(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-27
(54)【発明の名称】洋上風力タービンの組立および設置のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
E04H 12/00 20060101AFI20231117BHJP
B63B 35/00 20200101ALI20231117BHJP
F03D 13/10 20160101ALI20231117BHJP
F03D 13/25 20160101ALI20231117BHJP
【FI】
E04H12/00 Z
B63B35/00 T
F03D13/10
F03D13/25
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553163
(86)(22)【出願日】2021-11-16
(85)【翻訳文提出日】2023-07-18
(86)【国際出願番号】 US2021059437
(87)【国際公開番号】W WO2022108889
(87)【国際公開日】2022-05-27
(32)【優先日】2020-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523183334
【氏名又は名称】フリーデ・アンド・ゴールドマン・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー・ディ/ビー/エイ・フリーデ・アンド・ゴールドマン・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】FRIEDE & GOLDMAN, LLC D/B/A FRIEDE & GOLDMAN, LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100184343
【氏名又は名称】川崎 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100112911
【氏名又は名称】中野 晴夫
(72)【発明者】
【氏名】クラギュー,ロバート エドワード
(72)【発明者】
【氏名】ゴールウェイ,シャノン マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ロブリック,アンテ
(72)【発明者】
【氏名】リットマン,カイル アラン
(72)【発明者】
【氏名】カンプ ザ サード,アーネスト ジーン
【テーマコード(参考)】
3H178
【Fターム(参考)】
3H178AA03
3H178AA25
3H178AA51
3H178BB77
3H178CC02
3H178CC14
3H178CC23
3H178CC25
3H178DD61X
3H178DD67X
(57)【要約】
単一の船舶から複数の風力タービンを組み立て、設置するためのシステムおよび方法が提供される。一般に、異なる実施形態では、ブレード、回転ハブを有するナセルアセンブリ、およびタワーを含む船舶上の風力タービンコンポーネントを使用する。タービン据付ガントリーシステム(T.I.G.S.)の実施形態は、トラス下部構造を有するガントリーシステムと、海底の上に支持されたナセルハブに船上の風力タービンブレードを組み付けるための、高架船上の少なくとも1基のブリッジクレーンを使用する。スキッディングタービンインストレーションクレーン(S.T.I.C.)の実施形態は、スキッディングペデスタルまたは片持ちカンチレバー構造に取り付けられた回転可能なクレーンを有し、船舶のデッキおよびブレードへのフルアクセスを提供し、組み立てられたナセルアセンブリを船外に出して各ブレードを組み立てる。タービン組立位置決めシステム(T.A.P.S.)の実施形態は、ハンドリングシステムと、ハンドリングシステムによって船舶の船外に片持ちカンチレバー式に吊り下げられた組立タワー部分とナセルハブにブレードを固定するために、スキッディング片持ちカンチレバー構造に取り付けられたクレーンの両方を含む。組み合わせ実施形態は、T.I.G.S.、S.T.I.C.およびT.A.P.S.の実施形態から選択されたコンポーネントとシステムを使用し、コンポーネントとシステムの冗長性と同時動作を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハブと、少なくともタワー部分と、少なくとも第1ブレードとを位置決めするように構成されたナセルアセンブリを有する洋上風力タービンを組み立てるように構成されたシステムであって、
デッキと中心線を有する船舶;
船舶デッキに配置されたガントリー構造;
ガントリー構造に配置されたレールであって、一方のレールは船体中心線の一方の側に配置され、他方のレールは船体中心線の他方の側に配置されたレール;
吊り上げ用に構成されたホイスト;および、
ホイストと共に使用されるように、レール上に移動可能に配置されたブリッジクレーンであって、吊り上げ位置と組み立て位置との間で船舶デッキに対して移動可能であるブリッジクレーン;
を含み、
第1ブレードは、レール間の船舶デッキの上方に、ブリッジクレーンホイストによって吊り上げられるように構成されて、第1ブレードをナセルハブと組み立てるために、タワー部分の上に配置可能なナセルハブと整列させるシステム。
【請求項2】
第2ブレードをさらに含み、ナセルハブおよび組み立てられた第1ブレードを回転させて、ブリッジクレーンホイストが、第2ブレードをナセルハブと組み立てるために、第2ブレードをレール間およびナセルハブと整列させることができる請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
風力タービンのタワー部分は、ブリッジクレーンホイストによる吊り上げのために、レールの間およびレールの下方の船舶デッキの上方に位置するように構成されている請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
ナセルアセンブリは、ブリッジクレーンホイストによりナセルアセンブリを吊り上げるために、船舶中心線の船外からレールの間および下方に、船舶中心線に沿って移動可能に構成されている請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
ハブ、少なくともタワー部分、並びに少なくとも第1ブレードおよび第2ブレードを位置決めするように構成されたナセルアセンブリを有する洋上風力タービンを組み立てるように構成されたシステムであって、
デッキと中心線を有する船舶;
船舶の船外のブレードラック;
船舶の中心線に沿って横滑りするように構成されたスキッド構造;
伸長可能な補助ブームを有し、スキッド構造とともに、かつスキッド構造上に回転可能に配置されるように構成されたブームクレーンであって、船舶デッキおよび船舶船外のブレードラックからの吊り上げ位置と、組立位置との間で回転可能に構成されたブームクレーン;
補助ブームを吊り上げるように構成され、補助ブームと共に使用するように適合されたホイスト;
を含み、
風力タービンの第1ブレードおよび第2ブレードは、船舶の船外のラック上に格納されるように構成され、第1ブレードは、補助ブームがその伸長位置にある間に持ち上げられるように構成され、補助ブームは、第1ブレードをナセルハブに船外で組み立てるために、第1のブレードをナセルハブに整列させるように回転可能であり、
回転可能なブームクレーンと組み合わされたスキッド構造は、完全な船舶デッキアクセス、船外ブレードへのアクセスを提供するように構成され、ブレードをナセル組立ハブと船外で組み立てるように構成されるシステム。
【請求項6】
組み立てられたナセルハブと第1ブレードが船外で回転可能で、拡張された補助ブームは、風力タービンの第2ブレードをナセルハブと船外で組み立てるために、第2ブレードをナセルハブと整列させることができる請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
ホイストと共に使用するように適合されたメインブームをさらに含み、風力タービンのタワー部分は、船舶デッキ上に配置され、メインブームホイストによる吊り上げられるように構成されている請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
風力タービンのナセルアセンブリは、船舶中心線に解放可能に隣接して配置されて、スキッド構造がナセルアセンブリ上を滑るクリアランスを有し、ナセルアセンブリはメインブームホイストによる吊り上げるように構成された請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
ハブ、少なくともタワー部分、並びに少なくとも第1ブレードおよび第2ブレードを配置するように構成されたナセルアセンブリを有する洋上風力タービンを組み立てるためのシステムであって、
デッキと中心線を有する船舶;
船舶の中心線に沿って移動可能であり、船舶の外側にカンチレバー状に配置されるように構成された片持ちカンチレバー構造;
船舶デッキにアクセスするためにカンチレバー構造に相対的に回転可能に配置されるように構成されたブームクレーン;および、
タワー部分の船外回転、長手方向および垂直方向の位置決めのために、カンチレバー構造とともに移動可能に構成されたハンドリングシステム;
を含み、
風力タービンの第1ブレードおよび第2ブレードは、船舶中心線の船外に格納されるように構成され、ナセルハブがハンドリングシステムによって船外に吊り下げられている間に、第1ブレードは、ブームクレーンによって吊り上げられ、回転させられて、第1ブレードの船外組立のために第1ブレードをナセルハブに整合させるように構成されるシステム。
【請求項10】
