(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-29
(54)【発明の名称】隆起部を有する導入針及び関連システム並びに方法
(51)【国際特許分類】
A61M 25/06 20060101AFI20231121BHJP
【FI】
A61M25/06 500
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023529036
(86)(22)【出願日】2021-10-27
(85)【翻訳文提出日】2023-06-21
(86)【国際出願番号】 US2021056769
(87)【国際公開番号】W WO2022103579
(87)【国際公開日】2022-05-19
(32)【優先日】2020-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417-1880, UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジテンドラ クマル サティヤナラヤナ ナイドゥ
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA02
4C267AA15
4C267BB02
4C267BB04
4C267BB24
4C267CC08
(57)【要約】
カテーテルシステムはカテーテルアダプタを含んでもよく、これは末端端部、基端端部、及びカテーテルアダプタの末端端部及びカテーテルアダプタの基端端部を通って延びる内腔、を含んでもよい。カテーテルシステムは、カテーテルアダプタの内腔内に配置されたセプタム組立体を含んでもよい。カテーテルシステムは、カテーテルアダプタの末端端部から延びるカテーテルを含んでもよい。カテーテルシステムは、導入針を含んでもよく、これは基端端部、鋭い末端端部、及び基端端部と鋭い末端端部との間に配置された隆起部を含んでもよい。導入針の基端端部は、カテーテルシステムの針ハブ内に固定されてもよい。隆起部がセプタム組立体に接触するのに応じて、導入針の鋭い末端先端が、カテーテルの末端端部に対して末端に配置される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルシステムが、
カテーテルアダプタであって、末端端部、基端端部、及び前記カテーテルアダプタの前記末端端部及び前記カテーテルアダプタの前記基端端部を通って延びる内腔を備える、カテーテルアダプタ、
前記カテーテルアダプタの前記内腔内に配置されたセプタム組立体であって、前記セプタム組立体はセプタム及びセプタムキャニスタを備える、セプタム組立体、
前記カテーテルアダプタの前記末端端部から延びるカテーテル、
前記カテーテルアダプタの前記基端端部に結合された針ハブ、及び
基端端部、鋭い末端先端、及び前記基端端部と前記鋭い末端端部との間に配置された隆起部を備えた導入針であって、前記導入針の前記基端端部が前記針ハブ内に固定され、前記隆起部が前記セプタム組立体に接触することに応答して、前記導入針の前記鋭い末端端部が前記カテーテルの前記末端端部に配置される、導入針、
を備える、カテーテルシステム。
【請求項2】
前記導入針の前記鋭い末端先端がベベルを備え、前記隆起部と前記セプタム組立体との間の距離が、前記カテーテルの前記末端端部と前記導入針の前記ベベルの前記基端端部との間の載置距離以下である、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項3】
前記セプタム組立体が基端端部を備え、前記隆起部が前記セプタム組立体の前記基端端部に接触している、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項4】
前記隆起部が、前記セプタム組立体の基端にあり及び前記セプタム組立体から間隔を空けられている、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項5】
前記隆起部が前記セプタム組立体から2mm以下である、請求項4に記載のカテーテルシステム。
【請求項6】
前記カテーテル組立体が、前記カテーテルアダプタから外向きに延びる翼を更に備え、前記針組立体が、前記針ハブから外向きに延びるパドルハブを更に備え、前記パドルハブが、前記翼と当接して前記翼の前記パドルハブに関する基端移動を防止するように構成された唇状部を備え、前記翼が前記パドルハブに関して末端にスライドするように構成されている、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項7】
前記隆起部が第1の隆起部であり、前記導入針が前記第1の隆起部に対して末端に第2の隆起部を備えている、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項8】
前記第2の隆起部が前記セプタム組立体に接触することに応答して、前記導入針の前記鋭い末端先端が前記カテーテルの前記末端端部に対して末端に配置される、請求項7に記載のカテーテルシステム。
【請求項9】
