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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-29
(54)【発明の名称】ウェハ検査および検証
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/02 20060101AFI20231121BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20231121BHJP
【FI】
H01L21/02 Z
H01L21/66 J
H01L21/66 P
H01L21/66 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023528080
(86)(22)【出願日】2021-11-18
(85)【翻訳文提出日】2023-05-10
(86)【国際出願番号】 EP2021082207
(87)【国際公開番号】W WO2022106572
(87)【国際公開日】2022-05-27
(31)【優先権主張番号】17/100,984
(32)【優先日】2020-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【弁理士】
【氏名又は名称】太佐 種一
(74)【代理人】
【識別番号】100120710
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】レオバンドゥン、エフェンディ
【テーマコード(参考)】
4M106
【Fターム(参考)】
4M106AA01
4M106BA01
4M106CA10
4M106CA11
4M106CA39
4M106CA48
4M106CA52
4M106DJ14
4M106DJ27
4M106DJ38
(57)【要約】
方法は、第1のウェハの第1の基準イメージを取得することを含む。方法は、製造状態の第1のウェハの第1のイメージを取得することを含む。第1のウェハは第1の検証構造を有する。方法は、第1のウェハが製造状態にあるとき、第1の物理的測定値を取得することを含む。第1の物理的測定値は第1の検証構造に対応する。方法は、第1のイメージが第1の基準イメージに合致すると判定することを含む。方法は、製造後状態の受け取ったウェハの検証構造に対応する電気的パラメータ測定値を取得することを含む。方法は、電気的パラメータ測定値に基づいて物理的パラメータ値を計算することを含む。方法は、物理的パラメータ値を第1の物理的測定値と比較することによって検証応答を生成することを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ実装方法であって、
第1のウェハの第1の基準イメージを取得することと、
製造状態の前記第1のウェハの第1のイメージを取得することであって、前記製造状態では、前記第1のウェハが、しきい数未満のいくつかの製造層を有し、前記第1のウェハが第1の検証構造を有する、前記取得することと、
前記第1のウェハが前記製造状態にあるとき、前記第1の検証構造に対応する第1の物理的測定値を取得することと、
第1の時刻に、前記第1のイメージを前記第1の基準イメージと比較することによって、前記第1のイメージが前記第1の基準イメージに合致すると判定することと、
前記第1の時刻の後の第2の時刻に、製造後状態の受け取ったウェハの検証構造に対応する電気的パラメータ測定値を取得することであって、前記製造後状態では、前記受け取ったウェハが、前記しきい数に等しい第2の数の製造層を有する、前記取得することと、
前記電気的パラメータ測定値に基づいて物理的パラメータ値を計算することと、
前記物理的パラメータ値を前記第1の物理的測定値と比較することによって検証応答を生成することと
を含むコンピュータ実装方法。
【請求項2】
前記物理的パラメータ値を前記第1の物理的測定値と比較することに基づいて、前記物理的パラメータ値が前記第1の物理的測定値に合致すると判定すること
をさらに含み、
前記物理的パラメータ値が前記第1の物理的測定値に合致すると判定したことに応答して、前記検証応答を生成することが、前記受け取ったウェハが前記製造後状態の前記第1のウェハであることを示すことを含み、
前記製造後状態では、前記第1のウェハが、前記しきい数に等しい前記第2の数の製造層を有する、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項3】
前記第1の検証構造が目標構成要素を備え、
前記第1の物理的測定値が、前記目標構成要素の物理的特性の測定値であり、
前記第1のウェハが前記製造状態にあるとき、前記目標構成要素が第1の可視性を有し、
前記第1のウェハが前記製造後状態にあるとき、前記目標構成要素が第2の可視性を有し、
前記第2の可視性が前記第1の可視性未満である、請求項2に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項4】
前記第1の物理的測定値が、絶縁体材料の厚さ、導体の幅、および第1の導体と第2の導体との間の距離からなるグループから選択される、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項5】
前記物理的パラメータ値を前記第1の物理的測定値と比較することに基づいて、前記物理的パラメータ値が前記第1の物理的測定値に合致しないと判定すること
をさらに含み、
前記物理的パラメータ値が前記第1の物理的測定値に合致しないと判定したことに応答して、前記検証応答を生成することが、前記受け取ったウェハが前記第1のウェハではないことを示すことを含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項6】
前記第1の基準イメージが、前記第1のウェハの第1の基準製造層を示し、
前記第1のイメージが、前記第1のウェハの第1の製造層を示し、
前記第1のイメージを前記第1の基準イメージと比較することが、前記第1の製造層を前記第1の基準製造層と比較することを含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項7】
前記製造状態の前記第1のウェハの第2のイメージを取得することであって、前記第2のイメージが、前記第1のウェハの前記第1の製造層および第2の製造層を示す、前記取得することと、
前記第1のウェハの第2の基準イメージを取得することであって、前記第2の基準イメージが、前記第1のウェハの前記第1の基準製造層および第2の基準製造層を示す、前記取得することと、
前記第2のイメージを前記第2の基準イメージと比較することによって、前記第2のイメージが前記第2の基準イメージに合致すると判定することと
をさらに含む、請求項6に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項8】
1つまたは複数のプロセッサと、
前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されるとき、前記1つまたは複数のプロセッサに、
第1のウェハの第1の基準イメージを取得することと、
製造状態の前記第1のウェハの第1のイメージを取得することであって、前記製造状態では、前記第1のウェハが、しきい数未満のいくつかの製造層を有し、前記第1のウェハが第1の検証構造を有する、前記取得することと、
前記第1のウェハが前記製造状態にあるとき、前記第1の検証構造に対応する第1の物理的測定値を取得することと、
第1の時刻に、前記第1のイメージを前記第1の基準イメージと比較することによって、前記第1のイメージが前記第1の基準イメージに合致すると判定することと、
前記第1の時刻の後の第2の時刻に、製造後状態の受け取ったウェハの検証構造に対応する電気的パラメータ測定値を取得することであって、前記製造後状態では、前記受け取ったウェハが、前記しきい数に等しい第2の数の製造層を有する、前記取得することと、
前記電気的パラメータ測定値に基づいて物理的パラメータ値を計算することと、
前記物理的パラメータ値を前記第1の物理的測定値と比較することによって検証応答を生成することと
を含む方法を実施させるように構成されるプログラム命令を記憶する1つまたは複数のコンピュータ可読記憶媒体と
を備えるシステム。
【請求項9】
前記方法が、
前記物理的パラメータ値を前記第1の物理的測定値と比較することに基づいて、前記物理的パラメータ値が前記第1の物理的測定値に合致すると判定すること
をさらに含み、
前記物理的パラメータ値が前記第1の物理的測定値に合致すると判定したことに応答して、前記検証応答を生成することが、前記受け取ったウェハが前記製造後状態の前記第1のウェハであることを示すことを含み、
前記製造後状態では、前記第1のウェハが、前記しきい数に等しい前記第2の数の製造層を有する、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1の検証構造が目標構成要素を備え、
前記第1の物理的測定値が、前記目標構成要素の物理的特性の測定値であり、
前記第1のウェハが前記製造状態にあるとき、前記目標構成要素が第1の可視性を有し、
前記第1のウェハが前記製造後状態にあるとき、前記目標構成要素が第2の可視性を有し、
前記第2の可視性が前記第1の可視性未満である、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1の物理的測定値が、絶縁体材料の厚さ、導体の幅、および第1の導体と第2の導体との間の距離からなるグループから選択される、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記方法が、
前記物理的パラメータ値を前記第1の物理的測定値と比較することに基づいて、前記物理的パラメータ値が前記第1の物理的測定値に合致しないと判定すること
をさらに含み、
前記物理的パラメータ値が前記第1の物理的測定値に合致しないと判定したことに応答して、前記検証応答を生成することが、前記受け取ったウェハが前記第1のウェハではないことを示すことを含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1の基準イメージが、前記第1のウェハの第1の基準製造層を示し、
前記第1のイメージが、前記第1のウェハの第1の製造層を示し、
前記第1のイメージを前記第1の基準イメージと比較することが、前記第1の製造層を前記第1の基準製造層と比較することを含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項14】
1つまたは複数のコンピュータ可読記憶媒体と、前記1つまたは複数のコンピュータ可読記憶媒体上に集合的に記憶されたプログラム命令とを含むコンピュータ・プログラム製品であって、前記プログラム命令が、1つまたは複数のプロセッサに、
第1のウェハの第1の基準イメージを取得することと、
製造状態の前記第1のウェハの第1のイメージを取得することであって、前記製造状態では、前記第1のウェハが、しきい数未満のいくつかの製造層を有し、前記第1のウェハが第1の検証構造を有する、前記取得することと、
