IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ メタロジェニア リサーチ アンド テクノロジーズ ソシエダッド リミターダの特許一覧

特表2023-549707スロットアンテナを有するアースムービングマシン用保護カプセル
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-29
(54)【発明の名称】スロットアンテナを有するアースムービングマシン用保護カプセル
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/26 20060101AFI20231121BHJP
   E02F 9/28 20060101ALI20231121BHJP
   H01Q 13/10 20060101ALI20231121BHJP
【FI】
E02F9/26 B
E02F9/28 A
H01Q13/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526279
(86)(22)【出願日】2021-10-28
(85)【翻訳文提出日】2023-06-24
(86)【国際出願番号】 EP2021080031
(87)【国際公開番号】W WO2022090412
(87)【国際公開日】2022-05-05
(31)【優先権主張番号】20382939.5
(32)【優先日】2020-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】21382164.8
(32)【優先日】2021-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521251741
【氏名又は名称】メタロジェニア リサーチ アンド テクノロジーズ ソシエダッド リミターダ
(74)【代理人】
【識別番号】100105795
【弁理士】
【氏名又は名称】名塚 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100105131
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 満
(74)【代理人】
【識別番号】100154184
【弁理士】
【氏名又は名称】生富 成一
(74)【代理人】
【識別番号】100187377
【弁理士】
【氏名又は名称】芳野 理之
(72)【発明者】
【氏名】ジョルディ、マルケス リナス
(72)【発明者】
【氏名】アルバート、ヒメノ トルデラ
(72)【発明者】
【氏名】ビセント、フェランディス ボラス
(72)【発明者】
【氏名】ニル、ヴァルヴェ ベルトラン
【テーマコード(参考)】
2D015
5J045
【Fターム(参考)】
2D015GB07
2D015HA03
5J045LA01
5J045LA03
(57)【要約】
アースムービングマシン用の電子デバイスを保護するためのカプセルであって、カプセルは、電子デバイスまたはその構成要素を収容するように構成された内側チャンバを囲む壁を備え、カプセルは、壁の少なくとも1つに配置されたスロットアンテナを備え、スロットアンテナが配置された壁の少なくとも1つは、カプセルの壁の1つまたは複数と取り外し可能に結合できるカバーである。また、カプセルを含むアースムービングマシン用デバイス、カプセルの製造方法、およびアースムービングマシン用デバイスの製造方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アースムービングマシン用の電子デバイス(30)を保護するためのカプセル(10)であって、前記カプセル(10)は、電子デバイス(30)を収容するために構成された内側チャンバ(16)を囲む壁(15a~15d)を備え、前記カプセル(10)は、前記壁(15a~15d)の少なくとも1つに配置されたスロットアンテナ(20)を備え、前記スロットアンテナ(20)が配置された壁(15a~15d)の少なくとも1つはカバーであり、前記カバー(15a)は、前記カプセル(10)の前記壁(15a~15d)の1つまたは複数に取り外し可能に結合され得ることを特徴とする、カプセル(10)。
【請求項2】
前記スロットアンテナ(20)が、1000MHz未満、好ましくは430.0MHzと440.0MHzとの間の周波数で動作するように適合されている、請求項1記載のカプセル(10)。
【請求項3】
前記スロットアンテナ(20)のスロットを充填する誘電体材料(22)をさらに備える、先行する請求項のいずれか一項に記載のカプセル(10)。
【請求項4】
前記壁(15a~15d)の少なくとも1つは、特定の縦方向の最大長、特定の第1の横方向の最大幅、および第2の横方向の厚さを有し、前記最大長は前記最大幅以上であり、前記スロットアンテナ(20)は、前記壁の少なくとも1つの前記最大長の少なくとも60%であり且つ100%以下である前記縦方向の最大長を有する、先行する請求項のいずれか一項に記載のカプセル(10)。
【請求項5】
前記電子デバイス(30)をさらに備え、前記電子デバイスは、電力源(40)を備え且つ少なくとも無線データ伝送のために構成され、前記電子デバイス(30)は、前記スロットアンテナ(20)に電気的に接続され、前記内側チャンバ(16)は、前記電子デバイス(30)またはその少なくとも1つまたは複数の構成要素を収容する、先行する請求項のいずれか一項に記載のカプセル(10)。
【請求項6】
前記電子デバイス(30)は、歪み、摩耗、圧力、温度、加速度、位置、材料または地形、および摩耗要素の脱落のうちの1つまたは複数を感知するように構成された少なくとも1つのセンサ(45)をさらに備える、請求項5記載のカプセル(10)。
【請求項7】
スロットアンテナは、単一のストレートセグメントまたは複数のセグメントを有し、各セグメントが1つまたは複数の他のセグメントに接続されている、先行する請求項のいずれか一項に記載のカプセル(10)。
【請求項8】
前記スロットアンテナ(20)が配置される前記カバー(15a)は、導電性材料を備える、先行する請求項のいずれか一項に記載のカプセル(10)。
【請求項9】
アースムービングマシン用のデバイス(100、200、301~307)であって、先行する請求項のいずれか一項に記載のカプセル(10)を備え、前記デバイスが、摩耗要素(100、200、304)、掘削器具(305)、ブーム(303)、スティック(301)、液圧シリンダ(302)、牽引手段(306)、またはキャビン(307)の1つである、デバイス。
【請求項10】
その中に配置された前記カプセル(10)を有するキャビティをさらに備える、請求項9記載のデバイス(100、200、301~307)。
【請求項11】
前記デバイスが歯(100)を備える摩耗要素であり、且つ、
-前記キャビティ(126)は、前記歯(100)の雌部(110)の内部にある、
-前記キャビティ(125)は、前記歯(100)の摩耗端(101)の反対側の端部(102)で前記歯(100)の表面(121)上にある、および
-前記キャビティ(127)は、外面(106)上にある、
の一つである、請求項10記載のデバイス(100、200、301~307)。
【請求項12】
前記デバイスは、アダプタまたは中間アダプタ(200)を備える摩耗要素であり、前記アダプタまたは前記中間アダプタ(200)は、歯(100)の雌部(110)への挿入に適合され且つ前記摩耗要素の第1の端部を画定する雄部(205)および前記摩耗要素の第2の端部を画定する後方部分(207)を有し、
-前記キャビティ(225-227)は、前記雄部(205)において、歯係合端(201)の表面(206)上にあるか、または前記アダプタまたは中間アダプタ(200)を前記歯(100)と機械的に結合するためのピンを受け入れるための前記アダプタまたは中間アダプタ(200)の貫通孔(220)に隣接しており、好ましくは前記貫通孔(220)と平行である、
-前記キャビティ(228-229)は、前記後方部分(207)において、前記雄部(205)がそこから突出する面(208)、または外面(209)にある、
のいずれかである、請求項10記載のデバイス(100、200、301~307)。
【請求項13】
その中に配置された前記スロットアンテナ(20)を有する前記壁(15a~15d)の少なくとも1つの最外面は、前記キャビティ(125~127、225~229)の開口部が形成される前記摩耗要素(100、200)の表面と同一面である、請求項11または12に記載のデバイス(100、200、301~307)。
【請求項14】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載のカプセル(10)を製造するプロセスであって、
モールドを用いて前記カプセル(10)の壁(15a~15d)を合金で製造し、または、前記壁(15a~15d)の少なくとも1つの壁(15a)が導電性材料を備えるかまたは導電性材料で構成され、アースムービングマシン用デバイス(100、200、301~307)をモールドとして用いてポッティングプロセスにより前記カプセル(10)の前記壁(15a~15d)を樹脂で製造し、
前記少なくとも1つの壁(15a)にスロットアンテナ(20)を形成または追加し、
前記少なくとも1つの壁(15a)は、前記カプセル(10)の前記壁(15b~15d)の1つまたは複数に取り外し可能に結合して前記内側チャンバ(16)を閉鎖することができるカバー(15a)を形成するように製造される、プロセス。
【請求項15】
前記プロセスは、前記ポッティングプロセスで前記壁(15a~15d)を製造するステップを備え、前記ポッティングプロセスは、前記カプセル(10)の前記電子デバイス(30)が前記モールドに導入された状態で行われる、請求項14記載のプロセス。
【請求項16】
取り付け手段を提供すること、および取り外し可能な方法で前記取り付け手段を用いて前記カバー(15a)を前記1つまたは複数の壁(15a~15d)に結合すること、をさらに備える、請求項14または15に記載のプロセス。
【請求項17】
請求項10乃至13のいずれか一項に記載のデバイス(100、200、301~307)を提供すること、
前記デバイス(100、200、301~307)上に、前記カプセル(10)を受け入れるように適合された前記キャビティ(125~127、225~229)を形成すること、および
形成された前記キャビティ(125~127、225~229)に前記カプセル(10)を導入すること、をさらに備える、請求項14乃至16のいずれか一項に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アースムービングマシンの分野に関する。より詳細には、本開示は、例えば、前記マシンのいくつかのデバイスを挙げると、その摩耗要素または掘削器具に導入することができ、カプセルおよび装置がアンテナでデータを送信および/または受信することができる、アースムービングマシン用のカプセルおよび装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、掘削機またはローダーのようなアースムービングマシンは、掘削器具、例えばバケット、ショベル、浚渫ヘッド等を備え、この中で材料が押され、引かれ、および/または収集される。掘削器具、例えばバケットは、主にブレードと呼ばれる領域で、高い応力(ストレス)と著しい摩耗にさらされる。このため、ブレードには通常、ブレードと掘削器具を摩耗から保護する複数の保護要素が取り付けられている。保護要素はまた、掘削器具の地形へのディギングと掘削器具による地形のスクラッチングを増加させる。
【0003】
これらの部品は、機械的な要求が厳しく、負担がかかり、摩耗が激しくなる。このため、通常、摩耗の度合いに応じて一定の頻度で交換する必要がある。これらの保護要素は、全体として、通常、摩耗要素または地面係合工具(ground
engaging tools)、すなわちGETと呼ばれる。
【0004】
摩耗要素の摩耗またはあらゆる状態、牽引手段、ブームまたはスティックなどのアースムービングマシンの他の部品の状態、または地面への係合作業またはマシン自体に影響を及ぼす可能性のある他の大きさを監視するために、アースムービングマシンの異なる部分は、前記大きさ、例えばそれらが受ける歪みまたは他のあらゆるパラメータを測定する感知デバイスを含み得る。しかし、測定値およびそれを処理した結果の情報(もしあれば)は、感知デバイスの場所、例えば摩耗要素、牽引手段、ブーム、スティック、液圧シリンダ、掘削器具など、感知用の電子デバイスが設けられている場所であるため、その中に残る。データを抽出するためには、通常、無線通信リンクが必要であり、データを遠隔デバイス、例えば、アースムービングマシンのキャビン、コントロールセンター、インターネットクラウドなどに送信する。
【0005】
