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特表2023-549922磁気駆動を備えたパージレス機械的循環支持システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-29
(54)【発明の名称】磁気駆動を備えたパージレス機械的循環支持システム
(51)【国際特許分類】
   A61M 60/13 20210101AFI20231121BHJP
   A61M 60/216 20210101ALI20231121BHJP
   A61M 60/237 20210101ALI20231121BHJP
   A61M 60/806 20210101ALI20231121BHJP
   A61M 60/411 20210101ALI20231121BHJP
   A61M 60/419 20210101ALI20231121BHJP
   A61M 60/523 20210101ALI20231121BHJP
   A61M 60/531 20210101ALI20231121BHJP
   A61M 60/546 20210101ALI20231121BHJP
【FI】
A61M60/13
A61M60/216
A61M60/237
A61M60/806
A61M60/411
A61M60/419
A61M60/523
A61M60/531
A61M60/546
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023530568
(86)(22)【出願日】2021-11-18
(85)【翻訳文提出日】2023-07-19
(86)【国際出願番号】 US2021072498
(87)【国際公開番号】W WO2022109590
(87)【国際公開日】2022-05-27
(31)【優先権主張番号】63/116,616
(32)【優先日】2020-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/116,686
(32)【優先日】2020-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520469457
【氏名又は名称】カルディオン ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】KARDION GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 修平
(72)【発明者】
【氏名】ミッツェ,マルヴィン
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ,ハンス
(72)【発明者】
【氏名】ポポヴ,ヴラディミール
(72)【発明者】
【氏名】シュヴァルツ,マルティン
(72)【発明者】
【氏名】ウェニング,レオン
(72)【発明者】
【氏名】ベット,ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】ファビウンケ,アッティラ
(72)【発明者】
【氏名】ゲルラッハ,シーナ
(72)【発明者】
【氏名】シュティグロハー,ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】ゲルリース,ユリアン
(72)【発明者】
【氏名】ショッファー,ジャン
(72)【発明者】
【氏名】レックス,ヴァレンティーン
(72)【発明者】
【氏名】ベルナー,ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】エーニ,ベルンハルト
(72)【発明者】
【氏名】フェルヒ,ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】ルライ,ハンス-バルドゥング
(72)【発明者】
【氏名】デーリング,トム
(72)【発明者】
【氏名】ブルグハウス,イェンス
(72)【発明者】
【氏名】シェレンベルク,インガ
(72)【発明者】
【氏名】バウムバッハ,ハーディ
(72)【発明者】
【氏名】バッハ,アニカ
(72)【発明者】
【氏名】ストッツ,インゴ
(72)【発明者】
【氏名】カッセル,ユリアン
(72)【発明者】
【氏名】シュエルケ,アルミン
(72)【発明者】
【氏名】ヘネック,シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】ミンゼンメイ,ダーヴィト
(72)【発明者】
【氏名】シュルブッシュ,トーマス アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】シュミット,トビアス
(72)【発明者】
【氏名】ピルク,チャロフ
(72)【発明者】
【氏名】ブッディ,マルティナ
(72)【発明者】
【氏名】エーレンプフォルト,リカルド
(72)【発明者】
【氏名】シュミット,マルク
(72)【発明者】
【氏名】マンスール,アハマド
(72)【発明者】
【氏名】ボイエルレ,ニコ
(72)【発明者】
【氏名】シュトラスヴィーマー,ラルフ
(72)【発明者】
【氏名】フォルマー,ウーヴェ
(72)【発明者】
【氏名】ガートナー,マヌエル
(72)【発明者】
【氏名】アイベルガー,ファビアン
(72)【発明者】
【氏名】ベヒレ,トビアス
(72)【発明者】
【氏名】シュナイダー,カリン
(72)【発明者】
【氏名】ワッサーマン,ペーター
【テーマコード(参考)】
4C077
【Fターム(参考)】
4C077AA04
4C077BB10
4C077DD10
4C077EE01
4C077HH03
4C077HH13
4C077HH15
4C077JJ03
4C077JJ08
4C077JJ16
4C077JJ19
4C077JJ24
4C077KK27
(57)【要約】
低侵襲の小型の経皮的機械的循環支持システムが、開示される。該システムは、単一の大腿動脈アクセスポイントを介して、大動脈弁を横断して配置され得る。システムは、カテーテルの遠位端によって搬送される低プロファイルの軸方向回転血液ポンプを含む。システムは、大腿動脈を通って経皮的に挿入され、大動脈弁を横断して左心室に位置決めされ得る。装置は、血液を、左心室から上行大動脈および全身循環にポンプ輸送することによって、左心室を能動的に負荷軽減する。磁気駆動および包まれたモータハウジングにより、心原性ショックの急性療法として、例えば、六時間超の、様々な疾患を治療するための長期間のパージレス動作が可能になる。
【選択図】図9A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械的循環支持システムであって、
近位端および遠位端を有する、細長い可撓性カテーテルシャフトと、
前記シャフトの前記遠位端によって搬送される循環支持装置であって、
管状ハウジングと、
駆動磁石アレイに対して回転固定されるシャフトを有するモータと、
被駆動磁石アレイに対して回転固定されるインペラと、
前記管状ハウジングと連結され、前記モータおよび前記駆動磁石アレイを包む、封止されたモータハウジングと、を備える、循環支持装置と、を備える、機械的循環支持システム。
【請求項2】
前記モータは、前記シャフトを介して、前記駆動磁石アレイを回転させるように構成され、前記駆動磁石アレイは、前記封止されたモータハウジングを通って、前記被駆動磁石アレイと磁気的に連通して、前記インペラを回転させる、請求項1に記載の機械的循環支持システム。
【請求項3】
前記被駆動磁石アレイおよび前記駆動磁石アレイは、少なくとも部分的に軸方向に重なり合う、請求項1または2に記載の機械的循環支持システム。
【請求項4】
前記被駆動磁石アレイは、前記駆動磁石アレイに対して軸方向に互い違いに配置される、請求項1~3のいずれか1項に記載の機械的循環支持システム。
【請求項5】
前記システムは、パージを必要としない、請求項1~4のいずれか1項に記載の機械的循環支持システム。
【請求項6】
パージ構成要素を含まない制御装置をさらに備える、請求項1~5のいずれか1項に記載の機械的循環支持システム。
【請求項7】
前記制御装置は、パージ用のカセットまたはポートを含まない、請求項1~6のいずれか1項に記載の機械的循環支持システム。
【請求項8】
パルスドップラー測定を使用して、血液体積流れを検出するように構成された超音波センサをさらに備える、請求項1~7のいずれか1項に記載の機械的循環支持システム。
【請求項9】
前記システムは、前記超音波センサのパルス繰返し率が、前記血液体積流れの最大ドップラー周波数シフトの二倍を超えない場合、前記循環支持装置の動作パラメータを使用して、前記血液体積流れを検出するように構成される、請求項1~8のいずれか1項に記載の機械的循環支持システム。
【請求項10】
前記動作パラメータは、前記駆動磁石アレイの回転速度、または前記循環支持装置にわたる差圧を含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の機械的循環支持システム。
【請求項11】
前記超音波センサは、前記ハウジングの血液入口ポートに近接した超音波振動子を備える、請求項1~10のいずれか1項に記載の機械的循環支持システム。
【請求項12】
患者の健康状態を表示するように構成された表示装置と、
血圧差、血液脈波の脈波速度、および/または血管の弾性に関連する情報を提供するために、前記表示装置と通信する第一の圧力センサおよび第二の圧力センサと、をさらに備える、請求項1~11のいずれか1項に記載の機械的循環支持システム。
【請求項13】
前記管状ハウジングの遠位端でのセンサヘッド装置であって、
少なくとも一つのセンサを受容するように構成された少なくとも一つのセンサ空洞を含む、センサキャリア要素と、
少なくとも一つの信号送信機を受容するように構成された少なくとも一つの信号送信機空洞と、を備える、センサヘッド装置をさらに備える、請求項1~12のいずれか1項に記載の機械的循環支持システム。
【請求項14】
導電素子上に配置された、温度センサ、圧力センサ、および超音波素子を含む信号送信機のうちの一つ以上をさらに備える、請求項1~13のいずれか1項に記載の機械的循環支持システム。
【請求項15】
前記被駆動磁石アレイは、Halbachアレイを含む、請求項1~14のいずれか1項に記載の機械的循環支持システム。
【請求項16】
前記駆動磁石アレイは、半径方向または平行である磁化を含む、請求項1~15のいずれか1項に記載の機械的循環支持システム。
【請求項17】
前記駆動および被駆動磁石アレイは各々、同一量の極対を備える、請求項1~16のいずれか1項に記載の機械的循環支持システム。
【請求項18】
前記封止されたモータハウジングと、フラッシング血流を誘導するように構成された前記被駆動磁石アレイとの間に中間空間をさらに含む、請求項1~17のいずれか1項に記載の機械的循環支持システム。
【請求項19】
前記インペラは、前記中間空間から前記フラッシング血流を排出するための少なくとも一つのフラッシング出口を備える、請求項1~18のいずれか1項に記載の機械的循環支持システム。
【請求項20】
前記管状ハウジングは、
入口管と、
前記入口管に取り付けられた導電素子と、をさらに備え、前記導電素子は、複数の層と、少なくとも一つのセンサに接触するように構成されたセンサ接触領域と、を含む、請求項1~19のいずれか1項に記載の機械的循環支持システム。
【請求項21】
前記管状ハウジングは、
前記管状ハウジングの遠位端に位置するセンサヘッドユニットと、前記入口管に近位に位置する端ユニットとの間に配置される入口管と、
前記入口管と前記センサヘッドユニットとの間に配置される第一の接続要素と、
前記入口管と前記端ユニットとの間に配置される第二の接続要素と、をさらに備える、請求項1~20のいずれか1項に記載の機械的循環支持システム。
【請求項22】
前記管状ハウジングの遠位端または近位端は、前記循環支持装置の隣接する構成要素に取り付けるように構成された取り付けセクションを備える、請求項1~21のいずれか1項に記載の機械的循環支持システム。
【請求項23】
前記取り付けセクションは、形態係止または力係止を介して、前記隣接する構成要素に取り付けるように構成される、請求項1~22のいずれか1項に記載の機械的循環支持システム。
【請求項24】
取り外し可能なガイドワイヤガイド管をさらに備える、請求項1~23のいずれか1項に記載の機械的循環支持システム。
【請求項25】
前記ガイド管は、前記管状ハウジングの遠位端にある第一のガイドワイヤポートに入り、前記インペラに遠位にある前記管状ハウジングの側壁にある第二のガイドワイヤポートを介して、前記管状ハウジングを出て、前記インペラの近位側にある第三のガイドワイヤポートを介して、前記管状ハウジングに再度入り、前記カテーテルシャフトに近位に延在する、請求項1~24のいずれか1項に記載の機械的循環支持システム。
【請求項26】
前記管状ハウジングの可撓性セクションによって分離された前記管状ハウジング上に、少なくとも一つの血液入口ポートおよび少なくとも一つの血液出口ポートをさらに備える、請求項1~25のいずれか1項に記載の機械的循環支持システム。
【請求項27】
前記管状ハウジングは、インペラケージと連結された入口管を備える、請求項1~26のいずれか1項に記載の機械的循環支持システム。
【請求項28】
前記封止されたモータハウジングは、前記インペラケージを介して、前記管状ハウジングと連結される、請求項1~27のいずれか1項に記載の機械的循環支持システム。
【請求項29】
前記インペラケージは、前記封止されたモータハウジングを少なくとも部分的に被包する、請求項1~28のいずれか1項に記載の機械的循環支持システム。
【請求項30】
前記管状ハウジングの遠位端は、センサを有するノーズピースを備える、請求項1~29のいずれか1項に記載の機械的循環支持システム。
【請求項31】
ガイドワイヤを、機械的循環支持装置上に位置決めする方法であって、
ガイドワイヤを、前記機械的循環支持装置と連結されたカテーテルシャフトの内腔に挿入することであって、前記機械的循環支持装置は、入口管と、ポンプインペラと、第一のガイドワイヤポートと、第二のガイドワイヤポートと、を備え、前記第一のガイドワイヤポートは、前記ポンプインペラの近位に位置決めされ、前記第二のガイドワイヤポートは、前記ポンプインペラに遠位に位置決めされる、挿入すること、
前記ガイドワイヤを、前記第一のガイドワイヤポートを通って、前記第二のガイドワイヤポートに向かって延在させること、および
前記ガイドワイヤを、前記第二のガイドワイヤポートを通って延在させることであって、前記第二のガイドワイヤポートから遠位の前記ガイドワイヤの少なくとも一部分は、前記入口管の内側に位置決めされる、延在させること、を含み、
前記第一のガイドワイヤポートから遠位に、かつ前記第二のガイドワイヤポートから近位に位置決めされた前記ガイドワイヤの少なくとも一部分は、前記入口管の外面上に位置決めされる、方法。
【請求項32】
ポンプの心臓までの経カテーテル送達の方法であって、
前記ポンプを、血管系を通って前進させること、を含み、前記ポンプは、前記ポンプに遠位に位置するカテーテルシャフトの第一のセクションを通って、前記ポンプの管状ハウジングの内部を通って、前記管状ハウジングの側壁を通って、前記管状ハウジングの外部に、および前記ポンプに近位に位置する前記カテーテルシャフトの第二のセクションに延在する、ガイドワイヤを有して前進される、方法。
【請求項33】
前記ポンプからの前記ガイドワイヤの取り外し前、および/または前記ポンプの前記心臓への配置前に、前記モータを起動すること、および/または前記インペラを回転させることをさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記ガイドワイヤおよび/またはポンプが、少なくとも部分的に前記左心室にとどまるように、前記ガイドワイヤを、前記ポンプの使用中に前記ポンプにとどまらせることをさらに含む、請求項32または33に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、様々な医療処置中に血液をポンプ注入することを支援するために使用され得る機械的循環支持システムに関する。
【背景技術】
【0002】
(優先出願の参照による組み込み)
外国または国内の優先権クレームが、本出願に出願された出願データシートに特定されている任意およびすべての出願は、米国特許法施行規則第1.57条に準拠して、参照により、本明細書に組み込まれる。例えば、本出願は、2020年11月20日出願の米国仮特許出願第63/116616号の“MECHANICAL LEFT VENTRICULAR SUPPORT SYSTEM FOR CARDIOGENIC SHOCK”および2020年11月20日出願の米国仮特許出願第63/116686号の“MECHANICAL CIRCULATORY SUPPORT SYSTEM FOR HIGH RISK CORONARY INTERVENTIONS”に対する優先権を主張するものであり、これら各々の全内容は、参照により、その全体がすべての目的に対して本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する。
【0003】
心原性ショック(CS)は、死亡の一般的な原因であり、治療選択肢の進歩にもかかわらず、管理は依然として問題が多い。CSは、心筋作用の重度の障害により引き起こされ、その結果、心拍出量の減少、末端臓器の灌流低下、および低酸素症が生じる。臨床的には、これは、即時の薬理学的介入または機械的介入を必要とする末端臓器の灌流低下の特徴を有する、容積蘇生に対して難治性の低血圧として現れる。急性心筋梗塞(MI)は、CS患者の約80%超を占める。
【0004】
小型で、カテーテルベースの心臓内血液ポンプは、CS患者の急性療法として使用される。しかしながら、現世代のポンプは、例えば、不十分な血流、ポンプ内の継続的なモータパージの要件、望ましくないほど高い溶血、および血行動態パラメータの不十分な感知などの性能の欠陥を含む。したがって、これらおよび他の欠点を克服し、CS患者を治療するように特異的に構成され得る、循環支持システムの必要性が依然として存在する。
【発明の概要】
【0005】
本明細書に開示される実施形態は各々、複数の態様を有し、そのうち、単体として限定されて、本開示の望ましい特性の要因となるものは存在しない。本開示の範囲を制限することなく、そのより顕著な特徴を、ここで簡潔に説明する。この説明を検討した後、「発明を実施するための形態」と題する項を読んだ後は特に、本明細書に記載の実施形態の特徴が、機械的循環支持システムの既存のシステム、装置、および方法に対してどのように利点を提供するかを理解するであろう。
【0006】
以下の開示は、一部の実施形態の非限定的な実施例を表す。例えば、本開示のシステムおよび方法の他の実施形態は、本明細書に記載の特徴を含み得る、または含まない場合がある。さらに、開示された利点および利益は、特定の実施形態のみに適用し得、本開示を制限するために使用されてはならない。
【0007】
心原性ショックを経験する患者の治療に最適化された、低侵襲的な小型の経皮的機械的左心室支持システムが、提供される。該システムは、9フレンチカテーテルの遠位端によって搬送される軸方向回転血液ポンプおよび細長い入口管を含む、低プロファイル(例えば、18Fr~19Fr)の機械的循環支持(MCS)装置を含む。システムは、大動脈弁を横断して左心室に、MCS装置まで及ぶように位置決めされ得、血液を、左心室から上行大動脈および全身循環にポンプ輸送することによって、左心室を能動的に負荷軽減し、60mmHgで毎分最大約6Lの流量を提供し得る。一部の実施形態では、一分あたり0.6L~6Lの流量が、提供され得る。
【0008】
血管内アクセスは、18~19フレンチのMCS装置を収容するために拡張可能な、8~14Fr(例えば、8~10.5Fr)のイントロデューサシースを使用して、達成され得る。アクセスは、経皮的経大腿穿刺、または外科手術切断による補助的アクセスによるものでよい。
【0009】
イントロデューサシースは、ガイドワイヤ、拡張器、挿入器具、およびガイドワイヤ補助具も含み得る、イントロデューサキットの一部とし得る。
【0010】
モータは、モータハウジング内の被包によって完全に封止され、シャフトがハウジングを離れる必要がなく、モータがインペラを駆動可能にする磁気カップリングを有する。磁気カップリングは、モータハウジング内に位置決めされ、モータハウジングの外側に位置し、インペラに機械的に連結された円筒形被駆動磁石アレイ内に同心で配置される、円筒形駆動磁石アレイを含む。インペラは、ピボット宝石ベアリングの周りを、モータハウジングに対して回転する。磁気カップリングは、磁気カップリングの近位端および遠位端上のフラッシング穴を通る一定の血流によってフラッシングされる。封止されたモータにより、特定の競合装置に必要なパージプロセスが除去可能である。
【0011】
移動は、任意選択で、カテーテルシャフトによって搬送される血管内アンカーによって抑制され得、これにより、大動脈にアンカー固定が提供される。アンカーは、カテーテルシャフトによって搬送され、大動脈の壁に接触し、灌流を、アンカー支柱を通って可能にする一方、シャフトを移動に対して固定するように構成される、複数の半径方向外側に拡張可能な支柱を含み得る。
【0012】
移動は、任意選択で、カテーテルシャフトを、縫合糸により動脈切開に保持されるイントロデューサシースにより、固定位置に係合し、このため、カテーテルシャフトを、血管内アクセス経路に対して、静止して保持するロック機構によって抑制され得る。
【0013】
搭載センサは、大動脈圧、左室圧(LVEDPを含む)温度、および血流速度、または所望の臨床性能に応じる他の因子などの、様々な対象パラメータのいずれかを実際にリアルタイムで測定可能にする。センサは、血液流出ポートの遠位側の入口管の遠位端など、装置の遠位端に含まれ得る。追加のセンサは、血液流出ポートに近位など、細長い本体の近位端に提供され得る。
【0014】
特定のセンサは、絶対左室圧の直接測定のための少なくとも第一のMEMS圧力および温度センサを含み得る。センサはまた、LVEDPなどの重要な生理学的パラメータの抽出を可能にする。超音波振動子は、ポンプを通って、または任意選択で、ポンプの周りで、血流体積を直接測定するために提供され得る。超音波振動子の表面は、焦点および高感度を増大させるために湾曲および構成され得る。第二のMEMS圧力および温度センサは、絶対大動脈圧の直接測定を可能にし、差圧測定を可能にするなど、入口管の近位端に提供され得る。別の方法としてまたは追加的に、他の形態のセンサを使用して、レーザードップラー、熱または電気インピーダンスセンサなどの流量を評価し得る。
【0015】
可撓性の導電体は、遠位センサおよび近位センサを統合システムに接続するための入口管の長さに沿って延在し得る。可撓性導電体は、近位センサと遠位センサとの間の入口管の周りの軸方向に螺旋状に延在する、可撓性PCBの形態であってもよい。マルチコンダクタケーブル束は、外部電子制御ユニットへの取り外し可能な接続のために、細長い可撓性の管状体を通って、近位に、近位マニホールドのコネクタまで延在する。