前記導入針の前記鋭い末端先端がベベルを備え、前記第2の隆起部と前記セプタム組立体との間の距離が、前記カテーテルの前記末端端部と前記導入針の前記ベベルの基端端部との間の載置距離以下である、請求項7に記載のカテーテルシステム。
【請求項10】
前記セプタム組立体が基端端部を備え、前記第1の隆起部が前記セプタム組立体の前記基端端部に接触している、請求項7に記載のカテーテルシステム。
【請求項11】
前記第1の隆起部は、前記セプタム組立体の基端にあり、前記セプタム組立体から間隔をあけられている、請求項7に記載のカテーテルシステム。
【請求項12】
前記第2の隆起部は、前記セプタム組立体から2mm以下のである、請求項7に記載のカテーテルシステム。
【請求項13】
前記第1の隆起部及び前記第2の隆起部がそれぞれ環状リングを備える、請求項7に記載のカテーテルシステム。
【請求項14】
前記導入針が、前記隆起部に対して末端にノッチを備える、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項15】
前記カテーテルが末梢静脈カテーテルである、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項16】
前記隆起部が環状リングを備える、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項17】
針組立体が、
導入針であって、
基端端部、
鋭い末端先端、
ノッチ、
前記ノッチと前記基端端部との間の第1の隆起部、及び
前記ノッチと前記基端端部との間で前記第1の隆起部の基端にある第2の隆起部、
を備える、針組立体。
【請求項18】
前記第1の隆起部及び前記第2の隆起部が環状である、請求項17に記載の針組立体。
【請求項19】
前記導入針が、末梢静脈カテーテルを通って延びるように構成されている、請求項17に記載の針組立体。
【請求項20】
針ハブを更に備え、前記導入針の前記基端端部が前記針ハブ内に固定されている、請求項17に記載の針組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
この出願は、2020年11月16日に出願された、隆起部を有する導入針及び関連システム並びに方法と題する、米国仮特許出願第63/114,276号の利益を主張し、その全体がここに組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
背景
カテーテルは、様々な輸液療法に一般的に使用されている。カテーテルは、通常の生理食塩水、様々な医薬品、完全非経口栄養、又は他の流体を患者に注入するために使用されることがある。カテーテルはまた、診断又は他の目的のために、患者から血液を引き出すために使用されることもある。
【0003】
一般的なタイプのカテーテルは、「オーバーザニードル」である末梢静脈カテーテル(「PIVC」)である。その名が示すように、オーバーザニードルであるPIVCは、鋭い末端先端を有する導入針の上に取り付けられることがある。PIVCと導入針は、導入針の末端先端がPIVCの末端先端を越えて延びて、針のベベルが患者の皮膚から離れて上を向くように組み立てられることがある。PIVCと導入針は、一般に、皮膚から患者の血管系に浅い角度で挿入される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
導入針及び/又はPIVCの血管への適切な配置を確認するために、施術者は一般に、カテーテル組立体のフラッシュバックチャンバに血液の「フラッシュバック」があることを確認する。針の配置が確認されると、施術者は、将来の流体注入のためにPIVCを適所に残したまま、導入針を取り外すことがある。
【0005】
ここで主張される主題は、あらゆる欠点を解決する実施形態や、上記のような環境でのみ動作する実施形態に限定されるものではない。むしろ、この背景は、ここに記載されるいくつかの実施形態が実践され得る一例の技術領域を説明するために提供されるに過ぎない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
概要
本開示は、全体として、血管アクセス装置、システム、及び方法に関する。特に、本開示は、隆起部を含む導入針だけでなく、関連するシステム及び方法にも関する。いくつかの実施形態では、カテーテルシステムは、カテーテルアダプタを含んでもよく、これは末端端部、基端端部、及びカテーテルアダプタの末端端部とカテーテルアダプタの基端端部とを通って延びる管腔を含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルシステムは、カテーテルアダプタの内腔内に配置されたセプタム組立体を含んでもよい。いくつかの実施形態では、セプタム組立体は、セプタム及び/又はセプタムキャニスタを含んでもよい。
【0007】
いくつかの実施形態では、カテーテルシステムは、カテーテルアダプタの末端端部から延びるカテーテルを含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルシステムは、カテーテルアダプタの基端端部に結合された針ハブを含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルシステムは、導入針を含んでもよく、これは基端端部、鋭い末端先端、及び基端端部と鋭い末端先端との間に配置された隆起部を含んでもよい。いくつかの実施形態では、導入針の基端端部は、針ハブ内に固定される。いくつかの実施形態では、隆起部がセプタム組立体に接触するのに応答して、導入針の鋭い末端先端は、カテーテルの末端端部に対して末端に配置される。
