(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-29
(54)【発明の名称】高電圧光トランスフォーマの一体化
(51)【国際特許分類】
H02J 50/30 20160101AFI20231121BHJP
G02B 3/14 20060101ALI20231121BHJP
G02B 27/02 20060101ALI20231121BHJP
【FI】
H02J50/30
G02B3/14
G02B27/02 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023515185
(86)(22)【出願日】2021-09-03
(85)【翻訳文提出日】2023-04-21
(86)【国際出願番号】 US2021049072
(87)【国際公開番号】W WO2022072122
(87)【国際公開日】2022-04-07
(32)【優先日】2020-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515046968
【氏名又は名称】メタ プラットフォームズ テクノロジーズ, リミテッド ライアビリティ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】META PLATFORMS TECHNOLOGIES, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】ピーターソン、ジョナサン ロバート
(72)【発明者】
【氏名】シェラー、マイク アンドレ
(72)【発明者】
【氏名】リャオ、クリストファー ユアン ティン
(72)【発明者】
【氏名】アウダーカーク、アンドリュー ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ピアッツァ、ダニエーレ
(72)【発明者】
【氏名】メンギュチ、イギト
(72)【発明者】
【氏名】リウ、ティアンシュ
(72)【発明者】
【氏名】ランディグ、レネート エヴァ クレメンティン
【テーマコード(参考)】
2H199
【Fターム(参考)】
2H199CA12
(57)【要約】
高電圧駆動システムは、高電圧光トランスフォーマと高電圧駆動デバイスとを含み、高電圧光トランスフォーマは高電圧駆動デバイスに近接して配置される。高電圧光トランスフォーマと高電圧駆動デバイスとの間の高電圧接続部は、高電圧光トランスフォーマとトランスフォーマを制御するために使用される低電圧電源との間の低電圧接続部よりも短い。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
高電圧光トランスフォーマと、
高電圧駆動デバイスと、を備え、前記高電圧光トランスフォーマは、前記高電圧駆動デバイスに近接して配置される、システム。
【請求項2】
前記高電圧光トランスフォーマは、光起電力セルに光学的に結合された光源を含み、好ましくは、前記光源は、面発光デバイスまたは端面発光デバイスを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記高電圧光トランスフォーマは、前記高電圧駆動デバイス上に直接搭載される、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
i.前記高電圧光トランスフォーマと前記高電圧駆動デバイスとの間にある可撓性層、および/または
ii.前記高電圧光トランスフォーマと前記高電圧駆動デバイスとの間の断熱層をさらに備える、請求項1、請求項2、または請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記高電圧光トランスフォーマが可撓性である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記高電圧光トランスフォーマは、前記高電圧駆動デバイスの湾曲表面上に直接搭載される、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記高電圧光トランスフォーマを前記高電圧駆動デバイスに電気的に結合する高電圧接続部と、
前記高電圧光トランスフォーマを制御するように構成された低電圧源と、
前記低電圧源を前記高電圧光トランスフォーマに電気的に結合する低電圧接続部と、をさらに備え、好ましくは、
i.前記低電圧源は、前記高電圧接続部から電気的に絶縁され、かつ/または
ii.前記高電圧接続部の長さは、前記低電圧接続部の長さよりも短い、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記高電圧駆動デバイスが液体レンズを含む、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
複数の高電圧光トランスフォーマと、複数の高電圧駆動デバイスと、を備え、各高電圧駆動デバイスは、個々の高電圧光トランスフォーマに直接取り付けられる、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか一項に記載のシステムを備えるヘッドマウントディスプレイ。
【請求項11】
システムであって、
複数の高電圧駆動デバイスを備え、各高電圧駆動デバイスは、各高電圧駆動デバイスに直接取り付けられた対応する高電圧光トランスフォーマを含む、システム。
【請求項12】
前記高電圧光トランスフォーマのうちの少なくとも1つが可撓性である、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
各高電圧光トランスフォーマを各個々の高電圧駆動デバイスに電気的に結合する高電圧接続部と、
各高電圧光トランスフォーマを制御するように構成された低電圧源と、
前記低電圧源を各高電圧光トランスフォーマに電気的に結合する低電圧接続部と、をさらに備え、好ましくは、前記低電圧源は、前記高電圧接続部から電気的に絶縁されている、請求項11または請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
方法であって、
高電圧駆動デバイスの上に高電圧光トランスフォーマを直接形成するステップを含む方法。
【請求項15】
前記高電圧光トランスフォーマは、前記高電圧駆動デバイスの非平面表面上に直接形成される、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、高電圧光トランスフォーマに関し、より具体的には、高電圧駆動デバイスに近接した剛性高電圧源または可撓性高電圧源の小型一体化(compact integration)に関する。
【背景技術】
【0002】
高電圧は、例えば、高電圧リレー、X線および粒子ビームを生成するための陰極線管、例えば、可変焦点距離レンズの焦点距離を操作するための圧電アクチュエータ、および触覚デバイスを含む、種々の異なるデバイスおよびシステムに電力を供給するために使用され得る。この点に関して、電圧トランスフォーマは、デバイスまたはシステムの生成された電圧がその他の点で不十分である場合、電圧出力を提供および/または増加させるために使用され得る。例えば、昇圧コンバータ(ブースターコンバータ)および圧電トランスフォーマを含む多くの電圧コンバータは、比較的低いDC入力電圧(約1V~2V)を1kVを超える出力電圧に変換するように構成され得る。しかしながら、必要なインダクタおよびコンデンサを含む、多くのそのような電圧トランスフォーマの設計は、デバイスの重量および/またはサイズを過度に増加させ得(例えば、1cm3以上に)、それは、ウェアラブルデバイスを含む、多くの用途にとって過大であり得る。従って、最近の開発にもかかわらず、コンパクトな設置面積を有する経済的な高電圧源を提供することが有利であり得る。
【発明の概要】
【0003】
本開示の第1の態様によれば、高電圧光トランスフォーマと、高電圧駆動デバイスと、を備えるシステムが提供され、高電圧光トランスフォーマは、高電圧駆動デバイスに近接して配置される。
【0004】
いくつかの実施形態において、高電圧光トランスフォーマは、光起電力セルに光学的に結合された光源を含み得る。
いくつかの実施形態において、光源は、面発光デバイスまたは端面発光デバイスを含み得る。
【0005】
いくつかの実施形態において、高電圧光トランスフォーマは、高電圧駆動デバイス上に直接搭載され得る。
いくつかの実施形態において、システムは、高電圧光トランスフォーマと高電圧駆動デバイスとの間にある可撓性層をさらに備え得る。
【0006】
いくつかの実施形態において、システムは、高電圧光トランスフォーマと高電圧駆動デバイスとの間にある断熱層をさらに備え得る。
いくつかの実施形態において、高電圧光トランスフォーマは可撓性であり得る。
【0007】
いくつかの実施形態において、高電圧光トランスフォーマは、高電圧駆動デバイスの湾曲表面上に直接搭載され得る。
いくつかの実施形態において、システムは、高電圧光トランスフォーマを高電圧駆動デバイスに電気的に結合する高電圧接続部と、高電圧光トランスフォーマを制御するように構成される低電圧源と、低電圧源を高電圧光トランスフォーマに電気的に結合する低電圧接続部とをさらに備え得る。
【0008】
いくつかの実施形態において、低電圧源は、高電圧接続部から電気的に絶縁され得る。
いくつかの実施形態において、高電圧接続部の長さは、低電圧接続部の長さより短くてもよい。
【0009】
いくつかの実施形態において、高電圧駆動デバイスは、液体レンズを含み得る。
いくつかの実施形態において、システムは、複数の高電圧光トランスフォーマと、複数の高電圧駆動デバイスとを備え得、各高電圧駆動デバイスは、個々の高電圧光トランスフォーマに直接取り付けられる。
【0010】
本開示のさらなる態様によれば、第1の態様のシステムを備えるヘッドマウントディスプレイが提供される。
本開示のさらなる態様によれば、複数の高電圧駆動デバイスを備えるシステムが提供され、各高電圧駆動デバイスは、各高電圧駆動デバイスに直接取り付けられた対応する高電圧光トランスフォーマを含む。
