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特表2023-549495光ファイバリンクにおける偏光障害の緩和
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-27
(54)【発明の名称】光ファイバリンクにおける偏光障害の緩和
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/25 20130101AFI20231117BHJP
   H04J 14/02 20060101ALI20231117BHJP
【FI】
H04B10/25
H04J14/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023528359
(86)(22)【出願日】2021-11-12
(85)【翻訳文提出日】2023-06-30
(86)【国際出願番号】 US2021059153
(87)【国際公開番号】W WO2022104068
(87)【国際公開日】2022-05-19
(31)【優先権主張番号】63/113,193
(32)【優先日】2020-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519011669
【氏名又は名称】アヤー・ラブス・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】AYAR LABS INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フィ-ニ・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】サン・チェン
【テーマコード(参考)】
5K102
【Fターム(参考)】
5K102AA01
5K102AA67
5K102AD01
5K102AH02
5K102AH14
5K102PA12
5K102PB01
5K102PH22
5K102PH31
(57)【要約】
【解決手段】光データ通信システムが、光トランスミッタと、光レシーバと、を備える。偏光保持光データ通信リンクが、光トランスミッタの光出力から光レシーバの光入力まで伸びている。偏光保持光データ通信リンクは、光コネクタを介して光学的に接続されている少なくとも2つの偏光保持光ファイバセクションを備える。少なくとも2つの偏光保持光ファイバセクションは、異なる長さを有する。光コネクタは、第1偏光保持光ファイバの速い偏光軸を第2偏光保持光ファイバの遅い偏光軸へ光学的に整列させるよう構成されている。光コネクタは、さらに、第1偏光保持光ファイバの遅い偏光軸を第2偏光保持光ファイバの速い偏光軸へ光学的に整列させるよう構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光データ通信システムであって、
光トランスミッタと、
光レシーバと、
前記光トランスミッタの光出力から前記光レシーバの光入力まで伸びている偏光保持光データ通信リンクであって、光コネクタを介して光学的に接続されている少なくとも2つの偏光保持光ファイバセクションを備える偏光保持光データ通信リンクと、を備え、前記少なくとも2つの偏光保持光ファイバセクションは、異なる長さを有する、システム。
【請求項2】
請求項1に記載の光データ通信システムであって、前記光コネクタは、第1偏光保持光ファイバの速い偏光軸を第2偏光保持光ファイバの遅い偏光軸へ光学的に整列させるよう構成され、前記光コネクタは、前記第1偏光保持光ファイバの遅い偏光軸を前記第2偏光保持光ファイバの速い偏光軸へ光学的に整列させるよう構成されている、システム。
【請求項3】
請求項1に記載の光データ通信システムであって、前記少なくとも2つの偏光保持光ファイバセクションの内の1または複数は、2つの偏光モードの内の一方を抑制するよう構成されている偏光子を備える、システム。
【請求項4】
請求項1に記載の光データ通信システムであって、前記少なくとも2つの偏光保持光ファイバセクションの各々は、2つの偏光モードの内の同じモードを抑制するよう構成されている別個の偏光子を備える、システム。
【請求項5】
請求項1に記載の光データ通信システムであって、前記少なくとも2つの偏光保持光ファイバセクションの内の1または複数は、2つの偏光モードの内の一方を抑制するよう構成されている偏光依存損失素子を備える、システム。
【請求項6】
請求項1に記載の光データ通信システムであって、前記少なくとも2つの偏光保持光ファイバセクションの内の少なくとも1つのセクションの長さは、前記少なくとも2つの偏光保持光ファイバセクションの内の別のセクションの長さの少なくとも3倍である、システム。
【請求項7】
請求項1に記載の光データ通信システムであって、前記少なくとも2つの偏光保持光ファイバセクションの各々は、複数の偏光保持光ファイバを備える、システム。
【請求項8】
請求項7に記載の光データ通信システムであって、前記複数の偏光保持光ファイバは、光ファイバリボンとして形成されている、システム。
【請求項9】
請求項1に記載の光データ通信システムであって、前記光トランスミッタは、前記偏光保持光データ通信リンクを介して、複数の波長分割多重化された波長を有する変調光を送信するよう構成されている、システム。
【請求項10】
請求項1に記載の光データ通信システムであって、前記偏光保持光データ通信リンクは、少なくとも2つの光コネクタを備え、前記少なくとも2つの光コネクタの各々は、偏光保持光ファイバの別個のペアの第1偏光保持光ファイバの速い偏光軸が、偏光保持光ファイバの前記別個のペアの第2偏光保持光ファイバの遅い偏光軸と実質的に整列されるように、前記別個のペアの偏光保持光ファイバを光学的に接続している、システム。
【請求項11】
光データ通信システムであって、
第1偏光保持光ファイバの速い偏光軸が第2偏光保持光ファイバの遅い偏光軸と整列されると共に、前記第1偏光保持光ファイバの遅い偏光軸が前記第2偏光保持光ファイバの速い偏光軸と整列されるように、前記第2偏光保持光ファイバへ光学的に結合されている前記第1偏光保持光ファイバを備える偏光保持光データ通信リンクを備える、システム。
【請求項12】
請求項11に記載の光データ通信システムであって、さらに、
前記偏光保持光データ通信リンクへ光学的に結合されている偏光抑制装置を備える、装置。
【請求項13】
請求項11に記載の光データ通信システムであって、前記偏光保持光データ通信リンク内の任意の2つの偏光保持光ファイバの間の各光接続は、別の偏光保持光ファイバの遅い偏光軸と整列されている、ある偏光保持光ファイバの速い偏光軸を有する、システム。
【請求項14】
請求項11に記載の光データ通信システムであって、さらに、
光トランスミッタと、
光レシーバと、
を備え、
前記偏光保持光データ通信リンクは、前記光トランスミッタの光出力から前記光レシーバの光入力まで伸びている、システム。
【請求項15】
光データ通信システムを動作させるための方法であって、
光トランスミッタの出力から偏光保持光データ通信リンクを介して光レシーバの光入力へ光信号を伝送することを備え、
前記偏光保持光データ通信リンクは、光コネクタを介して光学的に接続されている少なくとも2つの偏光保持光ファイバセクションを備え、前記少なくとも2つの偏光保持光ファイバセクションは、異なる長さを有する、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、さらに、
前記少なくとも2つの偏光保持光ファイバセクションの第1偏光保持光ファイバの速い偏光軸を前記少なくとも2つの偏光保持光ファイバセクションの第2偏光保持光ファイバの遅い偏光軸へ光学的に整列させることを備える、方法。