【0008】
いくつかの実施形態では、導入針の鋭い末端先端は、ベベルを含んでもよい。いくつかの実施形態では、隆起部とセプタム組立体との間の距離は、カテーテルの末端端部と導入針のベベルの基端端部との間の載置距離以下であってもよい。いくつかの実施形態では、セプタム組立体は基端端部を含んでよく、隆起部はセプタム組立体の基端端部と接触してもよい。いくつかの実施形態では、隆起部は、セプタム組立体の基端にあってセプタム組立体から間隔をあけられてもよい。いくつかの実施形態では、隆起部は、セプタム組立体から2mm以下であってもよい。いくつかの実施形態では、導入針は、隆起部に対して末端にあるノッチを含んでもよい。
【0009】
いくつかの実施形態では、カテーテル組立体は、カテーテルアダプタから外向きに延びる翼を含んでもよい。いくつかの実施形態では、針組立体は、針ハブから外向きに延びるパドルハブを含んでもよい。いくつかの実施形態では、パドルハブは、翼に当接してパドルハブに関する翼の基端移動を防止するように構成された唇状部を含んでもよい。いくつかの実施形態では、翼は、パドルハブに関して末端にスライドするように構成されてもよい。
【0010】
いくつかの実施形態では、隆起部は第1の隆起部であり、導入針は、第1の隆起部に対して末端にある第2の隆起部を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第2の隆起部がセプタム組立体に接触することに応答して、導入針の鋭い末端先端は、カテーテルの末端端部に対して末端に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、導入針の鋭い末端先端はベベルを含んでいてもよく、第2の隆起部とセプタム組立体との間の距離は、カテーテルの末端端部と導入針のベベルの基端端部との間の載置距離以下であってもよい。
【0011】
いくつかの実施形態では、セプタム組立体は基端端部を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1の隆起部は、セプタム組立体の基端端部と接触してもよい。いくつかの実施形態では、第1の隆起部は、セプタム組立体の基端にあってセプタム組立体から間隔を空けられてもよい。いくつかの実施形態では、第2の隆起部は、セプタム組立体から2mm以下であってもよい。
【0012】
いくつかの実施形態では、第1の隆起部及び/又は第2の隆起部は、環状リングを含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1の隆起部は、ノッチと導入針の基端端部との間に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、第2の隆起部は、ノッチと導入針の基端端部との間であり第1の隆起部に対して基端に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルは、末梢静脈カテーテルを含んでもよい。いくつかの実施形態では、導入針は、末梢静脈カテーテルを通って延びるように構成されてもよい。
【0013】
前述の一般的な説明と以下の詳細な説明の両方は、例であり説明的であり、請求されるように本発明を制限するものではないことを理解されたい。様々な実施形態は、図面に例示された配置及び器具に限定されないことを理解されたい。また、実施形態を組み合わせることができ、又は他の実施形態を利用することができ、また、そう主張しない限り、本発明の様々な実施形態の範囲から逸脱することなく構造変更を行うことができることを理解されたい。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で取られるものではない。
【0014】
図面のいくつかの図の簡単な説明
例示的な実施形態は、添付の図面の使用を通じて、更に具体的かつ詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1A】
図1Aは、患者への挿入前の先行技術カテーテルシステムの末端端部の拡大図である。
【
図1B】
図1Bは、患者への挿入中の先行技術カテーテルシステムの末端端部の拡大図である。
【
図2A】
図2Aは、いくつかの実施形態による、カテーテルシステムの上方斜視図である。
【
図2B】
図2Bは、いくつかの実施形態による、
図2Aのカテーテルシステムの部分分解図である。
【
図2C】
図2Cは、いくつかの実施形態による、
図2Aのカテーテルシステムの例示的な針組立体及び例示的なセプタム組立体の上方斜視図である。
【
図2D】
図2Dは、いくつかの実施形態による、
図2Aの針組立体とセプタム組立体の拡大上方斜視図である。
【
図3A】
図3Aは、いくつかの実施形態による、例示的な針組立体及び
図2Aのセプタム組立体の上方斜視図である。
【
図3B】
