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特表2023-549595表示パネル及びその製造方法、並びに表示装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-28
(54)【発明の名称】表示パネル及びその製造方法、並びに表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/302 20060101AFI20231120BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20231120BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20231120BHJP
   H10K 50/816 20230101ALI20231120BHJP
   H10K 59/131 20230101ALI20231120BHJP
   H10K 59/122 20230101ALI20231120BHJP
   H10K 59/65 20230101ALI20231120BHJP
   H10K 59/123 20230101ALI20231120BHJP
   H10K 71/60 20230101ALI20231120BHJP
【FI】
G09F9/302 Z
G09F9/30 365
G09F9/30 338
G09F9/00 366Z
G09F9/00 338
H10K50/816
H10K59/131
H10K59/122
H10K59/65
H10K59/123
H10K71/60
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023524422
(86)(22)【出願日】2020-11-20
(85)【翻訳文提出日】2023-04-20
(86)【国際出願番号】 CN2020130434
(87)【国際公開番号】W WO2022104702
(87)【国際公開日】2022-05-27
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】511121702
【氏名又は名称】成都京東方光電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHENGDU BOE OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1188,Hezuo Rd.,(West Zone),Hi-tech Development Zone,Chengdu,Sichuan,611731,P.R.CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】黄 耀
(72)【発明者】
【氏名】▲龍▼ ▲躍▼
(72)【発明者】
【氏名】黄 ▲ウェイ▼▲ユン▼
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC41
3K107DD22
3K107DD39
3K107DD89
3K107EE68
3K107GG11
3K107HH05
5C094AA51
5C094BA03
5C094BA27
5C094CA20
5C094DA14
5C094DB01
5C094EA05
5C094FA01
5C094GB10
5C094HA07
5C094HA08
5G435AA00
5G435BB05
5G435CC09
5G435EE49
5G435KK05
5G435KK10
5G435LL04
5G435LL07
5G435LL08
(57)【要約】
本発明は、表示パネル及びその製造方法、並びに表示装置を提供する。表示パネルの表示領域は、第1表示領域及び第2表示領域を含み、前記第1表示領域における画素回路の分布密度は、第2表示領域における画素回路の分布密度より小さく、表示パネルは、ベース基板と、ベース基板の一方側に設けられ、且つ第2表示領域内に位置する複数の第1画素回路と、第1画素回路のベース基板から離れた側に設けられる配線と、配線のベース基板から離れた側に設けられ、且つ第1表示領域内に位置する第1発光素子と、第1透明電極と同一の層に位置し且つ電気的に接続されるように設けられる接続線と、を含み、ここで、第1発光素子における第1陽極は、少なくとも2層の導電層を含み、前記少なくとも2層の導電層は、少なくとも第1透明電極を含み、配線は、第1画素回路が第1発光素子を駆動して発光させるように、前記第1画素回路と前記接続線とを電気的に接続するためのものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルの表示領域は、第1表示領域及び第2表示領域を含み、前記第1表示領域における画素回路の密度は、前記第2表示領域における画素回路の密度より小さく、前記表示パネルは、
ベース基板と、
前記ベース基板の一方側に設けられ、且つ前記第2表示領域内に位置する複数の第1画素回路と、
前記第1画素回路の前記ベース基板から離れた側に設けられる配線と、
前記配線の前記ベース基板から離れた側に設けられ、且つ前記第1表示領域内に位置する第1発光素子と、
第1透明電極と同一の層に位置し且つ電気的に接続されるように設けられる接続線と、を含み、
前記ベース基板から離れた方向において、前記第1発光素子における第1陽極の有効発光陽極領域は、少なくとも2層の導電層を含み、前記少なくとも2層の導電層は、前記第1透明電極を含み、
前記配線は、前記第1画素回路が前記第1発光素子を駆動して発光させるように、前記第1画素回路と前記接続線とを電気的に接続するためのものである
ことを特徴とする表示パネル。
【請求項2】
前記配線は、第1ビアホールを介して前記接続線に電気的に接続され、前記第1ビアホールは、前記第1表示領域内に位置することを特徴とする、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項3】
前記ベース基板から離れた方向において、前記第1陽極は、順次に積層されている前記第1透明電極、銀電極及び第2透明電極を含み、前記接続線と前記第1透明電極とは、一体構造であることを特徴とする、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項4】
前記表示パネルは、
前記第1画素回路の前記ベース基板から離れた側に設けられ、且つ貫通する第2ビアホールを有する第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の前記ベース基板から離れた側に設けられ、前記配線を覆い、且つ貫通する前記第1ビアホールを有する第2絶縁層と、をさらに含み、
前記配線は、前記第1絶縁層のベース基板から離れた側に位置し、且つ、前記配線は、前記第2ビアホールを介して前記第1画素回路に電気的に接続され、
前記接続線は、前記第2絶縁層のベース基板から離れた側に設けられる
ことを特徴とする、請求項2に記載の表示パネル。
【請求項5】
複数の前記第1ビアホールは、複数行で並んで設けられており、前記配線は、隣接する2行の前記第1ビアホールの間に位置することを特徴とする、請求項2又は4に記載の表示パネル。
【請求項6】
