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特表2023-549663光干渉断層撮影画像における眼の前眼部の自動セグメント化
<図1>
  • 特表-光干渉断層撮影画像における眼の前眼部の自動セグメント化 図1
  • 特表-光干渉断層撮影画像における眼の前眼部の自動セグメント化 図2
  • 特表-光干渉断層撮影画像における眼の前眼部の自動セグメント化 図3A
  • 特表-光干渉断層撮影画像における眼の前眼部の自動セグメント化 図3B
  • 特表-光干渉断層撮影画像における眼の前眼部の自動セグメント化 図4A
  • 特表-光干渉断層撮影画像における眼の前眼部の自動セグメント化 図4B
  • 特表-光干渉断層撮影画像における眼の前眼部の自動セグメント化 図4C
  • 特表-光干渉断層撮影画像における眼の前眼部の自動セグメント化 図4D
  • 特表-光干渉断層撮影画像における眼の前眼部の自動セグメント化 図4E
  • 特表-光干渉断層撮影画像における眼の前眼部の自動セグメント化 図4F
  • 特表-光干渉断層撮影画像における眼の前眼部の自動セグメント化 図4G
  • 特表-光干渉断層撮影画像における眼の前眼部の自動セグメント化 図5
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-29
(54)【発明の名称】光干渉断層撮影画像における眼の前眼部の自動セグメント化
(51)【国際特許分類】
   A61B 3/10 20060101AFI20231121BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20231121BHJP
   G06T 7/11 20170101ALI20231121BHJP
【FI】
A61B3/10 100
G06T7/00 612
G06T7/11
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023524910
(86)(22)【出願日】2021-11-04
(85)【翻訳文提出日】2023-04-24
(86)【国際出願番号】 IB2021060230
(87)【国際公開番号】W WO2022101748
(87)【国際公開日】2022-05-19
(31)【優先権主張番号】63/112,805
(32)【優先日】2020-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.HDMI
2.UNIX
(71)【出願人】
【識別番号】319008904
【氏名又は名称】アルコン インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100165995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 寿人
(72)【発明者】
【氏名】ムハンマド ケー.アル-カイーシ
(72)【発明者】
【氏名】コンフォン バーガー
(72)【発明者】
【氏名】パリサ ラッバーニ
【テーマコード(参考)】
4C316
5L096
【Fターム(参考)】
4C316AA01
4C316AA03
4C316AA07
4C316AA08
4C316AA09
4C316AB02
4C316AB03
4C316AB04
4C316FB05
4C316FB13
4C316FB26
5L096AA06
5L096AA09
5L096BA06
5L096BA13
5L096CA08
5L096DA01
5L096EA02
5L096EA35
5L096EA43
5L096FA06
5L096FA64
5L096FA69
5L096GA51
(57)【要約】
本明細書では、光干渉断層撮影(OCT)画像において眼の前眼部を自動的にセグメント化するための技法が提供される。方法が、眼のOCT画像を受信することと、OCT画像における眼の1つ又は複数の構造に基づいて、眼のOCT画像を、1つ又は複数の構造に対応する1つ又は複数の部分画像にクロップすることと、眼のOCT画像の1つ又は複数の部分画像のそれぞれについて、部分画像のバックグラウンドシード及びフォアグラウンドシードを生成することと、バックグラウンドシード及びフォアグラウンドシード並びに画像セグメント化モデルに基づいて、眼の1つ又は複数の構造のうち、部分画像に含まれる構造に対するマスクを生成することと、構造に対するマスクに基づいて、部分画像に含まれる構造の1つ又は複数の輪郭を生成することと、部分画像に1つ又は複数の輪郭を表示することとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼の光干渉断層撮影(OCT)画像の画像セグメント化のための方法であって、前記方法が、
前記眼の前記OCT画像を受信することと、
前記OCT画像における前記眼の1つ又は複数の構造に基づいて、前記眼の前記OCT画像を、前記1つ又は複数の構造に対応する1つ又は複数の部分画像にクロップすることと、
前記眼の前記OCT画像の前記1つ又は複数の部分画像のそれぞれについて、
前記部分画像のバックグラウンドシード及びフォアグラウンドシードを生成することと、
前記バックグラウンドシード及び前記フォアグラウンドシード並びに画像セグメント化モデルに基づいて、前記眼の前記1つ又は複数の構造のうち、前記部分画像に含まれる構造に対するマスクを生成することと、
前記構造に対する前記マスクに基づいて、前記部分画像に含まれる前記構造の1つ又は複数の輪郭を生成することと、
前記部分画像に前記1つ又は複数の輪郭を表示することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記眼の前記OCT画像を前記1つ又は複数の部分画像にクロップすることが、
前記OCT画像において前記眼の前記1つ又は複数の構造を識別することと、
