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特表2023-549919電池及びその製造方法、製造機器と電力消費装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-29
(54)【発明の名称】電池及びその製造方法、製造機器と電力消費装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/342 20210101AFI20231121BHJP
   H01M 50/291 20210101ALI20231121BHJP
   H01M 50/293 20210101ALI20231121BHJP
   H01M 50/588 20210101ALI20231121BHJP
   H01M 50/593 20210101ALI20231121BHJP
   H01M 50/213 20210101ALI20231121BHJP
【FI】
H01M50/342 201
H01M50/291
H01M50/342 101
H01M50/293
H01M50/588
H01M50/593
H01M50/213
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023530302
(86)(22)【出願日】2021-05-31
(85)【翻訳文提出日】2023-05-18
(86)【国際出願番号】 CN2021097228
(87)【国際公開番号】W WO2022252011
(87)【国際公開日】2022-12-08
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】王学輝
(72)【発明者】
【氏名】高雄偉
【テーマコード(参考)】
5H012
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H012AA01
5H012BB01
5H012BB18
5H012DD05
5H012FF01
5H040AA33
5H040AA37
5H040AS07
5H040AS19
5H040AS26
5H040AT01
5H043AA04
5H043BA19
5H043CA03
5H043GA23
5H043GA24
(57)【要約】
本出願の実施例は、電池及びその製造方法、製造機器と電力消費装置を提供した。ここで、電池は、少なくとも一つの電池層(10’)であって、各電池層(10’)は、いずれも第一の方向(x)に沿って並設される複数の電池セル(1)を含み、複数の電池セル(1)のうちの各電池セル(1)は、互いに接続されたケース(11)と、エンドキャップ(12)とを含む電池層(10’)と、少なくとも一つのストッパー部材(2)であって、少なくとも一つの電池層(10’)に対応して設置され、且つケース(11)を覆って、該当する電池層(10’)が第三の方向(z)に沿って移動することを制限し、第三の方向(z)は、少なくとも一つの電池層(10’)に垂直であり、少なくとも一つのストッパー部材(2)は、第一のストッパー部材(2’)を含み、第一のストッパー部材(2’)には、脆弱領域(21)が設けられ、脆弱領域(21)は、電池セル(1)の内部圧力が第一の閾値に達した時に、電池セル(1)をケース(11)の脆弱領域(21)に対応する領域によって放圧させるように構成されるストッパー部材(2)とを含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池であって、
少なくとも一つの電池層であって、前記少なくとも一つの電池層のうちの各電池層は、いずれも第一の方向に沿って並設される複数の電池セルを含み、前記複数の電池セルのうちの各電池セルは、互いに接続されたケースとエンドキャップとを含む少なくとも一つの電池層と、
前記少なくとも一つの電池層に対応して設置され、且つ前記ケースを覆って、該当する前記電池層が第三の方向に沿って移動することを制限する少なくとも一つのストッパー部材であって、前記第三の方向は、前記少なくとも一つの電池層に垂直であり、前記少なくとも一つのストッパー部材は、第一のストッパー部材を含み、前記第一のストッパー部材には、脆弱領域が設けられ、前記脆弱領域は、前記電池セルの内部圧力が第一の閾値に達した時に、前記電池セルを前記ケースの前記脆弱領域に対応する領域によって放圧させるように構成される少なくとも一つのストッパー部材とを含む、電池。
【請求項2】
前記第三の方向に沿って積層して設置される複数の前記電池層を含み、隣接している二つの前記電池層間には、いずれも前記第一のストッパー部材が設置される、請求項1に記載の電池。
【請求項3】
前記脆弱領域は、前記電池セルが放圧されている時に前記電池セルの排出物が外部に排出される通路を形成するように構成される、請求項1又は2に記載の電池。
【請求項4】
前記少なくとも一つのストッパー部材は、いずれも前記第一のストッパー部材であり、各前記第一のストッパー部材は、該当する前記電池層における各前記電池セルの位置する位置に、いずれも前記脆弱領域が設けられる、請求項1から3のいずれか1項に記載の電池。
【請求項5】
前記第一のストッパー部材に、前記第一の方向に沿って複数の前記脆弱領域が間隔をあけて設置される、請求項1から4のいずれか1項に記載の電池。
【請求項6】
前記脆弱領域は、前記第一の方向に沿って少なくとも二つの隣接する前記電池セルを覆う、請求項1から5のいずれか1項に記載の電池。
【請求項7】
第二の方向において、前記脆弱領域のサイズは、前記ケースのサイズよりも小さく、ここで、前記第二の方向は、前記第一の方向と前記第三の方向で形成される平面に垂直である、請求項1から6のいずれか1項に記載の電池。
【請求項8】
前記第二の方向において、前記脆弱領域は、前記ケースの中間領域に設けられる、請求項7に記載の電池。
【請求項9】
前記脆弱領域の、前記第三の方向に垂直であるリファレンス平面内での投影は、矩形を呈する、請求項1から8のいずれか1項に記載の電池。
【請求項10】
前記脆弱領域は、スルーホールと、薄肉部とのうちの少なくとも一つを含む、請求項1から9のいずれか1項に記載の電池。
【請求項11】
同一の前記電池層において、隣接している前記電池セル間は、隙間を有し、前記隙間は、前記脆弱領域と連通している、請求項1から10のいずれか1項に記載の電池。
【請求項12】
前記電池セルには、放圧機構が設けられ、前記放圧機構は、前記電池セルの内部圧力が前記第一の閾値に達した時に放圧されるように構成される、請求項1から11のいずれか1項に記載の電池。
【請求項13】
前記脆弱領域の面積は、前記放圧機構の面積よりも大きい、請求項12に記載の電池。
【請求項14】
前記放圧機構は、前記ケースに設けられ、前記放圧機構は、前記脆弱領域に対応して設置される、請求項12又は13に記載の電池。
【請求項15】
前記少なくとも一つのストッパー部材は、金属材料を採用する、請求項1から14のいずれか1項に記載の電池。
【請求項16】
前記少なくとも一つのストッパー部材のうちの各ストッパー部材と隣接する前記電池セルとの間には、前記ストッパー部材と前記電池セルとの間を絶縁させるように、いずれも絶縁膜が設けられる、請求項15に記載の電池。
【請求項17】
前記電池セルは、円筒型を呈し、前記少なくとも一つのストッパー部材のうちの各ストッパー部材には、いずれも凹部が設けられ、前記凹部は、前記電池セルを収容し、前記電池セルの、前記第一の方向と前記第三の方向に沿う移動を制限するように構成される、請求項1から16のいずれか1項に記載の電池。
