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特表2023-549714ケラチン物質をコンディショニングするための組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-29
(54)【発明の名称】ケラチン物質をコンディショニングするための組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/25 20060101AFI20231121BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20231121BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20231121BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20231121BHJP
   A61Q 5/00 20060101ALI20231121BHJP
【FI】
A61K8/25
A61K8/34
A61K8/37
A61Q19/00
A61Q5/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526411
(86)(22)【出願日】2020-10-30
(85)【翻訳文提出日】2023-06-28
(86)【国際出願番号】 CN2020125377
(87)【国際公開番号】W WO2022088065
(87)【国際公開日】2022-05-05
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
【氏名又は名称原語表記】L’OREAL
【住所又は居所原語表記】14 Rue Royale,75008 PARIS,France
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133086
【弁理士】
【氏名又は名称】堀江 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】ユアンジ・グオ
(72)【発明者】
【氏名】シチェン・ジャン
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB051
4C083AB171
4C083AB172
4C083AC061
4C083AC071
4C083AC101
4C083AC102
4C083AC111
4C083AC121
4C083AC331
4C083AC391
4C083AC401
4C083AC421
4C083AC432
4C083AC441
4C083AD091
4C083AD092
4C083AD131
4C083AD132
4C083AD201
4C083AD211
4C083AD261
4C083AD262
4C083AD351
4C083AD531
4C083AD532
4C083BB06
4C083BB25
4C083BB26
4C083BB51
4C083BB53
4C083CC02
4C083CC31
4C083DD23
4C083DD27
4C083EE06
4C083EE07
4C083EE12
(57)【要約】
ケラチン物質をコンディショニングするための組成物であって、(A)親油性に改質されたシリカの球状粒子、(B)水及びアルコールから選択される媒体/溶媒、並びに(C)少なくとも1種のコンディショニング活性剤を含む、組成物に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケラチン物質をコンディショニングするための組成物であって、
(A)媒体/溶媒に均一に分散した、親油性に改質されたシリカの球状粒子、
(B)水及びアルコールから選択される、少なくとも1種の媒体/溶媒、並びに
(C)少なくとも1種のコンディショニング活性剤
を含む、組成物。
【請求項2】
親油性に改質されたシリカの前記球状粒子(A)が、シリル化シリカ及びジメチルシリル化シリカを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
親油性に改質されたシリカの前記球状粒子(A)が、前記組成物の総質量に対して、0.01質量%~10質量%の範囲内、好ましくは0.01質量%~5質量%の範囲内、好ましくは0.1質量%~3質量%の範囲内、又は好ましくは0.3質量%~1質量%の範囲内の量で存在する、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記アルコールが、C2~C10一価アルコール、C2~C10ジオール、及び3個以上のヒドロキシル官能基を含有するC3~C6ポリオール、例えばエタノール、(イソ)プロパノール、ブタノール、ヘキシレングリコール、ネオペンチルグリコール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコールからなる群から選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記媒体/溶媒(B)が、水及びアルコールの両方を含み、水が、前記組成物中に、前記組成物の質量に対して、40質量%~99質量%、より好ましくは50質量%~90質量%、若しくは60質量%~80質量%の量で存在し、及び/又はアルコールが、前記組成物中に、前記組成物の質量に対して、0.1質量%~40質量%、より好ましくは1質量%~30質量%、若しくは5質量%~20質量%の量で存在する、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記コンディショニング活性剤(C)が、非シリコーンカチオン性界面活性剤、脂肪エステル及びメントール、並びにこれらの誘導体からなる群から選択される、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記コンディショニング活性剤(C)が、前記組成物の総質量に対して、0.001質量%~1質量%の範囲内、好ましくは0.01質量%~0.5質量%の範囲内、又は好ましくは0.02質量%~0.2質量%の範囲内の量で存在する、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