そのため、測定用の電子デバイスに加えて、例えば特許文献WO-2017017289-A1、WO-2012107848-A1、US-20150284935-A1およびWO-2012116408-A1に見られるように、摩耗要素のようなマシンのデバイスが感知デバイスを含む場合、通常、RFIDタグ、近距離通信用のアンテナまたは例えばモノポールの形のアンテナのような電磁波を放射して捕らえる手段も含み、このようにして感知デバイスのデータを無線通信できる。前者については、電磁波の到達距離が通常制限される。後者については、前記アンテナの機械的信頼性は、摩耗要素が受ける応力に対処できるほど高くはなく、また、前記アンテナが必要とする体積は、特に動作周波数が低くなるほど、摩耗要素などの特定のデバイスに組み込むことを妨げることがある。
【0006】
従って、アースムービングマシン内のデバイスの応力によりよく耐え、かつ、よりよい無線電気性能を有するアンテナを組み込んだアースムービングマシン用の保護カプセルを提供することに関心が持たれている。保護カプセルは、好ましくは、アースムービングマシンのデバイスに取り付け可能または導入可能である。さらに、いくつかの実施形態では、1000MHz未満の周波数で動作可能なコンパクトなアンテナを提供することにも関心が持たれている。
【0007】
また、アースムービングマシン、特にそのデバイスに、応力に耐えることができるが、保護カプセルを必要としないアンテナを提供することにも関心がある。この意味で、コンパクトなサイズを有しながら、同時にアースムービングマシンのキャビティ内の要素を保護することができるアンテナ機能を提供する装置を有することが好ましいと思われる。
【発明の概要】
【0008】
本開示の第1の態様は、アースムービングマシンの電子デバイスを保護するためのカプセルに関し、カプセルは、電子デバイスまたはその少なくとも1つまたは複数の構成要素を収容するように構成された内側チャンバを囲む壁と、壁の少なくとも1つに配置されたスロットアンテナとを備える。
【0009】
カプセルは、電子デバイスまたはその1つまたは複数の構成要素を保護することと、電子デバイスのデータをカプセルから離れた電子装置に無線送信すること、および/または離れた電子装置からデータを無線受信して電子デバイスに提供することを両立させることができる。例示的に、電子デバイスおよび/またはその1つまたは複数の構成要素は、例えば、限定はしないが、1つまたは複数の感知デバイス、1つまたは複数のバッテリー、1つまたは複数のメモリユニット等である。例示的に、電子装置は、アースムービングマシンを監督および/または操作するためのコントローラであり得、例えばコントロールセンター、またはアースムービングマシン、例えばそのキャビン内に配置され得る。
【0010】
このカプセルでは、モノポール、ダイポール、パッチアンテナ、マイクロチップアンテナなど、内側チャンバ内にスペースを取るアンテナや、カプセルやカプセルから離れたアースムービングマシンの別の部分に取り付けなければならないアンテナを設ける必要がない。それにもかかわらず、スロットアンテナの動作周波数以外の周波数での無線送信および/または受信のために、または冗長性の目的のために、スロットアンテナに加えて1つまたは複数のアンテナを配置することが可能である。
【0011】
カプセルは、有利には、データを無線で送受信するために、その1つまたは複数の壁を電磁波の放射および/または捕捉のために使用する。これにより、特に、カプセルが摩耗要素、例えば歯、アダプタ、鋳造リップ、または掘削器具、例えばバケットに導入または取り付けられる場合、保護および無線送信/受信の両方に必要な全体の体積を小さくし、損傷しにくいアンテナにより通信の信頼性を高くし、および/またはアースムービングマシンへのアンテナの統合をより単純かつ信頼性の高いものにすることができる。この目的のために、カプセルは、好ましくは、摩耗要素、掘削器具、ブーム、スティック、液圧シリンダ、例えばバケットシリンダ、牽引手段、例えば連続トラック、またはアースムービングマシンのキャビンの下面のキャビティに導入またはそれに取り付けられるように適合されている。
【0012】
いくつかの実施形態において、カプセルは、スロットアンテナのスロットを充填する誘電体材料をさらに含む。
【0013】
誘電体材料は、スロットアンテナが形成される壁の一部であったり、スロットアンテナのスロットを取り外し可能に埋めるように適合された1つまたは複数の部品、例えば取り外し可能に結合できる蓋やキャップの一部であったり、例えばポッティングプロセスによってスロットと内部チャンバの両方に電子デバイスを充填する充填材料の一部であったりすることができる。後者については、材料が内側チャンバを満たすので、同様に内側チャンバ内の電子デバイスを保護することができる。誘電体材料は、好ましくは、内側チャンバを密閉するようにできるだけスロットを満たし、それによって、例えば土壌の粒子、またはスロットアンテナの無線電気性能に短絡または影響を与え得る他の粒子の浸入を低減または完全に防止することが可能である。誘電体材料は、例えば、エポキシ、シリコーン、プラスチック等とすることができる。
【0014】
いくつかの実施形態では、スロットアンテナは、3000MHz未満の周波数で動作するように適合される。いくつかの実施形態では、周波数は、2400MHzと2500MHzの間である。
【0015】
スロットアンテナは、例えば2.4GHz~2.5GHzのISM帯の電磁波を放射および/または捕捉することが可能であり、またはさらに可能である。
【0016】
いくつかの実施形態では、スロットアンテナは、1000MHz未満の周波数で動作するように適合され、またはさらに適合される。
【0017】
いくつかの実施形態では、周波数は、430MHzと440MHzの間である。いくつかの実施形態では、周波数は、433.0MHzと435.0MHzの間である。
【0018】
いくつかの実施形態では、周波数は、865.0MHzと870.0MHzの間である。いくつかの実施形態では、周波数は、900MHzと930MHzの間である。
【0019】
スロットアンテナは、モノポールやパッチアンテナのようなアンテナよりも寸法がコンパクトで、かつ機械的に耐久性がありながら、1.0GHz以下の周波数の電磁波を放射および/または捕捉することができる、あるいはさらに可能である。
【0020】
スロットアンテナは、高い周波数で他の帯域よりも伝搬損失が小さいという特徴を持つ430MHzと440MHzの周波数範囲のISM帯、および/または865MHzと870MHz、および900MHzと930MHzの周波数範囲の1つまたは複数のISM帯で電磁波を放射および/または捕捉できる。
【0021】
いくつかの実施形態では、壁の少なくとも1つは、特定の縦方向(longitudinal)に最大長、すなわちスロットアンテナが配置された壁の少なくとも1つの最大寸法を有し、特定の第1の横方向(transversal)に最大幅、および第2の横方向に厚さを有し、最大長は最大幅以上であり、スロットアンテナは、最大長、すなわち、壁の少なくとも1つの上のスロットアンテナの縦方向の最大寸法は、壁の少なくとも1つの最大長の少なくとも60%であり且つ100%以下である。
【0022】
スロットアンテナは、電磁波を放射または捕捉する際に電流が従う経路を確立するために、少なくとも1つの壁の長さの大部分または全体を取ることができ、それによってスロットアンテナの動作周波数を下げることが可能となる。
【0023】
いくつかの実施形態では、スロットアンテナは、ストレートスロットではない。
【0024】
スロットアンテナは、複数のセグメントを含むことができ、各セグメントは、それぞれのセグメントの縦方向がその間に角度を形成するように、すなわち、2つの直接隣接するセグメントが平行でないように接続されるように、その長さに沿って1または複数の他のセグメントに接続される。このようにして、動作の周波数または周波数を決定するスロットアンテナの有効長を増加させることができる。
【0025】
いくつかの実施形態では、スロットアンテナの複数のセグメントの1つまたは複数のセグメントは、ストレートである。いくつかの実施形態では、スロットアンテナの複数のセグメントのうちの1つまたは複数のセグメントは、曲線状である。
【0026】
いくつかの実施形態では、アンテナが配置された壁の少なくとも1つはカバーであり、カバーはカプセルの壁の1つまたは複数に取り外し可能に結合され得る。
【0027】
カバーは、前記1つまたは複数の壁に取り外し可能に結合されるように適合されており、作業員は、カバーを切り離した後、内部チャンバ内の任意のデバイスを検査、回収および/または交換することができる。電子デバイスは、例えば、電子デバイスの回路、感知デバイスおよび/またはプロセッサによって生成されたデータが、その後の処理のために記憶される1つまたは複数のメモリユニットを有することができる。
【0028】
カプセルが摩耗要素に配置されている場合、メンテナンス作業の一環として、または当該摩耗要素もしくはそれに結合された別の摩耗要素の故障時に、摩耗要素が受けた摩耗および損傷により別の摩耗要素と交換する必要があるときは、いつでも前述の操作またはオペレーションを行うことができる。また、電子デバイスを完全に交換するのではなく、電子デバイスのバッテリーなどがエネルギー切れとなった場合に交換することもできる。ただし、典型的には摩耗要素の有効寿命はバッテリーよりも短い。
【0029】
カプセルが、例えば、掘削器具、ブーム、スティック、液圧シリンダ、キャビンの下側、または牽引手段に配置される場合、前述の操作または動作は、例えば、アースムービングマシンまたはその部品のメンテナンスを行うとき、または予防メンテナンス作業の一部として、随時行われ得る。
【0030】
いくつかの実施形態では、スロットアンテナは、カプセルの後端に配置されたカプセルの1つの壁に配置される。
【0031】
好ましい実施形態では、カプセルは、前端がマシンに関して前方に、従って、マシンの動作中にアースムービングマシンによって係合される地面の方に向くように、アースムービングマシンの摩耗要素に配置されることになる。
【0032】
いくつかの実施形態では、カプセルは2つの壁を備え、スロットアンテナはその第1の壁に配置され、その第2の壁は容器に応じた形状である。いくつかの実施形態では、カプセルは3つ以上の壁を備え、第2の壁と第3の壁およびさらなる壁は機械的に結合されて容器を形成する。
【0033】
カプセルは、電子デバイスを保護するための内側チャンバを、機械的に結合する必要がある2つの壁だけで構成している。ただし、より多くの壁も可能である。壁の数を減らすと、機械的な観点から有利になることがあるが、これは壁の機械的結合がカプセルの最も弱い部分であることが多いからである。アースムービングマシンの運転中、カプセルにかかるひずみや応力は、カプセルを最も弱い部分で壊してしまう可能性がある。壁同士が結合している壁の間の部分には、場合によっては、各対の壁を結合した後に、乾燥したものであれ湿ったものであれ、土が内部チャンバに入り込み、保護された電子デバイスを損傷する可能性がある空間がある。
【0034】
いくつかの実施形態では、カプセルは、電子デバイスをさらに備え、電子デバイスは、電力源を備え、電子デバイスは、少なくとも無線データ伝送用に構成され、スロットアンテナに電気的に接続され、内側チャンバは、電子デバイスを部分的にまたは完全に収容する。いくつかの実施形態では、電子デバイスは、無線データ受信のためにさらに構成される。
【0035】
電子デバイスまたはその構成要素は、カプセルによって保護されている間、それが生成または処理するデータを、カプセルから離れた他のデバイスに送信することができる。電子デバイスは、スロットアンテナが動作する周波数でデータを送信および/または受信するように構成される。この目的のために、電子デバイスは、1つまたは複数の周波数帯域幅で動作する通信プロトコルまたは標準によってデータを送信するための無線通信モジュール、例えばモデムを備え、カプセルは無線通信モジュールも保護する。通信プロトコルまたは規格は、スロットアンテナが電磁波を放射し捕捉するように適合された1つまたは複数の周波数を有する動作帯域幅を使用する。
【0036】
さらに、場合によっては、電子デバイスは、電子デバイスの動作方法を変更するコマンド、例えば、休止状態に入る、休止状態から目覚める、電子デバイスがデータを生成、処理および/または送信する頻度を変更する、データに適用する処理の種類を変更するなど、カプセルから離れたデバイスからデータを受け取ることもできる。
【0037】
内側チャンバは、電子デバイスの1つまたはいくつかの構成要素のみが内側チャンバ内にある場合は電子デバイスを部分的に収容し、電子デバイス全体が内側チャンバ内にある場合は電子デバイスを完全に収容する。
【0038】
いくつかの実施形態では、電子デバイスは、カプセルが設置されることが意図されているアースムービングマシンのデバイスにおける変化を感知するために構成された少なくとも1つのセンサをさらに含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのセンサは、歪み、摩耗、圧力、温度、加速度、位置(例えばGPS)、材料/地形(その識別のため)、および摩耗要素の脱落のうちの1つまたは複数を感知するように構成されている。
【0039】
