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特表2023-549475傾斜ビーム成形光学部品を含むフローサイトメータ、及びフローサイトメータを使用する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-27
(54)【発明の名称】傾斜ビーム成形光学部品を含むフローサイトメータ、及びフローサイトメータを使用する方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 15/14 20060101AFI20231117BHJP
   G01N 21/01 20060101ALI20231117BHJP
【FI】
G01N15/14 D
G01N21/01 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023524470
(86)(22)【出願日】2021-09-22
(85)【翻訳文提出日】2023-06-16
(86)【国際出願番号】 US2021051471
(87)【国際公開番号】W WO2022086666
(87)【国際公開日】2022-04-28
(31)【優先権主張番号】63/094,111
(32)【優先日】2020-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
2.WINDOWS
3.Linux
4.WINDOWS NT
5.WINDOWS XP
6.iOS
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417-1880, UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】コンロイ,ブリアナ
(72)【発明者】
【氏名】シャン,ビン
(72)【発明者】
【氏名】イーコフ,フョードル
【テーマコード(参考)】
2G059
【Fターム(参考)】
2G059AA03
2G059AA05
2G059BB06
2G059EE02
2G059GG01
2G059GG02
2G059GG03
2G059JJ11
2G059JJ14
2G059JJ17
2G059JJ22
2G059KK01
(57)【要約】
傾斜ビーム成形光学部品を含むフローサイトメータが提供される。特定の実施形態では、主題のフローサイトメータは、フローセルと、調査ポイントにおいてフローセル内の粒子を照射するためのビームを生成するように構成された光源と、光源とフローセルとの間に位置決めされた傾斜ビーム成形光学部品とを含む。そのような実施形態では、傾斜ビーム成形光学部品は、ビーム内に非点収差を生成することによってビーム楕円率を生成するように構成されている。いくつかの実施形態では、傾斜ビーム成形光学部品はレンズである。他の実施形態では、傾斜ビーム成形光学部品は凹面ミラーである。傾斜ビーム成形光学部品を含むフローサイトメータを使用して試料を分析する方法も提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フローサイトメータであって、
フローセルと、
調査ポイントにおいて前記フローセル内の粒子を照射するためのビームを生成するように構成された光源と、
前記光源と前記フローセルとの間に位置決めされており、前記ビームに楕円率を生成するように構成されている傾斜ビーム成形光学部品と
を備える、フローサイトメータ。
【請求項2】
前記傾斜ビーム成形光学部品は、前記ビーム内に非点収差を生成することによって、ビーム楕円率を生成するように構成されている、請求項1に記載のフローサイトメータ。
【請求項3】
前記傾斜ビーム成形光学部品は、レンズ又は凹面ミラーを含む、請求項1又は2に記載のフローサイトメータ。
【請求項4】
前記傾斜ビーム成形光学部品の傾斜は、調整可能である、請求項1~3のいずれか一項に記載のフローサイトメータ。
【請求項5】
前記光源は、
第1のレーザーに動作可能に結合され、前記第1のレーザーからの光を近位端で受光し、レーザー光ビームを遠位端からフローストリーム上の第1の位置に伝達するように構成された第1の光ファイバと、
第2のレーザーに動作可能に結合され、前記第2のレーザーからの光を近位端で受光し、レーザー光ビームを遠位端からフローストリーム上の第2の位置に伝達するように構成された第2の光ファイバと
を備える、請求項1に記載のフローサイトメータ。
【請求項6】
前記光源は、3つ以上のレーザーを備える、請求項5に記載のフローサイトメータ。
【請求項7】
前記光源は、光ファイバ束を備える、請求項5又は6に記載のフローサイトメータ。
【請求項8】
前記傾斜ビーム成形光学部品は、前記光ファイバ束によって生成される2つ以上のビームの各々においてビーム楕円率を生成する、請求項7に記載のフローサイトメータ。
【請求項9】
ビーム焦点が収色性である、請求項8に記載のフローサイトメータ。
【請求項10】
前記光源は、フラットトップビームを生成するように構成されている、請求項1~9のいずれか一項に記載のフローサイトメータ。
【請求項11】
前記光源は、正方形コアファイバを備える、請求項10に記載のフローサイトメータ。
【請求項12】
前記光源は、コリメート光源である、請求項1~11のいずれか一項に記載のフローサイトメータ。
【請求項13】
前記光源は、円形ビームを放出するように構成されている、請求項1~12のいずれか一項に記載のフローサイトメータ。
【請求項14】
前記フローセルから粒子変調光を収集するための検出器を更に備える、請求項1~13のいずれか一項に記載のフローサイトメータ。
【請求項15】
試料を分析する方法であって、
(a)前記試料を、
フローセルと、
調査ポイントにおいて前記フローセル内の粒子を照射するためのビームを生成するように構成された光源と、
前記光源と前記フローセルとの間に位置決めされており、前記ビームに楕円率を生成するように構成されている傾斜ビーム成形光学部品と
を備えるフローサイトメータに導入することと、
(b)前記フローセルから放出された粒子変調光を検出して、前記試料を分析することと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
フローサイトメトリーは、血液試料の細胞、又は別のタイプの生体試料又は化学試料内の対象の粒子など、生体材料を特徴付け、しばしば選別するために使用される技術である。フローサイトメータは、血液試料などの流体試料を受容するための試料リザーバ、及びシース流体を含有するシースリザーバを典型的には含む。
【0002】
フローサイトメータは、シース流体をフローセルに方向付けながら、流体試料中の粒子(細胞を含む)をセルストリームとしてフローセルに移送する。フローストリームの構成要素を特徴付けるために、フローストリームは、光で照射される。形態又は蛍光標識の存在などのフローストリーム内の材料の変動は、観察された光の変動を引き起こし得、これらの変動は、特徴付け及び分離を可能にする。
【0003】
概して、フローサイトメトリーは、楕円形のビーム形状を有する光ビームでフローセルを照射することを含む。ビームの楕円率は、コア流にわたって均一なレーザー強度を促進し、それによって、フローセルを通過する粒子の最適な照射を確実にする。そのような楕円率は、フローセルがピークレーザー強度で照射される面積がより広くなるように、レーザープロファイルを平坦化する。例えば、図1は、方向105にフローセルを通過する細胞104を示している。細胞104は、レーザービーム101、102及び103の各々を一度に通過する。レーザービーム101、102及び103は、楕円形のビーム形状を有するように示されている。
【0004】
ビーム楕円率は、例えば、Luoらによる米国特許第7,561,267(B2)号及びBlasenheimによる米国特許出願公開第2004/0061853(A1)号の先行特許に記載されているように、従来、円柱レンズ又は/及びアナモルフィックプリズム対などのデバイスを使用して生成される。
【発明の概要】
【0005】
従来の手法では、複数組の光学系が必要であり、粒子分析器システムの合理化を妨げていた。本発明者らは、フローサイトメータの設計を簡略化しながらビーム楕円率を生成するためのシステム及び方法が結果的に必要となることを認識した。本発明の実施形態は、この必要性を満たすものである。
【0006】
本発明の態様は、傾斜ビーム成形光学部品を有するフローサイトメータを含む。本発明のフローサイトメータは、フローセルと、調査ポイントにおいてフローセル内の粒子を照射するためのビームを生成するように構成された光源と、光源とフローセルとの間に位置決めされた傾斜ビーム成形光学部品とを含む。実施形態では、傾斜ビーム成形光学部品は、ビーム内に楕円率を生成する、すなわち、フローセル内の粒子を照射するための光の楕円形状ビームを生成するように構成されている。特定の実施形態では、傾斜ビーム成形光学部品は、ビームに非点収差を生成することによってビーム楕円率を生成するように構成されている。いくつかの実施形態では、傾斜ビーム成形光学部品は、レンズ又はレンズアセンブリを含む。他の実施形態では、傾斜ビーム成形光学部品は凹面ミラーを含む。特定の実施形態では、主題のフローサイトメータは、第1のレーザーに動作可能に結合され、近位端で第1のレーザーからの光を受光し、遠位端からフローストリーム上の第1の位置にレーザー光ビームを伝達するように構成された第1の光ファイバと、第2のレーザーに動作可能に結合され、近位端で第2のレーザーからの光を受光し、遠位端からフローストリーム上の第2の位置にレーザー光ビームを伝達するように構成された第2の光ファイバとを備える、光ファイバ束を追加的に含む。更なる実施形態では、光源は、フラットトップビームを生成するように構成され、正方形コアファイバを含む。特定の実施形態では、主題のフローサイトメータは、傾斜ビーム成形光学部品によって生成された楕円ビームによって照射されたフローセル内の粒子の特性を測定するための1つ以上の検出器を更に含む。
【0007】
本発明の態様は、また、試料を分析する方法であって、傾斜ビーム成形光学部品を有するフローサイトメータに試料を導入することを含む方法を含む。特定の実施形態では、試料は、生体試料(例えば、細胞を含む試料)である。実施形態では、方法は、傾斜ビーム成形光学部品によって生成された楕円ビームでフローセル内の粒子を照射することを含む。特定の実施形態では、傾斜ビーム成形光学部品は、ビームに非点収差を生成することによってビーム楕円率を生成するように構成されている。いくつかの実施形態では、傾斜ビーム成形光学部品はレンズを含む。他の実施形態では、傾斜ビーム成形光学部品は凹面ミラーを含む。特定の実施形態では、光源は、第1のレーザーに動作可能に結合され、近位端で第1のレーザーからの光を受光し、遠位端からフローストリーム上の第1の位置にレーザー光ビームを伝達するように構成された第1の光ファイバと、第2のレーザーに動作可能に結合され、近位端で第2のレーザーからの光を受光し、遠位端からフローストリーム上の第2の位置にレーザー光ビームを伝達するように構成された第2の光ファイバとを備える、光ファイバ束を更に含む。更なる実施形態では、光源は、フラットトップビームを生成するように構成され、正方形コアファイバを含む。特定の実施形態では、方法は、傾斜ビーム成形光学部品によって生成される楕円ビームによって照射されたフローセル内の粒子の特性を測定することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明は、添付の図面と併せて読む場合、以下の詳細な説明から最も理解することができる。図面には、以下の図が含まれる。
【0009】
図1】フローセルを示す。
図2】直線レンズによって集束された円形に成形されたコリメートビーム(a)と、特定の実施形態による傾斜レンズによって集束された円形に成形されたコリメートビーム(b)とを示す。
図3】特定の実施形態による傾斜凹面ミラーによって伝達又は集束される光ファイバによって出力されるビームを示す。
図4】いくつかの実施形態による、複数のレーザーと、動作可能に結合された光ファイバ光学系を含む光伝播部品とを有する光源を示す。
図5】特定の実施形態による、傾斜凹面ミラーによって集束される光ファイバ束によって出力されるビームを示す。
図6】特定の実施形態によるフローサイトメータを示す。
図7】特定の実施形態によるコンピューティングシステムのブロック図を示す。
図8】特定の実施形態によるコンピューティングシステムのブロック図を示す。
図9】ビームサイズと凹面ミラーからの距離との間の関係を表すチャートを示す。
図10】傾斜ビーム成形光学部品を含む実験デバイスを示す。
図11】傾斜ビーム成形光学部品を含む光学システムから収集された実験的に取得された結果を示す。
図12】傾斜ビーム成形光学部品を含む光学システムから収集された実験的に取得された結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
傾斜ビーム成形光学部品を含むフローサイトメータが提供される。特定の実施形態では、主題のフローサイトメータは、フローセルと、調査ポイントにおいてフローセル内の粒子を照射するためのビームを生成するように構成された光源と、光源とフローセルとの間に位置決めされた傾斜ビーム成形光学部品とを含む。そのような実施形態では、傾斜ビーム成形光学部品は、ビーム内に非点収差を生成することによってビーム楕円率を生成するように構成されている。いくつかの実施形態では、傾斜ビーム成形光学部品はレンズである。他の実施形態では、傾斜ビーム成形光学部品は凹面ミラーである。傾斜ビーム成形光学部品を含むフローサイトメータを使用して試料を分析する方法も提供される。
【0011】
本発明がより詳細に説明される前に、本発明は、説明される特定の実施形態に限定されるものではなく、したがって、もちろん、変化し得ることが理解されるべきである。また、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるので、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためのものにすぎず、限定することを意図するものではないことも理解されたい。
【0012】
値の範囲が提供される場合、別段文脈が明らかに示さない限り、その範囲の上限と下限との間の下限の単位の10分の1までの介在する各値、及び記述の範囲内の任意の他の記述の値又は介在する値が、本発明内に包含されることが理解される。これらのより小さな範囲の上限及び下限は、独立して、より小さな範囲に含まれ得、また、記述の範囲内の任意の特定の除外された制限に従うことを条件として、本発明内に包含される。記載された範囲が限定の一方又は両方を含む場合、それらの含まれる限定のいずれか又は両方を除外する範囲も、同様に本発明に含まれる。
【0013】
数値に「約」という用語が先行するある特定の範囲が本明細書で提示される。「約」という用語は、本明細書では、それが先行する正確な数、並びにその用語が先行する数に近いか又はほぼそれである数に文字通りの支持を提供するために使用される。ある数が、具体的に列挙された数に近いか又はほぼその数であるかを決定する際に、列挙されていない数に近いか又はほぼその数は、提示される文脈において、具体的に列挙された数の実質的な同等性を提供する数であり得る。
【0014】
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者に一般に理解される意味と同じ意味を有する。また、本明細書に記載のものと同様の又は同等な任意の方法及び材料が、本発明の実施又は試験に使用され得るが、代表的な例示的な方法及び材料が以下に記載される。
【0015】
本明細書で引用される全ての刊行物及び特許は、各個々の刊行物又は特許が、参照により組み込まれることが具体的かつ個々に示されたかのように、参照により本明細書に組み込まれ、引用される刊行物に関連する方法及び/又は材料を開示し説明するために参照により本明細書に組み込まれる。任意の刊行物の引用は、出願日以前のその開示についてのものであり、本発明が、先行発明の特徴によってそのような刊行物に先行する権利がないことを認めるものとして解釈されるべきではない。更に、提供される刊行物の日付は、独立して確認する必要があり得る実際の刊行日とは異なる場合がある。
【0016】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形の「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明らかに示さない限り、複数の指示物を含むことに留意されたい。特許請求の範囲は、あらゆる任意選択的な要素を排除するように設計され得ることに更に留意されたい。したがって、この記述は、特許請求の要素の列挙に関連して「専ら」、「唯一の」などのような排他的な用語の使用又は「否定的な」制限の使用のための先行基準としての役割を果たすことを意図している。
【0017】
