(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-27
(54)【発明の名称】セリアック病様疾患の指標を含む画像を識別するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G16H 30/20 20180101AFI20231117BHJP
【FI】
G16H30/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023529959
(86)(22)【出願日】2021-11-14
(85)【翻訳文提出日】2023-06-08
(86)【国際出願番号】 IL2021051353
(87)【国際公開番号】W WO2022107124
(87)【国際公開日】2022-05-27
(32)【優先日】2020-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506203914
【氏名又は名称】ギブン イメージング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GIVEN IMAGING LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】デケル, エヤル
(72)【発明者】
【氏名】エルハラール, アルモグ
(72)【発明者】
【氏名】ローゼンフェルド, スタス
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA26
(57)【要約】
消化管(GIT)の画像における絨毛萎縮の存在によって特徴付けられる疾患の指標を検出するための方法は、小腸を含むGITの一部分の連続画像セットにアクセスすることを含む。各画像は、1つ以上の分類スコアに関連付けられ、各分類スコアは、絨毛萎縮の存在によって特徴付けられる疾患のそれぞれの指標を含む関連付けられた画像を示す。方法は、連続画像セットの各画像の1つ以上の分類スコアに基づいて、連続画像セットから画像サブセットを選択することと、小腸の近位部分を示す画像の全てを含む画像セグメントを識別することと、小腸の近位部分を表す識別された画像セグメントから複数の画像を選択することと、選択された画像を表示することと、を更に含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
消化管(GIT)の画像における絨毛萎縮の存在によって特徴付けられる疾患の指標を検出するための方法であって、
小腸を含む前記GITの少なくとも一部分の連続画像セットにアクセスすることであって、各画像が、1つ以上の分類スコアに関連付けられ、前記1つ以上の分類スコアの各分類スコアが、絨毛萎縮の前記存在によって特徴付けられる疾患のそれぞれの指標を含む関連付けられた前記画像を示す、アクセスすることと、
前記連続画像セットの各画像の前記1つ以上の分類スコアに基づいて、前記連続画像セットから画像サブセットを選択することと、
前記連続画像セットから、前記小腸の近位部分を示す前記画像の全てを含む画像セグメントを識別することと、
前記小腸の前記近位部分を表す識別された前記画像セグメントから複数の画像を選択することと、
識別された前記画像セグメントから選択された前記複数の画像及び前記画像サブセットを表示装置上に表示することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記小腸の前記近位部分が、十二指腸を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
絨毛萎縮の前記存在によって特徴付けられる前記疾患が、ヒト免疫不全ウイルス、分類不能型免疫不全症、クローン病、又はセリアック病のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
識別された前記画像セグメントから前記複数の画像を選択することが、前記1つ以上の分類スコアに基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記小腸の前記近位部分を表す前記画像セグメントから前記複数の画像を選択することが、前記小腸の前記近位部分にわたって離間された画像を選択することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記小腸の前記近位部分にわたって離間された画像を選択することが、不明瞭でない前記小腸の前記近位部分の画像を選択することを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
深層学習分類器又は古典的機械学習分類器のうちの少なくとも1つに基づいて、前記連続画像セット内の絨毛萎縮の前記存在と関連付けられた疾患の1つ以上の指標を検出することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
識別された前記画像セグメントから前記複数の画像を選択することが、時間又は前記小腸の長さに基づいて、前記小腸の前記近位部分を均一にサンプリングすることを含み、長さが、前記連続画像セット内の画像の数、又は前記小腸に沿ったカプセル内視鏡デバイスの推定前進のうちの少なくとも1つに基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
識別された前記画像セグメントから前記複数の画像を選択することが、
識別された前記画像セグメントからの前記複数の画像を、所定の数のサンプリング点に分割することと、
サンプリング点ごとに、前記サンプリング点を取り囲む画像の所定の範囲から、1つ以上の画像を選択することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記指標が、前記小腸の粘膜の波状弯入、前記小腸の粘膜のモザイクパターン化、又は前記小腸の絨毛の萎縮のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
消化管(GIT)の画像における絨毛萎縮の存在によって特徴付けられる疾患の指標を検出するための方法であって、
小腸を含む前記GITの少なくとも一部分の連続画像セットにアクセスすることであって、各画像が、1つ以上の分類スコアに関連付けられ、前記1つ以上の分類スコアの各分類スコアが、絨毛萎縮の前記存在によって特徴付けられる疾患のそれぞれの指標を含む関連付けられた前記画像を示す、アクセスすることと、
前記連続画像セットを、
前小腸の画像、
前記小腸の近位部分の画像、及び
前記小腸の残りの部分の画像を含む、画像セットに分割することと、
第1のルールセットの適用に基づいて、前記小腸の前記近位部分の前記画像から第1の画像サブセットを選択することであって、前記第1のルールセットのうちの少なくとも1つのルールが、各画像に関連付けられた前記1つ以上の分類スコアに基づく、選択することと、
前記第1のルールセットとは異なる第2のルールセットの適用に基づいて、前記小腸の前記残りの部分の前記画像から第2の画像サブセットを選択することであって、前記第2のルールセットのうちの少なくとも1つのルールが、各画像に関連付けられた前記1つ以上の分類スコアに基づく、選択することと、
選択された前記第1及び第2の画像サブセットを表示装置上に表示することと、を含む、方法。
【請求項12】
前記第2のルールセットが、前記第1のルールセットよりも選択的である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のルールセットが、前記小腸の前記近位部分のより包括的な表現を提供するように構成され、前記第2のルールセットが、前記小腸の前記残りの部分のより包括的でない表現を提供するように構成されている、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記指標が、前記小腸の粘膜の波状弯入、前記小腸の粘膜のモザイクパターン化、又は前記小腸の絨毛の萎縮のうちの少なくとも1つを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
絨毛萎縮の前記存在によって特徴付けられる前記疾患が、ヒト免疫不全ウイルス、分類不能型免疫不全症、クローン病、又はセリアック病のうちの少なくとも1つを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記小腸の前記近位部分が、十二指腸を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
深層学習分類器又は古典的機械学習分類器のうちの少なくとも1つによって、前記1つ以上の分類スコアを提供することを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
セリアック病様疾患の指標を検出するためのシステムであって、
1つ以上のプロセッサと、
命令を記憶する少なくとも1つのメモリと、を備え、前記命令は、前記1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記システムに、
前記小腸の近位部分の画像にアクセスすること、
第1のルールセットに基づいて、前記小腸の前記近位部分の前記画像の中から画像を選択すること、
前記小腸の少なくとも残りの部分の画像にアクセスすること、及び
前記第1のルールセットとは異なる第2のルールセットに基づいて、前記小腸の少なくとも前記残りの部分の前記画像の中から画像を選択することを行わせる、システム。
【請求項19】
前記第1のルールセットに基づいて、前記小腸の前記近位部分の前記画像の中から画像を選択することが、前記小腸の前記近位部分を表す画像を選択することを含み、
前記第2のルールセットに基づいて、前記小腸の少なくとも前記残りの部分の前記画像の中から画像を選択することが、セリアック病様疾患のそれぞれの指標を含む画像を示す1つ以上の分類スコアに基づいて、前記小腸の少なくとも前記残りの部分の前記画像の中から選択すること、
を含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
第1のルールセットに基づいて前記小腸の前記近位部分の前記画像の中から画像を選択することが、セリアック病様疾患のそれぞれの指標を含む画像を示す1つ以上の分類スコアに基づいて、前記小腸の前記近位部分の前記画像の中から選択することを含み、
前記第2のルールセットに基づいて、前記小腸の少なくとも前記残りの部分の前記画像の中から画像を選択することが、セリアック病様疾患のそれぞれの指標を含む画像を示す1つ以上の分類スコアに基づいて、前記小腸の前記残りの部分の前記画像の中から選択すること、
を含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
