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特表2023-549689歯科治療システムのためのマジックミラーディスプレイ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-29
(54)【発明の名称】歯科治療システムのためのマジックミラーディスプレイ
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/14 20060101AFI20231121BHJP
   A61B 6/08 20060101ALI20231121BHJP
   A61B 6/03 20060101ALI20231121BHJP
   G16H 30/00 20180101ALI20231121BHJP
   A61B 6/00 20060101ALI20231121BHJP
【FI】
A61B6/14 300
A61B6/08 330
A61B6/03 333A
G16H30/00
A61B6/14 310
A61B6/00 390C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526128
(86)(22)【出願日】2021-11-02
(85)【翻訳文提出日】2023-04-27
(86)【国際出願番号】 EP2021080333
(87)【国際公開番号】W WO2022096433
(87)【国際公開日】2022-05-12
(31)【優先権主張番号】17/088,281
(32)【優先日】2020-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509353665
【氏名又は名称】パロデックス グループ オイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ポッラリ、ミカ
(72)【発明者】
【氏名】アルホンノロ、トゥオマス
(72)【発明者】
【氏名】インキライネン、ヴィッレ
(72)【発明者】
【氏名】ランタラ、マーリア
(72)【発明者】
【氏名】ハルハネン、ラウリ
(72)【発明者】
【氏名】サヴォライネン、ヨルマ
(72)【発明者】
【氏名】メッツォ、アリ
【テーマコード(参考)】
4C093
5L099
【Fターム(参考)】
4C093AA12
4C093AA22
4C093CA15
4C093CA18
4C093DA05
4C093EE15
4C093EE16
4C093FA35
4C093FA36
4C093FA45
4C093FA53
4C093FA54
4C093FA55
4C093FB02
4C093FB20
5L099AA26
(57)【要約】
歯科用X線画像取得のための患者自己位置決めのためのマジックミラーディスプレイを利用するシステム及び方法。システムは、患者の画像をキャプチャするように構成されたカメラと、ディスプレイと、患者の場所とディスプレイとの間に位置決めされるマジックミラーと、電子プロセッサと、を含む。電子プロセッサは、ユーザ入力に基づいて、ディスプレイの動作モードを選択するように構成されており、選択された動作モードに基づいて、ディスプレイ上に少なくとも1つの画像を表示する。方法は、カメラから画像データを受信することと、画像データにおける患者の少なくとも1つの顔特徴を識別することと、患者の顔が、少なくとも1つの顔特徴に基づいて、少なくとも1つの解剖学的平面と位置合わせされているかどうかを判定することと、患者の顔の判定された位置合わせに基づいて、ディスプレイ上に少なくとも1つの移動ガイドを表示することと、を含む。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯科用X線画像取得システムであって、
患者の画像をキャプチャするように構成された少なくとも1つのカメラと、
画像を表示するように構成されたディスプレイと、
患者の場所と前記ディスプレイとの間に位置決めされるマジックミラーと、
前記カメラ及び前記ディスプレイに結合された電子プロセッサと、を備え、前記電子プロセッサが、前記ディスプレイ及び前記カメラを制御するように構成されている、歯科用X線画像取得システム。
【請求項2】
前記マジックミラーが、前記カメラと前記患者との間にも位置決めされる、請求項1に記載の歯科用X線画像取得システム。
【請求項3】
前記カメラが、前記ディスプレイの構成要素である、請求項1に記載の歯科用X線画像取得システム。
【請求項4】
前記カメラが、三次元カメラである、請求項1に記載の歯科用X線画像取得システム。
【請求項5】
歯科用X線画像取得システムであって、
患者の画像をキャプチャするように構成された少なくとも1つのカメラと、
ディスプレイと、
患者の場所と前記ディスプレイとの間に位置決めされるマジックミラーと、
前記カメラ及び前記ディスプレイに結合された電子プロセッサと、を備え、前記電子プロセッサが、
ユーザ入力に基づいて、前記ディスプレイの動作モードを選択し、かつ
前記選択された動作モードに基づいて、前記ディスプレイ上に少なくとも1つの画像を表示させるように構成されている、システム。
【請求項6】
前記動作モードが、ミラーモード、拡張モード、ライトモード、及びモニタモードからなる動作モードの群から選択される動作モードである、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記ミラーモードが、低強度の暗い背景画像を表示する前記ディスプレイからなる、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記拡張モードが、前記ディスプレイの第1の部分に、低強度の暗い背景画像を表示し、前記ディスプレイの第2の部分に、少なくとも1つの他の画像を表示する前記ディスプレイからなる、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記ディスプレイ上に表示される前記少なくとも1つの他の画像が、前記患者のための位置決めガイドである、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記位置決めガイドが、前記患者のための少なくとも1つの移動ガイドを図示する、