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特表2023-549549電流マッチングを用いるスタッカブルマルチフェーズ電力段コントローラ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-27
(54)【発明の名称】電流マッチングを用いるスタッカブルマルチフェーズ電力段コントローラ
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/00 20060101AFI20231117BHJP
【FI】
H02M3/00 W
H02M3/00 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023529902
(86)(22)【出願日】2021-11-15
(85)【翻訳文提出日】2023-07-18
(86)【国際出願番号】 US2021059320
(87)【国際公開番号】W WO2022108864
(87)【国際公開日】2022-05-27
(31)【優先権主張番号】16/950,239
(32)【優先日】2020-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】230129078
【弁護士】
【氏名又は名称】佐藤 仁
(72)【発明者】
【氏名】ロヒット ナルラ
(72)【発明者】
【氏名】ムサスブラマニアン ヴェンカテスワラン
(72)【発明者】
【氏名】プリータム チャラン アナンド タデパーシ
【テーマコード(参考)】
5H730
【Fターム(参考)】
5H730AA15
5H730AS01
5H730BB82
5H730BB88
5H730EE59
5H730FD31
5H730FF02
5H730FG05
(57)【要約】
電力段コントローラ(106A)が、マルチフェーズパルス制御回路(124)、電流感知回路(204)、コンパレータ(116)、誤差増幅器(108)、及びモードコントローラ(135)を含む。モードコントローラは、モードコントローラ入力(136)及び加算回路(210)を含む。加算回路は、第1の加算回路入力(214)、第2の加算回路入力(212)、及び加算回路出力(216)を有し、第1の加算回路入力(214)は誤差増幅器出力(114)に結合され、加算回路出力は第1のコンパレータ入力(118)に結合される。モードコントローラは、モードコントローラ入力(136)におけるモード制御電圧に応答して、主コントローラモード又は二次コントローラモードの一方を選択し、主コントローラモードの選択に応答して加算回路(210)を迂回し、二次コントローラモードの選択に応答して加算回路をイネーブルするように構成される。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力段コントローラであって、
制御入力及びマルチフェーズパルス出力を有するマルチフェーズパルス制御回路であって、前記マルチフェーズパルス出力の各々が、それぞれの電力段のそれぞれのスイッチ制御入力に結合されるように適合される、前記マルチフェーズパルス制御回路と、
電流感知入力及び電流感知出力を有する電流感知回路であって、前記電流感知入力の各々が、それぞれの電力段のそれぞれの電流感知端子に結合されるように適合され、前記電流感知回路が、前記電流感知入力における電流感知電圧に応答して、前記電流感知出力における組み合わされた電流感知電圧を提供するように構成される、前記電流感知回路と、
第1のコンパレータ入力、第2のコンパレータ入力、及びコンパレータ出力を有する、コンパレータであって、前記第1のコンパレータ入力がフィードバック電圧を受け取るように構成され、前記第2のコンパレータ入力が前記電流感知出力に結合され、前記コンパレータ出力が前記制御入力に結合される、前記コンパレータと、
第1の誤差増幅器入力、第2の誤差増幅器入力、及び誤差増幅器出力を有する誤差増幅器であって、前記誤差増幅器が、前記第1の誤差増幅器入力における第1の電圧及び前記第2の誤差増幅器入力における第2の電圧に応答して、前記誤差増幅器出力において誤差電圧を提供するように構成される、前記誤差増幅器と、
モードコントローラ入力と加算回路とを有するモードコントローラであって、前記加算回路が、第1の加算回路入力、第2の加算回路入力、及び加算回路出力を有し、前記第1の加算回路入力が前記誤差増幅器出力に結合され、前記加算回路出力が前記第1のコンパレータ入力に結合される、前記モードコントローラと、
を含み、前記モードコントローラが、
前記モードコントローラ入力におけるモード制御電圧に応答して、主コントローラモード又は二次コントローラモードの一方を選択し、
前記主コントローラモードの選択に応答して前記加算回路を迂回し、
前記二次コントローラモードの選択に応答して前記加算回路をイネーブルする、
ように構成される、
電力段コントローラ。
【請求項2】
請求項1に記載の電力段コントローラであって、前記主コントローラモードにおいて、前記第1の誤差増幅器入力が出力電圧端子に結合されるように適合され、前記第2の誤差増幅器入力が基準電圧に結合されるように適合され、前記第1のコンパレータ入力が前記誤差電圧を前記フィードバック電圧として受け取るように構成される、電力段コントローラ。
【請求項3】
請求項2に記載の電力段コントローラであって、前記誤差増幅器出力に結合され、前記誤差電圧を別の電力段コントローラに提供するように構成される誤差増幅器出力端子を更に含む、電力段コントローラ。
【請求項4】
請求項1に記載の電力段コントローラであって、前記二次コントローラモードにおいて、
前記第1の誤差増幅器入力が、別の電力段コントローラの電流感知出力端子に結合されるように適合され、
前記第2の誤差増幅器入力が、前記電流感知出力に結合されるように適合され、
前記第1のコンパレータ入力が、前記主コントローラモードにおいて別の電力段コントローラによって提供される前記第1の加算回路入力における誤差電圧と、前記誤差増幅器出力における前記誤差電圧とに応答して、前記加算回路出力から加算電圧を受け取るように構成される、
電力段コントローラ。
【請求項5】
請求項1に記載の電力段コントローラであって、前記電流感知出力に結合され、前記電流感知出力において前記組み合わされた電流感知電圧を別の電力段コントローラに提供するように構成される電流感知出力端子を更に含む、電力段コントローラ。
【請求項6】
請求項1に記載の電力段コントローラであって、前記制御入力が第1の制御入力であり、前記マルチフェーズパルス制御回路が、第2の制御入力、第3の制御入力、及び第4の制御入力を有し、前記第2の制御入力が出力電圧端子に結合され、前記第3の制御入力が入力電圧端子に結合され、前記第4の制御入力がランプ端子に結合され、前記マルチフェーズパルス制御回路が、前記第1の制御入力における電圧と、前記第2の制御入力における出力電圧と、前記第3の制御入力における入力電圧と、前記第4の制御入力におけるランプ電圧とに応答して、前記マルチフェーズパルス出力を制御するように構成される、電力
段コントローラ。
【請求項7】
請求項1に記載の電力段コントローラであって、前記二次コントローラモードにおいて、前記誤差増幅器が、前記電力段コントローラの電流を伴う主コントローラモードにおいて構成される別の電力段コントローラの電流を等化するために、オフタイム制御ループにおける積分器として動作するように構成される、電力段コントローラ。
【請求項8】
マルチフェーズコンバータのためのコントローラであって、
第1の主コントローラ入力と、第2の主コントローラ入力と、電流感知出力端子と、誤差増幅器出力端子とを有する主コントローラ回路であって、前記第1の主コントローラ入力が、前記マルチフェーズコンバータの出力電圧端子に結合されるように適合され、前記第2の主コントローラ入力が、基準電圧端子に結合されるように適合される、前記主コントローラ回路と、
