(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-29
(54)【発明の名称】自動車の後部床下構造
(51)【国際特許分類】
B62D 25/20 20060101AFI20231121BHJP
【FI】
B62D25/20 E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526548
(86)(22)【出願日】2021-11-04
(85)【翻訳文提出日】2023-06-28
(86)【国際出願番号】 IB2021060208
(87)【国際公開番号】W WO2022097058
(87)【国際公開日】2022-05-12
(31)【優先権主張番号】PCT/IB2020/060465
(32)【優先日】2020-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515214729
【氏名又は名称】アルセロールミタル
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アセンプート,ダン
(72)【発明者】
【氏名】モリオ,オリビエ
【テーマコード(参考)】
3D203
【Fターム(参考)】
3D203AA02
3D203BB24
3D203BB25
3D203CA02
3D203CA73
3D203CA87
3D203CB04
3D203CB05
3D203CB21
3D203DA22
(57)【要約】
第1および第2のサイドメンバ(4)と、前記第1および第2のサイドメンバ(4)を連結する少なくとも1つのクロスメンバ(5)と、を備える自動車(1)用の後部床下構造(2)であって、前記後部床下構造(2)は、少なくとも2つのサブブランクを備える単一のテーラードブランク(26)をスタンピングによって出来ている、後部床下構造(2)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車(1)用の後部床下構造(2)であって、第1および第2のサイドメンバ(4)と、前記第1および第2のサイドメンバ(4)を連結する少なくとも1つのクロスメンバ(5)と、を備え、前記後部床下構造(2)は、少なくとも2つのサブブランクを備える単一のテーラードブランク(26)のスタンピングによって出来ている、後部床下構造(2)。
【請求項2】
前記後部床下構造(2)はホットスタンピングによって出来ている、請求項1に記載の後部床下構造(2)。
【請求項3】
前記後部床下構造(2)は、少なくとも2つのクロスメンバ(5)を備える、請求項1または2に記載の後部床下構造(2)。
【請求項4】
各サイドメンバ(4)は、
内側範囲部(45)によって連結された水平壁(41)および内壁(42)と、
対応するクロスメンバ(5)が取り付けられるサイドメンバ(4)の部分に対応する少なくとも1つのクロスメンバ取付ゾーン(20)と、を備え、
前記内側範囲部(45)は、クロスメンバ取付ゾーン(20)の少なくとも一部に沿って延在する、請求項1~3のいずれか一項に記載の後部床下構造(2)。
【請求項5】
テーラードブランク(26)は、アルミニウム系金属コーティングでコーティングされた少なくとも1つのサブブランクを備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の後部床下構造(2)。
【請求項6】
テーラードブランク(26)はアルミニウム系金属コーティングでコーティングされた少なくとも1つのサブブランクを備え、サブブランクは、亜鉛を2.0~24.0重量%、ケイ素を1.1~12.0重量%、任意選択で、マグネシウムを0~8.0重量%、および任意選択でPb、Ni、Zr、またはHfから選択される追加の元素を含有し、各追加の元素の含量は0.3重量%より低く、残りがアルミニウムおよび任意選択で不可避の不純物である、請求項1~5のいずれか一項に記載の後部床下構造(2)。
【請求項7】
テーラードブランク(26)は、少なくとも片側に放射率増加上層を具備する少なくとも1つのサブブランクを備える、請求項1~6のいずれか一項に記載の後部床下構造(2)。
【請求項8】
テーラードブランク(26)は、1800MPaを超えるホットスタンピング後の極限引張強度を有するプレス硬化鋼で出来ている少なくとも1つのサブブランクを備える、請求項1~7のいずれか一項に記載の後部床下構造(2)。
【請求項9】
テーラードブランク(26)は少なくとも1つのサブブランクを備え、サブブランクは、700~950MPaの間に含まれる熱間成形後の降伏強度、950~1200MPaの間に含まれる熱間成形後の極限引張強度、および75°を超える熱間成形後の曲げ角度を有するプレス硬化鋼で出来ている、請求項1~8のいずれか一項に記載の後部床下構造(2)。
【請求項10】
テーラードブランク(26)は少なくとも1つの金属パッチ(31)を備える、請求項1~9のいずれか一項に記載の後部床下構造(2)。
【請求項11】
少なくとも1つの金属パッチ(31)は放射率増加上層を備える、請求項10に記載の後部床下構造(2)。