本開示を読むと当業者には明らかであるように、本明細書に記載及び例示される個々の実施形態の各々は、本発明の範囲又は趣旨から逸脱することなく、他の複数の実施形態のいずれかの特徴から容易に分離され得るか、又はこれらと組み合わされ得る別個の構成要素及び特徴を有する。任意の列挙された方法は、列挙された事象の順序、又は論理的に可能な任意の他の順序で実行され得る。
【0018】
システム及び方法は、文法的な流動性のために機能的説明とともに記述されてきた、又は記述されるが、米国特許法第112条に基づいて明確に記載されていない限り、特許請求の範囲は、必ずしも「手段」又は「ステップ」の限定の解釈によって限定されると解釈すべきではなく、法的均等論の下で特許請求の範囲によって提供される定義の意味及び等価物の完全な範囲を付与されるべきであり、特許請求の範囲が米国特許法第112条に基づいて明確に記載されている場合には、米国特許法第112条に基づく完全な法的等価物を付与されるべきであることを明確に理解されたい。
【0019】
傾斜ビーム成形光学部品を含むフローサイトメータ
上述したように、本発明の態様は、光源と、フローセルと、ビーム楕円率を生成するように構成された傾斜ビーム成形光学部品とを含むフローサイトメータを含む。「ビーム楕円率を生成する」とは、光源によって生成されたビームを、楕円形状を呈するように変更することを意味する。光源がレーザーであるいくつかの実施形態では、傾斜ビーム成形光学部品によって生成されるビーム楕円率は、フローセルがピークレーザー強度で照射される面積が広げられ、それによって、フローセル内の均一レーザー強度を確実にするように、レーザープロファイルを平坦化する。本明細書で議論されるように、「フローセル」は、その従来の意味で採用され、シース流体中の粒子を輸送するための液体ストリームを含有する、キュベットなどの構成要素を指す。
【0020】
いくつかの実施形態では、本明細書で説明される傾斜ビーム成形光学部品は、ビーム内に非点収差を生成することによってビーム楕円率を生成するように構成されている。「非点収差」は、垂直平面内を伝播する光線が異なる焦点を有する、すなわち、ビームがビーム軸に沿って複数の点で集束されるビームを説明するために、その従来の意味で使用される。そのような実施形態では、主題の傾斜ビーム成形光学部品は、傾斜、すなわち、傾斜ビーム成形光学部品が傾斜している程度に基づいて非点収差を生成する。換言すれば、ビームがビーム成形光学部品を通過する実施形態では、傾斜ビーム成形光学部品は、光源によって生成されたビームの光軸に直交する垂直軸に対して斜角で存在するビーム成形光学部品の長さを通過する仮想軸によって特徴付けられる。実施形態では、傾斜ビーム成形光学部品の傾斜は、入射角、すなわち、傾斜ビーム成形光学部品の表面に入射する光線と入射点で当該部品に垂直な線との間の角度によって特徴付けられる。いくつかの実施形態では、傾斜ビーム成形光学部品の傾斜は、1度~50度の範囲であり、例えば、1度~20度など、5度~7度を含む。いくつかの実施形態では、傾斜ビーム成形光学部品の傾斜は、5度、6度、7度、8度、9度であってもよく、10度を含んでもよい。特定の実施形態では、傾斜ビーム成形光学部品の傾斜は調整可能である。いくつかの実施形態では、傾斜ビーム成形光学部品の傾斜は、所望の量のビーム非点収差が達成されるように、ユーザによって手動で調整可能である。他の実施形態では、傾斜ビーム成形光学部品の傾斜は、機械的に調整可能である。そのような実施形態では、傾斜は、他のタイプのモータの中でもとりわけ、ステッパモータ、サーボモータ、ブラシレス電気モータ、ブラシ付きDCモータ、マイクロステップドライブモータ、高分解能ステッパモータなどのモータによって調整されてもよい。実施形態において、傾斜ビーム成形光学部品の傾斜を調整することは、結果として生じるビームの主軸を変更する。
【0021】
本明細書に記載される傾斜ビーム成形光学部品は、いくつかの実施形態では、種々のアスペクト比によって特徴付けられるビーム楕円率を生成することができる。楕円ビームの断面は、長軸及び短軸によって特徴付けられる。したがって、本明細書で論じるアスペクト比は、ビームの短軸に対するビームの長軸の比を指す。1のアスペクト比を示す楕円は完全な円であるが、1より大きいアスペクト比は、ビームの断面が円形状から逸脱する程度を示す。いくつかの実施形態では、主題の傾斜ビーム成形光学部品によって生成されるビーム楕円率は、3~20の範囲を含む、1超~25の範囲のアスペクト比によって特徴付けられる。いくつかの実施形態では、アスペクト比は5である。傾斜ビーム成形光学部品の傾斜が調整可能である本発明の実施形態では、傾斜は、所望のアスペクト比を達成するように調整することができる。
【0022】
上述したように、傾斜ビーム成形光学部品は、光源とフローセルとの間に位置決めされる。いくつかの事例では、傾斜ビーム成形光学部品は、光源から、80mm~100mmを含む、60mm~120mmに及ぶ距離だけ分離される。特定の事例では、傾斜ビーム成形光学部品は、光源から、90mmだけ分離される。いくつかの実施形態では、傾斜ビーム成形光学部品は、フローセルから、100mm~120mmを含む、50mm~200mmに及ぶ距離だけ分離される。いくつかの実施形態では、傾斜ビーム成形光学部品は、フローセルから、110mmだけ分離される。いくつかの事例では、光源と傾斜ビーム成形光学部品とを分離する距離は、例えば、光源及び/又は傾斜ビーム成形光学部品の位置を変更することによって調整可能である。追加の事例では、傾斜ビーム成形光学部品とフローセルとを分離する距離は、調整可能である。実施形態では、ビーム成形光学部品を分離する距離を調整することは、撮像システムの倍率を変更する。特定の実施形態では、主題のフローサイトメータは、傾斜ビーム成形光学部品に加えて、光源とフローセルとの間に位置決めされる光学部品を含まない。他の実施形態では、主題のフローサイトメータは、光源と傾斜ビーム成形光学部品との間に位置決めされた折り返しミラーを含む。そのような実施形態では、折り返しミラーは、好適な調整を可能にし、光源によって放出される迷光(すなわち、傾斜ビーム成形光学部品によって変調されない光源からの光)が検出されることを防止するように構成されている。
【0023】
いくつかの事例では、光源から折り返しミラー、次いで凹面ミラーまでの距離は、ほぼ凹面ミラーのROC(曲率半径)である。いくつかの事例では、折り返しミラーの傾斜角は、5~45度の範囲である。
【0024】
実施形態では、傾斜ビーム成形光学部品は、レンズ、すなわち、屈折によってビームを集束させるレンズである。そのような実施形態では、レンズは、光源によって生成されるビームの経路内に位置決めされ、ビームは、レンズを通過した後、同一光学経路に沿って継続する。対象レンズは、任意の好適な曲率半径及び屈折率によって特徴付けることができる。いくつかの実施形態では、レンズは凹面レンズである。他の実施形態では、レンズは凸面レンズである。特定の実施形態では、レンズの傾斜は、(例えば、上述したように)ビームに非点収差を生成することによってビーム楕円率を生成する。
【0025】
例えば、図2は、光源とフローセルとの間に位置決めされたレンズの傾斜がどのようにビーム楕円率を生成するかを示しているが、直線レンズではビーム楕円率は生成されない。ビームプロファイル201は、光源(図示せず)によって放出される円形ビームを特徴付ける。図2(a)は、直線レンズ202a(すなわち、傾斜されていないレンズ)を介したビーム成形を示す。換言すれば、直線レンズ202aの長さを通過する仮想軸は、光源によって生成されたビームの光軸に直交する垂直軸に平行である。直線レンズ202aによって生成されるビーム焦点において観察されるビームプロファイル203aも、円形のビーム形状を示す。対照的に、図2(b)は、傾斜レンズの形態の傾斜ビーム成形光学部品202bを示している。図2(b)に示されるように、傾斜レンズ202bの長さを通過する仮想軸は、光源によって生成されたビームの光軸に直交する垂直軸に対して斜角で存在する。レンズ202bの傾斜は、ビームに非点収差を生じさせ、それによってビーム楕円率が生成される。2つのビーム焦点で収集されたビームプロファイル203b及び204bは、楕円形のビーム形状を示す。
【0026】
他の実施形態では、傾斜ビーム成形光学部品はミラーである。いくつかの実施形態では、ミラーは凸面ミラーである。他の実施形態では、ミラーは凹面ミラーである。傾斜ビーム成形光学部品がミラーである実施形態では、光源によって放出された光の全ての波長が同じように集束される、すなわち、特定の1つ以上の位置に集束されるように、収色性撮像を達成することができる。対象ミラーは、任意の好適な曲率半径によって特徴付けることができる。いくつかの実施形態では、ミラーの曲率半径は、90mm~110mmを含む50mm~150mmの範囲である。特定の実施形態では、対象ミラーの曲率半径は、100mmである実施形態では、ミラーの傾斜は、(例えば、上述したように)ビーム内に非点収差を生成することによってビーム楕円率を生成する。
【0027】
例えば、図3は、傾斜ミラーを含む本発明のフローサイトメータの一実施形態を示している。図3に示されるように、光源301は、(ビームプロファイル301aによって明示されるように)円形ビームを放出する。凹面ミラー302は傾斜しており(すなわち、ミラーは、ビームの光路に対して傾斜するような入射角を有する)、光源301によって生成されたビームを反射する。ミラー302の傾斜は、ビーム内に非点収差を生成し、それによってビーム楕円率を生成する。2つのビーム焦点で収集されたビームプロファイル303及び304は、楕円形のビーム形状を示している。
【0028】
任意の好適な光源が、本明細書に記載されるフローサイトメータにおいて使用され得る。実施形態において、光源は、連続波レーザーなどの任意の好適なレーザーであり得る。例えば、レーザーは、紫外線ダイオードレーザー、可視ダイオードレーザー、及び近赤外線ダイオードレーザーなどのダイオードレーザーであってもよい。他の実施形態では、レーザーは、ヘリウムネオン(HeNe)レーザーであり得る。いくつかの事例では、レーザーは、ヘリウムネオンレーザー、アルゴンレーザー、クリプトンレーザー、キセノンレーザー、窒素レーザー、COレーザー、COレーザー、アルゴンフッ素(ArF)エキシマレーザー、クリプトンフッ素(KrF)エキシマレーザー、キセノン塩素(XeCl)エキシマレーザー、又はキセノンフッ素(XeF)エキシマレーザー、若しくはそれらの組み合わせなどのガスレーザーである。他の事例では、本発明のフローサイトメータは、スチルベンレーザー、クマリンレーザー、又はローダミンレーザーなどの色素レーザーを含む。更に他の事例では、対象のレーザーは、ヘリウム-カドミウム(HeCd)レーザー、ヘリウム-水銀(HeHg)レーザー、ヘリウム-セレン(HeSe)レーザー、ヘリウム-銀(HeAg)レーザー、ストロンチウムレーザー、ネオン-銅(NeCu)レーザー、銅レーザー、又は金レーザー、及びそれらの組み合わせなどの金属蒸気レーザーを含む。更に他の事例では、本発明のフローサイトメータは、ルビーレーザー、Nd:YAGレーザー、NdCrYAGレーザー、Er:YAGレーザー、Nd:YLFレーザー、Nd:YVOレーザー、Nd:YCaO(BOレーザー、Nd:YCOBレーザー、チタンサファイアレーザー、スリムYAGレーザー、イッテルビウムYAGレーザー、Ybレーザー、又はセリウムドープレーザー、及びそれらの組み合わせなどの固体レーザーを含む。
【0029】
実施形態では、レーザーは、半導体レーザーダイオード、すなわち、半導体利得媒体(すなわち、レーザー光増幅のための媒体)を含むレーザーである。いくつかの実施形態では、半導体レーザーダイオードは、2つの半導体材料(すなわち、「nドープされた」及び「pドープされた」材料)間の領域内の電流で励起される。実施形態において、半導体レーザーダイオードは、関連する媒体をより高いエネルギー状態に励起するために光が使用される、光学的にポンピングされる半導体レーザーである。他の実施形態では、レーザーは、量子カスケードレーザー、例えば、近赤外光を放出する量子カスケードレーザーである。更に他の実施形態では、レーザーは端面発光レーザーダイオードである。更に他の実施形態では、レーザーは、例えば、反射防止コーティング及び/又はコリメートレンズを含む、外部キャビティダイオードレーザーである。更に他の実施形態では、レーザーは、面発光半導体レーザー(VCSEL/VECSEL)である。いくつかの事例では、レーザーは、紫外線ダイオードレーザー、可視ダイオードレーザー、及び近赤外線ダイオードレーザーなどの連続ダイオードレーザーである。例えば、ダイオードレーザーは、405nmダイオードレーザー又は488nmダイオードレーザーであってもよい。いくつかの事例では、レーザーは、上述のレーザーのいずれかの周波数二倍又は周波数三倍の実施態様である。いくつかの実施形態では、半導体レーザーダイオードの構成要素は、限定はしないが、ヒ化ガリウム(GaAs)、ヒ化アルミニウムガリウム(AlGaAs)、リン化インジウムガリウム(InGaP)、窒化ガリウム(GaN)、ヒ化インジウムガリウム(InGaAs)、窒化インジウムガリウムヒ素(GaInNAs)、リン化インジウム(InP)、及びリン化ガリウムインジウム(GaInP)、又はそれらの組み合わせなどの材料を含むことができる。光源がレーザーダイオードを含むいくつかの事例では、そのレーザーダイオードの性能は、参照することによって本明細書に組み込まれる、米国仮出願第63/074,969号に説明される方法によって評価することができる。
【0030】
いくつかの実施形態によるレーザー光源は、また、1つ以上の光学調整部品を含むことができる。「光学調整」という用語は、本明細書では、その従来の意味で、例えば、照射方向、波長、ビーム幅、ビーム強度、及び焦点スポットなどの光源からの照射の空間幅又は照射のある他の特性を変化させることが可能な任意のデバイスを指すために使用される。
【0031】
光学調整部品が移動するように構成される場合、光学調整部品は、例えば、0.01μm以上の増分、0.05μm以上など、0.1μm以上など、0.5μm以上など、1μm以上など、10μm以上など、100μm以上など、500μm以上など、1mm以上など、5mm以上など、10mm以上など、及び25mm以上の増分などの、連続的又は離散間隔で移動するように構成することができる。移動可能な支持ステージに結合されるか、又はモータ作動並進ステージ、リードスクリュー並進アセンブリ、他のタイプのモータの中でも、ステッパモータ、サーボモータ、ブラシレスエレクトリックモータ、ブラシ付きDCモータ、マイクロステップドライブモータ、高分解能ステッパモータを用いるものなどの歯車付き変換デバイスと直接結合されるなど、光学調整部品構造を移動させるために、任意の変位プロトコルが用いられてもよい。
【0032】
特定の事例では、本光源は、フラットトップビームを生成するように構成されている。「フラットトップ」ビームとは、光強度がピークまで徐々に増加し、その後減少するガウスビームとは対照的に、平坦な強度プロファイルによって特徴付けられるビームを意味する。フラットトップビームが生成される実施形態では、フローセルの領域は、一定の強度の光で照射され得る。いくつかの実施形態では、本発明のフローサイトメータは、フラットトッププロファイルを示すようにビームを変換するように構成された1つ以上のビームホモジナイザを含むことができる。他の実施形態では、フラットトップビームの生成は、正方形/均一ビーム出力を生成するように構成される正方形コアファイバの使用を伴う。更なる実施形態では、光源は、コリメートされたビーム、すなわち、伝播中に最小限に拡散する平行光線を含むビームを生成するように構成されている。そのような実施形態では、光源は、1つ以上のビームコリメータを含み得る。
【0033】
追加の実施形態において、本発明の光源は、例えば、フローセル中の粒子が複数の異なる波長の光で照射されるように、複数のレーザーを含む。任意の好適な数のレーザーが含まれてもよい。いくつかの実施形態では、対象の光源は、フローストリームの照射のためのレーザー光を提供するように構成された1つ以上のレーザー、例えば、フローストリームの照射のためのレーザー光を提供するように構成された2つ以上のレーザー、例えば、3つ以上のレーザー、例えば、4つ以上のレーザー、例えば、5つ以上のレーザー、例えば、10個以上のレーザー、例えば、15個以上のレーザー、例えば、25個以上のレーザーを含み、フローストリームの照射のためのレーザー光を提供するように構成された50個以上のレーザーを含む。2つ以上のレーザーが使用される場合、試料は、レーザーで同時に若しくは順次、又はそれらの組み合わせで照射することができる。例えば、各レーザーを同時に試料に照射してもよい。他の実施形態では、フローストリームは、レーザーの各々で順次照射される。2つ以上の光源が試料に順次照射される場合、各光源がその試料に照射する時間は、独立して、例えば、0.01マイクロ秒以上、例えば、0.1マイクロ秒以上、例えば、1マイクロ秒以上、例えば、5マイクロ秒以上、例えば、10マイクロ秒以上、例えば、30マイクロ秒以上、及び60マイクロ秒以上を含めて、0.001マイクロ秒以上であり得る。例えば、方法は、例えば0.01マイクロ秒~75マイクロ秒、例えば0.1マイクロ秒~50マイクロ秒、例えば1マイクロ秒~25マイクロ秒、及び5マイクロ秒~10マイクロ秒を含む、0.001マイクロ秒~100マイクロ秒の範囲の持続時間の間、試料を光源(例えば、レーザー)で照射することを含み得る。試料が2つ以上の光源で順次照射される実施形態では、試料が各光源によって照射される持続時間は、同じであっても異なってもよい。