前記第2のルールセットが、前記第1のルールセットよりも選択的である、請求項20に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年11月18日に出願された米国仮特許出願第63/115,283号の利益及び優先権を主張し、当該仮特許出願の全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、画像分析方法及びシステムに関し、より具体的には、セリアック病様疾患の指標を検出するために、消化管の画像のストリームを分析するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
カプセル内視鏡検査(capsule endoscopy、CE)は、消化管(gastrointestinal tract、GIT)全体を内視鏡検査的に検査することを可能にする。小腸(small bowel、SB)又は結腸等のGITの特定の部分を検査することを目的としたカプセル内視鏡検査システム及び方法が存在する。CEは、患者が病院に入院することを必要としない非侵襲的処置であり、患者は、カプセルが体内にある間に、たいていの日常活動を継続することができる。
【0004】
典型的なCE処置では、患者は、医師によって処置を紹介される。次いで、患者は、医療施設(例えば、診療所又は病院)に到着して、処置を行う。ほぼマルチビタミンのサイズであるカプセルは、医療施設の医療従事者(例えば、看護師又は医師)の監督下で患者によって嚥下される。いくつかのCE処置及び方法によれば、患者には、ウェアラブルデバイス、例えば、患者の肩の周りに配置されるポーチ及びストラップ内に配置されたセンサベルト及びレコーダが提供される。ウェアラブルデバイスは、記憶デバイスを含んでもよい。患者はアドバイス及び/又は指示を与えられた後、日常活動へと解放されてもよい。
【0005】
カプセルは、GITを通って自然に移動する際に画像を捕捉する。次いで、画像及び追加のデータ(例えば、メタデータ)が、患者によって装着されたレコーダに送信されてもよい。カプセルは、典型的には使い捨てであり、腸の運動で自然に進む。処置データ(例えば、捕捉された画像又はそれらの一部分及び追加のメタデータ)は、ウェアラブルデバイスの記憶デバイス上に記憶されてもよい。
【0006】
ウェアラブルデバイスは、典型的には、その上に記憶された処置データとともに、患者によって医療施設に戻される。処置データは、エンジンソフトウェアが記憶された、医療施設に典型的には位置するコンピューティングデバイスにダウンロードされる。典型的には、処理されるために転送される画像の数は、数万個程度、平均で約90,000個である。次いで、受信された処置データは、エンジンによって、コンパイルされた調査(又は「検査」)へと処理される。典型的には、調査は、数千の画像(約6,000個)を含む。
【0007】
リーダ(処置監督医師、専門医師又は担当医師であってもよい)は、リーダアプリケーションを介して、調査にアクセスしてもよい。次いで、リーダは、調査をレビューし、処置を評価し、リーダアプリケーションを介して自身の入力を提供する。リーダは数千の画像をレビューする必要があるため、調査の読み取り時間は、通常、平均で30分~1時間を要することがあり、読み取り作業は面倒なことがある。次いで、コンパイルされた調査及びリーダの入力に基づいて、リーダアプリケーションによって報告が生成される。平均して、調査をレビューし、かつ報告を生成するために1時間を要する。報告は、例えば、関心のある画像、例えば、リーダによって選択された病態を含むものとして識別された画像と、処置データ(すなわち、調査)並びに/又はリーダによって提供されるフォローアップ及び/若しくは治療のための提案に基づく患者の医学的状態の評価又は診断とを含んでもよい。次いで、報告を紹介医師に転送してもよい。担当医師は、報告に基づいて、必要なフォローアップ又は治療を決定することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、消化管(GIT)の画像のストリームを分析するためのシステム及び方法に関する。様々な態様では、本開示は、例えば、消化管の小腸画像内の絨毛萎縮の存在によって特徴付けられる画像等の、セリアック病様疾患の指標を含む画像を識別することによって、セリアック病様疾患を識別するために、画像のストリームを分析するためのシステム及び方法に関する。本開示の技術は、様々なカプセル内視鏡技術によって捕捉された画像とともに機能し得る。
【0009】
GITに関して本明細書で使用される場合、「遠位」という用語は、GITの直腸又はGITの直腸により近い部分に向かう方向を指し、「近位」という用語は、GITの食道又はGITの食道により近い部分に向かう方向を指す。更に、矛盾しない範囲内で、ここで詳述される態様のいずれか又は全ては、ここで詳述される他の態様のいずれか又は全てとともに用いることができる。
【0010】
本開示のある態様では、消化管(GIT)の画像における絨毛萎縮の存在によって特徴付けられる疾患の指標を検出するための方法は、小腸を含むGITの少なくとも一部分の連続画像セットにアクセスすることを含む。各画像は、1つ以上の分類スコアに関連付けられ、1つ以上の分類スコアの各分類スコアは、絨毛萎縮の存在によって特徴付けられる疾患のそれぞれの指標を含む関連付けられた画像を示す。方法は、連続画像セットの各画像の1つ以上の分類スコアに基づいて、連続画像セットから画像サブセットを選択することと、連続画像セットから、小腸の近位部分を示す画像の全てを含む画像セグメントを識別することと、小腸の近位部分を表す識別された画像セグメントから複数の画像を選択することと、選択された複数の識別された画像及び画像サブセットを表示装置上に表示することと、を更に含む。
【0011】
本開示の別の態様では、小腸の近位部分は、十二指腸を含んでもよい。
【0012】
本開示の別の態様では、絨毛萎縮の存在によって特徴付けられる疾患は、ヒト免疫不全ウイルス、分類不能型免疫不全症、クローン病、及び/又はセリアック病を含んでもよい。
【0013】
本開示の更に別の態様では、識別された画像セグメントから複数の画像を選択することは、1つ以上の分類スコアに基づいてもよい。
【0014】
本開示の更に別の態様では、小腸の近位部分を表す画像セグメントから複数の画像を選択することは、小腸の近位部分にわたって離間された画像を選択することを含む。
【0015】
本開示のある態様では、小腸の近位部分にわたって離間された画像を選択することは、不明瞭でない小腸の近位部分の画像を選択することを含む。
【0016】
本開示のある態様では、方法は、深層学習分類器又は古典的機械学習分類器のうちの少なくとも1つに基づいて、連続画像セット内の絨毛萎縮の存在と関連付けられた疾患の1つ以上の指標を検出することを更に含んでもよい。
【0017】
本開示の別の態様では、方法は、識別された画像セグメントから複数の画像を選択することは、時間又は小腸の長さに基づいて、小腸の近位部分を均一にサンプリングすることを含むことを更に含んでもよく、長さは、連続画像セット内の画像の数、又は小腸に沿ったカプセル内視鏡デバイスの推定前進のうちの少なくとも1つに基づく。
【0018】
本開示のある態様では、識別された画像セグメントから複数の画像を選択することは、識別された画像セグメントからの複数の画像を、所定の数のサンプリング点に分割することと、サンプリング点ごとに、サンプリング点を取り囲む画像の所定の範囲から、1つ以上の画像を選択することと、を含んでもよい。
【0019】
本開示の別の態様では、指標は、小腸の粘膜の波状弯入、小腸の粘膜のモザイクパターン化、及び/又は小腸の絨毛の萎縮を含んでもよい。
【0020】
本開示の態様によれば、消化管(GIT)の画像における絨毛萎縮の存在によって特徴付けられる疾患の指標を検出するための方法が提供される。方法は、小腸を含むGITの少なくとも一部分の連続画像セットにアクセスすることを含む。各画像は、1つ以上の分類スコアに関連付けられ、1つ以上の分類スコアの各分類スコアは、絨毛萎縮の存在によって特徴付けられる疾患のそれぞれの指標を含む関連付けられた画像を示す。方法は、連続画像セットを画像セットに分割することを更に含む。画像セットは、前小腸の画像、小腸の近位部分の画像、及び小腸の残りの部分の画像を含む。方法は、第1のルールセットの適用に基づいて、小腸の近位部分の画像から第1の画像サブセットを選択することであって、第1のルールセットのうちの少なくとも1つのルールが、各画像に関連付けられた1つ以上の分類スコアに基づく、選択することと、第1のルールセットとは異なる第2のルールセットの適用に基づいて、小腸の残りの部分の画像から第2の画像サブセットを選択することであって、第2のルールセットのうちの少なくとも1つのルールが、各画像に関連付けられた1つ以上の分類スコアに基づく、選択することと、選択された第1及び第2の画像サブセットを表示装置上に表示することと、を更に含む。
【0021】
本開示の更に別の態様では、第2のルールセットは、第1のルールセットよりも選択的であってもよい。
【0022】
別の態様では、第1のルールセットは、小腸の近位部分のより包括的な表現を提供するように構成され、第2のルールセットが、小腸の残りの部分又は少なくとも小腸の残りの部分のより包括的でない表現を提供するように構成されている。例えば、第1のルールセットは、SBの近位部分全体を表す画像を選択するための1つ以上のルールを含んでもよく、第2のルールセットは、セリアック病様疾患の指標を表示するために識別されたSBの領域を表す画像のみを選択するための1つ以上のルールを含んでもよい。SBの異なる部分に対するそのようなルールの第1及び第2のセットの例示的な結果は、第1の画像サブセットによって選択された画像よりも少ない画像が、第2の画像サブセットから小腸の単位長さ当たりに選択されることである。
【0023】
本開示のある態様では、指標は、小腸の粘膜の波状弯入、小腸の粘膜のモザイクパターン化、及び/又は小腸の絨毛の萎縮を含んでもよい。
【0024】
本開示の別の態様では、絨毛萎縮の存在によって特徴付けられる疾患は、ヒト免疫不全ウイルス、分類不能型免疫不全症、クローン病、及び/又はセリアック病を含んでもよい。
【0025】
本開示の別の態様では、小腸の近位部分は、十二指腸を含んでもよい。
【0026】
本開示の更に別の態様では、方法は、深層学習分類器及び/又は古典的機械学習分類器によって1つ以上の分類スコアを提供することを含む。
【0027】
本開示の態様によれば、セリアック病様疾患の指標を検出するためのシステムが提供される。システムは、1つ以上のプロセッサ及び少なくとも1つのメモリを含む。メモリは、1つ以上のプロセッサによって実行されると、システムに、小腸の近位部分の画像にアクセスすること、第1のルールセットに基づいて、小腸の近位部分の画像の中から画像を選択すること、小腸の少なくとも残りの部分の画像にアクセスすること、及び第1のルールセットとは異なる第2のルールセットに基づいて、小腸の少なくとも残りの部分の画像の中から画像を選択することを行わせる、その上に記憶された命令を含む。
【0028】
本開示のある態様では、第1のルールセットに基づいて、小腸の近位部分の画像の中から画像を選択することは、小腸の近位部分を表す画像を選択することを含み、第2のルールセットに基づいて、小腸の少なくとも残りの部分の画像の中から画像を選択することは、セリアック病様疾患のそれぞれの指標を含む画像を示す1つ以上の分類スコアに基づいて、小腸の少なくとも残りの部分の画像の中から画像を選択することを含む。
