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特表2023-549597少なくとも1つの回動レバーと少なくとも1つの支承ピンとを備えた家具金具
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-28
(54)【発明の名称】少なくとも1つの回動レバーと少なくとも1つの支承ピンとを備えた家具金具
(51)【国際特許分類】
   E05D 3/16 20060101AFI20231120BHJP
   E05F 1/12 20060101ALI20231120BHJP
【FI】
E05D3/16
E05F1/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023528253
(86)(22)【出願日】2021-11-05
(85)【翻訳文提出日】2023-07-11
(86)【国際出願番号】 AT2021060409
(87)【国際公開番号】W WO2022099333
(87)【国際公開日】2022-05-19
(31)【優先権主張番号】A50980/2020
(32)【優先日】2020-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】597140501
【氏名又は名称】ユリウス ブルーム ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Julius Blum GmbH
【住所又は居所原語表記】Industriestrasse 1, 6973 Hoechst, Austria
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アーミン バルトライヒ
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー ズィーモン フローガウス
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス ホルツアプフェル
(72)【発明者】
【氏名】ドミニク ハグズピール
(72)【発明者】
【氏名】ペーター ガーベル
【テーマコード(参考)】
2E050
【Fターム(参考)】
2E050AA03
2E050AA04
2E050BA04
2E050CA04
2E050EA00
2E050EB00
(57)【要約】
家具部分(9)、特に家具フラップ(4)を家具板(2)に可動に支承するための家具金具(10)であって、基体(11)と、少なくとも1つの回動レバー(21)と、少なくとも1つの支承ピン(24)とを備え、この少なくとも1つの支承ピン(24)は、基体(11)および/または少なくとも1つの基礎レバー(22)に結合されており、少なくとも1つの回動レバー(21)は、少なくとも1つの孔(23)を有し、少なくとも1つの支承ピン(24)は、少なくとも1つの孔(23)を貫通しており、少なくとも1つの回動レバー(21)は、少なくとも1つの孔(23)を取り囲む少なくとも1つの領域に、少なくとも1つの支承ピン(24)の長手方向軸線に対して平行な方向に少なくとも延在する拡幅部材(31)を有する、家具金具(10)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
家具部分(9)、特に家具フラップ(4)を家具板(2)に可動に支承するための家具金具(10)であって、基体(11)と、少なくとも1つの回動レバー(21)と、少なくとも1つの支承ピン(24)とを備え、該少なくとも1つの支承ピン(24)は、前記基体(11)および/または少なくとも1つの基礎レバー(22)に結合されており、前記少なくとも1つの回動レバー(21)は、少なくとも1つの孔(23)を有し、前記少なくとも1つの支承ピン(24)は、前記少なくとも1つの孔(23)を貫通している、家具金具(10)において、
前記少なくとも1つの回動レバー(21)は、前記少なくとも1つの孔(23)を取り囲む少なくとも1つの領域に、前記少なくとも1つの支承ピン(24)の長手方向軸線に対して平行な方向に少なくとも延在する拡幅部材(31)を有することを特徴とする、家具金具(10)。
【請求項2】
前記拡幅部材(31)は、前記少なくとも1つの回動レバー(21)の、前記少なくとも1つの孔(23)を取り囲む前記少なくとも1つの領域に少なくとも1つの支承スリーブ(25)として構成されており、該少なくとも1つの支承スリーブ(25)は、前記少なくとも1つの孔(23)内に配置されており、好ましくは、
- 前記少なくとも1つの支承スリーブ(25)は、前記少なくとも1つの回動レバー(21)に結合されており、かつ/または
- 前記少なくとも1つの支承スリーブ(25)は、前記少なくとも1つの支承ピン(24)によって貫通され、かつ/または
- 前記少なくとも1つの支承スリーブ(25)は、前記少なくとも1つの支承ピン(24)に対して回動可能に支承されており、かつ/または
- 前記少なくとも1つの支承スリーブ(25)は、前記少なくとも1つの回動レバー(21)の前記少なくとも1つの孔(23)内への圧入によって前記少なくとも1つの回動レバー(21)に結合可能であり、かつ/または
- 前記少なくとも1つの支承スリーブ(25)は鋼から製作されており、かつ/または
- 軸線方向における前記少なくとも1つの支承スリーブ(25)の延在長さは、前記少なくとも1つの回動レバー(21)の幅よりも大きく、特に少なくとも5倍大きい、
請求項1記載の家具金具(10)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの支承ピン(24)は、リベット(32)またはリベット(32)の一部として構成されており、好ましくは、前記少なくとも1つの支承ピン(24)は、前記基体(11)または前記少なくとも1つの基礎レバー(22)に揺動加締めによって結合可能である、請求項1または2記載の家具金具(10)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの回動レバー(21)と前記基体(11)および/または前記少なくとも1つの基礎レバー(22)との間に少なくとも1つの外側スペーサ(27)が配置されており、好ましくは、該少なくとも1つの外側スペーサ(27)はリングとして形成されており、好ましくは、前記支承ピン(24)は前記リングを貫通しており、かつ/または好ましくは、前記リングはL字形断面を有する、請求項1から3までのいずれか1項記載の家具金具(10)。
【請求項5】
前記家具金具(10)は、少なくとも2つの回動レバー(21)を備え、好ましくは、
- 前記少なくとも2つの回動レバー(21)の間に内側スペーサ(26)が配置されており、好ましくは、該内側スペーサ(26)はスリーブとして形成されており、かつ/または
- 前記少なくとも2つの回動レバー(21)は、前記少なくとも1つの孔(23)を取り囲む少なくとも1つの領域で前記拡幅部材(31)を介して結合されており、かつ/または
- 前記少なくとも2つの回動レバー(21)は、前記孔(23)から離れたところで互いに結合されており、好ましくは、前記少なくとも2つの回動レバー(21)は、一体成形、溶接、ねじ締結および/またはリベット締めされており、かつ/または
- 前記少なくとも2つの回動レバー(21)は、互いに平行に配置されており、かつ/または
- 前記少なくとも2つの回動レバー(21)は、実質的に同形に形成されている、
請求項1から4までのいずれか1項記載の家具金具(10)。
【請求項6】
前記少なくとも2つの回動レバー(21)の前記少なくとも2つの孔(23)内に1つの支承スリーブ(25)が配置されており、これによって、該支承スリーブ(25)が、前記少なくとも2つの回動レバー(21)を貫通している、請求項2および5記載の家具金具(10)。
【請求項7】
前記家具金具(10)は、少なくとも2つの基礎レバー(22)を備え、好ましくは、
- 前記少なくとも1つの支承ピン(24)は、前記少なくとも2つの基礎レバー(22)を貫通しており、かつ/または
- 前記少なくとも2つの基礎レバー(22)は互いに結合されており、好ましくは、前記少なくとも2つの基礎レバー(22)は、一体成形、溶接、ねじ締結および/またはリベット締めされており、かつ/または
- 前記少なくとも2つの基礎レバー(22)は、互いに平行に配置されており、かつ/または
- 前記少なくとも2つの基礎レバー(22)は、実質的に同形に形成されている、