第1の二次コントローラ入力及び第2の二次コントローラ入力を有する二次コントローラ回路であって、前記第1の二次コントローラ入力が前記電流感知出力端子に結合され、前記第2の二次コントローラ入力が前記誤差増幅器出力端子に結合される、前記二次コントローラ回路と、
を含み、
前記二次コントローラ回路が、
第1の加算回路入力、第2の加算回路入力、及び加算回路出力を有する加算回路であって、前記第1の加算回路入力が前記第2の二次コントローラ入力に結合される、前記加算回路と、
第1の積分器入力、第2の積分器入力、及び積分器出力を有する積分器であって、前記第1の積分器入力が前記第1の二次コントローラ入力に結合され、前記第2の積分器入力が、前記二次コントローラ回路によって制御される前記マルチフェーズコンバータの電力段に関する組み合わされた電流感知電圧を受け取るように構成され、前記積分器出力が前記第2の加算回路入力に結合される、前記積分器と、
を含む、
コントローラ。
【請求項9】
請求項8に記載のコントローラであって、前記組み合わされた電流感知電圧が第1の組み合わされた電流感知電圧であり、前記主コントローラ回路が、
制御入力及びマルチフェーズパルス出力を有するマルチフェーズパルス制御回路であって、前記マルチフェーズパルス出力の各々が、前記マルチフェーズコンバータのそれぞれの電力段のそれぞれのスイッチ制御入力に結合されるように適合される、前記マルチフェーズパルス制御回路と、
電流感知入力及び電流感知出力を有する電流感知回路であって、前記電流感知入力の各々が、前記マルチフェーズコンバータのそれぞれの電力段のそれぞれの電流感知出力端子に結合されるように適合され、前記電流感知回路が、前記電流感知入力における電流感知電圧に応答して、前記電流感知出力において第2の組み合わされた電流感知電圧を提供するように構成される、前記電流感知回路と、
第1のコンパレータ入力、第2のコンパレータ入力、及びコンパレータ出力を有するコンパレータであって、前記第1のコンパレータ入力がフィードバック電圧を受け取るように構成され、前記第2のコンパレータ入力が前記電流感知出力に結合され、前記コンパレータ出力が前記制御入力に結合される、前記コンパレータと、
第1の誤差増幅器入力、第2の誤差増幅器入力、及び誤差増幅器出力を有する
誤差増幅器であって、前記第1の誤差増幅器入力が前記第1の主コントローラ入力に結合され、前記第2の誤差増幅器入力が前記第2の主コントローラ入力に結合され、前記誤差増幅器が、前記第1の誤差増幅器入力における出力電圧及び前記第2の誤差増幅器入力における基準電圧に応答して、前記誤差増幅器出力において誤差電圧を提供するように構成される、前記誤差増幅器と、
を含む、
コントローラ。
【請求項10】
請求項8に記載のコントローラであって、前記加算回路が第1の加算回路であり、前記主コントローラ回路が、
第2の加算回路と、
モードコントローラ入力を備えるモードコントローラと、
を含み、
前記モードコントローラが、
前記モードコントローラ入力における電圧に応答して、主コントローラモード又は二次コントローラモードの一方を選択し、
前記主コントローラモードの選択に応答して前記第2の加算回路を迂回し、
前記二次コントローラモードの選択に応答して前記第2の加算回路をイネーブルする、
ように構成される、
コントローラ。
【請求項11】
請求項8に記載のコントローラであって、
前記二次コントローラ回路が、
制御入力及びマルチフェーズパルス出力を有するマルチフェーズパルス制御回路であって、前記マルチフェーズパルス出力の各々が、前記マルチフェーズコンバータのそれぞれの電力段のそれぞれのスイッチ制御入力に結合されるように適合される、前記マルチフェーズパルス制御回路と、
電流感知入力及び電流感知出力を有する電流感知回路であって、前記電流感知入力の各々が、前記マルチフェーズコンバータのそれぞれの電力段のそれぞれの電流感知出力端子に結合されるように適合され、前記電流感知回路が、前記電流感知入力における電流感知電圧に応答して、前記電流感知出力において、組み合わされた電流感知電圧を提供するように構成される、前記電流感知回路と、
第1のコンパレータ入力、第2のコンパレータ入力、及びコンパレータ出力を有するコンパレータであって、前記第1のコンパレータ入力がフィードバック電圧を受け取るように構成され、前記第2のコンパレータ入力が前記電流感知出力に結合され、前記コンパレータ出力が前記制御入力に結合される、前記コンパレータと、
を含む、
コントローラ。
【請求項12】
請求項8に記載のコントローラであって、前記主コントローラ回路が第1の集積回路(IC)の一部であり、前記二次コントローラ回路が第2のICの一部である、コントローラ。
【請求項13】
請求項8に記載のコントローラであって、前記二次コントローラ回路を含む複数の二次コントローラ回路を更に含み、前記二次コントローラ回路の各々がそれぞれの第1の二次コントローラ入力及びそれぞれの第2の二次コントローラ入力を有し、各それぞれの第1の二次コントローラ入力が前記電流感知出力端子に結合され、各それぞれの第2の二次コントローラ入力が前記誤差増幅器出力端子に結合される、コントローラ。
【請求項14】
請求項13に記載のコントローラであって、前記主コントローラ回路が第1の集積回路(IC)の一部であり、各二次コントローラ回路が一つ又は複数の他のICの一部である、コントローラ。
【請求項15】
システムであって、
負荷と、前記負荷に結合されるマルチフェーズコンバータとを含み、
前記マルチフェーズコンバータが、
出力電圧端子と、
並列の電力段であって、前記電力段の各々が電流感知出力端子を有する、前記電力段と、
前記電力段の各々に結合されるコントローラと、
を有し、
前記コントローラが、
主コントローラ回路及び二次コントローラ回路を含み、
前記主コントローラ回路が、前記電力段のうちのいくつかに結合され、第1の主コントローラ入力と、第2の主コントローラ入力と、電流感知出力端子と、誤差増幅器出力端子とを有し、前記第1の主コントローラ入力が前記出力電圧端子に結合され、前記第2の主コントローラ入力が前記基準電圧端子に結合されるように適合され、
前記二次コントローラ回路が、前記主コントローラ回路及び他の前記電力段に結合され、第1の二次コントローラ入力及び第2の二次コントローラ入力を有し、前記第1の二次コントローラ入力が前記電流感知出力端子に結合され、前記第2の二次コントローラ入力が前記誤差増幅器出力端子に結合される、
システム。
【請求項16】
請求項15に記載のシステムであって、前記二次コントローラ回路が、
第1の加算回路入力、第2の加算回路入力、及び加算回路出力を有する加算回路であって、前記第1の加算回路入力が前記第2の二次コントローラ入力に結合される、前記加算回路と、
第1の積分器入力、第2の積分器入力、及び積分器出力を有する積分器であって、前記第1の積分器入力が前記第1の二次コントローラ入力に結合され、前記第2の積分器入力が、前記電力段の他方に関する組み合わされた電流感知電圧を受け取るように構成され、前記積分器出力が前記第2の加算回路入力に結合される、前記積分器と、
を含む、システム。
【請求項17】
請求項16に記載のシステムであって、
前記組み合わされた電流感知電圧が第1の組み合わされた電流感知電圧であり、
前記主コントローラ回路が、
制御入力及びマルチフェーズパルス出力を有するマルチフェーズパルス制御回路であって、前記マルチフェーズパルス出力の各々が、前記マルチフェーズコンバータのそれぞれの電力段のそれぞれのスイッチ制御入力に結合されるように適合される、前記マルチフェーズパルス制御回路と、
