(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-29
(54)【発明の名称】カメラモジュール、結像方法、電子機器、可読記憶媒体及びチップ
(51)【国際特許分類】
H04N 25/48 20230101AFI20231121BHJP
H04N 25/70 20230101ALI20231121BHJP
H04N 23/54 20230101ALI20231121BHJP
H04N 23/60 20230101ALN20231121BHJP
【FI】
H04N25/48
H04N25/70
H04N23/54
H04N23/60 500
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023530584
(86)(22)【出願日】2021-11-23
(85)【翻訳文提出日】2023-05-19
(86)【国際出願番号】 CN2021132367
(87)【国際公開番号】W WO2022111460
(87)【国際公開日】2022-06-02
(31)【優先権主張番号】202011378465.2
(32)【優先日】2020-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517372494
【氏名又は名称】維沃移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】VIVO MOBILE COMMUNICATION CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1, vivo Road, Chang’an, Dongguan,Guangdong 523863, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン、タンメイ
【テーマコード(参考)】
5C024
5C122
【Fターム(参考)】
5C024CX37
5C024CX41
5C024CY35
5C024CY42
5C024CY47
5C024EX52
5C122DA03
5C122DA04
5C122DA09
5C122EA38
5C122EA59
5C122FB03
5C122FB17
5C122FC01
5C122FC02
5C122FH18
5C122GE07
5C122GE09
5C122GE11
5C122GE18
5C122HA13
5C122HA82
5C122HB01
5C122HB10
(57)【要約】
本出願は、カメラモジュール、結像方法及び電子機器を開示し、通信の技術分野に属する。前記カメラモジュールは、レンズ、レンズ固定コンポーネント、回路基板、画像センサ及び駆動コンポーネントを含み、レンズ固定コンポーネントに取付溝が設けられ、レンズは取付溝内に取り付けられ、レンズと、レンズ固定コンポーネントと、回路基板とにより囲まれるように収容キャビティが形成され、画像センサは前記収容キャビティ内にレンズに対向して設けられ、画像センサは回路基板に電気的に接続され、駆動コンポーネントは、画像センサと前記回路基板の間に位置し、画像センサがレンズの光軸に垂直な平面において第1直線及び第2直線に沿って移動するように駆動するためのものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズ、レンズ固定コンポーネント、回路基板、画像センサ及び駆動コンポーネントを含み、
前記レンズ固定コンポーネントは前記回路基板の片側に設けられ、前記レンズ固定コンポーネントに取付溝が設けられ、前記レンズは前記取付溝内に取り付けられ、
前記レンズと、前記レンズ固定コンポーネントと、前記回路基板とにより囲まれるように収容キャビティが形成され、前記画像センサは前記収容キャビティ内に前記レンズに対向して設けられ、前記画像センサは前記回路基板に電気的に接続され、
前記駆動コンポーネントは、前記画像センサと前記回路基板の間に位置し、前記画像センサが前記レンズの光軸に垂直な平面において第1直線及び第2直線に沿って移動するように駆動するためのものであり、前記第1直線と前記第2直線は互いに垂直である、カメラモジュール。
【請求項2】
前記駆動コンポーネントは少なくとも1つの第1櫛歯型静電アクチュエータ及び少なくとも1つの第2櫛歯型静電アクチュエータを含み、前記第1櫛歯型静電アクチュエータは前記画像センサが前記レンズの光軸に垂直な平面において第1直線に沿って移動するように駆動するためのものであり、前記第2櫛歯型静電アクチュエータは前記画像センサが前記レンズの光軸に垂直な平面において第2直線に沿って移動するように駆動するためのものである、請求項1に記載のカメラモジュール。
【請求項3】
前記第1櫛歯型静電アクチュエータは第1可動歯及び第1固定歯を含み、前記第2櫛歯型静電アクチュエータは第2可動歯及び第2固定歯を含み、前記第1固定歯及び前記第2固定歯は前記回路基板に接続され、前記第1可動歯及び前記第2可動歯は前記画像センサに接続され、前記第1櫛歯型静電アクチュエータに駆動電圧が印加される場合、前記第1可動歯は前記第1直線に沿って移動可能であり、前記第2櫛歯型静電アクチュエータに駆動電圧が印加される場合、前記第2可動歯は前記第2直線に沿って移動可能である、請求項2に記載のカメラモジュール。
【請求項4】
前記第1櫛歯型静電アクチュエータ及び前記第2櫛歯型静電アクチュエータの数はいずれも2つであり、2つの前記第1櫛歯型静電アクチュエータ及び2つの前記第2櫛歯型静電アクチュエータは田字状に設けられ、2つの前記第1櫛歯型静電アクチュエータは前記回路基板への正投影が中心対称であり、2つの前記第2櫛歯型静電アクチュエータは前記回路基板への正投影が中心対称である、請求項2に記載のカメラモジュール。
【請求項5】
前記駆動コンポーネントは駆動チップをさらに含み、前記駆動チップは前記回路基板に設けられ、前記駆動チップはそれぞれ前記第1櫛歯型静電アクチュエータ及び前記第2櫛歯型静電アクチュエータに接続され、前記駆動チップは前記第1櫛歯型静電アクチュエータ及び前記第2櫛歯型静電アクチュエータの動作を駆動するためのものである、請求項2に記載のカメラモジュール。
【請求項6】
前記レンズ固定コンポーネントはベース及び駆動モータを含み、前記ベースは前記回路基板の片側に固定され、前記駆動モータは前記ベースに設けられ、前記レンズは前記駆動モータに接続され、前記駆動モータは前記レンズが前記レンズの光軸上を移動するように駆動するためのものである、請求項1に記載のカメラモジュール。
【請求項7】
前記レンズと前記画像センサの間にフィルタが設けられ、前記フィルタは前記レンズの光軸に垂直である、請求項1に記載のカメラモジュール。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のカメラモジュールに応用される結像方法であって、