電子デバイスは、少なくとも1つのセンサの測定値を処理し、地面との係合作業、さらにはマシンの関係する部分の状態および/または動作について知らせるための電子装置にスロットアンテナで送信することができる。例えば、カプセルが摩耗要素内にある場合、測定値は、摩耗要素がどのように地面に突き刺さりおよび/またはスクラッチングしているか、並びに摩耗要素がどの程度摩耗したかを示すことができる。従って、少なくとも1つのセンサの測定値は、そこに配置されたカプセルを有するマシンの部品または構成要素の摩耗度、係合されている地面の特性、摩耗要素がカプセルを受け取るときに摩耗要素が地面と係合しているアタック角などを推定するために使用することができる。従って、測定値および/またはその推定値は、マシンの部品または構成要素の監視、メンテナンスの予測、地面との係合作業をアースムービングマシンのオペレータまたはコントロールセンター内に知らせること、アースムービングマシンの動作を自動的に調整するコントローラにデータを供給してアースムービングマシンの制御(例えば、アタック角の調整、地面との係合時の掘削器具の軌道の調整、アースムービングマシンが加える力の調整など)などに使用することができる。
【0040】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのセンサは、歪みゲージ、圧力ゲージ、相対変位ゲージ、光ファイバストリップ、圧電ストリップ、圧力センサ、および加速度計のうちの1つまたは複数からなる。
【0041】
いくつかの実施形態において、電子デバイスは、PCBを備える。いくつかの実施形態では、PCBは、内部チャンバの内側にある。他のいくつかの実施形態では、PCBは、内部チャンバの外側にある。
【0042】
PCBは、その保護のために内側チャンバ内にあることができるが、カプセルのサイズを小さくするため、または電子デバイスの他の要素、例えば、バッテリー、感知デバイスなどを保護することを可能にするために、外側にあることもできる。PCBが外部にあり、PCBがモデムを含む場合、モデムとスロットアンテナの接続は、例えば、SMAケーブル等によって行うことができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、PCBはフレキシブルであり、即ち、フレックスフィルムPCBである。
【0044】
いくつかの実施形態において、カプセルは、軸方向を規定する中心軸と、前端と、軸方向において前記前端と反対側の後端とを有し、その中に配置されたスロットアンテナを有しない1つまたは複数の壁によって形成された容器を備え、容器は前端から軸方向に延び、内部チャンバを備え、カバーは容器に取り外し可能に結合でき、容器の後部を覆うように適合されている。いくつかの実施形態において、カバーは、カバーが容器に結合されたときにフランジを形成するように適合される。
【0045】
スロットアンテナが形成されるカバーは、カプセルにフランジを提供するような寸法になっている。フランジの形態のカバーは、内部チャンバの内部へのアクセスを有するように、カバーの取り外しを単純化することができる。カバーは、1つまたは複数のねじ付き貫通孔および当該孔に挿入されるそれぞれのねじ等の取り付け手段によって、容器に取り外し可能に結合され得る。対応する1つまたは複数のねじ孔またはねじ貫通孔の形の取り付け手段は、容器の後端にも設けられており、ねじは、カバーと容器の両方の孔に挿入され、両者を結合するために使用されることに留意されたい。
【0046】
幾つかの場合においては、容器の後部は、カプセルにもフランジを提供するような形状、すなわち、容器の後部とカバーのそれぞれは、フランジを形成する形状である。容器の後部にフランジを設けると、両フランジの形状が一致するため、取り付け手段をより単純な方法で配置することができ、結合および切り離しプロセスをさらに単純化することができる。
【0047】
いくつかの実施形態では、カプセルの1つまたは複数の壁(スロットアンテナがその上に配置された少なくとも1つの壁を含むか、含まないか、またはあるのか、ないのか)は、1つまたは複数のケーブルを受け取るために適合された1つまたは複数の孔を含んでいる。いくつかの実施形態では、電子デバイスは、1つまたは複数のケーブルを含んでいる。
【0048】
カプセル内の電子デバイスは、その構成要素(例えば、1つまたは複数のセンサ、バッテリーなど)またはカプセルの外部にある別の電子デバイスと、1つまたは複数のケーブルの形態の有線物理リンクを介して電気的に結合され得る。このため、カプセルの壁には、ケーブルが延びる貫通孔を設けることができ、これにより、電子デバイスの1つまたは複数の構成要素に接続するためのケーブルの一端を内側チャンバ内に、外部の構成要素または別の電子デバイスに接続するためのケーブルの他端をカプセルの外部に設けることが可能となる。
【0049】
いくつかの実施形態では、カプセルは、その上に配置されたスロットアンテナを有する少なくとも1つの壁に隣接して配置されたプロテクタをさらに備える。好ましくは、プロテクタは、少なくとも1つの壁の外面(すなわち、最も外側に面するカプセルの表面)に配置されるが、しかし、少なくとも1つの壁の内面(すなわち、内部チャンバの方を向くカプセルの表面)に配置することも可能である。
【0050】
アースムービングマシンが極端な悪条件の環境または地形で動作する場合、カプセルに接触する微粉の侵入が大きくなり、それによって少なくとも1つの壁への圧力が増加する。このような場合、カプセル内のプロテクタが追加の保護層を提供する。プロテクタは、好ましくは、プロテクタ電性であるが、衝撃や摩耗に対して耐性がある材料のカバーである。プロテクタは、スロットアンテナの形状および寸法に一致する形状および寸法を有する突起を含むことができ、それにより、突起をスロットアンテナと協働させて少なくとも1つの壁を追加的に保護し、微粉の侵入を防止する。
【0051】
いくつかの実施形態では、カプセルは、スロットアンテナまたはカバーを有する少なくとも1つの壁に結合可能なキャップをさらに備え、キャップは、キャビティの壁に接触するための1つまたは複数の突起を含む。これらの実施形態のいくつかでは、1つまたは複数の突起は、複数の突起からなり、突起は、互いに間隔をあけて平行に1つずつ配置される。これらの実施形態のいくつかでは、キャップは、例えば、エチレンプロピレンジエンモノマーゴム(EPDMゴム)、ハイパロン、バイトン、ポリウレタンなどの材料であり、材料は好ましくは、ある程度の柔軟性を特徴とする。
【0052】
キャップは、その材質上、伝搬損失が発生するとしても、ごくわずかである。キャップはスロットアンテナを覆っているため、スロットアンテナから内側チャンバへの粒子の侵入を防ぎ、突起によってカプセルとキャビティ間の摩擦を増加させ、カプセルをキャビティに確実に密着させる。
【0053】
いくつかの実施形態では、キャップは、カバーに取り外し可能に結合可能である。
【0054】
いくつかの実施形態では、キャップは、カバーの1つまたは複数の突出した表面内に適合する凹部を含んでいる。
【0055】
本開示の第2の態様は、アースムービングマシン用のデバイスに関し、このデバイスは、本開示の第1の態様に従ったカプセルと、その中に配置されたカプセルを有するキャビティと、を備える。
【0056】
カプセルによって保護された電子デバイスは、デバイスでなされた測定値、例えばデバイスに及ぼされた歪みを生成し、好ましくは、処理する。カプセルは、例えば、接着剤、カプセルとキャビティの間の空間を埋める材料で、好ましくは柔軟なもの、エポキシ、発泡体など、当該技術分野で知られている取り付け手段でキャビティに固定することができるが、これに限定されない。
【0057】
いくつかの実施形態において、デバイスは、摩耗要素の嵌合(fitting)または結合システムである。
【0058】
嵌合(fitting)または結合システムは、歯の雌部またはキャビティとアダプタの雄部またはノーズとの間の機械的なアタッチメントである。ある実施形態では、キャビティはアダプタにあり、ノーズは歯にある。この種のカップリングは、逆カップリングシステムと呼ばれる。
【0059】
いくつかの実施形態では、デバイスは、摩耗要素である。
【0060】
一方の摩耗要素または他方の摩耗要素におけるカプセルの配置は、電磁波の伝搬を妨害する他の摩耗要素、土壌、および/または摩耗要素自体の寸法と材質の両方が存在するため、測定値と電磁波の伝搬の両方に影響する。
【0061】
いくつかの実施形態では、摩耗要素は、アダプタ、中間アダプタ、またはノーズに鋳造/溶接されたものである。以下、アダプタという用語は、二部品(two-part)システムのアダプタ、三部品(three-part)システムの中間アダプタ、およびブレードに溶接または鋳造されたノーズを包含し、本開示は、摩耗要素のシステムのすべての選択肢を有する実施形態を包含することが理解されるであろう。
【0062】
アダプタは、アダプタと歯との結合を目的とした第1の取り付け端と、アダプタとブレードまたは他のアダプタ(通常、中間アダプタの場合)との結合を目的とした第2の取り付け端とを有する。
【0063】
アダプタ内またはノーズ上の鋳造/溶接内のカプセルの配置は、歯内のカプセルの配置よりも費用対効果の高いカプセルをもたらすことがある。アダプタまたはノーズ上の鋳造/溶接は、歯よりも交換頻度が少ないため、新しいカプセルは、歯に配置される場合よりも提供の必要頻度が少ない。このことは、ひいては、カプセルおよび/またはその部品の廃棄を減らすことにもなり、たとえそれらがリサイクルされるとしても、そもそも製造されるカプセルおよび電子デバイスの数が少なくて済むことになる。
【0064】
いくつかの実施形態では、摩耗要素は歯である。歯は、使用により摩耗することを意図した摩耗端と、歯をアダプタに結合することを意図した取り付け端とを有する。
【0065】
この意味で、取り付け端部は、アダプタ、中間アダプタまたはノーズ上の鋳造/溶接(摩耗要素のシステムが、二部品(two-part)システム1、例えば歯とアダプタ、三部品(three-part)システム1、例えば歯、中間アダプタ、アダプタまたはノーズ上の鋳造/溶接であるかどうかに応じて)の結合雄部をそれぞれ受けるように適合したキャビティ部分を有する。雌部は、システムの他の摩耗要素の雄部を受け入れるためのキャビティを有し、雄部はノーズとも呼ばれる。
【0066】
いくつかの実施形態では、キャビティは、アダプタの歯部または第2取り付け端部のいずれかの、雌部の内部に配置される。これらの実施形態のいくつかでは、キャビティは、アダプタのノーズの壁面に形成されている。
【0067】
カプセルをキャビティに固定するために使用される取り付け手段に加えて、雌部に受け入れられた雄部は、カプセルが摩耗要素から移動したり脱落したりすることを妨げる。キャビティが摩耗端に最も近い壁に形成されている場合、歪み測定は摩耗端により近接して行われ、これは、例えば歪みのようないくつかのタイプの感知(センシング)においてより正確な感知をもたらすかもしれない。
【0068】
いくつかの実施形態では、キャビティは、摩耗要素の外面に配置される。
【0069】
いくつかの実施形態では、キャビティは、歯の表面のうち、摩耗端と反対側の端部に配置される。
【0070】
その中に形成されたキャビティを有する表面は、好ましくは、歯がアダプタに結合されるときは常にアダプタに接触している。アダプタは、カプセルを歯から脱落させないように保護する。さらに、この配置により、電磁波の伝播に悪影響を与える干渉要素または材料が少なくなる。
【0071】
いくつかの実施形態では、キャビティは、雄部に配置されている。これらの実施形態のいくつかでは、キャビティは、雄部の前端、すなわち、受け入れ摩耗要素の雌部においてより内側に導入された端部における表面にある。他のいくつかの実施形態では、キャビティは、アダプタを歯に機械的に締結するためのピンを受け入れるためのアダプタまたは歯の貫通孔に隣接しており、これらの場合、キャビティは、好ましくは貫通孔と平行である。
【0072】
いくつかの実施形態では、キャビティは、アダプタの後方部分に配置される。これらの実施形態のいくつかでは、キャビティは、雄部が第1の取り付け端部において突出する表面上にある。いくつかの他の実施形態では、キャビティは、後方部分の外面にある。
【0073】
いくつかの実施形態では、その中に配置されたスロットアンテナを有する壁の少なくとも1つの最外面は、キャビティの開口が形成される摩耗要素(すなわち、歯またはアダプタ)の表面と同一面上にある。
【0074】
スロットアンテナをキャビティの開口部開始面と同一面に配置することにより、スロットアンテナがキャビティ内にある場合の伝搬損失と比較して、スロットアンテナによって放射および/または捕捉される電磁波の伝搬損失を有利に低減することができる。従って、送信電力(transmission
power)は後者の場合よりも小さくなり、あるいは同じでも電磁波が受信される電力は大きくなる。
【0075】
いくつかの実施形態において、デバイスは、ブーム、スティック、例えばバケットシリンダなどの液圧シリンダ、例えば連続軌道などの牽引手段、またはキャビンのうちの1つである。
【0076】