前記第1のウェハが前記製造状態にあるとき、前記第1の検証構造に対応する第1の物理的測定値を取得することと、
第1の時刻に、前記第1のイメージを前記第1の基準イメージと比較することによって、前記第1のイメージが前記第1の基準イメージに合致すると判定することと、
前記第1の時刻の後の第2の時刻に、製造後状態の受け取ったウェハの検証構造に対応する電気的パラメータ測定値を取得することであって、前記製造後状態では、前記受け取ったウェハが、前記しきい数に等しい第2の数の製造層を有する、前記取得することと、
前記電気的パラメータ測定値に基づいて物理的パラメータ値を計算することと、
前記物理的パラメータ値を前記第1の物理的測定値と比較することによって検証応答を生成することと
を含む方法を実施させるように構成された命令を含む、コンピュータ・プログラム製品。
【請求項15】
前記方法が、
前記物理的パラメータ値を前記第1の物理的測定値と比較することに基づいて、前記物理的パラメータ値が前記第1の物理的測定値に合致すると判定すること
をさらに含み、
前記物理的パラメータ値が前記第1の物理的測定値に合致すると判定したことに応答して、前記検証応答を生成することが、前記受け取ったウェハが前記製造後状態の前記第1のウェハであることを示すことを含み、
前記製造後状態では、前記第1のウェハが、前記しきい数に等しい前記第2の数の製造層を有する、請求項14に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項16】
前記第1の検証構造が目標構成要素を備え、
前記第1の物理的測定値が、前記目標構成要素の物理的特性の測定値であり、
前記第1のウェハが前記製造状態にあるとき、前記目標構成要素が第1の可視性を有し、
前記第1のウェハが前記製造後状態にあるとき、前記目標構成要素が第2の可視性を有し、
前記第2の可視性が前記第1の可視性未満である、請求項15に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項17】
前記第1の物理的測定値が、絶縁体材料の厚さ、導体の幅、および第1の導体と第2の導体との間の距離からなるグループから選択される、請求項14に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項18】
前記方法が、
前記物理的パラメータ値を前記第1の物理的測定値と比較することに基づいて、前記物理的パラメータ値が前記第1の物理的測定値に合致しないと判定すること
をさらに含み、
前記物理的パラメータ値が前記第1の物理的測定値に合致しないと判定したことに応答して、前記検証応答を生成することが、前記受け取ったウェハが前記第1のウェハではないことを示すことを含む、請求項14に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項19】
前記第1の基準イメージが、前記第1のウェハの第1の基準製造層を示し、
前記第1のイメージが、前記第1のウェハの第1の製造層を示し、
前記第1のイメージを前記第1の基準イメージと比較することが、前記第1の製造層を前記第1の基準製造層と比較することを含む、請求項14に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項20】
コンピュータ実装方法であって、
製造状態の第1のウェハの第1の検証構造に対応する第1の物理的測定値を取得することであって、前記製造状態では、前記第1のウェハが、しきい数未満のいくつかの製造層を有する、前記取得することと、
製造後状態の受け取ったウェハの検証構造に対応する電気的パラメータ測定値を取得することであって、前記製造後状態では、前記受け取ったウェハが、前記しきい数に等しい第2の数の製造層を有する、前記取得することと、
前記電気的パラメータ測定値に基づいて物理的パラメータ値を計算することと、
前記物理的パラメータ値を前記第1の物理的測定値と比較することによって検証応答を生成することと
を含むコンピュータ実装方法。
【請求項21】
ウェハであって、前記ウェハの第1の領域内に第1の検証構造を有する、前記ウェハ
を備え、
前記第1の検証構造が第1の目標構成要素を備え、
前記第1の検証構造が、前記第1の目標構成要素の第1の物理的特性に対応する第1の測定可能電気的パラメータを有する、
デバイス。
【請求項22】
前記ウェハが第1の製造層および第2の製造層を備え、前記第2の製造層が前記第1の製造層の上に形成され、
前記第1の目標構成要素が前記第1の製造層内に含まれ、
前記第1の検証構造が第1の対のパッドをさらに備え、前記第1の対のパッドが前記第2の製造層内に含まれ、
前記第1の測定可能電気的パラメータが前記第1の対のパッドを通じて測定可能である、請求項21に記載のデバイス。
【請求項23】
前記ウェハが、前記ウェハの第2の領域内に第2の検証構造を有し、
前記第2の検証構造が第2の目標構成要素を備え、
前記第2の検証構造が、前記第2の目標構成要素の第2の物理的特性に対応する第2の測定可能電気的パラメータを有し、前記ウェハが第3の製造層をさらに備え、前記第3の製造層が前記第1の製造層の上に形成され、前記第2の製造層が前記第3の製造層の上に形成され、
前記第2の目標構成要素が前記第3の製造層内に含まれ、
前記第2の検証構造が第2の対のパッドをさらに備え、前記第2の対のパッドが前記第2の製造層内に含まれ、
前記第2の測定可能電気的パラメータが、前記第2の対のパッドを通じて測定可能である、請求項22に記載のデバイス。
【請求項24】
前記ウェハが、前記ウェハの第2の領域内に第2の検証構造を有し、
前記第2の検証構造が第2の目標構成要素を備え、
前記第2の検証構造が、前記第2の目標構成要素の第2の物理的特性に対応する第2の測定可能電気的パラメータを有する、請求項21に記載のデバイス。
【請求項25】
前記第1の目標構成要素が絶縁体であり、
前記第1の測定可能電気的パラメータがキャパシタンスであり、
前記第1の物理的特性が厚さであり、
前記第2の目標構成要素が導体であり、
前記第2の測定可能電気的パラメータが抵抗であり、
前記第2の物理的特性が幅である、請求項24に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はウェハ製造に関し、より詳細にはウェハ検査および検証に関する。
【背景技術】
【0002】
ウェハ製造は、ウェハ(たとえば、シリコン・ウェハ)上に様々な材料の層を形成して、ウェハ上に複数の電子回路を製造することを含み得る。ウェハはダイのセットに分離され得、ダイのそれぞれが、様々な電子デバイスに統合され得る。
【発明の概要】
【0003】
本開示の実施形態によれば、方法が、第1のウェハの第1の基準イメージを取得することを含み得る。方法は、製造状態(fabrication state)の第1のウェハの第1のイメージを取得することを含み得る。製造状態では、第1のウェハは、しきい数未満のいくつかの製造層を有し得る。第1のウェハは第1の検証構造を有し得る。方法は、第1のウェハが製造状態にあるとき、第1の物理的測定値を取得することを含み得る。第1の物理的測定値は第1の検証構造に対応し得る。方法は、第1の時刻に、第1のイメージを第1の基準イメージと比較することによって、第1のイメージが第1の基準イメージに合致すると判定することを含み得る。方法は、第1の時刻の後の第2の時刻に、電気的パラメータ測定値を取得することを含み得る。電気的パラメータ測定値は、製造後状態(post-fabrication state)の受け取ったウェハの検証構造に対応し得る。製造後状態では、受け取ったウェハは、しきい数に等しい第2の数の製造層を有し得る。方法は、電気的パラメータ測定値に基づいて物理的パラメータ値を計算することを含み得る。方法は、物理的パラメータ値を第1の物理的測定値と比較することによって検証応答を生成することを含み得る。
【0004】
上記の方法に対応するシステムおよびコンピュータ・プログラム製品も本明細書に含まれる。
【0005】
本開示の実施形態によれば、方法が、第1の物理的測定値を取得することを含み得る。第1の物理的測定値は、製造状態の第1のウェハの第1の検証構造に対応し得る。製造状態では、第1のウェハは、しきい数未満のいくつかの製造層を有し得る。方法は、電気的パラメータ測定値を取得することを含み得る。電気的パラメータ測定値は、製造後状態の受け取ったウェハの検証構造に対応し得る。製造後状態では、受け取ったウェハは、しきい数に等しい第2の数の製造層を有し得る。方法は、電気的パラメータ測定値に基づいて物理的パラメータ値を計算することを含み得る。方法は、物理的パラメータ値を第1の物理的測定値と比較することによって検証応答を生成することを含み得る。
【0006】
本開示の実施形態は、ウェハを有するデバイスとして示され得る。ウェハは、ウェハの第1の領域内に第1の検証構造を有し得る。第1の検証構造は第1の目標構成要素(target component)を含み得る。第1の検証構造は第1の測定可能電気的パラメータを有し得る。第1の測定可能電気的パラメータは、第1の目標構成要素の第1の物理的特性に対応し得る。
【0007】
上記の概要は、本開示のそれぞれの示される実施形態またはあらゆる実装を説明するためのものではない。
【0008】
本願に含まれる図面は、本明細書に組み込まれ、本明細書の部分を形成する。図面は、本開示の実施形態を図示し、説明と共に、本開示の原理を明らかにする働きをする。図面は、いくつかの実施形態の例に過ぎず、本開示を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の実施形態による、ウェハ検証システムを有する例示的コンピューティング環境を示す図である。
図2】本開示の実施形態による、ウェハ検査および検証を実施するための例示的方法のフローチャートを示す図である。
図3A】本開示の実施形態による例示的ウェハの上面図である。
図3B】本開示の実施形態による、第1の製造層をそれぞれ有する、図3Aのウェハの例示的ダイおよび対応する基準イメージの上面図である。
図3C】本開示の実施形態による、第1の製造層および第2の製造層をそれぞれ有する、図3Bの例示的ダイおよび対応する基準イメージの上面図である。
図3D】本開示の実施形態による、図3Aのウェハの領域内の例示的目標構成要素の断面図である。
図3E】本開示の実施形態による、図3Dの目標構成要素を含む例示的検証構造の断面図である。
図3F】本開示の実施形態による、図3Aのウェハの領域内の例示的目標構成要素の断面図である。
図3G】本開示の実施形態による、図3Fの目標構成要素を含む例示的検証構造の上面図である。
図3H】本開示の実施形態による、図3Aのウェハの領域内の例示的目標構成要素の断面図である。
図3I】本開示の実施形態による、図3Hの目標構成要素を含む例示的検証構造の上面図である。
図4】本開示の実施形態に従って使用され得るコンピュータ・システムの代表的な主要な構成要素を示す図である。
図5】本開示の実施形態によるクラウド・コンピューティング環境を示す図である。
