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特表2023-549679MAAS輸送ネットワークにおける装置を跨いだメディアコンテンツの再生制御
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-29
(54)【発明の名称】MAAS輸送ネットワークにおける装置を跨いだメディアコンテンツの再生制御
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/2381 20110101AFI20231121BHJP
   H04N 21/235 20110101ALI20231121BHJP
   H04N 21/258 20110101ALI20231121BHJP
   G06Q 50/30 20120101ALI20231121BHJP
【FI】
H04N21/2381
H04N21/235
H04N21/258
G06Q50/30
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526045
(86)(22)【出願日】2021-11-01
(85)【翻訳文提出日】2023-04-27
(86)【国際出願番号】 IB2021060103
(87)【国際公開番号】W WO2022097012
(87)【国際公開日】2022-05-12
(31)【優先権主張番号】17/092,597
(32)【優先日】2020-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
2.ZIGBEE
3.BLUETOOTH
4.WCDMA
5.CORDA
6.ETHEREUM
7.HYPERLEDGER
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】サマーシャム サンソッシュ
(72)【発明者】
【氏名】スリバヴィ マドヴェシュ
【テーマコード(参考)】
5C164
5L049
【Fターム(参考)】
5C164FA08
5C164SB08P
5C164SB24P
5C164SC11P
5C164UA04S
5C164UD53S
5C164YA08
5C164YA10
5C164YA30
5L049CC42
(57)【要約】
MaaS輸送ネットワークにおける装置を跨いだメディアコンテンツの再生制御のためのシステム及び方法を提供する。システムは、MaaSネットワークから現在進行中の旅行詳細を受け取り、現在進行中の旅行のアクティブな第1の行程を完了するようにユーザを設定する第1の車両を決定する。システムは、旅行詳細に基づいてメディアコンテンツ推奨を生成し、第1の車両内で使用される第1のディスプレイ装置をこのような推奨を表示するように制御する。システムは、第1のコンテンツ推奨の選択を受け取り、第1のディスプレイ装置上での選択に関連する第1のメディアコンテンツの再生を制御する。システムは、再生を一時停止することを必要とするイベントを検出し、現在進行中の旅行の第2の行程又は別の旅行の期間内に、第2の車両内で使用される第2のディスプレイ装置上で再生を再開するように制御する。
【選択図】 図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モビリティアズアサービス(MaaS)ネットワークからユーザの現在進行中の旅行に関連する旅行詳細を受け取り、
前記現在進行中の旅行のアクティブな第1の行程を完了するように前記ユーザを設定する第1の車両を決定し、
前記受け取った旅行詳細と前記ユーザに関連するメディア消費履歴とに基づいて一連のメディアコンテンツ推奨を生成し、
前記決定された第1の車両内で前記アクティブな第1の行程の期間内に使用される第1のディスプレイ装置を、前記生成された一連のメディアコンテンツ推奨を表示するように制御し、
前記表示された一連のメディアコンテンツ推奨のうちの第1のメディアコンテンツ推奨のユーザ選択を受け取り、
前記第1のメディアコンテンツ推奨に関連する第1のメディアコンテンツの前記第1のディスプレイ装置上での再生を制御し、
前記現在進行中の旅行の期間内に、前記第1のメディアコンテンツの前記再生を一時停止することを必要とする第1のイベントを検出し、
前記現在進行中の旅行の第2の行程の期間内又は前記ユーザの異なる旅行の期間内に、第2の車両内で使用される第2のディスプレイ装置上で前記第1のメディアコンテンツの再生を再開するように制御する、
ように構成された回路を備えることを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記現在進行中の旅行は、前記MaaSネットワークに関連する少なくとも1つの輸送サービスプロバイダの複数の車両を通じてカバーすべき行程に分割され、
前記複数の車両は、前記第1の車両及び前記第2の車両を含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記回路は、前記ユーザに関連するコンテンツ選好を含むユーザプロファイルと、前記第1のディスプレイ装置に関連する装置仕様とを受け取るようにさらに構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記一連のメディアコンテンツ推奨は、前記受け取ったユーザプロファイル及び前記装置仕様にさらに基づいて生成される、
請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記回路は、
前記受け取った旅行詳細、前記メディア消費履歴、前記受け取ったユーザプロファイル及び前記装置仕様のうちの1つ又は2つ以上に基づいて、メディアコンテンツ推奨タスクに基づいて訓練されたコンテキストアウェア推奨モデルのための入力特徴を構築し、
前記構築された入力特徴をコンテキストアウェア推奨モデルに入力し、
前記入力に対する前記コンテキストアウェア推奨モデルの出力として前記一連の推奨を生成する、
ようにさらに構成される、請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記回路は、
前記検出された第1のイベントに基づいて前記第1のディスプレイ装置上での前記第1のメディアコンテンツの前記再生を一時停止して前記現在進行中の旅行の前記第2の行程において前記第2のディスプレイ装置上で前記再生を再開するための第1のオプションを表示するように前記第1のディスプレイ装置を制御し、
表示された第1のオプションの選択を含む第1のユーザ入力を受け取る、
ようにさらに構成され、
前記第1のメディアコンテンツの前記再生は、前記受け取られた第1の入力にさらに基づいて前記第2のディスプレイ装置上で再開するように制御される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1のディスプレイ装置及び前記第2のディスプレイ装置の各々は、前記第1の車両のダッシュボードディスプレイ、前記第1の車両の後部座席用娯楽装置、前記第1の車両のヘッドレストディスプレイ、前記ユーザのパーソナルモバイル装置のうちの1つである、
請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記回路は、
前記第2の車両が車載ディスプレイを有していないとの判定に基づいて、前記ユーザのパーソナルモバイル装置である前記第2のディスプレイ装置を、前記第1のメディアコンテンツの前記再生を再開するための第2のオプションを表示するように制御し、
前記第2のオプションの選択を含む第2のユーザ入力を受け取る、
ようにさらに構成され、
前記第1のメディアコンテンツの前記再生は、前記受け取られた第2の入力にさらに基づいて前記第2のディスプレイ装置で再開するように制御される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記回路は、前記検出された第1のイベントが前記現在進行中の旅行の前記第1のアクティブな行程の終了を示すとの判定に基づいて、前記第1のディスプレイ装置上での前記第1のメディアコンテンツの前記再生を一時停止するように制御するようさらに構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記回路は、
前記第1のメディアコンテンツの全継続時間内に、前記検出されたイベントに基づいて前記第1のメディアコンテンツの前記再生が一時停止されるタイムスタンプを決定し、
前記タイムスタンプをデータベースに記録する、
ようにさらに構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1のメディアコンテンツの前記再生は、前記記録されたタイムスタンプから前記第2のディスプレイ装置上で再開するように制御される、
請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記回路は、
前記現在進行中の旅行に関連する旅行状況を前記MaaSネットワークの第1の分散型台帳ノードから受け取り、
前記受け取った旅行状況に基づいて、前記ユーザが前記現在進行中の旅行の前記第2の行程をカバーするために前記第2の車両に乗っていることを示す第2のイベントを検出し、
前記検出された第2のイベントに基づいて、前記データベースから前記記録されたタイムスタンプを検索する、
ようにさらに構成され、
前記第1のメディアコンテンツの前記再生は、前記検索されたタイムスタンプから前記第2のディスプレイ装置上で再開するように制御される、
請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記回路は、
前記第1のディスプレイ装置の装置仕様に基づいて、前記第1のメディアコンテンツを含むトランスポートストリームを生成し、
前記生成されたトランスポートストリームの一連のチャンクであって、各チャンクが前記一連のチャンクの他のチャンクと重複しない一連のチャンクを生成し、
前記生成された一連のチャンクをメディアサーバに記憶する、
ようにさらに構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記回路は、サービス品質(QoS)要件と一連のモビリティネットワーク管理機能とを含むサービス要件を仮想ネットワーク事業者に送信するようにさらに構成され、前記仮想ネットワーク事業者は、
前記送信されたサービス要件を受け取り、
前記受け取ったサービス要件に基づいて、移動無線ネットワークに関連するインフラストラクチャプロバイダにネットワークリソース要求を送信する、
請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記インフラストラクチャプロバイダは仮想ネットワークを形成し、前記サービス要件に従って前記移動無線ネットワークのネットワークリソースを割り当てる、
請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記形成された仮想ネットワークは、
前記現在進行中の旅行の前記期間内に、前記メディアサーバ上の前記記憶された一連のチャンクのうちの第1のチャンクの組を前記第1のディスプレイ装置上で前記再生できるようにストリーミングするために、前記第1のディスプレイ装置が接続された前記移動無線ネットワークの第1の基地局を決定し、
前記現在進行中の旅行に関連する旅行ルート情報に基づいて、前記第1の基地局からのハンドオーバ後に前記第1のディスプレイ装置が接続する可能性が高い前記移動無線ネットワークの第2の基地局を決定し、
前記ハンドオーバ前に、前記記憶された一連のチャンクのうちの第2のチャンクの組を前記第2の基地局に関連するエッジコンピュータ装置に送信する、
請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記エッジコンピュータ装置は、
前記ハンドオーバ前に、前記送信された第2のチャンクの組を受け取り、
前記送信された第2のチャンクの組をキャッシュし、
前記ハンドオーバ後に、前記第1のメディアコンテンツの一部を前記第1のディスプレイ装置上で再生できるように、前記キャッシュされた第2のチャンクの組を前記第1のディスプレイ装置に送信する、
請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記回路は、
前記現在進行中の旅行の前記期間内に、前記第1のディスプレイ装置及び前記第2のディスプレイ装置上の前記第1のメディアコンテンツに関連する第1のメディア消費情報を収集し、
前記収集された第1のメディア使用情報を含むトランザクションメッセージを前記MaaSネットワークに送信する、
ようにさらに構成され、前記MaaSネットワークは、
前記送信されたトランザクションメッセージを受け取り、
MaaSネットワークの第1の分散型台帳ノード上のレコードを更新する、
ように構成され、
前記レコードは、前記受け取ったトランザクションメッセージに基づいて前記第1の分散型台帳ノード上でトランザクションを実行することによって更新され、
前記更新されたレコードは、前記第1のメディアコンテンツを視聴した全てのユーザからの前記第1のメディアコンテンツに関連するメディア使用統計を集約する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
前記MaaSネットワークは、
前記MaaSネットワークのプロバイダと前記MaaSネットワークに関連する少なくとも1つの輸送サービスプロバイダとによって合意された支払い決済ルールを記憶する第1のスマートコントラクトを記憶し、
前記第1のメディアコンテンツに関連する前記更新されたレコードに基づいて、前記記憶された第1のスマートコントラクトを実行して、前記MaaSネットワークのプロバイダ及び前記少なくとも1つの輸送サービスプロバイダとの間で支払いを決済する、
請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記MaaSネットワークは、
前記MaaSネットワークのプロバイダと前記第1のメディアコンテンツのコンテンツ所有者とによって合意されたロイヤリティ支払いルールを記憶する第2のスマートコントラクトを記憶し、
前記第1のメディアコンテンツに関連する前記更新されたレコードに基づいて、前記記憶された第2のスマートコントラクトを実行して、前記コンテンツ所有者との間でロイヤリティ支払いを決済する、
請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
システムにおいて、
モビリティアズアサービス(MaaS)ネットワークからユーザの現在進行中の旅行に関連する旅行詳細を受け取ることと、
前記現在進行中の旅行のアクティブな第1の行程を完了するように前記ユーザを設定する第1の車両を決定することと、
前記受け取った旅行詳細と前記ユーザに関連するメディア消費履歴とに基づいて一連のメディアコンテンツ推奨を生成することと、
前記決定された第1の車両内で前記アクティブな第1の行程の期間内に使用される第1のディスプレイ装置を、前記生成された一連のメディアコンテンツ推奨を表示するように制御することと、
前記表示された一連のメディアコンテンツ推奨のうちの第1のメディアコンテンツ推奨のユーザ選択を受け取ることと、
前記第1のメディアコンテンツ推奨に関連する第1のメディアコンテンツの前記第1のディスプレイ装置上での再生を制御することと、
前記現在進行中の旅行の期間内に、前記第1のメディアコンテンツの前記再生を一時停止することを必要とする第1のイベントを検出することと、
前記現在進行中の旅行の第2の行程の期間内又は前記ユーザの異なる旅行の期間内に、第2の車両内で使用される第2のディスプレイ装置上で前記第1のメディアコンテンツの再生を再開するように制御することと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項22】
コンピュータ実行可能命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ実行可能命令は、システムによって実行された時に、前記システムに、
モビリティアズアサービス(MaaS)ネットワークからユーザの現在進行中の旅行に関連する旅行詳細を受け取ることと、
前記現在進行中の旅行のアクティブな第1の行程を完了するように前記ユーザを設定する第1の車両を決定することと、
前記受け取った旅行詳細と前記ユーザに関連するメディア消費履歴とに基づいて一連のメディアコンテンツ推奨を生成することと、
前記決定された第1の車両内で前記アクティブな第1の行程の期間内に使用される第1のディスプレイ装置を、前記生成された一連のメディアコンテンツ推奨を表示するように制御することと、
前記表示された一連のメディアコンテンツ推奨のうちの第1のメディアコンテンツ推奨のユーザ選択を受け取ることと、
前記第1のメディアコンテンツ推奨に関連する第1のメディアコンテンツの前記第1のディスプレイ装置上での再生を制御することと、
前記現在進行中の旅行の期間内に、前記第1のメディアコンテンツの前記再生を一時停止することを必要とする第1のイベントを検出することと、
前記現在進行中の旅行の第2の行程の期間内又は前記ユーザの異なる旅行の期間内に、第2の車両内で使用される第2のディスプレイ装置上で前記第1のメディアコンテンツの再生を再開するように制御することと、
を含む動作を実行させる、ことを特徴とする非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願との相互参照/引用による組み入れ〕
なし
【0002】
本開示の様々な実施形態は、モビリティアズアサービス(Mobility-as-a-Service:MaaS)技術に関連する。具体的には、本開示の様々な実施形態は、MaaS輸送ネットワークにおける装置を跨いだメディアコンテンツの再生制御のためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
モビリティ空間には、1又は2以上の公共又は民間交通手段を通じて乗車サービスを提供する様々な輸送サービスプロバイダが存在する。このようなプロバイダは、クローズドプラットフォームに基づくことができるインフラを通じてそれぞれサービスを提供することができる。例えば、このようなモビリティプロバイダの各々は、旅行の作成、支払い又は管理のために、個別のチケット処理インフラ(例えば、改札機(ticketing gates)及び販売時点情報管理(PoS)装置)又は個別のアプリケーション(例えば、チケット予約アプリケーション、チケット処理アプリケーション及び配車(ride hailing)アプリケーション)を有することができる。いくつかのシナリオでは、ユーザが、異なる輸送プロバイダのサービスを伴う旅行を計画することがある。例えば、ある旅行は、旅行の最初の行程をカバーするタクシーサービス、及び旅行の残り部分をカバーする地下鉄サービスを含むことができる。従来、これらの両輸送プロバイダは、互いに閉鎖された無関係な情報技術(IT)インフラ及びIT運用を有することができる。この結果、旅行期間全体を通じてユーザに利益及びもてなしを提供する共有サービスを利用できないことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
当業者には、説明したシステムと、本出願の残り部分において図面を参照しながら示す本開示のいくつかの態様とを比較することにより、従来の慣習的な手法の限界及び不利点が明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実質的に少なくとも1つの図に示し、及び/又はこれらの図に関連して説明し、特許請求の範囲にさらに完全に示すような、モビリティアズアサービス(MaaS)輸送ネットワークにおける装置を跨いだメディアコンテンツの再生制御のためのシステム及び方法を提供する。
【0006】
全体を通じて同じ要素を同じ参照符号によって示す添付図面を参照しながら本開示の以下の詳細な説明を検討することにより、本開示のこれらの及びその他の特徴及び利点を理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示の実施形態による、モビリティアズアサービス(MaaS)輸送ネットワークにおける装置を跨いだメディアコンテンツの再生制御を可能にする例示的なネットワーク環境を示すブロック図である。
図2】本開示の実施形態による、MaaS輸送ネットワークにおける装置を跨いだメディアコンテンツの再生制御のための例示的なシステムのブロック図である。
図3】本開示の実施形態による、MaaS輸送ネットワークにおける装置を跨いだメディアコンテンツの再生制御のための例示的な動作を示すブロック図である。
図4】本開示の実施形態による、メディアコンテンツを再生するディスプレイ装置にメディアコンテンツのチャンクを送信する例示的なネットワーク環境を示すブロック図である。
図5】本開示の実施形態による、メディアコンテンツを再生するディスプレイ装置にメディアコンテンツのトランスポートストリームのチャンクを送信する例示的な動作を示すシーケンス図である。
図6】本開示の実施形態による、MaaS輸送ネットワークにおける装置を跨いだメディアコンテンツの再生制御のための例示的なシナリオを示す図である。