【0029】
本開示のある態様では、第1のルールセットに基づいて、小腸の近位部分の画像の中から画像を選択することは、セリアック病様疾患のそれぞれの指標を含む画像を示す1つ以上の分類スコアに基づいて、小腸の近位部分の画像の中から画像を選択することを含み、第2のルールセットに基づいて、小腸の少なくとも残りの部分の画像の中から画像を選択することは、セリアック病様疾患のそれぞれの指標を含む画像を示す1つ以上の分類スコアに基づいて、小腸の残りの部分の画像の中から画像を選択することを含む。
【0030】
本開示のある態様では、第2のルールセットは、第1のルールセットよりも選択的である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
本開示の上述及びその他の態様並びに特徴は、添付の図面と共に以降の詳細な説明を考慮することでより明白となる。添付の図面において、同様の参照符号は類似又は同一の要素を識別する。
【
図2】本開示の態様による、カプセル内視鏡検査(CE)処置を介して生体内で捕捉された医用画像を分析するための例示的システムのブロック図である。
【
図3】本開示の態様とともに使用され得る、例示的コンピューティングデバイスのブロック図である。
【
図5】本開示の態様による、例示的な畳み込みニューラルネットワークの図である。
【
図6】本開示の態様による、例示的な深層学習ニューラルネットワークの図である。
【
図7A】本開示の態様による、粘膜の波状弯入の例示的な画像である。
【
図7B】本開示の態様による、粘膜のモザイクパターン化の例示的な画像である。
【
図7C】本開示の態様による、絨毛萎縮の例示的な図である。
【
図8A】本開示の態様による、通常の絨毛の図である。
【
図8B】本開示の態様による、例示的な絨毛萎縮の図である。
【
図9】本開示の態様による、セリアック病様疾患の指標を含む画像を識別するための例示的な動作のフロー図である。
【
図10】本開示の態様による、小腸の近位部分の画像を識別するための例示的な動作のフロー図である。
【
図11】本開示の態様による、画像を選択するためのフロー図又は例示的な動作である。
【
図12】本開示の態様による、画像を選択するための別の例示的な動作のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本開示は、医用画像を分析するためのシステム及び方法に関する。様々な態様では、本開示は、カプセル内視鏡(CE)処置を介して生体内で捕捉された画像のストリーム内の小腸粘膜における絨毛萎縮の存在によって特徴付けられる画像等の、セリアック病様疾患の指標を含む画像を識別するためのシステム及び方法に関する。本開示の技術は、様々な技術によって捕捉されたカプセル内視鏡画像とともに機能し得る。概して、本開示は、多数の画像をレビューするのに過度の時間を費やすことなく、臨床医が患者のセリアック病様疾患を正しく正確に診断するのを支援するように動作するシステム及び方法を提供する。したがって、本開示の技術は、臨床医が、合理的又は比較的コンパクトな数の画像をレビューすることによって、重要な情報を失うことなく、セリアック病様疾患の正しく正確な診断を行うことを可能にすることができる。
【0033】
次の詳細な説明では、本開示の完全な理解を与えるために、特定の詳細が記載される。しかしながら、当業者であれば、本開示が、これらの特定の詳細を伴わなくても実施され得ることを理解するであろう。他の例では、よく知られた方法、処置、及び構成要素は、本開示を不明瞭にしないように詳細には説明されていない。あるシステムに関して記載されるいくつかの特徴又は要素は、他のシステムに関して記載される特徴又は要素と組み合わされてもよい。明確にするために、同じ又は同様の特徴若しくは要素の説明は、繰り返さない場合がある。
【0034】
本開示は、この点に関して限定されるものではないが、例えば、「処理する」、「計算する」、「決定する」、「分析する」、「確認する」等の用語を利用した説明は、コンピュータ、コンピューティングプラットフォーム、コンピューティングシステム、又は他の電子コンピューティングデバイスの動作及び/又はプロセスを指す場合があり、これらの装置は、コンピュータのレジスタ及び/又はメモリ内の物理(例えば、電子)量として表されるデータを、コンピュータのレジスタ及び/又はメモリ内の物理量として同様に表される他のデータ、若しくは動作及び/又はプロセスを行う命令を保存し得る非一時的保存媒体内の他の情報に操作及び/又は変換する。
【0035】
本開示は、この点に関して限定されるものではないが、本明細書で使用するとき、「複数(plurality)」及び「複数(a plurality)」は、例えば、「複数(multiple)」又は「2つ以上」を含み得る。「複数(plurality)」又は「複数(a plurality)」という用語は、2つ以上の構成要素、デバイス、要素、ユニット、パラメータ等を説明するために、本明細書全体を通して使用され得る。本明細書で使用するとき、「セット」という用語は、1つ以上の品目を含み得る。別段の記載がない限り、本明細書に記載される方法は、特定の順番又は順序に限定されるものではない。加えて、記載される方法又はその要素のいくつかは、同時に、同じ時点において、又はともに起こるか、行うことができる。
【0036】
「画像」及び「フレーム」という用語は、各々他方を指すか又は含むことができ、撮像デバイスによる単一の捕捉を指すために本開示では互換的に使用され得る。便宜上、「画像」という用語は、本開示ではより頻繁に使用され得るが、画像への言及はフレームにも適用されるものと理解されるであろう。
【0037】
「分類スコア」又は「スコア」という用語は、本明細書を通して、画像/フレームに適用可能なカテゴリ又はカテゴリのセットについての値又は値のベクトルを示すために使用され得る。様々な実装形態では、1つ以上の分類スコアの値又は値のベクトルは、確率であってもよいか、又は確率を反映してもよい。「分類確率」という用語は、本明細書を通して、分類スコアの、カテゴリのセットの各カテゴリが画像/フレームに適用される確率を反映する値への変換の結果を説明するために使用され得る。分類スコア又は分類確率を提供するモデルは、機械学習システムであってもよいか、又は非機械学習システムであってもよい。様々な実施形態において、モデルは、分類スコアを出力してもよく、分類スコアは、確率であってもよいか、又は分類確率に変換されてもよい。様々な実施形態において、モデルは、分類確率を出力してもよい。本開示の態様は、「分類スコア」という用語又は「分類確率」という用語を使用して説明され得る。「分類スコア」を使用する説明は、「分類確率」にも適用可能であり、逆もまた同様であることが意図される。
【0038】
本明細書で使用される場合、「深層学習ニューラルネットワーク」は、いくつかの隠れ層を有し、特徴選択又は特徴エンジニアリングを必要としないニューラルネットワークを指し、含む。対照的に、「古典的」機械学習システムは、特徴選択又は特徴エンジニアリングを必要とする機械学習システムである。
【0039】
「セリアック病様疾患」という用語は、セリアック病、並びにセリアック病に類似する疾患(例えば、とりわけ、ヒト免疫不全ウイルス、分類不能型免疫不全症、及びクローン病が挙げられるが、これらに限定されない)絨毛萎縮等の絨毛の病態及び/又は形態学的特徴を示す他の疾患を指し、含む。
【0040】
「位置」という用語及びその派生語は、画像に関して本明細書で言及されるとき、画像を捕捉している間のGITに沿ったカプセルの推定位置、又はGITに沿って画像内に示されるGITの一部分の推定位置を指し得る。
【0041】
CE処置の種類は、とりわけ、関心対象の部分であり、かつ撮像されるGITの部分(例えば、結腸若しくは小腸(「SB」))に基づいて、又は(例えば、クローン病等のGI疾患のステータスをチェックするため、あるいは結腸がんのスクリーニングのための)特定の使用に基づいて判定されてもよい。
【0042】
「周囲の」又は「隣接する」という用語は、本明細書では画像(例えば、別の画像/複数枚の画像を取り囲む画像、若しくは他の画像/複数枚の画像に隣接する画像)に関して言及されるとき、特に指示がない限り、空間的及び/又は時間的特性に関係し得る。例えば、他の画像を取り囲むか又はそれらに隣接する画像は、GITに沿って他の画像によって捕捉された他の部位を捕捉すると推定される画像、及び/若しくは特定の閾値内、例えば、1cm、又は2cm以内、若しくは1秒、5秒、あるいは10秒以内の別の画像の捕捉時間の付近で捕捉された画像であってもよい。
【0043】
「GIT」及び「GITの一部分」という用語は、それらの文脈に従って、各々他方を指すか、又は他方を含んでもよい。したがって、「GITの一部分」という用語はまた、GIT全体を指してもよく、「GIT」という用語はまた、GITの一部分のみを指してもよい。
【0044】
「小腸の近位部分」という用語は、小腸の近位部分の物理的長さが小腸の物理的長さの半分未満であるような、小腸の始まりから小腸の中間点の前の点までの小腸の一部分を指し、含む。
【0045】
図1を参照すると、GIT100の図が示されている。GIT100は、ヒト及び他の動物内の器官系である。GIT100は、一般に、食物を取り込むための口102、唾液を生成するための唾液腺104、収縮によって補助されて食物が通過する食道106、食物の消化を補助するための酵素及び胃酸を分泌するための胃108、肝臓110、胆嚢112、膵臓114、栄養素を吸収するための小腸(small intestine)(例えば、SB)400、並びに水及び排便の前に排泄物を糞便として貯蔵するための結腸116(例えば、大腸)を含む。結腸116は一般に、虫垂117、直腸119、及び肛門121を含む。口から取り込まれた食物は、GITによって消化されて栄養素を取り込み、残りの老廃物は肛門121から糞便として排出される。
【0046】
GIT100の異なる部分、例えば、SB400、結腸116、食道106、及び/又は胃108の調査は、好適なユーザインターフェースを介して提示され得る。上記のように、「調査」という用語は、特定の患者及び特定の時間に対して実行される単一のCE処置中に、CE撮像デバイス(例えば、
図2の212)によって捕捉された画像から選択される画像の少なくともセットを指し、かつ含み、任意選択的に、画像以外の情報も含むことができる。実行される処置の種類は、GIT100のどの部分が関心部分であるかを決定することができる。実行される処置の種類の例としては、限定されないが、処置、結腸処置、SB及び結腸処置、SBを特異的に呈する若しくは確認することを目的とする処置、結腸を特異的に呈する若しくは確認することを目的とする処置、結腸及びSBを特異的に呈する若しくは確認することを目的とする処置、又はGIT全体:食道、胃、SB、及び結腸を呈する若しくは確認するための処置が挙げられる。
【0047】