【請求項18】
電力消費装置であって、請求項1から17のいずれか1項に記載の電池を含み、前記電池は、前記電力消費装置に電気エネルギーを提供するように構成される、電力消費装置。
【請求項19】
電池の製造方法であって、
少なくとも一つの電池層を組み立てて形成することであって、前記少なくとも一つの電池層のうちの各電池層は、いずれも第一の方向に沿って並設される複数の電池セルを含み、前記複数の電池セルのうちの各電池セルは、互いに接続されたケースと、エンドキャップとを含むことと、
少なくとも一つのストッパー部材を提供することであって、前記少なくとも一つのストッパー部材は、第一のストッパー部材を含み、前記第一のストッパー部材には、脆弱領域が設けられ、前記脆弱領域は、前記電池セルの内部圧力が第一の閾値に達した時に、前記電池セルを前記ケースの前記脆弱領域に対応する領域によって放圧させるように構成されることと、
前記少なくとも一つのストッパー部材を前記少なくとも一つの電池層に対応して設置し、且つ前記ケースを覆って、該当する前記電池層が前記第一の方向に垂直である第三の方向に沿って移動することを制限することであって、前記第三の方向は、前記少なくとも一つの電池層に垂直であることとを含む、電池の製造方法。
【請求項20】
電池の製造機器であって、
少なくとも一つの電池層を組み立てて形成するように構成される電池層組み立て機器であって、前記少なくとも一つの電池層のうちの各電池層は、いずれも第一の方向に沿って並設される複数の電池セルを含み、前記複数の電池セルのうちの各電池セルは、互いに接続されたケースと、エンドキャップとを含む電池層組み立て機器と、
少なくとも一つのストッパー部材を提供するように構成されるストッパー部材提供機器であって、前記少なくとも一つのストッパー部材は、第一のストッパー部材を含み、前記第一のストッパー部材には、脆弱領域が設けられて、前記電池セルの内部圧力が第一の閾値に達した時に、前記電池セルを前記ケースの前記脆弱領域に対応する領域によって放圧させるストッパー部材提供機器と、
前記少なくとも一つのストッパー部材を前記少なくとも一つの電池層に対応して設置し、且つ前記ケースを覆って、該当する前記電池層が前記第一の方向に垂直である第三の方向に沿って移動することを制限するように構成される電池組み立て機器であって、前記第三の方向は、前記少なくとも一つの電池層に垂直である電池組み立て機器とを含む、電池の製造機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、電池技術分野に関し、特に電池及びその製造方法、製造機器と電力消費装置に関する。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオンなどの電池は、エネルギー密度が高く、パワー密度が高く、サイクル使用回数が多く、貯蔵時間が長いなどの利点があるため、様々な機器に広く応用されている。
【0003】
より大きな電気エネルギーを得るために、電池は、複数の円筒型の電池セルを並列接続及び/又は直列接続にする。関連技術において、電池の熱暴走時に電池セル内部の圧力をタイムリーに逃すことができるように、電池セルのエンドキャップごとに放圧機構を設置して、電池が熱暴走した時、電池セル内部の排出物を放圧機構によって排出し、潜在的で、より深刻な事故の発生を回避する。しかしながら、実際の使用中、このような電池は、比較的に優れた排気効果を達成することが困難であり、安全性の向上が必要であることを発見した。
【発明の概要】
【0004】
本出願の目的は、電池が作動している時の安全性を向上させることにある。
【0005】
本出願の第一の態様によれば、電池を提供し、前記電池は、
少なくとも一つの電池層であって、少なくとも一つの電池層のうちの各電池層は、いずれも第一の方向に沿って並設される複数の電池セルを含み、複数の電池セルのうちの各電池セルは、互いに接続されたケースとエンドキャップとを含む少なくとも一つの電池層と、
少なくとも一つの電池層に対応して設置され、且つケースを覆って、該当する電池層が第三の方向に沿って移動することを制限する少なくとも一つのストッパー部材であって、第三の方向は、少なくとも一つの電池層に垂直であり、少なくとも一つのストッパー部材は、第一のストッパー部材を含み、第一のストッパー部材には、脆弱領域が設けられ、脆弱領域は、電池セルの内部圧力が第一の閾値に達した時に、電池セルをケースの脆弱領域に対応する領域によって放圧させるように構成される少なくとも一つのストッパー部材とを含む。
【0006】
上記方案では、少なくとも一つのストッパー部材のうちの第一のストッパー部材には脆弱領域が設置され、脆弱領域は、電池セルの内部圧力が第一の閾値に達した時に、電池セルをケースの脆弱領域に対応する領域によって放圧させるように構成される。このような電池は、熱暴走が発生した時、第一のストッパー部材が脆弱領域でケースに対するリミット作用が小さくなり、放圧による排出物は、ケースの脆弱領域に対応する領域によって電池セルから排出されることができ、このような電池セルのケースによって放圧を実現する方式は、放圧領域の面積を大きくすることに有利であり、電池セルの内部排出物が安定して順調に排出されることを確保し、瞬間的な爆発による発火の発生を防止し、電池の作動中の安全性を向上させる。
【0007】
いくつかの実施例では、電池は、第三の方向に沿って積層して設置される複数の電池層を含み、隣接している二つの電池層間には、いずれも第一のストッパー部材が設置される。
【0008】
上記方案では、電池は、熱暴走が発生した時、各電池層における電池セルがいずれも脆弱領域に対応する領域によって放圧されることができることを確保することによって、電池が作動している安全性を向上させることができる。
【0009】
いくつかの実施例では、脆弱領域は、電池セルが放圧されている時に、電池セルの排出物が外部に排出される通路を形成するように構成される。
【0010】
上記方案では、脆弱領域は、ケースに対するリミット作用を小さくし、ケースの脆弱領域に対応する位置で電池セルを放圧する役割を果たすことに加えて、電池セルの放圧後に排出物を電池外にタイムリーに排出させることができ、電池セル内部の圧力と熱を急速にリリースし、電池が作動している信頼性を向上させることに有利である。
【0011】
いくつかの実施例では、少なくとも一つのストッパー部材は、いずれも第一のストッパー部材であり、各第一のストッパー部材は、該当する電池層における各電池セルの位置する位置に、いずれも脆弱領域が設けられる。
【0012】
上記方案では、いずれか一つの電池セルは、熱暴走が発生した時、いずれもケースの脆弱領域に対応する領域によって放圧されることによって、電池が作動している安全性を向上させることができる。
【0013】
いくつかの実施例では、第一のストッパー部材に、第一の方向に沿って複数の脆弱領域が間隔をあけて設置される。
【0014】
上記方案では、同一の電池層内でのより多くの電池セルは、脆弱領域に対応する領域によって放圧されることができる。
【0015】
いくつかの実施例では、脆弱領域は、第一の方向に沿って少なくとも二つの隣接する電池セルを覆う。
【0016】
上記方案では、電池セルの、第一の方向に沿ったサイズが比較的に小さい場合、例えば円筒型電池である場合、少なくとも二つの隣接する電池セルに、一つの脆弱領域を共用させて、加工難易度を低減し、電池セルの熱暴走が発生した時ケースの放圧面積を大きくすることを容易にすることができる。そして、放圧時に脆弱領域が第一のストッパー部材の厚さ方向に沿って貫通される実施例に関して、少なくとも二つの隣接する電池セルは、排出物を外部に排出する一つの通路を共用し、急速な排出を実現することができる。