【請求項12】
テーラードブランク(26)は、少なくとも1つの溶接シーム補強パッチ(32)を備え、前記溶接シーム補強パッチ(32)は、溶接シーム(25)を備える領域に取り付けられる、請求項1~11のいずれか一項に記載の後部床下構造(2)。
【請求項13】
少なくとも1つの溶接シーム補強パッチ(32)は放射率増加上層を含む、請求項12に記載の後部床下構造(2)。
【請求項14】
後部床下構造(2)のアルミニウム系金属コーティング領域内の相互拡散層の厚さは、3ミクロン~15ミクロンの間に含まれる、請求項5~13のいずれか一項に記載の後部床下構造(2)。
【請求項15】
後部床下構造(2)のアルミニウム系金属コーティング領域内の相互拡散層の厚さは、3ミクロン~10ミクロンの間に含まれる、請求項1~14のいずれか一項に記載の後部床下構造(2)。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか一項に記載の後部床下構造(2)を備える自動車(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の後部床下構造に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車メーカは、車両の受動的安全性を高め、内燃機関の場合には温室効果ガスの排出を最小限に抑えるために車両の重量を減らし、電気自動車の場合には車両の走行範囲を増加させる一方で、生産コストを低く抑え、生産速度を高く維持するという、ますます要求の厳しい要件にさらされている。
【0003】
自動車の後部床下構造は、車両の重要な構造要素であり、後部衝突の場合に乗員の安全に寄与する。それは、内燃機関の場合、乗員座席の下に位置することが多いガスタンクを保護する。それは、電気またはハイブリッド車両の場合に後部電気エンジンを保護する。
【0004】
後部床下構造は、多数の個々の部品から構成され、車両の車体のかなりの質量を構成する。それはまた、完成した構造を得るための複数の形成作業および組立工程という高価な製造プロセスを伴う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、削減された部品点数、優れた安全性能、および最適化された総重量を有する後部床下構造を提供することによって、安全性、軽量化、および高い生産性の複合的な課題に対処することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的のために、本発明は、
-第1および第2のサイドメンバと、前記第1および第2のサイドメンバを連結する少なくとも1つのクロスメンバと、を備える自動車用の後部床下構造であって、前記後部床下構造は、少なくとも2つのサブブランクを備える単一のテーラードブランクのスタンピングによって出来ている、後部床下構造に関する。
【0007】
単独で、または任意の可能な技術的組み合わせに従って考慮される、本発明による後部床下構造の他の任意選択の特徴によれば、
-後部床下構造は、ホットスタンピングによって出来ている。
【0008】
-後部床下構造は、少なくとも2つのクロスメンバを備える。
【0009】
-後部床下構造は、2つのサイドメンバを有し、各サイドメンバは、
-水平壁と、内側範囲部によって連結された内壁と、
-対応するクロスメンバが取り付けられるサイドメンバの部分に対応する少なくとも1つのクロスメンバ取付ゾーンと、を備え、前記内側範囲部は、クロスメンバ取付ゾーンの少なくとも一部に沿って延在する。
【0010】
-後部床下構造を製造するために使用されるテーラードブランクは、アルミニウム系金属コーティングでコーティングされた少なくとも1つのサブブランクを備える。
【0011】
-後部床下構造を製造するために使用されるテーラードブランクは、アルミニウム系金属コーティングでコーティングされた少なくとも1つのサブブランクを備え、サブブランクは、亜鉛を2.0~24.0重量%、ケイ素を1.1~12.0重量%、任意選択で、マグネシウムを0~8.0重量%、および任意選択でPb、Ni、Zr、またはHfから選択される追加の元素を含み、各追加の元素の含量は0.3重量%より低く、残りがアルミニウムおよび任意選択で不可避の不純物である。
【0012】
-後部床下構造を製造するために使用されるテーラードブランクは、少なくとも片側に放射率増加上層を具備する少なくとも1つのサブブランクを備える。
【0013】
-後部床下構造を製造するために使用されるテーラードブランクは、少なくとも1つのサブブランクを備え、サブブランクは、1800MPaを超えるホットスタンピング後の極限引張強度を有するプレス硬化鋼製の少なくとも1つのサブブランクを備える。
【0014】
-後部床下構造を製造するために使用されるテーラードブランクは、少なくとも1つのサブブランクを備え、サブブランクは、700~950MPaの間に含まれる熱間成形後の降伏強度と、950~1200MPaの間に含まれる熱間成形後の極限引張強度と、75°を超える熱間成形後の曲げ角度とを有するプレス硬化鋼で出来ている少なくとも1つのサブブランクを備える。