【請求項17】
請求項15に記載の方法であって、さらに、
前記少なくとも2つの偏光保持光ファイバセクション内の光ファイバへ偏光抑制装置を光学的に結合することを備える、方法。
【請求項18】
光データ通信システムを動作させるための方法であって、
第1偏光保持光ファイバの速い偏光軸が第2偏光保持光ファイバの遅い偏光軸と整列されると共に、前記第1偏光保持光ファイバの遅い偏光軸が前記第2偏光保持光ファイバの速い偏光軸と整列されるように、前記第2偏光保持光ファイバへ光学的に結合されている前記第1偏光保持光ファイバを備える偏光保持光データ通信リンクを介して、光信号を伝送することを備える、方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法であって、さらに、
偏光抑制装置を前記偏光保持光データ通信リンクへ光学的に結合することを備える、方法。
【請求項20】
請求項18に記載の方法であって、前記偏光保持光データ通信リンクは、光トランスミッタの光出力を光レシーバの光入力へ光学的に接続している、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
【0002】
本発明は、光データ通信に関する。
【0003】
【背景技術】
【0004】
光データ通信システムは、デジタルデータパターンを符号化するためにレーザ光を変調することによって動作する。変調レーザ光は、光データネットワークを介して送信ノードから受信ノードへ送信される。受信ノードに到達した変調レーザ光は、元のデジタルデータパターンを取得するために復調される。したがって、光データ通信システムの実装および動作は、光信号変調用および光信号受信用の信頼性の高い効率的なデバイスを有することに依存する。
【0005】
光ファイバ通信リンクの大多数が、偏光保持しない光ファイバを利用している。商用光ファイバ通信システムを構成する典型的な構成要素(例えば、光ファイバ、光検出器)は、光ファイバリンク内の偏光がランダムにかつ制御なしに変化することを許容しつつ、効率的なデータ通信を提供するのに十分に偏光無依存性である。しかしながら、一部の集積光学デバイスは、光ファイバ内の偏光が制御された時、光ファイバを介して受信される光をより効率的に処理できる。本発明は、この文脈で生まれたものである。
【発明の概要】
【0006】
一実施形態例において、光データ通信システムが開示されている。光データ通信システムは、光トランスミッタと、光レシーバと、光トランスミッタの光出力から光レシーバの光入力まで伸びている偏光保持光データ通信リンクと、を備える。偏光保持光データ通信リンクは、光コネクタを介して光学的に接続されている少なくとも2つの偏光保持光ファイバセクションを備える。少なくとも2つの偏光保持光ファイバセクションは、異なる長さを有する。
【0007】
一実施形態例において、光データ通信システムが開示されている。光データ通信システムは、第1偏光保持光ファイバの速い偏光軸が第2偏光保持光ファイバの遅い偏光軸と整列されると共に、第1偏光保持光ファイバの遅い偏光軸が第2偏光保持光ファイバの速い偏光軸と整列されるように、第2偏光保持光ファイバへ光学的に結合されている第1偏光保持光ファイバを備える偏光保持光データ通信リンクを備える。
【0008】
一実施形態例において、光データ通信システムを動作させるための方法が開示されている。方法は、光トランスミッタの出力から偏光保持光データ通信リンクを介して光レシーバの光入力へ光信号を伝送することを備え、偏光保持光データ通信リンクは、光コネクタを介して光学的に接続されている少なくとも2つの偏光保持光ファイバセクションを備える。少なくとも2つの偏光保持光ファイバセクションは、異なる長さを有する。
【0009】
一実施形態例において、光データ通信システムを動作させるための方法が開示されている。方法は、第2偏光保持光ファイバへ光学的に結合されている第1偏光保持光ファイバを備える偏光保持光データ通信リンクを介して、光信号を伝送することを備える。第1偏光保持光ファイバは、第1偏光保持光ファイバの速い偏光軸が第2偏光保持光ファイバの遅い偏光軸と整列されると共に、第1偏光保持光ファイバの遅い偏光軸が第2偏光保持光ファイバの速い偏光軸と整列されるように、第2偏光保持光ファイバへ光学的に結合されている。
【0010】
本発明のその他の態様および利点については、本発明を例示した添付図面を参照しつつ行う以下の詳細な説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】いくつかの実施形態に従って、偏光保持光データ通信リンクを介して光レシーバへ光学的に接続されている光トランスミッタを備える光データ通信システムを示す図。
【0012】
図2】いくつかの実施形態に従って、図1の偏光保持光データ通信リンクについて、周波数範囲にわたって光伝送の様々なプロットを示す図。
【0013】
図3A】いくつかの実施形態に従って、光コネクタの各々における偏光保持光ファイバセクションの間のファイバ間接続が偏光軸の標準的なアライメントを有する図1の偏光保持光データ通信リンクについて、周波数範囲にわたって光伝送のプロットを示す図。
【0014】
図3B】いくつかの実施形態に従って、光コネクタの各々における偏光保持光ファイバセクションの間のファイバ間接続が偏光軸の反転アライメントを有する図1の偏光保持光データ通信リンクについて、周波数範囲にわたって光伝送のプロットを示す図。
【0015】
図4A】いくつかの実施形態に従って、偏光子の挿入がない場合の図1の偏光保持光データ通信リンクについて、周波数範囲にわたって光伝送のプロットを示す図。
【0016】
図4B】いくつかの実施形態に従って、偏光子の挿入がある場合の図1の偏光保持光データ通信リンクについて、周波数範囲にわたって光伝送のプロットを示す図。
【0017】
図5A】いくつかの実施形態に従って、光コネクタにおけるファイバ間のずれ角を、1度の標準偏差を有する独立ガウスランダム変数としてサンプリングして、図4Aおよび図4Bのそれぞれのプロットを生成するために用いられた図1の偏光保持データ通信リンクの構成について、周波数範囲にわたって最低の光伝送損失の累積分布関数のプロットを示す図。
【0018】
図5B】いくつかの実施形態に従って、光コネクタにおけるファイバ間のずれ角を、2度の標準偏差を有する独立ガウスランダム変数としてサンプリングして、図4Aおよび図4Bのそれぞれのプロットを生成するために用いられた図1の偏光保持光データ通信リンクの構成について、周波数範囲にわたって最低の光伝送損失の累積分布関数のプロットを示す図。
【0019】
図6】いくつかの実施形態に従って、光データ通信システムを動作させる方法の概要を示す図。
【0020】
図7】いくつかの実施形態に従って、光データ通信システムを動作させる方法の概要を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下では、本発明を理解できるように、多くの具体的な詳細事項について説明する。ただし、当業者にとって明らかなように、本発明は、これらの具体的な詳細事項の一部または全部がなくとも実施可能である。また、本発明が不必要に不明瞭となることを避けるため、周知の処理動作の詳細な説明は省略している。
【0022】
