(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-28
(54)【発明の名称】植物を栽培するための垂直方向に建設された栽培システム及びその動作方法
(51)【国際特許分類】
A01G 31/00 20180101AFI20231120BHJP
A01G 7/00 20060101ALI20231120BHJP
【FI】
A01G31/00 612
A01G31/00 601C
A01G7/00 601Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023515820
(86)(22)【出願日】2021-09-09
(85)【翻訳文提出日】2023-05-08
(86)【国際出願番号】 IB2021058212
(87)【国際公開番号】W WO2022053975
(87)【国際公開日】2022-03-17
(31)【優先権主張番号】102020000021334
(32)【優先日】2020-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521547046
【氏名又は名称】ゼロ・エッセエッレエッレ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アンドレア・アレッシオ
(72)【発明者】
【氏名】ダニエレ・モデスト
【テーマコード(参考)】
2B022
2B314
【Fターム(参考)】
2B022DA01
2B022DA17
2B022DA19
2B022DA20
2B314MA11
2B314MA33
2B314MA38
2B314MA39
2B314MA40
2B314MA41
2B314NA01
2B314NA05
2B314NA33
2B314PD41
2B314PD54
2B314PD59
(57)【要約】
植物栽培システム(1)は、栽培コンテナ(2)と、植物を栽培するための複数の栽培トレイ(5)であって、栽培トレイ(5)は、一連の栽培平面(Li)の上に配置されており、一連の栽培平面(Li)は、水平方向の基準平面(Z)に対してそれぞれの予め設定された高さで順に重ねて配置されている、複数の栽培トレイ(5)と、2つの空気拡散壁部(10)を有するボックス形状の空気分配ダクト(9)であって、2つの空気拡散壁部(10)は、栽培コンテナ(2)の中で略垂直方向に延在しており、2つの空気拡散壁部(10)は、互いに平行になっており、栽培トレイ(5)に隣接するように寸法決めされている、空気分配ダクト(9)とを含む。空気拡散壁部(10)は、栽培平面の中のそれぞれの栽培トレイ(5)に面しており、複数の貫通開口部(14)を有しており、複数の貫通開口部(14)は、それぞれの栽培トレイ(5)に面しており、空気分配ダクト(9)からの調整された空気を栽培トレイ(5)に選択的に搬送するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物を栽培するための栽培システム(1)であって、前記栽培システム(1)は、
閉鎖された栽培コンテナ(2)であって、前記栽培コンテナ(2)は、水平方向の基準軸線(A)に沿って延在しており、前記基準軸線(A)に対して平行に延在する垂直方向の側壁部を有している、閉鎖された栽培コンテナ(2)と、
前記植物を栽培するための複数の栽培トレイ(5)であって、前記栽培トレイ(5)は、略水平方向に互いに並んで適切な位置で前記栽培コンテナ(2)の中に配置されており、且つ、一連の栽培平面(Pi)の上に横たわっており、一連の前記栽培平面(Pi)は、水平方向の基準平面(Z)に対してそれぞれの予め設定された高さ(Li)で重ねて配置されており、これにより栽培トレイ(5)の複数の垂直方向の列を形成するようになっている、複数の栽培トレイ(5)と
を含む、前記栽培システム(1)において、
前記栽培システムは、空気調整システム(6)を含み、前記空気調整システム(6)は、調整された空気を少なくともボックス形状の空気分配ダクト(9)を通じて前記栽培コンテナ(2)の中へ給送するように構成されており、前記空気分配ダクト(9)は、栽培トレイ(5)の2つの垂直方向の列の間に垂直方向に挿置されており、
前記空気分配ダクト(9)は、互いに対して反対側に配置された2つの空気拡散壁部(10)を含み、2つの前記空気拡散壁部(10)は、互いに対して及び前記基準軸線(A)に対して平行になっているそれぞれの垂直方向の平面の上に延在しており、
2つの前記空気拡散壁部(10)は、支持手段(18)を有しており、前記支持手段(18)は、それぞれの前記栽培平面において前記栽培トレイの2つの列の上に配置されている前記栽培トレイ(5)を支持するように構造化されており、2つの前記空気拡散壁部(10)は、前記栽培トレイの2つの列の前記栽培トレイ(5)に向けて、前記空気分配ダクト(9)の中に存在する前記調整された空気を選択的に放出するための複数の貫通開口部(14)を有していることを特徴とする、栽培システム(1)。
【請求項2】
前記栽培システムは、隔壁を含み、前記隔壁は、前記貫通開口部において垂直方向の前記空気拡散壁部(10)の上にスライド可能に装着され、前記栽培トレイ(5)に給送される前記調整された空気を調節する、請求項1に記載の栽培システム。
【請求項3】
前記栽培システムは、2つの空気分配ダクト(9)を含み、2つの前記空気分配ダクト(9)は、平行になっており、互いに間隔を離して配置されており、栽培トレイの2つのそれぞれの列の間にそれぞれ挿置されており、前記支持手段(18)によって関連の前記栽培トレイ(5)をそれぞれ支持しており、両方とも、前記調整された空気をそれぞれの前記貫通開口部(14)を通じてトレイのそれぞれの2つの前記列に向けて放出する、請求項1又は2に記載の栽培システム。
【請求項4】
前記栽培トレイ(5)は、分配ダクト(9)の空気拡散壁部(10)の前記支持手段(18)の上に載るように配置されている一方の側部と、垂直方向の支持フレーム(3)の上に載るように配置されている反対側の側部とを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の栽培システム。
【請求項5】
前記空気分配ダクト(9)は、前記栽培コンテナ(2)の内側スペースの中間位置に配置されており、前記栽培コンテナ(2)の前記垂直方向の側壁部から間隔を離して配置されて分離されるようになっている、請求項1から4のいずれか一項に記載の栽培システム。
【請求項6】
前記空気分配ダクト(9)は、前記栽培トレイ(5)の幅に対応する、互いから予め設定された距離において、互いに対して及び前記基準軸線(A)に対して平行に延在しており、前記栽培トレイ(5)は、分配ダクト(9)の空気拡散壁部(10)の支持手段(18)の上に載るように配置されている一方の側部と、別の隣接する空気分配ダクト(9)の前記空気拡散壁部(10)の支持手段(18)の上に載るように配置されている反対側の側部とを含む、請求項3に記載の栽培システム。
【請求項7】
前記貫通開口部(14)は、スリット(15)を含み、前記スリット(15)は、前記基準軸線(A)に対して及び前記栽培トレイ(5)の前記栽培平面(Pi)に対して直線的に及び平行に延在している、請求項1から6のいずれか一項に記載の栽培システム。
【請求項8】
前記空気分配ダクト(9)の前記空気拡散壁部(10)の前記スリット(15)は、同一平面上にあり、空気フロー(FL)を水平方向に相互に反対方向に搬送するように構造化されている、請求項7に記載の栽培システム。
【請求項9】
前記スリット(15)は、栽培平面(Pi)の栽培トレイ(5)の行に面しており、直ぐ上方の平面の行の栽培トレイ(5)の行の下方に配置されている、請求項8に記載の栽培システム。
【請求項10】