【0015】
-後部床下構造を製造するために使用されるテーラードブランクは、少なくとも1つの金属パッチを具備する少なくとも1つのサブブランクを備える。
【0016】
-後部床下構造を製造するために使用されるテーラードブランクは、放射率増加上層を含む少なくとも1つの金属パッチを具備する少なくとも1つのサブブランクを備える。
【0017】
-後部床下構造を製造するために使用されるテーラードブランクは、少なくとも1つの溶接シーム補強パッチを具備する少なくとも1つのサブブランクを備え、前記溶接シーム補強パッチは、溶接シームを備える領域に適用される。
【0018】
-後部床下構造を製造するために使用されるテーラードブランクは、少なくとも1つの溶接シーム補強パッチを具備する少なくとも1つのサブブランクを備え、少なくとも1つの溶接シーム補強パッチ自体が放射率増加上層を備える。
【0019】
-後部床下構造のアルミニウム系金属コーティング領域内の相互拡散層の厚さは、3ミクロン~15ミクロンの間に含まれる。
【0020】
-後部床下構造のアルミニウム系金属コーティング領域内の相互拡散層の厚さは、3ミクロン~10ミクロンの間に含まれる。
【0021】
本発明はさらに、上述の後部床下構造を製造する方法、および上述の後部床下構造を備える自動車に関する。
【0022】
本発明の他の態様および利点は、例として与えられ、添付の図面を参照して行われる以下の説明を読めば明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図2】組み立てられた形態(上部)および分解図(下部)の既知の最新技術による後部床下構造の斜視図である。
【
図3】本発明による後部床下構造の一実施形態の上面図である。
【
図4】本発明による後部床下構造の一実施形態の上面図である。
【
図5】本発明による後部床下構造の一実施形態の斜視図である。
【
図6】
図3に示すA-A断面から見た、本発明による後部床下構造の一実施形態の斜視図である。
【
図7】
図3においてBとラベル付けされたボックス領域における、本発明による後部床下構造の一実施形態の斜視図である。
【
図8】本発明による後部床下構造の製造に使用されるテーラードブランクの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下の説明では、「上部(upper)」、「下部(lower)」、「前(front)」、「後(rear)」、「横(transverse)」および「長手方向(longitudinal)」という用語は、搭載車両の通常の方向に従って定義される。より具体的には、用語「上部(upper)」、「下部(lower)」、「上(up)」、「下(down)」、「底部(bottom)」および「最上部(top)」は、車両の仰角方向に従って定義され、用語「前(front)」、「後(rear)」、「前方(forward)」、「後方(backward)」および「長手方向(longitudinal)」は、車両の前後方向に従って定義され、用語「横(transverse)」は、車両の幅に従って定義される。「内側(inner)」、「外側(outer)」という用語は、車両の内部および外部に従って定義され、「内側(inner)」部、部分、ゾーンなどは、対応する「外側(outer)」部、部分、ゾーンなどよりも車両の内部に近い。「高さ(height)」という用語は、水平方向に測定された2つの点、線、表面、または体積の間の距離を指す。
【0025】
よりよく理解するために、後部床下構造を表すすべての図において、車両の後部および前部方向は、それぞれ「R」および「F」とラベル付けされた矢印を使用して示されている。
【0026】
鋼のブランクは、その使用に適した任意の形状に切断された鋼の平坦なシートを指す。ブランクは、上面および底面を有し、上側および底側あるいは上面および底面とも呼ばれる。前記面の間の距離は、ブランクの厚さとして指定される。厚さは、例えばマイクロメータを使用して測定することができ、そのスピンドルおよびアンビルは上面および底面に配置される。同様に、厚さは成形部品上で測定することもできる。
【0027】
テーラードブランクは、その異なる領域における部品の性能を最適化し、全体的な部品重量を低減し、全体的な部品コストを低減するために、例えばレーザ溶接によって、サブブランクとして知られる鋼の複数のブランクを一緒に組み立てることによって製造される。テーラードブランクを形成するサブブランクは、オーバーラップの有無にかかわらず組み立てられることができ、例えば、レーザ突合せ溶接されることができ(オーバーラップなし)、または互いにスポット溶接されることができる(オーバーラップあり)。
【0028】