前記カメラモジュールによって第1フレームの画像を取得し、前記駆動コンポーネントによって画像センサが順に、前記レンズの光軸に垂直な平面において第1直線に沿って第1方向へ第1所定距離移動し、前記レンズの光軸に垂直な平面において第2直線に沿って第2方向へ第2所定距離移動し、前記レンズの光軸に垂直な平面において第1直線に沿って第3方向へ第3所定距離移動するように駆動し、それに応じて第2フレームの画像、第3フレームの画像及び第4フレームの画像を取得するステップであって、前記第3方向は前記第1方向と反対の方向であるステップと、
前記第1フレームの画像、前記第2フレームの画像、前記第3フレームの画像及び前記第4フレームの画像に基づいて、最終画像を生成するステップと、を含む、結像方法。
【請求項9】
前記第1フレームの画像はいくつかの正方形の画素単位を含み、前記第1所定距離、前記第2所定距離及び前記第3所定距離はいずれも単一画素単位の辺長の正の整数倍である、請求項8に記載の結像方法。
【請求項10】
前記第1フレームの画像、前記第2フレームの画像、前記第3フレームの画像及び前記第4フレームの画像に基づいて、最終画像を生成する前記ステップは、
前記第1フレームの画像、前記第2フレームの画像、前記第3フレームの画像及び前記第4フレームの画像中の各色のシングルチャネルデータをそれぞれ取得するステップと、
前記第1フレームの画像、前記第2フレームの画像、前記第3フレームの画像及び前記第4フレームの画像中の同じ色のシングルチャネルデータを再配列し、再配列されたいくつかの画像を得るステップと、
前記再配列されたいくつかの画像を融合し、最終画像を生成するステップと、を含む、請求項8に記載の結像方法。
【請求項11】
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のカメラモジュールを含む、電子機器。
【請求項12】
プロセッサ、メモリ及び前記メモリに記憶されて前記プロセッサにおいて実行可能なプログラム又はコマンドを含み、前記プログラム又はコマンドが前記プロセッサによって実行されると、請求項8から請求項10のいずれか1項に記載の結像方法のステップが実現される、電子機器。
【請求項13】
プログラム又はコマンドが記憶されており、前記プログラム又はコマンドがプロセッサによって実行されると、請求項8から請求項10のいずれか1項に記載の結像方法のステップが実現される、可読記憶媒体。
【請求項14】
プロセッサ及び通信インタフェースを含み、前記通信インタフェースは前記プロセッサに結合され、前記プロセッサはプログラム又はコマンドを実行し、請求項8から請求項10のいずれか1項に記載の結像方法のステップを実現するためのものである、チップ。
【請求項15】
不揮発性記憶媒体に記憶され、少なくとも1つのプロセッサによって実行されることで請求項8から請求項10のいずれか1項に記載の結像方法のステップを実現する、コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は通信の技術分野に属し、具体的には、カメラモジュール、結像方法及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、モバイル端末製品において撮影効果を向上させる解決手段としては、主に、大画素を用いることで感度を向上させるもの、及びプラットフォーム側のアルゴリズム(例えば、マルチフレームフュージョン)によって画像を処理するものが挙げられる。しかし、上記2つの解決手段はいずれも欠点があり、前者では、同じ物理的サイズにおいて、画素単位のサイズを大きくすると解像度が低下し、物理的サイズを大きくするとコストが増加し、後者では、プラットフォーム側のアルゴリズムによって画像を処理すると、画像処理の消費電力が増加したり、画像の処理完了時間が長くなったりしてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本出願の実施例は、従来技術において撮影効果を向上させる際のコスト増加、画像処理の消費電力増加、画像の処理完了時間増加という課題を解決できるカメラモジュール、結像方法及び電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記技術的課題を解決するために、本出願は、次のように実現される。
【0005】
第1側面において、本出願の実施例は、
レンズ、レンズ固定コンポーネント、回路基板、画像センサ及び駆動コンポーネントを含み、
前記レンズ固定コンポーネントは前記回路基板の片側に設けられ、前記レンズ固定コンポーネントに取付溝が設けられ、前記レンズは前記取付溝内に取り付けられ、
前記レンズと、前記レンズ固定コンポーネントと、前記回路基板とにより囲まれるように収容キャビティが形成され、前記画像センサは前記収容キャビティ内に前記レンズに対向して設けられ、前記画像センサは前記回路基板に電気的に接続され、
前記駆動コンポーネントは、前記画像センサと前記回路基板の間に位置し、前記画像センサが前記レンズの光軸に垂直な平面において第1直線及び第2直線に沿って移動するように駆動するためのものであり、前記第1直線と前記第2直線は互いに垂直である、カメラモジュールを、提供する。
【0006】
選択的に、前記駆動コンポーネントは少なくとも1つの第1櫛歯型静電アクチュエータ及び少なくとも1つの第2櫛歯型静電アクチュエータを含み、前記第1櫛歯型静電アクチュエータは前記画像センサが前記レンズの光軸に垂直な平面において第1直線に沿って移動するように駆動するためのものであり、前記第2櫛歯型静電アクチュエータは前記画像センサが前記レンズの光軸に垂直な平面において第2直線に沿って移動するように駆動するためのものである。
【0007】
選択的に、前記第1櫛歯型静電アクチュエータは第1可動歯及び第1固定歯を含み、前記第2櫛歯型静電アクチュエータは第2可動歯及び第2固定歯を含み、前記第1固定歯及び前記第2固定歯は前記回路基板に接続され、前記第1可動歯及び前記第2可動歯は前記画像センサに接続され、前記第1櫛歯型静電アクチュエータに駆動電圧が印加される場合、前記第1可動歯は前記第1直線に沿って移動可能であり、前記第2櫛歯型静電アクチュエータに駆動電圧が印加される場合、前記第2可動歯は前記第2直線に沿って移動可能である。
【0008】
選択的に、前記第1櫛歯型静電アクチュエータ及び前記第2櫛歯型静電アクチュエータの数はいずれも2つであり、2つの前記第1櫛歯型静電アクチュエータ及び2つの前記第2櫛歯型静電アクチュエータは田字状に設けられ、2つの前記第1櫛歯型静電アクチュエータは前記回路基板への正投影が中心対称であり、2つの前記第2櫛歯型静電アクチュエータは前記回路基板への正投影が中心対称である。
