(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-29
(54)【発明の名称】複素環式化合物を含む組成物、その製造方法と応用
(51)【国際特許分類】
A61K 31/407 20060101AFI20231121BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20231121BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20231121BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20231121BHJP
A61K 9/16 20060101ALI20231121BHJP
A61K 9/14 20060101ALI20231121BHJP
A61K 9/70 20060101ALI20231121BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20231121BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20231121BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20231121BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20231121BHJP
A61K 47/04 20060101ALI20231121BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20231121BHJP
【FI】
A61K31/407
A61P35/00
A61K9/20
A61K9/48
A61K9/16
A61K9/14
A61K9/70
A61K47/38
A61K47/32
A61K47/12
A61P35/02
A61K47/04
A61K47/36
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023527981
(86)(22)【出願日】2021-11-03
(85)【翻訳文提出日】2023-06-28
(86)【国際出願番号】 CN2021128402
(87)【国際公開番号】W WO2022095894
(87)【国際公開日】2022-05-12
(31)【優先権主張番号】202011206371.7
(32)【優先日】2020-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523165581
【氏名又は名称】シャンハイ ヤーション ファーマシューティカル テクノロジー,カンパニー リミティド
(71)【出願人】
【識別番号】520344855
【氏名又は名称】アセンテージ ファーマ(スーチョウ)カンパニー,リミティド
(71)【出願人】
【識別番号】520427044
【氏名又は名称】アセンテージ ファーマ グループ コーポレイション リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【氏名又は名称】池田 達則
(72)【発明者】
【氏名】リン ヤンチオン
(72)【発明者】
【氏名】シュイ ホアリャン
(72)【発明者】
【氏名】クオ ホンタオ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA29
4C076AA31
4C076AA36
4C076AA53
4C076AA89
4C076BB01
4C076CC26
4C076CC27
4C076DD29
4C076DD41
4C076EE06
4C076EE09
4C076EE31
4C076EE32
4C076EE33
4C076EE38
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4C076FF06
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4C076GG05
4C076GG12
4C076GG14
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4C086CB03
4C086MA02
4C086MA03
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4C086MA41
4C086MA43
4C086MA52
4C086NA02
4C086ZB26
4C086ZB27
(57)【要約】
本明細書は、ベクターと活性成分とを含む固体分散体を提供し、該活性成分は、式(I)に示す化合物(APG-115)と、その薬学的に許容される塩と、その結晶形と、その水和物とのうちの一つ又は複数である。該固体分散体は、活性成分APG-115の溶出度を向上させることができる。一部の固体分散体のAPG-115の溶出度は、90%以上に達することができ、且つ良好な安定性を有する。それは、薬物の胃腸液における溶解と溶出度を改善して経口バイオアベイラビリティーを向上させることができる。該固体分散体は、動物体内で出高い血漿曝露量、即ち高い薬物ピーク濃度と高い血中濃度曲線下面積を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベクターと活性成分とを含む固体分散体であって、該活性成分は、式(I)に示す化合物と、その薬学的に許容される塩と、その結晶形と、その水和物とのうちの一つ又は複数である、固体分散体。
【化1】
【請求項2】
該ベクターは、N-ビニルラクタムの単独重合体と共重合体セルロースエステル、pH依存性セルロース系誘導体、非イオン性水溶性セルロースエーテル、セルロースエーテル、高分子量ポリアルキレンオキシド、N-ビニルアミド系重合体、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリルアミド、酢酸ビニル重合体、ポリエチレングリコール、ポリビニルカプロラクタム/ポリ酢酸ビニルグラフト共重合体、オリゴ糖と多糖のうちの一つ又は複数から選択され、且つポビドン、コポビドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースコハク酸エステル、ポリエチレングリコール/ポリビニルカプロラクタム/ポリ酢酸ビニルグラフト共重合体のうちの一つ又は複数であってもよく、且つヒドロキシプロピルメチルセルロースコハク酸エステル、ヒドロキシプロピルセルロース、ポビドンとアクリル樹脂のうちの一つ又は複数であってもよく、
及び/又は、該式(I)に示す化合物の薬学的に許容される塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、リジン塩、アルギニン塩、ヒスチジン塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、硫酸水素塩、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、ジグルコン酸塩、グリセロリン酸塩、半硫酸塩、ヘプタン酸塩、カプロン酸塩、ギ酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、アスコルビン酸塩、ヒドロキシエチルスルホン酸塩、サリチル酸塩、メタンスルホン酸塩、メシチレン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸、2-ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、ビスヒドロキシナフタレン酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、トリクロロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、リン酸塩、グルタミン酸塩、重炭酸塩、p-トルエンスルホン塩、ウンデカン酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、グルコン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンジスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、L-酒石酸塩、マレイン酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩、コリン塩、アミノブタノール塩、カルシウム塩又はp-トルエンスルホン酸塩であり、又はリン酸塩、硫酸塩、L-酒石酸塩、塩酸塩、マレイン酸塩、臭化水素酸塩、メタンスルホン酸塩、リジン塩、アルギニン塩、ヒスチジン塩、ナトリウム塩、カリウム塩、コリン塩、アミノブタノール塩とカルシウム塩であり、
及び/又は、該式(I)に示す化合物の水和物は、半水和物、一水和物、二水和物、三水和物、四水和物、五水和物、六水和物、七水和物、八水和物、九水和物、十水和物、十一水和物と十二水和物であり、
及び/又は、該固体分散体は、任意選択された粘着防止剤をさらに含み、該粘着防止剤は、コロイダルシリカと、タルクと、澱粉と、D-ロイシンと、L-ロイシンと、ラウリル硫酸ナトリウムと、金属ステアリン酸塩とのうちの一つ又は複数を含んでもよく、該粘着防止剤は、コロイダルシリカであってもよく、該粘着防止剤と該活性成分との質量比は、0.05 : 1~0.08 : 1であってもよい、請求項1に記載の固体分散体。
【請求項3】
該活性成分の質量を1部とし、該固体分散体は、該活性成分1部と、該ベクター1.2~8部とを含み、
又は、該活性成分の質量を1部とし、該固体分散体は、該活性成分1部と、該ベクター2~4部とを含み、
又は、該活性成分の質量を1部とし、該固体分散体は、該活性成分1部と、ヒドロキシプロピルメチルセルロースコハク酸エステル1.2~8部とを含み、
又は、該活性成分の質量を1部とし、該固体分散体は、該活性成分1部と、ヒドロキシプロピルメチルセルロースコハク酸エステル2~4部とを含み、
又は、該活性成分の質量を1部とし、該固体分散体は、該活性成分1部と、ヒドロキシプロピルメチルセルロースコハク酸エステル2部とを含み、
又は、該活性成分の質量を1部とし、該固体分散体は、該活性成分1部と、ヒドロキシプロピルセルロース1.2~8部とを含んでもよく、
又は、該活性成分の質量を1部とし、該固体分散体は、該活性成分1部と、ヒドロキシプロピルセルロース2~4部とを含んでもよく、
又は、該活性成分の質量を1部とし、該固体分散体は、該活性成分1部と、ヒドロキシプロピルセルロース2部とを含み、
又は、該活性成分の質量を1部とし、該固体分散体は、該活性成分1部と、ポビドン1.2~8部とを含んでもよく、
又は、該活性成分の質量を1部とし、該固体分散体は、該活性成分1部と、ポビドン2~4部とを含んでもよく、
又は、該活性成分の質量を1部とし、該固体分散体は、該活性成分1部と、ポビドン2部とを含み、
又は、該活性成分の質量を1部とし、該固体分散体は、該活性成分1部と、アクリル樹脂1.2~8部を含んでもよく、
又は、該活性成分の質量を1部とし、該固体分散体は、該活性成分1部と、アクリル樹脂2~4部を含んでもよく、
又は、該活性成分の質量を1部とし、該固体分散体は、該活性成分1部と、アクリル樹脂2部とを含み、
又は、該活性成分の質量を1部とし、該固体分散体は、該活性成分1部と、該ベクター1.2~8部と、該粘着防止剤0.05~0.08部とを含み、
又は、該活性成分の質量を1部とし、該固体分散体は、該活性成分1部と、ヒドロキシプロピルメチルセルロースコハク酸エステル1.2~8部と、コロイダルシリカ0.05~0.08部とを含み、
又は、該活性成分の質量を1部とし、該固体分散体は、該活性成分1部と、ヒドロキシプロピルメチルセルロースコハク酸エステル2~4部と、コロイダルシリカ0.06~0.07部とを含み、
又は、該活性成分の質量を1部とし、該固体分散体は、該活性成分1部、ヒドロキシプロピルメチルセルロースコハク酸エステル2部と、コロイダルシリカ0.064部とを含む、請求項1又は2に記載の固体分散体。
【請求項4】
固体分散体の製造方法であって、請求項1~3のいずれか一項に記載のベクターと、請求項1~3のいずれか一項に記載の活性成分と溶媒とを混合して混合液を得、そして該混合液を乾燥するステップと、任意選択的に、乾燥前に該混合物と請求項2又は3に記載の粘着防止剤とを混合するステップとを含む、固体分散体の製造方法。
【請求項5】
該活性成分と該溶媒との質量体積比は、5:1~ 30:1 mg/mlであり、それは、15:1~25:1 mg/mlであってもよく、
及び/又は、該溶媒は、アルコール系溶媒と、水と、エステル系溶媒と、ケトン系溶媒と、ハロゲン化炭化水素溶媒と、ニトリル系溶媒と、エーテル系溶媒とのうちの一つ又は複数であり、それは、エステル系溶媒、エーテル系溶媒であってもよく、又はエステル系溶媒であり、該アルコール系溶媒は、エタノールであってもよく、該エステル系溶媒は、酢酸メチルであってもよく、該エーテル系溶媒は、テトラヒドロフランであってもよく、該ケトン系溶媒は、アセトンであってもよく、該ハロゲン化炭化水素溶媒は、ジクロロメタンであってもよく、該ニトリル系溶媒は、アセトニトリルであってもよく、
及び/又は、該乾燥は、1回目の乾燥と2回目の乾燥とを含み、該1回目の乾燥は、噴霧乾燥又は流動層沸騰乾燥であってもよく、該2回目の乾燥は、真空減圧乾燥又は電熱送風乾燥であってもよい、請求項4に記載の固体分散体の製造方法。
【請求項6】
請求項1から3のいずれか一項に記載の固体分散体と賦形剤とを含む、医薬組成物。
【請求項7】
該賦形剤は、吸収促進剤と、酸化防止剤と、乾式粘着防止剤と、緩衝剤と、コーティング材と、着色剤と、希釈剤と、崩壊剤と、乳化剤と、調味剤と、保湿剤と、潤滑剤と、粘着防止剤と、流動性助剤と、防腐剤と、可溶化剤と、矯味剤と、放出剤とのうちの一つ又は複数を含み、
希釈剤は、セルロースと、乳糖と、ラクチトールと、マルチトールと、マンニトールと、ソルビトールと、キシリトールと、グルコースと、フルクトースと、スクロースとスクロース系希釈剤と、マルトースと、イノソースと、加水分解穀物固体と、澱粉と、澱粉成分と、デキストリンと、カルシウム塩と、マグネシウム塩と、ベントナイトと、カオリンと、塩化ナトリウムとのうちの一つ又は複数を含んでもよく、希釈剤は、微結晶セルロースと、ケイ化微結晶セルロースと、リン酸カルシウムと、プレゲル化澱粉と、乳糖と、マンニトールと、無水リン酸水素カルシウムとのうちの一つ又は複数、又は微結晶セルロースと、ケイ化微結晶セルロースと、プレゲル化澱粉と、リン酸カルシウムと、無水リン酸水素カルシウムとのうちの一つ又は複数、又は微結晶セルロースと、プレゲル化澱粉と、リン酸カルシウムとのうちの一つ又は複数、又は微結晶セルロースと無水リン酸水素カルシウムとの混合物であってもよく、該微結晶セルロースは、PH 102及び/又はKG 802であってもよく、当該希釈剤が微結晶セルロースと無水リン酸水素カルシウムとの混合物である場合、微結晶セルロースと無水リン酸水素カルシウムとの質量比は、0.1 : 1~10 : 1、又は0.5 : 1~2 : 1であってもよく、
該崩壊剤は、澱粉と、クレーと、ケイ酸マグネシウムアルミニウムと、セルロース系崩壊剤と、アルギン酸塩と、ポビドンと、架橋ポビドンと、ポラクリンカリウムと、ガムと、コロイダルシリカとのうちの一つ又は複数を含んでもよく、該崩壊剤は、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム及び/又は架橋ポビドンであってもよく、
該潤滑剤は、ベヘン酸グリセリドと、ステアリン酸及びその塩と、水素化植物油と、パルミトステアリン酸グリセリルと、タルクと、ワックスと、安息香酸ナトリウムと、酢酸ナトリウムと、フマル酸ナトリウムと、ステアリルフマル酸ナトリウムと、PEGと、ポロキサムと、ポリビニルアルコールと、オレイン酸ナトリウムと、ラウリル硫酸ナトリウムと、ラウリル硫酸マグネシウムとのうちの一つ又は複数を含んでもよく、該潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウムであってもよい、請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項8】
請求項1から3のいずれか一項に記載の固体分散体、希釈剤、崩壊剤と潤滑剤を含む医薬組成物であって、該希釈剤、崩壊剤と潤滑剤は、請求項7に記載のとおりであってもよく、該医薬組成物は、粘着防止剤と流動性助剤とをさらに含んでもよく、該医薬組成物は、乾式粘着防止剤をさらに含んでもよく、
該希釈剤と該固体分散体との質量比は、0.2 : 1~8 : 1、0.5 : 1~8 : 1、0.8 : 1~2 : 1、又は0.5 : 1~1 : 1であってもよく、
該崩壊剤と該固体分散体との質量比は、0.03 : 1~0.3 : 1、0.1 : 1~0.2 : 1、0.05 : 1~0.2 : 1、又は0.05 : 1~0.15 : 1であってもよく、
該潤滑剤と該固体分散体との質量比は、0.005 : 1~0.2 : 1、0.01 : 1~0.2 : 1、0.02 : 1~0.04 : 1、又は0.01 : 1~0.02 : 1であってもよく、