【0016】
心原性ショックのための機械的心室支持システムが、提供され得る。該システムは、近位端および遠位端を有する、細長い可撓性カテーテルシャフトと、シャフトの遠位端によって搬送され、機械的循環支持ハウジングを含む、機械的循環支持部と、駆動磁石アレイに対して回転固定されるモータと、被駆動磁石アレイに対して回転固定されるインペラと、機械的循環支持ハウジングの内側で、モータおよび駆動磁石アレイを包む、封止されたモータハウジングと、を含み得る。システムは、取り外し可能なガイドワイヤガイド管を含み得る。ガイド管は、ハウジングの遠位端にある第一のガイドワイヤポートに入り、インペラに遠位のハウジングの側壁にある第二のガイドワイヤポートを介して、ハウジングを出て、インペラの近位側にある第三のガイドワイヤポートを介して、ハウジングに再び入り、カテーテルシャフトへ近位に延在し得る。システムは、ハウジングの可撓性セクションによって分離された、ハウジング上の少なくとも一つの入口ポートおよび少なくとも一つの出口ポートを含み得る。入口ポートと出口ポートとの間の距離は、少なくとも約60mmおよび100mm以下、好ましくは、70mmであり得る。システムは、入口ポートに近接した第一の圧力センサを含んでもよい。システムは、出口ポートの近位側に第二の圧力センサを含み得る。システムは、カテーテルシャフトの遠位端(またはポンプの開始部)から約50mm~約150mmの範囲内の、カテーテルシャフト上の視覚的兆候を含み得る。モータは、第三のガイドワイヤポートに遠位に位置決めされ得る。システムは、入口ポートに近接した超音波振動子を含み得る。システムは、機械的循環支持部によって取り外し可能に搬送されるガイドワイヤ補助具を含み得る。ガイドワイヤ補助具は、遠位に面する開口部と、開口部に遠位方向に増加する内径と、を有する、管状体を含み得る。ガイドワイヤ補助具は、本体に取り付けられたガイドワイヤガイド管を含み得る。ガイドワイヤガイド管は、ガイド管を分割するための分割線を含み得、その結果、ガイド管は、該管を通って延在するガイドワイヤから剥がれ得る。ハウジングの可撓性セクションは、外側ポリマースリーブによって覆われた可撓性スロット付き管を含み得る。
【0017】
高リスクの冠動脈介入用の機械的心室支持システムが、提供され得る。システムは、細長い可撓性カテーテルシャフトによって搬送される機械的循環支持部、封止されたモータおよび機械的循環支持部の内部で、磁気ベアリングによって一緒に回転可能に連結されるインペラ、管状体を有し、機械的循環支持部を軸方向に移動可能に受けるように構成された挿入器具、および管状体を有し、挿入器具を軸方向に移動可能に受けるように構成されたアクセスシースを含む、心室支持カテーテルを含み得る。アクセスシースは、挿入器具に係合するための第一のロックを有するアクセスシースハブを含み得る。アクセスシースハブは、カテーテルシャフトに係合するための第二のロックを含み得る。
【0018】
機械的循環支持システムのモータを駆動するように構成された制御装置が、提供され得、制御装置は、パージ構成要素を含まない。パージ構成要素は、カセットまたはポートを含み得る。一部の実施形態では、システムは、パージを必要としない。
【0019】
電子構成要素を装着するためのハウジングおよびハウジングの上部に配置されたハンドルを有する機械的循環支持システムのモータを駆動するように構成された制御装置が、提供され得る。制御装置は、ハウジングの上部のハンドルの周りに包まれた視覚的警報要素を含み得る。一部の実施形態では、ハウジングは、複数の制御要素を含まない場合がある。制御要素は、回転ダイヤルとなり得る。制御要素は、ハウジングの第一の端部に位置決めされ得る。制御装置は、ケーブル管理システムを含み得、該ケーブル管理システムは、第一の端部の反対側の第二の端部に位置決めされる。制御装置は、ハウジングの後部側に回転固定取付具を含み得る。
【0020】
他の様々な例示的な態様および実施形態が、本開示全体を通して示され、記載される。例えば、様々な特定の例示的な実施形態は、本明細書の「例示的な実施形態」セクションにおける、発明を実施するための形態で、さらに記載される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本開示の前述および他の特徴は、添付の図面と併せて記載された、以下の説明および添付の特許請求の範囲からより完全に明らかとなるであろう。これらの図面が、本開示に係る一部の実施形態のみを示し、その範囲を制限するものと見なされるべきではないと理解した上で、本開示は、添付の図面の使用により、さらに具体的かつ詳細に記載される。以下の詳細な説明では、本明細書の一部を形成する添付図面を参照する。図面では、文脈上別段の指示がない限り、類似の記号は、典型的には、類似の構成要素を識別する。詳細な説明、図面、および特許請求の範囲に記載される例示的な実施形態は、限定することを意図するものではない。他の実施形態を利用し得、また他の変更も、ここに示した主題の趣旨または範囲から逸脱することなく、実行され得る。本開示の態様が、一般的に本明細書に記載され、図面に図示されるように、多種多様な異なる構成で配置、置換、組み合わせ、および設計され得、それらすべては、明示的に想定され、本開示の一部をなすことは、容易に理解されよう。
図1図1は、カテーテルによって搬送され、大腿動脈のアクセスを介して大動脈弁にわたって位置決めされる、本発明の機械的循環支持(MCS)装置のある実施形態を示す心臓の断面図である。
図2図2は、MCSシステムのアクセス経路を概略的に示す。
図3図3は、本開示に係る、MCSシステムのある実施形態の側面図である。
図4図4は、イントロデューサシースが取り外され、挿入器具およびガイドワイヤ装填補助具を含む、図3のシステムを示す。
図5図5は、シースおよび拡張器を有するイントロデューサキットを示す。
図6図6は、配置ガイドワイヤのある実施形態を示す。
図7図7は、MCS装置のある実施形態の遠位ポンプ領域の部分斜視図である。
図8図8Aおよび図8Bはそれぞれ、MCS装置のある実施形態の遠位領域の側面図およびMCS装置用のガイドワイヤの遠位部分の拡大図である。
図9A図9Aは、図7のMCS装置のインペラおよび磁気カップリング領域を通る断面図である。
図9B図9Bは、ハウジング内に配置される第一の永久磁石と、ロータ内に配置される第二の永久磁石とが重なる位置での、ロータベアリングシステムのある実施形態による断面図を示す。
図9C図9Cは、図9Bの代替的な実施形態を示す。
図9D図9Dは、さらなる実施形態に係る、ロータベアリングシステムを示す。
図9E図9Eは、さらなる実施形態に係る、磁気カップリングシステムを示す。
図10図10は、MCS装置のある実施形態の斜視図である。
図11図11は、MCS装置の別の実施形態の斜視図である。
図12図12は、MCS装置の別の実施形態の斜視図である。
図13図13は、MCS装置の別の実施形態の斜視図である。
図14図14は、MCS装置のインペラハウジングのある実施形態の斜視図である。
図15図15は、MCS装置のポンプのある実施形態の側面図である。
図16図16は、MCS装置のポンプの別の実施形態の側面図である。
図17図17は、MCS装置のポンプの別の実施形態の側面図である。
図18図18は、MCS装置の磁気ラジアル回転カップリングのある実施形態の側面概略図である。
図19図19は、MCS装置のセンサヘッドユニットのある実施形態の断面図である。
図20図20は、MCS装置のセンサヘッドユニットの別の実施形態の断面図である。
図21図21Aおよび図21Bはそれぞれ、カテーテルシャフトの遠位端とMCS装置の近位端との間のインターフェースの斜視図および断面図である。
図22図22は、MCS装置の分解斜視図であり、例示的なセンサ配置を示す拡大図である。
図23図23Aおよび図23Bはそれぞれ、超音波振動子の概略図および斜視図である。
図24図24は、MCS装置を通って流れる流体のドップラー測定を行う方法のある実施形態の概略図である。
図25図25は、ドップラー測定を行うための超音波振動子を備えたMCS装置のある実施形態の遠位端の断面を示す概略図である。
図26図26は、ドップラー測定を行うための超音波振動子を備えたMCSシステムの代替的な実施形態の概略側面図である。
図27図27は、MCS装置を通って流れる流体のドップラー測定を行う方法の別の実施形態の概略図である。
図28図28は、患者に位置決めされた温度センサを備えたMCS装置のある実施形態を示す概略図である。
図29図29は、監視装置を備えたMCSシステムのある実施形態を示す概略図である。
図30図30Aは、MCS制御装置の正面図、図30Bは、図30Aの制御装置の背面斜視図である。
図31図31は、図30Aおよび図30Bの制御装置の内側に収容され得る電子システムのブロック図を示す。
図32図32は、制御装置内部の図31の電子システムの構成要素を備えた分解図を示す。
図33図33は、図30AのMCS制御装置の側面斜視図を示す。
図34図34Aは、大動脈圧と左室圧との間の圧力差を示すグラフ、図34Bは、一定の速度に対する印加電流を示すグラフを示す。
図35図35は、パラメータを表示するための例示的なユーザインターフェースを示す。
図36A図36Aは、構成モードにおける例示的なユーザインターフェースを示す。
図36B図36Bは、動作モードにおける例示的なユーザインターフェースを示す。
図37図37は、電子制御要素のある実施形態を示す。
図38図38A図38B図38C、および図38Dは、LVEDPを決定するためのプロセスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下の詳細な説明は、機械的循環支持(MCS)システムおよび方法、ならびに関連する特徴のある特定の実施形態を対象とする。この説明では、図面を参照し、類似の部品またはステップは、明確化のために、全体を通して類似の数字で指定され得る。本明細書において「一つの実施形態」、「ある実施形態」、または「一部の実施形態では」と言及すれば、該実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造、または特性が、本発明の少なくとも一つの実施形態に含まれることを意味する。本明細書中の様々な箇所で、「一つの実施形態」、「ある実施形態」、または「一部の実施形態では」の語句の記載があれば、必ずしもすべて同一の実施形態を指すわけではなく、また別個のまたは代替的な実施形態が必ずしも、他の実施形態と相互に排他的であるわけでもない。さらに、一部の実施形態によって示されるが、他の実施形態によっては示され得ない、様々な特徴が記載される。同様に、一部の実施形態に対しては要件となり得るが、他の実施形態に対しては要件とならない可能性がある、様々な要件が、記載されている。ここで、本発明の実施形態について詳細に言及し、その実施例を、添付図面に示す。可能な限り、同一の参照番号を、図面全体を通して使用し、同一または類似の部品を言及する。
【0023】
本発明の機械的循環支持(MCS)装置は、急性ST上昇型心筋梗塞によって引き起こされるなど、心原性ショック患者における心拍出量を改善するための一時的(一般的に、約6日を超えない)支持システムである。該MCS装置は、典型的には、経血管的アクセスを介して、大動脈弁にわたって配置され、血液を、左心室から上行大動脈までポンプ輸送する。
【0024】
システムの一つの実装は、18~19Frの軸方向回転血液ポンプおよび10.5Fr以下のカテーテルなどのカテーテルに装着された入口管組立品を含む。心室支持ポンプは、定位置にある場合、心室支持制御装置によって駆動され得、少なくとも約4または5、および最大約6.0リットル/分の部分左心室支持部を、約60mmHgの圧力差で提供する。被包されたモータおよび磁気ベアリング設計により、システムパージの必要はない。
【0025】
拡張可能なシースにより、挿入および閉鎖を容易にするために8~14Fr(例えば、8~10.5)の初期アクセスのサイズが可能になり、少なくとも約14Fr、好ましくは18~19Frの装置の導入を可能にするように拡張可能である。アクセスは、経大腿、経腋窩、経大動脈、または経心尖アプローチを介して、達成され得る。
【0026】
図1は、カテーテル(例えば、図3に示すカテーテル300)の遠位端に装着されたMCS装置100の例示的な実施形態を示す。図示した実施形態では、MCS装置100の入口管部分は、心臓1の大動脈弁3にわたって延在する。MCS100のインペラ(例えば、図9Aを参照)は、心臓1の左心室2から血液を吸引し、それを上行大動脈に排出する入口管の流出セクション4(上行大動脈内)に少なくとも部分的に配置される。MCS装置100は、使用前または使用中に、モータをパージする必要性を排除する被包されたハウジング内でインペラに近位に直接装着され得るモータを含み得る。MCS装置100は、血液を心室2からポンプ輸送し、ポンプ輸送された血液を上行大動脈4および全身循環に排出することによって、血液を、左心室2から能動的に負荷軽減し得る。
【0027】
図2は、MCS制御装置200に接続されたMCS装置100を含むMCSシステムのある実施形態を示す。MCS装置100は、定位置にある場合、MCS制御装置200によって駆動され得、例えば、約0.4l/分~約6.0l/分の部分的左心室支持部を提供する。一部の実施形態では、MCS装置100は、MCS制御装置200によって駆動され得、例えば、約0.6l/分~約6.0l/分の部分的左心室支持部を提供する。約0.6l/分~約6.0l/分の範囲により、例えば、10等距離の流量レベルが可能になり得る。
【0028】
一般的に、MCS装置100全体は、以下のうちの一つ以上を含む、一連の関連するサブシステムおよび付属品を含み得る。MCS装置100は、入口管、インペラ、モータ、ならびにセンサおよび関連するハウジング、および近位ハブ、挿入器具、近位ケーブル、感染シールド、ガイドワイヤガイド管、および/またはガイドワイヤ補助具を備えたカテーテルシャフトを含み得る。MCS装置100は、滅菌されて提供され得る。MCS装置100は、ワイヤ上方での挿入のための電気ケーブルおよびガイドワイヤ内腔を含み得る。近位ハブは、止血を維持し、心室支持シャフトを近位ケーブルに接続するために、弁を備えたガイドワイヤ出口を含み得、近位ケーブルは、MCS装置100をMCS制御装置200に接続する。近位ケーブルは、約3.5m(約177インチ)の長さであり得、滅菌野から、MCS制御装置200が位置する非滅菌野まで延在し得る。MCS装置挿入器具は、MCS装置100のポンプの、イントロデューサシースへの挿入を容易にし、イントロデューサシースを通過する場合、入口管および止血弁を、潜在的な損傷または干渉から保護するために、MCS装置100の一部となり得る。剥がれるガイドワイヤ補助具は、例えば、0.018インチ配置ガイドワイヤなどのガイドワイヤを入口管およびMCSシャフトに挿入することを容易にするために、MCS装置100に予め装着され得る。左心室への非外傷性ワイヤ配置用の軟質のコイル状の成形済み先端を有する、3mの0.018インチ配置ガイドワイヤを使用し得る。ガイドワイヤは、滅菌されて提供され得る。少なくとも約250mmまたは275mmの有効長を備えた、8~14Fr(例えば、8~10.5Fr)の範囲の低プロファイルから、14~21Fr(例えば、14~19Fr)の範囲のより大きなプロファイルまで拡張可能なイントロデューサシースを使用し得る。イントロデューサシースは、大腿動脈へのアクセスを維持し、0.035インチガイドワイヤ、5~6Frの診断カテーテル、0.018インチ配置ガイドワイヤ、および挿入器具のための止血を提供し得る。イントロデューサシースのハウジングは、MCS挿入器具を収容し得る。イントロデューサシースは、滅菌されて提供され得る。イントロデューサシースと互換性のあるイントロデューサ拡張器を使用し得、イントロデューサシースの大腿動脈への非侵襲的な挿入を容易にする。イントロデューサ拡張器は、滅菌されて提供され得る。MCS制御装置200が使用され得、これは、MCS装置100を駆動および操作し、その性能および状態を観察し、ならびにエラーおよび状況の情報を提供する。電源付き制御装置は、少なくとも約12時間の連続操作をサポートするように設計され得、患者に提供されるサポートのレベルを示し、調整するための基本的なインターフェースを含む。さらに、MCS制御装置200は、MCS装置100が動作中にエラーを検出する場合、光学および/または可聴警報通知を提供し得る。MCS制御装置200は、非滅菌状態で提供され得、滅菌野外での洗浄および再使用のために設計されたエンクロージャ内に含まれ得る。制御装置のエンクロージャは、延長ケーブルが取り外し可能に差し込まれるソケットを含み得る。
【0029】
図3を参照すると、本発明の一つの態様に係るMCSシステム10のある実施形態が示され、そのサブコンポーネントを、以下により詳細に説明する。参照のため、いくつかの図において、「遠位」および「近位」方向が、矢印で示される。本明細書で使用する「遠位」および「近位」は、それらの通例の意味を有し、限定されるものではないが、それぞれ、送達経路に沿って測定される患者の身体の入口点からより遠い方向、および送達経路に沿って測定される患者の身体の入口点から近い方向を含む。
【0030】
MCSシステム10は、MCSシャフト306を軸方向に移動可能に受け、MCS装置100を軸方向に移動可能に受けるために拡張可能な、中央内腔を備えた近位イントロデューサハブ304を有するイントロデューサシース302を含む。MCSシャフト306は、近位ハブ308と遠位端310との間に延在する。ハブ308は、過度な摩耗または他の技術的な誤動作を回避するために、過剰な使用を防止するために使用され得る、装置の識別および実行時間の追跡のための統合マイクロコントローラが備えられ得る。マイクロコントローラまたは記憶装置は、例えば、使用済み装置の使用を防止するために、装置を無効化することができる。制御装置と通信し、これは、装置に関する情報やその使用についてのメッセージを表示し得る。放射線不透過性の材料を有する非侵襲的カニューレ先端により、移植/外植は、蛍光透視下で可視となり得る。
【0031】
MCS装置100は、管状ハウジングを含み得る。MCS装置100の管状ハウジングは、本明細書で広く使用され、入口管、遠位端、モータハウジング、他の接続管状構造、および/またはモータハウジングの近位バックエンドなどの、MCS装置100の任意の構成要素またはMCS装置100のポンプ領域内の構成要素を含み得る。例えば、管状ハウジングなどのMCS装置100は、MCSシャフト306の遠位領域によって搬送され得る。MCS装置100は、ガイドワイヤ314を軸方向に移動可能に受けるための少なくとも一つの中央内腔を備え得る。近位ハブ308は、感染シールド316が追加的に備えられる。近位ケーブル318は、典型的には、滅菌野の外側の制御システムへの解除可能な接続のため、近位ハブ308とコネクタ320との間に延在し、MCS装置100を駆動して、MCS装置100内のセンサと通信する。
【0032】
図4を参照すると、MCSシステム10は、例えば、約85mm~約160mm(例えば、約114mm)の範囲内の、MCS装置100(ここでは図示せず)を含める長さ、および例えば、約6mm~約6.5mmの範囲内の、遠位ハブ406から遠位に延在するMCS装置100を摺動可能に含める内径を有する、細長い管状体402を有する挿入器具400を含み得る。管状体402は、シャフト306およびMCS装置100を、それを通って軸方向に移動可能に受けるよう適合された中央内腔、およびイントロデューサシースの止血弁を通過される場合、開存性を維持するのに十分な圧潰抵抗を含み得る。図4に示すように、MCS装置100は、イントロデューサハブ304の近位端の止血弁(複数可)を通るMCS装置100の通過を容易にするためなど、管状体402内に位置決めされ得る。一部の実施形態では、マーカー722(図7を参照)は、マーカー722がハブ324の近位側に視認し得る限り、MCS装置100が管状体402内にあることを臨床医がわかるように、遠位先端704(図7を参照)から近位に間隔を置いて配置されたシャフト306に提供され得る。
【0033】
ハブ324は、イントロデューサシース302(図示せず)上の相補的な第二の係合構造に係合して、挿入器具をイントロデューサシース302内にロックするための第一の係合構造406が備えられ得る。ハブ324はまた、MCS装置100が心臓内の所望の位置に一旦位置決めされたら、シャフト306が挿入器具400を通って近位または遠位に摺動することを防止するために、シャフト306上に締結するためのロック機構408が備えられ得る。ハブ324は、シャフト306の周りに封止し、より大きな直径を有するポンプの通過を受容するために、さらに止血弁が備えられ得る。一部の実施形態では、包装されたMCS装置100は、図4に示すように、挿入器具400内に予め位置決めされ、ガイドワイヤ補助具404は、MCS装置100およびシャフト306内に予め装填される。
【0034】
図5および図6を参照すると、挿入器具400は、ガイドワイヤ314、イントロデューサシース302、拡張器504、およびガイドワイヤ補助具404(図4に示す)を含み得る。ガイドワイヤ314は、近位端604と遠位端606との間に延在する細長い可撓性本体602を含み得る。本体602の遠位ゾーンは、図6に示すように、J字先端またはピグテールに予め成形され得、非外傷性の遠位先端を提供する。近位ゾーン608は、MCS装置100への、およびそれを通ってねじ状に通すことを容易にし得、近位端604と移行部610との間に延在し得る。近位ゾーン608は、約100mm~約500mmの範囲内(例えば、約300mm)の軸方向長さを有してもよい。
【0035】
イントロデューサツール400は、シース302および/または拡張器504を備え得る。シース302は、近位端508と遠位端510との間に延在する細長い管状体506を備えてもよい。管状体506は、近位ハブ512で近位に終結し得る。管状体506は、任意選択で、拡張可能であり得、または剥がされて離れてもよい。近位ハブ512は、細長い拡張器504を軸方向に取り外し可能に収容するように構成される、管状体506の長さにわたって、遠位開口部を通って外に延在する中央内腔と連通する近位端ポート514を含み得る。近位ハブ512は、側方ポート516、および例えば、患者に縫合することを容易にするための眼部518などの、少なくとも一つ、任意選択で、二つ以上の取り付け機構、ならびに標準的な0.035インチガイドワイヤ、5Frまたは6Frの診断カテーテル、0.018インチ配置ガイドワイヤ314、および挿入器具400などの様々な導入構成要素の周りにシールを提供するための、少なくとも一つ、任意選択で、複数の止血弁がさらに設けられ得る。
【0036】