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記移動ガイドが、前記患者のための移動方向を図示する、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記移動ガイドが、少なくとも1つの解剖学的平面に対して前記患者の頭部の位置合わせを図示する、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記移動ガイドが、2つ以上の解剖学的平面に対して前記患者の前記頭部の位置合わせを図示する、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記患者の前記頭部が前記少なくとも1つの解剖学的平面と位置合わせされたときに、前記移動ガイドのグラフィカル要素が変更される、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
X線画像取得のために患者を位置決めするための方法であって、
電子プロセッサで、少なくとも1つのカメラから画像データを受信することと、
前記電子プロセッサで、前記画像データにおける前記患者の少なくとも1つの顔特徴を識別することと、
前記電子プロセッサで、前記患者の顔が、前記少なくとも1つの顔特徴に基づいて、少なくとも1つの解剖学的平面と位置合わせされているかどうかを判定することと、
前記電子プロセッサで、前記患者の前記顔の前記判定された位置合わせに基づいて、ディスプレイ上に少なくとも1つの移動ガイドを表示することと、を含む、方法。
【請求項16】
前記移動ガイドは、前記患者の前記顔が前記少なくとも1つの解剖学的平面と位置合わせされているというインジケータを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記電子プロセッサで、画像取得の持続時間にわたって現在の位置を維持するように、前記患者に指示する進行状況インジケータを表示することを更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記移動ガイドは、前記患者の前記顔が前記少なくとも1つの解剖学的平面と位置合わせされていないというインジケータを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
少なくとも1つの軸が、前記少なくとも1つの顔特徴を使用して検出される、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記患者の前記顔の現在の配向が、前記少なくとも1つの軸を使用して判定される、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科治療システムのためのマジックミラーディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの歯科手順は、患者の歯がカメラ又は他の画像取得デバイス、例えば、X線又は光学スキャナ又はカメラによって画像化されることを伴う。撮像は、画像の発生をもたらす。使用される画像取得デバイスのタイプ及び実行される手順に応じて、患者は、X線画像取得中に、治療テーブル上に立っているか、座っているか、又は横になっていてもよい。
【0003】
X線画像の取得手順は、完了するのが困難であり得る。多くの場合、患者の正確かつ静止した位置決めは、関心のある解剖学的領域の高品質かつ正確な画像をキャプチャするために必要である。患者の移動は、関心の所望の解剖学的領域以外のエリアの画像をキャプチャすることにつながり得る。患者の移動は、画質の低下につながる可能性がある。振動、揺動、会話、又は他の患者の移動は、ぼやけた画像又は他の低品質の画像につながる可能性がある。場合によっては、患者は、恐怖するか、興奮するか、又は疲労する可能性がある。患者は、前後に移動してもよいか、所望の患者位置から移動してもよいか、又はX線画像取得が完了するのに十分長い所望の位置を保持していなくてもよい。場合によっては、患者は、孤立していると感じ、取得の画像又は患者の位置に関して、歯科医又は歯科技師から不十分なフィードバックを受けていると感じる場合がある。したがって、歯科医師又は歯科技工士は、しばしば患者を正確に位置決めしようとしなければならず、同時に、X線画像取得が行われている間、患者の不安及び人間のコミュニケーションに対する欲求を管理しなければならない。
【発明の概要】
【0004】
したがって、適切なX線画像取得のために患者の位置決めを支援するためのシステムが必要である。患者を適切に位置決めし、X線画像取得手順全体を通して適切な位置を維持することを補助することにより、より良好な画像品質及び位置決め誤差の少ない画像アーチファクトを有する画像を生成することができる。より良好な画像は、より速く、より正確な治療計画をもたらし、繰り返される画像取得の必要性を低減し、歯科施設のX線画像取得効率及びスループットを向上させる。
【0005】
とりわけ、本明細書に記載の実施形態システムは、経験の浅いシステムオペレータ、例えば、歯科X線画像取得システムの動作について十分に訓練されていない場合がある新しい歯科技師のために修正するのに役立つ。患者に自己位置誘導を提供することにより、高品質の画像を取得する要因として、オペレータの経験不足を軽減する。
【0006】
患者の満足度も高まる。いくつかの実施形態では、患者は、X線画像取得のための自己位置決めにおいて積極的な役割を有する。自己位置決めは、撮像手順中により緩和され、係合された患者をもたらしてもよく、これは、手順中に生成された画像における患者誘発エラーを減少させる。加えて、いくつかの実施形態は、特定の患者のニーズに対応するために、患者固有のワークフローを提供する。一例では、視力又は聴力が悪い患者には、画像取得手順の自己位置決めを補助するために、より大きなグラフィック又はより多くのテキストが提供される。別の例では、1つの言語のみを話す患者には、患者とのコミュニケーションをより容易にするための母国語での指示が提供される。
【0007】
一実施形態は、歯科X線画像取得システムを提供する。システムは、患者の画像をキャプチャするように構成された少なくとも1つのカメラと、画像を表示するように構成されたディスプレイと、患者の場所とディスプレイとの間に位置決めされるマジックミラーと、カメラ及びディスプレイに結合された電子プロセッサと、を含み、電子プロセッサは、ディスプレイ及びカメラを制御するように構成されている。