【0009】
選択的に、前記駆動コンポーネントは駆動チップをさらに含み、前記駆動チップは前記回路基板に設けられ、前記駆動チップはそれぞれ前記第1櫛歯型静電アクチュエータ及び前記第2櫛歯型静電アクチュエータに接続され、前記駆動チップは前記第1櫛歯型静電アクチュエータ及び前記第2櫛歯型静電アクチュエータの動作を駆動するためのものである。
【0010】
選択的に、前記レンズ固定コンポーネントはベース及び駆動モータを含み、前記ベースは前記回路基板の片側に固定され、前記駆動モータは前記ベースに設けられ、前記レンズは前記駆動モータに接続され、前記駆動モータは前記レンズが前記レンズの光軸上を移動するように駆動するためのものである。
【0011】
選択的に、前記レンズと前記画像センサの間にフィルタが設けられ、前記フィルタは前記レンズの光軸に垂直である。
【0012】
第2側面において、本出願の実施例は、第1側面に記載のカメラモジュールに応用される結像方法であって、
前記カメラモジュールによって第1フレームの画像を取得し、前記駆動コンポーネントによって画像センサが順に、前記レンズの光軸に垂直な平面において第1直線に沿って第1方向へ第1所定距離移動し、前記レンズの光軸に垂直な平面において第2直線に沿って第2方向へ第2所定距離移動し、前記レンズの光軸に垂直な平面において第1直線に沿って第3方向へ第3所定距離移動するように駆動し、それに応じて第2フレームの画像、第3フレームの画像及び第4フレームの画像を取得するステップであって、前記第3方向は前記第1方向と反対の方向であるステップと、
前記第1フレームの画像、前記第2フレームの画像、前記第3フレームの画像及び前記第4フレームの画像に基づいて、最終画像を生成するステップと、を含む、結像方法を、提供する。
【0013】
選択的に、前記第1フレームの画像はいくつかの正方形の画素単位を含み、前記第1所定距離、前記第2所定距離及び前記第3所定距離はいずれも単一画素単位の辺長の正の整数倍である。
【0014】
選択的に、前記第1フレームの画像、前記第2フレームの画像、前記第3フレームの画像及び前記第4フレームの画像に基づいて、最終画像を生成する前記ステップは、
前記第1フレームの画像、前記第2フレームの画像、前記第3フレームの画像及び前記第4フレームの画像中の各色のシングルチャネルデータをそれぞれ取得するステップと、
前記第1フレームの画像、前記第2フレームの画像、前記第3フレームの画像及び前記第4フレームの画像中の同じ色のシングルチャネルデータを再配列し、再配列されたいくつかの画像を得るステップと、
前記再配列されたいくつかの画像を融合し、最終画像を生成するステップと、を含む。
【0015】
第3側面において、本出願の実施例は、第1側面に記載のカメラモジュールを含む電子機器を、提供する。
【0016】
第4側面において、本出願の実施例は、プロセッサ、メモリ及び前記メモリに記憶されて前記プロセッサにおいて実行可能なプログラム又はコマンドを含み、前記プログラム又はコマンドが前記プロセッサによって実行されると、第2側面に記載の結像方法のステップが実現される、電子機器を、提供する。
【0017】
第5側面において、本出願の実施例は、プログラム又はコマンドが記憶されており、前記プログラム又はコマンドがプロセッサによって実行されると、第2側面に記載の結像方法のステップが実現される、可読記憶媒体を、提供する。
【0018】
第6側面において、本出願の実施例は、プロセッサ及び通信インタフェースを含み、前記通信インタフェースは前記プロセッサに結合され、前記プロセッサはプログラム又はコマンドを実行し、第2側面に記載の結像方法のステップを実現するためのものである、チップを、提供する。
【0019】
第7側面において、本出願の実施例は、不揮発性記憶媒体に記憶され、少なくとも1つのプロセッサによって実行されることで第2側面に記載の結像方法のステップを実現する、コンピュータプログラム製品を、提供する。
【発明の効果】
【0020】
本出願の実施例では、画素サイズレベルの変位を実現するように画像センサを制御することで、悪影響をもたらすことなく、例えば解像度、ダイナミックレンジ、色忠実再現性を向上させノイズを低減する等、撮影効果を効果的に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】従来技術において同じ物理的サイズで画素単位のサイズを大きくする模式図である。
【
図2】従来技術において撮影効果を向上させる処理アルゴリズムの模式的フローチャートである。
【
図3】本出願の実施例によるカメラモジュールの構造模式図である。
【
図4】本出願の実施例による櫛歯型静電アクチュエータの構造模式図である。
【
図5】本出願の実施例による櫛歯型静電アクチュエータの力分析の模式図である。
【
図6】本出願の実施例による駆動コンポーネントの配置位置の模式図である。
【
図7】本出願の実施例による結像方法の模式的フローチャートである。
【
図8】本出願の実施例による画像センサのRGB画素配列の模式図である。
【
図9】本出願の実施例によって提供される画像センサの移動による画像撮影の模式図である。
【
図10】従来技術において撮影画像を処理するフローチャートである。
【
図11】本出願の実施例による電子機器の構造模式図である。
【
図12】本出願の実施例を実現する電子機器のハードウェア構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に本出願の実施例における図面を参照しながら、本出願の実施例における技術的解決手段を明確に、完全に説明し、当然ながら、説明される実施例は本出願の実施例の一部に過ぎず、全ての実施例ではない。本出願における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を要することなく、得られた他の全ての実施例は、いずれも本出願の保護範囲に属する。
【0023】
本出願の明細書及び特許請求の範囲における用語「第1」、「第2」等は、特定の順序又は先後順序を記述するためのものではなく、類似する対象を区別するためのものである。このように使用される用語は、本出願の実施例がここで図示又は記述される以外の順序で実施できるように、適当な場合において互いに置き換えてもよいことを理解すべきであり、また、「第1」、「第2」で区別する対象は一般に一種類であり、対象の数を限定することがなく、例えば、第1対象は1つであってもよいし、複数であってもよい。また、明細書及び特許請求の範囲において「及び/又は」は、接続している対象のうちの少なくとも1つを示し、符号の「/」は、一般的には前後の関連対象が「又は」という関係にあることを示す。
【0024】
