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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-27
(54)【発明の名称】バックサイドウェハの改質
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20231117BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20231117BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20231117BHJP
【FI】
H01L21/302 105
H01L21/304 601Z
H01L21/68 N
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526850
(86)(22)【出願日】2021-11-01
(85)【翻訳文提出日】2023-05-01
(86)【国際出願番号】 CN2021127952
(87)【国際公開番号】W WO2022100475
(87)【国際公開日】2022-05-19
(31)【優先権主張番号】17/095,931
(32)【優先日】2020-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.SMALLTALK
(71)【出願人】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【弁理士】
【氏名又は名称】太佐 種一
(74)【代理人】
【識別番号】100120710
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 忠彦
(74)【復代理人】
【識別番号】100118599
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 博司
(74)【復代理人】
【識別番号】100160738
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 由加里
(72)【発明者】
【氏名】ウォルパート,デヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】デシェーン,ダニエル ジェームス
(72)【発明者】
【氏名】クレヴェンジャー,ローレンス エー.
(72)【発明者】
【氏名】ローマン,ミッシェル
(72)【発明者】
【氏名】ゴーシュ,ソムナス
【テーマコード(参考)】
5F004
5F057
5F131
【Fターム(参考)】
5F004AA16
5F004DB01
5F004EB08
5F057AA02
5F057AA19
5F057BA11
5F057BA15
5F057CA40
5F057DA28
5F057GB40
5F131AA02
5F131BA17
5F131BA53
5F131CA07
5F131EC42
5F131EC52
5F131EC62
(57)【要約】
方法は、ウェハについての特性データを取得することを含むことができる。該特性データは、処理された状態における該ウェハに対応することができ、並びに該ウェハの応力値の1組を含むことができる。該ウェハは、フロントサイドと、該フロントサイドに反対側のバックサイドと、領域の1組とを備えていることができる。応力値の該1組が、第1の領域に対応する第1の応力値を含むことができる。該処理された状態において、1以上のフロントサイド処理は、該ウェハの該フロントサイドにおいて完了されることができる。該方法は、該第1の応力値が応力閾値を超えることを判断すること、及び該判断することに応答して且つ該特性データに基づいて、補償マップを作成することを含むことができる。該補償マップは、1以上のトレンチを形成する為に1以上の領域を識別することができる。該方法は、該ウェハの該第1の領域中の該バックサイドにおいて第1のトレンチを形成することを、該補償マップに基づいて開始することを含むことができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに実装された方法であって、
ウェハについての特性データを取得すること、ここで、該特性データは処理された状態における該ウェハに対応し、及び該処理された状態における該ウェハの応力値の1組を含み、該ウェハは、フロントサイドと、該フロントサイドに反対側のバックサイドと、領域の1組とを備えており、応力値の該1組は、領域の該1組の第1の領域に対応する第1の応力値を含み、該処理された状態において、1以上のフロントサイド処理が、該ウェハの該フロントサイドにおいて完了される;
前記第1の応力値が応力閾値を超えることを判断すること;
前記判断することに応答して且つ前記特性データに基づいて、補償マップを作成すること、ここで、該補償マップは、1以上のトレンチを形成する為に領域の前記1組の1以上の領域を識別する;並びに、
前記ウェハの前記第1の領域中の前記バックサイドにおいて第1のトレンチを形成することを、前記補償マップに基づいて開始すること
を含む、前記方法。
【請求項2】
応力値の前記1組に基づいて第1の材料を選択すること、及び、
前記第1の材料を前記第1のトレンチ内へ導入することを開始すること
を更に含む、請求項1に記載の、コンピュータに実装された方法。
【請求項3】
前記第1の材料が、金、鉛、及び炭素から成る群から選択される、請求項2に記載の、コンピュータに実装された方法。
【請求項4】
前記特性データが、前記処理された状態における前記ウェハの温度値の1組を更に含み、
温度値の前記セットが、領域の前記1組の第2の領域に対応する第1の温度値を含み、
前記方法が、
前記第1の温度値が温度閾値を超えることを判断すること;及び、
前記ウェハの前記第2の領域中の前記バックサイドにおいて第2のトレンチを形成することを、前記補償マップに基づいて且つ前記第1の温度値が前記温度閾値を超えることを判断することに応答して開始すること
を更に含む、請求項1に記載の、コンピュータに実装された方法。
【請求項5】
前記ウェハが前記処理状態にある前に前記第2のトレンチを形成することを更に含む、請求項4に記載の、コンピュータに実装された方法。
【請求項6】
温度値の前記1組に基づいて第2の材料を選択すること;及び、
前記第2の材料を前記第2のトレンチ内へ導入することを開始すること
を更に含む、請求項4に記載の、コンピュータに実装された方法。
【請求項7】
前記第2の材料が、銅、アルミニウム、オイル、及びエアロゲルから成る群から選択される、請求項6に記載の、コンピュータに実装された方法。
【請求項8】
前記ウェハが前記処理状態にある前に前記第1のトレンチを形成することを更に含む、請求項1に記載の、コンピュータに実装された方法。
【請求項9】
応力値の前記1組がウェハの反りを示す、請求項1に記載の、コンピュータに実装された方法。
【請求項10】
前記1以上のフロントサイド処理が、前記ウェハの前記フロントサイドに形成されたディープトレンチ形成を含み;及び、
前記方法が、
構造的支持領域が前記ディープトレンチと前記第1のトレンチとの間に配置されるように、前記第1のトレンチを形成すること
を更に含む、請求項1に記載の、コンピュータに実装された方法。
【請求項11】
デバイスであって、該デバイスが、
フロントサイド及びバックサイドを有するウェハを備えており、ここで、前記フロントサイドは1以上の電子回路を形成するフロントサイド処理フィーチャを受けるように構成され、前記バックサイドは前記フロントサイドの反対側にあり、
前記バックサイドはバックサイド表面とトレンチの第1の組とを備えており、
トレンチの前記第1の組は第1のトレンチと第2のトレンチとを備えており、
前記第1のトレンチは、前記第2のトレンチに対して実質的に平行であり、並びに、
前記第1のトレンチ及び前記第2のトレンチは、前記バックサイド表面から前記フロントサイドに向かって実質的に垂直に延在している、
前記デバイス。
【請求項12】
前記第1のトレンチ及び前記第2のトレンチが、前記第1のトレンチ及び前記第2のトレンチを実質的に充填する材料を備えており、ここで、該材料は、金、鉛、エアロゲル、又は炭素から成る群より選択される、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記バックサイドが、トレンチの第2の組を更に備えており、トレンチの該第2の組は、第3のトレンチと第4のトレンチとを備えており、