【0011】
いくつかの実施形態において、高電圧光トランスフォーマのうちの少なくとも1つは、可撓性であり得る。
いくつかの実施形態において、システムは、各高電圧光トランスフォーマを各個々の高電圧駆動デバイスに電気的に結合する高電圧接続部と、各高電圧光トランスフォーマを制御するように構成される低電圧源と、低電圧源を各高電圧光トランスフォーマに電気的に結合する低電圧接続部とをさらに備え得る。
【0012】
いくつかの実施形態において、低電圧源は、高電圧接続部から電気的に絶縁され得る。
本開示のさらなる態様によれば、高電圧駆動デバイス上に高電圧光トランスフォーマを直接形成するステップを含む方法が提供される。
【0013】
いくつかの実施形態において、高電圧光トランスフォーマは、高電圧駆動デバイスの非平面表面上に直接形成され得る。
本明細書で開示される実施形態は例示に過ぎず、本開示の範囲はこれらに制限されるものではない。特定の実施形態は、本明細書に開示される実施形態の構成要素、要素、特徴、機能、動作、またはステップの全てを含むか、いくつかを含むか、またはいずれも含まなくてもよい。本発明による実施形態は、特に、システム、ヘッドマウントディスプレイ、および方法を対象とする添付の特許請求の範囲において開示されており、1つの請求項のカテゴリー、例えばシステムにおいて記載された任意の特徴は、別の請求項のカテゴリー、例えば方法においても同様に請求され得る。添付の特許請求の範囲における従属関係または参照は、形式的な理由のみのために選択されている。しかしながら、任意の先行する請求項への意図的な参照(特に、多数項従属性)から生じる任意の主題も同様に特許請求され得る。その結果、請求項及びその特徴の任意の組み合わせが開示され、かつ添付の特許請求の範囲において選択された従属性にかかわらず特許請求され得る。特許請求され得る主題は、添付の特許請求の範囲に記載される特徴の組合せだけでなく、特許請求の範囲における特徴の任意の他の組合せも含み、特許請求の範囲において記載される各特徴は、特許請求の範囲における任意の他の特徴または他の特徴の組合せと組み合わせられ得る。さらに、本明細書で説明または示される実施形態および特徴のいずれも、別個の請求項において、および/または本明細書で説明または示される任意の実施形態もしくは特徴との、または添付の請求項の特徴のいずれかとの任意の組み合わせにおいて、請求され得る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
添付の図面は、いくつかの例示的な実施形態を示しており、本明細書の一部である。以下の説明とともに、これらの図面は、本開示の様々な原理を実証及び説明する。
【
図1】いくつかの実施形態による、高電圧駆動デバイス(HVDD:high voltage driven device)に直接取り付けられた高電圧光トランスフォーマ(HVOT:high voltage optical transformer)の概略図である。
【
図2】いくつかの実施形態による、個々の高電圧光トランスフォーマにそれぞれ接続された高電圧駆動デバイスのアレイを示す概略図である。
【
図3】特定の実施形態による、単一の高電圧光トランスフォーマ(HVOT)によって集合的に電力供給される複数の高電圧駆動デバイス(HVDD)を有するシステムの概略図である。
【
図4】種々の実施形態による、高電圧駆動デバイスの湾曲表面上に直接搭載された可撓性高電圧光トランスフォーマを示す概略図である。
【
図5】いくつかの実施形態による多層高電圧光トランスフォーマの断面図である。
【
図6】いくつかの実施形態による、
図5の多層高電圧光トランスフォーマを含むチップスケールパッケージ(CSP)の断面図である。
【
図7】特定の実施形態による、フレキシブルプリント回路(FPC)の曲げに応じた、
図6のCSPとフレキシブルプリント回路(FPC)との間の電気的接続の故障を示す概略断面図である。
【
図8】特定の実施形態による、フレキシブルプリント回路の曲げに応じた
図6のCSPの直接故障を示す概略断面図である。
【
図9】いくつかの実施形態による可撓性薄膜高電圧光トランスフォーマの断面概略図である。
【
図10】いくつかの実施形態による、部分的に可撓性のセグメント化された高電圧光トランスフォーマの断面概略図である。
【
図11】いくつかの実施形態による、高電圧光トランスフォーマと静電クラッチとの一体化を示す図である。
【
図12】特定の実施形態による、高電圧光トランスフォーマと1つまたは複数の高電圧駆動触覚デバイスとの一体化を示す図である。
【
図13】本開示の実施形態に関連して使用され得る例示的な拡張現実眼鏡の図である。
【
図14】本開示の実施形態に関連して使用され得る例示的な仮想現実ヘッドセットの図である。
【
図15】本開示の実施形態に関連して使用され得る例示的な触覚デバイスの図である。
【
図16】本開示の実施形態に係る例示的な仮想現実環境の図である。
【
図17】本開示の実施形態に係る例示的な拡張現実環境の図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図面全体を通して、同一の参照符号および説明は、必ずしも同一とは限らないが、同様の要素を示す。本明細書で説明される例示的な実施形態は、様々な変形形態および代替形態が可能であるが、特定の実施形態が図面において例として示されており、本明細書で詳細に説明されている。しかしながら、本明細書に記載される例示的な実施形態は、開示される特定の形態に限定されることを意図していない。むしろ、本開示は、添付の特許請求の範囲内に含まれる全ての変形形態、均等物、および代替形態を包含する。
【0016】
高電圧は、例えば、高電圧リレー、X線および粒子ビームを生成するための陰極線管、例えば、可変焦点距離レンズの焦点距離を操作するための圧電アクチュエータ、および触覚デバイスを含む、種々の異なるデバイスおよびシステムに電力を供給するために使用され得る。この点に関して、電圧トランスフォーマは、デバイスまたはシステムの生成された電圧がその他の点で不十分である場合、電圧出力を提供および/または増加させるために使用され得る。例えば、昇圧コンバータ(ブースターコンバータ)および圧電トランスフォーマを含む多くの電圧コンバータは、比較的低いDC入力電圧(約1V~2V)を1kVを超える出力電圧に変換するように構成され得る。しかしながら、必要なインダクタおよびコンデンサを含む、多くのそのような電圧トランスフォーマの設計は、デバイスの重量および/またはサイズを過度に増加させ得(例えば、1cm3以上に)、それは、ウェアラブルデバイスを含む、多くの用途にとって過大であり得る。従って、最近の開発にもかかわらず、コンパクトな設置面積を有する経済的な高電圧源を提供することが有利である。
【0017】
いくつかの実施形態において、前述に加えて、小型一体化は、屈曲を受け得るデバイスの領域内に電源を配置することを含み得る。特に、圧電アクチュエータおよび静電アクチュエータなどの高電圧アクチュエータの場合、高電圧電源をアクチュエータ自体に近接して配置することが動作上有利であり得る。いくつかの実施形態によれば、高電圧駆動デバイスに近接して、または「極めて近接して」配置された高電圧電源は、HVDD上に配置されてもよく(例えば、HVDDに直接取り付けられてもよく)、または高電圧電源自体の長さ寸法未満の距離に配置され得る。
【0018】
本開示は、概して、高電圧光トランスフォーマに関し、より具体的には、高電圧駆動デバイスに近接した剛性高電圧源または可撓性高電圧源の小型一体化に関する。高電圧光トランスフォーマと関連する高電圧駆動デバイスとの共同配置を含む開示されたシステムアーキテクチャは、従来の高電圧源に遍在する長い高電圧ケーブルの排除と、それらの従来の対応物よりも安全で、より良好に機能し、より信頼性があり、より経済的である、サイズおよび重量に敏感なデバイスの付随する実現とを可能にすることができる。本明細書に開示されるように、「高電圧」光トランスフォーマは、いくつかの例では、少なくとも約100Vの電圧出力を生成するように構成され得る。
【0019】
特定の実施形態では、マイクロメートルスケールの光起電力セルをアレイ化して、商業的に適切な大きさを有する光トランスフォーマを形成し得る。例えば、DC電圧源によって電力供給される光源と組み合わせて、光トランスフォーマ(DC-DCトランスフォーマ)は、約1mm3未満の設置面積を示し得る。例示的な光トランスフォーマは、拡張可能な出力、即ち、約100Vから約1kVを超える開回路電圧、例えば、100V、200V、500V、または1000V以上(前述の値のいずれかの間の範囲を含む)を提供するように構成され得る。
【0020】
特定の実施形態において、光トランスフォーマは、光源と、光源に光学的に結合された光起電力セルのアレイとを含み得る。例として、光源は、面発光デバイス、例えば、垂直共振器面発光レーザ(VCSEL: vertical cavity surface emitting laser)、外部共振器垂直面発光レーザ(VECSEL:vertical external cavity surface emitting laser)などの上部または底部発光デバイス、または有機発光ダイオード(OLED:organic light emitting diode)または共振空洞発光ダイオード(RCLED:resonant cavity light emitting diode)などの発光ダイオード(LED)を含み得る。いくつかの実施形態において、光源は、端面発光デバイス、例えば、レーザダイオードまたはスーパールミネッセントダイオード(SLED:superluminescent diode)を含み得る。特定の実施形態において、光源は、単一のエミッタまたはアドレス指定可能なアレイ内の複数のエミッタを含み得る。
【0021】