図7は、MCS装置100の遠位ポンプ領域700の追加的な詳細を示し、MCS装置100およびカテーテルシャフト306の遠位部分を示す。遠位ポンプ領域700は、シャフト306の遠位端の屈曲リリーフ702と遠位先端704(またはノーズピース)との間に延在する。MCS装置100は、入口管(または入口カニューレ)710、遠位先端(またはノーズピース)704、および/またはモータハウジング714を含み得る管状ハウジング750を含み得る。管状ハウジング750は、入口管710の一部、または入口管710の近位端をモータハウジング714に接合する中間構造などの他の構造の一部であり得る、一つ以上のポンプ入口706および/または出口708を含み得る。本明細書でさらに記載するように、ガイドワイヤガイド補助具は、MCS装置100の管状ハウジング350および/またはカテーテルシャフト306など、システムの様々な構成要素に、かつそこから外に延在し得る。
【0037】
一つ以上の窓または開口部を含むポンプ入口(または入口窓)706は、入口管(または入口カニューレ)710を通って軸方向に延在する流路によって、一つ以上の窓または開口部を含むポンプ出口(または出口窓)708と流体連通する。ポンプ入口(または入口窓)706は、入口管710と遠位先端704の近位端との間の移行部の付近に位置決めされ得る。ポンプ入口706は、一般的に、遠位ポート716から約5cm、3cm、またはそれ以下の距離内であり得る。
【0038】
一部の実施形態では、遠位先端704は、放射線不透過性である。例えば、遠位先端704は、硫酸バリウム、ビスマス、タングステン、ヨウ素などの放射性緩和剤を含有するポリマーから作製され得る。一部の実施形態では、MCS装置100の全体は、放射線不透過性であり得る。一部の実施形態では、放射線不透過性マーカーは、大動脈弁の現位置を示すために、ポンプ出口708とガイドワイヤポート718との間の入口管上に位置決めされる。
【0039】
入口管710は、流れ経路を分離するために、ポリマー(例えば、ポリウレタン)管層を有する非常に可撓性のスロット付き(例えば、レーザー切断)金属(例えば、ニチノール)管を含み得る。入口管710は、約60mm~約100mmの範囲内の軸方向長さを有し得、一つの実装例では、約67.5mmである。外径は、約5mm~約6.5mmの範囲内であり得、一つの実装例では、約5.5mmである。入口管710と遠位先端704との間の接続部、およびモータ(またはモータハウジング714)までの接続部は、レーザー溶接、接着剤、ねじ込みまたはその他の干渉嵌合係合構造の使用によるなど、固定され得、またはプレス嵌合を介してもよい。
【0040】
インペラ712は、ポンプ入口706とポンプ出口708との間の流路内に位置決めされ得る(例えば、図9Aを参照)。図示した実施形態では、インペラ712は、ポンプ出口708に隣接して位置決めされる。以下でさらに記載するように、インペラ712は、モータハウジング714内に含まれるモータによって回転駆動される。一部の実施形態では、インペラ712を駆動するモータは、インペラ712の近位側に位置決めされる。
【0041】
図8Aおよび図8Bはそれぞれ、ガイドワイヤ補助具404のある実施形態を示す、MCS装置100のある実施形態の遠位ポンプ領域700の側面断面図および詳細図である。MCS装置100は、高速交換構成またはワイヤ上方構成のいずれかで提供され得る。高速交換構成では、遠位先端704の遠位面上の第一のガイドワイヤポート716(遠位に面する開口部など)は、遠位先端704および入口管710の少なくとも一部分の流路を通って第一のガイドワイヤ内腔を介して、連通し得、第二のガイドワイヤポート718は、例えば、入口管710の側壁を通って、インペラ712に遠位に延在する。これにより、ガイドワイヤ314は、第二のガイドワイヤポート718で遠位ポンプ領域700の入口管710を出て、第二のガイドワイヤポート718からカテーテルまたはシャフト306の外側に沿って近位に延在可能である。
【0042】
ワイヤ上方構成では、ガイドワイヤ314は、カテーテルまたはシャフト306の長さにわたって、その中のガイドワイヤ内腔を通って近位に延在し得る。しかしながら、図7に示すワイヤ上の実施形態では、ガイドワイヤ314は、第二のガイドワイヤポート718を介して入口管710を出て、インペラ712およびモータハウジング714の外側にわたって近位に延在し、第三のガイドワイヤポート720を介して、シャフト306に再び入る。第三のガイドワイヤポート720は、モータに近位に位置し得、図示した実施形態では、屈曲リリーフ702上に位置する(または形成される)。第三のガイドワイヤポート720は、シャフト306の長さにわたって近位に延在し、近位ハブ308によって搬送される近位ガイドワイヤポートで出る、シャフト306のガイドワイヤ内腔と連通し得る。
【0043】
図8Aに示すように、ポンプは、第一のガイドワイヤポート716から、遠位部分(またはノーズピース)704を近位に通って、第二のガイドワイヤポート718を介して、入口管710の外側に戻って、第三のガイドワイヤポート720を介して、シャフト306に戻って、ガイドワイヤの意図した経路を追跡するガイドワイヤガイド管802を有する取り外し可能なガイドワイヤ補助具404と組み立てられて、提供され得る。図示した実施形態では、ガイドワイヤガイド管802は、近位ハブ308まで延在する、ガイドワイヤ内腔と連通して、またはガイドワイヤ内腔内で、シャフト306内で近位端800まで近位に延在し得る(図4を参照)。近位端800は、シャフト306の遠位端の約5mmまたは10mm内に位置決めされ得、または約10mm~約50mmの範囲内など、少なくとも約10mmまたは20mmで、シャフト306の内腔に延在し得る。一部の実施形態では、第三のポート720は、モータハウジングまたはバックエンドなどの管状ハウジングの近位端内、またはインペラに近位である位置の装置の他の任意の構成要素内に位置し得る。
【0044】
ガイドワイヤ補助具404は、ファネル806を有し得る。ファネル806は、ガイド管802の遠位端に位置し得、入口管の遠位端、例えば、遠位先端またはノーズピース704に予め位置決めされ得る。ファネル806は、ガイド管802と連通する狭い近位端から、ファネル806の遠位端でのより広い遠位開口部まで、遠位方向に幅が増大し得る。ファネル806は、円錐形、円錐台形、角錐形、分割形、または他の形状であってもよい。ファネル806の近位端は、ガイドワイヤガイド管802の遠位端に取り付けられ得る。ガイドワイヤ314の近位端604(図6を参照)は、第一の(遠位)ガイドワイヤポート716を通過し、ガイドワイヤガイド管802の内側を追跡することによって、意図された経路に沿って誘導される、ファネル806に挿入され得る。ガイドワイヤガイド管802は、その後、ガイド管802を遠位先端704から外に遠位に摺動し、長手方向に引き剥がし、ガイドワイヤ314を所定の位置にとどめたままにすることによって、除去され得る。
【0045】
ガイドワイヤ補助具404は、プルタブ808を有し得る。一部の実施形態では、ガイドワイヤガイド管802の遠位端は、ガイドワイヤ補助具404のプルタブ808に取り付けられる。プルタブ808は、例えば、図示するように、横方向の平面状の伸長部により、ヒトの手によって把持され得る構造である場合がある。ガイドワイヤ補助具404、例えば、プルタブ808、ガイド管802および/またはファネル806は、図8Bにより明らかに示すように、引き裂き線820が備えられ得る。引き裂き線820は、軸方向に延在する分割線であり得る。引き裂き線820は、弱化、スロット、または穿孔された直線領域を含み得る。ガイドワイヤ補助具404の取り外しは、図8Bの詳細な挿入図822で示すものなど、分割線820に沿って分割または剥がれる際に、プルタブ808を把持し、ガイドワイヤ管802および/またはファネル806を引き抜き、それらをガイドワイヤ314から取り外すことなどによって、達成され得る。
【0046】
ガイドワイヤ補助具404は、MCS装置100の遠位端、特に、ノーズピース704、および入口開口部706を画定する脆弱な支柱の上を摺動し、それを取り外し可能に収容するように構成された近位開口部804を含み得る(図7を参照)。それを通る内腔を有するガイドワイヤガイド管802は、近位開口部804内に位置決めされ、遠位先端704のガイドワイヤポート716を通過するように整列され得る。近位開口部804は、図4に示すように、挿入器具400の管状体402の遠位端の上を摺動し、それを取り外し可能に収容するようにさらに構成され得る。MCS装置100は、入口管710、モータハウジング714、屈曲リリーフ(または歪みリリーフ)702などのMCS装置100の外面と、挿入器具400の管状体402の内面との間に画定された環状空間が、MCS装置100、ガイドワイヤ補助具404および挿入器具400が一緒に組み立てられる場合、ガイドワイヤガイド管802をその中に取り外し可能に受容し得るように、寸法設定され得る。
【0047】
一部の実施形態では、ガイドワイヤガイド管802の内腔は、遠位方向に断面が大きくなる遠位フレア状のファネル開口部806と連通し得る。ガイドワイヤ補助具404は、ガイドワイヤ経路に沿って、例えば、ガイドワイヤポート716を通ってMCS装置100に、入口管710内の流路の一部分を通って、ポート718を通ってMCS装置100から外に、MCS装置100の外側に沿って、ポート720を通ってシャフト306に戻るように、予め装填されたガイドワイヤガイド管802により、MCS装置100上に組み立てられて提供され得る。これは、ユーザが、ガイドワイヤ314の近位端を、ガイドワイヤ経路を通ってファネル806に、およびMCSシャフト306のガイドワイヤ内腔に誘導する一助となる。プルタブ808は、ガイドワイヤ314の装填後に、ガイドワイヤガイド管802を含むガイドワイヤ補助具404の把持および取り外しを容易にするために、ガイドワイヤ補助具404上に提供され得る。ガイドワイヤ補助具404は、MCS装置100およびガイドワイヤ314からのガイドワイヤ補助具404の取り外しを容易にするために、例えば、ファネル806、近位開口部804、およびガイドワイヤガイド管802に沿って、長手方向スリットまたは引き裂き線820を有し得る。
【0048】
一つの実装例では、ガイドワイヤガイド管802の遠位端は、ガイドワイヤ補助具404に取り付けられる。ガイド管802は、弱化、スロットまたは穿孔された引き裂き線などの軸方向に延在する分割線が備えられ得る。ガイド管802の取り外しは、プルタブ808を把持し、ガイド管802が分割線に沿って分割して、ガイドワイヤ314を解放する際に、ガイド管802を引き出すことなどによって、達成され得る。ガイド管802の内側表面は、PTFEなどの潤滑コーティングが提供され得る。
【0049】
本明細書に記載のガイドワイヤ補助具404の特徴は、様々な異なるMCSシステムおよび/またはポンプ装置と共に使用され得る。ガイドワイヤ補助具404は、記載されるように、ポンプハウジングに出入りする、またはハウジングから出ないガイドワイヤ経路に使用され得る。ガイドワイヤ補助具404は、高リスクPCI処置のための一時的動作のために構成されたMCSシステムと共に使用されるものとして、本明細書に記載される。該システムは、ラジアルシャフトシールを備えた回転インペラと、該シールを通って延在するシャフトを介して、インペラを回転するモータと、を含み得る。ガイドワイヤ補助具404は、様々な異なる装置と共に使用され得る。ガイドワイヤ補助具404はまた、磁気駆動部を有するポンプと共に使用され得、モータは、インペラを回転させるために、封止されたハウジングの外側にあるインペラの第二の磁石と磁気的に連通する封止されたモータハウジング内で、第一の磁石を回転させる。したがって、ガイドワイヤ補助具38は、本明細書に記載の特定のポンプの実施形態のみと共に使用することに限定されない。
【0050】
図9Aは、非接触式トルク伝達を提供し、半径方向および軸方向のモータマウントを含み得る、ポンプ900(例えば、ロータベアリングシステム)の例示的な実施形態を示す。ロータベアリングシステム900は、本明細書に記載のMCS装置またはシステム用のポンプとして機能し得る。
【0051】
ポンプ900は、周囲環境から密封されたモータ、駆動シャフト、および駆動磁石アレイを被包するハウジング940を有する。第一の磁石アレイ942(または駆動磁石アレイ)は、ハウジング940内で、モータ(図示せず)によって駆動され得るシャフト958上に設置され得る。第一の磁石アレイ942は、第一の軸912の周りを回転し得る。
【0052】
ハウジング940は、モータ(図示せず)を半径方向に包含する第一の外径964(例えば、5~7mmの範囲であり、好ましくは、6mm)を有する第一の円筒部分と、第一の外径よりも小さい(例えば、第一の外径よりも0.3~1mmの範囲、好ましくは、0.5mm小さい)第二の外径962を有する第二の円筒部分と、第二の外径よりも小さい(例えば、第二の外径よりも1.7~2.3mmの範囲、好ましくは、2.0mm小さい)第三の外径960を有する第三の円筒部分と、を有し得る。
【0053】
第二の外径962を備えた第二の円筒形部分は、入口管ハウジング922と確実に嵌合し得、第二の円筒形部分および入口管ハウジング922は、入口管ハウジング922の外径が、第一の外径964を有する第一の円筒部分の外周と同一平面であるように、サイズ設定され得る(例えば、入口管ハウジング922の厚さは、第一の外径と第二の外径との差を2で割ったものと等しくなり得る)。ハウジング940の第三の外径960は、例えば、3.2~3.8mmの範囲、好ましくは3.5mmであり得る。
【0054】
さらに、ポンプ900は、液体を搬送するためのインペラ712を備え得る。インペラ712は、例えば、第一の軸912の周りを回転するように装着された中空シリンダの形態の第二の磁石アレイ944(または被駆動磁石アレイ)を含み得る。第二の磁石アレイ944は、第二の磁石944が中空シリンダの形態で配置されるように、中空の円筒形ジャケット906内に位置決めされ得る。ジャケット906は、第二の磁石アレイ944の半径方向外部の周りに(またはそれを覆うように)位置決めされたバックアイアン946を含み得る。
【0055】
一部の実施形態では、第一の磁石アレイ942は、3mmの外径、1mmの磁石高さ、および3.2mmの長さ(例えば、3~4.2mmの範囲)を有し得る。第二の磁石アレイ944は、5.3mmの外径(例えば、5~5.3mmの範囲)、0.6mmの磁石高さ(例えば、0.5~0.6mmの範囲)、および3.2mmの長さ(例えば、3~4.2mmの範囲)を有し得る。第一の磁石アレイ942と第二の磁石アレイ944との間のずれ948は、1mmであり得る(例えば、0.1~1.2mmの範囲)。インペラ712のジャケット906は、5.3mmの外径(例えば、第二の外径962よりも0.1~0.4の範囲、好ましくは、0.2mm小さい)および15mmの長さを有し得る。
【0056】
インペラ712は、シャフト958によって伝達された機械的動力を油圧に変換して、血流を血圧に対して伝達し得る。さらに、インペラ712は、ジャケット906と統合されたテーパ状部分902を備え得る。テーパ状部分902は、円錐形状であり得る。テーパ状部分902の基部表面の外周部は、ジャケット906の外周面に接続され得る。
【0057】
第一の磁石アレイ942(または駆動磁石アレイ)および第二の磁石アレイ944(または被駆動磁石アレイ)は、オーバーラップ領域910内で少なくとも部分的に軸方向に重なり合う。図9Aに示すように、第一の磁石アレイ942は、第二の磁石アレイ944に対して軸方向に互い違いであり得る。図9Aに示す実施形態では、第一の磁石アレイ942および第二の磁石アレイ944の中心は、垂直線で示され、軸方向ずれ948は、これら二つの垂直線の間に引かれる。
【0058】
軸方向ずれ948により、第二の磁石アレイ944は、図9Aの右向きの力を受け得、その結果、インペラ712のボール916は、ハウジング940内に配置された円錐918上に押圧され、第一のベアリング920および第三のベアリング928は、この場合、結合されたアキシャルおよびラジアルベアリング930を形成し、接触して保持される。あるいは、ボール916は、ハウジング940の一部であり得、円錐918は、インペラ712の一部であり得る。一部の実施形態では、ボール916は、半径方向および軸方向の力の両方が吸収され得、アキシャルおよびラジアルベアリングが達成されるように、円錐918内で回転し得る。結合されたアキシャルおよびラジアルベアリング930は、固体物ベアリングであり得る。一部の実施形態では、ボール916は、テーパ状部分902内に配置される。
【0059】
例えば、ボール916は、0.5mm~0.9mmの範囲、好ましくは、0.7mmの直径を有し得、円錐918は、1mmの直径、0.8mmの高さ、および70度~90°の範囲、好ましくは、80度の円錐角度を有し得る。結合されたベアリング930は、インペラ712、ハウジング940、および/またはシャフト958の相対的な軸方向の互いの位置決めを提供し得、第一の磁石アレイ942および第二の磁石アレイ944の配置(または相対的な位置)によって引き起こされる軸力を吸収し得る。さらに、ポンプ900上の軸力は、作動された力の設定が最適化され得るように、調整され得る。
【0060】
第一の磁石アレイ942を被包するハウジング940の一部分は、少なくとも部分的に、インペラ712に取り付けられた中空シリンダの形態でジャケット906によって半径方向に囲まれ得る。中空シリンダの形態のチャネル908は、ハウジング940とインペラ712のジャケット906との間に形成され得、それを通して、液体(例えば、血液)が流れ得る。インペラ712は、一つ以上の孔または穿孔956を含み得る。一部の実施形態では、孔956は、インペラ712のテーパ状部分(または円錐部分)902、またはテーパ状部分902とジャケット906との間の移行部分に形成される。孔956は、例えば、流体(例えば、血液)が、チャネル908を介して、ハウジング904とジャケット906との間の領域に流れ込み、孔956を介して、流れ出ることができるように、チャネル908と流体連通し得る。一部の実施形態では、インペラ712が回転する場合、液体(例えば、血液)は、孔956から遠心力で排出され、液体は、チャネル908に引き込まれて、連続流の排出された液体を置き換える。パージ流れ954は、チャネル908および孔956を通る液体の流れの方向を示す。ポンプ流れ950は、インペラ912のブレード(静翼)903によって移動される液体の流れの方向を示す。
【0061】
使用中に、例えば、図9Aに示すジャケット906とハウジング940との間の領域において、堆積が発生し得、ポンプ900のポンプ効率を低下させ得る。例えば、堆積は、ハウジング940とインペラ712との間で伝達されるトルクの量を減少させ得、それゆえ、ポンプ出口708を通ってポンプ輸送される血液の量を減少させ得る。例えば、本明細書に記載のパージ流れ954により、ポンプ900の使用中に血液の流れによって引き起こされるこのような堆積は防止または緩和され得、ポンプ900は、パージレスで(すなわち、パージする必要なく)動作可能である。
【0062】
第二のベアリング914は、ラジアル、流体力学的、および血液潤滑式の滑りベアリングとなり得る。第二のベアリング914は、ハウジング940から離れて面するインペラ712のテーパ状部分902の端部(例えば、遠位端)に配置され得る。第二のベアリング914は、インペラ712に加えられた半径方向の力を吸収し得、インペラ712および第二の磁石アレイ944(または被駆動磁石アレイ)の回転軸を、シャフト958または第一の磁石アレイ942の回転軸912に整列して位置決めし得る。図示した実施形態では(図9Aを参照)、第二のベアリング914は、インペラ712とインサート926との間に配置され得、これは、第二のハウジング922のリング形状の遠位端に固定、特に、締結または押圧され得、これは次に、ハウジング940上に固定される。第二のハウジング922は、ポンプ900の外皮またはカバーを形成し得る。インペラハウジングと称され得る第二のハウジング922は、一つ以上の出口窓708を含み得る。インサート926は、第二のハウジング922にしっかりと取り付けられ得る(例えば、接着、溶接、または摩擦嵌合される)ベアリングスターであり得る。インサート926は、6mm(例えば、5~7mmの範囲)の外径および3mm(例えば、2~5mmの範囲)の長さを有し得る。第二のハウジング922は、6mm(例えば、5~7mmの範囲)の外径、18mm(例えば、15~21mmの範囲)の長さ、および0.25mm(例えば、0.15~0.5mmの範囲)の壁厚を有し得る。
【0063】
一部の実施形態では、インサート926および第二のハウジング922は、一貫した内径を有し得る、単一の部品として製造され得る。この配置では、拡張された入口カニューレは、例えば、レーザー溶接によって、結合されたインサート926および第二のハウジング922に接続され得る。
【0064】
第二のベアリング914は、1mm(例えば、0.75~1.5mmの範囲)の直径および1mm(例えば、0.75~2mmの範囲)の長さを有し得る。
【0065】
第一の磁石アレイ942(または駆動磁石アレイ)と第二の磁石アレイ944(または被駆動磁石アレイ)との間の軸方向ずれ948は、近位方向(すなわち、図9Aの例示的な実施形態の左から右)にインペラ712上に画定された軸力を生成し得る。軸方向ずれ948によって生成されるこの力は、遠位方向(すなわち、図9Aの例示的な実施形態の右から左へ)での動作中にインペラ712上に加えられた油圧力によって対向し得る。インペラ712に加えられたこの油圧力は、インペラ712の回転ブレード(静翼)903によって生成されるポンプ流れ950の反対方向であり得る。
【0066】
一部の実施形態では、第一の磁石アレイ942および第二の磁石アレイ944のカップリングに由来する軸力は、最大想定油圧力よりも大きい場合があり、これにより、インペラ712は、画定された軸位置に常に確実に保持される。軸力が最大想定油圧力よりも大きすぎないことを確実にすることによって、結合されたアキシャルおよびラジアルベアリング930は、不必要に過負荷とならない場合があり、摩擦および摩耗ならびにロータに伝送されるトルクの低減は、最小化され得る。軸力の量は、第一の磁石アレイ944、第二の磁石アレイ942、軸方向ずれ948、およびセグメント角度A(図9Cに示されるものなどのHalbach構成にある場合)のうちの一つ以上の寸法(例えば、長さ、厚さ、外径)の一つ以上を調節することによって、変化させ得る。
【0067】
図9Bは、ポンプ900の重複領域910の断面図を示し、第一の磁石アレイ942および第二の磁石アレイ944が、軸方向に重なり合う。第一の磁石アレイ942は、モータ(図示せず)によって駆動されるシャフト958上に設置され得、シャフト958は、軸912の周りを回転し得る。一部の実施例において、シャフト958はまた、バックアイロンとして機能し得る。第二の磁石アレイ944は、軸912の周りを回転できるように、装着され得る。図示した実施形態では、第一の磁石アレイ942および第二の磁石アレイ944の両方は各々、二つの極対、すなわち、小さな矢印で示される、各々半径方向に磁化されるそれぞれ四つの極970を有する。あるいは、第一の磁石アレイ942および第二の磁石アレイ944の両方は各々、一つの極対または少なくとも一つの極対(例えば、二つの極対、三つの極対、四つの極対)を有し得る。
【0068】