該粘着防止剤は、タルクと、コロイダルシリカと、澱粉と、D-ロイシンと、L-ロイシンと、ラウリル硫酸ナトリウムと、金属ステアリン酸塩とのうちの一つ又は複数を含んでもよく、該粘着防止剤は、コロイダルシリカであってもよく、該流動性助剤は、コロイダルシリカと、澱粉と、粉末セルロースと、ラウリル硫酸ナトリウムと、トリケイ酸マグネシウムと、金属ステアリン酸塩とのうちの一つ又は複数を含んでもよく、該流動性助剤は、コロイダルシリカであってもよく、該粘着防止剤及び該流動性助剤の総質量と該固体分散体の質量との質量比は、0.02:1 ~ 0.3:1、0.05:1 ~ 0.1:1、又は0.1:1 ~ 0.2:1であってもよく、
該乾式粘着防止剤は、アラビアガム、トラガントガム、グルコース、ポリグルコース、澱粉、ゼラチン、変性セルロース、デキストリン、ツェイン、アルギン酸とアルギン酸塩、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、ベントナイト、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、グアーガム、多糖酸、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸エステルなどのうちの一つ又は複数を含んでもよく、該乾式粘着防止剤は、ヒドロキシプロピルセルロースであってもよく、該乾式粘着防止剤と該固体分散体との質量比は、0.02:1 ~ 0.5:1であり、それは、0.1:1 ~ 0.3:1であってもよい、医薬組成物。
【請求項9】
該固体分散体の質量を1部とし、該医薬組成物は、該固体分散体1部と、該希釈剤0.2~8部と、該崩壊剤0.03~0.3部と、該潤滑剤0.005~0.2部とを含み、
又は、該固体分散体の質量を1部とし、該医薬組成物は、固体分散体1部と、希釈剤0.2~8部と、該粘着防止剤と流動性助剤0.02~0.3部と、崩壊剤0.03~0.3部と、潤滑剤0.005~0.2部とを含み、
又は、該固体分散体の質量を1部とし、該医薬組成物は、該固体分散体1部と、該希釈剤0.2~8部と、該乾式粘着防止剤0.02~0.5部と、該粘着防止剤と流動性助剤0.02~0.3部と、該崩壊剤0.03~0.3部と、該潤滑剤0.005~0.2部とを含む、請求項6から8のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項10】
該固体分散体の質量を1部とし、該医薬組成物は、該固体分散体1部と、ケイ化微結晶セルロース0.5~1部と、架橋ポビドン0.1~0.2部と、ステアリン酸マグネシウム0.01~0.02部とを含み、
又は、該固体分散体の質量を1部とし、該医薬組成物は、該固体分散体1部と、ケイ化微結晶セルロース0.65~0.85部と、架橋ポビドン0.13~0.17部と、ステアリン酸マグネシウム0.012~0.016部とを含み、
又は、該固体分散体の質量を1部とし、該医薬組成物は、該固体分散体1部と、微結晶セルロースPH 102 0.8~2部と、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム0.05~0.2部と、コロイダルシリカ0.05~0.1部と、ステアリン酸マグネシウム0.02~0.04部とを含み、
又は、該固体分散体の質量を1部とし、該医薬組成物は、該固体分散体1部と、微結晶セルロースPH 102 1.26~1.46部と、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム0.11~0.15部と、コロイダルシリカ0.06~0.1部と、ステアリン酸マグネシウム0.02~0.04部とを含み、
又は、該固体分散体の質量を1部とし、該医薬組成物は、該固体分散体1部と、微結晶セルロースPH 102 0.53~1.32部と、プレゲル化澱粉0.27~0.68部と、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム0.05~0.2部と、コロイダルシリカ0.05~0.1部と、ステアリン酸マグネシウム0.02~0.04部とを含み、
又は、該固体分散体の質量を1部とし、該医薬組成物は、該固体分散体1部と、微結晶セルロースPH 102 0.81~1.01部と、プレゲル化澱粉0.35~0.55部と、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム0.11~0.15部と、コロイダルシリカ0.06~0.1部と、ステアリン酸マグネシウム0.02~0.04部とを含み、
又は、該固体分散体の質量を1部とし、該医薬組成物は、該固体分散体1部と、微結晶セルロースPH 102 0.4~1部と、リン酸カルシウム0.4~1部と、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム0.05~0.2部と、コロイダルシリカ0.05~0.1部と、ステアリン酸マグネシウム0.02~0.04部とを含み、
又は、該固体分散体の質量を1部とし、該医薬組成物は、該固体分散体1部と、微結晶セルロースPH 102 0.58~0.78部と、リン酸カルシウム0.58~0.78部と、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム0.11~0.15部と、コロイダルシリカ0.07~0.09部と、ステアリン酸マグネシウム0.02~0.04部とを含み、
又は、該固体分散体の質量を1部とし、該医薬組成物は、該固体分散体1部と、微結晶セルロースKG 802 0.4~1部と、無水リン酸カルシウム0.4~1部と、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム0.05~0.2部と、コロイダルシリカ0.05~0.1部と、ステアリン酸マグネシウム0.02~0.04部とを含み、
又は、該固体分散体の質量を1部とし、該医薬組成物は、該固体分散体1部と、微結晶セルロースKG 802 0.61~0.81部と、無水リン酸カルシウム0.61~0.81部と、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム0.068~0.088部と、コロイダルシリカ0.05~0.054部と、ステアリン酸マグネシウム0.03~0.04部とを含み、
又は、該固体分散体の質量を1部とし、該医薬組成物は、該固体分散体1部と、微結晶セルロースKG 802 0.25~4部と、リン酸カルシウム0.25~4部と、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム0.03~0.3部と、ヒドロキシプロピルセルロース0.02~0.5部と、コロイダルシリカ0.02~0.3部と、ステアリン酸マグネシウム0.02~0.3部とを含み、
又は、該固体分散体の質量を1部とし、該医薬組成物は、該固体分散体1部と、微結晶セルロースKG 802 0.5~0.7部と、リン酸カルシウム0.5~0.7部と、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム0.11~0.15部と、ヒドロキシプロピルセルロース0.14~0.18部と、コロイダルシリカ0.04~0.08部と、ステアリン酸マグネシウム0.02~0.04部を含み、
又は、該固体分散体の質量を1部とし、該医薬組成物は、該固体分散体1部と、微結晶セルロースKG 802 0.25~4部と、無水リン酸カルシウム0.25~4部と、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム0.03~0.3部と、ヒドロキシプロピルセルロース0.02~0.5部と、コロイダルシリカ0.02~0.3部と、ステアリン酸マグネシウム0.02~0.3部とを含み、
又は、該固体分散体の質量を1部とし、該医薬組成物は、該固体分散体1部と、微結晶セルロースKG 802 0.55~0.75部と、無水リン酸カルシウム0.55~0.75部と、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム0.07~0.15部と、ヒドロキシプロピルセルロース0.07~0.18部と、コロイダルシリカ0.04~0.15部と、ステアリン酸マグネシウム0.02~0.06部とを含む、請求項6から9のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項11】
請求項6から10のいずれか一項に記載の医薬組成物を含む医薬製剤であって、該医薬製剤は、固形製剤、又は粉剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、滴丸剤又はフィルム剤であってもよい、医薬製剤。
【請求項12】
錠剤の製造方法であって、
ステップ1であって、請求項1~3と6~10のいずれか一項に記載の固体分散体と、請求項7~10のいずれか一項に記載の希釈剤と、請求項7~10のいずれか一項に記載の崩壊剤とを混合して混合物を得、篩かけして造粒して粒子を得、任意選択的に、篩かけ前に請求項7から10のいずれか一項に記載の乾式粘着防止剤と、該混合物とを混合し、任意選択的に、篩かけ前に請求項7から10のいずれか一項に記載の粘着防止剤と流動性助剤と、該混合物とを混合し、任意選択的に、造粒前に、篩かけ後に請求項7から10のいずれか一項に記載の潤滑剤を加えるステップ1と、
ステップ2であって、ステップ1のこれらの粒子と請求項7~10のいずれか一項に記載の潤滑剤とを混合して錠剤をプレスし、任意選択的に、ステップ1のこれらの粒子と請求項7から10のいずれか一項に記載の粘着防止剤と流動性助剤とを混合するステップ2とを含む、錠剤の製造方法。
【請求項13】
ステップ1において該粘着防止剤と流動性助剤の一部を加え、且つステップ2において残りの該粘着防止剤と流動性助剤を加える時、該粘着防止剤と流動性助剤の総量は、100%であり、且つステップ1における該粘着防止剤と流動性助剤の質量百分率は、0.5%~20%であり、
及び/又はステップ1において該潤滑剤の一部を加え、且つステップ2において残りの該潤滑剤を加える時、該潤滑剤の総量は、100%であり、且つステップ1における該潤滑剤の質量百分率は、0.1%~10%であり、
及び/又はステップ1において、該造粒は、乾式造粒である、請求項12に記載の錠剤の製造方法。
【請求項14】
請求項6から10のいずれか一項に記載の医薬組成物を含む、コーティング錠剤。
【請求項15】
該コーティング錠剤における該医薬組成物とコーティングとの質量比は、0.02 : 1~0.2 : 1であり、それは、0.05 : 1~0.1 : 1であってもよく、
及び/又は、該コーティング錠剤における該コーティングは、ポリビニルアルコールと、二酸化チタンと、タルクと、トリエチルグリセリンと、ヒドロキシプロピルメチルセルロースとを含み、それは、フィルムコーティングプレミックスであってもよい、請求項14に記載のコーティング錠剤。
【請求項16】
請求項1から3のいずれか一項に記載の固体分散体の、P53及び/又はMDM2異常に起因する、癌又は過増殖性疾患である関連疾患を治療する薬物の製造における用途。
【請求項17】
癌は、副腎皮質癌、末期癌、肛門癌、再生障害性貧血、胆管癌、膀胱癌、骨癌、骨転移、成人脳/CNS腫瘍、小児脳/CNS腫瘍、乳癌、男性乳癌、小児癌、未知の原発性癌、巨大リンパ節増殖、子宮頸癌、結腸/直腸癌、子宮内膜癌、食道癌、ユーイング腫瘍ファミリー、眼癌、胆嚢癌、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍、妊娠栄養細胞疾患、ホジキン病、カポジ肉腫、腎癌、喉頭・下咽癌、成人急性リンパ球性白血病、急性骨髓性白血病、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髓性白血病、慢性骨髓単球性白血病、小児白血病、肝臓癌、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、肺カルチノイド腫瘍、皮膚リンパ腫、悪性中皮腫、多発性骨髓腫、骨髓増殖異常症候群、鼻腔・副鼻腔癌、鼻咽頭癌、神経芽細胞腫、非ホジキンリンパ腫、小児非ホジキンリンパ腫、口腔・中咽頭癌、骨肉腫、卵巣癌、膵臓腺癌、陰茎癌、下垂体腺癌、前立腺癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺癌、肉腫-成人軟部癌、基底皮膚癌と扁平上皮癌、皮膚癌黒色腫、小腸癌、胃癌、精巣癌、胸腺癌、甲状腺癌、子宮肉腫、膣癌、外陰癌、ワルデンストレームマクログロブリン血症、又はウィルムス腫瘍であってもよい、請求項16に記載の用途。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年11月3日に提案された中国特許出願CN202011206371.7の優先権を主張している。その内容は、全体としてここに組み込まれる。
【0002】
本発明は、複素環式化合物を含む組成物、その製造方法と応用に関する。
【背景技術】
【0003】
MDM2は、癌遺伝子の一つであり、細胞成長には調節作用を持つ。MDM2は、p53蛋白と結合してMDM2-p53負帰還ループを形成し、p53依存活性を発揮することができる。MDM2は、p53の主要阻害剤である。それは、その相互作用によって媒介される様々なメカニズムによってp53の機能を抑制する。MDM2-p53の相互作用を阻害する小分子阻害剤は、野生型p53の腫瘍抑制機能を回復させることにより、ヒトの癌を治療する目的を達成する可能性がある。
【0004】
APG-115は、経口投与によりMDM2-p53蛋白の相互作用を高度に選択的に標的化する有効な小分子阻害剤であり、現在臨床研究が行われている。
【化1】
【発明の概要】
【0005】
本発明は、固体分散体を提供し、この固体分散体は、ベクターと活性成分とを含み、活性成分は、式(I)に示す化合物と、その薬学的に許容される塩と、その結晶形と、その水和物とのうちの一つ又は複数である
【化2】
【0006】
本発明の実施例では、ベクターは、N-ビニルラクタムの単独重合体と共重合体セルロースエステル、pH依存性セルロース系誘導体、非イオン性水溶性セルロースエーテル、セルロースエーテル、高分子量ポリアルキレンオキシド、N-ビニルアミド系重合体、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリルアミド、酢酸ビニル重合体、ポリエチレングリコール、ポリビニルカプロラクタム/ポリ酢酸ビニルグラフト共重合体、オリゴ糖と多糖のうちの一つ又は複数から選択され、且つポビドン、コポビドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースコハク酸エステル、ポリエチレングリコール/ポリビニルカプロラクタム/ポリ酢酸ビニルグラフト共重合体のうちの一つ又は複数であってもよく、且つヒドロキシプロピルメチルセルロースコハク酸エステル、ヒドロキシプロピルセルロース、ポビドンとアクリル樹脂のうちの一つ又は複数であってもよい。
【0007】
本発明の実施例では、ヒドロキシプロピルメチルセルロースコハク酸エステルは、HPMCAS 126Gと、HPMCAS 716Gと、HPMCAS 912Gとのうちの一つ又は複数を含むが、それらに限らない。
【0008】
本発明の実施例では、ヒドロキシプロピルセルロースは、HPC EXFと、HPC LFと、HPC JFと、HPC GFとのうちの一つ又は複数を含むが、それらに限らず、且つHPC EXFであってもよい。
【0009】
本発明の実施例では、ポビドンは、PVP VA 64と、PVP K29/32と、PVP S-630と、PVP K25と、PVP K-90と、PVP C-15と、PVP C-30とのうちの一つ又は複数を含むが、それらに限らず、又は、PVP VA64と、PVP K29/32と、PVP S-630とのうちの一つ又は複数である。
【0010】
本発明の実施例では、アクリル樹脂は、Eudragit L100と、Eudrag it S100と、Eudragit L100-55と、Eudragit RLPOと、Eudragit RSPOとを含むが、それらに限らず、且つ、Eudragit L100と、Eudragit S100と、Eudragit L100-55とのうちの一つ又は複数であってもよい。
【0011】
本発明の実施例では、式(I)に示す化合物の薬学的に許容される塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、リジン塩、アルギニン塩、ヒスチジン塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、硫酸水素塩、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、ジグルコン酸塩、グリセロリン酸塩、半硫酸塩、ヘプタン酸塩、カプロン酸塩、ギ酸塩、コハク酸塩、フマル酸、マレイン酸塩、アスコルビン酸塩、ヒドロキシエチルスルホン酸塩、サリチル酸塩、メタンスルホン酸塩、メシチレン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、ビスヒドロキシナフタレン酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、トリクロロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、リン酸塩、グルタミン酸塩、重炭酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、グルコン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンジスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、l-酒石酸塩、マレイン酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩、コリン塩、アミノブタノール塩、カルシウム塩又はp-トルエンスルホン酸塩であってもよく、又はリン酸塩、硫酸塩、l-酒石酸塩、塩酸塩、マレイン酸塩、臭化水素酸塩、メタンスルホン酸塩、リジン塩、アルギニン塩、ヒスチジン塩、ナトリウム塩、カリウム塩、コリン塩、アミノブタノール塩又はカルシウム塩である。
