ヒポガエア(Arachis hypogaea))、トマト(ソラヌム・リコペルシクム(Solanum lycopersicum))、およびアサ(カンナビス・サティバ(Cannabis sativa))である、請求項26記載の方法。
【請求項28】
前記雑草植物が、双子葉雑草植物または単子葉雑草植物である、請求項1~27のいずれか一項記載の方法。
【請求項29】
前記雑草植物が、多年生雑草植物である、請求項1~28のいずれか一項記載の方法。
【請求項30】
前記除草活性化合物を含む前記第1の製剤、および/または前記チオシアナートを含有する前記第2の製剤、および/または前記共製剤化された除草製剤が、除草剤的に許容される希釈剤、担体、または賦形剤をさらに含む、請求項1~29のいずれか一項記載の方法。
【請求項31】
請求項4記載の方法の実施のための除草製剤であって、
除草剤的に許容される希釈剤、担体、または賦形剤とともに、除草有効量の除草活性化合物およびチオシアナートを含む、除草製剤。
【請求項32】
前記除草活性化合物が、オルガノカルボキシ化合物である、請求項31記載の除草製剤。
【請求項33】
前記除草活性オルガノカルボキシ化合物が、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4D)、3,6-ジクロロ-2-メトキシ安息香酸(ジカンバ)、(R,S)-2-アミノ-4-(ヒドロキシメチル)ホスホノイル)ブタン酸(グルホシナート;ホスフィノトリシン)、およびN-(ホスホメチル)グリシン(グリホサート)、またはそれらの除草剤的に許容される塩からなる群より選択される、請求項32記載の除草製剤。
【請求項34】
前記除草活性化合物が、met2-{[4-メトキシ-6-メチル-1,3,5-トリアジン-2-イル)アミノ]-オキソメチル]スルファモイル}安息香酸メチルエステル(メトスルフロンメチル)、またはその除草剤的に許容される塩である、請求項32記載の除草製剤。
【請求項35】
雑草植物を制御するべく単独適用のために化学除草剤が除草製剤に含まれる場合に前記除草製剤に含まれる量よりも、少なくとも約33%(w/w)少ない量で、前記除草活性化合物が前記除草製剤に含まれる、請求項31~34のいずれか一項記載の除草製剤。
【請求項36】
雑草植物を制御するべく単独適用のために化学除草剤が除草製剤に含まれる場合に前記除草製剤に含まれる量よりも、最大約90%(w/w)少ない量で、前記除草活性化合物が前記除草製剤に含まれる、請求項31~34のいずれか一項記載の除草製剤。
【請求項37】
前記除草活性化合物がN-(ホスホメチル)グリシン(グリホサート)であり、かつ、1エーカー当たり約5グラム~約550グラムの化学除草剤の割合で前記除草製剤が適用されるように前記除草製剤が製剤化されている、請求項33記載の除草製剤。
【請求項38】
前記除草活性化合物が3,6-ジクロロ-2-メトキシ安息香酸(ジカンバ)であり、かつ、1エーカー当たり約500グラム~約950グラムの化学除草剤の割合で前記除草製剤が適用されるように前記除草製剤が製剤化されている、請求項33記載の除草製剤。
【請求項39】
前記除草活性化合物が2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D)であり、かつ、1エーカー当たり約100グラム~約250グラムの化学除草剤の割合で前記除草製剤が適用されるように雑草制御組成物が製剤化されている、請求項33記載の除草製剤。
【請求項40】
前記除草活性化合物が(R,S)-2-アミノ-4-(ヒドロキシメチル)ホスホノイル)ブタン酸(グルホシナート;ホスフィノトリシン)であり、かつ、1ヘクタール当たり約450グラム~約890グラムの化学除草剤の割合で前記除草製剤が適用されるように前記除草製剤が製剤化されている、請求項33記載の除草製剤。
【請求項41】
前記除草活性化合物がmet2-{[4-メトキシ-6-メチル-1,3,5-トリアジン-2-イル)アミノ]-オキソメチル]スルファモイル}安息香酸メチルエステル(メトスルフロンメチル)であり、かつ、1エーカー当たり約9グラム~約30グラムの化学除草剤の割合で前記除草製剤が適用されるように前記除草製剤が製剤化されている、請求項34記載の除草製剤。
【請求項42】
1エーカー当たり約25グラム~約25キログラムのチオシアナートの割合で前記除草製剤が適用されるように前記除草活性化合物が製剤化されている、請求項31~41のいずれか一項記載の除草製剤。
【請求項43】
1エーカー当たり25グラム~25キログラムの乾燥重量チオシアナートの割合で、かつ1エーカー当たり1:0.05~1:5,000の除草活性化合物の乾燥重量の比率で適用されるように製剤化されている、請求項31~41のいずれか一項記載の除草製剤。
【請求項44】
1エーカー当たり250グラム~25キログラムの乾燥重量チオシアナートの割合で、かつ1エーカー当たり1:0.5~1:5,000の除草活性化合物の乾燥重量の比率で適用されるように製剤化されている、請求項31~41のいずれか一項記載の除草製剤。
【請求項45】
1エーカー当たり2.5キログラム~25 kgの乾燥重量チオシアナートの割合で、かつ1エーカー当たり1:5~1:5,000の除草活性化合物の乾燥重量の比率で適用されるように製剤化されている、請求項31~41のいずれか一項記載の除草製剤。
【請求項46】
前記チオシアナートが、アリルチオシアナート(ATC)またはチオシアナートイオン(SCN)である、請求項31~45のいずれか一項記載の除草製剤。
【請求項47】
前記チオシアナートが、加水分解されたグルコシノラート調製物の形態で前記製剤に含まれる、請求項31~46のいずれか一項記載の除草製剤。
【請求項48】
前記加水分解されたグルコシノラート調製物が、植物種子抽出物である、請求項47記載の除草製剤。
【請求項49】
前記加水分解されたグルコシノラート調製物が、植物種子ミール抽出物である、請求項47記載の除草製剤。
【請求項50】
請求項31記載の除草製剤を調製する方法であって、
(a)除草有効量の除草活性化合物を提供する段階、
(b)チオシアナートを提供する段階、および
(c)除草製剤を形成するために、前記除草活性化合物および前記チオシアナートを、除草剤的に許容される希釈剤、担体、または賦形剤とともに混合する段階
を含む、方法。
【請求項51】
前記除草活性化合物が、オルガノカルボキシ化合物である、請求項50記載の方法。
【請求項52】
前記除草活性オルガノカルボキシ化合物が、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4D)、3,6-ジクロロ-2-メトキシ安息香酸(ジカンバ)、(R,S)-2-アミノ-4-(ヒドロキシメチル)ホスホノイル)ブタン酸(グルホシナート;ホスフィノトリシン)、およびN-(ホスホメチル)グリシン(グリホサート)、またはそれらの除草剤的に許容される塩からなる群より選択される、請求項51記載の方法。
【請求項53】
前記除草活性化合物が、met2-{[4-メトキシ-6-メチル-1,3,5-トリアジン-2-イル)アミノ]-オキソメチル]スルファモイル}安息香酸メチルエステル(メトスルフロンメチル)である、請求項51記載の方法。
【請求項54】
雑草植物を制御するべく単独適用のために化学除草剤が除草製剤に含まれる場合に前記除草製剤に含まれる量よりも、少なくとも約33%(w/w)少ない量で、前記除草活性化合物が前記除草製剤に含まれる、請求項51~53のいずれか一項記載の方法。
【請求項55】
雑草植物を制御するべく単独適用のために化学除草剤が除草製剤に含まれる場合に前記除草製剤に含まれる量よりも、最大約90%(w/w)少ない量で、前記除草活性化合物が前記除草製剤に含まれる、請求項51~53のいずれか一項記載の方法。
【請求項56】
前記除草活性化合物がN-(ホスホメチル)グリシン(グリホサート)であり、かつ、1エーカー当たり約5グラム~約550グラムの化学除草剤の割合で前記除草製剤が適用されるように前記除草製剤が製剤化される、請求項52記載の方法。
【請求項57】
前記除草活性化合物が3,6-ジクロロ-2-メトキシ安息香酸(ジカンバ)であり、かつ、1エーカー当たり約500グラム~約950グラムの化学除草剤の割合で前記除草製剤が適用されるように前記除草製剤が製剤化される、請求項52記載の方法。
【請求項58】
前記除草活性化合物が2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D)であり、かつ、1エーカー当たり約100グラム~約250グラムの化学除草剤の割合で前記除草製剤が適用されるように雑草制御組成物が製剤化される、請求項52記載の方法。
【請求項59】
前記除草活性化合物が(R,S)-2-アミノ-4-(ヒドロキシメチル)ホスホノイル)ブタン酸(グルホシナート;ホスフィノトリシン)であり、かつ、1ヘクタール当たり約450グラム~約882グラムの化学除草剤の割合で前記除草製剤が適用されるように前記除草製剤が製剤化される、請求項52記載の方法。
【請求項60】
前記除草活性化合物がmet2-{[4-メトキシ-6-メチル-1,3,5-トリアジン-2-イル)アミノ]-オキソメチル]スルファモイル}安息香酸メチルエステル(メトスルフロンメチル)であり、かつ、1エーカー当たり約9グラム~約30グラムの化学除草剤の割合で前記除草製剤が適用されるように前記除草製剤が製剤化される、請求項53記載の方法。
【請求項61】
前記チオシアナートが、アリルチオシアナート(ATC)またはチオシアナートイオンである、請求項50~60のいずれか一項記載の方法。
【請求項62】
前記チオシアナートまたはチオシアナートが、加水分解されたグルコシノラート調製物の形態で前記製剤に含まれる、請求項50~60のいずれか一項記載の方法。
【請求項63】
前記加水分解されたグルコシノラート調製物が、植物種子抽出物である、請求項62記載の方法。
【請求項64】
前記加水分解されたグルコシノラート調製物が、植物種子ミール抽出物である、請求項62記載の方法。
【請求項65】
雑草植物の生長を制御するための請求項31記載の除草製剤を調製するためのチオシアナート調製物の使用であって、
該除草製剤が、除草剤的に許容される希釈剤、担体、または賦形剤とともに、除草有効量の除草活性化合物およびチオシアナート化合物を含む、
使用。
【請求項66】
液体製剤を雑草植物に対し適用することにより雑草植物の生長を制御するための、請求項31記載の除草製剤の使用。
【請求項67】
(a)除草有効量の除草活性化合物を含む、第1の製剤、
(b)チオシアナートを含む、第2の製剤、および
(c)請求項2または3の方法に従い、第1および第2の製剤を雑草植物に対し共適用し、それによって雑草植物の生長を制御する、該共適用のための、使用説明書
を含む、雑草植物の生長を制御するためのキットまたは市販用パッケージ。
【請求項68】
(a)除草有効量の除草活性化合物およびチオシアナートを含む、除草製剤、ならびに
(b)請求項4の方法に従い、雑草植物に対し適用し、それによって雑草植物の生長を制御する、該適用のための、使用説明書
を含む、雑草植物の生長を制御するためのキットまたは市販用パッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2020年10月21日に出願された米国特許仮出願第63/094,517号、および2020年10月21日に出願された同第63/094,540号の恩典を主張するものであり、特許出願第63/094,517号および同第63/094,540号の全内容が参照により本明細書に組み入れられる。
【0002】
開示の分野
本開示は、雑草の生長を制御するための方法および組成物に関する。具体的には、本開示は、除草活性化合物およびチオシアナートを含む組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
開示の背景
以下の段落は、そこで論じるいかなる内容も、先行技術、または当業者の知識の一部と認めるものではない。
【0004】
雑草などの望ましくない植物の生長は、栽培植物が摂取可能な資源の量を減じることがあり、したがって栽培植物の品質、健全性、または収量に悪影響を有し得る。非常に多様な化学除草剤、ならびに除草剤適用の技法および装置が進化したことで、商業的農業だけでなく、雑草は見栄えが悪いとされることの多い園芸においても、雑草の生長が制御されている。しかし、除草製品を不注意に使用すると環境にも人間の健康にも悪影響を及ぼし得ることから、化学除草剤の大規模使用は、環境への影響、および除草剤の使用が人間を含めた非標的種に及ぼす毒性に関し、重大な懸念を招いている。したがって、例えばいくつかの国では最近、人間の健康上の懸念から、除草剤グリホサートの使用を制限する措置をとっている。
【0005】
したがって、当技術分野では、栽培植物の収量、品質、および健全性を向上させる方法に対する需要がある。特に、望ましくない植物の制御を可能にする、また同時に化学的な除草化合物の使用を減じることができる除草製剤およびそのような製剤を作製する技法に対する需要がある。
【発明の概要】
【0006】
開示の概要
以下の段落は、読者に以後のさらに詳細な説明を紹介するものであって、特許権を主張する主題を定義するものでも限定するものでもない。
【0007】
本開示は、雑草生長制御のための方法および除草組成物および方法に関する。
【0008】
一局面では、方法は、雑草生長を有効に制御するための、除草活性化合物と生物学的除草剤との組み合わせの適用を含む。除草活性化合物は、多様な除草化合物から選択され得る。生物学的除草剤は、チオシアナートを含む。本開示のこの局面では、雑草を制御するのに従来必要とされる除草活性化合物の量が、チオシアナートとの共適用の結果として、大幅に減じられ得る。一局面では、適用は、出芽前の雑草処理であり得る。別の局面では、適用は、出芽後の雑草処理であり得る。
【0009】
したがって、本開示は、少なくとも1つの局面において、少なくとも1つの態様では、雑草植物の生長を制御するための方法を提供し、該方法は、除草有効量の除草活性化合物と除草有効量のチオシアナートとを雑草植物に対し共適用し、それによって雑草植物の生長を制御する、該共適用する段階を含む。
【0010】
一局面において、少なくとも1つの態様では、除草活性化合物を含む第1の製剤と、チオシアナートを含む第2の製剤とが、雑草植物に対し、連続的に共適用され得る。
【0011】