栽培平面(Pi)の栽培トレイ(5)のそれぞれの行の前記スリット(15)は、他の栽培平面(Pi)の中に存在している栽培トレイ(5)の他の行の前記スリット(15)に対して平行に配置されている、請求項8又は9に記載の栽培システム。
【請求項11】
栽培平面(Pi)の上に配置されている栽培トレイ(5)の行に横方向に面している前記スリット(15)は、相互に整合され、それらの間で長手方向に不連続的になっており、それらが、予め設定されたストレッチだけ互いに長手方向に分離されるようになっている、請求項8又は9に記載の栽培システム。
【請求項12】
前記空気調整システム(6)は、調整された空気を発生させるように構成された調整装置(20)と、前記調整装置(20)を少なくとも1つの前記空気分配ダクト(9)に接続する少なくとも1つの送達ダクト(7)とを含み、前記空気分配ダクト(9)は、上部において前記送達ダクト(7)に接続されており、前記送達ダクト(7)は、チューブ状エレメントを含み、前記チューブ状エレメントは、前記空気分配ダクト(9)の上方に留まりながら、前記空気分配ダクト(9)の長さ全体に沿って、前記栽培コンテナ(2)の中で水平方向に延在している、請求項1から11のいずれか一項に記載の栽培システム。
【請求項13】
前記栽培システムは、少なくとも1つの換気組立体(40)を含み、前記換気組立体(40)は、前記調整された空気を受け入れるために、前記送達ダクト(7)に沿って配置されており、また、調整された空気のフローを発生させるように構成されており、前記送達ダクト(7)の内側に、それぞれの空気分配ダクト(9)の中に、予め設定された流量/圧力で、前記調整された空気のフローを搬送するようになっている、請求項12に記載の栽培システム。
【請求項14】
前記換気組立体(40)は、1つ又は複数のファンを含み、1つ又は複数の前記ファンは、前記送達ダクト(7)に沿って配置されており、前記調整された空気を入口チャネルから特定の流量/圧力で受け入れるようになっており、出口チャネルにおいて、前記入口チャネルの中に存在する前記流量/圧力よりも大きい予め設定された流量/圧力を有する調整された空気のフローを発生させるようになっている、請求項13に記載の栽培システム。
【請求項15】
前記栽培システムは、電子的手段(100)を含み、前記電子的手段(100)は、前記空気分配ダクト(9)から関連の前記栽培トレイ(5)に向けて放出される空気流量を調節するように、前記換気組立体(40)の前記ファンの回転速度を選択的に制御するように構成されている、請求項14に記載の栽培システム。
【請求項16】
前記栽培トレイ(5)は、容易に除去可能な及び分離可能な様式で、前記支持手段(18)を介して関連の前記空気分配ダクト(9)に連結されている、請求項1から15のいずれか一項に記載の栽培システム。
【請求項17】
前記空気分配ダクト(9)は、金属材料から作製されている、請求項1から16のいずれか一項に記載の栽培システム。
【請求項18】
前記空気調整システム(6)は、少なくとも1つの吸引ダクト(8)をさらに含み、前記少なくとも1つの吸引ダクト(8)は、前記栽培コンテナ2の中に配置されている1つ又は複数の吸引開口部(21)を有するように構造化されている、請求項1から17のいずれか一項に記載の栽培システム。
【請求項19】
前記吸引ダクト(8)は、前記栽培コンテナ(2)から垂直方向壁部(2a)を通ってその外側に延在しており、調整装置(20)への入口チャネルに接続され、処理/調整されることとなる空気を前記調整装置(20)に提供する、請求項18に記載の栽培システム。
【請求項20】
前記吸引開口部(21)は、前記栽培コンテナ(2)において、略垂直方向に、互いに同一平面上に、順に重ねて、異なる高さに配置されている、請求項19に記載の栽培システム。
【請求項21】
前記吸引開口部(21)は、前記栽培コンテナ(2)の底部壁部の上に配置されている、請求項19に記載の栽培システム。
【請求項22】
植物を栽培するための栽培システム(1)のための動作方法であって、前記栽培システム(1)は、
閉鎖された栽培コンテナ(2)であって、前記栽培コンテナ(2)は、水平方向の基準軸線(A)に沿って延在しており、前記基準軸線(A)に対して平行に延在する垂直方向の側壁部を有している、閉鎖された栽培コンテナ(2)と、
前記植物を栽培するための複数の栽培トレイ(5)であって、前記栽培トレイ(5)は、略水平方向に互いに並んで適切な位置で前記栽培コンテナ(2)の中に配置されており、且つ、一連の栽培平面(Pi)の上に横たわっており、一連の前記栽培平面(Pi)は、水平方向の基準平面(Z)に対してそれぞれの予め設定された高さ(Li)で重ねて配置されており、これにより栽培トレイ(5)の複数の垂直方向の列を形成するようになっている、複数の栽培トレイ(5)と、
空気調整システム(6)であって、前記空気調整システム(6)は、調整された空気を少なくともボックス形状の空気分配ダクト(9)を通じて前記栽培コンテナ(2)の中へ給送するように構成されており、前記空気分配ダクト(9)は、栽培トレイ(5)の2つの垂直方向の列の間に垂直方向に挿置されている、空気調整システム(6)と
を含み、
前記空気分配ダクト(9)は、互いに対して反対側に配置された2つの空気拡散壁部(10)を含み、2つの前記空気拡散壁部(10)は、互いに対して及び前記基準軸線(A)に対して平行になっているそれぞれの垂直方向の平面の上に延在しており、
2つの前記空気拡散壁部(10)は、支持手段(18)を有しており、前記支持手段(18)は、それぞれの前記栽培平面において前記栽培トレイの2つの列の上に配置されている前記栽培トレイ(5)を支持するように構造化されており、2つの前記空気拡散壁部(10)は、複数の貫通開口部(14)を有しており、
前記動作方法は、前記空気分配ダクト(9)の中に存在する前記調整された空気を、前記貫通開口部(14)を通じて、前記栽培トレイの2つの列の中に存在する前記栽培トレイ(5)に向けて、互いに反対方向に選択的に放出するステップを含む、動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は、2020年9月9日に出願されたイタリア特許出願第102020000021334号の優先権を主張し、その開示全体は、参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本発明は、植物を栽培するための垂直方向に建設された栽培システム、及び、その動作方法に関する。
【0003】
とりわけ、本発明は、以下の議論が一般性を失うことなく明示的に言及することとなる、垂直方向に建設された栽培システム(垂直農場)における空調された(climatised)/調整された空気の分配に関する。
【背景技術】
【0004】
知られているように、垂直方向に建設された栽培システム(いわゆる、「垂直農場」)は、いわゆる人工的な栽培システムによって、閉鎖された栽培コンテナの中で、高密度の植物栽培プロセス(たとえば、植物/野菜など)を実装するように構造化されており、人工的な栽培システムは、少なくとも、それが土のない栽培トレイを使用し、制御された照明及び電力システムを使用し、調整された空気を閉鎖された栽培コンテナの中へ給送するための調整システムを使用するという点において、従来の栽培システムとは異なっている。一般的に、栽培トレイは、支持フレームの上に装着されており、より大きい高さレベルにおいて重ね合わせられた一連の栽培平面の上に配置されており、好都合には、従来の水平方向のスペースに加えて、栽培コンテナの中で利用可能な垂直方向のスペースも活用するようになっている。
【0005】