ホットスタンピングは、鋼の微細構造が少なくとも部分的にオーステナイトに変態する温度までブランクを加熱することと、ブランクをスタンピングすることによって高温でブランクを形成することと、非常に高い強度を有する微細構造を得るために形成された部品を急冷することと、を含む成形技術である。ホットスタンピングは、複雑な形状を有し、スプリングバックのない非常に高い強度の部品を得ることを可能にする。ホットスタンピングの上述の利点をもたらすために、使用される材料は、プレス硬化材料として知られており、これは、上述のホットスタンピングプロセスに供されたときに所望の硬化微細構造を形成することを可能にする化学組成を有する。部品が供される熱処理は、ホットスタンピングプロセス自体の上述の熱サイクルだけでなく、塗料を焼き付けるために部品が塗装された後に実行される後続の塗料焼付工程も含むことを理解されたい。以下のホットスタンプ部品の機械的特性は、塗料焼付工程が実際に行われた場合に、塗料焼付工程後に測定されたものである。
【0029】
降伏強度、極限引張強度、ならびに均一伸びおよび全伸びは、2009年10月に発行されたISO規格ISO 6892-1に従って測定される。
【0030】
曲げ角度は、VDA-238曲げ規格に従って測定される。同じ材料の場合、曲げ角度は厚さに依存する。簡単にするために、本発明の曲げ角度の値は、1.5mmの厚さを指す。厚さが1.5mmと異なる場合、曲げ角度値は以下の計算によって調整する必要があり、ここで、α1,5は1、5mmでの曲げ角度であり、tは厚さであり、αtは厚さtに対する曲げ角度である:
【0031】
【0032】
部品の曲げ角度は、亀裂を形成することなく変形に抵抗する部品の能力を測定する方法である。
【0033】
放射率は、放射によって熱を放出する表面の相対的なパワーである。これは、同じ温度で黒体によって放出される放射エネルギーに対する表面によって放出される放射エネルギーの比を表し、0~1の間に含まれる値である。ブランクの表面の放射率が高いほど、ブランクは放射によるより多くの熱を吸収し、したがって、放射炉を使用してブランクを加熱することがより容易になる。
【0034】
図1を参照して、自動車1用の後部床下構造2が説明される。自動車1は、コンパクト、セダン、スポーツ多目的車などの、ドアの少なくとも前部および後部セットを備える任意のタイプの乗用車とすることができる。記載された後部床下構造は、車両のカテゴリにかかわらず本質的に同じである。さらに、前記自動車のパワートレインは、内燃機関、電気モータ、燃料電池、または任意のタイプのハイブリッドシステムであってもよい。
【0035】
後部床下構造2は、車両の後部から乗員室の床パネルの下まで長手方向に延びている。後部床下構造は、車両の両側に配置された少なくとも第1および第2のサイドメンバ4と、前記第1および第2のサイドメンバ4を横方向に連結する少なくとも1つのクロスメンバ5とを備える。
【0036】
以下は、典型的なサイドメンバ4の一般的な説明であり、サイドメンバ4の以下の説明は、本発明の範囲を限定するものではなく、サイドメンバ4の任意のタイプの設計に適用することができることを理解されたい。
【0037】
-サイドメンバは、リアバンパアセンブリ11と同じ高さで実質的に長手方向に延在し、その後端部で前記リアバンパアセンブリ11に取り付けられた後部を備え、
-前部は、後部よりも低い高さで実質的に長手方向に延び、車両横補強構造12に取り付けられ、
-移行ゾーンは前記前部および後部を連結する上部および下部屈曲部を少なくとも備える。前記上部および下部屈曲部の存在は、前部および下部の高さレベルの差を可能にする。
【0038】
図5を参照すると、サイドメンバ4は、実質的に水平面内に延在する水平壁41と、実質的に垂直面内に延在する内壁42および外壁43とを備える略U字形を有する。前記内壁42および前記外壁43は、それぞれ内側範囲部45および外側範囲部46によって前記水平壁41に連結されている。「範囲部」とは、ほぼ湾曲しており、部品内の異なる平面方向間の移行を可能にする部品の一部を意味する。この場合、内側範囲部45は、水平壁41の実質的に水平な向きと内壁42の実質的に垂直な向きとの間の移行を可能にする。同様に、外側範囲部46は、水平壁41の実質的に水平な向きと外壁43の実質的に垂直な向きとの間の移行を可能にする。
【0039】
特定の実施形態では、サイドメンバ4はまた、実質的な垂直面内で内壁42および外壁43の上部に沿って延在するフランジ47を備える。有利には、前記フランジは、例えば前記フランジ47に沿ったスポット溶接またはレーザ溶接によって、サイドメンバ4を車両構造の残りの部分と組み立てることを可能にする。
【0040】
後部床下構造2は、前記第1および第2のサイドメンバ4を連結する少なくとも1つのクロスメンバ5をさらに備える。前記クロスメンバ5は、ほぼ横方向に沿って延在する。サイドメンバ4と同様に、クロスメンバ5は、実質的な水平面内に延在する水平壁51と、実質的な垂直面内に延在する前壁52および後壁53とを備える。
図3を参照すると、後部床下構造2は、1つのクロスメンバ5を有することができる。
図4を参照すると、後部床下構造2は、2つのクロスメンバ5を有することができる。また、後部床下構造2が3つ以上のクロスメンバを備える本発明による他の実施形態も可能である。
【0041】
図5および