図3Bは、いくつかの実施形態による、
図3Aの針組立体及びセプタム組立体の拡大上方斜視図である。
【
図3C】
図3Cは、いくつかの実施形態による、
図3Aの針組立体及びセプタム組立体を含む別の例示的カテーテルシステムの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
実施形態の説明
ここで
図1Aを参照すると、先行技術のカテーテルシステムの末端端部10が、患者への挿入前で示されている。患者への挿入前、及び先行技術のカテーテル組立体の製造及び組立中に、導入針12は、カテーテル14を通って挿入されて、導入針12の鋭い末端先端16がカテーテル14の末端端部18に対して末端になっていてもよい。カテーテル14の末端端部18を超えて延びる導入針12は、患者の皮膚及び血管系の穿刺、及び血管系内への先行技術のカテーテルシステムの挿入を容易にしてもよい。組立状態におけるカテーテル14の末端端部18と導入針12のベベル22の基端端部20との間の距離は、載置距離(Lie distance)24と呼ばれる。
【0017】
次に
図1Bを参照すると、ある場合、先行技術のカテーテルシステムを患者の皮膚を通って血管系内に挿入する際に、施術者が誤ってカテーテル14をベベル22の基端端部20を越えて末端に前進させ、又は誤って導入針44を基端に引き出して、載置距離24を減少又は消失させてもよい。これは、挿入の成功を減少させ、カテーテル14の剥離という結果となり、患者にとって苦痛である。
【0018】
次に
図2A~2Bを参照すると、いくつかの実施形態では、カテーテルシステム26は、カテーテルアダプタ28を含んでもよく、これは末端端部30、基端端部32、及びカテーテルアダプタ28の末端端部30及びカテーテルアダプタ28の基端端部32を通って延びるルーメン34を含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルシステム26は、1つ以上の特徴又は動作の点で、
図1に関して議論された先行技術のカテーテルシステムと類似又は同一であってもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルシステム26は、カテーテルアダプタ28のルーメン34内に配置されたセプタム組立体36を含んでもよい。いくつかの実施形態では、セプタム組立体36は、セプタム38及び/又はセプタムキャニスタ40を含んでもよい。
【0019】
いくつかの実施形態では、カテーテルシステム26は、カテーテルアダプタ28の末端端部30から延びるカテーテル42を含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルシステム26は、カテーテルアダプタ28の基端端部32に結合された針ハブ43を含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルシステム26は、導入針44を含んでもよく、これは基端端部46と鋭い末端先端48とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、導入針44の基端端部46は、針ハブ43内に固定されてもよい。
【0020】
いくつかの実施形態では、カテーテル組立体は、翼50を含んでもよく、これはカテーテルアダプタ28から外向きに延びてもよい。いくつかの実施形態では、カテーテル組立体は、カテーテルアダプタ28及びカテーテル42を含んでもよく、針組立体は、針ハブ43及び導入針44を含んでもよい。いくつかの実施形態では、針組立体は、針ハブ43から外向きに延びるパドルハブ52を含んでもよい。いくつかの実施形態では、パドルハブ52は、翼50に当接してパドルハブ52に関する翼50の基端移動を防止するように構成された唇状部53を含んでもよい。いくつかの実施形態では、翼50は、パドルハブ52に関して末端にスライドするように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、別の翼54が、翼50と反対の方向にカテーテルアダプタ28から外向きに延びてもよい。
【0021】
いくつかの実施形態では、導入針44の鋭い末端先端48は、ベベル56を含んでもよい。ある場合では、皮膚を通して患者の血管系内にカテーテル42を挿入する間に、カテーテル42の末端端部58がベベル56の基端端部60に対して末端に配置される傾向があってもよい。これは、施術者が誤ってカテーテル14をベベル22の基端端部20を超えて末端側に前進させ、又は導入針44を基端側に引き出して、載置距離62(
図2E参照)を減少又は消滅させることに応じて生じてもよい。翼50とパドルハブ52との間の低摩擦、減少した載置距離を有する組立状態、又は施術者がカテーテル42の挿入の間に翼50とパドルハブ52とを一緒に保持する(結果として早期の「マネーグリップ」前進をもたらす)ために、載置距離62が減少又は除去される傾向があってもよい。載置距離62の排除は、挿入の成功を低下させ、カテーテル42の剥離をもたらし、患者に痛みを与えることがあるため、皮膚及び血管系の壁を通る最初の挿入の間には望ましくない。
【0022】