電流感知入力及び電流感知出力を有する電流感知回路であって、前記電流感知入力の各々が、前記マルチフェーズコンバータのそれぞれの電力段のそれぞれの電流感知出力端子に結合されるように適合され、前記電流感知回路が、前記電流感知入力における電流感知電圧に応答して、前記電流感知出力において第2の組み合わされた電流感知電圧を提供するように構成される、前記電流感知回路と、
第1のコンパレータ入力、第2のコンパレータ入力、及びコンパレータ出力を有するコンパレータであって、前記第1のコンパレータ入力がフィードバック電圧を受け取るように構成され、前記第2のコンパレータ入力が前記電流感知出力に結合され、前記コンパレータ出力が前記制御入力に結合される、前記コンパレータと、
第1の誤差増幅器入力、第2の誤差増幅器入力、及び誤差増幅器出力を有する誤差増幅器であって、前記第1の誤差増幅器入力が前記第1の主コントローラ入力に結合され、前記第2の誤差増幅器入力が前記第2の主コントローラ入力に結合され、前記誤差増幅器が、前記第1の誤差増幅器入力における出力電圧及び前記第2の誤差増幅器入力における基準電圧に応答して、前記誤差増幅器出力において誤差電圧を提供するように構成される、前記誤差増幅器と、
を含む、
システム。
【請求項18】
請求項16に記載のシステムであって、前記加算回路が第1の加算回路であり、
前記主コントローラ回路が、
第2の加算回路と、
モードコントローラ入力を備えるモードコントローラと、
を含み、
前記モードコントローラが、
前記モードコントローラ入力における電圧に応答して、主コントローラモード又は二次コントローラモードの一方を選択し、
前記主コントローラモードの選択に応答して前記第2の加算回路を迂回し、
前記二次コントローラモード
の選択に応答して前記第2の加算回路をイネーブルする、
ように構成される、
システム。
【請求項19】
請求項16に記載のコントローラであって、
前記二次コントローラ回路が、
制御入力及びマルチフェーズパルス出力を有するマルチフェーズパルス制御回路であって、前記マルチフェーズパルス出力の各々が、前記マルチフェーズコンバータのそれぞれの電力段のそれぞれのスイッチ制御入力に結合されるように適合される、前記マルチフェーズパルス制御回路と、
電流感知入力及び電流感知出力を有する電流感知回路であって、前記電流感知入力の各々が、前記マルチフェーズコンバータのそれぞれの電力段のそれぞれの電流感知出力端子に結合されるように適合され、前記電流感知回路が、前記電流感知入力における電流感知電圧に応答して、前記電流感知出力において組み合わされた電流感知電圧を提供するように構成される、前記電流感知回路と、
第1のコンパレータ入力、第2のコンパレータ入力、及びコンパレータ出力を有するコンパレータであって、前記第1のコンパレータ入力がフィードバック電圧を受け取るように構成され、前記第2のコンパレータ入力が前記電流感知出力に結合され、前記コンパレータ出力が前記制御入力に結合される、前記コンパレータと、
を含む、
コントローラ。
【請求項20】
請求項15に記載のコントローラであって、前記主コントローラ回路が第1の集積回路(IC)の一部であり、前記二次コントローラ回路が第2のICの一部である、コントローラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
電子デバイス及び集積回路(IC)技術の普及は、結果としてIC製品の商業化をもたらした。新しい電子デバイスが開発され、IC技術が進歩するにつれて、新しいIC製品が商業化される。電子デバイスのためのIC製品の一例は、電力段コントローラである。例示的な電力段コントローラは、マルチフェーズ制御信号を提供する。電子デバイス(例えば、通信デバイス及びサーバ)においてより高電流の需要が高まるにつれて、より高い電流をサポートするために必要なフェーズの数は増加する。また、サポートされるフェーズの数が増加するにつれて、電力段コントローラのピン数は増加し、結果としてパッケージサイズが大きくなる。より高い電流及び関連フェーズをサポートするための取り組みが進められている。
【発明の概要】
【0002】
少なくとも一例において、電力段コントローラが、制御入力とマルチフェーズパルス出力とを有するマルチフェーズパルス制御回路を含み、マルチフェーズパルス出力の各々は、それぞれの電力段のそれぞれのスイッチ制御入力に結合されるように適合される。電力段コントローラはまた、電流感知入力と電流感知出力とを有する電流感知回路を含み、電流感知入力の各々が、それぞれの電力段のそれぞれの電流感知端子に結合されるように適合され、電流感知回路は、電流感知入力における電流感知電圧に応答して、電流感知出力において組み合わされた電流感知電圧を提供するように構成される。電力段コントローラはまた、第1のコンパレータ入力と、第2のコンパレータ入力と、コンパレータ出力とを有するコンパレータを含み、第1のコンパレータ入力はフィードバック電圧を受け取るように構成され、第2のコンパレータ入力は第1の電流感知出力に結合され、コンパレータ出力は制御入力に結合される。電力段コントローラはまた、第1の誤差増幅器入力と、第2の誤差増幅器入力と、誤差増幅器出力とを有する誤差増幅器を含み、誤差増幅器は、第1の誤差増幅器入力における第1の電圧と第2の誤差増幅器入力における第2の電圧とに応答して、誤差増幅器出力において誤差電圧を提供するように構成される。電力段コントローラはまた、モードコントローラ入力と加算回路とを有するモードコントローラを含み、加算回路は、第1の加算回路入力と、第2の加算回路入力と、加算回路出力とを有し、第1の加算回路入力は誤差増幅器出力に結合され、加算回路出力は第1のコンパレータ入力に結合される。モードコントローラは、モードコントローラ入力におけるモード制御電圧に応答して、主コントローラモード又は二次コントローラモードの一方を選択し、主コントローラモードの選択に応答して加算回路を迂回し、二次コントローラモードの選択に応答して加算回路をイネーブルするように構成される。
【0003】
別の例において、マルチフェーズコンバータのためのコントローラが、第1の主コントローラ入力と、第2の主コントローラ入力と、電流感知出力端子と、誤差増幅器出力端子とを有する主コントローラ回路を含み、第1の主コントローラ入力は、マルチフェーズコンバータの出力電圧端子に結合されるように適合され、第2の主コントローラ入力は、基準電圧端子に結合されるように適合される。コントローラはまた、第1の二次コントローラ入力と第2の二次コントローラ入力とを有する二次コントローラ回路を含み、第1の二次コントローラ入力は電流感知出力端子に結合され、第2の二次コントローラ入力は誤差増幅器出力端子に結合される。二次コントローラ回路は、第1の加算回路入力と、第2の加算回路入力と、加算回路出力とを有する加算回路を含み、第1の加算回路入力は第2の二次コントローラ入力に結合される。二次コントローラ回路はまた、第1の積分器入力と、第2の積分器入力と、積分器出力とを有する積分器を含み、第1の積分器入力は第1の二次コントローラ入力に結合され、第2の積分器入力は、二次コントローラ回路によって制御されるマルチフェーズコンバータの電力段に関連する組み合わされた電流感知電圧を受け取るように構成され、積分器出力は第2の加算回路入力に結合される。
【0004】