図7を参照すると、本発明のサイドメンバ4は各々、対応するクロスメンバ5が取り付けられるサイドメンバ4の部分に対応する、少なくとも1つのクロスメンバ取付ゾーン20を備える。クロスメンバ取付ゾーン20は、
図5および
図7の破線21によって区切られている。クロスメンバ5が存在するのと同じ数のクロスメンバ取付ゾーン20がサイドメンバ4ごとに存在することは容易に理解されよう。
【0042】
図2に示されている最新技術の後部床下構造は、形成された後に一緒に組み立てられるいくつかの別個の部品で作られている。1つのクロスメンバのみを有する構造の場合を示す、
図2に示される最新技術の例では、3つの別個の部品がある。
【0043】
最新技術とは対照的に、本発明の後部床下構造2は、少なくとも2つのサブブランクを備える単一のテーラードブランクをスタンピングすることによって製造される。これにより、その異なる領域における部品の性能を最適化し、全体的な部品重量を低減し、全体的な部品コストおよび製造の複雑さを低減することができる。本発明による後部床下構造2を製造するために使用されるテーラードブランク26の例を
図8に示す。溶接シーム25は、
図8の線によって具現化される。これは、テーラードブランク構成の一例である。溶接シームの位置ならびにグレードおよび厚さの分布の選択は、部品が統合される車両の特定の要件によって決定される。例えば、サイドメンバ4の後部は、変形することによって衝突エネルギーを吸収することができる材料で作られ、一方、前記サイドメンバ4の前部は、車両の後部に座っている乗員を保護するために、衝突中に変形しない侵入防止材料で作られる。
【0044】
他の特徴の中でも、部品が単一のテーラードブランクから打ち抜かれるという事実は、少なくとも1つのクロスメンバ取付ゾーン20の内壁42の形状に適合させる必要があることを意味する。特定の実施形態では、内壁42は、クロスメンバ取付ゾーン20には存在しない。特定の実施形態では、内壁42は、クロスメンバ取付ゾーン20内および前記クロスメンバ取付ゾーン20の外側で同じ高さを有さない。
【0045】
特定の実施形態では、後部床下構造2は、ホットスタンピングによって作られる。有利には、これにより、複雑な部品形状を有しながら非常に高い機械的強度に達することができ、また、スプリングバックがないために、完成した部品の非常に良好な幾何公差に達することができる。この最後の点は、大きな部分であり、かなりの量のスプリングバックが発生した場合に、高い幾何学的不正確さおよびねじれまたは反りなどの全体的な形状欠陥を受ける後部床下構造2の場合に特に重要である。
【0046】
特定の実施形態では、後部床下構造2を製造するために使用されるブランク26の少なくとも1つのサブブランクは、プレス硬化後の後部床下構造2の対応する領域の降伏強度が700~950MPaの間に含まれ、引張強度が950~1200MPaの間に含まれ、および曲げ角度が75°を超えるような材料で作られる。
【0047】
特定の実施形態では、後部床下構造2を製造するために使用されるブランク26の少なくとも1つのサブブランクは、重量%で、0.06%≦C≦0.1%、1%≦Mn≦2%、Si≦0.5%、AI≦0.1%、0.02%≦Cr≦0.1%、0.02%≦Nb≦0.1%、0.0003%≦B≦0.01%、N≦0.01%、S≦0.003%、P≦0.020%、0,1%未満のCu、Ni、およびMoを含む組成物を含有し、残りの部分は、鉄、および加工の結果生じる不可避の不純物である。この組成範囲では、プレス硬化後の後部床下構造2の対応する領域の降伏強度は700~950MPaの間に含まれ、引張強度は950~1200MPaの間に含まれ、曲げ角度は75°を超える。例えば、このサブブランクは、Ductibor(R)1000で作製されている。
【0048】
特定の実施形態では、後部床下構造2を製造するために使用されるブランク26の少なくとも1つのサブブランクは、プレス硬化後の前記サブブランクに対応する領域において、1300~1650MPaの間に含まれる極限引張強度と、950~1250MPaの間に含まれる降伏強度とを有する。
【0049】
特定の実施形態では、後部床下構造2を製造するために使用されるブランク26の少なくとも1つのサブブランクは、プレス硬化後の前記サブブランクに対応する領域において、1300~1650MPaの間に含まれる極限引張強度と、950~1250MPaの間に含まれる降伏強度と、75°を超える曲げ角度とを有する。
【0050】
特定の実施形態では、後部床下構造2を製造するために使用されるブランク26の少なくとも1つのサブブランクは、例えば、重量%で、0.20%≦C≦0.25%、1.1%≦Mn≦1.4%、0.15%≦Si≦0.35%、≦Cr≦0.30%、0.020%≦Ti≦0.060%、0.020%≦Al≦0.060%、S≦0.005%、P≦0.025%、0.002%≦B≦0.004%を含有し、残りは鉄および加工の結果生じる不可避の不純物である。この組成範囲では、プレス硬化後の前記サブブランクに対応する領域内の部品の極限引張強度は1300~1650 MPaの間に含まれ、降伏強度は950~1250MPaの間に含まれる。例えば、前記サブブランクはUsibor(R)1500で作製されている。