上記に説明されている栽培システムにおいて、調整システムは、栽培コンテナの内側の温度及び湿度の正しい分配を保証しない。とりわけ、前述の栽培システムは、栽培平面の高さが変化するにつれて、栽培コンテナの中の空気の温度及び湿度のある程度の不均一性を示す。このばらつきは、幾つかの栽培平面のみにおいて最適な栽培プロセスの実装をもたらし、残りの栽培平面を異なる気象条件にさらし、それは、生産される植物の量及び定性的な又は感覚刺激的な(organoleptic)特性のいずれかの観点から、栽培の結果に著しく影響する。
【0006】
栽培システムは、特許文献1及び特許文献2にも説明されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公報第2019077571号
【特許文献2】中国特許出願公開第102318523号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明の目的は、関連の栽培平面の高さレベルに関係なく、すべての栽培トレイの空気湿度及び温度の同じ条件を保証するように、調整された空気を栽培コンテナの内側に均一に分配することができる調整システムを有する垂直方向に建設された栽培システムを実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、本発明が、植物を栽培するための栽培システムであって、栽培システムは、閉鎖された栽培コンテナであって、栽培コンテナは、水平方向の基準軸線に沿って延在しており、前記基準軸線に対して平行に延在する垂直方向の側壁部を有している、閉鎖された栽培コンテナと、植物を栽培するための複数の栽培トレイであって、栽培トレイは、略水平方向に互いに並んで適切な位置において、前記栽培コンテナの中に配置されており、一連の栽培平面の上に横たわっており、一連の栽培平面は、水平方向の基準平面に対してそれぞれの予め設定された高さで重ねて配置されており、栽培トレイの複数の垂直方向の列を形成するようになっている、複数の栽培トレイと、空気調整システムであって、空気調整システムは、調整された空気を少なくとも1つのボックス形状の空気分配ダクトによって前記栽培コンテナの中へ給送するように構成されており、空気分配ダクトは、栽培トレイの2つの垂直方向の列の間に垂直方向に挿置されている、空気調整システムとを含み、前記空気分配ダクトは、互いに反対側に2つの空気拡散壁部を含み、2つの空気拡散壁部は、互いに対して及び前記基準軸線に対して平行になっているそれぞれの垂直方向の平面の上に延在しており、2つの空気拡散壁部は、支持手段を有しており、支持手段は、それぞれの栽培平面において前記トレイの2つの列の上に配置されている前記栽培トレイを支持するように構造化されており、2つの空気拡散壁部は、前記トレイの2つの列の前記栽培トレイに向けて、前記空気分配ダクトの中に存在する調整された空気を選択的に放出するための複数の貫通開口部を有していることを特徴とする、栽培システムに関するという点において、本発明によって実現される。
【0010】
好ましくは、栽培システムは、また、対応する添付の特許請求の範囲に定義されているように実現される。
【0011】
本発明は、さらに、植物を栽培するための栽培システムのための動作方法であって、栽培システムは、閉鎖された栽培コンテナであって、栽培コンテナは、水平方向の基準軸線に沿って延在しており、前記基準軸線に対して平行に延在する垂直方向の側壁部を有している、閉鎖された栽培コンテナと、植物を栽培するための複数の栽培トレイであって、栽培トレイは、略水平方向に互いに並んで適切な位置において、前記栽培コンテナの中に配置されており、一連の栽培平面の上に横たわっており、一連の栽培平面は、水平方向の基準平面に対してそれぞれの予め設定された高さで重ねて配置されており、栽培トレイの複数の垂直方向の列を形成するようになっている、複数の栽培トレイと、空気調整システムであって、空気調整システムは、調整された空気を少なくとも1つのボックス形状の空気分配ダクトによって前記栽培コンテナの中へ給送するように構成されており、空気分配ダクトは、栽培トレイの2つの垂直方向の列の間に垂直方向に挿置されている、空気調整システムとを含み、前記空気分配ダクトは、互いに反対側に2つの空気拡散壁部を含み、2つの空気拡散壁部は、互いに対して及び前記基準軸線に対して平行になっているそれぞれの垂直方向の平面の上に延在しており、2つの空気拡散壁部は、支持手段を有しており、支持手段は、それぞれの栽培平面において前記トレイの2つの列の上に配置されている前記栽培トレイを支持するように構造化されており、2つの空気拡散壁部は、前記空気分配ダクトの中に存在する調整された空気を前記トレイの2つの列の前記栽培トレイに向けて選択的に放出するための複数の貫通開口部を有している、動作方法に関する。
【0012】
好ましくは、栽培システムのための動作方法は、対応する添付の特許請求の範囲に定義されているように提供される。
【0013】
ここで、本発明は、添付の図面を参照して説明されることとなり、図面は、その非限定的な実施形態を示している。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の指示に従って実現される植物の生産のための垂直方向に建設された栽培システムの概略平面図である。
【
図2】
図1に示されている垂直方向に建設された栽培システムの、明確化のためにパーツが除去された状態の断面I-I、及び、拡大されたスケールのパーツを示す図である。
【
図3】本発明の垂直方向に建設された栽培システムの主題の中に含まれている空気拡散壁部の概略側面図である。
【
図4】本発明の垂直方向に建設された栽培システムの主題の中に含まれている空気拡散壁部の、拡大されたスケールのパーツを伴う側面斜視図である。
【
図5】本発明の垂直方向に建設された栽培システムの主題の中に含まれている空気拡散壁部の、拡大されたスケールのパーツを伴う側面斜視図である。
【
図6】本発明の垂直方向に建設された栽培システムの主題の詳細の側面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
ここで、当業者が本発明を実現して使用することを可能にするように、本発明が、添付の図を参照して詳細に説明されることとなる。説明されている実施形態のさまざまな修正例は、当業者に即座に明確になることとなり、開示されている一般的な原理は、添付の図面に定義されているように、本発明の保護範囲から逸脱することなく、他の実施形態及び用途に適用され得る。従って、本発明は、説明されて示されている実施形態に限定されるものとして考えられないようにしなければならないが、しかし、それは、本明細書において説明及び特許請求されている原理及び特徴に準拠する最も広い保護範囲に与えられなければならない。
【0016】
本発明は、本質的に、ボックス形状(略平行六面体)を有する空気分配ダクトを用いるという思想に基づいており、空気分配ダクトは、垂直方向の空気拡散壁部によって形成されており、貫通開口部が、垂直方向の空気拡散壁部の上に取得されており、それは、栽培平面自体の上に横たわる栽培トレイに向けて調整された空気を拡散させるために、水平方向の栽培平面の上に配置されている。
【0017】
図1に概略的に示されている例示的な実施形態によれば、参照符号1は、植物を栽培するための垂直方向に建設された栽培システムを示している。
【0018】
以下の議論において、植物という用語は、任意の植物製品を意味するように理解されることとなる。好ましくは、植物製品は、食品用途のためのものである。非限定的な例として、植物は、サラダ、野菜、ハーブ(たとえば、ロケット、バジル、ミント)、又は、同様のものの選択肢を含むことが可能である。しかし、本発明の栽培システムの主題は、上記に列挙されたタイプの食品グレードの植物の栽培に限定されるのではなく、それは、従来の温室の中で一般的に栽培される他のタイプの植物(たとえば、花又は植物など)の栽培に加えて、又は、その代替として、使用され得るということが理解される。
【0019】