請求項1から6までのいずれか1項記載の家具金具(10)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの回動レバー(21)と前記少なくとも1つの基礎レバー(22)とは、前記少なくとも1つの支承ピン(24)の前記長手方向軸線に沿って互いに内外に配置されており、好ましくは、前記少なくとも1つの支承ピン(24)の前記長手方向軸線に沿った配置形態は、
- 少なくとも1つ、好ましくは正確に1つの基礎レバー(22)
- 少なくとも1つ、好ましくは正確に1つまたは正確に2つの回動レバー(21)
- 少なくとも1つ、好ましくは正確に1つの基礎レバー(22)
の順序を有する、請求項1から7までのいずれか1項記載の家具金具(10)。
【請求項9】
前記家具金具(10)は、少なくとも1つのばね要素(29)を有し、好ましくは、前記少なくとも1つの回動レバー(21)と、前記少なくとも1つの基礎レバー(22)と、前記少なくとも1つのばね要素(29)とは、前記少なくとも1つの支承ピン(24)の前記長手方向軸線に沿って互いに内外に配置されており、好ましくは、前記少なくとも1つの支承ピン(24)の前記長手方向軸線に沿った配置形態は、
- 少なくとも1つ、好ましくは正確に1つの基礎レバー(22)
- 少なくとも1つ、好ましくは正確に1つの回動レバー(21)
- 少なくとも1つ、好ましくは正確に1つのばね要素(29)
- 少なくとも1つ、好ましくは正確に1つの回動レバー(21)
- 少なくとも1つ、好ましくは正確に1つの基礎レバー(22)
の順序を有する、請求項1から8までのいずれか1項記載の家具金具(10)。
【請求項10】
前記少なくとも1つのばね要素(19)は、前記少なくとも1つの支承スリーブ(25)の外面に回動可能に支承されている、請求項2および9記載の家具金具(10)。
【請求項11】
前記基体(11)は、少なくとも2つの側壁(14)を備えたハウジング(13)を有し、前記少なくとも1つの支承ピン(24)は、前記少なくとも2つの側壁(14)に設けられた少なくとも2つの孔(23)内に配置されており、好ましくは、前記少なくとも1つの支承ピン(24)の前記長手方向軸線に沿った配置形態は、
- 側壁(14)
- 少なくとも1つ、好ましくは正確に1つまたは正確に2つの回動レバー(21)
- 側壁(14)
の順序を有する、請求項1から10までのいずれか1項記載の家具金具(10)。
【請求項12】
前記家具金具(10)は作動機構(12)を有し、
- 前記作動機構(12)は複数のレバー(20)を備え、該複数のレバー(20)のうちの少なくとも一部は、基礎レバー(22)および/または回動レバー(21)として構成されており、好ましくは、前記複数のレバー(20)のうちの少なくとも1つのレバー(20)は、回動レバー(21)および基礎レバー(22)として構成されており、かつ/または
- 前記基体(11)は、好ましくは機械的な蓄力器(18)を有し、前記作動機構(12)への前記蓄力器(18)の枢着点は、前記基体(11)の端面(15)において調整可能であり、かつ/または
- 前記作動機構(12)は、少なくとも1つの位置、好ましくは閉鎖位置で前記基体(11)内に完全に配置可能であり、かつ/または
- 前記作動機構(12)は、少なくとも1つの組付けレバー(28)を有し、該組付けレバー(28)に可動の家具部分(9)が取付け可能であり、好ましくは、前記組付けレバー(28)は、回動レバー(21)および/または基礎レバー(22)として機能する、
請求項1から11までのいずれか1項記載の家具金具(10)。
【請求項13】
- 前記基体(11)は取付け装置(19)を有し、該取付け装置(19)に前記基体(11)の端面(15)から接近が可能であり、かつ/または
- 前記基体(11)の側壁(14)に少なくとも1つの突起が設けられており、これによって、前記基体(11)は家具板(2)に支持可能であり、かつ/または
- 前記基体(11)はハウジング(13)を有し、該ハウジング(13)は端面側で開放されている、
請求項1から12までのいずれか1項記載の家具金具(10)。
【請求項14】
請求項1から13までのいずれか1項記載の少なくとも1つの家具金具(10)を備えた家具板(2)。
【請求項15】
前記少なくとも1つの家具金具(10)は、前記家具板(2)に設けられた切欠き(8)内に少なくとも部分的に配置されており、好ましくは、前記切欠き(8)は、
- 前記家具板(2)の少なくとも1つの端面に向かって開放されており、かつ/または
- 前記家具板(2)の少なくとも1つの側面に向かって開放されている、
請求項14記載の家具板(2)。
【請求項16】
請求項14または15記載の少なくとも1つの家具板(2)を備える家具(1)。
【請求項17】
前記家具(1)は、少なくとも1つの可動の家具部分(9)を備え、該少なくとも1つの可動の家具部分(9)は、前記少なくとも1つの家具金具(10)によって前記家具(1)に取り付けられており、好ましくは、
- 前記少なくとも1つの可動の家具部分(9)は、家具フラップ(4)として構成されており、かつ/または
- 前記少なくとも1つの家具金具(10)は、前記少なくとも1つの可動の家具部分(9)の鉛直方向での開放を可能にする、
請求項16記載の家具(1)。
【請求項18】
請求項1から13までのいずれか1項記載の少なくとも1つの家具金具(10)を製作するための方法において、
- 少なくとも1つの基礎レバー(22)および/または前記基体(11)の第1の側壁(14)を準備するステップと、
- 前記少なくとも1つの基礎レバー(22)および/または前記基体(11)の前記第1の側壁(14)の少なくとも1つの孔(34)内に前記少なくとも1つの支承ピン(24)を挿入するステップと、
- 少なくとも1つの回動レバー(21)を、前記少なくとも1つの支承ピン(24)が前記少なくとも1つの回動レバー(21)の前記少なくとも1つの孔(23)を貫通するように配置し、このとき、前記少なくとも1つの支承ピン(24)に前記少なくとも1つの拡幅部材(31)を面接触させるステップと、
- 少なくとも1つの更なる基礎レバー(22)および/または前記基体(11)の第2の側壁(14)を、前記少なくとも1つの支承ピン(24)が前記少なくとも1つの基礎レバー(22)および/または前記基体(11)の前記第2の側壁(14)の前記少なくとも1つの孔(34)を貫通するように配置するステップと
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項19】
- 少なくとも1つの内側スペーサ(26)を、該少なくとも1つの内側スペーサ(26)が前記拡幅部材(31)を取り囲むように取り付けるステップ、
- 少なくとも1つのばね要素(29)を、該少なくとも1つのばね要素(29)に設けられた少なくとも1つの孔が前記拡幅部材(31)を取り囲むように取り付けるステップ、
- 少なくとも1つの外側スペーサ(27)を、該少なくとも1つの外側スペーサ(27)が前記少なくとも1つの支承ピン(24)を取り囲むように取り付けるステップ、
のうちの少なくとも1つのステップが設けられている、請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記家具金具(10)の前記拡幅部材(31)は、支承スリーブ(24)として構成されており、
- 少なくとも1つの孔(23)を有する少なくとも1つの回動レバー(21)を準備するステップ、
- 前記支承スリーブ(24)を、前記少なくとも1つの回動レバー(21)の前記少なくとも1つの孔(23)内に配置するステップ、
- 前記支承スリーブ(24)を前記少なくとも1つの回動レバー(21)の前記少なくとも1つの孔(23)内への圧入によって取り付けるステップ、
のうちの少なくとも1つのステップが設けられている、
請求項18または19記載の方法。
【請求項21】
- リベット(32)またはリベット(32)の一部として形成された前記少なくとも1つの支承ピン(24)を揺動加締めによって取り付けるステップ
のうちの少なくとも1つのステップが設けられている、請求項18から20までのいずれか1項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部に記載の、家具部分、特に家具フラップを家具板に可動に支承するための家具金具に関する。さらに、本発明は、請求項14記載の、少なくとも1つのこのような家具金具を備えた家具板と、請求項16記載の、このような家具板を備える家具とに関する。さらに、本発明は、請求項18記載の、家具金具の製作法に関する。
【0002】