カルボン酸ポリマー、架橋ポリアクリレートポリマー、ポリアクリルアミドポリマー、多糖類及びガム、又はこれらの混合物、好ましくはアクリル酸、置換アクリル酸、並びにアクリル酸及び置換アクリル酸の塩及びエステル、例えばカルボマーからなる群から選択される、少なくとも1種の増粘剤(D)を更に含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記少なくとも1種の増粘剤(D)が、前記組成物中に、前記組成物の総質量に対して、0.01質量%~5質量%、好ましくは0.05質量%~3質量%の範囲内、又は好ましくは0.1質量%~1質量%(これらの間の全ての範囲及び部分範囲を含む)の範囲内の量で存在する、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
カチオン性セルロースコポリマー、又は水溶性の第四級アンモニウムモノマーでグラフトされたセルロース誘導体、例えばポリクオタニウムポリマーからなる群から選択される、少なくとも1種のカチオン性ポリマー(E)を更に含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記カチオン性ポリマー(E)が、前記組成物中に、前記組成物の質量に対して、0.01~5質量%、好ましくは0.05~1質量%、又は好ましくは0.1~0.6質量%(これらの間の全ての範囲及び部分範囲を含む)の量で存在する、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
C18~C24脂肪酸のグリセリルエステル、及びそのオキシアルキレン化誘導体;C8~C24脂肪酸のポリエチレングリコールエステル、及びそのオキシアルキレン化誘導体;C8~C24脂肪酸のソルビトールエステル、及びそのオキシアルキレン化誘導体;C8~C24脂肪酸のソルビタンエステル、及びそのオキシアルキレン化誘導体;C8~C24脂肪酸の糖エステル、及びそのオキシアルキレン化誘導体;脂肪アルコールエーテル;C8~C24脂肪アルコールの糖エーテル、並びにこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の可溶化剤(F)を更に含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記可溶化剤(F)が、前記組成物中に、前記組成物の質量に対して、0.01%~5%、例えば0.05%~3%、又は0.1~1%(これらの間の全ての範囲及び部分範囲を含む)の量で存在する、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
シリコーン系油を含まない、請求項1から13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
皮膚、頭皮及び/又は毛髪のケアに有用な、請求項1から14のいずれか一項に記載の組成物を含む、リーブオンケラチン物質ケア製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、ケラチン物質を、特に、皮膚を、頭皮を、又は頭皮とともに毛髪をコンディショニングするための組成物に関する。本発明はまた、本発明の組成物を使用して、ケラチン物質を、特に、皮膚を、頭皮を、又は頭皮とともに毛髪をコンディショニングするための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
ケラチン物質は、人体の表面、例えば、皮膚、頭皮及び毛髪に広く存在する。多くの人が、長い間、日々の生活及び作業で快適に感じるように、体表面を清涼にすることを求めてきた。とりわけ、べたつき/脂汚れの感触は、多くの人が特に気にかけている。したがって、人のべたついた又は脂で汚れた感触に対処するために、様々な製品が開発されている。
【0003】
体表面のケラチン物質において、頭皮は、特に容易に脂に見舞われる。別個の形態で提供されるもの、例えば、ローション、スプレー等、並びに毛髪及び/又は頭皮のための従来製品に組み込まれたもの、例えば、シャンプー、リーブオン及び/又はリンスオフコンディショナーを含めて、べたついた又は脂で汚れた頭皮のために、様々な配合物が開発されてきた。
【0004】
様々なコンディショニング組成物が、主に毛髪のために開発されてきたが、これらは一般に、毛髪を改善する、又は毛髪に天然の艶、光沢、滑らかさ及び柔らかさを戻すために使用される。シャンプー洗浄とともに使用する場合、毛髪をコンディショニングするための一般に受け入れられている方法は、毛髪をシャンプー洗浄した後、毛髪をすすぎ、次いで、コンディショナー組成物を適用し、任意選択で続いて2回目のすすぎを行うことであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第4131576号
【特許文献2】米国特許出願公開第2004/0170586号
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook(第9版、2002)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、主に頭皮をケアするための、とりわけ脂で汚れていない感触のための新たな組成物を開発することが、当技術分野において依然として必要である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の概要