前記第3のトレンチが、前記第4のトレンチと実質的に平行であり、
ここで、前記第3のトレンチ及び前記第4のトレンチは、前記バックサイド表面から前記フロントサイドに向かって実質的に垂直に延在しており、
前記第3のトレンチ及び前記第4のトレンチは、前記第3のトレンチ及び前記第4のトレンチを実質的に充填する材料を含み、並びに、
前記第1のトレンチ及び前記第2のトレンチのいずれも前記材料を含まない、
請求項11に記載のデバイス。
【請求項14】
前記材料が銅及びアルミニウムから成る群から選択される、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
前記フロントサイドは前記フロントサイド処理フィーチャを備えており、前記フロントサイド処理フィーチャは、ディープトレンチの第1のセットとディープトレンチの第2のセットとを備えている、請求項11に記載のデバイス。
【請求項16】
ディープトレンチの前記第1の組とディープトレンチの前記第2の組との間に溝が配置されており、
ディープトレンチが前記溝内に存在せず、及び、
トレンチの前記第1の組が、前記溝の下に、且つディープトレンチの前記第1の組とディープトレンチの前記第2の組との間に配置されている、
請求項15に記載のデバイス。
【請求項17】
構造的支持領域が、ディープトレンチの前記第1の組及びディープトレンチの前記第2の組の下に配置されており、
前記構造的支持領域が前記バックサイド表面の上方に配置されており、並びに、
ディープトレンチの前記第1の組、ディープトレンチの前記第2の組、及びトレンチの前記第1の組のいずれも、前記構造的支持領域内に延在していない、
請求項15に記載のデバイス。
【請求項18】
トレンチの前記第1の組が第5のトレンチを更に備えており、
前記第5のトレンチが、前記第2のトレンチと実質的に平行であり、
前記第5のトレンチが、前記バックサイド表面から前記フロントサイドに向かって実質的に垂直に延在しており、
第1の幅を有する第1のスペースが、前記第1のトレンチを前記第2のトレンチから水平方向に分離しており、
第2の幅を有する第2のスペースが、前記第2のトレンチを前記第5のトレンチから水平方向に分離しており、及び、
前記第1の幅と前記第2の幅が実質的に等しい、
請求項11に記載のデバイス。
【請求項19】
デバイスであって、該デバイスが、
フロントサイドと、前記フロントサイドに反対側のバックサイドとを有するウェハ
を備えており、
前記フロントサイドが、1以上の電子回路を形成するフロントサイド処理フィーチャを備えており、ここで、前記フロントサイド処理フィーチャが、ディープトレンチの第1の組及びディープトレンチの第2の組を備えており、
ディープトレンチの前記第1の組とディープトレンチの前記第2の組との間に溝が配置されており、
ディープトレンチが前記溝内に存在せず、
前記バックサイドは、バックサイド表面とトレンチの第1の組とを備えており、ここで、トレンチの第1の組は、第1のトレンチと第2のトレンチとを備えており、
前記第1のトレンチは、前記第2のトレンチと実質的に平行であり、
前記第1のトレンチ及び前記第2のトレンチは、前記バックサイド表面から前記フロントサイドに向かって実質的に垂直に延在しており、並びに、
トレンチの前記第1の組は、前記溝の下に、且つディープトレンチの前記第1の組とディープトレンチの前記第2の組との間に配置されている、
前記デバイス。
【請求項20】
前記第1のトレンチ及び前記第2のトレンチが、前記第1のトレンチ及び前記第2のトレンチを実質的に充填する材料を備えており、ここで、該材料は、金、鉛、炭素、及びエアロゲルから成る群から選択される、請求項19に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ウェハ製造に、より具体的には、バックサイドウェハの改質に関する。
【背景技術】
【0002】
ウェハ製造は、ウェハ、例えばシリコンウェハ、において一連の処理工程を実行して、複数のダイの1組を作成することを含むことができ、ここで、各々のダイは少なくとも1つの電子回路を含むことができる。該処理工程は、該ウェハのフロントサイドにおいて実行される操作及びバックサイドにおいて実行される操作を含むことができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示の実施態様に従うと、方法は、ウェハについての特性データを取得することを含むことができる。該特性データは、処理された状態における該ウェハに対応することができる。該特性データは、該処理された状態における該ウェハの応力値の1組を含むことができる。該ウェハは、フロントサイドと、該フロントサイドに反対側のバックサイドと、領域の1組とを備えていることができる。応力値の該1組が第1の応力値を含む。該第1の応力値は、領域の該1組の第1の領域に対応する。該処理された状態において、1以上のフロントサイド処理は、該ウェハの該フロントサイドにおいて完了されることができる。該方法は、該第1の応力値が応力閾値を超えることを判断することを含むことができる。該方法は、該判断することに応答して且つ該特性データに基づいて、補償マップを作成することを含むことができる。該補償マップは、1以上のトレンチを形成する為に領域の該1組の1以上の領域を識別することができる。該方法は、該ウェハの該第1の領域中の該バックサイドにおいて第1のトレンチを形成することを、該補償マップに基づいて開始することを含むことができる。
【0004】
本開示の実施態様は、ウェハを有するデバイスとして例示されることができる。該ウェハは、フロントサイド及びバックサイドを有することができる。該フロントサイドは、フロントサイド処理フィーチャを受けるように構成されることができる。該フロントサイド処理フィーチャは、1以上の電子回路を形成することができる。該バックサイドは該フロントサイドの反対側にあることができる。該バックサイドは、バックサイド表面とトレンチの第1の組とを備えていることができる。トレンチの該第1の組は第1のトレンチと第2のトレンチとを備えている。該第1のトレンチは、該第2のトレンチに対して実質的に平行であることができる。該第1のトレンチ及び該第2のトレンチは、該バックサイド表面から該フロントサイドに向かって実質的に垂直に延在していることができる。
【0005】
本開示の実施態様は、ウェハを有するデバイスとして例示されることができる。該ウェハは、フロントサイドと、該フロントサイドに反対側のバックサイドとを有する。該フロントサイドは、フロントサイド処理フィーチャを備えていることができる。該フロントサイド処理フィーチャは、ディープトレンチの第1の組及びディープトレンチの第2の組を備えている。ディープトレンチの該第1の組とディープトレンチの該第2の組との間に溝が配置されていることができる。ディープトレンチは、該溝内に存在しないことができる。該バックサイドは、バックサイド表面とトレンチの第1の組とを備えていることができる。トレンチの第1の組は、第1のトレンチと第2のトレンチとを備えていることができる。該第1のトレンチは、該第2のトレンチと実質的に平行であることができる。該第1のトレンチ及び該第2のトレンチは、該バックサイド表面から該フロントサイドに向かって実質的に垂直に延在していることができる。トレンチの該第1の組は、該溝の下に、且つディープトレンチの該第1の組とディープトレンチの該第2の組との間に配置されていることができる。
【0006】
上記の概要は、本開示の図示された各実施態様又は全ての実装を説明することを意図するものではない。
【0007】
本願に含まれている図面は、本明細書に組み込まれ、及び本明細書の一部を構成する。それらは、本開示の実施態様を例示し、発明の詳細な説明とともに、本開示の原理を説明する為に役立つ。該図面は、或る実施態様を例示するものに過ぎず、本開示を限定するものでない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本開示の実施態様に従う、ウェハ改質システムを有するコンピューティング環境の一例を図示する。
図2図2は、本開示の実施態様に従う、バックサイドウェハ改質を実行する為の例示的な方法のフローチャート図を図示する。
