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特表2023-549490カバーキャップの調節可能な組付け位置を有した家具用金具
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-27
(54)【発明の名称】カバーキャップの調節可能な組付け位置を有した家具用金具
(51)【国際特許分類】
   E05D 3/16 20060101AFI20231117BHJP
【FI】
E05D3/16
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023528252
(86)(22)【出願日】2021-11-05
(85)【翻訳文提出日】2023-06-22
(86)【国際出願番号】 AT2021060411
(87)【国際公開番号】W WO2022099335
(87)【国際公開日】2022-05-19
(31)【優先権主張番号】A50982/2020
(32)【優先日】2020-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】597140501
【氏名又は名称】ユリウス ブルーム ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Julius Blum GmbH
【住所又は居所原語表記】Industriestrasse 1, 6973 Hoechst, Austria
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アーミン バルトライヒ
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー ズィーモン フローガウス
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス ホルツアプフェル
(72)【発明者】
【氏名】ドミニク ハグズピール
(72)【発明者】
【氏名】ペーター ガーベル
(57)【要約】
家具キャビネット(18)に家具フラップ(17)を可動に支持するための家具用金具(2)であって、基体(21)とカバーキャップ(22)とを有しており、基体(21)は、家具キャビネット(18)の家具板(10)に少なくとも部分的に装着可能であって、カバーキャップ(22)は基体(21)に組み付け可能であって、基体(21)の少なくとも1つの側面(212)を、組付け状態で少なくとも部分的に覆っており、カバーキャップ(22)の組付け位置が、基体(21)に対して相対的に、好ましくは工具なしで、調節可能である、家具用金具(2)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
家具キャビネット(18)に家具フラップ(17)を可動に支持するための家具用金具(2)であって、基体(21)とカバーキャップ(22)とを有しており、前記基体(21)は、前記家具キャビネット(18)の家具板(10)に少なくとも部分的に装着可能であって、前記カバーキャップ(22)は前記基体(21)に組み付け可能であって、前記基体(21)の少なくとも1つの側面(212)を、組付け状態で少なくとも部分的に覆っている、家具用金具(2)において、
前記カバーキャップ(22)の組付け位置は、前記基体(21)に対して相対的に、好ましくは工具なしで調節可能であることを特徴とする、家具用金具(2)。
【請求項2】
前記カバーキャップ(22)の組付け位置は、前記基体(21)に対して相対的に、無段階式に調節可能である、請求項1記載の家具用金具(2)。
【請求項3】
前記家具用金具(2)は、前記家具フラップ(17)に接続可能な少なくとも1つの作動アーム(23)を有しており、前記作動アームは、回転軸を中心として前記基体(21)に対して相対的に旋回可能である、請求項1または2記載の家具用金具(2)。
【請求項4】
前記基体(21)は、少なくとも1つの開口(215)を有した端面(211)を有しており、前記開口を通って、前記少なくとも1つの作動アーム(23)は、少なくとも1つの開放位置で突出しており、前記カバーキャップ(22)の組付け位置は、前記基体(21)に対して相対的に、前記基体(21)の前記端面(211)に対して実質的に平行な少なくとも1つの方向で調節可能である、請求項3記載の家具用金具(2)。
【請求項5】
前記基体(21)に対して相対的な前記カバーキャップ(22)の組付け位置の可変幅は、少なくとも5ミリメートル、好適には少なくとも10ミリメートルである、請求項1から4までのいずれか1項記載の家具用金具(2)。
【請求項6】
少なくとも1つの取付け装置(3)が設けられており、前記少なくとも1つの取付け装置(3)によって、前記カバーキャップ(22)が前記基体(21)に取り付け可能である、請求項1から5までのいずれか1項記載の家具用金具(2)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの取付け装置(3)は、
-工具なしで前記基体(21)に組み付け可能であって、かつ/または
-工具なしで前記カバーキャップ(22)に組み付け可能であって、かつ/または
-前記少なくとも1つの取付け装置(3)の組付け位置は、前記基体(21)に対して相対的に工具なしで調節可能であって、かつ/または
-前記少なくとも1つの取付け装置(3)の組付け位置は、前記カバーキャップ(22)に対して相対的に工具なしで調節可能である、
請求項6記載の家具用金具(2)。
【請求項8】
前記カバーキャップ(22)は、前記少なくとも1つの取付け装置(3)によって、好ましくはもっぱら、前記基体(21)の前記少なくとも1つの側面(212)に、好ましくは取り外し可能に取り付け可能である、請求項6または7記載の家具用金具(2)。
【請求項9】
前記基体(21)の前記少なくとも1つの側面(212)は、少なくとも1つの開口(217)を有していて、前記少なくとも1つの取付け装置(3)は、好ましくはばね弾性的に形成された少なくとも1つの保持エレメント(33)を有しており、前記保持エレメントは前記少なくとも1つの側面(212)の前記少なくとも1つの開口(217)内に挿入可能であって、好ましくはこの場合、前記少なくとも1つの保持エレメント(33)には、少なくとも1つの係止手段(331)が配置されていて、前記係止手段は、前記側面(212)の、前記カバーキャップ(22)に面している前面とは反対側に位置する背面(213)に当て付け可能である、請求項6から8までのいずれか1項記載の家具用金具(2)。
【請求項10】
前記少なくとも1つの取付け装置(3)は、少なくとも1つの保持クリップ(32)として形成されていて、特にこの場合、
-前記少なくとも1つの取付け装置(3)は、少なくとも1つの歯列(34)を有しており、前記歯列(34)は、前記カバーキャップ(22)における係止装置(222)を備えた少なくとも1つのウェブに取り付け可能であって、かつ/または
-前記少なくとも1つの取付け装置(3)は、少なくとも1つの開口(217)への係合により、前記基体(21)に組み付け可能であって、かつ/または
-前記少なくとも1つの取付け装置(3)の組付け位置は、前記カバーキャップ(22)に対して相対的に工具なしで調節可能である、
請求項6から9までのいずれか1項記載の家具用金具(2)。
【請求項11】
前記少なくとも1つの取付け装置(3)は、磁石(31)として形成されていて、特にこの場合、
-前記少なくとも1つの取付け装置(3)は、前記カバーキャップ(22)に、特に接着、ねじ留め、および/または挟み込みにより取り付け可能であって、かつ/または
-前記少なくとも1つの取付け装置(3)は、前記基体(21)に磁気的に組み付け可能であって、かつ/または
-前記少なくとも1つの取付け装置(3)の組付け位置は、前記基体(21)に対して相対的に工具なしで調節可能である、
請求項6から10までのいずれか1項記載の家具用金具(2)。
【請求項12】
前記家具用金具(2)は、組付けの際に前記基体(21)に前記カバーキャップ(22)を嵌め込むためのセンタリング補助部材(4)を有しており、好適には、前記センタリング補助部材(4)は、センタリング突起(41)とセンタリング開口(42)とを有しており、特に好適には前記センタリング突起(41)は前記カバーキャップ(22)に配置されていて、かつ/または前記センタリング開口(42)は前記基体(21)の前記側面(212)に配置されており、前記センタリング突起(41)は前記センタリング開口(42)内に配置可能である、請求項1から11までのいずれか1項記載の家具用金具(2)。