【0034】
各レーザーによる照射間の期間も、また、所望に応じて、例えば、0.01マイクロ秒以上、例えば、0.1マイクロ秒以上、例えば、1マイクロ秒以上、例えば、5マイクロ秒以上、例えば、10マイクロ秒以上まで、例えば、15マイクロ秒以上まで、例えば、30マイクロ秒以上まで、及び60マイクロ秒以上を含めて、0.001マイクロ秒以上の遅延によって個別に分離して、相違し得る。例えば、各レーザーによる照射間の期間は、例えば0.01マイクロ秒~50マイクロ秒、例えば0.1マイクロ秒~35マイクロ秒、例えば1マイクロ秒~25マイクロ秒、及び5マイクロ秒~10マイクロ秒を含む、0.001マイクロ秒~60マイクロ秒の範囲であり得る。特定の実施形態では、各レーザーによる照射間の期間は、10マイクロ秒である。試料が2つより多い(すなわち、3つ以上の)レーザーによって順次照射される実施形態において、各レーザーによる照射間の遅延は、同じであっても異なっていてもよい。
【0035】
いくつかの事例では、光源は、米国仮出願第63/076,650号に記載されている光源であり、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。そのような場合、本発明の光源は、各レーザーからのレーザー光をフローストリームに伝達するための光伝播器を含む。いくつかの実施形態では、光伝播部品は、各レーザーに動作可能に結合され、レーザー光を各レーザーからフローストリーム上の異なる位置に伝達する、光ファイバを含む。光源内のレーザーの数に応じて、光伝播部品は、2つ以上の光ファイバ、例えば3つ以上の光ファイバ、例えば4つ以上の光ファイバ、例えば5つ以上の光ファイバ、例えば6つ以上の光ファイバ、例えば7つ以上の光ファイバ、例えば8つ以上の光ファイバ、例えば9つ以上の光ファイバ、例えば10個以上の光ファイバ、例えば25個以上の光ファイバ、例えば50個以上の光ファイバ、例えば100個以上の光ファイバを含むことができる。特定の実施形態では、光伝播部品は、1つ以上の光ファイバ束、例えば、2つ以上の光ファイバ束、例えば、3つ以上の光ファイバ束、例えば、4つ以上の光ファイバ束を含み、5つ以上の光ファイバ束を含む。いくつかの実施形態では、各レーザーは、単一の光ファイバに動作可能に結合される。他の実施形態では、各レーザーは、2つ以上の光ファイバに動作可能に結合され、例えば、各レーザーは、2つ以上の光ファイバ、例えば3つ以上の光ファイバ、例えば4つ以上の光ファイバ、例えば5つ以上の光ファイバ、例えば6つ以上の光ファイバ、例えば7つ以上の光ファイバ、例えば8つ以上の光ファイバ、例えば9つ以上の光ファイバ、例えば10個以上の光ファイバ、例えば25個以上の光ファイバ、例えば50個以上の光ファイバ、更には100個以上の光ファイバに動作可能に結合される。例えば、光伝播部品におけるレーザー対光ファイバの比は、1:2以上、例えば1:3以上、例えば1:4以上、例えば1:5以上、例えば1:6以上、例えば1:7以上、例えば1:8以上、例えば1:9以上、例えば1:10以上、例えば1:25以上、例えば1:50以上であってもよく、1:100以上のレーザー対光ファイバの比を含む。
【0036】
レーザーに動作可能に結合された各光ファイバは、シングルモード光ファイバ又はマルチモード光ファイバであり得る。いくつかの実施形態では、各レーザーは、シングルモード光ファイバに動作可能に結合される。他の実施形態では、各レーザーは、マルチモード光ファイバに動作可能に結合される。更に他の実施形態では、1つ以上のレーザーがシングルモード光ファイバに動作可能に結合され、1つ以上のレーザーがマルチモード光ファイバに動作可能に結合される。特定の実施形態では、各レーザーは、2つ以上の光ファイバに動作可能に結合される。一例では、各レーザーは、2つ以上のシングルモード光ファイバに動作可能に結合される。別の例では、各レーザーは、2つ以上のマルチモード光ファイバに動作可能に結合される。更に別の例では、各レーザーは、1つ以上のシングルモード光ファイバ及び1つ以上のマルチモード光ファイバに動作可能に結合される。
【0037】
いくつかの実施形態では、光伝播部品は、1つ以上の光ファイバ束を含む。光伝播部品が1つ以上の光ファイバ束を含む場合、レーザーは、シングルモード光ファイバ束又はマルチモード光ファイバ束に動作可能に結合されてもよい。いくつかの事例では、各レーザーは、シングルモード光ファイバ束に動作可能に結合される。他の事例では、各レーザーは、マルチモード光ファイバ束に動作可能に結合される。更に他の事例では、1つ以上のレーザーがシングルモード光ファイバ束に動作可能に結合され、1つ以上のレーザーがマルチモード光ファイバ束に動作可能に結合される。
【0038】
図4は、特定の実施形態による、複数のレーザーと、動作可能に結合された光ファイバを含む光伝播部品とを有する光源を示している。光源400は、光ファイバ401aに動作可能に結合された第1のレーザー401と、光ファイバ402aに動作可能に結合された第2のレーザー402と、光ファイバ403aに動作可能に結合された第3のレーザー403とを含む。光ファイバ401a、402a及び403aの遠位端は、結像光学系404を通してフローストリーム405上に結像され、フローストリーム405上の互いに下流の異なる位置で照射するビームスポット401b、402b及び403bを形成する。
【0039】
図5は、凹面ミラーの形態の傾斜ビーム成形光学部品と、(例えば、前述のような)光ファイバ束光源とを含む、フローサイトメトリーのための光学システムの一実施形態を示している。図5に示すように、光ファイバ束光源501は、3つの光ビームを発生し、これらの光ビームは、その後、折り返しミラー502によって反射される。この光は、その後、傾斜ミラー503によって反射され、それによって非点収差及びビーム楕円率を生成する。ターゲット504(すなわち、フローセル)は、3つの楕円形ビームの存在を示している。
【0040】
レーザー光によるフローストリームの照射の位置及びパターンに応じて、光伝播構成要素内の光ファイバの遠位端における配置は変化し得る。いくつかの実施形態では、光ファイバは、直線断面形状、例えば、正方形、長方形、台形、三角形、六角形など、曲線断面形状、例えば、円形、楕円形、並びに不規則形状、例えば、平面上部部分に結合される放物線底部部分などの断面形状において、光伝播部品の遠位端に配列されてもよい。特定の実施形態では、光伝播部品の光ファイバの遠位端は、線パターンで配列される。いくつかの事例では、光伝播部品の光ファイバの遠位端は、フローストリームの縦軸と平行な(すなわち、試料フローの方向と平行な)線パターンで配列される。
【0041】
実施形態では、光伝播構成要素は、フローストリーム上の異なる位置に光を伝達するように構成されている。例えば、光伝播構成要素は、光ファイバの遠位端の配置に基づいてフローストリーム上に光を伝達するように構成されていてもよい。いくつかの実施形態では、光伝播部品は、直線断面形状、例えば、正方形、長方形、台形、三角形、六角形など、曲線断面形状、例えば、円形、楕円形、並びに不規則形状、例えば、平面上部部分に結合される放物線底部部分を有するパターンなどの所定のパターンで、レーザー光をフローストリーム上に伝達するように構成されている。特定の実施形態では、光伝播部品は、線形パターンでフローストリーム上に光を伝達するように構成されている。いくつかの事例では、光伝播部品は、フローストリームの縦軸に平行な(すなわち、試料フローの方向に平行な)線形パターンでフローストリーム上に光を伝達するように構成されている。他の事例では、光伝播構成要素は、フローストリームの縦軸に直交する(すなわち、フローストリームの水平軸を横切る)線形パターンでフローストリーム上に光を伝達するように構成されている。各光ファイバによって伝達される光によるフローストリーム上の照射位置間の距離(例えば、線パターンで配置される場合)は、0.0001mm以上、例えば0.0005mm以上、例えば0.001mm以上、例えば0.005mm以上、例えば0.01mm以上、例えば0.05mm以上、例えば0.1mm以上、例えば0.2mm以上、例えば0.3mm以上、例えば0.5mm以上、例えば0.6mm以上、例えば0.7mm以上、例えば0.8mm以上、例えば0.9mm以上、例えば1.0mm以上、例えば2mm以上であり得、3mm以上を含み得る。いくつかの実施形態では、各光ファイバによって伝達される光によるフローストリーム上の照射位置間の距離は、0.0001mm~5mm、例えば0.0005mm~4.5mm、例えば0.001mm~4.0mm、例えば0.005mm~3.5mm、例えば0.01mm~3.0mm、例えば0.05mm~2.5mm、例えば0.1mm~2.0mmの範囲であり、0.2mm~1.5mmを含む。
【0042】
いくつかの実施形態では、光伝播部品は、第1の光ファイバからフローストリーム上の第1の位置に光を伝達し、第2の光ファイバからフローストリーム上の第2の位置に光を伝達するように構成されている。いくつかの事例では、第2の位置は、フローストリーム上の第1の位置から下流にある。例えば、第2の位置は、フローストリーム上の第1の位置から0.0001mm以上下流、例えばフローストリーム上の第1の位置から0.0005mm以上下流、例えば0.001mm以上下流、例えば0.005mm以上下流、例えば0.01mm以上下流、例えば0.05mm以上下流、例えば0.1mm以上下流、例えば0.2mm以上下流、例えば0.3mm以上下流、例えば0.5mm以上下流、例えば0.6mm以上下流、例えば0.7mm以上下流、例えば0.8mm以上下流、例えば0.9mm以上下流、例えば1.0mm以上下流、例えば2mm以上下流、例えば3mm以上下流であってもよい。いくつかの事例では、第2の位置は、フローストリーム上の第1の位置から0.0001mm~5mm、例えば0.0005mm~4.5mm、例えば0.001mm~4.0mm、例えば0.005mm~3.5mm、例えば0.01mm~3.0mm、例えば0.05mm~2.5mm、例えば0.1mm~2.0mm(0.2mm~1.5mmを含む)の範囲の距離だけ下流にある。特定の実施形態では、第2の位置は、フローストリーム上の第1の位置から0.2mm以上下流にある。
【0043】
フローサイトメータの態様は、また、前方散乱光を検出するように構成された前方散乱検出器を含む。本発明のフローサイトメータにおける前方散乱検出器の数は、必要に応じて変化し得る。例えば、本発明のフローサイトメータは、1つの前方散乱検出器又は複数の前方散乱検出器、例えば2つ以上、例えば3つ以上、例えば4つ以上、例えば5つ以上の前方散乱検出器を含んでもよい。特定の実施形態では、フローサイトメータは、1つの前方散乱検出器を含む。他の実施形態では、フローサイトメータは、2つの前方散乱検出器を含む。
【0044】
収集された光を検出するための任意の好適な検出器が、本明細書に説明される前方散乱検出器で使用されてもよい。対象の検出器は、検出器の中でもとりわけ、アクティブピクセルセンサ(APS)、アバランシェフォトダイオード、画像センサ、電荷結合素子(CCD)、増感電荷結合素子(ICCD)、発光ダイオード、光子カウンタ、ボロメータ、焦電検出器、フォトレジスタ、光電池、フォトダイオード、光電子増倍管(PMT)、フォトトランジスタ、量子ドット光伝導体又はフォトダイオード、及びそれらの組み合わせなどの光学センサ又は検出器を含んでもよいが、それらに限定されない。特定の実施形態では、収集された光は、電荷結合素子(CCD)、半導体電荷結合素子(CCD)、アクティブピクセルセンサ(APS)、相補型金属酸化物半導体(CMOS)画像センサ、又はN型金属酸化物半導体(NMOS)画像センサで測定される。特定の実施形態では、検出器は、0.01cm~10cm、例えば0.05cm~9cm、例えば0.1cm~8cm、例えば0.5cm~7cmの範囲であり、1cm~5cmを含む各領域の活性検出表面積を有する光電子増倍管などの光電子増倍管である。
【0045】
フローサイトメータが複数の前方散乱検出器を含む場合、各検出器は同じであってもよく、又は検出器の集合は異なるタイプの検出器の組み合わせであってもよい。例えば、主題のフローサイトメータが2つの前方散乱検出器を含む場合、いくつかの実施形態では、第1の前方散乱検出器は、CCD型デバイスであり、第2の前方散乱検出器(又は撮像センサ)は、CMOS型デバイスである。他の実施形態では、第1及び第2の前方散乱検出器の両方は、CCD型デバイスである。更に他の実施形態では、第1及び第2の前方散乱検出器の両方は、CMOS型デバイスである。更に他の実施形態では、第1の前方散乱検出器は、CCD型デバイスであり、第2の前方散乱検出器は、光電子増倍管(PMT)である。更に他の実施形態では、第1の前方散乱検出器は、CMOS型デバイスであり、第2の前方散乱検出器は、光電子増倍管である。更に他の実施形態では、第1及び第2の前方散乱検出器の両方は、光電子増倍管である。
【0046】
実施形態では、前方散乱検出器は、光を連続的又は離散間隔で測定するように構成されている。いくつかの事例では、対象の検出器は、収集された光の測定を連続的に行うように構成されている。他の事例では、対象の検出器は、0.001ミリ秒毎、0.01ミリ秒毎、0.1ミリ秒毎、1ミリ秒毎、10ミリ秒毎、100ミリ秒毎、及び1000ミリ秒毎を含む、又はいくつかの他の間隔毎に光を測定するなど、別個の間隔で測定するように構成されている。
【0047】
本発明の実施形態は、また、フローセルと前方散乱検出器との間に位置決めされた光分散/分離器モジュールを含む。対象の光分散デバイスは、限定されるものではないが、他の波長分離デバイスの中でも、着色ガラス、バンドパスフィルタ、干渉フィルタ、ダイクロイックミラー、回折格子、モノクロメータ、及びこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、帯域通過フィルタが、フローセルと前方散乱検出器との間に位置決めされる。他の実施形態では、例えば、2つ以上、3つ以上、4つ以上、及び5つ以上を含む、1つを上回る帯域通過フィルタが、フローセルと前方散乱検出器との間に位置決めされる。実施形態では、帯域通過フィルタは、2nm~100nm、例えば3nm~95nm、例えば5nm~95nm、例えば10nm~90nm、例えば12nm~85nm、例えば15nm~80nmの範囲の最小帯域幅を有し、20nm~50nmの波長の範囲の最小帯域幅を有する帯域通過フィルタを含み、他の波長を有する光を前方散乱検出器に反射する。
【0048】
本発明の特定の実施形態は、光(例えば、粒子の表面及び内部構造から屈折及び反射される光)の側方散乱波長を検出するように構成される、側方散乱検出器を含む。他の実施形態では、フローサイトメータは、複数の側方散乱検出器、例えば2つ以上、例えば3つ以上、例えば4つ以上、例えば5つ以上の側方散乱検出器を含む。
【0049】
収集された光を検出するための任意の好適な検出器が、本明細書に説明される側方散乱検出器で使用されてもよい。対象の検出器は、検出器の中でもとりわけ、アクティブピクセルセンサ(APS)、アバランシェフォトダイオード、画像センサ、電荷結合素子(CCD)、増感電荷結合素子(ICCD)、発光ダイオード、光子カウンタ、ボロメータ、焦電検出器、フォトレジスタ、光電池、フォトダイオード、光電子増倍管(PMT)、フォトトランジスタ、量子ドット光伝導体又はフォトダイオード、及びそれらの組み合わせなどの光学センサ又は検出器を含んでもよいが、それらに限定されない。特定の実施形態では、収集された光は、電荷結合素子(CCD)、半導体電荷結合素子(CCD)、アクティブピクセルセンサ(APS)、相補型金属酸化物半導体(CMOS)画像センサ、又はN型金属酸化物半導体(NMOS)画像センサで測定される。特定の実施形態では、検出器は、0.01cm~10cm、例えば0.05cm~9cm、例えば0.1cm~8cm、例えば0.5cm~7cmの範囲であり、1cm~5cmを含む各領域の活性検出表面積を有する光電子増倍管などの光電子増倍管である。
【0050】
本発明のフローサイトメータが複数の側方散乱検出器を含む場合、各側方散乱検出器は同じであってもよく、又は側方散乱検出器の集合は、異なるタイプの検出器の組み合わせであってもよい。例えば、主題のフローサイトメータが2つの側方散乱検出器を含む場合、いくつかの実施形態では、第1の側方散乱検出器は、CCD型デバイスであり、第2の側方散乱検出器(又は撮像センサ)は、CMOS型デバイスである。他の実施形態では、第1及び第2の側方散乱検出器の両方は、CCD型デバイスである。更に他の実施形態では、第1及び第2の側方散乱検出器の両方は、CMOS型デバイスである。更に他の実施形態では、第1の側方散乱検出器は、CCD型デバイスであり、第2の側方散乱検出器は、光電子増倍管(PMT)である。更に他の実施形態では、第1の側方散乱検出器は、CMOS型デバイスであり、第2の側方散乱検出器は、光電子増倍管である。更に他の実施形態では、第1及び第2の側方散乱検出器の両方は、光電子増倍管である。