前記第1陽極は、前記有効発光陽極領域と、前記有効発光陽極領域を取り囲む非発光陽極領域と、を含み、ベース基板における前記有効発光陽極領域の正投影は、前記ベース基板における、前記第1発光素子における画素定義層により限定される開口の正投影よりも大きいか同じであり、前記非発光陽極領域は、前記画素定義層により覆われており、前記非発光陽極領域は、前記第1透明電極のみを含むことを特徴とする、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項7】
前記表示領域は、アンダーディスプレー機能領域をさらに含み、前記アンダーディスプレー機能領域と前記第1表示領域とは、重畳領域を有することを特徴とする、請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項8】
前記表示パネルは、複数の第2画素回路及び複数の第2発光素子をさらに含み、且つ、前記第2画素回路及び前記第2発光素子は、いずれも前記第2表示領域内に位置し、前記第2画素回路と前記第2発光素子における第2陽極との接続方式は、以下の少なくとも1つであり、
前記第2画素回路は、第3ビアホールを介して前記第2発光素子における第2陽極に直接に電気的に接続されて、前記第2発光素子を駆動して発光させ、
前記表示パネルは、前記配線と同一の層に設けられる導電層をさらに含み、前記第2陽極は、前記第2絶縁層を貫通する第4ビアホールを介して前記導電層に電気的に接続され、前記導電層は、前記第1絶縁層を貫通する第5ビアホールを介して前記第2画素回路に電気的に接続されて、前記第2発光素子を駆動して発光させる
ことを特徴とする、請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項9】
前記表示パネルの表示領域は、第1表示領域及び第2表示領域を含み、前記第1表示領域における画素回路の密度は、前記第2表示領域における画素回路の密度より小さく、方法は、
ベース基板の一方側に前記第2表示領域内に位置する複数の第1画素回路を形成するステップと、
前記第1画素回路の前記ベース基板から離れた側に前記第1画素回路に電気的に接続される配線を形成するステップと、
前記配線の前記ベース基板から離れた側に前記第1表示領域内に位置する第1発光素子及び接続線を形成するステップと、を含み、
前記ベース基板から離れた方向において、前記第1発光素子における第1陽極の有効発光陽極領域は、少なくとも2層の導電層を含み、前記少なくとも2層の導電層のうちの少なくとも一方は、第1透明電極を含み、前記接続線と前記第1透明電極とは、電気的に接続されるように設けられ且つ同一のステップにより形成され、
前記配線は、前記接続線に電気的に接続されるように設けられることにより、前記第1画素回路は、前記第1発光素子を駆動して発光させる
ことを特徴とする、請求項1から請求項8のうちいずれか1項に記載の表示パネルを製造する方法。
【請求項10】
前記方法は、
前記第1画素回路の前記ベース基板から離れた側に第1絶縁材料層を積層し、前記第1絶縁材料層に前記第1絶縁材料層を貫通する第2ビアホールを製造することにより、前記第2ビアホールを有する第1絶縁層を形成するステップと、
前記第1絶縁層の前記ベース基板から離れた側に第2絶縁材料層を積層し、前記第2絶縁材料層に前記第2絶縁材料層を貫通する第1ビアホールを製造することにより、前記第1ビアホールを有する第2絶縁層を形成するステップと、をさらに含み、
前記配線は、前記第1絶縁層と第2絶縁層との間に位置し、且つ前記第2ビアホールを介して前記第1画素回路に電気的に接続され、前記接続線は、前記第2絶縁層のベース基板から離れた側に設けられ、且つ前記第1ビアホールを介して前記配線に電気的に接続される
ことを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1陽極及び前記接続線を形成するステップは、
前記第2絶縁層のベース基板から離れた表面に第1透明導電層、銀層及び第2透明導電層を順次に積層して形成するステップと、
前記第2透明導電層の表面に位置する第1領域及び第2領域に第1フォトレジスト及び第2フォトレジストをそれぞれ形成し、前記第1フォトレジストの厚さが前記第2フォトレジストの厚さよりも大きいステップと、
前記第1フォトレジスト及び前記第2フォトレジストにより覆われていない前記第1透明導電層、前記銀層及び前記第2透明導電層を除去するステップと、
前記第1フォトレジスト及び前記第2フォトレジストに対してアッシング処理を行うことにより、前記第2フォトレジストを除去するとともに、前記第1フォトレジストを薄くするステップと、
エッチングプロセスにより第2領域での前記第2透明導電層及び前記銀層を除去し、前記第1透明導電層を残すことにより、前記接続線を得るステップと、
薄くした前記第1フォトレジストを除去して、前記第1陽極を得るステップと、を含む
ことを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
表示領域が第1表示領域及び第2表示領域を含む請求項1から請求項8のうちいずれか1項に記載の表示パネルと、
アンダーディスプレー機能層と、を含み、
前記表示パネルにおける前記アンダーディスプレー機能層の正投影と前記第1表示領域とは、重畳領域を有する
ことを特徴とする表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示技術分野に関し、特に、表示パネル及びその製造方法、並びに表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、アンダーディスプレーカメラ(under display camera)に対応する高透光表示領域の光透過率を向上させるとともに、アンダーディスプレーカメラの撮影効果を確保するために、高透光表示領域に発光素子のみを残すが、発光素子の発光を制御する信号は、非高透光表示領域における画素回路から引き出される。しかし、現在のアンダーディスプレーカメラの撮影品質は依然として比較的よくない。
【0003】
このため、アンダーディスプレーカメラを有する表示パネルに対して鋭意検討を行う必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、少なくともある程度に関連技術における1つの技術問題を解決することを意図している。そこで、本発明の1つの目的は、第1表示領域が高い光透過率を有し、アンダーディスプレーカメラの撮影品質を向上させる表示パネルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、本発明は、表示パネルを提供する。本発明の実施例によれば、前記表示パネルの表示領域は、第1表示領域及び第2表示領域を含み、前記第1表示領域における画素回路の密度は、前記第2表示領域における画素回路の密度より小さく、前記表示パネルは、ベース基板と、前記ベース基板の一方側に設けられ、且つ前記第2表示領域内に位置する複数の第1画素回路と、前記第1画素回路の前記ベース基板から離れた側に設けられる配線と、前記配線の前記ベース基板から離れた側に設けられ、且つ前記第1表示領域内に位置する第1発光素子と、前記第1透明電極と同一の層に位置し且つ電気的に接続されるように設けられる接続線と、を含み、ここで、前記ベース基板から離れた方向において、前記第1発光素子における第1陽極の有効発光陽極領域は、少なくとも2層の導電層を含み、前記少なくとも2層の導電層は、第1透明電極を含み、前記配線は、前記第1画素回路が前記第1発光素子を駆動して発光させるように、前記第1画素回路と前記接続線とを電気的に接続するためのものである。これにより、接続線は、第1陽極における第1透明電極から引き出されて、配線に電気的に接続されることにより、第1画素回路と第1発光素子との電気的接続を実現するので、第1陽極に配線に電気的に接続されるための突起部をさらに設ける必要がなくなり、このようにして、第1表示領域の光透過率をさらに向上させることができる。
