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特表2023-549865児童を対象とした両眼距離測定の方法及びシステム
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  • 特表-児童を対象とした両眼距離測定の方法及びシステム 図1
  • 特表-児童を対象とした両眼距離測定の方法及びシステム 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-29
(54)【発明の名称】児童を対象とした両眼距離測定の方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/00 20170101AFI20231121BHJP
   A61B 3/113 20060101ALI20231121BHJP
【FI】
G06T7/00 660A
A61B3/113
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023529008
(86)(22)【出願日】2022-08-19
(85)【翻訳文提出日】2023-05-11
(86)【国際出願番号】 CN2022113464
(87)【国際公開番号】W WO2023040576
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】202111092737.7
(32)【優先日】2021-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Linux
2.WINDOWS
3.ANDROID
(71)【出願人】
【識別番号】523174789
【氏名又は名称】浙江霊創网絡科技有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】523174790
【氏名又は名称】東勝神州旅游管理有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】黄 水財
【テーマコード(参考)】
4C316
5L096
【Fターム(参考)】
4C316AA21
4C316AA29
4C316AB16
4C316AB17
4C316FB21
4C316FC28
5L096AA06
5L096BA02
5L096CA05
5L096DA02
5L096FA66
5L096HA08
5L096KA04
5L096KA15
(57)【要約】
【課題】児童を対象とした両眼距離測定の方法及びシステムを提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、ターゲット領域の画像及び左右の目の人体の世界座標を取得するステップと、前記ターゲット領域の画像を補正して、補正後のターゲット領域の画像を得るステップと、前記補正後のターゲット領域の画像から顔検出して、顔画像及び目画像を得るステップと、事前構築済み顔認識モデルにより前記顔画像を識別し、顔画像が児童の顔であるかどうかを判断するステップと、児童の顔である場合、得られた顔画像に基づいて画像を補正するステップと、目画像を事前構築済み目認識モデルに入力して識別し、目が画面を凝視しているかどうかを判断するステップと、凝視している場合、前記人体の世界座標に基づいて、前記目画像の距離を測定し、画面と目との距離を得るステップとを含む児童を対象とした両眼距離測定方法を提供する。本発明は、児童の身長と体重を事前に設定する必要がなく、カメラ設置に対する要求も高くなく、両目の距離測定データの処理精度も高く、測定の距離が長く、マルチシナリオでのアプリケーションの利点を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
児童を対象とした両眼距離測定方法であって、以下のステップ:
ターゲット領域の画像及び左右の目の人体の世界座標を取得するステップ、
前記ターゲット領域の画像を補正して、補正後のターゲット領域の画像を得るステップ、
前記補正後のターゲット領域の画像から顔検出して、顔画像及び目画像を得るステップ、
事前構築済み顔認識モデルにより前記顔画像を識別し、顔画像が児童の顔であるかどうかを判断するステップ、
目画像を事前構築済み目認識モデルに入力して識別し、目が画面を凝視しているかどうかを判断するステップ、及び
凝視している場合、前記人体の世界座標に基づいて、前記目画像の距離を測定し、画面と目との距離を得るステップ