上述した形態の家具金具は、すでに先行技術において公知である。国際公開第2017/143379号には、家具部分、特に家具フラップを家具板に可動に支承するための家具金具であって、基体と、少なくとも1つの回動レバーと、少なくとも1つの支承ピンとを備え、この少なくとも1つの支承ピンが、基体および/または少なくとも1つの基礎レバーに結合されており、少なくとも1つの回動レバーが、少なくとも1つの孔を有し、少なくとも1つの支承ピンが、少なくとも1つの孔を貫通している、家具金具が開示されている。
【0003】
同号では、孔の内面が支承ピンに直接支承されている。当然ながら、これによって、家具金具の使用に際して、レバーの回動時に支承ピンと孔の内面との摩擦ひいては摩耗が生じてしまう。したがって、過剰な摩耗を回避するために、支承ピンと孔の内面とが、硬質のまたは硬化させられた材料から製作されていなければならないかまたは少なくとも部分的に硬化させられなければならない。通常では、同じ目的で支承装置が潤滑される。
【0004】
レバーは、典型的には比較的狭幅である。これによって、支承ピンと孔の内面との間での力伝達が小さな支承面を介して行われる。したがって、比較的高い摩擦も見込まなければならない。また、小さな支承面によって、支承装置における面圧も純粋に静的に高められ、これによって、部材の変形が生じてしまう。さらに、このような支承装置の潤滑は、小さな支承面に基づき困難となってしまう。
【0005】
この先行技術を前提として、以下の本発明の課題は、前述した欠点を少なくとも部分的に取り除くかまたは少なくする家具金具、家具金具を備えた家具板、家具金具を備えた家具および少なくとも1つの家具金具を製作するための方法を提供することである。
【0006】
特に、長い寿命を有していて、高い負荷に耐えられる、家具板用の家具金具および家具を提供することが求められている。
【0007】
この課題は、請求項1、14、16および18の対象によって解決される。
【0008】
家具フラップ、特に家具フラップを家具板に可動に支承するための本発明に係る家具金具は、基体と、少なくとも1つの回動レバーと、少なくとも1つの支承ピンとを備え、この少なくとも1つの支承ピンは、基体および/または少なくとも1つの基礎レバーに結合されており、少なくとも1つの回動レバーは、少なくとも1つの孔を有し、少なくとも1つの支承ピンは、少なくとも1つの孔を貫通している。
【0009】
本発明によれば、少なくとも1つの回動レバーは、少なくとも1つの孔を取り囲む少なくとも1つの領域に、少なくとも1つの支承ピンの長手方向軸線に対して平行な方向に少なくとも延在する拡幅部材を有することが特定されている。
【0010】
これにより達成される支承面の拡大によって、面圧が減じられ、摩擦が減じられる。さらに、支承装置をより容易に潤滑することができる。
【0011】
したがって、このように提供された支承装置は長い寿命を有していて、大きな負荷に耐えられる。
【0012】
拡幅部材は、少なくとも1つの回動レバーの、少なくとも1つの孔を取り囲む少なくとも1つの領域に少なくとも1つの支承スリーブとして構成されており、この少なくとも1つの支承スリーブは、少なくとも1つの孔内に配置されていることが特定されていてよい。これによって、拡幅を1つの付加的な構成部材によって簡単かつ廉価に実現することができる。
【0013】
このような構成では、少なくとも1つの支承スリーブは、少なくとも1つの回動レバーに結合されていてよく、かつ/または少なくとも1つの支承ピンによって貫通されてよく、かつ/または少なくとも1つの支承ピンに対して回動可能に支承されていてよい。これによって、支承スリーブと支承ピンとにより、拡大された支承面を有する支承装置が形成される。
【0014】
少なくとも1つの支承スリーブは、少なくとも1つの回動レバーの少なくとも1つの孔内への圧入によって少なくとも1つの回動レバーに結合可能であることが特定されていてよい。これによって、付加的な結合手段なしに簡単な結合形態が実現される。
【0015】
一実施例では、少なくとも1つの支承スリーブは鋼から製作されている。硬質の材料による構成によって、支承装置の摩耗が少なく保たれる。
【0016】
好適には、軸線方向における少なくとも1つの支承スリーブの延在長さは、少なくとも1つの回動レバーの幅よりも大きく、特に少なくとも5倍大きいことが特定されている。これによって、孔の内面の拡幅が達成される。したがって、支承装置の面圧および摩耗が減じられる。
【0017】
一実施例では、少なくとも1つの支承ピンは、リベットまたはリベットの一部として構成されており、好ましくは、少なくとも1つの支承ピンは、基体または少なくとも1つの基礎レバーに揺動加締めによって取付け可能であることが特定されている。このことは、簡単かつ廉価な結合方法を成している。
【0018】
少なくとも1つの回動レバーと基体および/または少なくとも1つの基礎レバーとの間に少なくとも1つの外側スペーサが配置されており、好ましくは、この少なくとも1つの外側スペーサはリングとして形成されており、好ましくは、支承ピンはリングを貫通していることが特定されていてよい。これによって、少なくとも1つの回動レバーと基体および/または少なくとも1つの基礎レバーとの間の間隔が一定に保たれ、特に、これによって、互いに可動の部材を互いに擦り合わなくすることができる。
【0019】
リングとして構成された外側スペーサは、L字形断面を有してよい。これによって、支承スリーブへの外側スペーサの直接的な接触を回避することができる。
【0020】
一実施例では、家具金具は、少なくとも2つの回動レバーを備えることが特定されている。
【0021】
好ましくは、少なくとも2つの回動レバーの間に内側スペーサが配置されている。この内側スペーサはスリーブとして形成されていてよい。このスリーブは、支承ピンと支承スリーブとによって貫通される。これによって、少なくとも2つの回動レバーの間隔が固定される。
【0022】
典型的には、少なくとも1つの内側スペーサの幅は、少なくとも2つの回動レバーの間の間隔に実質的に相当していることが特定されている。
【0023】
内側スペーサとして使用されるスリーブの内径は、支承スリーブの外側半径に実質的に相当していてよい。
【0024】
少なくとも2つの回動レバーは、少なくとも1つの孔を取り囲む少なくとも1つの領域で拡幅部材を介して結合されていてよい。これによって、少なくとも2つの回動レバーの共通の拡幅が提供される。したがって、支承面を、シングルレバーの場合よりも簡単に拡大することができる。
【0025】
少なくとも2つの回動レバーは、孔から離れたところで互いに結合されており、好ましくは、少なくとも2つの回動レバーは、一体成形、溶接、ねじ締結および/またはリベット締めされていてよい。これによって、より安定したマルチレバーユニットが提供される。
【0026】
少なくとも2つの回動レバーは、互いに平行に配置されていてよい。これによって、マルチレバーをコンパクトに実現することができる。
【0027】
また、少なくとも2つの回動レバーは、実質的に同形に形成されていてよい。これによって、製作コストが減じられる。
【0028】
一構成では、少なくとも2つの回動レバーの孔内に1つの支承スリーブが配置されており、これによって、この支承スリーブが、少なくとも2つの回動レバーを貫通している。これによって、1つの支承スリーブにより、拡幅された支承装置ひいてはより大きな支承面が提供される。
【0029】
一構成では、家具金具は、少なくとも2つの基礎レバーを備えてよい。
【0030】
少なくとも1つの支承ピンは、少なくとも2つの基礎レバーを貫通していることが特定されていてよい。これによって、支承ピンが両方の基礎レバーにより保持される。
【0031】
少なくとも2つの基礎レバーは互いに結合されており、好ましくは、少なくとも2つの回動レバーは、一体成形、溶接、ねじ締結および/またはリベット締めされていることが特定されていてよい。
【0032】
少なくとも2つの基礎レバーは、互いに平行に配置されており、かつ/または少なくとも2つの基礎レバーは、実質的に同形に形成されていることが想定されている。これによって、基礎レバーの廉価な製作およびコンパクトな配置が可能となる。
【0033】
少なくとも1つの回動レバーと少なくとも1つの基礎レバーとは、少なくとも1つの支承ピンの長手方向軸線に沿って互いに内外に配置されていることが特定されていてよい。これによって、安定した構造を実現することができる。
【0034】
一構成では、少なくとも1つの支承ピンの長手方向軸線に沿った配置形態は、
- 少なくとも1つ、好ましくは正確に1つの基礎レバー