前記眼の前記1つ又は複数の構造に基づいて、1セットのクロップアルゴリズムを選択することと、
前記1セットのクロップアルゴリズムを適用して、前記眼の前記OCT画像を前記1つ又は複数の部分画像にクロップすることと
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1セットのクロップアルゴリズムの各クロップアルゴリズムが、前記眼の少なくとも1つの構造に関連付けられる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記眼の前記1つ又は複数の構造が、前記OCT画像内の1セットの所定の深さに基づいて識別され、前記1セットの所定の深さの各所定の深さが、前記眼の前記1つ又は複数の構造の少なくとも一部に関連付けられる、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記部分画像の前記バックグラウンドシード及び前記フォアグラウンドシードを生成することが、
前記部分画像の1つ又は複数の二値画像を生成することと、
前記1つ又は複数の二値画像に基づいて、前記部分画像の前記バックグラウンドシード及び前記フォアグラウンドシードを生成することと
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記部分画像の前記1つ又は複数の二値画像を生成することが、
前記部分画像に対する所定の閾値処理又は所定のモルフォロジ処理のうちの少なくとも1つを適用すること
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記眼の前記1つ又は複数の構造が、角膜、虹彩、又は水晶体のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
画像化システムであって、
コンピュータ実行可能命令を含むメモリと、
前記コンピュータ実行可能命令を実行するように、且つ前記画像化システムに、
眼のスキャンデータに基づいて、前記眼の光干渉断層撮影(OCT)画像を生成させ、
前記OCT画像における前記眼の1つ又は複数の構造に基づいて、前記眼の前記OCT画像を、前記1つ又は複数の構造に対応する1つ又は複数の部分画像にクロップさせ、
前記眼の前記OCT画像の前記1つ又は複数の部分画像のそれぞれについて、
前記部分画像のバックグラウンドシード及びフォアグラウンドシードを生成させ、
前記バックグラウンドシード及び前記フォアグラウンドシード並びに画像セグメント化モデルに基づいて、前記眼の前記1つ又は複数の構造のうち、前記部分画像に含まれる構造に対するマスクを生成させ、
前記構造に対する前記マスクに基づいて、前記部分画像に含まれる前記構造の1つ又は複数の輪郭を生成させ、
前記部分画像に前記1つ又は複数の輪郭を表示させる
ように構成されたプロセッサと
を備える、画像化システム。
【請求項9】
前記プロセッサが、
前記OCT画像において前記眼の前記1つ又は複数の構造を識別することと、
前記眼の前記1つ又は複数の構造に基づいて、1セットのクロップアルゴリズムを選択することと、
前記1セットのクロップアルゴリズムを適用して、前記眼の前記OCT画像を前記1つ又は複数の部分画像にクロップすることと
によって、前記眼の前記OCT画像を前記1つ又は複数の部分画像にクロップするように構成される、請求項8に記載の画像化システム。
【請求項10】
前記1セットのクロップアルゴリズムの各クロップアルゴリズムが、前記眼の少なくとも1つの構造に関連付けられる、請求項9に記載の画像化システム。
【請求項11】
前記眼の前記1つ又は複数の構造が、前記OCT画像内の1セットの所定の深さに基づいて識別され、前記1セットの所定の深さの各所定の深さが、前記眼の前記1つ又は複数の構造の少なくとも一部に関連付けられる、請求項9に記載の画像化システム。
【請求項12】
前記プロセッサが、
前記部分画像の1つ又は複数の二値画像を生成することと、
前記1つ又は複数の二値画像に基づいて、前記部分画像の前記バックグラウンドシード及び前記フォアグラウンドシードを生成することと
によって、前記部分画像の前記バックグラウンドシード及び前記フォアグラウンドシードを生成するように構成される、請求項8に記載の画像化システム。
【請求項13】
前記プロセッサが、前記部分画像に対する所定の閾値処理又は所定のモルフォロジ処理のうちの少なくとも1つを適用することによって、前記部分画像の前記1つ又は複数の二値画像を生成するように構成される、請求項8に記載の画像化システム。
【請求項14】
前記眼の前記1つ又は複数の構造が、角膜、虹彩、又は水晶体のうちの少なくとも1つを含む、請求項8に記載の画像化システム。
【請求項15】
システムであって、
コンピュータ実行可能命令を含むメモリと、
前記コンピュータ実行可能命令を実行するように、且つ前記システムに、
OCT画像化システムからの眼のスキャンデータを受信させ、
前記スキャンデータに基づいて、前記眼のOCT画像を生成させ、
前記OCT画像における前記眼の1つ又は複数の構造に基づいて、前記眼の前記OCT画像を、前記1つ又は複数の構造に対応する1つ又は複数の部分画像にクロップさせ、
前記眼の前記OCT画像の前記1つ又は複数の部分画像のそれぞれについて、
前記部分画像のバックグラウンドシード及びフォアグラウンドシードを生成させ、
前記バックグラウンドシード及び前記フォアグラウンドシード並びに画像セグメント化モデルに基づいて、前記眼の前記1つ又は複数の構造のうち、前記部分画像に含まれる構造に対するマスクを生成させ、
前記構造に対する前記マスクに基づいて、前記部分画像に含まれる前記構造の1つ又は複数の輪郭を生成させ、
前記部分画像に1つ又は複数の仮想マーカを表示することによって強調部分画像を生成させ、前記仮想マーカが、前記構造の前記1つ又は複数の輪郭に対応し、
前記強調部分画像を前記OCT画像化システムに送信させる