【0008】
別の実施形態は、歯科X線画像取得システムを提供する。システムは、患者の画像をキャプチャするように構成されたカメラと、ディスプレイと、患者の場所とディスプレイとの間に位置決めされるマジックミラーと、カメラ及びディスプレイに結合された電子プロセッサと、を含み、電子プロセッサは、ユーザ入力に基づいて、ディスプレイの動作モードを選択し、かつ選択された動作モードに基づいて、ディスプレイ上に少なくとも1つの画像を表示するように構成されている。
【0009】
更なる実施形態は、X線画像取得のために患者を位置決めするための方法を提供する。方法は、電子プロセッサで、カメラから画像データを受信すること、電子プロセッサで、画像データにおける患者の少なくとも1つの顔特徴を識別すること、電子プロセッサで、患者の顔が少なくとも1つの顔特徴に基づいて、少なくとも1つの解剖学的平面と位置合わせされているかどうかを判定すること、及び電子プロセッサで、患者の顔の判定された位置合わせに基づいて、ディスプレイ上に少なくとも1つの移動ガイドを表示することを含む。
【0010】
添付の図は、同様の参照番号が、以下の詳細な説明とともに、別個の図を通して同一の又は機能的に類似した要素を指し、本明細書に組み込まれ、その一部を形成し、特許請求される発明を含む概念の実施形態を更に例証し、それらの実施形態の様々な原理及び利点を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1A】一実施形態による、患者を撮像するためのシステムを図示する。
図1B】一実施形態による、X線撮像システムを図示する。
図1C】一実施形態による、X線撮像システムを図示する。
図2】一実施形態による、ディスプレイ装置を図示する。
図3A】一実施形態による、患者の画像上にオーバーレイされた中間矢状ガイドラインを含む位置決めガイドを図示する。
図3B】一実施形態による、患者の画像上にオーバーレイされた中間矢状ガイドライン、及び移動ガイドを含む位置決めガイドを図示する。
図4A】一実施形態による、位置決めガイドの第1の例を図示する。
図4B】一実施形態による、位置決めガイドの第2の例を図示する。
図4C】一実施形態による、位置決めガイドの第3の例を図示する。
図5】一実施形態による、進行状況インジケータ及び位置決めガイドを図示する。
図6】一実施形態による、X線画像取得のための患者の位置決め方法を示すフローチャートである。
【0012】
装置及び方法構成要素は、該当する場合、本明細書の説明の利益を有する当業者に容易に明らかになる詳細によって本開示を不明瞭にしないように、本発明の実施形態を理解することに関するそれらの特定の詳細のみを示す図面において、従来の符号によって表されている。
【発明を実施するための形態】
【0013】
説明を容易にするために、本明細書に提示される例示的なシステムのいくつか又は全ては、その構成要素の各々の単一の例で図示されている。いくつかの例では、システムの全ての構成要素を説明又は図示していない場合がある。他の例示的な実施形態は、図示された構成要素の各々の多く若しくは少ないものを含んでもよいか、いくつかの構成要素を組み合わせてもよいか、又は追加若しくは代替の構成要素を含んでもよい。
【0014】
図1は、一実施形態による、患者の場所P1に位置する患者105を撮像するためのシステム100を図示する。システム100は、少なくとも1つのカメラ110と、マジックミラー115と、ディスプレイ120と、を含む。マジックミラー115は、患者の場所P1とディスプレイ120との間に位置決めされる。システム100はまた、電子プロセッサ125、非一時的なコンピュータ可読メモリ130、及びヒューマンマシンインターフェース135を含む。その名前が示すように、マジックミラー115は、一方の側で反射し、他方で透明に見える。以下でより詳細に説明されるように、一方向伝送の知覚は、ミラーの一方の側が明るく点灯し、他方が暗いときに達成される。これにより、暗い側からは見ることができるが、明るい側からは見ることができない。
【0015】
いくつかの実施形態では、患者105を撮像するためのシステム100は、X線撮像システムに結合されているか、又は別様にX線撮像システムで実装されている。X線撮像システム140の例は、図1B及び図1Cに図示される。X線撮像システム140は、例えば、フレーム又は地表面から垂直に延在するカラム145を含む。いくつかの実施形態では、カラム145は、(例えば、伸縮式で)垂直に調節可能である。
【0016】
X線撮像システム140は、カラム145の上端で概してカラム145に回転可能に結合されるか、又はカラム145上の特定の点で固定され得る上部棚150(例えば、アーム又は上部支持部材)を更に含む。例示された実施形態では、上部棚150は、カラム145に垂直(例えば、水平)である方向に沿って配向されている。他の実施形態では、X線撮像システム140は、カラムに結合されたハウジングを含み、上部棚は、代わりにハウジングに回転可能に結合される。
【0017】
図1B及び図1Cを引き続き参照すると、X線撮像システム140は、上部棚150に結合されている回転部分155(例えば、アーム又はガントリアーム)を更に含む。図示される回転部分155は、概してC字形であるが、他の実施形態は、他の形状を含む。回転部分155は、回転部分155の一端にX線源160(図1Bに概略的に図示される)と、回転部分155の反対側の端に検出器ユニット165(図1B及び図1Cの両方に概略的に図示される)とを含み、それにより、これらの間に患者105の頭部を位置決めして、パノラマ画像、コンピュータ断層撮影、又は頭部測定画像を生成する(例えば、これらのためのデータを提供する)ことができる。例えば、図1Bは、パノラマ又はコンピュータ断層撮影撮像の例を示し、図1Cは、頭部計測撮像の例を図示する。
【0018】
