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  • 特表-電解液、電気化学装置及び電子装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-29
(54)【発明の名称】電解液、電気化学装置及び電子装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/0567 20100101AFI20231121BHJP
   H01M 10/052 20100101ALI20231121BHJP
【FI】
H01M10/0567
H01M10/052
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023528338
(86)(22)【出願日】2020-11-12
(85)【翻訳文提出日】2023-05-11
(86)【国際出願番号】 CN2020128359
(87)【国際公開番号】W WO2022099542
(87)【国際公開日】2022-05-19
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513054978
【氏名又は名称】寧徳新能源科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Ningde Amperex Technology Limited
【住所又は居所原語表記】No.1 Xingang Road, Zhangwan Town, Jiaocheng District, Ningde City, Fujian Province, 352100, People’s Republic of China
(74)【代理人】
【識別番号】100177426
【弁理士】
【氏名又は名称】粟野 晴夫
(72)【発明者】
【氏名】熊 亜麗
(72)【発明者】
【氏名】管 明明
(72)【発明者】
【氏名】王 栄
(72)【発明者】
【氏名】鄭 建明
【テーマコード(参考)】
5H029
【Fターム(参考)】
5H029AJ04
5H029AJ05
5H029AK03
5H029AL07
5H029AM03
5H029AM05
5H029AM07
5H029HJ01
5H029HJ02
5H029HJ19
(57)【要約】
本発明は、リチウムイオン電池の技術分野に属し、電解液、並びに、この電解液を含む電気化学装置及び電子装置を提供する。本発明の電解液は、有機溶媒、リチウム塩及び添加剤を含み、前記添加剤は、フルオロエチレンカーボネート及びP-N結合含有化合物を含み、前記P-N結合含有化合物は式Iで示される構造を含む。前記電解液の質量に基づき、前記フルオロエチレンカーボネートの電解液における質量百分率をa%とし、前記P-N結合含有化合物の電解液における質量百分率をb%としたとき、aとbとが0.1≦a/b≦200を満たす。本発明の電解液は、電気化学装置の高温サイクル、高温貯蔵特性を効果的に改善する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解液であって、フルオロエチレンカーボネートと、P-N結合含有化合物とを含み、前記P-N結合含有化合物は、式Iで示される構造の化合物を含み、
【化1】
は、酸素原子を表し、又は不存在であり、
、R、R、R、R、Rは、それぞれ独立してC~Cアルキル基、C~Cアルケニル基、C~Cアルキニル基、C~Cアルコキシ基から選択され、
或いは、RとR、RとR、又はRとRがそれぞれ互いに結合し、N原子とともに炭素数2~5の環状基を形成し、
前記電解液の質量に基づき、前記フルオロエチレンカーボネートの電解液における質量百分率をa%とし、前記P-N結合含有化合物の電解液における質量百分率をb%としたとき、aとbとが0.1≦a/b≦200を満たす、電解液。
【請求項2】
前記式Iで示される構造の化合物は、式I-Aで示される化合物及び式I-Bで示される化合物のうちの少なくとも一種を含み、
【化2】
【化3】
、A、Aは、それぞれ独立して炭素原子、酸素原子及び単結合から選択される、請求項1に記載の電解液。
【請求項3】
前記P-N結合含有化合物は、
【化4】
のうちの少なくとも一種を含む、請求項1に記載の電解液。
【請求項4】
前記電解液の質量に基づき、前記P-N結合含有化合物の電解液における質量百分率は0.1%~5%であり、前記フルオロエチレンカーボネートの電解液における質量百分率は0.5%~15%である、請求項1~3のいずれか1項に記載の電解液。
【請求項5】
前記電解液は式IIで示される硫黄含有化合物をさらに含み、
【化5】