を含むことを特徴とする、児童を対象とした両眼距離測定方法。
【請求項2】
前記画面と目との距離が設定値より大きいかどうかを判断し、大きい場合、注意喚起メッセージを表示するステップも含むことを特徴とする、請求項1に記載の児童を対象とした両眼距離測定方法。
【請求項3】
画像を補正(パラメータの収集、歪み除去及び両眼補正を含む)して、補正後の画像情報を得ることを特徴とする、請求項1に記載の児童を対象とした両眼距離測定方法。
【請求項4】
前記顔検出は、顔認識モデルにより画像情報から画像検出、人物の位置決めと画像セグメンテーションを行って、分割後の顔画像及び目画像を得ることを特徴とする、請求項1に記載の児童を対象とした両眼距離測定方法。
【請求項5】
前記顔認識モデルは、
4~16歳の顔画像であるサンプル顔画像及びタグ付けされた顔識別情報を含むトレーニングサンプルを得るステップ、及び
前記顔トレーニングサンプルの顔画像を入力、前記タグ付けされた顔識別情報を出力としてトレーニングして顔認識モデルを得るステップ
を介して構築されることを特徴とする、請求項1に記載の児童を対象とした両眼距離測定方法。
【請求項6】
前記目認識モデルは、
目の凝視点から上下左右の4方向15度までの範囲の画像であるサンプル目画像及びタグ付けされた目識別情報を含むトレーニングサンプルを得るステップ、及び
前記サンプル目画像を入力、タグ付けされた目識別情報を出力としてトレーニングして目認識モデルを得るステップ
を介して構築されることを特徴とする、請求項1に記載の児童を対象とした両眼距離測定方法。
【請求項7】
児童を対象とした両眼距離測定システムであって、画像取得モジュールと、ステレオ補正モジュールと、顔検出モジュールと、顔照合モジュールと、目の凝視点検出モジュールと、距離測定モジュールとを備え、
前記画像取得モジュールは、ターゲット領域の画像及び左右の目の人体の世界座標を取得するために用いられ、
前記ステレオ補正モジュールは、前記ターゲット領域の画像を補正して、補正後のターゲット領域の画像を得るために用いられ、
前記顔検出モジュールは、前記補正後のターゲット領域の画像から顔検出して、顔画像及び目画像を得るために用いられ、
前記顔照合モジュールは、事前構築済み顔認識モデルにより前記顔画像を識別し、顔画像が児童の顔であるかどうかを判断するために用いられ、
前記目の凝視点検出モジュールは、目の凝視点が画面方向にあるかどうかを検出するために用いられ、
前記距離測定モジュールは、画面と目との間の距離を測定するために用いられる
ことを特徴とする、児童を対象とした両眼距離測定システム。
【請求項8】
前記画像取得モジュールは、間隔をあけて配置された2つのイメージセンサーを備えた双眼カメラであることを特徴とする、請求項7に記載の児童を対象とした両眼距離測定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理分野に関し、特に、児童を対象とした両眼距離測定の方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、中国の各年齢層の青少年の近視は、発症年齢が低年齢化し、進行も速く、深刻化の傾向を示している。非全数調査によると、中国の小学生の近視発症率は、約30%、中学生で約60%、高校生で約80%、大学生で90%にもなる。アウトドア活動の減少、電子機器への依存、学業負担の増加といった現代人のライフスタイルの変化に伴い、近視の発生率が増加している。世界保健機関の統計データによると、現在、世界の近視人口は約14億人で、その半数近くが中国に存在している。
【0003】
このような現状になった原因は、電子機器の使用頻度又は使用時間の増加に起因する可能性があるため、従来技術では、電子機器の使用時間が長過ぎるときにどのように使用者に注意を促がすかを研究するための技術或いは方法がますます増えている。
【0004】
よく使われる手段は、距離測定方法で人体と電子機器との間の距離を計測して電子機器の使用時間が長すぎるか、電子機器の画面に顔を近すぎることに注意を促がすが、この方法には以下の欠点があり、
児童向けの視距離計測が非常に少なく、児童向けの距離測定があっても、面倒なパラメータ設定のため、結果が不正確になり、
一部の設定されたパラメータは、児童の身長と体重の変化に合わせて調整されず、距離測定が失敗する原因となり、