図6】本開示の実施形態による抽象化モデル層を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明には、様々な修正形態および代替形態の余地があるが、本発明の詳細が、図面では例として示されており、詳細に説明されることになる。しかしながら、記載の特定の実施形態に本発明を限定する意図はないことを理解されたい。それどころか、本発明の思想および範囲の中に含まれるすべての修正形態、均等物、および代替形態を包含することが意図される。
【0011】
本開示の態様はウェハ製造に関し、より詳細には、態様はウェハ検査および検証に関する。本開示は必ずしもそのような適用分野に限定されないが、この文脈を用いる様々な例の議論を通じて本開示の様々な態様が理解され得る。
【0012】
ウェハ製造は、ウェハ(たとえば、シリコン・ウェハ)上に様々な材料の層を形成して、ウェハ上に複数の電子回路を製造することを含み得る。そのような層は、ウェハの各層についての詳細な仕様(たとえば、サイズ、形状、位置、または材料組成、あるいはその組合せ)を含む設計プランに従って形成され得る。いくつかの例では、設計実体(designing entity)が、そのような設計プランを製造のために製造実体に提出し得る。そのような提出は、1つまたは複数のセキュリティ・リスクを導入し得る。一例として、製造実体内の悪意のある行為者(malicious actor)が、潜在的に設計プランを修正して、機能を省略し、または電子回路のうちの1つまたは複数に機能を追加し得る。修正の結果、電子回路、またはその後で電子回路を含めるデバイス、あるいはその両方の損傷(compromise)、故障、または破壊、あるいはその組合せが生じ得る。したがって、詳細な仕様に従って各ウェハが製造されることを確認する効果的な手段を設計実体が有することが必須であり得る。
【0013】
そのような確認を得ることは課題を引き起こし得る。たとえば、回路設計は、多数の層およびフィーチャを含み得、したがってウェハ検査中に悪意のある設計修正を検出することが困難であり得る。さらに、いくつかのケースでは、悪意のある行為者が、検査に合格した本物のウェハを、修正されたウェハまたは本物でないウェハで置き換えることによって、検査手順を迂回しようと試み得る。
【0014】
これらおよび他の課題に対処するために、本開示の実施形態はウェハ検証システムを含む。いくつかの実施形態では、ウェハ検証システムが、製造中にウェハの層特有の検査を実施し得る。いくつかの実施形態では、そのような層特有の検査の後に、ウェハ検証システムは、完成したウェハが製造中に層特有の検査を受けたウェハであることを検証し得る。より具体的には、いくつかの実施形態では、層特有の検査を実施するために、ウェハ検証システムは、製造状態のウェハのイメージのセットを取得し得る。イメージは、1つまたは複数のパターン転写プロセスの後にウェハ上に形成された製造層を含み得る。こうした実施形態では、ウェハ検証システムは、イメージのセットを基準イメージのセットと比較することによって、ウェハの1つまたは複数の層が所定の仕様に従って形成されることを確認し得る。いくつかの実施形態では、ウェハ検証システムは、ウェハが製造状態にあるとき、ウェハの検証構造に対応する物理的測定値を取得し得る。こうした実施形態では、ウェハ検証システムは、受け取った、完成したウェハが、物理的測定値が取得された同一のウェハであることを検証し得る。いくつかの実施形態では、ウェハ検証システムは、物理的測定値を、検証構造に対応する、計算した物理的パラメータ値と比較することによって、そのような検証を実施し得る。いくつかの実施形態では、ウェハ検証システムは、複数のそのような物理的測定値を、ウェハのそれぞれの検証構造に対応する複数の計算した物理的パラメータ値と比較することによって、そのような検証を実施し得る。
【0015】
したがって、本開示の実施形態は、ウェハの完全で正確な検査または検証あるいはその両方を実施し得る。ウェハの複数の製造層のイメージを比較することにより、本開示の実施形態は、層特有のレベルで、所定のウェハ仕様からの逸脱を識別し得る。したがって、本開示の実施形態は、ウェハに対する設計修正を検出する可能性の向上を実現し得る。1つまたは複数の検証構造の測定値に基づいてウェハを検証/認証し得る本開示の実施形態は、いくつかの利点をもたらし得る。たとえば、第1のウェハの検証構造が、第1のウェハについての固有の物理的測定値を与え得る。したがって、本開示の実施形態は、固有の物理的測定値に基づいて第1のウェハを検証し、かつ/または第1のウェハを異なる第2のウェハと区別し得る。さらに、本開示の実施形態は、複数のウェハ位置に複数の検証構造を含み得、各検証構造はそのような固有の物理的測定値を与え得る。したがって、検証構造、検証構造の位置、または検証構造が与え得る固有の物理的測定値、あるいはその組合せは、実質的にウェハについてのフィンガープリントとして働き得る。本開示の実施形態は、そのようなフィンガープリントに基づいてウェハを識別し、かつ/または区別し得る。したがって、本開示の実施形態は、修正されたウェハまたは本物でないウェハが本物のウェハとしていつ提示されたかを検出するのを支援し得る。
【0016】
図を参照すると、図1は、ウェハ検証システム105、パターニング・デバイス125、測定デバイス135、イメージ取込みデバイス140、コンピューティング・デバイス145、またはネットワーク150、あるいはその組合せのそれぞれのうちの1つまたは複数を含むコンピューティング環境100を示す。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのウェハ検証システム105、パターニング・デバイス125、測定デバイス135、イメージ取込みデバイス140、またはコンピューティング・デバイス145、あるいはその組合せは、少なくとも1つのネットワーク150を通じて少なくとも互いにデータを交換し得る。ウェハ検証システム105、パターニング・デバイス125、測定デバイス135、イメージ取込みデバイス140、コンピューティング・デバイス145、またはネットワーク150、あるいはその組合せのそれぞれのうちの1つまたは複数は、図4に関連して論じられるコンピュータ・システム401などのコンピュータ・システムを含み得る。
【0017】
いくつかの実施形態では、ウェハ検証システム105は、パターニング・デバイス125、測定デバイス135、イメージ取込みデバイス140、またはコンピューティング・デバイス145、あるいはその組合せのうちの少なくとも1つのコンピュータ・システム上にインストールされたソフトウェア内に含まれ得る。たとえば、いくつかの実施形態では、ウェハ検証システム105は、パターニング・デバイス125上にインストールされたソフトウェアのプラグイン・ソフトウェア構成要素として含まれ得る。ウェハ検証システム105は、図2に関連して論じられる1つまたは複数の動作を実施するように、コンピューティング・デバイス145のプロセッサなどのプロセッサによって実装されるプログラム命令を含み得る。
【0018】
いくつかの実施形態では、ウェハ検証システム105は、データ・マネージャ110、イメージ・アナライザ115、またはデバイス・マネージャ120、あるいはその組合せなどの1つまたは複数のモジュールを含み得る。いくつかの実施形態では、データ・マネージャ110、イメージ・アナライザ115、またはデバイス・マネージャ120、あるいはその組合せが、単一のモジュールに統合され得る。いくつかの実施形態では、データ・マネージャ110は、ウェハ130についての基準データなどのデータを取得し、解釈し、解析し、記憶し、かつ/またはデータの記憶を開始し得る。いくつかの実施形態では、イメージ・アナライザ115は、ウェハ130のイメージを取得し、解析し得る。いくつかの実施形態では、イメージ・アナライザ115は、ウェハ130のイメージとウェハ130の基準イメージとの間の合致を識別するために、ニューラル・ネットワークまたはイメージ解析ソフトウェアあるいはその両方のセットを含み得る。いくつかの実施形態では、デバイス・マネージャ120は、1つまたは複数のパターニング・デバイス125、測定デバイス135、イメージ取込みデバイス140、またはコンピューティング・デバイス145、あるいはその組合せにコマンドを送信し得る。たとえば、いくつかの実施形態では、デバイス・マネージャ120は、測定デバイス135にコマンドを送信して、受け取ったウェハの電気的パラメータ測定値を取得し得る。いくつかの実施形態では、データ・マネージャ110、イメージ・アナライザ115、またはデバイス・マネージャ120、あるいはその組合せのうちの1つまたは複数は、図2に関連して論じられる1つまたは複数の動作を実施するように、コンピューティング・デバイス145のプロセッサなどのプロセッサによって実装されるプログラム命令を含み得る。たとえば、いくつかの実施形態では、データ・マネージャ110は、図2の動作205および240~255を実施するためのプログラム命令を含み得る。いくつかの実施形態ではイメージ・アナライザ115は、図2の動作210および220~230を実施するためのプログラム命令を含み得る。いくつかの実施形態では、デバイス・マネージャ120は、図2の動作215および235を実施するためのプログラム命令を含み得る。
【0019】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のパターニング・デバイス125は、フォトリソグラフィ、エッチング、堆積などのプロセスを実施して、ウェハ130上に製造層を形成するように構成された機械または機器あるいはその両方のセットを含み得る。ウェハ130は、電子回路のセットが形成され得る基板を指すことがある。いくつかの実施形態では、ウェハ130は、シリコンなどの半導体材料から構成され得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の測定デバイス135は、ウェハ130の物理的測定値または電気的パラメータ測定値あるいはその両方を取得するように構成された機械または機器あるいはその両方のセットを含み得る。たとえば、いくつかの実施形態では、1つまたは複数の測定デバイス135は、ウェハ130上に形成された材料の厚さを測定するように構成された精密エリプソメータ(precision ellipsometer)を含み得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の測定デバイス135は、ウェハ130上の相異なる製造レベルまたは同一の製造レベルで印刷された形状間のレジストレーション精度(registration accuracy)を測定するように構成され得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の測定デバイス135は、ウェハ130に関連する寸法を測定するように構成された走査電子顕微鏡を含み得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の測定デバイスは、ウェハ130の電気的パラメータ測定値を取得するように構成された精密マルチメータを含み得る。