以下に図面を参照し、具体的な実施例及びその応用シーンにより本出願の実施例によるカメラモジュール、結像方法及び電子機器を詳細に説明する。
【0025】
図1は、従来技術において同じ物理的サイズで画素単位のサイズを大きくする模式図である。
図1に示すように、従来技術では、カメラの撮影効果を向上させる解決手段の1つとして、物理的サイズを変更しない前提において画素単位のサイズを大きくし、画素単位のサイズの増大によって感度を向上させることができるが、それに応じて画像センサの解像度が低下し、そして高い解像度を維持しようとすると、カメラの物理的サイズを大きくする必要があり、コストが増加すると共に、カメラの占有体積が大きくなる。
【0026】
図2は、従来技術において撮影効果を向上させる処理アルゴリズムの模式的フローチャートである。
図2に示すように、従来技術では、カメラの撮影効果を向上させる別の解決手段として、画像センサが連続した複数フレームの画像を取得した後、プラットフォーム側において効果アルゴリズム(例えば、マルチフレームフュージョンアルゴリズム)を追加することで、画像のさらなる処理によって撮影効果を向上させるが、画像処理システムの消費電力が増加すると共に、アルゴリズムの追加により画像の処理時間が長くなる。
【0027】
そこで、
図3は、本出願の実施例によるカメラモジュールの構造模式図である。
図3に示すように、本出願の1側面に係る実施例は、カメラモジュールを提供し、当該カメラモジュールは、レンズ11、レンズ固定コンポーネント12、回路基板13、画像センサ14及び駆動コンポーネント15を含んでもよく、そのうち、レンズ固定コンポーネント12は回路基板13の片側に設けられ、レンズ固定コンポーネント12に取付溝が設けられ、レンズ11は取付溝内に取り付けられ、レンズ11と、レンズ固定コンポーネント12と、回路基板13との三者により囲まれるように収容キャビティが形成され、画像センサ14は当該収容キャビティ内にレンズ11に対向して設けられ、即ち、レンズ11の光軸は画像センサ14の感光面に垂直であり、画像センサ14は、受信された光信号を電気信号に変換してから回路基板13に送信するために、さらに回路基板13に電気的に接続され、駆動コンポーネント15は画像センサ14と回路基板13の間に位置し、駆動コンポーネント15は画像センサ14がレンズ11の光軸に垂直な平面において第1直線及び第2直線に沿って移動するように駆動することができ、前記第1直線と前記第2直線は互いに垂直であり、つまり、駆動コンポーネント15は回路基板13上での画像センサ14の画素サイズレベルの変位を駆動することができ、それにより画像センサ14は撮影中に異なる位置の感光が可能となり、複数回の感光データに基づいて最終的な画像を得れば、撮影効果を効果的に向上させることができると共に、他の悪影響が発生しない。
【0028】
図4は、本出願の実施例による櫛歯型静電アクチュエータの構造模式図である。
図4に示すように、櫛歯型静電アクチュエータは固定歯41、可動歯42及び弾性ビーム43等を含み、そのうち、固定歯41は櫛状であり、可動歯42は「非」字状であり、固定歯41及び可動歯42のいずれにもいくつかの櫛歯が設けられ、固定歯41と可動歯42の櫛歯が互いにずれており、櫛歯型静電アクチュエータの固定歯41と可動歯42の間に直流駆動電圧が印加される場合、可動歯42と固定歯41の間に静電力が生じ、それにより可動歯42が駆動されて移動し、可動歯42の移動方向は
図4の矢印に示されるとおりである。説明すべきことは、本出願の実施例における櫛歯型静電アクチュエータとは、画像センサ14の高精度の変位を満たすように、微小電子機械システム(Micro Electro Mechanical System,MEMS)櫛歯型静電アクチュエータをいう点である。
【0029】
本出願の実施例では、選択的に、駆動コンポーネント15は少なくとも1つの第1櫛歯型静電アクチュエータ151及び少なくとも1つの第2櫛歯型静電アクチュエータ152を含み、第1櫛歯型静電アクチュエータ151は画像センサ14がレンズ11の光軸に垂直な平面において第1直線に沿って移動するように駆動するために用いられ得、第2櫛歯型静電アクチュエータ152は画像センサ14がレンズ11の光軸に垂直な平面において第2直線に沿って移動するように駆動するために用いられ、それによって画像センサ14は異なる方向に移動することができる。
【0030】
本出願の実施例では、選択的に、第1櫛歯型静電アクチュエータ151は第1可動歯1512及び第1固定歯1511を含み、第2櫛歯型静電アクチュエータ152は第2可動歯1522及び第2固定歯1521を含み、第1固定歯1511及び第2固定歯1521は前記回路基板13に接続され、第1可動歯1512及び第2可動歯1522は画像センサ14に接続され、選択的に、第1可動歯1512及び第2可動歯1522は接着剤によって画像センサ14に接着固定されてもよく、第1櫛歯型静電アクチュエータ151に駆動電圧が印加される場合、前記第1可動歯1512は静電力の作用により前記第1直線に移動可能であり、第2櫛歯型静電アクチュエータ152に駆動電圧が印加される場合、前記第2可動歯1522は静電力の作用により前記第2直線に移動可能である。
【0031】
図5は、本出願の実施例による櫛歯型静電アクチュエータの力分析の模式図である。
図5に示すように、固定歯41及び可動歯42に直流駆動電圧Uを印加した後、単一の櫛歯で力分析を行い、その原理は次のとおりである。
【0032】
(1)コンデンサの電位エネルギーの式による。
【0033】
【数1】
式中、Cは容量であり、Uは電圧であり、この場合、可動歯42の櫛歯と固定歯41の櫛歯の間の静電位エネルギーは下記式のとおりである。
【0034】
【0035】
(2)下記式による。
【0036】
【数3】
この場合、単一のコンデンサプレートが受ける静電力は下記式のとおりである。
【0037】
【数4】
式中、Eは電場強度であり、Uは電圧であり、dはコンデンサプレートのピッチであり、Qは荷電量であり、Fは静電力であり、Cは容量である。
【0038】
(3)電位エネルギーの変化が静電力によってなされる仕事に等しいこととして、静電力は下記式のとおりである。
【0039】
【0040】
(4)容量の式による。
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【数9】
それにより、櫛歯型静電アクチュエータに印加される直流駆動電圧の大きさを制御することで、可動歯42の変位を制御して、ミクロメートルレベルの変位を実現することができ、ナノメートルレベルの変位精度さえも可能であり、そして本出願の実施例における画像センサ14の画素単位のサイズがミクロンレベルであるため、櫛歯型静電アクチュエータは疑いなく、画素サイズレベルの変位を実現するように画像センサ14を制御することができる。