【0006】
本発明の実施例によれば、前記配線は、第1ビアホールを介して前記接続線に電気的に接続され、前記第1ビアホールは、前記第1表示領域内に位置する。
【0007】
本発明の実施例によれば、前記ベース基板から離れた方向において、前記第1陽極は、順次に積層されている前記第1透明電極、銀電極及び第2透明電極を含み、前記接続線と前記第1透明電極とは、一体構造である。
【0008】
本発明の実施例によれば、前記表示パネルは、前記第1画素回路の前記ベース基板から離れた側に設けられ、且つ前記第1絶縁層を貫通する第2ビアホールを有する第1絶縁層と、前記第1絶縁層の前記ベース基板から離れた側に設けられ、前記配線を覆い、且つ前記第2絶縁層を貫通する前記第1ビアホールを有する第2絶縁層と、をさらに含み、ここで、前記配線は、前記第1絶縁層のベース基板から離れた側に位置し、且つ、前記配線は、前記第2ビアホールを介して前記第1画素回路に電気的に接続され、前記接続線は、前記第2絶縁層のベース基板から離れた側に設けられる。
【0009】
本発明の実施例によれば、複数の前記第1ビアホールは、複数行で並んで設けられており、前記配線は、隣接する2行の前記第1ビアホールの間に位置する。
【0010】
本発明の実施例によれば、前記第1陽極は、前記有効発光陽極領域と、前記有効発光陽極領域を取り囲む非発光陽極領域と、を含み、ベース基板における前記有効発光陽極領域の正投影は、前記ベース基板における、前記第1発光素子における画素定義層により限定される開口の正投影よりも大きいか同じであり、前記非発光陽極領域は、前記画素定義層により覆われており、ここで、前記非発光陽極領域は、前記第1透明電極のみを含む。
【0011】
本発明の実施例によれば、前記表示領域は、アンダーディスプレー機能領域をさらに含み、前記アンダーディスプレー機能領域と前記第1表示領域とは、重畳領域を有する。
【0012】
本発明の実施例によれば、前記表示パネルは、複数の第2画素回路及び複数の第2発光素子をさらに含み、且つ、前記第2画素回路及び前記第2発光素子は、いずれも前記第2表示領域内に位置し、前記第2画素回路と前記第2発光素子における第2陽極との接続方式は、以下の少なくとも1つである。前記第2画素回路は、第3ビアホールを介して前記第2発光素子における第2陽極に直接に電気的に接続されて、前記第2発光素子を駆動して発光させる。前記表示パネルは、前記配線と同一の層に設けられる導電層をさらに含み、前記第2陽極は、前記第2絶縁層を貫通する第4ビアホールを介して前記導電層に電気的に接続され、前記導電層は、前記第1絶縁層を貫通する第5ビアホールを介して前記第2画素回路に電気的に接続されて、前記第2発光素子を駆動して発光させる。
【0013】
本発明の他の態様によれば、本発明は、前記表示パネルを製造する方法を提供する。本発明の実施例によれば、前記表示パネルの表示領域は、第1表示領域及び第2表示領域を含み、前記第1表示領域における画素回路の密度は、前記第2表示領域における画素回路の密度より小さく、前記表示パネルを製造する方法は、ベース基板の一方側に前記第2表示領域内に位置する複数の第1画素回路を形成するステップと、前記第1画素回路の前記ベース基板から離れた側に前記第1画素回路に電気的に接続される配線を形成するステップと、前記配線の前記ベース基板から離れた側に前記第1表示領域内に位置する第1発光素子及び接続線を形成するステップと、を含み、ここで、前記ベース基板から離れた方向において、前記第1発光素子における第1陽極の有効発光陽極領域は、少なくとも2層の導電層を含み、前記少なくとも2層の導電層のうちの少なくとも一方は、第1透明電極を含み、前記接続線と前記第1透明電極とは、電気的に接続されるように設けられ且つ同一のステップにより形成され、ここで、前記配線は、前記接続線に電気的に接続されるように設けられることにより、前記第1画素回路は、前記第1発光素子を駆動して発光させる。これにより、接続線は、第1陽極における第1透明電極から引き出されて、配線に電気的に接続されることにより、第1画素回路と第1発光素子との電気的接続を実現するので、第1陽極に配線に電気的に接続されるための突起部をさらに設ける必要がなくなり、このようにして、第1表示領域の光透過率をさらに向上させることができる。
【0014】
本発明の実施例によれば、表示パネルを製造する方法は、前記第1画素回路の前記ベース基板から離れた側に第1絶縁材料層を積層し、前記第1絶縁材料層に前記第1絶縁材料層を貫通する第2ビアホールを製造することにより、前記第2ビアホールを有する第1絶縁層を形成するステップと、前記第1絶縁層の前記ベース基板から離れた側に第2絶縁材料層を積層し、前記第2絶縁材料層に前記第2絶縁材料層を貫通する第1ビアホールを製造することにより、前記第1ビアホールを有する第2絶縁層を形成するステップと、をさらに含み、ここで、前記配線は、前記第1絶縁層と第2絶縁層との間に位置し、且つ前記第2ビアホールを介して前記第1画素回路に電気的に接続され、前記接続線は、前記第2絶縁層のベース基板から離れた側に設けられ、且つ前記第1ビアホールを介して前記配線に電気的に接続される。
【0015】
本発明の実施例によれば、前記第1陽極及び前記接続線を形成するステップは、前記第2絶縁層のベース基板から離れた表面に第1透明導電層、銀層及び第2透明導電層を順次に積層して形成するステップと、前記第2透明導電層の表面に位置する第1領域及び第2領域に第1フォトレジスト及び第2フォトレジストをそれぞれ形成し、前記第1フォトレジストの厚さが前記第2フォトレジストの厚さよりも大きいステップと、前記第1フォトレジスト及び前記第2フォトレジストにより覆われていない前記第1透明導電層、前記銀層及び前記第2透明導電層を除去するステップと、前記第1フォトレジスト及び前記第2フォトレジストに対してアッシング処理を行うことにより、前記第2フォトレジストを除去するとともに、前記第1フォトレジストを薄くするステップと、エッチングプロセスにより第2領域での前記第1透明導電層及び前記銀層を除去し、前記第2透明導電層を残すことにより、前記接続線を得るステップと、薄くした前記第1フォトレジストを除去して、前記第1陽極を得るステップと、を含む。
【0016】