ように構成されたプロセッサと
を備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般に、眼科画像セグメント化のための方法及び装置に関し、より詳細には、眼科スキャンデバイスからのスキャンデータに基づいて生成された光干渉断層撮影(optical coherence tomography、OCT)画像における眼の前眼部の自動セグメント化のための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
眼の前眼部を含むOCT画像は、臨床医に重要な診断情報を提供し得る。このような診断情報を前眼部の構造から抽出するためには、これらの構造をOCT画像からセグメント化する必要があり得る。しかしながら、OCT画像において眼の前眼部の構造をセグメント化することは、OCT画像におけるこれらの構造(例えば、角膜後面、水晶体後面など)の信号対雑音比が低くなり得るために既存のシステム及び技法では満足に実行できないため、困難である。
【0003】
更に、OCT画像において眼の前眼部の構造をセグメント化するための既存のシステム及び技法は、ユーザによる頻繁な介入を必要とするため、これらのシステム及び技法は、臨床医が利用するように設計された現実世界のアプリケーションに適用することができない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、一般に、OCT画像において眼の前眼部を自動的にセグメント化するための方法及び装置に関する。
【0005】
特定の実施形態では、眼の光干渉断層撮影(OCT)画像の画像セグメント化のための方法が、眼のOCT画像を受信することを含む。本方法は、OCT画像における眼の1つ又は複数の構造に基づいて、眼のOCT画像を、1つ又は複数の構造に対応する1つ又は複数の部分画像にクロップすることを更に含む。本方法はまた、眼のOCT画像の1つ又は複数の部分画像のそれぞれについて、部分画像のバックグラウンドシード及びフォアグラウンドシードを生成することを含む。本方法は、眼のOCT画像の1つ又は複数の部分画像のそれぞれについて、バックグラウンドシード及びフォアグラウンドシード並びに画像セグメント化モデルに基づいて、眼の1つ又は複数の構造のうち、部分画像に含まれる構造に対するマスクを生成することを更に含む。本方法はまた、眼のOCT画像の1つ又は複数の部分画像のそれぞれについて、構造に対するマスクに基づいて、部分画像に含まれる構造の1つ又は複数の輪郭を生成することを含む。本方法は、眼のOCT画像の1つ又は複数の部分画像のそれぞれについて、部分画像に1つ又は複数の輪郭を表示することを更に含む。
【0006】
特定の実施形態では、光干渉断層撮影(OCT)システムが、一般に、コンピュータ実行可能命令を含むメモリを備える。OCTシステムは、コンピュータ実行可能命令を実行するように、且つOCTシステムに眼のOCT画像を生成させるように構成されたプロセッサを更に備える。プロセッサは、OCTシステムに、眼のOCT画像の1つ又は複数の部分画像のそれぞれについて、部分画像のバックグラウンドシード及びフォアグラウンドシードを生成させるように更に構成される。プロセッサは、OCTシステムに、眼のOCT画像の1つ又は複数の部分画像のそれぞれについて、バックグラウンドシード及びフォアグラウンドシード並びに画像セグメント化モデルに基づいて、眼の1つ又は複数の構造のうち、部分画像に含まれる構造に対するマスクを生成させるように更に構成される。プロセッサは、OCTシステムに、眼のOCT画像の1つ又は複数の部分画像のそれぞれについて、構造に対するマスクに基づいて、部分画像に含まれる構造の1つ又は複数の輪郭を生成させるように更に構成される。プロセッサは、OCTシステムに、眼のOCT画像の1つ又は複数の部分画像のそれぞれについて、部分画像に1つ又は複数の輪郭を表示させるように更に構成される。
【0007】
本開示の態様は、本明細書で説明される方法を実行するための、装置、プロセッサ、及びコンピュータ可読媒体のための手段を提供する。
【0008】
上記の本開示の特徴を詳細に理解できるように、上で簡潔に要約してきた本開示を実施形態を参照しながらより詳細に説明する。また、実施形態のいくつかを添付の図面に示す。ただし、添付の図面は、例示的な実施形態を示すに過ぎず、したがって実施形態の範囲を限定するものと見なされるべきではなく、他の均等に効果的な実施形態を認め得ることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本開示の特定の実施形態による、例示的な画像化システムの選択された構成要素のブロック図を示す。
図2図2は、本開示の特定の実施形態による、OCTコントローラの選択された構成要素のブロック図を示す。
図3A図3Aは、本開示の特定の実施形態による、眼の前眼部の例示的なOCT画像を示す。
図3B図3Bは、本開示の特定の実施形態による、OCT画像の例示的な部分画像を示す。
図4A図4Aは、本開示の特定の実施形態による、前眼部のOCT画像の例示的な部分画像を示す。
図4B図4Bは、本開示の特定の実施形態による、眼の前眼部の構造に対する例示的なバックグラウンドシードを示す。
図4C図4Cは、本開示の特定の実施形態による、眼の前眼部の構造に対する例示的なフォアグラウンドシードを示す。
図4D図4Dは、本開示の特定の実施形態による、眼の前眼部の構造に対するバックグラウンドシード及びフォアグラウンドシードを重ねた例示的なOCT部分画像を示す。
図4E図4Eは、本開示の特定の実施形態による、眼の前眼部の構造に対する例示的なマスクを示す。
図4F図4Fは、本開示の特定の実施形態による、眼の前眼部の構造に対するマスクを重ねた例示的なOCT部分画像を示す。
図4G図4Gは、本開示の特定の実施形態による、仮想インジケータが眼の前眼部の構造の輪郭を識別する例示的な強調OCT部分画像を示す。