別の例において、システムが、負荷に結合されるように適合されるマルチフェーズコンバータを含む。マルチフェーズコンバータは、出力電圧端子と、各々が電流感知出力端子を有する並列の電力段と、電力段の各々に結合されるコントローラとを有する。コントローラは、主コントローラ回路と二次コントローラ回路とを含み、主コントローラ回路は電力段のうちのいくつかに結合され、主コントローラ回路は、第1の主コントローラ入力と、第2の主コントローラ入力と、電流感知出力端子と、誤差増幅器出力端子とを有し、第1の主コントローラ入力は出力電圧端子に結合され、第2の主コントローラ入力は基準電圧端子に結合されるように適合される。二次コントローラ回路は、主コントローラ回路及び他の電力段に結合され、第1の二次コントローラ入力と第2の二次コントローラ入力とを有し、第1の二次コントローラ入力は電流感知出力端子に結合され、第2の二次コントローラ入力は誤差増幅器出力端子に結合される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】例示の実施例に従ったシステムのブロック図である。
【0006】
図2】例示の実施例に従った、マルチフェーズコンバータのための電力段コントローラの図である。
【0007】
図3】例示の実施例に従った、マルチフェーズコンバータのための電力段コントローラの電流共有ループ回路要素の図である。
【0008】
図4】例示の実施例に従った、マルチフェーズコンバータのための電力段コントローラの図である。
【0009】
図5】説明する電力段コントローラを備えないマルチフェーズコンバータの波形を示すタイミング図である。
【0010】
図6】説明する電力段コントローラを備えるマルチフェーズコンバータの波形を示すタイミング図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書において、マルチフェーズコンバータのためのコントローラが、主コントローラ回路を含み、主コントローラ回路は、マルチフェーズコンバータの電力段のサブセットにマルチフェーズパルスを提供するように構成される。マルチフェーズコンバータは、主コントローラ回路に結合される一つ又は複数の二次コントローラ回路も含み、各二次コントローラ回路は、マルチフェーズコンバータの電力段のそれぞれ他のサブセットにマルチフェーズパルスを提供するように構成される。説明する実施例において、主コントローラ回路及び各二次コントローラ回路は、入力端子、出力端子、及び/又は、主コントローラ回路及び各二次コントローラ回路のそれぞれの制御ループコンパレータに提供されるそれぞれの電流感知電圧を等化するための構成要素を含む。このようにして、たとえ主コントローラ回路及び各二次コントローラ回路のそれぞれの電流感知電圧が異なる場合であっても、それぞれの制御ループコンパレータは同じ電圧差を受け取ることになる。いくつかの例示の実施例において、各二次コントローラ回路は、主コントローラ回路及びそれぞれの二次コントローラ回路の平均又は全電流を比較するように構成される積分器を含み、結果として、各それぞれの二次コントローラ回路について調整されたオフタイム(TOFF)、及び、主コントローラ回路及び各二次コントローラ回路のそれぞれの制御ループについて等化された電流を生じさせる。
【0012】
他の実施例に対する制限なしに、いくつかの例示の実施例において、主コントローラ回路及び二次コントローラ回路は同じコントローラトポロジを有し、コントローラ回路トポロジは、主コントローラモード又は二次コントローラモードで構成可能である。したがって、マルチフェーズコンバータのためのコントローラはスタッカブルコントローラ集積回路(IC)を含み、コントローラICのうちの1つが主コントローラ回路として構成され、他のコントローラICが二次コントローラ回路として構成される。本明細書で用いられる場合、「スタッカブル」とは、マルチフェーズコンバータが電力段及び負荷への電流出力の増加量をサポートするために、必要に応じて増加された量のコントローラICを使用する能力を指す。異なる例示の実施例において、マルチフェーズコンバータコントローラが、1つの主コントローラIC及びN個の二次コントローラICを含み、Nは1又はそれ以上に等しい整数である(例えば、N=1~10又はそれ以上)。
【0013】
スタッカブルコントローラICについてのコントローラトポロジは変動し得、一方で、マルチフェーズコンバータの電力段のためのスタッカブルコントローラICが、制御入力とマルチフェーズ出力とを有するマルチフェーズパルス制御回路を含み得る。この例において、マルチフェーズパルス出力の各々は、それぞれの電力段のそれぞれのスイッチ制御入力に結合されるように適合され得る。スタッカブルコントローラICはまた、電流感知入力と電力感知出力とを有する電流感知回路を含む。また、電流感知入力の各々は、それぞれの電力段のそれぞれの電流感知端子に結合されるように適合される。また、電流感知回路は、電流感知入力における電流感知電圧に応答して、電流感知出力において組み合わされた電流感知電圧を提供するように構成される。スタッカブルコントローラICは、第1のコンパレータ入力、第2のコンパレータ入力、及びコンパレータ出力を有する、コンパレータも含む。第1のコンパレータ入力はフィードバック電圧を受け取るように構成され、第2のコンパレータ電圧は第1の電流感知出力に結合され、コンパレータ出力は制御入力に結合される。スタッカブルコントローラICはまた、第1の誤差増幅器入力と、第2の誤差増幅器入力と、誤差増幅器出力とを有する誤差増幅器を含む。誤差増幅器は、第1の誤差増幅器入力における第1の電圧と第2の誤差増幅器入力における第2の電圧とに応答して、誤差増幅器出力において誤差電圧を提供するように構成される。いくつかの例示の実施例において、スタッカブルコントローラICは、モードコントローラ入力と加算回路とを有するモードコントローラも含む。加算回路は、第1の加算回路入力、第2の加算回路入力、及び加算回路出力を有し、第1の加算回路入力は誤差増幅器出力に結合される。加算回路出力は第1のコンパレータ入力に結合される。動作において、モードコントローラは、モードコントローラ入力におけるモード制御電圧に応答して、主コントローラモード又は二次コントローラモードの一方を選択するように、主コントローラモードの選択に応答して加算回路を迂回するように、及び、二次コントローラモードの選択に応答して加算回路をイネーブルするように、構成される。
【0014】
いくつかの説明する実施例において、マルチフェーズコンバータのためのコントローラにおける各二次コントローラ回路の制御ループは、主コントローラ回路及び二次コントローラ回路のそれぞれの制御ループコンパレータに提供される電流感知電圧を等化するための積分器を含む。この例示の実施例は、コントローラサイズ又は部品表(BOM)における著しい増加なしに、(すべてのフェーズは同じ電流を有することになるため)マルチフェーズコンバータの信頼性における全体的な向上を達成する。また、主コントローラ回路及び各二次コントローラ回路についての動作の周波数は変化しない。また、付加的な補償回路要素又は外部デバイスは回避される。複雑さ、コスト、及び利益を変動させることで他のコントローラトポロジも可能である。
【0015】
図1は、例示の実施例に従った、システム100のブロック図である。図1の例において、システム100は、マルチフェーズコンバータ102によって給電される、負荷194を備える通信デバイス又はサーバデバイス(例えば、一つ又は複数のプロセッサ及び/又は他の構成要素)である。図示されるように、マルチフェーズコンバータ102は、電力段190A~190Nに並列に結合されるコントローラ104を含み、電源196が、電力段190A~190N及びコントローラ104に結合されるVIN端子197において、入力電圧(VIN)を提供する(例えば、VINは、コントローラ104又はそれぞれのコントローラ回路のVIN入力端子198において受け取られる)。電力段190A~190Nの各々の出力にはそれぞれのインダクタ(L_A~L_N)があり、L_A~L_Nの各々は、それぞれの電力段に結合されるそれぞれの第1の側部、及び出力端子192に結合されるそれぞれの第2の側部を有する。図に示されるように、システム100は、出力端子192と接地195との間の負荷194と並列の、出力キャパシタ(COUT)を含む。接地195は、マルチフェーズコンバータ102の構成要素にも結合される。