【請求項13】
前記家具用金具(2)に、好ましくは前記基体(21)に、または前記カバーキャップ(22)に、長さ目盛りが配置されており、前記長さ目盛りによって、前記基体(21)に対して相対的な前記カバーキャップ(22)の位置が読み取り可能である、請求項1から12までのいずれか1項記載の家具用金具(2)。
【請求項14】
前記カバーキャップ(22)は、工具なしで組み付け可能かつ取り外し可能である、請求項1から13までのいずれか1項記載の家具用金具(2)。
【請求項15】
前記カバーキャップ(22)は、プラスチックから製造されている、請求項1から14までのいずれか1項記載の家具用金具(2)。
【請求項16】
前記基体(21)は、蓄力器(216)および/または電動の家具駆動装置を有している、請求項1から15までのいずれか1項記載の家具用金具(2)。
【請求項17】
前記基体(21)は、2つの側面(212)を有しており、前記2つの側面(212)は、実質的に同一に形成されていて、互いに平行に延在しており、特にこの場合、前記家具用金具(2)は、前記両側面(212)の間の中央平面を中心として少なくとも部分的に、好ましくは実質的に対称に形成されている、請求項1から16までのいずれか1項記載の家具用金具(2)。
【請求項18】
前記家具用金具(2)は、少なくとも1つの載着部分(25)を有しており、前記載着部分(25)は、好ましくは差込みにより、取り外し可能に前記カバーキャップ(22)に取り付け可能であって、前記載着部分(25)は印刷可能であり、好ましくは社名のロゴが印刷されている、請求項1から17までのいずれか1項記載の家具用金具(2)。
【請求項19】
家具(1)であって、家具キャビネット(18)と、請求項1から18までのいずれか1項記載の少なくとも1つの家具用金具(2)とを有しており、前記家具キャビネット(18)は、少なくとも1つの第1の家具板(11)を有しており、前記少なくとも1つの第1の家具板(11)には基体(21)が取り付けられていて、好ましくはこの場合、前記少なくとも1つの第1の家具板(11)は、前記家具キャビネット(18)の側壁(13)として設けられている、家具(1)。
【請求項20】
前記第1の家具板(11)は、好ましくはフライス加工された、凹部(110)を有しており、前記凹部(110)は、前記少なくとも1つの第1の家具板(11)の少なくとも1つの端面(111)と少なくとも1つの側面(112)とに向かって開放されており、前記基体(21)は少なくとも所定の領域で前記凹部(110)内に装着可能であって、好ましくはこの場合、前記凹部(110)は、前記基体(21)が実質的に完全に前記第1の家具板(11)内に装着可能であるように、かつ好ましくはこの場合、前記基体(21)の前記側面(212)の少なくとも一部が前記少なくとも1つの第1の家具板(11)の前記少なくとも1つの側面(112)からアクセス可能なままであるように、形成されている、請求項19記載の家具(1)。
【請求項21】
前記少なくとも1つの第1の家具板(11)の前記凹部(110)内に装着された前記基体(21)の少なくとも1つの側面(212)は、前記第1の家具板(11)の少なくとも1つの側面(112)と実質的に同一平面をなして配置されており、好ましくはこの場合、カバーキャップ(22)が、組付け状態で、前記第1の家具板(11)の前記少なくとも1つの側面(112)を越えて突出している、請求項20記載の家具(1)。
【請求項22】
前記家具キャビネット(18)は、好ましくは前記家具キャビネットの上面(14)として設けられている少なくとも1つの第2の家具板(12)を有している、請求項19から21までのいずれか1項記載の家具(1)。
【請求項23】
前記少なくとも1つの第2の家具板(12)は端面(121)で、前記少なくとも1つの第1の家具板(11)の前記少なくとも1つの側面(112)に配置されており、好ましくはこの場合、前記少なくとも1つの第2の家具板(12)は、前記基体(21)とは反対側の外側面(123)を有しており、前記少なくとも1つの第1の家具板(11)の端面(111)は、前記少なくとも1つの第2の家具板(12)の前記外側面(123)と実質的に同一平面をなして配置されている、請求項22記載の家具(1)。
【請求項24】
-前記カバーキャップ(22)は、組付け状態で、前記少なくとも1つの第2の家具板(12)に当接しており、かつ/または
-前記カバーキャップ(22)は、組付け状態で、前記少なくとも1つの第2の家具板(12)に対して間隔を置いて配置されていて、この場合、前記間隔は好適には10ミリメートル未満、特に好適には5ミリメートル未満である、
請求項22または23記載の家具(1)。
【請求項25】
前記少なくとも1つの第2の家具板(12)が、前記少なくとも1つの第1の家具板(11)の前記凹部(110)内に装着されている前記基体(21)を少なくとも部分的に覆うように、前記少なくとも1つの第2の家具板(12)が配置されている、請求項22から24までのいずれか1項記載の家具(1)。
【請求項26】
請求項1から18までのいずれか1項記載の少なくとも1つの家具用金具(2)を少なくとも1つの第1の家具板(11)に組み付けるための方法であって、以下の方法ステップ、すなわち、
a.好ましくは家具キャビネット(18)の側壁(13)として設けられた少なくとも1つの第1の家具板(11)を準備するステップであって、前記第1の家具板(11)は少なくとも1つの凹部(110)を有しており、前記凹部(110)は、前記少なくとも1つの第1の家具板(11)の少なくとも1つの端面(111)と少なくとも1つの側面(112)とに向かって開放されている、ステップ、
b.前記少なくとも1つの家具用金具(2)の基体(21)を、前記少なくとも1つの第1の家具板(11)内に少なくとも所定の領域で装着するステップであって、この場合、前記基体(21)の側面(212)の少なくとも一部は、前記少なくとも1つの第1の家具板(11)の前記少なくとも1つの側面(112)からアクセス可能なままである、ステップ、
c.前記基体(21)にカバーキャップ(22)を組み付けるステップであって、この場合、前記基体(21)の前記少なくとも1つの側面(212)を、組付け状態で少なくとも部分的に覆うステップ、
d.前記カバーキャップ(22)の組付け位置を、前記基体(21)に対して相対的に、好ましくは工具なしで、好ましくは、前記少なくとも1つの第1の家具板(11)に接続されたまたは接続可能な、好ましくは前記家具キャビネット(18)の上面(14)として設けられている第2の家具板(12)の厚さに応じて、調節するステップ
を有していることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に記載の形式の、家具フラップを家具キャビネットに可動に支持するための家具用金具に関する。本発明はさらに、請求項19に記載の、家具用金具を備えた家具、および請求項26に記載の、少なくとも1つの家具用金具を組み付けるための方法に関する。
【0002】
上述した形式の家具用金具は、多種多様な構成で従来技術において既に公知である。上位概念の形式の家具用金具は、典型的には、家具キャビネットに、特に家具キャビネットの内部に配置されている基体と、家具フラップを保持する作動アームとを有している。家具フラップの移動を実現するために、基体と作動アームとは互いに枢着的に接続されている。
【0003】
近年の構成では、基体は、例えば機械的なばねの形態の蓄力器、または電動の駆動装置を有していることが多い。これにより、作動アームと家具フラップとにトルクを加えることができ、したがって、開放運動および/または閉鎖運動を、操作者の大きな労力なしに実施することができ、家具フラップを開放位置に保持することができる。これにより、操作者にとっての快適性が向上し、このようなことは、特に重たい家具フラップの場合には所望されている。
【0004】