一局面において、少なくとも1つの態様では、除草活性化合物を含む第1の製剤と、チオシアナートを含む第2の製剤とが、雑草植物に対し、同時に共適用され得る。
【0012】
一局面において、少なくとも1つの態様では、除草活性化合物とチオシアナートとが、共製剤化された除草製剤を形成するように共製剤化され得、該共製剤化された除草製剤が、雑草植物に対し適用され得る。
【0013】
一局面において、少なくとも1つの態様では、除草活性化合物はオルガノカルボキシ(organocarboxy)化合物であり得る。
【0014】
一局面において、少なくとも1つの態様では、除草活性オルガノカルボキシ化合物は、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4D)、3,6-ジクロロ-2-メトキシ安息香酸(ジカンバ)、(R,S)-2-アミノ-4-(ヒドロキシメチル)ホスホノイル)ブタン酸(グルホシナート;ホスフィノトリシン)、およびN-(ホスホメチル)グリシン(グリホサート)、またはそれらの除草剤的に許容される塩からなる群より選択され得る。
【0015】
一局面において、少なくとも1つの態様では、除草活性化合物は、met2-{[4-メトキシ-6-メチル-1,3,5-トリアジン-2-イル)アミノ]-オキソメチル]スルファモイル}安息香酸メチルエステル(メトスルフロンメチル)、またはその除草剤的に許容される塩であり得る。
【0016】
一局面において、少なくとも1つの態様では、除草活性化合物は、雑草植物を制御するために該除草活性化合物が単独で適用される場合に適用される量よりも、少なくとも約33%(w/w)少ない量で適用され得る。
【0017】
一局面において、少なくとも1つの態様では、除草活性化合物は、雑草植物を制御するために該除草活性化合物が単独で適用される場合に適用される量よりも、最大約90%(w/w)少ない量で適用され得る。
【0018】
一局面において、少なくとも1つの態様では、除草活性化合物は、1エーカー当たり約5グラム~約550グラムの除草活性化合物の割合で適用されるN-(ホスホメチル)グリシン(グリホサート)であり得る。
【0019】
一局面において、少なくとも1つの態様では、除草活性化合物は、1エーカー当たり約500グラム~約950グラムの除草活性化合物の割合で適用される3,6-ジクロロ-2-メトキシ安息香酸(ジカンバ)であり得る。
【0020】
一局面において、少なくとも1つの態様では、除草活性化合物は、1エーカー当たり約100グラム~約250グラムの除草活性化合物の割合で適用される2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D)であり得る。
【0021】
一局面において、少なくとも1つの態様では、除草活性化合物は、1ヘクタール当たり約450グラム~約890グラムの除草活性化合物の割合で適用される(R,S)-2-アミノ-4-(ヒドロキシメチル)ホスホノイル)ブタン酸(グルホシナート;ホスフィノトリシン)であり得る。
【0022】
一局面において、少なくとも1つの態様では、除草活性化合物は、1エーカー当たり約0.9グラム~約3グラムの除草活性化合物の割合で適用されるmet2-{[4-メトキシ-6-メチル-1,3,5-トリアジン-2-イル)アミノ]-オキソメチル]スルファモイル}安息香酸メチルエステル(メトスルフロンメチル)であり得る。
【0023】
一局面において、少なくとも1つの態様では、チオシアナートは、1エーカー当たり約25グラム~約25 kgのチオシアナートの割合で適用され得る。
【0024】
一局面において、少なくとも1つの態様では、チオシアナートは、アリルチオシアナート(ATC)またはチオシアナートイオン(SCN)から選択され得る。
【0025】
一局面において、少なくとも1つの態様では、チオシアナートを含有する第2の製剤は、1エーカー当たり25グラム~25キログラムの乾燥重量活性物質の割合で適用されるように製剤化され得、除草活性化合物を含有する、共適用のための第1の製剤は、1エーカー当たり1:0.05~1:5,000の乾燥重量活性物質の比率で適用されるように製剤化され得る。
【0026】
一局面において、少なくとも1つの態様では、チオシアナートを含有する第2の製剤は、1エーカー当たり250グラム~25キログラムの乾燥重量活性物質の割合で適用されるように製剤化され得、除草活性化合物を含有する、共適用のための第1の製剤は、1エーカー当たり1:0.5~1:5,000の乾燥重量活性物質の比率で適用されるように製剤化され得る。
【0027】
一局面において、少なくとも1つの態様では、チオシアナートを含有する第2の製剤は、1エーカー当たり2.5 kg~25キログラムの乾燥重量活性物質の割合で適用されるように製剤化され得、除草活性化合物を含有する、共適用のための第1の製剤は、1エーカー当たり1:5~1:5,000の乾燥重量活性物質の比率で適用されるように製剤化され得る。
【0028】
一局面において、少なくとも1つの態様では、チオシアナートは、シロガラシ(Sinapis alba)から得られた加水分解されたグルコシノラート調製物に含まれ得る。
【0029】
一局面において、少なくとも1つの態様では、加水分解されたグルコシノラート調製物は、シロガラシから得られた植物種子抽出物であり得る。
【0030】
一局面において、少なくとも1つの態様では、加水分解されたグルコシノラート調製物は、シロガラシから得られた植物種子ミール抽出物であり得る。
【0031】
一局面において、少なくとも1つの態様では、除草活性化合物およびチオシアナートは、栽培植物の出芽前に雑草植物に対し適用され得る。
【0032】
一局面において、少なくとも1つの態様では、除草活性化合物およびチオシアナートは、栽培植物の出芽後に雑草植物に対し適用され得る。
【0033】
一局面において、少なくとも1つの態様では、化合物およびチオシアナートは、雑草植物の茎葉(foliage)に対し適用され得る。
【0034】
一局面において、少なくとも1つの態様では、栽培植物は、農業植物または園芸植物であり得る。
【0035】
一局面において、少なくとも1つの態様では、農業植物は、コムギ(トリチカム・アエスティブム(Triticum aestivum))、トウモロコシ(ゼア・マイス(Zea mays))、イネ(オリザ・サティバ(Oryza sativa))、ダイズ(グリシン・マックス(Glycine max))、アブラナ(ブラッシカ・ナプス(Brassica napus))、ヒマワリ(ヘリアンサス・アヌウス(Helianthus annuus))、ワタ(ゴシピウム・ヒルスツム(Gossypium hirsutum))、ピーナッツ(アラキス・ヒポガエア(Arachis hypogaea))、トマト(ソラヌム・リコペルシクム(Solanum lycopersicum))、およびアサ(カンナビス・サティバ(Cannabis sativa))であり得る。
【0036】
一局面において、少なくとも1つの態様では、雑草植物は、双子葉雑草植物または単子葉雑草植物であり得る。
【0037】
一局面において、少なくとも1つの態様では、雑草植物は、多年生雑草植物であり得る。
【0038】
一局面において、少なくとも1つの態様では、除草活性化合物を含む第1の製剤、および/またはチオシアナートを含む第2の製剤、および/または共製剤化された除草製剤は、除草剤的に許容される希釈剤、担体、または賦形剤をさらに含み得る。
【0039】
別の局面では、本開示は、雑草生長制御のための製剤に関する。したがって、本開示は、少なくとも1つの局面において、少なくとも1つの態様では、除草剤的に許容される希釈剤、担体、または賦形剤とともに、除草有効量の除草活性化合物およびチオシアナートを含む、除草製剤を提供する。
【0040】
一局面において、少なくとも1つの態様では、除草活性化合物は、オルガノカルボキシ化合物であり得る。
【0041】
一局面において、少なくとも1つの態様では、除草活性オルガノカルボキシ化合物は、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4D)、3,6-ジクロロ-2-メトキシ安息香酸(ジカンバ)、(R,S)-2-アミノ-4-(ヒドロキシメチル)ホスホノイル)ブタン酸(グルホシナート;ホスフィノトリシン)、およびN-(ホスホメチル)グリシン(グリホサート)、またはそれらの除草剤的に許容される塩からなる群より選択され得る。
【0042】
一局面において、少なくとも1つの態様では、除草活性化合物は、met2-{[4-メトキシ-6-メチル-1,3,5-トリアジン-2-イル)アミノ]-オキソメチル]スルファモイル}安息香酸メチルエステル(メトスルフロンメチル)、またはその除草剤的に許容される塩であり得る。
【0043】
一局面において、少なくとも1つの態様では、除草活性化合物は、雑草植物を制御するべく単独適用のために化学除草剤が除草製剤に含まれる場合に除草製剤に含まれる量よりも、少なくとも約33%(w/w)少ない量で、除草製剤に含まれ得る。
【0044】
一局面において、少なくとも1つの態様では、除草活性化合物は、雑草植物を制御するべく単独適用のために化学除草剤が除草製剤に含まれる場合に除草製剤に含まれる量よりも、最大約90%(w/w)少ない量で、除草製剤に含まれ得る。
【0045】
一局面において、少なくとも1つの態様では、除草活性化合物は、N-(ホスホメチル)グリシン(グリホサート)であり得、除草製剤は、除草製剤が1エーカー当たり約5グラム~約550グラムの化学除草剤の割合で適用され得るように製剤化され得る。
【0046】
一局面において、少なくとも1つの態様では、除草活性化合物は、3,6-ジクロロ-2-メトキシ安息香酸(ジカンバ)であり得、除草製剤は、除草製剤が1エーカー当たり約500グラム~約950グラムの化学除草剤の割合で適用され得るように製剤化され得る。
【0047】
一局面において、少なくとも1つの態様では、除草活性化合物は、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D)であり得、雑草制御組成物は、除草製剤が1エーカー当たり約100グラム~約250グラムの化学除草剤の割合で適用され得るように製剤化され得る。
【0048】
一局面において、少なくとも1つの態様では、除草活性化合物は、(R,S)-2-アミノ-4-(ヒドロキシメチル)ホスホノイル)ブタン酸(グルホシナート;ホスフィノトリシン)であり得、除草製剤は、除草製剤が1ヘクタール当たり約450グラム~約890グラムの化学除草剤の割合で適用され得るように製剤化され得る。
【0049】
一局面において、少なくとも1つの態様では、除草活性化合物は、met2-{[4-メトキシ-6-メチル-1,3,5-トリアジン-2-イル)アミノ]-オキソメチル]スルファモイル}安息香酸メチルエステル(メトスルフロンメチル)であり得、除草製剤は、除草製剤が1エーカー当たり約0.9グラム~約3グラムの化学除草剤の割合で適用され得るように製剤化され得る。
【0050】
一局面において、少なくとも1つの態様では、除草活性化合物は、除草製剤が、1エーカー当たり約25グラム~約25キログラムのチオシアナートの割合で適用され得るように製剤化され得る。
【0051】
一局面において、少なくとも1つの態様では、除草製剤は、1エーカー当たり25グラム~25キログラムの乾燥重量チオシアナートの割合で、かつ1エーカー当たり1:0.05~1:5,000の除草活性化合物の乾燥重量の比率で適用されるように製剤化され得る。
【0052】
一局面において、少なくとも1つの態様では、除草製剤は、1エーカー当たり250グラム~25キログラムの乾燥重量チオシアナートの割合で、かつ1エーカー当たり1:0.5~1:5,000の除草活性化合物の乾燥重量の比率で適用されるように製剤化され得る。
【0053】
一局面において、少なくとも1つの態様では、除草製剤は、1エーカー当たり2.5グラム~25キログラムの乾燥重量チオシアナートの割合で、かつ1エーカー当たり1:5~1:5,000の除草活性化合物の乾燥重量の比率で適用されるように製剤化され得る。
【0054】
一局面において、少なくとも1つの態様では、チオシアナートは、アリルチオシアナート(ATC)、チオシアナートイオン(SCN)であり得る。
【0055】
一局面において、少なくとも1つの態様では、チオシアナートは、シロガラシから得られた加水分解されたグルコシノラート調製物の形態で、製剤に含まれ得る。
【0056】
一局面において、少なくとも1つの態様では、加水分解されたグルコシノラート調製物は、シロガラシから得られた植物種子抽出物であり得る。
【0057】
一局面において、少なくとも1つの態様では、加水分解されたグルコシノラート調製物は、シロガラシから得られた植物種子ミール抽出物であり得る。
【0058】
別の局面において、本開示は、少なくとも1つの態様では、除草製剤を調製する方法を提供し、該方法は、
(a)除草有効量の除草活性化合物を提供する段階、
(b)チオシアナートを提供する段階、および
(c)除草製剤を形成するために、該除草活性化合物および該チオシアナートを、除草剤的に許容される希釈剤、担体、または賦形剤とともに混合する段階
を含む。
【0059】
一局面において、少なくとも1つの態様では、除草活性化合物は、オルガノカルボキシ化合物であり得る。
【0060】
一局面において、少なくとも1つの態様では、除草活性オルガノカルボキシ化合物は、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4D)、3,6-ジクロロ-2-メトキシ安息香酸(ジカンバ)、(R,S)-2-アミノ-4-(ヒドロキシメチル)ホスホノイル)ブタン酸(グルホシナート;ホスフィノトリシン)、およびN-(ホスホメチル)グリシン(グリホサート)、またはそれらの除草剤的に許容される塩からなる群より選択され得る。
【0061】
一局面において、少なくとも1つの態様では、除草活性化合物は、met2-{[4-メトキシ-6-メチル-1,3,5-トリアジン-2-イル)アミノ]-オキソメチル]スルファモイル}安息香酸メチルエステル(メトスルフロンメチル)であり得る。
【0062】
一局面において、少なくとも1つの態様では、除草活性化合物は、雑草植物を制御するべく単独適用のために化学除草剤が除草製剤に含まれる場合に除草製剤に含まれる量よりも、少なくとも約33%(w/w)少ない量で、除草製剤に含まれ得る。