光データ通信システムは、電気ドメイン内のデジタルデータパターンを光ドメイン内の変調光信号として符号化するためにレーザ光を変調することによって動作する。変調光信号は、光ファイバを介して電気光学レシーバへ送信され、そこで、変調光信号は検出され、電気ドメインにおいて元の符号化デジタルデータパターンを取得するために復号される。多くの光データ通信システムでは、光ファイバ内での光の偏光状態は制御されず、システムの動作中に光ファイバの小さい動きおよび/または周囲温度の変化によって摂動されうる。これらのシステムにおいて、集積光学デバイス(例えば、デバイスの中でも特に、電気光学レシーバ)は、時間と共に変化する任意の偏光を有する入力光信号を扱う必要がある。したがって、いくつかの実施形態において、偏光保持(PM)光リンク(例えば、光ファイバ、光導波路など)を、かかる集積光学デバイスと併せて用いることが望ましい。データ通信に理想的なPM光リンクにおいて、1つだけの偏光が、その他の偏光に起因および/または関連しうるその1つの偏光の障害を避けるために励起される。しかしながら、実際の光データ通信システムでは、光ファイバセクションは、しばしば、接続される必要があり、これらの接続は、光学的に不完全であり、2つの偏光の間のクロスカップリングにつながる。
【0023】
PM光データ通信リンクにおいて、偏光の間のクロスカップリングは、非PM光データ通信リンクには存在しない光伝送の障害(中でも特に、損失および多経路干渉など)につながる。以下の内の1または複数を含む、PM光データ通信リンクを通した光伝送における偏光関連の障害を緩和および/または管理するための実施形態が本明細書に記載されている。偏光子の挿入および利用、偏光モード分散の管理(例えば、光ファイバタイプの選択、光ファイバ長さの選択、および/または、選択された光ファイバの逆向きでの結合による)、ならびに、偏光の間のクロスカップリングの管理(例えば、光コネクタおよび/または光スプライスの選択による)。
【0024】
いくつかの実施形態において、偏光信号が、第1集積光学デバイスを第2集積光学デバイスへ光学的に接続しているPM光データ通信リンク内へ第1集積光学デバイスによって送られる。偏光信号は、PM光データ通信リンクを介して伝搬し、第2集積光学デバイスによって受信される。偏光信号は、第1集積光学デバイスと第2集積光学デバイスとの間でPM光データ通信リンクを介して伝搬するので、複数の偏光経路を通り、多経路干渉(MPI)を経験する。様々な実施形態において、MPIは、以下の内の1または複数を含むPM光データ通信リンクの1または複数の特徴の関数である。PM光データ通信リンク内のPM光ファイバセクションの特徴(例えば、中でも特に、PM光ファイバセクション長さ、群屈折率、PM光ファイバセクション熱係数)、PM光データ通信リンク内のPM光ファイバの間の光接続の特徴(例えば、光コネクタおよび/またはスプライスのずれ角および/またはクロスカップリング)、PM光ファイバと第1集積光学デバイスとの間のアライメント、ならびに、PM光ファイバと第2集積光学デバイスとの間のアライメント。
【0025】
光データ通信システムが、いくつかの波長分割多重化(WDM)された波長の各々に変調された高帯域幅変調光信号を送信するよう動作する集積光トランスミッタを備える場合に、PM光データ通信リンクを通した光伝送における偏光関連の障害を回避することが特に興味深い。また、光データ通信システムが、PM光ファイバの偏光の内の1つだけから入射する光を検出するよう動作する集積光レシーバを備える場合に、PM光データ通信リンクを通した光伝送における偏光関連の障害を回避することも特に興味深い。また、光データ通信システムが、特に、光データ通信システムの動作中に観察された光伝送波長スペクトルに応えて、伝達される変調光信号の光波長の実質的な調整/制御を提供しない場合に、PM光データ通信リンクを通した光伝送における偏光関連の障害を回避することも特に興味深い。
【0026】
PM光データ通信リンクを通した光伝送における偏光関連の障害に関連する課題は、約20Gサンプル/秒を超える通信速度に対して特に深刻であり、約45Gサンプル/秒を超える通信速度に対してはさらに深刻であり、これは、かかる光データ伝送速度では、偏光関連の障害が周波数ドメインにおける信号帯域を横切る可能性が高いからである。また、少なくとも1つのデータ通信波長チャネルが許容できない偏光関連の障害を経験する確率は、光ファイバあたりのデータ通信波長チャネルの数と共に増大する。また、少なくとも1つのデータ通信波長チャネルが許容できない偏光関連の障害を経験する確率は、集積光トランスミッタおよび/または集積光レシーバの各々に取り付けられる光ファイバの数と共に増大する。
【0027】
少数の光ファイバ(例えば、4つ未満の光ファイバ)へ接続され、および/または、光ファイバあたり少数のWDMチャネル(例えば、光ファイバあたり5つ未満のWDMチャネル)と共に動作する集積光学デバイス(例えば、トランスミッタおよび/またはレシーバ)は、光伝送における偏光関連の障害により、わずかな歩留まり損失を被りうる。しかしながら、多くの光ファイバ(例えば、4以上の光ファイバ)および/または光ファイバあたり多くのWDMチャネル(例えば、光ファイバあたり5以上のWDMチャネル)を備える光データ通信システムは、光伝送における偏光関連の障害による深刻な歩留まり損失を被るため、光伝送における偏光関連の障害のより注意深い管理を必要としうる。
【0028】
PM光データ通信リンクを通した光伝送における偏光関連の障害の緩和および/または管理するための本明細書に記載の実施形態は、所与の集積光学デバイスへ光学的に接続された基本的に任意の数のPM光ファイバを有する光データ通信システムで利用可能である。PM光データ通信リンクを通した光伝送における偏光関連の障害を緩和および/または管理するための本明細書に記載の実施形態は、単一の集積光学デバイスに取り付けられた4以上のPM光ファイバを備える光データ通信システムに特に適用可能であり、単一の集積光学デバイスに取り付けられた9以上の光ファイバを備える光データ通信システムにさらにいっそう適用可能であり、単一の集積光学デバイスに取り付けられた12以上の光ファイバを備える光データ通信システムにとりわけ適用可能であり、ここで、単一の集積光学デバイスは、1または複数の光レシーバ要素/デバイス/構成要素/システム、ならびに/もしくは、1または複数の光トランスミッタ要素/デバイス/構成要素/システムを備える。
【0029】
PM光データ通信リンクを通した光伝送における偏光関連の障害の緩和および/または管理するための本明細書に記載の実施形態は、光ファイバあたり基本的に任意の数のWDM波長チャネルを有する光データ通信システムで利用可能である。PM光データ通信リンクを通した光伝送における偏光関連の障害を緩和および/または管理するための本明細書に記載の実施形態は、光ファイバあたり5以上のWDM波長チャネル波長チャネルを備える光データ通信システムに特に適用可能であり、光ファイバあたり8以上のWDM波長チャネルを備える光データ通信システムにさらにいっそう適用可能であり、光ファイバあたり12以上のWDM波長チャネルを備える光データ通信システムにとりわけ適用可能である。
【0030】