【0012】
本発明の実施例では、式(I)に示す化合物の水和物は、半水和物、一水和物、二水和物、三水和物、四水和物、五水和物、六水和物、七水和物、八水和物、九水和物、十水和物、十一水和物又は十二水和物であってもよい。
【0013】
本発明におけるベクター、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースコハク酸エステル(HPMCAS)は、市販されたもの、例えばHPMCAS 126G、HPMCAS 716G、HPMCAS 912G、HPMCAS HG、HPMCAS LGとHPMCAS MGであり、又は、アセチル置換度(%)5.0~9.0、スクシノイル置換度(%)14.0~18.0のHPMCAS (例えばHPMCAS 716G又はHPMCAS LG)から選択され、又は、アセチル置換度(%)7.0~11.0、スクシノイル置換度(%)10.0~14.0のHPMCAS (例えばHPMCAS 912G又はHPMCAS MG)から選択され、又は、アセチル置換度(%)10.0~14.0、スクシノイル置換度(%)4.0~8.0のHPMCAS (例えばHPMCAS 126G又はHPMCAS HG)から選択される。
【0014】
他の重合体、例えばポビドン(PVP)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)とアクリル樹脂(AC)も、市販されたものである。例えばポビドン(PVP)は、PVP K12、PVP K15、PVP K 17、PVP K 30、PVP K 60、PVP C-12、PVP C-17、PVP VA64、PVP K29/32、PVP S-630、PVP K25、PVP K-90、PVP C-15、PVP C-30、PVP VA64、PVP K29/32とPVP S-630から由来する。例えばヒドロキシプロピルセルロース(HPC)は、HPC EXF、HPC LF、HPC JF、HPC GF、HPC EXF、HPC H(HFとHXFを含む)、HPC M(MFとMXFを含む)、HPC G(GFとGXFを含む)、HPC J(JFとJXFを含む)、HPC L(LFとLXFを含む)、HPC E(EFとEXFを含む)、HPC L、HPC M、HPC H、HPC SLとHPC SSLから由来する。例えばアクリル樹脂(AC)は、E100、EPO、L100-55、L100、S100、RL100、RLPO、RL30D、RS100、RSPO、RS30D、NE30DとRD100から選択される。
【0015】
本発明の実施例では、ベクターは、HPMCAS 912G(又はHPMCAS MG)と、HPC Klucel EXFと、Eudragit S100と、Eudragit L100-55とのうちの一つ又は複数であってもよい。得られた分散体は、DSCスキャンで明らかな吸熱、発熱ピークがなく、得られた分散体は、アモルファス分散体である。
【0016】
本発明の実施例では、ベクターは、HPMCAS 912G(又はHPMCAS MG)と、HPMCAS 126G(又はHPMCAS HG)と、HPC Klucel EXFと、PVP VA64と、PVP K29/32と、Eudragit L100-55とのうちの一つ又は複数であってもよい。得られた分散体の安定性は、良好である。
【0017】
本発明の実施例では、ベクターは、HPMCAS 716G(又はHPMCAS LG)と、HPMCAS 912G(又はHPMCAS MG)と、PVP VA64とのうちの一つ又は複数であってもよい。得られた分散体の溶解度は、著しく向上する(平衡溶解度は、0.1 mg/mlよりも大きい)。
【0018】
本発明の実施例では、ベクターは、HPMCAS 126G(又はHPMCAS HG)と、HPMCAS 716G(又はHPMCAS LG)と、HPMCAS 912G(又はHPMCAS MG)と、Eudragit L100と、Eudragit S100とのうちの一つ又は複数であってもよい。得られた分散体の薬物溶出は、完全である(10 minの薬物溶出度は、50%よりも大きく、60 minの薬物溶出度は、97%よりも大きい)。
【0019】
本発明の実施例では、ベクターは、HPMCAS912G(又はHPMCAS MG)であってもよい。
【0020】
本発明の実施例では、活性成分は、式(I)に示す化合物であってもよい。
【0021】
本発明の実施例では、固体分散体において、活性成分とベクターとの質量比は、1 : 1.2~1 : 8、又は1 : 2~1 : 4(例えば1 : 2)であってもよい。活性成分とベクターとの質量比が1 : 1.2~1 : 8の範囲内にある場合、固体分散体の平衡溶解度、安定性又は薬物溶出度などの少なくとも一つは、良い効果がある。例えば溶出度は、90%以上に達することができ、例えば平衡溶解度は、0.1 mg/mlよりも大きい。活性成分とベクターとの質量比が1 : 2~1 : 4の範囲内にある場合、固体分散体の平衡溶解度、安定性又は薬物溶出度は、より良い効果がある(例えば溶出度は、98%よりも大きくてもよく、75%RH又は60℃で30日後の含有量は、関連物質と有意に変化しない)。
【0022】
本発明の実施例では、活性成分の質量を1部とし、固体分散体は、活性成分1部とベクター1.2~8部とを含んでもよい。
【0023】
本発明の実施例では、活性成分の質量を1部とし、固体分散体は、活性成分1部とベクター2~4部とを含んでもよい。
【0024】
本発明の実施例では、活性成分の質量を1部とし、固体分散体は、活性成分1部とヒドロキシプロピルメチルセルロースコハク酸エステル1.2~8部とを含んでもよい。
【0025】
本発明の実施例では、活性成分の質量を1部とし、固体分散体は、活性成分1部とヒドロキシプロピルメチルセルロースコハク酸エステル2~4部とを含んでもよい。
【0026】
本発明の実施例では、活性成分の質量を1部とし、固体分散体は、活性成分1部とHPMCAS 912G(又はHPMCAS MG)2~4部とを含んでもよい。
【0027】
本発明の実施例では、活性成分の質量を1部とし、固体分散体は、活性成分1部とHPMCAS 126G(又はHPMCAS HG)2~4部とを含んでもよい。
【0028】
本発明の実施例では、活性成分の質量を1部とし、固体分散体は、活性成分1部とHPMCAS 716G(又はHPMCAS LG)2~4部とを含んでもよい。
【0029】
本発明の実施例では、活性成分の質量を1部とし、固体分散体は、活性成分1部とヒドロキシプロピルメチルセルロースコハク酸エステル2部とを含む。
【0030】
本発明の実施例では、活性成分の質量を1部とし、固体分散体は、活性成分1部とHPMCAS 912G(又はHPMCAS MG)2部とを含んでもよい。
【0031】
本発明の実施例では、活性成分の質量を1部とし、固体分散体は、活性成分1部とHPMCAS 126G(又はHPMCAS HG)2部とを含んでもよい。
【0032】
本発明の実施例では、活性成分の質量を1部とし、固体分散体は、活性成分1部とHPMCAS 716G(又はHPMCAS LG)2部とを含んでもよい。
【0033】
本発明の実施例では、活性成分の質量を1部とし、固体分散体は、活性成分1部とヒドロキシプロピルセルロース1.2~8部とを含んでもよい。
【0034】
本発明の実施例では、活性成分の質量を1部とし、固体分散体は、活性成分1部とヒドロキシプロピルセルロース2~4部とを含んでもよい。
【0035】
本発明の実施例では、活性成分の質量を1部とし、固体分散体は、活性成分1部とHPC EXF2~4部とを含んでもよい。
【0036】
本発明の実施例では、活性成分の質量を1部とし、固体分散体は、活性成分1部とヒドロキシプロピルセルロース2部とを含む。
【0037】
本発明の実施例では、活性成分の質量を1部とし、固体分散体は、活性成分1部とHPC EXF 2部とを含んでもよい。
【0038】
本発明の実施例では、活性成分の質量を1部とし、固体分散体は、活性成分1部とポビドン1.2~8部とを含んでもよい。
【0039】
本発明の実施例では、活性成分の質量を1部とし、固体分散体は、活性成分1部とポビドン2~4部とを含んでもよい。
【0040】
本発明の実施例では、活性成分の質量を1部とし、固体分散体は、活性成分1部とPVP VA64 2~4部とを含んでもよい。
【0041】
本発明の実施例では、活性成分の質量を1部とし、固体分散体は、活性成分1部とPVP K29/32 2~4部とを含んでもよい。
【0042】
本発明の実施例では、活性成分の質量を1部とし、固体分散体は、活性成分1部とPVP S-630 2~4部とを含んでもよい。
【0043】
本発明の実施例では、活性成分の質量を1部とし、固体分散体は、活性成分1部とポビドン2部とを含む。
【0044】
本発明の実施例では、活性成分の質量を1部とし、固体分散体は、活性成分1部とPVP VA64 2部とを含んでもよい。
【0045】
本発明の実施例では、活性成分の質量を1部とし、固体分散体は、活性成分1部とPVP K29/32 2部とを含んでもよい。
【0046】
本発明の実施例では、活性成分の質量を1部とし、固体分散体は、活性成分1部とPVP S-630 2部とを含んでもよい。
【0047】
本発明の実施例では、活性成分の質量を1部とし、固体分散体は、活性成分1部とアクリル樹脂1.2~8部とを含んでもよい。
【0048】
本発明の実施例では、活性成分の質量を1部とし、固体分散体は、活性成分1部とアクリル樹脂2~4部とを含んでもよい。
【0049】
本発明の実施例では、活性成分の質量を1部とし、固体分散体は、活性成分1部とEudragit L100 2~4部とを含んでもよい。
【0050】
本発明の実施例では、活性成分の質量を1部とし、固体分散体は、活性成分1部とEudragit S100 2~4部とを含んでもよい。
【0051】
本発明の実施例では、活性成分の質量を1部とし、固体分散体は、活性成分1部とEudragit L100-55 2~4部とを含んでもよい。
【0052】
本発明の実施例では、活性成分の質量を1部とし、固体分散体は、活性成分1部とアクリル樹脂2部とを含む。
【0053】
本発明の実施例では、活性成分の質量を1部とし、固体分散体は、活性成分1部とEudragit L100 2部とを含んでもよい。
【0054】
本発明の実施例では、活性成分の質量を1部とし、固体分散体は、活性成分1部とEudragit S100 2部とを含んでもよい。
【0055】
本発明の実施例では、活性成分の質量を1部とし、固体分散体は、活性成分1部と、Eudragit L100-55 2部とを含んでもよい。
【0056】
本発明の実施例では、固体分散体は、粘着防止剤をさらに含む。粘着防止剤は、コロイダルシリカと、タルクと、澱粉と、D-ロイシンと、L-ロイシンと、ラウリル硫酸ナトリウムと、金属ステアリン酸塩とのうちの一つ又は複数を含んでもよく、例えば、粘着防止剤は、コロイダルシリカであってもよい。粘着防止剤と活性成分との質量比は、0.05 : 1~0.08 : 1(例えば0.064 : 1)であってもよい。
【0057】
本発明の実施例では、活性成分の質量を1部とし、固体分散体は、活性成分1部と、1.2~8部ベクターと、粘着防止剤0.05~0.08部とを含んでもよい。
【0058】
本発明の実施例では、活性成分の質量を1部とし、固体分散体は、活性成分1部と、ヒドロキシプロピルメチルセルロースコハク酸エステル1.2~8部と、コロイダルシリカ0.05~0.08部とを含んでもよい。
【0059】
本発明の実施例では、活性成分の質量を1部とし、固体分散体は、活性成分1部と、HPMCAS 912G(又はHPMCAS MG)1.2~8部と、コロイダルシリカ0.05~0.08部とを含んでもよい。
【0060】
本発明の実施例では、活性成分の質量を1部とし、固体分散体は、活性成分1部と、ヒドロキシプロピルメチルセルロースコハク酸エステル2~4部と、コロイダルシリカ0.06~0.07部とを含んでもよい。
【0061】
本発明の実施例では、活性成分の質量を1部とし、固体分散体は、活性成分1部と、HPMCAS 912G(又はHPMCAS MG)2~4部と、コロイダルシリカ0.06~0.07部とを含んでもよい。
【0062】
本発明の実施例では、活性成分の質量を1部とし、固体分散体は、活性成分1部と、ヒドロキシプロピルメチルセルロースコハク酸エステル2部と、コロイダルシリカ0.064部とを含んでもよい。
【0063】
本発明の実施例では、活性成分の質量を1部とし、固体分散体は、活性成分1部と、HPMCAS 912G(又はHPMCAS MG)2部と、コロイダルシリカ0.064部とを含んでもよい。
【0064】
本発明の実施例では、固体分散体は、ベクターと活性成分とから構成されてもよい。
【0065】
本発明の実施例では、固体分散体は、ベクターと、活性成分と、粘着防止剤とから構成される。
【0066】
本発明の実施例では、固体分散体は、アモルファス固体分散体である。
【0067】
本発明は、固体分散体の製造方法をさらに提供し、この製造方法は、ベクターと活性成分溶媒とを混合して混合液を得、そして混合液を乾燥するステップと、任意選択的に乾燥前に混合物と粘着防止剤とを混合するステップとを含む。
【0068】
本発明の実施例では、活性成分と溶媒との質量体積比は、5 : 1~30 : 1 mg/ml、又は15 : 1~25 : 1 mg/ml(例えば19.5 : 1 mg/ml)であってもよい。活性成分と溶媒との質量体積比が5 : 1~30 : 1 mg/mlの範囲内にある場合、活性成分の安定性が良く、且つ製造された固体分散体の溶媒残留量が低い(例えば溶媒限界未満であってもよい)。
【0069】
本発明の実施例では、溶媒は、アルコール系溶媒と、水と、エステル系溶媒と、ケトン系溶媒と、ハロゲン化炭化水素溶媒と、ニトリル系溶媒と、エーテル系溶媒とのうちの一つ又は複数、エステル系溶媒及び/又はエーテル系溶媒、又はエステル系溶媒であってもよい。アルコール系溶媒は、エタノールであってもよい。エステル系溶媒は、酢酸メチルであってもよい。エーテル系溶媒は、テトラヒドロフランであってもよい。ケトン系溶媒は、アセトンであってもよい。ハロゲン化炭化水素溶媒は、ジクロロメタンであってもよい。ニトリル系溶媒は、アセトニトリルであってもよい。
【0070】
本発明の実施例では、乾燥は、1回目の乾燥と2回目の乾燥とを含んでもよく、1回目の乾燥は、噴霧乾燥又は流動層沸騰乾燥であってもよい。2回目の乾燥は、真空減圧乾燥又は電熱送風乾燥、例えば真空減圧乾燥であってもよい。
【0071】
本発明の実施例では、固体分散体における溶媒残留量が限界範囲内にある時を乾燥の終点とする。
【0072】
本発明の実施例では、乾燥の時間は、4~16時間であってもよい。1回目の乾燥の時間は、2~8時間(例えば5時間)であってもよい。2回目の乾燥の時間は、2~8時間(例えば2時間)であってもよい。
【0073】
発明者は、粘着防止剤が噴霧乾燥過程における粉末の静電粘着を改善できることを発見した。粘着防止剤と活性成分との質量比が0.05 : 1~0.08 : 1の範囲内にある場合、乾燥過程における粉末の静電粘着を改善する効果がより優れている。
【0074】
本発明は、該固体分散体の製造方法によって製造された固体分散体をさらに提供する。
【0075】
本発明は、該固体分散体と賦形剤とを含む医薬組成物をさらに提供する。
【0076】
上記医薬組成物を調製する賦形剤は、カプセル化材料又は調製添加剤、例えば吸収促進剤と、酸化防止剤と、乾式粘着防止剤と、緩衝剤と、コーティング材と、着色剤と、希釈剤と、崩壊剤と、乳化剤と、調味剤と、保湿剤と、潤滑剤と、粘着防止剤と、流動性助剤と、防腐剤と、可溶化剤と、矯味剤と、放出剤とのうちの一つ又は複数を含んでもよい。賦形剤は、薬物の組み合わせにおいて2種以上の機能を有してもよい。
【0077】
本発明は、固体分散体と、希釈剤と、崩壊剤と、潤滑剤とを含む医薬組成物をさらに提供する。
【0078】