【0063】
一局面において、少なくとも1つの態様では、除草活性化合物は、雑草植物を制御するべく単独適用のために化学除草剤が除草製剤に含まれる場合に除草製剤に含まれる量よりも、最大約90%(w/w)少ない量で、除草製剤に含まれ得る。
【0064】
一局面において、少なくとも1つの態様では、除草活性化合物は、N-(ホスホメチル)グリシン(グリホサート)であり得、除草製剤は、除草製剤が1エーカー当たり約5グラム~約550グラムの化学除草剤の割合で適用され得るように製剤化され得る。
【0065】
一局面において、少なくとも1つの態様では、除草活性化合物は、3,6-ジクロロ-2-メトキシ安息香酸(ジカンバ)であり得、除草製剤は、除草製剤が1エーカー当たり約500グラム~約950グラムの化学除草剤の割合で適用され得るように製剤化され得る。
【0066】
一局面において、少なくとも1つの態様では、除草活性化合物は、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D)であり得、雑草制御組成物は、除草製剤が1エーカー当たり約100グラム~約250グラムの化学除草剤の割合で適用され得るように製剤化され得る。
【0067】
一局面において、少なくとも1つの態様では、除草活性化合物は、(R,S)-2-アミノ-4-(ヒドロキシメチル)ホスホノイル)ブタン酸(グルホシナート;ホスフィノトリシン)であり得、除草製剤は、除草製剤が1ヘクタール当たり約450グラム~約882グラムの化学除草剤の割合で適用され得るように製剤化され得る。
【0068】
一局面において、少なくとも1つの態様では、除草活性化合物は、met2-{[4-メトキシ-6-メチル-1,3,5-トリアジン-2-イル)アミノ]-オキソメチル]スルファモイル}安息香酸メチルエステル(メトスルフロンメチル)であり得、除草製剤は、除草製剤が1エーカー当たり約0.9グラム~約3グラムの化学除草剤の割合で適用され得るように製剤化され得る。
【0069】
一局面において、少なくとも1つの態様では、チオシアナートは、アリルチオシアナート(ATC)またはチオシアナートイオン(SCN)であり得る。
【0070】
一局面において、少なくとも1つの態様では、チオシアナートは、シロガラシから得られた加水分解されたグルコシノラート調製物の形態で、製剤に含まれ得る。
【0071】
一局面において、少なくとも1つの態様では、加水分解されたグルコシノラート調製物は、シロガラシから得られた植物種子抽出物であり得る。
【0072】
一局面において、少なくとも1つの態様では、加水分解されたグルコシノラート調製物は、シロガラシから得られた植物種子ミール抽出物であり得る。
【0073】
別の局面では、本開示は、チオシアナートの使用を提供する。したがって、一局面において、本開示は、少なくとも1つの態様では、雑草植物の生長を制御するための除草製剤を調製するためのチオシアナート調製物の使用を提供し、該除草製剤は、除草剤的に許容される希釈剤、担体、または賦形剤とともに、除草有効量の除草活性化合物およびチオシアナートを含む。
【0074】
別の局面では、本開示は、チオシアナート調製物を含む製剤の使用を提供する。したがって、一局面において、本開示は、少なくとも1つの態様では、除草有効量の除草活性化合物およびチオシアナートを含む除草製剤の使用であって、液体製剤を雑草植物に対し適用することにより該雑草植物の生長を制御するための使用を提供する。
【0075】
別の局面において、本開示は、少なくとも1つの態様では、
(a)除草有効量の除草活性化合物を含む、第1の製剤、
(b)チオシアナートを含む、第2の製剤、ならびに
(c)第1および第2の製剤を雑草植物に対し共適用し、それによって雑草植物の生長を制御する、該共適用のための、使用説明書
を含む、雑草植物の生長を制御するためのキットまたは市販用パッケージを提供する。
【0076】
別の局面において、本開示は、少なくとも1つの態様では、
(a)除草有効量の除草活性化合物およびチオシアナートを含む、除草製剤、ならびに
(b)雑草植物に対し適用し、それによって雑草植物の生長を制御する、該適用のための、使用説明書
を含む、雑草植物の生長を制御するためのキットまたは市販用パッケージを提供する。
【0077】
本開示の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明から明らかになろう。しかし、当業者には詳細な説明から本開示の趣旨および範囲内の様々な変更および変形が明らかになることから、詳細な説明は、本開示の好ましい態様を示すものではあるが、ただ例示として記載されるだけであることを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0078】
本開示は、以下に提供する段落において、例としての添付図面と関連して記載される。本明細書に提供する図面は、例の態様をより理解できるように、そして様々な態様がいかにして実施され得るかをより明確に示すために、提供される。該図面は、本開示を限定するものではない。
【0079】
図1図1A~1Bは、チオシアナート(図1A)およびチオシアナートイオン(SCN)(図1B)を含むグルコシノラート加水分解物が得られる、グルコシノラートの加水分解を示す化学反応の概略図である。
図2A】特定のオルガノカルボキシ化合物、特に2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(図2A)を示す。
図2B】特定のオルガノカルボキシ化合物、特に3,6-ジクロロ-2-メトキシ安息香酸(図2B)を示す。
図2C】特定のオルガノカルボキシ化合物、特にN-(ホスホメチル)グリシン(図2C)を示す。
図2D】特定のオルガノカルボキシ化合物、特に(R,S)-2-アミノ-4-(ヒドロキシメチル)ホスホノイル)ブタン酸(図2D)を示す。
図2E】特定のオルガノカルボキシ化合物、特におよびmet2-{[4-メトキシ-6-メチル-1,3,5-トリアジン-2-イル)アミノ]-オキソメチル]スルファモイル}安息香酸メチルエステル(図2E)を示す。
図3】特定の実験の実施、特に野外試験の実験の実施から得られた棒グラフを示しており、該実験では試験区画を様々な除草製剤(各バーごとに記す)で処理し、これらの除草製剤での処理から5週間後に個々の試験区画内の雑草植物の数を計測した(計測数を各バーの上に記す)。対照区画(対照)は、どの製剤でも処理しなかった。
【発明を実施するための形態】
【0080】
開示の詳細な説明
各特許権を主張する主題の態様の例を提供するために、様々な方法、組成物、またはシステムが以下に記載される。以下に記載されるどの態様も、いずれの特許権を主張する主題をも限定せず、また、特許権を主張する主題はすべて、以下に記載されるものとは別の方法、組成物、またはシステムにも及び得る。特許権を主張する主題は、以下に記載されるいずれか1つの方法、組成物、もしくはシステムの特徴を全部有する方法、組成物、もしくはシステムに、または以下に記載される方法、組成物、もしくはシステムの多数もしくは全部に共通する特徴に限定されない。以下に記載される方法、組成物、またはシステムが、どの特許権を主張する主題の態様でもない、ということはあり得る。本文書では特許権を請求していない、以下に記載される方法、組成物、またはシステムに開示される主題は、別の保護的法律文書、例えば継続特許出願の主題であり得、本出願人ら、本発明者ら、または本特許権者らは、そうした主題が本文書で開示されることによりそれらを放棄する、権利放棄する、または公衆に供する意図はない。
【0081】
本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」などの単数形は、文脈によって明示されないかぎり複数形を含み、逆もまた然りである。本明細書を通して、特に断らないかぎり、「を含む(comprise)」、「を含む(comprises)」、および「を含む(comprising)」は、排他的ではなく包括的に用いられるので、記載される整数または整数群は、1つまたは複数の記載されていない他の整数または整数群を含み得る。
【0082】
「または」という用語は、例えば「いずれか(either)」により修飾されないかぎり、包括的である。
【0083】
本明細書で、例えば濃度などについて範囲が用いられる場合、範囲のあらゆる組み合わせおよび下位組み合わせ、ならびにそのなかでの具体的な実施が含まれるものとする。作業例にある以外にも、または別途示される場合、本明細書で用いられる成分または反応条件の量を表すあらゆる数は、すべての場合において、「約」という用語で修飾されていると理解すべきである。「約」という用語は、数または数の範囲に言及する場合、その言及されている数または数の範囲が、実験的ばらつき(または統計的実験誤差)内の近似値であることを意味し、したがってこの数または数の範囲は、記載の数または数の範囲の1%~15%変動し得るが、それは文脈から容易に認識されよう。さらに、本明細書に記載される値の範囲はすべて、該範囲の制限値、ならびに所与の範囲内の任意の中間値および下位範囲を具体的に含むものとし、そのような中間値または下位範囲は個別かつ具体的に開示される(例えば、1~5の範囲には、1、1.5、2、2.75、3、3.90、4、および5が含まれる)。同様に、本明細書で用語の修飾に使用される「実質的に」および「およそ」などの程度を表すその他の用語は、修飾される語の合理的な、したがって最終結果は有意に変化しない、偏差量を意味すると理解すべきである。これらの程度を表す用語は、それが修飾する用語の意味を、修飾される語の偏差が打ち消さないならば、該偏差を含むものと解釈すべきである。
【0084】
他に定義しないかぎり、本明細書に記載される製剤に関連して用いられる科学技術用語は、当業者が通常理解する意味を有するものである。本明細書で用いられる用語は、ただ特定の実施を説明する目的であって、本開示の範囲を限定するものではなく、本開示の範囲は特許請求の範囲によってのみ定められる。
【0085】
すべての刊行物、特許、および特許出願は、個々の刊行物、特許、または特許出願が、その全内容が参照により組み入れられると具体的かつ個別に記述されたも同然に、その全内容が参照により本明細書に組み入れられる。
【0086】
定義
「チオシアナート」という用語は、本明細書で使用される場合、化学構造:
を有する化合物のクラスを指し、ここで、-Rは、グルコシノラートの任意の側基-R1であるか、または-Rは電子対である。チオシアナートという用語は、特には-Rが電子対である場合を含め、その塩、例えばカリウム塩、アンモニウム塩、またはグアニジン塩などをさらに含む。
【0087】
「グルコシノラート」という用語は、本明細書で使用される場合、化学構造:
を有する化合物のクラスを指し、その加水分解によりチオシアナートが形成され得、かつ該用語は、任意のグルコシノラート化合物を含み、ここで-R1
のいずれか1つから選択され得る。なお、対応するグルコシノラートは、それぞれ、プロゴイトリン(I);エピプロゴイトリン(II);シニグリン(III);シナルビン(IV);グルコナポリエフェリン(gluconapolieferin)(V);グルコナピン(VI);グルコブラッシカナピン(VII);グルコナスツルチイン(VIII);グルコブラッシシン(IX);4-ヒドロキシグルコブラッシシン(X);4-メトキシ-グルコブラッシシン(XI);ネオグルコブラッシシン(XII);グルコラフェニン(XIII);グルコラファニン(XIV);グルコクレアリン(glucochlearin)(XV);グルコイベルベリン(glucoiberverin)(XVI);グルコケイロリン(XVII);グルコアッパリン(glucoapparin)(XVIII);グルコアリッシン(XIX);グルコアウブリエチン(XX);グルコバルバリン(XXI);グルコレピジン(glucolepidin)(XXII);グルコリムナンチン(glucolimnantin)(XXIII);グルコレスクエルリン(glucolesquerlin)(XXIV);グルコジルスチン(glucojirsutin)(XXV);グルコアラビン(XXVI);およびグルコエルシン(XXVII)としても知られている。
【0088】
本明細書で交換可能に使用され得る「アリルチオシアナート」または「ATC」という用語は、化学構造:
を有する化合物を指す。
【0089】
本明細書で交換可能に使用され得る「チオシアナートイオン」または「SCN」という用語は、化学構造:
を有する化合物を指す。この用語は、その塩、例えばカリウム塩、アンモニウム塩、またはグアニジン塩などをさらに含む。
【0090】
「2,4-ジクロロフェノキシ酢酸」という用語は、本明細書で使用される場合、図2Aに示す化合物を指す。なお、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸は、除草剤的に許容される塩、例えばアンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩他を含め、塩の形態で存在し得る。またさらに、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸は、当技術分野では2,4-Dとしても知られ、市販の除草製剤に含まれて、例えば商標Trimec(登録商標)として販売されてもいる(Trimecは、米国カンザス州ショーニーのPBI-Gordon Corporationの登録商標である)。
【0091】
「3,6-ジクロロ-2-メトキシ安息香酸」という用語は、本明細書で使用される場合、図2Bに示す化合物を指す。なお、3,6-ジクロロ-2-メトキシ安息香酸は、除草剤的に許容される塩、例えばアンモニウム塩、カリウム塩、またはナトリウム塩他を含め、塩の形態で存在し得る。またさらに、3,6-ジクロロ-2-メトキシ安息香酸は、当技術分野ではジカンバとしても知られ、市販の除草製剤に含まれて、例えば商標Banvel(登録商標)として販売されてもいる(Banvelは、米国ニュージャージー州フローラムパークのBASF Corporationの登録商標である)。
【0092】