図7】本開示の実施形態による、メディア使用に関連する支払い決済のためのMaaS輸送ネットワークの例示的な動作を示すシーケンス図である。
図8】本開示の実施形態による、MaaS輸送ネットワークにおける装置を跨いだメディアコンテンツの再生制御のための例示的な方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
開示する複数の装置を跨いだメディアコンテンツの再生制御のためのシステム及び方法では、後述する実装を見出すことができる。このような装置は、モビリティアズアサービス(MaaS)輸送ネットワークに登録された輸送サービスプロバイダに関連することができる。開示するシステムは、複数の同種又は異種モビリティプロバイダと、これらのモビリティプロバイダの改札機、アプリケーション及び/又は販売時点情報管理(PoS)装置などのインフラとがMaaSネットワーク上で動作して様々なモビリティサービスを提供することを容易にすることができる連合輸送管理システム(federated transportation management system)の一部とすることができる。各モビリティプロバイダは、セキュアなデータ所有権を享受し、分散型台帳を通じて関連するトランザクションデータの共同使用を制御することができる。これにより、様々なモビリティプロバイダ間の接続性を強化することができる。
【0009】
本開示の例示的な態様は、ユーザの現在進行中の旅行に関連する車両内で使用されている装置を跨いだ(オーディオコンテンツ又はビデオコンテンツなどの)第1のメディアコンテンツの再生を制御することができるシステムを提供する。システムは、MaaSネットワークからユーザの現在進行中の旅行に関連する旅行詳細を受け取ることができる。例えば、現在進行中の旅行は、MaaSネットワークに関連する少なくとも1つの輸送サービスプロバイダの(第1の車両及び第2の車両などの)複数の車両を通じてカバーできる行程に分割することができる。システムは、第1の車両を、現在進行中の旅行のアクティブな第1の行程を完了するようにユーザを設定できる車両として決定することができる。システムは、受け取った旅行詳細及びユーザに関連するメディア消費履歴に基づいて一連のメディアコンテンツ推奨を生成することができる。従って、システムは、カスタマイズされたメディアコンテンツをユーザに提供することによってユーザ体験を向上させることができる。その後、システムは、決定された第1の車両内で使用できる第1のディスプレイ装置を介して、第1のメディアコンテンツ推奨のユーザ選択を受け取ることができる。システムは、ユーザ選択に基づいて、第1のディスプレイ装置上での第1のメディアコンテンツ推奨に関連するメディアコンテンツの再生を制御することができる。システムは、現在進行中の旅行の期間内に、メディアコンテンツの再生を一時停止することを必要とし得るイベントを検出することができる。イベントの例としては、以下に限定するわけではないが、現在進行中の旅行のアクティブな第1の行程の終了、及びメディアコンテンツの再生を一時停止するためのユーザ入力を挙げることができる。システムは、現在進行中の旅行の第2の行程の期間内又はユーザの異なる旅行の期間内に、第2の車両内で使用されている第2のディスプレイ装置上で第1のメディアコンテンツの再生を再開するように制御することができる。例えば、システムは、検出されたイベントに基づいて第1のメディアコンテンツの再生を一時停止できるタイムスタンプを記録することができる。システムは、現在進行中の旅行の第2の行程の期間内又はユーザの異なる旅行の期間内に、第2の車両内で使用されている第2のディスプレイ装置上で、記録されたタイムスタンプから第1のメディアコンテンツの再生を再開するように制御することができる。
【0010】
システムは、1又は2以上の旅行の期間全体を通じて異なるディスプレイ装置(車載ディスプレイ又はパーソナルモバイル装置)上でのメディアコンテンツのシームレスなストリーミング及び再生を可能にするので、ユーザは、このような旅行の期間内のあらゆる時点でメディアコンテンツの再生を視聴し、一時停止し、再開することができる。このようなシームレスなメディアコンテンツのストリーミング及び再生は、たとえ異なる輸送サービスプロバイダによって管理される車両を通じて旅行がカバーされる場合であってもユーザに対して可能にすることができる。本開示のシステムは、スマートコントラクトを用いたリアルタイムな支払いの配分、分配及び/又は決済によって、メディアコンテンツの効果的な収益化を保証することができる。従って、本開示のシステムは、MaaS輸送空間における1又は2以上の旅行全体を通じて使用されるディスプレイ装置上でのシームレスかつコスト効率の高いメディアコンテンツの消費を保証することができる。
【0011】
図1は、本開示の実施形態による、モビリティアズアサービス(MaaS)輸送ネットワークにおける装置を跨いだメディアコンテンツの再生制御を可能にする例示的なネットワーク環境を示すブロック図である。図1にはネットワーク環境100を示す。ネットワーク環境100は、システム102と、MaaSネットワーク104と、複数のモビリティプロバイダ(MP)サーバ106とを含むことができる。複数のMPサーバ106は、第1のMPサーバ106A、第2のMPサーバ106B、...、及び第NのMPサーバ106Nを含むことができる。ネットワーク環境100は、通信ネットワーク108をさらに含むことができる。さらに、第1のディスプレイ装置110A、第2のディスプレイ装置110B、...、及び第Nのディスプレイ装置110Nを含むことができる複数のディスプレイ装置も示す。例えば、図示のように、第1のディスプレイ装置110A、第2のディスプレイ装置110B、...、及び第Nのディスプレイ装置110Nは、それぞれ第1の車両112A、第2の車両112B、...、及び第Nの車両112N内でアクセスすることができる。第1の車両112A、第2の車両112B、...、及び第Nの車両112Nは、集合的に複数の車両112A、112B...112Nと呼ぶことができる。少なくとも1つの実施形態では、複数の車両112A、112B...112Nのうちの1つ又は2つ以上が車載ディスプレイ装置を有していないことがある。さらに、ディスプレイ装置116に関連することができるユーザ114も示す。
【0012】
MaaSネットワーク104は、パブリッシュ-サブスクライブパターンに関連することができる。MaaSネットワーク104は、複数の発行者ノード118A、118B、...118N、ブローカノード装置120、及び複数の加入者ノード122A、122B...122Nを含むことができる。MaaSネットワーク104は、第1の分散型台帳124の複数のモビリティプロバイダ(MP)ノード124A、124B、...124N、及び第2の分散型台帳126の複数のMaaSノード126A、126B...126Nをさらに含むことができる。さらに、MaaSネットワーク104は、運転手サブノード128A、ユーザサブノード128B及びドキュメントサブノード128Cを含むことができる分散型台帳サブノード128を含むことができる。さらに、MaaSネットワーク104又はMaaSネットワーク104の第2の分散型台帳126に通信可能に結合できるシステム102も示す。
【0013】
図1では、MaaSネットワーク104のノードの数、複数のMPサーバ106におけるMPサーバの数、ディスプレイ装置110A、110B...110Nの数、及び車両112A、112B...112Nの数は一例として示すものにすぎず、本開示を限定するものとして解釈すべきではない。本開示は、その範囲から逸脱することなく、MaaS輸送ネットワークにおける装置を跨いだメディアコンテンツの再生制御のための、より多くの又はより少ない数のノード、MPサーバ、ディスプレイ装置及び車両にも適用可能である。簡略化のために、図1には、MaaSネットワーク104のN個のノード、複数のMPサーバ106のN個のサーバ、N個のディスプレイ装置110A、110B...110N、及びN個の車両112A、112B...112Nのみを示している。しかしながら、いくつかの実施形態では、本開示の範囲を限定することなく、N個よりも多くの又は少ない数のMaaSネットワーク104のノード、複数のMPサーバ106のサーバの数、ディスプレイ装置110A、110B...110N、及び車両112A、112B...112Nが存在することもできる。さらに、(第1の車両112Aなどの)1つの車両は、(第1のMPサーバ106Aなどの)1つのモビリティプロバイダサーバに関連することができる。本開示の範囲を限定することなく、1つのモビリティプロバイダサーバは複数の車両に関連することができる。
【0014】
システム102は、旅行の様々な行程において複数の車両112A、112B...112N内でアクセスできる様々なディスプレイ装置へのメディアコンテンツの配信を制御するように構成できる好適なロジック、回路、コード及び/又はインターフェイスを含むことができる。例えば、ユーザ114は、現在進行中の旅行の最初の行程で番組の再生を開始した場合、再生を一時停止して、同じ現在進行中の旅行のその後の行程又は異なる旅行のいずれかにおいて再開することができる。旅行はMaaS輸送サービスを通じて予約することができ、MaaSネットワーク104を通じてそのフルフィルメントを追跡して管理することができる。
【0015】
ある実施形態では、システム102を、(例えば、図2に示すような)訓練済みAIモデルを含むことができる人工知能(AI)システムとすることができる。訓練済みAIモデルは、1又は2以上の機械学習モデル、或いは1又は2以上の訓練済みニューラルネットワークモデルを含むことができる。システム102の訓練済みAIモデルは、ユーザ114の旅行詳細、ユーザ114のメディア消費履歴、ユーザ114のユーザプロファイル及び/又は様々なディスプレイ装置の装置仕様に基づいて、複数の車両112A、112B...112Nの様々なディスプレイ装置上で再生するための一連のメディアコンテンツを推奨することができる。
【0016】
システム102の例示的な実装としては、以下に限定するわけではないが、ホストマシン上の仮想マシン(VM)、ホストマシン又はサーバ上のコンテナ又はオペレーティングシステム(OS)の仮想ランタイム環境、サーバ上のコンテナ化アプリケーション、ベアメタル(BareMetal)サーバ、(プライベート、パブリック又はハイブリッドクラウドなどの)クラウドサーバ、ワークステーション、メディアサーバ、又はメディアコンテンツを生成して装置群にストリーミングする能力を有するいずれかの装置を挙げることができる。ある実施形態では、システム102を、複数のMPサーバ106のサーバ又はサーバノード上のVM又はコンテナとして実装することができる。
【0017】
MaaSネットワーク104は、標準通信仕様をサポートすることができる。MaaSネットワーク104は、発行者ノード(例えば、チケットリーダ又は乗車予約アプリケーション)、加入者ノード、及び以下に限定するわけではないが、メッセージキューイングテレメトリトランスポート(MQTT)ベースのメッセージングプロトコル、アドバンストメッセージキューイングプロトコル(AMQP)ベースのメッセージングプロトコル、又はメッセージ指向ミドルウェア(MOM)ベースのメッセージングフレームワークなどのパブリッシュサブスクライブネットワークプロトコルに従って発行者ノードから加入者ノードにトランザクションメッセージを伝える少なくとも1つのブローカノード装置を含むことができる。少なくとも1つの実施形態では、MaaSネットワーク104が、MaaS輸送サービスの発券トランザクション、メディア使用又は消費統計、或いはコンテンツ所有者、輸送プロバイダ、又はMaaSネットワーク104のオペレータなどの様々な利害関係者間の支払い決済などの様々なモビリティサービスに関連するトランザクションを記録する台帳ノードを含むことができる分散型台帳を含むことができる。
【0018】
MaaSネットワーク104に関連する全ての輸送サービスプロバイダの発行者ノードは、標準的な又は共通の通信プロトコルに従ってデータ交換を行うことができる。MaaSネットワーク104は、MaaS標準通信仕様に従うことができる同種発行者ノードを含むことができる。ある実施形態では、MaaSネットワーク104が、専用通信プロトコルに従うことができる異種発行者ノードを含むこともできる。MaaSネットワーク104は、それぞれの輸送サービスプロバイダがMaaS標準通信仕様に従ってそのサポートを提供するまでこのような異種発行者ノードをサポートできるように、発行者ノードにプラグインベースのサポートを提供することができる。
【0019】
MaaSネットワーク104は、異なる輸送プロバイダに関連する発行者ノードがMaaSネットワーク104に参加することを可能にすることができる。MaaSネットワーク104は、ノード管理装置を通じて発行者ノードのバルククラスタ管理を提供することができる。全ての発行者ノードは、MaaSネットワーク104上での動作を可能にするセットプロトコル(set protocols)に従うことができる。セットプロトコルは、(発行者ノードの認証及び許可のための)共通セキュリティアーキテクチャ、ネットワークプロトコル(例えば、HTTP、MQTT及びAMQPなど)、統一データ要求又は応答フォーマット(例えば、JSON、CSV、XMLフォーマット)、及びAPI/データスキームを義務付けることができる。これにより、各発行者ノードが(企業名、企業ID、ゲートID及びゲート番号などを含む装置プロファイルなどの)クラスタレベル構成及び装置レベル証明書(すなわち、認証クレデンシャル)に従うことを保証することができる。クラスタレベル構成及びセットプロトコルのパターンは、輸送プロバイダがプラグアンドプレイの手法で新たな発行者ノードの展開又は既存の発行者ノードの交換を行うことを容易にすることができる。これにより、MaaSネットワーク104が様々な輸送プロバイダの(発行者ノード装置などの)リソース間の相互運用性を有する同種輸送ネットワークとして機能することを容易にすることができる。
【0020】
複数の発行者ノード118A、118B...118Nの各々は、それぞれの輸送サービスプロバイダの輸送サービスのためのチケット処理クライアントとして動作するように構成できる好適なロジック、回路、コード及び/又はインターフェイスを含むことができる。例えば、複数の発行者ノード118A、118B...118Nの各々は、チケット処理クライアントとしてチケットの読み取り、発行、リチャージ又はキャンセルを行ってそれぞれの輸送サービスに関連するイベントを作成することができる。このようなイベントに基づいて、ブローカノード装置120を介してMaaSネットワーク104の(複数の加入者ノード122A、122B...122Nなどの)1又は2以上の加入者ノードにトランザクションメッセージを伝えることができる。複数の発行者ノード118A、118B...118Nの例としては、以下に限定するわけではないが、旅行計画又は予約アプリケーションを有する消費者電子装置、改札機上のチケットリーダ、発券キオスク、販売時点情報管理(PoS)装置、モバイルPOS、チケット販売機、チケットを読み取って乗車を開始又は終了することができる輸送車両のスマートドアを挙げることができる。
【0021】
複数の加入者ノード122A、122B...122Nの各々は、複数の発行者ノード118A、118B...118Nのうちの1つ又は2つ以上からブローカノード装置120を介してトランザクションメッセージを受け取るように構成できる好適なロジック、回路、コード及び/又はインターフェイスを含むことができる。各トランザクションメッセージは、複数の加入者ノード122A、122B...122Nのうちの1又は2以上の加入者ノードが購読できるトピックを含むことができる。加入者ノードの実装例としては、以下に限定するわけではないが、ウェブサーバ、エッジ装置、エッジノード、クラウドサーバ、クラウドベースサーバのクラスタノード、ワークステーション、或いはフォグコンピューティング能力を有するいずれかのコンピュータ装置を挙げることができる。
【0022】
複数の発行者ノード118A、118B...118Nのうちの第1の発行者ノード118A、及び複数の加入者ノード122A、122B...122Nのうちの第1の加入者ノード122Aは、第1の輸送プロバイダに関連することができる。第2の発行者ノード118B及び第2の加入者ノード122Bなどの他のノードは、第1の輸送プロバイダ、又は第1の輸送プロバイダとは異なることができる第2の輸送プロバイダに関連することができる。さらに、第1の発行者ノード118Aは第1のMPサーバ106Aに関連することができ、第2の発行者ノード118Bは第2のMPサーバ106Bに関連することができ、他もまた同様である。
【0023】
ブローカノード装置120は、(第1の発行者ノード118Aなどの)発行者ノードから(第1の加入者ノード122Aなどの)加入者ノードにトランザクションメッセージをルーティングするように構成できる好適なロジック、回路、コード及び/又はインターフェイスを含むことができる。ブローカノード装置120がこのようなトランザクションメッセージを加入者ノードにルーティングすることを許可する決定は、MaaSネットワーク104に関連する(図1には示していない)サーバが行うことができる。ブローカノード装置120の例示的な実装としては、以下に限定するわけではないが、アプリケーションサーバ、クラウドサーバ、メインフレームサーバ、データベースサーバ、ウェブサーバ、又はその他のタイプのサーバを挙げることができる。
【0024】
ブローカノード装置120は、以下に限定するわけではないが、MQTTベースのメッセージングプロトコル、AMQPベースのメッセージングプロトコル、又はメッセージ指向ミドルウェア(MOM)ベースのメッセージングフレームワークなどの好適なパブリッシュ-サブスクライブネットワークプロトコルを通じて複数の発行者ノード118A、118B・・118N及び複数の加入者ノード122A、122B・・122Nの各々と通信するように構成することができる。
【0025】
複数のMPノード124A、124B、...124Nは、それぞれのモビリティプロバイダに関連するトランザクションデータを記憶するように構成できる好適なロジック、回路、コード及び/又はインターフェイスを含むことができる。例えば、第1のMPノード124Aは、第1のモビリティプロバイダに関連するトランザクションデータを記憶することができる。トランザクションデータは、ユーザの旅行の記録を含むことができる。各旅行は、旅行の少なくとも1つの行程において(例えば、第1のMPサーバ106Aに関連する)第1の輸送プロバイダが提供できるMaaS輸送サービスに対応することができる。複数のMPノードの各々は、MaaSネットワーク104の様々なモビリティプロバイダのトランザクションデータを記憶できる第1の分散型台帳124のノードと呼ぶことができる。
【0026】
複数のMaaSノード126A、126B、...126Nは、MaaSネットワーク104の全てのモビリティプロバイダに関連するトランザクションデータを記憶するように構成できる好適なロジック、回路、コード及び/又はインターフェイスを含むことができる。輸送サービスプロバイダの各々に関連するトランザクションデータの記憶は、ユーザに輸送サービスを提供する輸送サービスプロバイダ間で支払いを決済するために使用することができる。複数のMaaSノード126A、126B...126Nの各々は、MaaSネットワーク104に関連するトランザクションデータを記憶できる第2の分散型台帳126のノードに対応することができる。
【0027】
複数のMPノード124A~124Nの各々及び複数のMaaSノード126A、126B...126Nの各々は、分散型台帳サブノード128に関連することができる。例えば、第1のMPノード124A及び第1のMaaSノード126Aの各々は、分散型台帳サブノード128の運転手サブノード128A、ユーザサブノード128B及びドキュメントサブノード128Cに関連することができる。さらに、第2のMPノード124B及び第2のMaaSノード126Bの各々は、分散型台帳サブノード128の運転手サブノード128A、ユーザサブノード128B及びドキュメントサブノード128Cに関連することができる。同様に、第NのMPノード124N及び第NのMaaSノード126Nの各々は、分散型台帳サブノード128の運転手サブノード128A、ユーザサブノード128B及びドキュメントサブノード128Cに関連することができる。分散型台帳サブノード128の運転手サブノード128Aは、MaaSネットワーク104のモビリティプロバイダに関連する運転手プロファイル情報を記憶することができる。ある実施形態では、運転手サブノード128Aが、運転手に関連するイベントタイムライン(又はイベント追跡情報)を記憶することができる。運転手に関連するイベントタイムラインに含めることができる例示的な情報としては、以下に限定するわけではないが、運転手に関連するスコアカード、運転手に関連するプロファイル、運転手に関連する行動情報、並びに交通情報、運転手の行動及び運転手の発話などのイベントコンテキストを挙げることができる。分散型台帳サブノード128のユーザサブノード128Bは、MaaSネットワーク104のモビリティプロバイダに関連するユーザ(又は乗客)情報を記憶することができる。ある実施形態では、ユーザサブノード128Bが、ユーザに関連するイベントタイムライン(又はイベント追跡情報)を記憶することができる。ユーザに関連するイベントタイムラインに含めることができる例示的な情報としては、以下に限定するわけではないが、(プライバシー設定などの)ユーザ固有の設定及び選好を含むことができる。ユーザ固有の設定及び選好は、分散型台帳ノード/サブノードにおけるユーザデータの記憶に関してデータプライバシー標準、法的義務、及び一般データ保護規則(GDPR)などの規則守られることをモビリティプロバイダ及びMaaSプロバイダが保証するのに役立つことができる。分散型台帳サブノード128のドキュメントサブノード128Cは、MaaSネットワーク104のモビリティプロバイダの車両112A、112B...112Nに関連するログ情報を記憶することができる。さらに、ドキュメントサブノード128Cは、MaaSネットワーク104に関連する決定された1又は2以上のイベントに基づいて生成された通知情報及びメッセージを記憶することができる。ある実施形態では、ドキュメントサブノード128Cが、ユーザのために再生又は推奨できるメディアコンテンツに関連するトラックID(例えば、メディアコンテンツID)を記憶することができる。ドキュメントサブノード128Cは、最後に再生されたメディアコンテンツ内のタイムスタンプ又はメディアコンテンツの再生が最後に一時停止されたタイムスタンプに関連する再生又は再開ID、及びメディアコンテンツに関連するユーザIDをさらに記憶することができる。