いくつかの実施形態では、X線撮像システム140は、カラム145に結合された(例えば、回転結合された)少なくとも1つの頭部測定アーム170を更に含む。頭部測定アーム170は、頭部測定撮像に使用するための第2のX線源175を有する遠位端を有する。図1Cに図示するように、回転部155は、第2のX線源175が作動されると、X線ビームがコリメータ180を通して検出器ユニット165に送信されるように、コリメータ180を含む。2つのX線源(X線源160及びX線源175)が存在するいくつかの実施形態では、上部棚150は、回転部分155を介して任意選択で枢動してもよいが、上部棚150が枢動することができる必要はなく、代わりに、上部棚150は、固定された場所にあってもよい。他の実施形態では、2つのX線源は使用されない。これらの実施形態では、X線源160は、例えば、CT、パノラマ撮像、及び頭部計測撮像のために使用される。いくつかの実施形態では、X線源160から収集されたCT画像データは、頭部計測画像を合成するために使用されてもよい。
【0019】
図1B及び図1Cを引き続き参照すると、図示された実施形態では、X線撮像システム140は、カラム145に結合された下部棚185を更に含む。いくつかの実施形態では、下部棚185は、カラム145に固定されているが、他の実施形態では、下部棚は、カラム145に回転的に結合されている。下部棚185は、患者105の頭部(例えば、顎)に追加された支持を提供する。他の実施形態は、下部棚を含まないか、又は図示されたもの以外の下部棚を含まない。
【0020】
図示されていないが、いくつかの実施形態では、X線撮像システム140は、頭部計測画像撮像中に患者の頭部を支持するための更なる患者支持構造(例えば、耳又は鼻支持体)を有する追加のアーム若しくはアーム(複数)を含み、かつ/又は患者がパノラマ、コンピュータ断層撮影、又は頭部計測画像撮像のうちの1つ以上の間に(立っているのとは対照的に)座っていてもよいように椅子を含む。
【0021】
図1B及び図1Cを引き続き参照すると、カメラ110、マジックミラー115、及びディスプレイ120のうちの少なくとも1つは、カラム145又はX線撮像システム140の別の構成要素(例えば、上部棚150又は回転部分155)に結合される(例えば、剛性的に取り付けられるか、又は回転的に結合される)。図示された実施形態では、(概略的に図示され、カメラ110を含む)ディスプレイ120は、カラム145に固定されている。マジックミラー115(概略的にも示される)は、ディスプレイがカラム145の外側とマジックミラー115との間に位置決めされるように、ディスプレイ120の前の所定の位置に固定される。いくつかの実施形態では、ファスナ又は他の構造体を使用して、ディスプレイ120及び/又はマジックミラー115を所定の位置に固定する。いくつかの実施形態では、ディスプレイ120及び/又はマジックミラー115は、カラム145自体に統合されている。更に他の実施形態では、ディスプレイ及び/又はマジックミラー115は、カラム145から離隔されている。例えば、いくつかの実施形態では、ディスプレイ120及び/又はマジックミラー115は、カラム145から離隔され、カラム145と同様のフレーム又は接地面から延在する独自の別個のカラムに結合される。
【0022】
使用中、及び以下に更に記載されるように、マジックミラー115は、X線撮像システム140による撮像のために患者105を位置合わせさせるのを助けるために、患者105の顔の前に位置決めされる。
【0023】
図1Aに戻ると、カメラ110は、患者105の画像データをキャプチャするために使用される。いくつかの実施形態では、カメラ110は、マジックミラー115の上に位置してもよい。他の実施形態では、カメラ110は、マジックミラー115の後ろに位置してもよく、マジックミラー115を通して画像をキャプチャするように構成されてもよい。カメラ110はまた、三次元(「3D」)カメラであってもよい。3Dカメラは、ステレオカメラ、又はステレオ三角測量に基づくマルチカメラ設定、又はステレオレンズを有するカメラであってもよい。3Dカメラはまた、任意の範囲撮像技法、例えば、ステレオ三角測量、光三角測量シート、構造化光、飛行時間、干渉法、符号化絞り、又は任意の他の範囲撮像技法に従って動作する範囲カメラであってもよい。
【0024】
マジックミラー115は、マジックミラー115の両側を通して光を反射し、透過する。マジックミラー115のより明るい側は、マジックミラー115のユーザが何を見るか指示する。例えば、患者がマジックミラー115の患者側面116を見ており、患者側面116上の光がディスプレイ側面117上の光よりも明るい場合、患者105は、マジックミラー115を、患者105を反射する通常のミラーとして見る。対照的に、ディスプレイ側面117上の光が患者側面116上の光よりも明るい場合、患者は、マジックミラー115を通して、ディスプレイ側面117、例えば、ディスプレイ120上の物体を観察することができる。
【0025】
ディスプレイ120は、例えば、画像、ユーザインタフェース、位置合わせライン、及び他の視覚的オブジェクトを患者105に表示するように構成された、コンピュータモニタ、タブレットコンピュータ、又は他の電子ディスプレイであってもよい。患者環境(例えば、歯科診療室)における照明条件が一定のままであると仮定すると、ディスプレイ120の明るさは、患者105がマジックミラー115において、又はマジックミラー115を通して何を見るかを制御する。
【0026】
ディスプレイ120の例は、図2に図示される。ディスプレイ120は、カメラ110、1つ以上のライト205~206、一次ディスプレイエリア210、センサ215、及び任意選択で少なくとも1つのレーザ220を含んでもよい。
【0027】
上述したように、カメラ110は、マジックミラー115の後ろに位置してもよく、ディスプレイ120の構成要素であってもよい。例えば、ディスプレイ120がタブレットコンピュータである場合、カメラ110は、タブレットコンピュータの統合カメラであってもよい。1つ以上のライト205~206は、患者105を検査している歯科専門家に光を提供するように構成されている。いくつかの実施形態では、1つ以上のライト205~206は、ディスプレイ120の構成要素ではなく、ディスプレイ120は、代わりに、以下に説明されるように、マジックミラー115を通して患者105に光を提供するように構成されている。
【0028】