例として、レーザダイオードまたは発光ダイオードを含む光源は、Si、GaAs、InGaAs、AlGaAs、GaN、InGaN、AlGaN、GaP、GaAsP、AlGaInPなどの間接バンドギャップ半導体または直接バンドギャップ半導体を含み得る。いくつかの実施形態において、光源は、1つまたは複数のマイクロレンズ、全内部反射(TIR:total internal reflection)集光器、および/または全内部反射-屈折(TIR-R:total internal reflection-refraction)集光器など、光抽出および集束効率を向上させるように構成された1つまたは複数の光学要素を含み得る。
【0022】
いくつかの実施形態によれば、光源の光パワー生成、従って光トランスフォーマの出力電圧は、電圧変調または電流変調によって制御され得る。そのような変調は、アナログ(例えば、電流振幅変調)またはデジタル(例えば、パルス幅変調)であり得る。変調を制御して出力電圧を安定させるために、PID制御回路が使用され得る。
【0023】
光源は、例えば、光起電力セルアレイ内の1つまたは複数の光起電力セルを照明するように構成され得る。例示的な光起電力セルは、1つまたは複数の接合の近傍で吸収された光子から電流を得るために、半導体内の1つまたは複数のp-n接合(またはp-i-n接合)を含み得る。光起電力セル内の光起電力材料は、バルク層、量子井戸、量子細線、または量子ドットを含み得るが、さらなる構造が企図される。直接バンドギャップ材料として、ガリウムヒ素(GaAs)は、そのバンドギャップ(Eg)より大きいエネルギーを有する光子に対して高度に吸収性である。さらなる例示的な直接バンドギャップ半導体は、InP、InGaAs、AlGaAs、InGaN、InGaP、InGaAsP、InGaAsPN、AlGaN、GaN、GaP、GaAsP、AlGaInPなどを含む。代替の実施形態において、光起電力セルは、シリコン(Si)またはゲルマニウム(Ge)などの間接バンドギャップ半導体から製造され得る。例えば、例示的なモノリシック集積マイクロ光起電力セルアレイは、p-n接合(またはp-i-n接合)が横方向ドーピングプロファイルによって形成されているシリコンを含み得る。
【0024】
いくつかの実施形態において、光源および光起電力セルアレイは直接接触し得る。いくつかの実施形態において、光源と光起電力セルアレイとの間に光コネクタを配置して、光源からの放射光をアレイ内の光起電力セルに案内し得る。光コネクタは、ガラス、ポリマー、および/または半導体組成物を含む、光を誘導するのに好適な任意の材料を含み得る。光コネクタは、例えば、結晶質材料または非晶質材料を含み得る。いくつかの実施形態において、光コネクタは気体または液体を含み得る。光コネクタは、電気絶縁性であり得る。反射損失を抑制するために、特定の実施形態において、光コネクタは、少なくとも約1.5の屈折率によって特徴付けられ得る。
【0025】
いくつかの実施形態において、光源は、N個のエミッタを含み得、光起電力セルアレイは、N個の対応する光起電力セルを含み得る。さらなる実施形態において、エミッタの数は、光起電力セルの数を超え得る。さらなる実施形態において、光起電力セルの数は、エミッタの数を超え得る。光コネクタは、放出された光を個々の光起電力セルに、例えば、個々の光起電力セルの中心に集束させるように構成されたマイクロレンズアレイまたは1つまたは複数の他の要素をさらに含み得る。
【0026】
例示的なHVOTでは、1つまたは複数の光源を制御する低電圧回路は、高電圧出力回路から完全に分離され得る。従って、低電圧回路は、高電圧出力から絶縁された接地ループを提供し得る。
【0027】
様々な実施形態によれば、本明細書に開示される高電圧光トランスフォーマにおいて、トランスフォーマから関連する高電圧駆動デバイスに至る高電圧ケーブルは、トランスフォーマを個々の制御回路に接続するために使用される低電圧ケーブルよりも高電圧ケーブルが短くなり得るように、実質的に短縮され得るか、または排除され得る。より短い高電圧ケーブルは、環境ノイズを受信する傾向が減少すること、および近くの放射線感受性デバイスに干渉し得る放射線をブロードキャストする傾向が減少することを含む、いくつかの利点を提示し得る。いくつかの実施形態において、高電圧出力は、1つまたは複数の構成要素に向けられ得、任意の関連するスイッチングは、デバイスの低電圧側で実行され得る。
【0028】
理解されるように、高電圧光トランスフォーマは、比較対象の誘導性高電圧源よりも小さい磁場を発生し得るため、実質的により少ない遮蔽しか必要とせず、これは、トランスフォーマの総重量および厚さに有益な影響を与え得る。
【0029】
さらに、熱効率に関連して、専用の複数のHVOTを各HVDDと一体化することにより、システム全体にわたって熱源をより均一に分散させることができ、従って、大きな放熱路の必要性を低減することができる。特定の実施形態において、HVOTによって生成された熱は、例えば、マイクロ流体冷却、金属繊維、液体金属、ヒートパイプ等を使用して輸送され得る。いくつかの実施形態において、熱は、より高い動作温度によって性能が向上し得る近くのデバイスに向けられ得る。例えば、液体レンズでは、より高い温度は、封入されたレンズ流体の粘度を減少させ得、これは、レンズの応答時間を増加させ得る。
【0030】
本明細書で説明される一般原理に従って、本明細書で説明される実施形態のいずれかからの特徴は、互いに組み合わせて使用され得る。これらおよび他の実施形態、特徴、および利点は、添付の図面および特許請求の範囲と併せて以下の詳細な説明を読むことにより、より完全に理解されるであろう。
【0031】
以下は、
図1~
図17を参照して、光トランスフォーマ、即ち光駆動電圧コンバータ、ならびにそのような光トランスフォーマを使用するデバイスおよびシステムの詳細な説明を提供する。
図1~
図10に関連する説明は、高電圧駆動デバイスに近接して配置された高電圧光トランスフォーマを有する光起電力(PV)システムアーキテクチャに関する。
図11~
図17に関連する説明は、本明細書で開示されるような局所的に配置された高電圧光トランスフォーマを含み得る例示的な触覚デバイス、仮想現実デバイス、および拡張現実デバイスに関する。
【0032】
図1を参照すると、システム100は、高電圧駆動デバイス120に直接取り付けられた高電圧光トランスフォーマ110を含み得る。HVOT110と高電圧駆動デバイス120との共同設置は、システム100の全体的な設置面積を減少させ得る。
図2を参照すると、さらなる例示的なシステム200は、個々のHVDD120上に各々が直接搭載された複数のHVOT110を含み得る。複数のデバイスに電力を供給するために単一のHVOTを使用することとは対照的に、専用の直接取り付けのHVOT110を有するシステム200は、大型の高電圧スイッチの必要性を回避しつつ、電力、サイズ、重量の考慮などの観点から、各トランスフォーマ110が各個々のHVDD120に対して個別に構成されることを可能にし得る。各デバイス120に別々に電力供給することはまた、電力ネットワークの冗長性を増加させ得、即ち、単一のHVOTまたは一部のHVOT110が故障した場合に影響を受けるデバイス120の数を減少させ得る。
【0033】
図3を参照すると、さらなる実施形態によれば、システム300は、1つまたは複数のHVDD120に近接して配置された単一のHVOT310を含み得る。高電圧接続部330は、HVOT310を各個々の高電圧駆動デバイス120に接続するために使用され得る。
【0034】
いくつかの実施形態において、システムは、変形可能な、即ち可撓性の高電圧光トランスフォーマを含み得る。
図4の断面図を例として参照すると、システム400は、高電圧駆動デバイス420の湾曲した(即ち、非平面の)表面上に直接搭載された可撓性高電圧光トランスフォーマ410を含み得る。
【0035】
図5には、例示的な高電圧光トランスフォーマが概略的に示されている。光トランスフォーマ510は、上から下に、発光層501、光結合層502、および光起電力層503を含み得る。発光層501は、1つまたは複数のLED、マイクロLED、OLED、マイクロOLED、VCSELなどを含む任意の好適な光源を含み得る。発光層501は、光結合層502を介して光起電力層503に光学的に接続されており、光結合層は、発光層501から光起電力層503に光を透過させるとともに、それらの間に電気絶縁を提供するように構成され得る。
【0036】
図6には、光トランスフォーマ510を含む例示的なチップスケールパッケージ(CSP)の断面図が概略的に示されている。チップスケールパッケージ600において、光トランスフォーマ510は、はんだボールアレイ602への電気的接続を提供し得るインターポーザ層601の上に配置され得る。発光層501、光結合層502、および光起電力層503を含む光トランスフォーマ510は、パッケージング層603内に封入され得る。パッケージング層603は、好適なプラスチックまたはポリマー材料を含み得るとともに、光トランスフォーマ510を湿気、デブリなどから保護するように構成され得る。いくつかの実施形態において、パッケージング層は、光トランスフォーマまたはCSPを部分的または全体的に封入し得る。パッケージング層は、例えば、シリコンを含み得る。本明細書でさらに詳細に示されるように、はんだボールアレイ602内の個々のはんだボールは、プリント回路基板(PCB)またはフレキシブルプリント回路(FPC)にはんだ付けされ得る。
【0037】
特定の実施形態によれば、チップスケールパッケージ(CSP)のそれぞれの寸法(例えば、長さ、幅、および厚さ)は、独立して、約1mm~約10mmの範囲、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10mmであってもよく、前述の値のいずれかの間の範囲を含む。従って、例示的なCSPは、2×2×1mm3、4×4×4mm3、10×10×5mm3などの寸法を有し得る。
【0038】
使用中、プリント回路基板(PCB)またはフレキシブルプリント回路(FPC)の変形(即ち、屈曲)は、それに接合されるチップスケールパッケージ(CSP)の機械的完全性および/または接合の機械的完全性に影響を与え得る。