21及びR22は、それぞれ独立して直鎖又は分岐鎖の、置換又は無置換のC~Cアルキル基、置換又は無置換のC~Cシクロアルキル基、置換又は無置換のC~Cアルコキシ基、置換又は無置換のC~Cアルケニル基、置換又は無置換のC~Cアルキニル基、スルホン基、シラン基、シアノ基、R23O-から選択され、置換基は、ハロゲン原子であり、R23は、C~Cアルキル基、置換若しくは無置換のC~Cシクロアルキル基、又は置換若しくは無置換のC~Cヘテロシクリル基であり、
或いは、R21とR22が互いに結合し、スルホン基とともに炭素数3~4の置換又は無置換の環状基を形成し、
前記電解液の質量に基づき、前記硫黄含有化合物の電解液における質量百分率は1%~6%である、請求項1~3のいずれか1項に記載の電解液。
【請求項6】
前記硫黄含有化合物は、
【化6】
のうちの一種又は複数種を含む、請求項5に記載の電解液。
【請求項7】
前記電解液は、リン酸環状無水物類化合物をさらに含み、前記リン酸環状無水物類化合物は式IIIで示される化合物を含み、
【化7】
31、R32、R33は、それぞれ独立してH、置換又は無置換のC~Cの飽和アルキル基、置換又は無置換のC~C10の不飽和アルキル基、C~C18の芳香環から選択される、請求項1~3のいずれか1項に記載の電解液。
【請求項8】
前記リン酸環状無水物類化合物は、
【化8】
のうちの一種又は複数種を含む、請求項7に記載の電解液。
【請求項9】
前記電解液の質量に基づき、前記リン酸環状無水物類化合物の電解液における質量百分率は0.1%~3%である、請求項1に記載の電解液。
【請求項10】
前記電解液は、トリニトリル化合物をさらに含み、
前記トリニトリル化合物は、1,3,5-ペンタントリカルボニトリル、1,3,6-ヘキサントリカルボニトリル、1,2,6-ヘキサントリカルボニトリル、及び1,2,3-トリス(2-シアノエトキシ)プロパンのうちの少なくとも一種を含み、
前記電解液の質量に基づき、前記トリニトリル化合物の電解液における質量百分率は0.1%~6%である、請求項1に記載の電解液。
【請求項11】
正極と、
負極と、
正極と負極との間に設けられたセパレータと、
請求項1~10のいずれか1項に記載の電解液と、を含む、電気化学装置。
【請求項12】
g/Ahに基づき、Ah容量あたりに必要された式I化合物の含有量の値WとKとの比率W:Kは、0.12~1.15であり、
Kは、m/gで表された負極活物質の単位質量あたりの比表面積の値を示し、且つKが1.0≦K≦2.0である、請求項11に記載の電気化学装置。
【請求項13】
請求項11又は12に記載の電気化学装置を含む、電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気化学技術分野に関し、具体的には、電解液、並びに、この電解液を用いた電気化学装置及び電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コバルト酸リチウム(LCO)は、圧縮密度、高電圧、高容量、高温耐性などの特性の点で、マンガン酸リチウム及びリン酸鉄リチウムなどのほかの三元系正極材料より優れているため、従来、携帯電話、ノートパソコン、デジタルカメラなどの消費類電子製品(3C電子と略称する)における電池の最適な正極材料である。3C電子製品の発展及び5G時代の到来に伴い、高いエネルギー密度は、不可避な傾向となっている。研究者は、LCOの充電カットオフ電圧を高めることにより、より多くのイオンを充放電に参加させ、コバルト酸リチウムの比容量を向上させている。
【0003】
層状構造のLCOは、酸素負イオンからなる骨格においてLiイオンとコバルト(Co)イオンとが交互に配列されることが知られている。リチウムの放出が発生しない場合、結晶構造の内部には、正、負イオンが交互に配列される規則が維持されているため、材料の構造は安定している。しかし、充電が始まると、次のような反応過程が発生する。まず、正極材料は、リチウムを放出し始め、リチウムイオンを放出した後に、Li層の酸素原子の間に負イオンのバリアが失われて反発が生じ、表面の構造が不安定になる。リチウムイオンが放出し続け、表面における格子酸素活性がある程度まで上昇し、ガスが溢れることにより、表面のCo原子の安定性が悪くなり、溶解し、電解液が酸化され、リチウムイオン電池の高温貯蔵特性が悪くなるため、電池が膨張し、厚さが増大し、使用上の安全問題が発生する。特に、充電カットオフ電圧の上昇に伴い、リチウム放出量が大きくなると、酸素原子とCo元素の活性が高くなるため、高温特性がさらに悪化することから、良好な高温特性を有するリチウムイオン電池の開発が要求されている。
【発明の概要】
【0004】
従来技術に存在する問題を解決するために、本発明は、電解液を提供する。
本発明の1つの態様では、電解液であって、フルオロエチレンカーボネートと、P-N結合含有化合物とを含む電解液であって、前記P-N結合含有化合物は、式Iで示される化合物を含み、