【0016】
図1の例において、コントローラ106は、主コントローラ回路106並びに二次コントローラ回路150及び151A~151Mを含み、主コントローラ回路106は、電力段190A~190Nのそれぞれのサブセットに、パルス(パルスCP_A~CP_Nのサブセット)を提供し、二次コントローラ回路150及び151A~151Mの各々は、電力段190A~190Nの他のそれぞれのサブセットに、それぞれのパルス(パルスCP_A~CP_Nのそれぞれのサブセット)を提供する。電力段190A~190Nに提供されるパルスCP_A~CP_Nは、電力段190A~190Nのそれぞれのスイッチを制御する。
【0017】
図に示されるように、主コントローラ回路106は、制御入力134とマルチフェーズパルス出力132A~132Mとを有するマルチフェーズパルス制御(「TON/TOFF制御」と標示される)を含む。動作において、マルチフェーズパルス制御回路124は、電力段190A~190Nのそれぞれのサブセットに提供されるパルス133A~133Mのオンタイム(TON)及びオフタイム(TOFF)を制御する。いくつかの例示の実施例において、マルチフェーズパルス出力132A~132Mの各々は、電力段190A~190Nのそれぞれのサブセットのスイッチ制御入力191A~191Nのそれぞれのサブセットに結合されるように適合される。いくつかの例示の実施例において、制御入力134は第1の制御入力であり、マルチフェーズパルス制御回路124は、第2の制御入力126、第3の制御入力128、及び第4の制御入力130も含む。これらの例示の実施例において、第2の制御入力126は、出力ノード192からVOUTを受け取るように構成される。また、第3の制御入力128は、VIN端子197からVINを受け取るように構成される。また、第4の制御入力130は、RAMP源(図示せず)からランプ電圧(RAMP)を受け取るように構成される。
【0018】
図2の例示の実施例を参照すると、主制御回路106などの主コントローラ回路が、電流感知入力206A~206N及び電流感知出力208を有する電流感知回路(例えば、図2における電流感知回路204)も含み、電流感知入力206A~206Nの各々が、電力段190A~190Nのそれぞれのサブセットの電流感知端子193A~193Nのそれぞれのサブセットに結合されるように適合され、電流感知回路は、電流感知入力206A~206Nにおける電流感知電圧(図1におけるCS_A~CS_Nのサブセット、又は、図2におけるCSP1_M~CSPn_M)に応答して、電流感知出力208において平均又は全電流感知電圧(図2におけるVISUM_M)を提供するように構成される。
【0019】
図1及び図2を参照すると、主コントローラ回路106はまた、第1のコンパレータ入力118と、第2のコンパレータ入力120と、コンパレータ出力122とを有するパルス幅変調(PWM)コンパレータ116を含み、第1のコンパレータ入力118はフィードバック電圧(例えば、図2におけるVDROOP)を受け取るように構成され、第2のコンパレータ入力は電流感知出力208に結合され、コンパレータ出力122は制御入力134に結合され、PWMコンパレータ116は、第1のコンパレータ入力118におけるフィードバック電圧又は誤差電圧115と第2のコンパレータ入力120における電流感知電圧121とに応答して、コンパレータ出力122において電圧123を提供するように構成される。主コントローラ回路106はまた、第1の誤差増幅器又は積分器入力110と、第2の誤差増幅器又は積分器入力112と、誤差増幅器又は積分器出力とを有する誤差増幅器又は積分器108を含む。誤差増幅器又は積分器108は、第1の誤差増幅器又は積分器入力110における第1の電圧111と、第2の誤差増幅器又は積分器入力113における第2の電圧113とに応答して、誤差増幅器又は積分器出力114において誤差電圧115を提供するように構成される。いくつかの例において、第1の電圧111は、出力ノード192における出力電圧(VOUT)であり、第2の電圧113は、基準電圧端子107及び関連する基準電圧源によって提供される基準電圧である。
【0020】
主コントローラ回路106はまた、モードコントローラ入力136と加算回路210とを有するモードコントローラ(「M/S」と標示)135を含む(例えば、図2を参照)。加算回路210は、第1の加算回路入力212、第2の加算回路入力214、及び加算回路出力216を有する。第1の加算回路入力212は、誤差増幅器又は積分器出力114に結合され、加算回路出力216は第1のコンパレータ入力118に結合される。動作において、モードコントローラ135は、モードコントローラ入力136における(例えば、モード制御ピン又は端子138によって提供される)モード制御電圧137に応答して、主コントローラモード又は二次コントローラモードの一方を選択するように構成される。モード制御電圧137は、例えば、システム設計者によって、選択可能である。モードコントローラ135は、主コントローラモードの選択に応答して加算回路210を迂回する(結果として、第1のコンパレータ入力118が、誤差増幅器又は積分器出力114から誤差電圧115を受け取る)ようにも構成される。モードコントローラ135は、二次コントローラモードの選択に応答して加算回路210をイネーブルする(結果として、第1のコンパレータ入力118が、加算回路出力216から電圧を受け取る)ようにも構成される。
【0021】
図1の例示の実施例において、主コントローラモードが選択されるとき、モードコントローラ135は、モードコントローラ出力140から誤差増幅器出力端子142へと誤差電圧115も出力する。他の例示の実施例において、誤差電圧115は、選択されるモードに関係なく、誤差増幅器出力端子142に提供される(例えば、誤差増幅器出力114が、誤差増幅器出力端子142に直接、又は、モードコントローラ135を介して、結合される)。いくつかの例示の実施例において、主コントローラ回路106は、電流感知出力端子(例えば、図2における電流感知出力端子209)から各二次コントローラ回路150及び151A~151Mに、平均又は全電流感知電圧(例えば、図2における電流感知回路204からのVISUM_M)を出力するようにも構成される。
【0022】
いくつかの例示の実施例において、二次コントローラ回路150は、主コントローラ回路106から、誤差電圧115及び平均又は全電力感知電圧(例えば、図2におけるVISUM_M)を受け取るように構成される。図1の例において、二次コントローラ回路150は、制御入力168とマルチフェーズパルス出力178A~178Mとを有するマルチフェーズパルス制御(「TON/TOFF CONTROL」と標示される)回路170を含む。動作において、マルチフェーズパルス制御回路170は、電力段190A~190Nのそれぞれのサブセットに提供されるパルス179A~179MのTON及びTOFFを制御する。いくつかの例示の実施例において、マルチフェーズパルス出力179A~179Mの各々が、電力段190A~190Nのそれぞれのサブセットのスイッチ制御入力191A~191Nのそれぞれのサブセットに結合されるように適合される。いくつかの例示の実施例において、制御入力168は第1の制御入力であり、マルチフェーズパルス制御回路170は、第2の制御入力172、第3の制御入力174、及び第4の制御入力176も含む。これらの例示の実施例において、第2の制御入力172は、出力ノード192からVOUTを受け取るように構成される。また、第3の制御入力174は、VIN端子197からVINを受け取るように構成される。また、第4の制御入力176は、RAMP源(図示せず)からRAMPを受け取るように構成される。