図7を参照すると、1つの例示的な故障態様は、フレキシブルプリント回路701からのはんだボールアレイ602からの1つまたは複数のはんだボールの剥離を含み得、その結果、ギャップ710が生じ、それに伴ってCSP600とFPC701との間の電気的導通が遮断される。図示されていないが、さらなる例によれば、はんだボールは、フレキシブルプリント回路701に取り付けられたままであっても、インターポーザ層601から不所望に分離する場合がある。さらなる故障メカニズムは、はんだボール自体の破損を含み得る。
【0039】
図8を参照すると、さらなる例によれば、過度な歪みは、はんだボールコンタクトの残存性にかかわらず、チップスケールパッケージ600の破壊をもたらし、結果的にパッケージ内クラック810が生じ得る。そのような結果は、剛性または不十分な可撓性の高電圧光トランスフォーマ510への過度な応力の印加を伴い、デバイス故障を生じさせ得る。
【0040】
いくつかの実施形態において、HVOTを形成するために剛性層を使用する代わりに、薄膜高電圧光トランスフォーマは、使用中に遭遇する典型的な歪みに耐えて、従って、機械的故障を回避するのに十分な可撓性を示し得る。
図9には、例示的な可撓性高電圧光トランスフォーマが示されている。可撓性高電圧光トランスフォーマ910は、上から下に、可撓性薄膜発光層901、可撓性薄膜光結合層902、および可撓性薄膜光起電力層903を含み得る。はんだボールアレイ904は、フレキシブルプリント回路905との電気的接触を提供し得る。
【0041】
図10を参照すると、さらなる実施形態によれば、部分的に可撓性のHVOTの例示的なアーキテクチャが示されている。部分的に可撓性のHVOT1010は、上から下に、セグメント化された発光層1001、光結合層1002、及びセグメント化された光起電力層1003を含み得る。光結合層1002は、フレキシブル層を含み得る。セグメント化された発光層1001は、部分的に可撓性であってもよく、かつ交互の可撓性部分1001aおよび剛性部分1001bをそれぞれ含み得る。セグメント化された発光層1001は、可撓性基板上に形成されるか、または可撓性基板に転写され得る。これに関連して、セグメント化された部分的に可撓性の光起電力層1003は、交互の可撓性部分1003aおよび剛性部分1003bをそれぞれ含み得る。いくつかの実施形態において、可撓性部分1003aは、活性光起電力セル(図示せず)を含んでもよく、剛性部分1003bは、不活性スペーサ材料を含み得る。はんだボールアレイ1004は、セグメント化された光起電力層1003(例えば、フレキシブル部分1003a)とフレキシブルプリント回路1005との間の電気的接触を提供し得る。
【0042】
高電圧光トランスフォーマ(例えば、HVOT510、910、1010)は、小型で軽量のフォームファクタが所望される場合など、広範囲のシステムおよびデバイスに組み込まれ得る。例示的な用途は、液体レンズおよび触覚デバイスなどのユーザウェアラブルシステム、センサ、埋め込み型デバイスなどの医療デバイス、ならびにドローンおよび衛星などの通信システムを含む。
【0043】
液体レンズは、例えば、バイモルフアクチュエータまたは静電アクチュエータによって駆動され得、HVOTは、アクチュエータに近接して、即ち、ウェアラブルシステムの一部として、レンズアーキテクチャに組み込まれる。さらなる例では、触覚デバイスは、誘電エラストマーアクチュエータまたは静電クラッチなどの振動触覚ハプティックアクチュエータを含み得る。
図11を参照すると、例えば、触覚アクチュエータ1100は、ユーザの指1130に近接して位置する静電チャック1120に電力を供給するように構成されたHVOT1110を含み得る。図示した実施形態に示すように、HVOT1110は、静電チャック1120に直接取り付けられ得る。
【0044】
図12を参照すると、ウェアラブルシステム1200は、運動感覚インピーダンス(KI:kinesthetic impedance)ディスプレイ1220、触覚アクチュエータ1230、およびせん断アクチュエータ(shear actuator)1240等の1つまたは複数の高電圧デバイスが取り付けられたグローブ1205または他のウェアラブル物品を含み得る。各デバイス1220、1230、1240は、低電圧ケーブル1222、1232、1242を使用して、スイッチング要素1255を介してバッテリまたはソーラーパネル等の低電圧源1250に接続され得る個々の高電圧光トランスフォーマ(別個に図示せず)と一体化され得る。従って、ウェアラブルシステム1200内の各HVOTは、低電圧入力および高電圧出力を有し得る。
【0045】
一例として、触覚アクチュエータ1230は、アクチュエータ本体1232に近接して取り付けられた高電圧光トランスフォーマ1210を含み得る。図示される実施形態において、アクチュエータ本体1232は、一次電極1234と、一次電極1234の少なくとも一部に重なる二次電極1236と、電極間に配置され、かつ誘電性流体1238の本体を封入するように構成される一対の対向する膜1235、1237とを含み得る。特定の実施形態において、膜1235は変形可能な膜であり得、膜1237は剛性(実質的に変形不可能な)膜であり得る。
【0046】
高電圧光トランスフォーマ1210は、アクチュエータ本体1232に隣接して配置され、かつ高電圧ケーブル1215を介して一次電極1234および二次電極1236のうちの1つまたは複数に電気的に接続され得る。図示の実施形態において、高電圧ケーブル1215の長さは、触覚アクチュエータ1230を低電圧源1250に接続する低電圧ケーブル1232の長さよりも短くてもよい。絶縁層1239は、高電圧ケーブル1215および低電圧ケーブル1232を含む触覚アクチュエータ1230を封入するために使用され得る。
【0047】
また、高電圧光トランスフォーマは、電力を感知システムに提供するために使用され得る。例として、光電子増倍管は、単一光子を検出することができるとともに、化学的および生物学的感知、量子コンピューティング、ならびにニューロン活動のモニタリングを含む広範囲の用途を有する。光電子増倍管モジュール自体は、商業的に好適なフォームファクタを示し得るが、約1kVを超える典型的な動作電圧では、小型の高電圧電源の利用可能性が限られているため、その使用が多くの用途で制限されていた。
【0048】
医療用途では、コンパクトな高電圧源が有効である場合が多くある。例えば、埋め込み型除細動器は、現在、高電圧を生成するために従来の方法及び構造を使用する比較的大型の装置である。そのような手法は、インダクタおよびトランスフォーマなどの重量のある部品の使用を必要とすることが多い。一方、HVOTは、そのような用途に対してサイズの利点および重量の利点の両方を提供し得る。いくつかの実施形態において、高電圧光トランスフォーマは、高電圧ケーブルの長さを減少させるように、除細動器に近接して、潜在的に体内に搭載され得る。
【0049】
低電圧入力が高電圧出力から電気的に絶縁されているので、例示的なHVOTの入力端子および出力端子は、共通接地を共有しなくてもよく、これにより、使用中の電気ショックの可能性を大幅に低減することができる。加えて、出力は、高インピーダンスによって特徴付けられ得る。従って、2つの出力端子間の電流は典型的に低く、かつユーザに危害を与えるには不十分である。同様に、本明細書に開示されるHVOTは、トランスフォーマによって蓄積される総電荷を制限する比較的低いデバイス容量によって特徴付けられ得る。むしろ、様々な実施形態によれば、電力は、PVセルの照明を通じてオンデマンドで生成され得る。最後に、いくつかの実施形態において、HVOTの最大利用可能電力が、デバイスの自己発熱により制限され得る。即ち、制御回路が故障した場合には、急速な熱的過負荷により最大出力電力が制限される。
【0050】
さらなる例として、高電圧光トランスフォーマは、サイズおよび重量が重要なパラメータとなることが多い、ナノ衛星、フェムト衛星、またはピコ衛星などの小型衛星においても使用され得る。
【0051】
システムは、1つまたは複数の高電圧駆動デバイス(HVDD)と、1つまたは複数のデバイスに近接して配置された高電圧光トランスフォーマ(HVOT)とを含む。そのような小型一体化は、長い高電圧ケーブルの必要性を減少させ得、これは、HV接続ハードウェアの必要性も排除することによって、その重量を含んでシステム設置面積(<5mm3)に有益に影響を及ぼし得る。加えて、より緊密な一体化は、放射放出および磁場の不所望な発生の傾向を減少させるとともに、動作帯域幅を向上させ得る。特定の実施形態は、高電圧光トランスフォーマは、可撓性であってもよく、かつ1つまたは複数のデバイス上に直接搭載され得る。「可撓性」部品、構造、または要素(例えば、可撓性高電圧光トランスフォーマ)は、特定の実施形態において、大きな破壊歪み(strain-to-failure)を呈し得、少なくとも約5%、例えば、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約50%、または少なくとも約100%の歪みであって、前述の値のいずれかの間の範囲を含む歪みに適応し得る。
【0052】
可撓性のHVOTアーキテクチャは、ウェアラブルシステムに組み込まれ得る。HVOTは、例えば、その間に配置された絶縁層を使用して、HVDDから熱的に絶縁され得る。可撓性のHVOTは、可撓性光源と、光源に光学的に結合された光起電力セルの薄膜アレイとを含み得る。可撓性光源は、例えば、LED、マイクロLED、OLED、又はVCSELを含み得る。いくつかの実施形態において、可撓性光源は、可撓性導光体に結合された端面発光デバイスまたは面発光デバイスを含み得る。
【0053】
例示的な実施形態
実施例1:システムは、高電圧光トランスフォーマと、高電圧駆動デバイスとを含み、高電圧光トランスフォーマは、高電圧駆動デバイスに近接して配置される。
【0054】
実施例2:実施例1のシステムにおいて、高電圧光トランスフォーマは、光起電力セルに光学的に結合された光源を含む。