独国実用新案第202018102083号明細書には、家具キャビネットの側壁内に組み込まれている家具用金具が示されている。このために、家具キャビネットには凹部が設けられていて、この凹部内に基体を沈め込むように配置可能である。家具キャビネットの凹部内における配置により、家具用金具の基体の省スペースかつ外観の美しい配置が可能となる。これは、蓄力器および/または電動の駆動装置を備えた家具用金具では、その基体が通常は大きいので、特に重要である。
【0005】
上記文献にはさらに、基体のための、工具なしで組付け可能なカバーキャップが開示されている。
【0006】
好適には、独国実用新案第202018102083号明細書では、このカバーキャップは、家具板の上面と平坦に配置されている。
【0007】
家具板の上面と平坦に配置されているカバーキャップの欠点は、取り外しの際にカバーキャップを把持することができないので、複雑な取付け装置が必要である点である。
【0008】
家具板の上面と平坦に配置されているカバーキャップのさらなる欠点として、家具板における凹部の縁部が見えてしまうことが挙げられる。したがって、縁部を、所望される美しい外観の標準に対応させなければならず、精密に加工しなければならない。これにより、コーティングされた合板を家具板のために使用する場合には特に、家具板を製造する際の加工の手間とコストが高くなる。
【0009】
これに対して、カバーキャップが、家具板の表面を越えて突出するならば、カバーキャップは縁部を覆うことができ、操作者にとっては把持可能となる。
【0010】
しかしながらこれにより、第2の家具板の配置は、家具用金具によって制限されている。このことは、安価な製造にとっては、
-所定の形式の家具板において基体のためのフライス加工は同じであるのが望ましく、かつ
-所定の形式の家具板は、互いに異なる第2の家具板を備えた、または異なる配置の第2の家具板を備えた、互いに異なる家具に組み付けることができるようにすべきである
ので、特に欠点となる。
【0011】
このような従来技術を起点として、以下の本発明の課題は、上述した欠点を少なくとも部分的に解消するまたは低減させる家具用金具、家具用金具を備えた家具、ならびに少なくとも1つの家具用金具を組み付けるための方法を提供することである。
【0012】
特に、家具用金具の領域における様々な家具板の柔軟な配置を可能にする、家具のための家具用金具が提供されることが望ましい。
【0013】
家具キャビネットに家具フラップを可動に支持するための本発明による家具用金具は、基体とカバーキャップとを有しており、基体は、家具キャビネットの側壁内に少なくとも部分的に装着可能であって、カバーキャップは基体に組付け可能であって、基体の少なくとも1つの側面を、組付け状態で少なくとも部分的に覆っている。
【0014】
本発明によれば、カバーキャップの組付け位置は、基体に対して相対的に、好ましくは工具なしで調節可能であることが想定されている。
【0015】
この場合、組付け位置とは、組み付けられた状態の位置である。
【0016】
これにより、基体が固定した位置に組み付けられている場合、カバーキャップの位置を変更させることができる。カバーキャップが、家具板の表面から突出した状態でも、これにより様々な別の家具板の変更された構造に対応することができる。変更された構造とは、例えば、少なくとも1つの別の家具板の位置決め、または寸法、特に厚さにおける変更であり得る。
【0017】
例えば、家具用金具の基体がその上に取り付けられている家具板は、家具キャビネットの側壁として設けられていてよい。基体は、カバーキャップが、上面として形成された別の家具板に当接するように、家具板に取り付けられていてよい。上面を下方に変位させることが、または上面をより厚い家具板に交換することが所望される場合、これは、好ましくは工具なしで、基体に対して相対的にカバーキャップを変位させることにより、基体の位置を変更することなく、本発明による家具用金具によって実現することができる。
【0018】
1つの実施例では、カバーキャップの組付け位置は、基体に対して相対的に無段階式に調節可能であることが想定されている。これにより、カバーキャップを柔軟に、様々な別の家具板の異なる構造に適合させることができる。
【0019】
家具用金具は、1つの実施例では、家具フラップに接続可能な少なくとも1つの作動アームを有しており、この作動アームは、回転軸を中心として基体に対して相対的に旋回可能である。作動アームによって、家具フラップを動かすことができる。
【0020】
基体は、少なくとも1つの開口を有した端面を有しており、この開口を通って、少なくとも1つの作動アームは、少なくとも1つの開放位置で突出しており、カバーキャップの組付け位置は、基体に対して相対的に、基体の端面に対して実質的に平行な少なくとも1つの方向で調節可能であることが想定されていてよい。
【0021】
基体が、家具の側壁に取り付けられている場合、このことは、基体に対して相対的な、ひいては、側壁に配置された上面に対して相対的な、カバーキャップの高さ調節可能性に相当する。
【0022】
基体21に対して相対的なカバーキャップの組付け位置の可変幅または調節距離は、少なくとも5ミリメートル、好適には少なくとも10ミリメートルであることが想定されている。これにより、カバーキャップを変位させることにより、例えば、家具板の変更された厚さに対応することができる。
【0023】
1つの実施例では、少なくとも1つの取付け装置が設けられており、この取付け装置によって、カバーキャップが基体に取り付け可能であって、特にこの場合、少なくとも1つの取付け装置は基体にかつ/またはカバーキャップに取り付け可能である。
【0024】
少なくとも1つの取付け装置は、カバーキャップおよび基体とは異なる部品であってよい。しかしながら少なくとも1つの取付け装置は、カバーキャップの一部として、かつ/または基体の一部として形成されていてもよい。
【0025】
少なくとも1つの取付け装置は、
-工具なしで基体に組み付け可能であって、かつ/または
-工具なしでカバーキャップに組み付け可能であって、かつ/または
-少なくとも1つの取付け装置の組付け位置は、基体に対して相対的に工具なしで調節可能であって、かつ/または
-少なくとも1つの取付け装置の組付け位置は、カバーキャップに対して相対的に工具なしで調節可能である
ことが想定されている。
【0026】
カバーキャップは、少なくとも1つの取付け装置によって、好ましくはもっぱら、基体の少なくとも1つの側面に、好ましくは取り外し可能に取り付け可能であることが想定されていてよい。これにより、基体は、ぴったりと隙間なく、家具板の凹部内に装着され得る。
【0027】
基体の少なくとも1つの側面は、少なくとも1つの開口を有していて、少なくとも1つの取付け装置は、好ましくはばね弾性的に形成された少なくとも1つの保持エレメントを有しており、保持エレメントは少なくとも1つの側面の少なくとも1つの開口内に挿入可能であることが考えられる。
【0028】
この場合、少なくとも1つの保持エレメントには、少なくとも1つの係止手段が配置されていてよく、この係止手段は、側面の、カバーキャップに面している前面とは反対側に位置する背面に当て付け可能である。
【0029】
これにより、カバーキャップを工具なしで組み付けることができる。
【0030】
1つの実施例では、少なくとも1つの取付け装置は、少なくとも1つの保持クリップとして形成されていて、特にこの場合、
-少なくとも1つの取付け装置は、少なくとも1つの歯列を有しており、歯列は、カバーキャップにおける係止装置を備えた少なくとも1つのウェブに取り付け可能であって、かつ/または
-少なくとも1つの取付け装置は、凹部への係合により、基体に組み付け可能であって、かつ/または
-少なくとも1つの取付け装置の組付け位置は、カバーキャップに対して相対的に工具なしで調節可能である。
【0031】
歯列および歯列に係合する係止装置による、取付け装置とカバーキャップとの相互のクランプにより、カバーキャップは、少なくとも1つの取付け装置に対して変位可能である。歯列の歯が小さいならば、変位はほぼ無段階式に可能である。
【0032】
保持クリップはその端部に、少なくとも1つの保持エレメントを有していてよい。
【0033】
1つの実施例では、少なくとも1つの取付け装置は、磁石として形成されていて、特にこの場合、
-少なくとも1つの取付け装置は、カバーキャップに、特に接着、ねじ留め、および/または挟み込みにより取り付け可能であって、かつ/または
-少なくとも1つの取付け装置は、基体に磁気的に組付け可能であって、かつ/または