【0023】
図2の例示の実施例を参照すると、二次コントローラ回路150などの二次コントローラ回路が、電流感知入力226A~226Nと電流感知出力228とを有する電流感知回路(例えば、図2における電流感知回路224を参照)も含む。電流感知入力226A~226Nの各々が、電力段190A~190Nのそれぞれのサブセットの電流感知端子193A~193Nのそれぞれのサブセットに結合されるように適合される。また、電流感知回路224は、電流感知入力226A~226Nにおける電流感知電圧(図1におけるCS_A~CS_Nのサブセット、又は、図2におけるCSP1_S~CSPn_S)に応答して、電流感知出力228において全又は平均電流感知電圧(図2におけるVISUM_S)を提供するように構成される。
【0024】
図1及び図2を参照すると、二次コントローラ回路150はまた、第1のコンパレータ入力162と、第2のコンパレータ入力164と、コンパレータ出力166とを有するPWMコンパレータ160を含む。第1のコンパレータ入力162は、フィードバック電圧を受け取るように構成され、第2のコンパレータ入力164は電流感知出力228に結合され、コンパレータ出力166は制御入力168に結合される。二次コントローラ回路150はまた、第1の誤差増幅器又は積分器入力154と、第2の誤差増幅器又は積分器入力156と、誤差増幅器又は積分器出力158とを有する、誤差増幅器又は積分器152を含む。誤差増幅器又は積分器152は、第1の誤差増幅器又は積分器入力154における第1の電圧155と、第2の誤差増幅器又は積分器入力156における第2の電圧157とに応答して、誤差増幅器出力158において誤差電圧159を提供するように構成される。いくつかの例において、第1の電圧155は、主コントローラ回路106の電流感知回路(例えば、図2における電流感知回路204)によって提供され、二次コントローラ回路150の電流感知入力端子(例えば、電流感知入力端子240)によって受け取られる、平均又は全電流感知電圧(例えば、図2におけるVISUM_M)である。第2の電圧157は、二次コントローラ回路150の電流感知回路(例えば、図2における電流感知回路224)によって提供される、平均又は全電流感知電圧(例えば、図2におけるVISUM_S)である。
【0025】
二次コントローラ回路150はまた、モードコントローラ入力182と加算回路230とを有するモードコントローラ(「M/S」と標示)180を含む(例えば、図2を参照)。加算回路230は、第1の加算回路入力232、第2の加算回路入力234、及び加算回路出力236を有する。第1の加算回路入力232は誤差増幅器又は積分器出力158に結合され、加算回路出力236は第1のコンパレータ入力162に結合される。動作において、モードコントローラ180は、モードコントローラ入力182におけるモード制御電圧183(例えば、モード制御ピン又は端子188によって提供される)に応答して、主コントローラモード又は二次コントローラモードの一方を選択するように構成される。モード制御電圧183は、例えば、システム設計者によって選択可能である。モードコントローラ180は、主コントローラモードの選択に応答して、加算回路230を迂回するようにも構成される。モードコントローラ180は、二次コントローラモードの選択に応答して加算回路230をイネーブルするようにも構成される。
【0026】
いくつかの例示の実施例において、付加的な二次コントローラ回路151A~151Mが存在し、二次コントローラ回路151A~151Mの各々は、二次コントローラ回路150について説明したトポロジ及び動作と同様のトポロジ及び動作に関与する。こうした例において、二次コントローラ回路151A~151Mの各々は、電力段190A~190Nのそれぞれのサブセットに、パルスCP_A~CP_Nのそれぞれのサブセットを提供するように構成される。マルチフェーズコントローラ102を用いる場合、コントローラ回路の数は、ターゲットVOUTにおける負荷194に電流を供給するために望ましい数と同数の電力段をサポートするように調整可能である。
【0027】
他のオプションに対する制限なしに、主コントローラ回路106並びに二次コントローラ回路150及び151A~150Mの各々は同じトポロジを有し、入力端子(例えば、端子218、138、240)、出力端子(例えば、端子209及び142)、及び/又は構成要素が、主コントローラ回路106並びに二次コントローラ回路150及び151A~151Mの各々の、それぞれの制御ループコンパレータ(例えば、図1におけるコンパレータ116及び160)に提供される、それぞれの電流感知電圧を等化する。このようにして、たとえ主コントローラ回路及び各二次コントローラ回路のそれぞれの電流感知電圧が異なる場合であっても、それぞれの制御ループコンパレータは同じ電圧差を受け取ることになる。本明細書で説明するように、二次コントローラ回路150及び151A~151Mの各々は、主コントローラ回路及びそれぞれの二次コントローラ回路の平均又は全電流を比較するように構成される、誤差増幅器又は積分器(例えば、図1における誤差増幅器又は積分器152)を含み、結果として、各二次コントローラ回路についての調整されたTOFFと、主コントローラ回路106並びに二次コントローラ回路150及び151A~151Mの各々のそれぞれの制御ループについての等化された電流とを生じさせる。
【0028】
図2は、例示の実施例に従った、マルチフェーズコンバータ(例えば、図1におけるマルチフェーズコンバータ102)のためのコントローラ200の図である。図に示されるように、コントローラ200は、主コントローラ回路106A(図1における主コントローラ回路106の一例)、二次コントローラ回路150A(図1における二次コントローラ回路150の一例)、及び二次コントローラ回路151A~151Mを含む。図2の例において、主コントローラ回路106Aは、誤差増幅器又は積分器108及び関連する入力/出力、PWMコンパレータ116及び関連する入力/出力、マルチフェーズパルス制御回路124及び関連する入力/出力、並びに、モードコントローラ135及び関連する入力/出力を含む、図1における主コントローラ回路106について記述した同じ構成要素のうちの多くを含む。また、主コントローラ回路106Aは、電流感知入力206A~206N及び電流感知出力208を備える電流感知回路204を含む。
【0029】
図2の例において、いくつかの付加的な入力、出力、及び/又は構成要素が、電流感知出力208に結合される電流感知出力端子209を含む主コントローラ回路106Aについて表されている。主コントローラ回路106Aは、マルチフェーズパルス制御回路124の第4の制御入力130に結合され、ランプ電圧を提供するように構成される、ランプ端子203を含む。主コントローラ回路106Aは、(例えば、主コントローラ回路106Aが二次コントローラモードにある場合)別のコントローラ回路から誤差電圧を受け取るように構成される誤差電圧入力端子218を含む。主コントローラ回路106Aは、第1の加算回路入力212と、第2の加算回路入力214と、加算回路出力216とを備える加算回路210を含み、加算回路210はモードコントローラ135の一部である。図2のモードコントローラ135について、モードコントローラ入力136は第1のモードコントローラ入力であり、モードコントローラ135は、第2のモードコントローラ入力217及び第3のモードコントローラ入力219も含む。図に示されるように、第2のモードコントローラ入力217は誤差増幅器又は積分器出力114に結合され、第3のモードコントローラ入力219は誤差電圧入力端子218に結合される。他の例において、モードコントローラ135及び加算回路210は分離しており、論理は、モードコントローラ135によって識別される選択されたモードに基づいて、加算回路210を迂回又はイネーブルする。主コントローラ回路106Aは、第1の誤差増幅器又は積分器入力110に基準電圧(VDAC)を提供するように構成される基準電圧端子215を含む。動作において、主コントローラ回路106Aは、図1において主コントローラ回路106について記述した動作を行なう。