図3A図3Aは、本開示の実施態様に従う、補償マップに含まれるウェハの上面図表現を図示する。
図3B図3Bは、ウェハが処理された状態にある前の図3Aにおいて図示されたウェハの断面図を図示し、ここで、該ウェハは、本開示の実施態様に従って、バックサイドトレンチを有する。
図3C図3Cは、本開示の実施態様に従う、処理された状態における図3Bのウェハを図示する。
図3D図3Dは、本開示の実施態様に従う、バックサイドトレンチ内に導入された材料を有する図3Bのウェハを図示する。
図3E図3Eは、本開示の実施態様に従う、処理された状態における図3Dのウェハを図示する。
図3F図3Fは、本開示の実施態様に従う、処理された状態における図3Aに図示されたウェハの断面図を図示する。
図3G図3Gは、本開示の実施態様に従う、バックサイドトレンチを有する図3Fのウェハを図示する。
図3H図3Hは、ウェハが処理された状態にある前の図3Aにおける図示されたウェハの断面図を図示し、ここで、該ウェハは、本開示の実施態様に従って、バックサイドトレンチ内に導入された材料を有する。
図3I図3Iは、本開示の実施態様に従う、処理された状態における図3Hのウェハを図示する。
図4図4は、本開示の実施態様に従って使用されることができるコンピュータシステムの代表的な主要コンポーネントを図示する。
【0009】
本発明は、様々な変更及び代替形態に従うことができるが、それらの具体的な内容は、図面において例として示されており、並びに詳細に説明されるであろう。しかしながら、その意図は、本発明を記載された特定の実施態様に限定することでないことが理解されるべきである。それどころか、その意図は、本発明の範囲内に入る全ての変更、等価物、及び代替物をカバーすることである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の観点は、ウェハ製造に、より特には、バックサイドウェハの改質に関する。本開示は、必ずしもそのような用途に限定されないが、本開示の様々な観点は、この文脈を用いた様々な例の記載を通じて理解されうる。
【0011】
ウェハ製造は、ウェハ、例えばシリコンウェハ、において一連の処理工程を実行して、各々が少なくとも1つの電子回路を備えていることが出来るところのダイの1組を作成することを含むことができる。該処理工程は、該ウェハのフロントサイドにおいて実行される操作及びバックサイドにおいて実行される操作を含むことができる。例えば、幾つかの実施例において、フロントサイド処理工程は、該ウェハのフロントサイド上に、特徴、例えば、回路層、導電トレース及びトランジスタ、を形成する為のエッチング処理及び堆積処理を含むことができる。場合によっては、バックサイド処理工程は、該ウェハの厚さを改質する為の研磨と、そのような研磨によって引き起こされたウェハの損傷を修復する為の研磨若しくは材料の塗布又はそれらの組み合わせとを含むことができる。場合によっては、該フロントサイド側の操作の1以上は、該ウェハ内に応力を誘発することができる。そのような応力は、該ウェハの1以上の領域が閾値の平坦さ(threshold flatness)から逸脱するように、該ウェハを湾曲させることができる。
【0012】
該ウェハの湾曲は、その後のフロントサイド処理操作における様々な問題の一因となる可能性がある。例えば、フロントサイド処理操作は、ディープトレンチエッチング(例えば、シリコンオンインシュレータプロセスにおいて埋設絶縁体層を越えて延在するフロントサイドトレンチを形成する為のエッチングプロセス)を含むことができる。場合によっては、そのようなディープトレンチエッチングは、該ウェハの1以上の領域を反らす為の応力を誘発することがある。該ウェハの反りによって引き起こされる該ウェハの凹凸は、該ウェハにおいて望ましくない変動をもたらす可能性がある。例えば、ある例において、該ウェハに転写されるべき直線のパターンが、該ウェハの凹凸故に、該ウェハにおいて曲線として形成される可能性がある。他の例において、そのような不均一性により、該ウェハの或る領域が他の領域よりも多くの材料が削られる可能性がある。従って、該ウェハの反りは、ダイ欠陥の原因となる可能性がある。
【0013】
これらの課題及び他の課題に対処する為に、本開示の実施態様は、ウェハ改質システムを包含する。幾つかの実施態様において、該ウェハ改質システムは、フロントサイド処理操作によって誘発される応力がウェハの反りを生じうるかを予測することができる。ウェハの反りが生じうるという予測に応答して、該ウェハ改質システムは、そのような予測された反りを低減する為に、1以上のバックサイドトレンチの形成を開始することができる。特に、該ウェハ改質システムは、ウェハについての特性データに基づいて、補償マップを作成することができる。該補償マップは、バックサイドトレンチの1組を形成することにより、ウェハの反りに寄与しうる応力を補償することができるところの該ウェハの1以上の領域を識別することができる。該ウェハ改質システムは、バックサイドトレンチの該1組の形成を、該補償マップに基づいて開始することができる。幾つかの実施態様において、バックサイドトレンチの該1組の形成は、該ウェハが処理された状態である前に(例えば、1以上のフロントサイド処理が該ウェハの該フロントサイドにおいて完了される前に)生じることができる。
【0014】
補償マップを作成することによって、本開示の実施態様は、処理される特定のウェハの特性に合わせた効率的な方法でウェハの反りを低減させることができる。例えば、本開示の実施態様は、ウェハの反りが生じると予測される特定の事例、及び該ウェハの反りを低減することができる該ウェハの特定の領域において、バックサイドトレンチの形成を開始することができる。加えて、該ウェハが処理された状態にある前にバックサイドトレンチの1組を形成することによって、本開示の実施態様は、予測されるウェハの反りに事前対応的に対処することができる。そのような予防的アプローチは、該ウェハに対して実行されるその後のフロントサイド側処理操作の間、ウェハの反りを防止することができる。結果として、本開示の実施態様は、ダイ欠陥を低減することができる。
【0015】
幾つかの実施態様において、該ウェハの該特性データに基づいて、熱的考慮事項の観点において、該ウェハ改質システムは、バックサイドトレンチで改質する為に該ウェハの1以上の領域を選択することができる。例えば、幾つかの実施態様において、そのような領域は、温度、例えば該ウェハのダイの動作温度、が温度閾値を超えると予測される領域を含むことができる。幾つかの実施態様において、そのような領域は、熱伝達を局所的に改善することによって、所定のダイ上の熱変動を改善するように選択されることができる。幾つかの実施態様において、そのような領域は、感度の高いチップ領域の改善された熱特性を結果として生じる故に、所定のダイの部分間の熱絶縁を増加させるように選択されることができる。従って、本開示の実施態様は、熱的考慮事項の観点において、該ウェハの1以上のダイの動作性能(operating performance)を向上させることができる。
【0016】
図に目を向けると、図1は、ウェハ改質システム110、ウェハ処理デバイス150、コンピューティングデバイス170、若しくはネットワーク180又はそれらの組み合わせの各々のうちの1以上を備えているコンピューティング環境100を示す。幾つかの実施態様において、少なくとも1つのウェハ改質システム110、ウェハ処理デバイス150、若しくはコンピューティングデバイス170又はそれらの組み合わせは、少なくとも1つのネットワーク180を通じて少なくとも他の1つとデータを交換することができる。ウェハ改質システム110、ウェハ処理デバイス150、コンピューティングデバイス170、若しくはネットワーク180又はそれらの組み合わせの各々のうちの1以上は、コンピュータシステム、例えば、図4に関して記載されたコンピュータシステム401、を備えていることができる。
【0017】