本発明の別の態様によれば、本発明は、表示装置を提供する。本発明の実施例によれば、この表示装置は、表示領域が第1表示領域及び第2表示領域を含む前記表示パネルと、アンダーディスプレー機能層と、を含み、前記表示パネルにおける前記アンダーディスプレー機能層の正投影と前記第1表示領域とは、重畳領域を有する。これにより、この表示装置では、アンダーディスプレー機能層の高入光量に対する要求を満たすことができる。アンダーディスプレー機能層がアンダーディスプレーカメラである場合、アンダーディスプレーカメラは、良好な入光量を有し、さらにその高い撮影品質を確保する。当業者は、この表示装置は前記表示パネルのすべての特徴と利点を有することを理解することができるが、ここでは詳細な説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施例における表示パネルの平面模式図である。
図2】本発明の他の実施例における表示パネルの平面模式図である。
図3】本発明の別の実施例における表示パネルの一部の構造の平面模式図である。
図4】本発明の別の実施例における表示パネルの構造模式図である。
図5】本発明の別の実施例における第1陽極及び接続線の構造模式図である。
図6】本発明の別の実施例における第1陽極及び接続線の構造模式図である。
図7】本発明の別の実施例における第1陽極及び接続線の構造模式図である。
図8】従来技術における第1陽極の構造模式図である。
図9】本発明の別の実施例における表示パネルの一部の構造の平面構造の模式図である。
図10】本発明の別の実施例における表示パネルの構造模式図である。
図11】本発明の別の実施例における表示パネルの構造模式図である。
図12】本発明の別の実施例における表示パネルの構造模式図である。
図13】本発明の別の実施例における表示パネルの構造模式図である。
図14】本発明の別の実施例において表示パネルを製造する構造模式図である。
図15】本発明の別の実施例において第1陽極及び接続線を製造する構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。以下に説明する実施例は、例示的なものであり、本発明に対する解釈に用いられるものに過ぎず、本発明に対する限定として理解すべきではない。実施例に具体的な技術や条件が明記されていない場合、当該分野内の文献に記載されている技術や条件や製品説明書に従って行う。
【0019】
本発明の一態様によれば、本発明は、表示パネルを提供する。本発明の実施例によれば、図1を参照すると、表示パネルの表示領域は、第1表示領域a及び第2表示領域bを含み、いくつかの実施例において、第2表示領域bは、前記第1表示領域aの外縁に設けられ、即ち、第2表示領域bが第1表示領域aの外側に設けられ、又は、第2表示領域bが第1表示領域aの周辺に設けられることを意味する。また、第1表示領域aの具体的な設置位置も特に限定されず、当業者は、アンダーディスプレー機能領域に対する設計要求に応じて柔軟に選択可能であり、例えば、第2表示領域は、表示パネルの中央であってもよく、表示パネルの隅であってもよく、図1に示すように表示パネルの額縁付近且つ中央に位置してもよい。
【0020】
また、第1表示領域aの具体的な形状も特に限定されず、当業者は、実際の状況に応じて柔軟に選択可能であり、例えば、第1表示領域aの形状は、円形、楕円形、四辺形、五辺形、六辺形などの多辺形又は不規則な図形などを含むが、これらに限定されない。
【0021】
ここで、第1表示領域の画素回路の密度は、第2表示領域における画素回路の密度よりも小さく、即ち、第1表示領域における画素回路の分布密度は、前記第2表示領域における画素回路(即ち、後述する第1画素回路に対応する)分布密度よりも小さい。なお、本明細書で記載した画素回路とは、OLED発光素子に駆動電圧を提供するための駆動回路であり、7T1C、9T2Cなどの回路構造であってもよい。
【0022】
また、図1に示すように、表示パネルの表示領域は、第2表示領域bの第1表示領域aから離れた側に位置する第3表示領域cをさらに含む。ここで、第3表示領域における画素回路の密度は、第2表示領域の画素回路の密度よりも大きい。いくつかの実施例において、第1表示領域における画素回路の密度は、0であってもよく、即ち、第1表示領域に画素回路を設けなくてもよく、第1表示領域に位置する第1発光素子は、いずれも第2表示領域における第1画素回路により駆動される。
【0023】
また、第1表示領域aの発光素子の分布密度は、第2表示領域bの発光素子の分布密度以下であってもよく、第2表示領域bの発光素子の分布密度は、第3表示領域cの発光素子の分布密度以下であってもよい。上記の構造に基づいて、第1表示領域aにおける画素回路の分布密度が最小となるので、十分な光線が第1表示領域を通過して表示パネルの裏面に到達することを確保することができる。同時に、第2表示領域bにおける第1画素回路は、第1表示領域aの発光素子に駆動電圧を提供することにより、第1表示領域aの表示解像度(PPI)を他の領域と同等又はそれよりも小さくすることができる。
【0024】
なお、画素回路は、発光素子(OLED素子)を駆動して発光させ、活性層、ゲート、ソース・ドレイン電極、蓄積キャパシタ、データ線、走査線などの構造を含む。
【0025】
本発明の実施例によれば、図2を参照すると、表示領域は、アンダーディスプレー機能領域eをさらに含み、アンダーディスプレー機能領域eと第1表示領域aとは、重畳領域を有する。いくつかの具体的な実施例において、図2(A)に示すように、第1表示領域aは、アンダーディスプレー機能領域eと重なっている。他の実施例において、図2(B)に示すように、第1表示領域aは、アンダーディスプレー機能領域eにより覆われている。別の実施例において、図2(C)に示すように、アンダーディスプレー機能領域eは、第1表示領域aにより覆われている。ここで、アンダーディスプレー機能領域とは、アンダーディスプレー機能層が対応して設けられる領域を指し、即ち、アンダーディスプレー機能領域に対応する表示パネルの裏面は、アンダーディスプレー機能層(例えばアンダーディスプレーカメラ)を設けるためのものであり、第1表示領域は高い光透過率を有するので、アンダーディスプレーカメラの入光量に対する要求を満たすとともに、表示パネルの画面占有率を大幅に向上させることができる。
【0026】
本発明の実施例によれば、図3図4及び図5を参照すると、表示パネルは、ベース基板10と、前記ベース基板10の一方側に設けられ、且つ前記第2表示領域b内に位置する複数の第1画素回路21と、前記第1画素回路21の前記ベース基板10から離れた側に設けられる配線30と、前記配線30の前記ベース基板10から離れた側に設けられ、且つ前記第1表示領域a内に位置する第1発光素子41と、第1透明電極412と同一の層に位置し且つ電気的に接続されるように設けられる接続線50と、を含み、ここで、前記ベース基板10から離れた方向において、前記第1発光素子41における第1陽極411の有効発光陽極領域は、少なくとも2層の導電層を含み、前記少なくとも2層の導電層は、第1透明電極412(図4において、第1陽極411において順次に積層されている第1透明電極412、銀電極413及び第2透明電極414を例とする)を含む。ここで、前記配線30は、前記第1画素回路21が前記第1発光素子41を駆動して発光させるように、前記第1画素回路21と前記接続線50とを電気的に接続するためのものである。これにより、接続線50は、第1陽極411における第1透明電極412から引き出されて、配線30に電気的に接続されることにより、第1画素回路21と第1発光素子41との電気的接続を実現するので、第1陽極411に配線に電気的に接続されるための突起部4111(図8に示すように、この突起部4111は、第1陽極と同一の構造を有し、即ち、第1透明電極、銀電極及び第2透明電極の3層構造を含む)を設ける必要がなくなり、このようにして、第1表示領域の光透過率をさらに向上させることができる。また、表示領域がアンダーディスプレー機能領域を有する場合、アンダーディスプレー機能領域に対応する表示パネルの裏面は、アンダーディスプレーカメラを配置するためのものである。本発明者らは、第1陽極411が突起部4111を介して配線に電気的に接続される場合、この突起部によって、アンダーディスプレーカメラにより撮影する時により深刻なギラツキ及び回折を発生させ、さらにその撮影性能を低下させることを発見したが、本願において、陽極に電気的に接続される透明な接続線を設けることにより、ギラツキ及び回折を効果的に緩和し、撮影効果を大幅に最適化し、撮影性能を向上させることができる。