【0051】
特定の実施形態では、後部床下構造2を製造するために使用されるブランク26の少なくとも1つのサブブランクは、プレス硬化後の後部床下構造2の対応する領域の引張強度が1800MPaよりも高くなるような材料で作られる。
【0052】
特定の実施形態では、後部床下構造2を製造するために使用されるブランク26の少なくとも1つのサブブランクは、重量%で、0.24%≦C≦0.38%、0.40%≦Mn≦3%、0.10%≦Si≦0.70%、0.015%≦Al≦0.070%、Cr≦2%、0.25%≦Ni≦2%、0.015%≦Ti≦0.10%、Nb≦0.060%、0.0005%≦B≦0.0040%、0.003%≦N≦0.010%、S≦0.005%、P≦0.025%、を含有し、残りは鉄および加工の結果生じる不可避の不純物である。この組成範囲では、プレス硬化後の後部床下構造2の対応する領域の引張強度は1800MPaより高い。例えば、このサブブランクはUsibor(R)2000で作製されている。
【0053】
特定の実施形態では、後部床下構造2を製造するために使用されるブランク26は、アルミニウム系金属コーティングでコーティングされた少なくとも1つのサブブランクを備える。アルミニウム系とは、重量で少なくとも50%のアルミニウムを含有するコーティングを意味する。例えば、金属コーティングは、8~12%の重量のSiを含有するアルミニウム系コーティングである。例えば、溶融金属浴中に基材を浸漬することにより、金属コーティングが施される。有利には、アルミニウム系金属コーティングを施すことにより、ホットスタンピングプロセスの加熱工程中に表面スケールの形成が回避され、これにより、その後のサンドブラスト作業なしでホットスタンピングによって部品を製造することが可能になる。さらに、アルミニウム系コーティングはまた、車両での使用中に部品に防食を提供する。
【0054】
特定の実施形態では、後部床下構造2を製造するために使用されるブランク26は、アルミニウム系金属コーティングでコーティングされた少なくとも1つのサブブランクを備え、アルミニウム系金属コーティングは、亜鉛を2.0~24.0重量%、ケイ素を1.1~12.0重量%、任意選択で、マグネシウムを0~8.0重量%、および任意選択でPb、Ni、Zr、またはHfから選択される追加の元素を含有し、各追加の元素の含量が0.3重量%より低く、残りがアルミニウムおよび任意選択で不可避の不純物である。有利には、このタイプの金属コーティングは、部品上に非常に良好な防食性、ならびにホットスタンピング後の良好な表面態様をもたらす。
【0055】
サブブランクの少なくとも1つにアルミニウム系コーティングを有する上述のテーラードブランクを製造するために、レーザ溶接を使用することが可能である。金属コーティングの一部をアブレーションすることによって、溶接される縁部が事前に準備されたサブブランクを使用することが可能である。有利には、これにより、コーティング中に存在し、溶接シームを汚染し、その機械的特性を低下させ得るアルミニウムの一部が除去される。
【0056】
特定の実施形態では、後部床下構造2を製造するために使用されるブランク26は、放射率増加上層を有する少なくとも1つの側面を具備する少なくとも1つのサブブランクを備える。前記放射率増加上層は、前記サブブランクの最外面に適用される。前記放射率増加上層は、前記放射率増加上層でコーティングされていない同じサブブランクと比較して、前記サブブランクの表面がより高い放射率を有することを可能にする。前記放射率増加上層は、サブブランクの上側または裏側のいずれかに適用することができる。前記放射率増加上層はまた、前記サブブランクの両側に適用することができる。
【0057】
前記サブブランクが、前述のような金属コーティングを備える場合、放射率増加上層は、前記金属コーティングの最上部に適用される。実際、放射率増加上層が表面の放射率を増加させるためには、サブブランクの最外面を覆う必要がある。
【0058】
有利には、前記放射率増加上層は、前記サブブランクの加熱速度を増加させることを可能にし、したがって、ホットスタンピングプロセスの加熱工程の生産性を増加させる。
【0059】
特定の実施形態では、ブランク26は、厚さが増加する順序でソートされたn個のサブブランクS1、S2、...Snからなる。放射率増加上層は、最大厚さを有するサブブランクの少なくとも1つの面に施される。特定の実施形態では、放射率増加上層は、最大厚さを有するサブブランクおよび最大厚さのすぐ下の厚さを有するサブブランクの少なくとも一方の面に施される。特定の実施形態では、放射率増加上層は、最大厚さを有するx個のサブブランクに施され、xは1以上の整数である。有利には、放射率増加上層をより厚いサブブランクのセットに施すことによって、より厚いサブブランクとより薄いサブブランクとの間のホットスタンピングプロセスの加熱工程中に、より均一な加熱速度に達することが可能である。