カメラが傾いているなど、適切に設置されない場合、誤った測定結果につながる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来技術内の欠点に着目して、児童を対象とした両眼距離測定の方法及びシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記技術的課題を解決するため、本発明は、次の技術的手段を提示する。児童を対象とした両眼距離測定方法であって、以下のステップ:
ターゲット領域の画像及び左右の目の人体の世界座標を取得するステップ、
前記ターゲット領域の画像を補正して、補正後のターゲット領域の画像を得るステップ、
前記補正後のターゲット領域の画像から顔検出して、顔画像及び目画像を得るステップ、
事前構築済み顔認識モデルにより前記顔画像を識別し、顔画像が児童の顔であるかどうかを判断するステップ、
目画像を事前構築済み目認識モデルに入力して識別し、目が画面を凝視しているかどうかを判断するステップ、及び
凝視している場合、前記人体の世界座標に基づいて、前記目画像の距離を測定し、画面と目との距離を得るステップ
を含む、上記方法。
【0007】
さらに、前記画面と目との距離が設定値より大きいかどうかを判断し、大きい場合、端末画面までの視距離が短すぎることを児童に注意を促がし、児童の視力の健康管理を監視するための注意喚起メッセージを表示するステップも含む。
【0008】
さらに、画像を補正(パラメータの収集、歪み除去及び両眼補正を含む)し、補正後の画像情報を得、初期画像を補正し、後続ステップに鮮明で正確な画像情報を提供するために用いられる。
【0009】
さらに、前記顔検出は、顔認識モデルにより画像情報から画像検出、人物の位置決めと画像セグメンテーションを行って、分割後の顔画像及び目画像を得る。
【0010】
さらに、前記顔認識モデルは、以下のステップを介して構築され、
4~16歳の顔画像であるサンプル顔画像及びタグ付けされた顔識別情報を含むトレーニングサンプルを得るステップ、及び
前記顔トレーニングサンプルの顔画像を入力、前記タグ付けされた顔識別情報を出力としてトレーニングし、事前に児童の情報を設定する必要がなく、年齢計算で迅速かつ正確に児童を識別できるための顔認識モデルを得るステップ。
【0011】
さらに、前記目認識モデルは、以下のステップを介して構築され、
目の凝視点から上下左右の4方向15度までの範囲の画像であるサンプル目画像及びタグ付けされた目識別情報を含むトレーニングサンプルを得るステップ、及び
前記サンプル目画像を入力、タグ付けされた目識別情報を出力としてトレーニングし、児童の視線が画面を凝視しているかどうかを迅速かつ正確に判断するための目認識モデルを得るステップ。
【0012】
児童を対象とした両眼距離測定システムであって、画像取得モジュールと、ステレオ補正モジュールと、顔検出モジュールと、顔照合モジュールと、目の凝視点検出モジュールと、距離測定モジュールとを備え、
前記画像取得モジュールは、ターゲット領域の画像及び左右の目の人体の世界座標を取得するために用いられ、
前記ステレオ補正モジュールは、前記ターゲット領域の画像を補正して、補正後のターゲット領域の画像を得るために用いられ、
前記顔検出モジュールは、前記補正後のターゲット領域の画像から顔検出して、顔画像及び目画像を得るために用いられ、
前記顔照合モジュールは、前記顔画像及びトレーニング済みの児童特定モデルに基づき顔を識別するために用いられ、
前記目の凝視点検出モジュールは、目の凝視点が画面方向にあるかどうかを検出するために用いられ、
前記距離測定モジュールは、画面と目との間の距離を測定するために用いられる。
【0013】
さらに、前記画像取得モジュールは、間隔をあけて配置された2つのイメージセンサーを備えた双眼カメラであり、双眼カメラは奥行きを検知でき、左右の目の視差を介するだけで距離測定を実現し、一方で距離測定の精度を向上し、他方で検出の時間を短縮する。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、以上の技術的手段を講じるため、顕著な技術的効果を有し、
本発明の実施形態で提供される児童を対象とした両眼距離測定の方法及びシステムは、児童を自動的に識別し、児童が画面を凝視する距離をリアルタイムで検出し、スマートな監視を実現することで、児童の視力健康を管理しながらモニタ端末を使用するよう導く。従来の技術的手段と比較して、本発明は、児童の身長と体重を事前に設定する必要がなく、カメラ設置に対する要求も高くなく、両眼距離測定データの処理精度も高く、測定の距離が長く、マルチシナリオで応用できる利点を有する。
【0015】
