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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-29
(54)【発明の名称】ハイブリッド不揮発性メモリ・セル
(51)【国際特許分類】
   H10B 63/00 20230101AFI20231121BHJP
   H10B 63/10 20230101ALI20231121BHJP
   H10N 70/20 20230101ALI20231121BHJP
【FI】
H10B63/00
H10B63/10
H10N70/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023528065
(86)(22)【出願日】2021-11-16
(85)【翻訳文提出日】2023-05-10
(86)【国際出願番号】 EP2021081868
(87)【国際公開番号】W WO2022106422
(87)【国際公開日】2022-05-27
(31)【優先権主張番号】16/949,909
(32)【優先日】2020-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/472,145
(32)【優先日】2021-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【弁理士】
【氏名又は名称】太佐 種一
(74)【代理人】
【識別番号】100120710
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】チョン、カングオ
(72)【発明者】
【氏名】ラーデンス、カール
(72)【発明者】
【氏名】シエ、ルイロン
(72)【発明者】
【氏名】リ、ジュンタオ
【テーマコード(参考)】
5F083
【Fターム(参考)】
5F083FZ10
5F083JA36
5F083JA37
5F083JA38
5F083JA39
5F083JA40
5F083JA60
5F083PR03
5F083PR04
5F083PR21
5F083PR22
5F083PR40
(57)【要約】
不揮発性メモリ構造および製造方法は、第1の端子と第2の端子との間に第1のメモリ素子および第2のメモリ素子を含むことができる。第1のメモリ素子および第2のメモリ素子は、第1の端子と第2の端子との間で互いに並列であってもよい。これにより、ハイブリッド不揮発性メモリ構造が、各メモリ素子のコンダクタンスの組合せとして値を記憶することが可能になり、それによって、セットおよびリセットのコンダクタンス・パラメータのより良好な調整が可能になり得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のメモリ素子と、
第2のメモリ素子と、
頂部コンタクトであり、前記第1のメモリ素子の頂面の少なくとも一部と接触し、前記第2のメモリ素子の頂面の少なくとも一部と接触する、前記頂部コンタクトと、
底部コンタクトであり、前記第1のメモリ素子の底面の少なくとも一部と接触し、前記第2のメモリ素子の底面の少なくとも一部と接触する、前記底部コンタクトと、
を含む、不揮発性メモリ構造。
【請求項2】
前記第1のメモリ素子と前記第2のメモリ素子が、セット動作およびリセット動作に対して異なるコンダクタンス変化を含む、請求項1に記載の構造。
【請求項3】
前記第1のメモリ素子と前記第2のメモリ素子が、異なるタイプのメムリスティブ・メモリを含む、請求項1に記載の構造。
【請求項4】
前記第1のメモリ素子が相変化メモリを含み、前記第2のメモリ素子が抵抗変化型メモリを含む、請求項1に記載の構造。
【請求項5】
前記不揮発性メモリ構造の状態が、前記第1のメモリ素子と前記第2のメモリ素子の状態の組合せを含む、請求項1に記載の構造。
【請求項6】
不揮発性メモリ構造であって、
前記不揮発性メモリ構造の第1の端子と、
前記不揮発性メモリ構造の第2の端子と、
前記第1の端子と前記第2の端子との間に並列に配置された第1のメモリ素子および第2のメモリ素子と、
を含む、不揮発性メモリ構造。
【請求項7】
前記第1のメモリ素子と前記第2のメモリ素子が、セット動作およびリセット動作に対して異なるコンダクタンス変化を含む、請求項6に記載の構造。
【請求項8】
前記第1のメモリ素子と前記第2のメモリ素子が、異なるタイプのメムリスティブ・メモリを含む、請求項6に記載の構造。
【請求項9】
前記第1のメモリ素子が相変化メモリを含み、前記第2のメモリ素子が抵抗変化型メモリを含む、請求項6に記載の構造。
【請求項10】
前記不揮発性メモリ構造の状態が、前記第1のメモリ素子と前記第2のメモリ素子の前記状態の組合せを含む、請求項6に記載の構造。
【請求項11】
不揮発性メモリ構造であって、
第2のメモリ素子と並列の第1のメモリ素子であり、前記第1のメモリ素子が第1のタイプのメモリスタを含み、前記第2のメモリ素子が第2のタイプのメモリスタを含む、前記第1のメモリ素子、
を含み、
前記不揮発性メモリ構造の状態が、前記第1のタイプのメモリスタと前記第2のタイプのメモリスタの前記状態の組合せを含む、
不揮発性メモリ構造。
【請求項12】