【0046】
図6は、本出願の実施例による駆動コンポーネント15の配置位置の模式図である。
図6に示すように、本出願のいくつかの実施例では、第1櫛歯型静電アクチュエータ151及び第2櫛歯型静電アクチュエータ152の数はいずれも2つであり、2つの第1櫛歯型静電アクチュエータ151及び2つの第2櫛歯型静電アクチュエータ152は田字状に設けられ、2つの第1櫛歯型静電アクチュエータ151は回路基板13への正投影が中心対称であり、2つの第2櫛歯型静電アクチュエータ152は回路基板13への正投影が中心対称である。例示的に、画像センサ14は矩形(正方形を含む)であり、この場合、2つの第1櫛歯型静電アクチュエータ151は画像センサ14の一方の対角線に沿って配置されてもよく、2つの第2櫛歯型静電アクチュエータ152は、田字状の分布がなされるように、画像センサ14のもう一方の対角線に沿って配置され、このような配置形態によって駆動コンポーネント15による画像センサ14の駆動中の安定性を向上させ、さらに結像効果を向上させることができる。当然ながら、第1櫛歯型静電アクチュエータ151及び第2櫛歯型静電アクチュエータ152の数はより多くしてもよく、その配置形態は対称関係(例えば、中心対称)にあるものであってもよい。
【0047】
引き続き
図6を参照すると、本出願の実施例では、選択的に、駆動コンポーネント15は駆動チップ17をさらに含み、駆動チップ17は回路基板13に設けられ、駆動チップ17はそれぞれ第1櫛歯型静電アクチュエータ151及び第2櫛歯型静電アクチュエータ152に接続され、駆動チップ17は第1櫛歯型静電アクチュエータ151及び第2櫛歯型静電アクチュエータ152の動作を駆動するためのものであり、つまり、駆動チップ17は第1櫛歯型静電アクチュエータ151及び第2櫛歯型静電アクチュエータ152に供給される直流駆動電圧の方向及び大きさを制御することで、画像センサ14の変位及び変位の方向を制御することができる。
【0048】
引き続き
図3を参照すると、本出願の別のいくつかの実施例では、選択的に、レンズ固定コンポーネント12はベース123及び駆動モータ122を含み、ベース123は回路基板13の片側に固定され、例えば、ベース123は円筒状であってもよく、駆動モータ122はベース123に設けられ、駆動モータ122に取付溝が設けられ、レンズ11は取付溝内に設けられて駆動モータ122に接続され、駆動モータ122は、レンズ11がレンズ11の光軸上を移動して焦点距離の調節を実現するように駆動するために用いることができる。選択的に、駆動モータ122はボイスコイルモータであってもよい。
【0049】
引き続き
図3を参照すると、本出願の実施例では、レンズ11と画像センサ14の間にさらにフィルタ16が設けられ、フィルタ16はベース123に固定されてもよく、フィルタ16は、レンズ11を通過した光をフィルタリングするように、レンズ11の光軸に垂直である。
【0050】
本出願の実施例では、画素サイズレベルの変位を実現するように画像センサ14を制御することで、悪影響をもたらすことなく、例えば解像度、ダイナミックレンジ、色忠実再現性を向上させノイズを低減する等、撮影効果を効果的に向上させることができる。
【0051】
本出願の別の側面に係る実施例は電子機器をさらに提供し、前記電子機器は上記実施例に記載のカメラモジュールを含み、上記実施例におけるカメラモジュールは、画素サイズレベルの変位を実現するように画像センサ14を制御することで、悪影響をもたらすことなく、例えば解像度、ダイナミックレンジ、色忠実再現性を向上させノイズを低減する等、撮影効果を効果的に向上させることができるため、本出願の実施例における電子機器もそれに応じて上記有益な効果を有し、説明の繰り返しを回避するために、ここで詳記しない。
【0052】
図7は、本出願の実施例による結像方法の模式的フローチャートである。
図7に示すように、本出願の実施例は、上記実施例に記載のカメラモジュールに応用される結像方法をさらに提供し、前記結像方法は以下のステップ71、72を含んでもよい。
【0053】
ステップ71で、前記カメラモジュールによって第1フレームの画像を取得し、前記駆動コンポーネントによって画像センサが順に、前記レンズの光軸に垂直な平面において第1直線に沿って第1方向へ第1所定距離移動し、前記レンズの光軸に垂直な平面において第2直線に沿って第2方向へ第2所定距離移動し、前記レンズの光軸に垂直な平面において第1直線に沿って第3方向へ第3所定距離移動するように駆動し、それに応じて第2フレームの画像、第3フレームの画像及び第4フレームの画像を取得し、前記第3方向は前記第1方向と反対の方向である。
【0054】
図8及び
図9を参照すると、
図8は本出願の実施例による画像センサのRGB画素配列の模式図であり、
図9は本出願の実施例によって提供される画像センサの移動による画像撮影の模式図である。
図8及び
図9に示すように、RGB画素がベイヤー配列の配列形態で配列される通常の場合を例とすると、当該ステップでは、まずカメラモジュールによって第1フレームの画像を取得し、次に、カメラモジュールの駆動コンポーネントによって画像センサがレンズの光軸に垂直な平面において第1直線に沿って第1方向へ第1所定距離移動するように駆動し、第2フレームの画像を取得し、さらに駆動コンポーネントによって画像センサが引き続きレンズの光軸に垂直な平面において第2直線に沿って第2方向へ第2所定距離移動するように駆動し、第3フレームの画像を取得し、続いて駆動コンポーネントによって画像センサがレンズの光軸に垂直な平面において第1直線に沿って第3方向へ第3所定距離移動するように駆動し、第4フレームの画像を取得し、ここで、第3方向は第1方向と反対の方向である。
【0055】
本出願の実施例では、選択的に、前記第1フレームの画像はいくつかの正方形の画素単位を含み、前記第1所定距離、前記第2所定距離及び前記第3所定距離はいずれも単一画素単位の辺長の正の整数倍である。
【0056】
ステップ72で、前記第1フレームの画像、前記第2フレームの画像、前記第3フレームの画像及び前記第4フレームの画像に基づいて、最終画像を生成する。
【0057】
画像センサの画素サイズの変位を駆動して4フレームの画像を得ると、この4フレームの画像に基づいて最終画像を生成することができる。選択的に、前記第1フレームの画像、前記第2フレームの画像、前記第3フレームの画像及び前記第4フレームの画像に基づいて、最終画像を生成する前記ステップは、
前記第1フレームの画像、前記第2フレームの画像、前記第3フレームの画像及び前記第4フレームの画像中の各色のシングルチャネルデータをそれぞれ取得するステップと、
前記第1フレームの画像、前記第2フレームの画像、前記第3フレームの画像及び前記第4フレームの画像中の同じ色のシングルチャネルデータを再配列し、再配列されたいくつかの画像を得るステップと、