組み立てられたナセルハブおよび第1ブレードが船外で回転可能に構成されて、ブームクレーンが、風力タービンの第2ブレードをナセルハブと船外で組み立てるために第2ブレードをナセルハブと整列させることができる請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
各々がその中にスロットを有する複数のアームを有するハンドリングシステムをさらに含み、複数の半径方向外側に延びるピンを有する風力タービンタワー部分が、スロットを有する複数のアームに対応するハンドリングシステムにより、タワー部分の複数の半径方向外側に延びるピンを持ち上げるために、船舶デッキの上に位置決めされる請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
各々がその中にスロットを有する複数のアームを有するハンドリングシステムをさらに備え、ナセルアセンブリは、複数の半径方向外向きに延びるピンを有する上部タワー部分の上に組み立てられ、組み立てられたナセルアセンブリおよび上部タワー部分は、その中にスロットを有する複数のアームに対応するハンドリングシステムにより、タワー部分の複数の半径方向外向きに延びるピンを持ち上げるために、船舶中心線の船外側の格納位置から船舶中心線まで移動可能である請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
回転可能なブームクレーンは、カンチレバー構造の上に固定的に配置され、カンチレバー構造と共に移動可能である請求項9に記載のシステム。
【請求項14】
回転可能なブームクレーンは、片持ち構造が船舶の船外に片持ちされているとき、片持ち構造に隣接して船舶の甲板上に配置される請求項9に記載のシステム。
【請求項15】
少なくとも第1の風力タービンタワー部分と、少なくとも第1ブレードおよび第2ブレードとを有する風力タービンを、水面上に延びる海底支持タワー部分に洋上で組み立てる方法であって、
第1の風力タービンタワー部分と第1ブレードを浮いた船舶上で所定の洋上位置まで移動させる工程;
船舶を、水面上に延びる海底支持タワー部分と位置合わせする工程;
第1の風力タービンタワー部分を底部支持タワー構造に固定する工程;
風力タービンナセルアセンブリハブを風力タービンタワー部分と固定し、風力タービンタワー部分の上方に固定する工程;
船上から第1の風力タービンブレードを風力タービンハブに位置合わせする工程;
組み立てられたハブと第1の風力タービンブレードを回転させる工程;
船上から第2の風力タービンブレードを風力タービンハブに位置合わせする工程;および、
組み立てられたハブ、第1の風力タービンブレードおよび第2の風力タービンブレードを回転させる工程;
を含む方法。
【請求項16】
第2の風力タービンタワー部分を含み、さらに、
所定の洋上位置に隣接する海底に対して船舶を上昇させる工程;
船舶を整列させる工程の後、船舶を海底からさらに上昇させる工程;および、
第2の風力タービンタワー部分を、船上から、第1の風力タービンタワー部分に整列させる工程;
を含み、
風力タービンハブは、第2の風力タワー部分の上方に固定される請求項15に記載の方法。
【請求項17】
第1のタービンブレードと風力タービンハブとの位置合わせ工程の間、第1の風力タービンブレードは、組み立てられた位置で船舶デッキの上方にある請求項15に記載の方法。
【請求項18】
第2のタービンブレードと風力タービンハブとの位置合わせ工程の間、第2の風力タービンブレードは、組み立てられた位置で船舶デッキの上方にある請求項17に記載の方法。
【請求項19】
第3の風力タービンブレードを含み、更に、
第3の風力タービンブレードを風力タービンハブに位置合わせする工程;
を含み、
第3の風力タービンブレードの位置合わせ工程の間、第3の風力タービンブレードは、組み立てられた位置にあるときは船舶デッキの上方にある請求項18に記載の方法。
【請求項20】
風力タービンタワー部分、風力タービンハブ、並びに第1ブレード、第2ブレードおよび第3ブレードは、カンチレバーの位置までガントリー構造上で移動可能なブリッジクレーンを用いて船舶から組み立てられる請求項19に記載の方法。
【請求項21】
ブリッジクレーンの下方で、風力タービンハブを船舶の船外位置から船内位置まで横滑りさせる工程;
ブリッジクレーンと共に使用するように適合されたホイストを使用して風力タービンハブを持ち上げる工程;および、
風力タービンハブを風力タワー部分に固定する工程の前に、風力タービンハブをブリッジクレーンと共に長手方向に移動させる工程;
を含む請求項20に記載の方法。
【請求項22】
船舶は、風力タービンタワー部分、第1ブレード、第2ブレードおよび第3ブレード、並びにハブを保持するように構成され、船舶を移動させることなく、工程を繰り返して少なくとも4基の風車を所定の位置で組み立てることができる請求項21に記載の方法。
【請求項23】
ホイストと共に使用するように適合されたブリッジクレーンを含み、さらに、
ブリッジクレーンを使用して、風力タービンタワー部分、風力タービンハブ、および風力タービンブレードを整列させる工程;
風力タービンタワー部分と風力タービンハブを整列させるために、風力タービンタワー部分と風力タービンハブと共に使用するように構成されたグリッパをブリッジクレーンホイストに取り付ける工程;
ハブグリッパを取り外した後に、風力タービンブレードと風力タービンハブの位置合わせを行うために、共に使用するように構成されたグリッパをブレードクレーンホイストに取り付ける工程;
を含む請求項15に記載の方法。
【請求項24】
海底に支持されたタワー部分の上方に、少なくとも第1の風力タービンタワー部分と、風力タービンナセルハブと、少なくとも第1ブレードと第2ブレードとを有する風力タービンを洋上で組立てる方法であって、
デッキを有する浮いた船舶上で、第1の風力タービンタワー部分と、風力タービンナセルハブと、第1のブレードと第2のブレードとを所定の洋上位置まで移動させる工程;
船舶から第1の風力タービンタワー部分を、水面から延びる海底支持タワー部に位置合わせする工程;
風力タービンナセルハブを第1の風力タービンタワー部分の上方に固定する工程;
第1の風力タービンブレードを船舶の船外で風力タービンナセルハブと位置合わせする工程;
第1の風力タービンブレードを船舶から船外で回転させる工程;
第2の風力タービンブレードを船舶から船外で風力タービンナセルハブに位置合わせする工程;および、
第2の風力タービンブレードを船舶から船外で回転させる工程;
を含む方法。
【請求項25】
第2の風力タービンタワー部分を含み、さらに、
所定の洋上位置に隣接する海底に対して船舶を上昇させる工程;
第1の風力タービンタワー部分を位置合わせする工程の後、および船舶を上昇させる工程の後に、船舶を海底からさらに上昇させる工程;および、
船舶から第2の風力タービンタワー部分を第1の風力タービンタワー部分に位置合わせする工程;
を含み、
風力タービンハブは、第2の風力タービンタワー部分の上方に固定される請求項24に記載の方法。
【請求項26】
第1の風力タービンタワー部分、風力タービンナセルハブ、並びに第1ブレードおよび前記第2ブレードが、船舶デッキ上のレールに沿って移動可能なスキッド構造の上の、回転可能なブームクレーンを使用して船舶から組み立てられ、
回転可能なブームクレーンと組み合わせたスキッド構造が、ラック上の船舶の船外にあるブレードへの完全な船舶デッキアクセスを提供するように構成され、船外で組み立てられた風力タービンナセルハブと、ブレードの各々とを組み立てるように構成された請求項24に記載の方法。
【請求項27】
風力タービンハブを風力タービンタワー部分に固定する工程の前に、スキッド構造がナセルハブ上を横滑りするクリアランスを有するように、風力タービンナセルハブを船舶中心線に隣接して位置決めする工程;
風力タービンナセルハブを風力タービンタワー部分に固定する工程の前に、回転可能なブームクレーンで吊り上げるように構成されたホイストを使用して、風力タービンナセルハブを吊り上げる工程;
風力タービンナセルハブを風力タービンタワー部分に固定する工程の前に、スキッド構造を用いて、風力タービンナセルハブを船舶デッキ上の長手方向経路に沿って移動させる工程、
をさらに含む請求項26に記載の方法。
【請求項28】
船舶は、風力タービンタワー部分、第1および第2ブレード、並びにナセルハブを船舶デッキ上に保管するように構成されており、船舶が岸に戻ることなく、所定の場所で少なくとも6基の風力タービンを組み立てるために工程を繰り返すことができる請求項27に記載の方法。
【請求項29】
スキッド構造上のホイストと共に使用するように構成されたブームクレーンを含み、さらに、
スキッド構造上のブームクレーンを使用して、風力タービンタワー部分、風力タービンナセルハブ、並びに風力タービンの第1ブレードおよび前記第2ブレードを整列させる工程;
風力タービンタワー部分と風力タービンナセルハブとの位置合わせのために、風力タービンタワー部分と風力タービンナセルハブと共に使用するように構成されたグリッパをブームクレーンホイストに取り付ける工程;および、
風力タービンタワー部分および風力タービンナセルハブと共に使用するように構成されたグリッパを取り外した後に、ブレード用グリッパをブームクレーンホイストに取り付けて、風力タービンブレードと風力タービンナセルハブとの位置合わせを行う工程;を含む請求項24に記載の方法。
【請求項30】
少なくとも組み立てられた風力タービンタワー部分とナセルハブ、および少なくとも第1ブレードと第2ブレードを有する風力タービンを海上で組立てる方法であって、
組み立てられた風力タービンタワー部分およびナセルハブ、並びに第1ブレードおよび第2ブレードを、浮いた船舶に搭載して所定の洋上位置まで移動させる工程;
組み立てられた風力タービンタワー部分と風力タービンナセルハブを船舶の船外に吊り下げてから、組み立てられた風力タービンタワー部分と風力タービンナセルハブを海底に支持されたタワー部分の上方に固定する工程;