【0017】
いくつかの実施例では、第二の方向において、脆弱領域のサイズは、ケースのサイズよりも小さく、第二の方向は、第一の方向と第三の方向で形成される平面に垂直である。
【0018】
上記方案では、脆弱領域に対応する領域で電池セルが放圧されることを許容すると同時に、脆弱領域以外の領域で電池セルに対して安定した押圧力を提供し、電池セルが安定して放圧される。
【0019】
いくつかの実施例では、第二の方向において、脆弱領域は、ケースの中間領域に設けられる。
【0020】
上記方案では、一方で、このような構造により、ストッパー部材が第二の方向に沿う両端で確実にケースを押すことによって、電池セルがケースの中間領域で放圧され、放圧の安定性を向上させることができる。他方で、第二の方向において、ケースの中間領域は、エンドキャップに拘束される拘束力が比較的に小さく、より変形しやすいため、脆弱領域がケースの第二の方向での中間領域に対応して設置し、ケース上の脆弱領域に対応する領域をより爆破しやすくして放圧させることができる。
【0021】
いくつかの実施例では、脆弱領域の、第三の方向に垂直であるリファレンス平面内での投影は、矩形を呈する。
【0022】
上記方案では、このような構造形式は、脆弱領域の面積を増やすため、放圧領域の面積を大きくすることに有利であり、電池セルの内部排出物が安定して順調に排出されることを確保し、瞬間的な爆発による発火の発生を防止し、電池の作動中の安全性を向上させる。
【0023】
いくつかの実施例では、脆弱領域は、スルーホールと、薄肉部とのうちの少なくとも一つを含む。
【0024】
上記方案では、脆弱領域がスルーホールを含む場合、加工が容易であり、且つ電池の熱暴走が発生した時に、第一のストッパー部材は、スルーホールが位置する領域で電池セルのケースに対してリミットを行わないため、ケースのスルーホールに対応する領域は、強度が弱い脆弱領域となり、電池セルの内部圧力が第一の閾値に達した時に、ケースのスルーホールに対応する領域が爆破されて、電池セルの排出物を電池セル外に安定してスムーズに排出し、電池の作動中の安全性を向上させる。
【0025】
上記方案では、脆弱領域が薄肉部を含む場合、脆弱領域の厚さを設計することで電池セルの放圧される圧力を制御し、電池が作動している環境と安全性要求により電池セルのために適切な放圧圧力を設定することができる。第一のストッパー部材が、薄肉部が位置する領域で電池セルのケースに対する拘束力が小さいため、この領域は、爆破しやすい領域となり、電池セルの内部圧力が第一の閾値に達した時に、ケースの薄肉部に対応する領域が爆破されて、電池セルの排出物を電池セル外に安定してスムーズに排出し、電池の作動中の安全性を向上させる。
【0026】
いくつかの実施例では、同一の電池層において、隣接している電池セル間は、脆弱領域に連通している隙間を有する。
【0027】
上記方案では、隙間は、電池セルが放圧される時による排出物を外部に排出するための通路を形成して、急速な減圧を実現し、熱暴走時に、隣接する電池セルの間で連鎖反応が生じるリスクを低減する。
【0028】
いくつかの実施例では、電池セルには、放圧機構が設けられ、放圧機構は、電池セルの内部圧力が第一の閾値に達した時に放圧されるように構成される。
【0029】
上記方案では、電池セルに放圧機構を設置することによって、放圧機構がエンドキャップ又はケースの脆弱領域以外の領域に設けられる場合、電池セルの内部圧力が第一の閾値に達した時に、放圧機構とケースの脆弱領域に対応する領域とで同時に放圧され、放圧通路の総面積を増やし、放圧速度を向上させることができ、放圧機構がケースの脆弱領域に対応する領域内に設けられる場合、電池セルの内部圧力が第一の閾値に達した時に、ケースの脆弱領域に対応する領域がより制御可能に突き破られ、放圧信頼性を向上させることができる。
【0030】
いくつかの実施例では、脆弱領域の面積は、放圧機構の面積よりも大きい。
【0031】
上記方案では、電池セルが熱暴走する時に、ケースの脆弱領域に対応する領域によって主な放圧作用を発揮させることができ、放圧機構は、補助放圧として機能する。
【0032】
いくつかの実施例では、放圧機構は、ケースに設けられ、放圧機構は、脆弱領域に対応して設置される。
【0033】
上記方案では、電池セルの内部圧力が第一の閾値に達した時に、ケースの脆弱領域に対応する領域がより突き破られて放圧させることができ、そして放圧圧力をより制御可能にし、放圧信頼性を向上させることができる。
【0034】
いくつかの実施例では、少なくとも一つのストッパー部材は、金属材料を採用する。
【0035】
上記方案では、少なくとも一つのストッパー部材に金属材料を採用することによって、ストッパー部材の剛性を向上させることができ、電池セルのケースに確実な押圧力を付与して、電池セル熱暴走時にケースの脆弱領域に対応する領域によって安定して放圧されることができる。
【0036】
いくつかの実施例では、少なくとも一つのストッパー部材のうちの各ストッパー部材と隣接する電池セルとの間には、ストッパー部材と電池セルとの間を絶縁させるように、いずれも絶縁膜が設けられる。
【0037】
上記方案では、少なくとも一つのストッパー部材のうちの各ストッパー部材と隣接する電池セルとの間には、いずれも絶縁膜が設けられ、ストッパー部材と電池セルとの間の絶縁性を確保し、電池セルの短絡を防止し、電池が作動している信頼性を向上させることができる。
【0038】
いくつかの実施例では、電池セルは、円筒型を呈し、少なくとも一つのストッパー部材のうちの各ストッパー部材には、いずれも凹部が設けられ、凹部は、電池セルを収容して、電池セルの、第一の方向と第三の方向に沿う移動を制限するように構成される。
【0039】
上記方案では、ストッパー部材に凹部を設置することによって、電池セルの、第一の方向と第三の方向に沿う移動をより確実に制限して、作動中の振動による電池セルの動きを防止し、且つ組み立て時に同一の電池層において、隣接する電池セルの間の隙間Lを保持しやすくすることができる。
【0040】
本出願の第二の態様によれば、電力消費装置を提供し、前記電力消費装置は、上記実施例に記載の電池を含み、ここで、電池は、電力消費装置のために電気エネルギーを提供するために用いられる。
【0041】
上記方案では、電力消費装置に、熱暴走が発生した時に安定して排気することができる電池を採用することによって、電池の爆発と発火を防止することによって、電力消費装置作動の信頼性と安全性を向上させることができる。
【0042】
本出願の第三の態様によれば、電池の製造方法を提供し、前記製造方法は、
少なくとも一つの電池層を組み立てて形成することであって、少なくとも一つの電池層のうちの各電池層は、いずれも第一の方向に沿って並設される複数の電池セルを含み、複数の電池セルのうちの各電池セルは、互いに接続されたケースと、エンドキャップとを含むことと、
少なくとも一つのストッパー部材を提供することであって、少なくとも一つのストッパー部材は、第一のストッパー部材を含み、第一のストッパー部材には、脆弱領域が設けられ、脆弱領域は、電池セルの内部圧力が第一の閾値に達した時に、電池セルをケースの脆弱領域に対応する領域によって放圧させるように構成されることと、
少なくとも一つのストッパー部材を少なくとも一つの電池層に対応して設置し、且つケースを覆って、該当する電池層が第一の方向に垂直である第三の方向に沿って移動することを制限することであって、第三の方向は、少なくとも一つの電池層に垂直であることとを含む。