栽培システム1は、温度及び/又は湿度が制御されたコンテナ(以降では、空調された/調整された栽培コンテナ2と称される)を含む。栽培コンテナ2は、本質的に閉鎖されており、たとえば、ボックス形状の本体部/モジュールを含むことが可能である。
図1に示されている例では、栽培コンテナ2は、基準軸線Aに沿って延在しており、略平行六面体の形状を有している。本発明は、モジュールに対応する栽培コンテナ2に限定されないが、建物(小屋)の中の閉鎖された部屋に対応することが可能であるということが理解される。
【0020】
添付の図に示されている概略的な実施形態を参照すると、垂直方向に建設された栽培システム1は、1つ又は複数の支持フレーム3を含み、支持フレーム3は、栽培コンテナ2の内側に配置されており、好ましくは、水平方向の平面Zの上に載るように配置されている。
【0021】
また、栽培システム1は、植物を栽培するための一連の栽培トレイ5を含み、栽培トレイ5は、フレーム3の上に装着されている。添付の図を参照すると、栽培トレイ5は、フレーム3によって支持されており、それらが一連の水平方向の栽培平面Pi(iは、1からnの間の範囲にある)の上に横たわるようになっており、栽培平面Piは、順に重ねて配置されている。栽培平面Piは、平面Zに対して垂直方向軸線Bに沿って測定されるそれぞれのレベル又は高さLi(iは、1からnの間で変化する)に関連付けられる互いからの予め設定された距離に配置されている。
【0022】
栽培トレイ5は、多角形の形状を有することが可能であり、植物を支持及び栽培するように構造化されている。好適な実施形態によれば、栽培トレイ5は、略長方形の形状を有しており、好ましくは、同じ寸法を有している。栽培トレイ5は、それらがフレーム3の上に安定的に連結されているが、容易に除去可能/取り外し可能(分離可能)であるように構造化され得る。
【0023】
図1に示されている例では、同じ栽培平面Pi(iは、1からnの間で変化する)の上に横たわっている栽培トレイ5は、互いに順々に略同一平面上に配置されており、互いに並んで1つ又は複数の行(そのうちの2つのみが、
図1に示されている)を形成するようになっており、それは、栽培コンテナ2の中に延在しており、互いに対して及び基準軸線Aに対して平行になっている。好ましくは、ある行の栽培トレイ5は、同じ栽培平面Piの中に存在している他の行のそれぞれの栽培トレイ5に隣接している。
【0024】
示されている例では、栽培平面Piの栽培トレイ5の行は、他の栽培平面Piに横たわる栽培トレイの関連の行の下方及び/又は上方に配置されており、それらが垂直方向に整合され、従って、栽培トレイ5の行の関連の垂直方向の列を形成するようになっている。
【0025】
図1及び
図2並びに以下の議論は、本発明の理解を深める目的(しかし、その範囲を限定することなく)のためのみに、2行の栽培トレイ5によって形成された2つの垂直方向の列を表しており、2つの列は、垂直方向になっており、互いに隣接しており、基準軸線Aに対して平行な平面Zに沿って延在しているということが留意されるべきである。しかし、本発明による栽培システム1は、栽培トレイ5の行の2つの列に限定されず、それは、複数の列を含むことが可能であるということが理解される。それぞれの行における栽培トレイ5の数、並びに/又は、それぞれの栽培平面Piの上に存在している栽培トレイ5の行の数、並びに/又は、トレイの列の数、並びに/又は、栽培平面Piの数は、栽培システム1の寸法特質及び/又は生産特質に従って変化され得るということがさらに理解される。
【0026】
図1を参照すると、栽培システム1は、空気調整システム6(又は、調整システム)をさらに含み、空気調整システム6は、空気を調整し、それを栽培コンテナ2の中に給送するように構成されている。
【0027】
調整システム6は、調整された空気のフロー(すなわち、空気のフローFA)を発生させる/提供するように構成された調整装置20を含み、少なくとも温度及び湿度は、栽培システム1によって実装される栽培プロセスに基づいて自動的に制御される。
【0028】
調整システム6は、栽培コンテナ2の内側に配置されている1つ又は複数の空気分配ダクト9(そのうちの1つのみが、添付の図に示されている)と、調整装置20を1つ又は複数の空気分配ダクト9に接続する少なくとも1つの送達ダクト7とをさらに含む。
【0029】
添付の図を参照すると、空気分配ダクト9は、好ましくは、金属材料(金属シート)から作製されており、軸線Aに対して平行に延在している。空気分配ダクト9は、ボックス形状を有しており、軸線Aに対して横断方向に略長方形の垂直方向に細長い断面を有している。
【0030】
空気分配ダクト9は、好ましくは、内部的に中空の本体部によって形成されており、それは、形状に関して平行六面体になっており、垂直方向に細長い。示されている例では、空気分配ダクト9は、2つの好ましくは平坦な側部空気拡散壁部10を有しており、それらは、間隔を離して互いに対して及び軸線Aに対して平行に配置されているそれぞれの略垂直方向の平面の上に横たわっている。空気分配ダクト9は、垂直方向壁部10に直交して軸線Aに対して平行な平坦な水平方向の下側壁部11と、下側壁部11に対して平行に水平方向の平坦な上側壁部12と、軸線Aに直交する2つの反対側の平坦な垂直方向の側壁部13とをさらに有している。好ましくは、空気分配ダクト9は、モジュール式であることが可能であり、すなわち、それは、複数の垂直方向の部分へと分割され得、複数の垂直方向の部分は、使用時に、関連のフランク又は側壁部13において接続されるように構成されており、それらが互いに同一平面上にあるようになっている。この目的のために、側壁部13(それは、相互に接続されるように意図されている)の上に、貫通開口部(図示せず)が取得され得、好ましくは、調整された空気が空気分配ダクト9を構成する垂直方向の部分を通過することを可能にするように構成された垂直方向のスリットが取得され得る。
【0031】
図1及び
図2に示されている好適な実施形態によれば、空気分配ダクト9は、好ましくは、下側壁部11を有しており、下側壁部11は、好ましくは、たとえば足部又は台座によって平面Zの上に載っている。
【0032】
示されている例では、空気分配ダクト9は、重ね合わされた栽培トレイ5の行の2つの列の間に挿置されており、2つの空気拡散壁部10を有しており、2つの空気拡散壁部10は、栽培トレイ5の行のそれぞれの2つの列に隣接している。
【0033】
貫通開口部14が、2つの垂直方向壁部10の上に取得され、貫通開口部14は、栽培平面Piの中に存在しているそれぞれの栽培トレイ5にそれらが面するように配置されている。
【0034】
空気分配ダクト9は、垂直方向に延在しており、その上側壁部12が、栽培平面Pnの上方に配置された平面の上に横たわるようになっており、平面Zから最大高さLnに設置されている栽培トレイが、栽培平面Pnの上に横たわる。空気拡散壁部10の高さは、好都合には、栽培平面Pi(i=n)の最大高さLnよりも大きいか又はそれに等しい。
【0035】
空気分配ダクト9は、水平方向に延在しており、その側壁部13間の距離が、軸線Aに対して平行に測定される栽培トレイ5の行の長さよりも大きいか又はそれに等しくなるようになっている。水平方向に(軸線Aに対して平行に)測定される空気分配壁部10の長さは、好都合には、栽培トレイ5の行の長さよりも大きいか又はそれに等しい。
【0036】
垂直方向壁部10の垂直方向の及び/又は水平方向の寸法は、以下の特質:栽培コンテナ2の内部寸法、栽培平面Piの数及び/又は栽培トレイ5の数、栽培トレイ5の寸法及び形状のうちの1つ又は複数に従って所望の通りに変化され得るということが理解される。
【0037】
図2及び