【0051】
本発明の実施形態は、また、フローセルと側方散乱検出器との間に位置決めされた光分散/分離器モジュールを含む。対象の光分散デバイスは、限定されるものではないが、他の波長分離デバイスの中でも、着色ガラス、バンドパスフィルタ、干渉フィルタ、ダイクロイックミラー、回折格子、モノクロメータ、及びこれらの組み合わせを含む。
【0052】
実施形態では、主題のフローサイトメータは、また、光の1つ以上の蛍光波長を検出するように構成された蛍光検出器を含む。他の実施形態では、フローサイトメータは、複数の蛍光検出器、例えば2つ以上、例えば3つ以上、例えば4つ以上、5つ以上、10個以上、15個以上を含み、20個以上を含む。
【0053】
収集された光を検出するための任意の好適な検出器が、本明細書に記載される蛍光検出器において使用されてもよい。対象の検出器は、検出器の中でもとりわけ、アクティブピクセルセンサ(APS)、アバランシェフォトダイオード、画像センサ、電荷結合素子(CCD)、増感電荷結合素子(ICCD)、発光ダイオード、光子カウンタ、ボロメータ、焦電検出器、フォトレジスタ、光電池、フォトダイオード、光電子増倍管(PMT)、フォトトランジスタ、量子ドット光伝導体又はフォトダイオード、及びそれらの組み合わせなどの光学センサ又は検出器を含んでもよいが、それらに限定されない。特定の実施形態では、収集された光は、電荷結合素子(CCD)、半導体電荷結合素子(CCD)、アクティブピクセルセンサ(APS)、相補型金属酸化物半導体(CMOS)画像センサ、又はN型金属酸化物半導体(NMOS)画像センサで測定される。特定の実施形態では、検出器は、0.01cm~10cm、例えば0.05cm~9cm、例えば0.1cm~8cm、例えば0.5cm~7cmの範囲であり、1cm~5cmを含む各領域の活性検出表面積を有する光電子増倍管などの光電子増倍管である。
【0054】
本発明のフローサイトメータが複数の蛍光検出器を含む場合、各蛍光検出器は同じであってもよく、又は蛍光検出器の集合は異なるタイプの検出器の組み合わせであってもよい。例えば、主題のフローサイトメータが2つの蛍光検出器を含む場合、いくつかの実施形態では、第1の蛍光検出器は、CCD型デバイスであり、第2の蛍光検出器(又は撮像センサ)は、CMOS型デバイスである。他の実施形態では、第1及び第2の蛍光検出器の両方は、CCD型デバイスである。更に他の実施形態では、第1及び第2の蛍光検出器の両方は、CMOS型デバイスである。更に他の実施形態では、第1の蛍光検出器は、CCD型デバイスであり、第2の蛍光検出器は、光電子増倍管(PMT)である。更に他の実施形態では、第1の蛍光検出器は、CMOS型デバイスであり、第2の蛍光検出器は、光電子増倍管である。更に他の実施形態では、第1及び第2の蛍光検出器の両方は、光電子増倍管である。
【0055】
本発明の実施形態は、また、フローセルと蛍光検出器との間に位置決めされた光分散/分離器モジュールを含む。対象の光分散デバイスは、限定されるものではないが、他の波長分離デバイスの中でも、着色ガラス、バンドパスフィルタ、干渉フィルタ、ダイクロイックミラー、回折格子、モノクロメータ、及びこれらの組み合わせを含む。
【0056】
本開示の実施形態では、対象の蛍光検出器は、例えば2つ以上の波長、例えば5つ以上の異なる波長、例えば10個以上の異なる波長、例えば25個以上の異なる波長、例えば50個以上の異なる波長、例えば100個以上の異なる波長、例えば200個以上の異なる波長、例えば300個以上の異なる波長、及び400個以上の異なる波長でフローストリーム内の試料によって発せられた光を測定することを含む、1つ以上の波長で収集された光を測定するように構成されている。いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるようなフローサイトメータ内の2つ以上の検出器は、収集された光の同一又は重複波長を測定するように構成されている。
【0057】
いくつかの実施形態では、対象の蛍光検出器は、ある範囲の波長(例えば、200nm~1000nm)にわたって収集された光を測定するように構成されている。特定の実施形態では、対象の検出器は、ある範囲の波長にわたって光のスペクトルを収集するように構成されている。例えば、フローサイトメータは、200nm~1000nmの波長範囲のうちの1つ以上にわたる光のスペクトルを収集するように構成された1つ以上の検出器を含んでもよい。更に他の実施形態では、対象の検出器は、1つ以上の特定の波長でフローストリーム内の試料によって放出された光を測定するように構成されている。例えば、フローサイトメータは、450nm、518nm、519nm、561nm、578nm、605nm、607nm、625nm、650nm、660nm、667nm、670nm、668nm、695nm、710nm、723nm、780nm、785nm、647nm、617nm、及びそれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上における光を測定するように構成されている、1つ以上の検出器を含んでもよい。特定の実施形態では、1つ以上の検出器は、蛍光アッセイで試料とともに使用されるものなどの特定のフルオロフォアと対になるように構成され得る。
【0058】
好適なフローサイトメトリーシステムは、これらに限定されないが、Ormerod(ed.)、Flow Cytometry:A Practical Approach,Oxford Univ.Press(1997);Jaroszeski et al.(eds.),Flow Cytometry Protocols,Methods in Molecular Biology No.91,Humana Press(1997);Practical Flow Cytometry,3rd ed.,Wiley-Liss(1995);Virgo,et al.(2012)Ann Clin Biochem.Jan;49(pt 1):17-28;Linden,et.al.,Semin Throm Hemost.2004 Oct;30(5):502-11、Alison,et al.J Pathol,2010 Dec;222(4):335-344、及びHerbig,et al.(2007)Crit Rev Ther Drug Carrier Syst.24(3):203-255に記載されているものが挙げられ、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。特定の事例では、対象のフローサイトメトリーシステムは、BD Biosciences FACSCanto(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSCanto(商標)IIフローサイトメータ、BD Accuri(商標)フローサイトメータ、BD Accuri(商標)C6 Plusフローサイトメータ、BD Biosciences FACSCelesta(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSLyric(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSVerse(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSymphony(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences LSRFortessa(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences LSRFortessa(商標)X-20フローサイトメータ、BD Biosciences FACSPresto(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSVia(商標)フローサイトメータ、及びBD Biosciences FACSCalibur(商標)細胞選別機、a BD Biosciences FACSCount(商標)細胞選別機、BD Biosciences FACSLyric(商標)細胞選別機、及びBD Biosciences Via(商標)細胞選別機、BD Biosciences Influx(商標)細胞選別機、BD Biosciences Jazz(商標)細胞選別機、BD Biosciences Aria(商標)細胞選別機、BD Biosciences FACSAria(商標)II細胞選別機、BD Biosciences FACSAria(商標)III細胞選別機、BD Biosciences FACSAria(商標)Fusion細胞選別機、及びBD Biosciences FACSMelody(商標)細胞選別機、BD Biosciences FACSymphony(商標)S6細胞選別機などを含む。
【0059】
いくつかの実施形態では、主題のシステムは、例えば、米国特許第10,663,476号、同第10,620,111号、同第10,613,017号、同第10,605,713号、同第10,585,031号、同第10,578,542号、同第10,578,469号、同第10,481,074号、同第10,302,545号、同第10,145,793号、同第10,113,967号、同第10,006,852号、同第9,952,076号、同第9,933,341号、同第9,726,527号、同第9,453,789号、同第9,200,334号、同第9,097,640号、同第9,095,494号、同第9,092,034号、同第8,975,595号、同第8,753,573号、同第8,233,146号、同第8,140,300号、同第7,544,326号、同第7,201,875号、同第7,129,505号、同第6,821,740号、同第6,813,017号、同第6,809,804号、同第6,372,506号、同第5,700,692号、同第5,643,796号、同第5,627,040号、同第5,620,842号、同第5,602,039号、同第4,987,086号、同第4,498,766号に記載されるものなどのフローサイトメトリックシステムであり、これらの開示は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0060】
特定の事例では、本発明のフローサイトメトリーシステムは、Diebold,et al.Nature Photonics Vol.7(10);806-810(2013)に記載されたもの、並びに米国特許第9,423,353号、同第9,784,661号、同第9,983,132号、同第10,006,852号、同第10,078,045号、同第10,036,699号、同第10,222,316号、同第10,288,546号、同第10,324,019号、同第10,408,758号、同第10,451,538号、同第10,620,111号、及び米国特許公開第2017/0133857号、同第2017/0328826号、同第2017/0350803号、同第2018/0275042号、同第2019/0376895号、及び同第2019/0376894号に記載されたものなどの、高周波タグ付き放出(FIRE)を使用する蛍光撮像によって、フローストリーム中の粒子を撮像するように構成されたフローサイトメトリーシステムであり、これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0061】
図6は、本発明の例示的な実施形態によるフローサイトメトリーのためのシステム600を示している。このシステム600は、フローサイトメータ610、コントローラ/プロセッサ690、及びメモリ695を含む。フローサイトメータ610は、1つ以上の励起レーザー615a~615c、レンズ620の形態の傾斜ビーム成形光学部品、フローチャンバ625、前方散乱検出器630、側方散乱検出器635、蛍光収集レンズ640、1つ以上のビームスプリッタ645a~645g、1つ以上のバンドパスフィルタ650a~650e、1つ以上のロングパス(「LP」)フィルタ655a~655b、及び1つ以上の蛍光検出器660a~660fを含む。
【0062】
励起レーザー615a~615cは、レーザービームの形態で光を放出する。励起レーザー615a~615cから放出されるレーザービームの波長は、図6の例示的なシステムでは、それぞれ488nm、633nm、及び325nmである。レーザービームは、最初に、ビームスプリッタ645a及び645bのうちの1つ以上を通して指向される。ビームスプリッタ645aは、488nmの光を透過し、633nmの光を反射する。ビームスプリッタ645bは、UV光(10~400nmの範囲の波長を有する光)を透過し、488nm及び633nmで光を反射する。
【0063】
レーザービームは、次いで、レンズ620の形態の傾斜ビーム成形光学部品に指向され、これは、(例えば、前述のように)ビーム楕円率を生成し、フローチャンバ625内で試料の粒子が位置する流体ストリームの部分上にビームを集束させる。フローチャンバは、調査のために、通常一度に1つ、ストリーム中の粒子を集束レーザービームに誘導する流体工学システムの一部である。フローチャンバは、ベンチトップフローサイトメータ内にフローセルを、又はストリームインエアサイトメータ内にノズル先端部を備えることができる。
【0064】
レーザービームからの光は、粒子のサイズ、内部構造、及び粒子の上若しくは中に付属されるか若しくは自然に存在する1つ以上の蛍光分子の存在などの粒子の特性に応じて、様々な異なる波長での再放出を伴う回折、屈折、反射、散乱、及び吸収によって、試料内の粒子と相互作用する。蛍光放出、並びに回折光、屈折光、反射光、及び散乱光は、ビームスプリッタ645a~645g、バンドパスフィルタ650a~650e、ロングパスフィルタ655a~655b、及び蛍光集光レンズ640のうちの1つ以上を通して、前方散乱検出器630、側方散乱検出器635、及び1つ以上の蛍光光検出器660a~660fのうちの1つ以上に送られてもよい。
【0065】
蛍光集光レンズ640は、粒子レーザービーム間の相互作用から放出された光を収集し、1つ以上のビームスプリッタ及びフィルタに向けてその光を経路設定する。バンドパスフィルタ650a~650eなどのバンドパスフィルタは、狭い範囲の波長がフィルタを通過することを可能にする。例えば、バンドパスフィルタ650aは510/20フィルタである。第1番目の数字は、スペクトル帯域の中心を表す。第2番目の数字は、スペクトル帯域の範囲を提供する。したがって、510/20フィルタは、スペクトル帯域の中心の各側面上に10nm、又は500nm~520nmに広がる。ショートパスフィルタは、指定された波長以下の光の波長を透過する。ロングパスフィルタ655a~655bなどのロングパスフィルタは、指定された光の波長以上の光の波長を透過する。例えば、670nmロングパスフィルタであるロングパスフィルタ655aは、670nm以上の光を透過させる。フィルタは、特定の蛍光染料に対する検出器の特異性を最適化するために選択される場合が多い。それらのフィルタは、検出器に透過された光のスペクトル帯域が蛍光染料の放出ピークに近くなるように構成され得る。
【0066】
ビームスプリッタは、異なる波長の光を、異なる方向に導く。ビームスプリッタは、ショートパス及びロングパスなどのフィルタ特性によって特徴付けられ得る。例えば、ビームスプリッタ605gは620SPビームスプリッタであり、これは、ビームスプリッタ645gが620nm以下の波長の光を透過し、620nmよりも長い波長の光を異なる方向に反射することを意味する。一実施形態では、ビームスプリッタ645a~645gは、ダイクロイックミラーなどの光学ミラーを備えることができる。
【0067】
前方散乱検出器630は、フローセルを通る直接ビームから軸外に離れて位置決めされ、回折光、粒子を通って又はその周りをほとんど前方方向に移動する励起光を検出するように構成されている。前方散乱検出器によって検出された光の強度は、粒子のサイズ全体に依存する。前方散乱検出器は、フォトダイオードを含むことができる。側方散乱検出器635は、粒子の表面及び内部構造からの回折光及び反射光を検出するように構成され、粒子構造が複雑になるにつれて増加する傾向がある。粒子に関連する蛍光分子からの蛍光放出は、1つ以上の蛍光検出器660a~660fによって検出することができる。側方散乱検出器635及び蛍光検出器は、光電子増倍管を含むことができる。前方散乱検出器630、側方散乱検出器635、及び蛍光検出器で検出された信号は、検出器によって電子信号(電圧)に変換され得る。このデータは、試料に関する情報を提供することができる。
【0068】