- 少なくとも1つ、好ましくは正確に1つまたは正確に2つの回動レバー
- 少なくとも1つ、好ましくは正確に1つの基礎レバー
の順序を有する。
【0035】
例えば、1つの支承スリーブが、内側の2つの回動レバーの孔内に圧入されていてよい。これによって、二重レバーが提供される。支承ピンを介して、外側の2つの基礎レバーが回動可能に支承されていてよい。
【0036】
一構成では、家具金具は、少なくとも1つのばね要素を有する。このばね要素は、必ずしも基礎レバーまたは回動レバーの特性を有していない。ばね要素は、2つの支承装置の間に張架された弾性的なレバーとして構成されていてよい。これによって、両方の支承装置に力が加えられる。こうして、力方向に対して横方向での負荷変動時に孔および/または支承スリーブ内での支承ピンの跳ね動きを回避することができる。なぜならば、支承ピンが、ばね要素により加えられた力によって孔および/または支承スリーブの内面に沿って滑動するからである。
【0037】
少なくとも1つの回動レバーと、少なくとも1つの基礎レバーと、少なくとも1つのばね要素とは、少なくとも1つの支承ピンの長手方向軸線に沿って互いに内外に配置されていてよく、好ましくは、少なくとも1つの支承ピンの長手方向軸線に沿った配置形態は、
- 少なくとも1つ、好ましくは正確に1つの基礎レバー
- 少なくとも1つ、好ましくは正確に1つの回動レバー
- 少なくとも1つ、好ましくは正確に1つのばね要素
- 少なくとも1つ、好ましくは正確に1つの回動レバー
- 少なくとも1つ、好ましくは正確に1つの基礎レバー
の順序を有する。
【0038】
一実施例では、少なくとも1つのばね要素は、少なくとも1つの支承スリーブの外面に回動可能に支承されていてよい。これによって、支承スリーブが、回動レバーとばね要素との間の支承装置用の支承ピンとして機能する。典型的には、回動レバーに対するばね要素の回動は、家具金具の作動中には行われず、ばね要素の組付けのためにのみ行われる。
【0039】
一実施例では、基体は、少なくとも2つの側壁を備えたハウジングを有し、少なくとも1つの支承ピンは、少なくとも2つの側壁に設けられた少なくとも2つの孔内に配置されている。これによって、例えば少なくとも1つの回動レバーを基体に対して回動可能に支承することができる。
【0040】
少なくとも1つの支承ピンの長手方向軸線に沿った好ましい配置形態は、
- 側壁
- 少なくとも1つ、好ましくは正確に1つまたは正確に2つの回動レバー
- 側壁
の順序を有する。
【0041】
一構成では、家具金具は作動機構を有してよい。これによって、例えば、家具部分を基体に対して相対的に運動させることができる。
【0042】
可動の家具部分を組み付けるために、作動機構は、少なくとも1つの組付けレバーを有し、好ましくは、この組付けレバーは、回動レバーおよび/または基礎レバーとして機能する。
【0043】
作動機構は複数のレバーを備え、これら複数のレバーのうちの少なくとも一部は、基礎レバーおよび/または回動レバーとして構成されていることが特定されている。これによって、作動機構が、上述した本発明の利点を有している。作動機構は、特に、より高い負荷に耐えられ、より容易に潤滑可能であり、より緩速に摩耗する。
【0044】
作動機構の複数のレバーのうちの少なくとも1つのレバーは、回動レバーおよび基礎レバーとして構成されていることが特定されていてもよい。こうして、例えば、1つのレバーが、一方の端部では支承スリーブに結合されていて、回動レバーとして機能することができるのに対して、同一のレバーは、他方の端部では支承ピンに結合されていてよく、基礎レバーとして機能する。
【0045】
一実施例では、基体は、好ましくは機械的な蓄力器を有し、作動機構への蓄力器の枢着点は、基体の端面において調整可能である。これによって、組込み位置で基体への接近がその端面で可能となりさえすればよい。
【0046】
作動機構は、少なくとも1つの位置、好ましくは閉鎖位置で基体内に完全に配置可能であることが特定されていてよい。これによって、基体を、例えば家具板に組み付けることができる。ただ1つの面、好ましくは端面が露出したままでなければならない。
【0047】
一構成によれば、基体は取付け装置を有し、この取付け装置に基体の端面からアクセスが可能である。取付け装置へのアクセスは、組付けおよび取外しのために必要となる。これによって、基体を、例えば家具板に組み付けることができる。この場合、基体の端面だけが露出したままである。
【0048】
基体の側面に少なくとも1つの突起が設けられていてよく、これによって、基体は家具板に支持可能である。これによって、基体が側方への傾倒に対して防護される。
【0049】
基体はハウジングを有してよく、このハウジングは端面側で開放されている。これによって、作動機構を1つの位置、好ましくは開放位置において端面側で基体を越えて突出させることができる。
【0050】
上述した少なくとも1つの家具金具を備えた家具板が特定されている。これによって、家具部分を家具板に対して相対的に運動させることができる。
【0051】
家具板の一実施例では、少なくとも1つの家具金具は、家具板に設けられた切欠き内に少なくとも部分的に配置されている。これによって、家具金具が家具板内に少なくとも部分的に組み込まれている。これによって、家具金具を省スペースでほぼ目に触れないように配置することができる。
【0052】
切欠きは、家具板の少なくとも1つの端面に向かって開放されていてよく、かつ/または家具板の少なくとも1つの側面に向かって開放されていてよい。これによって、家具金具に端面および/または側面からアクセスが可能となる。さらに、可動の家具部分を運動させるために、作動機構を端面の方向で外向きに旋回させることができる。
【0053】
上述した少なくとも1つの家具板を備える家具が特定されている。このように提供された装置は、家具金具および家具板の利点を有している。
【0054】
家具は、少なくとも1つの可動の家具部分を備えてよく、この少なくとも1つの可動の家具部分は、少なくとも1つの家具金具によって家具に取り付けられている。
【0055】
少なくとも1つの可動の家具部分は、家具フラップとして構成されていてよい。これによって、家具金具を、家具フラップの開閉を実施するために使用することができる。
【0056】
少なくとも1つの家具金具は、少なくとも1つの可動の家具部分の鉛直方向での開放を可能にすることが特定されていてよい。これによって、家具フラップを鉛直方向上向き(または下向き)に開放することができる。
【0057】
以下に、本発明の更なる詳細および利点を図説に基づき図面を参照しながら詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0058】
図1】側壁内に組み込まれた家具金具と、家具フラップとを備えた家具を示す図であり、図1aは斜視図であり、図1bは分解図である。
図2】家具金具の分解図である。
図3a】支承スリーブと支承ピンとから成る支承装置を備えた家具金具の分解図である。
図3b】支承スリーブと支承ピンとから成る支承装置を備えた家具金具の断面図である。
図3c】支承スリーブと支承ピンとから成る支承装置を備えた家具金具の断面図の詳細図である。
図4a】家具金具の作動機構の斜視図である。
図4b】家具金具の作動機構の分解図である。
図5】作動機構の代替的な分解図である。
図6a】それぞれ異なる支承装置を備えた作動機構の側面図である。
図6b】第1の支承装置の断面図である。
図6c】第2の支承装置の断面図である。
図6d】第3の支承装置の断面図である。
図6e】第4の支承装置の断面図である。
図6f】第5の支承装置の断面図である。
図6g】第1の支承装置の断面図の詳細図である。
図6h】第2の支承装置の断面図の詳細図である。
図6i】第3の支承装置の断面図の詳細図である。
図6j】第4の支承装置の断面図の詳細図である。
図6k】第5の支承装置の断面図の詳細図である。
図7a】完全な支承装置の断面図である。
図7b図7aの支承装置の第1の製作ステップの詳細図である。
図7c図7aの支承装置の第2の製作ステップの詳細図である。
図7d図7aの支承装置の第3の製作ステップの詳細図である。
図7e図7aの支承装置の第4の製作ステップの詳細図である。
図7f図7aの支承装置の第5の製作ステップの詳細図である。
図8a】別の支承装置の第1の製作ステップの詳細および概観としての断面図である。
図8b】別の支承装置の第2の製作ステップの詳細および概観としての断面図である。
図8c】別の支承装置の第3の製作ステップの詳細および概観としての断面図である。