幾つかの実施態様において、ウェハ改質システム110は、コンピューティングデバイス170若しくはウェハ処理デバイス150又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つのコンピュータシステムにおいてインストールされるソフトウェア中に含まれることができる。例えば、幾つかの実施態様において、ウェハ改質システム110は、ウェハ処理デバイス150においてインストールされたソフトウェアのプラグインソフトウェアコンポーネントとして備えられていることができる。ウェハ改質システム110は、図2図3Iに関して記載されている1以上の動作を実行する為に、プロセッサ、例えばウェハ処理デバイス150のプロセッサ、によって実行されるプログラム命令を備えていることができる。
【0018】
幾つかの実施態様において、ウェハ改質システム110は、1以上のモジュール、例えば、データマネージャ120、補償マップジェネレータ130、若しくはデバイスマネージャ140又はそれらの組み合わせ、を備えていることができる。幾つかの実施態様において、データマネージャ120、補償マップジェネレータ130、若しくはデバイスマネージャ140又はそれらの組み合わせは、単一のモジュール内に統合されることができる。幾つかの実施態様において、データマネージャ120は、データ、例えばウェハの特性データ、を取得すること、解釈すること、解析すること、保存すること、若しくは該データの保存を開始させること、又はそれらの組み合わせを行うことができる。幾つかの実施態様において、補償マップジェネレータ130は、データ、例えば特性データ、を解釈すること若しくは解析すること又はそれらの組み合わせを行うこと、並びに1以上の補償マップを作成することができる。幾つかの実施態様において、ウェハ改質システム110は、ウェハの特性データの構造解析若しくは熱解析又はそれらの組み合わせを行う為のソフトウェアを備えていることができる。幾つかの実施態様において、デバイスマネージャ140は、1以上のコマンドを1以上のウェハ処理デバイス150に送信することができる。例えば、幾つかの実施態様において、デバイスマネージャ120は、ウェハ160においてバックサイドトレンチの1組を補償マップに基づいて形成する為のコマンドをエッチングデバイスに送信することができる。幾つかの実施態様において、データマネージャ120、補償マップジェネレータ130、若しくはデバイスマネージャ140又はそれらの組み合わせのうちの1以上は、図2図3Iに関して記載された1以上の動作を実行する為に、プロセッサ、例えば、ウェハ処理デバイス150のプロセッサ、によって実行されるプログラム命令を備えていることができる。例えば、幾つかの実施態様において、データマネージャ120は、図2の動作210及び220を実行する為のプログラム命令を備えていることができる。幾つかの実施態様において、補償マップジェネレータ130は、図2の動作230及び240を実行する為のプログラム命令を備えていることができる。幾つかの実施態様において、デバイスマネージャ140は、図2の動作250及び260を実行する為のプログラム命令を備えていることができる。
【0019】
幾つかの実施態様において、1以上のウェハ処理デバイス150は、ウェハ160上に電子回路を形成する為に、プロセス、例えば、フォトリソグラフィ、エッチング、堆積等、を実行するように構成された機械若しくは装置又はそれらの組み合わせの1組を備えていることができる。幾つかの実施態様において、1以上のウェハ処理デバイス150は、ウェハ改質システム110によって発行された1以上のコマンドに応答して、ウェハ160上にバックサイドトレンチを形成するように、若しくはウェハ160のバックサイドトレンチ内に1以上の材料を導入するように、又はそれらの組み合わせを実行するように構成されることができる。幾つかの実施態様において、ウェハ改質システム110は、ウェハ160に所定の構造的支持(structural support)若しくは熱伝達特性又はそれらの組み合わせを提供する為に、そのような材料の導入を開始することができる。ウェハ160は、電子回路の1組が形成されることができる基板を云うことができる。ウェハ160は、半導体材料、例えばシリコン、で構成されることができる。ウェハ160は、ダイの1組に分離されることができ、ここで、各ダイは、少なくとも1つの電子回路を備えている。
【0020】
幾つかの実施態様において、1以上のコンピューティングデバイス170は、コンピュータ又はサーバを包含することができる。例えば、幾つかの実施態様において、1以上のコンピューティングデバイス170は、ウェハ処理デバイス150を操作するエンティティ、例えば製造施設、のコンピュータを備えていることができる。1以上のコンピューティングデバイス170は、ウェハ160についてのデータ、例えば特性データ、を記憶し若しくは処理し又は記憶且つ処理するように構成されることができる。幾つかの実施態様において、1以上のコンピューティングデバイス170は、そのような特性データをウェハ改質システム110に提供することができる。幾つかの実施態様において、ネットワーク180は、広域ネットワーク(WAN:wide area network)、ローカルエリアネットワーク(LAN:local area network)、インターネット、又はイントラネットでありうる。
【0021】
図2は、本開示の実施態様に従う、バックサイドウェハ改質を実行する為の例示的な方法200のフローチャート図を図示する。方法200は、図1に関して記載されたウェハ改質システム、例えばウェハ改質システム110、によって実行されることができる。
【0022】
動作210において、該ウェハ改質システムは、ウェハについての特性データを取得することができる。幾つかの実施態様において、特性データは、製造されるべきウェハに関する情報を含むことができる。例えば、幾つかの実施態様において、特性データは、ウェハについての設計データ、例えば、形成されるべきコンポーネント(例えば、トランジスタ)及び該ウェハ上のそれらの位置;該ウェハに含まれるべき材料及びそれらの対応する特性;形成されるべき特徴(例えば、フロントサイドトレンチ)及びそれらの寸法、ウェハ上の位置、若しくは数量、又はそれらの組み合わせ等、を含むことができる。幾つかの実施態様において、特性データは、処理された状態における該ウェハの特性(例えば、応力値(stress values)若しくは温度値又はそれらの組み合わせ)を含むことができる。処理された状態は、1以上のフロントサイド処理が該ウェハの該フロントサイドにおいて完了したところのウェハの状態を云うことができる。例えば、幾つかの実施態様において、処理された状態は、フロントエンドライン工程(front-end-of-line processes)(例えば、ディープトレンチエッチング(deep-trench etching))若しくはバックエンドライン工程(back-end-of-line processes)(例えば、金属化層の堆積)がウェハ上で完了したところの状態を云うことができる。幾つかの実施態様において、処理された状態は、ウェハがダイへと分離されたところの状態を云うことができる。これらの実施態様において、特性データは、コンポーネントの動作の間にダイコンポーネントに関連付けられた1以上の温度値を含むことができる。例えば、幾つかの実施態様において、特性データは、ウェハのダイ上に形成されたダイオードの予測された動作温度を含むことができる。
【0023】
幾つかの実施態様において、動作210は、ウェハ改質システムが、ソース、例えば、コンピューティングデバイス(例えば、コンピューティングデバイス170、図1)若しくはウェハ処理デバイス(例えば、ウェハ処理デバイス150、図1)又はそれらの組み合わせ、から特性データを取得することを含むことができる。幾つかの実施態様において、動作210は、ウェハ改質システムが特性データを作成することを含むことができる。例えば、幾つかの実施態様において、該ウェハ改質システムは、ウェハについての設計データを解析する為に、構造解析若しくは熱解析ツール又はそれらの組み合わせを使用することができる。そのような解析に基づいて、該ウェハ改質システムは、処理された状態におけるウェハに対応する1以上の応力値若しくは温度値又はそれらの組み合わせを計算することができる。更に、そのような解析に基づいて、該ウェハ改質システムは、そのような応力値若しくは温度値又はそれらの組み合わせを有することができるウェハの1以上の領域を決定することができる。
【0024】