図5図5は、本開示の特定の実施形態による、OCT画像においてスキャンされた眼の前眼部を自動的にセグメント化するための例示的な方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
理解を助けるために、可能な場合には、複数の図面で共通の同一の要素を示すために、同一の参照符号が使用されている。1つの実施形態の要素及び特徴は、更に記述することなく他の実施形態に有益に組み込まれ得ることが企図されている。
【0011】
本開示は、一般に、OCT画像においてスキャンされた眼の前眼部を自動的にセグメント化するための方法及び装置に関する。
【0012】
図1は、例示的な画像化システム100の選択された構成要素のブロック図を示している。画像化システム100は、光干渉断層撮影(OCT)スキャナ102と、OCTコントローラ104と、ディスプレイ106とを備える。
【0013】
OCTスキャナ102は、複数のOCT構成要素及び/又は機器(別個には図示せず)を含み得る。OCT構成要素及び/又は機器は様々なタイプのものであり得、OCTスキャナ102はOCT構成要素及び/又は機器のタイプに基づいて異なって構成され得る。いくつかの実装では、OCTスキャナ102は、時間領域OCT(TD-OCT)として構成され得る。いくつかの実装では、OCTスキャナ102は、周波数領域OCT(FD-OCT)として構成され得る。いくつかの実装では、OCTスキャナ102は、波長掃引型OCT(SS-OCT)として構成され得る。
【0014】
OCTスキャナ102は、患者の眼110のOCTスキャンを実行する。OCTスキャナ102は、眼110上への1つ又は複数のサンプルビーム(図示せず)の出力を制御し、且つ眼110から反射して戻される1つ又は複数の測定ビーム(図示せず)を受け取ることによって、OCTスキャンを実行することができる。1つ又は複数の測定ビームは、サンプルビームの光子が眼110の組織と相互作用したことに応じて、眼110から反射して戻され得る。OCTスキャナ102は、OCTコントローラ104からのコマンド及び/又は場所情報を受信したことに応じて、サンプルビームを眼の特定の場所まで移動させるように構成され得る。
【0015】
OCTスキャナ102は、眼110の様々な深さにおいて、眼110をスキャンするように構成され得る。例えば、OCTスキャナ102は、眼110の全眼スキャンのために、眼110の深さ全体をスキャンするように構成され得る。同様に、OCTスキャナ102は、眼110の前眼部など、眼110の任意の部分をスキャンするように構成され得る。いくつかの実装では、眼の前眼部は、眼の前側3分の1にある構造を含み得る。いくつかの実装では、眼の前眼部は、限定されるものではないが、角膜、虹彩、水晶体(例えば、水晶体前面、水晶体後面)などを含む、眼の硝子体の前側にある構造を含み得る。OCTスキャナ102は、限定されるものではないが、眼110の網膜など、眼110の前眼部内にない構造を含む、眼110の他の部分をスキャンするように構成され得る。いくつかの実装では、OCTスキャナ102は、異なる分解能で眼110の異なる深さをスキャンすることができる。例えば、OCTスキャナ102は、より低い分解能で眼110の深さ全体をスキャンすることができ、より高い分解能で前眼部の構造などの眼110の一部をスキャンすることができる。
【0016】
OCTスキャナ102は、眼から反射して戻る1つ又は複数の測定ビームに基づいてスキャンデータを生成するように構成され得る。スキャンデータは、スキャンされた組織の深さプロファイルを表すことができる。いくつかの実装では、OCTスキャナ102によって生成されたスキャンデータは、ラインスキャン(Bスキャン)の2次元(2D)スキャンデータを含み得る。いくつかの実装では、OCTスキャナ102によって生成されたスキャンデータは、エリアスキャン(Cスキャン、正視)の3次元(3D)スキャンデータを含み得る。OCTスキャナ102は、生成されたスキャンデータをOCTコントローラ104に送信するように構成され得る。いくつかの実装では、OCTスキャナ102は、生成されたスキャンデータをリアルタイム又は準リアルタイムで送信するように構成され得る。いくつかの実装では、OCTスキャナ102は、スキャン動作全体がOCTスキャナ102によって完了した後に、生成されたスキャンデータを送信するように構成され得る。
【0017】
OCTスキャナ102は、OCTコントローラ104からのコマンド及び/又は命令を受信したことに応じて、眼110のスキャンを開始するように構成され得る。OCTコントローラ104は、外科医、臨床医、医療関係者などのユーザから眼のスキャンを開始するための指示を受信したことに応じて、スキャン開始コマンドをOCTスキャナ102に送信するように構成され得る。いくつかの実装では、ユーザからの指示は、スキャンのための眼の深さ及び/又は場所に関連する情報を提供することができ、OCTコントローラ104は、受信した眼の深さ及び/又は場所関連情報をOCTスキャナ102に提供するように構成され得る。例えば、OCTコントローラ104によって受信された指示は、全眼OCTスキャンを示すことができ、OCTコントローラ104は、全眼OCTスキャンを示す命令をOCTスキャナ102に送信することができる。同様に、OCTコントローラ104によって受信された指示は、眼の前眼部のOCTスキャンを示すことができ、OCTコントローラ104は、眼の前眼部のOCTスキャンを示す命令をOCTスキャナ102に送信することができる。同様に、OCTコントローラ104によって受信された指示は、眼の他の構造のOCTスキャンを示すことができ、OCTコントローラ104は、眼の対応する構造のOCTスキャンを示す命令をOCTスキャナ102に送信することができる。
【0018】