クレーンを使用して、第1の風力タービンブレードを風力タービンナセルハブに位置合わせする工程;
第1のブレードをハブに固定した後、ナセルハブおよび第1の風力タービンブレードを回転させる工程;
クレーンを使用して第2の風力タービンブレードを風力タービンナセルハブに位置合わせする工程;および、
ナセルハブ、第1の風力タービンブレード、および第2の風力タービンブレードを回転させるス工程;
を含み、
第2のブレードをハブに固定した後に、風力タービンタワー部分は、タワー部分の半径方向外側に延びるピンに対応する複数のスロットを有するハンドリングシステムと共に使用するように構成された、複数の半径方向外側に延びるピンを有する方法。
【請求項31】
組立てられた風力タービンハブおよび第1ブレードは、船舶の船外で回転するように構成され、クレーンは、第2ブレードを風力タービンハブに船外で組み立てるために、第2ブレードを風力タービンナセルハブに整列させることができる請求項30に記載の方法。
【請求項32】
組み立てられた風力タービンタワー部分と風力タービンナセルハブとを吊り下げ、位置合わせする工程の前に、所定の洋上位置に隣接する海底に対して船舶を相対的に上昇させる工程をさらに含む請求項30に記載の方法。
【請求項33】
組み立てられたタワー部分および風力タービンハブは、複数のスロットに対応するハンドリングシステムにより、タワー部分の複数の半径方向外向きに延びるピンを吊り上げるために、船舶中心線格納位置の船外から船舶中心線まで移動可能である請求項30に記載の方法。
【請求項34】
船舶デッキ上および船舶デッキの船外側の両方で風力タービン部品にアクセスするために、クレーンは、船舶デッキに沿って移動可能なカンチレバー構造を有して回転可能に配置される請求項30に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年11月18日に出願された米国仮出願第63/115,352号の利益を主張するものであり、この出願は、参照によりその全体があらゆる目的のために本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明は、一般に、船舶からの洋上風力タービンの組立および設置に関する。一般に、洋上風力タービンは、コラム/タワー、ハブを有するナセル、および複数のブレードの構成要素を含む。業界では現在、船舶からの風力タービンの組立・据付に大型ラチスブームクレーンを使用している。これらの大型ラチスブームクレーンは非常に高価で、重量があり、大きな設置面積を必要とし、過去には故障の経験もある。これらのラチスブームクレーンは、大きく、重く、高価な船で支える必要がある。大型ラチスブームクレーンのいくつかの例は、テキサス州ヒューストンのSeatrax社、ルイジアナ州ブレイスウェイトのEBI社、イタリア・ヴェローナのM.E.P.Pellegrini Marine Equipments社、オランダ・シーダムのNOV社、オランダ・アメルスフォールトのLiebherr社、オランダ・シーダムのHuisman社、オランダ・ロッテルダムのTetrahedron社から入手可能である。大型脚囲ラチスブームクレーンが本発明から除外されるわけではないが、以下で詳細に説明するように、本発明は、1つまたは複数の底部支持型洋上風力タービンおよびタービン構成要素を船舶から組み立て、設置するための他の手段に焦点を当てる。
【0003】
組立および設置のためのシステムおよび方法の例は、以下のとおりである。
【0004】
米国特許第8,316,614 B2号は、風力タービンロータの少なくとも一部が風力タービンタワーに取り付けられている基礎上に風力タービンを設置する方法を提案している。さらに、この方法は、取り付けられた風車ロータを含む風車タワーを基礎上に位置決めするステップと、風車ナセルをタワー上の使用位置まで上昇させるステップと、ナセルを取り付けられた風車ロータに直接的または間接的に接続するステップとを提案している。また、’614特許は、風車タワーの輸送、および風車タワーを輸送するための船舶も提案している。
【0005】
米国特許第8,640,340 B2号は、洋上風力タービン据付用の据付船および据付方法を提案している。一実施形態では、カンチレバーマストが、風力タービン部品を据付船から洋上据付現場へ移送し、風力タービン部品の望ましくない揺れ動きを緩和するように移送を案内することを提案している。別の実施形態では、メインクレーンが、ガイドアームと協働して、据付船から洋上据付現場へ風力タービン部品を移送し、案内すること提案されている。
【0006】
米国特許第9,061,738 B2号は、デッキと一対の実質的に平行な軌道とを有する浮体船上の走行クレーン配置を提案している。クレーン配置は、それぞれの軌道に沿って移動するように構成された一対の直立体を有することが提案されている。さらに、走行クレーン配置は、船舶のデッキを横切る直立体間に、それに間隔をあけて関連して延びる横カンチレバーを有することが提案される。さらに、走行クレーン配置は、横ビームに沿って移動するように構成されたトロリーを有することが提案される。このトロリーは、船舶のデッキの上方に積荷を吊り上げるように構成された吊り上げ機構の少なくとも一部を搭載することが提案されている。さらに、走行クレーン配置は、船舶甲板とトロリーとの間に延びるブレース位置に選択的に位置決め可能な支持体を提案する。ブレース位置において、支持体は、荷を吊り上げるか、さもなければ荷の重量を支持するための吊り上げ機構の使用中に、横カンチレバーを少なくとも部分的に圧縮支持するように提案される。
【0007】
米国特許第9,889,908 B2号は、少なくとも1組のレールと、積載物を支持し、例えば保管位置と動作位置との間でレールに沿って積載物を移動させるための1つまたは複数の台車とを備える、洋上風力タービン設置船などの洋上設備または船舶用のスキッドシステムを提案している。台車の少なくとも1つは、異なる荷重に適応可能であることが提案されている。
【0008】
特許国際公開第WO2010/026555 A2号は、1~10基の風力タービンを保管、運搬、設置する能力を有する船舶を提案している。このような船舶は、船体外周を有する船体を有することが提案されている。この船舶はさらに、船体に移動可能に取り付けられた、少なくとも2つの後方ジャッキアップ脚と少なくとも1つの前方ジャッキアップ脚を提案している。各ジャッキアップ脚を船体に対して上昇位置と下降位置との間で昇降させるために、ジャッキアップ脚の各々に接続されるジャッキ機構が提案される。本船はまた、船首の下側に取り付けられた少なくとも1つの前部方位スラスタと共に、トランサムの下側に取り付けられた少なくとも2つの後部方位スラスタを提案する。この船舶はさらに、少なくとも4つ、好ましくは少なくとも6つの風力タービン柱基礎と、輸送船の側面に個別に取り付けられた少なくとも2つの風力タービンブレードブラケットとを提案する。
【0009】
特許国際公開第WO2019/103611 A2号は、ジャッキアップ船を用いた洋上風力タービンのパイロンセクションの設置方法を提案している。この船舶は、パイロンセクションの設置トラックと、パイロンセクションの吊り上げ前または吊り上げ中にパイロンセクションの脚端部を船舶のデッキ上に案内することを可能にする関連トラックカートとを提案する。このガイドシステムは、クレーンを必要とせず、あるいはクレーンの数を減らしてパイロン部を移動させることを提案する。従って、この工程は、より短時間で、および/または、より少ないクレーン数で、あるいは、コスト削減を可能にするために、より小型のクレーンを用いて実施されることを提案する。
【0010】
米国特許第8,316,614 B2号、同第8,640,340 B2号、同第9,061,738 B2号、および同第9,889,908 B2号、ならびに特許国際公開第WO2010/026555 A2号および同第WO2019/103611 A2号は、あらゆる目的のために本明細書に組み込まれる。
【0011】
一般に、風力タービン設備(WTI)アセンブリは、タワー、ハブを有するナセル、および複数のブレードから構成される。タワーは通常、1つ以上の部分に分かれている。ナセルには、WTIの運転に必要な電気的・機械的機器が収納されている。ハブは、複数のブレードを取り付けるための回転機構である。一般に、ナセルアセンブリは、ハブを有するナセルの組み合わせである。
【発明の概要】
【0012】
本開示の実施形態は、船舶からの風力タービンの組立および設置のための改良されたシステムおよび方法を提供する。開示された実施形態は、より安全で、より経済的で、より合理化された、優れたシステムおよび方法をもたらす。本開示の実施形態は、自己昇降式船舶またはジャッキアップリグに限定されないが、このような船舶は、単数または複数のタワー部分、上部タワー部分上のナセルアセンブリ、および複数のブレードをナセルアセンブリのハブに組み立てる効果を向上させる、異なる高さまで有利に昇降することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明の上述の特徴を詳細に理解することができるように、上記で簡単に要約した本発明のより具体的な説明は、開示された実施形態を参照することによって行うことができ、その一部は添付の図面に図示されている。しかしながら、本明細書における添付図面は、これらの発明の典型的な実施形態のみを例示するものであり、したがって、本発明が他の同様に効果的な実施形態において使用され得るために、その範囲を限定するものと見なされないことに留意されたい。
【0014】
【
図1】海底および水面上に上昇させたセルフレベリングジャッキアップ船を備え、ジャッキアップ船の脚のうち2本が破断して示され、さらに、船の中心線と平行にガントリー構造に沿って移動可能なブリッジクレーンホイストを示すように構成された本発明のタービン据付ガントリーシステム(T.I.G.S.)の実施形態の側面立面図である。