前記第1のメモリ素子と前記第2のメモリ素子が、セット動作およびリセット動作に対して異なるコンダクタンス変化を含む、請求項11に記載の構造。
【請求項13】
前記第1のメモリ素子と前記第2のメモリ素子が、異なるタイプのメムリスティブ・メモリを含む、請求項11に記載の構造。
【請求項14】
前記第1のメモリ素子が相変化メモリを含み、前記第2のメモリ素子が抵抗変化型メモリを含む、請求項11に記載の構造。
【請求項15】
第2のメモリ素子を取り巻く第1のメモリ素子と、
前記第1のメモリ素子と前記第2のメモリ素子との間に位置するスペーサと、
前記第1のメモリ素子の底面および前記第2のメモリ素子の底面と接触する底部コンタクトと、
前記第1のメモリ素子の頂面および前記第2のメモリ素子の頂面と接触する頂部コンタクトと、
を含む、不揮発性メモリ構造。
【請求項16】
前記第1のメモリ素子と前記第2のメモリ素子が、セット動作およびリセット動作に対して異なるコンダクタンス変化を含む、請求項15に記載の構造。
【請求項17】
前記第1のメモリ素子と前記第2のメモリ素子が、異なるタイプのメムリスティブ・メモリを含む、請求項15に記載の構造。
【請求項18】
前記第1のメモリ素子が相変化メモリを含み、前記第2のメモリ素子が抵抗変化型メモリを含む、請求項15に記載の構造。
【請求項19】
前記不揮発性メモリ構造の状態が、前記第1のメモリ素子と前記第2のメモリ素子の前記状態の組合せを含む、請求項15に記載の構造。
【請求項20】
不揮発性メモリを形成する方法であって、
第1のメモリ材料スタックからハイブリッド・セルをパターニングすることと、
前記ハイブリッド・セルの前記第1のメモリ材料スタックの一部を除去することと、
前記第1のメモリ材料スタックの前記除去された部分によって作成された領域に第2のメモリ材料スタックを形成することと、
を含む、方法。
【請求項21】
前記第1のメモリ素子と前記第2のメモリ素子が、異なるタイプのメムリスティブ・メモリを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記第1のメモリ素子が相変化メモリを含み、前記第2のメモリ素子が抵抗変化型メモリを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記ハイブリッド・セルの前記第1のメモリ材料スタックの一部を除去することが、
前記ハイブリッド・セルおよび前記ハイブリッド・セルを取り巻くILDの上に共形層を堆積させることと、
前記ハイブリッド・セルを取り巻き、前記ハイブリッド・セルの上方に位置する前記ILDの側壁にスペーサを形成する前記共形層に対して異方性エッチングを行うことと、
前記スペーサの下に位置していない前記第1のメモリ材料スタックを除去することと、
を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記第1のメモリ材料スタックの前記除去された部分によって作成された領域に第2のメモリ材料スタックを形成することが、
前記ハイブリッド・セルの上に共形層を堆積させることと、
前記共形層の異方性エッチングを行って、前記第1のメモリ材料スタックの垂直側壁に沿ってスペーサを作成することと、
前記第1のメモリ材料スタックの前記除去された部分の残りの領域に第2のメモリ材料スタックを堆積させることと、
を含む、請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不揮発性メモリに関し、より詳細には、ニューロモーフィック・コンピューティングのためのメムリスティブ・デバイス(memristive device)に関する。
【背景技術】
【0002】
「機械学習」は、データから学習する電子システムの主要な機能を広く説明するために使用される。加速機械学習および認知科学において、人工ニューラルネットワーク(ANN)は、動物、特に脳の生物学的神経回路網に着想を得た統計的学習モデルのファミリーである。ANNは、多数の入力に依存し、一般に知られていないシステムおよび機能を推定または近似するために使用することができる。ANNアーキテクチャ、ニューロモーフィック・マイクロチップ、および超高密度不揮発性メモリは、クロスバー・アレイとして知られる高密度、低コストの回路アーキテクチャから形成することができる。基本的なクロスバー・アレイ構成は、1組の導電性行ワイヤと、1組の導電性行ワイヤと交差するように形成された1組の導電性列ワイヤとを含む。2組のワイヤ間の交点は、薄膜材料から形成することができる、いわゆるクロスポイント・デバイスによって分離される。クロスポイント・デバイスは、いわゆるメムリスティブ・デバイスとして実装することができる。メムリスティブ・デバイスの特性には、不揮発性、可変抵抗値を記憶する能力、および電流パルスまたは電圧パルスを使用して抵抗を増減させる能力が含まれる。
【発明の概要】
【0003】
不揮発性メモリ構造は、第1のメモリ素子と、第2のメモリ素子と、頂部コンタクトと、底部コンタクトとを含むことができる。頂部コンタクトおよび底部コンタクトは、各メモリ素子の一部と接触することができる。これにより、ハイブリッド不揮発性メモリ構造が、各メモリ素子のコンダクタンスの組合せとして値を記憶することが可能になり、それによって、セットおよびリセットのコンダクタンス・パラメータのより良好な調整が可能になり得る。