【0028】
複数の加入者ノード122A、122B...122Nは、第1の分散型台帳124の対応するノードに関連することができる。例えば、第1の加入者ノード122Aは第1の分散型台帳124の第1のMPノード124Aに関連し、第2の加入者ノード122Bは第1の分散型台帳124の第2のMPノード124Bに関連し、他もまた同様である。
【0029】
ある実施形態では、第1の分散型台帳124及び第2の分散型台帳126の各々の少なくとも2つの台帳ノードが、MaaS輸送サービスに関連するトランザクションデータを記憶することができる。MaaS輸送サービスは、統合MaaSインターフェイス又は複数の発行者ノード118A、118B...118Nを通じてMaaS輸送サービスを利用できる複数の輸送プロバイダ及び/又はユーザ114(例えば、乗客)のうちの1つ又は2つ以上に関連することができる。MaaS輸送サービスに関連するトランザクションデータは、初期状態オブジェクト及び初期状態オブジェクトの更新バージョンなどの一連の状態オブジェクトに含めることができる。各状態オブジェクトは、スマートコントラクト、コントラクトコード(又はトランザクションの当事者が同意するトランザクションルール)、及び(複数の発行者ノード118A、118B...118Nからのトランザクション要求に基づいてトランザクションデータが更新された時に更新できる)状態特性(state properties)を含むことができる。
【0030】
少なくとも1つの実施形態では、第1の分散型台帳124及び第2の分散型台帳126の各々を、不変のデータ動作記録又はトランザクション記録を維持できる非集中的な分散型データベースシステムとすることができる。一連のデータ動作はブロックとしてグループ化できるとともに、以前のデータ動作ブロックにさらにリンクされて複数のブロックのチェーンを形成することができる。全てのデータ動作ブロックは、第1の分散型台帳124及び第2の分散型台帳126の各々の少なくとも2つの参加者又はノードが、これらの参加者又はノードが参加できる1又は2以上のトランザクションに関連する複数のブロックのサブセットを記憶することができる、非集中方式で記憶することができる。さらに、第1の分散型台帳124及び第2の分散型台帳126の各々は、例えば第1の輸送プロバイダの(単複の)モビリティプロバイダノード及びカウンターパーティノード(すなわち、MaaSプロバイダノード)などの複数の当事者間におけるスマートコントラクトの展開を可能にすることができるオペレーティングシステム(例えば、Java Virtual Machine(JVM))を含むことができる。
【0031】
限定ではなく一例として、第1の分散型台帳124及び第2の分散型台帳126の各々は、ブロックチェーンベースのシステム(例えば、Cordaブロックチェーン、Ethereumブロックチェーン、又はHyperledgerブロックチェーン)などの分散型台帳技術(DLT)システムとすることができる。第1の分散型台帳124及び第2の分散型台帳126の各々は、第1の分散型台帳124及び第2の分散型台帳126が追跡できる一連の不変の状態オブジェクトをそれぞれ記憶することができる。状態オブジェクトは、異なるタイプの分散型台帳技術のための一連の分散型台帳対応ルールを含むことができる。例えば、状態オブジェクトは、当事者間のスマートコントラクト、コントラクトコード(トランザクションのルール)、及び一定の状態値を有する状態特性を含むコンテンツなどのトランザクションデータを含むことができる。スマートコントラクトは、スマートコントラクトの複数の当事者が互いに相互作用することに合意できる一連の条件を含むことができる。スマートコントラクトは、第1の分散型台帳124及び第2の分散型台帳126の各々の1又は2以上のノード上で実行され、トランザクションを生成するための状態オブジェクト間の遷移を管理することができる。スマートコントラクトは1回書くことができ、数多くの状態オブジェクトに再使用することができ、暗号ハッシュを通じて準拠法的散文(governing legal prose)を参照することができる。
【0032】
第1の分散型台帳124及び第2の分散型台帳126の各々は、セキュアな暗号ハッシュを使用して当事者及びデータを識別するとともに、状態オブジェクトを以前のバージョンの状態オブジェクトにリンクしてプロビナンスチェーン(chains of provenance)を提供することもできる。第1の分散型台帳124及び第2の分散型台帳126には、関連する一群の当事者のみが閲覧できるように一群の当事者間のトランザクションを記憶することができる。トランザクションに関連する当事者は、そのトランザクションの現在の状態オブジェクトをボールト(vault)(第1の分散型台帳124及び第2の分散型台帳126などのそれぞれの分散型台帳に関連するデータベース)に記憶することができる。トランザクションを閲覧又は処理する(例えば、トランザクションの妥当性を確認する)資格がある別の当事者は、ボールトからトランザクションの現在の状態オブジェクトを検索することができる。また、第1の分散型台帳124及び第2の分散型台帳126の各々の状態オブジェクトは、関連するトランザクションに参加できる当事者又はノード間のスマートコントラクトを含むことができる。
【0033】
第1の分散型台帳124及び第2の分散型台帳126の各々では、参加者又はノード(例えば、第1のMPノード124A)が入力状態オブジェクト(例えば、第1の状態オブジェクト)の状態特性を更新して出力状態オブジェクト(例えば、第2の状態オブジェクト)を生成することによってトランザクションを更新することができる。この結果、更新済みトランザクションは、(トランザクションデータに関連することができる)プロビナンスチェーンを形成することができる。第1の分散型台帳124及び第2の分散型台帳126の各々は、更新済みトランザクションの妥当性の判定、及び更新済みトランザクションの一意性の判定に基づいて、更新済みトランザクションについて合意することができる。ある実施形態では、更新済みトランザクションに関連するノードの参加者が、トランザクションに関連するスマートコントラクト及び妥当性確認ロジックを個別に実行することによって更新済みトランザクションの妥当性を判定することができる。さらに、第1の分散型台帳124及び第2の分散型台帳126の各々に関連するコンセンサスノードは、現在のトランザクションと同じ入力状態オブジェクトを使用して合意に達したトランザクションが他に存在しないとのチェックに基づいて、更新済みトランザクションの一意性を判定することができる。
【0034】
ある実施形態によれば、第1の分散型台帳124及び第2の分散型台帳126の各々は、クライアント側インターフェイス(フロントエンド)及びサーバ側インターフェイス(バックエンド)を含むことができる非集中型アプリケーションに関連することができる。非集中型アプリケーションは、(第1の分散型台帳124の第1のMPノード124A及び/又は第2の分散型台帳126の第1のMaaSノード126Aなどの)分散型台帳のノード上にトランザクションを記録するために、ブロックチェーンに関連するワークフロー(例えば、Cordaフロー)を実装するように構成することができる。クライアント側インターフェイスは、複数の加入者ノード122A、122B...122Nの各々においてホストされ、加入者ノードに関連するクライアントを詰め込むように構成することができる。例えば、非集中型アプリケーションのクライアント側インターフェイスは、各加入者ノード及びカウンターパーティノード(すなわち、MaaSプロバイダノード)上に構成できる遠隔手続き呼出し(Remote Procedure Call:RPC)クライアントとすることができる。分散型アプリケーションのサーバ側インターフェイスは、対応する加入者ノード及びカウンターパーティノードに関連する第1の分散型台帳124及び第2の分散型台帳126の各々のノード上で動作することができる。
【0035】
ある実施形態では、発行者ノードからのトランザクション要求によって、(第1の分散型台帳124の第1のMPノード124Aなどの)モビリティプロバイダノードとMaaSプロバイダノード(すなわち、カウンターパーティノード)との間のMaaSトランザクションを開始することができる。第1の分散型台帳124は、2つの当事者間の、すなわちモビリティプロバイダノード(例えば、第1のモビリティプロバイダの第1のMPノード124A)とMaaSプロバイダノード(すなわち、カウンターパーティノード)及び/又は1又は2以上のユーザ(例えば、ユーザ114)との間のMaaSトランザクションのレコードを記憶することができる。第2の分散型台帳126は、いずれかのモビリティプロバイダノード(例えば、第1のMPノード124A、第2のMPノード124B、...及び第NのMPノード124N)と、MaaSプロバイダノード(すなわち、カウンターパーティノード)及び/又は1又は2以上のユーザ(例えば、ユーザ114)との間のMaaSトランザクションのレコードを記憶することができる。
【0036】
複数のMaaSプロバイダの場合には、例示的な実装が複数のMaaSプロバイダノードを含むことができ、これらの各々を特定のMaaSプロバイダに関連付けてそれぞれのMaaSプロバイダの別々の分散型台帳に含めることができる。いくつかのシナリオでは、複数のMaaSプロバイダノードを分散型台帳126などの共通の分散型台帳に含めることができる。
【0037】
ある実施形態では、第1のMPノード124A及び第1のMaaSノード126Aを、それぞれ第1の分散型台帳124及び第2の分散型台帳126の多くのデータベースノードのうちの1つとすることができ、第1の加入者ノード122Aを介してトランザクションメッセージを受け取るように構成することができる。第1のMPノード124A及び第1のMaaSノード126Aの各々は、第1の分散型台帳124及び第2の分散型台帳126にそれぞれ関連する初期状態オブジェクトをトランザクションメッセージに基づいて更新し、更新済み状態オブジェクトを出力するように構成することができる。第1のMPノード124A及び第1のMaaSノード126Aは、初期トランザクションデータを有する初期状態オブジェクトと、更新済みトランザクションデータを有する更新済み状態オブジェクトとを含むことができるトランザクションを構築することができる。
【0038】
ある実施形態では、第2の分散型台帳126が、MaaSネットワーク104の1又は2以上の発行者ノードから受け取られたトランザクションメッセージに基づいて1又は2以上のユーザ(例えば、ユーザ114)の旅行詳細を記憶することもできる。ある例では、トランザクションメッセージが、ユーザ(例えば、ユーザ114)の現在進行中の旅行の出発地及び目的地に関連する情報、旅行ルート情報、現在進行中の旅行の期間、現在進行中の旅行の1又は2以上の行程、現在進行中の旅行の各行程の期間、少なくとも1つの輸送サービスプロバイダ、及び少なくとも1つの輸送サービスプロバイダの複数の車両(例えば、複数の車両112A、112B・・112N)の詳細を含むことができる。第2の分散型台帳126の第1の分散型台帳ノード(例えば、第1のMaaSノード126A)は、ユーザ(例えば、ユーザ114)の旅行詳細をシステム102に送信することができる。
【0039】
ある実施形態では、(例えば、第1の分散型台帳ノード、例えば、第1のMaaSノード126Aを含む)第2の分散型台帳126が、1又は2以上のユーザ(例えば、ユーザ114)の現在進行中の旅行に関連する旅行状況をさらに記憶することができる。旅行状況は、以下に限定するわけではないが、ユーザ114の旅行のアクティブな行程又は現在進行中の行程、アクティブな行程をカバーするためにユーザ114が乗ることができる車両、及びアクティブな行程に関連する出発地及び目的地に関連する情報を含むことができる。(第1のMaaSノード126Aなどの)第1の分散型台帳ノードは、ユーザ114の現在進行中の旅行に関連する記憶された旅行状況をシステム102に送信するように構成することができる。
【0040】
複数のMPサーバ106は、輸送サービスプロバイダに関連する旅行及び旅行詳細を集合的に管理するように構成できる好適なロジック、回路、コード及び/又はインターフェイスを含むことができる。例えば、第1のMPサーバ106Aは、第1の輸送サービスプロバイダに関連する旅行詳細を管理するように構成することができる。第2のMPサーバ106Bは、第2の輸送サービスプロバイダに関連する旅行詳細を管理するように構成することができる。第NのMPサーバ106Nは、第Nの輸送サービスプロバイダに関連する旅行詳細を管理するように構成することができる。複数のMPサーバ106の各々はクラウドサーバとして実装され、ウェブアプリケーション、クラウドアプリケーション、HTTPリクエスト、リポジトリ動作及びファイル転送などを通じて動作を実行することができる。複数のMPサーバ106の各々の他の実装例としては、以下に限定するわけではないが、データベースサーバ、ファイルサーバ、ウェブサーバ、メディアサーバ、アプリケーションサーバ、メインフレームサーバ、又はクラウドコンピューティングサーバを挙げることができる。少なくとも1つの実施形態では、当業者に周知の複数の技術を使用することによって、複数のMPサーバ106の各々を複数の分散型クラウドベースリソースとして実装することができる。いくつかの実施形態では、複数のMPサーバ106のうちの1つ又は2つ以上を、第1の車両112A、第2の車両112B、...及び第Nの車両112Nなどのそれぞれの車両内に実装することができる。
【0041】
通信ネットワーク108は、MaaSネットワーク104の各ノードが複数のMPサーバ106及びシステム102と通信できるようにする通信媒体を含むことができる。さらに、通信ネットワーク108は、システム102が第1のディスプレイ装置110A、第2のディスプレイ装置110B、第Nのディスプレイ装置110N及びディスプレイ装置116などの複数のディスプレイ装置と通信できるようにする通信媒体を含むことができる。
【0042】
例示的な実施形態では、通信ネットワーク108が、システム102が複数のディスプレイ装置と通信できるようにする(図4に示すような)移動無線ネットワークを含むことができる。このような場合、移動無線ネットワークは、ユーザ114の現在進行中の旅行又は異なる旅行の複数の行程において(第1の車両112A及び第2の車両112Bなどの)車両内で(第1のディスプレイ装置110A及び第2のディスプレイ装置110Bなどの)異なるディスプレイ装置が使用されている時に、このような装置にメディアコンテンツ及びその他の情報をシームレスに送信するのに適することができる。
【0043】
通信ネットワーク108の例としては、以下に限定するわけではないが、インターネット、クラウドネットワーク、ワイヤレスフィディリティ(Wi-Fi)ネットワーク、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、又はメトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、LTE(ロングタームエボリューション)ネットワーク(例えば、第4世代又は第5世代(5G)モバイルネットワーク)などの移動無線ネットワークを挙げることができる。MaaSネットワーク104の様々なノードは、様々な有線又は無線通信プロトコルに従って通信ネットワーク108に接続するように構成することができる。このような有線及び無線通信プロトコルの例としては、以下に限定するわけではないが、伝送制御プロトコル及びインターネットプロトコル(TCP/IP)、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)、ファイル転送プロトコル(FTP)、ZigBee、EDGE、IEEE802.11、ライトフィデリティ(Li-Fi)、802.16、IEEE802.11s、IEEE802.11g、マルチホップ通信、無線アクセスポイント(AP)、装置間通信、セルラー通信プロトコル及びBluetooth(BT)通信プロトコルのうちの少なくとも1つを挙げることができる。
【0044】
複数のディスプレイ装置は、第1のディスプレイ装置110A、第2のディスプレイ装置110B、...及び第Nのディスプレイ装置110Nを含むことができる。このような装置の各々は、メディアコンテンツを表示又はレンダリングするように構成できる好適なロジック、回路及び/又はインターフェイスを含むことができる。ある実施形態では、このようなディスプレイ装置のうちの少なくとも1つが、(複数の車両112A、112B...112Nのうちの1つとしての)車両の車載ディスプレイであることができる。別の実施形態では、このようなディスプレイ装置の少なくとも1つが、ユーザ114が旅行期間全体を通じて持ち運ぶことができるパーソナルモバイル装置であることができる。このようなディスプレイ装置の例としては、以下に限定するわけではないが、車両内のダッシュボードディスプレイ、車両内の後部座席用娯楽装置、車両内のヘッドレストディスプレイ、又はユーザ114のパーソナルモバイル装置を挙げることができる。
【0045】
第1のディスプレイ装置110A、第2のディスプレイ装置110B、...及び第Nのディスプレイ装置110Nの各々は、以下に限定するわけではないが、液晶ディスプレイ(LCD)ディスプレイ、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、プラズマディスプレイ、又は有機LED(OLED)ディスプレイ技術のうちの少なくとも1つ、或いはその他のディスプレイ装置などの複数の既知の技術を通じて実現できるディスプレイユニットを含むことができる。ある実施形態によれば、ディスプレイ装置のディスプレイユニットは、ヘッドマウント装置(HMD)、スマートメガネ装置、シースルーディスプレイ、投影型ディスプレイ、エレクトロクロミックディスプレイ又は透明ディスプレイのディスプレイ画面を意味することができる。1つの実施形態では、第1のディスプレイ装置110A、第2のディスプレイ装置110B、...及び第Nのディスプレイ装置110Nの各々が、ユーザ114がディスプレイ装置を介してユーザ入力を提供することを可能にするタッチ対応装置であることができる。
【0046】
第1の車両112A、第2の車両112B、...及び第Nの車両112Nなどの複数の車両112A、112B...112Nの各々は、MaaSネットワーク104に関連する輸送サービスプロバイダが所有し、リースし、又は管理することができる。このような車両の各々は、公共輸送サービス又は民間輸送サービスの一部として提供することができる。旅行は、ユーザ114がMaaSネットワーク104上で旅行を予約した時に、(1又は2以上の交通手段としての)複数の車両112A、112B...112Nを通じてカバーできる行程に分割することができる。このような交通手段の例としては、以下に限定するわけではないが、鉄道、バス、自動車、飛行機、タクシー又はキャブ、トロリー、路面電車、フェリー、高速鉄道、トラック又はバイクを挙げることができる。複数の車両112A、112B...112Nの各々は、このような交通手段のうちの1つに関連することができる。図1では、第1の車両112A、第2の車両112B及び第Nの車両112Nなどの複数の車両112A、112B...112Nを自動車、タクシー及びトラックとして表現しているが、これらは一例として示すものにすぎず、本開示を限定するものとして解釈すべきではない。本開示は、利用可能な他の公共又は民間交通手段に関連する車両にも適用することができる。
【0047】