動作220において、該ウェハ改質システムは、閾値データを取得することができる。幾つかの実施態様において、該閾値データは、該ウェハ改質システムが、ウェハの反りが生じるかどうかを予測する為に使用することができるところの1以上のパラメータ値を含むことができる。例えば、幾つかの実施態様において、該閾値データは、応力閾値を含むことができる。この例において、該応力閾値を超えるウェハの応力値は、1以上のフロントサイド処理動作に応答するウェハの反りが生じそうであることを示すことができる。従って、この例において、該ウェハ改質システムは、ウェハの応力値が応力閾値を超えるという判断に応答して、ウェハの反りが生じうることを予測することができる。幾つかの実施態様において、該閾値データは、該ウェハ改質システムが、ウェハから形成されたコンポーネントの動作特性を予測する為に使用することができる1以上のパラメータ値を含むことができる。例えば、幾つかの実施態様において、該閾値データは、ウェハのダイ上に形成されたトランジスタの該1組についての温度閾値を含むことができる。この例において、温度閾値を超えるトランジスタの該1組の動作温度値は、該ダイの過剰な動作温度を示すことができる。従って、この例において、ウェハ改質システムは、動作温度値が温度閾値を超えるという判断に応答して、該ダイの欠陥操作(deficient operation)を予測することができる。
【0025】
幾つかの実施態様において、該閾値データは、該ウェハ改質システムのエンティティ、例えば、プログラマ又はオペレータ、によって予め決定されることができる。幾つかの実施態様において、該ウェハ改質システムは、ウェハ若しくはウェハのコンポーネント又はそれらの組み合わせの以前の構造若しくは熱解析又はそれらの組み合わせに関するデータを記憶するところのソース、例えば、第三者企業のウェブサーバ、から閾値データを取得することができる。
【0026】
動作230において、該ウェハ改質システムは、動作220において得られた閾値を超えたかどうかを、動作210において取得された特性データに基づいて判断することができる。例えば、幾つかの実施態様において、動作230は、該ウェハ改質システムが、動作210において取得された応力値を動作220において得られた応力閾値と比較して、該応力値が該応力閾値を超えるかを判断することを含むことができる。該ウェハ改質システムは、該特性データが該閾値データを超えることを決定した場合、該ウェハ改質システムは、動作240に進むことができる。そうでなく、該ウェハ改質システムが、該特性データが閾値データを超えないと判断した場合、方法200は終了することができる。
【0027】
動作240において、該ウェハ改質システムは、補償マップを作成することができる。補償マップは、ウェハ上に1以上のバックサイドトレンチを形成する為の仕様の1組を含むことができる。幾つかの実施態様において、仕様の該1組は、1以上のバックサイドトレンチの為の情報、例えば、寸法、数量、若しくは形成位置(例えば、バックサイドトレンチが形成されるべきところのウェハの領域)又はそれらの組み合わせ、を含むことができる。幾つかの実施態様において、該補償マップは、ウェハの視覚的表現(例えば、コンピュータモデル、若しくはウェハの画像の1組又はそれらの組み合わせ)を含むことができる。これらの実施態様において、そのような視覚的表現は、コンピューティングデバイス若しくは処理デバイス又はそれらの組み合わせの画面上に表示されることができる。該視覚的表現により、該ウェハの特徴を見ること及びウェハにおいて1以上のバックサイドトレンチを形成する為の仕様の該1組を解釈するユーザの能力を容易にすることができる。
【0028】
幾つかの実施態様において、該ウェハ改質システムは、少なくとも部分的に、動作210において得られた特性データに基づいて補償マップを作成することができる。例えば、幾つかの実施態様において、該特性データは、処理された状態における該ウェハの領域の夫々の1組に対応する応力値の1組を含むことができる。この例において、該ウェハ改質システムは、動作230を実行することに応答して、ウェハの反りが領域の該1組の各領域において生じそうであることを予測することができる。これに応答して、該ウェハ改質システムは、各領域について、該ウェハにおける応力を低減することができる1以上のバックサイドトレンチを形成する為の仕様を作成することができる。そのような応力を低減することによって、該ウェハ改質システムは、各領域における反りの程度を低減することができる。この例において、該ウェハ改質システムは、構造解析ツールを使用して、処理された状態におけるウェハの設計データ若しくは特性又はそれらの組み合わせを解析することによって、仕様を作成することができる。そのような解析を通じて、該ウェハ改質システムは、ウェハの反りを低減することができる仕様を決定することができる。
【0029】
幾つかの実施態様において、動作240は、ウェハにおいてバックサイドトレンチを形成することによる追加の構造的効果若しくは熱的効果又はそれらの組み合わせの効果を該ウェハ改質システムが考慮することを含むことができる。例えば、幾つかの実施態様において、該ウェハ改質システムは、1以上のバックサイドトレンチと該ウェハの1以上のフロントサイド処理フィーチャ(例えば、フロントサイドトレンチ)との間に構造的支持領域が配置されるところの1以上のバックサイドトレンチを形成する為の仕様の1組を作成することができる。これらの実施態様において、該ウェハ改質システムは、閾値剛性又は閾値柔軟性が該ウェハ内に維持されることができるように、該構造的支持領域の寸法を特定することができる。そのような閾値剛性又は閾値柔軟性により、ウェハ若しくはウェハのダイ又はそれらの組み合わせが、その他の点でウェハ若しくはウェハのダイ又はそれらの組み合わせに対して物理的損傷を引き起こす可能性がある力に耐えることを可能にすることができる。
【0030】
幾つかの実施態様において、動作240は、該ウェハ改質システムが、1以上のバックサイドトレンチ内に導入されるべき材料を選択することを含むことができる。材料のそのような導入は、該ウェハ改質システムが、該ウェハの構造的特性若しくは熱的特性又はそれらの組み合わせを更に調整することを可能にすることができる。幾つかの実施態様において、材料の該導入はまた、望ましくない材料が該バックサイドトレンチ内部に蓄積することを防止することができる。幾つかの実施態様において、該ウェハ改質システムは、少なくとも部分的に、動作210において得られた特性データ中に含まれる1以上の応力値若しくは1以上の温度値又はそれらの組み合わせに基づいて材料を選択することができる。例えば、幾つかの実施態様において、該ウェハ改質システムは、1以上のバックサイドトレンチ内に導入される場合に、該ウェハの若しくは該ウェハのダイの又はそれらの組み合わせの熱伝達特性を改善しながら、該ウェハの応力値を低減することができるところの材料を選択することができる。幾つかの実施態様において、該ウェハ改質システムは、材料、例えば、金、鉛、エアロゲル、又は炭素、を選択して、ウェハの応力若しくは剛性又はそれらの組み合わせを改質することができる。幾つかの実施態様において、該ウェハ改質システムは、熱伝導率を高める為に、材料、例えば、銅又はアルミニウム、を選択することができ、ウェハ改質システムは、熱伝導率を下げる為に、絶縁材料、例えば、ガス、オイル、又はエアロゲル、を選択することができる。
【0031】
動作250において、該ウェハ改質システムは、1以上のバックサイドトレンチの形成を、動作240において作成された補償マップに基づいて開始することができる。幾つかの実施態様において、動作250は、該ウェハ改質システムが、1以上の処理デバイス(例えば、ウェハ処理デバイス150、図1)に1以上のコマンドを発行して、1以上のバックサイドトレンチを形成することを含むことができる。幾つかの実施態様において、そのようなコマンドは、該ウェハが処理された状態になる前に(例えば、1以上のフロントサイド処理が該ウェハの該フロントサイドにおいて完了される前に)1以上のバックサイドトレンチを形成する命令を含むことができる。例えば、幾つかの実施態様において、そのようなコマンドは、処理デバイスが該ウェハの該フロントサイドにおいてディープトレンチエッチングを行う前に、バックサイドトレンチの1組を形成する為の指示を含むことができる。このようにして、該ウェハ改質システムは、ウェハの反りを引き起こすと予測されるフロントサイド処理によって誘発される応力を事前対応的に補償することができる。幾つかの実施態様において、そのようなコマンドは、該ウェハが処理された状態になった後に、処理装置がバックサイドトレンチの1組を形成する為の命令を含むことができる。これらの実施態様において、該ウェハ改質システムは、該ウェハから形成されるコンポーネントの予測された動作温度を変更する為に、若しくはフロントサイド処理後に生じることができる応力(例えば、熱膨張若しくはダイのパッケージング又はそれらの組み合わせによる応力)を低減する為に、バックサイドトレンチの1組を形成することができる。