【0043】
上記方案では、このような製造方法で製造された電池は、熱暴走が発生した時に、他の領域に比べて、脆弱領域でケースに対する第一のストッパー部材のリミット作用が小さくなり、ケースの脆弱領域に対応する領域が先に破裂されて放圧され、放圧による排出物は、ケースの脆弱領域に対応する領域によって電池セルから排出されることができ、このような電池セルのケースによって放圧を実現する方式は、放圧領域の面積を大きくすることに有利であり、電池セルの内部排出物が安定して順調に排出されることを確保し、瞬間的な爆発による発火の発生を防止し、電池の作動中の安全性を向上させる。
【0044】
本出願の第四の態様によれば、電池の製造機器を提供し、前記製造機器は、
少なくとも一つの電池層を組み立てて形成するように構成される電池層組み立て機器であって、少なくとも一つの電池層のうちの各電池層は、いずれも第一の方向に沿って並設される複数の電池セルを含み、複数の電池セルのうちの各電池セルは、互いに接続されたケースと、エンドキャップとを含む電池層組み立て機器と、
少なくとも一つのストッパー部材を提供するように構成されるストッパー部材提供機器であって、少なくとも一つのストッパー部材は、第一のストッパー部材を含み、第一のストッパー部材には、脆弱領域が設けられて、電池セルの内部圧力が第一の閾値に達した時に、電池セルをケースの脆弱領域に対応する領域によって放圧させるストッパー部材提供機器と、
少なくとも一つのストッパー部材を少なくとも一つの電池層に対応して設置し、且つケースを覆って、該当する電池層が第一の方向に垂直である第三の方向に沿って移動することを制限するように構成される電池組み立て機器であって、第三の方向は、少なくとも一つの電池層に垂直である電池組み立て機器とを含む。
【0045】
上記方案では、このような製造機器で製造された電池は、熱暴走が発生した時に、他の領域に比べて、脆弱領域でケースに対する第一のストッパー部材のリミット作用が小さくなり、ケースの脆弱領域に対応する領域が先に破裂されて放圧され、放圧による排出物は、ケースの脆弱領域に対応する領域によって電池セルから排出されることができ、このような電池セルのケースによって放圧を実現する方式は、放圧領域の面積を大きくすることに有利であり、電池セルの内部排出物が安定して順調に排出されることを確保し、瞬間的な爆発による発火の発生を防止し、電池の作動中の安全性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
本出願の実施例の技術案をより明瞭に説明するために、以下は、本出願の実施例に使用される必要のある図面を簡単に紹介し、自明なことに、以下に記述された図面は、ただ本出願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労力を払わない前提で、図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
図1】本出願を採用して電池を車両に取り付けるいくつかの実施例の構造概略図である。
図2】本出願の電池のいくつかの実施例における電池の内部構造概略図である。
図3】本出願の電池のいくつかの実施例における第一のストッパー部材の構造概略図である。
図4】本出願の電池のいくつかの実施例における電池内部構造の平面図である。
図5図4のA-A断面図である。
図6図5のB箇所の拡大図である。
図7】本出願の電池の別の実施例における電池内部構造の平面図である。
図8図7におけるC-C局所断面図である。
図9】本出願の電池製造方法のいくつかの実施例のフロー概略図である。
図10】本出願の電池製造機器のいくつかの実施例のモジュール構成概略図である。
【0047】
図面において、図面は、実際の縮尺に応じて描かれるものではない。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下では、図面と実施例を結び付けながら、本出願の実施の形態をさらに詳細に記述する。以下において、実施例の詳細な記述と図面は、本出願の原理を例示的に説明するためのものであるが、本出願の範囲を制限するためのものではなく、即ち本出願は、記述された実施例に限らない。
【0049】
本出願の記述において、説明すべきこととして、特に断りのない限り、「複数」の意味は、二つ以上であり、用語である「上」、「下」、「左」、「右」、「内」、「外」などにより指示される方位又は位置関係は、本出願の記述の便宜上及び記述の簡略化のためのものに過ぎず、言及された装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構成して操作しなければならないことを指示又は示唆するものではないため、本出願に対する制限と理解されるべきではない。なお、用語である「第一」、「第二」、「第三」などは、記述の目的のみで用いられるものであり、相対的な重要性を指示又は示唆すると理解されるべきではない。「垂直」は、厳密な意味での垂直ではなく、誤差許容範囲内にあるものである。「平行」は、厳密な意味での平行ではなく、誤差許容範囲内にあるものである。
【0050】
下記記述に出現された方位詞は、いずれも図に示す方向であり、本出願の具体的な構造を限定するものではない。本出願の記述において、さらに説明すべきこととして、特に明確に規定、限定されていない限り、用語である「取り付け」、「繋がり」、「接続」は、広義に理解されるべきであり、例えば固定的な接続であってもよく、取り外し可能な接続、又は一体的な接続であってもよく、直接的な繋がりであってもよく、中間媒体による間接的な繋がりであってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて上記用語の本出願における具体的な意味を理解することができる。
【0051】
以下実施例で各方位を明瞭に記述するために、以下、各方向について定義する。図2の座標係を例にとると、第一の方向xは、各電池層10’における複数の電池セル1の配列方向であり、第二の方向yは、電池層10’が位置する平面内で第一の方向xに垂直であり、第三の方向zは、電池層10’に垂直であり、即ち第三の方向zは、第一の方向xと第二の方向yに垂直である。
【0052】
このような方位の定義によれば、「上」、「下」、「頂部」、「底部」、「前」、「後」、「内」及び「外」などで指示される方位又は位置関係記述を用い、これは、単に本出願の記述を容易にするためのものであり、言及される装置が特定の方位を有し、特定の方位で構成して動作しなければならないことを指示又は示唆するものではないため、本出願の保護範囲を限定するものとして解釈されることができない。
【0053】
本出願の発明創造過程の一部として、発明者らは、何度かの試験と検証を経て、電池の安全性の低下の原因が以下のとおりであることを発見した。電池セルの熱暴走が発生した時、電池セルのエンドキャップ面積が小さいため、エンドキャップに設置される放圧機構の開穴が小さく、電池の熱暴走後の排気通路が小さくなり、排気通路が小さいため、排気が間に合わず、電池セルが爆発と発火しやすくなる。
【0054】
ここで、放圧機構とは、電池セルの内部圧力又は温度が所定閾値に達する時に作動して内部圧力又は温度を逃す素子又は部材である。この閾値設計は、設計需要によって異なる。前記閾値は、電池セルにおける正極極板と、負極極板と、電解液と、セパレータとのうちの一つ又は複数の材料に依存し得る。放圧機構は、防爆弁、空気弁、放圧弁又は安全弁などのような形式を採用でき、且つ具体的に感圧又は感温の素子又は構造を採用でき、即ち、電池セルの内部圧力又は温度が所定閾値に達すると、放圧機構が動作を実行し、又は放圧機構に設けられる脆弱構造が破壊されることによって、内部圧力又は温度を逃すための開口又は通路が形成される。