【0027】
ここで、上記の有効発光陽極領域とは、画素定義層により限定される開口内に位置する第1陽極の領域を指す。
【0028】
ここで、第1画素回路21の具体的な構造は特に限定されないが、当業者は、実際の状況に応じて柔軟に選択可能である。いくつかの実施例において、第1画素回路21は、7T1C回路(即ち、7つのトランジスタ及び1つのキャパシタ)構造であり、例えば、駆動トランジスタ、データ書込みトランジスタ、蓄積キャパシタ、閾値補償トランジスタ、第1リセットトランジスタ、第2リセットトランジスタ、第1発光制御トランジスタ及び第2発光制御トランジスタを含む。第1画素回路11の縦方向の構造も特に限定されず、いくつかの実施例において、図4を参照すると、第1画素回路21は、活性層211、ゲート電極212、ソース・ドレイン電極213などの構造を含む。ここで、活性層211は、ベース基板10の一方側に設けられ、ゲート絶縁層61は、活性層211を覆い、ゲート212は、ゲート絶縁層61のベース基板から離れた表面に設けられ、層間誘電体層62は、ゲート絶縁層61のベース基板から離れた側に設けられ、且つゲート212を覆い、ソース・ドレイン電極層213は、層間誘電体層62のベース基板から離れた側に設けられ、ここで、ソース・ドレイン電極213は、ゲート絶縁層及び層間誘電体層を貫通するビアホールを介して活性層に電気的に接続される。ここで、図4に示すように、配線30と第1画素回路21との電気的接続は、配線30とソース・ドレイン電極213との電気的接続により実現される。
【0029】
また、図4を参照すると、第1発光素子41は、前記第1陽極411に加えて、発光層416及び陰極417を含む。いくつかの実施例において、第1発光素子41は、正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層及び電子注入層などの構造のうちの少なくとも1つをさらに含むことができるが、当業者は、実際の設計要求に応じて柔軟に選択すればよい。
【0030】
本発明の実施例によれば、図4及び図5を参照すると、配線30は、第1ビアホール641を介して接続線50に電気的に接続され、第1ビアホール641は、前記第1表示領域内に位置する。本発明の実施例によれば、図4及び図6を参照すると、前記ベース基板10から離れた方向において、第1陽極411において、第1透明電極412、銀電極413及び第2透明電極414が順次に積層されており、接続線50と前記第1透明電極412とは、一体構造であり、即ち、接続線50は、前記第1透明電極412と同一の層に設けられ、且つ、同一のステップにより製造される。これにより、第1表示領域の光透過率を高めるだけでなく、アンダーディスプレーカメラにより撮影する時に発生したギラツキや回折などの不具合を効果的に緩和することができる。
【0031】
また、図4及び図11を参照すると、表示パネルは、画素定義層65をさらに含み、画素定義層65は、第2絶縁層64のベース基板から離れた表面に設けられ、且つ複数の開口を限定し、ここで、第1発光素子及び第2発光素子は、前記開口内に設けられる。
【0032】
本発明の実施例によれば、図5を参照すると、第1陽極411は、前記有効発光陽極領域4111と、前記有効発光陽極領域4111を取り囲む非発光陽極領域4112と、を含み、ベース基板における前記有効発光陽極領域4111の正投影は、前記ベース基板における、前記第1発光素子における画素定義層65により限定される開口651の正投影よりも大きいか同じであり、前記非発光陽極領域4112は、前記画素定義層により覆われている。いくつかの実施例において、非発光陽極領域の構造も順次に設けられる第1透明電極412、銀電極413及び第2透明電極414を含み、即ち、有効発光陽極領域4111の構造と同じである。他の実施例において、非発光陽極領域4112は、前記第1透明電極412のみを含み、即ち、製造過程において、エッチングにより接続線の上層の銀電極413及び第2透明電極414を除去する場合、非発光陽極領域4112に対応する銀電極413及び第2透明電極414も除去され、第1透明電極412のみを残し、構造模式図は、図7を参照することができる。
【0033】
本発明の実施例によれば、接続線、第1透明電極、第2透明電極及び配線の材料は特に限定されないが、当業者は、実際の状況に応じて柔軟に選択可能である。いくつかの実施例において、接続線、第1透明電極、第2透明電極及び配線の材料は、それぞれ独立にITO、IZOなどの透明導電材料である。
【0034】
本発明の実施例によれば、図4を参照すると、表示パネルは、前記第1画素回路(図4において、第1絶縁層63はソース・ドレイン電極213のベース基板から離れた側に設けられる)の前記ベース基板10から離れた側に設けられ、且つ前記第1絶縁層63を貫通する第2ビアホール631を有する第1絶縁層63と、前記第1絶縁層63の前記ベース基板10から離れた側に設けられ、前記配線30を覆い、且つ、前記第2絶縁層64を貫通する前記第1ビアホール641を有する第2絶縁層64と、をさらに含み、ここで、前記配線30は、前記第1絶縁層63のベース基板10から離れた側に設けられ、且つ、前記配線30は、前記第2ビアホール631を介して前記第1画素回路21(ソース・ドレイン電極213)に電気的に接続され、前記接続線50は、前記第2絶縁層64のベース基板10から離れた側に設けられ、且つ第1ビアホール641を介して配線30に電気的に接続される。
【0035】
本発明の実施例によれば、図9を参照すると、複数の前記第1ビアホール641は、複数行で並んで設けられており、前記配線30は、隣接する2行の前記第1ビアホール641の間に位置する。これにより、配線30のレイアウトを合理的に配置し、限られたスペース内でより多くの配線30を配置するのに有利である。ここで、図9から分かるように、第1陽極411と当該第1陽極に電気的に接続される配線30との間に重畳領域を有してもよく、重畳領域を有しなくてもよい。具体的に、図9におけるm-m’に沿う断面図は、図10を参照することができ、ベース基板における第1陽極411の正投影とベース基板における当該第1陽極に電気的に接続される配線30の正投影とは、重畳領域を有しなく、即ち、この配線30は、第1ビアホール641を介して接続線50に電気的に接続されてから、当該第1陽極411から離れた方向に延びて配置される。図9におけるn-n’に沿う断面図は、図11を参照することができ、ベース基板における第1陽極411の正投影とベース基板における当該第1陽極に電気的に接続される配線30の正投影とは、一部の重畳領域を有し、即ち、この配線30は、第1ビアホール641を介して接続線50に電気的に接続されてから、当該第1陽極411に近づく方向に延びて配置される。