シリカは、例えば、従来の充填剤として、又はレーキ用に染料を吸収するための基材として、化粧品に使用されることが公知である。シリカの誘導体及び/又は改質シリカも使用される。しかしながら、当技術分野において、ケラチン物質の脂で汚れた状態を解決する、(改質)シリカの一切の役割については知られていない。深い研究によって、本発明者らは、驚くべきことに、特異的に改質されたシリカ、とりわけ、構造と化学結合との両方の観点における改質物を、特別な形態で使用することによって、ケラチン物質における、特に頭皮における皮脂の移動、したがって脂で汚れた感触を、効果的に抑制できることを発見した。
【0009】
したがって、本発明の1つの主題は、このように、
媒体/溶媒に均一に分散した、親油性に改質されたシリカの球状粒子、及び
少なくとも1種の媒体/溶媒
を含む、ケラチン物質をコンディショニングするためのリーブオン組成物である。
【0010】
本発明による組成物は、ケラチン物質のコンディショニングに、例えば、特に頭皮ケアに、特に有用である。したがって、本発明の組成物は、頭皮に直接、皮膚に、又は頭皮とともに毛髪に適用するための、様々な形態、例えば、ローション、クリーム、スプレー等でありうる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態
特許請求の範囲を含めた本記載の全体にわたって、「(単数の)~を含む(comprising a)」という用語は、別段の言及がない限り、「少なくとも1つの~を含む」と同義であると理解されるべきである。更に、本記載において使用される「少なくとも1つ」という表現は、「1つ又は複数」という表現と同等である。
【0012】
特許請求の範囲を含めた本記載の全体にわたって、「含む(comprising)」等を用いて規定される実施形態は、「~から実質的になる」を用いて規定される好ましい実施形態、及び「~からなる」を用いて規定される好ましい実施形態を包含するものと理解されるべきである。
【0013】
操作の例又は別段指示される場合を除いて、成分の量及び/又は反応条件を表す全ての数値は、全ての例において、「約」という用語によって修飾されており、例えば、指示される数値の10%以内で、当技術分野において従来公知の意味を有する(例えば、「約10%」とは9%~11%を意味し、「約2%」とは1.8%~2.2%を意味する)と理解されるべきである。
【0014】
特許請求の範囲を含めた本記載全体にわたって、本発明による「ケラチン物質」とは、皮膚、毛髪、頭皮、まつ毛、眉毛、体毛、爪、唇又は粘膜である。好ましくは、本発明によるケラチン物質は、べたついた若しくは脂で汚れた感触を感じやすい箇所、例えば頭皮若しくは皮膚、及び/又はべたついた若しくは脂で汚れた感触が、例えば毛髪への影響力を有する箇所である。
【0015】
特許請求の範囲を含めた本記載全体にわたって、本発明による「~をケアする」、「~をケアすること」等は、ケラチン物質の状態をケア、維持又は改善するための一切の手段を包含し、ケラチン物質、例えば皮膚若しくは頭皮をケアする従来の手段だけではなく、ケラチン物質、例えば毛髪若しくは頭皮をコンディショニング及び/又は浄化するのに有用であることが公知である一切の手段も含むものと理解されるべきである。
【0016】
本出願において、具体的な別段の言及がない限り、含有量、部及び百分率は、質量基準において表される。
【0017】
本発明は、ケラチン物質をケアするための組成物であって、
(A)媒体/溶媒に均一に分散した、親油性に改質されたシリカの球状粒子、
(B)水及びアルコールから選択される、少なくとも1種の媒体/溶媒、並びに
(C)少なくとも1種のコンディショニング活性剤
を含む、組成物を対象とする。
【0018】
したがって、本発明は、体表面、とりわけ頭皮における、ケラチン物質の脂汚れの感触を鎮めるための、親油性に改質されたシリカの球状粒子の使用を提供する。
【0019】
本発明の他の特徴及び利点は、以下の記載及び実施例を読むことで、より明らかになろう。
【0020】
親油性に改質されたシリカの球状粒子(A)
本発明の組成物は、親油性に改質されたシリカの球状粒子(A)を含む。
【0021】
本発明によれば、「球状粒子」とは、球形若しくは少なくともおおよそ球形の形状における粒子、及び/又は約0.9~1.1、例えば約0.95~1.05のアスペクト比を有する粒子を意味する。例えば、当業者は、従来の知識によって、ある粒子が球体の形状であるかを判定することができる。特に、所与のシリカに関して、球体の形状を、プレート、ロッド、粉末、ストリップ、不規則形状等の他の形状と区別すること、及び同様に無定形と区別することは、当技術分野の者の通常の技能の範囲内である。
【0022】
本発明によれば、「均一に分散した」状態は、シリカには望ましい。例えば、当技術分野における公知の定義及び/又は基準を有する、分散体、エマルション、溶液等の形成は、「均一に分散した」状態の達成ということができる。それでも、当業者がある状態を、ひとたび「均一に分散していない」状態とは有意に区別されると判定できれば、その状態は、「均一に分散した」状態を有効に満足するものとみなすことができると理解されるべきである。
【0023】
本発明によれば、「親油性に改質された」シリカとは、親油性改質を施したシリカを意味する。本発明によれば、親油性改質とは、疎水性又は親油性処理をシリカにもたらすことができる、一切のオルガノ改質(organo-modification)を意味する。例えば、シリカは、シロキサン化合物、例えばヒドロキシジメチルシロキサン(又は他のシラン、例えばシラザン等)によって処理することができ、これを通じて、シリカの表面のシラノール基とシロキサン化合物のシラノール基とが縮合する。中でも、「親油性に改質された」シリカの有用な例として、シリル化シリカ(silica silylate)及びジメチルシリル化シリカ、例えばシリル化シリカ、例えば、株式会社トクヤマからAIRLICA(登録商標)TL-10の名称で入手可能なものを挙げることができる。