本発明の実施例では希釈剤は、セルロース(例えば粉末セルロース、微結晶セルロース、ケイ化微結晶セルロース、α-アモルファスセルロース、酢酸セルロースなどのうちの一つ又は複数)、乳糖(例えば無水乳糖及び/又は乳糖一水和物)、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、グルコース(例えば無水グルコース及び/又はグルコース一水和物)、フルクトース、スクロースとスクロース系希釈剤(例えば圧縮性糖、粉末状糖、キャンディーショットなどのうちの一つ又は複数)、マルトース、イノソース、加水分解穀物固体、澱粉(例えばコーンスターチ、小麦澱粉、米澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉などのうちの一つ又は複数)、澱粉成分(例えばアミロースとグルコース結合剤、と変性澱粉又は加工澱粉、例えばプレゲル化澱粉のうちの一つ又は複数)、デキストリン、カルシウム塩(例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウムと乳酸カルシウムなどのうちの一つ又は複数)、マグネシウム塩(例えば炭酸マグネシウム及び/又は酸化マグネシウム)、ベントナイト、カオリンと塩化ナトリウムのうちの一つ又は複数を含んでもよい。
【0079】
本発明の実施例では、希釈剤は、微結晶セルロースと、ケイ化微結晶セルロースと、リン酸カルシウムと、プレゲル化澱粉と、乳糖と、マンニトールと、無水リン酸水素カルシウムとのうちの一つ又は複数、微結晶セルロースと、ケイ化微結晶セルロースと、プレゲル化澱粉と、リン酸カルシウムと、無水リン酸カルシウムとのうちの一つ又は複数、又は微結晶セルロースと、プレゲル化澱粉と、リン酸カルシウムとのうちの一つ又は複数、又は微結晶セルロースと無水リン酸水素カルシウムであってもよい。微結晶セルロースは、PH 102及び/又はKG 802であってもよい。希釈剤が微結晶セルロースと無水リン酸水素カルシウムである場合、微結晶セルロースと無水リン酸水素カルシウムとの質量比は、0.1 : 1~10 : 1、又は0.5 : 1~2 : 1(例えば1 : 1)であってもよい。
【0080】
本発明の実施例では、崩壊剤は、澱粉(例えばプレゲル化澱粉及び/又はヒドロキシアセテート澱粉ナトリウム)、クレー、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、セルロース系崩壊剤(例えば粉末セルロース、微結晶セルロース、メチルセルロース、低級置換ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウムと架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)、アルギン酸塩、ポビドン、架橋ポビドン、ポラクリンカリウム、ガム(例えば寒天、グアーガム、ローカストビーンガム、エゾカストビーンガム、ペクチンとトラガントガムなどのうちの一つ又は複数)、とコロイダルシリカのうちの一つ又は複数を含んでもよい。
【0081】
本発明の実施例では、崩壊剤は、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム及び/又は架橋ポビドンであってもよい。
【0082】
潤滑剤は、製剤成形時の固形製剤の材料と設備との間の摩擦を緩和し、例えば、錠剤プレス中の錠剤プレス混合物と錠剤プレス装置との間の摩擦を緩和する。本発明の実施例では、潤滑剤は、ベヘン酸グリセリド、ステアリン酸及びその塩(例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウムなどのうちの一つ又は複数)、水素化植物油、パルミチンステアリン酸グリセリド、タルク、ワックス、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、フマル酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、PEG(例えばPEG4000及び/又はPEG6000)、ポロキサム、ポリビニルアルコール、オレイン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウムとラウリル硫酸マグネシウムのうちの一つ又は複数を含んでもよい。
【0083】
本発明の実施例では、潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウムと、ポリエチレングリコールと、硫酸月桂酸マグネシウムとのうちの一つ又は複数、又はステアリン酸マグネシウムであってもよい。
【0084】
他の賦形剤、例えば乾式粘着防止剤、緩衝剤、安定剤、可溶化剤、酸化防止剤、着色剤、矯味剤などは、製薬分野において知られており、本発明の組成物において使用することができる。錠剤は、コーティングされなくてもよく、例えば機能性のないフィルム又は放出変性又は腸溶衣でコーティングされた錠剤を含んでもよい。カプセルは、硬質または軟質のシェルを有してもよく、該シェルは、任意選択的に、一つ又は複数の可塑剤、例えばゼラチン(硬質ゼラチンカプセルまたは軟質弾性ゼラチンカプセルの形態)、澱粉、カラギーナン及び/又はヒドロキシプロピルセルロースを含む。
【0085】
本発明の実施例では、希釈剤と固体分散体との質量比は、0.2 : 1~8 : 1、0.5 : 1~8 : 1、0.8 : 1~2 : 1又は0.5 : 1~1 : 1(例えば1.15 : 1、0.76 : 1、1.36 : 1)であってもよい。希釈剤と固体分散体との質量比が0.2 : 1~8 : 1の範囲内にある場合、医薬組成物により製造された素錠は、シート面が白色であり、かつ斑点がない。
【0086】
本発明の実施例では、崩壊剤と固体分散体との質量比は、0.03 : 1~0.3 : 1、0.1 : 1~0.2 : 1、0.05 : 1~0.2 : 1又は0.05 : 1~0.15 : 1(例えば0.08 : 1、0.15 : 1、0.13 : 1)であってもよい。崩壊剤と固体分散体との質量比が0.03 : 1~0.3 : 1の範囲内にある場合、医薬組成物により製造された錠剤は、良い崩壊と溶出効果を有する(例えば、崩壊時間が0.5分~7.5分であってもよく、溶出度が90%以上であってもよい)。
【0087】
本発明の実施例では、潤滑剤と固体分散体との質量比は、0.005 : 1~0.2 : 1、0.01 : 1~0.2 : 1、0.02 : 1~0.04 : 1又は0.01 : 1~0.02 : 1(例えば0.042 : 1、0.014 : 1、0.026 : 1)であってもよい。潤滑剤と固体分散体との質量比が0.005 : 1~0.2 : 1の範囲内にある場合、医薬組成物により製造された粉末の流動性が良い。
【0088】
本発明の実施例では、固体分散体の質量を1部とし、医薬組成物は、固体分散体1部と、希釈剤0.2~8部と、崩壊剤0.03~0.3部と、潤滑剤0.005~0.2部とを含んでもよい。
【0089】
本発明の実施例では、固体分散体の質量を1部とし、医薬組成物は、固体分散体1部と、ケイ化微結晶セルロース0.5~1部と、架橋ポビドン0.1~0.2部と、ステアリン酸マグネシウム0.01~0.02部とを含んでもよい。
【0090】
本発明の実施例では、固体分散体の質量を1部とし、医薬組成物は、固体分散体1部と、ケイ化微結晶セルロース0.65~0.85部と、架橋ポビドン0.13~0.17部と、ステアリン酸マグネシウム0.012~0.016部とを含んでもよい。
【0091】
本発明の実施例では、固体分散体の質量を1部とし、医薬組成物は、固体分散体1部と、ケイ化微結晶セルロース0.76部と、架橋ポビドン0.15部と、ステアリン酸マグネシウム0.014部とを含んでもよい。
【0092】
本発明の実施例では、医薬組成物は、固体分散体と、希釈剤と、崩壊剤と、潤滑剤とから構成される。
【0093】
本発明の実施例では、医薬組成物は、粘着防止剤と流動性助剤とをさらに含んでもよい。
【0094】
粘着防止剤は、製剤製造中に設備表面への粘着を軽減することができる。本発明の実施例では、粘着防止剤は、タルク、コロイダルシリカ、澱粉、D-ロイシン、L-ロイシン、ラウリル硫酸ナトリウムと金属ステアリン酸塩などのうちの一つ又は複数を含んでもよい。
【0095】
本発明の実施例では、粘着防止剤は、コロイダルシリカと、タルクと、塩化カルシウムとのうちの一つ又は複数、又はコロイダルシリカであってもよい。
【0096】
流動助剤は、流動特性を改善し、錠剤混合物における静電気を低減する。本発明の実施例では、流動性助剤は、コロイダルシリカ、澱粉、粉末セルロース、ラウリル硫酸ナトリウム、トリケイ酸マグネシウムと金属ステアリン酸塩などのうちの一つ又は複数を含んでもよい。
【0097】
本発明の実施例では、流動性助剤は、コロイダルシリカ及び/又はタルク、又はコロイダルシリカであってもよい。
【0098】
本発明の実施例では、医薬組成物において、粘着防止剤と流動性助剤の総質量と固体分散体との質量比は、0.02 : 1~0.3 : 1、0.05 : 1~0.1 : 1又は0.1 : 1~0.2 : 1(例えば0.08 : 1、0.13 : 1)であってもよい。粘着防止剤と流動性助剤の質量比と固体分散体との質量比が0.02 : 1~0.3 : 1の範囲内にある場合、錠剤プレス期間にパンチ表面のフィルミングを防止し、錠剤のスティックパンチを低減するのに、より優れている効果がある。
【0099】
本発明の実施例では、固体分散体の質量を1部とし、医薬組成物は、固体分散体1部と、希釈剤0.2~8部と、(粘着防止剤と流動性助剤)0.02~0.3部と、崩壊剤0.03~0.3部と、潤滑剤0.005~0.2部とを含んでもよい。
【0100】
本発明の実施例では、固体分散体の質量を1部とし、医薬組成物は、固体分散体1部と、微結晶セルロースPH 102 0.8~2部と、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム0.05~0.2部と、コロイダルシリカ0.05~0.1部と、ステアリン酸マグネシウム0.02~0.04部とを含んでもよい。
【0101】
本発明の実施例では、固体分散体の質量を1部とし、医薬組成物は、固体分散体1部と、微結晶セルロースPH 102 1.26~1.46部と、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム0.11~0.15部と、コロイダルシリカ0.06~0.1部と、ステアリン酸マグネシウム0.02~0.04部とを含んでもよい。
【0102】
本発明の実施例では、固体分散体の質量を1部とし、医薬組成物は、固体分散体1部と、微結晶セルロースPH 102 0.53~1.32部と、プレゲル化澱粉0.27~0.68部と、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム0.05~0.2部と、コロイダルシリカ0.05~0.1部と、ステアリン酸マグネシウム0.02~0.04部とを含んでもよい。
【0103】
本発明の実施例では、固体分散体の質量を1部とし、医薬組成物は、固体分散体1部と、微結晶セルロースPH 102 0.81~1.01部と、プレゲル化澱粉0.35~0.55部と、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム0.11~0.15部と、コロイダルシリカ0.06~0.1部と、ステアリン酸マグネシウム0.02~0.04部とを含んでもよい。
【0104】
本発明の実施例では、固体分散体の質量を1部とし、医薬組成物は、固体分散体1部と、微結晶セルロースPH 102 0.4~1部と、リン酸カルシウム0.4~1部と、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム0.05~0.2部と、コロイダルシリカ0.05~0.1部と、ステアリン酸マグネシウム0.02~0.04部とを含んでもよい。
【0105】
本発明の実施例では、固体分散体の質量を1部とし、医薬組成物は、固体分散体1部と、微結晶セルロースPH 102 0.58~0.78部と、リン酸カルシウム0.58~0.78部と、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム0.11~0.15部と、コロイダルシリカ0.07~0.09部と、ステアリン酸マグネシウム0.02~0.04部とを含んでもよい。
【0106】
本発明の実施例では、固体分散体の質量を1部とし、医薬組成物は、固体分散体1部と、微結晶セルロースKG 802 0.4~1部と、無水リン酸カルシウム0.4~1部と、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム0.05~0.2部と、コロイダルシリカ0.05~0.1部と、ステアリン酸マグネシウム0.02~0.04部とを含んでもよい。
【0107】
本発明の実施例では、固体分散体の質量を1部とし、医薬組成物は、固体分散体1部と、微結晶セルロースKG 802 0.61~0.81部と、無水リン酸カルシウム0.61~0.81部と、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム0.068~0.088部と、コロイダルシリカ0.05~0.054部と、ステアリン酸マグネシウム0.03~0.04部とを含んでもよい。
【0108】
本発明の実施例では、固体分散体の質量を1部とし、医薬組成物は、固体分散体1部と、微結晶セルロースPH 102 1.36部と、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム0.13部と、コロイダルシリカ0.08部と、ステアリン酸マグネシウム0.03部とを含んでもよい。
【0109】
本発明の実施例では、固体分散体の質量を1部とし、医薬組成物は、固体分散体1部と、微結晶セルロースPH 102 0.91部と、プレゲル化澱粉0.45部と、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム0.13部と、コロイダルシリカ0.08部と、ステアリン酸マグネシウム0.03部とを含んでもよい。
【0110】
本発明の実施例では、固体分散体の質量を1部とし、医薬組成物は、固体分散体1部と、微結晶セルロースPH 102 0.68部と、リン酸カルシウム0.68部と、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム0.13部と、コロイダルシリカ0.08部と、ステアリン酸マグネシウム0.03部とを含んでもよい。
【0111】
本発明の実施例では、固体分散体の質量を1部とし、医薬組成物は、固体分散体1部と、微結晶セルロースKG 802 0.71部と、無水リン酸カルシウム0.71部と、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム0.078部と、コロイダルシリカ0.052部と、ステアリン酸マグネシウム0.04部とを含んでもよい。
【0112】
本発明の実施例では、医薬組成物は、固体分散体と、希釈剤と、崩壊剤と、粘着防止剤と、流動性助剤と、潤滑剤とから構成される。
【0113】
本発明の実施例では、医薬組成物は、乾式粘着防止剤をさらに含んでもよい。
【0114】
本発明の実施例では、乾式粘着防止剤は、アラビアガム、トラガントガム、グルコース、ポリグルコース、澱粉(例えばプレゲル化澱粉)、ゼラチン、変性セルロース(例えばメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースとエチルセルロースのうちの一つ又は複数)、デキストリン(例えばマルトデキストリン)、ツェイン、アルギン酸とアルギン酸塩(例えばアルギン酸ナトリウム)、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、ベントナイト、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、グアーガム、多糖酸、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸(例えばカポム)、ポリメタクリル酸エステルなどのうちの一つ又は複数を含んでもよい。
【0115】
本発明の実施例では、医薬組成物において、乾式粘着防止剤は、ヒドロキシプロピルセルロース及び/又はヒドロキシプロピルメチルセルロース、又はヒドロキシプロピルセルロースであってもよい。
【0116】
本発明の実施例では、医薬組成物において、乾式粘着防止剤と固体分散体との質量比は、0.02 : 1~0.5 : 1、又は0.1 : 1~0.3 : 1(例えば0.13 : 1)であってもよい。乾式粘着防止剤と固体分散体との質量比が0.02 : 1~0.5 : 1の範囲内にある場合、医薬組成物により製造された素錠の硬さが高く、脆性度も良く、質量比が0.1 : 1~0.3 : 1の範囲内にある場合、医薬組成物により製造された素錠の硬さがより高く、脆性度もより優れている(例えば硬さは、60~170Nの間であってもよく、且つ脆性度は、0.07%~0.55%(200 rpm)の間であってもよい)。
【0117】
本発明の実施例では、固体分散体の質量を1部とし、医薬組成物は、固体分散体1部と、希釈剤0.2~8部と、乾式粘着防止剤0.02~0.5部と、(粘着防止剤と流動性助剤)0.02~0.3部と、崩壊剤0.03~0.3部と、潤滑剤0.005~0.2部とを含んでもよい。
【0118】
本発明の実施例では、固体分散体の質量を1部とし、医薬組成物は、固体分散体1部と、微結晶セルロースKG 802 0.25~4部と、リン酸カルシウム0.25~4部と、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム0.03~0.3部と、ヒドロキシプロピルセルロース0.02~0.5部と、コロイダルシリカ0.02~0.3部と、ステアリン酸マグネシウム0.02~0.3部とを含んでもよい。