【
図2A】
図1のタービン据付ガントリーシステム(T.I.G.S.)の実施形態の平面図であり、ブリッジクレーンホイストが、4つの風力タービンを組み立てるための風力タービンタワー部分、ナセルアセンブリおよびブレードと共に構成された船舶の中心線に沿ってガントリー構造上のレール上を移動可能な転動荷重であることをより良く示している。
【
図2B】3つのタワー部分が組立のために船舶から取り外された後、スキッドカート上のナセルアセンブリが、ブリッジクレーンホイストによって吊り上げられるために、船舶中心線から船舶吊り上げ位置中心線まで船外位置から横滑するかまたは移動されることを説明するための、
図2Aと同様の部分図であり、また、ブリッジクレーンは、
図2Aと同様に実線で示され、ナセルを吊り上げるために、破線のナセルの上方の位置まで移動される。
【
図3】
図1と同様の部分側面立面図であるが、船舶デッキが海底からさらに上昇し、ブリッジクレーンホイスト(実線で示す)が、組み立てられた第1タワー部分または下部タワー部分と整列した組立位置(破線で示す)に第2タワー部分を移動させるために、第2タワー部分を吊り上げている。
【
図4A】
図3に類似するが、第3タワー部分とナセルアセンブリが組み立てられた後、船舶デッキが海底から
図3の高さよりさらに上昇し、第1ブレードと第2ブレードをナセルハブと組み立てた後、ブレードグリッパで第3ブレードを持ち上げるためのブリッジクレーンホイストを備えた部分側面立面図である。
【
図4B】
図4Aに類似するが、船舶から第3ブレードをナセルハブと組み立てるために、第3ブレードをナセルハブと位置合わせするために、
図4Aの高さから船舶デッキを下げた状態の部分側面立面図である。
【
図5】海底から上昇した船舶デッキを図示する本発明のスキッディング・タービン・インストレーション・クレーン(S.T.I.C.)の実施形態の側面立面図であり、さらに、スキッド構造上のメインブームおよび補助ブームを有する回転可能なクレーンを図示し、メインブームを巻き上げるためのタワーおよびナセル・グリッパが、第3タワー部分を第2および下側のタワー部分と整列させる様子を図示し、ブレードを保持するためのラックが、明瞭にするために分解されて図示されている。
【
図6】風力タービンタワー部分、および船舶デッキ上のナセルアセンブリの格納位置を、船舶の船外ラック上の風力タービンブレードと共に示す
図5の平面図であり、
図6はさらに、平行レールに沿って移動するスキッド構造上の回転可能ブームクレーンを示し、さらに、
図5に配置されたメインブームと補助ブームを実線で示し、伸縮可能な補助ブームブレードグリッパが船外ラックからブレードの1つを持ち上げる様子を説明するために、メインブームと補助ブームはまた破線で示す。
【
図7】
図5と同様の部分側面立面図であり、ナセルアセンブリを上部タワー部分に位置合わせするためのグリッパを有するメインブームを示す。
【
図8】ブレードをナセルハブと位置合わせするためにホイストから吊り下げられた、
図6のブレードグリッパと同様のブレードグリッパを有する伸長可能な補助ブームを示す、
図7と同様の部分側面立面図である。
【
図9】船舶の中心線と船外ラック上のブレードとの相対的な風力タービンタワー部分、およびナセルアセンブリの格納位置を示すタービンアセンブリおよび位置決めシステム(T.A.P.S.)の実施形態の平面図であり、更に、ハンドリングシステムスロットとタワー部分に対応する半径方向外側に延びるピンとの係合をより良く示している。
【
図10】
図9のT.A.P.S.の実施形態の部分立面図であり、ナセルアセンブリは、船舶デッキ上で、または船舶に積載される前にタワー部分と組み立てられ、
図9、
図11および
図12に図示されるハンドリングシステムを使用してタワー部分と整列され、さらに、クレーンは、ブレードグリッパで風力タービンブレードを持ち上げるためのカンチレバー構造上に示される。
【
図11】T.A.P.S.の実施形態の船舶の後部、トランサムまたは船尾の立面図であり、ハンドリングシステムが組み立てられたナセルアセンブリおよびタワー部分を船舶デッキの船外に吊り下げている間に、クレーンが第3ブレードをナセルハブに整列させている様子を示しており、
図11はさらに、追加的に保管された組み立てられたナセルアセンブリおよびタワー部分、組み立てられたタワー部分の両方を図示し、ラックの一部において船舶デッキの船外にあるブレードの一部をより良く示している。
【
図12】本発明のT.A.P.S.の実施形態の側面立面図であり、そのハンドリングシステムは、船舶デッキまたはトランサムの船外に片持ちカンチレバー式に配置され、片持ちカンチレバー構造上のクレーンがその格納位置に図示されている間、組み立てられたナセルアセンブリおよびタワー部分を整列させるために片持ちカンチレバー構造によって吊り下げられている。
【
図13】船舶デッキ上記T.I.G.S.、S.T.I.C.およびT.A.P.S.の実施形態の組み合わせの実施形態の側面立面図であり、
図1~
図4Bと同様の、船舶デッキ上のガントリー構造、
図5~
図8と同様の、スキッド構造(より明瞭にするためにジャッキアップ脚が破断図で示されている)上のメインブームおよび補助ブームを有する回転可能なクレーン、および
図9~
図12と同様の、カンチレバー構造(より明瞭にするためにジャッキアップ脚が再び破断図で示されている)と組み合わせたハンドリングシステムを例示し、図示された海底支持タワー部分とさらに組み立てるための3つのタワー部分がさらに図示されている。
【
図14】組み立てられた3つのタワー部分、船舶中心線の船外にあるナセルアセンブリ、および船外ラック上のブレードの格納位置を示す
図13の組み合わせ実施形態の平面図であり、さらに、スキッドカート上で移動可能な4つの組み立てられた3つのタワー部分の平面図であり、1つの組み立てられたタワーは、ハンドリングシステムによる吊り上げのために、船舶中心線の船外位置から船舶中心線に沿った吊り上げ位置(破線で示す)まで移動して示されている。
【
図15】
図13および
図14と同様の側面立面図であり、
図14の破線で示すような吊り上げ位置(ハンドリングシステムおよびタワー部分を破線で示す)から、船舶デッキ上のレールに沿って、組み立てられたタワーが適切に昇降するハンドリングシステム(ハンドリングシステムおよびタワー部分を実線で示す)によって海底支持タワー部分と整列される組み立て位置まで、組み立てられたタワーを移動させるハンドリングシステムを示す。
【
図16】
図13、
図14および
図15と同様な側面立面図であり、海底からさらに上昇した船舶を図示し、さらに、ナセルアセンブリをその格納/吊り上げ位置(破線で示す)から組立タワー上のその組立位置(実線で示す)まで移動させるためにガントリ構造上で移動可能なブリッジクレーンホイストを図示する。
【
図17】
図15および
図16の組み合わせ実施形態の部分側面立面図であり、ナセルアセンブリが設置されたタワー部分と組み立てられた後、レール上を移動可能なブリッジクレーンが破線で図示され、
図4Aおよび
図4Bと同様に、ブレードグリッパで風力タービンブレードを持ち上げるために風力タービンブレードの上方の位置(実線)まで移動される。
【
図18】
図17と同様の部分側面立面図であり、
図4Aと同様に、風力タービンブレードを把持し、次いで持ち上げるためにブレードグリッパを下降させるホイストを示す。
【
図19】
図17および
図18と同様の部分側面立面図であり、
図4Bと同様に、ブレードグリッパが風力タービンブレードを持ち上げ、ナセルハブと整列させる様子を示す。
【
図20】ブレードをナセルハブに固定するためにブリッジクレーンがナセルハブに向かって移動する、
図17から
図19と同様の部分側面立面図である。
【
図21】
図15および
図16の組合せ実施形態の部分側面立面図であり、ナセルアセンブリが設置されたタワー部分と組み立てられた後、
図10と同様に、ブレードグリッパで風力タービンブレードを持ち上げるための、スキッド構造上にブームを有するクレーンが図示されている。
【
図22】風力タービンブレードを持ち上げるためにブレードグリッパを持ち上げるホイストを図示する、
図21と同様の部分側面立面図である。
【
図23】ブレードグリッパがナセルハブに対して風力タービンブレードを位置決めすることができるように、クレーンを約90°回転させ、スキッド構造を船舶のトランサム端に移動させた状態を示す、
図21および
図22と同様の部分側面立面図である。
【
図24】
図23と同様の平行側面立面図であり、ブレードグリッパが、実線で図示されたブレードを、破線で図示されるようにブレードから90°回転させ、風力タービンブレードをナセルハブに固定するために位置合わせするために下降させる様子を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
タービン据付ガントリーシステム(T.I.G.S.)の実施形態
詳細な説明
図1~
図4Bに示すタービン据付ガントリーシステム(T.I.G.S.)の実施形態は、底部支持型洋上風力タービンの安全で合理的な据付方法を提供する。
図1および