OCTコントローラ104は、ユーザインターフェース(例えば、グラフィカルユーザインターフェース(GUI))及び/又は入力デバイス(図示せず)を介して眼のスキャンを開始するための指示を受信するように構成され得る。入力デバイスは、画像化システム100に通信可能に結合され、及び/又は組み込まれてもよい。入力デバイスの例としては、限定されるものではないが、キーパッド、キーボード、タッチ入力を受け取るように構成されたタッチスクリーンデバイスなどが挙げられる。
【0019】
OCTコントローラ104は、1つ又は複数の電気及び/又は通信インターフェースを介して、OCTスキャナ102に通信可能に結合され得る。いくつかの実装では、1つ又は複数の電気及び/又は通信インターフェースは、OCTコントローラ104がOCTスキャナ102からリアルタイム又は準リアルタイムでデータを受信し得るように、OCTスキャナ102から高い送信レートでデータ(例えば、OCTスキャナ102によって生成されたスキャンデータ)を送信するように構成され得る。
【0020】
OCTコントローラ104は、OCTスキャナ102から受信した、生成されたスキャンデータに基づいて、1つ又は複数のOCT画像を生成するように構成され得る。例えば、OCTコントローラ104は、ラインスキャンの生成された2Dスキャンデータに基づいて、2D画像又はBスキャン画像を生成するように構成され得る。同様に、OCTコントローラ104は、エリアスキャンの生成された3Dスキャンデータに基づいて、3D画像又はCスキャンを生成するように構成され得る。OCTコントローラ104によって生成されたOCT画像は、OCTスキャナ102によってスキャンされた眼の構造、組織、及び/又は部分を含み得る。例えば、OCTスキャナ102が眼の前眼部をスキャンした場合、OCTスキャナ102からの生成されたスキャンデータは、角膜、虹彩、水晶体前面、及び/又は水晶体後面などに関連するデータを含み得、OCTコントローラ104によって生成されたOCT画像は、前眼部の1つ又は複数の構造(例えば、角膜、虹彩、水晶体前面、及び/又は水晶体後面)含み得る。OCTコントローラ104は、画像生成及び/又は画像処理をリアルタイム及び/又は準リアルタイムで実行するように構成され得る。
【0021】
いくつかの実装では、画像化システム100は、OCTスキャナ102及びOCTコントローラ104に通信可能に結合された画像生成器(別個に図示せず)を備え得る。画像生成器は、OCTスキャナ102からのスキャンデータを受信するように構成され得、画像生成器は、OCTスキャナ102からのスキャンデータに基づいてOCT画像を生成するように構成され得る。画像生成器は、生成されたOCT画像をOCTコントローラ104に送信し得る。いくつかの実装では、画像生成器は、画像化システム100から遠隔にある、画像化システム100の1つ又は複数の構成要素(例えば、OCTスキャナ102、OCTコントローラ104など)に通信可能に結合されたコンピューティングデバイスに含まれ得る。例えば、画像生成器は、1つ又は複数の通信インターフェースを介して画像化システム100に通信可能に結合されたサーバコンピューティングデバイスに含まれてもよく、且つ/又はホストされてもよく、画像生成器は、サーバコンピューティングデバイスと画像化システム100とを通信可能に結合する1つ又は複数の通信インターフェースを介してOCTスキャナ102のスキャンデータを受信し、その後、サーバコンピューティングデバイスと画像化システム100とを通信可能に結合する1つ又は複数の通信インターフェースを介してOCTコントローラ104に生成されたOCT画像を送信するように構成されてもよい。
【0022】
OCTコントローラ104は、OCT画像における眼の1つ又は複数の構造を検出するように構成された1つ又は複数の検出アルゴリズムで構成され得る。例えば、OCTコントローラ104は、OCT画像における眼110の前眼部の1つ又は複数の構造(例えば、角膜、虹彩、水晶体前面、水晶体後面など)を検出する1つ又は複数の検出アルゴリズムで構成され得る。OCTコントローラ104は、OCT画像を1つ又は複数の部分画像にクロップする1つ又は複数のクロップアルゴリズムで構成され得る。
【0023】
いくつかの実装では、各クロップアルゴリズムは、眼の特定の構造に関連付けられ得る、又は眼の特定の構造をクロップするように構成され得る。例えば、OCTコントローラ104は、眼の角膜に関連付けられたクロップアルゴリズム、眼の虹彩に関連付けられた別のクロップアルゴリズム、及び眼の水晶体に関連付けられた更に別のクロップアルゴリズムで構成され得る。いくつかの実装では、OCTコントローラ104は、眼の構造の一部に関連付けられた1つ又は複数のクロップアルゴリズムで構成され得る。例えば、OCTコントローラ104は、水晶体前面に関連付けられたクロップアルゴリズムと、水晶体後面に関連付けられた別のクロップアルゴリズムとで構成され得る。
【0024】
OCTコントローラ104は、部分画像における各構造についてバックグラウンドシード及び/又はフォアグラウンドシード(例えば、テンプレート)を生成するように構成され得る。OCTコントローラ104は、GrabCutアルゴリズムなどの1つ又は複数の画像セグメント化アルゴリズムで構成され得、OCTコントローラ104は、1つ又は複数の画像セグメント化アルゴリズム(例えば、GrabCut)並びに対応するバックグラウンドシード及びフォアグラウンドシードを使用して部分画像における構造に対するマスクを生成するように構成され得る。OCTコントローラ104は、1つ又は複数の部分画像における各構造の輪郭を抽出するように構成され得る。OCT画像を部分画像にクロップすること、部分画像における構造に対するバックグラウンドシード及びフォアグラウンドシードを生成すること、部分画像における構造に対するマスクを生成すること、及び輪郭を抽出することの更なる詳細については、本明細書において図3A図3B図4A図4G、及び図5に関連して説明する。
【0025】