【0119】
本発明の実施例では、固体分散体の質量を1部とし、医薬組成物は、固体分散体1部と、微結晶セルロースKG 802 0.5~0.7部と、リン酸カルシウム0.5~0.7部と、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム0.11~0.15部と、ヒドロキシプロピルセルロース0.14~0.18部と、コロイダルシリカ0.04~0.08部と、ステアリン酸マグネシウム0.02~0.04部とを含んでもよい。
【0120】
本発明の実施例では、固体分散体の質量を1部とし、医薬組成物は、固体分散体1部と、微結晶セルロースKG 802 0.25~4部と、無水リン酸カルシウム0.25~4部と、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム0.03~0.3部と、ヒドロキシプロピルセルロース0.02~0.5部と、コロイダルシリカ0.02~0.3部と、ステアリン酸マグネシウム0.02~0.3部とを含んでもよい。
【0121】
本発明の実施例では、固体分散体の質量を1部とし、医薬組成物は、固体分散体1部と、微結晶セルロースKG 802 0.55~0.75部と、無水リン酸カルシウム0.55~0.75部と、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム0.07~0.15部と、ヒドロキシプロピルセルロース0.07~0.18部と、コロイダルシリカ0.04~0.15部と、ステアリン酸マグネシウム0.02~0.06部とを含んでもよい。
【0122】
本発明の実施例では、固体分散体の質量を1部とし、医薬組成物は、固体分散体1部と、微結晶セルロースKG 802 0.61部と、リン酸カルシウム0.61部と、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム0.13部と、ヒドロキシプロピルセルロース0.16部と、コロイダルシリカ0.06部と、ステアリン酸マグネシウム0.03部とを含んでもよい。
【0123】
本発明の実施例では、固体分散体の質量を1部とし、医薬組成物は、固体分散体1部と、微結晶セルロースKG 802 0.65部と、無水リン酸カルシウム0.65部と、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム0.078部と、ヒドロキシプロピルセルロース0.14部と、コロイダルシリカ0.05部と、ステアリン酸マグネシウム0.03部とを含んでもよい。
【0124】
本発明の実施例では、固体分散体の質量を1部とし、医薬組成物は、固体分散体1部と、微結晶セルロースKG 802 0.66部と、無水リン酸カルシウム0.66部と、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム0.078部と、ヒドロキシプロピルセルロース0.1部と、コロイダルシリカ0.052部と、ステアリン酸マグネシウム0.04部とを含んでもよい。
【0125】
本発明の実施例では、固体分散体の質量を1部とし、医薬組成物は、固体分散体1部と、微結晶セルロースKG 802 0.65部と、無水リン酸カルシウム0.65部と、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム0.084部と、ヒドロキシプロピルセルロース0.13部と、コロイダルシリカ0.052部と、ステアリン酸マグネシウム0.03部とを含んでもよい。
【0126】
本発明の実施例では、固体分散体の質量を1部とし、医薬組成物は、固体分散体1部と、微結晶セルロースKG 802 0.61部と、リン酸カルシウム0.61部と、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム0.13部と、ヒドロキシプロピルセルロース0.16部と、コロイダルシリカ0.065部と、ステアリン酸マグネシウム0.026部とを含んでもよい。
【0127】
本発明の実施例では、固体分散体の質量を1部とし、医薬組成物は、固体分散体1部と、微結晶セルロースKG 802 0.65部と、無水リン酸カルシウム0.65部と、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム0.078部と、ヒドロキシプロピルセルロース0.13部と、コロイダルシリカ0.052部と、ステアリン酸マグネシウム0.032部とを含んでもよい。
【0128】
本発明の実施例では、固体分散体の質量を1部とし、医薬組成物は、固体分散体1部と、微結晶セルロースKG 802 0.61部と、無水リン酸カルシウム0.61部と、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム0.082部と、ヒドロキシプロピルセルロース0.13部と、コロイダルシリカ0.049部と、ステアリン酸マグネシウム0.038部とを含んでもよい。
【0129】
本発明の実施例では、固体分散体の質量を1部とし、医薬組成物は、固体分散体1部と、微結晶セルロースKG 802 0.59部と、無水リン酸カルシウム0.59部と、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム0.082部と、ヒドロキシプロピルセルロース0.13部と、コロイダルシリカ0.075部と、ステアリン酸マグネシウム0.057部とを含んでもよい。
【0130】
本発明の実施例では、固体分散体の質量を1部とし、医薬組成物は、固体分散体1部と、微結晶セルロースKG 802 0.57部と、無水リン酸カルシウム0.57部と、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム0.082部と、ヒドロキシプロピルセルロース0.13部と、コロイダルシリカ0.14部と、ステアリン酸マグネシウム0.057部とを含んでもよい。
【0131】
本発明の実施例では、固体分散体の質量を1部とし、医薬組成物は、固体分散体1部と、微結晶セルロースKG 802 0.61部と、無水リン酸カルシウム0.61部と、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム0.13部と、ヒドロキシプロピルセルロース0.16部と、コロイダルシリカ0.065部と、ステアリン酸マグネシウム0.026部とを含んでもよい。
【0132】
本発明の実施例では、固体分散体の質量を1部とし、医薬組成物は、固体分散体1部と、微結晶セルロースKG 802 0.65部と、無水リン酸カルシウム0.65部と、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム0.078部と、ヒドロキシプロピルセルロース0.14部と、コロイダルシリカ0.052部と、ステアリン酸マグネシウム0.032部とを含んでもよい。
【0133】
本発明の実施例では、固体分散体の質量を1部とし、医薬組成物は、固体分散体1部と、微結晶セルロースKG 802 0.57部と、無水リン酸カルシウム0.57部と、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム0.082部と、ヒドロキシプロピルセルロース0.13部と、コロイダルシリカ0.14部と、ステアリン酸マグネシウム0.057部とを含んでもよい。
【0134】
本発明の実施例では、固体分散体の質量を1部とし、医薬組成物は、固体分散体1部と、微結晶セルロースKG 802 0.575部と、無水リン酸カルシウム0.575部と、ヒドロキシプロピルセルロース0.13部と、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム0.08部と、コロイダルシリカ0.13部と、ステアリン酸マグネシウム0.042部とを含んでもよい。
【0135】
本発明の実施例では、医薬組成物は、固体分散体と、希釈剤と、乾式粘着防止剤と、崩壊剤と、粘着防止剤と、流動性助剤と、潤滑剤とから構成されてもよい。
【0136】
本発明は、医薬組成物を含む医薬製剤をさらに提供し、医薬製剤は、固形製剤又は粉剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、滴丸剤又はフィルム剤であってもよい。
【0137】
本発明は、錠剤の製造方法をさらに提供し、
ステップ1であって、固体分散体と、希釈剤と、崩壊剤とを混合して混合物を得、篩かけして造粒して粒子を得、任意選択的に、篩かけ前に乾式粘着防止剤と、混合物とを混合し、任意選択的に、篩かけ前に粘着防止剤と流動性助剤と、混合物とを混合し、任意選択的に、造粒前に、篩かけ後に潤滑剤を加えるステップ1と、
ステップ2であって、ステップ1の粒子と潤滑剤とを混合して錠剤をプレスし、任意選択的に、ステップ1の粒子と、粘着防止剤と流動性助剤とを混合するステップ2とを含む。
【0138】
粘着防止剤と流動性助剤を、ステップ1においてすべて加えてもよく(ステップ2において、粘着防止剤と流動性助剤を加えない)、ステップ1において一部の粘着防止剤と流動性助剤を加えてもよく、且つステップ2において残りの粘着防止剤と流動性助剤を加えてもよい。
【0139】
潤滑剤を、ステップ2においてすべて加えてもよく(ステップ1において、潤滑剤を加えない)、ステップ1において一部の潤滑剤を加え、ステップ2において残りの潤滑剤を加えてもよい。
【0140】
本発明の実施例では、ステップ1において一部の粘着防止剤と流動性助剤を加え、且つステップ2において残りの粘着防止剤と流動性助剤を加える場合、粘着防止剤と流動性助剤の総量は、100%であり、且つステップ1における粘着防止剤と流動性助剤の質量百分率は、0.5%~20%(例えば5.8%)である。
【0141】
本発明の実施例では、ステップ1において一部の潤滑剤を加え、且つステップ2において残りの潤滑剤を加える場合、潤滑剤の総量は、100%であり、且つステップ1における潤滑剤の質量百分率は、0.1%~10%(例えば1.9%)である。
【0142】
本発明の実施例では、ステップ1において、混合は、混合機で行われてもよく、混合の速度は、15~21 rpm(例えば18 rpm)であってもよく、混合時間は、4~10分間(例えば5分間)であってもよい。
【0143】
本発明の実施例では、ステップ1において、篩かけは、30~50メッシュの篩(例えば40メッシュの篩)にかけてもよい。
【0144】
本発明の実施例では、ステップ1において、造粒は、乾式造粒であってもよい。乾式造粒のプレスホイール圧力は、2.0~10.0 MPa(例えば4.0~7.0 MPa)であってもよい。乾式造粒のプレスホイール隙間は、0.5~8.0 mm(例えば1.0~5.0 mm)であってもよい。乾式造粒のプレスホイール速度は、2.0~10.0 rpm(例えば3.0~7.0 rpm)であってもよい。乾式造粒の造粒部材速度は、20~120 rpm(例えば30~90 rpm)であってもよい。乾式造粒の供給軸速度は、10~120 rpm(例えば18~90 rpm)であってもよい。乾式造粒の微細スクリーンは、0.6~10.0 mmのスクリーン(例えば0.8 mmスクリーン)であってもよい。
【0145】
本発明の実施例では、ステップ2において、錠剤プレスの供給速度は、3~40 rpm(例えば5~30 rpm)であってもよい。錠剤の回転速度は、15~40 rpm(例えば20~30 rpm)であってもよい。錠剤の錠剤厚さスケールは、0.1~7 mm(例えば0.3~5.0 mm)であってもよい。錠剤の供給スケールは、7~18 mm(例えば10.5~15.5 mm)であってもよい。錠剤の一次圧力範囲は、5~35 KN(例えば10~25 KN)であってもよい。
【0146】
本発明は、錠剤の製造方法により製造された錠剤をさらに提供する。
【0147】
本発明は、医薬組成物を含むコーティング錠剤をさらに提供する。
【0148】
本発明の実施例では、コーティング錠剤における医薬組成物とコーティングとの質量比は、0.02 : 1~0.2 : 1、又は0.05 : 1~0.1 : 1(例えば0.08 : 1)であってもよい。
【0149】
本発明の実施例では、コーティング錠剤におけるコーティングは、ポリビニルアルコール、二酸化チタン、タルク、トリエチルグリセリンとヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む。
【0150】
本発明の実施例では、コーティング錠剤におけるコーティングは、OPADRY(登録商標)IIフィルムコーティングプレミックスである。
【0151】
本発明は、その錠剤の製造方法により製造された錠剤を含むコーティング錠剤をさらに提供する。
【0152】
本発明の実施例では、コーティング錠剤における錠剤とコーティングとの質量比は、0.02 : 1~0.2 : 1、又は0.05 : 1~0.1 : 1(例えば0.08 : 1)であってもよい。
【0153】
本発明の実施例では、コーティング錠剤におけるコーティングは、ポリビニルアルコール、二酸化チタン、タルク、トリエチルグリセリンとヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む。
【0154】
本発明の実施例では、コーティング錠剤のコーティングは、OPADRY(登録商標)IIフィルムコーティングプレミックスである。
【0155】
本発明は、例えば上記の固体分散体の、P53及び/又はMDM2異常に起因する関連疾患を治療する薬物の製造における応用をさらに提供する。
【0156】
本発明の実施例では、P53及び/又はMDM2異常に起因する関連疾患は、癌又は過増殖性疾患である。
【0157】
本発明は、必要の個体に治療上有効な量の該固体分散体、該医薬組成物、該錠剤又は、該コーティング錠剤を投与する癌の治療方法を提供する。
【0158】
本発明の実施例では、癌は、副腎皮質癌、末期癌、肛門癌、再生障害性貧血、胆管癌、膀胱癌、骨癌、骨転移、成人脳/CNS腫瘍、小児脳/CNS腫瘍、乳癌、男性乳癌、小児癌、未知の原発性癌、巨大リンパ節増殖(Castleman disease)、子宮頸癌、結腸/直腸癌、子宮内膜癌、食道癌、ユーイング腫瘍ファミリー(Ewing family of tumors)、眼癌、胆嚢癌、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)、妊娠栄養細胞疾患、ホジキン病(Hodgkin disease)、カポジ肉腫(Kaposi sarcoma)、腎癌、喉頭・下咽癌、成人急性リンパ球性白血病(ALL)、急性骨髓性白血病(AML)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髓性白血病(CML)、慢性骨髓単球性白血病(CMML)、小児白血病、肝臓癌、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、肺カルチノイド腫瘍、皮膚リンパ腫、悪性中皮腫、多発性骨髓腫、骨髓増殖異常症候群、鼻腔・副鼻腔癌、鼻咽頭癌、神経芽細胞腫、非ホジキンリンパ腫、小児非ホジキンリンパ腫、口腔・中咽頭癌、骨肉腫、卵巣癌、膵臓腺癌、陰茎癌、垂体腫、前立腺癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺癌、肉腫-成人軟部癌、基底皮膚癌と扁平上皮癌、皮膚癌-黒色腫、小腸癌、胃癌、精巣癌、胸腺癌、甲状腺癌、子宮肉腫、膣癌、外陰癌、ワルデンストレームマクログロブリン血症(Waldenstrom macroglobulinemia)、又はウィルムス腫瘍(Wilms Tumor)である。
【0159】
本発明において「任意選択」は、後に記述されるイベントまたは環境が発生してもよいが、発生する必要はないことを意味する。該説明は、該イベントまたは環境が発生した場合と発生しない場合を含む。
【0160】
本発明の「固体分散体」とは、少なくとも2つの成分を有する任意の固体組成物をいう。それは、活性成分(式(I)に示す化合物)を含み、該活性成分は、少なくとも1つの他の成分(例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースコハク酸エステル)に分散される。
【0161】