【0024】
本発明によれば、組成物に組み込まれている場合、親油性に改質されたシリカの球状粒子は、500ml/100g以上、600ml/100g以上、又は更には700ml/100g以上の油吸収容量を示すことができる。
【0025】
親油性に改質されたシリカの球状粒子(A)は、本発明による組成物中に、組成物の総質量に対して、0.01質量%~5質量%の範囲内、好ましくは0.1質量%~3質量%の範囲内、又は好ましくは0.3質量%~1質量%の範囲内の量で存在しうる。
【0026】
媒体/溶媒(B)
本発明による組成物は、有利には、水及び/又は有機媒体/溶媒を含む、成分(B)として使用するための少なくとも1種の媒体/溶媒を含むことができる。本発明の目的上、成分(B)は、成分(A)、親油性に改質されたシリカの球状粒子、及び存在する場合、他の不溶性成分をできるだけ均一に分散させるための媒体としての役割を果たし、且つ存在する場合、他の可溶性成分のための溶媒としての役割を果たす。
【0027】

本発明による組成物は、有利には、様々な量で水を含んでもよい。組成物の低粘度適用の場合、例えばリーブオンローションの形態では、比較的多量の水が使用されうる。例えば、水は、組成物の総質量に対して40質量%以上の含有量で使用される。本発明による低粘度組成物中の水の含有量は、組成物の総質量に対して、好ましくは40質量%~99質量%、より好ましくは50質量%~90質量%、又は60質量%~80質量%の範囲内である。
【0028】
組成物の高粘度適用の場合、例えばリーブオンクリームの形態では、比較的少量の水が使用されうる。本発明による高粘度組成物は、有利には、水を、組成物(I)の総質量に対して40質量%以下の含有量で含む。本発明による低粘度組成物中の水の含有量は、組成物の総質量に対して、好ましくは10質量%~40質量%、より好ましくは15質量%~35質量%、又は20質量%~30質量%の範囲内である。
【0029】
有機媒体/溶媒
本発明による組成物はまた、1種又は複数の有機媒体/溶媒、好ましくは水溶性有機媒体/溶媒(25℃且つ大気圧において、水中で5%以上の溶解度)を含んでもよい。
【0030】
挙げることができる有機媒体/溶媒の例には、単独で、又は混合物として、直鎖状又は分枝鎖状で、好ましくは飽和した、2~10個の炭素原子を含む一価アルコール又はジオール、例えば、エタノール、(イソ)プロパノール、ブタノール、ヘキシレングリコール(2-メチル-2,4-ペンタンジオール)、ネオペンチルグリコール及び3-メチル-1,5-ペンタンジオール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール及びプロピレングリコール;芳香族アルコール、例えばフェニルエチルアルコール;3個以上のヒドロキシル官能基を含有するポリオール、特にC3~C6ポリオール、例えばグリセロール;ポリオールエーテル、例えば、エチレングリコールのモノメチル、モノエチル及びモノブチルエーテル、プロピレングリコール又はそのエーテル、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル;並びにまたジエチレングリコールアルキルエーテル、とりわけC1~C4アルキルエーテル、例えば、ジエチレングリコールのモノエチルエーテル又はモノブチルエーテルが含まれる。
【0031】
有機媒体/溶媒は、存在する場合、一般に、本発明による組成物の総質量に対して、0.1質量%から40質量%の間、好ましくは1質量%から30質量%の間、又は5質量%から20質量%の間に相当する。
【0032】
コンディショニング活性剤(C)
本発明による組成物はまた、とりわけ、ケラチン物質に有用なリーブオンコンディショナー製品の場合に、コンディショニング効果に資する、少なくとも1種のコンディショニング活性剤(C)を含んでもよい。
【0033】
本発明のコンディショニング活性剤(C)は、毛髪の張り、しなやかさ若しくは艶を増加させることによって、又は物理的に若しくは化学処理による損傷を受けた毛髪のテクスチャを改善することによって、頭皮/毛髪の外観及び感触を増進させる成分を指しうる。従来の頭皮/毛髪コンディショニング活性剤は、本発明に十分に適合する。このようなコンディショニング活性剤としては、非シリコーンカチオン性界面活性剤、シリコーン、脂肪エステル、及び望ましい毛髪コンディショニング特性を有するものとして当技術分野において公知の他の成分が挙げられる。
【0034】
中でも、カチオン性界面活性剤が、コンディショニング剤として広く使用される。この種のカチオン性界面活性剤が、毛髪にコンディショニング効果を提供する能力は、アルキル鎖の疎水性の性質、及び極性頭部基のカチオン性電荷に起因する。公知のカチオン性界面活性剤の例は、分子中に少なくとも1個のアルキル長鎖を含有する第四級アンモニウム化合物である。「非シリコーンカチオン性界面活性剤」という用語は、構造中にシリコーン原子を有せず、且つ本発明の組成物中に含有されるとき、正電荷を帯びている界面活性剤を意味する。この界面活性剤は、1個若しくは複数の永久正電荷を有しうる、又は本発明の組成物中でカチオン化可能な、1個若しくは複数の官能基を含有しうる。
【0035】
コンディショニング剤が脂肪エステルである場合、C8~C30脂肪酸とC8~C30脂肪アルコールとのエステルを含む、C8~C30脂肪酸とC1~C30一価アルコール若しくはポリオールとのエステル、又はC1~C7二塩基酸とC8~C30脂肪アルコールとのエステルのいずれかであってもよい。