【化1】
は、酸素原子を表し、又は不存在であり、
、R、R、R、R、Rは、それぞれ独立してC~Cアルキル基、C~Cアルケニル基、C~Cアルキニル基、C~Cアルコキシ基から選択され、
或いは、RとR、RとR、又はRとRがそれぞれ互いに結合し、N原子とともに炭素数2~5の環状基を形成し、
前記電解液の質量に基づき、前記フルオロエチレンカーボネートの電解液における質量百分率をa%とし、前記P-N結合含有化合物の電解液における質量百分率をb%としたとき、aとbとが0.1≦a/b≦200を満たす、電解液が提供される。本発明の一つの実施例では、前記式Iで示される構造の化合物は、式I-Aで示される化合物及び式I-Bで示される化合物のうちの少なくとも一種を含む。
【化2】
【化3】
、A、Aは、それぞれ独立して炭素原子、酸素原子及び単結合から選択される。
【0005】
本発明のいくつかの実施例では、前記P-N結合含有化合物は、以下に示される化合物のうちの少なくとも一種を含む。
【化4】
【0006】
本発明のいくつかの実施例では、前記電解液の質量に基づき、前記P-N結合含有化合物の電解液における質量百分率は0.1%~5%である。
【0007】
本発明のいくつかの実施例では、前記電解液は、式IIで示される硫黄含有化合物をさらに含む。
【化5】
【0008】
21及びR22は、それぞれ独立して直鎖又は分岐鎖の、置換又は無置換のC~Cアルキル基、置換又は無置換のC~Cシクロアルキル基、置換又は無置換のC~Cアルコキシ基、置換又は無置換のC~Cアルケニル基、置換又は無置換のC~Cアルキニル基、スルホン基、シラン基、シアノ基、R23O-から選択され、置換基は、ハロゲン原子であり、R23は、C~Cアルキル基、置換若しくは無置換のC~Cシクロアルキル基、又は置換若しくは無置換のC~Cヘテロシクリル基から選択され、
或いは、R21とR22が互いに結合し、スルホン基とともに炭素数3~4の置換又は無置換の環状基を形成する。
【0009】
本発明のいくつかの実施例では、前記硫黄含有化合物は、以下の化合物の一種又は複数種を含む。
【化6】
【0010】
本発明のいくつかの実施例では、構造式IIの硫黄含有化合物の電解液における質量百分率は1%~6%である。
【0011】
本発明のいくつかの実施例では、前記電解液は、リン酸環状無水物類化合物をさらに含み、前記リン酸環状無水物類化合物は式IIIで示される化合物を有する。
【化7】
31、R32、R33は、それぞれ独立してH、置換又は無置換のC~Cの飽和アルキル基、置換又は無置換のC~C10の不飽和アルキル基、C~C18の芳香環から選択される。例えば、置換又は無置換のC~Cの飽和アルキル基は、メチル基、メチレン基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基などを含むが、これらに限定されない。置換又は無置換のC~C10の不飽和アルキル基は、ビニル基、プロペニル基、シクロプロペニル基、1-ブテニル基、3-ペンテニル基、プロピニル基などを含むが、これらに限定されない。
【0012】
本発明のいくつかの実施例では、前記リン酸環状無水物類化合物は、以下の化合物の一種又は多種を含む。
【化8】
【0013】
本発明のいくつかの実施例では、前記電解液の質量に基づき、前記リン酸環状無水物類化合物の電解液における質量百分率は、0.01%~3%であり、例えば、リン酸環状無水物類化合物の含有量は、0.01%、0.05%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1.0%、1.3%、1.5%、2.0%、3.0%、又は上記のいずれか2つの値の間における範囲であってもよい。
【0014】
次に、本発明の第2の態様に係るリチウムイオン電池を説明する。
【0015】
本発明の別の態様では、正極片、負極片、正極片と負極片との間に設けられたセパレータ、電解液、外装箔を含む、電気化学装置が提供される。前記正極片は、正極集電体及び正極集電体に塗布された正極活物質層を含み、前記正極活物質層は、正極活物質を含み、負極片は、負極集電体及び負極集電体に塗布された負極活物質層を含み、負極活物質層は、負極活物質を含む。前記電解液は、本発明に係る電解液である。
【0016】
本発明のいくつかの実施例では、g/Ahで、Ah容量あたりの必要とする前記式I化合物の含有量の値WとKとの比率W:Kは、0.12~1.15である。
Kは、m/gでの負極活物質の単位質量あたりの比表面積の値を示し、且つKが1.0≦K≦2.0である。
本発明は、上述のような電気化学装置を含む電子装置をさらに提供する。
【0017】
本発明の技術案によれば、以下のような技術的効果が得られる。