図9Cは、第一の磁石アレイ942および第二の磁石アレイ944のある配置の代替的な実施形態を示す。図9Cに示す内側リングは、シャフト958上に設置された第一の磁石アレイ942を表す。シャフト958は、バックアイロンとして機能し得る。第一の磁石アレイ942は、図9Cに示す矢印で示される、各々半径方向に磁化され得る、二つの極対(または四つの極980)を含み得る。図9Cに示す外側リングは、Halbachアレイに配置された第二の磁石アレイ944を表す。第二の磁石アレイ944は、バックアイアンを必要としない場合がある。第二の磁石アレイ944は、第二の磁石アレイ944の周りに生成された磁界を誘導し得る、四つの半径方向セグメント982の間に四つの接線方向に磁化された磁石リングセグメント981を含み得る。例えば、この配置は、カップリングの外側の(すなわち、第一の磁石アレイ942と第二の磁石アレイ944との間の)浮遊磁界を効率的に防止し得、第一の磁石アレイ942と第二の磁石アレイ944との間の磁気カップリングの効率を(図9Bに示す構成と比較して)増大させ得る。一部の実施形態では、セグメント角度Aが変化すると、第一の磁石アレイ942と第二の磁石アレイ944との間の軸力の量が変わり得る。
【0069】
一部の実施形態では、セグメント角度αは45°であり、ポンプ900は、6.2mmの外径(例えば、図9Aに示す第一の外径964)を有する。ポンプ900の外径(例えば、第一の外径964)は、第一の磁石アレイ942および第二の磁石アレイ944のサイズを制限し得る。一部の実施形態では、第一の磁石アレイ942の内径および外径は、それぞれ1.0mmおよび3.0mmである。一部の実施形態では、第二の磁石アレイの内径および外径は、それぞれ4.1mmおよび5.3mmである。ポンプ900が、6.2mm超または未満の外径を有し得、これにより、第一の磁石アレイ942および第二の磁石アレイ944に対して、より小さく、より大きく、または同一のサイズまたは寸法(例えば、内径および外径)がもたらされ得ることは想定される。
【0070】
本明細書で記載するように、第一の磁石アレイ942と第二の磁石アレイ944とずれ948の長さは、例えば、第一の磁石アレイ942と第二の磁石アレイ944によって生成される軸力とトルクの量を調整するように変更され得る。
【0071】
磁石(第一の磁石アレイ942および第二の磁石アレイ944)の長さは、MCS装置100のポンプ900の移動に影響を与え得る。一部の実施形態では、磁石長さ(すなわち、第一の磁石アレイ942または第二の磁石アレイ944の長さ)およびずれ948の総和は、ポンプ900が、心臓までの血管内送達中に、血管経路を横断可能であるように、約4.2mmであり得る。一部の実施形態では、第一の磁石アレイ942および第二の磁石アレイ944の長さは、約3.2mmであり、ずれ948は、約1.0mmである。磁石(第一の磁石アレイ942および第二の磁石アレイ944)の長さが、3.2mm超または未満であり得、ずれ948が、1.0mm未満または超であり得ることは想定される。インペラ712、および第一の磁石アレイ942と第二の磁石アレイ944との間のカップリングに加えられる力が、装置全体の直径、入口管長、インペラ設計、最大インペラ速度または血流速度、油圧力、ベアリング摩擦損失、渦電流損失に影響を与えるその他の特徴または寸法の関数であるため、本明細書に記載される様々な構成要素または部品のサイズおよび寸法は、試験されたものと比べて異なる寸法または特徴を有する装置と異なり得る。
【0072】
図9Dは、ポンプ900の別の実施形態を示す。図示した実施形態では、第一の磁石アレイ942、第二の磁石アレイ944、およびバックアイロン946は各々、二つの軸方向セグメントに分割される。一部の実施形態では、第一の磁石アレイ942、第二の磁石アレイ944、およびバックアイロン946は、三つ以上のセグメント(例えば、三つのセグメント、四つのセグメントなど)に分割され得る。
【0073】
第一の磁石アレイ942は、セグメント942A、942Bを含み得る。第二の磁石アレイ944は、セグメント944A、944Bを含み得る。バックアイロン946は、セグメント946A、946Bを含み得る。セグメント942A、944A、946Aは、モータ側(例えば、インペラ712のブレード(静翼)903から遠位または離れて)に配置され得、セグメント942B、944B、946Bは、インペラ712に面する側(例えば、インペラ712のブレード(静翼)903に近位)に配置され得る。
【0074】
スペーサー990は、第一の磁石アレイ942のセグメント942A、942Bとの間、第二の磁石アレイ944のセグメント944A、944Bとの間、およびバックアイアン946のセグメント946A、946Bとの間に設置され得る。スペーサー990は、シャフト958上に装着され、第一の磁石アレイ942のセグメント942A、942Bとの間に位置決めされた中空シリンダであり得る。
【0075】
第一の磁石アレイ942、第二の磁石アレイ944、およびバックアイアン946のセグメンテーションにより、ずれ150との組み合わせにより、第一の磁石アレイ942と第二の磁石アレイ944との間の軸方向磁気力が増加し得る。さらに、該セグメンテーションにより、第一の磁石アレイ942と第二の磁石アレイ944との間の移動可能なトルクが低減し得る。磁石アレイ942、944およびバックアイアン946を分割することは、第一の磁石アレイ942と第二の磁石アレイ944との間の軸方向磁気力が、流れ力を確実に補償するのに不十分である状況で有用であり得る。
【0076】
図9Eは、ポンプ900の別の実施形態を示す。図示した実施形態では、第二のベアリング914は、第一のベアリング920および第三のベアリング928と置き換えられる。さらに、第一の磁石アレイ942と第二の磁石アレイ944との間の軸方向ずれ948は、図9Aの実施形態にあるように、反対方向を指す。例えば、図9Aに示す実施形態では、第一の磁石アレイ942の中心は、例えば、第二の磁石アレイ944の中心よりも、インペラ712のテーパ状部分902からより遠くに離れている。対照的に、図9Eに示す実施形態では、第二の磁石アレイ944の中心は、例えば、第一の磁石アレイ942の中心よりも、インペラ712のテーパ状部分902からより遠くに離れている。図9Eに図示した実施形態では、軸方向ずれ948は、1mmであり得る。図9Eに図示した実施形態について、軸方向ずれ948が、1mm未満または超であり得ることは想定される。
【0077】
第一の磁石アレイ942および第二の磁石アレイ944は、オーバーラップ領域910内で少なくとも部分的に軸方向に重なり合う場合がある。第一の磁石アレイ942は、第二の磁石アレイ944に対して軸方向に互い違いに配置され得る。第一の磁石アレイ942と第二の磁石アレイ944の中心は、垂直線で示され、軸方向ずれ948は、二つの垂直線間の距離を表す。
【0078】
図9Aに示す実施形態とは対照的に、第一の磁石アレイ942は、ハウジング940から見た場合、インペラ712の方向に第二の磁石アレイ944に対して軸方向に互い違いである。これにより、図9Eに示す実施形態で第一の磁石アレイ942と第二の磁石アレイ944との間の画定された軸力が、遠位方向(すなわち、軸912に沿ってインペラ712に向かってハウジング940からの方向)にインペラ712に作用または加えられる結果になり得る。本明細書で記載するように、油圧力は、同一方向(すなわち、軸912に沿って、ハウジング940からインペラ712に向かう方向)にインペラ712に作用または加えられ得る。
【0079】
有利なことに、図9Eに示す構成では、磁気力および油圧軸力の両方は、同一方向(例えば、ポンプ流れ950に対して上流)にインペラ712上に加えられる。したがって、磁気および油圧軸力の両方は、インペラ712を、結合されたアキシャルおよびラジアルベアリング930に押圧する。
【0080】
結合されたアキシャルおよびラジアルベアリング930は、ハウジング940とは反対に面するインペラ712のテーパ状部分902の端部(例えば、遠位端)に配置され得る。結合されたベアリング930は、インペラ712とインサート926との間に配置され得、これは、第二のハウジング922のリング形状の端部に固定(または締め付け)され得、次に、ハウジング940に固定される。ボール916は、インペラ712のテーパ状部分902の端部(例えば、遠位端)に配置され得、インサート926上に配置または取り付けられた円錐918上に押圧され得る。
【0081】
本明細書で記載されるように、第二のベアリング914は、ラジアルで流体力学的の滑りベアリングを含み得る。第二のベアリング914は、半径方向の力を吸収し、第二の磁石アレイ944の回転軸を位置決めし得る。図9Eに示す実施形態では、第二のベアリング914は、ハウジング940とインペラ712との間に配置され得る。図9Aに示す実施形態とは対照的に、図9Eに示す実施形態のハウジング940は、インペラ712に面する壁990の後ろの円筒形ピン992を含み得る。円筒形ピン992は、シャフト958の軸912に沿って整列され得、インペラ712に向かって延在し得る。ピン992は、ベアリングシェル994によって囲まれ得、第二のベアリング914のラジアル滑りベアリングを形成する。
【0082】
MCS装置100のポンプ900は、第一の磁石アレイ942を収容し得るハウジング940を含み得る。ハウジング940および第一の磁石アレイ942は、軸912の周りを回転し得る。インペラ712は、第二の磁石アレイ944を含み得る。第二の磁石アレイ944は、中空シリンダの形態であり得、回転軸の周りを回転し得る(この回転軸は、図9A、9B、および9Eに示す軸912に整列し得る)。本明細書に記載されるように、第一の磁石アレイ942および第二の磁石アレイ944は、部分的に重なり合う場合があり、その結果、第一の磁石アレイ942は、第二の磁石アレイ944に対して互い違いである。ポンプ900のオーバーラップ領域910は、第一の磁石アレイ942と第二の磁石アレイ944との間に重複部(例えば、軸方向の重複部)を含み、ハウジング940の一部分は、第一の磁石アレイ942と第二の磁石アレイ944との間に位置決めされる。第一のベアリング920は、インペラ712およびハウジング940の互いに対する軸方向の位置決めを提供し得、第一の磁石アレイ942および第二の磁石アレイ944の配置から生じる軸力(例えば、磁気軸力)を吸収し得る。第二のベアリング914および第三のベアリング928は、半径方向の力を吸収し、軸912に対して第二の磁石アレイ944の回転軸を位置決め、またはそれに整列するように配置され得る。
【0083】
図9A~9Eに示すモータ900、ならびにインペラ714、磁石アレイ942、944、ベアリングなどの他の構成要素および/または機構の実施形態に関する追加の詳細は、2019年5月30日出願の国際公開第2019/229223号の“AXIAL-FLOW PUMP FOR A VENTRICULAR ASSIST DEVICE AND METHOD FOR PRODUCING AN AXIAL-FLOW PUMP FOR A VENTRICULAR ASSIST DEVICE”に記載されており、該出願は、参照として、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0084】
一部の実施形態では、インペラ712は、医療用チタンを含み得る。これにより、計算流体力学(CFD)で最適化されたインペラ設計は、せん断応力を最小化または低減可能にして、それによって、血球(例えば溶血)への損傷を低減する。さらに、インペラ712は、その効率をさらに高めることができる、非定点勾配を含み得る。インペラ712の表面の電気研磨により、表面粗さが減少し得、したがって、溶血への影響が最小化され得る。
【0085】
図10は、インペラハウジング922の別の実施形態を有するMCS装置100の別の実施形態を示す。
【0086】
MCS装置100は、大動脈および/または少なくとも部分的に心室内の経大腿カテーテルまたは経大動脈カテーテルを介して、低侵襲的に配置され得る。本明細書に記載するように、MCS装置100は、患者の心臓で血流を促進するためのポンプ900を含み得る。図10に示すMCS装置100の最大外径は、10ミリメートル未満(例えば、7mm以下、5mm以下)であり得る。ポンプ900は、軸流が発生するインペラ712(図9を参照)を含む軸設計を有し得る。ポンプ900の軸設計により、10mm未満の外径を有するMCS装置100が可能になり得る。
【0087】
MCS装置100の動作中、血液は、入口管710を通って流れ、ポンプ900のインペラハウジング922の外周上に形成された出口開口部708を通って排出され、例えば、大動脈に流入し得る。インペラ712は、出口窓または開口部708なしで、インペラハウジング922によって円筒形の第一のセクション内に完全に囲まれ得、出口開口部708と共にインペラハウジング922の第二のセクションにおいて続いている。これら二つのセクション間の移行部は、出口開口部708の近位縁部1000によって特徴付けられる。
【0088】
図10の実施形態に関する追加の詳細は、2019年5月30日出願の国際公開第2019/229214号の“PUMP HOUSING DEVICE,METHOD FOR PRODUCING A PUMP HOUSING DEVICE,AND PUMP HAVING A PUMP HOUSING DEVICE”に記載されており、該出願は、参照により、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0089】
図11は、MCS装置100の別の実施形態を示す。MCS装置100は、実質的に一定の外径および、左心室または大動脈などの血管へのカテーテルによる配置を容易にするために、丸みを帯びたテーパ状の端部を備えた円筒形状の細長い構造を含み得る。
【0090】
MCS装置100は、センサヘッドユニット1100、モータハウジング714、端部ユニット1140、およびMCS装置100の接続ケーブルまたはシャフト306の間に配置された入口管710(図7を参照)を含み得る。入口管710は、第一の接続要素1110を介して、センサヘッドユニット1100に接続され得、入口管710は、第二の接続要素1120を介して、モータハウジング714または端部ユニット1140に接続され得る。接続要素1110および1120は、血液を受容または送達するための開口部(または内腔)を含み得る。カップリングは、接着によって行われてもよい。一部の実施形態では、入口管710および第一の接続要素1110は、単一の部品として形成され得る。一部の実施形態では、センサヘッドユニット1100および第一の接続要素1110は、単一部品として形成され得る。
【0091】
MCS装置100のセンサヘッドユニット1100は、圧力および/または温度を測定するための多数のセンサを含む先端を含み得る。
【0092】
端部ユニット1140は、MCS装置100の近位端であり得、MCS装置100を外部エネルギー源または外部評価または制御装置(例えば、図2に示すMCS制御装置200)に接続するための、MCS装置100のモータハウジング714とシャフト306との間に移行部を形成し得る。
【0093】
入口管710は、少なくとも部分的に延長方向に沿って構造化された、構造または表面を少なくとも部分的に有するガイドカニューレ1150を含み得る。一部の実施形態では、ガイドカニューレ1150は、螺旋状の表面構造を有し得る。ガイドカニューレ1150は、ガイドカニューレ1150の内側に配置された導電素子1160を含み得る。導電素子1160は、センサヘッドユニット1100(およびセンサヘッドユニット1100内またはその近くに位置するセンサ)を、MCS装置100の近位端でシャフト306に電気的に接続し得る。一部の実施形態では、導電素子1160は、導電素子1160を損傷することなく、入口管710を、角度を付けて曲げることを可能にするために、蛇行部(例えば、ガイドカニューレ1150の周りに螺旋状に巻かれる)を含有し得る。追加的または代替的に、蛇行部は、モータハウジング714の領域に配置され得る。
【0094】
図12は、MCS装置100の一部分の別の実施形態を示す。MCS装置100は、センサヘッドユニット1100および入口管(または入口カニューレ)710を含み得る。センサヘッドユニット1100は、センサ組立品を含み得る。ヘッドセンサユニット1100から、導電素子1160は、入口管710の内側に沿って第一の接続セクション1110からポンプ入口706を通って、かつ入口管710の外側と当接する構造セクション1220上のポンプ入口706に近接して位置決めされた凹部1200を通って、誘導され得る。
【0095】
一部の実施形態では、導電素子1160は、入口管710の長手方向軸に沿って構造セクション1220の周りに螺旋状に延在し得る。導電素子1160は、連続的な渦巻き線として延在することによって、ポンプ出口(例えば、図7に示す出口窓/開口部708)の下流に配置されたヘッドセンサ要素1100およびMCS装置100のポンプへの電気データおよびエネルギーの伝送を可能にし、壊れにくい様式で、固定され得る。例えば、導電素子1160は、接着、被包、または鋳造によって固定され得る。
【0096】
図12に関して示され説明されるMCS装置および任意の関連する構成要素および/または機構の実施形態に関する追加の詳細は、2019年5月30日出願の国際公開第2019/229210号の“LINE DEVICE FOR CONDUCTING A BLOOD FLOW FOR A HEART SUPPORT SYSTEM,AND PRODUCTION AND ASSEMBLY METHOD”に記載されており、参照により、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0097】
図13は、MCS装置100の入口管710の別の実施形態を示す。入口管710は、入口管710を遠位先端(例えば、図11に示すセンサヘッドユニット1100)に接続し得る第一の接続セクション1110を含み得る。入口管710は、入口管710をインペラハウジング(例えば、図9に示すインペラハウジング922)に接続し得る第二の接続セクション1120をさらに含み得る。入口管710は、第二の接続セクション1120と第一の接続セクション1110との間に延在するガイドカニューレ(または構造セクション)1150を追加的に含んでもよい。一部の実施形態では、ガイドカニューレ1150は、入口開口部706と第一の接続セクション1110との間に延在し得る。
【0098】
ガイドカニューレ1150は、入口管710の剛性を変化させることができる一つ以上の補強凹部(例えば、凹部1200)を含み得る。補強凹部は、ガイドカニューレ1150の一部の上に、またはガイドカニューレ1150全体にわたって延在し得る。補強凹部は、螺旋状の円周方向に配置され得る。補強凹部は、スロットの形態であり得る。
【0099】
第一の接続セクション1110では、入口管710の内径1300は、6.5ミリメートル(または4.5~8.5ミリメートル)1300であり得る。外径1302は、7ミリメートル(または5mm~9mm)であってもよい。入口管710の近位部分1330と入口管の遠位部分1310との間の曲げ角は、26度(または16度~36度)であり得る。遠位部分1310は、第一の接続セクション1100および入口開口部706、ならびに入口開口部706に最近の凹部を備えたガイドカニューレ1150の領域を含み得る。遠位部分1310の長さは、15ミリメートル(または10ミリメートル~20ミリメートル)であってもよい。一部の実施形態では、第一の接続セクション1110は、入口開口部706の一部である。ガイドカニューレ1150の隣接する曲げ部分1320は、入口管710の長手方向軸に対して曲げられ得、14ミリメートルの長さを有し得る。入口管710の近位部分1330は、ガイドカニューレ1150および第二の接続セクション1120の残りの部分を含み得る。
【0100】
図13に関して示され、かつ記載されるMCS装置100、入口管710、および任意の関連する構成要素および/または機構の実施形態に関する追加の詳細は、2019年5月30日出願の国際公開第2019/229210号の“LINE DEVICE FOR CONDUCTING A BLOOD FLOW FOR A HEART SUPPORT SYSTEM,AND PRODUCTION AND ASSEMBLY METHOD”に記載されており、該出願は、参照により、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0101】
図14は、インペラハウジング922の別の実施形態を示す。インペラハウジング922は、長手方向に回転軸(例えば、図9Aに示す軸912)に沿って延在し得る。インペラハウジング922は、長手方向に延在する第一の長手方向セクション1402および第二の長手方向セクション1404を備えた、長手方向に延在するインペラハウジング本体1400を含み得る。さらに、インペラハウジング922は、第一の長手方向セクション1402に配置され得る少なくとも一つのホルダ1406を含み得る。ホルダ1406は、例えば、血液がそれを通って流れるハウジング本体1400の横断面の中心におけるインペラ712の回転可能な装着のために、例えば、図9Aに示す第二のベアリング914を受容できるベアリング1410を含み得る。さらに、インペラハウジング922は、第二の長手方向セクション1404で、およびインペラハウジング本体1400の横方向面に配置された、少なくとも一つの出口窓/開口部708を含み得る。
【0102】
一部の実施形態では、インペラハウジング本体1400は、単一の部品として形成され得る。一部の実施形態では、インペラハウジング本体1400は、いくつかの部分で形成され得る。溶接シーム1408(本体1400の周囲に沿って設けられる)は、第一の長手方向セクション1402と第二の長手方向セクション1404との間に形成され得、それらを互いに取り付ける。
【0103】
一部の実施形態では、インペラハウジング本体1400のホルダ1406および第一の長手方向セクション1402は、単一の部品として形成(または一体成形)される。ホルダ1406は、例えば、インペラ(例えば、インペラ712)の回転軸から半径方向に延在し、ホルダ1406のベアリング1410を支持する三つの支柱1412を含み得る。
【0104】
インペラハウジング本体1400の第二の長手方向セクション1404は、カットアウトの形態の出口開口部708が提供される薄壁管を含み得る。出口窓または開口部708は、レーザー切断によって形成され得る。インペラハウジング本体1400の第一の長手方向セクション1402は、薄壁管の内径および外径を備えたリング(図示せず)を含み得る。一部の実施形態では、リングは、少なくとも一つの支柱1412を備えたベアリングスターであり得る。
【0105】