【0036】
本発明のコンディショニング活性剤(C)はまた、冷感及び/又は清涼感を提供するもの、例えば、メントール及びその誘導体、例えば、エチルメンタンカルボキサミド、乳酸メンチル、メントキシプロパンジオールであってもよい。
【0037】
コンディショニング活性剤(C)は、本発明による組成物中に、組成物の総質量に対して、0.001質量%~1質量%の範囲内、好ましくは0.01質量%~0.5質量%の範囲内、又は好ましくは0.02質量%~0.2質量%の範囲内の量で存在しうる。
【0038】
増粘剤(D)
リーブオン形態として、リーブオン製品は、頭皮に、又は頭皮とともに毛髪に、一様に分散させられうることが好ましい。したがって、得られる製品の粘度を調整し、頭皮、又は頭皮とともに毛髪における、組成物のラメラ分散又は一様なフィルムの形成を促進することができるように、少なくとも1種の増粘剤(D)を、好ましくは、本発明による組成物に組み込むことができる。
【0039】
増粘剤(D)としては、組成物内の活性成分のうちの1種又は複数の有効性を著しく変化させることなく、組成物の粘度を上昇させるものが挙げられる。増粘剤はまた、組成物の組成安定性を上昇させることができる。
【0040】
増粘剤(D)の非限定例としては、カルボン酸ポリマー、架橋ポリアクリレートポリマー、ポリアクリルアミドポリマー、多糖類及びガムが挙げられる。
【0041】
カルボン酸ポリマーの例としては、アクリル酸、置換アクリル酸、並びにこれらのアクリル酸及び置換アクリル酸の塩及びエステルから誘導される1種又は複数のモノマーを含有する架橋性化合物が挙げられ、架橋剤は、2個以上の炭素を含有する。炭素二重結合はポリオールに由来する。市販のカルボン酸ポリマーの例としてはカルボマーが挙げられ、これは、スクロース又はペンタエリスリトールのアリルエーテルによって架橋されたアクリル酸のホモポリマーである(例えば、LUBRIZOL社製のCARBOPOL(登録商標)ULTREZ10 POLYMER)。
【0042】
非イオン性ポリアクリルアミドポリマーを含み、置換された分枝鎖状又は非分枝鎖状ポリマーを含む、ポリアクリルアミドポリマーの非限定例としては、ポリアクリルアミド、イソパラフィン及びラウレス-7、アクリルアミドが挙げられる。並びにアクリルアミドとアクリル酸及び置換アクリル酸との置換マルチブロックコポリマー。
【0043】
多糖類の非限定例としては、セルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、微結晶セルロース、硫酸セルロースナトリウム及びこれらの混合物が挙げられる。別の例は、アルキル置換セルロースであり、セルロース系ポリマーのヒドロキシル基が、ヒドロキシアルキル化(好ましくは、ヒドロキシエチル化又はヒドロキシプロピル化)されて、ヒドロキシアルキル化セルロースを形成しており、続いて、C10~C30直鎖状又は分枝鎖状アルキル基が、エーテル結合によって更に改質される。これらのポリマーは、典型的には、C10~C30直鎖状又は分枝鎖状アルコールと、ヒドロキシアルキルセルロースとのエーテルである。他の有用な多糖類としては、(1-3)結合グルコース単位を含む直鎖状スクレログルカンが挙げられ、3つの単位の各々が、(1-6)結合グルコースを有する。
【0044】
ガムの非限定例としては、アラビアガム、アガー、アルギン、アルギン酸、アルギン酸アンモニウム、アミロペクチン、アルギン酸カルシウム、カラギーナンカルシウム、カルニチン、カラギーナン、デキストリン、ゼラチン、グアーガム、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ヘクトライト、ヒアルロン酸、含水シリカ、ヒドロキシプロピルキトサン、ヒドロキシプロピルグアー、カラヤガム、海藻、ローカストビーンガム、ナットウガム、アルギン酸カリウム、カラギーナンカリウム、アルギン酸プロピレングリコール、スクレロチウムガム、カルボキシメチルデキストランナトリウム、カラギーナンナトリウム、トラガカント、キサンタンガム及びこれらの混合物が挙げられる。
【0045】
挙げることができるポリマー系増粘剤の他の例には、ビニルポリマー、例えばポリビニルピロリドン、メチルビニルエーテルとリンゴ酸無水物とのコポリマー、酢酸ビニルとクロトン酸とのコポリマー、ビニルピロリドンと酢酸ビニルとのコポリマー;ビニルピロリドンとカプロラクタムとのコポリマー;ポリビニルアルコールが含まれる。
【0046】
増粘剤は、本発明による組成物中に、組成物の総質量に対して、0.01質量%~5質量%の範囲内、好ましくは0.05質量%~3質量%の範囲内、又は好ましくは0.1質量%~1質量%の範囲内の量で存在しうる。
【0047】
カチオン性ポリマー(E)
本発明による組成物は、任意選択で、少なくとも1種のカチオン性ポリマーを含んでもよい。
【0048】
「カチオン性ポリマー」という用語は、カチオン性基、及び/又はカチオン性基へとイオン化することができる基を含む任意のポリマーを意味することが意図される。好ましくは、カチオン性ポリマーは、親水性又は両親媒性である。好ましいカチオン性ポリマーは、ポリマー主鎖の一部を形成しうるか、又はそれに直接結合している側鎖置換基によって保持されうるかのいずれかである、第一級、第二級、第三級及び/又は第四級アミン基を含む単位を含有しているものから選択される。好ましくは、本組成物は、カチオン性多糖類、特にカチオン性セルロース及びカチオン性ガラクトマンナンガムを含むことができる。本発明の目的上、本組成物は、好ましくはカチオン性セルロースを含む。
【0049】