「N-(ホスホメチル)グリシン」という用語は、本明細書で使用される場合、図2Cに示す化合物を指す。なお、N-(ホスホメチル)グリシンは、除草剤的に許容される塩、例えばアンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩他を含め、塩の形態で存在し得る。またさらに、N-(ホスホメチル)グリシンは、当技術分野ではグリホサートとしても知られ、市販の除草製剤に含まれて、例えば商標RoundUp(登録商標)として販売されてもいる(Roundupは、米国ミズーリ州セントルイスのMonsanto Technology LLCの登録商標である)。
【0093】
「(R,S)-2-アミノ-4-(ヒドロキシメチル)ホスホノイル)ブタン酸」という用語は、本明細書で使用される場合、図2Dに示す化合物を指す。なお、(R,S)-2-アミノ-4-(ヒドロキシメチル)ホスホノイル)ブタン酸は、除草剤的に許容される塩、例えばアンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩他を含め、塩の形態で存在し得る。またさらに、(R,S)-2-アミノ-4-(ヒドロキシメチル)ホスホノイル)ブタン酸は、当技術分野ではグルホシナート、ホスフィノトリチン(phosphinotricin)、およびPPTとしても知られ、市販の除草製剤に含まれて、例えば商標Liberty(登録商標)として販売されてもいる(Libertyは、独国ルートウィヒスハーフェンのBASF SE Societas Europeaeの登録商標である)。
【0094】
「met2-{[4-メトキシ-6-メチル-1,3,5-トリアジン-2-イル)アミノ]-オキソメチル]スルファモイル}安息香酸メチルエステル」という用語は、本明細書で使用される場合、図2Eに示す化合物を指す。なお、met2-{[4-メトキシ-6-メチル-1,3,5-トリアジン-2-イル)アミノ]-オキソメチル]スルファモイル}安息香酸メチルエステルは、プロトン化された遊離酸の形態、または脱プロトン化された塩の形態で存在し得、ここでスルホニルウレア架橋 -S(O)2NHC(=O)N- が脱プロトン化されている。脱プロトン化の形態の場合、塩の形態で、例えばホスホニウム塩の形態で存在し得る。またさらに、met2-{[4-メトキシ-6-メチル-1,3,5-トリアジン-2-イル)アミノ]-オキソメチル]スルファモイル}安息香酸メチルエステルは、当技術分野ではメトスルフロンメチルとしても知られ、市販の除草製剤に含まれて、例えば商標Ally(登録商標)として販売されてもいる(Allyは、バミューダ諸島ハミルトンのFMC Agricultural Caribe Industries, LTDの登録商標である)。
【0095】
「除草有効量」という表現は、本明細書で使用される場合、雑草植物の生長を限定的または長期的な期間にわたり遅らせるまたは妨げることになる任意の量を指し、雑草植物にとって致死的な任意の量をさらに含む。
【0096】
「除草剤的に許容される」という用語は、本明細書で使用される場合、限定ではないが、担体、希釈剤、または賦形剤を含め、除草製剤中の他の材料と共存でき、かつ合理的判断の範囲内で、人間または環境に対する過度なリスクまたはその他の有害な影響なしに、除草製剤中での使用に適し、合理的なリスク/便益比に見合う、材料を指す。
【0097】
「雑草植物の生長を制御する」という語句は、本明細書で使用される場合、雑草植物の生長が、除草製剤の非存在下での生長に比べて、低下する、遅れる、または妨げられることを意味し、雑草植物を死滅させることも含む。
【0098】
「栽培植物」という用語は、本明細書で使用される場合、人が任意の農業または園芸の目的で生長させようと選択する植物を指す。
【0099】
本明細書で交換可能に使用され得る「雑草」および「雑草植物」という用語は、その生長が特に雑草植物の近傍では望ましくないとされる植物を指す。
【0100】
「共適用する」、「共適用された」、または「共適用」という用語は、栽培植物の近傍での雑草植物の生長の制御に関して本明細書で使用される場合、例えば化学的な除草化合物を含む第1の製剤およびチオシアナートを含む第2の製剤を含む、第1の製剤と第2の製剤とを同時にまたは連続的に適用することを意味するものとし、栽培植物は、第1および第2の液体製剤の適用の予想相加効果にも勝るような恩恵を受ける。「共適用する」、「共適用された」、または「共適用」という用語は、第1の製剤と第2の製剤とが組み合わされている単剤の適用もさらに含む。
【0101】
「実質的に純粋な」という用語は、本明細書で化学物質に関連して使用される場合、そのような物質が本来それに付随する構成成分から分離されている、該物質の調製物を指す。典型的には、化学物質は、試料中、(体積で、湿重量もしくは乾燥重量で、またはモル百分率もしくはモル分率で)少なくとも60%、より好ましくは、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%が関心対象の化合物である場合に、実質的に純粋である。純度は、任意の適切な技法、例えばガスクロマトグラフィー(GC)、または高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定され得る。
【0102】
一般的な実施
先述したように、本開示は、雑草生長を制御するための方法および組成物に関する。本開示の方法および組成物は、雑草植物の生長を遅らせることを可能にし、または雑草植物にとって致死的であり得る。本開示の1つの魅力的な特徴は、該組成物および方法が、雑草生長を制御するのに必要な除草活性化合物の量を制限することである。具体的には、オルガノカルボキシ化合物を含めた除草活性化合物をチオシアナート化合物と共適用することができること、そして驚くべきことに、除草活性化合物をチオシアナート化合物と共適用すると、必要とされる除草活性化合物の量が、除草活性物質を含む従来の除草製剤中の除草活性物質の量よりも実質的に少なくてよいことを発見した。したがって、本開示の方法および組成物は、例えばグリホサートを含めた除草活性化学物質の使用の低減を可能にし得る。本開示の方法のさらなる利点は、チオシアナート化合物が天然抽出物の形態で得られ得ることである。
【0103】
本明細書によると、一局面において、本開示は、少なくとも1つの例的態様で、本明細書の教示にしたがい、雑草植物の生長を制御するための方法を提供し、該方法は、除草有効量の除草活性化合物と除草有効量のチオシアナートとを雑草植物に対し共適用し、それによって雑草植物の生長を制御する、該共適用する段階を含む。
【0104】
本開示の方法を実施するために、本明細書の一局面では、除草活性化合物およびチオシアナートが提供される、調製される、または得られる。一般に、これらの化合物は、実質的に純粋(例えば、95%もしくは95%以上純粋、96%もしくは96%以上純粋、97%もしくは97%以上純粋、98%もしくは98%以上純粋、99%もしくは99%以上純粋)な形態で、または除草有効量の該化合物を含む製剤、例えば液体製剤の形態で、提供される、調製される、または得られることができ、製剤は、例えば除草剤的に許容される希釈剤、担体、または賦形剤をさらに含む。
【0105】
したがって、一局面では、除草有効量の除草活性化合物を含む第1の製剤が提供され得、かつ除草有効量のチオシアナートを含む第2の製剤が提供され得る。その後、第1および第2の製剤は、雑草植物に対し連続的にまたは同時に共適用され得る。
【0106】
別の局面では、除草活性化合物が提供され得、かつチオシアナートが提供され得る。除草活性化合物とチオシアナートとが、1つの共製剤化された除草製剤を形成するように共製剤化され得る。その後、共製剤化された除草製剤は、雑草に対し適用され得る。
【0107】
このように、本明細書の一局面で本開示の方法を実施するために、除草活性化合物もしくはチオシアナートが、または除草活性化合物および/もしくはチオシアナートを含む製剤が、提供される、得られる、または調製される。次に、除草活性化合物の例およびチオシアナートの例について論じる。
【0108】
除草活性化合物は、除草有効量で適用されると雑草植物の生長を制御することができる、チオシアナート以外の任意の化合物であり得る。
【0109】
少なくとも1つの態様では、除草活性化合物は、オルガノカルボキシ化合物であり得る。
【0110】
除草活性オルガノカルボキシ化合物は、当技術分野では広く知られており、例えば、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸、3,6-ジクロロ-2-メトキシ安息香酸、(R,S)-2-アミノ-4-(ヒドロキシメチル)ホスホノイル)ブタン酸、およびN-(ホスホメチル)グリシンが挙げられる。オルガノカルボキシ化合物は、除草剤的に許容される塩、例えばアンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、ジメチルアミン塩等の形態で提供され得る。さらに、オルガノカルボキシ化合物は、固形結晶性製剤として、または液体製剤、例えば塩水溶液として、例えば2,4-ジクロロフェノキシ酢酸塩溶液、3,6-ジクロロ-2-メトキシ安息香酸塩溶液、(R,S)-2-アミノ-4-(ヒドロキシメチル)ホスホノイル)ブタン酸塩溶液、またはN-(ホスホメチル)グリシン塩溶液などとして提供され得る。したがって、例えば、N-(ホスホメチル)グリシンは、N-(ホスホメチル)グリシンアンモニウム塩として、またはジメチルアミン塩として、結晶の形態または塩溶液として提供され得る。オルガノカルボキシ化合物の3,6-ジクロロ-2-メトキシ安息香酸は、ジメチルアミン塩、ナトリウム塩、ジグリコアミン塩、イソプロピルアミン塩、またはカリウム塩として、結晶の形態または塩溶液として提供され得る。オルガノカルボキシ化合物の2,4-ジクロロフェノキシ酢酸は、ナトリウム塩として、またはジメチルアミン塩として、結晶の形態または塩溶液として提供され得る。オルガノカルボキシ化合物の(R,S)-2-アミノ-4-(ヒドロキシメチル)ホスホノイル)ブタン酸は、アンモニウム塩またはナトリウム塩として、結晶の形態または塩溶液として提供され得る。さらに、オルガノカルボキシ化合物は、ある程度純粋な形態で、または実質的に純粋な形態で提供され得、オルガノカルボキシ化合物は、例えば少なくとも約95%(w/w)純粋、少なくとも約96%(w/w)純粋、少なくとも約97%(w/w)純粋、少なくとも約98%(w/w)純粋、または少なくとも約99%純粋であり得る。
【0111】
さらなる態様では、除草活性化合物は、met2-{[4-メトキシ-6-メチル-1,3,5-トリアジン-2-イル)アミノ]-オキソメチル]スルファモイル}安息香酸メチルエステルであり得る。この化合物、met2-{[4-メトキシ-6-メチル-1,3,5-トリアジン-2-イル)アミノ]-オキソメチル]スルファモイル}安息香酸メチルエステルは、プロトン化または脱プロトン化された形態で提供され得る。脱プロトン化された形態で提供される場合、この化合物は、除草剤的に許容される塩、例えばホスホニウム塩の形態で提供され得る。さらに、met2-{[4-メトキシ-6-メチル-1,3,5-トリアジン-2-イル)アミノ]-オキソメチル]スルファモイル}安息香酸メチルエステルは、固形結晶性製剤として、または液体製剤として、例えば有機溶液または塩水溶液として提供され得る。さらに、met2-{[4-メトキシ-6-メチル-1,3,5-トリアジン-2-イル)アミノ]-オキソメチル]スルファモイル}安息香酸メチルエステルは、ある程度純粋な形態で、または実質的に純粋な形態で提供され得、met2-{[4-メトキシ-6-メチル-1,3,5-トリアジン-2-イル)アミノ]-オキソメチル]スルファモイル}安息香酸メチルエステル化合物は、例えば、少なくとも約95%(w/w)純粋、少なくとも約96%(w/w)純粋、少なくとも約97%(w/w)純粋、少なくとも約98%(w/w)純粋、または少なくとも約99%純粋であり得る。
【0112】
なお、除草活性化合物は、例えば図2A~2Eに提供されるような化学式を参照して調製しかつ化学合成してもよいし、あるいは除草活性化合物は、例えば除草製剤を販売しているメーカーまたは販売店から除草活性化合物を含む製剤を購入することにより得てもよい。なお、この点については、例えば2,4-ジクロロフェノキシ酢酸、3,6-ジクロロ-2-メトキシ安息香酸、(R,S)-2-アミノ-4-(ヒドロキシメチル)ホスホノイル)ブタン酸、N-(ホスホメチル)グリシン、およびmet2-{[4-メトキシ-6-メチル-1,3,5-トリアジン-2-イル)アミノ]-オキソメチル]スルファモイル}安息香酸メチルエステルを含む製剤は、例えば、Trimec(登録商標)、Banvel(登録商標)、Liberty(登録商標)、RoundUp(登録商標)、およびAlly(登録商標)という商標名でそれぞれ購入することができる。
【0113】
次に、チオシアナート化合物についてであるが、もっともチオシアナートも当技術分野では公知である。チオシアナート調製物は、本明細書の一局面にしたがい、シロガラシ植物からグルコシノラート調製物を得ること、そしてそのグルコシノラート要素を加水分解してチオシアナート化合物を含むグルコシノラート加水分解物を得ることにより、調製され得る。あるいは、チオシアナート調製物は、例えばSigma-Aldrich(登録商標)などのファインケミカルメーカーから購入してもよい。関連するグルコシノラート加水分解反応は、図1A~1Bに示すように表され得る。なお、この加水分解は、以下でさらに論じるように、ミロシナーゼとして知られる酵素によって触媒され得る。
【0114】
したがって、一局面において、少なくとも1つの態様では、シロガラシ植物からの単離によりチオシアナート調製物を得ることができる。
【0115】
チオシアナート調製物は、グルコシノラートを含有するシロガラシ植物、植物各部、植物各部分、もしくは植物材料、またはそれらの混合物を粉砕することにより得てもよく、それらは任意で調製または洗浄してもよく、例えば、乾燥させて水分を除去する、あるいは土壌物質などの異物または種子の殻もしくは外皮などの植物の何らかの構成成分を洗って除去することができる。原材料として使用され得る植物各部、植物部分、および植物材料としては、限定ではないが、シロガラシ植物から得ることのできるシロガラシ植物の種子、茎、根、または葉が挙げられる。この点では、加水分解されるとチオシアナートを形成することができるグルコシノラートが高濃度で含まれるという観点から、シロガラシの種子が特に好ましい。植物材料の粉砕は、粉砕装置、例えばグラインダー、ブレンダー、もしくはミルを用いて、または植物材料を実質的に断片化できる別のデバイスを用いて実現してもよい。運転条件は、一般に、植物の細胞壁の完全性が損なわれ破裂する程度にまで植物組織が断片化されるように選択される。