【0021】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のイメージ取込みデバイス140は、カメラ、走査電子顕微鏡などを含み得る。1つまたは複数のイメージ取込みデバイスは、ウェハ130のイメージのセットを取り込むように構成され得る。いくつかの実施形態では、イメージのセットは、ウェハ130の1つまたは複数の領域または製造層あるいはその両方のイメージを含み得る。いくつかの実施形態では、パターニング・デバイス125、測定デバイス135、またはイメージ取込みデバイス140、あるいはその組合せが、単一のデバイスに統合され得る。
【0022】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のコンピューティング・デバイス145はコンピュータまたはサーバを含み得る。たとえば、いくつかの実施形態では、1つまたは複数のコンピューティング・デバイス145は、パターニング・デバイス125を操作する、製造施設などの実体のコンピュータを含み得る。1つまたは複数のコンピューティング・デバイス145は、ウェハ130の1つまたは複数のしきい値、測定値、またはイメージ、あるいはその組合せなどのデータを記憶し、かつ/または処理するように構成され得る。いくつかの実施形態では、ネットワーク180は、広域ネットワーク(WAN)、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、インターネット、またはイントラネットであり得る。いくつかの実施形態では、ネットワーク180は、図5に関連して論じられるクラウド・コンピューティング環境50とほぼ同様であり、または同一であり得る。
【0023】
図2は、本開示の実施形態による、ウェハ検査および検証を実施するための例示的方法200のフローチャートを示す。方法200は、図1に関連して論じられるウェハ検証システム105などのウェハ検証システムによって実施され得る。
【0024】
動作205では、ウェハ検証システムは、1つまたは複数のウェハについての基準データを取得し得る。基準データは、1つまたは複数のウェハの製造に関する情報を含み得る。たとえば、いくつかの実施形態では、基準データは、1つまたは複数のウェハを製造するための設計仕様を含み得る。そのような仕様は、1つまたは複数のウェハ上に電子回路を形成するためのトレンチ、リード(lead)、導体(conductor)、絶縁体、ピラー、または層、あるいはその組合せなどのフィーチャに関連するサイズ、形状、パターン、位置、向き、または材料、あるいはその組合せなどの情報を含み得る。いくつかの実施形態では、基準データは、基準イメージのセット(たとえば、デジタル写真、走査電子顕微鏡イメージなど)を含み得る。いくつかの実施形態では、基準イメージのセットは、ウェハの電子モデルからのイメージ(たとえば、ウェハのコンピュータ支援設計図面のセット)を含み得る。基準イメージのセットは、ウェハの適切な製造特性、すなわちウェハの設計仕様に従って製造されたウェハの特性を示し得る。たとえば、基準イメージは、ウェハについてのトレンチ、リード、導体、絶縁体、ピラー、または層、あるいはその組合せなどのフィーチャの適切なサイズ、形状、パターン、位置、向き、または材料、あるいはその組合せなどの特性を示し得る。以下でさらに詳細に論じられるように、ウェハ検証システムは、そのような基準イメージを利用して、ウェハ製造中に生じる設計仕様からの逸脱を識別し得る。
【0025】
いくつかの実施形態では、基準イメージのセットは、1つまたは複数のパターン転写プロセスの後のウェハのイメージを含み得る。たとえば、いくつかの実施形態では、設計仕様は、ウェハ上にしきい数の製造層を形成するために、複数のパターン転写プロセス(たとえば、エッチング、堆積、またはドーピング・プロセス、あるいはその組合せ)を含み得る。この例では、パターン転写プロセスは、ウェハ上に合計50個の製造層を形成し得る。この例では、基準イメージのセットは、それぞれのパターン転写プロセスから形成された50個の製造層のうちの1つまたは複数のイメージを含み得る。一例として、基準イメージのセットは、ウェハをエッチングした後に形成された第1のウェハ層のイメージと、後続のウェハ上への材料の堆積後に形成された第2のウェハ層のイメージとを含み得る。いくつかの実施形態では、基準イメージのセットは、ウェハの各製造層についての1つまたは複数のイメージを含み得る。いくつかの実施形態では、基準イメージのセットは、ウェハの所定の製造層の1つまたは複数のイメージ(たとえば、合計10個の製造層を有するウェハの第1、第3、および第7の製造層のイメージ)を含み得る。いくつかの実施形態では、基準イメージのセットは、ウェハの表面全体のイメージ、またはウェハの所定の領域のイメージ、あるいはその両方を含み得る。いくつかの実施形態では、そのような所定の製造層または所定の領域あるいはその両方は、ウェハ検証システムのプログラマやオペレータなどの実体によって、またはウェハ検証システム自体によって選択され得る(たとえば、ウェハ検証システムは、基準イメージのセット内にそのイメージが含まれ得る製造層または領域あるいはその両方をランダムに選択し得る)。
【0026】
動作210では、ウェハ検証システムは、製造状態のウェハの1つまたは複数のイメージを取得し得る。ウェハが製造状態にあるとき、ウェハは、しきい数の層未満のいくつかの製造層を有し得る。いくつかの実施形態では、しきい数の層は、完成したウェハ(たとえば、すべてのパターン転写プロセスを完了したウェハ)に関連する製造層の総数であり得る。たとえば、いくつかの実施形態では、複数のパターン転写プロセスが、ウェハ上に合計25個の製造層、または製造レベルを形成し得る。この例では、ウェハが第1の製造層、第2の製造層、第3の製造層などを有するとき、すべての25個の製造層がウェハ上に形成されるまで、ウェハは製造状態にある。いくつかの実施形態では、完成したウェハに関連する製造層のしきい数に等しい数の製造層をウェハが有するとき、ウェハは製造後状態にあり得る。したがって、上記の例では、ウェハが合計25個の製造層を有するとき、ウェハは製造後状態にあり得る。
【0027】
いくつかの実施形態では、動作210は、ウェハ検証システムがウェハの1つまたは複数の製造層のイメージのセットを取得することを含み得る。イメージのセットは、ウェハの実際の製造特性を示し得る。たとえば、イメージは、ウェハについてのトレンチ、リード、導体、絶縁体、ピラー、または層、あるいはその組合せなどのフィーチャの実際のサイズ、形状、パターン、位置、向き、または材料、あるいはその組合せなどの特性を示し得る。そのような特性は、ウェハについての設計仕様に従ったものであり、またはそうでないことがある。いくつかの実施形態では、イメージのセットは、ウェハの表面全体のイメージ、またはウェハの所定の領域のイメージ、あるいはその両方を含み得る。いくつかの実施形態では、そのような所定の製造層または所定の領域あるいはその両方は、ウェハ検証システムのプログラマやオペレータなどの実体によって、またはウェハ検証システム自体によって選択され得る(たとえば、ウェハ検証システムは、イメージのセット内にそのイメージが含まれ得る製造層または領域あるいはその両方をランダムに選択し得る)。
【0028】
いくつかの実施形態では、動作210は、ウェハ検証システムがイメージ取込みデバイス(たとえば、図1のイメージ取込みデバイス140)からイメージのセットを取得することを含み得る。いくつかの実施形態では、動作210は、ウェハ検証システムが、ウェハの1つまたは複数のイメージを取り込むように1つまたは複数のイメージ取込みデバイスに命令することを含み得る。たとえば、いくつかの実施形態では、ウェハ検証システムは、ウェハの第1の領域のイメージを取り込むようにデジタル・カメラに命令し、ウェハの10個の異なる領域の10個のイメージを取り込むように走査電子顕微鏡に命令し得る。いくつかの実施形態では、ウェハ検証システムは、パターニング・デバイス(たとえば、図1のパターニング・デバイス125)からイメージのセットを取得し得る。いくつかの実施形態では、ウェハ検証システムは、コンピューティング・デバイス(たとえば、図1のコンピューティング・デバイス145)上に記憶されたイメージのセットを取得し得る。
【0029】
動作215では、ウェハ検証システムは、製造状態のウェハの物理的測定値データを取得し得る。物理的測定値データは、ウェハの少なくとも1つの物理的特性の測定値を含み得る。いくつかの実施形態では、ウェハが製造状態にあるとき、そのような物理的特性は、距離(たとえば、長さ、幅、高さ、または厚さ、あるいはその組合せ)などの視覚的に知覚され得る特性を含み得る。たとえば、いくつかの実施形態では、ウェハが製造状態にあるとき、製造層上に形成された導体の幅が視覚的に知覚され得るが、後続の製造層によって導体が遮られ得、したがって製造後状態では導体がより目に見えにくい(たとえば、見えない)。したがって、いくつかの実施形態では、ウェハが製造状態にあるとき、光学的測定デバイスが導体の幅を測定し得るが、ウェハが製造後状態にあるとき、導体の可視性(visibility)が低下するために、そのような幅を測定することが妨げられ得る。
【0030】
いくつかの実施形態では、測定される物理的特性は、検証構造の目標構成要素に対応し得る。検証構造は、製造後状態のウェハの構造を指すことがある。そのような検証構造は、目標構成要素の物理的特性に対応する測定可能電気的パラメータを提供するように構成され得る。たとえば、上記の例を続けると、検証構造は、ウェハの第5の製造層上に形成された導体と、ウェハの50番目の最終製造層上に形成された1対の導電性プローブ・パッド(probe pad)とを含み得る。この例では、導体は検証構造の目標構成要素であり得る。目標構成要素として、導体は、測定可能電気的パラメータ(たとえば、抵抗)に対応する物理的特性(この例では、幅)を有し得る。測定可能電気的パラメータは、ウェハの50番目の製造層上に形成されたその1対の導電性プローブ・パッドにわたって測定され得る(この態様は、動作235に関連して以下でさらに論じられる)。この例を続けると、動作215は、導体が第5の製造層上に形成された後、かつ導体の可視性が後続の製造層によって妨げられる前に、ウェハ検証システムが導体の幅測定値を取得することを含み得る。
【0031】
いくつかの実施形態では、ウェハ上に形成された電子回路の機能するフィーチャ(operative feature)(たとえば、トレンチ、リード、導体、絶縁体、またはピラー、あるいはその組合せ)は、検証構造の構成要素(たとえば、目標構成要素)であり得る。こうした実施形態では、検証構造は電子回路の設計に統合され得る。いくつかの実施形態では、検証構造は電子回路の設計とは無関係であり得、本開示で論じられるようにもっぱら検証のために機能し得る。たとえば、いくつかの実施形態では、検証構造は、ウェハ上に形成されたコンピュータ・チップの動作性能に寄与しないことがあり、むしろ、ウェハが製造後状態にあるとき、ウェハが本物であることをもっぱら検証するために機能し得る。
【0032】