図2に最もよく示されているように、全体が10で示されるガントリーシステムは、全体がVで示される船舶に取り付けられた1台または複数台のブリッジクレーン12を支持する大型トラス下部構造から構成される。下部構造は、船舶Vの実質的に全長に沿って延び、トランサムTS上にカンチレバー状に配置され、ブリッジクレーン12の走路として機能する。ガントリー装置10は、大型洋上風力タービンを吊り上げ、回転させ、移動させ、組み立て、設置するのに十分な能力と構造安定性を有する。本明細書で使用する場合、「組み立てる」とは、構成部品を組み合わせる動作またはプロセスを意味し、「設置する」とは、使用準備が整った位置に機器を配置または固定する動作またはプロセスを意味する。風力タービンタワーT(1つまたは複数の部分)は、船舶Vの長手方向中心線Cに沿って、適切な安全なホールドダウン装置で解放可能に格納または収納される。ナセルアセンブリNは、スキッドカートSC上に解放可能に収納される。ブレードBは長手方向に解放可能に収納される。風力タービンは、船上で完全に組み立てることも、海底支持のタービン基礎と一緒に組み立てることも可能である。このシステムおよび方法は、大型の脚を取り囲むラチスブームクレーンに代わる、より費用効率が高く、より迅速で、より安全な代替手段を提供する。タービンの構成部品は、陸上の設備や方法を介して本船Vに積み込むことも、本船Vがすべての風力タービンの構成部品を自力で積み込むことも可能である。
【0016】
図面には完全に図示されていないが、本明細書で開示される全ての船舶は、好ましくは動的位置決め(DP)システムを使用することを理解されたい。動的位置決め(DP)は、船舶自身のプロペラとスラスタTHを使用することにより、船舶の位置と方位を自動的に取得し、維持するためのコンピュータ制御システムである。位置基準センサは、風センサ、モーションセンサ、ジャイロコンパスと組み合わされ、船舶の位置と、その位置に影響を与える環境力の大きさと方向に関する情報を動的測位システムのコンピュータに提供する。
【0017】
他の測位システム
長手方向の位置決め-ガントリーシステム10のブリッジクレーン12は、
図2Aおよび
図2Bに最も良く示されているように、長手方向のレールRに案内されて下部構造に沿って移動することができる。ブリッジクレーンは、従来の電気モータによって推進することができる。
【0018】
横方向の位置決め-
図2Aおよび
図2Bに最も良く示されているように、ガントリーシステム10の橋梁を横方向に移動するために、ホイストHが横方向のブリッジレールBR上に取り付けられ、また、従来の電気モータによって推進される。
【0019】
垂直位置決め-自昇ジャッキアップ船に加えて、大型の産業用ホイストHが垂直位置決めを行う。
【0020】
ナセルアセンブリのスキッディング-ナセルアセンブリNは、スキッドカートSCを使用して、従来の手段で船体中心線Cまで移動させることができる。
【0021】
組立方法
ここで
図1および
図3を参照すると、船舶Vは、下部タワー部分LTを組み立てるために、好ましくは動的位置決めシステムを使用して、海底支持タワー部分BSTSに隣接する所定の位置に位置決めされる。
図1~
図4に最も良く示されているように、一般にESとして示されている船舶の自昇降システムを使用して、ブリッジクレーン12は、海底SB上の海底支持タワー部分BSTSに対して所望の高さに位置決めされる。
【0022】
図1、
図2Aおよび
図3を参照すると、下部タワー部分LTは、ブリッジクレーン12上に配置されたホイストHを使用して、下部タワー部分LTを船舶中心線Cに沿って持ち上げ、下部タワー部分LTをガントリー下部構造10上のブリッジクレーン12のグリッパG1と共にその組み立て位置まで移動させて組み立てられる。下部タワー部分LTをホイストHで下降させ、従来の締結手段を用いて下部タワー部分LTを海底支持タワー部BSTSに締結する。
【0023】
船舶の自昇降システムESは、
図1に図示されるような低いタワー高さから、
図3に図示されるような高い高さまで船舶を上昇させ、下部タワー部分LTに対して所望の高さにブリッジクレーン12を位置させるために使用される。ブリッジクレーン12は、
図2Aおよび
図3に実線で最も良く示されるように、船舶中心線Cに沿って第2タワー部分T2の上方に配置される。次いで、ホイストHは、第2タワー部分T2を持ち上げて、第2タワー部分T2を位置決めする。
【0024】
図3に破線で最も良く示すように、ブリッジクレーン12は、ガントリー下部構造10上で第2タワー部分T2を組み付け位置までカンチレバー端部に移動させる。その後、ホイストHによって第2タワー部分T2を下降させ、第2タワー部分T2を下部タワー部分LTと組み立てる。第2タワー部分T2は、従来の固定手段を用いて下部タワー部分LTに固定される。
【0025】
次に
図4Aを参照すると、再び船舶の自昇降システムESを使用して、ガントリー下部構造10とブリッジクレーン12が第2タワー部分T2に対して所望の高さまで昇降する。同時に、ブリッジクレーン12は、船舶中心線Cに沿って第3タワー部分T3の上方に位置決めされ、第3タワー部分T3を第2タワー部分T2の上方で第2タワー部分T2と組み立て、固定する。
【0026】
図2Aおよび
図2Bに戻ると、スキッドカートSC上のナセルアセンブリNは、実線で示すように、船外に格納された位置から、破線で示すように、下部構造10のレールの下方で実質的にレールRの間の船内位置に移動される。換言すれば、ナセルアセンブリNをその上に有するスキッドカートSCは、好ましくは船舶Vの中心線Cまで横滑りまたは移動される。次いで、ブリッジクレーン12がナセルアセンブリNの上方に移動され、ホイストHグリッパG1でナセルアセンブリNを吊り上げる。
【0027】
ブリッジクレーン12は、ホイストHがナセルアセンブリNを下部構造10の上方に向けて吊り上げた後、下部構造10の片持ちカンチレバー端部まで移動させ、その設置位置(
図1のブリッジクレーン12の位置と同様であり、
図3の破線の位置)まで移動させる。ナセルアセンブリN上のナセルハブNHの向きに応じて、例えば
図4Aおよび
図4Bに示すように、ナセルハブNHが所望の向きになるようにナセルアセンブリNを回転させることができる。その後、ナセルアセンブリNは第3および/または上部タワー部分T3上に降ろされる。ナセルハブNHの回転軸が下部構造10のレールRから約90°になるように、ナセルアセンブリNは好ましくは従来の締結手段を用いてタワー部T3に締結される。
【0028】
次に、
図1および
図3に最も良く示されているように、タワー部分TおよびナセルアセンブリNの両方のための保持部材またはグリッパG1が、
図4Aおよび
図4Bに最も良く示されているように、ホイストHを有するブレードのためおよびホイストHからのブレードのための保持部材またはグリッパG2に置き換えられる。ブレード保持部材またはグリッパG2を備えたブリッジクレーン12は、
図2A、
図2B、
図4Aおよび
図4Bに最もよく示されるように、第1のブレードB1が下部構造10のレールRの間にある間に、第1のブレードB1を持ち上げ、整列させ、ナセルアセンブリNのハブNHに組み付ける。
【0029】
図4Aおよび
図4Bに見られるように、ハブNHは、その上に第1のブレードB1を載せた状態で、船舶Vから反時計回りに120°回転させられる。次に、ブレード保持部材G2を有するブリッジクレーン12は、第2のブレードB2が下部構造10のレールRの間にある間に、第2のブレードB2を持ち上げ、整列させ、ナセルアセンブリNのハブNHに組み付ける。その後、ナセルアセンブリNのハブNHは、第1のブレードB1および第2のブレードB2とともに反時計回りにさらに120°回転され、
図4Aに示す位置になる。もちろん、ブレードは他の間隔でハブNHに固定されても良い。例えば、12枚のブレードを等間隔に30°間隔で追加することも考えられる。
図4Aおよび
図4Bに最もよく示されているように、第3のブレードB3のための持ち上げ、整列および組立てステップが繰り返される。あるいは、
図4Aおよび
図4Bの容器の相対位置に示すように、ブレードBをラックから持ち上げてブレードをナセルハブNHに整列させた後、船舶Vを下降させることもできる。
【0030】
ジャッキアップリグ船の脚部は昇降システムESによって持ち上げられ、船は次の風力タービンを設置するための次の所定の場所に移動するために水面に浮く。本T.I.G.S.の実施形態は、4基の風力タービンを組み立てるためのコンポーネントとともに示されているため、岸に戻ることなく、船舶Vから、4基の風力タービンを組み立て、設置することができる。
【0031】
T.I.G.S.の実施形態について、および/またはT.I.G.S.の実施形態と共に使用するために、以下のことが考慮されていることを理解されたい。
1.T.I.G.S.の実施形態のコンセプトは、単一の風力タービン設置または複数の風力タービンのいずれかの保管および輸送に適用される。
2.T.I.G.S.の実施形態のコンセプトは、1つまたは複数のブレードを有する風力タービンに使用することができる。
3.T.I.G.S.の実施形態のコンセプトは、1つ以上のタワー部分を持つ風力タービンに使用することができる。
4.T.I.G.S.の実施形態のコンセプトは、完全な風力タービンの設置(WTI)、または風力タービンの設置(WTI)の一部のみの設置に使用することができる。すなわち、他者が全長のタワーを組み立て、T.I.G.S.実施形態のコンセプトはナセルアセンブリとブレードBの組み立てと設置のみに使用することもできる。
5.T.I.G.S.の実施コンセプトでは、ナセルアセンブリNは、スキッドカートSC以外の手段により、保管場所から船舶の中心線Cのような組立位置まで移動させることができる。
6.T.I.G.S.の実施形態のコンセプトは、船舶Vの長手方向中心線Cに沿うのに対して、横方向に配向してもよい。すなわち、コンセプト全体を90度回転させてもよい。これにより、
図1から
図4Bに描かれているように、船尾またはトランサムTSの外側または船外に比べて、船舶Vの側面の上に風力タービンを設置することが可能になる。
7.T.I.G.S.の実施形態のコンセプトの保管場所と向きは、風力タービンのコンポーネントによって異なる可能性がある。
8.T.I.G.S.の実施形態のブリッジクレーン12は、追加のハンドリング能力、すなわち、T.A.P.S.の実施形態のような、ブリッジクレーンを通ってタワーを通過させ、タワーの一部をブリッジクレーンの高さより高くするハンドリングシステムのために変更されてもよい。ブリッジクレーンが、タワーを移動させ、水平位置から垂直位置へ移動させるために使用される。