以下、本発明の実施形態又は従来技術内の技術的手段を明確に説明するため、実施形態又は従来技術に使用する必要がある添付の図面を簡単に説明する。以下に描写する添付の図面は、本発明のいくつかの実施形態というのみであり、当業者にとって創造性の活動をしない前提で、これら添付の図面に基づいてその他の図面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態で提供される児童を対象とした両眼距離測定方法のフローチャートである。
図2】本発明の実施形態で提供される児童を対象とした両眼距離測定システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、実施形態を参照しつつ本発明をさらに詳細に説明するが、以下の実施形態は本発明を説明するものであって、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0018】
図1を参照すると、本発明の実施形態は、以下のステップを含む児童を対象とした両眼距離測定方法を提供する。
【0019】
ステップS10:ターゲット領域の画像及び左右の目の人体の世界座標を取得する。
【0020】
本発明の実施形態において、画像収集は、双眼カメラでモニタ端末から一定の範囲内の画像を得ることでターゲット画像情報を取得する。前記カメラは、モニタ端末に組み込まれる方法を用い得、スクリーンの外付け方法を用いてもよい。カメラは、処理ユニットに接続され、収集したターゲット画像を前記処理ユニットに送信して後続の一連の処理を実行し、具体的にカメラは有線又は無線の方法で前記処理ユニットと接続してデータを転送することができる。前記処理ユニットは、モニタ端末に組み込まれたプロセッサであり得、IoTの中央制御装置内のプロセッサであってもよい。
【0021】
ステップS20:前記ターゲット領域の画像を補正して、補正後のターゲット領域の画像を得る。
【0022】
ステレオビジョンでは、物体の位置は双眼カメラの2つのカメラで得られる画像とは異なり、マッチングの計算量を減らすため、2つのカメラの結像平面が同じ平面上にある必要があるが、カメラの構え方に依存してこの目標を達成することは明らかに困難であり、歪みを除去する方法によりステレオキャリブレーションを実行する必要がある。2台のカメラが垂直方向に位置合わせされた後、観測された物体は同じ垂直座標(画像の同じ列)にあり、x座標に焦点を合わせて奥行きを計算するだけで、近くにある物体はx軸上で大きな差を持つことにより、この目標を達成するため、ターゲット領域の画像を補正する必要がある。
【0023】
本発明の実施形態において、画像を補正するのは、パラメータ収集、歪み除去及び両眼補正を含む。パラメータ収集は、対象データの異なる角度からビッグデータを計算し、カメラのパラメータを組み合わせてパラメータを収集し、歪み除去及び両眼補正は、OpenCVのステレオキャリブレーション関数を通じて、画像の世界座標及びターゲットキーポイントに歪み除去及び両眼補正を行うことである。OpenCVは、Linux、Windows、Android等のOS上で実行できるオープンソースのコンピュータビジョン向けのクロスプラットフォームライブラリであり、画像処理及びコンピュータビジョンアプリケーションの開発に使用されることができる。また、画像の世界座標及びターゲットキーポイントを抽出する過程では、垂直座標の差を補正根拠として処理パラメータを正規化し、処理アルゴリズムに直接代入することができ、OpenCVのステレオキャリブレーション関数の変換を待つ時間を節約することで、アルゴリズム処理の速度を向上させることができる。
【0024】
ステップS30:前記補正後のターゲット領域の画像から顔検出して、顔画像及び目画像を得る。
【0025】
顔検出の目的は、得られたターゲット画像内の任意のフレームについて、顔検出アルゴリズムでターゲット画像を検索し、ターゲット画像に人間の顔があるかどうかを確認し、ターゲット画像には室内の家具及び人体の他の部位(腿、肩及び腕など)などの人間の顔ではない物体が含まれている可能性があるためである。
【0026】
処理ユニットに組み込まれている顔検出アルゴリズムを介してターゲット画像内の任意のフレームから顔検出でき、該フレーム内に人間の顔がある場合、後続の顔特徴抽出等のステップに進む。顔検出アルゴリズムは、OpenCVに付属の分類器で実現できる。本発明の実施形態において、yoloに基づく顔検出アルゴリズムで顔検出し、ターゲット画像を49個の画像ブロックに分割してから各画像ブロックを個別に計算して顔の位置を確認する。また、前記yoloに基づく顔検出アルゴリズムは、ターゲット画像を49個の画像ブロックに分割し、後続の特徴抽出段階で、目等の重要な部分を細かく検出できることで、顔特徴抽出及び顔照合の精度を向上させる。