動作中、フローサイトメータの動作は、コントローラ/プロセッサ690によって制御され、検出器からの測定データは、メモリ695内に記憶されて、コントローラ/プロセッサ690によって処理され得る。明示的には示されていないが、コントローラ/プロセッサ690は、検出器に結合されて、その検出器から出力信号を受信し、また、フローサイトメータ600の電気構成要素及び電気機械構成要素に結合されて、レーザー、流体フローパラメータなどを制御することができる。入力/出力(I/O)機能部697は、システム内にも提供され得る。メモリ695、コントローラ/プロセッサ690、及びI/O697は、フローサイトメータ610の一体部分として完全に提供されてもよい。そのような実施形態では、ディスプレイは、また、フローサイトメータ600のユーザに実験的なデータを提示するための、I/O機能部697の一部も形成し得る。あるいは、メモリ695及びコントローラ/プロセッサ690及びI/O機能部の一部又は全ては、汎用コンピュータなどの1つ以上の外部デバイスの一部であってもよい。いくつかの実施形態では、メモリ695及びコントローラ/プロセッサ690の一部又は全ては、フローサイトメータ610と無線又は有線で通信することができる。メモリ695及びI/O697と併せて、コントローラ/プロセッサ690は、フローサイトメータ実験の調製及び分析に関連する様々な機能を実行するように構成され得る。
【0069】
図6に例示されたシステムは、フローセル625から各検出器へのビーム経路におけるフィルタ及び/又はスプリッタの構成によって画定されるように、6つの異なる波長帯域(本明細書では、任意の検出器についての「フィルタウィンドウ」と称され得る)内の蛍光を検出する6つの異なる検出器を含む。フローサイトメータ実験に使用される異なる蛍光分子は、それら独自の特性波長帯域の光を放出する。実験に使用される特定の蛍光標識、及びそれらの関連する蛍光放出帯域は、検出器のフィルタウィンドウと概ね一致するように、選択され得る。ただし、より多くの検出器が提供され、かつより多くの標識が利用されるため、フィルタウィンドウと蛍光放出スペクトルとの間の完全な対応は、不可能である。特定の蛍光分子の放出スペクトルのピークは、1つの特定の検出器のフィルタウィンドウ内に存在する場合があるが、その標識の発光スペクトルの一部が、また、1つ以上の他の検出器のフィルタウィンドウとも重複することは、一般的に正しい。これは、こぼれ信号と称され得る。I/O697は、蛍光標識のパネルを有するフローサイトメータ実験、及び複数のマーカーを有する複数の細胞母集団に関係するデータを受信するように構成され得、各細胞母集団は、複数のマーカーのサブセットを有する。I/O697は、また、1つ以上のマーカーを1つ以上の細胞母集団に割り当てる生体データ、マーカー濃度データ、発光スペクトルデータ、1つ以上のマーカーに標識を割り当てるデータ、及びサイトメータ構成データも受信するように構成され得る。標識スペクトル特性及びフローサイトメータ構成データなどのフローサイトメータ実験データも、また、メモリ695内に記憶され得る。コントローラ/プロセッサ690は、マーカーに対する標識の1つ以上の割り当てを評価するように構成され得る。
【0070】
当業者は、本発明の一実施形態によるフローサイトメータが、図6に示されるフローサイトメータに限定されず、当該分野で公知の任意のフローサイトメータを含み得ることを認識する。例えば、フローサイトメータは、様々な波長で、かつ様々な異なる構成で、任意の数のレーザー、ビームスプリッタ、フィルタ、及び検出器を有してもよい。
【0071】
図7は、データを分析及び表示するためのプロセッサ700の一例の機能ブロック図を示している。プロセッサ700は、生体事象のグラフィック表示を制御するための種々のプロセスを実装するように構成することができる。フローサイトメータ702は、(例えば、上述のように)生体試料を分析することによってフローサイトメータデータを取得するように構成することができる。装置は、生体事象データをプロセッサ700に提供するように構成され得る。データ通信チャネルが、フローサイトメータ702とプロセッサ700との間に含まれ得る。データは、データ通信チャネルを介してプロセッサ700に提供することができる。プロセッサ700は、(例えば、上述したような)プロットを含むグラフィック表示をディスプレイ706に提供するように構成することができる。プロセッサ700は、例えば、プロット上にオーバーレイされた、表示デバイス706によって示されるフローサイトメータデータの集団の周りにゲートをレンダリングするように更に構成することができる。いくつかの実施形態では、そのゲートは、単一パラメータのヒストグラム又は二変量プロット上に描かれる、対象の1つ以上のグラフィカル領域の論理結合であり得る。いくつかの実施形態では、ディスプレイは、分析物パラメータ又は飽和検出器データを表示するために使用され得る。
【0072】
プロセッサ700は、更に、ゲート外の蛍光フローサイトメータデータ内の他の事象とは異なるように、ゲート内の表示デバイス706上にフローサイトメータデータを表示するように構成され得る。例えば、プロセッサ700は、ゲート内に含まれる蛍光フローサイトメータデータの色を、ゲート外の蛍光フローサイトメータデータの色とは異なるようにレンダリングするように構成され得る。このようにして、プロセッサ700は、データの各一意の母集団を表すために異なる色をレンダリングするように構成され得る。表示デバイス706は、モニタ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、又はグラフィカルインターフェースを提示するように構成された他の電子デバイスとして、実装され得る。
【0073】
プロセッサ700は、第1の入力デバイスからゲートを識別するゲート選択信号を受信するように構成され得る。例えば、第1の入力デバイスは、マウス710として実装され得る。マウス710は、プロセッサ700へのゲート選択信号を開始し、表示デバイス706を介して表示又は操作される集団を識別することができる(例えば、カーソルがそこに位置決めされると、所望のゲート上又はその中をクリックすることによって)。いくつかの実施態様では、第1のデバイスは、キーボード708、又はタッチスクリーン、スタイラス、光検出器、若しくは音声認識システムなど、プロセッサ700に入力信号を与えるための他の手段として実装され得る。いくつかの入力デバイスは、複数の入力機能を含み得る。そのような実施態様では、入力機能は、それぞれ、入力デバイスとみなされ得る。例えば、図7に示すように、マウス710は、右マウスボタン及び左マウスボタンを含み得、その各々は、起動事象を発生することができる。
【0074】
起動事象は、プロセッサ700に、蛍光フローサイトメータデータが表示される様式、データのどの部分が表示デバイス706上に実際に表示されるかを変更させ、及び/又は分析のための対象の集団の選択などの更なる処理への入力を提供させることができる。
【0075】
いくつかの実施形態では、プロセッサ700は、マウス710によってゲート選択が開始されたときを検出するように構成され得る。プロセッサ700は、ゲーティングプロセスを容易にするためにプロット可視化を自動的に修正するように更に構成され得る。修正は、プロセッサ700によって受信されたデータの特定の分布に基づき得る。
【0076】
プロセッサ700は、記憶デバイス704に接続することができる。記憶デバイス704は、プロセッサ700からデータを受信して記憶するように構成することができる。記憶デバイス704は、更に、プロセッサ700による、フローサイトメータデータなどのデータの読み出しを可能にするように構成され得る。
【0077】
表示デバイス706は、プロセッサ700から表示データを受信するように構成され得る。表示データは、蛍光フローサイトメータデータのプロットと、プロットのセクションの輪郭を描くゲートとを含むことができる。表示デバイス706は、更に、装置702、記憶デバイス704、キーボード708、及び/又はマウス710からの入力と併せて、プロセッサ700から受信される入力に従って、提示される情報を変更するように構成され得る。
【0078】
いくつかの実施態様では、プロセッサ700は、選別のための例示的な事象を受信するためのユーザインターフェースを生成することができる。例えば、このユーザインターフェースは、例示的な事象又は例示的な画像を受信するための制御を含むことができる。例示的な事象若しくは画像、又は例示的ゲートは、試料についてのイベントデータの収集前に、又は試料の一部分についてのイベントの初期セットに基づいて提供され得る。
【0079】
傾斜ビーム成形光学部品を含むフローサイトメータにおいて試料を分析する方法
本発明の態様は、更に、傾斜ビーム成形光学部品を含む、フローサイトメータ内の試料を分析する方法を伴う。実施形態では、方法は、フローセルと、調査ポイントにおいてフローセル内の粒子を照射するためのビームを生成するように構成された光源と、光源とフローセルとの間に位置決めされた傾斜ビーム成形光学部品とを含むフローサイトメータに試料を導入することを含み、傾斜ビーム成形光学部品は、ビームに楕円率を生成するように構成されている。試料がフローサイトメータに導入された後、方法は、試料を分析するためにフローセルから放出された粒子変調光を検出することを更に含む。
【0080】
上述したように、本方法の態様は、傾斜ビーム成形光学部品を有するフローサイトメータ内の試料を照射することを含む。そのような実施形態では、試料からの光は、検出された光の測定に少なくとも部分的に基づいて、関連粒子の集団を生成するように検出される。いくつかの事例では、試料は、生体試料である。「生体試料」という用語は、その従来の意味で、全生物、植物、菌類、又は、特定の事例では、血液、粘液、リンパ液、滑液、脳脊髄液、唾液、気管支肺胞洗浄、羊水、羊膜臍帯血、尿、膣液、及び精液中に見られ得る動物の組織、細胞、又は構成要素部分のサブセットを指すために使用される。したがって、「生体試料」は、天然有機体又はその組織のサブセットの両方、並びに、例えば、血漿、血清、脊髄液、リンパ液、皮膚の切片、呼吸管、胃腸管、心血管、及び泌尿器管、涙液、唾液、乳、血液細胞、腫瘍、臓器を含むが、これらに限定されない、生物又はその組織のサブセットから調製されたホモジネート、溶解物、又は抽出物を指す。生体試料は、健康組織と、疾患組織(例えば、がん性、悪性、壊死性など)との両方を含む、任意のタイプの生体組織であり得る。特定の実施形態では、生体試料は、血液又はその誘導体、例えば、血漿、涙液、尿、精液などの液体試料であり、いくつかの事例では、試料は、静脈穿刺又はフィンガースティックから取得された血液など、全血を含む血液試料である(血液は、アッセイの前に、防腐剤、抗凝固剤などの任意の試薬と組み合わされてもよく、又は組み合わされなくてもよい)。
【0081】
特定の実施形態では、試料のソースは、「哺乳類(mammal)」又は「哺乳動物(mammalian)」であり、これらの用語は、肉食動物目(例えば、イヌ及びネコ)、げっ歯目(例えば、マウス、モルモット、及びラット)、並びに霊長目(例えば、ヒト、チンパンジー、及びサル)を含む、哺乳綱内の生物を示すために広く使用される。いくつかの事例では、被験体はヒトである。方法は、両方の性別のヒト被検体から、発達の任意の段階(すなわち、新生児、乳幼児、年少者、青年、成人)で取得された試料に適用され得、特定の実施形態では、ヒト被検体は、年少者、青年、又は成人である。本発明は、ヒト被検体からの試料に適用され得るが、以下に限定されるものではないが、鳥、マウス、ラット、イヌ、ネコ、家畜、及びウマなどの他の動物被検体からの(すなわち、「非ヒト被検体」内の)試料に対しても実施され得ることを理解されたい。
【0082】
いくつかの実施形態では、本明細書で説明される傾斜ビーム成形光学部品は、ビーム内に非点収差を生成することによって、ビーム楕円率を生成するように構成されている。「非点収差」は、その従来の意味において、垂直平面内を伝播する光線が異なる焦点を有する、すなわち、ビームがビーム軸に沿って複数の点に集束される、ビームを説明するために参照される。そのような実施形態では、主題の傾斜ビーム成形光学部品は、傾斜、すなわち、傾斜ビーム成形光学部品が傾斜している程度に基づいて非点収差を生成する。換言すれば、ビームがビーム成形光学部品を通過する実施形態では、傾斜ビーム成形光学部品は、光源によって生成されたビームの光軸に直交する垂直軸に対して斜角で存在するビーム成形光学部品の長さを通過する仮想軸によって特徴付けられる。実施形態では、傾斜ビーム成形光学部品の傾斜は、入射角、すなわち、傾斜ビーム成形光学部品の表面に入射する光線と入射点で当該部品に垂直な線との間の角度によって特徴付けられる。いくつかの実施形態では、傾斜ビーム成形光学部品の傾斜は、1度~20度を含み、5度~7度を更に含む、1度~50度の範囲である。いくつかの実施形態では、傾斜ビーム成形光学部品の傾斜は、5度、6度、7度、8度、9度であってもよく、10度を含んでもよい。特定の実施形態では、傾斜ビーム成形光学部品の傾斜は調整可能である。いくつかの実施形態では、傾斜ビーム成形光学部品の傾斜は、所望の量のビーム非点収差が達成されるように、ユーザによって手動で調整可能である。他の実施形態では、傾斜ビーム成形光学部品の傾斜は、機械的に調整可能である。そのような実施形態では、傾斜は、他のタイプのモータの中でもとりわけ、ステッパモータ、サーボモータ、ブラシレス電気モータ、ブラシ付きDCモータ、マイクロステップドライブモータ、高分解能ステッパモータなどのモータによって調整されてもよい。
【0083】
上述したように、傾斜ビーム成形光学部品は、光源とフローセルとの間に位置決めされる。いくつかの事例では、傾斜ビーム成形光学部品は、光源から、80mm~100mmを含む、60mm~120mmに及ぶ距離だけ分離される。特定の事例では、傾斜ビーム成形光学部品は、光源から、90mmだけ分離される。いくつかの実施形態では、傾斜ビーム成形光学部品は、フローセルから、100mm~120mmを含む、50mm~200mmに及ぶ距離だけ分離される。いくつかの実施形態では、傾斜ビーム成形光学部品は、フローセルから、110mmだけ分離される。いくつかの事例では、光源と傾斜ビーム成形光学部品とを分離する距離は調整可能である。追加の事例では、傾斜ビーム成形光学部品とフローセルとを分離する距離は、調整可能である。実施形態では、ビーム成形光学部品を分離する距離を調整することは、撮像システムの倍率を変更する。
【0084】
本明細書に記載される傾斜ビーム成形光学部品は、いくつかの実施形態では、種々のアスペクト比によって特徴付けられるビーム楕円率を生成することができる。楕円ビームの断面は、長軸及び短軸によって特徴付けられる。したがって、本明細書で論じるアスペクト比は、ビームの短軸に対するビームの長軸の比を指す。1のアスペクト比を示す楕円は完全な円であるが、1より大きいアスペクト比は、ビームの断面が円形状から逸脱する程度を示す。いくつかの実施形態では、主題の傾斜ビーム成形光学部品によって生成されるビーム楕円率は、3~20の範囲を含む、1超~25の範囲のアスペクト比によって特徴付けられる。いくつかの実施形態では、アスペクト比は5である。傾斜ビーム成形光学部品の傾斜が調整可能である本発明の実施形態では、方法は、所望のアスペクト比を達成するために傾斜を調整することを含む。
【0085】
実施形態では、傾斜ビーム成形光学部品は、レンズ、すなわち、屈折によってビームを集束させるレンズである。そのような実施形態では、レンズは、光源によって生成されるビームの経路内に位置決めされ、ビームは、レンズを通過した後、同一経路に沿って継続する。対象レンズは、任意の好適な曲率半径及び屈折率によって特徴付けることができる。いくつかの実施形態では、レンズは凹面レンズである。他の実施形態では、レンズは凸面レンズである。特定の実施形態では、レンズの傾斜は、(例えば、上述したように)ビームに非点収差を生成することによってビーム楕円率を生成する。
【0086】
他の実施形態では、傾斜ビーム成形光学部品はミラーである。いくつかの実施形態では、ミラーは凸面ミラーである。他の実施形態では、ミラーは凹面ミラーである。傾斜ビーム成形光学部品がミラーである実施形態では、光源によって放出された光の全ての波長が同じように集束される、すなわち、特定の1つ以上の位置に集束されるように、収色性撮像を達成することができる。対象ミラーは、任意の好適な曲率半径によって特徴付けることができる。いくつかの実施形態では、ミラーの曲率半径は、90mm~110mmを含む50mm~150mmの範囲である。特定の実施形態では、対象ミラーの曲率半径は、100mmである実施形態では、ミラーの傾斜は、(例えば、上述したように)ビーム内に非点収差を生成することによってビーム楕円率を生成する。
【0087】