本発明の電解液は、式IのP-N結合含有化合物を含むことにより、電解液の正極活物質の表面における安定性を向上させることができる。それとともに、この化合物は、正極に放出された酸素を吸収し、電解液の分解を抑制し、ガスの発生を減少させ、リチウムイオン電池の高温サイクル、高温貯蔵特性を効果的に改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明に係るP-N結合含有化合物の構造式を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下では、本発明の目的、技術案及び利点をより明らかにするために、本発明の技術案は、実施例を参照して、明確且つ完全に説明される。以下に説明される実施例は、本発明の実施例の一部であり、実施例のすべてではないことが明らかである。ここで説明される実施例は、例示的なものであり、本発明を概に理解するために使用されるものである。本発明の実施例は、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。本発明に記載される技術案及び実施例に基づいて、当業者が創造的労力をかけない前提で得られる他のすべての実施例は、本発明の保護範囲に属するものである。
【0020】
具体的な実施形態及び請求の範囲において、用語「の一方」、「の一つ」、「の一種」、又はほかの類似な用語で接続された項目のリストは、リストされる項目のいずれか一つを意味する。例えば、項目A及び項目Bがリストされた場合、フレーズ「A及びBのうちの一つ」は、Aのみ、又はBのみを意味する。ほかの実例において、項目A、項目B及び項目Cがリストされた場合、フレーズ「A、B及びCのうちの一つ」は、Aのみ、Bのみ、又はCのみを意味する。項目Aは一つの要素又は複数の要素を含んでもよい。項目Bは一つの要素又は複数の要素を含んでもよい。項目Cは一つの要素又は複数の要素を含んでもよい。
【0021】
具体的な実施形態及び請求の範囲において、用語「のうちの少なくとも一方」、「のうちの少なくとも一つ」、「のうちの少なくとも一種」、又は他の類似な用語で接続された項目のリストは、リストされた項目の任意の組み合わせを意味する。例えば、項目A及び項目Bがリストされた場合、フレーズ「A及びBのうちの少なくとも一つ」は、Aのみ、Bのみ、又は、A及びBを意味する。他の実例において、項目A、項目B、及び項目Cがリストされた場合、フレーズ「A、B、及びCのうちの少なくとも一つ」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びB(Cを除く)、A及びC(Bを除く)、B及びC(Aを除く)、又は、A、B及びCのすべてを意味する。項目Aは、一つの要素又は複数の要素を含んでもよい。項目Bは、一つの要素又は複数の要素を含んでもよい。項目Cは、一つの要素又は複数の要素を含んでもよい。
【0022】
本発明では、以下の定義が使用される(別に明記されない限り)。
便宜上、「C~C」基とは、「n」~「m」の炭素原子を有する基を意味し、「n」及び「m」は整数である。例えば、「C1~C10」アルキル基は、1~10の炭素原子を有するアルキル基である。
【0023】
本明細書に用いられるように、用語「ハロゲン」は、F、Cl、Br又はIであってもよい。
本明細書に用いられるように、用語「シアノ基」は、有機基-CNを含有する有機物を含む。
従来技術に存在する問題を解決するために、本発明は、電解液を提供する。
【0024】
一、電解液
本発明の一態様は、フルオロエチレンカーボネート(FEC)と、式Iで示される化合物を有するP-N結合含有化合物を含む電解液とを提供する。
【化9】
は、酸素原子を表し、又は不存在であり、
、R、R、R、R、Rは、それぞれ独立してC~Cアルキル基、C~Cアルケニル基、C~Cアルキニル基、C~Cアルコキシ基から選択され、
或いは、RとR、RとR、又はRとRがそれぞれ互いに結合し、N原子とともに炭素数2~5の環状基を形成し、前記電解液の質量に基づき、前記フルオロエチレンカーボネートの電解液における質量百分率をa%とし、前記P-N結合含有化合物の電解液における質量百分率をb%としたとき、aとbとが0.1≦a/b≦200を満たす。
が存在しない場合、対応する二重結合も存在しない。
【0025】
本発明の一つの実施例では、aとbとが0.1≦a/b≦150を満たす。aとbとが0.1≦a/b≦150であると、より優れた高温特性を得ることができる。
【0026】
本発明の一つの実施例では、前記式Iで示される構造の化合物は、式I-Aで示される化合物及び式I-Bで示される化合物のうちの少なくとも一種を含む。
【化10】
【化11】
、A、Aは、それぞれ独立して炭素原子、酸素原子及び単結合から選択される。これらの複数種の基又は単結合は活性水素原子を含まないため、電池のガスの発生、電池の特性が悪化することを避けることができる。