実施例3:実施例2のシステムにおいて、光源は、面発光デバイスまたは端面発光デバイスを含む。
【0055】
実施例4:実施例1乃至3のいずれか1つのシステムにおいて、高電圧光トランスフォーマは、高電圧駆動デバイスの上に直接搭載される。
実施例5:実施例1乃至4のいずれか1つに記載のシステムは、高電圧光トランスフォーマと高電圧駆動デバイスとの間にある可撓性層をさらに含む。
【0056】
実施例6:実施例1乃至5のいずれか1つに記載のシステムは、高電圧光トランスフォーマと高電圧駆動デバイスとの間にある断熱層をさらに含む。
実施例7:実施例1乃至6のいずれか1つに記載のシステムにおいて、高電圧光トランスフォーマが可撓性である。
【0057】
実施例8:実施例1乃至7のいずれか1つに記載のシステムにおいて、高電圧光トランスフォーマは、高電圧駆動デバイスの湾曲表面上に直接搭載される。
実施例9:実施例1乃至8のいずれか1つに記載のシステムは、高電圧光トランスフォーマを高電圧駆動デバイスに電気的に結合する高電圧接続部と、高電圧光トランスフォーマを制御するように構成される低電圧源と、低電圧源を高電圧光トランスフォーマに電気的に結合する低電圧接続部とをさらに含む。
【0058】
実施例10:実施例9に記載のシステムにおいて、低電圧源は、高電圧接続部から電気的に絶縁されている。
実施例11:実施例9及び10のいずれか1つに記載のシステムにおいて、高電圧接続部の長さは、低電圧接続部の長さよりも短い。
【0059】
実施例12:実施例1乃至11のいずれか1つに記載のシステムにおいて、高電圧駆動デバイスは、液体レンズを含む。
実施例13:実施例1乃至12のいずれか1つに記載のシステムは、複数の高電圧光トランスフォーマと、複数の高電圧駆動デバイスとを含み、各高電圧駆動デバイスは、個々の高電圧光トランスフォーマに直接取り付けられる。
【0060】
実施例14:実施例1乃至13のいずれか1つに記載のシステムを含むヘッドマウントディスプレイ。
実施例15:システムは、複数の高電圧駆動デバイスを含み、各高電圧駆動デバイスは、各高電圧駆動デバイスに直接取り付けられた対応する高電圧光トランスフォーマを有する。
【0061】
実施例16:実施例15のシステムにおいて、高電圧光トランスフォーマのうちの少なくとも1つが可撓性である。
実施例17:実施例15および16のいずれか1つに記載のシステムは、各高電圧光トランスフォーマを各個々の高電圧駆動デバイスに電気的に結合する高電圧接続部と、各高電圧光トランスフォーマを制御するように構成される低電圧源と、低電圧源を各高電圧光トランスフォーマに電気的に結合する低電圧接続部とをさらに含む。
【0062】
実施例18:実施例17のシステムにおいて、低電圧源は、高電圧接続部から電気的に絶縁されている。
実施例19:方法は、高電圧駆動デバイス上に高電圧光トランスフォーマを直接形成するステップを含む。
【0063】
実施例20:実施例19に記載の方法において、高電圧光トランスフォーマは、高電圧駆動デバイスの非平面表面上に直接形成される。
本開示の実施形態は、種々のタイプの人工現実システムを含むか、またはそれらと組み合わせて実施され得る。人工現実は、ユーザへの提示の前に何らかの方法で調整された現実の形態であり、例えば、仮想現実、拡張現実、複合現実、ハイブリッド現実、またはそれらのいくつかの組み合わせおよび/もしくは派生形態を含み得る。人工現実コンテンツは、完全にコンピュータが生成したコンテンツ、またはキャプチャされた(例えば、現実世界の)コンテンツと組み合わされたコンピュータが生成したコンテンツを含み得る。人工現実コンテンツは、映像、オーディオ、触覚フィードバック、またはそれらのいくつかの組合せを含み得、それらのいずれも、単一のチャネルまたは複数のチャネル(視聴者に3次元(3D)効果をもたらすステレオ映像など)で提示し得る。加えて、いくつかの実施形態において、人工現実は、例えば、人工現実においてコンテンツを作成するために使用され、かつ/または別様に人工現実において(例えば、人工現実においてアクティビティを行うために)使用される、アプリケーション、製品、付属品、サービス、またはそれらのいくつかの組み合わせとも関連付けられ得る。
【0064】
人工現実システムは、様々な異なるフォームファクタおよび構成で実施され得る。いくつかの人工現実システムは、ニアアイディスプレイ(NED)なしで動作するように設計され得る。他の人工現実システムは、現実世界への可視性も提供するNED(例えば、
図13の拡張現実システム1300)、またはユーザを視覚的に人工現実に没入させるNED(例えば、
図14の仮想現実システム1400)を含み得る。いくつかの人工現実デバイスは自己完結型システムであり得るが、他の人工現実デバイスは、外部デバイスと通信および/または協調して、ユーザに人工現実体験を提供し得る。そのような外部デバイスの例は、ハンドヘルドコントローラ、モバイルデバイス、デスクトップコンピュータ、ユーザが装着する複数のデバイス、1人または複数の他のユーザが装着する複数のデバイス、および/または任意の他の適切な外部システムを含む。
【0065】
図13を参照すると、拡張現実システム1300は、ユーザの眼の前に左ディスプレイデバイス1315(A)および右ディスプレイデバイス1315(B)を保持するように構成されたフレーム1310を有する眼鏡型デバイス1302を含み得る。ディスプレイデバイス1315(A)および1315(B)は、1つの画像または一連の画像をユーザに提示するために、一緒にまたは独立して動作し得る。拡張現実システム1300は2つのディスプレイを含むが、本開示の実施形態は、単一のNEDまたは3つ以上のNEDを有する拡張現実システムにおいて実施され得る。
【0066】
いくつかの実施形態において、拡張現実システム1300は、センサ1340等の1つまたは複数のセンサを含み得る。センサ1340は、拡張現実システム1300の動きに応答して測定信号を生成し得るとともに、フレーム1310の実質的に任意の部分に配置され得る。センサ1340は、位置センサ、慣性測定ユニット(IMU)、深度カメラアセンブリ、構造化光エミッタおよび/もしくは検出器、またはそれらの任意の組み合わせを表し得る。いくつかの実施形態において、拡張現実システム1300は、センサ1340を含んでも含まなくてもよく、または2つ以上のセンサを含み得る。センサ1340がIMUを含む実施形態において、IMUは、センサ1340からの測定信号に基づいて較正データを生成し得る。センサ1340の例は、限定されないが、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、動きを検出する他の好適なタイプのセンサ、IMUの誤差補正のために使用されるセンサ、またはそれらのいくつかの組み合わせを含み得る。
【0067】
拡張現実システム1300はまた、まとめて音響トランスデューサ1320と称される、複数の音響トランスデューサ1320(A)-1320(J)を有するマイクロホンアレイを含み得る。音響トランスデューサ1320は、音波によって誘発される空気圧変動を検出するトランスデューサであり得る。各音響トランスデューサ1320は、音を検出するとともに、検出された音を電子フォーマット(例えば、アナログフォーマットまたはデジタルフォーマット)に変換するように構成され得る。
図13のマイクロホンアレイは、例えば、10個の音響トランスデューサを含み得る。ユーザの対応する耳の内側に配置されるように設計され得る音響トランスデューサ1320(A)および1320(B)、フレーム1310上の様々な位置に配置され得る音響トランスデューサ1320(C)、1320(D)、1320(E)、1320(F)、1320(G)、および1320(H)、および/または対応するネックバンド1305上に配置され得る音響トランスデューサ1320(I)および1320(J)を含み得る。
【0068】
いくつかの実施形態において、音響トランスデューサ1320(A)~(F)のうちの1つまたは複数は、出力トランスデューサ(例えば、スピーカ)として使用され得る。例えば、音響トランスデューサ1320(A)および/または1320(B)は、イヤホンまたは任意の他の好適な種類のヘッドホンもしくはスピーカであり得る。
【0069】
マイクロホンアレイの音響トランスデューサ1320の構成は様々であり得る。拡張現実システム1300は、10個の音響トランスデューサ1320を有するものとして
図13に示されているが、音響トランスデューサ1320の数は、10個より多くても少なくてもよい。いくつかの実施形態において、より多くの数の音響トランスデューサ1320を使用することにより、収集されるオーディオ情報の量および/またはオーディオ情報の感度および精度が増大し得る。対照的に、より少ない数の音響トランスデューサ1320を使用することにより、収集されるオーディオ情報を処理するために関連付けられたコントローラ1350によって必要とされる計算電力が減少し得る。加えて、マイクロホンアレイの各音響トランスデューサ1320の位置は、変動し得る。例えば、音響トランスデューサ1320の位置は、ユーザ上の定義された位置、フレーム1310上の定義された座標、各音響トランスデューサ1320に関連付けられた向き、またはそれらのいくつかの組合せを含み得る。
【0070】
音響トランスデューサ1320(A)および1320(B)は、ユーザの耳の異なる部分、例えば、耳翼の後ろ、耳珠の後ろ、および/または耳介もしくは窩内に配置され得る。あるいは、外耳道内の音響トランスデューサ1320に加えて、耳の上または耳の周囲に追加の音響トランスデューサ1320が設けられ得る。音響トランスデューサ1320をユーザの外耳道に隣接して配置することにより、マイクロホンアレイが音が外耳道にどのように到達するかに関する情報を収集することが可能となり得る。音響トランスデューサ1320のうちの少なくとも2つをユーザの頭部の両側に(例えば、バイノーラルマイクロホンとして)配置することによって、拡張現実デバイス1300は、バイノーラル聴覚をシミュレートして、ユーザの頭部の周囲の3Dステレオ音場を捕捉し得る。いくつかの実施形態において、音響トランスデューサ1320(A)および1320(B)は、有線接続1330を介して拡張現実システム1300に接続され得、他の実施形態において、音響トランスデューサ1320(A)および1320(B)は、無線接続(例えば、Bluetooth(登録商標)接続)を介して拡張現実システム1300に接続され得る。さらに他の実施形態において、音響トランスデューサ1320(A)および1320(B)は、拡張現実システム1300と組み合わせて全く使用されなくてもよい。