図1は、いくつかの実施形態に従って、PM光データ通信リンク103を介して光レシーバ105(Rx)へ光学的に接続されている光トランスミッタ101(Tx)を備える光データ通信システム100を示す図である。光トランスミッタ101から光レシーバ105へのPM光データ通信リンク103を通した光の進行方向は、矢印102によって示されている。PM光データ通信リンク例103は、5つのPM光ファイバセクション107-1、107-2、107-3、107-4、107-5を備える。いくつかの実施形態において、各PM光ファイバセクション107-1、107-2、107-3、107-4、107-5は、複数の光ファイバを備える。いくつかの実施形態において、各PM光ファイバセクション107-1、107-2、107-3、107-4、107-5における複数の光ファイバは、光ファイバアレイ(光ファイバリボンなど)として集合的に形成されている。PM光ファイバセクション107-1は、光トランスミッタ101の光出力へ光学的に接続されている第1端を有する。PM光ファイバセクション107-1は、光コネクタ109-1へ光学的に接続されている第2端を有する。PM光ファイバセクション107-2は、光コネクタ109-1へ光学的に接続されている第1端と、光コネクタ109-2へ光学的に接続されている第2端とを有する。PM光ファイバセクション107-3は、光コネクタ109-2へ光学的に接続されている第1端と、光コネクタ109-3へ光学的に接続されている第2端とを有する。PM光ファイバセクション107-4は、光コネクタ109-3へ光学的に接続されている第1端と、光コネクタ109-4へ光学的に接続されている第2端とを有する。PM光ファイバセクション107-5は、光コネクタ109-4へ光学的に接続されている第1端と、光レシーバ105の光入力へ光学的に接続されている第2端とを有する。いくつかの実施形態において、PM光ファイバセクション107-3は、その他のPM光ファイバセクション107-1、107-2、107-4、107-5よりも長い。
【0031】
光データ通信システム100は、さらに、1または複数の波長の連続波レーザ光を生成して、その連続波レーザ光を光リンク113を介して光トランスミッタ101へ送信するよう構成されているレーザ111を備える。光リンク113は、光ファイバセクション115-1、115-2、および、115-3を含む。光ファイバセクション115-1は、レーザ111の光出力へ光学的に接続されている第1端を有する。光ファイバセクション115-1は、光コネクタ117-1へ光学的に接続されている第2端を有する。光ファイバセクション115-2は、光コネクタ117-1へ光学的に接続されている第1端と、光コネクタ117-2へ光学的に接続されている第2端とを有する。光ファイバセクション115-3は、光コネクタ117-2へ光学的に接続されている第1端と、光トランスミッタ101のレーザ供給光入力へ光学的に接続されている第2端とを有する。いくつかの実施形態において、各光ファイバセクション115-1、115-2、115-3は、単一の光ファイバである。いくつかの実施形態において、各光ファイバセクション115-1、115-2、115-3は、複数の光ファイバを含む。いくつかの実施形態において、各光ファイバセクション115-1、115-2、115-3は、非PM光ファイバによって形成されている。これらの実施形態において、光トランスミッタ101(または、光トランスミッタ101を備える光トランシーバ)は、PM光データ通信リンク103を介して光レシーバ105へ送信するために光トランスミッタ101によって単一の偏光を有する変調光信号を生成することを可能にするために、入力連続波レーザ光の偏光を分割するよう構成されている。いくつかの実施形態において、レーザ111は、単一の偏光の(1または複数の波長の)連続波レーザ光を出力するよう構成されている。これらの実施形態において、各光ファイバセクション115-1、115-2、115-3は、PM光ファイバによって形成されている。
【0032】
いくつかの実施形態において、光トランスミッタ101は、光トランスミッタ構成要素および光レシーバ構成要素の両方を備える光トランシーバ内に実装されている。同様に、いくつかの実施形態において、光レシーバ105は、光トランスミッタ構成要素および光レシーバ構成要素の両方を備える光トランシーバ内に実装されている。光レシーバ105が光トランシーバ内に実装されている実施形態において、レーザ111は、光リンク119を介して、光レシーバ105を備える光トランシーバへ光学的に接続される。光リンク119は、光ファイバセクション121-1、121-2、および、121-3を含む。光ファイバセクション121-1は、レーザ111の光出力へ光学的に接続されている第1端を有する。光ファイバセクション121-1は、光コネクタ123-1へ光学的に接続されている第2端を有する。光ファイバセクション121-2は、光コネクタ123-1へ光学的に接続されている第1端と、光コネクタ123-2へ光学的に接続されている第2端とを有する。光ファイバセクション121-3は、光コネクタ123-2へ光学的に接続されている第1端と、光レシーバ105を備える光トランシーバのレーザ供給光入力へ光学的に接続されている第2端とを有する。いくつかの実施形態において、各光ファイバセクション121-1、121-2、121-3は、単一の光ファイバである。いくつかの実施形態において、各光ファイバセクション121-1、121-2、121-3は、複数の光ファイバを含む。いくつかの実施形態において、各光ファイバセクション121-1、121-2、121-3は、非PM光ファイバによって形成されている。これらの実施形態において、光レシーバ105を備えるトランシーバは、単一の偏光を有する変調光信号の生成を可能にするために、入力連続波光レーザ光の偏光を分割するよう構成されている。いくつかの実施形態において、レーザ111は、単一の偏光の(1または複数の波長の)連続波レーザ光を出力するよう構成されている。これらの実施形態において、各光ファイバセクション121-1、121-2、121-3は、PM光ファイバによって形成されている。
【0033】
図1は、説明を簡単にするために概略的に光接続を示していることを理解されたい。ただし、いくつかの実施形態において、光データ通信システム100の物理的実装では、光トランスミッタ101へレーザ光を伝達する光リンク113の光ファイバは、光トランスミッタ101を備える集積光学デバイス(集積光トランシーバ)へ単一の光ファイバアレイとして取り付けられている。また、いくつかの実施形態において、光データ通信システム100の物理的実装では、光トランスミッタ101から変調光信号を伝達するPM光データ通信リンク103の光ファイバは、光トランスミッタ101を備える集積光学デバイス(集積光トランシーバ)へ単一の光ファイバアレイとして取り付けられている。また、いくつかの実施形態において、光データ通信システム100の物理的実装では、光レシーバ105へ変調光信号を伝達するPM光データ通信リンク103の光ファイバは、光レシーバ105を備える集積光学デバイス(集積光トランシーバ)へ単一の光ファイバアレイとして取り付けられている。
【0034】
いくつかの実施形態において、小さいファイバ間のずれが、PM光データ通信リンク103内の光コネクタ109-1、109-2、109-3、109-4の各々に存在する。光コネクタ109-1、109-2、109-3、109-4におけるファイバ間のずれの各々は、偏光の間の光結合を引き起こす。また、いくつかの実施形態において、PM光データ通信リンク103内の各PM光ファイバセクション107-1、107-2、107-3、107-4、107-5は、偏光の間に波長依存性の差動位相を引き起こす。また、いくつかの実施形態において、各ファイバ対チップ光結合(光トランスミッタ101とPM光ファイバセクション107-1との間の光結合、および、光レシーバ105とPM光ファイバセクション107-5との間の光結合、など)が、光偏光子として機能する。
【0035】