一部の実施形態では、ホルダ1406は、第二の長手方向セクション1404の長さに沿った方向に、第一の長手方向セクション1402を超えて延在し得る。結果として、一部の実施形態では、ホルダ1406は、第一の長手方向セクション1402を、インペラハウジング本体1400の長手方向軸に沿って整列させ得、これは、溶接シーム1408の生成を容易にし得る。一部の実施形態では、支柱1412は、リングの上に近位(下流)または遠位(上流)に突出し得、それによって、管の内径の寸法を表す。リングおよび管を接合する場合、支柱を突出して接続することは、形状嵌合の心出しとして機能する。これにより、ベアリング要素(一体型のベアリングスターを備えたリング)が、パイプ直径と同心に位置決めされることを確実にし得る。
【0106】
図7に示す入口管710は、インペラハウジング922に、例えば、第一の長手方向セクション1402に接続され得る。一部の実施形態では、入口管710、第一の長手方向セクション1402、および第二の長手方向セクション1404の内径は等しい場合があり、これは、ポンプの効率を最適化または増加させ、溶血を引き起こす可能性を最小化または低減し得る。任意選択で、入口管710、第一の長手方向セクション1402、および第二の長手方向セクション1404の外径は、等しくてもよい。第一の長手方向セクション1402は、入口管710(図示せず)の重複した対応する凹部と嵌合する凹部(図示せず)を有し得、第一の長手方向セクション1402および入口管710の凹部の厚さの総和は、インペラハウジング922または入口管710の非凹部部分の厚さと実質的に等しい。ホルダ1406の支柱1410は、入口管710およびインペラハウジング922が接合されるMCS装置100のセクションに、追加的な強度を提供し得る。例えば、支柱1410は、第一の長手方向セクション1402の内寸法を維持し、インペラハウジング922が変形して、中に収容されたインペラ712に接触する可能性を防止または低減し得る。
【0107】
ホルダ1406の支柱1410は、入口管710(図7を参照)および、図22に示す超音波振動子2204、レーザー切断スロット、図11に示す導電素子1160の経路、またはインペラハウジング922と共に図13に示す入口管の屈曲部1210などの関連する機構を整列させるために、製造工程で使用され得る。例えば、入口管710は、インペラハウジング922上の嵌合切欠きまたはタブと嵌合する嵌合切欠きまたはタブを有し得、これは、ホルダ1406の支柱1410を含み得、これは、半径方向に固有であり得るため、一つの半径方向位置のみにより、入力管710は、インペラハウジング922と連結し得る。インペラハウジング922の近位端は、図9Aに示すポンプハウジング940の対応する嵌合機構と嵌合するタブまたは切欠きなどの嵌合機構を有し得(例えば、図9Aに示す外径962で)、その結果、インペラハウジング922は、ポンプハウジング940に半径方向に整列され得、次に、例えば、図21Aおよび図21Bに例示される、バックエンド構成要素に半径方向に整列される。
【0108】
図14に示したインペラハウジング922の実施形態に関する追加の詳細は、2019年7月9日出願の国際公開第2020/011797号の“IMPELLER HOUSING FOR AN IMPLANTABLE,VASCULAR SUPPORT SYSTEM”に記載されており、該出願は、参照により、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0109】
図15は、インペラ712の別の実施形態の側面立面図を示す。インペラ712は、インペラハウジング922内に回転可能に装着され得る(図示せず、図9Aを参照)。インペラ712は、出口開口部または窓708に面し得る。インペラ712は、出口開口708を介して、血液の軸方向の吸引および半径方向または対角状の放出を提供する。ポンプ900は、回転軸912を含み得る。
【0110】
インペラ712は、少なくとも一つの螺旋巻きブレード903を含み得る。該ブレード(または静翼)903は、血液の効率的で穏やかな輸送(例えば、インペラハウジング922(図示せず)内に流れ、出口開口部/窓708を介して外に)を確保し得る。図15に示すように、ブレード903は、ポンプ900のハブ1500の周りに螺旋状に巻かれ得る。ハブ1500は、インペラ712の内部コアを形成し得る。一部の実施形態では、ハブ1500は、図9Aに示すインペラ712のテーパ状部分902であり得る。ポンプ900を通る流路の流れ方向は、三つの矢印によって示される。血液は、インペラ712の上流の吸気口として作用するポンプ入口(例えば、図7に示す入口開口部706)によって吸引される。
【0111】
図15の実施形態では、ブレード903のスケルトン線1504は、出口開口部/窓708の上流開始の領域に屈曲点を含み得る。
【0112】
図15に示した実施形態では、ブレード903は、インペラ712の上流端部(例えば、遠位端)から、インペラ712の全長にわたって、または少なくともハブ1500の一部分もしくは大部分にわたって延在し得る。ハブ1500は、ハブ1500の直径が、流れの方向に沿って増加するように、流れの方向(矢印により示される)に増加する直径を有し得る。ハブ1500のこの形状により、血液の半径方向および/または対角状の放出が促進され得る。ブレード903は、ブレード903のスケルトン線1504の複数の湾曲部分によって画定される、波状の静翼湾曲を有するブレードセクション1502を含み得る。本明細書で記載するように、ブレード903の波状の湾曲は、少なくとも一つの兆候変化(例えば、湾曲の正の変化から湾曲の負の変化、およびその逆)に関連する、ブレードセクション1502の湾曲の変化を指し得る。
【0113】
一部の実施形態では、ブレードセクション1502の少なくとも一つのセクションは、出口開口部/窓708の反対側に位置する。
【0114】
一部の実施形態では、ブレードセクション1502は、出口開口部708の流れに面する縁部1506の領域に少なくとも部分的にあり得る。ブレードセクション1502は、ブレード(または静翼)903のスケルトン線1504の凸面曲率と凹面曲率との間の移行部を表し得る。
【0115】
一部の実施形態では、インペラ712は、ハブ1500の周りに同一方向で巻かれ、各々ブレードセクション1502を有する、二つのブレード903を含む。別の方法として、インペラ712は、三つ以上のブレード903を含み得る。
【0116】
図14に示すインペラの実施形態に関する追加の詳細は、2019年5月30日出願の国際公開第2019/229223号の“AXIAL-FLOW PUMP FOR A VENTRICULAR ASSIST DEVICE AND METHOD FOR PRODUCING AN AXIAL-FLOW PUMP FOR A VENTRICULAR ASSIST DEVICE”に記載されており、該出願は、参照により、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0117】
図16は、非接触トルク伝達を備えたポンプ900の別の実施形態のインペラハウジング922におけるインペラ712の別の実施形態を示す。インペラ712は、回転軸912の方向に延在する第一の長手方向セクション1600と、回転軸912の方向に延在する第二の長手方向セクション1602と、を備えた、回転軸912(図9を参照)の周りに回転可能なインペラ本体1640を含み得る。インペラ712は、第一の長手方向セクション1600内に形成され得、回転軸912の周りを回転される場合、流体(例えば、血液)を搬送し得る、少なくとも一つのブレード903を含み得る。さらに、インペラ712は、少なくとも一つの磁石(例えば、第二の磁石アレイ944)を含み得、これは、第二の長手方向セクション1602に配置され得る。図16に示す実施形態では、インペラ本体1640は、単一の部品で形成され得る。一部の実施形態では、インペラ本体1640の第一の長手方向セクション1600および第二の長手方向セクション1602は、一つの部品で形成される。
【0118】
図16に示すように、第二の長手方向セクション1602は、第一のロータ1610(例えば、内側ロータ)との磁気カップリング1630用の第二のロータ1620(例えば、外側ロータ)を含み得る。第一のロータ1610は、駆動シャフト958に連結され得る磁石(例えば、図9Aに示す第一の磁石アレイ942)を含み得る。第二のロータ1620および第一のロータ1610は、磁気カップリング1630を形成する。一部の実施形態では、磁気カップリング1630は、ラジアルカップリングであり得る。
【0119】
第一のロータ1610から第二のロータ1620まで伝達されるトルクの量は、いくつかの要因に依存し得る。例えば、磁石のサイズ(例えば、第一の磁石アレイ942および第二の磁石アレイ944)は、第一のロータ1610から第二のロータ1620まで伝達され得るトルクの量に影響を与え得る。さらに、より大きな磁石を使用して、第一のロータ1610と第二のロータ1620との間で伝達するトルク量をより大きくし得る。磁石のサイズは、ポンプ900で利用可能な空間によって制限され得る。磁石(例えば、第一の磁石アレイ942および第二の磁石アレイ944)間の距離、および/またはモータシャフト958とインペラ712との間の距離は、第一のロータ1610から第二のロータ1620まで伝達され得るトルクの量に影響を与え得る。例えば、モータシャフト958とインペラ712との間の距離が小さいほど、伝達可能なトルク量は増加し得る。
【0120】
第一のロータ1610と第二のロータ1620との間の伝達可能なトルク量はまた、ポンプ900内の磁極の配置および/または数によって影響され得る。伝達可能なトルク量はまた、エネルギー密度、残留磁気、保磁力、および/または飽和分極などの材料パラメータによって影響され得る。
【0121】
図16に示すポンプ900およびインペラ712の実施形態に関する追加の詳細は、2019年7月9日出願の国際公開第2020/011795号の“IMPELLER FOR AN IMPLANTABLE,VASCULAR SUPPORT SYSTEM”に記載されており、該出願は、参照により、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0122】
図17は、インペラ712の別の実施形態を備えたポンプ900の別の実施形態を示す。スタンドユニット1720は、インペラ712のジャケット906(図9Aを参照)によって、部分的に囲まれ得る。スタンドユニット1720は、インペラ712が、インペラ712の長手方向軸と同軸であり得るスタンドユニット1720の回転軸の周りを回転できるように、インペラ712を支持し得る。
【0123】
インペラ712のブレード(例えば、図9Aに示す静翼903)とジャケット906との間の移行領域または移行セクション1730では、出口開口部/窓708のうちの一つ以上が配置され得る。ポンプ流れ950の流れ方向およびフラッシングまたはパージ流れ954の流路(図9Aを参照)を、図17に示す。
【0124】
パージ流れ954は、スタンドユニット1720の基部1710と、スタンドユニット1720のサブセクション1722を囲むインペラ712のジャケット906との間の隙間1700であり得る、フラッシング入口1702を通って導入され得る。パージ流れ954は、その後、例えば、ポンプ900をフラッシングするために、インペラ712の中間空間1704を通って、フラッシング出口956の出口開口部の一つまで回転することによって生成される遠心力によって誘導され得る。
【0125】
図17に関して示され記載されるポンプ900およびその構成要素および/または機構の実施形態に関する追加の詳細は、2019年8月7日出願の国際公開第2020/030700号の“BEARING DEVICE FOR A HEART SUPPORT SYSTEM,AND METHOD FOR RINSING A SPACE IN A BEARING DEVICE FOR A HEART SUPPORT SYSTEM”に記載されており、該出願は、参照により、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0126】
図18は、永久磁石ラジアル回転カップリング1800の代替的な実施形態を示す。図示した実施形態では、カップリング1800は、図9Aに示す第一の磁石アレイ942および第二の磁石アレイ944(または図16に示す第一のロータ1610および第二のロータ1620)を含み得る。
【0127】
一部の実施形態では、第一の磁石アレイ942(例えば、駆動磁石)および第二の磁石アレイ944(例えば、被駆動磁石)は、中空円筒の形状である。駆動シャフト958は、第一の磁石アレイ942の内部に配置または位置決めされ得る。
【0128】
第二の磁石アレイ944の内径は、第一の磁石アレイ942の外径より大きい場合がある。任意選択で、第一の磁石アレイ942および第二の磁石アレイ944は、同軸に配置され得る。第一の磁石アレイ942および第二の磁石アレイ944の両方は、共通軸の周りを回転可能に装着され得る。一部の実施形態では、第一の磁石アレイ942および第二の磁石アレイ944は、同一または異なる数の極対を含み得る。例えば、第一の磁石アレイ942および第二の磁石アレイ944の両方は各々、二つの極対を有する。第一の磁石アレイ942が、例えば、半径方向磁化において四つの90度のセグメントを含み得る一方、第二の磁石アレイ944は、Halbach配置(またはアレイ)に八つの45度のセグメントを含み得る。別の方法として、第一の磁石アレイ942は、並列に磁化され、一つの極対を含み得る。任意選択で、第一の磁石アレイ942は、正反対に磁化され得る。同様に、第二の磁石アレイ944は、一つの極対を含み得る。第二の磁石アレイ944は、Halbach配置のセグメントを含み得、第二の磁石アレイ944の内側は、より強い側であり得る。図18に示すように、第一の磁石アレイ942が、駆動シャフト958に一方の側で接続される一方、他方の側の第二の磁石アレイ944は、軸方向接続リング1810によって、被駆動シャフト1640に接続される。一部の実施形態では、第一の磁石アレイ942は、軸力を生成するために、第二の磁石アレイ944から軸方向にオフセットされ得る。
【0129】
一部の実施形態では、駆動シャフト958は、第一の磁石アレイ942の軸方向端の両方に接続され得る。第一の磁石アレイ942の長さ(例えば、軸方向伸長部)は、第二の磁石アレイ944の長さ(例えば、軸方向伸長部)よりも小さい、または大きい場合がある。したがって、第一の磁石アレイ942の軸方向端の両方は、第二の磁石アレイ944の内側または外側に位置し得る。一部の実施形態では、第一の磁石アレイ942は、1mmの内径、3mmの外径、および1mmの磁気厚さの寸法を有し得る。一部の実施形態では、第二の磁石アレイ944は、4mmの内径、5mmの外径、および0.5mmの磁気厚さの寸法を有し得る。
【0130】
図18に示す実施形態の磁気カップリングに関する追加的な詳細は、2019年5月16日出願の国際公開第2019/219874号の“PERMANENT-MAGNETIC RADIAL ROTATING JOINT AND MICROPUMP COMPRISING SUCH A RADIAL ROTATING JOINT”に記載されており、該出願は、参照により、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0131】
図19は、センサヘッドユニット1100のある実施形態を示す(図11を参照)。MCS装置100のセンサヘッドユニット1100は、例えば、患者の圧力および/または温度を測定するために使用されるセンサ組立品の形態のチップを含み得る。この目的のために、センサヘッドユニット1100は、一つ以上のセンサ1900および信号変換器1902を含み得る。
【0132】
一部の実施形態では、二つのセンサ1900は、圧力センサおよび/または温度センサであり得る。信号変換器1902は、超音波素子であり得る。一部の実施形態では、両方のセンサ1900は、センサ空洞1904内に配置され得、該空洞は、センサ1900を血液および/または機械的損傷から保護するために、埋め込み用樹脂で充填される。例えば、この埋め込み用樹脂は、固体および/またはゲル様シリコーンおよび/またはシリコーンオイルであり得る。図19に示すように、センサヘッドユニット1100は、接続要素1110を介して、入口管710(図7を参照)に接続され得る。接続要素1110は、血液がそれを通ってMCS装置100に入る、一つ以上の入口窓706を含み得る。
【0133】
図19に関して示され記載されるセンサヘッドユニット1100ならびに関連する構成要素および/または機構の実施形態に関する追加の詳細は、2019年6月6日出願の国際公開第2019/234146号の“LINE DEVICE FOR A VENTRICULAR ASSIST DEVICE AND METHOD FOR PRODUCING A LINE DEVICE”に記載されており、該出願は、参照により、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0134】
図20は、センサヘッドユニット1100の別の実施形態を示す。センサヘッドユニット1100は、例えば、入口管710の近位端に配置、またはそれに連結され得る。センサヘッドユニット1100は、接続要素(図11に示す導電素子1160など)および入口管710の導電素子(図示せず)によって、他の電子機器(例えば、MCS制御装置200)に電気的に接続され得る。
【0135】
センサヘッドユニット1100は、例えば、センサヘッドユニット1100のベース本体を形成し得る、センサキャリア要素2004を含み得る。
【0136】
センサキャリア要素2004は、射出成形プロセスを使用して、任意選択で、例えば、放射線不透過性材料を含むことができる熱可塑性材料から製造され得る。別の方法として、センサキャリア要素2004は、機械加工製造プロセスを使用して、製造され得る。
【0137】
センサキャリア要素2004は、センサ1900を収容するための一つ以上のセンサ空洞1904を有し得る。センサ空洞1904は、センサキャリア要素2004の少なくとも一部分またはセンサキャリア要素2004の全周を、円周方向に延在させ得る。例えば、センサ空洞1904は、センサヘッドユニット1100の外表面の周りに円周方向に約330度延在し得る。
【0138】
センサキャリア要素2004は、信号変換器1902を受容するための信号変換器空洞2006を有し得る。信号変換器空洞2006および信号変換器1902は、円筒形であってもよい。空洞2206は、信号変換器1902が一旦信号変換器空洞2006内に配置されると、動くことができないように、信号変換器1902を受容するように、寸法設定され得る。
【0139】
センサ1900は、温度センサおよび/または圧力センサであり得る。一部の実施形態では、センサ1900のうちの一つは、温度センサであり得、他方は、圧力センサであり得る。一部の実施形態では、センサ1900は、気圧絶対圧力センサであり得る。
【0140】
信号変換器1902は、超音波信号を生成できる超音波素子およびレンズ素子2020を含み得る。レンズ素子2020は、超音波素子上に配置され得、または超音波素子を覆うことができる。レンズ素子2020は、超音波レンズであり得る。一部の実施形態では、レンズ素子2020は、シリコーンで作製され得る。レンズ素子245は、信号変換器空洞2006の少なくとも一部分を覆い得る。
【0141】
一部の実施形態では、信号変換器空洞2006は、センサ空洞1904とは異なる方向に開いている。例えば、図示した実施形態では、信号変換器空洞2006は、信号変換器1902によって生成される信号が、入口管710の流路の方を向くことができるように、MCS装置100の入口管710に面する方向に開いている。
【0142】
一部の実施形態では、センサ空洞1904は、その基部(センサヘッドユニット1100の中心に向かって)よりも外側(センサヘッドユニット1100の外周の近く)に向かって幅が広い。センサ空洞1904のこの構成は、センサヘッドユニット1100の製造プロセス中に有利であり得る。センサ1900は、センサ空洞1904内部に配置され得、シリコーンは、シールとして空洞に導入され得る。シリコーンが硬化および膨張する際に、センサ空洞1904のより広い部分は、センサ1900のセンサ素子(例えば、MEMS素子)に加えられる張力を低減する。
【0143】
センサヘッドユニット1100の外端部2000は、MCS装置100の設置中の損傷の可能性を防止または低減するために、丸くてもよい。さらに、外側端部2000の丸められた先端により、MCS装置は、設置中にうまく摺動可能になる。
【0144】
一部の実施形態では、センサキャリア要素2004は、チャネル2010を含み得る。チャネル2010は、ガイドワイヤ(図示せず)を受容し得る。MCS装置100が、例えば、患者の左心室または大動脈に移植される場合、ガイドワイヤは、まず患者の心室に配置される。MCS装置100は、その後、ガイドワイヤ上に押圧され、ガイドワイヤに沿って端位置まで前進される。
【0145】
一部の実施形態では、センサキャリア2004は、ガイドワイヤが、超音波レンズ2020と接続要素1100中の血液との間の接触面まで誘導され得るように、信号変換器空洞内に十分遠くまで延在し得る管状連続部2022を含むことができる(図11を参照)。
【0146】
一部の実施形態では、管2030(例えば、ステンレス鋼、チタン、またはニチノールで作製された金属製)は、センサキャリア要素2004を通って、信号変換器空洞2006を越えて、超音波レンズ2020と接続要素1100の領域内の血液との間の接触面まで延在する、チャネル2010に挿入され得る(図11を参照)。これにより、壁厚を著しく小さくすることが可能になり、信号変換器1902の周りの中央開口幅が低減され得、信号変換器1902が超音波振動子である場合に、特に有利である。信号変換器空洞2006は、センサキャリア要素2004の一部であり得る、ジャケット2008によって取り囲まれ得る。信号変換器1902は、信号変換器空洞2006に押圧され得る。管状連続部2022と信号変換器1902との間の隙間、または管2030と信号変換器1902との間の隙間、ならびに信号変換器1902とジャケット2008との間の隙間は、例えば、接着剤としても機能し得る、エポキシまたはシリコーンで充填され得る。
【0147】
外側端部2000は、センサ空洞1904に配置されたセンサ1900に対して、追加の保護を提供し得る。
【0148】
一部の実施形態では、センサキャリア要素2004は、センサ1900の間に位置決めされたウェブ2012を含み得る。センサ1900をウェブ2012の周りに配置するために、センサ1900は、可撓性プリント回路基板(PCB)または薄膜基材上に配置され得、その後、これをウェブ2012上に配置することができる。例えば、センサ1900は、薄膜基材に結合され得る。一部の実施形態では、薄膜基材は、センサ1900を有する領域で曲がらないように、補強要素で支持され得る。薄膜基材は、円筒状であってもなくてもよい。一部の実施形態では、薄膜基材は、隅角が丸い立方体であり得る。ウェブ2012の丸みのある隅角は、例えば、薄膜基材(例えば、ポリイミド金層構造)の曲げ半径を維持する役割を果たす。
【0149】