【0036】
本発明の実施例によれば、図3図12及び図13を参照すると、表示パネルは、複数の第2画素回路22及び複数の第2発光素子42をさらに含み、且つ、前記第2画素回路22及び前記第2発光素子42は、いずれも前記第2表示領域b内に位置する。いくつかの実施例において、図12に示すように、前記第2画素回路22は、第1絶縁層63及び第2絶縁層64を貫通する第3ビアホール643を介して前記第2発光素子42における第2陽極421に直接に電気的に接続されることにより、前記第2発光素子を駆動して発光させる。他の実施例において、図13に示すように、表示パネルは、導電層70をさらに含み、導電層70は、配線30と同一の層に設けられ(即ち、導電層70は、配線30と同一の材料且つ同期のプロセスにより形成される)、第2陽極421は、導電層70を介して第2画素回路22に電気的に接続され、即ち、第2陽極421は、第2絶縁層64を貫通する第4ビアホール644を介して導電層に電気的に接続され、導電層70は、また、第1絶縁層63を貫通する第5ビアホール635を介して第2画素回路に電気的に接続されることにより、第2画素回路と第2陽極との電気的接続を実現し、これにより、第2画素回路は、第2発光素子を駆動して発光させる。
【0037】
また、図12及び図13を参照すると、第2発光素子42は、前記第2陽極421に加えて、発光層422及び陰極423を含む。いくつかの実施例において、第2発光素子42は、正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層及び電子注入層などの構造のうちの少なくとも1つをさらに含んでもよいが、当業者は、実際の設計要求に応じて柔軟に選択すればよい。
【0038】
ここで、図12及び図13を参照すると、第2画素回路22は、活性層221、ゲート電極222、ソース・ドレイン電極223などの構造を含み、ここで、活性層221は、ベース基板10の一方側に設けられ、ゲート絶縁層61は、活性層221を覆い、ゲート222は、ゲート絶縁層61のベース基板から離れた表面に設けられ、層間誘電体層62は、ゲート絶縁層61のベース基板から離れた側に設けられ、且つゲート222を覆い、ソース・ドレイン電極層223は、層間誘電体層62のベース基板から離れた側に設けられ、ここで、ソース・ドレイン電極223は、ゲート絶縁層及び層間誘電体層を貫通するビアホールを介して活性層に電気的に接続され、且つ、図12及び図13に示すように、第2画素回路におけるソース・ドレイン電極223は、第2陽極421に電気的に接続される。
【0039】
いくつかの実施例において、図3を参照すると、第1画素回路21及び第2画素回路22は、第1方向X及び第2方向Yにおいてアレイ状に分布される。ここで、第2表示領域内の輝度を均一にすることを確保するために、複数の第1画素回路21及び第2画素回路22は、均一に分散して設けられてもよく、具体的な設置方式については、当業者は、画素ユニットの配列などの具体的な状況に応じて柔軟に選択可能であるが、ここでは特に限定しない。
【0040】
本発明の実施例によれば、第1陽極と第2陽極の形状は一致している。これにより、第1陽極に突起部を設ける必要がなくなり、第1陽極と第2陽極の形状を一致させることにより、第1発光素子の発光効率を効果的に確保するだけでなく、第1表示領域が高い光透過率を有することを効果的に確保することができる。当業者は、異なる色の発光素子の陽極の形状が異なる可能性があり、即ち、青色発光素子、赤色発光素子及び緑色発光素子の陽極の形状が異なるので、上記「第1陽極と第2陽極の形状は一致している」とは、第1表示領域及び第2表示領域とで同色の発光素子における陽極の形状が同じであることを意味し、即ち、第1表示領域内の赤色発光素子における第1陽極と第2表示領域内の赤色発光素子における第2陽極の形状は同じであり、第1表示領域内の青色発光素子における第1陽極と第2表示領域内の青色発光素子における第2陽極の形状は同じであり、第1表示領域内の緑色発光素子における第1陽極と第2表示領域内の緑色発光素子における第2陽極の形状は同じであることを理解することができる。
【0041】
なお、プロセスなどの要因により、第1陽極と第2陽極の形状を完全に一致させることは困難であるので、第1陽極と第2陽極の形状がほぼ一致していれば、「第1陽極と第2陽極の形状は一致している」と考えられる。
【0042】
本発明の他の態様によれば、本発明は、前記表示パネルを製造する方法を提供する。本発明の実施例によれば、前記表示パネルの表示領域は、第1表示領域及び第2表示領域を含み、前記第1表示領域における画素密度は、前記第2表示領域における画素密度よりも小さい。図14を参照すると、前記表示パネルを製造する方法は、以下のステップを含む。
【0043】
S100:ベース基板10の一方側に前記第2表示領域b内に位置する複数の第1画素回路21を形成する。
【0044】
ここで、第1画素回路21の具体的な構造は特に限定されないが、当業者は、実際の状況に応じて柔軟に選択可能である。いくつかの実施例において、第1画素回路21は、7T1C回路(即ち、7つのトランジスタ及び1つのキャパシタ)構造であり、例えば、駆動トランジスタ、データ書込みトランジスタ、蓄積キャパシタ、閾値補償トランジスタ、第1リセットトランジスタ、第2リセットトランジスタ、第1発光制御トランジスタ及び第2発光制御トランジスタを含む。第1画素回路11の縦方向の構造も特に限定されず、いくつかの実施例において、図4を参照すると、第1画素回路21は、活性層211、ゲート212、ソース・ドレイン電極213などの構造を含み、ここで、活性層211は、ベース基板10の一方側に設けられ、ゲート絶縁層61は、活性層211を覆い、ゲート電極212は、ゲート絶縁層61のベース基板から離れた表面に設けられ、層間誘電体層62は、ゲート絶縁層61のベース基板から離れた側に設けられ、且つゲート電極212を覆い、ソース・ドレイン電極層213は、層間誘電体層62のベース基板から離れた側に設けられ、ここで、ソース・ドレイン電極213は、ゲート絶縁層及び層間誘電体層を貫通するビアホールを介して活性層に電気的に接続される。
【0045】
本発明の実施例によれば、表示パネルを製造する方法は、第2表示領域内に第2画素回路22を形成するステップ(図3及び図12に示すように)をさらに含む。当業者は、第2画素回路が第1画素回路と同時に製造されることを理解することができる。図8を参照すると、第2画素回路22は、活性層221、ゲート電極222、ソース・ドレイン電極223などの構造を含み、ここで、活性層221は、ベース基板10の一方側に設けられ、ゲート絶縁層61は、活性層221を覆い、ゲート電極222は、ゲート絶縁層61のベース基板から離れた表面に設けられ、層間誘電体層62は、ゲート絶縁層61のベース基板から離れた側に設けられ、且つゲート電極222を覆い、ソース・ドレイン電極層223は、層間誘電体層62のベース基板から離れた側に設けられ、ここで、ソース・ドレイン電極223は、ゲート絶縁層及び層間誘電体層を貫通するビアホールを介して活性層に電気的に接続される。