図8d】別の支承装置の第4の製作ステップの詳細および概観としての断面図である。
図8e】別の支承装置の第5の製作ステップの詳細および概観としての断面図である。
図8f】別の支承装置の第6の製作ステップの詳細および概観としての断面図である。
【0059】
図1aおよび図1bには、家具1が示してある。この家具1は家具キャビネット3を備えている。この家具キャビネット3自体は、家具天板7と家具底板6とを備えている。さらに、家具1は、家具キャビネット3の側壁5を形成する2つの家具板2を備えている。
【0060】
側壁5はその端面に切欠き8を有している。この切欠き8内には、家具金具10が格納されている。図1aには、家具金具10が格納された状態で示してあるのに対して、図1bに示した分解図では、家具金具は組み付けられずに示してある。家具金具10を側壁5内に組み込むことによって、家具キャビネット3の内部の空間が奪い取られないようになっている。また、家具金具10の目立たない組付けも可能となる。
【0061】
家具金具10は、基体11と作動機構12とを備えている。図1aおよび図1bでは、家具金具10は、作動機構12が端面側で基体11を越えて突出している開放位置で示してある。
【0062】
作動機構12は組付けレバー28を有している。この組付けレバー28には、可動の家具部分9が組付け可能である。図示の実施例では、可動の家具部分9は家具フラップ4として構成されている。
【0063】
図1aには、作動機構12に組み付けられた家具フラップ4が示してあるのに対して、図1bに示した分解図には、組み付けられていない家具フラップ4が示してある。
【0064】
2つの家具金具10の作動機構12によって、家具フラップ4を鉛直方向で開放することができる。しかしながら、家具金具10は家具扉に使用されてもよい。この場合には、家具扉は水平方向で開放される。
【0065】
家具板2に設けられていて、家具金具10を内部に収容することができる切欠き8は、図1aおよび図1bに示したように、家具板2の少なくとも1つの端面および/または家具板2の少なくとも1つの側面に向かって開放されていてよい。特に前者の構成では、家具金具10の端面から、家具金具10に設けられた調整手段へのアクセスが保証されていなければならない。
【0066】
図2には、家具金具10が分解図で示してある。この家具金具10の基体11のハウジング13は、2つの側壁14と、1つの端面15と、1つの背面16とを有している。
【0067】
端面15には、開放位置で作動機構12を外向きに突出させることができる開口17が設けられている。
【0068】
作動機構12は、少なくとも1つの位置、好ましくは閉鎖位置で基体11内に実質的に完全に配置可能であることが特定されている。家具金具10が家具板2内に組み込まれている場合には、この構造形態が必要となる。
【0069】
基体11は蓄力器18を有している。作動機構12への蓄力器18の枢着点は、基体11の端面15において調整可能である。調整は調整部材33を介して行われてよい。
【0070】
基体11は取付け装置19を有している。この取付け装置19には、基体11の端面15からアクセスが可能となる。取付け装置19によって、基体を家具板2の切欠き8内に取り付けることができる。
【0071】
図2には、基体11の側壁14に設けられた突起は認められない。この突起によって、基体11が、家具板2の切欠き8内に支持可能となる。これによって、家具金具10が傾倒に対して防護される。
【0072】
作動機構12は複数のレバー20を備えている。これら複数のレバー20のうちの少なくとも一部は、基礎レバー22および/または回動レバー21として構成されている。この場合、複数のレバー20のうちの少なくとも1つのレバー20が、回動レバー21および基礎レバー22として構成されている。
【0073】
レバー20は、支承装置30を介して互いにかつ/または基体11の側壁14に結合されている。このためには、レバー20が少なくとも1つの孔23を有している。この孔23は支承ピン24によって貫通される。
【0074】
基礎レバー22が、支承ピン24に不動に結合されているのに対して、回動レバー21は、支承ピン24に回動可能に支承されている。複数のレバー20のうちの1つのレバー20は、1つよりも多い、特に2つの支承装置30を有していてよく、したがって、同時に回動レバー21および基礎レバー22として働くことができる。
【0075】
レバー20は典型的には狭幅であるので、実質的に支承ピン24によって形成された支承装置の支承面は比較的小さい。これによって、支承面に対する面圧および摩擦が大きくなってしまう。過剰な摩耗を回避するために、本発明によれば、支承面の拡幅部材が設けられている。
【0076】
以下の図面の実施例では、拡幅部材が、回動レバー21に設けられた孔23内に圧入される支承スリーブ25によって実現される。
【0077】
作動機構12の支承装置30は、図3aには分解図で示してあり、図3bおよび図3cには断面図で示してある。
【0078】
図3a~図3cでは、支承ピン24が、基体11の側壁14に不動に結合されている。さらに、それぞれ少なくとも1つの孔23を有する2つの回動レバー21が示してある。支承ピン24は、両方の回動レバー21のそれぞれ1つの孔23を貫通している。両方の回動レバー21は、少なくとも1つの孔23を取り囲む少なくとも1つの領域に、少なくとも1つの支承ピン24の長手方向軸線に対して平行な方向に少なくとも延在する拡幅部材31を有している。
【0079】
図3a~図3cに示した実施例では、拡幅部材31は支承スリーブ25によって構成されている。この支承スリーブ25は、回動レバー21のそれぞれ1つの孔23内に配置されている。これによって、支承スリーブ25が、両方の回動レバー21に結合されていて、これら両方の回動レバーの拡幅部材31を成している。
【0080】
拡大された支承面を備えた支承装置30を提供するために、支承スリーブ25は、支承ピン24によって貫通され、この支承ピン24に回動可能に支承されている。
【0081】
回動レバー21と支承スリーブ25との間の結合は、回動レバー21の孔23内への圧入によって行われる。これによって、2つの回動レバー21が二重レバーを形成している。
【0082】
2つの回動レバー21は互いに平行に配置されており、かつ/または少なくとも2つの回動レバー21は実質的に同形に形成されている。これによって、2つの回動レバー21を廉価に製作することができ、例えば同時に打抜き加工することができる。
【0083】
低摩耗の支承装置30を実現するために、さらに、支承スリーブ25が鋼から製作されていることが特定されている。
【0084】
両方の回動レバー21を互いに結合することができ、大きな支承面を提供するためには、軸線方向における少なくとも1つの支承スリーブ25の延在長さが、少なくとも1つの回動レバー21の幅よりも大きく、特に少なくとも5倍大きい。
【0085】
支承ピン24は、リベット32またはリベット32の一部として構成されている。基体11への位置固定は、図示の構成では、リベットの両側の揺動加締めによって行われる。しかしながら、このことは、片側の揺動加締めによって行われてもよい。
【0086】
また、図3a~図3cから、少なくとも1つの回動レバー21と基体11との間の外側スペーサ27も明らかとなる。少なくとも1つの外側スペーサ27はリングとして形成されている。図3cから明らかであるように、リングはL字形断面を有している。これによって、支承スリーブ25への接触が回避される。この場合、支承ピン24はリングを貫通している。
【0087】
また、図3a~図3cには、少なくとも2つの回動レバー21の間に内側スペーサ26が配置されていることも認められる。この実施例では、内側スペーサ26はスリーブとして形成されている。
【0088】
図4aおよび図4bには、支承装置30を介して互いに結合された複数のレバー20を備えた作動機構12が示してある。支承ピン24と支承スリーブ25とを有する支承装置30が含まれている。支承ピン24は、各々の基礎レバー22に不動に結合されている。支承スリーブ25は回動レバー21に結合されていて、支承ピン24に対して回動可能に支承されている。上述したように、1つのレバー20が、回動レバー21および基礎レバー22として機能することができる。なぜならば、1つのレバー20が、1つよりも多くの支承装置30を有することができるからである。
【0089】
レバー20、つまり、基礎レバー22と回動レバー21とは、互いに異なって構成されていてよい。
【0090】