図2は、CE処置を介して生体内で捕捉された医用画像を分析するための例示的なシステムのブロック図を示す。システムは、概して、GITの画像を取り込むように構成されたカプセルシステム210、及び捕捉された画像を処理するように構成されたコンピューティングシステム300(例えば、ローカルシステム及び/又はクラウドシステム)を含む。
【0048】
カプセルシステム210は、CE撮像デバイス212がGITを通って移動するときにGITの画像を捕捉するように構成された嚥下式CE撮像デバイス212(例えば、カプセル)を含むことができる。画像は、CE撮像デバイス212に記憶されてもよく、かつ/又は典型的にはアンテナを含む受信デバイス214に送信されてもよい。いくつかのカプセルシステム210では、受信デバイス214は、CE撮像デバイス212を飲み込んだ患者上に配置されてもよく、例えば、患者によって着用されるベルト又は患者に固定されるパッチの形態をとってもよい。
【0049】
カプセルシステム210は、コンピューティングシステム300と通信可能に結合されてもよく、捕捉された画像をコンピューティングシステム300に通信することができる。コンピューティングシステム300は、他の技術の中でもとりわけ、画像処理技術、機械学習技術、及び/又は信号処理技術を使用して、受信された画像を処理し得る。コンピューティングシステム300は、患者及び/又は患者の治療施設にとってローカルなローカルコンピューティングデバイス、クラウドサービスによって提供されるクラウドコンピューティングプラットフォーム、又はローカルコンピューティングデバイスとクラウドコンピューティングプラットフォームとの組み合わせを含むことができる。
【0050】
コンピューティングシステム300がクラウドコンピューティングプラットフォームを含む場合、カプセルシステム210によって捕捉された画像は、処置中に、クラウドコンピューティングプラットフォームにオンラインで送信され得る。様々な実施形態では、画像は、患者によって装着又は携行される受信デバイス214を介して伝送されることができる。様々な実施形態では、画像は、患者のスマートフォンを介して、又はインターネットに接続され、CE撮像デバイス212又は受信デバイス214と結合され得る任意の他のデバイスを介して伝送されることができる。
【0051】
図3は、本開示の画像分析システムとともに使用され得る例示的なコンピューティングシステム300の高レベルブロック図を示す。コンピューティングシステム300は、例えば、1つ以上の中央処理装置プロセッサ(central processing unit、CPU)、1つ以上のグラフィック処理装置(Graphics Processing Unit、GPU若しくはGPGPU)、チップあるいは任意の好適なコンピューティング又は計算デバイス、オペレーティングシステム215、メモリ320、記憶装置330、入力デバイス335、及び出力デバイス340であり得るか、若しくはこれらを含み得る、プロセッサ又はコントローラ305を含んでもよい。CE撮像デバイス212(
図2)が収集した医用画像を表示するために収集又は受信(例えば、患者が装着した受信機)若しくは表示あるいは選択するモジュール又は機器(例えば、ワークステーション)は、
図3に示されるコンピューティングシステム300であってもよく、若しくはそれを含んでもよく、あるいはそれによって実行されてもよい。コンピューティングシステム300の通信構成要素322は、例えば、インターネット若しくは別のネットワークを介して、無線を介して、又はファイル転送プロトコル(File Transfer Protocol、FTP)等の好適なネットワークプロトコルを介して、遠隔又は外部デバイスとの通信を可能にし得る。
【0052】
コンピューティングシステム300は、コンピューティングシステム300の動作の調整、スケジューリング、調停、監督、制御、又は管理、例えばプログラムの実行のスケジューリングを含むタスクを実行するように設計及び/又は構成された任意のコード区分であり得る、又は含み得るオペレーティングシステム315を含む。メモリ320は、例えば、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、読み出し専用メモリ(read only memory、ROM)、ダイナミックRAM(Dynamic RAM、DRAM)、シンクロナスDRAM(Synchronous DRAM、SD-RAM)、ダブルデータレート(double data rate、DDR)メモリチップ、フラッシュメモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、キャッシュメモリ、バッファ、短期メモリ装置、長期メモリ装置、又は他の好適なメモリ装置若しくは記憶装置であってもよいし、あるいはそれらを含んでもよい。メモリ320は、複数のメモリ装置、場合によっては異なるメモリ装置であってもよいし、又はそれらを含んでもよい。メモリ320は、例えば、方法(例えば、実行可能コード325)を実行するための命令、及び/又はユーザ応答、割り込み等のデータを保存してもよい。
【0053】
実行可能コード325は、任意の実行可能コード、例えば、アプリケーション、プログラム、プロセス、タスク、又はスクリプトであってもよい。実行可能コード325は、場合によってはオペレーティングシステム315の制御下で、コントローラ305によって実行されてもよい。例えば、実行可能コード325が実行されると、本明細書に記載されるような医用画像の表示のために表示又は選択させてもよい。いくつかのシステムでは、2つ以上のコンピューティングシステム300又はコンピューティングシステム300の構成要素は、本明細書に記載される複数の機能に使用されてもよい。本明細書に記載される様々なモジュール及び機能のために、1つ以上のコンピューティングシステム300又はコンピューティングシステム300の構成要素を使用してもよい。コンピューティングシステム300に含まれる構成要素と同様又は異なる構成要素を含むデバイスを使用してもよく、ネットワークに接続され、システムとして使用されてもよい。1つ以上のプロセッサ305は、例えば、ソフトウェア又はコードを実行することによって、本発明の実施形態を実行するように構成されてもよい。記憶装置330は、例えば、ハードディスクドライブ、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、コンパクトディスク(Compact Disk、CD)ドライブ、書き込み可能なCD(CD-Recordable、CD-R)ドライブ、ユニバーサルシリアルバス(universal serial bus、USB)デバイス、又は他の好適な取り外し可能及び/若しくは固定記憶装置であってもよいし、あるいはそれらを含んでもよい。命令、コード、医用画像、画像ストリーム等のデータは、記憶装置330に保存されてもよく、記憶装置330からメモリ320にロードされてもよく、コントローラ305によって処理されてもよい。いくつかの実施形態では、
図3に示す構成要素のいくつかを省略してもよい。
【0054】
入力デバイス335は、例えば、マウス、キーボード、タッチスクリーン若しくはパッド、又は任意の好適な入力デバイスであってもよいし、あるいはそれらを含んでもよい。任意の好適な数の入力デバイスがコンピューティングシステム300に動作可能に接続され得ることが認識されるであろう。出力デバイス340は、1つ以上のモニタ、スクリーン、表示装置、スピーカ、及び/又は任意の他の好適な出力デバイスを含んでもよい。ブロック340で示すように、任意の好適な数の出力デバイスがコンピューティングシステム300に動作可能に接続され得ることが認識されるであろう。任意の適用可能な入力/出力(input/output、I/O)デバイスは、コンピューティングシステム300、例えば、有線又は無線ネットワークインターフェースカード(network interface card、NIC)、モデム、プリンタ、若しくはファクシミリ装置に接続されてもよく、ユニバーサルシリアルバス(USB)デバイス、あるいは外部ハードドライブは、入力デバイス335及び/又は出力デバイス340に含まれてもよい。
【0055】
図3に示される構成要素の一部又は全てを含む複数のコンピュータシステム300が、説明されるシステム及び方法とともに使用され得る。例えば、CE撮像デバイス212、受信機、クラウドベースのシステム、及び/又は画像を表示するためのワークステーション若しくはポータブルコンピューティングデバイスは、
図3のコンピュータシステムの構成要素の一部又は全てを含むことができる。
図3のコンピューティングシステム300のような構成要素を含むクラウドプラットフォーム(例えば、リモートサーバ)は、画像及びメタデータ等の処置データを受信し、調査を処理並びに生成してもよく、また、医者のレビューのために(例えば、ワークステーション又はポータブルコンピュータ上で実行されるウェブブラウザ上に)表示してもよい。「オンプレミス」オプションでは、画像及び/又は調査を保存、処理、及び表示するために、医療施設のワークステーション又はローカルサーバを使用してもよい。
【0056】
本開示のいくつかの実施形態によれば、ユーザ、例えば、医師は、対象となり得る画像として、例えば、自動的に選択された(例えば、CE撮像デバイス212が捕捉した)画像の表示を含む調査をレビューすることによって、症例の理解を構築してもよい。
【0057】
図4を参照すると、SB400(例えば、小腸/小腸(small intestine))の図が示されている。SB400は栄養素を吸収し、消化を助けるために胆汁及び膵液を受け取る。SB400は、例えば、3つの解剖学的セグメント:十二指腸402、空腸404、及び回腸406に分割されてもよい。
【0058】
十二指腸402(例えば、近位腸)は、SB400の第1のセクションである。十二指腸402は、典型的には、SB400の全長(すなわち、物理的長さ)の約5%である。十二指腸402は、胃108(
図1)を空腸404に接続し、肝臓/胆嚢からの胆汁を受け取り、膵臓からの消化酵素を含む膵液を受け取る。十二指腸内の食物は胆汁及び消化液と混合する。十二指腸内402は、十二指腸球部401から始まり、十二指腸の懸垂筋403で終わる。
【0059】
小腸400の内面は、絨毛1002と呼ばれる粘膜の小指様突起で覆われている(
図10)。絨毛1002(
図10)は、例えば、消化によって産生されたアミノ酸及びグルコースを肝門静脈及び肝臓(図示せず)に取り込む多数の毛細血管を含む。絨毛は、小腸400全体にわたって位置し、消化された栄養素の吸収のための表面積を増加させるために、小腸壁の内部表面積を増加させるように作用する。
【0060】
空腸404は、SB400の第2の部分である。空腸404の内層は、十二指腸402内の酵素によって予め消化された小さな栄養素分子の腸細胞による吸収に特化されている。空腸404と回腸406との間の区分は、解剖学的に明確ではない。
【0061】