図3に示されている好適な実施形態によれば、空気分配ダクト9は、上部において送達ダクト7接続され、調整された空気を受け入れることが可能であり、また、貫通開口部14を通じて栽培トレイ5にそれを選択的に拡散させるように構造化されている。好ましくは、送達ダクト7と直接的に連通する貫通開口部を上側壁部12の中に作製することによって、接続が行われ得る。たとえば、上側壁部12は、また、送達ダクト7の下側水平方向壁部を画定することが可能であり、穿孔され得る。好ましくは、上側壁部12は、穿孔された金属シートを含むことが可能である。
【0038】
空気分配ダクト9のおかげで取得される技術的効果は、栽培トレイ5ひいては栽培されている植物を直接的にブラッシングする空気フローFLを発生させるということである。調整された空気を貫通開口部14を通じて栽培トレイ5に向けて直接的に搬送することによって、栽培トレイ5を取り囲む空気の特質(少なくとも湿度及び温度)の均一性を確保することが可能である。このように、均一な温度及び空気湿度条件は、好都合には、栽培トレイ5及び関連の植物を取り囲むスペースにおいて実現される。
【0039】
図1、
図2、及び
図3における例示的な実施形態に示されているように、貫通開口部14は、好都合には、スリット15を含むことが可能である。好ましくは、スリット15が、空気拡散壁部10の上に水平方向に延在しており、互いに対して及び軸線Aに対して直線的に及び平行に延在している。好ましくは、空気拡散壁部10のスリット15は、空気分配ダクト9の他の空気拡散壁部10の上に形成されたスリット15と略同一平面上にあることが可能である。好ましくは、スリット15が、栽培トレイ5がその上に配置されている関連の栽培平面Piに対して平行になるように、及び、そのわずかに上方になるように、スリット15は、空気拡散壁部10の上に形成され得る。
【0040】
好ましくは、スリット15は、平面Piの栽培トレイ5の実質的な1行に面していることが可能であり、平面Pi+1に関連付けられる直ぐ上方の行の栽培トレイ5の行の下方に配置され得る。好ましくは、栽培平面Piの栽培トレイ5のそれぞれの行のスリット15は、他の栽培平面Piの中に存在している栽培トレイ5の他の行のスリット15に対して平行に配置され得る。
【0041】
好ましくは、栽培平面Piの上に配置されている栽培トレイ5の行に横方向に面しているスリット15は、相互に整合され、それらの間で長手方向に不連続的になっていることが可能であり、すなわち、それらは、予め設定されたストレッチだけ互いに長手方向に分離され得る。
【0042】
行の栽培トレイ5と直ぐ隣に並ぶように延在する直線的なスリット15の使用は、栽培トレイ5の中に存在している植物製品をブラッシングする略水平方向の層状の空気フローを発生させる技術的効果を有するということを本出願人は見出した。水平方向の層流は、空気温度及び湿度の均一性を増加させる。その理由は、それらの水平方向の拡張が、栽培トレイ5の上側栽培表面全体をカバーするからである。
【0043】
行の栽培トレイ5が同じ栽培平面Piの上に横たわる、示されている例では、2つの空気拡散壁部10のスリット15は、同一平面上にあり、空気フローFLを水平方向に相互に反対方向に搬送するように構造化され得る。
【0044】
垂直方向に測定されるスリット15の幅は、栽培トレイ5に提供されることとなる空気流量/量に基づいて変化することが可能である。好ましくは、スリット15の幅は、約2mmから約3cmの間の範囲にあることが可能である。水平方向に測定されるスリット15の長さは、関連の栽培トレイ5の寸法に基づいて、たとえば、関連の空気拡散壁部10に面するその側部の長さに基づいて変化することが可能である。
【0045】
好適な実施形態によれば(図示せず)、それぞれのシャッター又は隔壁が、スリット15の上にスライド可能に配置され得る。隔壁は、関連の空気拡散壁部10に連結され得、それらが関連のスリット15を完全に閉鎖する閉鎖位置(たとえば、低下された位置)と、それらが関連のスリット15を完全に開放する開放位置との間で、それらが垂直方向に変位されるようになっている。隔壁は、スリット15を通じて放出される空気の量を調節するように、閉鎖位置と開放位置との間で垂直方向にさらに変位され得る。隔壁は、たとえば、金属材料又は同様の材料の細長い長方形の層状のプレートを含むことが可能であり、それは、開放位置と閉鎖位置との間で、関連の空気分配壁部10の一方の面の上に載った状態で垂直方向にスライドするように構成されており、その逆もまた同様である。隔壁の変位は、手動で、又は、追加的にもしくは代替的に、電子制御システム100によって電子的に制御されるそれぞれのアクチュエーターを介して、選択的に制御され得る。
【0046】
可動隔壁の技術的効果は、栽培トレイ5がない場合にスリット15を選択的に閉鎖することができ、及び/又は、隣接する栽培トレイ5の中で栽培されている植物のタイプに従って、それぞれのスリット15から放出される空気の流量を調節することができるということである。
【0047】
示されている例では、送達ダクト7は、チューブ状エレメントを含み、チューブ状エレメントは、好ましくは、空気分配ダクト9の上方に留まりながら、空気分配ダクト9の長さ全体に沿って、栽培コンテナ2の中で水平方向に延在している。
【0048】
送達ダクト7を通じて空気分配ダクト9の上側壁部12の中に空気を給送することによって取得される技術的効果は、空気分配ダクト9自体の空気分配圧力の均一性を増加させることであり、従って、スリット5を退出する空気フローFLの流量における均一性を確保することである。
【0049】
好適な実施形態によれば、栽培トレイ5は、容易に除去可能な(分離可能な)様式で、空気分配ダクト9に連結されている。好ましくは、ガイド又は支持エレメント18が、空気拡散壁部10の上に配置され得、たとえば、それは、水平方向のプレート状のエレメントであり、それは、空気拡散壁部10の上に安定的に固定されており、突出した水平方向の内部部分(栽培トレイ5がその上に載るように配置されている)を有している。
【0050】
図5及び
図6に示されている例示的な実施形態を参照すると、好ましくは、栽培トレイ5の支持エレメント18は、トレイ5自体に向けて空気を放出するスリット15の直ぐ下方において、壁部10の上に配置されている。好ましくは、支持エレメント18と関連の隣接するスリット15との間で垂直方向に測定される距離は、たとえば、載っている側において測定されるトレイ5の垂直方向の厚さを過度に近似することが可能である。このように、スリット15によって発生させられる空気の層流は、好都合には、トレイ5自体の中の植物製品を満たす/横断するように配向される。
【0051】
示されている例では、栽培トレイ5は、形状に関して実質的に長方形になっており、空気分配ダクト9によって支持されている一方の側部と、フレーム3の垂直方向のカラム又は壁部によって支持されている反対側の側部とを有している(
図5)。
【0052】
実施形態(図示せず)によれば、栽培システム1は、複数の空気分配ダクト9を含むことが可能であり、複数の空気分配ダクト9は、軸線Aに対して横断方向に測定される栽培トレイ5の幅に実質的に対応する互いから予め設定された距離において、互いに対して及び軸線Aに対して平行に延在している。この実施形態によれば、栽培トレイ5は、軸線Aに対して平行な反対側の側部を有しており、それらは、両方とも、互いに隣接する2つの空気分配ダクト9によって支持されている。たとえば、栽培トレイ5は、分配ダクト9の空気拡散壁部10の支持エレメント18の上に載るように配置されている一方の側部と、別の隣接する空気分配ダクト9の空気拡散壁部10の支持エレメント18の上に載るように配置されている反対側の(平行な)側部とを含むことが可能である。
【0053】
可能な実施形態によれば、空気分配ダクト9は、垂直方向壁部10の上に貫通開口部14を有することが可能であり、一方では、他の垂直方向壁部10は、貫通開口部14を有さないことが可能であるということがさらに理解される。この実施形態は、たとえば、貫通開口部14を備えた空気拡散壁部10に面する栽培トレイ5の行の列のみを含むことが可能であり、一方では、他の空気拡散壁部10は、隣接する栽培トレイ5を有さないことが可能である。