式(I)に示すように、該化合物の薬学的に許容される塩は、薬学的に許容される酸と形成された酸付加塩であってもよい。薬学的に許容される塩の酸の実例は、無機酸、例えば硝酸、ホウ酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸、とリン酸、及び有機酸、例えばシュウ酸、マレイン酸、コハク酸、及びクエン酸を含む。本発明の化合物の塩の非制限的実例は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、硫酸水素塩、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、ジグルコン酸塩、グリセロリン酸塩、半硫酸塩、ヘプタン酸塩、カプロン酸塩、ギ酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、アスコルビン酸塩、ヒドロキシエチルスルホン酸塩、サリチル酸塩、メタンスルホン酸塩、メシチレン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、ビスヒドロキシナフタレン酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、トリクロロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、リン酸塩、グルタミン酸塩、重炭酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、グルコン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンジスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、及びp-トルエンスルホン酸塩を含むが、それらに限らない。
【0162】
当業者の常識に反することなく、上記の各好ましい条件は、本発明の各好ましい実施例を得るために任意に組み合わされてもよい。
【0163】
本発明の積極的な効果は、本発明による固体分散体は、活性成分APG-115の溶出度を向上させることができ、本発明の一部の固体分散体APG-115の溶出度は、90%以上(例えば93.7%、95.2%、99.0%など)に達することができ、且つ良好な安定性を有し、薬物の胃腸液における溶解と溶出度を改善して経口バイオアベイラビリティーを向上させることができる。本発明の固体分散体は、犬の体内に高い血漿曝露量、即ち高い薬物ピーク濃度と高い血中濃度曲線下面積を示す。
【図面の簡単な説明】
【0164】
【
図1】APG-115ASDとAPG-115水和物の犬の体内における経口投与の曲線である。
【発明を実施するための形態】
【0165】
以下、実施例の方式で本発明をさらに説明するが、本発明を実施例の範囲に制限するものではない。
【0166】
下記実施例では、APG-115水和物の製造方法は、CN106794171Aを参照してもよく、且つ他の原料は、市販可能である。
【0167】
DSCテスト方法:テストサンプルを密閉したアルミプレートに置いて窒素流で10℃/分の速度で300℃まで昇温し、示差走査熱量測定(DSC)曲線を得た。
【0168】
平衡溶解度テスト:水で調製した懸濁液サンプルを37℃50 rpmで6時間攪拌し、そして遠心分離して上層清澄液を取り、HPLCにより上層清澄液におけるAPG-115の濃度を測定した。
【0169】
薬物溶出度テスト:中国薬局溶出度テスト方法II(パルプ法)を採用した。900 mlのpH 6.8リン酸塩溶液(0.2%ドデシル硫酸ナトリウム)を溶出媒体として用い、且つ回転速度は、1分当たりに75回転である。
【0170】
以下の実施例では、使用したAPG-115水和物は、APG-115一水和物である。APG-115の他の水和物(例えば半水和物、一水和物、二水和物、三水和物、四水和物、五水和物、六水和物、七水和物、八水和物、九水和物、十水和物、十一水和物、十二水和物など)は、APG-115ASDの製造に用いられてもよい。勿論、APG-115の塩又は結晶形を採用してASDを製造してもよい。
実施例1
【0171】
APG-115水和物とHPMCAS126G(APG-115水和物とHPMCAS126Gとの質量比は、1 : 3であり、即ち薬物担持量は、25%である)を秤量した。一定の体積の酢酸エチル(HPMCAS126GとAPG-115水和物とを完全に溶解させることができる)を量り取り、そしてガラス細口瓶に置き、磁力攪拌でHPMCAS126GとAPG-115水和物をゆっくりと加えて完全に溶解するまで攪拌し、得られた溶液を噴霧乾燥し(実吹出温度40~70℃、5時間)、40メッシュのスクリーンにかけて濾過し、APG-115ASDを得た。
【0172】
アモルファス固体分散体(APG-115ASD)について関連物質、平衡溶解度及び薬物溶出度テストを行った。結果の表示:関連物質は、0.47%であり、平衡溶解度は、0.0898 mg/mlであり、10 min、30 min及び60 minの薬物溶出度は、それぞれ64.5%、95.2%と99.0%である。
実施例2
【0173】
実施例1におけるHPMCAS126GをHPMCAS716Gに置き換え、且つ実施例1と同じ方法でAPG-115ASDを製造してそれを特徴付けた。結果の表示:関連物質は、0.53%であり、平衡溶解度は、0.1099 mg/mlであり、10 min、30 min及び60 minの薬物溶出度は、それぞれ78%、93.6%と97.1%である。
実施例3
【0174】
実施例1におけるHPMCAS126GをHPMCAS912Gに置き換え、実施例1と同じ方法でAPG-115ASDを製造してDSCスキャン、関連物質、平衡溶解度及び薬物溶出度テストを行った。結果の表示:DSCスキャンで明らかな吸熱と発熱ピークがないことを示し、関連物質:0.50%、平衡溶解度は、0.1028 mg/mlであり、10 min、30 min及び60 minの薬物溶出度は、それぞれ80.8%、97.5%と101.4%である。
実施例4
【0175】
実施例1におけるHPMCAS126GをHPC Klucel EXFに置き換え、実施例1と同じ方法でAPG-115ASDを製造してDSCスキャンと関連物質テストを行った。結果の表示:DSCスキャンで明らかな吸熱と発熱ピークがないことを示し、関連物質は、0.33%である。
実施例5
【0176】
実施例1におけるHPMCAS126GをPVP VA64に置き換え、且つ実施例1と同じ方法でAPG-115ASDを製造してそれを特徴付けた。結果の表示:関連物質は、0.41%であり、平衡溶解度は、0.2384 mg/mLであり、10 min、30 min及び60 minの薬物溶出度は、それぞれ11.0%、65.6%と91.1%である。
実施例6
【0177】
実施例1におけるHPMCAS126GをPVP K29/32に置き換え、且つ実施例1と同じ方法でAPG-115ASDを製造してそれを特徴付けた。結果の表示:関連物質は、0.23%であり、平衡溶解度は、0.0558 mg/mLであり、10 min、30 min及び60 minの薬物溶出度は、それぞれ6.0%、48.4%と90.1%である。
実施例7
【0178】
実施例1におけるHPMCAS126GをPVP S-630に置き換え、且つ実施例1と同じ方法でAPG-115ASDを製造してそれを特徴付けた。結果の表示:関連物質は、0.85%であり、平衡溶解度は、0.0351 mg/mLであり、10 min、30 min及び60 minの薬物溶出度は、それぞれ13.0%、76.9%と97.7%である。
実施例8
【0179】
実施例1におけるHPMCAS126GをEudragit L100に置き換え、且つ実施例1と同じ方法でAPG-115ASDを製造して関連物質及び薬物溶出度テストを行った。結果の表示:関連物質は、0.53%であり、10 min、30 min及び60 minの薬物溶出は、それぞれ54.2%、97.5%と98.3%である。
実施例9
【0180】
実施例1におけるHPMCAS126GをEudragit S100に置き換え、且つ実施例1と同じ方法でAPG-115ASDを製造してDSCスキャン及び薬物溶出度テストの特徴付けを行った。結果の表示:DSCスキャンで明らかな吸熱、発熱ピークがないことを示し、且つ10 min、30 min及び60 minの薬物溶出度は、それぞれ48.7%、96.3%と99.7%である。
実施例10
【0181】
実施例1におけるHPMCAS126GをEudragit L100-55に置き換えた。実施例1と同じ方法でAPG-115 ASDを製造してDSCスキャン、関連物質及び薬物溶出度テストを行った。結果の表示:DSCスキャンで明らかな吸熱、発熱ピークがないことを示し、且つ10 min、30 min及び60 minの薬物溶出度は、それぞれ83.7%、92.8%と96.6%である。
実施例11
【0182】
APG-115水和物とHPMCAS912G(APG-115水和物とHPMCAS912Gとの質量比は、1 : 4である)、及びコロイダルシリカ(コロイダルシリカとAPG-115水和物との質量比は、1 : 9.8である)を秤量した。一定の体積の酢酸エチル(HPMCAS126G、APG-115水和物とコロイダルシリカを完全に溶解させることができる)を量り取り、ガラス細口瓶に置き、完全に溶解するまで、磁力攪拌で順次にHPMCAS912GとAPG-115水和物及びコロイダルシリカをゆっくりと加えた。得られた溶液を噴霧乾燥し(実吹出温度40~65℃、5時間)、40メッシュのスクリーンにかけて濾過し、APG-115ASDを得た。アモルファス固体分散体(APG-115ASD)についてDSC及び薬物溶出度テストを行った。結果の表示:DSCスキャンで明らかな吸熱、発熱ピークがないことを示し、10 min、30 min及び60 minの薬物溶出度は、それぞれ85.7%、101.4%と101.8%である。
実施例12
【0183】
実施例11におけるAPG-115水和物、HPMCAS912Gとコロイダルシリカの量を変更し、APG-115水和物とHPMCAS912Gとの質量比を1 : 3にし、且つコロイダルシリカとHPMCAS912Gとの質量比を1 : 12.25にした。実施例10と同じ方法でAPG-115ASDを製造してDSCスキャン、薬物溶出度及び総不純物のテストを行った。結果の表示:DSCスキャンで明らかな吸熱と発熱ピークがないことを示し、10 min、30 min及び60 minの薬物溶出度は、それぞれ62.3%、101.1%と102.2%であり、初期、30日(60℃)と30日(RH 75%)の総不純物は、それぞれ0.67%、0.96%と1.38%である。
実施例13
【0184】
実施例11におけるAPG-115水和物、HPMCAS912Gとコロイダルシリカの量を変更し、APG-115水和物とHPMCAS912Gとの質量比を1 : 2にし、且つコロイダルシリカとHPMCAS912Gとの質量比を1 : 16.35にした。実施例10と同じ方法でAPG-115ASDを製造してDSCスキャン、薬物溶出度及び総不純物のテストを行った。結果の表示:DSCスキャンで明らかな吸熱と発熱ピークがないことを示し、10 min、30 min及び60 minの薬物溶出度は、それぞれ36.3%、101.4%と102.3%であり、初期、30日(60℃)と30日(RH75%)の総不純物は、それぞれ0.40%、1.27%と0.54%である。
実施例14
【0185】
実施例11におけるAPG-115水和物、HPMCAS912Gとコロイダルシリカの量を変更し、APG-115水和物とHPMCAS912Gとの質量比を1 : 1にし、且つコロイダルシリカとHPMCAS912Gとの質量比を1 : 24.5にした。実施例10と同じ方法でAPG-115ASDを製造してDSCスキャン及び薬物溶出度のテストを行った。結果の表示:DSCスキャンでシャープな結晶吸熱ピークの存在を示し、10 min、30 min及び60 minの薬物溶出度は、それぞれ21.1%、87.6%と100.9%である。
実施例15
【0186】
APG-115水和物とヒドロキシプロピルメチルセルロースコハク酸エステルを秤量した。一定の体積の90%エタノールを量り取り、ガラス細口瓶に置き、完全に溶解するまで、磁力攪拌でAPG-115水和物とヒドロキシプロピルメチルセルロースコハク酸エステルをゆっくりと加え、薬物含有溶液を作成し、薬物含有溶液の総不純物を測定し、薬物含有溶液を20時間以上放置し、且つ薬物含有溶液の総不純物を再測定した。結果の表示:薬物含有溶液の初期の総不純物は、0.20%であり、且つ20時間以上放置した溶液の総不純物は、0.63%である。
実施例16
【0187】
実施例14における90%エタノールをエタノールとテトラヒドロフラン(体積比4 : 1)に置き換え、実施例15と同じ方法で薬物含有溶液を製造して総不純物テストを行った。結果の表示:薬物含有溶液の初期の総不純物は、0.23%であり、且つ20時間以上放置した溶液の総不純物は、0.34%である。
実施例17
【0188】
APG-115水和物とヒドロキシプロピルメチルセルロースコハク酸エステル(APG-115水和物とヒドロキシプロピルメチルセルロースコハク酸エステルとの質量比は、1 : 2である)を秤量した。一定の体積の酢酸メチル(ヒドロキシプロピルメチルセルロースコハク酸エステルとAPG-115水和物を完全に溶解させることができればよい)を量り取り、ガラス細口瓶に置き、完全に溶解するまで、磁力攪拌でAPG-115水和物とヒドロキシプロピルメチルセルロースコハク酸エステルをゆっくりと加え、薬物含有溶液を作成し、薬物含有溶液の総不純物を測定し、且つ薬物含有溶液を20時間以上放置し、薬物含有溶液の総不純物を再測定した。薬物溶液の噴霧乾燥(実吹出温度40~65℃、5時間)と真空乾燥(50℃、2時間)を行った。乾燥後のAPG-115ASDの溶媒残留テストを行った。結果の表示:初期溶液の総不純物は、0.34%であり、且つ20時間以上放置した溶液の総不純物は、0.37%であり、残留溶媒は、0.02%である。
実施例18
【0189】
実施例17における酢酸メチルをテトラヒドロフランに置き換え、実施例17と同じ方法で薬物含有溶液を製造して総不純物テストを行い、APG-115ASDを製造して乾燥後のAPG-115ASDの溶媒残留テストを行った。結果の表示:初期溶液の総不純物は、0.25%であり、20時間以上放置した溶液の総不純物は、0.27%であり、残留溶媒は、3.48%である。
実施例19
【0190】
実施例13のAPG-115ASD、微結晶セルロースAvicel(登録商標)PH 102、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、コロイダルシリカとステアリン酸マグネシウム(ここで、APG-115ASD、微結晶セルロースAvicel(登録商標)PH 102、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、コロイダルシリカとステアリン酸マグネシウムは、それぞれ全物質の38.5%、52.5%、5%、3%と1%を占める)を秤量し、APG-115ASD、微結晶セルロースAvicel(登録商標)PH 102、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウムとコロイダルシリカを40メッシュのスクリーンに3回かけた後にクリーンで乾燥したLDPE袋内で200回シェイク混合し、0.5%の60メッシュの篩にかけたステアリン酸マグネシウム(質量百分率は、全物質に対する質量分率である)を上記混合粉末に加えて60回シェイクし、乾式造粒を行い(ここで、ロール速度は、5 pmであり、圧力ロールの圧力は、7~11 Mpaであり、微細スクリーン24メッシュであり、且つ乾燥粒子をクリーンで乾燥したLDPE袋内に収集し)、残りの60メッシュのスクリーンにかけたステアリン酸マグネシウムを乾燥粒子に加えてLDPE袋内で60回シェイク混合して全混合粉末を得、全混合粉末を単打抜き機上において直径10 mmの浅い円弧円で重量400 mgの素錠にプレスした。素錠の各パラメータ及び薬物溶出度テストを行い、且つ結果を表1に示す。
【表1】
実施例20
【0191】
実施例13のAPG-115ASD、微結晶セルロースAvicel(登録商標)PH 102、プレゲル化澱粉、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、コロイダルシリカとステアリン酸マグネシウム(ここで、APG-115ASDと微結晶セルロースAvicel(登録商標)PH 102、プレゲル化澱粉、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、コロイダルシリカとステアリン酸マグネシウムは、それぞれ全物質の38.5%、35%、17.5%、5%、3%と1%を占める)を秤量し、APG-115ASD、微結晶セルロースAvicel(登録商標)PH 102、プレゲル化澱粉、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウムとコロイダルシリカを40メッシュのスクリーンに3回かけた後にクリーンで乾燥したLDPE袋内に置いて200回シェイクし、0.5%の60メッシュのスクリーンにかけたステアリン酸マグネシウム(質量百分率は、全物質に対する質量分率である)を上記混合粉末に加えてそれを60回シェイクし、乾式造粒を行い(ここで、ロール速度は、5 rpmであり、圧力ロール圧力は、7~11 MPaであり、微細スクリーン24メッシュであり、且つ乾燥粒子をクリーンで乾燥したLDPE袋内に収集し)、残りの60メッシュのスクリーンにかけたステアリン酸マグネシウムを乾燥粒子に加えてLDPE袋内で60回シェイク混合して全混合粉末を得、全混合粉末を単打抜き機上において直径10 mmの浅い円弧円で重量400 mgの素錠にプレスした。素錠の各パラメータ及び薬物溶出度テストを行い、且つ結果を表2に示す。
【表2】
実施例21
【0192】