【0027】
他の実施形態において、勾配方向ヒストグラムで顔の位置を検出し、まずターゲット画像をグレースケール化し、次に画像内の画素の勾配を計算し、画像を勾配方向ヒストグラムに変換することで、顔の位置を検出することができる。
【0028】
ステップS40:事前構築済み顔認識モデルにより前記顔画像を識別し、顔画像が児童の顔であるかどうかを判断する。
【0029】
本発明の実施形態において、顔認識モデルは、以下のステップを介して構築され、
4~16歳の顔画像であるサンプル顔画像及びタグ付けされた顔識別情報を含むトレーニングサンプルを得るステップ、及び
前記顔トレーニングサンプルの顔画像を入力、前記タグ付けされた顔識別情報を出力としてトレーニングして、顔認識モデルを得るステップ。
【0030】
他の実施形態において、サンプル顔画像が4~12歳の顔画像及びタグ付けされた顔識別情報を通じてトレーニングして顔認識モデルが得られる。
【0031】
本実施形態において、4~16歳の顔データセットを用いることにより、一部児童の顔が比較的成熟して、実際の年齢が外見年齢より若いということで顔認識システムによって除外されることを防ぐことができる。
【0032】
より詳細で差別化された制御のため、児童をより小さな年齢範囲に区分する必要がある場合において、顔データセット内の全ての顔の固有値をトレーニングし、いくつかの異なる範囲の顔データセットに分けられ、次に各異なる年齢層の児童を区分して計算する。具体的には、顔認識手法を用い、ターゲット顔と顔データベース内の各人物の重みベクトルとの間のユークリッド距離を計算することにより、異なる年齢層の児童をより正確に識別できる。
【0033】
ステップS50:目画像を事前構築済み目認識モデルに入力して識別し、目が画面を凝視しているかどうかを判断する。
【0034】
本発明の実施形態において、前記目認識モデルは、以下のステップを介して構築され、
目の凝視点から上下左右の4方向15度までの範囲の画像であるサンプル目画像及びタグ付けされた目識別情報を含むトレーニングサンプルを得るステップ、及び
前記サンプル目画像を入力、タグ付けされた目識別情報を出力としてトレーニングして、目認識モデルを得るステップ。
【0035】
目画像を目認識モデルに入力することで、児童が画面を凝視しているかどうかを判断する。
【0036】
ステップS60:凝視している場合、前記人体の世界座標に基づいて、前記目画像の距離を測定し、画面と目との距離を得る。ここでの具体的な計算式は、次のように表される。
【0037】
【数1】
【0038】
式中、左右の目の視差とは、x座標上の左右画像の同じ特徴点の差を意味し、
前記画面と目との距離が設定値よりも大きいかどうかを判断し、大きい場合、注意喚起メッセージを表示する。
【0039】
本発明の実施形態で提供される児童を対象とした両眼距離測定方法は、児童を自動的に識別し、児童が画面を凝視する距離をリアルタイムで検出し、スマートな監視を実現することで、児童の視力健康を管理しながらモニタ端末を使用するよう導く。従来の技術的手段と比較して、本発明は、児童の身長と体重を事前に設定する必要がなく、カメラ設置に対する要求も高くなく、両眼距離測定データの処理精度も高く、測定の距離が長く、マルチシナリオで応用できる利点を有する。
【0040】
また、上記児童を対象とした両眼距離測定方法による場合、本発明の実施形態は、児童を対象とした両眼距離測定システムも提供し、図2に示すように前記システムは、画像取得モジュール100と、ステレオ補正モジュール200と、顔検出モジュール300と、顔照合モジュール400と、目の凝視点検出モジュール500と、距離測定モジュール600とを備え、
前記画像取得モジュール100は、ターゲット領域の画像及び左右の目の人体の世界座標を取得するために用いられ、
前記ステレオ補正モジュール200は、前記ターゲット領域の画像を補正して、補正後のターゲット領域の画像を得るために用いられ、
前記顔検出モジュール300は、前記補正後のターゲット領域の画像から顔検出して、顔画像及び目画像を得るために用いられ、
前記顔照合モジュール400は、事前構築済み顔認識モデルにより前記顔画像を識別し、顔画像が児童の顔であるかどうかを判断するために用いられ、
前記目の凝視点検出モジュール500は、目の凝視点が画面方向にあるかどうかを検出するために用いられ、
前記距離測定モジュール600は、画面と目との間の距離を測定するために用いられる。