【0054】
図1に示されている好適な実施形態によれば、調整装置20は、栽培コンテナ2の外側に配置されており、送達ダクト7は、栽培コンテナ2の中に延在しており、それが栽培コンテナ2の垂直方向壁部2aを横切るようになっており、初期ストレッチによって、少なくとも部分的に垂直方向壁部2aの外側に延在するようになっており、調整された空気を受け入れるために、調整装置20の出口チャネルと接続されるようになっている。
【0055】
空気調整システム6は、少なくとも1つの吸引ダクト8をさらに含み、少なくとも1つの吸引ダクト8は、栽培コンテナ2の中に配置されている1つ又は複数の吸引開口部21を有するように構造化されている。
【0056】
示されている例では、吸引ダクト8は、栽培コンテナ2から垂直方向壁部2aを通ってその外側へ延在しており、調整装置20への入口チャネルに接続され、処理/調整されることとなる空気をそれに提供する。示されている例では、吸引開口部21は、栽培コンテナ2において、略垂直方向に、互いに同一平面上に、順に重ねて、異なる高さに配置されている。吸引開口部21は、栽培コンテナ2において、添付の図に示されているもの以外の位置にも設置され得るということが理解される。たとえば、実施形態(図示せず)によれば、吸引開口部21は、栽培コンテナの底部壁部の上に設置され得、すなわち、平面Zに、又は、軸線Aに対して平行な平面の上の栽培コンテナの側壁部に設置され得る。
【0057】
図1、
図2、及び
図3に示されている好適な実施形態を参照すると、空気調整システム6は、換気組立体40をさらに含み、換気組立体40は、送達ダクト7に沿って配置されており、送達ダクト7自体の内側に空気フローを発生させるように構成されており、空気分配ダクト9の中に特定の流量/圧力でそれを搬送するようになっている。
【0058】
図1、
図2、及び
図3に示されている好適な例示的な実施形態を参照すると、換気組立体40は、送達ダクト7に接続されているチューブ状ダクトと、1つ又は複数のファン(そのうちの1つのみが、添付の図に示されている)とを含み、1つ又は複数のファンは、チューブ状ダクトの中に配置され、調整された空気を入口チャネルから特定の流量/圧力で受け入れ、出口チャネルにおいて、入口チャネルに存在する流量/圧力よりも大きい予め設定された流量/圧力を有する調整された空気のフローを発生させる。
【0059】
好ましくは、換気組立体40は、送達ダクト7の中へ一体化され得、ファンが、調整装置20の下流に、及び、空気分配ダクト9の直ぐ上流に配置されるようになっている。
【0060】
好都合には、ファンは、垂直方向壁部2aと空気分配ダクト9の側壁部13との間において、送達ダクト7の中間ストレッチに配置され得る。
【0061】
本発明は、送達ダクト7の中間ストレッチの中に単一のファンを配置することに限定されず、本発明は、空気分配ダクト9の直ぐ上方に(すなわち、上側壁部12に隣接して)延在する送達ダクト7の端部ストレッチの中に1つ又は複数のファンを代替的に及び/又は追加的に提供することが可能であるということが理解される。好ましくは、ファンは、挿管された軸線方向ファンであることが可能である。
【0062】
それぞれの空気分配ダクト9に近い関連の送達ダクト7に沿って換気組立体40を使用することは、栽培トレイ5における調整された空気の放出を最適化する技術的効果、及び、高い空気流量(それは、単独で調整装置20を使用することによって実現可能な流量よりも高い)を空気分配ダクト9の中へ搬送する可能性を確保する技術的効果を有しているということを本出願人は見出した。
【0063】
これは、調整装置20による電力消費が大きいという技術的問題、又は、高い空気流量を有する層流FLを発生させることが困難であるという技術的問題のいずれかを解決する。実際に、送達ダクト7の初期ストレッチに沿った圧力降下の補償、並びに、空気分配ダクト9の中の及びスリット15を通る高い流量の実現を保証するために、とりわけ強力な換気システムを有する調整装置20を使用することが必要であり、しかし、その電力消費は、調整装置20の全体的な電力消費に対して大きな影響を有する。
【0064】
従って、空気分配ダクト9に近い送達ダクト7の中に換気組立体40を使用することは、一方では、空気分配ダクト9の中の特定の流量を保証すること、及び、植物における高い強度によって特徴付けられる層流FLを発生させることができる能力を保証することを可能にし、他方では、その電気的な消費を著しく低減させるように、電力が低減された換気システムを備えた調整装置20を使用することを可能にする。
【0065】
電子制御システム100は、関連の送達ダクト7の中に配置されている換気組立体40を選択的に制御するようにさらに構成されている。好ましくは、電子制御システム100は、空気分配ダクト9から関連の栽培トレイ5に向けて放出される空気流量を調節するように、換気組立体40のファンの回転速度を選択的に制御するように構成されている。
【0066】
それぞれの送達ダクト7の中での換気組立体40の使用、又は、換気組立体40自体の選択的な制御のいずれかのおかげで取得される技術的効果は、空気分配ダクト9の中の空気分配が精密に調節され得るということである。このように、実装される栽培手順、及び/又は、空気分配ダクト9自体に隣接して栽培トレイ5の中で栽培されている植物製品のタイプに従って、空気分配ダクト9のスリット15から放出される層流の流量を調節することが可能である。
【0067】
図1に示されている好適な実施形態を参照すると、栽培システム1は、栽培トレイ5に液体を給送するための給送システム22(
図1に概略的に示されている)をさらに含む。給送システム22は、好ましくは、エアロポニックスであることが可能であり、栽培トレイ5において液体を選択的に噴霧するように構造化されている。液体は、植物にとって適切な水及び栄養素の混合物(肥料)に基づくことが可能であるということが理解される。給送システム22は、栽培トレイ5の中に液体を噴霧することによって、量及び/又はタイプ及び/又は瞬間の観点から、選択的に及び制御された様式で給送するように構造化され得る。
【0068】
図1に示されている1つの実施形態によれば、給送システム22は、栽培トレイ5のそれぞれの水平方向の行に関して、少なくとも1つの送達パイプ又はダクト23を含むことが可能であり、少なくとも1つの送達パイプ又はダクト23によって、液体が循環し、また、給送システム22は、一連の噴霧デバイス(たとえば、ノズル(図示せず))を含み、一連の噴霧デバイスは、好ましくは、栽培平面Piの栽培トレイ5の直ぐ下方に配置されており、上記の栽培トレイ5の下側表面に向けて液体を噴霧するようになっており、また、それは、給送組立体24から液体を受け入れるために、送達ダクト23に液圧的に接続されている。給送組立体24は、公知のタイプのものであり、従って、それが、液体収容タンク(図示せず)及び液圧ポンプ(図示せず)を含むことが可能であり、液圧ポンプは、タンクから液体を吸引し、送達ダクト23への入力においてそれを提供するということを特定すること以外は、さらには説明されないこととなる。
【0069】
図1に示されている好適な実施形態を参照すると、栽培システム1は、液体吸引システム25をさらに含むことが可能であり、液体吸引システム25は、分散された噴霧された液体を栽培トレイ5のそれぞれの中に吸引するように構造化されている。添付の図に示されている好適な実施形態によれば、液体吸引システム25は、液体収集タンク26を含み、液体収集タンク26は、栽培トレイ5の直ぐ下方に配置されており、噴霧の間に沈殿する液体を収集及び収容するように構造化されている。液体吸引システム25は、吸引ダクトをさらに含むことが可能であり、吸引ダクトは、液体収集タンク26の中に延在しており、吸引装置27に接続されており、吸引装置27は、使用時に、液体収集タンクから液体を吸引し、液体収集タンクを空にするように構成されている。