カチオン性セルロースの中でも、本組成物は、カチオン性セルロースコポリマー、又は水溶性の第四級アンモニウムモノマーでグラフトされたセルロース誘導体を含み、これは、例えば米国特許第4131576号に記載されており、挙げることができるのは、ヒドロキシアルキルセルロース、例えば、特にメタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム塩、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、ジメチルジアリルアンモニウム塩、又はヒドロキシプロピルトリアルキルアンモニウム塩、例えば2-ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドでグラフトされた、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース又はヒドロキシプロピルセルロースである。この定義に対応する市販製品は、特に、National Starch社により、Celquat(登録商標)L 200及びCelquat(登録商標)H 100の名称で販売されている製品、ポリクオタニウム-10(ヒドロキシエチルセルロース-2-ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドエーテル)、例えば、KCI社によりPolyquta(登録商標)400KCの名称で販売されている製品、ポリクオタニウム-6(ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド)、例えば、Nalco社によりMerquat(商標)100ポリマーの名称で販売されている製品である。中でも、ポリクオタニウムポリマー、例えば、ポリクオタニウム-7、11、15、16、22、39、47、55、67及び76が特に好ましい。
【0050】
カチオン性ポリマー(E)は、本発明による組成物中に、組成物の総質量に対して、0.01~5質量%、好ましくは0.05~1質量%、又は好ましくは0.1~0.6質量%の範囲内の量で存在しうる。
【0051】
可溶化剤(F)
親油性に改質されたシリカの球状粒子(A)は、水-アルコール系において、本発明の組成物に組み込まれうる。したがって、水性相に、少なくとも1種の可溶化剤(F)が好ましくは含まれる。十分な分散という目的上、可溶化剤は、好ましくは非イオン界面活性剤又はその混合物、より好ましくは可溶化剤の複合体である。
【0052】
有用な非イオン界面活性剤の例は、ポリオールと、例えば8~24個の炭素原子、いっそう良好には12~22個の炭素原子を含有する飽和又は不飽和鎖を有する脂肪酸とのエステル、及びそのオキシアルキレン化誘導体、すなわち、オキシエチレン化及び/又はオキシプロピレン化単位を含有する誘導体、例えば、C8~C24脂肪酸のグリセリルエステル及びそのオキシアルキレン化誘導体;C8~C24脂肪酸のポリエチレングリコールエステル及びそのオキシアルキレン化誘導体;C8~C24脂肪酸のソルビトールエステル及びそのオキシアルキレン化誘導体;C8~C24脂肪酸の糖(スクロース、グルコース又はアルキルグルコース)エステル及びそのオキシアルキレン化誘導体;脂肪アルコールのエーテル;C8~C24脂肪アルコールの糖エーテル、並びにこれらの混合物を含みうる。
【0053】
とりわけ挙げることができる脂肪酸のグリセリルエステルには、ステアリン酸グリセリル(モノステアリン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル及び/若しくはトリステアリン酸グリセリル)(CTFA名:ステアリン酸グリセリル)、オレイン酸グリセリル又はリシノール酸グリセリル、並びにこれらの混合物が含まれる。
【0054】
とりわけ挙げることができる脂肪酸のポリエチレングリコールエステルには、ステアリン酸ポリエチレングリコール(モノステアリン酸ポリエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール及び/若しくはトリステアリン酸ポリエチレングリコール)、とりわけモノステアリン酸ポリエチレングリコール 50 OE(CTFA名:ステアリン酸PEG-50);及びモノステアリン酸ポリエチレングリコール 100 OE(CTFA名:ステアリン酸PEG-100)、並びにこれらの混合物が含まれる。
【0055】
これらの界面活性剤の混合物、例えば、Uniqema社によりArlacel(登録商標)165の名称で市販されている、ステアリン酸グリセリル及びステアリン酸PEG-100を含有する製品、並びにGoldschmidt社によりTegin(登録商標)の名称で販売されている、ステアリン酸グリセリル(モノ-ジステアリン酸グリセリル)及びステアリン酸カリウムを含有する製品(CTFA名:ステアリン酸グリセリルSE)を使用してもよい。
【0056】
挙げることができるグルコース又はアルキルグルコースの脂肪酸エステルには、特に、パルミチン酸グルコース、セスキステアリン酸アルキルグルコール、例えばセスキステアリン酸メチルグルコース、パルミチン酸アルキルグルコース、例えばパルミチン酸メチルグルコース又はパルミチン酸エチルグルコース、メチルグルコシドの脂肪エステル、とりわけメチルグルコシドとオレイン酸とのジエステル(CTFA名:ジオレイン酸メチルグルコース);メチルグルコシドとオレイン酸/ヒドロキシステアリン酸混合物との混合エステル(CTFA名:ジオレイン酸/ヒドロキシステアリン酸メチルグルコース);メチルグルコシドとイソステアリン酸とのエステル(CTFA名:イソステアリン酸メチルグルコース);メチルグルコシドとラウリル酸とのエステル(CTFA名:ラウリン酸メチルグルコース);メチルグルコシドとイソステアリン酸とのモノエステル及びジエステルの混合物(CTFA名:セスキイソステアリン酸メチルグルコース);メチルグルコシドとステアリン酸とのモノエステル及びジエステルの混合物(CTFA名:セスキステアリン酸メチルグルコース)、並びに特に、Amerchol社によりGlucate(登録商標)SSの名称で販売されている製品、並びにこれらの混合物が含まれる。