任意の好適な光源が、本明細書に記載される方法において使用され得る。実施形態において、光源は、連続波レーザーなどの任意の好適なレーザーであり得る。例えば、レーザーは、紫外線ダイオードレーザー、可視ダイオードレーザー、及び近赤外線ダイオードレーザーなどのダイオードレーザーであってもよい。他の実施形態では、レーザーは、ヘリウムネオン(HeNe)レーザーであり得る。いくつかの事例では、レーザーは、ヘリウムネオンレーザー、アルゴンレーザー、クリプトンレーザー、キセノンレーザー、窒素レーザー、COレーザー、COレーザー、アルゴンフッ素(ArF)エキシマレーザー、クリプトンフッ素(KrF)エキシマレーザー、キセノン塩素(XeCl)エキシマレーザー、又はキセノンフッ素(XeF)エキシマレーザー、若しくはそれらの組み合わせなどのガスレーザーである。他の事例では、本発明のフローサイトメータは、スチルベンレーザー、クマリンレーザー、又はローダミンレーザーなどの色素レーザーを含む。更に他の事例では、対象のレーザーは、ヘリウム-カドミウム(HeCd)レーザー、ヘリウム-水銀(HeHg)レーザー、ヘリウム-セレン(HeSe)レーザー、ヘリウム-銀(HeAg)レーザー、ストロンチウムレーザー、ネオン-銅(NeCu)レーザー、銅レーザー、又は金レーザー、及びそれらの組み合わせなどの金属蒸気レーザーを含む。更に他の事例では、本発明のフローサイトメータは、ルビーレーザー、Nd:YAGレーザー、NdCrYAGレーザー、Er:YAGレーザー、Nd:YLFレーザー、Nd:YVOレーザー、Nd:YCaO(BOレーザー、Nd:YCOBレーザー、チタンサファイアレーザー、スリムYAGレーザー、イッテルビウムYAGレーザー、Ybレーザー、又はセリウムドープレーザー、及びそれらの組み合わせなどの固体レーザーを含む。
【0088】
実施形態では、レーザーは、半導体レーザーダイオード、すなわち、半導体利得媒体(すなわち、レーザー光増幅のための媒体)を含むレーザーである。いくつかの実施形態では、半導体レーザーダイオードは、2つの半導体材料(すなわち、「nドープされた」及び「pドープされた」材料)間の領域内の電流で励起される。実施形態において、半導体レーザーダイオードは、関連する媒体をより高いエネルギー状態に励起するために光が使用される、光学的にポンピングされる半導体レーザーである。他の実施形態では、レーザーは、量子カスケードレーザー、例えば、近赤外光を放出する量子カスケードレーザーである。更に他の実施形態では、レーザーは端面発光レーザーダイオードである。更に他の実施形態では、レーザーは、例えば、反射防止コーティング及び/又はコリメートレンズを含む、外部キャビティダイオードレーザーである。更に他の実施形態では、レーザーは、面発光半導体レーザー(VCSEL/VECSEL)である。いくつかの事例では、レーザーは、紫外線ダイオードレーザー、可視ダイオードレーザー、及び近赤外線ダイオードレーザーなどの連続ダイオードレーザーである。例えば、ダイオードレーザーは、405nmダイオードレーザー又は488nmダイオードレーザーであってもよい。いくつかの事例では、レーザーは、上述のレーザーのいずれかの周波数二倍又は周波数三倍の実施態様である。いくつかの実施形態では、半導体レーザーダイオードの構成要素は、限定はしないが、ヒ化ガリウム(GaAs)、ヒ化アルミニウムガリウム(AlGaAs)、リン化インジウムガリウム(InGaP)、窒化ガリウム(GaN)、ヒ化インジウムガリウム(InGaAs)、窒化インジウムガリウムヒ素(GaInNAs)、リン化インジウム(InP)、及びリン化ガリウムインジウム(GaInP)、又はそれらの組み合わせなどの材料を含むことができる。光源がレーザーダイオードを含むいくつかの事例では、そのレーザーダイオードの性能は、米国仮出願第63/074,969号(その開示は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明される方法によって評価することができる。
【0089】
いくつかの実施形態によるレーザー光源は、また、1つ以上の光学調整部品を含むことができる。「光学調整」という用語は、本明細書では、その従来の意味で、例えば、照射方向、波長、ビーム幅、ビーム強度、及び焦点スポットなどの光源からの照射の空間幅又は照射のある他の特性を変化させることが可能な任意のデバイスを指すために使用される。
【0090】
光学調整部品が移動するように構成される場合、光学調整部品は、例えば、0.01μm以上の増分、0.05μm以上など、0.1μm以上など、0.5μm以上など、1μm以上など、10μm以上など、100μm以上など、500μm以上など、1mm以上など、5mm以上など、10mm以上など、及び25mm以上の増分などの、連続的又は離散間隔で移動するように構成することができる。移動可能な支持ステージに結合されるか、又はモータ作動並進ステージ、リードスクリュー並進アセンブリ、他のタイプのモータの中でも、ステッパモータ、サーボモータ、ブラシレスエレクトリックモータ、ブラシ付きDCモータ、マイクロステップドライブモータ、高分解能ステッパモータを用いるものなどの歯車付き変換デバイスと直接結合されるなど、光学調整部品構造を移動させるために、任意の変位プロトコルが用いられてもよい。
【0091】
特定の事例では、本光源は、フラットトップビームを生成するように構成されている。「フラットトップ」ビームとは、光強度がピークまで徐々に増加し、その後減少するガウスビームとは対照的に、平坦な強度プロファイルによって特徴付けられるビームを意味する。フラットトップビームが生成される実施形態では、フローセルの領域は、一定の強度の光で照射され得る。いくつかの実施形態では、フラットトップビームの生成は、フラットトッププロファイルを示すようにビームを変換するように構成された1つ以上のビームホモジナイザの使用を含む。他の実施形態では、フラットトップビームの生成は、正方形/均一ビーム出力を生成するように構成される正方形コアファイバの使用を伴う。更なる実施形態では、光源は、コリメートされたビーム、すなわち、伝播中に最小限に拡散する平行光線を含むビームを生成するように構成されている。そのような実施形態では、光源は、1つ以上のビームコリメータを含み得る。
【0092】
追加の実施形態において、本発明の光源は、例えば、フローセル中の粒子が複数の異なる波長の光で照射されるように、複数のレーザーを含む。任意の好適な数のレーザーが含まれてもよい。いくつかの実施形態では、対象の光源は、フローストリームの照射のためのレーザー光を提供するように構成された1つ以上のレーザー、例えば、フローストリームの照射のためのレーザー光を提供するように構成された2つ以上のレーザー、例えば、3つ以上のレーザー、例えば、4つ以上のレーザー、例えば、5つ以上のレーザー、例えば、10個以上のレーザー、例えば、15個以上のレーザー、例えば、25個以上のレーザーを含み、フローストリームの照射のためのレーザー光を提供するように構成された50個以上のレーザーを含む。2つ以上のレーザーが使用される場合、試料は、レーザーで同時に若しくは順次、又はそれらの組み合わせで照射することができる。例えば、各レーザーを同時に試料に照射してもよい。他の実施形態では、フローストリームは、レーザーの各々で順次照射される。2つ以上の光源が試料に順次照射される場合、各光源がその試料に照射する時間は、独立して、例えば、0.01マイクロ秒以上、例えば、0.1マイクロ秒以上、例えば、1マイクロ秒以上、例えば、5マイクロ秒以上、例えば、10マイクロ秒以上、例えば、30マイクロ秒以上、及び60マイクロ秒以上を含めて、0.001マイクロ秒以上であり得る。例えば、方法は、例えば0.01マイクロ秒~75マイクロ秒、例えば0.1マイクロ秒~50マイクロ秒、例えば1マイクロ秒~25マイクロ秒、及び5マイクロ秒~10マイクロ秒を含む、0.001マイクロ秒~100マイクロ秒の範囲の持続時間の間、試料を光源(例えば、レーザー)で照射することを含み得る。試料が2つ以上の光源で順次照射される実施形態では、試料が各光源によって照射される持続時間は、同じであっても異なってもよい。
【0093】
各レーザーによる照射間の期間も、また、所望に応じて、例えば、0.01マイクロ秒以上、例えば、0.1マイクロ秒以上、例えば、1マイクロ秒以上、例えば、5マイクロ秒以上、例えば、10マイクロ秒以上まで、例えば、15マイクロ秒以上まで、例えば、30マイクロ秒以上まで、及び60マイクロ秒以上を含めて、0.001マイクロ秒以上の遅延によって個別に分離して、相違し得る。例えば、各レーザーによる照射間の期間は、例えば0.01マイクロ秒~50マイクロ秒、例えば0.1マイクロ秒~35マイクロ秒、例えば1マイクロ秒~25マイクロ秒、及び5マイクロ秒~10マイクロ秒を含む、0.001マイクロ秒~60マイクロ秒の範囲であり得る。特定の実施形態では、各レーザーによる照射間の期間は、10マイクロ秒である。試料が2つより多い(すなわち、3つ以上の)レーザーによって順次照射される実施形態において、各レーザーによる照射間の遅延は、同じであっても異なっていてもよい。
【0094】
いくつかの事例では、光源は、米国仮出願第63/076,650号に記載されている光源であり、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。そのような場合、本発明の光源は、各レーザーからのレーザー光をフローストリームに伝達するための光伝播器を含む。いくつかの実施形態では、光伝播部品は、各レーザーに動作可能に結合され、レーザー光を各レーザーからフローストリーム上の異なる位置に伝達する、光ファイバを含む。光源内のレーザーの数に応じて、光伝播部品は、2つ以上の光ファイバ、例えば3つ以上の光ファイバ、例えば4つ以上の光ファイバ、例えば5つ以上の光ファイバ、例えば6つ以上の光ファイバ、例えば7つ以上の光ファイバ、例えば8つ以上の光ファイバ、例えば9つ以上の光ファイバ、例えば10個以上の光ファイバ、例えば25個以上の光ファイバ、例えば50個以上の光ファイバ、例えば100個以上の光ファイバを含むことができる。特定の実施形態では、光伝播部品は、1つ以上の光ファイバ束、例えば、2つ以上の光ファイバ束、例えば、3つ以上の光ファイバ束、例えば、4つ以上の光ファイバ束を含み、5つ以上の光ファイバ束を含む。いくつかの実施形態では、各レーザーは、単一の光ファイバに動作可能に結合される。他の実施形態では、各レーザーは、2つ以上の光ファイバに動作可能に結合され、例えば、各レーザーは、2つ以上の光ファイバ、例えば3つ以上の光ファイバ、例えば4つ以上の光ファイバ、例えば5つ以上の光ファイバ、例えば6つ以上の光ファイバ、例えば7つ以上の光ファイバ、例えば8つ以上の光ファイバ、例えば9つ以上の光ファイバ、例えば10個以上の光ファイバ、例えば25個以上の光ファイバ、例えば50個以上の光ファイバ、更には100個以上の光ファイバに動作可能に結合される。例えば、光伝播部品におけるレーザー対光ファイバの比は、1:2以上、例えば1:3以上、例えば1:4以上、例えば1:5以上、例えば1:6以上、例えば1:7以上、例えば1:8以上、例えば1:9以上、例えば1:10以上、例えば1:25以上、例えば1:50以上であってもよく、1:100以上のレーザー対光ファイバの比を含む。
【0095】
レーザーに動作可能に結合された各光ファイバは、シングルモード光ファイバ又はマルチモード光ファイバであり得る。いくつかの実施形態では、各レーザーは、シングルモード光ファイバに動作可能に結合される。他の実施形態では、各レーザーは、マルチモード光ファイバに動作可能に結合される。更に他の実施形態では、1つ以上のレーザーがシングルモード光ファイバに動作可能に結合され、1つ以上のレーザーがマルチモード光ファイバに動作可能に結合される。特定の実施形態では、各レーザーは、2つ以上の光ファイバに動作可能に結合される。一例では、各レーザーは、2つ以上のシングルモード光ファイバに動作可能に結合される。別の例では、各レーザーは、2つ以上のマルチモード光ファイバに動作可能に結合される。更に別の例では、各レーザーは、1つ以上のシングルモード光ファイバ及び1つ以上のマルチモード光ファイバに動作可能に結合される。
【0096】
いくつかの実施形態では、光伝播部品は、1つ以上の光ファイバ束を含む。光伝播部品が1つ以上の光ファイバ束を含む場合、レーザーは、シングルモード光ファイバ束又はマルチモード光ファイバ束に動作可能に結合されてもよい。いくつかの事例では、各レーザーは、シングルモード光ファイバ束に動作可能に結合される。他の事例では、各レーザーは、マルチモード光ファイバ束に動作可能に結合される。更に他の事例では、1つ以上のレーザーがシングルモード光ファイバ束に動作可能に結合され、1つ以上のレーザーがマルチモード光ファイバ束に動作可能に結合される。
【0097】
レーザー光によるフローストリームの照射の位置及びパターンに応じて、光伝播構成要素内の光ファイバの遠位端における配置は変化し得る。いくつかの実施形態では、光ファイバは、直線断面形状、例えば、正方形、長方形、台形、三角形、六角形など、曲線断面形状、例えば、円形、楕円形、並びに不規則形状、例えば、平面上部部分に結合される放物線底部部分などの断面形状において、光伝播部品の遠位端に配列されてもよい。特定の実施形態では、光伝播部品の光ファイバの遠位端は、線パターンで配列される。いくつかの事例では、光伝播部品の光ファイバの遠位端は、フローストリームの縦軸と平行な(すなわち、試料フローの方向と平行な)線パターンで配列される。
【0098】
実施形態では、光伝播構成要素は、フローストリーム上の異なる位置に光を伝達するように構成されている。例えば、光伝播構成要素は、光ファイバの遠位端の配置に基づいてフローストリーム上に光を伝達するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、光伝播部品は、直線断面形状、例えば、正方形、長方形、台形、三角形、六角形など、曲線断面形状、例えば、円形、楕円形、並びに不規則形状、例えば、平面上部部分に結合される放物線底部部分を有するパターンなどの所定のパターンで、レーザー光をフローストリーム上に伝達するように構成されている。特定の実施形態では、光伝播部品は、線形パターンでフローストリーム上に光を伝達するように構成されている。いくつかの事例では、光伝播部品は、フローストリームの縦軸に平行な(すなわち、試料フローの方向に平行な)線形パターンでフローストリーム上に光を伝達するように構成されている。他の事例では、光伝播構成要素は、フローストリームの縦軸に直交する(すなわち、フローストリームの水平軸を横切る)線形パターンでフローストリーム上に光を伝達するように構成されている。各光ファイバによって伝達される光によるフローストリーム上の照射位置間の距離(例えば、線パターンで配置される場合)は、0.0001mm以上、例えば0.0005mm以上、例えば0.001mm以上、例えば0.005mm以上、例えば0.01mm以上、例えば0.05mm以上、例えば0.1mm以上、例えば0.2mm以上、例えば0.3mm以上、例えば0.5mm以上、例えば0.6mm以上、例えば0.7mm以上、例えば0.8mm以上、例えば0.9mm以上、例えば1.0mm以上、例えば2mm以上であり得、3mm以上を含み得る。いくつかの実施形態では、各光ファイバによって伝達される光によるフローストリーム上の照射位置間の距離は、0.0001mm~5mm、例えば0.0005mm~4.5mm、例えば0.001mm~4.0mm、例えば0.005mm~3.5mm、例えば0.01mm~3.0mm、例えば0.05mm~2.5mm、例えば0.1mm~2.0mmの範囲であり、0.2mm~1.5mmを含む。
【0099】
いくつかの実施形態では、光伝播部品は、第1の光ファイバからフローストリーム上の第1の位置に光を伝達し、第2の光ファイバからフローストリーム上の第2の位置に光を伝達するように構成されている。いくつかの事例では、第2の位置は、フローストリーム上の第1の位置から下流にある。例えば、第2の位置は、フローストリーム上の第1の位置から0.0001mm以上下流、例えばフローストリーム上の第1の位置から0.0005mm以上下流、例えば0.001mm以上下流、例えば0.005mm以上下流、例えば0.01mm以上下流、例えば0.05mm以上下流、例えば0.1mm以上下流、例えば0.2mm以上下流、例えば0.3mm以上下流、例えば0.5mm以上下流、例えば0.6mm以上下流、例えば0.7mm以上下流、例えば0.8mm以上下流、例えば0.9mm以上下流、例えば1.0mm以上下流、例えば2mm以上下流、例えば3mm以上下流であってもよい。いくつかの事例では、第2の位置は、フローストリーム上の第1の位置から0.0001mm~5mm、例えば0.0005mm~4.5mm、例えば0.001mm~4.0mm、例えば0.005mm~3.5mm、例えば0.01mm~3.0mm、例えば0.05mm~2.5mm、例えば0.1mm~2.0mm(0.2mm~1.5mmを含む)の範囲の距離だけ下流にある。特定の実施形態では、第2の位置は、フローストリーム上の第1の位置から0.2mm以上下流にある。
【0100】