カプセルは、電子デバイスまたは電子デバイスに配置される部品を保護するものである。そのため、カプセルは、電子デバイスやその部品の保護に加え、無線によるデータの送信および/または受信を可能にする。
【0077】
好ましくは、必ずしも必須ではないが、デバイスは、少なくともデバイス上のカプセルの位置が、カプセルが土にさらされ、従って摩耗にさらされる可能性があるような場合、カプセルを受け入れ、ホストするためのキャビティを含み、キャビティは、カプセルの露出を低減する。例として、デバイスが牽引手段である場合、牽引手段は、好ましくは、カプセルに適合されたこのようなキャビティを備える。
【0078】
デバイスがキャビンである場合、カプセルはキャビンの下側に配置されることが好ましい。
【0079】
いくつかの実施形態では、カプセルを受け入れるように適合されたキャビティは、L字型の開口を有し、すなわち、開口は、平行でない2つの壁の場所に形成されている。
【0080】
本開示の第3の態様は、本開示の第1の態様による1つまたは複数のカプセル、および/または本開示の第2の態様によるまたは本開示の第8の態様による1つまたは複数のデバイス、および/または本開示の第7の態様による1つまたは複数の装置を含むアースムービングマシンに関する。
【0081】
アースムービングマシンは、その中の電子デバイスがデータを処理し、カプセルから離れた1つまたは複数の電子装置に送信するように、および/またはその中の電子デバイスがデータを処理し、カプセルをより容易かつ確実に抽出できるように、その部品に1つまたはいくつかのカプセルを導入することができる。部品が摩耗要素である場合、マシンは、カプセルを、1つ、いくつか、またはすべての同じタイプの摩耗要素、例えば、歯、アダプタ、鋳造リップに導入させることができる。また、カプセルは、異なるタイプの摩耗要素、例えば、1つ、いくつかまたはそれぞれの歯にカプセルを導入し、1つ、いくつかまたはそれぞれのアダプタにカプセルを導入することもできる。
【0082】
いくつかの実施形態では、アースムービングマシンは、無線データ受信機および少なくとも1つの処理ユニットの両方をさらに備え、これらは、1つまたは複数のカプセルのそれぞれから、または1つまたは複数のデバイス、例えば摩耗要素のそれぞれから遠隔である。
【0083】
アースムービングマシンは、各カプセルから送信される無線データ信号に従って、摩耗要素の摩耗度を監視することができる。少なくとも1つの処理ユニットは、無線データ信号をデジタル処理し、無線データ信号に関連する摩耗要素の摩耗度を決定するように構成される。
【0084】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの処理ユニットは、無線データ信号に関連するデバイス、例えば摩耗要素のメンテナンスを予測すること、アースムービングマシンのオペレータまたは制御センター内にアースムービングマシンの地面係合操作を知らせること、およびアースムービングマシンを制御すること(例えば、アタック角の調整、地面係合時の掘削器具の軌道の調整、アースムービングマシンが加える力の調整、など)の1つまたは複数であるように無線データ信号をデジタル的に処理するよう構成されている。
【0085】
本開示の第4の態様は、本開示の第1の態様に従ったカプセルを製造するプロセスに関し、プロセスは、カプセルの壁の少なくとも1つの壁にスロットアンテナを形成または追加するステップを含む。
【0086】
スロットアンテナは、本開示の第1の態様の実施形態を参照して説明したような1つまたは複数の特徴を有するように形成することができる。少なくとも1つの壁が、例えば導電性金属材料からなる場合のように導電性である場合、スロットアンテナは、少なくとも1つの壁の材料の一部を除去するか、その中に既に形成されたスロットを有する少なくとも1つの壁を製造するかのいずれかによって形成される。少なくとも1つの壁が導電性でない場合、例えばプラスチック、樹脂などからなる場合、スロットアンテナは、少なくとも1つの壁に導電性材料を加え、そこにスロットを構成するようにすることで形成される。
【0087】
いくつかの実施形態では、プロセスは、ポッティングプロセスでカプセルを製造することをさらに含み、ポッティングは、カプセルに従って形作られたモールド(型)内で行われ、すなわち、すべての壁またはスロットアンテナを有する少なくとも1つの壁を除くすべての壁がポッティングプロセスで形成され、少なくとも1つの壁は、導電性材料を含むように製造されるか、導電性材料で作られる。これらの実施形態のいくつかでは、モールドは、本開示の第2の態様によるデバイスのキャビティであり、すなわち、モールドは、摩耗要素、ブーム、スティック、液圧シリンダ、牽引手段、またはキャビンのうちの1つに形成されたキャビティである。さらに、これらの実施形態のいくつかにおいて、方法は、製造されたカプセルをデバイスのキャビティに設置すること、およびデバイスをアースムービングマシンに設置することも含む。
【0088】
カプセルは、カプセルの壁を提供する例えばエポキシのような樹脂を用いたポッティングプロセスで製造することができる。次に、カプセルの壁の少なくとも1つに、スロットを含む導電性部品、すなわち導電性材料を有する部品を追加することによって、スロットアンテナが形成される。
【0089】
ポッティングは、この目的に適合したモールドで行うことができ、また、アースムービングマシンの使用時にカプセルを導入するデバイスをモールドとして使用することもできる。
【0090】
いくつかの実施形態では、ポッティングプロセスは、電子デバイスまたはその部品がモールド内に導入された状態で行われる。このように、電子デバイスまたは前記部品は、その製造プロセス中にカプセルに含まれる。
【0091】
いくつかの実施形態では、プロセスは、少なくともスロットアンテナのスロットを誘電体材料で充填するように、製造されたカプセルにポッティングプロセスを実施することをさらに含む。これらの実施形態のいくつかでは、ポッティングプロセスは、さらに、カプセルの内部チャンバを、そこに部分的または完全に導入された電子デバイスで充填する。
【0092】
カプセルは、別の製造プロセスで製造され、製造されると、ポッティングプロセスにより誘電体材料で部分的または完全に充填される。誘電体材料は、内側チャンバ内の粒子の侵入を防止し、また、材料が内側チャンバを満たしたときに内側チャンバの内容物をさらに保護することができる。
【0093】
いくつかの実施形態では、プロセスは、例えば鍛造またはマイクロキャストによって、モールドを使用してカプセルの壁を合金で製造することをさらに含む。合金は、例えば、鋼、例えば30CrNiMo8(AISI4340)、42CrMo4(AISI4137、AISI4137H)、34CrNiMo6(AISI4337)、36NiCrMo16などの20から50Hrcまでの硬度を特徴とする材料であり得る。
【0094】
いくつかの実施形態では、プロセスは、取り付け手段を提供すること、および、取り付け手段を用いて、少なくとも1つの壁を、カプセルの1つまたは複数の他の壁と取り外し可能に結合させることをさらに含む。
【0095】
いくつかの実施形態において、プロセスは、以下の第5の態様によるプロセスのステップをさらに含む。
【0096】
本開示の第5の態様は、本開示の第2の態様によるデバイス、例えば摩耗要素を製造するプロセスに関し、このプロセスは、デバイス上に、本開示の第1の態様によるカプセルを受け入れるためのキャビティを形成するステップと、形成されたキャビティ内にカプセルを導入するステップと、を含む。
【0097】
デバイスのキャビティは、本開示の第1および/または第2の態様の実施形態を参照して説明したような1つまたは複数の特徴を有するように形成することができる。
【0098】
本開示の第6の態様は、本開示の第2の態様によるデバイス、例えば摩耗要素の摩耗度を監視するための監視システムに関し、監視システムは、本開示の第1の態様による1つまたは複数のカプセルであって、1つまたは複数のカプセルの各カプセルは異なるデバイスに設置されている、カプセルと、1つまたは複数のカプセルの各カプセルから無線データ信号を受信する無線データ受信機と、無線データ信号に関連するデバイスの摩耗度を決定するように無線データをデジタル的に処理するよう構成されている少なくとも1つの処理ユニットとを含む。
【0099】
いくつかの実施形態において、監視システムは、制御センターをさらに備え、制御センターは、1つまたは複数のカプセルから遠隔であり、無線データ受信機および少なくとも1つの処理ユニットの両方を備える。
【0100】
いくつかの実施形態において、監視システムは、さらに、アースムービングマシンを含み、1つまたは複数のカプセルは、アースムービングマシンの異なるデバイスに設置され、アースムービングマシンは、無線データ受信機および少なくとも1つの処理ユニットの両方を含み、1つまたは複数のカプセルのそれぞれから遠隔である。
【0101】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの処理ユニットは、無線データ信号に関連するデバイスのメンテナンスを予測すること、アースムービングマシンのオペレータまたは制御センター内にアースムービングマシンの地面係合操作を知らせること、およびアースムービングマシンを制御すること(例えば、アタック角の調整、地面係合時の掘削器具の軌道の調整、アースムービングマシンが加える力の調整など)の1つまたは複数を行うように無線データ信号をデジタル的に処理するようさらに構成されている。
【0102】
本開示の第7の態様は、アースムービングマシンのための装置であって、シートと、装置をアースムービングマシンのキャビティに取り付けるための締結手段と、少なくとも1つの電子デバイスと、を備え、少なくとも1つの電子デバイスは、シートと機械的に結合したプリント回路基板と、好ましくはPCBに取り付けられた無線通信モジュールと、を備え、さらに、シートはその上に配置したスロットアンテナを備え、スロットアンテナは無線通信モジュールと電気的に結合している、装置に関する。
【0103】
本装置は、特に本装置をホストするマシンのデバイスにおいて、データ送信および/またはデータ受信の機能をアースムービングマシンに提供する。スロットアンテナを有するシートは、キャビティにアクセスする開口部を覆うように配置することができ、それによって、装置のシートとキャビティの壁によって保護された容積が形成される。さらに、このような配置は、キャビティを有するデバイスが典型的には金属材料を含み、または金属材料から作られ、それによってファラデーケージが形成されるので、電波性能を改善するのに便利である。そのため、シート、ひいては装置がキャビティの内部から遠ざかると、スロットアンテナが放射する電磁波がより遠くまで届き、他のデバイスが放射する電磁波がより大きな電力でスロットアンテナに到達することができる。
【0104】
前述の方法で囲われた電子デバイスは、データ通信、例えば、それが生成または処理するデータを送信し、キャビティの外側の別の電子デバイスが電子デバイスに提供するデータを受信し、同様に、マシンの動作中にデバイスに達する圧縮物質および微粉から保護することができる。PCB、電子デバイス、およびシートの機械的結合は、シートの機械的特性のおかげでPCBと電子デバイスの両方を保護し、シートは金属材料を含むか、または金属材料から作られ、衝撃、摩擦、摩耗、極端に高いまたは低い温度、およびマシンの地面への係合操作および/またはマシンがある環境から生じる応力に適応する寸法を特徴とし得る。この意味で、シートは、好ましくは、鋼、例えば30CrNiMo8(AISI4340)、42CrMo4(AISI4137、AISI4137H)、34CrNiMo6(AISI4337)、36NiCrMo16などの20から50Hrcまでの硬度を特徴とする材料を含む。
【0105】
本装置は、容易にリサイクルすることができる。装置を廃棄する場合はいつでも、電子デバイスとPCBを装置の残りの要素から分離し、電子デバイスとPCBを除いた装置は、それが設置されていたデバイス、例えば摩耗要素と共にリサイクルすることが可能である。つまり、デバイスとシートの材料が同一または類似の組成であるかも知れないので、そのような場合には、両者を一度にリサイクルすることができる。
【0106】
また、例えばチップアンテナは電気回路の故障により簡単に動作しなくなる傾向があり、モノポールは衝撃を受けると壊れる傾向があることが指摘されており、スロットアンテナを使用することは、典型的にアースムービングマシンが置かれる過酷である、ストレスの多い環境には適さない他のタイプのアンテナを避けるためにも好都合である。スロットアンテナは電気回路が少なく、シートの金属材料が電子デバイスを保護するだけでなく、マシンの動作時の応力に耐える剛性を備えている。
【0107】
いくつかの実施形態において、電子デバイスは、電力源との電気的接続に適合した1つまたは複数の端子をさらに備える。
【0108】
スロットアンテナおよび電子デバイスの構成要素は、1つまたは複数の端子を介してデバイスに電気的に接続可能なパワーセル(例えば、バッテリー、太陽電池など)などのアースムービングマシンの電源によって電気的に給電することができる。