ディスプレイ装置116は、ユーザ114のパーソナルモバイル装置とすることができる。ディスプレイ装置116は、メディアコンテンツを表示又はレンダリングするように構成できる好適なロジック、回路及び/又はインターフェイスを含むことができる。ディスプレイ装置116の例示的な実装としては、以下に限定するわけではないが、スマートフォン又は携帯電話機、オーディオプレーヤ、(ヘッドフォンなどの)ウェアラブルオーディオ装置、スマートウェアラブルディスプレイ、タブレット、ノートパソコン、又はヘッドマウントディスプレイを挙げることができる。ディスプレイ装置116のさらなる説明については、簡潔にするために本開示からは省略する。ある実施形態では、ディスプレイ装置116が、バス又は鉄道などの輸送車両内の共有装置であることができる。
【0048】
動作時には、システム102を、(例えば、図3で説明するように)ユーザ114の現在進行中の旅行に関連する旅行詳細をMaaSネットワーク104から受け取るように構成することができる。第1の車両112A、第2の車両112B、...及び第Nの車両112Nの各々は、輸送サービスプロバイダに登録されたものであることができる。システム102は、第1の車両112Aを、現在進行中の旅行のアクティブな第1の行程を完了するようにユーザ114を設定できる車両として決定することができる。
【0049】
システム102は、受け取った旅行詳細及びユーザ114に関連するメディア消費履歴に基づいて、一連のメディアコンテンツ推奨を生成することができる。いくつかの実施形態では、一連のメディアコンテンツ推奨を、ユーザ114に関連するユーザプロファイル、及び(第1のディスプレイ装置110Aなどの)ディスプレイ装置に関連する装置仕様にさらに基づいて生成することができる。
【0050】
システム102は、現在進行中の旅行の期間内のいずれかの時点で、生成された一連のメディアコンテンツ推奨を表示するように第1のディスプレイ装置110Aを制御することができる。第1のディスプレイ装置110Aは、現在進行中の旅行のアクティブな第1の行程の期間内に、決定された第1の車両112A内で使用することができる。システム102は、表示された一連のメディアコンテンツ推奨のうちの第1のメディアコンテンツ推奨のユーザ選択を受け取ることができる。一連のメディアコンテンツ推奨の生成、一連のメディアコンテンツ推奨の表示、及びメディアコンテンツ推奨のユーザ選択に関連する詳細については、例えば図3に示す。
【0051】
システム102は、第1のディスプレイ装置110A上での第1のメディアコンテンツ推奨に関連する第1のメディアコンテンツの再生を制御することができる。システム102は、現在進行中の旅行の期間(アクティブな第1の行程の期間など)内のいずれかの時点で、第1のメディアコンテンツの再生を一時停止することを必要とし得る第1のイベントを検出することができる。例えば、第1のイベントは、現在進行中の旅行のアクティブな第1の行程の終了、又はユーザ114による第1のメディアコンテンツの再生を一時停止するためのユーザ入力に基づいて検出することができる。システム102は、現在進行中の旅行の第2の行程の期間内、又はユーザ114の異なる旅行の期間内に、第1のメディアコンテンツの再生を第2のディスプレイ装置110B上で再開するように制御することができる。再生が再開されると、第2のディスプレイ装置110Bを第2の車両112B内で使用することができる。
【0052】
いくつかのシナリオでは、第1のメディアコンテンツ又は(一連のキャッシュされたメディアストリームのチャンクなどの)第1のメディアコンテンツの一部を第2の車両112B又は第2の車両112B内のディスプレイ装置(例えば、第2のディスプレイ装置110B)に記憶することができ、さらに第2の車両112Bが第1の車両112Aに物理的に近接していることができる。このような場合、第1のディスプレイ装置110A及び第2のディスプレイ装置110Bは、第1の車両112A及び第2の車両112Bの物理的近接性に基づいて、例えば(例えば、車車間(V2V)ネットワーク又は路車間(V2X)ネットワークなどの)モノのインターネット(IoT)ネットワークを介して互いの間に通信リンクを確立することができる。従って、第1のディスプレイ装置110Aは、第2の車両112B又は第2のディスプレイ装置110Bから、第1のメディアコンテンツ又は一連のキャッシュされたメディアストリームのチャンクを受け取ることができる。この方法は、(例えば、5Gセルラーネットワークにおける)ハンドオーバの場合、又は通信ネットワーク108のネットワーク帯域幅が欠如している場合に有用となり得る。第1のディスプレイ装置110Aは、第2の車両112Bに関連する第2のディスプレイ装置110Bから第1のメディアコンテンツ又はキャッシュされたメディアストリームのチャンクを受け取ることができる。同様に、第1のディスプレイ装置110Aは、(V2Vネットワーク又はV2Xネットワークなどの)IoTネットワークを通じて、第2の車両112B内の第2のディスプレイ装置110B上で以前にストリーミング又はキャッシュされていた他のメディアコンテンツを受け取ることができる。
【0053】
システム102は、1又は2以上の旅行の期間全体を通じて異なるディスプレイ装置(車載ディスプレイ又はパーソナルモバイル装置)上でのメディアコンテンツのシームレスなストリーミング及び再生を可能にするので、ユーザ114は、このような旅行期間内のいずれかの時点でメディアコンテンツの再生を視聴し、一時停止し、その後に再開することができる。このようなシームレスなメディアコンテンツのストリーミング及び再生は、たとえ異なる輸送サービスプロバイダによって管理される車両を通じて旅行がカバーされる場合であってもユーザ114に対して可能にすることができる。例えば、システム102は、第1のメディアコンテンツの再生を、アクティブな第1の行程が終了した時に第1のディスプレイ装置110A上で一時停止し、現在進行中の旅行の第2の行程又は異なる旅行が開始した時に第2のディスプレイ装置110B上で再開するように制御することができる。このような制御は、再生を一時停止するための第1のディスプレイ装置110Aを介したユーザ入力と、一時停止した再生を再開するための第2のディスプレイ装置110Bを介した別のユーザ入力とに基づくことができる。
【0054】
図2は、本開示の実施形態による、MaaS輸送ネットワークにおける装置を跨いだメディアコンテンツの再生制御のための例示的なシステムのブロック図である。図2の説明は図1の要素に関連して行う。図2にはシステム102のブロック図200を示す。システム102は、回路202、メモリ204、及びネットワークインターフェイス206を含むことができる。システム102は、入力/出力(I/O)装置208をさらに含むことができる。メモリ204は、AIモデル204Aを含むことができる。
【0055】
回路202は、システム102によって実行される異なる動作に関連するプログラム命令を実行するように構成できる好適なロジック、回路及びインターフェイスを含むことができる。回路202は、当業で周知の数多くのプロセッサ技術に基づいて実装することができる。プロセッサ技術の例としては、以下に限定するわけではないが、中央処理装置(CPU)、X86ベースのプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)プロセッサ、複合命令セットコンピューティング(CISC)プロセッサ、グラフィカルプロセッシングユニット(GPU)、及びその他のプロセッサを挙げることができる。
【0056】
メモリ204は、回路202が実行できるプログラム命令を記憶するように構成できる好適なロジック、回路及びインターフェイスを含むことができる。メモリ204は、旅行詳細、ユーザプロファイル、装置仕様、及びメディア消費履歴を記憶するように構成することができる。メモリ204は、第1のメディアコンテンツの再生の一時停止に関連するタイムスタンプを記憶するようにさらに構成することができる。メモリ204は、AIモデル204Aを記憶するようにさらに構成することができる。メモリ204の実装例としては、以下に限定するわけではないが、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、電気的に消去可能なプログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、ハードディスクドライブ(HDD)、固体ドライブ(SSD)、CPUキャッシュ、及び/又はセキュアデジタル(SD)カードを挙げることができる。
【0057】
AIモデル204Aは、(旅行詳細、メディア消費履歴、ユーザプロファイルデータ、装置仕様又は一連のメディアコンテンツのデータセットを含むことができる訓練データセット内の特徴などの)入力と、一連のメディアコンテンツから分類された推奨メディアコンテンツのデータセットを含むことができる出力ラベルとの間の関係を識別するように訓練できる分類器又は回帰モデルであることができる。AIモデル204Aは、例えば重みの数、コスト関数、入力サイズ及び層の数などのハイパーパラメータによって定めることができる。AIモデル204Aのハイパーパラメータは、AIモデル204Aのコスト関数の大域的最小点に向かうように調整して重みを更新することができる。AIモデル204Aは、訓練データセット内の特徴情報に基づく複数の訓練エポック後に、入力セットの予測/分類結果を出力するように訓練することができる。予測結果は、入力セットの各入力(例えば、新たな/見えざるインスタンスから抽出された入力特徴)のクラスラベルを示すことができる。
【0058】
AIモデル204Aは、例えば回路202などの処理装置によって実行されるソフトウェアプログラム、ソフトウェアプログラムのコード、ライブラリ、アプリケーション、スクリプト、或いはその他のロジック又は命令などの電子データを含むことができる。AIモデル204Aは、回路202などのコンピュータ装置が1又は2以上の入力(例えば、旅行詳細、メディア消費履歴、ユーザプロファイルデータ、装置仕様、一連のメディアコンテンツ)を一連のメディアコンテンツからの推奨メディアコンテンツに分類する1又は2以上の動作を実行することを可能にするように構成されたコード及びルーチンを含むことができる。これに加えて又はこれに代えて、AIモデル204Aは、プロセッサ、(例えば、1又は2以上の動作を実行し又は実行を制御する)マイクロプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又は特定用途向け集積回路(ASIC)を含むハードウェアを使用して実装することもできる。或いは、いくつかの実施形態では、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせを使用してAIモデル204Aを実装することもできる。
【0059】
(訓練された1又は2以上のニューラルネットワークモデルなどの)AIモデル204Aの例としては、以下に限定するわけではないが、ディープニューラルネットワーク(DNN)、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)、再帰型ニューラルネットワーク(RNN)、線形回帰モデル、ロジスティック回帰モデル、決定木モデル、K平均ベースモデル、又はランダムフォレストモデルを挙げることができる。
【0060】
I/O装置208は、ユーザから入力を受け取り、受け取った入力に基づいて出力を提供するように構成できる好適なロジック、回路及びインターフェイスを含むことができる。様々な入力及び出力装置を含むことができるI/O装置208は、回路202と通信するように構成することができる。I/O装置208の例としては、以下に限定するわけではないが、タッチ画面、キーボード、マウス、ジョイスティック、マイク、ディスプレイ装置、及びスピーカを挙げることができる。
【0061】
ネットワークインターフェイス206は、通信ネットワーク108を介して回路202、MaaSネットワーク104、複数のMPサーバ106、及び複数のディスプレイ装置間の通信を容易にするように構成できる好適なロジック、回路、コード及び/又はインターフェイスを含むことができる。ネットワークインターフェイス206は、システム102と通信ネットワーク108との有線又は無線通信をサポートする様々な既知の技術を使用して実装することができる。ネットワークインターフェイス206は、以下に限定するわけではないが、アンテナ、無線周波数(RF)トランシーバ、1又は2以上のアンプ、チューナ、1又は2以上の発振器、デジタルシグナルプロセッサ、コーダーデコーダ(CODEC)チップセット、加入者識別モジュール(SIM)カード、又はローカルバッファ回路を含むことができる。
【0062】
ネットワークインターフェイス206は、インターネット、イントラネットなどのネットワーク、又はセルラー電話ネットワーク、無線ローカルエリアネットワーク(LAN)、及びメトロポリタンエリアネットワーク(MAN)などの無線ネットワークと無線通信を介して通信するように構成することができる。無線通信は、グローバルシステムフォーモバイルコミュニケーション(GSM)、拡張データGSM環境(EDGE)、広帯域符号分割多元接続(W-CDMA)、ロングタームエボリューション(LTE)、符号分割多元接続(CDMA)、5G新無線(NR)ネットワークなどの第5世代ネットワーク、時分割多元接続(TDMA)、Bluetooth、(IEEE802.11a、IEEE 802.11b、IEEE 802.11g又はIEEE 802.11nなどの)ワイヤレスフィディリティ(WiFi)、ボイスオーバーインターネットプロトコル(VoIP)、ライトフィデリティ(Li-Fi)、又はワールドワイド・インターオペラビリティ・フォー・マイクロウェーブ・アクセス(Wi-MAX)、電子メール用プロトコル、インスタントメッセージ、及びショートメッセージサービス(SMS)などの複数の通信規格、プロトコル及び技術のうちの1つ又は2つ以上を使用するように構成することができる。ネットワークインターフェイス206は、5G通信ネットワークと通信することができ、以下に限定するわけではないが、5G NR、V2Xインフラストラクチャ及び5Gスマートアンテナなどの適切な5Gサポート機能を含む。
【0063】
図3は、本開示の実施形態による、MaaS輸送ネットワークにおける装置を跨いだメディアコンテンツの再生制御のための例示的な動作を示すブロック図である。図3の説明は、図1及び図2の要素に関連して行う。図3には、本明細書で説明する302~338の例示的な動作を示すブロック図300を示す。ブロック図300に示す例示的な動作は302から開始することができ、図1又は図2のシステム102などのいずれかのコンピュータシステム、装置又はデバイスによって実行することができる。ブロック図300の1又は2以上のブロックに関連する例示的な動作については離散ブロックで示しているが、これらは例示的な動作の実装に応じてさらなるブロックに分割し、より少ないブロックに結合し、又は削除することもできる。
【0064】
302において、旅行詳細を受け取ることができる。ある実施形態では、回路202を、ユーザ114の現在進行中の旅行に関連する旅行詳細をMaaSネットワーク104から受け取るように構成することができる。ある実施形態では、受け取られた旅行詳細が、ユーザ114の現在進行中の旅行に関連するコンテキスト要素を含むことができる。ユーザ114の現在進行中の旅行に関連する旅行詳細の例としては、以下に限定するわけではないが、現在進行中の旅行の出発地及び目的地に対応する情報、現在進行中の旅行の期間、現在進行中の旅行の1又は2以上の行程に関連する情報、現在進行中の旅行の各行程の期間、現在進行中の旅行に関連する少なくとも1つの輸送サービスプロバイダ、及び現在進行中の旅行で使用される複数の車両の詳細を挙げることができる。例えば、このような詳細は、各車両に関連する車両タイプ又は輸送手段、及び各車両に関連する輸送サービスタイプ(民間又は公共)を含むことができる。いくつかの事例では、このような詳細が、車両が娯楽用の内蔵ディスプレイを含んでいるかどうかを指定することもできる。
【0065】
304において、メディア消費履歴を受け取ることができる。ある実施形態では、回路202を、MaaSネットワーク104からユーザ114に関連するメディア消費履歴を受け取るように構成することができる。メディア消費履歴の例としては、以下に限定するわけではないが、番組又はショー、ゲーム、或いはその他のインタラクティブコンテンツについてのユーザの視聴履歴、メディアコンテンツジャンルの過去の視聴履歴、過去の旅行にわたって消費されたメディアコンテンツのタイプ、及び(自宅での時刻などの)過去又は(車両内又は自宅などの)特定の目的地における特定の時点又はメディアコンテンツ消費をリストするログを挙げることができる。メディアのタイプとしては、例えばオーディオコンテンツ、ビデオコンテンツ、特定のジャンルのメディアコンテンツに関連するオーディオビューコンテンツ、好ましいコンテンツ長さに関連するオーディオビューコンテンツ、ゲームコンテンツ、仮想現実(VR)又は拡張現実(AR)コンテンツ、及び没入型3Dビデオなどを挙げることができる。
【0066】
306において、ユーザプロファイルを受け取ることができる。ある実施形態では、回路202を、MaaSネットワーク104からユーザ114のユーザプロファイルを受け取るように構成することができる。ユーザプロファイルは、例えばユーザ114のコンテンツ選好、及びユーザの名前、年齢層又はユーザ114が属する所得グループなどのその他の人口統計学的因子などの他の詳細を含むことができる。ある実施形態では、ユーザプロファイルが、通常ユーザ114の旅行においてカバーされる旅行地の詳細、ユーザ114が好むメディアコンテンツのタイプ、ユーザ114が好む車両のタイプ、ユーザ114の(有料購読アカウントなどの)アカウントのタイプ、及びユーザ114の行動データ点を含むことができる。
【0067】
308において、装置仕様を受け取ることができる。ある実施形態では、回路202を、MaaSネットワーク104から第1のディスプレイ装置110Aに関連する装置仕様を受け取るように構成することができる。装置仕様は、例えば第1のディスプレイ装置110Aのモデル名、第1のディスプレイ装置110Aの画面サイズ、及び第1のディスプレイ装置110Aに関連する1又は2以上の互換メディアフォーマットを含むことができる。
【0068】
310において、コンテキストアウェア推奨モデルをメモリ204にロードすることができる。コンテキストアウェア推奨モデルは、メディアコンテンツ推奨タスクに基づいて訓練することができる。例えば、コンテキストアウェア推奨モデルは、旅行詳細、ユーザプロファイル、メディア消費履歴及び装置仕様のうちの1つ又は2つ以上から抽出された特徴に一致し得る一連のメディアコンテンツ推奨を生成するように訓練できる分類器モデルとすることができる。ある実施形態では、AIモデル204Aをコンテキストアウェア推奨モデルとして使用することができる。
【0069】
ある実施形態では、コンテキストアウェア推奨モデルを機械学習モデルとして実装することができる。機械学習モデルの例としては、以下に限定するわけではないが、(多変量ロジスティック又は線形回帰モデルなどの)回帰モデル、決定木モデル、ランダムフォレスト、勾配ブースティング木、又はナイーブベイズを挙げることができる。
【0070】
別の実施形態では、コンテキストアウェア推奨モデルをニューラルネットワーク(NN)モデルとして実装することができる。NNモデルは、例えば重みの数、コスト関数、入力サイズ、層の数、層当たりのニューロン数などのハイパーパラメータによって定めることができる。訓練段階では、コンテキストアウェア推奨モデルのハイパーパラメータを調整し、重みをコスト関数の大域的最小点に向かうように更新することができる。コンテキストアウェア推奨モデルは、訓練データセットに基づく複数エポックの訓練後に、入力セットの予測/分類結果を出力するように訓練することができる。予測結果は、入力セットの各入力(例えば、新たな/見えざるインスタンスから抽出された入力特徴)のクラスラベル(メディアコンテンツ推奨)を示すことができる。
【0071】
コンテキストアウェア推奨モデルは、例えば回路202などの処理装置によって実行されるソフトウェアプログラム、ソフトウェアプログラムのコード、ライブラリ、アプリケーション、スクリプト、又はその他のロジック又は命令などの電子データを含むことができる。コンテキストアウェア推奨モデルは、回路202などのコンピュータ装置が1又は2以上の入力を一連の推奨に分類する1又は2以上の動作を実行することを可能にするように構成されたコード及びルーチンを含むことができる。これに加えて又はこれに代えて、訓練済みコンテキストアウェア推奨モデルは、プロセッサ、(例えば、1又は2以上の動作を実行し又は実行を制御する)マイクロプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又は特定用途向け集積回路(ASIC)を含むハードウェアを使用して実装することもできる。或いは、いくつかの実施形態では、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせを使用して訓練済みコンテキストアウェア推奨モデルを実装することもできる。いくつかの実施形態では、コンテキストアウェア推奨モデルが、複数のディープニューラルネットワーク(DNN)のハイブリッドアーキテクチャに基づくことができる。
【0072】