一次ディスプレイエリア210は、患者105に様々な有益なグラフィックを表示するために使用される。センサ215は、様々な異なるセンサ、例えば、周囲光センサ、IRセンサ、LIDARセンサ、又は他のセンサであり得る。少なくとも1つのレーザ220は、患者105の検出及び患者105の位置決めを支援するために使用される。レーザが存在しない実施形態では、代わりに、患者の位置決め及び位置合わせを支援するために、ディスプレイ120上に線を仮想的に描画してもよい。これらの要素の各々は、マジックミラー115の後ろに位置してもよい。
【0029】
ディスプレイ120は、患者105が見ることができるものを制御するために、様々なモードで動作することができる。第1のモードは、ミラーモードである。ミラーモードは、ディスプレイ120がオフになっているか、又は低い光強度の暗い背景画像を示すときにアクティブである。例えば、暗い背景画像は、オールブラック、ダークブルー、ダークブラウン、又は別の適切な暗い色であってもよい。ディスプレイ120の明るさは、ディスプレイ側面117上よりもマジックミラー115の患者側面116上ではるかに少ないため、マジックミラー115は、患者105の顔を反射する通常のミラーとして機能する。
【0030】
ディスプレイ120の第2のモードは、ライトモードである。ライトモードでは、ディスプレイ120は、高強度の白い画像を出力し、マジックミラー115は、その画像から患者105に光を透過し、ディスプレイ120が歯科専門家によって従来の照明要素として使用されることを可能にする。
【0031】
ディスプレイ120の第3のモードは、モニタモードである。モニタモードでは、ディスプレイ120は、キャプチャされた画像を出力し、患者105に情報を提供するために、通常のモニタとして使用される。例えば、カメラ110からのビデオフィード、患者105に関連する歯科情報、又は他の画像若しくはグラフィックスは、ディスプレイがモニタモードにあるときに、ディスプレイ120上に表示される。
【0032】
第4のモードは、拡張モードである。拡張モードでは、ディスプレイ120のいくつかの部分は、低い光強度を出力し、オールブラック背景及びディスプレイ120の他の部分は、高い光強度グラフィックスを出力する。マジックミラー115は、通常のミラーのように黒い背景部分を反射し(例えば、患者105が自分の顔を見ることを可能にする)、また、グラフィックスが輝き、患者105に見えることを可能にする。このようにして、命令、統計、レポート、テキスト、及び他のグラフィックスは、患者105の顔をまだ反映しながら、患者105に提示することができる。グラフィックは、患者105の写し出された顔の上に拡張された追加情報を提供する。
【0033】
一実施形態では、ディスプレイ120は、拡張モードで動作するとき、患者105がカメラ110によるX線画像取得のために自分自身を位置決めするための位置決めガイドを図示する。位置決めガイドは、例えば、中間矢状垂直ガイドライン、例えば、図3Aに見られるガイドラインであってもよい。ガイドラインは、患者105の反射された顔の上に位置決めされ、患者105がカメラ110によるX線画像取得のために自分自身を位置合わせさせるための基準点を提供する。他の実施形態では、移動ガイドは、位置決めガイドと共に提供される。例えば、図3Bは、本実施形態において矢印形状として示される中間矢状垂直ガイドライン及び移動ガイド305の両方を図示する。移動ガイド305は、走査のために患者105を位置合わせさせるのを助けるために、患者105に方向を提供し、例えば、移動ガイド305は、患者105が矢印の方向に移動して、X線画像取得のために患者105を適切に位置合わせさせることを示す。
【0034】
位置決めガイド及び移動ガイド(例えば、移動ガイド305)は、ガイドライン及び矢印よりも複雑であってもよい。例えば、図4A図4Cは、一実施形態による、位置決めガイド400の異なる例を図示する。移動ガイド401~403は、患者105の頭部の異なる位置合わせを図示する。例えば、移動ガイド401は、第1の解剖学的平面における患者105の頭部の位置合わせを図示し、移動ガイド402は、第2の解剖学的平面における患者105の頭部の位置合わせを図示し、移動ガイド403は、第3の解剖学的平面における患者105の頭部の位置合わせを図示する。より多くのカメラを有する実施形態では、より多くの解剖学的平面のより多くのビューをキャプチャすることができる。
【0035】
患者105の画像を適切に取得するために、患者105の頭部は、第1、第2、及び第3の解剖学的平面に位置合わせされなければならない。移動ガイド401~403は、患者105の頭部の現在の位置合わせを図示するだけでなく、適切又は不適切な位置合わせの指示を患者105に提供する。適切又は不適切な位置合わせを判定するために、カメラ110からの画像データは、患者の位置を判定するために、電子プロセッサ125によって分析される。例えば、患者105の顔特徴を使用して、様々な関連する軸、例えば、フランクフォートライン、バックフロントライン、フィートヘッドラインなどを検出してもよい。画像データからの後のフレームを使用して、初期顔モデルを登録し、軸を更新するために使用することができ、患者105の頭部又は顔の現在の配向を知ることを可能にする。
【0036】
例えば、図4Aは、患者105が位置合わせされていないことを示す位置決めガイド400の第1の例を図示する。位置決めガイド400における位置決め情報を患者105にリアルタイムで提供する患者105の頭部の輪郭に加えて、移動ガイド401~403は、患者105の頭部が、第1、第2、及び第3の解剖学的平面の各々の位置合わせから外れていることを示す。この指示は、患者105の頭部が第1及び第3の解剖学的平面とのそれぞれの位置合わせから外れているときに、移動ガイド401及び403を第1の色、例えば赤色で表示することによって達成されてもよい。この指示はまた、いくつかの他の視覚的指示、例えば、患者105の頭部が位置合わせから外れているそれぞれの移動ガイド401~403上に「X」図を表示することによって達成されてもよい。他の実施形態では、音声方向は、患者105の位置合わせに基づいて、患者105に与えられてもよい。更なる実施形態では、視覚的指示及び音声方向は、患者105を位置決めするためにタンデムで使用されてもよい。
【0037】