-少なくとも1つの取付け装置の組付け位置は、基体に対して相対的に工具なしで調節可能である。
【0034】
少なくとも1つの磁気的な取付け装置の当接により、カバーキャップを無段階式に調節可能に基体に取り付けることができる。
【0035】
家具用金具は、組付けの際に基体にカバーキャップを嵌め込むためのセンタリング補助部材を有していてよく、好適にはこの場合、センタリング補助部材は、センタリング突起とセンタリング開口とを有している。特に好適には、センタリング突起はカバーキャップに配置されていて、かつ/またはセンタリング開口は基体の側面に配置されており、この場合、センタリング突起はセンタリング開口内に配置可能である。センタリング補助部材は、基体におけるカバーキャップの組付けを著しく容易にする。
【0036】
家具用金具に、好ましくは基体に、またはカバーキャップに、長さ目盛りが配置されており、長さ目盛りによって、基体に対して相対的なカバーキャップの位置が読み取り可能であることが想定されていてよい。これにより、例えば、複数の家具用金具を、長さ目盛りにおける値を等しくすることにより、同様に調節することができる。
【0037】
長さ目盛りのマーキングは、カバーキャップの組付け位置を適合させなければならない、第2の家具板の厚さを示すことができる。これにより操作者は、例えば取扱い説明書を参照することにより、カバーキャップの適切な組付け位置を容易に設定することができる。
【0038】
好適な実施例では、カバーキャップは工具なしで組み付け可能および取り外し可能である。これにより、カバーキャップを工具なしで変位させることができるだけでなく、工具なしで取り外し、取り付けることもできる。
【0039】
カバーキャップはプラスチックから製造されていてよい。プラスチックは、その軽量性および低コストであることにより、さらには、カバーキャップは通常、高い安定性を有する必要がないので、カバーキャップに最適な材料である。
【0040】
基体が蓄力器を有していることが想定されていてよい。これにより、家具フラップにトルクを加えることができる。上方に向かって開くフラップの場合は特に、少なくとも開放位置で、好適にはすべての位置でフラップが保持されることが所望されている。蓄力器は、特に機械的に、例えばばねの形態で、形成されていてよい。
【0041】
基体が電動の家具駆動装置を有していることが想定されていてよい。電動の家具駆動装置によって、家具フラップを遠隔制御によって、または手動ボタンによって操作することができる。ドモティクスシステムに組み込むこともできる。
【0042】
蓄力器および電動の家具駆動装置は、通常は、大きなスペースを要するので、基体の寸法が重要である。したがって、家具板の凹部内に基体を沈め込むことは望ましい。
【0043】
1つの実施例では、基体は、2つの側面を有しており、これらの2つの側面は、実質的に同一に形成されていて、互いに平行に延在しており、特にこの場合、家具用金具は、両側面の間の中央平面を中心として少なくとも部分的に、好ましくは実質的に対称に形成されている。対称の基体は、左側および/または右側でのカバーキャップの組付け、および左からのおよび右からの家具板における基体の取付けを可能とする。これにより、1種類の基体のみを製造すればよく、これにより製造コストが削減される。組付け作業者にとっては、取り違えリスクがなくなる。
【0044】
家具用金具は、少なくとも1つの載着部分を有していてよく、この場合、載着部分は、好ましくは差込みにより、取り外し可能にカバーキャップに取り付け可能であって、載着部分は印刷可能であり、好ましくは社名のロゴが印刷されている。これにより、個別の印刷が安価で交換可能な載着部分に行われる。
【0045】
本発明による家具は、家具キャビネットと、上述した家具用金具とを有しており、この場合、家具キャビネットは、少なくとも1つの第1の家具板を有しており、この少なくとも1つの第1の家具板に基体が取り付けられている。
【0046】
好ましくはこの場合、少なくとも1つの第1の家具板は、家具キャビネットの側壁として設けられている。
【0047】
好適な実施例では、第1の家具板は、好ましくはフライス加工された、凹部を有しており、この凹部は、少なくとも1つの第1の家具板の少なくとも1つの端面と少なくとも1つの側面とに向かって開放されており、基体は、少なくとも所定の領域で凹部内に装着可能である。これにより、基体は家具キャビネット内でスペースをとらない。外観の美しさという観点からも、このような実施形態は好適である。
【0048】
好適にはこの場合、凹部は、基体が実質的に完全に第1の家具板内に装着可能であって、この場合、基体の側面の少なくとも一部が少なくとも1つの第1の家具板の少なくとも1つの側面からアクセス可能なままであるように形成されている。
【0049】
側面の少なくとも一部がアクセス可能であることにより、例えば基体における調節を行うことができる。
【0050】
少なくとも1つの第1の家具板の凹部内に装着された基体の少なくとも1つの側面は、第1の家具板の少なくとも1つの側面と実質的に同一平面をなして配置されていることが想定されていてよい。
【0051】
好適にはこの場合、カバーキャップは、組付け状態で、第1の家具板の少なくとも1つの側面を越えて突出している。これにより、取り外しの際にカバーキャップ把持することができる。
【0052】
カバーキャップは、内部に基体が配置されている凹部の縁部が覆われているように、形成されていてよい。これにより、凹部の縁部は、操作者の視界に入らないので、それほどきれいに仕上げる必要はなく、またはそれ以上の加工をする必要はない。
【0053】
好適には、家具キャビネットは、好ましくは家具キャビネットの上面として設けられている少なくとも1つの第2の家具板を有していることが想定されている。
【0054】
1つの実施例では、少なくとも1つの第2の家具板は、端面で、少なくとも1つの第1の家具板の少なくとも1つの側面に配置されている。この実施例は、2つの家具板、例えば側壁と上面との間の典型的な直角の接続部を含んでいる。
【0055】
好適には、少なくとも1つの第2の家具板は、基体とは反対側の外側面を有しており、少なくとも1つの第1の家具板の端面は、少なくとも1つの第2の家具板の外側面と実質的に同一平面をなして配置されていることが想定されている。この実施例は、例えば、2つの家具板間の典型的な直角かつ同一平面の接続部を含んでいる。
【0056】
カバーキャップが、組付け状態で、少なくとも1つの第2の家具板に当接していることが想定されていてよい。
【0057】
カバーキャップは、組付け状態で、少なくとも1つの第2の家具板に対して間隔を置いて配置されていて、この場合、この間隔は好適には10ミリメートル未満、特に好適には5ミリメートル未満であることが想定されていてよい。これにより例えば、少なくとも1つの第2の家具板と家具用金具との間のシャドウギャップを実現することができる。
【0058】
1つの実施例では、少なくとも1つの第2の家具板が、少なくとも1つの第1の家具板の凹部内に装着されている基体を少なくとも部分的に覆うように、少なくとも1つの第2の家具板が配置されている。これは例えば、厚い上面(第2の家具板)であって、その端面が基体を少なくとも部分的に覆っている上面を使用する場合である。
【0059】
上述した少なくとも1つの家具用金具を少なくとも1つの第1の家具板に組み付けるための本発明による方法は、以下の方法ステップ、すなわち
-好ましくは家具キャビネットの側壁として設けられた少なくとも1つの第1の家具板を準備するステップであって、第1の家具板は少なくとも1つの凹部を有しており、凹部は、少なくとも1つの第1の家具板の少なくとも1つの端面と少なくとも1つの側面とに向かって開放されている、ステップ、
-少なくとも1つの家具用金具の基体を、少なくとも1つの第1の家具板内に少なくとも所定の領域で装着するステップであって、この場合、基体の側面の少なくとも一部は、少なくとも1つの第1の家具板の少なくとも1つの側面からアクセス可能なままである、ステップ、
-基体にカバーキャップを組み付けるステップであって、この場合、基体の少なくとも1つの側面を、組付け状態で少なくとも部分的に覆うステップ