312において、一連の推奨を生成することができる。ある実施形態では、回路202を、受け取った旅行詳細及びユーザ114に関連するメディア消費履歴に基づいて一連のメディアコンテンツ推奨を生成するように構成することができる。生成される一連の推奨は、以下に限定するわけではないが、ユーザ114が好むメディアコンテンツのタイプ、以前に再生されたメディアコンテンツに基づくメディアコンテンツのジャンル、又は再開すべきメディアコンテンツに関連する推奨を含むことができる。ある実施形態では、回路202を、受け取ったユーザプロファイル及び装置仕様にさらに基づいて一連のメディアコンテンツ推奨を生成するようにさらに構成することができる。一例として、生成される一連のメディアコンテンツ推奨は、以下に限定するわけではないが、スリラー番組及びホラー番組などのメディアコンテンツに関連することができる。このような番組は、メディア消費履歴又はユーザプロファイルに掲載されたジャンル又は番組に関連することができる。
【0073】
ある実施形態では、生成される一連のメディアコンテンツ推奨のうちの少なくとも1つを、例えば特定の年齢層内のユーザなどの特定のユーザグループ間で人気があると考えられるジャンル又はメディアプログラムに基づいて生成することができる。別の実施形態では、一連のメディアコンテンツ推奨のうちの少なくとも1つを、ユーザ114のものと比べて同様の興味又は同様のユーザプロファイルを有する他のユーザの選好に基づいて生成することができる。
【0074】
ある実施形態では、回路202が、コンテキストアウェア推奨モデルのための入力特徴を構築することができる。入力特徴は、受け取った旅行詳細、受け取ったメディア消費履歴、受け取ったユーザプロファイル、又は受け取った装置仕様のうちの1つ又は2つ以上に基づいて構築することができる。その後、回路202は、構築された入力特徴を(訓練済みの)コンテキストアウェア推奨モデルに入力し、入力特徴に対するコンテキストアウェア推奨モデルの出力として一連の推奨を生成することができる。
【0075】
例えば、旅行詳細は、ユーザ114の現在進行中の旅行の期間、及びユーザ114が旅行で使用できる1又は2以上の車両に関連する情報を含むことができる。旅行詳細は、現在進行中の旅行に関連する(現在進行中の旅行のアクティブな行程を示す識別子などの)旅行状況をさらに含むことができる。ユーザ114のメディア消費履歴は、(スリラー又はホラーなどの)様々なコンテンツジャンル、(オーディオポッドキャスト、ビデオオンデマンド(VOD)プログラム、又は放送メディアコンテンツなどの)好みのコンテンツフォーマットについてのユーザの選好を示すことができる。さらに、ユーザ114のメディア消費履歴は、ユーザ114が過去の旅行で以前に視聴したことがある一連の番組をリストすることもできる。
【0076】
ディスプレイ装置(例えば、第1のディスプレイ装置110A又はパーソナルモバイル装置(例えば、ユーザ114のディスプレイ装置116))の装置仕様は、例えば画面サイズ情報、一連のサポートされているディスプレイ解像度、及び(サポートされているコーデックなどに関する)メディアフォーマットの互換性を含むことができる。メディアコンテンツ推奨に関連するメディアコンテンツは、装置の仕様(例えば、互換性のある画面解像度及びメディアフォーマット)に従うことができる。
【0077】
314において、モデル検証メトリクスを生成することができる。ある実施形態では、回路202を、モデル検証メトリクスを生成するように構成することができる。モデル検証メトリクスは、コンテキストアウェア推奨モデルが、コンテキストアウェア推奨モデルへの所与の入力のためのメディアコンテンツ推奨を出力できる精度の定量的尺度を提供することができる。一例として、回路202は、コンテキストアウェア推奨モデルの選択を示すユーザ入力を受け取るように構成することができる。回路202は、ユーザ入力に基づいてコンテキストアウェア推奨モデルを検証するように構成することができる。モデル検証メトリクスは、メディアコンテンツ推奨タスクのために予め訓練できる様々な推奨モデルからコンテキストアウェア推奨モデルを選択することを可能にすることができる。例えば、このようなメトリクスは、テストデータに対する推奨モデルのパフォーマンスを記述する混同行列(confusion matrix)を含むことができる。
【0078】
316において、アクティブな第1の行程を決定することができる。ある実施形態では、回路202を、現在進行中の旅行のアクティブな第1の行程を決定するように構成することができる。現在進行中の旅行は、MaaSネットワーク104に関連する少なくとも1つの輸送サービスプロバイダの複数の車両(例えば、複数の車両112A、112B...112N)を通じてカバーすることを必要とし得る行程に分割することができる。複数の車両は、第1の車両(例えば、第1の車両112A)及び第2の車両(例えば、第2の車両112B)を含むことができる。
【0079】
318において、第1の車両を決定することができる。ある実施形態では、回路202を、現在進行中の旅行のアクティブな第1の行程を完了するようにユーザ114を設定できる第1の車両を決定するように構成することができる。
【0080】
320において、第1のディスプレイ装置(例えば、第1のディスプレイ装置110A)を制御することができる。ある実施形態では、回路202を、生成された一連のメディアコンテンツ推奨を表示するように第1のディスプレイ装置110Aを制御するよう構成することができる。第1のディスプレイ装置110Aは、アクティブな第1の行程の期間内に、決定された第1の車両112A内で使用することができる。第1のディスプレイ装置110Aの例としては、以下に限定するわけではないが、第1の車両112Aのダッシュボードディスプレイ、第1の車両112Aの後部座席用娯楽装置、第1の車両112Aのヘッドレストディスプレイ、又はユーザ114のパーソナルモバイル装置(例えば、ディスプレイ装置116)を挙げることができる。一例として、第1のディスプレイ装置110Aは、第1のディスプレイ装置110Aをパーソナルモバイル装置(例えば、ディスプレイ装置116)に接続できる場合にはパーソナルモバイル装置のユーザインターフェイス(UI)を介して制御することができる。
【0081】
322において、推奨を選択することができる。ある実施形態では、回路202を、表示された一連のメディアコンテンツ推奨のうちの第1のメディアコンテンツ推奨のユーザ選択を受け取るように構成することができる。ある実施形態では、第1のメディアコンテンツの選択に基づいてコンテキストアウェア推奨モデルを再訓練することができる。
【0082】
324において、トランスポートストリームを生成することができる。ある実施形態では、回路202を、第1のメディアコンテンツ推奨に関連する第1のメディアコンテンツを含むトランスポートストリームを生成するように構成することができる。ある実施形態では、回路202を、第1のディスプレイ装置110Aの装置仕様に基づいて(第1のメディアコンテンツを含む)トランスポートストリームを生成するように構成することができる。
【0083】
326において、データストリームチャンキングを実行することができる。ある実施形態では、回路202を、データストリームチャンキング動作を実行して、生成されたトランスポートストリームの一連のチャンクを生成するように構成することができる。生成された一連のチャンクの各チャンクは、生成された一連のチャンクの他のチャンクと重複しないことができる。一連のチャンクは、現在進行中の旅行の期間内に第1のディスプレイ装置110Aが接続する可能性が高いと考えられる(移動無線ネットワークの基地局に関連するエッジ装置などの)予測されるエッジネットワーク上に、生成されたトランスポートストリームをキャッシュできる形で生成することができる。
【0084】
ある実施形態では、回路202を、生成された一連のチャンクをメディアサーバ328に記憶するように構成することができる。メディアサーバ328は、第1のディスプレイ装置110A上での第1のメディアコンテンツ推奨に関連する第1のメディアコンテンツの再生を制御することができる。
【0085】
330において、イベントベースの再生を制御することができる。ある実施形態では、回路202を、現在進行中の旅行の期間内に第1のディスプレイ装置110A上の第1のメディアコンテンツの再生を一時停止することを必要とし得る第1のイベントを検出するように構成することができる。検出される第1のイベントの例としては、以下に限定するわけではないが、旅行行程の終了、旅行の終了、ユーザ入力に基づくメディアコンテンツの一時停止、又はユーザが第1のディスプレイ装置110Aから頭又は目をそらすことが挙げられる。ある実施形態では、回路202を、第1のイベントの検出に基づいて、第1のディスプレイ装置110A上で第1のメディアコンテンツの再生を一時停止するように制御するようさらに構成することができる。
【0086】
332において、メディアコンテンツ識別子(ID)及び再生/再開IDを記憶することができる。ある実施形態では、回路202を、第1のメディアコンテンツの全継続時間内に、検出されたイベントに基づいて第1のメディアコンテンツの再生を一時停止できるタイムスタンプを決定するように構成することができる。回路202は、メディアコンテンツID(例えば、第1のメディアコンテンツを識別するとともに第1のメディアコンテンツのユニフォームリソースロケータ(URL)などの位置を提供できるトラックID)を分散型台帳サブノード128(例えば、ドキュメントサブノード128C及びユーザサブノード128B)に記憶するようにさらに構成することができる。さらに、回路202は、このタイムスタンプを分散型台帳サブノード128(例えば、ドキュメントサブノード128C)などのデータベースに再生/再開IDとして記録することができる。回路202は、ユーザ114に関連するユーザIDをメディアコンテンツID及び再生/再開IDと共に分散型台帳サブノード128(例えば、ドキュメントサブノード128C)に記憶することもできる。
【0087】
334において、(アクティブな)第2の行程を決定することができる。ある実施形態では、回路202を、現在進行中の旅行の第2の行程を決定するように構成することができる。1つのシナリオでは、第2の行程が、第1のアクティブな行程の旅行と同じ旅行に属することができる。別のシナリオでは、第2の行程が、現在進行中の旅行とは異なる別の旅行に属することができる。なお、第2の行程は、第1のアクティブな行程の直後に続くことも、又はそうでないこともできる。
【0088】
336において、第2の車両(例えば、第2の車両112B)を決定することができる。ある実施形態では、回路202を、現在進行中の旅行の第2の行程又は異なる旅行の第2の行程を完了するようにユーザ114を設定できる第2の車両112Bを決定するように構成することができる。
【0089】
338において、第2のディスプレイ装置(例えば、第2のディスプレイ装置110B)を制御することができる。ある実施形態では、回路202を、生成された一連のメディアコンテンツ推奨を表示するように第2のディスプレイ装置110Bを制御するよう構成することができる。第2のディスプレイ装置110Bは、第2の行程の期間内に、決定された第2の車両112B内で使用することができる。第2のディスプレイ装置110Bの例としては、以下に限定するわけではないが、第2の車両112Bのダッシュボードディスプレイ、第2の車両112Bの後部座席用娯楽装置、第2の車両112Bのヘッドレストディスプレイ、ユーザ114のパーソナルモバイル装置(例えば、ディスプレイ装置116)を挙げることができる。
【0090】
ある実施形態では、回路202を、検出された第1のイベントに基づいて、第1のディスプレイ装置110A上での第1のメディアコンテンツの再生を一時停止し、第2の行程において第2のディスプレイ装置110B上で再生を再開する第1のオプションを表示するように第1のディスプレイ装置110Aを制御するよう構成することができる。ある実施形態では、回路202を、表示された第1のオプションの選択を含む第1のユーザ入力を受け取るように構成することができる。このような事例では、受け取られた第1の入力にさらに基づいて、第1のメディアコンテンツの再生を第2のディスプレイ装置110B上で再開するように制御することができる。また、第1のメディアコンテンツの再生は、(分散型台帳サブノード128(例えば、ドキュメントサブノード128C)上の)記録されたタイムスタンプから第2のディスプレイ装置110B上で再開するように制御することができる。
【0091】
ある実施形態では、回路202を、第2の車両112Bが車載ディスプレイを有していないとの判定に基づいて、第1のメディアコンテンツの再生を再開する第2のオプションを表示するように第2のディスプレイ装置(例えば、ディスプレイ装置116)を制御するよう構成することができる。このような事例では、第2のディスプレイ装置が、ユーザ114のパーソナルモバイル装置(例えば、ディスプレイ装置116)であることができる。回路202は、第2のオプションの選択を含む第2のユーザ入力を受け取るように構成することができる。第1のメディアコンテンツの再生は、受け取られた第2の入力にさらに基づいて、記録されたタイムスタンプから第2のディスプレイ装置(例えば、ディスプレイ装置116)上で再開するように制御することができる。
【0092】
図4は、本開示の実施形態による、メディアコンテンツのシームレスな再生のためにメディアコンテンツのチャンクをディスプレイ装置に送信する例示的なネットワーク環境を示すブロック図である。図4の説明は、図1図2及び図3の要素に関連して行う。図4にはネットワーク環境400を示す。ネットワーク環境400は、システム102、仮想ネットワーク事業者402、及びインフラストラクチャプロバイダ404を含む。ネットワーク環境400は、第1の基地局408A及び第2の基地局408B、エッジコンピュータ装置410、及び第1のディスプレイ装置110Aを含む仮想ネットワーク406をさらに含むことができる。インフラストラクチャプロバイダ404は、第4世代又は第5世代モバイルネットワークなどの移動無線ネットワーク412のインフラを管理することができる。
【0093】
仮想ネットワーク事業者402は、ネットワークサービスを再販して電気通信インフラを所有又は運用しないネットワーク事業者であることができる。仮想ネットワーク事業者402は、電気通信プロバイダからの仕切価格での帯域幅ライセンスに基づいてネットワークサービスを提供することができる。仮想ネットワーク事業者402は、仮想ネットワーク事業者402の動作を実行する好適なロジック、回路、コード及び/又はインターフェイスを含む1又は2以上の関連するネットワーク装置を有することができる。仮想ネットワーク事業者402は、システム102が送信できるサービス要件を受け取るように構成することができる。受け取られるサービス要件は、サービス品質(QoS)要件と、一連のモビリティネットワーク管理機能とを含むことができる。QoS要件は、例えば以下に限定するわけではないが、100メガビット/秒(Mbps)の帯域幅、10ミリ秒の最大待ち時間、1ミリ秒の最大ジッタ、1秒未満の回復時間を含むことができる。一連のモビリティネットワーク管理機能は、以下に限定するわけではないが、モビリティコンテキスト管理、位置追跡、ページング、到達可能性管理、ハンドオーバ制御、モビリティアンカリング及び経路最適化に関する情報を含むことができる。
【0094】
仮想ネットワーク事業者402は、受け取ったサービス要件に基づいて、(5G電気通信ネットワークなどの)移動無線ネットワーク412に関連するインフラストラクチャプロバイダ404にネットワークリソース要求を送信することができる。仮想ネットワーク事業者402は、受け取ったサービス要件を使用して分析を実行し、インフラストラクチャプロバイダ404にネットワークリソース要求を送信することができる。例えば、仮想ネットワーク事業者402は、システム102から(第1のディスプレイ装置110Aなどの)いずれかのディスプレイ装置にメディアコンテンツを通信するために利用できるネットワークリソース(例えば、帯域幅、ネットワークチャネル、及びネットワークスライス)の量を決定する分析を実行することができる。
【0095】
インフラストラクチャプロバイダ404は、(5G電気通信ネットワークなどの)移動無線ネットワーク412のネットワークリソースを管理することができる。インフラストラクチャプロバイダ404は、インフラストラクチャプロバイダ404の動作を実行するように構成された好適なロジック、回路、コード及び/又はインターフェイスを含むことができる1又は2以上の関連するネットワーク装置を含むことができる。インフラストラクチャプロバイダ404は、仮想ネットワーク事業者402からネットワークリソース要求を受け取るように構成される。インフラストラクチャプロバイダ404のリソースコントローラは、受け取ったネットワークリソース要求に対応し、受け取ったネットワークリソース要求のサービス要件に従って仮想ネットワーク406を形成して(5G電気通信ネットワークなどの)移動無線ネットワーク412のネットワークリソースを割り当てるように構成することができる。インフラストラクチャプロバイダ404は、サービス要件に合わせて新たなリソースを割り当てることも、或いはサービス要件に合わせて既存のリソースを調整することもできる。従って、形成された仮想ネットワーク406はリソース割り当てニーズに対応することができる。
【0096】
(5G電気通信ネットワークなどの)移動無線ネットワーク412の仮想ネットワーク406は、移動無線ネットワーク412のネットワークスライシング機能の一部として、複数の輸送サービスプロバイダに関連するMaaSネットワーク104上の大規模データ管理などの用途のための多様な要件をサポートするエンドツーエンドカスタマイズ能力を提供することができる。さらに、(5G電気通信ネットワークなどの)移動無線ネットワーク412のモビリティ駆動型ネットワークスライシング(mobility-driven network slicing)は、異なるモビリティ管理スキームを有する複数のネットワークスライスをサポートすることができる。モビリティ管理スキームは、(5G電気通信ネットワークなどの)移動無線ネットワーク412からの実際に必要なレベルのモビリティサポートによって決定することができる。モビリティ管理スキームは、選択されたモビリティ管理初等関数(mobility management elementary functions)を編成することによって取得することができる。仮想ネットワーク406は、(MaaSネットワーク104を介して予約及び管理される)旅行の予測ルート上の(第1の車両112Aなどの)車両内で移動中に使用できる(第1のディスプレイ装置110Aなどの)ディスプレイ装置にインフォテインメントアプリケーションサービスを確実に配信するように構成することができる。
【0097】
第1の基地局408A及び第2の基地局408Bの各々は、無線信号送信及び受信のための好適なロジック、回路、コード及び/又はインターフェイスを含むことができる。第1の基地局408A及び第2の基地局408Bの各々は、ローカル無線ネットワークのハブ、及び/又は有線ネットワークと無線ネットワーク(例えば、セルラーネットワーク)との間のゲートウェイであることができる。第1の基地局408A及び第2の基地局408Bの各々は、接続された(第1のディスプレイ装置110Aなどの)ディスプレイ装置に仮想ネットワーク406を介してメディアコンテンツ(例えば、第1のメディアコンテンツ)を送信するように構成することができる。
【0098】
エッジコンピュータ装置410は、第1のメディアコンテンツのトランスポートストリームのチャンクが第1のディスプレイ装置110A上での第1のメディアコンテンツの一部の再生のために第1のディスプレイ装置110Aに送信される前にこのようなチャンクをキャッシュするように構成できる好適なロジック、回路及び/又はインターフェイスを含むことができる。このようなチャンクは、第1の基地局408Aから第2の基地局408Bへの第1のディスプレイ装置110Aのネットワークハンドオーバが発生する前に予めキャッシュしておくことができる。エッジコンピュータ装置410は、仮想ネットワーク406を介してこのような第1のメディアコンテンツのチャンクをシステム102から受け取ることができる。
【0099】
エッジコンピュータ装置410は、記憶能力を有してネットワーク(例えば、エッジネットワーク)に接続できるコンピュータ装置を含むことができる。エッジネットワークは、ネットワーク間の入口点又は出口点に位置してエッジコンピュータ装置410などの接続先装置からの情報を処理又は記憶する計算能力を有することができる複数のスイッチ又はゲートウェイ装置を含むことができる。チャンクのキャッシング及びキャッシングされたチャンクの第1のディスプレイ装置110Aへの送信に関連する詳細については、例えば図5において説明する。
【0100】