一部の実施形態では、センサ空洞1904は、センサ1900を血液および機械的損傷から保護するために、埋め込み用樹脂または注入化合物で充填され得る。注入化合物は、固体および/またはゲル様シリコーン、あるいはシリコーンオイルであり得る。埋め込み用樹脂または注入化合物により、センサ1900による正確な圧力測定が可能になり得る。
【0150】
図20に関して図示および記載されるセンサヘッドユニット1100、ならびに関連する構成要素および/または機構の実施形態に関する追加の詳細は、2019年6月6日出願の国際公開第2019/234149号の“SENSOR HEAD DEVICE FOR A MINIMAL INVASIVE VENTRICULAR ASSIST DEVICE AND METHOD FOR PRODUCING SUCH A SENSOR HEAD DEVICE”に記載されており、該出願は、参照により、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0151】
図21Aおよび図21Bを参照すると、MCS装置100の近位端(例えば、図7に示すモータハウジング714の近位端)とカテーテルシャフト306(図7を参照)との間の接合部は、接合部内の電気構成要素および接続部を囲むバックエンドアダプタ2120を含み得る。バックエンドアダプタ2120は、モータハウジング714に接続され得る。歪みリリーフ702(屈曲リリーフとも称される)は、レーザー切断された金属管(例えば、ニチノール)であり得、シャフト306の遠位セクションを含み、歪みリリーフ702の穴およびバックエンドアダプタ2120を通って挿入されたバックエンドピン2102により、バックエンドアダプタ2120に接続され得る。歪みリリーフ702は、シャフト306を引っ張り、MCS装置100を取り外しまたは操作するための十分な張力を提供し得る。バックエンド封止カバー2100は、特に、バックエンドアダプタ2120が歪みリリーフ702に接続される場合、バックエンドアダプタ2120の一部分を覆う場合がある。シール2114(Oリングガスケットなど)は、封止(シール)カバー2100と歪みリリーフ702との間に提供され得、ポンプ900の近位端の様々な電気接続および構成要素を外部環境から封入し分離するために、シールを形成する。
【0152】
一部の実施形態では、ポンプ900は、張力下で剥離に耐えるのに十分な強度を提供する他の適切な方法を介して、カテーテルシャフト306に固定され得る。図21Aおよび図21Bに示す実施形態では、MCS装置100の近位端(またはモータハウジング714の近位端)とシャフト306との間の機械的係合は、カテーテルシャフト306およびポンプ900の近位端と連動する横方向に延在するバックエンドピン2102によって提供される。
【0153】
MCS装置100のバックエンドアダプタ2120は、圧力および/または温度信号が内部MEMSセンサ2104を通って、それに伝搬可能にし得る、センサ窓2106を含み得る。センサ窓2106は、シリコーンの薄い層などの圧力および温度導電材料で閉じて、封止され得る。ケーブルおよびデータインターフェース2110(成形相互接続装置であり得る)は、組立を容易にし、カテーテルシャフト306のコンダクタとポンプ900の電子機器との間の電気通信を提供するために、提供され得る。はんだ付け端子2118は、カテーテルシャフト306のコンダクタをはんだ付けするために提供され得、ケーブルおよびデータインターフェース2110内の電気的トレースを介して、MCS装置100のモータまたはセンサに電気通信され得る。可撓性PCBコネクタ2116は、可撓性PCB支持部2112上をMCS装置100の遠位端まで搬送される供給および放電コンダクタと通信し得、センサ(例えば、MEMS圧力および温度センサ、超音波振動子)および近位センサ2104に接続する。図21Aに示すように、可撓性PCB支持部2112は、少なくとも部分的にモータハウジング714に沿って位置決めされ得る。可撓性PCB支持部2112は、MCS装置100またはモータハウジング714の長さの少なくとも一部に沿って、MCS装置100の遠位センサまたは振動子まで遠位に延在し得る。可撓性PCB支持部2112は、入口管710(図7を参照)の周りに螺旋状に延在し得、入口管710の可撓性を保持する。ケーブルおよびデータインターフェース2110はまた、カテーテルシャフト306のコンダクタとモータPCB2132との間の電気的通信を提供可能である。一つ以上のモータピン2130は、ケーブルおよびデータインターフェース2110に連結(例えば、挿入)され得る。
【0154】
図22を参照すると、MCS装置100の遠位端は、例えば、左心室の圧力および/または温度を監視するための遠位MEMSセンサ2200などの少なくとも一つのセンサが備えられ得る。センサ2200は、MCS装置100の遠位端の側壁上に位置決めされ得、センサ表面は、MCS装置100の長手方向軸に実質的に平行に配向される。一部の実施形態では、センサ2200は、MCS装置100の側壁内に位置決めされ得、図22に示すなどのような側壁の窓に横方向に面し得る。MEMSセンサ2200は、環状支持フランジの遠位および血液取り込みポート(例えば、入口窓706)の遠位に、ノーズピースまたは遠位先端704(図7を参照)上に位置決めされ得る。本明細書に記載されるように、別のMEMSセンサ(例えば、図10Aに示す近位MEMSセンサ2104)は、MCS装置100の近位端内またはその近くに位置決めされ得る。
【0155】
超音波振動子(または超音波センサ)2204は、血液取り込みポート(例えば、入口窓706)の遠位に設けられ得る。超音波振動子2204は、ノーズピース704の位置決めチャネル2202と連結するように構成された位置決めタブ2206を含み得る。位置決めチャネル2202は、センサ2200の近位に位置決めされ得る。ガイドワイヤ内腔2208は、振動子2204を通って延在し得る。振動子2204に関するさらなる詳細は、図23Aおよび図23Bに関連して記載される。超音波振動子2204は、音響バッキング2304、近位凹面2306、および遠位端面2308を含み得る。ガイドワイヤ内腔2302は、音響バッキング2304を通って延在し得る。近位の凹面2306は、凹面2306から約6mm~約14mmの範囲内の焦点距離2312での収束のために集束される、少なくとも一つおよび好ましくは、二つ以上のピエゾ素子2310が備えられ得る。一部の実施形態では、ピエゾ素子2310の焦点距離2312は、約10mmであり得る。焦点距離2312が、10mm超または未満であり得ることは、想定される。凹面2306上のピエゾ素子2310は、焦点距離2312に位置決めされた焦点領域2318に超音波2316を向けてもよい。一部の実施形態では、凹面2306およびピエゾ素子2310は、音響インピーダンスマッチング層2314によって覆われ得る。
【0156】
振動子2204の遠位端2308は、コンダクタをピエゾ素子2310に接続するために、複数の電極2320が備えられ得る。さらに、例えば、図22に示す位置決めタブ2206などのタブまたは凹部などの位置決め構造は、図22に示す位置決めチャネル2202などの相補的なタブまたは凹部を、ノーズピース704またはMCS装置100用のハウジングなどの隣接する構造に係合することによって、超音波振動子2204の適切な回転配向を確保するために提供され得る。一部の実施形態では、有向超音波2316の焦点領域2318は、従って、ポンプ900の血流チャネル内の血液取り込みポート(例えば、図7に示す入口窓706)に隣接した、またはその下流の血流経路に位置決めされ得る。これにより、振動子2204は、焦点領域2318で検出された反射超音波のドップラーシフトを評価することによって、血流速度データを提供可能にし得る。
【0157】
図24は、MCS装置100を流れる流体のドップラー測定の例示的な概略図を示す。図24に示すように、超音波振動子2204(図22を参照)を使用して、MCS装置100の入口管710でドップラー測定を実施することができる。動作中、流体体積流れ2402は、入口開口部706のうちの一つ以上を通ってMCS装置100に入る。
【0158】
観察窓および/または測定領域とも称される測定窓は、超音波測定(例えば、ドップラー測定)をするための領域であり得る。第一の測定窓2414および第二の測定窓2424は、入口管710の内腔に沿って位置決めされる。測定窓(例えば、第一の測定窓2414または第二の測定窓2424)の位置は、MCS装置100の特定の構成に依存し得、適切な流れ条件が存在する箇所に配置され得る。図24に示すように、測定窓2414の左に位置する領域2404には平行な流れ線は存在しない。ドップラー効果が、超音波振動子2204の主ビーム方向と入口管710内部の流れの方向との間のcos(a)に依存するため、流体流れ線が、超音波振動子2204のビーム方向に平行な領域で測定することは有利である。したがって、第一の測定窓2414は、ドップラー測定を行う領域2404よりも良好な位置であり得る。遠すぎる測定窓(例えば、第二の測定窓2424)でドップラー測定を行うことは、原則的に可能であるが、エイリアシング効果を悪化させ、および/または超音波信号の強い減衰をもたらし、それによって、より不正確な測定をもたらし得る。
【0159】
超音波振動子2204は、一つ以上の超音波(振動子)素子2400(すなわち、超音波ビームを生成する素子)を含み得る。一部の実施形態では、超音波振動子2204は、パルスドップラー測定を行い得る。ドップラー測定は、無作為にまたは定期的に行われ得る。
【0160】
適切な測定窓(例えば、図24に示す実施例の第一の測定窓2414)は、測定を行う前に、脈波ドップラー(PWD)システムによって決定され得、様々な奥行き(すなわち、超音波振動子2204からの距離)で行われる測定は、入口管710内の流れ条件を決定するために使用され得る。
【0161】
図24に関して示され、記載されるドップラー測定スキーム、ならびに任意の関連する構成要素および/または機構の実施形態に関する追加の詳細は、2019年6月6日出願の国際公開第2019/234166号の“METHOD FOR DETERMINING A FLOW SPEED OF A FLUID FLOWING THROUGH AN IMPLANTED,VASCULAR ASSISTANCE SYSTEM AND IMPLANTABLE,VASCULAR ASSISTANCE SYSTEM”に記載されており、該出願は、参照により、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0162】
図25は、MCS装置100の別の実施形態の遠位領域の断面概略図を示す。流体体積流れ2402は、例えば、MCS装置100の入口開口部706を通る例示的な流体流れ方向を提示し得る。MCS装置100は、本明細書に記載の超音波振動子2204を含み得る。MCS装置100は、MCS装置100の流れチャネル(例えば、入口管710)の内周の周りに位置決めされた、二組の音響反射器2500を含み得る。一部の実施形態では、音響反射器2500は、超音波振動子2204の視野2520内に配置され得る。一部の実施形態では、音響反射器2500は各々、超音波振動子2204からの対応する定義された距離2502に位置決めされ得る。図25に示すように、流れチャネルは、MCS装置100の入口管710内に形成され得る(図7を参照)。
【0163】
一部の実施形態では、MCS装置100は、例えば、超音波振動子2204の真正面に配置され得る、流れガイド本体2510を含み得る。流れガイド2510は、超音波振動子2204から間隔を置いて配置されない場合があり、超音波信号に対して透過性があり得る。流体体積流れ2402は、ポンプの方向に流れる。図25に示すMCS装置(例えば、図7に示す遠位ポンプ領域700)の先端は、好ましい配置で突出し得、ここに示す端部は、左側で心臓の心室(ここでは図示せず)に、ポンプは、少なくとも部分的に大動脈(ここでは図示せず)内にあり得る。この配置により、MCS装置は、したがって、大動脈弁(ここでは図示せず)を貫通する。
【0164】
超音波振動子2204、特に、超音波振動子2204の超音波素子は、通常、本明細書に記載の超音波振動子2204に関連する視線と流れチャネル内の流れ方向との間の角度が、およそゼロ度となるように、配置される。
【0165】
任意選択で、流れガイド2510は、超音波振動子2204に関連付けられたレンズ(例えば、レンズ素子2020)上に重ね合わせられ得る(図20を参照)。超音波振動子2204が凹面(例えば、凹面2306)を含む場合、流れガイド2510は、凹面上に配置され得る。
【0166】
図30に関して示され、または記載されるMCS装置100、ならびに任意の関連する構成要素および/または機構(例えば、ドップラー測定に関連する)の実施形態に関する追加の詳細は、2019年6月6日出願の国際公開第2019/234163号の“METHOD AND SYSTEM FOR DETERMINING THE SPEED OF SOUND IN A FLUID IN THE REGION OF AN IMPLANTED VASCULAR SUPPORT SYSTEM”に記載されており、該出願は、参照により、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0167】
図26は、MCS装置100を備えたMCSシステム10の別の実施形態を示す。MCSシステム10は、異なるパルス繰返し率によりパルスドップラー測定を実施することができる超音波振動子2204を含み得る。MCSシステム10は、パルスドップラー測定の測定結果を使用して、MCS装置100を流れる流体(例えば、血液)の流量を決定することができる処理ユニット2600(例えば、図2に示すMCS制御装置200)を含み得る。一部の実施形態では、本明細書に記載のように、超音波振動子2204は、MCS装置100の入口管710の遠位先端に組み込まれ得る。
【0168】
超音波振動子2204は、MCS装置100を通って流れる流体(例えば、血液)の流速(量および少なくとも一方向)および/またはポンプ体積流れ(Qp)と称され得る流体体積流れを決定し得る。一部の実施形態では、超音波振動子2204は、入口管710内に流れる流体のパルスドップラー測定を行い得る。本明細書に記載されるように、流体(例えば、血液)は、入口開口部706のうちの一つ以上を通って(例えば、心室から)入口管710の内部に入り、出口窓または開口部708のうちの一つ以上を通って(例えば、大動脈に)出ることができる。入口管710を通る流れは、モータ2602によって生成され得る。
【0169】
図26に関して示され記載されるMCSシステム10、MCS装置100、および任意の関連する構成要素および/または機構の実施形態に関する追加の詳細は、2019年6月6日出願の国際公開第2019/234164号の“METHOD FOR DETERMINING A FLOW RATE OF A FLUID FLOWING THROUGH AN IMPLANTED VASCULAR SUPPORT SYSTEM,AND IMPLANTABLE VASCULAR SUPPORT SYSTEM”に記載されており、該出願は、参照により、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0170】
図27は、ドップラー測定値を使用して、MCS装置100を流れる流体の量を決定する例示的な方法の例示的な概略図を示す。MCS装置100は、例えば、流体流れの方向に超音波ビームを放出することができる超音波振動子(または超音波センサ)2204を含み得る。MCS装置100の入口開口部706に近接する領域では、流体流れ2402(例えば、血流)は、一定の流れプロファイルをまだ示さない。しかしながら、(図24に示す第一の測定窓2414および第二の測定窓2424と類似する)領域2710、2720において、下流では、半径方向の流れプロファイルは、ほぼ一定であり得る。したがって、超音波振動子2204の観察窓2700は、有利には、観察窓速度VGateでシフトされ得る。一部の実施形態では、領域2710、2720は、入口管(例えば、図7に示す入口管710)のチャネル(または内腔)内にあり得る。
【0171】
例えば、以下の式(1)に示すように、パルス繰返し周波数(PRF)が25kHzであり、超音波周波数fo=4MHzであり、固定観察窓内の超音波振動子2204のピエゾ素子から離れた流れ速度VΒlut=3m/sが測定されると、この結果、ドップラーシフトは、-15.58kHzとなる。所与のPRFが25kHz、ならびに正および負の速度を評価すると、このドップラーシフトは、ドップラースペクトルの負の部分にはもはや表示され得ず、したがって、スペクトルの正の周波数領域において、9.42kHzと表示される。
【0172】
しかしながら、観察窓2700が、例えば、変位速度VGate=1.75m/sで、超音波振動子2204のピエゾ素子から離れて移動される場合、結果生じる(または相対)流速は低減され、ここでは、一例として、3m/s-1.75m/s=1.25m/sに低減される。
【0173】
結果として生じる-6.49kHzのドップラーシフトは、25kHzのPRFで、ドップラースペクトルに曖昧さがなく、表示され得る(以下の式(4)を参照)。
[数1]
f_(d.wrapped)=(-2*v_Blut*f_0)/c_0 (1)
=(-2*3m/s*4Mhz)/(1540m/s) (2)
=-15.58kHz (3)
f_(d,[tracking]_doppl)=(-2*(v_Blut-v_Gate)*f_0)/c_0 (4)
=(-2*(3m/s-1.75m/s)*4MHz)/(1540m/s) (5)
=-6.49kHz (6)
【0174】
これは、ドップラーシフトが、曖昧さがなく表示され得る範囲に変換されるように、観察窓速度を決定可能な方法の一例を表す。観察窓速度の決定は、MCS装置100を通る血液の流れ速度の以前の推定を使用して、行うことができる。一部の実施形態では、このような推定は、MCS装置100の超音波振動子2204を使用して、以前に実行された超音波測定に基づいて(例えば、固定観察窓を使用して)、行うことができる。一部の実施形態では、該推定は、患者の年齢、患者の疾患の重症度、およびその他の要因に基づく経験値に基づいて、行われ得る。
【0175】
図27の実施形態に関する追加の詳細は、2019年9月24日出願の国際公報第2020/064707号の“METHOD AND SYSTEM FOR DETERMINING A FLOW SPEED OF A FLUID FLOWING THROUGH AN IMPLANTED,VASCULAR ASSISTANCE SYSTEM”に記載されており、該出願は、参照により、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0176】
図28は、血流速度を決定するために、温度センサを備えたMCS装置100の別の実施形態を示す。MCS装置100は、入口管710がカニューレとして設計されるカニューレセクションを備えたホース様の細長い構造を含み得る。MCS装置100は、入口管710に接続されたモータハウジングセクション2800(例えば、図7に示すモータハウジング714)を含み得、モータ2802は、モータハウジング2800の中に位置し得る。
【0177】
MCS装置100は、大動脈4から大動脈弁3を通って心室2に遠位に突出し得る(図1を参照)。MCS装置100は、例えば、心室2に突出し得る、入口管710を含み得る。流体体積流れ950(図9を参照)は、例えば、MCS装置100のモータ2800を使用して、心室2から大動脈4へ、入口管710を通ってポンプ輸送される。従って、流体体積流れ950は、MCS装置100を通る流れを定量化するのみである、ポンプ体積流れ(QP’)とも称される。
【0178】
しかしながら、図28に示すように、特定の大動脈弁体積流れ2806は、大動脈弁3を通る生理学的経路を介して、大動脈4に到達する。心室2から大動脈4までのMCS装置100の領域の大動脈4の断面形状2808を通過する心拍出量または総流体体積流れ2810(QHZV)は、それに応じて、流体体積流れ950(QP’)および大動脈弁体積流れ2806(Qa)の総和であり、これは、以下の式(7)によって記載される。
QHZV=QP+Qa (7)
【0179】
MCS装置100は、血液の基準温度を決定するための基準温度センサ2814を含み得る。さらに、MCS装置100は、モータ2802および電動モータ2802のモータ温度を決定するためのモータ温度センサ2804を含み得る。MCS装置100は、任意選択で、電気モータ2802の熱電力損失(図示せず)を決定するための電流センサ(図示せず)を含み得る。
【0180】
モータ温度センサ2804は、電気モータ2802の熱散逸損失が、周囲の流体に分散される、モータハウジング2800に組み込まれ得る。モータ温度センサ2804は、モータ温度を測定することができるように、設定および配置され得る。一部の実施形態では、モータ温度センサ2804は、モータハウジング2800の表面温度または電気モータ2802のステータ(図示せず)の温度を測定するように、設定および配置され得る。この場合、ステータの温度は、モータハウジング2800と巻取りパッケージ(図示せず)との間のモータハウジング2800の内部温度から近似され得る。任意選択で、巻取りパッケージ内の温度はまた、別個の温度センサを使用して、直接測定され得る。
【0181】
基準温度センサ2814は、一例として、バックグラウンド血液温度であり得る、基準温度を検出し得る。例えば、基準温度センサ2814は、電気モータ2802の前方(例えば、上流)の熱的に影響を受けない血流内に配置され得、電気モータ2802は、熱源を表す。任意選択で、基準温度センサ2814は、モータハウジング2800からある距離で入口管(例えば、入口管710)の領域に配置され得る。例えば、基準温度センサ2814は、入口管710の遠位端(例えば、血液が心室2から入口管710に流れる)に位置決めされ得る。
【0182】
図28に関して説明または記載される、MCS装置100、ならびに任意の関連する装置および/または機構の実施形態に関する追加の詳細は、2019年6月6日出願の国際公開第2019/234162号の“METHOD FOR DETERMINING A FLUID TOTAL VOLUME FLOW IN THE REGION OF AN IMPLANTED VASCULAR SUPPORT SYSTEM AND IMPLANTABLE VASCULAR SUPPORT SYSTEM”に記載されており、該出願は、参照により、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0183】
図29は、患者2900に移植されたMCSシステム10の別の実施形態を示す。MCSシステム10は、患者2900の健康状態を監視するための監視装置2932と相互作用し得る。MCSシステム10は、心臓1の心室2から患者2900の大動脈4に血液をポンプ輸送できる、本明細書に記載されるMCS装置100を含み得る。MCS装置100は、第一の圧力センサ2910および第二の圧力センサ2912を含み得る。第一の圧力センサ2910は、第一の圧力信号2920を生成し、監視装置2932に送信し得る。第二の圧力センサ2912は、第二の圧力信号2922を、監視装置2932に送信できる。圧力信号2920、2922は、無線で、またはワイヤもしくはケーブルを介して、監視装置2932に送信され得る。