いくつかの実施形態では、動作215は、ウェハ検証システムが測定デバイス(たとえば、図1の測定デバイス135)から物理的測定値データを取得することを含み得る。いくつかの実施形態では、動作215は、ウェハ検証システムが、ウェハから物理的測定値データを取得するように1つまたは複数の測定デバイスに命令することを含み得る。いくつかの実施形態では、イメージ取込みデバイス(たとえば、図1のイメージ取込みデバイス140)またはパターニング・デバイス(たとえば、図1のパターニング・デバイス135)あるいはその両方が、ウェハから物理的測定値データを取得するように構成され得る。こうした実施形態では、動作215は、ウェハ検証システムがイメージ取込みデバイスまたはパターニング・デバイスあるいはその両方から物理的測定値データを取得することを含み得る。いくつかの実施形態では、動作215は、ウェハ検証システムが、ウェハから物理的測定値データを取得するように1つまたは複数のイメージ取込みデバイスまたはパターニング・デバイスあるいはその両方に命令することを含み得る。
【0033】
動作215で物理的測定値データを取得することにより、ウェハ検証システムは、ウェハの1つまたは複数の製造層からウェハの固有の物理的測定値のセットを取得し得る。たとえば、いくつかの実施形態では、動作215は、ウェハ検証システムが、ウェハの第2の製造層上の第1の目標構成要素の第1の物理的測定値を取得することを含み得る。この例では、第1の物理的測定値が精密に測定され得る(たとえば、第1の物理的測定値はナノメートルのオーダで測定され得る)。したがって、第1の物理的測定値は、異なるウェハがそれぞれの対応する第1の目標構成要素について同一の物理的測定値を与える可能性が低くなり得るという点で固有であり得る。この例を続けると、動作215は、ウェハ検証システムが、ウェハの第10の製造層上の第2の目標構成要素の第2の物理的測定値を取得することをさらに含み得る。したがって、この例では、物理的測定値(すなわち、第1の物理的測定値および第2の物理的測定値)のセットは、異なるウェハがそれぞれの第1の目標構成要素および第2の目標構成要素について物理的測定値の同一のセットを与える可能性が低くなり得るという点で固有であり得る。したがって、いくつかの実施形態では、動作215で取得された物理的測定値データは、実質的に、ウェハを識別し、かつ/またはウェハを区別するのを容易にし得るフィンガープリントとして働き得る。そのような識別または区別あるいはその両方は、動作245に関連して以下でさらに論じられる。
【0034】
動作220では、ウェハ検証システムは、動作210で取得されたウェハの1つまたは複数のイメージを、動作205で取得されたウェハの1つまたは複数の対応する基準イメージと比較し、1つまたは複数の合致が存在するかどうかを判定し得る。いくつかの実施形態では、イメージの特性が、対応する基準イメージの特性に対するしきい類似度(threshold degree of similarity)を有するとき、ウェハ検証システムは、ウェハのイメージが、ウェハの対応する基準イメージと合致すると判定し得る。たとえば、いくつかの実施形態では、ウェハについてのトレンチ、リード、導体、絶縁体、ピラー、または層、あるいはその組合せなどのフィーチャの示されるサイズ、形状、量、パターン、位置、向き、または材料、あるいはその組合せが、ウェハのイメージとウェハの対応する基準イメージとの間のしきい類似度を有するとき、ウェハ検証システムは、合致が存在すると判定し得る。より具体的な例では、ウェハのイメージで示される導体の第1の配向角(orientation angle)と、ウェハの基準イメージで示される対応する導体の第2の配向角との間の百分率誤差がしきい値1%を超えないとき、ウェハ検証システムは、第1の配向角が第2の配向角に合致すると判定し得る。いくつかの実施形態では、そのようなしきい類似度が、ウェハ検証システムのプログラマやオペレータなどの実体によって、またはウェハ検証システム自体によって選択され得る。いくつかの実施形態では、動作220は、ウェハ検証システムが、イメージ解析技術またはニューラル・ネットワークのセットあるいはその両方を利用して、ウェハの1つまたは複数のイメージと、ウェハの1つまたは複数の基準イメージとの間の1つまたは複数の合致を識別することを含み得る。ウェハの1つまたは複数のイメージがウェハの1つまたは複数の対応する基準イメージに合致するとウェハ検証システムが判定した場合、ウェハ検証システムは動作230に進み得る。あるいは、ウェハの1つまたは複数のイメージがウェハの1つまたは複数の対応する基準イメージに合致しないとウェハ検証システムが判定した場合、ウェハ検証システムは動作225に進み得る。
【0035】
動作225では、ウェハ検証システムは、動作210で取得されたウェハの1つまたは複数のイメージがウェハの1つまたは複数の対応する基準イメージに合致しないことを示す通知を開始し得る。いくつかの実施形態では、合致しないイメージは、ウェハが悪意のある設計修正を含むことを示し得る。いくつかの実施形態では、そのような通知は、ウェハの1つまたは複数の製造層がウェハについての所定の仕様に従って形成されないことを示し得る。いくつかの実施形態では、動作225は、ウェハ検証システムが英数字テキスト・メッセージ、可聴警報(audible alert)、または視覚警報、あるいはその組合せを生成することを含み得る。いくつかの実施形態では、動作225は、ウェハ検証システムが、そのようなテキスト・メッセージまたは警報あるいはその両方を生成し、かつ/または発行するように、コンピューティング・デバイスなどのデバイスにコマンドを発行することを含み得る。
【0036】
動作230では、ウェハ検証システムは、しきい数の製造層がウェハ上に形成されたかどうかを判定し得る。製造層のしきい数は、完成したウェハ(たとえば、すべてのパターン転写プロセスを完了したウェハ)に関連する製造層の総数であり得る。いくつかの実施形態では、動作230は、ウェハ検証システムがウェハの基準データまたはイメージあるいはその両方を解析して、ウェハが製造状態にあるかどうかを判定することを含み得る。たとえば、いくつかの実施形態では、ウェハ検証システムは、ウェハのイメージと製造後状態のウェハの基準イメージとの間の違いを識別することによってウェハが製造状態にあると判定し得る。この例では、そのような違いは、ウェハがしきい数の製造層を有する前にウェハ上に1つまたは複数の製造層を形成すべきであることを示し得る。いくつかの実施形態では、動作230は、ウェハ検証システムが、パターニング・デバイス(たとえば、図1のパターニング・デバイス125)やコンピューティング・デバイス(たとえば、図1のコンピューティング・デバイス145)などのデバイスから、ウェハ上に形成されるべき追加の層に関する情報を取得することを含み得る。そのような情報に基づいて、ウェハ検証システムは、しきい数の製造層がウェハ上に形成されたかどうかを判定し得る。しきい数の製造層がウェハ上に形成されたとウェハ検証システムが判定した場合、ウェハ検証システムは動作235に進み得る。あるいは、しきい数の製造層がウェハ上に形成されないとウェハ検証システムが判定した場合、ウェハ検証システムは動作210に進み得る。
【0037】
動作235では、ウェハ検証システムは、受け取ったウェハについての電気的パラメータ測定値のセットを取得し得る。「受け取ったウェハ」とは、検証または認証されるべき製造後状態のウェハを指すことがある。いくつかの実施形態では、受け取ったウェハは、受け取ったウェハから電気的パラメータ測定値のセットを取得し、そのような測定値をウェハ検証システムに送信し得る測定デバイス(たとえば、図1の測定デバイス135)によって受け取られ得る。いくつかの実施形態では、受け取ったウェハを検証することは、受け取ったウェハを、動作220で検査されたウェハとして識別することを含み得る。いくつかの実施形態では、受け取ったウェハを検証することは、受け取ったウェハを、動作220で検査されたウェハと区別することを含み得る。以下で論じられるように、ウェハ検証システムは、電気的パラメータ測定値のセットを使用して、受け取ったウェハを検証し得る。
【0038】
例示的シナリオでは、第1の時刻に、ウェハ検証システムは、動作220に関連して論じられたように、イメージ比較によって第1のウェハを検査し得る。さらに第1の時刻に、ウェハ検証システムは、動作215に関連して論じられたように、検証構造に対応する物理的測定値を取得し得る。この例を続けると、第1の時刻の後の第2の時刻に、測定デバイスが、検証されるべきウェハを受け取り得る。測定デバイスは、受け取ったウェハ上の検証構造の電気的パラメータ(たとえば、キャパシタンス、抵抗、電流など)を測定し得る。その後で、動作235では、ウェハ検証システムは、測定デバイスから電気的パラメータ測定値を取得し得る。
【0039】
動作240では、ウェハ検証システムは、動作235で取得された電気的パラメータ測定値のセットに基づいて、物理的パラメータ値のセットを計算し得る。いくつかの実施形態では、動作240で計算された物理的パラメータ値は、目標構造の物理的測定値に対応し得る。たとえば、いくつかの実施形態では、動作235は、ウェハ検証システムが、受け取ったウェハの検証構造のキャパシタンス測定値を取得することを含み得る。この例では、キャパシタンス測定値は、検証構造の電気的絶縁体の厚さに対応し得る。したがって、この例では、動作240は、ウェハ検証システムが既知の科学的原理を利用して電気的絶縁体の厚さを計算することを含み得る。
【0040】
動作245では、ウェハ検証システムは、動作240で計算された1つまたは複数の物理的パラメータ値を、動作215で取得された1つまたは複数の物理的測定値と比較して、1つまたは複数の合致が存在するかどうかを判定する。合致の存在は、受け取ったウェハが、動作215でウェハ検証システムによって取得された物理的測定値を有したことを検証し得る。したがって、合致の存在は、受け取ったウェハが、動作220でウェハ検証システムによって検査されたことを示し得る。合致の欠如は、受け取ったウェハが、動作215でウェハ検証システムによって取得された物理的測定値を有さなかったことを示し得る。したがって、合致の欠如は、受け取ったウェハが、動作220でウェハ検証システムによって検査されなかったことを示し得る。物理的パラメータ値のうちの1つまたは複数が物理的測定値のうちの1つまたは複数に合致するとウェハ検証システムが判定した場合、ウェハ検証システムは動作250に進み得る。あるいは、物理的パラメータ値のうちの1つまたは複数が物理的測定値のうちの1つまたは複数に合致しないとウェハ検証システムが判定した場合、ウェハ検証システムは動作255に進み得る。
【0041】
動作250では、ウェハ検証システムは合致検証応答(match verification response)を生成し得る。合致検証応答は、受け取ったウェハが、動作220でウェハ検証システムによって検査されたウェハであることを示し得る。いくつかの実施形態では、動作250は、ウェハ検証システムが英数字テキスト・メッセージ、可聴警報、または視覚警報、あるいはその組合せを生成して、合致を示すことを含み得る。いくつかの実施形態では、動作250は、ウェハ検証システムが、そのようなテキスト・メッセージまたは警報あるいはその両方を生成し、かつ/または発行するように、コンピューティング・デバイスなどのデバイスにコマンドを発行することを含み得る。
【0042】