いくつかの実施形態において、偏光抑制装置が、PM光データ通信リンク103へ光学的に結合されている。例えば、図1は、光トランスミッタ101の光出力と第1光コネクタ109-1との間の位置で第1PM光ファイバ107-1へ光学的に結合されている第1偏光抑制装置108-1を示している。また、図1は、第1光光コネクタ109-1と第2光コネクタ109-2との間の位置で第2PM光ファイバ107-2へ光学的に結合されている第2偏光抑制装置108-2を示している。また、図1は、第2光コネクタ109-2と第3光コネクタ109-3との間の位置で第3PM光ファイバ107-3へ光学的に結合されている第3偏光抑制装置108-3を示している。また、図1は、第3光コネクタ109-3と第4光コネクタ109-4との間の位置で第4PM光ファイバ107-4へ光学的に結合されている第4偏光抑制装置108-4を示している。また、図1は、第4光コネクタ109-4と光レシーバ105の光入力との間の位置で第5PM光ファイバ107-5へ光学的に結合されている第5偏光抑制装置108-5を示している。様々な実施形態において、PM光データ通信リンク103は、第1偏光抑制装置108-1、第2偏光抑制装置108-2、第3偏光抑制装置108-3、第4偏光抑制装置108-4、および、第5偏光抑制装置108-5、の内の任意の1または複数を備えうることを理解されたい。また、いくつかの実施形態において、PM光データ通信リンク103は、第1偏光抑制装置108-1、第2偏光抑制装置108-2、第3偏光抑制装置108-3、第4偏光抑制装置108-4、および、第5偏光抑制装置108-5のいずれも備えていない。いくつかの実施形態において、第1偏光抑制装置108-1、第2偏光抑制装置108-2、第3偏光抑制装置108-3、第4偏光抑制装置108-4、および、第5偏光抑制装置108-5、の内の任意の1または複数は、2つの偏光モードの内の1つを抑制するよう構成されている偏光子である。いくつかの実施形態において、第1偏光抑制装置108-1、第2偏光抑制装置108-2、第3偏光抑制装置108-3、第4偏光抑制装置108-4、および、第5偏光抑制装置108-5、の内の任意の1または複数は、2つの偏光モードの内の1つを抑制するよう構成されている偏光依存損失素子である。
【0036】
図2は、いくつかの実施形態に従って、5つのPM光ファイバセクション107-1、107-2、107-3、107-4、107-5を含むPM光データ通信リンク103について、-500ギガヘルツ(GHz)から+500GHzに至る周波数範囲にわたってデシベル(dB)で光伝送の様々なプロット201、202、203、204を示す。図2に示す光伝送の異なるプロット201、202、203、204は、PM光ファイバセクション107-3(中央PM光ファイバセクション)に対して異なる長さを用いる一方で、その他のPM光ファイバセクション107-1、107-2、107-4、107-5の長さをそれぞれの値に維持しているPM光データ通信リンク103の実装に対応している。プロット201、202、203、204を生成するために用いられたPM光データ通信リンク103の各構成において、第1PM光ファイバセクション107-1は、約0.6メートルの長さを有し、第2PM光ファイバセクション107-2は、約1メートルの長さを有し、第4PM光ファイバセクション107-4は、約1メートルの長さを有し、第5PM光ファイバセクション107-5は、約0.6メートルの長さを有する。プロット201を生成するために用いられたPM光データ通信リンク103において、第3PM光ファイバセクション107-3は、約3メートルの長さを有する。プロット202を生成するために用いられたPM光データ通信リンク103において、第3PM光ファイバセクション107-3は、約10メートルの長さを有する。プロット203を生成するために用いられたPM光データ通信リンク103において、第3PM光ファイバセクション107-3は、約30メートルの長さを有する。プロット204を生成するために用いられたPM光データ通信リンク103において、第3PM光ファイバセクション107-3は、約100メートルの長さを有する。
【0037】
プロット201、202、203、204の生成の際、ファイバ偏光モード分散(PMD)は、約1.3ピコ秒/メートル(ps/m)である。光ファイバPMDは、平均微分群遅延(DGD)であり、ここで、DGDは、光レシーバ105で2つの主偏光状態の間の時間分離(または遅延)である。DGDは、マクスウェル確率分布によって近似されうるランダム値である。PMDは、多数の独立したDGD測定値の分布にわたるDGDの平均値である。プロット201、202、203、204の各々は、一緒にプロットされた16のランダムな実現値を含む。また、プロット201、202、203、204の生成の際、16のランダムな実現値に対する光コネクタ109-1、109-2、109-3、109-4におけるずれ角は、1度の標準偏差を有する独立ガウスランダム変数としてサンプリングされている。
【0038】
プロット201、202、203、204の比較により、周波数依存性損失が、偏光結合によってPM光データ通信リンク103内に導入されることがわかる。また、プロット201、202、203、204の比較により、より長いPM光ファイバが、(PMDの増大に起因して)周波数に伴って光伝送の急激な変化を生み出すことがわかり、これは、望ましくない場合がある。波長範囲にわたる最低ケースの光損失は、光コネクタ109-1、109-2、109-3、109-4におけるランダムなずれの関数であり、この光損失は、光コネクタ109-1、109-2、109-3、109-4における角度アライメント公差を厳しくすることによって低減されうる。いくつかの実施形態において、周波数に伴ってあまり急激に振動しない伝送応答を生み出すために、比較的小さいPMDを有するPM光ファイバを選択することが望ましい。
【0039】
いくつかの実施形態において、PM光ファイバセクション107-1、107-2、107-3、107-4、107-5の間の(光コネクタ109-1、109-2、109-3、109-4によって提供されている)光接続の内の1または複数は、各ペアの光接続されたPM光ファイバの間の偏光軸を反転させることによってなされている。より具体的には、光接続されたPM光ファイバの所与のペアについて、そのペアの一方のPM光ファイバの遅い軸が、そのペアの他方のPM光ファイバの速い軸に整列されている。2つのPM光ファイバの間の接続における偏光軸の反転アライメントは、2つの接続されたPM光ファイバのPMDの消去を導入し、周波数に伴ってあまり急激に振動しない光伝送応答を生み出す傾向がある。
【0040】
図3Aは、いくつかの実施形態に従って、光コネクタ109-1、109-2、109-3、109-4におけるPM光ファイバの各接続ペアについて或るPM光ファイバの遅い軸が別のPM光ファイバの遅い軸に整列されている偏光軸の標準的なアライメントを、光コネクタ109-1、109-2、109-3、109-4の各々におけるPM光ファイバセクション107-1、107-2、107-3、107-4、107-5の間のファイバ間接続が有するPM光データ通信リンク103について、-500GHzから+500GHzに至る周波数範囲にわたってdBで光伝送のプロット301を示す。図3Bは、いくつかの実施形態に従って、光コネクタ109-1、109-2、109-3、109-4におけるPM光ファイバの各接続ペアについて或るPM光ファイバの遅い軸が別のPM光ファイバの速い軸に整列されている偏光軸の反転アライメント(偏光軸の向きを交互にしたPM光ファイバの接続)を、光コネクタ109-1、109-2、109-3、109-4の各々におけるPM光ファイバセクション107-1、107-2、107-3、107-4、107-5の間のファイバ間接続が有するPM光データ通信リンク103について、-500GHzから+500GHzに至る周波数範囲にわたってdBで光伝送のプロット302を示す。プロット301および302を生成するために用いられたPM光データ通信リンク103において、第1PM光ファイバセクション107-1は、約0.2メートルの長さを有し、第2PM光ファイバセクション107-2は、約5メートルの長さを有し、第3PM光ファイバセクション107-3は、約10メートルの長さを有し、第4PM光ファイバセクション107-4は、約5メートルの長さを有し、第5PM光ファイバセクション107-5は、約0.2メートルの長さを有する。プロット301および302の比較により、偏光軸の反転アライメントを用いたPM光ファイバの接続(プロット302)は、同等の平均光伝送および最小光伝送と共に実質的に滑らかな周波数応答を生み出すことがわかる。