図4Bは、位置決めガイド400の第2の例を図示する。患者105の頭部の現在の位置合わせを図示する位置決めガイド400によって提供された輪郭に基づいて、患者105は、位置合わせに移動するために頭部を再位置決めすることができる。患者105の頭部の第1、第2、及び第3の解剖学的平面の各々が位置合わせされると、移動ガイド401~403は、頭部が各平面に位置合わせされていることを患者105に示すように動的に変化する。例えば、図4Bでは、移動ガイド401及び403は、色を変更し、位置合わせラインの表示を停止し、患者105に、頭部が第1及び第3の解剖学的平面において位置合わせされていることを示すチェックマークを表示する。位置決めガイド400の部分はまた、患者105の頭部が特定の解剖学的平面において位置合わせされているときに、異なる色で表示されるか、又は特定の図形要素を追加若しくは削除してもよい。
【0038】
図4Cは、位置決めガイド400の第3の例を図示する。図4Cでは、ここで、移動ガイド401~403は、全て、頭部が解剖学的平面の各々と適切に位置合わせされていることを示す。位置決めガイド400の他の部分はまた、例えば、色を変更する位置決めガイドの輪郭を変更してもよい。
【0039】
患者105が適切に位置決めされると、X線画像取得手順を開始することができる。適切な患者の位置を維持することを助けるために、いくつかの実施形態では、ディスプレイ120は、位置決めガイド400に加えて、進行状況インジケータ(一例では、進行状況バー)を表示する。例えば、図5は、進行状況インジケータ500と共に表示される位置決めガイド400を図示する。進行状況インジケータ500は、X線画像取得手順に沿って、患者105が、手順が完了するまで適切な位置を維持することを知っているように、患者105にどの程度まで進んでいるかを示す。手順中に静止することによって、動きのアーチファクトは低減される。進行状況インジケータ500が図5の進行状況バーとして図示されているが、進行状況インジケータは、患者への進行状況を示すための任意の適切なグラフィック、例えば、回転ホイール、完了率を示すテキストボックス、又は進行状況を示す他の方法であってもよい。
【0040】
いくつかの実施形態では、ディスプレイ120は、X線撮像システム140のカラムに結合されていない。いくつかの場合では、X線撮像システム140の他の構成要素に接続又は結合される。更に他の実施形態では、ディスプレイ120は、X線撮像システム140の近くに、例えば、同じ部屋に位置し、X線撮像システム140に通信可能に結合される。これらの実施形態では、ディスプレイ120でマジックミラー115を通して患者105に方向を提供する代わりに、カメラ110は、患者105及び看護師、歯科医、歯科衛生士、又は他のオペレータなどの第2のユーザの顔の画像をキャプチャし、ディスプレイ120上のカメラ110からキャプチャされた画像を表示し、患者105にX線撮像手順のために適切に位置決めするように命令を提供する。上記の移動ガイド401~403と同様に、ディスプレイ120の第2のユーザは、ディスプレイ120上に表示された移動ガイドを見ることができ、表示された移動ガイドに基づいて、患者105に位置決めのための命令を提供することができる。
【0041】
図1Aに戻ると、電子プロセッサ125は、ディスプレイ120及びカメラ110に電子的に接続され、他の機能の中でも、ディスプレイ120及びカメラ110の動作を制御する。電子プロセッサ125は、プログラム可能な電子マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(「ASIC」)、又は同様のデバイスであってもよい。電子プロセッサ125は、各々が特定の機能又はサブ機能を実行するように構成されているいくつかの独立したプロセッサ(例えば、プログラマブル電子制御ユニット)に実装されてもよい。更に、電子プロセッサは、入力/出力機能、信号の処理、及び本明細書に記載の方法の適用を処理するように構成されたサブモジュールを含有してもよい。
【0042】
電子プロセッサ125はまた、非一時的なコンピュータ可読媒体130及びヒューマンマシンインターフェース135に通信可能に結合されている。電子プロセッサ125は、非一時的なコンピュータ可読媒体130からデータを取得し、とりわけ、本明細書に記載のプロセス及び方法に関連するソフトウェアを実行するように構成されている。
【0043】
ヒューマンマシンインターフェース135は、入力デバイス、出力デバイス、又はそれらの組み合わせを含む。例えば、ヒューマンマシンインターフェース135は、ディスプレイ120とは別個のディスプレイデバイス、タッチスクリーン、キーボード、キーパッド、ボタン、カーソル制御デバイス、プリンタ、スピーカ、仮想現実ヘッドセット、マイクなどを含んでもよい。いくつかの実施形態では、システム100は、複数のヒューマンマシンインターフェースを含む。例えば、システム100は、タッチスクリーン又はキーパッドを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ヒューマンマシンインターフェース135は、電子プロセッサ125と同じハウジングに含まれる。しかしながら、他の実施形態では、ヒューマンマシンインターフェース135は、電子プロセッサ125の外部にあってもよいが、有線又は無線接続を介して電子プロセッサ125と通信する。本明細書に記載されるように、1つ以上のヒューマンマシンインターフェース135は、電子プロセッサ125がシステム100を制御するために使用するユーザからの入力を受信する。
【0044】
図6は、一実施形態による、X線画像取得のために患者105を位置決めするための方法600のフローチャートを図示する。方法600は、電子プロセッサ125で、(ブロック605で)カメラ110から画像データを受信することを含む。画像データは、静止画像又はビデオデータであってもよい。画像データは、患者105の顔の画像を含む。
【0045】
受信された画像データに基づいて、電子プロセッサ125は、(ブロック610で)患者105の少なくとも1つの顔特徴を識別する。例えば、上述されるように、関連する軸、例えば、フランクフォート線、バックフロント線、又はフィートヘッド線は、カメラ110の座標系内の顔特徴を使用して識別され得る。追加の画像データは、次いで、初期モデルを登録するために使用される。画像データの初期フレームと画像データの現在のフレームとの間の差に基づいて、関連する軸を更新し、患者105の頭部の現在の配向を判定することができる。別の例では、画像データの初期フレームと現在のフレームとの間の差を使用する代わりに、(例えば、目、鼻、口、又は他の顔特徴を追跡する)連続的なランドマーク検出を使用して、患者105の頭部の現在の配向を取得することができる。