【0030】
図2の例において、二次コントローラ回路150Aは、電流感知出力228に結合される電流感知出力端子229を含む。また、二次コントローラ回路150Aは、マルチフェーズパルス制御回路170の第4の制御入力176に結合され、ランプ電圧(RAMP)を提供するように構成される、ランプ端子223も含む。二次コントローラ回路150Aは、主コントローラ回路(例えば、図2における主コントローラ回路106A)から誤差電圧を受け取るように構成される、誤差電圧入力端子238を含む。二次コントローラ回路150Aは、第1の加算回路入力232と、第2の加算回路入力234と、加算回路出力236とを備える加算回路230を含み、加算回路230はモードコントローラ180の一部である。また、図2におけるモードコントローラ180の場合、モードコントローラ入力182は第1のモードコントローラ入力を含み、モードコントローラ180は、第2のモードコントローラ入力237及び第3のモードコントローラ入力239も含む。図に示されるように、第2のモードコントローラ入力237は誤差増幅器又は積分器出力158に結合され、第3のモードコントローラ入力239は誤差電圧入力端子238に結合される。他の例において、モードコントローラ180及び加算回路230は分離しており、論理は、モードコントローラ180によって識別される選択されたモードに基づいて、加算回路230を迂回又はイネーブルする。二次コントローラ回路150Aは、主コントローラ回路106Aの電流感知出力端子209から平均又は全感知電流電圧(例えば、図2におけるVISUM_M)を受け取るように構成される電流感知入力端子240を含む。動作において、二次コントローラ回路150Aは、図1において二次コントローラ回路150について記述した動作を行なう。図2における二次コントローラ回路151A~151Mは、二次コントローラ回路150Aに類似しており、図1において二次コントローラ回路150について記述した動作を行なうように同様に構成される。
【0031】
他のオプションに対する制限なしに、図2における主コントローラ回路106A並びに二次コントローラ回路150A及び151A~151Mの各々は同じトポロジを有し、入力端子(例えば、端子218、138、215、240)、出力端子(例えば、端子209、142、及び229)、及び/又は構成要素は、主コントローラ回路106A並びに二次コントローラ回路150A及び151A~151Mの各々の、それぞれの制御ループコンパレータ(例えば、図1におけるコンパレータ116及び160)に提供される、それぞれの電流感知電圧を等化する。このようにして、たとえ主コントローラ回路及び各二次コントローラ回路のそれぞれの電流感知電圧が異なる場合であっても、それぞれの制御ループコンパレータは同じ電圧差を受け取ることになる。本明細書で説明するように、二次コントローラ回路150A及び151A~151Mの各々は、主コントローラ回路及びそれぞれの二次コントローラ回路の平均又は全電流を比較するように構成される誤差増幅器又は積分器(例えば、図1における誤差増幅器又は積分器152)を含み、結果として、各二次コントローラ回路についての調整されたTOFFと、主コントローラ回路106A並びに二次コントローラ回路150A及び151A~151Mの各々のそれぞれの制御ループについての等化された電流とを生じさせる。
【0032】
図3は、例示の実施例に従った、マルチフェーズコンバータ(例えば、図1におけるマルチフェーズコンバータ102)のための電力段コントローラ(例えば、図1におけるコントローラ104、又は図2におけるコントローラ200)の、主コントローラ回路(例えば、図1における主コントローラ回路106、又は、図2における主コントローラ回路106A)、及び、各二次コントローラ回路(例えば、図1における二次コントローラ回路150及び151A~151Mの各々、又は、図2における二次コントローラ回路150A及び151A~151Mの各々)と、並列に動作する、電流共有ループ回路要素300の図である。動作において、電流共有ループ回路要素300は、すべてのフェーズにわたって電流を等化し、電流共有ループ回路要素300は、電流モード制御ループよりもかなり低い帯域幅を有する(例えば、主コントローラ回路106の各々、並びに、二次コントローラ回路150及び151A~151Mの各々は、電流モード制御ループを含む)。より具体的に言えば、電流共有ループ回路要素300は、個々の電流感知電圧とすべてのフェーズの平均電流とを比較し、TONを調整する。
【0033】
図示されるように、電流共有ループ回路要素300は、電力段(例えば、電力段190A~190N)のそれぞれのサブセットから電流感知電圧(例えば、図3におけるCSP-1~CSP6)を受け取るように構成される、電流感知入力304A~304Fを含む。電流感知入力304A~304Fは、それぞれの遅延フィルタ306A~306F(例えば、5μs遅延フィルタ)に結合される。遅延フィルタ306A~306Fの出力は、平均化回路307並びにそれぞれの乗算器308A~308Fに結合される。それぞれの乗算器308A~308Fの各々は、遅延フィルタ306A~306Fのそれぞれ1つの出力を、平均化回路307からの平均電流(IAVG)出力と乗算するように構成される。乗算器308A~308Fからのそれぞれの出力(K×(I1~IAVG)~K×(I6~IAVG)と標示)は、基準電圧(VDAC)と共にK×(I1~IAVG)~K×(I6~IAVG)を加算するために、それぞれの加算器310A~310Fに提供される。それぞれの加算器310A~310Fの出力は、それぞれのコンパレータ312A~312Fの非反転入力に提供される。それぞれのコンパレータ312A~312Fの反転入力は、それぞれの基準回路に結合され、各基準回路はレジスタRT(ON)及びキャパシタCT(ON)を有する。図に示されるように、各RT(ON)の第1の側が、VIN源又は関連端子に結合され、各RT(ON)の第2の側が、コンパレータ312A~312Fのそれぞれのコンパレータの反転入力に結合される。また、各CT(ON)の第1の側が、コンパレータ312A~312Fのそれぞれのコンパレータの反転入力に結合され、各CT(ON)の第2の側が、接地に結合される。コンパレータ312A~312Fの出力は、PWMパルス(PWM1~PWMF6)を提供するために、PWM出力端子314A~314Fに結合される。要約すると、主コントローラ回路及び各二次コントローラ回路は、本明細書で説明するように、コントローラ(例えば、図1におけるコントローラ104)から電力段のそれぞれのサブセットへのPWMパルス出力を制御するように動作する。主コントローラ回路及び各二次コントローラ回路によって提供されるTOFF制御と並列に、各電流共有ループ回路要素(例えば、主コントローラ回路及び各二次コントローラ回路のための図3における電流共有ループ回路要素300のうちの1つ)が、本明細書で説明するように、コントローラ(例えば、図1におけるコントローラ104)から電力段のそれぞれのサブセットへのPWMパルス出力のTONを制御する。
【0034】