【0032】
動作260において、該ウェハ改質システムは、動作250において形成されたバックサイドトレンチのうちの1以上のバックサイドトレンチ内へ材料を導入することを開始することができる。材料のそのような導入は、動作240において作成された補償マップに基づくことができる。幾つかの実施態様において、動作260は、該ウェハ改質システムが、1以上のコマンドを1以上の処理デバイス(例えば、ウェハ処理デバイス150、図1)に発行して、材料を1以上のバックサイドトレンチ内に挿入することを含むことができる。幾つかの実施態様において、該1以上の処理デバイスは、堆積処理を通じて該材料を1以上のバックサイドトレンチ内に導入することができる。幾つかの実施態様において、そのようなコマンドは、該ウェハが処理された状態にある前に該材料を挿入する為の指示を含むことができる。このようにして、該ウェハ改質システムは、フロントサイド処理によって誘発される応力若しくは温度勾配又はそれらの組み合わせを事前対応的に補償することができる。幾つかの実施態様において、そのようなコマンドは、該ウェハが処理された状態になった後に該材料を挿入する為の命令を含むことができる。これらの実施態様において、該ウェハ改質システムは、バックサイドトレンチの該1組を調整して、該ウェハから形成されるコンポーネントの予測された動作温度を変更し、若しくはフロントサイド処理後に生じることができる応力を低減し、又はそれらの組み合わせを行うことができる。
【0033】
図3A図3Iは、本開示の実施態様に従うウェハを図示する。該図は縮尺通りに示されておらず、これらの図に含まれる特徴は、明確にする為に拡大されて示されている。その上、特徴/領域の数、特徴/領域の形状、特徴/領域の位置、及び特徴/領域間の関係(例えば、相対位置、相対サイズ等)は、例示の目的で示されており、限定的に解釈されるものでない。
【0034】
図3Aは、本開示の実施態様に従う、補償マップに含まれているウェハ302の上面図表現300を図示する。ウェハ302は、バックサイド(図示せず)に反対側のフロントサイド305を有する。該表現300は、ウェハ302の領域320及び325を示し、該ウェハ改質システムが、ウェハ302上のフロントサイド処理操作によって誘発された応力を補償する為に、バックサイドトレンチの形成を開始することができる。該表現300は、ウェハ302のダイの熱特性(例えば、動作温度)を変更する為に該ウェハ改質システムがバックサイドトレンチの形成を開始することができるところのウェハ302の領域310、315、330及び335を更に図示する。
【0035】
図3Bは、ウェハ302が処理された状態にある前(例えば、1以上のフロントサイド処理がウェハ302のフロントサイド340において完了される前)の図3Aにおいて図示されたウェハ302の断面図を図示する。ウェハ302のバックサイド345において及び領域320内で、本開示の実施態様に従って、バックサイドトレンチの1組350が形成される。バックサイドトレンチの1組350は、互いに実質的に平行である複数のトレンチを含む。スペース352が、複数のトレンチの各々を別のトレンチから水平に分離している。幾つかの実施態様において、そのようなスペース352は、実質的に等しい幅を有する。加えて、バックサイドトレンチの1組350は、バックサイド345のバックサイド表面312からウェハ302のフロントサイド340に向かって実質的に垂直に延在している。
【0036】
図3Cは、本開示の実施態様に従う、処理された状態における図3Bのウェハ302を図示する。図3Cにおいて、ディープトレンチの複数の組360を備えているフロントサイド処理フィーチャ(front-side processing features)355は、ウェハ302のフロントサイド340上に形成される。幾つかの実施態様において、フロントサイド処理フィーチャ355は、機能、例えば、導電性トレース、金属化層、及びトランジスタ、を包含することができる。ディープトレンチの複数の組360を備えているフロントサイド処理フィーチャ355は、ウェハ302のフロントサイド340において1以上の電子回路を形成することができる。図3Cは、バックサイドトレンチの1組350が形成された後に形成された、ディープトレンチの複数の組360を備えているフロントサイド処理フィーチャ355を図示する。ウェハ302は加えて、ディープトレンチの複数の組360とバックサイドトレンチの1組350との間に配置された構造的支持領域365を備えている。より具体的には、構造的支持領域365は、ディープトレンチの複数の組360の下に配置され、並びにバックサイド表面312及びバックサイドトレンチの1組350の両方の上に配置される。トレンチは構造的支持領域365内に延在していない。ウェハ302はまた、ディープトレンチの複数の組360の間に溝362を備えている。ディープトレンチは溝362内に存在しない。図3Cは、溝362の下に配置されたバックサイドトレンチの1組350を図示する。幾つかの実施態様において、そのような構成は、ウェハ302の予測された反りを低減することができる。
【0037】
図3Dは、本開示の実施態様に従って、バックサイドトレンチの1組350内に導入された材料390を有する図3Bのウェハ302を図示する。幾つかの実施態様において、材料390は、バックサイドトレンチの1組350を実質的に充填することができる(例えば、材料390は、該バックサイドトレンチの各々の体積の少なくとも約90パーセントを充填することができる)。幾つかの実施態様において、材料390は、金、鉛、エアロゲル、又は炭素を含むことができる。
【0038】
図3Eは、本開示の実施態様に従う、処理された状態における図3Dのウェハ302を図示する。図3Eは、材料390がバックサイドトレンチの1組350内に導入された後に形成された、ディープトレンチの複数の組360を備えているフロントサイド処理フィーチャ355を図示する。
【0039】
図3Fは、本開示の実施態様に従う、処理された状態における図3Aにおいて図示されたウェハ302の断面図を図示する。従って、フロントサイド処理フィーチャ375(例えば、導電トレース、金属化層、トランジスタ等)は、ウェハ302のフロントサイド340において形成される。フロントサイド処理フィーチャ375は、ウェハ302のフロントサイド340において1以上の電子回路を形成することができる。領域310及び315は、本開示の実施態様に従って、該ウェハ改質システムがウェハのバックサイド345においてバックサイドトレンチの形成を開始することができるところの領域を表す。
【0040】
図3Gは、本開示の実施態様に従う、バックサイドトレンチの複数の組380を有する図3Fのウェハ302を図示する。バックサイドトレンチの複数の組380は、領域310及び315内のウェハ302のバックサイド345において形成される。図3Gは、フロントサイド処理フィーチャ375がウェハ302のフロントサイド340において形成された後に形成されるバックサイドトレンチの複数の組380を示す。バックサイドトレンチの複数の組380は、互いに実質的に平行である複数のトレンチを含む。スペース377は、複数のトレンチの各々を別のトレンチから水平に分離する。幾つかの実施態様において、そのようなスペース377は、実質的に等しい幅を有する。加えて、バックサイドトレンチの複数の組380は、バックサイド345のバックサイド表面312からウェハ302のフロントサイド340に向かって実質的に垂直に延在している。ウェハ302は加えて、フロントサイド処理フィーチャ375とバックサイドトレンチの複数の組380との間に配置された構造的支持領域385を備えている。より具体的には、構造的支持領域385は、フロントサイド処理フィーチャ375の下並びにバックサイド表面312とバックサイドトレンチの複数の組380の両方の上に配置される。
【0041】