(5G電気通信ネットワークなどの)移動無線ネットワーク412は、数多くの基地局を含むことができる超高密度無線電気通信ネットワークであることができる。この結果、頻繁なハンドオーバ、高いハンドオーバ遅延が発生することにより、移動無線ネットワーク412の全体的なサービス品質に影響を与え得る通信障害が生じる恐れがある。ある実施形態では、MaaSネットワーク104のためのモビリティマネジメントアズアサービス(Mobility Management as a Service:MMaaS)が、MaaSネットワーク104に関連する現在進行中の旅行の旅行ルート情報及びシステム102のアプリケーションニーズを使用してハンドオーバポリシーを構成することによって通信障害を抑えることができる。例えば、仮想ネットワーク406は、ユーザ114の現在進行中の旅行のアクティブな第1の行程の旅行ルート情報に基づいて1又は2以上のハンドオーバ制御パラメータ(HCP)を動的に調整することによってハンドオーバポリシーを構成することができる。
【0101】
ある実施形態では、(MaaSネットワーク104のインテリジェントブローカに関連することができる)ブローカノード装置120を、MaaSネットワーク104によるトランザクション処理に影響を与え得る様々な要因に関連する確率ベーススコアを計算することによってMaaSネットワーク104のトランザクションメッセージの特定のメッセージルーティングポリシーを決定するように構成することができる。従って、メッセージルーティングポリシーの選択は、MaaSネットワーク104のトランザクション処理に関連する様々な要因のトレードオフとなり得る計算された確率ベーススコアに基づくことができる。このような要因の例としては、以下に限定するわけではないが、MaaSネットワーク104のシステミックリスク軽減(systemic risk mitigation)、MaaSネットワーク104のノードに関連する運用及びシステムトラブルの改善、MaaSネットワーク104のユーザに対するコストメリット(例えば、価格及び/又はユーザ選好ベースのメリット)、並びにモビリティプロバイダ及び/又はMaaSネットワーク104を実行する組織に対するコストメリットを挙げることができる。このような要因の例としては、以下に限定するわけではないが、MaaSネットワーク104のモビリティプロバイダに関連するトラフィック最適化、MaaSネットワーク104のモビリティプロバイダの車両112A、112B...112Nに関連するエネルギー消費量及び炭素排出量、並びにMaaSネットワーク104のトランザクションに関連するユーザの時間消費量をさらに挙げることもできる。ある実施形態では、仮想ネットワーク406が、ブローカノード装置120の選択されたメッセージルーティングポリシーに基づいてハンドオーバポリシーをさらに構成することができる。説明したように、選択されるメッセージルーティングポリシーは、上述した様々な要因間のトレードオフとなり得る計算された確率ベーススコアに基づくことができる。
【0102】
図5は、本開示の実施形態による、メディアコンテンツを再生するディスプレイ装置にメディアコンテンツのトランスポートストリームのチャンクを送信する例示的な動作を示すシーケンス図である。図5の説明は、図1図2図3及び図4の要素に関連して行う。図5には、502~520の例示的な動作を示すシーケンス図500を示す。シーケンス図500に示す例示的な動作は502から開始することができ、図1又は図2のシステム102、仮想ネットワーク事業者402、インフラストラクチャプロバイダ404、仮想ネットワーク406、及びエッジコンピュータ装置410などのいずれかのコンピュータシステム、装置又はデバイスが実行することができる。
【0103】
502において、サービス要件を送信することができる。ある実施形態では、回路202を、仮想ネットワーク事業者402にサービス要件を送信するように構成することができる。ある実施形態では、仮想ネットワーク事業者402を、送信されたサービス要件を受け取るように構成することができる。サービス要件は、サービス品質(QoS)要件と、一連のモビリティネットワーク管理機能とを含むことができる。QoS要件は、例えば、以下に限定するわけではないが、100メガビット/秒(Mbps)の帯域幅、10ミリ秒の最大待ち時間、1ミリ秒の最大ジッタ、1秒未満の回復時間を含むことができる。一連のモビリティネットワーク管理機能は、以下に限定するわけではないが、モビリティコンテキスト管理、位置追跡、ページング、到達可能性管理、ハンドオーバ制御、モビリティアンカリング及び経路最適化に関する情報を含むことができる。ある実施形態では、サービス要件が、システム102から5G電気通信ネットワークを介して第1のディスプレイ装置110Aなどのディスプレイ装置に第1のメディアコンテンツを送信するためのものであることができる。
【0104】
504において、ネットワークリソース要求を送信することができる。ある実施形態では、仮想ネットワーク事業者402を、受け取ったサービス要件に基づいて、(5G電気通信ネットワークなどの)移動無線ネットワーク412に関連するインフラストラクチャプロバイダ404にネットワークリソース要求を送信するように構成することができる。ある実施形態では、仮想ネットワーク事業者402が、受け取ったサービス要件に対して分析を実行し、この分析に基づいてネットワークリソース要求を生成することができる。
【0105】
506において、ネットワークリソースを割り当てることができる。ある実施形態では、インフラストラクチャプロバイダ404を、サービス要件に従って、仮想ネットワーク406を形成して移動無線ネットワーク412(例えば、5G電気通信ネットワーク、例えば、通信ネットワーク108)のネットワークリソースを割り当てるように構成することができる。ネットワークリソースの割り当てについては、例えば図4においてさらに説明している。
【0106】
508において、第1の基地局408Aを決定することができる。ある実施形態では、形成された仮想ネットワーク406を、現在進行中の旅行の期間内に、記憶された一連のチャンクのうちの第1のチャンクの組を第1のディスプレイ装置110A上で再生できるようにメディアサーバ328からストリーミングするために、第1のディスプレイ装置110Aが接続できる移動無線ネットワーク412の第1の基地局408Aを決定するように構成することができる。一例として、仮想ネットワーク406は、仮想ネットワーク406に関連する複数の基地局の位置情報を記憶することができる。仮想ネットワーク406は、第1のディスプレイ装置110Aを使用できる第1の車両112Aの現在位置を受け取ることができる。ある実施形態では、第1の車両112Aの現在位置を第1のMPサーバ106Aから受け取ることができる。仮想ネットワーク406は、記憶された複数の基地局の位置情報及び受け取られた第1の車両112Aの現在位置に基づいて、第1のチャンクの組をストリーミングするために第1のディスプレイ装置110Aが現在接続できる第1の基地局408Aを決定するように構成することができる。
【0107】
510において、第2の基地局408Bを決定することができる。ある実施形態では、形成された仮想ネットワーク406を、現在進行中の旅行に関連する旅行ルート情報に基づいて、第1の基地局408Aからのハンドオーバ後に第1のディスプレイ装置110Aが接続する可能性が高いと考えられる(5G電気通信ネットワークなどの)移動無線ネットワーク412の第2の基地局408Bを決定するように構成することができる。ある実施形態では、仮想ネットワーク406が、システム102から現在進行中の旅行に関連する旅行ルート情報を受け取ることができる。仮想ネットワーク406は、記憶された複数の基地局の位置情報及び受け取られた旅行ルート情報に基づいて第2の基地局408Bを決定するように構成することができる。
【0108】
512において、第2のチャンクの組を送信することができる。ある実施形態では、ハンドオーバ前に、形成された仮想ネットワーク406を、記憶された一連のチャンクのうちの第2のチャンクの組を第2の基地局408Bに関連するエッジコンピュータ装置410に送信するように構成することができる。
【0109】
514において、第2のチャンクの組をキャッシュすることができる。ある実施形態では、ハンドオーバ前に、エッジコンピュータ装置410を、送信された第2のチャンクの組を受け取り、受け取った第2のチャンクの組をキャッシュするように構成することができる。
【0110】
516において、キャッシュされた第2のチャンクの組を送信することができる。ある実施形態では、ハンドオーバ後に、エッジコンピュータ装置410を、第1のディスプレイ装置110A上で第1のメディアコンテンツの一部を再生できるように、キャッシュされた第2のチャンクの組を第1のディスプレイ装置110Aに送信するように構成することができる。
【0111】
説明したように、エッジコンピュータ装置410は、次の基地局へのハンドオーバ前に(メディアストリームの第2のチャンクの組などの)第1のメディアコンテンツの一部を予測的にキャッシュすることができる。エッジコンピュータ装置410は、次の基地局へのハンドオーバ後に、第1のメディアコンテンツのキャッシュされた部分をディスプレイ装置(例えば、第1のディスプレイ装置110A)に送信することができる。従って、第1のメディアコンテンツの一部をエッジコンピュータ装置410において予測的にキャッシュすることにより、基地局間のハンドオーバ中に起こり得る通信障害を低減してメディアコンテンツの配信を最適化することができる。上述したプロセスは、現在進行中の旅行のアクティブな第1の行程の期間中に第1のディスプレイ装置110Aが接続する可能性が高いと考えられる他の基地局に第1のメディアコンテンツの他の部分を予めキャッシュするために繰り返すことができる。構成されたハンドオーバポリシー及びエッジコンピュータ装置410の使用により、現在進行中の旅行の期間内に使用されるいずれかのディスプレイ装置に第1のメディアコンテンツをシームレスにストリーミングすることができる。
【0112】
いくつかのシナリオでは、第1のメディアコンテンツ又は(一連のキャッシュされたメディアストリームのチャンクなどの)第1のメディアコンテンツの一部を第2の車両112B又は第2の車両112B内のディスプレイ装置(例えば、第2のディスプレイ装置110B)に記憶することができ、さらに第2の車両112Bが第1の車両112Aに物理的に近接していることができる。このような場合、第1のディスプレイ装置110A及び第2のディスプレイ装置110Bは、例えば(例えば、車車間(V2V)ネットワーク又は路車間(V2X)ネットワークなどの)モノのインターネット(IoT)ネットワークを介して互いの間に通信リンクを確立することができる。従って、第1のディスプレイ装置110Aは、第2の車両112B又は第2のディスプレイ装置110Bから、第1のメディアコンテンツ又は一連のキャッシュされたメディアストリームのチャンクを受け取ることができる。この方法は、(例えば、5Gセルラーネットワークにおける)ハンドオーバの場合、又はネットワーク帯域幅が欠如している場合に有用となり得る。同様に、第1のディスプレイ装置110Aは、(V2Vネットワーク又はV2Xネットワークなどの)IoTネットワークを通じて、第2の車両112B内の第2のディスプレイ装置110B上でキャッシュ又は以前にストリーミングされたことがある他のメディアコンテンツを受け取ることもできる。
【0113】
図6は、本開示の実施形態による、MaaS輸送ネットワークにおける装置を跨いだメディアコンテンツの再生制御のための例示的なシナリオを示す図である。図6の説明は、図1図2図3図4及び図5の要素に関連して行う。図6にはシナリオ600を示す。シナリオ600は、ユーザ114の現在進行中の旅行の表現602と、現在進行中の旅行のタイムライン604とを含むことができる。
【0114】
現在進行中の旅行は、出発地Aから開始して目的地Dで終了することができる。現在進行中の旅行は、(出発地Aと第1の中間地Bとの間の)第1の行程612、(第1の中間地Bと第2の中間地Cとの間の)第2の行程614、(第2の中間地Cと目的地Dとの間の)第3の行程616などの3つの行程に分割することができる。3つの行程は、MaaSネットワーク104に関連する少なくとも1つの輸送サービスプロバイダの複数の車両を通じてカバーすることができる。複数の車両は、タクシー606、列車608及びバイク610を含むことができる。
【0115】
回路202は、アクティブな第1の行程612の期間内に、タクシー606内で第1のディスプレイ装置110Aが使用されている間に第1のディスプレイ装置110A上に一連のメディアコンテンツ推奨を表示することができる。回路202は、アクティブな第1の行程612の期間内のいずれかの時点で、表示された一連のメディアコンテンツ推奨のうちの第1のメディアコンテンツ推奨のユーザ選択を受け取ることができる。その後、回路202は、第1のディスプレイ装置110A上の第1のメディアコンテンツ推奨に関連する第1のメディアコンテンツの再生を制御することができる。
【0116】
いくつかのシナリオでは、一連のメディアコンテンツ推奨が、アクティブな第1の行程612の開始前にユーザ114のディスプレイ装置116に記憶されていた又はディスプレイ装置116上でストリーミングされていたメディアコンテンツを含むことができる。アクティブな第1の行程612の開始前にメディアコンテンツがユーザ114のディスプレイ装置116上で特定のタイムスタンプまで再生されていた場合、回路202は、第1のディスプレイ装置110A上で同じタイムスタンプからメディアコンテンツの再生を再開するようユーザ114を促すように第1のディスプレイ装置110Aを制御することができる。別のシナリオでは、回路202が、たとえ第1のアクティブな行程612の開始前(例えば、ユーザ114がタクシー606を待っている間)、或いは(例えば、第1のアクティブな行程612の終了後にユーザ114が旅行の第2の行程の開始を待っている時などの)旅行の2つの行程の合間の期間内であっても、ディスプレイ装置116を一連のメディアコンテンツ推奨を表示するように制御することができる。回路202は、ユーザ114から受け取った第1のメディアコンテンツの選択に基づいて、ディスプレイ装置116上での第1のメディアコンテンツの再生を制御することができる。ディスプレイ装置116上での第1のメディアコンテンツの再生は、第1の行程612の開始時に特定のタイムスタンプにおいて一時停止することができ、回路202は、第1のメディアコンテンツの再生を、一時停止したタイムスタンプから第1のディスプレイ装置110A上で再開するように制御することができる。
【0117】
回路202は、現在進行中の旅行の期間内に、第1のメディアコンテンツの再生を一時停止することを必要とし得る第1のイベントを検出することができる。第1のイベントは、第1のメディアコンテンツの再生を一時停止するためのユーザ入力(例えば、第1のディスプレイ装置110A上での第1のオプション624の選択)を含むことができる。回路202は、第1のメディアコンテンツの全継続時間内に、検出された第1のイベントに基づいて第1のメディアコンテンツの再生を一時停止できる第1のタイムスタンプ618を決定することができる。第1のメディアコンテンツは一時停止され、回路202は、分散型台帳サブノード128(例えば、ドキュメントサブノード128C)上に第1のタイムスタンプ618を記録することができる。
【0118】
ある実施形態では、第1のディスプレイ装置110Aが画像取り込み装置を含むことができる。第1のディスプレイ装置110Aは、画像取り込み装置を使用して、ユーザ114が第1のディスプレイ装置110A上で第1のメディアコンテンツを視聴している間にユーザ114の複数の画像を取り込むことができる。第1のディスプレイ装置110Aは、視線推定技術を適用して、ユーザ114の複数の画像の各々におけるユーザ114の視線(LoS)の動きを追跡することができる。LoSは、基準位置に対するユーザ114の頭のポーズ及び目の向きを含むことができる。第1のディスプレイ装置110Aは、LoSの追跡に基づいて、いずれかの時点でユーザ114が第1のディスプレイ装置110Aの方を向いているか否かを判定することができる。いくつかのシナリオでは、第1のディスプレイ装置110Aが、基準位置に対するユーザ114の頭のポーズ及び目の向き、並びにユーザ114の複数の画像内のユーザ114の耳又は口の付近における携帯電話機の検出に基づいて、ユーザ114が通話中の可能性があることを検出することができる。第1のディスプレイ装置110Aは、LoSが第1のディスプレイ装置110Aから離れていることを判定した場合、又はユーザ114が通話中であることを検出した場合、第1のディスプレイ装置110A上での第1のメディアコンテンツの再生を自動的に一時停止することができる。いくつかのシナリオでは、第1のディスプレイ装置110Aが、ユーザ114のLoSが第1のディスプレイ装置110Aから離れていることを検出した時、又はユーザ114が通話中であることを検出した時に、ユーザ114が第1のメディアコンテンツの再生を手動で一時停止することを可能にする第1のオプション624を表示することができる。第1のメディアコンテンツは一時停止され、回路202は、分散型台帳サブノード128(例えば、ドキュメントサブノード128C)上に第1のタイムスタンプ618を記録することができる。
【0119】
他のシナリオでは、第1のディスプレイ装置110Aが、第1のメディアコンテンツをシーク(seek)するためのユーザ入力をユーザ114から受け取ることができる。例えば、このユーザ入力は、第1のメディアコンテンツの特定のセグメントを巻き戻し、先送りし、又はスキップする命令、或いは第1のメディアコンテンツ内の特定のタイムスタンプにナビゲートする命令を示すことができる。第1のディスプレイ装置110Aは、受け取ったユーザ入力に基づいて、第1のメディアコンテンツを新たなコンテンツ再生タイムスタンプにシークすることができる。これに応じて、回路202は、(移動後の)新たなコンテンツ再生タイムスタンプに対応するタイムスタンプを分散型台帳サブノード128(例えば、ドキュメントサブノード128C)上に第1のタイムスタンプ618として記録することができる。このようにして、メディアコンテンツの再生における中断タイプを好適にモニタすることができる。メディアコンテンツの再生の中断タイプの例としては、以下に限定するわけではないが、(例えば、ユーザが第1のディスプレイ装置110Aから目をそらしている時、又はユーザが通話中である時などの)ユーザの注意欠如に起因するメディアコンテンツ再生の自動停止又は手動停止、又はメディアコンテンツ再生の手動シークを挙げることができる。
【0120】
別の実施形態では、ブローカノード装置120が、MaaSネットワーク104の1又は2以上のトランザクションの失敗を判定して、1又は2以上のトランザクションの失敗原因を予測することができる。1又は2以上のトランザクションの失敗は、1又は2以上のトランザクションに関連するルートに対応する失敗を示すことができる。このような予測される失敗原因の例としては、例えば自然災害(例えば、地震、津波、サイクロン、嵐、洪水、火山の噴火)、災害(例えば、大きな交差点での事故、パンデミック/疫病)、又は交通の寸断(例えば、抗議行動/行進、イベント/祭りによる交通迂回、ピーク時の交通渋滞)を挙げることができる。ブローカノード装置120は、判定された1又は2以上のトランザクションの失敗及び予測される失敗原因に基づいて、1又は2以上のトランザクションに関連する代替ルートを決定することもできる。回路202は、予測される失敗原因及び決定された代替ルートに基づいて、第1のディスプレイ装置110Aをユーザ114にプロンプトを表示するように制御することができる。このプロンプトは、予測される失敗原因に起因して特定の時間内(例えば、数分内)に旅行の現在の行程が中断される可能性があることを示すことができる。プロンプトは、代替ルートの新たな行程上で旅行を継続できる旨を示すこともできる。このような場合、第1のディスプレイ装置110Aは、第1のメディアコンテンツの再生を自動停止するように、或いはユーザ114が第1のメディアコンテンツの再生を手動で一時停止するのを可能にするように構成することができる。この場合も、第1のメディアコンテンツは一時停止され、回路202は、分散型台帳サブノード128(例えば、ドキュメントサブノード128C)上に第1のタイムスタンプ618を記録することができる。
【0121】
ある実施形態では、旅行の第1の行程612の終了後であって第2の行程614の開始前(例えば、ユーザ114がタクシー606から降りて列車608を待っている時)に、ユーザ114のディスプレイ装置116上で第1のメディアコンテンツの再生を再開することができる。回路202は、分散型台帳サブノード128(例えば、ドキュメントサブノード128C)から第1のタイムスタンプ618を抽出し、抽出された第1のタイムスタンプ618から第1のメディアコンテンツの再生を再開するようにディスプレイ装置116を制御することができる。さらに、ディスプレイ装置116は、第2の行程614の開始前に(例えば、第2の行程614の開始前の所定の時点で)第1のメディアコンテンツの再生を自動停止し、或いはユーザ114が第1のメディアコンテンツの再生を手動で一時停止するのを可能にすることができる。回路202は、第1のメディアコンテンツの再生に関連する現在のタイムスタンプを分散型台帳サブノード128(例えば、ドキュメントサブノード128C)上に第1のタイムスタンプ618として記憶することができる。
【0122】