-カバーキャップの組付け位置を、基体に対して相対的に、好ましくは工具なしで、好ましくは、少なくとも1つの第1の家具板に接続されたまたは接続可能な、好ましくは家具キャビネットの上面として設けられている少なくとも1つの第2の家具板の厚さおよび/または位置に応じて、調節するステップ
を有していることを特徴とする。
【0060】
したがって、基体に対して相対的なカバーキャップの組付け位置は、既に組み付けられ、その位置で固定された基体に適合させることができる。適合は、少なくとも1つの第2の家具板の厚さおよび/または位置に応じて行われる。
【0061】
例として、同じ第1の家具板、好ましくは側壁を有していて、かつ互いに異なる第2の家具板、好ましくは上面を有している第1の家具および第2の家具が考えられる。第2の家具板は、厚さが異なっていてよい。この場合、例えば大量生産により製造されるので、第1の家具板における凹部は、両家具で同じである。カバーキャップが両家具において第2の家具板に当接していることが所望される場合は、両家具において、基体に対して相対的なカバーキャップの互いに異なる組付け位置を調節しなければならない。
【0062】
本発明のさらなる詳細および利点を、図面の説明に基づき図面を参照しながら以下により詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0063】
図1】家具用金具の基体が装着された、端面側で開放された凹部を備えた家具を示す断面図である。
図2】家具用金具の基体が装着された、端面側および側方で開放された凹部を備えた家具を示す断面図である。
図3】家具用金具の基体とカバーキャップとを備えた家具の断面図である。
図4a】薄い上面と、基体およびカバーキャップを有した家具用金具とを備えた家具を示す断面図である。
図4b】薄い上面と、基体およびカバーキャップを有した家具用金具とを備えた家具を示す詳細図である。
図5a】中間の厚さの上面と、基体およびカバーキャップを有した家具用金具とを備えた家具を示す断面図である。
図5b】中間の厚さの上面と、基体およびカバーキャップを有した家具用金具とを備えた家具を示す詳細図である。
図6a】厚い上面と、基体およびカバーキャップを有した家具用金具とを備えた家具を示す断面図である。
図6b】厚い上面と、基体およびカバーキャップを有した家具用金具とを備えた家具を示す詳細図である。
図7a】磁気的な取付け装置を備えたカバーキャップを示す後方から見た斜視図である。
図7b】磁気的な取付け装置を備えたカバーキャップを示す前方から見た斜視図である。
図8a】磁気的な取付け装置を備えたカバーキャップの分解状態を示す後方から見た斜視図である。
図8b】磁気的な取付け装置を備えたカバーキャップの分解状態を示す前方から見た斜視図である。
図9】基体と、磁気的な取付け装置を備えたカバーキャップとを示す図である。
図10】保持クリップを有した取付け装置を備えたカバーキャップを示す図である。
図11a】「カバーキャップ上」に設定された保持クリップを有した取付け装置を備えたカバーキャップを示す後方から見た斜視図である。
図11b図11aの詳細図である。
図12a】「カバーキャップ中」に設定された保持クリップを有した取付け装置を備えたカバーキャップを示す後方から見た斜視図である。
図12b図12aの詳細図である。
図13a】「カバーキャップ下」に設定された保持クリップを有した取付け装置を備えたカバーキャップを示す後方から見た斜視図である。
図13b図13aの詳細図である。
図14a】基体における保持クリップの取付けを、取付け状態で示す詳細図である。
図14b】基体における保持クリップの取付けを、取付け状態で示す後方から見た斜視図である。
図15a】基体における保持クリップの取付けを、解除状態で示す詳細図である。
図15b】基体における保持クリップの取付けを、解除状態で示す後方から見た斜視図である。
図16a】カバーキャップがまだ組み付けられていない家具用金具を示す図である。
図16b】カバーキャップが組み付けられた家具用金具を示す図である。
図17a】センタリング装置を備えたカバーキャップを示す斜視図である。
図17b図17aの詳細図である。
図18a】センタリング補助部材を備えた家具用金具を組み付けられた状態で示す側面図である。
図18b】センタリング補助部材を備えた家具用金具を組み付けられた状態で示す断面図である。
図18c図18bのセンタリング補助部材の詳細図である。
【0064】
図1は、従来技術による家具1を示しており、この家具は、側壁13として使用される第1の家具板11と、上面14として使用される第2の家具板12とを有している。家具1は、中間面15、下面16、および背壁19のような別の家具板を有している。これらの家具板は、家具キャビネット18を形成している。キャビネットを閉鎖するための、通常は設けられている家具フラップ17は図示されていない。
【0065】
さらに家具用金具2が示されていて、この家具用金具は基体21を有している。基体21には、作動アーム23が枢着的に接続されている。作動アーム23は、互いに枢着的に接続されている少なくとも1つのレバー231と、フラップ取付け部分232とを有している。フラップ取付け部分232には、家具フラップ17を取り付けることができる。
【0066】
図1では、基体21が、第1の家具板11の凹部110内に装着されている。これにより、基体21は、家具キャビネット18の内部では場所をとらない。さらに、基体21は「隠されていて」、これは美観に関しても好ましい効果を有することができる。
【0067】
凹部110は、第1の家具板11の端面111のみに向かって開放されている。これにより、基体21の側面212は、この構成ではアクセス不可能である。
【0068】
凹部110は、フライス加工部として形成されていてよい。
【0069】
図2は、本発明による家具1の実施例を示していて、この家具は、第1の家具板11に凹部110を有しており、この凹部は、少なくとも1つの第1の家具板11の少なくとも1つの端面111と少なくとも1つの側面112とに向かって開放されている。
【0070】
基体21は、凹部110内に装着されており、凹部110は、基体21が実質的に完全に第1の家具板11内に沈め込められているように形成されている。
【0071】
図1の構成とは異なり、基体21の側面212の少なくとも一部に、少なくとも1つの第1の家具板11の少なくとも1つの側面112からアクセスすることができる。
【0072】
少なくとも1つの第1の家具板11の凹部110内に装着された基体21の可視側面212は、第1の家具板11の少なくとも1つの側面112と実質的に同一平面をなして配置されている。
【0073】
基体21は、複数の機械的なばねの形態の蓄力器216を有している。とりわけ、基体21は、電動の家具駆動装置も含むことができる。
【0074】
基体21は、2つの側面212を有しており、2つの側面212は、実質的に同一に形成されていて、互いに平行に延在している。図2では、一方の側面212を良好に見ることができる。さらに、家具用金具2は、両側面212の間の中心平面を中心として実質的に対称に形成されている。これにより、家具用金具2を、家具キャビネット18の両側に配置することができる。
【0075】
従来技術の場合と同様に、家具用金具2は、家具フラップ17に接続可能な少なくとも1つの作動アーム23を有しており、この作動アームは、回転軸を中心として基体21に対して相対的に旋回可能である。
【0076】
基体21は、少なくとも1つの開口215を備えた端面211を有しており、この開口から少なくとも1つの作動アーム23が、少なくとも1つの開放位置で突出する。
【0077】
図3は、図2に相応する図であり、この場合、カバーキャップ22が基体21に組み付けられており、基体21の少なくとも1つの側面212は、組付け状態で覆われている。さらに家具フラップ17が示されている。
【0078】
カバーキャップ22は、組付け状態で、第1の家具板11の少なくとも1つの側面112を越えて突出している。これにより、凹部110の縁部は覆われる。さらに、カバーキャップ22は、容易に把持可能であり、ひいては容易に組み付け可能かつ取り外し可能である。
【0079】
基体21に対して相対的なカバーキャップ22の組付け位置は、好ましくは、工具なしで無段階式に調節可能である。
【0080】
基体21に対して相対的なカバーキャップ22の組付け位置は、基体21の端面211に対して実質的に平行な少なくとも1つの方向で調節可能である。これにより、カバーキャップ22は、この実施例では高さ調節可能である。