【0041】
本発明の実施形態において、前記画像取得モジュール100は、間隔をあけて配置された2つのイメージセンサーを備えた双眼カメラであり、双眼カメラは奥行きを検知でき、左右の目の視差を介するだけで距離測定を実現し、一方で距離測定の精度を向上し、他方で検出の時間を短縮する。
【0042】
また、特筆すべきことは、本明細書に記載された具体的実施形態の部品、構成要素の形状、名称に関して異なる場合がある。本発明の特許の技術的思想に記載された構造、特徴、及び原理に従ってなされたすべての均等或いは単純な変化は、本発明の特許の保護範囲に含まれる。本発明の当業者は、記載された具体的実施形態に対して多種多様な修正又は補足を行うか、類似の方法でこれらを置き換えることができ、本発明の構造から逸脱しない限り、若しくは特許請求の範囲で特定された範囲を超えない限り、本発明の保護範囲に属すべきである。
【0043】
(付記)
(付記1)
児童を対象とした両眼距離測定方法であって、以下のステップ:
ターゲット領域の画像及び左右の目の人体の世界座標を取得するステップ、
前記ターゲット領域の画像を補正して、補正後のターゲット領域の画像を得るステップ、
前記補正後のターゲット領域の画像から顔検出して、顔画像及び目画像を得るステップ、
事前構築済み顔認識モデルにより前記顔画像を識別し、顔画像が児童の顔であるかどうかを判断するステップ、
目画像を事前構築済み目認識モデルに入力して識別し、目が画面を凝視しているかどうかを判断するステップ、及び
凝視している場合、前記人体の世界座標に基づいて、前記目画像の距離を測定し、画面と目との距離を得るステップ
を含むことを特徴とする、児童を対象とした両眼距離測定方法。
【0044】
(付記2)
前記画面と目との距離が設定値より大きいかどうかを判断し、大きい場合、注意喚起メッセージを表示するステップも含むことを特徴とする、付記1に記載の児童を対象とした両眼距離測定方法。
【0045】
(付記3)
画像を補正(パラメータの収集、歪み除去及び両眼補正を含む)して、補正後の画像情報を得ることを特徴とする、付記1に記載の児童を対象とした両眼距離測定方法。
【0046】
(付記4)
前記顔検出は、顔認識モデルにより画像情報から画像検出、人物の位置決めと画像セグメンテーションを行って、分割後の顔画像及び目画像を得ることを特徴とする、付記1に記載の児童を対象とした両眼距離測定方法。
【0047】
(付記5)
前記顔認識モデルは、
4~16歳の顔画像であるサンプル顔画像及びタグ付けされた顔識別情報を含むトレーニングサンプルを得るステップ、及び
前記顔トレーニングサンプルの顔画像を入力、前記タグ付けされた顔識別情報を出力としてトレーニングして顔認識モデルを得るステップ
を介して構築されることを特徴とする、付記1に記載の児童を対象とした両眼距離測定方法。
【0048】
(付記6)
前記目認識モデルは、
目の凝視点から上下左右の4方向15度までの範囲の画像であるサンプル目画像及びタグ付けされた目識別情報を含むトレーニングサンプルを得るステップ、及び
前記サンプル目画像を入力、タグ付けされた目識別情報を出力としてトレーニングして目認識モデルを得るステップ
を介して構築されることを特徴とする、付記1に記載の児童を対象とした両眼距離測定方法。
【0049】
(付記7)
児童を対象とした両眼距離測定システムであって、画像取得モジュールと、ステレオ補正モジュールと、顔検出モジュールと、顔照合モジュールと、目の凝視点検出モジュールと、距離測定モジュールとを備え、
前記画像取得モジュールは、ターゲット領域の画像及び左右の目の人体の世界座標を取得するために用いられ、
前記ステレオ補正モジュールは、前記ターゲット領域の画像を補正して、補正後のターゲット領域の画像を得るために用いられ、
前記顔検出モジュールは、前記補正後のターゲット領域の画像から顔検出して、顔画像及び目画像を得るために用いられ、
前記顔照合モジュールは、事前構築済み顔認識モデルにより前記顔画像を識別し、顔画像が児童の顔であるかどうかを判断するために用いられ、
前記目の凝視点検出モジュールは、目の凝視点が画面方向にあるかどうかを検出するために用いられ、
前記距離測定モジュールは、画面と目との間の距離を測定するために用いられる
ことを特徴とする、児童を対象とした両眼距離測定システム。
【0050】
(付記8)
前記画像取得モジュールは、間隔をあけて配置された2つのイメージセンサーを備えた双眼カメラであることを特徴とする、付記7に記載の児童を対象とした両眼距離測定システム。
図1
図2
【国際調査報告】