9.T.I.G.S.の実施形態のコンセプトは、完全に組み立てられた風力タービン据付(WTI)アセンブリの輸送と据付にも使用できる。このような方法は、T.A.P.S.の実施形態のように、完全に組み立てられたタワーの上部と下部に取り付ける上部および下部ハンドリングシステムを組み込むことができる。このようなハンドリングシステムにより、風力タービン据付(WTI)アセンブリの一部をブリッジクレーンよりも高い高さに設置することができる。このコンセプトは、浮体式船舶だけでなく、自昇式船舶にも適用される。
10.上記8の代替案は、完全に組み立てられた風力タービンの水平位置から垂直位置への輸送、取り扱い、設置である。
11.T.I.G.S.の実施形態は、地上ベース(陸上ベース)であってもよく、組み立てられた風力タービン設備を組み立て、船舶に積み込むため、および/または風力タービン設備の構成要素を船舶に積み込むために使用される。
12.T.I.G.S.の実施形態のコンセプトは、ブレードを船舶V上のナセルアセンブリNで組み立てることで、ブレード設置中の船舶VとナセルNの間の相対運動をなくすことを想定している。ナセルアセンブリNとそのハブNHの向きは、そのような方法によって異なってもよい。
13.T.I.G.S.の実施形態のコンセプトは、船外に格納されたブレードを他の手段(すなわち、ナックルブームクレーンなど)で取り扱うことを想定している。
【0032】
スキッド式タービン据付クレーン(S.T.I.C.)の実施形態
詳細な説明
図5から
図8に示すスキッド式タービン据付クレーン(S.T.I.C.)の実施形態は、底部支持式洋上風力タービンを据付けるための、より安全で高性能なシステムを提供する。
図5および
図6を見ると、全体が14で示されるブームクレーンは、スキッド構造またはペデスタル16に取り付けられている。一実施形態は、
図1~
図4Bのガントリーシステム10に類似した走行式巻上システムを有し、この巻上システムは、それぞれのメインブームMBおよび補助ブームABのクレーンから吊り下げられたタワーグリッパG1または主フックMH(
図5および
図7)、およびブレードグリッパG2または補助フックAH(
図6および
図8)の両方に、吊り上げ動力を供給する。
図6に最もよく示されているように、クレーン14は、風力タービン部品にアクセスし、持ち上げるために、長手方向に回転および滑りの両方を行う。メインブームMBグリッパG1は、好ましくは、タワーのセクションTとそれに伴うナセルアセンブリNを持ち上げるために使用され、一方、補助フックAHまたはブレードグリッパG2は、好ましくは、ブレードBを組み立てるために使用される。タービンタワー部分Tは、
図5~
図8に示すように、自昇式またはジャッキアップリグのような風力タービン据付「WTI」船の左舷、右舷、または両側に解放可能に格納される。上述したように、図示はしないが、船舶Vは、好ましくは、船底支持タワー部BSTSに対して船舶Vを位置決めするための動的位置決め(DP)システムを使用する。ナセルアセンブリNは、船舶Vの中心線Cに沿ってスキッドレールRの間に解放可能に格納され、ブレードBは、船舶Vの左舷、右舷、または両舷のクレードルまたはラックRAに長手方向に解放可能に格納される。20メガワットタービンの場合、システムを明確にするために図示していないが、18枚のブレードが船舶Vに格納され、船舶の両側に9枚ずつ格納される。これら18枚のブレード、18のタワー部分、6つのナセルアセンブリは、6つの風力タービンに組み立てることができる。もちろん、例えば5メガワットなど、異なるサイズのメガワットタービンを設置する場合は、異なる数のブレード、ナセルアセンブリ、タワー部分を使用することができる。船舶の中心線に沿って回転可能なクレーン14を縦方向に移動させることで、デッキDに完全にアクセスすることができる。本船Vは、陸上からすべてのタービンコンポーネントをセルフローディングできるように設計されている。
【0033】
他の位置決めシステム
縦方向位置決め-ブームクレーン14は、従来のスキッドシステムによって推進されながら、縦方向に平行なスキッドレールRに沿って移動することができる。
【0034】
横方向の位置決め-クレーン14の回転により、横方向の位置決めが可能である。クレーン14は、好ましくは、旋回ベアリングシステムを介してスキッド構造またはペデスタル16に取り付けられる。
【0035】
垂直位置決め-従来の大型産業用ホイストHは、好ましくは、メインブームMBと補助ブームABとの使用に適合される。
【0036】
補助ブーム-船舶V側シェルの船外に、ラックRA上に解放可能に格納されたブレードBにアクセスするために伸長可能である。
【0037】
ブロックトロリー-メインフックMHまたはグリッパG1がメインブームMBの経路に沿って移動できるようにする。
【0038】
組立方法
図5に最もよく示すように、船舶Vは、海底支持タワー部分BSTSを有する所定の場所に到着し、好ましくは、動的位置決め(DP)システムを用いて位置決めされる。船舶Vは、船舶VのトランサムTSから下部タワー部分LTを組み立てるために位置決めされる。
図1と同様に、船舶の昇降システムESは、海底SBに支持された底部支持タワー部分BSTSに対して所望の高さにS.T.I.C.の実施形態システムを位置決めするために使用される。
【0039】
一旦、船舶Vが海底SB上に位置付けられると、S.T.I.C.の実施形態のスキッド構造またはペデスタル16システムは、船舶V上の中央位置から滑り、ブームクレーン14は、下部タワー部分LTを持ち上げるために回転する。下部タワー部分LTは、メインブームグリッパG1により甲板から持ち上げられ、
図5に示すように、スキッド構造16が片持ちカンチレバー位置に移動した後、メインブームMBが再び回転して、第1タワー部分LTまたは下部タワー部分LTを海底支持タワー部分BSTSに整列させる。第1/下部タワー部分LTと海底支持タワー部分BSTSとの位置合わせには、さらに横滑りが必要な場合がある。
【0040】
第1/下部タワー部分LTは、
図5に最も良く示されているように、メインブームホイストHを用いて海底支持タワー部分BSTSに降ろされる。次に、下部タワー部分LTは、従来の固定手段を用いて下部支持タワー部分BSTSに固定される。
【0041】
図3と同様に、船舶の昇降システムESは、下部タワー部分LTに対して所望の昇降を達成するために使用される。同時に、クレーン14は回転し、横滑りし、第2のタワー部分T2を持ち上げる。メインブームを再び回転させ、クレーン14をレールRに沿って横滑りさせ、第2タワー部分T2を第1/下部タワー部分LTに整列させる。第2タワー部分T2は、従来の固定手段を用いて第1タワー部分LTに固定される。
図5、
図6および
図7に最も良く示されているように、第3タワー部分T3のような追加のタワー部分は、クレーン14を用いて位置合わせされ、固定される。
【0042】
次に、S.T.I.C.の実施形態は、グリッパG1を用いて6つのナセルアセンブリNのうちの1つをピックアップするために横滑りする。
図7に最も良く示されるように、クレーン14は、ナセルアセンブリNを船舶トランサムTSの船尾に配置し、ナセルアセンブリNを、
図7に最も良く示されるような、最後に固定されたタワー部分T3の上部に降ろす。ナセルアセンブリNは、メインブームMBホイストHを使用して下降され、従来の締結手段を使用して最後に締結されたタワー部分T3に締結される。
【0043】
図6に最も良く示されているように、伸長可能な補助ブームABをその伸長位置に用いて、破線で示されているように、第1のブレードB1がブレード補助フックAHまたはブレードグリッパG2を用いてその質量中心で把持される。ブレードグリッパG2は、
図8ではその開口部が船舶Vに面して図示されているが、その開口部は船舶に背を向けて使用することもできる。
図6および
図8に実線で最もよく示すように、第1のブレードB1を有する補助ブームABは、今や昇降システムESの脚の上方にあり、第1のブレードB1をナセルアセンブリNのハブNHに整合させるために回転する。
【0044】
図8に最も良く示すように、第1のブレードB1は回転可能なハブNHに組み付けられる。
図4Aおよび
図4Bと同様に、ハブNHおよびブレードB1は120°回転している。次に、S.T.I.C.スキッド構造16と回転可能なクレーン14が第2のブレードB2を把持し、第2のブレードB2を組み立てる。このプロセスは、すべてのブレード、好ましくは3つのブレードを組み立てるために必要に応じて繰り返される。
【0045】
次に、S.T.I.C.のスキッド構造体またはペデスタル16がその中央の格納位置まで横滑りし、浮体式船舶が次の所定の位置まで移送されるように、船舶Vが昇降システムESと共に下降される。上記の方法は、岸に戻ることなく、6基の風車が全て組み立てられ、船舶Vから設置されるまで、実行することができる。
【0046】
S.T.I.C.の実施形態について、および/またはS.T.I.C.の実施形態と共に使用するために、以下のことが考慮されていることを理解されたい。
1.S.T.I.C.の実施形態のコンセプトは、単一の風力タービン設置、または複数の風力タービンのいずれかの保管と輸送に適用される。
2.S.T.I.C.の実施形態のコンセプトは、1枚またはそれ以上のブレードの風力タービンに使用できる。
3.S.T.I.C.の実施形態コンセプトは、1つまたは複数のタワー部分の風力タービンに使用することができる。
4.T.I.G.S.の実施形態と同様に、S.T.I.C.の実施形態のコンセプトは、完全な風力タービン設備(WTI)の設置、または風力タービン設備(WTI)の一部のみの設置に使用することができる。すなわち、他者が全長のタワーTを組み立て、S.T.I.C.の実施形態のコンセプトはナセルアセンブリNとブレードBの組み立てのみに使用することができる。