【0055】
本出願に言及された「作動」とは、放圧機構が動作したり一定の状態に活性化したりすることによって、電池セルの内部圧力及び温度が逃されることである。放圧機構による動作は、放圧機構のうちの少なくとも一部の破裂、破粋、引き裂き又は開きなどを含んでもよいが、それらに限らない。放圧機構が作動している時、電池セルの内部排出物は、作動する部位から外に排出される。この方式により、圧力又は温度が制御可能である場合、電池セルに圧力及び温度の逃しを発生させることができ、それによって潜在的でより深刻な事故の発生を回避する。
【0056】
ここで、ここに言及された電池セルからの排出物は、電解液、溶解又は分裂された正負極極板、セパレータの破片、反応により発生した高温高圧ガス(例えばCH4、COなどの可燃ガス)、火炎などを含むが、それらに限らない。
【0057】
そこで、本出願は、電池の熱暴走が発生した時の排気方式を変更しようとしており、排気の円滑性を向上させ、電池セル内部のガスを安定して排出できるようにすることを主な目的としている。
【0058】
電力消費装置は、このような電池を採用することができ、電池は、電力消費装置に電気エネルギーを提供するように構成される。この電力消費装置は、携帯電話、携帯型機器、ノートパソコン、バッテリ車、電気自動車、汽船、宇宙航空機、電動玩具と電動工具などであってもよく、例えば宇宙航空機は、飛行機、ロケット、スペースシャトルと宇宙船などを含み、電動玩具は、据置型又は移動型の電動玩具、例えばゲーム機、電気自動車玩具、電気汽船玩具と電気飛行機玩具などを含み、電動工具は、金属切削電動工具、研磨電動工具、組み立て電動工具と鉄道用電動工具、例えば電気ドリル、電気グラインダ、電気レンチ、電気ドライバ、電気ハンマ、ハンマードリル、コンクリート振動機と電気カンナを含む。
【0059】
図1に示すように、電力消費装置は、車両100、例えば新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は、純電気自動車、ハイブリッド自動車又はレンジエクステンダー自動車などであってもよく、又は電池を使用する装置は、ドローン又は汽船などであってもよい。車両100は、車両の作動のために電気エネルギーを提供するための電池10を含む。熱暴走が発生した時に、安定した排気を実現できる電池10は、爆発と発火の発生を防止し、電力消費装置作動の信頼性と安全性を向上させることができる。
【0060】
車両100は、アクスル101と、アクスル101に接続される車輪102と、モータ103と、コントローラ104と、電池10とをさらに含み、モータ103は、アクスル101を回転駆動するために用いられ、コントローラ104は、モータ103の作動を制御するために用いられ、電池10は、モータ103及び車両における他の部材の作動に電気エネルギーを供給するために用いられる。
【0061】
電池は、筐体(図示せず)と、電池セルとを含んでもよく、筐体内部は、中空構造であり、電池セルは、筐体内に収容される。筐体は、電池セルのために収容空間を提供するために用いられる。いくつかの実施例において、筐体は、第一の部分と、第二の部分とを含んでもよく、第一の部分と第二の部分はお互いに被せられ、電池セルを収容するための収容空間を画定する。無論、第一の部分と第二の部分との接続箇所は、シール部材(図示せず)によってシールを実現してもよく、シール部材は、シールリング、シーラントなどであってもよい。
【0062】
電池では、電池セルは、一つであってもよく、複数であってもよい。電池セルが複数である場合、複数の電池セル間は、直列に接続され、又は並列に接続され、又は直並列に接続されてもよく、直並列に接続されるとは、複数の電池セルには、直列接続もあるし、並列接続もある。複数の電池セル間は、直接に直列に接続され、又は並列に接続され、又は直並列に接続されてから、複数の電池セルから構成される全体を筐体内に収容してもよく、無論、複数の電池セルは、まず直列に接続され、又は並列に接続され、又は直並列に接続されて電池モジュールを構成し、複数の電池モジュールは、直列に接続され、又は並列に接続され、又は直並列に接続されて一体化され、筐体内に収容されてもよい。電池セルは、円筒型、角形又は他の形状の二次電池であってもよい。
【0063】
電池セルは、ケースと、電極アセンブリと、エンドキャップとを含んでもよい。ケースは、開口を有し、電極アセンブリは、ケース内に収容され、エンドキャップは、ケースの開口を密閉するために用いられる。電極アセンブリは、正極板、負極板(図示せず)と、セパレータ(図示せず)とを含んでもよい。電極アセンブリは、正極板、セパレータと負極板を捲回して形成された捲回型構造であってもよく、正極板、セパレータと負極板を積層配置して形成された積層型構造であってもよい。電極アセンブリは、正極タブと、負極タブとをさらに含み、正極板における正極活物質層がコーディングされていない正極集電体を正極タブとしてもよいし、負極板における負極活物質層がコーディングされていない負極集電体を負極タブとしてもよい。
【0064】
いくつかの実施例では、図2に示すように、電池10は、少なくとも一つの電池層10’と、少なくとも一つのストッパー部材2とを含む。
【0065】
ここで、電池10には、一つの電池層10’が設置されてもよく、第三の方向zに沿って複数の電池層10’が積層して設置されてもよく、第三の方向zは、少なくとも一つの電池層10’に垂直である。少なくとも一つの電池層10’のうちの各電池層10’は、いずれも第一の方向xに沿って並設される複数の電池セル1を含み、複数の電池セル1のうちの各電池セル1は、いずれも互いに接続されたケース11と、エンドキャップ12とを含む。
【0066】
以下の実施例は、円筒型の電池セル1を例にして説明し、各電池セル1の軸線は、第二の方向yに一致し、第二の方向yは、電池層10’が位置する平面内に、第一の方向xに垂直である。
【0067】
少なくとも一つのストッパー部材2は、少なくとも一つの電池層10’に対応して設置され、且つケース11を覆って、該当する電池層10’が第三の方向zに沿って移動することを制限し、第三の方向zは、少なくとも一つの電池層10’に垂直である。
【0068】
少なくとも一つのストッパー部材2は、第一のストッパー部材2’を含み、第一のストッパー部材2’には、脆弱領域21が設けられ、脆弱領域21は、電池セル1の内部圧力が第一の閾値に達した時に、電池セル1をケース11の脆弱領域21に対応する領域によって放圧させるように構成される。放圧が発生した後、電池セル1内の排出物は、ケース11から排出される。
【0069】
この実施例の電池10は、少なくとも一つのストッパー部材2における第一のストッパー部材2’には、脆弱領域21が設置され、脆弱領域21は、電池セル1の内部圧力が第一の閾値に達した時に、電池セル1をケース11の脆弱領域21に対応する領域によって放圧させるように構成される。このような電池10は、熱暴走が発生した時、他の領域に比べて、脆弱領域21でケース11に対する第一のストッパー部材2’のリミット作用が小さく、ケース11の脆弱領域21に対応する領域が先に破裂されて放圧され、放圧による排出物は、ケース11の脆弱領域21に対応する領域によって電池セル1から排出されることができ、このような電池セル1のケース11によって放圧を実現する方式は、放圧領域の面積を大きくすることに有利であり、電池セル1の内部排出物が安定して順調に排出されることを確保し、瞬間的な爆発による発火の発生を防止し、電池10の作動中の安全性を向上させる。