図4は、例示の実施例に従った、マルチフェーズコンバータ(例えば、図1におけるマルチフェーズコンバータ102)のための電力段コントローラ400の図である。電力段コントローラ400は、図1図2、及び図3に示されるトポロジに関する代替トポロジである。図に示されるように、電力段コントローラ400は、遅延フィルタ402、積分器404、乗算器406、及びコンパレータ408を備える、主コントローラ回路401を含む。より具体的に言えば、遅延フィルタ402は、電流感知信号(CSP1_m)を受信し、関連電流感知信号(I1_m)を出力するように構成され、この出力は、主コントローラ回路401についての平均電流感知信号(IAVG_M)によって乗算される。積分器404の出力は、I1_m-IAVG_Mの関数であり、積分器404の出力を基準電圧(VDAC)によってスケーリングするように構成される乗算器406に提供される。乗算器406の出力は、コンパレータ408の非反転入力に結合される。また、コンパレータ408の反転入力は、レジスタ(RT(ON))及びキャパシタ(CT(ON))を有する基準回路に結合される。図に示されるように、RT(ON)の第1の側がVIN源又は関連端子に結合され、RT(ON)の第2の側がコンパレータ408の反転入力に結合される。また、CT(ON)の第1の側がコンパレータ408の反転入力に結合され、CT(ON)の第2の側が接地に結合される。コンパレータ408の出力は、PWMパルス(PWM_m)である。図4において、主コントローラ回路401の回路要素(例えば、遅延フィルタ402、積分器404、乗算器406、及びコンパレータ408)は、主コントローラ回路401によって管理される各フェーズについて反復される。
【0035】
また、二次コントローラ回路411は、遅延フィルタ412、積分器414、乗算器416、及びコンパレータ418を含む。より具体的に言えば、遅延フィルタ412は、電流感知信号(CSP1_s)を受信し、関連電流感知信号(I1_s)を出力するように構成され、この出力は、二次コントローラ回路411についての平均電流感知信号(IAVG_M)によって乗算される。積分器414の出力は、I1_s-IAVG_Mの関数であり、積分器414の出力を基準電圧(VDAC)によってスケーリングする乗算器416に提供される。乗算器416の出力は、コンパレータ418の非反転入力に結合される。また、コンパレータ418の反転入力は、RT(ON)及びCT(ON)を有する基準回路に結合される。図に示されるように、RT(ON)の第1の側がVIN源又は関連端子に結合され、RT(ON)の第2の側がコンパレータ418の反転入力に結合される。また、CT(ON)の第1の側がコンパレータ418の反転入力に結合され、CT(ON)の第2の側が接地に結合される。コンパレータ418の出力は、PWMパルス(PWM_s)である。図4において、二次コントローラ回路411の回路要素(例えば、遅延フィルタ412、積分器414、乗算器416、及びコンパレータ418)は、各二次コントローラ回路411によって管理される各フェーズについて反復される。
【0036】
電力段コントローラ400のトポロジを用いる場合、二次コントローラ回路411は付加的なフェーズをサポートするために反復可能である。また、経路内の積分器及び/又は高利得、並びに主コントローラ回路の平均電流を含む電流共有ループは、すべてのコントローラ回路又はICの間で共有可能である。このトポロジを用いる場合、インダクタ(例えば、L_A~L_Nのうちの1つ)及び積分器のために、ループは2つの極を有することになる。したがって、付加的なループ補償が必要となる。また、説明する電力段コントローラ400は、ICのTONを変更するため、主コントローラ回路と二次コントローラ回路との間の動作の周波数が変更されることになる。この問題を解決するために、別の周波数制御ループが必要となる。
【0037】
別のオプションは、主コントローラ回路及び二次コントローラ回路のすべてのフェーズ電流を入力として用いる平均化回路要素を用いることに関与する。次いで、平均化出力は、主コントローラ回路及び各二次コントローラ回路の両方の電流共有ループに提供され得る。この他のオプションを用いると、部品表(BOM)/コストは増加する。また、TONは変更され、利得が制限され、誤差は望むほどには取り除かれない可能性がある。
【0038】
図5は、説明する電力段コントローラを伴わないマルチフェーズコンバータの波形を示すタイミング図500である。タイミング図500において、VOUT、負荷電流(I_LOAD)、主コントローラ回路電流(I_M)、及び二次コントローラ回路電流(I_S)についての波形が示される。図に示されるように、VOUTがターゲットレベルに達した後、I_M及びI_Sは互いにオフセットされ、これは、I_LOADが低から高へ遷移するときなどの過渡条件においてマルチフェーズコンバータ(例えば、図1のマルチフェーズコンバータ102)の安定性/効率を低減させる。
【0039】
図5のタイミング図500について、図2のコントローラトポロジが想定され、誤差増幅器152は省くか又は切断され、主コントローラ回路106A並びに二次コントローラ回路150A及び151A~151Mの制御ループ間に、およそ350μsでオフセットが適用される。オフセットの結果、I_M及びI_Sは互いに異なることになる。I_M及びI_Sにおける差は、異なる電流を有する主コントローラ回路及び二次コントローラ回路のフェーズとなり、主コントローラ回路及び二次コントローラ回路のフェーズ間に熱的不均衡を作り出す。また、I_M及びI_Sにおける差は、電力段及び/又はインダクタの耐久性が低下することに起因して、より高い電流を要するフェーズの信頼性を低下させる。I_M及びI_Sにおける差は、主コントローラ回路及び各二次コントローラ回路に関する電力段の間を電流が流れる際に、より低い負荷における効率も低減させ、結果として加熱損失(例えば、I×Ron損失)が生じる。
【0040】
図6は、説明する電力段コントローラ(例えば、図1におけるコントローラ104、又は図2におけるコントローラ200)を備えるマルチフェーズコンバータの波形を示すタイミング図600の図である。タイミング図600において、VOUT、I_LOAD、I_M、及びI_Sについての波形が表されている。図に示されるように、VOUTがターゲットレベルに達した後、I_M及びI_Sはほとんどの時間等しく、I_LOADが低から高へ遷移するときなどの過渡条件において、マルチフェーズコンバータ(例えば、図1のマルチフェーズコンバータ102)の安定性/効率を向上させる。
【0041】
図6のタイミング図600について、図2のコントローラトポロジが想定され、ここで、誤差増幅器152は接続され、主コントローラ回路106A並びに二次コントローラ回路150A及び151A~151Mの制御ループ間に、およそ350μsでオフセットが適用される。初めに、オフセットが適用された後、I_M及びI_Sは互いから逸脱し始めるが、誤差増幅器152の動作はI_M及びI_Sを同じ値に戻す。これによって、主コントローラ回路106A並びに二次コントローラ回路150A及び151A~151Mの各々のフェーズが同じ電流を要することを保証する。
【0042】
本明細書において、「結合」という用語は、本明細書と一貫した機能的な関係を可能にする、接続、通信、又は信号経路を網羅し得る。例えば、デバイスAが、或るアクションを行なうようにデバイスBを制御するための信号を生成する場合、(a)第1の例において、デバイスAは直接接続によってデバイスBに結合されるか、或いは、(b)第2の例において、介在構成要素CがデバイスAとデバイスBとの間の機能的な関係を変更しない場合、デバイスBが、デバイスAによって生成される制御信号を介してデバイスAによって制御されるように、デバイスAは介在構成要素Cを介してデバイスBに結合される。
【0043】
説明する実施例において改変が可能であり、また、特許請求の範囲内で他の実施例が可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】