【0109】
いくつかの実施形態において、電子デバイスは、バッテリーをさらに備える。
【0110】
スロットアンテナおよび電子デバイスの構成要素は、電子デバイスの少なくとも1つのバッテリーによって電力供給することができる。
【0111】
いくつかの実施形態では、締結手段は、複数のねじ、キャップ、接着剤、1つまたは複数の溶接接合部、1つまたは複数の機械的クリップ、および誘電体材料のうちの1つまたは複数から構成される。誘電体材料は、好ましくは、キャビティ内に装置を固定するためのポッティングプロセスで使用することができる任意の材料である。
【0112】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの電子デバイスは、少なくとも1つのセンサを含む。これらの実施形態のいくつかでは、少なくとも1つのセンサのセンサは、PCBに搭載される。これらの実施形態のいくつかでは、少なくとも1つのセンサのセンサは、シートの少なくとも1つの溝の溝上に配置される。これらの実施形態のいくつかでは、少なくとも1つのセンサのセンサは、PCBに搭載されてもシートの溝に配置されてもいないが、PCBと電気的に接続されている。
【0113】
少なくとも1つのセンサが、例えば力、歪み、摩耗または存在を測定するための1つまたは複数のセンサを備える場合、センサは、例えば歪みゲージ、圧力ゲージ、加速度計など、優れた力または歪み測定のために装置が導入されるキャビティの壁に取り付けられることができる。センサは、それにもかかわらず、PCBとの電気的接続によってデータの通信のためにスロットアンテナを使用し、PCBは、処理された測定データを送信する前にデータの処理のために電子デバイスのプロセッサにデータを中継し、または感知したデータの送信のために無線通信データにデータを中継する。
【0114】
いくつかの実施形態において、装置は、本開示の第1の態様によるカプセルである。この意味で、シートは、カプセルの壁の1つである。
【0115】
いくつかの実施形態では、スロットアンテナのスロットは、誘電体材料で満たされている。
【0116】
本開示の第8の態様は、キャビティと、本開示の第7の態様による装置であって、装置がキャビティ内に導入される、装置と、を備える、アースムービングマシン用のデバイスに関する。
【0117】
いくつかの実施形態では、装置のシートがキャビティを形成する開口部を覆うように、装置がキャビティに導入される。
【0118】
いくつかの実施形態において、装置のシートは、キャビティの開口部が形成されるデバイスの表面と同一面上にある。
【0119】
いくつかの実施形態では、キャビティとシートの壁によって形成されるチャンバは、例えばポッティングプロセスによって誘電体材料で満たされる。
【0120】
いくつかの実施形態では、デバイスは、摩耗要素である。これらの実施形態のいくつかにおいて、摩耗要素は、歯、アダプタ、摩耗キャップ、シュラウド、およびピンシステムのうちの1つを備える。
【0121】
いくつかの実施形態において、デバイスは、掘削器具、ブーム、スティック、液圧シリンダ、牽引手段、およびキャビンのうちの1つである。
【0122】
本開示の第9の態様は、本開示の第7の態様による装置を提供することと、装置をアースムービングマシンのデバイスのキャビティに配置することと、少なくとも1つのセンサで測定することと、スロットアンテナで電磁波を放射することによって少なくとも1つのセンサの測定値を送信することと、を含むプロセスに関する。
【0123】
いくつかの実施形態では、デバイスは、摩耗要素である。これらの実施形態のいくつかにおいて、摩耗要素は、歯、アダプタ、摩耗キャップ、シュラウド、およびピンシステムのうちの1つを備える。
【0124】
嵌合(fitting)システムの歯とアダプタの接触面は、特にアースムービングマシンの運転中に歯とアダプタの間の摩擦、擦れ、潰れなどによる負荷がかかるものである。本装置は、そのような摩耗要素に配置された場合でも、その電子デバイスに保護を提供する。
【0125】
いくつかの実施形態において、デバイスは、掘削器具、ブーム、スティック、液圧シリンダ、牽引手段、およびキャビンのうちの1つである。
【0126】
いくつかの実施形態において、プロセスは、スロットアンテナで電磁波を捕捉することによって、装置でデータを受信することをさらに含む。
【0127】
いくつかの実施形態では、測定値の送信は、少なくとも、アースムービングマシンが地面を係合している間に行われる。
【0128】
いくつかの実施形態では、キャビティ内に装置を配置するステップは、ねじ、キャップ、接着剤、1つまたは複数の溶接ジョイント、1つまたは複数の機械的クリップ、および誘電体材料などの締結手段によって、キャビティ内に装置を固定することを備える。
【0129】
装置が溶接ジョイントの形態の締結手段にて固定される場合、ステップは、シートの1つまたは複数のエッジを、キャビティの開口が形成される表面および/またはキャビティの壁面に溶接することをさらに含む。装置が誘電体材料の形態の締結手段で固定される場合、そのステップは、装置がその中に導入される間、誘電体材料がキャビティを満たすポッティングプロセスを実施することをさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0130】
説明を完了するため、および本開示のより良い理解を提供するために、一組の図面が提供される。当該図面は、本明細書の不可欠な部分を形成し、本開示の実施形態を例示するものであり、本開示の範囲を制限するものとして解釈されるべきではなく、単に本開示がどのように実施され得るかの例として解釈されるべきである。図面は、以下の図から構成される。
【0131】
図1図1は、実施形態によるカプセルの斜視図である。
図2図2は、実施形態によるカプセルの壁を示す斜視図であり、壁はスロットアンテナを含む。
図3図3は、実施形態によるカプセルの断面を示す。
図4図4は、実施形態によるカプセルの斜視図である。
図5図5は、実施形態によるカプセルの斜視図である。
図6図6は、実施形態によるカプセルの斜視図である。
図7図7は、実施形態によるカプセル用キャビティが配置可能な位置を示す摩耗要素の断面図である。
図8図8は、実施形態によるカプセルを装着した歯の断面図である。
図9図9は、摩耗要素の斜視図である。
図10図10は、摩耗要素の斜視図である。
図11図11は、実施形態によるカプセルを配置できる位置を有するそのデバイスを示すアースムービングマシンである。
図12A図12Aは、実施形態によるカプセルの断面を図式的に示す。
図12B図12Bは、実施形態によるカプセルの断面を図式的に示す。
図12C図12Cは、実施形態によるカプセルの断面を図式的に示す。
図12D図12Dは、実施形態によるカプセルの断面を図式的に示す。
図12E図12Eは、実施形態によるカプセルの断面を図式的に示す。
図13A図13Aは、実施形態によるカプセル用スロットアンテナのジオメトリを図式的に示す。
図13B図13Bは、実施形態によるカプセル用スロットアンテナのジオメトリを図式的に示す。
図13C図13Cは、実施形態によるカプセル用スロットアンテナのジオメトリを図式的に示す。
図13D図13Dは、実施形態によるカプセル用スロットアンテナのジオメトリを図式的に示す。
図13E図13Eは、実施形態によるカプセル用スロットアンテナのジオメトリを図式的に示す。
図14A図14Aは、実施形態による装置の異なる図を示す。
図14B図14Bは、実施形態による装置の異なる図を示す。
図15A図15Aは、実施形態による装置を示し、キャビティ内に導入された状態の装置の断面図を含む。
図15B図15Bは、実施形態による装置を示し、キャビティ内に導入された状態の装置の断面図を含む。
図16A図16Aは、実施形態による装置を示し、キャビティ内に導入された状態の装置の断面図を含む。
図16B図16Bは、実施形態による装置を示し、キャビティ内に導入された状態の装置の断面図を含む。
図17A図17Aは、実施形態による装置を示し、キャビティ内に導入された状態の装置の断面図を含む。
図17B図17Bは、実施形態による装置を示し、キャビティ内に導入された状態の装置の断面図を含む。
図18図18は、キャビティに導入された状態での実施形態による装置の断面を示す図である。
図19A図19Aは、実施形態によるカプセルの異なる断面図である。
図19B図19Bは、実施形態によるカプセルの異なる断面図である。
図20A図20Aは、図19A乃至図19Bのような実施形態によるカプセルに提供されるようなプロテクタの異なる図である。
図20B図20Bは、図19A乃至図19Bのような実施形態によるカプセルに提供されるようなプロテクタの異なる図である。
図21図21は、実施形態によるカプセルの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0132】
図1は、実施形態によるカプセル10を示す斜視図である。
【0133】
カプセル10は、アースムービングマシンの摩耗要素、好ましくは摩耗要素に形成されたキャビティに導入するために適合される。カプセル10は、2つ以上の壁15a、15bを有し、その少なくとも1つの第1の壁15aは、そこに形成されたスロットアンテナ20を有する。少なくとも1つの第1の壁15aの全体またはスロットアンテナのスロットを囲む少なくとも一部のいずれかが、例えば合金のような金属のような導電性材料を含んでいるかまたは作られており、それによって、電磁波の放射および捕捉のための電流の流れが可能になる。カプセル10は、そのすべての壁15a、15bが機械的に結合されたとき、電子デバイス(例えば図3に電子デバイス30として図示)を収容し保護するために適合された内側チャンバ(例えば図3に内側チャンバ16として図示)を有する。この実施形態では、スロットアンテナ20のスロットは、例えば土壌が内側チャンバに入らないように誘電体材料22で満たされている。
【0134】
第1の壁15a(または複数の第1の壁15a)は、特定の縦方向、この場合は図示のY軸に沿っての最大長さと、特定の第1の横方向、この場合は図示のX軸に沿っての最大幅と、第2の横方向、この場合は図示のZ軸に沿っての厚さとを有する。スロットアンテナ20は、好ましくは、スロットアンテナ20の最大寸法をもたらす一軸に沿って測定された長さである最大長を、縦方向において、壁15a(または複数の壁15a)の最大長の少なくとも60%であり、100%以下にて有する。
【0135】
この例では、第1の壁15aは、第2の壁または複数の壁15bに取り外し可能に結合可能なカバーであり、この場合、容器を形成するような形状の単一の第2の壁15bであるが、いくつかの他の実施形態では、2つ以上の第2の壁15bが、その中に内側チャンバ16を有する容器を形成するように配置されて結合される。第1の壁15aは、例えばねじ19aのような取り付け手段によって、第2の壁15bのうちの1つまたは複数に機械的に結合されている。第1の壁15aの取り付け手段は、それぞれのねじ付き貫通孔も含み、第2の壁15bは、それぞれのねじ付き孔またはねじ付き貫通孔(図4では見えない)の形の取り付け手段を含む。
【0136】
第1の壁15aは、好ましくは、第1の壁15aの最大の表面と平行に延びる1つまたは複数の突出面65を含み、1つまたは複数の突出面65は、好ましくは、金属材料、例えば鋼、を含むか、金属材料から成る。突出面65は、カプセル10を回転させるためにそこに加えられるトルクを支持することによって、カプセル10の抽出プロセスを補助する。
【0137】
明確にするために、図1に表されたX軸、Y軸およびZ軸は、以下の図においても、示された要素に対して同じ向きで表される。本開示の範囲から逸脱することなく、他のX、YおよびZの定義も可能であることは明らかであろう。
【0138】
図2は、実施形態によるカプセル10の壁15aの斜視図であり、壁15aは、そこに配置されたスロットアンテナ20を含む。示された壁15aの側面は、壁15aの最も内側の側面に対応し、すなわち、カプセルの内部チャンバに向かって面する壁15aの側面である。いくつかの例では、示された壁15aは、図1のカプセル10における壁15aとして提供される。
【0139】
この例示的な実施形態では、壁15aは、カプセルが提供されるときに内側チャンバに向かって突出する突出面23を含む。突出面23は、カプセルを閉じるためのカプセルの他の壁または複数の壁への壁15aの取り付けを改善するために形成され得、従って、突出面23は、壁の気密シールをもたらし得る。スロットアンテナ20は、この突出面23にも形成されている。
【0140】
壁15aは、カプセルの他の壁または複数の壁と取り外し可能に結合するためのねじ付き貫通孔18aの形態の取り付け手段と、電子デバイスのプリント回路基板32すなわちPCBの取り付けのためのねじ付き孔18bを含む。電子デバイスは、壁15aのねじ孔18bと協働するねじ39によって、同様に取り付け手段を含む。壁15aに平行に配置され、それに隣接するPCB32も、ねじ39を受けるための孔を含む。これらのねじ孔18a、18bおよびそれぞれのねじ39の代わりに、他の取り付け手段を使用できることは明らかであろう。