いくつかの実施形態では、カテーテルシステム26は、施術者に触覚表示を提供してカテーテル42の末端端部58がベベル56の基端端部60に対して末端に配置されるのを防ぐように構成されてもよい。次に
図2C~2Eを参照すると、いくつかの実施形態では、導入針44は、基端端部46と鋭い末端先端48との間に配置された隆起部64を含んでもよい。いくつかの実施形態では、隆起部64は、施術者に触覚表示を提供してカテーテル42の末端端部58がベベル56の基端端部60に対して末端に配置されるのを防いでもよい。更に詳細には、いくつかの実施形態では、施術者は、隆起部64がセプタム組立体36に接触するのを感知してもよく、これはカテーテル42に対して導入針44をこれ以上(基端に)引き出さないように注意するように及び/又は導入針44に関してカテーテル42を更に(末端に)前進させないように、施術者に対して示してもよい。いくつかの実施形態では、隆起部64は、触覚表示を提供するだけでなく、施術者がカテーテル42の末端端部58をベベル56の基端端部60に対して末端に位置づけるのに必要な力を増大させて、載置距離62を排除するリスクを低減させてもよい。
【0023】
いくつかの実施形態では、隆起部64がセプタム組立体36に接触することに応答して、導入針44の鋭い末端先端48は、カテーテル42の末端端部58に対して末端に配置されてもよい。したがって、鋭い末端先端48は、カテーテル42から依然として露出して、挿入の成功を容易にする。
【0024】
組立状態(例えば、
図2A~2Fに示されている)におけるカテーテル42の末端端部58とベベル56の基端端部60との間の距離は、載置距離62と呼ばれる。カテーテルシステム26は、組立状態において、患者への挿入の準備ができていてもよい。いくつかの実施形態では、隆起部64とセプタム組立体36との間の距離(組立状態)は、カテーテル42の末端端部58とベベル56の基端端部60との間の載置距離62以下であってもよい。したがって、隆起部64は、載置距離62以上であるカテーテル42と導入針44との間の移動を阻止してもよい。
【0025】
いくつかの実施形態では、セプタム組立体36は、基端端部66を含んでもよい。いくつかの実施形態では、基端端部66は、セプタム38を含んでもよく、これは低ドラッグ(low-drag)セプタムであってよく及び/又は可撓性材料で構成されてもよい。いくつかの実施形態では、基端端部66は、セプタムキャニスタ40を含んでもよい。
【0026】
いくつかの実施形態では、セプタム38は、任意の適切なセプタムを含んでもよい。いくつかの実施形態では、セプタムキャニスタ40は、任意の適切なセプタムキャニスタを含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルシステム26は、例えば、BD NEXIVA(商標)閉鎖IVカテーテルシステム、BD CATHENA(商標)カテーテルシステム、BD VENFLON(商標)プロ安全シールドIVカテーテルシステム、又は別の適切なカテーテルシステムなどの任意の適切なカテーテル組立体を含み又はそれに対応してもよい。
【0027】
いくつかの実施形態では、隆起部64は、例えば
図2D~2Eに示されているように、セプタム組立体36の基端にあってセプタム組立体36から間隔をあけて配置されていてもよい。いくつかの実施形態では、隆起部64は、セプタム組立体から2mm以下であってもよい。いくつかの実施形態では、導入針44は、皮膚及び血管系の壁を通る最初の挿入の後にフードで覆われてもよい。導入針44をフードで覆うことにより、カテーテル42が血管系内で更に前進されて固定される際に、血管系の内面を傷つけるリスクを低減してもよい。導入針44がフードで覆われると、導入針44はカテーテル42に対してわずかに引き出され、その結果ベベル56は少なくとも部分的にカテーテル42内に配置される。いくつかの実施形態では、隆起部64は、セプタムキャニスタ40から約2mmで又は2mm以下(組立状態において)で配置されて、皮膚及び血管系の壁を通る最初の挿入後に鋭い末端先端48をフードで覆うことを容易にしてもよい。
【0028】
いくつかの実施形態では、隆起部64は、セプタム組立体36から2mmを超えていてもよい(組立体状態において)。いくつかの実施形態では、隆起部64は、セプタム組立体36から2mm未満であってもよい(組立体状態において)。いくつかの実施形態では、セプタム組立体36は基端端部66を含んでもよく、隆起部64はセプタム組立体36の基端端部66と接触していてもよい(組立体状態において)。いくつかの実施形態では、隆起部64は、セプタム組立体36から2~3mmの間に配置されてもよい(組立体状態において)。
【0029】
いくつかの実施形態では、導入針44は、隆起部64に対して末端にノッチ68を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ノッチ68は、導入針44の内腔と流体連通していてもよく、カテーテル42内のフラッシュバックの観察を容易にしてもよい。
【0030】
ここで
図2Fを参照すると、いくつかの実施形態では、基端端部66はセプタム38を含んでもよく、これは低ドラッグセプタムであり、及び/又は可撓性材料で構成されていてもよい。いくつかの実施形態では、基端端部66は、例えば