動作255では、ウェハ検証システムは非合致検証応答(no-match verification response)を生成し得る。非合致検証応答は、受け取ったウェハが、動作220でウェハ検証システムによって検査されたウェハではないことを示し得る。いくつかの実施形態では、動作255は、ウェハ検証システムが英数字テキスト・メッセージ、可聴警報、または視覚警報、あるいはその組合せを生成して、合致の欠如を示すことを含み得る。いくつかの実施形態では、動作255は、ウェハ検証システムが、そのようなテキスト・メッセージまたは警報あるいはその両方を生成し、かつ/または発行するように、コンピューティング・デバイスなどのデバイスにコマンドを発行することを含み得る。
【0043】
図3Aは、本開示の実施形態による例示的ウェハ300の上面図を示す。ウェハ300はダイ301、304、308、312を含む。ダイ301は、ウェハ300の第1の領域302内に配置される。ダイ312は、図3Dおよび3Eに関連して論じられる検証構造が配置される第2の領域314を含む。ダイ308は、図3Fおよび3Gに関連して論じられる検証構造が配置される第3の領域310を含む。ダイ304は、図3Hおよび3Iに関連して論じられる検証構造が配置される第4の領域306を含む。
【0044】
図3Bは、ダイ301のイメージ316と、ダイ301に対応する基準イメージ318とを示す。イメージ316は、図2の動作210でウェハ検証システムによって取得され得る。基準イメージ318は、図2の動作205でウェハ検証システムによって取得され得る。イメージ316と基準イメージ318はどちらも、製造状態のウェハ300の領域302を示す。イメージ316は、ウェハ300上に形成された第1の製造層の導体320のセットを示す。いくつかの実施形態では、導体320は、電子回路設計の機能するフィーチャであり得る。基準イメージ318は、ウェハ300の第1の基準製造層の基準導体322のセットを示す。基準導体322は、導体320のセットについての適切な特性を示し得る。たとえば、基準導体322は、ウェハ300についての設計仕様に適合するサイズを有し得る。したがって、この例では、ウェハ検証システムは、イメージ316を基準イメージ318と比較して、イメージが合致すると判定し得る。この例では、ウェハ検証システムは、導体320のサイズと基準導体322のサイズとの間の百分率誤差がしきい値5%を超えないことに基づいて、そのような合致を判定し得る。
【0045】
図3Cは、イメージ316および基準イメージ318にそれぞれ対応するイメージ324および基準イメージ326を示す。イメージ324は、図2の動作210でウェハ検証システムによって取得され得る。基準イメージ326は、図2の動作205でウェハ検証システムによって取得され得る。イメージ324は、第2の製造層の導体328、330のセットがウェハ300上に形成された後のウェハ300の領域302を示す。いくつかの実施形態では、導体328は、電子回路設計の機能するフィーチャであり得る。基準イメージ326は、ウェハ300の第2の基準製造層の基準導体332、334のセットを示す。基準導体322と同様に、基準導体332、334は、導体328、330のセットについての適切な特性を示し得る。たとえば、基準導体332、334は、ウェハ300についての設計仕様に適合する長さを有し得る。したがって、この例では、ウェハ検証システムは、イメージ324を基準イメージ326と比較して、イメージが合致しないと判定し得る。この例では、ウェハ検証システムは、導体330の長さと基準導体334の長さとの間の百分率誤差がしきい値2%を超えることに基づいて、合致の欠如を判定し得る。この例では、合致しないイメージは、ウェハ300がウェハ300の第2の製造層に対する悪意のある設計修正を有することを示し得る。
【0046】
図3Dは、本開示の実施形態による、ウェハ300の領域314内の例示的目標構成要素338の断面図を示す。目標構成要素338は、ウェハ300の導電層340上に形成された絶縁体であり得る。図3Dでは、ウェハ300は製造状態にあり、したがって目標構成要素338は、後続の製造層によって遮られない頂面350を有し得る。目標構成要素338の頂面350が遮られないので、ウェハ検証システムは、目標構成要素338の物理的測定値(たとえば、厚さ測定値)を取得し得る。ウェハ検証システムは、図2の動作215に関連して説明されたように、物理的測定値を取得し得る。いくつかの実施形態では、ウェハ検証システムは、エリプソメータを利用して物理的測定値を取得し得る。
【0047】
図3Eは、本開示の実施形態による、目標構成要素338を含む例示的検証構造342の断面図である。図3Eでは、ウェハ300は製造後状態にある。したがって、検証構造342は、導電層340上に形成された目標構成要素338、ならびに導体344、およびプローブ・パッド348、346を含む。プローブ・パッド348、346は、目標構成要素338を含む製造層の上に形成される製造層内に含まれる。さらに、ウェハ300が製造後状態にあるとき、目標構成要素338の頂面350が遮られ得、したがって、エリプソメータなどのデバイスによる目標構成要素338の物理的測定値が利用可能ではないことがある。しかしながら、検証構造342は、電気的パラメータ測定値(たとえば、プローブ・パッド348と346との間のキャパシタンス)を与えるように構成され得る。既知の科学的原理を利用することにより、ウェハ検証システムは、図2の動作240に関連して説明されたように、そのようなキャパシタンスに基づいて、目標構成要素338の厚さを計算し得る。計算された厚さを使用して、ウェハ検証システムは、図2の動作245に関連して説明されたように、ウェハを検証し得る。
【0048】
図3Fは、本開示の実施形態による、ウェハ300の領域310内の例示的目標構成要素356の断面図を示す。目標構成要素356は、ウェハ300の絶縁体358上に形成された導体であり得る。図3Fでは、ウェハ300は製造状態にあり、したがって目標構成要素356は、目に見える頂面354を有し得る。頂面354は目に見えるので、ウェハ検証システムは、目標構成要素356の物理的測定値(たとえば、幅363)を取得し得る。
【0049】
図3Gは、本開示の実施形態による、目標構成要素356を含む例示的検証構造360の上面図を示す。図3Gでは、ウェハ300は製造後状態にある。したがって、目標構成要素356は、目に見えない絶縁体358の後続の層によって覆われる。この例では、検証構造360は、電気的パラメータ測定値(たとえば、プローブ・パッド362と364との間の抵抗)を与えるように構成され得る。既知の科学的原理を利用することにより、ウェハ検証システムは、図2の動作240に関連して説明されたように、そのような抵抗に基づいて目標構成要素356の幅363を計算し得る。計算された幅363を使用して、ウェハ検証システムは、図2の動作245に関連して説明されたように、ウェハを検証し得る。
【0050】
図3Hは、本開示の実施形態による、ウェハ300の領域306内の例示的目標構成要素378の断面図を示す。目標構成要素378は、第1の導体372と第2の導体368との間の絶縁体370の幅であり得る。図3Hでは、ウェハ300は製造状態にあり、したがって1つまたは複数のパターン転写プロセスの間、目標構成要素378は目に見えていた可能性がある。したがって、ウェハ検証システムは、目標構成要素378幅を物理的測定値として取得し得る。
【0051】
図3Iは、本開示の実施形態による、目標構成要素378を含む例示的検証構造374の上面図を示す。図3Iでは、ウェハ300は製造後状態にあり、したがって目標構成要素378は、後続の絶縁体370の層のために目に見えない。この例では、検証構造374は、電気的パラメータ測定値(たとえば、プローブ・パッド366と376との間の漏れ電流またはキャパシタンス)を与えるように構成され得る。既知の科学的原理を利用することにより、ウェハ検証システムは、図2の動作240に関連して説明されたように、そのような漏れ電流に基づいて目標構成要素378の幅を計算し得る。計算された幅を使用して、ウェハ検証システムは、図2の動作245に関連して説明されたように、ウェハを検証し得る。
【0052】
いくつかの実施形態では、ウェハ300は、図3Aおよび3D~3Iに関連して説明された検証構造のうちの少なくとも1つを含み得る。いくつかの実施形態では、ウェハ300は、ウェハ300の相異なる製造層内の構成要素(たとえば、目標構成要素)を有する検証構造を含み得る。たとえば、いくつかの実施形態では、第1の検証構造についての目標構成要素が、ウェハ300の第10の製造層内で形成され得、第2の検証構造についての目標構成要素が、ウェハ300の第30の製造層内で形成され得、第30の層は第10の製造層の上に、または第10の製造層の頂部に形成される。いくつかの実施形態では、ウェハ300の1つまたは複数の検証構造のプローブ・パッドは、ウェハ300の同一の層で形成され得る。
【0053】
図4は、本開示の実施形態に従って使用され得る例示的コンピュータ・システム401の代表的な主な構成要素を示す。図示される特定の構成要素は例示のために提示されるに過ぎず、必ずしもそのような唯一の変形形態ではない。コンピュータ・システム401は、プロセッサ410、メモリ420、入力/出力インターフェース(本明細書ではI/OまたはI/Oインターフェースとも呼ばれる)430、およびメイン・バス440を備え得る。メイン・バス440は、コンピュータ・システム401の他の構成要素のための通信経路を提供し得る。いくつかの実施形態では、メイン・バス440は、専用デジタル信号プロセッサ(図示せず)などの他の構成要素に接続され得る。
【0054】
コンピュータ・システム401のプロセッサ410は、1つまたは複数のCPU412から構成され得る。プロセッサ410は、CPU412のための命令およびデータの一時的記憶を実現する1つまたは複数のメモリ・バッファまたはキャッシュ(図示せず)からさらに構成され得る。CPU412は、キャッシュまたはメモリ420から提供される入力に対する命令を実施し、結果をキャッシュまたはメモリ420に出力し得る。CPU412は、本開示の実施形態に適合する1つまたは複数の方法を実施するように構成された1つまたは複数の回路から構成され得る。いくつかの実施形態では、コンピュータ・システム401は、比較的大規模なシステムに特有の複数のプロセッサ410を含み得る。しかしながら、別の実施形態では、コンピュータ・システム401は、単一のCPU412を有する単一のプロセッサであり得る。
【0055】
コンピュータ・システム401のメモリ420は、メモリ・コントローラ422と、データを一時的または永続的に記憶するための1つまたは複数のメモリ・モジュール(図示せず)から構成され得る。いくつかの実施形態では、メモリ420は、データおよびプログラムを記憶するためのランダム・アクセス半導体メモリ、記憶デバイス、または記憶媒体(揮発性または不揮発性)を含み得る。メモリ・コントローラ422はプロセッサ410と通信し得、メモリ・モジュール内への情報の記憶、およびメモリ・モジュール内の情報の検索を容易にする。メモリ・コントローラ422はI/Oインターフェース430と通信し得、メモリ・モジュールの入力または出力の記憶および検索を容易にする。いくつかの実施形態では、メモリ・モジュールはデュアル・インライン・メモリ・モジュールであり得る。