【0070】
図1に示されている好適な実施形態を参照すると、栽培システム1は、好ましくは、照明システム28をさらに含み、照明システム28は、栽培トレイ5の中の植物製品の制御された照明のために構成されている。好ましくは、栽培システム1は、複数のLEDを含むことが可能であり、複数のLEDは、好ましくは、栽培トレイ5の上方に配置されている支持バー29の上に配置されている(
図6)。
【0071】
電子制御システム100は、栽培システム1によって実装される栽培プロセスを監督するように構成された1つ又は複数の電子制御ユニットを含む。とりわけ、電子制御システム100は、調整システム6、給送システム22、液体吸引システム25、及び照明システム28を制御するように構成されている。
【0072】
栽培システム1のための動作方法は、本質的に、調整装置20を活性化させ、調整された空気するフローFAを送達ダクト7を通じて空気分配ダクト9に給送するステップであって、栽培トレイ5におけるスリット15を通じて空気フローFLを拡散させるようになっている、ステップと、吸引ダクト8を通じて栽培コンテナ2からの空気FRを吸引するステップとを含む。
【0073】
方法は、空気分配ダクトの中に存在する調整された空気を、貫通開口部14を通じて、2つの列のトレイの中に存在する栽培トレイに向けて、互いに反対方向に選択的に放出するステップを含む。
【0074】
好ましくは、方法は、関連の空気分配ダクト9のおける調整された空気フローの流量を増加させるように、換気組立体40を選択的に活性化させるステップをさらに含む。
【0075】
好ましくは、方法は、関連の空気分配ダクト9における調整された空気フローの流量を調節するように、換気組立体40のファンの回転速度を選択的に制御するステップをさらに含む。
【0076】
上記に説明されている栽培システムは有利である。その理由は、それが、システムのすべての栽培平面における空気の温度及び湿度の均一な分配を確保し、すべてのトレイの中において同じ栽培条件の実装を保証するからである。
【0077】
加えて、それぞれの分配ダクトの空気分配壁部の構造は、有利には、追加的なフレームの必要性なしに、空気の分配と同時にトレイを支持することを可能にする。これは、栽培コンテナの内側のスペースの占有を最適化すること、複雑さを低減させること、組み立てを簡単化すること、及び、システムの建築コストを低減させることを可能にする。
【0078】
コンテナの内側のスペースにおける複数の空気分配ダクトの分配は、さらに、空気の温度及び湿度の均一性を改善することを可能にし、システムの中で実施される空気フロー方向の反転を繰り返して実装することを回避し、ここで、空気拡散は、コンテナの一方の側壁部からの空気の放出、及び、コンテナの反対側の側壁部からの空気の吸引によって行われる。
【0079】
最後に、添付の特許請求の範囲に従って本発明の保護の範囲から逸脱することなく、上記に説明されて示されている栽培システム及び動作方法に対して、修正及び変形が行われ得るということが明確である。
【符号の説明】
【0080】
1 栽培システム
2 栽培コンテナ
2a 垂直方向壁部
3 支持フレーム
5 栽培トレイ
6 空気調整システム、調整システム
7 送達ダクト
8 吸引ダクト
9 空気分配ダクト
10 空気拡散壁部、垂直方向壁部、空気分配壁部
11 下側壁部
12 上側壁部
13 側壁部
14 貫通開口部
15 スリット
18 支持エレメント
20 調整装置
21 吸引開口部
22 給送システム
23 送達ダクト
24 給送組立体
25 液体吸引システム
26 液体収集タンク
27 吸引装置
28 照明システム
29 支持バー
40 換気組立体
100 電子制御システム
A 基準軸線
B 垂直方向軸線
FA 空気のフロー
FL 空気フロー
FR 空気
Li レベル、高さ
Ln 最大高さ
Pi 栽培平面
Pi+1 平面
Pn 栽培平面
Z 平面
【手続補正書】
【提出日】2022-08-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物を栽培するための栽培システム(1)であって、前記栽培システム(1)は、
閉鎖された栽培コンテナ(2)であって、前記栽培コンテナ(2)は、水平方向の基準軸線(A)に沿って延在しており、前記基準軸線(A)に対して平行に延在する垂直方向の側壁部を有している、閉鎖された栽培コンテナ(2)と、
前記植物を栽培するための複数の栽培トレイ(5)であって、前記栽培トレイ(5)は、略水平方向に互いに並んで適切な位置で前記栽培コンテナ(2)の中に配置されており、且つ、一連の栽培平面(Pi)の上に横たわっており、一連の前記栽培平面(Pi)は、水平方向の基準平面(Z)に対してそれぞれの予め設定された高さ(Li)で重ねて配置されており、これにより栽培トレイ(5)の複数の垂直方向の列を形成するようになっている、複数の栽培トレイ(5)と
を含む、前記栽培システム(1)において、
前記栽培システムは、空気調整システム(6)を含み、前記空気調整システム(6)は、調整された空気を少なくともボックス形状の空気分配ダクト(9)を通じて前記栽培コンテナ(2)の中へ給送するように構成されており、前記空気分配ダクト(9)は、栽培トレイ(5)の2つの垂直方向の列の間に垂直方向に挿置されており、
前記空気分配ダクト(9)は、互いに対して反対側に配置された2つの空気拡散壁部(10)を含み、2つの前記空気拡散壁部(10)は、互いに対して及び前記基準軸線(A)に対して平行になっているそれぞれの垂直方向の平面の上に延在しており、
2つの前記空気拡散壁部(10)は、支持手段(18)を有しており、前記支持手段(18)は、それぞれの前記栽培平面において前記栽培トレイの2つの列の上に配置されている前記栽培トレイ(5)を支持するように構造化されており、2つの前記空気拡散壁部(10)は、前記栽培トレイの2つの列の前記栽培トレイ(5)に向けて、前記空気分配ダクト(9)の中に存在する前記調整された空気を選択的に放出するための複数の貫通開口部(14)を有して
おり、
前記空気調整システム(6)は、調整された空気を発生させるように設計された調整装置(20)と、前記調整装置(20)を少なくとも1つの前記空気分配ダクト(9)に接続する少なくとも1つの送達ダクト(7)とを含み、前記空気分配ダクト(9)は、上部において前記送達ダクト(7)に接続されており、前記送達ダクト(7)は、チューブ状エレメントを含み、前記チューブ状エレメントは、前記空気分配ダクト(9)の上方に留まりながら、前記空気分配ダクト(9)の長さ全体に沿って、前記栽培コンテナ(2)の中で水平方向に延在していることを特徴とする、栽培システム(1)。
【請求項2】
前記栽培システムは、隔壁を含み、前記隔壁は、前記貫通開口部において垂直方向の前記空気拡散壁部(10)の上にスライド可能に装着され、前記栽培トレイ(5)に給送される前記調整された空気を調節する、請求項1に記載の栽培システム。
【請求項3】
前記栽培システムは、2つの空気分配ダクト(9)を含み、2つの前記空気分配ダクト(9)は、平行になっており、互いに間隔を離して配置されており、栽培トレイの2つのそれぞれの列の間にそれぞれ挿置されており、前記支持手段(18)によって関連の前記栽培トレイ(5)をそれぞれ支持しており、両方とも、前記調整された空気をそれぞれの前記貫通開口部(14)を通じてトレイのそれぞれの2つの前記列に向けて放出する、請求項1又は2に記載の栽培システム。
【請求項4】