実施例13のAPG-115ASDと微結晶セルロースAvicel(登録商標)PH 102、リン酸カルシウム、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、コロイダルシリカとステアリン酸マグネシウム(ここで、APG-115ASD、微結晶セルロースAvicel(登録商標)PH 102、リン酸カルシウム、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、コロイダルシリカとステアリン酸マグネシウムは、それぞれ全物質の38.5%、26.25%、26.25%、5%、3%と1%を占める)を秤量し、APG-115ASD、微結晶セルロースAvicel(登録商標)PH 102、リン酸カルシウム、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウムとコロイダルシリカを40メッシュのスクリーンに3回かけた後にクリーンで乾燥したLDPE袋内に置いて200回シェイクし、0.5%の60メッシュのスクリーンにかけたステアリン酸マグネシウム(質量百分率は、全物質に対する質量分率である)を上記混合粉末に加えて60回シェイクし、乾式造粒を行い(ここで、ロール速度は、5 rpmであり、圧力ロール圧力は、7~11 MPaであり、微細スクリーン24メッシュであり、且つ乾燥粒子をクリーンで乾燥したLDPE袋内に収集し)、残りの60メッシュのスクリーンにかけたステアリン酸マグネシウムを乾燥粒子に加えてLDPE袋内で60回シェイク混合して全混合粉末を得、全混合粉末を単打抜き機上において直径10 mmの浅い円弧円で重量400 mgの素錠にプレスした。素錠の各パラメータ及び薬物溶出度テストを行い、且つ結果を表3に示す。
【表3】
実施例22
【0193】
実施例13のAPG-115ASD、微結晶セルロースKG 802、リン酸カルシウム、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、コロイダルシリカとステアリン酸マグネシウム(ここで、APG-115ASD、微結晶セルロースKG 802、リン酸カルシウム、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、コロイダルシリカとステアリン酸マグネシウムは、それぞれ全物質の38.5%、23.5%、23.5%、5%、6%、2.5%と1%を占める)を秤量し、APG-115ASD、微結晶セルロースKG 802、リン酸カルシウム、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロースとコロイダルシリカを40メッシュのスクリーンに3回かけ、そしてクリーンで乾燥したLDPE袋内に置いて200回シェイク混合し、0.5%の60メッシュのスクリーンにかけたステアリン酸マグネシウム(質量百分率は、全物質に対する質量分率である)を上記混合粉末に加えて60回シェイク混合して、乾式造粒を行い(ここで、ロール回転速度は、5 rpmであり、ロール圧力は、7~11 mpaであり、微細スクリーン24メッシュであり、且つ乾燥粒子をクリーンで乾燥したLDPE袋内に収集し)、且つ微粉量(<80メッシュ)は、20%よりも大きく、残りの60メッシュのスクリーンにかけたステアリン酸マグネシウムを上記乾燥粒子に加えてLDPE袋内で60回シェイク混合して全混合粉末を得、全混合粉末を単打抜き機上において直径9.5 mmの円形打抜き型で400 mgの素錠にプレスし、そしてOPADRY II 85f620079(OPADRY II 85f620079の質量は、素錠の3%である)フィルムコーティングプレミックスで素錠をコーティングした。素錠の各パラメータ及びコーティング錠剤の薬物溶出度テストを行った。結果を表4に示す。
【表4】
実施例23
【0194】
実施例13のAPG-115ASD、微結晶セルロースKG 802、無水リン酸水素カルシウム、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、コロイダルシリカとステアリン酸マグネシウム(APG-115ASD、微結晶セルロースKG 802、無水リン酸水素カルシウム、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、コロイダルシリカとステアリン酸マグネシウムの全物質における質量割合は、それぞれ38.5%、25%、25%、3%、5.25%、2%と1.25%である)を秤量し、APG-115ASD、微結晶セルロースKG 802、無水リン酸水素カルシウム、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロースとコロイダルシリカを40メッシュのスクリーンに3回かけ、そしてクリーンで乾燥したLDPE袋内に置いて200回シェイク混合し、0.75%の60メッシュのスクリーンにかけたステアリン酸マグネシウム(質量百分率は、全物質に対する質量分率である)を上記混合粉末に加えて60回シェイクし、乾式造粒を行い(ここで、ロール速度は、5 rpmであり、プレスホイール圧力は、7~11 MPaであり、微細スクリーン24メッシュであり、且つ乾燥粒子をクリーンで乾燥したLDPE袋内に収集し)、且つ微粉(<80メッシュ)量は、18%であり、残りの60メッシュのスクリーンにかけたステアリン酸マグネシウムを上記乾燥粒子に加えてLDPE袋内で60回シェイク混合して全混合粉末を得、全混合粉末を単打抜き機上において直径9.5 mmの円形打抜き型で400 mgの素錠にプレスし、そしてOPADRY II 85f620079(OPADRY II 85f620079の質量は、素錠の3%である)フィルムコーティングプレミックスで素錠を薄コーティングしてコーティング錠剤を得た。素錠の各パラメータ及びコーティング錠剤の薬物溶出度テストを行った。結果を表5に示す。
【表5】
実施例24
【0195】
実施例13のAPG-115ASD、微結晶セルロースKG 802、無水リン酸水素カルシウム、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、コロイダルシリカとステアリン酸マグネシウム(APG-115ASD、微結晶セルロースKG 802、無水リン酸水素カルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、コロイダルシリカとステアリン酸マグネシウムの全物質における質量割合は、それぞれ38.5%、25.5%、25.5%、4%、3%、2%と1.5%である)を秤量し、APG-115ASD、微結晶セルロースKG 802、無水リン酸水素カルシウム、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロースとコロイダルシリカを40メッシュのスクリーンに3回かけ、そしてクリーンで乾燥したLDPE袋内に置いて200回シェイク混合し、1%の60メッシュのスクリーンにかけたステアリン酸マグネシウム(質量百分率は、全物質に対する質量分率である)を上記混合粉末に加えて60回シェイクし、乾式造粒を行い(ここで、ロール速度は、5 rpmであり、プレスホイール圧力は、7~11 MPaであり、微細スクリーン24メッシュであり、且つ乾燥粒子をクリーンで乾燥したLDPE袋内に収集し)、残りの60メッシュのスクリーンにかけたステアリン酸マグネシウムを上記乾燥粒子に加えてLDPE袋内で60回シェイク混合して全混合粉末を得、全混合粉末を単打抜き機上において直径9.5 mmの円形打抜き型で400 mgの素錠にプレスし、そしてOPADRY II 85f80010(OPADRY II 85f80010の質量は、素錠の3%である)フィルムコーティングプレミックスで素錠をコーティングしてコーティング錠剤を得た。素錠の各パラメータテストを行い、且つ結果を表6に示す。
【表6】
実施例25
【0196】
実施例13のAPG-115ASD、微結晶セルロースKG 802、無水リン酸水素カルシウム、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、コロイダルシリカとステアリン酸マグネシウム(ここで、APG-115ASD、微結晶セルロースKG 802、無水リン酸水素カルシウム、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、コロイダルシリカとステアリン酸マグネシウムの全物質における質量割合は、それぞれ38.5%、27.5%、27.5%、3%、2%と1.5%である)を秤量し、APG-115ASD、微結晶セルロースKG 802、無水リン酸水素カルシウム、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウムとコロイダルシリカを40メッシュのスクリーンに3回かけ、そしてクリーンで乾燥したLDPE袋内に置いて200回シェイク混合し、1%の60メッシュの篩にかけたステアリン酸マグネシウム(質量百分率は、全物質に対する質量分率である)を上記混合粉末に加えて60回シェイクし、乾式造粒を行い(ここで、ロール速度は、5 rpmであり、圧力ロール圧力は、7~11 Mpaであり、微細スクリーン24メッシュであり、且つ乾燥粒子をクリーンで乾燥したLDPE袋内に収集し)、残りの60メッシュのスクリーンにかけたステアリン酸マグネシウムを乾燥粒子に加えてLDPE袋内で60回シェイク混合して全混合粉末を得、全混合粉末を単打抜き機上において直径9.5 mmの円形打抜き型で400 mgの素錠にプレスし、そしてOPADRY II 85f80010(OPADRY II 85f80010の質量は、素錠の3%である)フィルムコーティングプレミックスで素錠をコーティングしてコーティング錠剤を得た。素錠の各パラメータテストを行い、且つ結果を表7に示す。
【表7】
実施例26
【0197】
実施例13のAPG-115ASD、微結晶セルロースKG 802、無水リン酸水素カルシウム、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、コロイダルシリカとステアリン酸マグネシウム(APG-115ASD、微結晶セルロースKG 802、無水リン酸水素カルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、コロイダルシリカとステアリン酸マグネシウムの全物質における質量割合は、それぞれ38.5%、25%、25%、5%、3.25%、2%と1.25%である)を秤量し、APG-115ASD、微結晶セルロースKG 802、無水リン酸水素カルシウム、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロースとコロイダルシリカを40メッシュのスクリーンに3回かけ、そしてクリーンで乾燥したLDPE袋内に置いて200回シェイク混合し、0.75%の60メッシュのスクリーンにかけたステアリン酸マグネシウム(質量百分率は、全物質に対する質量分率である)を上記混合粉末に加えて60回シェイクし、乾式造粒を行い(ここで、ロール速度は、5 rpmであり、プレスホイール圧力は、7~11 MPaであり、微細スクリーン24メッシュであり、且つ乾燥粒子をクリーンで乾燥したLDPE袋内に収集し)、残りの60メッシュのスクリーンにかけたステアリン酸マグネシウムを上記乾燥粒子に加えてLDPE袋内で60回シェイク混合して全混合粉末を得、全混合粉末を単打抜き機上において直径9.5 mmの円形打抜き型で400 mgの素錠にプレスした。素錠の各パラメータ及び薬物溶出度テストを行い、且つ結果を表8に示す。
【表8】
実施例27
【0198】
実施例13のAPG-115ASD、ケイ化微結晶セルロース、架橋ポビドンとステアリン酸マグネシウム(ここで、APG-115ASD、ケイ化微結晶セルロース、架橋ポビドンとステアリン酸マグネシウムの全物質における質量割合は、それぞれ51.75%、39.5%、8%、0.75%である)を秤量し、APG-115ASD、ケイ化微結晶セルロースと架橋ポビドンを40メッシュのスクリーンに3回かけ、そしてクリーンで乾燥したLDPE袋内に置いて200回シェイク混合し、60メッシュのスクリーンにかけたステアリン酸マグネシウムを混合粉末に加えて60回シェイクし、全混合粉末を単打抜き機上において直径9.5 mmの円形打抜き型で400 mgの素錠にプレスした。素錠の崩解時間と薬物溶出度テストを行った。結果によると、崩解時間は、7分間であり、薬物溶出度を表9に示す。
【表9】
実施例28
【0199】
実施例13のAPG-115ASD、微結晶セルロースKG 802、リン酸カルシウム、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、コロイダルシリカとステアリン酸マグネシウム(APG-115ASD、微結晶セルロースKG 802、リン酸カルシウム、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、コロイダルシリカとステアリン酸マグネシウムは、それぞれ全物質の38.5%、23.5%、23.5%、5%、6%、2.5%と1%を占める)を秤量し、APG-115ASD、微結晶セルロースKG 802、リン酸カルシウム、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロースとコロイダルシリカを40メッシュのスクリーンに3回かけ、且つクリーンで乾燥したLDPE袋内に置いて200回シェイク混合し、0.5%の60メッシュのスクリーンにかけたステアリン酸マグネシウム(質量百分率の全物質に占める質量分数)を上記混合粉末に加えて60回シェイク混合して、乾式造粒を行い(ここで、ロール回転速度は、5 rpmであり、圧力ロールの圧力は、7~11 mpaであり、微細スクリーン24メッシュであり、且つ乾燥粒子をクリーンで乾燥したLDPE袋内に収集し)、残りの60メッシュのスクリーンにかけたステアリン酸マグネシウムを上記乾燥粒子に加えてLDPE袋内で60回シェイク混合して全混合粉末を得、全混合粉末を単打抜き機上において直径9.5 mmの円形打抜き型で400 mgの素錠にプレスした。素錠の各パラメータ及び薬物溶出度テストを行い、結果を表10に示す。
【表10】
実施例29
【0200】
実施例13のAPG-115ASD、微結晶セルロースKG 802、無水リン酸水素カルシウム、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、コロイダルシリカとステアリン酸マグネシウム(APG-115ASD、微結晶セルロースKG 802、無水リン酸水素カルシウム、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、コロイダルシリカとステアリン酸マグネシウムの全物質における質量割合は、それぞれ38.5%、25%、25%、3.25%、5%、2%と1.25%である)を秤量し、APG-115ASD、微結晶セルロースKG 802、無水リン酸水素カルシウム、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロースとコロイダルシリカを40メッシュのスクリーンに3回かけ、そしてクリーンで乾燥したLDPE袋内に置いて200回シェイク混合し、0.75%の60メッシュのスクリーンにかけたステアリン酸マグネシウム(質量百分率は、全物質に対する質量分率である)を上記混合粉に加えて60回シェイクし、乾式造粒を行い(ここで、ロール速度は、5 rpmであり、プレスホイール圧力は、7~11 MPaであり、微細スクリーン24メッシュであり、且つ乾燥粒子をクリーンで乾燥したLDPE袋内に収集し)、残りの60メッシュのスクリーンにかけたステアリン酸マグネシウムを上記乾燥粒子に加えてLDPE袋内で60回シェイク混合して全混合粉末を得、全混合粉末を単打抜き機上において直径9.5 mmの円形打抜き型で400 mgの素錠にプレスした。素錠の各パラメータ及び薬物溶出度テストを行い、結果を表11に示す。
【表11】
実施例30
【0201】
実施例13のAPG-115ASD、微結晶セルロースKG 802、無水リン酸水素カルシウム、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、コロイダルシリカとステアリン酸マグネシウム(APG-115ASD、微結晶セルロースKG 802、無水リン酸水素カルシウム、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、コロイダルシリカとステアリン酸マグネシウムの全物質における質量割合は、それぞれ39.65%、24.31%、24.31%、3.26%、5.01%、1.96%と1.50%である)を秤量し、APG-115ASD、微結晶セルロースKG 802、無水リン酸水素カルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウムとコロイダルシリカを混合機内に置いて混合し、混合速度は、18 rpmであり、5分間混合し、得られた材料を40メッシュの篩にかけ、そして0.75%のステアリン酸マグネシウム(質量百分率は、全物質に対する質量分率である)を加えて混合し、混合速度は、18 rpmであり、混合時間は、5分間であり、得られた材料を乾式造粒機に置いて乾式造粒を行い(圧力ロール圧力は、4.0~7.0 MPaであり、圧力ロール隙間は、1.0~5.0 mmであり、圧力ロール速度は、3.0~7.0 rpmであり、造粒部材速度は、30~90 rpmであり、供給軸速度は、18~90 rpmであり、且つ微細スクリーンは、0.8 mmである)、得られた粒子を収集し、得られた粒子に残りのステアリン酸マグネシウムを加え、混合して潤滑し、直径10 mmの円形打抜き型で錠剤プレスを行い(供給速度は、5~30 rpmであり、錠剤プレス速度は、20~30 rpmであり、錠剤厚さスケールは、0.3~5.0 mmであり、供給スケールは、10.5~15.5 mmであり、且つ一次圧力範囲は、10~25 KNである)、素錠を得た。素錠の各パラメータ及び薬物溶出度テストを行い、結果を表12に示す。