本発明の態様は、蛍光検出器で蛍光を収集することを含む。蛍光検出器は、いくつかの事例では、蛍光分子、例えば、フローセル内の粒子と関連付けられた標識された特異的結合部材(対象のマーカーに特異的に結合する標識された抗体など)からの蛍光放出を検出するように構成され得る。特定の実施形態では、方法は、試料からの蛍光を1つ以上の蛍光検出器、例えば2つ以上、例えば3つ以上、例えば4つ以上、例えば5つ以上、例えば6つ以上、例えば7つ以上、例えば8つ以上、例えば9つ以上、例えば10個以上、例えば15個以上、例えば25個以上の蛍光検出器で検出することを含む。実施形態では、蛍光検出器の各々は、蛍光データ信号を生成するように構成されている。試料からの蛍光は、200nm~1200nmの波長範囲のうちの1つ以上にわたって、各蛍光検出器によって独立して検出されてもよい。いくつかの事例では、方法は、200nm~1200nmなど、300nm~1100nmなど、400nm~1000nmなど、500nm~900nmなど、及び600nm~800nmを含む、波長の範囲にわたって試料からの蛍光を検出することを含む。他の事例では、方法は、1つ以上の特定の波長で各蛍光検出器を用いて蛍光を検出することを含む。例えば、蛍光は、本光検出システム内の異なる蛍光検出器の数に応じて、450nm、518nm、519nm、561nm、578nm、605nm、607nm、625nm、650nm、660nm、667nm、670nm、668nm、695nm、710nm、723nm、780nm、785nm、647nm、617nm、及びそれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上において検出されてもよい。特定の実施形態では、方法は、試料中に存在する特定の蛍光色素の蛍光ピーク波長に対応する光の波長を検出することを含む。実施形態では、蛍光フローサイトメータデータは、1つ以上の蛍光検出器(例えば、1つ以上の検出チャネル)、例えば2つ以上、例えば3つ以上、例えば4つ以上、例えば5つ以上、例えば6つ以上、及び8つ以上を含む蛍光検出器(例えば、8つ以上の検出チャネル)から受信される。
【0101】
コンピュータ制御システム
本開示の態様は、コンピュータ制御システムを更に含み、システムは、完全自動化又は部分自動化のための1つ以上のコンピュータを更に含む。いくつかの実施形態では、システムは、コンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ可読記憶媒体を有するコンピュータを含み、コンピュータプログラムは、コンピュータにロードされると、傾斜ビーム成形光学部品を含むフローサイトメータ内の粒子の照射から収集されたフローサイトメータデータを受信し、分析するための命令を含む。
【0102】
実施形態では、システムは、入力モジュール、処理モジュール、及び出力モジュールを含む。主題のシステムは、ハードウェア構成要素とソフトウェア構成要素との両方を含んでもよく、ハードウェア構成要素は、例えば、サーバの形態で1つ以上のプラットフォームの形態をとってもよく、その結果、システムの機能要素、すなわち、特定のタスク(情報の入出力の管理、情報の処理など)を実行するシステムのそれらの要素は、システムに表される1つ以上のコンピュータプラットフォーム上で及びそれにわたってソフトウェアアプリケーションの実行によって実行されてもよい。
【0103】
システムは、ディスプレイと、オペレータ入力デバイスとを含み得る。オペレータ入力デバイスは、例えば、キーボード、マウスなどであってもよい。処理モジュールは、主題の方法のステップを実行するために記憶された命令を有するメモリにアクセスするプロセッサを含む。処理モジュールは、オペレーティングシステム、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)コントローラ、システムメモリ、メモリ記憶デバイス、及び入出力コントローラ、キャッシュメモリ、データバックアップユニット、並びに多くの他のデバイスを含み得る。プロセッサは、市販のプロセッサであってもよく、又は利用可能であるか、若しくは利用可能になる予定の他のプロセッサのうちの1つであってもよい。プロセッサは、オペレーティングシステムを実行し、オペレーティングシステムは、周知の方法でファームウェア及びハードウェアとインターフェース接続し、当技術分野で既知であるように、Java、Perl、C++、他の高級言語又は低級言語、並びにそれらの組み合わせなどの様々なプログラミング言語で記述され得る様々なコンピュータプログラムの機能を、プロセッサが連携及び実行することを容易にする。オペレーティングシステムは、通常、プロセッサと協調して、コンピュータの他の構成要素の機能を調整し、実行する。オペレーティングシステムは、また、全て既知の技術に従って、スケジューリング、入出力制御、ファイル及びデータ管理、メモリ管理、並びに通信制御及び関連サービスを提供する。プロセッサは、任意の好適なアナログ又はデジタルシステムであり得る。いくつかの実施形態では、プロセッサは、第1の光信号及び第2の光信号に基づいて、ユーザが、光源をフローストリームと手動で位置合わせさせることを可能にするアナログ電子機器を含む。いくつかの実施形態では、プロセッサは、例えば、負帰還制御などのフィードバック制御を提供するアナログ電子機器を含む。
【0104】
システムメモリは、様々な既知又は将来のメモリ記憶デバイスのいずれかであり得る。例としては、任意の一般的に入手可能なランダムアクセスメモリ(RAM)、常駐ハードディスク若しくはテープなどの磁気媒体、リードライトコンパクトディスクなどの光学媒体、フラッシュメモリデバイス、又は他のメモリ記憶デバイスが挙げられる。メモリ記憶デバイスは、コンパクトディスクドライブ、テープドライブ、リムーバブルハードディスクドライブ、又はディスクドライブを含む、様々な既知又は将来のデバイスのいずれかであり得る。そのようなタイプのメモリ記憶デバイスは、通常、それぞれ、コンパクトディスク、磁気テープ、リムーバブルハードディスク、又は磁気ディスクなどのプログラム記憶媒体(図示せず)から読み出し、及び/又はプログラム記憶媒体に書き込む。これらのプログラム記憶媒体のいずれか、又は現在使用されている、若しくは後に開発され得る他のものは、コンピュータプログラム製品とみなされ得る。理解されるように、これらのプログラム記憶媒体は、通常、コンピュータソフトウェアプログラム及び/又はデータを記憶する。コンピュータ制御ロジックとも呼ばれるコンピュータソフトウェアプログラムは、通常、システムメモリ、及び/又はメモリ記憶デバイスと併せて使用されるプログラム記憶デバイスに記憶される。
【0105】
いくつかの実施形態では、コンピュータプログラム製品は、記憶された制御ロジック(プログラムコードを含むコンピュータソフトウェアプログラム)を有するコンピュータ使用可能媒体を備えて記載される。制御ロジックは、プロセッサによって実行されるとコンピュータ、プロセッサに、本明細書に記載された機能を実行させる。他の実施形態では、いくつかの機能は、例えば、ハードウェアステートマシンを使用して、主にハードウェア内に実装される。本明細書に記載される機能を実行するためのハードウェアステートマシンの実施態様は、関連技術分野の当業者には明らかである。
【0106】
メモリは、磁気、光学、又はソリッドステート記憶デバイス(磁気若しくは光学ディスク、又はテープ、又はRAM、又は固定型若しくは携帯型のいずれかの任意の他の好適なデバイスを含む)などの、プロセッサがデータを記憶し、取り出すことができる任意の好適なデバイスであり得る。プロセッサは、必要なプログラムコードを担持するコンピュータ可読媒体から好適にプログラムされた汎用デジタルマイクロプロセッサを含み得る。プログラミングは、通信チャネルを介してプロセッサにリモートで提供され得るか、又はメモリ又は何らかの他の携帯型若しくは固定型のコンピュータ可読記憶媒体などのコンピュータプログラム製品に、メモリと一緒にそれらのデバイスのいずれかを使用して、あらかじめ保存され得る。例えば、磁気又は光学ディスクは、プログラミングを担持し得、ディスクライタ/リーダによって読み取ることができる。本発明のシステムは、例えば、コンピュータプログラム製品の形態のプログラミング、上記の方法を実施する際に使用するためのアルゴリズムも含む。本発明によるプログラミングは、コンピュータ可読媒体、例えば、コンピュータによって直接読み取り及びアクセスすることができる任意の媒体に記録され得る。そのような媒体としては、以下に限定されないが、磁気ディスク、ハードディスク記憶媒体、及び磁気テープなどの磁気記憶媒体、CD-ROMなどの光学記憶媒体、RAM及びROMなどの電気記憶媒体、ポータブルフラッシュドライブ、並びに磁気/光学記憶媒体などのこれらのカテゴリのハイブリッドが挙げられる。
【0107】
プロセッサは、また、リモート位置でユーザと通信するための通信チャネルへのアクセスを有し得る。リモート位置とは、ユーザが、システムと直接接触せず、ワイドエリアネットワーク(「WAN」)、電話ネットワーク、衛星ネットワーク、又は携帯電話(すなわち、スマートフォン)を含む任意の他の適切な通信チャネルに接続されたコンピュータなどの外部デバイスから入力マネージャに入力情報を中継することを意味する。
【0108】
いくつかの実施形態では、本開示によるシステムは、通信インターフェースを含むように構成され得る。いくつかの実施形態では、通信インターフェースは、ネットワーク及び/又は別のデバイスと通信するための受信機及び/又は送信機を含む。通信インターフェースは、無線周波数(RF)通信(例えば、無線周波数特定(RFID)、ジグビー通信プロトコル、WiFi、赤外線、無線ユニバーサルシリアルバス(USB)、超広帯域(UWB)、Bluetooth(登録商標)通信プロトコル、及び符号分割多元接続(CDMA)又はモバイル通信のためのグローバルシステム(GSM)などのセルラー通信を含むが、これらに限定されない、有線又は無線通信のために構成され得る。
【0109】
一実施形態では、通信インターフェースは、主題のシステムと、同様の補完的データ通信のために構成される(例えば、診療所又は病院環境における)コンピュータ端末などの他の外部デバイスとの間のデータ通信を可能にするために、例えば、USBポート、RS-232ポート、又は任意の他の好適な電気接続ポートなどの物理ポート又はインターフェースなど、1つ以上の通信ポートを含むように構成されている。
【0110】
一実施形態では、通信インターフェースは、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)通信、又は任意の他の好適な無線通信プロトコルのために構成されて、主題のシステムが、コンピュータ端末及び/又はネットワーク、通信可能な携帯電話、パーソナルデジタルアシスタント、又はユーザが併せて使用し得る任意の他の通信デバイスなど、他のデバイスと通信することを可能にする。
【0111】
一実施形態では、通信インターフェースは、携帯電話ネットワーク、ショートメッセージサービス(SMS)、インターネットに接続されるローカルエリアネットワーク(LAN)上のパーソナルコンピュータ(PC)への無線接続、又はWiFiホットスポットでのインターネットへのWiFi接続を介して、インターネットプロトコル(IP)を利用するデータ転送のための接続を提供するように構成されている。
【0112】
一実施形態では、主題のシステムは、例えば802.11若しくはBluetooth(登録商標)RFプロトコル、又はIrDA赤外線プロトコルなどの共通標準を使用して、通信インターフェースを介してサーバデバイスと無線で通信するように構成されている。サーバデバイスは、スマートフォン、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)若しくはノートブックコンピュータなどの別のポータブルデバイス、又はデスクトップコンピュータ、アプライアンスなどのより大きなデバイスであってもよい。いくつかの実施形態では、サーバデバイスは、液晶ディスプレイ(LCD)などのディスプレイ、並びにボタン、キーボード、マウス、又はタッチスクリーンなどの入力デバイスを有する。
【0113】
いくつかの実施形態では、通信インターフェースは、上述の通信プロトコル及び/又は機構のうちの1つ以上を使用して、ネットワーク又はサーバデバイスと、主題のシステム、例えば、任意のデータ記憶ユニットに記憶されたデータを自動的に又は半自動で通信するように構成されている。
【0114】
出力コントローラは、人間であろうと機械であろうと、ローカルであろうとリモートであろうと、ユーザに情報を提示するための様々な既知の表示デバイスのいずれかのためのコントローラを含み得る。表示デバイスのうちの1つが視覚情報を提供する場合、この情報は、通常、ピクチャ要素のアレイとして論理的及び/又は物理的に編成され得る。グラフィカルユーザインターフェース(GUI)コントローラは、システムとユーザとの間にグラフィカル入力及び出力インターフェースを提供するための、及びユーザ入力を処理するための様々な既知又は将来のソフトウェアプログラムのいずれかを含み得る。コンピュータの機能要素は、システムバスを介して互いに通信し得る。これらの通信のいくつかは、ネットワーク又は他のタイプのリモート通信を使用して、代替の実施形態で達成され得る。出力マネージャは、また、既知の技術に従って、例えば、インターネット、電話、又は衛星ネットワークを介して、リモート位置でユーザに、処理モジュールによって生成された情報を提供し得る。出力マネージャによるデータの提示は、様々な既知の技術に従って実装され得る。いくつかの例として、データは、SQL、HTML、若しくはXMLドキュメント、電子メール若しくは他のファイル、又は他の形態のデータを含み得る。データは、ユーザが追加のSQL、HTML、XML、又は他のドキュメント若しくはデータをリモートソースから取り出すことができるように、インターネットURLアドレスを含み得る。主題のシステム内に存在する1つ以上のプラットフォームは、通常、一般的にサーバと呼ばれるコンピュータのクラスのものであるが、任意のタイプの既知のコンピュータプラットフォーム又は将来開発されるタイプであってもよい。しかしながら、それらはメインフレームコンピュータ、ワークステーション、又は他のコンピュータタイプであってもよい。それらは、任意の既知又は将来のタイプのケーブル配線、又はネットワーク化された、若しくはされていない無線システムを含む、他の通信システムを介して接続され得る。それらは、同一場所に配置され得るか、又は物理的に分離され得る。場合により、選択されたコンピュータプラットフォームのタイプ及び/又は構成に応じて、様々なオペレーティングシステムが、コンピュータプラットフォームのいずれかで用いられ得る。適切なオペレーティングシステムは、Windows NT、Windows XP、Windows 7、Windows 8、iOS、Sun Solaris、Linux、OS/400、Compaq Tru64 Unix、SGI IRIX、Siemens Reliant Unixなどを含む。
【0115】
図8は、特定の実施形態による、例示的なコンピューティングデバイス800の一般的なアーキテクチャを示している。図8に示されたコンピューティングデバイス800の一般的なアーキテクチャは、コンピュータハードウェア及びソフトウェアコンポーネントの配置を含む。ただし、有効な開示を提供するためには、これらの一般的に伝統的な要素の全てが、必ずしも示される必要はない。図示してあるように、コンピューティングデバイス800は、処理ユニット810、ネットワークインターフェース820、コンピュータ可読媒体ドライブ830、入力/出力デバイスインターフェース840、ディスプレイ850、及び入力デバイス860を含み、それらの全ては、通信バスを経由して互いに通信することができる。ネットワークインターフェース820は、1つ以上のネットワーク又はコンピューティングシステムへの接続を提供することができる。したがって、処理ユニット810は、ネットワークを介して、他のコンピューティングシステム又はサービスから情報及び命令を受信することができる。処理ユニット810は、また、メモリ870との間でも通信することができ、入力/出力デバイスインターフェース840を介して、任意選択可能なディスプレイ850のための出力情報を更に提供することができる。例えば、分析システムの非一時的メモリに実行可能命令として記憶された分析ソフトウェア(例えば、FlowJo(登録商標)などのデータ分析ソフトウェア又はプログラム)は、フローサイトメトリー事象データをユーザに表示することができる。入力/出力デバイスインターフェース840は、また、キーボード、マウス、デジタルペン、マイクロフォン、タッチスクリーン、ジェスチャー認識システム、音声認識システム、ゲームパッド、加速度計、ジャイロスコープ、又は他の入力デバイスなどの、任意選択可能な入力デバイス860から入力を受信することもできる。
【0116】