【0184】
第一の圧力センサ2910および第二の圧力センサ2912は、MCS装置100内に互いに所定の距離で位置決めされ得、その結果、該センサは、例えば、血圧、血圧変動、または血液の脈波を検出することができる。監視装置2932は、第一の圧力信号2920および第二の圧力信号2922を受信し得る、読み取りインターフェース(または入力/出力インターフェース)2930を含み得る。圧力信号2920、2922は、一旦受信されると、処理ユニット2934に転送され得、その後、処理ユニット2934は、処理値2936を決定し得る。その後、処理値2936を使用し得、患者2900の健康状態を決定する。処理値2936を監視および追跡することによって、患者2900の健康状態を監視し得る。
【0185】
一部の実施形態では、処理値2936は、第一の圧力センサ2910と第二の圧力センサ2912との間の血液の脈波の伝播時間であり得る。別の方法としてまたは追加的に、このような処理値2936はまた、大動脈4の壁などの血管壁の弾性を表すパラメータを表し得る。したがって、処理値2936は、例えば、血管壁の弾性に関する患者の健康状態を決定するために使用され得る。例えば、処理値2936を使用し得、血管の内壁上の沈着物または石灰化の量を決定または推定する。
【0186】
監視装置2932は、処理値2936に基づいて、制御信号2940を生成し得る。例えば、制御信号2940は、十分な量の血流を提供する、または患者2900が所望のまたは特定の活動(例えば、階段を上ること)に参加できるように血圧の人工的な増加を生成するために、MCSシステム10のMCS装置100を制御し得る。
【0187】
監視装置2932は、処理値2936、圧力信号2920、2922、および/または制御信号2940に基づいて、信号2950を生成し、別個のコンピュータユニット2960(例えば、クラウドサーバーなどのデータサーバー)に(無線でまたはワイヤを介して)送信し得る。信号2950は、圧力信号2920、2922、処理値2936、および/または制御信号2940に関連する通知または評価を含み得る。一部の実施形態では、監視装置2932は、患者2900の外側に着用され得る。例えば、監視装置2932は、患者2900のベルトに取り付けられてもよい。別の方法として、監視装置2932は、圧力信号2920、2922が、ワイヤまたはケーブルを介して、監視装置2932に送信され得るように、MCSシステム10の不可欠な構成要素であり得る。監視装置が患者2900に移植される場合、監視装置2932は、エネルギー貯蔵装置(例えば、長寿命の充電式バッテリ)を含み得る。監視装置2932のエネルギー貯蔵装置(図示せず)は、電源、供給ケーブル、または無線電力伝送システムを介して、充電され得る。
【0188】
一部の実施形態では、監視装置2932は、複数の構成要素に分割され得る。例えば、読み取りインターフェース2930が、患者2900に移植され得る一方、処理ユニット2934は、外部に配置され得(例えば、患者2900のベルトに着用される)、読み取りインターフェース2930および処理ユニット2934は、互いに無線通信し得る。
【0189】
一部の実施形態では、圧力センサ2910、2912のうちの一つは、患者2900の外側に配置され得る。例えば、圧力センサ2910、2912のうちの一つは、監視装置2932内に配置され得る。患者2900内に位置決めされた他の圧力センサから得られた圧力値は、その後、患者の血圧を表し得、正規化され得る。これにより、患者2900の絶対血圧値の計算を、確実に行うことができる一方、任意の系統的誤差(例えば、家のフロアを替える場合、患者2900の周囲の周囲気圧の変化、気圧または地形高度の天候に基づく変化など)に対する補償が可能になる。これにより、患者の健康状態を、異なる環境状況において非常に確実に判定することができる。
【0190】
図29に記載または図示されるMCSシステム100、および任意の関連する構成要素および/または機構の実施形態に関する追加の詳細は、2019年8月7日出願の国際公開第2020/030706号の“DEVICE AND METHOD FOR MONITORING THE STATE OF HEALTH OF A PATIENT”に記載されており、該出願は、参照により、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0191】
図30Aおよび図30Bは、MCS制御装置200のある実施形態の正面図および背面図を示す。MCS制御装置200は、本明細書に記載されるような、左心室支持装置、心室補助装置、またはMCS装置などの、一つ以上の心臓または循環支持システムの動作をサポートし得る。MCS制御装置200は、電力を心臓支持システムに供給するために、もう一つのモジュールを含み得る。MCS制御装置200は、動作信号を心臓支持システムに送受信するために、電子回路を収容し得る。MCS制御装置200は、センサデータなどのデータを、心臓支持システムから受信および処理するために、以下に記載するように、一つ以上のハードウェアプロセッサを収容し得る。一部の実施形態では、MCS制御装置200は、制御装置の動作に必要な構成要素のすべてまたはほとんどが制御装置内に収容される、統合型または自己完結型の設計を有し得る。例えば、変圧器またはAC/DC変換器などの任意の電源構成要素は、MCS制御装置200内に収容され得る。図2に示すように、MCS制御装置200は、カテーテルシャフト306を通ってMCS装置100まで延在する電子ワイヤを介して、ポンプ(例えば、MCS装置100)に配線され得る。
【0192】
一部の実施形態では、MCS制御装置200は、通信システム、または他の任意の適切なシステムを含み得、制御装置が、MCS制御装置200の構築後に、新しい使用または変更された使用に適合され得る。例えば、複数のモードの有線または無線通信を、例えば、RF、wifi、および/またはBluetooth(登録商標)などの外部技術と通信するために、MCS制御装置200内に統合し得る。一部の実施形態では、MCS制御装置200は、RFIDリーダーを有し得る。一部の実施形態では、MCS制御装置200は、患者データの同期、遠隔医療、患者モニタリング、リアルタイムデータ収集、エラー報告、および/または保守記録の共有を可能にするシステムまたは構成要素を有し得る。
【0193】
MCS制御装置200は、本明細書に記載される心臓支持システムのいずれかを支持する、これらのモジュール用のハウジングを含み得る。該ハウジングは、携帯性を支持するハンドル3002をさらに含み得る。Abiomed(アビオメッド)社のImpella制御装置などの従来の制御装置とは対照的に、本明細書に開示されるMCS制御装置200は、パージに必要な構成要素を含まない場合がある。例えば、MCS制御装置200は、パージ用のカセットを含まない。該カセットは、典型的には、すすぎ液をカテーテルに送達する。しかし、カセットはかなりの不動産を必要とし、ハウジングがより大きく高重量になる。本明細書で記載するベアリング設計および封止されたモータなどの本明細書に記述される設計改善により、MCS制御装置200は、カセットを含まない。さらに、一部の実施形態では、制御装置200は、パージ管を受容するためのポートを必要としない。したがって、MCS制御装置200は、携帯性を支持するために、軽量かつコンパクトであり得る。
【0194】
MCS制御装置200はまた、ケーブル管理支持部3004を含み得る。一部の実施形態では、ケーブル管理支持部3004は、制御装置200の一方の端部または側面上に位置決めされる。MCS制御装置200はまた、臨床環境におけるMCS制御装置200のポールへの装着を支持し得るマウント3006を含み得る。マウント3006は、軸の周りを回転し得、水平または垂直の締結を支持する。マウント3006は、スリップクラッチで素早く固定することによって、所望の配向に急速にロックされ得る。一部の事例では、マウント3006は、ケーブル管理支持部3004から離れて位置決めされる。さらに、一部の実施形態では、ケーブル管理支持部3004は、図30Aに示すように、制御装置200の左端に位置決めされる。ポート3308(図33に示すようなものなど)は、ケーブル管理支持部3004の反対側に位置決めされ得る。一部の事例では、以下に記載する制御要素3008は、ケーブル管理支持部3004とは反対側の、ポート3008に近接して位置決めされる。これにより、ユーザは、MCS制御装置200の能動構成要素と改善された相互作用を有することができる。したがって、図示されるように、MCS制御装置200におけるこれらすべての要素の配置により、操作経験が改善され、携行性が向上され得る。
【0195】
MCS制御装置200は、制御要素3008を含み得る。一部の実施形態では、制御要素3008は、触覚フィードバックを提供できる。制御要素3008は、プッシュボタン回転ダイヤルを含み得る。制御要素3008により、ユーザは、MCS制御装置200のパラメータを変更して、本明細書に記載された一つ以上のプロセスを制御可能にし得る。制御要素3008はまた、図30Aに示すように、状態表示器3010を含んでもよい。一部の実施形態では、MCS制御装置200は、別個の確認制御要素を含み得る。さらに、一部の実施形態では、別個の確認制御要素とは別に、単一の制御要素3008を使用して、すべてのパラメータを修正することができる。専用エリアに対照をグループ分けすることで、ユーザ体験が改善し得る。
【0196】
図31は、MCS制御装置200に含まれ得る電子システム3100のブロック図を示す。一部の実施形態では、電子システム3100は、MCS装置3110(または本明細書に記載されるMCS装置100)を制御するための、一つ以上のハードウェアプロセッサと併せて、一つ以上の回路基板を含み得る。電子システム3100はまた、信号を受信し、信号を処理し、信号を送信し得る。電子システム3100は、表示装置および/または警報をさらに生成することができる。電子システム3100は、制御システム3102および表示システム3104を含み得る。一部の実施形態では、表示システム3104は、制御システム3102に組み込まれ得、図31に示すように、分離されない。一部の実施形態では、表示システム3104が制御システム3102から分離することは、有利であり得る。例えば、制御システム3102が故障した場合、表示システム3104は、バックアップとして機能し得る。
【0197】
制御システム3102は、MCS装置3110の様々な性状を制御するために、一つ以上のハードウェアプロセッサを含み得る。例えば、制御システム3102は、MCS装置3110のモータを制御し得る。制御システム3102はまた、MCS装置3110から信号を受信し、パラメータを処理できる。パラメータは、例えば、流量、モータ電流、ABP、LVP、LVEDPなどを含み得る。制御システム3102は、警報ならびにMCS制御装置200および/またはMCS装置3110の状態を生成できる。一部の実施形態では、制御システム3102は、複数のMCS装置3110を支持し得る。制御システム3102は、生成された警報または状態表示器を表示システム3104に送信できる。表示システム3104は、制御システム3102から処理されたデータを受信し、処理されたデータを表示画面上に表示させるために、一つ以上のハードウェアプロセッサを含み得る。制御システム3102はまた、データを記憶するためのメモリを含み得る。
【0198】
電子システム3100はまた、その電子システムが外部電源に接続せずに、動作可能になり得るバッテリ3106を含み得る。電源インターフェース3108は、バッテリ3106を外部電源から充電できる。制御システム3102は、バッテリ電源を使用して、電流を、MCS装置3110のモータに供給し得る。
【0199】
一つ以上のハードウェアプロセッサは、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートもしくはトランジスタ論理、ディスクリートハードウェアコンポーネント、または本明細書に記載される機能を実施するように設計されたそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0200】
図32は、図31の電子システム3100のブロック図の特徴に対応する物理的構成要素を有するMCS制御装置200のある実施形態の分解図である。図32に示すように、MCS制御装置200は、制御システム3102およびハウジング内に配置された回路基板を含む表示システム3104を含み得る。バッテリ3106は、ハウジングの底部セクション内に位置し得る。電源インターフェース3108は、ハウジングの隅角内に位置し得る。
【0201】
図33は、MCS制御装置200のある実施形態の正面斜視図である。一部の実施形態では、MCS制御装置200は、MCS装置100(またはMCS装置3110)の動作に関してオペレータにフィードバックを提供できる、警報フィードバックシステムを含み得る。一部の実施形態では、警報フィードバックシステムは、図示するように、LED3302の形態であり得る。LED3302は、制御装置を使用して、オペレータが視認できるように、位置決めされ得る。図示するように、LED3302は、ハンドル3002の周りに位置決めされる。したがって、LED3302は、制御装置の周りの360度の位置から視認され得る。LED3302は、ハンドル3002を包むリング(楕円形、円形、または他の任意の適切な形状)の形態であり得る。このようなLED3302は、制御装置の上部が視認可能である限り、任意の方向から可視化され得る。制御システム3302は、LED3302に対して異なる色またはパターンを生成し得、様々な警報またはMCS制御装置200および/またはMCS装置100(または図31に示すように、MCS装置3100)の状態を提供する。
【0202】
MCS制御装置200は、MCS装置(例えば、MCS装置100)に接続されたケーブルを受容できるポート3308をさらに含み得る。ポート3308は、本明細書に記載されるMCS装置の複数のバージョンを支持し得る。MCS制御装置200はまた、MCS制御装置200の側面上にRFIDリーダー3304を含み得る。RFIDリーダー3304は、販売担当者のバッジを読み取り、特定のデモモードに従って、装置を操作することができる。MCS制御200は、図33に示すように傾けられて、ユーザの可読性を改善するガラスカバー3306を含み得る。
【0203】
図34Aは、典型的には、圧力差であり得る、大動脈圧と左室圧との間の圧力差を示すグラフを示す。一部の事例では、MCS装置3110(またはMCS装置100)は、異なる圧力レベルに対応する心臓の二つの位置(例えば、左心室および大動脈弓)の間に位置決めされ得る。したがって、MCS装置3110は、図34Aに示す圧力差に対して動作し得る。したがって、MCS装置3110のモータは、一部の事例では、圧力により動作し、その他の事例では、圧力に対して動作し得る。したがって、モータの速度、例えば、モータシャフトの回転速度を一定またはほぼ安定的に保つために、モータに供給される電流が、圧力差に基づいて、変化する必要があり得ることが観察された。
【0204】
図34Bは、一定の速度(例えば、一定のモータ速度)に対する印加電流を示す。図34Bの電流曲線は、図34Aの圧力差曲線と同様の挙動に従う。一部の実施形態では、制御システム3102は、モータ電流を変化させることによって、モータを制御して、一定の速度で動作させることができる。モータ電流の変動は、制御システム3102によって使用され得、差圧、それゆえに、患者の生理機能、動作状態、および機械の状態を検査する。
【0205】
図35は、流量パラメータおよびモータ電流を表示できる例示的なユーザインターフェースを示す。ユーザインターフェースはまた、パラメータを、経時的にプロットされたグラフとして表示することができる。ユーザインターフェースは、例えば、表示装置上のMCS制御装置200に表示され得る。
【0206】
図36Aは、制御要素3008を使用し得、流量の設定などのパラメータを変更する、構成モードにおける例示的なユーザインターフェースを示す。制御要素3008は、ノブ上に直接および/またはノブに隣接する視覚的フィードバックシステムを含み得る。図36Bは、動作モード中の例示的なユーザインターフェースを示す。図36Aおよび図36Bを比較すると、ユーザインターフェース上の特定のテキストを、モードに応じて、強調表示または強調し得る。構成モードでは、設定流量は、拡大される。動作モードでは、流量は、拡大される。これにより、特に、ユーザインターフェースがいくつかのパラメータを含む場合、ユーザにとっての可読性が改善される。
【0207】
一部の実施形態では、MCS制御装置200と接続されたMCS装置3110(またはMCS装置100)の種類に応じて、一部のユーザインターフェースのみが利用可能であり得る。例えば、上述した一部の装置は、いかなるセンサも含まない場合があり、上述したすべてのユーザインターフェースをサポートしない場合がある。これらのセンサなしの装置は、低コストかつ小型であり得る。
【0208】
図37は、電子制御要素3700および可視的表示器3702のある実施形態を示す。電子制御要素3700は、ダイヤルの面上に表示装置を含み得る。さらに、可視的表示器3702は、ダイヤルが回転するにつれて、モータの状態または他の動作状態を示すことができる。
【0209】
図38A~38Dは、左室拡張末期圧(LVEDP)を決定するためのプロセスを示す、例示的な左心室(LV)圧力曲線である。制御システム3102は、状態および動作パラメータを文書化し得、これは、ネットワーク通信を介して、EMRシステムに転送され得る。
【0210】
制御システム3102は、LVEDPを測定し得る。図38A~38Dは、LVDEPを、測定されたLV圧力曲線から決定するための一連のステップを示す。図38Aは、100MHzのサンプリング速度で測定された例示的なLV圧力曲線を示す。制御システム3102は、測定されたLV圧力曲線を処理し得、LVDEPを決定する。例えば、制御システム3102は、図38Bに示すように、LV曲線における最大の正の勾配を識別できる。これにより、パルス値が識別され得る。他の技術を使用し得、パルスの開始を識別する。パルスが一旦識別されると、制御システム3102は、図38Bに示すように、二つの正の急勾配の間のLV曲線に、最大値および最小値を確認できる。これはまた、収縮期値および拡張期値も得ることができる。一部の事例では、制御システム3102は、図38Dに示す通り、第二の勾配の左の最小値を識別できる。この値は、LVEDP判定を表し得る。
【0211】
上述のように、例えば、図34Bに関して、モータ電流を心臓と制御または同期化し、モータ電流を測定することにより、制御システム3102は、電流を測定することによって差圧、それゆえ、患者の生理学的プロセス、動作状態、および機械の状態を検査することができる。生理学的プロセスには、ポンプが心臓の壁に当たる場合が含まれ得る。一部の事例では、モータ電流は、RPMの変化を測定する間、一定に保たれる。一部の事例では、別個の流れセンサまたは圧力センサは、生理学的プロセスを検査するのに必要とされない。MCS制御装置200などのモータ制御装置を含むモータ設計は、高分解能電流測定を可能にし得る。一部の事例では、モータ制御装置は、センサがない(例えば、モータ制御装置は、ホールセンサを含まない場合がある)。一部の事例では、制御システム3102は、心臓の回復を改善するために、モータを拍動モードで動作させ得る。
【0212】