【表12】
実施例31
【0202】
実施例13のAPG-115ASD、微結晶セルロースKG 802、無水リン酸水素カルシウム、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、コロイダルシリカとステアリン酸マグネシウム(APG-115ASD、微結晶セルロースKG 802、無水リン酸水素カルシウム、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、コロイダルシリカとステアリン酸マグネシウムの全物質における質量割合は、それぞれ39.55%、23.5%、23.5%、3.25%、5%、2.95%と2.25%である)を秤量し、APG-115ASD、微結晶セルロースKG 802、無水リン酸水素カルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウムと1.45%のコロイダルシリカ(質量百分率は、全物質に対する質量分率である)を混合機内に置いて混合し、混合速度は、18 rpmであり、5分間混合し、得られた材料を40メッシュの篩にかけ、そして0.75%ステアリン酸マグネシウムを加えて(質量百分率は、全物質に対する質量分率である)混合し、混合速度は、18 rpmであり、混合時間は、5分間であり、得られた材料を乾式造粒機に置いて乾式造粒を行い(圧力ロール圧力は、4.0~7.0 Mpaであり、圧力ロール隙間は、1.0~5.0 mmであり、圧力ロール速度は、3.0~7.0 rpmであり、造粒部材速度は、30~90 rpmであり、供給軸速度は、18~90 rpmであり、且つ微細スクリーンは、0.8 mmである)、得られた粒子を収集し、得られた粒子に残りのコロイダルシリカと残りのステアリン酸マグネシウムを加え、混合して潤滑し、直径10 mmの円形打抜き型で錠剤プレスを行い(供給速度は、5~30 rpmであり、錠剤プレス速度は、20~30 rpmであり、錠剤厚さスケールは、0.3~5.0 mmであり、供給スケールは、10.5~15.5 mmであり、且つ一次圧力範囲は、10~25 KNである)、素錠を得た。素錠の各パラメータ及び薬物溶出度テストを行い、結果を表13に示す。
【表13】
実施例32
【0203】
実施例13のAPG-115ASD、微結晶セルロースKG 802、無水リン酸水素カルシウム、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、コロイダルシリカとステアリン酸マグネシウム(APG-115ASD、微結晶セルロースKG 802、無水リン酸水素カルシウム、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、コロイダルシリカとステアリン酸マグネシウムの全物質における質量割合は、それぞれ39.35%、22.39%、22.39%、3.23%、4.98%、5.42%と2.24%である)を秤量し、APG-115ASD、微結晶セルロースKG 802、無水リン酸水素カルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウムと1.19%のコロイダルシリカ(質量百分率は、全物質に対する質量分率である)を混合機内に置いて混合し、混合速度は、18 rpmであり、5分間混合し、得られた材料を40メッシュの篩にかけ、そして0.75%ステアリン酸マグネシウム(質量百分率は、全物質に対する質量分率である)を加えて混合し、混合速度は、18 rpmであり、混合時間は、5分間であり、且つ得られた材料を乾式造粒機に置いて乾式造粒を行い(圧力ロール圧力は、4.0~7.0 Mpaであり、圧力ロール隙間は、1.0~5.0 mmであり、圧力ロール速度は、3.0~7.0 rpmであり、造粒部材速度は、30~90 rpmであり、供給軸速度は、18~90 rpmであり、且つ微細スクリーンは、0.8 mmである)、得られた粒子を収集し、得られた粒子に残りのコロイダルシリカと残りのステアリン酸マグネシウムを加え、混合して潤滑し、直径10 mmの円形打抜き型で錠剤プレスを行い(供給速度は、5~30 rpmであり、錠剤プレス速度は、20~30 rpmであり、錠剤厚さスケールは、0.3~5.0 mmであり、供給スケールは、10.5~15.5 mmであり、且つ一次圧力範囲は、10~25 KNである)、素錠を得た。素錠の各パラメータ及び薬物溶出度テストを行い、結果を表14に示す。
【表14】
実施例33
【0204】
実施例13のAPG-115ASD、微結晶セルロースKG 802、無水リン酸水素カルシウム、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、コロイダルシリカとステアリン酸マグネシウム(APG-115ASD、微結晶セルロースKG 802、無水リン酸水素カルシウム、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、コロイダルシリカとステアリン酸マグネシウムは、それぞれ全物質の38.5%、23.5%、23.5%、5%、6%、2.5%と1%を占める)を秤量し、APG-115ASD、微結晶セルロースKG 802、無水リン酸水素カルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウムとコロイダルシリカを混合機内に置いて混合し、混合速度は、18 rpmであり、5分間混合し、得られた材料を40メッシュの篩にかけ、そして0.5%ステアリン酸マグネシウム(質量百分率は、全物質に対する質量分率である)を加えて混合し、混合速度は、18 rpmであり、混合時間は、5分間であり、且つ得られた材料を乾式造粒機に置いて乾式造粒を行い(圧力ロール圧力は、4.0~7.0 Mpaであり、圧力ロール隙間は、1.0~5.0 mmであり、圧力ロール速度は、3.0~7.0 rpmであり、造粒部材速度は、30~90 rpmであり、供給軸速度は、18~90 rpmであり、且つ微細スクリーンは、0.8 mmである)、流動性が悪く、スクリーンが粘着し、得られた粒子を収集し、得られた粒子に残りのステアリン酸マグネシウムを加え、混合して潤滑し、直径10 mmの円形打抜き型で錠剤プレスを行い(供給速度は、5~30 rpmであり、錠剤プレス速度は、20~30 rpmであり、錠剤厚さスケールは、0.3~5.0 mmであり、供給スケールは、10.5~15.5 mmであり、且つ一次圧力範囲は、10~25 KNである)、素錠を得た。素錠の各パラメータ及び薬物溶出度テストを行い、結果を表15に示す。
【表15】
実施例34
【0205】
実施例13のAPG-115ASD、微結晶セルロースKG 802、無水リン酸水素カルシウム、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、コロイダルシリカとステアリン酸マグネシウム(APG-115ASD、微結晶セルロースKG 802、無水リン酸水素カルシウム、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、コロイダルシリカとステアリン酸マグネシウムの全物質における質量割合は、それぞれ38.5%、25%、25%、3%、5.25%、2%と1.25%である)を秤量し、APG-115ASD、微結晶セルロースKG 802、無水リン酸水素カルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウムとコロイダルシリカを混合機内に置いて混合し、混合速度は、18 rpmであり、5分間混合し、得られた材料を40メッシュの篩にかけ、そして0.75%ステアリン酸マグネシウム(質量百分率は、全物質に対する質量分率である)を加えて混合し、混合速度は、18 rpmであり、混合時間は、5分間であり、且つ得られた材料を乾式造粒機に置いて乾式造粒を行い(圧力ロール圧力は、4.0~7.0 Mpaであり、圧力ロール隙間は、1.0~5.0 mmであり、圧力ロール速度は、3.0~7.0 rpmであり、造粒部材速度は、30~90 rpmであり、供給軸速度は、18~90 rpmであり、且つ微細スクリーンは、0.8 mmである)、得られた粒子を収集し、得られた粒子に残りのステアリン酸マグネシウムを加え、混合して潤滑し、直径10 mmの円形打抜き型で錠剤プレスを行い(供給速度は、5~30 rpmであり、錠剤プレス速度は、20~30 rpmであり、錠剤厚さスケールは、0.3~5.0 mmであり、供給スケールは、10.5~15.5 mmであり、且つ一次圧力範囲は、10~25 KNである)、素錠を得た。素錠の各パラメータ及び薬物溶出度テストを行い、結果を表16に示す。
【表16】
実施例35
【0206】
実施例13のAPG-115ASD、微結晶セルロースKG 802、無水リン酸水素カルシウム、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、コロイダルシリカとステアリン酸マグネシウム(APG-115ASD、微結晶セルロースKG 802、無水リン酸水素カルシウム、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、コロイダルシリカとステアリン酸マグネシウムの全物質における質量割合は、それぞれ39.35%、22.39%、22.39%、3.23%、4.98%、5.42%と2.24%である)を秤量し、APG-115ASD、微結晶セルロースKG 802、無水リン酸水素カルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウムと1.19%のコロイダルシリカ(質量百分率は、全物質に対する質量分率である)を混合機内に置いて混合し、混合速度は、18 rpmであり、混合時間は、5分間であり、得られた材料を40メッシュの篩にかけ、残りのコロイダルシリカと0.75%ステアリン酸マグネシウム(質量百分率は、全物質に対する質量分率である)を加えて混合し、混合速度は、18 rpmであり、且つ混合時間は、5分間であり、且つ得られた材料を乾式造粒機に置いて乾式造粒を行い(圧力ロール圧力は、4.0~7.0 Mpaであり、圧力ロール隙間は、1.0~5.0 mmであり、圧力ロール速度は、3.0~7.0 rpmであり、造粒部材速度は、30~90 rpmであり、供給軸速度は、18~90 rpmであり、且つ微細スクリーンは、0.8 mmである)、得られた粒子を収集し、得られた粒子に残りのステアリン酸マグネシウムを加え、混合して潤滑し、直径10 mmの円形打抜き型で錠剤プレスを行い(供給速度は、5~30 rpmであり、錠剤プレス速度は、20~30 rpmであり、錠剤厚さスケールは、0.3~5.0 mmであり、供給スケールは、10.5~15.5 mmであり、且つ一次圧力範囲は、10~25 KNである)、素錠を得た。素錠の各パラメータ及び薬物溶出度テストを行い、結果を表17に示す。
【表17】
実施例36
【0207】
OPADRY II 89k680001-CN素錠を使用してフィルムコーティングを行い、ここで、コーティング増量は、3%である。得られたコーティング錠の薬物溶出度テストを行い、テスト結果を表18に示す。
【表18】
実施例37
【0208】
725.2 gのヒドロキシプロピルメチルセルロースコハク酸エステル(HPMCAS912G)と359.8 gのAPG-115水和物を18.457 l酢酸メチルに溶解し、さらに22.4 gのコロイダルシリカを加えて均一に攪拌した。噴霧乾燥機を設定し、且つ5時間噴霧乾燥した後、設備は、安定状態に達した。酢酸メチルを収集して噴霧乾燥した粉末を収集した。噴霧乾燥した粉末を、粉末溶媒の残留量が5000 ppm以下になるまで2回乾燥(真空乾燥、且つ2時間乾燥)し、APG-115ASD粉末を得た。630 gの微結晶セルロースKG 802、630 gの無水リン酸カルシウム、140 gのヒドロキシプロピルセルロース、91 gの架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、33.6 gのコロイダルシリカ及びAPG-115ASD粉末を混合機内に置いて混合した(混合速度18 rpm、混合時間5分間)。混合後の材料を40メッシュの篩にかけ、そして21 gの篩かけ後のステアリン酸マグネシウムを加えて混合した(混合速度は、18 rpmであり、且つ混合時間は、5分間である)。得られた材料を乾式造粒機に置いて乾式造粒を行い、得られた粒子を収集した(圧力ロール圧力:4.0~7.0 Mpa、ロール隙間:1.0~5.0 mm、ロール速度:3.0~7.0 rpm、造粒部材速度:30~90 rpm、供給軸速度:18~90 rpm、微細スクリーン:0.8 mm)。112 gの篩かけ後のコロイダルシリカ、35 gの篩かけ後のステアリン酸マグネシウムを順次に上記粒子と混合し、潤滑し、そして直径10 mmの円形打抜き型で材料をプレスし(供給回転速度は、5~30 rpmであり、錠剤プレスの回転速度は、20~30 rpmであり、錠剤厚さスケールは、0.3~5.0 mmであり、供給スケールは、10.5~15.5 mmであり、且つ一次圧力範囲は、10~25 KNである)、素錠7000枚を得た。84 g OPADRY (登録商標)IIフィルムコーティングプレミックスで素錠をコーティングしてコーティング錠剤を得た。
【0209】
以上のプロセスに従って2ロットのコーティング錠剤を生産し、溶出度と含有量と関連物質の測定を行った。
(1) 溶出度
【0210】
中国薬局溶出度測定方II(パルプ法)を採用し、900 ml pH 6.8リン酸塩溶液(0.2%ドデシル硫酸ナトリウム)を溶出媒体とし、回転速度は、1分当たりに75回転であり、且つ30分間後の累積溶出量は、表示量の80%以上である。
【表19】
(2) 含有量と関連物質
【表20】
効果実施例1
【0211】
テスト対象サンプル:
1. APG-115粒子:12.5%のAPG-115水和物、25.1%のヒドロキシプロピルメチルセルロースコハク酸エステル、21.8%の微結晶セルロースKG 802、21.8%の無水リン酸カルシウム、4.9%のヒドロキシプロピルセルロース、3.2%の架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、5.8%のコロイダルシリカ、1.9%のステアリン酸マグネシウム及びフィルムコーティングプレミックス(百分率は、質量百分率である)を原料に、実施例37の製造方法に従ってAPG-115粒子を製造し、
2. APG-115水和物。
【0212】
サンプル液の調製:
サンプルを十分に粉砕し、PEG400(サンプル液における濃度5%)と混合した後、0.2%HPMC水溶液を少量(約2ml)加えて、大きな粒子が存在しないまで均一なペースト状に粉砕した。持続粉砕条件で、0.2%HPMC水溶液を十分な量まで添加し、5分間攪拌(800RPM)を維持した。サンプル溶液容器を封口膜で封口した後、超音波装置内(40 kHz)に置いて20分間超音波し(超音波過程において超音波媒体の水温の上昇を避けるため、水温を40℃以内に制御し)、超音波を停止し、使用直前に懸濁液を均一に混合し(約3分間攪拌)、そして直ちにサンプリングした(サンプルの濃度6mg/ml)。
【0213】
テスト方法:雄のビーグル犬3匹を選び、供試品1(APG-115粒子)群と供試品2(APG-115水和物)群に分けた。各群とも1回の経口カプセル投与:供試品1の投与が終了し、8日間の洗浄期間を経た後、群名を供試品2に変更し、以下同様とした。動物番号の再割り当ては、行わなかった。
【0214】
毎回の投与前、投与後0.5、1.0、2.0、4.0、6.0、10、24、48、72、96、120、144と168hに血液サンプルを採取し、血漿を分離した。すべての血漿サンプルをすべて委託者に郵送して検出を行った。LC-MS/Msで犬血漿におけるAPG-115の濃度を分析した。方法の定量下限は、50 ng/mlである。代謝動態データ分析ソフトwinnonlin8.0.0.3176の非房室モデル法(NCA)を用いて血漿濃度データを分析し、薬物動態パラメータを計算した。表21を参照して、投与後の動物体内におけるAPG-115の動態特性を評価した。
【表21】
【0215】
結論:
図1に示すように、APG-115粒子の曝露量は、APG-115水和物の10倍以上であり、且つ犬体内におけるAPG-115水和物の曝露量は、極めて低かった。
【0216】
以上、本発明の具体的な実施例を記述したが、当業者の理解すべきこととして、これは、例示にすぎず、本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲によって限定される。当業者は、本発明の原理と実質から逸脱することなく、これらの実施例に様々な変更または修正を加えることができるが、これらの変更または修正は、すべて本発明の保護範囲に含まれる。
【国際調査報告】