【0004】
段落0003の実施形態の不揮発性メモリ構造は、セット動作およびリセット動作に対して異なるコンダクタンス変化を有する第1のメモリ素子および第2のメモリ素子を含むことができる。これにより、ハイブリッド不揮発性メモリ構造が、各メモリ素子のコンダクタンスの組合せとして値を記憶することが可能になり、それによって、セットおよびリセットのコンダクタンス・パラメータのより良好な調整が可能になり得る。
【0005】
段落0003の実施形態の不揮発性メモリ構造は、異なるタイプのメムリスティブ・メモリである第1のメモリ素子と第2のメモリ素子を含むことができる。これにより、ハイブリッド不揮発性メモリ構造が、各メモリ素子のコンダクタンスの組合せとして値を記憶することが可能になり、それによって、セットおよびリセットのコンダクタンス・パラメータのより良好な調整が可能になり得る。
【0006】
段落0003の実施形態の不揮発性メモリ構造は、相変化メモリである第1のメモリ素子と、抵抗変化型メモリ(resistive random-access memory)である第2のメモリ素子とを含むことができる。これにより、ハイブリッド不揮発性メモリ構造が、各メモリ素子のコンダクタンスの組合せとして値を記憶することが可能になり、それによって、セットおよびリセットのコンダクタンス・パラメータのより良好な調整が可能になり得る。
【0007】
段落0003の実施形態の不揮発性メモリ構造は、第1のメモリ素子と第2のメモリ素子の状態の組合せであってもよい。これにより、ハイブリッド不揮発性メモリ構造が、各メモリ素子のコンダクタンスの組合せとして値を記憶することが可能になり、それによって、セットおよびリセットのコンダクタンス・パラメータのより良好な調整が可能になり得る。
【0008】
不揮発性メモリ構造は、第1の端子と第2の端子との間に第1のメモリ素子、第2のメモリ素子を含むことができる。第1のメモリ素子および第2のメモリ素子は、第1の端子と第2の端子との間で互いに並列であってもよい。これにより、ハイブリッド不揮発性メモリ構造が、各メモリ素子のコンダクタンスの組合せとして値を記憶することが可能になり、それによって、セットおよびリセットのコンダクタンス・パラメータのより良好な調整が可能になり得る。
【0009】
段落0008の実施形態の不揮発性メモリ構造は、セット動作およびリセット動作に対して異なるコンダクタンス変化を有する第1のメモリ素子と第2のメモリ素子を含むことができる。これにより、ハイブリッド不揮発性メモリ構造が、各メモリ素子のコンダクタンスの組合せとして値を記憶することが可能になり、それによって、セットおよびリセットのコンダクタンス・パラメータのより良好な調整が可能になり得る。
【0010】
段落0008の実施形態の不揮発性メモリ構造は、異なるタイプのメムリスティブ・メモリである第1のメモリ素子と第2のメモリ素子を含むことができる。これにより、ハイブリッド不揮発性メモリ構造が、各メモリ素子のコンダクタンスの組合せとして値を記憶することが可能になり、それによって、セットおよびリセットのコンダクタンス・パラメータのより良好な調整が可能になり得る。
【0011】
段落0008の実施形態の不揮発性メモリ構造は、相変化メモリである第1のメモリ素子と、抵抗変化型メモリである第2のメモリ素子とを含むことができる。これにより、ハイブリッド不揮発性メモリ構造が、各メモリ素子のコンダクタンスの組合せとして値を記憶することが可能になり、それによって、セットおよびリセットのコンダクタンス・パラメータのより良好な調整が可能になり得る。
【0012】
段落0008の実施形態の不揮発性メモリ構造は、第1のメモリ素子と第2のメモリ素子の状態の組合せであってもよい。これにより、ハイブリッド不揮発性メモリ構造が、各メモリ素子のコンダクタンスの組合せとして値を記憶することが可能になり、それによって、セットおよびリセットのコンダクタンス・パラメータのより良好な調整が可能になり得る。
【0013】
不揮発性メモリ構造は、互いに並列な第1のメモリ素子、第2のメモリ素子を含むことができる。第1のメモリ素子は、第1のタイプのメモリスタであってもよく、第2のメモリ素子は、第2のタイプのメモリスタであってもよい。不揮発性メモリ構造の状態は、第1のメモリ素子と第2のメモリ素子の状態の組合せであってもよい。これにより、ハイブリッド不揮発性メモリ構造が、各メモリ素子のコンダクタンスの組合せとして値を記憶することが可能になり、それによって、セットおよびリセットのコンダクタンス・パラメータのより良好な調整が可能になり得る。
【0014】
段落0013の実施形態の不揮発性メモリ構造は、セット動作およびリセット動作に対して異なるコンダクタンス変化を有する第1のメモリ素子と第2のメモリ素子を含むことができる。これにより、ハイブリッド不揮発性メモリ構造が、各メモリ素子のコンダクタンスの組合せとして値を記憶することが可能になり、それによって、セットおよびリセットのコンダクタンス・パラメータのより良好な調整が可能になり得る。
【0015】
段落0013の実施形態の不揮発性メモリ構造は、異なるタイプのメムリスティブ・メモリである第1のメモリ素子と第2のメモリ素子を含むことができる。これにより、ハイブリッド不揮発性メモリ構造が、各メモリ素子のコンダクタンスの組合せとして値を記憶することが可能になり、それによって、セットおよびリセットのコンダクタンス・パラメータのより良好な調整が可能になり得る。