図3Hは、図3Aにおいて図示されたウェハ302が処理された状態にある前の該ウェハ302の断面図を図示する。ウェハ302のバックサイド345において並びに領域310及び315内で、バックサイドトレンチの複数の組380が形成される。材料395が、本開示の実施態様に従って、バックサイドトレンチの複数の組380内に導入される。幾つかの実施態様において、材料395は、バックサイドトレンチの複数の組380を実質的に充填することができる(例えば、材料395は、バックサイドトレンチの各々の体積の少なくとも約90パーセントを充填することができる)。幾つかの実施態様において、材料395は、銅、アルミニウム、ガス、オイル、又はエアロゲルを含むことができる。
【0042】
図3Iは、本開示の実施態様に従う、処理された状態における図3Hのウェハを図示する。図3Iは、材料395がバックサイドトレンチの複数の組380内に導入された後に形成されたフロントサイド処理フィーチャ375を図示する。ウェハ302は加えて、フロントサイド処理フィーチャ375とバックサイドトレンチの複数の組380との間に配置された構造的支持領域385を更に備えている。
【0043】
図4は、本開示の実施態様に従って使用されることができる例示的なコンピュータシステム401の代表的な主要コンポーネントを図示する。図示されている特定のコンポーネントは、例示の目的のみの為に提示されており、必ずしもそのような変形例のみでない。コンピュータシステム401は、プロセッサ410、メモリ420、入出力インタフェース(本明細書においてI/O(Input/Output)又はI/Oインタフェースとまた云われる)430、及びメインバス440を備えていることができる。メインバス440は、コンピュータシステム401の他のコンポーネントの為の通信経路を提供することができる。幾つかの実施態様において、メインバス440は、他のコンポーネント、例えば、特殊なデジタル信号プロセッサ(図示されていない)、に接続することができる。
【0044】
コンピュータシステム401のプロセッサ410は、1以上のCPU 412によって構成されることができる。プロセッサ410は加えて、CPU 412の為の命令及びデータの一時的なストレージを提供する1以上のメモリバッファ又はキャッシュ(図示されていない)によって構成されることができる。CPU 412は、キャッシュから又はメモリ420から提供される入力に対して命令を実行し、そして、その結果をキャッシュ又はメモリ420に出力することができる。CPU 412は、本開示の実施態様と一致する1以上の方法を実行するように構成された1以上の回路で構成されることができる。幾つかの実施態様において、コンピュータシステム401は、相対的に大規模なシステムに典型的な複数のプロセッサ410を備えていることができる。しかしながら、他の実施態様において、コンピュータシステム401は、単一のCPU 412を有する単一のプロセッサであることができる。
【0045】
コンピュータシステム401のメモリ420は、メモリコントローラ422と、データを一時的又は恒久的に格納する為の1以上のメモリモジュール(図示されていない)とで構成されることができる。幾つかの実施態様において、メモリ420は、データ及びプログラムを格納する為のランダムアクセス半導体メモリ、ストレージデバイス、又はストレージ媒体(揮発性又は不揮発性のいずれか)を備えていることができる。メモリコントローラ422は、プロセッサ410と通信することができ、メモリモジュールにおける情報の記憶及び検索を容易にすることができる。メモリコントローラ422は、I/Oインタフェース430と通信し、メモリモジュールにおける入力又は出力の記憶及び検索を容易にすることができる。幾つかの実施態様において、メモリモジュールは、デュアルインラインメモリモジュールであることができる。
【0046】
I/Oインタフェース430は、I/Oバス450、ターミナルインタフェース452、ストレージインタフェース454、I/Oデバイスインタフェース456、及びネットワークインタフェース458を備えていることができる。I/Oインタフェース430は、メインバス440をI/Oバス450に接続することができる。I/Oインタフェース430は、プロセッサ410及びメモリ420からの命令及びデータを、I/Oバス450の様々なインタフェースに向けることができる。I/Oインタフェース430はまた、I/Oバス450の様々なインタフェースからプロセッサ410及びメモリ420に命令及びデータを指示することができる。様々なインタフェースは、ターミナルインタフェース452、ストレージインタフェース454、I/Oデバイスインタフェース456、及びネットワークインタフェース458を備えていることができる。幾つかの実施態様において、様々なインタフェースは、前述されたインタフェースのサブセットを備えていることができる(例えば、産業用途における組み込み型コンピュータシステムは、ターミナルインタフェース452及びストレージインタフェース454を備えていなくてもよい)。
【0047】
コンピュータシステム401全体の論理モジュール(メモリ420、プロセッサ410、及びI/Oインタフェース430を備えているがこれらに限定されない)は、1以上のコンポーネントに対する障害及び変更をハイパーバイザ又はオペレーティングシステム(図示されてない)に伝達することができる。ハイパーバイザ又はオペレーティングシステムは、コンピュータシステム401において利用可能な様々なリソースを割り当て、そして、メモリ420内のデータの位置と、様々なCPU 412に割り当てられたプロセスの位置を追跡することができる。要素を組み合わせ又は再配置する実施態様において、論理モジュールの能力の観点が組み合わされ又は再分配されることができる。これらの変形は、当業者には明らかであろう。
【0048】
本明細書においてより詳細に記載されているように、本明細書において記載された方法の実施態様の幾つかの操作の一部又は全部は、代替の順序で実行されることができ、又は全く実行されなくてもよい場合があることが企図される。その上、複数の動作は、同時に又はより大きなプロセスの内部部分として生じることができる。
【0049】
本発明は、統合の在りうる任意の技術的詳細レベルで、システム、方法若しくはコンピュータプログラム製品又はそれらの組み合わせでありうる。該コンピュータプログラム製品は、プロセッサに本発明の観点を実行させる為のコンピュータ可読プログラム命令を有する1以上のコンピュータ可読記憶媒体を包含しうる。
【0050】
該コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行デバイスによって使用する為の命令を保持且つ記憶することができる有形のデバイスであることができる。該コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子ストレージデバイス、磁気ストレージデバイス、光ストレージデバイス、電磁ストレージデバイス、半導体ストレージデバイス、又はこれらの任意の適切な組み合わせでありうるが、これらに限定されない。該コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例の非網羅的なリストは、下記を包含する:ポータブルのコンピュータディスケット(登録商標)、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM:random access memory)、読み取り専用メモリ(ROM:read only memory)、消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(EPROM(erasable programmable read-only memory)又はフラッシュメモリ)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM:static random access memory)、ポータブル・コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM:compact disc read-only memory)、デジタル多用途ディスク(DVD:digital versatile disk)、メモリスティック、フロッピーディスク、機械的に符号化されたデバイス、例えば、パンチカード若しくは命令が記録されている溝内の隆起構造又はこれらの任意の適切な組み合わせ。本明細書において使用される場合、コンピュータ可読記憶媒体は、一時的な信号それ自体、例えば、電波又は他の自由に伝播する電磁波、導波管若しくは他の伝送媒体を伝播する電磁波(例えば、光ファイバケーブルを通過する光パルス)、又は電線を介して送信される電気信号、であると解釈されるべきでない。