【0057】
挙げることができる脂肪酸とグルコース又はアルキルグルコースとのオキシエチレン化エーテルの例には、脂肪酸とメチルグルコースとのオキシエチレン化エーテル、特に約20molのエチレンオキシドを含有する、メチルグルコースとステアリン酸とのジエステルのポリエチレングリコールエーテル(CTFA名:ジステアリン酸PEG-20メチルグルコース)、例えば、Amerchol社によりジステアリン酸Glucam(登録商標)E-20の名称で販売されている製品;約20molのエチレンオキシドを含有する、メチルグルコースとステアリン酸とのモノエステル及びジエステルとの混合物のポリエチレングリコールエーテル(CTFA名:セスキステアリン酸PEG-20メチルグルコース)、特に、Amerchol社によりGlucamate(登録商標)SSE-20の名称で販売されている製品、及びGoldschmidt社によりGrillocose(登録商標)PSE-20の名称で販売されている製品、並びにこれらの混合物が含まれる。
【0058】
挙げることができるスクロースエステルの例には、パルミトステアリン酸スクロース、ステアリン酸スクロース及びモノラウリン酸スクロースが含まれる。
【0059】
挙げることができる脂肪アルコールエーテルの例には、8~30個の炭素原子、とりわけ10~22個の炭素原子を含有する脂肪アルコールのポリエチレングリコールエーテル、例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコール又はセテアリルアルコール(セチルアルコールとステアリルアルコールとの混合物)のポリエチレングリコールエーテルが含まれる。挙げることができる例には、1~200個、好ましくは2~100個のオキシエチレン基を含むエーテル、例えば、CTFA名セテアレス-20及びセテアレス-30のエーテル、並びにこれらの混合物が含まれる。
【0060】
とりわけ挙げることができる糖エーテルは、アルキルポリグルコシド、例えばデシルグルコシド、例えば、Kao Chemicals社によりMydol(登録商標)10の名称で販売されている製品、Henkel社によりPlantaren(登録商標)2000の名称で販売されている製品、及びSEPPIC社によりOramix(登録商標)NS 10の名称で販売されている製品;カプリリル/カプリルグルコシド、例えば、SEPPIC社によりOramix(登録商標)CG 110の名称で販売されている製品、又はBASF社によりLutensol(登録商標)GD 70の名称で販売されている製品;ラウリルグルコシド、例えば、Henkel社により、Plantaren(登録商標)1200 N及びPlantacare(登録商標)1200の名称で販売されている製品;ココグルコシド、例えば、Henkel社によりPlantacare(登録商標)818/UPの名称で販売されている製品;任意選択でセトステアリルアルコールとの混合物としての、セトステアリルグルコシド、例えば、SEPPIC社によりMontanov(登録商標)68の名称で、Goldschmidt社によりTego-Care(登録商標)CG90の名称で、及びHenkel社によりEmulgade(登録商標)KE3302の名称で販売されているもの;アラキジルグルコシド、例えば、SEPPIC社によりMontanov(登録商標)202の名称で販売されている、アラキジルアルコールとベヘニルアルコールとアラキジルグルコシドの混合物の形態のもの;ココイルエチルグルコシド、例えば、SEPPIC社によりMontanov(登録商標)82の名称で販売されている、セチルアルコールとステアリルアルコールとの混合物(35/65)の形態のもの;並びにこれらの混合物である。
【0061】
ポリソルベート20、PEG-60水添ヒマシ油を、有用な可溶化剤の例として、加えて挙げることができる。
【0062】
可溶化剤(F)は、本発明による組成物中に、組成物の総質量に対して、0.01%~5%、例えば0.05%~3%、又は0.1~1%(これらの間の全ての範囲及び部分範囲を含む)の量で存在してもよい。
【0063】
追加の添加剤
様々な実施形態によれば、本発明の組成物は、ケラチン物質、例えば、皮膚、頭皮又は毛髪への適用のために提供される。これらの実施形態に従って、本発明の組成物は、ケラチン物質のコンディショニングのために、組成物中で従来有用である様々な成分、例えば、非イオン界面活性剤、アニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤を含む追加の界面活性剤、活性成分、湿潤剤、追加の脂肪物質、抗フケ剤、抗脂漏剤(anti-seborrhoea agent)、毛髪の喪失を防止及び/又は毛髪の再成長を促進するための薬剤、ビタミン及びパンテノールを含むプロビタミン、サンスクリーン、金属イオン封鎖剤、可塑剤、酸性化剤、乳白剤、パールセント(pearlescent)又は真珠光沢剤、抗酸化剤、ヒドロキシ酸、香料並びに保存剤を含むことができる。
【0064】
このような成分の非網羅的列挙は、参照によりその内容全体が本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2004/0170586号に見出すことができる。このような追加成分のなおもさらなる例を、International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook(第9版、2002)に見出すことができる。
【0065】
当業者は、任意選択の追加の添加剤及び/又はその量を慎重に選択して、本発明による組成物の有利な特性が、想定される添加によって悪影響を受けない又は実質的に受けないようにする。
【0066】