OCTコントローラ104は、1つ又は複数のOCT画像(例えば、生成されたOCT画像、受信されたOCT画像など)及び/又は部分画像に1つ又は複数の仮想マーカを生成及び/又は表示することによって強調OCT画像及び/又は部分画像を生成して、眼の検出及び/又は自動セグメント化された構造の1つ又は複数の輪郭を視覚的に識別するように構成され得る。例えば、OCTコントローラ104は、眼の水晶体を含む部分画像に仮想マーカを生成するように構成され得、仮想マーカは、部分画像及び/又はOCT画像において眼の検出及び/又は自動セグメント化された水晶体の水晶体前面輪郭及び水晶体後面輪郭を視覚的に識別する。
【0026】
OCTコントローラ104は、様々な形状及び/又はサイズで仮想マーカを生成及び/又は表示するように構成され得る。例えば、OCTコントローラ104は、曲線などの湾曲した仮想マーカを生成及び/又は表示するように構成され得る。OCTコントローラ104は、OCT画像又は部分画像に仮想マーカを生成及び/又は表示することによって、強調OCT画像又は強調部分画像を生成するように構成され得る。
【0027】
OCTコントローラ104は、ユーザに対して表示する画像をディスプレイ106に提供することによって、OCT画像/部分画像及び/又は強調OCT画像/部分画像をユーザに対して表示させるように構成され得る。OCTコントローラ104は、ディスプレイ106に通信可能に結合及び/又は電気的に接続され得る。ディスプレイ106は、1つ又は複数のディスプレイ規格に準拠して構成されてもよく、ビデオグラフィックスアレイ(VGA)、拡張グラフィックスアレイ(XGA)、デジタルビジュアルインターフェース(DVI)、高解像度マルチメディアインターフェース(HDMI)など、任意の様々なタイプのディスプレイであってもよい。
【0028】
図2は、図1を参照して上述したOCTコントローラ104などの、OCTコントローラの一実装の選択された構成要素のブロック図を示している。図2に示すように、OCTコントローラ104は、プロセッサ201と、バス202と、ディスプレイインターフェース204と、メモリ210と、通信インターフェース220とを備える。
【0029】
プロセッサ201は、バス202を介して、メモリ210、ディスプレイインターフェース204、及び通信インターフェース220に通信可能に結合される。OCTコントローラ104は、プロセッサ201及び通信インターフェース220を介して、画像化システム(例えば、画像化システム100)の様々な外部構成要素(例えば、OCTスキャナ102、ディスプレイ106)とインターフェースするように構成され得る。いくつかの実装では、通信インターフェース220は、OCTコントローラ104がネットワーク(図示せず)に接続することを可能にするように構成され得る。いくつかの実装では、OCTコントローラ104は、ディスプレイインターフェース204を介して、ディスプレイ106などの1つ又は複数のディスプレイに接続され得る。
【0030】
メモリ210は、永続的、揮発性、固定、取り外し可能、磁気、及び/又は半導体の媒体を含み得る。メモリ210は、1つ又は複数の機械可読コマンド、命令、データ、及び/又は同様のものを記憶するように構成され得る。いくつかの実装では、図2に示すように、メモリ210は、オペレーティングシステム212、スキャン制御アプリケーション214などの、命令の1つ又は複数のセット及び/又はシーケンスを含み得る。オペレーティングシステム212の例としては、限定されるものではないが、UNIX若しくはUNIX様のオペレーティングシステム、Windows(登録商標)ファミリオペレーティングシステム、又は別の適切なオペレーティングシステムが挙げられる。スキャン制御アプリケーション214は、限定されるものではないが、眼のスキャンの開始、OCT画像の生成、OCT画像の処理、OCT画像上の仮想マーカの生成及び/又は表示、強調OCT画像の生成などに関連する動作を含む、本明細書で説明されるOCTコントローラ動作を実行するように構成され得る。
【0031】
図3Aは、本開示の特定の実施形態による、眼の前眼部を含む例示的なOCT画像300を示している。図3Aに示すOCT画像300は、水晶体301、虹彩302、及び角膜303など、眼の前眼部の構造を含む。図3Aに示すOCT画像300は、OCTスキャナ102からの前眼部のスキャンデータに基づいて生成され得る。上述のように、いくつかの実装では、OCTコントローラ104は、スキャナ102から受信したスキャンデータに基づいて図3Aに示すOCT画像などのOCT画像を生成するように構成され得る。いくつかの実装では、画像化システム100の別の構成要素(例えば、画像生成器)、又は画像化システム100に通信可能に結合されたリモートコンピューティングデバイス(例えば、サーバコンピューティングデバイス)に含まれる画像生成器は、OCTスキャナ102からのスキャンデータに基づいて、図3Aに示すOCT画像などのOCT画像を生成するように構成され得る。
【0032】
OCTコントローラ104は、1つ又は複数の構造検出アルゴリズムに基づいて、図3Aに示すOCT画像300に含まれる前眼部の1つ又は複数の構造を検出するように構成され得る。例えば、1つ又は複数の構造検出アルゴリズムに基づいて、OCTコントローラ104は、OCT画像300において水晶体301を検出するように構成され得る。同様に、1つ又は複数の構造検出アルゴリズムに基づいて、OCTコントローラ104は、虹彩302及び角膜303を検出するように構成され得る。
【0033】
OCT画像300における検出された構造のそれぞれについて、OCTコントローラ104は、OCT画像300を、検出された構造を含む対応する部分画像にクロップするように構成され得る。例えば、OCT画像300において水晶体301を検出したことに応じて、OCTコントローラ104は、OCT画像300を、水晶体301を含み水晶体301以外を含まない部分画像にクロップするように構成され得る。このような部分画像の一例を図3Bに示す。図3Bでは、部分画像350は水晶体301しか含まない。