【0116】
少なくとも1つの態様では、例えば、脱油または部分脱油ミールを含め、シロガラシ種子ミールなどの種子部分が、グルコシノラート調製物を調製することができる原材料として用いられ得る。そのような脱油または部分脱油シロガラシミールは、脱油または脱脂された植物ミールを得るために、植物種子を溶媒抽出法、液圧プレス法、エキスペラープレス法、コールドプレス法、もしくはそれらの組み合わせ、または当業者に知られるその他の油除去法に供することにより調製してもよい。次に、こうして得られた種子部分を出発材料として用いて、グルコシノラート調製物を調製することができる。
【0117】
シロガラシ植物材料の粉砕は、水、または別の水性抽出剤、例えば水性バッファー、または低級アルコール、例えばC1~C4アルコール、または低級ケトン、例えばC3~C4ケトン、あるいはそれらの混合物の存在下で実施され得る。グルコシノラートは、そのような水性抽出剤に容易に溶解する。植物材料対抽出剤の比率は、約1:100(w/v)よりも小さくなるように、より好ましくは、例えば1:10(w/v)となるように、選択され得る。粉砕は、4℃または約4℃~65℃または約65℃の温度で、好ましくは18℃または約18℃~65℃または約65℃の温度で、好ましくは約50℃~約60℃の温度で、実施され得る。他の態様では、粉砕は抽出剤の非存在下で実施され、抽出剤は粉砕された植物材料と混合される。植物材料と抽出剤とを、例えば約1時間~約12時間などの様々な時間にわたり、好ましくは約50℃~約60℃の範囲の温度で、撹拌してもよい、かつ/または混合してもよい。これらの条件下で、ミロシナーゼは、シロガラシグルコシノラートを加水分解して、例えばチオシアナートイオン(SCN)(図1B参照)を含む、チオシアナートを形成させることができ、したがって、これらの条件下で、チオシアナートを含むシロガラシグルコシノラート加水分解物が得られ得る。続いて、繊維質植物材料の不溶性タンパク質および他の不溶性植物要素を含む、固形の粉砕されたシロガラシ植物材料を、液体部分から分離することができる。そのような分離は、限定ではないがデカンテーション装置、遠心分離装置、もしくはろ過装置などの分離装置、または固形植物材料から液体部分を分離するのに適した他の装置を用いて実現され得る。こうして得られた液体部分が、本明細書にしたがい使用され得るグルコシノラート調製物である。
【0118】
少なくとも1つの態様では、液体部分を得た後、抽出/分離工程を1回または複数回繰り返す場合があり、それによってさらなる固形植物材料のさらなる除去を実現する。それに加えて、収率を高めるために、固形植物材料を2回以上抽出する場合がある。粉砕された植物材料が植物油、例えば植物種子油を含む態様では、追加で遠心分離法を用いて、水性部分から植物油を分離する場合がある。
【0119】
少なくとも1つの態様では、液体部分に存在するグルコシノラートおよび/またはチオシアナートが濃縮され得、かつ液体部分に存在する他の植物要素から分離され得、それは例えば、抽出剤の蒸発、および/または例えば1つもしくは複数のイオン交換ろ過工程による、もしくはナノろ過によるろ過により行われ、それによって、より純粋な濃縮物、例えば実質的に純粋なグルコシノラート調製物を得るか、あるいは以下に記載されるように、実質的に純粋な加水分解されたグルコシノラート調製物を得ることができる。
【0120】
図1A~1Bを再び参照すると、酵素ミロシナーゼはグルコシノラートの変換を触媒し、シナルビンからのチオシアナートイオン(SCN)(図1B)を含め、グルコース、不安定アグリコン、およびチオシアナート化合物(図1A)を含むグルコシノラート加水分解物を得ることができる。例えばシナルビンを含むグルコシノラートを含有するシロガラシ植物は、ミロシナーゼも含有している。しかし、ミロシナーゼは異なる細胞内コンパートメントまたは異なる植物細胞に貯蔵されているので、植物細胞中のグルコシノラートは、通常はインビボで安定している。粉砕工程中に細胞壁が壊れてグルコシノラートとミロシナーゼとが相互に接触すると、加水分解反応が開始することができる。したがって、チオシアナート化合物は、粉砕および抽出のプロセス中に形成し得る。
【0121】
なお、加水分解反応がどの程度まで進むかは、粉砕および抽出/分離の工程を実施する温度を制御することにより、制御され得る。したがって、例えば、これらの工程を例えば約4℃で実施することにより、得られたグルコシノラート調製物は、ほぼインタクトなグルコシノラートを含有し得る。こうして得られたグルコシノラート濃縮物を凍結乾燥もしくは噴霧乾燥させて実質的に乾燥したグルコシノラート濃縮物を得てもよいし、または調製物を液体の形態で、例えば約4℃で貯蔵してもよい。調製物中、グルコシノラートの濃度は、約5%~約100%、好ましくは5%~80%、最も好ましくは5%~50%と、様々であり得る。後の段階で調製物を得ることができ、十分な量の水または水性バッファーが確実に存在するようにし、かつ調製物の温度を例えば約18℃~約40℃にまで上昇させることにより、加水分解反応を実施することができる。
【0122】
他の態様では、シロガラシ植物材料は、約18℃~約60℃、好ましくは約50℃~約60℃の温度で粉砕され、抽出され、分離され、かつ任意でさらに抽出され、これらの工程中にそのような温度でグルコシノラート調製物中のグルコシノラート要素が加水分解され、チオシアナート化合物を含むグルコシノラート加水分解物が得られる。
【0123】
得られたシロガラシグルコシノラート加水分解物中、少なくとも約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、または約99%のグルコシノラート要素が加水分解されている。得られたグルコシノラート加水分解物は、約1 mg/ml~約50 mg/mlのチオシアナートを含み得る。本開示のグルコシノラート加水分解物中に存在し得るチオシアナート化合物としては、アリルチオシアナート(ATC)およびチオシアナートイオン(SCN)が挙げられる。なお、グルコシノラート加水分解物は、1つまたは複数のチオシアナート化合物に加えて、例えばグルコース、アグリコンなどのその他の加水分解産物を含め、他の要素を含有し得る。したがって、少なくとも1つの態様では、本開示のチオシアナート調製物は、例えばATCおよびSCNを含む、2つ以上のチオシアナート化合物を含む混合物であり得る。
【0124】
少なくとも1つの態様では、実質的に純粋なチオシアナート調製物を得るために、シロガラシグルコシノラート加水分解物をチオシアナート化合物の抽出に用いて、ミロシナーゼ、ならびにグルコースおよびアグリコン産物などの非チオシアナート加水分解産物が除去された、ある程度純粋なチオシアナート調製物を得ることができる。そのようなある程度純粋な調製物は、例えばクロマトグラフィー法により得られ得る。
【0125】
グルコシノラート、グルコシノラート加水分解、およびグルコシノラート加水分解産物を定量化するための分析法が当技術分野では公知であり、例えば、市販のミロシナーゼを用いてグルコシノラート調製物を加水分解に供する酵素アッセイが挙げられる。形成したグルコースを、ヘキソキナーゼおよびグルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼにより変換することができ、その結果ニコチンアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH)が生じ、これを分光測色法により340 nmまたは520 nmで検出することができる。さらに、ガスクロマトグラフィー法および高速液体クロマトグラフィー法によりグルコシノラート、グルコシノラート加水分解、およびグルコシノラート加水分解産物を定量化することもでき、それは例えばEuropean Food Safety Authority Journal, 2008, 590: 1-76に詳しく記載されている。
【0126】
したがって、簡単にまとめると、ある程度純粋な形態の除草活性化合物およびチオシアナートが提供され、得られ、または調製され得る。チオシアナート化合物は、シロガラシから得られた植物材料から調製され得る。シロガラシグルコシノラート調製物を得ることができ、そして調製物のグルコシノラート要素の加水分解を可能にする条件に供することができ、それによってグルコシノラート加水分解物を得ることができる。シロガラシグルコシノラート加水分解物は、チオシアナート調製物として用いてもよいし、またはチオシアナートの抽出に用いてもよい。
【0127】
次に、除草活性化合物を含む製剤、チオシアナートを含む製剤、ならびに除草活性化合物およびチオシアナート化合物の両方を含む除草製剤の調製について述べる。一般に、チオシアナートおよび/または除草活性化合物を他の成分と接触させて、除草活性化合物および/またはチオシアナートを含む製剤を形成することができる。製剤に含まれ得る他の成分としては、希釈剤、担体、または賦形剤の少なくとも1つが挙げられる。好適な希釈剤としては、水、バッファー、アルコール、水溶性ポリオール(例えばグリコール、グリセリン、グリセロール、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリン)、または植物油が挙げられる。液体製剤に含まれ得る好適な賦形剤としては、表面活性剤、pH調製剤(酸、塩基、バッファー)、塩、消泡剤、加湿剤、浸透剤、接着剤、湿潤剤、匂い物質、粘性調整剤、共除草剤(限定ではないが、本開示に記載の除草剤をすべて含む)、農薬(例えば、殺虫剤または殺菌剤、またさらに、限定ではないが、本開示に記載の農薬をすべて含む)、色素、抗凍結剤、保存料、および加工助剤が挙げられる。液体製剤に含まれ得る好適な担体としては、固形担体、例えばシリカ、珪藻土、白亜、または粘土が挙げられる。これらの成分を加える順は様々であり得、一般には重要ではないが、まずはチオシアナート調製物を希釈剤と混合し、かつ除草活性化合物を希釈剤と混合してから、他の成分を加えるのが有用であり得る。
【0128】
チオシアナート調製物および/または除草活性化合物を、機械式ブレンダーもしくはミキサーなどの好適な撹拌式混合容器、または十分な循環もしくは撹拌を生じる他の好適なデバイスにおいて互いにおよび他の成分と接触させて、成分を完全に混合することができる。特に、除草活性化合物および/またはチオシアナートがどちらも固形または結晶性形態で提供される場合、除草活性化合物および/またはチオシアナートを含む液体製剤を調製するのに希釈剤を含むことが好ましい。時間や温度などの混合条件を調節することができるが、それらは通常は除草活性化合物および/またはチオシアナートが溶解または懸濁するように、かつ均質な液体製剤が得られるように選択される。一般に、混合は、周囲条件で実施することができる。
【0129】
なお、シロガラシグルコシノラート抽出物などのあまり純粋ではないグルコシノラート調製物を用いる本明細書の態様では、調製物中のグルコシノラート以外の要素が、上述の成分の特性をいくらか付与する場合がある。したがって、例えば、グルコシノラート調製物中に何らかの内在性糖が保持され得、製剤を植物の葉組織に付着させやすくし得る。
【0130】
本明細書によると、除草製剤は、除草有効量の除草活性化合物を含有する。そのような製剤は、所望の量の化合物および/または所望の量のチオシアナートを含むことにより調製され得、濃度は化合物によって大きく異なり得る。
【0131】
除草製剤に含まれるチオシアナートの濃度については、終濃度は少なくとも約0.4 mg/mlのチオシアナートであり、さらに、濃度は、例えば約1 mg/mlのチオシアナート~約50 mg/mlのチオシアナートの範囲、例えば1 mg/mlもしくは約1 mg/ml、5 mg/mlもしくは約5 mg/ml、10 mg/mlもしくは約10 mg/ml、15 mg/mlもしくは約15 mg/ml、20 mg/mlもしくは約20 mg/ml、25 mg/mlもしくは約25 mg/ml、30 mg/mlもしくは約30 mg/ml、35 mg/mlもしくは約35 mg/ml、40 mg/mlもしくは約40 mg/ml、45 mg/mlもしくは約45 mg/ml、または50 mg/mlもしくは約50 mg/mlであり得る。
【0132】
なお、上述の濃度は完成した製剤の終濃度、すなわち除草剤としてそのまま使用するのに適した製剤の濃度を表している。より高濃度の除草活性化合物およびチオシアナートを含む、さらに濃縮された製剤も調製され得ること、そしてその後除草剤として用いられる前に希釈され得ることが理解されよう。そのような濃縮製剤は、輸送および貯蔵を容易にするために望ましい場合がある。
【0133】
別の局面において、本開示は、少なくとも1つの態様では、オルガノカルボキシ化合物などの除草活性化合物とチオシアナートとを含む除草製剤を提供し、該製剤は、除草活性化学活性化合物の適用される乾燥重量に対する、適用されるチオシアナートの相対乾燥重量が、例えば0.5:1~5,000:1、または5:1~5,000:1、または50:1~5,000:1、または500:1~5,000:1を含む、0.05:1~5,000:1となり得る除草剤適用比率を可能にするように製剤化されている。したがって、例として、製剤中チオシアナートが1エーカー当たり25グラム~1エーカー当たり25 kgの範囲で製剤化される場合、除草活性化合物を含む、共適用のための製剤は、1エーカー当たり5グラム~1エーカー当たり500グラムの除草活性化合物の適用を可能にするよう製剤化され得る。さらなる例を表1に示す。
【0134】
(表1)チオシアナートと除草活性化合物との相対濃度の例
【0135】
少なくとも1つの態様では、除草活性化合物は、雑草植物を制御するべく単独適用のために化学除草剤が除草製剤に含まれる場合に除草製剤に含まれる量よりも、少なくとも約33%(w/w)少ない量で、除草製剤に含まれ得る。
【0136】