回路202は、旅行の第2の行程614の期間内に、列車608内で使用中の第2のディスプレイ装置110B上で第1のメディアコンテンツの再生を再開するように制御することができる。回路202は、第2の行程614の期間内のいずれかの時点で、第1のメディアコンテンツの再生を再開することを必要とし得る第2のイベントを検出することができる。第2のイベントは、(例えば、第2のディスプレイ装置110B上の第2のオプション626の選択を通じて)第1のメディアコンテンツの再生を再開するためのユーザ入力を含むことができる。回路202は、分散型台帳サブノード128(例えば、ドキュメントサブノード128C)から、記録された第1のタイムスタンプ618を検索することができる。この検索された第1のタイムスタンプ618から、第2のディスプレイ装置110B上で第1のメディアコンテンツの再生を再開することができる。或いは、回路202は、メディアコンテンツの再生を再開したいと望むことができる第1のメディアコンテンツ内のシーク位置を示すユーザ入力を提供するようユーザ114を促すように第2のディスプレイ装置110Bを制御することもできる。このシーク位置を示すユーザ入力に基づいて、第2のディスプレイ装置110Bで第1のメディアコンテンツの再生を再開することができる。
【0123】
別の実施形態では、回路202を、MaaSネットワーク104の第1の分散型台帳ノード(例えば、図7に示すような第1のMaaSノード)から、現在進行中の旅行に関連する旅行状況を受け取るように構成することができる。回路202は、受け取った旅行状況に基づいて、ユーザ114が現在進行中の旅行の第2の行程614をカバーするために(列車608などの)第2の車両112Bに乗っている可能性があることを示す第2のイベントを検出することができる。回路202は、検出された第2のイベントに基づいて、分散型台帳サブノード128(例えば、ドキュメントサブノード128C)から、記録された第1のタイムスタンプ618を検索することができる。この検索された第1のタイムスタンプ618から、第2のディスプレイ装置110B上で第1のメディアコンテンツの再生を再開するように制御することができる。
【0124】
回路202は、現在進行中の旅行のアクティブな第2の行程614の終了を示すことができる第3のイベントの決定に基づいて、第2のディスプレイ装置110B上での第1のメディアコンテンツの再生を一時停止するように制御することができる。回路202は、第1のメディアコンテンツの全継続時間内に、検出された第3のイベントに基づいて第1のメディアコンテンツの再生を一時停止できる第2のタイムスタンプ620を決定することができる。第1のメディアコンテンツの再生は一時停止され、回路202は、分散型台帳サブノード128(例えば、ドキュメントサブノード128C)上に第2のタイムスタンプ620を記録することができる。
【0125】
ある実施形態では、回路202が、現在進行中の旅行のアクティブな第2の行程614が終了しようとしている可能性がある旨の通知を表示するように第2のディスプレイ装置110Bを制御することができる。この結果、ユーザ114に列車608から降りるようにアラートを発することができる。
【0126】
回路202は、旅行の第3の行程616の期間内に、バイク610に関連するディスプレイ装置(例えば、第Nのディスプレイ装置110N)上での第1のメディアコンテンツの再生を制御することができる。図示のように、第3の行程616はバイク610を通じてカバーすることができる。このような事例では、第1のメディアコンテンツを見ることができない場合もある。回路202は、現在進行中の旅行の期間内に、第Nのディスプレイ装置110N上で第1のメディアコンテンツの再生を再開することを必要とし得る第4のイベントを検出することができる。第4のイベントは、例えば第1のメディアコンテンツに関連するオーディオコンテンツの再生を再開するためのユーザ入力を含むことができる。
【0127】
回路202は、分散型台帳サブノード128(例えば、ドキュメントサブノード128C)から、記録された第2のタイムスタンプ620を検索することができる。この検索された第2のタイムスタンプ620から、第Nのディスプレイ装置110N上で第1のメディアコンテンツ(すなわち、第1のメディアコンテンツのオーディオコンテンツ)の再生を再開することができる。オーディオコンテンツは、現在進行中の旅行のアクティブな第3の行程616全体を通じて再生することができる。回路202は、いずれかの時点で、現在進行中の旅行のアクティブな第3の行程616の終了又は旅行の終了を示す第5のイベントの決定に基づいて、第Nのディスプレイ装置110N上での第1のメディアコンテンツ(すなわち、第1のメディアコンテンツに関連するオーディオコンテンツ)の再生を一時停止するように制御することができる。別のシナリオでは、第5のイベントが、第1のメディアコンテンツ(すなわち、第1のメディアコンテンツに関連するオーディオコンテンツ)の再生の完了を示すことができる。ある実施形態では、オーディオコンテンツが第1のメディアコンテンツに関連しないことができる。このような場合、オーディオコンテンツは、例えばポッドキャスト、オーディオブック、音楽又は楽曲、又は別のビデオコンテンツのオーディオ部分であることができる。
【0128】
ある実施形態では、回路202が、バイク610に関連する第Nのディスプレイ装置110Nがオーディオコンテンツのみを再生できるとの判定に基づいて、ユーザ114のパーソナルコンピュータ装置(例えば、ディスプレイ装置116)上で第1のメディアコンテンツの再生を再開するためのユーザ入力をユーザ114から受け取ることができる。例えば、ディスプレイ装置116は、第1のメディアコンテンツのオーディオコンテンツ及びビデオコンテンツの両方を再生する能力を有することができる。回路202は、ディスプレイ装置116で再生を再開するための受け取られたユーザ入力に基づいて、記録された第2のタイムスタンプ620から第1のメディアコンテンツの再生を再開するようにディスプレイ装置116を制御することができる。従って、システム102は、MaaSネットワーク104内の装置を跨いだ第1のメディアコンテンツのシームレスな再生を可能にすることができる。
【0129】
ある実施形態では、回路202が、現在進行中の旅行のアクティブな第1の行程612の期間内における第1のディスプレイ装置110A上での第1のメディアコンテンツの再生に関連するメディアコンテンツ再生設定を受け取ることができる。メディアコンテンツ再生設定は、第1のディスプレイ装置110Aからユーザ入力を介して受け取ることができる。メディアコンテンツ再生設定の例としては、以下に限定するわけではないが、音量設定、表示設定及び再生速度を挙げることができる。回路202は、受け取ったメディアコンテンツ再生設定を分散型台帳サブノード128(例えば、ドキュメントサブノード128C及び/又はユーザサブノード128B)に記憶することができる。回路202は、別の行程(例えば、第2の行程614)の開始時又は期間内に、分散型台帳サブノード128(例えば、ドキュメントサブノード128C及び/又はユーザサブノード128B)からメディアコンテンツ再生設定を検索することができる。第1のメディアコンテンツが第2のディスプレイ装置110B上で再生される時に、検索されたメディアコンテンツ再生設定を第2のディスプレイ装置110Bで構成することができる。回路202は、構成されたメディアコンテンツ再生設定に従って第1のメディアコンテンツの再生を制御することができる。
【0130】
ある実施形態では、ユーザ114が現在進行中の旅行の特定の行程で乗ることができる車両が、車両の共通インフォテインメントシステムの一部であることができるディスプレイ装置を有することができる。例えば、第1のディスプレイ装置110Aは、タクシー606のインフォテインメントシステムの一部であることができる。タクシー606は、第1のディスプレイ装置110A以外の1又は2以上のディスプレイ装置を含むこともできる。いくつかの事例では、1又は2以上のディスプレイ装置が、タクシー606の同じインフォテインメントシステムの一部であることもできる。ユーザ114が優先購読モデル(priority subscription model)を通じて第1のメディアコンテンツを定期視聴している(例えば、第1のメディアコンテンツを提供できるコンテンツプロバイダのプレミアム会員である)場合、回路202は、タクシー606内に他のユーザが存在する場合にはユーザ114がその中でインフォテインメントシステムに優先的にアクセスすることを可能にすることができる。このような事例では、回路202が、第1のディスプレイ装置110A上での第1のメディアコンテンツの再生を制御できるとともに、インフォテインメントシステムの1又は2以上の機能を制御することができる。
【0131】
ある実施形態では、旅行又は旅行の特定の行程に関連するチケットが、旅行又は旅行の行程に関連するオーディオ/ビデオサービスへのアクセス権をユーザ114に与えることができるオファー、プロモーションスキーム又は祝祭的割引を含むことができる。このような場合、ユーザ114は、オーディオ/ビデオサービスの加入者であっても、又はそうでなくてもよい。オーディオ/ビデオサービスには、旅行又は旅行の行程に関連するチケットを予めバンドリングしておくことができる。これに応じて、回路202は、これらのオーディオ/ビデオサービス(例えば、映画、テレビシリーズ、又はオンライン/ウェブシリーズ)を、旅行又は旅行の行程の期間内に再生できる一連の推奨メディアコンテンツ内の1又は2以上のメディアコンテンツとして提供することができる。
【0132】
ある実施形態では、回路202が、現在進行中の旅行の期間内に使用できる複数のディスプレイ装置(例えば、第1のディスプレイ装置110A、第2のディスプレイ装置110B、第Nのディスプレイ装置110N、及びディスプレイ装置116)の各々の状態をモニタすることができる。回路202は、モニタされた各ディスプレイ装置の状態に基づいて、複数のディスプレイ装置のうちのあるディスプレイ装置が機能していないかどうかを示す第1のモニタリング情報を決定することができる。第1のモニタリング情報は、ディスプレイ装置が未使用である期間を示すこともできる。いくつかのシナリオでは、回路202が、第1のモニタリング情報に基づいて返金処理を行い、又はディスプレイ装置116を通じてオファーを提供することができる。この結果、ディスプレイ装置の使用を最適化し、ユーザの解約率を低減することができる。
【0133】
図6には、第2の行程614及び第3の行程616を単一の旅行の行程として示しているが、本開示の範囲はこのように限定しないこともできる。ある実施形態では、本開示の範囲から逸脱することなく、第2の行程614及び/又は第3の行程616が、第1の行程612に関連する旅行とは異なることができる(単複の)旅行の行程であることもできる。図6では、第1の行程612、第2の行程614及び第3の行程616を単一の旅行の連続する行程として示している。しかしながら、本開示はこのように限定しないこともでき、いくつかの実施形態では、本開示の範囲から逸脱することなく、第2の行程614が第1の行程612に続くいずれかの行程であり、第3の行程616が第2の行程614に続くいずれかの行程であることもできる。
【0134】
図7は、本開示の実施形態による、メディア使用に関連する支払い決済のためのMaaS輸送ネットワークの例示的な動作を示すシーケンス図である。図7の説明は、図1図2図3図4図5及び図6の要素に関連して行う。図7には、702~718の例示的な動作を示すシーケンス図700を示す。シーケンス図700に示す例示的な動作は702から開始することができ、図2のシステム102の回路202、MaaSネットワーク104、第1の輸送サービスプロバイダ720A、第2の輸送サービスプロバイダ720B、及びコンテンツ保有者722などのいずれかのコンピュータシステム、装置又はデバイスが実行することができる。
【0135】
702において、第1のメディア消費情報を収集することができる。ある実施形態では、回路202が、現在進行中の旅行の期間内に、第1のディスプレイ装置(例えば、第1のディスプレイ装置110A)及び第2のディスプレイ装置(例えば、第2のディスプレイ装置110B)上の第1のメディアコンテンツに関連する第1のメディア消費情報を収集することができる。第1のメディア消費情報は、以下に限定するわけではないが、ユーザ114が再生のために選択した第1のメディアコンテンツの(タイトルなどの)識別子、第1のメディアコンテンツの再生の継続時間、及び第1のメディアコンテンツがユーザ114によって視聴された回数を含むことができる。第1のメディア消費情報は、以下に限定するわけではないが、第1のメディアコンテンツを再生できる各ディスプレイ装置のタイプ及び装置仕様、並びに第1のメディアコンテンツの再生を一時停止及び再開できる回数をさらに含むことができる。
【0136】
704において、トランザクションメッセージを送信することができる。ある実施形態では、回路202が、収集された第1のメディア使用情報を含むことができるトランザクションメッセージをMaaSネットワーク104に送信することができる。
【0137】
706において、第1の分散型台帳ノードを更新することができる。ある実施形態では、MaaSネットワーク104が、送信されたトランザクションメッセージを受け取るように構成され、MaaSネットワーク104の第1の分散型台帳ノード(例えば、第2の分散型台帳126の第1のMaaSノード126A)上のレコードを更新することができる。レコードは、受け取ったトランザクションメッセージに基づいて第1の分散型台帳ノード(例えば、第1のMaaSノード126A)上のトランザクションを実行することによって更新することができる。更新されたレコードは、所与の期間内に第1のメディアコンテンツを視聴した可能性がある全てのユーザからの第1のメディアコンテンツに関連するメディア使用統計を集約することができる。
【0138】
708において、第1のスマートコントラクトを記憶することができる。ある実施形態では、MaaSネットワーク104が、第1の分散型台帳ノード(例えば、第1のMaaSノード126A)上に第1のスマートコントラクトを記憶することができる。第1のスマートコントラクトは、MaaSネットワーク104のプロバイダと、MaaSネットワーク104に関連する少なくとも1つの輸送サービスプロバイダ(例えば、第1の輸送サービスプロバイダ720A及び第2の輸送サービスプロバイダ720B)とが合意できる支払い決済ルールを記憶することができる。
【0139】
例えば、支払い決済ルールは、メディア使用統計に基づくスケジュールされた自動支払いルールを含むことができる。スケジュールされた自動支払いルールは、以下に限定するわけではないが、日払い、週払い、隔週払い、月払い、四半期払い又は年払いなどの異なる間隔の支払い決済スケジュールを含む構成可能な決済モデルに関連することができる。いくつかの事例では、このようなルールが、MaaSネットワーク104のプロバイダ及び少なくとも1つの輸送サービスプロバイダ(例えば、第1の輸送サービスプロバイダ720A及び第2の輸送サービスプロバイダ720B)の各々の収益のシェア(%シェア)を含むことができる。このようなシェアは、例えば各輸送サービスプロバイダの車両内でのメディア視聴の継続時間又は回数に基づいて決定することができる。
【0140】
メディア使用統計は、MaaSネットワーク104によって管理される1又は2以上の旅行の期間内におけるメディアコンテンツの使用についての支払いを決済するために使用することができる。このような支払いは、(単複の)輸送サービスプロバイダとMaaSネットワーク104のプロバイダとの間で決済することができる。MaaSネットワーク104のプロバイダは、MaaSネットワーク104に関連する異なる輸送サービスプロバイダとの間に所定の収益分配合意を有することができる。MaaSネットワーク104は、所定の収益分配合意に基づいて支払いを決済することができる。例えば、MaaSネットワーク104は、(視聴回数及び各視聴の継続時間に基づいて決定される)メディア使用収益の20%をMaaSネットワーク104のプロバイダに分配することができる。MaaSネットワーク104は、メディア使用収益の残りを異なる輸送サービスプロバイダ間で均等に分配することができる。或いは、MaaSネットワーク104は、メディア使用収益の残りを、各輸送サービスプロバイダにログ記録されたユーザの移動距離又は移動期間に比例できる比率で輸送サービスプロバイダ間で分配することもできる。或いは、MaaSネットワーク104は、メディア使用収益の残りを、特定の輸送サービスプロバイダについてのログ記録された総再生時間、特定の輸送サービスプロバイダについての記録された視聴回数、及び/又はそれぞれの輸送サービスプロバイダ上のメディアコンテンツに関連するコストに比例できる比率で輸送サービスプロバイダに分配することもできる。
【0141】
710において、記憶された第1のスマートコントラクトを実行することができる。ある実施形態では、MaaSネットワーク104が、第1の分散型台帳ノード(例えば、第1のMaaSノード126A)上の記憶された第1のスマートコントラクトを実行することができる。記憶された第1のスマートコントラクトの実行により、MaaSネットワーク104のプロバイダは、少なくとも1つの輸送サービスプロバイダ(例えば、第1の輸送サービスプロバイダ720A及び第2の輸送サービスプロバイダ720B)への支払い決済を開始することができる。
【0142】
712A及び712Bにおいて、支払いを決済することができる。ある実施形態では、MaaSネットワーク104を、少なくとも1つの輸送サービスプロバイダ(例えば、第1の輸送サービスプロバイダ720A及び第2の輸送サービスプロバイダ)との間で第1のメディアコンテンツの再生の支払いを決済するように構成することができる。MaaSネットワーク104は、第1のメディアコンテンツに関連する(706において)更新されたレコード、及びMaaSネットワーク104のプロバイダと少なくとも1つの輸送サービスプロバイダとが合意できる支払い決済ルールに基づいて、記憶された第1のスマートコントラクトを実行することによって支払いを決済することができる。
【0143】
714において、第2のスマートコントラクトを記憶することができる。ある実施形態では、MaaSネットワーク104が、第1の分散型台帳ノード(例えば、第2の分散型台帳126の第1のMaaSノード126A)上に第2のスマートコントラクトを記憶することができる。第2のスマートコントラクトは、MaaSネットワーク104のプロバイダ及び第1のメディアコンテンツのコンテンツ所有者(例えば、コンテンツ所有者722)によって合意されたロイヤリティ支払いルールを記憶することができる。ある実施形態では、ロイヤリティ支払いルールが、メディア使用統計に基づいてコンテンツ所有者722のロイヤリティ額を決定することができる。例えば、ロイヤリティ額は、一定期間内にMaaSネットワーク104上に記録できる、視聴当たりの価格(米国ドル単位)×第1のメディアコンテンツの総視聴回数として決定することができる。ある実施形態では、ロイヤリティ額を、総再生時間又は(ソーシャルメディアプラットフォーム上で第1のメディアコンテンツが話題に上った回数などの)相互作用回数などのエンゲージメントメトリクスにさらに基づいて決定することができる。
【0144】
716において、記憶された第2のスマートコントラクトを実行することができる。ある実施形態では、MaaSネットワーク104を、第1の分散型台帳ノード(例えば、第1のMaaSノード126A)上の記憶された第2のスマートコントラクトを実行するように構成することができる。記憶された第2のスマートコントラクトの実行により、MaaSネットワーク104のプロバイダは、第1のメディアコンテンツのコンテンツ所有者722への支払い決済を開始することができる。
【0145】
714において、ロイヤリティ支払いを決済することができる。ある実施形態では、MaaSネットワーク104が、第1のメディアコンテンツのコンテンツ所有者722との間で第1のメディアコンテンツの再生のロイヤリティ支払いを決済することができる。MaaSネットワーク104は、第1のメディアコンテンツに関連する更新されたレコードと、MaaSネットワーク104及びコンテンツ所有者722が合意できるロイヤリティ支払いルールとに基づいて、記憶された第2のスマートコントラクトを実行することによって支払いを決済することができる。
【0146】
本開示のシステム102は、スマートコントラクトの使用によるリアルタイムでの支払いの割り当て、分配及び/又は決済によって、メディアコンテンツの効果的な現金化を保証することができる。支払いは、輸送サービスプロバイダ及びMaaSネットワーク104のプロバイダへの消費ベースの支払い、又はメディアコンテンツのコンテンツ所有者へのロイヤリティ支払いを含むことができる。
【0147】
図8は、本開示の実施形態による、MaaS輸送ネットワークにおける装置を跨いだメディアコンテンツの再生制御のための例示的な方法を示すフローチャートである。図8の説明は、図1図2図3図4図5図6及び図7の要素に関連して行う。図8にはフローチャート800を示す。フローチャート800に示す方法は、システム102又は回路202などのいずれかのコンピュータシステムによって実行することができる。方法は、802から開始して804に進むことができる。