【0081】
基体21に対して相対的なカバーキャップ22の組付け位置の可変幅は、少なくとも5ミリメートル、好適には少なくとも10ミリメートルである。
【0082】
カバーキャップ22は、工具なしで調節可能であるだけでなく、工具なしで組み付け可能かつ取り外し可能であってもよい。
【0083】
カバーキャップ22はプラスチックから製造されていてよい。
【0084】
家具用金具2は、少なくとも1つの載着部分25を含んでいる。載着部分は、取り外し可能に、好ましくは差込みにより、カバーキャップ22に取り付け可能である。さらに、載着部分25は印刷可能であり、載着部分に例えば社名のロゴを印刷することができる。
【0085】
図4a、図4b、図5a、図5bおよび図6a、図6bは、それぞれ図3に示したものと類似の家具用金具2を備えた家具1の主図(図a)および詳細図(図b)を示している。
【0086】
ただし、上面14として設けられている第2の家具板12の厚さは、図4a、図4b、図5a、図5bおよび図6a、図6bの間で異なっている。図4a、図4bは、薄い第2の家具板12を示していて、図5a、図5bは、中間の厚さの第2の家具板12を示していて、図6a、図6bは、厚い第2の家具板12を示している。
【0087】
「薄い」、「中間の厚さ」、および「厚い」という記載は、この場合、単に互いに相対的なものであって、絶対値ではないことを理解されたい。
【0088】
第2の家具板12は、端面121で、少なくとも1つの第1の家具板11の少なくとも1つの側面112に配置されている。第2の家具板12は、図3の場合と同様に、第1の家具板11に対して実質的に直角をなして配置されている。
【0089】
第2の家具板12は、基体21とは反対側にある外側面123を有している。第1の家具板11の上端面111は、少なくとも1つの第2の家具板12の外側面123と実質的に同一平面をなして配置されている。
【0090】
このような同一平面であることを前提とすると、第2の家具板12の、外側面123とは反対側の内側面122の位置は、第2の家具板12の異なる厚さのために変化する。換言すると:第2の家具板12の内側面122の高さは、図4a、図4b、図5a、図5bおよび図6a、図6bにおいて異なっている。
【0091】
図4a、図4b、図5a、図5bおよび図6a、図6bすべてにおいて、カバーキャップ22は、組付け状態で、少なくとも1つの第2の家具板12に当接している。
【0092】
代替的に、カバーキャップ22は、組付け状態で、少なくとも1つの第2の家具板12に対して規定の間隔を置いて配置されていてもよく、この場合、この間隔は好適には10ミリメートル未満、特に好適には5ミリメートル未満である。これにより、シャドウギャップが実現される。
【0093】
カバーキャップ22を第2の家具板12に当接させるべき場合には、第1の家具板11の凹部110内に固定されて装着された基体21に対して相対的なカバーキャップ22の組付け位置を、第2の家具板12の内側面122の位置に、ひいては第2の家具板12の厚さに適合させなければならない。
【0094】
これは、以下のステップで行うことができる:
-カバーキャップ22を基体21に組み付け、この際に、基体21の少なくとも1つの側面212を、組付け状態で少なくとも部分的に覆う、
-カバーキャップ22の組付け位置を、好ましくは工具なしで、基体21に対して相対的に、好ましくは、少なくとも1つの第1の家具板11に接続されたまたは接続可能な、好ましくは家具キャビネット18の上面14として設けられている第2の家具板12の厚さに応じて調節する。
【0095】
したがって、図4a、図4bのカバーキャップ22は、図5a、図5bのカバーキャップ22よりも高い位置に組み付けられている。また、図5a、図5bのカバーキャップ22は、図6a、図6bのカバーキャップ22よりも高い位置に組み付けられている。
【0096】
図6a、図6bでは、第2の家具板12が、第1の家具板11の凹部110内に沈め込められている基体21を少なくとも部分的に覆うように、少なくとも1つの第2の家具板12が配置されている。
【0097】
基体21またはカバーキャップ22に長さ目盛りを配置することができ、この長さ目盛りによって、基体21に対して相対的なカバーキャップ22の位置が読み取り可能である。これにより、基体21に対して相対的なカバーキャップ22の組付け位置を読み取ることができる。これにより、複数の家具用金具2の組付けが、より容易に同様に実施可能である。例えば、第2の家具板12の厚さのために特別なマーキングが設けられていてよい。
【0098】
図7a、図7b~図15a、図15bは、それぞれ少なくとも1つの取付け装置3を示しており、少なくとも1つの取付け装置3によって、カバーキャップ22が基体21に取り付け可能である。
【0099】
特に、少なくとも1つの取付け装置3は、基体21にかつ/またはカバーキャップ22に取り付け可能であってよい。
【0100】
カバーキャップ22は、少なくとも1つの取付け装置3によって、好ましくはもっぱら、基体21の少なくとも1つの側面212に、好ましくは取り外し可能に取り付け可能である。
【0101】
この場合、図7a、図7b、図8a、図8bおよび図9は、磁石31としての取付け装置3の構成を示しており、この場合、2つの磁石31が設けられている。
【0102】
ここに図示した実施例では、磁石31の取付けは、カバーキャップ22における、1つの磁石31につき4つ設けられたウェブ221に工具なしで挟み込むことにより行われる。ウェブ221は、この場合、直角をなしている。
【0103】
しかしながら、磁石31は、接着またはねじ留めにより取り付け可能であってもよい。
【0104】
その側面212が、磁性材料、好ましくは金属から形成されている基体21には、磁石31は、任意の個所で付着することができる。
【0105】
これにより基体21に対して相対的な磁石31の組付け位置は、工具なしで無段階式に調節可能である。
【0106】
図10図11a、図11b、図12a、図12b、図13a、図13bおよび図14a、図14bは、保持エレメント33を備えた取付け装置3の構成を示している。
【0107】
保持エレメント33による基体21への取付けは、以下のように行うことができる。
【0108】
基体21の少なくとも1つの側面212は、少なくとも1つの開口217を有している。少なくとも1つの取付け装置3は、好ましくはばね弾性的に形成された少なくとも1つの保持エレメント33を有しており、この保持エレメントは、少なくとも1つの側面212の少なくとも1つの開口217内に挿入可能である。
【0109】
少なくとも1つの保持エレメント33には、少なくとも1つの係止手段331が配置されていて、この係止手段は、側面212の、カバーキャップ22に面している前面とは反対側に位置する背面213に当て付け可能である。
【0110】
少なくとも1つの保持エレメント33には、弾性的なフィンガの形態のばねエレメント332が形成されている。
【0111】
少なくとも1つの取付け装置3は、これにより工具なしで基体21に組み付け可能である。
【0112】
図10図11a、図11b、図12a、図12b、図13a、図13bおよび図14a、図14bにおける取付け装置3は、保持クリップ32として形成されている。保持クリップ32の各端部には、基体21に取り付けるための保持エレメント33が配置されている。
【0113】
保持クリップ32は、その中央部分に歯列34を有している。この歯列34は、保持クリップ32の組付け状態で、カバーキャップ22上に対向するように配置された係止装置222に係合する。これにより、保持クリップ32は、カバーキャップ22に対して相対的に、工具を使用することなく線形に変位可能である。
【0114】
図16a、図16bは、基体21にカバーキャップ22を組み付ける際の2つのステップを示している。図16aでは、カバーキャップ22がまだ組み付けられておらず、他方、図16bではカバーキャップ22が既に基体21に配置されている。
【0115】
基体21にカバーキャップ22を組み付ける際には、カバーキャップ22を、変位方向に対して横方向で、すなわち通常、水平方向でセンタリングして配置することが重要である。
【0116】