回腸406(例えば、遠位腸)は、SB400の最終セクションであり、回腸406の遠位解剖学的構造は、末端回腸と称され得る。回腸406は、ビタミンB12、胆汁塩、及び空腸404によって吸収されなかったあらゆる消化産物を吸収する。回腸406は、十二指腸402及び空腸404に続き、末端回腸は、回盲弁(図示せず)によって盲腸(図示せず)から分離される。
【0062】
概して、セリアック病様疾患の検出は、例えば、CE撮像デバイス(例えば、
図2の212)によって捕捉された画像に基づいて実行されてもよい。そのような画像の処理は、例えば、ニューラルネットワーク、深層学習ニューラルネットワーク、及び/又は古典的機械学習システムを含む機械学習技法に基づいて実行されてもよい。ニューラルネットワークの例を
図5及び
図6に関連して説明し、古典的な機械学習システムの例を以下に説明する。ここでは、処理が、他の指標の中でも、特定の病態(例えば、絨毛萎縮)及び/又は小腸粘膜の形態学的特徴(例えば、モザイクパターン、波状弯入)等のセリアック病様疾患の指標を含む画像を識別するように動作し得ることに留意することで十分である。
【0063】
セリアック病は、SB400に影響を及ぼす障害である。セリアック病は、コムギにおいてしばしば見出されるタンパク質群であるグルテンに対する反応によって引き起こされてもよい。診断は、典型的には、抗体検査及び腸生検の組み合わせによって行われる。セリアック病は、例えば、粘膜の波状弯入(
図7A)、粘膜のモザイクパターン化(
図7B)、及び/又は絨毛萎縮(
図7C及び
図10B)を含む、SB400の部分上の様々な病態及び形態によって特徴付けられてもよい。絨毛萎縮は、絨毛が侵食されて、正常な絨毛によって提供される表面積よりも実質的に小さい、栄養素の吸収のための表面積が残る場合に起こる。粘膜の波状弯入及びモザイクパターン化は、絨毛萎縮が顕著になると現れ得る視覚的特徴である。当業者は、絨毛萎縮並びに粘膜の波状弯入及びモザイクパターン化を理解するであろう。
【0064】
図5を参照すると、本開示の態様による、画像を分類するための畳み込みニューラルネットワーク500のブロック図が示されている。いくつかのシステムでは、畳み込みニューラルネットワーク500(convolutional neural network、「CNN」)は、(
図6に示されるような)深層学習ニューラルネットワークであってもよい。以下でより詳細に説明するように、畳み込みニューラルネットワーク500は、CE撮像デバイス(例えば、
図2の212)によって撮影された1つ以上の画像についての分類スコア又は確率を出力するように動作してもよい。様々な方法では、絨毛萎縮画像を使用して訓練されたCNN、波状弯入画像を使用して訓練された別個のCNN、及び/又はモザイクパターン化画像を使用して訓練された別個のCNN等、2つ以上のCNNが使用されてもよい。様々な方法において、CNNは、絨毛萎縮画像、波状弯入画像、及びモザイクパターン化画像を使用して訓練されてもよい。他の変形形態は、本開示の範囲内にあることが企図されている。畳み込みニューラルネットワーク500は、コンピューティングシステム300(
図3)等のコンピュータシステム上で実行され得る。当業者は、畳み込みニューラルネットワーク500及びそれを実装する方法を理解し、いくつかの詳細が以下で説明される。
【0065】
機械学習において、CNNは、視覚イメージの分析に最も一般的に適用される人工ニューラルネットワーク(artificial neural network、ANN)のクラスである。CNNの畳み込み態様は、画像の局所化された部分に行列処理演算を適用することに関し、それらの演算の結果(何十もの異なる並列及び連続計算を伴い得る)は、次の層に送達される多くの特徴のセットである。CNNは、典型的には、あまりに多くの特徴を失うことなく次元を低減するために、畳み込み層、活性化関数層、及びプーリング(典型的には最大プーリング)層を含む。これらの特徴を生成する動作に追加の情報を含めてもよい。ニューラルネットワーク情報を与える特徴をもたらす固有の情報を提供することは、ニューラルネットワークへの異なるデータ入力を区別する集約方法を最終的に提供するために使用されることができる。
【0066】
図6を参照すると、深層学習ニューラルネットワークとして実装された畳み込みニューラルネットワークは、入力層510、複数の隠れ層526、及び出力層520を含んでもよい。入力層510、複数の隠れ層526、及び出力層520は全て、ニューロン522(例えば、ノード)から構成されている。様々な層間のニューロン522は、重み524を介して相互接続される。深層学習ニューラルネットワーク内の各ニューロン522は、前の層から来る入力値に特定の関数を適用することによって、出力値を計算する。入力値に適用される関数は、重みのベクトル524及び/又はバイアスに基づく。深層学習ニューラルネットワークにおける学習は、これらのバイアス及び/又は重みに対して反復調整を行うことによって進行する。重みのベクトル524及びバイアスは、フィルタ(例えば、カーネル)と呼ばれることがあり、入力の特定の特徴(例えば、特定の形状)を表すことがある。深層学習ニューラルネットワークは、ロジットを出力してもよい。とりわけ、MobileNet、Inception、及びInceptionResnetを含む、様々なタイプの深層学習ニューラルネットワークが使用され得る。
【0067】
再び
図5を参照すると、畳み込みニューラルネットワーク500は、ラベル付けされた訓練画像及び/又は訓練画像中のオブジェクトに基づいて訓練され得る。例えば、画像は、粘膜の波状弯入を含む、かつ/又は絨毛萎縮を含むものとしてラベル付けされてもよい。そのような方法では、本開示によれば、ラベル付けされた画像を使用する訓練は、教師あり学習と呼ばれ得る。訓練は、他の変形形態の中でも、ノイズを追加すること、色を変更すること、訓練画像の部分を隠すこと、訓練画像のスケーリング、訓練画像を回転させること、及び/又は訓練画像を拡張することを更に含み得る。当業者は、畳み込みニューラルネットワーク500を訓練すること及びそれをどのように実装するかを理解するであろう。
【0068】
本開示によるいくつかの方法では、畳み込みニューラルネットワーク500は、CE撮像デバイス212(
図2参照)によって捕捉された画像502についての1つ以上の分類スコア又は確率506を提供してもよい。分類スコアの場合、スコアが例えばSoftMax関数を使用してスケーリングされる場合、結果として得られる分類確率は、画像502がセリアック病様疾患の存在を示す指標を含む確率等の確率を示すことができる。例えば、分類スコア/確率506は、粘膜の波状弯入を含む画像のスコア/確率、粘膜のモザイクパターン化を含む画像のスコア/確率、及び/又は絨毛萎縮を含む画像のスコア/確率を含んでもよい。様々な実施形態では、分類スコア/確率506は、出力が確率を表すようにするためにSoftMax等の関数を適用した後の深層学習ニューラルネットワーク(例えば、
図6)の出力(例えば、ロジット)であり得る。
【0069】
図5及び
図6に関連して説明される態様及び実施形態は例示であり、変形形態は、本開示の範囲内にあることが企図されている。例えば、本開示の態様によれば、古典的機械学習システムは、深層学習ニューラルネットワークと協働して、又は深層学習ニューラルネットワークの代わりに使用され得る。上述したように、「古典的機械学習システム」という用語は、機械学習システムへの入力のために特徴選択及び/又は特徴エンジニアリングを必要とする機械学習システムを指し、含む。対照的に、深層学習ニューラルネットワークは、特徴エンジニアリング又は特徴選択を必要としない機械学習システムの一例である。様々な実施形態では、古典的機械学習システムは、線形ロジスティック回帰及び/若しくはサポートベクターマシン、又は当業者が理解するであろう他の古典的機械学習技法を利用してもよい。
【0070】
上述したように、畳み込みニューラルネットワーク(例えば、
図5の500)を訓練するための入力画像は、健康な小腸の画像、並びに病態及び/又は形態学的特徴等のセリアック病様疾患の指標を含む画像を含み得る。
図7Aは、粘膜の波状弯入の例示的な画像である。粘膜の波状弯入は、セリアック病様疾患を示す形態であり得る。
図7Bは、粘膜のモザイクパターン化の例示的な画像である。セリアック病様疾患において、小腸粘膜の表面パターンは、モザイク様パターンを発達させる。粘膜のモザイクパターン化は、セリアック病様疾患を示す形態であり得る。
図7Cは、SB粘膜の絨毛萎縮の例示的な画像である。
図8A及び
図8Bは、正常な絨毛802及び萎縮した絨毛804のグラフィック表示である。正常な絨毛802は、例えば、消化によって産生されるアミノ酸及びグルコースを吸収する多数の毛細血管を含む。絨毛萎縮は、
図8Bに示されるように、絨毛が侵食され、栄養素の吸収のための表面積の量を顕著に低減させる場合に生じる。粘膜の絨毛萎縮は、セリアック病様疾患を示す病態であり得る。
図7A~
図7Cに示される例示的な画像等の画像は、ラベル付けされ、古典的機械学習システム、畳み込みニューラルネットワーク、及び/又は深層学習ニューラルネットワーク等の機械学習システムを訓練するために使用されてもよく、その結果、これらのような画像は、
図7A~
図7Cに示される病態及び/又は粘膜形態学的特徴を含むものとして分類され得る。
【0071】
図9のフロー図は、セリアック病様疾患の病態及び/又は形態学的特徴を含む画像等のセリアック病様疾患の指標を含む画像を識別するためのコンピュータ実装方法を示す。識別された画像は、患者がセリアック様疾患を有するかどうかを評価し、診断するために医師に提示される調査に含まれ得る。本開示の範囲から逸脱することなく、方法の1つ以上の動作が異なる順序で実行され、繰り返され、かつ/又は省略され得ることを、当業者は諒解されよう。他の変形形態は、本開示の範囲内にあることが企図されている。
図9の動作は、CE処置を介して生体内で捕捉された医用画像を分析するコンピューティングシステム、例えばコンピューティングシステム300(
図2及び
図3)によって実装することができる。図示された動作は、他のシステム及びその構成要素によっても同様に実装され得ることが理解されるであろう。
【0072】
最初に、ステップ902において、動作は、CEデバイスによって捕捉された小腸の連続画像セット(例えば、時系列画像)にアクセスすることを含む。GITの画像のストリームから小腸の画像を識別するための技法は、2020年5月1日に出願された同時係属中の米国特許出願第63/018,890号に説明されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。ステップ902でアクセスされる小腸画像を提供するために、そのような技法、及び当業者が認識するであろう他の技法を使用することができる。
【0073】
次に、ステップ905において、動作は、小腸画像902の連続セットの画像ごとに、粘膜906の波状弯入、粘膜907のモザイクパターン、及び/又は絨毛萎縮908を含む、画像が様々なセリアック指標を含む範囲/確率を示す、1つ以上の分類スコア/確率を提供することによって、セリアック病様疾患の指標を検出することを含む。指標の検出は、1つ以上の畳み込みニューラルネットワーク(例えば、
図5)、深層学習ニューラルネットワーク(例えば、