前記再配列されたいくつかの画像を融合し、最終画像を生成するステップと、を含む。
【0058】
例示的に、上記ステップでは、まず前記第1フレームの画像、前記第2フレームの画像、前記第3フレームの画像及び前記第4フレームの画像中のRチャネルデータ、Gチャネルデータ及びBチャネルデータを取得し、次に前記第1フレームの画像、前記第2フレームの画像、前記第3フレームの画像及び前記第4フレームの画像中のRチャネルデータ、Gチャネルデータ及びBチャネルデータを再配列し、再配列されたいくつかの画像を得て、ここで、説明すべきことは、ベイヤー配列の配列形態であるため、Gチャネルデータの再配列後に2フレームの再配列された画像が得られる点であり、最後に、全ての再配列された画像を融合処理すると、最終画像を得ることができる。
【0059】
図10は、従来技術において撮影画像を処理するフローチャートである。
図10に示すように、通常の撮影において、画像を復元する際には、モザイク除去アルゴリズム(De-mosaicアルゴリズム)を用いて、差分によって1フレームのR、G、B画像を得た後、融合して最終画像を得ており、De-mosaicアルゴリズムは、デジタル補間方法によって単一チャネルにおいて取得されていない信号情報の充填を実現するものであり(例えば、Rチャネルの隣はGチャネルであり、画像センサを移動させない場合、Gチャネルがある位置に赤色Rチャネル成分情報が欠ける)、デジタル増幅に属するものであるため、最終的な結像効果は好ましくない。本出願の実施例では、画像センサを直接移動させることで各位置のシングルチャネルデータを取得しているため、解像度、ダイナミックレンジを向上させ、ノイズを低減し、色再現の忠実性を向上させることができ、したがって、撮影効果を向上させることができる。
【0060】
説明すべきことは、本出願の実施例による結像方法では、実行主体が結像装置、又は当該結像における結像方法を実行するための制御モジュールであってもよい点である。本出願の実施例では、結像モジュールが結像方法を実行する場合を例とし、本出願の実施例による結像装置を説明する。
【0061】
本出願の実施例による結像装置は、
前記カメラモジュールによって第1フレームの画像を取得し、前記駆動コンポーネントによって画像センサが順に、前記レンズの光軸に垂直な平面において第1直線に沿って第1方向へ第1所定距離移動し、前記レンズの光軸に垂直な平面において第2直線に沿って第2方向へ第2所定距離移動し、前記レンズの光軸に垂直な平面において第1直線に沿って第3方向へ第3所定距離移動するように駆動し、それに応じて第2フレームの画像、第3フレームの画像及び第4フレームの画像を取得するための取得モジュールであって、前記第3方向は前記第1方向と反対の方向である取得モジュールと、
前記第1フレームの画像、前記第2フレームの画像、前記第3フレームの画像及び前記第4フレームの画像に基づいて、最終画像を生成するための生成モジュールと、を含んでもよい。
【0062】
本出願の実施例では、画素サイズレベルの変位を実現するように画像センサを制御することで、悪影響をもたらすことなく、例えば解像度、ダイナミックレンジ、色忠実再現性を向上させノイズを低減する等、撮影効果を効果的に向上させることができる。
【0063】
本出願の実施例における結像装置は装置であってもよいし、端末における部材、集積回路又はチップであってもよい。当該装置は、携帯型の電子機器であっても非携帯型の電子機器であってもよい。例示的に、携帯型の電子機器は、携帯電話、タブレットパソコン、ノートパソコン、携帯情報端末、車載電子機器、ウェアラブルデバイス、ウルトラモバイルパーソナルコンピュータ(ultra-mobile personal computer,UMPC)、ネットブック又はパーソナルディジタルアシスタント(personal digital assistant,PDA)等であってもよく、非携帯型の電子機器は、パーソナルコンピュータ(personal computer,PC)、テレビジョン(television,TV)、現金自動預払機又はキオスク等であってもよく、本発明の実施例では具体的に限定しない。
【0064】
本発明の実施例における結像装置は、オペレーティングシステムを有する装置であってもよい。当該オペレーティングシステムは、アンドロイド(登録商標)(Android(登録商標))オペレーティングシステムであってもよく、iosオペレーティングシステムであってもよく、他の可能なオペレーティングシステムであってもよく、本発明の実施例では具体的に限定しない。
【0065】
本出願の実施例による結像装置は、
図7から
図9の方法の実施例において実現される各プロセスを実現することができ、説明の繰り返しを回避するために、ここで詳記しない。
【0066】
選択的に、
図11に示すように、本出願の実施例は電子機器1100をさらに提供し、該電子機器1100はプロセッサ1101、メモリ1102、メモリ1102に記憶されて前記プロセッサ1101において実行可能なプログラム又はコマンドを含み、該プログラム又はコマンドはプロセッサ1101によって実行されると、上記結像方法の実施例の各プロセスが実現され、同じ技術的効果を実現でき、説明の繰り返しを回避するために、ここで詳記しない。
【0067】
説明すべきことは、本出願の実施例における電子機器は上記した携帯型の電子機器及び非携帯型の電子機器を含む点である。
【0068】
図12は本出願の実施例を実現する電子機器のハードウェア構造模式図である。
【0069】
当該電子機器1200は、高周波ユニット1201、ネットワークモジュール1202、オーディオ出力ユニット1203、入力ユニット1204、センサ1205、表示ユニット1206、ユーザ入力ユニット1207、インタフェースユニット1206、メモリ1209、及びプロセッサ1210等の部材を含むが、それらに限定されない。
【0070】
当業者であれば、電子機器1200はさらに各部材に給電する電源(例えば、電池)を含んでもよく、電源は電源管理システムによってプロセッサ1210に論理的に接続し、さらに電源管理システムによって充放電の管理、及び電力消費管理等の機能を実現できることが理解可能である。
図12に示される電子機器の構造は電子機器を限定するものではなく、電子機器は図示より多く又はより少ない部材、又は一部の部材の組合せ、又は異なる部材配置を含んでもよい。
【0071】