【0141】
この例示的な実施形態では、電子デバイスは、PCB32、より詳細にはPCBまたはスロットアンテナ20に給電するための壁15aの端子35、36を介してスロットアンテナ20に接続する。端子35、36は、例えば、コネクタ付きスプリングコンタクト、図2に示すような半田付け端子、圧入式コンタクトパッド等とすることができる。同様に、いくつかの実施形態では、1つまたは複数のケーブルが電子デバイスとスロットアンテナ20とを接続する。
【0142】
図3は、実施形態によるカプセル10の断面図である。断面図に対してカプセル10と交差する面は、XZ面である。
【0143】
上記で説明し、この図または図4で最もよく分かるように、第2の壁15bは、容器を形成するような形状を有している。
【0144】
この図に示すように、内側チャンバ16は、PCB32とバッテリー40を含む電子デバイス30を収容し、保護する。バッテリー40は、その電子部品およびスロットアンテナ20に電力を供給するためにPCB32に電気的に接続されている。バッテリー40は、クランプ(例えば図4ではクランプ48として図示)、ねじ49および第2の壁15bに形成されたねじ孔18dなどの締結手段によって、内側チャンバ16内に固定されたままである。
【0145】
図4は、実施形態によるカプセル10を示す斜視図である。
【0146】
ねじ孔の形をした壁15bの取り付け手段は、第1の壁またはカバー15aを第2の壁または容器15bに結合するためのねじ19aを受け入れる。
【0147】
図示されたバッテリー40は、内部チャンバ16内の容積のかなりの量を占めるが、本開示の範囲内で他のタイプのバッテリーも可能であることが留意される。例示に過ぎないが、1つまたはいくつかのボタン電池を使用することができる。
【0148】
図5は、実施形態によるカプセル10を示す斜視図である。
【0149】
カプセル10は、第1、第2および第3の壁15a~15cを含む。第1の壁15aは、カプセル10の第2の壁15bに取り外し可能に結合され、第2の壁15bは、好ましくは第3の壁15cに永久的に結合され、後者は、電子デバイスを保護された状態で収容するための容器のような形状である。第2の壁15bは、第3の壁15cにフランジを提供するような形状であり、第1の壁15aは、同様にフランジを形成するための同様の形状を有する。
【0150】
カプセル10がフランジを備える場合、例えば、メンテナンスのため、またはリサイクルのために、カプセル10の内部を検査し、内容物を取り出し、または交換するために、第1の壁15aの取り外しが容易になり得る。
【0151】
図1乃至4に示した実施形態と比較して、図5のカプセル10のスロットアンテナ20は、単一のストレートセグメントを有するストレートスロットアンテナである。
【0152】
図6は、実施形態によるカプセル10を示す斜視図である。
【0153】
図5の実施形態と比較して、図6のカプセル10のスロットアンテナ20は、ストレートではなく、複数のセグメントから構成されている。この場合、各セグメントの縦方向軸が、それが接続されるセグメントの縦方向軸に対して0°と異なる角度を形成するように配置された3つのストレートセグメントがある。
【0154】
図1乃至図6の実施形態のスロットアンテナ20がカプセル10の外壁に配置されているにもかかわらず、カプセル10の1つまたは複数の内壁、または内壁と外壁との間に配置されたスロットアンテナ20も本開示の範囲内であることに留意されたい。スロットアンテナが内壁に配置される場合、当該内壁とカプセルが配置されるキャビティの開口部との間の壁は、電磁波の干渉を生じさせたり伝搬を遮断したりしないように、非電気伝導性の材料からなる。
【0155】
図7は、カプセルを受け入れるためのキャビティが実施形態に従って配置可能である位置60a~60cおよび61a~61eを例示する摩耗要素100、200の断面を示し、例示のためだけに、キャビティ位置60a~60cおよび61a~61eは、実施形態に従ってキャビティの可能な配置を表すための矩形のポリゴンとして示される。断面図用に摩耗要素100および200と交差する平面は、XZ平面である。明確さのためだけに、当該平面は、図9では矢線150で、図10では矢線250で共に図示されている。
【0156】
第1の摩耗要素100は歯100であり、第2の摩耗要素200は中間アダプタ200であるが、他の実施形態では、摩耗要素の二部品(two-part)システムが提供される場合、第2の摩耗要素はアダプタである。
【0157】
歯100は、アースムービングマシンが地面係合作業を行うときに中間アダプタ200の雄部205を受け入れるように適合された雌部110を含んでいる。
【0158】
歯100におけるカプセル受け入れキャビティ(図8ではキャビティ126として図示)のための第1の位置60aは、雌部110の内部である。好ましくは、キャビティは、使用に伴って摩耗することを意図した摩耗端に最も近い雌部110の壁111に形成される。摩耗端は、歯100の最前部の部分であり、アースムービングマシンの動作中に地面に係合することを意図した端部である。摩耗端は、中間アダプタ200の雄部205が受け入れられる後端と反対側にある。摩耗端と後端との両方が、図8において、摩耗端101と後端102として図示されている。
【0159】
歯100のキャビティ(図9では、説明のためだけに破線でキャビティ127として図示されている)に対する第2の位置60bは、アースムービングマシンの動作中に地面と接触することを意図した外面(図9では外面106として図示されている)、すなわち、外面は使用により摩耗することを意図した面である。
【0160】
歯100におけるカプセル受け入れキャビティ(図9ではキャビティ125a、125bとして図示されており、後者は説明のためだけに破線で示されている)の別の位置60cは、歯100の後端の表面であり、図8および図9を参照すると、前記表面は表面121である。図9にキャビティ125aまたはキャビティ125bとして示されているキャビティは、機械的に結合されたときに中間アダプタ200に接触する後端の側にある。
【0161】
歯100と中間アダプタ200の両方を機械的に結合するために、中間アダプタの雄部205は、中間を受け入れるために歯100の雌部110に導入される。挿入された状態で、例えばピンの形態の取り付け手段が、歯100の貫通孔(図8において参照符号120で示す)と中間アダプタ200の貫通孔220の両方において導入される。
【0162】
中間アダプタ200におけるキャビティ(図10ではキャビティ225、226として図示されており、後者は説明の目的のみのために破線で示されている)のための第1および第2の位置61a、61bは、雄部205にある。キャビティは、ピンを受け入れるための貫通孔220に隣接することができ、好ましくは、それと平行である。キャビティは、その前端(すなわち、歯100の雌部110に導入される端部、図10においてキャビティ226として示される)に最も近い雄部205の部分、またはその後端に最も近い雄部205の部分のいずれかに配置することができる。一般にアースムービングマシンの運転中に高い応力を受けるその前端の雄部205の機械的抵抗の減少を最小限にするために、後者に従って、すなわち図10の実施形態におけるキャビティ225としてキャビティを配置することが好ましいと考えられる。
【0163】
中間アダプタ200におけるキャビティ(図10では、説明のために破線でキャビティ227として図示)の第3の位置61cは、雄部205のうち最前部に位置する表面206である。
【0164】
中間アダプタ200におけるキャビティ(図10では、説明のためだけに破線でキャビティ228として図示されている)のための別の位置61dは、後方部分207の表面208である。典型的には、前記表面208は、歯100の後面と接触し、それによってキャビティの開口を塞ぎ、このようにして、キャビティ内にカプセルを固定する取り付け手段が故障しても、カプセルはキャビティから脱落しない。
【0165】
さらに、中間アダプタ200におけるキャビティ(図10では、説明のための破線でキャビティ229として図示)の別の位置61eは、後方部分207の外面(図9では外面106として図示)であり、地面と接触するため使用により摩耗することがある。
【0166】
図7は、歯100がその取り付け端に雌部110を構成し、中間アダプタ200がその第1の取り付け端(すなわち、歯100に取り付けるための端)に雄部205を構成する摩耗要素のシステムを示しているが、別の実施形態では、摩耗要素のシステムは、歯100がその取り付け端に雄部を構成し、中間アダプタ200がその第1の取り付け端に雌部を構成する同じ摩耗要素(または中間アダプタ200の代わりにアダプタ)を含んでいることが留意されたい。その場合、記載されたキャビティの位置60a、61a~61cは、それぞれ中間アダプタ200の雌部と歯100の雄部にあるように入れ替えることができる。
【0167】
図8は、実施形態によるカプセル10を備えた摩耗要素100、特に歯100の断面図である。断面図について歯100と200とに交差する平面は、図9の矢線150に対応する平面のようなXZ平面である。
【0168】
キャビティ126は、雌部110の内部で、雌部110の最前部の壁111、すなわち、摩耗端101に最も近い壁111に形成されており、他の実施形態では、キャビティ126は、雌部110内の他の壁に形成されていることに留意されたい。観察できるように、雌部110は、中間体の雄部を受け入れるための形状および寸法であり、一方、キャビティ126は、カプセル10を受け入れるための形状および寸法である。歯100の貫通孔120は、中間アダプタが歯に導入されたときに、中間アダプタの貫通孔と整列するようになっており、それによって、両方の摩耗要素をピンで機械的に結合することが可能になる。
【0169】
好ましくは、キャビティ126は、カプセル10のカバー15aが後端102に最も近づくように、特に、当該カバー15aがカプセル10にフランジを提供する場合に、形成される。カプセル10が歯100内にある間またはカプセル10がそこから取り出された後に、カバー15aの取り付け手段を取り外すと、作業員は、カプセル10に収容されたデバイスおよびその構成要素を検査することができる。また、カプセル10がキャビティ126内にあり、スロットアンテナが例えばカバー15a上に形成されているとき、スロットアンテナが壁111と同一面になるように、キャビティ126およびカプセル10を寸法調整することが好ましい場合がある。スロットアンテナの最も外側の面が、カプセル受け入れキャビティ126の開口が形成される壁の少なくとも一部と共面またはほぼ共面であるとき、スロットアンテナが面一であると理解され、面と壁は、20mmより小さい深さの差があるときほぼ共面であり、10mm以下および/または5mm以下が好ましい。壁111と同一面上に配置されない場合、カプセルおよびスロットアンテナは、好ましくは、両者の保護性を高めるために、キャビティ内でより内側にある。
【0170】
図9は、摩耗要素100、特に歯100の斜視図である。
【0171】
この実施形態では、歯100は、図9の実施形態のカプセル受け入れキャビティを含まず、歯100の後端102上にある表面121に形成されたキャビティ125aを含む。図7に見られるように、中間アダプタ200が歯100に結合されるたびに、雄部205(または中間アダプタまたはアダプタの第1の取り付け端がそれを含む場合には雌部)に隣接するその表面が表面121と接触するようになり、それによって、その取り付け手段の固定とは別にカプセルを固定する。
【0172】
図9には、表面121に形成されるが、キャビティの開口がL字形であるような、別の可能なキャビティ125bも破線で示されている。開口部の第1の部分は表面121上にあり、一方、開口部の第2の部分は雌部110内の表面上にある。中間アダプタが歯に取り付けられるとき、開口部の2つの部分は、中間によって塞がれる。
【0173】
また、歯100の外面106に形成された別の可能性のあるキャビティ127が破線で示されている。
【0174】
図10は、摩耗要素200、特に中間アダプタ200の斜視図であるが、摩耗要素のシステムが二部品(two-part)システムである場合には、同様にアダプタであってもよい。
【0175】
中間アダプタ200は、雄部205を有する前端201と、アダプタ、ウェルドオンノーズ(weld-on
nose)、またはキャストノーズを介して、アースムービングマシンのブレードと取り付けるための第2の取り付け端部を提供する後方部207を有する後端202を有する。
【0176】