図3a~図3cに対して述べたように、回動レバー21は二重レバーとして形成されていてよい。2つの回動レバー21は支承スリーブ25を介して互いに結合されていてよい。また、2つの基礎レバー22も1つの支承スリーブ25を介して互いに結合されていてよい。
【0091】
少なくとも2つのレバー20、つまり、基礎レバー22または回動レバー21は、1つの支承装置30から離れたところで互いに結合されていてよく、例えば、少なくとも2つの回動レバー21は、一体成形、溶接、ねじ締結および/またはリベット締めされていてよい。
【0092】
レバー20は、少なくとも1つの支承ピン24の長手方向軸線に沿って互いに内外に配置されている。
【0093】
図5には、作動機構12の別の分解図が示してある。同図には、図4aおよび図4bに対する説明に対して付加的にばね要素29が示してある。
【0094】
1つの回動レバー21と1つの基礎レバー22とを互いに回動可能に互いに結合する1つの支承装置30は、ばね要素29の支点を成していてもよい。このばね要素29は、回動レバー21の拡幅部材31、例えば支承スリーブ25に回動可能に支承されている。
【0095】
図6aには、作動機構12が側面図で示してある。図6aに記入した支承装置30の切断平面A-Eは、図6b~図6fに示してある。支承装置30の領域F-Jの詳細図は、図6g~図6kに示してある。
【0096】
レバー20を互いに内外に配置することは、図6b~図6kから良好に明らかとなる。
【0097】
図6bおよび図6g(切断平面E)には、図3a~図3cで説明したタイプの支承装置の支承装置30が示してある。この支承装置30は、作動機構12を基体11の側壁14に結合している。なお、図6bおよび図6gには、側壁14は示していない。同図では、支承ピン24および外側スペーサ27も省いている。
【0098】
支承スリーブ25を介して結合された、互いに平行に配置された2つの回動レバー21が図示してある。さらに、スリーブとして形成された内側スペーサ26が認められる。この内側スペーサ26は、両方の回動レバー21の間の間隔を固定している。内側スペーサ26の内径は、支承スリーブ25の外径に実質的に相当している。
【0099】
支承ピン24(図示せず)の長手方向軸線に相当する破線で記入した対称軸線に沿った配置形態は、
- 側壁14
- 2つの回動レバー21
- 側壁14
の順序を有している。
【0100】
図6cおよび図6h(切断平面D)には、2つの基礎レバー22を1つの回動レバー21に結合している支承装置30が示してある。同図では、回動レバー21は、両方の基礎レバー22の間に配置されている。2つの基礎レバー22は、実質的に同形に形成されている。
【0101】
支承スリーブ25は回動レバー21に結合されていて、支承ピン24に支承されている。この支承ピン24は、片側のリベットとして構成されている。組付け時には、リベットが、片側で、例えば揺動加締めによって取り付けられさえすればよい。
【0102】
少なくとも1つの支承ピン24の長手方向軸線(破線)に沿った配置形態は、
- 基礎レバー22
- 回動レバー21
- 基礎レバー22
の順序を有している。
【0103】
図6dおよび図6i(切断平面C)には、2つの基礎レバー22を2つの回動レバー21に結合している支承装置30が示してある。さらに、同図には、ばね要素29が示してある。
【0104】
支承スリーブ25は、切断平面Eに基づく支承装置30と同様に両方の回動レバー21の孔23内に圧入されていて、両方の回動レバー21を結合している。支承スリーブには、片側のリベットとして形成された支承ピン24が認められる。
【0105】
支承スリーブ25の外面には、ばね要素29が取り付けられていて、2つの回動レバー21および2つの基礎レバー22に対して相対的に回動可能に支承されている。
【0106】
ばね要素29は、2つの支承装置30の間に張架された弾性的なレバーとして構成されている。これによって、両方の支承装置30に力が加えられる。こうして、負荷変動時に孔34および/または支承スリーブ25内での支承ピン24の跳ね動きを回避することができる。図示の実施例では、ばね要素は、切断平面A,Cの2つの支承装置30の間に張架されている。
【0107】
支承スリーブ24に対するばね要素29の、このばね要素29が回動可能に支承されている位置は、挟込みによって固定されている。したがって、回動可能な支承が、作動機構12の組付け時にのみ利用され、家具金具10の作動中には利用されない。
【0108】
少なくとも1つの支承ピン24の長手方向軸線に沿った配置形態は、
- 基礎レバー22
- 回動レバー21
- ばね要素29
- 回動レバー21
- 基礎レバー22
の順序を有している。
【0109】
図6eおよび図6j(切断平面B)には、2つの基礎レバー22を1つの回動レバー21に結合している支承装置30が示してある。回動レバー21は、2つの基礎レバー22の間に配置されている。同図では、両方の基礎レバー22が、作動機構12の組付けレバー28の一部である。この意味において、両方の基礎レバー22は、支承装置30から離れたところで互いに結合されている。支承ピン24は、片側のリベットとして構成されている。
【0110】
図6fおよび図6k(切断平面A)には、2つの基礎レバー22と2つの回動レバー21とを有する支承装置30が示してある。回動レバー21は、2つの基礎レバー22の間に配置されていて、支承スリーブ25を介して結合されている。同図では、回動レバー21が、作動機構12の組付けレバー28の一部である。支承ピン24は、片側のリベットとして構成されている。
【0111】
また、反対側の端部に配置された孔でもって切断平面Cの支承装置30の支承スリーブ25に取り付けられたばね要素29の端部も認めることができる。
【0112】
図7a~図7fには、図6bおよび図6g(切断平面E)に示したタイプの支承装置30である支承装置30が示してある。図7a~図7fでは、2つの回動レバー21が、基体11の側壁14に回動可能に結合されている。
【0113】
図7aには、支承装置30の断面が示してある。図7b~図7fには、図7aの拡大範囲Aにおける支承装置の製作ステップが示してある。
【0114】
家具金具10を製作するための方法は、以下の方法ステップを有している。
【0115】
基体11の第1の側壁14が準備される(図7b参照)。この第1の側壁14は少なくとも1つの孔34を有している。図7bには、また、孔により規定された対称軸線が破線として示してある。代替的な実施例では、孔34を有する基礎レバー22が準備される(図示せず)。
【0116】
後続の方法ステップ(図7c参照)では、基体の第1の側壁14の孔34内に支承ピン24が挿入される。さらに、この方法ステップでは、すでに支承ピン24を内側スペーサ27が取り囲んでいてよい。この内側スペーサ27は、この方法ステップでは、L字形の断面を有するリングとして構成されている。内側スペーサ27は、1回の付加的な方法ステップで取り付けられてもよい。
【0117】
後続の方法ステップ(図7d参照)では、支承スリーブ25を介して互いに結合された2つの回動レバー21が、支承ピン24にわたって被せられ、これによって、この支承ピンが、回動レバー21に設けられた孔23を貫通する。支承スリーブ25は、2つの回動レバー21に固く結合されていて、したがって、2つの回動レバー21の拡幅部材31を成している。両方の回動レバー21の距離を維持するために、スリーブとして形成された内側スペーサ26が、支承スリーブ25を取り囲むように取り付けられている。
【0118】
後続の方法ステップ(図7e参照)では、支承ピン24を取り囲むように、第2の外側スペーサ27が取り付けられる。
【0119】
最後のステップでは、基体11の第2の側壁14が支承ピン24に取り付けられる。これによって、この支承ピン24が、基体の2つの側壁14の間に配置されている。
【0120】
支承ピン24は、図7a~図7fではリベットとして構成されている。取付けは、揺動加締めによって実現されてよい。
【0121】
図8a~図8fには、図6dおよび図6iに示したようなばね要素29を備えた支承装置30を製作するための代替的な方法ステップが示してある。この方法は、以下の方法ステップを有している。各図には、範囲Aにおける支承装置30の詳細図が示してある。この場合、範囲Aも記入してある。
【0122】
孔23を有する回動レバー21が準備される(図8a参照)。
【0123】
孔23内に支承スリーブ25が挿入される(図8b参照)。圧入によって、固い結合を行うことができる。
【0124】