【0070】
例えば、円筒型の電池セル1に対し、エンドキャップ12の面積が小さいため、エンドキャップ12上に設置する放圧機構の開穴が小さく、電池の熱暴走後の排気通路が小さくなり、排気通路が小さいため、排気が間に合わず、電池セル1が爆発と発火しやすくなる。本出願の実施例は、熱暴走時の放圧位置をケース11に設けることができ、ケース11面積が比較的大きく、放圧領域の面積を大きくすることに有利であり、電池セル1の内部排出物が安定して順調に排出されることを確保し、瞬間的な爆発による発火の発生を防止し、電池10の作動中の安全性を向上させる。そのため、本出願の電池10は、体積が比較的に小さい電池セル1に非常に適しており、エンドキャップ12で放圧機構を取り消すことができる。
【0071】
ストッパー部材2は、リミット板又はリミットブロックなどであってもよい。脆弱領域21の形状と面積は、単一の電池セル1の熱暴走試験に基づいて決定されてもよい。
【0072】
いくつかの実施例では、ストッパー部材2は、電池層10’の側部に第三の方向zに沿って設けられ、電池層10’の片側又は両側に位置してもよく、ある電池層10’に隣接して設置されたストッパー部材2は、いずれもこの電池層10’に対応するストッパー部材2である。ストッパー部材2とケース11は、直接に接触するか、又は両方の間に接着層を設置してもよい。
【0073】
この実施例における脆弱領域21は、以下のような形式のうちの一つ又は組み合わせを採用することができるが、これに限らない。
【0074】
ある構造形式では、図3に示すように、脆弱領域21は、スルーホール21’を含む。スルーホール21’を設置することで脆弱領域21が形成され、加工が容易であり、且つ電池10の熱暴走が発生した時、第一のストッパー部材2’は、スルーホール21’が位置する領域で電池セル1のケース11に対してリミットを行わないため、ケース11のスルーホール21’に対応する領域は、強度が弱い脆弱領域となり、電池セル1の内部圧力が第一の閾値に達した時に、ケース11のスルーホール21’に対応する領域が爆破されて、電池セル1の排出物を電池セル1外に安定してスムーズに排出し、電池10の作動中の安全性を向上させる。
【0075】
別の構造形式では、脆弱領域21は、薄肉部(図示せず)を含む。第一のストッパー部材2’の局所厚さを薄くして脆弱領域21が形成され、脆弱領域21の厚さを設計することで電池セル1の放圧される圧力を制御し、電池10が作動している環境と安全性要求により電池セル1のために適切な放圧圧力を設定することができる。第一のストッパー部材2’が、薄肉部が位置する領域で電池セル1のケース11に対する拘束力が小さいため、この領域は、爆破しやすい領域となり、電池セル1の内部圧力が第一の閾値に達した時に、ケース11の薄肉部に対応する領域が爆破されて、電池セル1の排出物を電池セル1外に安定してスムーズに排出し、電池10の作動中の安全性を向上させる。
【0076】
いくつかの実施例では、図2に示すように、電池セル1が放圧されている時に、脆弱領域21は、電池セル1が放圧されている時に電池セル1の排出物が外部に排出される通路を形成するように構成される。ここで、外部に排出されるとは、電池セル1の排出物が脆弱領域21を通過して第一のストッパー部材2’の対向側に排出され、最も外層の第一のストッパー部材2’に向かって流れ、最終的に電池10外に排出されることを意味する。
【0077】
例えば、脆弱領域21がスルーホール21’である場合、スルーホール21’は、電池セル1が放圧されている時に、排出物が外部に排出される通路を直接形成することができる。脆弱領域21が薄肉部である場合、薄肉部は、電池セル1が放圧されている時に破壊され、第一のストッパー部材2’の厚さ方向に貫通されて、排出物が外部に排出される通路を形成する。
【0078】
この実施例では、脆弱領域21がケース11に対するリミット作用を小さくし、ケース11の脆弱領域21に対応する位置で電池セル1を放圧する役割を果たすことに加えて、電池セル1の放圧後に排出物を電池10外にタイムリーに排出させることができ、電池セル1内部の圧力と熱を急速にリリースし、電池10が作動している信頼性を向上させることに有利である。
【0079】
いくつかの実施例では、図2に示すように、電池10は、第三の方向zに沿って積層して設置される複数の電池層10’を含み、隣接している二つの電池層10’間には、いずれも第一のストッパー部材2’が設置される。
【0080】
この実施例は、熱暴走が発生した時、各電池層10’における電池セル1がいずれも、脆弱領域21に対応する領域によって放圧されることができることを確保することによって、電池10が作動している安全性を向上させることができる。
【0081】
これに基づき、外層電池層10’に位置する外側面にも第一のストッパー部材2’が覆われており、外層電池層10’に二つの第一のストッパー部材2’が対応して設置されることに相当し、外層電池層10’における電池セル1をケース11におけるより大きな面積で放圧できるようになることによって、放圧効果を最適化する。
【0082】
いくつかの実施例では、図2に示すように、少なくとも一つのストッパー部材2は、いずれも第一のストッパー部材2’であり、各第一のストッパー部材2’は、該当する電池層10’における各電池セル1の位置する位置に、いずれも脆弱領域21が設けられる。
【0083】
この実施例は、いずれか一つの電池セル1の熱暴走が発生した時、いずれもケース11の脆弱領域21に対応する領域によって放圧されることができ、それによって電池10が作動している安全性を向上させることができる。
【0084】
いくつかの実施例では、少なくとも一つのストッパー部材2は、複数のストッパー部材2を含み、複数のストッパー部材2は、第一のストッパー部材2’と、第二のストッパー部材とを含み(図示せず)、第二のストッパー部材には、脆弱領域21が設置されていない。一部のストッパー部材2上に脆弱領域21を設置することによって、一部の電池セル1の放圧効果を最適化することによって、電池10が作動している安全性を向上させることができる。
【0085】
いくつかの実施例では、図2に示すように、第一のストッパー部材2’には、第一の方向xに沿って複数の脆弱領域21が間隔をあけて設置される。このような構造により、同一の電池層10’内のより多くの電池セル1が、脆弱領域21に対応する領域によって放圧されることができる。例えば、複数の脆弱領域21は、電池層10’内の複数の電池セル1と一対一で対応して設置されてもよく、又は複数の電池セル1は、同一の脆弱領域21に対応してもよい。
【0086】
いくつかの実施例では、第一のストッパー部材2’には、一つの脆弱領域21のみを設置してもよく、脆弱領域21は、一部の電池セル1のみを覆ってもよく、又は電池層10’内のすべての電池セル1を覆ってもよい。
【0087】
いくつかの実施例では、脆弱領域21は、第一の方向xに沿って少なくとも二つの隣接する電池セル1を覆い、例えば脆弱領域21は、隣接している二つや、三つ又はそれ以上の電池セル1を覆う。電池セル1の、第一の方向xに沿うサイズが比較的に小さい場合、例えば円筒型電池である場合、少なくとも二つの隣接する電池セル1に、一つの脆弱領域21を共用させて、加工難易度を低減し、電池セル1の熱暴走が発生した時ケース11の放圧面積を大きくすることを容易にすることができる。そして、放圧時に脆弱領域21が第一のストッパー部材2’の厚さ方向に沿って貫通される実施例に関して、少なくとも二つの隣接する電池セル1は、排出物を外部に排出する一つの通路を共用し、急速な排出を実現することができる。