【0041】
いくつかの実施形態において、光コネクタ109-1、109-2、109-3、109-4の内の1または複数において、PM光ファイバセクション107-1、107-2、107-3、107-4、107-5内のPM光ファイバの間のずれによって逆偏光成分が生成された場合でも、逆偏光成分が、再び一次偏光に結合される前に消滅するように、1または複数の偏光子および/または偏光依存損失素子が、PM光データ通信リンク103内に挿入されている。図4Aは、いくつかの実施形態に従って、偏光子を挿入していない状態で、5つのPM光ファイバセクション107-1、107-2、107-3、107-4、107-5を含むPM光データ通信リンク103について、-500GHzから+500GHzに至る周波数範囲にわたってdBで光伝送のプロット401を示す。図4Bは、いくつかの実施形態に従って、偏光子を挿入している状態で、5つのPM光ファイバセクション107-1、107-2、107-3、107-4、107-5を含むPM光データ通信リンク103について、-500GHzから+500GHzに至る周波数範囲にわたってdBで光伝送のプロット402を示す。プロット401および402を生成するために用いられたPM光データ通信リンク130において、第1PM光ファイバセクション107-1は、約0.4メートルの長さを有し、第2PM光ファイバセクション107-2は、約1.2メートルの長さを有し、第3PM光ファイバセクション107-3は、約5メートルの長さを有し、第4PM光ファイバセクション107-4は、約1.2メートルの長さを有し、第5PM光ファイバセクション107-5は、約0.4メートルの長さを有する。プロット401および402の各々は、一緒にプロットされた100のランダムな実現値を含む。また、プロット401および402の生成の際、100のランダムな実現値に対する光コネクタ109-1、109-2、109-3、109-4におけるファイバ間のずれ角は、1度の標準偏差を有する独立ガウスランダム変数としてサンプリングされている。図4Aのプロット401は、偏光子の挿入がない場合のPM光データ通信リンク103についてのプロットである。図4Bのプロット402は、5つのPM光ファイバセクション107-1、107-2、107-3、107-4、107-5の各々における望ましくない偏光の6dBの抑制を提供するために、5つのPM光ファイバセクション107-1、107-2、107-3、107-4、107-5の各々に偏光子を挿入した場合のPM光データ通信リンク103についてのプロットである。プロット401および402の比較により、PM光データ通信リンク103内への偏光子の挿入が、光伝送損失を実質的に低減することが示されている。
【0042】
図5Aは、いくつかの実施形態に従って、1024のランダムな実現値に対する光コネクタ109-1、109-2、109-3、109-4におけるファイバ間のずれ角を、1度の標準偏差を有する独立ガウスランダム変数としてサンプリングして、図4Aおよび図4Bのそれぞれのプロット401および402を生成するために用いられたPM光データ通信リンク103構成について、3.4テラヘルツ(THz)の周波数範囲(WDMシステムの全範囲の例である)にわたって最低の光伝送損失の(1024の実現値から推定された)累積分布関数のプロット501および502を示している。所与のレベルの偏光関連の障害に対して、偏光子を備えるPM光データ通信リンク103(プロット502)は、偏光子なしのPM光データ通信リンク(プロット501)よりもはるかに高い累積確率を有する。したがって、偏光子を備えるPM光データ通信リンク103は、要求されたレベルの性能に達しない可能性がはるかに低い。例えば、光データ通信システム100が、3.4THzの動作帯域にわたって0.15dB以下の最低ケースの光伝送損失を必要とする場合、偏光子なしのPM光データ通信リンク103は、最低ケースの光伝送損失要件を満たさない可能性が約5パーセントであるが、偏光子を備えるPM光データ通信リンク103は、最低ケースの光伝送損失要件を満たさない可能性が1パーセントよりもはるかに小さい。
【0043】
図5Bは、いくつかの実施形態に従って、1024のランダムな実現値に対する光コネクタ109-1、109-2、109-3、109-4におけるファイバ間のずれ角を、2度の標準偏差を有する独立ガウスランダム変数としてサンプリングして、図4Aおよび図4Bのそれぞれのプロット401および402を生成するために用いられたPM光データ通信リンク103構成について、3.4THzの周波数範囲にわたって最低の光伝送損失の(1024の実現値から推定された)累積分布関数のプロット503および504を示している。所与のレベルの偏光関連の障害に対して、偏光子を備えるPM光データ通信リンク103(プロット504)は、偏光子なしのPM光データ通信リンク(プロット503)よりもはるかに高い累積確率を有する。したがって、偏光子を備えるPM光データ通信リンク103は、要求されたレベルの性能に達しない可能性がはるかに低い。光コネクタ109-1、109-2、109-3、109-4におけるファイバ間のずれ角の2標準偏差ガウスサンプリングが、光ファイバリボンおよびアレイに適合する光コネクタを代表する。標準的な仮定の下では、約1dBより大きい最低ケースの光伝送損失は、まれではあるが、プロット503によって示すように、光リンクの1~2パーセントで発生する。集積光学デバイスが、或る数(N、例えば、N=4)の光リンクを形成するファイバのアレイに取り付けられた場合、歩留まり損失は、リンクあたりおよそN倍の歩留まり損失になる。この場合、光リンクあたり1~2パーセントの故障率で、許容不能になりうる。
【0044】
光データ通信システムの全体性能(例えば、容量、ビット誤り率、電力消費、など)に対する偏光関連の障害の影響は、どの信号処理技術が用いられるかに依存する。これらの信号処理技術は、アナログ技術またはデジタル技術を含みうる。また、いくつかの実施形態において、これらの信号処理技術は、回路として実装される。いくつかの実施形態において、受信集積光学デバイスは、連続時間線形等化(CTLE)またはその他のタイプの線形等化を実行するためのオンチップ回路を備える。いくつかの実施形態において、受信集積光学デバイスは、判定帰還等化(DFE)または別のタイプの非線形等化を実行するためのオンチップ回路を備える。DFEが用いられるいくつかの実施形態において、PMDは、偏光関連の障害の時間ドメイン表現が、DFEで利用可能なサンプルの範囲内に実質的に収まるように低減される。
【0045】
いくつかの実施形態において、光ファイバの長さは、低偏光障害の光リンクを有する可能性を高めるように調整される。例えば、応用例が必要な到達距離を要求する時に、光学リンク内の個々の光ファイバセクションの長さを実質的に自由に選択できうる。いくつかの実施形態において、単一ファイバコネクタ(例えば、中でも特に、固定接続(FC)コネクタ)、ファイバアレイコネクタ(例えば、中でも特に、機械的トランスファ(MT)コネクタ)、または、その他のタイプの光コネクタなど、公差を改善された光コネクタの選択を含むがそれらに限定されない技術が、角度公差の改善および/または接続されたPM光ファイバセクション間のクロスカップリングの低減を達成するために実装される。また、いくつかの実施形態において、個々の光ファイバのスプライシングまたは光ファイバリボンのスプライシングが、角度公差の改善および/または接続されたPM光ファイバセクション間のクロスカップリングの低減を達成するために利用される。