【0046】
患者105の頭部の現在の配向を使用して、電子プロセッサ125は、(ブロック615で)患者の顔が少なくとも1つの解剖学的平面と位置合わせされているかどうかを判定することができる。例えば、上述したように、頭部の現在の配向は、中間矢状面、冠状面、及び他のものと比較されてもよい。実行されているX線画像取得のタイプに基づいて、患者105は、解剖学的平面の様々な組み合わせと位置合わせされなければならない。頭部の現在の配向は、位置合わせのための解剖学的平面の所望の組み合わせと比較される。
【0047】
頭部の現在の配向が所望の解剖学的平面の全てと位置合わせされている場合、電子プロセッサ125は、(ブロック620で)患者105が位置合わせされていることを患者105に示す位置合わせインジケータを有する移動ガイドを使用して患者105に指示を表示するように構成されている。例えば、図4Cは、この条件を図示する。頭部の現在の配向が1つ以上の解剖学的平面との位置合わせから外れている場合、電子プロセッサ125は、代わりに、様々な解剖学的平面に対して頭部の現在の配向を図示する移動ガイドを表示し、患者105が、頭部が位置合わせから外れている場所を見て、それを修正することを可能にする。この条件は、図4Aに図示されている。
【0048】
患者が様々な解剖学的平面と位置合わせされている場合、電子プロセッサ125は、X線画像取得を開始するように構成され、また、進行インジケータを患者105に表示してもよい。進行インジケータは、X線画像取得がどの程度完全であるかを示し、これは、患者105が現在の位置合わせ位置を保持しなければならない期間を示す視覚的基準を提供する。進行インジケータが完了すると、患者105は、再び移動してもよい。進行インジケータはまた、患者105が適切な位置合わせを維持するためのフォーカスポイントとして使用されてもよいように、ディスプレイ120の一部分に表示されてもよい。ディスプレイ120のこの部分は、位置合わせが判定される前又は後に、電子プロセッサ125によって判定されてもよい。
【0049】
以下の実施例は、本明細書に記載される例示的なシステム及び方法を例示する。実施例1:歯科用X線画像取得システムであって、患者の画像をキャプチャするように構成された少なくとも1つのカメラと、画像を表示するように構成されたディスプレイと、患者の場所とディスプレイとの間に位置決めされるマジックミラーと、カメラ及びディスプレイに結合された電子プロセッサと、を備え、電子プロセッサが、ディスプレイ及びカメラを制御するように構成されている、歯科用X線画像取得システム。
実施例2:マジックミラーが、カメラと患者との間にも位置決めされる、実施例1に記載の歯科用X線画像取得システム。
実施例3:カメラが、ディスプレイの構成要素である、実施例1又は2に記載の歯科用X線画像取得システム。
実施例4:カメラが、三次元カメラである、実施例1に記載の歯科用X線画像取得システム。
実施例5:歯科用X線画像取得システムであって、患者の画像をキャプチャするように構成された少なくとも1つのカメラと、患者の場所とディスプレイとの間に位置決めされるマジックミラーと、カメラ及びディスプレイに結合された電子プロセッサと、を備え、電子プロセッサが、ユーザ入力に基づいて、ディスプレイの動作モードを選択し、かつ選択された動作モードに基づいて、ディスプレイ上に少なくとも1つの画像を表示するように構成されている、歯科用X線画像取得システム。
実施例6:動作モードが、ミラーモード、拡張モード、ライトモード、及びモニタモードからなる動作モードの群から選択される動作モードである、実施例5に記載のシステム。
実施例7:ミラーモードが、低強度の暗い背景画像を表示するディスプレイからなる、実施例6に記載のシステム。
実施例8:拡張モードが、ディスプレイの第1の部分に、低強度の暗い背景画像を表示し、ディスプレイの第2の部分に、少なくとも1つの他の画像を表示するディスプレイからなる、実施例6に記載のシステム。
実施例9:ディスプレイ上に表示される少なくとも1つの他の画像が、患者のための位置決めガイドである、実施例8に記載のシステム。
実施例10:位置決めガイドが、患者のための少なくとも1つの移動ガイドを図示する、実施例9に記載のシステム。
実施例11:移動ガイドが、患者のための移動方向を図示する、実施例10に記載のシステム。
実施例12:移動ガイドが、少なくとも1つの解剖学的平面に対して患者の頭部の位置合わせを図示する、実施例10又は11に記載のシステム。
実施例13:移動ガイドが、2つ以上の解剖学的平面に対して患者の頭部の位置合わせを図示する、実施例12に記載のシステム。
実施例14:患者の頭部が、少なくとも1つの解剖学的平面と位置合わせされたときに、移動ガイドのグラフィカル要素が変更される、実施例12又は13に記載のシステム。
実施例15:X線画像取得のために患者を位置決めするための方法であって、電子プロセッサで、少なくとも1つのカメラから画像データを受信することと、電子プロセッサで、画像データにおける患者の少なくとも1つの顔特徴を識別することと、電子プロセッサで、患者の顔が少なくとも1つの顔特徴に基づいて、少なくとも1つの解剖学的平面と位置合わせされているかどうかを判定することと、電子プロセッサで、患者の顔の判定された位置合わせに基づいて、ディスプレイ上に少なくとも1つの移動ガイドを表示することと、を含む、方法。
実施例16:移動ガイドは、患者の顔が少なくとも1つの解剖学的平面と位置合わせされているというインジケータを含む、実施例15に記載の方法。
実施例17:電子プロセッサで、画像取得の持続時間にわたって現在の位置を維持するように、患者に指示する進行状況インジケータを表示することを更に含む、実施例16に記載の方法。
実施例18:移動ガイドは、患者の顔が少なくとも1つの解剖学的平面と位置合わせされていないというインジケータを含む、実施例15に記載の方法。
実施例19:少なくとも1つの軸が、少なくとも1つの顔特徴を使用して検出される、実施例15~18のいずれかに記載の方法。
実施例20:患者の顔の現在の配向が、少なくとも1つの軸を使用して判定される、実施例19に記載の方法。