実際、より薄く、同じ温度に達するのに必要なエネルギーがより少ないため、より薄いサブブランクはより厚いサブブランクよりも自然に速く加熱される。放射率増加上層を有するより厚いサブブランクを対象とすることにより、異なる厚さのブランク間の加熱速度の差を小さくすることができ、したがって、より厚いサブブランクとより薄いサブブランクとの間のより均一な加熱速度に達することができる。さらに、放射率増加上層を有するより厚いサブブランクを対象とすることによって、ブランクのホットスタンピングプロセスの加熱工程のプロセスウィンドウのサイズを大きくすることも可能である。大きな厚さ差を有する大きな部品をホットスタンピングする場合、懸念の1つは、異なるサブブランクの所望の微細構造およびコーティング特性に達するのに必要なプロセスウィンドウ(他のパラメータの中でも特に加熱時間および加熱温度を含む)に大きな差があることである。ブランク全体で所望の特性を達成するために必要なプロセスウィンドウは、個々のサブブランクの各々のプロセスウィンドウ間の交差部である。放射率増加上層をより厚いサブブランク上に適用することによって、個々のサブブランクの各々のプロセスウィンドウを互いに近づけることができ、それによってすべてのサブブランクのプロセスウィンドウ間の交差部のサイズを増大させることができる、すなわち、全体的なテーラードブランクのプロセスウィンドウを増大させることができる。
【0060】
特定の実施形態では、放射率増加上層は、2ミクロン~30ミクロンの厚さを有する。特定の実施形態では、それはポリマーから構成され、ポリマーはケイ素を含有せず、1重量%を超える窒素を含有し、3~30重量%の量の炭素顔料を含有する。
【0061】
特定の実施形態では、後部床下構造2を製造するために使用されるブランク26は、部品の強度を局所的に高めるために、
図8に示すような少なくとも1つの金属パッチ31をさらに備える。特定の実施形態では、パッチ31はスポット溶接によって取り付けられる。特定の実施形態では、パッチ31はレーザ溶接によって取り付けられる。パッチ31は、例えば、車台構造に取り付けられるように設計されているため、または衝突試験中に検出された部品の折り畳みなどの機械的問題のために補強される必要がある領域に適用される。
【0062】
一般的に言えば、パッチ31は、より大きなサイズの部品にわたって非常に局所的な補強を提供し、したがって、全体的なテーラードブランクの強度および厚さ分布をさらに最適化し、部品の全体的な重量およびコストを低く保つという利点を有する。
【0063】
パッチ31は、例えば、プレス硬化鋼で作られる。パッチ31は、例えば、アルミニウム系金属コーティングでコーティングされている。
【0064】
特定の実施形態では、加熱速度を増加させ、したがってパッチ31の過剰厚さに関連するパッチ31の領域における加熱速度の差を減少させるという上述の利点をもたらすために、前記パッチ31は放射率増加上層でコーティングされる。
【0065】
特定の実施形態では、パッチは、溶接シーム25の一部を含む領域に適用される。
図8に示すように、我々はこれを溶接シーム補強パッチ32と呼ぶ。そのようなパッチ32は、上述した特徴および任意選択の特徴と全く同じ特徴を有する。このようなパッチ32は、溶接シーム25を補強する。溶接シーム25は、2つのサブブランク間に不連続部が存在する領域であり、この領域は局所的な慣性変動をもたらし、衝突によって発生する高負荷にさらされたときに塑性ヒンジ型の崩壊をもたらす可能性がある。さらに、溶接プロセスの熱入力のために、溶接シームは熱影響領域に囲まれ、溶接シーム自体は、サブブランクの溶融および混合、存在する場合にはそれらの金属コーティング、および存在する場合には溶接に使用されるフィラーワイヤから生じる特定の化学組成を有する。この複雑な熱的、化学的、および冶金的な状況は、上述の不連続性の問題と組み合わされた溶接部25の周りに強度のばらつきが存在する可能性があり、溶接部が過度の負荷を受けたときに溶接部25の領域でさらに破断する可能性があることを意味する。溶接シーム補強パッチ32によって溶接シーム25を補強することにより、このような塑性ヒンジ現象を防止することができる。溶接シーム補強パッチ32は、例えば、ブランク26に溶接することによって取り付けられる。特定の実施形態では、溶接シーム補強パッチ32とブランク26との間の取付点は、溶接シーム25の機械的特性を妨げないように、溶接シーム25領域にはない。
【0066】
ブランク26上にアルミニウム系金属コーティングでコーティングされたプレス硬化鋼を使用する場合、ホットスタンピングプロセスは、鋼と熱間成形部品上の金属コーティングとの間の相互拡散層の形成を誘発する。相互拡散層は、鋼から来て金属コーティングに向かうFeと、コーティングから来て鋼に向かうAlとの高温での相互拡散の結果である。前記相互拡散層の厚さは、例えば、スポット溶接によって本体の残りの部分に首尾よく組み立てられる部品の能力など、部品のさらなる使用中の特性と相関することが示されている。特に、3~15ミクロンの間に含まれる相互拡散層の厚さを有する熱間成形部品は、良好な使用時特性を有することが示されている。より好ましくは、3~10ミクロンの間に含まれる相互拡散層の厚さを有する熱間成形部品は、優れた使用時特性を有することが示されている。