少なくとも1つの態様では、除草活性化合物は、雑草植物を制御するべく単独適用のために化学除草剤が除草製剤に含まれる場合に除草製剤に含まれる量よりも、最大約90%(w/w)少ない量で、除草製剤に含まれ得る。したがって、例えば、化学除草剤は、雑草植物を制御するべく単独適用のために該化学除草剤が除草製剤に含まれる場合に除草製剤に含まれる量よりも、10%(w/w)もしくは約10%(w/w)、15%(w/w)もしくは約15%(w/w)、20%(w/w)もしくは約20%(w/w)、25%(w/w)もしくは約25%(w/w)、30%(w/w)もしくは約30%(w/w)、35%(w/w)もしくは約35%(w/w)、40%(w/w)もしくは約40%(w/w)、45%(w/w)もしくは約45%(w/w)、50%(w/w)もしくは約50%(w/w)、55%(w/w)もしくは約55%(w/w)、60%(w/w)もしくは約60%(w/w)、65%(w/w)もしくは約65%(w/w)、70%(w/w)もしくは約70%(w/w)、75%(w/w)もしくは約75%(w/w)、80%(w/w)もしくは約80%(w/w)、85%(w/w)もしくは約85%(w/w)、または90%(w/w)もしくは約90%(w/w)少ない量で、除草製剤に含まれ得る。
【0137】
別の局面において、本開示は、少なくとも1つの態様では、除草製剤を調製する方法を提供し、該方法は、
(a)除草有効量の除草活性化合物を提供する段階、
(b)チオシアナートを提供する段階、および
(c)除草製剤を形成するために、該化合物および該チオシアナートを、除草剤的に許容される希釈剤、担体、または賦形剤とともに混合する段階
を含む。
【0138】
さらに別の局面では、本開示は、雑草生長制御のための製剤に関する。したがって、本開示は、少なくとも1つの局面において、少なくとも1つの態様では、除草剤的に許容される希釈剤、担体、または賦形剤とともに、除草有効量の除草活性化合物およびチオシアナートを含む、除草製剤を提供する。
【0139】
本明細書によると、本開示の除草製剤は、雑草植物の生長を制御するのに用いられ得る。
【0140】
一般に、本明細書によると、製剤は、1つまたは複数の植物が栽培され、かつ該栽培植物の近傍で雑草植物が生長するのが望ましくないとされる場合に、用いることができる。栽培植物は、あらゆる発達段階にある、あらゆる農業植物もしくは農作物を含めたあらゆる栽培植物、またはあらゆる園芸植物であり得る。農作物としては、限定ではないが、コムギ(トリチカム・アエスティブム)、トウモロコシ(ゼア・マイス)、イネ(オリザ・サティバ)、ダイズ(グリシン・マックス)、アブラナ(ブラッシカ・ナプス)、ヒマワリ(ヘリアンサス・アヌウス)、ワタ(ゴシピウム・ヒルスツム)、ピーナッツ(アラキス・ヒポガエア)、トマト(ソラヌム・リコペルシクム)、およびアサ(カンナビス・サティバ)が挙げられる。さらに、栽培植物は、室内、例えば温室で、または室外で、あらゆる規模で、商業的農業もしくは園芸の目的を含め、または家もしくは庭用に、生長させることができる。
【0141】
標的雑草植物は、当業者であれば容易に理解しようが、例えば、地理上の所在地、および栽培植物の生長現場でよく見られる環境要因によって異なり得る。本開示の方法は、非常に多様な雑草植物の生長を制御するのに用いることができる。雑草植物の例としては、限定ではないが、以下の双子葉植物:イチビ(velvet leaf)(アブチロン・テオフラスティ(Abutilon theophrasti))、アカザ(アマランサス属(Amaranthus)の種)、ボタンウィード(ボレリア属(Borreria)の種)、アブラナ、キャノーラ、インドガラシ他(アブラナ属の種)、コメリナ(ツユクサ属(Commelina)の種)、オランダフウロ(エロジウム属(Erodium)の種)、ヒマワリ(ヘリアンサス属(Helianthus)の種)、アサガオ(イポメア属(Ipomoea)の種)、ホウキギ(kochia)(コキア・スコパリア(Kochia scoparia))、アオイ(ゼニアオイ属(Malva)の種)、ソバカズラ(wild buckwheat)、タデ(smartweed)他(タデ属(Polygonum)の種)、スベリヒユ(ポーチュラカ属(Portulaca)の種)、ロシアアザミ(Russian thistle)(オカヒジキ属(Salsola)の種)、キンゴジカ(sida)(キンゴジカ属(Sida)の種)、ノハラガラシ(シナピス・アルベンシス)、およびオナモミ(cocklebur)(キサンチウム属(Xanthium)の種)が挙げられる。
【0142】
雑草植物のさらなる例としては、限定ではないが、以下の単子葉植物:カラスムギ(アベナ・ファツア(Avena fatua))、カーペットグラス(carpetgrass)(アクソノプス属(Axonopus)の種)、ダウニーブロム(downy brome)(ブロムス・テクトラム(Bromus tectorum))、メヒシバ(crabgrass)(ジギタリア属(Digitaria)の種)、イヌビエ(barnyard grass)(エキノクロア・クルスガルリ(Echinochloa crusgalli))、オヒシバ(goosegrass)(エレウシネ・インディカ(Eleusine indica))、一年生ライグラス(ロリウム・ムルチフロルム(Lolium multiflorum))、イネ(オリザ・サティバ)、オットクロア(ottochloa)(オットクロア・ノドサ(Ottochloa nodosa))、バヒアグラス(bahiagrass)(パスパルム・ノタツム(Paspalum notatum))、草葦(クサヨシ属(Phalaris)の種))、アワ(エノコログサ属(Setaria)の種)、コムギ(トリチカム・アエスティブム)、およびトウモロコシ(ゼア・マイス)が挙げられる。
【0143】
雑草植物のさらなる例としては、限定ではないが、以下の多年生双子葉植物:ヨモギ(アルテミシア属(Artemisia)の種)、トウワタ(アスクレピア属(Asclepias)の種)、カナダアザミ(シルシウム・アルベンセ(Cirsium arvense)、セイヨウヒルガオ(コンボルブルス・アルベンシス(Convolvulus arvensis))、およびクズ(プエラリア属(Pueraria)の種)が挙げられる。
【0144】
雑草植物のさらなる例としては、限定ではないが、以下の多年生単子葉植物:ブラキアリア(brachiaria)(ブラキアリア属(Brachiaria)の種)、バミューダグラス(シノドン・ダクチロン(Cynodon dactylon))、シバムギ(quackgrass)(エリムス・レペンス(Elymus repens))、チガヤ(インペラタ・シリンドリカ(Imperata cylindrica))、多年生ライグラス(ロリウム・ペレンネ(Lolium perenne))、ギニアグラス(パニクム・マキシムム(Panicum maximum))、ダリスグラス(パスパルム・ジラタツム(Paspalum dilatatum))、アシ(ヨシ属(Phragmites)の種)、セイバンモロコシ(ソルグム・ハレペンセ(Sorghum halepense))、およびガマ(cattail)(ガマ属(Typha)の種)が挙げられる。
【0145】
さらに他の多年生雑草植物種としては、限定ではないが、トクサ(horsetail)(トクサ属(Equisetum)の種)、ワラビ(bracken)(プテリディウム・アキリヌム(Pteridium aquilinum))、ブラックベリー(キイチゴ属(Rubus)の種)、タンポポ(タラクサクム・オフィシナレ(Taraxacum officinale))、およびハリエニシダ(gorse)(ウレクス・エウロパエウス(Ulex europaeus))が挙げられる。
【0146】
本開示の製剤は、雑草植物のどの発達段階で適用してもよく、これには、雑草の葉の出芽の前または後、例えば、雑草植物の葉が初めて肉眼で観察できてから2日もしくは3日以内、または雑草植物がより成熟した葉を見せる段階、例えば雑草植物が少なくとも1週齢、少なくとも2週齢、少なくとも3週齢、もしくは少なくとも4週齢の葉を見せる段階が含まれる。適用の濃度および頻度は様々であり得、例えば、所望する生長制御の程度、制御したい雑草植物の齢および種、適用現場でよく見られる天候および他の条件に依存し得る。一般に、適用頻度は1回の適用から、毎日、毎週、または毎月の適用まで様々であり得る。
【0147】
本開示の除草製剤は、化学除草剤のみを含み、チオシアナートは含まない従来の除草製剤と同じくらい効き目があるように調製され得るが、本開示の除草製剤および適用法は、同じ除草効能を実現するのに、より少量の化学除草剤しか必要としない。
【0148】
少なくとも1つの態様では、除草活性化合物は、N-(ホスホメチル)グリシン(グリホサート)であり得、除草製剤は、除草活性化合物を、例えば、1エーカー当たり約50グラム~約500グラム、1エーカー当たり約50グラム~約450グラム、1エーカー当たり約50グラム~約400グラム、1エーカー当たり約50グラム~約350グラム、1エーカー当たり約50グラム~約300グラム、1エーカー当たり約50グラム~約250グラム、1エーカー当たり約50グラム~約200グラム、1エーカー当たり約50グラム~約150グラム、または1エーカー当たり100グラム~約500グラム、1エーカー当たり約100グラム~約450グラム、1エーカー当たり約100グラム~約400グラム、1エーカー当たり約100グラム~約350グラム、1エーカー当たり約100グラム~約300グラム、1エーカー当たり約100グラム~約250グラム、1エーカー当たり約100グラム~約200グラム、または1エーカー当たり約100グラム~約150グラムを含む、1エーカー当たり約5グラム~約550グラムのグリホサートの割合でチオシアナートと共適用(それぞれ別々の製剤として、または両方一緒に除草活性化合物およびチオシアナートを含む共製剤として、のいずれか)できるように、製剤化され得る。
【0149】
いくつかの態様では、グリホサートは、例えば、1エーカー当たり5グラムもしくは約5グラム、1エーカー当たり25グラムもしくは約25グラム、1エーカー当たり50もしくは約50グラム、1エーカー当たり100もしくは約100グラム、1エーカー当たり150もしくは約150グラム、1エーカー当たり200もしくは約200グラム、1エーカー当たり225もしくは約225グラム、1エーカー当たり250もしくは約250グラム、1エーカー当たり275もしくは約275グラム、1エーカー当たり300もしくは約300グラム、1エーカー当たり325もしくは約325グラム、1エーカー当たり350もしくは約350グラム、1エーカー当たり375もしくは約375グラム、1エーカー当たり400もしくは約400グラム、1エーカー当たり425もしくは約425グラム、1エーカー当たり450もしくは約450グラム、1エーカー当たり475もしくは約475グラム、1エーカー当たり500もしくは約500グラム、1エーカー当たり525もしくは約525グラム、または1エーカー当たり550もしくは約550グラムで適用され得る。適用される量は、1エーカー当たり約180グラムで、従来適用される化学除草剤の量に対して約33%の低減となる。
【0150】
少なくとも1つの態様では、除草活性化合物は、3,6-ジクロロ-2-メトキシ安息香酸(ジカンバ)であり得、除草活性化合物は、除草活性化合物を、1エーカー当たり約500グラム~約950グラムの化学除草剤、例えば、1エーカー当たり500もしくは約500グラム、1エーカー当たり550もしくは約550グラム、1エーカー当たり600もしくは約600グラム、1エーカー当たり650もしくは約650グラム、1エーカー当たり700もしくは約700グラム、1エーカー当たり750もしくは約750グラム、1エーカー当たり800もしくは約800グラム、1エーカー当たり850もしくは約850グラム、1エーカー当たり900もしくは約900グラム、または1エーカー当たり950もしくは約950ポンド、の割合でチオシアナートと共適用(それぞれ別々の製剤として、または両方一緒に除草活性化合物およびチオシアナートを含む共製剤として、のいずれか)できるように、製剤化され得る。適用される量は、1エーカー当たり約570グラムで、従来適用される化学除草剤の量に対して約33%の低減となる。
【0151】
少なくとも1つの態様では、除草活性化合物は、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D)であり得、除草活性化合物は、除草活性化合物を、1エーカー当たり約100グラム~約500グラムの化学除草剤、例えば、1エーカー当たり100もしくは約100グラム、1エーカー当たり150もしくは約150グラム、1エーカー当たり200もしくは約200グラム、1エーカー当たり250もしくは約250グラム、1エーカー当たり300もしくは約300グラム、1エーカー当たり350もしくは約350グラム、1エーカー当たり400もしくは約400グラム、1エーカー当たり450もしくは約450グラム、または1エーカー当たり500もしくは約500グラム、の割合でチオシアナートと共適用(それぞれ別々の製剤として、または両方一緒に除草活性化合物およびチオシアナートを含む同剤として、のいずれか)できるようにする。適用される量は、1エーカー当たり約115グラムで、従来適用される化学除草剤の量に対して約33%の低減となる。
【0152】
少なくとも1つの態様では、除草活性化合物は、(R,S)-2-アミノ-4-(ヒドロキシメチル)ホスホノイル)ブタン酸(グルホシナート;ホスフィノトリシン)であり得、除草活性化合物は、除草活性化合物を、1ヘクタール当たり約450グラム~約890グラムの化学除草剤、例えば、1エーカー当たり450もしくは約450グラム、1エーカー当たり500もしくは約500グラム、1エーカー当たり550もしくは約550グラム、1エーカー当たり600もしくは約600グラム、1エーカー当たり650もしくは約650グラム、1エーカー当たり700もしくは約700グラム、1エーカー当たり750もしくは約750グラム、1エーカー当たり800もしくは約800グラム、1エーカー当たり850もしくは約850グラム、または1エーカー当たり882もしくは約890グラム、の割合でチオシアナートと共適用(それぞれ別々の製剤として、または両方一緒に除草活性化合物およびチオシアナートを含む共製剤として、のいずれか)できるように、製剤化され得る。適用される量は、1ヘクタール当たり約450グラムで、従来適用される化学除草剤の量に対して約33%の低減となる。
【0153】