【0016】
段落0013の実施形態の不揮発性メモリ構造は、相変化メモリである第1のメモリ素子と、抵抗変化型メモリである第2のメモリ素子とを含むことができる。これにより、ハイブリッド不揮発性メモリ構造が、各メモリ素子のコンダクタンスの組合せとして値を記憶することが可能になり、それによって、セットおよびリセットのコンダクタンス・パラメータのより良好な調整が可能になり得る。
【0017】
不揮発性メモリ構造は、第1のメモリ素子と、第2のメモリ素子と、頂部コンタクトと、底部コンタクトとを含むことができる。頂部コンタクトおよび底部コンタクトは、各メモリ素子の一部と接触することができる。第1のメモリ素子は、第2のメモリ素子を取り巻くことができる。これにより、ハイブリッド不揮発性メモリ構造が、各メモリ素子のコンダクタンスの組合せとして値を記憶することが可能になり、それによって、セットおよびリセットのコンダクタンス・パラメータのより良好な調整が可能になり得る。
【0018】
段落0017の実施形態の不揮発性メモリ構造は、セット動作およびリセット動作に対して異なるコンダクタンス変化を有する第1のメモリ素子と第2のメモリ素子を含むことができる。これにより、ハイブリッド不揮発性メモリ構造が、各メモリ素子のコンダクタンスの組合せとして値を記憶することが可能になり、それによって、セットおよびリセットのコンダクタンス・パラメータのより良好な調整が可能になり得る。
【0019】
段落0017の実施形態の不揮発性メモリ構造は、異なるタイプのメムリスティブ・メモリである第1のメモリ素子と第2のメモリ素子を含むことができる。これにより、ハイブリッド不揮発性メモリ構造が、各メモリ素子のコンダクタンスの組合せとして値を記憶することが可能になり、それによって、セットおよびリセットのコンダクタンス・パラメータのより良好な調整が可能になり得る。
【0020】
段落0017の実施形態の不揮発性メモリ構造は、相変化メモリである第1のメモリ素子と、抵抗変化型メモリである第2のメモリ素子とを含むことができる。これにより、ハイブリッド不揮発性メモリ構造が、各メモリ素子のコンダクタンスの組合せとして値を記憶することが可能になり、それによって、セットおよびリセットのコンダクタンス・パラメータのより良好な調整が可能になり得る。
【0021】
段落0017の実施形態の不揮発性メモリ構造は、第1のメモリ素子と第2のメモリ素子の状態の組合せであってもよい。これにより、ハイブリッド不揮発性メモリ構造が、各メモリ素子のコンダクタンスの組合せとして値を記憶することが可能になり、それによって、セットおよびリセットのコンダクタンス・パラメータのより良好な調整が可能になり得る。
【0022】
不揮発性メモリ構造を形成する方法は、第1のメモリ材料スタックからハイブリッド・セルをパターニングすることを含むことができる。本方法は、ハイブリッド・セルの第1のメモリ材料スタックの一部を除去することを含むことができる。本方法は、第1のメモリ材料スタックの除去された部分によって作成された領域に第2のメモリ材料スタックを形成することを含むことができる。これにより、各メモリ素子のコンダクタンスの組合せとして値を記憶するハイブリッド不揮発性メモリ構造の形成が可能になり、それによって、セットおよびリセットのコンダクタンス・パラメータのより良好な調整が可能になり得る。
【0023】
本方法は、第1のメモリ素子と第2のメモリ素子が異なるタイプのメムリスティブ・メモリであることをさらに含むことができる。これにより、各メモリ素子のコンダクタンスの組合せとして値を記憶するハイブリッド不揮発性メモリ構造の形成が可能になり、それによって、セットおよびリセットのコンダクタンス・パラメータのより良好な調整が可能になり得る。
【0024】
本方法は、第1のメモリ素子が相変化メモリであり、第2のメモリ素子が抵抗変化型メモリであることをさらに含むことができる。これにより、各メモリ素子のコンダクタンスの組合せとして値を記憶するハイブリッド不揮発性メモリ構造の形成が可能になり、それによって、セットおよびリセットのコンダクタンス・パラメータのより良好な調整が可能になり得る。
【0025】
本方法は、ハイブリッド・セルおよびハイブリッド・セルを取り巻くILDの上に共形層を堆積することをさらに含むことができる。本方法は、ハイブリッド・セルを取り巻き、ハイブリッド・セルの上方に位置するILDの側壁にスペーサを形成する共形層に対して異方性エッチングを行うことをさらに含むことができる。本方法は、スペーサの下に位置しない第1のメモリ材料スタックを除去することをさらに含むことができる。これにより、各メモリ素子のコンダクタンスの組合せとして値を記憶するハイブリッド不揮発性メモリ構造の形成が可能になり、それによって、セットおよびリセットのコンダクタンス・パラメータのより良好な調整が可能になり得る。
【0026】