【0056】
I/Oインターフェース430は、I/Oバス450、端末インターフェース452、ストレージ・インターフェース454、I/Oデバイス・インターフェース456、およびネットワーク・インターフェース458を備え得る。I/Oインターフェース430は、メイン・バス440をI/Oバス450に接続し得る。I/Oインターフェース430は、プロセッサ410およびメモリ420からの命令およびデータをI/Oバス450の様々なインターフェースに向けて送り得る。I/Oインターフェース430はまた、I/Oバス450の様々なインターフェースからの命令およびデータをプロセッサ410およびメモリ420に向けて送り得る。様々なインターフェースは、端末インターフェース452、ストレージ・インターフェース454、I/Oデバイス・インターフェース456、およびネットワーク・インターフェース458を備え得る。いくつかの実施形態では、様々なインターフェースは、前述のインターフェースのサブセットを備え得る(たとえば、産業応用例での組込みコンピュータ・システムは、端末インターフェース452およびストレージ・インターフェース454を含まないことがある)。
【0057】
限定はしないがメモリ420、プロセッサ410、およびI/Oインターフェース430を含む、コンピュータ・システム401全体にわたる論理モジュールが、1つまたは複数の構成要素に対する障害および変更をハイパーバイザまたはオペレーティング・システム(図示せず)に通信し得る。ハイパーバイザまたはオペレーティング・システムは、コンピュータ・システム401内で利用可能な様々なリソースを割り振り、メモリ420内のデータの位置、および様々なCPU412に割り当てられたプロセスの位置を追跡し得る。要素を組み合わせ、または再配置する実施形態では、論理モジュールの機能の態様が組み合わされ、または再分配され得る。こうした変形形態は当業者には明らかとなる。
【0058】
本開示はクラウド・コンピューティングに関する詳細な説明を含むが、本明細書に記載の教示の実装はクラウド・コンピューティング環境に限定されないことをあらかじめ理解されたい。むしろ、本発明の実施形態は、現在知られている、または後に開発される任意の他のタイプのコンピューティング環境と共に実装することができる。
【0059】
クラウド・コンピューティングは、最小限の管理労力またはサービスのプロバイダとの対話で迅速にプロビジョニングされ、解放され得る構成可能コンピューティング・リソース(たとえば、ネットワーク、ネットワーク帯域幅、サーバ、処理、メモリ、ストレージ、アプリケーション、仮想マシン、およびサービス)の共有プールへの便利なオンデマンド・ネットワーク・アクセスを可能にするためのサービス配信のモデルである。このクラウド・モデルは、少なくとも5つの特徴、少なくとも3つのサービス・モデル、および少なくとも4つの配置モデルを含み得る。
【0060】
特徴は以下の通りである。
オンデマンド・セルフサービス:クラウド消費者は、サービスのプロバイダとの人間の対話を必要とすることなく、必要に応じて自動的に、サーバ時間やネットワーク・ストレージなどのコンピューティング機能を一方的にプロビジョニングし得る。
広範なネットワーク・アクセス:機能がネットワークを介して利用可能であり、異種シンまたはシック・クライアント・プラットフォーム(たとえば、携帯電話、ラップトップ、およびPDA)による使用を促進する標準機構を通じてアクセスされる。
リソース・プーリング:マルチ・テナント・モデルを使用して複数の消費者にサービスするためにプロバイダのコンピューティング・リソースがプールされ、異なる物理および仮想リソースが、要求に従って動的に割当ておよび再割当てされる。消費者は一般に、提供されるリソースの厳密な位置に関する制御または知識を有さないが、より高い抽象化レベル(たとえば、国、州、またはデータセンタ)で位置を指定することができ得るという点で、ある意味で位置独立性がある。
迅速な弾力性:迅速にスケールアウトし、迅速に解放して迅速にスケールインするために、機能が、迅速かつ弾力的に、あるケースでは自動的にプロビジョニングされ得る。消費者にとって、プロビジョニングのために利用可能な機能はしばしば、無制限であり、いつでも任意の量を購入できるように見える。
測定サービス:クラウド・システムは、サービスのタイプにとって適切な何らかのレベルの抽象化(たとえば、ストレージ、処理、帯域幅、およびアクティブなユーザ・アカウント)の計量機能を活用することによってリソース使用を自動的に制御し、最適化する。リソース使用量が監視され、制御され、レポートされ得、利用されるサービスのプロバイダと消費者の両方についての透明性が実現される。
【0061】
サービス・モデルは以下の通りである。
Software as a Service(SaaS):消費者に提供される機能は、クラウド・インフラストラクチャ上で実行中のプロバイダのアプリケーションを使用することである。アプリケーションは、ウェブ・ブラウザ(たとえば、ウェブ・ベースのeメール)などのシン・クライアント・インターフェースを通じて、様々なクライアント・デバイスからアクセス可能である。消費者は、ネットワーク、サーバ、オペレーティング・システム、ストレージ、さらには個々のアプリケーション機能を含む、基礎となるクラウド・インフラストラクチャを管理または制御しないが、可能性のある例外は、限定されたユーザ特有のアプリケーション構成設定である。
Platform as a Service(PaaS):消費者に提供される機能は、プロバイダによってサポートされるプログラミング言語およびツールを使用して作成された、消費者が作成または取得したアプリケーションをクラウド・インフラストラクチャ上に配置することである。消費者は、ネットワーク、サーバ、オペレーティング・システム、またはストレージを含む、基礎となるクラウド・インフラストラクチャを管理または制御しないが、配置されるアプリケーション、および場合によってはアプリケーション・ホスティング環境構成に関する制御を有する。
Infrastructure as a Service(IaaS):消費者に提供される機能は、処理、ストレージ、ネットワーク、および他の基本コンピューティング・リソースをプロビジョニングすることであり、消費者は、オペレーティング・システムおよびアプリケーションを含み得る任意のソフトウェアを配置および実行することができる。消費者は、基礎となるクラウド・インフラストラクチャを管理または制御しないが、オペレーティング・システム、ストレージ、配置されるアプリケーションに関する制御、および場合によっては選択されたネットワーキング構成要素(たとえば、ホスト・ファイアウォール)の限定された制御を有する。
【0062】
配置モデルは以下の通りである。
プライベート・クラウド:クラウド・インフラストラクチャが組織だけのために運用される。クラウド・インフラストラクチャは、組織または第3者によって管理され得、オンプレミスまたはオフプレミスで存在し得る。
コミュニティ・クラウド:クラウド・インフラストラクチャがいくつかの組織によって共有され、共有される関心事(たとえば、任務、セキュリティ要件、ポリシー、およびコンプライアンスの考慮事項)を有する特定のコミュニティをサポートする。クラウド・インフラストラクチャは、組織または第3者によって管理され得、オンプレミスまたはオフプレミスで存在し得る。
パブリック・クラウド:クラウド・インフラストラクチャが、一般社会または大規模な産業グループに対して利用可能にされ、クラウド・サービスを販売する組織によって所有される。
ハイブリッド・クラウド:クラウド・インフラストラクチャは、固有のエンティティのままであるが、データおよびアプリケーションのポータビリティを可能にする標準化技術または所有権を主張できる技術(たとえば、クラウド間のロード・バランシングのためのクラウド・バースティング)によって互いに結び付けられる2つ以上のクラウド(プライベート、コミュニティ、またはパブリック)の合成である。
クラウド・コンピューティング環境は、ステートレスネス(statelessness)、低結合、モジュラリティ、およびセマンティック相互運用性(semantic interoperability)に焦点を合わせることを指向するサービスである。クラウド・コンピューティングの中心は、相互接続されたノードのネットワークを備えるインフラストラクチャである。
【0063】
次に図5を参照すると、例示的クラウド・コンピューティング環境50が示されている。図示されるように、クラウド・コンピューティング環境50は、たとえば、携帯情報端末(PDA)またはセルラ電話54A、デスクトップ・コンピュータ54B、ラップトップ・コンピュータ54C、または自動車コンピュータ・システム54N、あるいはその組合せなどの、クラウド消費者によって使用されるローカル・コンピューティング・デバイスが通信し得る1つまたは複数のクラウド・コンピューティング・ノード10を備える。ノード10は互いに通信し得る。ノード10は、前述のようなプライベート、コミュニティ、パブリック、またはハイブリッド・クラウドなどの1つまたは複数のネットワーク、またはそれらの組合せの中で、物理的または仮想的にグループ化され得る(図示せず)。これにより、クラウド・コンピューティング環境50が、インフラストラクチャ、プラットフォーム、またはソフトウェア、あるいはその組合せを、クラウド消費者がそのためにローカル・コンピューティング・デバイス上のリソースを維持する必要のないサービスとして提供することが可能となる。図5に示されるコンピューティング・デバイス54A~Nのタイプは例示のみを目的としていること、ならびにコンピューティング・ノード10およびクラウド・コンピューティング環境50が、任意のタイプのネットワークまたは(たとえば、ウェブ・ブラウザを使用して)ネットワーク・アドレス指定可能な接続あるいはその両方を介して、任意のタイプのコンピュータ化されたデバイスと通信し得ることを理解されたい。
【0064】
次に図6を参照すると、クラウド・コンピューティング環境50(図5)によって提供される機能的抽象化層のセットが示されている。図6に示される構成要素、層、および機能は、例示のみを目的としており、本発明の実施形態はそれに限定されないことをあらかじめ理解されたい。図示されるように、以下の層および対応する機能が提供される。
【0065】
ハードウェアおよびソフトウェア層60がハードウェアおよびソフトウェア構成要素を含む。ハードウェア構成要素の例には、メインフレーム61、RISC(縮小命令セット・コンピュータ)アーキテクチャ・ベースのサーバ62、サーバ63、ブレード・サーバ64、記憶デバイス65、ならびにネットワークおよびネットワーキング構成要素66が含まれる。いくつかの実施形態では、ソフトウェア構成要素はネットワーク・アプリケーション・サーバ・ソフトウェア67およびデータベース・ソフトウェア68を含む。
【0066】
仮想化層70が抽象化層を提供し、抽象化層から仮想エンティティの以下の例が提供され得る:仮想サーバ71、仮想ストレージ72、仮想プライベート・ネットワークを含む仮想ネットワーク73、仮想アプリケーションおよびオペレーティング・システム74、ならびに仮想クライアント75。