【0046】
いくつかの実施形態において、光ファイバは、光学アライメントおよび/または試験の目的で、ならびに、最終的な動作における偏光性能の改善を達成するために、コネクタを用いて集積光学デバイスに光学的に接続される。いくつかの実施形態において、犠牲コネクタが、光学アライメントおよび/または試験を提供するために、集積光学デバイスまたは結合アセンブリに取り付けられ、犠牲コネクタは後に除去される。いくつかの実施形態において、光ファイバアレイが、集積光学デバイスに取り付けられている。これらの実施形態において、光ファイバアレイは、光学アライメントおよび/または試験で用いるための一部の光ファイバを含んでおり、その一部の光ファイバは、その他の光ファイバからファンアウトされ、コネクタ付きになっている。
【0047】
図2図3A図3B図4A図4B図5A、および、図5Bに示したプロットを生成するために用いられたシミュレーションは、ジョーンズ行列表現を利用しており、ここで、入力信号の偏光は、二次元複素ベクトルuinによって与えられている。2×2行列が、例えば、n番目のファイバセクション(T ファイバ)またはm番目の結合ポイント(T )によって、偏光の各変換を表し、出力の偏光は、以下のようにこれらの変換をカスケードすることによって算出される。
【数1】
【0048】
マルチセクションPM光データ通信リンク(例えば、103)における各PM光ファイバセクションは、一次偏光(理想的に励起された偏光)と、望ましくない二次偏光との間に周波数依存性の差動位相Φ(f)を与える。市販のPMF(Polarization maintaining fiber:偏光保持ファイバ)は、数ミリメートル(mm)のオーダーのビート長を有するため、1センチメートル(cm)よりはるかに長いファイバの妥当な長さに対しては、この差動位相は非常に大きい。また、切断精度に起因する光ファイバの長さの不確かささえ、ビート長のオーダーである。したがって、マルチセクションPM光データ通信リング内の各光ファイバセクションは、偏光成分をランダムにフェージングし直すと考えられる。また、周波数依存性の差動位相は、しばしば、PMD遅延によって特徴付けられ、PMD遅延は、PMFメートルあたり1ピコ秒のオーダーであり、光ファイバの設計および/または選択によって調節可能である。
【0049】
光が、PM光リンクにおけるPMFセクションを通過して、不完全に結合されるたびに、2つの遅延成分の間の干渉がロックインされ、光レシーバにおける障害につながりうる。いくつかの実施形態において、PMセクションまたはデバイスの間の光結合は、理想的な発射のために、望ましい偏光および望ましくない偏光に結合される電力が、それぞれ、cos(θ)およびsin(θ)に比例し、消光比(ER)が、ER=-10log10(tan(θ))として与えられるように規定された、消光比または(有効)ずれ角θによって特徴付けられる。このことは、カナダのOZ Optics社による「Application Note-Polarization Measurements-OZ Optics Family of Polarization Maintaining Components,Sources,and Measurements Systems」(1999年8月6日)で論じられており、これは、すべての目的のためにその全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0050】
上述の通り、いくつかの実施形態において、光データ通信システム(例えば、100)は、光トランスミッタ(例えば、101)と、光レシーバ(例えば、105)と、光トランスミッタの光出力から光レシーバの光入力へ伸びているPM光データ通信リンク(例えば、103)と、を備えることが開示されている。いくつかの実施形態において、光トランスミッタは、PM光データ通信リンクを介して、複数のWDM波長を有する変調光を送信するよう構成されている。PM光データ通信リンクは、光コネクタ(例えば、109-1~109-4)を介して光学的に接続されている少なくとも2つのPM光ファイバセクション(例えば、107-1~107-5)を備える。いくつかの実施形態において、少なくとも2つのPM光ファイバセクションは、異なる長さを有する。いくつかの実施形態において、少なくとも2つのPM光ファイバセクションの内の少なくとも1つのセクションの長さは、少なくとも2つのPM光ファイバセクションの内の別のセクションの長さの少なくとも3倍である。いくつかの実施形態において、少なくとも2つのPM光ファイバセクションの各々は、複数のPM光ファイバを含む。これらの実施形態のいくつかにおいて、複数のPM光学ファイバは、光ファイバリボンとして形成されている。
【0051】
いくつかの実施形態において、光コネクタ(例えば、109-1~109-4)は、第1PM光ファイバの速い偏光軸を第2PM光ファイバの遅い偏光軸へ光学的に整列させ、第1PM光ファイバの遅い偏光軸を第2PM光ファイバの速い偏光軸へ光学的に整列させるよう構成されている。いくつかの実施形態において、少なくとも2つのPM光ファイバセクションの内の1または複数は、2つの偏光モードの一方を抑制するよう構成されている偏光子(例えば、108-1~108-5)を備える。いくつかの実施形態において、少なくとも2つのPM光ファイバセクションの各々は、2つの偏光モードの内の同じ偏光モードを抑制するよう構成されている別個の偏光子を備える。いくつかの実施形態において、少なくとも2つのPM光ファイバセクションの内の1または複数は、2つの偏光モードの一方を抑制するよう構成されている偏光依存損失素子(例えば、108-1~108-5)を備える。
【0052】
いくつかの実施形態において、PM光データ通信リンク(例えば、103)は、少なくとも2つの光コネクタ(例えば、109-1~109-4)を備え、ここで、少なくとも2つの光コネクタの各々は、偏光保持光ファイバの別個のペアの第1偏光保持光ファイバの速い偏光軸が、偏光保持光ファイバの別個のペアの第2偏光保持光ファイバの遅い偏光軸と実質的に整列されるように、別個のペアのPM光ファイバ(例えば、107-1~107-5)を光学的に接続している。いくつかの実施形態において、第1および第2PM光ファイバの間の接続における第1PM光ファイバの速い偏光軸と第2PM光ファイバの遅い偏光軸との実質的なアライメントは、ファイバ間のずれ角が約10度以下である場合に成り立つ。ファイバ間のずれ角は、第1および第2PM光ファイバの光コア中心線が互いに整列された状態で、第1PM光ファイバまたは第2PM光ファイバのいずれかの光学コア中心線に関して測定された、第1PM光ファイバの速い偏光軸と第2PM光ファイバの遅い偏光軸との間の角度として定義される。いくつかの実施形態において、第1および第2PM光ファイバの間の接続における第1PM光ファイバの速い偏光軸と第2PM光ファイバの遅い偏光軸との実質的なアライメントは、ファイバ間のずれ角が約6度以下である場合に成り立つ。いくつかの実施形態において、第1および第2PM光ファイバの間の接続における第1PM光ファイバの速い偏光軸と第2PM光ファイバの遅い偏光軸との実質的なアライメントは、ファイバ間のずれ角が約3度以下である場合に成り立つ。
【0053】