本方法は、ハイブリッド・セルの上に共形層を堆積させることをさらに含むことができる。本方法は、共形層の異方性エッチングを行って、第1のメモリ材料スタックの垂直側壁に沿ってスペーサを作成することをさらに含むことができる。本方法は、第1のメモリ材料スタックの除去された部分の残りの領域に第2のメモリ材料スタックを堆積させることをさらに含むことができる。これにより、各メモリ素子のコンダクタンスの組合せとして値を記憶するハイブリッド不揮発性メモリ構造の形成が可能になり、それによって、セットおよびリセットのコンダクタンス・パラメータのより良好な調整が可能になり得る。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】例示的な実施形態による、ハイブリッド・メモリ構造の構成に対する電気回路図である。
図2】例示的な実施形態による、第1のメモリ素子および第2のメモリ素子を有する改善されたメモリ構造の構成を形成する方法を示す図である。
図3】例示的な実施形態による、メモリ構造の第1のメモリ素子用の第1の材料スタックの断面図である。
図4】(A)および(B)は、それぞれ、例示的な実施形態による、メモリ構造の第1のメモリ素子用の第1の材料スタックからメモリ・セルをパターニングした断面図および平面図である。
図5】(A)および(B)は、それぞれ、例示的な実施形態による、メモリ・セルを分離するためにILDを形成した断面図および平面図である。
図6】(A)および(B)は、それぞれ、例示的な実施形態による、第1の材料スタックを露出させるためにハードマスクを除去した断面図および平面図である。
図7】(A)および(B)は、それぞれ、例示的な実施形態による、第1の材料スタック上に第2のメモリ素子用のパターンを堆積させた断面図および平面図である。
図8】(A)および(B)は、それぞれ、例示的な実施形態による、第1のメモリ素子を形成するために、第2のメモリ素子用のパターニングされた領域から第1の材料スタックを除去した断面図および平面図である。
図9】(A)および(B)は、それぞれ、例示的な実施形態による、第1の材料スタック上の第2のメモリ素子用のパターンを除去した断面図および平面図である。
図10】(A)および(B)は、それぞれ、例示的な実施形態による、第2のメモリ素子を第1のメモリ素子から分離するためにスペーサを堆積させた断面図および平面図である。
図11】(A)および(B)は、それぞれ、例示的な実施形態による、第2のメモリ素子用の材料を堆積させた断面図および平面図である。
図12】(A)および(B)は、それぞれ、例示的な実施形態による、第2のメモリ素子用の材料を堆積させた断面図および平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図の要素は、必ずしも縮尺通りではなく、本発明の特定のパラメータを描写することを意図したものではない。説明を明確かつ容易にするために、要素の寸法は誇張されている場合がある。正確な寸法については、詳細な説明を参照されたい。図面は、本発明の典型的な実施形態のみを示すことが意図されており、したがって、本発明の範囲を限定するものとみなされるべきではない。図面において、同様の番号は同様の要素を表す。
【0029】
次に、例示的な実施形態が示されている添付の図面を参照して、例示的な実施形態について本明細書でより完全に説明する。しかしながら、本開示は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載される例示的な実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの例示的な実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であり、本開示の範囲を当業者に伝えるように提供される。説明において、よく知られている特徴および技術の詳細は、提示された実施形態を不必要に曖昧にすることを避けるために省略されることがある。
【0030】
以下の説明の目的のために、「上」、「下」、「右」、「左」、「垂直」、「水平」、「頂部」、「底部」、およびそれらの派生語などの用語は、図面において方向付けられるような、開示された構造および方法に関連するものとする。「の上方に(above)」、「上にある(overlying)」、「の上に(atop)」、「上に(on top)」、「上に位置する(positioned on)」または「の上に位置する(positioned atop)」などの用語は、第1の構造などの第1の要素が、第2の構造などの第2の要素上に存在し、界面構造などの介在要素が第1の要素と第2の要素との間に存在してもよいことを意味する。「直接接触」という用語は、第1の構造などの第1の要素と、第2の構造などの第2の要素とが、2つの要素の界面において中間の導電層、絶縁層または半導体層なしに接続されることを意味する。
【0031】
本発明の実施形態の提示を不明瞭にしないために、以下の詳細な説明では、当技術分野で知られているいくつかの処理ステップまたは動作は、提示および例示のために一緒に組み合わされていることがあり、場合によっては、詳細に説明されていないことがある。他の事例では、当技術分野で知られているいくつかの処理ステップまたは動作は、全く説明されないことがある。以下の説明は、むしろ、本発明の様々な実施形態の特有の特徴または要素に焦点を当てていることを理解されたい。
【0032】