図6)、又はセリアック病様疾患の1つ以上の指標を検出するように構成された任意の好適な機械学習システム若しくはアルゴリズム(例えば、古典的機械学習)によって出力された分類スコア/確率に基づいて実行されてもよい。例えば、上述したように、CNNは、絨毛萎縮画像及び絨毛萎縮を含まない画像を使用して訓練されてもよく、別個のCNNは、波状弯入画像及び波状弯入を含まない画像を使用して訓練されてもよく、かつ/又は別個のCNNは、モザイクパターン化画像及びモザイクパターン化を含まない画像を使用して訓練されてもよい。様々な方法において、CNNは、例えば、絨毛萎縮画像、波状弯入画像、及び/又はモザイクパターン化画像を使用して訓練されてもよく、そのようなCNNは、画像が、波状弯入、モザイクパターン化、絨毛萎縮、及び/又は全てについて陰性(すなわち、波状弯入、モザイクパターン化、及び絨毛萎縮について陰性)のうちの2つ以上の分類カテゴリを含む確率を示す分類スコア/確率を提供してもよい。他の変形形態は、本開示の範囲内にあることが企図されている。ステップ905の検出は例示的なものであり、粘膜の他の病態及び/又は形態学的特徴が検出されてもよい。
【0074】
様々な実施形態では、指標906~908の全てが検出されなくてもよく、その結果、指標906~908のうちの1つ又は2つのみが検出されてもよい。様々な態様では、ステップ905において指標を検出するのではなく、ステップ905は、代わりに、画像902についての分類スコア/確率にアクセスしてもよい。例えば、画像は、
図9の動作の前に前処理されてもよい。前処理は、上記で説明したように、分類スコア/確率を出力してもよく、1つ以上の分類スコア/確率を画像に関連付けてもよい。このような分類スコア/確率は、
図9の動作によってアクセスすることができる。
【0075】
分類スコア/確率は、ステップ914において利用され、これについては本明細書において後でより詳細に説明する。
【0076】
上記で説明されるように、SBの近位部分は、小腸の近位部分の物理的長さが小腸の長さの半分未満であるような、小腸の始まりから小腸の中間点の前の点までの小腸の一部分を指し、含む。本明細書で使用される場合、小腸の「残りの部分」は、小腸の近位部分以外の小腸の部分を指す。したがって、SBの残りの部分の物理的長さは、SBの近位部分の長さよりも長くなる。
【0077】
ステップ912を参照すると、動作は、アクセスされた小腸画像を2つのグループ:SBの近位部分の画像、及びSBの残りの部分の画像に分割することを含む。例えば、SBの近位部分は、20パーセント(20%)又は別のパーセンテージ等、SBの長さの所定のパーセンテージであり得る。SBの近位部分がSBの長さの20%である場合、SBの残りの部分はSBの長さの80%である。態様では、SBの近位部分は、概して、SBの約5パーセント(5%)である十二指腸等のSBの解剖学的部分であってもよい。態様では、SBの近位部分は、十二指腸及び空腸の一部分及び/又は空腸全体を含んでもよい。当業者は、小腸の画像のストリームから小腸の近位部分の画像を識別するための様々な技法を認識するであろう。例えば、画像間のカプセル内視鏡デバイスの移動量を決定又は推定するために、小腸の画像に対して運動分析を実行することができる。運動分析は、小腸画像のストリームを小腸の物理的長さにマッピングすることができ、それによって、小腸の特定の部分の画像の選択を可能にする。小腸の画像を、小腸の異なる部分を表す2つ以上のグループに分割するための他の技法も、本開示の範囲内であると企図されている。例えば、他の技法は、とりわけ、部分間の解剖学的に別個の遷移を識別すること、又は各部分の相対的長さの知識に基づいて、カプセルによって横断される相対的な小腸長さを推定することを含んでもよい。
【0078】
ステップ914において、動作は、ステップ905及び912の結果に基づいて、アクセスされた画像のうちのいくつかを選択することを含む。ステップ912の動作は、上記で説明したステップ905の動作の前に、それと並行して、又はその後に実行されてもよい。ステップ914は、様々な実施形態によって実施することができ、いくつかの実施形態を以下で説明する。特定の実施形態又は実施形態の組み合わせに応じて、ステップ914の部分は、ステップ905の部分又はステップ912の部分と並行して実行されてもよい。
【0079】
本開示の態様によれば、ステップ914の動作の様々な実施形態において、動作は、画像スコア及び/又は割当量の閾値に基づいて、小腸画像を選択することができる。例えば、画像が、1つ以上の閾値を超える波状弯入スコア/確率、モザイクパターン化スコア/確率、及び/又は絨毛萎縮スコア/確率を有する場合、画像を選択することができる。様々な実施形態において、これらのスコア/確率のうちの少なくとも1つがその画像を選択するための閾値を満たす場合、画像を選択することができる。複数の閾値の例として、波状弯入スコア/確率が第1の閾値よりも大きく、同時にモザイクパターン化スコア/確率が第2の閾値よりも大きい場合、画像を選択することができる。様々な実施形態では、波状弯入スコア/確率、モザイクパターン化スコア/確率、及び絨毛萎縮スコア/確率の各々は、画像が選択されるために満たされなければならない別個の閾値を有することができる。
【0080】
様々な実施形態において、画像は、分離閾値に従って選択されてもよい。例えば、分離閾値は、画像が既に選択された画像から分離閾値未満だけ分離されている場合に、その画像が選択されることを防止してもよい。分離閾値は、リーダの考慮のために選択された画像を多様化し、疾患指標の同じインスタンスを示す選択された画像又は複数の選択された画像の発生を低減するように動作する。
【0081】
様々な実施形態において、画像は、割当量に従って選択されてもよい。上述したように、選択された画像は、リーダによってレビューされる調査に含まれる。あまりに多くの画像をリーダに提示すると、リーダは焦点を失い、画像内の情報を見逃す可能性がある。本開示の態様によれば、ステップ914の動作は、割当量が満たされるまで画像を選択してもよい。
【0082】
様々な実施形態において、ステップ914の動作は、ステップ912において小腸の近位部分内にあると識別された画像の中から画像を選択することができる。セリアック病様疾患等の小腸の疾患は、通常、小腸の近位部分で始まる。したがって、小腸がセリアック病様疾患を有する場合、小腸の近位部分にある画像は、セリアック病様疾患の指標を示す可能性がより高い。様々な実施形態では、小腸の近位部分の画像は、本明細書で上記に説明される基準のうちの1つ以上等の様々な基準に基づいて選択されることができる。
【0083】
本開示の態様によれば、ステップ914の動作は、小腸の近位部分にわたって離間された画像等の、SBの近位部分を表す画像を選択することができる。様々な実施形態では、選択された画像は、SBの近位部分にわたって均等に離間されてもよいか、又はSBの近位部分にわたって不均等に離間されてもよい。例えば、上述したように、運動分析は、小腸画像のストリームを小腸の物理的長さにマッピングすることができる。そのようなマッピングは、小腸の近位部分を表す画像を選択するために使用されることができる。そのような画像の選択は、小腸の近位部分にわたる画像のサンプリングをリーダに提供して、医師が患者を診断し、セリアック病様疾患の初期段階であっても、その疾患の指標を識別又は見つけるのを支援する。
【0084】
様々な実施形態では、ステップ914の動作は、小腸の近位部分のための画像を選択することができ、小腸の残りの部分のための画像を選択することができる。例えば、第1のルールセットは、SBの近位部分の画像を選択するために使用されることができ、第2のルールセットは、SBの少なくとも残りの部分の画像を選択するために使用されることができ、第1のセット又はルール及び第2のルールセットは、互いに異なる。より一般的には、第1のルールセットは、SBの第1の部分の画像を選択するために使用されることができ、第2のルールセットは、SBの第2の部分の画像を選択するために使用されることができ、第1のセット又はルール及び第2のルールセットは、互いに異なる。第1のルールセット及び第2のルールセットは、
図9のブロック914に関連して開示された様々な実施形態及び態様を利用することができる。他の変形形態は、本開示の範囲内にあることが企図されている。
【0085】
小腸の近位部分を表す画像を選択するための動作の一例を
図10に示す。
図10の動作は例示的なものであり、任意選択的であってもよい。
図10のステップ1020~1050の各々は、任意選択的であってもよい。
図10を参照すると、ブロック1010において、動作は、小腸の近位部分にわたって離間された画像を選択することを伴う。様々な実施形態では、離間された画像は、均等に離間されるか、又は略均等に離間され得る。ブロック1020において、動作は、離間された画像ごとに、所定の数の画像、例えば、10個の画像又は別の数の画像のグルーピング等、画像を取り囲む画像のグルーピングを選択することを伴ってもよい。ブロック1030において、動作は、任意選択的に、画像のグルーピングごとに、不明瞭な小腸組織を有するグルーピング内の画像を選択解除することを伴ってもよい。様々な実施形態では、深層学習ニューラルネットワーク(例えば、
図6)等の機械学習アルゴリズムが、気泡又は他のコンテンツを含む画像を識別するために使用され得る。当業者は、そのようなニューラルネットワークをどのように訓練し実装するかを理解するであろう。そのような機械学習技法は、不明瞭な小腸組織を伴う画像を識別するために使用され得る。次いで、そのような画像が選択解除されてもよい。ブロック1040において、動作は、画像のグルーピングごとに、本明細書で上述したように、粘膜の波状弯入を含む画像のスコア/確率、粘膜のモザイクパターン化を含む画像のスコア/確率、及び/又は絨毛萎縮を含む画像のスコア/確率等の分類スコア/確率に基づいて、残りの画像のうちの少なくとも1つを選択することを伴ってもよい。ブロック1050において、動作は、任意選択的に、調査内の各グループから選択された画像を含むことができる。
図10の動作は例示であり、変形形態は、本開示の範囲内にあることが企図されている。
【0086】
再び
図9を参照すると、ステップ914に関連して上述した態様及び実施形態は、様々な方法で組み合わせることができる。例えば、特定の実施形態は、スコア/確率閾値、分離閾値、割当量、SBの近位部分に対する割当量、SBの残りの部分に対する割当量、SBの近位部分に対する離間された選択(例えば、
図10)、SBの残りの部分に対する離間された選択、及び/又はSB全体に対する離間された選択のうちの1つ以上を適用することができる。ステップ914の動作の2つの特定の実施形態が、
図11及び
図12に関連して以下で説明される。いずれの実施形態又は実施形態の組み合わせがステップ914に対して実装されても、ステップ914によって選択された画像は、
図9のステップ916に示されるように、リーダに提示される調査に含まれてもよい。
【0087】
図11は、
図9の画像選択プロセスの例示的な動作を示す。上記で説明した