図2Fに図示されるように、セプタムキャニスタ40を含んでもよい。いくつかの実施形態では、セプタムキャニスタ40は剛性又は半剛性の材料で構成されてもよく、これは隆起部64との接触に応答して、克服すべきより大きな力及び/又はより大きな触覚表示を提供してもよい。いくつかの実施形態では、セプタムキャニスタ40は金属で構成されてもよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、隆起部64は、セプタム組立体36の基端端部66と接触していてもよく(組立状態において)、これは導入針44とカテーテルとの間のあらゆる移動のリスクを低減して、載置距離62の維持を容易にしてもよい。本開示の実施形態は、組み合わされてもよい。例えば、
図2Eは、低ドラッグであるセプタム38及び/又はセプタムキャニスタ40を含む基端端部66を含んでもよい。
【0032】
ここで
図3A~3Cを参照すると、いくつかの実施形態では、隆起部64は第1の隆起部であり、導入針44は、第1の隆起部に対して末端に第2の隆起部70を含んでもよい。
図3A~3Cは、いくつかの実施形態による、組立状態にあって患者への挿入の準備が整ったカテーテルシステム26を示す。いくつかの実施形態では、第2の隆起部70は、カテーテル42の末端端部58がベベル56の基端端部60に対して末端に配置されることを防止するための追加の触覚表示を提供してもよい。いくつかの実施形態では、第2の隆起部70は、カテーテル42の末端端部58がベベル56の基端端部60の末端、所望されないかもしれない位置、に配置されるために、施術者が克服するためのより大きな力を提供してもよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、第2の隆起部70がセプタム組立体36に接触することに応答して、導入針44の鋭い末端先端48は、カテーテル42の末端端部58に対して末端に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、導入針44の鋭い末端先端48はベベル56を含んでもよく、第2の隆起部70とセプタム組立体36との間の距離は、カテーテル42の末端端部58と導入針44のベベル56の基端端部60との間の載置距離62以下であってもよい。
【0034】
いくつかの実施形態では、セプタム組立体36は、基端端部66を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第2の隆起部70は、セプタム組立体36の基端端部66と(組立状態で)接触していてもよく、これはセプタム38及び/又はセプタムキャニスタ40を含んでもよい。いくつかの実施形態では、これは、導入針44とカテーテルとの間のあらゆる移動のリスクを低減して、載置距離62の維持を容易にしてもよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、第2の隆起部70は、セプタム組立体36に近接し及びセプタム組立体36から間隔を空けて配置されてもよい(組立状態において)。いくつかの実施形態では、第2の隆起部70は、セプタム組立体36から2mm以下で配置されてもよい(組立体状態において)。いくつかの実施形態では、第2の隆起部70は、セプタム組立体36から約2mm又は2mm以下(組立状態において)配置されて、皮膚及び血管系の壁を通る最初の挿入の後に鋭い末端先端48を保持することを容易にしてもよい。いくつかの実施形態では、第2の隆起部70は、セプタム組立体36から2mmを超えて配置されてもよい(組立状態において)。いくつかの実施形態において、第2の隆起部70は、セプタム組立体36から2mm未満であってもよい(組立状態において)。いくつかの実施形態では、第2の隆起部70は、セプタム組立体36から2~3mmの間に配置されてもよい(組立体状態において)。
【0036】
いくつかの実施形態では、第1の隆起部及び/又は第2の隆起部70は、環状リングを含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1の隆起部は、ノッチ68と導入針44の基端端部46との間に配置されてもよく、及び/又は第2の隆起部70は、ノッチ68と導入針44の基端端部46との間で及び第1の隆起部の基端に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、カテーテル42は、末梢静脈カテーテル、末梢挿入型中心カテーテル、正中線カテーテル、又は別の適切なカテーテルを含んでもよい。いくつかの実施形態では、導入針44は、組立状態において末梢静脈カテーテルを通って延びるように構成されてもよい。
【0037】
ここに記載されるすべての例及び条件付き言語は、読者が本発明及び技術を促進するために発明者によって貢献された概念を理解するのを助けるための教育的目的のために意図されており、そのような具体的に援用された例及び条件に限定されないものとして解釈される。本発明の実施形態が詳細に説明されたが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更、置換、及び改変がここになされ得ることを理解されたい。
【国際調査報告】