【0034】
OCTコントローラ104は、眼の前眼部の構造と、1つ又は複数のクロップアルゴリズムとのマッピングで構成され得る。いくつかの実装では、データ構造(例えば、データテーブル)が、眼の前眼部の各構造について、その構造をOCT画像からクロップするように構成された1つ又は複数のクロップアルゴリズムを示し得る。例えば、水晶体をクロップするために、データテーブルが、OCTコントローラ104に、OCT画像から水晶体をクロップするように構成された1つ又は複数のクロップアルゴリズムを使用するように示し得る。同様に、データテーブルは、眼の虹彩について、OCT画像から眼の虹彩をクロップするように構成された1つ又は複数のクロップアルゴリズムを示し得、データテーブルは、眼の角膜について、OCT画像から眼の角膜をクロップするように構成された1つ又は複数のクロップアルゴリズムを示し得る。いくつかの実装では、眼の前眼部の構造と1つ又は複数のクロップアルゴリズムとの間のマッピングを示すデータ構造は、OCTコントローラ104に通信可能に結合されたデータストレージユニットに格納され得、OCTコントローラ104は、データ構造にアクセスして、OCT画像において検出された眼の構造のそれぞれについてマッピングされたクロップアルゴリズムを取得するように構成され得る。
【0035】
上述のように、部分画像のそれぞれについて、OCTコントローラ104は、部分画像に含まれる構造に対するマスクを生成するように構成され得、OCT画像において構造をセグメント化するために、構造の輪郭を抽出するように更に構成され得る。部分画像に含まれる構造に対するマスクを生成すること、及び構造の輪郭を抽出して構造をセグメント化することの更なる詳細については、本明細書において図4A図4Gに関連して説明する。
【0036】
明確な例を例示する目的で、図4A図4Gは、OCT画像において検出及び/又は識別された前眼部の構造、すなわち水晶体をセグメント化するプロセスを説明する。ただし、当業者には理解されるはずであるが、図4A図4Gで説明される前眼部の構造をセグメント化するプロセスはまた、角膜、虹彩など、眼の前眼部の他の構造にも適用され得る。
【0037】
図4Aは、OCT画像において検出された前眼部における構造、すなわち水晶体401を含むOCT画像(例えば、図3Aに示すOCT画像300)の例示的な部分画像400aを示している。OCTコントローラ104は、部分画像400aに含まれる構造の1つ又は複数の部分の深さを判定するように構成され得る。例えば、OCTコントローラ104は、部分画像400aにおける水晶体前面402a及び水晶体後面402bの深さなど、水晶体401の1つ又は複数の部分の深さを判定する1つ又は複数の画像処理技法を適用するように構成され得る。
【0038】
水晶体401の1つ又は複数の部分の判定された深さに基づいて、OCTコントローラ104は、部分画像400aにおける水晶体401に対するバックグラウンドシードを生成するように構成され得る。部分画像400aにおける水晶体401に対するバックグラウンドシードの一例を図4Bに示す。いくつかの実装では、図4Bに示すように、バックグラウンドシード400bは、部分画像400aの水晶体401に関連する画像データを含む部分をマスクで覆う。OCTコントローラ104は、部分画像400aの画像データに対して、1つ又は複数の閾値処理及び/又は1つ又は複数のモルフォロジ画像処理動作などの1つ又は複数の画像処理動作を行うことに基づいて、バックグラウンドシード400bを生成するように構成され得る。
【0039】
OCTコントローラ104は、部分画像400aにおける水晶体前面402a及び水晶体後面402bなど、水晶体401の1つ又は複数の部分の判定された深さに基づいて、水晶体401に対するフォアグラウンドシードを生成するように更に構成され得る。水晶体401に対するフォアグラウンドシード400cの一例を図4Cに示す。いくつかの実装では、図4Cに示すように、フォアグラウンドシード400cは、部分画像400aの水晶体401に関連する画像データを含まない部分をマスクで覆う。バックグラウンドシード400bの生成と同様に、OCTコントローラ104は、部分画像400bの画像データに対して、1つ又は複数の閾値処理及び/又は1つ又は複数のモルフォロジ画像処理動作などの1つ又は複数の画像処理動作を行うことに基づいて、フォアグラウンドシード400cを生成するように構成され得る。部分画像400aに重ねた、水晶体401の生成されたバックグラウンドシード400b及びフォアグラウンドシード400cを図4Dに示す。
【0040】
OCTコントローラ104は、1つ又は複数の画像セグメント化モデル並びにバックグラウンドシード400b及びフォアグラウンドシード400cに基づいて、部分画像400aにおける構造、すなわち水晶体401に対するマスクを生成するように構成され得る。1つ又は複数の画像セグメント化モデルの例としては、限定されるものではないが、GrabCutなどが挙げられる。OCTコントローラ104は、バックグラウンドシード400b及びフォアグラウンドシード400cに画像セグメント化モデルを適用して、水晶体401に対するマスクを生成するように構成され得る。OCTコントローラ104は、画像セグメント化モデルのコスト関数の収束まで、バックグラウンドシード400b及びフォアグラウンドシード400cに画像セグメント化モデルを適用するように構成され得る。例えば、OCTコントローラ104は、GrabCutモデルのコスト関数が収束するまで、GrabCut画像セグメント化モデルを適用するように構成され得る。
【0041】