図9の画像選択プロセス(例えば、ブロック914)の態様は、
図11の動作に適用可能である。ブロック1110において、動作は、小腸の近位部分の画像にアクセスすることを伴う。ブロック1120において、動作は、小腸の近位部分を表す画像を選択することを伴う。そのような画像は、小腸の近位部分のカバレッジを提供してもよい。例えば、画像は、小腸の近位部分にわたって均等に離間されてもよいか、又は小腸の近位部分にわたって不均等に離間されてもよい。ブロック1130において、動作は、小腸の全長にわたる画像であってもよい、小腸の少なくとも残りの部分の画像にアクセスすることを伴う。ブロック1140において、動作は、分類スコア/確率に基づいて、SBの少なくとも残りの部分の画像の中から選択することを伴う。様々な実施形態では、ブロック1140の選択は、
図9のブロック914に関連して説明される1つ以上の基準等の他の基準を適用することができる。ブロック1150において、動作は、ブロック1120で選択された画像及びブロック1140で選択された画像を、リーダに提示される調査に含めることを伴う。
図11の動作は、
図3のコンピューティングシステム等のコンピューティングシステムによって実装することができる。
【0088】
図12は、
図9の画像選択プロセスの別の例示的な動作を示す。上記で説明した
図9の画像選択プロセス(例えば、ブロック914)の態様は、
図12の動作に適用可能である。ブロック1210において、動作は、小腸の近位部分の画像にアクセスすることを伴う。ブロック1220において、動作は、より限定的でない/より選択的でないルールのセットに基づいて、SBの近位部分の画像の中から画像を選択することを伴う。ブロック1230において、動作は、小腸の残りの部分の画像にアクセスすることを伴う。ブロック1240において、動作は、より限定的な/より選択的なルールのセットに基づいて、小腸の残りの部分の画像の中から画像を選択することを伴う。様々な実施形態では、ブロック1220及び1240の選択プロセスは、
図9のブロック914に関連して上記で説明した基準のうちの1つ以上等、様々な基準に基づくことができる。様々な実施形態では、ブロック1220の選択プロセスは、小腸についてのより多くの情報が、ブロック1240によって選択された画像によるよりも、ブロック1220によって選択された画像によって伝達されてもよいという意味で、より限定的でなくてもよい。様々な実施形態では、ブロック1220の選択プロセスは、小腸の近位部分のより包括的な表現がブロック1220によって選択されてもよく、小腸の残りの部分のより包括的でない表現がブロック1240によって選択されてもよいという意味で、より限定的でなくてもよい。様々な実施形態において、ブロック1220の選択プロセスは、より少ない基準がブロック1220において画像を選択するために使用され、より多くの基準がブロック1240において画像を選択するために使用されるという意味で、より制限的でなくてもよい。例えば、ブロック1220の選択プロセスは、分類スコア閾値のみを含んでもよいが、ブロック1240の選択プロセスは、分類スコア閾値、及び分離閾値又は割当量等の少なくとも1つの他の基準を含んでもよい。様々な実施形態において、ブロック1220の選択プロセスは、基準のより制限的でないレベルがブロック1220において画像を選択するために使用され、同じ基準のより制限的なレベルがブロック1240において画像を選択するために使用されるという意味で、より制限的でなくてもよい。そのような基準は、例えば、スコア閾値又は画像割当量であってもよい。したがって、ブロック1220において画像を選択するために閾値スコア値が決定されてもよく、ブロック1240において画像を選択するために閾値スコア値y>xが決定されてもよく、xと近位部分の(SBに対する)相対的な長さとの間の比が、yとSBの残りの部分の(SBに対する)相対的な長さとの間の比よりも高い一方で、割当量xは、ブロック1120において選択される画像の数について決定されてもよく、割当量yは、ブロック1240において決定されてもよい。
【0089】
ブロック1220及び1240の他の変形形態は、本開示の範囲内にあることが企図されている。ブロック1250において、動作は、ブロック1220で選択された画像及びブロック1240で選択された画像を、リーダに提示される調査に含めることを含む。
図12の動作は、
図3のコンピューティングシステム等のコンピューティングシステムによって実装することができる。
【0090】
図12の動作は例示であり、変形形態は、本開示の範囲内にあることが企図されている。
【0091】
様々な態様では、開示されるシステム及び方法に従って選択されるセリアック病様疾患を示すCE画像のセット(本開示に従って生成される)は、例えば、セリアック病様疾患の診断を支援、促進、又は可能にするために使用されてもよい。例えば、選択及び表示された画像が絨毛萎縮、波状弯入及び/又はモザイクパターンを示す場合、医師は、セリアック病様疾患を診断するために必要とされる生検を得るか、又は任意の他の医学的検査若しくは処置を実行してもよい。態様では、セリアック病様疾患を示すCE画像の選択されたセットは、例えば、治療(例えば、投薬)の開始後、又は食事療法に従った後の粘膜治癒の進行を監視及び/又は評価するために使用されてもよい。これは、例えば、治療又は食事療法の開始前及び開始後に、患者に対して複数のCE処置を実行することによって達成されてもよい。処置ごとに医師に提示される画像の選択されたセットによって反映されるような(又は画像の選択されたセットを含む調査に基づいて生成されるレポートに反映されるような)患者の状態が、比較されてもよい。態様では、セリアック病様疾患を示すCE画像の選択されたセットを使用して、不応性セリアック、例えば、厳密なグルテンフリー食事療法を含む事前定義された治療期間に対して抵抗性又は非応答性であり得るセリアックを診断してもよい。態様では、セリアック病様疾患を示すCE画像の選択されたセットは、セリアック病様疾患の程度を評価するために使用されてもよい。態様では、開示されるシステム及び方法は、セリアック病様疾患を示すと識別された画像の数に基づくか、又はある画像から他の画像への相対的なカプセルの進行の評価に基づく疾患の程度の決定を含んでもよい。態様では、セリアック病様疾患を示すCE画像の選択されたセットは、より綿密な検査のために生検又はフラグ付けされ得る病態及び/又は形態が発生する領域を識別するために使用されてもよい。したがって、開示されるシステム及び方法は、生検のための場所又は生検部位の決定を含んでもよい。態様では、(セリアックのように)遺伝し得るセリアック病様疾患を示すCE画像の選択されたセットは、患者の親族のためのスクリーニングツールとして使用されてもよい。
【0092】
本開示のいくつかの実施形態が図面に示されているが、本開示は当該技術分野が許容するのと同程度に広い範囲であるとされるべきであり、本明細書が同様に読み取られるべきであると意図されているので、本開示はこれらの実施形態に限定されることを意図していない。したがって、上記の説明は、限定として解釈されるべきではなく、特定の実施形態の単なる例示として解釈されるべきである。本明細書に添付の請求項の範囲及び趣旨を逸脱しない他の修正は、当業者ならば想到するであろう。
【手続補正書】
【提出日】2023-08-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
消化管(GIT)の画像における絨毛萎縮の存在によって特徴付けられる疾患の指標を検出するためのシステムであって、装置が、
小腸を含む前記GITの少なくとも一部分の連続画像セットにアクセスすることであって、各画像が、1つ以上の分類スコアに関連付けられ、前記1つ以上の分類スコアの各分類スコアが、絨毛萎縮の前記存在によって特徴付けられる疾患のそれぞれの指標を含む関連付けられた前記画像を示す、アクセスすることと、
前記連続画像セットの各画像の前記1つ以上の分類スコアに基づいて、前記連続画像セットから画像サブセットを選択することと、
前記連続画像セットから、前記小腸の近位部分を示す前記画像の全てを含む画像セグメントを識別することと、
前記小腸の前記近位部分を表す識別された前記画像セグメントから複数の画像を選択することと、
SBの残り(中間-近位、中間及び遠位)を識別し、画像サブセットを選択することと、
識別された(両方の)前記画像セグメントから選択された前記複数の画像及び前記画像サブセットを表示装置上に表示することと、を行うように構成されたプロセッサを備える、システム。
【請求項2】
前記プロセッサが、十二指腸を含む前記小腸の前記近位部分を識別するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記システムが、ヒト免疫不全ウイルス、分類不能型免疫不全症、クローン病、又はセリアック病のうちの少なくとも1つを含む、絨毛萎縮の前記存在によって特徴付けられる疾患の指標を検出する、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記プロセッサが、前記1つ以上の分類スコアに基づいて、識別された前記画像セグメントから前記複数の画像を選択するように構成されている、請求項1、2、又は3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記プロセッサが、前記小腸の前記近位部分を表す前記画像セグメントから前記複数の画像を選択するように構成されており、前記小腸の前記近位部分にわたって離間された画像を選択するように更に構成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記プロセッサが、不明瞭でない前記小腸の前記近位部分の画像を選択することによって、前記小腸の前記近位部分にわたって離間された画像を選択するように構成されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記プロセッサが、深層学習分類器又は古典的機械学習分類器のうちの少なくとも1つに基づいて、前記連続画像セット内の絨毛萎縮の前記存在と関連付けられた疾患の1つ以上の指標を検出するように構成されている、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記プロセッサが、時間又は前記小腸の長さに基づいて、前記小腸の前記近位部分を均一にサンプリングすることにより、識別された前記画像セグメントから前記複数の画像を選択するように構成されており、長さが、前記連続画像セット内の画像の数、又は前記小腸に沿ったカプセル内視鏡デバイスの推定前進のうちの少なくとも1つに基づく、請求項1~7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記プロセッサが、
識別された前記画像セグメントからの前記複数の画像を、所定の数のサンプリング点に分割することと、
サンプリング点ごとに、前記サンプリング点を取り囲む画像の所定の範囲から、1つ以上の画像を選択することと、によって、識別された前記画像セグメントから前記複数の画像を選択するように構成されている、請求項1~8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