アナログ・コンピューティングは、メモリ・デバイスのコンダクタンスの範囲として情報を記憶するメモリスタなどのメモリ・デバイスを使用する。好ましいシナリオでは、メモリ・デバイスのセット動作およびリセット動作は緩やかであり、より好ましくは、セット動作およびリセット動作はミラーリングされ/可逆的である(例えば、1つのセット・パルスおよび1つのリセット・パルスは同じコンダクタンス値に戻る)。相変化材料(PCM)を使用するメモリ・デバイスは、セット動作中に緩やかなコンダクタンス変化を示し、リセット動作中に急激な変化を有することがある。逆に、抵抗変化型メモリ(ReRAM)を使用するメモリ・デバイスは、セット動作中にコンダクタンスの急激な変化を示し、リセット動作中に緩やかな変化を示すことがある。
【0033】
図1は、例示的な実施形態による、ハイブリッド・メモリ構造の構成に対する電気回路図を示す。ハイブリッド・メモリ構造は、第1のメモリ素子10および第2のメモリ素子20を含む。このようなハイブリッド・メモリ構造において、第1のメモリ素子10は、PCMデバイスなどの、リセット動作中に急激なコンダクタンス変化を有する(例えば、コンダクタンスが最小コンダクタンス付近まで急激に低下する)メモリスタであってもよい。このようなハイブリッド・メモリ構造において、第2メモリ素子20は、ReRAMデバイスなどの、セット動作中に急激なコンダクタンス変化を有するメモリスタであってもよい。このようなデバイスを並列に接続することによって、ハイブリッド・セルの組み合わされた動作は、回路の並列素子のコンダクタンスの和が(急激な変化とは対照的に)緩やかな変化を受ける素子によって支配されるため、緩やかなコンダクタンス変化を示す。このようなハイブリッド・メモリ・セルでは、第1のメモリ素子10および第2のメモリ素子20は、第1のメモリ素子10と第2のメモリ素子20が単一のメモリ・セルとして機能し、かつ電気的に分離不可能となるように、共通の読取りおよび接地電極またはコンタクト(例えば、同じ頂部コンタクトおよび同じ底部コンタクト)を共有することができる。さらに、ハイブリッド・メモリ・セルは、メモリ・セルの状態(例えば、アナログ値)を、第1のメモリ素子10と第2のメモリ素子20の状態の組合せとして記憶することができる。
【0034】
図2は、例示的な実施形態による、第1のメモリ素子および第2のメモリ素子を有する改善されたメモリ構造の構成を形成する方法を示す。ステップS101を参照すると、ハイブリッド・セルのフットプリントは、第1のメモリ用の材料スタックからパターニングされてもよい。このステップの例示的な実施形態は、図3図4(A)および図4(B)、図5(A)および図5(B)、図6(A)および図6(B)に視覚的に描かれている。描かれている例示的な実施形態は、ReRAM用の材料スタックとしての材料スタックを示すが、これは逆に、材料スタックとしてPCM材料を用いて行うことが可能である。加えて、例示的な実施形態は、ハイブリッド・セルの上面図に対して円形の形状を描いているが、パターニング技術によって形成することができる任意の形状を選択することができる。
【0035】
ステップS102を参照すると、第1の材料スタックの一部を除去して、第1のメモリ素子を形成することができる。このステップの例示的な実施形態が、図7(A)および図7(B)、図8(A)および図8(B)、図9(A)および図9(B)に視覚的に描かれている。描かれている例示的な実施形態は、ハイブリッド・セルの周辺部の周りに位置する第1のメモリ素子の配置を示すが、ハイブリッド・セルの様々な形状内の他の幾何学的形状または配置が使用されてもよい。
【0036】
ステップS103を参照すると、第1の材料スタックから除去された領域に第2のメモリ素子が形成されてもよく、頂部コンタクトが形成されてもよい。このステップの例示的な実施形態が、図10(A)および図10(B)、図11(A)および図11(B)、図12(A)および図12(B)に視覚的に描かれている。
【0037】
図3は、例示的な実施形態による、メモリ構造の第1のメモリ素子用の第1の材料スタックの断面図を示す。材料スタックは、Mx層100と、底部電極110と、電解質120と、ReRAM電極層130と、ハードマスク140とを含む。Mx層100は、半導体構造体に含まれる他の論理デバイスへの接続を含むことができる、ハイブリッド素子の下の配線層であってもよい。
【0038】
底部電極110とReRAM電極層130は、同じ導電性材料または異なる導電性材料から形成されてもよい。底部電極110およびReRAM電極層130は、例えば、Al、W、Cu、TiN、TaN、または他の適切な材料などの低抵抗金属を含むことができる。
【0039】
電解質120は、例えば、TiO、Al、HfO、MnOまたは他の金属酸化物などの金属酸化物を含む。電解質120は、例えば、厚さが2~5nmと薄く、底部電極110またはReRAM電極層130が活性化されたときに、電解質120を通しての伝導を選択的に可能にする。電解質120が金属酸化物を含む場合、底部電極110またはReRAM電極層130は、Pt、TiN、TiAlC、TiC、Tiなどの、電解質120に隣接する酸素捕捉材料層(oxygen scavenging material layer)を含むことができる。底部電極110またはReRAM電極層130に印加される電圧は、電解質120の絶縁破壊を引き起こし、電解質120をより導電性にする(またはより導電性でなくする)ことによって、底部電極110とReRAM電極層130との間の抵抗を調整する。電圧は、ミリボルト~数ボルト(例えば、3または4ボルト)を含むことができる。