画像セグメント化モデルのコスト関数が収束すると、OCTコントローラ104は、部分画像400aにおける水晶体401に対する最終マスクを生成する。部分画像400aにおける水晶体401に対するマスク400dの一例を図4Eに示す。OCTコントローラ104は、水晶体401に対する生成されたマスク400dを部分画像400aに重ねるように構成され得る。部分画像400aに重ねた、生成されたマスク400dの一例を図4Fに示す。
【0042】
OCTコントローラ104は、生成されたマスク400dに基づいて、水晶体401の1つ又は複数の輪郭を抽出するように構成され得る。いくつかの実装では、OCTコントローラ104は、生成されたマスクの1つ又は複数の外側境界を、部分画像400aにおける眼の構造の1つ又は複数の輪郭として検出するように構成され得る。例えば、OCTコントローラ104は、生成されたマスクの上方境界及び下方境界を、部分画像400aにおける水晶体401の輪郭として検出するように構成され得る。いくつかの実装では、OCTコントローラ104は、部分画像400aにおいて水晶体401の抽出された輪郭の位置データを判定するように構成され得る。
【0043】
いくつかの実装では、OCTコントローラ104は、部分画像400aに含まれる水晶体401などの部分画像に含まれる構造の抽出された輪郭に対応する部分画像400aなどの部分画像上に仮想マーカを生成及び/又は表示することによって、強調部分画像を生成するように構成され得る。表示された1つ又は複数の仮想マーカは、構造を含む部分画像において、前眼部の構造の抽出された1つ又は複数の輪郭を視覚的に識別し得る。水晶体401の輪郭を識別する仮想マーカ410a、410bを表示する強調部分画像400eの一例を図4Gに示す。
【0044】
図5は、本開示の特定の実施形態による、眼の光干渉断層撮影(OCT)画像の画像セグメント化のための例示的な方法のフローチャートを示している。動作500は、例えば、OCTコントローラ(例えば、画像化システム100のOCTコントローラ104)によって実行され得る。動作500は、1つ又は複数のプロセッサ(例えば、プロセッサ201)上で実行されるソフトウェア構成要素として実装され得る。動作500は、画像化システム100のOCTコントローラ104によって実行されるものとして本明細書で説明されているが、特定の実装では、動作500は、画像化システム100とは別個であり、且つ画像化システム100と通信する計算システム又はサーバによって実行され得ることに留意されたい。
【0045】
動作500は、OCTコントローラ104が眼のOCT画像を受信する502において開始し得る。上述のように、いくつかの実装では、OCTコントローラ104は、OCTスキャナ102のスキャンデータに基づいて眼のOCT画像を生成し得、いくつかの実装では、OCTコントローラ104は、画像化システム(例えば、画像化システム100)の画像生成構成要素からOCT画像を受信し得る。504において、OCTコントローラ104は、OCT画像における眼の1つ又は複数の構造に基づいて、眼のOCT画像を、1つ又は複数の構造に対応する1つ又は複数の部分画像にクロップする。
【0046】
506において、OCT画像の1つ又は複数の部分画像のそれぞれについて、OCTコントローラ104は、部分画像のバックグラウンドシード及びフォアグラウンドシードを生成する。508において、1つ又は複数の部分画像のそれぞれについて、OCTコントローラ104は、バックグラウンドシード及びフォアグラウンドシード並びに画像セグメント化モデルに基づいて、眼の1つ又は複数の構造のうち、部分画像に含まれる構造に対するマスクを生成する。510において、1つ又は複数の部分画像のそれぞれについて、OCTコントローラ104は、構造に対するマスクに基づいて、部分画像に含まれる構造の1つ又は複数の輪郭を生成する。512において、1つ又は複数の部分画像のそれぞれについて、OCTコントローラ104は、部分画像に1つ又は複数の輪郭を表示する。例えば、OCTコントローラ104は、部分画像に1つ又は複数の輪郭に対応する1つ又は複数の仮想マーカを表示してもよく、1つ又は複数の仮想マーカは、1つ又は複数の輪郭を視覚的に識別し、部分画像において1つ又は複数の輪郭の場所に重ねられる。
【0047】
いくつかの実装では、OCTコントローラ104は、OCT画像における眼の1つ又は複数の構造を識別し、眼の1つ又は複数の構造に基づいて、1セットのクロップアルゴリズムを選択し、1セットのクロップアルゴリズムを適用して眼のOCT画像を1つ又は複数の部分画像にクロップすることによって、眼のOCT画像を1つ又は複数の部分画像にクロップする。いくつかの実装では、1セットのクロップアルゴリズムの各クロップアルゴリズムが、眼の少なくとも1つの構造に関連付けられる。
【0048】
いくつかの実装では、眼の1つ又は複数の構造が、OCT画像内の1セットの所定の深さに基づいて識別され、1セットの所定の深さの各所定の深さが、眼の1つ又は複数の構造の少なくとも一部に関連付けられる。いくつかの実装では、OCTコントローラ104は、部分画像の1つ又は複数の二値画像を生成することと、1つ又は複数の二値画像に基づいて、部分画像のバックグラウンドシード及びフォアグラウンドシードを生成することとによって、部分画像のバックグラウンドシード及びフォアグラウンドシードを生成する。
【0049】
いくつかの実装では、OCTコントローラ104は、部分画像に対して所定の閾値処理又は所定のモルフォロジ処理のうちの少なくとも1つを適用することによって、部分画像の1つ又は複数の二値画像を生成する。いくつかの実装では、眼の1つ又は複数の構造が、角膜、虹彩、又は水晶体のうちの少なくとも1つを含む。
【0050】
上記は本開示の実施形態に関するが、その基本的な範囲から逸脱せずに本開示の他の実施形態及び更なる実施形態が考案され得、その範囲は以下の特許請求の範囲によって決定される。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図5
【国際調査報告】