消化管(GIT)の画像における絨毛萎縮の存在によって特徴付けられる疾患の指標を検出するための方法であって、
小腸を含む前記GITの少なくとも一部分の連続画像セットにアクセスすることであって、各画像が、1つ以上の分類スコアに関連付けられ、前記1つ以上の分類スコアの各分類スコアが、絨毛萎縮の前記存在によって特徴付けられる疾患のそれぞれの指標を含む関連付けられた前記画像を示す、アクセスすることと、
前記連続画像セットの各画像の前記1つ以上の分類スコアに基づいて、前記連続画像セットから画像サブセットを選択することと、
前記連続画像セットから、前記小腸の近位部分を示す前記画像の全てを含む画像セグメントを識別することと、
前記小腸の前記近位部分を表す識別された前記画像セグメントから複数の画像を選択することと、
識別された前記画像セグメントから選択された前記複数の画像及び前記画像サブセットを表示装置上に表示することと、を含む、方法。
【請求項11】
前記小腸の前記近位部分が、十二指腸を含む、請求項
10に記載の方法。
【請求項12】
絨毛萎縮の前記存在によって特徴付けられる前記疾患が、ヒト免疫不全ウイルス、分類不能型免疫不全症、クローン病、又はセリアック病のうちの少なくとも1つを含む、請求項
10又は11に記載の方法。
【請求項13】
識別された前記画像セグメントから前記複数の画像を選択することが、前記1つ以上の分類スコアに基づく、請求項
10、11、又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記小腸の前記近位部分を表す前記画像セグメントから前記複数の画像を選択することが、前記小腸の前記近位部分にわたって離間された画像を選択することを含む、請求項
10~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記小腸の前記近位部分にわたって離間された画像を選択することが、不明瞭でない前記小腸の前記近位部分の画像を選択することを含む、請求項
10~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
深層学習分類器又は古典的機械学習分類器のうちの少なくとも1つに基づいて、前記連続画像セット内の絨毛萎縮の前記存在と関連付けられた疾患の1つ以上の指標を検出することを更に含む、請求項
10~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
識別された前記画像セグメントから前記複数の画像を選択することが、時間又は前記小腸の長さに基づいて、前記小腸の前記近位部分を均一にサンプリングすることを含み、長さが、前記連続画像セット内の画像の数、又は前記小腸に沿ったカプセル内視鏡デバイスの推定前進のうちの少なくとも1つに基づく、請求項
10~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
識別された前記画像セグメントから前記複数の画像を選択することが、
識別された前記画像セグメントからの前記複数の画像を、所定の数のサンプリング点に分割することと、
サンプリング点ごとに、前記サンプリング点を取り囲む画像の所定の範囲から、1つ以上の画像を選択することと、を含む、請求項
10~17のいずれか一項に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0030】
本開示のある態様では、第2のルールセットは、第1のルールセットよりも選択的である。
本発明は、例えば以下を提供する。
(項目1)
消化管(GIT)の画像における絨毛萎縮の存在によって特徴付けられる疾患の指標を検出するための方法であって、
小腸を含む前記GITの少なくとも一部分の連続画像セットにアクセスすることであって、各画像が、1つ以上の分類スコアに関連付けられ、前記1つ以上の分類スコアの各分類スコアが、絨毛萎縮の前記存在によって特徴付けられる疾患のそれぞれの指標を含む関連付けられた前記画像を示す、アクセスすることと、
前記連続画像セットの各画像の前記1つ以上の分類スコアに基づいて、前記連続画像セットから画像サブセットを選択することと、
前記連続画像セットから、前記小腸の近位部分を示す前記画像の全てを含む画像セグメントを識別することと、
前記小腸の前記近位部分を表す識別された前記画像セグメントから複数の画像を選択することと、
識別された前記画像セグメントから選択された前記複数の画像及び前記画像サブセットを表示装置上に表示することと、を含む、方法。
(項目2)
前記小腸の前記近位部分が、十二指腸を含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
絨毛萎縮の前記存在によって特徴付けられる前記疾患が、ヒト免疫不全ウイルス、分類不能型免疫不全症、クローン病、又はセリアック病のうちの少なくとも1つを含む、項目1に記載の方法。
(項目4)
識別された前記画像セグメントから前記複数の画像を選択することが、前記1つ以上の分類スコアに基づく、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記小腸の前記近位部分を表す前記画像セグメントから前記複数の画像を選択することが、前記小腸の前記近位部分にわたって離間された画像を選択することを含む、項目1に記載の方法。
(項目6)
前記小腸の前記近位部分にわたって離間された画像を選択することが、不明瞭でない前記小腸の前記近位部分の画像を選択することを含む、項目5に記載の方法。
(項目7)
深層学習分類器又は古典的機械学習分類器のうちの少なくとも1つに基づいて、前記連続画像セット内の絨毛萎縮の前記存在と関連付けられた疾患の1つ以上の指標を検出することを更に含む、項目1に記載の方法。
(項目8)
識別された前記画像セグメントから前記複数の画像を選択することが、時間又は前記小腸の長さに基づいて、前記小腸の前記近位部分を均一にサンプリングすることを含み、長さが、前記連続画像セット内の画像の数、又は前記小腸に沿ったカプセル内視鏡デバイスの推定前進のうちの少なくとも1つに基づく、項目1に記載の方法。
(項目9)
識別された前記画像セグメントから前記複数の画像を選択することが、
識別された前記画像セグメントからの前記複数の画像を、所定の数のサンプリング点に分割することと、
サンプリング点ごとに、前記サンプリング点を取り囲む画像の所定の範囲から、1つ以上の画像を選択することと、を含む、項目1に記載の方法。
(項目10)
前記指標が、前記小腸の粘膜の波状弯入、前記小腸の粘膜のモザイクパターン化、又は前記小腸の絨毛の萎縮のうちの少なくとも1つを含む、項目1に記載の方法。
(項目11)
消化管(GIT)の画像における絨毛萎縮の存在によって特徴付けられる疾患の指標を検出するための方法であって、
小腸を含む前記GITの少なくとも一部分の連続画像セットにアクセスすることであって、各画像が、1つ以上の分類スコアに関連付けられ、前記1つ以上の分類スコアの各分類スコアが、絨毛萎縮の前記存在によって特徴付けられる疾患のそれぞれの指標を含む関連付けられた前記画像を示す、アクセスすることと、
前記連続画像セットを、
前小腸の画像、
前記小腸の近位部分の画像、及び
前記小腸の残りの部分の画像を含む、画像セットに分割することと、
第1のルールセットの適用に基づいて、前記小腸の前記近位部分の前記画像から第1の画像サブセットを選択することであって、前記第1のルールセットのうちの少なくとも1つのルールが、各画像に関連付けられた前記1つ以上の分類スコアに基づく、選択することと、
前記第1のルールセットとは異なる第2のルールセットの適用に基づいて、前記小腸の前記残りの部分の前記画像から第2の画像サブセットを選択することであって、前記第2のルールセットのうちの少なくとも1つのルールが、各画像に関連付けられた前記1つ以上の分類スコアに基づく、選択することと、
選択された前記第1及び第2の画像サブセットを表示装置上に表示することと、を含む、方法。
(項目12)
前記第2のルールセットが、前記第1のルールセットよりも選択的である、項目11に記載の方法。
(項目13)
前記第1のルールセットが、前記小腸の前記近位部分のより包括的な表現を提供するように構成され、前記第2のルールセットが、前記小腸の前記残りの部分のより包括的でない表現を提供するように構成されている、項目12に記載の方法。
(項目14)
前記指標が、前記小腸の粘膜の波状弯入、前記小腸の粘膜のモザイクパターン化、又は前記小腸の絨毛の萎縮のうちの少なくとも1つを含む、項目11に記載の方法。
(項目15)
絨毛萎縮の前記存在によって特徴付けられる前記疾患が、ヒト免疫不全ウイルス、分類不能型免疫不全症、クローン病、又はセリアック病のうちの少なくとも1つを含む、項目11に記載の方法。
(項目16)
前記小腸の前記近位部分が、十二指腸を含む、項目11に記載の方法。
(項目17)
深層学習分類器又は古典的機械学習分類器のうちの少なくとも1つによって、前記1つ以上の分類スコアを提供することを更に含む、項目11に記載の方法。
(項目18)
セリアック病様疾患の指標を検出するためのシステムであって、
1つ以上のプロセッサと、
命令を記憶する少なくとも1つのメモリと、を備え、前記命令は、前記1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記システムに、
前記小腸の近位部分の画像にアクセスすること、
第1のルールセットに基づいて、前記小腸の前記近位部分の前記画像の中から画像を選択すること、
前記小腸の少なくとも残りの部分の画像にアクセスすること、及び
前記第1のルールセットとは異なる第2のルールセットに基づいて、前記小腸の少なくとも前記残りの部分の前記画像の中から画像を選択することを行わせる、システム。
(項目19)
前記第1のルールセットに基づいて、前記小腸の前記近位部分の前記画像の中から画像を選択することが、前記小腸の前記近位部分を表す画像を選択することを含み、
前記第2のルールセットに基づいて、前記小腸の少なくとも前記残りの部分の前記画像の中から画像を選択することが、セリアック病様疾患のそれぞれの指標を含む画像を示す1つ以上の分類スコアに基づいて、前記小腸の少なくとも前記残りの部分の前記画像の中から選択すること、
を含む、項目18に記載のシステム。
(項目20)
第1のルールセットに基づいて前記小腸の前記近位部分の前記画像の中から画像を選択することが、セリアック病様疾患のそれぞれの指標を含む画像を示す1つ以上の分類スコアに基づいて、前記小腸の前記近位部分の前記画像の中から選択することを含み、
前記第2のルールセットに基づいて、前記小腸の少なくとも前記残りの部分の前記画像の中から画像を選択することが、セリアック病様疾患のそれぞれの指標を含む画像を示す1つ以上の分類スコアに基づいて、前記小腸の前記残りの部分の前記画像の中から選択すること、
を含む、項目18に記載のシステム。
(項目21)
前記第2のルールセットが、前記第1のルールセットよりも選択的である、項目20に記載のシステム。
【国際調査報告】