【0027】
本発明のいくつかの実施例では、前記P-N結合含有化合物は、以下に示される化合物のうちの少なくとも一種を含む。
【化12】
【化13】
【0028】
本発明のいくつかの実施例では、前記電解液の質量に基づき、前記P-N結合含有化合物の電解液における質量百分率は0.1%~5%である。リン含有類添加剤の含有量が0.1%未満であると、形成された保護膜が不十分になり、電池の特性に対する影響は大きくないが、含有量が5%を超えると、形成された膜のインピーダンスが大きくなり、電池の特性に影響を与える。
【0029】
本発明のいくつかの実施例では、前記電解液の質量に基づき、前記P-N結合含有化合物の電解液における質量百分率は0.1%~3%であり、例えば、P-N結合含有化合物の含有量は、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1.0%、1.5%、2.0%、2.5%、3.0%、又は上記のいずれか2つの値の間における範囲であってもよい。
【0030】
本発明のいくつかの実施例では、前記電解液は、式IIで示される硫黄含有化合物をさらに含む。
【化14】
21及びR22は、それぞれ独立して直鎖又は分岐鎖の、置換又は無置換のC~Cアルキル基、置換又は無置換のC~Cシクロアルキル基、置換又は無置換のC~Cアルコキシ基、置換又は無置換のC~Cアルケニル基、置換又は無置換のC~Cアルキニル基、スルホン基、シラン基、シアノ基、R23O-から選択される。置換基はハロゲン原子である。R23はC~Cアルキル基、置換若しくは無置換のC~Cシクロアルキル基、又は置換若しくは無置換のC~Cヘテロシクリル基である。
或いは、R21とR22が互いに結合し、スルホン基とともに炭素数が置換又は無置換のC~Cである環状基を形成する。
【0031】
本発明のいくつかの実施例では、前記硫黄含有化合物は、以下の化合物の一種又は複数種を含む。
【化15】
【化16】
【0032】
本発明のいくつかの実施例では、構造式IIの硫黄含有化合物の電解液における質量百分率は、1%~6%であり、例えば、構造式IIの硫黄含有化合物の含有量は、1%、1.5%、1.8%、2.0%、2.2%、2.4%、2.5%、3%、3.2%、3.5%、3.7%、4.0%、4.5%、5.0%、5.5%、6.0%、又は上記のいずれか2つの値の間における範囲であってもよい。
【0033】
硫黄含有化合物は、正、負極成膜電位がいずれも高く、且つ形成された界面膜における熱安定性に優れ、リチウムイオン伝送基に富み、式Iのリン含有化合物との相乗的作用により、正極表層の界面の安定性を大幅に向上させ、正極の界面を保護し、電解液の消費を抑制するため、電池の高温サイクル及び高温貯蔵特性を向上させることができる。
【0034】
本発明のいくつかの実施例では、前記電解液は、リン酸環状無水物類化合物をさらに含み、前記リン酸環状無水物類化合物は、式IIIで示される化合物を含む。
【化17】
31、R32、R33は、それぞれ独立してH、置換又は無置換のC~Cの飽和アルキル基、置換又は無置換のC~C10の不飽和アルキル基、C~C18の芳香環から選択される。例えば、置換又は無置換のC~Cの飽和アルキル基は、メチル基、メチレン基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基などを含むが、これらに限定されない。置換又は無置換のC~C10の不飽和アルキル基は、ビニル基、プロペニル基、シクロプロペニル基、1-ブテニル基、3-ペンテニル基、プロピニル基などを含むが、これらに限定されない。
【0035】
本発明のいくつかの実施例では、前記リン酸環状無水物類化合物は、以下の化合物の一種又は多種を含む。
【化18】
【0036】
本発明のいくつかの実施例では、前記電解液の質量に基づき、前記リン酸環状無水物類化合物の電解液における質量百分率は、0.01%~3%であり、例えば、リン酸環状無水物類化合物の含有量は、0.01%、0.05%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1.0%、1.3%、1.5%、2.0%、3.0%、又は上記のいずれか2つの値の間における範囲であってもよい。
【0037】
リン酸環状無水物類化合物は、負極界面からなるSEI膜おける成分と複雑な反応を起こすことができるため、界面膜がより安定したSEI膜を形成することに寄与するとともに、負極界面膜のインピーダンスを顕著に低下させることができるが、上記の添加剤との相乗的作用により、リチウムイオン電池に良好な高温サイクル、高温貯蔵特性及び低い抵抗を有する。
【0038】