【0071】
フレーム1310上の音響トランスデューサ1320は、テンプルの長さに沿って、ブリッジを横切って、ディスプレイデバイス1315(A)および1315(B)の上または下に、あるいはそれらのいくつかの組合せで配置され得る。音響トランスデューサ1320は、マイクロホンアレイが、拡張現実システム1300を装着しているユーザを取り囲む広範囲の方向の音を検出し得るように配向され得る。いくつかの実施形態において、拡張現実システム1300の製造中に最適化プロセスを実行して、マイクロホンアレイにおける各音響トランスデューサ1320の相対的な配置を決定し得る。
【0072】
いくつかの例では、拡張現実システム1300は、ネックバンド1305などの外部デバイス(例えば、ペアリングされたデバイス)を含むか、またはそれに接続され得る。ネックバンド1305は、概して、任意のタイプまたは形態のペアリングされるデバイスを表す。従って、ネックバンド1305の以下の説明は、充電ケース、スマートウォッチ、スマートフォン、リストバンド、他のウェアラブルデバイス、ハンドヘルドコントローラ、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、他の外部コンピュートデバイスなど、様々な他のペアリングされるデバイスにも適用され得る。
【0073】
図示されるように、ネックバンド1305は、1つまたは複数のコネクタを介して眼鏡型デバイス1302に結合され得る。コネクタは、有線または無線であり得るとともに、電気および/または非電気(例えば、構造)部品を含み得る。いくつかの場合では、眼鏡型デバイス1302及びネックバンド1305は、それらの間にいかなる有線接続又は無線接続もなしに独立して動作し得る。
図13は、眼鏡型デバイス1302及びネックバンド1305上の例示的な場所において眼鏡型デバイス1302及びネックバンド1305の部品を示しているが、これらの部品は、眼鏡型デバイス1302及び/又はネックバンド1305上の他の場所に配置されてもよく、かつ/又は眼鏡型デバイス1302及び/又はネックバンド1305上で異なるように分散されてもよい。いくつかの実施形態において、眼鏡型デバイス1302およびネックバンド1305の部品は、眼鏡型デバイス1302、ネックバンド1305、またはそれらのいくつかの組合せとペアリングされた1つまたは複数の追加の周辺デバイス上に配置され得る。
【0074】
ネックバンド1305などの外部デバイスを拡張現実眼鏡型デバイスとペアリングすることにより、眼鏡型デバイスが、拡張機能のための十分なバッテリおよび計算能力を常に備えながら、眼鏡のフォームファクタを実現することが可能となり得る。拡張現実システム1300のバッテリ電力、計算リソース、および/または追加の特徴の一部または全部は、ペアリングされたデバイスによって提供されるか、またはペアリングされたデバイスと眼鏡型デバイスとの間で共有されてもよく、これにより、所望の機能性を常に保持しながら、眼鏡型デバイス全体の重量、熱プロファイル、およびフォームファクタを低減し得る。例えば、ユーザは、自身の頭部上で許容するよりも自身の肩上でより重い重量負荷を許容し得るため、ネックバンド1305は、眼鏡型デバイス上に含まれるであろう部品がネックバンド1305内に含まれることを可能にし得る。ネックバンド1305は、熱を周囲環境に拡散および分散させるためのより大きな表面積をも有し得る。これにより、ネックバンド1305は、スタンドアロン眼鏡型デバイス上で可能であったであろうよりも大きいバッテリおよび計算キャパシティを可能にし得る。ネックバンド1305内に担持される重量は、眼鏡型デバイス1302内に担持される重量よりもユーザに対して侵襲性が低い場合があるので、ユーザは、ユーザが重い独立型眼鏡型デバイスを着用することを許容するよりも、より軽い眼鏡型デバイスを着用し、ペアリングされたデバイスをより長い時間にわたって担持または着用することを許容することができ、それによって、ユーザが人工現実環境を日常のアクティビティにより十分に組み込むことを可能にする。
【0075】
ネックバンド1305は、眼鏡型デバイス1302及び/又は他のデバイスと通信可能に結合され得る。これらの他のデバイスは、特定の機能(例えば、トラッキング、位置特定、深度マッピング、処理、ストレージ等)を拡張現実システム1300に提供し得る。
図13の実施形態において、ネックバンド1305は、マイクロホンアレイの一部である(または潜在的に音響トランスデューサ自体のマイクロホンサブアレイを形成する)2つの音響トランスデューサ(例えば、1320(I)および1320(J))を含み得る。ネックバンド1305はまた、コントローラ1325および電源1335を含み得る。
【0076】
ネックバンド1305の音響トランスデューサ1320(I)および1320(J)は、音を検出するとともに、検出された音を電子フォーマット(アナログフォーマットまたはデジタルフォーマット)に変換するように構成され得る。
図13の実施形態において、音響トランスデューサ1320(I)および1320(J)は、ネックバンド1305上に配置されてもよく、それによって、ネックバンド音響トランスデューサ1320(I)および1320(J)と眼鏡型デバイス1302上に配置された他の音響トランスデューサ1320との間の距離を増加させる。いくつかの場合では、マイクロホンアレイの音響トランスデューサ1320間の距離を増加させることによって、マイクロホンアレイを介して実行されるビームフォーミングの精度が改善され得る。例えば、音響トランスデューサ1320(C)および1320(D)によって音が検出され、音響トランスデューサ1320(C)と1320(D)との間の距離が、例えば、音響トランスデューサ1320(D)と1320(E)との間の距離よりも大きい場合、検出された音の決定された音源場所は、音が音響トランスデューサ1320(D)および1320(E)によって検出された場合よりも正確であり得る。
【0077】
ネックバンド1305のコントローラ1325は、ネックバンド1305および/または拡張現実システム1300上のセンサによって生成された情報を処理し得る。例えば、コントローラ1325は、マイクロホンアレイによって検出された音を記述する、マイクロホンアレイからの情報を処理し得る。検出された音ごとに、コントローラ1325は、到来方向(DOA)推定を実行して、検出された音がマイクロホンアレイに到達した方向を推定し得る。マイクロホンアレイが音を検出すると、コントローラ1325は、オーディオデータセットに情報を格納し得る。拡張現実システム1300が慣性測定ユニットを含む実施形態において、コントローラ1325は、眼鏡型デバイス1302上に配置されたIMUから全ての慣性算出及び空間算出を計算し得る。コネクタは、拡張現実システム1300とネックバンド1305との間、および拡張現実システム1300とコントローラ1325との間で情報を伝達し得る。情報は、光学データ、電気データ、無線データ、または任意の他の伝送可能なデータ形式であり得る。拡張現実システム1300によって生成された情報の処理をネックバンド1305に移動させることによって、眼鏡型デバイス1302内の重量および熱が低減され、眼鏡型デバイス1302をユーザにとってより快適にし得る。
【0078】
ネックバンド1305内の電源1335は、眼鏡型デバイス1302及び/又はネックバンド1305に電力を供給し得る。電源1335は、限定しないが、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、一次リチウム電池、アルカリ電池、または任意の他の形態の電力貯蔵装置を含み得る。いくつかの場合では、電源1335は有線電源であり得る。電源1335を眼鏡型デバイス1302上ではなくネックバンド1305上に含むようにすることによって、重量および電源1335によって生成される熱をより良好に分散させるのに役立ち得る。
【0079】
上述したように、いくつかの人工現実システムは、人工現実を実際の現実と融合させる代わりに、ユーザの現実世界の感覚認知のうちの1つまたは複数を仮想体験で実質的に置き換え得る。このタイプのシステムの一例は、ユーザの視野を大部分または完全に覆う、
図14の仮想現実システム1400等の頭部装着型ディスプレイシステムである。仮想現実システム1400は、前部剛体1402と、ユーザの頭部の周囲に適合するように成形されたバンド1404とを含み得る。仮想現実システム1400は、出力オーディオトランスデューサ1406(A)および1406(B)をも含み得る。さらに、
図14には示されていないが、前部剛体1402は、1つまたは複数の電子ディスプレイ、1つまたは複数の慣性測定ユニット(IMU)、1つまたは複数の追跡エミッタもしくは検出器、および/または人工現実体験を作成するための任意の他の好適なデバイスもしくはシステムを含む、1つまたは複数の電子要素を含み得る。
【0080】