【0046】
また、図3を参照すると、第1画素回路21及び第2画素回路22は、第1方向X及び第2方向Yにおいてアレイ状に分布される。ここで、第2表示領域内の輝度を均一にすることを確保するために、複数の第1画素回路21及び第2画素回路22は、均一に分散して設けられてもよく、具体的な設置方式については、当業者は、画素ユニットの配列などの具体的な状況に応じて柔軟に選択可能であるが、ここでは特に限定しない。
【0047】
S200:前記第1画素回路21の前記ベース基板10から離れた側に前記第1画素回路21に電気的に接続される配線30を形成する。図13に示すように、配線30が第1画素回路21に電気的に接続されることは、配線30がソース・ドレイン電極層213に電気的に接続されることを指す。
【0048】
ここで、図13に示すように、配線30を形成する前に、予め第1画素回路21のベース基板10から離れた側に第1絶縁層材料を積層して形成し、第1絶縁材料層において第1絶縁材料層を貫通する第2ビアホール631を製造することにより、第2ビアホール631を有する第1絶縁層63を形成する。ここで、配線30は、第1絶縁層63のベース基板10から離れた側に位置し、且つ、配線30は、第2ビアホール631を介して第1画素回路21に電気的に接続される(ソース・ドレイン電極層213に電気的に接続される)。
【0049】
さらに、配線30を形成した後、第1絶縁層63のベース基板10から離れた側に第2絶縁材料層を積層して形成し、第2絶縁材料層において第2絶縁材料層を貫通する第1ビアホール641を製造することにより、第1ビアホール641を有する第2絶縁層64を形成し、即ち、配線30が第1絶縁層63と第2絶縁層64との間に位置するステップをさらに含む。ここで、その後に形成される接続線50は、第2絶縁層64のベース基板10から離れた側に設けられ、且つ第1ビアホール641を介して配線30に電気的に接続される。
【0050】
S300:配線30のベース基板から離れた側に第1表示領域a内に位置する第1発光素子41及び接続線50を形成し、ベース基板10から離れた方向において、第1発光素子41における第1陽極411の有効発光陽極領域は、少なくとも2層の導電層を含み、前記少なくとも2層の導電層のうちの少なくとも1つは、第1透明電極412(図13において、第1陽極411が順次に積層されている第1透明電極412、銀電極413及び第2透明電極414を含む場合を例とする)を含み、接続線50は、第1透明電極412に電気的に接続され且つ同一のステップにより形成され、配線30は、接続線50に電気的に接続されることにより、第1画素回路21は、第1発光素子41を駆動して発光させる。
【0051】
ここで、いくつかの実施例において、図13に示すように、第1発光素子41及び接続線50は、第2絶縁層64のベース基板10から離れた表面に形成され、接続線50は、第2ビアホール631を介して配線30に電気的に接続される。
【0052】
本発明の実施例によれば、接続線は、第1陽極における第1透明電極から引き出されて、配線に電気的に接続されることにより、第1画素回路と第1発光素子との電気的接続を実現するので、第1陽極に配線に電気的に接続されるための突起部を設ける必要がなくなり、このようにして、第1表示領域の光透過率をさらに向上させることができる。
【0053】
本発明の実施例によれば、図15を参照すると、第1陽極411及び接続線50を形成するステップは、以下のステップを含む。
【0054】
S310:第2絶縁層64のベース基板10から離れた表面に第1透明導電層4120、銀層4130及び第2透明導電層4140を順次に積層して形成する。
【0055】
S320:第2透明導電層4140の表面に位置する第1領域及び第2領域に第1フォトレジスト71及び第2フォトレジスト72をそれぞれ形成し、第1フォトレジスト71の厚さは、第2フォトレジスト72の厚さよりも大きい。当業者は、上記の第1領域が第2絶縁層64の表面における形成すべき第1陽極の正投影と重なっており、第2領域が第2絶縁層64の表面における形成すべき接続線50の正投影と重なっていることを理解することができる。
【0056】
ここで、いくつかの具体的な実施例において、第1フォトレジスト71及び第2フォトレジスト72を形成するステップは、第2絶縁層64の表面に同じ厚さのフォトレジスト層全体を形成し、その後、ハーフトーンマスク及びアッシングプロセスにより第1領域及び第2領域以外のフォトレジストを除去するとともに、第2領域に設けられたフォトレジストを薄くすることにより、第1フォトレジスト71及び第2フォトレジスト72を得るステップを含む。
【0057】
S330:第1フォトレジスト71及び第2フォトレジスト72により覆われていない第1透明導電層4120、銀層4130及び第2透明導電層4140を除去する。上記のステップにより第1陽極及び接続線の予備形状を得る。
【0058】
S340:第1フォトレジスト71及び第2フォトレジスト72に対してアッシング処理を行うことにより、第2フォトレジスト72を除去するとともに、第1フォトレジスト71を薄くする。いくつかの実施例において、アッシングプロセスにより第2フォトレジスト72を除去するとともに、第1フォトレジスト71を薄くすることができる。
【0059】
S350:エッチングプロセスにより第2領域での第2透明導電層4140及び前記銀層4130を除去し、前記第1透明導電層4120を残すことにより、前記接続線50を得る。
【0060】
上記のステップにおいて、エッチング速度及びエッチング時間を制御することにより第2領域での第2透明導電層4140及び前記銀層4130を除去するとともに、第1透明導電層4120を残すことができる。ここで、具体的なエッチング速度及びエッチング時間については、当業者は、各層の構造の厚さ、材料などの実際の状況に応じて柔軟に選択可能であるが、ここでは特に限定しない。
【0061】
S360:薄くした前記第1フォトレジスト71を除去して、前記第1陽極411を得る。
【0062】
本発明の実施例によれば、表示パネルを製造する方法は、以下のステップをさらに含む。図13を参照すると、第2絶縁層64のベース基板から離れた表面に画素定義層65を形成し、第1陽極及び接続線を形成した後に画素定義層65を形成し、且つ、画素定義層65は、接続線50および第1陽極411の一部を覆い、画素定義層65は、複数の開口を限定し、発光素子は、前記開口内に設けられる。
【0063】
本発明の実施例によれば、図3図12及び図13を参照すると、表示パネルを製造する方法は、前記第2表示領域b内に位置する複数の第2発光素子42を製造するステップをさらに含む。いくつかの実施例において、図12に示すように、第2画素回路22は、第1絶縁層63及び第2絶縁層64を貫通する第3ビアホール643を介して前記第2発光素子42における第2陽極421に直接に電気的に接続されることにより、前記第2発光素子を駆動して発光させる。他の実施例において、図13に示すように、表示パネルは、導電層70をさらに含み、導電層70は、配線30と同一の層に設けられ(即ち、導電層70は、配線30と同一の材料且つ同期プロセスにより形成される)、第2陽極421は、導電層70を介して第2画素回路22に電気的に接続され、即ち、第2陽極421は、第2絶縁層64を貫通する第1ビアホール641を介して導電層に電気的に接続され、導電層70は、また、第1絶縁層63を貫通する第2ビアホール631を介して第2画素回路に電気的に接続されることにより、第2画素回路と第2陽極との電気的接続を実現し、これにより、第2画素回路は、第2発光素子を駆動して発光させる。