本発明のいくつかの実施例では、前記リチウム塩は、無機リチウム塩及び/又は有機リチウム塩から選択される。
好ましくは、前記リチウム塩は、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)、テトラフルオロホウ酸リチウム(LiBF)、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)、リチウムビス(オキサレート)ボレート(LiBOB)、リチウムジフルオロ(オキサレート)ボレート(LiDFOB)の一種又は多種から選択される。
【0039】
本発明のいくつかの実施例では、前記リチウム塩の電解液における濃度は、0.6mol/L~2mol/Lである。
【0040】
二、電気化学装置
本発明は、本発明に係る電解液を含む電気化学装置をさらに提供する。
次に、本発明の第2の態様に係るリチウムイオン電池を説明する。
【0041】
本発明の別の態様は、正極片、負極片、正極片と負極片との間に設けられたセパレータ、電解液、及び外装箔を含む、電気化学装置を提供する。前記正極片は、正極集電体及び正極集電体に塗布された正極活物質層を含み、前記正極活物質層は、正極活物質を含み、負極片は、負極集電体及び負極集電体に塗布された負極活物質層を含み、負極活物質層は、負極活物質を含む。前記電解液は、本発明に係る電解液である。
【0042】
本発明のいくつかの実施例では、g/Ahで、Ah容量あたりに必要とされた前記式Iで示される化合物の含有量の値WとKとの比率W:Kは、0.12~1.15である。
Kは、m/gで表された負極活物質の単位質量あたりの比表面積の値を示し、且つKが1.0≦K≦2.0である。
負極活物質の比表面積は、負極活物質の選択を制御することにより達成することができる。
【0043】
本発明は、前記電気化学装置を含む電子装置をさらに提供する。
本発明が提供する技術案は、以下の有益な効果を達成することができる。
本発明の電解液は、式IのP-N結合含有化合物を含むことにより、電解液の正極活物質の表面における安定性を向上させることができる。それとともに、この化合物は、正極に放出された酸素を吸収し、電解液の分解を抑制することにより、ガスの発生を減少させるため、リチウムイオン電池の高温サイクル、高温貯蔵特性を効果的に改善することができる。
【0044】
実施例
以下に、実施例を参照して、本発明をさらに説明する。これらの実施例は、単に本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではないことを理解されたい。
【0045】
電解液の調製:含水量<10ppmであるアルゴンガス雰囲気のグローブボックスにおいて、エチレンカーボネート(EC)、メチルエチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)を質量比EC:EMC:DEC=30:50:20で混合し、さらに、十分に干燥されたリチウム塩LiPFを上記の非水溶媒に溶解し、LiPFの含有量を1mol/Lにし、最後に一定の質量の添加剤を入れ、実施例における電解液を調製した。
表1に示されるように、ベースとなる電解液に式Iを含有する化合物又は配合されたほかの添加剤を入れた。
【0046】
電解液の調製:含水量<10ppmであるアルゴンガス雰囲気のグローブボックスに、エチレンカーボネート(ECと略記する)、ジエチルカーボネート(DECと略記する)、プロピレンカーボネート(PCと略記する)を3:4:3の質量比で均一に混合し、さらに、十分に干燥されたリチウム塩LiPFを上記の非水溶媒に溶解し、最後に一定の質量の添加剤を入れ、実施例における電解液を調製した。
表1に示されるように、ベースとなる電解液にリン含有類添加剤、線状又は環状硫黄含有化合物、環状リン酸エステル類添加剤を入れた。
【0047】
1、電池の調製
(1)正極片の調製
コバルト酸リチウム、導電剤Super P、ポリフッ化ビニリデンを質量比96:2:2で混合し、N-メチルピロリドンを入れ、真空撹拌機により体系が均一になるまで撹拌し、固形分が75wt%である正極スラリーを得た。正極スラリーを正極集電体であるアルミニウム箔に均一に塗工した。アルミニウム箔を85℃で乾燥した後、冷間圧延、カット、スリットを経て、85℃の真空条件下で4h乾燥し、正極片を得た。
【0048】
(2)負極片の調製
人工黒鉛、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMCと略記する)、スチレンブタジエンゴム(SBRと略記する)を質量比97:1:2で混合し、脱イオン水を入れ、真空撹拌機により、固形分が54wt%である負極スラリーを得た。負極スラリーを負極集電体である銅箔に均一に塗工した。銅箔を85℃で乾燥した後、冷間プレス、カット、スリットを経て、120℃の真空条件下で12h乾燥し、負極片を得た。