雄部205のうち、ピン用貫通孔220の隣には、キャビティ225が配置されている。この場合、キャビティ225は、貫通孔220に対して、前端201よりも後端202に近い位置にある。これに対し、他の実施形態では、貫通孔220の位置と比較して、後端202よりも前端201に近い位置にキャビティ226が配置される。中立面に近接するかまたは中立面上にある雄部205のこの部分は、アダプタ200の他の部分よりも少ない応力および変形を受け、また、アダプタ200の他の部分よりも少ない横方向のヒットまたはより低い強度のヒットをも受ける。さらに、雄部205の前記部分は、通常の状況下では、歯とアダプタとの間の表面で起こり、アダプタ200の最前部のように前記材料の排出がより困難である材料の圧縮が起こりにくいものである。これらの特性により、貫通孔220の隣のキャビティ225および226は、その有効寿命およびそれが保護する電子デバイスの有効寿命を延ばすためだけでなく、無線信号の送信および受信における損失の低減、並びに電子デバイスの測定から生じるマシンの動作中の地形に関するデータの提供の両方に対して、カプセルの配置に便利である。
【0177】
別の可能性のあるキャビティが、例示の目的のみのために同図に示されている。例示として、キャビティ227は、前端201、すなわち歯装着端部における表面206に形成されていることが示されている。別の例として、キャビティ228は、雄部205が突出する後方部分207の表面208に形成されている。そして、歯におけるように、別の可能なキャビティ229は、後方部分207の外面229に形成され、この表面229は、地面との係合操作中に地面に接触し得る。
【0178】
図11は、実施形態に従ってカプセルを配置することができる位置を有するそのデバイスを例示するアースムービングマシン300を示す。
【0179】
マシン300は、スティック301、液圧シリンダ302、ブーム303、摩耗要素304、掘削器具305、牽引手段306およびキャビン307を備える。本開示によるカプセルは、異なる実施形態において、これらのデバイス301~307の各々に配置可能である。
【0180】
一例として、カプセルは、例えば、地面への係合作業中に地面と定常的に接触しないスティック301の位置311、例えば、スティック301の上半分、および液圧シリンダ302の長さに沿って同様の位置312に配置することができる。カプセルは、好ましくはスティック301との接合部に最も近いブーム303の位置313に配置することができる。カプセルは、例えば図7乃至図10を参照して説明したような摩耗要素304の異なる位置314、および掘削器具の側面または内部315に配置することができる。カプセルは、牽引手段306の連続トラックのトラック316、またはキャビン307の下方に配置することができる。
【0181】
カプセルが摩耗、土の圧縮、または打撃を受けやすい位置に配置される場合、好ましくは、カプセルはこれらの位置でデバイス301~307に形成されたキャビティに配置される。その他、カプセルは、デバイス301~307の表面に直接、すなわち、いかなるキャビティにも配置することもでき、この場合、カプセルは、ボルト、溶接などのような取り付け手段でデバイス301~307に取り付けられる。
【0182】
図12A乃至図12Eは、実施形態によるカプセル10a~10cの断面を図式的に示す。
【0183】
図12Aにおいて、カプセル10aのスロットアンテナ20は、図示されたX軸に対して中央に配置される。電子デバイス30のPCB32は、軸方向(図示のZ軸)に沿って配向して配置され、スロットアンテナ20と平行である。より詳細には、PCB32の長さ(図示のZ軸に沿った長さ)は、スロットアンテナ20(図示のZ軸に沿った長さ)に対して平行である。それにもかかわらず、PCB32は、スロットアンテナ20の位置から(図示されたX軸に沿って)オフセットされている。電子デバイス30は、好ましくは、PCB32にはんだ付けされた少なくとも1つのセンサ45も含む。少なくとも1つのセンサ45は、少なくとも1つのセンサ45が内側チャンバ16の壁に取り付けられている図12B乃至図12Dのように、PCB32から離れた位置にあることもあり、あるいはカプセルから離れた位置にあることもあり、これらの場合、電子デバイス30は、測定値を送信するために少なくとも1つのセンサ45とPCB32の間に電気接続および/または無線通信リンクを備えており、同じ電気接続または別のものを介して、バッテリー40が、独自のバッテリーを備えていない場合には少なくとも1つのセンサ45を通電する。
【0184】
図12Bにおいて、カプセル10bのスロットアンテナ20は、図示のX軸に対して中央からオフセットして配置されている。本実施形態では、PCBも軸方向に沿って配向しており、スロットアンテナ20と平行であるだけでなく、スロットアンテナ20と整列して配向している。
【0185】
図12Cにおいて、スロットアンテナ20は、図11Bの実施形態と同様に配置される。PCB32は、軸方向に対して垂直であり、スロットアンテナ20の少なくとも一部がPCB32によって覆われるように、壁15aに取り付けられる。このような配置により、PCB32とスロットアンテナ20との電気的接続を容易にすることができる。
【0186】
図12A乃至図12Cのカプセル10はそれぞれ、4つの壁15a~15d、スロットアンテナ20が設けられる第1の壁15a、および容器を形成するために機械的に結合された(好ましくは永久的な方法で、例えば一緒に溶接された)第2、第3および第4の壁15b~15dを含む。第1の壁15aは、第2および第4の壁15b、15dに取り外し可能に結合され得る。これらの例では、スロットアンテナ20を含む壁15aは、スロットアンテナ20が電磁波を放射して捕捉することができるように、スロットを囲む領域または壁の全体において、導電性材料で構成されている。壁15aの全体が導電性材料で構成されていない場合、その1つまたは複数の部分が、例えば樹脂のような他の材料で構成されていてもよい。残りの壁、すなわち壁15b~15dは、導電性材料または非導電性材料からなることができる。
【0187】
この例では、誘電体材料22の結合可能な蓋またはキャップが、スロットアンテナ20のスロット内に配置される。蓋またはキャップは、例えば接着剤または取り付け手段によってスロットを画定する壁に取り付けることができる。
【0188】
図12Dにおいて、カプセル10cは、導電性材料である、スロットアンテナ20が設けられた少なくとも1つの壁15aを備え、少なくとも1つの壁15aは、導電性または非導電性の異なる材料の他の壁15b~15dと結合されている。この例では、スロットアンテナ20が配置された少なくとも1つの壁15aに、誘電体材料22の結合可能な蓋またはキャップが設けられる。蓋またはキャップは、例えば接着剤または取り付け手段でカプセルの壁15aに取り付けることができる。
【0189】
図12Eにおいて、カプセル10cは、同じ壁15a~15dおよびスロットアンテナを備えるが、結合可能な蓋またはキャップの代わりに、誘電体材料22がスロットアンテナ20のスロットに加えて内側チャンバ16の全体を充填している。
【0190】
同様の実施形態において、誘電体材料22は、壁(例えば、スロットアンテナ20を含まない壁15b~15d、またはすべての壁15a~15d)を形成し、また内側チャンバ16を充填し、従って壁と充填された内側チャンバは単一片(a
single piece)で作られ、この意味で、充填物の外側面は、カプセルの壁となる。このようなカプセルは、例えば、ポッティングプロセスで製造することができる。
【0191】
他の実施形態では、PCB32、PCB32に取り付けまたは接続されたセンサ、および/またはバッテリー40は、内側チャンバ16の外側、例えば、前記構成要素を受け入れるように形成された別のキャビティ内にあることができ、またはカプセル10の壁15a~15dのうちの1つに外側から取り付けることができる。これらの実施形態では、内側チャンバ16の外部の構成要素と内側チャンバ16の内部の構成要素との間の電気的接続は、例えば1つまたは複数のケーブル、フレキシブルプリント回路基板などの方法によって行うことができる。
【0192】
図12A乃至図12Eを参照して説明したような実施形態のスロットアンテナ20は、2つ以上の隣接する壁の間に存在するスペースに形成することができることに留意されたい。一例として、図12A乃至図12Eに図示された上壁および下壁15aはそれぞれ別個の壁であり、2つの壁15aの間にスロットが存在するように配置することができ、それによって、少なくともスロットを囲む部分が電気的に導通する場合にスロットアンテナ20を形成する。これは、2つ以上の壁15aおよびそれらの結合の仕方のおかげであるスロットアンテナ20を意味する。
【0193】
図13A乃至図13Eは、実施形態によるカプセル用スロットアンテナ20a~20eのジオメトリを図式的に示す。スロットアンテナ20a~20eは、カプセルの1つまたは複数の壁に形成することができる。
【0194】
第1のスロットアンテナ20aは、その単一のセグメント21aに起因するストレートスロットアンテナであり、この例では、さらにストレートである。図5のカプセルは、第1のスロットアンテナ20aのようなスロットアンテナを含む。
【0195】
第2のスロットアンテナ20bは、最も中間の第1のセグメント21aが、その第1の端部において、第2のセグメント21bに接続され、その第2の端部において、第3のセグメント21cに接続されるように配置された3つのセグメント21a~21cからなる。第1および第3セグメント21a、21cに関して、縦方向の軸は、例示の目的のみのために破線で表現されている。同様に、前記縦方向軸の間に形成される角度22が表されている。同様の表現が、第1および第2のセグメント21a、21bに関してもなされ得る。最小または最大の角度22も測定され得るが、いずれの角度22が測定されたとしても、縦方向軸は0°とは異なる角度を形成することは明らかである。
【0196】
第3のスロットアンテナ20cは、中間の第1のセグメント21aが、そのそれぞれの端部において、90°の角度が形成されるように、第2および第3のセグメント21b、21cに接続されるように配置された3つのセグメント21a~21cを備える。この例に示すように、セグメント21a~21cは、必ずしもその端部で接続される必要はなく、セグメントの長さに沿ったある点で接続されることができる。図6のカプセルは、第3のスロットアンテナ20cのようなスロットアンテナを含む。
【0197】
第4のスロットアンテナ20dは、5つのセグメント21a~21eを備える。最も中間の第1のセグメント21aは、その第1の端部において、第2のセグメント21bに接続され、順に、第1のセグメント21aに平行である第3のセグメント21cに接続される。最も中間の第1のセグメント21aは、その第2の端部において、第4のセグメント21dに接続されており、この第4のセグメント21dは、順に、第1のセグメント21aに平行である第5のセグメント21eに接続されている。
【0198】
別のスロットアンテナ20eは、5つのセグメントを含む複数のセグメント21a~21eを備える。セグメント21a~21eの配置は、第4のスロットアンテナ20dの配置とやや似ているが、この例では、第3および第5のセグメント21c、21eが内側に延びている。このようにして、スロットアンテナ20eが配置される壁の長さは、スロットアンテナ20eによって、その電波長を長くするために、すなわち、電磁波を放射および/または捕捉するために電流が従う経路を長くするために再利用される。この場合、前記経路はすべてのセグメント21a~21eの連結であり、従ってその長さはセグメント21a~21eの長さの合計である。
【0199】
第2、第3、第4および第5のスロットアンテナ20b~20eの異なる配置は、例えば、それらが形成されるカプセルの壁の大きさに基づいて、スロットアンテナ20の有効長を増加させることを意図する。このようにして、マイナーな長さを特徴とする壁によってスロットアンテナ20の動作周波数を低下させることができる。
【0200】
図13A乃至図13Eの例示的なスロットアンテナ20a~20eはストレートのセグメントを有するが、他の実施形態では、その1つ、いくつか、またはすべてのセグメントが曲線状である、類似または異なるスロットアンテナジオメトリが配置され得る。同様に、スロットアンテナ20a~20eが対称性を特徴とする必要はなく、不規則なジオメトリを有することもできる。スロットアンテナは、電波長を増加させるために配置される壁の表面のより大きな部分を利用することを意図した蛇行状のジオメトリを特徴とすることもできる。
【0201】
いくつかの実施形態では、スロットアンテナ20(図1乃至図6図12A乃至図12E、および図13A乃至図13Eのうちのいずれか1つなどの実施形態のものであるが、これらに限定されない)の最大寸法は、少なくとも40mmである。いくつかの実施形態では、スロットアンテナ20(図1乃至図6図12A乃至図12E、および図13A乃至図13Eのうちのいずれか1つなどの実施形態のものであるが、これに限定されない)の最大寸法は、115mmに等しいかまたはそれ以下である。最大寸法によって、矩形(rectangle)の辺がスロット20に接しているスロット20の形状を囲む矩形(図13Dに破線で示された矩形25のようなものであるが、他の任意のスロットアンテナについて同様の矩形25を描くことができることは容易に明らかである)の最大辺を意味し、図13Dの矩形25を参照して、最大寸法は文字Lで示した辺の長さに対応しており、文字Wで示した辺の長さに比べ大きい。
【0202】