ここで、センサ1205は、第1フレームの画像を取得し、前記駆動コンポーネントによって画像センサが順に、前記レンズの光軸に垂直な平面において第1直線に沿って第1方向へ第1所定距離移動するように駆動された後、前記レンズの光軸に垂直な平面において第2直線に沿って第2方向へ第2所定距離移動するように駆動された後、前記レンズの光軸に垂直な平面において第1直線に沿って第3方向へ第3所定距離移動するように駆動された後、それぞれ第2フレームの画像、第3フレームの画像、第4フレームの画像を対応して取得するためのものであり、前記第3方向は前記第1方向と反対の方向である。
【0072】
プロセッサ1210は、前記第1フレームの画像、前記第2フレームの画像、前記第3フレームの画像及び前記第4フレームの画像に基づいて、最終画像を生成するためのものである。
【0073】
本出願の実施例では、画素サイズレベルの変位を実現するように画像センサを制御することで、悪影響をもたらすことなく、解像度、ダイナミックレンジ、色忠実再現性を向上させノイズを低減する等、撮影効果を効果的に向上させることができる。
【0074】
選択的に、プロセッサ1210はさらに、前記第1フレームの画像、前記第2フレームの画像、前記第3フレームの画像及び前記第4フレームの画像中の各色のシングルチャネルデータをそれぞれ取得するステップと、
前記第1フレームの画像、前記第2フレームの画像、前記第3フレームの画像及び前記第4フレームの画像中の同じ色のシングルチャネルデータを再配列し、再配列されたいくつかの画像を得るステップと、
前記再配列されたいくつかの画像を融合し、最終画像を生成するステップと、に用いられる。
【0075】
本出願の実施例では、入力ユニット1204は、ビデオ獲得モード又は画像獲得モードで画像獲得装置(例えば、カメラ)によって得られた静的画像又はビデオの画像データを処理するグラフィックスプロセッシングユニット(Graphics Processing Unit,GPU)12041と、マイクロホン12042とを含んでもよいことを理解すべきである。表示ユニット1206は表示パネル12061を含んでもよく、表示パネル12061は液晶ディスプレイ、有機発光ダイオード等の形式で配置してもよい。ユーザ入力ユニット12507はタッチパネル12071及び他の入力デバイス12072を含む。タッチパネル12071はタッチスクリーンとも呼ばれる。タッチパネル12071は、タッチ検出装置及びタッチコントローラという2つの部分を含んでもよい。他の入力デバイス12072は、物理キーボード、機能ボタン(例えば、音量制御ボタン、スイッチボタン等)、トラックボール、マウス、操作レバーを含んでもよいが、これらに限定されず、ここで詳細な説明を省略する。メモリ1209は、アプリケーションプログラム及びオペレーティングシステムを含むがそれらに限定されないソフトウェアプログラム及び様々なデータを記憶するために用いることができる。プロセッサ1210に、オペレーティングシステム、ユーザインタフェース及びアプリケーション等を主に処理するアプリケーションプロセッサと、無線通信を主に処理するモデムプロセッサとを統合することができる。上記モデムプロセッサはプロセッサ1210に統合されなくてもよいことが理解可能である。
【0076】
本出願の実施例は可読記憶媒体をさらに提供し、前記可読記憶媒体にプログラム又はコマンドが記憶されており、当該プログラム又はコマンドはプロセッサによって実行されると、上記結像方法の実施例の各プロセスが実現され、同じ技術的効果を達成でき、説明の繰り返しを回避するため、ここで詳記しない。
【0077】
ここで、前記プロセッサは上記実施例に記載の電子機器におけるプロセッサである。前記可読記憶媒体は、コンピュータ読み取り専用メモリメモリ(Read-Only Memory,ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory,RAM)、磁気ディスク又は光ディスク等のようなコンピュータ可読記憶媒体を含む。
【0078】
本出願の実施例はチップをさらに提供し、前記チップはプロセッサ及び通信インタフェースを含み、前記通信インタフェースは前記プロセッサに結合され、前記プロセッサはプログラム又はコマンドを実行し、上記結像方法の実施例の各プロセスを実施するためのものであり、同じ技術的効果を達成でき、説明の繰り返しを回避するため、ここで詳記しない。
【0079】
本出願の実施例に記載のチップは、システムレベルチップ、システムチップ、チップシステム又はシステムオンチップ等と呼んでもよいことを理解すべきである。
【0080】
本出願の実施例はコンピュータプログラム製品をさらに提供し、前記コンピュータプログラム製品は不揮発性記憶媒体に記憶され、少なくとも1つのプロセッサによって実行されることで上記結像方法の実施例の各プロセスを実施するものであり、同じ技術的効果を達成でき、説明の繰り返しを回避するため、ここで詳記しない。
【0081】
説明すべきことは、本明細書において、用語「含む」、「からなる」又はその他のあらゆる変形は、非排他的包含を含むように意図され、それにより一連の要素を含むプロセス、方法、物品又は装置は、それらの要素のみならず、明示されていない他の要素、又はこのようなプロセス、方法、物品又は装置に固有の要素をも含む点である。特に断らない限り、語句「1つの……を含む」により限定される要素は、該要素を含むプロセス、方法、物品又は装置に別の同じ要素がさらに存在することを排除するものではない。また、指摘すべきことは、本出願の実施形態における方法及び装置の範囲は、図示又は検討された順序で機能を実行することに限定されず、係る機能に応じて実質的に同時に又は逆の順序で機能を実行することも含み得る点であり、例えば、説明されたものと異なる順番で、説明された方法を実行してもよく、さらに各種のステップを追加、省略、又は組み合わせてもよい。また、何らかの例を参照して説明した特徴は他の例において組み合わせられてもよい。
【0082】
以上の実施形態に対する説明によって、当業者であれば上記実施例の方法がソフトウェアと必要な共通ハードウェアプラットフォームとの組合せという形態で実現できることを明確に理解可能であり、当然ながら、ハードウェアによって実現してもよいが、多くの場合において前者はより好適な実施形態である。このような見解をもとに、本発明の技術的解決手段は実質的に又は従来技術に寄与する部分はソフトウェア製品の形で実施することができ、当該コンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体(例えばROM/RAM、磁気ディスク、光ディスク)に記憶され、端末(携帯電話、コンピュータ、サーバ、エアコン、又はネットワーク機器等であってもよい)に本出願の各実施例に記載の方法を実行させる複数のコマンドを含む。
【0083】
以上において図面を参照して本出願の実施例を説明したが、本出願は上記した具体的な実施例形態に限定されるものではなく、上記した具体的な実施形態は例示的なものに過ぎず、限定するものではなく、当業者であれば、本出願の示唆により、本出願の主旨及び特許請求の範囲を逸脱することなく、様々な形態が可能となり、それらはいずれも本出願の保護範囲に含まれるものとする。