【0067】
一例では、管理層80が、以下で説明される機能を提供し得る。リソース・プロビジョニング81が、クラウド・コンピューティング環境内のタスクを実施するために利用されるコンピューティング・リソースおよび他のリソースの動的調達(dynamic procurement)を実現する。計量および価格設定(Metering and Pricing)82が、クラウド・コンピューティング環境内でリソースが利用されるときのコスト追跡と、こうしたリソースの消費に対する請求書作成(billing)または送り状送付(invoicing)とを実現する。一例では、こうしたリソースはアプリケーション・ソフトウェア・ライセンスを備え得る。セキュリティが、クラウド消費者およびタスクについての識別検証、ならびにデータおよび他のリソースに対する保護を実現する。ユーザ・ポータル83が、消費者およびシステム管理者のためのクラウド・コンピューティング環境へのアクセスを実現する。サービス・レベル管理84が、必要とされるサービス・レベルが満たされるようにクラウド・コンピューティング・リソース割振りおよび管理を実現する。サービス・レベル・アグリーメント(SLA)計画および履行85が、SLAに従って、将来の必要が予想されるクラウド・コンピューティング・リソースの事前調整および調達を実現する。
【0068】
作業負荷層90が、クラウド・コンピューティング環境が利用され得る機能の例を提供する。この層から提供され得る作業負荷および機能の例には、地図作成およびナビゲーション91、ソフトウェア開発およびライフサイクル管理92、仮想クラスルーム教育配信93、データ解析処理94、取引処理95、ならびに検査/検証論理96が含まれる。
【0069】
本明細書でより詳細に論じられるように、本明細書で説明される方法の実施形態のうちのいくつかの動作の一部またはすべてが代替順序で実施され得、または全く実施されないことがあることが企図され、さらに、複数の動作が同時に行われ、またはより大きいプロセスの内部部分として行われ得る。
【0070】
本発明は、任意の可能な技術的詳細統合レベルのシステム、方法、またはコンピュータ・プログラム製品、あるいはその組合せであり得る。コンピュータ・プログラム製品は、プロセッサに本発明の態様を実施させるコンピュータ可読プログラム命令を有するコンピュータ可読記憶媒体を含み得る。
【0071】
コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行デバイスによる使用のための命令を保持し、記憶し得る有形デバイスであり得る。コンピュータ可読記憶媒体は、たとえば、限定はしないが、電子記憶デバイス、磁気記憶デバイス、光記憶デバイス、電磁記憶デバイス、半導体記憶デバイス、または前述の任意の適切な組合せであり得る。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例の非網羅的なリストには、下記のポータブル・コンピュータ・ディスケット、ハード・ディスク、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EPROMまたはフラッシュ・メモリ)、静的ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)、ポータブル・コンパクト・ディスク読取り専用メモリ(CD-ROM)、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)、メモリ・スティック、フロッピィ・ディスク、命令が記録されたパンチ・カードや溝の中の隆起構造などの機械的に符号化されたデバイス、および前述の任意の適切な組合せが含まれる。本明細書では、コンピュータ可読記憶媒体は、電波または他の自由伝播電磁波、導波路または他の伝送媒体を通じて伝播する電磁波(たとえば、光ファイバ・ケーブルを通過する光パルス)、ワイヤを通じて伝送される電気信号など、本質的に一時的信号であると解釈されるべきではない。
【0072】
本明細書で説明されるコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体からそれぞれのコンピューティング/処理デバイスに、あるいはネットワーク、たとえばインターネット、ローカル・エリア・ネットワーク、広域ネットワーク、もしくはワイヤレス・ネットワーク、またはその組合せを介して外部コンピュータまたは外部記憶デバイスにダウンロードされ得る。ネットワークは、銅伝送ケーブル、光伝送ファイバ、ワイヤレス伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイ・コンピュータ、またはエッジ・サーバ、あるいはその組合せを含み得る。各コンピューティング/処理デバイス内のネットワーク・アダプタ・カードまたはネットワーク・インターフェースが、ネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受信し、それぞれのコンピューティング/処理デバイス内のコンピュータ可読記憶媒体内に記憶するためにコンピュータ可読プログラム命令を転送する。
【0073】
本発明の動作を実施するためのコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、命令セット・アーキテクチャ(ISA)命令、機械語命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、集積回路用の構成データ、あるいはSmalltalk(R)、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語と、「C」プログラミング言語や類似のプログラミング言語などの手続型プログラミング言語とを含む、1つまたは複数のプログラミング言語の何らかの組合せで書かれたソース・コードまたはオブジェクト・コードであり得る。コンピュータ可読プログラム命令は、完全にユーザのコンピュータ上で、スタンド・アロン・ソフトウェア・パッケージとして部分的にユーザのコンピュータ上で、部分的にユーザのコンピュータ、および部分的にリモート・コンピュータ上で、または完全にリモート・コンピュータもしくはサーバ上で実行され得る。後者のシナリオでは、リモート・コンピュータは、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)または広域ネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを通じてユーザのコンピュータに接続され得、または接続が外部コンピュータに対して(たとえば、インターネット・サービス・プロバイダを使用してインターネットを通じて)行われ得る。いくつかの実施形態では、たとえばプログラマブル論理回路、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、またはプログラマブル論理アレイ(PLA)を含む電子回路が、本発明の態様を実施するために、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報を利用して電子回路を個別化することによってコンピュータ可読プログラム命令を実行し得る。
【0074】
本発明の態様が、本開示の実施形態による方法、装置(システム)、およびコンピュータ・プログラム製品のフローチャート図またはブロック図あるいはその両方を参照して本明細書で説明される。フローチャート図またはブロック図あるいはその両方の各ブロック、フローチャート図またはブロック図あるいはその両方の中のブロックの組合せが、コンピュータ可読プログラム命令によって実装され得ることを理解されよう。
【0075】
こうしたコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサを介して実行される命令により、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方の1つまたは複数のブロックで指定される機能/動作を実装するための手段を生み出すように、コンピュータまたは他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサに与えられ、マシンが作り出され得る。こうしたコンピュータ可読プログラム命令はまた、命令を記憶するコンピュータ可読記憶媒体がフローチャートまたはブロック図あるいはその両方の1つまたは複数のブロックで指定される機能/動作の態様を実装する命令を含む製造品を含むように、コンピュータ、プログラム可能データ処理装置、または他のデバイス、あるいはその組合せに特定の方式で機能するように指示し得るコンピュータ可読記憶媒体内に記憶され得る。
【0076】
コンピュータ可読プログラム命令はまた、コンピュータ、他のプログラム可能装置、または他のデバイス上で実行される命令が、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方の1つまたは複数のブロックで指定される機能/動作を実装するように、コンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置、または他のデバイス上にロードされ、コンピュータ、他のプログラム可能装置、または他のデバイス上で一連の動作ステップを実施させて、コンピュータ実装プロセスが生成され得る。
【0077】
図中のフローチャートおよびブロック図は、本発明の様々な実施形態によるシステム、方法、およびコンピュータ・プログラム製品の可能な実装のアーキテクチャ、機能、および動作を示す。この点で、フローチャートまたはブロック図の各ブロックは、指定の論理的機能を実装するための1つまたは複数の実行可能命令を含む命令のモジュール、セグメント、または部分を表し得る。いくつかの代替実装では、ブロック内に記載の機能は、図に記載されている以外の順序で行われ得る。たとえば、連続して示される2つのブロックは、実際には、1つのステップとして実施され、同時に、ほぼ同時に、部分的もしくは全体的に時間的に重複する形で実行され得、またはブロックは、関係する機能に応じて、時には逆の順序で実行され得る。ブロック図またはフローチャート図あるいはその両方の各ブロック、およびブロック図またはフローチャート図あるいはその両方のブロックの組合せが、指定の機能または動作を実施し、あるいは専用ハードウェアおよびコンピュータ命令の組合せを実施する専用ハードウェア・ベースのシステムによって実装され得ることにも留意されよう。
【0078】
本開示の様々な実施形態の説明が例示のために提示されたが、網羅的なものではなく、開示される実施形態に限定されないものとする。記載の実施形態の範囲から逸脱することなく、多くの修正形態および変形形態が当業者には明らかであろう。本明細書で用いられた用語は、実施形態の原理、実際の応用、または市場で見出される技術に勝る技術的改良を説明し、当業者が本明細書で開示される実施形態を理解することを可能にするように選ばれた。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図3H
図3I
図4
図5
図6
【国際調査報告】