いくつかの実施形態において、PM光データ通信リンク(例えば、103)は、第1光コネクタ(例えば、109-1)と、第2光コネクタ(例えば、109-2)と、第3光コネクタ(例えば、109-3)と、第4光コネクタ(例えば、109-4)と、光トランスミッタ(例えば、101)の出力および第1光コネクタの間に光学的に接続されている第1PM光ファイバ(例えば、107-1)と、第1光コネクタおよび第2光コネクタの間に光学的に接続されている第2PM光ファイバ(例えば、107-2)と、第2光コネクタおよび第3光コネクタの間に光学的に接続されている第3PM光ファイバ(例えば、107-3)と、第3光コネクタおよび第4光コネクタの間に光学的に接続されている第4PM光ファイバ(例えば、107-4)と、第4光コネクタおよび光レシーバ(例えば、105)の光入力の間に光学的に接続されている第5PM光ファイバ(例えば、107-5)と、を備える。いくつかの実施形態において、第1光コネクタは、第1PM光ファイバの速い偏光軸を第2PM光ファイバの遅い偏光軸へ整列させ、第1PM光ファイバの遅い偏光軸を第2PM光ファイバの速い偏光軸へ整列させるよう構成されている。また、第2光コネクタは、第2PM光ファイバの速い偏光軸を第3PM光ファイバの遅い偏光軸へ整列させ、第2PM光ファイバの遅い偏光軸を第3PM光ファイバの速い偏光軸へ整列させるよう構成されている。また、第3光コネクタは、第3PM光ファイバの速い偏光軸を第4PM光ファイバの遅い偏光軸へ整列させ、第3PM光ファイバの遅い偏光軸を第4PM光ファイバの速い偏光軸へ整列させるよう構成されている。また、第4光コネクタは、第4PM光ファイバの速い偏光軸を第5PM光ファイバの遅い偏光軸へ整列させ、第4PM光ファイバの遅い偏光軸を第5PM光ファイバの速い偏光軸へ整列させるよう構成されている。
【0054】
いくつかの実施形態において、第1偏光抑制装置(例えば、108-1)が、光トランスミッタ(例えば、101)の光出力と第1光コネクタ(例えば、109-1)との間の位置で第1PM光ファイバ(例えば、107-1)へ光学的に結合されている。また、第2偏光抑制装置(例えば、108-2)が、第1光コネクタ(例えば、109-1)と第2光コネクタ(例えば、109-2)との間の位置で第2PM光ファイバ(例えば、107-2)へ光学的に結合されている。また、第3偏光抑制装置(例えば、108-3)が、第2光コネクタ(例えば、109-2)と第3光コネクタ(例えば、109-3)との間の位置で第3PM光ファイバ(例えば、107-3)へ光学的に結合されている。また、第4偏光抑制装置(例えば、108-4)が、第3光コネクタ(例えば、109-3)と第4光コネクタ(例えば、109-4)との間の位置で第4PM光ファイバ(例えば、107-4)へ光学的に結合されている。また、第5偏光抑制装置(例えば、108-5)が、第4光コネクタ(例えば、109-4)と光レシーバ(例えば、105)の光入力との間の位置で第5PM光ファイバ(例えば、107-5)へ光学的に結合されている。
【0055】
さらに、上述の通り、いくつかの実施形態において、光データ通信システム(例えば、100)は、第1PM光ファイバの速い偏光軸が第2PM光ファイバの遅い偏光軸と整列されると共に、第1PM光ファイバの遅い偏光軸が第2PM光ファイバの速い偏光軸と整列されるように、第2PM光ファイバ(例えば、107-1~107-5の内のいずれか)へ光学的に結合されている第1PM光ファイバ(例えば、107-1~107-5の内のその他のいずれか)を備えるPM光データ通信リンク(例えば、103)を備えることが開示されている。いくつかの実施形態において、偏光抑制装置(例えば、108-1~108-5の内のいずれか)は、PM光データ通信リンクへ光学的に結合されている。いくつかの実施形態において、PM光データ通信リンク内の任意の2つのPM光ファイバの間の各光接続では、或るPM光ファイバの速い偏光軸が、別のPM光ファイバの遅い偏光軸と整列されている。いくつかの実施形態において、PM光データ通信リンクは、光トランスミッタ(例えば、101)の光出力から光レシーバ(例えば、105)の光入力まで伸びている。
【0056】
図6は、いくつかの実施形態に従って、光データ通信システムを動作させる方法の概要を示す。図6の方法は、光トランスミッタ(例えば、101)の出力からPM光データ通信リンク(例えば、103)を介して光レシーバ(例えば、105)の光入力へ光信号を伝送するための工程601を備える。PM光データ通信リンクは、光コネクタ(例えば、109-1~109-4)を介して光学的に接続されている少なくとも2つのPM光ファイバセクション(例えば、107-1~107-5)を備える。少なくとも2つのPM光ファイバセクションは、異なる長さを有する。いくつかの実施形態において、図6の方法は、さらに、少なくとも2つのPM光ファイバセクションの第1PM光ファイバの速い偏光軸を少なくとも2つのPM光ファイバセクションの第2PM光ファイバの遅い偏光軸へ光学的に整列させるための工程603を備える。いくつかの実施形態において、図6の方法は、さらに、少なくとも2つのPM光ファイバセクション内の光ファイバへ偏光抑制装置(例えば、108-1~108ー5)を光学的に結合するための工程605を備える。
【0057】
図7は、いくつかの実施形態に従って、光データ通信システムを動作させる方法の概要を示す。図7の方法は、第1PM光ファイバの速い偏光軸が第2PM光ファイバの遅い偏光軸と整列されると共に、第1PM光ファイバの遅い偏光軸が第2PM光ファイバの速い偏光軸と整列されるように、第2PM光ファイバ(例えば、107-1~107-5の内のいずれか)へ光学的に結合されている第1PM光ファイバ(例えば、107-1~107-5の内のその他のいずれか)を備えるPM光データ通信リンク(例えば、103)を介して、光信号を伝送するための工程701を備える。いくつかの実施形態において、図7の方法は、偏光抑制装置(例えば、108-1~108-5)をPM光データ通信リンクへ光学的に結合するための工程703を備える。いくつかの実施形態において、PM光データ通信リンクは、光トランスミッタ(例えば、101)の光出力を光レシーバ(例えば、105)の光入力へ光学的に接続している。
【0058】
以上の実施形態の記載は、例示および説明を目的としたものであり、包括的であることも限定的であることも意図されていない。特定の実施形態の個々の要素または特徴は、一般に、その特定の実施形態に限定されず、適用可能であれば、置き換え可能であり、特に図示も記載もない限りは、選択された実施形態で利用できる。このように、本明細書で開示されている1または複数の実施形態からの1または複数の特徴を、本明細書で開示されている1または複数の他の実施形態からの1または複数の特徴と組み合わせることで、本明細書で明示的に開示されていないが本明細書で暗示的に開示されている別の実施形態を形成することができる。この他の実施形態も、多くの方法で変形されてよい。かかる実施形態の変形例は、本開示からの逸脱と見なされず、すべてのかかる実施形態の変形例および変更例が、本明細書で提供されている開示の範囲内に含まれると意図されている。
【0059】
いくつかの方法工程は、本明細書で具体的な順序で記載されている場合があるが、方法工程の処理が、方法の実施が成功するような方法で実行される限りは、他のハウスキーピング工程が、方法工程の合間に実行されてもよく、および/または、方法工程が、若干異なる時刻または同時に実行されるように調整されてもよく、または、処理に関連する様々な間隔で処理工程が実行されることを許容するシステムに分配されてもよいことを理解されたい。
【0060】
本実施形態は、理解しやすいように、或る程度詳しく説明されているが、添付の特許請求の範囲内でいくらかの変更および変形を行ってもよいことは明らかである。したがって、本明細書で開示されている実施形態は、例示的なものであって、限定的なものではないとみなされ、そのため、本明細書に示した詳細のみに限定されず、添付の特許請求の範囲の範囲および等価物の中で変形されてもよい。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
【国際調査報告】