人工現実システムは、様々なタイプの視覚フィードバックメカニズムを含み得る。例えば、拡張現実システム1300および/または仮想現実システム1400内のディスプレイデバイスは、1つまたは複数の液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、有機LED(OLED)ディスプレイ、デジタルライトプロジェクト(DLP:digital light project)マイクロディスプレイ、液晶オンシリコン(LCoS:LCoS)マイクロディスプレイ、および/または任意の他の好適なタイプのディスプレイ画面を含み得る。人工現実システムは、両方の眼のための単一のディスプレイ画面を含み得るか、または各眼のためのディスプレイ画面を提供し得、これは、可変焦点調節またはユーザの屈折異常を補正するための付加的柔軟性を可能にし得る。いくつかの人工現実システムはまた、1つまたは複数のレンズ(例えば、従来の凹または凸レンズ、フレネルレンズ、調節可能な液体レンズ等)を有する光学サブシステムを含み得、ユーザは、光学サブシステムを通してディスプレイ画面を視認し得る。これらの光学サブシステムは、光をコリメートすること(例えば、物体をその物理的距離よりも大きい距離に現れるようにすること)、拡大すること(例えば、物体をその実際のサイズよりも大きく現れるようにすること)、および/または(例えば、観察者の眼に)光を中継することを含む、種々の目的に役立ち得る。これらの光学サブシステムは、非瞳形成アーキテクチャ(光を直接コリメートするが、いわゆる糸巻き型歪曲をもたらす単一レンズ構成など)および/または瞳形成アーキテクチャ(糸巻き型歪曲を無効にするためにいわゆる樽形歪曲を生成するマルチレンズ構成など)で使用され得る。
【0081】
ディスプレイ画面を使用することに加えて、またはディスプレイ画面の使用の代わりに、いくつかの人工現実システムは、1つまたは複数の投影システムを含み得る。例えば、拡張現実システム1300および/または仮想現実システム1400内のディスプレイデバイスは、周囲光が通過することを可能にするクリアなコンバイナレンズ等のディスプレイデバイスの中に(例えば、導波路を使用して)光を投影するマイクロLEDプロジェクタを含み得る。ディスプレイデバイスは、投影された光をユーザの瞳孔に向かって屈折させ得、ユーザが人工現実コンテンツおよび現実世界の両方を同時に眺めることを可能にし得る。ディスプレイデバイスは、導波路部品(例えば、ホログラフィック、平面、回折、偏光、および/または反射導波路要素)、光操作表面および要素(回折、反射、および屈折要素ならびに格子等)、結合要素等を含む、種々の異なる光学部品のうちのいずれかを使用して、これを達成し得る。人工現実システムはまた、仮想網膜ディスプレイにおいて使用される網膜プロジェクタ等の任意の他の好適なタイプまたは形態の画像投影システムを用いて構成され得る。
【0082】
人工現実システムは、種々のタイプのコンピュータビジョン構成要素およびサブシステムをも含み得る。例えば、拡張現実システム1300および/または仮想現実システム1400は、2次元(2D)カメラまたは3Dカメラ、構造化光送信器および検出器、飛行時間型深度センサ、単一ビームもしくは掃引レーザ距離器、3Dライダーセンサ、および/または任意の他の好適なタイプまたは形態の光学センサ等の1つまたは複数の光学センサを含み得る。人工現実システムは、これらのセンサのうちの1つまたは複数からのデータを処理して、ユーザの場所を識別し、現実世界をマッピングし、ユーザに現実世界の周囲状況に関するコンテキストを提供し、かつ/または様々な他の機能を実行し得る。
【0083】
人工現実システムは、1つまたは複数の入力および/または出力オーディオトランスデューサをも含み得る。
図14に示される例では、出力オーディオトランスデューサ1406(A)および1406(B)は、ボイスコイルスピーカ、リボンスピーカ、静電スピーカ、圧電スピーカ、骨伝導トランスデューサ、軟骨伝導トランスデューサ、耳珠振動トランスデューサ、および/または任意の他の好適なタイプまたは形態のオーディオトランスデューサを含み得る。同様に、入力オーディオトランスデューサは、コンデンサマイクロホン、ダイナミックマイクロホン、リボンマイクロホン、および/または任意の他のタイプまたは形態の入力トランスデューサを含み得る。いくつかの実施形態において、単一のトランスデューサがオーディオ入力およびオーディオ出力の両方に使用され得る。
【0084】
図13には示されていないが、人工現実システムは、ヘッドウェア、グローブ、ボディスーツ、ハンドヘルドコントローラ、環境デバイス(例えば、椅子、フロアマットなど)、および/または任意の他のタイプのデバイスもしくはシステム中に組み込まれ得るタクティル(即ち、触覚)フィードバックシステムを含み得る。触覚フィードバックシステムは、振動、力、牽引、テクスチャ、および/または温度を含む、種々のタイプの皮膚性フィードバックを提供し得る。また、触覚フィードバックシステムは、動きおよびコンプライアンス等の種々のタイプの運動感覚フィードバックを提供し得る。触覚フィードバックは、モータ、圧電アクチュエータ、流体システム、および/または様々な他のタイプのフィードバックメカニズムを使用して実施され得る。触覚フィードバックシステムは、他の人工現実デバイスから独立して、他の人工現実デバイス内に、および/または他の人工現実デバイスとともに実装され得る。
【0085】
触覚感覚、可聴コンテンツ、および/または視覚コンテンツを提供することによって、人工現実システムは、仮想体験全体を作成するか、または様々なコンテキストおよび環境内におけるユーザの現実世界体験を向上させ得る。例えば、人工現実システムは、特定の環境内のユーザの知覚、記憶、または認知を支援または拡張し得る。いくつかのシステムは、現実世界における他の人々とのユーザの対話を向上させ得るか、または仮想世界における他の人々とのより没入できる対話を可能にし得る。また、人工現実システムは、教育目的(例えば、学校、病院、政府団体、軍事団体、ビジネス企業等における教育または訓練)、娯楽目的(例えば、ビデオゲームをプレイする、音楽を聴く、ビデオコンテンツを視聴する等)、および/またはアクセシビリティ目的(例えば、補聴器、視覚補助等)に使用され得る。本明細書に開示される実施形態は、これらのコンテキストおよび環境のうちの1つまたは複数において、かつ/または他のコンテキストおよび環境において、ユーザの人工現実体験を可能にするか、または向上させ得る。
【0086】
上述したように、人工現実システム1300および1400は、より説得力のある人工現実体験を提供するために、様々な他のタイプのデバイスとともに使用され得る。これらのデバイスは、触覚フィードバックを提供し、かつ/または環境とのユーザの相互作用に関する触覚情報を収集する、トランスデューサを備えた触覚インタフェースであり得る。本明細書に開示される人工現実システムは、触覚フィードバック(例えば、皮膚性フィードバックとも称され得る、ユーザが皮膚内の神経を介して検出するフィードバック)および/または運動感覚フィードバック(例えば、ユーザが筋肉、関節、および/または腱内に位置する受容器を介して検出するフィードバック)を含む、種々のタイプの触覚情報を検出または伝達する種々のタイプの触覚インタフェースを含み得る。
【0087】
触覚フィードバックは、ユーザの環境(例えば、椅子、テーブル、床等)内に配置されたインタフェース、および/またはユーザによって装着または携行され得る物品(例えば、グローブ、リストバンド等)上のインタフェースによって提供され得る。一例として、
図15は、ウェアラブルグローブ(触覚デバイス1510)及びリストバンド(触覚デバイス1520)の形態の振動触覚システム1500を示す。触覚デバイス1510及び触覚デバイス1520は、それぞれユーザの手及び手首に対して配置されるように成形及び構成された可撓性のウェアラブルテキスタイル材料1530を含むウェアラブルデバイスの例として示されている。本開示は、指、腕、頭、胴体、足、または脚などの他の人体部位に対して配置されるように成形および構成され得る振動触覚システムをも含む。限定ではなく例として、本開示の様々な実施形態による振動触覚システムは、他の可能性の中でも特に、グローブ、ヘッドバンド、アームバンド、袖、ヘッドカバー、靴下、シャツ、またはズボンの形態であり得る。いくつかの例では、「テキスタイル」という用語は、織布、不織布、革、布、可撓性ポリマー材料、複合材料などを含む、任意の可撓性のウェアラブル材料を含み得る。
【0088】
1つまたは複数の振動触覚デバイス1540は、振動触覚システム1500のテキスタイル材料1530内に形成された1つまたは複数の対応するポケット内に少なくとも部分的に配置され得る。振動触覚デバイス1540は、振動触覚システム1500のユーザに振動感覚(例えば、触覚フィードバック)を提供する場所に配置され得る。例えば、振動触覚デバイス1540は、
図15に示すように、ユーザの1つまたは複数の指、親指、または手首に対して配置され得る。振動触覚デバイス1540は、いくつかの例では、ユーザの対応する1つまたは複数の身体部分に適合するか、またはそれと共に曲がるのに十分な可撓性を有し得る。
【0089】
振動触覚デバイス1540を作動させるために振動触覚デバイス1540に電圧を印加するための電源1550(例えば、バッテリ)は、導電配線1552などを介して振動触覚デバイス1540に電気的に結合され得る。いくつかの例では、振動触覚デバイス1540の各々は、個々の起動のために電源1550に独立して電気的に結合され得る。いくつかの実施形態において、プロセッサ1560は、電源1550に動作可能に結合されるとともに、振動触覚デバイス1540の起動を制御するように構成(例えば、プログラム)され得る。
【0090】
振動触覚システム1500は、様々な方法で実装され得る。いくつかの例では、振動触覚システム1500は、他のデバイス及びシステムから独立して動作するための一体型サブシステム及び部品を有するスタンドアロンシステムであり得る。別の例として、振動触覚システム1500は、別のデバイス又はシステム1570と相互作用するように構成され得る。例えば、振動触覚システム1500は、いくつかの例において、他のデバイスまたはシステム1570に対して信号を受信および/または送信するための通信インタフェース1580を含み得る。他のデバイスまたはシステム1570は、モバイルデバイス、ゲームコンソール、人工現実(例えば、仮想現実、拡張現実、複合現実)デバイス、パーソナルコンピュータ、タブレットコンピュータ、ネットワークデバイス(例えば、モデム、ルータ等)、ハンドヘルドコントローラ等であり得る。通信インタフェース1580は、無線(例えば、Wi-Fi、Bluetooth(登録商標)、セルラー、無線等)リンクまたは有線リンクを介して振動触覚システム1500と他のデバイスまたはシステム1570との間の通信を可能にし得る。存在する場合、通信インタフェース1580は、振動触覚デバイス1540のうちの1つまたは複数を起動または停止するための信号をプロセッサ1560に提供する等のために、プロセッサ1560と通信し得る。