【0148】
804において、旅行詳細を受け取ることができる。1又は2以上の実施形態では、回路202を、MaaSネットワーク104からユーザ(例えば、ユーザ114)の現在進行中の旅行に関連する旅行詳細を受け取るように構成することができる。例えば、回路202は、MaaSネットワーク104の第1の分散型台帳ノード(例えば、第1のMaaSノード126A)からユーザ114の旅行詳細を受け取ることができる。旅行詳細の受け取りについては、例えば図3及び図7においてさらに説明している。
【0149】
806において、第1の車両を決定することができる。1又は2以上の実施形態では、例えば図3で説明したように、回路202を、現在進行中の旅行のアクティブな第1の行程を完了するようにユーザ114を設定できる第1の車両(例えば、第1の車両112A)を決定するように構成することができる。
【0150】
808において、一連のメディアコンテンツ推奨を生成することができる。1又は2以上の実施形態では、例えば図3で説明したように、回路202を、受け取った旅行詳細及びユーザ114に関連するメディア消費履歴に基づいて一連のメディアコンテンツ推奨を生成するように構成することができる。
【0151】
810において、第1のディスプレイ装置を制御することができる。1又は2以上の実施形態では、回路202を、生成された一連のメディアコンテンツ推奨を表示するように第1のディスプレイ装置(例えば、第1のディスプレイ装置110A)を制御するよう構成することができる。第1のディスプレイ装置110Aは、第1の車両112A内で使用することができる。生成された一連のメディアコンテンツ推奨を表示するための第1のディスプレイ装置110Aの制御については、例えば図3においてさらに説明している。
【0152】
812において、ユーザ選択を受け取ることができる。1又は2以上の実施形態では、回路202を、表示された一連のメディアコンテンツ推奨のうちの第1のメディアコンテンツ推奨のユーザ選択を受け取るように構成することができる。第1のメディアコンテンツ推奨は、第1のディスプレイ装置110A上での再生のために選択された第1のメディアコンテンツに関連することができる。
【0153】
814において、第1のメディアコンテンツの再生を制御することができる。1又は2以上の実施形態では、回路202を、第1のメディアコンテンツ推奨に関連する第1のメディアコンテンツの第1のディスプレイ装置110A上での再生を制御するように構成することができる。
【0154】
816において、第1のイベントを検出することができる。1又は2以上の実施形態では、回路202を、現在進行中の旅行の期間内に、第1のメディアコンテンツの再生を一時停止することを必要とし得る第1のイベントを検出するように構成することができる。第1のイベントの例としては、以下に限定するわけではないが、旅行のアクティブな第1の行程の完了、又は第1のメディアコンテンツの再生を一時停止するコマンドを示すことができるユーザ入力をユーザ114から受け取ることを挙げることができる。
【0155】
818において、第2の車両(例えば、第2の車両112B)内で使用中の第2のディスプレイ装置上で、現在進行中の旅行の第2の行程の期間内又はユーザ114の異なる旅行の期間内に第1のメディアコンテンツの再生を再開するように制御することができる。1又は2以上の実施形態では、回路202を、第2の車両112B内で使用中の第2のディスプレイ装置110B上で現在進行中の旅行の第2の行程の期間内又はユーザ114の異なる旅行の期間内に再開するように第1のメディアコンテンツの再生を制御するよう構成することができる。第1のメディアコンテンツの再生を第2のディスプレイ装置110B上で再開するように制御することについては、例えば図6でさらに説明している。制御は終了に進むことができる。
【0156】
フローチャート800は、802、804、806、808、810、812、814、816及び818などの離散的動作として示しているが、本開示はこのように限定されるものではない。従って、いくつかの実施形態では、開示する実施形態の本質を損なうことなく、このような離散的動作を特定の実装に応じてさらなる動作にさらに分割し、より少ない動作に組み合わせ、又は削除することができる。
【0157】
本開示の様々な実施形態は、機械及び/又はコンピュータが(システム102などの)システムを動作させるために実行可能な命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体及び/又は記憶媒体を提供することができる。これらの命令は、モビリティアズアサービス(MaaS)ネットワーク(例えば、MaaSネットワーク104)からユーザ(例えば、ユーザ114)の現在進行中の旅行に関連する旅行詳細を受け取ることを含む動作を機械及び/又はコンピュータに実行させることができる。動作は、現在進行中の旅行のアクティブな第1の行程を完了するようにユーザ114を設定できる第1の車両(例えば、第1の車両112A)を決定することをさらに含むことができる。動作は、受け取った旅行詳細及びユーザ114に関連するメディア消費履歴に基づいて一連のメディアコンテンツ推奨を生成することをさらに含むことができる。動作は、生成された一連のメディアコンテンツ推奨を表示するように第1のディスプレイ装置(例えば、第1のディスプレイ装置110A)を制御することをさらに含むことができる。第1のディスプレイ装置110Aは、アクティブな第1の行程の期間内に、決定された第1の車両112A内で使用することができる。動作は、表示された一連のメディアコンテンツ推奨のうちの第1のメディアコンテンツ推奨のユーザ選択を受け取ることをさらに含むことができる。動作は、第1のメディアコンテンツ推奨に関連する第1のメディアコンテンツの第1のディスプレイ装置110A上での再生を制御することをさらに含むことができる。動作は、現在進行中の旅行の期間内に、第1のメディアコンテンツの再生を一時停止することを必要とし得る第1のイベントを検出することをさらに含むことができる。動作は、第2の車両(例えば、第2の車両112B)内で使用中の第2のディスプレイ装置(例えば、第2のディスプレイ装置110B)上で、現在進行中の旅行の第2の行程の期間内又はユーザ114の別の旅行の期間内に第1のメディアコンテンツの再生を再開するように制御することをさらに含むことができる。
【0158】
本開示の例示的な態様は、(回路202などの)回路を含む(図1のシステム102などの)システムを提供することができる。回路は、(MaaSネットワーク104などの)モビリティアズアサービス(MaaS)ネットワークからユーザ(例えば、ユーザ114)の現在進行中の旅行に関連する旅行詳細を受け取るように構成することができる。回路202は、現在進行中の旅行のアクティブな第1の行程を完了するようにユーザ114を設定できる(第1の車両112Aなどの)第1の車両を決定するように構成することができる。回路202は、受け取った旅行詳細及びユーザ114に関連するメディア消費履歴に基づいて一連のメディアコンテンツ推奨を生成するように構成することができる。回路202は、生成された一連のメディアコンテンツ推奨を表示するように(第1のディスプレイ装置110Aなどの)第1のディスプレイ装置を制御するように構成することができる。第1のディスプレイ装置110Aは、アクティブな第1の行程の期間内に、決定された第1の車両112A内で使用することができる。回路202は、表示された一連のメディアコンテンツ推奨のうちの第1のメディアコンテンツ推奨のユーザ選択を受け取るように構成することができる。回路202は、第1のメディアコンテンツ推奨に関連する第1のメディアコンテンツの第1のディスプレイ装置110A上での再生を制御するように構成することができる。回路202は、現在進行中の旅行の期間内に、第1のメディアコンテンツの再生を一時停止することを必要とし得る第1のイベントを検出するように構成することができる。回路202は、(第2の車両112Bなどの)第2の車両内で使用中の(第2のディスプレイ装置110Bなどの)第2のディスプレイ装置上で、現在進行中の旅行の第2の行程の期間内又はユーザ114の別の旅行の期間内に第1のメディアコンテンツの再生を再開するように制御するように構成することができる。
【0159】
ある実施形態によれば、現在進行中の旅行は、MaaSネットワーク104に関連する少なくとも1つの輸送サービスプロバイダの(複数の車両112A、112B...112Nなどの)複数の車両を通じてカバーすべき行程に分割することができる。複数の車両112A、112B...112Nは、第1の車両112A及び第2の車両112Bを含むことができる。
【0160】
ある実施形態によれば、回路202は、ユーザ114に関連するコンテンツ選好を含むことができるユーザプロファイルと、第1のディスプレイ装置110Aに関連する装置仕様とを受け取るように構成することができる。ある実施形態によれば、一連のメディアコンテンツ推奨は、受け取られたユーザプロファイル及び装置仕様にさらに基づいて生成することができる。
【0161】
ある実施形態によれば、回路202は、メディアコンテンツ推奨タスクに基づいて訓練されたコンテキストアウェア推奨モデルのための入力特徴を構築するように構成することができる。入力特徴は、受け取った旅行詳細、メディア消費履歴、受け取ったユーザプロファイル、及び装置仕様のうちの1つ又は2つ以上に基づいて構築することができる。回路202は、構築された入力特徴をコンテキストアウェア推奨モデルに入力し、入力特徴に対するコンテキストアウェア推奨モデルの出力として一連の推奨を生成するようにさらに構成することができる。
【0162】
ある実施形態によれば、回路202は、検出された第1のイベントに基づいて、第1のディスプレイ装置110A上での第1のメディアコンテンツの再生を一時停止し、現在進行中の旅行の第2の行程において第2のディスプレイ装置110B上で再生を再開する第1のオプションを表示するように第1のディスプレイ装置110Aを制御するよう構成することができる。回路202は、表示された第1のオプションの選択を含む第1のユーザ入力を受け取るように構成することができる。第1のメディアコンテンツの再生は、受け取られた第1の入力にさらに基づいて第2のディスプレイ装置110B上で再開するように制御することができる。
【0163】
ある実施形態によれば、第1のディスプレイ装置110A及び第2のディスプレイ装置110Bの各々は、それぞれ第1の車両112A及び第2の車両112Bのダッシュボードディスプレイ、それぞれ第1の車両112A及び第2の車両112Bの後部座席用娯楽装置、それぞれ第1の車両112A及び第2の車両112Bのヘッドレストディスプレイ、又はユーザ114のパーソナルモバイル装置(例えば、ディスプレイ装置116)のいずれかであることができる。
【0164】
ある実施形態によれば、回路202は、第2の車両112Bが車載ディスプレイを有していない可能性があるとの判定に基づいて、第1のメディアコンテンツの再生を再開する第2のオプションを表示するように第2のディスプレイ装置110Bを制御するよう構成することができる。第2のディスプレイ装置110Bは、ユーザ114のパーソナルモバイル装置(例えば、ディスプレイ装置116)であることができる。回路202は、第2のオプションの選択を含む第2のユーザ入力を受け取るようにさらに構成することができる。第1のメディアコンテンツの再生は、受け取られた第2の入力にさらに基づいて第2のディスプレイ装置110B上で再開するように制御することができる。
【0165】
ある実施形態によれば、回路202は、検出された第1のイベントが現在進行中の旅行の第1のアクティブな行程の終了を示している可能性があるとの判定に基づいて、第1のディスプレイ装置110Aでの第1のメディアコンテンツの再生を一時停止するように制御するよう構成することができる。
【0166】
ある実施形態によれば、回路202は、第1のメディアコンテンツの全継続時間内に、検出されたイベントに基づいて第1のメディアコンテンツの再生を一時停止できるタイムスタンプを決定するように構成することができる。回路202は、タイムスタンプをデータベース(例えば、分散型台帳サブノード128(例えば、ドキュメントサブノード128C))上に記録するようにさらに構成することができる。
【0167】
ある実施形態によれば、第1のメディアコンテンツの再生は、記録されたタイムスタンプから第2のディスプレイ装置110B上で再開するように制御することができる。
【0168】
ある実施形態によれば、回路202は、MaaSネットワーク104の第1の分散型台帳ノード(例えば、第1のMaaSノード126A)から現在進行中の旅行に関連する旅行状況を受け取るように構成することができる。回路202は、受け取った旅行状況に基づいて、ユーザ114が現在進行中の旅行の第2の行程をカバーするために第2の車両112Bに乗っている可能性があることを示す第2のイベントを検出するように構成することができる。回路202は、検出された第2のイベントに基づいて、分散型台帳サブノード128(例えば、ドキュメントサブノード128C)から、記録されたタイムスタンプを検索するようにさらに構成することができる。この検索されたタイムスタンプから、第2のディスプレイ装置110B上で第1のメディアコンテンツの再生を再開するように制御することができる。
【0169】
ある実施形態によれば、回路202は、第1のディスプレイ装置110Aの装置仕様に基づいて、第1のメディアコンテンツを含むトランスポートストリームを生成するように構成することができる。回路202は、生成されたトランスポートストリームの一連のチャンクを生成するようにさらに構成することができる。生成された一連のチャンクの各チャンクは、生成された一連のチャンクの他のチャンクと重複しないことができる。回路202は、生成された一連のチャンクをメディアサーバに記憶するように構成することができる。
【0170】
ある実施形態によれば、回路202は、サービス品質(QoS)要件と一連のモビリティネットワーク管理機能とを含むサービス要件を仮想ネットワーク事業者(例えば、仮想ネットワーク事業者402)に送信するように構成することができる。仮想ネットワーク事業者402は、送信されたサービス要件を受け取り、受け取ったサービス要件に基づいて、移動無線ネットワーク(例えば、通信ネットワーク108)に関連するインフラストラクチャプロバイダ(例えば、インフラストラクチャプロバイダ404)にネットワークリソース要求を送信することができる。
【0171】
ある実施形態によれば、インフラストラクチャプロバイダ404は、サービス要件に従って仮想ネットワーク(例えば、仮想ネットワーク406)を形成して移動無線ネットワーク(例えば、通信ネットワーク108)のネットワークリソースを割り当てることができる。
【0172】
ある実施形態によれば、形成された仮想ネットワーク406は、現在進行中の旅行の期間内に、メディアサーバ上の記憶された一連のチャンクのうちの第1のチャンクの組を第1のディスプレイ装置110A上で再生できるようにストリーミングするために、第1のディスプレイ装置110Aが接続できる移動無線ネットワーク(例えば、通信ネットワーク108)の第1の基地局(例えば、第1の基地局408A)を決定することができる。形成された仮想ネットワーク406は、現在進行中の旅行に関連する旅行ルート情報に基づいて、第1の基地局408Aからのハンドオーバ後に第1のディスプレイ装置110Aが接続する可能性が高いと考えられる移動無線ネットワーク(例えば、通信ネットワーク108)の第2の基地局(例えば、第2の基地局408B)を決定することができる。形成された仮想ネットワーク406は、ハンドオーバ前に、記憶された一連のチャンクのうちの第2のチャンクの組を第2の基地局408Bに関連するエッジコンピュータ装置(例えば、エッジコンピュータ装置410)に送信することができる。
【0173】
ある実施形態によれば、エッジコンピュータ装置410は、ハンドオーバ前に、送信された第2のチャンクの組を受け取ってキャッシュすることができる。エッジコンピュータ装置410は、ハンドオーバ後に、第1のメディアコンテンツの一部を第1のディスプレイ装置110A上で再生できるように、キャッシュされた第2のチャンクの組を第1のディスプレイ装置に送信することができる。
【0174】
ある実施形態によれば、回路202は、現在進行中の旅行の期間内に、第1のディスプレイ装置110A及び第2のディスプレイ装置110B上の第1のメディアコンテンツに関連する第1のメディア消費情報を収集するように構成することができる。回路202は、収集された第1のメディア使用情報を含むトランザクションメッセージをMaaSネットワーク104に送信するようにさらに構成することができる。MaaSネットワーク104は、送信されたトランザクションメッセージを受け取り、MaaSネットワーク104の第1の分散型台帳ノード(例えば、第1のMaaSノード126A)上のレコードを更新するように構成することができる。レコードは、受け取ったトランザクションメッセージに基づいて第1の分散型台帳ノード(例えば、第1のMaaSノード126A)上のトランザクションを実行することによって更新することができる。更新されたレコードは、第1のメディアコンテンツを視聴した可能性がある全てのユーザからの第1のメディアコンテンツに関連するメディア使用統計を集約することができる。
【0175】
ある実施形態によれば、MaaSネットワーク104は、MaaSネットワーク104のプロバイダ及びMaaSネットワーク104に関連する少なくとも1つの輸送サービスプロバイダ(例えば、第1の輸送サービスプロバイダ720A及び第2の輸送サービスプロバイダ720B)によって合意された支払い決済ルールを記憶できる第1のスマートコントラクトを記憶することができる。MaaSネットワーク104は、第1のメディアコンテンツに関連する更新されたレコードに基づいて、記憶された第1のスマートコントラクトを実行してMaaSネットワーク104のプロバイダ及び少なくとも1つの輸送サービスプロバイダ(例えば、第1の輸送サービスプロバイダ720A及び第2の輸送サービスプロバイダ720B)との間で支払いを決済することができる。
【0176】
ある実施形態によれば、MaaSネットワーク104は、MaaSネットワーク104のプロバイダと第1のメディアコンテンツのコンテンツ所有者(例えば、コンテンツ所有者722)とによって合意されたロイヤリティ支払いルールを記憶できる第2のスマートコントラクトを記憶することができる。MaaSネットワーク104は、第1のメディアコンテンツに関連する更新されたレコードに基づいて、記憶された第2のスマートコントラクトを実行してコンテンツ所有者722との間でロイヤリティ支払いを決済することができる。
【0177】
本開示は、ハードウェアで実現することも、又はハードウェアとソフトウェアとの組み合わせで実現することもできる。本開示は、少なくとも1つのコンピュータシステム内で集中方式で実現することも、又は異なる要素を複数の相互接続されたコンピュータシステムにわたって分散できる分散方式で実現することもできる。本明細書で説明した方法を実行するように適合されたコンピュータシステム又はその他の装置が適することができる。ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせは、ロードされて実行された時に本明細書で説明した方法を実行するようにコンピュータシステムを制御することができるコンピュータプログラムを含む汎用コンピュータシステムとすることができる。本開示は、他の機能も実行する集積回路の一部を含むハードウェアで実現することができる。
【0178】
本開示は、本明細書で説明した方法の実装を可能にする全ての特徴を含み、コンピュータシステムにロードされた時にこれらの方法を実行できるコンピュータプログラム製品に組み込むこともできる。本文脈におけるコンピュータプログラムとは、情報処理能力を有するシステムに特定の機能を直接的に、或いはa)別の言語、コード又は表記法への変換、b)異なる内容形態での複製、のいずれか又は両方を行った後に実行させるように意図された命令セットの、あらゆる言語、コード又は表記法におけるあらゆる表現を意味する。
【0179】
いくつかの実施形態を参照しながら本開示を説明したが、当業者であれば、本開示の範囲から逸脱することなく様々な変更を行うことができ、同等物を代用することもできると理解するであろう。また、本開示の範囲から逸脱することなく、特定の状況又は内容を本開示の教示に適合させるように多くの修正を行うこともできる。従って、本開示は、開示した特定の実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲内に収まる全ての実施形態を含むように意図される。
【符号の説明】
【0180】
110A 第1のディスプレイ装置
110B 第2のディスプレイ装置
110N 第Nのディスプレイ装置
600 シナリオ
602 旅行の表現
604 タイムライン
606 タクシー
608 列車
610 バイク
612 第1の行程
614 第2の行程
616 第3の行程
618 第1のタイムスタンプ
620 第2のタイムスタンプ
622 ?
624 第1のオプション
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】