【0049】
(3)電解液の調製
干燥したアルゴンガス雰囲気のグローブボックスに、エチレンカーボネート(ECと略記する)、ジエチルカーボネート(DECと略記する)、プロピレンカーボネート(PCと略記する)を質量比3:4:3で混合し、次に添加剤を入れ、溶解し、十分に撹拌した後、リチウム塩LiPFを入れ、均一に混合した後、LiPFの濃度が1.15mol/Lである電解液を得た。電解液に用いられた添加剤の具体的な種類及び含有量は、表1、2、3に示す通りである。添加剤の含有量は、電解液の質量に基づいて算出された質量百分率である。
【0050】
(4)セパレータの調製
セパレータとして、厚7μmのポリエチレン(PE)を使用した。
【0051】
(5)リチウムイオン電池の調製
正極片、セパレータ、負極片を順に積層し、セパレータを隔離の役割を果たすように正極片、負極片の間に介在させた後、巻回してベアセルを得た。タブを溶接した後、ベアセルを外装箔であるアルミニウムプラスチックフィルムに置き、上記で調製された電解液を干燥したベアセルに注入し、真空封止、静置、フォーメーション(0.02Cの定電流で3.3Vまで充電し、0.1Cの定電流で3.6Vまで充電すること)、整形、容量測定などの工程を経て、ソフトパッケージのリチウムイオン電池(厚さ3.3mm、幅39mm、長さ96mm)を得た。
【0052】
2、測定方法
測定一:リチウムイオン電池の高温貯蔵特性の測定
電池を25℃、0.5Cで3.0Vまで放電し、次に0.7Cの定電流で4.45Vまで充電し、4.45Vで電流が0.05Cになるまで定電圧充電し、マイクロメーターで電池の厚さを測定してH11として記録した。85℃で満充電して24時間貯蔵し、24時間後にマイクロメーターで電池の厚さ測定して、H12として記録した。
厚さ膨張率=(H12-H11)/H11×100%
【0053】
測定二:リチウムイオン電池の高温サイクルの測定
リチウムイオン電池を45℃の恒温ボックスに置き、30分間静置し、リチウムイオン電池を恒温とした。恒温になったリチウムイオン電池を45℃、0.2Cの定電流で3.0Vまで放電し、3分間静置した。さらに0.7Cの定電流で4.45Vまで充電した後、4.45Vの定電圧で電流が0.025Cになるまで充電し、5分間放置した。次に、0.2Cの定電流で電圧が3.0Vになるまで放電し、3分間静置した。これを1回の充放電サイクルとした。このように、充電/放電し、電池が500回サイクルした後の容量維持率を算出した。
リチウムイオン電池の500回サイクル後の容量維持率(%)=500回目のサイクルの放電容量/一回目のサイクルの放電容量×100%
【0054】
測定三:リチウムイオン電池の直流抵抗DCR(0℃)の測定
リチウムイオン電池を0℃の高温低温試験箱に4時間静置し、リチウムイオン電池を恒温とした。0.1Cの定電流で4.45Vまで充電し、定電圧で電流が0.05Cになるまで充電し、10分間静置した。さらに0.1Cの定電流で3.4Vまで放電し、5分間静置し、このステップにおける容量を基準とした。0℃の条件下で電池を0.1Cの定電流で4.45Vまで充電し、定電圧で電流が0.05Cになるまで充電し、10分間静置した。0.1Cの定電流で8h放電し(前のステップで得られた実際の容量で計算する)、この時の電圧をVとして記録した。次に1Cの定電流で1s放電し(容量は電池の公称容量で計算する)、この時の電圧をVとして記録した。電池の20%SOC状態に対応する直流抵抗を算出した。
20%SOC直流抵抗=(V-V)/(1C-0.1C)
【0055】
3、測定結果
(1)P-N類含有添加剤、フルオロエチレンカーボネート添加剤の電池の特性に対する影響。
【0056】
【表1】
【0057】
比較例1と比較例2を比べることにより、P-N結合含有化合物の添加は、高温サイクルの改善、高温貯蔵の改善に対して良好な効果がある。これは、P-N結合含有化合物が電解液の活物質の表面における安定性を向上させることができるとともに、正極から放出された酸素を吸収し、電解液の分解を抑制することにより、ガスの発生を減少させることができ、リチウムイオン電池の高温サイクル特性、高温貯蔵特性を効果的に改善することができることが分かった。実施例1~9を比べることにより、P-N結合含有化合物(含有量b%)とFEC(含有量a%)とを併用し、且つaとbとが0.1≦a/b≦200を満たす場合、高温貯蔵特性及びサイクル特性をさらに改善することができることが分かった。
【0058】
実施例1~16と比較例3~4を比べることにより、a/b<0.1であると、高温サイクルの改善が顕著ではない。これは、負極におけるLiF含有量が低いことにより、形成されたSEI膜の機械的安定性が悪く、サイクルの改善に不利であるためである。a/b>200であると、高温サイクルの改善が顕著であるが、高温貯蔵の悪化が比較的に明らかである。これは、FEC含有量が高すぎると、酸化分解されてガスが発生しやすくなり、高温貯蔵特性が悪化するためである。