5.S.T.I.C.の実施形態のコンセプトは、船舶Vの長手方向中心線Cに沿う場合と比較して横方向に配向してもよい。これにより、
図1から
図8に描かれているように、船尾またはトランサムTSの外側または船外に比べて、船舶Vの側面上に風力タービンを設置することが可能になる。
6.S.T.I.C.の実施形態におけるタワーT、ナセルN、ブレードBの格納場所と向きは、
図6に示したものと異なる場合がある。
7.S.T.I.C.の実施形態のコンセプトは、代替のタイプ/スタイルのクレーンを使用してもよい。S.T.I.C.の実施形態のコンセプトクレーンは、S.T.I.C.の長手方向スキッド構造16の能力、クレーン14の回転、および伸縮可能な補助ブームABを介して、船舶デッキ、さらには船外ブレードラックRAへの完全なアクセスを強調する。S.T.I.C.のコンセプトは、上述の特定のクレーンに限定されるものではない。例えば、適切な大きさのラチスブームクレーンをペデスタル16上に配置することも可能である。
8.S.T.I.C.の実施形態のコンセプトは、完全に組み立てられた風力タービン設備(WTI)の輸送および設置に使用することができる。
9.ブレードBは、船舶V上で、ナセルアセンブリNのハブNHと組み立てることができる。例えば、ナセルアセンブリNのハブNH上のブレードアセンブリは、昇降システムESの脚部の後方にあるタワー部分で、ブレードの向きを横にして行うことができる。ナセルアセンブリNとそのハブNHの向きは、このような方法によって異なってもよい。
10.S.T.I.C.の実施形態のコンセプトは、地上ベース(陸上ベース)であってもよく、組み立てられた風力タービン設備を組み立て、船舶に積み込むため、および/または風力タービン設備の構成部品を船舶に積み込むために使用されてもよい。
【0047】
タービン組立および位置決めシステム(T.A.P.S.)の実施形態
詳細な説明
図9から
図12に示すタービン組立位置決めシステム(T.A.P.S.)の実施形態は、底部支持型洋上風力タービンを設置する安全で正確な方法を提供する。全体が18で示される片持ちカンチレバー構造またはシステムは、スキッドシステムによって推進され、船舶のデッキDに取り付けられる。片持ちカンチレバー構造またはシステム18は、以下に詳細に開示されるように、風力タービンコンポーネントの横方向、垂直方向、および回転方向の移動と位置決めを提供するハンドリングシステムHSから構成される。このT.A.P.S.の実施形態では、ナセルアセンブリNは、好ましくは、本明細書で詳細に説明する組み立て手順の間、港にいる間にタワー部分Tの上に組み立てられるか、または船舶デッキの上で沖合に設置される。タワー部分LTおよびT2もまた、組み立てられた状態で図示されており、陸上および/または海上で船舶のデッキ上に組み立てることができる。すべてのブレードBは、右舷、左舷、または船舶Vのいずれかの側、船舶昇降システムESジャッキアップ脚を含む船舶の船外に解放可能に格納される。ブレードBは船上で組み立てることができ、全体が20で示されるナックルブームクレーンを用いて、ボルトなどでナセルアセンブリNのハブNHに固定することができる。このT.A.P.S.の実施形態システムは、ブレードBを取り付ける間の、船舶Vと風力タービンナセルアセンブリNを含む構成部品との間の相対運動の影響を排除する。このような相対運動をなくすことで、このT.A.P.S.の実施形態は、ここに開示された他の実施形態とともに、ブレードBを含む風力タービン構成部品を組み立てるときに正確な制御を提供することができる。船舶Vは、有利なことに、陸上および海上ですべての風力タービンコンポーネントをセルフローディングすることができる。
【0048】
他の位置決めシステム
長手方向の位置決め-
図9に最も良く示されているように、ナックルブームクレーン20は、船舶中心線Cの反対側にある長手方向のスキッドレールR(
図2A、
図2Bおよび
図6に示されているレールRと同様)に沿って移動するように、片持ちカンチレバー構造物18に固定されている。片持ち構造は、従来のスキッドシステムによって推進される。
【0049】
代替システム-
図9に示すようなレイアウトは、トランサムTSのオフまたはアウトボードの代わりに、船舶Vの左舷および/または右舷の船外で作動するように変更することができる。
【0050】
横方向の位置決め-風力タービン設備(WTI)コンポーネントを横方向に移動させるために、油圧システムまたは電気システムが採用される。
【0051】
垂直方向の位置決め-風力タービン設備(WTI)は、油圧システムまたは電気システムによって垂直方向にも移動される。
【0052】
ナセルアセンブリNのスキッド-組み立てられたナセルアセンブリNとタワー部分および/または組み立てられたタワー部分は、独立したスキッドカートSCを使用して、船舶Vの右舷または左舷のいずれか一方または両方から船舶中心線Cまで、片持ちカンチレバー構造物18のハンドリングシステムHSの経路に沿って移動される。
【0053】
構成部品の回転-風力タービン据付(WTI)構成部品は、詳細を後述するように、油圧を使用してその垂直軸に沿って回転させることができ、ピン-スロットシステムによって案内される。
【0054】
組立方法
図12に最もよく示すように、船舶は所定の場所に到着し、動的位置決め(DP)システムは、組み立てられた下部または第1のタワー部分LT、およびタワー部分T2を、下部支持タワー部分BSTSに設置するために船舶Vを位置決めし、維持する。
図11も参照。船舶の昇降システムESは、カンチレバー構造18を所望の高さに位置決めするために使用される。次に、
図9に最もよく示されているように、ハンドリングシステムHSは、スキッドシステムレールR上で船舶の船首に向かって移動する。組み立てられたタワー部分LTとタワー部分T2の1つは、船舶の中心線Cまで滑り、
図9、
図10、
図11および
図12に最もよく示されているように、ハンドリングシステムHSが、対応するタワーピンTPを備えたアームAのスロットSを使用して、組み立てられた下部タワー部分LTとタワー部分T2を
図9に図示された船外設置位置まで移動できるようにする。
図9、
図10、
図11および
図12に最もよく示されるように、タワー部分上のタワーピンTPは、本明細書で論じられるように、構成要素の垂直、横断および回転位置決めのためのハンドリングシステムHSのフォークまたはアームA内の上向きのスロットSによって受容されることに留意されたい。組み立てられた第1/下部タワー部分LTおよびタワー部分T2は、海底支持タワー部BSTSと位置合わせされた後、ハンドリングシステムHSの垂直位置決めシステムにより下降される。必要に応じて、組み立てられた下部タワー部分LTとタワー部分T2をハンドリングシステムHS回転システムで回転させることができる。
【0055】
組み立てられた下部タワー部分LTとタワー部分T2が位置合わせされた後、組み立てられた下部タワー部分LTとタワー部分T2は、従来の固定手段を用いて海底支持タワー部分BSTSに固定される。
【0056】
組み立てられた下部タワー部分LTおよびタワー部分T2がハンドリングシステムHSから解放された後、船舶の昇降システムESは、タワー部分T2に対して所望の高さまでカンチレバー構造18を上昇させる。ハンドリングシステムHSは、どのナセルアセンブリが組み立てられるかによって、船首に向かって移動する。組み立てられたナセルアセンブリNを有する第3のタワー部分T3は、船舶Vの左舷または右舷から、船舶Vの中心線Cに沿ったカンチレバー構造18の移動経路まで、スキッドカートSC上で移動する。
図9、
図10および
図12は、船舶の左舷側の独立したスキッドカートSC上の3つの組み立てられたナセルアセンブリNおよびタワー部分T3を示している。
【0057】
ハンドリングシステムHSのアームスロットSは、組み立てられた上部タワー部分T3およびナセルアセンブリNの対応するタワーピンTPを受け、ハンドリングシステムHSの垂直位置決めシステムにより、組み立てられた上部タワー部分T3およびナセルアセンブリNを持ち上げる。タワー部分T3およびナセルアセンブリNのスキッドカートSCを、片持ちカンチレバー構造体18の移動経路から外れた元の船外位置へ戻した後、片持ちカンチレバー構造体18は、
図10、
図11および
図12に最も良く示されるように、組み立てられたタワー部分T3およびナセルアセンブリNを片持ちカンチレバー位置へ移動させる。
【0058】
図10に最も良く示すように、
図9から
図12に示すように、片持ちカンチレバー構造体18のスキッドシステム上に配置されたナックルブームクレーン20を使用して、ブレードグリッパG2を使用して第1のブレードB1を把持する。第1のブレードB1は、ナセルアセンブリNのハブNHと位置合わせされ、固定される。組み立てられたナセルNアセンブリと上部タワー部分T3が船舶Vから吊り下げられているか、または片持ちカンチレバーになっている間に、すべてのブレードBは位置合わせされ、固定されることに留意されたい。これにより、ブレードBの組み立てと固定中に、組み立てられたナセルアセンブリNハブNHとブレードBとの間の相対運動が排除される。次に、ナセルアセンブリNハブNHは、その上の最初のブレードB1とともに120°回転する。クレーンのブレードグリッパG2を使用して、第2のブレードB2が把持され、ナセルアセンブリNハブNHと位置合わせされて締結される。
図11に最も良く示されているように、第3のブレードB3はハブNHと位置合わせされ、固定されるので、3つのブレードは等間隔にある。
【0059】
引き続き、ハンドリングシステムHSの上で片持ちカンチレバー構造体18を使用し、
図10、
図11および