【0091】
振動触覚システム1500は、任意選択的に、タッチ感知パッド1590、圧力センサ、動きセンサ、位置センサ、照明要素、及び/又はユーザインタフェース要素(例えば、オン/オフボタン、振動制御要素等)などの他のサブシステム及び構成要素を含み得る。使用中、振動触覚デバイス1540は、ユーザインタフェース要素とのユーザの相互作用、動きセンサまたは位置センサからの信号、タッチ感知パッド1590からの信号、圧力センサからの信号、他のデバイスまたはシステム1570からの信号等に応答して等、種々の異なる理由で起動されるように構成され得る。
【0092】
電源1550、プロセッサ1560、及び通信インタフェース1580は、
図15では触覚デバイス1520内に配置されるものとして示されているが、本開示はそのように限定されない。例えば、電源1550、プロセッサ1560、又は通信インタフェース1580のうちの1つまたは複数は、触覚デバイス1510内または別のウェアラブルテキスタイル内に配置され得る。
【0093】
図15に示され、それに関連して説明されるもの等の触覚ウェアラブルは、種々のタイプの人工現実システムおよび環境内で実装され得る。
図16は、1つのヘッドマウント仮想現実ディスプレイおよび2つの触覚デバイス(即ち、グローブ)を含む例示的な人工現実環境1600を示し、他の実施形態において、任意の数および/または組み合わせのこれらの構成要素および他の構成要素が、人工現実システムに含まれ得る。例えば、いくつかの実施形態において、関連付けられた触覚デバイスを各々が有する複数のヘッドマウントディスプレイが存在し得、各ヘッドマウントディスプレイおよび各触覚デバイスは、同じコンソール、ポータブルコンピューティングデバイス、または他のコンピューティングシステムと通信する。
【0094】
ヘッドマウントディスプレイ1602は、概して、
図14の仮想現実システム1400等の任意のタイプまたは形態の仮想現実システムを表す。触覚デバイス1604は、一般に、ユーザが仮想オブジェクトに物理的に関与しているという知覚をユーザに与えるためにユーザに触覚フィードバックを提供する、人工現実システムのユーザによって装着される、任意のタイプまたは形態のウェアラブルデバイスを表す。いくつかの実施形態において、触覚デバイス1604は、振動、モーション、及び/又は力をユーザに加えることによって触覚フィードバックを提供し得る。例えば、触覚デバイス1604は、ユーザの動きを制限又は増強し得る。特定の例を挙げると、触覚デバイス1604は、ユーザの手が仮想壁と物理的に接触したという知覚をユーザが有するように、ユーザの手が前方に移動することを制限し得る。この特定の例では、触覚デバイス内の1つまたは複数のアクチュエータは、触覚デバイスの膨張可能な袋内に流体を圧送することによって身体運動制限を達成し得る。いくつかの例では、ユーザは、触覚デバイス1604を使用して、アクション要求をコンソールに送信し得る。アクション要求の例は、限定しないが、アプリケーションを開始する要求および/もしくはアプリケーションを終了する要求、ならびに/またはアプリケーション内で特定のアクションを実行する要求を含む。
【0095】
触覚インタフェースは、
図16に示されるように、仮想現実システムとともに使用され得るが、触覚インタフェースはまた、
図17に示されるように、拡張現実システムとともに使用され得る。
図17は、ユーザ1710が拡張現実システム1700と相互作用する斜視図である。この例では、ユーザ1710は、1つまたは複数のディスプレイ1722を有するとともに、触覚デバイス1730とペアリングされた拡張現実眼鏡1720を装着し得る。この例では、触覚デバイス1730は、複数のバンド要素1732と、バンド要素1732を互いに接続する張力機構1734とを含むリストバンドであり得る。
【0096】
バンド要素1732のうちの1つまたは複数は、触覚フィードバックを提供するために好適な任意のタイプまたは形態のアクチュエータを含み得る。例えば、バンド要素1732のうちの1つまたは複数は、振動、力、牽引、テクスチャ、および/または温度を含む、種々のタイプの皮膚性フィードバックのうちの1つまたは複数を提供するように構成され得る。そのようなフィードバックを提供するために、バンド要素1732は、種々のタイプのアクチュエータのうちの1つまたは複数を含み得る。一例では、バンド要素1732の各々は、様々なタイプの触覚感覚のうちの1つ又は複数をユーザに提供するために一斉に又は独立して振動するように構成された振動触覚器(vibrotactor)(例えば、振動触覚アクチュエータ)を含み得る。代替的に、単一のバンド要素またはバンド要素のサブセットのみが振動触覚器を含み得る。
【0097】
触覚デバイス1510、1520、1604、及び1730は、任意の適切な数及び/又はタイプの触覚トランスデューサ、センサ、及び/又はフィードバックメカニズムを含み得る。例えば、触覚デバイス1510、1520、1604、及び1730は、1つまたは複数の機械トランスデューサ、圧電トランスデューサ、及び/又は流体トランスデューサを含み得る。触覚デバイス1510、1520、1604、および1730はまた、ユーザの人工現実体験を向上させるために一緒にまたは独立して動作する異なるタイプおよび形態のトランスデューサの様々な組合せを含み得る。一例では、触覚デバイス1730のバンド要素1732の各々は、様々なタイプの触覚感覚のうちの1つまたは複数をユーザに提供するために一斉にまたは独立して振動するように構成された振動触覚器(vibrotactor)(例えば、振動触覚アクチュエータ)を含み得る。
【0098】
本明細書で説明および/または図示されたステップのプロセスパラメータおよびシーケンスは、単に例として与えられており、必要に応じて変更することができる。例えば、本明細書で図示および/または説明されたステップは、特定の順序で示されるかまたは説明され得るが、これらのステップは、必ずしも図示または説明された順序で実行される必要はない。本明細書で説明および/または図示される様々な例示的な方法はまた、本明細書で説明または図示されたステップのうちの1つまたは複数を省略するか、または開示されたものに加えて追加のステップを含み得る。
【0099】
上記の説明は、当業者が本明細書で開示された例示的な実施形態の様々な態様を最良に利用することを可能にするために提供されている。この例示的な説明は、網羅的であること、または開示される任意の厳密な形態に限定されることを意図するものではない。特許請求の範囲から逸脱することなく、多くの修正および変形が可能である。本明細書で開示された実施形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと見なされるべきである。本開示の範囲を決定する際には、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物が参照されるべきである。
【0100】
別段の記載がない限り、本明細書及び特許請求の範囲で使用される「に接続された」及び「に結合された」という用語(及びそれらの派生語)は、直接的接続及び間接的(即ち、他の要素又は構成要素を介した)接続の両方を許容するものとして解釈されるべきである。さらに、本明細書および特許請求の範囲で使用される用語「1つの(a)」または「1つの(an)」は、「のうちの少なくとも1つ」を意味すると解釈されるべきである。最後に、使用を容易にするために、用語「含む(including)」および「有する(having)」(およびそれらの派生語)は、本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、用語「備える(comprising)」と交換可能であり、用語「備える」と同じ意味を有する。
【0101】
層または領域などの要素が、別の要素の上に形成される、その上に堆積される、またはその「上に」もしくは「上方に」配置されると言及される場合、それは、他の要素の少なくとも一部分の上に直接位置してもよく、または1つまたは複数の介在要素が存在し得ることが理解されるであろう。対照的に、要素が別の要素の「直接上に(directly on)」または「直接上方に(directly over)」あると言及される場合、それは、介在要素が存在せずに、他の要素の少なくとも一部分の上に位置し得る。
【0102】
本明細書で使用される場合、所与のパラメータ、特性、または条件に関して「実質的に」という用語は、所与のパラメータ、特性、または条件が、許容可能な製造公差内などの小さな程度の変動で満たされることを当業者が理解する程度を意味し、かつ含み得る。例として、実質的に満たされる特定のパラメータ、特性、または条件に応じて、パラメータ、特性、または条件は、少なくとも約90%満たされる場合、少なくとも約95%満たされる場合、または少なくとも約99%満たされる場合である。
【0103】
特定の実施形態の様々な特徴、要素、またはステップは、移行句「備える(comprising)」を使用して開示され得るが、移行句「からなる(consisting)」または「本質的にからなる(consisting essentially of)」を使用して説明され得るものを含む代替の実施形態が暗示されることを理解されたい。従って、例えば、シリコンを備えるかまたは含むパッケージング層に対する暗示的な代替的な実施形態は、パッケージング層が本質的にシリコンからなる実施形態、およびパッケージング層がシリコンからなる実施形態を含む。
【国際調査報告】