スロットアンテナの最大寸法は、異なる周波数についての電波特性に影響を与え、各周波数での利得(ゲイン)を増加または減少させる。
【0203】
いくつかの実施形態では、スロットアンテナ20(図1乃至図6図12A乃至図12E、および図13A乃至図13Eのいずれか1つのような実施形態の、しかし限定されない)が配置される壁の少なくとも1つの最大幅は、少なくとも20mmの幅を有する。いくつかの実施形態では、幅は、多くとも60mmである。少なくとも1つの壁を囲む矩形は、スロットアンテナ用の矩形25のように描かれてもよいが、矩形の辺が少なくとも1つの壁に接している。これらの場合の最大幅は、矩形の辺のうち最も短い辺の長さ、すなわち、図13Dに示されるが少なくとも1つの壁についての矩形による長さWに対応するものである。このように、矩形は、少なくとも1つの壁の特定の縦方向および第1の横方向に関して描かれる。
【0204】
壁の幅はスロットアンテナの利得に影響し、幅はカプセルを閉じる2つの垂直方向の方向に沿って測定され、前記2つの垂直方向の間で最も短い長さを有する。
【0205】
いくつかの実施形態では、スロットアンテナ20(図1乃至図6図12A乃至図12E、および図13A乃至図13Eのいずれか1つのような実施形態の、しかし限定されない)がある壁の少なくとも1つは、少なくとも1.0mmの厚さを有し、好ましくは、20.0mm以下である。いくつかの実施形態では、厚さは、2.0mmから8.0mmの間であり、端点はその範囲に含まれる。厚さは、少なくとも1つの壁を囲む矩形に含まれない壁の第3の寸法、すなわち、第2の横方向における厚さである。
【0206】
壁の厚さは、アースムービングマシン上のカプセルの位置に基づく地面係合作業中にカプセルが受けると予想される歪みまたは摩耗に基づいて選択され得る。厚さは、内部チャンバの内側に向かう方向に沿って測定され、従って、カプセルを閉じる2つの垂直方向、すなわち、最大長さおよび最大幅のうちのいずれでもない。厚みが上記の範囲内であれば、スロットアンテナの利得にほとんどまたはまったく影響を与えないことが判明している。
【0207】
図14A乃至図14Bは、実施形態による装置500aの異なる図を示す。
【0208】
装置500aは、その中に配置されたスロットアンテナ20を有するシート515を備える。さらに、これら図示のような好ましい実施形態では、シート515は、ホール効果センサのような電子デバイス30のセンサ90を設置するための少なくとも1つの溝25と、装置500aが(図15Bのように)デバイスに導入されている場合に抽出ツールによるデバイスの抽出を容易にし得る突出面65とを含んでいる。他の実施形態では、これらの追加の特徴、すなわち溝25および突出面65のうちの1つだけが存在するか、またはいずれも存在しない。
【0209】
抽出ツールは、装置500aのうち、突出面65に対して凹んでいる部分に部分的に導入することができる。抽出ツールは、突出面65に接触するようにもたらされる。そして、抽出ツールは、装置500aが挿入されるキャビティの開口部に向けて、換言すれば、抽出方向に向けて回転される。これにより、抽出ツールは、突出面65にトルクを与え、その結果、装置500aは、キャビティ内で回転する傾向となる。抽出ツールは、好ましくは、例えばパンチ、ドライバーなどのような先のとがったデバイスである。
【0210】
装置500aは、プリント回路基板32とバッテリー40とを含む電子デバイス30をさらに含む。PCB32は、例えば衝撃や応力によりよく耐えるために、シート515と機械的に結合される。この目的のために、ねじ39のような取り付け手段がPCB32をシート515に取り付けることができ、これは、PCB32のものと協働するためのそれ自体の取り付け手段、例えばこの場合ねじ孔などを含むことができる。バッテリー40は、好ましくは同様に、例えばクランプ48によって、PCB32と機械的に結合される。
【0211】
端子35、36は、シート515、PCB32、またはそれらの間に配置され、前者の給電のためにスロットアンテナ20とPCB32を電気的に接続する。PCB32に搭載された無線通信モジュール38は、スロットアンテナ20が電磁波を放射および/または捕捉し得るように、スロットアンテナ20の動作を制御する。
【0212】
前述のように、電子デバイス30は、溝25に配置されるセンサ90、および/または、いかなる溝にも配置されないセンサを、例えばPCB32に実装して構成することができる。
【0213】
図15A乃至図18のような他の実施形態では、電子デバイス30のバッテリー40が1つまたは複数のボタン電池である場合、装置500aはさらにコンパクトになることができる。
【0214】
図15Aは、装置500bの斜視図であり、図15Bは、キャビティ97に導入された状態の当該装置500bの断面図である。
【0215】
装置500bは、シート515に加えて、ホストされた電子デバイスに追加の保護を提供し、装置500bの剛性を高めることを意図した開放レセプタクルを形成するようにシート515から延びる1つまたは複数の側壁516を備える。1つまたは複数の側壁516は、シート515に機械的に結合することができ、例えば、それらは一緒に溶接することができ、またはシート515は、1つまたは複数の側壁516を形成するように曲げることができ、すなわち、シート515が一体的に側壁を提供する。
【0216】
前述したように、バッテリー40は、装置500bの薄型化を図るためにボタン電池である。
【0217】
ねじ19aはシート515と側壁516をすべて貫通しているが、他の実施形態ではねじ19aの貫通孔はシート515のみに配置され、すなわち壁516の突起の外側にある。ねじ19aは、装置500bを、その少なくとも1つの壁99に配置された孔を有するキャビティ97に固定する。
【0218】
装置500bは、シート515がキャビティ97の開口部96を覆うように配置され、開口部96が形成された面94と同一面に配置されることが好ましい。このようにすると、スロットアンテナから放射される電磁波の伝搬が促進され、シート515がキャビティ部97内に設けられる配置に比べて、より高い電力で電磁波を受信することができる。
【0219】
理解できるように、装置500bの電子デバイスは、シート515の、キャビティ97に対して内方を向いている面上に配置される。このように、シート515およびキャビティ97の壁99は、これらの部材のそれぞれによって保護されるチャンバを画定し、装置500bがそれ/それらを備える実施形態では、1つまたは複数の側壁516も、チャンバを保護するのに役立つ。また、スロットアンテナのスロット内に誘電体材料を覆うように設けることで、粒子の侵入をさらに低減することができる。そして、スロットアンテナはこのチャンバ内にないので、シート515と壁99とで形成されるファラデーケージは、スロットアンテナの電波性能に影響を与えない。
【0220】
図16Aは、装置500cの斜視図であり、図16Bは、キャビティ97に導入された状態の当該装置500cの断面図である。
【0221】
装置500cは、図15A乃至図15Bの装置500bと同様であるが、ねじの代わりに、装置500cは、締結手段としてシート515上に配置されたキャップ70を備える。キャップ70は、装置500cをキャビティ97の壁99に固定し、そこに導入された装置500cをより確実に維持する摩擦を生じさせるための突起71またはフィンを含む。装置500cは、好ましくは、キャップ70が側壁によって支持されるように、1つまたは複数の側壁516(または側壁を形成するように曲げられたシート515)も備えている。
【0222】
図17Aは、装置500dの斜視図であり、図17Bは、キャビティ97に導入された状態の当該装置500dの断面図である。
【0223】
装置500dはシート515を備え、締結手段として、その1つまたは複数の縁部が、壁99またはキャビティ97の開口部96が形成される表面94に溶接され、それによって1つまたは複数の溶接接合部600を形成する。シート515の1つまたは複数の縁部は、シート515の最大の表面に対して90°とは異なる角度を形成して配置することができ、すなわち、それらはその最大の表面(すなわち、スロットアンテナが配置される表面)に対して垂直ではないことから、溶接プロセスを容易にし得る。
【0224】
図18は、キャビティ97に導入された状態の装置500eの断面図である。
【0225】
装置500eは、シート515および電子デバイスに取り付けられ、さらにキャビティの壁99に取り付けられた誘電体材料601を備える。誘電体材料601は、好ましくは、ポッティングプロセスによって付与される。
【0226】
図14A乃至図18を参照すると、シート515が1つまたは複数の溝25を備え、1つまたは複数のホール効果センサがそれらの溝25の1つに配置されているそれらの実施形態では、センサがシート515の金属材料によって妨げられることなくデバイス95の外側に向かって感知できるように、前記溝25は、好ましくは、キャビティ97に対して外側を向いているシート515の面上にある。ホール効果センサは、磁場を検出することができ、シート515の他の面よりも磁場の変化が少ないので、このような溝に配置されると、よりよく磁場を検出することができる。センサは、アースムービングマシンの別のデバイスからのアースムービングマシンのデバイスの落下検出、例えば、中間アダプタ、溶接式アダプタまたは機械的に取り付けられたアダプタのような別の摩耗要素からの歯のような摩耗要素の検出に使用することができる。この目的のために、センサは、他のデバイスに配置された1つまたは複数の磁石からの磁場を検出し、その磁場がホール効果センサによって測定可能であるようにする。
【0227】
他の実施形態では、図14A乃至図18を参照して説明したようなデバイスの電子デバイスは、バッテリー40を含まず、その場合、デバイスおよびスロットアンテナは、別個の電源によって通電され得る。
【0228】
図19A乃至図19Bは、実施形態によるカプセル10の異なる断面を示す。
【0229】
カプセル10は、複数の壁15a~15bを含み、見えないが壁15aの1つは、その上に配置されたスロットアンテナを有する。複数の壁15a~15bによって形成される内側チャンバ内には、PCB32がスロットアンテナおよびバッテリー40と電気的に接続されている。
【0230】
カプセル10は、スロットアンテナを有する壁15aに隣接して、特にその外面に配置されたプロテクタ50をさらに含む。図20A乃至図20Bにも図示されているプロテクタ50は、前記壁面15aを例えば微粉から保護する。
【0231】
図19A乃至図19Bのようにカプセル10がキャップ70を備える実施形態では、プロテクタ50は、キャップ70とスロットアンテナを有する壁15aの間にあることが好ましい。
【0232】
図20A乃至図20Bは、図19A乃至図19Bのもののように、実施形態によるカプセルに提供されるようなプロテクタ50の異なる図を示す。
【0233】
プロテクタ50は、スロットアンテナによる無線信号の送信および/または受信を妨害しないように、電気的に非導電性の材料で作られている。プロテクタ50の材料は、プロテクタ50を剛性にするために選択されることが好ましく、電気的に非導電性の合金を含むが、これらに限定されない。
【0234】
プロテクタ50は、好ましくは、取り付け手段51、この場合、ねじを導入するための貫通孔を備えるが、接着剤を含む他の取り付け手段も同様に可能である。プロテクタ50の1つの面には、好ましくは、スロットアンテナのスロットに応じた形状および寸法の突出部52が設けられている。プロテクタ50が図19A乃至図19Bのように、すなわちカプセルの外面に配置されるとき、突起52を有する面は内側チャンバに向かっており、スロットアンテナのスロットと積極的に(ポジティブに)繋がっている。
【0235】
図21は、実施形態によるカプセル10の分解斜視図である。
【0236】
カプセル10は、少なくとも、内側チャンバを提供する複数の壁15a~15bと、バッテリー40と、PCB32と、壁15aの1つに設けられたスロットアンテナ20と、プロテクタ50と、ねじ19aおよび協働ナット19bの形態の取り付け手段と、キャップ70とを含む。
【0237】
本文中では、用語「備え(comprise)」およびその派生語(「備える(comprising)」等)は、排除的な意味で理解されるべきではなく、すなわち、これらの用語は、説明および定義されているものがさらなる要素、ステップ等を含み得る可能性を排除すると解釈されるべきではない。
【0238】
一方、本開示は、明らかに、本明細書に記載された特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に規定される本発明の一般的範囲内で、当業者であれば(例えば、材料の選択、寸法、構成要素、構成などに関して)考えられるあらゆる変形を包含するものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A-12E】
図13A
図13B
図13C
図13D
図13E
図14A
図14B
図15A
図15B
図16A
図16B
図17A
図17B
図18
図19A
図19B
図20A-20B】
図21
【国際調査報告】