図12に最も良く示されているように、片持ちカンチレバー組立てタワー部分T3および3つのブレードB1、B2、B3がそのハブNHに固定されたナセル組立体Nは、従来の固定手段を使用して、タワー部分T2と位置合わせされ、次いで固定される。その後、ハンドリングシステムHSのスロット/ピン相互係合は、タワー部分T3のピンTPから外される。
【0060】
カンチレバー構造18がその中央の収納位置に移動された後、昇降システムESは、船舶が次の風力タービンを設置するための次の所定の場所に通過できるように、船舶Vをその浮遊位置まで下降させる。ナックルブームクレーン20は、
図9~
図12では片持ちカンチレバー構造18に固定されて示されているが、代替的に、クレーン20を船舶VのデッキDに固定するか、または追加のクレーンをデッキに固定することも可能であることに留意されたい。
【0061】
上記のT.A.P.S.の実施形態のシステムおよび方法は、船舶V上の残りの2基の風車が全て組み立てられ、所定の位置に設置されるまで、船舶が岸に戻ることなく使用することができる。カンチレバー構造18は、好ましくは、次の設置に備えるために、船舶V上の中央の格納位置に移動される。
【0062】
T.A.P.S.の実施形態について、またはT.A.P.S.の実施形態と共に使用するために、以下のことが考慮されていることを理解されたい。
1.T.A.P.S.の実施形態のコンセプトは、単一の風力タービン設置、または複数の風力タービンのいずれかの保管および輸送に適用される。
2.T.A.P.S.の実施形態のコンセプトは、1枚または複数枚のブレードを持つ風力タービンに使用できる。
3.T.A.P.S.の実施コンセプトは、1つ以上のタワー部分の風力タービンに使用することができる。
4.T.A.P.S.の実施コンセプトは、完全な風力タービン設備(WTI)の設置、または風力タービン設備(WTI)の一部のみの設置に使用することができる。すなわち、他者がタワーを設置し、T.A.P.S.の実施コンセプトが、組み立てられたナセルアセンブリNとブレードのみを備えたタワー上部分T3を設置することもできる。
5.T.A.P.S.の実施形態のコンセプトでは、組み立てられたナセルアセンブリNとタワー部分T3、および/または組み立てられた下方部分LTとタワー部分T2は、スキッドカートSC以外の手段によって、船舶中心線Cに沿って保管位置から組み立て位置まで移動することができる。
6.船舶の配置は、T.A.P.S.の実施形態が、船尾だけでなく、船首の沖合または船外に風力タービン設備(WTI)を設置できるように変更してもよい。これは、
図9から
図12に最もよく示されているように、船舶Vの全長に沿ったT.A.P.S.の実施形態の、長手方向移動によって達成することができ、あるいは、1つは船舶Vの船首に配置され、他は船舶Vの船尾またはトランサムTSに配置された、2つの別個のT.A.P.S.システムを使用することによって達成することもできる。
7.T.A.P.S.の実施コンセプトは、コンセプト全体を90度回転させることにより、船舶の長手方向中心線C(
図9を参照)に対して横向きにすることができる。これにより、
図9から
図12に描かれているように、船尾またはトランサムTSの外側に比べて、船舶Vの2つの側面に風力タービンを設置することが可能になる。
8.保管場所と向きは、
図9から
図12に示されているものとは異なる可能性がある。
9.T.A.P.S.の実施形態では、別のハンドリングシステム、すなわち、スロット/ピン付きフォークリフトとは対照的なグリッパータイプのシステムを使用することができる。
10.T.A.P.S.の実施形態のコンセプトは、完全に組み立てられた風力タービンアセンブリ、例えば、ブレードが固定されたナセルアセンブリを、全長のタワーに固定して輸送し、組み立てるために使用することができる。
11.T.A.P.S.の実施形態は、横方向に格納および伸長するサイドフォークリフトタイプのハンドリングシステムを用いて、風力タービンアセンブリを輸送し、組み立てることができる。
12.T.A.P.S.の実施形態は、地上ベース(陸上ベース)であってもよく、完全組立式風力タービン据付設備を組立て、船舶に積み込むため、および/または風力タービン据付構成部品を船舶に積み込むために使用されてもよい。
13.T.A.P.S.の実施形態は、BSTSに設置する前に、船舶VでWTI(タワー、ナセル、ブレード)を完全に組み立てるために使用することができる。換言すれば、WTIは船舶V上で完全に組み立てられた後、BSTS上に位置決めされ、設置される。これにより、組立工程全体における相対運動が排除される。
【0063】
T.I.G.S.、S.T.I.C.およびT.A.P.S.の実施形態の選択されたシステムおよび方法の組み合わせ実施形態
タービンガントリー据付システム(T.I.G.S.)、スキッディングタービン据付クレーン(S.T.I.C.)、およびタービンアセンブリおよび位置決めシステム(T.A.P.S.)の実施形態の、選択されたシステムおよび方法を組み合わせ、および修正することが考慮されている。
【0064】
組合せ実施形態システムおよび方法の一例を
図13から
図24に示す。
図13から
図15に最もよく示されているように、T.A.P.S.の実施形態から選択されたシステムおよび方法は、1つまたは複数のタワー部分の風力タービンタワーまたはカラムTを組み立てるために使用されることが考慮されている(タワー部分LT、T2、T3を参照)。
図14および
図24に最も良く示されているように、T.I.G.S.実施形態の修正バージョンは、ナセルアセンブリNがまだ船舶Vに搭載されている間に、3つの風力タービンブレードBをハブNHと組み立てることができる静止プラットフォームまでナセルアセンブリNを上昇させるために使用されることが考慮されている。
図13から
図16に最もよく示されているように、S.T.I.C.の実施形態のクレーン14は、T.A.P.S.の実施形態の片持ちカンチレバー構造18に取り付けられ、修正されたT.I.G.S.の実施形態の代わりに、または修正されたT.I.G.S.の実施形態と重複して使用されることが考慮されている。その結果、T.I.G.S.、S.T.I.C.またはT.A.P.S.の実施形態の選択されたシステムおよび方法のいずれかを使用して、タービンブレードBを組み立てることができ、これらのタービンブレードBは、例えば、
図14において最もよく示されているように、船舶Vの一方の側の適切なラックRAに解放可能に格納されるか、または船舶Vの中心線Cに沿って、例えば、
図2Aおよび
図3を参照するように格納されることが考慮されている。例えば、
図17から
図20に最もよく示すように、T.I.G.S.の実施形態のガントリー構造10は、ブレードをナセルハブNHに整列させて固定するために、ホイストH、ブリッジクレーン12と共に使用することができる。あるいは、
図21から
図24に最もよく示されているように、T.A.P.S.の実施形態のカンチレバー構造18およびブームクレーン14を、ブレードをナセルハブNHに整列させて固定するためのホイストとともに使用することもできる。
図14および
図15に最も良く示されているように、ナセルアセンブリNおよびタワー/コラムTは、スキッドカートSC上の船舶中心線Cの船外側に解放可能に格納されることが考慮されている。開示されたすべての3つの実施形態と同様に、船舶は、すべてのタワー部分Tおよび他の風力タービン部品を自己積載することができる。T.I.G.S.、S.T.I.C.およびT.A.P.S.の実施形態からの複数の構成要素を使用することは、風力タービン構成要素の組立および設置のための重複を提供するだけでなく、本明細書に記載の実施形態からの複数の構成要素の構成に応じて、風力タービン構成要素の同時組立および設置システムおよび方法を可能にする。
他の位置決めシステム
【0065】
T.I.G.S.、S.T.I.C.およびT.A.P.S.の各実施形態に関連する全ての具体的なシステムおよび方法は、本明細書において既に説明されている。
【0066】
タワー部分またはカラムTの設置-T.A.P.S.の実施形態は、
図13から
図15に最もよく示すように、タービンタワー部分またはカラムTを移動および位置決めすることができる。
【0067】
ナセルアセンブリN-T.I.G.S.、S.T.I.C.またはT.A.P.S.の実施形態は、冗長性を提供するために、本明細書で前述したように、ナセルアセンブリNを設置するために交換可能に使用することができる。
【0068】
ブレードBの取り付け-T.I.G.S.、S.T.I.C.またはT.A.P.S.の実施形態は、冗長性を提供するために、船舶V上で、または組み立てられたナセルN上で、ナセルハブNH上にブレードBを組み立てるために、交換可能に使用することができる。
【0069】
重要なことは、
図13から
図24に示すような組合せ実施形態が使用される場合、
図13から
図16に示すような組立てられたワンピースタワーが、組立てられたナセルNの有無にかかわらず、セルフレベリングおよびセルフエレベーティングのジャッキアップリグを使用することなく、底部支持タワー部分BSTSに固定され得ることが考慮される。したがって、本発明は、船舶のような脚のない浮体船で使用されることが考慮されている。
【0070】
本発明の前述の開示および説明は、その例示および説明であり、図示された装置および構造ならびに操作方法の細部における種々の変更は、本発明の精神から逸脱することなく行うことができる。さらに、本発明の上記および他の目的、特徴および利点は、本発明の複数の実施形態が示され、説明されている図面と併せて詳細な説明を読めば、当業者にはさらに容易に明らかになるはずである。さらに、本発明の範囲から逸脱することなく様々な変更を加えることができ、本発明が明細書および図面に示され、記載されたものに限定されるとはみなされないことは、当業者には明らかであろう。
【国際調査報告】