【0067】
特定の実施形態では、後部床下構造2のアルミニウム系金属コーティング領域内の相互拡散層の厚さは、3ミクロン~15ミクロンの間に含まれる。特定の実施形態では、後部床下構造2のアルミニウム系金属コーティング領域内の相互拡散層の厚さは、3ミクロン~10ミクロンの間に含まれる。
【0068】
後部床下構造2が、サイドメンバ4および少なくとも1つのクロスメンバ5を一体化する単一の部品として製造されるという事実は、サイドメンバ4の形状がクロスメンバ取付ゾーン20において適合される必要があることを意味する。特に、内壁42の形状は、前述のように適合させる必要がある。最新技術のマルチ部品解決策の場合のように、連続した内壁42の存在は、取付ゾーン20では不可能である。
【0069】
サイドメンバ4に圧縮荷重を加える後方衝撃の場合、本発明者らは、内側範囲部45をクロスメンバ取付ゾーン20内に少なくとも部分的に保持することが有利となり得ることを見出した。実際、理論に束縛されることを望まないが、圧縮力は、主に前記サイドメンバの内側範囲部45および外側範囲部46を通ってサイドメンバ4に沿って伝達されるようである。クロスメンバ取付ゾーン20にわたって内側範囲部45に大きな不連続部がある場合、衝撃によって発生した圧縮力は、車両構造の残りの部分に正しく伝達されず、前記クロスメンバ取付ゾーン20に応力集中が生じる。これは、この領域における部品の深刻な脆弱性および車両の不十分な安全性能につながる可能性があり、例えば、取付ゾーン20における深刻な座屈につながる可能性がある。
【0070】
特定の実施形態では、内側範囲部45は、
図6の斜視図で明確に見えるように、クロスメンバ取付ゾーン20の少なくとも一部にわたって延在する。例えば、
図6に示されるように、これは、前記クロスメンバ取付ゾーン20において、サイドメンバ4の水平壁41とクロスメンバ5の水平壁51との間に段差を導入することによって実現することができる。この段差構成では、内側範囲部45の後にクロスメンバ範囲部55が続き、段差が形成される。添付の図には示されていないが、移行ゾーン20の少なくとも一部にわたって内側範囲部45の延長を提供する別の可能性は、上述の段差の代わりに、移行ゾーン20にビードを導入することである。前記ビードは、例えば、上述の段差と同様の形状によって形成することができ、その後、クロスメンバ5の向きに垂直な対称面に従って対称的な段差が続く。このタイプのビード構成は、移行ゾーン20の少なくとも一部にわたって内側範囲部45の存在を維持しながら、水平壁41および51について同じ高さを維持することを可能にする。
【0071】
特定の実施形態では、後部床下構造2は、例えば
図7に見られるように、幾何学的改変部22を具備する。前記幾何学的改変部22は、部品の他のより脆弱な領域を保護するために、部品の特定の領域に衝撃から生じる応力を集中させることを可能にする。例えば、前記溶接シーム25を保護するために、前記幾何学的改変部を、後部床下構造2を製造するために使用されるテーラードブランクの異なるサブブランクを連結する(
図7の破線で表される)溶接シーム25の近傍に配置することができる。高負荷の場合の溶接シーム25の上述の感度を念頭に置いて、衝突の場合のトリガとして作用する幾何学的改変部22の使用は、溶接シーム25を有利に保護し、例えば塑性ヒンジの形成が溶接シーム25から離れて行われ、したがって部品の亀裂形成を防止することを確実にすることができる。
【0072】
前述のように、本発明による後部床下構造2は、少なくとも1つのクロスメンバ5を備えるが、いくつかのクロスメンバ5を備えることもできる。それは、例えば、2つ、3つまたはそれ以上のクロスメンバ5を備えることができる。
図4は、2つのクロスメンバ5を備える後部床下構造2の概略上面図である。同じ後部床下構造2内に複数のクロスメンバ5を一体化することは、コストおよび製造の単純さの利益が増大することを意味する。これはまた、後部床下構造2を製造するために使用されるブランク26が、サイドメンバ4を連結するいくつかのクロスメンバ5の存在のおかげで、より良好な剛性を有することを意味する。これは、製造プロセス中の前記ブランク26の取り扱いに特に有利であり得、高温で加熱されるブランクであって、したがってオーステナイト化炉からホットスタンピングプレスにブランクを移送する工程中に、より低い機械的強度を有するブランクを操作することを含むホットスタンピングの場合にはさらに有利となり得る。
【0073】
本発明はまた、上述の後部床下構造2を備える車両1に関する。
【0074】
本発明はまた、上述の後部床下構造2を製造し、それを車体の残りの部分に組み付けるプロセスに関する。
【0075】
本方法は、以下の、
-テーラードブランク26を提供するステップと、
-例えばホットスタンピングによって、テーラードブランク26をスタンピングするステップと、
-後部床下構造2を車両1の車体に取り付けるステップと、を備える。
【国際調査報告】