【0040】
ハードマスク140に適切な材料には、窒化ケイ素(SixNy)、酸窒化ケイ素(SiON)、および/もしくは炭窒化ケイ素(SiCN)などの選択的に除去することができる材料、ならびに/または酸化ケイ素(SiOx)などの酸化物材料が含まれるが、これらに限定されない。
【0041】
図4(A)および図4(B)は、メモリ構造の第1のメモリ素子用の第1の材料スタックからメモリ・セルをパターニングして、パターニングされた底部電極112、パターニングされた電解質122、パターニングされたReRAM電極132、およびパターニングされたハードマスク142を作成した断面図および平面図をそれぞれ示す。層状構造の除去は、ハードマスク140の上にリソグラフィマスクをパターニングし、反応性イオンエッチング(RIE)などの異方性エッチングを行って、リソグラフィマスクのパターニングされていない部分の下の底部電極110、電解質120、ReRAM電極層130、およびハードマスク140から材料を除去し、Mx層100の頂部またはその付近で停止させることによって行うことができる。
【0042】
図5(A)および図5(B)は、メモリ・セルを分離するための層間誘電体(ILD)150を形成した断面図および平面図をそれぞれ示す。適切なILD材料には、酸化ケイ素(SiOx)、SiOCHなどの酸化物低κ材料、または例えば2.7未満の誘電率κを有する酸化物超低κ層間誘電体(ULK-ILD)材料、あるいはその組合せが含まれるが、これらに限定されない。比較すると、二酸化ケイ素(SiO)は、誘電率κの値が3.9である。適切な超低κ誘電体材料には、多孔質有機ケイ酸塩ガラス(pSiCOH)が含まれるが、これに限定されない。CVD、ALDまたはPVDなどのプロセスを採用して、ハイブリッド・メモリ・セルの周囲にILD150を堆積させることができる。堆積の後に、化学機械研磨(CMP)などのプロセスを用いてILD150を平坦化することができる。
【0043】
図6(A)および図6(B)は、パターニングされたReRAM電極132を露出させるためにパターニングされたハードマスク142を除去した断面図および平面図をそれぞれ示す。パターニングされたハードマスク142は、周囲の構造から材料を実質的に除去することなく、パターニングされたハードマスク142を選択的に除去することができる当技術分野で知られている任意の適切なエッチング・プロセスによって除去することができる。例示的な実施形態では、パターニングされたハードマスク142は、例えば、窒化ケイ素を選択的に除去することができる反応性イオンエッチング(RIE)プロセスによって除去されてもよい。
【0044】
図7(A)および図7(B)は、パターニングされたReRAM電極132上に第1のメモリ素子用のメモリ素子パターン160を堆積させた断面図および平面図をそれぞれ示す。メモリ素子パターン160は、図6(A)および図6(B)に示された構造の表面に材料を共形に堆積させ、RIEなどの異方性エッチングを行って水平面から材料を除去することによって形成することができる。共形な堆積の厚さは、第1のメモリ素子の厚さ、したがって、ハイブリッド・メモリ素子の第1のメモリ素子の表面積を規定し、この表面積は、第1のメモリ素子の適切なコンダクタンスプロファイルを達成するために適宜調整され得ることに留意されたい。メモリ素子パターン160用の適切な材料には、窒化ケイ素(SixNy)、酸窒化ケイ素(SiON)、および/もしくは炭窒化ケイ素(SiCN)などの選択的に除去することができる材料、ならびに/または酸化ケイ素(SiOx)などの酸化物材料が含まれるが、これらに限定されない。
【0045】
図8(A)および図8(B)は、第2のメモリ素子用のスペースを設けるために、パターニングされたReRAM電極132およびパターニングされた電解質122をパターニングされていない部分から除去し、ReRAM電極135および第1のメモリ電解質125を形成した断面図および平面図をそれぞれ示す。パターニングされたReRAM電極132およびパターニングされた電解質122の除去は、RIEエッチングなどの異方性エッチングを行って、メモリ素子パターン160の下にないパターニングされたReRAM電極132およびパターニングされた電解質122から材料を除去し、底部電極112の頂部またはその付近で停止させることによって達成されてもよい。
【0046】
図9(A)および図9(B)は、メモリ素子パターン160を除去した断面図および平面図をそれぞれ示す。メモリ素子パターン160は、周囲の構造から材料を実質的に除去することなくメモリ素子パターン160を選択的に除去することができる、当技術分野で知られている任意の適切なエッチング・プロセスによって除去することができる。例示的な実施形態において、メモリ素子パターン160は、例えば、シリコン窒化物を選択的に除去することができる反応性イオンエッチング(RIE)プロセスによって除去することができる。
【0047】