前記栽培トレイ(5)は、分配ダクト(9)の空気拡散壁部(10)の前記支持手段(18)の上に載るように配置されている一方の側部と、垂直方向の支持フレーム(3)の上に載るように配置されている反対側の側部とを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の栽培システム。
【請求項5】
前記空気分配ダクト(9)は、前記栽培コンテナ(2)の内側スペースの中間位置に配置されており、前記栽培コンテナ(2)の前記垂直方向の側壁部から間隔を離して配置されて分離されるようになっている、請求項
3に記載の栽培システム。
【請求項6】
前記空気分配ダクト(9)は、前記栽培トレイ(5)の幅に対応する、互いから予め設定された距離において、互いに対して及び前記基準軸線(A)に対して平行に延在しており、前記栽培トレイ(5)は、分配ダクト(9)の空気拡散壁部(10)の支持手段(18)の上に載るように配置されている一方の側部と、別の隣接する空気分配ダクト(9)の前記空気拡散壁部(10)の支持手段(18)の上に載るように配置されている反対側の側部とを含む、請求項3に記載の栽培システム。
【請求項7】
前記貫通開口部(14)は、スリット(15)を含み、前記スリット(15)は、前記基準軸線(A)に対して及び前記栽培トレイ(5)の前記栽培平面(Pi)に対して直線的に及び平行に延在している、請求項1から6のいずれか一項に記載の栽培システム。
【請求項8】
前記空気分配ダクト(9)の前記空気拡散壁部(10)の前記スリット(15)は、同一平面上にあり、空気フロー(FL)を水平方向に相互に反対方向に搬送するように構造化されている、請求項7に記載の栽培システム。
【請求項9】
前記スリット(15)は、栽培平面(Pi)の栽培トレイ(5)の行に面しており、直ぐ上方の平面の行の栽培トレイ(5)の行の下方に配置されている、請求項8に記載の栽培システム。
【請求項10】
栽培平面(Pi)の栽培トレイ(5)のそれぞれの行の前記スリット(15)は、他の栽培平面(Pi)の中に存在している栽培トレイ(5)の他の行の前記スリット(15)に対して平行に配置されている、請求項8又は9に記載の栽培システム。
【請求項11】
栽培平面(Pi)の上に配置されている栽培トレイ(5)の行に横方向に面している前記スリット(15)は、相互に整合され、それらの間で長手方向に不連続的になっており、それらが、予め設定されたストレッチだけ互いに長手方向に分離されるようになっている、請求項8又は9に記載の栽培システム。
【請求項12】
前記栽培システムは、少なくとも1つの換気組立体(40)を含み、前記換気組立体(40)は、前記調整された空気を受け入れるために、前記送達ダクト(7)に沿って配置されており、また、調整された空気のフローを発生させるように構成されており、前記送達ダクト(7)の内側に、それぞれの空気分配ダクト(9)の中に、予め設定された流量/圧力で、前記調整された空気のフローを搬送するようになっている、請求項
1から11のいずれか一項に記載の栽培システム。
【請求項13】
前記換気組立体(40)は、1つ又は複数のファンを含み、1つ又は複数の前記ファンは、前記送達ダクト(7)に沿って配置されており、前記調整された空気を入口チャネルから特定の流量/圧力で受け入れるようになっており、出口チャネルにおいて、前記入口チャネルの中に存在する前記流量/圧力よりも大きい予め設定された流量/圧力を有する調整された空気のフローを発生させるようになっている、請求項
12に記載の栽培システム。
【請求項14】
前記栽培システムは、電子的手段(100)を含み、前記電子的手段(100)は、前記空気分配ダクト(9)から関連の前記栽培トレイ(5)に向けて放出される空気流量を調節するように、前記換気組立体(40)の前記ファンの回転速度を選択的に制御するように構成されている、請求項
13に記載の栽培システム。
【請求項15】
前記栽培トレイ(5)は
、除去可能な及び分離可能な様式で、前記支持手段(18)を介して関連の前記空気分配ダクト(9)に連結されている、請求項1から
14のいずれか一項に記載の栽培システム。
【請求項16】
前記空気分配ダクト(9)は、金属材料から作製されている、請求項1から
15のいずれか一項に記載の栽培システム。
【請求項17】
前記空気調整システム(6)は、少なくとも1つの吸引ダクト(8)をさらに含み、前記少なくとも1つの吸引ダクト(8)は、前記栽培コンテナ2の中に配置されている1つ又は複数の吸引開口部(21)を有するように構造化されている、請求項1から
16のいずれか一項に記載の栽培システム。
【請求項18】
前記吸引ダクト(8)は、前記栽培コンテナ(2)から垂直方向壁部(2a)を通ってその外側に延在しており、調整装置(20)への入口チャネルに接続され、処理/調整されることとなる空気を前記調整装置(20)に提供する、請求項
17に記載の栽培システム。
【請求項19】
前記吸引開口部(21)は、前記栽培コンテナ(2)において、略垂直方向に、互いに同一平面上に、順に重ねて、異なる高さに配置されている、請求項
18に記載の栽培システム。
【請求項20】
前記吸引開口部(21)は、前記栽培コンテナ(2)の底部壁部の上に配置されている、請求項
18に記載の栽培システム。
【請求項21】
植物を栽培するための栽培システム(1)のための動作方法であって、前記栽培システム(1)は、
閉鎖された栽培コンテナ(2)であって、前記栽培コンテナ(2)は、水平方向の基準軸線(A)に沿って延在しており、前記基準軸線(A)に対して平行に延在する垂直方向の側壁部を有している、閉鎖された栽培コンテナ(2)と、
前記植物を栽培するための複数の栽培トレイ(5)であって、前記栽培トレイ(5)は、略水平方向に互いに並んで適切な位置で前記栽培コンテナ(2)の中に配置されており、且つ、一連の栽培平面(Pi)の上に横たわっており、一連の前記栽培平面(Pi)は、水平方向の基準平面(Z)に対してそれぞれの予め設定された高さ(Li)で重ねて配置されており、これにより栽培トレイ(5)の複数の垂直方向の列を形成するようになっている、複数の栽培トレイ(5)と、
空気調整システム(6)であって、前記空気調整システム(6)は、調整された空気を少なくともボックス形状の空気分配ダクト(9)を通じて前記栽培コンテナ(2)の中へ給送するように構成されており、前記空気分配ダクト(9)は、栽培トレイ(5)の2つの垂直方向の列の間に垂直方向に挿置されている、空気調整システム(6)と
を含み、
前記空気分配ダクト(9)は、互いに対して反対側に配置された2つの空気拡散壁部(10)を含み、2つの前記空気拡散壁部(10)は、互いに対して及び前記基準軸線(A)に対して平行になっているそれぞれの垂直方向の平面の上に延在しており、
2つの前記空気拡散壁部(10)は、支持手段(18)を有しており、前記支持手段(18)は、それぞれの前記栽培平面において前記栽培トレイの2つの列の上に配置されている前記栽培トレイ(5)を支持するように構造化されており、2つの前記空気拡散壁部(10)は、複数の貫通開口部(14)を有しており、
前記空気調整システム(6)は、調整された空気を発生させるように設計された調整装置(20)と、前記調整装置(20)を少なくとも1つの前記空気分配ダクト(9)に接続する少なくとも1つの送達ダクト(7)とを含み、前記空気分配ダクト(9)は、上部において前記送達ダクト(7)に接続されており、前記送達ダクト(7)は、チューブ状エレメントを含み、前記チューブ状エレメントは、前記空気分配ダクト(9)の上方に留まりながら、前記空気分配ダクト(9)の長さ全体に沿って、前記栽培コンテナ(2)の中で水平方向に延在しており、
前記動作方法は、前記空気分配ダクト(9)の中に存在する前記調整された空気を、前記貫通開口部(14)を通じて、前記栽培トレイの2つの列の中に存在する前記栽培トレイ(5)に向けて、互いに反対方向に選択的に放出するステップを含む、動作方法。
【国際調査報告】