【0084】
〔関連出願の相互参照〕
本出願は2020年11月30日に中国で出願された中国特許出願No.202011378465.2の優先権を主張し、その全ての内容が参照によって本出願に組み込まれる。
【手続補正書】
【提出日】2023-05-19
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズ、レンズ固定コンポーネント、回路基板、画像センサ及び駆動コンポーネントを含み、
前記レンズ固定コンポーネントは前記回路基板の片側に設けられ、前記レンズ固定コンポーネントに取付溝が設けられ、前記レンズは前記取付溝内に取り付けられ、
前記レンズと、前記レンズ固定コンポーネントと、前記回路基板とにより囲まれるように収容キャビティが形成され、前記画像センサは前記収容キャビティ内に前記レンズに対向して設けられ、前記画像センサは前記回路基板に電気的に接続され、
前記駆動コンポーネントは、前記画像センサと前記回路基板の間に位置し、前記画像センサが前記レンズの光軸に垂直な平面において第1直線及び第2直線に沿って移動するように駆動するためのものであり、前記第1直線と前記第2直線は互いに垂直である、カメラモジュール。
【請求項2】
前記駆動コンポーネントは少なくとも1つの第1櫛歯型静電アクチュエータ及び少なくとも1つの第2櫛歯型静電アクチュエータを含み、前記第1櫛歯型静電アクチュエータは前記画像センサが前記レンズの光軸に垂直な平面において第1直線に沿って移動するように駆動するためのものであり、前記第2櫛歯型静電アクチュエータは前記画像センサが前記レンズの光軸に垂直な平面において第2直線に沿って移動するように駆動するためのものである、請求項1に記載のカメラモジュール。
【請求項3】
前記第1櫛歯型静電アクチュエータは第1可動歯及び第1固定歯を含み、前記第2櫛歯型静電アクチュエータは第2可動歯及び第2固定歯を含み、前記第1固定歯及び前記第2固定歯は前記回路基板に接続され、前記第1可動歯及び前記第2可動歯は前記画像センサに接続され、前記第1櫛歯型静電アクチュエータに駆動電圧が印加される場合、前記第1可動歯は前記第1直線に沿って移動可能であり、前記第2櫛歯型静電アクチュエータに駆動電圧が印加される場合、前記第2可動歯は前記第2直線に沿って移動可能である、請求項2に記載のカメラモジュール。
【請求項4】
前記第1櫛歯型静電アクチュエータ及び前記第2櫛歯型静電アクチュエータの数はいずれも2つであり、2つの前記第1櫛歯型静電アクチュエータ及び2つの前記第2櫛歯型静電アクチュエータは田字状に設けられ、2つの前記第1櫛歯型静電アクチュエータは前記回路基板への正投影が中心対称であり、2つの前記第2櫛歯型静電アクチュエータは前記回路基板への正投影が中心対称である、請求項2に記載のカメラモジュール。
【請求項5】
前記駆動コンポーネントは駆動チップをさらに含み、前記駆動チップは前記回路基板に設けられ、前記駆動チップはそれぞれ前記第1櫛歯型静電アクチュエータ及び前記第2櫛歯型静電アクチュエータに接続され、前記駆動チップは前記第1櫛歯型静電アクチュエータ及び前記第2櫛歯型静電アクチュエータの動作を駆動するためのものである、請求項2に記載のカメラモジュール。
【請求項6】
前記レンズ固定コンポーネントはベース及び駆動モータを含み、前記ベースは前記回路基板の片側に固定され、前記駆動モータは前記ベースに設けられ、前記レンズは前記駆動モータに接続され、前記駆動モータは前記レンズが前記レンズの光軸上を移動するように駆動するためのものである、請求項1に記載のカメラモジュール。
【請求項7】
前記レンズと前記画像センサの間にフィルタが設けられ、前記フィルタは前記レンズの光軸に垂直である、請求項1に記載のカメラモジュール。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のカメラモジュールに応用される結像方法であって、
前記カメラモジュールによって第1フレームの画像を取得し、前記駆動コンポーネントによって画像センサが順に、前記レンズの光軸に垂直な平面において第1直線に沿って第1方向へ第1所定距離移動し、前記レンズの光軸に垂直な平面において第2直線に沿って第2方向へ第2所定距離移動し、前記レンズの光軸に垂直な平面において第1直線に沿って第3方向へ第3所定距離移動するように駆動し、それに応じて第2フレームの画像、第3フレームの画像及び第4フレームの画像を取得するステップであって、前記第3方向は前記第1方向と反対の方向であるステップと、
前記第1フレームの画像、前記第2フレームの画像、前記第3フレームの画像及び前記第4フレームの画像に基づいて、最終画像を生成するステップと、を含む、結像方法。
【請求項9】
前記第1フレームの画像はいくつかの正方形の画素単位を含み、前記第1所定距離、前記第2所定距離及び前記第3所定距離はいずれも単一画素単位の辺長の正の整数倍である、請求項8に記載の結像方法。
【請求項10】
前記第1フレームの画像、前記第2フレームの画像、前記第3フレームの画像及び前記第4フレームの画像に基づいて、最終画像を生成する前記ステップは、
前記第1フレームの画像、前記第2フレームの画像、前記第3フレームの画像及び前記第4フレームの画像中の各色のシングルチャネルデータをそれぞれ取得するステップと、
前記第1フレームの画像、前記第2フレームの画像、前記第3フレームの画像及び前記第4フレームの画像中の同じ色のシングルチャネルデータを再配列し、再配列されたいくつかの画像を得るステップと、
前記再配列されたいくつかの画像を融合し、最終画像を生成するステップと、を含む、請求項8に記載の結像方法。
【請求項11】
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のカメラモジュールを含む、電子機器。
【請求項12】
プロセッサ、メモリ及び前記メモリに記憶されて前記プロセッサにおいて実行可能なプログラム又はコマンドを含み、前記プログラム又はコマンドが前記プロセッサによって実行されると、請求項8から請求項10のいずれか1項に記載の結像方法のステップが実現される、電子機器。
【請求項13】
プログラム又はコマンドが記憶されており、前記プログラム又はコマンドがプロセッサによって実行されると、請求項8から請求項10のいずれか1項に記載の結像方法のステップが実現される、可読記憶媒体。
【請求項14】
プロセッサ及び通信インタフェースを含み、前記通信インタフェースは前記プロセッサに結合され、前記プロセッサはプログラム又はコマンドを実行し、請求項8から請求項10のいずれか1項に記載の結像方法のステップを実現するためのものである、チップ。
【国際調査報告】