【0064】
また、図12及び図13を参照すると、第2発光素子42は、前記第2陽極421に加えて、発光層422及び陰極423を含む。いくつかの実施例において、第2発光素子42は、正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層及び電子注入層などの構造のうちの少なくとも1つをさらに含んでもよいが、当業者は、実際の設計要求に応じて柔軟に選択すればよい。
【0065】
本発明の実施例によれば、図4及び図5を参照すると、配線30は、第1ビアホール641を介して接続線50に電気的に接続され、第1ビアホール641は、前記第1表示領域内に位置する。本発明の実施例によれば、図4及び図6を参照すると、前記ベース基板10から離れた方向において、第1陽極411において、第1透明電極412、銀電極413及び第2透明電極414が順次に積層されており、接続線50と前記第1透明電極412とは、一体構造であり、即ち、接続線50は、前記第1透明電極412と同一の層に設けられ、且つ、同一のステップにより製造される。これにより、第1表示領域の光透過率を高めるだけでなく、アンダーディスプレーカメラにより撮影する時に発生したギラツキや回折などの不具合を効果的に緩和することができる。
【0066】
また、図4及び図12を参照すると、表示パネルは、画素定義層65をさらに含み、画素定義層65は、第2絶縁層64のベース基板から離れた表面に設けられ、且つ複数の開口を限定し、ここで、第1発光素子及び第2発光素子は、前記開口内に設けられる。
【0067】
本発明の実施例によれば、図5を参照すると、第1陽極411は、前記有効発光陽極領域4111と、前記有効発光陽極領域4111を取り囲む非発光陽極領域4112と、を含み、ベース基板における前記有効発光陽極領域4111の正投影は、前記ベース基板における、前記第1発光素子における画素定義層65により限定される開口651の正投影よりも大きいか同じであり、前記非発光陽極領域4112は、前記画素定義層により覆われている。いくつかの実施例において、非発光陽極領域の構造も順次に設けられる第1透明電極412、銀電極413及び第2透明電極414を含み、即ち、有効発光陽極領域4111の構造と同じである。他の実施例において、非発光陽極領域4112は、前記第1透明電極412のみを含み、即ち、製造過程において、エッチングにより接続線の上層の銀電極413及び第2透明電極414を除去する場合、非発光陽極領域4112に対応する銀電極413及び第2透明電極414も除去され、第1透明電極412のみを残し、構造模式図は、図7を参照することができる。
【0068】
当業者は、第2発光素子が第1発光素子と同期して製造され、即ち、第1陽極も第2発光素子における第2陽極と同期して製造されることを理解することができる。
【0069】
本発明の別の態様によれば、本発明は、表示装置を提供する。本発明の実施例によれば、この表示装置は、表示領域が第1表示領域及び第2表示領域を含む前記表示パネルと、アンダーディスプレー機能層と、を含み、前記表示パネルにおける前記アンダーディスプレー機能層の正投影と前記第1表示領域とは、重畳領域を有し、又は、前記表示パネルにおけるアンダーディスプレー機能層の正投影は、アンダーディスプレー機能領域と重なっている。これにより、この表示装置では、アンダーディスプレー機能層の高入光量に対する要求を満たすことができる。アンダーディスプレー機能層がアンダーディスプレーカメラである場合、アンダーディスプレーカメラは、良好な入光量を有し、さらにその高い撮影品質を確保する。当業者は、この表示装置は前記表示パネルのすべての特徴と利点を有することを理解することができるが、ここでは詳細な説明を省略する。
【0070】
本発明の実施例によれば、上記の表示装置の具体的な種類は特に限定されないが、当業者は、実際の状況に応じて柔軟に選択可能である。いくつかの実施例において、表示装置の具体的な種類は、携帯電話、ノートパソコン、kindle、iPad(登録商標)、テレビ、ゲーム機などの表示機能を有するすべての表示装置を含むが、これらに限定されない。
【0071】
当業者は、この表示装置には、前述の表示パネルのほか、通常の表示装置に必要な構造や部品が含まれており、携帯電話を例とすると、前記表示パネルのほか、ガラスカバープレート、電池バックカバー、中間フレーム、マザーボード、タッチモジュール、オーディオモジュール、撮像モジュールなどの必要な構造や部品が含まれることを理解することができる。
【0072】
本明細書の記述において、用語「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体的な例」、「いくつかの例」などの記述とは、この実施例又は例を組み合わせて説明された特定の特徴、構造、材料又は特点が本発明の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上記の用語の例示的な表現は、必ずしも同じ実施例または例を対象とする必要はない。また、記載された特定の特徴、構造、材料又は特点は、適切な方式でいかなる1つ又は複数の実施例又は一例に組み合わせることができる。なお、当業者は、本明細書に記載の異なる実施例または例と、異なる実施例または例の特徴とを、互いに矛盾しない限り、結合する又は組み合わせることができる。
【0073】
以上、本発明の実施例を図示および説明したが、上記の実施例は、例示的なものであり、本発明に対する制限として理解することはできず、当業者は、本発明の範囲内で上記の実施例に対して変更、修正、置換及び変形を行うことができる。
【符号の説明】
【0074】
a 第1表示領域
b 第2表示領域
c 第3表示領域
e アンダーディスプレー機能領域
10 ベース基板
21 第1画素回路
211 活性層
212 ゲート電極
213 ソース・ドレイン電極
22 第2画素回路
221 活性層
222 ゲート電極
223 ソース・ドレイン電極
30 配線
41 第1発光素子
411 第1陽極
4111 突起部、有効発光陽極領域
4112 非発光陽極領域
412 第1透明電極
413 銀電極
414 第2透明電極
4120 第1透明導電層
4130 銀層
4140 第2透明導電層
416 発光層
417 陰極
421 第2陽極
50 接続線
61 ゲート絶縁層
62 層間誘電体層
63 第1絶縁層
631 第2ビアホール
635 第5ビアホール
64 第2絶縁層
641 第1ビアホール
643 第3ビアホール
644 第4ビアホール
65 画素定義層
651 開口
70 導電層
71 第1フォトレジスト
72 第2フォトレジスト
図1
図2(A)】
図2(B)】
図2(C)】
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【国際調査報告】