図10(A)および図10(B)は、例示的な実施形態による、第2のメモリ素子を第1のメモリ素子から分離するためにスペーサを堆積させた断面図および平面図をそれぞれ示す。スペーサ170、175は、図9(A)および図9(B)に示す構造の表面に材料を共形に堆積させ、RIEなどの異方性エッチングを行って水平面から材料を除去することによって形成することができる。スペーサ170、175に適切な材料には、窒化ケイ素(SixNy)、酸窒化ケイ素(SiON)、および/もしくは炭窒化ケイ素(SiCN)などの絶縁体材料、ならびに/または酸化ケイ素(SiOx)などの酸化物材料が含まれるが、これらに限定されない。
【0048】
図11(A)および図11(B)は、例示的な実施形態による、第2のメモリ素子用の相変化材料180を堆積させた断面図および平面図をそれぞれ示す。相変化材料180は、カルコゲナイド(chalcogenide)系材料のように、熱の印加によって非晶質(高抵抗)状態または結晶質(低抵抗)状態にプログラム可能とすることができる材料を含むことができる。カルコゲナイド系材料の例としては、GeSbTe(GST)、SbTeおよびInSeが挙げられるが、これらに限定されない。相変化材料は、Ge-Sb-Te(GeSbTeなどのゲルマニウム-アンチモン-テルルまたは「GST」)合金を含むことができる。あるいは、相変化材料に適した他の材料には、Si-Sb-Te(シリコン-アンチモン-テルル)合金、Ga-Sb-Te(ガリウム-アンチモン-テルル)合金、Ge-Bi-Te(ゲルマニウム-ビスマス-テルル)合金、In-Se(インジウム-テルル)合金、As-Sb-Te(ヒ素-アンチモン-テルル)合金、Ag-In-Sb-Te(銀-インジウム-アンチモン-テルル)合金、Ge-In-Sb-Te合金、Ge-Sb合金、Sb-Te合金、Si-Sb合金、およびそれらの組合せが含まれる。一部の実施形態では、相変化材料は、窒素、炭素、または酸素、あるいはその組合せをさらに含むことができる。一部の実施形態では、相変化材料は、酸化アルミニウム(Al)、酸化ケイ素(SiO)、酸化タンタル(Ta)、酸化ハフニウム(HfO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化セリウム(CeO)、窒化ケイ素(SiN)、酸窒化ケイ素(SiON)などを含むが、これらに限定されない誘電体材料でドープすることができる。相変化材料180は、物理的気相堆積(PVD)、マグネトロン支援スパッタリング、化学気相堆積(CVD)、原子層堆積(ALD)、蒸着、イオンビーム堆積、電子ビーム堆積、レーザ支援堆積、化学溶液堆積、または任意の他の適切な堆積技術を利用して堆積させることができる。堆積後、相変化材料は、例えば、化学機械研磨(CMP)によって平坦化され、スペーサ170とほぼ同じ高さまで(例えば、RIEまたは湿式エッチングによって)エッチバックすることができる。
【0049】
図12(A)および図12(B)は、頂部電極190を形成した断面図および平面図をそれぞれ示す。頂部電極190は、例えば、Al、W、Cu、TiN、TaN、または他の適切な材料などの低抵抗金属を含むことができる。頂部電極190は、電気めっき、無電解めっき、化学気相堆積、物理的気相堆積、その後の平坦化、または方法の組合せなどの充填技術を使用して形成することができる。
【0050】
図3図12に概説した例示的なプロセスの後に、ReRAM電極135および第1のメモリ電解質125を含む第1のメモリ素子と、相変化材料180を含む第2のメモリ素子とを有するハイブリッド・メモリ構造が形成される。第1のメモリ素子と第2のメモリ素子は、スペーサ170によって分離されてもよい。スペーサ170は、第2のメモリを横方向に取り巻く(すなわち、横方向に取り囲み、xおよびy方向に取り囲む)ことができ、第2のメモリ素子は、スペーサ170を横方向に取り巻くことができる。第1のメモリ素子、スペーサ170、および第2のメモリ素子はすべて、底部電極112上に配置されてもよい。さらに、頂部電極190は、第1のメモリ素子、スペーサ170、および第2のメモリ素子の頂面に配置されてもよい。したがって、第1のメモリ素子および第2のメモリ素子を含むハイブリッド・メモリ・セルが作成され、ハイブリッド・セルの状態の任意の読取りは、第1のメモリ素子と第2のメモリ素子の状態の組合せとなる。この例示的な実施形態において、これにより、セット動作中のコンダクタンスが主に第2のメモリ素子のPCMのコンダクタンスの緩やかな変化の結果であり、リセット動作中のコンダクタンスが主に第1のメモリ素子の電解質125のコンダクタンスの緩やかな変化の結果であるハイブリッド・メモリ・セルを得ることができる。
【0051】
本発明の様々な実施形態の説明は、例示の目的で提示されてきたが、網羅的であることは意図されておらず、または開示された実施形態に限定されることは意図されていない。記載された実施形態の範囲および思想から逸脱することなく、多くの変更形態および変形形態が当業者には明らかであろう。本明細書で使用される用語は、実施形態の原理、市場で見出される技術に対する実際の適用または技術的改善を最もよく説明するために、または当業者が本明細書に開示された実施形態を理解できるようにするために選択された。したがって、本発明は、説明および図示された厳密な形態および詳細に限定されず、添付の特許請求の範囲内に入ることが意図されている。
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【国際調査報告】