メモリ870は、処理ユニット810が順番に実行して1つ以上の実施形態を実装するコンピュータプログラム命令(いくつかの実施形態では、モジュール又はコンポーネントとしてグループ化される)を含むことができる。メモリ870は、一般的に、RAM、ROM、及び/又は他の永続的、補助的、又は非一時的なコンピュータ可読媒体を含む。メモリ870は、コンピューティングデバイス800の一般的な管理及び動作において、処理ユニット810によって使用されるためのコンピュータプログラム命令を提供するオペレーティングシステム872を記憶することができる。データはデータ記憶デバイス890に記憶されてもよい。メモリ870は、本開示の態様を実装するためのコンピュータプログラム命令及び他の情報を更に含むことができる。
【0117】
実用性
本発明のフローサイトメータ及び方法は、生物学的試料中の分析物(例えば、細胞、粒子)についてのパラメータの決定において分解能及び精度を増加させることが望ましい種々の用途における使用を見出すものである。本発明のフローサイトメータ及び方法は、特に、フローサイトメータ設定、特にコアフローにわたって均一なレーザー強度を生成することが望ましいフローサイトメータ設定においてビーム楕円率を生成する際に使用される。ビーム楕円率を生成することは、フローセルを通過する粒子の最適な照射を確実にする効果を有する。本発明のフローサイトメータ及び方法は、更に、フローサイトメトリープロセスを合理化すること、すなわち、フローサイトメトリーを実施し、楕円ビーム形状を生成するために必要とされる光学部品の数を減少させることによってフローサイトメトリープロセスを合理化することが望ましい場合に使用される。本発明のいくつかの実施形態では、光源とフローセルとの間に位置決めされる追加の光学系(すなわち、プリズム対、円柱レンズ)は、傾斜ビーム成形光学部品のビーム成形作用を補完するために必要とされない。
【0118】
本開示は、多くのタイプの分析物、特に、タンパク質(遊離タンパク質と、細胞などの構造の表面に結合したタンパク質との両方を含む)、核酸、ウイルス粒子などを含むが、それらに限定されない、医療診断又は患者をケアするためのプロトコルに関連する分析物を特徴付けるために採用され得る。更に、試料は、インビトロ又はインビボ供給源由来であり得、また試料は、診断試料であり得る。
【0119】
キット
本開示の態様は、キットを更に含み、キットは、1つ以上の傾斜ビーム成形光学部品(例えば、レンズ及び/又は凹面ミラー)と、フローサイトメータ内に傾斜ビーム成形光学部品を設置するための説明書とを含む。例えば、主題のキットは、ビーム楕円率を生成するための既存の光学部品(例えば、プリズム対、円柱レンズ)を除去し、当該追加の光学部品を傾斜ビーム成形光学部品と置換するための命令を含んでもよい。実施形態では、キットは、更に、ビーム形状、アスペクト比、及び焦点位置に関する所望の効果を達成するように、傾斜ビーム成形光学部品を調整するための命令を含む。いくつかの事例では、命令は、例えば、結果として生じるビームの主軸が所望に応じて変更され得るように、ユーザが傾斜ビーム成形光学部品の傾斜を調整することを可能にする。追加の事例では、命令は、ユーザが、撮像システムの倍率をトグルするように、フローセル及び光源に対する傾斜ビーム成形光学部品の位置を調整することを可能にする。本明細書で説明される命令は、磁気ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R、磁気テープ、不揮発性メモリカード、ROM、DVD-ROM、ブルーレイディスク、ソリッドステートディスク、及びネットワーク接続ストレージ(NAS)などの記憶媒体上に含まれ得る。これらのプログラム記憶媒体のいずれか、又は現在使用されているか若しくは後に開発され得る他のものが、本発明のキットに含まれ得る。これらの説明書は、様々な形態で主題のキット内に存在し得、そのうちの1つ以上が、キット内に存在し得る。これらの説明書が存在し得る1つの形態は、例えば、情報が印刷される1枚又は複数枚の紙などの好適な媒体又は基板上、キットのパッケージ中、添付文書などの中の印刷情報としてである。これらの説明書の更に別の形態は、情報が記録されたコンピュータ可読媒体、例えば、ディスケット、コンパクトディスク(CD)、ポータブルフラッシュドライブなどである。存在し得る、これらの説明書の更に別の形態は、隔たったサイトで情報にアクセスするために、インターネットを介して使用され得るウェブサイトアドレスである。
【0120】
以下は、例示のために提供され、限定のためではない。
【0121】
実験
実験設計1:
図3に示す概略図に従って、傾斜ビーム成形光学部品を含む実験光学系を計画した。光学システムは、0.64μmのλ及び6.8μmの直径、又は0.488μmのλ及び4.5μmの直径、又は0.405μmのλ及び3.7μmの直径によって特徴付けられる光ファイバ光コンベアを含んでいた。光学システムは、100mmの曲率半径、5.5度の傾斜角、及び90mmの光ファイバ光コンベヤからの分離距離を特徴とする凹面ミラーの形態の傾斜ビーム成形光学部品を更に含んでいた。
【0122】
ビームが光ファイバ光コンベヤによって放出され、ミラーによって反射されると、2つのビーム焦点が生成される。第1の焦点は、傾斜ビーム成形光学部品から110.83mmの距離に位置し、第2の焦点は、傾斜ビーム成形光学部品から113.14mmの距離に位置する。
【0123】
次に、光の光路に沿った異なる位置でのビームのサイズをシミュレートし、図9に示している。図9に示すように、焦点の位置は波長に依存しない。グラフの陰影領域内に位置するビームサイズは、フローサイトメトリーでの使用に適していると判定した。加えて、結果は、ミラーの位置を調整することによってビーム幅を調整することができ、ミラー傾斜角を調整することによってx方向のビームの幅及びy方向のビームの幅を調整することができることを示した。
【0124】
実験1:
図10に示される実験光学システムが作成され、FISBAレーザー1001と、折り返しミラー1002と、凹面ミラー1003の形態の傾斜ビーム成形光学部品と、CCD検出器1003とを含む。FISBAレーザーは、405nm、488nm、及び640nmの3つの異なる色によって特徴付けられる光ビームを放出するように構成された。各色は、一度に1つずつレーザーによって放出され、レーザープロファイルデータは、その色についてCCD検出器を使用して取得された。
【0125】
図11は、図10に示されるCCD検出器1003によって収集された結果を示している。図11(a)は、レーザーによって放出される異なる波長の各々に対する第1の焦点におけるビーム強度プロファイルを描写する(左から右へ:405nm、488nm及び640nm)。図11(a)に示すように、傾斜ビーム成形光学部品で反射された各ビームは、楕円状のビーム形状を示している。図11(b)は、3つの異なるビームの各々に対するビーム形状に関するパラメータを含む表を提示する。図11(b)に示すように、y(すなわち、垂直)方向のビーム幅は、x(すなわち、水平)方向のビーム幅よりも著しく大きい。
【0126】
実験2:
図5に示す概略図に従って、傾斜ビーム成形光学部品を含む実験光学系を作成した。光学システムは、光ファイバが互いに0.2mm離間され、0.13の開口数を特徴とする光ファイバ束を使用した。ファイバ束から光を出射させた後、ファイバ束から20mm離れ、入射角30度に設定された折り返しミラーで反射させた。折り返しミラーは、調整の便宜のために、また、ファイバ源とターゲットとの間の起こり得る衝突を回避するために追加される。光は、折り返しミラーによって、傾斜ビーム成形光学部品(すなわち、凹面ミラー)に反射された。凹面ミラーは、折り返しミラーから70mmの距離だけ離され、6度の入射角に設定された。凹面ミラーによって反射された光は、続いて、凹面ミラーから111.12mmの距離に設定された標的(すなわち、ビーム焦点)に遭遇した。その後、ビームプロファイルデータを収集した。
【0127】
データ収集後、ファイバ束と凹面ミラーとの間の距離が85mm、ターゲットと凹面ミラーとの間の距離が119.80mmとなるように、実験光学系のパラメータを調整した。調整されたパラメータの下でビームプロファイルデータ収集を繰り返した。
【0128】
上述の光学系から収集されたビームプロファイルデータを図12に示している。上記の測定パラメータの各セットについてデータを記録した。ケース1のデータは、光ファイバ束と凹面ミラーとを隔てる距離が90mmであり、凹面ミラーにおいてターゲットを隔てる距離が111.11mmである測定パラメータの下で収集され、ケース2のデータは、光ファイバ束と凹面ミラーとを隔てる距離が85mmであり、ターゲットと凹面ミラーとを隔てる距離が119.80mmである測定パラメータの下で収集された。図12に示すように、ターゲットで測定されるビームサイズは、(ファイバ-凹面ミラー間距離)/ROCの比に関係する。加えて、ターゲットで測定されるビームの非対称性は、凹面傾斜角によって決定される。
【0129】
添付の特許請求の範囲にかかわらず、本開示は、また、以下の付記によっても明確化される。
【0130】
1.フローセルと、
調査ポイントにおいてフローセル内の粒子を照射するためのビームを生成するように構成された光源と、
光源とフローセルとの間に位置決めされており、ビームに楕円率を生成するように構成されている、傾斜ビーム成形光学部品と
を備える、フローサイトメータ。
2.傾斜ビーム成形光学部品は、ビーム内に非点収差を生成することによって、ビーム楕円率を生成するように構成されている、付記1に記載のフローサイトメータ。
3.傾斜ビーム成形光学部品によって生成されるビーム楕円率は、3~20の範囲のアスペクト比によって特徴付けられる、付記1又は2に記載のフローサイトメータ。
4.傾斜ビーム成形光学部品は、レンズを含む、付記1~3のいずれか一つに記載のフローサイトメータ。
5.傾斜ビーム成形光学部品は、凹面ミラーを含む、付記1~3のいずれか一つに記載のフローサイトメータ。
【0131】
6.傾斜ビーム成形光学部品の傾斜は、1~15度の範囲である、付記4又は5に記載のフローサイトメータ。
7.傾斜ビーム成形光学部品の傾斜は、5~7度の範囲である、付記6に記載のフローサイトメータ。
8.傾斜ビーム成形光学部品の傾斜は、調整可能である、付記6又は7に記載のフローサイトメータ。
9.傾斜ビーム成形光学部品は、5~500mmの範囲の距離だけ光源から分離されている、付記1~8のいずれか一つに記載のフローサイトメータ。
10.傾斜ビーム成形光学部品は、5~500mmの範囲の距離だけフローセルから分離される、付記1~9のいずれか一つに記載のフローサイトメータ。
【0132】
11.光源は、
第1のレーザーに動作可能に結合され、第1のレーザーからの光を近位端で受光し、レーザー光ビームを遠位端からフローストリーム上の第1の位置に伝達するように構成された第1の光ファイバと、
第2のレーザーに動作可能に結合され、第2のレーザーからの光を近位端で受光し、レーザー光ビームを遠位端からフローストリーム上の第2の位置に伝達するように構成された第2の光ファイバと
を備える、付記1に記載のフローサイトメータ。
12.光源は、3つ以上のレーザーを備える、付記11に記載のフローサイトメータ。
13.光源は、光ファイバ束を備える、付記11又は12に記載のフローサイトメータ。
14.傾斜ビーム成形光学部品は、光ファイバ束によって生成される2つ以上のビームの各々においてビーム楕円率を生成する、付記13に記載のフローサイトメータ。
15.ビーム焦点が収色性である、付記14に記載のフローサイトメータ。
【0133】
16.光源は、フラットトップビームを生成するように構成されている、付記1に記載のフローサイトメータ。
17.光源は、正方形コアファイバを備える、付記16に記載のフローサイトメータ。
18.光源は、コリメート光源である、付記1に記載のフローサイトメータ。
19.光源は、円形ビームを放出するように構成されている、付記11~18のいずれか一つに記載のフローサイトメータ。
20.フローセルから粒子変調光を収集するための検出器を更に備える、付記1に記載のフローサイトメータ。
【0134】
21.試料を分析する方法であって、
(a)試料を、
フローセルと、
調査ポイントにおいてフローセル内の粒子を照射するためのビームを生成するように構成された光源と、
光源とフローセルとの間に位置決めされており、ビームに楕円率を生成するように構成されている傾斜ビーム成形光学部品と
を備えるフローサイトメータに導入することと、
(b)フローセルから放出された粒子変調光を検出して、試料を分析することと
を含む、方法。
22.傾斜ビーム成形光学部品は、ビーム内に非点収差を生成することによって、ビーム楕円率を生成するように構成されている、付記21に記載の方法。
23.傾斜ビーム成形光学部品によって生成されるビーム楕円率は、3~20の範囲のアスペクト比によって特徴付けられる、付記21又は22に記載の方法。
24.傾斜ビーム成形光学部品は、レンズを含む、付記21~23のいずれか一つに記載の方法。
25.傾斜ビーム成形光学部品は、凹面ミラーを含む、付記21~23のいずれか一つに記載の方法。
【0135】
26.傾斜ビーム成形光学部品の傾斜は、1~15度の範囲である、付記24又は25に記載の方法。
27.傾斜ビーム成形光学部品の傾斜は、5~7度の範囲である、付記26に記載の方法。
28.傾斜ビーム成形光学部品の傾斜は、調整可能である、付記26又は27に記載の方法。
29.傾斜ビーム成形光学部品は、5~500mmの範囲の距離だけ光源から分離されている、付記21~28のいずれか一つに記載の方法。
30.傾斜ビーム成形光学部品は、5~500mmの範囲の距離だけフローセルから分離される、付記21~29のいずれか一つに記載の方法。
【0136】
31.光源は、
第1のレーザーに動作可能に結合され、第1のレーザーからの光を近位端で受光し、レーザー光ビームを遠位端からフローストリーム上の第1の位置に伝達するように構成された第1の光ファイバと、
第2のレーザーに動作可能に結合され、第2のレーザーからの光を近位端で受光し、レーザー光ビームを遠位端からフローストリーム上の第2の位置に伝達するように構成された第2の光ファイバと
を備える、付記30に記載の方法。
32.光源は、3つ以上のレーザーを含む、付記31に記載の方法。
33.光源は、光ファイバ束を備える、付記31又は32に記載の方法。
34.傾斜ビーム成形光学部品は、光ファイバ束によって生成される2つ以上のビームの各々においてビーム楕円率を生成する、付記33に記載の方法。
35.ビーム焦点が収色性である、付記34に記載の方法。
【0137】
36.光源は、フラットトップビームを生成するように構成されている、付記21に記載の方法。
37.光源は、正方形コアファイバを備える、付記36に記載の方法。
38.光源は、コリメート光源である、付記21に記載の方法。
39.光源は、円形ビームを放出するように構成されている、付記31~38のいずれか一つに記載の方法。
【0138】
前述の発明は、理解の明確化を目的として例示及び例としてある程度詳細に記載されているが、添付の特許請求の範囲の趣旨又は範囲から逸脱することなく、いくつかの変更及び修正が、それらに対して行われ得ることは、本発明の教示に照らして当業者には容易に明らかである。
【0139】
したがって、前述した内容は、本発明の原理を単に例示しているに過ぎない。当業者であれば、本明細書に明示的に記載又は図示していないが、本発明の原理を具現化し、その主旨及び範囲内に含まれる様々な構成を考案できることが理解される。更に、本明細書に列挙された全ての例及び条件的文言は、主として本発明の原理及び発明者らにより当該技術の促進のために寄与された概念を理解する上で読者を助けることを意図しており、このような具体的に列挙された例及び条件への限定ではないと解釈されるべきである。また、本発明の原理、態様、及び実施形態、並びにその具体的な例を列挙する本明細書における全ての記述は、その構造的及び機能的等価物の両方を包含することを意図している。追加的に、そのような等価物は、現在知られている等価物及び将来開発される等価物の両方、すなわち、構造にかかわらず同じ機能を果たすいかなる開発要素も含むことが意図される。更に、本明細書に開示のいかなるものも、そのような開示が特許請求の範囲に明示的に列挙されているか否かにかかわらず、公共に供することを意図しない。
【0140】
したがって、本発明の範囲は、本明細書に図示及び記載の例示的な実施形態に限定されることを意図していない。むしろ、本発明の範囲及び趣旨は、添付の特許請求の範囲によって具現化される。特許請求の範囲において、米国特許法第112条(f)又は米国特許法第112条(6)は、特許請求の範囲への限定の始まりの正確な語句「のための手段」又は正確な語句「のためのステップ」が列挙されている場合にのみ、そのような特許請求の範囲に限定するために公使されると明示的に定義され、そのような正確な語句が、特許請求の範囲への限定において使用されない場合、米国特許法第112条(f)又は米国特許法第112条(6)は行使されない。
【0141】
関連出願の相互参照
米国特許法第119条(e)に従って、本出願は、2020年10月20日に出願された米国仮特許出願第63/094,111号の出願日に対する優先権を主張し、その出願の開示全体は参照により本明細書に組み込まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】