【0088】
いくつかの実施例では、図2から図4に示すように、第二の方向yにおいて、脆弱領域21のサイズは、ケース11のサイズよりも小さく、ここで、第二の方向yは、第一の方向xと第三の方向zで形成される平面に垂直である。このような構造により、脆弱領域21に対応する領域で電池セル1が放圧されることを許容すると同時に、脆弱領域21以外の領域で電池セル1に対して安定した押圧力を提供することができ、電池セル1が安定して放圧される。
【0089】
いくつかの実施例では、第二の方向yにおいて、脆弱領域21は、ケース11の中間領域に設けられる。一方で、このような構造により、ストッパー部材2が第二の方向yに沿う両端でケース11を確実に押すことによって、電池セル1がケース11の中間領域で放圧され、放圧の安定性を向上させることができる。他方で、第二の方向yにおいて、ケース11の中間領域は、エンドキャップ12に拘束される拘束力が比較的に小さく、より変形しやすいため、脆弱領域21がケース11の第二の方向yでの中間領域に対応して設置し、ケース11の脆弱領域21に対応する領域をより爆破されやすくして放圧させることができる。
【0090】
いくつかの実施例では、図2から図4に示すように、脆弱領域21の、第三の方向zに垂直であるリファレンス平面内での投影は、矩形を呈する。このような構造形式は、脆弱領域21の面積を増やすため、放圧領域の面積を大きくすることに有利であり、電池セル1の内部排出物が安定して順調に排出されることを確保し、瞬間的な爆発による発火の発生を防止し、電池10の作動中の安全性を向上させる。いくつかの実施例において、脆弱領域21の投影は、円形、楕円形、三角形又は他の多角形などであってもよい。
【0091】
いくつかの実施例では、図4図5に示すように、同一の電池層10’において、隣接している電池セル1間は、隙間Lを有し、隙間Lは、脆弱領域21に連通している。例えば、脆弱領域21がスルーホール21’である場合、隙間Lは、スルーホール21’と連通して一体の通路を形成して、電池セル1の熱暴走による排出物がケース11を突き破った後に、通路内にて自由に流れて、電池10から急速な排出できるようにする。脆弱領域21が薄肉部である場合、熱暴走による排出物がケース11を突き破った後に、隙間Lを通過して脆弱領域21のある位置に到着することができ、さらに、排出物が、薄肉部を突き破って、電池10から急速な排出することができる。
【0092】
この実施例における隙間Lは、電池セル1の放圧時による排出物を外部に排出するための通路を形成して、急速な減圧を実現し、熱暴走時に隣接する電池セル1の間で連鎖反応が生じるリスクを低減する。
【0093】
いくつかの実施例では、少なくとも一つのストッパー部材2は、金属材料を採用し、例えばアルミニウム製ストッパー部材などを採用して、ストッパー部材2の剛性を向上させ、電池セル1のケース11に確実な押圧力を付与して、電池セル1の熱暴走時にケース11の脆弱領域21に対応する領域によって安定して放圧されることができる。
【0094】
図6に示すように、少なくとも一つのストッパー部材2のうちの各ストッパー部材2と隣接する電池セル1との間には、ストッパー部材2と電池セル1との間を絶縁させるように、いずれも絶縁膜3が設けられる。例えば、絶縁膜3は、熱圧膜などを採用することができる。このような構造はストッパー部材2と電池セル1との間の絶縁性を確保し、電池セル1の短絡を防止し、電池10が作動している信頼性を向上させることができる。
【0095】
いくつかの実施例では、図5図6に示すように、電池セル1は、円筒型を呈し、且つ電池セル1の軸線は、第二の方向yに一致し、少なくとも一つのストッパー部材2のうちの各ストッパー部材2には、いずれも凹部22が設けられ、凹部22は、電池セル1を収容して、電池セル1の、第一の方向xと第三の方向zに沿う移動を制限するように構成される。電池層10’が複数の電池セル1を含む場合、この電池層10’に隣接するストッパー部材2には、第一の方向xに沿って複数の凹部22が間隔をあけて設置されており、複数の凹部22は、複数の電池セルと一対一で対応して設置される。
【0096】
ストッパー部材2は、プレス又は屈折の方式によって波形板として設置してもよく、ストッパー部材2の、第三の方向zに沿う側面に加工し凹部22を形成してもよい。
【0097】
いくつかの実施例では、この実施例における電池セル1の第二の方向yに沿う移動は、電池セル1の端部にリミット構造を追加的に設置することによって実現されてもよく、ストッパー部材2と電池セル1との間の接着層、又は電池セル1に対するストッパー部材2の押圧力によって、電池セル1の、第二の方向yに沿う移動を制限してもよい。
【0098】
この実施例は、ストッパー部材2に凹部22を設置することによって、電池セル1の、第一の方向xと第三の方向zに沿う移動をより確実に制限して、作動中に受けられる振動による電池セル1の動きを防止し、且つ組み立て時に同一の電池層10’において、隣接する電池セル1の間の隙間Lを保持しやすくすることができる。
【0099】
いくつかの実施例では、図7図8に示すように、電池セル1には、放圧機構111が設けられ、放圧機構111は、電池セル1の内部圧力が第一の閾値に達した時に放圧されるように構成される。
【0100】
例えば、放圧機構111は、ケース11又はエンドキャップ12に設けられてもよい。
【0101】
例えば、放圧機構111は、ケース11又はエンドキャップ12内面又は外面に設けられた切欠であってもよく、局所厚さを小さくして放圧を容易にし、図8に示すように、放圧機構111は、ケース11の外面に設けられ、又は、融点が比較的低い領域も設置し、放圧機構111を形成する。
【0102】
この実施例は、電池セル1に放圧機構111を設置することによって、放圧機構111がエンドキャップ12又はケース11の脆弱領域21以外の領域に設けられる場合、電池セル1の内部圧力が第一の閾値に達した時に、放圧機構111とケース11の脆弱領域21に対応する領域とで同時に放圧され、放圧通路の総面積を増やし、放圧速度を向上させることができ、放圧機構111がケース11の脆弱領域21に対応する領域内に設けられる場合、電池セル1の内部圧力が第一の閾値に達した時に、ケース11の脆弱領域21に対応する領域がより制御可能に突き破られ、放圧信頼性を向上させることができる。
【0103】
いくつかの実施例では、図7に示すように、脆弱領域21の面積は、放圧機構111の面積よりも大きい。この実施例は、電池セル1が熱暴走する時に、ケース11の脆弱領域21に対応する領域によって主な放圧作用を発揮させることができ、放圧機構111は、補助放圧として機能する。
【0104】
いくつかの実施例では、図7に示すように、放圧機構111は、ケース11に設けられ、放圧機構111は、脆弱領域21に対応して設置される。
【0105】
この実施例は、電池セル1の内部圧力が第一の閾値に達した時に、ケース11の脆弱領域21に対応する領域がより突き破られて放圧させることができ、そして放圧圧力をより制御可能にし、放圧信頼性を向上させることができる。
【0106】
いくつかの具体的な的な実施例では、図2から図6、電池10は、複数の電池層10’と、複数のストッパー部材2とを含み、複数の電池層10’は、第三の方向zに沿って積層して設置され、各電池層10’は、いずれも第一の方向xに沿って並設される複数の円筒型の電池セル1を含み、且つ隣接する電池セル1間は、隙間Lを保持する。各電池セル1の軸線は、第二の方向yに一致し、電池セル1は、ケース11と、エンドキャップ12とを含み、エンドキャップ12には、電極端子121と注液穴122が設けられる。