支承スリーブ25を取り囲むように、ばね要素29が取り付けられる(図8c参照)。このために、このばね要素29も同じく、組み付けられた状態で支承スリーブ25によって貫通される孔を有している。これによって、支承スリーブ25が、ばね要素29の支承ピンとして機能する。
【0125】
第2の回動レバー21が孔23でもって、この孔23内に支承スリーブ25が配置されているように配置される(図8d参照)。回動レバー21と支承スリーブ25との間の結合は、圧入によって実現することができる。
【0126】
後続の方法ステップでは、この実施例では互いに結合されている2つの基礎レバー22が、支承スリーブ25を取り囲むように配置される(図8e参照)。
【0127】
支承ピン24が、支承スリーブ25と基礎レバー22の孔34とに差し通される。
【0128】
この方法では、支承ピン24は、片側のリベットとして構成されている。このリベットの固定は、揺動加締めによって実現することができる。
【符号の説明】
【0129】
1 家具
2 家具板
3 家具キャビネット
4 家具フラップ
5 側壁
6 家具底板
7 家具天板
8 切欠き
9 可動の家具部分
10 家具金具
11 基体
12 作動機構
13 ハウジング
14 基体の側壁
15 基体の端面
16 基体の背面
17 端面側の開口
18 蓄力器
19 取付け装置
20 レバー
21 回動レバー
22 基礎レバー
23 孔
24 支承ピン
25 支承スリーブ
26 内側スペーサ
27 外側スペーサ
28 フラップレバー
29 ばね要素
30 支承装置
31 拡幅部材
32 リベット
33 調整部材
34 基礎レバーまたは基体の側壁に設けられた孔
図1a
図1b
図2
図3a
図3b
図3c
図4a
図4b
図5
図6a
図6b
図6c
図6d
図6e
図6f
図6g
図6h
図6i
図6j
図6k
図7a
図7b
図7c
図7d
図7e
図7f
図8a
図8b
図8c
図8d
図8e
図8f
【手続補正書】
【提出日】2023-07-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
家具部分(9)、特に家具フラップ(4)を家具板(2)に可動に支承するための家具金具(10)であって、基体(11)と、少なくとも1つの回動レバー(21)と、少なくとも1つの支承ピン(24)とを備え、該少なくとも1つの支承ピン(24)は、前記基体(11)および/または少なくとも1つの基礎レバー(22)に結合されており、前記少なくとも1つの回動レバー(21)は、少なくとも1つの孔(23)を有し、前記少なくとも1つの支承ピン(24)は、前記少なくとも1つの孔(23)を貫通している、家具金具(10)において、
前記少なくとも1つの回動レバー(21)は、前記少なくとも1つの孔(23)を取り囲む少なくとも1つの領域に、前記少なくとも1つの支承ピン(24)の長手方向軸線に対して平行な方向に少なくとも延在する拡幅部材(31)を有することを特徴とする、
家具金具(10)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの基礎レバー(22)は、前記少なくとも1つの支承ピン(24)に不動に結合されており、前記少なくとも1つの回動レバー(21)は、前記少なくとも1つの支承ピン(24)に回動可能に支承されている、請求項1記載の家具金具(10)。
【請求項3】
前記拡幅部材(31)は、前記少なくとも1つの回動レバー(21)の、前記少なくとも1つの孔(23)を取り囲む前記少なくとも1つの領域に少なくとも1つの支承スリーブ(25)として構成されており、該少なくとも1つの支承スリーブ(25)は、前記少なくとも1つの孔(23)内に配置されており、好ましくは、
- 前記少なくとも1つの支承スリーブ(25)は、前記少なくとも1つの回動レバー(21)に結合されており、かつ/または
- 前記少なくとも1つの支承スリーブ(25)は、前記少なくとも1つの支承ピン(24)によって貫通され、かつ/または
- 前記少なくとも1つの支承スリーブ(25)は、前記少なくとも1つの支承ピン(24)に対して回動可能に支承されており、かつ/または
- 前記少なくとも1つの支承スリーブ(25)は、前記少なくとも1つの回動レバー(21)の前記少なくとも1つの孔(23)内への圧入によって前記少なくとも1つの回動レバー(21)に結合可能であり、かつ/または
- 前記少なくとも1つの支承スリーブ(25)は鋼から製作されており、かつ/または
- 軸線方向における前記少なくとも1つの支承スリーブ(25)の延在長さは、前記少なくとも1つの回動レバー(21)の幅よりも大きく、特に少なくとも5倍大きい、
請求項1または2記載の家具金具(10)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの支承ピン(24)は、リベット(32)またはリベット(32)の一部として構成されており、好ましくは、前記少なくとも1つの支承ピン(24)は、前記基体(11)または前記少なくとも1つの基礎レバー(22)に揺動加締めによって結合可能である、請求項1から3までのいずれか1項記載の家具金具(10)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの回動レバー(21)と前記基体(11)および/または前記少なくとも1つの基礎レバー(22)との間に少なくとも1つの外側スペーサ(27)が配置されており、好ましくは、該少なくとも1つの外側スペーサ(27)はリングとして形成されており、好ましくは、前記支承ピン(24)は前記リングを貫通しており、かつ/または好ましくは、前記リングはL字形断面を有する、請求項1からまでのいずれか1項記載の家具金具(10)。
【請求項6】
前記家具金具(10)は、少なくとも2つの回動レバー(21)を備え、好ましくは、
- 前記少なくとも2つの回動レバー(21)の間に内側スペーサ(26)が配置されており、好ましくは、該内側スペーサ(26)はスリーブとして形成されており、かつ/または
- 前記少なくとも2つの回動レバー(21)は、前記少なくとも1つの孔(23)を取り囲む少なくとも1つの領域で前記拡幅部材(31)を介して結合されており、かつ/または
- 前記少なくとも2つの回動レバー(21)は、前記孔(23)から離れたところで互いに結合されており、好ましくは、前記少なくとも2つの回動レバー(21)は、一体成形、溶接、ねじ締結および/またはリベット締めされており、かつ/または
- 前記少なくとも2つの回動レバー(21)は、互いに平行に配置されており、かつ/または
- 前記少なくとも2つの回動レバー(21)は、実質的に同形に形成されている、
請求項1からまでのいずれか1項記載の家具金具(10)。
【請求項7】
前記少なくとも2つの回動レバー(21)の前記少なくとも2つの孔(23)内に1つの支承スリーブ(25)が配置されており、これによって、該支承スリーブ(25)が、前記少なくとも2つの回動レバー(21)を貫通している、請求項および記載の家具金具(10)。
【請求項8】
前記家具金具(10)は、少なくとも2つの基礎レバー(22)を備え、好ましくは、
- 前記少なくとも1つの支承ピン(24)は、前記少なくとも2つの基礎レバー(22)を貫通しており、かつ/または
- 前記少なくとも2つの基礎レバー(22)は互いに結合されており、好ましくは、前記少なくとも2つの基礎レバー(22)は、一体成形、溶接、ねじ締結および/またはリベット締めされており、かつ/または
- 前記少なくとも2つの基礎レバー(22)は、互いに平行に配置されており、かつ/または
- 前記少なくとも2つの基礎レバー(22)は、実質的に同形に形成されている、
請求項1からまでのいずれか1項記載の家具金具(10)。
【請求項9】
前記少なくとも1つの回動レバー(21)と前記少なくとも1つの基礎レバー(22)とは、前記少なくとも1つの支承ピン(24)の前記長手方向軸線に沿って互いに内外に配置されており、好ましくは、前記少なくとも1つの支承ピン(24)の前記長手方向軸線に沿った配置形態は、
- 少なくとも1つ、好ましくは正確に1つの基礎レバー(22)
- 少なくとも1つ、好ましくは正確に1つまたは正確に2つの回動レバー(21)
- 少なくとも1つ、好ましくは正確に1つの基礎レバー(22)
の順序を有する、請求項1からまでのいずれか1項記載の家具金具(10)。
【請求項10】
前記家具金具(10)は、少なくとも1つのばね要素(29)を有し、好ましくは、前記少なくとも1つの回動レバー(21)と、前記少なくとも1つの基礎レバー(22)と、前記少なくとも1つのばね要素(29)とは、前記少なくとも1つの支承ピン(24)の前記長手方向軸線に沿って互いに内外に配置されており、好ましくは、前記少なくとも1つの支承ピン(24)の前記長手方向軸線に沿った配置形態は、