【0051】
本明細書において記載されたコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体から夫々のコンピューティングデバイス/処理デバイスに、又はネットワーク、例えば、インターネット、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク若しくはワイヤレスネットワーク又はそれらの組み合わせ、を介して外部コンピュータ又は外部記憶デバイスにダウンロードされることができる。該ネットワークは、銅線伝送ケーブル、光伝送ファイバ、無線伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイコンピュータ若しくはエッジサーバ又はこれらの組み合わせで構成されうる。各コンピューティングデバイス/処理デバイスにおけるネットワークアダプタカード又はネットワークインタフェースは、ネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受信し、そして、該コンピュータ可読プログラム命令を、夫々のコンピューティングデバイス/処理デバイス内にコンピュータ可読記憶媒体中に記憶する為に伝送する。
【0052】
本発明の動作を実行する為のコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA:instruction-set-architecture)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、集積回路の為の構成データ、又は、1以上のプログラミング言語、例えばオブジェクト指向プログラミング言語、例えば、Smalltalk、C++等、慣用的な手続き型プログラミング言語(例えば、「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語)、の任意の組み合わせで書かれているソースコード又はオブジェクトコードのいずれか、でありうる。該コンピュータ可読プログラム命令は、ユーザのコンピュータ上で全体的に、ユーザのコンピュータ上で部分的に、ユーザのコンピュータ上でスタンドアロン・ソフトウェア・パッケージとして部分的に、ユーザのコンピュータ上で部分的に且つリモート・コンピュータ上で部分的に、又はリモート・コンピュータ若しくはサーバ上で全体的に、実行されうる。後者のシナリオにおいて、該リモート・コンピュータは、任意の種類のネットワーク、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN:local area network)若しくはワイドエリアネットワーク(WAN:wide area network)、を介してユーザのコンピュータに接続されうるか、又は該接続は(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用したインターネットを通じて)外部コンピュータに対して行われうる。幾つかの実施態様において、電子回路、例えば、プログラム可能な論理回路、フィールドプログラム可能なゲートアレイ(FPGA:field-programmable gate arrays)又はプログラム可能なロジックアレイ(PLA:programmable logic arrays)、は、本発明の観点を実行する為に、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報を利用することによって、電子回路をパーソナライズすることによって、コンピュータ可読プログラム命令を実行しうる。
【0053】
本発明の観点は、本発明の実施態様に従う、方法、装置(システム)及びコンピュータプログラム製品若しくはコンピュータプログラムのフローチャート図若しくはブロック図又はそれらの組み合わせを参照して本明細書において記載されている。該フローチャート図若しくは該ブロック図又はそれらの組み合わせの各ブロック、並びに該フローチャート図若しくは該ブロック図又はそれらの組み合わせにおける複数のブロックの組み合わせは、コンピュータ可読プログラム命令によって実装されることができることが理解されるであろう。
【0054】
これらのコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータのプロセッサ又は他のプログラム可能なデータ処理装置に提供され、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサを介して実行される命令が、フローチャート図若しくはブロック図又はこれらの組み合わせの1以上のブロックに指定された機能/行為を実装する手段を作成するように、マシンを作成することができる。これらのコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ、プログラム可能なデータ処理装置若しくは他の装置又はこれらの組み合わせに特定の方法で機能するように指示できるコンピュータ可読記憶媒体に記憶することもでき、その中に記憶された命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート図若しくはブロック図又はそれらの組み合わせの1以上の指定された機能/行為の観点を実装する命令を含む製造物品を備えている。
【0055】
該コンピュータ可読プログラム命令はまた、コンピュータ上、他のプログラム可能なデータ処理装置上又は他のデバイス上で実行される命令が、該フローチャート図若しくはブロック図若しくはそれらの組み合わせの1以上のブロックにおいて特定される機能/動作を実装するように、上記のコンピュータ上、他のプログラム可能なデータ処理装置上又は他のデバイス上にロードされて、コンピュータ、他のプログラム可能な装置又は他のデバイス上で一連の操作工程を実行させて、コンピュータに実装されたプロセスを生成しうる。
【0056】
図面中のフローチャート図及びブロック図は、本発明の様々な実施態様に従う、システム、方法及びコンピュータプログラム製品若しくはコンピュータプログラムの在りうる実装の、アーキテクチャ、機能及び動作を示す。これに関連して、該フローチャート図又はブロック図における各ブロックは、命令のモジュール、セグメント、又はその一部を表し得、それは、特定された1以上の論理機能を実装する為の1以上の実行可能命令を含む。幾つかの代替の実装において、該ブロックにおいて示されている機能は、図面中に示されている順序とは異なって生じうる。例えば、連続して示されている2つのブロックは、実際には、関与する機能に依存して、同時に、実質的に同時に、部分的又は全体的に時間的に重複する様式で実行される1つの工程として達成されうるか、又は該ブロックは、逆の順序で実行されうる。該ブロック図若しくはフローチャート図又はこれらの組み合わせの各ブロック、並びに該ブロック図若しくはフローチャート図又はこれらの組み合わせの複数のブロックの組み合わせは、特定された機能又は動作を実行する特別な目的のハードウェアベースのシステムによって実装することができ、又は特別な目的のハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせを実行することができることに留意されたい。
【0057】
本発明の様々な実施態様の記載は、例示の目的の為に提示されたものであり、網羅的であること又は開示された実施態様に限定されることが意図されたものでない。多くの修正及び変形が、記載された実施態様の範囲及び精神から逸脱することなしに当業者に明らかであろう。本明細書において使用される語は、実施態様の原理、実用的な用途、又は市場において見られる技術に対する技術的改善を最もよく説明する為に、又は当業者が本明細書において開示されている実施態様を理解することができるようにする為に選択された。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図3H
図3I
図4
【国際調査報告】