磁石31は、基体21の側壁212の任意の個所に付着することができるので、磁石31によるカバーキャップ22の組付けの際には特に、センタリングされた配置を実現することは困難である。
【0117】
センタリングされた配置を容易にするために、組付けの際に基体21にカバーキャップ22を嵌め込むためのセンタリング補助部材4が設けられていてよい。
【0118】
センタリング補助部材4の実施例は、図17a、図17bに示されている。この場合、センタリング補助部材4は、カバーキャップ22に配置されたセンタリング突起41として形成されている。この場合、図17aはカバーキャップ22を、図17bはセンタリング突起41の詳細図を示している。カバーキャップ22には、磁石31を組み付けるためのウェブ221も配置されている。
【0119】
図18a~図18cは、第1の家具板11に組み付けられた家具用金具2を示しており、この場合、カバーキャップ22も既に基体21に組み付けられている。家具用金具2は、センタリング装置4を有しており、このセンタリング装置は、図17a、図17bの場合と同様にカバーキャップ22におけるセンタリング突起41と、基体21の側面212におけるセンタリング開口42とを有している。
【0120】
この場合、図18aは、第1の家具板11における凹部110内に配置された家具用金具2の側面図を示している。図18bは、センタリング装置4を通る図18aの断面図を示している。
【0121】
図18cは、図18bの断面図の拡大図を示している。この場合、基体の側壁212における開口であるセンタリング開口42に配置されているセンタリング突起41を良好に見ることができる。これにより、カバーキャップ22は、センタリングされて基体21に配置されている。
【0122】
一方向におけるカバーキャップ22の変位可能性を維持するために、センタリング開口42は、鉛直方向のスリットとして形成されている。これにより、水平方向での動きを、センタリング装置4によって阻止しながら、カバーキャップ22を鉛直方向で、基体21に対して変位させることができる。
【符号の説明】
【0123】
1 家具
10 家具板
11 第1の家具板
110 凹部
111 第1の家具板の端面
112 第1の家具板の側面
12 第2の家具板
121 第2の家具板の端面
122 第2の家具板の内側面
123 第2の家具板の外側面
13 側壁
14 上面
15 中間面
16 下面
17 家具フラップ
18 家具キャビネット
2 家具用金具
21 基体
211 基体の端面
212 基体の側面
213 側面の前面
214 側面の背面
215 端面側の開口
216 蓄力器
217 保持エレメントのための開口
22 カバーキャップ
221 ウェブ
222 係止装置を備えたウェブ
23 作動アーム
231 レバー
232 フラップ取付け部分
25 載着部分
3 取付け装置
31 磁石
32 保持クリップ
33 保持エレメント
331 係止手段
332 ばね手段
34 取付け装置の歯列
4 センタリング装置
41 センタリング突起
42 センタリング開口
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5a
図5b
図6a
図6b
図7a
図7b
図8a
図8b
図9
図10
図11a
図11b
図12a
図12b
図13a
図13b
図14a
図14b
図15a
図15b
図16a
図16b
図17a
図17b
図18a
図18b
図18c
【手続補正書】
【提出日】2023-06-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0043】
本発明によれば、基体は、2つの側面を有しており、これらの2つの側面は、実質的に同一に形成されていて、互いに平行に延在している。好適には、家具用金具は、両側面の間の中央平面を中心として少なくとも部分的に、好ましくは実質的に対称に形成されていることが想定されている。対称の基体は、左側および/または右側でのカバーキャップの組付け、および左からのおよび右からの家具板における基体の取付けを可能とする。これにより、1種類の基体のみを製造すればよく、これにより製造コストが削減される。組付け作業者にとっては、取り違えリスクがなくなる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
家具キャビネット(18)に家具フラップ(17)を可動に支持するための家具用金具(2)であって、基体(21)とカバーキャップ(22)とを有しており、前記基体(21)は、前記家具キャビネット(18)の家具板(10)に少なくとも部分的に装着可能であって、前記カバーキャップ(22)は前記基体(21)に組み付け可能であって、前記基体(21)の少なくとも1つの側面(212)を、組付け状態で少なくとも部分的に覆っている、家具用金具(2)において、
前記カバーキャップ(22)の組付け位置は、前記基体(21)に対して相対的に、好ましくは工具なしで調節可能であって、前記基体(21)は、2つの側面(212)を有しており、前記2つの側面(212)は、実質的に同一に形成されていて、互いに平行に延在していることを特徴とする、家具用金具(2)。
【請求項2】
前記カバーキャップ(22)の組付け位置は、前記基体(21)に対して相対的に、無段階式に調節可能である、請求項1記載の家具用金具(2)。
【請求項3】
前記家具用金具(2)は、前記家具フラップ(17)に接続可能な少なくとも1つの作動アーム(23)を有しており、前記作動アームは、回転軸を中心として前記基体(21)に対して相対的に旋回可能である、請求項1または2記載の家具用金具(2)。
【請求項4】
前記基体(21)は、少なくとも1つの開口(215)を有した端面(211)を有しており、前記開口を通って、前記少なくとも1つの作動アーム(23)は、少なくとも1つの開放位置で突出しており、前記カバーキャップ(22)の組付け位置は、前記基体(21)に対して相対的に、前記基体(21)の前記端面(211)に対して実質的に平行な少なくとも1つの方向で調節可能である、請求項3記載の家具用金具(2)。
【請求項5】
前記基体(21)に対して相対的な前記カバーキャップ(22)の組付け位置の可変幅は、少なくとも5ミリメートル、好適には少なくとも10ミリメートルである、請求項1から4までのいずれか1項記載の家具用金具(2)。
【請求項6】
少なくとも1つの取付け装置(3)が設けられており、前記少なくとも1つの取付け装置(3)によって、前記カバーキャップ(22)が前記基体(21)に取り付け可能である、請求項1から5までのいずれか1項記載の家具用金具(2)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの取付け装置(3)は、
-工具なしで前記基体(21)に組み付け可能であって、かつ/または
-工具なしで前記カバーキャップ(22)に組み付け可能であって、かつ/または
-前記少なくとも1つの取付け装置(3)の組付け位置は、前記基体(21)に対して相対的に工具なしで調節可能であって、かつ/または
-前記少なくとも1つの取付け装置(3)の組付け位置は、前記カバーキャップ(22)に対して相対的に工具なしで調節可能である、
請求項6記載の家具用金具(2)。
【請求項8】
前記カバーキャップ(22)は、前記少なくとも1つの取付け装置(3)によって、好ましくはもっぱら、前記基体(21)の前記少なくとも1つの側面(212)に、好ましくは取り外し可能に取り付け可能である、請求項6または7記載の家具用金具(2)。
【請求項9】
前記基体(21)の前記少なくとも1つの側面(212)は、少なくとも1つの開口(217)を有していて、前記少なくとも1つの取付け装置(3)は、好ましくはばね弾性的に形成された少なくとも1つの保持エレメント(33)を有しており、前記保持エレメントは前記少なくとも1つの側面(212)の前記少なくとも1つの開口(217)内に挿入可能であって、好ましくはこの場合、前記少なくとも1つの保持エレメント(33)には、少なくとも1つの係止手段(331)が配置されていて、前記係止手段は、前記側面(212)の、前記カバーキャップ(22)に面している前面とは反対側に位置する背面(213)に当て付け可能である、請求項6から8までのいずれか1項記載の家具用金具(2)。
【請求項10】
前記少なくとも1つの取付け装置(3)は、少なくとも1つの保持クリップ(32)として形成されていて、特にこの場合、