これらの添加剤は、所望の特性、例えば、稠度又はテクスチャを有する組成物を調製するために、当業者によって様々に選択されうる。特に、使用される場合、添加剤及びその量は、特に、具体的な製品/その用途、例えば、リーブオンコンディショナー、リンスオフコンディショナー、スキンケアコンディショナー等に応じて決定される。
【0067】
これらの添加剤は、組成物中に、組成物の総質量に対して0.01%~50%(これらの間の全ての範囲及び部分範囲を含む)の量で存在しうる。
【0068】
方法及び使用
本発明による組成物は、一般に、当業者の一般知識に従って調製されうる。それでも、当業者は、使用する構成要素の性質、例えば、ビヒクル中での溶解性、及び組成物又はキットについて想定される用途を考慮に入れて、自身の一般知識に基づいて調製方法を選択できることが理解されるべきである。
【0069】
実施形態によれば、本発明による組成物は、ケラチン物質、とりわけ頭皮、又は頭皮とともに毛髪をケアするために使用されうる。この使用は、ケラチン物質、とりわけ、皮膚、頭皮及び/又は毛髪をケアするための方法として顕在化することもあり、前記ケラチン物質に本発明の組成物を適用する工程を含む。
【0070】
本発明による組成物は、好ましくは、毛髪コンディショナー製品、頭皮ケア製品、又は更にはスキンケア製品を配合するのに有用である。また、上の詳細な議論によれば、本発明による組成物、ひいてはコンディショナー製品及び/又はシャンプー製品は、シリコーン油不含であってもよいことが理解されるべきである。
【0071】
本発明のケラチン繊維コンディショニング組成物は、リーブオン製品の形態で使用することができ、クリーム、ローション、ジェル、エマルション、ムース及びスプレーを含むがこれらに限定されない、多種多様な製品形態に配合することができる。
【0072】
上記のケラチン繊維コンディショニング組成物は、組成物の適用形態に応じて、従来の方法を通じて、ケラチン繊維、例えば毛髪を、頭皮とともにコンディショニングするために使用されうる。
【0073】
例えば、シャンプー洗浄後のリーブオンコンディショナーとして使用される場合、本発明の組成物は、次の工程:
(i)毛髪をシャンプー洗浄する工程;及び
(ii)毛髪に、毛髪をコンディショニングするために有効量の組成物を適用する、毛髪を更にすすがない、工程
を含む方法を通じて適用されうる。
【0074】
特に有利な実施形態を述べる以下の実施例によって、本発明を更に説明する。
【0075】
本発明の広範な範囲を述べる数値的な範囲及びパラメータは近似値であるが、具体的な例を述べる数値は、可能な限り正確に報告されている。しかしながら、いずれの数値も、それぞれの測定値に見られる標準偏差から必然的に生じる、一定の誤差を本質的に含有する。以下の実施例は、本発明を例示することを意図しており、結果としてその範囲を限定するものではない。
【実施例
【0076】
下記の組成物/配合物における成分の量/濃度は、各組成物/配合物の総質量に対する質量%で表されている。
【0077】
材料
シリル化シリカ1:AIRLICA(登録商標)TL-10、株式会社トクヤマから入手可能、親油性に改質されたシリカの球状粒子
シリル化シリカ2:AEROGEL、DOW CHEMICAL社から入手可能、自由流動粉末、球状粒子ではない
ここに明記しない他の材料は、各々、市販のものであった。
【0078】
(実施例1)
Table 1(表1)の通りに、組成物A、並びに比較用組成物B、C及びDを調製した。
【0079】
【表1】
【0080】
上に列挙した組成物A~Dは、分野の公知の製造方法に従って調製した。
【0081】
(実施例2)
脂の抑制に対する組成物の効果を、次の工程を含む、皮脂移動試験によって決定した。
工程1:公知の手順RC-MCI-OIP-003Bに従って、標準的なシャンプーであるDOPによって毛髪見本を清浄化し、試験製品によって洗浄する工程。
工程2:100μLの着色人工皮脂(赤色)を、毛髪見本の先端領域における、選択された3cmの面積に適用する工程。
工程3:30℃、50%湿度条件において、毛髪見本を鉄製スタンドに吊るす工程。
工程4:1時間、2時間、4時間、6時間及び24時間時点で、毛髪見本の画像を取得する工程。
工程5:画像分析を使用して、各時点における総皮脂移動面積を計算する工程。
【0082】
皮脂移動の結果は、次の通り提供された。
【0083】
【表2】
【0084】
皮脂移動試験について、皮脂移動面積がより小さいことは、脂がより抑制されたことを意味する。したがって、他の粒子、例えば、球体形状でないもの、又は親油性に改質されていないシリカと比較すると、親油性に改質されたシリカの球状粒子は、均一に、媒体/溶媒に分散された場合、思いの外増強された脂抑制をもたらすことができることは一目瞭然であった。
【0085】
(実施例3)
25歳から45歳の間の6人の志願者が、3日間毎日、毛髪及び頭皮に組成物A及びBを適用した。組成物A及びBの適用前のべたついた又は脂で汚れた感触のスコアをベースラインとし、組成物A及びBの適用後のべたついた又は脂で汚れた感触のスコアを毎日得て、平均の差異をTable 4(表3)に示した。
【0086】
志願者は、脂で汚れた感触にスコアを与えた。
0は、変化なしを表し、
1は、相当に改善されたことを意味し、
2は、著しく改善されたことを意味し、
3は、脂で汚れた感触が実質的にないことを意味するものであった。
【0087】
6人の志願者の平均スコアは、即時、24時間及び48時間に集計し、毎日の平均値を計算したものであった。合計3日間について、平均スコアを下のTable 3(表3)に提供した。
【0088】
【表3】
【0089】
Table 3(表3)に関して、スコアが小さいほど、べたついた又は脂で汚れた感触が少ないものであった。組成物Aは、非常に良好且つ長期的に、べたついた又は脂で汚れた感触の防止を示すことが観察された。
【国際調査報告】