【0107】
隣接している電池層10’間及び最も外層の電池層10’の外側には、いずれもストッパー部材2が設けられ、且つ複数のストッパー部材2は、いずれも第一のストッパー部材2’であり、ストッパー部材2は、波形板を採用して複数の凹部22を形成することができ、複数の凹部22は、この層の複数の電池セル1と一対一で対応して設置されており、各電池層2は、隣接する二つのストッパー部材2によって第三の方向zに沿う移動を制限し、且つ凹部22によって、電池セル1の第一の方向xに沿う移動を制限する。
【0108】
各第一のストッパー部材2’には、いずれも複数の脆弱領域21が設けられ、同一の電池層10’における各電池セル1は、いずれも脆弱領域21で覆われている。脆弱領域21は、電池セル1の、第二の方向yに沿う中間領域に設けられてもよい。脆弱領域21は、スルーホール21’として設置されてもよく、例えば矩形スルーホール21’を採用し、スルーホール21’は、少なくとも二つの電池セル1のケース11を第一の方向xに沿って覆うことができる。図5に示すように、隣接する電池層10’における複数の電池セル1は、第一の方向xに沿って位置ずれして設置されており、電池10が第三の方向zに沿う厚さを小さくし、且つレイアウトをよりコンパクトにすることができる。隣接している第一のストッパー部材2’における脆弱領域21は、第一の方向x上に正対して設置されて、ある電池層10’における電池セル1の放圧後による排出物が、対応する位置のスルーホール21’から排出された後に、直接隙間Lにより比較的に短い経路で通過して次の第一のストッパー部材2’のスルーホール21’に到着し、排出物を、複数の第一のストッパー部材2’のスルーホール21’を順に通過して電池10外に排出させることを容易にすることができる。いくつかの実施例において、隣接している第一のストッパー部材2’における脆弱領域21は、第一の方向xでずれて設置されてもよい。
【0109】
図7から図8に示すように、電池セル1のケース11の脆弱領域21に対応する位置に放圧機構111が設けられ、放圧機構111は、電池セル1の内部圧力が第一の閾値に達した時に放圧されるように構成される。例えば、放圧機構111は、脆弱領域21の形状に合い、放圧機構111の面積は、脆弱領域21の面積よりも小さくてもよい。いくつかの実施例において、放圧機構111は、エンドキャップ12、又はケース11の脆弱領域21以外の領域に設けられたり、又は取り消されたりしてもよい。
【0110】
例えば、円筒型の電池セル1のサイズは、O34*200mmであり、脆弱領域21の、第三の方向zに垂直である平面内での投影サイズは、約50*50mmであり、同一の電池層10’において、隣接している電池セル1間の隙間Lは、6~8mmである。
【0111】
次に、本出願は、電池の製造方法を提供し、いくつかの実施例において、図9に示すように、この電池の製造方法は、以下のステップを含む。
【0112】
ステップS110では、少なくとも一つの電池層10’を組み立てて形成し、少なくとも一つの電池層10’のうちの各電池層10’は、いずれも第一の方向xに沿って並設される複数の電池セル1を含み、複数の電池セル1のうちの各電池セル1は、互いに接続されたケース11と、エンドキャップ12とを含む。
【0113】
ステップS120では、少なくとも一つのストッパー部材2を提供し、少なくとも一つのストッパー部材2は、第一のストッパー部材2’を含み、第一のストッパー部材2’には、脆弱領域21が設けられ、脆弱領域21は、電池セル1の内部圧力が第一の閾値に達した時に、電池セル1をケース11の脆弱領域21に対応する領域によって放圧させるように構成される。
【0114】
ステップS130では、少なくとも一つのストッパー部材2を少なくとも一つの電池層10’に対応して設置し、且つケース11を覆って、該当する電池層10’が第一の方向xに垂直である第三の方向zに沿って移動することを制限し、第三の方向zは、少なくとも一つの電池層10’に垂直である。
【0115】
ここで、ステップS110とS120の実行順序は、制限されず、まずステップS120を実行し、それからステップS110を実行し、ステップS130は、ステップS110とS120の後に実行されてもよい。
【0116】
最後に本出願は、電池の製造機器200をさらに提供し、いくつかの実施例では、図10に示すように、電池層組み立て機器210と、ストッパー部材提供機器220と、電池組み立て機器230とを含む。ここで、
電池層組み立て機器210は、少なくとも一つの電池層10’を組み立てて形成するように構成され、少なくとも一つの電池層10’のうちの各電池層10’は、いずれも第一の方向xに沿って並設される複数の電池セル1を含み、複数の電池セル1のうちの各電池セル1は、互いに接続されたケース11と、エンドキャップ12とを含む。
【0117】
ストッパー部材提供機器220は、少なくとも一つのストッパー部材2を提供するように構成され、少なくとも一つのストッパー部材2は、第一のストッパー部材2’を含み、第一のストッパー部材2’には、脆弱領域21が設けられて、電池セル1の内部圧力が第一の閾値に達した時に、電池セル1をケース11の脆弱領域21に対応する領域によって放圧させる。
【0118】
電池組み立て機器230は、少なくとも一つのストッパー部材2を少なくとも一つの電池層10’に対応して設置し、且つケース11を覆って、該当する電池層10’が第一の方向xに垂直である第三の方向zに沿って移動することを制限するように構成され、第三の方向zは、少なくとも一つの電池層10’に垂直である。
【0119】
上記の電池の製造方法及び電池の製造機器200によって、電池10が、熱暴走が発生した時、
他の領域に比べて、脆弱領域21でケース11に対する第一のストッパー部材2’のリミット作用が小さく、ケース11の脆弱領域21に対応する領域が先に破裂して放圧され、放圧による排出物は、ケース11の脆弱領域21に対応する領域によって電池セル1から排出されることができ、このような電池セル1のケース11によって放圧を実現する方式は、放圧領域の面積を大きくすることに有利であり、電池セル1の内部排出物が安定して順調に排出されることを確保し、瞬間的な爆発による発火の発生を防止し、電池10の作動中の安全性を向上させることができる。
【0120】
好ましい実施例を参照しながら本出願を記述したが、本出願の範囲を逸脱しない上で、それに様々な改良を加え、且つ等価物でその中の部材を置き換えることができる。特に、構造には矛盾がない限り、各実施例に言及された各技術的特徴は、いずれも任意の方式で組み合わせられてもよい。本出願は、明細書に開示される特定の実施例に限定されるものでなく、請求項の範囲内に含まれるすべての技術案を含む。
【符号の説明】
【0121】
100、車両、101、アクスル、102、車輪、103、モータ、104、コントローラ、200、電池の製造機器、210、電池層組み立て機器、220、ストッパー部材提供機器、230、電池組み立て機器、10、電池、10’、電池層、1、電池セル、11、ケース、111、放圧機構、12、エンドキャップ、121、電極端子、122、注液穴、2、ストッパー部材、2’、第一のストッパー部材、21、脆弱領域、21’、スルーホール、22、凹部、3、絶縁膜。
図1
図2
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図9
図10
【国際調査報告】