【0050】
上記の明細書では、特定の実施形態が説明されている。しかしながら、当業者は、以下の特許請求の範囲に記載される本発明の範囲から逸脱することなく、様々な修正及び変更が行われ得ることを理解する。したがって、本明細書及び図は、限定的な意味ではなく例示的な意味で見なされるべきであり、そのような修正は全て、本教示の範囲内に含まれることが意図される。
【0051】
利益、利点、問題に対する解決策、及び任意の利益、利点、又は解決策を発生させる、又はより顕著になる可能性のある任意の要素は、請求項のいずれか又は全ての重要な、必要な、又は本質的な特徴又は要素として解釈されるべきではない。本発明は、本出願の係属中に行われた修正及び発行されたこれらの特許請求の範囲の全ての等価物を含む添付の特許請求の範囲によってのみ定義される。
【0052】
更に、本文書では、関係語、例えば、第1及び第2、頂部及び底部などは、必ずしもそのようなエンティティ又はアクションの間のそのようないかなる実際の関係又は順序も必要とすることなく、又は暗示することなく、1つのエンティティ又はアクションと別のエンティティ又はアクションとを区別するためにのみ使用され得る。「備える(comprises)」、「備える(comprising)」、「有する(has)」、「有する(having)」、「含む(includes)」「含む(including)」、「含有する(contains)」、「含有する(containing)」又は任意の他の変形形態は、要素のリストを備え、有し、含み、含有するプロセス、方法、物品、又は装置が、それらの要素のみを含むのではなく、そのようなプロセス、方法、物品、又は装置に明示的に列記されもせず、固有でもない他の要素を含み得るように、非排他的な包括を網羅することを意図する。「...aを備える(comprises...a)」、「...aを有する(has...a)」、「...aを含む(includes...a)」、又は「…aを含有する(contains...a)」によって始められる要素は、更なる制約を受けることなく、その要素を備え、有し、含み、含有するプロセス、方法、物品、又は装置において、追加の同一要素の存在を排除しない。用語「a」及び「an」は、別様に明示的に本明細書に記載されない限り、1つ以上として定義される。用語「実質的に(substantially)」、「本質的に(essentially)」、「およそ(approximately)」、「約(about)」、又はそれらの任意の他のバージョンは、当業者によって理解されるように近いものとして定義され、1つの非限定的な実施形態では、用語は、10%以内、別の実施形態では5%以内、別の実施形態では1%以内、及び別の実施形態では0.5%以内であると定義される。本明細書で使用される場合、「結合された(coupled)」という用語は、必ずしも直接的ではなく、必ずしも機械的ではないが、接続されたものとして定義される。ある特定の方法で「構成された(configured)」デバイス又は構造は、少なくともそのように構成されているが、リストされていない方法で構成されてもよい。
【0053】
いくつかの実施形態は、1つ以上の汎用又は特殊な電子プロセッサ(又は「処理デバイス」)、例えば、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、カスタマイズされたプロセッサ、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、並びに1つ以上の電子プロセッサを制御して、特定の非プロセッサ回路と併せて、本明細書に記載の方法及び/又は装置の機能のいくつか、ほとんど、又は全てを実装する固有の記憶されたプログラム命令(ソフトウェア及びファームウェアの両方を含む)からなり得ることが理解されるであろう。代替的に、いくつかの又は全ての機能は、記憶されたプログラム命令を有しない状態機械、又は各機能若しくは特定の機能のいくつかの組み合わせがカスタムロジックとして実装される1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)において実装され得る。もちろん、2つのアプローチの組み合わせが使用され得る。
【0054】
更に、一実施形態は、本明細書に記載及び特許請求される方法を実行するためにコンピュータ(例えば、電子プロセッサを含む)をプログラミングするために、その上に記憶されたコンピュータ可読コードを有するコンピュータ可読記憶媒体として実装されてもよい。そのようなコンピュータ可読記憶媒体の例としては、ハードディスク、CD-ROM、光学記憶デバイス、磁気記憶デバイス、ROM(読み取り専用メモリ)、PROM(プログラマブル読み取り専用メモリ)、EPROM(消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ)、EEPROM(電気的に消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ)、及びフラッシュメモリが挙げられるが、これらに限定されない。更に、当業者は、場合によっては多大な努力、並びに、例えば、利用可能な時間、現在の技法、及び経済的考慮事項によって動機付けられた多くの設計選択にもかかわらず、本明細書に開示される概念及び原理によって導かれた場合、最小限の実験でそのようなソフトウェア命令及びプログラム並びにICを容易に発生させることができると予想される。
【0055】
更に、前述の詳細な説明では、開示を合理化する目的で、様々な実施形態で様々な特徴が一緒にグループ化されていることがわかる。この開示方法は、特許請求される実施形態が各特許請求の範囲に明示的に記載されるよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映するものとして解釈されるべきではない。むしろ、以下の特許請求の範囲が反映するように、本発明の主題は、単一の開示された実施形態の全ての特徴よりも少ない。このように、以下の特許請求の範囲は、詳細な説明に組み込まれ、各特許請求の範囲は、個別に特許請求の範囲の主題としてそれ自体で存在する。
図1A
図1B
図1C
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5
図6
【国際調査報告】