本明細書に記載されるMCS装置またはシステムおよびその機構の任意の実施形態は、様々な追加的な機構または変形例を含み得、例えば、2019年5月30日出願の国際公開第2019/229223号の“AXIAL-FLOW PUMP FOR A VENTRICULAR ASSIST DEVICE AND METHOD FOR PRODUCING AN AXIAL-FLOW PUMP FOR A VENTRICULAR ASSIST DEVICE”、2021年6月18日出願の米国特許出願第17/057252号の“AXIAL-FLOW PUMP FOR A VENTRICULAR ASSIST DEVICE AND METHOD FOR PRODUCING AN AXIAL-FLOW PUMP FOR A VENTRICULAR ASSIST DEVICE”、2019年5月30日出願の国際公開第2019/229214号の“PUMP HOUSING DEVICE,METHOD FOR PRODUCING A PUMP HOUSING DEVICE,AND PUMP HAVING A PUMP HOUSING DEVICE”、2021年5月19日出願の米国特許出願第17/057548号の“PUMP HOUSING DEVICE,METHOD FOR PRODUCING A PUMP HOUSING DEVICE,AND PUMP HAVING A PUMP HOUSING DEVICE”、2019年7月9日出願の国際公開第2020/011795号の“IMPELLER FOR AN IMPLANTABLE,VASCULAR SUPPORT SYSTEM”、2021年7月27日出願の米国特許出願第17/258853号の“IMPELLER FOR AN IMPLANTABLE,VASCULAR SUPPORT SYSTEM”、2019年7月9日出願の国際公開第2020/011797号の“IMPELLER HOUSING FOR AN IMPLANTABLE,VASCULAR SUPPORT SYSTEM”、2021年7月27日出願の米国特許出願第17/258861号の“IMPELLER HOUSING FOR AN IMPLANTABLE,VASCULAR SUPPORT SYSTEM”、2019年8月7日出願の国際公開第2020/030706号の“DEVICE AND METHOD FOR MONITORING THE STATE OF HEALTH OF A PATIENT”、2021年10月13日出願の米国特許出願第17/266056号の“DEVICE AND METHOD FOR MONITORING THE STATE OF HEALTH OF A PATIENT”、2019年6月6日出願の国際公開第2019/234149号の“SENSOR HEAD DEVICE FOR A MINIMAL INVASIVE VENTRICULAR ASSIST DEVICE AND METHOD FOR PRODUCING SUCH A SENSOR HEAD DEVICE”、2021年6月8日出願の米国特許出願第15/734036号の“SENSOR HEAD DEVICE FOR A MINIMAL INVASIVE VENTRICULAR ASSIST DEVICE AND METHOD FOR PRODUCING SUCH A SENSOR HEAD DEVICE”、2019年6月6日出願の国際公開第2019/234166号の“METHOD FOR DETERMINING A FLOW SPEED OF A FLUID FLOWING THROUGH AN IMPLANTED,VASCULAR ASSISTANCE SYSTEM AND IMPLANTABLE,VASCULAR ASSISTANCE SYSTEM”、2021年10月15日出願の米国特許出願第15/734523号の“SYSTEMS AND METHODS FOR DETERMINING A FLOW SPEED OF A FLUID FLOWING THROUGH A CARDIAC ASSIT DEVICE”、2019年5月16日出願の国際公開第2019/219874号の“PERMANENT-MAGNETIC RADIAL ROTATING JOINT AND MICROPUMP COMPRISING SUCH A RADIAL ROTATING JOINT”、2021年6月29日出願の米国特許出願第17/055059号の“PERMANENT-MAGNETIC RADIAL ROTATING JOINT AND MICROPUMP COMPRISING SUCH A RADIAL ROTATING JOINT”、2019年8月7日出願の国際公開第2020/030700号の“BEARING DEVICE FOR A HEART SUPPORT SYSTEM,AND METHOD FOR RINSING A SPACE IN A BEARING DEVICE FOR A HEART SUPPORT SYSTEM”、2021年9月29日出願の米国特許出願第17/266044号の“BEARING DEVICE FOR A HEART SUPPORT SYSTEM,AND METHOD FOR RINSING A SPACE IN A BEARING DEVICE FOR A HEART SUPPORT SYSTEM”、2019年6月6日出願の国際公開第2019/234163号の“METHOD AND SYSTEM FOR DETERMINING THE SPEED OF SOUND IN A FLUID IN THE REGION OF AN IMPLANTED VASCULAR SUPPORT SYSTEM”、2021年6月14日出願の米国特許出願第15/734322号の“METHOD AND SYSTEM FOR DETERMINING THE SPEED OF SOUND IN A FLUID IN THE REGION OF AN IMPLANTED VASCULAR SUPPORT SYSTEM”、2019年6月6日出願の国際公開第2019/234146号の“LINE DEVICE FOR A VENTRICULAR ASSIST DEVICE AND METHOD FOR PRODUCING A LINE DEVICE”、2021年6月14日出願の米国特許出願第15/734331号の“CONDUIT FOR A CARDIAC ASSIST DEVICE AND METHOD FOR PRODUCING A CONDUIT”、2019年6月6日出願の国際公開第2019/234164号の“METHOD FOR DETERMINING A FLOW RATE OF A FLUID FLOWING THROUGH AN IMPLANTED VASCULAR SUPPORT SYSTEM,AND IMPLANTABLE VASCULAR SUPPORT SYSTEM”、2021年7月16日出願の米国特許出願第15/734353号の“METHOD FOR DETERMINING A FLOW RATE OF A FLUID FLOWING THROUGH AN IMPLANTED VASCULAR SUPPORT SYSTEM,AND IMPLANTABLE VASCULAR SUPPORT SYSTEM”、2019年6月6日出願の国際公開第2019/234162号の“METHOD FOR DETERMINING A FLUID TOTAL VOLUME FLOW IN THE REGION OF AN IMPLANTED VASCULAR SUPPORT SYSTEM AND IMPLANTABLE VASCULAR SUPPORT SYSTEM”、2021年7月9日出願の米国特許出願第15/734010号の“METHOD FOR DETERMINING A FLUID TOTAL VOLUME FLOW IN THE REGION OF AN IMPLANTED VASCULAR SUPPORT SYSTEM AND IMPLANTABLE VASCULAR SUPPORT SYSTEM”、2019年9月24日出願の国際公開第2020/064707号の“METHOD AND SYSTEM FOR DETERMINING A FLOW SPEED OF A FLUID FLOWING THROUGH AN IMPLANTED,VASCULAR ASSISTANCE SYSTEM”、2021年3月8日出願の米国特許出願第17/274354号の“METHOD AND SYSTEM FOR DETERMINING A FLOW SPEED OF A FLUID FLOWING THROUGH AN IMPLANTED,VASCULAR ASSISTANCE SYSTEM”、2019年5月30日出願の国際公開第2019/229210号の“LINE DEVICE FOR CONDUCTING A BLOOD FLOW FOR A HEART SUPPORT SYSTEM,AND PRODUCTION AND ASSEMBLY METHOD”、2021年5月18日出願の米国特許出願第17/057355号の“LINE DEVICE FOR CONDUCTING A BLOOD FLOW FOR A HEART SUPPORT SYSTEM,AND PRODUCTION AND ASSEMBLY METHOD”があり、それら各々は、すべての目的に対して、参照により、その全体が本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する。
【0213】
例示的な実施形態
以下は、本明細書に開示される機械的循環支持システムおよび方法の様々な実施形態の番号付けした例示的な実施形態である。以下の本明細書に開示される実施例1~34のいずれか、または他のいずれかの実施例は、全部または一部を組み合わされてもよい。本明細書に開示される実施例の要素を限定するものではない。
【0214】
(実施例1)
近位端および遠位端を有する、細長い可撓性カテーテルシャフトと、シャフトの遠位端によって搬送される循環支持装置と、を備える、機械的循環支持システム。管状ハウジングと、駆動磁石アレイに対して回転固定されるシャフトを有するモータと、被駆動磁石アレイに対して回転固定されるインペラと、管状ハウジングと連結され、モータおよび駆動磁石アレイを包む、封止されたモータハウジングと、を備える、循環支持装置。
【0215】
(実施例2)
モータは、シャフトを介して、駆動磁石アレイを回転するように構成され、回転駆動磁石アレイは、封止されたモータハウジングを通って、被駆動磁石アレイと磁気的に連通して、インペラを回転させる、本明細書の実施例1~34のいずれか、または他のいずれかの実施形態に記載の機械的循環支持システムまたは方法。
【0216】
(実施例3)
被駆動磁石アレイおよび駆動磁石アレイは、少なくとも部分的に軸方向に重なり合う、本明細書の実施例1~34のいずれか、または他のいずれかの実施形態に記載の機械的循環支持システムまたは方法。
【0217】
(実施例4)
被駆動磁石アレイは、駆動磁石アレイに対して軸方向に互い違いに配置される、本明細書の実施例1~34のいずれか、または他のいずれかの実施形態に記載の機械的循環支持システムまたは方法。
【0218】
(実施例5)
システムは、パージを必要としない、本明細書の実施例1~34のいずれか、または他のいずれかの実施形態に記載の機械的循環支持システムまたは方法。
【0219】
(実施例6)
パージ構成要素を含まない制御装置をさらに備える、本明細書の実施例1~34のいずれか、または他のいずれかの実施形態に記載の機械的循環支持システムまたは方法。
【0220】
(実施例7)
制御装置は、パージ用のカセットまたはポートを含まない、本明細書の実施例1~34のいずれか、または他のいずれかの実施形態に記載の機械的循環支持システムまたは方法。
【0221】
(実施例8)
パルスドップラー測定値を使用して、血液体積流れを検出するように構成された超音波センサをさらに備える、本明細書の実施例1~34のいずれか、または他のいずれかの実施形態に記載の機械的循環支持システムまたは方法。
【0222】
(実施例9)
システムは、超音波センサのパルス繰返し率が、血液流れの最大ドップラー周波数シフトの二倍を超えない場合、機械的循環支持部の動作パラメータを使用して、血液体積流れを検出するように構成される、本明細書の実施例1~34のいずれか、または他のいずれかの実施形態に記載の機械的循環支持システムまたは方法。
【0223】
(実施例10)
動作パラメータは、駆動磁石アレイの回転速度または機械的循環支持部にわたる差圧を含む、本明細書の実施例1~34のいずれか、または他のいずれかの実施形態に記載の機械的循環支持システムまたは方法。
【0224】
(実施例11)
超音波センサは、ハウジングの血液入口ポートに近接した超音波振動子を備える、本明細書の実施例1~34のいずれか、または他のいずれかの実施形態に記載の機械的循環支持システムまたは方法。
【0225】
(実施例12)
患者の健康状態を監視するための表示装置と、血圧差、血液脈波の脈波速度、および/または血管の弾性に関連する情報を提供するために、表示装置と通信する第一の圧力センサおよび第二の圧力センサと、をさらに備える、本明細書の実施例1~34のいずれか、または他のいずれかの実施形態に記載の機械的循環支持システムまたは方法。
【0226】
(実施例13)
管状ハウジングの遠位端でのセンサヘッド装置であって、少なくとも一つのセンサを受容するように構成された少なくとも一つのセンサ空洞を含む、センサ搬送要素と、少なくとも一つの信号送信機を受容するように構成された少なくとも一つの信号送信機空洞と、を備える、センサヘッド装置をさらに備える、本明細書の実施例1~34のいずれか、または他のいずれかの実施形態に記載の機械的循環支持システムまたは方法。
【0227】
(実施例14)
導電素子上に配置された、温度センサ、圧力センサ、または超音波素子を含む信号送信機のうちの一つ以上をさらに備える、本明細書の実施例1~34のいずれか、または他のいずれかの実施形態に記載の機械的循環支持システムまたは方法。
【0228】
(実施例15)
被駆動磁石アレイは、Halbachアレイを含む、本明細書の実施例1~34のいずれか、または他のいずれかの実施形態に記載の機械的循環支持システムまたは方法。
【0229】
(実施例16)
駆動磁石アレイは、半径方向または平行である磁化を含む、本明細書の実施例1~34のいずれか、または他のいずれかの実施形態に記載の機械的循環支持システムまたは方法。
【0230】
(実施例17)
駆動および被駆動磁石アレイは各々、同一量の極対を備える、本明細書の実施例1~34のいずれか、または他のいずれかの実施形態に記載の機械的循環支持システムまたは方法。
【0231】
(実施例18)
封止されたモータハウジングとフラッシング血流を誘導するための被駆動磁石アレイとの間に中間空間をさらに含む、本明細書の実施例1~34のいずれか、または他のいずれかの実施形態に記載の機械的循環支持システムまたは方法。
【0232】
(実施例19)
インペラは、中間空間からフラッシング血流を排出するための少なくとも一つのフラッシング出口を備える、本明細書の実施例1~34のいずれか、または他のいずれかの実施形態に記載の機械的循環支持システムまたは方法。
【0233】
(実施例20)
管状ハウジングは、入口管と、入口管に取り付けられた導電素子と、をさらに備え、導電素子は、複数の層および少なくとも一つのセンサに接触するように構成されたセンサ接触領域を含む、本明細書の実施例1~34のいずれか、または他のいずれかの実施形態に記載の機械的循環支持システムまたは方法。
【0234】
(実施例21)
管状ハウジングは、管状ハウジングの遠位端に位置するセンサヘッドユニットと導管に近位に位置する端部ユニットとの間に配置された入口管と、入口管とセンサヘッドユニットとの間に配置された第一の接続要素と、入口管と端部ユニットとの間に配置された第二の接続要素と、をさらに備える、本明細書の実施例1~34のいずれか、または他のいずれかの実施形態に記載の機械的循環支持システムまたは方法。
【0235】
(実施例22)
管状ハウジングの遠位端または近位端は、循環支持装置の隣接する構成要素に取り付けるように構成された取り付けセクションを備える、本明細書の実施例1~34のいずれか、または他のいずれかの実施形態に記載の機械的循環支持システムまたは方法。
【0236】
(実施例23)
取り付けセクションは、形態係止または力係止を介して、隣接する構成要素に取り付けるように構成される、本明細書の実施例1~34のいずれか、または他のいずれかの実施形態に記載の機械的循環支持システムまたは方法。
【0237】
(実施例24)
取り外し可能なガイドワイヤガイド管をさらに備える、本明細書の実施例1~34のいずれか、または他のいずれかの実施形態に記載の機械的循環支持システムまたは方法。
【0238】
(実施例25)
ガイド管は、管状ハウジングの遠位端にある第一のガイドワイヤポートに入り、インペラに遠位の管状ハウジングの側壁にある第二のガイドワイヤポートを介して、管状ハウジングを出て、インペラの近位側にある第三のガイドワイヤポートを介して、管状ハウジングに再度入り、カテーテルシャフトに近位に延在する、本明細書の実施例1~34のいずれか、または他のいずれかの実施形態に記載の機械的循環支持システムまたは方法。
【0239】
(実施例26)
管状ハウジングの可撓性セクションによって分離された管状ハウジング上に、少なくとも一つの血液入口ポートおよび少なくとも一つの血液出口ポートをさらに備える、本明細書の実施例1~34のいずれか、または他のいずれかの実施形態に記載の機械的循環支持システムまたは方法。
【0240】
(実施例27)
管状ハウジングは、インペラケージと連結された入口管を備える、本明細書の実施例1~34のいずれか、または他のいずれかの実施形態に記載の機械的循環支持システムまたは方法。
【0241】
(実施例28)
封止されたモータハウジングは、インペラケージを介して、管状ハウジングと連結される、本明細書の実施例1~34のいずれか、または他のいずれかの実施形態に記載の機械的循環支持システムまたは方法。
【0242】
(実施例29)
インペラケージは、封止されたモータハウジングを少なくとも部分的に被包する、本明細書の実施例1~34のいずれか、または他のいずれかの実施形態に記載の機械的循環支持システムまたは方法。
【0243】
(実施例30)
管状ハウジングの遠位端は、センサを有するノーズピースを備える、本明細書の実施例1~34のいずれか、または他のいずれかの実施形態に記載の機械的循環支持システムまたは方法。
【0244】
(実施例31)
ガイドワイヤを、機械的循環支持装置上に位置決めする方法であって、ガイドワイヤを、機械的循環支持装置と連結されたカテーテルシャフトの内腔に挿入することであって、機械的循環支持装置は、入口管と、ポンプインペラと、第一のガイドワイヤポートと、第二のガイドワイヤポートと、を備え、第一のガイドワイヤポートは、ポンプインペラに近位に位置し、第二のガイドワイヤポートは、ポンプインペラに遠位に位置する、挿入すること、ガイドワイヤを、第一のガイドワイヤポートを通って、第二のガイドワイヤポートに向かって延在させること、およびガイドワイヤを、第二のガイドワイヤポートを通って延在させること、を含み、第二のガイドワイヤポートから遠位にあるガイドワイヤの少なくとも一部分は、入口管の内側に位置決めされ、第一のガイドワイヤポートから遠位に、かつ第二のガイドワイヤポートから近位に位置決めされたガイドワイヤの少なくとも一部分は、入口管の外面上に位置決めされる、方法。
【0245】
(実施例32)
ポンプの心臓までの経カテーテル送達の方法であって、ポンプを、血管系を通って前進させることを含み、ポンプは、ポンプに遠位に位置するカテーテルシャフトの第一のセクションを通って、ポンプの管状ハウジングの内部を通って、管状ハウジングの側壁を通って、管状ハウジングの外部に、およびポンプに近位に位置するカテーテルシャフトの第二のセクションに延在する、ガイドワイヤを有して前進される、方法。
【0246】
(実施例33)
ポンプからのガイドワイヤの取り外し前、および/またはポンプの心臓への配置前に、モータを起動すること、および/またはインペラを回転させることをさらに含む、本明細書の実施例1~34のいずれか、または他のいずれかの実施形態に記載の機械的循環支持システムまたは方法。
【0247】
(実施例34)
ガイドワイヤおよび/またはポンプが、少なくとも部分的に左心室にとどまるように、ガイドワイヤを、ポンプの使用中にポンプにとどまらせることをさらに含む、本明細書の実施例1~34のいずれか、または他のいずれかの実施形態に記載の機械的循環支持システムまたは方法。
【0248】
用語
とりわけ、「can(~できる、し得る)」、「could(~であろう)」、「might(~かもしれない)」、「may(~できる、し得る)」、「e.g.(例えば)」等の本明細書で使用される条件付きの言語は、特に別段の記載がない限り、または使用される文脈内で他の方法で理解されない限り、一般的に、特定の特徴、要素および/またはステップが任意選択であることを伝達することが意図される。したがって、このような条件付き言語は、特徴、要素および/またはステップが何らかの方法で必要とされる、または一つ以上の実装が、これらの特徴、要素および/またはステップが含まれる、または常に実行されるべきかを決定するための論理を、他の入力または働きかけと共に、またはそれを伴うことなく、必ずしも含むことを意味することを一般的に意図するものではない。用語「comprising(~を備える)」、「including(~を含む)」、「having(~を有する)」などは同義語であり、包括的に、オープンエンドの様式で使用され、追加の要素、特徴、作用、操作などを排除しない。また、用語「or(または)」は、その包括的意味(およびその排他的意味ではない)で使用され、その結果、例えば、要素のリストと関連付けるために使用される場合、用語「or(または)」は、リスト中の要素の一つ、一部、または全てを意味する。
【0249】
語句「X、Y、およびZの少なくとも一つ」などの結合言語は、特にそうでないと明記されない限り、品目、用語などがX、Y、またはZのいずれかであり得ることを伝えるために一般的に使用される文脈により、それ以外で理解される。したがって、このような結合言語は、特定の実装が、Xの少なくとも一つ、Yの少なくとも一つ、およびZの少なくとも一つの存在を必要とすることを意味することを一般的に意図しない。
【0250】
本明細書で使用する用語「およそ」、「約」、「一般的に」、および「実質的に」などの、本明細書で使用する程度を表す言語は、所望の機能を依然として果たす、または所望の結果を達成する、所定の値、量、または特性に近い値、量、または特性を表す。例えば、用語「およそ」、「約」、「一般的に」、および「実質的に」は、記載量の10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満、および0.01%未満以内の量を指し得る。別の例として、特定の実装例では、用語「一般的に平行」および「実質的に平行」は、15度、10度、5度、3度、1度、0.1度以下、またはそれ以外の分で、正確な平行から逸脱する値、量、または特性を指す。
【0251】
本明細書に開示される任意の方法は、列挙された順序で実施される必要はない。本明細書に開示される方法は、実践者によってなされる特定の行為を含むが、明示的または黙示的のいずれかで、それらの行為についての任意の第三者の指示も含むことができる。
【0252】
本明細書に記載の方法および作業は、コンピュータシステムによって実行され、完全に自動化され得る。コンピュータシステムは、一部の事例では、記載された機能を実行するために、ネットワークを介して通信および相互運用する、複数の別個のコンピュータまたはコンピューティングデバイス(例えば、物理サーバー、ワークステーション、ストレージアレイ、クラウドコンピューティングリソースなど)を含み得る。このような各コンピューティングデバイスは通常、メモリまたは他の非一時的コンピュータ可読記憶媒体またはデバイス(例えば、ソリッドステート記憶デバイス、ディスクドライブなど)に格納されたプログラム命令またはモジュールを実行するプロセッサ(または複数のプロセッサ)を含む。本明細書に開示される様々な機能は、このようなプログラム命令に具現化され得、および/またはコンピュータシステムのアプリケーション専用回路(例えば、ASICまたはFPGA)に実装され得る。コンピュータシステムが複数のコンピューティングデバイスを含む場合、これらのデバイスは、同一位置にあり得るが、そうする必要はない。本開示の方法および作業の結果は、ソリッドステートメモリチップおよび/または磁気ディスクなどの物理的記憶装置を異なる状態に変換することによって、持続的に記憶され得る。コンピュータシステムは、その処理リソースが複数の別個の事業体または他のユーザによって共有されるクラウドベースのコンピューティングシステムであり得る。
【0253】
上記の詳細な説明が、新規の特徴を示し、記載し、指摘したものの、図示したデバイスまたはアルゴリズムの形態および詳細における様々な省略、置換、および変更が、本開示の趣旨から逸脱することなく、実行可能であることは理解されよう。認識され得るように、本明細書の記載の特定の部分は、本明細書に記述される特徴および利益の全てを提供しない形態内に具体化され得るが、それは、一部の特徴が、他の特徴とは別個に使用または実践され得るためである。本明細書に開示される特定の実装の範囲は、前述の記載によってではなく、添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の意味および等価性の範囲内に含まれるすべての変更は、その範囲内で包含されるものとする。
図1
図2
図3
図4
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図6
図7
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図9A
図9B
図9C
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図10
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図36A
図36B
図37
図38
【国際調査報告】