(2)P-N含有類添加剤、S含有類添加剤の電池の特性に対する影響。
【0059】
【表2】
【0060】
実施例17~22と、実施例6、比較例5とを比べることにより、式II化合物の添加は、高温サイクルの改善、高温貯蔵の改善に対して良好な効果がある。これは、式II化合物の添加は、SEI界面膜の安定性をさらに向上させることができ、さらに、活物質の表面における電解液の安定性を向上させ、電解液の分解を抑制することにより、ガスの発生を減少させ、リチウムイオン電池の高温サイクル、高温貯蔵特性を効果的に改善することができることが分かった。
【0061】
実施例23~26を比べることにより、異なる式I化合物と式II化合物との相乗的作用により、類似の効果が達成することができるが、式II化合物の添加量が高すぎると、高温貯蔵特性が影響を受けたことが分かった。これは、正極、負極に形成した保護膜が厚すぎることにより、抵抗が増加し、電気特性に影響を与えるためである。
【0062】
実施例27~29を比べることにより、異なる式II化合物を組み合わせて用いることにより、類似の改善効果を達成することができる。
(3)P-N含有類添加剤と、S含有類添加剤と、リン酸環状無水物との相乗的作用の電池の特性に対する影響
【0063】
表3は、実施例4、実施例23、24~29及び比較例6の電解液パラメータ及び電気特性データを示し、実施例30~40は、実施例4を基に表3に示す物質を添加したものである。
【0064】
【表3】
実施例23と、実施例30~41及び実施例4の測定結果を比べることにより、式Iと式II、式IIIとの相乗的作用により、リチウムイオン電池は同時に高い高温サイクル容量維持率、及び低い高温貯蔵体積膨張率を有するとともに、リチウムイオン電池は低い常温直流抵抗も有する。即ち、三者の相乗的作用により、式I化合物のリチウムイオン電池の高温特性に対する改善効果を発揮できるとともに、式I化合物のSEI膜に対する破壊を阻止できることが分かった。実施例32~36の測定結果から、式III化合物含有量が好適な範囲内にあると、低温直流抵抗が徐々に低下したが、含有量が高すぎると、電池の高温サイクル容量維持率及び高温貯蔵体積膨張率に影響が与えることを見出した。
【0065】
比較例6と実施例30~41の測定結果を比べることにより、電解液に式IIIの添加剤のみを入れると、リチウムイオン電池の高温サイクル容量維持率、高温貯蔵体積膨張率特性が悪くなる。これは、正極を保護する正極成膜添加剤がないため、電解液と正極とが反応しやすくなることにより、リチウムイオン電池の特性が悪くなることを見出した。
【0066】
(3)表4は、式I化合物の電解液における含有量のリチウムイオン電池の高温貯蔵体積膨張率及び容量維持率への影響を示す。表4で示される各実施例は実施例4に基づいて改良されたものである。
【0067】
【表4】
【0068】
実施例4と実施例42~45の測定結果を比べることにより、W/Kが一定であると、式Iと式II、式IIIとの相乗的作用により、リチウムイオン電池が高い高温サイクル容量維持率、及び低い高温貯蔵体積膨張率を同時に有するとともに、リチウムイオン電池も低い常温直流抵抗を有する。
【0069】
実施例51に示されたように、W:Kが1.15を超えると、リチウムイオン電池の容量維持率が低い。実施例52に示されるように、W:Kが0.12未満であると、リチウムイオン電池の高温貯蔵体積膨張率が大きい。
【0070】
実施例46~50に示されたように、W:Kが0.12~1.14の範囲内に徐々に増大することに伴い、リチウムイオン電池の高温貯蔵体積膨張率が徐々に低下したが、容量維持率がまず増加して、次に低下した。これは、式I化合物の含有量が増加することに伴い、正極界面が改善され、電解液の安定性が改善されるとともに、式I化合物のP-N結合はリチウム塩と錯体反応を起こし、リチウム塩を安定させ、リチウム塩の高温における分解反応を改善することにより、高温貯蔵における体積膨張率を低下させる。しかし、式I化合物の正極成膜電位が低いため、正極の表面に成膜しやすくなるが、含有量の増加に伴い、成膜抵抗が大きくなるため、容量維持率が低下する。
【0071】
上述したのは本発明のいくつかの実施例に過ぎず、本発明をいずれかの形態に限定するものではなく、本発明の好ましい実施例は以上のように掲示されているが、本発明を制限するものではなく、当業者であれば、本発明の技術案を逸脱しない範囲で上記に開示された技術内容に変更又は修飾を加えることは、いずれも等価な実施例と同様であり、いずれも本発明の技術案の範囲内に属する。
図1
【国際調査報告】