-前記少なくとも1つの取付け装置(3)は、少なくとも1つの歯列(34)を有しており、前記歯列(34)は、前記カバーキャップ(22)における係止装置(222)を備えた少なくとも1つのウェブに取り付け可能であって、かつ/または
-前記少なくとも1つの取付け装置(3)は、少なくとも1つの開口(217)への係合により、前記基体(21)に組み付け可能であって、かつ/または
-前記少なくとも1つの取付け装置(3)の組付け位置は、前記カバーキャップ(22)に対して相対的に工具なしで調節可能である、
請求項6から9までのいずれか1項記載の家具用金具(2)。
【請求項11】
前記少なくとも1つの取付け装置(3)は、磁石(31)として形成されていて、特にこの場合、
-前記少なくとも1つの取付け装置(3)は、前記カバーキャップ(22)に、特に接着、ねじ留め、および/または挟み込みにより取り付け可能であって、かつ/または
-前記少なくとも1つの取付け装置(3)は、前記基体(21)に磁気的に組み付け可能であって、かつ/または
-前記少なくとも1つの取付け装置(3)の組付け位置は、前記基体(21)に対して相対的に工具なしで調節可能である、
請求項6から10までのいずれか1項記載の家具用金具(2)。
【請求項12】
前記家具用金具(2)は、組付けの際に前記基体(21)に前記カバーキャップ(22)を嵌め込むためのセンタリング補助部材(4)を有しており、好適には、前記センタリング補助部材(4)は、センタリング突起(41)とセンタリング開口(42)とを有しており、特に好適には前記センタリング突起(41)は前記カバーキャップ(22)に配置されていて、かつ/または前記センタリング開口(42)は前記基体(21)の前記側面(212)に配置されており、前記センタリング突起(41)は前記センタリング開口(42)内に配置可能である、請求項1から11までのいずれか1項記載の家具用金具(2)。
【請求項13】
前記家具用金具(2)に、好ましくは前記基体(21)に、または前記カバーキャップ(22)に、長さ目盛りが配置されており、前記長さ目盛りによって、前記基体(21)に対して相対的な前記カバーキャップ(22)の位置が読み取り可能である、請求項1から12までのいずれか1項記載の家具用金具(2)。
【請求項14】
前記カバーキャップ(22)は、工具なしで組み付け可能かつ取り外し可能である、請求項1から13までのいずれか1項記載の家具用金具(2)。
【請求項15】
前記カバーキャップ(22)は、プラスチックから製造されている、請求項1から14までのいずれか1項記載の家具用金具(2)。
【請求項16】
前記基体(21)は、蓄力器(216)および/または電動の家具駆動装置を有している、請求項1から15までのいずれか1項記載の家具用金具(2)。
【請求項17】
記家具用金具(2)は、前記両側面(212)の間の中央平面を中心として少なくとも部分的に、好ましくは実質的に対称に形成されている、請求項1から16までのいずれか1項記載の家具用金具(2)。
【請求項18】
前記家具用金具(2)は、少なくとも1つの載着部分(25)を有しており、前記載着部分(25)は、好ましくは差込みにより、取り外し可能に前記カバーキャップ(22)に取り付け可能であって、前記載着部分(25)は印刷可能であり、好ましくは社名のロゴが印刷されている、請求項1から17までのいずれか1項記載の家具用金具(2)。
【請求項19】
家具(1)であって、家具キャビネット(18)と、請求項1から18までのいずれか1項記載の少なくとも1つの家具用金具(2)とを有しており、前記家具キャビネット(18)は、少なくとも1つの第1の家具板(11)を有しており、前記少なくとも1つの第1の家具板(11)には基体(21)が取り付けられていて、好ましくはこの場合、前記少なくとも1つの第1の家具板(11)は、前記家具キャビネット(18)の側壁(13)として設けられている、家具(1)。
【請求項20】
前記第1の家具板(11)は、好ましくはフライス加工された、凹部(110)を有しており、前記凹部(110)は、前記少なくとも1つの第1の家具板(11)の少なくとも1つの端面(111)と少なくとも1つの側面(112)とに向かって開放されており、前記基体(21)は少なくとも所定の領域で前記凹部(110)内に装着可能であって、好ましくはこの場合、前記凹部(110)は、前記基体(21)が実質的に完全に前記第1の家具板(11)内に装着可能であるように、かつ好ましくはこの場合、前記基体(21)の前記側面(212)の少なくとも一部が前記少なくとも1つの第1の家具板(11)の前記少なくとも1つの側面(112)からアクセス可能なままであるように、形成されている、請求項19記載の家具(1)。
【請求項21】
前記少なくとも1つの第1の家具板(11)の前記凹部(110)内に装着された前記基体(21)の少なくとも1つの側面(212)は、前記第1の家具板(11)の少なくとも1つの側面(112)と実質的に同一平面をなして配置されており、好ましくはこの場合、カバーキャップ(22)が、組付け状態で、前記第1の家具板(11)の前記少なくとも1つの側面(112)を越えて突出している、請求項20記載の家具(1)。
【請求項22】
前記家具キャビネット(18)は、好ましくは前記家具キャビネットの上面(14)として設けられている少なくとも1つの第2の家具板(12)を有している、請求項19から21までのいずれか1項記載の家具(1)。
【請求項23】
前記少なくとも1つの第2の家具板(12)は端面(121)で、前記少なくとも1つの第1の家具板(11)の前記少なくとも1つの側面(112)に配置されており、好ましくはこの場合、前記少なくとも1つの第2の家具板(12)は、前記基体(21)とは反対側の外側面(123)を有しており、前記少なくとも1つの第1の家具板(11)の端面(111)は、前記少なくとも1つの第2の家具板(12)の前記外側面(123)と実質的に同一平面をなして配置されている、請求項22記載の家具(1)。
【請求項24】
-前記カバーキャップ(22)は、組付け状態で、前記少なくとも1つの第2の家具板(12)に当接しており、かつ/または
-前記カバーキャップ(22)は、組付け状態で、前記少なくとも1つの第2の家具板(12)に対して間隔を置いて配置されていて、この場合、前記間隔は好適には10ミリメートル未満、特に好適には5ミリメートル未満である、
請求項22または23記載の家具(1)。
【請求項25】
前記少なくとも1つの第2の家具板(12)が、前記少なくとも1つの第1の家具板(11)の前記凹部(110)内に装着されている前記基体(21)を少なくとも部分的に覆うように、前記少なくとも1つの第2の家具板(12)が配置されている、請求項22から24までのいずれか1項記載の家具(1)。
【請求項26】
請求項1から18までのいずれか1項記載の少なくとも1つの家具用金具(2)を少なくとも1つの第1の家具板(11)に組み付けるための方法であって、以下の方法ステップ、すなわち、
a.好ましくは家具キャビネット(18)の側壁(13)として設けられた少なくとも1つの第1の家具板(11)を準備するステップであって、前記第1の家具板(11)は少なくとも1つの凹部(110)を有しており、前記凹部(110)は、前記少なくとも1つの第1の家具板(11)の少なくとも1つの端面(111)と少なくとも1つの側面(112)とに向かって開放されている、ステップ、
b.前記少なくとも1つの家具用金具(2)の基体(21)を、前記少なくとも1つの第1の家具板(11)内に少なくとも所定の領域で装着するステップであって、この場合、前記基体(21)の側面(212)の少なくとも一部は、前記少なくとも1つの第1の家具板(11)の前記少なくとも1つの側面(112)からアクセス可能なままである、ステップ、
c.前記基体(21)にカバーキャップ(22)を組み付けるステップであって、この場合、前記基体(21)の前記少なくとも1つの側面(212)を、組付け状態で少なくとも部分的に覆うステップ、
d.前記カバーキャップ(22)の組付け位置を、前記基体(21)に対して相対的に、好ましくは工具なしで、好ましくは、前記少なくとも1つの第1の家具板(11)に接続されたまたは接続可能な、好ましくは前記家具キャビネット(18)の上面(14)として設けられている第2の家具板(12)の厚さに応じて、調節するステップ
を有していることを特徴とする方法。
【国際調査報告】