少なくとも1つの態様では、除草活性化合物は、met2-{[4-メトキシ-6-メチル-1,3,5-トリアジン-2-イル)アミノ]-オキソメチル]スルファモイル}安息香酸メチルエステル(メトスルフロンメチル)であり得、除草活性化合物は、除草活性化合物を、1エーカー当たり約0.9グラム~約3グラムの化学除草剤、例えば、1エーカー当たり0.9グラムもしくは約0.9グラム、1エーカー当たり1もしくは約1グラム、1エーカー当たり1.5もしくは約1.5グラム、1エーカー当たり2もしくは約2グラム、1エーカー当たり2.5もしくは約2.5グラム、または1エーカー当たり3.0もしくは約3.0グラム、の割合で適用できるように、チオシアナートと共適用(それぞれ別々の製剤として、または両方一緒に除草活性化合物およびチオシアナートを含む共製剤として、のいずれか)できるように、製剤化され得る。適用される量は、1エーカー当たり約1.7グラムで、従来適用される化学除草剤の量に対して約33%の低減となる。
【0154】
少なくとも1つの態様では、チオシアナートが製剤に含まれ得、例えば、1エーカー当たり約250グラム~約25 kgのチオシアナート、1エーカー当たり約500グラム~約25 kgのチオシアナート、1エーカー当たり約1キログラム~約25 kgのチオシアナート、1エーカー当たり約5キログラム~約25 kgのチオシアナート、1エーカー当たり約10 kg~約25 kgのチオシアナート、1エーカー当たり約15 kg~約25 kgのチオシアナート、または1エーカー当たり約20キログラム~約25 kgのチオシアナートを含む、1エーカー当たり約25グラム~約25 kgのチオシアナートの割合で適用され得る。
【0155】
少なくとも1つの態様では、チオシアナートは、1エーカー当たり約500グラム~1エーカー当たり約20 kg、1エーカー当たり約1 kg~1エーカー当たり約20、1エーカー当たり約1 kg~1エーカー当たり約15 kg、または1エーカー当たり約1 kg~1エーカー当たり約10 kgの割合で適用され得る。
【0156】
少なくとも1つの態様では、チオシアナートは、例えば、1エーカー当たり25グラムもしくは約25グラム、1エーカー当たり100グラムもしくは約100グラム、1エーカー当たり250グラムもしくは約250グラム、1エーカー当たり500グラムもしくは約500グラム、1エーカー当たり1 kgもしくは約1 kg、1エーカー当たり2 kgもしくは約2 kg、1エーカー当たり3 kgもしくは約3 kg、1エーカー当たり4 kgもしくは約4 kg、1エーカー当たり5 kgもしくは約5 kg、1エーカー当たり6 kgもしくは約6 kg、1エーカー当たり7 kgもしくは約7 kg、1エーカー当たり8 kgもしくは約8 kg、1エーカー当たり9 kgもしくは約9 kg、1エーカー当たり10 kgもしくは約10 kgグラム、1エーカー当たり11 kgもしくは約11 kg、1エーカー当たり12 kgもしくは約12 kg、1エーカー当たり13 kgもしくは約13 kg、1エーカー当たり14 kgもしくは約14 kgグラム、1エーカー当たり15 kgもしくは約15 kg、1エーカー当たり16 kgグラムもしくは約16 kg、1エーカー当たり17 kgもしくは約17 kg、1エーカー当たり18 kgもしくは約18 kg、1エーカー当たり19 kgもしくは約19 kg、1エーカー当たり20 kgもしくは約20 kg、1エーカー当たり21 kgもしくは約21 kg、1エーカー当たり22 kgもしくは約22 kg、1エーカー当たり23 kgもしくは約23 kg、1エーカー当たり24 kgもしくは約24 kg、または1エーカー当たり25 kgもしくは約25 kgの割合で適用され得る。
【0157】
先述したように、少なくとも1つの態様では、雑草植物を制御するために、除草活性化合物を含む第1の製剤とチオシアナートを含む第2の製剤とを連続的に共適用することができる。したがって、例えば、除草活性化合物を含む第1の製剤がある日適用され得、そしてチオシアナート化合物を含む第2の製剤が、それから1日、それから2日もしくは2日以内、それから3日もしくは3日以内、それから4日もしくは4日以内、それから5日もしくは5日以内、それから6日もしくは6日以内、それから7日もしくは7日以内、それから8日もしくは8日以内、それから9日もしくは9日以内、それから10日もしくは10日以内、それから11日もしくは11日以内、それから12日もしくは12日以内、それから13日もしくは13日以内、またはそれから14日もしくは14日以内に適用され得る。逆に、チオシアナートを含む第1の製剤がある日適用され得、そして除草活性化合物を含む第2の製剤が、それから1日、それから2日もしくは2日以内、それから3日もしくは3日以内、それから4日もしくは4日以内、それから5日もしくは5日以内、それから6日もしくは6日以内、それから7日もしくは7日以内、それから8日もしくは8日以内、それから9日もしくは9日以内、それから10日もしくは10日以内、それから11日もしくは11日以内、それから12日もしくは12日以内、それから13日もしくは13日以内、またはそれから14日もしくは14日以内に適用され得る。
【0158】
少なくとも1つの態様では、除草活性化合物を含む第1の製剤とチオシアナートを含む第2の製剤とが、雑草植物を制御するために同時に、またはおおむね同時に、共適用され得る。
【0159】
少なくとも1つの態様では、除草活性化合物とチオシアナート化合物とを単剤として共製剤化することができ、その後雑草植物を制御するために適用され得る。
【0160】
少なくとも1つの態様では、本開示の製剤は、栽培植物の出芽前に雑草植物に対し適用され得る。
【0161】
少なくとも1つの態様では、本開示の製剤は、栽培植物の出芽後に雑草植物に対し適用され得る。
【0162】
制御の程度は、所望により異なり得る。したがって、例えば、液体製剤を適用した後の雑草植物の生長を、雑草植物の生長を遅らせるもしくは妨げるように、または雑草植物を死滅させるように、制御することができる。
【0163】
液体製剤を適用するために、製剤は、雑草植物の標的化噴霧もしくはブロードキャスト噴霧、または雑草植物の葉への塗布によるものを含め、噴霧され得る。したがって、例えば、液体製剤は、該液体製剤を収容できる、かつ該液体製剤の雑草植物への適用を可能にするデバイスに入れることが好ましく、該デバイスとしては、任意のスプレータンクを含め、任意の従来の除草処理用分注または噴霧デバイスが挙げられる。少なくとも1つの態様では、噴霧デバイスは、液体製剤を分注することができる家庭用の手持ち型スプレーボトルであり得、したがって液体製剤の家および庭での使用が可能になる。
【0164】
なお、少なくとも1つの態様では、製剤は、雑草植物の近傍で生長中の栽培植物の葉を含め、該栽培植物と該製剤との接触を制限しながら、雑草植物を特定の標的とすることができる。そのような標的化された適用は、例えばスプレータンクまたはスプレーボトルを用いて実現され得る。したがって、例えば農場の周りの通路に生えた雑草にこのやり方で噴霧してもよく、または同様に、家の庭の個々の雑草植物もしくは雑草植物を含む小区画に噴霧してもよい。したがって、製剤は、栽培植物の近傍にある雑草植物に対する選択的適用に有用であると言うことができる。
【0165】
またさらに、少なくとも1つの態様では、本開示の製剤は、少なくとも1つのさらなる除草製剤(すなわち、第2の除草活性化合物(チオシアナート以外)を含む製剤)または農薬製剤と共適用され得る。共適用は、少なくとも1つの態様では、個々の製剤のそれぞれ(すなわち、少なくとも1つ、好ましくは2つの本開示の製剤、およびさらなる除草または農薬製剤)を事前混合または槽内混合すること、続いて事前混合した製剤を適用することにより、実現され得る。少なくとも1つの他の態様における共適用は、第1の製剤(すなわち、少なくとも1つ、好ましくは2つの本開示の製剤)を適用し、続いてさらなる除草製剤もしくは農薬製剤を適用すること、またはその逆により、実現され得る。一般に、さらなる製剤は、本開示の第1および/または第2の製剤の適用から10日未満で、例えば5日未満、例えば1~2日以内に適用され得る。
【0166】
したがって、少なくとも1つの態様では、本開示の製剤は、別の(すなわち第2の)除草製剤と、または例えば別の殺虫製剤もしくは殺菌製剤と、共適用され得る。これらのさらなる除草製剤または農薬製剤は、活性化合物、すなわち除草剤、殺虫剤、および殺菌剤をそれぞれ含有している。
【0167】
本開示の製剤と共適用され得る除草剤の例としては、脂質合成阻害剤、例えば、アセチルCoAカルボキシラーゼ(ACCase)阻害剤、例えばアリールオキシフェノキシプロピオナート(FOP)(例えばクロジナホップ-プロパルギル、シハロホップ-ブチル、シクロホップ-メチル、フェノキサプロップ-P-エチル、フルアジホップ-P-ブチル、ハロキシホップ-R-メチル、プロパキザホップ、もしくはキザロホップ-P-エチル)、シクロヘキサジオン(DIM)(例えばアロキシジム、ブトロキシジム、クレトジム、シクロキシジム、プロホキシジム、セトキシジム、テプラロキシジム、もしくはトラルコキシジム)、またはフェニルピラゾリン(DEN)(例えばピノキサデン)が挙げられる。
【0168】
本開示の製剤と共適用され得る除草剤のさらなる例としては、アミノ酸合成阻害剤、例えば、アセト乳酸(ALS)阻害剤、例えばイミダゾリノン(例えばイマザピック、イマザメタベンズ-メチル、イマザモックス、イマザムピル(imazampyr)、イマザキン、イマゼタピル)ピリミジニル(チオ)ベンゾアート(例えばビスピリバック-Na、ピリベンゾキシム、ピリフタリド、ピリチオバック-Na、もしくはピリミノバック-メチル)、スルホニルアミノカルボニルトリアゾリノン(例えばフルカルバゾン-Naもしくはプロポキシカルバゾン-Na)、スルホニルウレア(例えばアミドスルフロン、アジムスルフロン、ベンスルフロン-メチル、クロリムロン-エチル、クロルスルフロン、シノスルフロン、シクロスルファムロン、エタメツルフロン-メチル、エトキシスルフロン、フラザスルフロン、フルピルスルフロン-メチル-Na、ホラムスルフロン、ハロスルフロン-メチル、イマゾスルフロン、ヨードスルフロン、メソスルフロン、メツルフロン-メチル、ニコスルフロン、オキサスルフロン、プリミスルフロン-メチル、プロスルフロン、ピラゾスルフロン-エチル、リムスルフロン、スルホメツロン-メチル、スルホスルフロン、シスルフロン(thislfuron)-メチル、トリアスルフロン、トリベヌロン-メチル、トリフロキシスルフロン、トリフルスルフロン-メチル、もしくはトリトスルフロン)、またはトリアゾロピリミジン(例えばクロランスラム-メチル、ジクロスラム、フロラスラム、フルメツラム、メトスラム、もしくはペノスラム);あるいは他のアミノ酸合成阻害剤、例えば、EPSPシンターゼ阻害剤、例えばグリシン(例えばグリホサートまたはスルホサート)が挙げられる。
【0169】
本開示の製剤と共適用され得る除草剤のさらなる例としては、根の生長阻害剤、例えば微小管阻害剤、例えばベンズアミド(例えばイソキサベン)、安息香酸(例えばクロルタール-ジメチル(DCPA))、ジニトロアニリン(例えばベネフィン(ベンフルラリン)、ブトラリン、ジニトラミン、エタルフルラリン、オリザリン、ペンジメタリン(pendmethalin)、もしくはトリフルラリン)ホスホロアミダート(例えばアミプロホス-メチルもしくはブタミホス)、またはピリジン(例えばジチオピルもしくはチアゾピル)が挙げられる。
【0170】
本開示の製剤と共適用され得る除草剤のさらなる例としては、植物生長阻害剤、例えば安息香酸(例えばクロルタール-ジメチル(DCPA))、フェノキシカルボン酸(例えばクロメプロップ、2,4-D、2,4-DB、ジクロロプロップ(2,4-DP)、2-メチル-4-クロロフェノキシ酢酸(MCPA)、4-4(-クロロ-2-メチルフェノキシ)ブタン酸(MCPB)、もしくはメコプロップ(MCPP、CMPP)、ピリジンカルボン酸(例えばクロピラリド、フルロキシピル、ピクロラム、もしくはトリクロピル)、またはキノリンカルボン酸(キンクロラックもしくはキンメラック)が挙げられる。
【0171】
本開示の製剤と共適用され得る除草剤のさらなる例としては、光合成阻害剤、例えばトリアジン(例えばアメトリン(ametrine)、アトラジン、シアナジン、デスメトリン、ジメタメトリン、プロメトン、プロメトリン、プロパジン、シマジン、シマトリン、テルブメトン、テルブチラジン、テルブトリントリエタジン)、トリアジノン(例えばヘキサジノン、メタミトロン、もしくはメトリブジン)、フェニルカルバマート(例えばデスメディファムもしくはフェンメディファム)、ピリダジノン(例えばピラゾン(クロリダゾン))、ウラシル(例えばブロマシル、レナシル、もしくはテルバシル)、ニトリル(例えばブロモフェノキシム、ブロモキシニル、もしくはアイオキシニル)、ベンゾタジアジノン(benzothadiazinone)(例えばベンタゾン)、フェニルピリダジン(例えばピリダートもしくはピリダフォル)、ウレア(例えばクロロブロムロン、クロロトルロン、クロロクスロン、ジメフロン、ジウロン、エチジムロン、フェヌロン、フルオメトロン、イソプロツロン、イソウロン、リヌロン、メタベンズチアズロン、メトブロムロン、メトクスロン、モノリヌロン、ネブロン、シデュロン、もしくはテブチオロン)、またはアミド(例えばプロパニルもしくはペンタノクロル)が挙げられる。
【0172】
本開示の製剤と共適用され得る除草剤のさらなる例としては、窒素代謝阻害剤、例えば、グルタミン合成阻害剤、例えばホスフィン酸(例えばグルホシナートアンモニウムまたはビアラホス(ビラナホス))が挙げられる。
【0173】
本開示の製剤と共適用され得る除草剤のさらなる例としては、色素合成阻害剤、例えば、4-ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(HPPD)阻害剤、例えばアミド、アニリデクス(anilidex)、フラノン、フェノキシブタン-アミド、ピラゾール(例えばピラスルホトール、ベンゾフェナプ、ピラゾリナート、もしくはピラゾキシフェン)ピラゾロン(例えばトプラメゾン)ピリダジノン(例えばノルフルラゾン)、ピリジン、トリケトン(例えばメソトリオン、ビシクロピロン、もしくはテンボトリオン)、またはイソキサゾール(例えばイソキサフルトールもしくはイソキサクロルトール);あるいはジテルペン合成阻害剤、例えばイソキサリジノン(例えばクロマゾン)が挙げられる。
【0174】