- 少なくとも1つ、好ましくは正確に1つの基礎レバー(22)
- 少なくとも1つ、好ましくは正確に1つの回動レバー(21)
- 少なくとも1つ、好ましくは正確に1つのばね要素(29)
- 少なくとも1つ、好ましくは正確に1つの回動レバー(21)
- 少なくとも1つ、好ましくは正確に1つの基礎レバー(22)
の順序を有する、請求項1からまでのいずれか1項記載の家具金具(10)。
【請求項11】
前記少なくとも1つのばね要素(19)は、前記少なくとも1つの支承スリーブ(25)の外面に回動可能に支承されている、請求項および10記載の家具金具(10)。
【請求項12】
前記基体(11)は、少なくとも2つの側壁(14)を備えたハウジング(13)を有し、前記少なくとも1つの支承ピン(24)は、前記少なくとも2つの側壁(14)に設けられた少なくとも2つの孔(23)内に配置されており、好ましくは、前記少なくとも1つの支承ピン(24)の前記長手方向軸線に沿った配置形態は、
- 側壁(14)
- 少なくとも1つ、好ましくは正確に1つまたは正確に2つの回動レバー(21)
- 側壁(14)
の順序を有する、請求項1から11までのいずれか1項記載の家具金具(10)。
【請求項13】
前記家具金具(10)は作動機構(12)を有し、
- 前記作動機構(12)は複数のレバー(20)を備え、該複数のレバー(20)のうちの少なくとも一部は、基礎レバー(22)および/または回動レバー(21)として構成されており、好ましくは、前記複数のレバー(20)のうちの少なくとも1つのレバー(20)は、回動レバー(21)および基礎レバー(22)として構成されており、かつ/または
- 前記基体(11)は、好ましくは機械的な蓄力器(18)を有し、前記作動機構(18)への前記蓄力器(18)の枢着点は、前記基体(11)の端面(15)において調整可能であり、かつ/または
- 前記作動機構(12)は、少なくとも1つの位置、好ましくは閉鎖位置で前記基体(11)内に完全に配置可能であり、かつ/または
- 前記作動機構(12)は、少なくとも1つの組付けレバー(28)を有し、該組付けレバー(28)に可動の家具部分(9)が取付け可能であり、好ましくは、前記組付けレバー(28)は、回動レバー(21)および/または基礎レバー(22)として機能する、
請求項1から12までのいずれか1項記載の家具金具(10)。
【請求項14】
- 前記基体(11)は取付け装置(19)を有し、該取付け装置(19)に前記基体(11)の端面(15)から接近が可能であり、かつ/または
- 前記基体(11)の側壁(14)に少なくとも1つの突起が設けられており、これによって、前記基体(11)は家具板(2)に支持可能であり、かつ/または
- 前記基体(11)はハウジング(13)を有し、該ハウジング(13)は端面側で開放されている、
請求項1から13までのいずれか1項記載の家具金具(10)。
【請求項15】
請求項1から14までのいずれか1項記載の少なくとも1つの家具金具(10)を備えた家具板(2)。
【請求項16】
前記少なくとも1つの家具金具(10)は、前記家具板(2)に設けられた切欠き(8)内に少なくとも部分的に配置されており、好ましくは、前記切欠き(8)は、
- 前記家具板(2)の少なくとも1つの端面に向かって開放されており、かつ/または
- 前記家具板(2)の少なくとも1つの側面に向かって開放されている、
請求項15記載の家具板(2)。
【請求項17】
請求項15または16記載の少なくとも1つの家具板(2)を備える家具(1)。
【請求項18】
前記家具(1)は、少なくとも1つの可動の家具部分(9)を備え、該少なくとも1つの可動の家具部分(9)は、前記少なくとも1つの家具金具(10)によって前記家具(1)に取り付けられており、好ましくは、
- 前記少なくとも1つの可動の家具部分(9)は、家具フラップ(4)として構成されており、かつ/または
- 前記少なくとも1つの家具金具(10)は、前記少なくとも1つの可動の家具部分(9)の鉛直方向での開放を可能にする、
請求項17記載の家具(1)。
【請求項19】
請求項1から14までのいずれか1項記載の少なくとも1つの家具金具(10)を製作するための方法において、
- 少なくとも1つの基礎レバー(22)および/または前記基体(11)の第1の側壁(14)を準備するステップと、
- 前記少なくとも1つの基礎レバー(22)および/または前記基体(11)の前記第1の側壁(14)の少なくとも1つの孔(34)内に前記少なくとも1つの支承ピン(24)を挿入するステップと、
- 少なくとも1つの回動レバー(21)を、前記少なくとも1つの支承ピン(24)が前記少なくとも1つの回動レバー(21)の前記少なくとも1つの孔(23)を貫通するように配置し、このとき、前記少なくとも1つの支承ピン(24)に前記少なくとも1つの拡幅部材(31)を面接触させるステップと、
- 少なくとも1つの更なる基礎レバー(22)および/または前記基体(11)の第2の側壁(14)を、前記少なくとも1つの支承ピン(24)が前記少なくとも1つの基礎レバー(22)および/または前記基体(11)の前記第2の側壁(14)の前記少なくとも1つの孔(34)を貫通するように配置するステップと
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項20】
- 少なくとも1つの内側スペーサ(26)を、該少なくとも1つの内側スペーサ(26)が前記拡幅部材(31)を取り囲むように取り付けるステップ、
- 少なくとも1つのばね要素(29)を、該少なくとも1つのばね要素(29)に設けられた少なくとも1つの孔が前記拡幅部材(31)を取り囲むように取り付けるステップ、
- 少なくとも1つの外側スペーサ(27)を、該少なくとも1つの外側スペーサ(27)が前記少なくとも1つの支承ピン(24)を取り囲むように取り付けるステップ、
のうちの少なくとも1つのステップが設けられている、請求項19記載の方法。
【請求項21】
前記家具金具(10)の前記拡幅部材(31)は、支承スリーブ(24)として構成されており、
- 少なくとも1つの孔(23)を有する少なくとも1つの回動レバー(21)を準備するステップ、
- 前記支承スリーブ(24)を、前記少なくとも1つの回動レバー(21)の前記少なくとも1つの孔(23)内に配置するステップ、
- 前記支承スリーブ(24)を前記少なくとも1つの回動レバー(21)の前記少なくとも1つの孔(23)内への圧入によって取り付けるステップ、
のうちの少なくとも1つのステップが設けられている、
請求項19または20記載の方法。
【請求項22】
- リベット(32)またはリベット(32)の一部として形成された前記少なくとも1つの支承ピン(24)を揺動加締めによって取り付けるステップ
のうちの少なくとも1つのステップが設けられている、請求項19から21までのいずれか1項記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部に記載の、家具部分、特に家具フラップを家具板に可動に支承するための家具金具に関する。さらに、本発明は、請求項15記載の、少なくとも1つのこのような家具金具を備えた家具板と、請求項17記載の、このような家具板を備える家具とに関する。さらに、本発明は、請求項19記載の、家具金具の製作法に関する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
この課題は、請求項1、1517および19の対象によって解決される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
家具部分、特に家具フラップを家具板に可動に支承するための本発明に係る家具金具は、基体と、少なくとも1つの回動レバーと、少なくとも1つの支承ピンとを備え、この少なくとも1つの支承ピンは、基体および/または少なくとも1つの基礎レバーに結合されており、少なくとも1つの回動レバーは、少なくとも1つの孔を有し、少なくとも1つの支承ピンは、少なくとも1つの孔を貫通している。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0031】
少なくとも2つの基礎レバーは互いに結合されており、好ましくは、少なくとも2つの基礎レバーは、一体成形、溶接、ねじ締結および/またはリベット締めされていることが特定されていてよい。
【国際調査報告】