本開示の製剤と共適用され得る除草剤のさらなる例としては、細胞膜破壊剤、例えば、プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(PPO)阻害剤、例えばジフェニルエーテル(例えばアシフルオルフェン-Na、ビフェノックス、クロモメトキシフェン、フルオログリコフェン-エチル、ホメサフェン、ハロサフェン、ラクトフェン、もしくはオキシフルオルフェン)、アリールトリアゾリノン(例えばカルフェントラゾン-エチル)、N-フェニルフタルアミド(例えばシニドン-エチル、フルミオキサジン、もしくはフルミクロラック-ペンチル)、オキサジアゾール(例えばオキサジアゾンもしくはオキサジアルギル)、オキサゾリジンジオン(例えばペントキサゾン)、フェニルピラゾール(例えばフルアゾラートもしくはピラフルフェン-エチル)、ピリミジンジオン(例えばベンズフェンジゾンもしくはブタフェンシル)、またはチアジアゾール(例えばフルチアセト-メチルもしくはチジアジミン);および他の膜破壊剤、例えば、ジニトロフェノール(例えば4,6ジニトロ-o-クレゾール(DNOC)、ジノセブ、もしくはジノテルブ)が挙げられ、さらに(光化学系I)PSI阻害剤、例えばビピリジリウム(例えばジクワットまたはパラクアット)が挙げられる。
【0175】
本開示の製剤と共適用され得る除草剤のさらなる例としては、芽の生長阻害剤、例えば、超長鎖脂肪酸(VLCFA)阻害剤、例えばクロロアセトアミド(例えばアセトクロル、アラクロル、もしくはブタクロル)、アセトアミド(例えばジフェンアミド、ナプロパミド、もしくはナプロアニリド)、オキシアセトアミド、またはテトラゾリノン(例えばアザフェニジン、カフェントラゾン-エチル、もしくはスルフェントラゾン)が挙げられる。
【0176】
本開示の製剤と共適用され得る除草剤のさらなる例としては、未分類除草剤、例えば二ナトリウムメチルアルソナート(DMSA)、ホサミン、一ナトリウムメタンアルソナート(MSMA)、インダジフラム、シンメチリン、メチオゾリン、アクロレイン、硫酸アンモニウム(AMS)、ベナゾリン、ベノキサコル、カコジル酸、クロキントセト-メキシル、銅キレート、硫酸銅、シプロスルファミド、ジククロルミド(dicchlormid)、ジエトラート、ジメチピン、エノタル(enothall)、フェンクロラゾール-エチル、フェンクロリム、フルキソフェニム、マレイン酸ヒドラジド、メフェンピル-ジエチル、メフルイジド、メタボラート、オキサジクロメホン、または塩素酸ナトリウムが挙げられる。
【0177】
次に、本開示の製剤と共適用され得る殺虫剤であるが、共適用され得る殺虫剤の例としては、無機殺虫化合物、例えば、ヒ素化合物(例えば亜ヒ酸鉛、三酸化ヒ素、もしくはアセトヒ酸銅(copper acetoarsenate)(パリスグリーン);またはフッ化物化合物(例えばフッ化ナトリウムもしくはフルオロアルミン酸ナトリウム(氷晶石))が挙げられる。
【0178】
本開示の製剤と共適用され得る殺虫剤のさらなる例としては、石鹸および油、例えば、石油留出物の水エマルション、または動物油もしくは植物油由来の殺虫石鹸が挙げられる。
【0179】
本開示の製剤と共適用され得る殺虫剤のさらなる例としては、植物抽出物が挙げられる。
【0180】
本開示の製剤と共適用され得る殺虫剤のさらなる例としては、ピペロニルブトキシドなどの相乗作用化合物と一緒に使用され得るジョチュウギクが挙げられる。
【0181】
本開示の製剤と共適用され得る殺虫剤のさらなる例としては、塩素化炭化水素としても知られる有機塩素、例えば、ジクロロジフェニルトリクロロエタン(DDT)および関連化合物(例えばメトキシクロルおよびケルタン)、リンダン、トキサフェン、またはシクロジエン(例えばアルドリン、ジエルドリン、エンドリン、コルダン、ヘプタクロル、もしくはエンズスルファン(endusulfan))が挙げられる。
【0182】
本開示の製剤と共適用され得る殺虫剤のさらなる例としては、神経毒性殺虫剤、例えば有機ホスファート、例えば汎用有機リン殺虫剤、例えばマラチオン、パラチオン、ダイアジノン、クロルピロホス(chlorpyrofos)、アジンホスメチル、アセファート、ホラート、もしくはホスメット;燻煙有機リン殺虫剤、例えば2,2-ジクロロビニルジメチルホスファート(ジクロルボス、DDVP);または浸透移行性有機リン殺虫剤、例えばジメトアート、ジスルホトン、ジメトン、もしくはロンネル)が挙げられる。
【0183】
本開示の製剤と共適用され得る殺虫剤のさらなる例としては、例えば、カルバマート、例えばカルバリル(セビン)、カルボフラン、プロポキスル、メトミル、ベンジオカルブ、ホルメタナート、オキサミル、またはアルジカルブが挙げられる。
【0184】
本開示の製剤と共適用され得る殺虫剤のさらなる例としては、例えば、合成ピレスロイド、例えばレスメトリン、ペルメトリン、またはフェンバレラートが挙げられる。
【0185】
本開示の製剤と共適用され得る殺虫剤のさらなる例としては、例えば、ホルアミジン(foramidine)、例えばクロルジメホルムまたはアミトラズが挙げられる。
【0186】
本開示の製剤と共適用され得る殺虫剤のさらなる例としては、例えば、有機硫黄およびオルガンチン(organtin)、例えばアラマイト、テトラジホン、シヘキサチン、またはヘキサキスが挙げられる。
【0187】
本開示の製剤と共適用され得る殺虫剤のさらなる例としては、例えば、アベルメクチン、例えばアベルメクチン、アバメクチン、またはイベルメクチンが挙げられる。
【0188】
本開示の製剤と共適用され得る殺虫剤のさらなる例としては、例えば、ネオニコチノイド、例えばイミダクロプリドが挙げられる。
【0189】
次に、本開示の製剤と共適用され得る殺菌剤であるが、共適用され得る殺菌剤の例としては、有糸分裂妨害化合物、例えばメチルベンゾイミダゾールカルバマート、例えば、ベンゾイミダゾールまたはチオファナート(例えばチオファナート-メチル)が挙げられる。
【0190】
本開示の製剤と共適用され得る殺菌剤のさらなる例としては、例えば、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)シグナリング妨害化合物、例えばジカルボキシミド、イプロジオンが挙げられる。
【0191】
本開示の製剤と共適用され得る殺菌剤のさらなる例としては、ステロール生合成阻害剤、例えば脱メチル化阻害剤、例えば、ジフェノコナゾール、フェナリモール、フェンブコナゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、プロピコナゾール、テブコナゾール、またはトリフルミゾールが挙げられる。
【0192】
本開示の製剤と共適用され得る殺菌剤のさらなる例としては、RNAポリメラーゼ阻害剤、例えばフェニルアミド、例えば、メフェノキサムが挙げられる。
【0193】
本開示の製剤と共適用され得る殺菌剤のさらなる例としては、コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤、例えばカルボキサミド、例えば、ボスカリドが挙げられる。
【0194】
本開示の製剤と共適用され得る殺菌剤のさらなる例としては、メチオニン生合成阻害剤、例えばアニリノピリミジン、例えば、シプロジニルが挙げられる。
【0195】
本開示の製剤と共適用され得る殺菌剤のさらなる例としては、呼吸阻害剤、例えばキノン外部阻害剤、例えば、アゾキシストロビン、クレソキシム-メチル、ピラクロストロビン、またはトリフロキシストロビンが挙げられる。
【0196】
本開示の製剤と共適用され得る殺菌剤のさらなる例としては、シグナル伝達干渉化合物、例えばアザナフタンレン(azanaphtanlene)、例えばキノリン(例えばキノキシフェン)が挙げられる。
【0197】
本開示の製剤と共適用され得る殺菌剤のさらなる例としては、タンパク質合成阻害剤、例えばグルコピラノシル抗生物質、例えば、ストレプトマイシン;またはテトラサイクリン系抗生物質、例えば、オキシテトラサイクリンが挙げられる。
【0198】
本開示の製剤と共適用され得る殺菌剤のさらなる例としては、ホスホン酸塩、例えば亜リン酸の塩、またはアルミニウムトリスが挙げられる。
【0199】
本開示の製剤と共適用され得る殺菌剤のさらなる例としては、多部位接触活性(multi-site contact activity)化合物、例えば無機化合物、例えば水酸化銅、固定銅(fixed copper)、もしくは硫黄;ジチオカルバマートおよび関連化合物、例えばチラムもしくはジラム;フタルイミド、例えば、カプタン;クロロニトリル(フタロニトリル)、例えばクロロタロニル;またはグアニジン、例えば、ドジンが挙げられる。
【0200】
本開示の製剤と共適用され得る殺菌剤のさらなる例としては、アザジラクチン、ビフェナザート、またはジコホルが挙げられる。
【0201】
別の局面では、本開示はチオシアナート調製物の使用を提供することが理解されよう。したがって、一局面において、本開示は、少なくとも1つの態様では、雑草植物の生長を制御するための除草製剤を調製するためのチオシアナート調製物の使用を提供し、該除草製剤は、除草剤的に許容される希釈剤、担体、または賦形剤とともに、除草有効量の除草活性化合物およびチオシアナートを含む。
【0202】
別の局面では、本開示は、チオシアナート調製物を含む液体製剤の使用を提供することがさらに理解されよう。したがって、一局面において、本開示は、少なくとも1つの態様では、除草有効量の除草活性化合物およびチオシアナート化合物を含む除草製剤の使用であって、液体製剤を雑草植物に対し葉面適用することにより該雑草植物の生長を制御するための使用を提供する。
【0203】
別の局面において、本開示は、少なくとも1つの態様では、
(a)除草有効量の除草活性化合物およびチオシアナート化合物を含む、除草製剤、ならびに
(b)雑草植物の茎葉に対し適用し、それによって雑草植物の生長を制御する、該適用のための、使用説明書
を含む、雑草植物の生長を制御するためのキットまたは市販用パッケージを提供する。
【0204】
別の局面において、本開示は、少なくとも1つの態様では、
(c)除草有効量の除草活性化合物を含む、第1の製剤、
(d)チオシアナートを含む、第2の製剤、ならびに
(c)第1および第2の製剤を雑草植物に対し共適用し、それによって雑草植物の生長を制御する、該共適用のための、使用説明書
を含む、雑草植物の生長を制御するためのキットまたは市販用パッケージを提供する。
【0205】
したがって、本開示の方法および組成物が、除草有効量の除草活性化合物およびチオシアナートを含有する組成物を雑草植物に対し適用することにより、該雑草植物の生長の制御を可能にすることは、もう明白であろう。ここからは、本開示の方法を実施するための特定の態様の例を提供する。これらの例は、ただ説明の目的でのみ提供され、本開示の範囲をいかようにも限定するものではない。
【実施例
【0206】
実施例1 - チオシアナートを含むグルコシノラート加水分解物の調製
チオシアナートが濃縮された加水分解物を次のようにして調製した。シロガラシ種子を圧搾して種子油の一部分を機械的に分離し、部分脱油ミールを生成した。このミールと、60℃の水とを、ミール1部に対し水10部で混合した。このスラリーを撹拌し、種子のミロシナーゼがグルコシノラートの大部分をチオシアナートに加水分解するように約10時間温度に保った。反応期の後、このスラリーを、デカンタを用いて遠心分離により処理して、チオシアナートが濃縮された液相を生成し、そして固形物を取り出した。次にこの液相を蒸発させて可溶物を濃縮してから蒸発器のシロップを噴霧乾燥して、乾燥物ベースで約5%のチオシアナートを含有する産物を生産した。このチオシアナート含有グルコシノラート加水分解物は、除草剤としての使用を含め、複数の適用のために水と混合され得る。
【0207】
実施例2 - チオシアナートと共製剤化されたグリホサートを含む除草製剤を含む、除草製剤を用いての雑草生長の制御
以下のように、野外試験で全8つの除草剤処理を行った。
【0208】
(表2)雑草制御試験の処理
【0209】
Bayer CropScienceのRT540(登録商標)は、活性成分として540 g/Lのグリホサートを含有している。MustGrow SCNは、市販品として購入された粉末の形態の純粋なチオシアナートからなる。RT540およびMustGrow SCNを水10部で希釈し、サスカチェワン州中央部にある試験区画のそれぞれに対し、背負い箱噴霧器を用いて、表2に示す量で適用した。各処理は、三連の実験区画(4x20 ft)からなった。雑草植物の生長は、適用から5週間にわたり、各試験区画に存在する個々の雑草植物を計数することにより、観察した。各処理の平均雑草出現数を表3および図3に示す。
【0210】
(表3)グリホサートおよびチオシアナートが雑草出現数に及ぼす影響
* RT540は、1 L/エーカー、540 g/エーカーのグリホサート。
** MustGrow SCNは、24.3 kg/エーカーのAITCで、SCNを送達。
【0211】
この試験の条件では、グリホサートは、雑草の出現を制限するのに、わずかしか有効でなかった。最高適用割合のRT540(1エーカー当たり540グラムのグリホサートに等しい無希釈RT540を、1 L/エーカーの割合)を用いても、処理後5週間の雑草数は、20%の抑制という結果でしかなかった。最低適用割合のRT540(1エーカー当たり540グラムのグリホサートに等しい無希釈RT540を、0.1 L/エーカーの割合)を用いた場合、および24.3 kg/エーカーのチオシアナートを用いた場合も、同様の結果が得られた。しかし、最低適用割合のRT540をチオシアナートと組み合わせて用いると、雑草の出現は35%抑制された。このデータは、低レベルのグリホサートと24.3 kg/エーカーのチオシアナートとの組み合わせを用いることで、増強された雑草抑制が得られるという相乗効果と一致する。
【0212】
本開示は、現在好ましい例と思われるものを参照して記載してきたが、本開示は開示した例には限定されないことを理解されたい。むしろ、本開示は添付の特許請求の範囲の趣旨および範囲に含まれる様々な変更および等価な配置を網羅することを意図する。
【0213】
すべての刊行物、特許、および特許出願は、個々の刊行物、特許、または特許出願が、その全内容が参照により組み入れられると具体的かつ個別に記述されたも同然に、その全内容が参照により本明細書に組み入れられる。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3
【国際調査報告】